2011年05月27日

第14話「いまも交通安全」感想その1

今回はレジェンドゲスト回で、カーレンジャー篇でした。
1996年度作品「激走戦隊カーレンジャー」は
35作品を数えるスーパー戦隊シリーズの中で最も異色作といわれる作品です。
その「カーレンジャー」から登場するレジェンドゲストは元レッドレーサーの陣内恭介で、
演じるのはオリジナルキャストの岸祐二氏ご本人です。
「カーレンジャー」本編出演時は25歳だった岸氏も現在40歳ですが、
髪が長くなった以外はあんまり当時と変わらないような若々しさです。
まぁもともと「カーレンジャー」当時の恭介があんまり若々しいイメージのキャラではなかったので、
今の落ち着いた壮年のような恭介とあんまり違和感が無いのでしょう。

そして、なんと今回のカーレンジャー篇の脚本は「カーレンジャー」本編のメインライターの浦沢義雄氏です。
往年の東映不思議コメディーシリーズの脚本家で、シュールでナンセンスなギャグが得意な天才脚本家です。
「カーレンジャー」が戦隊作品でありながらナンセンスギャグに満ちた異色作であるのは、
まさにこの浦沢テイストの戦隊であるゆえのことです。

実は「ゴーカイジャー」のメインライターの荒川氏も
伝説の戦隊シリーズ史上最低視聴率回をはじめとして
「カーレンジャー」では多くのエピソードを書いているのですが、
今回、わざわざお願いして当時のメインライターの浦沢氏に書いてもらったのは、
あまりに「カーレンジャー」が浦沢色が濃すぎる異色作なので、
世界観を再現するには浦沢氏にお願いした方が良いという判断だったとのことです。

「ゴーカイジャー」のHPの記事によれば、スーパー戦隊シリーズの中には
下手に手を出したら火傷する、特に異色作といえる作品が幾つかあるようで、
「カーレンジャー」はその1つなので浦沢氏に脚本をお願いし、
更に監督は不思議コメディーシリーズや「カーレンジャー」において
浦沢氏と名コンビを組んでいた坂本太郎監督にお願いしたのです。
「下手に手を出したら火傷する異色作」というのが
他にどんな作品があるのか興味深いところではあります。

で、今回の話の内容なのですが、まさに「カーレンジャー」の世界観そのものという感じで、
むしろ「ゴーカイジャー」らしさがほとんど無い不思議なエピソードになっています。
ゴーカイジャーの5人は、恭介とインサーンと今回の行動隊長のジェラシットの3人の繰り広げる
ナンセンスコメディ劇場に巻き込まれて振り回されるだけという役回りとなっており、
ハッキリ言って、別にゴーカイジャーが出てこなくても成立しそうな話だとすら言えます。
ゴーカイジャーの5人に関するドラマは全く描かれず、
ゴーカイジャーのオリジナルエピソードは1ミリも前進しないと言って過言ではないでしょう。
全体的に浦沢ワールド全開で、シュールでナンセンスで、まともにレビューする意味も実はあまり無いような内容です。
ただ、掛け値無しに面白いです。
これは中身についてあれこれ考えるような話しではなく、見て楽しむお話でしょう。

ただ、「ゴーカイジャー」のレジェンドゲスト回として1つ考えておかねばならないことは、
レジェンドゲスト回のカーレンジャー篇ならば「カーレンジャーの大いなる力」がどうなったのかという点です。
これが今回、何だかよく分からないのです。

これまでの他のレジェンドゲスト回の場合は、
レジェンドゲストとゴーカイジャーとの交流の中でゴーカイジャーの中にある何らかの要素が表面化してきて、
レジェンドゲストがそれをその戦隊の持つテーマと同一のものと認めて、
ゴーカイジャーを「大いなる力」を引き継ぐ者だと認め、
それによって戦いの場面でゴーカイジャーの持つその戦隊のレンジャーキーが光って
「大いなる力」が発動するという、まぁだいたいそういう流れになっていました。

しかし今回、そういう流れではなく、
カーレンジャーのテーマも「大いなる力」の正体もよく分からず、
カーレンジャーのレンジャーキーも光らなかったし、
大いなる力が戦いの場で使われたようにも見えません。
しかし、逆にこれは感心しました。
なるほどカーレンジャー篇ならば、こういう処理の仕方が適当なのかもしれないと思うのです。

「ゴーカイジャー」のレジェンドゲスト回というのは、
これまでのマジレンジャー篇、デカレンジャー篇、ゲキレンジャー篇、
ガオレンジャー篇、シンケンジャー篇の5つの場合、
基本的にはゴーカイジャーのメンバーのドラマになっており、
それぞれのエピソードには、それぞれ或る「お題」となっているテーマがありました。
例えばマジレンジャー篇は「勇気」をテーマとしたハカセのドラマであり、
デカレンジャー篇は「誇り」をテーマとしたマーベラスのドラマでした。

そしてマジレンジャー篇ならば、その「勇気」というテーマを巡ってハカセと小津魁が絡み、
マジレンジャーという作品のテーマ、すなわちマジレンジャーの力の源である「勇気」をハカセの中に見出した魁が
ゴーカイジャーをマジレンジャーの力を継ぐ者と認めて、
その結果、ゴーカイジャーはマジゴーカイオーという大いなる力を手に入れました。
少なくともゴーカイジャー側ではそういう解釈なのでしょう。

しかし実際はマジゴーカイオーやゴーカイマジバインドなどは
マジレンジャーの大いなる力が戦いの場で目に見えた形となって現れたものであって、
マジレンジャーの大いなる力の本質は「勇気」そのものなのかもしれません。
ゴーカイジャーは「大いなる力」を戦いの場で役に立つ武器や技のようなものだと思っているようですが、
そもそも彼らが34戦隊の「大いなる力」を集めているのは、宇宙最大のお宝を見つけるカギになるからです。
だから34戦隊の「大いなる力」というのは、別に戦場で役に立たなくても構わないはずなのです。

今までの5つの戦隊はたまたまレンジャーキーが光って、
手に入れた「大いなる力」が戦場で役に立つような形で武器や技に具象化していましたが、
「大いなる力」を手に入れた後もレンジャーキーが光るわけでもなく、戦場で特に何の形にもならない場合があっても
全く不自然ではないのです。
そんな目立たない「大いなる力」でも、宇宙最大のお宝を見つけるための34個の「大いなる力」の1つなのであり、
宝探しには役に立つはずなのです。
今回のカーレンジャーの「大いなる力」というのは、そういうものだったのではないかと思います。

ただ、そのカーレンジャーの「大いなる力」が、
例えばマジレンジャーの場合の「勇気」のように
エピソードの「お題」として機能していないのが、今までと違うところです。
今回のお話、そもそもゴーカイジャーのメンバーがドラマに絡んでいませんから、
「勇気」のような、何かのテーマを巡って恭介とゴーカイジャーの誰かが絡むという描写もありませんし、
恭介がその何かのテーマをゴーカイジャーの中に見出すというような展開の話でもありません。
いや、だいたいそのテーマが何なのかすら分かりません。

マジレンジャー篇は「勇気」をお題にした話、
デカレンジャー篇は「誇り」をお題にした話というのはすぐに分かります。
同様に、それがゲキレンジャー篇では「向上心」であり、ガオレンジャー篇では「優しさ」であり、
シンケンジャー篇では「絆」であることもだいたい分かります。
しかし、このカーレンジャー篇にはそうした明確なテーマが見えません。
ただ単にナンセンス・コメディが展開されているだけです。
いや、しかしこれでいいのです。

何故なら、マジレンジャー篇が「勇気」がテーマになっているのは、
「マジレンジャー」という物語そのものが「勇気」をテーマとした物語だったからであり、
カーレンジャー篇にテーマが無いのは、
「カーレンジャー」という物語そのものが特にテーマが無く
単にナンセンス・コメディを展開しただけの物語だったからです。
つまり、カーレンジャー篇はこれはこれで「カーレンジャー」という物語をしっかりと反映しているのです。

「ゴーカイジャー」より前のスーパー戦隊シリーズの34作品というのは、
大まかに言って4つの時期に分かれると思われます。
まず第1期が「ゴレンジャー」から「ゴーグルファイブ」までの、
戦隊シリーズのフォーマットを確立していった時期です。
次に第2期が「ダイナマン」から「ジェットマン」までの、
第1期で作ったフォーマットの上に作られた正統派SF大河アクションの時期で、ここは25分枠の時期でした。

そして第3期は「ジュウレンジャー」から「カーレンジャー」までの時期で、
ここには不思議コメディーシリーズのテイストが加わって、
基本的にファンタジックな子供向けエンターテインメントですが、作品ごとに持ち味は明確に分かれます。
この時期もまだ25分枠です。
第1期から第3期は夕方の時間帯に放送していた時期ということになります。

そして最後に第4期が「メガレンジャー」から「ゴセイジャー」までの時期で、
これは日曜朝の30分枠に移って以降の時期です。
もともと日曜朝はこれ以前はメタルヒーローシリーズが放送されており、
「メガレンジャー」以降の作品はメタルヒーローシリーズの流れを受け継いでいます。

すなわち、この第4期では放送時間が5分増えたこともあって、戦隊ヒーローの人間ドラマが描かれます。
言い換えれば、戦隊チームの人間たちがどのようにしてヒーローとなっていくのかが描かれるのです。
そして、そのドラマの中核的要素として、それぞれの作品ごとに「ヒーローの資格」がテーマとなるのです。
よって、「メガレンジャー」以降の第4期の作品には、それぞれテーマがあります。

その第4期のそれぞれの作品のテーマを「お題」として利用してエピソードを作ってきたのが
「ゴーカイジャー」のこれまでのレジェンドゲスト回でした。
これまで「ゴーカイジャー」のレジェンドゲスト回で扱った戦隊は全て、
この第4期の戦隊ばかりだったので、そのようなことが可能だったのです。
この第4期の個々の作品のそれぞれのテーマはそれぞれの戦隊の「ヒーローの資格」そのものですから、
その「ヒーローの資格」をお題とした「ゴーカイジャー」のレジェンドゲスト回では、
ゴーカイジャーがその回で扱う戦隊の「ヒーローの資格」を手に入れることになります。

例えば「マジレンジャー」は
小津家の兄妹たちをマジレンジャーたらしめている資格は「勇気」であるということをテーマとした作品でした。
その「勇気」をテーマとして「ゴーカイジャー」のマジレンジャー篇を描いて、
そこでハカセが「勇気」の持ち主であることを魁によって認められることによって、
ハカセおよびゴーカイジャーはマジレンジャーというヒーローの資格を得るわけです。

第4期の作品ならば、こういうレジェンドゲスト回の作り方が出来ます。
つまり、第4期の作品ならば、「ヒーローの資格」が明確にテーマとして絞り込まれているので、
その「ヒーローの資格」というテーマだけをゴーカイジャーのエピソードのお題にして、
そこにレジェンドゲストを登場させてレジェンドゲスト回を作ることが出来るわけです。
要するに、第4期の作品なら、レジェンドゲスト回でありながら、
しっかりゴーカイジャーの世界観でゴーカイジャーの物語を進めることが出来るのです。

しかし、第1期から第3期にかけての作品には、物語自体のテーマは有っても、
「ヒーローの資格」がテーマとなっていることはありません。
第1期から第3期のヒーローは、資格など問われることはなく、最初から自明のこととしてヒーローなのです。
まぁ、しいて言えば第1期から第3期のヒーローにも
「正義と平和を愛する心があるから」というようなヒーローの資格めいたものはありますが、
こういうのはお題目のようなもので、
普通の人間が葛藤の末にヒーローに成長していく過程で出て来るような言葉とは異質のものです。

第4期の作品にはそういう意味の言葉がテーマとして据えられているのであり、
賞金首の宇宙海賊であるゴーカイジャーが地球を守るヒーローへと変化していく過程としてのレジェンド回で
「お題」として有用なテーマは第4期の作品におけるそうした生々しい言葉の方です。

第1期、第2期、第3期はそれぞれ特徴が違うのですが、
こうした「ヒーローの資格」をテーマにしていないという点では共通項で括れます。
そうなると結局、「ゴーカイジャー」より前のスーパー戦隊シリーズ34作品は
「カーレンジャー」以前の夕方放送期間の前期20作品と、
「メガレンジャー」以降の日曜朝放送期間の後期14作品の2つに分けられるということになります。
このうち、「ヒーローの資格」をテーマとしていないのが「カーレンジャー」以前の前期20作品で、
「ヒーローの資格」をテーマとしているのが「メガレンジャー」以降の後期14作品です。

そうなると、レジェンドゲスト回でテーマだけをゴーカイジャーのドラマに移植して
「大いなる力」の獲得イベントをゴーカイジャーの世界観の中だけで処理出来るのは、
後期14作品だけということになります。
つまり「メガレンジャー」「ギンガマン」「ゴーゴーファイブ」「タイムレンジャー」「ガオレンジャー」
「ハリケンジャー」「アバレンジャー」「デカレンジャー」「マジレンジャー」「ボウケンジャー」
「ゲキレンジャー」「ゴーオンジャー」「シンケンジャー」「ゴセイジャー」の14作品です。

このうち「ガオレンジャー」「デカレンジャー」「マジレンジャー」「ゲキレンジャー」「シンケンジャー」の5作品は
既にレジェンドゲスト回を終え、「ゴセイジャー」は6月公開の劇場版で処理するようなので、
残るは「メガレンジャー」「ギンガマン」「ゴーゴーファイブ」「タイムレンジャー」「ハリケンジャー」
「アバレンジャー」「ボウケンジャー」「ゴーオンジャー」の8作品です。
この8作品は、それぞれの作品における「ヒーローの資格」をお題とすることによって、
ゴーカイジャーの世界観の中でゴーカイジャーのドラマを描きながら、
大いなる力の獲得ストーリーを処理することが出来るのです。

では一方、「カーレンジャー」以前の20作品の方はどのようにして「大いなる力」を獲得するのかというと、
「ヒーローの資格」がテーマとして明文化されていない以上、
ゴーカイジャーがそれぞれの作品の世界観の中に入っていって、
それぞれの作品のヒーローと同じような行為をするしかないでしょう。
そして、その経験の中でその戦隊の力の本質、すなわちその作品の本質を学ぶしかないのです。
後期14作品のように作品の中で「ヒーローの資格」が問われていないだけであって、
前期20作品にもその戦隊がヒーローたり得る何かの要素は有るのです。
ただ、それはその作品世界の中に入って行動してみないと見えてこないものなのでしょう。
そういう点、「仮面ライダーディケイド」の各ライダー世界と似ているかもしれません。
例えば今回のカーレンジャー篇がその典型例といえます。

