2011年01月14日

オーイエロー

オーイエロー.jpg





















カクレンジャーに続いて1995年に制作された「超力戦隊オーレンジャー」は、もともとはシリーズ第一作のバトルフィーバーJから数えて17作目でしたが、この作品からゴレンジャーとジャッカー電撃隊をシリーズに含むことになったので、ゴレンジャーが第一作、ジャッカー電撃隊がシリーズ第二作、バトルフィーバーJがシリーズ第三作というふうに設定し直され、「オーレンジャー」はシリーズ19作目で、1975年放送のゴレンジャーから数えてシリーズ20周年記念作品ということになりました。

もともとスーパー戦隊シリーズは同じ東映テレビ事業部によって作られていたゴレンジャーを模倣して始まったシリーズですから、ゴレンジャーがシリーズの起源であるという意識は当然のように存在してました。
しかし、ゴレンジャーとそれに続くジャッカー電撃隊は石ノ森章太郎の原作作品です。
東映と石ノ森は非常に深い関係にあり、東映制作のテレビドラマには石ノ森章太郎原作シリーズとしてくくられる厖大な作品群があり、ゴレンジャーやジャッカーもそっちに含まれていました。だから東映独自制作のスーパ−戦隊シリーズからはゴレンジャーとジャッカーは除外されていました。
しかし、1993年10月に石ノ森原作の不思議コメディーシリーズが終了して、東映制作の石ノ森原作のテレビシリーズが無くなり、東映としてもそんなに石ノ森に遠慮しなくてもいいようにはなっていました。
ただ、そうは言っても、まだこの頃の石ノ森はライダー映画の企画に参加したり、晩年までロボコンのリメイク企画を東映に持ち込んだりしており、いつまた石ノ森シリーズが復活するか分からない状態でもあり、実際、1994年のカクレンジャーの時点ではスーパー戦隊シリーズ第一作はバトルフィーバーJのままでした。

実は「オーレンジャー」でゴレンジャーから数えて20周年だとさんざん宣伝しておきながら、その後はしばらく東映はゴレンジャーやジャッカーをシリーズに含んだような素振りはあまり見せていません。
正式にこの2作品がシリーズに加えられたことが誰にでも分かる形で正式に示されたのは、2000年の「未来戦隊タイムレンジャー」の最終話、スーパー戦隊の歴史を振り返る特別企画においてでした。

この前、1998年に石ノ森が亡くなり、それを受けて東映はメタルヒーローシリーズを終了させて、その枠で1999年に追悼企画として石ノ森が晩年悲願としていたロボコンのリメイク版を1年放送し、更にその後番組として2000年から同じ枠で「石ノ森章太郎原作」という名義で平成仮面ライダーシリーズを開始しました。
その第一作「仮面ライダークウガ」の30分前にやっていたのが「未来戦隊タイムレンジャー」です。
思うに、東映としてはロボコンとライダーの復活で石ノ森への義理は果たしたのでしょう。それで、その引き換えのような形で、ゴレンジャーとジャッカーを正式にスーパ−戦隊シリーズに含めたのです。
何故、そのタイミングでそうせなばならなかったのかというと、タイムレンジャーが玩具売上が壊滅的に酷かったため、その次の作品(ガオレンジャー)を「シリーズ25作記念作品」というキャンペーンを張る必要が生じたからです。

「オーレンジャー」の場合もそれと同じです。
せっかくジュウレンジャーで持ち直してダイレンジャーで更に伸びた視聴率や玩具売上がカクレンジャーで下がってしまったため、「シリーズ20周年記念作品」という冠をつけて大々的にキャンペーンを張りたかったのです。
そのために、石ノ森の影響力がちょうど低い時期であったので、ゴレンンジャーとジャッカーもシリーズに含んでいるということにしてキャンペーンを張ったのですが、キャンペーンが終わればそのことは無かったことのようになり、みんな忘れてしまっていたのでした。そうこうしているうちに石ノ森が亡くなり、上記のような流れが再び生まれてくるのです。

