2011年04月19日

第9話「獅子、走る」感想その1

今のところ「ゴーカイジャー」という作品は、
レジェンド戦隊絡みのエピソードとゴーカイジャー単独エピソードとが1話ずつ交互にきている状態で、
このままでは34戦隊全部を網羅するのは無理なので、
何処かの時点でこのペースに変化は生じるのでしょうが、今のところはこういう感じです。
そういうわけで今回はレジェンド戦隊絡みエピソードの順番で、ガオレンジャー篇です。

「百獣戦隊ガオレンジャー」は、シリーズ第25作、今から10年前、2001年度の作品です。
いわゆる「21世紀戦隊」の最古の作品で、
この「ゴーカイジャー」でのレジェンドゲストの登場する過去戦隊篇の中で今までで一番古い作品です。
これまでの過去戦隊篇では必ずレッド戦士のオリジナル俳優がそのまま出演しているので、
今回もそうした流れでガオレッドの獅子走が登場し、オリジナル俳優の金子昇氏が演じます。
金子氏は「ガオレンジャー」当時で26歳でしたから、現在36歳です。

まぁ金子氏は比較的高年齢でレッドを演じた役者で、
ちなみにその前年の「タイムレンジャー」でタイムレッドを演じた永井大氏は現在32歳であり、
そのまた前年、「ゴーゴーファイブ」であのオッサン臭いゴーレッド、マトイ兄貴を演じた西岡竜一朗氏ですら現在35歳です。
なお、ギンガレッドは現在37歳、メガレッドは現在34歳、レッドレーサーは現在40歳、
オーレッドは現在42歳、ニンジャレッドも現在42歳、リュウレンジャーが現在43歳で、
ニンジャレッド役の小川輝晃氏が去年「ゴセイジャー」に出演し、
リュウレンジャー役の和田圭市氏が6月公開のゴーカイジャー映画に出演するとのことなので、
まぁこのあたりが(一部例外を除いて)オリジナル俳優出演の上限というところでしょうか。

それ以前のレッドとなると40歳代後半となり(但しレッドターボは現在43歳)、
レッドマスク以前のレッドとなると、50歳前後から50歳以上になっていきますから、
無理してもレジェンド大戦に参加していた現役ヒーローっぽく見える上限は
レッドファルコン役の嶋大輔氏(46歳)まででしょう。
まぁ体型的にちょっと問題はありますが。

さて現在36歳の金子氏ですが、少し老けたものの、まだ十分に若々しく、相変わらずイケメンでした。
ただ「ガオレンジャー」放送時の熱血ぶりは鳴りを潜め、
かなり落ちついた、というか抑制した感じの演技でした。
これは今回のエピソード内における獅子走の立ち位置としては正解でしょう。
それに、走というキャラクターの本質は、今回のような抑制した優しさであろうと思われるので、
今回の脚本は、よく走の本質や「ガオレンジャー」という作品の本質を分かって書かれていると思いました。

今回の脚本は第7話のゲキレンジャー篇と同じく、サブライターの香村氏によるものです。
香村氏はゲキレンジャー篇の時も、
ゲキレンジャーという作品の本質である「向上心」と、それを体現する者としてのゲキレッド漢堂ジャンを登場させ、
抑制したスタンスでゴーカイジャーと関わらせました。
そしてゴーカイジャーの中での未熟キャラであるハカセとアイムをジャンに関わらせ、
ジャンとハカセ&アイムの間に「向上心」というキーワードで共通項があるかのように見せかけて、
実はそうではなく、むしろマーベラス達、海賊のベテラン組の方にこそジャンとの共通項があったという、
上手い肩すかしを見せてくれました。

今回もそれとよく似た手法をとっています。
「ガオレンジャー」という作品の本質とそれを体現するキャラである獅子走を登場させ、
その本質の要素に最も近そうなキャラであるアイムとハカセを走に関わらせておき、
そこで相互理解が生まれるかと思わせておきながら、巧みに話の焦点をマーベラスたちの方にスライドさせていき、
マーベラス達も含めたゴーカイジャー全体と走、そして「ガオレンジャー」の物語世界との和解を成し遂げていきます。
今回のエピソードはこれに尽きます。
まぁザンギャックの側で不穏な空気も生じてきますが、
これはまだほんのさわり程度なので、今後に注目というところでしょう。

とにかく今回は、ゲキレンジャー篇に続いてガオレンジャー篇も綺麗に上手くまとめたなぁという印象です。
完成度が高いというか、綺麗に完結させているというか、
この香村氏という脚本家は、こういう感じで綺麗にお話をまとめるのが非常に上手いと思います。
プロットは宇都宮プロデューサーが示しているのでしょうけれど、
諸要素を綺麗にまとめたのは間違いなく香村氏の手腕です。
サブライターとしてはほぼ満点の出来ではないかと思います。

今回のかなりの満足度の出来でした。
ただ、綺麗にまとまりすぎているとは思います。
綺麗に完結して無駄な要素が無いのです。
この無駄な要素、何か釈然としないで残る要素というのが、連続ドラマにおいては重要で、
メインライターの荒川氏の回は、あえて綺麗にまとめきらずに、
ガチャガチャした要素が一見無駄に残り、それが後々活きてきたりもします。
その無駄な部分が、後の展開を予感させ、何か予測不能で制御困難なエネルギーを感じさせてワクワクさせてくれる。
それによって綺麗に枠に収まってしまうのではない大きなカタルシスを感じることが出来るのですが、
今回や前回のゲキレンジャー篇も、綺麗にまとまりすぎて、
そういう大きな盛り上がりには少しだけ欠けていたようにも思います。

これは、香村氏の手腕の問題ではなく、
あくまでサブライターという立場である以上、
その作劇が連続ドラマ的ではなく、一話完結的になるのは仕方ないことだと思います。
その点、割り切って一話完結型にしたのか、
それともまだ連続ドラマ的に書くスキル自体がやや足りないのかはよく分かりませんが、
今回は別に一話完結で綺麗にまとまって何ら支障は無いお話ではありましたから、
十分満足出来る内容でした。
エピソードとしてはこれで良いのです。完成度は高かったわけですから。

むしろ考えておいた方がいいのは全体の構成の問題でしょう。
34の戦隊の大いなる力を得ていくエピソードを今回のような感じで淡々としたもので
繰り返していくという展開で今後も続けていくのか、それともそうではないのか。

「ゴーカイジャー」の物語は現在のところ、
レジェンド戦隊の力を探すストーリーと、ゴーカイジャー単独でのストーリーという、
2本の縦糸が平行して進んでいっているのですが、
現時点ではゴーカイジャー単独ストーリーの方が何かとキャラの謎などもあって盛り上がっている感じです。
というより、盛り上がってくれないと、ゴーカイジャーという戦隊の魅力が盛り上がっていかないわけですから、
今のこの盛り上がりは非常に歓迎すべき傾向です。

そして、ゴーカイジャー単独ストーリーの方を盛り上げるために、
レジェンドにゴーカイジャー達が喰われないように、
相対的にレジェンド戦隊絡みの方のストーリーを意識して淡々としたものにして抑制しているのだろうと思います。
レジェンド絡みのストーリーばかりが盛り上がると、
まるでゴーカイジャーが単なるナビゲーター役のようになってしまいかねないからです。

だから現時点ではこの構成は正解であり、
今回のガオレンジャー篇もこの流れの中で見れば妥当な内容だったといえます。
ただ、ずっとこのままというわけにもいかない。
今後はまた変わっていくのでしょう。

ただ、まだゴーカイジャー単独ストーリーの盛り上がりの最初のピークに辿り着いてはいない。
おそらく1クール終了時点の第11話、第12話あたりで何か大きな山場があるのでしょう。
そこまでは今の流れは続くのでしょうし、続けるべきです。
その後、2クール目以降は、
おそらくレジェンド絡みのエピソードとゴーカイジャー単独エピソードの濃度の配分も変わってくるのでしょう。
あるいはこの2本の縦糸の構成自体が変わるのかもしれません。
この2本の軸が絡みあっていくのかもしれません。

今回、もう第9話です。その潮目が近づきつつあります。
今回のエピソード、完成度は高く、綺麗にまとまっていると思いつつも、
それでも少しだけ盛り上がりの足りなさを感じてしまったのは、
その潮目が近づいてきているからなのかもしれません。

さて、今回の内容ですが、まず冒頭は前回のラストからの続きで、
マーベラス一味はナビィがお宝ナビゲートで告げた「空飛ぶ島で運命の出会いがある」という手掛かりを頼りに、
ゴーカイガレオンで地球の空を周回して、「空飛ぶ島」を探しています。
ガレオンを操縦しているのは船長のマーベラスで、
見張り台にはジョーとルカとアイムが昇り、ハカセはレーダーを覗きこんでいますが、
全く「空飛ぶ島」らしきものは見つかりません。

前回のラストでマーベラスは地球を2、3周すれば見つかるだろうと言っていましたが、
もう既に1週間ぐらいもかけて地球を4周しているようです。
まだ地球の空を回り続けようというマーベラスに対して、
お宝命のルカもさすがに音を上げてモバイレーツでマーベラスに対して休みたいと苦情を言いますが、
ジョーは「俺たちが空飛ぶ島を探していることはザンギャックにも知られている。先回りされてもいいのか?」と、
ルカをたしなめます。

やはり前回のスニークブラザースのスパイ活動によって、
「空飛ぶ島」の件もダマラス達に知られているようです。
少なくともジョーはそう認識して、ザンギャックがそれを狙ってくることを警戒しています。
ザンギャックがこういう点では抜け目ない組織だということは、
元ザンギャック特殊部隊員のジョーは分かっているのでしょう。

その時、望遠鏡で空を見つめていたアイムが「あら?」と何かに気付きます。
「どうした?」とジョーが聞くと、
「あの雲・・・前にこのあたりを通った時にも見かけたような・・・?」と、
アイムはガレオンの左側に見える丸い大きな雲の塊を見ながら応えます。
1周前か2周前か分かりませんが、この周回の航海の途中でこのあたりでアイムは同じ雲を見た記憶があるようです。
「ええ?・・・雲が何日も同じ形してるはずないけど・・・」とルカが不審がります。

その会話をモバイレーツを通じて聞いていたマーベラスは、
「怪しいな・・・よっしゃあ!!」と、いきなり取り舵をとってガレオンを左へ急旋回させ、その雲に突っ込ませます。
相変わらず後先考えず行動するヤツです。
いきなりガレオンが急旋回したので他の4人は転んでしまい、マーベラスに抗議しますが、
その時、雲の中に海亀の形をした島が浮かんでいるのが見つかり、皆、歓喜します。
「見つけたぜ!・・・空飛ぶ島!」とマーベラスも、これがナビィの言っていた「空飛ぶ島」であることを確信します。

同時に、宇宙空間にあるギガントホースのレーダーも地球上空に浮かぶ海亀の形をした島の姿を捉えていました。
ダマラス達もスニークブラザースの報告を受けて、レーダーでずっと空飛ぶ島を探していたようですが、
ずっとそれらしいものは見つかっていなかったようです。
それが急に見つかったということは、
どうも島の周囲を覆っていた雲がレーダーの電波を撹乱してレーダーで捕捉されないようにしていたようで、
その雲をガレオンが突っ込んでかき乱したため、ザンギャックのレーダーにも映ったからのようです。

「ウフッ・・・見つけた」とインサーンはほくそ笑み、
「奴らに遅れをとるな!直ちに行動隊長バウザーを出撃させろ!」とダマラスは素早く指示します。
この2人、前回は司令官のワルズ・ギルには内緒でマーベラス一味の目的を探る作戦を実行したのですが、
その結果、マーベラスたちがスーパー戦隊の大いなる力を得ようとしていることを知り、
今回は「空飛ぶ島」でそのうちの1つを得ようとしているという情報を掴みました。
そこで、まずはその大いなる力を横取りしてやろうとしているようです。

ダマラス達にとって「スーパー戦隊の大いなる力」は別に魅力的なものではないのでしょうが、
とにかくマーベラス一味がこれ以上妙な力でパワーアップすることは阻止したいのであり、
また、そうやってマーベラスたちがやって来ると予想される場所に先回りしておけば必然的に戦闘になり、
そのままマーベラス達を倒せるものなら倒してしまおうという作戦でもありました。

ここでOPテーマとなり、
曲終了後の提供画面のナレーションが「この番組は楽しい時を作る企業バンダイと・・・」という通常バージョンに戻りました。
東日本大震災の発生から1ヶ月が経過して、「ゴーカイジャー」もひとまず通常営業に戻ったようです。

CM明け、サブタイトル「獅子、走る」が出ます。
「走る」と書いて「かける」と読みます。
この日本語の短い名詞のあとで動詞で締めるというフォーマットのサブタイトルは
「ガオレンジャー」の定番のサブタイトルのフォーマットで、
例えば第1話に相当するQuest1は「獅子、吼える!!」であり、
最終話に相当するFinal Questは「百獣、吼える!!」でした。
一部このフォーマットと違うサブタイトルもあったので完全に徹底されてはいませんでしたが、
まぁ、このフォーマットのサブタイトルを見れば、
ガオレンジャーを知っている人なら「ああ、ガオレンジャーだな」と思えるのは間違いありません。

