2012年11月13日

海賊戦隊ゴーカイジャー妄想物語その5


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さて、ザンギャック本星から地球へ向けて大遠征軍が出発した頃、2011年8月を迎えていた地球では、ザンギャック軍の来襲に備える動きが急ピッチで進んでいました。
まず地球には外宇宙でザンギャック軍に対抗出来るほどの強大な宇宙戦艦の艦隊などは無いので、どうしても戦いは地球を舞台としたものにならざるを得ません。そうなると勝敗以前に重大な問題は人々が戦いに巻き込まれる危険をいかに減らすかということになりますが、1975年以来35年以上にもわたって悪の組織の攻撃に晒されてきたお蔭で、この世界では地球の町々には避難用のシェルターのようなものが随所に作られていました。
これらをフル活用して戦火を避けるしかないわけですが、ザンギャックの侵略軍の予想される規模はおそらくかつてのどの悪の組織の総攻撃よりも大規模となると予想されるので、既存のシェルターだけでは容量不足が予想されます。そこで、いつザンギャックの攻撃が開始されるか分からないがとにかく急いでシェルターを増設していく作業を大急ぎで進めることとなりました。
その一方でもちろんザンギャック軍と戦う態勢も整えられていきました。各国の軍隊など地球上の全ての軍事力が国連のもとに結集し、イーグルの指揮下で動くことになり、その中には国際科学特捜隊、地球平和守備隊、地球守備隊、スカイフォース、国際空軍、I.N.E.T.などの、かつてスーパー戦隊と共に戦った国際的な公的機関も含まれていました。そしてイーグル所属のゴレンジャーの隊長、アカレンジャーの海城剛はこれら世界中の軍事力と34のスーパー戦隊の連携作戦を展開するため、全てのスーパー戦隊に戦いへの結集を働きかけました。

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まず初代スーパー戦隊のゴレンジャーですが、これはイーグル所属であり、海城自身が率いているので当然既に臨戦態勢に入っていました。メンバーはかつて黒十字軍との戦いで殉職した戦士の称号を初代の大岩に戻した二代目キレンジャーの熊野大五郎を除いて海城剛、新命明、大岩大太、ペギー松山、明日香健二の5人で、この5人とも現在もイーグルに所属しており、海城同様、未だに現役のゴレンジャーであり、体内に「大いなる力」を持った仲間でした。
60歳となっている海城剛、61歳になっている新命明を筆頭に、全員が50歳を超えており、さすがに生身では昔のように戦うことは出来ないようになっていましたが、それでも十分に並の若者よりは鍛え込んでいるため、変身して強化服を着用すれば昔と同じ強さを発揮できる状態でした。

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次に2代目スーパー戦隊のジャッカー電撃隊も長年継続していた後輩戦隊の観察活動においてもゴレンジャーと常に協力関係でありましたし、所属している国際科学特捜隊も対ザンギャック戦争への参加をいち早く表明していましたから、海城の呼びかけに即座に応じていました。むしろ番場壮吉をはじめジャッカーのメンバーも海城たちと共に他の戦隊に協力を呼びかける側であったといえます。
ジャッカー電撃隊のメンバーの5人、番場壮吉、桜井五郎、東竜、カレン水木、大地文太は全員年齢は50歳を超え、番場あたりは60歳を超えていましたが、彼らはそもそもサイボーグであり、一応外見上の加齢はあるものの肉体的な衰えはほぼ無く、ゴレンジャー同様に今でも現役で活動しており、今でも生身でも変身後でも全く昔と同じように戦うことは出来ました。

この初代戦隊ゴレンジャー、2代目戦隊ジャッカー電撃隊を筆頭に、25代目戦隊のガオレンジャーまでの25戦隊はかつて2001年にレッド戦士だけではありますが一堂に会して共闘したことがあり、この時に25の歴代戦隊の総称として「スーパー戦隊」というものが世間にも初めて認知されました。
その後、歴代戦隊が全部集まって戦うということは無く、この10年前の事件は今では地球の人々の間では有名な伝説のような扱いとなっており、確かに25のスーパー戦隊というものが存在することは多くの人々に認知されているものの、それが全部一堂に会して戦うなどということはもう二度と無く、伝説のスーパー戦隊ももう今となっては存在していないのかもしれないと思われていました。
しかし、バトルフィーバー隊からタイムレンジャーまでの22戦隊は2001年のあの戦いの際、海城や番場などから「この星の意思」が世界の融合の果てに大異変が起こることを危惧しているという事実を知らされており、いざという時には自分達の体内の「大いなる力」が必要になるという覚悟を共有していました。
ただ、それはあくまで最後の最後の追い詰められた局面での話であり、とにかく「大いなる力」を託された自分達の使命はその大異変に際してはまずは地球の人々を守って異変を阻止するために命を賭けて戦うことだと認識しており、10年前の戦いの後、ゴレンジャーからタイムレンジャーまでの24戦隊は今後も地球に大きな危機が訪れた時には再び集まろうと誓い合っていました。
その後、それぞれの日常に戻っていた彼らでしたが、1ヶ月ほど前にゴセイジャーという現在のスーパー戦隊と思われる戦隊の存在を知り、今回そのゴセイジャーに対して「この星の意思」がザンギャック宇宙帝国の襲来とそれに対抗する34戦隊の共闘を予告したという話を海城や番場たちから知らされ、どうやらそれがかねてから危惧していた大異変なのだろうと悟りました。それゆえバトルフィーバー隊からタイムレンジャーまでの22戦隊は今回のザンギャック襲来の危機に際してゴレンジャーの海城やジャッカーの番場の呼びかけにも当然のように応じたのでした。

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まず3代目スーパー戦隊のバトルフィーバー隊のメンバーは、かつてエゴスとの戦いで殉職してバトルコサックの戦士名を後継者の神誠に譲った白石謙作、戦いの途中で離脱してミスアメリカの戦士の称号を汀マリアに譲ったダイアン・マーチンの2人を除いた5人、すなわち伝正夫、神誠、志田京介、曙四郎、汀マリアが「大いなる力」を体内に持った戦士たちでした。
この5人は年齢的には神が60歳代、あとの4人は50歳代でしたが、5人とも未だ現役の軍人として国防軍に所属してバトルフィーバー隊の活動を続けており、鍛錬を続けているため、強化服を着用すれば昔と全く変わりなく戦うことは出来ました。
かつて2001年に伝が他のレッド戦士たちと共闘した縁もあり、また国防軍も対ザンギャック戦争に参加していることもあり、バトルフィーバー隊は10年前にガオレンジャーの応援に応じた時同様、今回も当然のごとく海城の呼びかけに応えて戦いへの参加を決めました。

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次に4代目スーパー戦隊のデンジマンは、5人のメンバー全員が50歳代になっていました。31年前にベーダーとの戦いが終わった後、赤城一平は武道家として修行を積む日々を送り、青梅大五郎と緑川達也はコンビで探偵稼業を始め、子供好きの青梅は幼稚園などを回ってあんパンを配って歩くボランティアなどもやっていました。また黄山純は大学の研究者の道に戻り、桃井あきらはテニスプレイヤーとして復帰し、そのように5人それぞれが自分の道を歩みながら同時に5人共同でアスレチッククラブの経営にずっと携わってきており、その裏でデンジランドでデンジマンとしての活動は31年間秘かに続けていました。それゆえ彼らは10年前にもガオレンジャーの応援に赤城一平を送り出したのであり、今回も当然、5人揃って海城の呼びかけに応じて戦いに赴きました。

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そして5代目スーパー戦隊のサンバルカンは、30年前の戦いの際、NASAへの転属のためにバルイーグルの称号を飛羽に譲った大鷲龍介を除く3人のメンバー、飛羽高之、鮫島欣也、豹朝夫が体内に「大いなる力」を持つ戦士たちでした。
この3人は現在は飛羽が55歳、鮫島が53歳、豹が49歳という年齢となっており、それぞれ地球平和守備隊の高級軍人に出世していました。軍組織の幹部となった彼らは今はもうサンバルカンとしての活動はしていませんでしたが、それぞれが日々の鍛練は欠かしていませんでしたので、いつでも再び強化スーツを装着して地球の平和を守るためにサンバルカンとして戦う準備は出来ていました。
国際平和守備隊そのものも国連所属の組織であり、当然今回のザンギャックとの戦いに参加することになっていましたので、飛羽たちは海城の呼びかけに快く応えて、サンバルカンを再結成して戦いに身を投じることを決めました。

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6代目スーパー戦隊のゴーグルファイブの5人のメンバーは29年前のデスダークとの戦いの後、赤間健一は探検家、黒田官平はプロ棋士、青山三郎はアイスホッケー選手、黄島太は鉱山師、桃園ミキは新体操選手というように自分の道を歩みながら、未来科学研究所の運営を手伝いながらゴーグルファイブとしていつでも活動再開できるように備えていました。
現在は彼らは50歳前後の年齢となっており、それぞれの世界で権威ある存在となっていましたが、同時に本郷博士から引き継いだ未来科学研究所を共同で運営し、かつてコンボイとして自分達の戦いをサポートしてくれた少年少女たちが成長した研究者たちの活動を温かく見守り、地球の平和を守るためにいつでも戦える準備は整えていました。そういうわけで今回、赤間たち5人は海城の求めに応じて再びゴーグルブレスを装着して5人で戦いに赴くこととしました。

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また7代目スーパー戦隊のダイナマンのメンバーであった5人の若き科学者の卵、弾北斗、星川竜、島洋介、南郷耕作、立花レイは28年前のジャシンカとの戦いの後、それぞれの分野で科学者として研究や発明に励み、50歳前後の年齢となった現在、それぞれの分野で見事な業績を上げて第一人者となっていました。
その傍ら、彼ら5人は夢野博士の残したダイナマンの装備を共同で受け継ぎ、地球に大きな危機が訪れてダイナマンの力が必要とされる時、いつでも5人でダイナマンとして再び戦える準備はしていました。今回の海城の呼びかけをその時だと判断した赤間たち5人は、遂に5人揃ってダイナマンとして再び戦うことを決めたのでした。

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そして8代目スーパー戦隊バイオマンは戦いの途中で殉職してイエローフォーの戦士の称号を矢吹ジュンに譲った小泉ミカを除く5人が体内に「大いなる力」を有する戦士たちですが、27年前の新帝国ギアとの戦いの後、サポートロボのピーボがバイオロボに乗って他の星に旅立っていき、高杉真吾はレーサーに復帰し、南原竜太は家業を継いで漁師となり、矢吹ジュンはアーチェリー選手に復帰、桂木ひかるは看護師となりました。
そうして一旦皆は普通の生活に戻りましたが、郷史朗は亡き父の後を継ぐように科学者となり、富士山麓に隠されたバイオベースでバイオ星の科学を解析し、数年後、遂に自力でバイオロボを再現し、バイオマンとしての活動を再び可能とし、4人の元仲間に声をかけて、地球の危機に再びバイオマンとして戦う準備をしておこうと提案しました。
仲間たちもこれに応じて、5人はいつでもバイオマンとして戦う準備はしていました。現在は郷と高杉が51歳で、残り3人は40歳代後半だが、十分にバイオマンとして戦う準備をしてきた彼らは10年前同様に何ら躊躇することもなく海城の求めに応じ、この地球最大の危機において今回は全員が仕事は休職して5人全員で戦いに参加することにしたのでした。

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また、9代目のスーパー戦隊であるチェンジマンは地球守備隊所属の軍人5人が変身する戦隊であり、剣飛竜、疾風翔、大空勇馬、渚さやか、翼麻衣の5人の若き将校たちも今や40歳代後半の幹部軍人として地球守備隊の各部署の責任者となっていましたが、地球からアースフォースを授かった身として何時でもチェンジマンとして戦うことが出来るように、若い隊員たちと共に今でも訓練は欠かしていないので、昔と変わらず戦える状態でありました。
また、26年前のゴズマとの戦いの後、宇宙に旅立っていった伊吹長官ことユイ・イブキからの報せで、新たに宇宙で勃興してきたザンギャック帝国の内実がかなり邪悪なものであることは独自に剣たちも把握しており、地球守備隊とチェンジマンはザンギャック襲来という最悪の事態に備えて出来る限りの準備はしてきていました。ゆえに今回、ザンギャックからの使者が来たと聞いた時から地球守備隊は既に臨戦態勢に入っており、チェンジマンを含む地球守備隊は総力を上げて海城たちの呼びかけに応えて参戦を即断しました。

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そして10代目スーパー戦隊のフラッシュマンの5人、ジン、ダイ、ブン、サラ、ルーは25年前のメスとの戦いを終えた直後、反フラッシュ現象の症状が限界に達して地球を去っていきましたが、フラッシュ星に戻った後、5人のリーダーのジンはフラッシュ星で本格的に科学者の道に進み反フラッシュ現象の研究を開始、数年後、遂に反フラッシュ現象を克服する方法を解明し、5人は地球に戻ってきました。
そうしてサラは自分の本当の家族の時村博士一家と再会し、ジンは他の仲間たちと共に時村博士と共同研究所を作り、フラッシュ星の優れた科学を応用して人々の役に立つ様々な発明を成し遂げて財産を築きました。その財産を使って5人は、かつて赤の他人の自分達を優しく育ててくれたフラッシュ星の義理の親たちに倣うように、孤児院を設立して孤児たちを引き取って育てたり、良い里親を見つける活動に取り組むようになりました。そうした活動の傍ら、彼らはそれぞれ自分の本当の家族も見つけていき、幸福な家族生活を取り戻したのでした。
現在は40歳代後半となった5人は孤児の世話をする児童福祉財団を運営する立場にあり、その裏ではいずれまた地球に危機が迫って多くの孤児たちが生まれるような事態を阻止するために再びフラッシュマンとして戦う準備は怠っていませんでしたので、今回の海城の呼びかけこそがその来たるべき戦いの時だと思い定めて、すぐに応じて馳せ参じたのでした。

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また11代目スーパー戦隊のマスクマンのタケル、ケンタ、アキラ、ハルカ、モモコは24年前のチューブとの戦いの後、姿博士のもとで姿レーシングチームの一員として活動し、数々の大会で優秀な成績を収め、40歳代になった現在も5人は姿レーシングチームのスタッフや後援者として、後輩のレーサーやメカニック達を支えていました。
同時に彼らは姿博士のもとでオーラパワーの研究にも従事し、自らの武術とオーラパワーを磨き、姿博士主宰の武術とオーラパワーによって心と身体の健康を保つエクササイズを子供たちに広める活動にも二十年以上取り組んできました。
そしてもちろんその陰で彼らは姿博士のもとでマスクマンとして再び人々を守るために戦う機会にもずっと備えてきていましたので、今回の海城の呼びかけにも快く応じたのでした。

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そして12代目のスーパー戦隊であるライブマンは23年前のボルトとの戦いの後、科学アカデミアから装備一式は国連に受け継がれ、科学アカデミアの研究者に戻った天宮勇介、大原丈、岬めぐみが国連と共にライブマンを運営していき、民間の発明家となった矢野鉄也とラグビー選手となった相川純一も国連に嘱託職員として所属してライブマンの活動をして、その装備を本来の目的であった宇宙開発に活用していくことになりました。
同時に再び科学が悪用されて世界が危機に晒された時にライブマンの力で世界を守るという方針も国連で決定されましたが、勇介たちアカデミアの3人はボルトに走った親友達を救うことが出来なかったことに無力感を覚え、ライブマンとして戦うことを拒み、アカデミアの再建に尽力し、自らの研究に没頭し、数々の業績を挙げながら、その一方で亡き親友たちのように若い科学者が道を誤ることが二度と無いよう後進の育成に特に力を入れるようになっていきました。
ただ、もともとスポーツを愛好していた彼らは身体を鍛えることには余念が無かったため、いざとなればライブマンとなって戦うことは出来る状態ではありました。そうしてボルトとの戦いから13年が経った2001年、34歳となっていた勇介は亡き親友たちの墓参りをしていたところにラクシャーサ配下のオルグに追われる鷲尾岳と出会い、友の墓を足蹴にしたオルグ達に怒りを爆発させて13年ぶりにレッドファルコンに変身して蹴散らし、戦いの中で戦士の魂を思い出したのでした。
そのままガオレンジャーと共闘した勇介はその後アカデミアに戻って丈やめぐみにも世界の危機には共に戦おうと呼びかけました。2人は亡き友へのこだわりから完全には割り切れませんでしたが、それでも勇介の熱意に次第に心が動かされるようになり、それから10年経った今回、40歳代前半となった元ライブマンの5人は海城の呼びかけに応えて、久しぶりにライブマンとして戦う決意をしたのでした。

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また、13代目スーパー戦隊のターボレンジャーの5人は22年前に暴魔との戦いを終えて武蔵野学園高校を卒業した後、それぞれの進路に進んでいきました。大学野球でスターとなった炎力はプロ野球選手となり、エースとして活躍、浜洋平と日野俊介は体育大学に入ってそれぞれ競泳と体操でオリンピックに出場しメダリストとなり、森川はるなは大学で演劇部に所属して女優としてデビュー、その後、売れっ子女優となり数々の賞を受賞しました。
そのように仲間たちが華々しい活躍をする中、山形大地は大学で陸上部に所属しながら、むしろ学究の道に進んでいき、大学院を出た後、太宰博士の研究所に務めて、再びシーロンのような妖精が生き生きと暮らせるような環境を回復するための環境保護活動に取り組むようになり、現役を引退して後進の育成にあたるようになった洋平と俊介、そして女優業の合間にはるなも一緒にその活動に取り組むようになりました。
そして今年、40歳で現役を引退した力もその活動に加わりました。他の戦隊とも既に連絡を取り合っていた力が10年前に番場壮吉たちからの連絡を受けて一度レッドターボに変身してガオレンジャーの救援に行った時以外は彼らがターボレンジャーに変身することは長らくありませんでしたが、太宰博士はいつでも彼らが変身して戦えるよう準備はしており、今回、海城たちからザンギャックの脅威を知らせる連絡が来たことを5人に伝え、5人は再び地球の平和を守るため戦うことを決意したのでした。

