2011年02月26日

マジブルー

マジブルー.jpg





















「マジレンジャー」は通常の戦隊ヒーロードラマとマジカル・ファンタジーの融合ドラマであるため、
その戦隊ヒロインには、従来型の戦隊ヒロインと、魔女っ子タイプの戦隊ヒロインというダブルヒロイン体制となりました。
そのうち後者の魔女っ子タイプの戦隊ヒロインを長女の小津芳香が担当しましたので、
前者の従来型の戦隊ヒロインの役割を担ったのが小津家の第三子で次女の小津麗でした。

ちなみに、この芳香と麗の姉妹は外見的に結構似ています。
芳香を演じている別府あゆみと、麗を演じている甲斐麻美が
そもそも2人とも同じような背格好に同じような系統の可愛い顔立ちをしており、
髪型で差別化しようという意図もほとんど感じられないことからも、
わざわざ外見的に似ている2人をキャスティングしたものと思われます。
血の繋がった姉妹という設定にリアリティを持たせるには当然の措置のようにも思えますが、
これは実際はよほど明確にキャラを描き分けられるという自信が無ければ、なかなか出来ないことです。
描き分けの自信が少しでも揺らいでいれば、なんとか髪型だけでも差別化して安全策をとっておきたくなるところです。
これは魔女っ子タイプと戦隊ヒロインタイプを明確に描き分けるという構想が最初から確固としていたということでしょう。

麗は20歳の家事手伝いで、
第二話で母親の深雪がいなくなって以降は、小津家の主婦を務めます。
青の魔法使いであるマジブルーに変身し、
その個人キャッチフレーズは「たゆたう水のエレメント」です。
キャッチフレーズの通り、水を使った魔法を得意としますが、水晶玉を使った占いも得意です。
ピンクと並んでヒロインの配色の定番であるイエローではなくブルーがパーソナルカラーとなっているのは、
麗というキャラの設定によるものでしょう。
ヒロイン色としてのイエローは子供っぽさや元気さ、活発さ、あるいはクールな印象などが強く、
あまり情緒的な深みを感じさせる色ではありません。
それが麗のキャラには合わなかったのでしょう。

「マジレンジャー」は最初から末っ子が男の子で熱血レッドで主役というのは決まっており、
長男がリーダーで兄妹のまとめ役の広い心の持ち主であって
末っ子の成長を温かく見守るという形は当然の流れで決まりました。
そして、それと対照的に、末っ子といちいち揉め事を起こす、末っ子と同レベルの未熟者キャラも必要で、
これは末っ子の1コ上の第四子で兄であるのが望ましかった。
そうなると残りは第二子と第三子で、
この作品はダブルヒロイン制でいかねばいけない作品なので、この2人は自動的に女の子になります。
そして1人は魔女っ子タイプの奔放ヒロインで、
もう1人が正統派戦隊ヒロインの真面目で純粋、ひたむきなタイプです。
どちらが姉に相応しいかが問題です。

これは些細な問題のようで、実は結構重要な選択だったと思われます。
何故なら、やはり普通の人間関係と違って、兄妹関係というのは明確な上下関係だからです。
家庭においては弟よりも兄、妹よりも姉の方がどうしても権限は強くなります。
特にこの小津家のような両親不在の家庭の場合、
年長の兄妹の性格が兄妹という集合体のカラーに大きな影響を及ぼし、
兄妹戦隊である以上、それは作品全体のカラーにも影響を及ぼします。

例えばゴーゴーファイブの巽兄妹は
長兄のマトイの熱血体育会系キャラが兄妹のカラーそのものになっており、
巽兄妹が熱血となることで作品そのものが異様に熱いものになりました。
ファイブマンの星川兄妹は長兄の学の理性的なキャラが星川兄妹そのもののカラーとなり、
そのため、やや大人しめの兄妹戦隊となってしまい、他の兄弟のキャラがあまり立ちませんでした。

マジレンジャーの場合は主役はあくまで末っ子の魁であって、長兄の蒔人は脇役なのですが、
劇中の兄妹関係においてはそういうことは何ら関係ありません。
あくまで年長者が兄妹のカラーを決定していくという原則は不変です。
その点、蒔人の責任感は強いながらもおおらかで程よく熱血バカでコミカルな性格は、
マジレンジャーという作品の明るく楽しいカラーを決定する重要なポイントとなったと思います。

