2011年07月04日

第17話「凄い銀色の男」感想その1

今回はゴーカイジャーの追加戦士であるゴーカイシルバーの初登場エピソードです。
ストーリーは至ってシンプル。
というか、このフレーズ、毎回エピソードの概要紹介の時に言ってるような気がします。
まぁそれだけゴーカイジャーの各エピソードはプロットが単純明快で分かりやすいのですが、
今回はその中でも特に今までに無いほどにシンプルです。

お宝探しに街に出たマーベラス達の前に謎のハイテンションの男、伊狩鎧が出現して、
ザンギャックの行動部隊との喧嘩に乱入したその鎧という男が
どういうわけかゴーカイジャーに酷似したゴーカイシルバーと名乗る戦士に変身して
ザンギャックの行動隊長まで倒してしまうという、単にそれだけの話なのです。
その鎧という男が何者なのか、どうして変身出来るのか、そもそもゴーカイシルバーとは何なのか、
疑問点は山ほどあるのですが、それらの謎解きは次回に持ち越しのようです。

となると前後篇のようにも思えますが、
確かに鎧に関するお話は続くが、ザンギャックの行動隊長は倒して、
ザンギャックの作戦も潰しているので、一応今回はエピソードとしては完結しており、
次回に持ち越しにはなっていません。
新たなるレギュラーキャラと思われる鎧の謎だけが残っただけなので、
前後篇というわけではないといえるでしょう。

そういうわけで、今回のエピソードのメインストーリーは実は鎧の登場エピソードではなく、
ザンギャックの行動隊長アルマドンとゴーカイジャーとの抗争だったりします。
そこに前回登場しなかったザンギャック幹部連中が今回は割と濃厚に作戦面で絡んできており、
特にワルズ・ギルの存在感が意外に大きかったりします。
ワルズ・ギルが珍しく、本当の悪の組織の首領っぽい外道な作戦を仕組んだりして、殿下大活躍の巻です。
まぁ結局最後は失敗するのがまた殿下らしく、戦隊シリーズの悪の首領っぽいともいえます。

つまり、そういういかにもスーパー戦隊シリーズっぽいベタな、戦隊と敵組織の丁々発止の抗争の場に、
鎧というハイテンションキャラがちょっかいをかけてきたり乱入してきたりする構成になっているのです。
実際の鎧を主役としたストーリーはおそらく次回であって、
今回は鎧を登場させるために特化したエピソードだったといえます。

どうして鎧の登場を描く場が、いかにもベタな戦隊ものらしいエピソードであったのかというと、
鎧が「スーパー戦隊を愛する男」というキャラ、つまり戦隊マニアだからです。
そういう男を登場させる場として、
いかにも絵で描いたような戦隊ものっぽいバトル話というのが最適という判断であったのでしょう。

とりあえず今回はゴーカイジャーも割と軽いノリで行動しており、
敵側のアルマドンも本人は大真面目でふざけたキャラではないのですが、かなり間抜けなキャラで、
しかも殿下が大活躍ですから、基本的にギャグ篇と言っていいでしょう。
ただバトル部分は割と緻密な頭脳戦になっていて、見応えはあります。
しかしアルマドンはその頭脳戦にちゃんと参加しておらず、
ゴーカイジャーと知恵比べをする相手が殿下ですから、まぁどうしてもギャグっぽいノリになります。

そこに乱入してくる鎧という男が異常なハイテンションで、しかもかなり妄想キャラなので、
比較的クールなノリのマーベラス一味とのギャップが激しく、それがおかしな笑いを生み出しています。
マーベラス一味の5人がもともと漫画から抜け出したようなキャラなのですが、
それに更に輪をかけて鎧というキャラはその言動全てが漫画のように見えるキャラで、
鎧の妄想シーンなどはもうほとんどギャグ漫画独特の表現手法で作られており、
文章でレビューするのが困難なぐらいです。
とにかくとんでもなく強力なキャラが登場したということだけは分かります。
この濃いキャラが今後の物語の中でどういう役割を果たしていくのか等は、全く不明ではありますが。

そういうとんでもないギャグ回であり、ギャグ回としてのクオリティは非常に高い。
こんなギャグ回で初登場する追加戦士というのも珍しいといえます。
それだけちょっと前例が無いタイプの追加戦士であるということなのでしょう。
何せ戦隊マニアですから、「レジェンド戦隊」という概念が劇中に存在する
「ゴーカイジャー」という作品であるからこそ成立する設定を使った追加戦士であり、
そういう意味ではこの作品でしか成り立たないタイプの追加戦士だといえます。

初登場時に追加戦士が熱烈に戦隊に入りたがり、戦隊側は強く拒絶するパターンというのは、案外これまであまり例が無く、
該当するのは「シンケンジャー」におけるシンケンゴールド梅盛源太ぐらいのものでしょう。
同じ宇都宮プロデュース作品の追加戦士でもあり、それゆえか、鎧のキャラは源太に割と似ているように見えます。
しかし源太の場合は幼少時の約束を果たすためという、
それなりのちゃんとした正当性があっての熱烈さですから、鎧ほど不条理ではありません。
鎧の場合はほとんど純粋なファン心理のようなものが動機になっているわけですから、前代未聞のパターンといえます。

それも、ゴーカイジャーに対するファン心理というよりも、スーパー戦隊全般に対するファン心理のようなものですから、
スーパー戦隊とはある意味で逆のベクトルを向いた存在であるゴーカイジャーにとってはかなり鬱陶しい存在であり、
一方で啓蒙役や知恵袋としても活用出来そうなキャラでもあります。
逆に初期メンバーであるマーベラス一味の5人が地球のことも正義の戦隊のことも何も知らないのですから、
地球人で戦隊マニアの鎧という追加戦士は、上手い組み合わせだといえます。
まぁそれがどう上手く組み合わさっていくのかも今回はまだ不明で、次回以降のお楽しみなのですが。

とにかくかなりのドタバタ騒動が予想され、
今回もキャラのデッサンが崩れてしまいそうになるほどのドタバタ回となりました。
前々回と前回のバスコ絡みの前後篇のシリアスなムードとは大違いです。
あのバスコ登場篇の重厚なエピソードをサブライターの香村氏に任せて、
メインライターの荒川氏が今回のようなドタバタ回の方を書くのですから意外といえば意外、
しかし妥当でもあるように思えます。
こういうデッサンの狂ったようなエピソードでも、しっかり「ゴーカイジャー」の世界に仕上げてくるあたり、
やはりベテランの荒川氏の味であり、メインライターならではの仕事とも言えるでしょう。
なお、ギャグキャラではあるものの鎧の変身したゴーカイシルバーのアクションは極めてカッコ良く、
玩具販促的な意味でのアピールは最高だったと思います。

さて、ここで本編の方に進みたいところですが、今回はその前に触れておかなければいけないことがあります。
それは、この第17話の放送日であった6月12日の前日、6月11日に全国公開された映画
「ゴーカイジャー・ゴセイジャー・スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」についてです。
この映画は公開日の11日に見に行きました。
戦隊映画としては異例ともいえる81分もの長い上映時間の作品で、内容も充実していて、
戦隊ファンならば間違いなく楽しめる作品に仕上がっています。

この映画は一貫した1つの物語でありながら、
よく見ると「ゴーカイジャーVSゴセイジャー」と「スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」という
2つの物語が一部重なり合いながらくっついているような構成になっています。
その内容は、まず「ゴーカイVSゴセイ」パートと「199ヒーロー大決戦」パートの両方の導入部となる
「レジェンド大戦」のパートがまずおよそ8分あり、
ここでゴーカイジャーが手に入れることとなるレンジャーキーの生まれた顛末と
ゴセイジャーをはじめとする199人の戦士が戦う力を失った顛末が描かれます。

その後、ゴーカイジャーとゴセイジャーが出会い、
最初は反目し合いながら強大な敵との戦いの中で理解し合い、共闘して敵を打ち破るという、
通常のVSシリーズでお馴染みのパターンの「ゴーカイVSゴセイ」パートがおよそ41分あります。
この中で2回ほど、合計しておよそ5分ほど、「199ヒーロー大決戦」パートの前フリっぽい
レジェンド戦士の何人かが登場するシーンが挿入されます。

そして「ゴーカイVSゴセイ」パートの後、
ゴーカイジャーとゴセイジャーが共闘して敵に操られた歴代戦隊の召喚戦士と戦って勝利し、
逆に歴代戦隊のパワーを借りて敵を倒す「199ヒーロー大決戦」の等身大戦パートがおよそ18分あり、
その後、巨大化した敵軍団に対して奇跡的に出現した全歴代戦隊の巨大ロボが戦う
「199ヒーロー大決戦」の巨大戦パートがおよそ11分あり、
「199ヒーロー大決戦」パートは合わせておよそ29分になります。
そして最後にエピローグやEDテーマなどでおよそ4分あり、全部合わせて81分の上映時間となっています。

こうして時間配分を見てみると、共用部分なども考慮すると、
「ゴーカイVSゴセイ」と「199ヒーロー大決戦」という、それぞれ50〜60分ほどの内容に相当する物語を
上手くまとめて1つのストーリーとして81分の尺に落とし込んでいる印象です。
この概要を見ただけでも内容が非常に充実しているのは分かると思います。
異様に盛りだくさんと言ってもいいでしょう。

盛りだくさん振りが異様なほどのレベルになっているのは、
おそらくもともとは「ゴーカイジャー・199ヒーロー大決戦」だけの企画であったものに
「ゴーカイジャーVSゴセイジャー」の要素を加えたからなのでしょう。
何故そのようにしたのかは不明ですが、来年1月末に公開予定の恒例の「スーパー戦隊祭」のVSシリーズ劇場版で
「ゴーカイジャーVSゴセイジャー」をやらないことが原因の1つではあると思います。

「ゴーカイジャー」がシリーズ35作記念作品なので、5年に1度の「VSスーパー戦隊」をやるのか、
あるいは「ゴーカイジャー」という普段から本編で「VSスーパー戦隊」をやっているような特殊な作品ゆえに
1月末映画は「VSシリーズ」ですらないのか分かりませんが、
とにかく来年1月末の映画は「ゴーカイジャーVSゴセイジャー」ではないのでしょう。
それでシリーズ35作記念企画にして東映創立60周年記念企画でもある「199ヒーロー大決戦」映画に
「ゴーカイVSゴセイ」の要素を加えたのでしょう。

別に「ゴーカイVSゴセイ」の要素が無くても「199ヒーロー大決戦」の物語は成立させることは出来そうにも見えるのですが、
あえてゴセイジャーを登場させる構成とした理由は明言はされていません。
しかし何となく、いろいろと不幸が多かった戦隊であるゴセイジャーの有終の舞台を用意してあげたいという
東映側の配慮のようなものも感じます。

しかし、仮にそうだとしても制作側は作品のクオリティを犠牲にしてまで情を優先させたわけではなく、
むしろ「199ヒーロー大決戦」の物語の完成度を高めるために「ゴーカイVSゴセイ」の要素を上手く使っていると思います。
例えば、「ゴーカイVSゴセイ」パートの中での両戦隊によるレンジャーキーの奪い合いが
「199ヒーロー大決戦」パートの展開の伏線となっており、
また、「ゴーカイVSゴセイ」パートにおいて
ゴセイジャーが次第にゴーカイジャーを認めていく描写が丁寧になされていることが、
「199ヒーロー大決戦」パートにおいてレジェンド戦士たちがゴーカイジャーをいきなり認める描写に
唐突感を覚えさせない効果を生んでいます。

そういうわけなので、つまり、やはりこの映画の主要素はクライマックス部分を構成している
「199ヒーロー大決戦」の方であり、最も燃えるシーンもこちらのパートに集中しています。
特に胸が熱くなるのはクライマックスのクライマックスである巨大戦パートで、
スーパー戦隊シリーズのファンには決して忘れることの出来ない名シーンとなったと思います。
歴代戦隊の巨大ロボが総登場するということが単に物量的に凄いというのではなく、
その物量はこのシーンのテーマに説得力を与えているに過ぎません。
真に凄いのはそのテーマの方です。
それはこの巨大戦のシーンのテーマであると同時に、この映画のテーマでもあります。

そして、このテーマが未だかつてないほど強烈なテーマなのです。
正義だとか友情だとか、そういうありきたりなお題目ではなく、
もっと生々しい、ハッキリ言ってミもフタもないほどストレートなテーマです。
それはなんと「バンダイのスーパー戦隊玩具を買おう。そしてそれを大事にしなさい」という、
商魂剥き出しのメッセージなのです。
全くミもフタもないテーマであり、物語のテーマとして、これほど酷いものは滅多に無い。
普通の映画なら、こんなものを前面に押し出したテーマとすることなど絶対にあり得ないでしょう。

しかし、スーパー戦隊シリーズはこれを36年間(初期に約1年の休止期間はあるが)続けてきたのです。
36年間です。こんなことは普通は出来ません。
ひたすら子供たちにバンダイの玩具を売るために、そしてそれに思い入れを持って遊んでもらうために、
あらゆる創意工夫と、血と汗と涙を制作現場に投入して、子供たちの夢を作り続けてきたのです。
その歴史が36年間積み重なっているという、世界の何処にも他に存在しない稀有な状況においては、
このミもフタもないストレートなテーマが見る者の胸を限りなく熱くさせるのです。
「胸が熱くなる玩具販促」という通常は有り得ない形容が似合う唯一無二の映画は、
スーパー戦隊36年の歴史が生み出した奇跡と言っていいでしょう。

この映画について核心的に私が言いたいことはこれぐらいです。
最大限の賛辞を送ったつもりですが、何せこれだけ盛りだくさんな内容で、
あまりに数多くの世界観を81分の1つの映画の中に集めているので、
ストーリーの緻密さや整合性というものは最初から期待するだけ野暮というもので、基本的にはアクションを楽しむ映画です。
スーパー戦隊シリーズはTV本編の方も基本的にはアクションがメインなのですが、
劇場版はよりその傾向が強いと言っていいでしょう。

だからアクション映画としては最高ですが、ストーリー的には特に見るべきところはありません。
そもそもVSシリーズ作品というものは本来な別物の2つの戦隊の世界観を無理に融合させているので、
どうしても中途半端な世界観になり、
登場人物のキャラが本編ほどはしっかり描かれていない傾向が強く、ストーリーも安直になりがちです。
それでも普段のVSシリーズはそれなりに工夫しているのですが、
今回は「ゴーカイVSゴセイ」パートだけでなく「199ヒーロー大決戦」パートがあって、
むしろそちらがメインだったりするので、「ゴーカイVSゴセイ」に関してはあまり工夫は無く、
定番の「対立→和解」の流れをなぞっているだけです。
そして「199ヒーロー大決戦」パートの方はもうこれは199人ものヒーローを登場させているのですから、
どうしてもストーリーはご都合主義と紋切調のオンパレードになるのは仕方なく、
結局、全体的にあまりストーリーが緻密ではありません。

そういうこともあり、また未だ公開中の映画でもあり、
普段の本編放送分と違って録画素材があるわけでもないので、詳細なレビューはしません。
またDVDが発売されたら、気が向いたらレビューするかもしれません。

ただ、この映画は「ゴーカイジャー」本編の物語の時系列では第16話と第17話の間に挿入されるとのことです。
確かにこの映画の中でゴセイジャーとゴーカイジャーが対立することになる原因が
ゴセイナイトのレンジャーキーの所有権を巡る問題なのですが、
ゴーカイジャーがゴセイナイトのレンジャーキーを手に入れたのは第16話であり、
この映画のストーリーは第16話より後でなければ成立しないようです。
そして第17話ではゴーカイシルバー猪狩鎧が登場しますが、
この映画ではお話の中には鎧は全く登場しませんから、この映画は鎧登場前、
つまり第17話よりは前の話ということになります。

いやまぁ第17話においてはまだ鎧が仲間になると確定したわけではないので、
もしかしたら鎧が1回限りのゲストキャラという可能性もあるので、
この映画が第17話以前とは完全には言い切れないのですが、
それよりももっとハッキリとこの映画が第17話以前の話だと分かるのは、
第17話の冒頭でこの映画の中での戦いをゴーカイジャーが回想し、
その結果獲得したという「ゴセイジャーの大いなる力」というものを使用しているからです。

この映画の中では最終的にゴセイジャーはゴーカイジャーのことを地球を守るヒーローだと認め、
レンジャーキーを預けるという決断をしますが、
ゴーカイジャーが「ゴセイジャーの大いなる力」を獲得したという描写は明確にはありませんでした。
しかし第17話の冒頭でゴーカイジャーが「ゴセイジャーの大いなる力」を使用しているところを見ると、
ゴセイジャーがゴーカイジャーを認めたことによってゴーカイジャーはゴセイジャーの大いなる力を獲得出来ていたようで、
やはりこの映画の中で描かれた戦いは第17話よりも前の出来事であるようです。

例年の戦隊劇場版映画は、TV本編の時系列の何処にも上手く入らないようなものも多く、
明らかに本編と矛盾するような内容のものもあります。
それゆえパラレルワールドのエピソードという解釈がよくされていますが、
この映画に関しては時系列的に全く矛盾は無く、内容的にも本編と違和感はあまりありません。
ならば、この映画はパラレルワールドのゴーカイジャーの話ではなく、
正真正銘の第16話と第17話の間の出来事の話なのかということになり、
そうなると、やはりレビューした方がいいのかもしれません。

しかし、やはりこの映画の内容は基本的にはパラレルワールドと解釈しておいたほうがいいでしょう。
ライダーや戦隊の劇場版というのはTV本編とは別の独立した制作意図によって作られており、
それゆえ、表面上はTV本編のストーリーと繋がっているように見えても、やはり実際は微妙に違う世界なのです。
そういう解釈にしておいた方が面倒なことにならないような気がします。

どうして劇場版とTV本編とは別の制作意図で作られるのかというと、
ライダーや戦隊の劇場版というのは基本的に往年の「東映まんがまつり」の系譜を汲んでおり、
複数のコンテンツを組み合わせた上映方式となっているからです。
夏映画はライダーと戦隊の併映であるし、
戦隊のVSシリーズは2つの戦隊作品のコラボで、ライダーのMOVIE大戦も2つのライダー作品のコラボです。
これは普段はTV本編でその作品を見ていない視聴者に
他の作品目当てで劇場に来てもらった際に興味を持ってもらうためであって、
そのため、作品内容は普段TV本編を見ていない人でも楽しめるものとなっています。
だから、TV本編との整合性よりも、劇場版としての単体の面白さが優先されるわけです。
それが制作意図の違いというもので、TV本編との整合性は優先順位は低いのです。

更に、TV本編よりも劇場版の方が制作、特に撮影後の工程に時間がかかるので、
だいたい劇中の時系列としては同じであったとしても、
TV本編の分よりも劇場版の方がスケジュール的に先行して作られることが多く、
そのせいで細かい設定で矛盾が生じてしまうことも多いのです。
ですから、TV本編と劇場版は微妙にズレた世界となる場合が多く、
パラレルワールドを描いたものと解釈した方が無理が無いのです。

近年は劇場版で登場したキャラやアイテムが後にTV本編でも登場したりして、
一連のストーリーであるかのように見せる場合も多いが、
これらは劇場版のDVD発売に合わせた販促的な意図で行われる演出であって、
本当に劇場版の物語世界とTV本編の物語世界が全く同一のものというわけではないと思う。

例えば「シンケンジャー」の夏の劇場版で描かれたクサレ外道衆軍団との戦いで登場した
初代シンケンレッドやキョウリュウマルやクサレ外道衆は後にTV本編でも登場しましたが、
夏の劇場版はTV本編とは明らかに時系列的に矛盾があり、別世界の出来事です。
つまりTV本編の物語世界でも劇場版と酷似したクサレ外道衆との戦いは起きたが、
大筋では同じように見えて、それは細部では微妙に違ったものであったと思われるのです。

それと同じで、この「ゴーカイジャー・ゴセイジャー・スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」という
劇場版映画で描かれたゴーカイジャーとゴセイジャーの出会いから始まる黒十字王軍団との一連の戦いは
「ゴーカイジャー」のTV本編の第16話と第17話の間でも起こっていたのですが、
それは劇場版で描かれたものとは細部では微妙に違っていた可能性はあるということになります。
同様に、劇場版映画の物語世界でもゴーカイジャーとゴセイジャーが出会うシーンの前には、
「ゴーカイジャー」TV本編の第16話で描かれたのと同じようなエピソードがあったと思われるのですが、
それもまた実際にTV本編でオンエアされたものとは微妙に違ったものであった可能性はあると思います。

つまり、ライダーや戦隊の場合、TV本編と劇場版の間にはそんなに厳密な繋がりがあると考えて
思考を縛られる必要は無いのであって、
明らかに辻褄が合っていると認められる部分だけ相関関係があるように位置づけていけばいいのです。
だからこの「ゴーカイジャー・ゴセイジャー・スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」という映画の中での
マーベラス一味やレジェンド戦隊に関する細かな描写がいちいち全部、
第17話以降のTV本編の展開に大きな影響を及ぼすということはないと思えばいいのであって、
第17話の前にこの映画のレビューをする必要は必ずしも無いのです。

