2012年11月28日

海賊戦隊ゴーカイジャー妄想物語その7


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そうして、ザンギャック軍による地球攻撃開始から3ヶ月が経とうとしていました。開戦後1週間でザンギャック地球侵略軍の司令部は壊滅しましたが、その後は司令部不在のまま、ザンギャック本星からの指示に従い、残存したザンギャック全軍による攻撃は継続しています。
といっても現地軍はスゴーミンやゴーミンばかりで、指示を出している本星の総指令部は遠く離れているので現地の細かな状況は把握出来ておらず、やっていることは当初の方針通りのシンプルな力押しです。空爆を重ねて地球側の戦力が消耗して大規模な地上軍投入が可能になったら一気に全軍降下して占領するという基本戦術をなぞるだけでした。
これは地球側の抵抗が大したものではないという前提で立てられていた初期プランのままなので、あまり適切な戦術ではないのですが、ザンギャック本星の総司令部は現地から詳細な報告を得ていないのでそのあたりはよく分かっておらず、このシンプルな力押しですぐに地球は陥落すると思っていました。
だが、スーパー戦隊を中心とした地球側の抵抗は激しく、ザンギャック側の予定通りには戦いは進みませんでした。1ヶ月以上経っても地球が落とせないので本星の総本部でも不審に思い始め、やはり新たな司令官を送った方が良いのではないかという意見も出ましたが、現地軍はメンツもあるのか処罰を恐れてなのか、もう少しで成果が出るから待って欲しいと主張し、実際今さら新たな司令官が現地に行って、既に戦い続けているあれほどの大軍を統率するのも難しく、逆に混乱を招く恐れもあり、このまま力押しを続けた方が多少時間はかかっても無難であろうという意見が勝り、総司令官のワルズ・ギルもそれに賛成したので、現状維持のままズルズルと時間が過ぎていくこととなりました。

一方、地球側の防衛軍の方はザンギャック軍の司令部を潰したことによって敵が撤退してくれることを期待しましたが、その期待は叶わず、攻撃が続いたことに落胆しました。しかし諦めるわけにもいかないので、残った敵軍を撃退すべく防衛戦を続けていくしかありません。もともと敵司令部を都合よく早々に潰せる可能性は低いと思っていましたから、それが出来ただけ上出来であり、本来の予定通りに地道に敵攻撃軍を削っていく戦い方をするだけのことでした。
そうして戦っていくうちに、ザンギャック軍の様子が当初とは微妙に違うことに海城たちは気付きました。あまりに戦い方がワンパターンで画一的、それゆえ逆にチグハグで効果的に軍を動かせていないのです。これは司令部がまともに機能しておらず、各軍がマニュアル通りに動いているだけのようだと察した海城は、敵軍は司令部が潰れた後、司令部の補充をしておらず、司令部不在のまま当初の基本戦術の力押しで戦っているに過ぎないと理解しました。その結果、当初予想していた戦いの見通しよりも、ややマシな見通しは立てられそうだと、海城は一筋の光明を見出し、早々に敵司令部を潰したのは無駄ではなかったと確信しました。
ただ、そうは言ってもその時点でザンギャック軍の残存勢力は全軍の8割ほどが残っていたので、数的には絶対的劣勢であるという事実は変わらない。当初は1ヶ月で被害甚大で無力化されると予想していた全地球の通常軍が2ヶ月は持ち堪えたに過ぎませんでした。そして通常軍が無力化された後は奮戦したスーパー戦隊も1ヶ月で敵の艦隊に対抗する戦力を喪失して地上軍の大侵攻を許してしまうだろうと海城は予想していましたが、敵軍がまともに機能していないため、通常軍無力化から1ヶ月経った2011年12月現在、まだスーパー戦隊は敵軍を食い止めることは出来ていました。
それでも戦況が優勢になったわけではない。ただ単に敗戦へのテンポが当初の予想よりも遅くなっているだけのことで、敵軍にも予想以上の損害をこれまで与えることは出来ましたが、地球側が蒙った損害も同様に大きく、まだ当初の5割ほどは残って全世界に展開して攻撃してくる敵軍に対して数的に極めて劣勢であることは間違いない。このままではあと1ヶ月も経たないうちにスーパー戦隊もその戦力を消耗して敵の艦隊を食い止められなくなり制空権を完全喪失し、そうなれば敵は大規模な地上侵攻を開始し、もはやザンギャックの地球占領を食い止めることは出来なくなるでしょう。

このまままともに戦っていけばそうなる。だから海城としては残り1ヶ月の間に、それも出来るだけ早いうちに大逆転の秘策を打つ必要があります。策としては、全世界に分散して攻撃してくるザンギャック軍を1ヵ所におびき寄せて、そこにスーパー戦隊の全戦力を集中して叩くというのがベストですが、そうした形に持っていくための仕掛けがまだまだ整っていません。
海城が考えていたのは司令部不在のザンギャック軍の指揮命令系統の混乱に付け込んで偽情報で全軍を1ヵ所に誘い出す方法でしたが、そのためにはザンギャック軍の暗号システムを解明する必要があり、それについては撃墜、捕獲したザンギャック艦を調査したり、捕えたザンギャック兵を調べたりして、そこから得た情報をI.N.E.T.の分析にかけて、この3ヶ月の間にだいぶ解明することが出来ました。
ただそれでもまだもう少し情報が足りない。それに、暗号システムが完全に解読出来て、こちらが偽情報をザンギャック軍に回せたとしても、完全な偽情報はすぐにバレてしまいますから、それは真実に基づいた偽の指令でなければならず、しかも全軍を偽指令が露見しない間に至急動かすだけの重要な事項でなければならない。ザンギャック軍においてそれが何であるのか海城にはまだ想像もつきませんでした。暗号が解読出来ればそのあたりも判明してくるだろうが、もしかしたらそんな都合の良い事項は無い可能性もある。ただ、それがきっと見つかると信じて、今は時間との勝負で急いで暗号の解読を進めるしかない。

また、この策のもう1つの問題点は、敵軍をおびき出す地点にどうやって敵に察知されないように全スーパー戦隊を集結させて待ち伏せ態勢をとらせるのかということでした。ザンギャックの全軍をもし1ヵ所におびき出すことが出来たとしても、その前はザンギャックの各軍は全世界に散って攻撃してきているのであり、全スーパー戦隊はそのザンギャック軍と世界各地で応戦中のはずです。そうでなければ不自然すぎて逆に敵に罠を警戒される。しかし、ならばどうやって世界中の戦場からおびき出し地点にスーパー戦隊が先回りしてザンギャック軍を待ち伏せするのかが問題です。
最初から姿を隠していれば敵も怪しむであろうから待ち伏せ作戦が不発となる危険もあります。だからザンギャック軍と応戦していたスーパー戦隊がザンギャック軍に気付かれないように移動して待ち伏せ地点に先回りしないといけない。これについては海城には現時点で名案はありませんが、1つだけアテが無いこともない。
スーパー戦隊の巨大戦力は全て超スピードでの移動が可能で、中には超常現象としか思えないような移動を可能とするものもあります。だが、それにしても全てこの世界の因果律の中での現象ですから、全ての戦隊の戦力を全く敵に察知されないまま自在に動かすことまでは出来ない。それを可能とするものがあるとすれば、それはこの世界の因果律の外にある存在となります。海城がアテがあるというのはそうした存在であり、それは云わば異世界の神々の力と言っていい。
ですが、これをアテにするのは現時点ではあまりに不確実なので、とりあえずは普通の方法で対応するしかありませんでした。その決戦地点に近い戦隊から順々に駆けつけて1ヵ所に固まった敵軍を攻撃し、先に到着した戦隊が持ち堪えている間に他の遠くから来る戦隊が合流して参戦していくしかない。そんな方法で敵の大軍を殲滅出来るのか未知数ですが、それでも敵が1ヵ所に固まってくれていた方が全世界に散らばっているよりも殲滅できる可能性は高いのであり、そうしたチャンスを作れた以上は攻撃するしかない。
そもそも、もし異世界の神々の力を使って1ヵ所に集めた敵軍を全スーパー戦隊が包囲して一斉攻撃出来たとしても、それすら現状では最もマシな作戦というだけのことで、それでもザンギャックの圧倒的軍勢の前では決して勝利の可能性が高いわけではないのです。それだけ敵軍の数は圧倒的なのであり、たとえ1ヵ所におびき出して全スーパー戦隊で一斉攻撃しても勝てるかどうか分からないのですから、ならば一斉攻撃できないからといって、さほど状況が大きく変わるわけではない。どちらにしても、その最後の決戦に賭けるしかないのです。
ならば海城は負ける覚悟で戦うつもりなのかというと、確かに勝利の可能性は低いが、負けるつもりはありません。最後の最後、敵軍を1ヵ所におびき出してのこの決戦でも勝てなかった時には、その場で本当の最後の手段、全く未知の巨大な力、すなわち「大いなる力」を使うしかないと覚悟を固めていたのです。

さて、その頃、ザンギャック軍の空爆ですっかり荒廃してしまった新宿で、あの16歳の高校1年生の伊狩鎧は、住民が組織した自警団の一員として働いていました。
山梨の疎開先から姉夫婦を迎えに行くために自宅のある新宿に向かっていた鎧は、あの3ヶ月前のザンギャックとの開戦の日、ザンギャック艦の空爆で火の海となった新宿を遠目に見て、家族の身を案じつつ、とにかく今は自分の出来ることをやろうと思い、歩き続けて2日後に新宿に辿り着きました。自宅のあたりは焼け野原となっており、家族はおろか近所の人たちの姿も見当たらない。仕方なく鎧はこの春に高校入学を機にバイトし始めていた新宿駅そばのスナック「ゴン」に向かいました。
すると、「ゴン」は無事でしたが当然休業しており、店が無事ならばマスターの江戸川は無事なのだろうと思った鎧は、家族の消息を聞くために江戸川を探しました。「ゴン」のマスターの江戸川権八は30年以上も前から新宿駅のそばで店を開いており、鎧の父親も若い頃、「ゴン」でバイトをしていたという。その後、料理人になって結婚した鎧の父親は江戸川の紹介の店で働いていたが、鎧が生まれた後、流しの料理人として全国を放浪するようになり、4年前に東京に戻ってきた時、江戸川に紹介してもらった新宿の物件を買って自分の自宅兼店舗としたのです。
つまり鎧の父親は江戸川にひとかどならぬ世話になっていたわけで、現在に至るまで伊狩家と江戸川とは親しく付き合っていました。その縁で鎧も高校入学後、「ゴン」でバイトをするようになっており、今年81歳になるという高齢でありながらやたらと元気な江戸川に厳しく、時には優しく指導を受けて、こき使われていましたが、7月にザンギャック騒動のせいで山梨に疎開することになり、バイトも休んでいました。
その江戸川ならば自分の家族がどうなったのか知っているだろうと思ったので鎧は店の周囲にいた人たちに「ゴン」のマスターは何処に行ったのか尋ねて、そして遂に江戸川と再会しました。もともとこのあたり一帯の顔的な存在であった江戸川は避難民たちの世話役のようになって忙しそうに立ち働いており、鎧の顔を見ると、どうして東京に居るのかと驚きました。そして鎧が自分の家族の消息を質問すると、江戸川は心苦しそうに開戦初日、すなわち2日前に新宿がザンギャック艦隊の最初の攻撃で大被害を受け、多くの人々が亡くなった時に鎧の家族が全員亡くなったと告げました。
やはりあの日は新宿でも最初のザンギャック艦隊が殲滅されたのを見て戦いが終わったと安心して多くの人々がシェルターを出て自宅に戻ったところで空爆を受けて多くの人が亡くなったようです。鎧の家族もそうした被害者に含まれていたようで、江戸川は被災後すぐに伊狩家のある場所に駆けつけて、そこで伊狩家の鎧を除く家族全員の遺骸を確認し、既に昨日手厚く葬ったところだと鎧に伝えました。