しかし、ここで問題は第二子が女だということです。
第二子というのは下の兄妹たちから見れば第一子に対抗し得る唯一の存在であり、
それゆえ第一子は第二子を徹底的に叩きます。
マトイ兄貴のナガレに対する厳しさや、学と比べて異様に影の薄い健などを見ると、
第二子が男の場合、徹底的に長兄の日陰者となる運命のようです。
しかし、相手が女の場合、長兄はそんなに徹底的に叩くことは出来ず、
価値観の違う生き物として並立することになります。
つまり二番手が女の場合、長兄と長姉が並立する体制となるのです。
そうなると長姉の権限も大きく、そのキャラのカラーも兄妹のカラーに影響を及ぼします。

n-urara027.jpgその場合、長姉が真面目キャラの麗だったら、
せっかくの小津兄妹の明るく楽しいムードが損なわれて、なにか息苦しい空気となってしまいます。
真面目な麗が姉で、奔放な芳香が妹であれば、
麗は芳香のちゃらんぽらんな振る舞いを同性の先輩としていつも注意するでしょうし、
芳香としても姉の意見にはある程度は耳を傾けないわけにはいきません。
そうなれば、せっかくの芳香のイタズラ魔女っ子キャラが損なわれてしまいます。
逆に芳香が姉で麗が妹であれば、兄妹のカラーには芳香の明るさが反映されますし、
芳香は誰からも制約を受けずに奔放に振る舞うことが出来て、
一方の麗の真面目キャラは妹になっても別に損なわれることはありません。
このように、芳香が姉で麗が妹であるパターンの方が優れているので、
第二子は芳香、第三子は麗ということになったのでした。

こうして真面目で純粋な麗が5人兄妹の真ん中の第三子となりました。
この5人兄妹の真ん中というのは、なかなか大変です。
上の兄妹と下の兄妹の間で板挟みになったり、
それぞれの意見を聞いて間を取り持ったり、調整したり、気苦労が絶えません。
それゆえ、一番の常識人であることを余儀なくされがちで、自分というものをなかなか出せません。
しかも麗は幼い頃から成績優秀な優等生で、頭も良いですから、
自分の立場的に思いきったことが出来ないにもかかわらず、
事態の問題点などは見えてしまうので、ストレスが溜まります。
優しい性格なので他の兄妹の言い分や悩みを聞き過ぎて、
自分の意見は押し付けようとはしないので、自分の悩みばかり溜まります。

そもそも、この小津兄妹のカラーが蒔人や芳香の影響でかなりルーズなカラーなので、
麗だけ几帳面でしっかり者で、家事全般をこなし、家計もやりくりしており、
他の兄妹は気楽にやっているものですから、麗ばかりが損をするようになっているのです。
それでも麗は「慈愛」という属性を与えられていますから、
末っ子の魁をはじめ、他の兄妹たちのことを第一に考え、
自分を犠牲にして愛情を注ぎ続けています。
なんとも立派であり、母の深雪も麗にそうした役割をかつて期待し、
兄妹たちももちろん麗に感謝しているのですが、
それでも、麗はまだ20歳の乙女です。
完璧な慈母のように生きられるわけではありません。
心の中に不満は溜まっていき、次第に鬱屈した想いを抱え込むようになります。

「デカレンジャー」のウメコも正統派戦隊ヒロインの役割を担うキャラであったはずでしたが、
「デカレンジャー」という作品自体が
従来の昔から続いて来た戦隊ドラマのフォーマットに別の要素を合わせた作品であったため、
ウメコのキャラ自体が作品のテイストに沿って少し変わりました。
通常の戦隊作品ではごく普通のウメコのひたむき元気キャラが、
クールな作風のデカレンジャーにおいては「やたらハイテンションなキャラ」になって、
それがウメコというキャラの独特の魅力になったのでした。

それと同じように、「マジレンンジャー」においても、
正統派戦隊ヒロインである麗のキャラも作品のテイストに沿って微妙に変わってきます。
「マジレンジャー」は通常の戦隊ドラマに、やたら能天気なおとぎ話のテイストを合わせたものですから、
作品全体がどうしても浮ついた感じになります。
そうした中では、従来の戦隊作品ではごく普通の麗の真面目で純粋で一生懸命なキャラというのが、
相対的に暗く湿っぽいものになってしまうのです。
つまり、この作品では麗は「妙に鬱屈したキャラ」になってしまうのです。