そういうわけもあって、この映画のレビューはここではやりません。
まぁTV本編の方のレビューが色々トラブルもあって大幅に遅れているというのも大きな理由ですが。
本来ならやっていたのかもしれません。
今後、この映画のDVDが発売されてそれを入手して余裕があればレビューするかもしれません。
ただ、今回もこの映画の中でTV本編と明らかに辻褄が合っている思える点だけは
少しまとめておかなければいけないと思います。
それでここまで一応、この映画について色々と述べてきたわけです。

まず、この映画の冒頭のレジェンド大戦のシーンで、
TV本編の第1話で描かれたレジェンド大戦のシーンでは登場していなかった10人の戦士が登場します。
それがシグナルマン、黒騎士ヒュウガ、デカマスター、デカスワン、マジマザー、ウルザードファイヤー、
大剣人ズバーン、黒獅子リオ、メレ獣人態、姫シンケンレッドで、
つまり第16話のラストシーンでバスコが所有していることが明らかとなったレンジャーキーに相当する10人の戦士たちです。
映画のレジェンド大戦の描写においては、この10戦士はレジェンド戦士の本隊とは別働隊として
少し離れた場所でザンギャック兵たちと戦っていたようです。

この映画でレジェンド大戦は第1話よりも詳細に描かれており、
今後これ以上レジェンド大戦が詳しく描かれるとも思えないので、
一応今回の映像がレジェンド大戦の最大限に詳しく描かれた決定版と考えていいでしょう。

第15話の考察の中でレンジャーキーになっている可能性のある戦士の最大限の総数を194人としていましたが、
そこにはニンジャマンとガンマジンを含んでいました。
前回の考察でおそらくこの2人はレンジャーキーになっていないだろうと予想しましたので、
レンジャーキーになっている可能性のある戦士は192人です。

第1話のレジェンド大戦の映像で確認出来ていたのはゴレンジャーの5人(途中殉職の2代目キレンジャー除く)、
ジャッカー電撃隊の5人、バトルフィーバー隊の5人(途中退職の初代ミスアメリカと途中殉職の初代バトルコサック除く)、
デンジマンの5人、サンバルカンの3人(途中退職の初代バルイーグル除く)、ゴーグルファイブの5人、
ダイナマンの5人、バイオマンの5人(途中殉職の初代イエローフォー除く)、チェンジマンの5人、
フラッシュマンの5人、マスクマンの5人、ライブマンの5人、ターボレンジャーの5人、ファイブマンの5人、
ジェットマンの5人、ジュウレンジャーの6人、ダイレンジャーの6人、カクレンジャーの5人(ニンジャマンは除く)、
オーレンジャーの6人(ガンマジンは除く)、カーレンジャーの5人(シグナルマンは除く)、メガレンジャーの6人、
ギンガマンの5人(黒騎士ヒュウガは除く)、ゴーゴーファイブの5人、タイムレンジャーの6人、ガオレンジャーの6人、
ハリケンジャーの6人、アバレンジャーの5人、デカレンジャーの6人(デカマスターとデカスワンは除く)、
マジレンジャーの6人(ウルザードファイヤーとマジマザーは除く)、ボウケンジャーの6人(大剣人ズバーンは除く)、
ゲキレンジャーの5人(黒獅子リオとメレ獣人態は除く)、ゴーオンジャーの7人、
シンケンジャーの6人(姫シンケンレッドを除く)、ゴセイジャーの6人という、合計182人の戦士でした。

今回の映画のレジェンド戦士の本隊もこれと同じ182人の編成となっていました。
これに加えて別働隊としてシグナルマン、黒騎士ヒュウガ、デカマスター、デカスワン、マジマザー、
ウルザードファイヤー、大剣人ズバーン、黒獅子リオ、メレ獣人態、姫シンケンレッドの10人の戦士が登場しましたので、
合わせて192戦士がレジェンド大戦に参加していたことになります。

おそらくレジェンド大戦に参加した戦士の定義は、
人間型のバトルスーツ姿で地球やこの世界を守るために戦ったスーパー戦隊の戦士およびそれに準ずる戦士たちのうち、
1回限りの登場であった者と、殉職あるいは退役して戦士の資格を他者に引き継がせた者は除くのでしょう。
だから、例えばホワイトレーサーは複数回登場ですがバトルスーツ姿でないので省かれ、
ガンマジンは複数回登場でバトルスーツ状の姿ですが
願い事を叶えるキャラであって地球を守るために戦うキャラではないので省かれ、
X1マスクやデカブライトは地球を守るバトルスーツ戦士ですが1回だけの登場なので省かれています。
また、初代ミスアメリカや二代目キレンジャーなどはその戦士名を別人が引き継いだので
レジェンド大戦には参加していませんが、
死亡後も戦士名を引き継ぐ者がいなかったブラックコンドルやドラゴンレンジャー、タイムファイヤー、
アバレキラーなどは謎の復活を遂げてレジェンド大戦に参加しています。

そういう定義となると、レジェンド大戦に参加していたのは、第1話やこの映画で描かれた本隊の182人と別働隊の10人、
そしてニンジャマンの合わせて183人となるのですが、
ニンジャマンはおそらく第1話や映画で描かれた等身大の最終決戦に先立って行われた巨大戦の際に
巨大化して戦って倒されたか機能不全となったのでしょう。

この映画の冒頭、ゴセイジャーがゴーミン達に苦戦しているシーンでは
大破して動かなくなったゴセイジャーの巨大ロボであるゴセイグレートの衝撃的な姿が映っており、
圧倒的規模のザンギャック艦隊相手に熾烈な巨大戦が行われていたことが示唆されています。
その後、荒野における等身大の最終決戦のシーンへと移行し、
その戦いにレジェンド戦士たちが勝利した時、ザンギャックの艦隊による空からの攻撃が始まり、
それに対抗してアカレンジャーの号令のもと、スーパー戦隊の全ての力を結集した攻撃でザンギャック艦隊を全滅させるのです。

つまりスーパー戦隊側の巨大戦力が全て失われた状態でもザンギャックにはまだ艦隊は残っていたのであり、
おそらくスーパー戦隊側の巨大戦力はザンギャック艦隊の本隊と相討ちのような形で消滅していたのでしょう。
それでもザンギャック側にはまだ別働隊の艦隊が残っていて、
それを倒すためにはレジェンド戦士たちは戦う力を全て放出するしかなかったのでしょう。
それだけ等身大戦の前の巨大戦は熾烈で厳しいものだったと思われ、
うっかり者のニンジャマンはそこで巨大化して戦った挙句、ダメージを負って機能不全となったのでしょう。
同様にその際、ダイゴヨウやデータスも機能不全になったと推定出来ます。

そういうわけで本隊182人、別働隊10人の合わせて192人の戦士が最終決戦に参加し、
TV本編の第1話では本隊182人が全パワーを放出するシーンしか描写されていませんでしたが、
この映画のレジェンド大戦のシーンでは、ちゃんと別働隊の10人も一緒に全パワーを放出する様子が描写されており、
これでこの10人の戦う力もレンジャーキーへと姿を変えている謎は説明されたのでした。
ただ、その10人のレンジャーキーをどのようにしてバスコが手に入れたのかは相変わらず謎ですが。

また、本隊の方の戦士たちのパワーが姿を変えた182本のレンジャーキーについても、
アカレッドが集めようとしていたのが「中盤までに仲間入りした5人目まで」という妙な条件で167本に限定されていたというのも妙な話で、
そこから外れた、いわゆる追加戦士の15本のレンジャーキーもどういう経緯かでバスコの手に落ちていたのですが、
それが前回、マーベラス一味の手に入ったのです。
このあたりの経過が偶然なのか、それとも誰かがシナリオを描いているのか、今のところ不明です。

ともかく第17話開始時点の現在、マーベラス一味は182本のレンジャーキーを所有しており、
バスコは10本のレンジャーキーを所有しています。
ただ、おそらくバスコはマーベラス達が182本のレンジャーキーを持っているということを正確に掴んでいるようですが、
マーベラス達はバスコが10本のレンジャーキーを持っていることは知りません。
というより、その10本のレンジャーキーが存在することすら知らないでしょう。

映画の冒頭のレジェンド大戦のシーンでこの182+10の192戦士は登場し、
映画後半のレンジャーバトルのパートでは本隊の方の182戦士のうちゴセイジャー6人を除いた176人は
召喚態や奇跡的な一時的復活態で再度登場します。
この映画後半のお登場分はいずれの場合もマーベラス達の持っているレンジャーキーから生まれた存在なので、
当然ゴセイジャーを除いた176戦士しか現れないわけですが、
ここで後半の方では別働隊10戦士は登場しないのは、
演出的にはゴーカイジャーにこの10戦士の姿を見せておきたくないからという狙いもあるのでしょう。
その方がTV本編の中で今後近いうちにあると予想される、バスコがこの10戦士を召喚した時の
マーベラス一味の驚きが大きくなるからです。

こうして192戦士が映画に登場し、それにゴーカイジャーの5人を加えて197人となります。
「199ヒーロー」にはまだあと2人足りません。

まず、これにアカレッドを加えて198人となります。
アカレッドはこの映画では1シーンだけの出演ですが、非常に印象的な登場の仕方をします。
アカレッドはまずレジェンド大戦には参加していません。
それによって通常のスーパー戦隊の戦士とは異質な存在であるということが示唆されています。

じゃあアカレッドは何をやっていたのかというと、
レジェンド大戦の最終局面、192人の戦士たちが全パワーを放出してザンギャック艦隊を殲滅し、
その192人のパワーが宇宙に散らばっていくのを、アカレッドはただ眺めているのです。
しかも宇宙空間に1人浮かんで、地球を見下ろしながらです。
これによってアカレッドが普通の人間や生物とは異質な超常的な存在であることが分かります。
やはり「ボウケンジャーVSスーパー戦隊」における
「スーパー戦隊の歴代の赤の戦士の平和を願う心から生み出された存在」という設定のアカレッドと、
この「ゴーカイジャー」において登場するアカレッドとは同一のキャラであると見ていいでしょう。

しかもこの映画においてはアカレッドはレンジャーキーの誕生の瞬間の立会人であり、
その宇宙に散らばっていくのを見送る存在として登場しています。
やはりレンジャーキーとアカレッドには尋常ではない繋がりがあるようです。
そして「ゴーカイジャー」のTV本編ではアカレッドは「宇宙最大のお宝」を見つけるカギとして
レンジャーキーを探し求め、マーベラスやバスコをその旅の仲間として勧誘した宇宙海賊として登場しています。
そしてマーベラスやバスコには地球におけるこうした経緯は説明しておらず、
自分がもともと地球から来たのだということも説明していなかったようです。
そのようにアカレッドに多くの謎があるということが1シーンでセリフも無しでよく表現出来ていたと思います。

さて映画のストーリーの中では結局、このアカレッドを合わせて198人しかヒーローは登場しません。
EDテーマの中で1カットだけゴーカイシルバーが登場して199人目となるのです。
ゴーカイシルバーは第16話時点ではまだ登場しておらず、今回の第17話で初登場しますが、
その第17話放映日の前日に公開初日を迎えた映画のEDテーマの中で1カットだけカメオ出演しているというわけです。

TV本編で近日初登場するヒーローを先行して公開される映画の中で1シーンだけ登場させるという宣伝手法は
東映が好んで使う手法ですので、
今回の映画でもゴーカイシルバーがちょっとだけ登場するだろうということは予想していましたが、
予想以上にほんのちょっとの出番でした。
出てくるのは変身後の姿のみで、EDテーマの時、
戦いを終えて街の上を悠然と飛ぶゴーカイガレオンを見上げるカットのみの登場です。
もちろんセリフも無しです。

これだけなら一体この謎の戦士が何者なのか、さっぱり分からないところですが、
児童誌などではもうさんざんゴーカイシルバーのバレ情報は載っていますから、
子供たちはあれがゴーカイシルバーだということは何となく分かります。
むしろ、第17話においてゴーカイシルバーの変身前の姿である伊狩鎧がゴーカイオーを見上げて
喋って初登場するシーンの前フリとして機能するようになっているといえます。
もちろん映画のその1カットを見ていなくても、第17話の鎧の登場が不自然なものとなるというわけでもありません。

ただ、この映画の1カットを見ることで想像出来ることはそれなりにあります。
まず、第16話と第17話の間の時期に既に鎧はゴーカイシルバーに変身する能力を得ていたということです。
そしてゴーカイジャーの存在を知っており、興味を持っているということです。
まぁゴーカイジャーは地球では良くも悪くも有名人のようですから
鎧がその存在を知っていて興味を持っているのも不思議なことではないのかもしれませんが、
それでもこのEDテーマの1カットを見る限り、
ゴーカイジャーの行くところに付け回すようにしているようにも見えます。

そして実際、第17話でも鎧はほとんどゴーカイジャーに対するストーカーのようにして登場してきます。
つまり映画のED時点で既に鎧はゴーカイジャーのストーキングを開始しているのです。
だが、映画のストーリー部分では鎧はゴーカイジャーをストーキングしていないし、第16話以前でも鎧の姿は見えません。
つまり、鎧が変身能力を得たのは映画の中でゴーカイジャーがゴセイジャーと戦ったり
共闘したりしていたのとほぼ同時期であり、
その戦いが終わったのとほぼ同時期に鎧がゴーカイジャーのストーキングを開始しているようです。

よって、映画のストーリーとゴーカイシルバー誕生ストーリーには相関関係は無いが、
第16話までのストーリーとゴーカイシルバーの誕生ストーリーの間には何らかの相関関係があってもおかしくはない。
第16話までに生じた何らかの展開があって、それを受けて鎧がゴーカイシルバーとなり、
ゴーカイジャーのストーキングを始めたという考え方は出来るのです。
ただ、それがどういう相関関係であるのかは映画を見ても分からないし、第17話を見ても全く分かりません。
それは今後、次第に分かってくるのかもしれません。

ただ、このゴーカイシルバーの先行登場で気になるのは、
いつものTV登場に先駆けての新戦士のお披露目ならば戦わせたりしてもうちょっと派手にブチかますのですが、
それに比べるとかなり地味な先行登場だったことです。
まぁ先行登場といっても、ド派手に初登場を決めた第17話までたった1日しか先行しなかったので、
あまり派手にする意味もなかったのでしょう。
結局、映画のタイトル通り「199ヒーロー」という数を合わせるためだけにEDテーマで無理に登場させたという印象が強いです。

そのこと自体は別にいいのですが、問題は、どうしてそこまでして「199ヒーロー」なのかということです。
てっきり199人の戦士を映画で登場させておいて、
新戦士であるゴーカイシルバーでキリ番である200人目とする演出なのかと思っていました。
あるいはゴーカイシルバーの後に最後の最後にアカレッドを登場させて、
「ゴーカイジャー」という物語のキーパーソンであるアカレッドを
キリ番の200人目とする演出なのかもしれないと思っていました。
だが、200人目などということはなく、本当に199人の戦士しか登場しませんでした。

どうしてわざわざそんな中途半端な数で終わらせたのでしょうか?
いや、たまたまありったけの戦士を出したら199人になったというのならそれはそれでいいのですが、
おそらくそれは違います。
何故なら、わざわざニンジャマンを省いて199人にしているからです。

レンジャーキーになっている可能性のある戦士の中でレジェンド大戦に登場しなかったのは
ガンマジンとニンジャマンだけでした。
ただガンマジンはプレシャス的な戦士であってスーパー戦隊の戦士ではないので除外していいでしょう。
しかしニンジャマンはカクレンジャー6番目の戦士であって、本来は登場していて当然のキャラなのです。
ニンジャマンがダメだというのならズバーンだってダメなはずです。
しかしズバーンを出してニンジャマンは出していません。
つまりニンジャマンだけは巨大戦で機能不全になたとかいう噂もあったりして、とにかく意図的に省かれたのです。

それはニンジャマンに何か問題があって登場させたくない事情があったのではなく、
この映画で登場するヒーローの総数を
カメオ出演のアカレッドやゴーカイシルバーを合わせても199人に抑えたかったからなのではないでしょうか。
つまり、わざと200人にあと1人足りない199人にしたのです。
そこにどういう意図が込められているのか、深読みするならば、
後々、「ゴーカイジャー」のTV本編の物語の中で「200人目の戦士」となる新キャラが
登場する可能性があるということになります。

てっきりニンジャマンも出しておいてゴーカイシルバーかアカレッドを
この35作記念における記念すべき200番目の戦士として位置づけるつもりなのかと思っていたら、
そうではなかったのです。
ゴーカイシルバーまで登場させた時点で199人の戦士が存在するという状態を作り上げ、
その後で今更ニンジャマンやガンマジンが出てくるということはないでしょう。
おそらく、もし200人目の戦士が現れるとしたなら、それは新戦士であるはずです。
まぁこれは深読みしすぎで、199戦士体制のままで「ゴーカイジャー」は終了する可能性も大いにあります。
その場合は次の36作品目のレッドが200番目の戦士という扱いになるのかもしれません。
にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
にほんブログ村 にほんブログ村 テレビブログ スーパー戦隊へ
にほんブログ村
posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 23:27 | Comment(0) | 第17話「凄い銀色の男」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月05日

第17話「凄い銀色の男」感想その2

さて、そしてこの映画と第17話の相関関係で最も問題となるのが「大いなる力」の獲得に関する問題です。
第17話の冒頭はゴーカイジャーとザンギャック部隊との抗争シーンから始まります。
これは、今回が後半に巨大戦が無いエピソードなので冒頭に巨大戦を見せるという、
よく見られるパターンの作劇なのですが、今回の場合は目的はそれだけではなく、
ゴセイジャーの大いなる力のお披露目という目的も兼ねています。

そういうわけでこの第17話の冒頭の戦闘シーンは等身大戦は省いて、いきなり巨大戦から始まります。
相手は行動隊長は不在の巨大スゴーミン部隊で、抗争理由は不明ですが、
どうせまた作戦遂行のために現れたザンギャック部隊がゴーカイジャーと出くわして抗争が勃発したのでしょう。
まずスゴーミンの変形した戦闘機部隊をマジレンジャーの大いなる力、すなわちマジゴーカイオーで撃破し、
次いで地上のスゴーミン部隊をデカレンジャーの大いなる力、デカゴーカイオーで撃破します。

なお、ここでデカゴーカイオーの新しい必殺技「ゴーカイパトストライク」という技が初披露されています。
それはゴーカイオーから分離したパトストライカーがスピン回転しながら
車輪のガトリング砲を連射して周囲の敵を薙ぎ倒していくという、
周囲を囲んだ複数の敵を殲滅するのに適した技です。

これでスゴーミン達を全滅させたかと思いきや、またゾロゾロと湧いて出てきた多数のスゴーミン相手に
「先日いただいたゴセイジャーさんの大いなる力で参りましょう」とアイムが提案して、
ゴセイジャーのレンジャーキーを5人がコクピットに挿入します。
すると、ゴーカイオーの胸部と両腕両脚のハッチが開いてそこから飛び出した紋章の断片が合体してゴセイジャーの紋章となり、
それが更に8枚のゴセイヘッダーカードに変化します。

ゴセイヘッダーカードというのはゴセイヘッダー(生き物の頭部の形をした人造生命体らしい)を召喚するためのカードで、
通常はこのゴセイヘッダーカードをテンソウダーという変身アイテムに装着することで
ゴセイヘッダーを召喚する用途に使う小さなカードなのですが、
空中に大きなゴセイヘッダーカードが出現して、それが一種の魔法陣のような働きをして、
そこからゴセイヘッダーが出現するという現象も「ゴセイジャー」本編ではしばしば見られました。

ここでもそういう感じのゴセイヘッダーカードの使われ方がされており、
ここで空中に出現した8枚のゴセイヘッダーカードは、
ドラゴンヘッダーカード、フェニックスヘッダーカード、スネークヘッダーカード、タイガーヘッダーカード、
シャークヘッダーカード、スカイックブラザーカード、ランディックブラザーカード、シーイックブラザーカードです。

そしてマーベラス達が「豪快オールヘッダー大進撃!!」と叫ぶと、
これら8枚のゴセイヘッダーカードからゴセイヘッダーが飛び出していきます。
それはドラゴンヘッダー、フェニックスヘッダー、スネークヘッダー、タイガーヘッダー、シャークヘッダー、
タカヘッダー、クロウヘッダー、プテラヘッダー、クワガヘッダー、サイヘッダー、ティラノヘッダー、
ソーシャークヘッダー、ハンマーシャークヘッダー、マンタヘッダーの14のゴセイヘッダーです。

