2011年01月04日

イアル姫/イガム王子

igamu.jpg「光戦隊マスクマン」の物語の真のヒロインといえるのがイアル姫および、その兄というか姉というか、イガム王子です。

イアル姫というのはマスクマンのリーダーであるタケルの恋人であった美緒という女性と同一人物です。
実は美緒は地底帝国チューブの帝王ゼーバが地上侵略の布石として地上にスパイとして送り込んだ娘で、その正体はかつての地底世界を支配していたイガム王家の生き残りの姫でした。
画像の一番左がそのイアル姫です。非常に色っぽい女性です。
なんでそんな高貴な姫様がスパイなんて汚れ仕事をやっているのかというと、イガム王家を滅ぼしたゼーバによってイガム王家は逆賊の汚名を着せられて、その生き残りは冷遇されてこき使われているからです。

可哀想なお姫様なのです。その姫様が美緒という偽名で地上に忍びこんだ時、たまたまタケルという地上の青年と出会い、優しくされて恋に落ちます。
タケルも美緒を心から愛して、2人は恋人同士になります。
もうこの時点でイアル姫はかなり任務を放棄してしまってるのですが、更にイアル姫はタケルが実はチューブの侵攻を予期してそれに対抗するために秘かに組織されたマスクマンのリーダーだということを知ります。
そこでさんざんん悩んだイアル姫は使命よりも愛を選び、タケルにチューブの地上侵攻計画のことを打ち明けようとしますが、それはゼーバに筒抜けで、イアル姫はゼーバに地底に連れ戻されて反逆者として氷の棺に幽閉されてしまいます。
どうもゼーバは最初から姫が裏切ることを折り込み済みで地上に派遣したっぽくて、ゼーバの真の目的はイガム王家の人間を虐待することであるようです。

これがイアル姫の設定で、見事なまでのヒロインぶりです。
ハルカやモモコがヒロインとして影が薄くなるのも当然です。
ただ、実際のところ、ここまでの顛末はほぼ第一話で描かれてしまい、その後は最終盤までイアル姫は氷の棺の中で眠ったままなので、実質的な出番はすごく少ないキャラです。
イアル姫というキャラの役割は、この姫を氷の棺から救い出して取り戻そうとする主人公タケルの一途な愛を際立たせるための舞台装置のようなもので、そういう意味ではやはりヒロインであり、その存在感はずっと眠っていても抜群です。

この眠れるイアル姫を挟んで、タケルと合わせ鏡のような関係で全編通して動き回るキャラがイガム王子です。
イガム王子はイガム王家の生き残りの王子で、イアル姫の双子の兄です。
武人としての才能を買われてゼーバの下で地上侵略軍の指揮官をしています。
イガム王子はイガム家の汚名を返上して王家を再興することを宿願として屈辱の中で一途に頑張ってる人なのです。
ゼーバがイガム王子に「地上侵略に成功すればイガム王家を再興してやる」と約束したので、イガム王子はチャンス到来とばかり張り切ってます。

そういう王子ですから、妹のイアル姫も当然自分と同じ志を持ってくれていると思っていたのですが
その妹がマスクマン側に寝返って反逆者として処罰されたことは大変な衝撃でした。
イガム王子は妹を王家の恥辱として軽蔑し、妹をたぶらかしてチューブを裏切らせたタケルを憎悪し、一族の恥をそそぐためにタケルを殺そうとしてつけ狙います。
まぁどっちにしても地上侵略のためにはマスクマンは排除しないといけないわけですが、イガムの戦いは私情も絡んで激しいものになります。一方のタケルもイアル姫絡みだと私情爆発でおかしくなるので、2人の戦いは熾烈を極めます。

イガム王子は誇り高い王家の末裔なので卑怯な振る舞いを嫌うというような美点はあるのですが
とにかく王家の再興という一点に執着して頑固一徹で周りが見えなくなりがちです。
イガム家の忠臣みたいな人達もいて、地上侵略に突っ走り過ぎる王子を諌めたりもするのですが、王子は聞く耳も持ちません。
実は帝王ゼーバはイガム王子との約束など守る気は無く、単に王子を苦しめて楽しんでいるだけなのですが、イガム王子はそれにも気付きません。
しまいには宿敵のタケルにまで説教されたりもする始末です。

なんでイガム王子がこんなに頑なな心の持ち主なのかというと、それは生い立ちと関係があります。
実はイガム王子は男ではなく女で、イガム王家再興のために男のフリをしていたのです。いや、生まれた時から家の事情でそのようにさせられていたとも言えます。
このことはごく一部の側近以外は誰も知らないことで、妹のイアル姫ですら知らないことでした。
そういう重大な秘密を抱えていたので、誰にもなかなか心を開かない人になってしまったようです。