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14代目のスーパー戦隊のファイブマンの場合、21年前のゾーンとの戦いが終わった後、生き延びていた両親と再会するため宇宙に旅立っていった星川学、星川健、星川数美、星川レミ、星川文矢の5兄妹はそのまましばらく両親の星川博士夫妻と共に宇宙の星々を巡って、ゾーンによって滅ぼされた星の命を甦らせる活動を続けました。しかし5兄妹はやはり自分達の天職は教師だと考えるようになり、3年後には両親を宇宙に残して地球に帰還し、再建されたニュータウン小学校に再び教師として勤めるようになりました。
そうして教師として子供たちの教育に励んでいた5兄妹のもとに宇宙を旅していた両親からザンギャック帝国の悪しき実態を憂慮する報せが届くようになったのが今から10年ほど前のことで、学はザンギャックの地球侵略という万が一の事態に備えて、再び自分達がファイブマンとして戦えるように準備しておくことを弟や妹たちに提案し、5兄妹は教職の傍ら、再び訓練を積んで戦いに備えるようになっていました。
兄妹全員が40歳を超え、両親もさすがに年老いて地球に戻ってきて一緒に暮らすようになり、そうして今回、星川家の憂慮が的中した形でザンギャックの地球侵略の脅威がゴレンジャーの海城から知らされたわけですが、準備は十分の星川兄妹はこの星の子供たちを守るため、勇躍して戦いに出向いていったのでした。

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そして15代目のスーパー戦隊のジェットマンは、スカイフォースの軍人であった天堂竜を除く4人はもともと事故のような経緯で戦いに巻き込まれた一般人であったので、20年前にバイラムとの戦いが終わった後、それぞれが元の平穏な生活に戻ることを誓い合い、ジェットマンは解散となりました。
大石雷太は農夫に戻って幼馴染のサツキと結婚し、後に有機栽培の野菜の販売で大儲けして会社を興しました。また早坂アコは普通の女子高生に戻った後、街角でスカウトされて売れっ子アイドルとなり、後に芸能事務所の社長となりました。鹿鳴館香は天堂竜との交際を経て、バイラムとの戦いの3年後に竜と結婚し、財閥令嬢とエリート軍人の2人は幸せな結婚生活を送るようになりました。
そして結城凱はその竜と香の結婚式に向かう途中、些細なトラブルからチンピラに刺されて死んでしまい、天涯孤独の身の上だった凱は竜たちによってひっそりと葬られ、竜たちかつての仲間たちは自分達の日々の生活を送りながら交替で凱の墓の世話をする生活を送るようになりました。
28歳で死亡した凱を除く4人の元ジェットマンは今年、最年長の竜が45歳、最年少のアコが38歳となっていました。一般人に戻った昔の仲間たちを戦いに巻き込みたくない竜は、10年前にスカイフォース経由で番場たちからガオレンジャー支援の要請を受けた時は自分1人で変身して戦いに出向きましたが、今回、スカイフォースの小田切総司令から伝えられた海城からの情報を見る限り、地球最大の危機ともいえる事態が予想され、苦悩した竜は仲間たちに相談し、香、雷太、アコの志願を受けてジェットマン4人で戦いに加わることを決断したのでした。

さて、空の上に存在する死後の世界、いわゆる天国というところで暮らしていた結城凱はこの下界の出来事を眺めて、凱が勝手に「神様」と呼んでいる天国の番人の女性型霊体に、死んだ身で下界で仲間たちと一緒に戦う方法は無いかと訊ねました。突拍子も無い質問に神様は驚きましたが、下界に降りることが出来れば、後は本人の精神力次第でそれは不可能ではないが、途轍もない精神力を必要とするので実質的には不可能だと答えました。
それを聞いた凱は自分なら余裕で可能なので何も問題は無いから、早く下界に降ろすよう要求し、神様はあまりに自信満々の凱の態度に興味を覚え、本来はいけないことなのだがポーカーの勝負で自分に勝てれば下界行きを許可すると言い、凱は神様とポーカー勝負をすることになりました。
この勝負で凱は神業のようなイカサマで勝利し、下界行きを勝ち取りますが、神様は凱が仲間達と一緒に戦うことは問題ないのだが、死んだ人間が下界で生きているかのように誤解されるのは良くないので、凱の姿は地球の人々の目には見えないようになるということを告げました。凱は別に仲間たちと再会したくて下界に行くわけではなく、もう戦わないと誓い合った仲間たちがそれでも戦いに巻き込まれる以上、自分も一緒に戦うしかないと思っているだけなので、自分の姿が地球人に見えなくても自分の拳が宇宙人に届くのならば何も問題は無いと豪語し、神様の好意に感謝して地上に降りてきて、竜たちの傍に人知れず付き添いながら戦いが始まるのを心待ちにしました。


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さて同じく空の上に存在する不思議な世界ではあるものの死後の世界、天国とは少し違う世界が天界でありました。この天界は妖精が作った一種の亜空間で、妖精や仙人など、現代社会においては存在していると何かと不都合な者達が集まって下界を観察している世界でした。マジトピアや護星界と同種の世界といえます。
19年前に下界でバンドーラ一味と戦った恐竜人類の戦士たち、16代目スーパー戦隊のジュウレンジャーのゲキ、ゴウシ、ダン、ボーイ、メイの5人も、その戦いの後、自分達は本来は現代の人間社会に存在していてはいけないという理由で天界に移動して、それから19年間、下界を見守り続けてきました。
彼らは別に死んだわけでも神様になったわけでもなく、普通に生きている状態ですので普通の人と同じように年もとります。この2011年現在、彼らの中で最年長のゴウシは46歳、最年少のボーイは34歳となっていました。下界から彼らにアプローチする方法は無いのですが、彼らの方は下界の様子を常に観察していますので、彼らが必要だと判断すれば下界に降りてくることはあります。それゆえ10年前に番場たちがガオレンジャーの支援のために他の戦隊に出動を要請した時、それを天界から見ていたゲキは1人で下界に降りて戦いに赴きました。
そして今回、ザンギャックの侵略が予期される中、海城たちが全スーパー戦隊を結集しようとしているのを天界から眺めていたゲキ達は、今回は5人全員で戦いに参加しようと決意し、下界に降りていきました。

そして、そのゲキ達が地上に降りてきた様子をひっそりと見守っている者がもう1人いました。それはジュウレンジャー6番目の戦士、ゲキの兄のブライの思念体でした。ブライは19年前の戦いの終盤に死んだのであり、その後、死後の世界に行くことなく現世を彷徨っている自分をブライは幽霊になったものだと思っていました。
しかし、そのブライに突然「この星の意思」が話しかけてきました。ブライは19年前にゲキ達の戦いが終わった時にも、幽霊状態でゲキ達の様子を眺めていた時に「この星の意思」に話しかけられており、「大いなる力」や世界の融合の件は聞いていました。そして今回も海城たちの行動を観察していたブライはだいたい事の次第は把握していました。
ザンギャックという強大な敵によって地球が危機に晒されており、その危機に立ち向かうため、遂には天界にいたゲキ達かつてのジュウレンジャーの仲間たちまでも戦うために下界に降りてきた。だが死んで幽霊となり肉体を失った自分にはゲキ達の戦いを手助けすることも出来ないと思い、ブライは虚無感に囚われていました。
ところが19年ぶりに突然話しかけてきた「この星の意思」は、ブライは実は死んではいないのだと言ってきたのでした。要するに思念体というのは結城凱のような命を失った死者の霊の状態なのではなく、命ある生者であるが肉体を失った存在のことを言うようです。普通は肉体を失えば自動的にその魂の命も失われて、その魂は死後の世界に行くのですが、この世界に特別な使命を持った者がその使命に関する大きな未練によって死後の世界に行くことを拒めば、その魂は思念体となり、命を保ったまま肉体の無い状態となるのだそうです。
ブライの場合の特別な使命とは、ドラゴンレンジャーというスーパー戦隊の戦士の1人ということを意味します。誰にもドラゴンレンジャーの称号を譲ることなく肉体を失ったブライの場合、ドラゴンレンジャーという存在の持つ特別な使命を担うことが出来る者はたとえ肉体を失ってもブライ1人でした。そのブライが自分を欠いたジュウレンジャーの戦いの結末を見届けることに強く執着して死後の世界に行くことを拒んだため、ブライ本人は幽霊となったと思い込んだようですが、実際はブライの命は失われず、肉体を持たない思念体として現世で生き続けることになったのです。
なお結城凱の場合はチンピラに刺されて肉体を失った時点ではジェットマンの戦いが終わっており、ブラックコンドルという戦士の特別な使命も終わっていたので思念体となることなく、そのまま命を失って死後の世界に行ったのです。
また、例えば戦いの途中で殉職したバトルコサック白石謙作が思念体化しなかったのは、バトルコサックという戦士の特別な使命はその称号と共に神誠に引き継がれたので、白石の魂は思念体化せず死後の世界に行ったからです。

さて、思念体は生きているわけですから寿命というものがあり、いずれはブライは思念体としての死を迎え、死後の世界へ旅立ちます。そして生きているわけですから肉体は無くても老化もしていきます。確かにブライは肉体を失っているはずであるのに、その自分で認識することが出来る思念体としての顔は現時点で50歳ぐらいのものとなっていました。それはブライが生き続けていたとしたら到達していたはずの年齢ピッタリでした。これもブライが実際は生きているという証でした。
死んでいたと思っていた自分が生きていたという意外な事実にブライが驚いていると、更に「この星の意思」は思念体が肉体を一時的に得て戦いに参加する方法があると言ってきました。驚いてブライがその方法を尋ねると、「この星の意思」は自分はその方法を知らないが、それを知っている者がいるので紹介すると言い、ブライをある場所に招きました。
そこにはアカレッドが待っており、他に2人、ブライと同じ思念体の戦士が同じように「この星の意思」に誘われてこの場に誘導されてきていました。その2人とはタイムファイヤー滝沢直人と、アバレキラー仲代壬琴でした。彼らも戦いの途中で死んで自分は幽霊になったと思い込んでいたスーパー戦隊の戦士たちでしたが、ブライ同様、「この星の意思」に自分が実は肉体を失っただけで生きているのだということを教えられ、肉体を一時的に持つ方法を教えてやると言われてここにやって来ていたのです。
そこで3人が「この星の意思」に引き合わされたのがアカレッドで、3人はアカレッドとは初対面でした。アカレッドも思念体ですが、アカレッドの場合はもともと肉体は無く思念のみの存在で、後で肉体を獲得したパターンですが、とにかく思念体が肉体を持つ方法は知っているということになります。
といってもどのような思念体にも通用する方法ではなく、例えば「この星の意思」も思念体ですが肉体を持つことは出来ないし、そもそも人間の思念体のように寿命があるわけでもありません。肉体を持つことが出来るのは人間の思念体、特にその中でも「大いなる力」を有したスーパー戦隊の戦士の思念体だけであるようです。少なくともアカレッドの把握している肉体獲得の方法はスーパー戦隊の戦士にしか通用しない方法でした。
すなわち、アカレッドが自分の持つ「大いなる力」を使って他の戦士に変身したり他の戦士の武器を実体化して召喚したりするのと原理的には同じで、「大いなる力」を使って仮初の肉体を実体化させて、その肉体に入り込んで動かすということです。この方法は疲労やダメージが蓄積して「大いなる力」が消耗すれば使えなくなり、眠りについて「大いなる力」を回復させることによって再び使えるようになる方法であり、それゆえアカレッドはより長期間にわたって仮初の肉体で活動するために2006年から眠りについていたのです。
ブライ達はアカレッドほど長期間、仮初の肉体を継続して使うことは出来ないが、それでもアカレッドの編み出した方法を修得すれば数ヶ月ぐらいは継続して仮初の肉体で活動することは可能でした。そこでブライと直人と壬琴の3人の思念体は、ザンギャックとの戦いが開始された時点で昔の仲間たちのもとに駆けつけることが出来るように、アカレッドに師事して仮初の肉体を獲得して戦う方法を修得することにしました。

ちなみに「この星の意思」とアカレッドがわざわざブライ達のような思念体となった戦士たちに肉体獲得の方法を教えたのは、少しでもスーパー戦隊側の戦力をアップさせてザンギャックの侵略を阻止したいという思惑もあると同時に、出来るだけ多くの「大いなる力」を持った戦士を戦いに参加させて、最終的に出来るだけ多くの「大いなる力」を宇宙に飛び散らせるという隠された目的もあってのことでした。
そこで「この星の意思」やアカレッドもさすがに死者を生き返らせる方法は知らないので、死後の世界に魂が旅立っていった結城凱や理央やメレについては仕方ないと諦めていましたが、思念体となって現世に留まっているブライと滝沢直人と仲代壬琴には肉体を得て戦いに参加させる道を示すことにしたのでした。それゆえ結城凱の行動は「この星の意思」にも想定外のことであったといえます。

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続いて17代目スーパー戦隊のダイレンジャーですが、18年前のゴーマとの戦いの後、6人のメンバーは再びゴーマが活動を始める日に備えて拳法の修練を欠かさないようにしつつ、それぞれが日常生活に戻っていきました。
亮は中華料理店でコック修行に励み、大五はペットショップ店員として勤務しながら趣味の釣り三昧の生活を送り、将児はボクサーに復帰し、トレーニングを重ねて強くなり日本チャンピオンとなり、遂には世界タイトルマッチの挑戦者となりましたが惜敗し、その後何度も世界戦に挑むことになりました。知は腕利きの美容師として名を上げ、リンは留学先の大学を卒業した後、そのまま日本に居残り、中華街の虞翻の発明事務所で働きながら同居しているコウの面倒を見ました。
コウは小学校、中学校、高校を卒業してから中華街で友人たちと貿易の事業を始めて成功し、新進気鋭の青年実業家となり、今から7年前、20歳の時に9歳年上のリンにプロポーズして結婚しました。その頃にはリンは虞翻亡き後、日本におけるダイ族のまとめ役を引き継いでおり、リンのもとに昔のように亮たちが集まってゴーマの動向や、後輩戦隊たちの動向などの情報交換も行うようになっていました。
その後、亮は自分の中華料理店「赤龍軒」を開き、大五も自分のペットショップを持つようになり、将児は何度も世界戦に挑んだものの惜しくも世界チャンピオンにはなれずに引退してトレーナーとなり、その後、自分のボクシングジムを開きました。知はカリスマ美容師として名を上げた後、自分の美容室を作ってオーナーとなりました。
この2011年時点で亮は41歳、大五は42歳、将児は37歳、知は38歳、リンは36歳、コウは27歳となっており、それぞれ家庭を持ち子供も育ってきており、社会人としては中堅どころに差し掛かっていましたが拳法の鍛錬は怠っておらずダイレンジャーとして戦う準備に怠りはありませんでしたので、海城からリンのもとへザンギャックの侵略阻止のための参戦の要請が来ると、6人は躊躇なく戦いに身を投じることを決めたのでした。

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また18代目スーパー戦隊のカクレンジャーは17年前の妖怪大魔王の封印以降もニンジャマンを除く5人の隠流忍者のメンバー、サスケ、鶴姫、サイゾウ、セイカイ、ジライヤは一緒に旅を続け、人々の悪しき心が妖怪を生み出すのを見つけるたびにその妖怪を退治していきました。
人に隠れて悪を斬るというのが隠流忍者ですから、その日常は徹底的に謎に包まれており、彼らがずっと旅を続けていたのか、それとも定期的に一般人と同じ生活を送っていたのかも定かではありません。ただ最年長のサスケが40歳、他のメンバーも全員30歳代となったこの2011年においても、妖怪が現れるところには彼らは昔と変わらずカクレンジャーとして現れ、妖怪を退治していくのは紛れもない事実でした。
ただ彼らは通常は妖怪退治以外のことには興味は示さず、その居場所は常に不明で、ゴレンジャーやジャッカー電撃隊の海城や番場たちもカクレンジャーの動向は掴むことは出来ていない反面、カクレンジャー側は独自の諜報活動で他の戦隊の動きはだいたい把握していました。
ただ、国際空軍の三浦参謀長だけは昔カクレンジャーと接触した時の縁で、隠流の頭領の鶴姫へ連絡をつける方法は知っており、2001年のガオレンジャー支援要請も番場から三浦参謀長経由で鶴姫に伝わり、サスケが1人でガオレンジャー支援に駆けつけました。今回も海城からのザンギャックの侵略阻止の共闘呼びかけは三浦から鶴姫に伝えられ、カクレンジャーは全員で戦いに参加することにしたのでした。

そうしてサスケ達が久々の大規模な戦いに赴くに際して17年ぶりに三神将を呼び出すと、三神将と一緒に修行していたはずのニンジャマンの姿が見えないので不審に思い三神将にニンジャマンはどうしたのか尋ねました。
すると三神将はニンジャマンは己の未熟を悟って1人で修行の旅に出て戻っていないと答え、居場所は知らないと言いました。そして己を未熟と見なしている者などは居ても居なくても大勢に影響は無いと言って、三神将はニンジャマンを除いた布陣で戦う方針を示したのでカクレンジャーもそれに従い、結局ニンジャマン不在で戦いに赴きました。
実際はニンジャマンはこの時点から7年前に三神将によって罰を与えられて寝隠神社に封印されていたのですが、ニンジャマンを隠流の真髄を忘れた愚か者と見なして壺の中で10年間反省させて成長させようとしていた三神将は、サスケ達にそのことを教えて勝手にニンジャマンの封印を解かれて修行の邪魔をされることを嫌って、サスケ達にわざと嘘をついたのでした。また、隠流の真髄を忘れた今のニンジャマンが戦いに加わっても皆の足を引っ張るだけであろうとも三神将は実際思っていました。そういうわけでカクレンジャーは6人の「大いなる力」を持つメンバーのうちニンジャマンを除く5人だけで戦いに臨むこととなったのでした。

