2011年07月18日

第19話「15戦士の鎧」感想その1

今回は追加戦士が登場して3話目の恒例パターンの、追加戦士と初期メンバーとの交流を描くエピソードです。
だいたい近年のパターンとしては追加戦士は17話で登場して、18話で初期メンバーと共闘するようになり、
19話で初期メンバーの中の誰か、追加戦士と最も気が合わないメンバーとの間のトラブルを乗り越えて、
それによって象徴的に初期メンバーとの間の距離が縮まったことが示され、
この3部作をもって追加戦士登場篇はひとまず終わるのです。
今回も、前回第18話でゴーカイジャーに加入した追加戦士である鎧と、
その鎧をどうも苦手に感じているっぽいハカセとの間のぶつかり合いと和解を描くという、
いかにも第19話の典型みたいなエピソードです。

5人以上のキャラによる群像劇であるスーパー戦隊シリーズで
こういう2人のメンバーの関係のみに焦点を絞った話を作る場合は、
その2人を他のメンバーから隔離した状態に置くというのが常套手段ですが、
それはだいたい2人が何処かに閉じ込められるか、
あるいは2人以外が戦闘不能になるか、このどちらかのパターンが多いです。
今回はこの後者の典型的パターンで、
鎧とハカセ以外の4人が敵怪人の奇妙な能力のせいで腑抜けになってしまい、戦闘不能になります。

こういう「2人以外戦闘不能パターン」というのは、実際はかなり悲壮な状況であるはずですが、
スーパー戦隊シリーズにおいてはギャグ的に描かれることが多い。
だいたい敵怪人の能力は正攻法の破壊活動に使うようなものではなく、
日常ギャグ的なシュールなものが多く、それによって一般人に被害を与え、
不思議コメディーテイストのシュールなギャグシーンが街中で展開され、
それに巻き込まれるか、被害を食い止めようとしてミイラ取りがミイラになるような感じで
次々と戦隊メンバーまで被害にあいます。

つまり悲壮な状況にもかかわらず、2人以外戦闘不能状態を作り上げるまでは
かなりライト感覚で描かれるのですが、
これは悲壮な状況をそのまま悲壮に描いてしまうと、
どうしても被害を受けたメンバーのドラマや、
被害者と救出者の間の人間ドラマを描かざるを得なくなってしまうので、
それが本来の目的である「残された2人の間の人間ドラマ」を集中して描くことの
邪魔になってしまう危険が大きいからです。

だから、この場合、2人以外戦闘不能状態を作り上げるまでの描写は
出来るだけアッサリと軽い感じにしておいた方がいい。
それで変な怪人の変な作戦に巻き込まれてかなり間抜けな感じで他のメンバーが戦闘不能になる方がいいのです。
また、この過程の描写は厳密にする必要は無く、むしろ厳密にしない方が軽く流せて良い。
だから、どうして2人だけは無事なのかとか、どうして敵怪人は優勢な状況で撤退するのかなど、
そういうところはかなりアバウトな描写となります。

今回の第19話もまさに典型的なそういう「2人以外戦闘不能エピソード」となっており、
そうやって作り上げた鎧とハカセの2人っきりのシチュエーションを使っての、
追加戦士登場篇3部作の3話目の典型的パターンの
「追加戦士と彼を嫌う初期メンバーとの葛藤と和解を描くエピソード」となっています。

ただ、この追加戦士登場篇の3話目というのは意外にスーパー戦隊シリーズでは自然な形で描くのが難しい。
それは、追加戦士登場篇3部作というのは販促的には追加戦士の関連玩具を猛烈にプッシュするためのものであって、
ここではバトル場面では追加戦士を目立たせないといけないからです。
バトル場面では追加戦士を立てねばならないのに、
ドラマ部分では追加戦士と初期メンバーの1人との葛藤と和解を描くのですから、
ドラマからバトルへの繋ぎをスムーズに見せるのが難しいのです。

特に今回の第19話の場合、「ゴールドアンカーキー」という鎧の関連の新アイテムの登場篇でもあり、
バトル場面はもう完全に鎧の独壇場として描かざるを得ません。
そうなるとドラマ部分では鎧と対等の扱いであったハカセをどうやって自然な形で
バトル場面ではフェードアウトさせていくのかが課題となります。

今回の話、そのあたりを「ゴールドアンカーキー」という新アイテムの誕生に合わせて非常に上手く描いています。
というより、そもそもバトル場面でハカセが全然フェードアウトしていないのに
鎧のゴールドアンカーキーの販促が出来てしまっています。
つまり、鎧がゴールドアンカーキーを作り出すまでの時間稼ぎ役としてハカセの単独戦闘をしっかり描き、
その後、ゴールドアンカーキーを作り上げた鎧が真打として登場して
ハカセのピンチを救い大逆転するというバトルの流れになっているのです。

これは、後輩のために盾となって単身敵に立ち向かうハカセも、
最後に登場して美味しいところをさらっていく鎧も、両方とも非常にカッコいい。
それでいてゴールドアンカーキーの販促もバッチリです。

ここではハカセは鎧にゴールドアンカーキーを作るように導く役を果たしています。
今回の話の秀逸な点は、鎧とハカセの葛藤と和解のドラマを、
単なる「喧嘩→仲直り」「誤解→理解」として描いているのではなく、
ハカセが鎧の人間性の純粋さを理解すると同時に、
その純粋さが鎧の特殊能力の源となっていることに気付くことです。

もともとはハカセはそうした鎧の純粋さを嫌っており、最初はギクシャクするのですが、
何故ハカセが鎧の純粋さを嫌うのかというと、
根っこではハカセと鎧は同じような純粋さを持ったキャラであり、
その純粋さを素直に出せないハカセは、純粋さを素直に出している鎧に嫉妬していたからです。
むしろ自分の鎧に対する嫌悪感を正当化するためにハカセは自分と鎧の相違点ばかりを見ようとします。
しかし、根っこは同じ純粋さを持ったハカセだからこそ、
ちょっとしたきっかけで鎧の純粋さを理解することが出来たのです。

つまり勝手にハカセが鎧のことを誤解していたのが、ふとしたことで簡単に誤解が解けて理解するようになる。
ここでハカセが素直になって仲直りするだけなら、よくあるパターンの友情話です。
ハカセも鎧と同じように純粋素直になって仲良しになればハッピーエンドです。
しかし、今回の話はそういう単純な流れにならないところが素晴らしい。
ハカセはその鎧の純粋さこそが鎧の新たなアイテムを生み出す特殊能力の源となっていることに気付き、
自分は鎧のその力を伸ばす導き手となろうと決意するのです。

何故、ハカセが鎧の導き手となろうと決意したのかというと、自分と鎧が違うということに気付いたからです。
ハカセが鎧の純粋さに気付いたのはハカセが鎧と同じ純粋な人間であるがゆえですが、
ハカセが鎧のその純粋さが有用なものだと気付いたのは、
ハカセが鎧のように純粋さを表に出せないタイプの人間だからなのです。
そういう自分の本質にハカセは気づいた。今回のハカセの気づきの最重要点はそこです。

つまりハカセは理屈っぽい人間で、それゆえ純粋さが表に出せない。
それは短所でもあるのですが、理論的思考が出来るという長所でもあるのです。
一方、鎧は非常に素直な人間で、それゆえ純粋さが何の制約も無くマックスになっており、
そのためハカセよりも他人を魅了する魅力もあり、
しかもそれがアイテムを作り出す特殊能力の源にまでなっている。
それは素晴らしい長所なのですが、素直さが極度に肥大した鎧という人間は言い換えればバカであり、
理論的思考というのが苦手という短所を持っています。
だから鎧は自分の秘められた能力に気付くこともないし、それを伸ばす方法も分かりません。

ハカセは鎧の純粋さという長所に気付くと同時に、それが短所となっていることにも気づき、
そのことを自覚出来ていない鎧と、それに気付いてしまう自分とは、やはりタイプが違うのだと悟り、
それによって自分の短所がその鎧の短所をフォローする長所となり得ることに気付いたのです。

本当はハカセは自分の短所を消して鎧と同じような魅力を持った人間になることも出来るのですが、
ハカセは自分の役割はそうではないと悟り、自分の短所を残して、
それを鎧の短所をフォローするための長所として使うことを決めたのです。
そうして鎧の長所を伸ばすことによって、自分の短所は長所として役に立つということに気付いたのです。

長所は短所の裏返しに過ぎませんから、短所を消したつもりでも長所から再び短所は生まれます。
長所を伸ばすだけでは短所も大きくなるだけのことなのです。
それよりも自分の短所を他人の短所をフォローするために使うことで、
そういう組み合わせの相手を見つけることで、
その短所は常に長所として機能するのですから、
短所は無理に消さず、自分の短所の長所としての使いどころを発見するというのが、
実質的に短所を消す方法なのだといえます。
そしてそれの可能な相手というのは自分にとって得難い相手です。
こういうことに気付くというのが人間的な成長というものです。

つまり、今回は鎧の活躍を描く話でありながら、ハカセの成長話になっているのです。
それでいて、そのハカセの成長は鎧の純粋さの持つ素晴らしい意味に気付いたから生じたものですから、
鎧の純粋さもしっかり描かれています。
こうした人間の純粋さの素晴らしさや成長の意義という、まさに子供向けの良質の教訓話が
ゴールドアンカーキーという新アイテムの誕生譚に非常に上手く絡めて描かれており、
それが新登場の追加戦士が戦隊に受け入れられていくエピソードとしてしっかり成立しており、
ドラマ部分とバトル部分のスムーズな繋がり、その描写の配分の見事さなど、
まったく凄い完成度のエピソードだと言っていいでしょう。

しかし、今回のエピソードの真に凄い点はこれだけではありません。
「ゴーカイジャー」という物語は壮大な謎解き物語の様相を呈してきていますが、
その全体的な謎解きストーリーの中で今回はかなり重要な意義のあった話といえます。

つまり、鎧のスーパー戦隊に対する純粋な想いがレンジャーキーに作用して
新アイテムを生成することが出来るということが判明したのです。
これによって、どうして鎧がゴーカイシルバーに変身する戦士として選ばれたのかがほぼ判明し、
鎧を戦士として選びゴーカイジャーの許へ来るように仕掛けた者が何を目指しているのかも、おぼろげに見えてきました。

そして、レンジャーキーというものの持つ特性が明らかとなり、
そこに宿る「大いなる力」や、それを集めることで姿を現すという「宇宙最大のお宝」に関しても
色々と考える材料が提供されたことになります。
つまり、かなりこの物語の世界観が見えてきたのです。

今回は伊狩鎧という男の特殊能力が明らかとなった回ですから、
鎧というキャラの存在意義がいっそう明確になった回です。
しかし、ここで目立たないが更に注目すべき点は、
これらの様々な新事実をハカセが把握したということです。

ハカセは、おそらく今回のエピソードで、この物語における様々な謎について、
かなり認識を深めたといえます。
しかし、ハカセはそのことを鎧にもマーベラス達にも説明していません。
それは何故かというと、「宇宙最大のお宝」へと辿り着く道は、
まさに鎧のような「バカみたいな純粋さ」によってこそ切り開かれるのだということを
ハカセが把握したからでしょう。

そして、その純粋さはハカセにも同じ要素はあり、マーベラス達にもあるのです。
そこでハカセはあえて小難しい理屈を持ち込むことは止めたのでしょう。
まぁ確たる証拠があるわけでもないし、世界観が多少分かったところで
実際の行動にそんな大きな変化も見込めない以上、
今のタイミングで自分の推測を長々と述べる意味も無いと思ったのでしょう。
ゴーカイジャーの純粋さを今のまま維持するためにハカセはあえて自分の推理は封印し、
今まで通りの宝探しを続けることにしたように思えます。

そうなると、今後のストーリーの中で、随所随所で
ハカセがゴーカイジャーの宝探しの「導き手」として機能してくる可能性はあるといえます。
いや、まさに今回のエピソードでハカセがあえて鎧の「導き手」として機能したのは、
今後のハカセのキャラのそういう方向性の前フリのようなものだったのではないでしょうか。

ゴーカイジャー初期メンバーの中で1人だけ過去も判明しておらず、
キャラは異様に立っているにもかかわらず、キャラの存在意義がイマイチ不明だったハカセというキャラが
このまま終わるはずはなく、きっと後半には大きな意味を持ってくることになるだろうとは予想していましたが、
あるいはゴーカイジャー唯一の理論派として、
「宇宙最大のお宝」の謎解きをしていく「導き手」の役割を果たすのかもしれません。
今回のエピソードは、ハカセというキャラのそうした今後を考えさせられる、
意義のあるエピソードであったように思います。

では本編ですが、まず冒頭、ガレオンの船室でゴーカイシルバーに変身状態の鎧が
「全国の皆さん・・・お待たせしました!ゴオオオオカイシルバアアアア!!」と
気合を入れて名乗りを決めていますが、特に意味は無し。
ナビィが「んじゃ、始めるよ!カーギーロード繋がっとくれ!」と言って、
レンジャーキーの入った宝箱から光の紐のようなものを引っ張っていって
鎧の変身したゴーカイシルバーのベルトのバックル(ゴーカイバックルというらしい)に繋げます。
すると光の紐がゴーカイバックルに吸い込まれていき、鎧の全身が一瞬、光に包まれます。
鎧は大興奮ですが、周囲で見るマーベラス達5人はこの不思議な現象を平然と見ており、
彼らもこの現象は経験済のようです。

「ほい!出来上がり!」とナビィが言うと、マーベラスは満足そうに微笑み
「よし・・・これで宝箱のレンジャーキーはお前のバックルから取り出せる!」と鎧に告げます。
「出したいレンジャーキーを思い浮かべてみ!」とルカに促されて
鎧は「・・・えっとぉ〜・・・」と悩みます。出したいレンジャーキーが多すぎるようですが、
1つ心に決めて「じゃあ、ダイレンジャーのキバレンジャー!」と叫び、
心にキバレンジャーをイメージすると、鎧のバックルがカシャッとひっくり返って、
裏からキバレンジャーのレンジャーキーが出てきます。
鎧は大喜びで「ありがとうございますぅ!!」とはしゃぎます。
実際、鎧を演じる池田くんは子供の頃、「ダイレンジャー」を見ていてキバレンジャーに憧れていたそうなので、
それでここはキバレンジャーをイメージするシーンとなったのでしょう。

ここの場面は、鎧のゴーカイシルバーのスーツの調整シーンのようなものです。
前回、初の6人揃い踏みの場面、シンケンジャーに豪快チャンジしようとした時、
鎧だけが自在にバックルからレンジャーキーを出せなかったので、
マーベラスが鎧にレンジャーキーを手渡しする羽目となり、
そのせいで間違って別のレンジャーキーを渡してしまうというハプニングがあったのですが、
これはそれを受けて、鎧のバックルからもレンジャーキーを取り出せるようにした場面だといえます。

マーベラス達が平然とこれを見ていることから、
この「カーギーロード」という宝箱とゴーカイバックルの間に異次元通路のようなものを繋げる作業は、
全員がゴーカイジャーのスーツを最初に装着した際に経験済のようです。
つまり、カーギーロードを繋げるのはゴーカイジャーとして最初に当然するべきことなのです。
これをやっておかないと、レンジャーキーを使って自在に豪快チェンジが出来ないのですから、
確かにこれは重要です。

これまでの放送回での描写を振り返ってみると、
マーベラス達はモバイレーツにレンジャーキーを挿し込むことさえ出来れば、
生身からでもどんな戦隊の戦士にもチェンジ出来るようです。
例えば第16話ではハカセが宝箱からこぼれたシンケングリーンのレンジャーキーを使って
シンケングリーンに直接変身しています。

ただ、全てのレンジャーキーをいつも携帯することは出来ないので、
普段の私服姿の時はマーベラス達は基本的にはゴーカイジャーのレンジャーキーしか持ち歩いていないようです。
たまに第2話のマーベラスのように他のレンジャーキーもポケットに入れたままにしておくこともあるようですが、
基本的には私服のポケットにはゴーカイジャーのレンジャーキーとモバイレーツのみ入れておき、
それらを使ってゴーカイジャーに変身した後、
ゴーカイバックルからカーギーロードを通じてガレオンに置いた宝箱のレンジャーキーを取り出して
他の戦隊へ豪快チェンジするようです。

そのような大事な機能がゴーカイジャーのスーツには初期設定されていないのは何故なのかというと、
おそらく部外者がゴーカイジャーのレンジャーキーとモバイレーツを奪ってゴーカイジャーに変身した場合に
ゴーカイバックルから宝箱のレンジャーキーを盗み出すことを防止するためでしょう。
「イメージしたレンジャーキーを取り出せる」という機能である点から考えても、
カーギーロードは最初に接続した時に
そのゴーカイジャースーツを着用していた人間の意識と宝箱を繋ぐものなのであり、
その人間以外の者が同じゴーカイジャースーツを着用したとしても、
カーギーロードはその人間の意識が初期接続者の意識と違うことを判別して、
通路を繋がないでアクセスをブロックするのだと思われます。
だから、カーギーロードはスーツの正式な装着者が決まった後に繋ぐようになっており、
スーツの初期設定にはカーギーロードは含まれていないのでしょう。

しかし、このような描写を見ていると、ゴーカイジャーという戦隊と、それをとりまく世界観は、
かなり「意識」や「イメージ」というものを重視した世界であることが分かります。
イメージしたレンジャーキーを取り出すことが出来るゴーカイバックルやゴーカイジャーのスーツというもの、
そこから取り出されるレンジャーキーというもの、それらが入れてありカーギーロードの起点となる宝箱、
意識とレンジャーキーを繋ぐカーギーロード、カーギーロードを咥えて引っ張ることが出来るナビィなど、
またレンジャーキーと対になるモバイレーツやそれと同種のアイテムであるゴーカイセルラーやラッパラッターなど、
これら全てがイメージの産物であるようにも思えるのです。

ゴーカイジャーの身近には実はこうして非常に不思議なものばかりが揃っているのですが、
マーベラス一味の面々はあまりそのことについてあれこれ不思議に思っていないようです。

ゴーカイジャーのシステムは彼らが考えたものではありません。
第12話の回想シーンで見たように、マーベラスがジョーを仲間に誘った時には
既にゴーカイジャーのシステムは存在していました。
だからマーベラス以外のメンバーはゴーカイジャーのシステムの開発にはタッチしていないのは明白です。
マーベラスにしてもレンジャーキーのことすらまともに把握していないぐらいですから、
ゴーカジャーのシステムの開発に関与したとは思えない。
赤き海賊団時代の回想シーンではゴーカイジャーのスーツは全く出てこないというのは謎ですが、
おそらくは赤き海賊団時代にアカレッドが既に持っていたゴーカイジャーシステムを、
赤き海賊団の壊滅後にマーベラスが使い始めたのは間違いないでしょう。

つまり、マーベラス一味の面々は皆、ゴーカイジャーのシステムは使いこなすことは出来るが、
その原理などについては全く分かっていないのです。
こんな不思議なシステムで、その成り立ちを全く知らないとしたら、
普通は「これはいったいどうなっているんだろう?」と疑問が湧くのが当たり前ですが、
マーベラス達はあまり深く考えていないように見えます。
他の歴代戦隊ならば、ある程度は探究心が湧くものです。
ところがゴーカイジャーからはそういうムードは感じ取れません。

これは彼らが能天気なアホ集団であるという意味ではありません。
むしろ、かなり思慮深いところがあるメンバーばかりなのです。
では、何故、頭が良いはずの彼らがこんな不思議なシステムについて探究心を起こそうとしないのか?
それは、彼らが宇宙海賊だからなのだと思います。
つまり地球人とは意識的な文化が少し違うのです。
一言でいえば「極めておおらか」、つまり豪快ということでしょう。

宇宙には実に様々な不思議な現象というものがあり、
宇宙を旅して回るマーベラス一味は数多くの不思議に触れています。
それらをいちいち不思議がっていてもキリがないので、
直接自分の身に危険がありそうなもの以外は、
「ま、広い宇宙にはそういうこともあるんだろ」という程度に軽く流すクセがついているのでしょう。
だからゴーカイジャーのシステムによく分からない不思議な点があったとしても、
「ま、別に変身して戦えてるんだからいいんじゃない?」という感じなのだと思うのです。

これは決して彼らがいい加減なのではなく、
宇宙海賊の生き方としては、それぐらいのスタンスが普通なのだということです。
つまり、地球人の不思議に対する感受性に比べて、宇宙海賊の不思議に対する感受性は、
平均値としてかなり低いのです。
それだけ宇宙は不思議と神秘に満ちているのであり、
ちょっとした不思議や神秘には宇宙海賊は簡単には驚いたり不思議がったりはしないのです。
それは時には豪胆さとなって現れますが、時には鈍感さとなっても現れます。

全体的には宇宙海賊とはそういう人種なのですが、もちろんその度合いには個人差はあります。
例えば、ここの冒頭の場面、鎧のスーツにカーギーロードが繋がったのを見て、
ハカセは浮かない顔をして「でもさぁ・・・なんでアカレッドがくれたのと同じシステムなのか、
ちょっと気にならない?」と、ジョーやアイムに話しかけます。

ハカセも普段はいちいち自分達のゴーカイジャーシステムの不思議について深く考えたりはしていません。
そこは宇宙海賊らしいおおらかさは持っているのですが、
それでも鎧のスーツまでカーギーロードがこんなに簡単に繋がってしまうというのは、
さすがにハカセは驚き、不思議に思ったのです。

鎧の変身システムは、鎧の話を聞く限りでは「アバレキラー」という、おそらくアバレンジャーの一員と思われますが
ハカセにとっては未知の戦士(まぁ厳密に言えば全ての戦士がマーベラス一味にとっては未知の戦士だが)から貰ったものです。
一方、ハカセ達の変身システムは赤き海賊団の首領だった宇宙海賊アカレッドからマーベラスが貰ったものです。
この2つのシステムが共にレンジャーキーに対応しているという共通項を持っているだけでなく、
鎧のシステムがカーギーロードにまで対応しているとなると、もはやこれは全く同一のシステムと考えるしかない。
しかしアバレキラーとアカレッドという全く無関係(とハカセ達は思っている)の人物が
同じシステムを持っているというのは不思議ではないかとハカセは思ったのです。

しかし、ジョーはハカセに対して「同じ・・・スーパー戦隊だからだろ?」と応えます。
アイムも「私も、そんな気がします」と言い、ルカも横から「あたしは気にしてないけどねぇ〜」と口を挟みます。
皆、ハカセほどその件は不思議には思っていないようなのです。

アカレッドが作った変身システムは宇宙に散らばる不思議なアイテムであるレンジャーキーを利用したものだったが、
そのレンジャーキーは実は地球を守るスーパー戦隊の戦う力が姿を変えたものだった。
そして地球でも同じようにレンジャーキーの力を利用した変身システムが作られていた。
同じレンジャーキーを使うシステムなのだから同じようなものになるのは、むしろ当たり前だろう。
ジョー達はそのように考えて納得しており、
鎧のバックルにカーギーロードが繋がったのも全く不思議には思わなかったのでした。