つまり、「オーレンジャー」において「シリーズ20周年記念作品」という定義が出て来たのは、カクレンジャーがどうも成績不良だという先行きが見えた頃、つまりカクレンジャー放送後半の頃、オーレンジャーの企画の途中の頃にバタバタと出て来た概念なのだと思われるのです。
まぁそれが単なるキャンペーン企画であるのなら、そんな時期にバタバタ出て来てもそんなに問題は無いでしょう。しかし問題であったのは、「20周年記念」という文言に制作サイドが動かされてしまったことです。
「20周年記念作品ならば、シリーズの歴史と伝統をふまえた重厚な作品にしたい」と思ってしまったのでしょう。

もともと、カクレンンジャーの次の戦隊は「古代戦隊ナゾレンジャー」という作品になる予定でした。超古代文明の5つの王家の力を受け継いだ5人の戦士の戦隊という企画であったようです。
それが「王家」の「王」で「オーレンジャー」という名前に変わったりしたようですが、「ナゾレンジャー」にしても「オーレンジャー」にしても、割と柔らかいニュアンスの名称です。
それになんとなくジュウレンジャーに似た設定で、これはファンタジー系の戦隊、言い換えれば、不思議コメディー系戦隊といっていいでしょう。カクレンジャーがあそこまでコメディーチックになったことを考えると、この「オーレンジャー」の当初企画はコメディー色が強かったのではないかと思われます。
つまり、ジュウレンジャー以降のファンタジー路線、カクレンジャー以降のコメディー路線を受け継ぐ戦隊であったと思われます。

ところが、ここに急に「20周年記念作品」ということが決まったので、「20周年記念作品ならば昔の戦隊のオマージュ溢れる作品にしたい」という意見が出て、昔の戦隊のように重厚でハードな世界観を持ち込むことになったのです。つまり、最精鋭のプロ戦士たちが世界征服を狙う悪の巨大侵略組織とシリアスなガチンコ勝負するというやつです。
この新しい案を元企画と擦り合わせるのが難航し、その結果、超古代パンゲア文明由来の超パワー「超力」を使って変身して戦う国際空軍の精鋭軍人5人が、世界征服を企てるマシン帝国バラノイアと戦うということになったのです。
古代文明の5つの王家という設定はどっかに行ってしまったのですが、既に初期の玩具は変更出来なかったので、5人の乗るマシンにその設定は残ってしまい、土偶やらモアイやら、意味不明なデザインとなってしまいました。

その初期案を強引にまとめた超パワーの名称が「超力」というのはそのまんま過ぎますし、その定義も何だかよく分からないものになっており、どうして空軍が超力などというパワーを使うのかも謎です。
そのあたり、かなりやっつけ仕事臭いのですが、空軍参謀にして考古学者という三浦参謀長という便利キャラを登場させることで強引にまとめてしまってます。
この強引な人物を演じるのはゴレンジャーでアオレンジャーを演じ、ジャッカー電撃隊でビッグワンを演じた宮内洋で、彼を起用するあたり、この2作品へのオマージュと解釈していいでしょう。

バラノイアの設定もコメディー風味の元企画由来のようで、幹部が全部着ぐるみのロボット(これはパワーレンジャーへのリメイクを見越した配慮でもある)で、皆、犬の名前由来だったりして、コミカルなキャラになっています。
この連中を強引に非情な侵略者を演じさせるのですから、かなり無理があります。結局、バラノイアはすぐにギャグキャラ化してしまいました。

追加戦士のリキの乗るマシンが巨大なピラミッド型というのも元企画由来なのでしょうが、それを強引に超力とピラミッドパワーを結びつけ、そこに更にドリンという超古代文明由来の少女を絡めてしまったため、超力の定義がもう何が何やら分からなくなってしまいました。
リキが6億歳という年齢にかかわらず少年キャラであるというのも、ダイレンンジャーの追加戦士のコウが少年であったのと同様、不思議コメディーシリーズの伝統でやたら子供キャラを使いたがる傾向の表れで、少女キャラのドリンも、中盤から出て来るいつもバラノイアの被害を受ける新田一家や、その知り合いのマッドサイエンティスト、終盤に出て来るガンマジンというシュールキャラなど、不思議コメディーテイストが満載なのです。
こんなツギハギだらけの世界観の中で、オーレンジャーとバラノイアの戦いをハードに重厚に描くといっても、それはやはり無理があります。そして、こうしたやっつけ仕事の弊害は戦隊ヒロインのキャラ設定にも影響を及ぼしています。