ゴセイジャーはヘッダーやヘッダーが変化したゴセイマシン、
ゴセイマシンの合体した天装巨人を使って巨大戦を戦う戦隊でしたから、
この「ゴーカイジャー」の物語内の解釈として何となく「大いなる力=巨大戦の戦力」であるようなので、
ゴセイジャーの大いなる力とは、まさにヘッダーということになります。
但し、ヘッダーにはこの14種のもの以外のものもあるので「オールヘッダー」というのは少し違うのですが、
まぁこの14のヘッダーが中盤のパワーアップ前のゴセイジャーのレギュラー的なヘッダーであったので、
これをフルラインアップ扱いするというのでそんなに間違いでもないでしょう。

この14ものヘッダーが発射されてスゴーミン部隊に突っ込んでいき、
体当たりでスゴーミン達を殲滅していきます。
何せ14個も同時発射されますから、多数の敵を殲滅するのに最適というわけです。

この「ゴセイジャーの大いなる力」というものは、第16話以前にはゴーカイジャーは獲得していなかったはずで、
第16話と第17話の間の出来事とされるゴセイジャーとの共闘映画の中でも
「ゴセイジャーの大いなる力」に関する描写や言及は一切ありませんでした。
そもそも映画の方のストーリーは、いつものTV本編のレジェンド回のような
「お宝ナビゲート→探索に出たマーベラス達がレジェンド戦士に出会う→大いなる力の獲得」という
流れのものではありませんでした。
いきなりゴーカイジャーとゴセイジャーが出会って反目し合った後で理解し合って共闘し敵を倒すというものでした。
そうして最後はゴセイジャーがゴーカイジャーに自分たちのレンジャーキーを再度預けて去っていくという形で終わっており、
「大いなる力」は劇中では一切触れられません。

だから、映画だけ見ていると、ゴーカイジャーはゴセイジャーの大いなる力は獲得していないようにも見えます。
が、大いなる力というものは別にレジェンド戦士の意思で与えたり出来るものではなく、
レジェンド戦士がゴーカイジャーの中に自分達と同じ資質を認めることによって、
その戦隊のレンジャーキーとゴーカイオーを触媒として自然にゴーカイジャーに与えられるものです。
だからゴセイジャーが映画のラストでゴーカイジャーの資質を認めたことによって、
自然にゴセイジャーの大いなる力はゴーカイジャーに与えられていたようです。
映画の物語の後の時系列で、マーベラス達はゴセイジャーのレンジャーキーが光っているのを見て、
その大いなる力を獲得出来たことを知ったのでしょう。

そういう意味で、今回の映画は「ゴーカイジャー」の物語という視点で見れば
レジェンド回の1つである「ゴセイジャー篇」として機能していたようです。
贅沢を言えば、映画の最初の方でナビィがゴセイジャーに関連のありそうな内容の
お宝ナビゲートでもしてくれると、より分かりやすかったのですが、
それをやってしまうと必然的にゴセイジャーの大いなる力の発動まで映画内で描く必要があり、
そのためにはゴセイジャーのレンジャーキーがゴーカイジャーの手元に戻っていないといけないわけで、
すると戦闘の途中でゴセイジャーがゴーカイジャーにレンジャーキーを返却せねばならず、
ストーリー的にかなり無理な展開になるので、
そういうあからさまな「ゴセイジャー篇」として描くことは今回の映画では無理だったでしょう。

それでゴセイジャーの大いなる力の獲得や発動のシーンは映画の方には入れ込めず、
獲得シーンは省き、発動シーンだけ第17話冒頭に持ってきて、
あとは視聴者の脳内補完に任せるという形としたのでしょう。

こうしてゴセイジャーの大いなる力をゴーカイジャーは獲得し、
それは戦いの中で「豪快オールヘッダー大進撃」という技として発動しました。
この技はゴーカイオー自体の形態は全く変化しいていません。
ハッチからパワーそのものが発射する類の技で、
これはゲキレンジャーの大いなる力によって発動された「ゴーカイ大激激獣」と同じような技です。
つまり玩具展開が無いということであり、
21世紀戦隊では際立って玩具売上の低迷した2つの戦隊であるゲキレンジャーとゴセイジャーが
こういう扱いであるのは、まぁ仕方ないことでしょう。

そして、この「豪快オールヘッダー大進撃」を使ってのゴーカイジャーの勝利を近くから見上げている男がいました。
この男が伊狩鎧なのですが、この時点ではまだ謎の男です。
この謎の男が「いいねいいね〜!ゴセイジャーの大いなる力はゴセイヘッダーかぁ〜!!
いいなぁ〜・・・他のも早く見たいなぁ・・・」と、気持ち悪いほどニヤケまくった顔で言っています。
この謎の男がゴセイジャーの大いなる力の獲得の経緯を知っているはずはなく、
単にゴーカイジャーがスーパー戦隊の「大いなる力」を使って戦っているということを知っているということのようです。

マーベラス達はよく街中で「大いなる力を探している」などと広言しているので、
ゴーカイジャーが大いなる力を探して獲得していっているということは巷では知る人ぞ知る情報なのでしょう。
そしてこの「ゴーカイジャー」の物語世界は一般人も結構詳しく34のスーパー戦隊のことを知っている世界ですから、
ゴーカイジャーの発動する必殺技が明らかに歴代戦隊の持っていた力によるものだということに
気付いている人も多少いるはずです。
そうなると、「ゴーカイジャーが集めたレジェンド戦隊の大いなる力を使って戦っているらしい」ということは、
ゴーカイジャーに興味を持っている人の間では周知の噂となっているのでしょう。

それでこの謎の男もゴーカイジャーに興味を持って戦いを見物しており、
「豪快オールヘッダー大進撃」を見てすぐにそれが「ゴセイジャーの大いなる力」による技だと気づき、
しきりに「いいねぇ〜!」などと言っているのかという印象です。
しかもやたらニヤケて羨ましがっているところを見ると、よほどのスーパー戦隊ファンのようです。

ただ「他のも早く見たい」と言っていることから考えて、
ゴーカイジャーの戦いそのものはあまり見たことはないようです。
最近になってからゴーカイジャーの追っかけをやっているようです。
その割には「大いなる力」の存在を知っています。

通常の人はまずゴーカイジャーに興味を持って見物していくうちに
「大いなる力」のことを知るようになっていくものですが、
この謎の男の場合、「大いなる力」への興味から「ゴーカイジャーが大いなる力を使っているらしい」という情報に辿り着いて、
そしてゴーカイジャーの戦いを見物するようになったように思えます。
つまり、この謎の男はゴーカイジャーに深い興味を抱く以前から「大いなる力」の存在を知っていることになります。

しかし「大いなる力」というフレーズは、そもそも小津魁がマーベラス達に伝えたフレーズであり、
レジェンド戦隊関係者でないと知らないはずの言葉です。
それをどうしてこの謎の男が知っているのか、よく分かりません。
そういえば、第15話のバスコとダマラスの会話時のバスコの独り言の時も
バスコがもともと「大いなる力」というものを知っていたかのような印象も受けました。
どうも「大いなる力」を巡る謎も深そうです。

さて、そこで問題はゴセイジャーの大いなる力とは何なのかということです。
もちろんそれはここで謎の男が言っているように、戦いの場ではヘッダーという形で現れるのですが、
そのパワーの源は何なのかが問題です。
それがつまりゴセイジャーがゴーカイジャーの中に認めた自分達と同じ資質というものですが、
これはつまりゴセイジャーという戦隊のテーマそのものです。

そのゴセイジャーのスーパー戦隊としてのテーマは「地球を護ることが使命である」ということです。
この「使命」という部分がハッキリ言って「ゴセイジャー」本編では消化不良気味であったので、
要するに「地球を護る」ということがゴセイジャーのテーマとなります。

以前に「メガレンジャー以降の戦隊はそれぞれ独自のテーマを持っている」と言いましたが、
実はゴセイジャーは唯一その例外といえる戦隊で、ゴセイジャーなりのテーマというものがありません。
「地球を護る」というのはスーパー戦隊として当たり前のことであって、
それは「ゴレンジャー」から「ゴセイジャー」まで一貫して戦隊の大前提なのです。
その上で彼らがヒーローであることに独自のテーマがあるのがメガレンジャー以降の戦隊なのですが、
ゴセイジャーは「地球を護る」という他の戦隊と共通した大前提のみがテーマなのです。
つまり非常にオーソドックスな、戦隊の骨格そのままのような戦隊がゴセイジャーです。

いや、「ゴセイジャー」本編でもあまり上手く描写しきれていませんでしたが、
「地球を護る」以外のテーマも無いこともありませんでした。
「夢」とか「希望」とか、「あきらめない」とか、なんかそういうのもあったような気もします。
決して描写が成功していたとはいえませんが。

例えば「ゲキレンジャー」だって「向上心」というテーマは本編ではあまり上手く描かれていませんでしたが、
「ゴーカイジャー」のゲキレンジャー篇では本編よりも上手に「向上心」というテーマを処理していました。
ああいう感じで、いかにも天使の戦隊らしい夢や希望をテーマとしたゴセイジャー篇として
映画のストーリーを作ることも出来ないこともなかったはずです。
しかし、あえてそのような措置は行われず、この映画ではゴセイジャーのテーマは「地球を護ること」のみに絞られており、
ゴセイジャーは地球を護ることのみをテーマとしたオーソドックスな戦隊として描かれていました。

この映画が「ゴーカイVSゴセイ」として見るとストーリー的にやや盛り上がりに欠けるのは、
ゴセイジャーがそういうオーソドックスで無味無臭の戦隊として描かれているので、
ゴーカイジャーとの間でのテーマの葛藤の描写が弱いからです。

例えばゴセイジャーが登場するもう1つのVS作品である「ゴセイジャーVSシンケンジャー」では、
ゴセイジャーは割と冷徹でクールな戦闘のプロ集団であるシンケンジャーとの対比で、
非常に人懐っこくお人よしで諦めの悪いがむしゃらなキャラであるアラタが
ゴセイジャー代表としてクローズアップされており、両戦隊のテーマの葛藤がもっと生き生きと描かれていました。

この「ゴーカイVSゴセイ」において描かれたオーソドックス戦隊としてのゴセイジャーが
まだなんとか成立し得たのは、相手がゴーカイジャーだったからでしょう。
何せゴーカイジャーは今までの歴代34戦隊において例の無い「地球を護る意思のない戦隊」だからです。
だから「地球を護る」という戦隊としては当たり前すぎて退屈なぐらいのテーマでゴセイジャーを描いても、
ちゃんと葛藤が生じるのです。

しかし、それでもやはり、これではゴーカイジャーもゴセイジャーもテーマは漠然としているといえます。
ゴーカイジャーはそれでも皆キャラが濃いのでテーマ的に弱くても何とかなるのですが、
ゴセイジャーは皆キャラが弱めなので、こんな漠然としたテーマの描かれ方では、
やはりどうも印象が薄くなってしまいます。

それでもあえてこの映画でゴセイジャーがオーソドックス戦隊として描かれている理由は、
この映画の真の主題が、ゴーカイジャーとゴセイジャーの対立と和解を描くことではなく、
ゴーカイジャーとレジェンド戦隊の対立と和解を描くことだからです。
特にレジェンド戦隊の中でもゴレンジャーやジャッカー電撃隊など、
古い戦隊がゴーカイジャーを理解していくことがこの映画の最大のテーマなのです。

これら古い昭和戦隊は、まさしくゴセイジャー以上にオーソドックスな戦隊で、
「地球を護る」ということでテーマが語り尽くされる戦隊です。
それだけのテーマで新鮮だった時代の戦隊なのです。
だから、昭和戦隊とゴーカイジャーの間で葛藤が生じるとすれば、「地球を護るか否か」という点に尽きるのです。
ところが、この「葛藤」というやつが厄介なのです。

確かに事前に「葛藤」があってこそ、その後の「和解」が説得力を持つのであって、
「和解」を描く以上は「葛藤」の描写は不可欠で、
「ゴーカイジャー」本編のレジェンド回も「葛藤→和解」という構成になっています。
あのブッ飛んだカーレンジャー篇ですら、一応はそういう構成だったと思います。

しかし、昭和戦隊となると、存在そのものがもはや伝説に近いのであって、
マーベラス一味の5人と同じ高さまで下りていって同じレベルで葛藤する海城剛や番場壮吉を描くというのは、
事実上不可能と言っていいでしょう。
むしろ海城や番場は高いところから一方的にマーベラス達を理解して力を授けてやるというような、
一種のウルトラマン的な存在としての扱いしか出来ません。

つまり昭和戦隊の場合、彼らが伝説的存在であるゆえに、マーベラス達に対しては「理解」しか描けないのです。
しかし「葛藤」があってこそ「理解」は描けるのであって、「理解」の前に「葛藤」のシーンは絶対に必要です。
それでも昭和戦隊はマーベラス達と葛藤シーンは作れない以上、
昭和戦隊の代わりに「地球を護るか否か」という争点でマーベラス達と葛藤するキャラを登場させて、
その葛藤から和解に至る様子を高いところから見ていた昭和戦隊が
最後にマーベラス達の資質を理解して認めるという、そういう描き方をするしかないのです。

そうなると、ほとんど「地球を護る」ということのみをテーマとした戦隊であり、
ゴーカイジャーの前年の戦隊であったゴセイジャーは、
この映画で昭和戦隊の代わりに同じレベルでマーベラス達と葛藤する役目に最適のキャラだということになるのです。
この映画におけるゴセイジャーの最大の存在意義はそれであり、
それゆえゴセイジャーはあえて「地球を護る」というテーマを前面に押し出した
オーソドックス戦隊として描かれているのです。

そもそも、「ゴーカイジャー」の物語というのは
「地球を護る義務を持たないゴーカイジャーが地球を護るヒーローへと変化していく物語」なのですから、
その変化が完成してしまうと物語も終わってしまうのです。
だから「地球を護るか否か」という争点は「ゴーカイジャー」の物語の中では描きにくい。
「葛藤→和解」があって、ゴーカイジャーがレジェンド戦士たちによって
「地球を護るヒーロー」として明確に認められ、ゴーカイジャー自身もそのような自覚を持ってしまうと、
「ゴーカイジャー」の物語が事実上完結してしまうからです。

だから「ゴーカイジャー」の物語の中では、
「地球を護るか否か」ということのみをテーマとしたエピソードは、いずれは描かないといけないのですが、
それはあまり早くやってしまってはいけないのであって、
そうなると「地球を護る」ということのみをテーマとしていたような昭和戦隊のレジェンド回というのは描きにくい。
また同じように「地球を護る」ということそのものをメインテーマとしていた近年では珍しい戦隊
ゴセイジャーのレジェンド回というのも描きにくいのです。

特に昭和戦隊の場合、あまりに存在が伝説的で超越的なのでゴーカイジャーとの葛藤自体が描きにくい。
要するに絡みづらい相手なのです。
しかし、こういう「ゴーカイジャーの物語の中で描きにくい種類の戦隊」も避けて通るわけにはいかない以上、
ならばいっそ、「ゴーカイジャー」のTV本編のストーリーからはある意味で独立した
外伝的なストーリーとして処理出来る劇場版で昭和戦隊をまとめて処理してしまおうということになったのでしょう。

そして昭和戦隊とゴーカイジャーを直接絡ませるのが難しいので、
昭和戦隊とテーマを同じくするゴセイジャーをゴーカイジャーとの「葛藤→和解」ドラマの相手役として登場させ、
ゴセイジャーがゴーカイジャーを理解したことを受けて、昭和戦隊がゴーカイジャーを理解し、
ゴーカイジャーはゴセイジャーの大いなる力と共に昭和戦隊の大いなる力を獲得するという筋立てにしたのでしょう。
だからゴセイジャーの出番はTV本編のレジェンド回でゴセイジャー篇を作るのではなく、
こうして劇場版で「ゴーカイVSゴセイ」の形をとりながらゴセイジャー篇を消化するようにしたのです。
むしろTV本編の方では「地球を護る」ということがテーマのゴセイジャーは、
なかなか上手く出番を作れなかった可能性が高いので、こうして劇場版で処理したのが正解だったといえます。

実際、この映画の中ではマーベラス達はゴセイジャーやレジェンド戦士たちとの交流の中で
かなり「地球を護る戦士」っぽくなってきてしまっており、要するにかなりデレてしまっています。
この映画のストーリーならばデレるしかないといえます。
しかし時系列的にその直後ぐらいにあたるはずのこの第17話では、
マーベラス達は「地球を護る」という意識から再び距離をとっています。
つまりツン状態に戻っているのです。
TV本編の物語展開としては、まだまだこんな時期にあんまりデレていてはマズいからです。

つまり、劇場版とTV本編は一見繋がっているようで、やはり微妙にズレがあるのです。
言い換えれば、TV本編とはパラレルの劇場版だからこそ、あそこまでマーベラス達がデレる描写が可能だったのです。
そういう場だからこそ、昭和戦隊とゴセイジャーを登場させるのに最適だったのだといえます。
そして、そういう劇場版はあくまでパラレルワールドであって、
TV本編の世界のマーベラス達はまだまだデレておらず、まだまだ地球を護る意識がそんなに強くなく、
そういう状態で第17話を迎えるのです。

その第17話、冒頭の巨大戦のシーンが終わって、ガレオン内で戦いを終えたマーベラス達に向かって
「お疲れちゃ〜ん!いや〜!それにしてもここんとこ、アゲアゲだよね〜!」とナビィがねぎらいの言葉をかけます。
それに対してハカセが「なんたって大いなる力をまとめて11個も手に入れちゃったからね!」と、
視聴者には驚くべき発言をします。
更にジョーも「ああ・・・それに相応しい激戦だった!」と感慨深そうに言い、
アイムも「そうですね」と同意します。

更にそれを引き継いだ「その前にはバスコから新しいレンジャーキーを15個もゲットしたし・・・!」というルカの言葉から、
そのジョーの言う「激戦」というのが前回の第16話でバスコからレンジャーキーを15個ゲットした後に
起こったのだということが分かります。
しかしTV本編では前回と今回の間にそんな激戦など描写されていません。
となると、それは第16話と第17話の間にあったという設定となっている、
映画で描かれた黒十字王との戦いのことを指していると考えるしかありません。

あれは確かにゴーカイジャーの今までの戦いの中でもケタ違いの規模の激戦であったのは確かです。
だからジョーが感慨深そうに振り返るのも当然です。
問題は、そこで11個もの大いなる力をゲットしたとハカセが言っていることです。
それはつまり11の戦隊の大いなる力を獲得したということです。
そのうちの1つはゴセイジャーであるとして、残りの10個が何なのかというのが問題です。

映画のストーリーの中では「大いなる力」の発動が明確に描かれていたのは1つの戦隊だけです。
それはシリーズ第1作「秘密戦隊ゴレンジャー」だけです。
このゴレンジャーと第17話冒頭で発動が確認されたゴセイジャー、この2つは確定です。
残りの9つの戦隊が何なのかについては映画でも第17話でも明言はされていません。
だからハッキリしたことは分からないのですが、
映画の中での描写でその9つの戦隊は何となく示唆されてはいます。

それは等身大戦でゴーカイジャーとゴセイジャーが黒十字王に追い詰められた時、
宝箱の中に戻っていた176本のレンジャーキーが箱から飛び出して光り輝き、
その光の渦の中でビジョンとなって現れてマーベラス達に語りかけたり微笑みかけた戦士たちの所属した戦隊です。

ここでビジョンとなって出現したのは
アカレンジャー海城剛、ビッグワン番場壮吉、デンジブルー青梅大五郎、ゴーグルブラック黒田官平、
ダイナピンク立花レイ、レッドワン郷史朗、レッドターボ炎力、リュウレンジャー天火星・亮、
デカピンク胡堂小梅、ボウケンレッド明石暁、ゴーオンイエロー楼山早輝、シンケングリーン谷千明、
シンケンゴールド梅盛源太の13人です。

彼らの所属する戦隊はゴレンジャー、ジャッカー電撃隊、デンジマン、ゴーグルファイブ、ダイナマン、
バイオマン、ターボレンジャー、ダイレンジャー、デカレンジャー、ボウケンジャー、
ゴーオンジャー、シンケンジャーの12戦隊ですが、
このうちゴレンジャーはゴセイジャーと共に今回の11個のうちの2個として確定で、
デカレンジャーとシンケンジャーは既に大いなる力をTV本編で獲得済なので除外するとして、
そうなると残りはジャッカー電撃隊、デンジマン、ゴーグルファイブ、ダイナマン、バイオマン、
ターボレンジャー、ダイレンジャー、ボウケンジャー、ゴーオンジャーの9戦隊となります。
今回獲得した11個の大いなる力の11戦隊のうち未確定が9戦隊ですから、ピタリと数は合います。