この鬱屈した感じが、あまりイエローやピンクという色には似合わない。
それよりは少し沈んだ色であるブルーが似合うのです。
そういうわけで麗はブルーヒロインとなり、
ブルーから連想して水の魔法を使う設定となり、
また、水晶玉を使った占いを得意とするという設定も、
占いという極めて内向的な行為が麗に似合うからです。

ただ、この「妙に鬱屈したキャラ」というのが
ウメコの時のように独特の魅力になればいいのですが、
単に鬱屈しているだけでは、とても魅力にはならないでしょう。
そこで、どのようにすれば良いのかというと、まずはその鬱屈を解消しなければいけません。
時々、その溜まった鬱憤を解消させればいいのです。

scan43.jpgこれまでの戦隊ヒロインというのは、
辛いことやイライラすることがあっても我慢して自分で解決していました。
それが美徳でありました。
しかし、それはそもそも、それらの過去作品では、
そんなにヒロインだけに負荷を集中させるような環境ではなかったはずです。
だから溜まるストレスもたかが知れていたのであり、
それぐらいなら我慢する方が自然な描写であったからに過ぎません。
麗の溜め込んでいるストレスはそんな程度のものではありません。

兄妹戦隊の中で主婦役をこなす羽目になっていたヒロインは
ファイブマンの星川数美と、ゴーゴーファイブの巽マツリの2人で、
この2人ならば麗と比較的似た境遇であり、
特に数美は第三子である点でも麗と共通していましたが、
星川兄妹はとても理性的で、言い換えれば大人しい兄妹だったので、
そんなに酷いストレスが数美にかかっていたわけではありません。
それでも数美はストレスは感じていたようですが、結局はなんとか我慢していました。
そうして多少の鬱屈キャラで通した結果、数美はかなり影の薄いヒロインになってしまったのです。

もう1人の主婦役ヒロインである巽マツリの場合は、
脳筋バカ兄貴に支配される、ストレスの溜まりそうな兄妹ではありましたが、
マツリは末っ子で女一人であったので、兄貴たちにとても大事にされており、
マツリ自身もやるべきことはきっちりやりつつ精神的には結構甘えていたので、
ほとんどストレスは無かったようです。
しかも巽家には父親がちゃんとおり、マツリはお父さん子であったので、
精神的には満ち足りていたと思われます。

こういうマツリの恵まれた境遇に比べれば
上下の兄妹の板挟みで甘えることも出来ない麗にかかるストレスは格段に大きく、
立場的には似ていても兄妹内の人格者の数で圧倒的に勝る星川兄妹の数美よりも
麗の方がやはりまだ負うストレスは多い。
その数美でもストレスは抱えていたわけで、
それを我慢してしまったためにキャラの影が薄くなってしまいました。
いや、数美は我慢出来るギリギリのストレスだったから我慢してしまったのでしょうが、
麗の抱えるストレスは我慢出来るレベルは超えており、
これを我慢するとなると、影が薄い云々の話ではなく、我慢する描写の方が不自然といえました。
だったら、いっそキレてしまえばいいのです。

そういうわけで、麗は鬱屈したものが溜まると、まずは鍋磨きで息を抜き、
更にストレスが限界まで達すると、突然キレて変顔になって暴走したり暗黒面に堕ちたりする、
キャラ崩壊を起こすようになったのです。
そして、普段が優しく可愛いだけに、このギャップが異常に面白く、
麗は正統派ヒロインでありながら、同時にキレキャラ、暴走キャラとしての魅力も獲得し、
これによって人気ヒロインとなったのでした。

ウメコがハイテンションヒロインとしてオンリーワンの魅力を獲得したのと同様、
麗は暴走ヒロインとしてオンリーワンの魅力を獲得したのです。
この結果、「マジレンジャー」の芳香と麗の姉妹ヒロインは、
奔放魔女っ子ヒロインの芳香と、暴走真面目ヒロインの麗の双方の独特の魅力で
「マジカル・シスターズ」の異名をとるようになり、
前作の「ツインカム・エンジャル」に負けない人気を獲得するようになったのでした。