そういう皆の意見に対してハカセは溜息をついて「そんなあっさり片付けちゃって・・・!」とブツブツ言います。
そんな簡単な問題じゃないとハカセは思いました。
鎧の話によれば、アバレキラーはゴーカイシルバーのレンジャーキーを自分達が作ったと言ったのです。
宇宙に散らばっていたのを拾ったのではなく、新たに作ったというのです。
同じように宇宙に散らばっていたレンジャーキーを使うシステム同士ならば互換性があるのも納得は出来る。
しかしアバレキラーが作ったレンジャーキーとセットになったシステムと、
自分達のシステムが互換性があるというのはハカセには不可解でした。

いや、そもそも自分達の基本レンジャーキーであるゴーカイジャーのレンジャーキーとは一体何なのか、
ハカセには疑問にもなってきていました。
ゴーカイジャーは34のスーパー戦隊の中には含まれていない。
だからゴーカイジャーのレンジャーキーは宇宙に散らばっていたものではなく、
アカレッドが他のレンジャーキーを使うための特別なレンジャーキーとして自作したものとも考えられます。
となると、遠い宇宙の果てでアカレッドが作ったゴーカイジャーのレンジャーキーと、
地球でアバレキラーが作ったゴーカイシルバーのレンジャーキーが、
機能だけでなくデザインや名称まで似ているというのは、偶然の一致として片付けることは不可能でしょう。

実はアバレキラーがゴーカイジャーのレンジャーキーも作ったのか、
あるいはアバレキラーの言うレンジャーキーを作る仲間である「俺たち」の中に
アカレッドもかつて含まれていたのかもしれない。
まぁゴーカイジャーの戦う姿を見てアバレキラーがゴーカイジャーに似せて
ゴーカイシルバーのレンジャーキーを作った可能性もあるが、
しかしそれでもゴーカイセルラーの不可解さはどうしようもない。

何故ゴーカイセルラーの15個のボタンには
先日バスコからゲットしたばかりの15のレンジャーキーの戦士の顔が描かれているのか?
アバレキラーがスーパー戦隊関係者ならそれらの戦士の顔を知っているのは当然としても、
どうしてそれがゴーカイジャーの手元にあることを知っているのか?
しかもわざわざその15個だけが描かれているというのは、
先日バスコから15個のレンジャーキーをゲットしたということをアバレキラーが知っているかのようです。

鎧が現れる以前にそのことを知っていたのはゴーカイジャー以外にはバスコと、ゴセイジャーの6人だけであり、
アバレキラーがゴセイジャーからそのことを聞いてからゴーカイセルラーを作った可能性もある。
しかし鎧の話を聞く限り、鎧が交通事故にあってゴーカイセルラーをアバレキラーから受け取ったのは、
確かにゴーカイジャーがバスコから15個のレンジャーキーをゲットした後ですが、
ゴーカイジャーがゴセイジャーと会うよりは少し前のことでした。
つまりアバレキラーはゴーカイジャーが新たに15人の戦士のレンジャーキーをゲットしたことを
知ることは出来なかったはずです。
それなのに、ゴーカイセルラーにその15人の戦士の顔を描いた。

唯一考えられる可能性としてはアバレキラーがバスコから
「15のレンジャーキーがマーベラス達の手元に移った」と聞いた場合ですが、
まさか鎧やアバレキラーがバスコと繋がっているとは思えない。
しかしアバレキラーがバスコの動向を知り得る立場にいたのも間違いないように思えます。
つまり、アバレキラーの動きはバスコの動きに対応したものと考えられます。

そのバスコが何といっても問題です。
バスコは未知のレンジャーキーを持って現れた。
バスコの登場によって、ハカセ達は今までの彼らの持っていたレンジャーキーの常識というものをひっくり返された。
まだ未知のレンジャーキーというものがあるのかもしれず、
アカレッドも色々と秘密を持っていたようだということも分かった。
そのバスコからレンジャーキーを奪い、追い払ったと思えば、
今度はその奪ったレンジャーキーに対応したアイテムを新たにアバレキラーが作り、
それを与えられた鎧がゴーカイジャーの仲間入りをしたのです。

まだまだレンジャーキーには謎が多く、
その謎を知る者たちや謎解きを求める者たちがゴーカイジャーの周りで
動きを活発化させようとしているようなのです。
そして、何といってもハカセが気になるのは、先日もバスコに捕まったりしたように、
その奇妙な動きが自分達の身の危険に繋がってきそうな感じであることです。

ハカセは臆病者です。それは言い換えると危険察知能力が発達しているということです。
だから、バスコ登場以降の、鎧の加入に至るまでの一連の奇妙な出来事から浮彫になった
「レンジャーキーの謎」というものが自分達の運命に大きな影響を及ぼし、
最悪の場合は大きな危険をもたらすものではないかと警戒しているのです。

しかしジョーやルカはもともとハカセに比べて経験してきた修羅場の数が桁違いに多いので、
危険に対する感覚がハカセほど鋭敏ではない。
些細な危機ならば彼らの腕ならば、出たとこ勝負で対処してしまえるので、
普段から些細な危険にいちいちアンテナを張るクセがついていません。
だから漠然とした「レンジャーキーの謎」程度のことに危機意識を持つということはありません。

アイムの場合は元お姫様であることからくる特有の呑気さのせいで危険察知能力が低い。
マーベラスはそもそも危険を楽しむクセがあり、
危険を危険として認識することが出来るのかどうかすら疑問です。
結局、ハカセ以外の4人は「レンジャーキーの謎」が自分達の危険に繋がる可能性があるとは認識出来ないのです。
自分の危険に直結しないとなれば、宇宙海賊特有のおおらかさで軽く流してしまい、いちいち気にすることもない。

ハカセだって危険に繋がるという意識さえ生じなかったら、
鎧の変身システムの不思議など、宇宙海賊のおおらかさで流していたはずなのですが、
バスコ登場以来、ハカセはレンジャーキーの謎と自分達の身の安全との問題にナーバスになっており、
それでここでも鎧の変身システムの謎について気にするような発言をしたのです。
しかし、他のメンバーに軽く流されてしまい、ハカセは不満でした。
何だか自分だけおおらかさの足りない小心者のような扱いを受けたような気がしたのです。
みんなの安全も心配して言ってあげたつもりなのに、何だか報われないような気がしました。

それに、宇宙海賊特有のおおらかさを知っているハカセだけに、
ジョー達の豪胆な態度の方が宇宙海賊としては正統派なのだということも分かっています。
そう考えると、自分だけが海賊っぽくない落ちこぼれのようにも思えたのでした。
ジョー達の呑気さに対する苛立ちと、自分の気の小ささに対するコンプレックスとが
ハカセの中では少しモヤモヤと蠢きます。

そうしたハカセに向かって「考えすぎですよ!ドンさん!」と鎧が声をかけます。
鎧は深く考えず、悩むよりも楽しいことでも考えた方が幸せだというぐらいの、
全く能天気な発言をしたに過ぎないのですが、
ハカセは鎧がまるで宇宙海賊のようなおおらかさや豪胆さを持っているように感じたのでした。

そもそも、ハカセが不思議に思っているのは鎧の持っている変身システムのことなのですから、
本来は鎧こそが悩むべき問題であるはずです。
だいたい鎧は地球の狭い世界で生きてきたわけで、
宇宙を旅していた宇宙海賊よりもはるかに不思議に対する感受性が鋭くなければいけないはずなのですが、
全く現在の自分の地球人らしからぬ激動的な状況に恐れを抱いていないようで、
恐ろしく恐怖や不安に対して鈍感な男のように見えます。

まぁこれはバカということでもあるのですが、
鎧の場合、実際のところ、スーパー戦隊に対する純粋無垢な信頼感のようなものがあって、
そのため、アバレキラー仲代壬琴の言っていたことを微塵も疑おうという気持ちが無く、
またマーベラス達のこともスーパー戦隊の一員と見なして絶対的に信頼しているので、
それで何ら疑問や不安を抱かないのです。
だから別に地球人離れした豪傑というわけではないのですが、
ハカセは地球人なのに宇宙海賊のような豪胆さやおおらかさを持った鎧の方が
よほど小心者の自分よりも海賊としての適性があるのではないかという気がして、
少し落ち込んで下を見ます。

先日のアルマドンとの戦いの際にも
あれこれと理屈で考えた自分の作戦は敵の罠に嵌る失敗を犯す寸前だったのに対し、
鎧の本能や直感の方が敵の罠を見破って仲間を救ったことが思い出され、
ハカセはああいう鎧のような本能での戦いの方が海賊らしいのではないかと思い、ますます落ち込みます。

そう考えると、鎧に「ドンさん」と呼ばれることに自分が嫌な気分になる理由も
ハカセには何となく分かってきました。
「ハカセ」という通り名は海賊としての自分の通り名であって、
「ハカセ」と呼ばれていると、自分は海賊として認められているような気分になれる。
しかし「ドン」という本名は海賊になる前の本来の小心者で理屈っぽい自分、
海賊らしからぬ自分を思い起こさせる。
だから、鎧に「ドンさん」と呼ばれるたびにハカセは
「自分はやっぱり海賊に向いてないんじゃないか」というイヤな気分になるのでした。

そういう気分が鎧に対するコンプレックスを掻き立てるのか、
それとも鎧の海賊の才能のありそうな様子がハカセのコンプレックスを掻き立てて
「ドンさん」という呼び方をそういう曲がった意味に解釈させるのか、その両方なのか、
とにかくハカセは鎧に「ドンさん」と呼ばれるのは嫌いでした。

「そうそう・・・それよりメシだ!」とマーベラスもハカセの疑問は相手にせず、
頭の中は食うことで一杯です。
「あ・・・じゃあ!・・・」とハカセは気を取り直して明るい表情となり、
厨房に行くために立ち上がろうとします。
ついつい鎧を見ていて自分が海賊に向いてないとか余計なことを考えてしまったが、
現実に自分がこの海賊団でやるべき仕事は山ほどあるのです。
誰が何と言おうともそれが自分の海賊である証だという自負心をハカセは取り戻したのでした。

ところが、立ち上がろうとしたハカセの横で鎧が変身を解除して
「今日の食事、俺が作ります!」と笑顔で言ったのでした。
鎧にしてみれば新入りで見習いの自分が食事や掃除などの下働きをやるのは
当然だという意識で言っただけのことです。
まぁ確かに新入りの鎧が休んでいてその間に先輩のハカセが鎧のための食事をせっせと作るのも変な話です。
だから鎧はごく当たり前の申し出をしただけで、全く他意はありません。
しかしハカセは自分の仕事を奪われたような気がして「えっ!?」とイヤそうな顔をしますが、
しかし鎧の言い分は全く尤もであるので、食事当番は鎧に譲ることにしたのでした。
にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
にほんブログ村 にほんブログ村 テレビブログ スーパー戦隊へ
にほんブログ村
posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 19:00 | Comment(0) | 第19話「15戦士の鎧」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月19日

第19話「15戦士の鎧」感想その2

ここでOPテーマとなります。
冒頭のナレーションは通常回バージョンです。
ここで宇宙空間をバックに歩いてくるシルエットは初期メンバー5人のままですが、
タイトルが出た後のOPテーマ内の映像は
今回から鎧も加えたリニューアル6人バージョンとなっていました。

「無敵な風、君を導く」の部分まではリニューアル前までと同じ映像ですが、
その直後のマーベラスのアップと5人の変身前、変身後の船室内の短いカットの連続パートが
6人版の映像に挿し替わっていました。
最初のマーベラスのアップの顔が実は以前のやつはボケッとした顔であんまりカッコよくなかったので、
今回ちゃんと目力のあるカッコいい表情の映像に変更されて良かったと思います。
ほぼ完璧と言ってよかったゴーカイジャーOP映像の中では唯一気に入らなかったカットだったので
変更されて良かった。

その後の個別のメンバー紹介カットの連続部分は、やはり当初からの予想通り、
アイムの紹介カットの後のナビィのカットが鎧の紹介カットに挿し替わっていました。
ここでの鎧は船室のテーブルの上にレンジャーキーを並べてご満悦という、
いかにもスーパー戦隊ファンという設定らしいカットです。

その次のカットはリニューアル前は海辺で佇むマーベラスのもとに他の4人が集まってくる情景で、
その上をナビィがパタパタ飛んでるカットでしたが、
今回のリニューアル後は、そのリニューアル前の映像の場面の続きと思われるカットで、
海辺を歩くマーベラス達5人の後ろから鎧が走り込んできてじゃれる場面となります。
そして6人の上をパタパタ飛んでいたナビィが
さっきの鎧紹介カットへの差し替えで無くなった自分のカットを埋め合わせるように、
視聴者の方に向かって飛んできてアップになったところで
次のBメロのレンジャーキー空間の場面に切り替わります。

そしてBメロのレンジャーキー空間や変身シーンの細かいカットなどはリニューアル前から変更無し。
さすがにここらへんを作り直すのは手間がかかりすぎるのでしょう。
そしてサビの等身大戦闘カットの連続部分では、
ゴーカイシルバーのアップと全身カットが1つずつ挿入されており、
「広がる海、道なき道を行こう」の歌詞のところでリニューアル前は崖のところで海を見る5人の後ろ姿と
変身後の5人のアップ5連発だった部分は、
鎧の今回のネタバレになるゴールドアンカーキーを使用してのゴーカイシルバー・ゴールドモードと
15人の追加戦士の幻影のカットに差し替えられています。

その後の短く賞金首の手配書カットが5人分と海賊団としての手配書カットが挿入される部分は、
リニューアル後は最後の海賊団としての手配書が無くなり、
代わりに一番最初に鎧の手配書が加わって6人の手配書カットが連続して挿入されます。

その後のサビ2回目の巨大ロボ関連のカットは、
リニューアル後はガオゴーカイオー、デカゴーカイオー、豪獣ドリル、豪獣レックス、豪獣神のカットと続き、
更に豪獣神の戦闘シーンが数カット続きますが、
このあたりは今後も小刻みに変わっていく可能性は高いといえます。

そして終わりの方、リニューアル前は見張り台の5人のカットだったところは
鎧も含む見張り台の6人のカットに挿し替わっており、
その後の5人の顔のアップの連続は6人の顔のアップの連続に挿し替わっていますが、
ここは鎧のカットだけでなく元の5人のカットも全部新たに撮り直しており、
全員、以前のものより表情が柔らかく自然な感じになっていて、より良い感じになっています。
そして最後の海賊旗の前に5人がアクションしながら飛び込んでくるカットは、
鎧も加わったバージョンに挿し替わっています。

そしてCM明け、「15戦士の鎧」という今回のサブタイトルが出ます。
これは今回のエピソードで新登場するゴーカイシルバーの新しい(といっても登場したばっかりなんだけど)
戦闘モードであるゴールゴモードのことを指しているのですが、
つまりそれが15人の追加戦士の力によって作られる鎧であるということです。

ところで「鎧(よろい)」は防具のことですが、
ゴーカイシルバーに変身する新加入の追加戦士「伊狩鎧」の名前「鎧(がい)」と同じ字を書きます。
つまり、「伊狩鎧」という役名は一種のアナグラムになっていて、
制作者から視聴者に向けてのメッセージが込められていると見ていいでしょう。
このサブタイトルは、今回がその意味が明らかになるエピソードであるという意味合いもあると考えられます。

さて本編が再開し、ギガントホースの場面となります。
「ダマラス!!面白いヤツを見つけてきたぞぉ!!」とはしゃいで指令室に飛び込んできたのは司令官のワルズ・ギル。
前々回の作戦失敗のショックを受けて前回はずっと寝込んでいたはずですが、今回は元気回復しているようです。
ダマラスにはお気の毒ですが。

「・・・面白いヤツですか?」と、少し興味を示すダマラス。
ワルズ・ギルは「フッフッフ!」とほくそ笑んで「来い!ウオーリアン!!」と、怪人を呼び入れます。
そのウオーリアンという怪人は緑色の骨っぽい身体で、左腕が白い魚の骨の形をしており、
チョコマカした動きで指令室に入ってくると、「ウオッ!」と言ってワルズ・ギルに敬礼します。
なんかもう見るからにダメっぽいです。

「・・・見たことない顔ですね・・・何が出来るのですか?」とインサーンは
ウオーリアンの左手の骨魚を弄りながら質問します。
インサーンも知らない怪人とは、よほど普段目立たない怪人のようで、見るからにダメっぽいし、
ワルズ・ギルがまたトチ狂って変なのを連れてきたようだとインサーンは思っているようです。
ま、実際そうなんでしょうけど。

そのインサーンの質問に、ウオーリアンの横に立つバリゾーグが「骨を抜きます」と回答します。
「ほ・・・?」「ね・・・?」とインサーンとダマラスは唖然。
唖然としていると、いつの間にかインサーンの手をウオーリアンの骨魚が咥えています。
「ちょっと・・・!」と汚らしそうに手を引きぬくインサーンを尻目に、
ワルズ・ギルだけは一人だけ燃えに燃えて
「フッフッフッフ!ウオ〜リアン!!すぐに地球人どもの骨を抜いてこい!!」とカッコよく指令を下します。
ウオーリアンは「ギョギョッ!」と敬礼で応えます。
さかなクン博士ですか・・・この怪人は?

さて地球に危機(?)が迫る中、
ゴーカイガレオンの方ではさっきの冒頭のシーンから30分ほど経った後であるようで、
鎧が皆の昼食を作ってテーブルに配膳していました。
オムライスやビーフシチューなど、まるでお店で出すような見事な盛り付けです。
「信じられません!たった30分でこんなにも!」とアイムは驚いていますが、
ハカセは驚いた顔で黙っています。

いつもはハカセとアイムとで食事の準備をするのですが、
アイムは毎回ハカセの調理の手際の良さを感心して褒めてくれます。
しかし、今日のアイムの鎧に対する称賛はいつもの自分に対するものよりも、
より大きな称賛のようにハカセには聞こえます。
僻んでいるからそういう風に感じると言えばそれまでかもしれませんが、
実際、ハカセが僻むのも無理もないほど、鎧の手際は良かったのです。

自分はこんな短時間でこんなに見事な料理は作れないということはハカセ自身分かっていましたし、
アイムだっていつものハカセの料理を見ているのだから、
鎧とハカセの料理の手際の差が決定的であることは分かっている、はずだとハカセは思っていました。
だから僻みっぽくなっているところに、横で大袈裟にアイムが鎧を褒めているのを聞かされると、
まるで自分が非難されているような気がして、ハカセは少々不愉快でした。

他の皆も鎧の作った料理に目を輝かせながらテーブルに着きますが、
鎧はあくまで謙虚に「皆さんのお口に合うといいんですけど・・・」と恐縮しています。
いくら新入りとはいえ何の躊躇いも無く料理を作ると言い出したり、
この見事な盛り付けや手際の良さから考えて、
鎧はおそらくファミレスか何かでバイトでもして料理の経験はあるのでしょう。
しかし、今回はその料理を食べるのは宇宙海賊のマーベラス達ですから、
地球人の自分の味付けが皆の好みに合うか、鎧は本気で自信はあまり無いようです。

その自信の無さそうな鎧の態度を見て、ハカセは意外に味は大したことはないのかもしれないと思い、
少し気分が楽になり「そうだ!・・・いくら早く出来ても、味が良くなかったら・・・」と、
自分に言い聞かせるように努めて明るく言いながら席につき、ビーフシチューを掬って口に放り込みます。
その瞬間、ハカセは目を見張り絶句します。まるでナイナイの岡村さんのようです。

そしてハカセは思わず鎧に自分の表情が見えないようにそっぽを向き、
鎧が「どうですか?ドンさん!」と批評を求めてくるのを無視します。
ムチャクチャに美味しかったのです。
しかし、それを素直に口に出すのはなんだか悔しくて、
美味しそうな顔も、悔しそうな顔も、いずれにしても鎧には見せたくなかったのでした。

しかしハカセと同時に他の4人も食べ始めていたので、
まずマーベラスが料理を口に含むなり「美味い!美味すぎる!!」と叫んで大はしゃぎ。
お宝以外はメシのことしか考えていないような男ですから、夢中でむさぼり食います。
アイムも「おいしいです!」と感激。
鎧が「ホントですかぁ!?」と喜ぶと、
ジョーは「ウソついてどうする!」とクールな言い回しで間接的に鎧の料理を褒めます。

ルカは「うんうん!ハカセのよりパンチがあって美味しい!」と、
ハカセを前にしてかなりヒドいことを言いつつ鎧の腹にパンチ。
鎧が「パンチですかぁ!?」とデレデレに喜んで空中にパンチを繰り出すと、
マーベラスも「パンチだな!!」と鎧の脇腹にパンチを入れます。
マーベラスやルカは愛情表現で相手をぶん殴るクセがあるので、皆、よほど鎧の料理が気に入った様子です。
もともと食いしん坊の集まりなので、「料理を気に入る=料理を作った人間を気に入る」ということになるらしい。

一方、鎧よりも料理にパンチが無いと言われてしまった形のハカセは大ショックで、
言葉がパンチのように突き刺さり、ダメージで崩れ落ちます。
昨日まではこうして料理を褒めてもらう役は自分であったのに、
その座を鎧に奪われてしまったようで、ハカセは寂しくなりました。

その後、昼食後の散歩がてら、一同は地上に降りて公園に行き、
そこでジョーと鎧がそれぞれの武器で生身での模擬試合をすることになりました。
変身後の鎧が強いことはもう分かっていますが、
変身前の鎧は先日のオソガイン隊との戦いの際にはゴーミン相手に通用する程度の腕でした。
しかし、ここでわざわざ模擬試合をするということは、何かを確かめようとしていると思われます。

そういえば、ここでの模擬試合では、鎧はゴーカイスピアを手にしています。
オソガイン隊と生身で戦った時はゴーカイスピアを出せませんでしたから、
ゴーカイセルラーが無いとゴーカイスピアを出すことは出来ないようです。
ジョーもここではゴーカイサーベルを持っており、
マーベラス達5人もしょっちゅうゴーカイサーベルやゴーカイガンをいきなり取り出したりします。
ただ、バスコに捕まった時はジョー達はゴーカイサーベルやゴーカイガンを出すことは出来ておらず、
あの時はモバイレーツを取り上げられていたことを考えると、
モバイレーツが無ければゴーカイガンやゴーカイサーベルを出すことは出来ないようです。
そうなると、モバイレーツからゴーカイガンやゴーカイサーベルが生成され、
ゴーカイセルラーからはゴーカイスピアが生成されると考えられます。

しかし、赤き海賊団の時代の変身態の無かった頃のマーベラスやバスコもゴーカイサーベルは使っており、
ゴーカイサーベルはもともとはゴーカイガンと共にゴーカイジャーとは関係ない
赤き海賊団の標準武器システムであり、名称もその頃は今とは違っていたのかもしれません。
つまり、もともとはバスコの今持っているような変身機能無しのモバイレーツを通して
武器を生成するシステムが赤き海賊団の団員の標準システムであったと思われ、
カーギーロードを繋げる作業というのは、もともとはレンジャーキーをイメージして
バックルから取り出すためのものだったのではなく、
モバイレーツを通して武器をイメージして異次元通路から取り出すために意識のステージを上げる作業が原型で、
それをゴーカイジャーシステムではバージョンアップして、
レンジャーキーをイメージして取り出す機能も追加したのではないかと思えます。

