2011年05月05日

第11話「真剣大騒動」感想その1

今回の第11話と次回の第12話は「ゴーカイジャー」初の前後篇です。
ちょうど1クール終了の節目なので、このあたりは例年、前後篇が多いのかと思われがちですが、実際はそうでもありません。
近年では「シンケンジャー」ぐらいです。
で、今回はレジェンドゲスト回で、そのシンケンジャー篇ですから、
ここで前後篇を持ってくるのは「シンケンジャー」へのオマージュなのだと分かります。

というのも、「シンケンジャー」の第十一幕と第十二幕の前後篇というのは、
「シンケンジャー」という作品の中においても最重要エピソードの1つであり、
「シンケンジャー」という作品を象徴するようなエピソードなのです。
それと同じ話数のところで、その「シンケンジャー」の前後篇と妙に既視感のあるエピソードをやるというのは、
「シンケンジャー」へのオマージュであると同時に、近年の超人気作「シンケンジャー」への挑戦でもあります。
この野心的な悪戯心というのは、「ゴーカイジャー」が
「シンケンジャー」のチーフPでもあった宇都宮Pの作品であるからこそのものでしょう。
そして、それは「ゴーカイジャー」という作品、特に今回のエピソードにそれだけの自信があるからでしょう。

どうやら今回の前後篇は「ゴーカイジャー」の物語においても非常に重要な節目のエピソードであるようです。
実際のところ、次回の後篇まで見てみないとハッキリとは分かりませんが、どうもそういう気配です。
そういうわけで、今回のお話、シンケンジャー篇とはいっても、あくまでゴーカイジャーのお話になっています。
脚本も、重要エピソードということで、メインライターの荒川氏が担当し、
荒川氏は「シンケンジャー」には関わっていませんが、あくまで「ゴーカイジャー」のお話だから別にいいのです。
それに宇都宮Pがいますから、「シンケンジャー」の世界観を間違うということは有り得ません。

そういえば「ゴーカイジャー」のレジェンドゲスト回というのは、
ほとんどがあくまでゴーカイジャーの世界観の中でお話が展開していき、
レジェンドゲストはあくまで「ゲスト」として登場しますが、
デカレンジャー篇だけはデカレンジャーの世界観の中でのお話でした。
あれはやはり荒川氏が「デカレンジャー」のメインライターだったから出来たことなのでしょう。

そう考えると今回も宇都宮Pがいますから
シンケンジャー篇もシンケンジャーの世界観でやろうと思えば出来たのでしょうけど、
ここは節目エピソードということで、当然ですがゴーカイジャーの物語にしたのでしょう。
まぁシンケンジャーの世界観が特殊過ぎるので、
シンケンジャーの世界観の中でマーベラス達を動かすというのが、そもそも無理だったような気もしますが。
その点、デカレンジャーって汎用性の高い世界観なんだなぁと、ちょっと感心します。

さて今回は物語としては後篇も含めて完結するのであって、
今回の前篇だけではその起承転結が全て判明しているわけではないので、あまりコメントも出来ませんけれども、
前篇を見ただけでも、これまでのどのエピソードよりも濃厚なお話であることは分かります。
今回はドラマ的にはあまり進まずにほとんどアクション満載で進み、
最後に急転直下の展開となって次回に続くわけですが、
それでもドラマ的に充実感は有り、アクションはもう凄いの一言です。
「ゴーカイジャー」のアクションとしても1話、2話に匹敵するクオリティであるのに加えて、
殺陣の素晴らしさで名高い「シンケンジャー」風のアクションまで加わるので、
てんこ盛り状態と言っていいでしょう。

ストーリーとしてはジョーの主役エピソードで、第4話の続編のような感じになっています。
というより、第4話が今回の伏線だったのですね。
ただ、ジョーだけでなくマーベラス一味の全キャラが随所で良い動きをしており、
後篇は単なるジョー主役回ではない怒涛の展開となりそうな予感はします。
またザンギャック側も今回大暴れのワルズ・ギルとバリゾーグを筆頭に、ますます良い感じになってきました。

まぁしかしザンギャックに関してはあんまりドラマが大きく動くことは期待しない方がいいような気が最近しています。
やはりゴーカイジャー側のドラマがかなり濃厚になりそうな上に
レジェンド絡みのストーリーもある中では、
ザンギャックはあくまでシンプルな悪役キャラに徹した方が良いと思うし、
制作側もそうするつもりではないかと思います。
今回も本国から幹部がやって来たりして、一見ストーリーが動きそうに見えますが、
案外そういうわけでもないのだと思います。

ただ、ストーリー上ではあまり重要でないキャラが異常にキャラだけは立っているという状態は
個人的には大好きなので、結構こういうのは好きです。
考えてみたら「ゴーカイジャー」って主役5人(こいつらがまずやたら濃いのだが)以外に出て来る連中の
キャラの立ち方とその良い意味での無駄遣いっぷりが凄いです。
まずレジェンドゲストが1回限りしか出てこないのに、全員異常にキャラが立ってます。
昔はみんな主役を張ってたのだからキャラが立ってるのは当然なんですが、
小さい子供にはそんな昔のことは関係無いですからね。
「なんだか2回に1回は異常に濃い人が出てくる」という印象でしょう。

更にそれに加えて、毎回ちょっとしか出てこないザンギャック幹部のキャラの立ちっぷりが凄い。
ワルズ・ギルは今回やたら長く出ましたけど。
そして、ナノナノダやスニークブラザースのような強烈なキャラの使い捨て怪人もいますし、
その他の行動隊長もタイプがバラバラでワンパターンではない魅力あるキャラが多いです。
また、単なるモブのはずのゴーミンやスゴーミンが変に愛敬があります。
キャラ好きの人にはかなり楽しめる作品ではないでしょうか。

まぁこういう濃厚な「ゴーカイジャー」の世界観が更に濃厚になって、
その中で展開された今回のエピソードですが、
それでもその中で強烈な存在感を発揮した「シンケンジャー」の世界観はやはり凄いと感じました。
しかも今回登場したレジェンドゲストは、
オリジナルではレギュラーメンバーではなかった姫シンケンレッド、志葉薫です。
それでもあそこまでの存在感を示すのですから、やはり陣幕や黒子の破壊力は凄まじい。
というか、志葉家の人達って、他の世界観に出てきたら、どう見ても変態です。

で、その志葉薫ですが、オリジナルで薫を演じた夏居瑠奈ちゃんがそのまま演じています。
「シンケンジャー」の物語は主役のシンケンレッド志葉丈瑠が殿様でありながら、
実は真の殿様の影武者だったという特殊な物語であったため、
終盤になって真の殿様が登場することとなり、
そこで真の殿、というか、女性当主なので姫として登場したのが志葉薫です。
だから薫というキャラは終盤の数話しか登場していないのです。

しかし、「シンケンジャー」という作品は、劇中では隠された部分で重いドラマを多く盛り込む作品で、
そういう隠された重いドラマを抱えたキャラほど人気が出る構造になっていました。
まぁ主役がその典型みたいなキャラなのですから、そうなるのも当然なのですが、
薫はある意味、主役の丈瑠以上に隠された重いドラマを抱えたキャラであったため、
出番が少ないにもかかわらず、かなり人気キャラとなりました。
そういう人気キャラであり、一応オリジナルのシンケンレッドでもあるわけで、今回登場することとなったようです。
背景事情としては真の主役レッドであった志葉丈瑠を演じた松坂桃李氏が
連続ドラマやら映画やらで多忙であるという事情があるようです。

志葉丈瑠が登場しないのは残念ではありますが、しかし、この志葉薫の登場は正解だと思います。
薫というキャラは非常によく練られた良キャラで、
薫が主役の「シンケンジャー」でも成立したのではないかと思えるだけのキャラです。
薫主役の「シンケンジャー」外伝を見たいというファンもいるぐらいですから、
今回の薫の登場には確実に需要はあります。

一方、オリジナルの「シンケンジャー」の物語、すなわち志葉丈瑠の物語は、もちろんこれも需要はありますが、
これは綺麗に完結してしまっており、
「続編は作れない」と宇都宮Pもメインライターの小林靖子氏も口を揃えて言っているほどですから、
そのオリジナルストーリーの方のキャラである丈瑠を出してきても、
あまり大した展開にはならないような気がします。
丈瑠というキャラはあまりに綺麗な結末に至ってしまい、そこからもう動きが見込めそうにないキャラなのです。

いや、それは魁にもバンにもジャンにも走にも、みんな言えることなので、
別に丈瑠が出たらダメというわけではないんですが、
丈瑠と薫を並べて見ると、まだ薫の方が動きの見込める余地のあるキャラなのです。
何せ、出番が少なかった分、不完全燃焼で残っている部分の多いキャラなのです。
だから、他のレジェンドゲストに比べて、アクティブに動かせそうなキャラなのです。
その点、本編の方では座っていることが多かったドギーがデカレンジャー篇では大暴れしたのと似ています。

今回は特に通常のレジェンドゲスト回ではなく、
「レジェンドゲスト回よりもよりアクティブなゴーカイジャー単独回にレジェンドゲストが登場している」
と言った方が正確なぐらいゴーカイジャーの物語がダイナミックなので、
レジェンドゲストもアクティブでないと埋没してしまいかねません。

また、見方を変えれば、アクティブに動かして支障が無いキャラであるとも言えます。
何故なら、今回の薫のような派手な動きをもし丈瑠にやらせていたとしたら、
もしかしたらゴーカイジャーの方が喰われてしまったかもしれません。
主役レッドというのはそれぐらい破壊力があるのです。
だから他のレジェンドゲストのレッドは慎重に割と大人しい使い方をしていると言えます。
デカレンジャー篇でも暴れたのはドギーでしたし。
そういう色々なバランスを考えて、今回は薫を出して、目一杯、薫を動かそうということになったのでしょう。

そして、「ゴーカイジャー」という作品全体として見ても、
今回、シンケンジャー篇のレジェンドゲストのレッドとして薫を選択したのは正解でしょう。
何故なら、若くて可愛いからです。
いや、別にいやらしい意味ではなく、
オリジナル出演時に若干14歳だった薫役の夏居瑠奈ちゃんは現在まだ15歳で、
「ゴーカイジャー」の今後のレジェンドゲスト回でこれほど若いレッド役のゲストを招くのは絶対に不可能なのです。
しかも女性レッドとなると他には皆無ですから、ここで逃すともうチャンスは無いわけです。
どうしても年配の男性が多くなりがちのレジェンドゲスト回で
これほどフレッシュで可愛いゲストを招く機会はめったに無いのですから、
ここで薫を登場させないでどうするのかという話です。だから、これで正解なのです。

では本編ですが、まず冒頭はジョーが桜吹雪の中で剣の稽古をしているシーンです。
タンクトップ姿で上半身の筋肉が綺麗です。
泥臭い剣の稽古というよりは、ゴーカイサーベル2本を流麗に振り回す、これは剣舞ですね。
ジョーさん、いつもよりだいぶ綺麗に撮ってもらってます。
イケメンの剣の達人、躍動するしなやかな身体、しかも周りは桜吹雪で、
よく見ると場所も寺の境内みたいな場所で、時代劇テイスト満載です。
この独特の様式美、まさにチャンバラ時代劇戦隊「シンケンジャー」の世界観そのものであり、
今回がシンケンジャー篇であることを暗示しています。

そのジョーの剣舞を腰掛けて見物していたハカセとアイムが小休止したジョーに拍手します。
そしてハカセがジョーに近付こうとして立って歩き出した途端、石段に躓いて前方に転びそうになります。
ジョーは咄嗟にゴーカイサーベルを1本投げ、ハカセの倒れ込む先のあたりの地面に突き刺し、
ハカセはそのサーベルの柄に掴まって倒れずに済みました。
ハカセが勝手に転びそうになったのですから、それを咄嗟に助けるとはジョーは親切だなという印象のシーンですが、
実はそうではなく、ハカセが足元の地面を見ると小さく地味な黄色い花が咲いていました。

「この花を守るために・・・凄いファインプレー!」とハカセは立ち上がってゴーカイサーベルを担ぎあげながら感心します。
「ジョーさんは怖そうに見えますけど、本当は優しいんですよね!」とアイムもニコニコ微笑みながらジョーを見る。
ハカセを助けるのは仲間への親切だが、道端に咲く花を守るのは親切とは言いません。
助ける義理など無いし、相手も感謝などしません。
大して綺麗な花でもないので、花を愛でる風流というわけでもありません。
単にそれはジョーが小さく弱いものに対して優しいということです。
ハカセとアイムはジョーを含む古参3人組がそうした優しさを持っていることは
第9話で走に言ったように、知っています。

しかしジョーはアイムに褒めらると、少し困った表情で目を泳がせ
「・・・普通だ!」とぶっきらぼうに言います。
そういうことを言うとジョーが照れるだろうと予想していたアイムとハカセは面白がって、
顔を見合わせて笑い合います。
しかし、ジョーは確かに照れて少し困っていますが、困っている理由は照れだけではないようです。
アイムに「優しい」と言われると困るようにも見えます。
それは元ザンギャックの一員であるというジョーの過去と、
元ザンギャックに滅ぼされた星の王女であるというアイムの過去に関係しているのではないかと思われます。

ここでジョー達のモバイレーツの呼び出し音が鳴り、
「ザンギャックのでっかいのに出くわしちゃったぁ!」というナビィからの連絡が入ります。
3人がガレオンを離れている間に、またガレオンがザンギャック艦隊に遭遇してしまい、
戦闘になってしまったようです。
ジョーが険しい表情になり、「すぐ行く!」と応じます。

ここでOPテーマとなり、CM明けに「真剣大騒動」というサブタイトルが入ります。
これは「シンケンジャー」のサブタイトルのフォーマットに合わせたサブタイトルです。
2009年度作品、シリーズ第33作「侍戦隊シンケンジャー」は
チャンバラ時代劇をコンセプトにして「和」のモチーフにこだわり抜いた作品であり、
サブタイトルは全て漢字のみで構成されています。

文字数に決まりはありませんが、理想としては五文字が好ましいようで、
全49話のうち五文字構成のサブタイトルが18話と最も多く、
第1話に相当する第一幕のサブタイトルは「伊達姿五侍」、
最終話に相当する最終幕のサブタイトルが「侍戦隊永遠」というように、
最初と最後も五文字構成のサブタイトルになっています。
よって、今回のサブタイトルは「シンケンジャー」のサブタイトルのフォーマットに最も忠実に作っているようです。
「真剣大騒動」の意味としては、内容そのままでしょう。
シンケンジャー篇であって、大騒動が起きるエピソードということです。