ただ、単にキレて暴走したり暗黒化したりしても、それは一時のことであり、
根本的に麗の鬱屈が解消されるわけではありません。
それは現実世界では付き物の鬱屈であり、
そういう鬱屈を抱えて人は生きていくものだから、それはそれでいいのかもしれません。
麗というキャラは、このおとぎ話テイストの強い「マジレンジャー」の登場キャラの中では
最も現実感のあるキャラで、
それゆえに従来型の「普通の女の子がひたむきに頑張る」という戦隊ヒロインを務めているのです。
だから、あくまで現実的に、鬱屈を抱えながら地味に小津家の主婦役をして、
他の兄妹の縁の下の力持ちとして自分を擦り減らして頑張るのが似合っているのかもしれません。

しかし、それでも、この「マジレンジャー」という物語は、ファンタジー、おとぎ話なのです。
おとぎ話ならば、こういう可哀想な女の子は救われるのです。
だいたいは王子様と結ばれて夢のような世界へ旅立っていきます。
この「マジレンジャー」の麗においても、同じことが起こるのです。

この「マジレンジャー」という作品は、戦隊ドラマとマジカル・ファンタジーの融合なので、
戦隊ヒロインも従来型の戦隊ヒロインとマジカル・ファンタジー系ヒロインの
2つのタイプが必要というのは書きましたが、
これはヒロインだけの話ではありません。
男性ヒーローにも同じことがいえます。
「デカレンジャー」においても従来型戦隊ヒーローのバンと
刑事ドラマヒーローのホージーが並立していました。
そして、この「マジレンジャー」は、
そもそも小津魁が主役のマジカル・ファンタジーとして構想されたのですから、
当然、魁がマジカル・ファンタジー系のヒーローだろうと思われます。

ところが魁は戦隊ドラマにおける主役でもありますから、
戦隊ヒーロー的な資質も持っています。
いや、むしろ、熱血突っ走り型のちょっとおバカなキャラで、
どう見てもバンと同じタイプの戦隊ヒーローそのものです。
西洋のファンタジーに出て来るヒーローというのは、こういう魁のような熱血バカではなく、
もっと澄ましていて神秘的で高貴なムード漂わす王子様キャラのはずです。
もちろん、魁にも、元最強の天空聖者の血を最も濃く受け継ぐ息子という
由緒正しさというのはあるのですが、
物語の前半はその昔の父親絡みの話も全く進展しないものですから、
魁のそういった側面も全くクローズアップされてきません。

考えてみれば当たり前のことで、
兄妹たちは父親が天空聖者だったことは母に教えられるまで知らなかったわけで、
その母親もすぐにいなくなってしまい、それ以上は父親に関する話は進んでいません。
そうなると魁の中のファンタジー系ヒーロー的な側面は一向に開眼しないわけです。
そういうわけで「マジレンジャー」という物語は、確かに非常に面白かったのですが、
序盤においてはマジカル・ファンタジーの成分が足りない状態でした。
単に戦隊ドラマとして面白いエピソードを重ねているというだけのことで、
どうもマジカル・ファンタジーの壮大な物語としては、
未だ本格的に始まってはいないというのが「マジレンジャー」の序盤の印象でした。

photo002.jpgこの状況を打破して、マジカル・ファンタジーの物語を始動させるために送り込まれたのが、
第20話で登場した第六の戦士、マジシャインことヒカル先生です。
このヒカルという名は芳香が勝手につけた名で、
本名は天空聖者サンジェルで、人間ではなくマジトピアに住む天空聖者なのです。
つまり魔法の国の住人で、王子ではありませんが、マジトピアの王に仕える侍従の立場にあり、
非常に貴公子然とした華やかなオーラをまとった優雅な紳士で、しかもイケメンです。
天空聖者ですから魔法力も高く、新米の魔法使いの小津兄妹を遥かに凌駕する実力者です。

しかし、このヒカルは自分が最前線に立ってインフェルシアと戦うのではなく、
小津兄妹の魔法の先生として彼らを一人前の魔法使いになるよう鍛えることを優先するのです。
それは何故かというと、ヒカル(サンジェル)は、
小津兄妹の父である最強の天空聖者ブレイジェルのかつての弟子であり、
その恩返しの意味もあって、師匠の子供達を戦いの中で一人前に育てようとしているのです。
つまり、ヒカルは小津兄妹の父の過去を知る者であり、
かつての父ブレイジェルのインフェルシアとの戦いの顛末を知る者でもあるのです。
いや、知るどころか、一緒にその戦いに参加していた仲間でもあります。

