2011年04月26日

第10話「トランプ勝負」感想その1

今回の脚本はサブライター2人目として登場の下山健人氏です。
下山氏はスーパー戦隊シリーズには最近になって参加している若手脚本家です。
もともとはアニメで多く仕事していましたが、
2009年の「シンケンジャー」のテレビマガジン版スペシャルDVDでスーパー戦隊シリーズに初参加し、
その後、去年の「ゴセイジャー」で6つのエピソードの脚本を手掛け、
両作品に関わったということで劇場版の「ゴセイジャーVSシンケンジャー」の脚本も任されており、
今後のシリーズ脚本家陣の中核になっていくことが期待されている人なのでしょう。

そのシリーズにおける実績や立ち位置としては第7話、第9話を担当した香村氏と似たような感じですが、
その作風は少し違うようです。
実際、アニメなどの全作品をチェックはしていませんが、スーパー戦隊シリーズの中での作品だけで判断するなら、
香村氏は与えられた要素を無駄なく使って極めてオーソドックスなストーリーを綺麗にまとめて、
一見地味だがなかなか深い味わいのある話を作っています。
ストーリーの中に何らかのテーマを込めるのが巧みな印象です。
そういう香村氏だから、ゲキレンジャー篇、ガオレンジャー篇というレジェンド回を任されたように思います。

一方、下山氏は与えられた要素を上手く使って意外な展開を作っていく、トリック巧者という印象です。
シュールなギャグをよく盛り込んであり、マニアックで面白く惹き込まれる話を作ります。
テーマを盛り込んだり深い味わいを出したりするよりも、
多少破綻していても中身は薄くても、シンプルに面白い破壊力のある話が得意な印象で、
いかにもサブライターとして良い仕事をしそうな人です。
プロフィールを見ると、浦沢義雄の弟子だそうで、大和屋暁の弟弟子です。
シュールギャグが得意なのは師匠譲りというわけです。

今回のエピソードは、いかにも下山氏らしいマニアックなお話で、
「敵地潜入のスパイアクション」における丁丁発止の頭脳戦の駆け引きに惹き込まれる、とても魅力的なお話でした。
活躍するのはジョーとルカの2人で、
舞台はほとんどが敵ザンギャックの戦艦内という、密室劇風のお話になっています。
ジョーはいかにもジョーらしく、ルカはいかにもルカらしい持ち味を発揮して活躍しますが、
厳密にはジョーはルカの引き立て役っぽく、ルカがメインの回といえます。

ただ、このジョーにしてもルカにしても、一見はいかにも彼らの持ち味を出しているようではありますが、
心情描写というものはほとんど無く、もともとトリッキーでシンプルに面白いストーリーを用意しておいて、
そのメインキャストにジョーとルカを適材適所に割り振ったという印象です。
ジョーとルカのキャラ設定から生まれてきたストーリーではなく、
登場人物がジョーとルカでなくても成立する話であります。
ただ単にジョーとルカが最適だったに過ぎません。

ジョーは元ザンギャック特殊部隊員で内部事情に通じている。
ルカは元ザンギャック専門の泥棒でザンギャックに忍び込むのは慣れている。
そして敵地潜入後にたまたま引っ張り込まれるトランプ勝負ではジョーもルカもそれぞれ違った意味で達人です。
これらの意味でこの2人のコンビが今回は最適のチョイスでした。

ただ、それでも、この2人でなければ成り立たない話ではない。
今回は登場人物を入れ替えても成立する、普通に面白い話なのです。
それはつまり、「ゴーカイジャー」の設定でなくても成立する話でもあるということであり、
いかにも「戦隊もの」の原点っぽいスパイアクションものの頭脳戦を彷彿させるエピソードです。
いや、極論すれば、「戦隊シリーズ」でなくても成立する、普遍的に面白い話でもあります。
「ゴーカイジャー」のここまでのエピソードは全て、シリアス面にしてもギャグ面にしても、
「ゴーカイジャー」の設定でなければ成立しないものばかりでした。
それだけ心情描写やキャラ設定が緻密に作られているということですが、
たまにはこういう普遍的に面白い話も良いものです。
「ゴーカイジャー」や「戦隊」という枠にとらわれず、
シンプルに「魅力的なストーリー」の醍醐味を子供たちに提供するというのも、
このシリーズの役割というものだからです。

その今回のエピソード、全篇トランプ尽くしなのですが、
それは今回のテーマが「ギャンブル勝負の駆け引き」であるからです。
ギャンブルの道具としてトランプが選ばれているのは、やはり一番子供に馴染みがあるからでしょう。
それにトランプの場合はギャンブルでなくても遊ぶことが出来ますから、
冒頭のシーンのようにガレオン内での遊びでのポーカー勝負のシーンを作って
後の本気の勝負のシーンへの伏線を盛り込むという描写も可能になります。

そのゲームの種類がブラックジャックのようなカジノでよく使われるゲームではなく、ポーカーが選ばれているのも、
ポーカーがギャンブルでも遊びでもポピュラーなゲームであって、
視聴者の子供たちでもなんとかルールを把握出来る範囲のものだからでしょう。
確か「仮面ライダーW」でもトランプ勝負の話があり、あの時は最後はババ抜きが勝負の見せ場になっていました。
ババ抜きなら子供は誰でも知っているでしょうけれど、
今回は作劇上の都合でババ抜きというわけにはいきません。

なお、なんで宇宙人であるはずのマーベラス一味やザンギャックが
トランプを知っているのかなんていう野暮なツッコミはこの際やめておきましょう。
わざわざ子供に理解出来ない架空の宇宙人用のゲームなんか見せる必要は無いわけで、
ここは視聴者に分かりやすいトランプが正解なのです。
普通に宇宙人がスクランブルエッグを作ったりリンゴを皮を剥いて食べるのと同じく、
子供番組には必要な正しいデフォルメというものです。

そういうわけで、まず冒頭はゴーカイガレオンの船室で
マーベラス一味の5人がテーブルを囲んでポーカーに興じているシーンです。
本気のギャンブルではなく、ヒマつぶしのゲームです。
単に出来た手札の優劣を競って勝った負けたを言うだけの、お遊びです。
ゲーム形式は5枚の手札を全員が手に持って、手札交換が終わってオープンまでは他の者に見せない
「クローズド・ポーカー」という最もポピュラーなスタイルのものです。
つまり、最も子供に馴染みのある形式です。
なお、この5人が使っているトランプは、ちょっと変わったデザインのもので、絵札のデザインがかなり凝っています。

全員が手札を捨てて山札から新しい手札を取り、手札交換が終わった段階でオープンとなります。
まず最初にニヤリと不敵に笑みを浮かべて「ワンペア!」と手札をオープンしたマーベラスですが、
間髪いれず「ツーペアです」とアイムが自分の札を示します。
更にルカが「スリーカード!」と札を示します。
マーベラスはどうもワンペア程度で勝てると思っていたようで、
アイムやルカに負けたことにショックを受けた様子です。こいつはアホですか?

更に「フォーカード!今度こそ僕の勝ちだね!」とハカセが自信満々な様子で5のフォーカードの手札を示します。
フォーカードなんて滅多に出来るものではありません。普通はハカセの勝ちでしょう。
ところがジョーはキザに「フッ・・・悪いな」と言うと、手札をオープンします。
すると、なんとジョーの手札はロイヤルストレートフラッシュでした。しかもスペードです。
こんなの漫画じゃないと出来ないような手です。
一同は「あっ!」と驚き、「ロイヤルストレートフラッシュ・・・すごい!初めて見た!」とハカセもさすがに興奮し、
「またジョーさんの勝ちです!」とアイムも呆れたように言います。
どうやらジョーばっかり勝っているようです。

「うううううう!!もう1回だ!」とマーベラスは悔しそうにカードを集め、また勝負をしようとしています。
ジョーがずっと勝っているということはマーベラスは負け続けているということであり、
マーベラスの子供のような性格からして、勝つまで勝負を続けているのでしょう。
しかし、ずっと負け続けているクセに、よくワンペアでドヤ顔になれるものです。
ナビィも少し離れた場所で「負けた!負けた!また負けた!」と囃したてます。
マーベラスはムッとして「調子が悪いだけだ!」と怒鳴り返します。

そこでハカセがフッと溜息をついて「それにしてもジョーってカード強いねぇ・・・」と呆れたように言います。
そういえばジョーはガレオンの船室のシーンでは、よく1人でポーカーで遊んでいます。
時たまルカとも勝負に興じていますが、船室に1人でいる時は大抵は筋トレかポーカーです。
1人でポーカーして楽しいとも思えませんから、あれは何かの訓練も兼ねているのでしょう。
おそらく勝負勘を鍛えていると思われます。

ランダムに配られた5枚の手札のうち不要な札を捨てて、
その枚数分のカードを山札の一番上から順番に取っていくというのがポーカーゲームの全てです。
最初に配られる札も山札から取る札も全く運任せであり、
唯一自分が能動的に判断出来るのは「どの札を、何枚、捨てるか?」という部分だけです。
言い換えれば「どの札を残すのか?」でもあります。
その残した札次第で、山から通った札と組み合わせて役が出来たり出来なかったりします。

だから結局ポーカーの勝敗を分けるのは、
大局的には運任せの状況の中で自分の限られた条件の中での決断で一筋の光明を見出し、
自分で道を切り開いていくことが出来るかどうかということです。
これぞ勝負師の醍醐味であり、戦場での判断にも通じます。
一瞬一瞬の極限状況の中で、何を捨て、何を拾い、何に可能性を賭けるか、
戦場ではそこに論理的な根拠など見出せないことの方が多いのです。
最終的に頼るのは直感です。
それをジョーは普段から1人でポーカーをして鍛えているのでしょう。

だからジョーがポーカーが強いのは当たり前です。
しかし、さっきハカセがロイヤルストレートフラッシュを見たのが初めてだと言っていたぐらいですから、
少なくとも今日の勝負の中ではジョーもさすがにロイヤルストレートフラッシュまでは出していなかったようです。
まぁ当たり前ですけど。
そんな滅多に出来るような役ではありません。
だからジョーももっと喜んだり興奮したりしてもいいのですが、
ジョーはハカセに褒められても「普通だ!」と至ってクールです。

これは別にカッコつけているわけではなく、
ジョーにはポーカーはあくまで自分を鍛える手段でしかなく、
どういう役が出来るのかについては、あまり興味は無いのでしょう。
つまりジョーにとってはポーカーは勝負ではないのです。
本当の勝負のための訓練でしかないのです。
そしてジョーにとっての本当の勝負とは、剣の勝負です。
だから、ジョーはポーカーは強いけれども、ポーカーの勝負にこだわっているわけではありません。
だから常にクールなのです。
どんな些細な勝負でも子供のようにこだわるマーベラスとはえらい違いです。

それに、ジョーが自分のポーカーの腕を「普通」だと言い切る根拠はまた別にもありました。
「・・・それに、ルカが本気を出せば俺も勝てない!」と、ジョーは珍しくニヤニヤしながら言います。
それを聞いて、ルカはちらりとジョーを横目で見て、つまらなそうにポーカーフェイスで黙っています。
ルカはさっきもスリーカードという平凡な手で負けており、大した腕のようには見えません。
しかしジョーは時々ルカとポーカーの勝負をしており、それゆえルカのポーカーの真の腕を知っているようです。

しかし、もしジョーの言う通りだとすると、ルカは今は手を抜いているということです。
何故、手を抜く必要があるのか?
そもそも「本気」とはいったいどういうことなのか、ちょっとよく分かりません。
アイムが「本気ってどういう意味ですか?」と不思議そうにルカに質問しますが、
ルカは「さぁねぇ・・・?」と横を向いてはぐらかします。
あんまり言いたくないことのようです。

その時、艦内に警報音が鳴り響き、ガレオンを大きな衝撃が襲います。
「何だ!?」と驚くマーベラス達にナビィが「ザンギャクの艦隊だよぉ!」と焦って報せます。
マーベラス達が船外の様子が映るモニターを確認すると、ザンギャックの艦隊が大挙して街を襲っていました。
停泊中のガレオンはザンギャックの攻撃にまた巻き込まれてしまったようです。

ここでOPテーマとなりますが、前回本編に初登場したガオゴーカイオーの映像が今回から追加されていました。
そしてCM明け、サブタイトル「トランプ勝負」が出ます。
なんともストレートなタイトルです。

そして本編が再開しますが、
既にマーベラス達はゴーカイジャーに変身して、
マジゴーカイオーで空を飛びながらザンギャック艦隊と交戦中です。
また「売られた喧嘩は買う」というような動機で戦っているようですが、
実は街の人々を苛めているザンギャックが気に入らないので戦っているというのは、
前回のガオレンジャー篇で獅子走やガオライオンにも理解されていることです。
ただ、彼らはあくまで海賊というスタイルを貫くために、そういう優しさを表に見せることはないのですが。

次々とザンギャックの戦艦を撃ち落としていくマジゴーカイオーですが、
ジョーが敵艦隊の方を見て「ん!?」と驚き、
慌てて「待て!あの緑のやつは落とすな!」とマーベラスを制止します。
「緑のやつだと?」とマーベラスがよく見てみると、
確かにザンギャック艦隊の中に1艦だけ、緑色の機体のものがあります。

その緑色の戦艦の艦橋では、何やら今回の行動隊長と思しき怪人がガレオンを見つめて
「・・・賞金首の海賊か・・・ひと稼ぎしたいところだが、今回はやむを得ん」と言いつつ、
手に持ったトランプをシャッフルしてジョーカーを引き、横で計器の前に座るゴーミンに渡します。
そしてこの緑の戦艦は姿を消します。

