2010年12月29日

チェンジフェニックス

チェンジフェニックス.jpg
























「電撃戦隊チェンジマン」において1つ特筆すべきことは「アースフォース」という不思議パワーの登場です。
これ以前の戦隊の場合、強大な侵略者と戦うためには科学の力で対抗してきました。
それがチェンジマンの場合、初めて科学の理解を超えた超自然的な不思議パワーというものの助けを借りることになりました。
つまり「チェンジマン」はファンタジック路線の先駆け的な作品なのです。

どうしてアースフォースというものを持ち出してくる必要があったのか、2つ理由が考えられます。
1つは、敵組織をあまりに強大なものにしすぎたから。
ゴズマは全宇宙を支配下に収めようとしている超巨大帝国で、地球攻撃に来ているのは1つの方面軍に過ぎません。
だから、その全宇宙をまたにかける科学力は圧倒的です。
一方の地球の科学力は地球1つ守るので精一杯という状態ですから、その科学力には巨大な差があります。
だから地球人の科学力だけでゴズマに対抗出来てしまうのは不自然なのです。
何か人類の科学のレベルを超えた超パワーの手助けが必要なのです。
そこで地球自身がゴズマの脅威に反応して内部から星を護る超パワーを出してきて人類に力を貸す。
それがアースフォースであり、チェンジマンの力の源です。

ただ、人類の科学のレベルを超えた力というのであれば、「デンジマン」や「バイオマン」の時のような異星人の進んだ科学でもよかったはずです。
それが何故「チェンジマン」においては、地球の意思などという曖昧な超パワーになったのかというと、
それがもう1つの理由で、つまり、その曖昧さが好都合だったからでしょう。
例えば異星人そのものやその残したコンピュータなどが戦士を選び出したとしたなら、
最も優れた戦士の資質を持った者や、戦士の特別な宿命を負った者を選び出すでしょう。
その場合、チェンジマンの5人のような特別な宿命因子も無く、欠点が目につく未熟な戦士たちは選ばれません。
その点、アースフォースならば選定基準がなんだかよく分からないので、たまたまあの5人が選ばれても納得できるのです。
そういう意味で「チェンジマン」という物語を成立させるためにはアースフォースは便利な存在だったといえます。

アースフォースというのは、そのように5人の未熟な戦士がチェンジマンになる理由付けのために持ち出されたものであり
それ以上、物語の中でアースフォースについて深く掘り下げようという気配はありませんでした。
というわけで、アースフォースは最初にちょっと出て来て、あとはチェンジマンはほとんど科学の力で戦っているかのように描写されています。
武器もロボも電撃戦隊で開発された人類の科学の粋を集めた装備をそのまま使っています。
ただ、それを使うチェンジマンがアースフォースを力の源にしているのです。
これは実はかなりチグハグな設定なのですが、
チェンジマンにおけるアースフォースの影響が非常に限定的にしか描写されていないため、あまり違和感を感じないで済んでます。
途中から見た人はチェンジマンは普通に科学の力だけで戦っているように見えることでしょう。

ただ、チェンジマンにおけるアースフォースの影響はそのモチーフには反映されてます。
ドラゴン、グリフォン、ペガサス、マーメイド、フェニックス・・・
これらは実在しない幻獣で、アースフォースが具現化した姿です。これらがチェンジマン5人のモチーフアニマルになっているのです。
ただ、これも他の動物モチーフ戦隊に比べればかなり描写は不徹底で、あまりモチーフの幻獣と各自の動きが連動はしていません。
その中で、渚さやかと並ぶもう1人の戦隊ヒロインである翼麻衣の変身するチェンジフェニックスは連動がしっかりしているほうです。

scan019-2.jpgチェンジマーメイド渚さやかは「弱いヒロイン」でしたから、それとダブルヒロインで対をなすチェンジフェニックスは「強いヒロイン」でした。
チェンジフェニックスに変身する翼麻衣は元諜報部将校で、つまりスパイや秘密工作をやっていた人で
戦闘のプロフェッショナルで、かなりの行動派です。
当然アクションも高度なものが要求されますので、前作の矢島由紀に引き続きJACから大石麻衣というアクション女優が起用されています。

この大石さんは決して美人ではないです。これはこれで可愛いとは思うけど。
ダブルヒロイン制を「バイオマン」で試してみた結果、
そういう見た目の綺麗さというのは「弱いヒロイン」の方に全面的に負わせればOKなのだということを制作サイドも学習したようで
「チェンジマン」においては、かなり割り切ったキャスティングをする余裕があります。
女性らしさは渚さやかの方に特化集中させて、翼麻衣にはひたすらアクションのキレを要求している感じです。
髪型も男っぽいショートヘアで、ミニスカートも隊員服以外はほとんど着用せず、ズボンかタイツで生足を見せることも少ないです。
ダブルヒロイン制はこのチェンジマンにおいて更に役割分担が徹底し、洗練されたといえます。

このチェンジフェニックス翼麻衣のアクションというのが特徴的です。
フェニックスというモチーフを反映させたアクションなのです。
フェニックスというのは不死鳥で、つまり鳥ですから素早く縦横に空を飛び回ります。
それを反映したアクションですから、身軽で素早く自由奔放さを強調したものとなっています。
腕力が強いとか、防御力に優れているとか、そういう重厚なイメージではなく、かなり軽い感じです。
同じ戦闘のプロのヒロインでも、かつてのペギーやカレンなどは普通に戦って強いイメージでしたが
麻衣の場合は身軽で素早い動きで相手を翻弄して倒すというファイトスタイルです。
考えてみれば女性の強いアクションというのは、実際はこういうものの方がリアリティがあります。
この麻衣のアクションが好評を博して以降、戦隊ヒロインのアクションは身軽さや素早さを強調したものが多くなります。

ただ、翼麻衣は戦闘のプロではありますが、決してペギーやカレンのようなクールビューティー系のヒロインではありませんでした。
まぁ、そもそも「ビューティー」かどうか怪しいわけですが。
それは置いておくとしても、少なくとも絶対に「クール」ではありません。
「クール」はどちらかというと、もう1人のヒロインである渚さやかが頭脳派特有のツンと澄ました感じで担当しており、
麻衣はその対比で、むしろ陽気で天真爛漫、おしゃべりでひょうきん、おっちょこちょいなイメージです。まぁ任務の時はちゃんとしてますが。
ほとんど少年みたいな女で、まぁ大抵は恋愛対象にならず友達どまりでしょう。よって恋愛経験は無しで、かなり実はウブです。
このあたりのがさつさや落ちつきの無さが弱点といえるでしょう。

麻衣が戦闘のプロでありながらクール系でなく、陽気なムードメーカーのような「お転婆キャラ」になったのは
さやかとのバランスをとるという意味ももちろんありますが
根本的には、麻衣をあくまで普通のお姉さんとして印象づけるためでした。
つまり麻衣もまた、ペギーやカレンのようなミス・パーフェクトではなく、あくまで桃園ミキの系譜を引くヒロインなのです。
普通のお姉さんが頑張って戦っているのです。その結果、たまたま腕前がプロ級になっただけで
中身は普通のそこらへんにいる気さくなお姉さんのまんまなのです。
だからこそ、麻衣のひたむきさ。健気さが強調されるのです。
この麻衣のキャラの成功により、この後、「強いヒロイン」には愛敬のある「お転婆」キャラが多くなります。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 14:49 | Comment(0) | 戦隊ヒロイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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