つまり、この9戦隊とゴレンジャーとゴセイジャーが
この映画の戦いを通じてゴーカイジャーが獲得した11個の大いなる力の戦隊だと推定されるのです。
意外と最近の戦隊も含まれているのは衝撃的で、
もしボウケンジャーやゴーオンジャーの大いなる力も獲得したとなると、
21世紀戦隊で未だ大いなる力を獲得していないのはアバレンジャーとハリケンジャーのみとなります。

しかし、この11個の戦隊に関してはそんなに厳密に考えなくてもいいと思います。
ゴレンジャーとゴセイジャー以外はあえてどの戦隊の力を獲得したのか明示していないのも、
厳密に考えなくてもいいというメッセージのように思います。
明示されていない上に、映画はあくまでTV本編とはパラレルワールドの関係なのであり、
ますます厳密に考えて思考を縛る必要は無いと思います。

この映画の問題のシーンでビジョンとなって現れた戦士たちは昭和戦隊が多めです。
ゴレンジャー、ジャッカー電撃隊、デンジマン、ゴーグルファイブ、ダイナマン、バイオマンは明確に昭和戦隊であり、
ゴセイジャーとの共通する「地球を護る」ということをテーマとして一纏めにされた戦隊という意味では
ターボレンジャーも似たようなものです。

昭和戦隊っぽくないのはダイレンジャー、デカレンジャー、ボウケンジャー、ゴーオンジャー、シンケンジャーですが、
結局はこの映画で「大いなる力」を発動したのがゴレンジャーだったことを考えても、
この映画で本当に描きたかったのは「ゴレンジャーがゴーカイジャーを認める」ということであり、
ゴレンジャーに代表される「地球を護る」ことをテーマとする昭和戦隊が
ゴーカイジャーを認める話が描きたかったのだと思います。
だからこそ、昭和戦隊と同じテーマをメインとするゴセイジャーを
ゴーカイジャーと直接葛藤する役として配置したのです。

ならば、ゴセイジャー以外の大いなる力を与える10戦隊は全部、昭和戦隊でもよかったのであり、
ここでまとめて昭和戦隊を消化してしまってもよかったのかもしれないとも思うのですが、
それはあくまで「ゴーカイジャー」TV本編の方のストーリーの都合を優先した考え方であって、
金を払って映画を見に来てくれるお客さん、特に子供たちを軽視した考え方です。

子供たちはわざわざ金を払って映画館に行って、昭和戦隊ばかり見たくはないでしょう。
やはり最近の戦隊も見たい。
だからシンケンジャーやゴーオンジャー、ボウケンジャーも出す必要があったのです。
そもそも「大いなる力」の獲得のことだけ考えるなら、
大いなる力を獲得済のシンケンジャーやデカレンジャーのキャラなど登場させる必要は無いはずです。
やはり人気戦隊だから、子供たちが喜ぶからこれらの戦隊を出したのです。
ボウケンジャーやゴーオンジャーのキャラがここで出てきているのも同じような理由です。

また、ダイレンジャーの亮が登場しているのも、
今回の映画はあらゆる世代の観客が来ることを見越して、
レジェンド戦士の中でも今回の映画の中で重要な役割を演じる3人を、
昭和戦隊、平成戦隊、21世紀戦隊からそれぞれ1人ずつまんべんなく登場させるためであったからでしょう。
だから、その3人はデンジマンの青梅、ダイレンジャーの亮、デカレンジャーのウメコなのです。
そうして登場させた以上、例のビジョンのシーンでも亮を登場させた。それだけのことなのです。

ウメコや暁や早輝、千明や源太もそういう意味でビジョンのシーンに出てきただけであって、
彼らがゴーカイジャーに大いなる力を授けたかどうかはハッキリとは分からないし、そんなことは重要ではないのです。
その上、基本的にはTV本編と劇場版はパラレルです。

だいたい、この第17話の冒頭近くのガレオン内でのハカセやジョー達による
黒十字王との戦いを振り返る一連の会話シーンは、あまりにセリフがとってつけたようにワザとらしく、
これは単に公開2日目の劇場版の内容を
「ゴセイジャーの力をはじめとした11個もの大いなる力をゲットした凄い激戦」だったと、
いかにも凄そうに視聴者の子供たちに向けて宣伝しているに過ぎないセリフだと思います。
そのために「11個の大いなる力」という煽り言葉が使われているに過ぎず、
本当にTV本編の物語の流れとして、ここで11個の大いなる力がゲットされたのかどうかすら怪しいといえます。

だから、今後、TV本編の方で、何食わぬ顔で
ダイレンジャー篇やボウケンジャー篇やゴーオンジャー篇があっても、全く不自然ではないのです。
また、仮にこの映画のビジョンのシーンでボウケンジャーやゴーオンジャーの大いなる力が
ゴーカイジャーに授けられていたとしても、
この2つの戦隊に関してはおそらく玩具展開も絡んでくる可能性が高いので、
その大いなる力の発動に関しては然るべきタイミングで行われるであろうと思われます。

例えば今回のゴセイジャーの大いなる力のように唐突に発動されれば、
玩具の売り上げに悪影響を与えることになります。
玩具展開があるのならば、ちゃんとその玩具の登場にカタルシスを感じさせるような出し方をしないといけません、
ならば、やはりレジェンド回としてのボウケンジャー篇やゴーオンジャー篇というのは、
ちゃんとレジェンドゲストも迎えて作られると思っておいた方がいいでしょう。

少なくとも21世紀戦隊の中でバンダイ玩具売上一番のゴーオンジャーの
玩具展開が無いということは考えにくく、
ゴーオンゴーカイオーという玩具展開はあるだろうと予想されます。
また、ボウケンジャーに関しては、これほど「宝探し」という共通点でゴーカイジャーと絡ませやすい戦隊もそうそう無く、
しかもボウケンジャーはアカレッドとも接点があるわけですから、このまま出番が無いとは到底思えません。

そういうわけで、今回の映画で明石暁や楼山早輝がちょっと登場したからといって、
ボウケンジャー篇やゴーオンジャー篇がもうTV本編では見られなくなったということは
絶対に有り得ないと断言してもいいと思います。
ただ、今回登場した昭和戦隊やターボレンジャーに関しては、
今回の描写でまとめてレジェンド回は消化されたと判断していいと思います。
ダイレンジャー篇に関しては微妙で、これで消化されてしまったようにも思えるし、
もしかしたらTV本編でダイレンジャー篇がまだあるかもしれないとも思えるし、ちょっとよく分かりません。
まぁダイレンジャー篇に関しては個人的に「あってほしい」という願望の方が強いのかもしれません。

まぁそういうわけで、一応今回の映画でその11戦隊の大いなる力をゲットしたとすれば、
これでまだ大いなる力をゲットしていない戦隊は、
バトルフィーバーJ、サンバルカン、チェンジマン、フラッシュマン、マスクマン、ライブマン、
ファイブマン、ジェットマン、ジュウレンジャー、カクレンジャー、オーレンジャー、メガレンジャー、
ギンガマン、ゴーゴーファイブ、タイムレンジャー、ハリケンジャー、アバレンジャーの17戦隊ということになります。

第18話以降の残り話数はおそらく32話で、
クライマックス篇が年明け後の5話を費やすであろうから、年末までにレジェンド回は消化すると思われ、
そこまでならば残り27話となります。
2話に1話がレジェンド回というペースならば、残りレジェンド回はあと13〜14話分ほどで、
残り17戦隊に加えてボウケンジャーとゴーオンジャー、
一応ダイレンジャーもレジェンド回はあると仮定して残り20戦隊。
13〜14話で20戦隊を消化するということになります。

残っている分には昭和戦隊も多く、また何個かずつまとめて消化されることもあるでしょうし、
逆にシンケンジャー篇のように2話費やすレジェンド回も
お盆や秋、クリスマス時期に1回ずつぐらいあるかもしれません。
そういう感じで総合的に考えると、まぁ何とかなるんじゃないかなというペースと思えます。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
にほんブログ村 にほんブログ村 テレビブログ スーパー戦隊へ
にほんブログ村
posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 00:33 | Comment(1) | 第17話「凄い銀色の男」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月06日

第17話「凄い銀色の男」感想その3

第16話でバスコから新たに15本のレンジャーキーをゲットし、
更にその後の映画で描かれた毛利小五郎・・・もとい黒十字王との戦いで11個の大いなる力を獲得し、
一気に残る大いなる力を17個として、勢いづくマーベラス達でした。
冒頭からここまでのシーンは、ハカセやジョーのわざとらしい説明セリフの会話や、
謎の男のゴセイジャーの大いなる力に関する説明セリフなども含めて、
結局のところ、公開中の映画の宣伝コーナーのようなものだったと考えていいでしょう。
実際、ここで言及された「11個の大いなる力」はこの後の第17話の本編のストーリーには全く絡んできません。
だから、ここまでが映画の宣伝コーナーで、ここからが本来の第17話の本編ストーリーであると思えばいいでしょう。

まずルカがその最近のアゲアゲの調子のまま
「この勢いで一気に大いなる力をコンプリートして宇宙最大のお宝貰っちゃお!」と張り切ります。
皆も頷いて同意し、マーベラスは「ああ!やれ!鳥!」とナビィにさっそくお宝ナビゲートをさせます。
ナビィも快く応じて「あいよ!レッツ!お宝ナビゲ〜ト!」と飛び上がる。非常にテンポが良いです。
「飛んでくるくる凄いヤツ・・・」などと、ダイレンジャーのEDテーマの歌詞の小ネタも入れつつ天井に頭をぶつけ
「なんか凄い銀色の男を探すべし・・・だってさ!」とお告げします。

しかし、皆は「なんだそれは・・・」「なんか凄いって、どんな意味?」
「まったく、相変わらず漠然としてるなぁ」とさんざんナビィを酷評しバッシングします。
確かに「なんか凄い銀色の男」って言われても何のことやら分かりませんし、何処を探せばいいのか分かりません。
まぁいつもナビィのお告げはこんな感じで、こういうお告げがある時というのは、
その対象がマーベラス達の身近に来ている時であることが多いので、深く考えずに外に出て探してみるのが一番です。
「なんか凄けりゃいいんだろ?行くぞ!」とマーベラスは立ち上がり、
さっそく5人は「なんか凄い銀色の男」を探しに出かけます。

ここでOPテーマとなりますが、今回の冒頭ナレーションは「冒険とロマンを求めて〜」のバージョンの方で、
つまりレジェンド回ではなく、ゴーカイジャー単独の通常回です。
冒頭でお宝ナビゲートをしたのに、今回はスーパー戦隊の大いなる力のゲットは無いということになります。

そしてCM明け、「凄い銀色の男」というサブタイトルが出ます。
これはナビィのお告げそのままのタイトルで、今回、その「凄い銀色の男」が登場することが予想されます。
特に何かの戦隊のサブタイトルの法則に当てはまっているわけでもなく、やはりレジェンド回ではないようです。
ならばナビィのお告げは、前回のように「大いなる力」とは別の意味合いのものなのかもしれません。

本編が再開し、マーベラス達5人は「なんか凄い銀色・・・」と呟きながら、
あたりをホントに漠然と見渡しながら街を歩いていました。
そこに突如、そのマーベラス達を追い越して走っていく銀色の人影が現れます。
「ん!?」と反応したマーベラスは前方に向けて走り去っていく銀色の男の後ろ姿を見て
「・・・あれか?」と考え込みます。

しかし「確かに・・・銀色ですけど・・・」とアイムは何やら懐疑的です。
今までナビィのお宝ナビゲートの後、マーベラス一味の前に現れたのは、前回のバスコを除いては、
皆、スーパー戦隊の元レジェンド戦士の面々でした。
彼らは、中には陣内恭介のような変態もいましたが、それでも恭介も含めて、
皆一様に戦士らしい精悍な外見をしていました。
ところがその走り去っていく銀色の男は極度の肥満体であり、とても戦士には見えなかったので、
アイムはその男がナビィの言う「凄い銀色の男」とは思えなかったのでした。

まぁ実際は肥満体のレジェンド戦士も数人いますから、
肥満体だから戦士でないというのはアイムの偏見なのですが、
それでも肥満体戦士が少数派なのも事実です。
アイムが懐疑的になるのも無理もないでしょう。

しかしマーベラスはフンと鼻で笑います。
そんなもん本人に聞いてみれば手っ取り早く分かることだと思ったのです。
ちょうど走って戻ってきた銀色の男に駆け寄り、マーベラスは「おい!アンタが凄い銀色の男か?」と質問します。
男は立ち止まり、サングラスを外して「はぁ?」と言います。
他の4人も肥満体の方に駆け寄り、
アイムは「スーパー戦隊の大いなる力について、教えていただけませんか?」と丁寧に問いかけます。

しかし肥満体は意味が分からないようでキョトンとしています。
そして「何を言っているんですか、あなたたちは?・・・僕は忙しいんだ!」とせわしなく言うと、
「もう!どいて!」と5人の中に割って入って抜けていき、また来た道を走って去っていきました。
「・・・違ったみたいだな!」とジョーが言うと、マーベラスはフン・・・と口を歪めて少し笑い、また歩き出します。

銀色の肥満体の男は単なるジョギング中の男だったようです。
全身を包んだ銀色の服はダイエット用のサウナスーツのようですが、
マーベラス達は宇宙海賊なので、地球人のそういうダイエットに関するような細かい風俗までは把握していないようで、
男が単なるダイエット中の太った男だったとは分かっていないようです。
ただ、「スーパー戦隊の大いなる力」について知らないようなので、
スーパー戦隊関係者ではない一般人だと判断したのです。
つまり、普通の人間は「大いなる力」のことは知らないのです。

さて、そこにさっきの冒頭のシーンでゴーカイオーを見上げてニヤケていた戦隊ファンっぽい男がやってきます。
何やら誰かを探している様子ですが、マーベラス達が縦列でダラダラと歩いているのを見つけると
「あ・・・いた!よぉし!」と笑顔になり、マーベラス達の方に駆け寄ってきます。
マーベラス達を探して来たようです。
どうもこの男、さっきの戦いのシーンからずっと、いやあるいはその前からも、
ゴーカイオーやガレオンを追いかけていたようです。
その目的はマーベラス達に会うためであるようで、
マーベラス達が銀色の男を探すためにガレオンから降りるのを遠目で見て、
その歩いていったと思われる方向を追いかけてきたようです。
だとしたら、もうほとんどストーカーのようですが、そこまでしてマーベラス達に会いたい理由は何なのか謎です。

その謎の男がマーベラス達に近づいた時、
ちょうど縦列の最後尾のマーベラスの横で小さい子供がベタンと倒れました。
小さい子供ですから、勝手に足がもつれて転んだようです。
別に怪我した様子もなく、泣いたりもしていません。特に問題ない状況です。
それでマーベラスは一瞬立ち止まって子供を一瞥しますが、すぐに興味無さそうに歩き出して去っていこうとします。

ところがマーベラス達に会おうとして駆けてきていた謎のストーカー男は不満そうな顔をし、
「待って待って!ちょっと待ってくださいマーベラスさん!!」と、いきなりマーベラスの背中に縋りつきます。
いきなり身体に触ってきて、しかも敬語です。しかもマーベラスの名前まで知っている。
いったいこの男、何者なのか?

「あぁ!?」とマーベラスは少し驚いて鬱陶しそうな顔で振り返り、男を睨みます。まるでヤクザです。
まぁしかし普通、そういう反応になるでしょう。
いや、これはマーベラスに殴られてもおかしくないでしょう。
さすがに殴りはしなかったものの、マーベラスは(何者だ?)という表情で男を睨みます。

ところが男は「・・・そのまま!」とマーベラスを制して、急いで倒れている子供に駆け寄ります。
子供は自力でモゾモゾと起き上がろうとしています。
てっきり助け起こそうとするのかと思いきや、
男は子供に向かって、なんと「ゴメン・・・ちょっと起きずに倒れてて!」と頼み込んだのでした。
子供は意味が分からないようで「え!?」と驚いて聞き返しますが、
男は構わず立ち上がるとマーベラスの方を向いて
「起こしてあげてください!マーベラスさん!」と言ってニッコリ笑います。

突如乱入してきた男の異様な行動を呆気にとられて見ていたマーベラスでしたが、
男のこの意味不明の懇願に「はぁ?」と顔を歪めます。
しかし男は何か陶酔したように
「スーパー戦隊の人なら、道端で転んだ子供には優しく手を差し伸べてあげましょうよぉ!!」と、
演説調でまくしたてます。
マーベラスは呆れて「何言ってんだお前・・・ちょっと転んだぐらいなら自分で起きりゃあいいだろ!」と冷たく言い返し、
倒れていた子供までさっさと立ち上がって「そうだよ!」とマーベラスに同意し、
謎のストーカー男を睨みつけ、「ママぁ!変な人がいたぁ!」と、近くにいた母親のところへ逃げていきます。

子供にまで不審者扱いされてしまった謎の男であるが、まぁ実際、どう見ても不審者です。
子供は自力で起き上がれる状態であり、自力で起き上がろうとしていたのですから、
子供にしてみれば男の行動は迷惑であり不気味でした。
どうも男は「スーパー戦隊は子供に優しくなければいけない」という思い込みに突き動かされているようですが、
自力で起き上がれる子供を無理に手助けするのを優しさと捉えるのがそもそもおかしい。
そんなのは余計なお節介というものです。

男はマーベラスが子供を助けなかったことに過剰反応して異常な行動をとってしまったようですが、
それはマーベラスがスーパー戦隊の戦士にしては子供に優しくないということに男が不満を抱いているので、
そういう過剰な行動をとってしまったようです。
つまり、男はマーベラスの普段のぶっきらぼうで態度の悪い言動を知っているのです。
そしてそれをスーパー戦隊の人としては適切ではないと思って不満を持っているということになります。

しかし「スーパー戦隊は子供に優しくないといけない」ということ自体が男の勝手な決めつけであり、
仮にスーパー戦隊はそういうものであったとしても、そもそもマーベラス達はスーパー戦隊ではない。
宇宙最大のお宝を見つけるためにスーパー戦隊の大いなる力を集めているが、
彼ら自身は自分達がスーパー戦隊の一員になったという意識はありません。
だから、そういうマーベラス達に「スーパー戦隊ならかくあるべし」という
男の勝手な思い込みを押し付けても、鬱陶しいだけです。

つまり、この男はちょっと変なのです。
子供の観察眼は鋭い。この男は変な人です。
しかし、変な人ほど自分が変な人だという自覚は無いものです。
男は慌てて子供を追いかけ、母親相手に「すいません!俺は決して怪しい者じゃなくて・・・」と
必死に弁解しますが、ますます不審がられる始末。
その間にマーベラス達は呆れてその場を立ち去ってしまいます。

それに気づいた男は「ちょっとぉ〜!!」と呼びとめようとしますが、
すっかり変人だと思われてしまったことに気付き、
明らかに自分を避けて去っていくマーベラス達を見て、困ってしまいました。
もともと子供を助け起こすように注意するために出てきたわけではないのです。
別の用事があってマーベラス達に声をかけようとしていたところ、
たまたまそこで子供がコケたので変な展開になってしまったのでした。
どうも声をかけづらくなってしまったと感じ、男は落ち込み、
その場に佇んでマーベラス達が去っていくのを見送るのでした。

変な男を置いてその場を去ったマーベラス達は引き続き凄い銀色の男を探して街を探索していました。
「おかしなヤツがいたもんだな・・・」と、ジョーがさっきの変な男のことを思い出して呆れたように独り言を言います。
一方、「ちょっと可愛い気もしたけどね!」とルカは何故か少し肯定的です。
どうやら姉御キャラのルカはああいうドジっ子っぽい男が好みのようです。
そういうルカの意見に対して「ええええええ!?」とハカセは驚く。
ルカの趣味が悪すぎると思ったようですが、ハカセもドジっ子キャラという点ではよく似ており、
それでルカに可愛がられており、少し嫉妬が混じっているのかもしれません。

そういう話には興味無さそうにマーベラスは
「また妙なヤツに捕まらないうちに、とっとと大いなる力を・・・」と、凄い銀の男探しに集中しようとします。
そのマーベラス一行の近くを銀色の人影がまた走り抜けます。
それを見たアイムが「あっ!銀色!」と反射的に叫び、皆が一斉にそっちを見ると、
なんとそこにはザンギャックの行動部隊がいました。

行動隊長らしき怪人が複数のゴーミン達を引き連れ、「まずはここから仕掛けよう・・・」などと言っています。
どうもマーベラス達のことは気付いていないようです。
アイムが見た銀色の人影はゴーミンだったのです。「ゴーミン達!?」とルカは驚きます。
マーベラスは行動隊長らしき怪人の傍にいるゴーミンの手に持った物を見て、険しい表情となります。
それは時限爆弾のように見えたからです。

その行動隊長もようやくマーベラス達の存在に気付き、振り返ります。
こうして両者は対峙することとなりました。
「言ってるそばから、またザンギャックか・・・!」とマーベラスはウンザリして言います。
邪魔の入らないうちに大いなる力をとっとと手に入れてしまおうとしていたのに、
また邪魔者に出くわしてしまったわけです。
どうも今日は変な連中にばかり出会う日だな、とマーベラスは困りました。

