2011年09月05日

第24話「愚かな地球人」感想その1

この「ゴーカイジャー」第24話が放送されたのが8月7日で、
その前日の8月6日に夏の劇場版「海賊戦隊ゴーカイジャーTHE MOVIE空飛ぶ幽霊船」が公開されました。
一応まだ公開中の映画でもあるので細かい内容のレビューはしませんし、
そもそも録画してあるわけでもないので出来ませんが、
TV本編と関係してる部分もあると思うので、
第24話の前に「空飛ぶ幽霊船」映画の方にも少し触れておきます。

6月公開の「199ヒーロー大決戦」映画の方がレジェンド回の豪華版だったとするなら、
この夏映画「空飛ぶ幽霊船」は通常回の豪華版と言っていいでしょう。
通常回ですから「199ヒーロー大決戦」のようにレジェンドゲストは出ません。
その分、尺が節約出来ますから、
ライダー夏映画と併映の戦隊夏映画の最大限の尺である31分に何とか収まっているのだといえます。

それだけ、ただでさえTV本編が盛り沢山なお祭り企画である「ゴーカイジャー」の豪華版というと、
盛り込む要素が多く、その分、どうしてもストーリーは尺が削られるので、
この「空飛ぶ幽霊船」という映画、極めてシンプルなストーリー構成になっています。

「ゴーカイジャー」という物語は、宇宙海賊であるマーベラス一味が、
本来は地球とは全く縁が無く、地球のために戦う義理の無いはずの宇宙海賊でありながら、
彼らの目指す「宇宙最大のお宝」が地球にあるために地球に来て、
何時の間にか地球を守るために戦うようになっていくという、
言わば「海賊のくせに海賊らしくないことをする羽目になるヒーロー」というのが面白味なのです。

しかし、せっかくのシリーズ初の「海賊戦隊」ですから、
一度、地球とか「宇宙最大のお宝」とか「大いなる力」とかの事情は抜きで、
マーベラス一味に思いっきり「海賊」をさせてみたいとも思います。
それはTV本編の流れの中では必然性の無いエピソードですが、魅力的な番外編だといえます。
今回は、劇場版ということで、その願望を実現し、
ゴーカイジャーが思いっきり「宇宙海賊」らしい行動をする番外編となっています。

ただ、それをTV本編のゴーカイジャーからは乖離した完全なる番外編として描くのではなく、
何でも夢を叶えることが出来るゴッドアイという秘宝が幽霊船にあるので、
それを奪って「宇宙最大のお宝」が欲しいという夢を叶えてしまえばいいという
話の脈絡を用意することで、しっかりTV本編の物語の流れに繋がった番外編として成り立たせています。

それでいて、正体不明の幽霊船に侵入して冒険の末、謎の秘宝を手に入れるという、
極めてシンプルな海賊らしい冒険譚となっており、
TV本編の「宝探しという形式をとった人間の成長ドラマ」の魅力とはまた一味違った、
ストレートに冒険とアクションを楽しめる魅力のある映画となっています。

そしてストーリーはその先述の話の脈絡がそのほとんどを占めており、
要するにマーベラス一味がゴッドアイを手に入れることが出来るかどうかというだけの
ストーリー構成になっています。
幽霊船の出現から、ゴッドアイ目指して幽霊船に乗り込むというマーベラス一味の方針決定までの流れは、
開始4分ぐらいで処理されており、
あとはラストまでひたすら幽霊船でのバトルが繰り広げられるという、極めてシンプルストーリーです。

この幽霊船でのバトル部分に劇場版ならではの豪華な仕掛けが数多く施されているのですが、
ここではそれらについては、TV本編とはあまり関係ないので詳しくは触れません。
ただ言えるのは、相変わらずアクションとギャグは冴えており、
劇場版ならではの豪華なゲストキャラが多数登場するということです。
特に海賊戦隊らしく、船の甲板での海賊アクションというTV本編では出来そうで出来ていないことを、
この映画では超巨大サイズの幽霊船という特殊条件を作って
巨大ロボを使ってやってしまうというアイディアは素晴らしい。

そして、これは劇場版限定かもしれませんが、
巨大戦の最後の決め技でゴーカイオーのコクピットの5つの台座のカギ穴に
バラバラの戦隊のレンジャーキーを挿し込んで、5つの「大いなる力」を同時発動するという技が使われ、
これは新しい「大いなる力」の使い方として、
今後のTV本編の方でも発展していく可能性はあるのかもしれません。

さて、ここでポイントは、
このバトル部分にアクションやギャグや多彩なゲストキャラなど様々な賑やかしの要素を盛り込むために、
その分、ストーリーはシンプルなものにしなければならなかったということです。
そして、その極めてシンプルなストーリーをしっかりと締めるために、
この映画では最も明快なテーマを思いっきり直球で観客に向かって投げ込んでいます。
それは「ゴーカイジャー」という物語のメインテーマといえるもので、
それはここまでのTV本編の考察の中でも何度も触れてきているテーマではありますが、
本編中で明確に登場人物のセリフとなって現れたことは無かったはずです。

しかし、この「空飛ぶ幽霊船」映画では、
主人公マーベラスのセリフとして、それがあまりにも明確に表現されています。
しかし、戦隊夏映画ではTV本編のメインテーマが明確な表現で強調されるということはよくあることです。
ただ、多くの場合、それはあまりに最初からミエミエです。
「ああ、この映画はアレを言いたいのだな」と最初から分かってしまう場合がほとんどです。

それに対して、この「空飛ぶ幽霊船」の素晴らしいところは、
その最後のテーマが現れる直前まで、この映画のテーマがそれだとは気付かせない構成になっていることです。
そこで意表をついた形でテーマが現れ、それがTV本編のメインテーマそのものであると悟ることによって、
この映画がTV本編とリンクしているのだと鮮やかに気付かされるのです。

この鮮やかな仕掛けが、「空飛ぶ幽霊船」だけではなく、
たまたまだとは思いますが同時上映のオーズの劇場版「将軍と21枚のコアメダル」でも同じように施されており、
今年の戦隊・ライダーの夏映画が非常に評判が良いのは、そのあたりにも要因があるのだろうと思います。

で、そのマーベラスのセリフとしてあまりに明確に現れているメインテーマとは、「夢=仲間」ということです。
この映画ではハッキリとマーベラスの夢が何なのかマーベラスの口から語られています。
マーベラスは自分の一番の夢が「宇宙最大のお宝」ではなく、
「仲間と一緒に夢を追う旅をすること」だと言っています。

その当該の場面で、マーベラスがどうしても仲間を救いたいので
夢よりも仲間を選んだかのように解釈する向きもありますが、
それはマーベラスというキャラの解釈として適当ではないでしょう。
第16話でも見たように、マーベラスはそうした二者択一の状況で
変な我慢をしたり自分にウソをついたりするキャラではありません。
真っ直ぐ堂々と自分の欲しいものを掴み取るキャラです。
そういう男がこの場面、同じように堂々と掴み取る夢が「仲間だ」と自分で宣言しているのです。
もちろん「宇宙最大のお宝」も大事な夢であることは事実でしょうが、
それでも一番の夢は「仲間と一緒に夢を追う旅をすること」なのです。

但し、それを聞いていたのはマーベラス本人と幽霊船の船長である敵キャラのロスダークだけであり、
ロスダークは倒されて地獄へ行きますから、
結局、そのことは観客以外にはマーベラスしか知らない秘密として維持されており、
マーベラスはジョー達仲間にはそのことを知られないようにしています。
だからジョー達はマーベラスの夢の正体を明確には知りません。

ただ、今までのTV本編でのマーベラスの言動の端々、
特にシンケンジャー篇やバスコ登場篇あたりの彼の言動を見る限り、
彼の中で「夢」や「仲間」の優先順位がどのようになっているのか、だいたい想像はつきます。
だからジョー達にもそのあたりはほとんどバレてしまってます。

仲間と一緒に追いかけるからこそ夢は掴むことが出来るのであり、
仲間無しで夢を掴むことは出来ないし、仲間を捨てて掴んだ夢は本当の夢ではないというようなニュアンスです。
結局、仲間があってこその夢なのだから、夢か仲間か選ぶ場面では当然、仲間を選ぶことになり、
それがマーベラスにとっては夢を叶えたことになるのです。

但し「夢=宇宙最大のお宝=仲間」などという陳腐な話でもないわけであって、
あくまで「宇宙最大のお宝」というものは実体をもって存在するはずです。
そうでなければ、あまりにも陳腐で甘ったるい結末と言うしかないが、
この「ゴーカイジャー」という物語に限って、そんなバカみたいな結論になるはずはないと思います。

だから「宇宙最大のお宝」というものは別にちゃんと存在するのですが、
マーベラスはそもそも「宇宙最大のお宝」の正体を知らないまま追いかけており、
そんなよく分からないものをずっと命がけで追いかけていられるのは、
それがもともとアカレッドやバスコと共に追いかけていた夢であり、
今はジョー達5人の仲間と共に追いかけている夢だからでしょう。
そう考えれば、マーベラスが真に求めている自分の夢とは、
仲間と共に夢を追いかけて掴む生き方そのものだったのかもしれません。

「宇宙最大のお宝」を手に入れるのがマーベラスの一番の夢だったとしたなら、
別に一人でそれを探す旅に出てもよかったはずであり、アカレッドと共に旅に出る必要は無かったはずです。
アカレッドと共に旅に出たのは、本当はマーベラスが仲間こそ一番に欲しかったからではないでしょうか。
だからこそマーベラスはバスコの裏切りに対してあそこまで激しい怒りを見せたのでしょう。

マーベラスも「宇宙最大のお宝」が一番欲しいと思っていたのなら、
バスコの裏切りの時、バスコの「宝を独り占めしたい」という考えを多少は理解出来たはずです。
もちろんその場合も利害は決定的に対立するわけですから和解は有り得ないのですが、
マーベラスの怒りはそういう利害の対立に基づくものではなく、
バスコの仲間への裏切りそのものを絶対に許せないというスタンスでした。
だからマーベラスは昔から、お宝よりも仲間と一緒に夢を追う生活の方を自分の本当の夢としてきたのです。
それこそが明石の言っていた、マーベラスにとっての「冒険がもたらしてくれた本当の宝」なのかもしれません。

ジョーの夢、ルカの夢、アイムの夢がこのところの数話で輪郭が見えてきて、
鎧の夢もその前に宣言されています。
ハカセだけはちょっとまだよく分からないのですが、
ここでマーベラスの夢も判明し、それが「仲間と一緒に夢を追う」ということであるということは、
もともとマーベラス一味というのは、「宇宙最大のお宝を掴む」という旗印のもとに、
実際は各自の夢を追いかける連中が集まった海賊団であり、
だからこそ、その船長たるマーベラスは「仲間と一緒に夢を追う」こと自体を夢とする、
仲間全員の夢を一緒に追いかける大きな器の男として設定されているのではないかと思います。

そうなると「宇宙最大のお宝」というのはマーベラス一味の全員の夢の集合体のようなものとも解釈出来ますが、
それはあくまで彼らの無意識における解釈としてそういう解釈も有り得るというだけのことでしょう。
それとは別に「宇宙最大のお宝」という実体も確かに存在するはずです。

ただ、そのイメージとしての方の「宇宙最大のお宝」は仲間の夢の集合体のようなものですから、
仲間が無限に増えていけば、そのイメージは無限に広がっていきます。
その広がっていった末の究極の姿が、
実体としての「宇宙最大のお宝」と何らかの関係を有するということは有り得ないことではない。

そもそも「宇宙最大のお宝」というからにはそんなチンケなものであるはずもなく、
そこらの普通の財宝や秘宝の類ではないでしょう。
確かに実体を伴った物ではあるのでしょうが、何らか超自然的なパワーを帯びたものと思われ、
そこには無限に広がった夢の集合体という巨大なイメージが
何らかの作用を及ぼすという可能性は否定出来ません。
マーベラス達の求める実体としての「宇宙最大のお宝」と、
マーベラス達が夢を追う旅の中で掴んだイメージとしての「宇宙最大のお宝」との間が
全く無関係に終わるという結末もまた、あまり想像出来ないのです。

そうなると、マーベラス一味の6人の夢と、他の人たちとの夢も繋がっていき、
マーベラス達が他の人々の夢も共に追うようになっていくと素敵なことになりそうです。
そもそもレジェンド回というのは、
地球人のスーパー戦隊の戦士たちとマーベラス一味が心を通わせることによって、
夢を重ね合せていくエピソードであろうし、
鎧の加入や、マーベラス達が次第に地球を守って戦うようになっていく過程なども、
同じような趣旨で描写されていっていると思われます。

そこで今回の第24話なのですが、まさかまさかのジェラシット再登場でした。
ジェラシットといえば、第14話のカーレンジャー篇に登場した嫉妬深い変態ギャグ怪人でした。
確か最後は嫉妬に狂ってインサーンを追いかけ回している途中、
倒されてもいないのに巨大化銃で撃たれて巨大化し、
シンケンゴーカイオーの烈火大斬刀に2度も斬られて宇宙に吹っ飛ばされて
ギガントホースに激突して大爆発、それでも死なずに何故か元のサイズに戻った後、力尽きて倒れて、
その後、ザンギャックに粗大ゴミとして捨てられたはず。
というか、こうしてまとめるだけで酷い扱いすぎて泣けます。しかもジェラシット丈夫すぎ。

そのジェラシットも最後はさすがに死んだだろうと思っていたら、なんと生きていました。
そして今回まさかの再登場。
しかも今回、脚本は第14話と同じ浦沢義雄氏、
そして監督はその盟友で同じく第14話でもメガホンをとった坂本太郎氏です。
つまり、あの「ゴーカイジャー」屈指のナンセンス回の第14話を作り上げたコンビであり、
かつては「激走戦隊カーレンジャー」「東映不思議コメディーシリーズ」で
シュールギャグに満ちたナンセンスな世界観を確立しまくった天才コンビです。

その2人がジェラシットを再登場させて、
ほとんどゴーカイジャーは脇役で、ジェラシット主役のジェラシット篇となったのが今回でした。
しかも今回、またジェラシットは死にかけたのに死ななかった。
まさかのジェラシットシリーズ第3弾もあるかもしれないと期待せざるを得ません。

もう勝手にシリーズ化したという前提で話を進めますと、
ジェラシットシリーズ第1弾の第14話は、カーレンジャー篇でもあったわけで、
レジェンド回としての縛りが色々とあった。
いや、ほとんどそんなの無視してたような気もするんですが、
それでも完全に浦沢・坂本コンビの好き放題にやれていたわけではないと思われます。
一応、ゴーカイジャーや陣内恭介を動かして話を進めないといけなかったので、
どちらかというとスプラッター・コメディのようなドタバタ喜劇でした。

しかし今回は完全にジェラシットを中心にして浦沢・坂本コンビが好き放題しており、
全編にわたってツッコミどころ満載のシュールコメディーが展開されており、
むしろ今回の方が「不思議コメディーシリーズ」のテイストに近いと思えました。
ドタバタが主体であった第14話よりもコメディーとしては高度だったと思います。
最高のギャグ回であったと言っていいでしょう。

なんといっても、これほどのハイレベルのギャグ回でありながら、
これが単なるギャグ回でないというのが凄い。
きちんと笑いの中に社会風刺などのテーマを入れ込んでくるというのが
「不思議コメディーシリーズ」の流儀であり、浦沢・坂本コンビが天才、巨匠と言われる由縁です。

風刺というのはギャグにおいて扱いが難しく、
風刺を入れ込むことによってギャグの完成度が段違いに上がり、ある種の芸術の域にまで達するのですが、
だからといって風刺を入れることを前提にして肝心のギャグが寒くなってしまったり、
風刺の方がメインになって説教臭くなってしまうのは最低です。
あくまでギャグの完成度が高く、最後はしっかりギャグで落として終われる場合のみ、
風刺というものは入れ込むことが出来ます。

今回はそれがしっかり出来ていて、
途中で突如「あれ?今回ってもしかして、ちょっとイイ話なの?」と思わせておいて、
最後、見事に真っ逆さまに落とされました。
こういうのは非常に爽快で、最高のギャグ回という評価は、そういう要素も含めてのことです。

その今回の風刺の対象というのは、「宇宙人に対する根拠なき偏見」だったわけです。
しかし、風刺を入れ込むこと自体はギャグの作り手の自由ではあるのですが、
その風刺の対象が「宇宙人に対する根拠なき偏見」となるのは、やや唐突な印象です。
そもそも今回の主役であるジェラシットのキャラからその方向性が導き出されるというのは不自然です。

