2011年10月12日

第31話「衝撃!!秘密作戦」感想その1

今回はオーレンジャー篇で、これで第28話のジェットマン篇から4話連続のレジェンド回ということになります。
といっても、第28話のジェットマン篇と第30話のライブマン篇はいかにも分かりやすいレジェンド回でしたが、
第31話のアバレンジャー篇は通常回にレジェンド戦士がゲスト出演したようなエピソードで、
そもそもメインストーリーにレジェンドゲストが絡まないという点で異色レジェンド回でした。

今回はメインストーリーには思いっきりオーレンジャーのレジェンドゲストの星野吾郎と丸尾桃は絡みます。
というより、吾郎と桃がメインとなってストーリーを引っ張っていき、
ゴーカイジャーのドラマはほとんど描かれません。
軍事戦隊であるオーレンジャーの世界観の中にゴーカイジャーがゲストとして登場するという形に近く、
そういう意味では、ストーリーの方向性は全く真逆ではあるものの、
カーレンジャー篇に近いタイプのレジェンド回と言えるかもしれません。

ジェットマン篇やライブマン篇のような典型的レジェンド回というのは、
エピソードのメインストーリーはあくまでゴーカイジャーが動かし、
そこにレジェンドゲストがメインストーリーに関連した特定のテーマ(その戦隊のテーマでもある)を
提示しつつ登場し、そのテーマを巡る別のストーリーがゴーカイジャーとレジェンドゲストの間で発生して、
その結果そのテーマがゴーカイジャーとレジェンドゲストの間で共通したものだと確認されることによって
メインストーリーも解決に向かうという構造になっています。
このメインストーリーが解決に向かう過程の中で「大いなる力」の取得というイベントも消化されるのですが、
別に「大いなる力」の取得が絡まなくてもテーマの共通性の確認が行われれば同じことです。

これまでのレジェンド回は大抵はこの構造になっており、
例外といえるのはカーレンジャー篇と2回のアバレンジャー篇、
そして「199ヒーロー大決戦」映画のゴセイジャー篇だけでしょう。

ゴセイジャー篇はレジェンドゲストであるはずのゴセイジャーが特定のテーマを提示せずに
ゴーカイジャーと共にメインストーリーを動かし、
メインストーリーを解決に導く特定のテーマを提示してゴレンジャーなどの歴代10戦隊が
終盤に真のレジェンドゲストとして登場して、
ゴーカイジャーとの間にその共通性の確認のための別ストーリーが特に発生することなく、
一気に共通性が確認されてメインストーリーが解決に向かうという変則的な構成になっており、
ゴーカイジャーの代わりに真のレジェンドゲストの代表である青梅、亮、ウメコとの間で
特定のテーマの確認を行うストーリーの担当者として我が家の坪倉氏扮するサラリーマンが登場します。

1回目のアバレンジャー篇(第18話)はメインストーリーはゴーカイジャー(主に鎧)が動かし、
そのメインストーリーを解決に導く特定のテーマを提示してレジェンドゲストの仲代壬琴が登場しますが、
壬琴が死者の霊であるため鎧の夢の中に少し現れただけで、現世に現れないため、
その特定のテーマのゴーカイジャー側との共通性の確認のために
ゴーカイジャーと壬琴が絡むストーリーが発生せず、
その確認作業が鎧の心の中でのみ処理されています。

2回目のアバレンジャー篇(第29話)はメインストーリーはゴーカイジャー(主にアイム)が動かし、
そこにレジェンドゲストの三条幸人と三条笑里(旧姓今中)が登場しますが、
メインストーリーに関連する特定のテーマを提示はしません。
一応強引に関連づけてはいますが、そもそもメインストーリー自体が(良い意味で)かなり破綻しているので、
テーマがしっかり引っ掛かっていく余地もなく、
幸人たちとゴーカイジャーの間でテーマの共通性を確認するストーリーも生じず、
メインストーリー自体もそれによって何らかの解決に向かうというような代物ではありませんでした。

それでも、これらの異色レジェンド回は皆、ゴーカイジャーがメインストーリーを動かしていました。
しかしカーレンジャー篇(第14話)となると、メインストーリーはレジェンドゲストの陣内恭介が動かし、
ゴーカイジャーはそこに巻き込まれていくだけであり、
ゴーカイジャーのストーリーが無いので、
それに関連してくる特定のテーマが恭介から提示されることも無かった。
恭介は単に状況を進めていくだけの役割であり、その状況にゴーカイジャーが動かされていき、
状況の進むまま自動的にメインストーリーが解決していき、
そして最後に突然、テーマ的なものが示されましたが、
ゴーカイジャーのストーリー自体が無いのですから、
そのテーマとゴーカイジャーのストーリーとの関連は全くありませんでした。

今回のオーレンジャー篇もこのカーレンジャー篇と同じく、
メインストーリーを動かすのはレジェンドゲストであるオーレンジャーの星野吾郎と丸尾桃であり、
何かゴーカイジャーをメインとしたストーリーが進行するわけではありません。
吾郎と桃はひたすらメインストーリーの状況を進めていくだけであり、
何かテーマらしきものを提示するわけではなく、
ゴーカイジャーは吾郎と桃が進める状況に動かされていくだけであり、
その状況のままにメインストーリーは解決していくように見えます。

つまり、吾郎と桃がバスコに奪われた他戦隊の「大いなる力」を奪還する作戦を実行し、
ゴーカイジャーがそれに巻き込まれていくというのがメインストーリーであり、
ゴーカイジャー側でそれ以外に何か別のドラマが進行するということはないのです。
例えばマーベラスが自身の弱さと向き合ったり、ジョーが先輩を救いたいと奮闘したりというような、
ゴーカイジャー側オリジナルのドラマといえるものは何ら描写されず、
今回のエピソードで描かれるゴーカイジャーの行動は、
全て吾郎と桃の作った状況に対するリアクションのみなのです。
そういう点で、陣内恭介の行動に振り回されっぱなしのゴーカイジャーを描いた
カーレンジャー篇に確かに似ています。

しかし、カーレンジャー篇の場合はゴーカイジャーのドラマが無かったために、
ゴーカイジャー側のテーマも何ら描写されませんでした。
それゆえ、それと対応すべきカーレンジャー側の持つテーマも描写されず、
その結果、双方のテーマが照合することによって成立する
「大いなる力の譲渡」のシーンが描かれませんでした。
その上でギャグ篇として突き抜けていったのがカーレンジャー篇であったわけですが、
今回のオーレンジャー篇はそれとはちょっと違います。

今回は「大いなる力の譲渡」のシーンはしっかり描かれているのです。
となると、ゴーカイジャーとオーレンジャーのテーマの照合は劇中の何処かでなされているのです。
ただ、それがジェットマン篇やライブマン篇のように、
メインストーリーの流れとは別に設けられたサブストーリーの中での
レジェンドゲストとゴーカイジャーの誰かとの間の人間ドラマの中で描かれていないので、
非常に分かり辛くなっているだけなのです。
今回のゴーカイジャーとオーレンジャーのテーマの照合は、
しっかりセリフで説明されることもなく、
メインストーリーの状況の推移の中で埋没しつつ処理されていっており、見えにくくなっています。

しかし「テーマの照合」といっても、
「今回はオーレンジャー側は最初からゴーカイジャーに自らの大いなる力を渡すつもりだったのではないか?」
という見方もあるでしょう。
しかし、最初に桃がマーベラスに大いなる力を渡そうとした時、
マーベラスに手を払われて渡すのに失敗しています。

考えてみれば、この描写は妙であって、
いつもならマーベラス達が知らないうちに当該戦隊のレンジャーキーに大いなる力が宿る形で
譲渡は完了しているのであり、
マーベラス達が受け取りを拒否すること自体が出来ないような形の譲渡法がとられているはずです。
どうして今回、桃はそうした譲渡法をとらず、直接手渡しのようにして渡そうとしたのか?
あれではまるでバスコのラッパラッターで吸い取られるのと同じような描写です。

それはつまり、いつもの方法と今回の方法は前提条件が違うということなのでしょう。
いつものレンジャーキーを介する何時の間にか完了している「大いなる力」の移動は、
ゴーカイジャーと当該戦隊の間のテーマがメンバー同士の織り成すドラマにおける照合作業の結果、
一致したことによって起こる自動的移動なのでしょう。
一方、今回、桃がやろうとした手渡しによる移動というのは、
ゴーカイジャーと当該戦隊の間のテーマの照合が確認されていない状態で、
強制的に「大いなる力」を移動させる方法であり、
無理のある方法なので成功率は自動的移動に比べて低いのでしょう。
それゆえ、マーベラスに手で払われただけで簡単に受け取り拒否されてしまったのです。

そもそも手渡しで簡単に「大いなる力」の譲渡が出来るのなら、
今までのレジェンドゲスト達も、特別にゴーカイジャーを嫌っていた一部の者たちを除けば、
普通は「大いなる力」を使うことも出来ずに自分が持ったままでいるよりも
ゴーカイジャーに渡した方がマシと思うはずですから、すぐに手渡しで譲渡していたはずです。
そうはしなかったということは、
レジェンド戦士たちの間では自分の意思で手渡しで「大いなる力」の譲渡は出来ない、
双方のテーマの一致が確認されて初めて自動的移動がなされるという認識があったということです。

実際、第9話で獅子走はそのようなことを言っています。
それに、テーマの一致が確認されて大いなる力の譲渡をするつもりになった
レジェンド戦士とマーベラス達が向かい合った状況でも、
レジェンド戦士たちは今回の桃のように手渡しをしようなどとはしていませんでした。
それはつまり、テーマの一致が確認された以上、手渡しではなく
自動的にレンジャーキーを介して移動するのが本来あるべき方法なのだという認識があるということです。

といっても手渡しの方が手っ取り早いのですから、手渡しでも良いようにも思えます。
それなのに手渡しによる譲渡はこれまで一度も無かった。
例えば第20話ではヒュウガは鎧に手渡しで大いなる力を譲ってもいいシチュエーションだったはずです。
双方のテーマの一致を確認した時、ヒュウガと鎧は手を取りあったような状況だったのですから、
そのまま「大いなる力」を渡した方が手っ取り早かったはずです。
ましてや、あの直前、ヒュウガはバスコに強制的に「大いなる力」を奪われかけており、
その危機的状況は続いていたはずです。
だから本当は一刻も早く鎧に「大いなる力」を渡すべきでした。
しかしヒュウガはそうせず、その後、「大いなる力」が自分の身体から自動的に移動した
黒騎士のレンジャーキーを鎧に手渡ししています。

これはつまり、ヒュウガが「大いなる力」の手渡しをすることが出来なかったということなのでしょう。
あくまで「大いなる力」の移動はテーマの一致の確認後のレンジャーキーを介する自動的移動が基本なのであり、
一方的な意思による手渡し移動は本来は出来ないことなのでしょう。
それを特殊な方法で可能にしているのがバスコのラッパラッターを使った方法なのだといえます。

では、その本来は不可能な方法である手渡し移動を、
何故今回、桃は不安定ながらもほとんど可能としていたのか?
それは桃が中国拳法と合気道の達人であるということと無関係ではないでしょう。
つまり体内の気をコントロールして掌から放出する一種の「発剄」の要領で
「大いなる力」を相手の体内に移す技を編み出したのでしょう。

しかし、確かに中国拳法ならばオーレンジャーでは桃が第一人者だが、
レジェンド戦士の中には桃の他にも桃以上の達人たちが多数存在しており、
何故彼らがこの技を編み出さなかったのか謎です。

これは、おそらくこの技が本来の「大いなる力」譲渡法から見れば邪道であり、それゆえ不安定な方法であり、
無理に特殊な訓練を積んでまでこのような妙な技を修得せずとも、
普通にゴーカイジャーとのテーマの照合のために彼らと接触を図った方が手っ取り早いという
考え方の方が普通だったからでしょう。
つまり、普通の状況なら、こんな変な技を編み出そうという発想自体が無かったといえます。

言い換えれば、桃は何らかの普通でない必要性があって、
特殊な訓練を積んで、不安定ながらも「大いなる力」を手渡しでゴーカイジャーに譲渡する技を
編み出したのだということになります。
というか、オーレンジャーとしてそのような技が必要になったので、
中国拳法と合気道の達人である桃がその技の適格者として指名されて
その目的に特化した特殊な訓練を積むことになったといえます。