本編が再開し、ゴーカイオーが地上に降り立ち、3体の巨大化したスゴーミンと戦う場面から始まります。
冒頭のアバンタイトルのシーンから時間はいくらか経過しているようで、
ジョー達も戻ったゴーカイジャー達は遭遇したザンギャック部隊を何らかの形で壊滅させ、
毎度のごとくギガントホースから発射された巨大化光線で復活巨大化したスゴーミンとの巨大戦に突入しているようです。
どうもこの部隊には行動隊長クラスの怪人はいないようで、
「とっとと片付けて、次の大いなる力を探しに行くぞ!」とマーベラスも余裕で、
何故かハカセの頭を小突いています。

ここでゴーカイジャーはレンジャーキーを使った必殺技攻勢で3体のスゴーミンを次々と撃破していきます。
まず標準形態のゴーカイオーでスゴーミン達を斬りまくり、
ゴーカイジャーのレンジャーキーを使ってゴーカイスターバーストで1体目のスゴーミンを倒し、
次にデカレンジャーのレンジャーキーを使ってデカゴーカイオーになり、
ゴーカイフルブラストで2体目のスゴーミンを倒して、
そしてマジレンジャーのレンジャーキーを使ってマジゴーカイオーになり、
ゴーカイマジバインドで最後のスゴーミンを倒し、戦闘終了となります。

この序盤いきなりの巨大戦は今回のエピソード内容とは全く関係ありません。
本来は無くても全然支障は無いのですが、
今回は前後篇ということで終盤にいつもあるはずの巨大戦のシーンが無いので、
その代替ということで序盤にストーリーとはあまり関係無く巨大戦のシーンを挿入しているわけです。
第1話も同様だったはずです。あの時は相手は艦隊でしたが。

スーパー戦隊シリーズは玩具販促番組なので、毎回巨大ロボットが出て来るのが理想です。
ただ、それでもこういう前後篇の前篇の場合や、物語終盤あたりにはストーリー展開の関係で、
「怪人倒される→巨大化」という流れが作れないエピソードもあり、
そういう場合、巨大戦無しという場合もありました。

そういう場合に対処して、どういうケースでも臨機応変に巨大戦シーンを作るため、
というか、巨大戦を入れなければいけないという制約のためにストーリーが縛られないために、
「シンケンジャー」で巨大戦闘員のオオナナシというやつが登場したのですが、
「ゴーカイジャー」のプロデューサーは「シンケンジャー」と同じ宇都宮氏なので、
オオナナシ同様に巨大戦闘員へと変身可能なスゴーミンが登場しています。
ここは、そのスゴーミンの有効活用のシーンというわけです。
しかもゴーカイオーの3つの形態を登場させて、3つの必殺技を放つという大盤振る舞いです。
これは放送日が5月1日だったということで、GW商戦に向けての販促の援護射撃というところなのでしょう。

さて、ギガントホースではワルズ・ギルが大暴れです。
「おのれおのれおのれ〜!この役立たずめ〜!!」と喚きながらゴーミン達を殴ったり蹴ったり、
もうムチャクチャです。
ダマラスが慌てて「殿下!冷静に!」と止めようとしますが
「離せぇっ!」とその手を振りほどきワルズ・ギルは更にゴーミンの頭を一発殴ります。
もう落ちるところまで落ちた感じです。
そういえば、こいつってゴーミンしか殴らないんですよね。
他の強そうなヤツには恫喝はするけど、絶対に手は出しません。
なんとも小心者です。

「いったい何度やられれば気が済むのだ!?」と苛立ちを爆発させるワルズ・ギル。
またゴーカイジャーに運悪く遭遇した作戦部隊が潰されてしまい、
全然、地球侵略作戦が進まないのでイライラしているようです。
確かにザンギャック軍はちょっと不運過ぎます。

そこにバリゾーグが進み出て「地球に来てからの敗北を全て数えますと・・・」と
ワルズ・ギルの質問に真面目に回答しようとするので
「真面目に数えるな!お前!!」とワルズ・ギルはジェスチャー付きで見事なツッコミを入れます。
まるで漫才コンビのようです。
「イエス、ボス・・・」とお決まりのセリフで引き下がるバリゾーグ。
もう最近ほとんどギャグキャラ化しつつあります。

そこに口を挟んだインサーンが「せっかくの作戦も、行動隊長が悉く潰されて・・・」と沈痛に語ります。
なんと、ザンギャック地球派遣軍は連れて来ていた行動隊長がみんなゴーカイジャーに潰されて、
今は深刻な人材不足のようです。それで今回は行動隊長がいなかったのですね。

しかし、インサーンの物言いだと、
まるで作戦は良いのに行動隊長の能力が足りなかったのが悪いみたいじゃないですか。
まぁ行動隊長の改造をしてるのはインサーンですから、一応責任を感じた発言なのかもしれませんが、
でも違うでしょう、これは。
作戦がマズいから行動隊長が潰された例がいっぱいあったじゃないですか。
その作戦を考えてるのがワルズ・ギルなのが問題なんです。
まず、このバカ殿下を何とかしないといかんのです。
インサーンだってそれは分かっているはずです。
しかし、なかなかそうは言えない立場のインサーンだったのでした。
「次だぁっ!!・・・ただちに次の作戦を考えるぞ!!」とワルズ・ギルはまた懲りずに張り切るのでした。

一方、戦いが終わって自動操縦態勢に入ったゴーカイガレオン内では
マーベラスがナビィに命じて、皆の前でお宝ナビゲートをさせます。
しょっちゅうザンギャックに遭遇して邪魔ばっかりされているのはマーベラス達もお互い様というもので、
こうした束の間の安息の時を有効に使って、本来の目的であるお宝探しに精を出さねばなりません。

相変わらず「鳥」としか呼んでもらない可哀想なナビィは、
いつものごとくバカみたいに叫んで天井に頭をぶつけて落下し、アイムに受け止めてもらいます。
そして「見えたナリ見えたナリ!サムルァ〜イに注意するナリ!・・・てな感じぃ?」と、また大雑把なお告げを言います。

それにしても語尾が「ナリ」というのは気になります。
いや、実にどうでもいい事なんですが、前回までは語尾が「ゾヨ」だったはずで、
「ゾヨ」だけならあんまり気にすべきじゃないとは思っていたんですが、
「ナリ」まで出てくるとなると、これは「ゴーオンジャー」のガイアーク三大臣の口調じゃないですか。
もし次のパターンで「おじゃる」が出てきたらもう確定です。
まぁ確定したからといって、何も大した展開は無いと思うんですが。

で、お告げの内容ですが「サムルァ〜イ」って、
なんでそういう発音になるのか分かりませんが、「侍」のことです。
一応、宇宙から来た異文化の人達なので、異国風の発音で言ってみたという感じでしょうか。
「注意せよ」と言うからには、何か侍に危害を加えられる可能性があるということでしょうか。
それがお宝、というか今回の「大いなる力」とどういう関係があるのか、
このお告げからはよく分かりません。
まぁ、いつもよく分からないお告げしかしない鳥なので、いちいち悩んでいても仕方ありません。

ソファーに座ってトランプを弄りながらナビィのお告げを聞いていたジョーは、
勝負師の勘で何か危険な予感は感じながらも、
要するに、その危険をクリアーすれば「大いなる力」の手掛かりを得られるということなのだろう、
ならばあえて危険に向かえばよいのだと思いました。
つまり、「侍」を探せばいいのです。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 23:09 | Comment(0) | 第11話「真剣大騒動」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月07日

第11話「真剣大騒動」感想その2

ナビィのお告げを受けて、「サムルァ〜イ」なるモノを探しにさっそく街に繰り出したマーベラス達5人ですが、
全員、「サムルァ〜イ」というものが何なのかよく分かっていません。
このあたり、宇宙人という設定を活かしたコミカルシーンです。
実際のところ、この彼らの宇宙人設定は、普通にスクランブルエッグやソーセージを調理して食べたりしている癖に
カレーライスを知らなかったり、かなり御都合主義の設定なのですが、使い方が上手いので、あまり気になりません。

「サムルァ〜イって、着物きて、刀持ってる人達かぁ・・・」と、
ルカは手にした江戸時代の侍のような人の写っている写真を見つめて言います。
江戸時代に写真はありませんから、これは本物の侍のはずはなく、
時代劇のスナップ写真のようなものをハカセが検索してプリントアウトしたものでしょう。
検索出来たということは、ハカセは「サムルァ〜イ=侍」ということは何とか把握したようですが、
ルカは相変わらず「サムルァ〜イ」と発音しているのが面白いです。
宇宙人には「サムライ」は発音しにくいのかもしれません。

「この時代にはもういないと聞きますが・・・?」とアイムも困惑した様子で応えます。
ナビィのお告げの後、検索して得た情報なのか、もともと地球に来てから断片的に聞きかじっていた知識なのか、
アイムは侍が過去の遺物だということは把握しているようです。
確かに侍は現代にはいませんから、マーベラス達が地球人であったとしても、
「侍に注意するナリ」なんて言われても、何処をどう探したら「侍」というものに出会えるのか、
皆目見当がつかないことでしょう。

いや、この物語世界の地球人は保母さんや高校生がスーパー戦隊にやたら詳しいぐらいなので、
「侍」と聞けばシンケンジャーをすぐ連想するのかもしれませんが、
やはりマーベラス達は宇宙人でありスーパー戦隊についても全く無知なので、
「侍」からシンケンジャーを連想することは出来ないようです。
だから検索も「侍」というワードにひっかかる項目を効率よく絞り込んでいくことも出来ず、
とりあえず彼らが分かったことは「着物をきて刀を持ってる人で、この時代にはもういない」という
基本的なことだけだったようです。
マーベラス一味にフィリップと翔太郎がいれば、もう少しなんとかなったのでしょうが。

一同がちょっと途方に暮れて歩いていると、「あっ!・・・あれは?」とハカセが公園にいる一団の方を見て言います。
そこでは高校の剣道部が練習していました。
なるほど、確かに袴姿で竹刀を振っていますから、「着物をきて刀を持ってる人」に似ています。
「フッ・・・っぽいな!」とマーベラスはニヤリと笑うと、ハカセと共に剣道部の一団に近付きます。
そしてハカセがにこやかに「すいません!皆さんはサムルァ〜イですか?」と、一団の中の女子部員に声をかけます。
声をかけられた女子部員は「はぁ・・・?」と困惑した様子です。
まぁ、これじゃハカセは頭がおかしいと思われても仕方ないですね。

しかしマーベラスはすっかり相手がサムルァ〜イだと思い込んで
「宇宙最大のお宝の在り処が聞きたい」と真面目に、しかもかなり偉そうに質問します。
どうでもいいが、マーベラスはお宝探しの手順がまだ把握出来ていないようです。
まずはスーパー戦隊の大いなる力を34個揃えてから、宇宙最大のお宝の在り処が分かるのであって、
サムルァ〜イは何らかの大いなる力の手掛かりに過ぎないのであって、
直接、お宝の在り処を聞き出せるわけではないのです。

女子部員はますます困惑して、あまり関わり合いになりたくない風情で
「いやぁ・・・あの、私たちは侍ではないので・・・すいません」と、そそくさと、また練習の輪の中に戻っていきました。
どうやら見当違いだったようだと気付いたマーベラスは
後ろで見守るジョー達3人の方に振り向いて、渋い顔で首を振って、ハカセと共に歩き出しました。
ルカがそれを見て「なぁ〜んだ・・・」とガッカリして、マーベラス達と合流するために歩き出し、アイムもそれについて行きます。

ところがジョーだけは何故か、練習を続ける剣道部の方を見つめて突っ立ったままです。
若者たちが剣の稽古をしている風景を見て、ジョーは自分の昔の記憶を思い出していたのです。
それはザンギャックにいた頃、剣の稽古をしていた時の記憶です。
目の前の剣道部の練習のように、多くの兵士が集められて、
ゴーミンやスゴーミンによって素振りや乱取りなどの剣の訓練を受けていたのです。
ただ、目の前の明るく健康的な剣道部の練習とは全く違い、
記憶の中のジョー達兵士は暗い基地内の部屋のような場所で兵士たちは強烈なシゴキを受けていました。
ジョーも散々スゴーミン達に罵倒され、ゴーミン達にボロボロになるまで打ちのめされていたのでした。

ジョーはザンギャックを脱走する前は特殊部隊に所属していたはずですから、
ゴーミンぐらいに打ちのめされるほど弱いはずはないので、
この記憶はまだジョーが兵士の養成所にいた頃のもので、かなり昔の記憶なのでしょう。
スゴーミンが「そんなことではザンギャックの兵士にはなれんぞ!」と言っていることからも、そのように推測出来ます。
そして、記憶の中のジョーは打ちのめされて気絶してしまい、
教官のスゴーミン達はジョーのことは見捨てて、ゴーミン達や他の兵士候補生たちを連れて何処かへ行ってしまいました。

すると、部屋で1人転がるジョーのもとに、1人、ジョーと同じ兵士の格好をした男が部屋に入ってきて駆け寄り、
「大丈夫か!?ジョー!」と、助け起こします。
ジョーも目を覚まし「・・・シド先輩・・・」と微かに笑みを漏らします。
このジョーの記憶の中に登場した男、ジョーの養成所の先輩で、名前はシドというようです。

やたらとイケメンなこのシドという男、よく見ると左目に黒い眼帯をしているように見えますが、
これは眼帯ではなく、よく見ると半透明で左目はちゃんと奥に見えます。
ドラゴンボールのスカウターみたいな器具のようです。
これは、第8話のジョーの過去がちらりと映ったシーンで特殊部隊時代のジョーが左目に装着していた器具と同じです。
ジョーたち兵士候補生や他のゴーミン達はそんなものは装着していませんから、これは特殊部隊専用の装備のようで、
つまりシドはジョーの養成所の先輩であり、既にこの時点で任官して特殊部隊に所属しているようです。

このシドがどういうわけで養成所に来ているのかは分かりませんが、
とにかく養成所にいた頃から後輩のジョーを可愛がっていたのでしょう。
それでシドはジョーに個人的に剣の稽古をつけたりもしていたようです。
ジョーが剣道部の練習風景を見て思い出したのは、正規の訓練の陰湿なシゴキの記憶ではなく、
このシドとの剣の稽古の記憶の方だったのです。
それは、まさに目の前の部活の練習風景のように、先輩と後輩の心がちゃんと通じ合った心温まるものであったのでしょう。
ジョーにとっては辛い訓練生時代の唯一の、楽しい記憶だったのかもしれません。
ジョーが特殊部隊を目指すようになったのも、シドと同じ部隊で戦いたいと思ったからなのかもしれないです。