ただ、それら20作品のレジェンドゲスト回のたびにゴーカイジャーのドラマが止まってしまってはマズいので、
なんとか当該戦隊の世界観の中でゴーカイジャーの世界観を上手くすり合せて、
ゴーカイジャーのドラマも上手く調整して進めていくようにしなければならないのですが、
この20作品の中には、あまりにも「ゴーカイジャー」と作風や世界観が違いすぎて、
その調整が不可能なものもあります。
それがつまり「ゴーカイジャー」公式HPで言うところの「異色作」というやつで、
その1つが「カーレンジャー」なのでしょう。
それで今回、「カーレンジャー」のナンセンス・コメディの世界観にどっぷり浸かって
ゴーカイジャーのドラマは全く描かれていないわけです。

ここで疑問なのは、そうした状況が予想されているのに、どうしてここでカーレンジャー篇をやったのかです。
結果的に非常に面白かったし、
おそらくカーレンジャー篇をやれば面白くなるだろうということも分かっていたのでしょうけれど、
それにしても、わざわざゴーカイジャーのドラマを止めてまでやる必要があったのかという疑問は有ります。

そもそも、ここまでのレジェンドゲスト回は全て、
ゴーカイジャーのドラマ内で「大いなる力」の獲得を描ける後期14作品の中からチョイスされており、
まだそれは8作品も残っています。
そして、このペースでいけばこれに加えて前期20作品も含めて
全ての戦隊のレジェンドゲスト回というものを律儀に作ることは出来そうにないので、
どうしても前期20作品に関しては適当にまとめて処理していくことになるのではないかと最近は予想していました。
そうしなければゴーカイジャーの物語に支障が出てくるからです。
むしろ、前期20作品の中には作風の似たようなものも結構あるので、
ある程度はまとめて処理した方が「ゴーカイジャー」という作品全体のことを考えれば賢明ではないかとも思います。

そうした状況において、このタイミングでカーレンジャー篇が唐突に出てきた理由は、
「カーレンジャー」が前期20作品の中で最も新しい作品であり、なおかつ非常に面白く、
世界観が個性的であるからという理由ももちろんあるのでしょうけれど、
案外、カーレンジャー篇においてゴーカイジャーのドラマが一切進まないことが
この場合は歓迎されているのではないかとも思えます。
つまり、この5月22日放送の第14話というタイミングで
ゴーカイジャーのドラマをあえて何も描かずにストップさせることも、
ここであえてカーレンジャー篇をチョイスした理由には含まれているのではないかということです。

カーレンジャー篇ならばゴーカイジャーのドラマを描くことはどちらにしろ困難であり、
しかもゴーカイジャーのドラマを描かなくても確実に面白い内容になる。
つまりカーレンジャー篇はゴーカイジャーのドラマを描かずに
面白いエピソードで1話分を消費出来る格好の繋ぎ回なのです。

しかし「ゴーカイジャー」という作品でゴーカイジャーのドラマを描かないというのは、
あまり健全なこととは言えません。
特に「ゴーカイジャー」においてゴーカイジャーのドラマは非常に内容が濃いので、
レジェンドゲスト回も処理しながら1年間で描ききるのはタイトに思えるぐらいです。
だから、そんな無駄回をあえて作るというのは不自然です。
そういう不自然なことが起きたのは、
予期しない事態に対応するためだったのではないかという気が何となくするのです。
これは全くの推測ですが。

もし、この第14話のカーレンジャー篇が後から挿入されたものであるとするなら、
もともとは次の第15話の新たな敵の登場エピソードが第14話の予定で、
5月22日に放送されていたことになります。
更に、もともとこの放送日というのは、東日本大震災の影響で1週分ズレており、
もともとはこの新たな敵の登場エピソードは5月15日に放送される予定だったということになります。

この新たな敵の登場エピソードの次は追加戦士登場エピソードとなる予定で、
それが5月22日にもともと放送される予定だったとしたなら、
その前日の5月21日というのは、
もともとは映画「ゴーカイジャー・ゴセイジャー・スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」の公開日の予定でした。

この199という中途半端な数字からは、
おそらくこの映画の中でゴーカイジャーの追加戦士を登場させて
200番目の戦士として宣伝するつもりなのだろうと推測することが出来ます。
劇場版で新ヒーローの宣伝をするのは東映の常套手段ですから。
つまり、5月21日のこの映画の公開時に追加戦士の顔見せをやって、
それに連動して翌日の5月22日放送分の第15話から追加戦士登場篇を開始する予定だったのではないでしょうか。

もともと第11話と第12話のシンケンジャー篇の後、
第13話のアイム単独主役篇、第14話の新たな敵登場篇、そして第15話からの追加戦士登場篇という流れになっていて、
それは追加戦士登場篇の開始と「199ヒーロー大決戦」映画の公開日を合わせる前提で
組まれたスケジュールではないかと推測出来ます。
あるいは第13話のアイム単独主役回というのももともとは予定には無く、
第13話と第14話は新たな敵登場篇の前後篇の予定だったのかもしれません。

つまり、第11〜12話(4/24~5/1)がシンケンジャー篇のレジェンドゲスト回の前後篇、
第13〜14話(5/8~5/15)が新たな敵登場篇のゴーカイジャー単独回の前後篇、
第15〜16話(5/22~5/29)が追加戦士登場篇をレジェンド戦士絡みで描く前後篇
というような流れが当初は予定されており、
この追加戦士登場篇の直前の5/21に「199ヒーロー大決戦」映画が公開されるという
段取りだったのではないでしょうか。

ところが3月11日に東日本大震災が起こった関係で、この映画の制作に遅れが生じて、
公開日が6月11日にズレ込みました。
すると、先ほどの推測通りだとするならば、それに合わせて追加戦士登場篇は6月12日に開始せねばならなくなります。
そして実際、追加戦士登場篇は現時点のテレビ誌などの情報では6月12日に開始する予定のようです。

これが単なる偶然であって、映画に追加戦士は登場しないという可能性ももちろんありますが、
それにしても奇妙なのは、この追加戦士登場篇は前後篇であるようなのですが、
6月19日は毎年恒例の全米オープンゴルフの中継で戦隊の休止日であることです。
そのため、この前後篇は前篇と後篇の間に1週休みが入るのです。
全米オープンゴルフの日程はかなり前から判明しているはずであり、
6月19日が放送休止日となることもかなり前から分かっていたはずです。
重要な追加戦士登場の前後篇をわざわざこんな日程にやるというのは奇妙です。

だから、これはもともとはそういう予定でなかったが、
どうしても仕方ない理由でこのような日程で放送せざるを得なくなったということです。
つまり、どうしても「199ヒーロー大決戦」映画と合わせた日程で追加戦士登場篇をやらねばならない事情が有り、
映画の公開日が予期せぬ東日本大震災で3週遅れてしまったので、そこに追加戦士登場回を持ってきたら、
運悪く全米オープンゴルフのための休止日に引っ掛かってしまったというところでしょう。
そのデメリットを覚悟で、それでもどうしても追加戦士登場篇を映画公開日に合わせたとしか思えません。

そうでないというのなら、今回のカーレンジャー篇のようなゴーカイジャーがいてもいなくても成立しそうな、
面白いけど無駄なエピソードは追加戦士登場篇の後に回して、
そうしてせめて1週繰り上げて、追加戦士登場篇の前後篇は間に休止日をはさまない日程とするはずです。
そういう措置もしていないということは、
とにかく追加戦士登場篇は映画公開日に絶対に合わせないといけないということで、
その理由は、やはり映画に追加戦士が出るからなのだろうと思われます。

そのようにして映画の公開が3週遅れたために、
TV本編の方の追加戦士登場篇も3週遅れることとなり、
新たな敵登場篇が追加戦士登場篇とストーリーの関連が大きいようなので、この2つは離すわけにはいかず
その結果、TV本編のシンケンジャー篇と新たな敵登場篇の間に3回分空白が出来てしまったのでしょう。
東日本大震災の影響でTV本編の方も1回休止しましたので、これで残る空白は2回分です。

この2回分の空白を何かで埋めなければいけません。
「ゴーカイジャー」という作品の性格上、
これはレジェンドゲスト回で1回、ゴーカイジャー単独回で1回という配分となり、
シンケンジャー篇の後ですから、まずは第13話にゴーカイジャー単独回、
続いて第14話でレジェンドゲスト回という予定で埋めていくことになります。

ただ、もともとここは全体のストーリーの中で予定されていなかった部分なので、
あまりここでゴーカイジャーのドラマは動かしたくないところです。
それでもゴーカイジャー単独回の方はゴーカイジャーを動かすしかないので、
あまり全体のストーリーに大きな影響を及ぼさないようにアイムが外部の人物と絡む単独主役エピソードを
シンケンジャー篇の直後の第13話に挿入したと思われます。

そして続く第14話のレジェンドゲスト回の方は、
ゴーカイジャーを動かさないといけない後期14戦隊は避けて、
ゴーカイジャーをあまり動かさなくても成立する前期20戦隊の中から選ぶことになります。
そして、その中でもゴーカイジャーを全く動かさなくても面白くなることが確実な戦隊ということで
カーレンジャー篇が選ばれたのでしょう。

そういうわけで、このカーレンジャー篇は
ゴーカイジャーのストーリーの中では全く意味の無い番外編のような扱いとなっており、
それゆえ、カーレンジャーのメインライターであった浦沢氏に好きなように脚本を書いてもらって、
坂本監督に好きなようにやってもらって、恭介役の岸氏に好きなように暴れ回ってもらったのでありましょう。

だからまぁ、このカーレンジャー篇の中の細々とした描写をいちいち考察しても仕方ないのですが、
それでも最終的にゴーカイジャーがカーレンジャーのナンセンス・コメディの世界にどっぷりと浸かって、
その経験の中で掴んだ「カーレンジャーの大いなる力」とは何だったのかについては考察する価値はあるでしょう。
というわけで、一応はレビューや考察は簡単にやっていきます。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 09:54 | Comment(0) | 第14話「いまも交通安全」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月28日

第14話「いまも交通安全」感想その2

まず冒頭はガレオンの船室で昼寝しているゴーカイジャーの面々のシーンからです。
ちなみにトレーニング器具の上でぶら下がったまま寝ているジョーの姿勢が凄いです。
ナビィもロボットなのに昼寝しているようで、何やら変な夢を見ています。
それはナビィが車になって道路を疾走している夢で、スピードを出し過ぎて交通事故を起こすというもの。
そのビジョンに驚いてナビィは跳び上がり、天井に頭をぶつけて床に落下して絶叫します。
その騒がしさに皆が目を覚ますと、ナビィは「キタキタキタ!来なはったぁぁ!!」と大騒ぎします。
そして「皆の者、交通安全に気をつけるゾヨ」と、いつものお宝ナビゲートのお告げをします。
ナビィがいつも、こんな変なビジョンを見てお告げをしているのかどうかは、
この際あんまり深く考える必要は無いでしょう。浦沢脚本なので。

ともかく、頼みもしていないのに勝手にナビィがお告げをしてくれたので
マーベラスは「交通安全・・・?」と興味を持ちます。
交通安全に気をつけていれば、また何かの戦隊の大いなる力が手に入る可能性があるわけです。
しかしジョーは「海賊が交通安全に気をつけるって・・・」と鼻で笑い、
ルカも「意味分かんないだけど・・・」と、気乗りしない様子です。

一方、宇宙空間のギガントホースでは、
作戦担当のバリゾーグが前回プワゾール回収作戦を失敗したザッガイからの報告で1つ見落としていたものを発見し、
ワルズ・ギルにその映像を示します。
それは、確かに前回の「道を教えて」のエピソードの中の1シーン、
ザッガイが倉庫から逃げたアイムと梨田を追って横断歩道を渡ろうとしたシーンの続きでした。

このシーン、前回のオンエアされた映像ではザッガイが横断歩道を渡ろうとしている時に
青信号が点滅しているところで終わっていたのですが、実はその続きがあって、
信号がそのまま赤に変わってもザッガイが構わずに道を渡ろうとしたところ、
赤い服を着た地球人の男が飛び出してきてザッガイを止めていたのでした。

その映像をワルズ・ギルに見せながらバリゾーグは「赤信号を無視した時、注意する地球人がいたそうです」と報告します。
ワルズ・ギルは「信号無視を注意する地球人・・・?」と首を傾げます。
ホントはそれに何の意味が有るのかよく分からないのですが、
バリゾーグが報告するからには何か意味が有るのかと思い、話を合わせているのです。
「はい・・・この地球人です」とバリゾーグが示した映像に映る男の顔は、
なんと「激走戦隊カーレンジャー」の元レッドレーサーこと陣内恭介でした。
相変わらず、猿顔の一般市民です。
もちろん演じているのはオリジナルキャストの岸祐二氏です。

が、ワルズ・ギル達はそれが元レッドレーサーであることは分からないようで、
恭介の顔を見て「ふ〜ん・・・」と呻いたワルズ・ギルは傍にいたダマラスに「ダマラス!どう思う?」と意見を求めます。
するとダマラスは「取るに足らぬ男かと・・・」と冷たい対応。
いや、ホントは結構重要(?)な男なんですが、
確かにこの信号無視を咎める行動だけ見れば、ザンギャック的には全くどうでもいいのは確かです。

更にバリゾーグまで「いや、私もそう思ったのですが」とダマラスに同意したものですから、
ワルズ・ギルは激昂して「だったら報告するな!」とバリゾーグに激しくツッコミを入れ、
プンプン怒って司令室から出て行きます。
「も・・・申し訳ございません」とバリゾーグも慌ててワルズ・ギルの後を追います。
シド先輩、改造されてすっかりアホの子になって可哀想です。

さて、いつものバカバカしい漫才がこうして終わり、ダマラスもいなくなった司令室で、
モニターに映し出されたままの恭介の顔を、司令室に1人残ったインサーンがまじまじと見つめます。
そしてインサーンの顔がピンク色に染まり、
「素敵・・・」とうっとりした声でインサーンは呟くのでした。
普段のインサーンはクールで妖艶な科学者キャラで、
この恋する乙女(?)のような突然のキャラギャップのインパクトは凄いものがありました。
激しく今回は変な話になりそうな予感をプンプン匂わせつつ、ここでOPテーマに突入していきます。
そして、「脚本 浦沢義雄」というテロップを見て、その予感は確信へと変わります。