この怪人の名は後で出てきますが、ヨクバリードといいます。
いかにも欲張りそうな名前ですが、どうもこのヨクバリードはトランプを使う怪人のようです。
しかし、このトランプ、よく見ると裏面にザンギャックの紋章が描かれており、
ジョーカーの表面の模様も同じくザンギャックの紋章です。
ザンギャックの公式トランプ、というか、おそらくこのヨクバリードの武器も兼ねているので、
ザンギャックの武器でもあり、つまり軍の備品なのでザンギャックの紋章が入っているのも当然なのでしょう。

このヨクバリードのセリフからして、
彼の率いる部隊はマーベラス達を狙って襲ってきたわけではなく、街を攻撃するのが任務だったようで、
マーベラス達が現れて襲ってきたのは少し予想外だったようです。
そしてマーベラス達と戦うことを避けたのは、本来の任務に支障をきたしてはマズいと判断したからであり、
今までの行動隊長ならばついでにマーベラス達と戦っていたはずで、ヨクバリードはかなり慎重です。
それはおそらくヨクバリードが慎重な性格であるというより、
その与えられた任務がそれだけ重いものなのでしょう。

緑の戦艦が姿を消したのを見送ったガレオンのコクピットでは
「緑の戦艦なんて、初めてです」とアイムが不思議そうに呟く。
「落としちゃいけないって、何なのアレ?」とハカセが質問すると、
ジョーは「あれは、ザンギャックの特別破壊部隊だ・・・」と重苦しく言います。
一同はそれが何なのか知らないようで「特別破壊部隊?」と素っ頓狂な声を上げます。

さて、宇宙空間に展開するザンギャック地球征服艦隊本隊の旗艦ギガントホースでは、
バリゾーグが「ワルズ・ギル様・・・特別破壊部隊が作戦地点に辿り着いた模様です」と、
司令官ワルズ・ギルに報告していた。
「あの船に乗ったギガロリウム砲さえあれば、地球征服など簡単です」とインサーンも口添えします。
武器開発担当技官のインサーンは兵器に詳しいのです。
そのインサーンがここまで言う「ギガロリウム砲」というのは、さぞ凄い威力を持った兵器なのでしょう。

報告を受け、「直ちに砲撃準備を開始せよ!・・・あの忌々しい海賊もろとも、地球を燃やし尽くしてくれる!」と
ワルズ・ギルは即座に指令を下します。
なんとギガロリウム砲は地球を燃やし尽くすほどの威力のある大量破壊兵器のようです。
そして、それほどの超兵器の最大限の効果を発揮するためには、然るべき発射場所と発射準備時間が必要であるようで、
しかもかなり高価かつ希少な兵器なのでしょう。

だから、さっきヨクバリードは行き駆けの駄賃程度に街を襲っていたところに
突然現れたゴーカイオーとの乱戦の中でいきなりギガロリウム砲を発射することも出来ず、
下手に戦って万が一戦艦を落されて希少なギガロリウム砲を喪失するようなことになるのを恐れて、
その場から逃げたのです。
そしてその後、指定されたギガロリウム砲の発射地点に到着し、
その報告がバリゾーグ経由でワルズ・ギルにもたらされて、
今、作戦開始命令、すなわち発射準備作業開始が命じられたのです。

それにしても、地球を燃やし尽くすとは、ワルズ・ギル今回はかなり本気です。
一旦地球人の文明を破壊して、その上で征服しようという腹積もりのようです。
そこまでしなくても地球を征服することなど容易だと思っていたはずですが、
マーベラス一味にいちいち邪魔されてなかなか征服作戦が進まず、とうとうキレてしまったようです。
それでマーベラス一味もろとも地球を燃やし尽くして一気に征服するため、
わざわざ希少な超兵器ギガロリウム砲を所有する特別破壊部隊を呼び寄せたというわけです。
そこまでワルズ・ギルがキレてしまった原因の1つとして、
前回、ダマラスらに勝手に兵を動かされたことでプライドが傷ついたこともあるのかもしれません。

そのダマラスが「本当によいのですか殿下?」と口を挟みます。
ダマラスはあまりこの作戦に気乗りしていない様子です。
当然ワルズ・ギルはイラッとした様子で「ん?」と応えます。
ダマラスは続けて「確かにあのギガロリウム砲・・・脅威的な破壊力は持ってはいますが、
使い道を誤れば、星を滅ぼしかねませんぞ?」と指摘します。
どうもギガロリウム砲という超兵器は、かなり取扱が難しい兵器のようで、
暴発すると星そのものを吹っ飛ばしてしまうほどの制御不能の破壊力を放出するようです。

兵器というものはそういう両刃の剣のような性格は大抵は持っているものですが、
それにしても歴戦の軍人であるダマラスがここまで警戒するということは、
かなりギガロリウム砲は危なっかしい兵器で、普通は怖くてなかなか使わない、忌むべき兵器のようです。
そんなものを使おうとしているワルズ・ギルに対してダマラスは呆れているようです。

ザンギャックは星を征服することを目的としているのであって、
星を消滅させてしまっては何のために戦っているのか無意味になってしまいます。
皇帝から命じられた作戦は失敗に終わり、
皇帝から預かった兵達の今までの犠牲も無駄になります。
だいいち、地球が吹っ飛ぶほどの爆発が起きれば、自分たちザンギャック艦隊だって無事では済まないでしょう。
だからダマラスはこんなのは愚かな作戦としか思えないのでした。

しかしワルズ・ギルはもともとダマラスの諫言など聞き入れるはずもなく、
司令官席から飛び降りるとダマラスに掴みかかり、感情的に拳を振り上げて
「黙れぇっ!!この俺を誰の息子だと思っているんだぁ!?」と怒鳴るのでした。
言い返せないものだから親の威光を持ち出して怒鳴りちらす。
もう絵に描いたような最低っぷりが最高です。殿下は最高の負け犬キャラです。

その頃、ゴーカイガレオン内の船室では、ジョーの説明を聞いて、
ハカセとルカが「燃える?この星が?」と首を傾げています。
ジョーも仲間にギガロリウム砲について説明しているのです。
ルカはザンギャックから高濃度のエネルギーを盗んだこともある元はザンギャック軍専門の泥棒であり、
ザンギャック軍の事情には詳しいはずです。
またハカセは第1話でルカも知らなかったギガントホースのことを知っていましたから、
ザンギャックについてはそれなりに知識はあるようです。
その2人でもギガロリウム砲については知らないようで、その性能を聞かされても心当たりも無い様子ですから、
ギガロリウム砲というのはよほどザンギャック内でも機密事項なのでしょう。
それを知っているのは、ジョーが元ザンギャックの特殊部隊員だったからです。

「ああ・・・あのギガロリウム砲の威力は・・・そうだな・・・一撃で見渡す限りの大地を焼き払うことが出来る」と
ジョーが説明すると、一同は「ええっ!?」と驚く。
そんな凄い兵器をザンギャックが持っていたとは想像していなかったのです。
皆が驚く様子を見て、アイムが「・・・ジョーさん、よくご存じですね?」と少し不審そうに尋ねます。
ハカセやルカ、それにマーベラスも知らないようなことをジョーだけが知っていることを不審に思ったのです。

つまり、少なくともアイムはジョーが元ザンギャックの兵士だったことを知らないということです。
ただ、だからといって、まぁマーベラスはジョーの過去は把握しているでしょうけれど、
ジョーより後で海賊団に加わったルカやハカセがジョーが元ザンギャック兵だということを知っているとは限りません。
単に何となく「ジョーはザンギャックの事情に通じた物知りだ」と思っているだけなのかもしれません。
今までこの2人がジョーの過去について知っているような素振りは見せたことがありませんし、
ルカは「ジョーが過去を語りたがらない」というようなことを第4話の時にアイムに言っています。
だからジョーの過去は知らないのかもしれない。

特にルカはあの第4話で言っていたように「ジョーが剣にこだわる理由」については知らないのは本当でしょう。
そして、それについて「剣の師匠との辛い記憶のせいじゃないか」と思っているのもルカの憶測に過ぎません。
そのことについてはジョーが語ることを拒んだのだから、ルカはもともと知らなかったし、今も知らないのです。
そのようにアイムに説明したルカの言葉に偽りがあったとは思えません。

ただ、どうしてルカは
「剣の師匠との辛い記憶がジョーの剣にこだわる理由なのではないか」という憶測をしたのでしょうか。
普通、そこまで具体的な想像はしないはずです。
それはつまり、ルカが「ジョーには剣の師匠との辛い出来事が過去にあった」という事実は知っており、
ただそれがジョーの剣にこだわる理由なのかどうかは分からないだけなのかもしれません。
そう考えると、ルカはジョーの海賊団への加入前の過去について、
おそらくマーベラスやジョーに聞いて少しは知っているということになり、
ジョーが元ザンギャックの兵士だったということ、
そしてザンギャックにいた時、あるいはザンギャックを抜ける時に何か剣の師匠にあたる人物との間で
辛い出来事があったらしいということぐらいは知っている可能性もあります。
ただ、それでもジョーはあまり多くを語ってはいないとは思いますが。

そう考えれば、割とおっとりしたアイムでも気付くほどのジョーの物知り過ぎに対する違和感を
ルカが感じていない様子なのは理解できます。
それはハカセにしても同様でしょう。
アイムが感じる疑問はハカセも感じて当然ですし、
アイムのジョーに対するツッコミにハカセが同調しないのも不自然です。
つまり、ルカもハカセもジョーが元ザンギャックであるということぐらいは知っている可能性はあるということです。
その場合、アイムだけがそのことを知らされていないということになります。

古参のルカが知っていて新参のハカセが知らないというのなら、
単に古参のメンバーだけが自然に知っていただけのことで、
現在はあえて過去のことは話さないという仕来りであるとも解釈出来ますが、
新参のハカセも知っているとなると、基本的にはその程度のことは話すのであり、
アイムだけに特別に秘密にしているということになります。

何故なのかと考えると、それはやはりアイムがザンギャックに滅ぼされた星の王女だからでしょう。
他の3人もザンギャックには恨みのある連中ばかりでしょうけれど、
アイムほど絶望的な仕打ちは受けていないと思われます。
マーベラスはそもそもジョーを受け入れた張本人ですし、
ルカはザンギャックにもともと泥棒時代にかなり仕返しはしていますし、
ハカセは具体的にザンギャックとの間に抗争関係は無かったようです。
一方的にザンギャックに被害を与えられた立場なのはアイムだけであり、
そのアイムにはジョーが元ザンギャックであるという事実は、ちょっと言いづらいのかもしれません。

そのように考えて第4話を見返してみると、
ジョーやマーベラスのアイムに事情を言いたくても言えない心情、
また、ジョーの過去に触れずに何とかアイムを慰めようと苦心するルカ、
何か知っているようでありながら特に何もしなかったハカセなど、
それぞれの心情がまた違った角度で観賞出来ます。

ただ、それは「そういう可能性もある」というだけのことで、
そうではなく、ルカやハカセがジョーの過去のことは何も知らず、
単なる「ザンギャック通の物知りさん」と軽く思っているだけである可能性も十分あります。
この船室でのギガロリウム砲に関する会話シーン、そのように解釈しても十分成り立つのです。
どっちでも解釈は可能なのです。

注意しなければいけないのは、今回の脚本がサブライターの下山脚本であることです。
その場合、メインライターの荒川氏の作った設定と少しズレた描写も有り得るのです。
もちろん宇都宮プロデューサーのチェックは入っていますから、
明らかに本設定と矛盾したような描写は起こり得ないでしょうけれど、
これぐらいの微妙なニュアンスの誤解の生じそうな描写というのは十分に有り得るのであって、
それをいちいち真面目に考え過ぎない方がいいのではないかと思います。

とにかく、ここで唯一確かなことは、アイムはジョーの過去を知らないという点だけです。
そして、ジョーもアイムに過去は知られないようにしているようです。
ジョーはアイムのツッコミはあえて無視して「厄介なのはそれだけじゃない」と話を続け、
「下手に破壊すれば、誘爆して星ごと吹っ飛びかねない!」と言います。
これはダマラスが指摘していたのと同じことで、
やはりギガロリウム砲は極めてデリケートな兵器であるようで、
さっきジョーがマーベラスに攻撃をやめさせたのは、これが理由だったのです。

もし下手にあの緑の戦艦を攻撃してギガロリウム砲が誘爆すれば、地球が吹っ飛んでしまう。
「そうなったらお宝どころじゃないじゃん!」とハカセが叫びます。
もちろん、地球が吹っ飛べば、地球にあるという「宇宙最大のお宝」も無くなるし、
だいいちマーベラス一味も無事では済まないでしょう。
マーベラスもさすがにそれを聞いて表情を曇らせます。
これでは下手にあの戦艦を攻撃出来ないが、
かといって、わざわざそんな兵器を地球に持ってきたということは、
ザンギャックはその兵器を使って自分達もろとも地球を焼き尽くすつもりだということも明白だったからでした。
このまま手をこまねいていてもやられてしまいます。

「何か手立ては無いのですか?」とアイムがジョーに尋ねます。
ジョーは少し考えて「・・・その燃料であるギガロリウムを奪い取れば・・・」と呟きます。
ギガロリウム砲というのは、ギガロリウムという物質をエネルギー源として発射するようで、
そのギガロリウムを奪い取れば、砲は発射出来なくなりますし、誘爆の危険も無くなりますから攻撃出来ます。
しかし、そのギガロリウムはあの緑の戦艦の中枢に厳重に保管されているはずで、
奪い取るといってもそう簡単なことではない。