ジョーの記憶は、そのシドが自らの編み出した剣の技を披露してくれた遠い昔の日の記憶に飛んでいました。
その技は、剣を身体の前で大きく円弧を描いて回した後、肩口から下段に構えて一旦タメを作った後、
一気に十字に空間を斬り裂くと、その凄まじい十字型の衝撃波がきりもみ状に前方に飛び出していくというものでした。

この技、シドは右手に1本だけ剣を持って繰り出しています。
しかしジョーはこの記憶の情景を見る限り、シドに稽古をつけてもらっている時、既に二刀流です。
剣の師であるシドと、弟子であるジョーが技の基本的な型が違うというのも妙ですが、
シドは二刀流も使えるし教えられるのでしょう。
そしてジョーは二刀流の方が才能があったので、シドはジョーに二刀流を教えたということなのでしょう。
ただ、シドの本来の型は一刀流で、この技は一刀流の技であるようです。
となると、ジョーはこの技は使えないはずですが、では、何故、シドはこの技をジョーに見せたのか?
そのあたりはちょっと今のところ、よく分かりません。

とにかく、その技を初めて見た時の衝撃を、今でもジョーは忘れられないようで、その記憶は鮮明に残っています。
それは、シド先輩との交流の中の最も光り輝く記憶なのでしょう。
ならば、楽しい記憶であるはずです。
しかしジョーはシドとの記憶を思い出して、暗い表情となります。
シドとの記憶はジョーにとって辛い記憶でもあるようです。
どうしても忘れられない辛い記憶があり、それゆえ、楽しかった頃の記憶もまた忘れられないようです。
そこのあたりに、ルカの言っていたように、ジョーの剣へのこだわりの原因があるのかもしれません。

剣道部を見てシドとの楽しかった頃のことを思い出してしまったせいで、辛い記憶も思い出してしまったようで、
ジョーは剣道部の一団から目を逸らし、下を向いて苦しそうな表情で立ち尽くします。
すると、そこに、ジョーが突っ立ったままであることに気付いたアイムが駆けて戻ってきて
「ジョーさん!どうしたのですか?」と、にこやかに尋ねます。
するとジョーは、まだ頭が半分シドとの記憶に揺れているようで、少し虚ろな表情のまま
「昔のことを・・・思い出していた・・・」と答え、剣道部の方をチラリと見ます。

アイムは「えっ?」と言って、ジョーの視線に釣られて剣道部の方を見て、
ジョーが剣の稽古に関する記憶を思い出していたことを悟り、ハッとして目を伏せます。
以前、第4話の時にルカがジョーに剣を教えてくれた人との辛い記憶があるんじゃないかと言っていたことを思い出したのです。
もしや、ジョーが目の前の剣の練習風景を見て、その辛い記憶を思い出しているのではないかとアイムは心配しましたが、
本当にそんな辛い記憶があるのかどうかは分かりません。ルカも推測で言っていただけだったのです。
実際のところはどうなのか分かりませんが、少なくともアイムはそう思っています。
だから確証は持てなかったし、ジョーにそんなこと聞けるはずもありません。
もし本当に辛い記憶があるのだとしたら、質問することで思い出させてしまうかもしれないからです。
だからアイムは下を向いて黙り込んでしまいました。

それに対してジョーは「・・・気にするな」と言って、マーベラス達の方へ向けて歩き出します。
すると、そこに突然、陣太鼓の音が鳴り響きます。
「ん?」とマーベラス達が立ち止って見ていると、マーベラス達の前に白い幟が何本も立ち並び、
白い大きな2枚の陣幕を広げて持った黒子たちが駆け込んできます。
その幟や陣幕には志葉家の家紋が描かれています。そして、この懐かしい陣太鼓の音色とくれば、
これは「シンケンジャー」本編で毎回定番だった、シンケンジャー達が外道衆を成敗するために現れる際の定番の演出です。

この2枚の陣幕の間にシンケンジャー達が入ってきて着替え、
前の陣幕を黒子達が引っ張って退かせると、敵の目の前に陣幕を背負って袴姿のシンケンジャー6人が登場し、
「そこまでだ外道衆!」と言って、変身して名乗り口上が始まるのです。
このなんともバカバカしい登場の仕方は敵と戦い成敗する時だけですから、
今回、志葉家がこういう形でマーベラス達の前に現れたということは、
今回、成敗の対象はマーベラス達、宇宙海賊ということになります。

何やら不穏な情勢ですが、そんなことは「シンケンジャー」を見たことがある人しか分からないことなので、
もちろん志葉家の存在すら知らないマーベラス達に分かるわけがなく、
5人は走り回る黒子たちを呆気にとられて見ているだけです。

そして前にある陣幕が退いて無くなると、そこに現れたのはシンケンジャーの6人ではなく、
1人の袴姿の美少女と、1人の羽織姿の老人でした。
全く事態の呑み込めないマーベラスはその2人を見て「なんだありゃ?」と呆気に取られます。
そこに突然、老人の方が「海賊衆ども、よっく聞け〜い!
こちらにおわす方はこの世を守る侍にして、先のシンケンレッド、志葉薫様にあらせられるぞぉっ!!」と、
まるで時代劇のような口上を述べ始めたのでした。

この美少女、よく見れば、というか、どう見ても当代、すなわち十九代目シンケンレッド志葉丈瑠の養母にして
先代である十八代目シンケンレッドであった志葉薫です。
演じているのはオリジナル役者の夏居瑠奈ちゃん本人ですから、顔を見ればすぐ分かります。
「侍戦隊シンケンジャー」は2009年度作品で、瑠奈ちゃんは薫役を演じた当時は14歳、現在は15歳で、
「シンケンジャー」当時はまだ幼い感じでしたが、今回は少し成長して、背も伸びており、
顔も少しほっそりして、より女っぽく綺麗になった印象です。

なお、劇中設定の薫は「シンケンジャー」本編登場時は16歳ぐらいの設定でしたので、
その後、レジェンド大戦を経て数年経過していたりして、この場面では何歳なのかイマイチ分かりません。
しかしまぁ、どう見ても20歳は超えていない感じです。
どうしてそんな少女がとっくに成人している丈瑠の母親なのかということは、話せば異常に長くなるのでここでは触れませんが、
とにかく丈瑠に家督を譲った後は薫は隠居の身だったはずですが、
どうしてこのような袴姿や陣幕、陣太鼓など、志葉家のしきたりとしては戦いに臨むシチュエーションで現れたのか不明です。

そして、この薫の横に立つ老人はどう見ても薫のお付きの家老、丹波歳三です。
こちらもオリジナル役者の松澤一之氏が演じておられます。
この丹波も「シンケンジャー」以来の登場ですが、相変わらずの高慢で高圧的、時代錯誤な空気を見事に漂わせています。
なお、よく見れば黒子たちもちゃんと裃付きの薫お付きのタイプの黒子になっています。

ちなみにこの丹波の口上、「シンケンジャー」第一幕での丈瑠の家老である彦馬の
「外道衆ども、よっく聞けい!」で始まる口上のオマージュになっていて、
そのためか、マーベラス達は丹波や薫には「海賊衆」と呼ばれることになります。
それにしても、この口上というヤツは「シンケンジャー」本編でも大変便利な代物だったのですが、
設定を簡潔に説明してくれる自然な説明台詞になっており、
ここでもごく自然な形で薫が侍であり元シンケンレッドであることを説明してくれています。
事態が全く呑み込めなかったマーベラス達も、この丹波の口上のおかげで状況がようやく分かってきたのでした。

まずルカが「サムルァ〜イで・・・シンケンレッドぉ!?」と、丹波の言葉の意味を反芻するように繰り返し、ハカセの方を見ます。
ルカと目を合わせたハカセは何かに気付いたように「はっ・・・ってことは!」と叫びます。
この老人の言うようにこの少女がサムルァ〜イ(侍)だとするならば、
ナビィの言っていた「サムルァ〜イ」はこの少女のことを指しており、
この少女が老人の言うようにシンケンレッドだというのなら、
ナビィの今回のお告げは「シンケンジャーの大いなる力」を獲得するためのヒントだった可能性が高いということです。
そのことにハカセは気付いたのです。同時に他の4人も気付いたと見ていいでしょう。

ただ1つここで気になるのは、丹波が薫のことを「シンケンレッド」だと紹介して、
少なくともハカセは薫がシンケンレッドだと確信しているにもかかわらず、
他のレジェンドゲスト回のレッドのように薫と変身後のレッドの姿とのオーバーラップ演出が無いことです。
ここまで出てきた他のレッドの場合、
ゴーカイジャー側の意識として目の前にいる人物が「○○レッド」であるという事実が確信あるいは強く推測された時点で
このオーバーラップ演出がなされてきています。
心が通じ合っているか否かは大きなポイントではないのは第9話の走の例から推測出来ますので、
今回の薫の場合、この口上のシーンでシンケンレッドの姿とのオーバーラップの演出が有って然るべきです。

しかし、それが無いというのは何を意味するのか。
単に次回の後篇の良いシーンでやるつもりなのか。
それとも薫の場合はレッドはレッドでも主役レッドではなかったから
オーバーラップ演出の対象外であり、今回のシンケンジャー篇はこの演出は無しになるのか。
あるいはオーバーラップ演出は後篇で別のレッドが登場した時にやるつもりなのか。
今のところはどういうことなのか、ちょっと分かりません。

そこに丹波の「ええ〜い!!姫の御前である!頭が高い!!控えおろう!!」という怒号が響き渡ります。
マーベラス達がずっと突っ立ったままであるのが気に入らないようです。
しかし宇宙からやって来たマーベラス達が姫だの侍だの言われて頭を下げるという意識があるわけもなく、
丹波は相変わらず薫と志葉家のことしか目に入っていない空気の読めなさっぷりが素晴らしいです。
薫はこの丹波に養育された割にはマトモな人間なので、少し困った顔して
「・・・丹波!もういい!・・・海賊衆にそのようなセリフが通用するものか!下がれ!」と丹波を一喝し、
薫には逆らえない丹波はすごすごと引き下がります。
ここで初めて薫は喋ったわけですが、相変わらず低くてドスのきいた、凛々しく威厳のある声です。
薫というキャラの最大の魅力はこの声と喋り方にあります。

薫というキャラには「殿モード」と「姫モード」があり、
ここで登場してきているのは「殿モード」の方の薫です。
「殿モード」というのは、袴姿で、赤い紐でポニーテールにくくった髪型で、厳しい表情をして、
低い男のような声で上から目線の男言葉で喋り、当主として戦いに臨むために女であることを捨てた姿です。
「シンケンジャー」の終盤に登場した時はこの殿モードの薫でした。

一方、時系列的にその後にあたる「ゴセイジャーVSシンケンジャー」に登場した時の薫は、
女らしい綺麗な着物姿で髪型も飾りをつけて華麗に整えてあり、表情は柔和で、
甘い女らしい声で丁寧な言葉で喋る、見た感じのままの女らしい姿でした。
これが「姫モード」です。
但し、「姫モード」の姿の時でも家臣に対しては威厳ある態度で接しますが。

もともと「姫モード」も存在したのか、
それとも「シンケンジャー」の最後に当主から隠居してから「姫モード」が新たに生じたのか、
どちらなのかは分かりませんが、
「殿モード」が戦いに臨む姿で、「姫モード」は戦うことを前提としない本来の女性としての薫の姿なのでしょう。
「ゴセイジャーVSシンケンジャー」に出た時の薫は戦いませんでした。
隠居した後は基本的には「姫モード」のはずなのでしょう。

ところが隠居したはずの薫が今回、「殿モード」で現れています。
もちろん薫というキャラの最大の魅力は、この「殿モード」の凛々しい姿や太い声や男口調と
可憐な少女の外見とのギャップの魅力なので、視聴者的には大歓迎なのですが、
それが何故なのかは分かりません。
まぁ地球はザンギャックの侵略を受けている状態ですから、
この世を守るシンケンジャーとしては変身能力を失ったとはいっても何らかの形で戦わないわけにはいかず、
薫も隠居中だとか言っている場合ではなくなっているのでしょうけれども、
とにかくこの場に陣幕を背負い黒子を従えて「殿モード」で現れたということは、
何故なのかは分かりませんが、マーベラス一味を相手に戦う覚悟であるのは明白です。
となると、これは大変で、薫は外見な小柄な少女ですが、その剣の腕は恐るべき達人です。

ただ、そんなことも含めて薫の恐ろしさをマーベラスは何も知りませんから、
どう見ても自分よりも年下の少女がお付きの老人を叱っている姿を見て、
ママゴトのような滑稽さを感じて、舐めたようにニヤリと笑います。
そうしてニヤニヤしているマーベラスにキッとした視線を向け、
薫は「単刀直入に言おう!シンケンジャーのレンジャーキーを返せ!」と、
相変わらずの有無を言わせぬ上から目線の殿モードで言います。

なんと薫がマーベラス一味の前に現れた動機は、シンケンジャーのレンジャーキーを取り戻すためだったのです。
これはまた今までに無いパターンです。
これまでレジェンドゲストでマーベラス一味の居場所を突き止めてやって来たというパターン自体、初めてです。
魁は自分の待ち伏せる場所まで呼び込んだのであり、
ジャスミンやドギーは逮捕しようとして行方は捜していましたが出会ったのは偶然でしたし、
ジャンは全くたまたま出会っただけ、
走の場合はマーベラス達が天空島から落ちて来た場所に走が居たというだけのことです。

この中では魁だけ、レンジャーキーに絡んだ何らかの意図を持ってマーベラス達に近付いていますが、
魁は彼らを試しただけであり、レンジャーキーを取り戻すのが前提であったわけではありません。
試してみてダメと判断したなら取り戻したかもしれませんが、最初から取り戻すことが前提ではありません。
最初から取り戻す意思がハッキリしているのは薫が初めてです。

そもそも他のレジェンドゲスト達の行動を見る限り、
レジェンド戦士たちが何らかの組織的な監視体制でマーベラス一味の行動を把握しているというわけではないようです。
だから、薫がこの場に現れたというのは、
志葉家という独自に自由に動かせる公然の秘密組織を使って居場所を突き止めてのことなのでしょう。
わざわざそんなことをしてまでレンジャーキーを取り戻したいのです。
それがどうしてなのかはよく分かりません。
レンジャーキーというものが謎だらけなので、よく分からないのです。