そして、今回のサブタイトル「獅子、走る」(しし、かける)は、
「ガオレンジャー」の主役ガオレッドに変身した戦士、
獅子走(ししかける)の名前とも引っ掛けてあり、
その獅子走が今回ゲストで登場するのであり、そのまんまのタイトルともいえます。
そして同時に、今回のエピソードの内容をそのままストレートに表現したサブタイトルでもあります。
最終的には画面狭しと「獅子」が駆け回ることになるのですから。

ところで、冒頭で雲の中に登場した空飛ぶ海亀型の島は、
「ガオレンジャー」に登場した天空島「アニマリウム」です。
アニマリウムというのはガオレンジャーのパートナーであるパワーアニマル達の住む空飛ぶ島です。
パワーアニマルとは、地球の生命力が様々な元素を取り込んで実体化した動物型の巨大な精霊で、
地球自身の防衛本能として、地球に害をなす者と戦う存在です。
かつては地球環境や人心の悪化によって誕生した地球にとっての悪性ウイルス的存在であるオルグと戦うために地上に出現し、
そのパートナーとして選ばれたシャーマン戦士のガオレンジャーと共にオルグを倒しました。

そのパワーアニマル達が住んでいるアニマリウムですが、
あんまり「アニマリウム」と劇中で呼ばれたことはなく、もっぱら「天空島」と呼ばれてました。
ガオレンジャーは戦士として選ばれた後はこの天空島の中にある
「ガオズロック」という岩の形をした秘密基地であり移動基地で
ガオの巫女であるテトムと共に暮らしていました。
ガオレンジャー達が地上で戦う時にはガオズロックで飛んで地上に行くのです。
ちなみにパワーアニマル達はガオレンジャーに召喚されると自力で天空島から降りていき地上に向かいます。

「ガオレンジャー」という作品、かなりアバウトな作品であったので、詳細はよく分かりませんが、
天空島とガオズロックはもともと別個の存在なのか、
「ガオレンジャー」最終回で天空島はいろいろあって地上に墜落し、
ガオズロックは天空島から離れてガオレンジャー達を乗せて地上に飛び、最終決戦となりました。
その間に天空島は地上に激突して壊れたと思われるのですが、
エンディングでは謎の復活を遂げて、ちゃんと空に浮かんでおり、パワーアニマル達も平和に暮らしていました。
今回の天空島というのは、その謎の復活の流れを受けたものなのでしょう。

ちなみにガオズロックらしきものは登場しませんが、これはまぁ当然で、
ガオズロックというのはガオレンジャーのために基地なので、
ガオレンジャーというシャーマン戦士が人間の中から選抜されて結成される時にしか出現しないのでしょう。
今回はオリジナルのガオレンジャーは登場しないので、ガオズロックも登場しないのです。
だから、来たるべきその日に備えて月面で長い眠りについたとされるテトムも今回は登場しません。

とか言いつつ、本編最終回のエンディングでちゃっかりピクニックに参加したりしてるからワケわからんのですが、
まぁそういうアバウトな作品なのです。
ただ、数年前のレジェンド大戦にはオリジナルのガオレンジャーも参加しているのですが、
その時はテトムもガオズロックも復活していたのかどうかはよく分かりません。
「ハリケンジャーVSガオレンジャー」の時のように一時的な謎の復活を遂げていたのかもしれません。

まぁともかく、ガオレンジャーもテトムもガオズロックも存在しなくても、
天空島とパワーアニマル達は常に健在なのであって、雲に包まれて空に浮かんでいます。
そこにマーベラス一味は降り立ちました。
ここに存在する「スーパー戦隊の大いなる力」といえば、それはもうパワーアニマルしか考えられません。
パワーアニマルしかいない島なのですから。
つまり、ここは「ガオレンジャーの大いなる力」の存在する場所だということになります。

しかし、そんなことはマーベラス達は知りませんから、
自然豊かなその島を物珍しそうに眺めながら歩いていきます。
「人が住んでいないのかなぁ?」とハカセがキョロキョロ見回しながら言うと、
ルカはほくそ笑みながら「いかにも隠されたお宝がありそうな感じ!」と嬉しそうです。
ところが、そこにザンギャックの地上部隊が降下してきます。
多数のゴーミン達と、スゴーミンも3体います。
最近ちょっとスゴーミンを見てなかったのですが、今回はそれだけ本腰を入れた作戦ということです。

ゴーミンやスゴーミンにたちまち包囲されてしまうマーベラス達。
「やつらも気付いたか・・・」とマーベラスは呟きます。
雲が切れた時、ガレオンのレーダーに天空島は映りましたから、
ザンギャックのレーダーにも同時に感知された可能性は高いことは、ある程度、予想はついていました。
そこに今回のザンギャックの行動隊長バウザーが登場し
「大いなる力とやら、このバウザー様が回収する!」と宣言します。
やはり大いなる力を横取りするつもりのようですが、
ザンギャックにもその「大いなる力」というのが何なのか分かっていないようです。

当然マーベラスは「フン!させるか!」と不敵に言い放ち、
5人は豪快チェンジでゴーカイジャーに変身します。
そして名乗りの後、戦闘開始となりますが、
ここでの戦闘シーンで面白いのはハカセの戦い方です。
何故か1人だけ素手でゴーミン達と戦っており、
さすがに多勢に無勢でピンチになると
木の枝にひっかけてあったゴーカイサーベルとゴーカイガンを掴んで反撃に転じています。
相変わらず香港のカンフー映画のようなコミカルアクションという解釈も出来ますが、
もしかしたら、これは第7話でジャンのもとで学んだ
「修行なんて何処だって出来る」という教えの実践なのかもしれません。

このゴーカイジャーとゴーミン達との乱戦の中、バウザーは加速攻撃でゴーカイジャー達をふっ飛ばします。
ずんぐりした体型ですが、バウザーはスピードが持ち味の怪人のようです。
ここで「見かけによらず速いじゃないか」と言いつつジョーが取り出したのは
ブルーターボのレンジャーキーです。
そうして5人並んでターボレンジャーに豪快チェンジします。

ここで各自のモバイレーツからそれぞれ1台ずつ車が飛び出してくるエフェクトがかかります。
レッドターボのレンジャーキーを差し込んだマーベラスのモバイレーツからは赤いクーペ、
ブルーターボのレンジャーキーを差し込んだジョーのモバイレーツからは青いジープ、
イエローターボのレンジャーキーを差し込んだルカのモバイレーツからは黄色いバギー、
ブラックターボのレンジャーキーを差し込んだハカセのモバイレーツからは黒いトラック、
ピンクターボのレンジャーキーを差し込んだアイムのモバイレーツからは白いワゴン車が
飛び出してきて、それが5人に重なって各自のターボレンジャーのスーツになるのです。
これらはオリジナルの「高速戦隊ターボレンジャー」の変身時にも飛び出してきた5台の車のエフェクトと同一のもので、
これらの車はターボレンジャーの5人の搭乗する車型の巨大マシンです。
ここではオリジナルに準拠した変身エフェクトを使用しているわけです。

さて、そうしてターボレンジャーに変身した5人は、いきなり、やぐらを組みます。
マーベラス、ジョー、ハカセが3人並んで立ち、
その3人の肩の上を踏んでルカとアイムが立ちます。
なんだか組体操みたいですが、この時、アイムに体重が肩にかかったハカセが
重みに耐えかねて「う・・・」と呻きながら少しプルプルしてるのが可笑しいです。

これは「ターボレンジャー」本編で様々なバリエーションで使用されたコンビネーションアタックという技の一種です。
ここでは、ゴーミン達の銃撃を弾いて、
更に4人がジャンプした後、マーベラスが4人の足の裏を次々とパンチで叩いて押し出して、
ゴーミン達に突っ込ませるという連携攻撃を見せます。
超高速で打ち出された4人がゴーミン達を蹴散らしている間に、
マーベラスはバウザーと超高速の戦いを繰り広げ、競り勝ちます。

まぁ、このような形のコンビネーションアタックが
「ターボレンジャー」本編で使用されたかどうかは記憶に無いですし、
そもそも、これってコンビネーションの意味があるのか少し疑問ではあります。
それに、ターボレンジャーが本編でこのような高速移動攻撃のようなものを見せた記憶もあまり無いのですが、
まぁターボレンジャーというのは実際はあまり個性の無い戦隊であったので、
多少ある個性の部分を膨らませてこのように演出しているのでしょう。
そうなるとやはり「高速戦隊」というイメージ的に高速移動攻撃ということになり、
それを魅せるために相手にはスピード自慢の怪人バウザーをもってきたのでしょう。

さて、そうしてマーベラス達がバウザー率いるザンギャック部隊に一撃を喰らわしたところで、
突然、あたりに猛獣の吼えるような声が響き渡ります。
その天空島に響く咆哮は、遠く地上に居る、とある人物の耳にも届き、
その人物は膝に抱いた子犬を撫でる手を止めて、目を見張らせて、その咆哮に耳を澄ませます。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 22:31 | Comment(0) | 第9話「獅子、走る」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月20日

第9話「獅子、走る」感想その2

天空島に響き渡る咆哮の声、
その聞こえてくる方を驚いて見つめるマーベラス達とバウザー率いるザンギャック部隊の目に飛び込んできたのは、
遠くの崖の上で吼える巨大な一匹のライオンの姿でした。
といっても、普通のライオンではありません。
まず大きさがどう見ても普通ではなく巨大です。
しかも真っ赤な体色で金属質の表面のように見えます。

「何あれ・・・ライオン?」とルカが驚きつつ怪しみます。
アイムは「まぁ、なんて立派な!」と、そのライオンのあまりに威厳あふれる姿に思わず感心しますが、
「感心してる場合じゃねぇぞ!」とマーベラスは言います。
あれこそが目指す「大いなる力」なのではないかと直感したのです。
それはマーベラス達と対峙するバウザーも直感したようで「ゴーミンども!行けぇ!」と叫んで、
ライオンの方にゴーミン達を突撃させようとしますが、
なんとその場に崖の上から一気にそのライオンが跳んできて、
その巨大で鋭い爪で駆け出したゴーミン達を薙ぎ払い、吼えます。
圧倒的なパワーです。

目と鼻の先に現れた巨大なライオンを見てマーベラスは圧倒され「マジかよ・・・?」と呟く。
頭の上までの高さは20mほどもあり、全長は40m以上もありそうな巨大で硬質のボディを持った、
獰猛そうな真っ赤なライオンです。
思わず棒立ちになったマーベラス達やザンギャック部隊の面々は、
次の瞬間、そのライオンの激しい咆哮と共に繰り出された前足の一撃で吹き飛ばされ、
一気に天空島から大空に投げ出されて、地上に向かって落下していったのでした。

その騒ぎを地上で感知した1人の白衣を着た人物が、
ちょうど天空島の真下あたりにある地上のビルから姿を現して、険しい顔で空を見上げます。
そのビルの外には「獅子どうぶつ病院」という看板がかかっています。
先ほど、天空島のライオンの咆哮を感知した、子犬を抱いていた人物です。
どうやら獣医のようです。

先ほどの天空島に現れた巨大な赤いライオンは、もちろんパワーアニマルです。
それも真っ赤なライオンとくれば、パワーアニマルのリーダーであるガオライオンであることは、
マーベラスたちやザンギャックは知らないでしょうが、視聴者には明白に分かります。
ガオライオンはパワーアニマルの聖地である天空島で騒ぎを起こした
マーベラス一味とザンギャック部隊の双方を排除したのでした。

そして地上でそのことを感知した白衣の人物は、
獣医であること、その病院名が「獅子」であること、そして一瞬ハッキリと映った顔から、
ガオライオンのパートナーであるネオシャーマンの戦士、
ガオレッドの獅子走であることが明らかになりました。

確か、「ガオレンジャー」の最終回、オルグとの戦いが終わって日常生活に戻った際には、
もともと第1話の時に務めていた他人の経営する動物病院の勤務に戻ったはずですが、
あれから10年経って(まぁ劇中時間はどうなってるのか知らないが)、
走も自分の動物病院を持つようになっているようです。
しかも、冒頭のアイムの言葉からも分かるように、天空島はずっと地球の上空の同じ位置に浮かんでいるようなので、
走の病院はその真下にあるということになります。
つまり走は自分の動物病院を天空島の真下の位置に置いて、
元ガオレンジャーのリーダーとして、獣医の仕事の傍ら、天空島を見守り続けているのでしょう。

