2011年01月20日

ビーファイターテントウ

ビーファイターテントウ.jpg





















では、「カーレンジャー」と同時期の1996年のメタルヒーローシリーズ(第二戦隊シリーズ)の方はどうなっていたかというと、「ビーファイターカブト」という作品が制作されていました。
この「ビーファイターカブト」は好評だった前年の作品「重甲ビーファイター」の続編です。
ただ、続編とはいっても、前作と登場人物は全く変わっています。
時期設定は前作の終了時点から5年後で、前作におけるビーファイターの支援組織だったアースアカデミアはコスモアカデミアという組織に発展していて、その日本支部が主人公たちを支援するわけですが、そのメンバーは前作から一新されているのです。まぁ5年も経ってますからみんな配属が変わったということでしょう。

コスモアカデミアもアースアカデミア同様、地球環境保護を目的とする組織で、そのコスモアカデミアが前作のビーファイターのインセクトアーマーを改良して作ったのがネオインセクトアーマーです。
それを装着して、前作のジャマールのように地球に生きる命に脅威を与えるような敵が現れた時に戦う使命を帯びているのがビーファイターです。
5年経っていますから前作のビーファイター3人は既におらず、ネオインセクトアーマーを装着する新たなビーファイター3人が日本支部にいます。

このネオインセクトアーマーも前作のインセクトアーマーをベースにして作られているので、昆虫の精の命や心を持っており、適合者を自分で選びます。だからその適合者は自然や命を愛する者であるのが前提なのです。
前作では初期適合者の拓也・大作・麗の3人ともに自然科学系の学者であり、ジャマールの攻撃から自然を守ろうとして立ち向かったことから適合者に選ばれるという明確な描写があり、
麗に代わって適合者となった舞にしても、自然を愛している描写は十分にされていました。
しかし、今回の作品の3人の適合者には特にそのような自然との接点が強調された描写はありません。

変身アイテムであるコマンドボイサーにしても、インプットカードをスロット部に差し込んで音声を識別させて変身をはじめ様々な機能を発揮するような仕様になっており、
もちろん基本的には昆虫の精の命と心が込められてはいるのですが、その操作はやけに電脳的にシステム化されている印象です。
おそらくコスモアカデミアはアースアカデミアから引き継いだ昆虫の精の神秘のパワーを解析してデータ化し、
より効率的、多機能的に使えるようにインプットカードシステムを開発したのでしょう。
それがネオインセクトアーマーを装着する新しいビーファイターシステムなのであろうと思われます。

考えてみれば、この「ビーファイターカブト」という作品は、今ではよく見られる「カードを使用して戦うヒーロー」の始祖にあたるわけで、
インプットカードの種類が1種類で、かなりシンプルな使い方ではありますが、このインプットカードを武器にスロットインすることで武器の様々な機能を引き出して多彩な戦い方をします。
また、コスモアカデミア基地のコンピュータ内に存在する人工生命体であるビットというバーチャルな二次元キャラがビーファイターの戦いをサポートする重要な役割を担っており、
ビーファイターが戦場に携帯していく端末にも出現して様々な情報を提供したりしており、
こうした設定を見ると、どうもこの作品は電脳的要素を非常に重視していることが分かります。
これは前年1995年に発売となったWindows95によってデジタル万能神話が吹聴されていた当時の世相を反映しており、時代の最先端の技術を採り入れた戦隊を志向している感があります。

そう考えると、前作「ビーファイター」の世界観とはかなり異質なものを感じます。
前作の場合も先端科学が作品のベースにはなっていますが、それ以上に作品の根幹となっていたのは「自然との共生」であり、電脳的な要素よりも神秘的要素の方が前面に出ている感じでした。
主人公4人も、自然や動物に独自の姿勢で向き合うという、どちらかというと時代の最先端には背を向けるような、あまり都会的でなく、スタイリッシュでもない姿勢の者たちで、真面目だが不器用で田舎くさいイメージでした。
そして、その分、作品も真面目で深みのあるものに仕上がっていましたが、悪く言えば地味でした。
特に前半は地味さが際立っており、それが後半に舞の加入で少しハジケた要素が増えたのですが、同時に光と闇の戦いという重厚なテーマも前面に出て、結果、名作と謳われる出来となったのです。

せっかくそうした名作の続編なのですから、同じような路線を受け継ぐのかと予想されたところ、
意外にも続編の「ビーファイタイーカブト」は、あまり前作のような重厚で神秘的なテーマは描こうとはせず、
むしろ時代の最先端要素を採り入れたライト感覚のスタイリッシュな作品を作ろうとしたように見受けられます。
敵側の描写も前作では絶対悪とも言い切れない哀愁を感じさせるもので、それによって作品に深みを生じさせていたのですが、
今回の作品では新たな敵として出現したメルザード一族はほぼ絶対悪の単純に倒すべき悪として描かれており、その分、深みは無いですが、単純明快で分かりやすくなっています。