つまり、さっきカーギーロードを繋げたことによって、
鎧はゴーカイバックルから(あるいはモバイレーツから直接)レンジャーキーを
取り出すことが出来るようになったのと同時に、
生身でもゴーカイセルラーを携帯しているだけでゴーカイスピアを使うことも
出来るようになったのではないかと思われます。
そこでジョーは生身でゴーカイスピアを使った鎧がどれほどの腕前なのか、
さっそく実際に戦ってみて確かめようとしたのだと思われます。

もちろんジョーはかなり手加減しており、それでも鎧のゴーカイスピアを叩き落とします。
鎧は慌てて丸腰でジョーの剣から逃げ回る羽目になりますが、
バック宙などで身軽にジョーの剣をかわしながら再びゴーカイスピアを拾い、ジョーに向けて突き出し、
ジョーはゴーカイサーベルでそれを受け止めます。
その槍先の力を確かめるように少しの間踏ん張ったジョーは、フッと笑い
「・・・なかなかの腕だな・・・気に入った・・・!」と言って剣を下ろし、戦いを終えたのでした。

ジョーはもちろん先日の戦いで変身後の鎧の戦闘力は行動隊長を単独で倒すことが出来るほどの
十分なものだということは分かっていました。
また、生身でも敵に立ち向かうほどの根性があることも分かっています。
しかし、常に自己鍛錬を欠かさない生粋の武人であるジョーは、単に根性だけではなく、
実際に普段から鍛錬して生身の自分を鍛えている者でないと気に入らないのです。
変身スーツの力だけで戦っているような者は尊敬すべき真の戦士ではないのであり、
先日の戦いを見ただけでは、鎧の普段の鍛錬の程度はよく分からなかったので、
前回、マーベラスが鎧の仲間入りを認めた後もジョーは鎧に対して少し距離を置いた態度を貫いていたのです。

ただそれは鎧が気に入らないからではなく、
真の戦士として認められる相手かどうか見極めるまでは打ち解けたくないという
ジョーなりのこだわりだったようです。
それでジョーはその判断をさっさとしてしまおうとして、
こうして鎧をカーギーロード接続後の初の生身での得意武器を使っての模擬試合の場に立たせ、
相手することにしたのでした。
表向きは生身でのゴーカイスピア戦闘の練習という名目で、
実際はジョーが確かめたかったのは自分と鎧のどっちが強いかなどということではなく、
戦いながら鎧の普段の鍛錬の度合いを測っていたのです。
その結果、鎧が普段からよく自分を鍛えていることが分かり、ジョーは好感を持ったのでした。
そういうポイントで気に入るというのが、いかにも体育会系のジョーらしいといえます。

「ありがとうございます!!」と、ジョーに気に入ってもらえたことが嬉しくて鎧は快活な笑顔で頭を下げます。
「やるねぇ!鎧!」とルカ達も称賛しながら駆け寄り、鎧を中心になんとも爽やかな仲間の輪が出来上がります。
ところが、ただ一人、どんよりした顔でその輪に加わらず、ハカセだけはベンチにポツンと腰かけたままです。

もともとマーベラスは鎧の加入を認めた張本人ですから鎧のことを気に入っており、
しかも料理が美味かったのでますます鎧を気に入っており、
女性陣2人はもともと鎧に好意的で、アイムは料理の手際の良さで鎧を褒め、ルカは料理の味で鎧を褒め、
もともとのハカセの評価ポイントで鎧の方が上だと言わんばかりの態度を
示しているようにハカセには思えていました。
そうなると、鎧に対してまだ打ち解けていないのは自分とジョーだけだと思っていたのですが、
そのジョーがこうしてあっさりと鎧のことを気に入ってしまい、
ハカセは1人だけ取り残されたような気分になり、つまらなかったのです。

自分よりも鎧の方がやることなすこと全て皆から高評価を得ているようにハカセには思えました。
鎧の方が自分よりも海賊として優秀なのだとハカセは思い、
後輩にあっという間に追い越されてしまった自分が情けなく、
仲間たちにも内心バカにされているんじゃないかと疑心暗鬼になりました。

その後、マーベラスが早くも腹が減ったと言ったので、ハカセが夕食の買い出しに行くことになりましたが、
「なんだよみんな!・・・あんな新人にチヤホヤしちゃって!」とブツブツ言いながら歩いています。
かなり精神的に不健全な状態になっています。
そこに後ろから鎧が「ちょっとちょっとぉ〜っ!ドンさぁ〜ん!!」と元気いっぱいに駆けてきて、
「買い出し、つき合わせてください!」と無邪気な笑顔でハカセに言います。

また新入りだから進んで雑用をこなそうとしてシャカリキに頑張っている、
というか、海賊の仲間になったばかりで、全ての用事を経験することを心から楽しんでいる印象です。
しかし、よく見てみると、鎧はかなりドンさん・・・いや、ハカセを慕っている感じがします。
さっきも食事の時、真っ先にハカセに料理の味について聞こうとしたし、
今も自分が行くというのではなく、ハカセと一緒に買い出しに行きたがっているように見えます。
どうしてなのかは分かりませんが、鎧はハカセのことを先輩としてかなり慕っているのです。

しかし一方のハカセは鎧の声を聞くだけでウンザリした表情となり、
買い出しに付き合いたいという鎧に向かい
「・・・買い物でも僕にいいとこ見せるつもり?」と思わず皮肉を言ってしまいます。
これはかなり被害妄想が入ったみっともない発言です。
鎧は当然、「え・・・?」と唖然とします。
全くそんなつもりはない鎧にはハカセの言っていることの意味が全く分からなかったのでした。
ハカセも鎧にそんなつもりはないことは分かっていますから、
みっともないことを言ってしまったと思い、恥ずかしいやら情けないやらでますます落ち込み、
これ以上、鎧と話をするのがイヤになって「・・・一人でいいよ!」と言って、さっさと歩きだします。
鎧はなんで急にハカセが不機嫌になったのかよく分からず、「待ってくださぁい!!」と後を追いかけます。

さて、そのハカセと鎧が買い出しに行った先の街のビルの屋上には、
ウオーリアンがゴーミン部隊を引き連れて現れていました。
さっきワルズ・ギルに命じられた「地球人の骨を抜く」という作戦を実行するためです。
「ギョ!ギョッ!まずは腕試しの一本釣りぃ!!」と、相変わらずさかなクン口調で
張り切ってウオーリアンは骨で出来た釣竿みたいな長い棒を思いっきり振り回します。
それにしても、ザンギャックの怪人というのは、
作戦の最初にこうしてゴーミン達に腕自慢をしてみせるという決まりでもあるのか?

ウオーリアンが何度も思いっきり前方に振り出した骨の竿の先から
緑色の光の糸のようなものが伸びて飛んでいきます。
それが街の各所で受験生やサラリーマンなど、多くの人々の身体に向かって
次々とまるで釣り糸のように飛んできて、その先端が釣り針のように人々の身体に刺さり、
ウオーリアンがその糸を引っ張るように持ち上げると、光の糸が身体から抜けるのと同時に、
糸の先に何かが引っかかって一緒に抜けていきます。
よく見ると人間の身体の骨のように見えますが、本物の骨というわけではありません。
骨の形をしたエネルギーのようなものが抜き取られているようです。

それを抜き取られた人々は皆、脱力したようにへたり込んで、
直前まで何かに熱心に取り組んでいたはずなのに、「どうでもいいや・・・」と言って、
ダラダラして自分のやるべきことを放り出してしまったのでした。
つまり、ウオーリアンの特殊能力は、人間のやる気を奪って「骨抜き状態」にすることだったのです。
「骨を抜く」といっても本当の骨を抜くわけではなく、「骨抜き」にすることを指していたわけです。

・・・しかし、このような作戦がザンギャックの地球征服計画にどれほどの意義があるのかについてはちょっと疑問で、
そもそも一般地球人はザンギャックに対して組織的な抵抗をしている様子は無いので、
そこらの受験生やサラリーマンのやる気をこんな手当たり次第にランダムに奪っていって
ザンギャックに何か利益があるとも思えません。
まぁ、ここではあんまりこの作戦の意義を真面目に考えるのはやめておきましょう。
これはあくまで今回のエピソードの展開の都合上の作戦と解釈すればいいです。

このウオーリアンの繰り出した光の釣り糸が八百屋のおっさんに命中し、
おっさんはやる気を抜き取られて脱力し、両手に持っていた大根を地面に落とします。
その八百屋で野菜を見ていたハカセは落ちた大根を見て「もったいない!」と駆け寄ります。
ハカセはたびたび料理の食材に大根を工夫して用いるかなりの大根好きです。
そういうハカセの大根好きっぷりをチェックしている視聴者には、
ちょっとニヤリとさせられるシーンといえます。

その大根を拾い上げたハカセの目の前で八百屋のおっさんは
「ふにゃああ・・・」と情けない声を上げてへたり込みます。
不思議そうにおっさんを見るハカセと鎧の背後で、更に街の人々が次々に
「ふにゃああ・・・」と言ってへたり込んでいきます。
驚いて周囲を見回すハカセと鎧の目の前で警官までが
「どうでもいいや、もう・・・」と言って職務中なのにへたり込みます。
これはどう考えても異常事態です。

「え?・・・どうなってんだ?これ?」と鎧は驚き、
ハカセも目をゴシゴシこすって目の前の事態を信じられない様子です。
これはウオーリアンの光の釣り糸による被害であることは視聴者から見れば明白ですが、
この光の糸は劇中人物の目には見えないようで、
ハカセと鎧も何か異常事態が起きていることは分かってはいるものの、
何がどうなっているのかサッパリ分からない状態です。

そのハカセと鎧の耳に「大漁!大漁!このまま地球人全てを骨抜きにしてやるギョオッ!!」と、
ビルの屋上で気勢を上げるウオーリアンの声が聞こえてきました。
「なんだって!?」と、鎧はどういう仕掛けなのかは分からないながらも、
あの屋上のザンギャック怪人が街の人たちを骨抜きにしたことを理解します。
そして、怪人は更に被害を拡大させようとしているようです。
鎧の正義の血が熱く燃え上がり、怪人を倒して邪悪な計画を阻止せねばいけないと思いました。

鎧は当然ハカセも同じように正義の血をたぎらせているものだと思い、
横にいるハカセに向かい「ドンさん!」と声をかけます。
しかしハカセは横にいません。「あれ?」と鎧が見回すと
ハカセは後ろに下がってウオーリアンの姿を怖々と見上げながら
「みんな、ザンギャックが・・・」と、モバイレーツでマーベラス達の応援を求めていました。

鎧と違ってハカセやマーベラス達は別に街の人々を守るために絶対に戦わなければいけないわけではないのだが、
何か得体の知れない異常事態に巻き込まれて自分達自身が危機的状況に置かれているわけだから、
ハカセとしてはここで応援を呼び、戦って状況を打破しようと考えるのは自然です。

しかし鎧は早く戦いたくて仕方ないので焦れったそうにハカセの横に駆け寄ると
「もうドンさん!行きますよ!」と無理にハカセを引っ張っていこうとします。
ただ、鎧もここでハカセを無視して1人で戦おうとはせず、あくまでハカセと一緒に戦おうとしており、
ちゃんと先輩として頼りにしているようなのです。
しかしハカセは鎧に臆病者扱いされたように感じてムッとします。

実際はここではウオーリアンがどのような方法で人々を骨抜きにしているのか不明である以上、
不用意に2人で突っ込むのは危険で、
相手がハカセ達の存在に気付いていない以上、
すぐにマーベラス達は来るのだから、マーベラス達が来るまでは全面衝突は避けておいた方が賢明なのです。
ハカセはそういう危機管理能力が高いので、ほぼ正解の行動をとっていたのですが、
単に鎧が新入り特有の張りきりすぎで無茶をして突っ込もうとしていただけなのです。

しかしハカセはそういう鎧の豪胆さ(悪く言えば無鉄砲さ)と自分の小心さ(良く言えば思慮深さ)を比べて
コンプレックスを膨らませていたところであったので、自分がバカにされたように感じてムッとなり、
自分も鎧に負けないぐらいにちゃんと戦えるのだということを見せつけてやろうと思い、
鬱陶しそうに鎧を跳ね除けると、ゴーカイグリーンに変身し、
鎧もゴーカイシルバーに変身、2人はアンカー付きのロープを使って
一気にウオーリアンのいるビルの屋上に突っ込んでいきます。

ところが気の逸りすぎたハカセはビルの屋上の鉄柵に足を引っ掛けてカッコ悪く転んでしまい、
完全に出遅れてしまいます。
一方、鎧は普通に着地してゴーカイスピアでゴーミン達を相手に華麗に戦いはじめ、
ハカセは転んだまま、それを惨めに見上げることになります。
恥ずかしくて頭に血が昇ったハカセは立ち上がって周りを囲んだゴーミンと戦いながら
「負けるもんか〜!!」と、やたらと鎧への対抗心を剥き出しにし、いつものような冷静な戦い方が出来ません。
それで大勢のゴーミン達に身体を掴まれてしまい、そのまま持ち上げられて屋上から投げ飛ばされます。

この後のアクションが凄い。
このビルは倉庫のような2階建てなのですが、
屋上から放り投げられたハカセは2階の外周の渡り廊下のようなところの鉄柵の外側にぶら下がり落下を防ぎ、
その渡り廊下に群がるゴーミンがハカセを落とそうとして柵の内側から攻撃してきます。
それを外側のハカセが狭い足場を移動しながらかわしていきますが、
遂には突き落とされて1階の地面に落下していくのです。

こういうシーンはカット割りで上手く誤魔化して、
実際にはそのまま落ちずにクッションやワイヤーなどを使って安全に撮るものですが、
ここの場面、なんかそのまま落ちてるみたいです。
ゴーカイグリーンの中の竹内さん、これは凄いです。

さて地面に落下したハカセに、ビルの外に出てきたゴーミン達が群がり、襲ってきます。
ハカセは落下の衝撃で身体が少しの間思うように動かず、ピンチとなりますが、
ここでゴーミン達の群れの中に屋上から飛び降りてきた鎧が乱入して
ゴーカイスピアを振り回してゴーミン達を一掃し、ハカセのピンチを救います。
「大丈夫ですか?」と、落っこちたハカセを心配する鎧ですが、

ハカセは結局、焦って失敗して全然カッコいいところを見せられなかった挙句、
助けられてしまってますますカッコ悪かった自分を惨めに思い、
苛立った声を上げて起き上がります。
まだ周囲にはゴーミン達が大勢おり、やはり2人で突っ込んだのは気が早かったようです。
そこにマーベラス達が変身した姿で到着し、ゴーカイジャーはようやく6人揃います。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
にほんブログ村 にほんブログ村 テレビブログ スーパー戦隊へ
にほんブログ村
posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 21:59 | Comment(2) | 第19話「15戦士の鎧」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月21日

第19話「15戦士の鎧」感想その3

6人揃ったゴーカイジャーに相対して、ゴーミンの群れの後ろに現れたウオーリアンは
「ギョギョォッ!何人来ようが同じだギョッ!」とあくまで強気です。
そこで鎧を除いて並んだ5人の真ん中に何故か立ったルカが
「じゃ、6人揃ったところでゴーオンジャーいってみよ!」と仕切りだし、
5人はさっさとゴーオンジャーに豪快チェンジします。
しかし鎧は「え?・・・ゴーオンジャーですか?」と非常に戸惑った様子です。

ルカをはじめ初期メンバー5人は実際のところゴーオンジャーが全部で何人いる戦隊なのか把握はしていません。
バスコ登場以前に持っていたレンジャーキーに関しては
戦隊名や戦士名、それぞれの戦隊が何人いるのか等は把握していましたが、
バスコから奪った15個のレンジャーキーに関しては、
どれがどの戦隊の所属戦士にプラスされるのか把握していません。
だからルカ達はまだゴーオンジャーの戦士は5人しか把握しておらず、
ゴーオンジャーの6人目がいるのかいないのか、よく分かっていません。

もしゴーオンジャーの6人目がいるのならばそれはスーパー戦隊ファンの鎧が把握しているのだから
鎧が勝手にチョイスして変身するだろうと思っていました。
そのためにカーギーロードを繋げたのです。
そしてバスコから奪った15個のレンジャーキーは鎧の担当するレンジャーキーということにしたのです。
これら15の戦士はマーベラス達は名前も所属戦隊も把握していないので使いづらかったからです。
その点、鎧ならこの15戦士のこともよく知っているだろうから、
ならばいっそこの15戦士は鎧に任せようということにしたのです。

今回も、もしゴーオンジャーに6人目の戦士がいれば鎧がそれを勝手にイメージして選ぶであろうし、
もしゴーオンジャーに6人目がいなければ、何か他の鎧の好きな戦士に変身すればいいし、
とにかく鎧の変身する戦士は鎧が15戦士の中から自分で選んでイメージして決めればいいとルカ達は思っていました。
それで自分達5人は今までと同じようにさっさとゴーオンジャーに変身します。
マーベラスがゴーオンレッド、ジョーがゴーオンブルー、ルカがゴーオンイエロー、
ハカセがゴーオングリーン、アイムがゴーオンブラックという、
ゴーオンジャーへの豪快チェンジの際の5人の定番パターンです。
そして5人はゴーオンジャー特有の高速移動攻撃でゴーミンの群れに突っ込んでいきます。

しかし鎧は「え?・・・ゴーオンジャー・・・ですか?」と困ってしまっています。
それはよりによってその戦隊がゴーオンジャーだったからでした。
ルカは深く考えず6人目は鎧が勝手に選ぶだろうと思ってテキトーにゴーオンジャーをチョイスしたのですが、
鎧の自主的判断に任せる場合、一番ミスチョイスだったのがゴーオンジャーだったのです。
何故ならゴーオンジャーには追加戦士が6人目と7人目の2人いるからです。

レギュラーでない戦士や終盤に加わる戦士も含めて7人目や8人目をカウントする戦隊というのは他にもありますが、
中盤参加のレギュラー追加戦士で6人目と7人目が存在する戦隊というのは
34のレジェンド戦隊の中でもゴーオンジャーだけなのです。
そして、鎧が担当することになった15のレンジャーキーの中にも、
そのゴーオンジャーの6人目の戦士と7人目の戦士、つまりゴーオンゴールドとゴーオンシルバー、
ウイングス兄妹のレンジャーキーは両方とも含まれていることは鎧は知ってしまっているのです。
これは迷うしかない状況です。
どうも前回のシンケンジャーに続き、鎧の加入によって
豪快チェンジでトラブルが発生するというコント、まだまだ続けるつもりみたいです。

ゴーオンジャーに変身して戦い始めた先輩たちの姿を見て、鎧は早く自分もそこに加わらねばならないと思い、
さっき教わったように使いたいレンジャーキーの戦士を懸命にイメージします。
するとゴーカイバックルからゴーオンシルバーのレンジャーキーが姿を現します。
「やっぱり俺、シルバーだから・・・」と自分を納得させるように独り言を言う鎧でしたが、
「あ〜、でも本家は女の子なんだよな・・・」と迷いだし、
ゴーオンゴールドのレンジャーキーも続けてイメージして取出し
「・・・ゴーオンゴールドは銀じゃないけどパワフルでカッコいいし・・・」と言いながら、
2つのレンジャーキーを並べて持って見比べます。

そして「う〜ん・・・こっち?・・・こっち?」と、どっちのレンジャーキーで変身しようか、大いに迷います。
まるで買う服を迷っているみたいです。
実際、自分がその戦士のスーツを纏うわけですから、どっちがカッコいいか、どっちが自分に似合うか、
考えれば考えるだけ分からなくなってきます。
ゴーオンジャーの残りの戦士が1人なのであれば迷わなくて済むのですが、
ゴールドもシルバーも、どっちも対等な候補となり得るレンジャーキーなので鎧は困ってしまうのです。

マーベラス達はもともと各戦隊の戦士数と自分達の人数がピッタリ合っているか、
あるいは自分達の人数の方が多い状態でしたから、
こういう「どっちに変身しようか」ということで悩む局面はありませんでした。
いや、チーム変身ではなく単独変身の時やシャッフル変身の時は選択肢は無限にあるのですから、
悩む局面は無いわけではなかったはずです。
しかしマーベラス達は迷うことはありませんでした。
それはマーベラス達がスーパー戦隊の戦士たちのことを知らないからです。
マーベラス達はレンジャーキーを単なる「戦う力」の結晶体のようなものとしか見ていないので、
その場その場の戦局に合った機能を持ったレンジャーキーを冷徹、あるいはテキトーに選んでいるだけなのです。

しかし鎧にとってレンジャーキーは単なる「戦う力」の結晶体ではありません。
スーパー戦隊の過去の戦いをファンとしてよく知っている鎧から見れば、
個々のレンジャーキーにはその戦士たちの想いが込められているように思えるのです。
だから個々のレンジャーキーに思い入れがあり、このように悩む局面になってしまうと、
なかなか簡単に割り切れないのです。
これがマーベラス達と鎧の大きな違いであり、ここでの鎧の迷いの根本的な原因はそこにあります。

「そっち?あっち?どっち?・・・う〜ん!・・・悩むぅ〜う!」と悩みに悩んだ鎧は
レンジャーキーを握ったまま頭を抱え込みます。
すると一瞬、周囲が真っ白に光ったような気がして、「ん・・・?」と鎧が顔を上げると、
目の前で戦っていたはずのマーベラス達やゴーミン達の姿は消えており、自分は真っ白な空間の中に立っています。
そして自分の目の前には2人の人物が背を向けて立っています。
それはまさに今、自分がチョイスに悩んでいる最中の金色の戦士と銀色の戦士、
ゴーオンゴールドとゴーオンシルバーの2人の変身態であることは、
スーパー戦隊ファンの鎧にはすぐに分かりました。

「ああっ!!話題のご両人!!」と鎧は驚きます。
もちろんゴーオンゴールドに変身するのが須塔大翔で、ゴーオンシルバーに変身するのが須塔美羽というセレブ兄妹で、
この2人は今は変身能力を失って須塔財閥のお屋敷ででも暮らしつつ
何かをやっているのであろうことは鎧も分かっています。
だから、自分の目の前に現れたゴーオンゴールドとゴーオンシルバーが須塔兄妹でないことは鎧も分かっています。
しかも周りは真っ白な不思議空間ですから、これはお馴染みの自分の妄想世界であることは分かっています。
だから、この2人が自分の妄想が作り出したゴーオンウイングスだということは鎧にも分かってはいるのです。

しかし、それが分かっている鎧はあくまで鎧の意識本体の方で、
この妄想世界の中に存在している鎧は意識本体から半ば分離した妄想鎧なので、
意識本体のコントロールを離れて妄想世界の中で、その妄想ストーリーに従って勝手に動き回るのです。
妄想ストーリー自体は鎧の意識が生み出したものなのですが、
表層の意識ではなく心の奥の無意識のようなところから湧き上ってくるものなので、
鎧の現実世界の状況に合わないような、鎧の本能的に望んでいるような都合の良いストーリーが勝手に進んでいき、
その中で妄想鎧が勝手に動き回るのであり、その妄想レベルが深い場合は、
鎧の意識本体はその間、フリーズ状態となってしまうことが多い。