ヒカルの知る戦いの顛末は、
ブレイジェルがインフェルシアの絶対神ン・マを封印したが相討ちとなり姿を消したということで、
その戦いの中で天空聖者の裏切り者ライジェルをサンジェルが封印したが、
同時にサンジェルもライジェルの魔法でカエルの姿に変えられてしまったとのことでした。
このライジェルの封印が解けてインフェルシアの新たな指揮官メーミィとなり、
同時にサンジェルもライジェルの魔法が解けて元の姿に戻り、
ヒカルという名で小津家に居候して兄妹の魔法の先生であり司令官的ポジションについて
戦いに加わるのでした。

このように過去の戦いの因縁の深いヒカルが味方に加わり、
敵側の指揮官にも過去の戦いの関係者であるメーミィが就くことによって、
大河的なマジカル・ファンタジー物語がいよいよ本格的に動き出し、
小津兄妹たちもその中で大きく成長していくことになり、
同時に先生としてはまだまだ未熟なヒカルも彼らと共に成長していきます。
そしてまた、その中で小津兄妹の父親ブレイジェルの消息も徐々に明らかになっていくのです。

それによって魁がマジカル・ファンタジーのヒーローとしての側面も見せていくようになりますが、
その前にマジカル・ファンタジー系のヒーローとして活躍するのはヒカルで、
「マジレンジャー」の後半のもう1人の主役はヒカルと言ってもいいほど、
メーミィやブレイジェルとの因縁など、ヒカルの見せ場は多いです。
見方によっては、この物語の戦隊ヒーローの役割は魁が担い、
マジカル・ファンタジーのヒーローの役割はヒカルが担っているともいえます。
まぁそのへん厳密に決める必要は無いのですが、
ヒカルがマジカル・ファンタジーの要素を大きく増幅させるためのキャラであるのは間違いないところで、
典型的なマジカル・ファンタジーのヒーローであるのは確かです。

しかも、それはファンタジーの王道的な王子様キャラであるのも明白で、
制作陣は確信犯的にヒカルを王子様キャラとして造形しています。
その最たる証拠が、そもそもヒカルがこの第20話まで登場出来なかった理由としての、
かつての戦いでライジェルにかけられた魔法です。
それは「カエルの姿に変えられてしまう」というもので、
これは西洋のおとぎ話で王子様が悪い魔法使いにかけられる定番の魔法です。

そして、このライジェルの魔法を解く方法は「青の魔法使いにキスしてもらうこと」なのです。
青の魔法使いというのは麗のことで、
つまり、麗(カエルが苦手)がカエルにキスすると、
ライジェルの魔法が解けてカエルは颯爽としたイケメンのヒカルの姿に変わるというわけです。
これはもう完全に王子様であり、
おとぎ話の法則に従うならば、麗は王子様の運命の相手ということになります。

結局、実際に麗は次第にヒカルに惹かれていくようになり、
ヒカルもまた麗に惹かれていき、最後はこの2人は結ばれ、結婚式まで挙げ、
インフェルシアとの戦いが終わった後、
麗はヒカルと共にマジトピアで結婚生活を送ることになるのです。
麗のこの物語は、地味な貧乏生活で鬱屈としていた娘が、
運命の王子様に巡り合って恋に落ち、王子様の国で幸せを掴むという、
伝統的なファンタジーそのものなのです。
麗のこの「マジレンジャー」の物語におけるもう1つの役割は、
こういう女の子向けファンタジーのヒロインを演じることであったのでした。

こういった女の子向けファンタジーは本来はスーパー戦隊シリーズではあまり需要は無いのですが、
この「マジレンジャー」という作品は、レギュラーやセミレギュラーの登場人物に女性が非常に多く、
ストーリーもロマンチックで、アクションも激しい肉弾戦などは避けられており、見た目の綺麗さも重視されており、
おそらくシリーズ歴代で最も女児に人気のあった作品であろうと思われます。
そうした女児層に向けて、この麗のロマンチックなラブ・ファンタジーは
用意されたものであったのでしょう。
それを盛り上げるためにも、もともとの麗の境遇は割と不遇な方が良かったともいえます。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 02:12 | Comment(0) | 戦隊ヒロイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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