ジェラシットというキャラは、第14話においては、嫉妬深い暴走キャラであったはずで、
今回ジェラシットでギャグ回を新たに作るのなら、あの嫉妬暴走キャラを更に膨らませる方が自然です。
しかし、今回のジェラシットは明らかに前回とはキャラが変わってます。
まぁ前回の嫉妬暴走キャラも、その根っこの部分には変に人の良いオトボケなキャラがあり、
そこの部分が一番面白ポイントであり、そこの部分は今回も変わっていないのですが、
前回はその根っこのオトボケの上に現れていた暴走キャラっぷりが今回は消えて、
オトボケっぷりが全面的に出ていますので、やはり若干キャラは変わっているといえます。
そのキャラが変わってるという部分もまた笑えるポイントになっているので、
ギャグ回として全く支障は無いのですが、
それでも別に無理にキャラを変える必要は無かったはずです。

となると、今回は「宇宙人に対する根拠なき偏見」を風刺するようなギャグ話を作るという方針が最初にあり、
その方針のもと、浦沢・坂本コンビにエピソードを作ってもらったところ、
第14話で両巨匠が気に入ったジェラシットを再登場させて今回のテーマに合わせて若干キャラを変えて、
その上でメインに据えることになって、
そうして出来上がったのが今回の第24話であったのではなかろうかと思います。

では、どうして今回、「宇宙人に対する根拠なき偏見」を風刺するようなお話である必要があったのかというと、
今回のお話の根本的なテーマが「宇宙人と地球人が一緒に夢を追うことが出来るのか」ということであり、
それをジェラシットを主役としてギャグ話として描き、
マーベラス達にその顛末を見せることに真の目的があったのではないかと思います。

マーベラス達は、この第2クールにおいて、レジェンド戦士たちと関わったり、
本来の夢を思い出したりして、地球を守って戦うことに一定の意義を見出してきています。
しかし、それらはこれまでのところ、彼らの心の中の出来事に過ぎず、
それをいざ実際に行動に移した場合、
通りすがりの宇宙海賊に過ぎない自分達の善意が地球人に本当に歓迎されるものなのだろうかという
懐疑の心は根深いといえます。

宇宙海賊が地球を守って戦う義務は無いわけで、義務が無いということは必然性が無いわけです。
例えばジョーが「俺の夢は子供の夢を守ることだ。だからお前らを守って戦ってやる」と言ったとしても、
それは詰まるところ「俺は俺の夢のために戦う」と言っているのに等しいわけで、
地球の子供たちはむしろ迷惑がるかもしれない。
また、ジョーは自分が満足したら勝手に戦いをやめて去っていくかもしれないと思われても仕方ない。

結局、地球に縁が無いマーベラス達は義務で戦うことが出来ない以上、
「守る者」「守られる者」という信頼関係を築くことは出来ず、
同じ夢に向かって力を合わせて戦っていく者同士としてしか信頼関係は築きようがない。
だから地球を守る義務の無いマーベラス一味が地球を守って戦うという行為を地球人に受け入れてもらうためには、
マーベラス一味と地球人が同じ夢の実現に向かって信じ合い助け合う関係になるしかない。

そして、それは前回のゴーゴーファイブ篇で、
1人で守る義務を背負い込むよりも、同じ物を守るために仲間が信じ合い助け合った方が、
より多くの物を守ることが出来るというテーゼが示されたように、
単に地球を守る義務でゴーカイジャーが戦う場合よりも、
ゴーカイジャーが地球人と同じ夢を目指して信じ合い助け合って戦う場合の方が
より大きな力で地球を守ることが出来るのであり、
それどころか宇宙全体すらひっくり返す途轍もないパワーを生み出す可能性すらあるのです。

そのゴーカイジャーと地球人の共通の夢とは何なのか、それが現時点では全く白紙の状態です。
しかし、それが何なのか模索する以前に、
そもそも宇宙海賊と地球人の間で共通の夢を持つことなど可能なのかどうかがまず問題です。
そして、鎧やレジェンド戦士のような例外は除いて、
普通の地球人は宇宙海賊と一緒に夢を見ようなどとはしないだろうと思うのが
マーベラス達にとっては常識的な考え方でしょう。

だから、そこでマーベラス達は諦めてしまい、
自分達が地球を守って戦うことに自分達なりの意義を見出したとしても、
それは所詮は自分達の独りよがりであって、地球人には歓迎されないと思ってしまいます。
そこの思考の壁を超えるためには、
マーベラス達に宇宙人と地球人が一緒に夢を目指そうとしている実例を見せることが必要です。
それが今回のジェラシットのお話なのです。
この今回のジェラシット物語、最後はトンデモない展開となるのですが、
果たしてマーベラス達はそれをどう受け止めたのか、
今回、抱腹絶倒のギャグ回なのですが、実は案外、そこが今回は重要だったりします。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 07:00 | Comment(0) | 第24話「愚かな地球人」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月06日

第24話「愚かな地球人」感想その2

さて本編ですが、まず冒頭はゴーカイガレオンのいつもの船室内のシーン。
ハカセがダーツを的に命中させてガッツポーズ。
その腕には第7話で登場した例のマーベラスの金色の重い重い腕輪が巻いてあります。
ガッツポーズをしながら「今日はみんなで外に食べに行かない?」とにこやかに提案するハカセに、
洗濯物を畳んでいるアイムが「たまには良いですね!」と賛成し、
一緒に洗濯物を畳みながらルカは
「あたしは回転寿司が食べてみたい!なんかお寿司がクルクル回るんだって!」と手をクルクル回します。
少し回転寿司というものを誤解しているようですが、寿司という食べ物については地球に来て覚えたようです。

マーベラスはナビィの頭を拳でグリグリと苛めながら「俺はあの時食えなかったカレーだな!」と、
ニヤリと不敵に笑います。
というか、第1話で食い損ねてから、まだカレーを食べられてなかったようです。
まぁそもそもマーベラス達は外食することが稀なようですから、
カレーの作り方を食事係のハカセが把握してない以上、カレーが食べられないのは当然なのでしょう。
一方、ジョーは剣の手入れをしながら「・・・俺はやっぱり手羽先だな」とクールに言いますが、
これも第12話の時にジョーがリクエストした荒川脚本特有の名古屋ネタです。
しかし、昼食の外食で手羽先ってのもどうかと思います。

それにしても、このいきなりの丁寧な小ネタの回収はいったい何でしょうか?
いや、多分、意味なんか無いんだと思います。

しかし、皆、勝手な意見を言い過ぎで、これでは行き先がまとまりそうにありません。
「皆さん、ちょっと待ってください!」と困った顔で鎧が立ち上がるので、
何か皆の意見をまとめようとするのかと思いきや、
いきなり「豪快チェンジ!」とゴーカイシルバーに変身し、「タコ焼きにしましょう!!」と提案します。
結局、鎧も自分の行きたいところを主張しただけ。
しかも、何故、変身する必要があるのか意味不明です。
だが、他のメンバーは「タコ焼き・・・?」と目を白黒させて興味津々な様子。
宇宙海賊の彼らは「タコ焼き」という食べ物のことは初めて耳にしたようです。

さて、なんとも呑気なマーベラス一味の昼前のひと時から場面は変わって、同じ頃の地上のとあるゴミ捨て場。
何やら、典型的なそこらのオバチャン風のご婦人が「どうしたの?」とゴミに向かって話しかけます。
しかし、ゴミ捨て場の中でゴミの中に埋もれているのはゴミではなく怪人。
「ザンギャックに粗大ゴミとして捨てられました!」と素直に答えるその怪人は、
第14話でゴーカイジャーに敗れた後、力尽きて倒れ、
インサーンに「粗大ゴミとして捨てちゃってくださ〜い!」と言われてしまったジェラシットです。
生きていたことも驚きですが、本当に粗大ゴミに出されていたとは・・・。
しかもギガントホースから宇宙空間に適当に放り出すのではなく、
わざわざ地上のそこらの街角のゴミ捨て場に捨ててあるとは、ザンギャックも変なところで律儀です。

しかし、第14話の直後に捨てたのだとすると、あれは5月下旬のことですから、
あれから2ヶ月以上経っていることになります。
2ヶ月以上もゴミ捨て場に置きっぱなしで回収されていないというのは妙な話です。
いや、それ以前に2ヶ月以上もじっとゴミ捨て場に座ったままのジェラシットも変だし、
2ヶ月以上も変な怪人がゴミ捨て場に座ったままだったのに平気だった住人たちも絶対変です。

ジェラシットが粗大ゴミとして捨てられたという身の上を告白すると、
「困ったねぇ〜」とオバチャンは言います。
ジェラシットの境遇に同情しているのかと思いきや、
オバチャンはゴミ捨て場の脇の看板を覗き込んで
「え〜・・・粗大ゴミは、電話して、指定された粗大ゴミ用のシールを貼って捨てないと!」とダメ出しします。
単にザンギャックのルール違反のゴミの捨て方を非難しているだけでした。
それにしても、ジェラシットが2ヶ月もゴミ捨て場で回収業者に無視されていたのは、
ザンギャックが粗大ゴミ用のシールを貼り忘れていたからだったとは、なんともシュールな話です。

更にオバチャンは看板を見て「今日は、えっと・・・燃えるゴミの日だからさ・・・」と何やら考え込むと、
急に思いついたように「アンタ!生きてんだからさ、生ゴミとしてなら回収してもらえるんじゃないの?」と
ジェラシットに笑顔でアドバイスし、「はい!」と手にしていたゴミ袋を
座り込んだままのジェラシットの上に載せて、陽気な足取りで去っていきます。

オバチャンはオバチャンなりにジェラシットの身の振り方を考えてくれていたようですが、
それはあくまでゴミとして如何にして上手く回収してもらえるかというレベルの話であり、
粗大ゴミがダメなら生ゴミになればいいというミもフタもないアドバイスでした。

それにしてもジェラシットは2ヶ月以上もゴミ捨て場で座り込んでいたとは、
もはや生きる気力を無くしたかのようです。
惚れぬいていたインサーンにフラれた挙句、そのインサーンに粗大ゴミにされて捨てられてしまったのですから、
もうあれほど執着していたインサーンのこともどうでもいいようで、
ただ無気力に生ける屍状態であったようです。

そんなジェラシットも、見知らぬ地球人のオバチャンに生ゴミ扱いされてしまったことはショックだったようです。
オバチャンが陽気に去っていった後、ゴミ袋に埋もれて1人ポツンとゴミ捨て場に残ったジェラシットは
「地球人に生ゴミにされてしまった・・・!」と呻くと、ゴミ袋に顔を埋めてオイオイ泣き始めました。
いや、別にオバチャンはジェラシットを生ゴミにしたわけではなく、
生ゴミになったらいいんじゃないかとアドバイスしただけなのですが、
それだけこれはジェラシットにとってはショックなことだったようです。

そうして2ヶ月以上ぶりに大声で泣きわめいて、生きる者としてのまともな感覚が甦ったのか、
突如、ジェラシットの鼻はゴミ以外の甘美な匂いを嗅ぎ取ったのでした。
「ん・・・?」と鼻をクンクン鳴らしたジェラシットは
思わずゴミ袋の山の中から2ヶ月以上ぶりに身を起こして立ち上がります。
そして「いい匂い・・・?」と、その匂いのする方向へ、匂いに釣られてフラフラと歩いていき、
しばらく歩いたところでその匂いの元に辿り着きました。

それは出来たてのタコ焼きでした。
ただ、ジェラシットはタコ焼きを見たことが無いのでそれが何なのかは分かりません。
それでも、2ヶ月以上も何も食べていなかった究極の空腹状態のジェラシットは、
それが食べ物なのだということは本能的に感じ取り、
「おいしそう・・・」と手を合わせ「いただきまぁす!」と、食べようとします。
その瞬間「コラァ!!」と怒声を飛び、ジェラシットを叱り飛ばします。

怒声の主はタコ焼き屋台の店主。
ジェラシットの辿り着いた場所は小さなタコ焼き屋台であり、
そのタコ焼きはタコ焼き屋台で売り物にするために作られたものであり、
当然、ジェラシットが無断で食べていいようなものではなかったのです。
店主1人でやっている小さいタコ焼き屋台ですが、
空腹状態とはいえ他の匂いを差し置いてジェラシットをここまで惹きつけたのですから、
結構美味しい店であるようです。

そのタコ焼き屋台の店主に「すみません!!」と深々と頭を下げたジェラシットは、
「ず〜っと何も食べてなかったんです!」と、思わず売り物を食べようとしてしまった言い訳をします。
店主の方はタコ焼きを勝手に食おうとしている変なヤツがいるので反射的に怒鳴ったところ、
変な風体の怪人がいきなり謝ってきたので逆にビックリして「お前は・・・!?」と問いかけます。
するとジェラシットは直立不動で「生ゴミです!」と答え、店主は「生ゴミ!?」とますます驚く。
「はい・・・」と答えるジェラシットを見て溜息をついた店主は
「しょうがねぇな・・・ハイ、食え!」と、さきほどのタコ焼きをジェラシットに差し出します。

このあたりほとんど意味不明な遣り取りなのですが、
生ゴミ云々は店主にもよく分からなかったものの、
変な宇宙人がずっと何も食べてなくて空腹であるということは理解し、
放っておくわけにもいかないと思ったのでしょう。
驚きの表情で一瞬固まったジェラシットでしたが、店主の施しに感激し
「いただきます!」とタコ焼きに手を伸ばします。
ところが店主は急に「待て!」とジェラシットを制止し、ジェラシットは「・・・待ちます」と素直に待ちます。

すると店主は何を考えたのか唐突に「お前・・・俺のペットになる気は無いか?」と問いかけてきました。
あまりに予想外の店主の申し出にジェラシットは「・・・ペットに?」と考え込みます。
どうして店主が急にそんなことを言い出したのか理由は分かりませんでしたが、
とにかく、どうやらペットになると言わないと、このタコ焼きを食べさせてくれそうにないことは分かりました。
一瞬躊躇したジェラシットでしたが、美味しそうなタコ焼きの匂いを嗅ぎながらお預けを喰らわされた状況で
急激に空腹感が襲ってきて、腹がギュルギュル鳴って苦しく、
ジェラシットは「あああ・・・」と腹を押さえて悶えます。

そのジェラシットに店主は笑顔で「お食べ!」とタコ焼きを差し出す。
「ああ・・・」と呻いたジェラシットはその禁断のタコ焼きを手に取ってしまい
「いただきます・・・」と1つ、口に放り込んでしまいました。
すると、なんとも美味であったので、ジェラシットは無我夢中で次々とタコ焼きを頬張り、
完食してしまったのでした。

この時の、着ぐるみのジェラシットがタコ焼きを美味しそうに顔を紅潮させて笑顔で食べるシーン、
見事なCGで作り込まれています。
以前にもワルズ・ギルがリンゴを食べるシーンで似たようなのもありましたが、
しょうもないシーンでやたらと気合の入ったCGを作る傾向が本作にはあり、誠に素晴らしいです。

ここで、いったい今回は何の話なんだ?という大いなる戸惑いを視聴者に与えたまま、
OPテーマが始まります。
冒頭ナレーションは通常回バージョンです。
そしてCM明け、今回のサブタイトル「愚かな地球人」というのが出ます。
これは今回の話を最後まで見れば、これが劇中のセリフであることは分かるのですが、
この時点では何のことやら分かりません。
まぁ普通はこういう言い回しは、悪い宇宙人が地球人を小馬鹿にして言うセリフであるように受け取れます。

で、本編が再開すると、舞台は宇宙空間のギガントホースに変わっており、
いつもの指令室に変な怪人がやって来て
「私はザンギャックエージェンシー、センデンと申します!」と名刺を出して自己紹介。
この名刺、思いっきり日本語で「ザンンギャックエージェンシー」と会社名が書いてある安っぽい名刺で、
センデン(SEN-DEN)というこの怪人の肩書はやたら多く、
「第三侵略推進部部長」「ザンギャック最強クラブ名誉会長」
「No.ザンギャック・クイズ王初代王者」「侵略コンサルタント」など、
中にはどうでもいいようなものも書いてありますが、
要するにザンギャックの宇宙の星々への侵略活動のサポートをするシンクタンクのような
ザンギャック関連企業の一員であるようです。
つまり、いつもの行動隊長とはちょっと立ち位置が違うようで、
ワルズ・ギル軍から地球侵略作戦で仕事を受注したいようです。

というか、また何とも荒川回らしいシュールな怪人が出てきました。
ジェラシットだけでもうお腹いっぱい状態なんですが、これは大変なことになりそうです。

「これから、どうやって私が地球を征服するかプレゼンしたいと思います!」とセンデンが説明を開始したのは、
要するにプロパガンダ活動によって地球人に「ザンギャックは宇宙最強」という意識を浸透させて
抵抗する気力を無くしてしまえば、武力を使うことなく地球を征服出来て、
兵力の無駄な損耗を抑えることが出来るということでした。
まぁ簡潔にそれだけ言えば通じる話なのですが、これを白板に入り組んだチャート図を書いて説明したり、
ポスター案やチラシ案などの込み入ったビジュアル資料を見せたり、
自分の講演ビデオ(しかもゴーミンによる手話解説付き)を流したりして、
やたらと余計な手間をかけて説明します。