この「オーレンジャー」の戦隊ヒロインはオーイエローとオーピンクのダブルヒロイン制になってます。ジュウレンジャーからカクレンジャーはずっと単独ヒロインであったのに、どうしてオーレンジャーではダブルヒロイン制になったのか。
それは、まずやはり過去作品へのオマージュでしょう。バイオマンからマスクマンというかつての戦隊黄金期はダブルヒロイン制だったので、それに倣ったのでしょう。
また、パワーレンジャー化を見越しての配慮という側面もあります。
アメリカという国は病的なまでに平等や公平にこだわる国で、テレビドラマの登場人物も人種や男女などに出来るだけ偏りが生じないようにしなければいけません。
だから5人戦隊のパワーレンジャーの場合、男3人と女2人のチームにします。つまり素面部分では女性メンバーは2人なのです。それで、もし日本の元戦隊が女1人であると、パワーレンジャーの女1人の変身後のスーツ姿が男になってしまうのです。それは不自然になってしまうので、ならばいっそ日本の元戦隊の方もパワーレンジャーに合わせてダブルヒロインにしておけば変身後のスーツ姿も女性か女形が2人ということになるので好都合ということになります。

しかし、これらの理由でダブルヒロインにしたとなると、「オーレンジャー」自体の作劇上の都合とは無関係にヒロインを2人にしたことになってしまいます。
いや、それだけではないでしょう。オーレンジャーは変身しなければ超力は使えないので、生身で戦う際は軍人として身に付けた格闘術を使いますから、生身アクションが必須になります。だからヒロインもアクションに長けた「強いヒロイン」と女らしさ担当の「弱いヒロイン」が必要ということになります。

scan081.jpgそういう意味ではオーイエローに変身する二条樹里は「強いヒロイン」の方を担当しているようにも見えます。
確かに樹里は、マーシャルアーツの使い手で男っぽい性格、料理が苦手など、伝統的な「強いヒロイン」の特徴を有しています。
しかし、まず美人ですし、頭も良く、しっかり者で、母性本能が強くて可愛いもの好き、ファッションにうるさく、自信過剰、自意識過剰というふうに、他の面もやたら多い。
いや、別に「強いヒロイン」の伝統的な在り方にこだわる必要は無く、他の要素も合わせて新しいヒロイン像を模索しているというのならいいのです。
しかし、樹里のこれらの特徴は、もう1人のヒロインであるオーピンク丸尾桃とかぶってしまってる部分も多く、どうも計画的に組み上げたヒロイン像には見えません。

おそらく最初は過去作のオマージュやパワーレンジャーに合わせる意味でダブルヒロイン制に戻すことにして、そこで樹里は大雑把に過去作によくあった「強いヒロイン」を意識したキャラとして作られ、細かいキャラ設定は曖昧なままスタートして、毎回のストーリーに合わせてキャラがブレ続けた結果、とりとめのないキャラになってしまったのではないかと思います。
その結果、桃と似てきてしまったのは、桃も基本キャラ設定は違うものの同じチームで同じストーリーの中でキャラが同じようにブレ続けてきたわけですから、同じようなとりとめないキャラになったのでしょう。

そもそも、樹里も桃も2人とももともと国際空軍の精鋭チーム所属のエリート軍人という設定で、しかも2人は同じ精鋭チームに所属していたわけですから、多少の性格の違いはあるにしても、バックボーンが全く同じわけです。
後付けで家族構成などで違いを出そうともしてますが、ここまで同一のバックボーンを持ってしまっている2人にはそんなものは些細な違いにしかなりません。結局、樹里と桃はキャラがかぶってしまい、共に印象が薄くなってしまいました。
キャラに合わせてストーリーを作っていくのではなく、ストーリーに合わせてキャラを変えていくというのは、最悪の下策なのですが、こんなことになってしまったのは、キャラを固めきれないまま制作をスタートしてしまったからでしょう。