その「普通でない必要性」とは何かというと、
ゴーカイジャーとの間でテーマを照合せずに
オーレンジャーの「大いなる力」を譲渡しなければいけないということです。
何故そんな無理なことをしようとしたのかというと、
それは奪われた他戦隊の「大いなる力」を奪還するためにバスコと吾郎が対決する際に、
作戦失敗の場合にバスコにオーレンジャーの大いなる力を奪われないように保険をかけるためでした。

つまり、こういう考え方です。
バスコを偽りの取引の場に誘い出すためには
オーレンジャーの大いなる力は吾郎の身体に宿ったままでなければいけないので、
オーレンジャーの誰かがゴーカイジャーと接触してテーマの一致を確認して
大いなる力を譲渡してしまっていては、作戦上マズいのです。
だからオーレンジャーはその作戦の成功のために、
あえてゴーカイジャーと今まで接触しようとはしていなかった。
しかし、その作戦が失敗した時の備えとして、
作戦決行時刻、吾郎がバスコを誘い出すことに成功した直後、
オーレンジャーの誰かがゴーカイジャーに急いで「大いなる力」を譲渡しなければならない。
この場合、双方のテーマの一致を確認するような遣り取りをしていくヒマは無いので、
強制的に「大いなる力」を移動させる方法が不可欠となります。
それゆえ桃が選ばれて、その技を編み出すことになったのです。

つまり、バスコから「大いなる力」を奪還する作戦が前提となって、
桃の「大いなる力」の手渡し譲渡法があるという考え方なのですが、
しかし、これでは説明できないことがあります。

ゴーカイジャーが地球に現れて「大いなる力」を集め始めたのが2月から3月にかけてのことであり、
6月には黒十字王との戦いがあり、この時は初代ゴレンジャーをはじめ一気に11戦隊も
ゴーカイジャーに「大いなる力」を渡したりしています。
この時、ゴセイジャーを除く10戦隊はゴーカイジャーとあまり深く接さずとも
ゴーカイジャーと自分達とのテーマの一致を確認して「大いなる力」の自動的譲渡に至っています。
そしてバスコが「大いなる力」を奪おうとして暗躍し始めたのが7月のことであり、
実際にマスクマン、フラッシュマン、チェンジマンの「大いなる力」を奪うことに成功したのは
8月以降のことです。

つまり、オーレンジャーが「大いなる力」奪還作戦を立案するようになったのは8月以降のことであり、
今回桃が言っていたように吾郎がゴーカイジャーを信じていたというのなら、
8月以前に「大いなる力」をゴーカイジャーに渡していてもよかったはずです。
8月以前ならば奪還作戦の必要性は無いわけで、
仮にバスコの暗躍を知って最悪の場合に備えて奪還作戦を立てていたとしても、
それでも7月以前は奪還作戦は存在していなかったわけだから、
ゴーカイジャーにオーレンジャーの大いなる力は渡していてもよかったはずです。

今回、吾郎がゴーカイジャーを信用していた理由として桃が匂わせたのは
「海賊と名乗ってはいるが地球を守るために戦う志を持っている」というような感じでしたが、
もしそれでオーレンジャーとゴーカイジャーの間でテーマの一致が見られるというのなら、
それは黒十字王との戦いの時の11戦隊と同じテーマであり、
ならばオーレンジャーも6月の黒十字王との戦いの際に
ゴーカイジャーに大いなる力を渡していてもよかったはずです。

ところがそのようにはなっていない。
ということは、もともとオーレンジャーはゴーカイジャーとはテーマが一致しないと思っていたフシがあります。
しかし今回、危険な作戦の保険として「大いなる力」を渡そうとしていたことは事実ですから、
確かに桃の言う通り、吾郎はゴーカイジャーを地球を守る戦隊として信用していたのでしょう。

つまり、信用はしているのだが、それでもテーマは一致しないということです。
だから「大いなる力」を通常の方法では譲渡できない。
だからこそ、オーレンジャーはそういう状況を逆手に取って、
いつまでもゴーカイジャーに譲ることが出来ずに自分達の体内にある「大いなる力」をエサにして
バスコをおびき寄せて、既に彼に奪われた3戦隊の「大いなる力」を奪還する作戦を立て、
作戦失敗の場合は強制的にゴーカイジャーの側にオーレンジャーの「大いなる力」を移してしまう技を
桃に開発・修得させたのです。

こういう事情が背景にあって、今回のストーリーは始まっていると見た方がいいでしょう。
だから、オーレンジャーはゴーカイジャーのことは地球を守る戦士としては信用しているにもかかわらず、
何かもっと根本的な部分で互いのテーマが一致することはないと見なしており、
それゆえ、桃がテーマの一致しない状態で強制的に手渡しでマーベラスに「大いなる力」を譲ろうとするのだが、
どういうわけかマーベラスがこれを拒否して「大いなる力」の譲渡は失敗するのです。
ところがその後、マーベラス達が吾郎がバスコと戦っている場に現れて吾郎の危機を救い、
バスコの繰り出す召喚戦士たちと戦っていると、
いつの間にかオーレンジャーの「大いなる力」の譲渡が完了していたことが判明します。

つまり、マーベラスが桃の申し出を拒絶してから召喚戦士との戦いの間の何処かの場面で、
一致するはずがないと思われていたゴーカイジャーとオーレンジャーの双方のテーマが一致して
「大いなる力」の自動的移動が生じていたことになりますが、
これがジェットマン篇やライブマン篇のような普通のレジェンド回と比べて非常に分かりにくいのです。
今回のエピソードの最重要部分はここなのですが、ここが非常に分かりにくいため、
その後のレンジャーバトルの最終戦と、バスコ怪人態の登場というイベントの方がインパクトがあり、
今回はオーレンジャー篇というよりはイベント篇であるかのような印象になってしまっています。

第29話のようにアバレンジャー篇とは名ばかりの七変化篇というような場合はそういう扱いでもいいのですが、
今回は実際のところはガッツリとオーレンジャー篇であり、
バスコ絡みのイベントはあくまでメインではないはずなのに、
オーレンジャー篇の肝心要の「テーマの一致」の描写が弱いため、
バスコ絡みのイベント篇であったかのような視聴後感となっているのです。
しかし、これは制作サイドの失敗ではないのでしょう。むしろ狙い通りなのではないかと思います。

今回のエピソードの全体ストーリー内での位置づけとしては、
2ヶ月ほど出番の無いバスコの再登場、終盤に向けての「大いなる力」の残数調整、
「大いなる力」争奪戦の緊迫感を高めること、レンジャーバトル最終戦、
バスコ怪人態登場、次回新兵器登場の伏線としてのゴーカイジャーの敗北という、
非常に多くの要素を組み込まねばいけないエピソードでした。

いくらなんでも一度に詰め込み過ぎとも見えますが、
次回新兵器登場は販促スケジュール的に仕方ないことであるし、
その他の要素は全てバスコ絡みですから、
バスコ役の細貝氏のスケジュールの関係で一度に済ませないといけない。

だから、バスコが登場の無かった2ヶ月の間にチェンジマン、フラッシュマン、マスクマンの3戦隊の
「大いなる力」を既に奪っていたという設定にして、
残りの「大いなる力」を一気に6個にまで減らして終盤へ向けての調整を行うと同時に
「大いなる力」争奪戦の緊迫感を高めました。
そして、ゴーカイジャー側が一方的に奪われっぱなしにならないように、
レンジャーバトルの最終戦を大いに盛り上げた上で
ゴーカイジャーが遂に全てのレンジャーキーを揃える勝利を収め、
レンジャーバトルは飽きられないうちに終了させました。
そして召喚戦士に代わるバスコ側のより強大な新戦力としてバスコ自身の怪人態を登場させ、
これにゴーカイジャーが完敗することで、今後の「大いなる力」争奪戦の緊迫感を高めつつ、
次回の新兵器開発篇の伏線としたのでした。

1つのエピソードでこれだけのことを効率よく詰め込んでこなすというのは、なかなか見事だといえます。
しかし問題は、バスコを登場させるということは「大いなる力」争奪戦を描くしかなく、
そうなるとレジェンド回ということになるが、
さすがにいくら効率よくこなしたとはいってもこれだけの要素を詰め込めば全体の尺を圧迫してしまい、
レジェンド側の描写にあまり尺を割けなくなってしまうことです。

つまり、ジェットマン篇とかライブマン篇のように、
レジェンド戦隊側のテーマとゴーカイジャー側のテーマとが葛藤するサブストーリーをガッツリ描くことは出来ず、
メインストーリーだけで流していき、
その中でシンプルにゴーカイジャーとテーマを一致させて「大いなる力」の譲渡を処理していき、
それでいてドラマが成立するだけの、
シンプルなテーマを持ち、存在感のある戦隊が今回のゲスト戦隊に最適ということになります。

また、その戦隊のテーマを描くサブストーリーを挿入できない以上、
メインストーリーをゴーカイジャー中心に描いてしまうと、
レジェンド側がホントにオマケみたいな扱いになってしまうが、
「大いなる力」の譲渡が絡む以上はそういう軽い扱いにするわけにはいかない。
だから、メインストーリーはレジェンド側を中心に進めていくことになりますが、
バスコ絡みの上記の展開を描くことが決まっている以上、
バスコ絡みの緊迫感あふれるストーリーと組み合わせてメインストーリーを作ることが出来る
性格の戦隊でないといけない。

そうなると、このエピソード以前の時点で
未だ「大いなる力」をゴーカイジャーが取得していない9つの戦隊、
バトルフィーバーJ、サンバルカン、チェンジマン、フラッシュマン、マスクマン、
ファイブマン、カクレンジャー、オーレンジャー、メガレンジャーの中では、
どうしてもオーレンジャーが最適ということになります。

この9戦隊の中で、昭和戦隊はやはり古すぎてレジェンド回は実質的に作るのが難しいでしょうから、
レジェンド回を作ることが可能なのは
ファイブマン、カクレンジャー、オーレンジャー、メガレンジャーの4戦隊で、
このうちメガレンジャーはテーマをガッツリ描くべき戦隊なので除外で、
カクレンジャーはバスコ絡みの今回の緊迫感あるストーリーとの相性が悪く、
ファイブマンかオーレンジャーが残りますが、
やはり存在感や緊迫感との相性でオーレンジャーが最適でしょう。

オーレンジャーならば、
軍事戦隊なのでバスコ絡みの緊迫感ある展開と組み合わせたメインストーリーを作りやすいし、
マーベラス一味をそこに巻き込んでいくだけの馬力があります。
そしてシンプルなメインストーリーだけで存在感を発揮できるだけのネームバリューのある
レジェンドゲストのさとう珠緒を呼ぶ事が出来ますし、
オーレンジャー自体がさすがにシリーズ20周年記念作品としてのインパクトがあります。

それでいて、戦隊としてのテーマが明確で詳細でない分、
テーマを入り組んだドラマで描写する必要がなく、
単に軍事戦隊であるという定義からシンプルなテーマを導き出して、
そこにゴーカイジャーのテーマを一致させることも出来るのです。
ただ、それだけではつまらないので、多少トリッキーな手法で捻りを加えてみたくなります。

このように見てみると、このオーレンジャー篇は、
どうしても割とガチャガチャと色んな要素を詰め込んで、
割り切って各要素をシンプルにしようと心掛けつつも、遊びを適度に加えていく、
あまり綺麗にまとまりそうもない、それでいて面白味のあるような話になります。

そうなると、これは毎回バスコ登場エピソードを書いている香村氏の得意分野ではないように思えてきます。
香村氏はライブマン篇やギンガマン篇のような深く綺麗な話が最も上手な脚本家でしょう。
そうなると荒川氏なら何でも上手くこなすのでしょうが、
最近の荒川氏率の低さを見ると、どうもこの時期は冬映画の執筆にかかっているような気配もあり、
ここはガチャガチャした話の得意な下山健人氏の出番となっています。
下山氏の手腕によって、今回のお話は二転三転するスリリングなスパイアクション風味に仕上がっています。

バスコ篇が香村氏の手を離れたというのも、
怪人態も登場したバスコはザンギャック篇の本筋の方に絡んできて、
これからはバスコ篇という括り自体が無くなっていくという可能性も示唆しているのかもしれません。