鎧は大きなショックを受けて嘆き悲しみ、江戸川は残念だが家族がもう居ない以上、空爆の標的になりやすくて危険な東京を早く出て、学校の人達のいる山梨に戻って心と身体を休めるように鎧に言いました。しかし鎧は涙を流しながら、幼い甥っ子に渡そうと思って持って来ていた「星の伝説」の絵本を握りしめて、自分はここで自分の出来ることをして、被災した人達を助けたいと言いました。
江戸川は鎧はまだ子供なのだからそんな危ないことをする必要は無いと言い、家族を殺されてムキになっているのなら止めたほうがいいと忠告しました。だが鎧は自分と同じように家族や親しい人が殺されても踏ん張っている人達がここに大勢いる以上、自分もここで自分の出来ることをしなければ自分の明日を変えることは出来ないと言い、だいたい子供ならばダメだというのならどうして剛が手伝いをしているのかと江戸川に食い下がりました。
剛というのは江戸川の孫で、12歳の少年でした。もともと江戸川は息子夫婦と一緒にゴンを切り盛りしていたそうだが、鎧が東京に引っ越してくる少し前に息子が事故で亡くなったらしく、4年前に12歳の鎧がゴンに初めて行った時には、江戸川と一緒に店にいたのは亡き息子の妻とその3人の息子で、そのうちの一番下の弟が8歳の剛でした。その後、鎧はときどき親と一緒にゴンに顔を出すにつれて、外に遊びに行っていることの多い上の2人の兄よりもこのいつも店にいることの多かった4歳年下の剛と親しくなっていき、今年から鎧がゴンでバイトするようになると鎧は剛を弟のように可愛がるようになっていました。
だが7月にザンギャック騒動が起きて、鎧が山梨に疎開する直前に、江戸川は剛たち3兄弟を母親と共に母の千葉の実家に避難させていたはずです。ところが今はどういうわけか、末っ子の剛だけが江戸川の傍にいて、街の他の大人たちや若者たちに混じって江戸川の仕事の手伝いをしているのを見て、鎧は江戸川が子供だからといって自分にここから立ち去れと言うのはおかしいと主張したのでした。江戸川はこれには困ってしまい、それでもダメだと言いましたが、鎧がなおもしつこく食い下がるので結局はその熱意に負けてしまい、剛と同じように常に自分の傍にいて決して無茶をしないという約束で鎧に新宿に残って自分の手伝いをすることを許可したのでした。

この江戸川権八という老人は、鎧も剛も知らないことですが、実は元イーグルの日本ブロック、関東支部総司令官であり、かつて初代戦隊ゴレンジャーの創設者だった男です。1975年に黒十字軍によるイーグル関東支部襲撃の際に戦死した分隊長は海城剛の兄であり、この江戸川の直属の部下でした。その後、江戸川は関東支部の秘密工作員だった海城をアカレンジャーに抜擢し、同じく黒十字軍によって壊滅させられたイーグル各支部の生き残りを集めて、秘密戦隊ゴレンジャーを結成しました。
秘密部隊であるゴレンジャーの基地であるゴレンジャールームは江戸川が経営する新宿駅そばのスナック「ゴン」の地下に隠されており、江戸川は「ゴン」のマスターという世を忍ぶ仮の姿でゴレンジャーを率いていました。そして1977年にゴレンジャーと黒十字軍の戦いが終わってから後も「ゴン」を拠点としてゴレンジャーの活動は継続し、江戸川もイーグル関東支部総司令官として、また「ゴン」のマスターとしてもゴレンジャーの活動を支え続けましたが、十数年後に江戸川が定年で退官すると、ゴレンジャーはその拠点を別の場所に移し、江戸川は「ゴン」のマスターとして余生を送ることにしたのでした。
そうして江戸川自身はイーグルの活動とは縁を切った悠々自適の生活を送るようになったのですが、「ゴン」とイーグルの関係は途切れたわけではありませんでした。江戸川の息子がイーグルの関東支部の秘密工作員となっていたので、息子は普段は「ゴン」で父の手伝いをして働きながら地下のゴレンジャールームだった場所を工作活動の拠点として使うようになりました。

そこで江戸川の息子とコンビを組んでいたイーグルの同僚の秘密工作員が実は伊狩鎧の父親でした。鎧の父親が若い頃「ゴン」で働いていたというのも、工作活動のカモフラージュであり、実際は「ゴン」の地下の元ゴレンジャールームの施設を使って江戸川の息子と共に活動していたのでした。
鎧の父や江戸川の息子は海城よりも10歳ほど年下であったので黒十字軍との戦いの頃はイーグルの工作員ではなく、ゴレンジャーの存在も知りませんでした。しかしその後、イーグルに入り秘密工作員となった後はゴレンジャーの活動のサポートもしていたので海城たちとも親しくしており、特に同じ関東支部出身の海城はこの2人を可愛がっており、江戸川の息子は自分の末の息子が生まれた時、海城と同じ「剛」という名をつけさせてもらったぐらいでした。
また、この2人は若い頃はゴレンジャーの活動を手伝うことが多かったため、スーパー戦隊への理解が深く好意を持っており、だから鎧の父親は幼い鎧に「星の伝説」の絵本を買い与えたのであり、鎧がスーパー戦隊に関する物を欲しがればそれに応えて気前よく買い与えていたのです。また鎧のために父親が作ったトレーニングメニューが優れたものであったのも、父親が本職は戦闘訓練も受けた秘密工作員であった以上、当然のことなのでした。
だが、別に鎧の父親は鎧をイーグルの工作員にしようとか、ましてやスーパー戦隊の戦士にしようなどと考えていたわけではない。ただ単に息子が自分で選んだ生き方に親として出来る形での手助けをしていただけのことであり、自分がイーグルの工作員であることも、ゴレンジャーやスーパー戦隊を知っていることも極秘事項ですから、子供たちには教えてはいませんでした。それは江戸川の息子にしても同じで、自分が本当はイーグルの工作員であることを息子の剛には教えていませんでした。
また、鎧の父親が家族を連れて流しの料理人として全国を放浪したのも、各地で任務をこなすためであったのでした。江戸川もスナックのマスターであったように、イーグルでは極秘任務のための世を忍ぶ仮の姿として料理関係がチョイスされることが多く、全国にイーグルが裏で経営している秘密の店のネットワークがあり、鎧の父親は子供たちには内緒でそれらの店を渡り歩いて各地で任務をこなしていたのでした。
ただ、江戸川の作るカレーが絶品だと評判であるのと同じように、イーグルの秘密工作員の料理の腕は見せかけではなく本当に一流でした。これは世を忍ぶ仮の姿もまた真に迫ったものでなければいけないというイーグルのモットーで、料理人になりすます工作員は料理の腕も徹底的に鍛えられていました。そういうわけで鎧の父親は本当に一流の料理人でもあり、4年前から新宿で開いている自分の店は、工作員の正体を隠すための隠れ蓑ではなく、あくまで本業としてのものでした。

実は4年前に鎧の父親は秘密工作員を引退し、イーグルを退官して、本職の料理人として人生を再スタートしていたのでした。それで長らく続いた放浪生活に終止符を打ち、東京に戻ってきたのです。その際、既にイーグルを引退していた江戸川が鎧の父親が店を購入する手助けをしたのも、鎧の父親の長年のイーグルへの貢献に謝意を表するという意味合いもあったのでした。
さて、なぜ鎧の父親はまだ50歳にもなっていない段階でイーグルを辞めたのかというと、実は4年前のある極秘任務で、共に任務遂行にあたっていた江戸川の息子が殉職してしまったからでした。それで責任を感じた鎧の父親は自分はもう年をとって工作員として限界だと感じて、退官を願い出たのです。
鎧の父親は江戸川に合わす顔が無いと詫びましたが、江戸川は逆に鎧の父親に長年の貢献を感謝し、新宿で店の物件も紹介してくれて、鎧の父親は江戸川の厚意に報いるために人生を再スタートして料理人として頑張っていたというわけです。そして鎧は新宿で暮らすようになってから父と共に「ゴン」を訪れるようになり、遂には今年からバイトまでするようになったが、もはや4年前から「ゴン」はイーグルの秘密基地の機能は失われて単なる、やけに元気な老人がマスターを務めるカレーの美味しい何の変哲もないスナックとなっており、鎧も単なる学生バイトとして勤めていただけでした。

一方、江戸川の孫息子たちも父がイーグルの秘密工作員とは知らなかったので父の死の真相は知らされず、父は突然の交通事故で亡くなったと教えられ、暫くは深く悲しんでいましたが4年も経った今はすっかり立ち直り、上の2人の兄たちは普通の大学生となっており、今年ザンギャック騒動が起きた後、母と共に母の実家のある千葉に避難し、1人だけ年齢の離れた小学校6年の弟の剛も当然それについていくこととなりました。
年老いた江戸川も一緒に千葉に行くよう勧められましたが、江戸川は老い先短い自分は多少の危険は省みず、海城たちもザンギャックに立ち向かって戦うのならば、かつて彼らと共にこの世界を守って戦った自分も、老いたりとはいえこの新宿界隈の人々を守るために最後に何か出来ることがあるだろうと思い、一人残って店を開いていました。
そしてバイトの鎧も山梨に疎開し、いよいよ店に1人っきりになった江戸川のもとに突然、末の孫の剛が戻ってきて江戸川と一緒にいると言ったので江戸川は驚いて千葉に戻るよう言いましたが、剛は年老いた祖父を1人で残すのは心配なので一緒にここに残ると言い、あまりに剛が強情なので母親も新宿に戻ることを許してしまったと聞き、江戸川も最終的にはつい一緒に居ることを剛に許してしまいました。
江戸川は表面的には明るく気丈に振る舞っていましたが、実際は4年前に息子を失ったことを今でも相当悲しく寂しく思っており、店に1人で残ると一層寂しさが骨身に沁みていました。だから、息子の面影のある剛が傍にいてくれると言ってくれて内心嬉しく、それゆえ剛に甘い顔をして一緒に居ることを許してしまったのでした。

そうして剛と2人で暮らし始めてすぐにザンギャック軍の最初の接近警報があり、急いで剛と共にシェルターに避難し、敵艦隊が殲滅された後もそのシェルターはどうも嫌な予感がした江戸川の指示で誰も自宅へ戻らず、その後にあった空爆で犠牲者は出ませんでした。そして別のシェルターに籠っていた伊狩家の人々はどうなったのか心配になり、伊狩家に行った江戸川は伊狩家の人々が空爆に遭って全員死んでしまったということを知り、また深い悲しみに襲われました。
江戸川は息子の同僚で長い付き合いの鎧の父親のことも息子同然に可愛がっており、2人目の息子を失ったような悲しみと寂しさを覚えたのでした。それゆえ、江戸川は実の息子と、実の息子のように想っていた部下のそれぞれの子である剛と鎧をその失った2人の分身のように思い、絶対に失いたくないと思ったので危険から遠ざけたいと思いつつ、同時に内心では身近にいてほしいと思ってしまい、結局は新宿で被災者の世話をする仕事の手伝いをしてもらうことにしました。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 23:17 | Comment(2) | 海賊戦隊ゴーカイジャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月20日

海賊戦隊ゴーカイジャー妄想物語その6


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ザンギャックという巨大な宇宙帝国が地球に攻撃を仕掛けてくる可能性が高いということが2ヶ月ほど前に広報され、地球の人々は動揺していました。そのザンギャックを迎え撃つために世界中の軍隊や諸機関が準備を整えているという話も都市部では連日報道されており、戦火から逃れるための避難施設は未だ十分に整備されているとはいえないから、依然急ピッチで建設が進められているという報道も住民たちは耳にタコが出来るほど聞いていました。その一方で、今回ザンギャックが侵攻してきたら、スーパー戦隊が集まって地球を守るために戦うという話が急に持ちあがってきたのでした。
地球の人々はスーパー戦隊というものが存在することはもともと認識しています。当然、1975年に最初の戦隊であるゴレンジャーが活動していた頃から、ゴレンジャーという戦隊が黒十字軍と戦っていることを知っている人はいました。ゴレンジャーはその名の通り秘密戦隊であり、公式にはそのような戦隊は存在していないという扱いになっていましたが、それは戦いの中でメンバーや関係者、組織そのものの安全を確保するための措置であり、実際に活動している以上、存在していること自体は間違いない。ただ正体が何処の誰であるのか、どういう組織に属しているのかなどが全く謎であったに過ぎない。世界中のどの公的機関に問い合わせても、自分達はそのような戦隊の存在は関知していないと回答したので、公式には存在しない戦隊という扱いであったわけです。
そういう不確かな存在であったので、ゴレンジャーの戦いの噂を聞いても、実際に自分の目で見なければその噂を信じない人も多く、仮にゴレンジャーの戦っている姿がテレビカメラなどで撮影されたとしても、ゴレンジャー本人のコメントなどを撮影できるわけではないので、インチキや悪戯、トリックの類ではないかと疑う人も多くいました。つまりゴレンジャーは世間的にはその実在は確実視されてはいたものの、正体はよく分からない謎の戦隊でした。
ただ、実際に事件に巻き込まれてゴレンジャーと接触した人も多く存在し、そうした人達にとってはゴレンジャーは確かに存在するものと認識されていました。また、国連関係者はもちろん一部公的機関の間では、ゴレンジャーが国連所属の秘密組織イーグル機関の特殊部隊であることは知られていましたが、ゴレンジャーのメンバーの正体まで知っている者はイーグルの中でも一部の者達だけでした。