さて一方、ターボレンジャーの姿のまま天空島から落下中のマーベラス一味。
ハカセが「死んじゃう〜!」とパニックになっているのを
「落ちつけ!」と怒鳴ってマーベラスが取り出したのはレッドホークのレンジャーキーです。
それを見てハカセも何かに気付いたようで「あっ、そうか!」と、黒いレンジャーキーを取り出します。
そうして5人全員が豪快チェンジすると、
「ジェ〜ットマン!」というコールと共に空に一瞬、円形の虹が広がり、
マーベラス達5人はジェットマンに変身し、円陣を組んだようになって、
全員、背中から上腕にかけて小さな翼を広げて風を受けて落下速度を緩めます。
この翼はジェットウイングといい、ジェットマンの標準装備です。

「鳥人戦隊ジェットマン」は「空」や「鳥」をモチーフにした空飛ぶ戦隊です。
といっても、それは各自の操縦する巨大マシンが全部、飛行機であるという空軍ベースの戦隊ということであって、
本当にジェットマン自身が空を自由に飛行出来るわけではありません。
ただ、ジェットマンのスーツには背中から上腕にかけて小さな翼であるジェットウイングが組み込まれており、
これを広げるとグライダーのように短時間、滑空することが出来るのです。
この滑空能力を使ってジェットマンは多彩な攻撃を繰り出すと同時に、
高所から落下する際には、このジェットウイングを広げてパラシュートのように風を受けて
降下速度を調整して無事に下に降り立つということもよくありました。
ここではマーベラス達はそのジェットマンの能力を上手く使ったわけです。
ちなみに、空に円形の虹が一瞬広がり、そこに円陣で降下してくるジェットマンが現れるという演出は、
「ジェットマン」のOPテーマ中の映像のオマージュです。

ジェットマンへの豪快チェンジは、第3話でアイムがホワイトスワンになったのがありますが、
5人全員揃ってというのは初めてで、
マーベラスがレッドホーク、
ジョーがブルースワロー、
ルカがイエローオウル、
ハカセがブラックコンドル、
アイムがホワイトスワンということになります。

オリジナルでは小柄でスカート付きの女性戦士だったブルースワローが
今回はジョーの変身する逞しい男性戦士になっており、
オリジナルでは太った男性戦士だったイエローオウルが、
今回はルカの変身するスカート付きで細身の女性戦士になっているのは、
なかなか違和感があって面白いです。
やはり元キャラの個性が強いと男女逆転した時の違和感は大きいですね。

マーベラス達はジェットマンに豪快チェンジして落下速度を緩めましたが、
ザンギャック側はみんな落ちていったはずです。
ところが、ゴーミンはみんな落ちていったようですが、
バウザーは3体のスゴーミンを戦闘機形態にして、その上にサーフボードのように乗るスタイルで空中に留まっていました。
そして「先に貴様らの命を貰うぞ!!」と、マーベラス一味に襲いかかってきます。
やはり「大いなる力」の横取りだけでなく、
あわよくば海賊たちを討伐するようにとも指令を受けているようです。

このバウザーの攻撃を5人はゆっくり降下しながら空中でひらりひらりとかわしていくのですが、
アイムがスゴーミンの翼の端を左足にぶつけられてしまい、バランスを崩してハカセに激突し、
ハカセとアイムが絡まり合って地上に落ちていきます。
その間にルカとジョー、そしてマーベラスがバードブラスターでバウザーを銃撃して、
バウザーは遠くに墜落していきます。

地上に落下したハカセとアイムでしたが、
ちょうど落下場所には空の段ボール箱が山積みになっていたので、それがクッションになって大丈夫でした。
その横に地面に着地したマーベラスたち3人は変身解除し、
「面倒なことになったな・・・」とマーベラスは腕組みします。
空飛ぶ島を見つけたのはいいが、ザンギャックにもその場所を知られてしまったのです。
しかもザンギャックは「大いなる力」を横取りするつもりのようなのですから、
少しマーベラスも焦ります。

ハカセとアイムも変身を解いて段ボール箱の山から出てきますが、
アイムはその時、左足に激痛を感じました。
さっきスゴーミンの翼がぶつかった箇所が痛むのです。
しかし、皆に心配をかけないように、アイムは痛みを我慢して、ハカセの後ろを歩いて出てきます。

「今のライオン、何だったんだろう?島の守り神かなぁ?」とハカセが怖そうに上空を見上げて言います。
いきなり現れたライオンのせいで死にかけたわけですから、ハカセが怯えるのも無理はありません。
それに、何か得体の知れない神々しさすら感じる、畏怖すべき存在であることを直感しているのです。

しかし、ルカは「何だっていいじゃん!それより、あの圧倒的な力・・・あの赤いライオンこそ大いなる力に違いないよ!」と
空を見上げて笑顔で言います。
酷い目にあっても簡単には懲りない性分のようです。
また、あまり神や神秘的存在というものには無頓着で、あくまで即物的なルカらしい反応です。
マーベラスも、あの赤いライオンこそが自分達の求める「大いなる力」だと確信したようで、
空を見上げてニヤリと笑い「ああ!さっさと捕まえるぞ!」と張り切ります。

そこに「待てよ!」という声がします。
マーベラス達が振り向くと、背後に白衣の男が立っていました。獅子走です。
ただ、マーベラス達は初対面なので走が何者は分かっていないようですが、
走はマーベラス一味のことを知っているようです。
「力欲しさに、また天空島を荒らすのか?」と、今のマーベラス達の会話を聞いていたのか、
走は咎めるように言いながら近づいてきます。

その言葉を聞いて、ハカセは「天空島って・・・空飛ぶ島のこと?」と言って走に駆け寄ろうとしますが、
マーベラスはそれを押しとどめて、「・・・だったらどうした?」と、走に突っかかります。
ハカセは「空飛ぶ島」を「天空島」と固有名詞で呼ぶこの白衣の男が
あの島やライオンについて何かを知っているのではないかと思って、話を聞こうとしたのですが、
どうもマーベラスはこのいきなり現れた男が気に入らないようです。

マーベラスもこの男が何か事情を知っていることは想像がついています。
「天空島」という島の名を知っていることから、
あの島やライオンの関係者であろうということも分かりましたが、
「力欲しさに」と言っていることから、
自分達がスーパー戦隊の大いなる力を手に入れようとしているということもこの男は把握していると、
マーベラスは感づいていました。
それらを踏まえた上で、マーベラスはこの男のことがなんだか気に入らないのです。
自分達の知らないことを色々と知っているであろう相手が、何か上から物を言ってくるのが気に触るのです。

それに対して、「手に入れられないよ・・・君達には」と走はマーベラスに厳しい視線を向けて言います。
この走の態度はここまで登場したレジェンドゲストの中で最もマーベラス一味に否定的な態度のように見えます。
魁はマーベラス一味に試練を与えて大いなる力を使いこなせるよう導こうとしたし、
ドギーやバン達は刑事という職務上マーベラスを逮捕したが、
その一方で冤罪を晴らすため奔走してくれていました。
ジャンはマーベラス達に無関心に近かったが、たまたま関わったアイムやハカセには親身に指導してくれました。
しかし走は頭ごなしに否定です。

しかし、これは別に走がマーベラス達を嫌っているとか悪意があるというわけではなく、
現実を教えているだけなのです。
走もおそらくマーベラス達がゴーカイジャーであり、レンジャーキーを受け継いだ者達であり、
スーパー戦隊の力を受け継いでザンギャックと戦い得る可能性を持つ者達であることは分かっています。
そしてスーパー戦隊の大いなる力を集めていることは分かっています。

そもそも魁が「34の戦隊の力を集めれば宇宙最大のお宝が見つかる」と言ったから、
マーベラス達はそれを信じて行動しているわけです。
いや、そもそも彼らが魁の言葉を信じた理由は、魁の出現をナビィが占って告げていたからです。
マーベラスが何だかんだ言ってナビィの占いを信じているのは、ナビィがアカレッドから譲り受けたもので、
そのアカレッドがもともと「宇宙最大のお宝」を探すようにマーベラスに命じたのです。
そうなるとアカレッドが全ての話の発端ということになるのですが、
そのアカレッドはスーパー戦隊とどういう関係なのか。

「ボウケンジャーVSスーパー戦隊」に出て来た時には、歴代戦隊と密接な関係のある存在ということになっていましたが、
この「ゴーカイジャー」におけるアカレッドの定義はまだよく分かりません。
というか、あの「赤き海賊団」の赤い戦士がアカレッドなのかどうかも、実はまだ定かではありません。
だから、まだあまりにも曖昧な要素が多いのですが、
もしかしたら、マーベラス一味の現在の行動は、
全てアカレッドとレジェンド戦隊によって仕組まれたことなのかもしれません。
「宇宙最大のお宝」が実は存在しないというようなことではないとは思いますが、
とにかくレジェンド戦隊の目的は、
ゴーカイジャーに34のスーパー戦隊の大いなる力を集めさせることであると思われます。

そう考えると、ここでの走の否定的な態度は、
「ゴーカイジャーに大いなる力を与えたくない」という意味なのではなく、
むしろ「ゴーカイジャーに大いなる力を与えたいのだが、ゴーカイジャーがそれを出来そうにないのでガッカリしている」
というニュアンスなのでしょう。
実際、マーベラス達は天空島にまで辿り着きながら、ガオライオンに追い払われてしまっています。

走はマーベラス達が天空島に行ったことや、そこで力を得ようとしたことを怒っているわけではなく、
ガオライオンに拒絶されてしまった彼らの不甲斐無さに落胆し、腹を立てているのです。
走は「力欲しさに天空島を荒らす」という行為そのものを批判しているわけではない。
まぁもちろん、天空島を愛する走としてはそういう行為自体もあまり好ましいとは思っていないだろうが、
ここで走が問題視しているのは、
「力欲しさに天空島を荒らすと大いなる力を手に入れることが出来ない」ということです。

天空島にある「大いなる力」とは、もちろんガオレンジャーの大いなる力なのであり、
それはパワーアニマルの力であり、
それを人間に提供するか否かは、パワーアニマルのリーダーであるガオライオンが決めることなのです。
走自身、かつてガオライオンに選ばれて、その力を使って戦うガオレッドとなりました。
しかし、走自身が力を欲したわけではありません。
走や仲間たちはガオライオンに一方的に選ばれたのです。

そのガオライオンが極めて気難しいのであって、
強くなりたいとか、宝が欲しいとか、そういう欲望のために大いなる力を求めて天空島に押しかけても、
絶対にガオライオンは拒絶するということが走には分かっていたのです。
だから走はマーベラス一味がガオレンジャーの大いなる力を手に入れることは難しいだろうと予想していたのですが、
案の定、ガオライオンに拒絶されて地上に落ちてきたのです。

ただ、走としてはマーベラスたちにガオレンジャーの大いなる力を手に入れて欲しいとも思っています。
しかし、そのためにはマーベラス達が考え方を改めなければいけないと思っているのですが、
落ちてきた後もどうもマーベラス達は全く懲りておらず、考えを改めていないように見えました。
相変わらず、全く懲りずにお宝のことしか考えていないようなのです。
それで走も少し苛立って、厳しい態度で接してしまったのでした。
一見、落ちついたように見えますが、心の中は熱くなりやすいままなのです。
ただ、根本的にはマーベラス達のことを嫌ってはいないので、
出来るだけ怒りを表に出さないように、抑制した態度をとっているのです。

走に今のままでは力は手に入れられないと言われてしまった形のマーベラスは
「フン・・・お前、何者だ?」と、不敵な態度で問いかけ、走を睨みつけます。
マーベラスもバカではありません。
無人島の時も、宇宙警察の一件の時も、そしてハカセとアイムが拳法教室に通った時も、
いつもナビィのお宝ナビゲートに従ってスーパー戦隊の大いなる力を手に入れた時には、
スーパー戦隊の元メンバーらしき連中が現れて、自分達に接触してきているというパターンには気付いていました。
だから、この白衣の男も元スーパー戦隊のメンバーなのだろうと、想像はついています。
それが分かった上で、マーベラスは気に喰わないのです。

元スーパー戦隊の戦士だか何だか知らないが、何か裏でコソコソと動き回って、
自分達を思うように動かそうとしているように思えて、不愉快でした。
だから、元スーパー戦隊の誰かだなどと言って先輩風を吹かせて何か説教でもしてこようものなら、
ボロクソに言ってやろうと思っていました。

マーベラスの怒気を含んだ視線を受けて、
走はマーベラスが自分に対して不快感を抱いていることに気付きました。
それはおそらく自分のことをスーパー戦隊メンバーだと気付き、
先輩風吹かして色々言われることを嫌っているのだろうと分かりました。
しかし走自身、少しカッとなって抗議してしまいましたが、
もとより先輩風を吹かすつもりなどありません。
ああしろこうしろと言われて素直に聞くような連中でもないとは思っていましたし、
自分が彼らに力を与えることが出来るわけでもない。
あくまでガオライオンに認められなければ意味は無い。
表面上だけ取り繕ってもガオライオンには通用しない。
だから、彼らが自分達で自発的に変わらなければ意味は無いと思っていました。
だからもともとガオレッドだと名乗るつもりもありません。
そもそも今の自分は変身する力も無く、ガオレッドですらないとも思っていました。