この下山氏は第21話のボウケンジャー篇以来の登板となりますが、
今回のオーレンジャーに関するシンプルなストーリーの隠し味、
つまりトリッキーな捻りの部分として、ボウケンジャー篇の要素を使っています。
つまり「お宝は自分の手で掴み取る」という、マーベラスが明石に向かって宣言した海賊のポリシー、
今回はその実践篇ということで、ある意味ではボウケンジャー篇の続編のような要素もあるといえます。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 21:32 | Comment(0) | 第31話「衝撃!!秘密作戦」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月13日

第31話「衝撃!!秘密作戦」感想その2

では本編、まず冒頭は深夜の街の何処かの人気の無い路地裏で、いきなり人が斬られているシーンから始まります。
斬る側、斬られる側とも共に逆光でシルエット状態で、顔姿は詳しくは判別出来ません。
斬られている人は普通の人間の男性のようですが、
長剣でその男性を斬っている側はシルエットを見る限り、その姿は普通の人のものではありません。
といって怪物というわけでもなく、人型ですが、甲冑のようなもので身を包んでいる風情で、
剣を片手に、もう片手には盾を持っています。
斬られた方の人は死んではいないようで、単に抵抗出来ない程度に痛めつけているようです。

そこに斬った側の甲冑の剣士の背後からもう1人、普通の人間っぽいシルエットが登場しますが、
これがなんと久々登場のバスコで、
「大いなる力、いただきに上がりました!」とおどけた口調で叫ぶと、ラッパラッターを咥えて、
その斬られてうずくまっている男性に向けて、息を吸い込み始めます。
するとうずくまっている男性の身体から炎のようなものが発生し、男性が苦しそうに叫び声を上げます。

これは第20話のギンガマン篇でバスコのラッパラッターで「大いなる力」を吸い取られそうになった時に
ヒュウガの身体に生じた変化と同じであり、
あの時、マーベラスが邪魔に入らなければヒュウガはバスコに「大いなる力」を奪われていたはずです。
その時と同じようにバスコにラッパラッターを向けられて、ヒュウガと同じ状態となっているこの男は、
ヒュウガと同じく元スーパー戦隊の戦士の誰かということになり、
まさにラッパラッターによって「大いなる力」を奪われようとしているシーンなのでしょう。

元スーパー戦隊の戦士ですから変身出来ない状態でもそれなりに戦える者である可能性は高いのですが、
おそらく先ほどこの男を斬っていたのはバスコがラッパラッターで実体化した召喚戦士で、
シルエットから考えて、ウルザードファイヤーと思われ、
さすがにウルザードファイヤーに襲われてはどうしようもなかったのでしょう。
この路地裏ではヒュウガの時のようにマーベラスの邪魔が入るわけでもなく、
おそらくこの元スーパー戦隊の戦士の男は、バスコに「大いなる力」を奪われてしまったと思われます。

ここで場面は変わり、1人の男が電話口で「なに?・・・地球守備隊本部?・・・そうか・・・分かった・・・」と言って、
受話器を置いて通話を切ります。
何処かの執務室のような高級感のある事務的な一室、
執務用のデスクの電話に入って来た連絡を受けていたらしい、
サングラスをかけた屈強な高級軍人風の男です。

その男に向かって、傍に控えていた部下らしい同じく高級軍人風の小柄な女が進み出て、
「隊長・・・まさか・・・」と声をかけます。
するとそのサングラスの男は「ああ・・・またスーパー戦隊の大いなる力が奪われた・・・」と応えます。
どうやら、先ほどのバスコが襲っていた男の事件の連絡がこのサングラスの男にもたらされたようです。
ということは、やはりさっきの男は「大いなる力」をバスコに奪われたということになります。

これは結構視聴者には衝撃的です。
バスコが「大いなる力」を横取りしようとして暗躍していることは
第20話のギンガマン篇の時から分かっていましたが、
ギンガマン篇、そして第23話のゴーゴーファイブ篇と、2回連続で横取りに失敗して退散して、
それからおよそ2ヶ月も姿を現さず、すっかり影が薄くなっていたバスコが
独自に動いてスーパー戦隊の「大いなる力」を既に奪っていたとは意外でした。

しかも「また奪われた」と言うところを見ると、
このサングラスの男はさっきの事件の分以外にも別の戦隊の「大いなる力」を既に奪われていることも
把握していることになります。
このサングラスの男がその一連の事件の犯人がバスコであることを把握しているかどうかは分かりませんが、
最低2つの戦隊の「大いなる力」はバスコに奪われたと見ていいでしょう。

で、どの戦隊の「大いなる力」が奪われたのかというと、
サングラスの男の先ほどの電話の相手が「地球守備隊本部」であったことからして、
チェンジマンであろうと思われます。

「電撃戦隊チェンジマン」は1985年度の作品で、
スーパー戦隊シリーズ第9作にあたる、今から26年前の作品です。
スーパー戦隊シリーズ初期の傑作で、
地球守備隊所属の若き軍人たち5人がチェンジマンとなり地球を侵略してきた大星団ゴズマと戦った物語です。
その「地球守備隊」という軍事組織がこの「ゴーカイジャー」の物語世界にも存在しているようです。

地球や世界の防衛・平和維持を任務とする公的組織所属の戦士たちによって構成される戦隊というのは、
スーパー戦隊シリーズにはしばしば見られるパターンで、
ゴレンジャーのイーグル、ジャッカー電撃隊の国際科学特捜隊、バトルフィーバーJの国防省、
サンバルカンの地球平和守備隊、チェンジマンの地球守備隊、ジェットマンのスカイフォース、
オーレンジャーの国際空軍、タイムレンジャーの時間保護局(但し30世紀に存在)、
デカレンジャーの宇宙警察などがこれにあたります。
他にライブマンは国連の支援を受けていたり、メガレンジャーは世界科学者連邦の支援を受けていたりもしました。
ただ戦隊メンバーが皆、生粋の軍人である軍人戦隊は
サンバルカン、チェンジマン、オーレンジャーの3つだけですが。
しかし、これらの戦隊が皆存在する世界ということは、
これらの戦隊の所属・支援組織が皆同時に存在している世界ということで、
かなり職域が重なっているような気もしますが、まぁそのへんはあまり気にしないことにしましょう。

ともかく冒頭のシーンでバスコに「大いなる力」を奪われたのは
地球守備隊所属のチェンジマンの誰かであるようです。
そういえば確かに襲われていた男の着ていた服は地球守備隊の男性用の制服であったように思えます。
となると、あの「大いなる力」を奪われた男は、チェンジマンの剣飛竜(元チェンジドラゴン)、
疾風翔(元チェンジグリフォン)、大空勇馬(元チェンジペガサス)の3人のうちの誰かということになります。
年齢的には現在は飛竜と翔は50歳過ぎぐらいで、勇馬は50歳前ぐらいと思われ、
未だ地球守備隊に残っているのなら階級もかなり上がって幹部クラスでしょう。
まぁ出番はあの冒頭のシーンだけであり、ほとんどシルエットだけの出演で、
オリジナル役者が演じているわけでもないので、あまり細かい設定まで考えても仕方ないでしょう。

とにかくチェンジマンの大いなる力はバスコに奪われてしまったのです。
つまり、レジェンド回としてのチェンジマン篇をやる可能性はほぼ無くなったと見ていいでしょう。
チェンジマンはここまで5戦士とも一度もゴーカイジャーが豪快チェンジしていない唯一の戦隊であり、
その無視されっぷりがあまりに際立っていたので、
もしかしたら何か深い理由があるのではないか、
もしかしたら終盤にものすごく重要な意味合いをもってチェンジマン篇をやる布石なのではないか、
などと思わず勘ぐってもいましたが、それは深読みしすぎただけであったようで、
単に出す機会を上手く作れなかっただけであるようです。

それにしても、どうして物語上、ここでチェンジマンが「大いなる力」を奪われるという処理をされたのか?
それはやはりバスコが2度の「大いなる力」奪取失敗の後、ここ2ヶ月ほど出番も無く、
そのまま再登場するとなると、そろそろキャラとしての存在意義が問われかねないタイミングであるので、
ちゃんと「大いなる力」を奪っていたというアリバイ作り的な意味がまずあるでしょう。
こうすることによってバスコを「厄介な敵」として印象付け、
奪われた「大いなる力」を奪い返さなければならないという物語の緊迫感も生じます。

そしてまた、それとは別の理由で「大いなる力」の残数調整という意味合いもあるでしょう。
前回のライブマン篇終了時点で残る「大いなる力」を持つ戦隊は9つで、
残り話数は19話ですが、レジェンド回はおそらく年末までに処理するでしょうから、
レジェンド回を入れることの出来る実質残り話数は14話です。
レジェンド回は基本的に2話に1回のペースですから、14話で9つの戦隊のレジェンド回をやるのは無理があり、
更に「大いなる力」を既に獲得した戦隊でもレジェンド回をやる可能性のある戦隊が幾らかあります。
可能性があるのは販促絡みでほぼ確実なゴーオンジャー、
春映画で簡単に処理されて補完エピソードの可能性の高いダイレンジャー、
同じく鎧登場回で簡単に処理されて補完エピソードの可能性の高いタイムレンジャーあたりでしょうか。

もし「大いなる力」を既に獲得した戦隊のレジェンド回が3つあるとなると、
残り12戦隊分のレジェンド回を14話で消化することになり、これは無理なので、
「大いなる力」を手に入れていない戦隊のレジェンド回を5つぐらい減らさないといけなくなります。
そのためには、「199ヒーロー大決戦」映画の時や、鎧登場篇の時のように
まとめて複数の「大いなる力」を獲得するか、
あるいはバスコに奪われたことにしておいて後でまとめて取り戻すか、そのどちらかでしょう。
チェンジマンはその後者の方法で処理されたことになります。

では、何故チェンジマンがレジェンド回を省略する戦隊に選ばれたのか?
それはやはり古い作品だからでしょう。
チェンジマンのメンバーを演じておられたオリジナル役者の方で現在も現役俳優であるのは
剣飛竜役の浜田和希氏と疾風翔役の河合宏氏(現在は和興氏)の2人で、
浜田氏が現在50歳、和興氏が現在51歳です。

スーパー戦隊シリーズでヒーローを演じられた役者の方々は皆、実年齢よりはかなり若く見える人が多いが、
それでもこれぐらいの年齢になると、さすがに現役ヒーローには見えません。
昔「チェンジマン」を見ていた人ならば想い出補正でヒーローとして見ることは出来ますが、
「ゴーカイジャー」のメイン視聴者は現在の小さい子供たちですから、
「元ヒーロー」として温かい目で見てはくれません。
その子供たちから見て、「数年前のレジェンド大戦で戦っていたヒーローのお兄さんお姉さん」という
設定通りに一応は見えないとマズいのです。

いや設定としては34年間の戦隊の歴史は「ゴーカイジャー」の劇中にもあるので、
別に50歳を超えた戦士がいてもいいのですが、それでも見た感じが現役ヒーローに見えないと、
「レジェンド大戦で戦っていた」という設定が、どうしてもビジュアル的に不自然に見えてしまうのです。
これは子供相手ですから理屈よりも見た目の印象の影響は軽視できません。
そう考えると50歳ぐらいになると、さすがに厳しいでしょう。

「199ヒーロー大決戦」映画ではアカレンジャー海城剛役の誠直也氏をはじめ、
50歳以上のレジェンドゲストが続々登場したが、
あれは皆短い出番でありゴーカイジャーとの絡みもほとんどありませんでした。
だから勢いで押しきれたともいえますが、しっかりレジェンド回をやって長く芝居をすると、
どうしても子供目線では現役ヒーローとしては不自然に見えてきてしまいます。
そのあたり、ジェットマン篇の若松氏やライブマン篇の西村氏の45歳ぐらいが上限なのではないでしょうか。
ライブマンよりも前の作品はさすがに出演可能なオリジナル役者がどうしても50歳あたりか、
それ以上になってしまいますので、レジェンド回はやらない方針なのではないかと思います。