OPテーマが終わり、CM明けに「いまも交通安全」というサブタイトルが出ます。
これはしっかり「カーレンジャー」のサブタイトルのフォーマットに則っています。
「カーレンジャー」という作品は、実は初代「ゴレンジャー」以来、
久々にサブタイトルのフォーマットの統一を徹底したシリーズ作品でした。
というよりも、「カーレンジャー」という作品は戦隊シリーズのセルフパロディがコンセプトのような作品で、
サブタイトルで統一フォーマットで遊ぶというのもシリーズ第1作の「ゴレンジャー」を真似して、
それをふざけた形で茶化したものであったと言えます。

「戦う交通安全」というふざけたキャッチフレーズの作品であった「カーレンジャー」では、
サブタイトルに全て交通用語や自動車用語が使われています。
例えば第1話は「戦う交通安全」というキャッチフレーズそのまんまのサブタイトルで、
第2話は「踊る騒音公害」、第3話は「正義の初心者印」、第4話は「巨大化に赤信号」というような感じです。
こういうのを全48話で貫いたのです。

そして最終話である第48話のサブタイトルは「いつまでも交通安全!!」でした。
今回のサブタイトル「いまも交通安全」は、フォーマットも守りつつ、
この最終回のサブタイトルの続きを意識したもので、
つまり今回のカーレンジャー篇は、正しく「カーレンジャー」の続編であるという主張が込められています。
そして、まさに今回の話の内容は「カーレンジャー」の世界観そのままの「カーレンジャー」の続編でした。

また、この「いまも交通安全」というサブタイトルは、
恭介が「カーレンジャー」終了から15年経った今でも子供たちに交通安全を啓蒙する活動を続けているという、
今回のお話の内容に則ったサブタイトルでもあります。

いや、実際のところは、「カーレンジャー」の本編における恭介は
別に他人に交通安全を啓蒙するようなキャラではなかったので「いまも交通安全」の「も」はおかしいのですが、
今回のカーレンジャー篇をむしろ「カーレンジャー」本編の放送時に毎回本編終了後に流れていた
交通標語を紹介するミニコーナーの続編であると考えれば、
そこにおける恭介のキャラはまさに交通安全の啓蒙家であり、
しかもあのミニコーナーにおける恭介のキャラは「ペガサス社員の陣内恭介」というよりはむしろ
「レッドレーサー役の役者」であったので、
なんと今回のカーレンジャー篇の恭介の設定と整合性がとれてしまうのです。
いや、多分、浦沢脚本だから、こんなのは単なる偶然の一致であって、考え過ぎだとは思いますが。

さてサブタイトルについてはこれぐらいにして、本編ですが、
本編が再開すると、まだインサーンは司令室のモニターに映った恭介の画像を覗きこんで顔をピンクにしています。
そこに「インサーン・・・」と呼ぶ声がして、見てみると行動隊長と思しき怪人が1人、司令室に入ってきます。
その怪人の姿を見てインサーンは「あら、ジェラシット・・・元気?」と、やけに親しげに声をかけます。

「あ・・・まぁね・・・」と妙にぎこちなくナイーブそうなこの怪人の名前はジェラシットというそうで、
何ともキャラが分かりやすい名前の怪人です。
このいかにも嫉妬深そうな怪人ジェラシットとインサーンは旧知の仲のようで、
ジェラシットは溜息をついてインサーンの横顔を見つめます。
そのジェラシットの見るインサーンのビジョンには変なキラキラ輝く枠がついていたりして、
もうどう見てもジェラシットはインサーンに惚れています。

そういうジェラシットの気持ちを知っているのか知っていないのか分かりませんが、
インサーンはジェラシットの方に振り向いて
「ジェラシット・・・昔から、私のためなら何でもするって言ってたわよね?」と問いかけます。
ジェラシットは「うん、昔から言ってた」と、何故かオウム返し。
なんかこの2人の会話、変な舞台芝居のようで面白いです。

ここで別に頼んでいないのにジェラシットの変な回想シーンが挿入されます。
その回想シーンは、何処か異星のようですが、何故か桜の木が生えていて、
その桜の木から舞い散る花吹雪の中、インサーンとジェラシットが佇んでいるシーンです。
インサーンは何故かセーラー服、ジェラシットも詰襟の学生服です。
こういう人外キャラに学生服を着せたりするシュールな場面、
「不思議コメディーシリーズ」などで浦沢氏が多用したお馴染みのパターンです。

この回想シーン、陽気に鼻歌を唄うインサーンの姿に見惚れてテンパッたジェラシットは
挙動不審な様子で「俺・・・インサーンのためなら、何でも出来そう!」と言います。
インサーンはそれに対して「ま〜たまたまたぁ!」と甘い声で余裕で返して笑い飛ばし、
ジェラシットはひきつって照れ笑いします。
てゆーか、こんな回想シーン、どうでもいいですよ、もう。
別にこんなこと思い出さなくていいし。

で、現実に戻ると、インサーンはジェラシットに向かい
「この男・・・捕まえてきてくれない?」と言ってモニターを見ます。
ジェラシットが「うん?」とモニターを覗きこむと、そこには恭介の画像があります。
インサーンは恭介に惚れたので捕まえて自分のモノにしたくなったのですが、
そんな思いっきり私情でザンギャックの部隊を動かすわけにはいかないので、
自分の言うことなら何でも聞いてくれそうな都合の良い男のジェラシットを使うことにしたのでした。
ジェラシットはそんなインサーンの気持ちは知りませんから、
愛するインサーンの頼みということで「うん、いいけど・・・?」と気軽に引き受けるのでした。

地上では、その恭介が公園で子供たちを集めて紙芝居を見せていました。
その内容は「赤信号を渡ってはいけない」というような趣旨のもののようだが、
無意味に込み入ったストーリーをやたらと恭介は1人で熱演しており、
気がつけば子供たちは配った飴を喰い終わると、皆いなくなってしまっていました。

「そして・・・誰もいなくなった・・・!」と劇的なセリフを呟く恭介。
というか、なんで恭介こんなことやってんの?
ペガサスはどうしたのか?
そもそも恭介ってこんなキャラだったっけ?・・・と疑問は噴出してきますが、
そんなことはお構いなしに場面は切り替わります。
このシーンの切り替わり方が、またなんとも古く懐かしいコメディドラマっぽい感じで、
「カーレンジャー」や不思議コメディーシリーズを彷彿とさせます。
だいたい、人気の少ない公園の紙芝居屋というシチュエーションが不思議コメディーテイストがバリバリです。

その公園でたそがれて座りこんでいた恭介は
「1人じゃ無理かなぁ・・・やっぱ劇団でも作るしかないのかなぁ・・・」などと意味不明なことを言って立ち上がります。
すると、そこにジェラシット率いる行動部隊が出現し、
「あいつか・・・?」と写真をゴーミンに見せて恭介の顔を確認したジェラシットは
「見つけたぞぉ!!」と啖呵を切ります。
「はぁ・・・」と気の抜けた返事をした恭介ですが、相手がザンギャックだと気付き「えぇ!?」と驚きます。

ジェラシットは高笑いして「俺の愛するインサーンの希望だ!ゴーミンども・・・あの男を生け捕りにしろっ!!」と、
インサーンの前では挙動不審だったクセに、ここでは妙にカッコつけて命令します。
襲いかかるゴーミン達に対して恭介はワケが分からず、
「ちょっと?何だよ?私を生け捕りにしてどうする?」と言いながらゴーミン達から逃げ回ったり反撃したりして、
とにかく捕まらないようにします。

ここでのアクションは公園の遊具を使ったりしてコミカルですが、結構よく動けています。
「カーレンジャー」という作品、カーレンジャーの面々は一般の会社員であったので
自分の変身前の正体を隠しているという設定で、生身アクションというものがほとんど無かった作品でした。
だから恭介の生身アクションというのもあまり無かったので、これは結構貴重な恭介の生身アクションです。
岸さん自体はミュージカル俳優でもあるので、実際はかなり動ける人です。

そして、この恭介とゴーミン達の立ち回りをギガントホースのモニターで観察しながら、
インサーンじゃ「かわゆい・・・」と、また顔をピンクに染めます。
インサーンの普段のキャラはどんどん崩れていきます。

さて、その頃、主役のゴーカイジャーの5人は、
ナビィのお告げを受けて街に出て毎度のごとく怪行動をとっていました。
「交通安全に気をつけるゾヨ」とのお告げですから、街に出て交通安全に気をつけながら道を歩いていたのでした。
まぁ普通「交通安全に気をつける」というと、そういう意味ですよね。
ナビィの見た夢のビジョンもそんな感じだったし、これでいいはずなのですが、
でも実際は後でそういう意味ではなかったと分かったりして、もうワケが分からないのですが、
カーレンジャー篇なのでそんな程度の不条理はどうでもいいです。

ただ、5人とも地球の交通ルールを知らないので、
ルカが交通安全教本をめくりながら、交通安全を実施していました。
5人で並んで手を上げて横断歩道を渡るというルールを実践している時は
マーベラスが両手を上げているのを見て「マーベラス・・・片手でいいみたいよ?」とルカが指摘し、
マーベラスが「早く言え!」と恥しそうにします。

「こんなことをして、本当に大いなる力が見つかるのか?」とジョーは疑います。
アイムは「さぁ・・・?」と他人事のようで、
どうもこの奇妙な作戦(?)は、いつものごとくお宝大好きのルカが立案したもののようです。
それでルカが仕切っている様子なのです。

更に5人は道行く人達に交通安全を啓蒙し始めます。
「無理な横断はやめましょう!」「駐車違反はやめましょう!」などと
声を揃えて通行人に向かって注意する宇宙海賊5人組の絵は非常にシュールです。
そして、そのたびに偉そうに通行人に「やめなさいよ!」「分かってる?」と
キレ気味に念押しするルカがもうなんか意味不明で傑作です。
何時の間にか本気で交通安全に取り組んでしまっているようです。

マーベラスもいつしかノリノリで、道端に駐輪してある自転車を見つけて、
「自転車も駐車違反か?」と目を輝かせますが、
そこに男の悲鳴が聞こえて、5人がそちらを見ると、
恭介がジェラシットやゴーミン達に追われて逃げているのを目撃します。
「・・・ザンギャックだよな?」とマーベラス。「何してんだ?」とジョー。
基本的に傍観者な2人ですが、アイムが「とにかく行きましょう!」と言うと、
何だかよく分からないまま、5人はとりあえずザンギャックの邪魔をすることにします。
5人は別に地球を守る義務を感じているわけではないが、
ザンギャックが地球人を目の前で苛めているのを見たらやっつけることにはしています。
特にアイムはそういう行為には積極的で、マーベラス達も、まぁ結構ノリノリではあります。

5人はゴーカイジャーに変身して、恭介を取り囲んでいるゴーミン達を襲撃し、斬りまくり撃ちまくります。
「邪魔をするな!」とジェラシットは抗議します。
確かに邪魔以外の何物でもないのですが、ゴーカイジャーはジェラシットの抗議をガン無視して暴れ続けます。
一方、絶体絶命の場面を救われた形の恭介はというと、何故か体育座りで5人の戦いぶりを眺め、
「これが海賊戦隊ゴーカイジャー・・・」と何やら感心しています。
どうもゴーカイジャーのことは知っているようです。
まぁ前回の梨田もゴーカイジャーのことは知っていたし、世間的にも有名な存在なのでしょう。
それにレジェンド戦士の間でもゴーカイジャーのことはもともと認知されていたようです。

ここで5人はジュウレンジャーに豪快チェンジします。
やはりジュウレンジャーで来ました。
第11話でデラツエイガーの噛ませ犬にされてしまったギンガマン、ジュウレンジャー、ダイナマンの
復権のための豪快チェンジ、前回はギンガマンでしたが、今回はそれに続いてさっそくジュウレンジャーで来ましたね。

ジョーのトリケラレンジャーは槍型の個人武器トリケランスを振るい、
ルカのタイガーレンジャーは短剣型の個人武器サーベルダガーでゴーミン達を斬り裂き、
ハカセのマンモスレンジャーは斧型の個人武器モスブレイカーからビームを発射し、
アイムのプテラレンジャーは弓型の個人武器プテラアローから矢を放ち、
皆、ゴーミン達を撃破していきます。
これらの個人武器は全て、第11話でデラツエイガーに跳ね返されてしまっていたものであり、
ここでやっとカッコいいところが見せられました。
このジュウレンジャーの各戦士の個人武器って、たまたまですけど、
ジョーが槍、ルカが短剣というように2人の得意な近接戦闘武器、
ハカセがビームバズーカ、アイムが弓というように2人の得意な遠隔戦闘武器になってるんですね。

そしてマーベラスのティラノレンジャーの龍撃剣も前回はイマイチの印象だったのが嘘のように冴えまくり、
ゴーミン達をバッタバッタと斬り倒していきます。
恭介はそうした5人の戦いぶりを見て「いいねぇ!」と更に感心します。

そしてゴーミン達を全滅させた5人の前にはジェラシットのみが残ります。
さっきのインサーンとのシュールや遣り取りの印象があるので、ジェラシット、全然強そうには思えません。
海賊5人の前で非常に心許ない状況ですが、
「暴力は止めなさい!暴力を止めないと・・・暴力するぞ!!」とワケも分からないことを言って、
手から雷撃を放ちます。しかしすぐに反撃されて吹っ飛ばされます。やっぱりジェラシット弱いです。

「止めてみろ・・・」とまたも悪役みたいなセリフを吐いてマーベラスが龍撃剣で大上段から斬りかかってくるのを
ジェラシットは「真剣白刃取りっ!!」と受け止めようとしますが、
見事に失敗し、正面から思いっきり斬られてしまいます。
これが爆笑もので、これはさすがに反則でしょう。ジェラシットが一気に愛おしくなってしまいました。
しかも斬られながら「お見事ぉっ!!」とマーベラスを称えるジェラシット。
「どぉーもぉっ!!」と言って更に胴を思いっきり斬り伏せるマーベラス。もうムチャクチャです。

「こいつは・・・思ったより強いっ!」と呻くジェラシットですが、どう見てもジェラシットが弱過ぎるように見えます。
「ひとまず撤退!」と1人しかいないのに号令をかけてヨロヨロ迷走して
そこらの壁にぶつかりながら逃げていくジェラシットの姿は、まさに「カーレンジャー」のテイスト全開です。

