2011年08月13日

第22話「星降る約束」感想その1

前々回のギンガマン篇、前回のボウケンジャー篇と、2つレジェンド回が続いた後、今回は久しぶりに通常回です。
いや、第19話のゴールドアンカーキー登場エピソードや、第17話、第18話の鎧登場篇、
第15話、第16話のバスコ登場篇などは純粋な通常回というよりはイベント篇の色彩が濃く、
エピソード間のストーリーの連続性も強く、
本当に1話完結の何の変哲もない通常エピソードとしてならば、
今回は第13話のアイム主役回以来といえるでしょう。

1クール目には、こういう純粋なる通常回がだいたい2話に1話ぐらいのペースであったのに比べれば、
2クール目はだいぶ趣が変わってきていることが分かります。
それは悪いことではなく、物語が盛り上がってきていることで歓迎すべき事なのですが、
そういう流れの中だからこそ、今回のような純粋なる通常回が挿入されると、
確かにここ最近の密度のやたらと濃かったエピソード群に比べれば内容は薄めに感じられましたが、
これはこれで一服の清涼剤のようなアクセントとなって、なかなか清々しかったと思います。

ただ、内容が薄めといっても、それはあくまで「ゴーカイジャー」の中での比較の上でのことであって、
実際は第13話のアイム回や、1クール目の通常回レベルの内容の濃さはありました。
しかし、今回のエピソードが、それら今までの通常回と比べて、
見た目としては特に薄味に感じられたのも事実です。
その薄さが物足りなさになっていないのは、作劇のテクニックによるものでしょう。

「ゴーカイジャー」の場合、アクションの質が高いのでアクションが充実しているように見えますが、
いつものエピソードは基本的にはあまりアクションシーンは長くない。
シンケンジャー篇やバスコ篇のようにアクションシーンの尺が長いものもありましたが、
あそこらへんは前後篇にしてあるのでドラマシーンも十分に描けており、
アクションシーン自体がドラマシーンの一つの表現手段となっているので、
基本的にはやはりドラマ重視エピソードといえます。
他のエピソードに関しても同様で、ドラマから独立性の高い純粋なるアクションシーンの尺はあまり長くない。
ドラマシーンの比重が大きいのが「ゴーカイジャー」の各エピソードの特色といえます。

もともと、全エピソードの半分ぐらいは過去シリーズ作品の主人公クラスをゲストに招いて
ゴーカイジャーと絡ませることが前提となって作られているのが「ゴーカイジャー」なのですから、
どうしてもドラマシーンの尺を増やす方向にならざるを得ません。
それを前提に短い尺でも物足りなさを感じさせないだけの
アクションの高いクオリティを最初に作り上げてあるのでしょう。

だから通常回でもアクションシーンは短いままで済んでおり、
レジェンドゲストに尺を取られることのない通常回の方が
むしろいっそうドラマが深く充実したものとなっているのでしょう。
アクションシーンの短さを前提としたアクションの質の高さが
結果的にドラマ部分の充実をももたらしている。
それが「ゴーカイジャー」という作品の成功のポイントなのだと思います。

しかし今回のエピソードは少し作り方が違う印象です。
それは、最初からドラマ部分がある程度は薄味に感じられることを折り込み済として、
それを物足りなさとして感じさせないために、あえてアクションシーンを多めにして、
そこで「ゴーカイジャー」特有の質の高いアクションを展開しているという印象なのです。
つまり今回はアクション重視のエピソードであって、
ドラマ部分が薄く見えることが最初から分かっているから、
わざとテンポの良い展開でアクションを多く見せて、物足りなく感じさせないようにしているのです。

もちろん実際はドラマ内容は薄くはない。「ゴーカイジャー」のいつもの通常回並の内容はあります。
しかし、それが薄く見えてしまっているのです。
薄く見えてしまっている以上、そのままではいつもの通常回よりは物足りないのであって、
そこをカバーするためにアクションを多くしてテンポを良くして、
総合的には満足出来る出来栄えになっています。

ただ、仮にドラマ部分だけでは満足出来る出来栄えであったかというと、
少なくとも今までのエピソードに比べれば、やや落ちる出来栄えとなっていたと言っていいでしょう。
いや、単に内容が薄いエピソードであったとすれば分かりやすい。
もともとダメなエピソードだったということで話は終わりです。
しかし、今回の場合、実際は内容は充実していたのです。
それが薄く見えてしまったのには原因があるはずです。

原因は簡単なもので、今回の主役であるジョーが寡黙なキャラであり、そのジョーが絡む相手も子供であり、
この2人の遣り取りから今回のエピソードのテーマというものが非常に読み取り辛いからです。
そこで鎧を絡めて、説明的なセリフを言わせるという工夫もしていますが、
あくまで今回はジョーがメインなので鎧の果たす役割にも限界はあり、
どうしても今回はいつもよりは内容の分かりにくいエピソードとなってしまっているのです。

もちろんストーリー自体は、たまたま知り合った少年の頑張りを戦隊メンバーがサポートするという、
スーパー戦隊シリーズの王道中の王道の、非常に分かりやすい展開なので、
素直に楽しめるものとなっています。
だから、テーマが分かりにくいからといって鑑賞困難になるというような酷い話なのではありません。
気軽に見て楽しめる良エピソードです。
しかしテーマが見えにくい分、どうしても薄味にはなり、
楽しめたけど印象は薄いエピソードになってしまいがちです。
だから、それをカバーするためにアクションをいつもより多めにしているのです。

しかし最初から印象が薄くなると分かっているのなら、弱点を克服する工夫をすべきではないかとも思えます。
例えばジョーを饒舌にするとか、子供にしっかり説明セリフを言わせるとか。
ただ、それはジョーのキャラがブレるということであり、
子供として不自然な演技になってしまうということでもあります。
そんなことをしたら本末転倒なわけで、そういうものを「ご都合主義」というのです。

エピソードの印象が薄くなることを覚悟の上で、
決してご都合主義に陥らずに、物語全体のクオリティを重視して
ジョーのキャラの一貫性や子供の自然な演技を重視し、
それによって生じる印象の薄さにはアクションの充実で手当てはしっかり施して
エピソードのクオリティもしっかりと維持した制作姿勢は、むしろ称賛すべきものだと思います。

ただ、最初から根本的にこの「印象の薄さ」を回避する方法もあったはずです。
例えば、ジョーの相手役を子供にせずに、
寡黙なジョーの印象の薄さをカバー出来るような饒舌な大人キャラにするとか、
そういう対処は可能であったはずです。
どう考えても作劇上は、寡黙なジョーと今回のようなごく普通の少年という組み合わせは、
ベストチョイスとは言い難い。どうしても動きの少ない分かりにくい話になってしまいます。
ただ、そんなことは制作側も分かっていたはずです。
それなのに、あえてそのベストチョイスとは言えない組み合わせを選んだのが重要です。

このところ、2クール目に入ってからバスコと鎧の登場篇を終えた後、
第19話でハカセ、第20話で鎧、第21話でマーベラスという順で、
各キャラの成長・変化を描くエピソードを続けてきていますから、
その流れで今回がジョーというキャラの変化を描くエピソードとなるのは順当なところであろうと思います。
しかし、そこでジョーの変化を描く題材として、
あえて作劇上は決してベストチョイスとはいえない普通の少年との交流を選ぶということは、
作劇上の不利は承知でどうしてもジョーというキャラおよびその変化を描くためには
相手役は少年でなければならなかったということであり、
ジョーというキャラと子供の関わりというものが重要だということなのでしょう。
そこにこそ今回のエピソードの核心があり、ジョーというキャラの核心もそこにあるような気がします。

各キャラの変化という点では、
ここまで3話連続で描かれたハカセ、鎧、マーベラスの変化が全て
レジェンド戦士との関係性における変化であったのに対して、
今回のジョーの変化を描くエピソードにはレジェンド戦士に関する要素は一切ありません。

第19話のハカセの場合は
レジェンド戦士を素直に身近に感じられる鎧だからこそ持ち得る潜在能力を認めることを通して、
ハカセがレジェンド戦士との交流の重要性を感じるようになるエピソードでした。
第21話のマーベラスの場合は、
「大いなる力」の獲得の過程で得られるレジェンド戦士との心の交流こそが
困難を突破するための大切な力なのだということをマーベラスが何となく気付くようになるエピソードでした。
これらは「ゴーカイジャー」という物語が、
「ゴーカイジャーが歴代スーパー戦隊と心を通い合わせていくようになる変化を描く物語」であるという
側面に対応した「変化」を描いたエピソードなのだといえます。

第20話の鎧の場合は、そういうのとはちょっと違うといえるでしょう。
確かにあの時、鎧はレジェンド戦士のヒュウガと交流しましたが、
そこで生じた迷いをマーベラスの海賊の覚悟を知ることで解消して、
鎧が名実ともに海賊団の一員となるエピソードでした。
そして、そのことでもってヒュウガが鎧を「大いなる力」を託すに足る戦士として認めるという構造になっていて、
これはむしろレジェンド側に寄りかかり過ぎていた鎧が
ゴーカイジャー側に近づいていく変化を描いたエピソードといえます。

そもそも鎧はもともとレジェンド戦士とイメージ世界で遣り取り出来てしまうほどに
レジェンド戦士たちに近い存在であり、
ハカセやマーベラスのようにレジェンド側に近づいていく変化を描く必要などありません。
むしろ鎧というキャラにおいて描くべき「変化」は、
「ゴーカイジャーを理解していき、レジェンド戦士たちとゴーカイジャーとの
橋渡し役を務められるようになっていく」という方向性でしょう。
第20話はそういう鎧の変化の始まりを描いたエピソードだったといえます。

では、この第22話で描かれるジョーの「変化」はどういうものかというと、
今回レジェンド戦士の要素は全く出てこないというより、
冒頭やエピローグで鎧がレジェンド戦士に関する話題を振るとジョーが露骨に無視するあたりを見ると、
今回は明らかにレジェンド戦士との交流とは全く別の意味での
「変化」を描くエピソードとして構成されていることが分かります。
そして、それを描くために最適のキャラとして造形されているのがジョーなのだといえます。

そもそもジョーというキャラはこれまでのレジェンド回でも
あまりレジェンドゲストと深く関わろうとはしていません。
シンケンジャー篇ではジョーも目立っていましたが、
あの時も志葉薫がゴーカイジャーの「絆」を認めるにあたって重要な判断の根拠を提供されたのは
マーベラスとの遣り取りを通してのことでした。
つまりジョーは全体的に見てみると、ゴーカイジャーのメンバーの中では
レジェンド戦士とは距離を置いたキャラなのです。
これはここまで一度もレジェンド回でメインキャラとなっていないルカも同様です。

つまり、どうやらジョーとルカの場合は、
「ゴーカイジャーが歴代スーパー戦隊と心を通い合わせていくようになる変化」とは別種の
「変化」を描くために適したキャラとして造形されているっぽいのです。
まぁ今後のことは分かりませんが、ここまではそんな感じです。
で、その「変化」とは、「ゴーカイジャー」という物語のもう1つのメインテーマである
「地球を守る義理の無い宇宙海賊が地球を守るために戦うようになっていく変化」なのでしょう。
今回、ジョーにおいて生じつつある変化として描かれるのは、こちらの方の変化であるようです。

つまり、ジョーという人間が「何のために戦うのか」というのが浮き彫りになっていくお話なのであり、
そこには少年との関わり、
そして少年との出会いを契機に浮かび上がってくる「約束」というキーワードがポイントとなっていくようです。
そして、そうしたジョーという宇宙海賊の戦う理由を見出していく変化に対して
理解を示していく役割を果たす者として今回機能しているのが、
やはりゴーカイジャーと地球人の間を繋ぐ者である鎧なのですが、
今回の鎧はあくまで脇役であり、ジョーを理解するというポジションであり、
鎧自身が何か大きく変化する話というわけではありません。
あくまで今回のストーリーのメインはジョーであり、
それと対をなす重要キャラはゲストの少年という構成になっています。

では本編ですが、冒頭はいつものようにゴーカイガレオン内の船室のシーン。
鎧が「皆さ〜ん!出来ましたよ!出来ましたよぉっ!!」と相変わらずドタバタと喚いています。
鎧が喚いて皆の前に持ってきて「じゃ〜ん!!スーパー戦隊大百科〜!!」とニコニコ顔で差し出したのは
「スーパー戦隊大百科」と書かれた大判のファイル5冊です。
どうやら鎧が勝手に自作したもののようで、
34のスーパー戦隊の写真を多数張り付けて手書きで解説文を添えたもののようです。
それにしても鎧、字が汚いです。

5巻に分けてあるのは、マーベラス一味の鎧を除く5人が同時に効率よく読むことが出来るようにする工夫でしょう。
1巻にはゴレンジャー、ジャッカー電撃隊、バトルフィーバーJ、デンジマン、サンバルカン、
ゴーグルファイブ、ダイナマンが収められており、
2巻にはバイオマン、チェンジマン、フラッシュマン、マスクマン、ライブマン、
ターボレンジャー、ファイブマンが収められており、
3巻にはジェットマン、ジュウレンジャー、ダイレンジャー、カクレンジャー、オーレンジャー、
カーレンジャー、メガレンジャーが収められており、
4巻にはギンガマン、ゴーゴーファイブ、タイムレンジャー、ガオレンジャー、ハリケンジャー、
アバレンジャー、デカレンジャーが収められており、
5巻にはマジレンジャー、ボウケンジャー、ゲキレンジャー、ゴーオンジャー、シンケンジャー、
ゴセイジャーが収められています。

鎧から1冊受け取って中身をパラパラと捲ってみたハカセは「うおっ!すごっ!これ全部、お前がまとめたの?」と、
中身が意外なほど充実していることに驚きの声を上げます。
鎧は褒められて得意げに「はいっ!」とガッツポーズで応え、
「ほら、この間の戦いの時みたいに皆さんが間違えないように・・・」と制作意図を説明します。

この間の戦いというと、明石と一緒にプレシャス回収ミッションに行った先でザンギャックと戦った時のことです。
あの時、鎧が「忍者でいきましょう」と言ったのを受けて皆がカクレンジャーに変身し、
鎧だけがシュリケンジャーに変身して浮きまくってしまった失敗を気にして、
鎧はこういう資料を作ってマーベラス一味の皆に勉強してもらい、ああいう間違いを無くしたいと思ったようです。
しかし前回のあの失敗はどう考えても鎧の説明不足のせいであって、皆の知識不足のせいではないでしょう。
普通は「忍者」と言われればカクレンジャーに変身するものです。
それなのに鎧が皆が勝手に間違えたかのように言っているのは問題ですが、
ハカセやアイム、ルカは夢中でファイルをめくって読んでおり、いちいち鎧にツッコミは入れません。

そこにマーベラスが起きてきたので、鎧はマーベラスにもファイルを1冊渡して、
「はい!これ読んでいろいろ覚えてください!」と言って渡しますが、
マーベラスは起きてくるなり、いきなり変なファイルを渡されて何のことやら分からない様子です。
ハカセとアイムは熱心にファイルに目を通し、「これは大変な偉業ですね!」とアイムは鎧を褒め称えます。
ルカは面白がって見ている様子で、「へぇ〜・・・こんな戦い方もあるんだ・・・」と感心しています。

この「スーパー戦隊大百科」ファイルの内容ですが、
あくまで「ゴーカイジャー」物語世界のスーパー戦隊ファンの鎧の手に入る範囲の資料をまとめたものですから、
素顔の戦士情報はほとんど無く、それぞれの戦隊の技や武器、巨大メカや巨大ロボなどの使い方の解説が
まとめられているようです。
それに、これは趣味の戦隊情報ファイルではなく、
あくまでゴーカイジャーがそれぞれの戦隊に変身して戦う時の参考にするための実用的資料ですから、
素顔の戦士情報などは不要なのです。

それにしても、確かに皆が驚くほどの膨大な資料となっており、
鎧は「変身を間違わないように」などと言ってはいますが、
そんな目的のためだけならば、ここまでの資料を揃える必要は無い。
いくらスーパー戦隊マニアの鎧でも、これだけの資料をまとめるのは並の苦労ではなかったはずです。
つまり鎧がこの資料を作った本当の目的はもっと大きな別のものであるようです。

それは、ゴーカイジャーが34のスーパー戦隊の力を使って戦う以上、
34のスーパー戦隊の正しい戦い方を理解して、戦い方を見習うようになってほしいということです。
そして、そこから出発して、ゴーカイジャーが34のスーパー戦隊の素晴らしさを理解して、
自然にその精神も見習うようになって、
34のスーパー戦隊のように地球を守る正義の戦隊になってくれたらいいな、という願望があるのです。
鎧はマーベラス達に最初に会った時に言っていた
「ゴーカイジャーをもっと素晴らしいスーパー戦隊にする」という野望をまだ諦めてはいないのでした。

そうした野望を秘めて作った資料がなかなか好評を得たのです。
よく見ると、マーベラスまで面白そうにファイルを眺めています。
野望に向けて秘かに一歩前進の手応えを感じた鎧はすっかり有頂天となり、
ずっと部屋の端っこで筋トレをしていたジョーのところにも残った1冊のファイルを持っていき
「ジョーさんも見てみてくださ・・・」と言いかけたところ、
ジョーはすっと立ち上がって「・・・時間だ!・・・買い出しに行ってくる・・・」と言って、
素っ気なく鎧を無視して出かけようとしたのでした。

ジョーはずっと部屋の中にいたわけですから、
当然、鎧が「スーパー戦隊大百科」を自作してきたことや、
皆がそれを面白そうに読んでいることも知っているはずです。
それなのに、そのファイルには全く興味を示そうとはしていません。
その無視の仕方を見ると、単に興味が無いというだけでなく、露骨に避けようとしている気配すらあります。

興味が無いなら興味が無いと言えばいいのですが、
全く相手にもしようとしておらず、その存在すら無視するようなジョーの態度は、
言外に「今後、俺の目の前にそんなものを持ってこないように」と
鎧に向かって釘を刺すような雰囲気すら醸し出しています。
鎧はジョーの完全無視の態度に一瞬ひるみますが、そこは根性の男なので、簡単には諦めません。
「ジョーさん!」と、出て行こうとするジョーの後ろ姿に呼びかけて
ファイルをテーブルに置いて「俺も行きます!!」と叫んでジョーの後について行くのでした。

ここでOPテーマが始まります。
冒頭のナレーションは「冒険とロマンを求めて〜」の通常回バージョン。
OPテーマが終わり、CM明け、「星降る約束」という今回のサブタイトルが出ます。
これは通常回ですから何かのフォーマットも関係なく、今回の内容そのまんまのサブタイトルといえます。

そして本編が再開し、買い出しに出たジョーと、ジョーにくっついてきた鎧の2人が
買い出し先の店に向かって線路沿いの道を歩いているところです。
ジョーは1人でさっさと先に歩いていき、鎧は「待ってくださいよ!ジョーさん!」と追いかけています。
以前、第4話の時、アイムと一緒に買い出しに出た時も
ジョーは荷物を持ってさっさと先に歩いて行きアイムを困惑させていましたが、
ジョーは基本的にマイペースの男で、さっさと先に歩いて行ってしまうのは単なるクセであって悪気は無いようです。

しかし、あの時もアイムがハラハラしてしまっていたように、
まだジョーに慣れていない人には誤解されやすい悪いクセだといえます。
今回も鎧はまだよくジョーのことが分かっていないので、
さっきジョーに素っ気なく無視されたことと関連づけて、
ジョーがさっさと歩いていっているのは、ジョーが不機嫌だからだと思っていました。

ジョーは別に鎧のことが嫌いなわけではありません。
第19話では「気に入った」と言っています。
だから鎧のことが嫌で不機嫌なのではないということは鎧も分かっています。
何か理由があるはずです。
その理由はさっきの「スーパー戦隊大百科」なのではないかと鎧は思っています。
素っ気なく無視して見ようともしなかったのですから、ジョーはあれが気に入らなかったのだと鎧は思いました。

そして、何故ジョーが「スーパー戦隊大百科」を嫌うのかというと、
宇宙海賊である自分達がスーパー戦隊の真似事をしたりすることが嫌なのだろうと鎧は想像したのでした。
「地球を守る義理など無い、単にお宝探しに地球にやって来ただけの自分達がどうして
スーパー戦隊のように地球や地球人を守って戦わねばならないのか?」という疑問がジョーの中にあり、
それゆえ、鎧が「スーパー戦隊大百科」を押し付けようとしたことを不愉快に思ったのであり、
それでまだジョーは機嫌が悪いのだろうと、鎧は思いました。

それなら大人しくジョーの機嫌が直るのを待ってもよさそうなものですが、
こうしてジョーに素っ気なくされてもめげずに買い物について来ているぐらいですから、
鎧はそんなしおらしい男ではありません。
自らの「ゴーカイジャーを素晴らしいスーパー戦隊にする」という野望実現に向けて、
ジョーの心を変えていきたいという、かなり余計なおせっかいを焼く気満々です。
なんともウザい男です。