そうなるとレジェンド回をやらないのは
バトルフィーバーJ、サンバルカン、チェンジマン、フラッシュマン、マスクマンの5戦隊となり、
そして今回がオーレンジャー篇ですから、
残りはファイブマン、カクレンジャー、メガレンジャーの3戦隊の「大いなる力」獲得篇と、
ゴーオンジャー、ダイレンジャー、タイムレンジャーのレジェンドゲスト登場篇の
合わせて6回のレジェンド回を、年内の残り13話でこなしていくのではないかと勝手に想像してみます。

さて、執務室の場面に戻りますが、
既に幾つかの戦隊の「大いなる力」が奪われていることを把握しているらしいサングラスの高級軍人風の男に、
今またチェンジマンの大いなる力が奪われたと聞かされた、
その男を「隊長」と呼ぶ部下らしき女は身を乗り出して「では・・・?」と伺いを立てます。
すると隊長と呼ばれたその男はサングラスを外しながら立ち上がり
「作戦を決行する」と、落ち着いた声で言うのでした。
そして、女の方も姿勢を正して頷き、2人は重大な決意を込めた表情で頷き合います。

ここでようやくこの男と女の顔が映るのですが、
男の方は超力戦隊オーレンジャーのオーレッド、星野吾郎です。
そして女の方は同じくオーピンクの丸尾桃です。

「超力戦隊オーレンジャー」は1995年度の作品で、スーパー戦隊シリーズ第19作目です。
「ゴレンジャー」が1975年放送開始ですので、1995年はシリーズが始まって20年目にあたるわけで、
「オーレンジャー」はシリーズ20周年記念作品として気合い十分に作られた作品でした。
1995年ですから今から16年前の作品であり、
「オーレンジャー」放送時の設定として25歳だった吾郎は現在は推定年齢43〜44歳ぐらいで、
「オーレンジャー」放送時の設定として20歳だった桃は現在推定年齢は38〜39歳ぐらいと思われます。

25歳当時は国際空軍内の特別チームである超力戦隊の隊長であった吾郎も、
現在は国際空軍の幹部になっているようで、
「オーレンジャー」の劇中で国際空軍の幹部クラスの高級軍人たちが着用していた
カーキ色でジャケットタイプの軍服を着用しています。
やや大きめのサングラスも、「オーレンジャー」第1話で国際空軍の司令官がかけていた
サングラスと似たタイプのものをあえてかけているという演出のようです。
つまり、これは吾郎が国際空軍の司令官にまで出世しているという意味なのかもしれません。
まぁ司令官かどうかはともかく、見た感じ、かなり偉くなっているのは分かります。
司令官クラスであるのは間違いないでしょう。

そして、その執務室に出入りしている桃も吾郎と同じく
カーキ色のジャケットタイプの高級軍人用の軍服を着用しており、
吾郎同様、かなり偉くなっているようですが、
言葉遣いや態度から、吾郎よりは階級や役職は下であることは分かります。

この2人の佇まいや吾郎の執務室の感じから、
吾郎と桃の2人は今や超力戦隊のメンバーというよりは国際空軍の幹部として
広範な責任を負っている立場であるように見えます。
しかし、吾郎の執務用のデスクの後ろの壁には「U.A.O.H.」と書かれた
オーレンジャーの記章が貼られており、
桃が吾郎のことを「隊長」と、その高級軍人ぶりには似つかわしくない呼称で呼んでいるところを見ると、
2人は国際空軍の幹部であると同時に国際空軍内の超力戦隊の職務も兼任しているようです。
まぁオーレンジャーとなって戦うことが出来るのは彼らだけなのだから、
彼らが超力戦隊を続けなければ仕方ないともいえますが、
レジェンド大戦で変身能力を失った後も他の戦隊と連絡をとったりして、
オーレンジャーが本来なすべき地球防衛のための戦いをまだ、出来る範囲で続けているようです。

言わば、吾郎は国際空軍の司令官と超力戦隊隊長という2つの顔を国際空軍の組織内で使い分けており、
今、司令官執務室で高級軍人の正装に身を包んではいるものの、
こうして地球守備隊と連絡をとり合って「大いなる力」の動向を把握したりしているのは、
超力戦隊の隊長としての方の職務なのです。
国際空軍の幹部と超力戦隊隊員という2つの顔を使い分ける桃も、
今は吾郎のことを「隊長」と呼んでいるということは超力戦隊の職務をやっている状態であり、
つまりは、今、吾郎が「作戦を決行する」と言った「作戦」とは、
あくまで国際空軍全体ではなく、超力戦隊としての作戦を指すようにも思えます。

なお、星野吾郎役はオリジナル役者の宍戸勝氏で、年齢が何だかよく分からない人なのですが、
おそらく現在は40歳ぐらいでしょう。
しかし顔は16年前とあまり変わりない印象です。
というか、もともと割と老け顔だったので、今でもあまり変わらない印象なのです。
ですので、現在の宍戸氏の演じる吾郎はそれなりに貫録もあって、
それでも情熱的で芯の通った壮年という感じで、
よい感じで成長した、若き国際空軍の指導者という印象です。
軍司令官でもありながら前線で戦ったりもするという、重厚でありながらやんちゃな部分もある、
そのあたりのバランスのとれたキャラ作りが出来ています。

一方、丸尾桃を演じているのは、もちろんオリジナル役者のさとう珠緒氏です。
さとう氏は「オーレンジャー」当時は珠緒という芸名でしたが、
その翌年に「ミニスカポリス」でブレイクし、その後、売れっ子芸能人になりました。
女優というよりはバラエティーがメインのタレントになった人で、
ある意味、スーパー戦隊シリーズの出演者の芸能界における地位を引き上げるのに
最も功績があった人かもしれません。
さとう氏の場合、比較的最近までテレビ等でも露出が多く、驚くほど老けない人であることは分かっていたので、
ここの場面で映った顔が現在38歳でありながら16年前の22歳の頃とほとんど印象が変わっていないことには
大して驚きは感じませんでした。
さとう氏の場合はむしろ演技の方がどんな感じになるのかの方に興味があるといえます。
ここは非常に短いシーンですが、いかにも実直な軍人という演技になっています。

さて、ここでOPテーマが始まります。
冒頭ナレーションはもちろんレジェンド回バージョンの方です。
そして、いつものようにOPテーマが終わり、CMも終わると、
まず今回のサブタイトル「衝撃!!秘密作戦」が出ます。

今回はオーレンジャー篇ですから、
これは「オーレンジャー」のサブタイトルのフォーマットに則っているのだろうと思われるでしょうけど、
「オーレンジャー」はあまりサブタイトルのフォーマットが徹底していた作品ではありませんでした。
だいたい基本的には「○○ ×××」というように2つの言葉を並べる感じになっていましたが、
そうでないものも多少あり、そもそもそんな程度ではフォーマットといえるほどの独自性もありません。
ただ序盤には、例えば第1話「襲来!!1999」や、第2話「終結!!超力戦隊」のように
「○○!!×××」という、「!!」を1つめの語の後に挿入するフォーマットが多く、
序盤12話中、8話がこのフォーマットになっており、
当初はこのフォーマットで統一しようという意思は存在したと思われます。
その後、そのこだわりは貫徹されず、あまりこのフォーマットは使われなくなってしまったのですが、
今回はあえてこの「幻のフォーマット」を採用しています。
これは今回のエピソードが「オーレンジャー」初期の頃のシリアス路線を志向しているという意味も
含まれているのかもしれません。

そして「衝撃!!」と「秘密作戦」のそれぞれの意味合いですが、
「衝撃」は今回のエピソードの内容がかなり衝撃的であるという意味なのかと思われます。
もちろん秘密作戦そのものも衝撃的なものなのですが、
他にも冒頭でいきなりチェンジマンがバスコに大いなる力を奪われたり、
その他、終盤に衝撃的展開が待っています。

そして「秘密作戦」ですが、これは冒頭のシーンで吾郎が決行を宣言した作戦のことを指すと思われます。
それが秘密作戦であるようなのです。
秘密作戦というと、関係者以外には秘密にする作戦ということであり、
例えば敵に対して作戦内容を全て教えるような軍事作戦というものは存在しないのですから、
敵に対して秘密があることをもって、いちいち「秘密作戦」とは言いません。
つまり、味方にも何かを隠して進める作戦が「秘密作戦」なのです。
そういう意味で、今回のこのタイトル、一見何となくカッコいい文字列を並べているだけのように見えて、
ストーリーの要の部分に引っ掛かってくる含蓄のあるタイトルといえます。

さて本編が再開し、ゴーカイガレオンの船室でマーベラス一味の6人が集まっている場で
ナビィが「うあお〜!うあお〜!うあお〜!」といきなり叫び始めます。
突然のことに皆、驚き、呆気にとられます。
マーベラスは紅茶を噴き出し、ジョーは机に脚をぶつけたり、何か細かいリアクションしてます。
ハカセは「どうしたの!?いきなり・・・」と呆れ、
ルカは「どっかショートしちゃったんじゃないの?」とやや心配しますが、
ナビィは「違うよ!占いだよ!占い!次の大いなる力の手掛かりだよ!うあお〜!うあお〜!」と言って、
そのまま同じように叫び続けます。

これはなんと、お宝ナビゲートであるようです。
しかしナビィは単に叫んでいるだけで、何かが近づいているとか、何かを探すべしとか、
警告や指示の意図すらこれでは不明です。
やや途方に暮れた感じでジョーが立ち上がり
「叫び声がナビゲートか・・・鎧!何か分かるか?」と、鎧に解釈させようとします。
スーパー戦隊に詳しい鎧ならこの叫び声がどのスーパー戦隊と関係があるのか
分かるかもしれないと思ったのでした。
しかし、鎧は困った顔をして
「うあお〜!ですか?・・・いや、さすがに俺にもちょっと分かんないですよ」とお手上げのようです。
単に「うあお〜」と叫ばれても、スーパー戦隊の名前はおろか、
これではいったい何をしたらいいのかさえ分かりません。

その時、ふと思いついたようにルカが
「・・・叫び声が聞こえる場所って・・・絶叫マシーンとか、お化け屋敷とか・・・?」と呟きます。
ナビィのお宝ナビゲートはナビィが何か考えてお告げを言っているわけではなく、
ナビィの意識が何かのビジョンを見て、ナビィはその見たまま聞いたままを口にしているだけなのです。
だからナビィが「うあお〜」と叫んでいるということは、
ナビィが見たビジョンの中で誰かが「うあお〜」と叫んでいたということです。
その叫んでいた人物が今回の「大いなる力」に関係するレジェンド戦士なのかもしれないと思ったのです。
では、何故、その人物は叫んでいたのかと考えると、
もしかしたら絶叫マシーンやお化け屋敷で叫んでいたのかもしれないとルカは思ったようです。

「・・・遊園地ってことでしょうか?」とアイムも半信半疑のように言います。
つまり、今回のレジェンド戦隊関係者は絶叫マシーンがあるような遊園地にいるのかもしれないということです。
しかし、遊園地以外でも人が絶叫するような場所や場合はいくらでもありそうです。
遊園地と限定していいものかどうか?
しかし結局そんなことを言っていたら、ずっと悩んでいるばかりです。
とにかく遊園地という可能性もあるのですから、まずは遊園地を当たってみて、
それがダメなら次を考えればいいのです。
「試しに行ってみっか!」とマーベラスも立ち上がり、
さっそく皆で最寄りの遊園地に行ってみることにしました。
もしレジェンド戦士が遊園地にいるのなら、
ナビィのお宝ナビゲートにひっかかる以上、それはガレオンの現在地に最も近い遊園地であるはずです。

そうして遊園地へやって来た6人でしたが、いざレジェンド戦士を探そうとして、困ってしまいました。
今回、結局、どの戦隊なのかも特定出来ていないし、何のヒントも無いのです。
レジェンド戦士が自分の方から「レジェンド戦士です」とか「大いなる力持ってます」などと名乗ることは
今まで無かったので、マーベラス達が見つけ出さねばいけない。
しかし何のヒントも無ければ、何処をどうやって探せばいいのか、その方針すら決まらない。