だいたい「返せ」と言っても、レンジャーキー自体はもともとアカレッドからマーベラスに託されたもので、
マーベラスの所有物であるはずです。
第2話で出てきた少年もレンジャーキーは地球のものだからと言って取り戻そうとしましたが、
自分の言い分に正当性があまり無いことが分かっていたのでコソコソと騙し取ろうとしました。
少年も実際はレンジャーキー自体はマーベラスの所有物であり、
それを奪い取るのは泥棒と変わらないのだと自覚はしていたのです。

ところが薫は最初から堂々と「返せ」と言って迫っています。
しかも細々と根拠となる理屈も示そうともしません。
まさに有無を言わせずという感じで、ここまで堂々とされると薫の方が正しいように思えてしまいます。
これは志葉薫という、高圧的で無理無体な態度が全く嫌味にならないという
特異なキャラだからこそ生じる変な説得力であるといえます。

しかしマーベラスも宇宙に名を馳せた俺様キャラですから負けていません。
「フン!」と思いっきり鼻で笑い「単刀直入に言うぜ・・・ふざけんな!」と悪ガキのように言い返します。
マーベラスも薫がシンケンジャーの関係者であることは理解しましたが、
どうしても見た目で判断して、小娘がイキがっているようにしか思っていないようです。
いやまぁ、もし相手が屈強な大男だったとしても、多分同じような態度だとは思います。
だってレンジャーキーはやっぱりどう考えてもマーベラスのものなのです。

しかし、このマーベラスの態度を丹波は無礼と感じたようです。
丹波にとっては薫が絶対ですから、薫がどんな理不尽を言っても、それは正しいのです。
だから薫がシンケンジャーのレンジャーキーは自分のモノだと言えば、それはその通りなのであり、
それを否定するマーベラスは無礼者ということになります。
というか、そもそも海賊が薫にタメ口である時点でダメなのでしょう。

腹を立てた丹波は「きっさまぁ〜・・・姫に向かってぇ!」と、マーベラスに向かって突進しようとしますが、
薫が胸元に差していた扇子を出して丹波の頭をバシッと叩いて「下がれ!!」と一喝すると、
「ほ〜う!」と痛がって頭を押さえて引き下がります。
薫としてはマーベラスが拒否することなど予想していたことであり、ここからが大事なのである。
その大事の前に空気を読まない発言をする丹波を扇子やハリセンで叩いて制裁するというのは、
「シンケンジャー」本編の頃から、この2人のお約束のドツキ漫才のようなものです。
これが無いと薫と丹波を並べて出した意味は無いのであって、
これだけでもう丹波が出てきた意義の6割ぐらいは達成されたと言ってもいいでしょう。

丹波が引っ込むと、薫は扇子を胸元にしまいながら「やむをえぬ!」と淡々と言います。
すると黒子が1人出てきて、屈んでシンケンマルを薫に差しだします。
シンケンマルはシンケンジャーのメンバーがモヂカラで実体化させた特殊な剣なのであって、
それがここで出てくるということは、薫たちはモヂカラは使えるようです。
レジェンド大戦では変身能力や変身後の戦闘能力が失われただけという設定のようです。
確かに「シンケンジャー」本編でも丈瑠たちは生身でモヂカラを使ったりシンケンマルを使って戦ったりしていました。
変身能力は無くてもモヂカラやシンケンマルは使えるのです。
その設定を活かして、レジェンド大戦後でもシンケンジャーのメンバーはそれなりに戦える設定にしているようです。

そのシンケンマルを淡々と受け取った薫はゆっくりと構えると、「腕ずくで取り返す!」と言うなり、
いきなりマーベラスに向かって突進し、斬りかかったのでした。
薫はマーベラスが挑発的な言葉で返答してきても丹波のように激昂していません。
丹波は薫が絶対的に正しいと思っているので怒るのですが、
薫は自分が正しいなどとは全く思っていないので、自分の申し出が拒否されても全然腹が立たないのです。
むしろマーベラスが拒否してくるのが当然だと思っています。
マーベラスとしては戦いを予感して、挑発して相手の冷静さを奪う作戦だったのかもしれませんが、
薫にはそれは通用しなかったようです。

薫は別にシンケンジャーのレンジャーキーが絶対に自分の所有物であるべきだとか思っているわけではありません。
といって、マーベラスの所有物だと認めたわけでもありません。
誰の所有であるとか、そういうことはどうでもいいと思っています。
だからマーベラスの挑発に乗って激昂などしません。
むしろマーベラスが明確に拒絶してくれたおかげで予定通りの行動に持っていきやすくなっただけのことです。

薫は最初からマーベラス一味と戦うつもりでした。
といって、魁のようにマーベラス達を試そうとしているのではありません。
本気で倒すつもりで戦います。
薫の論理は至ってシンプルです。
戦って勝った方がレンジャーキーの所有者になればいいのです。
マーベラス達が自分に負けるようであれば、ザンギャックにも勝てないのだから、この世を守ることは出来ない。
そんな連中がシンケンジャーのレンジャーキーを持っていても仕方ない。
だから勝った方が奪い取ればいい。そういう考え方です。
もともと誰の所有物であるかとか、そういう正当性のようなものは薫にとってはどうでもいいのです。

薫にとって、唯一正しいことは「この世を守ること」であり、
そのためにはあらゆる嘘や卑怯や誤魔化しや非情も正当化されるのです。
それぐらい「この世を守る」ということは何にも替え難いほど重要であり、
この世を守るためには手段は選ばず、その結果どんな罪でも苦しみでも背負わなければならない。
ぶっちゃけて言えば「シンケンジャー」というのは、そういう物語でした。
いや、厳密には、人間はそこまでの境地にはなかなかいけないもので、
「シンケンジャー」というのは、最終的に7人の侍がそういう境地までいくまでの紆余曲折を描いた物語だといえます。
その境地に至るために必要不可欠な要素が、
おそらく今回「シンケンジャーの大いなる力」を得るためのキーワードとなるものなのでしょうけれど、
とにかく薫はその境地に達した身ですから、その剣に迷いはありません。

マーベラスは最初は舐めてかかって素手であしらおうとしますが、
しのぎきれず防戦一方となり、足を斬られそうになり、ギリギリのところで跳んで避けます。
このあたり、さすがにマーベラスも大した動きを見せますが、
薫は「ほ〜う・・・よく避けたな!」とうすら笑いを浮かべて余裕の表情でシンケンマルを上段に構え直します。
マーベラスが素手で避けているだけなら遠からず仕留められるという手応えを薫は得たようです。

公平な勝負をすべきだなどという考え方も薫にはそもそもありません。
勝負となれば手を抜いた方が負けるのは当然という考えですから、
このまま素手のマーベラスを斬ることに躊躇いはありません。
一方、マーベラスの方は薫から距離を置いてしゃがみこんで対峙しながら、
後ろ手にゴーカイガンを隠し持ちます。
小娘と思って舐めていたら、とんでもない太刀筋で、とても素手ではしのぎきれないと悟ったのです。
マーベラスもまた薫同様、戦いに勝つために手段は選ばないキャラです。

このマーベラス達が自由自在にゴーカイガンやゴーカイサーベルを取り出す仕組みがどうなっているのか不明ですが、
とにかく彼らはこの2つの武器とレンジャーキーは変身前の姿でも
自由に取り出すことが出来るシステムを持っているようです。
となると、ここは薫のシンケンマルに対抗してゴーカイサーベルでも良さそうなものですが、
そこであえてゴーカイガンを使おうとしているあたり、接近戦では不利だと判断しているということです。
それだけマーベラスは薫の剣の腕を高く評価したということです。
「侍に注意するナリ」というナビィのお告げはなるほどこういう意味だったのかとマーベラスは悟り、
ならばもう手段は選んでいられないと思ったのでした。

薫もマーベラスの動きは気付いていますから、
マーベラスがゴーカイガンを構えて立ち上がって自分に狙いを定めても驚きはしません。
公平な勝負などにこだわりは無いのです。
戦いに勝つために手段を選ばないのは当たり前であり、
むしろ、これでようやく戦いらしくなってきたと思いました。

しかし、2人の立ち回りを横で見ていたアイムはマーベラスが銃を取り出したのを見て驚き、
慌てて2人の間に割って入り「ちょっと待ってください!お二人とも落ち着いてください!」と叫びます。
最初はアイムもマーベラスが素手で軽くあしらおうとしていると思って安心して見ていたのですが、
マーベラスが銃を持ち出さねばならないほど余裕が無いこと、つまりそれだけの剣の腕の相手だと気付いて驚いたのです。
マーベラスが生身の人間相手の銃を向けるなど、アイムは初めて見たのであろうし、
これ以上戦いが本気のものになって、生身の少女を撃つマーベラスなど見たくはなかったのでしょう。

アイムに呼応してハカセも「そうだよ!その人はシンケンジャーの大いなる力の秘密を知ってるんだよ!」と言います。
銃などで撃って万が一殺してしまったら大いなる力が手に入らなくなってしまうとハカセは心配しているのです。
ハカセも最近はようやく「大いなる力」の獲得方法について少しは分かってきたようです。
元戦隊メンバーの意思でゴーカイジャーに大いなる力を与えたりしてくれるわけではないということはハカセにも分かってきましたが、
それでも「大いなる力」についての貴重な情報を与えてくれる存在であるのは間違いないのです。
実際はおそらくレジェンドゲストがゴーカイジャーの中にある要素を
自分達の戦隊の「大いなる力」と同一のものだと認めることが「大いなる力」が発動するきっかけになるようなのですが、
そこまではハカセもまだ気付いていません。
ただ貴重な情報源となる人に銃を向けてどうするんだと、マーベラスの行動に呆れているのです。

薫の方は、せっかく戦いがまともに始まろうとしたところで
ハカセの発言で水を差された形となり、少し迷惑そうな顔をします。
マーベラスは「ああ?・・・いきなり斬りかかってきたのはコイツだぞ?」と憮然とした様子でハカセに言い返します。
相手が何であろうが、いきなり斬りつけられて大人しく引き下がっていられるわけはないと、
自分の行動を正当化しているのですが、
そうは言っても、もともとはマーベラスも薫が何かお宝の情報を知っていると思って
素手で対応しようとしていたのであり、それでヤバくなったので思わず銃を出してしまったに過ぎず、
確かに慎重さに欠けた行動だったことは内心認めざるを得ませんでした。

なので、ジョーが歩み寄って「なかなか良い太刀筋だ!」と言いつつ
マーベラスの構えた銃の上を叩いて、銃を下ろすように促すと、
マーベラスも「・・・しょうがねぇ」と言って、銃を下ろしました。
するとジョーは薫の方に向き直り「俺と勝負で決めないか?」と、いきなり真剣な眼差しで持ちかけます。
それに対して「何ぃ・・・?」と薫は怪訝そうな顔をします。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 09:26 | Comment(0) | 第11話「真剣大騒動」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第11話「真剣大騒動」感想その3

その頃、ギガントホースには何やら紫色の小型艇のようなものが接舷し、艦内に警報音が鳴り響きます。
強制接舷した紫色の小型艇から予期せぬ侵入者があったようです。
「何だ?何事だ?」と狼狽してゴーミンの陰に隠れるワルズ・ギル、小者過ぎます。
その指令室に入ってきた侵入者は青い身体をして剣を持った怪人で、
警備のゴーミン達を「邪魔だ!」と蹴散らしながら突き進んできます。
ワルズ・ギルの危機と見たバリゾーグはこの青い怪人に斬りかかり、
その剣を剣で受け止めた青い怪人と睨み合い、一色即発の状況となります。
ここで物語の中で初めてバリゾーグが剣を振るいましたが、やはりかなりの使い手のようです。

その時、その青い怪人の姿を見て、ワルズ・ギルが「お・・・お前はデラツエイガー!?」と驚きます。
ダマラスも「皇帝陛下直属の親衛隊長のお前が何故!?」と驚き、訊ねます。
ワルズ・ギルとダマラスの説明台詞のおかげで分かりましたが、この青い怪人の名はデラツエイガーといい、
ザンギャック皇帝の直属の親衛隊長であるようです。
それにしても「デラツエイガー」というネーミングセンスは、
もうこれは絶対に荒川氏が名付け親だと分かってしまうネーミングです。
名古屋弁で「すごく強い」という意味そのまんまです。荒川氏どんだけ郷土愛強いんですか?

まぁ名前はどうでもいいんですが、このデラツエイガー、皇帝の親衛隊長ということは、
ワルズ・ギルにおけるバリゾーグのようなもので、常に皇帝の傍にいるべき存在です。
当然、本国にいるはずで、こんな辺境に居るはずがないヤツです。
ワルズ・ギルやダマラスは本国の帝国中枢の組織とも直接繋がる身分なので、
デラツエイガーのそういう立場は知っているようで、
それゆえにここにいきなりデラツエイガーが現れたことに大いに驚いているのです。

また、デラツエイガーは皇帝の親衛隊長を務めるぐらいですから、
おそらくその名の通り、ザンギャック帝国でもトップクラスの武人なのでしょう。
その剣を受け止めて、突進を止めたわけですから、バリゾーグもまたかなりの達人であるということになります。
が、ワルズ・ギルの反応を見て、この青い怪人がワルズ・ギルに危害を加える存在ではないと
判断したバリゾーグは剣を握る手の力を緩めます。
するとデラツエイガーはバリゾーグの剣を跳ねのけ、ワルズ・ギルに恭しく敬礼をしながら
「陛下から殿下のお役に立てとの命を受けてな・・・」とダマラスの質問に答えます。
そしてダマラスに向かって「・・・ダマラス!貴様がついていながら、未だに地球ごときを征服出来んとは、情けないぞ!」と
嫌味を言い、ダマラスは「ぐぅ・・・!」と屈辱を受け、黙りこみます。

ダマラスとタメ口同士の間柄ということは、
このデラツエイガーはダマラスとは帝国内では対等ぐらいの立場で、しかも旧知の間柄であるようです。
おそらくもともとはダマラスも皇帝直属の精鋭の武人の1人だったのでしょうが、
皇帝のバカ息子のワルズ・ギルが地球征服をしたいと言い出したので、お目付役として同行させられた不幸な人なのでしょう。
ただ、デラツエイガーも嫌味は言っていますが、「貴様がついていながら」と言っているところを見ると、
ダマラスの武人としての実力は一目置いているのであり、ダマラスが本来はかなりの実力者であることは分かります。
それを全く活用出来ていないワルズ・ギルが本当は一番の問題なのです。

今回、デラツエイガーがこんな乱暴な登場の仕方をせねばならなかったのは、
ギガントホースにデラツイエガーがやって来ることが事前に全く知らされていなかったので
ゴーミン達が侵入者と勘違いして行く手を阻もうとしたせいです。
ちゃんと事前に連絡しておけばこんな無用の混乱を起こす必要も無かったのに、
何故デラツエイガーはそのようにしなかったのかというと、
事前に連絡したら来訪を断られてしまう可能性が高かったからでしょう。

