2010年12月10日

ハートクイン

ハートクイン.jpg



























1977年に「ゴレンジャー」の後番組として放送された「ジャッカー電撃隊」の
紅一点の戦隊ヒロイン、ハートクインことカレン水木さんです。

2年間放送した「ゴレンジャー」は後半はかなりギャグ路線に傾斜しました。
そのほうが視聴者にウケるという計算だったようで、実際ウケました。
でも、まだその頃は変身ヒーロードラマはシリアスなのが王道の時代だったので
東映の中では「こんなの変身ヒーローじゃねぇ」というムードもあったかもしれません。
それでなのか、後番組の「ジャッカー電撃隊」は割とシリアス路線でした。

基本的に前作と同じスパイアクションの変身ヒーロー版で
犯罪組織クライムと戦うために国際機関が作った4人の秘密部隊がジャッカー電撃隊で
前作と似ているが、前作と大きく違うのは、この4人が純粋な生身ではなくサイボーグという点。

つまりは前作よりも物語をスケールアップしたつもりだったのでしょう。
前作は敵が改造人間のような怪人で、つまりサイボーグ。半分機械半分生身。
それと戦うヒーローは生身に強化服着用の5人チーム。
それに対して、今作の場合は、敵怪人は全身機械のロボット。
ならば、それと戦うヒーローは半分機械半分生身のサイボーグの4人チーム。
前作よりも味方も敵も強い。どうだ?すごいだろう?というわけなのでしょう。

まぁ、これはこれでアリだと思いますが
この「サイボーグ」というのがミソで、これはつまりいわゆる「改造人間」
当時「改造人間」といえば仮面ライダーで、
生身の身体を失った悲哀を滲ませて戦うのがカッコいいヒーローだった。
こういうサイボーグ観をそのままジャッカー電撃隊にもあてはめて
4人とも生身の身体を失った悲しみを秘めて戦うという設定になったのです。

これがなんとも暗かった。まぁ暗いからって悪いわけじゃないんですが
とにかく前作がムチャクチャ明るい「ゴレンジャー」だったもんでギャップが大きかった。
今なら「スーパー戦隊シリーズって毎年作風がガラッと変わるものだ」とフォローしてもらえるが
当時はシリーズという認識も無く、ただ単に「ゴレンジャーの後番組」でしかない。
ゴレンジャーはとにかく恐ろしく人気のあったお化け番組だったので、その後番組というだけでツラい。
その上、ゴレンジャーと全然トーンが違って暗いわけだから
ゴレンジャーみたいなのを期待してた人達は「あれ?」と思って観なくなってしまった。
視聴率はガクッと落ちてしまった。

それで焦った制作サイドが途中から急激な路線変更をして
どう見ても前作の新命さんにしか見えない番場壮吉ビッグワンなるヒーローを登場させて
ジャッカー4人をその手下にしてしまい、
もう全然当初のコンセプトと違う娯楽色の強いドラマにしてしまった。

これで内容はグダグダになり、結局途中で打ち切りとなって、
後番組は戦隊でもなんでもない「不思議コメディーシリーズ」の先祖のようなホームコメディになった。
ここで一旦、スーパー戦隊シリーズは途絶えたのです。
というか、実際はゴレンジャーとジャッカーはシリーズの先祖のような作品であって
シリーズはバトルフィーバーから始まるのがホントのところ。
1990年代半ばまでは実際公式にもそうなってたし。
でも今は東映がゴレンジャーを第一作とするように歴史認識を変えてるのでそれに従います。

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で、カレンさんですけど。
「生身の身体を失った悲しみ」なんてものをわざわざ背負ってまでサイボーグになるということは
ジャッカーの4人はみんな、やむにやまれぬ理由でサイボーグになってます。
カレンの場合、もともとは麻薬捜査官で、クライムの報復によって父を殺され自分の両腕も失って
それで仕方なくというのもあり、また復讐心もあって自ら志願してサイボーグ手術を受けます。
なんとも暗い。別に父まで殺さんでもと思うが、シリアス設定にしたかったんでしょう。
じゃあ、その悲しみを内に秘めた演技に期待するしかないわけですが
あんまりそういうのは描写されませんでした。

カレンを演じたのはミッチー・ラブさんというJACのアクション女優で、
日本人とアメリカ人のハーフだそうです。
当時はまだアメリカ施政下だった沖縄出身なので国籍はアメリカですね。
カレン水木というキャラも外国人設定です。
やっぱり前作のペギーと同じく、まだ「純日本女性の戦う変身ヒロイン」というのは受け入れ難かったようです。
外国女性で、しかも麻薬捜査官というプロの戦闘的職業。
こういう女性でないと、変身ヒロインとしては不自然だったのです。
しかし、カレンもまたペギーと同じ18歳。
18歳で麻薬捜査官ってやれるのか?何故、東映はこんなに18歳にこだわるのか?

まぁとにかくミッチー・ラブさんはまずカレンが外人設定ということで
前作のペギーを小牧りさが演じることよりはリアリティは有りました。
またアクションは素晴らしい。本当に素晴らしい。

やっぱり戦隊シリーズはアクションが要ですから、生身アクションも充実させたい。
そのために、1990年代半ばぐらいまではそれなりにアクション出来る人を
戦隊メンバー役にはキャスティングしてました。今はもうイケメンばっかりですけど。
しかしヒロインに関してはなかなかそうはいきませんでした。
アクション出来る女優さんの絶対数が男性に比べて圧倒的に少ないからです。
それでヒロインのアクション面ではシリーズの早いうちからかなり妥協せざるを得ませんでした。
しかし、この「ジャッカー」の頃はまだそういう妥協は考えていなかった頃なのでしょう。
ミッチー・ラブさんは素晴らしいアクションをしてます。4人の中で一番かもしれない。
本気でアクション重視の作品を作ろうとしていたのでしょう。

しかし、その反面、演技力はあまりありませんでした。天は二物を与えずです。
そのため、「生身の身体を失った悲哀」というやつが、なんだかよく分からなくなりました。
かといって、ゴレンジャーみたいに面白い作風でもないので、
そういうシリアスな芝居が出来ないとなると、キャラの動かしようもなく
なんだかアクションばっかりしてる人になってしまいました。
その上、後半は番場壮吉劇場になってしまったので、すっかり存在感が無くなってしまい
カレンはかなり影の薄い戦隊ヒロインとなってしまったのでした。

なお、最終盤になって急にレッド戦士であるスペードエースと恋愛フラグが立ちますが、
これはスペードエース役の丹波義隆(丹波哲郎の息子)と
ミッチー・ラブがプライベートで付き合ってたことと
関係があるのかないのかよく分かりません。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 17:27 | Comment(0) | 戦隊ヒロイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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