人だかりの中で途方に暮れて立ち尽くしてしまった6人でしたが、
ジョーが溜息をついて「・・・仕方ない!1人1人それらしい人物を当たっていくぞ!」と提案します。
しかしルカは不満顔で「それらしい人物って、どんな人よ!?」と文句を言います。
それに対してアイムも「さぁ〜・・・」と首を傾げます。
つまり、ジョーが言う「それらしい」というのは「大いなる力」を持っていそうな、
スーパー戦隊の戦士っぽい人ということなのでしょうが、
そんなものがパッと見で分かれば、今までだって苦労はしていないのです。
ましてや、普段はまだ普通の街中だからまだ何となくそれらしい人は絞り込むことも多少は出来ましたが、
この遊園地、やたら人が多くて、それらしい人を絞り込むのなど、到底出来そうにありません。

ハカセはそれにしても何て人が多いのだろうかと途方に暮れてあたりを見回し、
少し離れた場所で人混みの中で何か大声で騒いでいる人がいるのを見つけました。
そこを何となく見ていたハカセは「ん?」と身を乗り出します。
その騒いでいる人はピンクの看板のようなものを掲げて
「大いなる力、ここにありま〜す!」と叫んでいるのです。
まさか自分から「大いなる力を持っている」と大声で触れ回るレジェンド戦士がいるとは
予想もつかないことであり、ハカセも半信半疑でありましたが、
とにかくこれは何かの手掛かりになるに違いないと思い、
ハカセはその信じがたい光景を凝視しながら、ジョーの肩をポンポンと叩いて
「ねぇ・・・それらしい人、見つけちゃった!」と言い、その変な人の方を指さします。

それを聞いてマーベラス一同は皆、そのハカセの指し示す人を見ます。
よく見るとその人物は小柄な青い服を着た女性で、
その掲げ持つ大きなピンクの看板には「大いなる力、あります♡」と大きな文字で書かれており、
しかもその女性は「ゴーカイジャーの皆さ〜ん!早く来てくださ〜い!」とまで
キャピキャピの笑顔で叫んでいる。

そのあまりの胡散臭さに一同が驚き呆れる中、鎧はその女性を指さし「うあおぉ!」と小さく叫びます。
それに対してルカは「うあおぉってアンタ・・・」と、鎧がふざけていると思い、軽くツッコミを入れますが、
鎧は驚いて固まったままです。
「とにかく行ってみっか!」とマーベラスは、どうにも胡散臭そうな雰囲気は感じつつも、
ゴーカイジャーと名指しされた以上、行ってきて、何か手がかりでも掴めればいいと思い、
その女性のもとに仲間と共に向かいます。

この女性は丸尾桃なのですが、
さっき国際空軍の司令官室にいた時の桃とは何だか雰囲気が違います。
服装もさっきの高級軍人の正装ではなく、オーレンジャーの青いミニスカートの隊員服に変わっています。
しかし38歳でこんなにミニスカートが似合うというのも驚異的ではあります。
それにしてもこんな場所で桃はなんでこんなことをしているのか?
さっき確か、シリアスな感じで吾郎の作戦決行の決断を受け止めていたはずで、
今頃、何だかよく分からないが、作戦決行に向けて動いているべきであるのに、
どうしてこんな遊園地でサンドイッチマンの真似事のようなことをしているのか?
しかも、なんだかキャラがさっきの執務室のシーンとだいぶ違うような気がします。

その桃はマーベラス達が近づいてくるのを見て、目を輝かせて「いたぁ〜!」を叫ぶと、
38歳とは思えない女の子走りで駆け寄ってきて
「ゴーカイジャーの皆さんですよねぇっ!?」とキャピキャピとした声で呼びかけます。
なんだか、やけにブリっ子アイドル風のキャラです。
桃はマーベラス達の顔を知っていたようですが、
マーベラス達は桃のことは何者か分かりませんから、戸惑いますが、
そこに鎧がすっ飛んできて
「はい!・・・あの、始めまして!お会いできて光栄です!超力戦隊オーレンジャー、
オーピンクの丸尾桃さんですよね?」と、興奮してまくしたてます。
それに対して桃は「知ってるんですかぁ〜!?わぁ嬉しい〜!!」と、飛び跳ねて喜び、鎧の手を握りしめます。

これは完全にさっきの執務室とはキャラが違って、
むしろ、タレントとしてのさとう珠緒のキャラのまんま、
やたらハイテンションで「プンプン!」とか言う、天然ブリっ子キャラです。
いや、さとう珠緒が戦隊ヒロインをやっていたと聞いて、
多くの人は、その戦隊ヒロインは天然アホキャラだったんだろうと想像するようです。
それほど、さとう珠緒の芸能界におけるキャラというのは天然アホキャラで統一したイメージと
なってしまっているということなのですが、
実は「オーレンジャー」の丸尾桃というのは、さとう珠緒のタレントとしての素のキャラとは全く違っていて、
比較的真面目な戦隊ヒロインでした。

まぁオーレンジャーチームの中では一番年下で女の子でもあるのでムードメーカー的存在でしたが、
何せオーレンジャーという戦隊は歴代戦隊の中でもかなり真面目な性格の戦隊だったので、
桃のキャラは、まぁノーマルな戦隊ヒロイン、純粋でひたむきで正義感が強いというタイプでした。
だから、こんなクネクネした猫撫で声を出すようなキャラではなかったはずで、
冒頭のシーンの姿勢を正して吾郎の話を聞くようなのが本当の丸尾桃のキャラです。
しかし、ここは何故か、演じているさとう珠緒のキャラそのまんまになっています。

マーベラス達はいきなり鎧が乱入してきて青い服の女と意気投合してしまったので、しらっとして眺めています。
鎧の話を聞く限り、どうやらレジェンド戦士の1人であり、
オーレンジャーの元メンバーのようだということは分かりましたが、
どうしてこんな場所で自分達のことを探していたのか?
それにこの変な看板はいったい何だ?
そもそもこの女は何なんだ?と、胡散臭そうな目で桃のことを眺めます。

その冷たい視線を感じたのか、桃は鎧から離れると咳払いをして
「私、こういう者です!」と、身分証を示します。
それは国際空軍の身分証のようで、
桃の顔写真の下には「U.A.O.H」と「防衛事務次官」と「丸尾桃」という文字が記されています。
どうやら桃は防衛事務次官という、ほとんど国際空軍の事務方のナンバーツーあたりの地位にあるようです。
ということは、その桃よりも地位が上であった吾郎はやはり国際空軍の司令官であるようです。

しかしマーベラス達は防衛事務次官という肩書にはさして興味は無いようで、
それよりもその上の謎の4文字の方に注目しました。
「う・あ・おー?」と声に出して、ハカセはその4文字「U.A.O.H」を読みます。
「袖にも書いてありますね・・・」とアイムも、
桃の着ているオーレンジャーの青い隊服の袖にも大きく「U.A.O.H.」と刺繍されていることに気が付きます。
それに対して鎧はハカセの方に向き直り「う・あ・おー、じゃありません!」と言い、
「U.A.O.H・・・国際空軍超力戦隊の略称ですよ!ねぇ?」と桃に確認します。

「U.A.O.H.」の「U.A.」は「United Airforce(国際空軍)」の略です。
そして「O.H.」というのは「OH-ranger」、すなわち超力戦隊オーレンジャーの略称なのです。
こうした事実や、桃がオーピンクであることや、桃の顔までも鎧が知っているということは、
この「ゴーカイジャー」物語世界の地球の戦隊ファンの間ではオーレンジャーの正体は知られていたようです。
まぁ国際空軍というのはそれだけ公然の有名な組織なのでしょう。

しかし、それなら何故、鎧はマーベラス達を国際空軍の元オーレンジャーのメンバーのところに
今まで連れていかなかったのか?
それはおそらく吾郎や桃たちの居場所が分からなかったからでしょう。
これは少し考えれば分かることで、現在地球はザンギャックの侵略を受けている最中であり、
普通に市街地にもザンギャック部隊が現れて暴れたりする状態です。
こういう時に地球防衛を任務とする国際空軍が普通にその司令部の場所や司令官や幹部たちの居場所を
公開などするわけがない。
そんなことをすれば真っ先にザンギャックにそこを狙われてしまう。
だから当然、吾郎や桃たち元オーレンジャーのメンバーの居場所は分からないようにされており、
一般人の鎧がそれを知ることなど出来ない状態だったのです。

その桃がこうして人前に姿を現して、
しかも袖に思いっきり「U.A.O.H.」と記してあるオーレンジャーの隊服を着てきているということは
異例のことであり、自ら正体を明かしているようなものです。
変身出来ない今、普通は危険だからこんなことはしないはずです。
それをあえてやっている理由は、マーベラス達、特にその仲間の鎧に分かりやすくするための
目印という意味があるのでしょう。
実際、さっき鎧は桃の袖の文字を見て思わず「うあおぉ」と反応して、
看板を持った女性がオーレンジャーの丸尾桃だと、すぐに気付くことが出来たのです。

鎧の説明を聞いてジョーは「この星の軍人か・・・」と言い、桃は「ええ!」とニッコリ笑います。
ジョー自身、もともとザンギャックの軍人だったわけで、軍人同士というと多少は親近感はあるようですが、
桃はジョーが元軍人とは知りません。
一方、鎧はさっきのハカセの「う・あ・おー」という勘違いから、
「ナビィさんが言ってたのはこういうことだったのか・・・!」と気付きます。
鎧が思ったのは、ナビィが桃の姿をビジョンで見たが、袖の部分のアップでビジョンを見てしまい、
袖のU.A.O.H.の文字を「うあお〜」と間違えて読んだのだろうということでした。

ちなみに、この「U.A.O.H.」を「うあお〜」と間違えて読むネタの元ネタは、
1997年のスーパー戦隊Vシネマ「カーレンジャーVSオーレンジャー」で、
レッドレーサー陣内恭介がオーレッド星野吾郎から貰った名刺を見て、
「U.A.O.H.」を「うあお〜」と間違えて読んでしまったことに由来します。

しかし、桃が軍人であるとして、その軍人さんがどうして
「大いなる力あります」とか書いた看板を掲げて自分達を探していたのか、
相変わらずマーベラスには分かりませんでした。
もしかしたら、マジレンジャーの時みたいに自分達を何か試そうとするつもりなのか?とも思えてきます。
それでマーベラスは「・・・で、俺たちを探していたようだが・・・?」と桃に質問してみました。

それを聞いて桃は我が意を得たりという感じでニコニコして
「そうそう!私達オーレンジャーの大いなる力を、あなた達に託します!」と言い、
その姿にオーピンクの姿が重なる演出がここで使われます。
どうやら、先ほどから桃がゴーカイジャーを探していたのは、
オーレンジャーの大いなる力を渡すためであったのだということのようです。
ということは、先ほど、吾郎が「作戦を決行する」と言ったのは、
「ゴーカイジャーに大いなる力を託す」ということであり、
桃はその作戦遂行のためにゴーカイジャーと接触を図ろうとしたということなのでしょうか?