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また、19代目のスーパー戦隊のオーレンジャーは国際空軍の精鋭将校である星野吾郎、四日市昌平、三田裕司、二条樹里、丸尾桃の5人と超古代人の戦士リキとで構成されていました。
16年前のバラノイアとの戦いの後、リキは再び異空間で眠りにつき、吾郎以下の5人の超力戦隊隊員たちはそのまま地球の平和を守る活動につき、主にバラノイアの残党を掃討していきました。そうしているうちにカーレンジャーやメガレンジャーなど、自分達の後に続くスーパー戦隊が活動しているのを見て、ひとまずオーレンジャーが戦いの最前線に立つことは無いと判断した三浦参謀長は実質的にオーレンジャーを解散して、吾郎たちは国際空軍全体を支える職務に励むように訓令され、順調に階級を上げていき国際空軍の幹部になっていきました。
この2011年現在では彼らは43歳から36歳という年齢になっており、昌平、裕司、樹里、桃の4人は参謀に名を連ね、吾郎は参謀長となっており、彼らは国際空軍の司令官となった三浦を支えていました。そして、そうした正規の職務の陰で三浦は吾郎以下の5人と共に訓練を重ね、いつでもオーレンジャーとして戦える準備はしてきました。
そういうわけで今回、ザンギャックの侵略の危機を国連から通達されて国際空軍はいち早く戦闘準備態勢に入りましたが、海城からオーレンジャーの出動を請われた三浦司令官は即座にオーレンジャーの再結成を吾郎に指示し、吾郎たち5人は国際空軍と共にオーレンジャーとして戦うこととなりました。そして三浦と吾郎はリキも目覚めさせて共にキングレンジャーとなって戦うよう要請し、リキもこれを承諾し、かつての仲間6人が揃って戦うこととなったのでした。

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こうした中で異色だったのは20代目スーパー戦隊のカーレンジャーの面々で、町の小さな自動車会社ペガサスの社員の陣内恭介、土門直樹、上杉実、志乃原菜摘、八神洋子の5人は15年前にカーレンジャーとなって宇宙暴走族ボーゾックと戦い、ボーゾックが改心して戦いが終わった後はしばらくの間、一般人として普通にペガサスで仕事に励んでいました。
ところがボーゾックとの戦いで共闘していたポリス星の宇宙警察官のシグナルマンがボーゾックとの戦いの後、昇進試験を受けるためにポリス星に帰っていたのですが、結局昇進出来ずに3年後に再び地球に赴任してきて、ポリス星の交通警察本部から地球における交通安全の啓蒙活動をするよう任務を帯びてきたのがきっかけで恭介たちは奇妙な道に踏み込むことになりました。
シグナルマンは地球の子供たちに寸劇で交通安全の価値を知らしめるよう指令を受けてきていましたが、その芝居に出演してくれる人の当てもなく、結局仕方なく恭介たちに相談を持ちかけて、恭介たち5人はシグナルマンのために芝居に出てやることにしました。
しかしシグナルマンの書いた台本があまりにつまらなかったため、恭介は怒って大幅に書き直し、変身後のカーレンジャーが主演するお芝居を作り、その芝居を変身して子供たちの前で演じてみたところ大ウケし、それ以降、恭介たち5人はすっかり子供たち相手の芝居の魅力にとりつかれてしまい、シグナルマンの頼んでくる分だけにとどまらず、自分達でも勝手に子供たちに交通安全を説く芝居を上演するボランティア劇団を結成してしまいました。
そして、このカーレンジャー主宰の劇団には、かつて戦いを通じて知り合った国際空軍の三浦司令官や、諸星学園卒業生の伊達健太や今村みく、更にその繋がりでギンガの森の戦士のゴウキやヒカル、首都警察巡査の巽ダイモンや救急救命士の巽マツリなどもたまに出演するという、なんともカオスな状況となっていきました。
この有様はゴレンジャーの海城やジャッカー電撃隊の番場も把握しており、この一風変わったカーレンジャーという戦隊が果たして戦いで役に立つのであろうか不安を覚えたのでしたが、国際空軍の三浦司令官は昔の縁で妙にカーレンジャーのことを気に入っており、あれでなかなかイザという時は頼りになる連中なのだと言って、2001年のガオレンジャー支援の時も三浦が恭介に声をかけて出動を要請しました。
そして今回もザンギャック襲来の危機に際して三浦はカーレンジャーに戦いへの参加を呼びかけ、現在は全員30歳代となったカーレンジャーの5人とシグナルマンは子供たちが笑顔でお芝居を楽しむことが出来る世界を守るため、命を賭けて戦うことを決意して戦いに出発しました。

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続いて21代目スーパー戦隊のメガレンジャーは、14年前にひょんなことからネジレジアの侵略と戦う羽目になってしまった諸星学園の高校3年生の5人組と、それを支援していた世界科学者連邦(I.N.E.T.)の研究員の1人とで構成されていた戦隊でした。
14年前の戦いの後、諸星学園を卒業した5人はそれぞれの進路に進んでいきました。一流大学に進学した遠藤耕一郎は大学卒業後、I.N.E.T.の研究員となり、カメラマン志望だった城ヶ崎千里も大学卒業後、耕一郎と共にI.N.E.T.の研究員となる道を選び、カメラは趣味で続けることとしました。大学在学中にCGデザイナーとして頭角を現した並木瞬は仕事が殺到するようになり大学を中退、売れっ子デザイナーとして多忙な日々を送るようになり、今村みくは大学卒業後、その瞬の事務所に押し掛け女房のように勤め始め、紆余曲折を経て結局、数年後に瞬とみくは結婚することになりました。
また、耕一郎と千里も結局職場結婚をし、最近では瞬のデザイン事務所がI.N.E.T.と専属契約しているため、2011年現在ではともに32歳となった彼らは昔のようにI.N.E.T.で仲間で集まることも頻繁になりました。そのI.N.E.T.ではメガレンジャーの6番目の戦士だった早川裕作も39歳となっており、開発班の統括チーフという要職に就いており、14年前の戦いでメガレンジャーの指揮官であった久保田博士はI.N.E.T.の代表となっていました。
そして伊達健太は二浪した後に三流大学になんとか入り、そこで自分の将来を考えた末、メガレンジャーとして戦った時に自分や級友たちが学んだ「たとえ弱くても自分の夢や大切なものは自分で守る」という精神を次代の若者たちにも伝えたいという想いから教師を志すようになり、卒業後、教員免許を取って今から8年前に母校の諸星学園高校に新任教師として赴任しました。そしてかつて自分達が作ったデジタル研究会の顧問となり、I.N.E.T.に勤務する耕一郎や千里とも連係して教え子たちに知恵と勇気と科学の力を使えば自分の大切なものを守るために色々なことが出来るということを教えていったのでした。
その健太は大学在学中に恭介たちの劇団の手伝いに行って国際空軍の三浦司令官と知り合い、その縁で10年前のガオレンジャー支援の戦いに誘われ、久しぶりにメガレッドに変身して、裕作を口説いてI.N.E.T.の協力も得て戦いに参加しました。その時、また地球の危機には一緒に戦おうと三浦や恭介たちに誘われたのをきっかけに健太は後輩といえる現在の若者たちを守るために再びメガレンジャーとして活動する準備をしようと思い立ち、教師になった後、健太の呼びかけで諸星学園やI.N.E.T.で昔の仲間が定期的に集まってメガレンジャーとしての戦いに備えるようになりました。
そうして今回、海城の呼びかけでI.N.E.T.が対ザンギャック戦争に協力することとなり、メガレンジャーの参加も打診してきたのを受けて、久保田博士は健太たちに戦う意思があるか確認し、健太たちや裕作は戦う意思を示したのでした。

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また、22代目スーパー戦隊のギンガマンのメンバーであったギンガの森の戦士たち6人、リョウマ、ハヤテ、ゴウキ、ヒカル、サヤ、そしてヒュウガは、13年前のバルバンとの戦いの後、ギンガの森に戻っていました。そのギンガマンとバルバンの戦いを見守っていた絵本作家の青山晴彦はリョウマ達がギンガの森に帰った後、彼らのことを「星の伝説」という絵本に描いて出版しました。
ギンガマンという戦士たちが怪物たちと戦っていたことは当時は世間では都市伝説的に知られており、この絵本もそういった都市伝説から着想した架空のお話と思われたようで、そこそこ売れはしましたが、まさかこれが実話そのものであるとは世間の人々は思いませんでした。そもそも子供向けの絵本ですから、大人が大真面目にその内容を解析するようなことはなかったのです。実はこの絵本の内容を読み解けば結界によって隠されたギンガの森へ行く方法が分かるようになっているのですが、そのことには世間の人々は気づくことはなく、ゴレンジャーの海城やジャッカー電撃隊の番場たちですら気付いていませんでした。
ギンガマンが他の戦隊のメンバーと接触することは無いこともなかったのですが、それは常にギンガマン側からのアプローチであり、リョウマ達は掟によって軽々しくギンガの森の場所を他人に話すようなことはなかったのです。だからギンガマンのメンバーがギンガの森の内部にいる限り、海城や番場たちも連絡の取りようはありませんでした。「星の伝説」を解析すればギンガの森に行くことは出来たのですが、さすがに海城や番場もそこまでは気づかなかったのです。
2001年にガオレンジャーの戦いにゴウキやリョウマが駆けつけることが出来たのは、たまたま牛込草太郎がギンガの森に迷い込んで結界の外でゴウキと出会った結果、ギンガマン側が既に感じ取っていたただならぬ異変の正体がラクシャーサであることを知り、自ら戦いの場に出向いたからです。その2001年の戦いの際、世間の人々はかつて都市伝説であったギンガマンが実在しており、しかもスーパー戦隊の1つであることを初めて知ったわけですが、それでも「星の伝説」という絵本に重大な秘密が書かれているとは気付くことはありませんでした。
そうしているうちに2001年に出現した25戦隊すら伝説的な存在となっていき、「星の伝説」も青山氏の新作絵本などによって過去の絵本として押しやられて忘れ去られていったので、この絵本からギンガの森の場所を割り出そうと考える人が出てくることはありませんでした。
そういうわけで今回、ザンギャックの襲来に備えてスーパー戦隊を結集しようとしている海城や番場たちもギンガマンに早く連絡をとる方法が無くて困ってしまいました。実際にザンギャックが地球に突入してくればギンガの森でもそれを察知してギンガマンも戦いに出てくるのは予想出来ますが、海城たちとしては出来ればあらかじめギンガマンにも連絡をとって打ち合わせをしておきたかったのです。
そうして海城たちがギンガマンの居場所が分からなくて困っていると知った伊達健太は、自分は何度もギンガの森に行ったことがあると言いました。かつてギンガマンとメガレンジャーが一緒に戦った後、健太たちはリョウマ達に特別にギンガの森に招待してもらったのです。その後、健太は大学時代に何度かギンガの森に遊びに行ったこともあり、メガレンジャーの中で唯一、ギンガの森の場所を正確に覚えていました。
そこで健太が海城に頼まれてギンガの森に行き、結界の外からリョウマに呼びかけたので、リョウマは驚いて結界の外に出てきて、35歳となったリョウマと32歳となった健太は10年ぶりに再会し、健太から事情を聞いたリョウマはさっそくギンガの森で仲間たちにそれを報告し、40歳となった兄のヒュウガから30歳となったヒカルやサヤなど、仲間全員がもちろん戦いに赴くことを承諾しました。

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そして23代目スーパー戦隊のゴーゴーファイブの場合は12年前の災魔との戦いの後、巽兄妹はそれぞれ職場に復帰しました。長男の巽マトイは首都消防局レスキュー隊の隊長に復職し、次男の巽ナガレは首都消防局化学消防班に復帰、三男の巽ショウは首都消防局航空隊に復帰し、四男の巽ダイモンは首都警察の巡査に復職し、末っ子の妹の巽マツリは国立臨界病院所属の救急救命士に復帰し、5兄妹はそれぞれの職場で人々の命を守るために力を尽くし、また以前のように職域を超えて互いに連係して効果的な救命活動を展開していました。
一方、巽兄妹の父親の巽モンド博士は相変わらず巽防災研究所でゴーゴーファイブの装備を維持しており、ゴーゴーファイブのアンチハザードスーツやメカ類はもともとは戦いだけではなく消防や救急活動に役に立つように作られているため、巽5兄妹は自分達のそれぞれの職場で場合によってはアンチハザードスーツを着装して活動していました。そして大きな災害時には5兄妹が集まって着装状態で活動したので、ゴーゴーファイブが再結成したのと一見変わらないようにも見えました。
しかし、巽兄妹は基本的に以前のように怪人や怪物と戦うようなことはせず、あくまでゴーゴーファイブの装備は救急活動にのみ使用しました。それは彼らにとって一番大切な戦いは人の命を守ることであり、怪人や怪物を倒す戦隊は自分達以外にもタイムレンジャーやガオレンジャーなど、常に存在したからでした。一方でそうした怪人たちによって引き起こされた災禍の中で高度な救命活動を行える戦隊は自分達以外には存在しない。だから戦いは他の戦隊に任せて自分達は救急活動に専念するというのが巽兄妹のスタンスでした。
そういうわけでゴーゴーファイブは1999年以降も現役戦隊であり続けましたが、救急活動に特化した戦隊であり、2000年にタイムレンジャーと共闘した時や2001年にマトイがガオレンジャーの支援に出向いた時などの数少ない例外を除いては、戦いには参加しない戦隊であり続けたのでした。
そうして2011年現在、長男マトイは36歳、末っ子のマツリが31歳となった2011年現在も、5兄妹はあくまで現場に出ることにこだわり続けて出世栄転を断ってひたすらマイペースに救急活動を続けていました。そんなところに巽防災研究所にゴレンジャーの海城からゴーゴーファイブの対ザンギャック戦争への協力を求める打診が来たのですが、巽兄妹はいつも通り、他の戦隊が戦うのならば自分達はその陰で救急活動をすると言って、一旦その依頼を拒否しました。
しかし海城も巽兄妹が頑固者であることは知っていましたのでこういう反応は予想済みで、海城は5兄妹のそれぞれの職場の上司たちにザンギャックの脅威が容易ならざるものであることを告げ、ゴーゴーファイブの力が戦いの場になんとしても必要だと説き、これを聞いた5兄妹それぞれの職場の仲間たちは、5兄妹に戦うよう言い、ゴーゴーファイブが戦ってザンギャック軍を食い止めてくれなければ自分達は確実な救急活動が出来ないと主張して、それでも渋る5兄妹をそれぞれの職場は強引に休職にして送り出したのでした。それで5兄妹も腹を括り、久しぶりに戦うためにゴーゴーファイブの装備を携えて海城のもとに向かうことにしました。

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こうした中、24代目スーパー戦隊のタイムレンジャーは実質的には既に存在していませんでした。かつて11年前にロンダーズファミリーと戦いを繰り広げ、遂には大消滅の歴史までも変えた6人の戦士たちのうち、ユウリ、アヤセ、ドモン、シオンの4人の未来人たちは31世紀の未来へ戻っていき、滝沢直人は戦いの中で凶弾に倒れて死亡しました。
残ったのは浅見竜也1人だけで、タイムレンジャーの装備もユウリ達は自分の分は未来世界に持ち帰り、以前のように31世紀からタイムジェット等のメカ類が送られることもないので、この21世紀世界には竜也のタイムレッドの装備と直人が遺したタイムファイヤーの装備、そして巨大メカはブイレックスだけが残っていました。そういうわけで2001年にガオレンジャーの支援に行くよう依頼された巽マトイが1年前に共闘した縁で竜也にも声をかけた時、竜也はブイレックスに乗って駆けつけたのでした。
この時竜也は自分がスーパー戦隊の一員であったことを実感し、再び地球が大きな危機に見舞われた時は集まろうという歴代レッド戦士たちの誓いに加わり、その時は自分はこの21世紀世界でたった1人のタイムレンジャーの戦士として駆けつけようと心に決めました。
その一方で竜也はユウリ達と一緒に運営していた便利屋トゥモローリサーチを継続し、竜也自身には便利屋として目立った才能は無かったがユウリ達との悪戦苦闘の日々のお蔭か、竜也は人材を活用する才能を開花させ、新たに集まって来た若手社員たちの様々な才能を開花させてトゥモローリサーチを調査会社として発展させ、青年実業家として成功しました。
その後、父に請われた竜也は浅見グループに戻ることを決意し、トゥモローリサーチと共に浅見グループに入り、財閥の後継者となりました。この2011年現在において33歳となった竜也は浅見グループの調査情報部門トゥモローリサーチの社長にして、民間警備部門シティガーディアンズ本部長、そして父である浅見渡会長を補佐する役職に就いていました。
浅見グループの情報網によって既にザンギャックの侵略が予想されて諸機関がそれに対応すべく動いていることを把握していた竜也は自分のもとにも海城からタイムレンジャーとしてスーパー戦隊の戦いに加わるよう協力要請が来ることをいち早く予想し、既に自分の職務を部下に割り振っておき、自分が戦いに行った後、財閥の職務に支障をきたさないよう手配していました。そして海城から連絡があり、竜也は世界の未来を守るために単身で戦いに赴きました。
竜也は今この時代で戦えるタイムレンジャーは自分1人だと思っています。ユウリ達は未来に去っていき、直人は死んでもういないからです。しかし直人は思念体となってこの世に留まっており、既に「この星の意思」が声をかけてアカレッドに引き合わせ、一時的に肉体を得て戦う方法を教えていますが、そのことは現時点では竜也は知る由もありません。

さて、ここまでのゴレンジャーからタイムレンジャーまでの24戦隊は2001年に一度ガオレンジャーを支援するためにレッド戦士だけは一堂に会して共闘しており、その経験を通して自分達はゴレンジャーから連綿と続く共通の「大いなる力」という宿命を持ったスーパー戦隊だという強い自覚を持っており、海城や番場らとも直接の面識を持っており、彼らから「この星の意思」の真意についても聞かされていました。
すなわち、「この星の意思」が世界の融合が繰り返された末に大きな異変が起こることを危惧しているということを、この24戦隊は共通認識として持っていたのです。それゆえ、「この星の意思」がゴセイジャーにザンギャックの襲来と34戦隊の戦いを予告したと聞いただけで、それこそが自分達が危惧していた大きな異変の正体なのだと悟り、自分達スーパー戦隊がそれを阻止するために力を合わせて戦わねばならないという想いで1つになることが出来ました。