つまりイガム王子はイアル姫の双子の兄ではなく双子の姉であったのです。これが終盤になって露見します。
画像の中央がイガム王子ですが、いつもいかつい兜を被って険しい表情を浮かべています。とてもイアル姫と双子には見えません。
しかし、兜を外すと、険しい表情も緩んで本来の優しい気性が表に出て、画像右のような女性の姿になり、イアル姫と瓜二つとなります。
終盤、戦いの中で兜が外れて、女であることが露見するのです。
ま、それは物語の中での話であって、視聴者から見れば第1回登場時点でイガム王子が女(あるいはオカマ)であることはバレバレなんですけど。

ま、それはともかく、イガム王子の秘密の露見とほぼ同時に終盤には帝王ゼーバの秘密も明らかになります。
ゼーバはかつてイガム王家によって討伐された地底世界を荒らしまわった化け物の息子で、化け物が息絶える寸前にゼーバを生んでイガム家への復讐を命じていたのです。
イガム家は化け物が子供を残していたことは知らず、成長したゼーバは亡き親の言いつけ通りにイガム王家を滅ぼし、その生き残りを虐待し続けているのです。
イアルやイガムを殺してしまわないのは、ゼーバにとってイガム家への復讐のみが生きる糧なので、みんな殺してしまうと楽しみが無くなるからでした。
つまり地上侵攻も本当はゼーバにとってはどうでもいいことで、それを口実にイガムを甘言で釣って戦わせて見物して楽しむためだったのです。

この真実を知ったイガムは忠臣の命を賭した諫言もあり、遂に決起し、マスクマンと協力してゼーバを倒し、イアル姫を氷の棺から救い出します。
そして、地底世界の平和的再建を妹のイアル姫に託して、イガムは今までの自分の罪を償うために尼僧となって巡礼の旅に出ます。
同時に、地底世界再建のために指導者として地底世界に残ることを決心したイアル姫はタケルとの別れを決意し、タケルの恋は悲恋に終わります。
なんとも哀しいお話です。

こうして見てみると、マスクマンの物語の裏の主人公はイガム王子、いやイガム王女であるようです。
あるいは真の主人公であると言っても過言ではないでしょう。
実は女性であったということで、真のヒロインはイガム王女であったとも言えます。
少なくともハルカやモモコがいなくてもマスクマンという物語は成立したでしょうけど、イガム王女の存在なくしてマスクマンという物語は成立しません。
まさに「大映ドラマ」的なヒロインだといえます。

このイアル姫とイガム王女の2役を1人で演じたのが浅見美那という女優さんです。
双子ですから顔が同じなわけで、だから同じ女優さんが2役を演じているのですが、それにしてもこの2人は全然性格が違います。
特に兜装着時の「イガム王子」は人相まで違っており、イアル姫と同じ役者が演じているとはとても思えませんでした。
これは大した演技力です。

この浅見さんは当時、にっかつロマンポルノによく出ていた女優さんで、いわゆるポルノ女優です。
ポルノに出ながらテレビドラマのチョイ役でもしばしば出ていました。
ポルノ女優やAV女優というと軽蔑されがちですが、この浅見さんはもともとちゃんと演技の勉強をしてからポルノの世界に入った人で、ポルノの世界でもカリスマ的な人気を誇っていた人です。
基本的にポルノ女優というのは演技力は必要ですし、特にその中でもトップクラスとなると演技力は高いです。
ポルノ女優は基本的に美人ですし、綺麗な身体を維持しなければいけないので節制し鍛えている人が多く、健康で姿勢も良く、身体の使い方、見せ方の上手な人が多いし、運動神経の優れた人も多いです。色気も魅力もあります。
つまり、結構、戦隊ヒロイン向きの資質を持っているのです。
さすがにイメージというものがありますので、戦隊ヒロインそのものには起用は難しいですが
後年、戦隊シリーズの悪役女キャラによくポルノやAV業界出身の女優が起用されるようになるのは、十分に必然性のあることであり、この浅見さんはそのはしりだといえます。
また、後年、戦隊ヒロインにもグラビアアイドルが多数起用されるようになるのも、同じく裸の身体を見せることを商売にする女性ということで、共通した長所を持っているゆえです。
タグ:マスクマン
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 16:30 | Comment(0) | 戦隊ヒロイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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