その様子をモニターで見ていたインサーンは
「根性が無いヤツだと思っていたけど、ジェラシットに頼んだ私がバカだった・・・」と酷評し、
溜息をついて「後悔・・・」と言うと、ギガントホースの司令室は暗転して青いライトがインサーンに当たるという、
不思議コメディーテイスト満開の舞台芝居っぽい演出となります。
もう、ここらへんで今回はマトモな登場人物がいないであろうことは視聴者にも分かってきます。

さて、ジェラシットを追い払って変身を解いたマーベラス達5人の前に、
何やら黄色い箱を小脇に抱えた恭介が現れ、「君たちが、海賊戦隊ゴ〜カイジャーだね?」と言いつつ、
「はい、コーヒー牛乳!」と、5人に1本ずつ黄色い箱から出したコーヒー牛乳を渡していきます。
どうも5人が戦っている間に恭介はコーヒー牛乳を買いにいっていたようです。

なんでここでいきなりコーヒー牛乳が出てくるのか一見意味不明で、
確かに展開的には意味は全然無いのだが、ネタ的な意味は一応あります。
コーヒー牛乳は「カーレンジャー」本編でカーレンジャーの指揮官的存在だった謎の宇宙人、VRVマスターの大好物であり、
劇中でしょっちゅう登場していた重要アイテムなのです。
まぁ、だからといって、ここの場面でいきなりコーヒー牛乳を配る展開は不条理と言うしかないのだが。

そして注目すべきというか、どうでもいいというか、
恭介がマーベラス達を「海賊戦隊ゴ〜カイジャー」と呼んでいる点は要チェックです。
「カーレンジャー」の作品世界においては、恭介たちカーレンジャーの面々も、敵であるボーゾック側も、一般人も、
皆、カーレンジャーのことをちゃんと呼ぶ時は「カーレンジャー」とは呼びません。
皆、いちいち「激走戦隊」という冠名を頭につけて「激走戦隊カーレンジャー」と正式名称(?)で呼ぶのです。
こういうところも戦隊ドラマのパロディドラマであった「カーレンジャー」らしさといえます。
このパターンを踏襲して、ここで恭介はゴーカイジャーのことを「海賊戦隊ゴーカイジャー」と呼んでいるのです。
冷静に考えるとこういう呼び方というのは異様で、
例えば魁がいちいち会話の中で自分達のことを「魔法戦隊マジレンジャー」と呼称していたりしたら笑ってしまいます。

そして更にここで恭介は「海賊戦隊ゴ〜カイジャー」というように
「ゴ」と「カ」の間を不自然に伸ばして発音しています。
これも「カーレンジャー」の世界観の踏襲であり、
「カーレンジャー」においては、タイトルコールや名乗りの時には
「激走戦隊!カ〜〜〜〜レンジャー!!」と変に伸ばす発音をしており、
どうやらこのように伸ばして発音するのがカーレンジャーの正式な発音らしいのです。
ここでは恭介はそれに準じてゴーカイジャーもそのような発音で呼んでいるわけです。

つまり、このような呼び方を通して、
今回のエピソードがあくまで「カーレンジャー」の世界観のお話だということを宣言しているとも解釈出来ますが、
激しくどうでもいいです。
たぶん、そんな深いことは浦沢氏は考えておらず、単に面白がってやっているだけでしょう。
というか、そんな宣言などするまでもなく、
何処からどう見ても既に「カーレンジャー」の世界以外の何物でもない状況になっています。

ザンギャックから助けた変な赤い服の男が自分たちのことを知っているような口ぶりだったので、
ルカは「あんたは・・・?」と尋ねます。
すると恭介はコーヒー牛乳を配りながら
「実は私、戦う交通安全、激走戦隊カ〜レンジャーの・・・レッドレーサー、だったんだ!」と、
あっさり自分の正体を明かします。
しかも名乗りのキャッチフレーズ込みで、しっかり「激走戦隊カ〜レンジャー」と伸ばして発音。

そしてなんと、ここで早くもレッドレーサーの変身後姿が恭介と重なり合って浮かび上がる
オーバーラップ演出まで登場。
しかも恭介はこれを邪魔臭そうに手で払いのけ、
レッドレーサーの幻影はもんどりうって倒れていき、かき消えます。
何たる不条理。もうやりたい放題です。

このレッドの変身後姿が重なる場面というのはレジェンドゲスト回の大きな見せ場の1つなのですが、
完全にそれを茶化しました。
さすが、戦隊シリーズのセルフパロディ作品であった「カーレンジャー」の浦沢・坂本・岸のトリオです。
今回のエピソードも、単なるレジェンドゲスト回ではなく、
レジェンドゲスト回のパロディと位置づけているようです。

驚く5人に対して恭介は「かのレジェンド大戦で、カーレンジャーの力を失ってしまったから、
今は陣内恭介の名前で、役者やってますけど・・・」と近況説明します。
なんでカーレンジャーの力を失うと役者になるのか意味が分からないし、
そもそもお前はペガサス社員だったはずだろうとか、疑問は尽きない発言なのですが、
そういう意味不明発言はスルーして、5人組はただ恭介が
「戦う交通安全、激走戦隊カ〜レンジャーのレッドレーサー」だったことに反応します。

「元カーレンジャーだったからザンギャックに襲われたの?」とルカが問いかけますが、
恭介は「さぁ?」と首を傾げます。
実際、なんで自分がいきなり襲われたのか分からなかったのです。
その時、ジョーがさっき恭介の言っていた「戦う交通安全」というキャッチフレーズを思い出し
「ナビィの言っていた、交通安全に気をつけろっていうのは・・・」と呟く。
「こういうことか!」とマーベラスはニヤリと笑います。
「交通安全に気をつける」というのは、交通ルールを守って歩くということではなく、
「戦う交通安全」であるカーレンジャーの恭介と出会うべしという意味だったのだと解釈したのです。

これこそ、まさに運命の出会いだと確信したハカセは恭介に向かって明るく「教えてください!」と言いますが、
恭介には意味が分からないようで「何を?」と問い返します。
「何をって・・・カーレンジャーの大いなる力です!」とハカセは当たり前のように言いますが、
恭介は「・・・カーレンジャーの大いなる力・・・!」と、じっと空を仰いで考え込んでいます。
そして急に「・・・分かった!教えよう」とキッパリ言いますが、どう見ても怪しいです。
これ、絶対に恭介、カーレンジャーの大いなる力が何なのか分かってないでしょう。

これまでの5つの戦隊篇のレジェンドゲスト達は、
それぞれ自分達の戦隊の大いなる力の源が何なのか分かってはいました。
例えば魁はマジレンジャーの大いなる力の源は「勇気」だと分かっていましたし、
ドギーはデカレンジャーの大いなる力の源は「誇り」だとも分かっていました。
ただ、例えば走がハカセにガオレンジャーの大いなる力を譲ってほしいと言われた時に困ってしまったように、
その大いなる力の源が「優しさ」だということは分かっていながらも、
それを譲ったり教えたりすることは出来ないし、その方法は彼らレジェンド戦士達にも分からないようではあります。

彼らレジェンド戦士たちはゴーカイジャーの中にその大いなる力の源と同じ資質があるのか見極めるだけであり、
そして実際は彼らレジェンド戦士たちはその見極めの作業の中で
無意識にゴーカイジャーの中のそれらの資質を引き出してきました。
ただ、その引き出す方法を知っているわけではありません。
そこは物語の妙というもので、あくまで偶然そのような展開になっていくだけのことです。
レジェンド戦士たちは全てを知り尽くした高位者としてではなく、
あくまで最初は見極めるだけの者として現れるのです。

だから、ここで恭介が困っているのも、
走の場合と同様、カーレンジャーの大いなる力の教え方が分からなくて困っているようにも見えますが、
あっさり「教えよう」などと言っているところを見ると、
逆にカーレンジャーの大いなる力のことを知らないことが分かります。
何故なら、大いなる力は教えることなど出来ないからです。
つまり、知らないクセに知っているフリをして適当なことを言っているわけです。

このあたり、自分の戦隊の大いなる力の源が何であるのか知らないというのは
一体どういうことだと思われるかもしれませんが、
じゃあカーレンジャーの大いなる力の源、すなわちカーレンジャーというヒーローのテーマとは何なのかと問われても、
なかなか正確に答えられる人はいないはずです。
「交通安全」とか言う人もいるかもしれませんが、あれは単なるキャッチフレーズであってテーマではありません。

それに比べ、ゲキレンジャーの大いなる力の源となるヒーローとしてのテーマが「高みを目指す向上心」であることや、
シンケンジャーにおけるそれが「絆」であることは、それらの作品を見ていた人なら誰でも分かります。
それらのテーマは劇中で何度も何度もそれがその戦隊のテーマであることが描かれ語られていたからです。
これがこれまでレジェンドゲスト回でとりあげられてきた後期14作品の特徴です。

一方、前期20作品のうちの1つである「カーレンジャー」という作品においては、
そうした明確なヒーローとしてのテーマが劇中であまり描写されていませんでした。
だから当然、その主人公であった恭介ですら、
そのテーマ、つまりカーレンジャーの大いなる力の源が何であるのか、すぐに分からないのです。
ただ、それならそれで「知らない」と正直に言えば良いものを、ここで恭介は知っているフリをして、
しかも本来は教えられないものなのに教えようとします。そもそも知らないので教えられるはずもないクセにです。
そのような怪しい行動には必ず何か狙いがあるはずです。

マーベラス達5人は恭介がそんなウソをついているとは知りませんから、教えてもらえると思って嬉しそうな顔をします。
ところが、その5人の方に振り向いて恭介は「その代わり!」と条件をつけようとします。
やっぱり何か別の狙いがあるようです。
「その代わり・・・?」と、何やら怪しい雲行きになってきたと感じたジョーが表情を曇らせて問い返すと、
恭介は「私と劇団、作らないか?」と意表をついた提案をします。

当然「はぁ!?」と5人は目が点です。
いや、視聴者も、さっきの公園での恭介の独り言を聞いてなければ、まちがいなく目が点になる唐突な提案です。
それにしても、何で恭介は劇団にこだわるのか?
いや、そもそも何でコイツはペガサスの社員じゃなくて役者をやってるのか?
その理由を恭介が必死で語り始めます。

「子供達に芝居を通して交通安全を教えたいんだよ!・・・これまでは紙芝居を通してやってきたんだけど、
どうも1人でやる限界を感じてしまってね・・・どうだ?五色の信号機!」と、また奇異な提案をする恭介に驚き
ルカとハカセは「五色の信号機!?」と不審そうに言います。
アイムはどうなるのかとハラハラしており、
マーベラスとジョーはどうも変な話になってきたということを感じて腕組みして目を閉じてしまっています。
どうやら恭介は5人に一緒に芝居をするように持ちかけたいらしく、
しかもその芝居は子供たちに交通安全を教えるための寸劇で、5人の役柄は信号機であるようです。

しかし、それにしても恭介はどうしてそんなに交通安全の啓蒙に熱心なのか?
「カーレンジャー」本編での恭介は別にここまで交通安全に熱心なキャラではなかったと思うのですが。
むしろシグナルマンの方が熱心だったように思えますが、アレはまたちょっと違う。
単に融通の利かない頑固者だっただけで、
紙芝居やお芝居で子供たちに交通安全を教えようというキャラではありませんでした。
いったいどうして恭介がこんな変なキャラになってしまったのか?
まぁキャラの基礎部分はミュージカル役者である岸氏本人なのでしょうが、
それにしても何でこういう方向性になったのかが問題です。

これはさっき恭介が「カーレンジャーの力を失ったので、今は役者をやってる」と言ってたことがヒントなのでしょう。
つまり、恭介が子供たちに芝居で交通安全を教えたいと思うようになったのは、
レジェンド大戦でカーレンジャーの力を失って以降のことであるようなのです。
だから役者といっても職業で役者をやっているわけではなく、
もしかしたら相変わらず職業はペガサス社員なのかもしれないが、
ここで恭介は職業の話として役者の話をしているのではないのです。
あくまでカーレンジャーとしてやっていたことの延長というか、代わりというか、
そういうニュアンスで「役者」というものを捉えているわけです。

そうなると、つまり恭介にとってカーレンジャーの力というのは、
子供たちに交通安全を教えるために存在していたということになります。
それが力を失ってしまったために子供たちに交通安全を教えられなくなってしまったので、
代わりに芝居で交通安全を子供たちに教えようと思うようになり、
1人ではそれも限界があるので、ゴーカイジャーを仲間に引き込もうと思い、
実は自分も何だかよく分からない「カーレンジャーの大いなる力」で釣ろうとしているわけです。

しかし、「カーレンジャー」本編でカーレンジャーは
自らの力を使って子供たちへの交通安全の啓蒙なんかしていませんでした。
だから、ここで恭介の解釈しているカーレンジャーというものは、
「カーレンジャー」本編のカーレンジャーとは微妙にズレがあります。
むしろ、本編の後にやっていた交通安全の啓蒙のミニコーナーにおけるカーレンジャーとはピタリと一致します。

だいたい、ここで恭介はカーレンジャーの力を失ったから出来なくなったことを
芝居で代用しようとしているわけですから、
恭介の認識ではカーレンジャーの子供への交通安全の啓蒙はお芝居を通してやっていたことになります。
それはまさに本編後のミニコーナーにおけるカーレンジャーとしてやっていた寸劇そのものではないでしょうか。

恭介にとってカーレンジャーとしてやっていた事の中で最も重要だったのは
地球を守るために戦っていた本編のストーリーの方ではなく、
あのミニコーナーの交通安全を説く寸劇の方だったのです。
レジェンド大戦でカーレンジャーの力を失って恭介が一番困ったのは、
カーレンジャーとして子供たちへの交通安全を説く寸劇が出来なくなったことであり、
その代わりに紙芝居をやったり、劇団を作ろうとしたり、四苦八苦しているようなのです。
そして自分と違って変身することの出来るゴーカイジャーを引き込んで、
五色のスーツを身にまとった者達しか出来ない「五色の信号機」という役を彼らに演じさせようとしているのです。

もしかしたら、この役はカーレンジャーが健在ならばカーレンジャーが演じるべき定番の役柄なのかもしれません。
そういえばカーレンジャーはゴーカイジャーと配色が赤青緑黄桃と、全く同じですから、
カーレンジャーの演じる五色の役柄をゴーカイジャーは代演可能なのです。
もしかしたら、さっき恭介がゴーカイジャーが変身スーツで戦っているのを見て「いいね!」と言っていたのは、
ゴーカイジャー自体のスーツ色か、あるいは自在にスーツ色を変えられる豪快チェンジの能力を見て、
これは使えると思って感心していたのかもしれません。
もしそうならば、なんともメタフィクションな設定であり、まさに浦沢テイスト全開です。