鎧はジョーに追いつくと、並んで歩きながら
「ジョーさん、地球に来て何か気に入ったことってあります?」と質問します。
これを受けて、ジョーはスタスタ前を見て歩きながら「う〜ん・・・何だろうなぁ?」と気の無い返事をします。
別にジョーは不機嫌でもないし、さっきのファイルの件で不愉快なわけでもないのですが、
いきなりそんなことを質問されても、急に答えは思いつかないし、
そんな大事な話だとも思えないので全く興味なしの様子です。
そんなことより買い物のことばかり考えているジョーでありました。

しかし鎧はジョーに地球を守る気持ちになってもらおうとして、
一緒に地球の良いところを褒める会話をしたかったので、ジョーの素っ気ない返事に失望し、
「それって、寂しいですよぉ!」と口を尖らせます。
そしてジョーの前に回り込んで後ろ歩きをしながらジョーの顔を正面から見据え
「皆さんは他所の星の方々ですけど・・・35番目のスーパー戦隊なんですから、もっと地球のことを知って!
好きになってくださいよぉ!」と抗議して、残念そうな顔でまた前を向いて歩き始めます。

ジョーがあまりに地球に対して興味が無くて、好きになってくれそうにないので、
このままではゴーカイジャーを地球を守るスーパー戦隊にしたいという鎧の野望は実現困難であり、
それが鎧には悔しかったのでした。
というか、自分の野望の問題もありましたが、
それより何より、地球人の鎧としては、仲間であるジョーが地球に対して無関心であり好きではない、
守る必要も感じてくれていないというのは、単純に寂しいことでもあったのでした。

ところが、鎧の言葉を聞いてジョーは何故かムッとした表情になって立ち止まり、
「・・・別に嫌いじゃないぞ?・・・この星は・・・」と言って、鎧を睨みます。
鎧はジョーの口調が変わったのに反応して、不思議そうな顔で振り向いて立ち止まります。
どうしてジョーが急に怒っているのかよく分からなかったのでした。
いや、ずっと鎧はジョーが不機嫌だと思っていたのですが、
不機嫌になったのは今の自分の言葉を聞いてからだったことに気付いたのです。
そして、そのジョーの不機嫌な感じは、
さっきガレオンの船室で差し出したファイルを無視した時に感じたのと似ていると思いました。

しかし、いずれの場合もなんで急にジョーが不機嫌になったのか、鎧にはさっぱり分かりませんでした。
地球を好きになることが嫌なのであれば、今回ジョーが不機嫌になることはよく理解出来るのですが、
ジョーは地球のことを嫌いじゃないと言いました。
ならば、どうして地球のことを好きになって欲しいと言ったら不機嫌になるのか、鎧にはよく分かりませんでした。
また、ジョーが特に地球のことが嫌いじゃないのなら、
どうして他の仲間が興味深そうに読んでいた「スーパー戦隊大百科」に対して
ジョーだけがあれほど露骨な無視をしたのか、それもよく分かりませんでした。

いや、ジョーは地球のことを「嫌いじゃない」と言っただけであって「好き」とは言っていないわけで、
やはり地球のことは好きではないのかもしれないとも思えました。
それで鎧が戸惑って一瞬その場で立ち尽くした時、鎧の背後の踏切を横断して、
いきなり自転車が飛び出してきたのでした。
「おっと!!」と慌てて避ける鎧の横をかすめて自転車は通り抜け、急ブレーキで停まり、
運転者は「何処見て歩いてんだよ!気をつけろ!!」と鎧を怒鳴りつけます。

見てみると、それはマウンテンバイクに乗った小学5〜6年生ぐらいの少年でした。
「お前こそ危ないだろぉ!」と鎧は言い返します。
確かに鎧もボケッと踏切の手前で突っ立っていましたが、明らかにこれは少年の方の前方不注意です。
しかも踏切にかなりの速度で突っ込んできたわけで、
いくら自転車とはいえ、踏切の手前では速度を落として安全確認をすべきです。
それを怠るぐらい急いで踏切を渡ったので、鎧のことも避けきることが難しかったのです。
スピードの出し過ぎなのです。

それを鎧は注意したのですが、少年は鎧の言葉をロクに聞かず、
自分が怒鳴り終わると、さっさと自転車を漕いで走り出してしまいました。
「ちょっと待てって!」と慌てて鎧は呼び止めようとしますが、
少年は「急いでんだよ!」と振り向きもせず面倒臭そうに言って、走り去っていきました。
何かよほど急ぐ用があるようですが、それにしても、かなりやんちゃな少年のようです。
「なんだよ!アイツ・・・!」と鎧は顔をしかめます。
小学生に好き放題言われた挙句、注意しようとしたら無視されたのです。面白かろうはずがありません。

ところが、その背後に立ってジョーは何故か楽しそうに「ひとつ知った!」と指を1本立てます。
鎧が(え?)と振り向くと、ジョーはニヤリと笑って「地球の子供は悪ガキだ!」と言うと、
軽い足取りでまたさっさと歩き出して踏切を渡っていったのでした。
鎧はさっき自分が「地球のことを知って好きになってください」と言ったのを逆手に取って
ジョーが自分をからかったのだと気付きました。
自分が知ってほしいと思ったのは地球のもっと良い面であって、
あんな悪ガキのことを知ってほしかったわけではない。
しかし、確かにああいうのも地球の一面であるわけで、ああいう悪ガキのことを持ち出されて、
ジョーに「地球のことを知ったら嫌いになったぜ」と言い返す口実を与えてしまったように思えて、
鎧は慌てて「あんなのは特別ですよぉ!!」と喚きながらジョーを追いかけます。

しかし、ジョーは少年が飛び出してくる直前は鎧の言葉で不機嫌になっていたはずなのですが、
どうして急に楽しそうな様子になったのか?
まぁ基本的には、少年が悪ガキだったので鎧のことをからかうネタが出来たと思って嬉しかったのでしょう。
しかし、ジョーが鎧のことをからかっているポイントは、
鎧がジョーのことを「地球を嫌っているのではないか?」と疑っていることを前提として、
実際は地球のことを「嫌いじゃない」ジョーが、少年のことを嫌ったように見せかけて、
鎧を焦らせて楽しんでいるという点にあります。

それでジョーは楽しげなのですが、これは要するにジョーはあの少年のことを実は嫌っていないということです。
しかし、あの少年は悪ガキであり、鎧に対して無礼であったのは事実です。
お世辞にも良い少年ではない。
それを嫌っていないということは、ジョーはかなり子供に寛容な男だといえます。
というか、ジョーは実は結構、子供好きなのではなかろうか?
ジョーが楽しそうにしているのは、鎧をからかうネタが見つかったという理由もあるのでしょうが、
少年の腕白ぶりを見て微笑ましく思ったからではないでしょうか?

よく考えたら、ジョーは第2話でマーベラスからレンジャーキーを奪った少年と別れる時、
いきなり少年の頭を撫でたりしており、実は子供に優しい男ではないかと思われるフシがあります。
そして、なんといっても、第12話で出てきた回想シーンで、
ジョーはザンギャックの新兵時代、異星人の子供を殺すよう命令されてそれを拒んで反逆し、重罪に問われています。
命令に従わなければ重罪に問われることはジョーには分かっていたはずです。
それでもどうしても子供を殺すことだけは出来なかった。
つまり、ジョーというのは実は非常に子供好きな戦士だったのです。

しかしジョーはその自分の子供好きな面を仲間たちも含め他人には見せないようにしています。
第2話では誰もいなくなった時に少年の頭を無言で撫でて去っていっただけですし、
第12話の回想シーンでの出来事は誰にも喋っていません。
それは何故なのかというと、
ジョーは自分には「子供好きで、子供を守るために戦うヒーロー」である資格は無いと
思っているからではないかと思います。
というより、そんな立派なヒーローなど存在しないという一種の諦念のようなものもあったと思われます。

ジョーがザンギャックに追われ、先輩のシドが命を落とす原因となったこのジョーの反逆事件ですが、
ジョーが命令を拒み暴れたせいで異星人の子供たちは助かったのかというと、答えはノーでしょう。
おそらくジョーが取り押さえられると同時に、子供たちもジョーの目の前で惨殺されたと思われ、
ジョーの行為は子供たちを救うことは出来なかった。
ジョーはザンギャックの支配する宇宙の理不尽な現実の前に全く無力であったのです。

ジョーは新兵として配属されていきなり子供を殺すよう命じられて酷く混乱してしまったぐらい、
ザンギャック軍の実態というものをよく分かっていなかったようです。
そして現実を突きつけられてなお、子供を殺す命令に従うことが出来なかった。
これはおそらく、ジョーは配属前の訓練時代まではザンギャック軍をかなり理想化しており、
まさに子供たちを守る正義のヒーロー的なものだと思っていたので、
その理想と現実のギャップのあまりの大きさに対処することが出来なかったからではないかと思います。

シドもジョーを脱走させた時「俺たちはザンギャックに騙されていた」と言っているところを見ると、
彼らが当初はザンギャックを正義だと信じ、ザンギャック軍の特殊部隊員となることに、
まさに地球においてゴレンジャーやサンバルカンのような特殊任務の秘密戦隊の一員となるような、
正義のヒーロー的なものとなる誇りを感じていたと想像出来ます。
ジョーの場合はもともと子供好きな性格だったので、
宇宙の星々の子供たちの安全を守る憧れのヒーローになりたいという夢を抱き、研鑽を積んでいたのでしょう。

ところが現実には自分達は子供たちを守る正義のヒーローなどではなく、
逆に宇宙の星々を荒らし回り、子供たちまで殺戮していく侵略の尖兵に過ぎなかった。
自分はそれに抵抗して子供たちを救おうとしたが、
子供たちは殺され、自分も投獄され、脱走兵として宇宙に身の置き場が無くなり、先輩のシドも殺された。
この大きな挫折によって、ジョーは「この宇宙に正義のヒーローなど存在しない」と思うようになったのでしょう。

シドはジョーの行為や、そのジョーを助けた自分の行為は正しかったと言いました。
それはつまり宇宙に正義は存在するという主張であり、
宇宙に正義は存在する証として、正しい行為をして追われる立場となった2人が
宇宙の何処かで再会するという約束を結んだのでした。
しかし、直後にシドは追手に捕まり、ワルズ・ギルによって記憶を奪われて
改造されバリゾーグにされてしまいました。つまり実質的に死んだのです。

そのことをジョーは第11話までハッキリとは知りませんでしたが、
ただシドが追手に捕まった段階でジョーはシドが死んだということは半ば分かっていたといえます。
つまり宇宙に正義が存在するという証を立てる約束も果たされず、
やはり宇宙に正義など存在しないという絶望がジョーを捕えました。
正義のヒーローになりたいというジョーの夢は完全に挫折したのです。
そんな時、たまたま出会ったマーベラスの
「宇宙最大のお宝」という途方もない夢を真っ直ぐ追いかける姿を見て、
夢を失ったジョーは、マーベラスの夢に付き合うことを新たな自分の夢として生きていく決意をしたのでした。

そして今に至るわけで、ジョーの夢はあくまでマーベラスと共に「宇宙最大のお宝」を見つけることであって、
「正義のヒーローになりたい」というのは過去において既に失われた夢でしかありません。
だからジョーはその夢を封印し、誰にも見せることなく、自分自身でもほとんど忘れていました。
子供好きであるという性格までは変えることは出来ないのですが、
子供を守ることも出来なかった自分を責めているジョーは、
子供好きであることを他人に知られることも避けがちになったのでした。

ところが「宇宙最大のお宝」を探しに地球へやって来て、
第1話で子供を苛めているザンギャック怪人を見て腹が立ちやっつけたところ、
いきなり地球人の保母から正義のヒーロー扱いされてジョーは驚くと同時に
古傷を弄られるような不愉快な気分になったのでした。
そして自分達が集めて戦いで使っていたレンジャーキーが
地球を守る正義のヒーローの力が封じられたものだということを第2話で少年から聞いて知り、
どうして自分達が正義のヒーローに間違われたのか納得はいったものの、
どうにも居心地の悪い気分はずっと抱えていたのでした。

それで、レジェンド戦士たちと会って「大いなる力」を集める作業においても
ジョーはあまり積極的な役割を果たそうという気分にはなれていなかったのでした。
志葉薫とレンジャーキーを賭けて勝負したのも、最初に仕掛けてきたのは薫の方であるし、
ジョーは単に剣の勝負をしたかっただけのことでした。
それ以外は「大いなる力」獲得においてジョーはほとんど役に立っていないに等しい。
それだけジョーはレジェンド戦士たちと距離を置きたがる傾向が強いといえます。

ギンガの森の近くでリョウマに命を救われた際も、
アイムは丁寧に礼を述べているのにジョーは礼も言わず、かなり不愛想な対応しかしていません。
あれはジョーがいくら不器用な男だといっても、ちょっと無礼過ぎるともいえる対応で、
どうしてもレジェンド戦士たちに素直になれないジョーの心情が表れたと言っていいでしょう。
それはやはり、かつて自分が挫折した夢である「正義のヒーロー」を実現している者たちに対する
屈折した心理が原因でしょう。

自分の挫折体験を通して、宇宙には「正義のヒーロー」など存在するわけがないとジョーは確信していたのです。
宇宙に正義など無い以上、自分の夢が挫折したのも仕方ないという自分に対する慰めも、
そこには含まれていました。
ところが地球に来ると、その「正義のヒーロー」が実在するというのです。
その現実はジョーにとっては素直に受け入れがたいものでした。
だからレジェンド戦士やスーパー戦隊に対して屈折した態度をとってしまい、
あまり深く関わりたくないという消極性となるのです。

それでジョーは鎧の作った「スーパー戦隊大百科」にも興味を示さず、
むしろ、あえて無視するような態度をとっていたのです。
別に不機嫌になっていたわけではなく、ジョーとしてはその方が自然な行動だったともいえます。
ジョーは鎧のことを今では海賊仲間としては気に入っていますが、
それでも鎧がやたらとスーパー戦隊のことを引き合いに出すところは苦手で、
それがあるので最初は鎧に対してツンツンした態度だったとも見てとれます。
同時に、「宇宙全体をひっくり返したい」という鎧のとんでもない目標に最も激しい反応をしたのが
ジョーであるというのも、ジョーの中で「宇宙には正義などない」という固定観念が
強かったからでもあったからでした。
それが鎧のスーパー戦隊に憧れる想いと関係していることも分かるので、
ジョーは少しばかり鎧のスーパー戦隊熱に対して屈折した対応をしがちです。

また、先ほどの鎧との会話の中でジョーが急にムッとしたのは、
「地球を好きになってほしい」という鎧の要望に対して腹を立てたわけではありません。
ジョーが言い返した通り、ジョーは地球のことが嫌いではないのです。
これは「好き」ということなのですが、単にジョーは照れ屋なので、
そういう甘い言葉を言うのが苦手なので「嫌いじゃない」という言い方になっているだけのことです。
だからジョー自身は自分が地球を好きだということは分かっているわけで、
「地球を好きになってください」という鎧の要望に対して、もっと穏やかに対応してもいいはずです。

それなのにジョーがムッとしていたのは、別のことで腹が立っていたからです。
それは鎧がジョー達のことを「35番目のスーパー戦隊なんですから地球を好きになってください」と、
ことさらに「スーパー戦隊」だということを強調したことです。
それに対してのジョーのムッとして言い返した言葉が
「別に嫌いじゃないぞ・・・この星のことは・・・」という、やや意味深な言い回しであり、
これはつまり、地球のことは嫌いじゃないが、スーパー戦隊のことは嫌いだという意味、
あるいはスーパー戦隊だと見なされることは嫌いだという意味が言外に含まれているのです。

ジョー自身は地球のことは普通に好きなのに、
そこにいちいちスーパー戦隊だからとか、そういう話を持ち込まれるのが不愉快なのです。
何故ならスーパー戦隊に対して、過去の自分の夢の挫折というコンプレックスを刺激させるものとして
苦手意識があるからです。
そうして一瞬、不愉快な気分になったジョーでしたが、
そこに乱入してきたワンパク少年が元気に鎧と口喧嘩している姿を見て、
子供好きのジョーは楽しい気分になって、不愉快な感情は吹っ飛んでしまったというわけなのです。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 12:58 | Comment(0) | 第22話「星降る約束」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月19日

第22話「星降る約束」感想その2

さて、先ほど、鎧と揉めた自転車の少年ですが、さっきの踏切の近くにある神社の前で自転車を停めます。「やっと・・・ここまで来た!」と、かなり疲労しているようですが達成感に溢れた顔をしています。
どうもだいぶ遠くからやって来たようです。
「・・・念のために晴れるよう拝んどくか・・・」と少年は自転車を降りて、神社の境内へ向けて階段を歩いて登り始めます。
神社に用があるわけではなく、目的地の近くの神社まで到達したので一休みがてら、
参拝をしようというつもりのようです。
そして、この少年は空が晴れることを望んでいるようです。

ところが神社には先客がいました。それはザンギャックの行動部隊だったのです。
「ザンギャック・・・」と少年は驚いて階段の陰に身を潜めて様子を窺います。
少年もザンギャックが地球を攻撃してきていて、あちこちに出没しては悪さをしているのは知っているようです。
だから見つかったら酷い目に遭わされると思い、咄嗟に隠れたのでした。

見てみると、神社の本殿の中からゴーミンが何かを持ってきて何かを報告しています。
それを聞いた行動隊長らしき怪人が「なに!?あったか!」と喜び、ゴーミンは何かをその怪人に手渡します。
それは三角錐型をした黒光りする小さな物体でありました。
どうもこの神社でご神体のようにして祀られていた物体のようです。
「パワーストーンの片割れはこれか!」と言って怪人はその三角錐型の物体を指先でつまんでゆっくり回して眺めます。
すると、太陽の光がその物体に反射して、その光が階段の陰から覗く少年の目を射たのでした。
眩しさのあまり「うっ!」と思わず声を出してしまった少年は、ザンギャックの連中に見つかってしまいました。

「見たなぁ・・・!」と凄む怪人と目が合って、少年は身の危険を感じて慌てて階段を駆け下りて逃げ出しますが、
「逃がすなぁっ!!」と怪人はゴーミン達に少年を追いかけさせます。
どうして少年に見られたぐらいでここまで必死になるのかよく分かりませんが、
コッソリと神社で探し回っていたところを見ると、
この怪人がこの「パワーストーンの片割れ」と言っていた物体を手に入れる作戦はよほどの隠密作戦なのでしょう。
少年は慌てて階段を駆け下りたので、つまずいて階段を転げ落ちてしまいますが、
ちょうど自分の自転車の横に落っこちたので、怪我した脚を引きずって必死で起き上がり、
素早く自転車に乗ると、走り出して逃げます。ゴーミン達も後を走って追いかけます。

そして少年は、必死で自転車を漕いで電車の車庫のような場所に逃げてきます。
そこには、ちょうど買い出し先の店への近道ということでジョーの鎧が通りかかっており、
「助けて!」と叫んで逃げてくる少年と鉢合わせします。
「お前!・・・さっきの!」と鎧は、その少年がさっきの悪ガキであることにすぐ気づき、
どうしてこんなところでその少年が助けを求めて走っているのかと驚きます。
それに対して少年は「助けて!ザンギャックが・・・!」と無我夢中で助けを求めます。
相手がゴーカイジャーの2人だと分かっているわけではなく、
それどころか、さっき出会った2人組だということも分かっているかどうかも怪しい、
それほど少年は慌てています。

ザンギャックと聞いてジョーと鎧も驚き、少年の来た方を見ると、そこにゴーミン集団が追いかけてきます。
「ゴーミン!」と鎧が驚きの声を上げ、ゴーミン達もジョーと鎧の姿を見て驚いたように立ち止まり身構えます。
そのゴーミン達の中から「なんでこんな所にいる?・・・海賊ども!」と悪態をつきながら、さっきの怪人が姿を現します。
怪人は隠密行動の最中にまさかゴーカイジャーにまで出くわすとは思っていなかったようで、
多少困った様子ですが、秘密の作戦を目撃されてしまった少年を捨ておくわけにもいかず、
少年がゴーカイジャーに助けを求めている以上、ゴーカイジャーと戦って少年を奪うしかないと焦っています。

鎧はザンギャックが異様に殺気立って少年を追いかけているということは、
よほどこの少年を狙う事情があるのだろうと思い、
「この子をどうする気だ!?ザンギャック!」と質しますが、当然返答はありません。
問答無用で戦いとなると予想したジョーは少年の自転車に手をかけて「・・・ここでじっとしてろ」と言うと、
鎧と並んで急遽、豪快チェンジしてゴーカイジャーに変身します。
少年はじっとジョーの顔を見て、さっき出会った2人組だと思い出したようでしたが、
2人が「ゴ〜カイジャァ!」というコール音を立ててゴーカイジャーの姿に変身したのを見て
「・・・宇宙海賊?」と驚いたような不審そうな顔をしました。

昨今の地球ではゴーカイジャーという宇宙海賊が地球に来ていてザンギャックと争っているらしいことは
少年でも把握している有名な事件であるようです。
まぁあれだけ堂々とあちこちの街中にガレオンを係留しており、
そこかしこでお宝探しや喧嘩などの騒動を引き起こしていれば、嫌でも有名にもなるでしょう。
ただ、従来の戦隊のように、子供から見て明らかに「味方」といえる存在ではないようで、
少年は自分がさっき口喧嘩し、そうとは知らずにたまたま助けを求めた相手が巷で噂の宇宙海賊であったことに驚きつつも、
その宇宙海賊が自分を守ろうとして戦い始めたように見えることに意外な印象を受けているようでした。