ここでも妄想世界の中の妄想鎧は、ゴーオンウイングスの2人に会えた嬉しさで
いきなり2人に駆け寄って抱きついて「どおおすればいいんでしょおお!?」と、今の自分の迷いの解決法を相談します。
この2人が本物のゴーオンウイングスではなく、自分の心が作り出した幻だということは分かった上で、
それでも真面目に相談しているのです。
それは、この2人が単なる幻ではないことが鎧には無意識的に分かっているからです。

鎧はスーパー戦隊には強い思い入れを持っています。
だから鎧はスーパー戦隊の戦士たちの地球を守る戦いに賭けた想いというものを知っています。
というか、鎧なりに知っているつもりでいます。
そういう鎧自身の意識が作り出したゴーオンウイングスの幻なのですから、
そこにはゴーオンウイングスの想いというものが宿っているはずなのです。
それは鎧が勝手に解釈した「想い」なのかもしれないが、
その解釈が鎧のスーパー戦隊への深いリスペクトの想いに基づいている以上、
地球を守る戦いに賭けるしっかりとした想いがそこにはある。
そういう「想い」を持ったゴーオンウイングスの2人なのですから、
現在の戦いに際しての鎧の迷いにも解答を示してくれるはずだという信頼感が鎧の無意識にはあります。

これは、結局のところ、鎧が自分の心と対話しているのと同じことです。
迷った時に自分の心に問いかけて答えを得ようとしているわけです。
こういうのは誰でもよくやることなのですが、
それが鎧の場合、妄想世界で自分も含んだ複数の登場人物まで出てきて、
えらくハッキリとしたイメージ世界でお芝居のようにして行うのです。

これらの登場人物は皆、鎧の心が作り出した産物であり、鎧は登場人物同士に遣り取りさせて、
自分の心の様々な意見と対話しているのです。
ここに登場する妄想鎧は表層意識の分身のようなもので、
ゴーオンウイングスの2人は心の奥の無意識から生まれた普段は鎧が意識しない心の化身なのです。
表層意識では解答が得られない迷いや悩みが生じた時、
鎧はこうした妄想世界で無意識の化身たちと出会い、会話して答えを得ることが多いのです。

そして、鎧の無意識の作り出す化身たちは、
しばしばスーパー戦隊の歴代戦士たちの姿をとってきたのではないかと推測されます。
何故なら、それが「誰よりもスーパー戦隊を愛する」鎧という人間にとって
最も信頼出来る助言者のイメージだったからです。
「迷った時は心の中のレジェンド戦士たちに聞け」というのは、
鎧の今までの迷った時の対処法だったのかもしれません。
だから、ここでも鎧は、自分の心の中に出現したゴーオンウイングスに迷わず助言を求めたのでした。

また、鎧の無意識に刻まれた鎧なりの解釈の「ゴーオンウイングスの想い」というものは、
この無意識から生まれてきたゴーオンウイングスの2人の幻にも当然反映されていますから、
鎧の「ゴーオンウイングスのどちらに変身したらいいのか?」という質問に
この2人の幻が有効な解答を与えてくれるに違いないとも妄想鎧は思いました。
いつもそうやって妄想世界では妄想鎧の願った通りの展開になっていき、
それによって妄想鎧は何かの解答を得るのが常だったのです。

ここでもきっといつも通り都合よく話が進んでいくんだろうと思って安心しきった妄想鎧は、
「いっそのこと、お二人同時に変身出来れば、悩まずに済むんですけどぉ・・・」と、かなり勝手なことを言います。
しかし実際、2人のどちらかを選ぶというのは難しく、両方に変身出来ればいいな・・・という想いがあるのは事実でした。
ただ現実にはそんなことは出来ない。それでも、この妄想世界なら好き勝手なことが言えるので、
鎧はそんなことまでとりあえず口にしているのでした。
何せ妄想世界ですから、いつもならこの後、かなり荒唐無稽な感じで
鎧の望むことが妄想の中で実現していく愉快な流れになっていくはずなのです。

ところが、今回の妄想世界は何やら妙な流れで、
ゴーオンゴールドとゴーオンシルバーは一言も喋らず、鎧の話を聞くと2人で見つめ合い、手を握り合います。
そして、2人が手を握ると光が発生し、その光に鎧も、妄想世界全体も包みこまれ、
そこで鎧の妄想世界での意識は飛びます。
それに入れ替わるように鎧の表層意識、つまり現実世界に向かう意識の方が目覚めますが、
まだ半分光の中に包まれた余韻を引きずった鎧の意識は、現実世界に戻ってもぼうっとしています。

鎧の目の前ではマーベラス達がゴーミン達と戦っています。
鎧の妄想世界に浸っていた時間は現実世界の時間では、どうもほんの一瞬であったようです。
「鎧!!何ぼうっとしてんだよ!?」というハカセの怒鳴り声で鎧はハッと我に返ります。
「・・・あ・・・すいません、ちょっと、妄想を・・・」と少し照れ臭そうにして
鎧は手に持ったゴーオンゴールドとゴーオンシルバーのレンジャーキーの方に視線を移します。
結局、妄想は途中で終わってしまったので答えは得られなかった。
やはり、どちらのレンジャーキーを使うか自分で決めるしかないと思ったのです。

ところが、手の上にはレンジャーキーは1つしか見当たりません。
「ええっ!?」と、そのレンジャーキーを見た鎧はたまげました。
なんとそのレンジャーキーは、正中線で身体を縦に二分して
右半分がゴーオンゴールド、左半分がゴーオンシルバーになっているのです。
まるでキカイダーや仮面ライダーWのようです。

「ウソ!?なんで?なんで?どうして!?ええ〜!?」と、
この右が金で左が銀の奇妙なレンジャーキーを掴んで鎧は焦りまくります。
確かにゴーオンゴールドとゴーオンシルバーのレンジャーキーを持っていたはずなのに、
その2つが無くなって、代わりにこんな変なレンジャーキーが1つだけ有るのです。
これではまるで2つのレンジャーキーが合体して1つになったようです。
本当にそうなのか、なんでそんなことが起こるのか、全く鎧には分かりませんでした。

しかし、とにかく目の前で戦いは始まっており、ともかく手にしたレンジャーキーは1つなのであり、
もはや鎧は迷う必要は無くなっていました。
「理由なんかどうでもいい!とりあえず!」と、鎧はその謎の半分こレンジャーキーをゴーカイセルラーに入れて
「豪快チェンジ!」と叫び変身ポーズをとります。
すると前に突き出したゴーカイセルラーの前面パネルがレンジャーキーをスキャンして
「ゴ〜オンウイングス!!」という認識音がして、そこから飛び出した光が鎧を包みます。

「ゴ〜オンジャ〜!!」という認識音がするものと思っていたところに、何やら変な認識音がしたので
マーベラス達は戦いながら思わず鎧の方に振り向きます。
そして5人は唖然とします。
「おい・・・」とジョーが絶句し、マーベラスが「何だアレは?」と驚き、
ルカが「アンビリーバボー!」と立ち尽くすほどの意外なモノがそこにはありました。
「あのような方は・・・いらっしゃいませんよね・・・?」とアイムがハカセに確認しますが、
ハカセも鎧の姿を見て驚きのあまり言葉が出ません。

アイム達もハカセに担当させた15の新しいレンジャーキーを全てしっかり把握しているわけではないが、
確かそれらはバスコとの戦いでラッパラッターで召喚されて自分達と戦った戦士のレンジャーキーだったはず。
あの時の戦士に、今、鎧が変身しているような変な配色の戦士はいなかったはずだとアイムは思ったのでした。
何せ、鎧の変身した戦士は身体の正中線を挟んで右半分が金色、左半分が銀色だったのです。

鎧も自分がやっぱりあの変なレンジャーキーのまんまの変な格好の戦士に変身したことは自覚しており、
「・・・よく分かんないんですけど・・・イメージしたら、出来ました!」と、5人に説明します。
問題はあの変なレンジャーキーがどうして出現したのかですが、
心当たりとしては、あの妄想の中で「2人同時に変身出来れば」とイメージしたことぐらいしかありませんでした。
しかし、それだけであんなレンジャーキーがどうして出来上がったのか、さっぱり分からないので、
鎧にはそれ以上の説明は無理でした。
「歴史を変えた初登場!ゴーオンシルバーとゴーオンゴールド!2人で1つの!ゴーオンウイングス!」と
とりあえず派手な名乗りポーズを決めて押し切ったのでした。

確かにゴーオンゴールドとゴーオンシルバーの兄妹は「ゴーオンジャー」本編でも
「ゴーオンジャー」とは名乗らずに一貫して「ゴーオンウイングス」という2人ユニット名を名乗っていたので、
ここで2人が合体したこの変テコな戦士の名前をつけるとしたら「ゴーオンウイングス」と言う他は無い。
そういえば須塔兄妹は「ゴーオンジャー」本編でも「合体好き」というかなり変態兄妹だったので、
こういうのもいいかもしれない。

ここでのポーズが、左半身でゴーオンシルバー、右半身でゴーオンゴールドの
名乗りポーズをそれぞれ採り入れたようなものであるのが面白い。
ゴーミン達までも含むその場の全員が、この左右非対称の鎧の異様な姿に唖然として棒立ちとなる中、
アイムだけ鎧の名乗りを真に受けて歴史的偉業を称えて微笑みながら拍手を贈ります。
さすがに振る舞いがロイヤルです。

そして鎧は「ジェットダガー!!」と叫び、
ウイングス兄妹の共通個人武器であったダガーナイフ状の武器、ロケットダガーを
右手と左手に1本ずつ握り、そのミッション6(6番目の技)であるジェットダガーを発動します。
これはロケットダガーのフルパワーを引き出した技で、
柄の端からのジェット噴射で空を飛びながらナイフの刃で敵に斬りつけるという技です。
これを「ゴーオンジャー」本編ではウイングス兄妹はロケットダガーを1本ずつ使って繰り出していたわけだが、
ここでは2人が合体した状態なので二刀流となり、2本のロケットダガーから噴き出したジェット噴射で
両翼で飛ぶ飛行機のように宙を自由に飛び回る鎧はゴーミン達の群れに突っ込んで一気に蹴散らします。

そしてウオーリアンに襲い掛かり、ロケットダガー二刀流で攻め立てます。
「ギョギョッ!?なんだ!?こいつは!」とウオーリアンも異様な姿の戦士の猛攻に戸惑います。
ウイングス兄妹はもともと非常に強い戦士だったのですが、
それが2人合体した、この鎧の「ゴーオンウイングス」という戦士は更に強いようです。

「すごいな鎧・・・」とジョーもその強さに感心します。
「なかなかやるじゃねぇか!」とマーベラスも褒め、
「ファインプレーですね!」とアイムも鎧の作った新しい戦士を称えます。
ルカも「かっこいい〜!」と言います。
そういう皆の鎧への賛辞を聞いて、ハカセはまた落ち込みます。
「・・・またみんな鎧で盛り上がって・・・」と、ハカセは鎧にまた差をつけられた気分になり、嫉妬します。
そしてそんな自分が情けなくて、ぐっと下を向いて拳を握ります。

一方、ゴーオンウイングスとなった鎧とウオーリアンの戦いは、
バカみたいな言動の割に意外とこのウオーリアンという怪人は強く、
合体戦士のゴーオンウイングスでも1人で倒すことは出来ないようで、
鎧はウオーリアンの左手の骨魚の口から発射されたエネルギー弾をロケットダガーで受けて吹っ飛ばされます。
そしてウオーリアンはマーベラス達の方にもエネルギー弾を撃ってきます。
マーベラス達は跳んで避けますが、余計な考え事をしていたハカセだけ棒立ちのままで、
ウオーリアンはそのハカセ目がけて更に一発撃ってきます。

そこに「危ない!」と、ハカセを守ろうとしてアイムが飛び込んできてエネルギー弾を背中に喰らってしまいます。
ハカセはおかげで無事でしたが、アイムは倒れ込んでしまいます。
「アイム!」とルカが心配して駆け寄り、「何やってんだハカセ!!」とマーベラスはハカセを叱責します。
そうして不測の事態に心の乱れたマーベラス、ジョー、ルカの3人の注意がハカセとアイムの方に向いた瞬間、
「スキあり!」と叫んでウオーリアンは例の骨の竿を振るいます。

その竿の先から光の糸が伸びて、マーベラス、ジョー、ルカ、そして倒れているアイムの身体に突き刺さり、
4人の身体から骨の形をした「やる気」を抜き取っていきます。
それが目に見えるわけではありませんが、突然動きが止まって脱力したマーベラス達を見て、
鎧とハカセにはそれがさっきウオーリアンが街の人々に対して
「骨抜きにした」と言っていた不思議な術であることは直感出来ました。

マーベラスはゴーオンジャーの姿からゴーカイジャーの姿を経ることすらなく、
いきなり生身の姿にまで変身解除してしまい、
「ふにゃああ・・・戦いはいいかぁ・・・」とニヤケただらしない顔で言うと、へたり込んでしまいます。
他の3人も同じように生身の姿に戻り、
ルカは「うぅん・・・ふにゃあっとしていたい・・・」と蕩けた顔で寝そべり、
アイムも「ふにゃああん」と寝転びます。女性陣2人、妙に色っぽいです。
そしてジョーまでもクールな顔と声のまま「ふにゃあ」と言って倒れてしまいます。
ここの山田くんの演技はあまりにヒドいが、これはまぁ、わざとでしょう。
こうして4人は寝そべってしまいます。やる気ゼロです。

ハカセは自分のせいで4人が骨抜きにされてしまったと思い(まぁ実際そうなんですが)、
とことん自分は情けないと思い、ガクッと項垂れてしまいます。
一方、鎧は「よくも皆さんを!!うおおおおお!!」と叫んでウオーリアンに飛び掛かっていきますが、
怒りに任せた攻撃はウオーリアンにあしらわれ反撃を喰らい、後退します。
ウオーリアンはここで「ギョギョ〜ッ!いずれお前らも骨抜きにしてやるギョッ!」と言って謎の撤退。

まぁ今回は鎧とハカセの2人っきりのシチュエーションを作るために出てきたような怪人なので、
ここで優勢なのに撤退する描写に特に説得力は必要無いのですが、
しいて説明するならば、ウオーリアンの骨抜き術は、相手と対面している場合は
よほど相手にダメージやスキがある状況でないと使えない大技であるようで、
この状況ではウオーリアンも鎧とハカセを倒す決め手の無い状況で、
しかもゴーミンは全滅させられており、本来の作戦遂行を優先するならば、
ここは鎧とハカセと戦い続けるよりも一旦撤退して出直す方が正解だということは言えます。

姿を消そうとするウオーリアン(インサーンの操作でギガントホースへ帰還する模様)を
「待て!!」と追いかける鎧でしたが、ウオーリアンの姿は消えて、取り逃がしてしまいます。
「逃げられた!」と悔しがる鎧はマーベラス達に駆け寄って
「皆さん!しっかりしてください!」と、皆の名を呼びますが4人はぐったりして
「ふにゃああ」と言うばかりで、立ち上がろうともしません。
それを必死で正気に戻そうとする鎧の前で、ハカセは変身を解いて黙って落ち込みます。

ガレオンに戻ってもマーベラス達4人のだらしなさは変わらず、
ジョーは「腕立てする時間だけど・・・まぁ、いいや・・・」とソファーに寝転がってしまい、
マーベラスも「いいって、そんなの・・・」とへたり込んだままニヤニヤして応じます。
どうやら普段の記憶が無くなっているというような状態ではなく、正気は正気であるようですが、
とにかくやる気が全く湧いてこない状態のようです。
ジョーがトレーニングをサボるとは有り得ないことで、ウオーリアンの術の強力さが窺えますが、
マーベラスは戦いの場はともかくガレオン内の姿としては別に普段とそんなに落差が無いようにも見えます。

「一緒にふにゃあっとしよう・・・」と言ってルカとアイムはくっついて寝転がってしまいます。
なんとも幸せそうで可愛らしいのですが、
ナビィは「あ〜あ〜あ〜」と、この4人のだらしなさに目を覆います。
「みんな・・・」と申し訳なさそうに落ち込むハカセに向かってナビィは
「どうするどうする?これじゃお宝探しも出来ないよ!」と言います。
確かにこの状態、4人の身に今すぐ危険があるというような状態ではないものの、
これでは肝心の宇宙最大のお宝探しは進められそうにありません。

マーベラス達を介抱していた鎧がこれに対して
「大丈夫ですよ!あいつを倒せば、きっとマーベラスさん達も元に戻りますよ!」と応えます。
ちなみに鎧はあの変なゴーオンウイングスの姿から既に変身解除しています。
鎧がどうしてウオーリアンを倒せばマーベラス達が元に戻ると思っているのかというと、
それはスーパー戦隊の歴史ではそういうことが多かったからでしょう。

鎧はハカセに「やりましょう2人で!俺たち2人なら、絶対なんとかなります!」と熱く語りかけます。
実際のところ2人でなんとかなるかどうか、ウオーリアンの意外な強さを考えると少し微妙ですが、
まぁ2人しか動けないのですから、2人で頑張るしかない。
鎧は確かに強いが、さっきの戦いを見ても猪突猛進気味で、いまいちウオーリアンを倒す決め手に欠ける印象です。
こういう時こそハカセの頭脳の活かすべき時で、2人でウオーリアンを倒す緻密な作戦を立てるべきです。
敵の罠を本能的に見破ったりすることは出来る鎧ですが、緻密な作戦など考えるのは苦手そうなので、
ハカセと鎧のコンビは案外うまく噛み合いそうであり、
そういう意味では、自分達2人なら何とかなるという鎧の確信は直感的に的を射ているといえます。

しかしハカセは鎧から目を逸らして「お前1人でいけよ・・・」と言います。
あまりに意外なハカセの言葉に鎧は「え?」と耳を疑い、ナビィもさすがに驚いて「え〜?」と声を上げます。
ハカセは鎧に背を向けて「僕が行ったって、足引っ張るだけだよ・・・さっきみたいに」と言って離れていこうとします。
鎧はハカセがさっきの自分のミスのせいで皆を骨抜きにされてしまったと気にしているのだと思い、
励まそうとして「そんなことないですよ!ドンさんだって・・・」と言ってハカセの腕を掴みますが、
ハカセは「やめてくれよ!!」と大声で怒鳴って鎧の手を思いっきり振りほどきます。

鎧はあまりのハカセの激しい拒絶にビックリして、言葉を無くして立ち尽くします。
ハカセは泣き出しそうな情けない顔で「・・・お前といると、自分が情けなくなるんだよ・・・」と
鎧に向かって心情を告白し、下を向きます。
ハカセだって本当はマーベラス達を助けるために戦いたいと思っています。
決して戦いが怖いとか、マーベラス達を助ける気が無いというわけではない。
ただハカセは自分1人だけではウオーリアンに勝てないだろうということは分かるので、
鎧と一緒に戦うしかないことは分かっています。
しかし、鎧と一緒にいると、どうしても鎧の凄さを見せつけられてしまい、
それに比べて情けない自分のことが悔しくて、変に対抗心を燃やしたり、落ち込んでしまったりして、
平常心でいることが出来ない。
そういう自分がますます情けなくなるという悪循環にどうしても陥ってしまうのでした。

そんな自分が一緒に戦っても鎧の邪魔になるだけだから、
悔しいけど自分は戦いから退いて、鎧が1人で戦った方がまだ勝機があるとハカセは思ったのです。
それはハカセにとって、かなり惨めな気持ちで下した決断でした。
それなのに鎧が自分を励ましてくると、ハカセはますます自分が惨めに思えて、
これ以上惨めな気持ちにさせないで欲しいと思い、思わず鎧に怒鳴りつけてしまったのでした。
そして、そのことをまた後悔して、下を向いて黙り込みます。

しかし鎧にはそんなハカセの複雑な心境までは分からない。
ただ、ハカセが自分と一緒にいることで苦しんでいるということは理解しました。
鎧はハカセと一緒にいることが楽しくて仕方ないと思っていたので、
てっきりハカセも自分といることを楽しんでくれていると鎧は思っていました。
しかし実際はハカセは苦しんでいた。
自分が無神経にハカセを苦しませていたんだと思うと、鎧はショックを受けました。
だからそれ以上、ハカセに話しかける勇気を持つことは出来ませんでしたが、
それにしても自分がハカセに嫌われる理由に心当たりが全く無かったので、鎧は理不尽を感じました。

自分はハカセのことを仲間であり先輩だと思って慕っていたのに、
ハカセは自分のことを一緒に戦う仲間として認めてくれていなかった。
ようやくゴーカイジャーの仲間に入れたと思って有頂天になっていた自分だったが、
ハカセからは仲間とは思われていなかったんだと、鎧は思い、深い悲しみを感じました。
鎧はしばらく押し黙った後、なんとか「俺・・・悲しいです・・・」という言葉だけ絞り出すと、
黙ってとぼとぼと外へ出ていこうとします。

悲しみで心は乱れていましたが、とにかくマーベラス達をこのままにはしておけない。
ウオーリアンを探して倒さなければいけない。
ハカセが一緒に来てくれないのなら1人で行くしかない。
そう思って出かけることにしたのでした。
でも本当は1人では不安であり、ましてやこんな気持ちに整理もつかないまま戦いに行くのはなおさら不安でした。
船室の出口のところで鎧は立ち止まり、チラリとハカセの方を見て何か言いたげな表情を見せますが、
ハカセが頑なにじっと下を向いたままであるのを見て、諦めてションボリとしながら出ていきました。

鎧が出て行った後、ハカセは鎧を傷つけてしまったことを激しく後悔していましたが、
それでも今の自分の心のままでは一緒に行っても鎧の足手まといになるのは確かです。
それは結局、自分が鎧の凄さにコンプレックスを持ってしまっていることが原因なのであって、
自分がコンプレックスを克服出来れば解決することは分かっていました。
でも、それが簡単に出来ればそりゃあいいんですが、そんなすぐに克服なんか出来ないのが現実です。
「しょうがないじゃないか・・・あいつは本当に凄いんだ・・・」とハカセは椅子に腰かけて、
そんな自分に言い訳するように悔しそうに呟きます。

船室にはハカセと腑抜けになったマーベラス達の他にはナビィだけが取り残されていました。
ナビィはハカセと鎧が何やら不穏な遣り取りをしていたのを見ていましたが、
人間の細かい人情の機微まではよく分かっていません。
何か怒ってるなぁ、というぐらいにしか思っていませんでしたが、
このハカセの言葉を聞いて面白そうに「お?鎧と同じこと言ってる」と言います。
「・・・え?」と問い返すハカセに、ナビィは「あのね、昨日片付けしてた時にね・・・」と、
昨日の船室での出来事を説明し始めたのでした。

それは昼食の後片付けをアイムと鎧がやっていた時のことです。
昨日の昼食はハカセが作っており、いつもは後片付けもハカセとアイムでやるのですが、
新入りの鎧は後片付け役を志願してアイムと共に後片付けをしており、ハカセはその場にはいませんでした。
ナビィは後片付けはしていませんでしたが(まぁ出来ないし)、テーブルの上にチョコンと座っていました。