おそらく第1話あたりでもやっていたように、
ワルズ・ギルは地球征服作戦が失敗続きであることを本国には隠していたようです。
ところが前回、海賊対策に手を焼くダマラスらに造反までされて焦ったワルズ・ギルは
本国から貴重な特別破壊部隊まで呼び寄せ、しかもそれをマーベラス一味に壊滅させられてしまいました。
ここに至って、遂に本国の方でもワルズ・ギル軍の実態が露見してしまったようで、
何とかしなければいけないということになり、皇帝は親衛隊長のデラツエイガーを応援に送り込むことにしたのですが、
それを正式な作戦として発令すると、当然、地球派遣軍の責任問題となり、
皇帝の息子であるワルズ・ギルの責任が問われることになります。
そうするわけにはいかなかったので、極秘の任務としてデラツエイガーを派遣したのでしょう。
それに、地球派遣軍の方に事前に極秘に通達すれば、
「作戦は順調なので増援の必要は無し」としらばっくれられるのは予想出来たので、
地球派遣軍のへの事前の連絡も無く、いきなり押しかけることにしたのでしょう。

その結果、こうしてデラツエイガーがいきなり現れて
地球派遣軍のダメっぷりが本国にバレてしまっていることを知らされ、ダマラスの面目は丸潰れです。
その責任は本来は司令官のワルズ・ギルが負うべきものですが、
このようなデラツエイガーの極秘派遣が行われているということは、
公式にワルズ・ギルの責任は追及しないという皇帝の過保護な方針の反映であることはダマラスにも分かります。
そして、その皇帝の親衛隊長が現れていきなり自分に叱責めいたことを言うということは、
これは皇帝が自分を叱責しているということであり、
皇帝の意思は、地球征服作戦のこれまでの失態の全責任を自分に押しつけることなのだとダマラスには痛感されました。
武人としてあまりに情けない事態に、ダマラスは屈辱に打ちのめされ、言葉を失ったのでした。

一方、ワルズ・ギルはバカのくせにそうした自分の責任回避についての勘はやたら鋭い男なので
「そうかそうか・・・父上が・・・」と、安堵したようにほくそ笑みます。
地球征服作戦の失敗が父にバレたことを一瞬恐れましたが、
失敗しても自分を守ってくれる父の方針を感じ取り、安心したようです。
まぁ、この男、もともと作戦失敗に自分の責任など感じていたとは思えませんが、
それでも司令官という立場上、責任を負わされるのではないかとヒヤヒヤしていたようです。

それで調子に乗ったワルズ・ギルはすっかり気が大きくなり、
「デラツエイガーがいれば何も恐れるものは無ぁい!ただちに出撃準備だ!!」と偉そうに命令します。
ちょうど欠員が出て困っていた行動隊長にデラツエイガーを据えて作戦を遂行することにしたのです。
「今度こそ一気に地球を征服して、父上に見せつけてやる!」と、
さっきまでのドン底状態から一転して、ワルズ・ギルは燃えに燃えます。
温情をかけてくれた父親に雄姿を見せて恩返しをしたいという、ボンボンなりの親孝行の気持ちが湧いてきたようです。
そういう気分が昂じて「そうだ・・・俺も行くぞ!」とワルズ・ギルは思いついたように言い出します。
地球に降り立った征服者としての雄姿を記念撮影でもして父に送りたくなったのでしょう。

それを聞いて「ワルズ・ギル様直々に・・・?」とインサーンが疑問を呈するように言います。
作戦上はワルズ・ギルが一緒に行く意味などどう考えてもありません。
無意味なパフォーマンスに過ぎないのは明白なのです。
いや、もしかしたらワルズ・ギルがデラツエイガーに匹敵する武人である可能性も無いことも無いのですが、
もしそうだったとしても、司令官がここで最前線に立つ必要はありません。
デラツエイガーがいれば大丈夫だと、今ワルズ・ギル本人が言ったのですから。
ワルズ・ギルが前線に立つことで兵の士気を鼓舞出来るタイプならそれでもまだ多少は意味はあるでしょうけれど、
到底そんなタイプには見えません。
もう絶対にこれは無意味なパフォーマンス以外の何物でもありません。

なので、「いや・・・殿下に万が一のことがあっては帝国の一大事・・・!」とダマラスは必死に止めようとします。
本当はこのバカ息子が死んでも帝国に影響など皆無と思ってるはずですが、
もしバカ息子が下らないパフォーマンスのせいで死んだりしたらどうせ自分が責任を追及されて
自分の身が一大事になることが分かってるのでダマラスも必死です。
しかしワルズ・ギルは当然「余計な心配をするな!」と一喝してダマラスの諫言を退けます。

ただ、「万が一のこと」と言われて少し怖くなったのか「・・・バリゾーグ!お前も来い!」と、
バリゾーグに自分の身辺警護のため同行するよう命じます。
「イエス、ボス」とバリゾーグは当然、従います。
そうして、地球に降り立つ自分の雄姿を想像して、ワルズ・ギルはすっかりハイになり、
窓の外に見える地球をバックに「ハッハッハッハッハ・・・」と両手を広げて高笑いします。
なんだかワルズ・ギルのクセに悪の組織の首領みたいに見えます。

さて、その少し後のこと、マーベラス一味と志葉家御一同様は、先ほどの公園から場所を移動し、
人気の少ない日本庭園のような場所に来ていました。
そこで、他の皆が並んで見守る前で、
ジョーと薫がそれぞれゴーカイサーベルとシンケンマルを手にして、やや長い間合いで対峙しています。
シンケンジャー篇らしい時代劇っぽい場所へ移動しての、これはまさに決闘です。
ジョーが薫に申し出た「勝負で決める」というのは、1対1の決闘で決着をつけようということだったのです。

薫としてはレンジャーキーを手に入れるための戦いは既に始めていたつもりだったので、
マーベラス達が戦いを止めたい、つまり降参したいと言うのなら戦いを止めるのも分かるが、
どうして戦いを続けるのに、わざわざこうして仕切り直さねばならないのか理解し難いものがありました。
理由があるとすれば、マーベラスではなくジョーが戦うことに意味があるとしか思えません。
「何故、船長ではなくお前が?」と、シンケンマルを正眼に構えたまま薫はジョーに問いかけます。
するとジョーは「あんたの腕は本物だ・・・マーベラスとやらせたら怪我じゃ済まなくなる」と答えます。

ここでジョーは薫よりもマーベラスの方が強いと言っているわけではありません。
むしろ剣の腕ではマーベラスは薫には勝てないだろうと、剣の達人であるジョーは見ています。
しかしマーベラスもレンジャーキーを奪われるわけにはいかないので勝たねばならない。
マーベラスが薫に勝つためには銃を使って何でもアリで戦うしかない。
銃を使っても必ずマーベラスが勝てるかどうか分からないが、勝てる確率は高くなる。
しかし、その場合、マーベラスも必死でやるので急所を外して撃つなど加減が出来なくなり、
事故が起きて薫が死んでしまう可能性も高い。
しかし、もしそんなことになったら、シンケンジャーの大いなる力を手に入れられなくなってしまうかもしれないのです。
それではレンジャーキーを守っても元も子も無いわけで、
薫が戦う気でいる限り、どっちにしてもマーベラスと戦わせるわけにはいかないのです。

そこでジョーは自分と薫とで剣と剣の試合形式の決闘で勝負をつけようと考えたのです。
ジョーは自分の剣の腕ならば薫と互角の勝負が出来ると思っていました。
薫は確実に勝てると言えるような相手ではありませんが、実力的には互角だとジョーは感じました。
銃と剣の勝負の場合と違い、剣と剣の勝負の場合、このように実力差があまり無いのが良いのです。
達人同士の互角の剣の勝負ならば、互いに防御も固いので大技が安易に決まるということはありません。
紙一重の差で指や腕や脚先など、末端から徐々に削っていき、
最後に相手が崩れたところで大技を決めて命を奪うという展開になります。
試合形式といっても真剣を使った立ち合いですから怪我をしないということは有り得ませんが、
まずは徐々に削っていく展開になるはずです。
そこで互いに身内を立ち合わせておいて、
もはや戦闘不能という段階まで追い詰められた側の身内がすかさず「参った」と言って勝負を止めるというルールにしたのです。

いや、そんなルールをいちいち説明したら薫が反発するのは火を見るより明らかなので、
薫にそういう風には説明などしていませんが、
このように身内を立ち合わせた形の決闘にすれば必ずそういう展開になるはずだとジョーは見込んでいます。
特に薫のお付きの丹波という老人の薫に対する甘い態度を見ていると、
この丹波という男が目の前で薫がトドメを刺されるのを見過ごすはずはないと思いました。
というか、ジョーは薫を戦闘不能にまで追い込んだらトドメを刺すつもりはそもそも有りません。
丹波が戦いを止めるのを待つゆとりはあります。

問題は逆の場合です。薫は普通に殺し合いだと思っているので、
薫が優勢となった場合、薫は躊躇せずにトドメを刺してくるでしょう。
また、マーベラスが簡単に降参するということもないでしょうから、
そうしているうちに薫はジョーを殺してしまうでしょう。
いや、マーベラスが降参しても薫は構わずジョーを殺す可能性もありました。
薫はレンジャーキーを奪えればそれでよいのですから、何をしでかすか分かったものではありません。

だから、ジョーは絶対にこの勝負に勝たねばなりません。いや、もとより勝つつもりでした。
レンジャーキーを手離すわけにはいかないし、シンケンジャーの大いなる力も手に入れなければならないのです。
ただ、勝たねばならない理由がそれだけならば、別にこんな決闘の形にしなくても、他に方法はあったかもしれません。
誠意をもって話しあうとか、全員で一斉に薫を押さえこんで捕まえてしまうとか、
何かの方法は試してみる価値はあったかもしれません。

結局、根本的には、ジョーは薫の剣の腕を見て、立ち合いたくなったのです。
剣へのこだわりが異常に強いジョーは、本物の達人である薫と腕比べをして、
自分の剣の方が勝っていることを証明したかったのです。
この時、特にジョーが強くそう思ったのは、さっきシドのことを思い出していたからでした。
ジョーの剣はシドに教わった剣です。
ジョーの剣が素晴らしいと証明されるということは、
ジョーの尊敬してやまないシドという剣術家の素晴らしさを証明することに通じるのです。
ジョーはそう思って自分の剣を磨いてきました。
先ほどのジョーのシドを思い出した時の哀しそうな表情からして、
それは単にシドの名声を上げたいというような欲望ではなく、
何か哀しい事情があってのこだわりであろうと推測はされます。
シドの剣で薫に勝ちたいとジョーは思い、勝てるはずだと思いました。

薫はシドの話など知りませんし、ジョーの剣へのこだわりなども知りませんが、
ジョーが巧妙に剣と剣の立ち合い試合のような形式に持ち込もうとしていることには気付きました。
それはつまり、ジョーは薫を殺すつもりでは向かってこないということです。
そう悟り、薫は拍子抜けしました。
薫は殺し合いをして生き残った方がレンジャーキーを手に入れればそれでいいではないかとシンプルに考えていたからです。

そもそも志葉家の剣術は極端な実戦剣法で、薫にとって戦いや勝負とは常に殺し合い以外の何物でもありません。
剣へのこだわりなど、そもそも無いと言っていいでしょう。
剣はこの世を守る血みどろの戦いのための道具でしかなく、愛着や思い入れを持つようなものではないのです。
いや全く思い入れが無いかといえば嘘になりますが、
薫やシンケンジャーにとってはそれだけ「この世を守る」という使命が絶対的なのであって、
それに比べれば、あらゆるものが軽いのです。

そういう薫から見れば、殺すつもりで戦おうとせず、試合をしようとしてくるジョーは随分とぬるい相手に思えました。
それは結局「この世を守る」という気概の無い連中だからぬるいのだろうとも思えました。
そもそも、薫自身はジョーを殺すつもりで戦うのです。
その自分に向かって殺すつもりもなく向かってきて勝てるとでも思っているのかと、薫は呆れ、
「随分なめられたものだ!」と言いましたが、
少し思いなおし、「・・・まぁいい!私が勝ったらシンケンジャーのレンジャーキーを渡してもらう!」とジョーに向かって言いました。
この際、ジョーの試合形式に乗ってみようと思ったのです。
勝ったらレンジャーキーを渡してもらうということは、勝ってもジョーを殺すつもりはないということです。

ここは普通に解釈すれば、
殺すつもりで向かってこない相手に殺すつもりで斬りかかるのは不公平だなどと考えたということなのでしょうが、
薫はそんなことを考えるほど常識人ではありません。
この世を守るために非常識になる戦隊、シンケンジャーですから。

おそらく薫が気になったのは、
ジョーが自分を殺すつもりで向かってくることが出来ない理由が「シンケンジャーの大いなる力」が
足枷になっているからだということだと思います。
そして、その「大いなる力」の件は薫も迷いのある部分なのでしょう。

薫自身はシンケンジャーの大いなる力は当然、シンケンジャーが使うべきだと思っています。
しかし、他のレジェンド戦隊のいくつかがゴーカイジャーに大いなる力を信じて託しているというのも事実です。
彼らは同じ「この世を守る」という志を持った仲間たちです。
その彼らがゴーカイジャーを信じているのならば、
自分も本当は信じるべきなのかしれないと、薫も微かに迷いがあります。

しかし、どう見ても目の前の海賊衆たちに「この世を守る」というような気概が有るようにも見えず、
信じるに足るような面があるとも思えず、
やはり予定通り、レンジャーキーを奪還しようとしていたのですが、
さっき「大いなる力」の話が出てきてから、薫の心には再び他のレジェンド戦士の事が思い出され、
少し迷いが生じていました。
その「大いなる力」のことが引っ掛かってジョーが殺すつもりの勝負を出来ないのなら、
この際、自分も「大いなる力」の件で考えがまとまるまでは海賊衆たちを殺すのは保留しようと、薫は思ったのでした。

まぁ、殺すつもり無く戦っても、
そもそも戦いと試合の区別もつかず、この世を守る気概もな無いようなぬるい連中に
自分が負けるとは薫は思っておらず、
どうせ勝ってレンジャーキーは取り戻せると思っていました。
ジョーは薫がすんなり試合形式を受けてくれたことを意外に思いつつ、
ならば試合らしく正々堂々とやらねばならないとばかりにゴーカイサーベルを1本だけ前方に構えて
「俺が勝ったら、シンケンジャーの大いなる力を教えてもらうぞ!」と試合の約束事の念を押しました。