どうして樹里や桃、いや他の男性メンバーも含めて、キャラを固めきれないままスタートする羽目になってしまったのかというと、おそらく急な設定変更のせいでしょう。
もともとは5つの古代文明の王家の特色によって5人のキャラを描き分ける構想だったと思われ、それが5つの王家という設定が無くなり「超力で変身するエリート軍人」という画一的イメージになってしまったため、5人のキャラを描き分けることに失敗してしまったのでしょう。
それでも、せめて別々の所属部署からかき集められた戦隊とか、エリートもいれば落ちこぼれもいる凸凹チームとかいう設定にすれば、まだ何とかなったのですが、前作カクレンジャーのあまりのまとまりの無さ、カオスっぷりが制作チームではあまり印象が良くなかったのかもしれません。
20周年記念戦隊ということで、きっちりまとまった戦隊を描きたかったのかもしれません。
チームワーク重視ということで、もともと同じ精鋭チーム所属ということにしてしまったので、ますますキャラを描き分けることが難しくなってしまったのでした。

そういうわけで、樹里と桃は、明確な違いは背の高さぐらいのもので、服装も基本はいつも同じ青い隊員服を着ているので、ますます個性が見えなくなりました。
制服を持っている戦隊は他にも多くありますが、各自の色分けがされておらず、それでいて基本的にいつも制服を着用している戦隊はオーレンジャーだけです。
2つある高校生戦隊でも男子と女子は明らかに違うデザインの制服になりますから、むしろ人数が少ない女子は目立つぐらいでした。
それに比べてオーレンジャーの制服は男女でスカートとズボンの違いはあれど、基本的には同じデザインでしたので、非常に没個性的だったといえます。まぁ軍人としてはリアルだったとは思うのですが、変にリアルさにこだわったため、個性が殺されてしまったのは痛いです。
結局、樹里と桃はキャラがかぶってしまい、印象の薄いヒロインとなってしまいました。
にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
にほんブログ村 にほんブログ村 テレビブログ スーパー戦隊へ
にほんブログ村
posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 22:18 | Comment(4) | 戦隊ヒロイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 はじめまして、MaMoと名乗らせていただきます。

 麻生あゆみさんの37歳の誕生日から2日遅れで申し訳ありませんが、このブログそのものへのアクセス経路を発見したのが昨日でありまして、その旨お許しください。麻生あゆみさんについて熱く語っているページが見つかって嬉しいです。

>>
結局、樹里と桃はキャラがかぶってしまい、印象の薄いヒロインとなってしまいました。
<<

 印象の薄いキャラというか、主役回が少なかったのかもしれません。初期が5人編成の戦隊作品では、初期からの議席で尚且つメンバー交代が無かった女性戦士で主役回が5回以下だったのは2011年3月23日現在オーレンジャーのオーイエローのほかにはチェンジマンのチェンジフェニックスしかいません。しかし初期が5人編成でも、男性メンバーの主役回最小記録は3回。本作オーレンジャーのオーブルーとフラッシュマンのブルーフラッシュとの計2人。

 それから、冒頭にある画像の写真のうち、左端の写真の麻生あゆみさんの髪型が、結わえ方からしてキャンディ・キャンディの主人公のキャンディのそれに似ているように思えるのはMaMoだけですか?

Posted by MaMo at 2011年03月25日 21:29
麻生あゆみの41歳のお誕生日、おめでとうございます。
Posted by Mamo at 2015年03月23日 23:55
麻生あゆみさん44歳の誕生日おめでとうございます。ご本人に直接メッセージを差し上げられないのがもどかしいですが、最新の近況を知ってからもうすぐ3年も経ちます。
Posted by Mamo at 2018年03月23日 00:03
麻生あゆみさんの45歳のお誕生日おめでとうございます。
Wikipediaでは麻生あゆみさんの生まれ年が1971年とあるけどそれと1974年、どちらが正しい情報なのでしょうかね。
Posted by Mamo at 2019年03月23日 11:34
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。