片付けの途中で鎧がいつものハカセの席のあたりで大学ノートを見つけ「何だこれ?」と、ページを開きます。
アイムはちょっと考えて「あ・・・ハカセさんのレシピかも・・・」と言います。
厨房でハカセがそのノートを持っていたのを見たことがあったようです。
鎧は何気なしにノートのページをめくっていきましたが、見る見るうちに興奮してきて
「すごい!・・・すごいです、これ!!」と目を見張ります。
ナビィが「どうしてどうして?」と聞くと、鎧はそのノートをテーブルの上に開いてナビィとアイムに見せ、
「皆さんのその時々の体調に合わせて、一番良いメニューを決めてるんですよ!」と興奮してまくしたてます。
「まぁ、そんなことまで・・・」とアイムも驚いてハカセのノートをめくって見ます。

つまり、この大学ノートは単なるレシピではなく、
ハカセが皆の食事を作るたびにどういう理由でどういうメニューを作ったのか、
緻密に記録していたノートだったのです。
まぁ一種のカルテのようなもので、この記録、過去の成功例や失敗例などを見返すことによって、
仲間たちの状態に合わせてどのようなメニューを出すのが適切なのか、
その都度、間違いなく判断出来るわけです。

単に一般的に美味しい料理を作ることは、料理の才能があったり、努力して料理の修行をすれば可能なことです。
しかし、マーベラス一味の食事管理や栄養管理となると、そういう一般的な才能や努力だけでは足りません。
こういうマーベラス一味から直接得られる具体的情報を地道に蓄積していく作業が必要なのです。
例えばどんな世界的名医よりも地域に密着した医療活動をしている地味な開業医の方が、
その地域の患者さん達にとっては信頼できる名医だったりします。
それと同じで、ハカセのような地道な作業と思考の積み重ねというのが実は真に必要なことなのです。

それに、普通に料理の修行を積むというのは一見は立派な努力のように見えますが、
そうして料理の腕を上げればそれは例えば料理人として成功するなど、自分の財産、利益となって返ってきます。
しかし、マーベラス一味の食事記録を延々とつけていって、その記録と睨めっこして頭を悩ませていても、
それは他の場面ではほとんど役に立つことはなく、全く自分の財産にはなりません。
つまり全く見返りの無い献身的そのものの努力なのです。
そんなことに一生懸命になれるハカセは、
自分のことよりも常に仲間のことを大事にすることの出来る人間ということになります。

鎧はハカセのそうした熱い仲間思いの心に感動し
「こんな細かいところにまで気が付くなんてドンさんしか出来ないです!」と言うと、
感極まって「俺にはマネできません!!」と言いながらナビィを掴み、ギュッと抱きしめます。
鎧という男、感激すると傍にいる人を抱きしめてしまうクセがあるようで、
先日もそれでアイムに抱きついてしまってルカにこっぴどく怒られてしまいました。
だからさすがに鎧もそれに懲りて、目の前にアイムがいるけどアイムに抱きつくのは我慢して、
代わりにナビィを抱きしめたのでした。

ナビィはいい迷惑で、苦しそうにしますが、鎧はお構いなしにギュウギュウ抱きしめながら
「ドンさん、ホントに凄いや!!」と感動しまくってます。
自分にはハカセのようなことは出来ないというのは、
ハカセがホントに凄いということに感動した余り言ったセリフであって、
鎧としてはハカセを見習って自分もそういう仲間思いの、
仲間の役に立つ一人前の海賊に早くなろうという決意を抱いていたのでした。
つまり、鎧のナビィを抱きしめる力は、鎧の仲間を想う熱い気持ちの強さの表れであるといえます。

それが昨日の出来事でした。
その話をナビィから聞いたハカセは「あいつが・・・そんなことを・・・」と驚きます。
鎧は自分の料理記録帳を見て、そんな風に自分のことを評価してくれていたのか、とハカセはビックリしたのです。
確かにハカセがそういう記録をつけていたのは仲間の健康管理や、いつも美味しい食事を楽しんでもらうためでした。
しかし、そんなことは家庭の主婦ならみんなやっていることだという程度の意識であり、
自分がそんな他人からそこまで絶賛されるほどのことをしているとは思っていませんでした。
確かに鎧のそういう評価を聞くと、自分の地道な行為はもっと評価されてもよかったといえるかもしれないと思う、
そんな程度の認識でした。

しかし鎧はそんな自分を昨日のその一件でとても尊敬するようになっていたようです。
それで今日、鎧が自分に代わって料理を作ろうとしたり、料理の出来栄えの評価を自分に聞いてきたり、
作った料理がマーベラス達の口に合うかどうか心配したり、自分と一緒に買い出しに行きたがったり、
自分と一緒に戦いたがっていたのだと、ハカセは気付きました。
つまり鎧は本気で自分のことを憧れて、慕ってくれていたのだ、とハカセは思い至り、
そんな鎧に自分は嫉妬して酷いことを言ってしまったのだと気付き、非常に申し訳ない気持ちになりました。

そして同時に、鎧のその昨日の自分に対する評価を聞いて、
ハカセは自分が間違っていたことを思い知らされました。
ハカセはもともと鎧のそのような評価を聞くまでは自分が料理記録をつけていることを
自慢するようなこともなかったし、それが皆の評価を得るべき立派なことだとも思っていませんでした。
もともとハカセはそういう謙虚な男で、誰からも評価されなくても地道な努力を黙々と、
楽しみながら続けていくことを持ち味とするキャラだったのです。
しかし、そういう地道な努力は実際は鎧の言う通り、仲間の役に立つ立派な行為だったのです。
そういう謙虚な目立たない努力型の縁の下の力持ちが自分の本来の持ち味であり、
仲間の役に立つ、この海賊団での自分の居場所だったのです。
ナビィに聞かされた鎧の話でハカセはそのことを思い出したのです。

それなのに今日の自分は、天才型の鎧の姿を見て本来の自分の価値を見失い、
タイプや役割の違う鎧に勝手に憧れた挙句、嫉妬して散々、鎧に酷い態度をとり、
マーベラスたち仲間にも迷惑ばかりかけてしまった。
ハカセはそのことを深く反省し、もう二度と自分は自分の本来の持ち味を見失わないことを心に誓ったのでした。
それは仲間のために地道な努力を重ねていく縁の下の力持ちである自分を見失わないという決意であり、
その仲間を想う気持ちが自分の原動力なんだとハカセは改めて気づき、
その激しい気持ちの動きによって、いつの間にか目の前のナビィのことを抱きしめていました。

ナビィは苦しそうに「うう〜・・・2人とも同じなんだねぇ〜・・・」と呻きます。
ハカセの行動が昨日の鎧と全く同じだということをナビィは言ったのですが、
それを聞いてハカセは、鎧もまた仲間のために見返りなど求めず役に立ちたいという一心であったのだと悟ったのでした。
そう、鎧もハカセとは天才型と努力型というタイプの違いはあれど、
謙虚で見返りを求めない熱い仲間想いという点では同じなのです。
そう思うと、ハカセは鎧に親近感が増してきて、鎧のことを想い、ニッコリと微笑みます。

タイプが違うのでどうしても方法論は違ってきますが、
それでも鎧も自分と同じようになろうとしていて、自分の背を追いかけてきてくれている
れっきとした可愛い後輩であったのです。
そして自分は鎧が目指す先輩なのであり、
鎧が目指すべき場所に辿り着くように導いてやらねばいけない立場なのです。
それなのに今まで自分はそんなことも分からず、全く逆の行動をしていた。
これからはちゃんと鎧を導いてやらないといけないとハカセは思いました。

そして、どうして鎧の本質に気付いてやれていなかったのだろうかと、
あまりの自分の迂闊さに呆れました。
思い返せば、鎧はどんな凄いことをやっても決して自慢したり驕ったりすることなく、
常に仲間や先輩を気遣おうとする謙虚さを示していたはずです。
それは、あんな美味しい料理を作った時もそうであったし、ジョーに槍の腕前を褒められた時も、
戦いの時に自分を助けてくれた時もそうでした。
そして、あの凄い変身をした時もそうです。

ハカセはフッと笑いつつ「あいつ・・・あんな凄い変身出来たって・・・」と独り言を言いながら、
鎧のあの半分金で半分銀の変な変身のことを思い出しました。
その時、その変な戦士の姿にふと違和感を感じてハカセは「ん?」と考え込みます。
あの戦士には何か見覚えがありました。確かバスコとの戦いの時、あれに似た戦士は確かにいました。
しかし微妙に何か違う。というか、あんな半分ずつ色が違う戦士などいなかったのは確かです。
それでも右側の金色部分も左側の銀色部分も変に見覚えがある。
つまり、金色の戦士も銀色の戦士もバスコから奪ったレンジャーキーの戦士であるのは間違いない。
鎧がその2つのレンジャーキーを使って、あの半分こ戦士に変身するレンジャーキーを作ったに違いない。

しかしどうしてそんなことが起きたのか?
そう思って考え込んだハカセの脳裏にある考えが湧きあがってきます。
「待てよ・・・もしかして・・・」とハカセはじっと考え込みます。
様々な思考を巡らせた末、ハカセはある結論、いや推論に達し、
「きっとそうだ!!」と目を輝かせて叫び、思わず抱いていたナビィを床に落っことします。

その時、ガレオンのザンギャック反応の検知装置が反応し、警報音が鳴り響きます。
ナビィは床から起き上がり、何やら操作板を弄りながら
「ハカセ!またザンギャックが出たみたい!鎧はもう先に行ってるって!」とハカセに言います。
操作板の機器でナビィはハカセのゴーカイセルラーと連絡をとったようです。
おそらく出現したザンギャックはウオーリアンでしょう。
鎧はマーベラス達を助けるため、単身でウオーリアンに戦いを挑むつもりであるようです。
「・・・鎧!」と決意の表情のハカセは、鎧と共に戦うためにガレオンを飛び出していきます。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
にほんブログ村 にほんブログ村 テレビブログ スーパー戦隊へ
にほんブログ村
posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 23:48 | Comment(0) | 第19話「15戦士の鎧」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月24日

第19話「15戦士の鎧」感想その4

そのガレオンの検知器がザンギャック反応を検知した地点では、
鎧がゴーカイシルバーに変身してウオーリアンと戦っていました。
ウオーリアンも出直してきたということはゴーミン隊でもまた率いてきたのでしょうが、
見当たらないということは鎧が倒したのでしょう。
そして鎧とウオーリアンの一騎打ちは互いに長い棒状の武器を持った者同士の攻防となりましたが、
「仲間たちと一緒でも勝てなかったお前に、この俺がやられるわけないギョオッ!!」と言う
ウオーリアンの方が勢いに勝り、鎧は劣勢に立たされます。
やはり、さっきハカセに突き放されて気落ちした鎧は精彩を欠いているようです。

そこに、地面に転ばされて四つん這いになった鎧に向かって
突進しようとするウオーリアンを銃撃で後退させ、ハカセが駆け込んできます。
「ドンさん!?」と鎧は驚きます。
さっきあれほど自分と一緒に戦うことを拒んでいたハカセが、まさか来てくれるとは思っていなかったのです。
全力疾走してきた様子のハカセは立ち止まって息を整えると、
モバイレーツにゴーカイグリーンのレンジャーキーを挿して「豪快チェンジ!!」と、変身動作に入ります。

ここの変身がカッコいい。モバイレーツから前方に飛び出したX、X、V、Xの文字型の光に
ハカセが走って突っ込んでいって、
最初のXを突破するとハカセの私服が黒のインナースーツに変わり、
次のXを突破すると緑色の上着が装着され、
次のVを突破するとメットが装着され、
最後のXを突破すると額のエンブレムが刻印されるのです。
そしてハカセはそのまま走って四つん這いの鎧の背中を跳馬台のように側転の支点として回転し、
その回転の勢いで着地した後、ウオーリアンにキックを見舞います。

そして後退したウオーリアンに組み付いてハカセは格闘戦に持ち込み、
戦いながら鎧の方に振り返って「鎧!僕がこいつの相手をしている間に、
お前が貰った15個のカギを1つにするんだ!」と言います。
鎧は「じゅっ・・・15個ぉ!?」と驚愕します。
いきなり何を言い出すのかと、ハカセの発言に耳を疑いました。

鎧にはハカセの発言の意味は全く分かりませんでしたが、
それがこの戦いに勝利するためのハカセの秘策であることは分かりました。
つまり、よく分からないが、自分の受け持ちのゴーカイシルバーを除く15個のレンジャーキーを
1つにすることが出来れば、ウオーリアンを倒すことが出来ると
ハカセは考えているということは鎧には分かった。

鎧には今の事態を打開する策は無かったし、
ハカセが息せき切って駆けつけて提案してくれた策ですから、
それはおそらく有効な策に違いないと鎧は思いました。
だから、よくは分からないが、ここはハカセの策に従うべきだということは分かります。
しかし、どのようにしたら15個のレンジャーキーを1つにすることが出来るのか、
鎧には全く見当がつきません。そんなことが可能だとは全く思えませんでした。

「いや・・・無理ですよぉ!そんなの・・・」と鎧は四つん這いのまま、ハカセに訴えます。
それに対して、ハカセはウオーリアンの一撃を喰らって地面を転がり鎧の近くに来ると、
「さっき2つを1つにしたじゃないか!イメージしたんだろ!?」とハッパをかけ、
またウオーリアンに向かって突進していきます。

鎧はハッとします。
さっきの戦いの時、ゴーオンゴールドとゴーオンシルバーのレンジャーキーを合体させて
1つのレンジャーキーを作ったことを思い出したのです。
あの時は確かに妄想の中で「両方の戦士に同時に変身出来れば」とイメージした。
そうしたら2つのレンジャーキーが1つになったのです。
そういうことだとしか、あの場では考えられなかったので、
鎧も「イメージしたらこうなった」と、ハカセ達に向かってポロリと言ったのです。

だから鎧としても「イメージすればレンジャーキーを合体させることが出来る」などという確信があるわけではない。
たまたま、あの時起きた不思議な現象を無理に説明するならば
「イメージしたからこうなったのかなぁ?」という程度のニュアンスであっただけです。
二度とああいうことが出来るなどとは、鎧も思っておらず、
むしろあれは突発的なアクシデントのようなもので、
あれはたまたま結果が良い方向に向かっただけのことで、
実際はちゃんとレンジャーキーを使えなかった失敗例だったとすら思っていました。

鎧自身があの現象についてはその程度の認識しか持っていなかったわけですから、
ハカセ達はそれこそ、どうでもいいことだと思っているに違いないと、鎧は思っていました。
実際、あの後、マーベラス達が骨抜きにされて大騒ぎとなり、
あのレンジャーキーの話題など何処かに飛んでしまっており、
鎧自身、あのことは忘れかけており、ハカセも当然そんなことはもう覚えていないだろうと鎧は思っていたのです。

ところがハカセが鎧がレンジャーキーを合体させたことを覚えており、
そのことについて鎧が「イメージしたから」と言っていたことまでハカセが覚えていたということに、
鎧は驚きました。
しかも、鎧は深く考えずに「イメージした」と言っただけであったのに、
ハカセはどうやら「イメージする」ということとレンジャーキーの合体現象との間に
何らかの関係があることに確信を持って発言しているようなのです。
そのことに気付いて、鎧は感激しました。
ハカセが自分の起こした現象のことを注目して考えていてくれたこと、
その結論を走って伝えに来てくれたことが、鎧の心に伝わったのです。
ハカセに嫌われていたわけじゃなかったことが分かり、鎧は感激したのでした。

ハカセはあくまで鎧のために時間稼ぎをするつもりのようで、
ウオーリアンが鎧の方に向かうのを止めるためにウオーリアンの身体にしがみつきます。
そしてウオーリアンに殴られながら
「2つも15個も一緒だ!・・・お前なら出来る!・・・それがお前の力なんだ!」と鎧に向かって檄を飛ばし続けます。
ハカセはよほど鎧が15個のレンジャーキーを1つにすることが出来ると確信しているようです。

もし鎧がそれが出来ないのならば、ハカセの特攻は単なる犬死にのようなものです。
そんな無駄なことをハカセがする理由は無いわけで、ハカセももちろん犬死にするつもりなどありません。
こうして時間を稼げば間違いなく鎧が15個のレンジャーキーを1つにして大逆転出来ると確信しているのです。
期待しているとか、賭けているとか、そういうのではなく、絶対に出来ると確信しているわけです。

どうしてハカセがそこまで鎧の能力を信じることが出来るのか謎でしたが、
ウオーリアンにボコボコにされながら踏ん張り続けるハカセの姿を見て、
ハカセが鎧の能力に対して一点の揺るぎもなく信頼していることは、鎧には痛いほど分かりました。
そのハカセから自分に向けられた強固な信頼を想うと、鎧の心は震えました。
鎧は戦うハカセの姿を凝視しながら立ち上がると、拳をギュッと握りしめます。
本当は今すぐにハカセを助けに行きたかったが、ハカセはそれを望んでいない。
今、自分がなすべきことは、このハカセの信頼に絶対に応えることだと、鎧は心に決めました。
「やってみます・・・俺、イメージしてみます!」と鎧はハカセに宣言したのでした。

実際のところ、どうすればいいのか分からなかったが、ハカセにあそこまで自分の力を信じてもらうと、
鎧自身、自分にそのような力が有るような確信が湧いてきました。
ハカセの言うようにイメージすれば上手くいくような気がしてきました。
その鎧の言葉に応えるようにハカセはウオーリアンの脚をとって地面に引き倒し、
押さえ込みながら「こいつは僕が食い止める!頼んだぞ!」と鎧に言います。

「はい!」と応じて鎧は、15人の戦士の姿を思い浮かべて
ゴーカイバックルから15のレンジャーキーを取り出します。
そしてその15のレンジャーキーを両手の掌の上に乗せます。
とにかく、ゴーオンゴールドとゴーオンシルバーのレンジャーキーを合体させた時と
同じ手順でやってみようと思ったのでした。

あの時も掌に2つのレンジャーキーを乗せたまま、2人の戦士のことで頭がいっぱいになって、
気が付いたら妄想世界に意識が飛んでいました。
その妄想世界でイメージしたら、それが実現したのです。
ただ、今までだって鎧は妄想に浸ってその中で願望を抱いたりしたことは何度でもありますが、
それがその場で現実世界でそのまま実現したことなどありませんでした。
その今までの普通の妄想と、さっきのウイングス兄妹の出てきた妄想との大きな違いがあるとするなら、
それはレンジャーキーの存在でした。

さっきは2つのレンジャーキーを持ちながら
その2つのレンジャーキーの2人の戦士のことに集中して妄想に入り、
ああいう奇跡のようなことが起きたのです。
ならば、今回もそれと同じ手順でやるしかない。
鎧は15個のレンジャーキーを掌の上に置いたまま、「皆さん・・・!」と念じ、
心の中で15人の戦士のことをイメージして、深く集中していきました。

なお、この時、鎧のバックルから取り出されて鎧の掌の上に集められた15個のレンジャーキーの中には
ゴーオンゴールドとゴーオンシルバーのレンジャーキーもそれぞれちゃんとあります。
あの2つが合体した「ゴーオンウイングスのレンジャーキー」という奇妙なアイテムは姿を消しています。
つまりゴーオンゴールドとゴーオンシルバーのレンジャーキーは合体して元の2つは無くなったのではなく、
一時的に2つの力が合わさって1つのレンジャーキーの形になっていただけで、
あの戦いの後、鎧が変身を解いた後、宝箱の中で元の2つのレンジャーキーの姿に戻っていたのです。

そもそも、今まであまり気にしていなかったことなのですが、
マーベラス達が戦闘中にレンジャーキーを使って多段変身を繰り返した場合、
そこで使用されたレンジャーキーは何処に行っていたのでしょうか?

レンジャーキーはモバイレーツに挿された後、そのままカギ穴に刺さったままなのではありません。
もし刺さったままだったら次のレンジャーキーを挿せないからです。
かといって挿して回した後、抜いてしまっているようにも見えませんから、
どうやらレンジャーキーは挿して回すとモバイレーツの中に吸収されてその姿を消すようです。

つまりレンジャーキーは各戦士の「戦う力」が封じられた結晶体のようなものですから、
カギ穴に挿して回すことによってエネルギー態に姿を変えてモバイレーツの中に入っていき、
そして同時にモバイレーツの上部のエネルギーの放出口からその「戦う力」がエネルギー態で放出されて、
モバイレーツの持ち主の身体をその「戦う力」のエネルギーが包み込んで、
その者をそのレンジャーキーの戦士へと変身させるのです。
これはおそらく鎧のゴーカイセルラーも同じ原理になっていて、
スキャンされたレンジャーキーはエネルギー態へと変異して放出されるので、
ゴーカイセルラーの中のレンジャーキーは変身後はその姿を消してエネルギー態に変わり、
鎧の身体を覆っているはずです。

また、レンジャーキーを挿して回したことによってそのレンジャーキーが姿を変えて放出されたエネルギー態が
そのまま戦士の形に実体化する仕組みになっているのがバスコのラッパラッターであり、
ラッパラッターもピストン部に挿したレンジャーキーは
バスコがラッパラッターを吹くことによってその姿を消してエネルギー態に変異しています。

さて、そうしてラッパラッターで召喚された戦士は、倒されるとその場でレンジャーキーに戻ってしまいます。
これはダメージによって活性化された状態であるエネルギー態を維持出来なくなり、
より安定したフリーズ状態であるレンジャーキー態へと戻るということなのでしょう。

また、第2話で少年が変身したシンケンレッドが怪人に倒された時、変身が強制解除されてしまい、
シンケンレッドのレンジャーキーはその場に転がり落ちました。
これは少年が肉体にダメージを受けてエネルギー態と同化出来なくなってしまい、
身体から離れた「戦う力」のエネルギー態がその活性化した状態を維持出来なくなり、
レンジャーキー態に戻った結果だと思われます。

つまり、「戦う力」のエネルギー態はモバイレーツで変身した場合は
人間の身体を離れたらレンジャーキー態に戻るようです。
また、ゴーカイセルラーも同様の原理でしょう。
そういう意味では、エネルギー態のみで「戦う力」を戦士の形にして操るラッパラッターの原理というのは
モバイレーツとは根本的に異質であり、マーベラス達が召喚戦士を見た時に驚いたのも当然といえます。

しかしモバイレーツやゴーカイセルラーで変身した人間の身体を離れた「戦う力」が
レンジャーキー態に戻るのだとしたら、
マーベラス達が変身を解除した際や、多段変身によって変身態を更新した際などに、
彼らの身体から離れた「戦う力」が結晶化したレンジャーキーがその場に転がり落ちないとおかしいはずです。
ところがそういう描写は無い。
それはおそらく彼らの身体がカーギーロードで宝箱と繋がっているからです。

つまり、彼らが変身解除や変身更新をした際に身体から離れた「戦う力」は
エネルギー態のままカーギーロードを通って宝箱に戻り、
宝箱において結晶化されてレンジャーキー態に戻るのです。
第2話の少年はカーギーロードと繋がっていなかったから、
変身解除した際にその場で身体から離れた「戦う力」がレンジャーキーへと結晶化してこぼれ落ちたのです。
また初登場時の鎧の場合も、まだカーギーロードに繋がっていない状態でしたから、
変身解除した際にゴーカイシルバーの「戦う力」はその場で再結晶化して
レンジャーキーとなって鎧の手に握られていたようです。