一方、ザンギャックの行動隊長の方は「なっ!・・・賞金首の海賊ども・・・!!」と、何故かひどく驚いた様子です。
そしてマーベラス達に向かい「巨大スゴーミンを囮にして街に爆弾を仕掛ける作戦に、なんで気付た!?」と問いかけます。
いや、別にマーベラス達はそんな作戦のことは全然知らなかったんですが。
単にお宝探しをしていたら、たまたま出くわしてしまったに過ぎないのです。

しかし、この行動隊長の発言で、冒頭のスゴーミンとの戦いが何故いきなり巨大戦から始まっており、
行動隊長が不在だったのかも、謎が解けました。
最初からあれは囮だったのであり、あの目立つ巨大スゴーミンでゴーカイジャーを引きつけておいて、
その間に等身大の行動隊長がコソコソと街に爆弾を仕掛けるという、
姑息な破壊活動が今回のザンギャックの作戦だったのです。

なんでそんなに回りくどい作戦を立てたのかというと、
いつもいつも何か作戦を実行すると運悪くゴーカイジャーに出くわしてしまうという不運ゆえに、
ザンギャック側ももう開き直って、「ゴーカイジャーとはどうしても出くわしてしまう」という前提で、
それを逆手にとって、巨大スゴーミンとゴーカイジャーを戦わせて囮にする作戦を立てたのでした。

これが「地球を守る」という意識がしっかりした戦隊であれば、
どうして特別に何をするでもないスゴーミン達が行動隊長も伴わずに暴れていたのか、
真面目に分析したりして囮作戦を見破ったりするのですが、
ゴーカイジャーの場合、宝探しが本分であって、ザンギャックとの戦いは単なる喧嘩の感覚なので、
「とにかく喧嘩に勝てばそれでいい」という単純さで、今回はこの囮作戦に見事に引っかかっていたのでした。
それなのに、それでもなお、たまたま出くわしてしまうというのは、ザンギャック側の不運はかなりのものです。

しかし、いきなりゴーカイジャーに出くわして焦ったのか、
言わなければバレずに済む作戦内容を全てベラベラ喋ってしまったこの行動隊長もかなり間抜けです。
「・・・そ〜なの?」とハカセが少し驚いて応じます。
初めてそんな作戦が行われていることを知ったので、新鮮に驚いたのでした。
しかし、とにかくザンンギャックが街に爆弾を仕掛けようとしていると知ってしまいました。

「ったく!見かけちゃったらほっとけないんだから!」とルカが面倒臭そうに言います。
ゴーカイジャーは積極的に地球を守る気は無いが、
目の前でザンギャックが一般人を傷つけようとしているのを見て、放っておくというのは
彼らの義侠心がどうして許さないのです。
本当は今は大事な宝探しの最中で、余計なことはしたくないのだが、これでは仕方ない。戦うしかありません。
5人はモバイレーツとレンジャーキーで豪快チェンジし、ゴーカイジャーの姿に変身します。
そして名乗りの後、「派手にいくぜ!!」とマーベラスが銃をぶっ放し、戦闘開始となります。

行動隊長は「お前らの亡骸をワルズ・ギル様への手土産にしてやる!!」と叫び、ゴーミンをけしかけます。
このセリフによると、この行動隊長はワルズ・ギルにはまだ会っていないようです。
つまり、他の者に命じられての作戦遂行後にワルズ・ギルに謁見する段取りになっているようです。
バリゾーグの場合、必ずワルズ・ギルの裁可を得てから作戦開始していましたので、
これはおそらくダマラスの方の命令なのでしょう。

まぁその方がいいような気がします。
作戦前に殿下に会うと、作戦が変な方向に変えられてしまう恐れがありますから。
この囮作戦が割とまともな作戦で、一時的には成功しかけていたのは、
ダマラスが立案してワルズ・ギルが変な改変をしていない状態の作戦だったからでしょう。

こうしてゴーカイジャーとゴーミン集団との戦闘が始まり、
戦いながらルカは「ああ〜もう!どんだけ、あたし達の邪魔すりゃ気が済むのよ!?」とイライラします。
これは別にワルぶっているのでもなんでもなく、本音です。
ゴーカイジャーにとっては一番大事なのはあくまで宝探しであって、
地球の人々を守ることは大事なことではないのです。大事なことでないはずなのに、
地球の人々が傷つけられそうになっているのを見ると、宝探しを中断していちいち助けてしまう
自分達の感情を持て余して困っているのです。

せっかく勢い込んで宝探しに繰り出したはずなのに、結局いつも通り、ザンギャックとの喧嘩三昧です。
こんなことしてる場合じゃないのに・・・という感情があります。
しかし、この5人は結構ザンギャックとの喧嘩も好きで、やってるうちにノリノリになってきます。
ハカセはゴーミンから例の爆弾を奪い、「ほ〜ら!爆発しちゃうよぉ〜!」と
爆弾を持ってウロウロ歩き回ってゴーミン達を脅かし、ゴーミン達はハカセに近づけません。
そうこうしているうちにマーベラス達によってゴーミン達は倒されていき、
ハカセは残ったゴーミンにいきなり「爆発!!」と言って爆弾をパス、
すると爆弾が爆発して、ゴーミン達は全滅します。
爆弾も無駄にゴーミンを吹っ飛ばすのに使われてしまい、ザンギャックの作戦もこれで失敗です。

これで残る敵は行動隊長のみです。
ここでハカセは「こいつにはバスコから奪った新しいレンジャーキーでいこうよ!」と提案します。
深い理由は無く、単に新しいレンジャーキーを使ってみたかっただけでしょう。
制作サイドの思惑としては、前回バスコが使っていた追加戦士のレンジャーキーを
マーベラス達が使うシーンを見せたかったというのがあるでしょう。
「いいな!」とマーベラスも同意し、
前々回、前回と、一瞬だけハカセがシンケングリーンになった以外は見られなかった
他戦隊への豪快チェンジが久々の披露となります。

ここではマーベラスがタイムファイヤー、ジョーがマジシャイン、ルカがメガシルバー、
ハカセがドラゴンレンジャー、アイムがアバレキラーに変身します。
確かに5つとも、前回バスコから奪ったレンジャーキーの追加戦士たちです。
しかしマーベラスはとにかくいつも赤の戦士に豪快チェンジするようで、そこはこだわりがあるのでしょう。

何せ追加戦士ですから色のバリエーションもあまり多くなく、
それぞれのパーソナルカラーに合わせるというわけにはいきません。
前回ゲットした15個のレンジャーキーの色の内訳は、赤が1つ、緑が2つ、白が3つ、黒が1つ、金が3つ、銀が5つですから、
マーベラスとハカセは自分のパーソナルカラーに合わせてタイムファイヤーとドラゴンレンジャーを選びましたが、
ジョーとルカとアイムは自分のパーソナルカラーに合った戦士がありませんから、適当に選んだ感じです。

まぁマジシャインは金がメインで一部青が入ったデザインなので、ジョー向きではありますが。
そしてルカのメガシルバーとアイムのアバレキラーはスカートを履いた女戦士になっており、
久々の性別逆転戦士はやはり刺激的です。
特にアイムの場合、アバレキラーが刺々しい悪役デザインなので、
それが小柄でスカートを履いていて女性らしい仕草をしているのは、かなりインパクトが強いです。

その追加戦士5人に変身したマーベラス達と行動隊長との戦闘が始まりますが、
それをさっきのストーカー男がいつの間にか現れて見物しています。
しかもテンション上がりまくりで「いきなりオール追加戦士キタ〜ッ!!」と大笑いしています。
さっきは落ち込んでいたはずなのに、立ち直りの早い男です。
やはり、この5つの戦士が「追加戦士」だと即座に判るあたり、スーパー戦隊に詳しいようで、
戦いを間近で見て大喜びしているところからすると、よほどスーパー戦隊が好きなようです。
しかし、ゴーカイジャーとザンギャックの戦いの場というと、かなり危険な場なのですが、
この男はやけに余裕の態度です。
あるいはスーパー戦隊が好き過ぎて、危険を感じる感覚がマヒしてしまっているのかもしれません。

「やっぱ、こっちのレンジャーキーもあったんだ!いいなぁ!凄いなぁ!」と無邪気に喜ぶ男ですが、
「やっぱ」とはどういうことでしょうか。
確かにマーベラス達がこの追加戦士のレンジャーキーを手に入れたのは最近で、今まで使っていませんでした。
だから、この男をはじめ第三者はマーベラス達が追加戦士のレンジャーキーを持っていることは知らなかった。
いや、持っているか持っていないか分からなかったはずです。

しかし、「やっぱ」ということは、
この男はマーベラス達が追加戦士のレンジャーキーを持っていることをある程度予想していたようです。
いや、というより、この言い方のニュアンスの場合、予想というより願望に近いかもしれません。
この男はマーベラス達がバスコから追加戦士のレンジャーキーを奪ったという顛末は知らないはずですが、
それでもこの男はマーベラス達が追加戦士のレンジャーキーを持っていてほしいと思っていたように見受けられます。
何か、追加戦士のレンジャーキー、特にこの現在マーベラス達が豪快チェンジしている5人の戦士のレンジャーキーに
何か関わりがある人物である可能性があります。
男がやけに喜んでいるのは、スーパー戦隊の戦士への豪快チェンジを間近に見たことによる歓喜もあるでしょうが、
目当ての追加戦士のレンジャーキーの所在を確認出来たことによる喜びもあるようです。

さて、このザンギャックの行動隊長はなかなか強く、接近戦では5人がかりでもダメージを与えられませんでした。
それだけの腕に見合った自信家であるらしく、「貴様らに俺は倒せん!!」と行動隊長は胸を張ります。
そこでジョーのマジシャインがマジランプバスターで、またルカのメガシルバーがシルバーブレイザーのガンモードで、
遠距離からの射撃攻撃を仕掛けます。
ところが行動隊長は身体の周りに卵型のバリアーを張って攻撃を防ぎます。
これを見て「何こいつ!ズルすぎる!」とルカが文句を言います。このあたり実にルカらしい態度です。
バリアーを使うのはこの行動隊長の持っている能力ですから、別にズルくはないです。
むしろ、ルカの方がよくズルいことをやるのですが、そんなことはお構いなしで敵を非難するのがいかにもルカらしい。

「だが、どこかに弱点はあるはずだ!」とジョーはひるまず突進を選択します。
これは無茶をしているわけではなく、突進が正解です。
遠距離から単調な攻撃をしていてもバリアーで防がれるだけのことで、
接近して様々な角度から攻撃を加えてバリアーの能力を検証しなければいけません。
それに、バリアーという特殊防御の場合、よく「バリアーの中からも攻撃出来ない」という弱点のある場合も多く、
そのあたりも接近して攻撃しつつ確かめる意義はあります。

そういうわけで5人で行動隊長を囲んで剣で攻撃しますが、行動隊長は余裕の態度で迎え撃ち、
バリアーで5人の攻撃を防ぎつつ反撃してきます。
どうやらバリアーを発生させている時は行動隊長も攻撃出来ないようですが、
バリアーのオンとオフがやたらと小刻みに可能なようで、的確に反撃してくるのです。
これは生体式ではなく機械式のバリアーで強力な磁場を発生させているようです。
行動隊長の反撃の電撃を喰らってマーベラス達は攻めあぐねてしまいましたが、
それを見て例のストーカー男は「おっといけない!よし!今こそ俺の出番だ!」と何やら急に張り切りだします。

一方、ハカセは何か作戦を思いついたようで「僕に任せて!」と言って、
行動隊長の前に飛び出して「こっちだよ!」と挑発しながら一瞬逃げる素振りを見せます。
行動隊長は「チョロチョロするなぁ!!」と怒鳴り、電撃を放って攻撃してきます。
ハカセはその攻撃をギリギリかわしながら、派手に叫んでダメージを受けているように見せかけ、走り回ります。
つまりハカセは「攻撃中はバリアーを張れない」という法則を把握したうえで、
わざと攻撃を喰らったフリをして行動隊長の攻撃が効いているように見せかけて、
行動隊長の意識を攻撃の方に集中させてバリアーを解除した状態を持続させ、
やられたフリをしながら距離を詰めていって、一瞬のスキをついて飛び込んで攻撃を加えようとしているのです。

そしてハカセはチャンスを見つけて急に飛び上がり、
行動隊長の頭上からドラゴンレンジャーの獣奏剣で攻撃しようとしますが、
行動隊長は一瞬早くバリアーを張り、残念ながらハカセの攻撃はバリアーに弾かれてしまいます。
空中で体勢を崩したハカセは真っ逆さまに地面に落下し、獣奏剣も行動隊長の背後を落下していきますが、
行動隊長は獣奏剣に気付かずにハカセに反撃しようとしてバリアーを解除してしまい、
落下してきた獣奏剣の先端が行動隊長に嵌めている太い首輪の背面に軽く当たります。
ホントに軽く当たっただけで、しかも金属製の分厚い首輪の上からですから、ダメージなど無いはずです。

ところが行動隊長は「ぐああああ!?」と絶叫して苦しみ、膝から崩れ落ちます。
「ん?」とマーベラス達はその行動隊長の異様な行動に一瞬違和感を覚えますが、
そこにさっきの変な男がやって来て、「そこまでだぁっ!!ザンギャック!!」と、
何やら派手なポーズを決めて叫びます。
しかし、そんなことにはお構いなしという感じで行動隊長はすっくと立ち上がると
「今日はこれぐらいにしてやる!」と、まるで池野めだか師匠のようなセリフを言ったのでした。

何かよく分かりませんが異様に気合いを入れて現れたストーカー男は、
これで気勢を削がれてキョトンとして「え・・・?」と声を上げます。
行動隊長はそんな男のことは全く無視したまま、
「だが忘れるな・・・海賊ども!次こそ俺はお前たちを必ず倒す!!」と言うと、
渾身の電撃を周囲に発して、マーベラス達がひるんでいる隙にダッシュで逃げていったのでした。

「・・・逃げた?」とハカセは少し驚きます。
行動隊長は何やらすごく強気の発言をしていましたが、足元はフラついており、ダメージを受けているようでした。
その不利をゴーカイジャーに悟られないためにわざと虚勢で強気の態度をとって、隙を見て逃げたのです。
分かりやすい逃げ口上でしたから、逃げたことは明白です。
ただ、どう見ても行動隊長の方が有利な状況であったのに、
どうして変な虚勢を張って逃げなければいけないほどのダメージを受けていたのか、
それがよく分からなかったのでした。

マーベラスも同じような違和感は覚えていましたが「まぁいい!行くぞ!」と皆を連れて去っていきます。
とにかく邪魔者は逃げていなくなったのであり、
ザンギャクのふざけた爆弾計画も邪魔して潰してやったし、
別にあんな行動隊長など追いかけたりしても仕方ない。
邪魔者がいなくなった今は、本来の目的である「凄い銀色の男」探しを再開すべきだと判断したのでした。

そうしてマーベラス達5人が去っていった後、
行動隊長の電撃に腰を抜かしたストーカー男1人だけその場に取り残されていました。
マーベラス達もこの男が飛び出してきて何か叫んでいたのは知っていましたが、
頭のおかしい男だと思っているので、関わり合いになろうとはせずに立ち去ってのでした。
男はせっかくカッコよく登場するつもりだったのに、いきなり敵が逃げてしまったのでタイミングを逸して
「ウソ・・・そんなの・・・あり?」と呆然としていました。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
にほんブログ村 にほんブログ村 テレビブログ スーパー戦隊へ
にほんブログ村
posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 17:39 | Comment(0) | 第17話「凄い銀色の男」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月07日

第17話「凄い銀色の男」感想その4

宇宙空間のザンギャック艦隊、旗艦のギガントホースでは
「バカバカバカー!!」とワルズ・ギルが先ほどの行動隊長を叱責していました。
久々登場の殿下ですが、いきなり子供のようなキレ方で小物っぷりが健在であることをアピールしてくれます。

「アルマドン!何故おめおめと帰ってきた!?」と、ワルズ・ギルは、帰還してきた行動隊長に、
まるで死ねばよかったかのような酷いことを言います。
ちなみに、この行動隊長、名前はアルマドンと言うようです。
このアルマドンに爆弾を仕掛ける破壊活動を命じたのはおそらくダマラスですが、
その作戦がマーベラス達に邪魔されて失敗し、仕方なくアルマドンはギガントホースに帰還して
ダマラスに状況を報告し、そこでワルズ・ギルに初めて謁見したのですが、
あまりよく事情を知らないまま、海賊に負けて作戦に失敗して戻ってきた行動隊長がいると聞いて、
ワルズ・ギルがいきなりキレたようです。

いきなりこっぴどく罵倒されたアルマドンは憮然として
「・・・申し訳ありません!・・・海賊など取るに足らぬものと油断しました・・・」と応えます。
それにしてもアルマドン、ちょっと態度が悪いです。
あまり上司に忠実なタイプではないようです。

そこにインサーンが口を挟み、「偶然とはいえ、唯一の弱点を奴らに突かれるとは・・・」と忌々しそうに呟きます。
戦いをモニタリングしていてインサーンはアルマドンがマーベラス達に不覚をとったのは
油断していたというよりは、不運であったのだということが分かっているようです。
その不運とはハカセの攻撃を受けた時、バリアーを解いた一瞬のスキに、
偶然に獣奏剣が首輪の後部に当たってしまったことでした。
あの首輪はバリアー発生装置で、おそらくあれを作ってアルマドンに装備させたのはインサーンなのでしょう。
だからインサーンは、あの首輪の後部が「唯一の弱点」であることを知っているのです。

あの首輪の後部からバリアーを張るための強力な磁場が発生するようですが、
あまりに精密な機器なので、あの後部の部位にピンポイントで大きな衝撃を喰らうと
誤作動で装着者の身体に向けて強烈な電磁波が放出されてしまうようなのです。
アルマドンはさっき偶然その部位に当たった獣奏剣の衝撃によって放出された電磁波を喰らってしまい、
実は戦闘不能になるほどのダメージを受けてしまったのでした。
しかし、そのことを悟られてはマズいと判断して、虚勢を張ってその場を逃れたのです。

アルマドンとしては戦いは決して負けていたとは思っていません。
アクシデントで戦えなくなってしまったので一時撤退しただけのことで、
ダメージが回復したらもう一度、ゴーカイジャーと戦うつもりで、それで一時撤退してきたのでした。
それなのに、まるで負けて恥知らずに戻ってきたかのようにワルズ・ギルに罵倒され、
いたくプライドを傷つけられて腹が立っていました。

「ダメージは小さい・・・すぐに出直せるな?」とダマラスはアルマドンが闘志に満ちているのを見て、
作戦のやり直しに向けてハッパをかけます。
ダマラスはバスコとコソコソ会ったりして、よく分からんところもある人ですが、
ともかく高級軍人としては優秀な人で、部下の性格をよく見て、厳しさと優しさを使い分けて
部下を上手く操縦して作戦を遂行する方向に持っていこうとします。

しかしワルズ・ギルはメンツと感情のみで動く愚か者なので、
空気を読まずに「とっとと出直してこの星を制圧しろ!!今度こそ失敗は許されんぞ!!」と頭ごなしに怒鳴りつけます。
プライドの高いタイプであるアルマドンは、まるで無能な小僧のように怒鳴られて恥辱を感じ、
返事もせずに不承不承にお辞儀をして、舌打ちをしながら乱暴に歩いて指令室から出ていき、
廊下の壁に怒りをぶつけるようにパンチを食らわし、去っていきました。

「なっ・・・なんだ、あの態度は!?」とワルズ・ギルは呆れます。
いや、殿下の態度もたいがい酷いと思うのですが、
自分のことは全く顧みない人ですから、アルマドンの態度の悪さの理由も分からず、
むしろワルズ・ギルは自分のような高貴な立場の相手に対して無礼な態度をとるアルマドンに驚いていました。
それに対してバリゾーグが「今は海賊どものことしか頭に無いと思われます」と説明します。
ワルズ・ギルは意味が分からず「・・・なんだと?」と問い返しますので、
バリゾーグは更に続けて「アルマドンはプライドが高い男です。ボスのご命令に背いてでも、
奴らとの決着をつけようとするに違いありません」と説明します。

つまり作戦失敗への叱責を恥辱と感じたアルマドンは、
その恥を雪ぐためには再びゴーカイジャーと戦って倒して名誉挽回をするしかないと思っていると
バリゾーグは言うのです。
アルマドンが受けた命令は再度の爆弾を仕掛ける破壊活動の作戦を今度こそ成功させることですが、
酷くプライドを傷つけられてしまったアルマドンは命令を無視してでも、
まずは何よりもゴーカイジャーへの雪辱を果たすことを優先するつもりであり、
ハナっからワルズ・ギルの命令など遂行するつもりも無いようです。