しかし、こんな遊園地で看板を持っていて偶然その遊園地にマーベラス達も来ていて出会えるなんて、
そんなことは普通はありえない。
気長にやるつもりならばそういう作戦もアリでしょうが、
ついさっき作戦を決行すると吾郎と桃が打ち合わせした後、
すぐにマーベラス達の来た遊園地で桃がゴーカイジャーと鉢合わせするなんて
都合のいいことがあるわけはない。

つまり、桃はゴーカイジャーの行動を既に監視していて、
この遊園地に彼らがやって来たのを確認した上で、
マーベラス達の近くで看板を上げて大声を出してマーベラス達に自分のことを発見させて、
たまたま出会ったかのように装ったのです。

なぜわざわざそんなことをしたのか?
普通にゴーカイガレオンに行けばよいのではないか?
いや、桃は最初はそうするつもりだったのでしょう。
しかしマーベラス達がいきなり「大いなる力」を探しに外に出掛けたので
慌ててその場所に追いかけていって、そこでたまたま出会ったかのように装い、
マーベラス達に自分を発見させたのです。
つまり、自分という目標を発見させて、
マーベラス達の「大いなる力」探しを終わらせることが狙いだったといえます。
言い換えると、そのままマーベラス達に「大いなる力」探しを続けられると
桃にとっては不都合だったということになります。
そう考えると、桃の行動はどうも妙で、
「大いなる力」をマーベラス達に託すとは言っているが、それが本心なのか怪しいようにも思えてきます。

さて、その頃、バスコの乗艦フリージョーカーには、ある人物からの突然の連絡が入ってきていました。
それはなんと、元オーレッドの星野吾郎からでした。
バスコはもちろんオーレンジャーの大いなる力を手に入れるために吾郎たちの居場所を探していましたが、
その居場所を突き止めることは出来ずにいました。
ところが吾郎の方がバスコの居場所を特定して一方的に連絡を寄越してきたのですから、
バスコはさすがに多少驚き、国際空軍の諜報能力はなかなか侮れないようだと内心舌を巻きつつ、
「・・・で、何の用?」と質問します。

すると吾郎は「我々オーレンジャーの大いなる力と引き換えに、ある情報が欲しい」と言います。
これは取引の申し出です。
しかもオーレンジャーの大いなる力をバスコに渡すと言っています。
この意外な申し出にバスコは「ふ〜ん・・・取引ってこと?・・・ま、手間が省けて好都合だけど・・・!」と
歓迎の姿勢を示し、「で、何が欲しいの?」と問い返します。

バスコとしては、吾郎たちの居場所を探す手間を取らずにオーレンジャーの大いなる力が手に入れば
万々歳ですから、当然乗り気になります。
が、問題は吾郎が引き換えに要求してくる情報です。
大事な大事な「大いなる力」と交換してでも手に入れたい情報なのですから、
よほどの重要な情報で、国際空軍にとって有益な情報、
つまり言い換えれば国際空軍と敵対するザンギャックには有害な情報に違いない。
バスコはザンギャックと同盟している身ですから、ザンギャックの不利になるようなことは出来ない。
しかし吾郎はバスコがザンギャックの同盟者だからこそ重要情報を知っていると読み、
バスコが「大いなる力」を欲しがっていることを承知の上で、
そのエサで釣ってザンギャックを裏切らせて重要情報を提供させようとしているのです。
そういう意味の取引の申し出なのだということはバスコも想像はついています。

つまり、バスコにとって、かなり危険な香りのする取引ということです。
だから、その危険がどれほどの度合いのものなのか、バスコとしては見極めねばならない。
あまりに危険な情報を要求されるようならば、この取引には乗れないのだ。
それで吾郎に何が欲しいのか聞いてみたわけですが、
それに対して吾郎は「・・・ザンギャック艦隊の旗艦、ギガントホースの正確な位置だ」と回答しました。

バスコはニヤリと笑います。これ以上無い危険な情報です。
こんな重大な情報を「大いなる力」欲しさに売ったなどと知れたら、
自分はザンギャックと決定的な対立関係に陥りかねない。
その危険を楽しむかのようにバスコはニヤリと笑いながら、さてどうするかと思案するのでした。

しかし、ここでの吾郎の発言は非常に問題です。
この発言を聞くと、つまり吾郎の言っていた作戦というのは、
バスコが「大いなる力」を集めつつある状況を把握した上で
オーレンジャーの大いなる力を取引材料として使えると判断して、
バスコと取引をしてザンギャック艦隊の旗艦の位置情報を仕入れて、
ザンギャック侵略軍への反撃を仕掛けようというものだということになります。

オーレンジャーの大いなる力をどのように使おうとも、
それはオーレンジャーの隊長である吾郎の自由なので、それはまぁいいでしょう。
本来はスーパー戦隊の戦士としては「大いなる力」をバスコなどに渡すのは間違っているのでしょうが、
それでも吾郎はレジェンド戦士であると同時に、
現在でも地球を防衛する義務を負う国際空軍の高級軍人です。
自分の手で地球を守るために戦わなければならない。
だから自分が使うことが出来ない「大いなる力」を取引材料にして、
自分の手でザンギャック艦隊を倒すために有効な情報を手に入れることが出来るのならば、
その取引に積極的になるのは無理もないと言えます。
つまり、この吾郎の作戦は、オーレンジャーとしての作戦ではなく、
あくまで国際空軍司令官としての作戦ということであるように見えます。

しかし、問題は、そうなると桃がゴーカイジャーに大いなる力を託すと言っているのが
ウソだということになってしまうということです。
どうしてそんな二枚舌のようなことをする必要があるのか?
考えられるのは、ゴーカイジャーがオーレンジャーの大いなる力を手に入れようとして動き回って、
このバスコとの吾郎の取引を邪魔しないようにしているということです。

本当に「大いなる力」を持っているのは吾郎の方であり、
マーベラス達がこのまま「大いなる力」探しを続けると吾郎のもとに辿り着いてしまって
バスコとの取引を邪魔してしまうかもしれない。
それを阻止するために桃が「大いなる力」を持っているフリをしてマーベラス達の前に現れ、
「大いなる力」を託すというウソをついて、
マーベラス達の「大いなる力」探しを中断させて吾郎に近づけないように足止めする。
それが桃の真の狙いであり、
そうした桃によるゴーカイジャーの足止めをしつつバスコと取引することが
吾郎の作戦の全貌であるようにも思えてきます。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 23:53 | Comment(1) | 第31話「衝撃!!秘密作戦」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月15日

第31話「衝撃!!秘密作戦」感想その3

バスコに対してオーレンジャーの大いなる力を引き渡す代わりにギガントホースの正確な位置情報を教えるよう
要求した国際空軍司令官の星野吾郎(元オーレッド)ですが、
そのほぼ同時刻に吾郎の部下の国際空軍防衛事務次官の丸尾桃(元オーピンク)はマーベラス一味と接触して、
ゴーカイジャーにオーレンジャーの大いなる力を託すと伝えました。
吾郎の行動は冷徹な軍司令官として理にかなっているように見え、
片や桃の方はありえないような都合の良いタイミングでマーベラス達と偶然会えたように装ったり、
普段と違う妙なハイテンションといい、明らかに怪しい行動です。

ただ、それは視聴者目線でそう見えるだけのことで、
マーベラス一味の面々は吾郎の方の行動は把握していないし、桃の普段の性格も知りませんし、
桃の行動が吾郎と連動した何らかの作戦の一環であることも知りませんから、
桃がゴーカイジャーに「大いなる力」を渡そうとして
普段からああいうサンドイッチマンのようなアピール活動を定期的に行っていたのであり、
そこに今回自分達がバッタリ出くわしたのだと思い込みました。
ナビィのお宝ナビゲートはその出会いの時が迫っているということを示すものであり、
桃の制服の袖の「U.A.O.H.」という国際空軍超力戦隊の略号をナビィが「うあお〜」と
読み間違えてしまったのだと解釈しました。

そういうわけでマーベラス達は桃の言うことを信じて、
桃がオーレンジャーの大いなる力を自分達に譲ってくれるつもりだと知り、喜びました。
ただ、その「大いなる力」をどうやって託してもらえばいいのか、マーベラス達には分かりません。
今まではいつも、何時の間にかレンジャーキーに大いなる力が宿っていたことに後で気付くパターンばかりで、
大いなる力が移動する瞬間というものは見たことがないのです。
だからマーベラス達はこういう場合どうしたらいいのか分かりません。

桃は自分で託すと言っているぐらいだから、その方法を当然知っているのでしょう。
だからマーベラス達は桃にリードしてもらうしかなく、桃の指示を待つ形になるのですが、
その桃が「大いなる力」を託すと言った後、すぐに具体的な指示を出してくれず、
まずは目印に着ていた青い隊員服からカーキ色の軍服に着替えて、何も言わずスタスタと歩き出します。
妙にのんびりしているクセにチラチラと腕時計を見たりして、
どうにも集中力の散漫な様子の桃の態度に苛立ったマーベラスは
「で?・・・大いなる力は?・・・早くしろ!」と急かそうとしますが、鎧が慌てて止めます。
鎧は、せっかく「大いなる力」を託すために自分達のことを探し回ってくれていたレジェンド戦士の先輩に
失礼な態度はマズいと思ったのですが、
マーベラスは最初から桃の変に媚びたような大袈裟な態度が、
人を喰ったような感じでどうにもいけすかないのです。

しかしスタスタと先頭を歩きながら、桃はマーベラスが焦って急かしてくるのに対して
「もう!せっかちだなぁ!確かにあげるとは言ったけど、タダでっていうのも話がうますぎるでしょ?」と、
何やらややこしいことを言い出します。
さっきは「大いなる力」を託すとハッキリ言ったはずなのに、
いきなり交換条件付きに話をすり替えようとしているように見えます。
ジョーはムッとして「どういうことだ?」と問い返す。
すると桃は6人の方に笑顔で振り返り、「すこ〜し、お姉さんに付き合って!」と
ニヤニヤと悪戯っぽい微笑みを浮かべるのでした。

まず桃はショッピングに出かけ、楽しそうに大量に服を買い、マーベラスとジョーに荷物持ちをさせます。
確かに桃は「オーレンジャー」本編でもオシャレ大好きキャラでしたので、
この服の大人買い描写はいかにも桃らしいが、
まるで女王が使用人を使うようなマーベラス達に対するワガママな態度は、桃の本来のキャラとは違う感じです。
不満顔のマーベラスとジョーですが、「大いなる力」を貰うためには桃の機嫌を損ねるわけにもいかず、
仕方なく持ちきれないほどの荷物を抱えてついて回ります。

更に一行はガレオンに戻りますが、桃は船室で寝そべって今度はルカとアイムにマッサージをさせます。
やはり、身体に触れる作業ということで女性陣の役目というわけのようですが、
当然ルカは「なんであたし達が・・・」と不満顔。
アイムは「仕方ありません・・・大いなる力のためですから」とあくまで真面目ですが、もちろん内心は不満です。
桃が「大いなる力」を譲る立場をかさに着てやりたい放題をしているように見えるからです。

確かにこのワガママぶりは行き過ぎというもので、
これでは丸尾桃というより、さとう珠緒の素の顔でバラエティー番組のコントを演じているように見えます。
ただ、寝そべっていい気になってマッサージを受けているように見えて、
桃はまたチラリとさりげなく腕時計を見ており、
どうもダラダラと時間を過ごしているクセに時刻は妙に気にしているようです。

そしてマッサージの後は、桃はハカセに作らせた豪華な食事を楽しみます。
高級レストランのようにシェフのハカセがテーブルの横に直立不動で控え、
更にテーブルの脇では鎧が給仕役としてワインを注いだりしています。
2人がこの女王様のような桃の振る舞いを許しているのも、ひとえに「大いなる力」を貰うためです。

「・・・どうでしょうか?」と料理の出来栄えを伺う鎧に対して
桃は「う〜ん・・・味は悪くなかったんだけどぉ・・・お姉さん、フグが食べたかったな!」と無茶なことを言います。
どう見ても出てきてる料理は洋食なので、そういうことは最初に言えよ!とツッコミたくなるところですが、
ここはハカセも鎧も我慢します。
ナビィは「フグですか〜・・・フグってなぁに?」と、相変わらず無知で可愛いです。

しかし、ここでさすがにハカセも不安になってきて、鎧のところにコソコソと移動して
「ねぇ・・・ホントにオーレンジャーなんだよね?」と小声で、しかし厳しい調子で鎧に確認します。
あまりに桃の態度は横柄で、今までこんなに態度の悪いレジェンド戦士は見たことがないので、
ハカセは何かおかしいと思い始めたようです。
もしかしたらこの女はオーレンジャーを騙る偽者であって、
単にゴーカイジャーにたかろうとしている詐欺師なのではないかとハカセは疑っているようです。

ただ、さっき身分証も見たし、間違いなくオーレンジャーの丸尾桃だと確信している鎧は
「はい・・・」と答えたものの、それでも不安そうに
「あ、いえ、でも・・・ちょっと、イメージが・・・」とモゴモゴ言います。
間違いなく本人であるはずなのに、それでもそれに100%の確信を持てない。
それほど、今、目の前にいる丸尾桃は戦隊ファンの間で言い伝えられているオーレンジャーや、
オーピンク丸尾桃のイメージとはギャップがありすぎるのです。

丸尾桃といえば、高潔で強い正義感を持つエリート軍人で、
聡明で純粋可憐な戦隊ヒロインの鑑のような人だったはずなのだが、
このちょっと天然ボケ気味のワガママで性格の悪そうなブリっ子の女が
その丸尾桃と同一人物とは、鎧にはにわかには信じられませんでした。