ジョーは本来は二刀流なのですが、薫がシンケンマル1本しか構えていないので、
ジョーも公平な勝負を意識して剣は1本としたのです。
しかし、これでは本来一刀流の薫と本来二刀流のジョーとでは
同じ一刀流でもジョーの方が不利ではないかとも解釈できますが、
ジョーは一刀流で戦えないわけではなく、単に完全な強さではないというのに過ぎない。
それならば薫もモヂカラの込められたディスクをさっきからシンケンマルに装着していながら全く使っていないので、
完全な強さを出していないという点では同じです。
おそらく、マーベラスとあのまま戦い続けて、マーベラスがゴーカイガンを使っていたら、
薫もモヂカラ攻撃をしていたと思われ、そうなると本当に互いに怪我じゃ済まない状況になっていたことでしょう。
このジョーとの決闘でも薫は当初はモヂカラも使おうと思っていたのでしょうけれど、
とりあえずこの勝負ではそれは封印することとしました。
1本の剣と1本の剣との勝負に付き合うことにしたのです。

そうしてジョーと薫の2人は長めの間合いで剣を構えて対峙したまま、じっと動かなくなりました。
しばらくそうした時間が流れて、
ルカが焦れたように「なんで?なんで二人とも動かないの?」とマーベラスに尋ねます。
するとマーベラスはじっと2人を見つめたままニヤリと笑い
「本当に強い者同士の戦いってのは、そういうモンだ!」と言います。
ドヤ顔でそう言ってますが、じゃあさっきのあんたのバタバタした戦い方は何だったのかとちょっと突っ込みたくなります。

まぁマーベラスが強者でないわけではなく、
ここでマーベラスが言っているのは「剣の達人同士」という意味なのでしょう。
この「静」と「動」のメリハリと間合いの攻防戦というのが、
まさに「剣の達人」たちが戦う「シンケンジャー」という作品のアクションの最も特徴的な点で、
シリーズ歴代作品でも異色な点です。
ここでのルカとマーベラスのこの遣り取りは、
このジョーと薫の戦いのシーンはこの「シンケンジャー」の世界観でやるという宣言のようなものです。

それと同時に、宇宙海賊であるルカにはそれは全く理解不能の世界であるということを示し、
地球外からやって来たという点を印象づけています。
そしてマーベラスはそうした戦いの世界もあるということは知りつつも、
マーベラス本人はそういう戦い方をするタイプではないということで、
さっきのマーベラスと薫のアクションシーンは、
実は「ゴーカイジャー」的なアクションと「シンケンジャー」的なアクションが
絶妙なコラボレーションをしていたシーンで、かなり見所満載なのでした。

そして、遂に勝負の火蓋が切られたジョーと薫の殺陣は、これはもうお見事と言うしかありません。
まさに「シンケンジャー」を彷彿させるチャンバラ時代劇そのもののアングルやカット割り、
剣術の迫力満点のアクションでありながら、
随所にスピーディーでトリッキーな動きやアクロバチックな動きを入れてくるという点で、
これは「シンケンジャー」のアクションは超えています。

ジョーの素面アクションは、「シンケンジャー」に出てもおかしくないぐらいハイレベルですし、
夏居瑠奈ちゃんも結構動けています。
2人ともスタントマンのカットと上手く繋いでありますが、
これはもちろん繋ぎが絶妙に上手いのですが、
本人もそれなりにちゃんと動けているからスムーズに繋がるのであり、
ジョー役の山田くんは当然合格点として、瑠奈ちゃんも15歳のジュニアアイドルとは思えないぐらい動けています。

もう少し遅いと違和感が出そうなギリギリのところですが、
それは決して瑠奈ちゃんが遅いのではなく、スタントさんの動きが凄過ぎるのです。
意外に瑠奈ちゃんが動けるから、スタントさんが思いっきり動けたのかもしれません。
もちろん、この瑠奈ちゃんとスタントさんの2人による薫アクションの素晴らしさは
さっきの対マーベラス戦でも同様で、対するマーベラスの避けまくるアクションももちろん良かったです。

そして、このジョーとの戦いの中で薫が、
背面に回して立てたシンケンマルで敵の刃を受け止めるという、
いわゆる「殿受け」を見せてくれたのは素晴らしいサービスカットでした。
「殿受け」はシンケンレッド志葉丈瑠が得意とした防御術ですが、
薫も同じ志葉家の剣術を修めた身で同じ流派ですから、同じ技も使えるのでしょう。

そうしてジョーと薫は激しく斬り結びました。ジョーの予想通り、
薫は一筋縄ではいかない手強い相手でしたが、
薫は意外にジョーの剣が重いことに気付き、
もっとぬるくて軽い剣であろうと思っていた先入観を改め、気を引き締めました。
そうしていよいよ勝負は佳境に入ろうとしたその時、
その庭園から見上げる空にザンギャックの艦隊が現れ、街を攻撃し始めたのでした。

それを見上げ、2人は動きを止めます。
薫は「いかん!・・・勝負は一旦預ける!」と言って、全く逡巡することなく、すぐに街の方へ駆け出します。
「姫!」と慌てて丹波や黒子たちも続き、マーベラス達は庭園に取り残されます。
志葉家はこの世を守ることを使命とした集団ですから、こういう時に迷うことはありません。
レンジャーキーも大いなる力も剣の勝負も、それぞれ大事ではあるが、
それより何より、常に「この世を守ること」が優先されるのです。

一方、庭園に残ったマーベラス達は我が物顔で暴れ回るザンギャック艦隊を苦々しげに見上げます。
そしてマーベラスは「あれを片付けねぇと勝負は再開出来ねえなぁ・・・」と言います。
この勝負でジョーが勝って、シンケンジャーの大いなる力をゲット出来る寸前だったのに、
またザンギャックの空気を読めない攻撃のせいで台無しです。
だから、まずは邪魔なザンギャックを排除して、また勝負再開しなければいけない。
そういう趣旨なのですが、まぁいつものツンデレ発言であり、
実際は弱い者イジメばかりするザンギャックが気に喰わないわけです。
そうして、マーベラス一味も街の方へ向かって駆け出していくのでした。

ザンギャック艦隊は毎度のごとく、
ある程度の爆撃を終えたらゴーミンの地上部隊を降下させてきて街の人々を襲わせていました。
そこに駆け込んだ薫は袴姿のまま凄まじい剣さばきでゴーミン達をバッタバッタと斬り倒していきます。
袴姿でキックするのがインパクトあります。
さっきまでの決闘とはまた違った実戦の迫力がある鬼気迫る殺陣です。
やはりチャンバラアクションも一番の見せ場は、1人で大勢の敵相手に連続した殺陣を見せる時ですから、
今回のチャンバラアクションは3つの違った面白味のある殺陣を見せてもらい、大満足です。

しかし薫姫、変身出来ないのにやたら強いです。
この手慣れた感じを見る限り、いつもこういうことをやってるような印象です。
丹波や姫黒子たちも、「シンケンジャー」本編で彦馬や黒子たちがやっていたように、
逃げ惑う一般人の誘導をスムーズにやっています。
おそらく薫をはじめ丈瑠たちシンケンジャーや彦馬や黒子軍団も、
日常的に何処かの街でザンギャックといつもこうして、
変身は出来ないけどシンケンマルやモヂカラを使って戦っているのでしょう。

しかし、そうして薫が戦っている上空にギガントホースが停船し、そこから一団が地上に降り立ちます。
その一団は、ワルズ・ギルがデラツエイガーとバリゾーグを両脇に従えて、
多数のスゴーミンやゴーミン達を従えたものでした。
やはり、このザンギャック艦隊は、さっきワルズ・ギルが張り切って出撃準備させていた地球侵攻部隊だったのです。

地上に降り立った一団の前列中央に立つワルズ・ギルは胸を張って偉そうに
「聞け!地球人ども!この俺こそが宇宙帝国ザンギャックの総司令官、ワルズ・ギル様だ!!」と名乗り口上を上げます。
それを呆気にとられて見つめる薫と丹波や黒子たち。
なんだかさっきと逆の立場になってるのがちょっと可笑しいです。

薫はゴーミン相手なら戦えるのですが、やはり変身能力が無くては、行動隊長やスゴーミンには太刀打ち出来ないようで、
簡単にはワルズ・ギルに手は出せないようです。
それで悔しそうにワルズ・ギルの演説を聞いています。
薫がシンケンジャーのレンジャーキーを取り戻したいと思っているのは、
実際に今でもこうして変身出来ない身で戦っているからこそ、変身能力の回復が切実に必要な事情があるのでしょう。
現状では行動隊長レベルの敵に出くわすと、今のように傍観するしかないような状況も多いのでしょう。

ワルズ・ギルはますます調子に乗って
「この俺が直々に降り立ったからには、もはやこの星の征服も時間の問題!命が惜しいヤツは俺の足元に跪けぇい!!」と、
地球人に向けて降伏勧告を行います。
別にこいつが降り立ったからといって何も変わるわけではないのですが、
とにかくカッコいいセリフを言いたいみたいです。

ところがせっかくのワルズ・ギルの晴れ舞台に向けて、大量の銃弾を発射した無礼者がいます。
大慌てでバカ殿下を守ろうと大わらわのザンギャック軍団を見て驚き、
薫が銃弾の飛んできた方を振り向くと、
銃を撃ったのは、名乗り口上をする偉い人に常に無礼を働く男、キャプテン・マーベラスでした。
そしてマーベラスを中心にジョー、ルカ、ハカセ、アイムも横一列に並びゆっくり歩いて近づいてきます。
薫はマーベラス達がこんな自分達に関係無い場にまで戦いにやって来るのは思っていなかったので驚きました。

ゴーカイガンを構えて歩いて来たマーベラスは
「ふざけた挨拶はそれぐらいにしとけや!」とゴロツキのようなセリフを言います。
まぁ確かにふざけた挨拶ではありましたから、言ってることは尤もです。
「あんたが親玉ね!」とルカは帝国と盗賊団を一緒にしたような侮辱的発言をします。
そしてジョーは「皇帝のバカ息子か!」とひどく軽蔑した様子で、
言ってはいけないことを言ってしまいます。

だいたい、この場でワルズ・ギルは皇帝の息子だなどとは名乗っていないはずで、
ザンギャック軍では実は末端までワルズ・ギルという名は「皇帝のバカ息子」として轟いてしまっているようです。
元脱走兵のジョーが知っているぐらいですから、だいぶ前からバカで有名だったらしいワルズ・ギル殿下、
ある意味、そのことが一番衝撃的だったようで、
「ぐぅっ!なんだとぉ!?この賞金首の海賊どもめぇ!!偉そうにしていられるのも、今のうちだぁ!!」と、ひどく悔しがります。
司令官のくせにもう全然余裕が無いです。

おかげでハカセに「それはこっちのセリフだ!」とやり込められてしまいます。
なんだかハカセが今日はヘタレじゃないです。
更にアイムが「そうです!あなた達のような最悪の存在に私たちは負けません!」と上品に罵倒します。
すっかり腹が立ったワルズ・ギルは「ええ〜い!ゴーミンども!やってしまえ!!」と、
ゴーミン達を総出撃させてマーベラス達に差し向け、
マーベラスは「派手にいくぜぇ!!」と叫び駆け出して、5人はゴーミン達の群れの中に突っ込みます。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 19:26 | Comment(0) | 第11話「真剣大騒動」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月08日

第11話「真剣大騒動」感想その4

5人揃って登場した後、ゴーミン集団との戦闘に突入したマーベラス一味。
普段ならなんかカッコいいことを言った後に豪快チャンジでゴーカイジャーに変身し、
その後に駆け出してゴーミン集団との戦闘開始なのですが、
今回は変身しないまま素面状態で駆け出します。
そしてそのまま5人は1人ずつ素面アクションでゴーミン集団と戦いながら
豪快チェンジでゴーカイジャーに変身していきます。

これが結構1人1人別々に、かなりの尺をとってアクションを見せてくれます。
素面アクションを本格的にやらせるの、今年は比較的早い方でしょう。
しかも5人ともかなり動けています。
マーベラスは第5話、ルカは第6話で、それぞれ素面でもかなり動けることは既に見せてもらっており、
更にジョーは今回の薫との素面殺陣でその身体能力の高さは見せてもらっていました。
ここでのゴーミン相手の素面アクションもこの3人はスタントインのカットとも上手く繋いで、
見事な、しかも変身後のスーツアクターさん達の動きに似せたような動きを見せてくれており、
流れるようなスムーズさでそれぞれ豪快チェンジして、ゴーカイレッド、ゴーカイブルー、ゴーカイイエローに変身し、
流れの中で名乗りまでこなしています。

残るはハカセとアイムの素面アクションですが、
まずハカセは変身後姿ではアクロバチックでコミカルな動きが多いので、
それに合わせてアクロバチックでコミカルなアクションが素面でも多くなります。
これはかなり大変だったろうとは思いますが、
ややスピード感が劣るものの(まぁこれは仕方ない)、
ちゃんと変身後と同じような動きが表現出来ていたのは凄いと思います。
ただ、今日のハカセはちょっとカッコよすぎて、まぁこれはこれで非常に良いです。

そしてアイムですが、変身後はクルクル回るような動きが多いので、それをそのままやっているのですが、
すると長いスカートが遠心力でフワリと舞いあがって、パンチラというより、パンモロまでいってます。
ただパンツといっても見せても構わないタイプのやつで、エロい感じは無いです。
これはむしろ、スピード感があって、しかもエレガントでカッコいいと思います。
5人とも、変身前と変身後で違和感がほとんど無いというのは、これはこの時期においては凄いことだと思います。

変身後の対ゴーミン戦は今回は割と豪華アクションで、ワイヤーアクションを地味に効果的に使って魅せています。
戦いながらの武器交換も久々に登場します。やっぱり、こういうのはたまにあるから余計いいのですね。
交換パターンはちょっと変則的で、
ジョーは剣1本で戦っていたのに、ルカにその1本の剣をパスしてルカは二刀流になり、ジョーは武器無しになります。
同様に、銃1丁で戦っていたハカセが、アイムにその1丁の銃をパスして(これがキックで渡すのがカッコいい)
アイムが二丁拳銃になり、ハカセは武器無しになるという感じです。
つまり今回は、銃と剣を持って両手がふさがっているマーベラス以外の4人は
基本的にはそれぞれ自分の得意な武器1つだけ持って片手はフリーな状態で戦っていたということになります。