しかし、ガオレンジャー以降の戦隊の場合はそれとは少し条件が違います。ガオレンジャーも2001年の24戦隊レッド戦士集結の場に居合わせましたが、ガオレンジャーのメンバーはあの時、番場壮吉、天宮勇介、今村みく、ゴウキ、巽ダイモンとしか会話しておらず、しかも「この星の意思」の抱いていた危惧の話は一切聞いていません。
そもそもあの時点でガオレンジャーはまだ「この星の意思」とは遭遇していなかったのですから、24戦隊のレッド戦士と番場たちはガオレンジャーの前から忽然と姿を消した後、「この星の意思」の話や今後のスーパー戦隊の在り方などについて話し合ったのであり、ガオレンジャーはその類の会話には一切加わっていないのです。
ですから、ガオレンジャーのメンバーはあの事件によって自分達が24のスーパー戦隊の魂を引き継ぐ25番目のスーパー戦隊なのだという強烈な自覚は得たものの、だからといって自分達が何をすべきなのか真に理解出来たわけではない。
あの時ガオレンジャーが理解したのは、24戦隊が守り続けてきたこの地球を自分達がオルグから必ず守り抜いてみせるということであり、それは確かに間違いではないのですが、オルグを倒して自分達の戦いが終わり、その後新たなスーパー戦隊が現れた後、自分達がやるべきことが何なのかという点に関しては、タイムレンジャー以前の24戦隊が「大いなる力」を持つ身として「この星の意思」の危惧していた大異変を警戒することであるという認識を2001年以降持つようになったのとは違い、ガオレンジャーはそうした認識は現時点まで持ってはいないのです。
「この星の意思」とは自分達の戦いが終わった時点で一度出会っている。その時に自分達の体内に「大いなる力」が生成したという事実も聞かされた。そして、「大いなる力」を使えば世界の融合を解くことが出来るが、その代償で自分達は存在が消えるという話も「この星の意思」から聞きました。それは確かに嘘ではないのだろうとはガオレンジャーのメンバーも思っています。
だが、あまりにも突拍子も無い話ばかりで、いったいどうして自分達がそんな数奇な運命を背負わされているのか分からない。そもそも自分達の存在を消してまでこの世界の融合を解く必要があるとは到底思えない。だから、ガオレンジャーのメンバーは「この星の意思」から聞かされた奇妙な事実は、現状の自分達にはあまり関係無い話として、頭の片隅に追いやってほとんど忘れていました。
そんな状況ですから、「この星の意思」が後輩戦隊のゴセイジャーに向かってザンギャックの侵略を警告したと聞いても、確かにそれは大変だとは思っても、そこに自分達が「大いなる力」を持った者の責任として運命的に関わらなければいけないという強い使命感まで持つことは出来ない状況でした。

ガオレンジャーより後、ハリケンジャー以降の戦隊になると、よりいっそうそうした意味での使命感は希薄です。彼らは自分達がスーパー戦隊の一員だという自覚は一応ありますが、世界の融合の果ての大異変の話は知らず、そもそもゴレンジャーからタイムレンジャーまでの伝説の24戦隊に出会ったことすらありません。
また、ガオレンジャーに出会ったことがあるのもハリケンジャーだけであり、ハリケンジャー、アバレンジャー、デカレンジャー、マジレンジャー、ボウケンジャーの6戦隊は一部メンバー限定ですが2006年に集まって共闘したことはあり、同じスーパー戦隊として仲間意識はありますが、それは伝説の24戦隊のように「大いなる力」と世界の危機の関連についての自覚に基づいた仲間意識というわけではありません。
そしてゲキレンジャー、ゴーオンジャー、シンケンジャーという近年の3戦隊は、それぞれ自分達の前年と次年の戦隊としか会ったことはなく、よりいっそうスーパー戦隊としての仲間意識は希薄で、最新戦隊のゴセイジャーに至っては未だ自分達がスーパー戦隊の一員であるということすら半信半疑という状態です。
よって、これらガオレンジャー以降の10戦隊にザンギャックとの戦いへの参加を呼び掛けるにあたって、海城たちはまずは「この星の意思」の危惧について説明し、ザンギャックの侵略こそがどうやらその危惧していた事態にあたるらしく、それに立ち向かうためには「大いなる力」を持った自分達スーパー戦隊が力を合わせなければならないようだということをこれら10戦隊に理解させる必要があると考えました。
ただ、そんな突拍子も無い話をいきなり初対面の海城が説いても10戦隊のメンバーも受け入れ難いであろうから、まずはガオレンジャーのメンバーとかつて共闘して面識のある番場壮吉が出向いてガオレンジャーにそのことを伝えることにしました。

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その25代目スーパー戦隊のガオレンジャーは10年前のオルグとの戦いの終了後、そのメンバーであるネオシャーマンの戦士達は各自がバラバラにそれぞれの道を歩んでいました。新米獣医師だったリーダーの獅子走は獣医師の仕事に戻り、自衛隊のパイロット候補生だった鷲尾岳は航空自衛隊に復帰してパイロットになり、フリーターの鮫津海はサーフショップで働き始め、元力士の牛込草太郎は牧場で働き始め、武道学校を休学していた女子高生の大河冴は復学して卒業、故郷の鹿児島に帰って武道家となり、父親の道場の手伝いをするようになりました。
平安時代人のため現代になかなか馴染めない大神月麿は放浪の旅に出て世界各地を巡り、旅先でハスラーとして生計を立てるようになりました。6人にガオレンジャーの力を与えていたパワーアニマル達は空の上の天空島で暮らし、ガオの巫女テトムが眠りについたガオズロックも天空島に留まっていました。このように走たちは戦士としての生活は一旦終えたのですが、年に一度はテトムが目覚めてガオズロックで6人を乗せて天空島に集合して、6人は旧交を温め、再びガオレンジャーとして戦う日に備えて仲間の結束は確認していました。
そうして10年が経ち、2011年現在、33歳となった岳は航空自衛隊のエースパイロットとなっており、29歳の海はサーフショップの雇われ店長、32歳の草太郎は牧場で牧童頭になり、27歳となった冴は父の道場の師範代を務めながら様々な武道大会で活躍する有名女流武道家となっており、当年で1072歳となる(見た目は30歳ぐらい)月麿は相変わらず世界中を放浪するハスラーです。そして34歳となった走は遂に今年独立開業して天空島の真下に獅子動物病院をささやかな規模ながら開きました。
その獅子動物病院に番場壮吉がやって来て10年ぶりに走に会い、ザンギャック宇宙帝国の侵略が開始されると予測されることを告げました。世間ではザンギャック襲来に備える動きが既に始まっていましたから走もそのことは知っており、かつて地球を守るために戦った戦士の1人として万が一の場合再びガオレンジャーとして戦いに赴く心の準備はしていましたが、これまでもずっと他の新たに現れた戦隊が戦いを引き受けてくれていたことを鑑みて、今回のザンギャックの脅威にもまた新たな戦隊が現れて対処するか、あるいは先日その存在が明らかになった現役戦隊ゴセイジャーが対処するのであろうと、走は思っていました。

だが番場壮吉は今回は全てのスーパー戦隊で戦うことになるだろうと走に伝えました。そして番場は10年前に走たちに伝えていなかった事実を告げました。すなわち、かつて33年前に番場たちジャッカー電撃隊がゴレンジャーの海城たちと共に走たちもご存じの「この星の意思」の声を聞いた時、走も承知しているこの繰り返される世界の融合の果てに実は大きな異変が起こる可能性が高いということを知ったという話です。
そして、そもそも10年前のラクシャーサとの戦いの時に番場がガオレンジャーの前に現れたり歴代スーパー戦隊に支援を要請したのは「この星の意思」にラクシャーサの出現がこの大異変の兆候なのかもしれないと伝えられたからだということも番場は走に言いました。
「この星の意思」はこの来たるべき大異変に際してスーパー戦隊の戦士たちの体内にある「大いなる力」を使ってこの世界の融合を解除すべきだという考え方であるが、自分達はそれはあくまで最後の手段と考えて、まずはその大異変を阻止するために戦おうと思い、10年前に集まった。
結果的にはラクシャーサの出現は大異変とは関係は無かったが、あの時「この星の意思」はスーパー戦隊が大異変に際しては集まって戦おうとすることは知ったはずだと番場は走に説明しました。そして、その上で1ヶ月前に「この星の意思」がゴセイジャーに向かって、もうすぐザンギャック宇宙帝国の侵略が始まり、34のスーパー戦隊がその侵略阻止のために一緒に戦うことになると予告したという事実を告げました。
そしてその後すぐにザンギャックから開戦も辞さないような高圧的な姿勢で使者がやって来たことから考えて、「この星の意思」の予告は的中する可能性が高く、「この星の意思」があえて全戦隊が集まって戦うことを伝えた以上、それは「この星の意思」がザンギャックの襲来を例の危惧される世界の融合の果ての大異変だと考えているという証だと推測される。もちろんラクシャーサの時のようにその「この星の意思」の推測が外れる可能性もあるが、今回は的中する可能性もある以上、その阻止のためには全てのスーパー戦隊が心を1つにして戦うべきだと番場は言いました。
それはザンギャックがかつてない強大な敵である可能性が高いからでもありますが、もし万が一、最後の最後、ギリギリのところまで追いつめられた時、スーパー戦隊の戦士達だけが持つ「大いなる力」こそが自分達の存在と引き換えに世界を救う最後の切り札になるからでもある。
そういう番場の言葉を聞いて、走は愕然として、今回は決死の覚悟で戦いに臨まねばならないと覚悟を決めました。そして動物病院をしばらく休業することにして、さっそく天空島のガオライオンに呼びかけてテトムを起こしてもらい、ガオズロックで岳、海、草太郎、冴、月麿を集めてもらい、天空島で番場と共に仲間たちに事態を説明し、再びガオレンジャーとして集まり、他のスーパー戦隊と共にザンギャックと戦うことを決めました。
そうして仲間達がそれぞれ地元に戻って休職の手続きなどをする間、走は番場と共にガオズロックで日本アルプスの奥深くに飛び、山中に分け入り、忍びの谷に向かいました。

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忍びの谷は26代目スーパー戦隊のハリケンジャー、疾風流忍者の根拠地で、疾風流忍者の養成所である忍風館がある場所で、この谷を含む山全体を結界で覆って余所者が入れないようにして疾風流忍者の存在を秘匿するようになっていました。
9年前のジャカンジャとの戦いの際に「嘆きの弓」は奪われ、それ以降は疾風流の存在を世間から隠匿する絶対的な必要性は無くなっているのですが、忍者として活動するのに便利であることや世間に無用の混乱を与えないため、そして何といっても存在を秘匿して人知れず戦うことこそが疾風流忍者の真髄であるという考えから、以前と変わらず結界を張ってその本拠地は隠匿されています。
そういう状況なので、9年前のハリケンジャーの戦いを観察していた際も海城や番場たちもハリケンジャーの根拠地の特定までは出来ていませんでした。それで今回もハリケンジャーに連絡をつける方法が無くて番場たちは少し困っていたのですが、走たちガオレンジャーの面々は9年前に一度ハリケンジャーと共闘した後、忍びの谷の結界内に招かれて、その場所をだいたい把握していました。それで走は番場がハリケンジャーに連絡する方法が無くて困っていると聞いて、一緒に忍びの谷の結界の付近まで行き、そこで疾風流宗家、忍風館館長の日向無限斎に大事な話を伝えるためにガオレンジャーの獅子走が来たので取り次いでほしいと大声で呼びかけました。
その忍びの谷の結界内にある疾風流忍術研究室では日向無限斎とおぼろ親子が既に独自に情報を収集しており、ザンギャックの襲来に備えて世界中の軍隊や諸機関が動き出し、ゴレンジャー以下の歴代スーパー戦隊もほぼ一斉に行動を開始していることは掴んでいました。そして、このかつてない大きな動きに日向親子は戸惑っていました。これまでにも地球が大きな危機に直面したことはある。しかしここまで多くのスーパー戦隊が一斉に動いたのは過去に2001年の時の1回しか例は無い。
いったいどうして今回ここまで大規模な動きとなっているのか日向親子が意味を測りかねていたところに、その2001年の事件の当事者であるガオレンジャーの獅子走が突然やって来たというので、日向親子は走と番場を結界内に招いて話を聞きました。走は番場と共に事態を説明し、日向親子は驚きました。
「大いなる力」や世界の融合については日向親子も鷹介たちから以前から聞いていて、よく分からないながらも鷹介たちが嘘を言うとも思えないので何か重大な事なのであろうとは思っていました。今回の事態は単なる世界の危機にとどまらず、鷹介たちの運命に関わる重大事なのだろうと悟った日向親子は任務のために各地に散っていたハリケンジャー達を招集することとしました。

忍者学校の学生だったハリケンジャーやゴウライジャーのメンバーは9年前のジャカンジャとの戦いの後、忍風館を卒業して一人前の忍者となり、疾風流の指令に従い、世界各地を飛び回って悪を懲らしめる隠密活動に従事していました。
2011年現在、世を忍ぶ仮の姿として椎名鷹介は相変わらず人材派遣会社に登録して短期のアルバイトで食いつなぐ呑気な生活を送る28歳の男であり、27歳となった野乃七海は世を忍ぶ仮の姿の芸能活動が最近は女優業が安定してきて昼ドラマなどの常連となっており、29歳となった尾藤吼太は世を忍ぶ仮の姿の訪問介護士も中堅どころの安定した仕事ぶりとなり、33歳となった霞一甲、30歳となった霞一鍬の霞兄弟は相変わらず肉体労働の日雇い仕事で世を忍んでいます。
5人ともこうした世を忍ぶ姿の裏で本業の忍者稼業に励み、疾風流の請け負う仕事をこなす数多くの忍者の中でもエース級となっていました。基本的に普通の人間の悪人を退治する仕事ですので、彼らの修得した生身の忍術で十分に仕事をこなすことは出来ます。よって基本的にはハリケンジャーやゴウライジャーに変身することはないのですが、特に危険な特殊任務の際には彼らも変身することもありました。そういう意味では現役の戦隊といえます。
そして、そうした危険な任務の中でも特に危険な任務の際には、普段は居場所不明で何処かで修行をしているというシュリケンジャーが日向館長の依頼で鷹介たちのサポートに現れることもしばしばで、日向親子だけはシュリケンジャーの連絡先を知っているようです。
この鷹介たちも今回のザンギャックに関する騒動には敏感に反応しており、任務先からそれぞれ日向親子に対して何か自分達もザンギャックとの戦いに備えなければならないのではないかと問い合わせてきてはいました。それに対してひとまずは現行の任務優先で様子を見ていた日向親子でしたが、こうして走と番場から事情を聞き、むしろ鷹介たちの運命に関わる重大事であることが分かり、さっそく彼らの任務には交替要員をあてることにして、鷹介たち5人を忍びの谷に呼び戻し、更にシュリケンジャーも呼び寄せることにしました。
そうして忍びの谷に集まった鷹介たち6人は獅子動物病院に行き、改めて走に事情を聞き、スーパー戦隊の戦いに参加することを決意しました。もともとザンギャックの襲来の可能性が高いと聞いた時からイザとなれば戦う意思は固めていたので、そこに更に「大いなる力」を持つ自分達の運命的な戦いかもしれないと聞いて、ならばスーパー戦隊の仲間たちと共に戦おうと心に決めたのでした。
そして、そうなると、この走に聞いた話をさっそくアバレンジャー、デカレンジャー、マジレンジャー、ボウケンジャーの4戦隊に自分達が伝えなければならないと鷹介たちは思いました。この4戦隊とハリケンジャーの合わせて5戦隊は2006年にそのメンバーの一部が集まって共闘した際に今後も何か大変なことがあれば一緒に戦おうと約束していたからです。
何にしてもザンギャックの侵略が始まればこれら5戦隊は皆立ち向かうことにはなるであろうが、その前に今回の戦いの真の意味をあらかじめ伝えておくのは、かつて一緒に戦った仲間である自分達の役目であろうと鷹介たちは考えたのでした。そこで連絡係は2006年の5戦隊の共闘に参加した七海が務めることとなり、まずは七海はアバレンジャーへ連絡することになりました。

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27代目スーパー戦隊のアバレンジャーのメンバーは8年前のエヴォリアンとの戦いの後、伯亜凌駕は姪の舞を連れてインタープリターの仕事をしながら世界中を気ままに旅をする生活を送り、三条幸人はカリスマ整体師として以前同様に世界中を飛び回る生活に戻り、樹らんるはメカ弄りがしたくて飛び込んだレーシングチームでレーサーになりました。また竜人アスカはダイノアースに戻って妻のマホロや娘のミコトと共に暮らしながらダイノアースの復興に努める生活を送り、仲代壬琴はエヴォリアンとの戦いの最終盤で死亡、その後思念体となって地上に留まっていました。
そしてそれから8年が経った2011年現在、30歳となった凌駕は13歳に成長した姪の舞がハリウッドで子役として人気者となったため、最近はアメリカに定住するようになっていましたが、それでも相変わらずインタープリターとして全米各地を飛び回ることが多い生活を送っています。
29歳となった幸人は相変わらずカリスマ整体師として世界中を飛び回っていますが、アバレンジャー時代からの腐れ縁の助手兼秘書の今中笑里と3年前に結婚し、今は夫婦で一緒に世界中を仕事で飛び回っています。また、28歳になったらんるは今ではレーサーを引退して念願のメカニックになり、所属しているレーシングチームのチーフメカニックとして各地を転戦しています。アスカはダイノアースで竜人たちの良き指導者となり、相変わらずの恐妻家で、8歳に成長した娘ミコトの良き父親として幸せな日々を送っており、壬琴は相変わらず思念体として凌駕たちを秘かに見守っていました。
そんな思念体の壬琴には「この星の意思」が声をかけてアカレッドに引き合わせて一時的に肉体を得る方法を教えています。壬琴はそのアカレッドという戦士がそういえば確か5年前にアスカがダイノアースから突然こっちの世界にやって来てボウケンジャーという現役戦隊や他の戦隊の数人の戦士たちと一緒に戦った時に一緒にいた赤い変な戦士であることを思い出し、そいつがどうしてこんなところで現れるのか一瞬怪しみましたが、とにかく肉体を得て戦う方法を教えてくれるなら何でもいいと思い、素直にアカレッドの教えを受けていました。
だが、そんなことは凌駕たちはもちろん、彼らに連絡を取ろうとしている七海にも知る由も無く、そもそも七海たちハリケンジャーがかつて凌駕たちと共闘した時には壬琴は敵側であったので、最初から壬琴は七海たちの連絡対象からは外れています。そういうわけで七海たちは自分達がかつて2003年に共闘したアバレンジャーの4人に連絡を取ろうとしましたが、あの時のアバレンジャー4人が現在何をしているのか詳細に把握出来ているわけではありません。
七海が2006年にも一緒に戦ったアスカはダイノアースという異世界に住んでいるという話なので連絡をつけるのは困難と思われ、そうなると凌駕、幸人、らんるの3人が残りますが、七海は凌駕やらんるが現在何をしているのか知りません。疾風流の諜報能力を使えば凌駕がアメリカでインタープリターをしていることも、らんるがレーシングチームでメカニックをやっていることも比較的早く調べ上げることは出来るであろうが、七海はその必要は感じていませんでした。3人のうち三条幸人が現在何をやっているのか、どこに連絡すれば連絡がつくのか、もともと詳細に知っていたので、幸人にまず連絡して他のメンバーにも連絡してもらえば済むと考えたからです。