巷で知られているマーベラス一味のイメージは「お宝探しに地球にやって来た宇宙海賊たち」であって、
それが地球人を守ってザンギャックと戦うとは、あまり思われていないようです。
実際は彼らは地球の人々がザンギャックに襲われているとよく助けたりしているのですが、
彼ら自身がかなりツンデレなので、「たまたま成り行きでそうなっただけ」という表面的態度を崩しておらず、
そのせいで、彼らの優しい本質部分は世間にはほとんど知られていないようです。
世間というものは、悪い噂というものは労せずして簡単に広まるものですが、
良い噂というのはしっかりアピールしないと広まらないものです。
だから「マーベラス一味が実は地球人を助けるために戦っていたりする」という事実は全く世間には伝わっておらず、
「あいつらが勝手にザンギャックと喧嘩したら、たまたま助かった」という程度の扱いであるようです。

ここでも正義のヒーロー気質の鎧はもちろんのこと、ジョーも少年を守るために戦っているのは明白なのですが、
少年は宇宙海賊に対する世間の偏見に毒されているので、
2人が勝手に喧嘩しているのか、それとも自分を助けようとしているのか、
よく分からないようで、困惑している様子です。
ジョーはともかく、正義のヒーローを自認する鎧までそんな扱いにまとめられてしまっているのは、
海賊団に入った鎧の自業自得とはいえ、いささか気の毒ではあります。

さて、変身したジョーと鎧はゴーミン達をバッタバッタと倒していき、早くもゴーミン達は全滅、
行動隊長の怪人1人だけが残され、ジョーと鎧と向き合う羽目となります。
2人を倒して目撃者の少年も消すという思惑がほとんど崩れてしまった怪人は悔しがり
「いつもいつも邪魔ばかりしやがってぇ〜!!」と2人を怒鳴りつけますが、
鎧は「それはこっちのセリフだ!」と言い返す。
鎧にしてみれば、地球の人々の平和な暮らしをいつもいつも邪魔して変な破壊活動をやっているザンギャックこそ、
この星の住人である鎧たち地球人にとっては邪魔者なのです。
この鎧の考え方はいかにも地球を守るヒーローを志向する鎧らしい考え方だといえます。

しかし宝探しに地球にやって来たマーベラス一味もある意味、
ザンギャックと同じように地球にとってはお邪魔虫でしかないわけで、
その一員のジョーにはそういう鎧のような典型的「地球を守るヒーロー」的な考え方はあまりピンとこない。
それでジョーは鎧が買い出しの邪魔をされたことに立腹しているのだと思い、
鎧に調子を合わせたつもりで「買い出しの邪魔しやがって・・・」と凄みます。
ジョーにしてみれば、今のこの状況でザンギャックが何かを邪魔したかと考えると、
買い出しの邪魔になったということしか思い浮かばなかったのでした。

一方、鎧はそんな小さい話をしていたつもりではないので、ガクッとコケかけて、
「そこ・・・?」と思わずジョーにツッコミを入れますが、
そこにすかさず敵の怪人が目から破壊光線を発射してきて、慌てて2人は別々の方向に跳んで避けます。
起き上がった鎧は「ジョーさん!ここは恐竜戦隊でいきましょう!」と言い、
緑色のレンジャーキーをゴーカイセルラーにセットし、多段変身の準備に入ります。
ジョーもそれに呼応して「ああ!豪快チェンジ!」と、何かのレンジャーキーをモバイレーツに挿し、
鎧もゴーカイセルラーのボタンを押して「豪快チェンジ!」とゴーカイセルラーを突き出します。

すると鎧のゴーカイセルラーから飛び出したのはジュウレンジャーの紋章で、
「ジュウ〜レンジャ〜!!」のコール音で鎧が変身したのは
恐竜戦隊ジュウレンジャーの追加戦士であるドラゴンレンジャーでした。
まさに恐竜戦隊という予告通りの変身であったわけですが、
横で同時に変身したジョーの方は、「ア〜バレンジャ〜!」というコール音のもと、アバレブルーの姿になり、
そのまま平然と剣型にしたアバレイザーを構えて敵怪人へ突っ込んでいったものですから、
鎧は頭を抱えて「んも〜!それは爆竜戦隊ですよおお!!」と猛抗議して獣奏剣を抜いて後に続きます。

またまた鎧の加入後恒例になっている多段変身時の息が合わないギクシャクっぷりをギャグにした描写なのですが、
今回は同じ恐竜モチーフ戦隊同士ということでよく似ているジュウレンジャーとアバレンジャーを
混同してしまうという、前回の忍者ネタに続いて、分かりやすい間違いネタできました。
前回は鎧は「忍者でいきましょう」と曖昧なことを言って、
自分は「忍者戦隊」ではなく「忍風戦隊」のシュリケンジャーに変身してしまったので、
むしろ間違えていたのは鎧の方でした。
というより、鎧の受け持ちのレンジャーキーの中で忍者モチーフのものはシュリケンジャーしかなかったので、
それは仕方なかったともいえます。

今回は鎧の受け持ちのレンジャーキーの中で恐竜モチーフのものは
「恐竜戦隊」のドラゴンレンジャーと「爆竜戦隊」のアバレキラーの2つがありました。
その中で鎧は、今回はわざわざ「恐竜戦隊」と指定してドラゴンレンジャーを選んだわけですから、
当然ジョーも同じ「恐竜戦隊」のブルー戦士であるトリケラレンジャーに変身してくれるものだと思っていました。
ところがジョーは同じトリケラトプスをモチーフとした戦士ですが、
「爆竜戦隊」の方のブルー戦士であるアバレブルーに変身したわけですから、
今回は明らかにジョーの方が間違っています。

ただ、どうでもいいことですが、たまたまブルー戦士は同じトリケラトプス型であり、
他にティラノザウルスと翼竜プテラノドン型のものもあるという点ではこの2戦隊は共通していますが、
ジュウレンジャーの方は「恐竜戦隊」という看板を掲げていながら
他がマンモスとサーベルタイガー型という哺乳類が入っているという不徹底ぶりであり、
対してアバレンジャーの方が他がブラキオザウルスと翼竜トゥプクスアラ型というふうに、
むしろ恐竜戦隊のコンセプトが徹底しています。

しかしジョーはそんなことまで考えているわけではなく、
スーパー戦隊に関する知識不足のために単純に間違えただけです。
ただ、ジョーにとってはそんなことはどうでもいい細かい事としか思っておらず、
鎧の抗議を「似たようなもんだろ!」と軽く流しつつ怪人をアバレイザーで斬っていきます。
どっちにしても同じ角竜モチーフの戦士なのですから、大して問題があるとは思えないようです。
しかし鎧は間に割り込んで怪人の腕を捩じりあげながら「全然、違いますよぉっ!!」と言い返します。
スーパー戦隊マニアの鎧にとってはジュウレンジャーとアバレンジャーは似ているようで全然違うのです。

ジュウレンジャーは古代恐竜人類の戦士が独自の神秘のパワーで変身した姿であり、
アバレンジャーは異次元にあるダイノアースというもう1つの地球で独自に進化した竜人(恐竜人類の末裔?)が
独自の技術で開発したバトルスーツを装着して戦う戦士であり、
確かに両者とも恐竜人類っぽい者に由来する戦士ではあるものの、
前者は不思議パワーで変身し、後者は人工的スーツを着用して変身するという大きな違いがあります。
それゆえ、ジュウレンジャーの場合、地球のパワーを吸収しながら、
それを武器を通して攻撃エネルギーとして使う戦い方であり、
一方、アバレンジャーの方は武器はあくまで人工的な攻撃機能を備えつつ、
自身の生命エネルギーであるダイノガッツを攻撃エネルギーに転換して使うことも出来ます。

このように根本的に性格の違う戦隊なのであって、戦い方も細かいところでは自ずと違ってくるはずです。
鎧のようにスーパー戦隊のことを細かく知っていれば知っているほど、そのように思ってしまうものです。
同じ性格や特徴を持ち、同じ戦い方をする同じ戦隊メンバー同士のコンビの方が強いのが当たり前。
だから「戦隊」というチーム形式が基本となっているのです。
そのように鎧は思っているので、同じ戦隊での豪快チェンジにこだわる気持ちが強いのです。

ところが実際は、VSシリーズなどを見ても分かるように、
性格や特徴の違う戦隊同士が混じって共闘しても、それでも戦隊は強いのです。
つまり、実際の戦隊の戦士というものは、マニアが勝手に色分けするほどに融通の利かない戦士なのではなく、
本当に優れた戦士であるゆえに、真逆の性格の戦隊同士の共闘でも実力を発揮出来るほどには
臨機応変の戦い方が十分に出来るのです。

しかし、鎧がジョーが今回間違えたことに関して憤っているのは、
そういった実際の戦闘面の問題によるものだけではないのです。
鎧はジョーがジュウレンジャーとアバレンジャーの違いも「似たようなもん」と
軽く言ってしまうことが引っ掛かっているのです。
ジョーがそんな両戦隊の基礎的な違いも分かっておらず、興味も持とうともしないのは、
「スーパー戦隊大百科」にも興味も示さないほどにレジェンド戦隊について無関心だからであり、
それは結局、ジョーが地球を守りたいという気持ちが湧くほど好きではないからだと鎧は思っているので、
それが鎧には寂しくて腹が立つのです。だからジョーに突っかかりたくなるのです。

こうして、ちょっとした口論をし合いながら怪人と戦う2人でしたが、
ジョーが「どけ・・・」と鬱陶しそうに鎧をどかせて怪人にアバレイザーの一撃を食らわせ、
鎧も避けざまに獣奏剣の一閃を怪人に浴びせます。
やはり別々の戦隊の戦士のコンビでも、しかも口論しながらでも見事なコンビネーションが決まるものです。
怪人は吹き飛ばされ、鎧はクルリとジョーの方に振り向き
「ちゃんと大百科、読んでくださいね!」としつこく説教しますが、
そこに起き上がった怪人がまた破壊光線を発射し、
ジョーがアバレブルー専用の盾であるトリケラバンカーでそれを防御します。

そしてジョーが「鎧!」と合図すると、鎧はジョーの肩を踏み台にして大きくジャンプし、
そこから獣奏剣から発したレーザーを怪人に食らわせ、
着地した鎧の後ろに隠れて突っ込んできたジョーがトリケラバンカーについた角を怪人の腹に突き立て、
怪人はこの2人の口論しながらも何故か見事な連携攻撃にダメージを受けて倒れ込んでしまいます。
その拍子に怪人の懐から、さっき神社で手に入れたばかりの例の黒い三角錐の小さな物体が零れ落ちました。
それはよほど大事なものなのか、怪人は戦いの最中だというのに慌てふためき、
「大事なパワーストーン・・・!」と叫んで必死でそれを拾い上げて懐にしまいます。

この奇妙な怪人の行動にジョーは一瞬、戸惑います。
パニックに陥っている怪人に更にトドメを刺すチャンスではあったのですが、
そこに鎧がまだ何か戦い方に文句があるらしく、突っかかってくるので、
ジョーと鎧がそうしてまた揉めているうちに、
怪人はこのまま1人っきりで劣勢の戦いを続けている場合ではないと思い直したようで、
「・・・そうだ!お前らに構っているヒマなど無かったのだ!」という捨てゼリフを残して、
自分の周囲の地面に破壊光線を発射して巻き上げた土埃に紛れて姿を消してしまったのでした。

怪人はもともと神社で遂行していた隠密作戦を進めることを優先させねばいけないという、
本来の任務を思い出したようです。
目撃者の少年のことは、もうこの際、捨ておいてもいいという判断のようで、
秘密の作戦が露見してしまうことよりも、まずは作戦遂行を急ぐべきだという判断のようです。
まぁ実際、この場ではジョーと鎧に勝って少年の口を封じることが不可能である以上、
この判断はベストとはいえないものの、怪人としてはやむを得ない判断だとは言えるでしょう。

「ああ・・・逃げられたか!」と悔しがる鎧を見てジョーは少し溜息をつきます。
鎧が戦いながらゴチャゴチャ文句ばかり言うので少しペースが乱れて怪人を取り逃がしてしまったと思っているのですが、
そんなことでペースが少しでも乱れた自分が甘かったと自分を戒めて
更なる精進をするのがジョーというキャラなので、いちいち鎧を責めたりはしません。
自分の甘さに対して溜息をついただけです。

そんなことよりも、ジョーはザンギャックがどうして少年を必死で追いかけていたのかが気になりました。
そこで2人は変身を解いて少年に待っているように言っておいた場所に戻りますが、
そこには少年の姿はありませんでした。
2人が辺りを見回すと、少年は自転車を押しながらコッソリと立ち去ろうとしています。

少年は結局、ジョーと鎧が単にザンギャックと私的な喧嘩を始めただけのことであり、
自分を助けてくれるために戦ったわけではないと判断したようです。
それは、ジョーが「買い出しの邪魔しやがって」と言ったから生じた誤解なのですが、
もともと宇宙海賊というものに対して必ずしも地球を守る正義のヒーローではないという先入観があるゆえに、
そのような些細な一言で誤解が生じるのであるとも言えます。
そういうわけで少年は助けて貰ったのに礼も言わずに黙って立ち去ろうとしています。

ただ、結果的にせよ2人のお蔭で助かったのも事実なのですから、礼ぐらいは言ってもよさそうなものです。
ところが少年は黙って立ち去ろうとしています。
それは、ただでさえ変な面倒事に巻き込まれてしまった上に、
これ以上、宇宙海賊に関わって更にこの海賊とザンギャックの抗争に巻き込まれるのを避けたかったからでした。
基本的に面倒事を避けたいというのもありますが、
この少年の場合、何か先を急ぐ用時があるみたいなので、そっちを優先させるために、
あえてジョーと鎧に関わるのを避けようとして、この場をコッソリ立ち去ろうとしていると見た方がいいでしょう。

しかし鎧はザンギャックが少年を追っていた理由を知りたいと思っていますので
「おい!お前!ちょっと待てよぉ!」と駆け寄り、少年の前に回り込んで通せんぼして
「いったい何があったん・・・」と問い詰めようとしたところ、
少年が左膝の下あたりをかなり大きく擦りむいて出血していることに気付き
「怪我してるじゃないか!」としゃがみ込んで傷口をまじまじと見ます。
そういえば立ち去っていこうとする少年が左足を引きずって歩いていたことを思い出し、鎧は心配します。

鎧はザンギャックが何かまた悪事を企んでいると見て、
それが何なのか突き止めるために少年に事情を問い詰めようとしていました。
それが結果的には人々の安全を守り、少年の安全も守ることにもなるという、
正義のヒーローの典型的な思考による行動だといえます。
しかし鎧は少年の怪我を見て、そんな思考は何処かに吹っ飛んでしまったようです。
ザンギャックの企みを暴くよりも、目の前の少年の怪我の方をまず心配してしまうという、
冷静に考えれば決して正解ではないかもしれない行動ですが、
鎧が冷徹な正義の執行人ではなく、まず目の前の傷ついた人を放っておけない
人情深い血の通ったヒーローであることがここで示されています。

この怪我は、さっき少年がゴーミン達に追われて神社の階段を転がり落ちた時に負った怪我であり、
他にも手足を何ヵ所も強く打っており、少年はどう考えても平気な状態のはずはないのですが、
少年はイライラした様子で「こんなのなんでもねぇよ!早く行かなきゃダメなんだ!」と鎧に言い返します。
単に強がっているというより、怪我のせいで引き止められることを非常に嫌がっているようです。
怪我をおしてでも、どうしても先を急がねばならない事情が何かあるようだと気付いたジョーは
「なんでだ?」と背後から尋ねました。

少年は一瞬迷ったように黙り込みます。
これ以上、海賊に関わりたくないが、事情を言わねば解放してもらえそうにないとも思えて、
少し迷った後、少年は不承不承、「・・・約束したんだ・・・」と答えます。
「約束・・・?」と問い返すジョーに、
少年は「去年、東京に引っ越す前、親友の大吾と、あの神蔵山で一緒に流星群を見ようって・・」と、
進行方向にそびえる小高い山を指さして説明しました。
この少年、もともとはこの町に住んでいたようなのですが、
半年前に東京に引っ越すことになり、その際、この町の大吾という親友と、
半年後に神蔵山という地元の一番高い山の山頂で一緒に流星群を見ようという再開の約束をしていたようなのです。

流星群というのは何種類もあり、定期的に出現するものや突発的に出現するものなど様々ですが、
毎年同じ日時に出現する定常群といわれるものは当然その出現日時はかなり前から特定することは出来ます。
この少年と親友の大吾は流星群を見ることが好きだったようで、
それゆえ引っ越し時点でその半年後のある特定の日時にこの町の高台から
ある定常群の流星群を観測出来ることは知っていたのでしょう。
それで、東京に引っ越すにあたり少年は、
その流星群の出現する日にこの町にやって来て、親友の大吾と一緒に流星群を見る約束をしていたようです。

そして、その流星群が出現する日がまさに今日なのであり、
少年は親友との約束を守るためにこの町へやって来たというわけです。
流星群が現れる時間帯もほぼ特定出来ているので、
その時間(おそらく夕方以降)に山頂で親友と待ち合わせをしており、絶対に遅れるわけにはいかない。
親友を待たせるわけにはいかないというだけでなく、流星群は待ってくれないわけだから、
遅れることは約束を果たせないことを意味するからでした。
そして、これから山登りをしなければいけないわけですから、流星群を見る夜までに山頂に辿り着くためには、
時間はそんなに余裕があるわけではない。だから少年は必死で急いでいるのです。

ところが鎧は。少年の説明を聞いて、呆れたように
「お前・・・東京から自転車で来たって、どう考えたって半日はかかっただろう!?」と叫びます。
この少年、自転車を漕いでいるということは、自宅から自転車でやって来たということですが、
今の少年の自宅が彼の話の通りに東京であるとするなら、
この町まで自転車でやって来るには、どう少なく見積もっても半日以上は必要なのです。
確かによく見ると少年は汗だくでかなり疲労した状態に見えます。
東京から長時間自転車を漕いでこの町へやって来たのは間違いない。
しかし、それほど遠いのならば普通は電車でやって来るはずです。
どうしてわざわざ自転車で無意味な労力を払ってやって来る必要があるのか、鎧は全く理解に苦しみました。

それに対して少年は憮然として「・・・悪いかよ・・・!」と、鎧にそっぽを向いてしまいます。
少年自身も自分の行動が普通の感覚では異常な行動だと見なされることは分かっているようですが、
何か意地になって異常な行動を貫こうとしているようです。
その少年の拗ねたような横顔を見て、ジョーはフッと微笑みました。
おそらく、親友との約束の際に勢いで自転車で来ることを約束してしまったのだろうと気付いたのです。
どうしてそんな馬鹿な約束をしたのかというと、それはいかにも少年っぽい、
ほとんど意味の無い何かつまらない拘りがあっての行動なのだろうとジョーは思いました。
そういう大人には理解しがたいものに拘るということは少年時代、誰にでも経験のあることです。
いちいち大人の目線で非難したり説教しても仕方ない。

それよりも、問題はその拘りを貫くかどうかの方です。
そんな自分しか信じる者のいないような子供っぽい変な拘りを応援してくれる大人もいませんし、
同じ子供同士でも味方してくれる者はそうそういないでしょう。
だから普通は少年時代の拘りなどというものは、すぐに諦める羽目になる。
そうやって少年時代の夢なんてみんな諦め、そして忘れていくものです。
それが普通なのです。そうやってみんな、まともな賢い大人の人間になっていく。

ところが時々、そうやって賢い道を選ばず、誰も応援してくれないのに、
つまらない子供じみた拘りをなかなか諦めずに追求しようとする馬鹿みたいなヤツがいます。
この少年、半日以上も自転車を漕いで約束を果たしにやって来たのは全く非論理的で馬鹿な拘りに違いありませんが、
その馬鹿な拘りを貫き通して、とにかくここにやって来た実行力と、
約束を果たしたいという強い意志は、称賛に値するとジョーは思いました。
いや、褒めるべきなのかどうかは分からなかったが、
とにかくジョーはそういう子供じみた馬鹿な行動を貫くヤツというのは嫌いではなかったのでした。

ニヤリと笑ってジョーは少年の肩を叩き「お前・・・馬鹿だろ?」と言いますが、
気の強そうな少年はバカにされたと思ってジョーを睨み返します。
するとジョーは少年の前に回ってしゃがみ込み、左膝の下の傷口を包帯で巻いて簡単な手当をして、
「よし!行け!」と言ったのでした。
少年は自分の行動をバカにされたので、てっきり山に行くのを止めさせられると思っていたようで、
ジョーの言葉に拍子抜けしたように驚きます。
鎧もてっきりジョーが少年を止めるものだと思っていたようで、「えええ!?」と驚きます。