バリゾーグはワルズ・ギルに忠実な男ですが、感情が無く、事実のみを述べる男ですから、
アルマドンがそのように考えているのだろうという予測をそのまま述べただけのことです。
一方、ダマラスは、あそこまでワルズ・ギルに酷く罵倒されればアルマドンが意固地になるのも仕方ないと思い、
本来は命令違反は許されることではないのだが、今回はアルマドンに同情的で、
ゴーカイジャーとの再戦を応援してやりたいと思いました。

そこでダマラスは「だが、弱点を見破られてしまった可能性がある・・・それを十分に注意させねば・・・」と、
アルマドンに助言をしようとして駆け出そうとします。
さきほどの不運なアクシデントをゴーカイジャーも見たはずであり、
あるいはゴーカイジャーが首輪の後ろが弱点だということに気付く可能性があると思ったのです。

ところがダマラスを「待て!!」とワルズ・ギルが制止します。
立ち止まり振り返ったダマラスに向かい、ワルズ・ギルは「・・・いい事を思いついた・・・!」と嫌らしい視線を向けて言います。
周囲の皆の話を聞いていて、何か変なことを思いついたようです。
そうしてワルズ・ギルはその思いついた内容をダマラスには説明せず、
インサーンを呼びつけて何やら秘策を耳打ちして伝えたのでした。

一方、相変わらず「凄い銀色の男」を探して街中をうろつくマーベラス達5人の方でも、
アルマドンの件が話題となっていました。
歩道橋の階段を昇りながら「さっきのザンギャックのバリアー・・・結構、面倒だねぇ・・・」とルカが言います。
アルマドンがまた戦いを挑んでくるような予告をして去っていったので、
一応再戦を想定してルカもバリアー対策を考えているのですが、どうも対策が思いつかないようです。

それを受けて、考え込んでいたアイムが、「でも・・・何故、急に退却したのでしょう?」と、
ふと思いついた疑問を口にします。
すると全員、立ち止まります。そこが何かバリアー対策のヒントになるような気がしたのです。
ジョーは「アイムも気になっていたか・・・奴が突然退却した理由が・・・」と言います。
ジョーもアルマドンが突然、不自然に退却したことが気になっていたのです。

あの時、アルマドンが退却しなければいけないような状況ではなかった。
マーベラス達はアルマドンにほとんどダメージを与えていなかったし、
アルマドンは「首を手土産にする」などと言って闘志満々だったはずです。
負け惜しみの強がりのようなことを言って急に退却していったのは、あまりに不自然で、
何か理由があるはずだとジョーは考えていました。
何か急にアルマドンにとって不利な状況が生じたので、慌てて逃げていったと思えます。
アルマドンに不利な状況というと、何かダメージを受けたか、
バリアーの機能に障害が生じるか、そのあたりであろうが、
それにしてもその不利な状況が生じたきっかけがよく分からないのでした。

その時、ハカセがあの場面を思い返し「きっかけは、僕が落とした剣が首輪に当たったことだった!」と言います。
ジョーがハッとした目をして、ハカセを見ます。
そう、確かにアルマドンが退却する直前、ハカセの奇襲が不発に終わって、
その時、ハカセの落とした剣がバリアーを解いたアルマドンの首輪の後ろに当たり、アルマドンは一瞬苦しんでいました。

「たぶん、奴のバリアーの背面にほんの僅かだけ隙間があるんだよ!」とハカセは言います。
ハカセは獣奏剣がバリアーを突き抜けたと思ったようですが
バリアーに隙間があって獣奏剣が首輪に当たったというより、
バリアーを解いたので獣奏剣が当たったように思えるのですが、
何にしても首輪の背面は狙い目だということです。
あそこの背面の器具を攻撃すれば、アルマドンにダメージを与え、
バリアーの機能にも障害を及ぼすことが出来ると考えていいでしょう。

「では、もしも再び現れた時には、そこを突けばいいのですね?」とアイムは何となく納得します。
とにかく方針は固まったといえます。
しかしマーベラスはあんまりアルマドン対策の話には興味無さそうに
「ま・・・出くわしたらな・・・行くぞ!」と言って、歩き出します。
そんなことよりも、「凄い銀色の男」を見つけることの方が先決だとマーベラスは思ったのです。
他の4人もマーベラスと共に歩道橋の階段を昇っていきます。

そうして5人が歩き出した時、その背後に「ちょっと待ってくださぁい!!」と叫んで何者かが駆け込んできます。
「ん?」とマーベラスが立ち止まって振り返って見ると、
息を切らせながら駆け込んできた男が呼吸を整えながらこっちに笑顔を向けています。
よく見ると、さっきからつきまとってきている変なストーカー男でした。
また立ち直って追いかけてきたようで、
「またお前か・・・何なんだ一体?」とマーベラスはウンザリして問いかけます。

すると男はやっと自分に興味を向けてもらったのが嬉しいらしく、「はい!」と笑顔で返事すると、
階段を元気に駆け上がりマーベラス達の横を通り抜け、最上段の踊り場に立ちます。
マーベラス達が見上げる中、その男はキリッとした顔でポーズを決め
「俺の名はガイ!伊狩鎧!誰よりもスーパー戦隊を愛する男です!!」と名乗りを上げます。
いちいちセリフの節目でポーズにキメやタメがあるのが何ともウザいこの伊狩鎧という男の言葉を聞いて
一同は呆気にとられます。

マーベラスは何か用があるのか?という意味で質問したのに、
この鎧という男は単に自分のマニアックな趣味の紹介をしただけなのです。
その名前や外見からして普通の地球人のようで、マーベラス一味のことは知っているようです。
しかもスーパー戦隊の熱烈なファンのようですが、
それが自分達とどういう接点があるのか、マーベラス達にはさっぱり分かりませんでした。
どうやら相当のバカなので親切な質問の仕方をしてやらねばならないようだと思って、
ジョーは苦笑して「それが俺たちに何の用だ?」と問いかけます。
すると鎧はニッコリ笑って「決まってるじゃないですか!俺、皆さんの仲間になりに来たんです!
ゴーカイジャー6番目の仲間に!」と、さも当然のことのように気合いを込めて断言したのでした。

これには5人は首を傾げ、「はぁ〜!?」「ええええ!?」と驚きます。
どうしていきなりそういう断定に飛躍するのか、さっぱり分からない。
何故スーパー戦隊を愛する地球人がゴーカイジャーの仲間になりたいのか、その繋がりがどうにも不明です。
言ってることが論理的ではない。これは頭がマトモではないのかもしれないと5人は思いました。

そう思いつつも、それでもこれだけ自信満々なのだから、あるいは何か理由があるのかもしれないと思い、
マーベラスは憐れむようなニヤニヤ笑いを浮かべつつ
「・・・仲間にしたら何かいいことあんのか?」と一応聞いてみました。
すると鎧は待ってましたとばかりに「はい!!あります!!バッチリあります!!」と、猛烈な自己アピールを始めます。
この血管切れそうに張り切り過ぎの新入部員みたいなキャラはちょっと珍しくてインパクト大です。

そのテンションの高さについ釣られて「なんだ?」とマーベラスも期待します。
もしかしたら宝探しを手伝ってくれるつもりなのかもしれないとも思ったのです。
もちろん安易に仲間にするつもりはありませんでしたが、
もしそうなら役に立つ情報ぐらいは得られるかもしれないと思ったのでした。
話だけでも聞いてみよう。そう思ったマーベラス達でした。
ところが鎧は「俺が入れば、ゴーカイジャーはもっともっと素晴らしいスーパー戦隊になります!!」と、
満面の笑顔で(決まったぁ〜!)という感じで言い切ります。

大いに期待を裏切られ、マーベラスの表情が一気に曇ります。
全く有益な情報ではなく、またえらく抽象的な話です。
しかも、ゴーカイジャーがスーパー戦隊になる・・・などということは
マーベラスは望んだことも考えたこともないことで、それがどんなことなのか想像もつきません。
ただ、鎧の言動から想像するに、それはかなりロクでもないことのように思えたのでした。

「・・・素晴らしいスーパー戦隊・・・とは何ですか?」と、アイムも
鎧の言っていることがサッパリ分からないようで、質問します。
鎧の方は「素晴らしいスーパー戦隊になる」と言えばマーベラス達が喜ぶものだと思っていたようで、
アイムの反応に少し意外そうにして、少し考えながら
「・・・そりゃもちろん・・・赤ちゃんからお年寄りまで、幅広〜く愛されるスーパー戦隊です!」と力説しました。
そして、どうやら何か考えると思考が暴走してしまう妄想キャラであるようで、
そのまま「清く!正しく!爽やかなぁ!!・・・」と陶酔したように叫びながら、鎧は妄想の世界に突入していきます。

この鎧の妄想世界が大爆笑ものです。
いきなりOPテーマの冒頭のBGMが流れて、
画面もゴーカイジャー単独回バージョンの方の冒頭の
宇宙の大海原をマーベラス一味の5人のシルエットが歩く場面となります。
しかし左から2番目のシルエットの人物の歩き方が何か変・・・
OP映像ではその位置を歩いているのはハカセなのですが、
ハカセはこんなフワフワ浮かれた歩き方はしてなかったはず・・・と思っていると、
背景が海賊旗に変わり、OPでは変身後の姿の5人に変わるはずが、
この妄想では5人は変身前の姿でくっきりと顔や身体を現します。
すると、なんと左から2人目の人物はハカセではなく鎧でした。

一瞬のサプライズの後、画面は急にOPとは違う、鎧の妄想オリジナル場面へ飛びます。
それは、OPテーマ曲のやたらポップなアレンジのBGMの流れる中、
1人1人が思いっきりカメラ目線で自己紹介し挨拶するシーンです。

まずマーベラスは、見たこともないようなキラキラ爽やかな王子様スマイル全開で
「やあみんな!元気かい?僕はキャプテン・マーベラス!・・・時々勢いつきすぎて失敗もするけど、
みんなの笑顔のために頑張るから!よろしくね!バン!」と、最後はおどけて指鉄砲を撃つ仕草まで披露します。
いつものガラの悪さや豪快さは全く消え、透明感に溢れるナイスガイです。
だいたい「僕」って何なんだ?こんなのマーベラスじゃない。

普段のマーベラスとの違和感は凄まじいですが、演じている小澤くんには意外に合っている感じもします。
もともとは、こういう爽やかな役が似合う役者さんですから。
そう考えると、これだけ爽やか演技がハマる役者なのに普段のマーベラスとの違和感をここまで感じさせるというのは、
よほど彼がマーベラスという役を自分のモノにして演じているということであり、
またマーベラスというキャラの立ちっぷりがハンパないということです。

続いてジョーですが、マーベラスに比べてかなり扱いがぞんざいで笑えます。
「僕はジョー!野球が大好き!力持ち!」と、派手なアクションで力コブを作る仕草だけ。
こいつも「僕」とか言ってます。
しかし、これじゃただの筋肉バカです。
普段はありえない満面の笑顔である点はマーベラスと同じですが、
笑顔の質がマーベラスよりもかなりIQの低そうな間抜けっぽい笑顔で、
完全に筋肉バカっぽいキャラに設定されています。

普段のジョーと真逆といっていいキャラですが、
鎧がジョーをそういうイメージで見ているというのではなく、
鎧の中で「スーパー戦隊には1人は脳筋キャラがいなければいけない」という固定イメージがあるようで、
それにハマリそうなガタイの良い男キャラがジョーだったということでしょう。
むしろ実際は脳筋はマーベラスの方なのですが、
やはり鎧の妄想イメージではレッドは爽やかナイスガイでなければいけないので
間抜けな脳筋キャラはジョーの担当となったようです。お気の毒です。

そしてルカですが、元気な笑顔全開で手を振って
「は〜い!私ルカ!みんな〜!毎日ちゃんとご挨拶してるかなぁ?」と、
まるでピンポンパンのお姉さんのようです。
普段のビッチ風のキャラは全く消え去っています。
だいいち本来のルカは自分のことを「私」なんて言いません。「あたし」と言います。
元気で優しく清楚上品なお姉さんルカ・・・非常に不気味です。

そもそも、この妄想ルカにしても妄想マーベラスも妄想ジョーも、いったい誰に話しかけているのか?
見たところ、視聴者の子供たちに語りかけているシーンのようですが、
劇中の登場人物である鎧がそんな視聴者の存在を前提としたようなメタな妄想をすること自体、
かなりシュールなシーンであるといえます。

ここまでの3人のシーンだけで普段の彼らのキャラとのギャップで腹筋崩壊しそうな大爆笑シーンなのですが、
この鎧の妄想では、なんと次のアイムがオチ要員でした。
「ごきげんよう!私はアイム!」と爽やかに愛想を振りまく妄想アイムでしたが、
妄想爽やかセリフを中断して少し考え込み「・・・あら?・・・私はいつもとあまり変わりありませんね?」と、
隣に立つこの妄想世界の主人である妄想鎧に問いかけます。

妄想世界のキャラが妄想そのものにツッコミを入れるという超展開はシュールの極みといえますが、
その妄想主の作り出した自己投影キャラである妄想鎧はアイムの問いかけを華麗にスルーして
「そして俺が伊狩鎧!!地球の平和は俺たちが守るぜぇっ!!」と叫び、
まさにスーパーヒーローっぽくビシッとポーズを決めます。
心なしか、鎧が一番カッコいいような気がします。
てゆーか、単にこれがやりたかっただけとちゃうんか?

その妄想鎧と同じポーズを決めた現実世界の鎧は、ようやく現実世界に意識を戻して
「・・・みたいな感じですぅ・・・グフフ!」と満足そうに不気味に笑う。
妄想しながら、その妄想の内容をマーベラス達に説明していたようです。
もはや変態と言うべきでしょう。

当然「・・・なんだ、それ?」とジョーは冷淡な反応を返します。
ルカは、鎧の妄想の中の自分達のキャラがあまりにも現実と乖離しているのに呆れ「変過ぎ!」とダメ出し。
更に「申し訳ありませんが、私もそう思います・・・」とアイムにまで否定されてしまう鎧の妄想。
戸惑う鎧に向かってハカセも「そうだよ!だいたい僕のこと忘れてるし!」と憤慨します。
ハカセのツッコミ所だけちょっと皆と違うようです。
実はアイムでオチと見せかけて、妄想の中でさえ存在を忘れられていたハカセが真のオチ要員でした。
妄想の中とはいえ、ちゃっかり自分と入れ替わっていた鎧を、ハカセは失礼なヤツだと思って敵視しているようです。

ただ、皆、別に自分のキャラを変な方向に変えられてしまったり
存在を忘れられたことだけで怒っているわけではありません。
鎧の言う「素晴らしいスーパー戦隊」像が到底受け入れられるものではなかったからです。
ゴーカイジャーは「海賊の汚名を誇りとして名乗る豪快はヤツら」がコンセプトですから、
ちょっとワルっぽくダーティーな感じが売りです。
あんな真っ直ぐキラキラのイメージで海賊戦隊なんてやってられるか!というのが彼らの実感でした。
だいたい、自分たちは地球には「宇宙最大のお宝」を見つけるためにやって来ただけなのに、
どうして笑顔を振りまいて赤ちゃんからお年寄りまでに愛される必要があるのか?
妄想の中とはいえ、変なことさせんな!鬱陶しい!とジョー達は思っていました。

自分の構想の思わぬ評価の低さに鎧は「そんな・・・」と困惑します。
そして黙って立っているマーベラスに向かい、「マーベラスさんは?」と助け舟を求めます。
船長のマーベラスの評価が得られれば風向きが変わると思ったのでした。
それに対しマーベラスは「決まってんだろ!」と鎧にニッコリ笑顔を向けます。
鎧は受け入れてもらえたと思い、ホッとした笑顔になりますが、
マーベラスはさっと表情を一変させ、不機嫌な顔になり、
「お前なんか要らねぇよ・・・!」とドスの効いた声で鎧を思いっきり拒絶します。

当然といえば当然の結果です。
何か面白い情報でも聞き出せるかと思って話を聞いてみれば、
赤ちゃんからお年寄りまでに愛される宇宙海賊だとかいうワケの分からん妄想話につき合わされ、
自分のキャラまで気持ち悪い軟弱男に勝手に変えられてしまい、マーベラスは極めて機嫌を損ねていました。
もちろん、「素晴らしいスーパー戦隊」など断固お断りであり、むしろ迷惑であり、
ゴーカイジャーをそんな変なモノにしようとする鎧を仲間にするなど有り得ない。
それがマーベラスと仲間たちの結論でした。

鎧はマーベラスに拒絶されて「ええええ〜!?」と衝撃を受けてよろめき、マーベラス達に背を向けてへたり込みます。
そして「ウソでしょお?・・・まさかの拒否なんてぇ・・・この展開は予想してなかったよぉぉ!!」と嘆き悔しがります。
というか、なんで拒否されると予想しないのか?
あんな妄想が受け入れられると思っていたとは、よほど思い込みの激しい性格なのでしょう。

さすがに激しく落ち込んでしまった鎧でしたが、
しかし鎧は「そうだ!こうなったら切り札のアレを・・・!」と顔を上げて立ち上がります。
まだ何かアピールしようとしているようです。
なんとも諦めの悪く立ち直りのお早い男ですが、
今回は、いや今回もかなり自信満々でマーベラス達の方に振り向きます。

ところが、そこにはもう誰もいません。
「あ・・・」と呆然とする鎧の頭上、上空ではゴーカイガレオンが錨を収納して何処かへと飛び去っていきます。
鎧が落ち込んでいる間にマーベラス達は憮然として立ち去って、ガレオンに戻っていたのでした。
「ああ〜!!オーマイガ〜ッ!!」と、何故か英語で嘆き鎧は頭を抱えます。
また走ってガレオンを追いかけなければならなくなったからです。

ガレオンの船室に戻ってきたルカは
「はあ〜あ!ちょっと可愛いかと思ったけど、それ以上に鬱陶しいヤツだったねぇ・・・」と、鎧のことを思い返し、
少し残念そうに溜息をつきます。
見た感じは好みのタイプだったのに中身はかなり残念な子だったのが少し悔しいようです。
「根は悪い方ではなさそうでしたけど・・・」とアイムも少し鎧に同情的でした。
悪意も無く無邪気な人のように見えたが、やたら落ち込んでいたのが少し気の毒に思えたのでした。

しかしハカセは「ダメだよ、あんなヤツ!全然使えそうにないじゃん!」と必死になります。
何故か女子に人気のある鎧に少し妬いているっぽいです。
まぁ確かに全然使えそうにないようには見えましたが、そう断言するのも早計のようにも思えます。
しかし焦るハカセに対しジョーは「安心しろ!」と言います。
仮に鎧が使えるヤツだったとしても結論は変わらないということを知っているからです。
「マーベラスが認めない限り、俺たちの仲間にはなれない・・・!」とジョーは意味ありげに言います。
マーベラスも椅子にゆったり座りながら「ま・・・そういうことだ!」と涼しい顔で冷笑します。

これは要するに、役に立つとか立たないとか、好きだとか嫌いだとか、そういうことは実は大した問題ではなく、
マーベラスは最初から鎧を仲間にするつもりなど無かったということです。
それがジョーにも分かっているので、何がどうなっても、
とにかくあの鎧を仲間にするということにはならないのだと言っているのです。

マーベラス一味の仲間になれるのは、マーベラスが認めた特別な相手だけなのです。
それは、マーベラスに仲間になるよう誘われたこの場にいる4人が誰よりもよく知っているはずのことです。
すなわち、この宇宙を支配するザンギャック帝国に逆らってでも夢を追い求めて生きることの出来る
常識はずれの夢想家であるということがマーベラス一味の仲間になる条件ということです。
そういう者でなければ「宇宙最大の夢」という途方もない夢を一緒に目指すことは出来ない。
いくら腕が立っても、頭が良くても、正義感が強くても、何か一味にとって有益な存在であったとしても、
それだけではダメなのです。
だから、あんなふわふわとスーパー戦隊に憧れているだけの妄想家の鎧を
マーベラスが仲間として認めるはずはないのです。

冷笑して皆にそのことを知らしめたマーベラス。
カッコ良く決まったところで、アイムが「ところでみんな!なんか凄〜い銀色の男は?」と質問すると、
「・・・あ!」とマーベラスは目を丸くして絶句します。
他の4人も「・・・あ・・・」と、しまったという顔をして呆然とします。
そういえば銀色の男探しのことをつい忘れて戻ってきてしまっていたのです。
ザンギャックや鎧など、たびたび邪魔ばかり入ったせいでペースが狂ってしまい、
つい鬱陶しくなって何の収穫も無いのに戻ってきてしまったということに気付き、5人は愕然とし、恥ずかしそうな顔をします。