どうして七海があの2003年に会ったアバレンジャーの三条幸人が現在カリスマ整体師をやっていることを知っていたのかというと、それは世間でも周知のことだったからです。1年前にカリスマ整体師の三条幸人の妻である三条笑里が執筆した夫の幸人に関する本が妙にぶっ飛んだ内容と文体がウケてベストセラーになっており、その中で笑里が夫婦のなれ初めとして夫がアバレンジャーのアバレブルーとして戦っていたのを自分が高校時代にサポートしていたのがきっかけだったと書いていたせいで、カリスマ整体師の三条幸人がかつてアバレンジャーという戦隊の一員であったということは世間周知の事実となっていたのです。だから七海もあのアバレンジャーの三条幸人があの有名なカリスマ整体師の三条幸人と同一人物であることに1年前その本を読んだ時点ですぐ気付いていたのでした。
そういうわけで七海はまず幸人に連絡をとり、幸人と会って走から聞いた事情を説明しました。ただアバレンジャーのメンバーは割とおおらかなので危機意識が低く、幸人はすぐにはそこまで深刻な事態であるということを信じようとはしませんでした。
そこで幸人はとにかくザンギャック帝国というものが本当に全戦隊が力を合わせて戦わねばならないほどの強敵であるのか確かめるために、宇宙警察地球署署長のドギー・クルーガーに問い合わせるため、七海を連れて地球署に行きました。幸人はドギーとは2004年にデカレンジャーとアバレンジャーが共闘した時以来、ドギーが幸人の整体の施術を定期的に受ける、顧客関係にあったのです。

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28代目スーパー戦隊のデカレンジャーは7年前のエージェントアブレラの暗躍による頻発期に比べるとだいぶ落ち着いた地球におけるアリエナイザー犯罪に対処するため、以前と変わらず淡々と地球署を拠点として犯罪取り締まり活動に従事していました。もちろん7年前よりは機会は減ったとはいえ、緊急時はデカスーツを装着して戦う、今でもバリバリの現役戦隊です。
7年前にアブレラを倒した後に赤座伴番(バン)が宇宙警察本部に新設されたファイヤースクワッドに転属になったのを皮切りに、その後も戸増宝児(ホージー)、江成仙一(セン)、礼紋茉莉花(ジャスミン)、胡堂小梅(ウメコ)、姶良鉄幹(テツ)らが入れ替わるように本部に出向になり様々な部署に転属していき、職務経験を積んでいきました。しかし結局数年で彼らはみんなこの地球署に戻ってきており、現在は地球署は結局7年前と同じメンバー構成です。
ドギーやスワンを除くバン達ヒラの刑事達はもともと地球人ですから、最終的には地球署に戻ってくるのが通例とはいえ、それにしてもまだ30歳前後という若い刑事ですから、アリエナイザー犯罪取り締まりに関して様々な経験を積む意味でももっと長く地球を離れて多くの部署や機関を転々とすべきです。それがこんなに早く全員が地球署に戻ってきてしまっているのは別に彼らが役立たずで戻されたわけではなく、彼らが向上心が無くなったわけでもホームシックになったわけでもありません。
理由は、近年ザンギャックの宇宙制覇がいよいよ完成に近づいて、宇宙全体で宇宙警察の自由な捜査活動がままならなくなり、彼ら地球署の刑事たちが外宇宙の星々に出向してもあまり有意義な経験を積めなくなってきたからです。むしろ近年は出向先でザンギャックの妨害にあっても上層部が煮え切らない対応をして泣き寝入りを余儀なくされるというような不愉快な想いをすることが多くなり、バン達は嫌気がさして地球署への転属を自ら願い出て帰ってきたのです。
そうした宇宙の実態を身を持って知っているため、地球署のデカレンジャー達は反ザンギャック的気分が強い。そうしたバン達の報告を聞いている署長のドギーや補佐役の白鳥スワンも宇宙を覆うザンギャックの横暴については深い憂慮を抱いていました。

その地球署に幸人が七海を連れてやって来て、七海は走から聞いた事の次第をドギー達に説明しました。世間ではザンギャックの侵略に備えるためという国連の音頭取りで大騒ぎとなっていますから、もちろんドギー達も地球人がザンギャックの侵攻を警戒していることは知っています。そしてまた、宇宙警察は先日、ザンギャック本星に集結していたかなりの規模の大艦隊が出航し、その進行方向は確かに地球方面に向かっているらしいという情報も掴んでいました。
しかし宇宙警察上層部もドギーも、その大艦隊は地球に向かっているわけではないのではないかと思っていました。地球のような小さな星を1つ攻めるにしては艦隊の規模が大きすぎるし、それにそもそもザンギャックが宇宙警察の所轄署が設置してある星を何の根回しも無く攻めるなどということは前例の無いことでした。
だから、確かに地球とザンギャックは現在険悪な関係にあり、いずれは戦争状態になるのかもしれないが、それは宇宙警察の介入などで回避可能であり、最悪戦争になるとしても、それはまだ少し先のことであり、ザンギャックの侵略軍の規模も当面はそれほど大規模なものではないのではないかと、宇宙警察では楽観視していました。
しかしドギーは「この星の意思」がザンギャックの侵攻を予告していたという七海の話を聞き、どうやら予想に反してザンギャックの侵略は不可避であることを悟り、ならば例の大艦隊はやはり地球に向かっているのかもしれないと思いました。
ドギーはすぐに宇宙警察本部に連絡して、ザンギャック政府に大艦隊の行く先を問い合わせるよう要請しましたが、どうせ上層部はザンギャックにはぐらかされることが十分に予想されるので、ドギーは別口でファイヤースクワッドのギョク・ロウ隊長に連絡を取り、航行中のザンギャック大艦隊に宇宙警察の身分は隠して直接上手くカマをかけてみてほしいと依頼しました。
この個人的依頼を受けたギョクの老練かつ狡猾な誘導質問に見事に引っ掛かって、ザンギャック大艦隊の指揮官の1人がうっかり行く先が地球だと口を滑らせてしまい、その証拠音声はギョクから地球署のドギーと宇宙警察本部に同時に送られ、ザンギャックの隠密行動は露見してしまいました。
本部ではウィーバル総裁以下上層部はこのザンギャックの暴挙に激怒し、猛抗議して止めさせようとしましたが、近年の宇宙におけるザンギャックと宇宙警察の力関係を冷徹に見ていたドギーはおそらく本部が抗議してもザンギャックが既に出航させた大艦隊を戻すことはないだろうと予測し、むしろ隠密行動がバレていないとザンギャック艦隊に思い込ませたままの方が好都合だと本部に向けて意見具申し、その上で、不意打ちが成功したと油断して突っ込んでくるザンギャック艦隊を、自分達地球署のデカレンジャーが地球における諸勢力と力を合わせて撃退することの行動許可を願い出ました。
宇宙警察本部としてもとにかくまずはこのザンギャックの暴挙を阻止することが先決であったので、ドギーの申し出を認め、宇宙警察としては異例のことではあるが、ザンギャック側が明白に宇宙警察との協定に違反しているという場合が場合だけに、特例的に地球署ザンギャックとの交戦を命じ、ザンギャック地球侵略軍兵士全てに対する極秘デリート許可を出しました。
こうしてあっという間に自動的にデカレンジャーはザンギャック侵略軍に対抗するスーパー戦隊連合に加わって戦うことが決定してしまいましたが、バン達は日頃からザンギャックに対する鬱憤が溜まっていたので大喜びとなりました。

一方、この急激な展開を唖然として見ていた幸人は、宇宙におけるザンギャック帝国というものの支配力がいかに大きく、それについて現場の宇宙刑事たちがいかに苦々しく思っているのか、肌で感じることが出来ました。その上で幸人はもしかして鷹介たちから聞いた「世界の融合の果てに起こる大異変」というものはこれのことを指しているのではないかと思わず閃いたのでした。
「ザンギャックの侵略軍が地球に攻めてくる」というのは確かに大変なことですが、規模はともかくこれまでにも似たような事態は何度も起こってきました。だから幸人はそれが34のスーパー戦隊全てが集まって戦わねばならないほどの大異変だという話がいまいちピンときていなかったのでした。
しかし、宇宙警察をも悩ますほどに宇宙全体を覆うザンギャックの過酷で非道な支配そのものが、この世界の融合の繰り返しの結果生じた大異変だったとするなら、それに対して世界の融合と深く関連する「大いなる力」を体内に宿したスーパー戦隊の全ての戦士が集まって戦うということに何らかの意義はあるのではないかと幸人は推理しました。それがどういう意義なのか詳しいことは分かりませんが、「この星の意思」の真意はそこらへんにあるのではないか。少なくともそう考えれば全てのスーパー戦隊が集まって戦うという話は腑に落ちる。
そう考えた幸人はドギー達や七海にその推理を述べ、もしこの戦いが単に「地球を守る」というこれまでスーパー戦隊が経験してきたような戦いと同じようなものではなく、「宇宙全体を救う」という意義のある戦いであるのならば、34のスーパー戦隊連合の1つとしてアバレンジャーが大アバレする意義は十分にあると言い、その足で恐竜やの本社ビルに行って社長のヤツデンワニに会い、ヤツデンワニの何処にでも繋がる万能電話を使ってアメリカで移動中の凌駕、日本国内を転戦中のらんる、そしてダイノアースのアスカの居場所に電話をかけて、大至急恐竜やに集合するよう召集をかけたのでした。
そして驚いて集まってきた凌駕とらんるとアスカに向かって幸人は事の顛末を説明し、その結果4人は久しぶりにアバレンジャーになって他のスーパー戦隊と共に戦うことを決意したのでした。
一方、幸人の突拍子も無い推理を聞いたドギー達や七海は、最初は驚きましたが、しかし確かに言われてみれば「この星の意思」の真意はそのあたりにあるのかもしれないとも思えてきました。もしザンギャックによる宇宙支配こそが自分達の存在の根本であるこの世界の融合の悪しき副産物であるとするなら、それを解消するために「大いなる力」を持つ自分達が戦うのは宿命であるのかもしれない。
そうした想いを改めて実感しつつ、ドギーはこれらの事情を全て親友の小津深雪とその家族に伝えねばなるまいと思い、七海と一緒に小津家、すなわちマジレンジャーである小津一家の住処を訪ねました。

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29代目スーパー戦隊マジレンジャーの小津一家は、6年前のインフェルシアとの戦いが終わった後、インフェルシアが地上世界と友好的な世界となったので、マジレンジャーとして戦うことは無い平和な生活に戻りました。しかし相変わらず魔法使いの一家であることには違いないので、全く普通の生活というわけではない。魔法使いであるということを一般には知られないようにしながら天空聖界マジトピアや地底冥府インフェルシアを行き来して地上世界も含めた3つの異世界の間の友好と調和を保つという使命を担うようになったのでした。
ただ、家族の中でその一応の任務に曲りなりにも真面目に励んでいるのは家長で父親の小津勇こと天空聖者ブレイジェルと娘婿のヒカルこと天空聖者サンジェル、そして末っ子の小津魁ぐらいのもので、あとの者達は任務は形ばかりでほとんどやらず、魁や勇やヒカルも含めて基本的には全員マイペースでユルい日常を送っていました。
父親の勇は週に3日ほどマジトピアに出勤して若い天空聖者の戦士たちの育成にあたっており、非番の日は妻の深雪とあちこちに遊びに行っています。母親の深雪はそのように夫の勇とイチャイチャ遊びに行く時以外は家に居て家事全般を担当しており、結局両親には稼ぎが無い状況ですので昔と変わらず一家の収入源は長男の蒔人のアニキ農場の売上ということになり、蒔人は一家を支えるために仕事に励み、30歳となった現在もブラジルに渡って農場を持つという夢も、恋人の江里子さんと結婚する夢も封印したままです。
そのように蒔人にばかり負担が集中するのは、ヒカルと結婚してマジトピアで暮らすようになった次女の麗を除いては相変わらず他の弟妹たちが甲斐性無しだからです。長女の芳香は28歳となった現在も売れないモデル稼業を続けており、稼ぎはほとんど無く、せめて結婚して片付いてくれれば家計が助かるのだが、相変わらず数多くのボーイフレンドと同時に交際して金ばかり使っています。
一方、次男の翼はインフェルシアとの戦いが終わった後すぐにボクサーとしてプロデビューし、あっという間にランキングを駆け上がって日本タイトルを奪取したが、その後、日本タイトルを返上して世界に挑戦すると宣言、しかし世界の壁は厚く、その後は世界ランキングの下位を少し上がったり下がったりを繰り返して現在に至り、25歳の現在も世界タイトル挑戦への道は見えず苦闘中です。まぁボクサーとしては才能が有る方であるのは間違いないが、中途半端な成績であるため稼ぎは少なく、トレーニングに専念したいと言ってアルバイトもあまりしないので蒔人の収入で食っている状態です。
そして末っ子の魁はインフェルシアとの戦いの後、必死で受験勉強をして奇跡的にガールフレンドの山崎さんと同じ一流大学に進学し、大学ではサッカー部に所属して、大学サッカーでそれなりに活躍しましたが、プロ入りするほどの実力は無く、今春の大学卒業時には普通に就職することも出来たのですが、高校時代から兄妹の中では割と熱心にやっていたインフェルシア親善大使の仕事を続けたいという意向でちゃんとした就職はせず、大学卒業後は町の少年サッカー団のコーチを請け負って小銭を稼ぎ、タウン誌の編集者となった山崎さんとしょっちゅうデートばかりして、23歳となった魁は結局好きなことをやって蒔人の収入をアテにしながら気ままに生きています。

このように呑気な者が多い小津家ですが家族の結束力は昔と同じく強く、兄妹たちは深雪の家事もよく手伝い、蒔人の農場もよく手伝い、父の勇のことを心から尊敬し慕っています。また、26歳にして二児の母となった次女の麗が夫のヒカルと共に子供を連れてたまに帰郷してくると一家はいっそう幸せいっぱいのムードに包まれます。
そうした絵に描いたような、ささやかながらも温もりのある幸せな家庭である小津家のメンバーは、世界中の全ての家族が自分達同様に幸せであるように、この世界の平和を守っていかなければいけないという使命感は強く、家族で幸せを噛みしめるたびにマジレンジャーとしての使命を家族で再確認し合ってきました。
そういう小津家ですから、ここ最近急に世間を騒がしくさせているザンギャック襲来の噂にももちろん無関心ではなく、もし本当にザンギャックという宇宙帝国が攻めてきて、他のスーパー戦隊の手に余って多くの地球の人々に被害が出るようならば自分達マジレンジャーが再び戦わねばならないかもしれない。その準備だけはしておこうと思っていた矢先、ドギーが七海を連れて小津家を訪れ、間もなくザンギャックの地球侵略は間違いなく始まると告げました。
そして、この侵略を阻止するために全てのスーパー戦隊が結束して戦うべく動き出しているので、マジレンジャーも共に戦ってほしいとドギーと七海は説明しました。更にドギーは、この戦いはあるいは「大いなる力」を体内に持った自分達スーパー戦隊の全ての戦士たちがこの世界に生まれてきた真の意味に関わる重大な戦いであるかもしれず、この挑戦が成功した時にもたらされる成果は「全宇宙の平和」である可能性があると、幸人の言葉を聞いてから宇宙におけるザンギャックによる様々な理不尽を今まで目撃してモヤモヤしてきた気持ちが妙に刺激されて脳裏に渦巻いていた言葉を小津家の面々に告げました。
これらのドギーと七海の説明を聞いた小津一家は、地球の全ての家族の幸せを守るためならばマジレンジャーは必ず戦わねばならないと答え、そして、もしスーパー戦隊全ての戦士が力を合わせれば宇宙で苦しんでいる全ての家族の幸せを取り戻せるのならばこんなに喜ばしいことはなく、喜んでマジレンジャーはスーパー戦隊の戦いにその力を尽くそうと言ったのでした。

こうしてマジレンジャーの協力も取り付けた七海は、小津家から翼とヒカルを連れて出て、宇宙警察からはテツに来てもらい、幸人に連絡してダイノアースから出てきたアスカを迎えに行って、この5人でそのままサージェス財団の所有するサージェスミュージアムに行きました。このサージェスミュージアムの内部の秘密のサロンには30代目スーパー戦隊のボウケンジャーのミーティングルームがあるのであり、この5人はかつてそこに行ったことがあるのです。
というのも、この七海、アスカ、テツ、翼、ヒカルの5人はかつて2006年にクロノスとの戦いに際してボウケンジャーと共闘したメンバーであり、その時にそのミーティングルームで、また大変なことがあればいつでも声をかけるようにボウケンジャーに言って別れた者達だったのでした。今回は逆にこの5人の方からボウケンジャーに一緒に戦うよう誘いに行くことになったわけですが、おそらくボウケンジャーおよびその上部組織のサージェス財団も既にザンギャックの侵略に対応すべく動き出しているはずなので、大きな戦いで再び共闘しようというあの日の約束を果たすために行くようなものだと5人は考えました。