そうしてマーベラス達はゴーミンもスゴーミンも全滅させてしまいました。
残るは戦闘に加わっていなかったワルズ・ギルとバリゾーグとデラツエイガーの3人だけです。
マーベラスは「待たせたな!次はお前の番だ!」とワルズ・ギルに向かって言います。
もう殿下だろうが司令官だろうがお構いなしみたいです。
というより、司令官をここで倒してしまえば、しばらくザンギャックも大人しくなって
お宝探しがやりやすくなると思っているのでしょう。

そこにデラツエイガーが「殿下!私にお任せを・・・」と進み出ます。
これに対して、マーベラスは「こいつでいくぜ!」と、バックルからティラノレンジャーのレンジャーキーを出し、
5人はジュウレンジャーに豪快チェンジします。
ジュウレンジャーへの豪快チェンジは初めてです。

ジュウレンジャーは戦士名に色名が入っていない戦隊ですが、
配色としては赤青黄黒桃で、
今回はハカセが黒の戦士であるマンモスレンジャーとなり、
他は自分のパーソナルカラーそのままに、
マーベラスがティラノレンジャー、
ジョーがトリケラレンジャー、
ルカがタイガーレンジャー、
アイムがプテラレンジャーに変身します。
なお、タイガーレンジャーはオリジナルでは男性戦士でしたが、
ここではルカが変身するのでスカート付きの女性戦士となります。

こうしてジュウレンジャーとなったマーベラス達とデラツエイガーの戦いとなります。
ここではマーベラス達はジュウレンジャーのそれぞれの個人武器を駆使して戦います。
いわゆる「ジュウレンジャー」本編で「伝説の武器」と言われていたヤツで、
ティラノレンジャーの武器は龍撃剣という諸刃剣、
マンモスレンジャーの武器はモスブレイカーという斧、
トリケラレンジャーの武器はトリケランスという槍、
タイガーレンジャーの武器はサーベルダガーという短剣、
プテラレンジャーの武器はプテラアローという弓矢です。
これらを華麗に駆使して5人はデラツエイガーを攻撃します。
いつもならこれで怪人を痛快にやっつけるところですが、今回はデラツエイガーにこれらの武器は通用せず、
余裕で弾き返されて、逆にマーベラス達5人はコテンパンにやられてしまいます。

これでワルズ・ギルは手を叩いて大喜びし
「いいぞ!デラツエイガー!無様な海賊どもめ!一気に地獄行きだぁ!!」と喚きます。
ここでマーベラス達は今度はダイナマンに豪快チェンジします。
ダイナマンへの豪快チェンジも初めてです。
ちゃんと豪快チェンジ時にオリジナルの決めポーズを意識したポーズをとってくれるのが嬉しいです。

ダイナマンも赤青黄黒桃の戦隊で、
マーベラスはダイナレッド、
ジョーはダイナブルー、
ルカはダイナイエロー、
ハカセはダイナブラック、
アイムはダイナピンクに変身します。
ダイナイエローはオリジナルでは男性戦士でしたが、ここではルカが変身するので女性戦士です。
ただダイナマンの場合は女性戦士のダイナピンクもスカート戦士ではなく、
基本的に男性戦士と同じようなスーツデザインだったので、
このルカのダイナイエローもスカートは履いていません。

ただ、ここではダイナマンは各戦士に見せ場があるわけではなく、
いきなり合体必殺技「スーパーダイナマイト」を使います。
「行くぜ!スーパーダイナマイト!」「ダイナマイト!」「ダイナマイト!」という懐かしの掛け声の後、
全員ジャンプして空中で5人が集まり1つの巨大な火の玉となります。
この火の玉状態で敵に突っ込んで爆発して倒す技なのですが、
なんとこのスーパーダイナマイトをデラツエイガーは弾き返してしまいます。
逆に吹っ飛ばされてしまった5人を見て、デラツエイガーは余裕で笑っています。
戦いを見守っていた薫や丹波も、デラツエイガーのあまりの強さに驚いたようです。

ここでジュウレンジャーやダイナマンのあまりの情けなさは、
両戦隊のファンの人にはあまり愉快な描写ではないでしょう。
しかし、相手はザンギャック皇帝の親衛隊長なので、
このデラツエイガーよりも強い怪人はザンギャックにはあまりいないことになるわけで、
そいつがあんまり弱いと今後ちょっと困ったことになるので、ここは強く描かなければ仕方ないのです。
それに、ジュウレンジャーにしてもダイナマンにしても、まだその大いなる力は得ていないので、
レンジャーキーの全ての能力を引き出せているわけではありません。
だから今後はもっと活躍の場面もあると思われるので、
まぁ今回は何かの戦隊はデラツエイガーのやられ役をやらねばならなかったわけで、仕方ないといえます。

起き上がりながら、ルカは「確かに・・・今までの奴らとは違うね!」と呟きます。
敵の親玉にくっついてきているヤツだから、
いつもの怪人よりは確かに強いみたいだということが身に沁みて分かったようです。
しかし、だからといって勝つことを諦めているわけではありません。
「いいぞいいぞ・・・」とほくそ笑みながらデラツエイガーのかなり後ろの
安全地帯から戦いを眺めているワルズ・ギルの方をチラリと見て、
ジョーは「俺はワルズ・ギルを倒す!・・・トップを落せばこっちのもんだ!」と、
デラツエイガーに聞こえないように、マーベラスに小声で言います。

司令官、しかも皇帝の息子という超VIPを倒されれば
ザンギャック軍という組織の行動隊長は混乱して機能不全となることを、
ジョーはかつてザンギャック軍にいたので知っています。
あんな場所に呑気にバカ息子がいることが敵の仇となるのです。
マーベラスは簡潔に「任せた!」と言うと、ギンガレッドのレンジャーキーを取り出し、
モバイレーツに差し込み、5人はギンガマンに豪快チェンジします。

今回は初めて尽くしで、ギンガマンへの豪快チェンジも初めてです。
ただ、ジョーが第4話で五刀流ファイナルウェーブをやった時、
5人のブルー戦士を実体化させており、その中にギンガブルーがありました。
ただ、あれは豪快チェンジではないので、豪快チェンジとしては今回が初めてです。

ギンガマンはゴーカイジャーと同じ赤青黄緑桃の戦隊で、
マーベラスがギンガレッド、
ジョーがギンガブルー、
ルカがギンガイエロー、
ハカセがギンガグリーン、
アイムがギンガピンクに変身します。
ギンガイエローはオリジナルでは男性戦士ですが、
ここではルカが変身するので女性戦士で、スカート付き戦士となっています。

そして5人はギンガマン独特の腰を低く落として手を広げた走り方でデラツエイガーに向かって突撃します。
そして、マーベラス、ルカ、ハカセ、アイムがデラツエイガーに飛びかかって攻撃を加えますが、
これは囮で、この4人がデラツエイガーを足止めしている間に
ジョーがワルズ・ギルにいる場所に駆けていって、ワルズ・ギルを倒すという作戦でした。
ギンガマンは伝説の森の民の戦隊で獣の力で戦う戦隊で、野生味溢れる戦隊であり、
OPテーマの映像でもやたら走っているように、走力に優れています。
だからスピード勝負のこの作戦にマーベラスは咄嗟にギンガマンへの豪快チェンジを選択したのです。

デラツエイガーはまんまと陽動に引っ掛かり、
ジョーのギンガブルーはその独特の走り方で一気にワルズ・ギルの目の前まで突っ込んでいきました。
ワルズ・ギルは慌ててしゃがみ込んでしまいます。
しかし、そのワルズ・ギルとジョーの間に「そうはさせん!」と
バリゾーグが割って入り、剣で斬りつけてきます。
その剣をかわして、ジョーは「邪魔するな!」と怒鳴ってキバクローを取り出します。
これは「ギンガマン」本編でギンガブルーが使用した格闘戦用の爪のような武器です。

しかしバリゾーグは抑揚の無い声で
「私はワルズ・ギル様の忠実なる右腕、バリゾーグ・・・ボスには指一本触れさせない・・・」と言って、
ジョーに斬りかかってきます。
ジョーはバリゾーグの攻撃をかわしますが、バリゾーグが予想以上に強かったので、
攻撃を喰らってしまい、ギンガブルーの変身が解け、ゴーカイブルーの姿に戻ります。
が、ジョーはすぐにバリゾーグに向かって突っ込んでいきます。

一方、デラツエイガーを足止めするために戦っているギンガマンの姿のマーベラス達4人の方は、
やはりデラツエイガーの強さの前に苦戦を強いられていました。
ルカはキバナイフ、アイムはキバアローでデラツエイガーに応戦しますが圧倒され、
ハカセが飛び込んでキバショットでデラツエイガーを狙撃しますが弾き返され、
逆に剣から発する衝撃波で吹っ飛ばされます。
マーベラスは星獣剣でデラツエイガーと斬り合い、更に懐かしのアース技の「炎のたてがみ」も駆使して、
さすがにデラツエイガーと互角に戦いますが、
デラツエイガーの振るった剣の衝撃波を喰らって吹っ飛ばされてダメージを受け、
ギンガマンの変身が解けてゴーカイレッドの姿に戻ります。

他の3人もダメージでゴーカイジャーの姿に戻っており、心配してマーベラスのもとに駆け寄ります。
ここでマーベラスはボロボロにやられているのに
「初めてだな・・・これほど倒しがいのあるヤツは・・・!」と不敵な言葉を口にして
「面白れえじゃねぇか!!」と叫んで、デラツエイガーに真っ直ぐ突進していくのでした。
そして3人もそうしたマーベラスに鼓舞されるように後に続いて突進します。
今までゴーカイジャーは苦戦らしい苦戦の描写が無かったので、
苦戦したらどうなるのだろうかと少し心配していたが、
苦戦してもマーベラスはやっぱり俺様キャラで、これはまた圧勝の時とは違うカッコ良さです。

しかし、倒すどころか、いつまで足止めが出来るかも分からないような状態であるのが現実です。
とにかくマーベラス達がデラツエイガーを足止めしている間に
一刻も早くジョーはワルズ・ギルを倒さねばならない。
ワルズ・ギル自体は怯えてしゃがみ込んでいるだけの臆病者のようで、
邪魔者のバリゾーグさえ倒せばワルズ・ギルは簡単に倒せる。
とにかく早くバリゾーグを倒さねばならないと、ジョーは焦りました。

「お前の相手をしているヒマは無い!さっさと片付けられろ!」と怒鳴るジョーの剣を受け止めながら
「甘いな・・・まだまだ甘い・・・!」と言うと、バリゾーグはジョーに肘打ちを喰らわせて後ろに弾き飛ばします。
そうしてジョーとの間に間合いを作ると、
バリゾーグは剣を身体の前方で大きく円弧を描いて回してから
肩口で一旦下段に構えてタメを作ります。
その独特の構えを見て、ジョーは驚愕します。

「この構えは・・・まさか!?」とジョーは思わず構えていた剣を下げて茫然と立ち尽くしてしまいます。
それは、かつてザンギャックの兵士養成所時代にシド先輩に見せてもらった、
あのシド先輩の必殺剣の構えそのものだったのです。
そうして棒立ちとなってしまったジョーに向かい、バリゾーグは容赦無く、
空中を十字に斬り裂いて発生させた十字型の衝撃波をきりもみ状に回転させてぶつけてきたのでした。
この技はまさにシド先輩の技そのものでした。

ジョーはその技をまともに喰らって吹っ飛ばされ、変身が解けてしまいます。
そしてヨロヨロと立ち上がりながら、
目の前に立つバリゾーグに向かって「・・・シド先輩・・・シド先輩なのか・・・!?」と問いかけます。
それに対してバリゾーグは「シド?そんな名は知らない・・・」と素っ気なく答えます。
しかしジョーは「嘘だっ!!」と絶叫します。
「・・・この俺が、見間違うはずはない・・・その独特の太刀筋・・・シド先輩の技だっ!!」と、ジョーは感情を爆発させます。

確かにバリゾーグの放った技は、ジョーの回想シーンに出て来たシドの技とそっくりでした。
ジョーはそれを目の前で見たのであり、しかも喰らってもいるのだから、
かつての剣の師の技を見間違えるはずはない。間違いなくシドの技でありました。
技だけを真似るなら他の者でも可能かもしれないが、太刀筋は真似は出来ません。
特にシドほどの達人の太刀筋を他の者がコピーなど出来るわけがない。
だからバリゾーグはシドに間違いないのです。

かつての自分の剣の師であり、親しい先輩であったシドが、
今、機械の装甲や仮面を被って自分の敵として立ちはだかっているのです。
そのことに関してジョーは異常に感情的になっています。
しかしジョーはザンギャックの脱走兵です。
つまり自分の元同僚たちから追われる立場となったのです。
かつての仲間や先輩が敵として自分の前に立つことなど当たり前のことであり、
そんなことでいちいち感情的になるほどナイーブでもないはずです。
それなのに、ジョーはシドがザンギャックの手先になっていることがまるで信じられないことのように錯乱しています。

つまり、ジョーはシドがザンギャック軍にいるはずがないと確信するだけの何かを知っているのです。
その確信を引っ繰り返す、信じがたいことが今、ジョーの目の前で起こっているようなのです。
バリゾーグの正体がシドであるというのは、ジョーにとってそういうことであり、
ジョーはワケが分からず錯乱してしまいました。

そこにワルズ・ギルが口を挟んできて、ジョーにとって衝撃的な事実を明かします。
ワルズ・ギルは「その通り!バリゾーグは、我が帝国を脱走したシド・バミックを改造したのだ!」と言ったのです。
「なん・・・だと・・・!?」とジョーは耳を疑います。
ワルズ・ギルはジョーの変身が解けてボロボロの姿になったのでもう安心だと思ったのか、急に元気になって面白がって
「生意気で気に入らないヤツだったが、剣の技だけは使えそうだから、こうして利用してやったのさ!」とペラペラ喋ります。

つまり、バリゾーグはシドが変装した姿なのではなく、
脱走兵として捕えられたシドがワルズ・ギルの命令で改造されたなれの果ての姿だったのです。
脱走したぐらいですから、捕らわれた当初はザンギャックにもワルズ・ギルに反抗的だったのでしょう。
それでワルズ・ギルの怒りを買い、制裁の意味合いも含めて、
人間だった頃の記憶を消されて、ただ剣術に関する記憶だけを残され、
あとはワルズ・ギルへの忠誠心だけを植え付けられて、身体を機械化されて、
ただひたすらワルズ・ギルに忠誠を尽くすために生きる奴隷へと改造されたのです。