「199ヒーロー大決戦」映画でのゴセイジャーの場合は、レンジャーキーで変身したというよりは、
レンジャーキーに結晶化されていた「戦う力」を再構成して一旦、元の持ち主の身体に返した状態だったので、
これは通常のレンジャーキーを用いた変身とは別次元であり、
レジェンド大戦以前の状態に回復したものだといえます。
だから変身解除によって「戦う力」がいちいちレンジャーキー態に戻るということはなかったのでしょう。

では最後にゴセイジャーがマーベラス達にレンジャーキーを戻した時の
レンジャーキーはどうやって出現したのかというと、
ゴセイジャーが自らの意思で「戦う力」をレンジャーキー態に戻したか、
あるいは黒十字王との戦いの後、ゴセイジャーが変身解除した際に彼らの意思とは関係なく、
何らかの大きな意思の作用で「戦う力」がレンジャーキー態に戻り、
それを見てゴセイジャーもマーベラス達にレンジャーキーを預けておくのが
スーパー戦隊の「大いなる意思」の意図するところだと解釈したのかもしれません。

つまり、通常の場合、ゴーカイジャーが変身解除したり変身更新したりすれば、
身体から離れた「戦う力」はエネルギー態のままカーギーロードを通って
宝箱に戻ってレンジャーキー態に戻るのです。
ならば、マーベラス達が使いたいレンジャーキーをイメージしてゴーカイバックルから取り出す際、
宝箱からカーギーロードを通ってくる時も
「戦う力」は一旦レンジャーキー態からエネルギー態へと変換されており、
バックルから現れる時にレンジャーキー態へと戻っているのでしょう。

ただ、1つだけ例外的な扱いのレンジャーキーがあります。
それがゴーカイジャーのレンジャーキーで、
これは他の戦隊の戦士の姿に多段変身してもゴーカイジャーの変身は解除されません。
ゴーカイジャーの変身態は他の戦士の姿に変身しても、ずっと基礎には存在しているようで、
多段変身態を解除すればレンジャーキーは用いずにゴーカイジャーの姿になります。
つまりゴーカイジャーの変身を解除出来るのは人間態に戻る時だけであり、
この際にはカーギーロードを通ってゴーカイジャーの「戦う力」は宝箱に転送されて
レンジャーキーの形に戻るようです。

ただゴーカイジャーのレンジャーキーの場合、
取り出す時にはゴーカイバックルを用いずに生身の状態でも
宝箱からカーギーロードを使って転送してくることは出来るようです。
というか、それが出来なければ、そもそもゴーカイジャーに変身することは出来ませんから、
この機能は当然備わっています。

いや、この「生身でもレンジャーキーを取り出すことが出来る」という能力は
もしかしたらゴーカイジャーのレンジャーキーに限らず使える能力なのかもしれません。
第2話ではマーベラスは少年がゴレンジャーとマジレンジャーとシンケンジャーの話をしたのに反応して
生身のまま懐からアカレンジャーとマジレッドとシンケンレッドのレンジャーキーを取り出していますから、
おそらく身体と宝箱をカーギーロードで繋げば
ゴーカイバックルを使わなくても生身でも全てのレンジャーキーは取出し可能なのでしょう。

ただ、それでもマーベラス達は最初はほぼ必ず生身でゴーカイジャーのレンジャーキーを取り出して、
ゴーカイジャーから変身します。
それはつまり、ゴーカイジャーのレンジャーキーが
他の姿に変身しても「戦う力」が身体から離れずに基礎として残留したままであるというように、
何か特別なレンジャーキーであるということなのでしょう。

ゴーカイジャーのレンジャーキーが他とは違う点はまだあります。
ゴーカイジャーのレンジャーキーはモバイレーツに挿し込んでエネルギー態に変換されて
マーベラス達の身体を覆うスーツ態となった後、
ゴーカイバックルから更にゴーカイジャーのレンジャーキーを生成することが出来るのです。
この生成されたゴーカイジャーのレンジャーキーを使って
マーベラス達はファイナルウェーブやゴーカイスターバーストという
等身大戦と巨大戦時のゴーカイジャーの必殺技を繰り出すことが出来るのです。

この現象はゴーカイジャーのレンジャーキーが2つになるというのではなく、
一旦エネルギー態となって身体を覆っているゴーカイジャーの「戦う力」から、
ファイナルウェーブやゴーカイスターバーストを撃つ分のエネルギーだけが
新たに生み出されて再結晶化されてレンジャーキーの形となってバックルから排出されるようです。
これはカーギーロードは介さない個々の戦闘スーツ内で起きる現象のようで、
カーギーロード接続前の鎧もこの方法で、ゴーカイシルバーに変身した状態で
ファイナルウェーブ用のゴーカイシルバーのレンジャーキーをバックルから排出して使用していました。

たまに他のレンジャーキーをファイナルウェーブに使用することもありますが、
その場合はカーギーロードを用いて宝箱から取り寄せており、
また、他の戦隊の姿でファイナルウェーブを放ったりゴーカイオーや豪獣神に乗り込むこともないので、
これまで他の戦隊の戦士の姿でその戦士のレンジャーキーを
新たにバックルあるいは身体の何処かから生成するような描写は全くありません。
つまり、この「必殺技用に変身している戦士のものと同じレンジャーキーを身体から新たに排出する」という機能を
使えるのはゴーカイジャーのレンジャーキーだけということになります。
これもまたゴーカイジャーのレンジャーキーが特別仕様である証拠でしょう。

それゆえ、マーベラス達は地球に来て「ゴーカイジャーのレンジャーキーだけが
地球の34のスーパー戦隊とは別の戦隊であった」という事実を知る以前から、
ゴーカイジャーのレンジャーキーを特別な自分達の基本変身アイテムとして使っていたようであり、
おそらくアカレッドからマーベラスがそれを託された時(いつなのか不明だが)も、
ゴーカイジャーのキーを基本アイテムとするように言われていたのでしょう。

少し話が横道に逸れましたが、
ゴーカイジャーのレンジャーキーの謎はかなり大事なことのような気がするので、ちょっと考察してしまいました。

まぁとにかく、ゴーカイジャー以外の戦士の「戦う力」は、
普段は宝箱ではレンジャーキー態で存在しており、
マーベラス達がイメージしてカーギーロードを通じてゴーカイバックルに取り寄せる際には、
一旦エネルギー態となってカーギーロードを通り、
バックルから出現すると同時にレンジャーキー態に再結晶化され、
それをモバイレーツに挿し込むことでまたエネルギー態に変換し、
「戦う力」となってマーベラス達の身体を覆い、
その変身を解除するか、あるいは別の戦士の姿に変身するかして、
その「戦う力」がマーベラス達の身体を離れると、
それはエネルギー態のままカーギーロードを通って宝箱に転送され、
宝箱の中に排出された後、レンジャーキー態に戻るという仕組みになっているようです。

ファイナルウェーブや「大いなる力」発動時に使用される時も、
同じようにして宝箱からバックルに転送されて、
カギ穴に挿し込むことでエネルギー態に変換され、
技の発動後はエネルギー態のまま自動的にカーギーロードを通って宝箱に戻って
レンジャーキー態に再結晶化されているようです。

この一連の流れを考察してみると、
レンジャーキー態というのは保管用と変身アイテムやその他の機器への接続以外には、
あまり機能は果たしていないといえます。
むしろエネルギー態の方が「戦う力」の本来の姿であるといえるでしょう。
そしてエネルギー態はカーギーロードという目に見えない異次元通路のようなところを
通ってくることが出来ることから考えて、
本来は固有の姿を持たない実体の定かでない存在であるようです。
つまり、喩えればレンジャーキー態は固体で、エネルギー態は気体のような状態なのでしょう。

ただ、見た目はそのようであっても、エネルギー態にも一定の法則性はあって
固有の戦士のエネルギーはそれぞれ一塊になっており、
どのような形態に変換されてもその内容物が欠けたり混濁したりすることはありません。
例えばアカレンジャーの「戦う力」はレンジャーキー態となってもエネルギー態となっても、
アカレンジャーの「戦う力」を成り立たせる成分のみで構成されており、
エネルギー態となった時に他の戦士の「戦う力」のエネルギー態と一緒にカーギーロードを通ったりして
傍にあったとしても、混ざり合ったりすることはないのです。

ところが鎧は、何らかの方法でこの法則を飛び越えて、
ゴーオンゴールドとゴーオンシルバーのレンジャーキーを
カーギーロードを通したり機器のカギ穴に挿入することなくエネルギー態に変換した上で、
その2つのエネルギー態を合体して1つにして、
それを1つのレンジャーキーへと再結晶化させたようなのです。
そして、鎧はその合体レンジャーキーをゴーカイセルラーに挿入して
合体された「戦う力」をエネルギー態で放出して身にまとい合体戦士ゴーオンウイングスに変身して戦い、
その変身を鎧が解除した際、その合体「戦う力」はエネルギー態のままカーギーロードを通って宝箱に戻ったのです。

そして宝箱の中でレンジャーキー態に再結晶化される際、
この時は鎧の介在の無い通常の反応だったので、
合体エネルギー態の中のゴーオンゴールドの戦う力の成分はいつも通りに
ゴーオンゴールドのレンジャーキーへと再結晶化され、
ゴーオンシルバーの戦う力の成分はいつも通りに
ゴーオンシルバーのレンンジャーキーへと再結晶化されたのでしょう。
これが、合体したはずのレンジャーキーが変身解除後は宝箱の中で元の2つに戻っていた理由です。

そうなると、ここで問題は、鎧がどのような原理で
通常のレンジャーキーの法則を超越したような現象を起こしたのかです。
鎧の起こした現象を要約すれば、
レンジャーキーを何の機器も使わずにエネルギー態に変換した上で、
複数のレンジャーキーのエネルギー態を混ぜ合わして新たなエネルギー態を生み出し、
それを新たなレンジャーキーへと再結晶化したということになります。

こうして見ると、漠然とした不思議現象ではなく、かなりその機序は明確になってきました。
しかし、機序が明らかになって、むしろこれが錬金術のような不可解な現象であることは
いっそう明確になったとも言えます。
どうしてそんな機序が生じたのかについての原理が明らかにならないと、
やはり不可解な現象のままだといえるでしょう。

ところがハカセはこの現象が再現可能だという絶対の確信を持っているのです。
しかも「2つも15個も一緒」だとまで言い切って、
一気に15個のレンジャーキーを1つに合体させることを鎧に要求し、
それを「絶対に出来る」と断言までしています。
ハカセはマーベラスとは違って強気なハッタリを言ったりするタイプではないので、
鎧に自信を持たせるためにあえて確信の無いことを確信的に言っているというような腹芸ではないでしょう。
これはつまり、ハカセが鎧の起こした合体戦士誕生現象の機序だけではなく、
その原理まで明確な解答を得ているということを意味します。

どうしてハカセが解答に辿り着くことが出来たのかというと、
まず前提条件としてハカセがゴーカイジャー随一の論理的思考の積み重ねを得意とする人間だからです。
他のメンバーも決してバカではなく、ジョーやルカなどは間違いなく頭は良い方なのですが、
それは主に戦いに勝つ方法や、相手を出し抜いて儲ける方法など、
攻撃的に現状を突破していくものに特化しており、
一見無意味な過去の記録や記憶などのピースを組み合わせて謎解きをしていくような
地道な作業に向いた頭の構造になっていません。
アイムは基本的に天然ボケで、それゆえに発想の意外性が長所ですが、
地道な思考の積み重ねには向いていません。
マーベラスと鎧は直感型ですから問題外です。

海賊稼業という波乱万丈の荒事を主とする生き方においては、
ハカセ以外のメンバーの方が確かに適性はあるのかもしれませんが、
宝探しの謎解きをしなければいけないマーベラス一味としては、
ハカセのような地味な謎解きを得意とするメンバーは必要だといえます。
案外、マーベラスが言っていた「俺が欲しいと思うもの」のハカセに関するものは、
これに関連した何らかの夢をハカセが持っていたことに関係あるのかもしれません。

だから、そういう論理的思考を得意とするハカセだから解答に辿り着くことが出来たのは確かですが、
それでも何の材料も無くハカセも結論に辿り着くことが出来たわけではありません。
まずハカセはバスコとの戦いの際に見た召喚戦士の姿を思い出して、
鎧の変身した変な戦士が鎧の手持ちの2人の戦士のレンジャーキーを
合体させたものであるということに気付きました。
他のメンバーが鎧の変身を見て、ただただ驚いていたのに比べると
ハカセの記憶力や分析力の鋭さが窺えます。
まぁハカセもそれに気付いたのは戦いの終わった後であり、
他のメンバーはその段階では既に骨抜きになっていたので、あまり公平な比較ではありませんが。

まず鎧が何らかの方法でレンジャーキーを合体させたということに気付いたハカセは、
最近それと似た不思議な現象に遭遇したことを思い出したのでした。
いや、実際に現れた現象としては必ずしも似てはいないのですが、
本質的な部分では同じ現象であるということに気付いたのは、
その不思議な現象に加えてバスコや鎧の登場などの最近の出来事を受けて、
ハカセがレンジャーキーに何か大きな謎が存在するのではないかという
危機意識や問題意識を持っていたからだといえます。

その不思議な現象とは、「199ヒーロー大決戦」映画で描かれた黒十字王との戦いの際に、
宝箱の中の176個のレンジャーキーが勝手に動き出して、それが不思議な光の空間を作ったり、
176人の戦士の姿になったり、スーパー戦隊バズーカという必殺武器を生み出したりしたことです。
あの時はハカセもただただ不可解な現象として唖然として見ているだけでしたが、
光の空間の中に出現したレジェンド戦士たちのビジョンの言う言葉に圧倒されて、
いつの間にかそのペースに巻き込まれていたといえます。
あの時、一緒にいたゴセイジャーの6人も唖然としていたところを見ると、
ああいう現象はスーパー戦隊においても滅多に起こらないような珍しい現象だったようです。
だから、たまたま起こった珍現象のようなもので、
その機序などは解明出来ないとハカセは思っていました。

ただ、幾つか分かったことはありました。
まず、もともとレンジャーキーというものがカーギーロードで移動したり、
モバイレーツに挿すと消えたりすることから、
ハカセもレンジャーキーが普通の物体ではないことは何となく分かってはいましたが、
あの不思議な出来事を通して、
ハカセはレンジャーキーの本当の姿はスーパー戦隊の戦士たちの戦う力のエネルギーなのだということが
何となく分かったのでした。

そして、その176のエネルギーが集まってスーパー戦隊バズーカという武器に変わり、
それを使い終わると、再び176のレンジャーキーの姿に戻ったことから考えて、
そのレンジャーキーのエネルギーは融通無碍な存在であって、
集まって別の形に変わったりすることもあり得るのだということも知りました。
ただ、そんなことは突発的に起きる奇跡のような現象に過ぎないのだとハカセは思ったのでした。

ところが今回、鎧が2つのレンジャーキーを合体させて1つのレンジャーキーを作り上げたらしいことが分かり、
ハカセはそれが、あのスーパー戦隊バズーカが出現した現象と同じ原理なのではないかと気付いたのでした。
スーパー戦隊バズーカは176のレンジャーキーがエネルギー態になって融合して実体化したものでしたが、
あの鎧が「ゴーオンウイングス」と言っていた謎のレンジャーキーも
数は圧倒的に少ないが2つのレンジャーキーを合体させて作ったものでした。
あの黒十字王との戦いの時に見たレンジャーキーの特性を考えると、
鎧も無意識的に2つのレンジャーキーをエネルギー態にした上で融合させたのだろうと思えました。
使い終えるとその元のバラバラのレンジャーキーになるあたりも、スーパー戦隊バズーカの時と同じでした。

それを鎧は「イメージしたら出来た」と言いました。
本当にそんなことがイメージすることで可能なのだろうかとハカセは疑問に思い、
スーパー戦隊バズーカの時に何かそれに似たようなことがあっただろうかと思い返しました。
すると、あの時、レンジャーキーのエネルギーが作り出した光の空間の中に現れた
レジェンド戦士たちの言っていたことが思い出されました。

あの時、レジェンド戦士たちはレンジャーキーには自分達の想いが宿っていると言いました。
そして、マーベラス達の心が自分達と通じるものがあると言って、
スーパー戦隊の力がマーベラス達の心に応えてくれるはずだと言いました。
そしてスーパー戦隊の力を集めるように要請してきました。
そこでそれに応じてマーベラスが力をくれるように頼むと、
レンジャーキーが集まってスーパー戦隊バズーカになったのです。

この時、マーベラス達とレジェンド戦士たち、そしてゴセイジャーも含めて、
あの場にいた者たちがあのレジェンド戦士たちの言葉に沿って一致したイメージを持つことが出来て、
その結果、スーパー戦隊バズーカが出現したのではないか、とハカセは思ったのでした。
そのイメージとは、「レンジャーキーには想いが宿っており、それが自分達の心と通じ合えば、
レンジャーキーに込められたスーパー戦隊の戦う力を集めて大きな1つの力を生み出すことが出来る」というものです。

レジェンド戦士たちはその可能性を固く信じてイメージしており、
マーベラス達もゴセイジャーもそのレジェンド戦士たちの言葉を信じて同様のイメージを持ち、
それらの想いが一致して、その大きな想いがレンジャーキーに宿った想いに働きかけて、
レンジャーキーの本態であるエネルギーを動かし、
それらのエネルギーを1つに集めて、スーパー戦隊バズーカという形に実体化させたのです。

ただ、あの場では自分達マーベラス一味の抱いたイメージの果たした役割はそんなに大きくはなかったと
ハカセは思いました。
あの時のイメージはレジェンド戦士たちの言葉に導かれて抱いたものであって、
マーベラス達の中から自発的に出てきたイメージではない。
マーベラス達はレンジャーキーに想いが宿っていることも知らなかったし、
スーパー戦隊の力を集めるとより大きな力となることも知らなかった。
あの場でレジェンド戦士たちに言われて初めて知ったのです。
彼らの言葉に引っ張られてそういうイメージをあの場で持っただけのことで、
あの異常な事態が過ぎ去った今となっては、あの時ほど鮮明なイメージはもう持てなくなっています。

だから、あの時はあくまでレジェンド戦士たちが主導でイメージし、
マーベラス達はそれに最終的な引き金を引く役目だったように思える。
それにあの時はゴセイジャーの6人も一緒にいたので、彼らのイメージ力も加わっていたはずです。
マーベラス達の単独だけでは、さほど大したイメージ力は発揮出来ていなかったはずです。

そして、何といっても、あの不思議な空間の中では、
既にレンジャーキーはエネルギー態の状態となっていました。
これはイメージ力とは関係なく起きていた不思議な現象であり、
それは何か理由があって生じていたのでしょうけれど、
ハカセにはその理由が何なのかは全く分かりませんでした。
ただ、それがマーベラス達やレジェンド戦士たちのイメージによって生じた現象ではないのは確かでした。
となると、あの現象も含めて起こそうとするならば、
あの場でレジェンド戦士やゴセイジャーやマーベラス達が発揮したイメージ力よりも
更に強大なイメージ力が必要ということになります。
そんなことは到底自分達には出来ないとハカセは思いました。

しかし、ハカセは鎧ならばそれが可能、
いや、それを可能にするカギとなる存在になり得るのではないかと思いました。
何故なら、鎧は2つのレンジャーキーの力を1つに合わせる際、
レンジャーキーをエネルギー態とする手順も含めて、自分のイメージ力で成し遂げていたからです。
融合させたレンジャーキーの数はたった2つでしたが、
あの不思議な光の空間を作り出したのと同じ、レンジャーキーをエネルギーに変換する作業も
鎧は独力で成し遂げることが出来るのです。
さっきはたまたま2つのレンジャーキーだったが、その数はもっと増やせる可能性はありました。
さしあたり鎧の手持ちの15個のレンジャーキーを全部融合させるぐらいは可能なのではないかと
ハカセは思いました。

では、どうして鎧ならばそれが可能だとハカセが判断したのかというと、
鎧のレンジャーキーに働きかけるためのイメージ力が圧倒的に大きいからです。
つまり、鎧はレンジャーキーにスーパー戦隊戦士たちの想いが宿っていることをもともと実感しており、
スーパー戦隊戦士たちの力を集めることによって、より大きな力を生み出すことが出来ることも
常識として熟知しているのです。
そして、鎧はスーパー戦隊の戦士と自分の心は容易に通じ合うものだと確信しており、
実際、スーパー戦隊戦士たちと酷似した心を持っているのです。

何故ハカセがそう思ったのかというと、鎧が自分自身のことを
「スーパー戦隊を誰よりも愛する男」だと公言しているからです。
熱心なスーパー戦隊ファンである鎧は、スーパー戦隊の戦士たちの戦いの記録も熟知しており、思い入れも強い。
だからスーパー戦隊の戦士たちの想いと同じような想いをもともと持っており、
自分の心はスーパー戦隊の戦士たちの想いと通じ合うものだと当然思っています。
少なくともハカセにはそのように見えるし、実際そうでした。
むしろレジェンド戦士たち本人よりも鎧の純粋にレジェンド戦士たちをリスペクトする想いの方が
大きなイメージ力を生み出すように思えました。

そしてまた、鎧の歴代戦士のレンジャーキーに対するやたらと愛おしそうな接し方を見ると、
鎧がレンジャーキーを単なる変身アイテムや力の源としてではなく、
歴代戦士たちそのものであるかのように思い入れを抱いているのは明白でした。
つまり鎧はレンジャーキーを単なるモノではなく、戦士たちの想いの宿ったものとして見ており、
戦士そのものに対するように親しみを込めて接することも出来るのだと、ハカセは気付いたのでした。

そして鎧がスーパー戦隊の戦士の力を集めると、より大きな力を生み出すことが出来ることを熟知しているのは、
これは鎧がスーパー戦隊ファンであるならば、あまりにも当然のことです。
何故なら、初代戦隊のゴレンジャーの主題歌のサビ
「5つの力を1つに合わせて」というフレーズに象徴されるように、
「戦隊メンバー全員の力を合わせることで、
単に人数分を合わせた力以上のより大きな力を発揮することが出来る」というのは、
スーパー戦隊シリーズの一貫したテーマだからです。

それは単なるお題目ではなく、実際の必殺技として表現されてきました。
初代ゴレンジャーの最初の必殺技ゴレンジャーストームから始まり、
合体バズーカ系武器など、常に各戦隊の代表的必殺技は
合体技や合体武器から繰り出す技、あるいは全員で一緒に1つの武器を構えて放つ技などでした。
その発展型が「199ヒーロー大決戦」映画で出現したスーパー戦隊バズーカだったというわけです。

ところが、その例外的な戦隊がゴーカイジャーで、
ゴーカイジャーの必殺技は5人全員で一斉にエネルギー波を放つファイナルウェーブですが、
あれは単にタイミングを合わしてあるだけ(そのタイミングすら微妙にズレている)で、合体技ではありません。
つまり、ゴーカイジャーは「スーパー戦隊というものはメンバーの力を合わせることで
より大きな力を発揮するのが常識」という認識はありません。
だから、鎧がスーパー戦隊ファンであるというだけでそういう常識を理解しているはずだとは、
ハカセは気付かないはずです。

