2010年12月23日

二代目イエローフォー

二代目イエローフォー.jpg




















「超電子バイオマン」の第10話制作時点で突然、イエローフォー小泉ミカ役の矢島由紀が失踪してしまったため、
第10話でイエローフォー小泉ミカは殉職という処理がされました。
しかしイエローフォーというキャラは年間通じて活躍する予定のキャラです。玩具などもその予定で販売予定が組まれてます。
だから開始10話でイエローフォーというキャラがいなくなるわけにはいきません。
このような戦士交代劇は、まだスーパー戦隊シリーズが4クール放送が固定されていなかった初期の頃は
役者のスケジュール調整がつかないという理由でしばしば起きていたことでした。
ヒロインの場合もミスアメリカという前例はあります。初代がいなくなるなら二代目を立てればいいのです。

しかしミスアメリカの場合はダイアンが半年で降板することはかなり前から分かっていたので
じっくり時間をかけて二代目を演じる萩さんをキャスティングする余裕がありました。
それに対して、このイエローフォーのケースは、矢島の失踪があまりにも突然であったため大変でした。
矢島が失踪した時点ではもう既に撮影の始まっていた第11話を急遽内容を変更して二代目イエローフォー登場回にしなければいけないので
二代目を演じる役者のオーディションをする余裕もありません。あちこち探している時間も無かったでしょう。
そもそも、そんな急に頼んでも、戦隊の仕事は事前に稽古などもしなければいけないので、普通の役者は受けません。
しかも条件はかなり厳しい。矢島の抜けた穴を埋めるわけですから、そこそこ美人でアクションが出来て、演技力があり存在感が無いといけません。
すぐに仕事を引き受けてくれそうな女優で、こんな条件を満たすような人が簡単に見つかるはずがありません。

ハッキリ言って無理でした。どう転んでもロクなことにはなりません。
こういう場合、引き受けた人が大変な目にあうことは避けられません。
ならば、そういう場合は新人役者を起用するしかありません。新人なら多少の無理は押しつけることが出来るからです。
だいたい、キャリア実力のある人はこんなケースで引き受けてくれません。
そういうわけで、前年「宇宙刑事シャリバン」の終盤にチョイ役で出演していた田中澄子という新人女優に頼むことになりました。
一応矢島と同じJAC所属でしたが、ほぼキャリアは皆無に近い新人役者でした。
もちろん、そういう全くの新人ならば他にも候補はいくらでもいた中で田中を選んだということは
何か光るものを感じたからなのでしょう。才能というよりは、戦隊ヒロインへの適性と、根性がありそうとか、そんなところでしょう。

scan013-2.jpgこうして二代目イエローフォーが誕生しました。矢吹ジュンというキャラです。
ただ、物語上で1つ問題がありました。
バイオマンというのは500年前にバイオ粒子を浴びた人の子孫ならば誰でもなれるというわけではなく
その資質を色濃く受け継いだ者しかなれないのです。
バイオロボ搭載のコンピューターが選び出した適性者は郷やミカら5人だけでした。だからバイオマンは5人だったのです。
それなのにジュンが途中からバイオマンになるというのは、明らかに不自然です。
これについては、ジュンはバイオロボが適性者を調査した時、日本にいなかったから、という理由で処理されました。
何か釈然とはしませんが、まぁ仕方ないでしょう。

結果的にジュンというキャラは、田中の奮闘もあって、なかなか良い戦隊ヒロインになりました。
準備不足もありますし、100点満点のキャスティングでもなかったので
桃園ミキや立花レイほどの存在感のあるヒロインにはなりませんでしたが、
期待が低かった分、遥かに期待以上で、十分合格点をつけられるヒロインとなりました。
ひたむきで純粋で、正義を愛し、人々を愛する優しさを持ち、勇敢で、それゆえ強さを発揮するという、
まぁ立花レイと同じタイプのヒロインだったといえるでしょう。

ただ、やはり当初、小泉ミカが担うはずであった役割を矢吹ジュンが全部担うことは無理でした。
それだけミカに期待されていたものは大きかったのです。
この矢島と田中の実力差によるギャップが何点か副作用を生み出しています。

まず、田中が矢島ほどアクションが出来なかったため、その弱点をカバーするためにジュンは初の弓矢ヒロインになりました。
弓矢アクションというのは非常にフォルムが美しく、その割に型さえ覚えればそんなに激しい動きはしなくて済みます。
ジュンというキャラはミカの穴を埋める存在ですから、アクションが見栄えがしないといけないのですが
田中がアクションがそんなにハイレベルで出来るわけでないので、弓矢を持たせて見栄えをよくしたのです。
ジュンはアーチェリーの元オリンピック強化選手という設定になりました。
それでも弓矢アクションを覚えるのだけでも田中は大変だったとは思いますが、とにかくこれで何とかなりました。
これ以降、弓矢は主に戦隊ヒロインの個人武器として使われるようになりました。
やはり見た目が美しく、そんなに腕力が必要でなく、肉弾戦も少なめになるので女性向きだったのでしょう。

そして、田中が矢島ほど演技力が無かったので、ストーリーが若干変わりました。
もともと「バイオマン」は郷とミカを中心としたストーリーにする予定だったようで、
そのため郷役の阪本とミカ役の矢島以外は戦隊メンバーは皆新人でした。
そこに矢島が失踪してその代役の田中も新人となれば、もう物語は郷中心でやっていくしかありません。
そういうわけで郷の扱いが非常に重要となり、レッドワン郷史朗は歴代最強レッドなどと呼ばれるほど存在感の強いレッドとなったのでした。

そして、田中がイマイチ頼りなかったため、
というより、スタッフがド新人の田中を矢島に比べて頼りなく思っていたため、
出来るだけジュンをピンでは動かさず、もう1人のヒロインであるピンクファイブ桂木ひかるとペアで動かすようにしました。
これによって「ダブルヒロイン」という構図が多くなり、
もともと郷以外の男2人の存在感が薄かったため、
「バイオマン」というお話は戦隊側に関しては「郷+ダブルヒロイン」みたいな印象となり
ダブルヒロインというものが強く印象づけられ、その後、ダブルヒロイン制が定着していくきっかけとなったのでした。

このように、矢吹ジュンというキャラはなかなか、いろいろ功績(?)はあるのです。
タグ:バイオマン
にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
にほんブログ村 にほんブログ村 テレビブログ スーパー戦隊へ
にほんブログ村
posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 13:12 | Comment(0) | 戦隊ヒロイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。