鎧や少年の驚きを軽くスルーして、ジョーは少年の目を見据えて「約束なんだろ?・・・早く行け」と言います。
電車で来ればいい場所にわざわざ自転車で遠くからやって来て親友と山の上で流星群を見るなんて、
いかにも子供っぽい、つまらない約束です。
それでも約束は約束であり、そんなバカみたいな非現実的な約束を信じて、
実際にここまで自転車を漕いでやって来たという少年の純粋な気持ちは尊重してやりたい、とジョーは思ったのでした。
だから、この少年の約束は貫かせてやりたい。
客観的に見ればバカみたいかもしれないが、応援してやりたいと思ったのです。
だからもう、この場に引き止めることは止めたのでした。

少年は自分は何も説明していないのに、ジョーが自分の約束に賭ける想いを信じてくれたことを悟り、
嬉しそうに「ありがとう!」と笑って、自転車を漕ぎだします。
が、左膝の怪我が痛んで「うっ!」と呻きます。
さっきはザンギャックに追われて無我夢中だったので痛みは意識していなかったようですが、
落ち着いてみると、やはりかなり痛いようです。
ジョーの応急手当など全く気休めのようなもので、単に傷口を保護してばい菌が入らないようにしただけのことで、
痛みは全く軽減させるものではありません。
それでも少年は前を見て、歯を食いしばって自転車を漕ぎ出し、神蔵山に向かって出発していったのでした。

その少年の去っていく後ろ姿を見送りながら、鎧は不満そうに
「ジョーさん・・・本当に行けると思ってるんですか!?」とジョーに突っかかります。
鎧も別に少年に意地悪をしていたつもりはない。
少年の疲労や怪我のことを本心から心配していたからこそ、
少年に鬱陶しがられながらも親身になって構っていたのです。
まずは約束よりも少年自身の身体の心配をすべきだと思えたし、
そもそもあんなに疲れた上に怪我までした状態でこれから山登りをして約束の時間に間に合う保障もありません。
むしろ本当に少年を約束通りに親友と再会させたいと思うのなら、
自転車で行かせるのではなく、何か別の方法を考えた方が良かったのではないかと鎧は思っていました。
そういう鎧から見れば、ジョーの判断はあまりに無責任であるように思えました。
要するに少年のことなどどうでもいいから、あの怪我で山登りが出来るかどうかなど深くも考えずに
さっさと追い払ったようにも見えたのでした。

ジョーはそれに対して「無理かもな・・・」と軽く答えます。
ジョーも鎧の言う通り、あの怪我で順調に山登りをするのは難しいし、
約束の時間には間に合わないかもしれない、
約束優先ならば、いっそ送ってやった方が良かったかもしれないということは分かっているのです。
つまり鎧の言ってることの方が正しい。
しかし、それでもジョーは、ここまで自転車でやって来た少年の意地を尊重してやりたいと思ったのでした。
それはどうしてなのか、ジョーも少し考えました。

しかし鎧はジョーの返事がやけに軽く感じられて、
ムッとして「だったらどうして!」と突っかかってきます。
無理だと思うなら、どうして引き止めてやらなかったのかと疑問なのです。
結局、ジョーは地球人の少年がどうなろうと興味は無いということなのか、と鎧は少し情けない気持ちになりました。
それに対してジョーは「ああいう馬鹿は嫌いじゃない・・・」と答えます。
またさっきと同じ「嫌いじゃない」という言葉がジョーの口から出たのを聞いて、
鎧は別にジョーはあの少年を嫌っているわけでもないが、好きというわけでもないのか、
またよく分からなくなって考え込み、黙ります。

そこで更にジョーは言葉を続け、「どっかの誰かとそっくりだ!」と言ったのでした。
これは鎧には全く謎の言葉でしたが、
ここでガレオンでマーベラスが思いっきりくしゃみをして
「誰だ!?俺の噂してんのは!」と言う漫画的なシーンが挿入されることで、
視聴者には、このジョーの言う「どっかの誰か」がマーベラスのことを指すのだということが分かるようになっています。
ジョーは第18話でも鎧の無鉄砲な行動を指して「どっかの海賊そっくりだ」と言っており、
この時も「どっかの海賊」はマーベラスのことを指していました。
ジョーが「どっかの誰か」と言う時の多くはマーベラスのことを引き合いに出すことが多いようです。

ここではジョーは少年の非現実的な約束を信じて突き進む純粋な姿を、
マーベラスの宇宙最大のお宝という少年のような夢や、
その夢を掴むというアカレッドとのとんでもない約束を果たすために、
遂にはこんな宇宙の辺境の地球までやって来た純粋さに重ねあわせたのです。
ジョーはもともとマーベラスのそういう途方もない夢を追いかける純粋さに惹かれて
同じ夢を追う仲間になったのであり、
そのことを想い出すことで、ジョーは自分がどうして少年の意地を尊重してやりたいと思ったのか
自分自身、納得することが出来たのでした。
マーベラスの途方もない夢にとことん付き合いたいと思った自分だからこそ、
鎧から見れば非現実的な少年の意地を見ても、ついつい応援してしまいたくなったのだろうと、
やや自嘲を込めてジョーは呟いたのでした。

まぁ、とにかく少年の今後のことは少年の頑張り次第のことであるし、
仮に約束を果たせなかったとしても、それは少年自身の判断の結果であって、
そこまで無関係の自分達が首を突っ込むことでもないとジョーは思いました。
というより、今はどうもそんなことを気にしている余裕は無さそうだと思っていたのです。
ジョーは急に表情を引き締めて「それより・・・調べる必要があるな!」と言って歩き出します。
鎧は一瞬、何の話か分からない様子でしたが、ハッとして
「・・・そうだ!ザンギャックの目的!」と言って、ジョーについて行きます。

鎧は少年の怪我を見て、もともと追求しようとしていたその件を忘れてしまっていたようですが、
ジョーは忘れてはいなかったのです。
それは、ザンギャックがどうしてあんなに必死になって少年を追いかけていたのかの謎です。
では、どうしてジョーはその重要な証言者となるはずの少年に何も質問せずに
そのまま行かせてしまったのかというと、
少年を早く山に向かわせてやりたかったからというだけの理由ではありません。

そもそも何か重大な事実を知っているのなら、少年は自分から言うはずであるし、
何も言わないということは少年は大したことを知っているわけではなく、
何らかの誤解によって追いかけられていたのだろうとジョーには思えました。
そして、それより何より、ジョーは少年の証言などよりも、
もっと重要な手がかりになりそうな情報を既に掴んでいたので、
わざわざ先を急ぐ少年を引き止める必然性を感じなかったのでした。

その手がかりとは、さっきザンギャックの行動隊長の怪人が攻撃を喰らって倒れた際に
懐から落として大慌てで回収していた黒い三角錐の物体でした。
また、その際、怪人がその物体を「パワーストーン」と呼んでいたのも重要な手がかりでした。
それらの手がかりを基にガレオンに戻ったジョーは
ハカセにガレオンのコンピューターを使って検索を依頼したのでした。

ここでハカセが珍しく「ハカセ」っぽい行動をして、例の三角錐の物体の謎を解明していくわけですが、
ここでさっきの怪人が懐からパワーストーンを落とした場面の記録映像が
ハカセの操作するコントロールパネルに映し出されているのは少し驚きです。
これはおそらくジョーの見た映像がそのまま記録されているということで、
ゴーカイジャーのメット部のゴーグルにはそういう機能が備わっているということなのでしょう。
まぁ宝探しをする戦隊なのだから、そういう機能はあっても不自然ではないでしょう。

ハカセはその映像に映っている黒い三角錐型の物体を「この石だね・・・」とクローズアップして、
それを解析し、結果を読んでいきつつ説明します。
「霊石、童石・・・これには恐ろしい伝説があるんだって!
・・・童石、いかに泣けども親石と逢わすべからず
・・・童石と親石、結ばれし時、この世の終わり訪れん・・・」というハカセの説明を聞いて、
鎧は「あの石にはペアになる片割れがあるんだ!
・・・そして、その2つを合わせると、何かとんでもないことが?」と焦ります。

つまり、あの三角錐型の石は「童石」という名で伝承されている物体であり、
童石とは子供の石という意味で、親石という別の大きい石とペアになった一種のオーパーツであるようなのです。
なんか前回に引き続きボウケンジャーが絡みそうなプレシャス事件のような趣になってきました。
しかも何やら強大な力を秘めているようですから、まさにこれは一種のプレシャスだといえます。

しかし、怯える鎧を眺めて、マーベラスは「・・・ただの伝説だろ?」と軽く言います。
自分も伝説の宇宙最大のお宝を追いかけているクセに、信じられないバカな発言ですが、
そこでルカが「でも・・・ザンギャックが狙ったってことは・・・」と考え込みます。
前回もザンギャックはプレシャスである黄泉の心臓について正確な情報を把握して行動していました。
どうも最近、ザンギャックは人手不足のせいなのか、プレシャスのようなものを利用しようとしているようで、
彼らなりに色々と調べているようです。
だから、前回の実績を考えると、今回もザンギャックが狙うプレシャスは
本物である可能性は高いと考えた方が良さそうです。

アイムが一歩進み出てハカセに向かって
「その片割れは何処にあるのですか?・・・おそらく、ザンギャックはその場所に・・・」と言います。
宇宙最大のお宝関連でないことにはマーベラス達古参メンバーがやたらと怠慢なマーベラス一味においては、
それ以外のことに関しては何気にアイムが仕切ることが多いように見受けられます。
やはり王族として周囲を引っ張っていく素養が元来あるのかもしれません。

アイムの指示を受けてハカセはパネルを操作して「童石」の片割れ、すなわち「親石」の方を検索し、
すぐにその所在地を突き止め、振り向いて「神蔵山だって!」と結論を告げます。
そのハカセの言葉を聞いて、ジョーと鎧は愕然としました。
その場所が、さっき少年が親友と待ち合わせしている場所だと言っていたことを想い出し、
「なんだと!?」とジョーは狼狽し、
よりによってそんな場所へ急いで行くように促してしまった自分の判断が誤りであったことを後悔しました。

おそらくアイムの言う通り、神蔵山には今頃、親石を探しにザンギャックの行動部隊が入り込んでいるはずです。
そんな場所に少年が向かうのは危険すぎます。
「あいつ・・・!」と少年の身を案じたジョーは反射的に部屋の外に駆け出していきました。
今から急いで神蔵山に向かえば少年を救うことが出来ると思ったのでした。
ここではジョーはお宝探しや買い出しなど関係なく、ただ純粋に少年を守りたい一心だけで飛び出していったのです。
鎧はいきなりジョーが飛び出していったので少し驚きつつ、
ジョーが神蔵山の少年のもとに向かったのだと悟り、「ジョーさん!」と叫んで後を追います。

2人がいきなり飛び出していったのを見て、残されたマーベラス達はイマイチ事態を把握できませんでしたが、
とにかくジョーがあれだけ血相変えて飛び出すということは、何かよほど守りたい何かがそこにあるのだろうと思い、
マーベラスは「しゃあねぇ!行くか!」と立ち上がります。
ジョーや鎧が何かを守るために戦うのなら、仲間である自分達はそれをサポートするしかない。
それに、ザンギャックが何やら得体の知れない大きな力を手に入れるというのは、
ザンギャックと敵対する自分達としてはあまり面白い話ではない。
今後の宝探しを円滑に進めるためにも、今回はザンギャックの邪魔をするに限るという事情もありました。
そういうわけで、マーベラス達4人もジョーと鎧の後を追って神蔵山に向けて出撃したのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 23:56 | Comment(0) | 第22話「星降る約束」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月21日

第22話「星降る約束」感想その3

マーベラス達が神蔵山に向かって出発した頃、ようやく少年は神蔵山の登山道に入ったところでした。
一方、先ほどの怪人はザンギャックの行動部隊の本隊と合流して神蔵山の山頂に到達しており、
そこにある、注連縄で囲まれて祀られた大きめの黒い三角錐型のご神体のようなものの前に立ち
「これか!」と言うと、宇宙空間のギガントホースへ向けて
「報告いたします!ワルズ・ギル様、もう1つのパワーストーンを発見いたしました!」と通信を開始します。
ギガントホースではワルズ・ギルが「本当か!」と大喜び、
「よ〜しよし!スターグル!すぐにその地に眠る超エネルギーを発生させろ!」と指示します。
「その超エネルギーとお前の能力を使えば、一気に地球を制圧出来る!」とダマラスも指示を補足しました。

やはりハカセの検索した通り、童石と対になる親石は神蔵山にあったようです。
先ほどの怪人はスターグルという名のようですが、
そのスターグルに作戦指令を下していたのはワルズ・ギルのようです。
が、実際に作戦を考えたのは参謀のダマラスである様子です。
その作戦とは、童石と親石と呼ばれる2つのパワーストーンを合わせることで
発生する超エネルギーを使って、何かとんでもないことを引き起こして
地球制圧作戦を一気に進めることであるようです。

「は!では早速!」と畏まって、スターグルは童石を取り出すと、親石のてっぺんに乗せます。
親石のてっぺんは三角錐の頂点が欠けたように平らになっており、
そこに小さい三角錐型の童石を乗せることで1つの大きな三角錐が完成するようになっていました。
これによって何やら巨大なピラミッドパワーのようなものが発生するようです。
実際、日本の山々にはこういったピラミッドのような仕組みを使って
大地のエネルギーを操作するシステムがかつて存在したという説もあり、
ここではそういう設定に準拠したお話となっているようです。

そしてスターグルは完成させた三角錐型の物体に手を添えて、
そこから発生した超エネルギーを体内に吸い込み始めました。
ダマラスの言っていた「スターグルの能力」のうちには、巨大なエネルギーを体内に溜め込む能力も含まれるようです。
ただ、その取り込んだ巨大エネルギーを使って何をするのかは謎でした。
だいいち、そこそこ巨大なエネルギーを取り込んだとしても、所詮は1人の怪人が強化された程度で、
それが一気に地球制圧に至るほどのこととは思えません。
どうも単にスターグルを強い怪人にするためだけの単純な作戦ではないようです。
そのあたりに「スターグルの能力」の真価が関係してくるようではありますが、
ここではそれはまだよく分かりません。

ともかく、発生した超エネルギーはかなり大きなもののようで、
さすがにスターグルもそれを全部吸い取るにはかなり時間を要するようです。
エネルギーを受けながら「熱い!エネルギーが熱いぞ!」と叫びながら、
ずっと三角錐の物体に抱きついたような姿勢でじっとする羽目となりました。
この作業を途中で誰かに邪魔されるわけにはいかない。
さっきゴーカイジャーとスターグルが接触し、
神社で童石を手に入れた場面を目撃された少年とゴーカイジャーの接触も許してしまったザンギャック側も、
ゴーカイジャーに邪魔される可能性があると警戒はしており、
士官のスゴーミンは「この場所に誰も近づけるな!」と配下のゴーミン達に指令を下します。

そうして山頂でスターグルのエネルギー充填が始まった頃、ジョーと鎧も神蔵山に辿り着き、
山麓の林の中を駆けて、少年を探していました。
どうも少年の登っていった登山道とは違う方面から山に入り込んだようで、
まだ少年のことは見つけていません。
一方、ジョー達を追って神蔵山に入ったマーベラス達4人は、
マーベラスとアイムのペアと、ルカとハカセのペアに分かれて山麓を探ります。

マーベラスとアイムのペアの方では、
アイムが「ザンギャックはこの神蔵山で、いったい何を企んでいるのでしょう?」とマーベラスに問いかけます。
アイムも童石と親石の持つとんでもない力を使ってザンギャックが何をするつもりなのか、見当がつかないようです。
マーベラスは「ど〜せ、ロクでもない作戦だろう!」と完全にザンギャックのことを小馬鹿にした対応です。
まぁ最近のザンギャックの作戦を想い出してみると、マーベラスに馬鹿にされても仕方ないような状況ではありますが。

片や、ルカとハカセのペアの方は、足を滑らせて川に落ちそうになったハカセを
ルカが首根っこを掴んで助け「もう!」と言います。
「・・・ありがと」とハカセが礼を言ったところでゴーミン達が登場。
同時に別の場所のマーベラスとアイムの周りもゴーミン部隊に囲まれます。
「出ましたね!ザコさん達!」とアイムは海賊入りしてじわじわ口が悪くなってきている模様。
そしてジョーと鎧の前にも同様にゴーミン達が出現します。
やはり、この山にザンギャックが来ているのは間違いないようだということがマーベラス達には分かりました。
一斉にゴーミン達が現れたのは、山頂から山麓に向けて侵入者を警戒するために
ゴーミン部隊が各方面に下りてきたからであるようです。

ここで戦闘開始ですが、ここでは6人とも変身せず生身アクションを見せます。
山中で足場が悪い中での素面役者の皆さんの生身アクション、相変わらずレベルが高いです。
そうしてゴーミン達を蹴散らしているところで全員のモバイレーツが一斉に鳴ります。
鳴らしたのはガレオンで留守番をしているナビィです。
「みんな!その山のてっぺんから物凄いエネルギーが!」と言うナビィからの連絡を受け、ジョーと鎧は山頂を見ます。
ナビィは単に留守番をしているわけではなく、ガレオンのレーダーを操作して神蔵山を上空から調査し、
6人に指示を送る役目を担っているようで、いやホントに役に立つサポートメカです。

「てっぺんか!」とナビィの連絡を受けて鎧が叫びます。
つまり山頂に「親石」と呼ばれるパワーストーンの片割れがあり、
そこにザンギャックの怪人がいるに違いないということが分かったのです。
ジョーも少年が見つからない今の状況では、少年の無事を図るためには
山頂の敵の本隊を倒すのが先決かと思い山頂を見据えますが、
ふと横を見ると、谷を越えた向こう側の登山道を自転車に乗った少年が登っていくのが
チラリと目に入ってきました。

そして、その少年の前にもゴーミン部隊が立ち塞がります。
「またかよ!?・・・何でだよ!?」と少年はまたもやザンギャックと鉢合わせしたことに驚きますが、
ゴーミン達は山頂に近づく者は全て排除するよう厳命されているので、
相手が子供だからといって容赦せず、射殺しようとして構えます。
「・・・あっ!」と命の危険を感じて少年が立ちすくんだその時、
何処からか銃声がしてゴーミン達を次々と倒していきました。
少年が顔を上げると、そこにはジョーと鎧が銃を構えて駆け込んできたのでした。

ここでジョーと鎧は少年の危機を救うためゴーミン達を撃ちながら突っ込んできたわけで、
鎧はゴーカイスピアをガンモードにしており、ジョーはゴーカイガンを構えています。
鎧はともかく、剣にこだわるジョーは普段は出来るだけゴーカイガンは使わずに
ゴーカイサーベルだけで戦うように自分に課しているのですが、
今回はさすがに離れた位置にいる少年の危機を瞬時に救うためにはゴーカイガンを使わざるを得なかったようです。

なお、よく見るとジョーは銃を両手で構えています。
マーベラス以下、他のメンバーは銃のみを使う場合でも大抵は片手で扱います。
それは横着しているわけではなく、
ゴーカイガンは片手でも高精度の射撃が出来る仕様になっているからであろうと思われます。
つまりジョーは別にわざわざ両手撃ちなどする必要は無いのです。
それでも両手撃ちをするのは、ジョーの射撃術が軍隊仕込みだから染みついたクセなのでしょう。
軍隊というのは銃は大抵は両手で構えるように仕込まれるものだからです。

さて、さっきの2人組の宇宙海賊にまた助けられたと知り、「・・・宇宙海賊・・・!」と少年は驚きます。
これで宇宙海賊に2度続けて助けられたことになりますが、
たまたま自分の目の前で海賊とザンギャックの喧嘩が2度も続けて起こるというような偶然は
有り得ないことは少年にも流石に分かります。
理由はよく分からないが、とにかくこの2人の宇宙海賊は
自分を守るために戦ってくれているのだということは少年には分かったのでした。

その少年に駆け寄って、鎧が少年の肩を掴んで
「もうこの山は危ない!今のうちに出来るだけ遠くへ逃げるんだ!」と言います。
何とか少年が巻き添えを食う寸前で少年を発見することが出来てジョーと鎧はひとまず安堵していましたが、
この山はザンギャックだらけであり、何時また襲われるか分かったものではありません。
とにかく今は一刻も早く少年をこの山から逃がしておき、
その上で山頂まで行ってザンギャックの本隊を叩くしかないと鎧は思っており、
ジョーもこうなってはそうするしかないと思っていました。

しかし少年は「イヤだ!もうあとちょっとで約束の場所に着くんだ!」と断固として逃げることを拒否します。
今、殺されかけたというのに、それでも逃げることを拒否するとは、これはいくら何でも異常です。
単なる子供っぽいバカな拘りという次元は超えているといえます。
なんとか少年の命を守ろうとしているのに、その少年に逆に迷惑がられて拒絶されてしまい、ジョーと鎧は驚きます。
こんな反応はさすがに予想していなかったので、鎧はやや混乱しますが、
あるいは親友もこの山に来ると思って少年が約束を違えることを恐れているのかもしれないと思い、
「こんな状況じゃ、友達だって来ないよ!」と懸命に説得します。