ただ、そうなると、カーレンジャーの力というのは
地球を守るためではなく、むしろ子供たちに交通安全を教えるために存在するということになります。
つまり、それが「カーレンジャーの大いなる力」の正体なのですが、
どのような力が子供たちに交通安全を教えるために必要なのか、それが問題です。
それがゴーカイジャーの5人はもちろんのこと、恭介にもあまり分かっていないようなのです。

さて、5人の不審そうな様子を察した恭介は
「絶対いい芝居になるってぇ!もちろん脚本と演出と主演は私が・・・そして君たちは五色の信号機になって・・・」と
オーバーアクションで必死で説得しますが、気がつけば5人はもうコソコソ立ち去ろうとしていました。
逃がしてなるものかと恭介は「君たち!大いなる力は要らないのかい!?」と呼びかけます。

ビクッとして立ち止った5人は困った顔をしますが、
ルカが「いや・・・要るけど・・・」、ジョーが「五色の信号機になるのは・・・」と言うと、
5人はそ〜っと地面にコーヒー牛乳を置きます。
そしてアイムが「他のカーレンジャーの方にいただきます!」とキッパリと恭介の提案を断り、
マーベラスが「行くぞ!!」と合図すると、5人は恭介に背を向けて全力疾走で逃げ出します。
よほど五色の信号機を役をやるのが嫌なようです。
まぁ強面の宇宙海賊が子供相手にそんなマヌケな芝居が出来るか!とマーベラス達が思うのも当然でしょう。

変なのに引っ掛かってしまったが、他のカーレンジャーのメンバーに大いなる力を貰えばいいと割り切ったようです。
こんな酷い扱いを受けたレジェンドゲストも前代未聞ですが、
ただ、他のカーレンジャーのメンバーのところに行っても同じようなもんだとは思いますが。

「待ちたまえ君たち!・・・私が元カーレンジャーのレッドレーサーだったことを忘れているねぇ!脚には自信があるんだ!」と
恭介は自分の脚をポンと叩くと、5人を追って「待てえええええ!!」と駆け出します。
なんだか脚を踏みならすとエンジンをふかす音がしたりして、車モチーフの戦隊っぽい演出もしてますが、
別に「カーレンジャー」本編では恭介が生身で走るのが速いという設定は無かったと思います。
まぁもうこのへんはテキトーです。

この激走する恭介の姿をギガントホースの司令室のモニターでインサーンは見ていました。
てゆーか、インサーン、今のアホな遣り取り、全部見ていたんでしょうか?
インサーンは恭介の激走ぶりを見て「レッドレーサー様!逞しいお方!ますます恋してしまうわ!」と叫ぶと、
モニターの前の席から飛び降りて、誰もいない司令室の中で、
突如、謎のコーラス曲に乗って踊り狂います。
インサーンのキャラ、遂に大崩壊です。これは大爆笑。
一輪の花まで手にしての踊りそのものも傑作ですが、
いちいちガワがこすれてバサバサ音を立ててるのが、なんともシュールで泣けてきます。

この不条理極まりない情景を、何時の間にか戻って来ていたジェラシットが物陰に隠れて覗いており
「インサーン・・・あの男に会いたいために俺を利用したのか!?・・・あの男にぃぃぃ!?・・・ジェラシットォォォォ!!」と
身悶えして叫びます。
声が大き過ぎて隠れてる意味が無いと思うんですが、
ここで彼が「ジェラシー」と「嫉妬」を合成した名前の通り、嫉妬深い怪人であることが雄叫びと共に明らかとなります。
まぁどうでもいいことなんですが、
しかし一応、彼の恭介に向けられた嫉妬心がこの後、ストーリーを意外(?)な方向へと急展開させていくのです。
でも、「大いなる力」とはやっぱり全然関係ない方向なんですが。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 14:55 | Comment(0) | 第14話「いまも交通安全」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月31日

第14話「いまも交通安全」感想その3

ここからはドタバタ喜劇です。
恭介から逃げるゴーカイジャー5人のうち、マーベラスとアイムは右に、ジョーとルカは左に逃げていき、
真ん中に取り残されたハカセが「あっちに行くべきか?こっちに行くべきか?・・・それが問題だぁ・・・」と、
ハムレットのセリフみたいなことを言って溜息をつきます。
そこにエキゾースト音とブレーキ音を立てて恭介が駆け込んできて、
ハカセの顔を覗き込んで「その悩める演技・・・」と感心しますが、
別に演技してたわけじゃないハカセは慌てて逃げようとしますが捕まってしまい、
恭介はハカセの肩を抱いて「シェイクスピアも絶賛すると思うよ・・・」と褒めちぎります。

しかし浦沢脚本に芝居がかったセリフを言わされているだけで、ハカセのセリフはそもそも演技じゃないし、
シェイクスピアなんて言われてもハカセは分からんだろうと思う。
そこにいきなり「ジェラシットォォォッ!!」と叫んで全身を炎に包んでジェラシットが出現して2人に突っ込んできます。
これは全くのジェラシットの独断の行動だったようで、
ギガントホースのモニターで恭介の様子を見ていたインサーンもこれには「ジェラシット!?」と驚きます。

恭介とハカセも驚き、恭介は「危ない!危ない!」とハカセを盾にして避けようとし、
ハカセは動けなくなって「何するんですか!?」と慌てますが、そのままジェラシットの炎の体当たりの直撃を受けます。
ところがハカセに激突して通り過ぎたジェラシットは更に反転してきて「炎のジェラシーパワー!!」と叫んで突っ込んできます。
どうやらジェラシットが倒そうとしているのは恭介の方で、
その動機は、自分の愛するインサーンが恭介のことを好きだということに嫉妬してのことであるようだ。
くだらない理由ですが、ジェラシットという怪人、どうやら嫉妬心が高まると、
全身から嫉妬の炎を発して攻撃力とすることが出来るようです。
つまり嫉妬している時のジェラシットが真の最強形態であり、だからさっきは嫉妬してなかったので、あんなに弱かったのです。
しかしまぁ、やっぱりくだらない怪人です。

このジェラシットの再度の炎の体当たりを、またも恭介に盾にされて食らってしまい吹っ飛ばされた災難のハカセは
「ちょっとぉ!!」と、同じくひっくり返っている恭介に駆け寄って引き起こし
「仮にも元カーレンジャーの人が他人を盾にするなんて!自分で避けてください!」と抗議します。
ところが恭介は逆ギレして「しょうがないだろ!・・・もう戦う力を失ってしまった身体なんですから・・・」と、
何故かションボリして体育座りします。

確かに、前回のレジェンド回の志葉薫のような、もともと変身しなくても戦士だった者とは違い、
カーレンジャーの面々というのは変身前は普通の会社員で、変身時以外は戦わないのが特徴だった戦隊ですから、
レジェンド大戦で変身能力を失った後の恭介が全く戦おうとしないのは、
「カーレンジャー」本編とは整合性はとれているのです。
元カーレンジャーの人だからこそ、この場合、自分よりも戦えそうな他人を盾にする方が当然なのであり、
ここでは恭介の言っていることの方が実は筋が通っているのです。
ハカセも別にカーレンジャーのそういう設定を知っているわけではないが、
「まぁ・・・そう言われれば・・・」と、なんとなく納得し、恭介と並んで膝小僧を抱えて体育座りして頷き合います。

敵を前にして何ともシュールな2人ですが、
その2人を見てジェラシットは「何だその余裕はぁ!?ますます憎らしくなるぅぅ!」と身悶えして怒り狂い、
「再び!炎のジェラシーパワー!」と、全身から炎を発して、炎の塊を連射してきます。
すると、なんとそこに突然インサーンが出現して恭介たちを守るように立ちはだかってジェラシットの炎の塊を叩き落とします。
ハカセはインサーンの姿を見て「お前は・・・!?」と驚きます。
ここは、単にいきなりインサーンが現れたので驚いたのか、
それともインサーンのことをもともと知っていたから驚いたのか、ちょっと分かりませんが、
今回はこの後、別に意味ありげな描写も無かったので、まぁたぶん前者でしょう。

「やめなさい!」とインサーンはジェラシットを叱りつけます。
「インサーン!?」と驚くジェラシットに向かいインサーンは
「誰が炎のジェラシーパワーで倒せと言った?私は捕まえろと言ったはず!」と、正論を言います。
まぁ確かにその通りなのだが、こんな簡単に地上に現れるんだったら
最初からジェラシットなんかにやらせないで自分で恭介を捕まえに来ればいいだろうに。
一方、叱られたジェラシットはもともとインサーンに対しても腹が立っているので、さっきのように素直には言うことを聞きません。
「俺のジェラシーが・・・その男を倒せと言っている!」と意味不明なことを言って逆らい、
「インサーン・・・そこをどけ!」と、あくまで恭介を倒す気満々です。
しかしインサーンは恭介を庇うようにしゃがみこんで片手を広げ、「・・・どかない!」と言います。

なんだか妙にカッコ良く、正義のヒロインみたいに見えますが、単に恭介を拉致しようとしてるだけなのは忘れちゃいけません。
ただ、それもよほど恭介に激しく一目惚れしたからなのでしょう。
その恋心を見せつけられてジェラシットは気も狂わんばかりに「ああああああ!!」と絶叫します。
そして「俺の愛を知りながら・・・可愛さ余って憎さ千倍!!・・・インサーン!!お前もぉぉ!!ジェラシーパワー!!」と
嫉妬に狂ってますますパワーアップしたジェラシットはインサーンもろとも恭介を倒そうとして炎の塊を連射しまくります。
これはインサーンにとっても厄介なことです。
恭介を守ろうとすればするほどジェラシットは嫉妬に狂って激しく攻撃してくるのですから、
もはや説得は不可能で、恭介を連れて逃げるしかない。

ここでまた謎の天上のコーラス曲のようなBGMが流れて、
不条理にもインサーンは恭介を抱えてクルクルと舞踏会で踊るペアのように舞って、ジェラシットの攻撃をかわしていく。
それを見てますます嫉妬に燃え狂ったジェラシットが絶叫して2人を追いかけていきます。
このあまりに意味不明な展開にハカセはただ唖然とするばかり。
「どうしたらいいんだろう?・・・止めるべきか、止めざるべきか?・・・そこが問題だ・・・」と、
またハカセはハムレットのようなセリフを言って頭を抱えます。

そこに他の4人がやってきて、マーベラスも目の前の異常な光景にさすがに「何だこりゃ?」と苦笑します。
インサーンは逃げていたはずなのに何時の間にか恭介をクルクル武器みたいに振り回してジェラシットを攻撃しており、
その振り回されている恭介がカットによっては明らかに人形であることが分かってしまうあたり、なんともシュールです。
これは坂本監督、ワザとやってるに違いありません。

5人はインサーンのことは知らないようですが、それでもザンギャックの一員であることは分かりますから、
つまりザンギャック同士が追いかけっこしているということは分かります。
しかし、それがどうしてなのか分からない。
「何が何だか・・・分かりませんねぇ」とアイムも困惑顔です。
ルカは「元カーレンジャーの陣内恭介を巡って・・・ザンギャックの内部分裂?」と、
漠然と目の前で起きている事態を考察してみます。
そもそもインサーンは恭介が元レッドレーサーであるとか関係なく一目惚れしているのですが、
5人にそんな異常な事態が想像出来るはずもなく、
てっきり恭介が元カーレンジャーであることがこの奇妙な争奪戦の理由なのだと考えるのが自然です。

しかしジョーは鼻で笑い「そんな大袈裟なものにも見えないが?」と指摘する。
目の前の追いかけっこがそんなシリアスなものにはどうしても見えないのです。
かといってジョーにもそれがまさか痴話喧嘩であるなどということまで分かるわけでもなく、
理解不能であるのはルカたち同様です。
「もしかして、カーレンジャーの大いなる力って・・・凄いものなのか・・・?」とハカセも考え込みます。
確かにザンギャックはマーベラス一味がスーパー戦隊の大いなる力を集めていることを知っており、
以前は第9話ではガオレンジャーの大いなる力を横取りしようとしてきました。
そのことをハカセは理解していますから、
今回もザンギャックはカーレンジャーの大いなる力を狙って恭介を捕まえようとしており、
その力を奪い合って内部分裂しているようにも見えました。
ならば、カーレンジャーの大いなる力とは、ザンギャック同士で奪い合うほど凄い力なのかもしれません。
確かにそれで理屈は通りますが、しかし先ほどからの恭介やインサーン、ジェラシットの言動を考えると、
カーレンジャーの大いなる力がそんな凄いものとは、あんまり思えないのでした。
それで何だかよく分からなくなってハカセも皆も黙って考え込んでしまいます。

その5人に向かってインサーンが「何してんの!?ボケッと見学してないで助けなさい!早く!」と
ドS女王様のようなキツい調子で叱り飛ばします。
別にゴーカイジャーがザンギャック同士の争いに介入する必要は無いのですが、
確かにカーレンジャーの大いなる力を得るためにも恭介は救出しなければなりません。
まぁそういう事情もあるのですが、5人はついインサーンの勢いに押されて、
慌てて整列して豪快チェンジするような形になりました。

シリーズでは普通はこういう場合、戦隊側の自主的判断で敵同士の争いに介入するものですが、
ここではゴーカイジャー側がボケッと考え事をしていたために、敵に叱られて戦わされるという、
普通はあり得ない可笑しなパターンとなりました。
こういうところは、やはり戦隊シリーズのセルフパロディ戦隊であったカーレンジャーの世界観に
どっぷり浸かっている今回のエピソードならではの演出といえます。

ところがそうして5人で豪快チェンジして、
いつものようにマーベラスがゴーカイガンをクルクルと回して「派手にい・・・」と言いかけたところ、
誰も目の前にいませんでした。
「い・・・行けない!」とハカセも愕然とします。
かつて無いパターンに5人が困惑していると、後ろの渡り廊下から叫び声がして、
振り向くとそこで恭介たちが追いかけっこをしており、「こっちだ〜!!」と恭介が手を振って助けを求めます。

これもいかにもカーレンジャー篇らしい演出で、
戦隊側が変身したり名乗りをしたりしている間は敵はじっとその場で立って待っているという
暗黙のお約束を無視して茶化した演出なのです。
そういえば「カーレンジャー」本編でも合体中のロボを攻撃するという
シリーズ的にやってはいけない禁じ手も使ったことがありました。