そのように世間では謎の戦隊という扱いであったゴレンジャーですが、彼らが悪の組織である黒十字軍と戦う正義のヒーローであることは世間の人々は認識していましたから、ゴレンジャーの活動期間、世間ではその正体は謎のままゴレンジャー人気というものは存在し、ゴレンジャーグッズなどというものも売り出されていました。
しかし、1977年の春あたり以降、ゴレンジャーの活動が世間で認識されなくなっていくと、ゴレンジャー人気は下火となっていき、世間の人々はもうゴレンジャーはいなくなってしまったのだろうと思うようになっていきました。
代わって1977年春以降は犯罪組織クライムと戦う謎の戦隊であるジャッカー電撃隊の活動が世間で知られるようになっていき、ジャッカー人気が高まっていき、そして1978年になってジャッカーの活動が見られなくなっていくと、世間のジャッカー人気も消え去っていき、ジャッカー電撃隊もいなくなったと世間の人々に思われました。
その後も同様に、別の謎の戦隊が現れて悪の組織と戦いを繰り広げるようになると、世間ではその戦隊のちょっとしたブームが起き、その戦隊の活動が終わると、世間の人々はその戦隊のことはもういなくなったものと見なして忘れていきました。

世間の人々がそれぞれの戦隊について知っている内容の程度は、各戦隊ごとに異なっており、戦隊の使用する巨大ロボや巨大メカ、等身大戦闘時に使う武器や変身後の姿形などは大抵の戦隊は広く世間に知られていましたが、変身前の素顔は基本的に秘密にしている戦隊が多く、戦士の素顔や名前などは世間では知らない人が大部分でした。ただ、それでも長く戦っているうちに素顔を見られることや、本名が知られたりすることもあり、そのあたり世間に認識されている度合いが各戦隊で異なっていたのでした。
各戦隊ごとに細かい差異はありますが、極めて大雑把に言えば、世間で一般に知られていたのは各戦隊の変身後の姿や装備類、戦いの大まかな歴史であり、変身前の素顔や名前などの情報は未確認の怪しげな情報が一部で出回っていた程度といえます。ただ、世の中にはUFOマニアや心霊現象マニアなどが存在するのと同様に、戦隊マニアというべき人種も少数派ながら存在し、それら戦隊関連の未確認情報を収集してまとめて、ああでもないこうでもないと語り合うような連中もいました。
そうした戦隊マニアにおいても一般人においても、毎年のように現れる様々な戦隊が何らかの関連性を持っているのではないかという見方は存在していました。だが、個々の戦隊同士の間で繋がりがあるような様子も見受けられなかったので、やはり個々の戦隊はあくまで別々の存在なのではないかという見方も多く、要するにそのあたりは不明なままでした。実際、各戦隊の間に、例えば背後に共通の組織があるというような明確な繋がりは存在してはいませんでしたので、後者の見方が正解であったといえます。

ただ、各戦隊のメンバー自身も自分達と同じような戦隊が自分達の前にも後にも他に存在しているということは認識していましたし、それらの存在は「この星の意思」にも「大いなる力」を持っているという意味で自分達と同類であるかのように示唆されていたので、彼らは自然に自分達の他の戦隊にも興味を持つようになり、戦隊マニアの間で流布されていたような未確認情報なども使って、あるいは偶然他の戦隊と共闘することもあったりして、次第に戦隊同士の連絡をとるようになっていき、遂には2001年にゴレンジャーからタイムレンジャーまでの24戦隊のレッド戦士が集まって、25番目の戦隊ガオレンジャーと共闘し、「スーパー戦隊」と名乗ることになりました。
この時、25戦隊のロボやメカが市街地で勢揃いしたのを街の人々は目撃しており、人々は遠い過去に姿を消したゴレンジャーなどの伝説的な戦隊が未だ実在し活動していたことを知って驚き、25の戦隊が「スーパー戦隊」という1つの繋がりを持った集団であることを初めて明確に認識しました。
しかし、それはたった1日の出来事であり、さほど多くの人々に目撃されたわけではない。その後は25戦隊が集まって戦うというようなこともなく、タイムレンジャー以前の24戦隊が1つとして姿を現すことすらありませんでした。だから、直接その光景を目にした人達以外は本当にそんな出来事があったのか疑う者もあり、25の戦隊による「スーパー戦隊」というものも、2001年以降、年を重ねるごとに次第に不確かな伝説のような扱いとなっていったのでした。

2001年以降も悪の組織と戦う戦隊の存在はいくつも確認されており、それらもその25の「スーパー戦隊」と関連があるのかもしれないという見方は存在していましたが、確証があるわけでもなく、彼らが「スーパー戦隊」と共闘したという目撃例もありませんでした。2006年にはボウケンジャーと4戦隊が共闘するという事件が起きていますが、戦いは人目につかない場所で行われたので人々は目撃せず、そもそもこの4戦隊はいわゆる25の「スーパー戦隊」ではありませんでした。
だから結局、2011年時点での世間の人々の認識としては、「スーパー戦隊」とはゴレンジャーからガオレンジャーの25戦隊のことを指し、この25戦隊は今や実在しているかどうか定かではない伝説的存在となっていました。
また、ガオレンジャー以降も、マジレンジャー、ゴーオンジャー、シンケンジャーという3つの戦隊の存在は確実に確認されており、一部ではアバレンジャー、ボウケンジャー、ゲキレンジャーという戦隊も存在するとも言われ、これらの戦隊もまた「スーパー戦隊」と関係があるのではないかとも噂されてはいましたが、何せ「スーパー戦隊」そのものが半ば伝説的存在であるので、噂はあくまで噂という状態でした。
また、誰もが知っている宇宙警察のスペシャルポリスであるデカレンジャーも、この「スーパー戦隊」に関係すると噂の一連の戦隊のうちの1つに数えられるという説もあり、そのあたりもマニアの間では議論の分かれるところでありました。
ちなみにハリケンジャーとゴセイジャーに関しては、双方とも戦いを目撃した人の記憶を消す方針であったので、この2戦隊の存在は人々に認識されてはいませんでした。ただ、黒子ロボットを使って記憶を消すハリケンジャーの方は天装術を使うゴセイジャーに比べて記憶消去が徹底していなかったので、「ジャカンジャという悪の組織が存在し、それと戦う正義の戦隊が存在していた」ということぐらいは結局世間に認識されていました。

世間の人々のスーパー戦隊に関する認識がそういう感じであったところに、2011年8月、突如、想定されるザンギャックとの戦いにおいてはスーパー戦隊も参加するということが告知され、人々は驚きました。今や古い都市伝説のような存在となった伝説の25のスーパー戦隊はやはり実在していたのかという驚きに加え、その参戦するというスーパー戦隊の発表されたリストを見ると、その戦隊数が25ではなく30となっていたことにも人々は驚かされました。
そのリストによると、2001年のスーパー戦隊の出現時に「スーパー戦隊」として認識されていた25戦隊に加えて、2002年以降に人々がその存在を認識していた戦隊であるマジレンジャー、存在が噂されていた戦隊であるアバレンジャー、ボウケンジャーもそこには含まれており、宇宙警察のデカレンジャーもそこに名を連ね、更には初めてその名を目にするハリケンジャーという戦隊もリストにはありました。なお、近年人々が存在を認識していた戦隊であるゴーオンジャーやシンケンジャー、存在が噂されていたゲキレンジャーなどはそこには名を連ねていませんでした。
そして、このリストにおいては、世界中の各機関と共同で戦う関係上、それぞれの戦隊が所属している組織や機関の名も添えられていました。中には何の組織にも属していない戦隊もありましたから、そういう戦隊については特に明記はありませんでしたが、例えば国連のもとにイーグルという秘密組織が存在しておりゴレンジャーがそのイーグル所属であることや、ジャッカー電撃隊が国際科学特捜隊所属であることなどは、これまでにも噂はされていたことでしたが、初めて広く公式に認められました。
他にサンバルカンが地球平和守備隊所属、チェンジマンが地球守備隊所属、オーレンジャーが国際空軍所属であることも公式に認められ、このリストにはゴレンジャーの海城、ジャッカー電撃隊の番場、サンバルカンの飛羽、チェンジマンの剣、オーレンジャーの星野などの名が責任者として明記されていました。
そして以前から秘かに噂されていたサージェス財団による危険な秘宝プレシャスを確保し世界平和のために封印するという事業も初めて公式に認められ、その実行部隊がボウケンジャーであることも公表され、今回の戦いに際してプレシャスを使用する全権責任者としてチーフの明石の個人データも公開されました。

これらの具体的情報を告知されても、それでも人々は驚くばかりでした。子供の頃や若い頃に都市伝説のように噂され憧れたことのあるような伝説的なスーパー戦隊が実在しており、結集してザンギャックと戦うと言われても、敵であるザンギャックの姿もまだ見ていないのもあり、それが現実的な出来事としてピンとこなかったのでした。
しかし、そうして人々が唖然としているうちに9月となり、ザンギャック軍の接近が警告され、世界中の人々は戦火に巻き込まれないよう最寄りのシェルターなどに避難するよう指示されました。結局ザンギャック軍来襲までにシェルターは全人類を収容できるほどの量はもとより、全ての都市生活者を収容するほどの量も用意できなかったので、比較的被害が軽微であろうと予測される田舎の方に避難できる都市生活者は既に避難しており、都市に残っているのは都市生活を支えるために必要な人々とその家族ぐらいでした。
その残った人々だけでも建造済みのシェルターに全員入りきるにはやや苦しい状況でしたが、なんとか寿司詰め状態で無理に全員入り、息を潜めていると上空に遂にザンギャック艦隊が現れました。その艦数のあまりの多さに人々は驚き、大きな恐怖を覚えましたが、次の瞬間、迎撃準備を完全に整えていた地球上の全ての軍事力が一斉に解き放たれ、その全破壊力を上空に出現したザンギャック艦隊に浴びせ、あっという間にザンギャック艦隊は1隻残らず殲滅されたのでした。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 21:38 | Comment(0) | 海賊戦隊ゴーカイジャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月14日

特命戦隊ゴーバスターズ第二章途中

さて「特命戦隊ゴーバスターズ」も第2章に入りました。
ギャバン篇の2篇は別物として、Mission33から第2章に入ったとすると、
現在、第2章のエピソードは6つ消化したことになります。
12月に入ると例年のことですがクリスマス決戦に向けて怒涛の展開となっていき、
クライマックスに向けての物語が動き出します。
「ゴーバスターズ」の場合、どうやらクライマックスに向けてのお話が動き出すのが
次々回のMission40であるようですから、第2章の通常エピソードはもう残り僅かといえます。

そこでここまでの第2章を振り返ってみますと、
前のゴーバスターズ考察記事でスパイアクションを追求するつもりではないかなどと
予想していたのは見事に外れ、メサイアカード篇というやつが始まりました。
いや、メサイアカードというやつが登場するというのは一応事前に知ってはいたのですが、
てっきりこのカードの争奪戦でもするのかと思っていました。

ところがメサイアカードはメタロイドを生み出すカードで、
各所にバラ撒かれたメサイアカードによって勝手に生み出されたメタロイドが暴れ出し、
ゴーバスターズが出動してこのメタロイドを倒すという展開となりました。
このメタロイドを倒した際にメサイアカードを回収でもするのかと思いきや、
メタロイドが倒されるとカードは砕け散り、ゴーバスターズは結局カードをゲットしたりはしません。
そもそも何のためにこのカードがあるのかというと、
メサイアの完璧な復活のために人間のデータを集めるためだそうで、
それじゃあカードを破壊したら万事解決かと思いきや、
カードから生み出された怪人の集めたデータはちゃっかりエンターはゲットしているようです。
このあたり非常に分かりにくい描写なのですが、どうやらそういうことみたいです。

データ集めのためにカードを使うという仕組みになっているのですが、
別にカードなんか使わずにエンターが自分でデータ集めればいいようにも思えます。
何せエンターというキャラは未だにほぼ定義不明の何でもアリのキャラなので、
何でもやらせることは出来るのですから。
ただ第1章でもエンターは自力でメタロイドを生み出したりしており、
アレと同じことをやらせると第1章と同じことの繰り返しになってしまうので、
パターンの違いを表すためにメサイアカードというアイテムを使うことにしたのでしょう。