走は口元に少し笑みを浮かべて「俺は獣医だ!」と言い、
真っ直ぐ真剣な眼差しでマーベラスを見据えます。
今の自分は一介の獣医に過ぎないということで、
別に先輩風を吹かせてあれこれ言うつもりはない、後は自分達で考えろ、というようなニュアンスです。
そして同時に、これは、「ガオレンジャー」本編で何度も走が戦いの中で叫んだ名セリフであり迷セリフでもあります。
これは要するに走の戦う意味、戦士として選ばれた理由に関係してくる重要なキーワードなのですが、
本編終盤ぐらいには、何かというとこのセリフを叫ぶと事態が解決するという、不思議ワードにもなっていました。
まぁ「ガオレンジャー」の名物セリフで、やっぱり走が出てくるのなら、このセリフは必須でしょう。

マーベラスは相手が獣医であるということの意味は何だかよく分かりませんでしたが、
とにかくこの白衣の男が元スーパー戦隊のメンバーであるのは確かです。
その身分をあえて伏せて、今のままでは大いなる力は手に入れられないと言い、
それ以上は何も言わないということは、後は自分達で考えろという相手の意図は分かりました。
細々と説教臭くないのは歓迎出来ましたが、これは何にしてもマーベラスにとっては余計なお世話でした。
要するに「反省して心を入れ替えろ」と指図しているのです。

これに対してマーベラスは「フッ!悪いな!」とニヤリと笑うと、
真顔になって「・・・俺たちは海賊だ!」と言って走を睨み返します。
これがマーベラスの返答であって、
つまり、自分達はあくまで海賊であり、たとえ相手がスーパー戦隊の元メンバーであろうが誰であろうが、
あくまで誰の指図も受けず、自由に自分達の思った通りにやる。それが海賊の誇りだ。
そういう意思が込められています。

そうして、マーベラスと走はじっと睨みあいます。
その異様な迫力を見て、ようやくジョーやルカも、この白衣の男の正体が察しがついたようで、
マーベラスが何に対してそんなに怒っているのか分かりました。
2人も、一連の「大いなる力」を手に入れる騒動の陰で
スーパー戦隊の元戦士らしき者達が暗躍しているようだということは気付いていました。
マーベラスとこの白衣の男の火花の散るような遣り取りを見て、
この男が元スーパー戦隊の戦士で、
マーベラスが彼らの都合で動かされることを嫌って反抗しているのだということを悟ったのです。
当然、2人はマーベラスと気持ちは同じです。

ジョーはフッと笑うと「アンタがどう思おうと、関係ない!」と言い、走を睨みます。
ルカもニヤニヤしながら「あたし達は、あたし達のやりたいことをやる。それだけ!」と
キツい口調でピシャリと言います。
2人とも、それが海賊の誇りであることが分かっているのです。

走は、予想はしていたこととはいえ、海賊の頑固さを痛感し、黙り込み、少し目を伏せます。
彼らの自由を求める気持ちは分かるが、今のようにお宝のことしか考えないままでは、
結局、ガオライオンには理解させずガオレンジャーの大いなる力は手に入れることは出来ない。
そう思うと、暗澹たる気持ちになり、また苛立ちは募りました。

マーベラスは黙り込んだ走を見て、話は済んだとばかりに「行くぞ!」とジョー達に声をかけて、
走をその場に残して、立ち去ろうとして歩き出します。
ジョー達4人もそれに続いて歩き出しますが、
最後尾のアイムは左足をひきずって歩き、遂には痛みのためにしゃがみ込んでしまいます。
それに気付いてハカセが驚き「どうしたの?」と駆け寄り、
ルカも「さっきやられたところ?」と心配そうにアイムの顔を覗きこみます。
マーベラスやジョーも驚き立ち止まって振り向いて心配そうにしています。

しかしアイムは「すいません・・・皆さんは早く行ってください!・・・でないと、ザンギャックに先を越されてしまいます!」と、
顔を上げて、痛みをこらえながらキッとした顔で気丈に言います。
皆の迷惑にはなりたくないという強い想いが常にアイムにはあります。
といっても、アイム1人を置き去りにして行くわけにもいかないと思い、
ハカセとルカは躊躇して顔を見合わせ、マーベラスの方を見ます。
マーベラスはジョーに目配せをし、ジョーはそれを受けて「ハカセ・・・ついててやれ」と言います。
それを受けてルカもハカセに「お願い!」と言って、マーベラス達のもとに向かい、3人で駆けていきます。

ここでどうしてマーベラスが自分でハカセに指図せずにジョーに言わせたのかというと、
おそらくマーベラスが直接アイムのためにハカセが残るように言うと、アイムが嫌がるからなのでしょう。
船長マーベラスの意思は海賊団の全体の意思であり、
それがアイムを足手まといだと正式に認定したような解釈が出来てしまうので、
それは避けて、マーベラスはあえて正式には何も判断せず、
ジョーの個人的な善意でハカセを残らせたような形にして、
アイムの精神的負担を少しでも減らしたというわけなのでしょう。

そうしてその場に残ったハカセが心配そうに見守る中、
アイムは自力で歩こうとしますが、やはり傷が痛んでまたしゃがみ込みます。
そこに走が駆け寄り、「怪我してんのか?どら、ちょっと見せてみろ!」と言って、
アイムの左足のブーツを降ろして患部を見ます。
するとブーツの下に履いている白いソックスに赤く血が滲んでいます。
それを見て走は「・・・うちで手当てしよう・・・すぐ、そこなんだ」と言い、
自分の病院に来るように言います。
病院といっても動物病院ですが、金を貰って診療するわけでもなく、単に傷の手当てぐらいなら出来ます。
というか、そもそもアイムは宇宙人ですから、保険証を持ってるわけでもないし、
どっちにしても正式な医者で診療を簡単に受けられるような立場でもないとも言えます。

しかしハカセもアイムも意外そうに驚いています。
ハカセは恐縮して「でも、僕達のこと怒ってるんじゃないの?」と走に質問します。
さっきまでマーベラスとあんなに険悪なムードだったはずの獣医が、
どうして急に自分達に優しくしてくるのか、よく分からなかったのです。
それに対して走は「それとこれとは別!ほっとけるわけないだろ?」と当然のことのように言います。

「別」ということは、走のマーベラス一味に対しての怒りや苛立ちは収まったわけではなく、
未だ持続しているのです。
それでも、怪我をして苦しんでいる人が目の前にいれば、
たとえ気に入らない相手や敵対する相手であっても、放っておくことが出来ないのが医者というものです。
いや、全ての医者がそのようであるわけではありません。
医者だからそうなのではなく、走という人間がそういう性格なのです。

まぁ走の場合は普通の人間相手の医者ではなく獣医ですから、あらゆる生き物が対象です。
あらゆる生き物の助けを求める声を聞けば、それを放っておくことなど出来ない。
走はそういう性格であり、走自身はそれが獣医というものの当然の姿だと思っています。
だから、誰かを助けるために困難に挑む時、いつも「俺は獣医だ!」と叫ぶわけです。
自分が獣医である以上、その困難から逃げることは出来ないはずだと、
自分を追い込みモチベーションを上げていくのです。

でも実際は、全ての獣医がそこまでの意識を持っているはずはありません。
走だからこそ、そういう考え方が出来るのであり、
本当は獣医であるかどうかはあんまり関係ないのです。
そういう走だからこそ、地球という1つの大きな生き物の悲鳴を受け止めて、
決して逃げることなく、地球を守るために戦い抜いてくれるだろうとガオライオンは見込んで、
ガオレンジャーの力を与えたのです。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 21:16 | Comment(0) | 第9話「獅子、走る」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月21日

第9話「獅子、走る」感想その3

その頃、ギガントホースの艦橋ではインサーンがバウザーから通信で天空島での顛末の報告を受けていました。
スゴーミンと共に墜落したバウザーは生きていたようですね。
「赤いライオン・・・?」と、インサーンは意外な報告内容に少し驚きます。
空飛ぶ島で行動部隊が海賊たちと戦っていると、
何処からともなく現れた赤い巨大なライオンに襲われて海賊ともども島から突き落とされたというのです。

「はい、いかがいたしましょう?」と伺いを立てるバウザーに対して、
ダマラスは「それが大いなる力だとすると、海賊に渡すわけにはいかん!
なんとしても奪え!いざとなれば処分しろ!」と厳しい調子で命令します。
行動部隊と海賊をまとめて一蹴してしまうほどの強大な力を持つライオンとなると、
それがスーパー戦隊の「大いなる力」とやらなのかもしれません。
もしそんな強大な力が海賊の手に渡ってしまえば、また厄介なことになります。
なんとしても横取りするか、もし手に余るようならば空飛ぶ島ごと破壊してしまうしかないと
ダマラスは危機感を募らせたのです。

とにかく海賊たちよりも早く行動せねばいけないと、ダマラスが焦っていると、
背後から「ダマラス!」と刺々しい声が突き刺さります。
ハッとしてダマラスが振り向くと、ワルズ・ギルがバリゾーグを引き連れて艦橋に入ってきます。
「聞こえたぞ?・・・この俺に黙って何の相談だ!?」と、明らかに怒気を含んだワルズ・ギルの態度からすると、
おそらくゴーミンの誰かがダマラスとインサーンが艦橋でワルズ・ギルに隠して何かを企んでいると密告したのでしょう。

上手く言いくるめられるような雰囲気ではないと悟ったインサーンは、
ダマラスに責任を押し付けるように、すっと身を引いて知らんぷりをしています。
確かに最初に提案したのはインサーンですが、
それを認可して勝手にこの作戦を進めた責任者はダマラスでした。
ワルズ・ギルもそう認識して、ダマラスに説明を求めて迫ってきています。
ダマラスは進退極まってしまいました。

一方、アイムとハカセは走の「獅子どうぶつ病院」に来ていました。
走がアイムの左足の怪我を診察したところ、大したことはなく、
消毒して傷薬を塗って包帯を巻いて処置完了となりました。
「これでよし!あまり無理すんなよ!」と、走はもうすっかり1人の医療人の優しい眼差しに戻っていました。
「ありがとうございます」と丁寧に礼を言うアイムの足元に、
付き添いで来ていたハカセがじゃれ合っていた子犬がやってきます。
動物病院ですから、診察室の中にはたくさん檻の中に治療のために預かっている犬や猫がいるのです。
そのうちの一匹、足に軽い怪我をした子犬をハカセが抱いて頭を撫でていたのですが、
それがアイムの方へ歩いてきたのです。

その子犬を抱き上げて「心配してくれるの?あなたも怪我されているのに・・・」と言い、
アイムは子犬を膝に乗せて身体を優しく撫でてあげます。
そのアイムの姿を見て、走は和やかな気分になりました。
そして同時に不思議に思いました。
自分も怪我しているのに子犬の怪我まで気遣ってくれるとは、随分と優しい。
この子ならば、自分のように弱き助けを求める者の声に耳を傾けることも出来るだろうに、
どうしてまた、あんなお宝しか見ていないような海賊団の一員になっているのだろうかと、
走は不思議だったのです。

そこにハカセは歩み寄って、走に話しかけます。
「ただの獣医さんじゃないんだよね?・・・さっき、色々知ってるみたいだったから。
空飛ぶ島のことも、赤いライオンのことも、大いなる力のことも・・・」と、
ハカセもさっきの走のマーベラス達との会話から、
走がスーパー戦隊の関係者だということは薄々勘付いているようです。
ただ、ハカセの場合は魁やジャンに色々教えてもらって喜んでいたぐらいですから、
マーベラス達のようにスーパー戦隊の元戦士たちに色々指図されることを鬱陶しくは思っていません。
出来れば、協力して欲しいと思っているぐらいです。

走としても、別にあえて先輩風を吹かせて指図するつもりはなかったが、
絶対に正体を秘密にしなければいけないというわけでもなく、
ハカセやアイムは自分に好意的であることは感じていましたし、
あんまりしつこく聞かれれば質問に答えるぐらいはいいだろうと思い、
イスから立ち上がると、ハカセに背を向けて歩きながら
「・・・あの赤いライオンはガオライオン・・・地球の生命を守る大地の精霊だ」と答えます。
そして走は立ち止り「そして俺は、ガオライオンに選ばれた戦士・・・」と言うと、
2人の方に振り向いて「・・・ガオレンジャーのガオレッドだった」と、正体を明かします。
ここで恒例の変身後のスーツ姿とのオーバーラップ。
これは目の前の相手に見えているのかどうかよく分かりません。
視聴者向けのサービスと考えた方が良さそうです。

「まぁ!」と驚くアイム。
アイムだけは走のことをスーパー戦隊の元戦士だったとは思っていなかったようです。
ただの事情通の獣医だとでも思っていたのでしょう。
ハカセの方も戦隊の名前までは特定出来ていなかったので、
ちょっと感動した様子で「じゃあ、あのライオンはガオレンジャーの力!」と喜びます。
今回もナビィの言う通り、あれは間違いなく34のスーパー戦隊の大いなる力のうちの1つだったのです。