まぁ実際プレゼンってこういうダルいのが多いのですが、
そんなどうでもいいところがやたら緻密に、それでいてチープに作り込んであって、
このシーン、思わず笑ってしまいます。
しかし実際、こんなグダグダのプレゼンを聞いている方は拷問のようなもので、
ワルズ・ギルはウトウトと居眠りを始めてしまいます。
それにしても売り込み業者のプレゼンの最中に司令官が居眠りとは情けない。
呆れたダマラス達幹部連中でしたが、実際、センデンの長ったらしい説明をこれ以上聞いていても仕方ない。

「センデン!もうよい!お前のプレゼンはよく分かった!さっさと出撃しろ!」と、
ダマラスはセンデンの説明を制止して、
独断でセンデンの提案する地球人へのザンギャック最強プロパガンダ作戦を認可します。
センデンは首尾よく仕事を受注して
「かしこまりました!では失礼いたします!」と喜び勇んで出撃していくのでした。

場面は変わって、マーベラス一味の6人が地上に降りて公園を歩いています。
先頭を歩く鎧が「あれです!あれです!あそこの店のタコ焼きが、もう最高に美味しいんですよぉ!!」と
はしゃぎ回っています。
どうやら、さっきの船室での「どこに昼食を食べに行くか」の問答は、
鎧の主張する「タコ焼き」という、
マーベラス達5人にとっては未知の食べ物を食べに行くことで意見が一致したようで、
鎧は自分のお気に入りの美味しいタコ焼き屋へマーベラス一味の皆を案内して来たようです。

タコ焼きという食べ物を楽しみにしている5人を鎧が連れてきたのは公園にある屋台のタコ焼き屋でした。
ところが暖簾をくぐって鎧が中を覗くと、誰もいません。
「あれ?」と周囲を見渡すと、鎧のよく知るタコ焼き屋の店主が屋台から少し離れた芝生の上で
「じゃあ、まず最初はオーソドックスに・・・お手!」と、ペットに躾をしているようです。
しかし、その店主の相手にしているペットは動物ではなく、なんとジェラシットでした。
ジェラシットは「お手!」と素直に店主の差し出した手に自分の手を乗せたりしています。
更に店主が「じゃあ次、おかわり!」と言って逆の手を差し出すと、
ジェラシットは「おかわり!」と、その手にも自分の手を合わせます。
すると店主は「おお〜!すごいじゃないか!すごいじゃないか!」とジェラシットをハグし、
ジェラシットも喜んでしまっています。

つまり、鎧の行きつけのタコ焼き屋台というのが、
さっきジェラシットにタコ焼きをめぐんでやった店主の、あのタコ焼き屋台であったのです。
どうやら、ジェラシットは空腹に負けて店主の差し出したタコ焼きを食べた後、
なしくずしに店主のペットになってしまい、
ジェラシット本人も何となくペットの立場に順応しているようです。

ただ、鎧はジェラシットを知りません。
マーベラス達がジェラシットと戦ったのは第14話で、鎧が登場したのは第17話だからです。
鎧はタコ焼き屋の店主がハグしているペットが普通の動物ではなく、
見たこともない宇宙人の怪人であるのを見て「ザンギャック!?」とギョッとします。
が、その後ろでアイムが「・・・ジェラシット?」と驚きの声を上げるのを聞き、鎧は他の皆の方を見回します。
すると、全員、何とも嫌そうな顔をしています。

「・・・お知り合いですか?」と尋ねる鎧に対し、
ハカセは渋い顔をして「・・・知り合いっていうか・・・」と、第14話の時の不毛な戦いを思い出し、ウンザリします。
確かにジェラシットはザンギャックの一員でしたから、敵といえば敵なのですが、
マーベラス一味はザンギャックを倒すために存在する正義の戦隊というわけではない。
向こうが襲ってくるから敵として戦うのであり、
あるいは、ザンギャックが無法な振る舞いをしているのを見て腹が立った時に戦うのです。
ジェラシットの場合、別に何か地球上で悪辣な作戦を遂行しようとしていたわけではなく、
何だかよく分からないが元レッドレーサーの陣内恭介に嫉妬の炎を燃やして襲い掛かってきて、
その挙句、インサーンとまで戦い始めたので、マーベラス達は唖然として見ていただけなのです。

結局、恭介とインサーンに乗せられてマーベラス達はジェラシットと戦う羽目になり、倒したのですが、
よく考えたらジェラシットと敵対していたわけではありません。
かといって、知り合いとか友人であるはずもない。
とにかく、あの戦いは根本的にはジェラシットのやたら思い込みの激しい、
理解困難で扱いにくい性格のせいで起こったようなものです。
つまりは、マーベラス達から見てジェラシットは単なる「迷惑な奴」でした。

あの時、確か烈火大斬刀で2度も斬って宇宙へ吹っ飛ばして倒したはず。
まさか生きていたとは意外でしたが、久しぶりに現れたと思ったら、
いきなり公園の芝生でタコ焼き屋の店主のペットになってじゃれ合っている。
「・・・相変わらず、意味が分かりませんね・・・」とアイムが呆れたように言うと、
マーベラスも「・・・帰るか!」と言って、5人は回れ右して来た道を戻ろうとして歩き出します。

せっかくタコ焼きを食べに来たはずなのに、食べずに帰るのかと驚いた鎧が
「ちょっと!・・・ちょっと、待ってくださいよ!」と帰ろうとするマーベラスの前に回り込んで
制止しようとしますが、マーベラスは「あいつには関わらない方がいい・・・」と言います。
何だかこれだけ聞くと、よっぽど危険な敵のように聞こえますが、
要するに面倒事に巻き込まれそうで嫌で嫌で仕方ないだけのことです。

「そんな・・・ダメですよ!もう少し様子を見ましょう!」と、
あくまでタコ焼きを食べたい鎧は必死に食い下がり、
「それに・・・あの店のタコ焼きを知らずに、地球のタコ焼きは語れません!」とマーベラスの食い意地を煽ります。
マーベラスは、それほどの店なのかと思い、
ジェラシットと戯れて一向に仕事をする気配の無いタコ焼き屋を見つめます。
そう思うと、やはりこの店のタコ焼きを食いたくなってきます。
マーベラスは、ジェラシットが相変わらず面倒な奴なのかどうか、
もう少し様子を見てみようと思い直したのでした。

その頃、街ではセンデンが配下のゴーミン達を引き連れて、例のプロパガンダ作戦を実行していました。
この作戦、基本的なコンセプトは良い発想なのですが、
実際にセンデン達が街でやったことといえば、ビルの上から軍艦マーチみたいな音楽に乗って
「ザンギャック最強」などと描いたチラシをバラまき、
サンドイッチマン状態のゴーミン隊がそこらの電柱や通行人の顔にチラシやポスターを貼ったり、
通行人にチラシを無理矢理食わせたり、センデンが「ザンギャックに逆らうなぁ!!」と連呼するだけという、
単なる乱暴なチンドン屋のような意味不明作戦となっていました。
そんな騒動が街で起きていても、相変わらずマーベラス達の居る公園は平和そのもの。
というか、ナビィのザンギャック反応感知能力の設定とか、何処に行った?

平和な公園の芝生では相変わらずタコ焼き屋の店主がペットにしたジェラシットとじゃれ合っています。
どうもこの店主、単にこうやってペットと遊びたかっただけのようです。
ジェラシットの方も何時の間にやらペットでいることにノリノリになっており、
店主の投げたブーメランをクルクルと回転しながら追いかけ、
最後は「真剣白刃取り!」と、飛び上がって身体の前で両手でキャッチします。
そういえば、第14話でジェラシットはティラノレンジャーに豪快チェンジしたマーベラスの振り下ろす
龍撃剣を真剣白刃取りしようとして見事に失敗して豪快に斬られていましたが、
ここで少しリベンジを果たしたことになります。

喜んだ店主は今度はフリスビーを投げて、
すっかり従順なペットと化したジェラシットは大きくジャンプして空中でフリスビーをキャッチし、
華麗に着地、「すごいぞ〜!」と大喜びの店主に向かって「ご主人さま〜!!」と手を振る始末。
ところがジェラシットの背後には何時の間にかゴーミン達が立っています。
「ジェラシット!!」と怒鳴る声に振り向いたジェラシットは、
そこにゴーミン達とセンデンが立っているのを見て「センデン!?」と驚きます。
ジェラシットとセンデンは顔見知りであるようです。

センデンはプロパガンダ作戦を公園でもやろうと思ってやって来たところ、
ジェラシットを見つけて何やら激怒しているようで
「何やってんだぁ!?」と拳を突き出してジェラシットを怒鳴りつけますが、
ジェラシットはすっかりタコ焼き屋にペットの動きを仕込まれてしまったため、
センデンの突き出した手に反射的に「お手!」と手を乗せながら
「何って・・・ペットだけど?」と、どうしてセンデンが怒っているのか分からず不思議そうにします。

センデンの出現を見て、木陰で様子を見守っていたマーベラス一味の中で
鎧は「ザンギャックが・・・増えました」と呆然とマーベラスに報告します。
マーベラスの言っていた警告の意味が分かってきたようで、
どうやらタコ焼きを食うのはますます難しくなってきたようだと鎧も悟ります。
マーベラスは、案の定、面倒なことになりそうだと思い、
(やっぱり帰ればよかった・・・)と、頭が痛くなってきました。

一方、センデンの作戦をギガントホースの指令室でモニターしていたインサーンは、
モニターを見て「ジェラシット!?」と仰天します。
インサーンこそジェラシットを冷たくフッた挙句、粗大ゴミとして捨てるよう指示した張本人です。
とっくに何処かで野垂れ死んだものだと思っていたジェラシットが生きていたと知っただけで、
インサーンも頭が痛くなってきました。

マーベラス一味やザンギャック幹部たちが呆れて見守る中、
センデンはジェラシットを小突きながら
「俺が一生懸命ザンギャックが宇宙最強であることを地球人にアピールしている時に、
ザンギャックが地球人のペットになるなんて、そりゃあねぇだろう!?」と猛クレームをつけ、
オロオロするジェラシットを殴り飛ばします。
センデンはどうやらジェラシットが粗大ゴミとしてザンギャックを追放されたことを知らないようです。

吹っ飛ばされたジェラシットは起き上がり「待て!センデン!」と事情を説明しようとしますが、
センデンは問答無用で「バカ野郎!!!」と拳を繰り出します。
するとセンデンの拳から「ザ」「ン」「ギ」「ャ」「ッ」「ク」「最」「強」という大きな文字が飛び出してきて、
次々とジェラシットに炸裂して、ジェラシットの身体を燃え上がらせます。
何ですかこの百歩神拳みたいな「ザンギャック最強拳」は?

・・・おそらくこのセンデン、よほどザンギャック愛の強い男で、根は熱いヤツなのでしょう。
ジェラシットとは暑苦しさで意気投合していた仲だったのかもしれません。
ただジェラシットの暑苦しさはジェラシーパワーによるもので、
恋心を失ったジェラシットには以前のような暑苦しさは無くなっており、
センデンのザンギャック最強拳をまともに喰らってしまいます。
しかも今のセンデンは別に友情でジェラシットを叱責しているというより、
単に自分のザンギャック愛溢れる作戦の邪魔になるのでジェラシットを排除しようとしています。

ジェラシットは怯えて尻尾を巻いて逃げ出し、ご主人であるタコ焼き屋店主の後ろに隠れますが、
センデンは「ザンギャックのくせにペットになる奴も、ペットにする奴も許さぁん!!」と、
ジェラシットも店主も一緒にやっつけようとしてゴーミン部隊を引き連れて追いかけ回します。

ビックリして逃げ回るタコ焼き屋とジェラシット、そしてその2人を追い回すザンギャック部隊
・・・その光景を眺めて、鎧は「皆さん・・・大変・・・ですよ?」とマーベラス達に言いますが、
マーベラス達5人はやっぱりますます事態は面倒なことになってきたと思い、ウンザリした様子。
しかし、目の前でザンギャックが暴れて無抵抗の地球の一般人を襲っている以上、
見殺しにするのも気がひける。

ジェラシットにしても、以前のような危ない性格とは少し違っているようですし、
今はザンギャックに追われる立場のように見えます。
ならばまぁ敵というわけでもない。
それでも変にジェラシットに関わるとますます面倒なことに巻き込まれそうな気がして気乗りはしないのですが、
知らない仲でもないし、見殺しにするのも何となく悪いように思えます。
「・・・しょうがねぇ・・・行くぞ!」とマーベラスは嫌そうな顔で助太刀することを決め、
6人でなんだか微妙にやる気の無い豪快チェンジでゴーカイジャーに変身し、駆けて行きます。

ジェラシットとタコ焼き屋は公園内の野外劇場のような場所のステージに追い込まれて、
センデン達に包囲されて絶体絶命の危機となりました。
すると客席にマーベラス達が現れてゴーカイガンでゴーミン達を撃ちまくり、
ジェラシット達のピンチを救います。
「なぁにぃ!?」と、いきなり変な奴らが現れて襲ってきたことに驚いたセンデンは
「やれ!!」とゴーミン達をマーベラス達の方に差し向けて、
まずは変な乱入者の方を先にやっつけようとします。
こうして野外劇場の客席で戦闘が繰り広げられます。

ここでギャグ回のクセに妙にアクションパートの演出が凝っていて、
マーベラス一味の1人1人がゴーミン達と戦いながら名乗りを上げていきます。
基本的に非常にカッコいい演出なのですが、
ハカセだけ手すりで鉄棒のように回転して尻で着地した時に、
そこに落ちていたゴーミンの棍棒で思いっきり金的を打ってしまい、
「あおおおおん!」と絶叫して戦い、
男にしか分からない何とも言えない痛みでピョンピョン飛び跳ねながら名乗りを上げるという、
最低のカッコ悪さで演出されているのは、いかにもハカセらしいといえます。

そして最後にゴーミン達を半分ほど倒したところで全員並び
「海賊戦隊ゴーカイジャー!!」と全体名乗りを上げ、センデンは「なぁにぃ!?」と驚愕します。
どうもザンギャックの正規軍人でないセンデンはゴーカイジャーのことを詳しくは知らなかったようで、
名乗りを聞いて初めて相手が札付きの宇宙海賊だと知ったようです。

タコ焼き屋はゴーカイジャーを指さしてジェラシットに「知り合い?」と聞きます。
タコ焼き屋もゴーカイジャーのことは知らないようで、
いきなり助けてくれた変な連中が何者なのか分からず、ジェラシットの知り合いかと思ったのです。
それに対してジェラシットは「ああ・・・」と手を左右に振って、なんと知り合いであることを否定します。
ジェラシット、まさかゴーカイジャーのことを忘れてるのか?
というか、第14話の時もよく考えたらジェラシットはゴーカイジャーのことは全く眼中に無かったので、
嫉妬に狂って恭介を追い回しているうちに乱入してきた変な連中に倒されたという印象しかないのかもしれません。

センデンはヤバい相手と喧嘩する羽目になって破れかぶれになり「どうでもいいわい!!」と開き直ります。
それに対して戦うに際して、ハカセは「みんな!メガレンジャーでいこう!」と提案。
6人全員でメガレンジャーに変身します。
メガレッドがマーベラス、メガブルーがジョー、メガイエローがルカ、メガブラックがハカセ、
メガピンクがアイム、メガシルバーが鎧です。

ここでメガレンジャーがチョイスされたのは戦術的な意味は特に無く、制作サイドの思惑による順番でしょう。
6人全員が同じ戦隊に変身可能な戦隊のうち、未だ5人同時変身すらしていない戦隊は
前々回の第22話開始時点では
ダイレンジャー、オーレンジャー、メガレンジャー、タイムレンジャー、ゴセイジャーの5戦隊で、
第22話でそのうちダイレンジャー、オーレンジャー、ゴセイジャーが消化され、
残るはメガレンジャーとタイムレンジャーだけとなりました。
今回はその2つを消化するのが豪快チェンジのコンセプトであるようです。

ここでのメガレンジャーとゴーミン部隊との戦いは、
ハイテク戦隊のメガレンジャーの個人武器をフィーチュアした描写となります。
マーベラスはメガレッドの剣型の個人武器ドリルセイバーでゴーミン達を斬り裂いていき、
ルカはメガイエローのパチンコ型の個人武器メガスリングでエネルギー弾を発射してゴーミン達を倒していきます。
そしてジョーはメガブルーの斧型の個人武器メガトマホークでゴーミン達を斬り倒していき、
アイムはメガピンクのパラボラアンテナ型の個人武器メガキャプチャーから超音波を発してゴーミン達を撃破します。
その中でハカセだけは何故かメガブラックの棒型の個人武器メガロッドは使わず、
5人の共通武器であるメガスナイパーをメガショットとメガマグナムという二丁の拳銃に分割して、
いつものハカセの二丁拳銃スタイルでゴーミン達を撃ちまくって倒していきます。
そして鎧はメガシルバーの個人武器シルバーブレイザーをソードモードにしてゴーミン達を斬っていき、
遂に6人はゴーミン達を全員倒して、敵はセンデンを残すのみとなります。