このようにザンギャックがウロウロしている状況ならば友達もこの山に来ることは止めるであろうし、
万が一、友達が来たとしても、この状況を見れば、
少年が来ていなかったとしてもそれは仕方ないことだと思って納得してくれるはずです。
だからどちらにしても約束を破ったことにはならないはずです。
もし友達が山に来たとしても、ザンギャックに襲われる前に必ず自分達が保護すればいいと鎧は思っていました。
何にしても、その場合、少年がこの危険な山中に残っている必要は無い。
後は友達のことは自分達に任せて、少年には早急に逃げてもらいたいと鎧もジョーも考えていました。

しかし少年は「来るよ!!」と断固として言い返します。
鎧の後ろで少年と鎧の言い合いを聞いていたジョーはさすがに不審そうな顔を示します。
こんな状況でも必ず友達が来ると確信出来るというのは、ちょっといくら何でもおかしい。
今までジョーは少年と親友の約束を、単に一緒に流れ星を見るために再会するだけの約束だと思い込んでいたが、
そんなお気楽な約束でここまで危険を冒して進もうとするのは、どうも不自然です。
友達だって流れ星を見たいからというだけでザンギャックのいる山にノコノコやって来るわけがないし、
そんなことは少年も分かっているはずです。

それなのに友達が来ると確信しているということは、
2人が今日ここで会うのは、本当は流れ星を見るためだけなのではなく、
何か別の重大な意味があるのではないかとジョーは直感したのでした。
少年は、そのジョーの直感を裏付けるかのように
「あの時の約束は・・・ただの約束じゃないんだ!」と、自分と親友の間の約束の真実を語り始めたのでした。

それはちょうど1年前、つまり今日と同じ日付の日のことでした。
同じ日付ということは、今日と同じ流星群が出現するはずの日でした。
しかし、1年前のその日はあいにく曇り空で、夜になっても雲は晴れず、地上から流星群は目視出来ませんでした。

その日の夕方、神蔵山の山頂に流星群を見るために来ていた少年と親友の大吾も、
曇り空を見てガッカリしていました。
「せっかく来たのに、何だよ!この雲・・・」と少年が悔しげに言うと、
大吾も「・・・流星群に願いをかければ、またサッカーが出来ると思ったのに・・・」と肩を落とします。
よく見ると、大吾の右足にはギプスと包帯が巻いてあります。
大吾はサッカー少年であり、怪我をしてサッカーを出来なくなっている状態のようです。
どうやら、少年と大吾が流星群を見に来た理由は、
2人して大吾の怪我を治ってまたサッカーが出来るようになるように流れ星に願かけをするためであったようです。

しかし、その肝心の1年に1度のチャンスがこのあいにくの曇り空では、
流れ星は見えず、願い事もすることは出来そうもありません。
「今夜はもう無理だな・・・」と、ガックリとしながら大吾は足を引きずって帰ろうとします。
自力で山に登ってきているわけですから、歩行に酷い支障があるほどの重症ではないようですが、
サッカーのような足を使った激しい運動は無理な程度の状態のようです。
つまり、どうしようもないほど絶望的な状態ではないということです。

少年は大吾に駆け寄り、肩を掴んで
「大丈夫だよ!ちゃんとリハビリすれば治るって言われたんだろ?」と励まします。
このように、少年も大吾の足がちゃんとリハビリすれば
サッカー選手として復帰出来る状態だということは分かっているのです。
だから、奇跡頼みのような状況ではないのですから、
こんな流れ星にお願いなど出来なくても気にする必要など無い。
普通にリハビリすれば普通に復帰出来るのですから、落ち込むことなど無いんだと、
少年は大吾を励まそうとしています。
しかし大吾は項垂れて、「でも・・・なんか自信ねぇよ・・・」と愚痴ります。
そう言われると、少年も下を向いて黙ってしまいます。
その気持ちはよく分かるからです。

そもそも、大吾の足の怪我がリハビリすれば治るものである以上、
本来はわざわざこんな山の上に来て流れ星に願い事をする必要までは無いのです。
それなのに、そんなことは承知で2人はわざわざこうしてやって来ている。
それは、大吾に自信をつけさせるためにどうしても必要なことだったからです。
リハビリすれば治ると医者が言っているといっても、大吾はまだ子供ですから、
痛みに耐えて根気強くリハビリを続けられる自信が無いのです。
痛いのは辛いし、頑張ってダメだったらどうしようかと不安も消えません。
治るといっても完全に元通りになるかどうか、自分だけ取り残されるんではないかとか、色々と不安はいっぱいです。
そういう心の不安定な状態でリハビリを続けるのは大変で、
ますます上手くやれる自信が無くなっていくという悪循環に陥ります。

少年も同じ子供ですから、大吾の不安な気持ちはよく分かります。
だから、何でもいいから大吾の心の拠り所となる安心材料を作ってやりたくて
「親友と一緒に山の上から流星群に怪我が治るように願掛けをしたんだから絶対大丈夫なんだ」という
既成事実を作ろうとして、それでわざわざ大吾を誘ってこうしてやって来たのです。

もともと流れ星に願い事をすることにそんなに凄い効果があるなどとは2人とも思ってはいないのです。
だから、たまたま見かけた流れ星に1人で秘かに願い事などしても自信には繋がりません。
一番の親友と一緒にわざわざ山の上に登って、
1年に1度しかやってこない流星群の大量の流れ星に向かって大声で
「リハビリ頑張って絶対に怪我を治して、またサッカーをやるぞ!」と宣言することに意味があるわけです。
その親友の決意の立会人として少年は大吾に付き添って、こうして神蔵山に登ってきたわけです。
ところが、曇り空で流星群は見えず、逆に大吾はますます自信を喪失してしまったようです。
これでは逆効果であり、少年は自分のせいでマズいことになったと悩みます。

この時点で少年も大吾も、この少年の一家が半年後には東京に引っ越してしまう予定であることは分かっています。
少年としては、親友の大吾と離ればなれになるのは悲しかったが、
こんな不安いっぱいの大吾を残して去ることはもっと辛いことでした。
だから、流星群で大吾を元気づけてやろうと考えたのですが、それもこうして失敗し、
自分がこの町に居ることの出来る残り半年の間で、これといって大吾を励ますようなイベントも思いあたりませんでした。

困って考え込んだ少年は、ふと何か思いついたように顔を上げると
「なぁ!来年の流星群の日に、またここで会おうぜ!」と大吾に向かって明るく言います。
しかし大吾は少年が1年後にはこの町に居ないことを知っているので、
1年後の話をされても、あまり嬉しそうではありません。
それに、今は目前のリハビリへの不安で頭がいっぱいのようで、浮かない顔のままです。
1年後までリハビリを続けていられる自信がそもそも無いので、1年後に少年と会うこと自体が不安なのです。

少年もそうした大吾の不安は分かっています。
分かった上で、少年は陽気にパン!と手を叩いて、「そうだ!俺、東京から自転車で来るよ!」と
面白いことを思いついたように言います。
これには大吾もさすがに驚いて「はああああ!?自転車ぁ!?」と声を張り上げました。
そうして大吾が話題に食いついてくれたので少年も勢いづいて「うん!絶対晴れるように願掛け!」と言います。
それに対して大吾は、少年が軽い思いつきで変なことを言い出したと思って
「絶対無理だよ!出来るわけねぇよ!」と言い返しますが、
少年は「無理じゃねぇよ!」と真顔で反論します。
そして「今度こそ・・・流星群に願いかけられるって!俺を信じろ!」と少年が笑顔で言うと、
大吾は目を伏せて黙り込んだのでした。

ここで大吾も、少年が軽い思いつきで言っているわけではなく、
また、自転車で東京から来ることが本当に晴れるための願掛けだと思っているわけではないことに気付いたのです。
そして、もともと流星群に願掛けをするという行為自体が怪我を治すためには
本質的には意味が無いということも思い出したのでした。

というのも、本当に怪我を治すために願掛けが大事なものであるのなら、
1年後に怪我が治るように願掛けなどしてもあまり意味は無いからです。
願掛けが大事ならば、リハビリ前の今の時点で他の何かの願掛けを提案すべきなのです。
ところが少年はそうはせずに、1年後に一緒にここで願掛けをすることを提案し、
それが上手くいくように、自転車で東京から来るという形で自分が願掛けをすると言っているのです。
そんなことをしたからといって晴れるとは限らないし、
そもそも本来は願掛けをするのは大吾の方であるはずなのに、
少年の方がそんな変な願掛けをするというのもおかしな話です。

つまり、この少年の言っているのは空に向かっての晴れるための願掛けなどではなく、
言わば、大吾に向けた願掛けなのです。
1年後の再会が実現するためには、空模様よりも大吾の状況の方が実は重要で、
大吾が1年後の時点でリハビリの苦痛に耐えきれずにサッカー選手になるという夢を諦めてしまっていれば、
少年が戻ってきて一緒に流星群に向かって願掛けをするという行為には何の意味も無くなってしまいます。
逆に言えば、少年が1年後に一緒に流星群に願掛けをするためにわざわざ戻ってくるのならば、
大吾はそれまではリハビリに耐えなければいけないし、
サッカー選手になるという夢も諦めているわけにはいかなくなります。

少年はそれを狙って、わざと1年後の再会の約束をしようとしたのです。
何故なら、大吾の怪我を治すために本当に必要なのは願掛けではなく、
リハビリに耐えて夢を決して諦めない頑張る気持ちだからです。
それに対して、大吾はその約束をしてしまうと1年間はリハビリを頑張る義務を負うことになるのが
何となく分かるので、気分が重くなり、あまり良い反応をしなかったわけです。
確かにこれでは大吾だけが辛いことを頑張る義務を背負うだけであり、
少年は励ますだけでいいわけですから気楽なものです。
これでは不公平であり、大吾の気が重くなるのも無理はありません。

そこで少年は、再会のために自分にも頑張る義務を負わせたのです。
一緒に流星群に願掛けをするという約束に辿り着くために、
自分も1年後、東京から自転車でこの山の上までやって来るため、必死で頑張る。
だから大吾も1年後のその日に山の上に来るまではリハビリを頑張って夢を諦めないで欲しい。
これで公平な約束になるのだから、どうか1年間はリハビリを頑張るという約束をして欲しい。
そういう意味で少年は大吾に向かって、東京から自転車で来るという宣言をしたのでした。

ただ、1年間リハビリを頑張り続けることと、
半日ほど自転車を漕ぎ続けることのどちらが辛いかというと、
やはり圧倒的にリハビリを続けることの方が辛いでしょう。
だから、これでもやはり本当は公平な約束とはいえない。
しかし少年には咄嗟にこれぐらいしか思いつかなかったし、
少年の出来ることの精一杯などこれぐらいのものだったのです。

大吾もまだまだこれが公平な約束ではなく、
その約束をしてしまえば自分が重責を背負い込むことになるのが分かっていますから、
すぐに約束に応じるのは躊躇ったのですが、
それでも親友が自分のために必死で考えて申し出てくれたのが分かりますから、
結局、応じることにしたのでした。
こうして大吾は実質的には、少年が自転車でこの山の山頂までやって来て再会するその日までは
リハビリを頑張って夢を諦めないことを誓うことになったのです。

それはつまり、少年は東京から自転車でこの山に来る、大吾は1年間リハビリを頑張るという
双方の義務の履行の約束でもあったわけです。
だが少年も、自分の負った義務が大吾に負わせた義務よりも遥かに楽なものであることも分かっていました。
それはやはり少年にとっては負い目でもあり不安材料でもありました。
やはり大吾は自分が引っ越した後、リハビリの辛さの中で何時しかこんな約束は守るのはやめてしまい、
リハビリを諦めてしまうのではないだろうかと、何度も不安にもなりました。

しかし少年はそうした不安を振り払い、強く大吾を信じることにしたのでした。
大吾は絶対にリハビリを続けてサッカー選手になるという夢を捨てたりはしない。
そして必ず1年後に神蔵山の約束の場所にやって来る。
だから自分も何があっても絶対に東京から自転車で神蔵山の山頂に行くんだと、
少年は固く心に決めることにしたのでした。
それは、自分が東京から神蔵山まで自転車で行くという頑張りが、
大吾のリハビリに耐えて夢に向かう頑張りを支えるのだという信念へと昇華していったのでした。

その強固な信念の塊となった少年ですから、もう今は一切迷いは無いのです。
だから、こうして東京から神蔵山まで自転車で半日以上かけてやって来て、
ザンギャックに襲われて怪我をしても全く挫けることなく山を登ることが出来るのであり、
ジョーや鎧に対して傍若無人ともいえるほどの対応をしていたのも、
その使命感以外、目に入らない状態になっているからなのです。

そして、そのように自分が頑張っている限り、
山の中にザンギャックがうろついている状況でも絶対に大吾は来るに違いないと信じて疑わないのです。
逆に自分がここで諦めてしまえば、大吾も夢を諦めてしまうような気がして、
親友想いの少年は、ここで諦めることなど全く考えられない様子です。
「だから・・・絶対、俺は行く!!」と少年は凄い形相で鎧を睨みつけるのでした。

「なるほど・・・」と、少年の話を聞いてジョーは、
少年が親友の夢へ向かう頑張りを応援するために自転車でこの山まで来る約束をしたのだということが
ようやく分かりました。それで少年のこれまでの不可解な行動も全て意味が通じました。
鎧もまた少年の事情は理解しました。
少年は別につまらない子供っぽい約束に拘っているのではなく、
親友の夢のために苦難を乗り越えて進もうとしているのです。
その少年の親友を想う熱い気持ちは鎧を感動させました。

しかし、それでも殺気立ったザンギャックがウロウロしているような山の中に
少年を進ませるわけにはいかない。
何故なら、鎧は人々の命を守るヒーローだからです。
鎧は少年の1年越しの約束を台無しにすることに多少罪悪感を覚えながらも、それをグッと呑みこんで、
「ザンギャックが居るんだ!普通の状況じゃないんだよ!」と少年の肩を掴んで必死の説得を続けます。

ところが、その鎧の襟首を後ろから掴んで、ジョーは鎧を少年から引きはがし、脇に押しやります。
そして少年の前に立ち「行きたいなら、とっとと行け・・・」と言います。
「え?」と少年は意外そうに驚きます。
少年もこの状況では、さすがにさっきは行かせてくれたジョーも今回は反対するだろうと思っていたのです。
鎧はまたさっきと同じようにジョーが少年の身を心配せずに、
深く考えずに少年を甘やかすような判断をしていると思い、「また、そんな!!」と抗議しますが、
ジョーは鎧の抗議は無視して、少年に向かって軽く顎をクイッと傾げて、早く行くよう促します。
少年は何だかよく分からないが、とにかくあくまでジョーは自分の味方をしてくれているのだと分かり、
笑顔で「ありがとう!」と礼を言うと、自転車を漕いで山頂へ向けて出発していったのでした。

少年が登山道を登って去っていった後、ジョーと鎧はその場に残されました。
鎧は「ジョーさん!!・・・なんで行かせるんですか!?」と怒りを爆発させます。
あまりにもジョーの行動が少年がどうなってもいいかのような薄情で無責任なものに見えたのです。
それに対してジョーは「ザンギャックは俺たちが倒せばいいだろう・・・」と言います。
それを聞いて、鎧はジョーが決して少年がどうなってもいいと思っているわけではなく、
少年を守るためにザンギャックと戦う決意を固めていることを悟りました。

しかし、もともとマーベラス一味はザンギャックと敵対しているのであり、
こうして今回ザンギャックが変な超パワーを手に入れようとしていることが分かった以上は
ザンギャックの作戦を潰すために戦うことになるのは、
少年を守る守らないは関係なく必然の展開であるとも言えます。
その結果として少年の無事が守られるのであって、
これでは少年の命を守ることがジョーの判断の第一優先事項であるとはいえません。

本当に少年の命を守ることを第一に考えるならば、やはり少年を安全な場所に避難させた上で戦うべきです。
そう思うと、鎧はやはりジョーが地球人の命を守ることよりも、
自分が戦いたいという気持ちの方を優先させる生粋の戦士であるように思えました。
それは確かに戦士としては優秀なのかもしれませんが、地球を守るスーパー戦隊の発想ではない。
やはりジョーはスーパー戦隊の一員ではない。いや、そうなることを拒絶しているのだと思うと、
鎧はまた寂しい気持ちになりました。

「そうかもしれませんけど・・・」と鎧がジョーの根本的な考え方に疑義を呈しようとしたところ、
ジョーは「行くぞ」と言ってさっさと行ってしまいます。
確かに、こうなったら少年を守るためには、少年が登っていく先にいる山麓のザンギャック部隊を、
少年が登るよりも早く先回りして根こそぎ潰していくしかない。
こんなところでのんびり立ち止まって問答しているヒマは無いのです。
鎧は走りながらジョーと話をするしかないと思い、
「ジョーさぁん!」と、慌ててジョーの後を追って駆け出します。

ここからマーベラス一味6人が生身アクションで
山麓に展開するゴーミン部隊を次々と撃破していくシーンとなります。
少年の件の有無にかかわらず、山頂でスターグルが何かをしており、
そこから高エネルギー反応が検出されている以上、
一刻も早く山頂に辿り着かねばならないわけですから、
6人はそれぞれ分かれて山麓の各方面のルートに配置されているゴーミン達を倒しながら
山頂目がけて進んでいきました。
そういうわけで結局、鎧はジョーとゆっくり話をするヒマは無いままでありました。

そうして6人は同時に山頂に到達し、そこを守っていたスゴーミン達をも倒します。
これで残る敵は山頂にただ1人、スターグルだけです。
しかし振り向いたスターグルは「一歩遅かったな!海賊ども・・・」と勝ち誇ったように言います。
「なに・・・?」とマーベラス達は不審がります。
別に見たところ何も変わったことは起きていません。
ナビィが観測したという超エネルギーは何処に行ったのか、
それを使ってスターグルが何かしたような形跡も無いのです。

するとスターグルは体内から突如、膨大なエネルギーを発し、
それを胸の前で空間が歪むほど強烈な球形のエネルギー体に凝縮して抱え込みます。
それを見てマーベラス達はスターグルが体内に超エネルギーを取り込んでおり、
それを使って攻撃してくるつもりなのだと思い、反射的に避けようとして身構えます。
ところがスターグルはその球形の高エネルギー体をマーベラス達に向けてではなく、
真上に向かって高々と撃ち出し、猛烈なスピードでそのエネルギー体は上空にかき消えていったのでした。

「ん?」と拍子抜けしたようにマーベラス達は戸惑います。
「何をしたんだ!?」という鎧の質問に、
スターグルは「フン!この地に眠っていたエネルギーを使って、宇宙から巨大な小惑星を呼び寄せたのだ!!」と
得意げに答えます。
「何だって!?」と鎧は驚きます。
童石と親石を組み合わせることで得られるエネルギーでそんなことが可能だとは、
あまりに想像を超えたことだったのです。

アイムが「巨大な小惑星・・・!」と、スターグルが呼び寄せたという問題の物体について反芻するように繰り返すと、
マーベラスは「でけぇのか小せぇのか、どっちだ!?」と、どうでもいいようなことに変にこだわります。
確かに「巨大」なのに「小」惑星というのは少し変な言い回しですが、
「小惑星」というのは別に掌サイズの惑星という意味ではなく、
単に地球ほどの規模に達していないサイズの惑星で太陽を回る軌道上に散らばっているものを総称して言う用語であり、
もちろん日本列島など簡単に呑みこんでしまえるぐらい巨大なものもたくさんあります。
スターグルが呼び寄せたのは、地球の近くに漂っている小惑星の中でもそうした巨大なサイズのものの1つなのです。

「うおおお!!巨大に決まってるだろう!!」とスターグルはマーベラスのバカ丸出しの質問に強烈なツッコミで返し、
「後は俺がコントロールして、この星に激突させてやる!」と恐るべき計画の全貌を明かします。
ダマラスが「一気に地球を制圧できる」と言っていた作戦の実態は、この計画のことだったのです。

いくら古代の超エネルギーといっても、
宇宙にある小惑星を地球にぶつけるようなエネルギーであるはずはありません。
古代の人が畏れるような強烈な超エネルギーではあったのでしょうが、
小惑星に作用を及ぼすようなものではなかったはずです。
そんなものは古代文明であろうとも無用の力のはずだからです。
だから、それだけを直接攻撃兵器としたところで、それなりに凄まじい破壊力にはなるのでしょうが、
それだけで地球を一気に制圧するほどの力にはなりません。
チンタラやっている間にまたゴーカイジャーに邪魔されて潰されてしまうのがオチでしょう。

一方、おそらくスターグルというのは宇宙空間に漂う物体を動かすことが出来る
能力を持っている怪人なのでしょうが、
その能力はせいぜい宇宙船ぐらいのものに適用できるほどのものなのでしょう。
そこでダマラスは童石と親石を組み合わせることで発生する超エネルギーでスターグルを強化して、
その特殊能力を小惑星を操作させるほどに増幅させ、
それによって地球に小惑星を激突させて、一瞬で一大破局を引き起こし、
邪魔な海賊たちを始末すると同時に地球の文明を一気に滅ぼして
完全制圧を容易にするという作戦を立てたのでしょう。
あるいは、前回の黄泉の心臓の無限エネルギーも、
本当はこのスターグルの強化用に使うつもりだったのかもしれません。
それが失敗したので、代わりに今回こうして童石と親石に目をつけたのかもしれません。