まずあの戦艦の中に入らなければ奪えないが、
ガレオンを接岸しようとしたら撃ち合いになるか、
相手が誘爆を恐れて逃げるだけのことです。
もし撃ち合いになったら誘爆の危険がある。
何にしてもガレオンでは近付けません。
さて、どうしようか?とマーベラスも困った顔になります。

その時、ルカが口を開き
「分かった!じゃあ、あの緑の船に潜入すればいいでしょ?あたしとジョーで!」とニヤリとして言います。
ガレオンで近付けないのならば、敵に気付かれないようにして少人数で敵戦艦内に潜入して、
ギガロリウムを盗み出すしかありません。
そういうことならルカは今まで何度もザンギャック軍の施設から物資を盗み出してきた泥棒ですから慣れっこです。
だから潜入するならルカが適役であるのは当然ですが、ジョーも一緒とは意外です。

ジョーも「俺!?」と驚きます。
しかし、ジョーはザンギャックの特別破壊部隊の事情にも詳しいようですから、
ルカの案内役として同行するには最適の人選といえます。
だからルカの言ってることはそんな意外なことではないのですが、
ジョーがここで何故か驚いているのは、
脱走した古巣であるザンギャック内部に潜入することがあるという意識が今まで全く無かったのか、
自分が元ザンギャックだということをルカが知らないはずだと思っているのでいきなり指名されたことに驚いたのか、
あるいは自分が元ザンギャックだとアイムの前では疑われるような言動は避けねばならないのに
ルカがいきなり自分を指名したので焦ったのか、
どの解釈でも成立はしそうです。
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2011年04月27日

第10話「トランプ勝負」感想その2

結局、ルカとジョーの2人がザンギャックの緑の戦艦に潜入することとなり、
ゴーカイジャーの姿に変身して緑の戦艦の見える位置までやって来ました。
といっても、巨大な戦艦が遠くに浮かんでいるのが見える程度の距離です。
つまり、まだかなり遠い位置です。

「結構遠いね・・・」と戦艦を遠くに眺めてルカが呟く。
しかし、ザンギャック側から見える位置までガレオンで近づいていくわけにはいかないのですから仕方ないのです。
ガレオンはもちろんのこと、他、何か目立った乗り物に乗るわけにもいかないし、
無闇に目立つ高速移動をするのもマズい。
目立った動きをすれば潜入前に発見されてしまうからです。
だから、ここは着実に地味に一歩一歩進んで行き、戦艦の真下から静かに潜入しなければいけません。

そこでジョーは「行くぞ!」と言って青いレンジャーキーを取り出し、
ルカも「はいよ!」と言って黄色いレンジャーキーを取り出します。
そうして2人が豪快チャンジしたのはボウケンブルーとボウケンイエローでした。
こういった局面での地道なサバイバル能力や潜入能力はボウケンジャーの最も得意とする分野です。
見事なチョイスというべきでしょう。
いや、スーパー戦隊も35作も数えるようになると、実に色々な得意分野を持った戦隊があるものです。

2人はロープを使って谷を飛び越え、崖を徒歩で下り、ようやく緑の戦艦の真下まで、敵に気付かれずに移動し、
そこでスコープショットを取り出す。
スコープショットはボウケンジャーの持つ万能ツールで、様々な用途がありますが、
ここではショットアンカーの機能を使います。
スコープショットから発射したワイヤーの先端に鉤がついていて、緑の戦艦の底面にワイヤーを引っ掛けます。
そして、そのワイヤーを巻き取って2人はスルスルと昇っていき、まんまと戦艦への潜入に成功したのでした。

その頃、ガレオンでは留守番のマーベラス、ハカセ、アイムの3人がまたテーブルでポーカーをしています。
ジョーとルカの2人が戻ってくるまでヒマなので、
またマーベラスがトランプしようと言い出したのでしょう。
もしかしたら、ジョーがいない今なら勝てると思っているのかもしれません。

「大丈夫でしょうか?お二人とも・・・」とアイムがあまりゲームに集中出来ない様子でそわそわして言いますが、
「心配すんな!俺の勘じゃあ、全く問題ねぇ!」とマーベラスは適当なことを言うと
ニヤリと笑い「ほらよ!ワンペア!」と、相変わらず何故かワンペアで自信満々の態度で手札を見せますが、
ハカセとアイムが同時に「スリーカード!」と、マーベラスの手を上回る手札を示してしまいます。
「あ・・・」と愕然とするマーベラス。この人の勝負勘は全然あてにならないようです。
「・・・マーベラスの勘、問題ありそうだね!」と溜息をついて、ハカセも心配そうな表情を浮かべます。

そのジョーとルカは戦艦内への潜入に成功し、変身を解いて、最下層の階の通路を進み始めていたが、
ルカがあまりに平然と歩いていこうとするので
ジョーは「おい!」と慌ててルカの手を引いて物陰に隠れます。
「艦内は常に見張りがいる!自由に動けると思うな!」とシリアスな表情で言うジョーに対して、
ルカは笑顔で「だ〜いじょうぶ!いいモノ用意しといたから!」と応えます。

ルカが用意してきた「いいモノ」とは、ゴーミン変装セットでした。
しかし、それは段ボールで作って灰色に塗ったヨロイ状の上衣と、
頭はバケツに目と口の部分だけ穴を開けて、後はゴーミンっぽい模様をマジックで描いただけのものでした。
そのチープなゴーミン変装セットを身につけて「これなら自由に動けるでしょ?」と胸を張るルカに対し、
「これで大丈夫なのか?」とジョーは不安一杯です。
そうは言いつつ、ジョーもこの変装セットを身につけているのが可笑しい。

そこに見張りのゴーミン達がやって来ます。
「まずい・・・」とジョーはオドオドしますが、
ルカは堂々とゴーミン達の前に立つと、右手を上げて「ゴー!」と挨拶します。
するとゴーミン達も右手を上げ「ゴー!」と挨拶を返し、そのまま通り過ぎていきます。
その後姿に向かいルカは「ゴ〜!!」と叫んで陽気に手を振ります。
そしてゴーミン達がいなくなると、呆気に取られて立っているジョーに向かい
「ね?上手くいったでしょ?」と自慢げに言います。

どうやらルカも適当にやっているわけではなく、
昔からザンギャックに盗みに入っていた経験から、
これぐらいの変装や演技でもゴーミン達を騙すことは出来ることが分かっているようです。
逆にザンギャック内部にいたジョーは、ゴーミン達の警備態勢がこんなにいい加減だったとは思っていなかったようで、
呆れてしまい、「フッ・・・信じられん・・・!」と鼻で笑います。

それにしても、ゴーミン達の間抜けっぷりも笑えますが、
こいつら、「ゴー!」しか言わないのでしょうか?
いや、確か第8話でちょっと喋ってましたし、多少は喋れるようです。
が、大抵の場合は「ゴー」だけで意思疎通は出来るようです。
こいつら、どういう存在なのかよく分かりませんが、最近、妙に愛敬のある行動が多く、可愛く思えてきています。
なかなか歴代戦闘員の中でも味のある連中です。

「で?ギガロリウムの在り処、分かる?」とルカが聞くと、ジョーは「ああ」と答えます。
この遣り取りを聞くと、
やはりルカはジョーが元ザンギャックだと知っているようにも思えますし、
ジョーもルカがそのことを知っていることを了解しているようにも見えます。
ただ、そんな深い意味の無い会話だと解釈することも出来ますし、
ちょっと今回は曖昧にしてあるという感じです。

そうしてジョーはとある部屋の前までルカを連れてやって来て「ここだ」と示します。
ルカとジョーは頭のバケツを外してコッソリとドアを少し開けて部屋の中を覗き見ます。
すると、部屋の中に細長いカプセルに入った青い球体がありました。
カプセルの大きさは両手で抱えられる程度のものです。
それを見てジョーが「よし・・・あったぞ」と言います。
あのカプセルの中の物体がギガロリウムのようです。
どうやら、まだ砲の準備が整っていないようで、砲身にセットされていないようです。

これで、あとはあのカプセルを奪えば目的達成なのですが、
「しかし・・・今ここで突入するのは危険すぎる・・・」とジョーは躊躇しました。
おそらく、ジョーが知っている限りでは、いつもは見張りなどいないのでしょうが、
さすがに発射直前の臨戦態勢だけあって、
今回はギガロリウムを置いてある部屋には見張りのゴーミンが何人かいたのです。
見張りのゴーミンを倒すことはそう難しくはありませんが、
騒ぎになれば増援もやって来るでしょうし、
そうして乱戦になればギガロリウムが何かの拍子で誘爆する危険がありました。
強行策ではなく、何とかコッソリと奪う方法を考えなければいけないとジョーは思ったのです。

そこで一旦ドアを閉め、ジョーとルカは部屋の外で再びバケツを被ってゴーミンになりすまし、
部屋の中にスキが出来るのをひとまず待ちながら作戦を考えようとした矢先、
そこに2人のスゴーミンが「スゴー!スゴー!」と何か笑い合いながら廊下を歩いてきました。
「今度もやりすごすしかないな・・・」と呟き、ジョーとルカが部屋の見張りのフリをして突っ立っていると、
そのスゴーミンがいきなり「おい!お前たち!」と話しかけてきたのです。
スゴーミンも「スゴー!」といういつものセリフだけでなく、結構喋れます。
しかし、今回はやたらスゴーミンが喋る回でした。

もしや正体がバレたのかと思い、ジョーとルカは緊張しますが、
話しかけられては無視してやりすごすわけにはいきません。
「ゴー?」と(自分のことか?)という風にルカが自分を指差すと、
もう1人のスゴーミンがジョーの肩を叩き「へへ・・・馬鹿そうなゴーミンども!」と言います。
正体がバレたわけではないようです。
そうしてスゴーミンは「おら!さっさと来い!」と、
乱暴にジョーとルカの変装した2人のゴーミンを引き立てて連れて行きます。
いったい何処に連れていかれるのか分からない2人は戸惑いますが、
とりあえず逆らって騒ぎになるのは避け「ゴ・・・」と言いながら、ついて行きました。

ジョーとルカが連れて行かれた先は、兵たちの娯楽室のような場所で、
あちこちのテーブルではゴーミン達が賭け事に興じていました。
軍隊というのは気晴らしやヒマ潰しにギャンブルに興じる兵士は多いものですから、
ザンギャック軍もその例に漏れないのでしょう。
しかし演技だったとはいえジョーとルカの化けたゴーミン2人は明らかに任務中だったはずです。
それを無理矢理、娯楽室に連れてくるとは、しかもそれを上官にあたるスゴーミンが率先してやるとは、
この戦艦内の軍紀はかなり乱れていると言っていいでしょう。
この娯楽室でギャンブルに興じているゴーミンの数もやたら多く、
この何割かも同じように任務をサボって遊びに来ている可能性もあります。

特別破壊部隊などと偉そうなことを言っても、
おそらくダマラスの言いようなどからしても、
このギガロリウム砲を運用する部隊は普段ほとんど出番は無く、
ヒマを持てあましている部隊なのでしょう。
それで艦内の空気はだらけまくっていて、ヒマ潰しのギャンブルが横行して、
任務より賭け事に夢中の不心得者が多いようです。
まぁ艦長のヨクバリードからして任務中にトランプを弄っているぐらいですから、
兵たちも皆トランプ好きになるのでしょう。

トランプといえば、
この娯楽室で使われているトランプはバイシクル社製のありふれたタイプのトランプです。
バイシクル社というのはアメリカのトランプのカードを作る大手のメーカーで、
現在世界で出回っているトランプにはバイシクル社製のものは多く、
このシーンで使われているトランプも、世間で非常によく見るタイプのものです。
そんな思いっきり地球産のカードがザンギャックの艦内で使われているのは不自然といえば不自然だが、
ここは安っぽさの演出ということで、
まぁ全宇宙で最もありふれたカードがこのタイプのカードなのだという解釈でいいでしょう。

このジョーとルカを連れてきたスゴーミン2人は特に性質が悪い連中のようで、
テーブルでポーカーをしていたゴーミン達を追い払い、席を奪い
「いいカモ連れてきたからなぁ!」とジョー達にも座るよう促します。
このスゴーミン達、間抜けそうなゴーミンを艦内で物色して、ポーカーでカモにしようとしていたようです。
この艦内では真面目に廊下で歩哨に立っているだけで間抜け扱いされてしまうようで、
これはますます軍紀が乱れているようです。

ジョーは困って「まずい・・・下手に抵抗して騒ぎになると・・・」と隣のルカに囁きます。
こんなところでスゴーミンのポーカーの相手などしている場合ではない。
何とか言い訳してあの部屋の前の見張りの任務(のフリ)に戻らねばならないのだが、
このスゴーミン達の様子からして、そんなすんなりと戻してくれそうもない。
かといって揉め事を起こすわけにもいきません。
それでジョーも困ってしまったのです。

するとルカは「あたしに任せて!」と囁くと、
「ゴー!」と右手を上げてテーブルの上にあるトランプのカードを集め、
自分がポーカーの相手を務め、親、すなわちカードを集めてシャッフルして配る係をするという意思を示したのでした。
スゴーミン達は「バリバリいい度胸だ!」と大喜びです。
トロそうなゴーミンがわざわざカモになろうとしているのだと甘く見ているようです。