そして食事を平らげた桃が「ごちそうさま!」と言うと、鎧は皿を片付け始めますが、
そこで桃は「デザートに、みたらし団子、お願いします!」とニコニコして、
またとんでもないことを言い出します。
「ええ〜?」と鎧は慌てて、ハカセも厨房から飛んできて
「みたらし団子?そんなの用意してないよ!」と焦って、また大騒ぎになります。

だいたい、いつもガレオンの食事は洋食系ですから、
フグだのみたらし団子だの、和風の食材は特別のリクエストが無い限り、置いているはずはない。
無いのだから出しようがありません。
洋食のデザートにみたらし団子をリクエストする方がマナー違反なのであって、ここは桃が諦めるべきでしょう。
ところが桃はヘラヘラしながら「無いの?無いなら買ってきてもらおうかな?」と面白がって言います。
ここまでくると、もはや嫌がらせか、小姑のイジメのようです。

これにはさすがにルカもキレて「アンタ!いい加減に!」とテーブルを叩いて怒鳴り、
マーベラスもワガママ放題で一向に「大いなる力」を渡そうとしない桃への怒りが頂点に達して
「ああ!!さっさと大いなる力を・・・!!」と怒鳴って桃に迫ろうとします。
ところが「よせ!!」とジョーがマーベラスを制止し、
マーベラスの肩にポンと手を置いて「・・・いいから行くぞ・・・!」と言います。

ジョーはなんと桃の言いつけ通り、みたらし団子を買いに行くつもりのようです。
しかし状況的に、これ以上、桃のワガママを聞いたところで、
どうも桃は「大いなる力」を渡すつもりはないように見えます。
素直に「大いなる力」をゴーカイジャーに託すつもりならば、
こんなにワガママばかり言って嫌われてまで焦らす必要は無いのであって、
ここまで来ると、最初から「大いなる力」を渡すつもりなど無かったと見た方がいいような気がします。
だから、みたらし団子を買いに行っても仕方ないようにも思えるのですが、
ジョーはどういうわけか皆に強い調子で「全員来い・・・」と、みたらし団子の買い出しに行くよう迫ります。
しかも「お前もだ」とナビィまで連れて出て行ってしまいます。

ナビィまで買い出しに行くというのは極めて異例のことで、
だいたいみたらし団子を買うためにわざわざ全員で行く必要があるとも思えません。
何かジョーには考えがあるようです。
ともかくジョーの剣幕に引っ張られるように全員ゾロゾロと船室から出て行くのを、
桃は「早く買ってきてねぇ!」と陽気に手を振って見送りますが、
マーベラス一味の全員が出て行ってしまい、部屋に1人残ると、
再び腕時計を見て、心配そうな顔になります。

それから少し経った後の時刻、国際空軍の秘密本部の地下駐車場と思しき場所では、
例のカーキ色の高級軍人の正装に身を包んだ吾郎が大型のワゴンに乗り込み、
何処かに向けて出発しようとしていました。
この大型のワゴンは黒塗りのボディでボンネットには大きく「U.A.O.H.」という文字が塗装されており、
しかもナンバープレートは「U.A.O.H.-01」という特殊ナンバーで、国際空軍の特殊な公用車のようです。

そのナンバリングからして司令官用の公用車とみられるので、
司令官の吾郎が乗るのは当たり前のようにも見えますが、
普通はこういう車は専用の運転手がいるものだと思うので、
吾郎が1人で乗り込んで自分で運転しているのは、どうも妙です。
先ほどのバスコとの交渉シーンからの流れを考えると、
結局バスコと取引することが決定して、その取引場所に向かうように思えるのですが、
そんな重要な作戦ならば普通は護衛や部下を連れていくものです。
それが護衛はおろか、運転手すら無しで司令官が1人で行くというのは異様といえます。

さて、それから更に時間がいくらか経過して、
ゴーカイガレオンの船室の方では1人残された桃が落ち着きなく立ったりソファに座ったりして
マーベラス達の帰りを待っています。
マーベラス達はみたらし団子を買い出しに行ったまま、何故か戻ってきません。
デザートに団子を買うのだからもっと急いで買って戻ってこなければいけないはずなのだが、
やけに時間がかかっています。

それで腹を立てて痺れを切らせているのかと思いきや、
桃はそういう表情ではなく、何か非常に焦っているように見えて、しかも腕時計をチラチラと何度も見ています。
そんなに何度も腕時計を見ても、マーベラス達が遅れているという事実が変わるわけでもなく、
これはマーベラス達の帰りを待って焦っているのではなく、
何かの予定が狂うことを恐れて時計を見ているように見えます。
それに不可解なのは、ガレオンの船室にも時計ぐらいあるであろうというのに、
桃は終始一貫、自分の腕時計しか見ようとしていません。

そうして、またソファに座って桃が腕時計をチラリと見た時、
「そんなに時間が気になるのか?」と言って、いきなり船室の入り口にジョーが現れます。
驚いた桃は「べ・・・別にそんなことないわよ!」と何やら焦って否定しますが、
ジョーは船室の中に入って来て桃に近づきながら
「軍人が時間を気にする理由は1つだけ・・・スケジュール通りに作戦が進んでいるか否か・・・!」と指摘して
桃に迫ります。ジョーも元軍人なので軍人のやり方は分かるのです。

軍隊というのは広範囲で大勢の人間を機能的に動かしますから、
作戦に参加する全ての要員に時間のズレなく正確な連携を要求します。
そのため、作戦行動開始前に全員に支給された同規格の軍用時計の針を全員が合わせます。
そうして作戦参加者は全員が同じ時間の流れの中でスケジュール通りに動き、
いちいち細かい連絡が取合えない戦場においても正確に連携した作戦行動を継続することが出来るのです。

桃が部屋の時計には目もくれず、常に自分の腕時計をチラチラ見ていたことから、
ジョーは現在桃が作戦行動の最中であることを見破ったのでした。
桃はその指摘を受けると、歪んだ笑いを浮かべて
「・・・若いと思って甘く見てたけど、大したもんじゃない!」と言います。
その声色はマーベラス達と出会ってからさっきのワガママ三昧をやっていた頃までの
キャピキャピした甘ったるい猫撫で声ではなく、
ドスの効いたクールなエリート軍人の声に変わっています。

桃がジョーを褒めたのは、今の自分の落ち着きのない素振りを見て
作戦行動中であることを見破ったことによってではない。
そんなことを見破るのは当たり前のことだからです。
桃が感心したのはジョーがもっと早い段階から気付いていたことです。

マッサージ中や食事中にも桃が時々チラリとさりげなく腕時計を見ていたのを察知して、
ジョーは何か怪しいと思っており、
もし桃がスケジュール通りに進めている何らかの作戦を実行中なのであれば、
予定外の展開を作ってやれば焦ってボロを出すだろうと思い、
みたらし団子を全員で買いに行くフリをして全員姿を消して、
その後、桃を待ちぼうけさせていたのです。
そうして物陰に隠れて様子を窺っていると、
桃が時間が経つにつれて落ち着きを無くしてやたらと腕時計を見るようになったので、
ジョーは桃が何か作戦を実行中なのだと確信したのでした。

「いったい何を企んでいる?」と問い詰めるジョーの背後では、
入り口から船室にマーベラス達5人にナビィまで全員が入ってきます。
全員、買い出しになど最初から行っておらず、船室の外に隠れていたのでした。
桃はフッと溜息をついて、「バレたらしょうがないわね・・・」と言って立ち上がると、
「あたしの任務は、あなた達を探し出して足止めしておくこと・・・!」と正直に白状します。

やはり、桃の目的は吾郎のバスコとの取引の時間に合わせて
マーベラス一味を万が一にも吾郎に接触させないように足止めしておくことであったようです。
吾郎はギガントホースの位置情報と引き換えにバスコにオーレンジャーの大いなる力を引き渡そうとしており、
それを邪魔する者がいるとするならそれはバスコと「大いなる力」を奪い合っているマーベラス一味だけですから、
そのマーベラス一味を桃を使って足止めしておけば、取引を邪魔する者はおらず、
吾郎はギガントホースの位置情報を手に入れることが出来るのです。

それで桃は吾郎と同じ時刻に合わせた腕時計を頼りに、
吾郎がバスコとの取引を開始する時刻をチェックしながら、
その時刻まではマーベラス達を「大いなる力を渡す」という言葉で釣って自分に引きつけておこうとしていた。
もちろん「大いなる力」は吾郎がバスコに渡す予定なので、桃は「大いなる力」を持っておらず、
それがバレてはいけないので、ワガママ女を演じながら適当にはぐらかして
時間稼ぎをしていたのだと考えられます。

しかし、そもそも吾郎の方の動きを全く知らないマーベラス達は足止めと言われても何の話なのか分かりません。
桃の白状を聞いてマーベラスは「足止め・・・?」と首を傾げます。
ただ、もし仮にその話が本当だとしたら、
その「足止め」の必要性が既に無くなったということなのだろうということは、
マーベラスにも何となく分かりました。

というのも、桃も別にここでこんなに正直に白状しなくても、まだまだしらばっくれることは出来たはずなのです。
それがこんなにあっさり「足止めが任務」だと言ってしまうということは、
今から自分達が慌ててここを飛び出していったとしても、
その桃が自分達を行かせたくないと思っている場面にはもう間に合わない、
そういう時刻にもう既になっているということなのだとマーベラスは理解しました。

そのマーベラスの読み通り、その時にはもう既に、
とある廃倉庫の中に吾郎の運転していた黒塗りのワゴンは到着しており、
そのワゴンの前にはバスコとサリーが立っていました。
やはり吾郎が1人で出かけたのはバスコとの取引現場に行くためであったのです。
ということはバスコは、ギガントホースの位置情報を吾郎に教えるという、
ザンギャックへの裏切りに相当する重大な決断をしたということになります。

もともと薄情極まりない卑劣漢であり、かつてお宝欲しさに「赤き海賊団」も平気で裏切ったバスコですから、
「大いなる力」欲しさにザンギャックを裏切ることも平気なのでしょう。
ただ「赤き海賊団」と違ってザンギャックは強大ですから、裏切ったら報復が恐ろしそうです。
そういうリスクを負ってもなお手に入れるだけの価値が「大いなる力」、
ひいては「宇宙最大のお宝」には有るということなのでしょうか?

さて、そこで黒いワゴンから吾郎が降りてくるのですが、ここで何故か吾郎の衣装が変わっています。
確かさっきワゴンに乗り込む場面ではカーキ色の軍服の正装だったはずなのですが、
途中で着替えたのか、オーレンジャーの青い隊員服に変わっています。
さっき遊園地の場面で桃が着ていたのと同じやつの男性隊員用の服です。
こっちの方が正装よりも動きやすいから、
もしかしたら交渉現場で意見の違いで戦いに発展する可能性があると考えて、
それに備えて隊員服に着替えたのかもしれません。
まぁ用心深いのは軍人の特性ですから、これは確かに賢明な行動といえます。

目の前に車から降りた吾郎の姿を確認すると、バスコはニヤニヤ笑って
「あらら〜!本当に来るとはねぇ・・・」と言います。
「大いなる力」を引き渡すという申し出は受けたものの、
レジェンド戦士がそんなに簡単に「大いなる力」を手放すものだろうかとバスコは疑問に思い、
もしかしたら自分は騙されていて、取引現場に行っても吾郎本人は現れないで、
代わりに国際空軍の軍勢に待ち伏せでもされているのではないかと用心していたようです。
用心深いバスコならそのように用心するのは当たり前で、
ワゴンが倉庫に到着してから、辺りに国際空軍の部隊が潜んでいないか調べてから、
どうやら伏兵はいないということを確認して出てきたようです。

そうなると今度は、そんな無防備な場に司令官1人で姿を現すものだろうかとバスコは疑問に思ったようで、
窓ガラスも全部マジックミラーで内部が見えないワゴンの中に
本当に本物の吾郎がいるのか半信半疑であったようです。
しかし本物の吾郎が降りてきて、しかも1人であるようなので、
バスコもさすがに少々、その大胆さに驚いたようです。

吾郎はバスコの軽口は相手にせず「俺が望んだ情報は持ってきたか?」とさっそく本題を切り出します。
するとバスコも素直に応じて、吾郎に向かい合って立ったまま、
何やらスマートフォンのような情報端末を取出し、タッチパネルで操作して
ギガントホースの位置情報を示す座標軸のようなものを表示します。
どうやら本物の情報のようです。
むしろ、取引を持ちかけられてからこんな短時間の間にこれほど手の込んだ偽情報を精巧に作る方が難しい。