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その30代目スーパー戦隊のボウケンジャーが5年前に繰り広げられたプレシャス争奪戦においてゴードム文明やジャリュウ一族という特に悪質なネガティブシンジケートを潰した後、その騒動で多くのプレシャスが失われたため、サージェス財団はボウケンジャーのチーフである明石暁に宇宙へもプレシャスを探しに行くよう依頼し、明石はゴーゴーボイジャーに乗って宇宙へ旅立ち、サブチーフの西堀さくらもそれに同行しました。そして残ったボウケンジャーのメンバー、伊能真墨、最上蒼太、間宮菜月、高丘映士の4人は真墨を新チーフとして再びプレシャスを集める活動を開始、大剣人ズバーンも4人をサポートすることとなりました。
その後、明石とさくらが宇宙から帰還してボウケンジャーは再び6人と1剣の体制となり、明石がチーフ、さくらがサブチーフという以前の体制に戻り、彼らは世界各地を飛び回り、多数の危険なプレシャスを回収し、サージェスのプレシャス保管庫を満たしていきました。
ボウケンジャーの場合、基本的にプレシャス回収のミッション時に限って変身するのであって、そういう意味では未だバリバリの現役戦隊ですが、臨獣殿やガイアークなどのような世間を騒がす悪の組織との戦いは後輩戦隊に任せており、基本的に手を出すことはありませんでした。彼らボウケンジャーの任務はそうした悪の組織やその他悪人たちに危険なプレシャスを悪用されることを防ぐために確保回収することであり、そういう活動によって間接的に世界平和に貢献するのが彼らの任務です。
2年前、明石は27歳、さくらは25歳で職場結婚をしましたが、現在も職場ではあくまでクールにチーフとサブチーフの関係を保ち、20歳代半ばとなった他のメンバーに相変わらず何かにつけて冷やかされています。
そのように仲間内では相変わらず弄られキャラの明石も29歳となった現在はめっきりサージェス財団内でも発言権を増し、ボウケンジャーのチーフとして以前よりもかなり重みを増しているといえます。それは明石率いるボウケンジャーがこの5年間で一旦全てが失われたサージェスのプレシャス保管庫を以前を遥かに上回って満杯にするほど多くのプレシャスの回収に成功したという実績によってサージェス上層部も明石たちに一目置かざるを得なくなったからでした。

そのサージェス財団においても今回のザンギャック騒動は大きな論争を生んでいました。サージェスのプレシャス回収活動は極秘活動ですが、海城たち国連の諜報関係者は既にこれを把握しており、今回も国連からサージェスに既に協力要請が来ていました。サージェス内ではこの要請に応えてザンギャックと戦うべきだと主張する者もいる一方で、サージェスはあくまでプレシャス回収が使命であり、侵略者と戦うのは他の組織に任せておけばいいと主張する者もいて、意見はまとまっていませんでした。
ちょうどそういう時に七海たちがサージェスミュージアムに訪ねてきて、明石達に面会を申し込んだのです。七海たち5人に5年ぶりに会った明石達はザンギャックとの戦いがスーパー戦隊全体や「大いなる力」にとって重大な意味がある戦いである可能性が高いという話を聞いて興味を抱きました。超一流の不思議ハンターともいうべき彼らの嗅覚は、その戦いが極めて危険で、だからこそ自分達にとって価値ある宝をもたらす「冒険」となるということを直感したのです。
それで明石達6人はスーパー戦隊の一員としてザンギャックと戦う方向に大きく気持ちが傾きました。しかし、サージェス上層部の協力反対派を説得しないことには明石達だけの独断で動くことは出来ないという旨を明石が言うと、テツがサージェスを説得する名案があると言いました。
テツがサージェス上層部に伝えたのは自身が宇宙刑事として実際にザンギャックの他の星への侵略時の遣り口を目撃した時の話であり、これは別に作り話ではなく事実でした。それによると、ザンギャックは侵略した星や占領地の物資を根こそぎ奪っていくとのことでした。だから、ザンギャックの地球侵略が進めばサージェスの集めたプレシャスも奪われて悪用される恐れがある。このままではザンギャックの侵略開始は避けられず、侵略時に襲ってくるザンギャックと戦ってプレシャスを守らないことには、プレシャスは奪われて悪用されるのは必至となります。
それはサージェス財団設立の精神「世界平和のためにプレシャスの悪用を阻止する」という考え方に真っ向から反することになります。だから今回の事態においては、あくまでサージェスがサージェスであり続けるためにはザンギャックと戦うしかない。
そうしたテツの話を受けて、いや、戦わずにプレシャスの悪用を阻止する方法が1つあると明石は言いました。それはザンギャックの侵攻が始まる前に保管庫の全てのプレシャスを5年前のように爆破して無に帰してしまうことだと。戦わないのならプレシャスを爆破しようと明石は提案しました。これには牧野博士やミスター・ボイスが暴論だと言って強硬に反対し、5年前の苦い出来事を繰り返してはいけないと主張し、ザンギャックと戦ってプレシャスを守るのがサージェスの選ぶべき道だという意見が勢いを増しました。
これらは全て明石と牧野博士、ミスター・ボイスことレオナの打ち合わせ済みの芝居だったのですが、結局これで参戦派が勝利することになり、サージェスはボウケンジャーともども国連やスーパー戦隊と協力して戦うことを決定しました。

しかもサージェス上層部は戦いの中でプレシャス保管庫を確実に死守できる保証が無いことから責任問題に発展することを恐れたのか、戦いが始まれば保管庫のプレシャスを全てボウケンジャーに預けて、なんとボウケンジャーにプレシャスを駆使してザンギャックと戦う許可を与えたのでした。勝利の可能性を高くするためにはいっそプレシャスの禁断の力を使うべきだというのです。
確かに勝利しなければどうせ奪われてしまうのですから、いっそプレシャスを使い果たすぐらいのつもりで戦いにプレシャスを投入してしまうというのは1つの考え方でした。まぁ中には本当に地球を滅ぼしてしまうような危険なプレシャスもありましたから、そんなものは幾らなんでも使えませんが、制御可能なものならば大きな戦力になると明石は思いました。
だが上層部の本当の狙いは、プレシャスの管理責任を全て明石に負わせようということであり、今回の戦いにおいてもしプレシャスを奪われたり、プレシャスを暴走させて被害を出したりした場合に全て明石が悪いということにしてサージェス上層部に出来るだけ累が及ばないようにするための自衛措置であったといえます。そのため、サージェスはこれまでボウケンジャーが秘密チームであるゆえに極秘扱いにしていた明石の個人データをこの戦いの前に公表することにしたのです。
これでボウケンジャーというサージェスの極秘チームの存在が世間に明るみになり、その責任者として明石暁の個人情報が公表され、もし不祥事が起きた際には明石に責任を負わせる形が出来上がったのでした。しかし明石はこれも1つの冒険だと言って一向に気にした様子は無く、大量のプレシャスを使って今まで人類の誰もがやったことのないような大暴れが出来ることにワクワクした気持ちを抑えきれない様子で、仲間5人および1剣も、そんな明石と共にとことん冒険する決意をしたのでした。

一方で明石は、そうなるとスクラッチにもこのスーパー戦隊の戦いのことについては自分から連絡しておかなければいけないと思いましたが、こちらはなかなかボウケンジャーの仲間たちのように話は簡単ではないかもしれないと思いました。
スクラッチは31代目スーパー戦隊のゲキレンジャーの上部組織である激獣拳が経営している会社で、ゲキレンジャーのメンバーもこのスクラッチの社員として籍を置いているということは4年前にゲキレンジャーと共闘した際に明石も知りました。だからスクラッチに連絡して今回もゲキレンジャーに共闘を呼びかければいい。おそらくスクラッチに拒否されることはないだろうとは明石も思いましたが、それでも自分達とゲキレンジャーとの間では今回の件に関して温度差があるのは否めないだろうというのが一抹の不安でした。
いや、ゲキレンジャーだけではなく、その後登場していささか世を騒がせた後ぷっつり消息を絶った謎の戦隊ゴーオンジャー、志葉家の私設の退魔戦隊のシンケンジャー、そして先日その正体を晒した護星天使の戦隊ゴセイジャー、これらの戦隊の存在も明石は認識していましたが、これら最近の戦隊はスーパー戦隊の戦いというものに対して自分達とは温度差があるのは仕方ないと明石は思いました。

明石自身が自覚している「世界の融合」を体感した経験は、ゲキレンジャーの出現時、ゴーオンジャーの出現時、シンケンジャーの出現時、そしてゴセイジャーの存在を知った先日を合わせて4回だけです。まぁ「4回も経験した」とも言える。4回も経験したのでさすがに「この世界が幾つもの世界が融合して出来ている」という「この星の意思」の言葉にかなりリアリティを感じることは出来るようになった。しかし、言い換えれば2〜3回ぐらいの経験ではまだ「この世界が幾つもの世界が融合して出来ている」という事実があまり実感は出来ていないということになる。
明石もゲキレンジャーの存在を知った時、「この星の意思」の言葉は確かに真実だったとは思ったものの、それでも本当にこの世界が数多くのスーパー戦隊の世界がくっついたものだという事実が実感出来たのはその後幾つもの戦隊の存在を知り、世界の設定が何時の間にか変わっているという違和感を認識するという経験を繰り返したからでした。
おそらくマジレンジャー以前の、自分達よりも前に登場した戦隊のメンバーも自分と同じような世界に関するこうした基本認識は出来ているのだろうと明石は思いました。そうした基本認識があって初めて、今回のザンギャックとの戦いでスーパー戦隊が一堂に会して戦う真の意義はどうにか理解できる。だが、ゲキレンジャー以降の戦隊にはまだそういう実感が足りないだろうと、明石は自分の経験に照らして考えました。
それに明石達ボウケンジャーには2006年のクロノスとの戦いという経験がありました。ボウケンジャーのメンバーは2001年に25のスーパー戦隊が集まって力を合わせて戦ったという伝説のような話は聞いていましたから、ゴレンジャー以降数多くのスーパー戦隊がこの地球に存在してきたということは認識しています。
しかし実際にその伝説の25戦隊に会ったことはありません。明石達が実際に会ったことがある先輩戦隊はクロノスとの戦いの時に会ったマジレンジャー、デカレンジャー、アバレンジャー、ハリケンジャーの5人の戦士たちだけです。また、その時会った4戦隊の戦士たちも、ハリケンジャーがガオレンジャーに会ったことがあるだけで、他は伝説の25戦隊には誰も実際に会ったことは無いとのことでした。
それでも明石達や七海やテツ達、このボウケンジャーも含んだ5戦隊のメンバーが自分達が伝説の25戦隊と間違いなく仲間であるという強い繋がりを実感できているのは、あのクロノスとの戦いの時、謎の戦士アカレッドの導きで30戦隊のスーパー戦隊魂を受け取って戦ったという貴重な経験があったからこそです。逆に言えば、あの経験が無ければ自分は今回の戦いにスーパー戦隊の一員として戦う真の意義を見出せたかどうか怪しいと明石は思いました。
となれば、おそらくあのような経験はしていないであろうゲキレンジャー以降の4戦隊は、ザンギャックの侵略から地球を守るために戦うことに意義は見出すであろうが、スーパー戦隊の一員として戦うことには自分達ほどには深い意義は見出すことは出来ないのではないだろうか。
そのように危惧していた明石でしたが、それでも少なくともゲキレンジャーは4年前に共闘した自分達ボウケンジャーが誘えば一緒に戦うであろうと思い、スクラッチに連絡をしたのでした。ところがスクラッチの真咲美希の言うには、ゲキレンジャーのメンバーは修行の旅に出て不在だとのことでした。

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31代目スーパー戦隊のゲキレンジャーは正義の獣拳である激獣拳の拳士、漢堂ジャン、宇崎ラン、深見レツ、深見ゴウ、久津ケンの5人のチームであり、4年前に悪の獣拳である臨獣拳との因縁の対決の末、善悪2つに分かれた獣拳の系譜を1つに戻し、諸悪の根源である無限龍ロンを封印して戦いを終えました。
その際に改心して最後はロンとの戦いで共闘した臨獣拳の理央とメレは戦死しましたが、ゲキレンジャー5人と理央とメレの合計7人が「大いなる力」を得て、理央とメレの魂は「大いなる力」を持ったまま死後の世界に行きました。一方ジャン達5人は獣拳の道を究めるために修行の旅に出て、その後は修行の旅から戻ってスクラッチで獣拳のマスターとして門下生たちを指導したり、またそれが一段落すると修行の旅に出たりするという生活を送っていました。
このようにゲキレンジャーのメンバーが気ままな生活を送っていたのは、どうやらゴーオンジャーやシンケンジャーという新たな戦隊が現れて、この世界を守るために戦っているらしいことをスクラッチが把握していたため、世界を守る使命はその後輩戦隊たちにひとまず任せて、自分達は獣拳を究める修行を優先させたいという考えであったからです。
ところが1年半ほど前にシンケンジャーが外道衆を倒して一旦解散し、事実上活動休止となった後、新たな戦隊は現れませんでした。世間を騒がす巨大な悪なども現れていなかったのでひとまず問題は無かったのですが、それにしても世界を守るために戦う戦隊が活動していない状態というのは珍しいことであり、この状況を危惧したスクラッチはジャン達5人に勝手に旅に出ることを禁じて、この1年半の間、ずっとスクラッチの道場で門下生の指導をさせながらイザという時のために待機させていたのであり、ジャン達も仕方ないと思い、旅に出るのを我慢してその指示に従っていました。
実際はその期間はゴセイジャーがウォースターや幽魔獣などと戦っていたのですが、ゴセイジャーの記憶消去によってスーパー戦隊以外の人々はその戦いの記憶を綺麗さっぱり消されていたので、スクラッチの関係者は美希や七拳聖までもゴセイジャーやその敵たちの存在を認識出来ていなかったのです。記憶消去の天装備術はジャン達には効いていませんでしたが、ジャン達は道場に籠っていることが多く、ゴセイジャーの戦いを直接目にする機会が無かったので、結局ゴセイジャーの存在は認識出来ないままスクラッチで待機を続ける羽目となっていました。

ところが1ヶ月前、突然ゴセイジャーが記者会見を開いて正体を現したので、それを見たジャン達は世界を守る戦隊が存在することを知り、これで安心して修行の旅に出ることが出来ると喜びました。その後、一緒に喜んでくれてジャン達が旅に出ることを許可してくれたスクラッチの人達がどういうわけかゴセイジャーの存在を忘れてしまっていたのは不可解でしたが、とにかく旅に出る許可は得ていたジャン達は深く考えず、5人全員、少し前に勇躍して修行の旅に出てしまったのでした。
その後少ししてからザンギャック騒動が持ち上がり、スクラッチの美希たちはジャン達に知らせようとしましたが5人の行先は分からず、旅に出たばかりなのですぐに帰ってくるとも思えず、どうせジャン達はそれぞれバラバラに人里離れた山奥に籠っているであろうから世間のザンギャック騒動にもしばらく気が付かないと予想され、しばらくしたら向こうから定期連絡をしてくるであろうから、その時にこの騒動のことは知らせればいい、あるいはこの騒動がもっと大きくなり、実際にザンギャックが現れたりすれば、いくらなんでもジャン達も異変に気が付いて戻ってくるはずだと思い、美希はひとまずジャン達からの連絡を待つことにしました。
そこに明石からスクラッチに連絡があり、ジャン達に急ぎの話があると言ってきたので、今は修行の旅に出てすぐには連絡がつかないと答えると、明石はここまでの全ての事情を説明し、ザンギャックの襲来前にジャン達には是非スーパー戦隊の戦列に加わってほしいのだと伝えました。これを聞いて美希はこれは急いでジャン達を見つけねばならないと思い、17歳の若き獣拳拳士となった娘のなつめや七拳聖にも手伝ってもらい、ジャン達5人の修行していそうな場所を探し回って世界中を飛び回ることにしたのでした。

こうして面識のあるゲキレンジャーとは当面接触出来なかった明石は、残りのゴーオンジャー、シンケンジャー、ゴセイジャーの3戦隊への連絡はどうしたものかと迷いました。明石はこれら3戦隊とは面識は無い。誰か面識のある者はいないのかと思い、翼やテツやアスカや七海にも尋ねましたが、マジレンジャー、デカレンジャー、アバレンジャー、ハリケンジャーの誰もこの3戦隊とは面識は無いとのことでした。
七海を通じて走にも連絡をとってもらいましたが、ガオレンジャーも3戦隊とは面識は無いとのこと。更に走に番場への連絡を取ってもらい、タイムレンジャー以前の24戦隊のうち、最新3戦隊に面識がある者がいるか調べてもらいましたが、誰もいませんでした。
ならば、どうせ誰も面識が無いのであれば誰が説明に行っても同じです。それならば現状で彼らに立場的には一番近いといえる自分が説明に行った方が話が通じやすいと思い、明石が3戦隊への説明を引き受けると申し出ました。ただ、番場からの伝言によれば、ゴーオンジャーは居場所が不明であり、おそらく探しても見つからないだろうとのことでした。

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32代目スーパー戦隊のゴーオンジャーは3年前のガイアークとの戦いの後、それぞれの日常に戻り、江角走輔はカートのレーサーとしてカムバック、香坂連はその走輔のレーシングチームのメカニックとなり、楼山早輝はパティシエールとしてケーキ屋に勤めて修行を開始、城範人はフリーター生活に戻り、石原軍平は警察に戻り、交番勤務から刑事に異動となり、そして須塔大翔と美羽の兄妹は財閥の令息令嬢としてセレブ階級の交遊の日々を送ることとなりました。
そこまでは番場や海城たちも把握していたのですが、ところがガイアークとの戦い終了の半年後、何時の間にかこの7人が揃って忽然と姿を消していたのです。そしてそれから数ヶ月過ぎた頃、シンケンジャーの戦いを観察していた番場たちは、シンケンジャーの前に突然、ゴーオンレッド江角走輔が出現したのを見て驚きました。その後、ゴーオンジャーの他の6人も炎神たちと共に空に開いた穴から出現し、シンケンジャーと共にガイアークの残党と外道衆の連合軍を倒すと、ゴーオンジャーの7人は炎神たちと共に空に開いた穴の中に去っていったのでした。
その際のゴーオンジャーのメンバーとシンケンジャーのメンバーの会話から、どうやらゴーオンジャーの7人はこの世界とは別の世界をガイアークの残党の侵略から守るために炎神たちの力で別の世界に戦いに行っていたようでした。そしてまた彼らは別の世界に戦いに行ったのだということを番場たちは理解しました。
その後、ゴーオンジャーのメンバーがこの世界に戻ってきた様子は無い。つまり彼らは現在も別の世界でガイアークの残党と戦い続けているのであろう。だから、いくら探してもゴーオンジャーを見つけることは出来ないし、こちらの世界から別の世界にいるゴーオンジャーに連絡する方法は無い。
ゴーオンジャーの件に関しては海城や番場たちもお手上げでした。いや、彼らだけではなく「この星の意思」にとってもゴーオンジャーはお手上げでした。この世界に留まっている思念体のブライや滝沢直人や仲代壬琴には独自にアプローチして今回の戦いに参加出来るように手を貸した「この星の意思」も、この世界に居ない者にはアプローチ不可能でした。だからゴーオンジャーは今回の戦いに参加させるのは無理かもしれないと「この星の意思」も観念していました。