普段は無いこうしたノリには、さすがの異色戦隊のゴーカイジャーも戸惑うようで、
「・・・やりづれぇなぁ!」とマーベラスは頭を掻きつつ、ハカセにジェラシットを攻撃させます。
そうしてハカセはジェラシットに飛びついて蹴り飛ばし、吹っ飛んだジェラシットをルカとアイムが斬り捨て、
さらにマーベラスとジョーがメッタ斬りして、最後はマーベラスのヤクザキックですっ転ばします。

「へっ!とっとと終わりにしようぜ!」とマーベラスはジェラシットを倒しにかかろうとしますが、
ジェラシットは「そうはいくかぁっ!」と立ち上がり「ジェラシットォォッ!!」と叫んで、
また全身を炎に包んで体当たり攻撃でゴーカイジャーを翻弄し、
さらに手刀を炎で包んで「ジェラシー・・・炎斬り!」といって炎の斬撃でゴーカイジャーを吹っ飛ばします。
なんだかジェラシットの方が正義の味方みたいに見えてしまいます。

形勢逆転されてしまったゴーカイジャーですが、
ここでハカセが「やっぱりここは、これでしょう!!」と、何かのレンジャーキーを出します。
他の4人も同じ戦隊のレンジャーキーを出し、5人揃ってゴーカイチェンジします。
このタイミングならば、通常のレジェンドゲスト回ならば、その回のゲストの戦隊に豪快チェンジするところですが、
いつもの場合は、この敵怪人との決戦時には既にその戦隊の大いなる力の源をゴーカイジャーが持っていることが判明して
レジェンドゲストとゴーカイジャーは心が通じ合っているのですが、
今回は恭介とゴーカイジャーの間でまだあんまりそういう印象はありません。
そもそもカーレンジャーの大いなる力の源が何なのか、ゴーカイジャーにも恭介にもよく分かっていない状態で、
視聴者ですらよく分かっていないわけですから、まだ話の展開自体が流動的な段階です。

だから、ここでカーレンジャーに豪快チェンジしても、その力を十分に引き出せるかどうか分かりません。
いや、そもそも今回のカーレンジャー篇においては、
カーレンジャーの大いなる力というものは地球を守る戦いのためにあるのではなく、
子供たちに交通安全を教えるためにあるようなのですから、そんな戦隊に変身して大丈夫なのか?とも思えます。

さて、どうなることかと思って見ていると、
なんと豪快チェンジでご丁寧に決めポーズまでとって変身したのは高速戦隊ターボレンジャーでした。
思わず恭介はインサーンに捕まったまま「おい!それじゃない!!」と激しくツッコミます。
このあたり、また何ともメタなギャグで、
登場人物である恭介が今回はカーレンジャー篇だから当然我がカーレンジャーへ豪快チェンジするのだろうと分かっており、
期待して待っていたところ、
よりによって同じ車モチーフ戦隊で間違われやすいターボレンジャーへ変身したものだからガクッときたようです。

恭介のツッコむ様子を見てハカセはレンジャーキーのチョイスを間違ったことに気付き、
ここはやはりカーレンジャーの元戦士が見ている以上、
カーレンジャーに変身すべきと思い直し「カーレンジャーだって!」と言います。
ジョーは素で間違っていたようで「違うみたいだ・・・」とボヤきます。
マーベラスがレッドレーサーのレンジャーキーを取出し「こいつか!」と確認して掲げると、
ここでカーレンジャーのOPテーマのイントロが流れ始めます。
ここまで全く燃える展開でなかったはずなのに、それでもオリジナルのOPテーマが流れると燃えてくるから不思議です。
しかもカーレンジャーなのに燃える。いや、カーレンジャーって、曲は凄く燃えるんです。
燃えて、そして何とも楽しい気分になる名曲です。

OPテーマのイントロが流れ始めると同時に5人は「豪快チェンジ!!」と、
モバイレーツにカーレンジャーのレンジャーキーを差して回します。
ここでカーレンジャーのオリジナル変身アイテムであるアクセルチェンジャーのように
カギをグイグイ回してエンジンを噴かす演出があるのがなんとも懐かしく嬉しいです。
そしてモバイレーツから車が飛び出してくるのも、オリジナルの変身エフェクトに準じています。
こうして5人はカーレンジャーの姿に変身し、ターボレンジャーは全く戦闘シーンは無く、
単なる「出オチ」のような扱いになってしまいました。
まぁ第9話で結構ターボレンジャーは活躍していたので、今回はこれでいいでしょう。

5人がカーレンジャーに変身すると、背景に車型の5つの星座が現れます。
これは「カーレンジャー」本編のワケの分からん設定で、
カーレンジャーというのはこの5つの車型の星座にちなんだ伝説の戦士であるそうです。
ものすごく胡散臭い伝説なので当時の視聴者はほとんど信じておらず、それであまり印象に残ってないかもしれませんが、
まぁそういう設定なので、毎回変身シーンには背景に5つの車の星座が出現するのです。

ただ今回の背景には星座だけではなく、くす玉がぶら下がっており、
5人がカーレンジャーに変身すると、このくす玉が割れて「これが正解」と書かれた垂れ幕が下りてきます。
これは、さっき間違ってタ−ボレンジャーに変身してしまったから、
カーレンジャーに変身したのが正解だということですが、とことん遊んでますね。

カーレンジャーはゴーカイジャーと配色と性別が完全に一致している数少ない戦隊の1つで、
これは他にはバイオマン、フラッシュマン、オーレンジャー、デカレンジャー、シンケンジャーしかありません。
また、カーレンジャーは2011年現在、戦士名に戦隊名が入っていない最も新しい戦隊でもあります。
次作のメガレンジャー以降、現在のゴーカイジャーに至るまで、
全て「戦隊名の一部の文字列+色名」というフォーマットになっており、
カーレンジャーのようなパターンは見られなくなりました。

つまり、カーレンジャーのレッドはカーレッドではなく、レッドレーサーであり、これにマーベラスが変身します。
同様にブルーレーサーにはジョーが変身し、
グリーンレーサーにはハカセが変身し、
イエローレーサーにはルカが変身し、
ピンクレーサーにはアイムが変身します。
そして、なんと今回、カーレンジャーの姿で1人ずつ名乗りまで披露してくれました。

実は「カーレンジャー本編では各自名乗りは省略されて最後のあの有名な全員名乗りだけで済まされることが多かったのですが、
ここでは全員名乗りは無しで、各自名乗りだけをやって見せてくれました。
「カーレンジャー」本編では赤青緑黄桃の順で名乗っていたのですが、
ここではあくまで中身はゴーカイジャーなので、ゴーカイジャーと同じ順番で赤青黄緑桃の順で名乗ります。
そういう相違点はあるものの、各自の決めポーズはオリジナルを踏襲しており、
BGMのOPテーマのインストも相俟って、大変懐かしい気分になります。
これには恭介も大喜びで、満面の笑みでグッとサムズアップしてゴーカイジャーのグッジョブを称えます。

これまでのレジェンド回でも、せっかく変身エフェクトまで本物そっくりに作ってあるので
「オリジナルと同じ名乗りもしてくれたらなぁ」という願望ももちろん有りました。
しかし、これまでレジェンド回で扱ったガオレンジャー以降の作品においては、
名乗りは変身するオリジナル戦士のそれぞれの個性と密接に結び付いたものになってしまっており、
それを他人であるマーベラス達がそのままやってしまうというのは、やはりマズいといえます。
それにやたら長ったらしくなったというのも理由としてあるとは思いますが、
そういうわけで今までは個人名乗りをゴーカイジャーが真似るという演出はありませんでした。
しかし20世紀戦隊であるカーレンジャーの場合、
名乗りは単に「レッドレーサー!」「ブルーレーサー!」という簡潔で個性の薄いものであったので、
こうしてゴーカイジャーがそのまま真似るという演出が違和感なく出来たのでした。

さて、ここでカーレンジャーに変身したマーベラス達とジェラシットの戦闘が開始されますが、
カーレンジャーが弱くて笑ってしまいます。
どう見てもゴーカイジャーのまんまでいた方が強かった。
さっきまで圧倒していたジェラシットにやや押され気味なのです。
まぁカーレンジャーという戦隊は、そのスーツや武器の性能は優れていましたが、
中身が普通のおバカなサラリーマンばかりだったので、決して強い戦隊ではありませんでした。
相手のボーゾックがカーレンジャー以上にバカだったので勝っていたようなものです。

ただ、今回のカーレンジャーは中身はゴーカイジャーの面々なので、もうちょっと強くてもよさそうなものですが、
武器を使って戦うのが基本のカーレンジャーで何故か素手で戦っているので実力が出し切れていないようです。
このあたり、まだカーレンジャーの力を使いこなせていないのか、
それとも単にカーレンジャーはこんな程度の強さなのか、よく分かりません。

しかし恭介はノリノリで「そこでレッドが決める!」と拳を握って応援します。
それに応えるようにマーベラスのレッドレーサーはジェラシットに頭突きを食らわせ、ヤクザキックで蹴り倒します。
いや、これはほとんどマーベラスの戦い方であって、レッドレーサーとか関係無いような気もするのですが、
ここで「とどめだ!」とマーベラスが号令をかけて繰り出した技は、
なんと伝説の大技「カーレンジャー・クルマジックアタック」のパロディ技「ゴーカイ・クルマジックアタック」でした。

もともとはカーレンジャー・クルマジックアタックという技は、
「カーレンジャー」の最終回で最強のラスボスであったエグゾスが腐った芋羊羹を食べて等身大サイズに縮んだ後で
カーレンジャーがトドメを刺した技です。
それは5人が高速で突進して光となって1つに固まって敵を貫くという、
結構カーレンジャーにしてはカッコいい技だったのですが、
それがなんとここではカーレンジャーに変身したゴーカイジャーによってパロディにされているのです。

どういう技かというと、ジョーがスケボー、アイムが一輪車、ルカがローラースケート、ハカセが自転車に乗って、
ノロノロとジェラシットに突っ込んでいくという技でした。
マーベラスに至ってはハカセの漕ぐ自転車の荷台に座って「楽だぜ!」とサボっている始末。
恭介も恭介で技のことにはツッコまず、「こら!2人乗りは禁止!」と注意するのみ。
どんだけ交通安全大事なのやら?
そもそも、そんなキャラじゃなかったはずです。

ジェラシットはさすがにこのノロノロした5人の攻撃の意味が分からず、
「え???」と目を疑い、目をこすってみたりします。
ところがジェラシットの直近に来たところでジョー、アイム、ルカ、ハカセの順に不可解な急加速が生じて、
ジェラシットは4人の攻撃によって貫かれてしまいます。
どういう原理で彼らが加速しているのかは、この際、全く謎ということになりますが、
続いて自転車から降りていたマーベラスがそこに飛び込んできて
レッドレーサーの個人武器であるフェンダーソードで敵を斬り裂くドライビングスラッシュを炸裂させ、
ジェラシットを倒します。

倒したといっても、これで大勢が決したという段階で、
普段のレジェンド回ではこの後、立ち上がってきた敵に対して
ゴーカイジャーの姿に戻ってのファイナルウェーブ技でトドメを刺すのですが、
今回はジェラシットが気絶してしまったのでそのままちょっと放置という状況になりました。

その間、久々にカーレンジャーの雄姿を見て満足そうに「昔を思い出すなぁ」と頷いている恭介の横に
インサーンが身を寄せて腕を抱いて「ウフフ・・・」と微笑みます。
インサーンにしてみれば、ようやく邪魔なジェラシットがいなくなって恭介と愛を語れると思ったのでしょう。
しかし恭介はそもそもインサーンのことも知らないし、
さっきからなんでこの女怪人が自分にまとわりついているのか不審に思うだけでした。

それでいきなり腕を抱かれて「何だぁ?」と驚きます。
インサーンはすっかり恋心に陶酔して「分かって・・・」と甘えた声を出します。
「何を?」と聞く恭介に「私の気持ち・・・」と言うインサーンでしたが、
恭介は露骨に嫌そうに「分かるか!そんなもん!」と、インサーンの手を払いのけます。
それでインサーンはすっかり逆上して「そんなもんとは何よ!」と怒って恭介を地面に倒してその上に馬乗りとなり、
「こうなったら強引にキスしちゃお!」と、無理矢理に恭介の顔に自分の顔を近づけて何度もキスしようとします。
朝の子供番組で何やってんだか。

これはマズいと思った恭介は「待った!」とインサーンを制止します。
そして優しげな口調で「分かったよ・・・こういうのは、チーキュでは男からなんだよ・・・」と言います。
ここで恭介が「チーキュ」と言ってるのが、まさにカーレンジャーの世界観です。
「カーレンジャー」では地球に来た宇宙人はみんな地球のことを「チキュウ」とは発音せず「チーキュ」と発音していました。
もちろん地球人である恭介たちは「チキュウ」と言っていたのですが、
ここの場面では恭介が「宇宙人はみんな地球のことをチーキュと発音する」という
カーレンジャーの作品世界では当たり前の常識に同じく宇宙人であるインサーンをあてはめて、
わざわざ親切に「チーキュ」と発音しているのです。
つまり、それだけインサーンのことを尊重しているのだという意思表示なわけです。

ただ別にインサーンは普段から地球のことを普通に「チキュウ」と呼んでいるので、
そういう恭介の親切は理解出来なかったであろうが、
それでも恭介の口調から想像して、自分の気持ちを受け入れてくれたものだと安心したようです。
それで恭介の身体を上から押さえ込んでいたインサーンの力が緩んで、
インサーンはゆっくりと恭介が身を起こしてキスしてくるのを待って唇を突き出す態勢となりました。
そのインサーンの尻を「といやぁ!!」と思いっきり恭介は蹴っ飛ばして突き飛ばし、恭介は脱出すると、
ペン!と自分の尻を叩いてインサーンを小馬鹿にして駆け出したのでした。
恭介が甘い声を出していたのは嘘のお芝居だったのです。
さすがは自称役者だけあって、なかなか見事な演技力です。

まんまと騙されたと知って激昂したインサーンは
「待ちなさいっ!!」と金切り声を上げて恭介を捕まえようとして追いかけます。
そして恭介を追いかけるインサーンが倒れているジェラシットを踏んづけたせいで、ジェラシットも目を覚まし、
恭介と追うインサーンの姿を見て「ジェラシットォォッ!!」と、
再びジェラシーパワーで復活し、2人を追って走り出します。
こうして、また3人で追いかけっこが始まったのでした。