そして、本当はこの計画はゴーカイジャーに気付かれないうちに一気に進めたかったはずで、
それでコソコソと隠れて作戦を進め、目撃者の少年を消そうとして執拗に追いかけたりしたのです。
ところが、それが裏目に出てジョー達に何かこの地で作戦を遂行していることがバレてしまい、
こうして神蔵山の山頂まで突き止められてしまったのです。

ただ、山頂に辿り着いた時点ではマーベラス達も
スターグルが小惑星を地球にぶつけようとしていることなど分かってはいません。
仮に少年の情報をヒントにして童石に関する伝承を調べたとしても、
それと小惑星を地球にぶつける作戦とは繋がるわけはないからです。
ならば、スターグルも小惑星が地球に激突するまではその作戦内容は秘密にしておいて、
早々にこの場を退避すればよかったのです。
ところがスターグルがペラペラ作戦内容を喋ってしまったばかりに、
ジョーは「だったらお前を倒して、コントロールを無くしてやればいいってことだな!」と、
作戦を阻止する方法を簡単に思いついてしまったのでした。
それを聞いてマーベラスも「へっ!分かりやすいじゃねぇか!」とニヤリと笑い、銃をクルクル回します。
しかし、この言動だけ見ると、ほとんど悪役ですな、この2人。

ここで、とにかく一刻も早くスターグルを倒せば万事解決という、非常に明快な方針のもと、
6人は豪快チェンジでゴーカイジャーへと変身し、名乗りを上げます。
そして今回はジョーのメイン回ということで、ジョーがゴーカイサーベルを構えつつ「派手にいかせてもらう・・・!」と、
マーベラスの「派手にいくぜ!」をクールな武人風にアレンジしたバージョンで披露します。
これも以前にアイムの「派手に参りましょう!」という高貴バージョンがあったり、
鎧の「ギンギンにいくぜ!」もこれの一種の変形バージョンであろうと思われ、
今後も色々なバージョンが出てくるのかもしれません。

しかしスターグルも1対6の状況でも全くひるんだ様子はありません。
いきなり先手をとって「このエネルギーで、俺もパワーアップしたのだぁっ!!」と叫びつつ、
破壊光線を発射して攻撃を仕掛けてきたのでした。
スターグルがペラペラと作戦の全貌を喋っていたのは、確かに軽率な行動ではありましたが、
あれほど慎重だったスターグルが思わず軽率になってしまうぐらいに、
超エネルギーでパワーアップした自分の戦闘力でゴーカイジャーなど圧倒出来るという
自信を持つようになっていたのです。
そして確かにそういう自信を持っているだけのことはある、
先ほどとは比べものにならないほどの凄まじい威力の破壊光線が山頂には炸裂し、
その爆音はまだ山麓の五合目あたりを自転車で登っていた少年の耳にも届きました。

その音を聞いて、少年は思わず自転車を停めて山頂を見上げます。
山頂の様子は目で見ることは出来ませんが、山頂から異様な爆発音が何発も轟いてくるのは少年にも分かります。
何らかの異常事態が起こっているのは確かです。
おそらく海賊とザンギャックが戦っているのだろうということは少年にも想像はつきました。

その迫力ある爆発音に、先ほどは「絶対に行く」と言っていた少年も
さすがに本能的に命の危険を感じて、恐怖心が走ります。
しかし、それでも少年は親友の頑張りを信じて結んだ約束を果たすため、
自分もここで恐怖心に負けてはいけないと、自分を奮い立たせ、
再びペダルを漕ぎだして前へ進み始めるのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 19:12 | Comment(0) | 第22話「星降る約束」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月25日

第22話「星降る約束」感想その4

神蔵山の山頂では、この地に眠る超エネルギーでパワーアップしたスターグルの予想外の猛攻の前に
ゴーカイジャー6人は圧倒されていました。
「どうだ!パワーアップした俺の力!」とスターグルはすっかりいい気になっています。
ここでゴーカイジャーは他戦隊への多段変身で対抗します。
今回の変身する戦隊のコンセプトは、おそらく、鎧の加入を受けて6人揃っての変身が可能な戦隊のうち、
まだマーベラス達既存メンバーが5人揃っての変身をしていなかった戦隊からチョイスするという感じなのでしょう。
それ以外に、別に戦術的な必然性などがあるような感じではありませんでした。

鎧の持つゴーカイセルラーのボタンが宛がわれている戦士のうち
ゴーカイシルバーを除く15戦士の属する戦隊は14戦隊(ウイングス兄妹は2人ともゴーオンジャーなので)ですが、
そのうちアバレキラーの属するアバレンジャーは、アバレキラーを加えても5人戦隊なので
6人同時変身が出来ないから除外すると、
残りはジュウレンジャー、ダイレンジャー、オーレンジャー、メガレンジャー、タイムレンジャー、
ガオレンジャー、ハリケンジャー、デカレンジャー、マジレンジャー、ボウケンジャー、ゴーオンジャー、
シンケンジャー、ゴセイジャーの13戦隊です。

この13戦隊が現状で6人同時変身が可能な戦隊なのですが、
このうち既に6人同時変身ないしはマーベラス達が5人同時変身をしたことがある戦隊は、
ジュウレンジャー、ガオレンジャー、ハリケンジャー、デカレンジャー、マジレンジャー、
ボウケンジャー、ゴーオンジャー、シンケンジャーの8戦隊であり、
残るはダイレンジャー、オーレンジャー、メガレンジャー、タイムレンジャー、ゴセイジャーの5戦隊となります。
この5戦隊が、6人同時変身が可能で、今まで5人以上での変身が行われていなかった戦隊となりますので、
今回はこれらのうち3つを6人同時変身して処理していったという印象です。

まず最初はゴセイジャーです。
ゴセイジャーへの5人同時変身は「199ヒーロー大決戦」映画の中で変身動作に入る直前までやったのですが、
レンジャーキーをモバイレーツに挿す直前にオリジナルのゴセイジャーのアグリとモネが乱入して
レンジャーキーを奪ったため、変身は未遂に終わっています。
その後、劇中でゴセイジャーは大活躍しますが、
これはオリジナルの6人が変身(ゴセイナイトはもともと変身体だが)した姿なので
豪快チェンジによる多段変身とは別です。
だから、まだマーベラス達はゴセイジャーに5人揃って変身した姿を披露してはいない。
そこで今回、鎧も加えて6人同時変身となったわけです。

ゴーカイジャーを圧倒していい気になっているスターグルを前に立ち上がった鎧が
「天装術を使いましょう!」と言ってゴーカイセルラーにゴセイナイトのレンジャーキーをセットすると、
他の5人もゴセイジャーのレンジャーキーを取出し、6人で並んでゴセイジャーへと豪快チェンジします。
今回は鎧の提案のままマーベラス達も間違えずに変身出来たところを見ると、
多少は「スーパー戦隊大百科」も役に立ったのかもしれませんが、
「大百科」を無視していたジョーもちゃんと変身出来ているので、たまたまなのかもしれません。
まぁ「天装術」というキーワードでは、ゴセイジャー以外、他と間違えようがないので、
これは成功して当たり前なのですが、今後、「大百科」の成果で変身間違いコントが無くなるとしたら、
鎧には悪いが少しだけ寂しいような気もします。

ここで変身コール音がマーベラス達5人の場合「ゴ〜セイジャア!」なのに対して、
鎧のだけ「ゴ〜セイナイト!」となっているのは、
ゴセイナイトはあくまでゴセイジャーの一員ではなく協力者という立場であるということを厳密に表現した演出ですが、
この手の演出は「ゴーカイジャー」においては徹底されているわけではなく、
その場その場のノリで表現されたりされなかったりします。

例えば第2話で5人がハリケンジャー3人とゴウライジャー2人に変身した時は
「ハ〜リケンジャア!」というコール音で統一されてしまっていたりしました。
ただ、鎧のゴーカイセルラーに関しては、これまで例えばシンケンゴールドの時は「シ〜ンケンジャア!」、
ボウケンシルバーの時は「ボ〜ケンジャア!」であったのに対して、
シュリケンジャーの時は「シュ〜リケンジャア!」、
ウイングス兄妹の合体戦士の時は「ゴ〜オンウイングス!」、
そして今回ゴセイナイトの時は「ゴ〜セイナイト!」というように、
協力戦士の場合はそれに見合ったコール音を発しています。

つまり、モバイレーツは協力戦士に関する厳密なコール音の区別はしていない仕様であるのに対して、
ゴーカイセルラーはそのあたりある程度厳密に区別する仕様であるようです。
「ある程度」というのは、第18話で鎧が間違えてキングレンジャーに変身した際に
「オ〜レンジャア!」というコール音であったからです。
キングレンジャーはオーレンジャーの一員ではなく、あくまで協力戦士なので、
本来は「オ〜レンジャア!」ではおかしいはずであり、
そのあたりはゴーカイセルラーも曖昧ではあるようなのです。

さて、ゴセイジャーに豪快チェンジした6人は天装術を使って反撃の糸口を掴みます。
まず「さぁ来い!」と鎧のゴセイナイトがスターグルを挑発します。
ちなみに鎧とゴセイナイトのキャラが違い過ぎて違和感が凄いです。しかも小さいし。
鎧に挑発されてスターグルが破壊光線を発射すると、
それをゴセイブルーに変身したジョーとゴセイナイトに変身した鎧が
ディフェンストリームカードを使って水流の壁を作って相殺します。
ディフェンストリームカードはシーイック族の使うカードなので、
ゴセイブルーのジョーが使うのは当然ですが、ゴセイナイトは3つの種族の全てのカードを使えるので、
ここでは鎧も同様にディフェンストリームカードを使っています。

そして破壊光線を相殺した瞬間、そこに間髪入れず、
ゴセイブラックに変身したハカセとゴセイイエローに変身したルカがロックラッシュカードを使って
大きな岩を2つ出現させ、スターグルに向けて撃ち込みます。
それをスターグルも十字ブロックで跳ね返しますが、
2つの大岩はスターグルの目を眩ませる囮であって、
本命は大岩の陰に隠れて飛ぶように突っ込んでいたスカイック族の2人、
つまりゴセイレッドに変身したマーベラスと、ゴセイピンクに変身したアイムでした。

飛び上がったアイムのスカイックショットの放った光弾がスターグルに命中してひるんだところに
マーベラスがスカイックソードの渾身の一振りを食らわせ、更に一振り、
そしてついでに後ろ回し蹴りを食らわせます。
アラタはここでケリとか入れないキャラだったので、
こういうところはマーベラス風のゴセイレッドアクションになってます。

マーベラスに蹴られてヨロヨロとふらつくスターグルに対して続けざま、
ジョーがシーイックボウガン、鎧がレオンレーザーで撃ち、スターグルはたまらずひっくり返ってしまいました。
ここまで一連の動き、まさにゴセイジャーらしい連携アクションの妙でスターグルの上手をいった印象です。
パワーアップしたスターグル相手に、さすがに1人ずつの力では歯が立たなかったマーベラス達ですが、
ゴセイジャーの連携技を使って逆転に成功したのでした。

ただ、これぐらいの普通の連携攻撃で逆転されてしまうあたり、
超エネルギーを得た割にはスターグルも圧倒的に強いというほどでもない。
これは、おそらくその超エネルギーの多くは小惑星のコントロールに使わざるを得ない状況なので、
戦闘においては実はそんなに圧倒的に強くなってはいないようです。
つまり、スターグルは超エネルギーを得たことで慢心して、自分がとんでもなく強くなったと勘違いしていただけで、
実際はゴーカイジャーがちょっと戦い方を工夫すれば勝つことが出来る程度の
戦闘力しか強化されていなかったようです。

こうなったら完全にゴーカイジャー側のペースとなります。
「次はこいつだ!」とマーベラスの号令のもと、続いて6人はダイレンジャーに豪快チェンジします。
リュウレンジャーがマーベラス、テンマレンジャーがジョー、キリンレンジャーがルカ、
シシレンジャーがハカセ、ホウオウレンジャーがアイムで、
よく考えたらダイレンジャーも戦士名に色名が入ってないので分かりにくいですが、
ゴーカイジャー5人と配色が一致した戦隊です。

ただ追加戦士のキバレンジャーだけは白の戦士なので鎧とは色が違っていますが、
そのキバレンジャーに変身した鎧がまず白虎神剣を振りかぶってスターグルに飛び掛かり、斬りまくります。
鎧役の池田くんは子供の頃キバレンジャーのファンだったそうで、キバレンジャーに変身するのが夢だったようです。
ここでとうとう夢が叶ったことになります。まぁ中に入ってる人は池田くんではないのですが。

ダイレンジャーのアクションは歴代戦隊随一といってもいい素晴らしさであり、
しかも各自が笑ってしまうような奇想天外な技を使うので、
このアクションの再現のためだけでもダイレンジャー篇は是非やって欲しいぐらいなのですが、
今回は各自のアクションをじっくり見せるという演出は無しでした。
鎧が突っ込んでスターグルを斬りまくっている間にマーベラス達5人は大輪剣を取出し、
「大輪剣・気力シュート!」と叫んで、気力を大輪剣に込めて相手に向けて一斉に飛ばす必殺技を放ちます。

鎧が慌てて避けて、全弾がスターグルに命中しますが、
スターグルはフラフラになりながらも、「おのれ〜・・・!」と呻いてまだ倒れません。
「しぶといな・・・」とジョーもスターグルの頑丈さには舌を巻きます。
大輪剣・気力シュートは一応ダイレンジャーの決め技だったわけですから、
普通はここでスターグルは倒されてもおかしくないはずなのですが、
それでも倒れないということは、超エネルギーはスターグルの戦闘力を思ったほど強化はしなかったようですが、
耐久力に関してはかなり強化させているようです。

しかし「とっとと片付けるべし!」とルカはますますやる気満々です。
そこに鎧が駆けてきて「皆さん皆さ〜ん!次はオーレンジャーで行きましょう!」と
軽やかに「オーレ!」のポーズをとりながら提案し、また仕切り始めます。
全員それに素直に応じて、今度は6人はオーレンジャーに豪快チェンジ。
やはりゴーカイセルラーも「キ〜ングレンジャア!」ではなく「オ〜レンジャア!」とコール音を発しますが、
鎧が変身後さりげなく「キングレンジャー!」と1人だけ協力戦士っぽさを地味にアピールしているのが、
なんとも戦隊マニアらしい拘りです。

オーレンジャーも全員で変身するのは初めてで、
キングレンジャーに変身した鎧の他は、マーベラスがオーレッド、ジョーがオーブルー、ルカがオーイエロー、
ハカセがオーグリーン、アイムがオーピンクに変身します。
オーレンジャーも鎧以外の5人に関しては配色がゴーカイジャーと一致しており、
しかもオーレンジャーの場合は性別まで一致しています。

鎧を除く5人の配色と性別がゴーカイジャーと一致する戦隊は
歴代でもバイオマン、フラッシュマン、オーレンジャー、カーレンジャー、
デカレンジャー、シンケンジャーの6つだけです。
そして鎧も含めて配色と性別がゴーカイジャーと一致する戦隊となると、実は1つもありません。
シグナルマンを追加戦士とするならばカーレンジャーが唯一当てはまるようにも思えるのですが、
シグナルマンはゴーカイセルラーにボタンが割り振られていないのでダメでしょう。

オーレンジャーに変身すると、ハカセが何かを思いついたようで
「あ!あれいこうよ!大百科にあった大技!」と提案します。
ここでフラフラのスターグルをさっさと片付けるために繰り出す技となると、それは決め技です。
オーレンジャーには「決め技」といえるものは何種類かありました。
が、ビッグバンバスターやオーレバズーカやジャイアントローラーは必殺技というよりは必殺武器であり、
真の意味で「大技」といえるような、しかも全員で放つような技となると、超力ダイナマイトアタックだけです。

この技、5人が空中で高速回転して超力の火の玉となり、
更にそれが合体して1つの巨大な火の玉となって敵に突っ込む大技で、
本編でも3度しか使われていないレアな技で、
そういうわけなのかどうかよく分かりませんが、マーベラスたち宇宙から来た5人は
この技の存在を知らなかったようで、戦隊マニアの鎧だけは知っていて、
自作の「スーパー戦隊大百科」にも技の解説を収録していたようです。
それを見ていたハカセが思い出して提案したようです。

鎧は自分の作った資料が好評であるのが嬉しいようで
「んふふふ・・・6人でやるのは本邦初公開です!」とほくそ笑みます。
確かにこの技、キングレンジャーも加わった6人で放ったことはありませんが、
もともとオーレンジャーのスーツというのは
古代遺跡にあったキングレンジャーのスーツの資料をもとに作ったものなので、
オーレンジャーとキングレンジャーはそのパワーである超力の原理は同じで、
5人の超力を合わせるのと同様、6人の超力を合わせることも原理的には可能のはずです。
それに超力は何人もの分を合わせれば合わせるほど大きな力を発揮する設定なので、
5人で放つよりも6人で放つ方がより大きな威力となるはずです。

「いくぜ!!」とマーベラスが号令をかけると、6人は一斉にスターグルに向かって突っ込んでいきます。
マーベラス達も「大百科」を読んでこの技のことを把握していたのか、
それとも単にノリで理解したのか、よく分かりません。
「大百科」を読んでいないジョーも普通にやってるところを見ると、ノリでやってるようです。
まぁ、この辺はもう勢い優先で、細かいツッコミは止めておいた方がいいでしょう。

6人は一斉にジャンプして、ピラミッドのイメージ画面を背景に空中で高速回転して6色の光球となります。
それぞれが自分の変身したオーレンジャーのパーソナルカラーの光球となる中、
鎧のキングレンジャーはオレンジっぽい光球になります。
これは、キングレンジャーはボディは黒ですが、アーマーなど装飾品が金色で、
一応公式にはゴールド戦士扱いであるようなので、金色のつもりであるようです。
そして、赤、青、黄、緑、桃、金の6色の光球が更に合体して巨大な1つの火の玉となり、
「超力・ダイナマイトアタック!!」と6人が叫んで突っ込み、スターグルを突き抜け、スターグルは大爆発します。

スターグルを突き抜けた後、爆発を背景に立ちどまった6人の中、
鎧は「オーレ!」とオーレンジャーの勝利の決めポーズ、
つまり片手を高々と掲げる浮かれたポーズをとりますが、
なんと、このおめでたいポーズをとっているのは鎧1人だけ。
「あれ?・・・あれ!」と鎧は焦ります。1人でやるのは、このポーズはかなり恥ずかしい。
マーベラス達はこのポーズを知らないのか、知っててやりたくないのか、そのあたりは謎です。

さて、これで普通はどう考えても「倒した!」という場面なのですが、
オーレンジャーの変身を解いてゴーカイジャーの姿に戻ったマーベラス達は、
あれだけ大爆発しておいて、まだスターグルが生きているのを見て「ああ!?」と驚きました。
「なんて頑丈なんでしょう?」とアイムも呆れます。
超エネルギーで耐久力がアップしているスターグルは、
大輪剣・気力シュートと超力ダイナマイトアタックを連続して浴びても死にきれないようです。
といっても、さすがにもう息も絶え絶えという感じで、あと一押しで完全に倒せる状態といえます。
6人はファイナルウェーブの態勢に入り、「とどめだ・・・」とジョーは凄みます。

その状況を宇宙空間のギガントホースの指令室で見ていたワルズ・ギルは
「まずい!!」と焦って指令席から立ち上がり、巨大化銃の場所へ駆け出しますが、
バリゾーグが「ワルズ・ギル様!今はまだ・・・」と言って阻止しようとします。
ワルズ・ギルはスターグルが一旦倒されてしまうと、その後復活巨大化させても、
それまでの少しの間、小惑星に対するコントロールが失われて作戦が失敗してしまうことを恐れているのであり、
失敗を阻止するためには弱ったスターグルに復活巨大化光線を浴びせて、
とにかく小惑星が地球に突っ込むまでの時間稼ぎをしようとしているのです。
だから、今回は珍しくワルズ・ギルは真っ当で冷静な判断が出来ているのです。

ところがバリゾーグだけでなくインサーンまでワルズ・ギルを止めようとしているのは、
作戦意図が指令部内で徹底されていないのか、
それとも巨大化光線を生きたままの怪人に発射するのは何らかのリスクが伴うのか、よく分かりません。
まぁ後者の場合、第14話のジェラシットという先例もあり、
第15話や他の回でもしょっちゅう倒されてもいないのに巨大スゴーミンが現れたりしており、
あまり厳密なルールは無いのでしょう。
というか、それならばいつも戦闘時には最初から怪人を巨大化させればいいとも思うのですが、
まぁそういうことは戦隊シリーズでは言わないのがお約束なので、ここはあんまり深く考えないようにしましょう。