「後はお前か」とマーベラスがセンデンに向かって凄むと、
センデンは「そうはいかぁん!!」と口から光線を発射し、6人の近くに当たって埃が立ち込めます。
そこで「皆さん!忍者で決めましょう!」と鎧が提案。
以前、この同じ提案で鎧だけシュリケンジャーになり、
他のメンバーはカクレンジャーに変身するという失敗がありましたが、
「スーパー戦隊大百科」の成果なのか、
ここでは全員が「ハリケンジャー」の登場キャラに揃って変身することに成功します。
おそらく、鎧が提案した時にとったポーズがハリケンジャーの変身ポーズの一部だったので、
それで皆が鎧の意図を理解したのでしょう。

マーベラスがハリケンレッド、ジョーがハリケンブルー、ルカがハリケンイエロー、
ハカセがカブトライジャー、アイムがクワガライジャー、鎧がシュリケンジャーに変身します。
変身が完了すると同時に立ち込めていた埃が消えて、目の前の視界が開けましたが、
そこにはセンデンの姿はありません。
「あれ?」とマーベラスが拍子抜けすると、そこにタコ焼き屋がジェラシットと一緒にやって来て
「あの〜・・・逃げましたよ?」と、センデンの逃げて行ったらしい方向を指さします。
センデンはわざと埃を立てて、それに乗じて逃走したようです。なんとも腰抜けの怪人です。
「あいつもそういうタイプか・・・」とマーベラスは残念そうにハヤテ丸を背中の鞘にしまうのでした。

結局、センデンのプロパガンダ作戦は街で無用の騒ぎを起こしただけで
大した成果も上げないうちにジェラシットとゴーカイジャーに遭遇したおかげで
センデン以外の行動部隊が全滅して失敗してしまったのでした。
その模様をギガントホースの指令室のモニターで見ていたダマラスは「うぬぅ・・・!」と呻きます。
自分がよく吟味せずに認可してしまった作戦がこんな酷い作戦だったことに、屈辱感を覚えたのです。

気を取り直してワルズ・ギルに向かって申し開きをしようとしたところ、
さっきまで指令席に座って一緒にモニターを見ていたはずのワルズ・ギルがいません。
しかもインサーンまで姿を消しており、バリゾーグだけがポツンと立っています。
「・・・殿下は?」とダマラスが問うと、バリゾーグは「頭痛がすると仰ってお休みになられました」と答えます。
更にダマラスが「インサーンは?」と問うと、
バリゾーグは「ジェラシットの顔は見たくないと・・・」と、インサーンが途中で逃げたことを告げます。

そしてインサーンだけでなく、作戦の失敗を見て、気分を害してワルズ・ギルも逃げたようです。
「うぬ・・・」と、ダマラスは逃げた2人のあまりのいい加減さに呆れますが、
バリゾーグは「殿下からのご伝言です・・・あとは全てダマラス様にお任せすると・・・」とダマラスに言い、
ダマラスは「うっ、くぅ・・・!」と呻きます。
失敗作戦の後始末を押し付けられた形ですが、
もともとワルズ・ギルが居眠りしている間にダマラスの権限で認可した作戦なので、
ダマラスとしても後始末を押し付けられても、あまり文句が言えない。
そもそも司令官のクセに作戦会議中に居眠りするワルズ・ギルが悪いのだが、
甘やかして起こさなかったダマラスのお目付け役としての失態ということです。
こうなればダマラスが最後までセンデンの作戦に付き合うしかない。

「では・・・」と冷たく去っていくバリゾーグと入れ違いにセンデンが帰還してきて、
ダマラスに向かって頭を深々と下げ、作戦失敗を詫びるかと思えば、そういうわけではなく
「すいません!ちょっと武器貸してもらえませんか?やっぱり武力が大事です!ハイ!」と、
何か武器を貸してほしいと頼んできます。
センデンは「武力を使わずにプロパガンダだけで地球を征服する」という触れこみで
作戦を持ち込んできたものですから、地上に全然武器を持っていってなかったようです。
それでゴーカイジャーを前にして逃げ帰る羽目になったのです。
それで武力の大切さを学んだようですが、あれだけ「武力は不要」と強調しておいて、
いきなり意見が180度変わるとは、あまりに酷い。ダマラスは呆れます。

しかしセンデンはとにかくゴーカイジャーとジェラシットに作戦の邪魔さえされなければ、
自分の作戦は上手くいったはずと信じており、
武器を借りて今度こそゴーカイジャーとジェラシットを倒して、
再び作戦を続行しようと思い、燃えているのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 16:43 | Comment(0) | 第24話「愚かな地球人」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月07日

第24話「愚かな地球人」感想その3

センデンが逃げ出した後、マーベラス達はジェラシットとタコ焼き屋を連れて屋台の場所へ戻りました。
そうしているうちにジェラシットはマーベラス一味と以前に戦ったことを想い出しましたが、
あれは偶発的に戦っただけで別にお互い恨みは無いようです。
そういうわけで、屋台の傍でマーベラス一味の6人、ジェラシット、タコ焼き屋の合わせて8人は
一団となって何やらまったりとした雰囲気となります。

まず、とりあえずハカセが
「ジェラシット・・・どんな事情でタコ焼き屋さんのペットになったのか知らないけどさぁ・・・」と話を切り出すと、
ジェラシットは「その事情・・・聞かせてやろう!」と、今までの経緯を説明しようとします。
すると、すかさずジョーが「いや!聞きたくない・・・」とぴしゃりと出鼻を挫き、
ジェラシットは「・・・・・」と黙り込みます。

皆、どうせロクでもない話に決まってるので、ジェラシットの身の上話など聞きたくもなかったのです。
ハカセも「事情は知らないけど」と、あえて事情は聞こうとはしていません。
とにかく事情が何であれ、ハカセが言おうとしていた話は変わりません。
だから事情など別に聞く必要は無い。
そのハカセの言おうとしていた話の続きは鎧が引き受けます。
鎧はジェラシットに向かって話をしてもややこしくなるだけだと思ったのか、タコ焼き屋の方に向かい
「とにかく!タコ焼き屋のご主人!・・・宇宙人をペットにすることはやめましょう!」と言います。

つまり、マーベラス一味の総意として、タコ焼き屋がジェラシットをペットにするのは反対なのです。
何故なのかというと、まず、確かにセンデンの言う通り、ザンギャックにとって
「元ザンギャックの宇宙人が地球人のペットになっている」というのは都合が悪いであろうから、
ジェラシットをペットにし続けている限り、タコ焼き屋さんがまたザンギャックに狙われる可能性があるからでした。

確かにこれは現実的に問題ではありました。
しかし、それはあくまでザンギャックの勝手な理屈であって、
マーベラス一味の流儀として、ザンギャックの作った勝手なルールに縛られることは何よりも嫌うはずですから、
マーベラス一味がタコ焼き屋がジェラシットをペットにすることに反対するのはこれだけが理由ではありません。

むしろ、マーベラス一味の面々がタコ焼き屋がジェラシットをペットにすることが気に入らないのは、
その自由を愛する気質ゆえでした。
とにかく彼らは力の強い者が何の罪もない無抵抗の弱い者を力で押さえつけてやりたい放題するのが気に入らない。
だからザンギャックが抵抗する力の無い星々を滅ぼして回っていることは気に入らないし、
地球を無理矢理に征服しようとしていることも気に入らない。
それと同時に、地球人が無抵抗の宇宙人の弱みに付け込んで支配して飼ってしまおうというのも、
基本的にはザンギャックのやっていることと変わらないと思えるのです。
宇宙海賊のマーベラス一味は絶対的な地球の味方というわけではないので、
地球人のやることなら何でも許容できるというわけではない。
宇宙人であれ、地球人であれ、全く同じように、間違っていることは間違っていると感じるのです。

ジェラシットももともとはザンギャックに支配された星の住人で、
ザンギャックに支配されて飼われていたようなものです。
せっかくそこから自由になったのに、
何もまた今度は地球人に飼われることを望むこともないだろうとマーベラス達は思いました。

おそらくジェラシットは誰かに支配されたり飼われたりすることに馴れっこになってしまっているので、
タコ焼き屋にペットになるよう誘われた時についつい乗ってしまったのでしょう。
しかし、誰からも支配されない自由な生き方を貫く代償にザンギャックの賞金首となり、
自分の力で戦い生き抜いてきたマーベラス達から見れば、
ジェラシットもザンギャックから追われる立場となった以上は、
自分達のように自由を求め自力で生きていくようにならなければいけないと思えたのでした。
何せ今までのようにザンギャックがバックにいて守ってくれるわけではない。
頼れるのは自分なのです。
だから、誰かのペットになろうなどという今までと変わらない甘えた考え方では生きていけない。
マーベラス達は、ジェラシットに自由を求め自力で生きていくようにならないといけないのだと
忠告したかったのでした。

鎧に諭されたタコ焼き屋は「確かに・・・」とうなだれて、
「地球人としてはちょっと横暴だったかも・・・反省してます!」と素直に反省します。
タコ焼き屋も、宇宙人のペットが急に欲しくなったが、
知的生命体をまともな方法ではペットに出来ないだろうと思ったので、
ジェラシットの空腹に付け込んでペットになるよう強要したのですが、
そういう発想は傲慢であり、やり方も卑怯であったと心には引っ掛かっていたようです。
まぁ根は善人であったわけです。
それで、ザンギャックに襲われたのは、そうした横暴なやり方に罰が当たったようなものと感じたようで、
タコ焼き屋は大いに反省したようです。

タコ焼き屋はジェラシットの前に立ち「どうも、すいませんでした!」と深々と頭を下げます。
しかしジェラシットにしてみれば相手は空腹で死にそうだったところを助けてもらった恩人のようなものですから、
そんな恩人に深々と頭を下げさせる羽目になってしまって
「あ、いや、こちらこそすいません・・・」と逆に恐縮してしまいます。
そして「ああ、いやいやいや、俺がタコ焼きを食べたいばかりに・・・」と、
もともとは自分がタコ焼きの匂いに釣られてタダ食いをしようとしたことが発端だったのだから、
悪いのは自分の方だと言おうとします。

その時、そのジェラシットの「タコ焼きを食べたい」という言葉を聞きつけて、
ハカセが唐突に「そんなにタコ焼きが食べたいなら、タコ焼き屋さんの弟子になれば?」と提案しました。
あまりに唐突で意外なハカセの提案にジェラシットは呆気にとられ
「タコ焼き屋さんの・・・弟子・・・?」とハカセの言葉を繰り返します。
するとアイムもニッコリ笑って立ち上がり
「いいと思います!宇宙人初のタコ焼き屋さんなんて、何か素敵です!」とジェラシットに微笑みかけます。

しかし、ハカセにしてもアイムにしても、まだ実は「タコ焼き」という食べ物を食べたことがないので、
本当は「タコ焼き屋の弟子」「宇宙人初のタコ焼き屋」というものの
具体的イメージというものは頭の中にありません。
だからそれが素敵だとかいうことは実はよく分かっていない。
よってハカセやアイムが素敵だと思うことは別のところにあります。
それはジェラシットが初めて自分の目指す夢を持つということです。

マーベラス一味の面々も、夢があるからこそ自由な生き方を貫くことが出来ているのです。
だから、ジェラシットも何でもいいから夢を持つようになれば、
今までの奴隷根性から脱して、自由を愛する自立した生き方を出来るようになる。
それが素敵だとアイムもハカセも思っているのです。
だから、とにかく今ジェラシットがタコ焼きを食べたいというのなら、
それを取っ掛かりに「タコ焼き屋の弟子になって宇宙人初のタコ焼き屋を目指す」という
夢を持たせようと思いついたのでした。

そうしてハカセとアイムに勧められて、ジェラシットは「宇宙人初のタコ焼き屋・・・」と、何やら妄想し始めます。
この妄想が極めてシュール。
何処かの砂漠の惑星(空にはリング付きの大きな太陽?)でタコ焼き屋台を1人で営む
いなせな職人風のジェラシット。
「チューチュータコカイナ!」しか言わないタコ型宇宙人の客。
そして屋台の脇には何故かゴーカイジャーからの開店祝いの花輪が飾ってある。

そんな妄想を頭の中に描きながら、ジェラシットはそういう人生もいいかもしれないと思いました。
ザンギャックに捨てられて何の価値も無くなった自分の人生だが、
今までザンギャックに与えられるだけだった生きる道とはまた違う、自分で見つけた道ならば、
たとえそれがちっぽけな道だったとしても、自分は価値を感じられるような気がしたのです。
自分の人生の価値を自分で見つけること、
それこそが自分を捨てたザンギャックを見返す道であるような気がしました。

しかし、今まで自由に夢を持ったことのないジェラシットは、
そのようなタコ焼き屋の妄想が現実化するとはすぐには思えません。
「俺になれるかなぁ・・・?」とジェラシットは首を傾げます。
すると、そのジェラシットの手を掴んで、
ハカセが「なれるさ!ジェラシット!自信を持って!」と熱く励まします。

ジェラシットはそれでも自信なさげにマーベラス達の方を見ます。
ハカセはこう言うが、やっぱり誰か否定的なことを言うのではないかと気にしているのです。
しかしマーベラスとジョーはグッと親指を立てて拳を突き出すサムズアップでエールを送り、
ルカとアイムは微笑んで頷き、鎧は銃を撃つように指を突き出しウインクします。
皆、ジェラシットが夢を持つことを素敵なことだと思い、応援しているのです。

ジェラシットはマーベラス一味の皆の応援を受けて、その期待に応えたいと思い、
ハカセの手を強く握って「うん!自信を持った!」と応えました。
そうなれば展開は早い。ジェラシットはすぐにタコ焼き屋の方に向き直り、
「というわけで、ご主人様・・・あ、じゃない!師匠!弟子にしてください!」と深々とお辞儀して
弟子入りを正式に志願したのでした。
ハカセやアイムも一緒に頭を下げ、鎧はビシッと敬礼してタコ焼き屋を見つめます。
しかしタコ焼き屋は意外に困った顔で渋い反応です。
タコ焼き屋は腕組みして「う〜ん・・・俺はいいけど、お袋がなんて言うかなぁ・・・?」と言います。

このタコ焼き屋は、今のこの店主は2代目で、母親から暖簾を受け継いだものらしい。
その母親は健在で、母親がいろいろ決定権を握っており、弟子を取るにも母親の許可は必要であるようです。
ところがその母親がどうも気難しいらしい。
店主自身はジェラシットを弟子入りさせてその夢を応援してやってもいいと思っているのですが、
母親が認めてくれないことにはそれは実現しないのです。
ジェラシットは母親の許可さえ貰えればいいと単純に考えているようで、
その足で店主の家に行き、母親に弟子入り許可を願い出ることにしましたが、
マーベラス達はあれだけ応援した手前、ジェラシット1人に任せて放っておけず、
一緒に行って口添えすることにしたのでした。

その店主の家は意外に立派な古い日本家屋で、
畳敷きの座敷に通されたジェラシットとマーベラス達は、
割と狭いその座敷の畳の上にキツキツになって正座して待ちます。
まぁマーベラスは足を崩して態度が悪く、ジョーは突っ立って外の景色を眺めてますが。
このあたりの画だけでもうシュール過ぎて笑えてきます。

そして、襖が開いて、タコ焼き屋の店主に続いてその母親が座敷に入ってきますが、
その機嫌が悪そうに入って来た母親の顔を見てジェラシットは
(ああ!?・・・俺を生ゴミにした・・・!)と心の中で驚きます。
なんと母親はあの冒頭の方で出てきたゴミ捨て場のオバチャンだったのでした。
しかも入ってくるなり、ジェラシットの姿を一瞥して露骨に不機嫌そうな顔をして溜息をつきます。
やはり何やら雲行きが怪しい。

案の定、母親はテーブルを挟んでジェラシットやマーベラス達と向き合って座るなり
「フン!あたしゃ反対だよ!」と、いきなり結論的なことを言います。
母親は話し合いもしないうちから断固反対のようです。
ジェラシットは拒否されると思っていなかったようで、「ど・・・どうして!?」と非常に驚き、
「俺が粗大ゴミだったからか!?生ゴミだったからか!?」と、
母親が自分がゴミとして捨てられていたことを知っていたから嫌がっているのかと思い、尋ねます。