そしてハカセは走の傍に駆け寄り、手を合わせて「お願い!あれ、僕達にちょうだい!」と懇願します。
ハカセは魁やジャンとも会っており、5人の中では一番、「大いなる力」の獲得に多く関わっているはずですが、
そのハカセでもまだ「大いなる力」の入手の仕方について要領がよく分かっていないようです。
「大いなる力」はその該当戦隊の元メンバーから与えられるものではなく、
その「大いなる力」そのものにゴーカイジャーが認められた時に自然に与えられるものであるようなのです。

「俺には出来ない・・・ガオレンジャーの力はガオライオンのものなんだ」と走は答えます。
そしてハカセの方を見て「それに、お宝しか目に入らない海賊にガオライオンは応えてくれない・・・」と言いました。
走としてはゴーカイジャーがガオレンジャーの大いなる力を使ってもいいとは思っているのですが、
肝心の「大いなる力」、すなわちガオライオンが今のゴーカイジャーに力を貸す気になるとは、
走には到底思えなかったのでした。

走のつれない答えにハカセは「そんなぁ・・・」と失望しますが、
その後ろで突然アイムが立ち上がり「それは違います!」と走を見つめてキッパリ言います。
アイムは、走が自分達のことを「お宝しか目に入らない海賊」と言ったことに反応したのです。
マーベラス一味は、決して走の言うような「お宝しか見に入らない海賊」ではない。
それは走の誤解だとアイムは言わずにはいられなかったのでした。

ここでさきほどのギガントホースの艦橋のシーンの続きが挿入されます。
ダマラスから天空島での作戦の経緯の説明、
すなわち、海賊たちが地球に眠る宇宙最大の宝を手に入れるために
34のスーパー戦隊の大いなる力を集めているということが判明したので、
それを横取りするために行動部隊を動かしたのだという
事情の説明を受けたワルズ・ギルは、高笑いしました。

「ハッハッハ!!地球に眠る宇宙最大の宝だと?・・・小さい!小さいぞダマラス!」と、
ダマラスを小馬鹿にするようにワルズ・ギルは嘲笑います。
しかし、「宇宙最大の宝」の何が小さいというのか、不可解です。
いや、ワルズ・ギルの理屈はこうです。
「我々は間もなく全宇宙を征服する!そうなれば宇宙にある全てのものがザンギャックのものなんだぞ!
・・・今探す必要が何処にある?」と、ワルズ・ギルはからかうように言います。

なるほど、地球も含めて全宇宙を支配下に置いてしまえば、
どんな宝でも自動的に手に入れることになるわけで、
焦って征服作戦の途中で宝探しに精を出さなくても、宝は宇宙から逃げていくわけではない。
宝など征服作戦が完了した後でゆっくり手に入れればいい。
今はまず征服作戦を完遂させる方が大事ではないか?とワルズ・ギルは言っているわけです。

つまりザンギャックにとっては宇宙征服作戦こそが「大事」であり、
宝探しなど海賊風情のやるような「小事」に過ぎない。
大事の途中でそんな小事に一生懸命になるダマラスの器が小さいのだと、
ワルズ・ギルは馬鹿にして嘲笑っているのです。

しかし、そうはいっても、宝を手に入れることが悪いわけではない。
そもそもワルズ・ギルだって、ついこの間、征服作戦そっちのけで
「金のなる木」を手に入れようとして行動部隊を動かしていたではないか。
あっちの方がよっぽど「小さい」作戦だったと思います。
だから別にダマラスの今回の作戦がそこまで全否定されるようなものであるはずはない。

要するにワルズ・ギルはダマラスが自分に黙って兵を動かしたことが許せないのです。
しかし、そこの部分を突っ込むと、自分の能力や器量が問われるような話題になりかねないので、
面子にこだわるワルズ・ギルは意識的にその話題は避け、
あえて「帝国の大事は征服作戦である」という建前論を持ち出して、
自分を大局の見える大物のように見せかけ、
一方、ダマラスを小事にこだわる小人物扱いして小馬鹿にして憂さを晴らしたのです。

勝手に兵を動かした負い目もあって恐縮していたダマラスでしたが、
いきなり小物扱いされて笑い物にされた屈辱に思わず「ぐうっ・・・!」と呻き、
「しかし・・・殿下っ!」と反論しようとします。
ダマラスにだって言い分はありました。
確かに征服作戦は帝国の大事です。しかし、その大事に最近は重大な遅滞が生じている。
その原因は海賊ではないか。
その海賊が「大いなる力」を手に入れてしまえば、更に海賊は手強くなり、
大事であるはずの制服作戦に更に大きな障害となる。
それを阻止するために「大いなる力」を横取りしようとしていたのです。
言わば、大事のために重要な布石であって、
この作戦は決してワルズ・ギルの言うような「小さい」ものではない。
そのようにダマラスは反論したかったのです。

しかしワルズ・ギルは聞く耳も持とうとせず、
「もうよい!バリゾーグ!作戦の変更を命じろ!」と、さっさとバリゾーグに指示を下してしまいました。
ワルズ・ギルはあくまで自分の持ち出した建前論を押し出すしかない。
つまり征服作戦が全てに優先するのであり、例外は許されない。
全ての兵力は征服作戦にのみ使われるべきであり、
既に天空島作戦に出動したバウザー部隊も、そのまま地球での征服作戦に転用しなければいけないという、
現地の状況を無視した硬直した作戦変更命令です。

こういうのは現地部隊としては堪ったものではありません。
しかし、兵を動かす最高の権限があるのは司令官のワルズ・ギルであり、その直属士官のバリゾーグです。
参謀のダマラスはあくまで司令官への助言を行うのが任務で、決定権はありません。
司令官が決定した作戦には、それがどんなに愚かな作戦でも従うしかないのです。
それは分かってはいるものの、
あまりに愚かな作戦変更であること、自分の意見が全く聞く耳も持ってもらえなかったこと、
小者扱いのまま放置されたことなど、様々な屈辱を受けたダマラスは「ぐう・・・」と低く呻いて黙り込んだのでした。

さて、こうしてダマラスとインサーンの秘密作戦はあっという間にワルズ・ギルにバレてしまい、
「ダマラスたちがマーベラス一味の宝探しを邪魔する」という今後の新たな展開というのは
今回1回限りで終わりとなってしまったようです。
まぁ、その代わり、ダマラスがワルズ・ギルに対してかなり不満を溜め込んだようですから、
これは今後、何か波乱があるかもしれません。

その波乱次第では、ダマラスが再び隠れてマーベラス達の邪魔をしてくるかもしれませんし、
あるいはダマラスがザンギャック艦隊の主導権を握ってマーベラス達の邪魔をしてくるかもしれません。
あるいは、何の波乱も無く、このまま今まで通り、
ワルズ・ギルの作戦に出くわしたマーベラス達が作戦の邪魔をする羽目になるパターンが繰り返されるだけなのかもしれません。
どうなるのか予想はつきませんが、
ハッキリ言って、ダマラスが主敵である方がマーベラス達には手強い相手となりそうではあります。
まぁどっちにしても面白そうなのですが。

まぁ、そういうわけで急な作戦変更を命じられたバウザー部隊は、
「地球はザンギャックのものなのだから適当に暴れてこい」という実にアバウトな作戦を命じられ、
天空島には行かず、天空島の下のあたりの地上に降り立って、通行人を襲撃し始めました。
バウザーも兵士たちもなんだか釈然としない感じで、あまり士気は高くありませんが、
それでも地球の一般人は抵抗すべくもなく、逃げ惑います。

そこにちょうどマーベラス、ジョー、ルカの3人が通りかかります。
3人はバウザー部隊に先に天空島に行かれて赤いライオンを奪われてしまうことを恐れて、
まずは天空島の上空に置きっぱなしにしていたガレオンにモバイレーツの電波の届く真下の位置まで走っていました。
ところがその途中でバウザー部隊が降下してきて、通行人を襲い始めたので、
呆気に取られて見つめることとなったのです。
最初は、どうして天空島を目指していたはずのバウザー達が地上で暴れているのか意味が分からず、
何事が起きたのかと思い注目していたのですが、
次第にバウザー達の狼藉を見つめるマーベラス達の目の色は変わっていきました。

さて、そこでさっきの獅子どうぶつ病院の診察室のシーンに戻ります。
アイムが走の「お宝しか目に入らない海賊」という言葉に「違います!」と反論した後の続きです。
「マーベラスさん達が宝物しか見ていないなんてことはありません!」とアイムはやけに確信を持って言います。
そして続けて「だって、私を見捨てませんでしたもの!」と微笑むアイムの言葉を、走はいぶかしげに聞きます。
さっき、怪我をしたアイムを彼らが立ち止まって心配していたことを言っているのだろうかと思ったのです。

ところが、アイムの口から出て来たのは、走には意外な言葉でした。
「・・・私、ザンギャックに滅ぼされた星の王女だったんです・・・」とアイムは告白したのでした。
アイムがザンギャックに滅ぼされた星の王女であったことは、前回のインサーンの独白で視聴者は知っていますが、
アイム自身の口からその事実が語られたシーンは初めてです。
ただ、ハカセは驚いていないところを見ると、当然マーベラス一味の皆にはそれは周知のことであるようです。
しかし走は、黙って話を聞いていましたが、意外な事実に少し驚いた表情をします。

続けてアイムは「何も知らない、何も出来ない、お尋ね者の元王女なんて、
宝探しの足手まといにしかならないでしょう?
・・・それでも、マーベラスさん達は私を受け入れてくださいました!」と言います。
実際のところ、アイムが宝探しの役に立つ知識を持っていないというのは事実ですが、
何も出来ないということもないでしょう。それなりに戦えているのですから。
だからといってアイムは別に走に対して謙遜しているわけでもありません。
アイムは本当に自分のことを何も出来ない無力な役立たずだと思っているのです。
それは、自分の守るべき故郷の星を滅ぼされてしまった無力感が原因なのだと思われます。

アイムの告白を聞いて、走はアイムの不思議な印象の正体が分かったような気がしました。
アイムが自分の怪我よりも子犬の怪我の方を気遣ったのは、
弱き助けを求める者を救いたいという気持ちなのではなく、
弱き助けを求める者を救うことが出来なかった悔恨からきていたものだったのです。
走は地球の助けを求める声に応えて、かつて地球を守りきることが出来た立場ですが、
アイムは守りきることが出来なかった。
それは走の想像を超えた辛い気持ちであったことでしょう。
そう思うと、走の胸は痛みました。

守るべき物も失い、無力感に打ちのめされて、心はボロボロになったことでしょう。
そうしてアイム自身が、弱く助けを必要とする、まさに傷ついた子犬のような状態であったのでしょう。
そのアイムをマーベラス達は、宝探しに必要というわけでもないのに、受け入れたというのです。
確かに、アイムのようなタイプが海賊団の一員であること自体が不自然なのですが、
走はその点をあまり深く考えていなかった自分に気付きました。

走がアイムの話を聞いて黙って考えていると、
ハカセはアイムの話に相槌を打って
「うん!ホント!みんな、すぐ関係無いことに首突っ込んじゃうんだよね!
気になることがあると、お宝後回しでそっち行っちゃうから、もう、ついてくのが大変!」と、
自嘲気味に笑います。

確かに、第1話でいきなり無関係の地球人の子供たちを助けるために戦ってしまったのを皮切りに、
ここまで2話に1話は宝探しに関係無いエピソードなのですから、
マーベラス達は本来の目的である宝探しとは違うことをやりまくってるということになります。
そういうクセは地球に来る前から続いているようで、
アイムを拾ったのもそうした1つの事例であったのであろうし、
ハカセ自身だってどう見ても海賊向きの人材ではないのに海賊団の一員になっているということは、
アイムと同じように宝探しとは関係無く拾ってもらったクチでしょう。
ただ、すぐに関係無いことに首を突っ込む性質のアイムとは違い、
ハカセ自身は根が真面目であるためか、むしろお宝探しに積極的で、
いつもマーベラス達の気紛れに振り回されています。

「でも・・・」とアイムと微笑み合いながらハカセは走の方に振り向き
「・・・だからいいんだ!」と屈託の無い笑顔で言います。
ハカセも、結局はそういうマーベラス達だから一緒に海賊をやっているのです。
お宝ももちろん大好きだけど、お宝だけでなく、ちゃんと助けを求める弱い者の声に耳を傾けられるマーベラス達だから、
安心して一緒に旅が出来るのです。

「マーベラスさん達が本当に宝物しか見えていない海賊なら、私達、海賊にはなっていなかったと思います」と、
アイムもハカセに同意しつつ、自分達が海賊の仲間になっていることこそが、
マーベラス達が宝物しか見えていない海賊などではないことの証拠だと主張するのでした。
そう言いつつ、子犬を可愛がるアイムとハカセの姿を見て、
走は少し顔を綻ばせつつ、確かに自分が少し誤解していたのかもしれないと思いました。