それに追い打ちをかけるように
「ええ〜!?見つからないのにノコノコ帰ってきたのぉぉ!?アンビリーバボ〜!!」と驚きつつ
皮肉たっぷりに喚くナビィの口をムンズ!と掴んで黙らせ、
マーベラスは赤面しながら「もう一度出直しだ!!」と号令をかけるのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
にほんブログ村 にほんブログ村 テレビブログ スーパー戦隊へ
にほんブログ村
posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 21:33 | Comment(0) | 第17話「凄い銀色の男」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月09日

第17話「凄い銀色の男」感想その5

再び街で「なんか凄い銀色の男」を探し始めたマーベラス一味でしたが、
今度はガレオンから降りて捜し歩くのではなく、ゴーカイオーに乗って移動しながら探し回ることにしました。
ゴーカイオーの掌の上に乗ったルカとハカセがビルの屋上でバレーボールをする会社員に話しかけたりする、
かなり不自然なシーンとなります。
劇中でのマーベラス達の意図としては、出歩いてまた鎧にからまれるのはゴメンだというのもあったのでしょうが、
演出的にはこのようなシーンを作った意図は、おそらく特撮班の方で、
最近あんまり見られない巨大ロボと一般人の交流シーンのようなものを作りたいという意見でもあったのでしょう。
実際、こういうシーンがあると巨大ロボに対する親近感が増し、玩具の販促に繋がります。

そして結局、ゴーカイオーを見上げて豆腐屋のオヤジが
「お〜い!!凄い銀色の男ならあっちの公園で見たぞ!」と大声で教えてくれたので、
マーベラス達はその公園へと向かいます。
普通の豆腐屋のオヤジがゴーカイオーの巨大な爪先の傍に来て見上げながら、
普通にゴーカイオーに向かって近所の若い衆に話しかけるようにしているのがなんとも可笑しいシーンです。

豆腐屋のオヤジの言うには「そりゃあ物凄い銀色」だったそうで、マーベラス達は大いに期待してその公園に向かいます。
公園の中までゴーカイオーで入っていけないので、変身解除してゴーカイオーから降り、
5人は走ってオヤジが銀色の男を見たという場所へ駆けつけます。
すると、そこに居たのは、最初にマーベラス達が出会った、
あの銀色のサウナスーツを着てダイエット中の肥満体の男でした。
「またお前かよ!!」とマーベラスは思わずツッコみ、ガッカリします。

それにしても、この男、テーブルに座ってハンバーガーやホットドッグを山積みにして貪り食っています。
ダイエットの意味無いだろうに。
本来はそっちがツッコミ所なのですが、マーベラスはダイエットの概念を知らないでしょうから、
そっちはツッコミは入れないようです。

またもや凄い銀色の男を見つけられなかったことに落胆し、ルカは「何よもう!」とイラつきます。
マーベラスも途方に暮れて溜息をつきますが、そこに突然、電撃の攻撃が繰り出されてきます。
一瞬早くその気配を察していたマーベラスは、さっと銀色の肥満体の男の前に立ち、
電撃から肥満体の男を守っていました。
攻撃はマーベラス達を驚かすためだったようで、精度は高くなかったので誰にも命中はしませんでした。
「よう!」と言ってそこに現れたのは、ゴーミン部隊を引き連れたアルマドンでした。

「お前は・・・!」とジョーは、予告通り、アルマドンが雪辱戦を挑んできたのだと悟ります。
マーベラスは喧嘩が始まるのは必至と見て、肥満体の男の襟首を掴んで立ち上がらせ「行け!」と命令します。
態度は乱暴ですが、しっかり一般人が攻撃の巻き添えにならないように守り、逃がしているわけです。
勝手に転んだ子供を助けるような過保護な優しさは無いマーベラスですが、
ちゃんとこういう本当に危ない場面では無関係の一般人を
自分たちの喧嘩に巻き込まないように気遣う優しさはあるのでした。

肥満体の男が逃げた後、マーベラス一味の5人とアルマドンの行動部隊がサシで睨み合う状況となりました。
「一度は不覚をとったが、俺はパワーアップした!今度こそ覚悟しろ!」とアルマドンは鼻息が荒い。
さっきワルズ・ギルがインサーンを呼んで何やら耳打ちしていましたが、
インサーンは武器開発担当ですから、何かアルマドンの武器をパワーアップしたと解釈出来ます。
アルマドンの武器はあのバリアー発生装置の首輪ですから、あれが強化されたということでしょうか。

しかし相手がパワーアップしていようがいまいが、
売られた喧嘩はきっちり買って必ず返り討ちにするのが海賊の鉄則ですから
「覚悟するのはそっちだ!」とマーベラス達も強気です。
そして豪快チェンジでゴーカイジャーに変身し、「派手に行くぜぇぇっ!!」とマーベラス達が突っ込み、
アルマドンも「行けぇ!ゴーミン!!」と号令をかけてゴーミンをけしかけます。

こうして両者が激突しようとした時、「待ってくださぁぁぁい!!」と叫びながら鎧が駆け込んできて、
なんとマーベラス達とゴーミン達の間に割って入ります。
予想もしない事態に、思わず両者は立ち止まります。
「またアンタぁ!?」と、ルカがいい加減しつこい鎧にウンザリしたように言い、
マーベラスも「おい出てくんな!危ねぇぞ!」と叱り、さっち肥満体の男を追い払ったのと同じように、
一般人の鎧を巻き添えにしないよう追い払おうとします。

ところが鎧は含み笑いすると「大丈夫です!今度こそ見ててくださぁい!!」と、元気いっぱいで、
ザンギャック部隊を目の前にしても全く恐怖を感じていないようです。
マーベラス達は溜息をつきました。
マーベラス達は一般人を何としても守りたいと思っているわけではなく、
単に戦う意思の無い無抵抗の者が逃げられずに酷い目にあっているのを見過ごせないだけなのです。
それは彼らの根の優しさゆえのことなのですが、
逃げるように言っても逃げようともしない者や戦う意思を持っている者を無理に助けようとまでは思っていません。

人助けのボランティアではないのです。
マーベラス達にはマーベラス達なりの戦う事情があり、そのついでに逃げられない人を助けているに過ぎず、
勝手に逃げようとしないヤツは勝手に戦って、痛い目にあって逃げようとしてから
逃げ道ぐらいは作ってやろうという程度の意識です。
だから、この場では鎧がどうしても戦いの場にしゃしゃり出てくるのなら、
多少邪魔だが、痛い目を見るまで放置するしかないとマーベラス達は思いました。

そうしてマーベラス達が傍観する前で、
鎧は右手の指先に小さな銀色の人形のようなものをつまんで取り出します。
そして左手には多くのボタンのついた携帯電話っぽい器具を取り出して握り、
その器具のカバーのような部位を跳ね上げます。
マーベラスは(ん?)と思いました。鎧の右手につまんでいる人形のようなものが
レンジャーキーに似ているように思えたからです。

その右手の人形を鎧は素早い動きで左手に握った携帯電話っぽい器具のカバーを開けた内部の空間に
そのまま寝かせるようにして収納し、カバーを閉じます。
そして、なんと鎧はその器具を持ったまま両手を顔の前でクロスさせて「豪快チェンジ!!」と叫び、
身体を一旦左に振った後、上に向かって高々とその器具を握った左手を突き上げ、
そして顔の左にその器具をかざして右手の指先をその器具に持っていきます。
「えっ!?」とマーベラス達5人は驚きます。
それは自分達が豪快チェンジの時にレンジャーキーを挿し込む際にとる姿勢とそっくりだったからです。
しかも鎧はレンジャーキーのような人形を使って「豪快チェンジ!!」という掛け声までかけました。
悪ふざけにしては念が入り過ぎており、5人は思わず息を呑みました。

ただ、ここまでならスーパー戦隊マニアの鎧がふざけて作った玩具で遊んでいるとも解釈出来ます。
しかし、そうではなかったのでした。
鎧は右手の人差し指で携帯電話っぽい器具の多数の並んだボタンのうちの
一番上の列の真ん中のボタンを押すと、その器具を前へ突き出します。
これもゴーカイジャーの変身時と同じようなポーズです。
ゴーカイジャーの場合、その突き出したモバイレーツからX字型が3つとV字型が1つの光が飛び出してくるのですが、
なんと鎧の突き出したこの器具からも似たような光の塊が飛び出してきたのでした。

突き出した器具の上部から錨の形をしたパネルが下がってきて、
まるで中に収納した銀色の人形をスキャンするようにして、
下がりきったところで、そのパネルから錨型の光の塊が飛び出してきたのです。
そして、なんとそれと同時にその器具からは、まるでモバイレーツのように
「ゴォォォカイジャァァァッ!!」というコール音が響いたのです。
声もモバイレーツと同じ関智一の声です。

コール音の鳴り響く中、その錨型の光からは更にX字型が1つ、V字型が1つの銀色の光の塊も飛び出し、
それらが宇宙空間をバックに飛び込んでくるという、ゴーカイジャーと同一のイメージ画面となり、
黒いアンダーウェア姿の鎧にまず錨型の光が上から突っ込みんで同化し、
胸にゴーカイジャーと同じ海賊旗マークが刻まれ、
次いでX字型の光が上から突っ込んで鎧の身体を覆う上着様の銀色のスーツに変わり、
最後にV字型の光が上から突っ込んで鎧の頭部を覆うゴーグル付ヘルメット状に変わります。

つまり、鎧は変身したのです。
しかも変身過程は多少の相違点はあるものの、ほぼゴーカイジャーと同じであり、
変身後の姿は、頭部の形状はゴーカイジャーとはだいぶ違いましたが、
身体の方は上着やブーツの色が銀色であるという相違点を除けば、
形は全くゴーカイジャーの男バージョンと同じデザインであり、
上着を開けた胸のアンダーウェア部分に刻まれた
レンジャーキーとゴーカイサーベルを模したゴーカイジャーの紋章が、
この銀色の戦士がゴーカイジャーの一員であることを雄弁に物語っていました。

ただ、ゴーカイジャーといえば変身後の名乗りが簡潔であるのが特徴なのですが、
この鎧の変身した銀色の戦士の名乗りは異常に長かった。
「真っ赤な太陽、背に受けて、青き心に正義は宿る!黄色い歓声浴びまくり、
プニプニほっぺをピンクに染める、緑の若葉のニューヒーロー!
天に輝く!その名もぉっ!ゴオオオオオカイ!シルバァァァッ!!」という長い長い名乗りで、
その間ずっと鎧の妄想イメージなのか、背景が燃える太陽や青空やらに切り替わっていき、
鎧が変身後の姿で派手なポーズをビシバシと決めていきます。

スーパー戦隊の戦士の名乗りには長いものも結構ありますが、これほど長いものは前代未聞でしょう。
内容はなんだか勝手な妄想や願望を並べているだけのように見えますが、
これは「赤・青・黄・桃・緑」というスーパー戦隊の戦士に最もよく使われる5つの基本色を全て網羅して、
それぞれの色ごとにテーマを与えており、背景のエフェクトも各色ごとに切り替わっていくようになっています。

しかも、この「赤・青・黄・桃・緑」という並び順は
シリーズの長い歴史の中でも第1作の「ゴレンジャー」だけであり、
この鎧の名乗りの内容もゴレンジャーの影響を受けたものです。
「ゴレンジャー」のOPテーマ「進め!ゴレンジャー」の1コーラス目は色別の言葉遊びの歌詞になっており、
「真っ赤な太陽、仮面に受けて、願いはひとつ、青い空、黄色い砂塵、渦巻く街に、
ピンクの頬の5人の戦士、吹かせ緑の明日の風を」というのが歌い出しです。

この歌詞と鎧の名乗りには共通点が多い。
「真っ赤な太陽」は全く同じであり、
鎧の名乗りの言葉では「青い空」は出てこないが、「青き心に正義は宿る」と言っている時の背景は「青い空」です。
「黄色い砂塵」と「黄色い歓声」は全然違っていて、ここは鎧の願望を単に表現したものになっていますが、
「ピンクの頬」と「ほっぺをピンクに染める」は同じ意味です。
「緑の風」というゴレンジャーの歌詞の方のフレーズと鎧の名乗りの
「緑の若葉のニューヒーロー」は語句が重なりませんが、これは新戦士らしさを出すために
「若葉」というフレーズの方がふさわしかったといえるでしょう。

このように、全くゴレンジャーの歌詞と同一というわけではありませんが、
色の並び順も含めて、かなりゴレンジャーの歌詞に影響を受けて作られた名乗り文句だと言っていいでしょう。
なお「天に輝く」はダイレンジャーの名乗りで使われていたフレーズです。
これらの語句の共通は制作陣の遊び心なのでしょうが、
劇中描写としても、鎧が重度の戦隊マニアであることの表れとしても説得力のあるシーンとして成立しています。

とにかく鎧の変身した戦士名は、その名乗りによれば「ゴーカイシルバー」と言うらしい。
このような派手派手しい名乗りをしたことから察するに、
鎧としては思いっきりカッコ良く「ゴーカイシルバー」という新戦士をアピールしたつもりなのでしょう。
おそらく、さっきマーベラス達に海賊団参加を拒否された後
「切り札のアレを・・・」と言って鎧が取り出そうとしていた物は、
さっきのレンジャーキーのような人形と携帯電話っぽい変身アイテムだったのでしょう。
あれを使って変身してみせようとしたのですが、マーベラス達がいなくなってしまったので、
また追いかけてきてこうして変身を披露したわけです。

鎧としては、これでマーベラス達は自分を気に入ってくれたはずだと思い込んでいます。
しかしマーベラス達はただただ驚き戸惑っていました。
「ウソ?あいつ変身した!?」とルカは隣に立つジョーに肘鉄しつつ戸惑いを伝えますが、
いつもはルカの肘鉄を決して喰らうことのないジョーが
驚きのあまり棒立ちで見事にルカの肘鉄を喰らっている演出は巧いです。

「どうしてですか?私達以外にもレンジャーキーを渡していたのですか?」と驚いてアイムがマーベラスに質問します。
確かに、この変身シーンを見た以上は、あの鎧の持っていた人形はレンジャーキーとしか思えない。
しかも、あの変な変身アイテムから「ゴーカイジャー」というコール音がしたということは、
あれはゴーカイジャーのレンジャーキーであったということになります。
ということは、自分達の持っている5つ以外にゴーカイジャーのレンジャーキーがあって、
それをマーベラスが鎧あるいは第三者に渡していたとアイムが考えるのは自然です。

しかしマーベラスは「ゴーカイジャーのレンジャーキーは5個しか無い・・・!」と応えます。
マーベラスも鎧の持っているレンジャーキーのことは知らないようなのです。
「だが、あれはどう見てもゴーカイジャーの仲間だぞ?」とジョーはマーベラスの横に立って言う。
頭部はマーベラス達が海賊帽を模した形態になっているのに対して、
鎧の場合は海賊のよく巻いているようなバンダナ風のデザインになっており、
ゴーグル部も鎧の場合は錨のような形になっていてマーベラス達のものとはかなり違っていますが、
身体部のデザインはゴーカイジャーそのもので、
特に胸のゴーカイジャーの紋章が、鎧の変身した戦士がゴーカイジャーの一員という事実を雄弁に物語っていました。

鎧がいくら戦隊マニアだといっても、変身システムまで作り上げて悪戯をしているとはとても思えない。
先だってのバスコとの戦いの時にもマーベラスの知らないレンジャーキーが15個も出てきたりして、
どうもマーベラスの知らないレンジャーキーというものも存在するようだということが
ジョー達にも分かってきたところですから、
あるいはマーベラスが5個だと思っていたゴーカイジャーのレンジャーキーも
本当は6個あったのかもしれないとジョー達は考えました。

マーベラスにしてもレンジャーキーのことはアカレッドから聞いていた情報が全てであり、
アカレッドはどういう事情かは不明だが、マーベラス達にも全ての情報を明かしていなかったようだということも
マーベラスは先だってバスコから聞かされて了解している。
だから、バスコのように鎧も何処かで未知のレンジャーキーを手に入れていたのかもしれないとも、
マーベラスは思いました。

しかし、この鎧の持っているゴーカイシルバーという戦士のレンジャーキーは、
先だってバスコ使った15戦士のレンジャーキーとは全く意味合いが違います。
バスコのレンジャーキーの15戦士はマーベラス達にとっては未知の戦士でしたが、
視聴者にはお馴染みの追加戦士たちであり、
彼らがレジェンド大戦に参加してその戦う力をレンジャーキーへと変えられたことは、
第1話や「199ヒーロー大決戦」映画を見れば分かることです。

しかし、このゴーカイシルバーという戦士は視聴者にとっても未知の戦士であり、
この戦士はレジェンド大戦にも参加してはいない。
ならば、どうしてこの戦士のレンジャーキーが存在するのか、全く謎なのです。
いや、それを言うなら、そもそもゴーカイジャーの5つのレンジャーキーとは何なのかというのも、根本的な謎です。
レジェンド大戦によって生まれたわけではないのに、どうしてゴーカイジャーのレンジャーキーというものが存在し、
それをどうしてアカレッドが持っていたのか?
鎧の持つゴーカイシルバーのレンジャーキーには、
そうした大きな謎に繋がる手がかりが秘められているのかもしれません。

また、謎といえば鎧の持っていた変身アイテムも謎です。
一瞬しか映らなかったが、その携帯電話型の変身アイテムには15個のボタンがあり、
そこには15個の戦隊の16人の戦士の顔が描いてあったのです。
一番上の列の真ん中がゴーカイシルバーのボタンであり、
今回、鎧はゴーカイシルバーのレンジャーキーをカギ型に変形させずに人形型のままでセットしてから、
そのゴーカイシルバーのボタンを押して変身しました。
残り14個のボタンには14の戦隊が対応しており、それぞれの戦隊の戦士の顔が描かれているのですが、
そこに描かれている顔は全て追加戦士の顔でした。
真ん中のボタンだけ、ゴーオンゴールドとゴーオンシルバーの共用ボタンとなっているようで、
その2つの戦士の顔が描いてあります。それで15の戦隊の16戦士ということです。
そのゴーカイシルバー以外の15戦士というのが、
まさに前回バスコからマーベラス達がゲットした15個のレンジャーキーの戦士たちとピタリと一致するのです。

となると、今、鎧がゴーカイシルバーのレンジャーキーを挿入して
ゴーカイシルバーのボタンを押してゴーカイシルバーに変身したということは、
他の追加戦士のレンジャーキーをこの変身アイテムに挿入して他の追加戦士のボタンを押せば、
他の15の追加戦士にも変身出来るということになります。
しかし、その15の追加戦士のレンジャーキーの存在が明らかになりマーベラス達の手に入ったのは
つい先日のことです。
そのすぐ後にこうしてその15の戦士と関係のありそうなアイテムを持って
ゴーカイジャーの追加戦士として鎧が現れるというのは、いくら何でも偶然にしては話が出来過ぎています。
何かが裏で動いていると見た方が自然であり、鎧はその秘密を知っていると推測するのが順当なところです。

ところが、鎧はとてもそんな入り組んだ秘密を握っている謎めいた人物のようには見えない。
「俺の力を見ててください!皆さぁん!!そして俺を仲間にしてくださ〜い!!」と、
ひたすら明けっぴろげに自己アピールにのみ夢中です。
そして「いくぞっ!!」とゴーミン集団に1人で真っ直ぐ突っ込んでいきます。
アルマドンもいきなり変なヤツが乱入してきたので様子を見ていたが、鎧が戦う気満々であるのを見て
「やれっ!!」とゴーミン達をけしかけます。
こうしてゴーカイシルバーに変身した鎧とゴーミン集団の戦闘が始まります。

ここでのゴーカイシルバーのアクションが非常に元気で良いです。
まず肉弾戦ですが、真っ直ぐ突っ込んで殴って蹴って、とにかくシャカリキによく動きます。
声もよく出ていて熱血そのもの。派手なローリングソバットやライダーキックのような飛び蹴りも使います。
決して戦士として上級者というわけではないが、
子供向けヒーロードラマのヒーローとして非常に華がある、熱心で元気なヒーローという感じです。
ゴーカイジャーの5人は百戦錬磨の宇宙海賊らしく、常に余裕をもって戦うスタイルなので、
この鎧のようなシャカリキさというのは、この作品においては新鮮な印象です。
ゴーカイジャーの5人は豪快な戦いぶりの中で駆け引き上手さや技術の巧みさが光る戦士なのですが、
鎧のゴーカイシルバーはひたすら前へ前へ突っ込んでいく熱血戦士のようです。
まぁ自己アピールに必死な分、余計に頑張ってるのかもしれませんが。

更に鎧は周囲をゴーミン達に囲まれると、「ゴーカイスピア!!」と叫んで、金色の棒状の武器を取り出します。
ゴーカイシルバーにはゴーカイガンやゴーカイサーベルは無く、
この棒状のゴーカイスピアがゴーカイシルバーの専用武器のようです。
鎧は「ガンモード!!」と、これを銃のように使い、レーザーを発射してゴーミン達を薙ぎ倒し、
更に撃ちながら殴ったり蹴ったり大暴れします。