いちいちジェラシットの事情を聞いていなかったマーベラス達は
ジェラシットがいきなりゴミの話をするので意味が分からず、
ジェラシットが錯乱して自分を極端に卑下しているのかと思いましたが、
母親がさっきのゴミ捨て場の一件を思い起こし「ま・・・それもあるけど・・・」と胸を張って答えたので、
「・・・それもあるんだ・・・」と鎧は驚き、
一同は母親が理由も無くジェラシットをゴミ扱いしているのだと思います。

それでアイムが「お母様、それは偏見ですわ」と咎めますが、
母親は鼻で笑い、「宇宙人をタコ焼き屋の弟子にしようなんて、あたしが許しても、保健所が許可しない!」と
大きな声で言います。
ゴミの件は、ジェラシットが実際にゴミ捨て場に捨てられていたわけなので偏見ではなくて事実なのですが、
この母親、それだけでなく、もともと宇宙人に対して酷い偏見を持っているようです。

まぁ実際、保健所が宇宙人のタコ焼き屋というものに簡単に許可を与えるとも思えず、
そういう意味ではこの母親の言うことは全くごもっともというしかないが、
それにしても、こういうことをジェラシットに面と向かって言うということは、
この母親が宇宙人というものに衛生的によほど不潔なものだという蔑視感情を持っているということです。

「保健所って・・・!」とハカセは母親の差別意識の強さに驚きます。
しかし母親は一向に構わず、「だいたい宇宙人って、トイレに入っても手を洗わないっていうじゃないの!」と、
顔をしかめて嫌そうに言います。
なんだか世間の人々の間ではそういう噂が広まっているようです。
これには、母親が部屋に入ってきてから皆と一緒に座って話を聞いていたジョーが驚いて
「誰が言ったんだ!?」と気色ばみ、「洗うに決まってるだろう・・・」と言いつつ、
ここでジョーがガレオンのトイレから出た後、いつも丁寧に手を洗っている回想シーンが挿入されます。
まぁジョーも宇宙人ですから、トイレで手を洗わないなどと決めつけられて心外だったようです。

そして「俺も洗う!!洗う洗う!!」とジェラシットもテーブルを叩いて猛抗議し、
ここでジェラシットがトイレで手を洗っている回想シーンも挿入されます。
しかしまぁ、ジョーはともかく、トイレで鼻歌を唄いながら手を洗うジェラシットの回想シーンはシュールです。
というか、ジョーにしてもジェラシットにしても、いちいち回想シーンを挿入する意味ないだろうに、
このシーン、何の需要があるんだ?
まぁ、視聴者の子供たちに「トイレでは手を洗おう」という啓蒙のためなのかもしれない。

ジョーとジェラシットの反論を受けても母親は一歩も退きません。
てゆうか、このオバチャン凄いな。
さすが演じているのが大島蓉子さんだけあって、
息子のタコ焼き屋役の宮崎吐夢さん共々、強烈なインパクトです。

母親は歯を剥き出して「歯だって磨いてるかどうか分かんないね〜!!」と悪態をつきます。
それに対してジェラシットは「磨いてるって!」と反論し、
またジェラシットが歯を磨いてる回想シーンが挿入。
確かに普通のハブラシを使って上手に磨いています。
またこんなしょうもない描写に精巧なCGの無駄遣いを・・・。

それにしても、さっきからジェラシットの回想シーンの日常場面、
どう見ても普通の地球人のトイレや洗面所なんですが、
怪物そのものの外見のジェラシットとのギャップがハンパではありません。
あえて怪物型の宇宙人っぽいインテリアでの回想シーンにしないところが、
日常と非日常の混ざり合ったなんともシュールな可笑しさがあります。

そして、ここで何故かタコ焼き屋の店主の歯磨きの回想シーンが挿入・・・と思わせて、
回想の中でハブラシを一旦は手にした店主は「ああ、めんどくさい!」と言ってハブラシを戻してしまい、
歯を磨かずに去ってしまいます。
「磨けよ!」とジョーがここで謎の回想シーンへ的確なツッコミ。
今回、ジョーのツッコミが冴えまくりです。
「ハハハ・・・明日から磨く!」と店主は笑って言いますが、いや、明日じゃなくって今晩から磨けよ。

このあたり、ギャグシーンなのでノリで見ればいいのですが、
まぁ要するに母親が宇宙人に対して根拠の無い差別意識を強く持った人物であるということを描写しているわけで、
そこに手洗いや歯磨きというような日常の衛生的な習慣を絡めて描いている理由は、
コミカルで分かりやすいシーンとする意図や、
視聴者の子供への「手を洗おう」「歯を磨こう」という啓蒙の意味もあるのでしょうが、
最大の理由は、こういった不潔なものへの嫌悪感を差別感情と結びつける場合というのが、
不可触民への差別のように、最も根本的に相手を自分達とは異質なものとして遠ざけたく思い、
嫌悪し蔑視している差別感情だからです。
つまり、ここではこのようにして、母親の宇宙人差別が「異質なものへの排斥感情」という
根深いものであることを表現しているのです。

差別感情といっても色々あり、例えば男女差別などは
社会における役割分担に基づいた一種の文化的な思想が少し逸脱したものという印象です。
階級差別や身分差別というものも大抵の場合は、
それぞれの分をわきまえて社会における役割を果たしていくことが社会を成り立たせるために必要なので、
そのルールを逸脱することを許さないという思想であって、
窮屈で嫌なものではありますが、
根本には差別する側も差別される側も同じ社会の構成員であるという考え方の前提があります。
同じ社会の構成員の中での上下の別や役割分担を厳格にして、
そのルールを破る行為を禁止し、禁を破った者に制裁を加えるという意味での差別です。

こういう場合は相手の不潔な面を捏造した偏見などに基づいて差別するなどということはあまり有りません。
同じ社会で役割分担をして割と身近に暮らしているわけですから、
そんな不潔では困りますし、不潔だという偏見自体にリアリティが無いからです。
だから、逆に衛生的な面での偏見と差別感情が強く結びつく場合というのは、
相手を自分達の社会の一員とは認めたくない感情、
追い出したい、別のところに隔離して関わりになりたくないという、強烈な排斥感情がある場合となります。

しかも、手を洗わないだの歯を磨かないだのと、
現実とは食い違った、見たことも無いはずの誤解に基づいた偏見ばかりをこの母親が言っているということは、
この母親が何か個人的に宇宙人に酷い目に遭わされたというわけではないことを意味しています。
自分が酷いことをされたことがあるのなら真っ先にそのことを言及するはずだからです。
だから母親は伝聞に基づいた誤解を言っているだけであり、
それが誤解であることも半ば分かった上で、それでも宇宙人を差別排斥すること自体が正当なことだから
多少の誤解や嘘や誇張は許されるのだという思想が蔓延していると推測出来ます。
そうなると、社会の全体に宇宙人を排斥したいという差別感情が蔓延しているということになります。

しかし、もっと普通に友好的であってもいいような気がするのですが、
どうしてそういうことになっているのかというと、おそらく数年前のレジェンド大戦に原因があるのでしょう。
この「ゴーカイジャー」の物語世界はレジェンド大戦以前のほぼ毎年、
何らかのスーパー戦隊が地球を守って戦ってきたという凄い設定の世界ですが、
鎧の歴代戦隊に関する知識の程度から見ると、
レジェンド大戦よりも前の各戦隊個別の戦いはそんなに全世界規模の壮大なものではなかったようであり、
やはりレジェンド大戦のインパクトが大きくて、
それで34戦隊は伝説的な英雄として扱われるようになったようです。

となるとレジェンド大戦は本当に地球があと一歩で征服されてしまう
ギリギリの危機まで追いやられたということであり、
その危機を救った34のスーパー戦隊が英雄となったのと対照的に、
その危機をもたらしたザンギャックは汚物のように忌み嫌われるのも当然です。
ザンギャックといっても、帝国の実態をよく知らない地球人から見れば、
様々な宇宙人の寄せ集めのようなものですから、
宇宙人全般が地球人社会にとってはとても共存できない、排斥したくなる忌まわしい存在として
扱われるようになったのでしょう。

まぁドギーのように長年地球に住んでいるような宇宙人はそこまで酷い扱いではないのでしょうし、
マーベラス一味に対するこれまで登場した一般地球人の態度を見ても、
地球人の中にもその差別意識の度合いは様々なレベルがあるのだとは思いますが、
全体的には宇宙人に対して友好的なムードとはいえないと思います。
だから、中にはこの母親のように硬直した差別感情、排斥感情に囚われた人のグループも存在するようです。

どこの国にも排外的な差別意識の強い思想集団というものは存在します。
そのことの是非はあえて言いません。そのような集団が成立するにはそれなりの事情があるからです。
ただ、そういう先鋭的な集団というのは大抵、言ってることは極論になり過ぎて非現実的な主張が多くなります。
だから、普通はそういう集団が社会の中で支持されることは少なく、
むしろそういう集団の方が社会の中で排斥されがちになります。

しかし、そういう先鋭的で極端な主張をする集団が社会の中で排斥されず、
一定の理解を得ているような社会というのは、
よほどその集団の攻撃対象となっている人種や階層などが社会の中で嫌悪されているということであり、
嫌悪されるだけの正当な理由は確かに存在するということです。
すると、その先鋭的集団の極端な主張そのものの正当性がどうこうというのは本質的な問題ではなく、
そのような偏見が一定の支持を集めてしまっている社会状況が問題の根本なのです。
そのような社会状況が成立した原因には、差別し排斥しようとする側だけでなく、
差別され排斥される側にも何らかの原因はあるのであり、だからこそ問題は複雑で、解決は困難なのです。

例えば、このシーンで母親の言っていることは事実に反した宇宙人に対する酷い偏見ばかりですが、
レジェンド大戦後の地球においては、
こういう宇宙人に対する偏見が罷り通るような社会状況というものは確かに存在しており、
その原因はザンギャック、つまり宇宙人側の侵略行為が発端となっているのですから、
一概に母親の無知蒙昧だけを非難して終わりというわけにはいかない、複雑な状況なのです。
バカみたいなコメディーシーンではありますが、このシーンにはそういう重いテーマが隠されているのです。

しかしまぁどんな社会背景があるにせよ、母親の言ってることがデタラメな偏見ばかりであるのは事実で、
ことごとく反論されてしまい、しまいには自分の息子の方が不潔だと判明してしまう始末。
苛立った母親は「信之!」と息子の店主を一喝。タコ焼き屋は信之という名らしい。
「はい!」と畏まる信之と一同に向かって母親は
「女手ひとつでお前を育てて20年!地球の文化であるタコ焼き屋の伝統を守るためにも、
宇宙人を弟子にするわけにはいかない!!」と演説し、テーブルをドン!と叩きます。

タコ焼き屋の伝統というものがえらく高尚な文化になってるのが何だか可笑しいですが、
とにかくこの母親の本音は、宇宙人が関わることでタコ焼きの文化が汚れるという、
強烈な地球愛国主義というか、宇宙人排外思想であり、
宇宙人が手を洗おうが歯を磨こうが、そんなことは関係なく、
宇宙人そのものが汚れた存在なのだから絶対にタコ焼き屋にも自分の息子にも関わらせたくないという
心の狭い考えであるようで、その意思は断固たるものといえます。

こうなっては理屈で説得できるものではない。
ジェラシットは「ううう・・・」と絶句してしまいます。
それでも、こんな一方的な決めつけに従ってはマーベラス一味の名がすたるというもので、
ルカは「だからぁ、それが偏見だって言うの!」と母親に重ねて抗議します。
他のマーベラス一味の面々も不満そうな顔で母親を睨みつけます。

確かにザンギャックの侵略を受けている地球で宇宙人がよく思われていないことは理解出来ます。
この母親が宇宙人を嫌うのは自由だし、嫌われるだけのことも宇宙人は今までしてきた。
だから宇宙人が多少の偏見の目で見られるのは仕方ない。
それはマーベラス達も分かってはいます。
だが、それでもジェラシット個人のことを全く見ようともしないで、
単に宇宙人だからというだけでここまで断固として拒絶するというのでは、
これはやはり偏見が過ぎるというもので、
マーベラス達も同じ宇宙人としてジェラシットに同情してしまいます。

ジェラシットが地球で新たな人生の夢として「宇宙人初のタコ焼き屋になりたい」と思うことが
地球人にとってはそんなに迷惑なことのように扱われなければいけないのかと思うと、
マーベラス達は身につまされる想いがします。
自分達も、この地球にやって来て、それぞれ夢を追いかけようとしています。
それは地球人にとってはそんなに迷惑なことなのかと、モヤモヤした気分になります。

もちろん「宇宙最大のお宝」目指して第1話の時に地球に最初に降り立った際は、
地球人に迷惑をかけることなど何とも思っていなかったし、迷惑に思われることも全然平気でした。
しかし、その後、スーパー戦隊の連中や普通の地球人とも接するようになり、
何となく成り行きで地球の人々を守って戦ったりもしていくうちに、
地球を守って戦うのも悪くないとも思えるようになってきたのです。

ただ、自分達が地球を守って戦う義務も無く、その資格も無いことは分かっています。
それなのに、地球人を守って戦うことが「悪くない」と思える理由は、
それがもともと自分達がやりたいと思っていた夢と重なる要素があることだからだということが
最近は分かってきました。
つまりは自分のやりたい事、目指したい夢がたまたま地球を守って戦うことに繋がっているだけのことなのですが、
それで自分達は日々楽しく過ごしており、地球人だって喜んでくれているのだろうと思い、
マーベラス達は満足感を得ていました。

それは、「宇宙人初のタコ焼き屋になりたい」というジェラシットの夢も同じことだと
マーベラス達には思えていました。
ジェラシットが自分の夢を実現して宇宙にタコ焼きを広めれば、
タコ焼き屋の親子だって喜んでくれるのではないかという甘い考えがあったのです。
しかし、こうしてタコ焼き屋の母親に会ったことで、
宇宙人が地球の文化に関わろうとすること自体をここまで迷惑に思い嫌悪する考え方が
地球人の中にはあるのだという現実を突きつけられることとなったのでした。

宇宙人を快く思っていない地球人が多いだろうとは思ってはいたものの、
ここまで地球人社会で宇宙人への嫌悪感が根深いとは、マーベラス達は予想していませんでした。
ならば、自分達が自らの夢を追いながら地球人を守って戦ったりしていることも、
地球人から見れば迷惑な独りよがりな行為にしか見えないのかもしれない。
全員がそうではないかもしれないが、快く思っていない人も多く、
そういう地球人の心は変えることは出来ないのかもしれない。

ルカに偏見を指摘されてもフンとふんぞり返っている母親の姿を見て、
マーベラス達は地球人が宇宙人にそうした偏見を持つようになった原因はむしろ宇宙人の側にあるだけに、
偏見が間違っていると言って無理に改めさせることも難しいと感じました。
かといって覚えのない偏見で拒絶されたままというのも気分が悪い。
さしあたりは何とかジェラシットのことをこの母親に認めさせたいとマーベラス達は黙って考え込みます。

そうしてマーベラス達とタコ焼き屋親子との睨み合いが続く中、
突然、座敷の周囲の襖が開け放たれ「センデン!!」と叫んでセンデンが現れます。
見ると、センデン率いるゴーミン達やスゴーミン達が座敷と隣の部屋にひしめいて、
座敷の中のマーベラス達を包囲しています。
「お前達全員!さっきはよくも邪魔してくれたな!借りを返しに来たぞ!!」と、
センデンはどうやらダマラスに武器を貸してもらって勇気百倍、さっきの仕返しに来たようです。
というか、どうやってこの場所を知ったのか?
しかしまぁ、狭い日本家屋の畳敷きの部屋の上にゴーミン達がひしめく様は、
まさにご町内不思議コメディという感じで、なんともシュールです。

いきなり家屋に無断侵入してきたザンギャック部隊にタコ焼き屋親子は驚き慌てますが、
マーベラス一味の6人とジェラシットは全くセンデンを意に介していないようで、微動だにしません。
そしてマーベラスは前のテーブルの方を睨んだまま「待て・・・!」と、襲い掛かろうとするセンデンを制します。
「今、大切な話をしてんだ・・・」と真剣そのもののマーベラスの言葉に
センデンは「う・・・?」と思わず動きを止められます。

そしてマーベラスはセンデンの方に振り向いて「ちょっと待て!」と鋭い眼光で睨みます。
マーベラスにとってはセンデンとの戦いよりも、
このジェラシットの弟子入りを宇宙人嫌いの地球人のオバチャンに認めさせる戦いの方が、
自分達の今後のことも含めて重大な意義が感じられていたのでした。
それゆえマーベラスの言葉には異様な迫力がこもっており、
センデンはその謎の迫力に圧倒されて、何だかよく分からないがマーベラスの意見に従ってしまい
「・・・いいだろう・・・全員待機!」と、待機指令を発し、
ゴーミン達は畳の上に正座して座敷の話し合いを見守ることとなったのでした。
鎧がゴーミンを隣に座らせて肩をポンと叩いたりしてるし、何だか酷いカオスな状況になってきましたが、
これでジェラシット弟子入りを決める会議は、やたら大人数が狭い畳敷きの上にひしめく情勢となります。