しかし、これは制作側からすれば当然の選択だったと思われます。何故なら、もともと前作「ビーファイター」の成功の方が予定外のアクシデントだったからです。
もともと、メタルヒーローシリーズにおいて「ビーファイター」のような戦隊フォーマットの作品にチャレンジしようということになったのは、レスキューポリスシリーズから続く重厚リアル路線がウケなくなったからです。
だから本来は重厚路線よりも戦隊シリーズのような軽快な作品を作りたかったのです。
それが最初は不慣れだったので地味な感じになっていたところ、たまたまオウム真理教事件が起きて、それによって生じた社会不安に対応したヒーロー像を模索した結果、「ビーファイター」後半の重厚な作風となり、それが高い評価を得たのですが、それは言わば怪我の功名のようなものでした。
滅多に起きない事件による突発的な世相の変化に対応した緊急避難的な措置がたまたま大成功しただけなのです。
これは「第二戦隊シリーズ」を志向する第一弾作品として当初目指していた方向性とは違うものでした。
オウム事件の影響が薄れていけば、また世の中は元の流れに戻ります。そうなれば重厚路線ではやはり勝負は出来ないという想いが制作側にはありました。
だから続編の「ビーファイターカブト」では、もともと目指していたライト感覚のスタイリッシュな時代の最先端を行くようなカッコいい作品を作ろうと思ったのは、むしろ当然だったといえます。

kabuto030.jpgそうした方向性を最も象徴していたキャラが、新しいビーファイター3人チームの紅一点、テントウムシをモチーフとした紫色のアーマーを装着してビーファイターテントウに変身する鮎川蘭でした。
蘭は18歳の天才プログラマーで電脳工学の達人で、
しかも有名なゲーマーとしての顔も持っているという、ちょっと今までのヒロインには無いタイプの経歴の持ち主です。
この時代ならではのヒロインともいえます。
先述のビットというバーチャルな人工生命体が出現する携帯端末も蘭が持ち歩いており、言わば蘭はビーファイターチームの中の頭脳担当みたいなキャラです。
蘭の変身するビーファイターテントウのアーマーも、戦闘力も十分に備えているが、特に際立っている能力は情報の解析能力や分析能力であり、
あとの2人が体育会系脳筋野郎と年長の人格者キャラなので、蘭はビーファイターチームの中では最もシャープで知性派の印象が強いです。

それまでの戦隊シリーズでも頭脳派や知性派のヒロインは多くいましたが、皆それなりに健康的、開放的なイメージのキャラでもありました。
しかし蘭の場合は少しオタク的なマニアックなイメージが強いのが珍しい点でした。
全体的に少しトゲがある、とんがったキャラといいますか、若いクセに天才であるゆえ、かなりの自信家で、気が強く、すぐカッとなる傾向もあり、素直でない性格です。
いわゆるテンデレ系のヒロインで、戦隊ヒロインとしてはこれまでに無いタイプといえます。
これ以前のヒロインは気が強いタイプは多くいましたが、だいたいみんな素直な性格でありましたので、ツンデレというのはいなかったのです。
まぁツンデレというのも時代の最先端の要素でもあるのでしょう。

このように蘭は天才型でツンデレで、しかもシャープな印象の美女ですから、前作のヒロインの舞とはだいぶ印象が違います。
舞は純朴で素直で、見た目も柔らかい印象で、まぁどっちかというと山歩きが似合うようなダサい感じでしたから、
それと比べるとかなり都会的でスタイリッシュな印象になります。
このあたりも作風の違いを示しているといえます。

といっても蘭はクールビューティーなイメージではありません。
そういう大人な女ではなく、まだ若くて未熟なのでトンガっているという感じで、
基本的には若い女の子らしい無邪気さも持っており、楽しいことが大好きで、大食いキャラです。
もちろん基本的には正義感が強く、優しくひたむきな性格です。
ただ表面的に素直でない面があるというだけです。
実は実家は老舗の温泉旅館で、幼い頃から厳しく躾けられ、女将になるよう教育されてきたが、
女将を継ぐのが嫌で家出してコスモアカデミアに転がり込んでいるという意外な一面もあり、なんと三味線が特技だったりもします。

演じているのは新人グラドルの来栖ゆきなで、この作品出演中にもグラビアに出まくり写真集も出したりして、
こういうことは戦隊シリーズの方では千葉麗子以降、普通に行われていたノリですが、
メタルヒーローシリーズではこういうミーハーなノリはそれまであまり無かったので、前作よりも更に戦隊シリーズっぽくなってきた部分でもあります。

前作では拓也と大作が舞に比べて少し年の離れた年長であったので、舞は妹のように可愛がられる立ち位置でしたが、
この作品においては主人公の鳥羽甲平が高校生で、蘭よりも1歳年下の熱血漢であったので、ほぼ同年代の2人がしょっちゅうケンカして、それを年長者の橘健吾が仲裁するという関係性になっており、
前作よりも人間関係が活発に動き回る印象となっており、3人のバランスはよくとれていたといえます。
この作品は若さや明るさを前面に出そうとしていたのだが、そういう意味でこの3人の関係性はよくキャラも立っており、良い感じだったと思います。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 11:32 | Comment(0) | 戦隊ヒロイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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