場面は変わって、先ほどのバウザー部隊が一般人を襲っている現場を見つめているマーベラス、ジョー、ルカの3人です。
関係無いことに首を突っ込みたくなる彼らのクセがうずいているようです。
彼らの心にうずいているのは「地球や人々を守る正義の心」というほどの確固としたものではないのでしょう。
まだ地球に守るべき価値があるのかどうかも、よく分からないのです。
ただ、弱い者が虐げられているのを見るのは嫌いなのです。
虐げられている物の助けを求める声を無視するのは苦手なのです。
特にその虐げている側がザンギャックとくれば、尚更です。
それは3人それぞれに過去にザンギャックとは因縁があり、
ザンギャックに虐げられてきた者達の記憶があるからでしょう。
目の前の光景を見ると、それらのことが頭の中でうずいてきて、
よせばいいのに、また首を突っ込みたくなってしまう。

「・・・しょうがないなぁ!」と、ルカは自身の心の疼きに閉口し、苦笑します。
ジョーも少し苦笑し、「さっきの借りを返さないとな!」とマーベラスの方を向いて、
とってつけたようなことを言います。
借りも何も、さっきはバウザー達に対しては優勢な勝負をしていたのであり、
借りを返す相手がいるとすれば、それはむしろガオライオンであるはずです。
ジョー自身、単に感情の赴くままバウザー部隊と戦おうとしているだけなのですが、
一応、形だけ海賊らしい理由づけをしたのです。

ジョーの言葉を屁理屈だということは分かっているマーベラスは鼻で笑いながらも、
それでも、そういう海賊としての矜持は大事なのだということも分かっています。
たとえヘソ曲がりに見えようとも、そこはこだわっていかなければいけないのです。
そうしなければ、自分達は何のために戦い、何のために旅をしているのか分からなくなってしまいます。
自分達は「海賊」である以外の何者でもない。
かつては何者かであったのだが、今はもうその何者でもない。
その過去は捨てて、今は「海賊」でしかない。
海賊の誇りを持ってこそ戦えるし、旅をして何処へでも行けるのです。

だから「海賊」として「お宝」を大切に思う気持ちは忘れず、
マーベラスは天にあるであろう天空島の方角に向かい、
そこに居る赤いライオンに向け、「おい!お宝!ちょっとそこで待ってろ!!」と大声で怒鳴ります。
そして、その上で、海賊としてもっと大事なこと、
すなわち、何時いかなる時でも、誰にも、どんなルールにも縛られずに、
その時やりたいことをやるというモットーを実践することにしました。

「豪快チェンジ!!」と叫んでレンジャーキーをモバイレーツに差し込んだ3人はゴーカイジャーに変身し、
バウザー部隊に襲いかかっていったのでした。
自分達が任務変更になったせいで、てっきり海賊たちに天空島に先を越されてしまったと思い込んでいたバウザーは、
いきなり地上で作戦遂行中の自分達を海賊が襲ってきたので「貴様ら!?」と驚きます。
何がどうなっているのかワケが分かりません。

混乱するバウザーに向かい「アンタ達!お宝探しはどうしたの?」と、
戦いながらルカがからかうように質問します。
これはルカ達にそっくり返してやらねばいけない言葉なのですが、
バウザーは混乱しているのでそこまで頭が回らず、
少し恥ずかしそうに「うるさい!任務が変更になったんだ!」と怒鳴り返します。
戦いながらそれを聞いたジョーは「フッ!・・・軍人は大変だな・・・」と、皮肉を言いますが、
ジョー自身、元ザンギャックの軍人だっただけに、
こういう不合理に苦労することが多々あることはよく理解しているのでしょう。
あるいはそのあたり、ジョーが軍人を辞めた事情にも絡んでいるのかもしれません。

第7話の時もそうでしたが、
こうしたマーベラス達の動向というのはガレオンで留守番をしているナビィには把握出来るようになっているようで、
「ああああ!マーベラス達がザンギャックと戦い始めちゃったよぉ!」というナビィからの連絡が
ハカセのモバイレーツに入ります。
「あっちゃあ〜・・・また首突っ込んでるみたい!」とハカセは顔をしかめます。
さっき「それがいい」とは言ったものの、
てっきり天空島に向かったと思ったマーベラス達がまた道草を食ってると知って、
やはりちょっとガッカリしたようです。
しかし、お宝を後回しにしてマーベラス達が首を突っ込んでいるということは、
まぁ何か理由があるのだろうということも分かっています。

アイムもそこらへんは心得ているようで、「私達も参りましょう!」と、戦いに参加する気満々です。
そして抱いていた子犬を走に返して、「お世話になりました!」と爽やかにお辞儀をすると、
ハカセとアイムは病院を駆け出していったのでした。

その後姿を見送り、走は本当にハカセやアイムの言っていた通り、
マーベラス達がお宝に関係無いことに首を突っ込んでいる事を知り、更に驚きました。
ハカセやアイムの話が嘘だとは思っていませんでしたが、
それでも実際に地球で彼らが「お宝しか見えていない海賊」ではない行動をとる姿を見ないことには、
完全に疑う気持ちを消すことは出来ないし、
彼らが何のために戦っているのか見極めることは出来ないと思っていたからです。
ところが、いきなり彼らがそういう行動をとっているというのですから、走は少し意外に思い、
ますます自分が彼らを誤解していたのかもしれないとの思いを強くしました。
そして、いっそこうなったら、この目で彼らが一体何のために戦っているのか見極めに行こうと思い、
そう思うと走は妙に心が騒いで、思わずニヤリと微笑みが込み上げてきました。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 22:05 | Comment(0) | 第9話「獅子、走る」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月23日

第9話「獅子、走る」感想その4

豪快チェンジでゴーカイジャーの姿に変身して
マーベラス達の戦っている広場へ駆けつけたハカセとアイムの前にゴーミン達が立ちはだかります。
「あ〜あ!さっそく来ちゃった!」とハカセ。
「お相手しましょう!」とアイム。
こういう細かいセリフも単純な正義の味方風にならないように気を使ってあるのが良いです。

そうして戦い始めた2人を少し離れた高台から見つめる走。
白衣を脱いで代わりに上から白いパーカーを羽織ってます。
ちらりと走が右手に視線を移すと、そこでは既に先だってから戦っているマーベラスたち3人の姿がありました。
それを見て走はハッと身を乗り出します。
マーベラス達がゴーミンやバウザー達と戦っている場には多数の一般人も紛れたままなのです。

マーベラス達とザンギャックの戦いに一般人が近づくはずもないので、
一般人が戦いに巻き込まれているというよりは、
もともとザンギャックが一般人を襲っていた現場にマーベラス達が乱入したのだろうということは走にも分かりました。
ただ、マーベラス達が一般人を守る意識があって戦っているのか、
それとも単にザンギャックが気に入らないから気儘に戦っているのか、
そのあたりは一見よく分かりません。
何にしても現実には今、一般人は戦いに巻き込まれている形になっています。
このままでは人々が危ないと走は思いました。

ただ、一見は一般人も入り乱れての戦いのように見えますが、よく見るとちょっと様子が違います。
ザンギャック側はマーベラス達と戦いながら一般人を襲おうとしているのですが、
マーベラス達は一般人に危害が加わらないように気を使って戦っているというのが走にはすぐに分かりました。
マーベラスは一見、見境なしに剣を振り回して銃を発砲しているように見えますが、
それは全て一般人を襲おうとしているゴーミンに向けられた攻撃であり、
戦いながら「どけどけっ!!」と乱暴な口調で怒鳴っているのは、一般人を避難させるためでした。

一瞬、マーベラスが一般人の足に斬りつけたように見えた場面もありましたが、
それはサーベルの峰の方で膝の裏を叩いて一般人を強制的にしゃがませておいて、
周囲のゴーミン達を一気に撫で斬るためでした。
そして一般人を襲おうとするゴーミン達に銃をぶっ放しながら
「お前らも危ねぇぞ!!」と怒鳴りつけ、一般人を避難させていました。

そのマーベラス、今度はいきなりジョーに向かってサーベルを投げつけます。
久々の武器交換アクションです。
まぁ今回は一方的にマーベラスがジョーに剣を貸しただけですが、
ジョーはその剣を受け取ると「借りるぞ!」と言うと、
一般人の女性たちを襲っていたゴーミンの群れの中に飛び込むと、
二刀流でゴーミン達を次々と斬り伏せて、その群れを全部倒してしまいました。

命拾いした女性たちは「ありがとうございます!」と礼を言って、ジョーの周りにキャッキャと集まってくる。
ジョーは「フッ・・・なに、ついでだ・・・」と、あくまでクールに、
戦っているのは「借りを返すため」であって、人々を助けたのは「ついで」であったというポーズは崩しません。
しかし、あくまでポーズでしかないのは、どこから見ても明白です。
走もジョーの戦いが明らかに襲われている人々を助けるためのものであるのを見て、目を見張ります。

それにしても、マーベラスが怒鳴りながら助けていたのは男ばっかりだったのに、
ジョーは美女に囲まれてお礼を言われるという、
あくまで二枚目キャラのジョーと、乱暴者キャラのマーベラスの扱いの差は歴然で面白いです。
そのジョーの二枚目っぷりをからかうように
「おっとこ前さ〜ん!」と叫んでルカがアンカー付きのワイヤーを投げつけてきて、
ジョーの持っていた2本の剣のうちの1本を絡め取って「借りるよ〜!」と言って引っ張り寄せ、
そのままワイヤーを振り回して、先端の剣で周囲のゴーミン達をなぎ倒します。

そして2本の剣を手にして二刀流となり「ナイスキャッチ!あたし!」と自画自賛。
「そんでもってぇ!」と言ってルカは2本の剣を傍にいたバウザーの方に投げつけますが、
剣はバウザーを外れてあさっての方向に飛んでいきます。
「何処に投げて・・・」と嘲笑いかけたバウザーですが、
ルカの投げた剣がワイヤーで操られて、人々を襲っていたゴーミン達を斬り刻むのを見て「うおっ!?」と驚きます。
ルカは最初からバウザーには目もくれず、人々を襲っているゴーミン達を倒すことを狙っていたのです。

ゴーミン達は全滅し、人々は慌てて逃げていき、
再び2本の剣を手繰り寄せたルカは「ナ〜イスコントロ〜ル!あたしぃ!」と、
また自画自賛して、バウザーに斬りかかります。
いや、いつもながらルカは本当に良キャラです。
変身前のルカももちろん抜群ですが、
この変身後の蜂須賀氏の動きと、市道真央の声が非常によく合っています。

この3人の戦いぶりを見つめて、走は「あいつら・・・!」と呟きます。
確かにマーベラス達は、アイムやハカセが言っていたように、
「お宝だけしか目に入らない海賊」ではなく、助けを求める弱い者の声に耳を傾けて戦ってしまう連中であるようでした。
ただ、走は彼らの戦い方が、あくまで正義のヒーローのスタイルではなく、
海賊スタイルにこだわっていることに気付きました。
それは、あくまで彼らが海賊であることにアイデンティティを見出しているからです。

さっき彼ら3人が自分達のことを海賊だとか、好きなようにやるだけだとか、
あくまで海賊であることにこだわる姿勢を示していたことが走の脳裏に思い出されます。
あれを走は彼らの頑なさだと解釈してしまっていましたが、
ああいうこだわりや誇りがあるからこそ、
彼らは無償のボランティア的に弱き者を助けるために戦うことが出来るのだということに走は気付きました。
それは走自身も同じであったからです。

走はもともと一介の獣医であり、正義のヒーローとして戦うという意識などありませんでした。
そんな走がいきなりガオライオンに見込まれて、ガオレンジャーになるよう迫られた。
ガオレンジャーになると名前も過去も捨てねばならないと言われたが、
走は自分が獣医であるというこだわりだけは捨てませんでした。
何故なら、走は正義のヒーローとして戦うという意識は持てなかったが、
獣医として、助けを求める生き物の声を無視することは出来なかったのです。
パワーアニマルも生き物であったし、地球というのも大きな生き物であり、
そして、そこに住む無数の生き物が助けを求めているのなら、獣医として彼らのために戦おう。
そう思ったから走はガオレンジャーになったのです。

だから走はガオレッドになった後、獅子走という名も捨て、
もちろん今までの生活も仕事も全て捨てたが、
戦いの中で事あるごとに「俺は獣医だ!」と叫び続けたのです。
そのこだわり、誇りが無ければ走は弱き者達のために戦えなかった。
あくまで走は生まれついての正義のヒーローなどではなく、獣医として生き物のために力を尽くしてきたのです。
だから、獣医としてしか戦えない。

一般人の自分達が戦いに集中するためには名前や過去を捨てるという措置は必要だったと思いますが、
それでも走以外の他の仲間たちも根本の部分では本来の自分へのこだわりがあってこそ戦えていたのだと、走は思っています。
それは、自衛隊員であったり、元力士であったり、武道少女であったり、フリーターであったりと、様々でした。
彼らがそれらの自分の本質と、生き物のための戦いとの間をどのような脈絡で結んでいたのかは走には分かりません。
ただ、最後の戦いの時、変身する力も失った自分達がガオレンジャーになる以前の本来の自分に立ち帰って
改めてオルグと戦おうとした時、パワーアニマル達はそれに応えて大きな奇跡を起こしてくれたのであり、
つまり、本来の自分達へのこだわりが生き物のための戦いに繋がっていたことこそが
戦いの根源のパワーだったのだと走は感じています。