パターンというのはつまり、第1章でエンターがスキャンしたカードで
無機物にデータ注入してメタロイドを生み出していたのと同じことをやってしまうと、
エネトロンを異常に消費してしまうことになります。
エネトロンの消費が激しいと、またヴァグラス側は大量のエネトロンを
必要とするようになってしまい、どうしてもエネトロンタンクを襲わねばならなくなります。
そういうエネトロンを巡る攻防の作劇から脱却するために第1章を終わらせ、
OPテーマまで変えたわけですから、今さらまたエネトロン攻防戦をしても仕方ないのです。

だからヴァグラスにも省エネをお願いしないといけないわけで、
エネトロンを異常消費しないで済む方法でメタロイドやメガゾードを
生み出したり召喚したりしてもらわないといけません。
だから第1章と同じようなことをエンターがやっていてはマズいわけで、
そのためにメサイアカードという便利アイテムが導入されたのでしょう。

ただ、メサイアカードを使えばメタロイドが省エネで生み出されるのは一応は分かるのですが、
メガゾードに関しては何だかよく分かりません。
やっぱり大量のエネトロンが無いとダメな気もするのです。
そもそもメガゾードを格納していた亜空間の基地はMission30で壊滅したはずで、
いったい何処からどうやってメガゾードが転送されてくるのかもよく分かりません。

だいたいメガゾードはメタロイドがマーカーになって転送されてくるはずのものなのですが、
Mission35ではメタロイド無しでいきなりメガゾードが転送されてきたり、
Mission38では転送の誤差が3qという設定も無視して
ピンポイントでメガゾードが何体も転送されてきたりして、
劇中でリュウジや陣がそれにツッコミを入れて特にその後その件にフォローもありませんでした。
まぁそこらへんは今後に向けての何かの伏線なのかもしれませんが、
全体的にはメガゾードというものに関する設定は第2章に入って
かなりいい加減になってきているような印象を受けます。

もともと、「メガゾードが亜空間から転送されてくる」という設定は
「ヴァグラスがエネトロンを奪いにやって来る」という設定と表裏一体となった
この作品の根幹設定であり、その片方がテコ入れによって消されてしまった結果、
もう片方のメガゾード転送設定の方も揺らいでいるのかと思います。
だからメガゾードの転送にエネトロンが大量に必要では無かったり、やっぱり多めに消費したり、
第2章に入ってからそのあたりの描写が毎回あやふやになったのも、まぁ仕方ないのかと思います。

これでとばっちりを食ったのは、第1章ではエネトロン異常消費反応をキャッチして
報告するという仕事で給料をもらっていたオペレーターの森下であり、
仕事が無くなってしまい、Mission36では自虐発言まで飛び出す始末となってしまいました。

というか、エネトロン異常消費反応がキャッチ出来なくなったら
ゴーバスターズも困るだろうと思うのですが、
そこはライオーアタッシュという便利な道具の登場で
エネトロン異常消費を伴わないメサイアカードによるメタロイド出現も感知できるようになり、
水木一郎アニキの声でメタロイド出現は自動的に教えてくれるので、
森下はそれを追認するという一見誰でも出来そうな仕事で給料を引き続き貰えることになりました。

このライオーアタッシュは戦隊シリーズ恒例の物語後半に登場する大型火器の類なのですが、
このメタロイド反応感知機能は果たして玩具企画段階の最初から付与されていたものかどうか、
よく分かりません。
もともとアニキの声でいろいろ叫ばせる予定であったところに、
テコ入れ決定で物語後半のメタロイド登場設定が変わったので、
それに合わせてアニキのセリフのバリエーションに
メタロイド反応感知ボイスも追加したのかもしれません。

というか、そもそも水木一郎の声が
このライオーアタッシュから響いてくるという設定自体、
本当に当初の予定通りだったのか怪しいものです。
それだけ、「ゴーバスターズ」という作品の当初の世界観と
水木一郎の声のキャラとの乖離は激しすぎます。
このアニキの声付きの新兵器というものも、
当初とはノリの違う第2章への切り替えと連動したアイテムなのでしょう。

このように省エネ設定でメタロイドやメガゾードを生み出して
エンターは人間のデータを集めるわけですが、
最初、Mission33では人間そのものをデータ化してメタロイドの中に取り込むという、
かなりエグいことをやっていました。
これは亜空間でデータ化されてメサイアに取り込まれたヒロムの親たちを連想させる悲劇であり、
これに対してヒロム達が敢然と立ち向かい、
それがゴーバスターズのパワーアップと連動するという、ちょっと燃える話になっていました。

ただパワーアップとの連動といっても、
このピンチに対応してパワーアップを図るという黄金パターンではなく、
パワーアップの準備は既に出来ていたところに、
その必須要素であるニックがドジを踏んでデータ化されてメタロイドに吸い込まれてしまい、
それをヒロムが救い出すことで初めてパワーアップに成功するという流れであり、
ニックのドジが無ければ成立しない話なのであり、
ニックのドジが無ければあっさりパワーアップしていたようにも思えます。
そもそも何のためのパワーアップなのかもイマイチ明確でなく、
パワーアップしなければ倒せない相手であったのかどうかも描写的に曖昧だったので、
そんなこんなでイマイチ燃えませんでした。

どうしてまたよりによってこんなに燃えないパターンにしたのかというと、
このエピソードの核心はヒロム達に「元に戻す」というセリフを
言わせたかったということだからでしょう。
データ化されたニックを元に戻す、取り戻すことでパワーアップが完成するというのが、
ゴーバスターズ的には彼らのテーマと合致していて美しいのです。

だが、私はここに非常に言い訳臭さを感じて、あまり燃えられませんでした。
「元に戻す」というのは序盤に提示されたヒロム達3人の戦う意味、
ゴーバスターズの持つテーマそのものと言ってもいいものでした。
それは「13年前の約束」と言い換えてもいい。
ところが当初からこのテーマは物語の中で消化不良に陥り、
ほとんど状況に進展は無いまま、唐突にMission29で浮上してきて
Mission30でこの約束は果たされずに放棄されてしまいました。
もちろん完全な挫折で終わったという形ではなく、
色々と「これで良かったんだ」というような粉飾はして綺麗に収めてはいましたが、
「元に戻す」というテーマは有言不実行に終わってしまったのは間違いない。

結局は「13年前の約束」というものを物語の中で持て余してしまったのが真相なのでしょう。
それで「13年前の約束」は挫折という形で一旦終わらせて、
新たなゴーバスターズの物語を始めて仕切り直しをしたわけです。
だが、「元に戻す」という当初の戦う意味を無くしたゴーバスターズはいったい何のために戦うのか、
そもそも「元に戻す」ことに失敗したことに対してどう考えているのか、
そのあたりが不明確なままではあまりにも収まりが悪いということなのでしょう。

それで、この第2章冒頭のMission33で、
亜空間でデータ化された挙句救えなかった自分の親たちと、
目の前でデータ化されてメタロイドに吸い込まれた人達とを重ね合せて、
親たちは救えなかったけど人々は元に戻して救う、
いや、親たちを救えなかった悲しみを知っているからこそ、
目の前の人々を絶対に元に戻して救い出してみせる、
そういう新たな戦う意義をヒロム達に与えたエピソードだったのでしょう。

だが、それは「元に戻す」という行為の対象を親たちから人々にすり替えただけのように見える。
いや、「自分が辛い経験をしたからこそ辛い目にあっている人々を見捨てることが出来ない」という
類型のヒーロー像というのはよくあります。
ゴーカイジャーも仮面ライダーオーズこと火野映司などもそういうヒーローでしょう。
ただ彼らの場合は最初からそうした暗い過去を背負ったキャラとして造形されているので、
細かな演技でその憂いが積み重ねられており、
そうしたヒーローのテーマが表面化した時に説得力はありました。

しかしゴーバスターズの場合、もともとは「元に戻す」という前向きなキャラであったはずなので、
暗い過去を背負った憂いあるキャラとしては造形されていませんでした。
それが唐突に挫折して、いきなり「親たちは元に戻せなかったけど、
その辛さを知っているので人々は元に戻す」と言われても、
確かに言ってることに筋は通っているが、
彼らのあまりに唐突な気持ちの切り替えに視聴者は付いていけず、深い感動は呼ばない。
もっとじっくりと序盤から彼らの憂いを見せておいてくれないと、
彼らの辛い気持ちに同化することは出来ない。

最初は「元に戻す」と張り切っていた彼らが何度も元に戻そうと試みて何度も挫折していき、
次第に憂いが深くなっていく様子でも描写されていれば感情移入は出来たのでしょうが、
第1章では「元に戻す」と言いながら結局は親たちを元に戻す努力らしい努力は描写されず、
唐突に挫折しただけでした。
それで「元に戻せない辛さは誰よりも知っている」と言われても、
確かにヒロム達はそれをよく知っているのかもしれないが、
まさにそれはヒロム達だけが知っているのであり、視聴者は知らない。
だから「誰よりも辛さを知っている」というヒロムのセリフは
隣にいるリュウジやヨーコには響いても、視聴者には響かない。

それゆえ、感情移入出来ない分、
単に戦う意義が無くなったヒロム達に新たな戦いの意義を与えるために
制作サイドが「元に戻す」の意味を上手くすり替えたんだなという、
変な裏側の事情が透けて見えてしまう。

また、仮にヒロムのこのセリフに感情移入できたとしても、
この新たな戦う意義は別に新鮮な印象は無い。
この「自分と同じ辛い想いを他の人達にはさせない」というのは、
そもそも極めてありきたりのヒーロー像であり、
最初からそういうありきたりのヒーローとしてヒロム達が描かれていればそれは
そういうものとして楽しめるのですが、
ゴーバスターズの場合は最初に「センターの人達を元に戻す」という
他のヒーローとは明確に差別化されたヒーロー像を提示していたので、
そっちの鮮烈な印象が強く、それが今になって凡百のヒーロー像になっても、
それは後退のようにしか見えない。

それに、この「自分と同じ辛い想いを他の人達にはさせない」というテーマは
既にゴーバスターズにおいてもMission10で提示されており、
あの時点では「元に戻す」という当初のヒーロー像とのブレのように感じられました。
それが今になってまた出てきたという印象でしかありません。

ヒロムは当初は「センターの人達を元に戻すためなら無茶をする」と言っていたのに、
Mission10では「自分と同じ辛い想いを他の人達にはさせない」と言いました。
それはヒロムの成長だと見る向きもあるでしょう。
しかしヒロムはMission29で亜空間の親からの通信が入ると亜空間に突入しました。
確かにあれは親を救いに行ったというよりは
世界を救うために行ったという意味合いが強かったのかもしれない。
最終的に親を捨てて世界を救ったヒロムの決断を見ても、そういうことだったのだと思う。
だからヒロムはやはりゴーバスターズとして戦いながら成長してきたのだと思います。

だが、その心情描写はかなり不足しています。
だから深く考えずにその行動を見ると揺れてブレているように見えてしまう。
そして成長の過程が緻密に描かれていなかったので、
最初面白いことを言っていたヤツが唐突に平凡なことを言うヤツに
なってしまったように見えてしまう。
また言うことがコロッと変わって、しかもなんだか平凡なことを言っている。
もちろんヒロム達の発言はヒーローとして何ら間違ってはいないのですが、
キャラとしては魅力不足となってしまいます。

だからメタロイドに人間のデータ化というエグいことをさせて
第2章の冒頭でヒロム達の新たなヒーロー像をぶち上げようとしたのでしょうけれど、
それは空回りの印象がありました。

それでも、同様の描写を積み重ねればそのヒーロー像は浸透していきます。
だが、この作品は第2章の冒頭で象徴的に新たなヒーロー像を示すという程度の
意図しかなかったようで、その後のエピソードでは
メタロイドは人間のデータ化などというエグいことはやらなくなってしまいました。
その後やったことといえば、陣にアスレチックをやらせたり、単に暴れたり、
結婚式を襲ったり、プロレスをしたりという、要するに何でもアリです。

これらのどの行為の中でもデータは採ることが出来るようで、
そうなると人間のデータを取るというのはおそらく終盤の展開への伏線なのでしょうが、
現時点の第2章はその「人間のデータを取る」というノルマを消化しつつ、
普通の戦隊と同じバラエティーに富んだエピソードをやることが目的だったということになります。