「・・・続けろ」と何故か偉そうに仕切って話し合いをとことん続けさせようとするマーベラスでしたが、
それに対してジェラシットは大きく溜息をついて「もういいよ・・・」とテーブルに手をついて力無く座り、
「・・・立派な宇宙人初のタコ焼き屋になって、ザンギャックの奴らを見返してやろうと思ったけど・・・
所詮俺はザンギャックに見捨てられた粗大ゴミ・・・地球人からは生ゴミ扱い・・・」とグチグチと愚痴り始めます。

ジェラシットはもともとどうしてもタコ焼き屋になりたかったわけでもないし、
タコ焼き屋になれる自信があったわけでもない。
ただ何か夢を持つことで自分の力で生きていってザンギャックを見返してやりたいと思っていただけでした。
それで、そのためにタコ焼き屋になろうと思うようにして、
タコ焼き屋になれる自信を無理して持つようになっていたのです。

しかしタコ焼き屋の母親に冷たく拒絶されたことで、そのもともと曖昧だった自信が一気に無くなり、
やっぱり自分はタコ焼き屋になどなれないと思ってしまい、
更にそこから落ち込み、自分には夢を持つ資格など無いとまで思ってしまう。
何故なら自分の夢などはザンギャックからも地球人からも不要なもの扱い、
まさに邪魔なゴミのような存在なのだと、ジェラシットはとことん自分を卑下してしまうのでした。

このジェラシットの愚痴を聞いて、
マーベラス達はジェラシットがザンギャックから本当に粗大ゴミとして捨てられ、
更に地球人に生ゴミにされていたのだと知り、驚くと同時に、
やっぱり真面目に身の上話を聞かなくてよかったと思ったのでした。

一方、落ち込むジェラシットの言葉にセンデンが反応し「おい、今何て言った?」と問い直します。
もうすっかりやる気の無くなったジェラシットは面倒臭そうに
「だーかーらー・・・地球人からは生ゴミ扱い!」と今言った言葉を何も考えずに繰り返します。
するとセンデンは身を乗り出してきてジェラシットの肩を掴み
「お前を生ゴミ扱いした地球人って誰だ!?」と質問します。

もしかしてセンデン、ジェラシットに同情しているのか?とも思えるような態度ですが、
ジェラシットは相変わらず無気力なまま「このオバサン!」とセンデンの質問に素直に答えて、
目の前のタコ焼き屋の母親を指さします。
母親は一瞬ギョッとしますが、宇宙人嫌いの気の強いオバチャンだけに、
キッとセンデンを睨み返して「なんか文句あんのかい!?」と怒鳴ります。

それに対してセンデンは「ザンギャックは宇宙最強だ!それをペットどころか、生ゴミ扱いだとぉ!?」と激昂。
どうやらジェラシットに同情していたわけではなく、
あくまで自分のザンギャック最強プロパガンダ作戦の邪魔になると思って怒ってるだけのようです。
そこにジョーが「お前達が粗大ゴミにしたからだ!」とごもっとも過ぎるツッコミ。
確かに、ザンギャックが粗大ゴミとしてあんなゴミ捨て場にジェラシットを捨ててなければ、
この母親に生ゴミ扱いされることもなかったわけですから、ジョーの言うことは正論すぎます。

見事に切り返されたセンデンは「うるさいうるさいうるさい〜っ!!」と逆ギレして立ち上がり、
「待機命令中止!その地球人をやっつける!」とゴーミンやスゴーミン達に指示し、
何やら変な武器を構えて「最新兵器ザンンギャックバズーカの威力を見よぉ!!」と、喚きます。

このザンンギャックバズーカという武器、よく見ると、
この第24話放送の前日に公開された劇場版「海賊戦隊ゴーカイジャーTHE MOVIE空飛ぶ幽霊船」の中で
インサーンが新たに開発したニューウエポンと呼んでいた武器と酷似しています。
細部は若干違うように見えますが、劇場版は基本はTV本編とはパラレル世界で、
この映画とTV本編もほぼ同一内容のパラレル世界なのだろうと推測されますので、
武器デザインの細部が少し違うのは十分許容範囲内で、これは同一の武器と考えていいでしょう。

「空飛ぶ幽霊船」の方ではこの武器は結局実戦で使われることはなかったのですが、
その後、使い道が無く置きっぱなしになっていたこのニューウエポン=ザンギャックバズーカを、
ダマラスが武器を何でもいいから貸してほしいと言ってきたセンデンに貸し与えたのでしょう。
つまり、時系列的に、「空飛ぶ幽霊船」映画の中の出来事は、
第23話と第24話の間の出来事ということになるのです。

こうして初めて実戦で使われることとなったザンギャックバズーカですが、
その威力はなかなか強力であるようで、これは危ないと思ったマーベラス達は慌てて立ち上がり、
バズーカで狙われているタコ焼き屋親子の前に飛び込みつつ豪快チェンジ、ゴーカイジャーに変身します。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 22:42 | Comment(0) | 第24話「愚かな地球人」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月09日

第24話「愚かな地球人」感想その4

ここで場面はいきなり土管がたくさん置いてある資材置き場のような場所に変わります。
タコ焼き屋の家の座敷でいきなりザンギャックバズーカをセンデンがぶっ放し、
マーベラス達は咄嗟にゴーカイジャーに変身してタコ焼き屋親子とジェラシットを連れて間一髪で脱出し、
ここまで逃げてきたのです。

タコ焼き屋の母親は宇宙人嫌いなのでゴーカイジャーのこともあまり快く思っておらず、
助けてもらったというのに感謝もせずブツブツ文句を言って、あまり言うことを聞きませんが、
それでも置いてある土管の中に息子の店主やジェラシットと共に隠れさせ、
マーベラス達6人は追いかけてきたセンデン率いるザンギャック部隊と相対します。
「逃がさんぞぉ!!」としつこいセンデンに「・・・ったく!好き放題やりやがって!」と
マーベラスはゴーカイガンを発砲、ゴーミン達を数人倒し、
ここから再びセンデン部隊との戦闘開始となります。

で、ここの戦闘シーンがギャグ回のクセに異常にカッコ良く撮られています。
なんだかロケーションからして、大きな土管がたくさん並べてあって、
昔の特撮ヒーロードラマの戦闘シーンでよく使われていそうな感じの場所です。
ジョーがゴーミンを斬っていくのを土管の空洞越しに撮ったり、
ハカセが土管を昇り降りしながらゴーミンを翻弄したり、
ルカが土管の上を駆けながらゴーミン達を倒していき、土管の下に突き落としたりとか、
なんとも懐かしいベタなヒーロー風の画が展開されていきます。

そのように外でゴーカイジャー6人が戦っている一方で、
土管の中ではジェラシットが「俺はどうすればいいんだ?・・・ペットになることも出来ず、
タコ焼き屋になることも出来ず・・・」と、ひたすら頭を抱えて自分の境遇に苦悩していました。
やはり自分はこの宇宙の何処からも必要とされない粗大ゴミや生ゴミのような存在なのだと思えてきます。

いや、実際、ジェラシットはゴミのような存在でしょう。
マーベラス達はジェラシットをやけに励ましていましたが、
あれはやや無責任というもので、世の中そんなに甘くはない。
ザンギャックからも追い出され、地球人社会にも受け入れられないジェラシットは、
何処にも属していない孤立した存在であり、
そのような者は何処からも不要なゴミのように扱われるのが当たり前です。

そんなゴミが地球人と一緒に何かをやるというような夢を抱いたところで、
地球人は誰も協力などしてくれません。
タコ焼き屋の母親の偏見と剥き出しの敵意は確かに酷いが、
ジェラシットがいきなり地球人社会と手を取り合って何かをやっていくことが
皆に諸手を上げて歓迎されるわけがない。
そうなるはずだと思うのは、あまりに希望的観測に過ぎるでしょう。

これは実はマーベラス達にも同じことは言えます。
マーベラス達も所詮は宇宙では孤立したゴミのような存在であり、
仮に彼らが地球を守るために戦おうと志したとしても、
地球人は余所者のマーベラス一味を簡単に心から歓迎することはないでしょう。
ジェラシットのタコ焼き屋の夢を安易に煽ったところを見ると、
マーベラス達はジェラシットや自分達が宇宙では孤独なゴミのような存在だという自覚が薄いといえます。

いや、もともとはもっと厳しくクールな自覚を持っていたはずですが、
地球に来て地球人、特にレジェンド戦士の連中と接して、その力を預かったりしているうちに、
知らず知らずのうちに、自分達もスーパー戦隊のように
地球人に歓迎されたりするのかもしれないなどと思うようになってきていたといえます。
一方、ジェラシットは最初はマーベラス達以上に甘い見通しを持っていたようですが、
タコ焼き屋の母親に徹底的に拒絶されたことによって、
自分が何処からも受け入れられることのない孤独な宇宙のゴミのような存在なのだと痛感させられたのでした。

そのように煩悶するジェラシットの隠れる土管の隣の土管ではタコ焼き屋の親子が身を隠していました。
というより、息子の信之は隠れているという意識はあったが、
母親の方は胡散臭い宇宙海賊たちに無理矢理に土管の中に押し込められたと迷惑に思っており、
やたらと土管の中が暑くなってきたので「暑い・・・暑い!・・・熱中症になっちゃう!」とブツブツ文句を言って、
制止する息子を振り切って土管の外に出てきてしまいました。

外ではマーベラス達はゴーミン達を追って少し離れたところで戦っており、土管のすぐ外がガランンとしています。
「どうなってんだ?」とキョロキョロ周囲を見回す母親でしたが、
なんとその目の前にセンデンがザンギャックバズーカを構えて立ちはだかります。
「おばあさん!これで終わりだ!」とセンデンはザンギャックバズーカの狙いを母親の胴体につけ、
母親は「ええええ!?」と自分を指さして驚き絶叫します。
自分が殺されるということに驚いてるのか「おばあさん」と呼ばれたことに驚いてるのか、多分その両方でしょう。

母親の背後では土管の中から息子の信之が「おふくろ〜!!」と悲鳴を上げますが、
恐ろしくて助けに行くことが出来ません。
その悲鳴を聞き、マーベラス達は驚き、戻ろうとしますが、
皆、離れたところで戦っていたので、すぐに戻って母親を助けるのは難しい状況です。
その中では鎧が比較的センデンの近くに居り、「危ない!!」と叫びつつ、
センデンがザンギャックバズーカを発射するのを阻止しようとして突っ込んできて、
「させるかぁっ!!」と、ゴーカイスピアでセンデンをぶっ叩いて吹っ飛ばします。

が、一瞬の差でザンギャックバズーカは発射されていました。
発射された強力なエネルギー弾はタコ焼き屋の母親の胴体目がけて飛んできます。
棒立ちになった母親はもはや絶体絶命・・・と、その時、母親の前に何者かが
「おふくろさぁぁんっ!!」と絶叫して飛び出してきて、母親を庇ってエネルギー弾を受けたのです。
それはジェラシットでした。
エネルギー弾はジェラシットの腹部を直撃して爆発し、
火花を噴き出したジェラシットの身体は力を失い地に倒れました。

倒れたジェラシットは苦しそうに咳き込み、虫の息となり、
その周囲にはマーベラス達6人とタコ焼き屋の信之が駆け寄り、
そして信之の母親が自分を助けるために自らを犠牲にしたジェラシットの無残な姿を見つめて
呆然と立ち尽くしていました。
母親は「宇宙人に対して変な偏見を持ってるあたしを・・・宇宙人が助けてくれた・・・
こんな素晴らしい宇宙人がいたなんて・・・!」と涙声を絞り出し、
ガクッとジェラシットの傍らに崩れるように座り込み
「あたしは、なんと愚かな地球人・・・!」と嘆きます。

「愚かな地球人」という今回のサブタイトルはこの母親のセリフからとったものだったんですね。
てっきりジェラシットやセンデンのような宇宙人の側から出てくる言葉なのかと思いがちですが、
地球人自身が地球人を「愚か」だと言うとは意外な展開でした。
しかも、この母親、地球人に比べて劣った存在として宇宙人を見下すようなキャラであっただけに、
この人物の口からこの言葉が出るとは、さすがに予想出来ませんでした。
しかし、この「愚かな地球人」という言葉がこの母親の口から出るというのが、
今回のエピソードの最重要ポイントなのです。

この母親、とにかく宇宙人を地球人よりも下等な生き物として見下しており、
言い換えれば、地球人は宇宙人よりも優れた存在だと思っているわけです。
実際のところ、現在、地球はザンギャックの侵略を受けており、
完全に征服はされておらず、一進一退の状況なのかもしれませんが、
ともかく一方的に攻められているのは間違いない。
だから軍事的には劣勢ではあり、軍事面や科学技術の面では地球人は宇宙人には劣っているといえます。
しかし、だからこそといえるかもしれませんが、
この母親は文化的には地球人の方が優れていると思っている、いや、思いたいのだといえます。

軍事面や科学面で劣っているからこそ、せめて文化面や道徳面では地球人の方が優れていると思いたい。
宇宙人が地球人を文明の遅れた下等な生き物だと見下しているから、
地球人も対抗して宇宙人を文化的に劣った連中だと言って見下したいのです。
結局は自分の属する集団が余所の集団に勝っていると思いたい、劣っていると思いたくないという
閉鎖的な優越感や対抗意識が原因であり、
互いにこういう考え方が存在するから、宇宙で争いが絶えないのだといえます。

ザンギャックにはザンギャックなりのある種の理想的な考え方というのはあるのでしょう。
全宇宙で最も文明が進んだ強大なザンギャック帝国による他の劣等な星々の支配こそが
宇宙の恒久平和をもたらすとでも言うのでしょう。
しかし、そんな傲慢な思想は下等な生き物扱いされて支配される側の反発を招き、必ず争いとなります。
そして、いずれはザンギャックは倒され、
ザンギャックを倒した者達が今度は自分達こそが宇宙で最も優越した生き物だと称して、
またザンギャックと同じことをやるのです。

つまり謙虚さを忘れた優越感の暴走や、自分達以外を蔑視する考え方が争いの元凶だといえます。
この母親の宇宙人蔑視思想も、このまま暴走していけば何れはザンギャックと同じように
宇宙に災厄をもたらす可能性もあるわけです。
まぁ単に自尊心を持ち自らに誇りを持って生きるのは良いことですが、
自尊心や誇りを成り立たせるために他者を必要以上に蔑視し貶めなければならないとしたら、
それは本当の自尊心とは言わない。
自尊心が本当は無いし、誇りを持つ自信が無いからこそ、
他者を貶めて安心しようとしたり、自分の他者への横暴を正当化しようとするのです。
そして、そういう行為は他者との垣根を高くして、相互の協力を遮断して、争いを助長します。
全く建設的ではありません。

この母親が染まっている宇宙人蔑視思想も、
地球が宇宙人に侵略されて押されている現状で、宇宙人への対抗意識で、
宇宙人を貶めて地球人の誇りを維持するために作り出されたものなのです。
それは弱い心の生み出した愚かな思想であり、無限の争いを生み出すものです。
ザンギャックの他の星々への蔑視思想も、もとは同じようなもので、劣等感の裏返しのようなものでしょう。
それによる侵略行為が地球人や他の星々の人々の劣等感を刺激して、
そこからまた他の星々への蔑視思想を生み、宇宙での争いは絶えることが無くなり、
互いに蔑視し合う星々の住人の間の垣根は高いままで、
いつまでも別の星々の人々が力を合わせて同じ夢を掴もうなどという動きが起きるはずもありません。
だからジェラシットのタコ焼き屋の夢も挫折することになったわけです。

では、その争いの連鎖、不信と蔑視の悪循環を断ち切るにはどうしたらいいのかというと、
それは、無理な優越感を捨てることです。
もちろん真に誇るべき部分があるのなら大いに誇ればいいが、
優越感を持ちたいがために無理に誇りを捏造し、
そのために他者を不必要なほどに貶めて蔑視するようなことは止めることです。
自らのダメな部分、いたらない部分は素直に認めて、
自分は広い宇宙の中では取るに足りない存在なのだと謙虚になることが必要です。

しかし、一度、他者を蔑視することで優越感を持つクセがついてしまうと、
簡単にはその負のスパイラルからは抜け出すことは出来なくなります。
この母親もそういう状態だったはずですが、心の奥底では自分の思想の欺瞞には気付いており、
そこに罪深さを感じてはいました。
だからこそ余計に頑なになってもいたのですが、
ここでジェラシットが自分のことを身を挺して庇って犠牲となってくれた行動を見て、
この罪悪感が刺激されたのでした。