とりあえず今回の作戦はダマラスとワルズ・ギルが中心で進められた作戦であり、
バリゾーグやインサーンは今回はあまり作戦の趣旨を理解出来ていなかったようで、
いつも通りの流れで作戦を進めようとしていたようです。
しかし今回はスターグルが一度死ぬと小惑星を地球に激突させる作戦が失敗してしまうので、
ワルズ・ギルは「今倒されるわけにはいかんのだ!」と喚いてバリゾーグを持ち上げてどかせると、
「おのれ〜!」と巨大化銃を手にして引き金を引きます。
それを見て「ああ・・・私の仕事・・・」と、いつもの仕事を奪われてしまった形のインサーンが悲しげに嘆くのでした。

地上ではゴーカイジャー6人がまさにスターグルにトドメのファイナルウェーブを放とうとしていましたが、
そこにワルズ・ギルの放った巨大化光線が降り注ぎ、スターグルに命中して、
スターグルは巨大化してしまったのでした。
「先に巨大化されちまった!」とマーベラスは悔しがります。
こうなればファイナルウェーブではトドメは刺せません。
「早く倒さないと、巨大な小惑星が・・・!」とアイムは焦ります。
まだ「巨大な小惑星」という変な言い回しを律儀に繰り返しているのが少し可笑しいです。

その山頂近くの登山道では、例の少年がいよいよ山頂間近に登ってきていました。
そこに突然、目の前の山頂に巨大なスターグルが出現したのですから、
それを見上げて少年は「うわああああ!?」と仰天して大声で叫びます。
その声が聞こえたのか、スターグルは少年の方を見ます。
少年もその突然現れた巨大な怪物が、神社から自分を追いかけてきたあの怪人なのだと気付き、
恐怖のあまり自転車から転落してしまいます。
スターグルも眼下に倒れている少年があの逃げられた少年だと気付き、腹立ちまぎれに攻撃してこようとします。
少年は「・・・もうダメだ!」と下を向いてしまいます。
足がすくんで立ち上がることすら出来なくなってしまったのです。

こうして少年が絶体絶命のピンチとなってしまった時、
間一髪のタイミングでゴーカイオーが飛び降りてきて、スターグルに跳び蹴りをかまし、
スターグルは山頂から転げ落ちていきました。
スターグルの巨大化に対抗してガレオンを呼んでゴーカイオーに合体するために
また一旦宇宙空間に行ってて、そこから戻ってきて、そのまんま飛び蹴りをかましたっぽいです。

そうして、転げ落ちたスターグルに入れ替わって山頂に着地したゴーカイオーは、少年の方に向き直ります。
少年は怯えて下を向いたまま固まっています。
もうすぐに殺されるのだと絶望していたのですが、そこに「大丈夫か!?」という大きな声が聞こえて、
自分がまだ死んでいないことに気付いて、恐る恐る顔を上げます。
すると怪物は山頂から落ちており、代わりに山頂に立った巨大ロボットから
声が聞こえてきたのだということが分かりました。

そして、その声は続けて「頑張れ!ここまで来たんだ・・・」と少年を励まします。
その声を聞いて少年は、その声がさっきの青い服の宇宙海賊と同じ声であることに気付きました。
あの宇宙海賊がやはり自分の頑張りを応援してくれていたのだと分かった少年でしたが、
しかし、そのジョーの励ましを受けても、少年は立ち上がることが出来ませんでした。
今さっき自転車から転落したことで何処か身体を痛めたというわけではありません。
身体はまだまだ動くのですが、心が挫けてしまったのです。

もともと少年はあんなに気弱になっていた大吾が1年間リハビリを続けてくれているのか
本当は確信が持てませんでした。
その上、この約束の日に神蔵山はザンギャックに占拠されてしまい、
鎧には「絶対に来る」と言い切ったものの、
少年は内心ではもしかしたら大吾はやっぱり来ないのではないかと不安に思っていました。
本当は来ないかもしれない大吾との約束を守るためにこんな危険な山を進んでいくのは、
実は少年は凄く怖かったのです。
ですから、一心不乱に黙って自転車を漕ぐことで、少年はその不安を打ち消していたのです。

でも、こうして山頂に怪物まで出現してしまい、
それを見て思わず恐怖の叫び声を上げて倒れ込んでしまったことで、
少年はそれまで打ち消していた不安や恐怖に支配されてしまいました。
もうこんな怪物まで現れたら大吾は絶対来てくれない。
リハビリを断念してしまった大吾はもう流星群なんて見る意味は無くて、
こんな危険な状態の山にまでやって来るはずがない。
それなのに自分だけこんな危ない目にあってこれ以上この山を登るのはバカみたいだ。
もうこれ以上、山頂に向かって進むのは止めにしたい。
そういう不安な気持ちに駆られた少年は「でも・・・」と言って、左膝の包帯をじっと見ながら押さえます。
そこには血が滲んできていました。
そうだ、こんなに血が出てきているんだから、もう自転車を漕ぐのは無理なんだと少年は思いました。
包帯に血が滲んでいることを言い訳にして、先に進むことを断念しようとしたのです。

ところが、そうした少年の心の中を見透かしたかのように、
ジョーは大声を出して「約束したんだろ!」と熱く少年に呼びかけました。
少年はハッとして顔を上げ、ゴーカイオーの顔を見ます。
じっとゴーカイオーは少年の顔を見つめます。
そのコクピット内でジョーは、厳しい口調の中に優しさを込めて、ゆっくりと言い聞かせるように
「流星群を、絶対に見るんだろ・・・?」と語りかけます。

それを聞いて、少年は自分が大吾と交わした約束は、大吾との約束であっただけではなく、
自分自身との約束でもあったのだということを想い出したのでした。
大吾にリハビリを頑張ってもらうために東京からこの町まで自転車で来て一緒に流星群を見る。
それは大吾のためにやろうと決めたことではありましたが、実行するのは少年自身でした。
やると決めたからには絶対にやり遂げないといけない。
それは自分自身との約束でした。

大吾がリハビリを頑張ると約束したのも少年に対してではなく、本当は大吾自身との約束だったはずです。
それと同じで、少年が東京から自転車でこの町に来て神蔵山に登って流星群を見るというのは、
少年自身との約束だったのです。
その互いの自分自身との約束の履行を互いに励みとして頑張ろうというのが、2人の約束の本当の意味だったのです。
相手への想いが強いからこそ、良い励みになり努力を継続することが出来たとも言えますが、
実際のところ、引っ越して大吾と離れ離れになっても少年は、この約束を果たすために1人で努力し続けました。
自転車で長距離走っても途中でリタイアしないように十分に鍛えてきたのです。

それは大吾のリハビリの苦労に比べれば小さな努力かもしれなかったが、
それでも少年が自分自身の約束を果たすために1人で黙々と積み上げてきた努力です。
それに関しては大吾は関係ない。
自分自身との約束を果たすための努力だったのです。

いや、約束というか、結局のところ、少年は神蔵山で今日、大吾と一緒に流星群を見たかったのです。
最初は大吾のために思いついた約束でしたが、その後ずっと努力を続けることが出来たのは、
自分が流星群を見たいから、頑張ることが出来たからです。
もちろん大吾と一緒に見たいのですが、それも結局のところ、自分がそう望んでいるだけのことです。
大吾も同じようにそれを望んで努力し続けて必ず来るのだと信じて努力してきたのは少年自身です。
本当に大吾が来るかどうかは、実際は大吾が決めることなのですが、
とにかく少年は大吾が来ると信じたのです。その上で努力してきた。
つまり、信じることも含めて、全ては少年自身が流星群を見るために積み上げてきた努力なのです。

だから、今更、ここまで来て、大吾が来ないかもしれないからとか、怪物が出てきたからとか、
そんな程度の理由で、自分の1年間の努力を裏切れない。
いや、裏切ってはいけない。自分との約束を果たさないといけない。
ちゃんと約束の場所に行って、たとえ1人だったとしても、流星群を見なければいけない。
何故なら、自分は絶対に流星群を見たいのだから。
だからこそ1年間頑張ってきたのだし、その頑張りを自分で裏切ってはいけない。

そう思い、少年はゴーカイオーのコクピット内のジョーに向けて、力強く頷いてみせた。
それを見てジョーも頷くと、操舵輪を回してゴーカイオーの向きを変え、
山麓に落ちたスターグルを倒すための戦いに向かっていきました。
同時に鎧の召喚した豪獣ドリルが時空の隙間から出現し、
ガオレンジャーのレンジャーキーで召喚されたガオライオンもゴーカイオーの後についていきました。
少年はそれを見て「ようし!」と立ち上がり、自転車を起こして跨ると
「行くぞぉっ!!」と大きな声で気合いを入れて山頂に向かって漕ぎだしていったのでした。

さて、ここでジョーがどうして少年が挫けそうになっていることが
分かっているかのような言動をとることが出来たのかというと、
それは、さっき登山道で少年に彼が親友と結んだ約束の真実を聞いた時に
ジョーなりに理解していたことがあったからです。

あの時、ジョーは少年の話を聞いて、
約束というものにおいて真に大事なものは、単純にその約束を果たすことではなく、
その約束を果たすために頑張り努力していく過程なのだということを想い出したのでした。
少なくとも少年の親友との間に結んだ約束は、流星群を見ることそのものが真の目的なのではなく、
その約束に向かって親友と自分が共に頑張るという状況を作ることが目的でした。
親友の大吾は1年後に少年と一緒に流星群を見るためにリハビリを頑張り、
決してサッカーを続けるという夢を諦めない。
そして、そういう親友の夢を応援したいというのが少年の夢なのです。
その夢を1年後に実現するために、少年は自転車で東京からこの町まで走り続ける力をつけるために1年間頑張る。
このように、約束をすることによって、2人は共に自分の夢に向かって頑張ることが出来る。

約束を果たすために頑張るのではなく、
この約束はもともと頑張るために結ばれた約束だったのです。
約束を果たすことが一番大事なのではなく、約束のために頑張ることが一番大事なことだった。
極論すれば、約束は果たされなくてもいいのです。
一緒に流星群を見ることは出来なくてもいいのです。
「一緒に流星群を見る」という目標に向かって頑張り続けることが出来れば、
実は目標は達成されているのです。

もし万が一少年の都合がつかなくて、少年と大吾が一緒に流星群を見ることが出来なくても、
それを目標として大吾がリハビリを頑張って怪我を克服すれば、
別に流星群は見ることは出来なくても、この約束を結んだ真の目的は達成されているのです。
だから同様に、もし2人で流星群を見ることが出来なかったとしても、
約束の日に東京からこの山の山頂まで自転車で走破して流星群を見れば、
1年間親友の夢を応援し続けるために頑張りたいという少年の真の目的は達成されるのです。

このように、少年が親友と結んだ約束の真の意義を理解しているからこそ、
ジョーは少年に、状況がどうであれ自分との約束を達成するため、最後まで頑張るように励ましたのでした。
最後まで自分で決めた信念を貫き通すことにこそ、この約束の真の意義はあるのです。

しかし、そういう理屈は確かに正しいにしても、
ザンギャックが暴れているような山へ少年を進ませるというのは、結構無茶な判断です。
鎧だってジョーと同じようにこの約束の真の意義ぐらいは理屈では理解していました。
しかし、それでも少年の命を守るためには安全策をとるのがベストだと判断したのです。
ところがジョーはあえて少年の命を危険に晒した。
もちろん少年が進むよりも早くザンギャックを倒していくという作戦で、
少年の安全は確保するという算段は立てましたので、全く少年の安全を軽視したわけではないですが、
それにしても、ちょっとした賭けではあったわけです。

そんな賭けに出るよりも、鎧の言うように少年を安全な場所に逃がす方が正しいようにも思えます。
しかしジョーはそれではダメだと思ったのです。
それは、ここでザンギャックを言い訳にして逃げたら、
少年が今後も夢に向かって頑張ることから言い訳を見つけて逃げるクセをつけてしまうようになると
ジョーは危惧したからでした。
何故なら、ジョー自身がそうだったからです。

ジョーは少年と親友の約束の真の意義に気付いた時、
かつて自分が先輩のシドと結んだ約束も同じであったことを想い出したのです。
最初は少年がつまらない子供っぽい拘りに純粋に突き進んでいると見なして、
それをマーベラスに似ていると思ったジョーでしたが、
少年の約束が夢そのものに突き進むものというよりは、夢に向かう頑張りを重視するものだと気付き、
それはむしろ自分がかつてシドと結んだ約束に似ているのだと気付いたのでした。

あの時、ジョーとシドは再会の約束をしましたが、
再会して何かをする予定があったわけではありません。
単に、自分達の生き方が正しいならば再会出来るはずだという意味で、再会の約束をしたのです。
つまり、自分達の信念が正しいことを立証するために再会という約束があるわけです。
ならば、真に大事なのは再会することそのものではなく、
いつ来るか分からない再会のその日まで自分が自分の信念を貫いて生きていくことであるはずです。

つまり、このジョーとシドの約束もまた、少年と大吾の約束と同様、
再会そのものが目的だったのではなく、これからの人生を自分の信念を貫いていくことを目的として、
そのための励みとして結ばれた約束だったのです。
極論すれば、もともと自分の信念を貫くことが目的で結ばれた約束なのですから、
再会の約束は叶わなくっても、自分の信念を貫くべきだったのです。
しかしジョーはその約束の直後、シドがザンギャックに捕らわれるか殺されるかして、
もはや約束は叶わないと判断し、その絶望感によって自分の信念を捨ててしまっていたのです。

ジョーの信念とは何だったのか?
それはジョーの夢と言い換えてもいいでしょう。
それはジョーが命を賭けてでも貫こうとしたものですから、例の事件と関係してくるのは間違いありません。
つまり、軍人でありながら上官の「子供を殺せ」という命令を拒否して反逆罪に問われた一件です。
つまり、ジョーにとっては「子供を守る」ということが何よりも大事な信念であったのです。

言い換えれば、ジョーはもともとは「子供を守るヒーローになりたい」という夢を持っていたといえます。
だからこそ、正義の軍だと信じるザンギャック軍の軍人になったのです。
ただ、ジョーの今回の少年に対する行動を見ていると、
ジョーの場合、単純に「子供を守る」というのではないようです。
単純に子供を守りたいのならば、怪我をしているのに山を登らせたり、
ザンギャックがいるのに先に進ませたりはしないでしょう。
鎧はこの単純に「子供(の命)を守りたい」というヒーローですが、
ジョーの志向していたヒーローは、むしろ「子供の夢を守りたい」というヒーローであったように思えます。

単に子供を危険から遠ざけるというレスキュー的なヒーローなのではなく、
ジョーの場合、子供を守りながら、子供たちの夢や目標に向かって頑張る姿勢を温かく支援していくような、
一種の教育者的なヒーローが彼の真に望んでいたものであったのではないかと思えるのです。
平和な時代であれば教師にでもなっていた男なのではないかとも思えます。
そのように「子供たちの夢を守るヒーローになりたい」というのがジョーの夢だったのです。

そんな男が戦乱の宇宙において、子供たちを守りながらその夢を守り導いてやりたいと思い、
ザンギャック軍人となった。
しかし、現実にはザンギャックにはジョーが思っていたような正義は無く、
いきなり意味も無く子供を殺すように命令され、ジョーの夢は打ち砕かれた。
それで絶望して大暴れして死罪を言い渡されたジョーを助けだして一緒に脱走したシドは、
絶望したジョーに向かって、それでも自分の夢を諦めないで欲しいと願って、再会の約束をしたのです。
そこには、再会するその日まで自分の夢を貫いていてほしいという、
シドからジョーへ向けてのメッセージが込められていました。

いや、シドは再会することは出来ないだろうと分かっていたでしょう。
自分もジョーも再会の前にいずれは殺されるだろうと思っていたでしょう。
それでも、死の瞬間まで、決して来ないだろう再会の約束をウソでも励みとして、
自分の信念や夢を貫く生き方を貫きたいし、ジョーにもそんな生き方を貫いて欲しいと願って、
シドは再会の約束をジョーと結んだのです。
そしてシドは、確かに最期の最期までその信念を貫いたのでした。
だからこそ、捕らわれた後、ワルズ・ギルに忠誠を誓うように何度強要されても従わず、
最期には改造されてバリゾーグにされてしまったのです。

ところが、一方、ジョーはシドが捕らわれたようだと分かると、すっかり絶望してしまい、
もはや再会の約束が果たされないのならば自分の信念を貫くことに意味が無いと思うようになってしまいました。
それでもザンギャックから逃げ回り続け、
その途中で出会ったマーベラスに「目が気に入った」と言わしめたわけですから、
ジョーの心の奥にはやはりまだずっと自分の夢はくすぶり続けていたのでしょう。

しかし表面的にはジョーはザンギャックの支配する宇宙では自分の夢は結局は貫くことは出来なかった、
挫折したのだと思っていました。
ザンギャック軍に裏切られたこと、子供をみすみす殺されてしまい守れなかったこと、
そしてシドが殺されて再会の約束が無くなってしまったこと、
これらの出来事の衝撃によって、ジョーは自分の夢、すなわち「子供の夢を守るヒーローになりたい」という夢は
無残に潰えたのだと思ったのでした。

そして、そこに何故ジョーがマーベラスという男に惹かれたのかという答えがあります。
それは、マーベラスがあまりに無邪気に、まるで子供のように夢を追う男だったからです。
「子供の夢を守るヒーロー」になり損ねた男であるジョーは、
マーベラスに拾われて新たに始めることになった人生において、
そのマーベラスの子供のような夢を守っていきたいと思うようになったのです。
ジョーは今回の少年の子供じみた純粋さを見て、それがマーベラスとそっくりだと感じているのですが、
それはつまり、ジョーの中ではマーベラスは夢を追う純粋さという点では
子供同然の男と見なされているということです。
だから、子供の夢を守るのと同じような感覚で、ジョーはマーベラスの夢を守り応援していきたいと思い、
それを新たな人生の生き甲斐としたのです。

しかし、これは見れば分かるように一種の「代償行為」というやつで、
本当はジョーの心の奥に本来の夢である「子供の夢を守りたい」という願望が存在しているからこそ、
マーベラスの夢を守ることに拘るのです。
しかしジョーは子供を見殺しにしてシドを見殺しにして再会の約束も果たせなかった自分には
「子供の夢を守るヒーロー」になる資格などは無く、
ザンギャックに支配された宇宙ではそれは無理なことだったのだと理屈をつけて
言い訳として無意識に諦め、その代わりにマーベラスの夢を守りながら、
共に同じ夢を追う生活に満足していくようになりました。
だから、今さら、鎧が「子供から老人まで愛される地球を守る正義のヒーロー」という
スーパー戦隊などを見習うように言ってくると、素直にそれを受け入れることには抵抗があるのです。
それはジョーにとっては、一度もう挫折して捨てた道だからです。

ところが、少年の話を聞いて、少年の約束の真の意義を知ったジョーは、
自分とシドとの再会の約束もそれと同じだと気付いた、いや、思い出したのです。
再会することよりも、あの約束の真の意義は、
たとえ再会は出来なくても、自分の夢を貫く生き方をすべきことにこそあったのだということを
ジョーは思い出したのでした。

それをジョーに思い出させたのは、
親友が来るはずもない最悪の状況の中でも、
それでも親友が来ると信じて前へ進もうとする少年の強い意志を見たからでした。
それは、親友の夢へ向かう頑張りと、その親友の夢を応援するための自分の頑張りを
信じようとする強い意志でした。
それを見たジョーは、同じように子供の夢を守るという夢を貫こうとした自分は
シドとの再会の約束がほぼ無理になったことで簡単にその夢を諦めてしまったというのに、
少年があくまで頑張ろうとしていることに感動し、
こんな小さな少年が頑張っているのだから、自分も頑張らねばいけないと思ったのでした。

つまり、自分の夢を簡単に諦めてはいけないと思ったのです。
それがシドと約束をした真の意義だからです。
鎧の言うようなスーパー戦隊のようなご立派なヒーローにはなれないかもしれないが、
それでも自分の本当はなりたかった「子供の夢を守るヒーローになる」という夢は
もう一度貫いてみたいとジョーは思ったのです。
そこで、まずは目の前の少年の「親友の夢を守りたい」という夢をジョーは守ろうと思ったのでした。

何故なら、それは守ってやらねば潰えてしまいそうな夢であることはジョーにはよく分かったからでした。
ジョーも再会の約束が潰えそうになったことで絶望して夢を諦めてしまい
ザンギャックの脅威を言い訳にしてくすぶっていたから、少年の状況がよく分かるのです。
今のところ必死に持ちこたえて強がり、頑張ってはいるが、
少年はギリギリのところで持ちこたえているだけなのです。
本当は不安でたまらない。もうひと押し、何か絶望的な事態があれば、夢を諦めて逃げ出してしまい、
ザンギャックの脅威を言い訳にして夢に背を向けた人生を進むようになってしまう。
その経験者であるジョーにはその最悪の可能性が見て取れたのです。

鎧にはこういう経験が無いからそれが分からない。
夢は捨てても、まずは命を守るのが優先だと判断してしまう。
命さえ拾えば夢はすぐに取り戻せると思ってしまうのです。
しかし夢を捨てたことのあるジョーは、夢を一旦捨てると簡単には取り戻せなくなり、
夢を捨ててただ生きるだけの人生は辛いものだと知っています。
だから、ここでジョーは少年には夢を捨てさせたくないと思ったのです。
それで少年には山頂に向かって進むように言って、
自分はその少年の夢を守り支援するためにザンギャックと戦おうと決意したのでした。
それがジョーの「子供の夢を守るヒーローになりたい」という夢の再生の第一歩であったのです。