そのゴーオンジャーの7人は実際、何処の世界を巡っていたのかというと、まず2009年2月にヒューマンワールドでの戦いを終えて、その半年後にガイアークの残党バッチード一味がグラスワールドとガンマンワールドに侵略を開始したと炎神に聞かされ、ゴーオンジャーを再結成してまずグラスワールドに行き、そこのガイアーク勢力を駆逐しながらガンマンワールドに乗り込み、そこでバッチードを追い詰めました。
しかしバッチードの計略で走輔たち7人はヒューマンワールド、サムライワールド、クリスマスワールド、ジャンクワールドに仲間がバラバラに飛ばされ、その後、外道衆と手を組んだバッチードの陰謀をヒューマンワールドに結集したゴーオンジャー7人とシンケンジャーが手を組んで阻止し、バッチードを倒したのが番場たちが目撃した戦いでした。
しかしバッチードは倒したもののグラスワールドとガンマンワールドのガイアークの残党はまだ残っており、それらを完全に排除するために走輔たちは再びグラスワールドとガンマンワールドに向かいました。そして、その2つのワールドのガイアークを完全に片付けた頃、今度は別のガイアークの大規模な残党が以前にヨゴシマクリタインに滅ぼされて復興中のサウンドワールド、マジックワールド、プリズムワールド、そしてストーミーワールドにも一斉に侵攻を開始したのを炎神たちが感知し、走輔たちゴーオンジャーは数々の異世界の命運を賭けたガイアークとの大決戦を開始することとなったのでした。
この戦いは2009年終わりぐらいに始まり、長期にわたって続くこととなり、幾つもの世界をガイアークから解放したゴーオンジャーは、2011年8月時点ではプリズムワールドに追い詰めたガイアーク軍団との最後の大決戦を繰り広げているところでした。当然、走輔たち7人はヒューマンワールド、すなわちこのレジェンド戦隊の世界の状況に注意を払っている余裕はありませんでした。
ところが、このプリズムワールドでの決戦に集中しているゴーオンジャーの7人の中の須塔兄妹2人の頭の中に、最近になって何者かの微かな声が響くようになってきたのです。それは極めて弱い声で、何を言っているのか最初は全く聞き取れなかったのですが、何度もしつこく呼びかけてくるのを聞いているうちに須塔兄妹はそれがどうやらヒューマンワールドへ戻るように言っているようだと気付き、それを聞いた走輔たちはあるいはヒューマンワールドで何か異変が起きたのではないかと考えて、戦いの最中で自分達は動けない中、ボンパーだけを一旦ヒューマンワールドへ送り、情勢を探らせました。
そして戻ってきたボンパーの報告で、何だかよく分からないがヒューマンワールドではザンギャックとかいう宇宙帝国が地球に侵略してくるということで世の中が大騒ぎになっているとのことで、走輔たちは驚き、ヒューマンワールドに戻らねばならないと思いましたが、プリズムワールドや他の異世界の運命も現在自分達にかかっているのであり、ヒューマンワールドには他のスーパー戦隊も存在するのであるから、自分達はまずは目の前のプリズムワールドのガイアークを倒して異世界の平和を回復してから急いでヒューマンワールドに戻るという方針を決めました。
ヒューマンワールドは走輔たち7人の生まれた世界であり、プリズムワールドや他の異世界は所詮は何の関係も無い世界なのですが、全ての世界を守る正義の味方ゴーオンジャーのポリシーにおいては、ヒューマンワールドだけを贔屓して他の世界を軽んじるなどということはないのです。まずは現在進行中の戦いを優先するのは当然の決断といえました。

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さて、そうしたゴーオンジャーの方の動向は知る由もない明石は、連絡の取りようもないゴーオンジャーのことはとりあえず置いておいて、シンケンジャーのもとを訪ねて事態の説明をすべく、志葉屋敷に行きました。
33代目スーパー戦隊のシンケンジャーは2年前の外道衆との戦いが終わった後、そのメンバーである志葉家家臣の5人は、ひとまず志葉家当主の志葉丈瑠1人を残して志葉屋敷から去って元の日常生活に戻りました。
池波流ノ介は歌舞伎役者に戻り、白石茉子はハワイの両親のもとに行き、谷千明は大学合格を目指して受験生となり、花織ことはは京都の山奥に戻って竹細工職人に戻り、梅盛源太はフランスに寿司の武者修行のため旅立ちました。もちろん、これら5人の家臣たちはそうした日常生活を送りながら侍としての修業は欠かさず、いつ丈瑠から戦いに召集されてもすぐに駆けつけることが出来るよう準備に怠りはありませんでした。
また、丈瑠に家督を譲って隠居した先代志葉家当主の志葉薫は外道衆との戦いの後、志葉家の隠れ里に戻りましたが、存在が露見し、更にドウコクも倒した後は身を隠している意味も無くなったので、やがて隠れ里から出て志葉家の菩提寺である天幻寺の中の庵で暮らすようになりました。
薫が丈瑠の住む本宅ではなく天幻寺に住むようにしたのは、志葉家の指揮命令系統が自分と丈瑠とで混乱しないようにするためであり、薫は志葉家の仕切りにはほとんど口出しすることなく、天幻寺で亡き父である先代当主や丈瑠の父などの墓参りをしながら静かに侍としての修業を積む生活を送るようになりました。
そして志葉丈瑠は以前と同じように志葉家当主として1人で外道衆のザコ達を退治する務めを果たす日々を送っていました。2010年秋に一度、外道衆を騙して乗っ取ったブレドランをゴセイジャーと共闘して退治した際に家臣たちを全員召集しましたが、その戦いが終わると丈瑠はまた家臣たちを元の生活に戻し、それ以降また1人で屋敷を守り、時々現れる外道衆のザコ退治をしていました。
2011年現在、流ノ介は若手歌舞伎役者の注目株となっており、茉子は今年になってハワイから日本に戻ってきて実家で祖母と暮らしながら保母のアルバイトをして料理などの稽古事にも励み、千明は今春ごく普通の大学に合格して大学1回生となっており、ことはは姉と共に竹細工職人として頑張っています。源太も1年半ほどのフランスでの寿司修行の旅を終えて少し前に日本に戻ってきて志葉屋敷に顔を出し、驚いたことに源太の寿司は美味しくなっており、志葉屋敷の近くで屋台を構えた源太のゴールド寿司にはそこそこ常連客がつくようになりました。

そうしたシンケンジャーにとって平和な日々であったところに今回のザンギャック騒動が世間に持ちあがり、シンケンジャーの7人もそれぞれ危機感を持って推移を見守っていました。家臣たちは再びシンケンジャーも集まってこれに対処すべきではないかとも思いましたが、志葉家当主たる丈瑠の命令があるまでは家臣の方の判断で勝手に動くべきではないので、黙って丈瑠の方から何か言ってくるのを待っていました。
一方、丈瑠の方はもし本当にザンギャックという宇宙帝国の侵略が始まれば世界にとって一大事だとは思っていたものの、それに対処するために家臣たちを招集すべきかどうか迷っていました。
シンケンジャーはあくまで外道衆からこの世を守るための戦隊でした。もちろん丈瑠も外道衆以外の脅威は無視していいなどとは思っていませんが、シンケンジャーの場合は各自が対等の立場で自発的に戦うことを選んで結成された他の戦隊とは違い、主君である志葉家当主が生まれた家の宿命で戦うことになった家臣たちに命を賭けて戦うように命じて戦う戦隊です。つまり志葉家当主である丈瑠がザンギャックとの戦いで命を預けるように命じれば家臣たちは喜んで命を預けてくる。その分、丈瑠の判断は重いのであり、慎重さを求められるのです。
ドウコクとの戦い以前にも外道衆以外の敵が世界に脅威を与えたことはありますが、丈瑠が家臣たちを招集しなかったのは自分が影武者だからという負い目のせいだけではなく、やはり主君の立場で家臣に命を賭けさせる以上、シンケンジャーの真の使命である外道衆との戦いならばいざ知らず、それとは別の戦いとなると、よりいっそう慎重にならざるを得なかったからです。
そして実際、それらの危機の際にはシンケンジャーが動かなくても他の戦隊の活躍で危機は回避出来てきました。だから今回のザンギャックの危機もあるいはシンケンジャーを動かさなくても、また新たな戦隊が現れたり、ゴセイジャーが戦ったりして回避できるのではないかという思いも丈瑠にはありました。

ところが、その丈瑠のいる志葉屋敷にスーパー戦隊の使者として明石が訪ねてきて、今回の戦いの事情を全て説明し、シンケンジャーにも協力を求めてきました。それを聞いて、丈瑠はどうやら今回のザンギャックの危機は従来のように黙って静観していれば勝手にどうにかなるというものではないようだと感じましたが、それでも家臣に命を賭けるよう絶対的命令を下す主君という特殊な立場上、そう簡単に決断出来るものではないと明石に回答しました。
ただ、丈瑠がここまで慎重になったのは主君という立場上だけが理由ではなく、明石の話を聞いて危惧するところがあったからでした。それは34のスーパー戦隊が一堂に会して戦うということが何か危険をもたらすのではないかという危惧でした。
丈瑠は以前にゴーオンジャーと共に戦った時やゴセイジャーと共に戦った時に、普段のシンケンジャーでは発揮出来ないほどの大きな力が発揮できたことに気付いていました。つまり、どうやら複数のスーパー戦隊が集まって心を1つにして戦うと、普段は使えないような大きなパワーが引き出されるようになっているらしい。それは今にして考えれば、おそらく2つの戦隊の世界の「大いなる力」が反応して起こった現象なのだろうと丈瑠には推測できました。
そして、明石の話を聞くと、明石も他のスーパー戦隊の戦士たちもある程度はその現象については気付いており、その上で34戦隊の「大いなる力」が集まった時に引き出される巨大なパワーが事態を好転させる突破口として使われることを期待している。そのように丈瑠には感じられました。実際、明石はそのように考えており、だからこそシンケンジャーの戦いへの参加を求めていたのです。
しかし丈瑠はそのような考え方は危険だと思えました。かつてゴーオンジャーあるいはゴセイジャーとの共闘時に引き出された2戦隊の世界の分の「大いなる力」の共鳴によるパワーですら、かなり途轍もないものでした。それが34戦隊分となると、本当に自分達に制御可能なのか、丈瑠はそれがあまりに未知の領域であるため絶対に制御できるという自信を持てませんでした。あるいはそのパワーを引き出すことによって自分達に何かとんでもない事が起こる可能性もある。ましてや最悪の場合、「大いなる力」を使うことで自分達が消滅する可能性すらある。そういうこともあって明石の誘いに対しては慎重にならざるを得ないのだと丈瑠は言いました。
明石ももちろん複数戦隊が集まって引き出すパワーの凄まじさは丈瑠よりもよく知っているぐらいでしたから、34戦隊の全戦士が集まって引き出されるパワーが危険を孕んだものであることは予測できていました。ただ、それでも危険を承知で世界のために戦うのが冒険というものであり、スーパー戦隊というものだろうというのが明石の考え方でありましたが、丈瑠は個人的にはその考え方は理解出来るが、家臣の命を左右する主君という立場上、制御困難な危険が待ち受けている可能性が高い道に自分が家臣を連れて気軽に進むことは出来ないのであり、慎重にならざるを得ないのだと言い、あくまで慎重な態度を貫き、しばらく熟考して判断したいと丈瑠は返答し、明石はシンケンジャーの参加の確約を得ることなく志葉屋敷を後にすることとなってしまったのでした。

確かに丈瑠の言うことは筋が通っており、明石も理解は出来ましたが、それでもそこを超越してスーパー戦隊の力に賭けようと思える自分とそうではない丈瑠の違いというのは、歴代スーパー戦隊の魂のパワーを体感したことのある自分と、そこまでの経験の無い丈瑠との違いなのであり、こればかりは現状では仕方のないことなのだと明石は思い、後は丈瑠の判断に任せることにして一旦引き下がることとしました。
いずれにしてもザンギャックの侵略が始まれば丈瑠の意思がどうであれ、シンケンジャーもおそらく戦わざるを得なくなり、戦いの中でまた彼らの意識も変わっていくだろうと明石には思えました。そこで明石は次に残る1つの戦隊であるゴセイジャーの参加を求めることにしましたが、ゴセイジャーもまたシンケンジャー同様、ボウケンジャー以前の戦隊とのそうした意識の違いというものが問題になってくるのであろうと予測出来ました。

一方、丈瑠は考え抜いた末、ザンギャックがこの世界を蹂躙しようとするならシンケンジャーとしても戦わざるを得ないが、この先の展開がいつにない危険なものとなる可能性がある以上、下手に早めに家臣たちを呼び集めてしまうと後戻り出来なくなるかもしれないので、ひとまず1人で戦い始めてスーパー戦隊の方の様子を見ながらその先のことは判断しようと思い、1人で戦う準備を始めました。
家老の彦馬には決して家臣たちにこのことは報せないよう釘を刺しておきましたが、面倒なのはフランスから帰ってきてからしょっちゅう屋敷に顔を出しに来る源太でした。源太に屋敷のものものしい様子を見られて何か勘付かれて家臣たちに知らされては困ると思った丈瑠は志葉家の大事な行事があって忙しいので屋敷には当分来ないように伝えました。
ところが源太は実はフランスでの修行で寿司の腕が上がり、屋台の客も増えたことに手応えを感じて、思い切って念願の夢である自分の店を持とうと決意し、ついては開店資金を少々借りられないかと丈瑠に相談しようとしていたので、いきなり屋敷に来るなと言われて不満に思い、それなら隠居している薫に相談しようと思って天幻寺に行って丈瑠の冷たい対応を愚痴りました。
それを聞いて薫はこんな時期に志葉家の行事などあっただろうかと不審に思い、丈瑠が家臣たちや自分に隠して何か抱え込んでいるのではなかろうかと直感し、いきなり源太を連れて志葉屋敷に乗り込み、前当主が久しぶりに会いたいからという理由で流ノ介、茉子、千明、ことはの4人の家臣も勝手に屋敷に召集して、屋敷にシンケンジャーを勢揃いさせてしまい、丈瑠の前で家臣たちにわざとらしく最近の世間の様子はどうなのか質問しました。
屋敷の様子が妙にものものしいのを見て丈瑠が1人で戦おうと考えていることを察した家臣たちはザンギャック騒動の件を薫に申し上げ、そのままなし崩しにその場はザンギャックに対してシンケンジャーはどう対処すべきかという戦評定の場となってしまい、丈瑠が焦って制止するのも聞かず、薫はシンケンジャーもこの世を守るために総力を上げてザンギャックと戦うべきではなかろうかと提案し、家臣一同それに賛同してしまいました。
丈瑠は薫や家臣たちに嵌められたと気付きましたがもはや後の祭りでした。家臣たちは自分達の命はとっくに丈瑠に預けてあるのだから、丈瑠が何に迷っているのかは知らないが、迷いや躊躇も含めて全て丈瑠の想いに従うと言い、だから戦う時も想いを1つにして共に戦いたい、1人で抱え込んで隠し事をするのはもう無しに願いたいと丈瑠に言いました。
これで丈瑠も観念し、明石から聞いた話を皆に打ち明け、自分は当面はスーパー戦隊の様子を見ながら独自にザンギャックと戦おうと思っており、最終的にどう行動するかの判断は自分に一任してほしいと家臣たちに言い、その上で家臣たちに共に戦ってほしいと言いました。それを受けて家臣たちは殿の命令とあれば従うまでと応え、更に薫も助力を申し出て、シンケンジャーはこうして7人全員でザンギャックと戦うことを決定したのでした。

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そして残る1つの戦隊は34代目スーパー戦隊のゴセイジャーだけとなりますが、そのメンバーはブラジラを倒した戦いの後、もはや見習いではなく一人前の護星天使となったことを護星界から認められましたが、そのまま護星界に戻らずに研修期間の延長を願い出て、それぞれバラバラに人間世界に溶け込んで生活していました。
アラタはカフェの店員、エリは小学校の保健教師、アグリとモネの兄妹は農夫になり、ハイドは大学の海洋環境に関する研究室に入り、ゴセイナイトは人目に触れない場所で眠りにつき、それぞれ平穏な日々を送っていたところ、1ヶ月前にキングビービの引き起こした事件のせいで彼らは一旦それらの場所を離れて天知家に集まり、キングビービを倒して世間の人々のゴセイジャーに関する記憶を消した後、再び各自は元の場所に戻りました。
1ヶ月前のそのキングビービとの戦いが終わった時、アラタ達に「この星の意思」が話しかけてきて、アラタ達が世界の融合のカギとなる「大いなる力」を体内に持つスーパー戦隊の一員であり、間もなく始まるザンギャックとの戦いで33の歴代スーパー戦隊と共闘することになると予告しました。しかしアラタ達はその後もずっと自分達がスーパー戦隊の一員だという話がどうもピンとこないままでした。