ならば、「海賊」という自己の本質へのこだわりだってアリでしょう。
マーベラス達の中で「海賊」であることと、
「弱者のために戦う」ということがどういう脈絡で繋がっているのかは、走には分かりません。
ただ、彼らは現に弱者のために全く無償のボランティア的に戦っており、
そこにおいて彼らはあくまで海賊風のスタイルに異様にこだわっています。
つまり、彼らの中では「海賊」であることと「虐げられた弱者のために戦う」ということは直結しているのでしょう。

もちろん、走の獣医としてのメインが医療活動であって、あくまで戦いではないのと同様、
マーベラス達にとっての「海賊」としての活動のメインは宝探しであるのでしょう。
だが、それと同時に「虐げられた弱者の助けに応じて戦う」という行動もまた、
マーベラス達にとっては「海賊」としての行動なのです。
つまり、自分と同じなのだと走は気付きました。

よく考えてみれば、あの3人が「海賊」であることを強く主張したあの一連の言葉は、
走の「俺は獣医だ」という言葉に応えて発されたものでした。
要するにあれは、走が「獣医として戦う」と言ったことに対して、
彼らは「自分達は海賊として戦う」と応えたものであり、
別に宝探ししかしないなどとは彼らは言っていないのです。

つまり走が勝手に誤解していたということになるのですが、
それにしても、あんな態度や言い方では誤解されても仕方ないとも言えます。
実際、ガオライオンにも誤解されて酷い目にあっているわけですから、
仕方ない連中だな、と走は思い、苦笑して
「・・・あいつら!口が悪ぃんだよ!!」と、笑顔で悪態をつきます。
そういう走自身、かなり口の悪い獣医だったのですが、
ここのセリフでは少し昔のやんちゃだった頃の走の雰囲気が垣間見えて楽しい気持ちになります。

マーベラス達はゴーミンを全て倒して、
5人が合流して、スゴーミン3体を従えたバウザーと対峙します。
「アイム、傷はいいのか?」とジョーが問いかけ
「はい!ご心配をおかけしました!」とアイムが元気に答えます。
あくまで今回、マーベラスはアイムの傷の件はジョーに任せているようで、何も言いません。
「そんじゃ!5人揃ったことだし!」とハカセが言い、
「さっさとお宝取りに行こう!」とアイムが陽気にはしゃぎます。
そしてマーベラスが「・・・と、いうわけだ!・・・大人しくやられろ!」と凄みます。
相変わらず、セリフがほとんど悪役のものです。これもやはり海賊風なのでしょう。

ここで待ちに待ったガオレンジャーへの豪快チェンジとなります。
前回のレジェンド回であるゲキレンジャー篇では
ここからの一連のシーンの再現度が低かったことだけが残念だったのですが、
今回はオリジナルの再現度が極めて高く、大満足でした。
オリジナルと同じく、疾走感溢れる緑色の背景での変身バンク映像は、
マーベラス、ジョー、ルカ、ハカセ、アイムの頭の後ろから
それぞれライオン、鮫、鷲、牛、虎の頭部が大きな口を開けて飛んできて、
頭を呑む込むように口を閉じてヘルメットになって、
それぞれガオレッド、ガオブルー、ガオイエロー、ガオブラック、ガオホワイトに、5人並んで変身します。

この後オリジナルでは個人キャッチフレーズを叫ぶカッコいい名乗りの後、
「命あるところ正義の雄叫びあり!百獣戦隊ガオレンジャー!」という名乗りと共に
「牙吠」の書き文字が飛び出すのですが、
長いのでこのあたりは省略され、
名乗り時の大地を手で噛むような特徴的なガオレッドのポーズから
「牙吠」の書き文字が飛び出す描写だけの再現となります。
これだけでも結構燃えます。
しかも「豪快チェンジ!」のところからBGMは
「ガオレンジャー」本編のOPテーマのインストバージョンがかかっていますから、燃えに燃えます。

戦い方もオリジナルの再現度は高く、
鷲モチーフのルカのガオイエローは宙を舞ってスゴーミンを捕まえて高所から放り投げ、
鮫モチーフのジョーのガオブルーはいつもの両手を鮫の口のように見立てたアクションから、
破邪の爪「シャークカッター」を使った攻撃に移行します。
破邪の爪というのはガオレンジャーのそれぞれの個人武器で、
ガオブルーの場合はシャークカッターという鮫の歯を模した1対のナイフがそれにあたります。
このシャークカッターを使って横に鋭く斬る技で「サージングチョッパー」という技をオリジナルでは使っていましたが、
ここではジョーは、スゴーミンの周りを飛びながら連続して斬りまくる「サージングラッシュ」という新技を披露します。
このように「ゴーカイジャー」では、オリジナルの技を強化した新しい技もよく出てきますが、
これはやはり昔に比べてCG技術などが発展しているので、
なんかいろいろと新しいことをさせたくなってしまうからなのでしょう。

牛モチーフのハカセのガオブラックと、虎モチーフのアイムのガオホワイトは、
ハカセがアイムの身体を振り回して、アイムがその勢いでくるくる回ってスゴーミンを翻弄します。
ガオブラックは怪力キャラだったので、このようによく他のメンバーを振り回す連携攻撃をやっていました。
その再現となっています。
また、ガオホワイトは身軽さが特徴の戦士でしたので、
このように回転して相手を翻弄するような攻撃は、よく特徴を押さえています。
最後はハカセとアイムの二人並んでの連携攻撃でスゴーミンを圧倒しますが、
このあたりの動きは、むしろ第7話の2人の拳法修行の成果も垣間見えます。

そして獅子モチーフのマーベラスのガオレッドはバウザーと一騎打ちとなっていましたが、
まさに百獣の王の貫禄の戦い方でした。
チョコマカと素早く動き回るバウザーに対して、
天空島での対戦ではゴーカイレッド姿の時はスピードに少し翻弄されており、
レッドターボ姿の時はスピードで上回り、
そしてこのガオレッド姿では、バウザーが攻撃のために近付く瞬間に的確にとらえて爪の一撃を加えていき、
最後は「砕」の書き文字と共に強烈な一撃で仕留めます。
ここらへんの書き文字も「ガオレンジャー」テイストです。

そうして追い詰めたバウザーとスゴーミン達に向かい、5人は集まってマーベラスを真ん中にして並びます。
そこでマーベラスは「まとめて行くぜ!」と言って右手を宙に突き上げる。
すると、5つの破邪の爪が空中に出現し、
そのうちのイーグルソード、バイソンアックス、シャークカッター、タイガーバトンが組み合わさって
「破邪百獣剣」が完成します。
これをガオレッドがガオレッド用の破邪の爪であるライオンファングという手甲を装着した手で保持して
振り下ろして発射したガオソウルでオルグを斬り裂くのがガオレンジャーの必殺技でした。

マーベラスはライオンファングを手に装着し、破邪百獣剣を握ります。
同時に、他の4人は真ん中のマーベラスの肩に手を添えて後ろからガオソウルを込めます。
これもオリジナルのまんまです。
5人が「破邪百獣剣!!」と叫び、技の発動態勢に入ると、
バウザーは慌ててスゴーミン達に「お前ら、盾になれ!」と言って、その陰に隠れます。
構わずマーベラスは「邪鬼退散!」と掛け声を発し、破邪百獣剣を振り上げます。
すると画面一杯を「破邪百獣剣」という大きな書き文字が燃えるような書体で埋め尽くし、
「ハッ!!」と振り下ろした刃からガオソウルが長く伸びて発射され
「斬」という書き文字と共にスゴーミンを3体とも斬り裂き、滅します。

このあたり、オリジナルの見事な再現となっており、
つまり、ゴーカイジャーはガオレンジャーの能力を存分に使いこなしているのです。
ただ、今回はゴーカイジャーは精神的に何か新しい境地を得たりはしておらず、自分達らしさを再確認した程度です。
それでも、今までは使っていなかったガオレンジャーの能力も使いこなしていたり、
変身バンクがオリジナルのままであったりしているということは、
何らか、状況が一歩進んだということを象徴しています。

これは、マジレンジャー篇で新しい魔法が着信したり、
デカレンジャー篇でストライクアウトが発動出来たり、
ゲキレンジャー篇で魂魂掌が使えたりした状況に相当します。
それらの時、ゴーカイジャーが何か新しい境地に到達したかというと、
実はそういうわけでもなかったように思います。

マジレンジャー篇の時はハカセが勇気に目覚めたようにも見えますが、
実際はハカセはもともと仲間を救うために勇気を出す人間でした。
それを魁が気付き、魁がゴーカイジャーがマジレンジャーの力を使う資格があると理解し、彼らを認めたのです。
デカレンジャー篇の時にしても、マーベラスはもともと海賊の誇りを持っており、
それが刑事の誇りと同じようなものであるとドギーが認めたのです。
ゲキレンジャー篇でも、ハカセの向上心はルカやマーベラスに触発されて生じたのであり、
ジャンに指導されて生じたものではありませんでした。
そもそもアイムも、そしてマーベラス達もジャンとは関係無く既に向上心は持っていました。
ジャンはゴーカイジャーが向上心を持っていることを確認し、認めただけです。

そして、それらのようにして認められた後、ゴーカイジャーはそれらの戦隊の等身大での戦闘力を存分に発揮し、
巨大戦で「大いなる力」まで使いこなしています。
ゴーカイジャー自身はその前後で大した変化は無いのです。
しかし第4話で試してみたように、
あの時点ではスーパー戦隊の大いなる力は既に魁と出会ったマジレンジャーのもの以外は使いこなせませんでした。
となると、ポイントとなるのは、ゴーカイジャー自身の変化なのではなく、
レジェンド戦士たちと出会って、彼らにゴーカイジャーが「大いなる力」を使う資質を持っているということを
認めてもらうことなのだということになります。

ただ、ゴーカイジャーの方も、
どの戦隊に対してはゴーカイジャーの持つ資質のうちのどれが必須のものであるのかというのは分かりません。
そもそも何の戦隊の大いなる力に今自分達が近づいているのかすら分からないのです。
そういう状況でレジェンド戦士と心を通わせ、認めてもらわねばならないのです。
それが出来れば、まず等身大戦でその戦隊の戦闘力をフルに引き出すことが出来るのが前触れとなって、
それから巨大戦で「大いなる力」の登場となるのです。
ただ、ゴーカイジャーはその等身大戦のフルパワー自体、何処までがフルパワーなのかもよく分かっていないので、
「大いなる力」が巨大戦で出現するまでは、自分達がその有資格者に選ばれたということに気付かないのです。

今回はガオレッドである獅子走が、マーベラスたちの戦う姿を見たことによって、
マーベラスたちの海賊であるからこそ持ち得る弱者への優しさをガオレンジャーのものと同一だと認め、
それによって、マーベラス達はガオレンジャーの等身大戦におけるフルパワーまで使うことが出来たのです。
さて、そうなると、次は巨大戦における「大いなる力」の番です。
ただ、マジレンジャー篇やデカレンジャー篇のように、
ゴーカイオーのハッチからパワーそのものがマジドラゴンやパトストライカーの形で具現化した場合ならば、
「君たちなら力を使いこなせるはず」という言葉だけですんなりいったとは思いますが、
今回はその「大いなる力」がガオライオンという1つの意思を持って既に存在している生き物であるので、
ガオライオン自体の意思も尊重せねばなりません。

そこで走は天空島の方を見上げて「見てるんだろ?ガオライオン・・・お前はどうする?」と話しかけます。
このあたりはネオシャーマンの戦隊「ガオレンジャー」らしい世界観の再現です。
走たちガオレンジャーはパワーアニマルに選ばれたシャーマンであり、
大地の精霊であるパワーアニマル達と心を通わせることが出来るのです。

また、パワーアニマルは地上の様子をいつも見ており、
最初は走自身、地上で暴れる象をなだめる姿を天空島から見ていたガオライオンによって戦士に選ばれたのです。
あの時と今は同じはずだと走は思った。
あの時も走は特別な戦士ではなく、ただ獣医としてやるべきことをやっただけで、
それが可哀想な象を助けてやることだっただけのことです。
その優しさを認め、ガオライオンは走にガオレンジャーの力を与えた。
ならば、今、海賊としてやるべきことをやっている彼らの行動が、弱者への優しさであると認められるならば、
走の時と同じようにガオライオンは「大いなる力」を彼らに与えるべきなのではないか?と走は思ったのでした。
そうした走の意思は自然に天空島のガオライオンには伝わる。
あとはガオライオンが自分で考えて決めることだと、走は思い、
ガオライオンの決断を待つことにしたのでした。