ゴーカイジャー自体にそういう発想がありませんし、
スーパー戦隊というものは歴代そういう考え方をしてきたのだということを把握するほど
ハカセのスーパー戦隊に関する知識は深くないからです。
そうなると、ハカセは鎧の行動を見て、
鎧が「仲間の力を合わせることでより大きな力を発揮することが出来る」という
考え方の持ち主であることに気付いたということになります。

それは、鎧がハカセの料理記録帳を見て異常に感激していたということを、ナビィから聞いたからでした。
そもそもハカセが皆に作った料理の記録をつけていることを知ったぐらいで、
鎧がそこまで感激するのは不自然です。
鎧が感激しているのは料理を記録するという行為そのものではなく、
そこに込められたハカセの仲間を大切に想う気持ちに感激しているのは明白でした。
ただ、「料理の記録をつける」という行為がストレートに「仲間を大切にする」という評価に繋がり、
しかもそれが大絶賛の対象にまで飛躍するというのは、やはりかなり飛躍が過ぎるのです。

これはむしろ鎧の中でもともと「仲間を大切にする」ということが
スーパー戦隊の在り方として最高の価値となっていて、
ゴーカイジャーがそういう戦隊であってほしいという願望があったために、
ハカセの「料理の記録をつける」という行為がそれに合致するものだと
即座に鎧の頭の中で判断出来て、ストレートに大絶賛の対象となり得たと解釈した方が無理がありません。

ハカセはそのように解釈し、鎧がスーパー戦隊において最も重要な価値観を
「仲間を大切にすること」に置いていることに気付いたのでした。
それは、そこまで高い評価の対象となるほどのことですから、
単に「仲間想い=優しい良い人」というようなぼんやりしたものではなく、
戦隊として戦うに際しての最重要ポイントが「仲間を大切にすること」にあるのだということです。
つまり「仲間との結束力」がそのまま戦う力の増大に繋がるのです。
こうして「仲間と力を合わせることで、より大きな力を発揮できる」というポリシーを
鎧が持っているのだということが、ハカセには分かったのでした。

つまり、ハカセは鎧の普段の言動と、今回のナビィの話によって、
鎧という人間が「スーパー戦隊に深い思い入れと尊敬の念があるために
レンジャーキーに宿った想いに極めて近い心を持っており、
レンジャーキーに戦士たちの想いが宿っていることを信じており、
レンジャーキーに宿った戦士の想いに話しかけることも出来、
そして、スーパー戦隊の仲間たちの力を合わせることで
より大きな力を生み出すことが出来ると信じている極めて特殊な人間」であることに気付いたのでした。

そして、黒十字王との戦いの際の不思議な現象の経験に照らして考えると、
そういう鎧のような特殊な人間の抱くイメージは、
複数のレンジャーキーをエネルギー態へと変換してから融合させて新たな強力なアイテムを生み出す
機序を引き起こすことが単独でも可能である可能性が高い。
だから鎧は2つのレンジャーキーを同時に使いたいとイメージしただけで、
2つのレンジャーキーを合体させたレンジャーキーを生成することが出来たのです。
そのことに気付いたハカセは、
ならば鎧のイメージの持つ力ならば手持ちの15個のレンジャーキーも1つに合体させて
非常に強力なアイテムを生成することが出来るはずだと判断したのでした。

そのハカセの絶大な信頼を受けて、鎧はゴーオンウイングスのレンジャーキーを作った時と同じように、
掌の上のレンジャーキーの15戦士たちの姿のイメージに集中して妄想空間に自分の意識を飛ばします。
このレジェンド戦士たちと出会う妄想空間というのは、鎧にとっては昔から慣れっこの空間です。
妄想癖のある鎧は昔からこうやって妄想の中でレジェンド戦士たちと出会い、いろいろと遣り取りしてきたのです。
それは鎧にとっては単に妄想に遊んでいただけのつもりでしたが、
実際は鎧自身がイメージしているレジェンド戦士たちの想いと鎧の無意識とが対話していたのでした。
鎧はそういう訓練を知らず知らずのうちに昔からずっと繰り返してきていたのです。

そして、鎧がスーパー戦隊のことを熟知して強い思い入れを持っていたため、
その鎧のイメージしてきたレジェンド戦士たちの想いというものと、
実際にレンジャーキーに宿ったレジェンド戦士の想いというのは非常に似通った、
シンクロ率の高いものであったのです。
そしてもちろん、鎧自身の心とのシンクロ率も高かったのでした。

そのため、掌の上にレンジャーキーを乗せて
心の中にそのレンジャーキーの戦士のイメージを思い浮かべることによって、
鎧の心の中にイメージされたその戦士の想いと、掌
の上のレンジャーキーに宿ったその戦士の想いとがシンクロして、
鎧の妄想空間、つまり無意識空間にレンジャーキーに宿ったその戦士の想いそのものが
戦士の姿をとって出現することになったのです。

鎧が先ほどの戦いの際に妄想空間で出会ったゴーオンゴールドとゴーオンシルバーは、
いつもの妄想の産物ではなくて、
実はレンジャーキーの想いが戦士の形をとって現れたものであったのです。
想いといっても、映画の際の描写で分かるように魂は別に存在していますから喋ることは出来ません。
だから、さっきの妄想世界のウイングス兄妹は一言も喋らなかったのです。
それでもレンジャーキーに込められた戦う力に対する様々な作用を引き起こす能力はあり、
さっきのウイングス兄妹は鎧の何気ない一言に反応して
2つのレンジャーキーのエネルギーを合体させて1つの合体レンジャーキーを生成してくれたのでした。

それだけ鎧という人間の発揮するイメージが
レジェンド戦士たちの想いに対して作用する力が強いということなのですが、
それはあくまで、さっきは相手が2人だったから楽にやれたのであって、
今回は相手は15人ですから、そう簡単ではありません。

鎧の意識が妄想空間に移動すると、そこには15人の戦士が無言で立っていました。
それは、ドラゴンレンジャー、キバレンジャー、キングレンジャー、メガシルバー、タイムファイヤー、
ガオシルバー、シュリケンジャー、アバレキラー、デカブレイク、マジシャイン、ボウケンシルバー、
ゴーオンゴールド、ゴーオンシルバー、シンケンゴールド、ゴセイナイトでした。
これらは鎧の掌の上にある15個のレンジャーキーに宿った想いが、
鎧のイメージする各戦士の想いにシンクロして鎧の妄想空間に出現した姿でした。

鎧も今回は2人の時のように気楽にやってもダメだということは何となく分かりますから、真剣です。
ただ、何か15人を相手にするにあたっての特別なテクニックなど思いつくわけではない。
何せ参考となるのは、ついさっきのウイングス兄妹相手の何気ない会話しかなく、
いきなり何の準備も無くハカセに命じてやらされている状態なのです。
鎧は全くノーアイデアでした。ここはもう愚直にいくしかない。

「皆さんの力を・・・力を貸してください!・・・皆さんの力を1つにして・・・俺に!」と
鎧は真摯そのものの態度で15人の戦士に懇願します。
15人の戦士の想いを説得するためには、
ウイングス兄妹を説得した時とは比較にならないほど多大な精神力を必要とするようで、
15人の戦士は鎧のことが眼中に無いかのような態度でありました。

しかし、「皆さんの力を1つにして」というフレーズを聞いて、
それまで無反応だった戦士たちに少し動きが出て、鎧の方に振り向く者が増えてきます。
やはり、スーパー戦隊の戦士たちは「力を1つにする」ということに意義を見出す傾向が強いようで、
その傾向はレンジャーキーに宿る想いにも反映されているようです。
しかし、まだウイングス兄妹だけの時のように
戦士たちが手を繋いで光を発するような動きにまでは至っていません。
鎧はまだ真摯にお願いし続けるしかないと思いました。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
にほんブログ村 にほんブログ村 テレビブログ スーパー戦隊へ
にほんブログ村
posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 01:04 | Comment(0) | 第19話「15戦士の鎧」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第19話「15戦士の鎧」感想その5

鎧が自分の意識世界でのドラゴンレンジャー、キバレンジャー、キングレンジャー、メガシルバー、
タイムファイヤー、ガオシルバー、シュリケンジャー、アバレキラー、デカブレイク、マジシャイン、
ボウケンシルバー、ゴーオンゴールド、ゴーオンシルバー、シンケンゴールド、ゴセイナイトの15戦士の
想いの実体化した姿に対する説得を続けている間、ハカセはウオーリアンと戦い続けていました。
ウオーリアンに吹っ飛ばされたハカセはそこらのテーブルに置いてあった大皿を
何枚も連続でウオーリアンに向けて投げつけて反撃します。
こういう日常器具を使ったジャッキー・チェン映画のような戦い方もハカセの特徴的アクションです。

そしてここから豪快チェンジ。
今回のテーマは、ハカセと同じ緑色の戦士で、昭和戦隊で、今まで変身していない戦士ということでしょう。
そうなると「バイオマン」のグリーンツーと、「フラッシュマン」のグリーンフラッシュだけということになります。
今回はこの2人の戦士に続けて豪快チェンジします。

まず「超電子バイオマン」のグリーンツー。
このグリーンツーのオリジナル戦士であった高杉真吾は怪力キャラでしたが、
意外にも気弱でメカに強く、ハカセとキャラのかぶる面も多かったりします。
まぁそんなことはこの際あんまり関係ないのですが、
戦い方の特徴としてはブレイクダンスを戦闘スタイルに採り入れていることです。

「バイオマン」は1984年の作品で、1984年といえば映画「ブレイクダンス」が日本で公開されて
ブレイクダンスのブームが起こった年です。
まさに当時の流行を採り入れた戦闘スタイルだったわけです。
ここではハカセもオリジナル同様、ブレイクダンスっぽい動きで車のボンネットの上で
背中をついてクルクル回ったりしてウオーリアンを翻弄しつつ攻撃します。

場面は変わって、鎧の真っ白な意識空間の中、鎧は15戦士への説得を続けていました。
といっても、何の作戦も無く、ただただ愚直にお願いするしか鎧には出来ない。
鎧の「皆さんの力を1つにして」という発言以降、急に動き始めた15戦士たちですが、
とにかく無言なので何を意図して動いているのか分からない。
喋らない相手を言葉で説得するというのは難しい。態度で意思を示すしかありません。
鎧は黙って自分の横を通り抜けていく15戦士たちに向かって、直立姿勢でひたすら
「お願いします!お願いします!」と言いながら深々と頭を下げていきます。まるで選挙の候補者みたいです。
しかし、ここは変に気の利いた言葉を言うのではなく、こうしてひたすら愚直で真摯な態度を見せてくれる方が、
鎧のスーパー戦隊への純粋なリスペクトの想いが強調されて、
決してカッコいいシーンではないが、良い演出だと思います。

また場面は現実世界に戻り、
鎧が精神を集中して佇む目の前で繰り広げられるハカセとウオーリアンのバトル描写に移ります。
グリーンツーの姿のハカセはウオーリアンに掴まれて殴られ蹴られて、また吹っ飛ばされて車に激突します。
やはり1対1ではウオーリアンの方が強いようです。
それでもここで後退すれば、精神集中して無防備な鎧がウオーリアンに襲われてしまいます。
なんとしてもウオーリアンの足止めは続けねばならない。
ハカセは「まだまだぁ!」と気合を入れて、
今度は「超新星フラッシュマン」のグリーンフラッシュに豪快チェンジして、ウオーリアンに突っ込んでいきます。

フラッシュマンにおけるオリジナル戦士5人は幼い頃に地球から誘拐されて
紆余曲折の末にフラッシュ星系の様々な星で成長した若者たちが真の故郷である地球の危機を知って、
地球を守るために戦士として戻ってきたという設定で、
それぞれの育った星の環境に適応した特殊能力を生身の状態でも持っています。
これにフラッシュ星系の先進科学による武装を加えて変身したのがフラッシュマンというわけです。

そしてグリーンフラッシュのオリジナル戦士のダイは岩山の多い星で育って怪力を誇るパワーファイターでした。
もともとそういう突進系のブルファイターだったダイは
地球に来てからボクシングに興味を持つようになり、自分の戦闘スタイルに採り入れました。
「フラッシュマン」は1986年の作品で、この前年、日本では映画「ロッキーW」が公開され、
ロッキーシリーズ最高の興行成績を上げていますから、そういうものの影響もあるのかもしれません。

ここではハカセは「プリズムカイザー」というオリジナルのグリーンフラッシュも使用していた、
パンチ力を更に増大する特殊な籠手状の武器を装着し、ボクシングのステップでウオーリアンに突っ込み、
「オラオラオラオラオラァ!」と3代目ジョジョみたいな掛け声を上げながら、
上下を打ち分ける見事なコンビネーションでウオーリアンを圧倒します。
しかしウオーリアンも接近戦は不利と見て、離れて左手の骨魚の口からエネルギー弾を発射してきて、
ハカセはプリズムカイザーの十字ブロックでこれを受け止めようとしますが、
ウオーリアンのエネルギー弾の威力が勝り、ハカセはまたピンチに陥ります。

その頃、鎧の意識空間では、15戦士が鎧の横を通り抜けて、
最初に立っていた場所とは鎧を挟んで正反対の位置に密集して陣取ります。
そうして鎧の方を15戦士全員がじっと無言で見ています。
鎧は15戦士と無言で見つめ合う形となり、15戦士が何かをしようとしていることは何となく分かりましたが、
何も動きが起きないので困ってしまいます。

「ど・・・どうすればいいんだろう・・・?」と鎧が困り果てて呟くと、
鎧の真正面に立っているドラゴンレンジャーが小さく頷いて、鎧に背を向けます。
それを合図とするように他の14人の戦士たちも順々に鎧に背を向けていきます。
このあたりの描写を見ると、やはり追加戦士15人の中のリーダー格は、
元祖追加戦士であるドラゴンレンジャーであるようです。
そして15人の戦士たちは皆、上前方の同じ方向を見上げます。
鎧もつられて同じ方向を見上げますが、その視線の先には真っ白な空間が広がっているだけで、何もありません。

しかし15戦士たちはその彼方にある何かに向かって意識を集中して念を送っているかのようです。
おそらく、その視線の先にはこの意識空間の壁を越えて現実世界があり、
そこに鎧の掌の上の15個のレンジャーキーがあるのです。
鎧の意識世界で15戦士の姿をとって出現した15戦士の想いが、鎧の説得を聞き入れて、
その想いの宿っている15個のレンジャーキーの中の「戦う力」のエネルギーに働きかけているのです。

ここで、カメラはその15戦士の視線を正面から受けるポイントに移動していきます。
つまり、ぐっとクレーンで上がるように俯瞰気味のアングルに移動します。
そうして俯瞰で15戦士の視線と向き合って、15戦士の密集陣形を見ると、
それはドラゴンレンジャーを扇の要としたような、大きく180度を少し超えるぐらいに開いた扇型となっています。
その陣形で自らの戦うエネルギーに向かって念を送ることに意義があったようです。
そして、その15戦士の作る扇型の陣形全体が金色の光を放ち、その光が鎧の意識世界全体を包み込んでいきます。

そこで鎧の意識も一瞬途切れ、ハッと気づくと現実世界に戻っていました。
見ると、掌の上の15個のレンジャーキーが、あの意識世界の中と同じ金色の光に包まれて消え、
その代わりにそこに1つの金色の錨の形をしたカギが姿を現したのでした。

錨というのはご存じのように船舶を一定の地点に留めておくために
船舶から鎖で繋げて水底に落として突き刺しておく器具です。
航海や船舶の象徴的なマークとして使われることも多いですが、実際に機能的に使われている器具でもあり、
ゴーカイガレオンでも一定地点に係留する際に必ず使われており、
その描写はかなり意識的に視聴者に見せるような傾向にあります。
ただガレオンの場合は宇宙船なので、錨を落として突き刺しているのは水底ではなく地上面であるわけですが。

で、錨は、シャンクと呼ばれる柄の部分と、
シャンクの底部からシャンクを挟むようにカギ爪のように曲がって上へ伸びるアーム、
そしてシャンクの底部の下にあるアンカー・ヘッドで構成されています。
アームの先の爪が水底に突き刺さって船舶を係留するわけですが、
昔の船では、この爪を突き刺さりやすくするために、シャンクの真ん中あたりからアームと90度の角度で横に伸びる
ストックという部品がついているタイプのものが多かったのでした。

これをストック・アンカーといって、現在はストックの無いストックレス・アンカーが主流ですが、
大航海時代など、船舶の黄金時代においてはストック・アンカーの方が主流だったのです。
それで、現在でも使われる錨をシンボルとした様々なマークなどは、
このストック・アンカーをシンボルマーク化したものが多く、
一般的に「錨」といえば、シャンクからアームとストックが突き出したものがイメージされます。

この鎧の掌の上に出現した金色の錨は、錨そのものというよりも、
錨のシンボルマークをモチーフとした金色のレンジャーキーと言うべき存在で、
シャンクに相当する部分がカギの挿し込む本体部分で、
ストック部分とアーム部分がほぼ一体化してカギの柄になっています。
そしてアーム部分はカギ爪型に曲がった、いかにもアーム部分らしい形をしていますが、
ストック部分はかなりデフォルメされており、
本来は棒状であるものが、ここでは大きく開いた扇型になっています。

その扇型の形状は先ほどの意識世界の中での15戦士が組んでいた陣形の扇型と同じで、
その180度を少し超えるほどに開いた扇の要部分にはドラゴンレンジャーの顔が、
先ほど上を見上げていたような感じで描かれています。
そして他の14戦士も、その扇型のストック部にびっしりと顔が描かれ、
その各自の位置は先ほどの意識世界の中の扇型の陣形における彼らの立ち位置と照応していました。

つまり、鎧の意識空間から15戦士の想いが扇型の陣形を組んで送った念が
15個のレンジャーキーを一旦エネルギー態に変換して
そのエネルギーを全て融合して金色の錨の形の合体レンジャーキーに再結晶化させ、
15戦士の想いはそこに扇型の陣形のまま一体化し、ストック部として宿ったのです。

鎧はその金色の錨型のカギを手に取って目を見張り、
「出来ました・・・ドンさん!15人の戦士のカギです!!」と喜びに震えた声でハカセに報告する。
そこにハカセがウオーリアンに吹っ飛ばされてきます。
地面に激突したショックでグリーンフラッシュの変身が解けて
ゴーカイグリーンの姿に戻ってしまったハカセに慌てて駆け寄り、
鎧は「ドンさん!大丈夫ですか!?」とハカセを助け起こします。

ハカセは鎧のさっきの15人の戦士のカギを作ることに成功した報告は聞こえていたようで、
鎧の肩を掴んで「大丈夫!・・・それより鎧!早く見せてくれよ・・・」と言います。
鎧は「はい!!」と勢いよく立ち上がり、
その弾みでハカセは支えてもらっていた鎧の手が無くなって思いっきり地面に頭から落っこちます。
こういうところが妙に締まらないのがハカセらしいといえます。

そうして鎧はその新しく生成した金色の錨型のカギ、すなわちゴールドアンカーキーを右手に持ち、
左手にはゴーカイセルラーを持ってウオーリアンの前に立ちはだかります。
そして右手のゴールドアンカーキーを前に突き出し、左手のゴーカイセルラーを顔の前に掲げます。
いつものレンジャーキーを用いた変身と同じ態勢に入ったわけですが、
このゴールドアンカーキーは横幅がありすぎて、
ゴーカイセルラーのスキャン用の収納スペースには入りそうにありません。

どうするつもりなのかと思ったら、
鎧は「豪快チェンジ!!」と叫びながら両手を体の前で円を描くように回して、
その勢いで胸の前で上から振り下ろしたゴーカイセルラーの底部のカギ穴に向けて、
下から突き上げたゴールドアンカーキーのシャンク部、つまりカギ部分を突き刺したのでした。
底部にもカギ穴が別にあったんですね。
つまり、最初からゴーカイセルラーは人形型のレンジャーキー以外の
別アイテムにも対応出来るようになっていたようです。

この突き刺したゴールドアンカーキーは他のレンジャーキー同様、
ゴーカイセルラーに接続することでその中に封じられたエネルギー態に変換されます。
この場合、15戦士の融合されたエネルギーが放出されることになりますから、
突き刺したゴールドアンカーキーから発した光の中に15人の戦士の顔が浮かび上がります。

そしてここから変身バンクのイメージ映像となります。
宇宙空間に仁王立ちで浮かび上がったゴーカイシルバーに、
アンカーヘッドを下に向けて上から降りてきたゴールドアンカーキーが重なり、
15戦士の顔が描かれた扇型のストック部が鎧の胸のあたりで止まります。
そうするとアンカーヘッドの部分が腰のあたりで止まり、
扇型のストック部が金色の胸部装甲のようになり、
アンカーヘッド部が金色の腰装甲のようになります。

そしてアンカーヘッドから上の方に向けてカギ爪状に折れ曲がって伸びるアーム部が回転して、
下向きになって鎧の両脚の大腿部を横から守る脚装甲のようになります。
そしてゴーカイスピアの先端の三又が変形して錨型に変わり、
ゴールドアンカーキーのシャンク部であるカギ本体部がゴーカイシルバーの頭部に収納されていくのに合わせて、
ゴーカイシルバーのバンダナ型のヘルメット部が下に若干下がって、よりクールなフェイスにチェンジします。
これでゴールドアンカーキーを使った強化変身は完了です。

その姿は、胸に堂々と肩の張り出した金色の装甲を纏い、
腰には大腿部まで垂れ下がった金色の装甲をつけ、
金色の錨型の先端の槍を手にした、かなり派手な、
まるで「聖闘士星矢」に出てくる黄金聖闘士のような戦士でした。
特に目を引くのは、胸の装甲部にびっしりと張り付いた15人の戦士の顔です。
まるでお面屋台か、ネプチューンマンのようです。

ハカセもその胸のあたりの奇抜なデザインを見て「うわ〜・・・すげぇ〜!」と感嘆します。
「ゴーカイシルバー!ゴールドモード!!」と名乗りを上げる鎧に向かって、
ウオーリアンはやや焦り気味で「シルバー?ゴールド?銀か金かどっちだい!?
・・・ええい!そんなこけおどしでやられるものかぁ!!」と言い返します。
確かにシルバーとゴールドが一緒くたになってて一瞬分かりにくいネーミングです。
まぁこれは制作陣やバンダイさんが決めたことなので、鎧には責任は無いので、
ウオーリアンが鎧に文句を言う筋合いではありません。

ハカセはゴールドモードの雄姿を見て勝利を確信し、「一気に決めちゃえ!鎧!」とハッパをかけ、
鎧はそれに応えて「・・・すぐに片付けます!」と抑制した調子で言うと、
ウオーリアンに向かってゆっくり歩いていきます。
少し落ち着いた態度や、一気に駆け出していかずにゆっくり歩いていくあたり、
ゴールドモード時の鎧は通常モードよりも、少しクールで風格がある感じです。
これは追加戦士15人の風格が少し影響しているのかもしれません。