「おい!」と小声で囁いてジョーはルカの肩を掴みます。
ポーカーなんてしてる場合じゃない。いったいルカは何を考えているのだ?と思ったのです。
ところがルカは「だ〜いじょうぶ、だいじょうぶ!あたしが本気を出したら負けるわけないじゃん!」と
小声で呑気に応えます。
ルカがトランプ勝負で本気を出したら自分でも勝てないぐらい強いということは、さっきジョー自身が皆に言ったことです。
だから別にジョーはルカがスゴーミンにポーカーで負けることを心配しているわけではありません。

問題はそこではなく、ポーカーなんてしてる場合じゃないだろうということをジョーは言いたいわけなのですが、
ルカはポーカーの勝敗を問題視しているようです。
ルカともあろう者が本来の目的であるギガロリウム奪取のことを忘れてポーカー勝負にうつつを抜かすはずもなく、
何かポーカー勝負の勝敗がここでは問題であるとルカが考えているらしいことはジョーにも分かったが、
それがどういう問題なのかはジョーはよく分からず、
「そういう問題なのか?」とルカに囁くように問いかける。

ルカは黙って答えず、束ねた山札をテーブルの上に置くと、鮮やかな手つきでカードを操り、
シャッフルしてから場にカードを配ります。
その手つきを見ながらジョーは(ルカのやつ・・・本気を出すつもりだな・・・!)と、
ルカが本気であることを悟りました。
確かにさっきルカは「あたしが本気を出せば」と言いました。
つまり、ジョーが皆に言っていた「本気」というやつを、ここでルカは見せるつもりのようです。

1回、札の交換を行い3人の手札をオープンすると、
スゴーミン2人はそれぞれ9のワンペア、Kのワンペアで、ルカは5のスリーカードでした。
あまりパッとしない役で辛うじてルカの勝ちです。
こんな程度で「本気」なのか?と思わせるような印象ですが、
スゴーミン達は気付いていませんが、ルカは巧妙にイカサマをしています。

鮮やかな手つきでシャッフルしながら、
その動きの中で相手に配られる札や相手が交換して山札から取るであろう札をコントロールして、
相手に出来る役が操作しています。
同時に、相手の動向に合わせて対応出来るように何パターンか自分の役を自在に作れるように、
自分用に何枚かの札をシャッフルの際に抜き取っておき、袖口に隠しているのです。
その隠したカードを札交換の際に交換した札と巧妙にすり替えて自分の役を操作しているのです。

このような「イカサマを使って勝つ」というのがルカの「本気」なのです。
イカサマなど邪道だという意見もあろうかと思いますが、
実際のポーカー勝負、特に金を賭けた真剣勝負ではしばしばイカサマは行われており、
イカサマも含んでこそ「本気の勝負」といえる。
もちろんルール違反ですからバレたら負けなのですが、バレなければ何も問題は無いわけで、
バレないようにイカサマをすることや、相手のイカサマを見破ったりすることも、
ポーカーの本気の勝負において必須のスキルの1つです。
実際、ポーカーに限らず、ルールの存在するあらゆるスポーツやゲームにおいて
常に隠れてイカサマや反則は行われているのが実情です。
本当に勝負に強い者はイカサマも強いのです。
ただルカのポーカーの場合はイカサマが特に巧みで、イカサマを使わない勝負では並の腕のようですが。

「本気のルカには俺も敵わない」というジョーの言葉の意味はそういうことで、
普段はポーカーはジョーの方が強いが、
イカサマを使って勝負を勝ちにきた時のルカにはジョーでも勝てないのです。
ジョーはポーカーを単なる勝負勘を鍛える練習道具として取り組んでいるので、イカサマは使わない主義です。
イカサマで勝っても勝負勘は鍛えられないからです。
だからイカサマも含んだ「本気の勝負」の場ではジョーなど、
そう強い方ではないということはジョー自身よく分かっており、
だから、たまたまロイヤルストレートフラッシュが出てハカセに褒められても全く慢心する様子が無かったのです。
「本気のポーカー勝負」の場での真の強者はルカなのです。

しかし「イカサマをするヒロイン」というのもなかなか斬新です。
従来型の正義のヒロインならば、あんまり似つかわしくないイメージですが、
あくまで「正義の戦隊」ではないゴーカイジャーならではのヒロイン像といえます。
特にルカの場合、そのゴーカイジャーの中でも、守銭奴であったり元泥棒であったりと、
なかなか一筋縄ではいかない悪党キャラなので、こういう描写に違和感がありません。

それでいて、あまり悪辣な印象が無いのは、
ルカのキャラが丁寧に作られていて、市道真央の演技が良いせいもありますが、
この「ゴーカイジャー」の物語全体が、「真の正義とは何か」ということよりも、
「真の悪とは何か」を描くことによって
結果的に「真の正義とは何か」という解答にアプローチしていっているような傾向が見られ、
それが特に今回のエピソードでは後でハッキリした形で現れますが、
そういう構図の中でルカの悪党的印象はかなり薄められているからなのでしょう。

さて一方、ガレオン内の船室では、
留守番のマーベラス、ハカセ、アイムの3人がまだお遊びのポーカー勝負をやっています。
「もう潜入した頃でしょうか?」と心配そうに言うアイムに対して
マーベラスは「大丈夫だ!・・・それより、今度こそ行くぜ!!」と会心の笑みを浮かべて手札をオープンします。
が、どうせまたワンペアなのでしょう。
続けてハカセとアイムが手札をオープンすると、マーベラスは2人の手札を見て「・・・え?」と固まってしまいました。

「また負けた・・・」と首を傾げるマーベラスを横目で見て、
ハカセが「・・・なんか、不吉な予感!」と呟きます。
これではマーベラスが大丈夫だと言うたびに逆に不安になってきます。
ナビィも一緒になって「不吉!不吉!」と、かなり縁起でもないことを囃したてます。
負けたことをからかわれたと思ってマーベラスはキッとナビィを睨みつけますが、
どうもマーベラスは何も考え無しに呑気に構えているわけではなく、
2人のことは本気であんまり心配してない模様です。
それだけ2人の腕を信頼しているのでしょう。

舞台は再びザンギャックの緑の戦艦内の娯楽室に移り、
こっちではルカは順調に勝ち続けていました。
といっても、ずっとイカサマで勝っているわけですが、
相手のスゴーミン2人はルカのイカサマに気付いていません。
ルカのイカサマのテクニックが見事なので見破れないのですが、
手先の技だけでなく、常に僅差を勝ち続けるようにして、
相手にもそこそこ良い役が出来るように巧みに誘導していっているルカのゲームコントロールの方が見事だといえます。
それによってスゴーミン達は負け続けても白けることなく勝負にのめり込んでいき、
チップを消費し続けています。

負ければ負けるほど、その負けた分のチップを取り戻そうとして勝負を挑んできます。
何故なら彼らは「自分達は今日はツイてるはずだ」とルカの配る札によって思い込まされており、
次こそは負け分を取り戻せるはずだと思って大勝負に出て、
更に惜しい負けを重ね、次に期待を持たされているのです。
イカサマの手先の技よりも恐ろしいのはこのルカの心理支配であって、
見る見るルカの目の前のテーブルにはチップの山が積み上がっていきます。
こうやってルカは今まで多くのゲーム相手の身ぐるみを剥いできたのでしょう。
これが本気のルカというわけです。
しかし、どうしてこの局面でルカが本気でポーカー勝負をしてスゴーミン達の身ぐるみを剥ぐ必要があるのか、
そのあたりはよく分かりません。

その後、しばらく経って、緑の戦艦の娯楽室は大変なことになっていました。
スゴーミン2人とのポーカー勝負でゴーミンが奇跡的な連戦連勝でバカ勝ちして
チップの山を築いているという噂が艦内を駆け巡り、
艦内のギャンブル好きのゴーミン達やスゴーミン達がその勝負を一目見ようと我先に駆け付け、
いつしかルカとスゴーミン2人とジョーの居るテーブルの周りには黒山の人だかりが出来て、
大変な騒ぎとなっていたのです。

その喧騒の中、相変わらずルカはイカサマで勝ち続けていましたが、
ジョーが周囲に気を配りつつ「ルカ・・・そろそろ行くぞ」と囁きかけると、
ルカは「わかった・・・じゃ、次の勝負で最後ね」と呟き、テーブル上にカードを配り始めます。
最後の大勝負を仕掛けるつもりのようです。

結局、ルカが本気の勝負を始めた理由は、スゴーミン達をスッテンテンにして勝負を強制的に終わらせ、
自然な形でまたあの部屋の前に戻るためだったのかもしれません。
それにしては騒ぎが大きくなってきたのでジョーもこのあたりが潮時だと思ったのでしょう。
あまり目立つのはマズいからです。
それに、あんまりにも勝ち続け過ぎては、いくら何でもそろそろ怪しまれる頃です。
それでルカは最後に大きな役同士の勝負を演出し、
スゴーミンのチップを全部賭けさせようとしたようです。

ところが自分のカードを持とうとしたルカの右手を「待ちな!」と言って、突然出て来た手が掴みました。
それは行動隊長ヨクバリードの手でした。
ヨクバリードは「貴様・・・見事な腕前じゃないか・・・」と言ってルカの右手を捩じり上げます。
するとルカの右手から、テーブルに伏せているルカの手札の5枚とは別の5枚のカードがこぼれ落ちてきます。
それはスペードのロイヤルストレートフラッシュでした。
ルカは最後の大勝負で最高の手で勝とうと思っていたようです。
そのイカサマをヨクバリードは見破ったのです。

ルカの手からこぼれたカードを見て
「おい!何だそのカードは!?」「てめぇ!こりゃイカサマじゃねぇか!」とスゴーミン達は驚き、怒ります。
更にヨクバリードはルカの左手も掴み「まだあるみたいだな・・・出しな!」と迫ります。
なかなか目ざとい怪人です。
ルカやジョーとしても下手に抵抗して正体がバレるよりは、
ここはひとまず単にイカサマ上手なゴーミンになりすましておいた方が得と判断し、抵抗はしません。
ルカは観念したように左手からもカードを出します。
こちらからはクローバーのカードが5枚、フラッシュでした。
これは何らかの保険のためのカードだったのでしょう。

ヨクバリードはルカの両手を掴んだまま
「・・・ずいぶん好き勝手やってくれてるみたいだなぁ!・・・何者だ?」と問い質します。
ただのゴーミンにしてはイカサマが巧みすぎる。
これはゴーミンではないということに気付いたようです。
ルカが黙っていると、ヨクバリードはルカを突き飛ばし、後ろでゴーミン達がルカを捕まえます。
同時にジョーもゴーミン達に羽交い締めにされ、
2人ともゴーミン達によって頭にかぶったバケツを取られてしまいました。

2人の顔を見たヨクバリードは
「なるほど・・・ゴーミンにしては鮮やかな手つきと思っていたが、賞金首の海賊ども・・・
まさか、こんな所で会えるとはなぁ!」と嬉しそうに言います。
ヨクバリードはその名の通り、かなり強欲な怪人のようで、
本音では海賊を捕まえて賞金を稼ぎたかったのですが、
今回は重要任務があるため、諦めていたのです。
それが2人もノコノコと自分の船に乗り込んできてくれてツイていると思ったのでしょう。

ところで、このヨクバリード、ジョーの顔を見ても元ザンギャックの脱走兵だとか、そういうことは一切言いません。
いや、このヨクバリードだけではなく、今まで出て来た行動隊長も皆、
ジョーが脱走兵であることは知らないようでした。
第4話のゾドマスなどもジョーの剣の師匠を散々貶していましたが、
あれもジョーの過去を知らないからこそ言えることでしょう。
ジョーは特殊部隊員だったので一般には顔を知られていなかったのでしょうが、
それにしても手配書があるはずです。あれを行動隊長たちは見ているはずです。
それなのにジョーの過去の脱走の罪を知らないとはどういうことでしょうか?