その間に戦いの方はクライマックスを迎えており、
マーベラス達はゴーカイジャーの姿に戻り、ファイナルウェーブを発動し、
今回はゴーカイガンを使ったゴーカイブラストでバウザーにトドメを刺して、等身大戦を終わらせます。
すると、毎度のごとくギガントホースから巨大化光線が発射されて
バウザーと3体のスゴーミンが復活巨大化し、襲ってきます。
「だから、さっさと行かせろっての!」と文句を言いながらマーベラスはゴーカイガレオンを呼び寄せ、
ゴーカイオーに合体して巨大戦を開始します。

ゴーカイオーはスゴーミン3体を相手にゴーカイケンで立ち回りを演じ、
3体まとめてゴーカイスターバーストで片付けようとして、
マーベラス達はゴーカイジャーのレンジャーキーをコクピットに差し込みます。
その時、背後に回り込んだバウザーが「フン!背中がお留守だ!」と言って、
手の先の鉤爪をロケットパンチのように飛ばしてきて、
その鉤爪がゴーカイオーの背中の大きなダイアルを掴み、ダイアルが回るのを阻止します。
この背中のダイアルが回らないとハッチが開かないのでゴーカイスターバーストは撃てません。

「なにっ!?」と驚くマーベラス達でしたが、
更にその隙にスゴーミン達がゴーカイオーにしがみついてきて、ゴーカイオーは身動きがとれなくなります。
そのままの態勢でバウザーと向かい合うことになったゴーカイオーのコクピットでは、
マーベラスが「野郎!!」と怒りを露わにして、
ゴーカイスターバーストで反撃しようとして差し込んだレンジャーキーを回しますが、
背中のダイアルを掴んだバウザーの鉤爪の力が強くて、キーは回せません。
「一度捕まえたら離さないぜぇ!」とバウザーはしてやったりという感じで勝ち誇ります。
「いい連携攻撃だ・・・」とジョーは思わず感心しますが、
ルカは「褒めてる場合!?」と怒鳴ってジョーのコクピットを蹴っ飛ばします。
この2人の遣り取り、面白いです。

しかし、これはピンチです。
ゴーカイオーがまともにピンチになるのはこれが初めてかもしれません。
「さて、どうする・・・?」と、まだ冷静ではあるものの、さすがにマーベラスも少し思案顔になります。
その時、先ほど等身大戦の時に使っていたガオレンジャーのレンジャーキーが光り、音が鳴り始めました。
同時に天空島ではガオライオンが吼えています。
どうやら、ガオライオンの吼える声とレンジャーキーの音と光が連動しているようです。

まぁ天空島の様子はマーベラス達には分からないのですが、
これまで光ったことのないガオレンジャーのキーが光っているのです。
これはガオレンジャーの「大いなる力」を使えるようになったサインだということは、
今までの経験上、5人にはもう分かります。
しかし、どうして急にガオレンジャーの「大いなる力」なんだろうかということは、
マーベラスやジョーやルカにはよく分かりません。

一方、ハカセとアイムはさっき走がガオレッドであり、
天空島の赤いライオンがガオレンジャーの大いなる力だったということを、走から聞いていますから、
何となく今の状況が分かります。
ハカセは「ガオレンジャーのカギが・・・!」と驚き喜びます。
これは、自分達の訴えが天空島のライオンにも伝わったのだと思ったのです。
アイムも嬉しそうに「ライオンさん、分かってくださったんですね!」と言います。
自分達がお宝しか目に入らない海賊などではないということをきっとガオライオンは分かってくれて、
それで手を貸す気になってくれたのだと、アイムは思いました。
ハカセも「うん!」と力強く頷きます。

そうしてハカセとアイムだけ盛り上がっているのを見て、
「まぁた2人だけ何か知ってる感じ?」とルカが少しつまんなそうに言います。
きっと、傷の手当てをしている時にあの獣医と何かあったんだろうということは想像出来ましたが、
それにしても前回もそうでしたが、ハカセとアイムの2人はスーパー戦隊の連中に縁があるなぁとルカは少し感心します。

とにかく今は戦いの最中です。あれこれ考えているヒマも無い。
「まぁいい!さっそく使わせてもらうぜ!!」とマーベラスはさっそく
ガオレンジャーのキーをコクピントに差し込み、
他の4人も同様に差し込み、5人一斉に回します。
すると今回は簡単にカギは回り、
背中のダイアルは、押さえつけていたバウザーの鉤爪を弾き飛ばしてクルリと回ります。
同時にゴーカイオーの前面の5つのハッチが開き、
「ガァァオォォ!!」のいう雄叫びと共に「牙吠」の書き文字がハッチから飛び出し、
その衝撃でスゴーミンが吹き飛ばされます。

ハッチから飛び出したのは書き文字だけでした。
しかし同時に天空島から「ガァァオライオォォン!!」というコールと共に
ガオライオンが駆け下りてきたのです。
光る螺旋階段のようなものを伝って駆け降りる描写は、オリジナルの再現度が高くて良いです。

「あれは!?」と驚くバウザー。
さっき天空島で突如現れたあの赤いライオンが天から駆けてくるのですから、心底たまげました。
一方ゴーカイジャー側は「ガオライオンだ!!」とハカセは歓喜し、他4人も感嘆します。
しかし、ハッチから出て来るのじゃなくて、こういう「大いなる力」の登場の仕方もアリなんですね。

そしてガオライオンは遂に地上に降り立ち、
猛然とバウザーに突進して前足の鋭い爪でバウザーを斬り裂きます。
どうやら、完全にゴーカイジャーに味方することを決めたようです。
「ライオンさん素敵!」とアイムはすっかりガオライオンが気に入ったようです。
そういえば最初から「なんて立派な・・・」とか言って褒めてました。

バウザーがひるんだ隙にゴーカイオーの前に背中を向けて着地したガオライオンは、
ゴーカイオーの方に首だけ振り向いて吼えます。
その仕草を見て、ハカセは何か直感したようで、
「・・・あ!・・・もしかして、合体出来るんじゃない!?」と言います。
ルカは「え?」とビックリしますが、
アイムは「ライオンさん!ありがとうございます!」と、すっかり合体する気満々です。
ジョーは「フッ・・・」と毎度のごとくニヒルに笑い、
マーベラスはノリノリで「よっしゃあ!ド派手にいくぜぇっ!!」とゴーカイオーを大きくジャンプさせます。

同時にガオライオンもジェット噴射で大ジャンプし、
なんと両者とも雲の上まで到達し、そこでゴーカイオーは両脚のパーツを分離してガオライオンの背中に合体します。
そして地上に降りて「完成!ガオゴーカイオー!!」と、
二刀流のケンタウロス状態、あるいはゴーゴン大公状態になって、
下半身のガオライオンでビル街を駆けます。

これは、まるで「ガオレンジャー」本編で登場したガオケンタウロスです。
ガオケンタウロスはガオファルコン、ガオシャーク、ガオタイガー、ガオエレファントが合体した上半身の下に
ガオライオンがくっついたもので、百獣合体の最強形態でした。
但し、これはテトムの作った卵焼きを食べて何故かガオライオンが巨大化した限定期間のみの登場でした。
4体のパワーアニマルが合体した上半身とバランスのとれた大きさの下半身を構成するには、
普段のガオライオンの大きさでは足りなかったからです。
それで理由をつけて強引にガオライオンを巨大化させたのですが、
そこで卵焼きが出て来るあたり、いかにも「ガオレンジャー」らしい呑気さで面白いです。

ただ、今回は上半身がゴーカイオーですから、そんなにガオライオンは巨大でなくてもバランスはとれます。
だから通常の大きさのままでケンタウロス状態となりました。
なお、この「ゴーカイジャー」版のガオライオンは
「ガオレンジャー」版の通常形態のものより一回り大きいそうですが、
ゴーカイオーとの合体時のバランスを考慮したものでしょう。
ちなみにデザインも一部リニューアルされ、10年分のCG技術の発達もあり、よりスマートな格好良さがあります。

それにしても今回の「大いなる力」の発動は
両脚パーツが外れてそのままガオライオンの上に乗るという極めてシンプルな合体であり、
今までのハッチから飛び出してくるものとは趣が違います。
こういうバリエーションもあるということでしょう。
何か色々とバリエーションが広がりそうな予感がする形態です。

この機動性の高そうなガオゴーカイオーに対して、
バウザーは3体のスゴーミンを巨大バイク形態にして差し向けます。
スゴーミンは戦闘機になったりバイクになったり、実に便利なキャラです。
同じ宇都宮P作品の「シンケンジャー」で出てきた巨大戦闘員キャラ「大ナナシ」を既に超えたのではないかと思います。
宇都宮P作品といえば、「シンケンジャーVSゴーオンジャー」では
ガイアークの戦闘員のウガッツがバイクに変形して外道衆の戦闘員のナナシを乗せて、
ゴーオンレッドとシンケンレッドの乗る車とカーチェイスアクションを繰り広げましたが、
今回は巨大形態でのバイクへの変身であり、これは珍しい。

スゴーミンは戦闘機形態になった時はマジゴーカイオーの飛行能力の噛ませ犬の役割でしたが、
今回のバイク形態は明らかにガオゴーカイオーの機動力を引き立てるための噛ませ犬役です。
しかもルカに「何これ?ウザッ!!」と、非常にドSっぽく言われてしまいます。
マーベラスは「面白え!!」とワクワクした感じでガオゴーカイオーを突っ込ませ、
ビル街で疾走するガオゴーカイオーとスゴーミンバイク3台とのスピード感溢れる機動戦が繰り広げられます。
しかし4本足で立体的に動き回るガオゴーカイオーの方が機動力で勝り、
スゴーミンバイクはガオゴーカイオーの二刀流の餌食となって次々と倒されていき、
残るはバウザーだけとなります。

「こうなれば!」と、正面から突っ込んでくるバウザーに対して、
ゴーカイジャーは「豪快アニマルハート!!」と叫び、ガオゴーカイオーの必殺技を放ちます。
「ガオレンジャー」本編では
5体のパワーアニマルの合体したガオキングの必殺技「天地轟鳴アニマルハート」というのがあり、
これはガオキングのボディに組み込まれた5体のパワーアニマルの口からガオソウル光線を放つという技でした。
「豪快アニマルハート」はこれの応用版で、
敵に向かって突っ込みながら下半身のガオライオンの口からガオソウル光線を発射して敵を撃ち、
続けて上半身の繰り出す二刀の十字斬りで敵を斬り裂くという必殺技です。
これを喰らってバウザーは爆発四散し、ガオゴーカイオーの勝利で戦いは幕を下ろします。

それを見上げる走は、
ガオライオンが自分と同じようにゴーカイジャー達を認めてくれたことに満足そうな笑みを浮かべ、
「ガオライオン!海賊たちと上手くやってくれよ!」と、ガオライオンの心に話しかけ、
しばしの別れに少し寂しそうに笑うと、そのまま来た道を戻っていきました。

一方、ガオライオンも天空島に戻り、
ゴーカイガレオンがまた宝探しの旅に去っていくのを見送ります。
ガオライオンは基本的には天空島にいて、
ゴーカイジャーがレンジャーキーで召喚すると駆け付けるという形になるようです。

ガレオンの窓から天空島で吼えるガオライオンを見降ろし、
「ごきげんよう、ライオンさん、また力を貸してくださいね・・・」とアイムが言い、
隣の窓で同じようにガオライオンを見ていたルカが
「これでようやく4つ目の大いなる力ゲットかぁ・・・」と言って、やれやれという感じで伸びをします。
ハカセもそれに応え「残り30個・・・まだまだ先は長いなぁ・・・」とボヤきます。

そこにジョーが加わって、「・・・しかしアイツ、何故、急にその気になったんだ?」と
ハカセとアイムに問いかけます。
天空島で会った時は自分達を拒絶していたはずのガオライオンが
どうして急に協力してきたのかジョーには分からなかったのであり、
どうもハカセとアイムが事情を知っているっぽいので聞いてみたのでした。
しかしハカセとアイムは顔を見合わせて笑うだけで、その理由は答えません。

実際のところガオライオンの心の中はガオライオンにしか正確には分からないし、
ハカセとアイムの想像している理由を言うのは、ちょっと憚られたからでした。
それはつまり、マーベラス達の「優しさ」にガオライオンが応えたということであり、
海賊としてのこだわりを大事にするマーベラス達がそういうことを言われても素直に喜ぶわけもない、
むしろ照れて困惑するだろうと、ハカセとアイムは思ったのです。

黙って笑っているだけのハカセとアイムに代わって、
マーベラスが皆に背を向けていつもの椅子に座ったまま「さぁな・・・」とジョーに答えます。
マーベラスにもガオライオンがどうして急に協力してきたのかは分かりません。
ただ、「大いなる力」というものはどうやら強引に奪うものではなく、
相手に認められて与えられるもののようだということはマーベラスにも分かってきました。
今回、ガオライオンが自分達の何を認めたのかは分からないが、
まぁ何にしても、スーパー戦隊とこのように心が通じ合うというのも、そう悪くないと思い、
マーベラスはフッと微笑みを浮かべるのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 09:20 | Comment(0) | 第9話「獅子、走る」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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