そしてゴーミン達が鎧から距離をとって棍棒をバズーカ砲状にして撃ってくると、
今度は鎧はゴーカイスピアを長く伸ばして三又槍の形状にして、
ゴーカイスピアの本来の名前通りに槍のように振り回して使い、飛んでくる砲弾をことごとく弾き落として
「いくぜいくぜいくぜぇぇ!!」と気合入りまくりでゴーミンの群れに突っ込んで見事な槍捌きで
槍をブンブン振り回してゴーミン達を薙ぎ倒し、
時にはゴーミンの身体に槍を突き刺して高々と持ち上げて放り投げたり、
とにかく長槍のアクションはド派手で、殺陣の中では屈指のカッコ良さがあるのですが、
その醍醐味を満喫させてくれる素晴らしいアクションでした。

これで一気にゴーミン集団を全滅させた鎧は、それで満足することもなく、
すぐさま真っ直ぐアルマドンに向かって突っ込んでいきます。
そういう猪突猛進型の熱血戦士であるということなのですが、
ここでは特に鎧は、1人残ったアルマドンも自分が倒して、
自分の強さをマーベラス達にアピールしようと必死なのです。

別にマーベラス達は鎧がザンギャックの怪人を倒したら仲間にするとか、
強さを見せれば仲間にしてやるとか、そういう約束はしていません。
しかし鎧は何故か勝手に、強さをアピールして役に立つと思ってもらえれば
仲間にしてもらえると思い込んでいるようで、
「見てますか皆さぁん!?俺の戦いぃ!!お願いします!!俺を仲間にしてくださぁい!!」と、
槍を振るって戦いながら懸命の自己アピールを続けます。

戦いに集中せずに自己アピールに夢中とは、ずいぶんとアルマドンを舐めた態度ですが、
鎧の場合、アルマドンの実力を見切って余裕をもってそういう態度をとっているのではなく、
単に自己アピールに必死なだけなのでしょう。
しかし、そんな全力ではない戦い方でも鎧はアルマドンと互角に戦っています。
それを座って見物していたマーベラスは「意外とやるなぁ!」と言って立ち上がります。
「・・・てゆーか、かなり強いじゃん!」とルカも感心します。

しかし、座っていたマーベラスが立ち上がったのは、
そろそろアルマドンがバリアーを使って鎧では手に負えなくなって自分達の出番になることが分かっているからです。
ハカセもこのまま鎧がアルマドンを倒せるとは思っておらず、この機会にアルマドンの状態の観察をしています。
そして「それより、ザンギャックの首の後ろ見て!」とハカセは皆に指摘します。
皆が見ると、アルマドンの首輪の背面に大きなカバーのようなものがついています。
さっきの戦いの時はあんなものはついておらず、何か器具が剥き出しになったような状態でした。

「強化されていますね!」とアイムが言う。
さっきアルマドンが登場した時「パワーアップした」と言っていたのは、
この首の後ろの装甲の強化のことだったのだと解釈したのです。
ハカセもそう解釈したようで、「やっぱり弱点だってことさ!お蔭で目立って狙いやすくなったよ!」と、
むしろ戦いやすくなったと思い、意気盛んになります。
わざわざ強化してきたということは、そこが弱点だとバラしてるようなものです。
確かに強化されてさっきみたいに落とした剣の先が当たったぐらいでは
ダメージは受けないようにはなったのかもしれないが、
そうして弱点だと明らかになってしまえば今度は全力でそこを狙って攻撃を加えればいいだけのことです。
いくら強化してもあの程度の装甲ならば、全力の攻撃を加えれば突破して弱点に届く打撃を与えることは出来る。
ハカセはそう思い、敵の間抜けのおかげで楽勝だと思ったのでした。

案の定、鎧の繰り出す槍の攻撃に対してアルマドンはバリアーを張り、
鎧は何度も渾身の力で槍を振り下ろし、突き出しますが、ことごとくバリアーに弾き返されてしまい、
遂にはマーベラス達のところまで弾き飛ばされてきてしまいました。
鎧はさすがに疲れ果て「バリアー・・・強い〜・・・」と呻いて立ち上がれません。
代わって、ハカセが「あとは僕たちが!」と言って、ゴーカイジャー5人がアルマドンに立ち向かいます。
この時、マーベラスを除く4人が目の前に倒れている鎧をよけて前へ駆け出していった中、
マーベラスだけは真っ直ぐ鎧をまたいで前へ駆け出していったのは、ちょっと可笑しかったです。
いかにもマーベラスらしい傍若無人さが良い。

こうして今度はマーベラス達5人とアルマドンの戦いが始まりましたが、
周囲を囲んだマーベラス達の攻撃をアルマドンはバリアーで防ぎつつ戦います。
この戦いを遥か宇宙空間のギガントホースの指令室のモニターで見ていたダマラスは首を傾げます。
おそらくアルマドンの首輪の後ろが弱点だということはゴーカイジャーは気付いている可能性が高い。
しかし、首輪の後ろには少々の板で補強してあるだけのように見えます。
あれでは強い衝撃を受ければダメージを受けてしまう。
だいいち、首の後ろは守り切れたとしても、それがゴーカイジャーを倒す決め手になるわけではない。
結局、今の状態のアルマドンがゴーカイジャーと戦っても、さっきとそう大差は無く、
確実に勝てるというような状態ではないのだ。
それならば、さっきワルズ・ギルが自信満々に「いいことを思いついた」と言ったのは何だったのか?

不審に思ったダマラスはワルズ・ギルの司令席の方に振り向き
「殿下!アルマドンにどんな秘策を授けたのです?」と尋ねます。
するとワルズ・ギルは得意げに「秘策など授けていなぁい!」と言って立ち上がり、
「海賊どもは最初の戦いでアルマドンの弱点に気付いた!
・・・だからインサーンに命じて、アルマドンの首輪を強化すると見せかけ・・・!」と、
そこで一瞬間を置いて「・・・あるモノを仕掛けさせたのだ!」と、
なかなか核心に触れず、ダマラスを焦らします。
自分の芸術的な作戦をダマラスごときは想像もつかないだろうと、調子に乗っているようです。

ダマラスは「あるモノ・・・?」と問い返します。
するとワルズ・ギルは後ろにいるインサーンに説明するよう促し、
インサーンは「攻撃された瞬間、大爆発する強力な爆弾です」と説明します。
「なんと・・・!」とダマラスは驚愕します。
アルマドンの首輪の背面の強化パーツのように見えている部分は実は爆弾だったのです。
しかも、ワルズ・ギルはそのことはアルマドンには知らせず、騙して強化パーツだと思い込ませているのです。
このままではゴーカイジャーはアルマドンの首輪の後ろを狙って攻撃を仕掛け、
それによって爆弾は爆発し、ゴーカイジャーもろともアルマドンも吹っ飛ぶことになります。

自分の部下を勝手に捨石にされて強い不快感を覚えたダマラスは
「海賊どもを葬るために、行動隊長をも捨石に・・・!」と俯いて呻きますが、
ワルズ・ギルはダマラスが自分の素晴らしい作戦に感心しているのだと思い込んで、
「その通りだぁっ!!ハッハァ!!ざまあ見ろ!海賊どもめぇっ!!」とはしゃぎます。
ワルズ・ギルにとっては、自分の命令を無視してゴーカイジャーとの決着を優先しようとするアルマドンなど、
捨石にして当然であったのです。
勝手にゴーカイジャーと戦うというのなら勝手にすればいいが、その罰として身体に爆弾を仕掛け、
ゴーカイジャーもろとも殺すというのが、アルマドンの無礼な態度への意趣返しでした。
まさに非情にして陰湿で、人の上に立つ器ではないワルズ・ギルらしい作戦といえます。
いかにも部下を使い捨ての道具扱いする悪の組織っぽい外道な作戦でもあります。

ただ純粋に作戦の出来としては、ワルズ・ギルが考えたにしてはなかなか巧妙な出来の作戦であり、
このままいけば成功する可能性は高いといえます。
何せダマラスにまで秘密にして、アルマドン本人に感づかれないようにしていたことが効果的です。
そもそもアルマドンに説明すれば拒否されるのが必至の作戦ですから本人に内緒で爆弾を取り付けたのですが、
その結果、アルマドン本人が爆弾の存在を知らないので全く作為的な雰囲気が生じることがなく、
そのおかげでマーベラス達はこの作戦を見破ることが極めて困難な状況にあります。
「いい気になって戦うがいい!勝利の瞬間、お前らは地獄に落ちるのだ!!ウワーハッハッハッ!!」と
ワルズ・ギルは作戦の成功を確信し、高笑いします。

その戦いの場では、アルマドンがゴーカイジャー5人を相手に奮戦しており、
5人はなかなか首輪の後ろを攻撃するチャンスを掴めずにいました。
そこでハカセはコッソリと近くの木に登り、茂った葉の中に隠れて攻撃のチャンスを窺うことにしました。
それと連携して、マーベラス達4人はその木と逆方向からアルマドンを攻撃し、
アルマドンが木に背を向けた状態で、木の方に追い込んでいきます。

その木の近くでダメージが抜けて起き上がった鎧はその様子を見ます。
ちょうど鎧からはアルマドンの首輪の後ろの補強されたパーツがよく見えます。
最初のアルマドンとゴーカイジャーの戦いを見物していた鎧は、
あの時とアルマドンの首輪の後ろの形状が全く違うことにすぐに気付きました。
そして、あの時、アルマドンが首輪の後ろに剣が当たって苦しんで逃げたことを思い出し、
ハカセが木に登っているのは、その首輪の後部を弱点と認識して攻撃しようとしているからだと悟りました。
鎧も確かにアルマドンの首輪の後ろが弱点であるとは思いました。
だから、ハカセの作戦は正しいとは思います。
しかし、首輪の後ろの大きな補強パーツを見ていると、鎧は何故か妙な違和感を覚え、胸騒ぎがしてきました。

一方、木の下まで追い込まれてきたアルマドンの首の後ろが無防備に近づいてきたので、
ハカセは「今がチャンス!」と叫び、木から飛び降りて
ゴーカイサーベルの渾身の一撃を首輪の後ろの補強パーツの上に叩き込もうとします。
それを見て鎧は「違う!!」と叫び駆け出します。
「もらったぁ!!」とハカセが振り下ろしたゴーカイサーベルがアルマドンの首輪の後ろにヒットする寸前、
鎧の差し出したゴーカイスピアの三又の穂先がハカセのゴーカイサーベルを受け止め、アルマドンの首輪を守りました。

ハカセは意外な展開に「えっ!?」と驚きます。
マーベラス達もどうして鎧がアルマドンを守るのか意味が分からず「あ・・・!?」と絶句します。
しかし最も驚いたのはギガントホースでこの戦いをモニターで見ていたワルズ・ギルでした。
自分の計算通りにハカセがまんまと騙されてアルマドンの首輪の後ろに仕掛けた爆弾を攻撃して、
ゴーカイジャーが全員吹っ飛ぶ寸前であったのに、それを初めて見る変な銀色の海賊が邪魔したからです。
ワルズ・ギルは信じられない展開に「なにぃ!?」と声を張り上げます。

驚いて鎧を見るハカセを後ろに押しやって、自分もアルマドンに向けて槍を構えながら、
鎧は「・・・分かんないけど、なんか、変です!・・・まるで首を狙ってくれって言ってるみたいに目立ってて!」と言います。
鎧も爆弾の存在を確信していたわけではないのです。
ただ、弱点にしては目立つ形や大きさでありすぎると思ったのです。
本当に狙ってほしくない弱点ならば、取り除くか何処にあるのか分からなくするべきであって、
わざわざ目立たせる必要は無い。
補強してきているということは、狙われる可能性はあると認識しているはずであり、
そうなるとわざわざ目立つ形にすることとは矛盾します。
だから、どうも道理に合わない。何か不自然なのです。何か妙な作為があるような気がしたのです。
そこを不用意に攻撃するのは危険であると鎧は判断したのでした。

鎧の言葉を聞いて、ジョーも「・・・確かにそうだな」と納得します。
そう言われてみれば、アルマドンの首輪の後ろの補強パーツが不自然に目立つ大きさであることに気付いたのです。
鎧に言われてみれば、そんなことは自分達でも気付くべきことであったと思いましたが、
ジョー達はハカセの推理力を信頼しすぎていたために、ハカセの判断を疑いなく聞きすぎていて、
深く考えることを怠っていたと気付きました。

首輪の後ろが弄られているということから考えて、首輪の後ろがアルマドンの弱点であったことは事実なのでしょう。
つまり、その点についてはハカセの推理は見事に的中していたのです。
だからアルマドンの件に関してはハカセの判断は常に正しいような印象をマーベラス達は持ってしまった。
それでハカセの判断を慎重に検証せずに盲信してしまっていた。
実際に首輪の後ろのパーツにどういう作為が秘められているのかは分からないが、
慎重さを欠いていたことは確かであり、あるいは危ないところであったのかもしれないと思い、
ジョーは少し反省しました。

一方、アルマドンは自分の首の後ろに爆弾が仕掛けられているなんて知りませんから
鎧やジョーの言っていることの意味が分かりません。
「お前ら?・・・何を言っている!?」と戸惑いつつ、鎧とハカセに攻撃を仕掛けてきます。
そのアルマドンの様子を見ていると、やはり罠のようなものがあるとは思えないのだが、
それでも一旦疑惑を意識した鎧とハカセは慎重にならざるを得ず、弱点と思える場所を攻撃出来ません。
かといって、じゃあどのようにアルマドンを攻撃すべきか、すぐに考えが纏まらず、
アルマドンの攻撃に押されて、地面に叩きつけられてしまいます。

そこで鎧は、疑惑の首輪があるから思い切った攻撃出来ないのであるから、その首輪を排除するしかないと思い、
立ち上がってゴーカイスピアを担いだまま駆け出し、真っ直ぐアルマドンに突っ込みます。
そしてアルマドンの目の前でジャンプして飛び越し、
アルマドンの背後に回ってゴーカイスピアの穂先をアルマドンの首輪と首の間にこじ入れます。
その瞬間、その衝撃を受けてアルマドンの首輪の後ろの補強パーツが赤く発光し、
微かにカウントダウンのような音がします。
何かの起爆スイッチが入ったことが鎧には分かりました。

そのまま「でやっ!!」と一気に槍の穂先を上へ振り抜いて、首輪を上空へ向けて跳ね上げ、
鎧は「皆さん!!伏せてぇ!!」と叫びます。
「え?」とマーベラス達は何事なのかよく分からず棒立ちのまま上へ飛んでいく首輪を眺めていましたが、
その首輪が空中でいきなり大爆発を起こして上空を炎で包んだのを見て、
「うわあああ!?」と大変驚いて身を伏せます。

爆発が収まって顔を上げたハカセは「ば・・・爆弾が仕掛けられてた!?」と驚きます。
あのまま鎧に止められずに不用意に首輪の後ろを攻撃していれば、
みんな吹き飛ばされていたことが分かったのでした。
つまり自分は判断ミスをしていたのです。
そして、ハカセは自分の今回の判断ミスの原因は慎重さを欠いていたからだと気付きました。
そこには、鎧の活躍を見て、少し焦る気持ちが自分の中であり、
自分の作戦でアルマドンを見事に倒して鎧よりも役に立つことをアピールしたいという気持ちが微かにあり、
そのため思考の慎重さが少し欠けていたのだと、ハカセは自分を顧みたのでした。

一方、作戦が大失敗に終わってしまったワルズ・ギルはギガントホースの指令室で
「うおおおおお!!・・・俺の・・・俺の渾身の作戦がああああ!!」と大声で嘆き喚き、
あまりのショックで倒れて気を失ってしまい、周囲の部下たちは大慌てとなる有様となりましたが、
ただ一人、ダマラスだけは冷ややかにワルズ・ギルの醜態を眺めていました。

そして、上司であるワルズ・ギルに爆弾を仕掛けられて殺されそうになっていた当の本人のアルマドンは、
皮肉なことに敵である鎧によって命拾いした形となり、
「な・・・何だと!?・・・これはどういうことだ!?」と、剥き出しになった首を押さえて大いに戸惑います。
首輪は確か強化してもらったはずであり、爆弾が仕掛けられているなど全く知らされていない。
さてはワルズ・ギルに騙されていたのか・・・と覚ったアルマドンでしたが、
どうして自分がそんな酷い扱いを受けねばならないのか、さっぱり意味が分かりませんでした。

ただ、アルマドンはそんなことをあれこれ考えている時間はもうありませんでした。
鎧は別にアルマドンを助けるために首輪を外したわけではないのです。
攻撃しやすくするために首輪を排除しただけなのです。
しかも、首輪はバリアー発生装置だったわけですから、それが吹っ飛んで無くなった以上、もうバリアーも張れません。
「ようし!もうお前にバリアーは張れない!ギンギンでいくぜ!!」と鎧はゴーカイスピアを構えて突っ込みます。
事態の急変に心が揺れたままのアルマドンはバリアーも張ることも出来ず、
鎧の繰り出すゴーカイスピアの穂先にメッタ斬りにされてしまいます。

そして鎧は「トドメだぁぁっ!!」と叫んでゴーカイシルバーのレンジャーキーをカギ型に折り曲げ、
ゴーカイスピアの穂先のすぐ下のカギ穴に挿しこみ回します。
すると「ファ〜イナルウェ〜イブ!!」という関ボイスのコール音がします。
つまり、これはゴーカイスピア版の決め技、ファイナルウェーブなのです。
レンジャーキーのエネルギーが注ぎ込まれたゴーカイスピアを持ったまま大きく跳び上がった鎧は
「ゴ〜カイシュ〜ティングスタ〜ッ!!」と技名を叫び、
ゴーカイスピアを穂先をアルマドンに向けて思いっきり投げ込みます。
ゴーカイスピアはアルマドンを貫き、アルマドンは爆発炎上して四散し、鎧の勝利で戦いは終わります。

なお、今回はインサーンの巨大化銃によるアルマドンの復活巨大化は無しで、
アルマドンは等身大戦だけで退場となります。
これは、そもそもアルマドンを騙して殺そうとしていたことが発覚した以上、
アルマドンを復活させることはワルズ・ギルやインサーンにとっては
復讐の懸念があるので危険なことだったからでしょう。

戦いが勝利に終わり、鎧は「やったぜ・・・」と感慨深く呟き、「俺の初勝利〜!!」と喜びを爆発させます。
どうやら鎧にとってはこれは初陣だったようです。
つまり、鎧が変身出来るようになったのは最近のことであるようです。
その鎧に駆け寄るマーベラス達5人でしたが、
アイムが鎧のゴーカイシルバーと名乗るその変身後の銀色のスーツ姿を見て「ああ!」と素っ頓狂な声を上げます。
そして「なんか凄い銀色の男の方!」と言って隣のハカセの肩を叩きます。
ハカセも「ああ!」と鎧を指さしてアイムの言いたいことに気付きました。
ルカもジョーも「ああ!」と気付きます。
「・・・そうか!」とマーベラスも、鎧こそが「なんか凄い銀色の男」であることにようやく気付いたのでした。

鎧の変身前の姿には銀色の要素は全く無かったので、変身前に何度も会っていた時には、
まさか鎧が銀色の男とは気付かなかったのですが、
こうして変身後の姿を落ち着いて見てみると、なるほど確かにこれは間違いなく
「なんか凄い銀色の男」そのものでした。
しかも未知のレンジャーキーまで持っているわけですから、「大いなる力」とも関係のある可能性も大いにある。
ナビィのお告げ通り、既に鎧=凄い銀色の男とはとっくに何度も会っていたのですが、
単にマーベラス達がそれにずっと気付いていなかっただけなのでした。

変身解除して元の鎧の姿に戻ってもまだ初勝利の余韻に浸ってニヤニヤしている鎧に向かって、
同じく変身解除したマーベラス達が近づき、
マーベラスは「鳥が言ってたのはお前だったのか・・・」と声をかけます。
鎧はナビィのお告げのことは知りませんから「はい?」と間抜けな顔で戸惑います。
戸惑う鎧を気にすることなく「・・・ということは、大いなる力を持っているのか!?」とジョーは畳み掛けます。
それに対して鎧は「え・・・?」と、これまた微妙な反応です。

そこに更にルカが「なんで変身出来んの?」、
アイムが「どうして同じマークなのですか?」、
ハカセが「何なんだよお前!?」と鎧に詰め寄って質問責めにします。
鎧は「そんないっぺんに・・・詰め寄らないでくださいよぉ!」と戸惑いながらも、
自分が一躍、大注目の的となったことが嬉しくて、だらしなくニヤニヤ笑いを漏らし続けるのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
にほんブログ村 にほんブログ村 テレビブログ スーパー戦隊へ
にほんブログ村
posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 19:35 | Comment(2) | 第17話「凄い銀色の男」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。