スーパー戦隊がこの地球で人々の尊敬を受ける正義のヒーローであることはアラタ達も知っていました。だから自分達がスーパー戦隊の一員だと言われて嫌な気分などは無い。だが、スーパー戦隊がそうした栄光ある存在であるからこそ、自分達がスーパー戦隊であるなどということはあってはならないことであったのです。
何故なら、アラタ達は護星天使であったからです。護星天使とは人々にその存在を知られることなくこの星に生きる者全てを護り続ける陰の存在でなければならない。だから護星天使は人々に存在を知られないように、自分達の事を知った人々の記憶を消すのであり、これは護星天使が絶対に守らねばならない掟でした。それゆえキングビービはその護星天使の急所を突いてきたのであり、それに対してアラタ達も大慌てとなり、危ないところまで追いつめられる羽目となったのです。
そういうわけですから、アラタ達は自分達がこの星の人々にスーパー戦隊だと認識されることは護星天使という立場上あってはならないと思いました。それにそもそもこの星の人々は記憶消去によって自分達の存在を知らないのですから、自分達をスーパー戦隊だと認識することはないのだとアラタ達は思いました。そして、他のスーパー戦隊の戦士たちもこの星の普通の人々と同じように自分達の存在を知らないのだから、自分達をスーパー戦隊の仲間として認めることはないのだともアラタ達は思いました。
つまりアラタ達は記憶消去の天装術が当然、他の人々同様にスーパー戦隊の戦士たちにも効いていると思っているのです。以前にシンケンジャーに正体を明かして進んで協力したこともありましたが、あの時もアラタ達は別に同じスーパー戦隊同士助け合おうという意識で声をかけたわけではなく、あくまで護星天使としてシンケンジャーの手助けをしたいと思って声をかけただけです。だから、あの戦いの後、また世界中に記憶消去の天装術をかけたので、シンケンジャーのメンバーも自分達の存在は忘れてくれているとアラタ達は思い込んでいます。
つまり自分達は地球の人々からも歴代スーパー戦隊の戦士たちからもスーパー戦隊の一員とは認識されていないし、そもそもそのような日の当たる存在であってはならない。だから「この星の意思」が何と言おうとも自分達はスーパー戦隊の一員ではないし、同じスーパー戦隊の一員として歴代スーパー戦隊と一緒に戦うということはない。それは護星天使の掟に背くことである。
アラタ達はそのように考え、むしろ「この星の意思」とかいう存在が何か適当なことを言っているようにも思えてきました。そうなると世界の融合の話も「大いなる力」の話も、ザンギャックの侵略に関する予告も、真偽不明のように思えてきていました。

ところが最近世間では急にザンギャックの侵略に備える動きが始まり、アラタ達は「この星の意思」の予告の一部が的中したので驚きました。ただ、「この星の意思」という謎の超常的存在がザンギャックや国連の内部の動きをあらかじめ掴んでいたのかもしれないとも思えて、これだけのことで「この星の意思」の発言の全てが真実だとはまだまだ思えませんでした。
しかし、そんなある日、アラタの勤めているカフェに来た客の1人の男がアラタに向かって明石暁と名乗り、自分はスーパー戦隊の1つであるボウケンジャーの者だと言い、ゴセイジャーのことで話があってやって来たと言ったのでアラタは大変驚かされました。それでアラタが店の人や他の客に聞かれないように慌てると、明石はアラタが正体を隠していたことも知らなかった様子で少し戸惑った様子であったので、それを見てアラタはそんな明石がどうしてこの場所を知っているのか不審に思い尋ねました。
すると明石はこの場所はジャッカー電撃隊の番場壮吉に教えてもらったと言い、ジャッカー電撃隊やゴレンジャーはずっとゴセイジャーの戦いを観察していて、アラタ達の現在地も全て把握しているらしいとアラタに教えました。そして、他のスーパー戦隊のメンバーも、自分も含めて大抵の者は1ヶ月前のアラタ達の記者会見を見てゴセイジャーの存在は当然把握しており、そんなことは記者会見までしたアラタ達自身が当然分かっているはずなのに、どうして自分が君の正体を知っていることをそんなに驚くのかと明石は逆にアラタに尋ねました。
番場はアラタ達が記憶消去の天装術を使っていたことは把握していましたが、この際それはあまり重要なことではなかったので番場もうっかりそのことは忘れており、明石に伝え忘れていたようです。しかし、この遣り取りでアラタは自分達の記憶消去の天装術がどういうわけかスーパー戦隊の戦士たちに対してだけは効いていなかったことに初めて気付き、愕然としました。
明石もアラタに実は皆さんの記憶を消去出来ていると思っていたと聞かされて、初めてアラタ達が記憶消去の術で正体を隠していたのだと知り、驚きました。確かに記者会見の時、アラタ達はこれまでも地球を護るために戦っていたと言っていましたが、自分はその記者会見までゴセイジャーの存在に気付いていなかったということに明石は思い至りました。
それはたまたまなのかと思っていましたが、実はそれは記憶消去の術でアラタ達が世間の人々のゴセイジャーに関する記憶を消していたからなのだと明石は気付き、それならばあの記者会見の後、ボウケンジャーの6人以外のサージェス財団の人間がみんなゴセイジャーのことを忘れてしまっていたのも腑に落ちると思いました。
つまり、あの後アラタ達はあの記者会見のことも含めたゴセイジャーに関する世界中の人々の記憶を消したのです。ところが、何故かスーパー戦隊のメンバーだけにはその術は効かなかった。それが何故なのか詳しい原理は分かりませんが、おそらく「大いなる力」の効力によるものなのだろうと思い、明石はそのことをアラタに伝えました。
するとアラタが「大いなる力」のことを明石が知っていることに驚きを示したので、明石は不思議そうに「大いなる力」はスーパー戦隊の戦士ならば誰でも持っていることは同じスーパー戦隊の一員であるゴセイジャーも「この星の意思」に聞いて知っているのではないのかと言いました。

これを聞いてアラタは、歴代スーパー戦隊の戦士たちがみんなゴセイジャーのこともスーパー戦隊の一員だと認識していることを知り、少なくともゴレンジャーとジャッカー電撃隊のメンバーはあの記者会見よりも前からそう認識していたのだろうと思いました。そして歴代スーパー戦隊も「大いなる力」というものを持っており、自分達と同じようにそのことを「この星の意思」から教えられてきたようだということも分かりました。
こうなると「この星の意思」の言っていたことにはかなり信憑性があるのではなかろうかと思えてきます。そこに明石はダメ押しのようにアラタに向かって本題を切り出しました。すなわち、ザンギャックの侵略を阻止するために全てのスーパー戦隊が現在力を合わせようとしており、ゴセイジャーも34番目のスーパー戦隊としてその戦いに参加してほしいという趣旨の話です。
アラタは明石の言葉を聞いて、「この星の意思」が言っていたのはこのことなのだと思いました。「この星の意思」はこのことを予知したのか、あるいは「この星の意思」とスーパー戦隊の目指す方向が同じであるのか、それがどちらであるかはこの際どうでもいい。もはや問題はゴセイジャーとしてこのスーパー戦隊の申し出を受けるかどうかの選択ということになります。
確かにザンギャックという敵が強大であるのならば多くの戦隊が力を合わせた方がいいようにも思えます。また個人的にはアラタも栄光の歴代スーパー戦隊と一緒に戦うというのは魅力を感じる誘いではありました。
しかし、ゴセイジャーがスーパー戦隊の一員として、記憶消去も無効であることを承知の上で他の戦隊と一緒に戦うとなると、それは明らかに護星天使としての掟に反する行為となります。それをやってしまうと自分達は自分で護星天使であることを否定することになってしまう。護星天使となるためにこれまで積み重ねてきた苦労を全て否定するようなものです。それはさすがに難しいとアラタは思いました。
もちろんザンギャックが侵攻してきたら地球を護るために戦う。それが護星天使の使命だからです。ただ、スーパー戦隊の一員として戦うというのは難しい。自分達は自分達であくまで独自にザンギャックと戦うしかない。アラタとしては明石にそう答えるしかありませんでした。
他のメンバーともじっくり話し合ってみてほしいと明石が言うので、アラタは明石と別れた後、ゴセイジャーの他の5人にも声をかけて集まり、明石から聞いた話を全て伝えました。仲間たちもアラタ同様にそれらを聞いて驚きましたが、結局話し合った結果、やはり護星天使の掟を破るわけにはいかないという結論になり、アラタは改めて自分達はスーパー戦隊の一員ではなく護星天使として独自に陰に回ってザンギャックと戦うと明石に伝えました。
明石はスーパー戦隊の絆は護星天使の掟をも超えるのだと思っていましたが、多くのスーパー戦隊の結束した力を実感したことのない現時点でのアラタ達にはそれはまだ理解出来ないのであろうから、無理強いをしても仕方ないと思い、また戦いが始まれば状況も変わるだろうと思い、ひとまず引き下がることとしました。

このようにゴセイジャーもシンケンジャーもひとまず本人たちの判断に任せることにして、ゴーオンジャーは完全に消息不明、そしてゲキレンジャーのメンバーはまだ居場所不明のままでしたが、明石としてもそろそろボウケンジャーの戦いの準備に取り掛かり、全スーパー戦隊の戦い方をどうするのか、ゴレンジャーの海城やジャッカー電撃隊の番場らのもとに集まって打ち合せもしなければいけない。ザンギャックの侵略軍がいつやって来るのか正確に予測出来ない以上、それらは早めにやっておく必要がありました。だから明石としても最新4戦隊の方にばかりずっと構っているわけにいかないのです。
そういうわけで明石はサージェスミュージアムに戻り、ボウケンジャーの仲間たちと共に本格的に戦いの準備に入り、東京にあるイーグルの日本支部関東総司令部で開かれた30戦隊が集まってのミーティングにも参加し、ザンギャックの侵略に対する戦いの段取りを他の戦隊とも確認し合いました。
といってもザンギャックがどのような作戦で攻めてくるのか不明である以上、かなり臨機応変に対応せざるを得ないのですが、とにかく敵は大量の宇宙戦艦の艦隊で侵攻してくると予想され、まずは世界各国の航空戦力で迎え撃つ物量戦が基本となりますが、おそらくこれまでに宇宙を制してきている実績からしてザンギャック軍の戦艦の性能やその物量は地球側のそれを圧倒するものであろうと予想され、局面打開のため、30のスーパー戦隊は東京のイーグル関東総司令部の地下にまずは待機しておいて、そこでモニターする全世界の戦況に応じて立案される防衛作戦や突破作戦などに合わせて、各地に強襲遊撃隊として飛ぶということになりました。

そうこうしているうちに2011年9月となり、地球におけるとりあえずのザンギャック迎撃の準備は軍事的には整いました。だが一般人の避難用のシェルターなどは全人類を避難させるにはまだ十分とはいえない状況でした。そもそもそれはかなり無茶な計画で、現実的には世界各国の中小規模以上の都市の住民を全て避難させることが出来れば上出来といえましたが、それですらも完備するには、どれだけ急ピッチで作業してもまだあと1〜2ヶ月はかかるとのことでした。
しかしやがて宇宙警察が海王星の軌道上に設置している太陽系監視衛星が、太陽系に侵入してこようとする膨大な艦影を感知し、もしそれが地球を目指しているとするなら、速度からしてあと2日で地球に到達すると報告されました。間違いなくそれはザンギャック艦隊と思われ、一般人の避難用シェルターの数はまだ不足しているが、こうなれば急ぎ迎撃戦闘の準備態勢に入るしかない。
結局ゲキレンジャーのメンバーはまだ見つからず、ゴーオンジャーは不在のまま、そしてシンケンジャーとゴセイジャーはそれぞれ独自に戦闘準備に入っており、その4戦隊を除く30のスーパー戦隊はそれぞれの居場所から急いでイーグル関東総司令部に向かいました。

その中で、天界から降りてきたジュウレンジャーの5人、ゲキ、ゴウシ、ダン、ボーイ、メイがイーグルに向かっていると、その前に突然19年前に死んだはずのブライが現れたので、弟のゲキをはじめジュウレンジャーの仲間達はみな仰天しました。
幽霊や幻の類ではなさそうなのでゲキが驚いてブライに死んだのではなかったのかと尋ねると、ブライは自分も死んだと思っていたが、死んだわけではなく単に肉体を失っていただけであったらしいと答えました。確かに外見を見るとブライは19年分しっかりと年をとっており、肉体は失いながらも生きて人生を重ねていたのが見受けられました。
再会を喜ぶ5人に対してブライはザンギャックとの戦いの件に関してはずっと皆を見守っていたので承知していると言い、今回は一時的に仮の肉体を得ることが出来たので一緒に戦うつもりだと言いました。そして、今の自分では仮の肉体はそんなに長期間使えるものではないので、こうして姿を現すのがザンギャックとの戦いの始まる直前ギリギリにせざるを得なかったのだと説明し、いきなり驚かせて済まなかったと詫びました。

同じ頃、1人でイーグル総本部に向かっていた浅見竜也の前に突然、11年前の戦いで死んだはずの親友、滝沢直人が現れました。竜也は一瞬驚きましたが、何故か未来でまた直人と会えると感じていた竜也は懐かしそうに微笑んで直人に近づき、直人も微笑んで竜也に向かって、明日は変えられたのかと尋ねました。
それに対して竜也は、毎日そうしていると答え、直人に何をしに来たのかと質問しました。すると直人が明日を変えるために来たと答えたので、竜也は奇遇だと笑いました。そして、自分も明日を変えるためにこれから行くところがあるから、一緒に行かないかと竜也が誘うと、直人は黙って微笑んで頷き、2人は肩を並べてイーグル総本部に向かったのでした。
そして、同じ頃、イーグル総本部の前に着いた伯亜凌駕、三条幸人、樹らんる、アスカのアバレンジャー4人を、門の外で気軽に手を振って仲代壬琴が出迎えていました。驚く4人に向かって壬琴はニヤニヤ笑って歩み寄ると、今回は前の時よりはだいぶ長い間一緒にアバレられそうだと言い、「ときめくぜ」とお馴染みのセリフを口にすると、凌駕に自分の入構許可をさっさと申請するよう促しました。

このようにブライ、滝沢直人、仲代壬琴という、思念体となっていた3人の戦士たちがアカレッドの指南によって仮初の肉体を手に入れて昔の仲間たちと無事に合流したのを「この星の意思」は見届けていました。
すると、そこにジェットマンのメンバーがやって来てイーグル総本部の門を通過していくのを見た「この星の意思」は我が目を疑いました。ジェットマンの天堂竜、天堂香(鹿鳴館香)、大石雷太、早坂アコの4人の後ろに結城凱の姿があり、凱は入構手続きをした4人の後ろにくっついてそのまま構内に入っていったのです。
確かに17年前に死んだはずの結城凱がここに居ること自体驚きでしたが、どうやらイーグルの守衛にも、いやジェットマンの4人にも、その場に居る誰にも結城凱の姿は見えていないようでした。かといって幽霊や幻の類ではなく、確かに結城凱は肉体をもってそこに居るということは「この星の意思」には分かりました。
この奇怪な現象の意味は「この星の意思」にはよく分かりませんでしたが、一種の奇跡の類なのであろうと思われ、それを可能としたのはおそらく結城凱の信じがたいほどの精神力、想いの力なのであろうと思われました。その想いとは、仲間と共に戦いたいという想い、いや、正確には仲間が戦うのならば自分も共に戦わなければならないという、ジェットマンならではの特に強い絆の力によるものなのであろうと「この星の意思」は理解しました。

そうして30戦隊がイーグル総本部の構内に入っていくのを「この星の意思」は見守っていました。やはりまだこの期に及んでもゲキレンジャーとゴーオンジャーは姿を現さず、シンケンジャーとゴセイジャーも来ませんでした。となると30戦隊で全部かと思った「この星の意思」は、よくよく考えると総本部の門を通過していった戦隊は28個だけであることに気付きました。
ゴレンジャーは最初から総本部内で待っていますから、門を通過すべきは29戦隊のはずです。それなのに28戦隊しか通過していないということは、1つ足りない。慌てて「この星の意思」が総本部地下の広いオペレーションルームに視点を移すと、そこには入構したスーパー戦隊の戦士たちが集まっていました。そこで改めて戦隊の数を数えてみると、ゴレンジャーも含めてきっちり30戦隊揃っています。よくよく見直してみると、1つだけ門を通らなかった戦隊がオペレーションルームの端で何食わぬ顔で黙って立っていました。
それはカクレンジャーでした。カクレンジャーはあえて門を通らずに警戒厳重なイーグル総本部に不法入講していたのです。それだけのことをやってのけるカクレンジャーの能力も恐るべきものでしたが、あえてそのような行為で入講するというところに、カクレンジャーという戦隊があくまで我が道を行くという姿勢が表れていました。
脅威であったのは、そのカクレンジャーの怪しい動きを、イーグル総本部を観察していた「この星の意思」も全く捕捉することが出来ていなかったことであり、どうもカクレンジャーの本気の動きは「この星の意思」といえども追いかけることは出来ないようです。
だが、この時「この星の意思」が気になったのはそのことではなく、その飄々として佇んでいるカクレンジャーの人数でした。カクレンジャーはサスケ、鶴姫、サイゾウ、セイカイ、ジライヤ、ニンジャマンの6人だったはずです。ところがそこに佇んでいたのは5人だけで、ニンジャマンの姿が見えません。
あるいはニンジャマンは何処かに隠れているのかと思って「この星の意思」はじっと観察しましたが、どうやら本当にカクレンジャーは5人しかいないようです。ニンジャマンが三神将によって寝隠神社に封印されていることは知らない「この星の意思」は、どうしてニンジャマンが居ないのかよく分かりませんでしたが、とりあえず居ないものは仕方ない。また後で現れるのかもしれないと思い、その場では深く考えないことにしました。
そうしてオペレーションルームでは海城による状況説明が行われ、改めて大まかな作戦の確認が行われて待機状態となり、2日後、ザンギャック大艦隊が地球に到達、大気圏内に突入し、天空にその姿を現したのでした。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 07:28 | Comment(1) | 海賊戦隊ゴーカイジャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めてあの大艦隊を見たときは絶望感が半端なかったです。東京上空であの数ですから、
世界各地でも同じような感じだったかと思うとああ恐ろしい。
そして何このオールスター感www
Posted by at 2012年11月13日 12:17
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