つまり、ザンギャック帝国で出回っているマーベラス一味の賞金首の手配書には、
彼らの本当の罪状は載っていないのです。
第8話でインサーンとダマラスが手配書を手に取りながら彼らの過去を語っていたのは、
手配書を読み上げていたわけではなく、
帝国中枢だけのアクセス出来る何らかの極秘データを参照して語っていたのでしょう。

では手配書にはどういう罪状が書かれているのかというと、
おそらく第5話でバンの調査でザンギャックによるデッチ上げだと判明した、
チンケな強盗や略奪の類の罪状なのでしょう。
だから、ザンギャックの行動隊長やスゴーミンなどの現場レベルでは
マーベラス一味は「チンケな海賊ども」という認識なのです。

ヨクバリードも、ジョーやルカのことをそういう、ただのチンケな乱暴者、無法者だと思っているから、
その2人がこうして自分の艦に忍び込んできた目的について、あまり深く考えていません。
どうせ金目のもの目当てに忍び込んできて、
ついでにイカサマでひと儲けしようとしていたという程度にしか考えていません。
だから、まさかギガロリウムが狙われているとまでは考えが及んでいないのです。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 15:59 | Comment(0) | 第10話「トランプ勝負」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第10話「トランプ勝負」感想その3

ギガロリウム砲の発射を阻止するためにザンギャックの戦艦にゴーミンに変装して忍び込んで、
行き掛かり上、スゴーミン相手のポーカー勝負でイカサマを使ってバカ勝ちしていた挙句、
正体がバレてしまったルカとジョーは
「・・・バレたなら、しょうがないか!」「ああ!」と、腕を掴んでいるゴーミン達を振り払うと、
ゴーミンの変装を捨てて、元の海賊ルックに戻ります。
そして戦闘態勢に入ります。こうなったら戦って活路を見出すしかありません。
周りを囲んだゴーミンやスゴーミン達も戦闘態勢に入り、場は一触即発の状況となります。

ところが、そのいきり立った空気を鎮めるように「まぁ待て!」とヨクバリードは言います。
「本当の勝負ではイカサマを見抜けない方が悪い!」とヨクバリードはスゴーミン達の方をチラリと見て言います。
スゴーミン達は面目無いという風情で俯きます。
「・・・ふ〜ん・・・分かってんじゃん!」とルカは感心しますが、
ヨクバリードが何を考えていきなりこんな話をし始めたのか、真意を測りかねています。

確かにイカサマも含めて本当の勝負というもので、
勝負の相手にバレなければイカサマはルール違反ではない。
ルカのイカサマはヨクバリードには見破られたが、勝負相手であるスゴーミンには見破られていない。
だから厳密に言えば、ルカはルール違反を犯したわけではありませんから、ここで責められる謂れはありません。

しかし、それはルカが普通の立場であった場合の話です。
ゲームの中でルール違反を犯していようがいまいが、ルカとジョーが賞金首であることには変わりはありません。
たとえその罪状がデッチ上げであったとしてもです。
この場で無罪放免ということは有り得ないわけです。
だから活路を見出すには戦うしかないのです。
それなのに戦いを制止してヨクバリードは一体何の話をしようというのか、ルカとジョーは首を傾げました。

ヨクバリードは「それに2人だけで、このヨクバリード様の船の中に潜り込むとは、見上げた度胸だ!」と、
今度は2人を褒め始めます。
そして「その度胸に免じて!」と言いながら、
さっきポーカー勝負をしていたテーブルの上のチップを勢いよく払いのけて床に全部ぶちまけて
「・・・チャンスを与えてやろうじゃないか!」とルカとジョーの方を睨みます。
「チャンスだと?」とジョーが不思議そうに訊ねる。
それに応えてヨクバリードはテーブルに両手をついて身を乗り出して
「もし、この俺に勝てたら、ここから逃がしてやる!・・・だが、俺に負けたら、賞金首として大人しく捕まれ!
・・・こっちも余計な損害を出すのはイヤなのでなぁ!」と、ポーカーの勝負を持ちかけたのでした。

要するにヨクバリードは、この絶対有利な状況でも、ルカとジョーを確実に捕える自信が無いのです。
だから、イカサマをスゴーミンに見抜かれなかったルカに非が無いとか、見上げた度胸だとか持ちあげて、
ポーカー勝負に誘導しようとしているのです。
ポーカー勝負でルカが勝てば戦わずしてこの場から逃げることが出来て、
ヨクバリードが勝てば戦わずしてルカとジョーを捕えることが出来る。
どっちにしても戦うことなく決着をつけることが出来ます。
賭けの対象はどちらがこの場で引くかの判断というわけです。
だから不要なチップは払い落したのです。

しかし戦えば逃げきる自信はルカやジョーにはありました。
逆にヨクバリードは戦って捕える自信が無いからこんな勝負を持ちかけているのです。
つまり、ルカ達がこの勝負の土俵に乗ることによって、ヨクバリードは不利な戦いを回避することが出来るのであり、
ヨクバリードの思うツボだとも言えます。
だからルカ達はこんな提案は蹴って戦ってもいいのです。

しかし戦いの場では何が起こるか分からない。100%確実に逃げきれる保証はありません。
それに比べ、ポーカー勝負ならルカの腕なら勝てる可能性はかなり高い。
いや、ヨクバリードもルカのイカサマを見破ったぐらいですから、かなりの腕前なのであり、
だからこそこんな勝負を持ちかけてきているのでしょうが、
それでもルカは自分の方が腕は上だという確信がありました。
総合的に考えて、この場で戦って逃げきれる確率と、ポーカー勝負をして勝てる確率とを比べると、
まぁどっちもかなり高かったのですが、
どちらかというとポーカー勝負で勝てる確率の方が高いとルカは判断しました。

それで、ジョーが「どうする?ルカ・・・」と判断を委ねてきたのに対して
「・・・戦うより楽そう!いいよ!勝負しよう」と、勝負を受けて、
一歩進んでカードの山を手に取ろうとしますが、
「おっと!貴様にカードは触れさせん!」とヨクバリードは先にカードの山を奪い、
見事な手さばきでシャッフルし始めます。

ヨクバリードは、ルカがポーカー勝負に絶対的自信を持っているからこそ、
この勝負にきっと乗ってくると予想して、罠に嵌めたのです。
まずヨクバリードはルカのイカサマを見破って、ルカの勝負師としての誇りを傷つけました。
そして「本当の勝負ではイカサマを見抜けない方が悪い」などと、
ヨクバリードはいかにも勝負の本質が分かったようなことを言って、
いかにもイカサマ有りの勝負を肯定したような態度を示し、
暗にルカのイカサマを見破った自分こそが最高の勝負師であるかのように気どってみせて、
その上でルカに勝負を持ちかけたのです。

そうなるとルカとしては、その勝負とは普通の勝負であろうはずはない。
「ルカのイカサマをヨクバリードが見破るか、
ヨクバリードに見破れないようなイカサマをルカが仕掛けるか」という勝負になるものだと当然思います。
ルカはその勝負に見事に勝って、勝負師としての誇りを取り戻し、
なおかつ安全にこの場から逃げる権利という戦利品を手にしようとしていました。
ところがルカがその勝負に乗ってきた途端、ヨクバリードはルカのイカサマを封じたのです。
シャッフルの終わったカードの山を手にしてヨクバリードは勝ち誇ったように
「本当の勝負師というものを見せてやろう!」と嘲笑い、またカードをシャッフルします。
ヨクバリードはイカサマさえ出来なければルカなど大した腕ではないと見切っているようでした。

ヨクバリードに上手く誘導されてイカサマ無しの勝負に引きずり込まれてしまったと思ったルカは
じっとヨクバリードを睨んでいましたが、
ニヤリと笑うと「・・・分かった!・・・なら、あたしじゃなくジョーが戦う!」と言います。
いきなりの指名に「俺!?」と驚くジョーでしたが、
ルカは「大丈夫!ジョーは普通に強いから!」と笑い、「・・・お願い!」と真剣な眼差しで頼みます。

確かにイカサマ無しの勝負なら、勝負勘と駆け引きだけの勝負です。
それならジョーの方がルカより強いはずです。
ここは順当な選手交替だろうと思い、ジョーは「・・・分かった」と引き受け、
ルカと位置を替わり「俺が相手だ」とヨクバリードに言います。
ところがヨクバリードは「交替をしたところで小細工をしないという確証は無いからな!
お前たちにはオープンカードでやらせてもらうぞ!」と言いつつ、
なんとジョーの分だけ表向きにしてカードを5枚配ります。しかもブタです。
これでは駆け引きのしようもない。

「圧倒的に不利じゃん!こんなの!」とルカが抗議しますが、
ヨクバリードは無視して椅子に腰を下ろし、自分の手札を確かめます。
ジョーも憮然としながら椅子に座り、自分の手札を手にして自分の側に表面を向けて持ちます。
既にジョーの手札が何であるのかはヨクバリードには分かってしまっているのですが、
それでも一応まだ十分勝負は出来るとジョーは思っており、
勝負である以上、いつものスタイルで臨むのでした。
本当はこんなアンフェアな勝負になった時点で勝負は中断して戦ってもいいのですが、
ジョーとしてはこれぐらいのハンデならば挽回は出来ると踏んでいるので、我慢して勝負を続けます。

ここでヨクバリードは2枚カードを捨てて、山札から2枚新しいカードを取りますが、
通常ならば上から2枚取らねばならないところを、
なんと山札を真ん中あたりからパラパラとめくり上げて伏せてある表面を覗き見て、
自分の欲しい札を2枚じっくり選んで引いたのでした。

ジョーとルカはヨクバリードのあまりに露骨な不正行為に唖然とします。
確かに山札の上から取ると見せかけて真ん中あたりからコッソリと抜くようなイカサマの手法もありますが、
それはバレないようにやってこそ成立するものです。
こんな緩慢というか、わざわざ見せつけるような露骨な行為では「見抜くな」と言われても無理というものです。

「おい!」とジョーは立ち上がり、
山札から2枚のカードを引いたヨクバリードの腕を現行犯のように掴んで取り押さえます。
ヨクバリードも立ち上がり「なんだ?」とふてぶてしく問い返します。
「今度はお前がイカサマしたな?」とジョーが鋭い語気で言うと、周りのゴーミン達が動揺し騒ぎ出します。
ゴーミン達にもヨクバリードのイカサマはハッキリ見えていたからです。
「うん、それもかなり分かりやすい!」とルカも呆れたように言います。

「イカサマを見抜けない方が悪い」とさっきヨクバリードは言ったが、
逆に言えば「イカサマを見抜かれる方が悪い」のです。
こんなにハッキリと見抜かれてしまうようなイカサマをすれば、もうこれでヨクバリードの負けは確定です。
これで勝ちを拾うことは出来たのはいいのだが、
それにしてもヨクバリードは一体どういうつもりなのかとルカは呆れたのです。

ところがヨクバリードは自分の腕を掴んだジョーの手を乱暴に振りほどくと、
「何をバカなことを!」としらばっくれて、
何事も無かったかのようにその2枚を自分の手札と並べて持ちます。

そのヨクバリードの落ちつき払ったふてぶてしい態度を見て、
後ろに居たスゴーミンが何かにハッと気付いたように反応し
「そうだそうだ!イカサマなどあるわけがない!」と大袈裟な身振りで強弁し、
ジョーの傍にいたスゴーミンもそれに呼応して
「オラたちはちゃんと見てたぞ?オラたちが証人だ!なぁみんな!?」と、何故か田舎者口調で囃したてます。
これももちろん自分のボスであるヨクバリードを弁護する趣旨の発言です。
これに付和雷同して、周りを取り囲んだスゴーミンやゴーミン達全員が「おお!その通り!」と気勢を上げ、
ジョーとルカは孤立無援となってしまいました。
もともと敵地のど真ん中なのですから、たとえ正論でもジョーとルカの味方をする者などいません。
まさに暗黒武闘会状態で、辺りは大変な大騒ぎで、殺気が充満した状態となります。

その騒ぎを手を上げてヨクバリードが鎮めます。
この場は全てヨクバリードにコントロールされている、
完全にジョーとルカにとってはアウェイであり、ヨクバリードにとってはホームです。
「証拠が無ければイカサマなど存在しなかったということだ!・・・何か文句があるか?」とヨクバリードは嘯きます。

ヨクバリードの仕掛けた真の罠はこれだったのです。
相手がルカのままであろうが、ジョーに替わろうが、どっちにしても同じことを仕掛けるつもりなので関係なかったのです。
最初、ヨクバリードは「イカサマを見抜けない方が悪い」と言い、ルカにそれを肯定させました。
その上で勝負に持ち込み、イカサマを封じた正々堂々の勝負に見せかけました。
そしてヨクバリードだけイカサマをしたのです。しかも露骨なイカサマです。

しかし、ここの場はヨクバリードの権力で何でも思うままになる完全にヨクバリードのホームの場です。
ルール自体をヨクバリードが自由に作ったり壊したり出来るのです。
中立の立場の者などいないのです。
だからヨクバリードが「イカサマなど無かった」と言えば、誰もがそれに従い、イカサマの証拠など出てきません。
ジョーやルカが何を言おうとも、それは勝負の当事者が自分が有利になるために
言いがかりをつけているに過ぎないのであって、証拠としては扱われません。

客観的な証拠が出てこず、周囲の観客がこれだけ強硬に「イカサマの証拠など無かった」と言うのだから、
イカサマの証拠は無いのであり、証拠が無い以上、ジョーとルカはイカサマを見抜いたことにはなりません。
つまり「イカサマを見抜けない方が悪い」という、さっきルカが肯定したセリフは、
今度はジョーとルカに向けられることになるのです。
つまり、ジョーとルカの負けということです。

「なるほど・・・最初からそういう魂胆か!」とジョーは怒りの眼差しでヨクバリードを睨みます。
確かにヨクバリードの言うように、イカサマの証拠が出てこない以上、イカサマは存在しなかったことになる。
実際はヨクバリードはイカサマをしたのだが、証拠が無い以上、バレたことにはならない。
バレないイカサマは真剣勝負においては1つの技なのであって、罷り通るのである。
ルカは実際そうやってさっきまで勝ち続けたのだ。

しかし、ルカとヨクバリードでは全然違うのです。
ルカのイカサマは確かにルール違反の不正行為だが、
それはポーカーというゲームのルールの厳粛性を認めた上で、そのルールの監視網に引っ掛からないように
細心の注意を払って繰り出される、鍛え抜かれた高等技術です。
ところがヨクバリードの行為は、ポーカーというゲームの厳粛なルールを権力を行使して破壊し捻じ曲げて、
自分のルール無視の大雑把な悪事を押し通すために自分だけに都合の良い曲がったルールをでっち上げる不正行為です。

どちらが真の悪事といえるのか。
それは間違いなくヨクバリードのような者こそが真の巨悪であり、
こういった腐敗した巨悪こそが、自らの権力と権限を悪用して、
自分の悪事を罰するルールを次々と破壊し、
代わりに自分の悪事を隠蔽するためのルールばかりをせっせと作り、
結果的に社会の秩序を破壊してしまう、社会の癌細胞のような存在なのです。
こういったどうしようもない巨悪が現実社会にも多数存在し、のさばっているのが現状です。

こういった連中を倒すにはどうすればいいのか。
彼らはルールで裁くことは出来ません。
むしろルールは彼らの悪事を守るために存在しているのです。
だから彼らを倒すためにはルールごと破壊するか、
ルールをかいくぐって彼らを直接攻撃出来るところまで行くしかないのです。
彼らと同じくらい強大な力を持つ者なら前者の方法でいいでしょうが、
小さく力の弱い者が彼らのような巨悪を倒そうとするのなら、後者の方法、
つまりルールをくぐり抜けていく技術が必要となります。