いや、結局はこの第2章に入ってからの「ゴーバスターズ」は全く普通の戦隊と同じになっており、
エネトロンや13年前の約束はもちろん、スパイ要素も無くなり、
メサイアカードや人間のデータ収集さえ作劇の中ではあまり意味は無い状態です。
現時点の「ゴーバスターズ」で真に目指されていることは、
ごく普通の戦隊のエピソードをこなしながら、ひたすら玩具の販促をすることなのです。

第2章の冒頭のMission33でいきなりパワードカスタムという強化パーツが登場しましたが、
あれは玩具発売時期よりもかなり早い劇中登場であり、
しかもパワードカスタムの音声はMission35で登場した水木一郎演じる葉月サブロー博士の声で、
その回で登場したタテガミライオーやライオーアタッシュの音声と共通です。
音声が同じならパワードカスタムも葉月博士の作品と考えるのが自然ですが、
劇中ではそうではなくパワードカスタムは特命部で開発したものとなっていました。
これは不自然であり、玩具発売時期も合わせて考えると、
もともとはパワードカスタムはタテガミライオーなどよりも後の登場の予定だったものを
前倒しして劇中に早めに登場させたのだろうと思われます。

どうしてそんなことをしたのかというと、
劇中で何度も使って前宣伝を重点的に行い、
たくさんパワードカスタムの玩具を売りたいからでしょう。
つまりパワードカスタムは「ゴーバスターズ」の後半玩具の中で非常に期待されている玩具なので、
劇中登場時期を前倒ししてでも宣伝攻勢をかけたいのです。

どうしてライオーでなくてパワードカスタムがイチオシなのかというと、
この「ゴーバスターズ」という作品はエース以外のロボ玩具の売上が
期待出来ないという状況に陥ってしまっており、
まだ変身アイテム玩具のバリエーションであるパワードカスタムの方が
ライオーよりは売れそうだと期待できるからなのでしょう。

いや、実際「ゴーバスターズ」の玩具売上は良くないです。
先日バンダイの決算が出て、予想以上に玩具売上がヤバいことが分かりました。

この作品は当初から「ロボ戦重視」を謳っており、
実際、かなり気合の入ったロボ戦のシーンを作ってきました。
だから当然ロボ玩具が好調に売れていないといけないはずなのですが、
実際は当初130億の見込みを立てていた玩具売上が、
ここにきて年間売上見込みを95億まで大幅下方修正する羽目になってしまっています。
それどころか95億という見込みもかなり甘い見通しと思われ、
結果的にはもっと低くなり、90億を下回る可能性も大アリでしょう。

この作品、視聴率が当初からやたら低かったのでそっちばかり目立っていましたが、
実は玩具売上も同じぐらい深刻であったのです。
確かにシリーズ歴代最低平均視聴率がほぼ確実となっている視聴率の方もヤバいですが、
視聴率は基本的にこのご時世では全体的に右肩下がりですから、
まぁ低くてもそんなに気にはならない。
しかし玩具売上は去年ゴーカイジャーで21世紀最高の売上を記録したばかりですから、
やはりこの急激な凋落は大きなショックです。

玩具売上の不振の方が制作側では大問題として受け止められていたのでしょう。
バンダイ決算発表前まではテコ入れは視聴率回復のためだと思っていたのですが、
どうやら実際は玩具売上があまりに不振であったので、
販促面でのテコ入れという要素が強かったようです。

100億が成否のボーダーラインといわれる戦隊玩具において、
既に見込みで95億と設定されているということは、
暗にスポンサーのバンダイはゴーバスターズを玩具面では失敗した作品と
位置づけていると思われますが、
せめてその95億は達成しなければ東映側のメンツは立ちませんので、
ここはまずはクリスマス商戦期までは後半戦ずっと玩具販促を強化していくしかありません。

そういうわけで後半玩具の販促開始時期に合わせて
ドラマの余計な設定を排除してシンプルな普通の戦隊のエピソードの中で
新玩具の販促を徹底的にやるというのが、
この作品の第2章という名のテコ入れの実相であったようです。

その中で特に後半玩具で一番売れ行きが期待できるパワードカスタムは
劇中の登場を前倒しし、第2章の冒頭からずっと使うようにしたのでしょう。
その後に登場したライオーやアタッシュやキングなどが単なる典型的玩具販促であったのに比べ、
パワードカスタムは一応「元に戻す」というテーマに絡めた燃える展開の中で登場したというのも、
やはり最も重視されているアイテムだからなのでしょう。

実際、第2章に入ってから物語自体は大した展開は見せておらず、
登場人物の魅力や話の面白味が増したわけでもない。
やっていることは強化武装や新ロボ、新合体のお披露目の連続であり、完全に販促強化期間です。
これがテコ入れで果たすべき絶対的ノルマなのでしょう。

このシンプルな戦隊エピソードの中で愚直に玩具販促をやっていくのに際して
邪魔な要素として第2章開始前に排除されたのが
エネトロン関連と、13年前の約束関連なのだと思われます。
これらの要素は確かにゴーバスターズの分かりやすいヒーロー性を損ねてしまっていました。
だから、それらを排除してゴーバスターズというヒーローを
玩具購買層の子供たちに改めてアピールしたかったのでしょう。
また、パワードカスタムが当初からそういうコンセプトだったのかどうかよく分からないが、
バディロイドがデータ変換されて出来上がるものであるということになって、
当初は等身大戦ではお荷物でしかなかったバディロイド達の存在意義も増しました。

ならば、これで販促は成功するかというと、そう簡単ではないでしょう。
玩具そのものは並の出来であり、水木一郎の声はオタク的にはネタになるが、
玩具購買層の子供たちに大して訴えかけるものではないでしょう。
せめて水木アニキの強みを最大限に活かして
全アイテムの音声をゼンダライオンのごとく歌唱形式にすれば子供にもウケたかもしれないが、
作風とのギャップが大きすぎてそこまで思いきることも出来なかったのでしょう。

そうなると、やはり「ゴーバスターズ」という作品の魅力を上げることで
玩具売上を伸ばしていくしかないのだが、
むしろテコ入れの結果、設定がいい加減になってしまった部分が多く、
クオリティは下がってしまったように見えます。
その分を例えばスパイ要素のような新たな要素で埋め合わせするという方向性も無く、
普通の戦隊エピソードをこなしているだけですから、あまりパッとしません。

そもそも、この「ゴーバスターズ」という作品が
当初から視聴率も玩具売上も不振であったのは、何だかよく分からない話だからです。
そこが現在に至るも全く改善されていないので、人気が無くなるのは当然であり、
これから人気が回復するということもありません。

まずゴーバスターズというヒーローが何者なのか、子供にはよく分からない。
スパイモチーフというがスパイには見えない。
シンプルに「悪い奴らをやっつける正義の戦士」ならば分かりやすいのですが、
エネルギー管理局やら、エネトロンやら、ワクチンプログラムやら、
このドラマを見ていても子供にはさっぱり意味が分からない。
いや、実は大人の私でもここらへんは結局よく分からない。
まぁ子供よりはそれら個々の要素の定義自体は理解できるが、
それでも、どうしてゴーバスターズというヒーローにそれらの要素が付随する必要があるのか、
さっぱり意味が分からない。
つまり、ゴーバスターズがどういった性格をもったヒーローなのか、さっぱり見えてこない。

それに敵のヴァグラス側もよく分からない。
そもそもエンターやエスケイプとは何なのかよく分かりません。
「アバター」だそうですが、そもそも「アバター」という概念を
子供が理解できるのか不明です。

そのよく分からないアバターというヤツが、
エネトロンを奪いに来たり、人間のデータを集めたりするのですが、
子供たちにはどうしてアバターがそんなことをするのか意味が分かりません。
エネトロンが何なのかまず分かりませんし、
それがエネルギーだといっても、エネルギーの概念もよく分からず、
エネルギーがどうしてヴァグラスに必要なのか、その仕組みがまだ子供には分かりません。
また、メサイアの復活に人間のデータが必要だという理屈も、
私にも実はよく分からないのですから、子供にはいっそう分かりません。
そんな意味の分からないことのために戦っている姿を見せられても燃えるわけがありません。

別にベタな王道話だけ作っていればいいとか、奇をてらった話を否定しているつもりはない。
例えば「タイムレンジャー」などは子供には到底理解できないような高度なSF設定や
複雑な縦軸のストーリーが盛り込まれていましたが、
それでも毎回のバトルは「悪い犯罪者を未来の警察官がやっつける」という
子供に分かりやすい形で提示していました。
やはり子供がメイン視聴者なのですから、「なんで戦うのか」という部分は
最低でも子供に分かりやすいものでなければ、子供たちは視聴してくれなくなります。
その基本の部分を変に難しくしてしまったのがこの作品の失敗といえるでしょう。

しかもそのよく分からない「アバター」というやつが途中からゴーバスターズの側にも加わり、
その相棒みたいなもう1人の戦士Jは人間でもなくバディロイド、つまりロボットで、
ゴツいロボットが変身してスッキリした外見の戦士になるという奇妙なヤツです。
しかもこのJはおよそヒーローらしからぬ身勝手で頭の悪そうな言動を連発し、
他のメンバーとまともな会話すら成立しません。

そんな追加のビートバスターとスタッグバスターが登場して以降、視聴率は絶望的に低くなり、
その後、新ライダー開始に合わせて一旦ニチアサに新規で入ってきた視聴者が
しばらく様子見して一時期視聴率は上がったが、
そのお試し期間も終わって再び元の低水準に戻ってしまいました。

現在もこの敵味方ともによく分からない連中で、
その連中がよく分からない理由で戦っているという状態は続いており、
そこの部分を改善しない今のようなテコ入れでは視聴率の上昇は望めないでしょう。
そして、こんな状況になってもなおその部分で改善の手が打たれていないということは、
おそらく最初から敵味方ともにまともに設定を詰めていなかったのだろうと思われ、
この部分の改善はそもそも無理だろうと思われます。

ただ視聴率に関しては、そんな酷い内容でも見続けてきた人たちは
おそらく最後まで付き合ってくれると思います。
見捨てる人達はとっくに全部逃げ出しており、
今残っている人達は現状の内容を続ける限り逃げることはない。
だからこのまま変に弄らなければ視聴率はこれ以上下がることはない。
それでもおそらく平均値では歴代最低視聴率となるでしょうけれど、
今からでは変に内容を変えても逃げた視聴者が戻ってくる確率は低いので、
現状の視聴者を逃がさないことが大事であり、そうすれば現状よりも下がることはない。
今や視聴率は現状維持が大目標ですから、内容は変に弄ることも出来ない。

ただ玩具売上はこれからライオーなどを売れば改善していく可能性はあるのですが、
そのためにはロボ戦のフォーマットを変えねばならないので、やはり難しいでしょう。

「ゴーバスターズ」という作品がロボ戦のクオリティが非常に高いにもかかわらず
ロボ玩具が売れないのは、極端にエース偏重のロボ戦だからです。
おそらく集大成的作品であった「ゴーカイジャー」の後は革新的な作品にするように
東映上層部が指示し、それを受けて、
今回はいつもとは違うロボ戦をやろうということになったのでしょう。

いつものロボ戦というのは等身大戦が終わった後の付け足しのような感じであったので、
もっとロボ戦に力を入れようという考え方そのものは基本的に悪いことではない。
だが、ロボ戦の時間を長くしてしまうとその分今度は等身大戦の方が短くなってしまう。
そこで同時進行すればいいということになり、
等身大戦の途中からロボ戦が始まるということにすれば、
ロボ戦も等身大戦も両方長くやれるという考え方が生まれたようです。

いつもは等身大戦で倒された怪人が復活巨大化してロボ戦が始まるのですが、
同時進行となるとその方式は使えない。
そこで怪人とは別にロボが出現するという形が模索され、
それを自然な流れで見せるために
「怪人(メタロイド)をマーカーにして亜空間から巨大ロボ(メガゾード)が転送されてくる」
という仕組みが考えられ、
更に「メガゾードの転送には大量のエネトロンが必要なので
ヴァグラスはエネトロンを奪いに来る」という、ヴァグラスの襲撃の理由づけもした。
それが当初のこの作品の形でした。

それは結局、テコ入れで無くなってしまったのですが、
第1章ではこの仕組みのもとで等身大戦とロボ戦の同時進行という、
この作品の特徴的なアクションシーンが繰り広げられました。
この場合、ゴーバスターズ側も戦力が分散されることになるわけで、
全員でロボ戦をするというわけにいかない。
それでレッドバスター桜田ヒロムの1人で操縦するゴーバスターエースが
単体で人型戦闘ロボとなって敵メガゾードと戦うという形が必要となり、
従来の戦隊のように「合体ロボでないと戦えない」という縛りが無くなりました。