ただ、よく見ると無駄な動きが全く無いので風格があるように見えるようです。
突っ込んでくるウオーリアンを静かな態勢で迎え撃って、一気に動に転じて槍で一閃、
そして余計なステップで動き回らず、身体の回転を使って槍を振り回して
ウオーリアンを斬り裂きながら的確に追い込んでいき、最後の一閃で思いっきり吹き飛ばします。
緩急の切り替えに無駄が無く、王者の風格漂う戦い方といえます。

そしてハカセに予告した通り、すぐに片付けるつもりであるようで、
ダメージを喰らってフラフラになったウオーリアンを前にして、
鎧はゴーカイスピアのカギ穴にゴーカイシルバーのレンジャーキーを挿し込みます。
スピアモードでのファイナルウェーブのように見えますが、
今回はゴールドモードに強化変身してのファイナルウェーブですから、通常時とは当然違った感じになります。
槍先がいつもの三又状のスピアモードではなく、錨型なのでアンカーモードであり、
アンカーモードでのファイナルウェーブは今回が当然初めてです。

「ファ〜イナルウェ〜ブ!!」というコール音のもと、
鎧がゴーカイスピアを身体の前で大車輪状に回転させると、
そこに浮かび上がった15戦士の顔が光に変わり、ゴーカイスピアの錨状の槍先に収束していきます。
そうして15戦士のエネルギーを集中させて発光する槍先を構え、
鎧は「ゴーカイレジェンドリ〜ム!!」と技名を叫びます。

すると槍先から発した光から15人の戦士の姿が実体化して出現し、鎧と共にウオーリアンに攻撃を加えます。
まずメガシルバー、ボウケンシルバー、ガオシルバー、ゴセイナイト、
ゴーオンゴールド、ゴーオンシルバー、マジシャインが出現して、
その銃型武器でエネルギー弾をウオーリアンに向けて猛烈な勢いで発射します。
そのエネルギー弾がドラゴンレンジャー、キバレンジャー、キングレンジャー、アバレキラー、
タイムファイヤー、シンケンゴールド、シュリケンジャー、デカブレイクの姿に変わり、
ウオーリアンに次々と突っ込んで、剣やスティック、素手などの近接技で打撃を与えていき、
そして最後に鎧自身がゴーカイシルバーゴールドモードで突っ込んで
アンカーモードの槍で一閃、二閃で一気にトドメを刺し、
ウオーリアンは断末魔の悲鳴を発して爆発炎上して果てました。

鎧はそれを確認するとゴールドモードを解除して通常モードのゴーカイシルバーの姿に戻ります。
見ると、ゴーカイスピアを杖のようにしてフラフラになってようやく立っている状況です。
すぐに戦いを終わらせたにしては、意外なほど体力を消耗しているようです。
というより、体力の消耗が激しくて長時間ゴールドモードが維持出来そうになかったから
勝負を早く終わらせようとして、無駄な動きも極力減らしていたようです。
どうもゴールドモードで戦っている間は、圧倒的な戦闘力を得られる反面、
あのゴールドアンカーキーを生み出した際の集中力を維持し続けなければいけないため、
かなり体力を消耗するようです。

息も絶え絶えとなって立っている鎧は、それでもハカセが駆け寄ってくると
「ドンさん・・・」と嬉しそうな声を絞り出し、
ハカセも「鎧・・・!」と喜びを分かり合います。
そして2人は笑いあいながら互いの拳をコツンとぶつけ合い、互いの健闘を称え合ったのでした。

ウオーリアンが倒されたことで、鎧の予想通り、街の人々やマーベラス達も元に戻ってやる気を取り戻しました。
そしてギガントホースの指令室では、ワルズ・ギルが作戦失敗に激怒して
「何故だ!?何故だ!?何故だ!?何故だ!?何故だあああああ!?」と怒鳴り散らし、暴れ回った挙句、
頭に血が昇り過ぎたのか、「あ・・・あぁあ〜あぁ・・・」と呻いて椅子にガックリと座り込み、
「もう〜・・・どうでもいいやぁ〜・・・」と、なんと自分が骨抜きになってしまいます。なんとも無様です。
ダマラスは呆れたように「フン!」とワルズ・ギルから目を逸らし、
インサーンは溜息をついて巨大化銃を取出し、
「・・・まだ終わりではありません・・・!」と言って地球に向けて撃ちます。

この巨大化光線を浴びて復活巨大化したウオーリアンに慌てるハカセと鎧でしたが、
そこにゴーカイガレオンが颯爽と登場し、ウオーリアンを砲撃します。
骨抜き状態から脱したマーベラス達がやって来たのです。
「よくもひでぇ目にあわせてくれたな!」と操舵輪を握りながらマーベラスは怒っていますが、
気持ちよくダラダラしていただけで、そんなにひどい目にはあっていなかったような気もするのですが。

ともかくハカセもゴーカイオーに乗り込み、ゴーカイオーに合体します。
一方、鎧も豪獣ドリルを召喚して乗り込み、豪獣レックスに変形します。
どうも豪獣ドリルは今後、償還時ばかりの出番になりそうな予感がビシバシします。

こうして今回はゴーカイオーと豪獣レックスの揃い踏みとなります。
前回は豪獣神の3形態のお披露目だったのでゴーカイオーはお休みでしたし、
前々回も冒頭に少し巨大戦があっただけで、間に1週休みもあったりして、
ゴーカイオーは結構久々に本格戦闘を見ます。

鎧が豪獣レックスのコクピットから「ドンさん!タッグを組んでやっつけましょう!!」と言い、
ハカセがゴーカイオーのコクピットから「おう!!」と応じます。
「返り討ちにしてやるギョオッ!」と勇ましいウオーリアンですが、どう見ても敗色濃厚。
案の定、ゴーカイオーと豪獣レックスにリンチ状態にされ、
ゴーカイオーに左腕の骨魚を掴まれて押さえつけられます。
「鎧!今だ!!」とハカセが鎧に合図すると、
鎧はそれを予想していたかのように「へへっ!やっぱりそう来ましたねっと!」と、
すぐさま豪獣レックスの尻尾のドリルでウオーリアンの左腕の骨魚を撃破してしまいます。
このあたりの描写は、前半の鎧とハカセの噛み合わない様子とは対照的で、
2人の心の距離が縮まったことが象徴的に描写されています。

「俺の大事な骨魚がああああ!?」と大ショックのウオーリアン。
結構、骨魚のことを可愛がっていたのかもしれませんが、
何せウオーリアンの変な骨抜き術以外では唯一、
戦闘で有効に使えそうな技を繰り出す部位がこの骨魚でしたから、
それが使えなくなった今、これでもうウオーリアンの勝ち目はありません。
ここで豪獣レックスを豪獣神に変形させた鎧は「あとは任せてください!!」とトドメは単独で刺すことにします。
そして豪獣トリプルドリルドリームでウオーリアンを撃破、勝利を飾ったのでした。

さて、それにしても、どうしてハカセは鎧に15個のレンジャーキーを1つにするように言ったのでしょうか?
鎧がゴーオンゴールドとゴーオンシルバーの2つのレンジャーキーを1つにすることが出来た原理を解明し、
それを応用すればもっと多くのレンジャーキーを1つにまとめて何らかのアイテムを生成することが出来ると
確信したことまでは分かります。
しかし、そこで「15個」という具体的な数字が出てきた理由が不明です。
別に10個でもよかったし、鎧の受け持ちでないレンジャーキーも含めて20個でもよかったはずです。

実際、戦闘終了後の鎧の消耗の様子を見る限り、鎧のこの作業は15個が許容量の最大限であったようで、
15個の場合、戦闘に使える時間はかなり短くなるようです。
だからハカセが「15個」と指定したのは正確な読みであったといえますが、
何故そんな正確な読みが出来たのか?

ハカセがそのヒントにしたのは鎧のゴーカイセルラーでしょう。
ゴーカイセルラーにゴーカイシルバーを除くと15人の戦士の顔が最初から描いてあったので、
鎧の一度に扱うレンジャーキーの上限がそこに描かれた15人の戦士のレンジャーキー15個なのではないかと
ハカセは推測したのでした。

そしてその読みが当たったことが分かり、
ハカセはやはり、あのゴーカイセルラーを鎧に渡したというアバレキラーとその背後にいるレジェンド戦隊の意思が、
鎧という人間のこの「スーパー戦隊を誰よりも愛する男」であるゆえに
レンジャーキーに宿ったレジェンド戦士の想いにアプローチして
レンジャーキーのエネルギーを操って新アイテムを作り出すことが出来るという特殊な能力を分かった上で、
15個のレンジャーキーからゴールドアンカーキーを作り出させるために
ゴーカイセルラーを託したのだと確信したのでした。

しかし、ゴールドアンカーキーもまた、ゴーオンウイングスのレンジャーキーと同様、
変身解除後はまた宝箱の中で元の15個のレンジャーキーに戻ってしまいました。
15個のレンジャーキーをゴールドアンカーキーの状態で1つにまとめ続けるだけの集中力が鎧にはまだ無いのです。
作り上げて使うだけでも大変なことなのですから、それをずっと維持するなど到底不可能のように思えます。

しかし、アバレキラー達が作ったというゴーカイシルバーのレンジャーキーやゴーカイセルラーは、
おそらく鎧がゴーオンウイングスキーやゴールドアンカーキーを作ったのと同じように
レンジャーキーのエネルギーを利用して生成したものでありましょうが、
こちらはずっとその形態を維持しています。
つまり、鎧にはまだ使えないが、レンジャーキーを扱う技術はまだまだ奥が深く、
もっと大きな力を引き出すことも可能なのではないかと推測されます。

鎧がアバレキラー達にゴーカイジャーと同じ種類のレンジャーキーを託されて、
ゴーカイジャーの6番目の仲間になるように仕向けられたのも、
鎧のこのレンジャーキーを扱う才能を使って、レジェンド戦隊の何らかの意思が、
もっと大きなことを成し遂げさせようという意思があるからではないか。
そのようにハカセには思えたのでした。

それは一見、ハカセ達の「宇宙最大のお宝」を見つけるという目的とは関係ないことのように思えます。
しかし、ハカセはそもそも「宇宙最大のお宝」を探していたアカレッドと
アバレキラー達レジェンド戦隊との間に何らかの関係があるような印象を持っており、
レンジャーキーとそこに秘められた「大いなる力」を全て集めた時に「宇宙最大のお宝」が現れるということからも、
レンジャーキーをまとめて引き出される強大な力と「宇宙最大のお宝」の間には
何らかの関係があるのではないかとも思えてきました。

今回のゴールドアンカーキーだって、もしあれがずっとあの形態を維持されるのなら、
れっきとした一種のお宝になり得るものでした。
あんな程度で「宇宙最大のお宝」とは言えないでしょうが、
ならばもし鎧がこれからあの能力を伸ばしていって、
全てのレンジャーキーと「大いなる力」を1つにまとめて、途轍もなく強大なアイテムを生成したとしたら、
それは「宇宙最大のお宝」と呼べる代物になるのかもしれないとも思いました。

それはもちろん、ハカセの目指していた「宇宙最大のお宝」とは違ったイメージのものでした。
出来れば、「宇宙最大のお宝」がそういうものであって欲しくはない。
当初思い描いていたような、もっと普通の宝物であって欲しいという想いはもちろんハカセにはあります。
しかし、今のハカセには、もし「宇宙最大のお宝」が鎧の作り出す途轍もなく強力なアイテムであっても、
それはそれで面白いとも思えます。
何故かというと、先日、鎧が「ザンギャックを倒して宇宙全体を平和にする」という
途方もない夢物語のような目標を語ったからです。

もちろんハカセはそんなことは無理だと思っています。
可能不可能の問題でいえばもちろん不可能に限りなく近く、
そもそも可能不可能の問題以前に、
宇宙というものはザンギャックの暴力のような理不尽に耐えて生きていかなければいけない場所なのだというのが、
ハカセのような普通の宇宙の民の常識というものでした。
理不尽に耐えられない者は自分達のようにリスクを承知で自分の自由意思、
つまり夢を追いかける海賊にでもなるだけのことです。
この宇宙の体制や常識をひっくり返すことなど出来ない。
そのようにハカセは思っています。

しかし、先日、鎧のあの途方もない話を聞いて、妙にワクワクしているのも確かで、
もしそんなことが起きれば、さぞかし痛快だろうと想像してしまっていました。
ただ、それでも無理なものは無理だとも思う。
しかし、もし、鎧が今の能力を伸ばして、全てのレンジャーキーと大いなる力に働きかけて、
「宇宙最大のパワー」のようなものを生成出来たなら、
そんな途方もない夢物語が現実になるかもしれない。
それを見るのはさぞ痛快であろうと思うと、
ハカセは「宇宙最大のお宝」がそんなものでも面白いかもしれないと、ふと思うのでした。

しかし、そこまでいくとほとんど根拠のない推測であり、
現実的には現在の鎧の能力ではとてもそこまで達するようには思えない。
それでも鎧がそうした能力を持って、ここに導かれてやって来たことには
何らかの意味と役割があるのだろうとハカセには思えたのでした。
鎧のこの能力は今後も見守って、伸ばしてやっていった方がいい。
そして、そのことに気付いた自分の役割は、鎧を見守って導くことなのだと思えました。

そこでハカセは、このように推論したこと全てを鎧や他の仲間たちには教えないことにしたのでした。
何故なら、鎧のレンジャーキーにアクセスする能力の源泉は、
鎧のスーパー戦隊の戦士に対して素直に純粋に謙虚に尊敬と親愛の念を抱く能力だからです。
まだ曖昧な段階鎧が自分が特別な使命や能力を持った人間だと思ってしまうのは、
鎧の能力の妨げにしかならないと思えました。
だから、このことは鎧の耳には入らないように、自分の胸に仕舞っておくことにしたのでした。
その上で、さりげなく鎧をサポートしていくことにしたのでした。
そのように考えると、ハカセの胸にあった鎧に対するウジウジした嫉妬の感情などは
自然に消え去っていったのでした。

そうしてエピローグの場面、戦いの後のガレオンでの夕食はハカセが作り、皆、美味しそうに食べています。
鎧もとても美味しそうに食べており、ハカセは鎧に向かって「どう?僕の料理!」とにこやかに話しかけます。
鎧は「美味しいです!」と答えて、
「その上、栄養のバランスも考えられてて・・・やっぱりドンさんは違いますね!」と調子よくハカセをおだてます。
ハカセは「そんな、おだてるなよぉ!」と照れ笑いして楽しそうで、もうすっかり2人は和気藹々のムードです。

その遣り取りを聞きつけて、マーベラスはメシを食いながら
「ふ〜ん・・・お前そんなことまで考えてたのかぁ!」と感心したようにニヤケます。
食事を食欲を満足させるための作業としか考えていないマーベラスはそんなことは想像したこともなかったようですが、
初めてそういうハカセの考えを知って、ちょっと感心したようでした。
ハカセはマーベラスにまで褒められて「ま・・・まぁね〜・・・」とやたら嬉しそうになります。

そういうハカセを見て、アイムはニッコリ笑って
「でも・・・そういうところを一度も自慢しないところがハカセさんの素敵なところですよね!」と言います。
アイムも昨日初めてハカセの陰ながらの努力を知ったのですが、
ハカセの美点を鎧とは違ったポイントで見ているようです。
仲間を大切にすることの重要性はスーパー戦隊ファンの鎧の方が実感出来たようですが、
アイムは他人のための陰ながらの努力を決して他人に自慢などしないで黙々と続けるハカセの謙虚さこそが
ハカセの美徳だと感じたようです。

つまり、それは自分を無理に他人よりも上に見せようとしないで、他人を素直に尊敬できる心なのです。
そして、それは鎧のスーパー戦隊に対する尊敬の心も同じことなのです。
鎧は別に相手がスーパー戦隊の場合だけ尊敬するわけではありません。
もともと素直に他人を尊敬できる人間なのであり、
だからこそスーパー戦隊のことも素直に尊敬出来たし、ハカセのことも尊敬したのです。
つまり、鎧の特殊な能力の根本は他人を素直に尊敬できる心の美しさにあるのであり、
それは実はハカセも同じ要素は持っているのです。
いや、マーベラス達も皆、要素としてはそれは持っているのです。

ならば、ハカセやマーベラス達も鎧のようになれる可能性は持っているのです。
実際、「199ヒーロー大決戦」映画ではスーパー戦隊バズーカの生成に関わったし、
その前にはレジェンド戦士たちのビジョンと会話もしています。
そもそも、彼らが引き出している「大いなる力」だって、
レジェンド戦士たちと心を通わせることで獲得してきたものであり、
マーベラス達だってレンジャーキーのエネルギーを多少は弄ってきているのです。

だから、マーベラス達だって今後もしかしたら鎧のように
レンジャーキーのエネルギーを合体させてアイテムを生み出すことも出来るようになるかもしれない。
だいたい、ハカセの予想したように、鎧だけの能力をいくら伸ばしても、
全てのレンジャーキーと大いなる力を制御して何かを新たに作り出すのは無理があります。
むしろ、鎧の加入というのは、鎧の能力を伸ばすために意図されただけのものではなく、
鎧という存在を通して、マーベラス達5人の意識を変えて能力を覚醒させていくための
きっかけでもあるのではないかとも思えます。

そう考えると、どうしてゴーカイジャー6番目の仲間がスーパー戦隊ファンの地球人であったのか、
よく分かってきます。
そして、どうしてその男の名が「伊狩鎧」であったのかも、
そこに制作側が込めたメッセージも分かってくるような気がします。

「鎧」は「ヨロイ」でもあり、
それはつまり、あのゴールドアンカーキーで強化変身して装着した金色の鎧のことを指しているのでしょう。
では「伊狩」は何なのかというと、これは間違いなく「錨」でしょう。
鎧の変身するゴーカイシルバーの頭部のバンダナ風のメット部にも錨のマークがあり、
ゴーカイシルバーへ豪快チェンジ時に飛び出す光の文字の中にも錨マークがあります。
なお、あの時一緒に飛び出すXとVは「15」という意味で、鎧の受け持つ15戦士の数を表しているといえます。
その他、ゴーカイセルラーのスキャン部の形や、ゴールドアンカーキー、アンカーモードの槍先など、
鎧には錨マークの意匠がつきまといます。
それだけ「錨」というのは鎧というキャラを象徴する重要なイメージなのでしょう。

その意味するところは、錨のイメージそのもの、船と水底を繋いで船を留めておくものということです。
船が「海賊船に乗る宇宙海賊マーベラス一味」という意味で、
水底を「宇宙海賊が錨を下ろす地球」と置換えると、
つまり宇宙海賊のマーベラス一味と地球とを繋ぐ者が伊狩(錨)鎧であるという意味です。
「地球」というのは地球そのものと考えてもいいが、
ここでは「地球にあるレンジャーキーや大いなる力の秘密」と解釈してもいいでしょう。
マーベラス達とそれを繋いで取り持つのが鎧の役割ということになります。
その結果、マーベラス達も鎧同様にレンジャーキーにアクセスしてその力を自在に操れようになれば、
何か大きなことが起こるのかもしれません。
そうなってこそ、「錨」の役割が真に意義あるものになるのだろうと思われます。

まぁ、もしそうであるとしても、それはまだまだ先のこととして、
このエピローグの場面では、ハカセはアイムにまで褒められて
「ええ?・・・いやぁ、それほどでも!」とますます照れますが、
さすがにおだてられ過ぎて少し調子に乗ってきたようにも見えます。
そうしたハカセを見てジョーは穏やかに笑みを浮かべています。
ジョーはハカセのそういう謙虚な美点や陰の努力などもとっくの前から認めていたような感じです。

その横ではルカが1人、例の宇宙のスポーツ新聞を熱心に読んでいましたが、
そのルカの視線が新聞の一点に止まり「ん?」と言います。
「どうした?」とジョーが尋ねると、ルカは「あたし達の手配書に鎧が付け足されてる!」と面白そうに言います。
普通は面白がるような話題ではないと思うのですが、
マーベラス一味にとっては賞金首になることは勲章のようなもので、むしろ喜ぶべきことです。

鎧も「ホントですかぁ!?」と嬉しそうに立ち上がり、新聞の記事を見に行きます。
ハカセも立ち上がって見に行きます。
新聞はマーベラスがルカから受け取り、マーベラスは横に来た鎧に向かって
「遂にお前も賞金首か!・・・で、賞金はいくらだ?」と新聞記事を覗き込みます。
マーベラスに並んで鎧もハカセも覗き込みます。
すると、その記事には確かにマーベラス達5人の手配写真と共に鎧の手配写真も追加されていました。

そういえば、いつのまにかゴーカイジャーが6人に増えていることについて、
ザンギャックの現場部隊もギガントホースの指令室でも、何ら話題になっていなかったので、
ザンギャック側は鎧という新メンバーのことをどう考えているのか不明だったのですが、
やっぱり普通に「海賊の新しい仲間」と見ていたようで、当たり前のように手配書に追加したようです。
まぁ基本的にあんまり海賊団の個々のメンバーには興味は無いようです。

で、その鎧の手配写真の下に書いてある賞金額を見て、ハカセは「何これ!?」と驚きます。
鎧の賞金額は10万ザギンでした。
まぁハカセを除く既存メンバーの中で一番賞金額の低いルカでも150万ザギンですから、
さすがに新入りの鎧は比べものにならないぐらい低い金額で、これは普通に妥当な賞金額だといえるでしょう。
だから本来はそんなに驚くような金額ではありません。
しかしハカセとしてはどうにも納得がいかない。
何故なら鎧の10万ザギンという賞金額は先輩であるハカセの賞金額よりも遥かに多いからです。

まぁこれはハカセの方が異常に低すぎるのが悪い。
何せ、5千ザギンしかないのですから、鎧の方が妥当な賞金額でも上回ってしまうのは当然なのです。
しかし、さっきまで皆から褒められまくって鼻高々になっていたハカセにしてみれば、
何だかいきなりの低評価で、しかも敵のザンギャックにダメ出しを喰らったような形で、どうにも納得いかない。
鎧を見守り導いていこうという先輩としての自覚が生まれたのは良いのですが、
そのせいで先輩としての意識が以前よりも強くなっており、
いきなり先輩のメンツを潰されたことにハカセは不機嫌になってしまいました。

「なんで僕より鎧の方が高いの?」と不平不満を言うと、
「そんなのないよぉ〜!・・・もう鎧はゴハン抜き!」と、鎧に八つ当たりします。
鎧は慌ててハカセにすがりつき、ハカセはそれを振り切ろうとして、
2人がもつれ合ってハカセが弾みで床にダイブしてしまいます。
その間に、ゴハン抜きを宣告された鎧の食事の乗った皿を狙ってマーベラスがジョーに鎧の皿を奪わせ、
何故かドサクサにまぎれてハカセの皿までアイムが奪ってマーベラスに献上する始末。
ハカセは以前のように卑屈にウジウジ悩むことは無くなりましたが、
ドジな先輩のハカセと出来過ぎな後輩の鎧との間のドタバタはまた今後も続きそうで、期待大です。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
にほんブログ村 にほんブログ村 テレビブログ スーパー戦隊へ
にほんブログ村
posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 23:33 | Comment(0) | 第19話「15戦士の鎧」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。