ところが、そうして始まった追いかけっこを遠く離れた宇宙空間のギガントホースでワルズ・ギルとダマラスとバリゾーグが
インサーンが消し忘れて指令室でつけっ放しで放置されていたモニターをちょうど通りかかって覗いて見ていたのでした。
「んん?・・・何をしているんだアイツらは?」とワルズ・ギルは首を傾げます。
何だか遊んでいるようにも見えるのだが、もしかしたら何かの作戦なのかもしれないとも思ったのでした。
しかし作戦担当のバリゾーグが困惑したように「私にもさっぱり・・・?」と答えたことで、
やっぱり単に遊んでいるだけだと分かり、ワルズ・ギルは腹を立て、
「終わらせてやる!」と言うと、いつもインサーンが撃っている巨大化銃を取り出して地球に向けて引き金を引いたのでした。
この巨大化銃、インサーン以外の者でも撃てるんですね。
ご丁寧に、いつもインサーンがこの銃を撃つ時に鳴り響くシリアスなBGMが流れるのが面白い。

そうしてギガントホースから発射された巨大化光線は見事にジェラシットに命中します。殿下すごいです。
まぁインサーンだって毎回毎回どうしてそんなに上手く標的に命中させてるのか分からないので、
何か誰でも命中させることの出来る仕掛けがあるのでしょう。
この巨大化光線って倒された怪人を復活させて巨大化させる性能を持っていたはずですが、
生きている怪人を巨大化することも出来るようで、
ジェラシットは「ジェラシットォォッ!!」と雄叫びを上げて、っとういう間に巨大化します。
追いかけっこを唖然として見ていたゴーカイジャーもこれには驚き、
ハカセは「倒してもいないのに巨大化した!?」と不思議そうにします。
「マジでワケが分からん・・・!」とマーベラスも首を左右に振ります。

それにしてもワルズ・ギルはどうしてこんなことをしたのかというと、
これがまたカーレンジャー篇らしいメタなギャグなのです。
普段のエピソードでは、怪人が等身大戦で倒されて巨大化光線が発射されて、
引き続き巨大戦の場面へと進んでいくという構成になっています。
これは「ゴーカイジャー」に限らず、スーパー戦隊シリーズの決まりきったパターンなのです。
ここでのワルズ・ギルの行動はこのお約束を逆手に取った行動なのです。

つまり、巨大化光線の発射の後は必ず巨大戦の場面に進むのであるから、
等身大戦で真剣に戦わずにいつまでもウダウダ遊んでいるジェラシットやインサーンの、
その等身大でのお遊びを終了させて強制的に次の巨大戦の場面に進めて、
そのまま戦いの終わりまで突き進んで、とっとと遊びはやめて戻ってくるようにと促す行動であったのです。
ところが、さすがにカーレンジャー篇だけあって、巨大戦になってもお遊びのノリは終わらないのでした。
何故なら、「カーレンジャー」本編においても、巨大戦は単なる玩具販促のための付け足しではなく、
等身大戦の不条理ギャグ合戦の延長戦の場であったからです。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 21:52 | Comment(0) | 第14話「いまも交通安全」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月01日

第14話「いまも交通安全」感想その4

インサーンを追いかけている途中で巨大化光線を浴びて巨大化してしまったジェラシットは、
ビルを超えるような大きさになってしまい、インサーンを見失ってしまいました。
そうして巨大ジェラシットはビル街の中に立ち尽くして「インサーン!インサーン!何処だ?インサーン!」と叫びます。
巨大化しても相変わらず暑苦しく、やってることは同じです。
というよりも、巨大化してしまった自分というものが、いきなりのことであまり理解出来ていないようです。
そのジェラシットの叫びを聞いて、追いかけっこに夢中だったインサーンと恭介も、
ジェラシットが巨大化したことに気付き、呆然と立ち尽くしてジェラシットを見上げます。
そのインサーンの姿を発見してジェラシットは「インサーン・・・!」と絶句します。
自分が巨大化したことをようやく理解したようです。

一方、「巨大化しても私のことを・・・」とインサーンは変なところに感動します。
いや、ジェラシットはさっきまで自分が巨大化してることに気付いてなかったんで、そこは感動するポイントじゃないんです。
が、インサーンという女、どうやら重度のナルシストのようで、
恭介に一目惚れした後に病的な暴走をしていたのも、
恋に突っ走る自分が好きで好きで堪らないという独りよがりな性格の証でしょう。
そういう女ですから、今度はジェラシットの献身的な愛の対象になっている自分に酔いはじめたようです。
ジェラシットはジェラシットで、インサーンが自分の愛に関心を向けてくれたことに感動し
「インサーン・・・」と、こちらもまた変に陶酔しはじめます。
「ジェラシット・・・」と、インサーンもジェラシットを意識しはじめます。

それを見てとって、これで上手くいけばインサーンの興味の対象をジェラシットにすり替えて
自分はインサーンから逃げられると目論んだ恭介は、
一歩踏み出して「聞けぇい!巨大ジェラシット!!」と、ジェラシットを指さして呼びかけます。
そして「バカ!恋は叫んでいるだけでは通じない!もっと心を込めるんだ!」と
ジェラシットに向かって拳を振るって説教しはじめます。
どうやら恭介はジェラシットにこの際、愛の告白をさせて、ジェラシットとインサーンを相思相愛の恋人同士にしてしまい、
自分はまんまとインサーンの求愛から逃げるつもりのようです。
しかし、さすがに自称役者の恭介だけあって、まるで真摯な恋の助言者のように振る舞っています。

「いいか?・・・」と恭介はいきなりその場に跪き、
両手を前に突き出して潤んだ目で前を見つめて「アイラブユー!」と言います。
そしてそのままインサーンの方に手を振って「はい!」とジェラシットに合図します。
つまり恭介は愛の告白の仕方のお手本をジェラシットに見せてやったのです。
そして、すぐにそれをインサーン相手に実践するよう無茶振りをしたのでした。
しかし、このあまりにストレートな愛の告白は、まるでお芝居で王子様がお姫様にする愛の告白のようで、
クサいことこの上ありません。そもそも、なんで英語なのでしょうか?

当然、ジェラシットは「え・・・いや、そんな・・・」と躊躇します。
だが、更に恭介はたたみかけて「こら!もっと勇気を持つんだ!・・・はいっ!!」と再びインサーンに向けて手を振り、
ジェラシットの愛の告白を促します。
ここまで言われて告白しなかったらあまりに情けない男です。ここは遂にジェラシットも覚悟を決めます。
確かによく考えたら、ここまでのジェラシットの行動は、インサーンへの嫉妬を叫ぶばかりで、
ちゃんとした形で恋する気持ちを伝えていませんでした。
確かに恋愛指南としては恭介の言っていることには一理あります。

確かに今までのジェラシットは勇気が無かった。
インサーンもジェラシットが根性無しだという印象を持っていますが、
それはジェラシットが昔から愛の告白も出来ない情けない男だと知って舐めきっていたからでした。
そういう根性の無さがジェラシットがインサーンに振り向いてもらえない大きな原因であったのです。

「よしっ!」と心を決めてインサーンは恭介の真似をして跪きます。
といっても巨大化しているので、等身大のインサーンをそれでも見下ろす形にはなりますが、
精いっぱい姿勢を低くして、手をインサーンの方に突き出し、ジェラシットは「アイ・・・ラブユー!」と愛を告白します。
同時に、また例の謎の天上音楽のようなBGMが流れます。
インサーンはジェラシットが愛の告白をしたことでその根性を認め、
これですっかり献身的な愛に包まれる自分に陶酔してしまい、
「私もジェラシットを・・・アイラブユー!」と、ジェラシットに向けて両手を突き出します。
そのまま2人は見つめ合いますが、片方が巨大化しているので異様にシュールな絵柄です。

しかし、自分の気持ちが初めてインサーンに通じたことに有頂天となったジェラシットは
「インサーン!!アイラブユー!!」と絶叫して再び手を伸ばします。
そこからジェラシットとインサーンの2人はうっとりして「アイラブユー」と何度も言い合い続けるという、
目を覆いたくなるような恥ずかしい展開となりますが、
恭介は満足そうに笑って頷き「これが愛だ!」と、何やら少し感動しているようです。もうワケが分かりません。

ゴーカイジャー(いつの間にかゴーカイジャーの姿に戻ってる)の5人も、
ギガントホースのワルズ・ギルたちザンギャック幹部3人も、
唖然として、この巨大メロドラマを眺めるしかできません。
ちなみにアイムだけ口元に両手を当てて、うっとりしている様子です。

そして、ついにはインサーンが「アイラブユー」と言って投げキッスをすると
ハートマークが飛んでいってジェラシットの鼻先に当たって分裂増殖し、
ハート型にハートマークが並ぶという化石のような演出が炸裂し、
ジェラシットは立ち上がり「アイラブユー・・・嬉しくなって、嬉しくなって、
あ〜もう!嬉しくなってぇ!!・・・これはもう、大暴れするぞぉぉぉ!!」と身悶えしながら
両手をブンブン振り回し、唖然として見ていたゴーカイジャー目がけて拳を振り下ろします。

長年の愛の成就したジェラシットですが、結局はゴーカイジャーと戦うみたいです。
愛のパワーでテンションが上がって、遂に両想いとなったインサーンにカッコいいところを見せたくなったのでしょう。
いきなり攻撃されて慌ててジェラシットの拳を避けたゴーカイジャーはゴーカイガレオンを呼び寄せて乗り込み、
まずはガレオンの大砲でジェラシットを撃ち、次いでゴーカイオーに合体し、やっと巨大戦が始まります。

ここでゴーカイジャーはいきなりレンジャーキーを差しこんでゴーカイスターバーストの態勢に入ります。
「他人の恋の邪魔をするなぁぁぁ!!」と叫んでジェラシットは突っ込んできます。
いや、自分が先に拳を振り下ろしたから巨大戦を戦う羽目になったんであって、
こんなこと言える筋合いはジェラシットには全然無いんですけど。

容赦なくゴーカイスターバーストは連射され、まともに喰らったジェラシットは後ろに吹き飛ばされます。
この時、ジェラシットの背後にピンクの巨大なハートマークが出現して、
吹き飛ばされてきたジェラシットの身体が当たってハートマークが粉々に砕け散るという謎演出がありますが、これは何だろう?
ハートブレイクという意味なのだろうか?
何だかよく分かりませんが、吹っ飛ばされたジェラシットは悲しげに「うおおおおお!!」と吠えます。

この時、ゴーカイオーとジェラシットは大きな道の上で向かい合って立っていましたが、
ゴーカイオーの足元近くの信号機が赤から青に変わります。
それをレース開始時の青色のスタートランプに見立てて、ゴーカイオーが猛然とジェラシットに向かって駆け出します。
ジェラシットは慌てて「こら君たち!愛し合おう!みんなで!」と意味不明なことを言いますが、
ゴーカイオーは剣を両手に構えたまま高速で横回転しながら「ゴーカイ激走斬り!!」と叫びジェラシットに突っ込み、
回転しながら繰り出す斬撃でジェラシットを吹っ飛ばします。
これを見て恭介も「よしっ!!」と満面の笑顔で親指を突き出します。

これは、まさにカーレンジャーの巨大ロボであったRVロボの必殺技「RVソード激走斬り」の再現でした。
これは、遂にカーレンジャーの大いなる力を使いこなしたのか?
しかしレンジャーキーが光るいつもの演出が無かったような気がします。
そこでマーベラスが「さっさとケリをつけるぞ!」と言って取り出したのは、
なんとシンケンジャーのレンジャーキーでした。
しかもガオライオンもいつの間にか来てるし、もうテキトーすぎて大笑いです。

ガオライオン登場場面の省略はまぁいいとして、
ここでカーレンジャーの大いなる力ではなくシンケンジャーの大いなる力でトドメを刺すということは、
まだゴーカイジャーはカーレンジャーの大いなる力を手に入れていないということです。
って言っても、もう7時52分なんですけど、どうすんのコレ?
・・・と悩むヒマもなくガオライオンがバラバラになってゴーカイオーに合体してシンケンゴーカイオーとなり、
いつものごとく岸壁に立って見得を切ります。

そして突っ込んできたジェラシットを薙刀でメッタ斬りして、
最後はまたいつものごとく、呆れるほど大きな烈火大斬刀を出現させて、
ゴーカイ侍斬りで強烈に振り下ろし、ジェラシットを斬り伏せます。
致命的ダメージを受けたジェラシットは最期まで暑苦しく
「愛は・・・儚く・・・燃え尽きたぁぁぁっ!!」とクサい断末魔のセリフを言いますが、
ここでシンケンゴーカイオーは更に容赦なく、烈火大斬刀を振り上げて、
ジェラシットをゴルフボールのように打ち上げて、空の彼方へ吹き飛ばしてしまいます。

身体から火花を散らし絶叫しながら飛んでいったジェラシットは空の果てでキラリと光る星のようになり、
まさに成層圏で燃え尽きた・・・と思いきや、まだ絶叫しながら宇宙空間まで飛び出していたのでした。
そして、なんとそのまま一直線にギガントホースの船底に激突して大爆発。
その衝撃でギガントホースは大きく揺れ、ワルズ・ギル達は大慌てとなります。
これで遂にジェラシットも死んだのかと思ったら、なんと指令室の扉が開いて、
そこから部屋の中にフラフラになったジェラシットが入ってきて
「・・・ジェラシット・・・ただいま、戻りました・・・」と、よろめきながらワルズ・ギルに報告します。
ジェラシット、二度も烈火大斬刀に斬られて、船に激突して大爆発して、まだ生きてます。
しかも身体のサイズが元に戻ってるし、もう何がどうなってるのやら、ムチャクチャです。

そこにインサーンも遅れて戻ってきます。
ジェラシットは「インサーン!」と叫んで駆け寄ろうとしますが、ここで遂に力尽きて倒れこみ
「アイ・・・ラブ・・・ユウ・・・」と呻くと、ガクッと動かなくなります。
気を失ったのか死んだのか不明ですが、
インサーンは「こんな簡単にやられるなんて、やっぱり根性の無い男・・・」と冷たくジェラシットを見下ろし、
「粗大ゴミとして捨てちゃってくださぁい!」と言って部屋からスタスタ出ていきます。

愛の告白の時はジェラシットの根性に感心していたインサーンですが、
結局その後ゴーカイジャーにあっけなく負けた姿を見て、やっぱり根性無しだと見切ってしまったようです。
あまりに酷い心変わりです。
これにはワルズ・ギルも仰天し、「めまいが・・・」と、倒れそうになり、慌ててダマラスとバリゾーグが支えます。
アホ殿下をここまで呆れさせるとは、インサーンの今回のキャラ崩壊っぷりは素晴らしかったです。