シドがそのような悲惨な運命を辿ったことはジョーは知らなかったようです。
ただ、ジョーはシドがザンギャックに居るはずがないとは思っていたようですから、
シドがザンギャックを脱走したことは知っているようです。
その後、シドがどうなったのかについては、
ジョー自身が脱走してザンギャックと縁が切れたので知りようもなかったのでしょう。
ただ、シドもジョーも脱走兵で、しかも旧知の仲ですから、脱走後、連絡を取り合っても良さそうなものです。
しかしジョーはシドの消息を知らなかった。
つまりジョーが脱走に成功した時点では、もうシドは消息不明になっていたのです。
そもそもシドの脱走とジョーの脱走というのは、どういう関係があるのか、
別々に脱走したのか、あるいは一緒に脱走したのか、そのあたりもこの時点では詳しくは分かりません。

ここで確実に言えることは、ジョーはシドの悲惨な運命を知って大きな衝撃を受けたということです。
茫然と立ち尽くし、目の前のシド先輩のなれの果ての哀れな人形であるバリゾーグを見つめ、
「シド・・・先輩・・・」とうわごとのように呟くのが精一杯でした。
そうしたジョーを満足そうに嘲笑いながら
「生き別れの先輩と感動の再会だな!涙にむせんで死ね!」とワルズ・ギルは言います。
ワルズ・ギルはもともとジョーとシドが知り合いであったことを知っているのか、
それともさっきジョーがシドの名を呼んだので2人が旧知だと知ったのか、
どっちなのか、ここではよく分かりません。

ただ、とにかくワルズ・ギルが「死ね」と言ったのを合図に
バリゾーグは剣を構えてジョーに近付き、ジョーを斬ろうとします。
ところがジョーは棒立ちのまま、バリゾーグを見つめています。
ショックのあまり我を失っているという感じでもなさそうです。
その目はしっかりとバリゾーグの動きを捉えているのですが、全く抵抗しようとも逃げようともしていないようです。

その異常なジョーの様子に、離れた場所でデラツエイガーと戦っているマーベラスが気付き
「何してんだ!?ジョー!!」と叫んで、戦いをルカ達3人に任せて、ジョー目がけて駆け出します。
そして、まるでバリゾーグに進んで斬られようとしているかのようなジョーの前に飛び込むと、
自らの背中をバリゾーグの方に向け、振り下ろしてくるバリゾーグの剣からジョーを守る盾のようにしました。
バリゾーグは構わず剣を思いっきり振り下ろし、マーベラスは背中を斬られ、絶叫を上げて変身が解けます。

戦いを見守っていた薫や丹波はマーベラスが予想もしていなかった無茶な行動に出たことに
真底驚いた表情を浮かべ、息を呑みます。
ジョーはマーベラスと向かい合うような形となり、
斬られて苦悶の表情を浮かべるマーベラスを見て、ハッとしたように「マーベラス!」と声を上げます。
そのジョーの顔を少し見て、マーベラスは激痛に崩れ落ちそうになる身体を気力で支え、
ジョーの肩に手を回して身体を支えながら、ゴーカイガンを取り出して、ワルズ・ギルに向けて乱射したのでした。
マーベラスは最初にジョーが言った作戦を信じて、こんな状況になってもそれを忠実に実行したのです。

ワルズ・ギルはジョーはすっかり抜け殻のようになり、残りの海賊たちはデラツエイガーで手いっぱいと見て安心しきっていたので、
いきなり目の前にマーベラスが突っ込んできて至近距離で銃を乱射するなど予測もしておらず、
またバリゾーグも斬り捨てたと思ったマーベラスにまだ銃を撃つ余力があるとは想像もしていなかったため、
全く油断していました。
それで慌ててバリゾーグは剣で銃弾を防ぎましたが、剣は弾き飛ばされて遠くの地面に突き刺さってしまいます。
ワルズ・ギルに至ってはまともに銃弾を身体に受けてしまいました。

といっても腕に数発当たっただけなのですが、青い血が腕からドクドクと出てきました。
「あ・・・!!」と思わず悲鳴を上げたワルズ・ギルに気をとられ、バリゾーグは「ボス!」と狼狽します。
ワルズ・ギルを守ることを絶対的使命として埋め込まれているようなので、
その使命を果たせなかったことによって混乱してしまい、思考停止になってしまったようです。
一方、ワルズ・ギルは「血!・・・血だあああああ!!・・・バリゾ〜グゥ〜・・・」と、
自分の血を見て、なんと腰を抜かしてしまいます。なんと情けない。
そして「今まで父上に叩かれたことさえ無かったのにいいい!!」と、アムロみたいなことを言って泣き喚きます。
どんだけ甘やかされてるんですか?

この状況の急変を見て、デラツエイガーは「殿下にもしものことがあってはいかん!撤収だ!!」と決断します。
この判断は正しいと言えます。
デラツエイガーもゴーカイジャー達のしぶとさになかなか苦労していた状況で、
ワルズ・ギルは完全に無力化し、それによってバリゾーグが思考停止してしまっている状況では、
この敵地ではワルズ・ギルに何か起きても守りきれる保障はありません。
ひとますギガントホースに戻ってワルズ・ギルの状態を安定させてから策を練り直すしかありません。

ギガントホースではデラツエイガーの決断を受け入れながらも、
ダマラスが「あと一息というところだったのに!」と歯噛みします。
デラツエイガーとバリゾーグだけに任せておけば、あと少しで忌々しい海賊一味を全滅させられるところだったのに、
ワルズ・ギルが出しゃばって前に出過ぎたためにチャンスを逃さざるを得なくなったことが悔しいのです。
インサーンも「・・・わざわざお出ましになどならなければ・・・」と溜息をついて3人を帰還させる装置を作動させ、
「ああああ!!痛い〜!」と泣き喚くワルズ・ギルを両脇からデラツエイガーとバリゾーグが抱えて、
3人はギガントホースに吸い込まれていきます。
そして、ザンギャック艦隊は態勢を立て直すために去っていきました。

その間、ずっとジョーの肩を掴んで銃を構えたままの姿勢でワルズ・ギル達を威嚇していたマーベラスは、
ザンギャック艦隊が去っていくのを見届けると、ホッとしたように銃を下ろし、
そのまま意識を失い、崩れるように倒れ込み、その身体をジョーが受け止めます。
そこに変身を解いたルカとハカセとアイムの3人が、心配して駆け込んできます。
倒れ込んだマーベラスを囲んで4人は心配そうにマーベラスを覗き込みますが、死んではいないようです。

ただ、ここで各自、微妙に表情が違っており、
ハカセとアイムはひたすらマーベラスの状態を心配している様子ですが、
ジョーは色々なショックの余り、虚ろな表情となっており、
ルカはマーベラスのことはこれぐらいで死ぬことはないと信頼しているのか、
むしろジョーの様子がおかしいことが気になるようで、じっとジョーの方を見つめています。
ルカからすれば、マーベラスがこんなことになればジョーがそれをカバーするようにしっかりと仕切るのが当然であり、
それなのにジョーはただ茫然としています。
そもそもジョーの様子がおかしいからマーベラスが助けに飛び込んだようなのです。
そのように思ってルカは、ジョーが何かおかしいことに気がついたのでした。

皆の反応を見る限り、ジョーとワルズ・ギルやバリゾーグの会話は、
離れて戦っていたマーベラス達には聞こえていないようです。
一方、やや離れて戦いを見守っていた薫や丹波たちにも
ジョーとワルズ・ギル達の会話は聞こえていたのか聞こえていなかったのか不明ですが、
薫はマーベラスの様子を眺めて「いかんな!・・・傷は深そうだ・・・」と呟き、丹波たちに動くよう促したのでした。

結局、夕方までかかって薫は黒子たちにマーベラスをガレオンまで運ばせ、
自らも丹波や黒子たちを連れてガレオンに乗り込み、マーベラスの治療の指揮をとることにしたのでした。
「シンケンジャー」という作品は、やたらシンケンジャーメンバーの怪我の描写が多い作品で、
いつもメンバーの治療にあたっていたのが黒子たちでした。
黒子たちは戦傷治療のエキスパートなのです。

身体に包帯を巻いたマーベラスを船室のソファーに寝かせて
「刀傷によく効く薬を塗らせた・・・落ち着くまでは動かすな!」と
薫は心配そうに見ている他の4人の方に振り向いて柔らかい表情で説明します。
口調は相変わらず上から目線なんですが。

「本当にありがとうございました!」とアイムは丁寧に感謝の言葉を述べます。
そういえば、こっちも姫なんですが、こっちの姫はひたすら腰が低い。
しかしハカセは不審そうな表情で「・・・あの〜・・・でも、どうして?」と薫に尋ねます。
さっきはマーベラスを斬り殺そうとしてた薫が、どうしてマーベラスを助けるのか、意味が分からなかったのです。
それに対して薫は「人として当然のことをしたまでだ!・・・勝負となれば容赦はせぬ!」とキッパリと答えます。

薫がマーベラスを斬ろうとしていたのは、あくまでレンジャーキーを賭けての戦いの場でのことであって、
このように戦う意思も力も無い状態になった相手は、もはや戦いの相手ではないのだから、特別に敵視する必要も無く、
そういう普通の関係であれば、相手が傷ついていれば助けるのが人として、侍として当然の行為だと、
そのように薫は言いたいのでありましょう。

マーベラスは苦しそうにしながら眠っています。
どうでもいいんですが、どうして寝室に寝かせずにソファーに寝かせるのでしょうか?
まぁ多分セットの都合なのでしょうけれど、固くてしんどそうです。
また、ジョーの方もバリゾーグにやられた傷が多少あり、頭に包帯を巻いています。
そのジョーはマーベラスの寝顔をチラリと見ると、無言で1人、階段を上がって甲板に出ていきます。
その後姿を見送って「ジョー・・・どうしたんだろう・・・?」とルカが心配そうに呟きます。

やはりルカだけはジョーの異常に気付いています。
さっきの戦いの場でジョーに何かがあったのだろうとは思っているのですが、
それ以上は何も思いつかない様子ですから、
ルカはやはりジョーの「ザンギャックの脱走兵」という過去は知らないのかもしれません。

ジョーはそのままずっと船室には戻らず、1人だけで見張り台に昇って、
夜景を眺めながら物思いにふけっていました。
それは、やはりシド先輩やバリゾーグのことでありました。
一方、ルカとハカセとアイムの3人は船室のソファーで眠っているマーベラスのことを心配し、
ソファーの周りで毛布を被って眠ることにしました。

そうして眠りにつこうとする3人を、船室の中で座布団を敷いてきちんと正座した薫が見守っています。
夜になってもまだ薫たちはガレオンに留まっていたのでした。
なんか、このミニ志葉屋敷風な空気感が変に船室に馴染んでいて面白いです。

すると、ルカたち3人が眠ったのを見計らって、丹波がコソコソと薫の傍に寄って来て、
小声でヒソヒソと「姫!・・・私の見立てでは、あの中にレンジャーキーが隠されているかと・・・」と、
薫の少し前にある宝箱を見ながら言います。
確かに丹波の見立て通り、レンジャーキーは宝箱の中にあります。凄い勘です丹波。
宝箱の上にはナビィがとまっており、怪しさ満開の丹波と目が合って、「んん?」と首を傾げます。

それを見て丹波はニヤ〜リと黒い笑いを浮かべて、
「いかがでしょう?ここはひとつ、コッソリとレンジャーキーを・・・」と薫にセコい話を持ちかけますが、
薫はここは当然、丹波の頭を扇子で思いきり叩きます。
声を殺して痛がる丹波に向かい薫は呆れたように「丹波・・・!」と何かを諭そうとしますが、少し考えて黙りこみます。

レンジャーキーをコッソリと盗み出しても意味は無い。戦って奪い取らねば意味は無いのだ。
戦って勝った者こそがこの世を守れる強さを持った者であり、レンジャーキーを持つ資格がある。
その強さを証明するためには戦って勝つしかない。
そのように丹波に諭そうとした薫だったが、その理屈ならば自分の今の行動はおかしいのだと薫は気付いたのです。

マーベラス達は昼間の戦いで敗れたのだ。
敵が強かったとはいえ、レンジャーキーを使いながら手も足も出なかったに等しい負け方であった。
敵の大将がうつけ者であったのが幸運であったに過ぎない。
勝てないのならばこの世は守れない。
だから、薫の理屈ならば、既にマーベラス達はレンジャーキーを持つ資格など無いはずなのです。
これならシンケンジャーのレンジャーキーは取り戻して、自分達が使った方がマシのはずです。

しかし、薫はこの世を守れなかったマーベラスを見捨てずに怪我の治療までしました。
ハカセに不審がられて一応は尤もらしい説明はしましたが、別にここまでしてやる必要も無かっただろう。
薬だけ渡しても良かったし、この船にも治療薬ぐらいあるであろう。

本当は薫はこの船に来て、海賊衆のことをもっと見たくなっていたのです。
彼らは確かに戦いには敗れました。
しかし、この世を守るためには、もちろん強さは必要ですが、強さだけではダメなのです。
海賊衆のその部分を薫は見てみたくなっていたのです。
海賊衆たちがあの戦いの場に現れたことや、マーベラスがジョーを庇って飛び込んだことなど、
妙に気になることが多くなってきたのです。

薫はフッと笑うと「不思議なものだ!私はもう少しこの海賊衆を見守りたい気分になっている・・・」と丹波に言います。
丹波はその言葉を受けて畏まり「・・・それも姫の御心の深さかと・・・」と、
おべっかのような、妙に深いようなことを言います。
バカみたいに見えて、意外と真実を突くようなことを言う、なかなか喰えない男だと思いつつ、
薫は深い心で海賊衆達を見てみようかと、慈愛のある目で眠る海賊衆たちを見つめるのでした。

翌朝、ルカが大慌てで「みんな!大変よ!」と叫んで階段を降りてきます。
ソファーで眠ったままのマーベラスを除く皆、といっても、船室にはハカセとアイムとナビィしか仲間はいませんが、
その皆が驚いて集まると、ルカは「ジョーがいないの!」と言います。
ルカはジョーのことが心配になって朝になって部屋に様子を見に行ったようです。
そうしたらジョーの姿が無かったようなのです。

ルカは「これが・・・!」と言って、1枚の紙切れを取り出し、皆に示します。
ハカセがその紙きれを受け取り、そこに書かれた文字を読み上げます。
そこには「1人でケジメをつけたいことがある・・・」と書いてありました。
ジョーは部屋に置手紙を残して、何処かに1人で消えてしまったのです。
「どうして・・・?」とアイムは困惑します。
そして船室に敷いた座布団の上に座っていた薫も横にいる丹波と顔を見合わせ困った顔をして、
ソファーで眠るマーベラスの方を見ます。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 04:36 | Comment(2) | 第11話「真剣大騒動」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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