むしろ、等身大戦とロボ戦が同時進行することが多いため、
「単体ロボで戦うしかない」という縛りの方が発生することが多くなり、
エース以外の2体の初期メカは決定力に欠けるため、
エースが敵メガゾードと戦うことが多くなりました。

というより、そういう展開が多くなることが前提で
ヒロムは「エースパイロット」という位置づけでキャラ設定され、
合体ロボの1人の搭乗員ではなく、単体ロボのエースの搭乗員という
位置づけのキャラとして設定されました。
そもそもゴーバスターズのロボのコクピットが全部単座型で、
合体後も単座のままというのは、
単体ロボとしての形があくまで基本であるというコンセプトを表しているのでしょう。

つまり、この作品のロボ戦は基本的には単体ロボの活躍、
それも特にエースパイロットのヒロムの操縦するエースの活躍を描くためのものなのであり、
従来の戦隊とは違い、合体ロボは重視されていません。
実際、ゴーバスターズは各種の合体ロボで戦うことは少ない。
玩具発売時期に合わせて合体形態のお披露目的に少し合体ロボで戦ったと思ったら、
すぐにまたエース単体の戦闘形態に戻ってしまいます。
陣とJが登場した後、一時期、その2人の搭乗機やその合体形態が
メインになったこともありましたが、それもあくまで販促ノルマをこなすためで、
やはり戦闘のメインはあくまでずっとエースでありました。

そして、そのエースの戦闘シーンはかなりレベルの高い特撮になっています。
だが、その凄さはマニア受けはするが、
メイン視聴者の子供にはそんなに伝わっていないでしょう。
子供は色んなロボが出てきたり、
大きな合体ロボが無双したりするのが面白いのではないかと思います。

それでもエースも確かに魅力的ですから、エースの玩具はよく売れたようです。
しかしエースの玩具は割安なので、エースの玩具が多めに売れても売上はあまり増えません。
戦隊を観る子供を持つ親御さんは1号ロボ(通常は合体ロボ)は買わないと仕方ないと
思っている人が多いので、エースよりも高い値段の合体ロボでも
エースと同じぐらいは売れます。
そして単価が高い分、エースよりも売上は上がります。
エースは確かに魅力的なロボであり、エースのアクションシーンは素晴らしいが、
エースが1号ロボである限り、結局は他の1号ロボも同じぐらいは売れるので、
エースに払った努力というのは徒労の部分が多い。
安いエースを売るために普段よりも苦労してしまっているのが実際のところでした。

そして多めの労力で安い売上を上げた挙句、
合体ロボの出番が少ないのでゴーバスターオーやゴーバスターキングのセット売りは売れません。
本当はこのあたりが売れてくれないと売上は伸びないのですが、
エースばっかり活躍するものだから、合体ロボやエース以外の単体ロボもあまり売れないのです。

結局エースばかり売れてしまい、売上は大して上がらず、
予定を遥かに下回る売上となってしまいました。
ならば後半戦はタテガミライオーなどを打っていきたいところですが、
そのためにはエース優遇を止めなければいけません。

Mission35でライオーがヒロムの搭乗機となった時、
これでヒロムはエースからライオーに乗り換えるのかとも一瞬思いました。
新合体機構も全部エースを外してライオーがメインとなっており、
要するに今まではエースが占めていた位置をライオーが占める形となっていました。
これは普通に考えればメインロボの交替です。
実際、バンダイの開発部の意図はそうであったのでしょう。

これからはライオーがヒロム搭乗のメインロボになる。
そう思ったのですが、実はそうではなかったようです。
というより、現場はあくまでエースを捨てることが出来なかったのでしょう。
Mission38ではエースのバトルがメインとなり、なんと陣がライオーに搭乗して、
エース以外の全てのメカが合体したゴーバスターキングとなったのです。

これで今後はヒロムがライオーに乗らなくても
陣がライオーに乗って戦えるようになったので、
ヒロムはエースを降りなくて済むようになった。
気がついてみれば、ヒロムの乗るエースと、ヒロムの仲間たちが乗るキングが
並び立つ形が出来上がっていました。

バンダイの当初の意図はヒロムが中心となった合体ロボのキングをメインとした
バトルを見せたかったのかもしれない。
しかし、実際はヒロムの乗るエースとヒロム以外の乗るキングが共に戦うバトルが展開されました。
これでは結局、ヒロムとエースがメインのままと言えます。
主役になるはずだったキングは、実際に番組に投入された時、
主役のエース単体バトルを継続するために
ヒロム以外のその他大勢を押し込める箱になってしまったと言ってもいいかもしれない。

一応現時点ではキング販促期間なのでキングも活躍していますが、
おそらくこれまでの合体ロボ同様、
結局はエース単体の活躍の引き立て役となってしまうことでしょう。
やはりこの作品はエース単体バトル重視を最後まで貫くつもりであるようです。

何故エース重視を止めることが出来ないのかというと、
この作品が結局、敵も味方も何者なのか、何のために戦っているのか、
子供にはよく分からない作品になってしまっているため、
当初からやたら気合いを入れて作っているエース単体の戦闘シーンぐらいしか、
数少ない残った視聴者の子供たちを惹きつける要素が無いからです。

ヒロムという何だかよく分からないキャラも、
エースのコクピットに座って戦っている場面だけはカッコよく魅力的に見えます。
動きの鈍い合体ロボのコクピットに座っていてはダメです。
やはりエースに乗ってこそヒロムはカッコいいのです。

実際カッコいいかどうかはともかく、
あまりにエースに乗っている場面が多いので、
現時点で「ゴーバスターズ」の視聴をまだ止めていない子供たちは
少なくともエースに乗るヒロムが好きなのでしょう。
それ以外にこの作品のアピールポイントはあまり思いつかないので、
エースとヒロムの組み合わせはかなり重要な要素と考えるべきでしょう。

もしかしたら意外な要素が好かれているかもしれないが、
制作側も自分達が真剣に良いモノを作ったと自負している部分こそ
どうしても重視してしまうものでしょう。
そうなると、やはりエース単体の戦闘シーンと、
それを操縦するエースパイロットのヒロムのキャラこそが、
この作品の最後の拠り所と言っていいでしょう。

だから、いくら玩具的にはライオーを推さないといけないとはいえ、
やはりこの作品的にはエースを捨てることは出来ない。
人気作ならばここでエースを捨てる余裕もあるでしょうが、
ただでさえ歴代最低視聴率作品です。
ここで現状唯一のセールスポイントとも言えるエースを捨てることは出来ないのです。

だから、ライオーの販促はどうしても中途半端となり、
結局エース以外のロボ玩具は売れないでしょう。
そうなると、パワードカスタムに頼るしかない。
そこでパワードカスタムの劇中登場を早めたのでしょう。
もしパワードカスタムも売れなければ、95億の見込み達成は厳しく、
90億行かないかもしれません。
この第2章のメサイアカード篇というのは販促強化のためにやったものですが、
あまり効果は上がらないかもしれません。

このように商業的にはかなり失敗してしまった「ゴーバスターズ」ですが、
商業的な失敗と物語的な失敗は別物です。
物語の方は間もなくクライマックスに向けての流れが大きく動き出すと思われ、
メサイアカード篇を伏線としてそれなりに面白いものとなる可能性は十分にあります。

この作品の現状の視聴者を繋ぎ止めている魅力はヒロムとエースと、
そのライバルであるエンターでしょうから、
どうしてもクライマックスもヒロムとエンターを軸としていくしかない。
そもそもヒロムもエンターも何だかよく分からないヤツなので、
2人を軸とした話に大して感情移入できないと、私なんかは実は思ってしまっているのですが、
それはあくまで私の主観であり、
少なくとも現時点でこの作品を面白いと思って観ている人にとっては
ヒロムもエンターも魅力的であるはずですから、
この2人を軸としたクライマックス篇は実に面白いものとなるでしょう。

まぁメインライターの小林氏はストーリーを作る名人ですから、
話の筋そのものはかなり面白いものとなるのは間違いない。
そして、そこに感情移入できる人たちが視聴者として存在している以上、
「ゴーバスターズ」が終わってみれば名作であったという結末を迎える可能性は大いにあり、
それを私も期待したいと思います。

大抵の作品は完走すればその人にとっての名作になります。
「ゴーバスターズ」が現在も視聴を継続している子供たちにとって
そうした想い出深い作品となることを願います。
玩具売上や視聴率などよりも、それは大事なことなのです。

数字で作品の価値は決まりません。
最後まで見終わった人が作品の価値は決めるものです。
だからまだ「ゴーバスターズ」という作品の価値は決まっていません。
それこそがこの作品について真に考察すべき点なのですが、
その物語部分はまだ最後まで見てからでないと考察できません。
特にこの作品の場合、ここまでの内容がかなり薄いので、
現時点で物語を論じることは出来ないのです。

数字は実は重要な要素ではないのですが、
数字はこの作品を考察する1つのとっかかりにはなる。
そういう意味で今回は数字面の話が多めになりましたが、
決してこの作品を貶めるのが目的ではないです。
この作品の真の価値は終わってから定まりますから、
終わってから内容面で良い考察が出来れば良いと願います。

では、最後にゴーカイジャー妄想物語の方で作ったレジェンド戦士一覧に
更に一番下にちょっとオマケをつけたモノを、
せっかく作ったので貼っておきます。



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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 22:16 | Comment(6) | 特命戦隊ゴーバスターズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月13日

海賊戦隊ゴーカイジャー妄想物語その5


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さて、ザンギャック本星から地球へ向けて大遠征軍が出発した頃、2011年8月を迎えていた地球では、ザンギャック軍の来襲に備える動きが急ピッチで進んでいました。
まず地球には外宇宙でザンギャック軍に対抗出来るほどの強大な宇宙戦艦の艦隊などは無いので、どうしても戦いは地球を舞台としたものにならざるを得ません。そうなると勝敗以前に重大な問題は人々が戦いに巻き込まれる危険をいかに減らすかということになりますが、1975年以来35年以上にもわたって悪の組織の攻撃に晒されてきたお蔭で、この世界では地球の町々には避難用のシェルターのようなものが随所に作られていました。
これらをフル活用して戦火を避けるしかないわけですが、ザンギャックの侵略軍の予想される規模はおそらくかつてのどの悪の組織の総攻撃よりも大規模となると予想されるので、既存のシェルターだけでは容量不足が予想されます。そこで、いつザンギャックの攻撃が開始されるか分からないがとにかく急いでシェルターを増設していく作業を大急ぎで進めることとなりました。
その一方でもちろんザンギャック軍と戦う態勢も整えられていきました。各国の軍隊など地球上の全ての軍事力が国連のもとに結集し、イーグルの指揮下で動くことになり、その中には国際科学特捜隊、地球平和守備隊、地球守備隊、スカイフォース、国際空軍、I.N.E.T.などの、かつてスーパー戦隊と共に戦った国際的な公的機関も含まれていました。そしてイーグル所属のゴレンジャーの隊長、アカレンジャーの海城剛はこれら世界中の軍事力と34のスーパー戦隊の連携作戦を展開するため、全てのスーパー戦隊に戦いへの結集を働きかけました。

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まず初代スーパー戦隊のゴレンジャーですが、これはイーグル所属であり、海城自身が率いているので当然既に臨戦態勢に入っていました。メンバーはかつて黒十字軍との戦いで殉職した戦士の称号を初代の大岩に戻した二代目キレンジャーの熊野大五郎を除いて海城剛、新命明、大岩大太、ペギー松山、明日香健二の5人で、この5人とも現在もイーグルに所属しており、海城同様、未だに現役のゴレンジャーであり、体内に「大いなる力」を持った仲間でした。
60歳となっている海城剛、61歳になっている新命明を筆頭に、全員が50歳を超えており、さすがに生身では昔のように戦うことは出来ないようになっていましたが、それでも十分に並の若者よりは鍛え込んでいるため、変身して強化服を着用すれば昔と同じ強さを発揮できる状態でした。