そうしたジョーの秘かな決意は、最初は鎧にはよく分からなかった。
単に子供を甘やかして命を軽んじているようにも見えて不満でした。
しかし、巨大化したスターグルを見て倒れ込んでしまった少年を励ますジョーの声を聞いて、
鎧にもようやく、ジョーが少年の夢へ向かっての頑張りを真摯に応援していたことが分かったのです。

スターグルを見て倒れ込んだ少年が急に気弱になったのを見て、
鎧は少年が実は不安な気持ちを必死で押し殺していたのだと気付きました。
鎧は少年がとにかく約束のために無茶をしているのだと思って止めようとしていたのですが、
本当はそうではなく、少年は約束はもう潰えそうだと分かって不安になりつつも、
それでも夢を信じたいと思って必死で踏ん張っていたのです。
それなのに自分はそれに気づかず、あんな小さな少年に頭ごなしに
夢を捨てるようにけしかけていたのだと、鎧は恥じ入りました。

一方、自転車から転落して急に気弱になった少年にすぐに励ましの言葉をかけたということは、
ジョーは少年の不安をちゃんと理解した上で、それでも夢を信じて前へ進もうとする勇気の後押しをし、
その少年と少年の夢を必死で守ろうとしていたのだということにも鎧は気付きました。
少年にとって真のヒーローはどちらであるか、明白でした。
そう思うと、鎧はジョーのことを「ヒーローになろうとする気がないのではないか」などと
疑っていた自分が恥ずかしく思えてきて、素直に心からジョーのことを尊敬し、
自分の誤解を反省したのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 22:01 | Comment(1) | 第22話「星降る約束」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第22話「星降る約束」感想その5

さて巨大戦の方は、シンケンゴーカイオーと豪獣神がスターグルに立ち向かう構図となりましたが、
スターグルは復活巨大化光線を浴びているものの、一旦死んでいない関係からなのか、
あまり元の強さには戻っておらず、等身大戦のダメージがそのままかなりの部分残っているような感じで、
かなり弱いままでした。
豪獣神のドリルとシンケンゴーカイオーの「獅子・火炎哮」で痛めつけられます。
ちなみに「獅子・火炎哮」は「シンケンジャー」本編でも数回しか使われていない割とレアな技で、
シンケンオーの胸部パーツとなる獅子折神の口から火炎を発するというものでしたが、
ここではシンケンゴーカイオーの胸部にくっついているガオライオンの口から火炎が放射されています。

そして「今度こそトドメだ!!」とジョーが叫び、
シンケンジャーのレンジャーキーをコクピットに挿して回すと、烈火大斬刀が出現し、
「豪快・侍斬り」でスターグルを両断、あっという間に勝負を決します。

ところがスターグルは断末魔に「勝ったつもりだろうが・・・もう遅ぉい!!」と叫びます。
「なに!?」と言うゴーカイジャー達に向かって、スターグルは「空を見るがいい!」と言い残し、
天に向かって高々と指を突き立てたまま大爆発して果てます。
思わず空を見上げたマーベラス達は、空に何か発光する物体が出現していることに気付きます。
「ウソ!?もう来ちゃったの?」とルカが驚きます。
それが、スターグルの言っていた「巨大な小惑星」だと直感したのです。

すぐにゴーカイオーのモニターで拡大し解析します。
確かにその発光する物体は小惑星で、かなりの大きさです。
これがスターグルの言っていた「巨大な小惑星」というやつであるのは間違いないでしょう。
しかし、スターグルが死んだ今、地球にぶつけるためのコントロールは失われたはずです。
ところがその小惑星の進路を解析したハカセは
「ダメだ!この距離だと地球の引力に引かれてもう止まらないよ!」と絶望的な声で言います。
「なにぃ・・・!?」とジョーは絶句し、豪銃神のコクピットで鎧も「そんなぁ・・・」と肩を落とします。
スターグルが倒される直前ぐらいに小惑星は地球の引力圏に入ってしまい、
もはやコントロールの有無に関係なく地球の引力によって落下してくる軌道に乗ってしまっているようなのです。
スターグルを倒すのが一歩遅かったのです。

一瞬ひるんだマーベラスでしたが、すぐにゴーカイジャーのレンジャーキーを取出し
「だったらぶっとばしてやる!!」と、豪快スターバーストで小惑星目がけて砲弾を連射し、
小惑星を撃ち砕こうとしますが、全弾命中しても小惑星は表面が多少削れただけで、
全く進路も変わらずそのまま突っ込んできます。
「そんな・・・効かない・・・」とアイムは唖然とします。
小惑星が巨大すぎて、砲弾程度では表面を破壊するだけで、小惑星の核を砕くまでには至らないのです。
延々と撃ち続ければそれも可能かもしれませんが、そんなことをしている間に地球に激突してしまうでしょう。
時間が決定的に足りないのです。

「いったいどうすれば・・・?」とアイムが呻き、マーベラス達もさすがに名案が浮かばず、黙り込みます。
他の「大いなる力」を使っても、豪快スターバーストと大して変わらないどころか、
遥か空の上の小惑星を攻撃するには、最も射程の長い豪快スターバーストが最適の選択だったはずなのです。
それが効かないとなれば、それを超えるような案がすぐには浮かんできません。
そうこうして悩んでいる間に小惑星は地球の大気圏に突入して燃え始めます。
まるで「ディープインパクト」みたいです。

その時、鎧が「そうだ!!」と何かを思いつきます。
こういう時、スーパー戦隊の技に詳しい鎧が一番頼りになります。
そして鎧は「ジョーさん!俺を投げてください!!」と豪獣神のコクピットから、
ゴーカイオーのコクピット内のジョーに呼びかけるのでした。
唐突な鎧の申し出にゴーカイオーのコクピットの5人は驚き「どうするつもり!?」とルカは問い返しますが、
ジョーは「よし・・・分かった!」と鎧に応じます。
いちいち問答している時間は無い。鎧の策を信頼することにしたのです。

それは、ジョーが今日、鎧と共に行動してみて、
鎧ほど地球の人々の命を守ることに一生懸命なヤツはいないと認めたからであり、
あれほど自分と噛み合わなかった鎧があえて自分を指名して呼びかけているということは、
何かよほど心に期するものがあるのだろうと思えたからでした。
「お願いします!」と鎧はジョーの方を見つめます。
鎧もまた、今日の出来事によって、こと地球の人々を守る戦いに関しては、
ジョーこそが最も信頼出来る相手だと確信するようになっているのです。

「ちょ・・・ちょっと・・・」とハカセは戸惑って何か言おうとします。
豪獣神を小惑星目がけて放り投げて欲しいというのが鎧の言いたいことだというのは分かるのですが、
そんなことをすれば豪獣神が真っ先に小惑星に激突して潰れてしまうだけのように思えたのです。
確かに至近距離に近づいて攻撃すれば威力は上がる。
鎧はそれを狙っているのだろうが、
その分、猛スピードで突っ込んでくる小惑星を相手に攻撃を加える時間は短くなるのだから、
結果的には地上からの攻撃と効果はそんなに違わない。
しかもリスクは高まるのだから、これは無謀だと思い、止めようと思ったのです。

しかしジョーはさっさとゴーカイオーを操作して
豪獣神の肩を右手(ジョーの乗機であるゴーカイジェットのパーツ)で掴み
「頼んだぞ、鎧!」と言い、鎧も「はい!」と応じます。
そしてゴーカイオーは豪獣神をジャイアントスイング状に振り回して、
ジョーが「行けっ!!」と気合を入れると同時に豪獣神を凄まじい勢いで上空の小惑星目がけて放り投げます。
鎧はその勢いに加えて、更に豪獣神の足の裏のブースターに点火して猛スピードで小惑星に突っ込んでいきます。

しかし、こんなに勢いをつけてしまっては、至近距離で攻撃するどころか、
一気に豪獣神そのものが小惑星に突っ込んでいってしまいます。
そもそも豪獣神は豪獣ドリルに変形すれば飛ぶことが出来るのですから、
小惑星まで行くのにわざわざゴーカイオーに放り投げてもらう必要は無い。
つまり、飛ぶことが目的だったのではなく、
最初からこの猛烈な速度で小惑星に突っ込むことが鎧の目的だったことになります。
しかもそれは豪獣神の形態でなければいけなかったようです。

それは、猛スピードで小惑星に迫りつつ「ギンギンにいくぜ!!」と言って
鎧が取り出したレンジャーキーがアバレキラーのレンジャーキーであったことから、
鎧がアバレンジャーの大いなる力を引き出すつもりだったことが分かり、納得がいきます。
豪獣ドリルや豪獣レックスではアバレンジャーの大いなる力は使えないからです。
そうまでして鎧が使いたかったアバレンジャーの大いなる力とは何だったのか?

今まで豪獣神の発動していた必殺技「豪獣トリプルドリルドリーム」は、
アバレンジャー、ジュウレンジャー、タイムレンジャーの3つの大いなる力を合わせて発動した技であって、
各戦隊の単独の「大いなる力」を発動した技はまだ未公開でした。
鎧はアバレンジャーの大いなる力の単独技も使えるはずだと思ったのです。
そして、アバレンジャーの大いなる力の単独技は、きっと、
あのアバレンオーの必殺技と同じ技であるはずだと、豪獣神の形態を考えて直感し、
あの技ならば、猛スピードの突進力をプラスすればきっと小惑星を砕けると読んだのです。
鎧がアバレキラーのレンジャーキーをコクピットに挿して回し、
思いっきり操舵輪を回しながら叫んだその技名は「豪快・電撃ドリルスピン!!」でした。

アバレンジャーの1号ロボにあたるアバレンオーは、
戦隊の1号ロボとしては珍しく剣を必殺武器としておらず、
左腕の巨大ドリルにダイノガッツを集中させて敵を粉砕する
「爆竜・電撃ドリルスピン」という豪快な技を必殺技としていました。
右腕が巨大ドリルになっている豪獣神ならば同じ技を使えるはずであり、
アバレンジャーのレンジャーキーを使って大いなる力を引き出せば、
ダイノガッツをドリルに込めて電撃ドリルスピンと同等の破壊力を生むことが出来ると鎧は思ったのでした。

ただ電撃ドリルスピンの破壊力自体は、
例えばマジバインドやフルブラスト、アニマルハート、侍斬りなど、
他の大いなる力に比べて特にずば抜けているわけではありません。
だが、他の大いなる力が外部から対象物を破壊する技ばかりなのに対して、
電撃ドリルスピンの場合は単純な破壊力だけでなく、その最大の特徴は掘り進んでいく力にあるのです。
その力を使って小惑星を外部から砕くのではなく、内部に突き進んでいき、
その核(コア)に到達して内部から破壊することが鎧の狙いでした。
ただ、怪物を倒すのとはワケが違う。
相手は巨大な小惑星ですから、通常の電撃ドリルスピンでは表面で弾き返される可能性が高い。
だから猛スピードで突っ込んだ勢いをプラスしてドリルを突き立てる必要があったのです。

果たして、ダイノガッツを集中させたドリルを小惑星に突き立てた豪獣神は、
一瞬、一進一退の状態となりましたが、
「うおおおおお!!」と鎧が気合いを入れて押すと、遂に小惑星の地殻を突き破ります。
そうなればもう後は一気に核まで突っ込んでいき、
豪獣神は小惑星の核を砕いてそのまま裏側に突き抜け、
小惑星は大気圏の上層部で粉々に砕け散ったのでした。
「やったぁ〜!!」と大喜びする鎧。
小惑星の破壊をモニターで確認したゴーカイオーのコクピットの5人も大喜びで、
ジョーも「よし・・・!」と成功の喜びを噛みしめるのでした。

エピローグは、戦いも終わり、夕焼けに染まる神蔵山、少年が遂に山頂に到達した場面です。
自転車を押して、疲れ切った足取りで登って来た少年に向かって
「翔太・・・!」と素っ頓狂な声をかける者がいます。
どうやら少年の名は翔太というらしい。

翔太が驚いて顔を上げると、山頂にはサッカーボールを持った少年の姿があります。
大吾でした。大吾は非常に驚いた顔をして「お前・・・ホントに自転車で・・・!?」と目を白黒させています。
つまり、大吾も翔太が本当に約束通りに自転車で東京から流星群を見るためにやって来るとは
思っていなかったことになります。
しかし、それでもこうして大吾は約束の場所に来ています。
しかも山でただならぬ騒動が起きていることを承知で登ってきていたのです。
それはつまり、大吾もまた翔太同様、相手が来るかどうかよりも、
自分が自分に課したこの1年間の約束を果たすことにこそ価値を認めているということです。

つまり大吾の場合、1年間、リハビリを頑張り続けて、
サッカーを続けるという夢を捨てなかったことの証として、この約束の場所に立っているのです。
手にしたサッカーボール、そしてサッカーのユニフォーム姿がその大吾の意思を雄弁に物語っていました。
その大吾の姿を見て、翔太はお互い想いは同じだったんだと実感し、
約束を結び、そして約束を果たして本当に良かったと心から思いました。
そしてニッコリ笑い「約束・・・果たしたぜ・・・!」と満足そうに応えました。

すると大吾は「俺も!ほら!」と言うと、手にしたサッカーボールを落として、
怪我をしていたはずの右足で器用に何回かリフティングをしてからポーンと翔太の方に蹴りだしてきたのでした。
驚いて見ていた翔太は跳んできたボールを思わず両手でキャッチし、
手を離した自転車がガシャンという音を立てて地面に倒れました。
しかし倒れた自転車にも目もくれず、翔太は掴んだサッカーボールを見つめて呆然としています。
なんと大吾の怪我は治っていたのでした。
あの約束の後、よほどリハビリを頑張ったのでしょう。

そう思うと、翔太は大吾の頑張りを信じて自分も頑張ってきて本当に良かったと
万感の想いが込み上げてきて「大吾・・・」と笑顔になります。
大吾も笑顔になり、翔太に駆け寄ります。
大吾も翔太が自転車で東京から来てくれた頑張りが嬉しく、
自分が頑張ってきた甲斐があったと想い、嬉しいのです。
そうして2人は夕闇迫る中、ハイタッチでお互いの健闘を称え合うのでした。

そして太陽が沈み、夕闇の中、翔太と大吾の2人は山頂に並んで腰かけて、夜空を見上げます。
約束通り、2人で流星群を見るのですが、
2人の頑張りへのご褒美なのか、やたらと今年は流れ星の数が多いようです。
さんざん歓声を上げて「星、多すぎ!」と無邪気に喜ぶ2人を
背後からそっとゴーカイジャーの6人が見守りつつ、流れ星を見上げていました。
ちなみに、この流れ星の異常な多さの原因は、
鎧は電撃ドリルスピンで弾き飛ばした小惑星の無数の破片の一部が一旦大気圏の外に弾き出されてから
再び今の時間になって引力に引かれて大気圏に落ちてきて燃え尽きながら流れているからなのでしょう。

翔太と大吾の背中を見つめながら、鎧がしみじみと
「スーパー戦隊って、みんなの命だけじゃなくて、夢も守る人達です・・・」と言います。
それは鎧にとっては、もともと知っていたはずのことだったのですが、
ゴーカイジャーの一員になって人々の命を守るヒーローになりたい一心であったため、
ついつい忘れてしまっていた大事なことでありました。
ジョーの少年の夢を守ろうとして戦う姿勢を見たおかげで鎧はそれを思い出したのでした。
鎧はジョーの顔をチラリと見て「だから、ジョーさんはスーパー戦隊のブルーです!」と、
ジョーのことを褒めます。

しかしジョーは「それはどうでもいい・・・!」と言います。
どうでもいいというのは、別にジョーはスーパー戦隊のブルーを目指しているわけではないので、
自分がスーパー戦隊のブルーだと言われても興味が無いということでもありますが、
同時に、自分をスーパー戦隊と同一視されることにもはや抵抗も感じなくなったということでもあります。
つまり、自分とスーパー戦隊の戦士を比べて変なコンプレックスを感じることが無くなったということです。
それは、ジョーが子供たちの夢を守るヒーローという、
本来の自分の目指すべきヒーローの道を自分なりに歩き始めたので、
もはやスーパー戦隊の戦士たちに引け目は感じなくなったからです。

ジョーは、自分はスーパー戦隊の戦士のように地球を守るために戦うことは出来ないかもしれないが、
子供の夢を守るためなら戦うことが出来るのだと、今回実感しました。
それは、昔からジョーが目指していて、酷い挫折をして、ずっと見失っていた道でした。
それをジョーは想い出し、今回初めて、実際に翔太という地球人の子供の夢を守るために戦ってみて、
こうして今、翔太は念願の流星群を見上げている。
その笑顔を見ていると、ジョーの心には達成感が溢れてきます。
自分も子供の夢を守るヒーローになれるのではないかという手応えを初めて噛みしめたのでした。

しかし、こうして達成感を感じてみてジョーは初めて分かったが、
この達成感を自分にもたらしてくれたのは翔太が頑張って目標を達成した結果の笑顔だったのでした。
つまり、いくらジョーが翔太のために頑張っても戦っても、
翔太が頑張って山頂まで行ってくれなければ、ジョーの達成感は無かったのです。
だから、自分が翔太の夢を守るヒーローになれたのだとすれば、
それはひとえに翔太の頑張りのお蔭だったのです。

子供の夢を守るヒーローとは、子供が夢に向かって頑張るからこそ成立する。
夢に向かって頑張る子供たちが居るからこそ、
自分はヒーローになれるのだということにジョーは気付いたのでした。
だからジョーは自分がスーパー戦隊のブルーだとか、何らかのヒーローだとして誇る気持ちにはなりませんでした。
子供が頑張るからこそ、自分も頑張れただけのことです。
「あいつがよく頑張った・・・それだけだ!」とジョーは、翔太の背中を真っ直ぐ見つめて言いました。
翔太がよく頑張ったから、自分も頑張れた。それだけのことなのです。

そのジョーに向かって鎧は
「そんな頑張るヤツがいる地球・・・どうですか?さらに好きになりました?」とニッコリ笑って尋ねます。
夢に向かって頑張る子供たちがいるから夢を守るヒーローになれる。
ならば、夢を守るヒーローであり続けるためには、ずっと子供たちに夢を見て頑張り続けてもらう必要がある。
子供たちがずっと夢に向かって頑張っていくことが出来る場所など、宇宙にそうそう多くはない。
この地球はその数少ない、子供たちが夢見て頑張ることの出来る平和が維持されてきた星なのです。
ジョーはこの地球でならば、子供たちの夢を守るヒーローになることが出来る。
そして、子供たちの夢見ることの出来る平和を守るために戦うことが出来る。
それがつまり地球を守るために戦うということであり、歴代のスーパー戦隊もそのために戦ってきたのです。
だから、やっぱりジョーはスーパー戦隊のブルーなのだと、鎧は改めて思ったのでした。

そして、子供の夢を守るために率先して戦ったジョーの姿を見て、
鎧はジョーが地球のことを「嫌いじゃない」と言ったのは、結局「好き」という意味だったのだと確信しました。
少なくとも、地球の子供たちの夢見る地球の未来のことを好きでなければ、
その夢のために戦おうとはしないはずです。
翔太の夢や大吾の夢、多くの地球の子供たちの夢が集まって、地球の未来が作られていくのであり、
ジョーはそれを守ろうとしたのです。
だから、きっとジョーは地球のことが好きなのであり、
ジョーがヒーローである以上、子供たちの夢が更に広がるにつれて、
更にジョーも地球のことが好きになっていき、その夢を守って戦っていく。
そうしてゴーカイジャーは35番目のスーパー戦隊になっていくのだと、鎧は直感したのでした。

そういうニュアンスを込めて鎧がニヤニヤ笑ってジョーに問いかけると、
ジョーは少し困った顔で鎧から目を逸らして「・・・だからぁ・・・」と口ごもります。
もともとジョーは「嫌いじゃない」という言葉で「好き」だということは伝えているつもりなのです。
確かに今回の件でますます地球のことを好きになったジョーでしたが、
そういう「好き」とかいう言葉をストレートに口にするのは慣れていないので、
真っ直ぐ「好きですか?」などと問われると困るのです。

そのあたり察して欲しいと思ったジョーでしたが、
よく考えれば鎧は「嫌いじゃない」が「好き」という意味だと分かった上でからかっているように見えます。
ならば、つまり「嫌いじゃない」と言えば「好きだ」という意味は通じるわけです。
そう気付くと、ジョーはフッと溜息をついて、「ま、嫌いじゃない・・・」と言って、
それをもって鎧への答えとして「好きになった」というニュアンスを伝えて、
照れ隠しにプイッとその場を立ち去っていったのでした。
鎧にはそのニュアンスは通じたようで、ニコッと笑って鎧はジョーの後を追いかけます。
そして2人の遣り取りを見守っていたマーベラス達もその後を追って、
神蔵山の山頂から立ち去っていったのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 23:48 | Comment(0) | 第22話「星降る約束」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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