さて、エピローグです。
結局、カーレンジャーの大いなる力は手に入れていない状態であったようで、
それでゴーカイ・クルマジックアタックやゴーカイ激走斬りでジェラシットを倒しきれていなかったようです。
そういうわけで仕方なく、結局ゴーカイジャーの面々は恭介のお芝居に出演することにしました。
5色の信号機の役です。

子供たちが遊んでいる公園にやってきた恭介とゴーカイジャー5人(変身した状態)は、寸劇を開始します。
その寸劇のタイトルは「戦う交通安全」で、ここでやっているのが本番なのか稽古なのかイマイチ分かりませんが、
主演だとか言っていた恭介が台本を持ってウロウロと演技指導しているところを見ると、おそらく稽古なのでしょう。

周りの子供たちは興味深そうにそのお芝居を見ていましたが、
その内容はほとんど意味不明で、しかもゴーカイジャー5人の演技は酷いです。
特にマーベラスとジョーのやる気の無さは凄まじく、
ジョーが「赤信号・・・自分を責めるのはよせ・・・」と言い、
マーベラスが「せめて・・・黄色信号に・・・」と応えるやり取りのテンションは異常に低く、やたらセリフは棒読みです。

それに比べてルカの「せめてって、そんな言い方ないでしょ?」というセリフは比較的まともですが、
その後のアイムの「赤信号さん!そうですよ」というセリフはその前にクルクル回転までするノリの良さで、
実はアイムは結構このお芝居を楽しんでいるみたいです。
これに対して依然としてぎこちないジョーが「・・・ピンク信号は黙っていろ!」と棒読みセリフを言うと、
それまでしゃがみ込んでいたハカセが飛び上がっていきなりジョーの胸倉を掴んで
「黙ってられないからぁ!!」と意味不明の大熱演を披露し、
ジョーも「なんだと!この緑野郎!」と、何やら喧嘩が始まりそうな場面となります。

これは確か、子供たちに交通安全を教えるためのお芝居のはずなのですが、
ここまで見た印象では、いったいどういうお話なのか全く伝わってきません。
しかし恭介はやたらとウンウン頷いて入れ込んでおり、
信じがたいことですが、どうやらここまで非常に上手くいっているようです。

ここでマーベラスが仲裁に入り
「みんな!やめよう!俺たちの敵は・・・交通違反だ!」と言って、何故か空を指さします。
ようやく交通安全に関係ありそうな話になってきたと思ったら、
ここで5人は横並びに整列して「俺たちは・・・戦う交通安全・・・」とセリフを言いかけますが、
恭介は首を傾げます。周囲の子供たちも「んん?」という感じで首を傾げ、
「カッコ悪ぅ」「ダッセぇ」「何だアレ!」と、口々に貶します。

いきなり罵倒混じりにざわつきだした子供たちに囲まれてゴーカイジャー5人も戸惑い、
演技を中断して立ち尽くします。
これは、もともと演技の酷かったマーベラスとジョーはともかく、
比較的マシだった他の3人までも、このセリフになって急にテンションが下がったから、
それが逆にみっともなく見えてしまったのでした。

このお芝居、確かにバカバカしい内容です。
特にこの最後のキメ台詞の部分は、演じている側が思わず照れてテンションが下がってしまうぐらい不条理なのでしょう。
しかし、そういう言い訳を理解してくれるのは大人だけです。
子供には条理など分かりませんし、仮に分かったとしても、いちいち言い訳を許してくれるような寛大さはありません。
どんな内容であれ、全力で演じていない偽物の演技は敏感に感じ取って嘲りの対象にするだけのことです。
子供相手のお芝居をする場合は、妥協の余地など実は無いのです。
どんな下らないバカバカしい内容であっても全力で演じることが一番大事なのです。

「もっと熱く!大いなる力は要らないのか!?・・・はい!もう1回!!」と厳しく恭介は5人を叱咤して、
最後のセリフをやり直させます。
もうこうなったら仕方ないと、マーベラスも覚悟を決め、「いくぞ!!」と全員に檄を飛ばし、
手をパンと叩き「戦う交通安全!激走戦隊!カ〜〜〜〜〜レンジャー!!」と、見事にオリジナルのままの振り付けで
熱く全力で名乗りポーズを決めたのでした。
そして、ここでなんと、またカーレンジャーのOPテーマが流れます。

最後のセリフはあの有名なカーレンジャーの全体名乗りだったのですね。
つまり、このお芝居の「五色の信号機」の正体はカーレンジャーだったわけです。
だから、レジェンド大戦で恭介たちがカーレンジャーに変身できなくなってしまったので、
このお芝居が出来なくなってしまっていたのです。
このカーレンジャーが出てくるお芝居が出来ないから交通安全を子供たちに教えることが出来なくなって
恭介は困っていたわけです。

つまり、もともとはカーレンジャーがお芝居に出て、その演技を通して子供たちに交通安全を教えていた。
その内容は一見したところ不条理な内容ですが、それでもそこに交通安全というテーマは込められている。
これは、つまり「激走戦隊カーレンジャー」という作品そのものを象徴したお芝居なのです。
だからタイトルも「戦う交通安全」、つまり「カーレンジャー」のキャッチコピーそのものなのです。
その「戦う交通安全」=「激走戦隊カーレンジャー」というお芝居に、
カーレンジャーの代わりにゴーカイジャーが出演して、カーレンジャーの役を演じきった。
これによってゴーカイジャーはカーレンジャーそのものになり、
カーレンジャーの大いなる力もゲットした・・・というワケではありません。
お芝居は所詮はお芝居であって、その役をただ演じただけで大いなる力がゲット出来るわけではありません。
大事なのは、このお芝居を通してゴーカイジャーが何を学んだのかです。

5人の見事なカーレンジャーっぷりに恭介は「おお〜!素晴らしい〜!!」と感嘆の声を上げます。
すると同時に、さっきまで5人の演技をさんざんバカにしていた子供たちも一気に明るい笑顔になり
「おお〜!」「すげぇ〜!」と歓声を上げ、拍手をします。
子供たちは全力でお芝居を提供すれば、必ず素直に正当に評価してくれるのです。
子供たちの歓声に包まれてゴーカイジャー達もそれを学んだのでした。

思えば、ゴーカイジャーはそのチョイ悪な設定のせいで、
あまり子供たちの歓声に包まれて戦うということはありません。
こういうお芝居の場でしか子供たちの歓声を受ける経験というものはできないのかもしれませんから、
これはこれで貴重な経験といえます。
この貴重な経験を通じて、ゴーカイジャーはカーレンジャーのテーマを学んだのでした。

それは、カーレンジャーという戦隊のテーマというよりは、
「激走戦隊カーレンジャー」という作品のテーマです。
つまり、恭介が「激走戦隊カーレンジャーの大いなる力」という言い方をしていたのは、
いつもそのような言い回しをしていたというのもありますが、
実はカーレンジャーという戦隊の力ではなく、
「激走戦隊カーレンジャー」という作品の持つ大いなる力のことを指していたわけです。

それはどのような力なのかというと、「全力でバカバカしさを貫く力」です。
その力を行使した結果、正当な評価が得られることをゴーカイジャーはこのお芝居を通して学んだのでした。
だから、このバカバカしい名乗りを全力でやった時、「カーレンジャー」のOPテーマが流れる演出があったのです。
あの瞬間、ゴーカイジャーは「激走戦隊カーレンジャーの大いなる力」をゲットしたのであり、
その象徴的意味合いでOPテーマが流れたといえます。

実はジェラシットとの戦闘中に流れたOPテーマと、
このエピローグの場面で流れたOPテーマとは、バージョンが違います。
戦闘中に流れた方は「フルアクセルバージョン」というやつで、
全く何の注釈も無い初期のOPテーマはこの最後に流れた方のバージョンです。
こちらが流れた時の方が、大いなる力をゲットした時だったということになります。

ただ、「激走戦隊カーレンジャー」の大いなる力、つまりテーマが「全力でバカバカしさを貫く」だとして、
それを象徴するのがこの5人が演じたバカバカしい寸劇だとして、
どうしてそれが恭介の言うように「子供たちに交通安全を教える」という目的に繋がるのか、そこが問題です。
実は恭介自身、それがよく分かっておらず、
それゆえマーベラス達と出会った時、「大いなる力」の認識が曖昧だったのです。
しかし、恭介はこの時、子供たちの拍手と歓声に包まれて、
「これこそ激走戦隊カーレンジャーの大いなる力!」と気付いたのでした。

交通安全を教えるにせよ、何か他のテーマを伝えるにせよ、
とにかくまずは子供たちを楽しませて興味を惹かないといけません。
子供たちが喜んで拍手して歓声を送ってくれてこそ、交通安全を教えることも出来る。
だから子供が喜びそうな面白いバカバカしく笑えるようなお芝居を作って、
その中に大事な伝えたいことを盛り込んでいくのです。

ところが制作する側は自分たちが伝えたいことの方を重視しがちで、バカバカしい要素の方は軽視することが多い。
高尚な目的を理解出来ない視聴者が悪いというような高慢な態度をとる者もいます。
でも、テレビって本来そういうものじゃなかったはずです。楽しいものだったはずです。
そういう昔のテレビの持っていた分かりやすい「楽しさ」を大事にして1990年代まで作り続けられていたのが
「東映不思議コメディーシリーズ」であり、その流れを濃く受け継いだ「激走戦隊カーレンジャー」だったのです。

むしろ、バカバカしい部分の方を全力で作って、
それに盛り込んで伝えたいテーマをあえて「交通安全」という、あまり高尚でないものにしたのが
「カーレンジャー」という作品の一流の諧謔精神というやつなのです。
この作品は「バカバカしさ」の方を大事にしているんだぞ、というメッセージがそこにあります。
単に面白いものを作るという精神とは、これは微妙に違います。
一応、「交通安全」というテーマを前面に出して、それにとことんこだわることによって、
メッセージはちゃんとあるという姿勢は示しているのです。
ただ、そのメッセージがよくよく見ると全然本気じゃなくってふざけてるわけです。
そこで、見る人はこの作品が、テーマに夢中で面白さを忘れがちな昨今の風潮への風刺であることに気付くわけです。
そういう高度な仕掛けのある作品、それが「激走戦隊カーレンジャー」でした。

だから、この作品はバカバカしさを全力で貫くのです。
その目的は子供たちをまずは純粋に楽しませようという、テレビや芝居の持つ本来の目的でした。
そして、その目的が達成出来たかどうかを確かめるには、子供たちの顔を見ればいい。
子供たちが笑顔になっていれば、その目的は達成されているのです。
言い換えれば、子供たちの笑顔を見るためにバカバカしさを貫くのです。
子供たちの笑顔があるから、バカバカしいことを全力でやっていくことが出来るのです。
つまり「激走戦隊カーレンジャーの大いなる力」の源は「子供の笑顔」ということになります。

ゴーカイジャーの5人に向かって拍手や歓声を送る子供たちの笑顔を見て、恭介はそのことに気付いた、
というより思い出したのです。
「激走戦隊カーレンジャーの大いなる力」とは、つまり子供の笑顔のためにバカバカしさを貫くことであり、
その力の源は結局のところ「子供の笑顔」なのです。

そのことに気付いた恭介は、ゴーカイジャーがこれによってカーレンジャーの大いなる力を手に入れたことも認め、
それを祝福して喜び、「さ!もう1回!」と言って、
今度は自分も加わってゴーカイジャーや、更に周囲に集まった子供たちも一緒になって
「戦う交通安全!激走戦隊!カ〜〜〜〜〜レンジャー!!」と、名乗りポーズを決めるのでした。

そして公園が歓声に包まれて、
「ゴーカイジャー」という作品としては何時になく華やかなムードでクライマックスを迎えようかというところでしたが、
この模様をガレオンのモニターで眺めていたナビィがそのモニターを切ってしまい、
「カーレンジャー」の作品世界はここで強制終了となり、
今回はすっかり主役の座を「カーレンジャー」に譲り渡していた「ゴーカイジャー」の作品世界が
最後は主役に返り咲いて今回のエピソードを締めます。
ナビィはこの作品のレギュラーキャラの中で唯一、
今回、「カーレンジャー」の作品世界の毒に染まっていないキャラですから、この役は最適といえます。

ナビィは「あんまり役に立たない大いなる力も有るってことかも・・・」と、
カーレンジャーの大いなる力をバッサリと酷評します。
確かにお宝ゲットの戦いが主要テーマの「ゴーカイジャー」の作品世界から見れば、
カーレンジャーの大いなる力はあんまり役に立たなそうであるのは事実です。

こういう「カーレンジャー」に失礼な発言を、もし普通の脚本家が書いたら問題になりそうなところですが、
何せ今回のカーレンジャー篇の脚本は
「カーレンジャー」のメインライターである浦沢氏本人なのだから、何ら問題無いわけです。
むしろ、このような自作品に対してすら自虐的な毒を吐けるあたり、さすが浦沢氏だと舌を巻かざるを得ません。

これで今回のエピソードは「カーレンジャー」のまま終わることなく、
しっかり「ゴーカイジャー」に戻って終わることになりました。
浦沢氏、さんざんムチャクチャにしておいて、しっかり最後は元通りにしてくれるあたり、さすがに見事です。
そして最後にナビィが「エネルギーの無駄遣いはやめましょう!」と言ってガレオンの電気をダウンさせる描写で、
昨今の時事問題である節電問題にも切り込んでいるあたり、
別にこんなやらんでもいいことまでやってくれるあたりも、やはり浦沢氏だなぁと実感します。

さて今回、EDテーマの映像が
6月11日公開の「ゴーカイジャー・ゴセイジャー。スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」映画の宣伝バージョンになってました。
詳細は映画の内容とかぶるので別に触れませんが、
「スーパー戦隊ヒーローゲッター」の特殊な歌詞にどう合わせてくるのかと思って見ていたら、
しっかり各戦隊の歌詞パートのところで
映画の映像内でその戦隊のメンバーが戦っているシーンをあててきてのは感心しました。
全戦隊が出てくる映画だからこそ出来る芸当ですね。

ただ、前回のEDは確かゴレンジャーからライブマンまでの1番の歌詞で、
今回は本当なら2番の歌詞のローテーションのはずが、
何故か今回は3番の歌詞になってました。
それが宣伝映像の各戦隊部分の映像の問題と関係がある措置であろうことは想像できるのですが、
それがどういう事情なのかは今のところ分かりません。
おそらく6月5日ぐらいに何か分かるかもしれません。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 23:35 | Comment(0) | 第14話「いまも交通安全」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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