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次に2代目スーパー戦隊のジャッカー電撃隊も長年継続していた後輩戦隊の観察活動においてもゴレンジャーと常に協力関係でありましたし、所属している国際科学特捜隊も対ザンギャック戦争への参加をいち早く表明していましたから、海城の呼びかけに即座に応じていました。むしろ番場壮吉をはじめジャッカーのメンバーも海城たちと共に他の戦隊に協力を呼びかける側であったといえます。
ジャッカー電撃隊のメンバーの5人、番場壮吉、桜井五郎、東竜、カレン水木、大地文太は全員年齢は50歳を超え、番場あたりは60歳を超えていましたが、彼らはそもそもサイボーグであり、一応外見上の加齢はあるものの肉体的な衰えはほぼ無く、ゴレンジャー同様に今でも現役で活動しており、今でも生身でも変身後でも全く昔と同じように戦うことは出来ました。

この初代戦隊ゴレンジャー、2代目戦隊ジャッカー電撃隊を筆頭に、25代目戦隊のガオレンジャーまでの25戦隊はかつて2001年にレッド戦士だけではありますが一堂に会して共闘したことがあり、この時に25の歴代戦隊の総称として「スーパー戦隊」というものが世間にも初めて認知されました。
その後、歴代戦隊が全部集まって戦うということは無く、この10年前の事件は今では地球の人々の間では有名な伝説のような扱いとなっており、確かに25のスーパー戦隊というものが存在することは多くの人々に認知されているものの、それが全部一堂に会して戦うなどということはもう二度と無く、伝説のスーパー戦隊ももう今となっては存在していないのかもしれないと思われていました。
しかし、バトルフィーバー隊からタイムレンジャーまでの22戦隊は2001年のあの戦いの際、海城や番場などから「この星の意思」が世界の融合の果てに大異変が起こることを危惧しているという事実を知らされており、いざという時には自分達の体内の「大いなる力」が必要になるという覚悟を共有していました。
ただ、それはあくまで最後の最後の追い詰められた局面での話であり、とにかく「大いなる力」を託された自分達の使命はその大異変に際してはまずは地球の人々を守って異変を阻止するために命を賭けて戦うことだと認識しており、10年前の戦いの後、ゴレンジャーからタイムレンジャーまでの24戦隊は今後も地球に大きな危機が訪れた時には再び集まろうと誓い合っていました。
その後、それぞれの日常に戻っていた彼らでしたが、1ヶ月ほど前にゴセイジャーという現在のスーパー戦隊と思われる戦隊の存在を知り、今回そのゴセイジャーに対して「この星の意思」がザンギャック宇宙帝国の襲来とそれに対抗する34戦隊の共闘を予告したという話を海城や番場たちから知らされ、どうやらそれがかねてから危惧していた大異変なのだろうと悟りました。それゆえバトルフィーバー隊からタイムレンジャーまでの22戦隊は今回のザンギャック襲来の危機に際してゴレンジャーの海城やジャッカーの番場の呼びかけにも当然のように応じたのでした。

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まず3代目スーパー戦隊のバトルフィーバー隊のメンバーは、かつてエゴスとの戦いで殉職してバトルコサックの戦士名を後継者の神誠に譲った白石謙作、戦いの途中で離脱してミスアメリカの戦士の称号を汀マリアに譲ったダイアン・マーチンの2人を除いた5人、すなわち伝正夫、神誠、志田京介、曙四郎、汀マリアが「大いなる力」を体内に持った戦士たちでした。
この5人は年齢的には神が60歳代、あとの4人は50歳代でしたが、5人とも未だ現役の軍人として国防軍に所属してバトルフィーバー隊の活動を続けており、鍛錬を続けているため、強化服を着用すれば昔と全く変わりなく戦うことは出来ました。
かつて2001年に伝が他のレッド戦士たちと共闘した縁もあり、また国防軍も対ザンギャック戦争に参加していることもあり、バトルフィーバー隊は10年前にガオレンジャーの応援に応じた時同様、今回も当然のごとく海城の呼びかけに応えて戦いへの参加を決めました。

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次に4代目スーパー戦隊のデンジマンは、5人のメンバー全員が50歳代になっていました。31年前にベーダーとの戦いが終わった後、赤城一平は武道家として修行を積む日々を送り、青梅大五郎と緑川達也はコンビで探偵稼業を始め、子供好きの青梅は幼稚園などを回ってあんパンを配って歩くボランティアなどもやっていました。また黄山純は大学の研究者の道に戻り、桃井あきらはテニスプレイヤーとして復帰し、そのように5人それぞれが自分の道を歩みながら同時に5人共同でアスレチッククラブの経営にずっと携わってきており、その裏でデンジランドでデンジマンとしての活動は31年間秘かに続けていました。それゆえ彼らは10年前にもガオレンジャーの応援に赤城一平を送り出したのであり、今回も当然、5人揃って海城の呼びかけに応じて戦いに赴きました。

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そして5代目スーパー戦隊のサンバルカンは、30年前の戦いの際、NASAへの転属のためにバルイーグルの称号を飛羽に譲った大鷲龍介を除く3人のメンバー、飛羽高之、鮫島欣也、豹朝夫が体内に「大いなる力」を持つ戦士たちでした。
この3人は現在は飛羽が55歳、鮫島が53歳、豹が49歳という年齢となっており、それぞれ地球平和守備隊の高級軍人に出世していました。軍組織の幹部となった彼らは今はもうサンバルカンとしての活動はしていませんでしたが、それぞれが日々の鍛練は欠かしていませんでしたので、いつでも再び強化スーツを装着して地球の平和を守るためにサンバルカンとして戦う準備は出来ていました。
国際平和守備隊そのものも国連所属の組織であり、当然今回のザンギャックとの戦いに参加することになっていましたので、飛羽たちは海城の呼びかけに快く応えて、サンバルカンを再結成して戦いに身を投じることを決めました。

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6代目スーパー戦隊のゴーグルファイブの5人のメンバーは29年前のデスダークとの戦いの後、赤間健一は探検家、黒田官平はプロ棋士、青山三郎はアイスホッケー選手、黄島太は鉱山師、桃園ミキは新体操選手というように自分の道を歩みながら、未来科学研究所の運営を手伝いながらゴーグルファイブとしていつでも活動再開できるように備えていました。
現在は彼らは50歳前後の年齢となっており、それぞれの世界で権威ある存在となっていましたが、同時に本郷博士から引き継いだ未来科学研究所を共同で運営し、かつてコンボイとして自分達の戦いをサポートしてくれた少年少女たちが成長した研究者たちの活動を温かく見守り、地球の平和を守るためにいつでも戦える準備は整えていました。そういうわけで今回、赤間たち5人は海城の求めに応じて再びゴーグルブレスを装着して5人で戦いに赴くこととしました。

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また7代目スーパー戦隊のダイナマンのメンバーであった5人の若き科学者の卵、弾北斗、星川竜、島洋介、南郷耕作、立花レイは28年前のジャシンカとの戦いの後、それぞれの分野で科学者として研究や発明に励み、50歳前後の年齢となった現在、それぞれの分野で見事な業績を上げて第一人者となっていました。
その傍ら、彼ら5人は夢野博士の残したダイナマンの装備を共同で受け継ぎ、地球に大きな危機が訪れてダイナマンの力が必要とされる時、いつでも5人でダイナマンとして再び戦える準備はしていました。今回の海城の呼びかけをその時だと判断した赤間たち5人は、遂に5人揃ってダイナマンとして再び戦うことを決めたのでした。

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そして8代目スーパー戦隊バイオマンは戦いの途中で殉職してイエローフォーの戦士の称号を矢吹ジュンに譲った小泉ミカを除く5人が体内に「大いなる力」を有する戦士たちですが、27年前の新帝国ギアとの戦いの後、サポートロボのピーボがバイオロボに乗って他の星に旅立っていき、高杉真吾はレーサーに復帰し、南原竜太は家業を継いで漁師となり、矢吹ジュンはアーチェリー選手に復帰、桂木ひかるは看護師となりました。
そうして一旦皆は普通の生活に戻りましたが、郷史朗は亡き父の後を継ぐように科学者となり、富士山麓に隠されたバイオベースでバイオ星の科学を解析し、数年後、遂に自力でバイオロボを再現し、バイオマンとしての活動を再び可能とし、4人の元仲間に声をかけて、地球の危機に再びバイオマンとして戦う準備をしておこうと提案しました。
仲間たちもこれに応じて、5人はいつでもバイオマンとして戦う準備はしていました。現在は郷と高杉が51歳で、残り3人は40歳代後半だが、十分にバイオマンとして戦う準備をしてきた彼らは10年前同様に何ら躊躇することもなく海城の求めに応じ、この地球最大の危機において今回は全員が仕事は休職して5人全員で戦いに参加することにしたのでした。

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また、9代目のスーパー戦隊であるチェンジマンは地球守備隊所属の軍人5人が変身する戦隊であり、剣飛竜、疾風翔、大空勇馬、渚さやか、翼麻衣の5人の若き将校たちも今や40歳代後半の幹部軍人として地球守備隊の各部署の責任者となっていましたが、地球からアースフォースを授かった身として何時でもチェンジマンとして戦うことが出来るように、若い隊員たちと共に今でも訓練は欠かしていないので、昔と変わらず戦える状態でありました。
また、26年前のゴズマとの戦いの後、宇宙に旅立っていった伊吹長官ことユイ・イブキからの報せで、新たに宇宙で勃興してきたザンギャック帝国の内実がかなり邪悪なものであることは独自に剣たちも把握しており、地球守備隊とチェンジマンはザンギャック襲来という最悪の事態に備えて出来る限りの準備はしてきていました。ゆえに今回、ザンギャックからの使者が来たと聞いた時から地球守備隊は既に臨戦態勢に入っており、チェンジマンを含む地球守備隊は総力を上げて海城たちの呼びかけに応えて参戦を即断しました。

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そして10代目スーパー戦隊のフラッシュマンの5人、ジン、ダイ、ブン、サラ、ルーは25年前のメスとの戦いを終えた直後、反フラッシュ現象の症状が限界に達して地球を去っていきましたが、フラッシュ星に戻った後、5人のリーダーのジンはフラッシュ星で本格的に科学者の道に進み反フラッシュ現象の研究を開始、数年後、遂に反フラッシュ現象を克服する方法を解明し、5人は地球に戻ってきました。
そうしてサラは自分の本当の家族の時村博士一家と再会し、ジンは他の仲間たちと共に時村博士と共同研究所を作り、フラッシュ星の優れた科学を応用して人々の役に立つ様々な発明を成し遂げて財産を築きました。その財産を使って5人は、かつて赤の他人の自分達を優しく育ててくれたフラッシュ星の義理の親たちに倣うように、孤児院を設立して孤児たちを引き取って育てたり、良い里親を見つける活動に取り組むようになりました。そうした活動の傍ら、彼らはそれぞれ自分の本当の家族も見つけていき、幸福な家族生活を取り戻したのでした。
現在は40歳代後半となった5人は孤児の世話をする児童福祉財団を運営する立場にあり、その裏ではいずれまた地球に危機が迫って多くの孤児たちが生まれるような事態を阻止するために再びフラッシュマンとして戦う準備は怠っていませんでしたので、今回の海城の呼びかけこそがその来たるべき戦いの時だと思い定めて、すぐに応じて馳せ参じたのでした。

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また11代目スーパー戦隊のマスクマンのタケル、ケンタ、アキラ、ハルカ、モモコは24年前のチューブとの戦いの後、姿博士のもとで姿レーシングチームの一員として活動し、数々の大会で優秀な成績を収め、40歳代になった現在も5人は姿レーシングチームのスタッフや後援者として、後輩のレーサーやメカニック達を支えていました。
同時に彼らは姿博士のもとでオーラパワーの研究にも従事し、自らの武術とオーラパワーを磨き、姿博士主宰の武術とオーラパワーによって心と身体の健康を保つエクササイズを子供たちに広める活動にも二十年以上取り組んできました。
そしてもちろんその陰で彼らは姿博士のもとでマスクマンとして再び人々を守るために戦う機会にもずっと備えてきていましたので、今回の海城の呼びかけにも快く応じたのでした。