地球人である自分の優越感というエゴのために宇宙人を不当に貶めていた自分を、
その自分によって酷く貶められた宇宙人のジェラシットが自分の身を犠牲にして助けてくれた。
それは悪意に対して善意で応じるという最も高潔な行為であり、
そんな高潔な人物に対して一方的に悪意をぶつけていた自分こそが下劣そのものであるということが、
あまりにも明白に母親の頭にも理解出来てしまったのでした。
だから母親は自分が愚かであることを認めるしかなかった。

ここで単に「愚か」と言うのではなく、「愚かな地球人」と言っているというのは、
別に地球人全般を愚かだと言っているわけではなく、
自分が愚かな地球人であり、地球人にも自分のような愚かな者もいるのだと認めているのです。
つまり、「地球人」と「宇宙人」を人種だけでレッテル貼りして差別し、
「地球人=優秀」「宇宙人=下等」というように断ずるような今までの硬直した考え方を改め、
地球人にも愚かな者もいれば、宇宙人にも優れた尊敬出来る人物もいるという
柔軟な思想に変わったということを表しています。

そして、今まで硬直した差別思想に囚われていた自分こそが「愚かな地球人」であったと反省しているのです。
すなわち、ジェラシットの献身的な行為を見たことで、
母親は地球人を絶対的に持ち上げ宇宙人を絶対的に貶めるような傲慢な考えを捨て、
地球人も宇宙人も皆、時には愚かであったりもする、
常に反省して進んでいかねばいけないような、そんなに大した存在ではないという
謙虚な気持ちを持つことが出来るようになったのでした。

しかし、どうしてジェラシットは自分を事実無根の偏見で散々コケにして
タコ焼き屋になりたいという夢を挫いた意地悪なタコ焼き屋の母親を身を挺して助けたのでしょうか?
それについては助けられた当事者である母親が一番不思議に思っているようで、
倒れて死にかけているジェラシットの手を涙ながらに掴んで、
「こんな愚かな地球人を、どうして助けてくれたの?」と尋ねます。

するとジェラシットは苦しそうに顔を上げ、もう片方の手を伸ばして母親の手を掴み
「・・・おふくろさん・・・宇宙からみれば・・・あなたも・・・俺と同じ、宇宙人だからぁ・・・!」と
絞り出すように答えると、「うっ・・・!?」と呻いて、その身体は力を失い、
バッタリ倒れて動かなくなってしまいました。
母親は慌てて「ジェラシット!?・・・ジェラシット!・・・ジェラシットぉ!!」と何度もジェラシットの名を呼び、
その動かなくなった身体に縋りついて泣き叫ぶのでした。

ここでジェラシットが言ったのは、何だか当たり前のことを言っているようにも聞こえます。
地球人もまた宇宙人の一種であり、宇宙人から見れば地球人も宇宙人であるというのは
1つの屁理屈のようでもあります。
しかし、ここでジェラシットはそういう当たり前のことを言っているわけではないのです。
ここでジェラシットが言っている「宇宙人」というのは、
「地球人」と対比した「異邦人」的な存在としての「宇宙人」ではなく、
単に「宇宙に住む人」というもっと普遍的な意味の言葉なのです。
だから、宇宙全体を広い視野で見れば、ジェラシットもこの母親も含めて、全ての人が「宇宙人」なのです。

つまり、簡単に言えば「宇宙は一家、人類は皆兄弟」というような、言わば「宇宙市民」的な考え方なのですが、
こういう思想というのは大抵はお題目だけの綺麗事で、内実の無いお花畑思想というやつであるのが普通です。
言うのは簡単で、言えば善人っぽくて世間体は良いが、
大概は偽善者の屁理屈か、詐欺師の煽り文句であることが多く、
実際はこんな綺麗事を言うヤツが一番自分や自分の属する集団の利益しか考えていないものです。
つまり、こんな思想は実践出来ないのが普通です。
だから、こんな綺麗事を言いながら実際に自分の身を挺して
自分の仲間でもない他人を助けるような者はまずいません。

しかしジェラシットは身を挺してこの母親を助けたのです。
つまりジェラシットは特別ということです。
では、どういうところが特別なのかというと、
それはジェラシットがこの時、何処からも必要とされない、
全く孤独な宇宙のゴミのような存在だと自らを認識していたことでした。
そのおかげでジェラシットは自分がこの宇宙で全くちっぽけな存在であることに初めて気付いたのです。

ジェラシットはザンギャック軍の幹部のインサーンと同じ学校に通っていた経歴の持ち主で、
ザンギャック軍の行動隊長を務めていたぐらいですから、ザンギャック軍のエリートに属する経歴なのでしょう。
その経歴の中でジェラシットはまさにセンデンのように
ザンギャックこそが宇宙最強であり、他の下等な星々の生き物を支配すべきだと教え込まれ、
その思想が正しいと思い込み、
自分はその宇宙の指導階級に属するエリートだという誇りを持って生きていたのだと思われ、
地球人などは下等な生き物だと軽蔑していたと思われます。
ところが突然ザンギャックに粗大ゴミとして捨てられて、地球人には生ゴミ扱いされ、
何処にも属さない孤独な宇宙のゴミのような、とことん最底辺の存在にまで堕ちたことによって、
ジェラシットの宇宙を見る目は急激に変化したのです。

この宇宙には完璧なる指導階級などという物は存在しない。
そして、その指導階級に愚昧な下等人種が支配されるのが正しいなどということは有り得ない。
ザンギャックだの地球人だのと、皆それぞれ自分の立場で自分達の優越を叫んでいるが、
根っこの部分では人間は皆、この宇宙では孤独でちっぽけなゴミのような存在に過ぎない。
誰もがそんなに他人よりも極端に優れているわけではないし、極端に劣っているわけでもない。
そんな大したことのない、宇宙から見ればゴミのような単なる「宇宙人」が助け合い支え合って
生きていくしか仕方ないのだと、ジェラシットは思えるようになったのでした。

これは、とことん自分の無力、無価値を思い知ったからこそ、
そんなゴミのような自分でも生きていかねばいけない宇宙とは一体何なのか、真面目に考えたからこそ、
辿り着いた結論なのであり、
ジェラシットが相変わらずザンギャックに庇護されてザンギャックの一員としての誇りを持っていたならば
こういう考え方には辿り着くことは出来なかったでしょうし、
仮にそのような類のことを言っていたとしても、それは所詮は上っ面だけの綺麗事に過ぎなかったと思います。

ザンギャックのエリートから最底辺のゴミにまで堕ちたからこそ、
このジェラシットの辿り着いた考えは本物であり、
そのジェラシットの目から見れば、地球人の誇りを守るために異星人を侮辱しているタコ焼き屋の母親も、
かつてのザンギャック時代の自分と同じであり、
必死で自分の優越感に縋ってはいてもその実態はゴミのようにちっぽけな存在に過ぎない、
自分と同じ哀れな存在なのだと思うと、
ジェラシットはこの母親も自分と同じこの宇宙で懸命に生きるちっぽけな「宇宙人」の1人だと思えてきて、
助け合い支え合っていくべき存在として親近感が湧いてきたのでした。

それで、この母親が殺されそうになっているのを見て、咄嗟に助けなければいけないと思い、
飛び出し、代わりに撃たれてしまったのです。
そのジェラシットの献身的な行為が、母親の目を覚まし、
母親も自分が決してジェラシットのような異星人に優越する存在なのではなく、
愚かでちっぽけな「宇宙人」の1人だということに気付いたのでした。
こうして、ジェラシットの献身的行為によって、
立場の違う地球人と異星人の間で「宇宙人」同士の絆が生まれたのです。

しかし、その代償はあまりに大きく、
その「宇宙人」としての絆を確かめることもなく、ジェラシットは逝ってしまった。
そう思い、マーベラス達は愕然として、
ジェラシットの遺体に縋って泣き喚く母親の姿を見つめていたのでした。

ところが、浦沢脚本ですから、そんなシリアスな終わり方をするわけがない。
死んだと思っていたジェラシットが突然「まだ生きてます・・・!」と声を発したのでした。
縋りついていた母親は腰を抜かさんばかりに驚いて跳び退いて、
ジェラシットはやけにスムーズに上体を起こすと
「・・・ここで死ねればドラマチックだったんですけど・・・」と、何だか申し訳なさそうに言い訳します。

心配して損したと思い腹が立ったルカは「この!」とジェラシットの頭を小突き、
ジョーはジェラシットの鼻をつまみあげ
「お前・・・本当はすごく強いだろう?」と怒気を込めて因縁をつけます。
確かによく考えればジェラシットは第14話でもシンケンゴーカイオーの烈火大斬刀を2度も浴びて
宇宙に吹っ飛ばされてギガントホースに激突して大爆発しても死ななかった怪人です。
強いかどうかはともかく、恐ろしく丈夫であるのは間違いない。
こんなザンギャックバズーカぐらいで死ぬはずがなかったのでした。

そうして、マーベラス一味によるジェラシットに対するリンチが始まりそうなムードの漂うところに、
さっき鎧に吹っ飛ばされたセンデンが戻ってきて「貴様らぁっ!!もう許さぁん!!」と怒り狂って喚いて、
ザンギャックバズーカを再び撃ってきます。
「しつこい野郎だ!!」とウンザリしたマーベラス達6人は
ここでタイムレンジャーのレンジャーキーを取出してモバイレーツとゴーカイセルラーに挿し込み、
バズーカのエネルギー弾をモバイレーツとゴーカイセルラーから飛び出した変身エネルギーで弾き、
そのままタイムレンジャーに変身します。
「後は任せろ!」と言ってセンデンに突っ込んでいくマーベラス達を見送って、
ジェラシットは「・・・後は任せましょう」とタコ焼き屋親子に促して避難するのでした。

マーベラスがタイムレッド、ジョーがタイムブルー、ルカがタイムイエロー、ハカセがタイムグリーン、
アイムがタイムピンク、鎧がタイムファイヤーに変身します。
タイムレンジャーにはこれまでフルメンバーでまとまって変身したことは無かったのですが、
こうして見てみると、タイムレンジャーも初期メンバー5人に関してはゴーカイジャーと配色は一致しています。

そして、6人で次々とセンデンに突っ込んでいって
「ベクターエンド・ビートディフェンダー」という
「タイムレンジャー」本編では見られなかったオリジナル技を放ちます。

「ベクターエンド」というのはタイムレンジャーの初期メンバー5人の、
時計の長針と短針に見立てた長剣と短剣(ダブルベクター)の二刀流で放つ必殺剣で、
タイムレッドの「ベクターエンド・ビート12」やタイムピンクの「ベクターエンド・ビート6」などのように
時計の針の配置の形を模した剣の動きが特徴の技でしたが、
これらは皆、それぞれのメンバー専用の個人技で、合体技ではありませんでした。
だから、このように全員が一斉に突っ込んでいって放つ形のベクターエンドの技というのは
本編では登場しませんでした。

それに追加戦士のタイムファイヤーはベクターエンド用のダブルベクターは装備しておらず、
ディフェンダーソードという長剣の一刀流の剣技を使いますので、
ベクターエンドそのものを放ったことはありません。
それにそもそも滝沢直人のオリジナルのタイムファイヤーは独自行動が多かったので、
初期5人と一緒に連携技などほとんど放ったことはありませんでした。

だから、このゴーカイジャーが変身したタイムレンジャーが放った
「ベクターエンド・ビートディフェンダー」という技は
ダブルベクターのビート技とタイムファイヤーのディフェンダーソードも含めた
6人全員で連続して敵を斬る特別バージョンのベクターエンドだといえます。

まず鎧のタイムファイヤーが突っ込んでディフェンダーソードでセンデンを一閃して駆け抜け、
続いてジョーのタイムブルー、ルカのタイムイエロー、ハカセのタイムグリーン、アイムのタイムピンクの順で
ダブルベクターでセンデンを斬り裂いていきます。
ここではベクターエンドの特徴的な時計の針のような動きは無く、
普通に駆け抜けながら二刀流で斬っていってる感じです。
そして最後はマーベラスのタイムレッドが長剣でセンデンを斬った後、
短剣でザンギャックバズーカを破壊し、更に長剣でセンデンを吹っ飛ばします。

「あああ!?ザンギャックバズーカがあああ!?」と悔しがるセンデンに対し、
ゴーカイジャーの姿に戻った6人はトドメを刺しにかかります。
鎧はゴールドモードになりゴーカイレジェンドリームを放ち、
マーベラス達5人はゴーカイスクランブルを放ち、
これらを喰らったセンデンは爆発して果てたのでした。

ここでタイムレンジャーへの豪快チェンジがチョイスされた理由は、戦術的なものではなく、
今回の前半のバトルシーンでメガレンジャーへ豪快チェンジして、
その結果、「6人同時変身が可能でありながらこれまで5人同時変身すらしていなかった戦隊」というのが
タイムレンジャー1つを残すのみという状態となっていたので、
ここでタイムレンジャーへ変身して、それをクリアしておくという意図によるものでしょう。

これで、「6人同時変身が可能でありながらこれまで5人同時変身すらしていなかった戦隊」というのは
ゼロになりました。
更に今回の前半のバトルシーンで単に変身しただけで戦わなかったもののハリケンジャー関連戦隊の
6人同時変身もしていた(これは次回ハリケンジャー篇に向けての前フリの要素もあるが)ことも併せて、
鎧とゴーカイセルラーの加入後に6人同時変身が可能になったにもかかわらず、
この時点でまだ6人同時変身をしていない戦隊は、
ジュウレンジャー、ガオレンジャー、デカレンジャー、マジレンジャーの4戦隊となります。
なお、ゴーオンジャーの場合、ウイングス兄妹の合体戦士ゴーオンウイングスも合わせての変則的な形ですが、
あれも一応6人同時変身に含みます。

ちなみにここらでまとめておくと、この時点でまだ5人同時変身をしていない戦隊は、
バイオマン、チェンジマン、フラッシュマン、マスクマン、ライブマン、
カクレンジャー、アバレンジャーの8戦隊です。
このうち、アバレンジャーとカクレンジャーは
これまでにも結構な頻度でマーベラス一味は変身してきているのですが、
5人揃っての変身というのはありません。

一方、バイオマン、チェンジマン、フラッシュマン、マスクマン、ライブマンについては変身頻度はかなり低く、
チェンンジマンに至っては未だ変身された戦士はゼロという状態です。
ここまでで一度も変身されていない戦隊はチェンジマンただ1つということになります。
チェンジマンは昭和戦隊を代表する人気戦隊であっただけに、これは意外な印象で、
これは何か意味があるのかもしれません。

なお、ファイブマンとバトルフィーバーJはTV本編では未だ5人同時変身は無く、
バトルフィーバーJに至ってはチェンジマン同様、TV本編では1人も変身されていません。
しかし、ファイブマンは「199ヒーロー大決戦」映画、バトルフィーバーJは「空飛ぶ幽霊船」映画で
それぞれ5人同時変身しています。

結局、この時点で、劇場版も含めて、
マーベラス一味がレンジャーキーを所持していながら未だ変身していない戦士は、
レッドワン、ブルースリー、イエローフォー、ピンクファイブ、チェンジドラゴン、チェンジグリフォン、
チェンジペガサス、チェンジマーメイド、チェンジフェニックス、レッドフラッシュ、ブルーフラッシュ、
イエローフラッシュ、レッドマスク、ブルーマスク、ブラックマスク、ピンクマスク、レッドファルコン、
イエローライオン、ブルードルフィン、ブラックバイソン、ニンジャレッド、ニンジャイエロー、
黒騎士、アバレッド、デカブレイクの25戦士ということになります。

また、鎧がゴーカイセルラーのボタンに配されている16戦士のうち未だ変身していない追加戦士は、
ガオシルバー、アバレキラー、デカブレイク、マジシャインの4戦士となります。
鎧はゴーオンシルバーとゴーオンゴールドのそれぞれ単体への変身もまだしていませんが、
一応合体戦士のゴーオンウイングスへの変身時にボタンは使用済です。
なお、ガオシルバー、アバレキラー、マジシャイン、そしてゴーオンシルバーに関しては
鎧以外のゴーカイジャーのメンバーによる変身はされたことはありますが、
デカブレイクとゴーオンゴールドに関しては、マーベラス達初期メンバーは未だ変身はしていません。

ただデカブレイクにしてもゴーオンゴールドにしても黒騎士にしても、
バスコによる召喚戦士としては登場済であり、
バスコがレンジャーキーを所持していながら未だ召喚していない戦士は
シグナルマン、デカスワン、姫シンケンレッドの3戦士だけということになります。

物語もここらで折り返し点ですが、
これらのまだ未変身、未登場の戦隊や戦士などが今後どのように消化されていくのか楽しみです。

さて戦いの方は、倒されたセンデンに向かってダマラスが巨大化銃を発射して巨大戦となります。
今回インサーンもワルズ・ギルもバリゾーグも皆、引き揚げてしまったので
ダマラスが巨大化銃の発射係までやる羽目になっています。