ここに、ルカのようなイカサマ師的な「悪党」の存在意義があるのです。
そして、それは、ザンギャックという巨悪が自分達の利益のために作りあげた宇宙の海のルールを
破って戦う存在である「海賊」、マーベラス一味、
すなわちゴーカイジャーというアンチヒーローの存在意義にも繋がっていくのです。

ルカというキャラは、その「海賊」という存在を最も正しく体現した存在だといえます。
一方、ジョーというキャラは、戦士としては抜群の腕は持っていますが、
戦士として優秀でありすぎるためか、
この「海賊」の狡さという面では、イマイチ「海賊」になりきれていない真っ直ぐさを持っているのかもしれません。

ジョーとルカの怒りの視線を平然と受け流し、ヨクバリードが悠々と椅子に腰かけて
「決着をつけさせてもらうぞ!賞金首ども!フォーカードだ!」と、
不正な手段で作った8のフォーカードの手札を示したのに対して、
ジョーは「待て!俺がまだカードを交換していない」と、勝負を終わらせるのに待ったをかけたのです。
この場合、ここまでヨクバリードがアンフェアな行為を貫くのなら、
勝負などぶち壊して暴れて逃げてもいい場面です。
しかし、ジョーは一度受けた勝負はあくまで真っ当にやり遂げたいようです。

「無駄だ!どうやってもこの俺には勝てん!」と、やけに自信満々なヨクバリードに対して、
ジョーは椅子に腰を下ろしながら「最後まで・・・分からないじゃないか!」と熱く言い放つ。
そして手に持っていた5枚のカードを全て捨てて、
山札から、ちゃんと正規の手順通りに上から順番に5枚のカードを取ります。
そして取った5枚のカードを横に並べ、左端から1枚ずつめくっていきます。

この5枚の作る役がヨクバリードの8のフォーカード以下ならばジョーの負けです。
負けたからといって、そのまま大人しく捕まるわけにもいかないので、結局は戦って逃げることになりますが、
その場合、約束を破ったということで、マーベラス一味の海賊としての誇りに傷をつけることになります。

いや、海賊ならば「海賊なのだから約束を破っても問題ない」「だいいち最初に酷いインチキをしたのは向こうだ」と
言って済ませることも十分可能なところでしょうが、
結局はジョーの武人らしい意地がそれを潔しとしないということなのでしょう。
それに、このヨクバリードのような醜い巨悪に対して真っ直ぐなやり方で一矢報いたいという意地もあるのでしょう。
それもまた武人らしいといえます。

ならば武人の意地を貫いて、なおかつ無事にこの窮地を脱するためには
この勝負にまともに勝つしかないのですが、
そのためには9以上のフォーカードか、
あるいは滅多に出ないストレートフラッシュ、
最高度の役であるロイヤルストレートフラッシュしかありません。

まず1枚目はスペードの10でした。
続いてスペードのJ、そして3枚目はスペードのQ。
これでフォーカードの可能性は無くなりました。
残るはストレートフラッシュかロイヤルストレートフラッシュです。
普通は出来るわけもない役なのですが、
現時点で開いている3枚は全部スペードで、しかも続き番号ですから、
スペードのストレートフラッシュが出来る可能性は残っています。

ヨクバリードも何か異様なものを感じたようで「むむ・・・」と唸りますが、
ジョーは落ちついて次の4枚目を開きます。
すると、そのカードはスペードのKでした。
さすがにジョーも息を呑みます。
ヨクバリードも「まさか!」と身を乗り出し、娯楽室内は異様なざわめきに包まれます。
これでもし最後の5枚目にスペードの9が来ていればストレートフラッシュとなり、
もしスペードのAが来ていれば、なんと最高の役であるスペードのロイヤルストレートフラッシュとなり、
どちらにしてもジョーの勝ちです。
逆にその2枚以外ならば全部ジョーの負けです。

ただジョーが息を呑んだのは、もはやこの場の勝敗など度外視して、
この最高に緊張する真剣勝負の場で、
ロイヤルストレートフラッシュという最高の役を作ることが出来るかもしれないという、
自分の勝負勘や勝負運の大きく試される瞬間に立ったことを自覚したからでした。

同じ役をさっきガレオンの遊びの場でもたまたま作っていました。
また、日常の1人ポーカーの時にも作ったことはありますが、
それらは勝負の場ではないので意味はありません。
最高の真剣勝負をすべき時に最高の手を引き寄せる勘や運こそが、
勝負師としてのジョーが求めてやまない理想のものなのです。
それを得る最高の舞台に立ち、ジョーの勝負師としての血は燃え立ったのです。

よって、ジョーのここで求めるカードは、スペードのAの一択です。
(スペードのエース・・・来い!)と強く念じ、一同が固唾を呑んで見守る中、
ジョーが目を閉じて最後に残った右端の1枚のカードをめくって表を向けると、
果たしてそのカードはスペードのAでした。
なんとジョーは本当にロイヤルストレートフラッシュを完成させてしまったのでした。

「ロイヤルストレートフラッシュ!?」と驚いてヨクバリードが叫び、
ジョーがその声に驚き目を開けて確認すると、確かにロイヤルストレートフラッシュが出来ています。
ジョーは目を丸くして驚き、喜びを爆発させて「よしっ!!」とガッツポーズをとります。
これほどジョーは喜びをストレートに表すのも珍しい。
よほど達成感があったようです。
横でルカもガッツポーズをとってジョーの肩を叩いて祝福します。

周囲のゴーミン達も驚きと動揺とで異様な雰囲気となっており、
その中でヨクバリードは慌てて立ち上がり「そんなバカな!この手でちゃんと・・・!」と悔しがる。
どうやらヨクバリードは、あの露骨なイカサマを囮にして、
実は山札の上の方のカードを操作する分かりにくいイカサマも仕込んでいたようです。
それはジョーが山札からカードを交換して取っても、大した役は出来ないように仕込んでいたはずだったようです。
だからジョーのカード交換の前にあれほど自信満々だったのです。

それが何かのミスがあったのか不発に終わったようで、
ジョーの勝負勘の前に思わぬ大逆転負けを喫してしまいました。
あそこでジョーが勝負を諦めていれば、この大逆転は無かったのであり、
しかもあそこで5枚全部を捨てるという強気の選択をしなければ
ロイヤルストレートフラッシュは出来ず、ブタで終わっていた可能性が高いのです。
ですから、これはジョーの勝負勘の堂々たる勝利です。
堂々と約束通り、誰にも邪魔されずこの場から立ち去る権利があります。

「じゃ!帰らせてもらいま〜す!」とルカはおどけて挨拶して歩き出し、
ジョーも「じゃあな!」と言って立ち上がります。
そうして2人は立ち去っていくのですが、
完璧だったはずの作戦を破られてワケの分からん負け方をした屈辱でヨクバリードはキレてしまい、
テーブルを引っ繰り返し、「こうなったら今すぐ息の音を止めてやる!こいつらを逃がすな!」と喚いて
ゴーミンやスゴーミンをジョーやルカに差し向け、取り囲んでしまいます。

これは完全に約束違反の卑怯な行為ですが、
まぁここまで卑怯な真似ばかりしてきているヨクバリードですから、
そもそも約束を守るはずもないでしょう。
ただ、もうここまで来ると単にキレて錯乱して卑劣になっているだけで、
さっきまでの計算づくの卑怯さとは全く違って、冷静さを全く欠いています。
そもそも力ずくで2人を捕える自信が無いからポーカー勝負を持ちかけたのであって、
こうしてポーカーで負けたからといって今さら力ずくになっても、
ヨクバリード側の敗色は濃厚といえます。

「引き際が悪いなぁ・・・勝負には引き際が大事なんだよ?」と、ルカも囲まれながら余裕綽綽です。
しかしヨクバリードはもう完全に錯乱して聞く耳を持たず
「うるさいわ!ゴーミンども、やれ!」と、戦闘開始を命じます。
それを迎撃しようと身構えるジョーとルカですが、
どういうわけか襲いかかったゴーミン達はジョーとルカが何もしていないのに次々と倒れていきます。
ジョーとルカもキョトンとしています。

「どういうことだ!?」と驚くヨクバリードに対し、
「こういうことだよ!」と偉そうな声がして、ジョーとルカの後ろから3人のゴーミンが進みでます。
そして3人は頭のバケツを脱ぎます。
真ん中の偉そうな声の主はやはりマーベラス。
そしてその左にはハカセが、何故か1人だけバケツではなく丸いフルフェイスのヘルメット状のものを脱ぎ、
サングラスを外して「じゃ〜ん!」とおどけます。
どう見てもゴーミンには見えないのですが、どうしてバレなかったのでしょう?
こいつはやっぱりいつも何かヘンです。
そしてマーベラスの右側にはアイムがいて、バケツを脱いで顔を出して「お待たせしました!」と言います。

そして3人はゴーミンの変装を脱ぎ捨て、いつもの海賊姿に戻ります。
先ほど確かガレオンでポーカーをして留守番をしていたはずの3人も何時の間にかこの戦艦に乗り込んでいたのです。
これでゴーカイジャー5人がこの船の中に揃ったことになります。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 23:33 | Comment(0) | 第10話「トランプ勝負」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月28日

第10話「トランプ勝負」感想その4

ジョーとルカを追い詰めたと思ったところに、
いきなり海賊団の残りの3人までがゴーミンに化けて現れたことにヨクバリードは
「何!?これはいったい・・・?」と驚きます。
それに対してマーベラスは「物分かりが悪い野郎だな!」と鼻で笑い、
ハカセが「ほら!」と手にしたギガロリウムの入ったカプセルを示す。
なんと、何時の間にかギガロリウムはマーベラス達によって奪われていたのです。

驚くヨクバリードに「ルカさんとジョーさんが囮役になっていたんです」とアイムが説明し、
更にハカセが「時間稼ぎをしている間に僕らがギガロリウムを奪ったってこと!」と言うと、
ヨクバリードは「うむぅ・・・!」と唸る。
海賊団が最初からギガロリウムを奪う目的で二手に分かれて潜入していたことに気付かず、
ジョーとルカを罠に嵌めたと思って調子に乗っていた自分の方が
実は海賊団の罠に嵌められていたに過ぎなかったことに気付いて愕然としたのである。

更にジョーが「ルカがイカサマして勝ちまくったのも、お前達を此処に集めるためだったのさ」とタネ明かしをして、
ルカが「ホンット!ぜんっぜん気付かないなんて、バッカじゃない?」と思いっきり馬鹿にして呆れ顔で罵倒すると、
プライドをズタズタにされたヨクバリードは「うあああああ!!」と怒り狂いジタバタするのでした。

ただ、ルカもジョーも最初からそういう計画だったわけではないでしょう。
スゴーミンによって娯楽室に連れて来られた時点では、
とにかく早くギガロリウムの保管してある部屋の前に戻りたいと思っていたはずです。
ところがスゴーミンを振り切って揉め事を起こさずにポーカーゲームから抜けることは難しそうな状況でした。
そこでルカは、艦内の軍紀の緩みやギャンブル熱が横行した様子を見て取って、
自らのイカサマ技術を使ってここで滅多に見られないような大勝負を演出して、
艦内の兵士達を野次馬としてここに集めて、ギガロリウムの警備を手薄にし、
その隙に別働隊のマーベラス達3人によってギガロリウムを奪取させる作戦を考えたのです。

ゲームの合間にジョーにその作戦内容を耳打ちして知らせ、
ルカがゲームにスゴーミン達を引きつけている間に
ジョーが少し場を外してマーベラス達に連絡を取って作戦内容を伝え、
更にそこらへんにいるゴーミン達に「娯楽室でスゴーミン相手に凄いバカ勝ちをしてるゴーミンがいる。
これは仕事サボってでも見ないと損だぞ」という旨の噂をバラ撒いたのでした。

おそらくマーベラス達にジョーから連絡が入って作戦内容が伝わったのは、
あのガレオンの船室でハカセが「なんか不吉」とか言っていたシーンの直後でしょう。
その後すぐにマーベラスとハカセとアイムの3人は行動を開始して緑の戦艦に向かい、
ルカはひたすら勝ちまくりつつスゴーミン達をゲームにのめり込ませ、
テーブル脇に集まって来る野次馬にジョーが色々と吹き込んで更に多くの野次馬を集めさせ、
ギガロリウムの部屋の見張りのゴーミン達にも声をかけさせたのです。
そのあたり、ジョーはザンギャックの内情に通じてますから上手くやれるのです。

結果、ギャンブル好きのゴーミン達は任務を放りだして娯楽室に殺到し、
ギガロリウムの部屋の見張りがいなくなったのを見計らって、
既にゴーミンに変装して潜入に成功していたマーベラス達3人が
まんまとギガロリウムを戦うことなく奪い取ったのです。

その後、もうマーベラス達がギガロリウムを盗み出した頃合いと見てゲームを終えようとした矢先に
ルカがヨクバリードにイカサマを見破られ、その口車に乗って不利な勝負に誘い込まれ、
ジョーが意地を通すためにイチかバチかの真っ向勝負に挑む羽目になったことは確かに予定外のハプニングでした。
しかし、それにしたところで、ジョーとルカにとってみれば
マーベラス達を活動しやすくするための良い時間稼ぎ、野次馬を惹きつける丁度良い大勝負という程度のものでした。
ギガロリウムを盗み出した後も何かと余裕があった方がマーベラス達には都合が良かった。
だから何かで時間稼ぎを出来れば、なお好都合だったのです。
そこに丁度良い話をヨクバリードがわざわざ持ってきてくれたのです。