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そして12代目のスーパー戦隊であるライブマンは23年前のボルトとの戦いの後、科学アカデミアから装備一式は国連に受け継がれ、科学アカデミアの研究者に戻った天宮勇介、大原丈、岬めぐみが国連と共にライブマンを運営していき、民間の発明家となった矢野鉄也とラグビー選手となった相川純一も国連に嘱託職員として所属してライブマンの活動をして、その装備を本来の目的であった宇宙開発に活用していくことになりました。
同時に再び科学が悪用されて世界が危機に晒された時にライブマンの力で世界を守るという方針も国連で決定されましたが、勇介たちアカデミアの3人はボルトに走った親友達を救うことが出来なかったことに無力感を覚え、ライブマンとして戦うことを拒み、アカデミアの再建に尽力し、自らの研究に没頭し、数々の業績を挙げながら、その一方で亡き親友たちのように若い科学者が道を誤ることが二度と無いよう後進の育成に特に力を入れるようになっていきました。
ただ、もともとスポーツを愛好していた彼らは身体を鍛えることには余念が無かったため、いざとなればライブマンとなって戦うことは出来る状態ではありました。そうしてボルトとの戦いから13年が経った2001年、34歳となっていた勇介は亡き親友たちの墓参りをしていたところにラクシャーサ配下のオルグに追われる鷲尾岳と出会い、友の墓を足蹴にしたオルグ達に怒りを爆発させて13年ぶりにレッドファルコンに変身して蹴散らし、戦いの中で戦士の魂を思い出したのでした。
そのままガオレンジャーと共闘した勇介はその後アカデミアに戻って丈やめぐみにも世界の危機には共に戦おうと呼びかけました。2人は亡き友へのこだわりから完全には割り切れませんでしたが、それでも勇介の熱意に次第に心が動かされるようになり、それから10年経った今回、40歳代前半となった元ライブマンの5人は海城の呼びかけに応えて、久しぶりにライブマンとして戦う決意をしたのでした。

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また、13代目スーパー戦隊のターボレンジャーの5人は22年前に暴魔との戦いを終えて武蔵野学園高校を卒業した後、それぞれの進路に進んでいきました。大学野球でスターとなった炎力はプロ野球選手となり、エースとして活躍、浜洋平と日野俊介は体育大学に入ってそれぞれ競泳と体操でオリンピックに出場しメダリストとなり、森川はるなは大学で演劇部に所属して女優としてデビュー、その後、売れっ子女優となり数々の賞を受賞しました。
そのように仲間たちが華々しい活躍をする中、山形大地は大学で陸上部に所属しながら、むしろ学究の道に進んでいき、大学院を出た後、太宰博士の研究所に務めて、再びシーロンのような妖精が生き生きと暮らせるような環境を回復するための環境保護活動に取り組むようになり、現役を引退して後進の育成にあたるようになった洋平と俊介、そして女優業の合間にはるなも一緒にその活動に取り組むようになりました。
そして今年、40歳で現役を引退した力もその活動に加わりました。他の戦隊とも既に連絡を取り合っていた力が10年前に番場壮吉たちからの連絡を受けて一度レッドターボに変身してガオレンジャーの救援に行った時以外は彼らがターボレンジャーに変身することは長らくありませんでしたが、太宰博士はいつでも彼らが変身して戦えるよう準備はしており、今回、海城たちからザンギャックの脅威を知らせる連絡が来たことを5人に伝え、5人は再び地球の平和を守るため戦うことを決意したのでした。

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14代目のスーパー戦隊のファイブマンの場合、21年前のゾーンとの戦いが終わった後、生き延びていた両親と再会するため宇宙に旅立っていった星川学、星川健、星川数美、星川レミ、星川文矢の5兄妹はそのまましばらく両親の星川博士夫妻と共に宇宙の星々を巡って、ゾーンによって滅ぼされた星の命を甦らせる活動を続けました。しかし5兄妹はやはり自分達の天職は教師だと考えるようになり、3年後には両親を宇宙に残して地球に帰還し、再建されたニュータウン小学校に再び教師として勤めるようになりました。
そうして教師として子供たちの教育に励んでいた5兄妹のもとに宇宙を旅していた両親からザンギャック帝国の悪しき実態を憂慮する報せが届くようになったのが今から10年ほど前のことで、学はザンギャックの地球侵略という万が一の事態に備えて、再び自分達がファイブマンとして戦えるように準備しておくことを弟や妹たちに提案し、5兄妹は教職の傍ら、再び訓練を積んで戦いに備えるようになっていました。
兄妹全員が40歳を超え、両親もさすがに年老いて地球に戻ってきて一緒に暮らすようになり、そうして今回、星川家の憂慮が的中した形でザンギャックの地球侵略の脅威がゴレンジャーの海城から知らされたわけですが、準備は十分の星川兄妹はこの星の子供たちを守るため、勇躍して戦いに出向いていったのでした。

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そして15代目のスーパー戦隊のジェットマンは、スカイフォースの軍人であった天堂竜を除く4人はもともと事故のような経緯で戦いに巻き込まれた一般人であったので、20年前にバイラムとの戦いが終わった後、それぞれが元の平穏な生活に戻ることを誓い合い、ジェットマンは解散となりました。
大石雷太は農夫に戻って幼馴染のサツキと結婚し、後に有機栽培の野菜の販売で大儲けして会社を興しました。また早坂アコは普通の女子高生に戻った後、街角でスカウトされて売れっ子アイドルとなり、後に芸能事務所の社長となりました。鹿鳴館香は天堂竜との交際を経て、バイラムとの戦いの3年後に竜と結婚し、財閥令嬢とエリート軍人の2人は幸せな結婚生活を送るようになりました。
そして結城凱はその竜と香の結婚式に向かう途中、些細なトラブルからチンピラに刺されて死んでしまい、天涯孤独の身の上だった凱は竜たちによってひっそりと葬られ、竜たちかつての仲間たちは自分達の日々の生活を送りながら交替で凱の墓の世話をする生活を送るようになりました。
28歳で死亡した凱を除く4人の元ジェットマンは今年、最年長の竜が45歳、最年少のアコが38歳となっていました。一般人に戻った昔の仲間たちを戦いに巻き込みたくない竜は、10年前にスカイフォース経由で番場たちからガオレンジャー支援の要請を受けた時は自分1人で変身して戦いに出向きましたが、今回、スカイフォースの小田切総司令から伝えられた海城からの情報を見る限り、地球最大の危機ともいえる事態が予想され、苦悩した竜は仲間たちに相談し、香、雷太、アコの志願を受けてジェットマン4人で戦いに加わることを決断したのでした。

さて、空の上に存在する死後の世界、いわゆる天国というところで暮らしていた結城凱はこの下界の出来事を眺めて、凱が勝手に「神様」と呼んでいる天国の番人の女性型霊体に、死んだ身で下界で仲間たちと一緒に戦う方法は無いかと訊ねました。突拍子も無い質問に神様は驚きましたが、下界に降りることが出来れば、後は本人の精神力次第でそれは不可能ではないが、途轍もない精神力を必要とするので実質的には不可能だと答えました。
それを聞いた凱は自分なら余裕で可能なので何も問題は無いから、早く下界に降ろすよう要求し、神様はあまりに自信満々の凱の態度に興味を覚え、本来はいけないことなのだがポーカーの勝負で自分に勝てれば下界行きを許可すると言い、凱は神様とポーカー勝負をすることになりました。
この勝負で凱は神業のようなイカサマで勝利し、下界行きを勝ち取りますが、神様は凱が仲間達と一緒に戦うことは問題ないのだが、死んだ人間が下界で生きているかのように誤解されるのは良くないので、凱の姿は地球の人々の目には見えないようになるということを告げました。凱は別に仲間たちと再会したくて下界に行くわけではなく、もう戦わないと誓い合った仲間たちがそれでも戦いに巻き込まれる以上、自分も一緒に戦うしかないと思っているだけなので、自分の姿が地球人に見えなくても自分の拳が宇宙人に届くのならば何も問題は無いと豪語し、神様の好意に感謝して地上に降りてきて、竜たちの傍に人知れず付き添いながら戦いが始まるのを心待ちにしました。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 07:28 | Comment(1) | 海賊戦隊ゴーカイジャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月07日

海賊戦隊ゴーカイジャー妄想物語その4


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2011年初頭、34番目のスーパー戦隊であるゴセイジャーの戦いの終結に際して、地球の中心の亜空間の石室、そしてその内部で「宇宙最大の宝」を発見した「この星の意思」は、これまで34の世界がこの世界に融合を重ねてきた結果として近いうちにザンギャック宇宙帝国の侵略があることを予期し、その侵略に対して34のスーパー戦隊が立ち向かう時こそが宇宙全体をザンギャックによる災厄から解放された平和な世界に作り変える千載一遇のチャンスだと捉え、34戦隊の戦士たちがその時に放出するであろう「大いなる力」をコントロールして宇宙に散らせる準備をアカレッドをパートナーとして進めるようになりました。
これまではずっと「この星の意思」は歴代スーパー戦隊の戦士たちが予定された戦いを終えて体内に「大いなる力」を得ると、それに合わせて彼らに声をかけて世界の融合のことや「大いなる力」のことについて教えてきたのですが、ゴセイジャーの場合はその戦いの結末が予定外のものであったことや、また次に融合してくる世界に関する情報が無かった点、そして「宇宙最大の宝」の発見などによる混乱により、「この星の意思」はゴセイジャー6人の体内に「大いなる力」が生成したことは知りつつも、彼らに話しかけることはなく、「大いなる力」のことについても彼らに告げてはいませんでした。
そもそも「この星の意思」は世界の融合が繰り返されている意味や「大いなる力」の存在する意義が何であるのかよく分からないので、とりあえず当事者であるスーパー戦隊の戦士たちに自分の知っている事実を素直に告げてきただけに過ぎず、こうしてそれらの意味がだいたい分かった今となっては、来たるべきザンギャックとの戦いの運命の一瞬に賭ける準備を整えることがまず最優先となり、その目途がつけていきつつゴセイジャーに何を伝えるべきか考えるという順序でよかったのだといえます。
何にしてもゴセイジャーにも他の戦隊同様に「大いなる力」のことや世界の融合のことは伝えなければならないのですが、「この星の意思」は、ちょうど自分の方の作業の目途がつく頃に、もしゴセイジャーの世界が自分の知っている予定通りに進行するのならちょうど良い機会が巡ってくることを知っていました。その時におそらく例のごとくゴレンジャーかジャッカー電撃隊の誰かもその場に潜んでいるであろうから、いっそその時にザンギャックの危機についても彼らにも知らせておこうと思ったのでした。

0043.jpgゴセイジャーの1年間近くの戦いの終結は本来の予定では2011年初頭のマトリンティス帝国との最終決戦でしたが、それは予定とは違ってブラジラのネガーエンド阻止のための戦いとなりました。ただ、ゴセイジャーの戦いには他の戦隊が「大いなる力」の獲得後も次の戦隊との共闘があったのと同じように、まだもう1つ残されたものがあることも「この星の意思」は把握していました。
それは本来の歴史ではマトリンティスの海底要塞が最終決戦で崩壊した時に1匹だけ生き残って逃げのびたビービ虫が人間の悪意のパワーで超進化を果たしたキングビービによって引き起こされる事件でした。
マトリンティスは本来予定されていた最終決戦の前にブラジラの手で潰されてしまいましたが、そのままブラジラが海底要塞を使用し、そこにそのビービ虫もおり、海底要塞が崩壊した時にそのビービ虫は本来の歴史と同じように生き残って海底に潜んでいたのでした。だからきっと本来の予定の通りにそのビービ虫はキングビービに進化してゴセイジャーに戦いを仕掛けてくるはずだと「この星の意思」は読んでいました。

ゴセイジャーの6人は2011年初めにブラジラを倒した後すぐに自分の体内に奇妙なエネルギーが生じたような感覚はありましたが、その時に「この星の意思」が現れなかったため、それが「大いなる力」であることも知ることはありませんでしたし、この世界が幾つもの世界が融合して出来ている世界であるということも自覚していませんでした。
また次の融合世界や次の戦隊についても「この星の意思」から何も聞かされていないわけですから、自分達の戦う使命が一段落したことも自覚していませんでした。ただ単にブラジラを倒して一旦世界も平和になり天の塔も再建されたので、居候していた天知家を出て各自がバラバラに人間社会の中で生活をしながら人間社会について学んでいくため旅立っていました。
一方、そのゴセイジャーの戦いを秘かに見守っていたゴレンジャーとジャッカー電撃隊のメンバーはゴセイジャーの戦いが一段落したように見えるのに、他のこれまでの戦隊の場合のように「この星の意思」がゴセイジャーの前に現れなかったので、彼らもまたゴセイジャーが既に「大いなる力」を得ていることを確認することが出来ていませんでした。彼らは例年と様子が違うことを不思議に思い、もしかしたらまだゴセイジャーの戦いは続いているのではないかと考えましたが、ゴセイジャーはバラバラになって呑気に人間社会の生活を満喫しており、海城剛たちゴレンジャーやジャッカー電撃隊の面々はこれはやはりどうも変だと思っていました。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 14:14 | Comment(0) | 海賊戦隊ゴーカイジャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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