巨大化したセンデンに対して、ゴーカイオーと豪獣レックスで立ち向かうゴーカイジャーは
ゴーカイスターバーストと豪獣レックスドリルで優勢に戦いを進め、
更に豪獣レックスを豪獣神にチェンジして更に攻勢に出ます。
しかしセンデンも「センデンパ」という変な電波技で対抗し、その後の肉弾戦でも意外に健闘します。
そこでマーベラス達はガオレンジャーのレンジャーキーを使ってガオライオンを召喚し、
ガオライオンはセンデンに襲い掛かって鋭い爪でセンデンを斬り裂きます。
ガオライオンの活躍する姿、久々に見れてよかったです。

そして、やっぱりこの展開なら予想された通り、
シンケンジャーのレンジャーキーを使ってシンケンゴーカイオーとなります。
殴りかかってくるセンデンを薙刀で斬って捨てた後、烈火大斬刀で叩き斬り、
そして豪獣神の豪獣トリプルドリルドリームでトドメを刺し、センデンを倒したのでした。

エピローグは、センデンとの戦いの数日後、再び例のタコ焼き屋台をマーベラス達が訪れる場面です。
屋台に向かって公園内を歩く6人でしたが、
どういうわけか、鎧とハカセが大きな花輪を担いで運んでいます。
しかも、これは笑ってしまうことにジェラシットの火星のような砂漠の惑星での妄想シーンに出てきた
花輪と全く同じで、ゴーカイジャーからジェラシットへの開店祝いの花輪です。

ジェラシットは結局、タコ焼き屋の母親にも気に入られてタコ焼き屋の弟子になることを許されたのですが、
それにしても弟子入りして数日で暖簾分けしてもらえるとも思えないので、どうにも気の早い開店祝いです。
しかし鎧を除くマーベラス達5人は結局まだ「タコ焼き」というものを食べておらず、
それがどういう代物なのかも分かっておらず、
弟子入りしてすぐにジェラシットが宇宙人初のタコ焼き屋を開業出来ると思っているようです。
それで勝手にお祝いの花輪を用意して持ってきて、
ついでに念願のタコ焼きをジェラシットのタコ焼き屋の最初の客として、
ジェラシットに作ってもらって食べようと思っていたのでした。

しかし、こんなに豪勢な花輪をジェラシットのために用意するとは、さすがに豪快に気前が良い。
が、単に豪快な気性によるものだけではなく、
ジェラシットが夢を実現した(とマーベラス達は思ってる)のがマーベラス達には嬉しいのでした。
それも単に自分達が応援していたから嬉しいというだけではなく、
マーベラス達はむしろジェラシットに今回、教えられたことが多く、その感謝の意味もあったのでした。

それは、ジェラシットがザンギャックでも地球人でもない、
何処にも属さない単なるちっぽけでゴミのような「宇宙人」という自覚を持つことで、
自分を差別して拒絶する地球人を自分と同じ「宇宙人」と見なして身を挺して守ってみせ、
それによって地球人のタコ焼き屋の母親の心を開かせて絆を結ぶことに成功し、
その結果、タコ焼き屋になるという夢を叶えることが出来たからでした。

これはマーベラス達は自分達にも置き換えて見ることが出来ました。
マーベラス一味もまた、この広い宇宙で何処にも属さない、何処からも歓迎されない、
まさにゴミのような存在であり、そういう意味ではジェラシットと同じ「宇宙人」だといえるからです。
ならば、マーベラス一味もまたジェラシットのように、
守るべき相手を地球人という枠に嵌めて見るのではなく、自分と同じちっぽけな「宇宙人」だと思えば、
助け合い支え合うのは自然なことなのであり、地球を守って戦っても不自然ではない。
そして、そのような自分達の姿勢は、きっと今回の母親のように、地球人の心を開かせて、
マーベラス一味も地球人と絆を結んで、地球人を守ることで自分達の夢を追いかけて、
地球人を守るスーパー戦隊のようなヒーローとして歓迎されるようになるのではないかと
思えるようになったのです。

つまり、ジェラシットのおかげで、
マーベラス達は、余所者の宇宙海賊の自分達でも、地球を守って戦っても
迷惑に思われないという自信を持つことが出来たのでした。
開店祝いに豪勢な花輪を用意したのは、その感謝の意味も込めてのことでした。

花輪を担いだ鎧とハカセの横を歩きながらマーベラスは
「もしかするとタコ焼きって、宇宙でも流行るかもな!」と、
タコ焼きを食ったこともないクセに能天気なことを言いますが、
これはジェラシットの夢が大きく成功してほしいという願望による発言です。

それに対してジョーが「・・・宇宙にはタコがいないぞ・・・!」という素晴らしいツッコミを入れます。
今回、ジョーのツッコミ面白すぎます。
なるほど、宇宙を旅して来たマーベラス達が今までタコ焼きを食べたことがなかったのは、
タコが地球にしか生息していないからだったのですね。
しかしマーベラスはジョーの正論すぎるツッコミを喰らっても全く気にした様子はない。
もともと願望で言ってるだけなので、そこらへんはテキトーでいいのです。

すると、そこでルカが口を挟んで「・・・火星人がタコみたいって聞いたけど?」と、
古臭いSF小説みたいなことを言いますが、
そもそも仮にそうだとして、火星人を捕まえて食材にするつもりなのか?と思っていると、
なんとアイムが「それじゃあ火星人焼きです・・・流行りません」とピント外れのブラックな発言でダメ出し。
こいつら、やっぱりみんなアホです。

マーベラス達がそんな呑気でアホな会話をしているうちに一行は屋台に到着し、
そのアホな会話を真面目に聞いていたっぽい鎧が「地球からタコを取り寄せればいいですよ」と
唯一、まともなことを言って、食材問題は解決したが、
花輪を屋台に立てかけて設置してみたところ、ジェラシットの姿が見当たりません。
不思議に思ったハカセは「あれ?ジェラシットは?」と
屋台の傍でしょんぼりして雑巾を絞っている店主の信之に声をかけます。

すると信之は肩を落として立ち上がると、虚ろな目をして
「ジェラシットは・・・俺のお袋と駆け落ちしてしまった・・・」と衝撃発言。
あまりに予想外の展開に、鎧は「えええええええ!?」と目の玉が飛び出さんばかりに驚愕し、
マーベラス達も唖然とします。
ただアイムだけ「駆け落ち・・・?」と首を傾げており、
「駆け落ち」という言葉の意味が分かっていないようです。

ここで信之の説明する回想シーンが挿入され、
ジェラシットと母親が信之に駆け落ちする意思を告げたシーンが流れます。
思いっきりアンバーに傾いた色調の画面で、
座敷のテーブルの前に正座した背広姿のジェラシットと、
まるで昭和の年頃の娘のような花柄のワンピースを着た母親が、
テーブルを挟んで座る信之(常に屋台用のハッピ姿)に向かって畏まっています。
もはや朝の子供番組の画じゃないですね。完全に昼ドラです。
それにしてもジェラシット、第14話の時も学生服を着てましたが、今回も背広姿のコスプレを披露。
あの突起がたくさん出たゴツい身体は何処へ行ったのか、やたらスマートです。

仲睦まじく手をつなぐ2人を前に、駆け落ちするという話を聞いた信之は愕然として
「お袋!何考えてんだ!?」と、母親の正気を疑います。
しかし母親は「あたしゃ本気だよ!タコ焼き屋の暖簾を捨てても、ジェラシットと生きていく!」と言うと、
母親は左手の薬指に嵌めたキラリと光る指輪を見せ、
「・・・ね、ダーリン!」とジェラシットを甘えた目で見ます。
見ると、照れながら前にかざしたジェラシットの左手(触手?)の薬指にも同じ形の指輪が光っています。
婚約指輪のようです。
「ダーリン!?」と呆れ果てる信之に向き直ったジェラシットは「師匠!すいません!」と深々と頭を下げ
「・・・お母さんは必ず幸せにします!」と言うと、母親に向かって投げキッス。
それを見て照れて笑う母親。

異様というしかない情景だが、本人たちは至って真面目に愛し合っているようです。
タコ焼き屋の暖簾を守るために異星人のジェラシットを断固拒絶していた母親は、
センデンの凶弾から命を助けてもらった一件で180度認識を改め、ジェラシットとの絆を深めたのですが、
絆が深くなりすぎたのか、タコ焼き屋の暖簾を捨ててでも
ジェラシットと夫婦になりたいと思ってしまったようです。
ジェラシットもジェラシットで、もともと何が何でもタコ焼き屋になりたいと思っていたわけではなく、
何か自分なりの夢を持ちたいと思うようになっていただけなので、
もともと恋愛体質のジェラシットは、自分を愛してくれるこの母親との愛に生きることこそが
自分の夢なのだと心に決めたようです。

唖然として信之の説明を聞くマーベラス達に向かって、
信之は「風の噂では今頃・・・何処かの田舎の温泉で、楽しくやってるらしい・・・」と力無く呟くのでした。
駆け落ちした男女が田舎の温泉でひっそりと身を潜めて生きる・・・って、
これもまた何とも昼ドラっぽい渋い展開です。

ここでまた、その田舎の温泉で楽しくやっているジェラシットと母親の場面が挿入されます。
温泉客をタクシーに乗せて見送る2人。
ジェラシットはネクタイを締めたワイシャツの上にハッピを着ており、母親は仲居姿。
どうやら温泉宿に住み込みで働いているらしい。
それにしてもジェラシットの恰好がシュール過ぎます。

そして客を送り出した後、微笑み合う2人。幸せそうです。
「ダーリン!・・・もしかしたら、あたし・・・」と何か言いかけて、
激しく照れ笑いして大騒ぎで旅館の中に駆け込む母親。
それを見て何かに気付いたように歓喜し「アイラブユ〜ッ!!」と叫んで追いかけるジェラシット。
母親がジェラシットの子供を身ごもったかのように暗示して、このシーンは終わります。

なんとも凄まじい展開で、視聴者目線でも思わず言葉を失ってしまい、大爆笑してしまいましたが、
この後のラストカットはもっと異様です。
駆け落ち事件の事情の説明が終わった後、1人タコ焼き屋台で寂しそうにタコ焼きを作る信之と、
結局タコ焼きも食べずに、花輪を持って早足で公園を立ち去っていくマーベラス一味の
後ろ姿が遠くに映って今回はおしまいとなります。
しかもBGMは寂しげなピアノ曲。

この画自体が意外性がありシュールで大爆笑ものなのですが、
それはあくまで結果的に面白くなったということでしょう。
あれほどエロ・グロ・ナンセンンスの三拍子揃った描写の後のシーンとしては、シリアスなトーン過ぎるのです。
あくまでギャグを貫徹するのなら、最後はもっとコケたり盛大なツッコミを入れたりすることは出来たし、
そもそもジェラシットと母親のシーンで締めても良かったはずです。
だから、このラストカットは結果的には笑えるカットにはなったが、
本来は笑いのためのカットではなく、別のことを表現しているカットでしょう。

それは素直に画そのものから読み取れる「やるせなさ」です。
むしろ、あれほどのナンセンスなシーンの後での唐突な「やるせなさ」が異様なギャップを感じさせて、
そこに笑いが生じたといえるでしょう。

では、何がそんなにやるせないのかというと、
まず信之の場合は、当然これは母親を失ってしまった寂しさがあります。
信之は今回の件で間違いなく不幸になったのです。
ただ、それが怒りや嘆きのような激しい感情にならないところが余計にやるせないのです。

信之も母親がジェラシットと愛し合うことが母にとっての幸せであることは分かっているのです。
だから本当は祝福すべきだということは分かっている。
しかし、世間はそれを決して祝福しないであろうし、まずそもそも自分自身が素直に祝福する気持ちになれない。
母親が幸せに感じていることを息子の自分が祝福してやれないこと、
そして大事な母親が世間的に不幸になっていくのをどうすることも出来ないもどかしさ、
それらが信之を何ともいえないやるせない気持ちにさせていたのでした。

つまり、普通の地球人社会の世間全般は、信之も含めて、
未だジェラシットのことはグロテスクな異星人としか見ることは出来ないのです。
自分達のような地球人とは相容れない余所者として偏見の目で見てしまうのです。
母親はジェラシットの献身的な行為を直接身に受けて命を助けられて、
自分もジェラシットも同じ「宇宙人」だという意識に目覚めたが、
そこまで心にインパクトを受けていない信之はそこまで大胆な発想の転換はすぐには出来ない。
まだどうしても「地球人」としての拘りが強く、異星人は異邦人としか思えない。
ましてやジェラシットの内面を知らない世間の人々は
ジェラシットのことはグロテスクな化け物としか思えないでしょう。

だから信之もジェラシットを弟子にして、
ジェラシットが何処かの星でタコ焼き屋をやる分には応援しようとは思うが、
ジェラシットが自分の母親と結婚して、自分の家の伝統あるタコ焼き屋の主体となるのは抵抗を覚える。
世間的にもそれは受け入れられないだろう。
それは母親も分かっているから、ジェラシットと駆け落ちして自分はこの店から離れようと決意したのです。
ジェラシットを取るか店を取るかの二者択一をするしかない状況で、母親はジェラシットを選んだのです。

しかし信之はそれが母親の幸せとはとても思えないし、
自分自身の気持ちとしても母親に出て行ってほしくなかった。
それでも母親がジェラシットと結ばれようとするならば、出て行くしかない。
世間は未だ、異星人への偏見に満ちているのだから仕方がない。
そういうこと諸々が信之はやるせないのでした。

そして、そうした状況をマーベラス達も理解したのでした。
ジェラシットがタコ焼き屋になる夢を捨てて駆け落ちしたというのは驚きでしたが、
つまり、母親との愛がそれほどジェラシットにとっては大事な本当の夢だったということで、
それは納得出来ました。
ジェラシットは本当の自分の夢を掴んだのです。
それも地球人の一緒に夢を追うパートナーとの絆を深めて掴んだ夢です。
それだけ考えれば申し分ない話でした。

しかし、その結果、母親は家族を失い店を失い、信之も母親を失いやるせない顔をしている。
ジェラシットもタコ焼き屋の夢は捨てざるを得ず、母親と共に日陰者のようにして逃げねばならなかった。
どう見ても皆、不幸になっています。
本人たちは幸せだと思っているかもしれません。
実際、本人たちが幸せだと思えば確かにそれは幸せなのでしょう。
だが信之が不幸になったのは間違いない事実ですし、
本人たちだってもっと幸せになることは出来たはずです。
しかし、そうはなっていないというのは、いろいろと困難があるからです。

つまり、1人の「宇宙人」として同じ「宇宙人」を守り助けるというジェラシットの行為は、
確かに1人の地球人である母親の意識を変えて絆を深めることは出来たけれども、
それだけでは他の地球人の偏見を無くすことは出来ておらず、
ほとんどジェラシットが不要な余所者である状況は変わっていないのです。
その結果、むしろジェラシットに好意的になった人達の方が、
その絆が深ければ深いほど不幸になってしまっている。

このザンギャックの侵略が続いている現状では、
余所者の宇宙人が地球人と助け合い支え合おうとするということは、
まだそういう困難さが付きまとう状況なのです。
ジェラシットの辿った道について話を聞いたことによって、
マーベラス達はそうした世間の現実を思い知らされたのでした。

そして、それは自分達にも当てはまるのだと自覚しました。
自分達が地球人を守って戦ったりしても、地球人の大部分は所詮は余所者の余計な行為としか思わず、
決してスーパー戦隊のようにヒーローとして歓迎してくれるわけではないと痛感したのでした。

しかし、だからといって、そんな困難があるからといって、困難に屈するマーベラス一味ではない。
むしろ困難だからこそ燃えてくる。
どんな困難があろうとも、常に自分達のやりたいようにやる。それが海賊の流儀です。
だから、地球人を守りたいと思ったら守る。そこは揺るがない。
しかし、それが地球人に喜ばれるというような甘い考えは持たない方がいい。

結局、地球人に迷惑がられようとも、
自分達はあくまで独立独歩の「宇宙人」「宇宙海賊」として
自分達のやりたいように自分たちの夢を追うだけのことだと、
改めて決意して歩み出したマーベラス達の後ろ姿がここでは映し出されていたのでした。
そこであえて彼らの顔を映さないというのが、
彼らが今回の苦い現実を受けて、苦い顔をしていることを暗示しているのです。

今回、抱腹絶倒のギャグ回でありながら、最後をこのような苦い現実を強調する演出で締めるというのが、
風刺こそがギャグを最上のものに完成させるという見地からすると、
今回がギャグ篇として真に素晴らしい出来であったことを表しているといえるでしょう。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 16:40 | Comment(0) | 第24話「愚かな地球人」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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