もちろんその勝負にもルカは勝つつもりで受けたのですが、
ヨクバリードの卑怯な遣り口でピンチにはなりました。
ただ、それで仮にジョーが勝負に負けても、ギガロリウムさえ盗み出せれば真の勝者はマーベラス一味のほうです。
そうなれば、もうこの船には用は無いわけで、約束など無視して逃げ出せばいい。
少なくともルカはそう考えていたでしょうが、
ジョーはあくまで自分の勝負勘で勝利を掴んで正々堂々と帰りたいと思っていました。
そして結果としてジョーは見事に勝利を掴み、
引き上げようとしたところでヨクバリードが約束を破ってゴーミン達を差し向けたのですが、
既に作戦を終えたマーベラス達がゴーミンの群れの中に紛れ込んでおり、
ヨクバリードの企みは失敗に終わったというわけです。

そうして5人揃ったマーベラス一味は、豪快チェンジでゴーカイジャーに変身します。
変身後の名乗りポーズは、いつものバンク映像ではなく、艦内の娯楽室でそのまま名乗りシーンとなり、
狭い場所なので小さめのポーズとなっています。
特にギガロリウムを抱えたままのハカセがいつもの変な「手汗を拭うポーズ」ではなく、
片手の指先でちょこっとポーズをとるだけの、やたらと小さいポーズ、
そして続いて名乗ったアイムもハカセに付き合って、これもまた片手で小さくポーズをとるだけであったのが、
なんだか妙に可愛くてツボでした。

怒りで錯乱気味のヨクバリードは「スゴーミンども・・・やれ!やれぇっ!!」と叫び、
スゴーミンがマーベラス達に襲いかかろうとしますが、マーベラスのゴーカイガンの威嚇射撃で近づけません。
そこで「ほれ!」とハカセがリモコンスイッチのようなものを取り出します。
「まさか?・・・おい待てっ!!」とヨクバリードは非常に悪い予感に襲われて慌ててハカセを止めようとしますが、
ハカセは一向に構わず「ド〜ンといくよ!」と、スイッチを押してしまいます。
すると緑の戦艦は木っ端微塵に爆発して吹き飛んでしまいました。

マーベラス達は、ギガロリウムを盗んだ後、
ルカ達がヨクバリードと勝負している時間を使って、艦内のあちこちに爆弾を仕掛けていたのです。
ギガロリウムさえ確保してしまえば、もう誘爆の心配はありませんから緑の戦艦を落しても大丈夫です。
ならば、どうせ内部に入り込んでいるのですから、内部に爆弾を仕掛けてしまえばいいわけです。
もちろん、戦艦が完全に爆発して落ちる直前にマーベラス達はギガロリウムを抱えて脱出し、地上に降り立ちました。
続いて、ヨクバリードと配下のゴーミンやスゴーミンの爆発から逃れた者達も、
爆発する艦から脱出し地上に降り立ち、マーベラス達と対峙します。

それにしても5人揃ったのですから、普通に艦内で戦っても勝てたでしょうに、
まぁギガロリウムを持っての乱戦を避けたのでしょうが、
爆弾を仕掛けるとは、いかにも海賊らしい外道さです。
それに、敵の戦艦内では徹底して今回は戦闘シーンは無しにして
クールなスパイ作戦風味の駆け引きの描写にしたかったのかもしれません。
それなら確かに最後は泥臭い殴り合いではなく、爆破スイッチを押して脱出が黄金パターンです。

マーベラス達の前に降り立ったヨクバリードは
「よくもこの俺の船を!・・・こうなったら、ギガロリウムだけでも!」と、
なんとかギガロリウムだけは奪還しようとします。
貴重な戦艦も砲も失い、この上、希少な燃料であるギガロリウムまでも失えば、
ワルズ・ギルにどんな叱責を受けるか分かったものではありません。
ヨクバリード必死です。

しかしマーベラスは大変に意地悪そうに「それも無理だなぁ!」と言って
ハカセからギガロリウムの入ったカプセルを受け取ると、
「ほぅらよ!」と上空に向かって放り投げました。
「ああ!やめろ!!」とヨクバリードは必死に叫びます。
落ちた衝撃で誘爆したら大変なことになるからです。
しかしカプセルは「いただき!」とナビィが空中で掴んで
「じゃあねぇ〜!」と、そのまま飛び去っていってしまいました。
マーベラスはカプセルをナビィに渡してガレオンに持って帰らせただけだったのです。
ちなみにナビィが戦いの場で役に立ってるの、初めて見ました。

からかわれた形となったヨクバリードは怒り心頭に達したようで
「くそぉ!許さんぞぉ!行けぇ!」とゴーミン達に突撃を命じ、
迎え撃つゴーカイジャー5人と戦闘開始となります。

ここでのゴーカイジャーのアクションですが、戦闘開始直前に武器交換をして、
ジョーとルカは二刀流、ハカセとアイムは二丁拳銃、そしてマーベラスは片手に剣で片手に銃という、
それぞれが最も得意とする戦闘スタイルでのものとなります。
このパターンを5人揃ってやるのは結構久しぶりなので、新鮮な印象でした。
そして同じ二刀流、二丁拳銃でも各自で個性がくっきり出ていました。

ジョーは正統派の二刀流の流れるようなアクション、
ルカは2本の剣を逆向きに柄で合わせて双竜刀のようにしてクルクル振り回してのアクション、
ハカセは枯れ草に隠れて狙撃し、ゴーミン達をおびき寄せて飛び出して撃ちまくるアクションで、
カモフラージュ用の枯れ草を身体につけているのがコミカルです。
アイムは肉弾戦も組み込んで近距離での銃撃アクションです。
そしてマーベラスはゴーミン達の相手は手下4人に任せておいて、
剣と銃とヤクザキックで丸腰のヨクバリードを無茶苦茶にいたぶりぬく、
いつもの外道アクションを展開します。

マーベラスに蹴られてゴロゴロ転がってしまったヨクバリードは、ゴーミン達もやられてしまい、
完全にキレて「・・・ナメんなよ賞金首ども・・・」と、ヨロヨロ起き上がり、
「どんな手を使ってでも最後には勝つ!・・・それが真の勝負師というものだ!」と凄みます。
そんなことを言うから、どんな卑怯なことをするのかと思ったら、
あの例のザンギャック公式トランプを「はっ!」と出して、ゴーカイジャー5人に向けて次々と投げつけてきました。
トランプが刃物になってるようですが、攻撃としてはかなり普通です。
マーベラス達は銃や剣でトランプを撃ち落としていきますが、
地面に落ちて刺さったトランプは爆弾になっているようで、次々爆発し、ゴーカイジャーをひるませます。
しかしまぁ、これもかなり普通の攻撃です。

ただ、このザンギャック公式トランプ、
Kの絵札がワルズ・ギルの絵になっており、Qの絵札もインサーンの絵になっていたりして、
物凄く短いカットしか映らないのに。小道具さん力入り過ぎてて可笑しいです。

このヨクバリードの陳腐な攻撃は、今回はトランプ尽くしということで、
ゴーカイジャーの次の豪快チェンジのための呼び水の役割と考えればいいでしょう。
「よし!トランプにはトランプでいくよ!」とルカがビッグワンのレンジャーキーを取り出し、
他4人もジャッカー電撃隊のレンジャーキーを出します。
やはり予想通り、トランプ戦隊のジャッカー電撃隊への豪快チェンジです。

ヨクバリードの第2波のトランプ攻撃を受けながら豪快チェンジすると、
ヨクバリードの放ったトランプは変身の衝撃波で全部噴き飛ばされます。
そして逆に、ヨクバリードの身体に5枚のカード、
スペードのA、ダイヤのJ、ハートのQ、クローバーのK、そしてジョーカーのカードが飛んできて貼りつき爆発して、
ヨクバリードをふっ飛ばします。

これ、ジョーカー以外は4枚とも、ジャッカー電撃隊の4人の戦士の名前と同じですから、
これだけで自己紹介のようなもので、
実際、「ジャッカー電撃隊」本編では、この4枚のカードが飛んできて敵に貼りつく演出は何度か見られたシーンです。
今回はそれにビッグワンを象徴するジョーカーを加えた5枚バージョンでの再現となっています。

「ジャッカー電撃隊」には「ジョーカー」という名の司令官キャラが別に存在しているのでややこしいのですが、
そのジョーカーと交替で司令官キャラの行動隊長として中盤に加入したのがビッグワンなので、
扱いとしてはジョーカー格ということで間違いないでしょう。
実際、外見はワイルドカードっぽいですし。
そのビッグワン、今回はルカが変身していますので、ミニスカート戦士です。
オリジナルがあの宮内洋だけに、かなりの違和感ですが、なんだか妙に可愛い。
中身はあくまで蜂須賀さんなんですが。

その他の4人のジャッカー電撃隊は既に第6話で、ルカだけいないシーンでお披露目済みで、
マーベラスがスペードエース、ジョーがダイヤジャック、ハカセがクローバーキング、アイムがハートクインという
あの時と同じで、色も性別もゴーカイジャー側の4人と一致しています。
まぁ今回はルカ主役回のようなものなので、ルカが一番偉い戦士に変身するジャッカーはちょうどいいとも言えます。

5人並んで登場するシーン、「ジィィィャッカァァァ!!」というコールと共に足元のカットから入ります。
初期戦隊って何だかやけに足元のカット多いんですよね。
この時代のヒーローものの流行りだったのでしょうか?
まぁそういう傾向の再現がちゃんとしてあるのは凝っていると思います。

ここでマーベラスは「よし!電撃キックだ!」と号令をかけ、
ルカのビッグワン以外の4人はジャンプします。
「電撃キック」はビッグワンを除く初期4人組が一斉にジャンプして飛び蹴りする技で、
これはちゃんとビッグワン抜きの4人だけで再現しています。
だいたい、ビッグワンというヤツは大抵ビッグボンバーを撃つ時以外は出て来ないヤツで、
普段は1人で変装合戦とか、変なことばかりやってるのです。

そういうわけで、ちゃんと再現しつつビッグワンも含んだ5人の見せ場を作るにはビッグボンバーしかないわけで、
電撃キックを喰らったヨクバリードと、そこに駆け寄ったスゴーミン達を攻撃するために、
ルカのビッグワンが「行くよ!ビッグボンバー!」と言います。
するとマーベラスが「ビッボンバーだ!」と叫び、残り3人が姿勢を低くして「ビッグボンバー!」と声を揃えます。
何だか笑ってしまいますが、この技はゴレンジャーハリケーンと同じ系統の、一種のネタ技と考えればいいです。

ジョーのダイヤジャックが「セット1!」と叫んで右車輪を、
ハカセのクローバーキングが「セット2!」と叫んで左車輪を、
アイムのハートクインが「セット3!」と叫んで台座部分を持ってジャンプし、
着地して組み立てます。なんでいちいちジャンプすんのかとか、そういうツッコミは無しです。
そこにマーベラスのスペードエースが「行くぞコンバイン!」と叫び砲身を持ってジャンプして着地、
更に組み合わせ大砲を完成させます。
何か異様ともいえる再現度で、まるで芝居のようです。

そしてマーベラスが「ビッグワン!」と呼ぶと、
ルカのビッグワンが大砲の弾を持って大きくジャンプして現れます。
この時、様々なアングルから同じジャンプを撮ったカットを挿入し、
着地後の決めポーズのカットを何故か繰り返すという大袈裟な演出もオリジナルの再現度抜群ですが、
そのビッグワンがスカートを履いているのでどうしても可笑しい。

「ジャッカー必殺武器!」と言ってルカは弾を大砲に込めて、
4人が大砲を支え、ルカがバトンを振って「ビッグボンバー!!」と号令をかけると、弾が発射されます。
この悠長さ、なんとも懐かしさ満点です。
オリジナルのビッグボンバーの弾は発射された後、敵の苦手なものに変わるという、
ゴレンジャーハリケーンとは逆の奇妙な特性があるのですが、
ここでは単に2つに分裂して、2体のスゴーミンを撃破します。
これで残るはヨクバリードだけです。

ここでマーベラス達はゴーカイジャーの姿に戻り、
ビッグボンバーも分裂して5人のゴーカイサーベルとゴーカイガンに戻り、それぞれの手に戻ります。
ここで戦闘時の最初と同じく、ジョーとルカは二刀流、ハカセとアイムは二丁拳銃、マーベラスは剣と銃というスタイルとなり、
しかもその全てに何時の間にかレンジャーキーが挿入されています。
レンジャーキーのうち5本はゴーカイジャーの赤青黄緑桃の5色のキーですが、
残りの5本はよく見るとゴレンジャーの赤青黄緑桃の5色のキーであるようです。

このままファイナルウェーブの発動となります。
ゴーカイサーベルとゴーカイガンを全部使って二刀流×2、二丁拳銃×2、剣と銃同時持ち×1の
最強形態のファイナルウェーブは第2話以来のことです。
これであえなくヨクバリードは倒されます。

そしてギガントホースでは、ワルズ・ギルが「おのれぇ〜!!インサーン!やれぇ!」と喚き、
インサーンが「かしこまりました」と巨大化銃を発射。
このワンパターンっぷり、もう最近はコントにしか見えません。
こうして発射された巨大化光線を浴びてヨクバリードは復活巨大化します。

「・・・ったく!」と面倒臭そうにマーベラスはゴーカイガレオンを呼び寄せ、
ゴーカイオーに合体してヨクバリードに立ち向かいます。
ヨクバリードは「賞金首ども!こうなったら意地でもギガロリウムを取り戻し、お前らの首を奪ってやる!」と言って、
またトランプを投げつける攻撃を仕掛けてきます。
トランプ爆弾を喰らうゴーカイオーでしたが、ここでマーベラスは「待てや!そんな闇雲に攻撃していいのか?」と言って、
ゴーカイオーの右手の指先につまんだ小さな物体をヨクバリードに見せつけます。
「それは・・・ギガロリウム!」とヨクバリードは愕然とします。

ゴーカイオーの指先にはさっきのギガロリウムの入ったカプセルがつまんであります。
このままヨクバリードがゴーカイオーを攻撃したら貴重なギガロリウムを壊してしまいかねません。
だいいち、もし誘爆などしたらヨクバリードも無事では済まないのです。
これでヨクバリードはゴーカイオーへの攻撃を出来なくなってしまいました。
しかし、こういう、相手の返してもらいたがってるものを盾にして
相手の攻撃を封じる卑怯なやり方ってのは、悪役の常套手段なんですが、
マーベラスはこういう悪役の台詞が非常に似合います。さすが海賊です。

ところが、ここでジョーが「そんなに返して欲しけりゃ返してやる!」と気前のいいことを言います。
アイムも「はい!どうぞ!」と同調します。
そんなの、絶対に裏があるに決まってるのに、ヨクバリードは思わず信じてしまい
「本当か!?」と身を乗り出します。
それに対し、ハカセが「もちろん!」と言い、
ルカが「その代わり、本来の持ち主にね!」と謎めいたことを言います。
「え?」とヨクバリードは一瞬何のことか分かりません。

しかしマーベラスはヨクバリードには構わず操舵輪を思いっきり回して
「ほらよぉ!!」と、ゴーカイオーの右手を振って、空に向かって物凄い勢いで
ギガロリウムのカプセルを放り投げたのでした。
ハッとして飛んで行くギガロリウムの軌道を見て、ヨクバリードは「やめろぉぉぉ!!」と絶叫します。
その方向の宇宙空間には、ワルズ・ギル率いるザンギャック艦隊が展開しているのです。

確かにギガロリウムの本来の持ち主はザンギャック帝国の地球方面軍の司令官、ワルズ・ギルです。
そのワルズ・ギルのいる艦隊目がけて猛烈な勢いで宇宙空間に飛び出したギガロリウムは、
艦隊の数多くの艦艇のどれかにぶつかり誘爆し、艦隊に甚大な被害をもたらしたのでした。
ワルズ・ギル達、幹部の乗艦するギガントホースは最後尾だったので無事でしたが、
大きな衝撃を受け、艦橋は大揺れします。
その衝撃の中、ワルズ・ギルは「なんという奴らだ!」と驚き慌てます。
何か第5話で地底ミサイルの時も同じようなことをやられていたはずですが、進歩の無い連中です。
これでダマラスの危惧が的中してしまったことになり、
またしてもワルズ・ギルの無茶な作戦が裏目に出る羽目になってしまいました。

地上では「これで決めるぜ!」とガオレンジャーのレンジャーキーを出したゴーカイジャーが
コクピットに差し込み回すと、ハッチが開いて「牙吠」の書き文字が飛び出します。
今回は当然、前回新たに登場したガオゴーカイオーの販促です。
ガオライオンが天空島からやって来て、
ゴーカイオーと合体してケンタウルス状のガオゴーカイオーとなり、
ヨクバリードに突進し、豪快アニマルハートでいきなりトドメを刺して倒し、
ヨクバリードは「引き際を見極めるのが勝負師の力かぁぁ!」と断末魔の叫びを残して爆発して散り、
戦闘終了となります。

エピローグは、戦いが終わって、ゴーカイガレオンで再開された5人のお遊びのポーカー勝負の場面。
「勝負!」と、一斉に手札をオープンした5人ですが、またジョーの勝ちのようです。
「ああっ!・・・負けた・・・」とルカはガッカリしています。
お遊びですから、ここは当然イカサマ無しでやっていますが、
イカサマ無しではやはりジョーには勝てないようで、ルカも負けて面白くなさそうです。

「ジョーってホント、カード強いよねぇ!」「これで15連勝です・・・」とハカセもアイムも呆れ顔です。
あの一連のギガロリウム騒動を挟んで、もうジョーは15連勝もしているようです。
いくら何でも圧倒的というものです。
「ホント、ホント・・・もう強くて敵わない!」とボヤいて、ルカも立ち上がり、もうゲームを止めようとします。

そのルカの脇のあたりをチラリと見たジョーは何か違和感を覚えて
「おいルカ!ちょっと待て!」とルカの腕を掴んで引き寄せます。
すると、ルカの脇からトランプのカードの束がバサバサッと落ちて床に散らばります。
ジョーはそのカードを拾ってみて「これは・・・!」と驚きました。
そのカードはあの緑の戦艦の娯楽室でのポーカー勝負の時に使っていたのと同じ
バイシクル社製のトランプの1セットだったからです。

最初、どうしてそんなものをルカが持っているのかジョーには分かりませんでした。
このガレオンにはこの種類のトランプは無いし、
あの戦艦での勝負の時は、確かルカが隠し持っていたカードは
ヨクバリードとの勝負の前に全部ヨクバリードにバレて没収されたはずです。
それが今、ルカの懐に入っていたということは、
あの時にバレていなかった隠したカードがまだあったということなのか?とジョーは思ったが、
それにしてもこのカードは多過ぎる。まるまる1セット分ほどあります。
あのスゴーミン達との勝負でこんな大量のカードを隠し持つ必要があったとも思えないし、
そもそもこんなに大量のカードを懐に取ってしまったら、
テーブル上にはほとんどカードが無くなってしまうのですから、そんなことは不可能です。

となると、もともとルカが別に1セット分のバイシクル社のトランプを懐に持っていたということになりますが、
いったい何のためにそんなことをする必要があるのか?と考えて、
ジョーはハッと、これは山札をすりかえるイカサマ用のカードのセットではないかと気付きました。
そうでなければ、こんな大量の束でカードを隠し持つ理由はありません。

何のためにそんなイカサマをするかというと、
あらかじめ懐の山札の上の数枚を操作しておいて、自分がカードを交換する際に有利なカードを引けるようにするためです。
ですから、このイカサマはルカが親の時は必要ありません。
何故なら、ルカほどのイカサマ師が親の立場なら正規の山札のカード配置は自由に操作出来るからです。
自分が子の立場の時、つまり山札を相手がシャッフルしてカードを配る立場の時だけ、
その山札を丸ごと入れ替えてしまう大胆なイカサマが必要になるのです。

しかしルカは全ての勝負で親の立場だった。
だから、こんなカードは不要のはずだったのだとジョーは思い、
あっと重大なことに気がつきました。
相手が親を務めた勝負は1回だけあった。
だが、それはルカが子だったのではなく、ジョーが子だった、あの最後のヨクバリードとの勝負です。
もし、このカードを使ったイカサマの出番があったとするなら、あの時だけです。

そして、あの時はジョーはイカサマ無しの真剣勝負と思っていたので、
テーブル上をそんなに細心の注意で見てはいなかった。
まぁそれでもヨクバリードの露骨過ぎるイカサマは分かったのだが・・・と考えたところで、
ジョーはあのイカサマ騒動の後、周囲のゴーミン達が大騒ぎして場が騒然となった時、
自分が、いやその場にいた全員がテーブルの山札を全く見ていなかったことに気付いた。

あの時、ルカは何をしていたのか?
そういえばジョーにはそれは全く記憶に無かった。
てっきりルカは自分と一緒になってヨクバリードを睨みつけていたものだとばかり思っていたが、
ハッキリそういう姿は見ていない。
ジョーはヨクバリードの方をじっと見ていたからです。

(もしや、このカード・・・イカサマ用のカードではなく、あの場にあった山札なのか?)と
ジョーが驚いた顔でカードを改めて見つめると、
その表情を見てルカが「フフ・・・」と笑い、
「囮作戦、お疲れ様!」と、あっけらかんと言ったのでした。
「・・・!・・・お前!」とジョーはカードを床に叩きつけて立ち上がります。
やはり、ルカはあの騒ぎに紛れて、テーブルにあった山札と懐に隠していたイカサマ用の山札をすり替えていたのです。

なお、どうしてルカがバイシクル社製の同じデザインのトランプをイカサマ用に持っていたのかというと、
それは偶然といえば偶然ですが、ある程度は必然でもあります。
バイシクル社製のあのデザインのトランプは最もポピュラーなタイプのもので、よくポーカーの勝負で使われます。
だから、あのデザインのカードを1セット持ち歩いておけばイカサマをする時、重宝なのです。
ただ、これは現実世界の話です。

で、この劇中でも、このバイシクル社製のこのデザインのカードが
宇宙で最もポピュラーなタイプなのだとしたら、
ルカがこのカードを1セット懐にあらかじめ持っていたことにも説得力はあります。
そういった設定に説得力を持たせるため、
あのシーンで娯楽室で使われていた「ありふれたトランプ」をバイシクル社製のものにしたのかもしれません。

さて、おそらくルカはヨクバリードに最初イカサマを見破られた時、
ヨクバリードが懐のイカサマ山札の存在に気付かなかったのを見て、
ヨクバリードのイカサマの腕は自分よりも下だということが分かったのでしょう。
だから自信満々でヨクバリードとの勝負に乗ったのです。
ところがヨクバリードはイカサマ抜きの勝負を持ちかけてきた。
が、その時、ルカはヨクバリードが山札のシャッフルの際にイカサマをしているのを見破ったのです。
そこでルカはニヤリと笑い、勝負をジョーに任せて、自分は山札の傍にさりげなく移動し、
スキを作って山札をすり替えるイカサマ返しを仕掛けてやろうとしたのです。

多分、ルカはヨクバリードのカードチェンジの際に何でもいいから難癖をつけて揉め事を起こして、
その騒ぎの隙にすり替えをしてやろうとしていたのでしょう。
いくら何でもヨクバリードがカードチェンジであんな露骨なイカサマをしてくるとは予想外だったことでしょう。
だが、ヨクバリードが露骨なイカサマをして、そのおかげで自然にジョーの抗議で場は騒然となった。
ルカはその隙に乗じて山札のすり替えに成功したのです。

そしてテーブルにあった本物の山札はルカの懐に隠され、今こうしてガレオンの床に落ちたのです。
一方のすり替えたイカサマ用の山札の上から5枚は、
あらかじめスペードのロイヤルストレートフラッシュの組み合わせにしていたのでしょう。
ジョーはそのカードを引いてロイヤルストレートフラッシュを作ったのであり、
ジョーのあの必死の勝負は、実は最初からルカの掌の上で遊ばれていたことになります。
もちろん、ルカはジョーが勝てるように仕組んでくれたのであろうし、
ジョーがあそこで5枚チェンジという決断をしなければルカの親切も無駄になっていたわけだから、
実際はジョーの勝負勘があってこその勝利だったとも言えます。

だが、ジョーとしてはどうも釈然としない。
確かに勝負に勝ったのは自分の力によるものも大きいとはいえ、
その自分の真剣勝負そのものが、
ルカのイカサマ勝負を隠すための囮としてお膳立てされていたものだと分かったからです。
「俺まで囮にしてたってことか!?」とジョーは語気を荒げてルカを睨みますが、
さも当然という感じで平然としているルカの顔を見ていると、思わず嘆息してしまう。

ルカにとってのイカサマ勝負は真剣勝負なのだ。
そして実際、ポーカーの本気の勝負はイカサマも含めてのものなのだ。
ルカは本気で勝ちにいったのであり、
そのためには自分の青臭い真剣勝負などは囮になれただけ上出来なのだろうと、ジョーは思った。
そして苦笑いして「やはり・・・本気のルカには勝てそうもないなぁ!」と言う。

その言葉を受けてルカもニッコリ笑います。
ジョーは謙遜していますが、
ジョーの勝負勘を鍛え抜いたからこそ発することの出来る気迫があってこそ、囮として機能したのであり、
並の勝負師では囮にならなかったということをルカは分かっているのです。
結局、この2人のコンビだったから勝てたのだとルカは思っているのです。

ところでマーベラスですが、当然ながら15連敗中です。
さっきの勝負も相変わらずドヤ顔でワンペアを出して負けていました。
もう悔しがる元気も無かったようで、非常に影が薄くなっています。
それに追い打ちをかけるようにハカセが
「それにしてもマーベラスってカード弱いよねぇ!一度も勝てないじゃん!」とバカにします。
マーベラスは血相変えて立ち上がりますが、
ナビィも「勝てない勝てない、全く勝てない〜!」と囃したてます。
マーベラスはナビィに突っかかり「調子が悪かったっつってんだろコラァ!!」と荒れまくります。

そのどうしようもない姿を見て、ジョーとルカは何やら意味深に微笑み合うのでした。
確かにマーベラスはジョーのように勝負勘も無いし、ルカのような狡さや器用さもありません。
だが、それでもあれほどの勝負強さを発揮しているのです。
何か根本的に強い男なのです。
その魅力を2人はよく知っているのでしょう。
だからこそ、仲間になったのだと思われます。
そのあたりの経緯は現時点では不明ですが、また触れられることもあるのかもしれません。

あと、最後に一言、言わせてもらうと、
サンスター文具のCMのゴーカイレッドの声が
本編のマーベラスと全然違ってて、違和感がすごいです。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 22:54 | Comment(0) | 第10話「トランプ勝負」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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