バスコは薄笑いを浮かべてその情報を吾郎に向けて見せつつ「これで分かるはずだよ!」と言うと、
続けて「で・・・アンタは?」と吾郎に問いかけます。
すると吾郎は「ああ・・・もちろん、大いなる力は俺の身体に宿ったままだ!」と言って自分の胸を軽く叩きます。
すると、吾郎の胸からオーレンジャーの紋章の形をした金色の光のようなものが一瞬、姿を現し、消えます。

これはいったいどういう原理なのか分かりません。
今まで登場した他のレジェンド戦士たちはこういうことが出来ていた者はいませんでした。
あの変身後の姿がオーバーラップする描写がこれに近いようにも思えますが、
あれは他の人に見えているのかどうかよく分かりません。
しかし、今の吾郎の胸から出たモノは、明らかにバスコに見せることを目的としており、
他の者に見えるような「大いなる力」の存在する徴のようなものを一瞬だけ自分の意思で出現させる
一種の特殊な技を吾郎は身につけているようです。

吾郎は超力という特殊能力で戦う戦士でしたが、
その超力はレジェンド大戦の時にレンジャーキーの中に封じられて
吾郎の身体からは失われている状態のはずですから、これは超力によって起こした現象ではありません。
これはおそらく武道の達人である吾郎が何らかの特殊訓練を積んで、
精神力によって体内の「大いなる力」を一瞬だけ具現化する技を編み出したものなのでしょう。

あまり実戦で役に立ちそうもない技ですが、
バスコとの取引の場では、話を早く進めるには役に立ちそうな技です。
つまり吾郎はわざわざバスコとの取引のためにこんな技を身に付けたようです。
それはつまり、バスコとこうした取引をするという構想が吾郎の頭の中では
かなり前から存在したということであり、
おそらくバスコが大いなる力を奪うという事件が最初に発生した時から
吾郎はその事態を把握して、そのバスコの野心を利用してギガントホースの位置情報を得る取引を
持ちかけようという構想を持つようになったのでしょう。
そのためにこんな技まで身に付けたのです。

そうして吾郎が自分の体内の「大いなる力」の存在を示したのを見てバスコは満足げに微笑みます。
確かに口先だけで「大いなる力がある」などと言われても、
前にアイムの化けた巽マツリの偽者に騙された例もあり、簡単には信用できない。
その点、こうして目に見える形で示してくれれば、
まさかこれで偽物ということもないであろうから、非常に分かりやすくて良い。
バスコの満足そうな顔を見て吾郎はあくまでクールに「さぁ、取引を始めようか・・・」と言います。

ここで場面は再びゴーカイガレオンの船室に戻り、
桃がどうしてマーベラス達を足止めしなければいけなかったのかについての説明が行われています。
それを桃は「オーレンジャーの星野吾郎隊長とバスコとの取引に邪魔が入らないようにするため」
だったと説明します。
あまりに意外な話にマーベラス達は「取引!?」と驚き、首を傾げます。
ナビィも「バスコと〜?」とビックリした様子です。
皆、あまりに突拍子も無い話なのでどうも話が見えないという様子です。
そのマーベラス達に向かって小さく頷くと、桃は6人から視線を逸らせて横を向いて
「オーレンジャーの大いなる力を渡すことを条件に、バスコと交渉の機会を設ける・・・
それが隊長の狙いなの・・・!」と、険しい顔で説明を続けます。

「大いなる力をバスコに渡す」というショッキングな作戦内容が告白され、
桃がさっき遊園地でゴーカイジャーに「大いなる力を渡す」と言っていたのは嘘だったということが判明したわけで、
マーベラス達はその裏切りに激怒すべき場面のように思えるのですが、
どういうわけかマーベラス達は意外なほど落ち着いて黙り込んでいます。
もともとさっきからの桃の態度を見ていて、
「大いなる力を渡す」と言っていたのは嘘だろうとは予想していたので、
今さら裏切られたという意識は無いのです。
そして、オーレンジャーが自分達を袖にしてバスコに「大いなる力」を渡すというのも、
マーベラス達にはやむを得ないことのようにも思えたのです。

マーベラス達はバスコとは「大いなる力」を奪い合って敵対している間柄ですが、
国際空軍のオーレンジャーはバスコとは敵対しているわけではありません。
いや、基本的にはオーレンジャーも「大いなる力」をバスコに奪われたくはないのでしょうけれど、
オーレンジャーが国際空軍の所属部隊である以上、その目的の第一は地球を守ることであり、
そういう意味では地球を侵略する目的でないバスコは重要な敵ではなく、
国際空軍にとって最大の敵はザンギャックであるはずです。

そして国際空軍から見れば、バスコもマーベラス一味も、
お宝目当てに地球にやって来た宇宙海賊という意味では同じようなものであるはずなのです。
ただ、マーベラス一味はザンギャックと敵対しており、バスコはザンギャックと同盟している。
ならば国際空軍としては敵の敵は味方ということで
マーベラス一味の方が親近感の湧く存在であるようにも思えますが、
対ザンギャックという面で考えるならば、むしろザンギャックの同盟者であるバスコを裏切らせて
味方につけた方が国際空軍としてはメリットは大きく、ザンギャックにはダメージは大きい。
そして、そのバスコがどうしても欲しい「大いなる力」を国際空軍はオーレンジャーの分は手にしており、
しかもそれは国際空軍自身は現状では使いこなすことは出来ないのです。
つまり、国際空軍とバスコは互いに欲しいものを持った者同士であるわけです。

つまり、星野吾郎が進めようとしている「取引」「交渉」というのは、
国際空軍がオーレンジャーの「大いなる力」をバスコに渡す代わりに、
バスコに対してザンギャックを裏切って国際空軍に内通するように要求するということなのだろうと、
マーベラス達は考えました。
その交渉があの曲者のバスコ相手にすんなり思い通りに運ぶかどうかはともかく、
地球をザンギャックの侵略から守らねばならない国際空軍がそのような取引を望んだとしても、
それは仕方ないことのようにマーベラス達には思えたのでした。

もちろんマーベラス一味にとってはバスコがオーレンジャーの大いなる力を手に入れてしまうなど
到底許せることではありませんが、
国際空軍から見ればバスコもマーベラス一味もただの宝探しのために地球に来た宇宙海賊という意味では
同じなのですから、国際空軍がマーベラス一味だけに親切にしてくれる謂れは無い。
地球を守るという国際空軍にとっての第一目的達成のためにどちらと手を組んだ方が得なのか
決めるのは国際空軍自身なのであり、
国際空軍がいつもマーベラス一味の味方をしてくれるなどと考えるのは甘すぎる。

皮肉なことにマーベラス達自身が最近は地球を守るために戦っていたりするので、
オーレンジャーの戦う力を失った国際空軍が地球を守るという使命を果たすために
手段を選んでいられないのだという事情は理解出来てしまう。
だから、今回は自分達が甘かっただけであり、まんまと騙されてしまっただけであるのに、
今さら恨み言を言うのは情けないと思い、マーベラス達は怒りを抑えて黙って俯いているのでした。

桃も騙していたことで決まりが悪いのか、マーベラス達から視線を逸らして険しい顔で俯きつつ話しています。
しかし、マーベラス一味6人の中で1人、鎧だけは地球人ですから、
自分が国際空軍によって「宝探しのために地球にやって来た宇宙海賊に過ぎない」と見られて
仕方ないなどとは到底思えません。
ましてや、スーパー戦隊への愛情が誰よりも強い男ですから、
こんな話を聞いて黙っていることは出来ませんでした。

「そんなのないですよ・・・」と怒りに震えた声で呟くと、
鎧は思わず桃に駆け寄ってその肩を乱暴に掴むと
「オーレッド・・・星野吾郎隊長といえば、たった一人でバラノイアに立ち向かったほどの勇者だったはず!」
と悲しげに大声で訴えます。
そして「そんな方が・・・バスコと取引だなんて・・・見損ないましたよ!」と、落胆したように嘆き、
桃から手を離して俯きます。

地球を守る使命感を誰よりも強く持ち、かつて地球を守りきった勇者ならば、
正義の戦隊の力の価値は誰よりも分かっているはず。
それなのに戦隊の力を悪用ばかりしているバスコのような男に
オーレンジャーの力を自ら渡して手を組もうとするとは、
いくらザンギャックに対抗するためとはいえ、鎧には絶対に許せなかったのでした。

桃はいきなり乱暴に肩を掴まれて驚いたように鎧を見つめ、何も言い返せません。
鎧の意見があまりに正論で言い返せないのかという風に見えましたが、
鎧が手を離すと、なんと驚いた顔で「そうじゃない!・・・違うの!」と逆に訴えかけてきます。
これには鎧だけでなく、全員が「ええ?」と驚きます。
ついさっき、吾郎はバスコと取引するのが狙いだと桃は言ったはず。
それなのに取引ではないと言う。
どういうことなのかマーベラス達には理解不能でした。

どうやら桃の説明はまだ途中であったようで、
鎧が怒りに任せて乱入して桃の話を途中で遮って、
桃の言おうとしていた内容とは見当違いの解釈をして喚いたため、
桃は驚いてしまっていただけのようです。それで桃は慌てて話の続きをします。

その廃倉庫の吾郎とバスコの取引現場に場面は変わりますが、
「まず、そのデータをこっちに・・・」と吾郎が手を伸ばして
バスコからギガントホースの位置情報の入った端末を受け取ろうとしたところ、
バスコは「悪いねぇ!元オーレッドのお兄さん!」とニヤリと笑うと、
手に持っていた端末を地面に落とします。
吾郎が驚いて落ちた端末を見ると、バスコはその端末を踏みつけて壊してしまいます。
これで位置情報は失われてしまいました。
この取引でバスコの提供するはずだったものはこれで無くなってしまったことになります。

愕然とする吾郎の顔を面白そうに眺めてバスコは
「こっちは最初から取引する気は無いんだよねぇ〜!」と言いつつ、
ラッパラッターを取り出して吾郎に向けて咥えます。
つまりバスコはもともとギガントホースの位置情報を吾郎に渡すつもりなど無く、
取引現場にやって来た吾郎からオーレンジャーの大いなる力を奪うためだけにここにやって来たのです。

位置情報を渡していたとしても、
どっちにしてもバスコがオーレンジャーの大いなる力を受けとる方法は
ラッパラッターで吸い取ることなのですから、
何も吾郎に渡さないまま問答無用で大いなる力を吸い出してしまえばいいとバスコは考えているようです。
バスコがザンギャックに忠誠心など有るわけがないので、
要するに位置情報を渡してしまって後でザンギャックから報復されることを恐れているのでしょう。
わざわざ踏み潰したということは、やはり端末に入っていた情報自体は本物であったようです。

しかし、これはどうもバスコらしいようでいて、バスコらしからぬ行動のようにも思えます。
かつてバスコは「何かを得るためには何かを捨てなければいけない」と嘯いて、
レンジャーキーを手に入れるために赤き海賊団の仲間を平気で裏切った男です。
あのポリシーが確固としたものであるのなら、
今回も大いなる力を手に入れるためにギガントホースの位置情報を売る程度のことは
平然とやるのがバスコという男の真骨頂というものでしょう。

それなのにそうはしなかったということは、
バスコはよほどザンギャックを恐れているか、
あるいは単に「大いなる力」の1つ程度でザンギャックと敵対出来ないという事情があるのか?
では、「大いなる力」を集めきった後に手に入る「宇宙最大のお宝」のためならば、
ザンギャックを裏切ることは平気なのか?
そのあたり、どういう事情があるのかは分かりませんが、
どうもバスコが自分のポリシーを曲げなければいけないほど、何か焦っているようにも見えます。
それに、「何かを得るためには何かを捨てなければいけない」という取引を
マーベラスに持ちかけて何度も敗退しているバスコが、
自分のポリシーの度重なる敗北に苛立ちを募らせて何か心境の変化が生じているのかもしれません。

一方で吾郎の方は、確かにこんな場所に1人でやって来てバスコと対峙すれば、
バスコの胸先三寸で自由に取引をやめて裏切ることは出来るわけで、
一方的に大いなる力を奪われてしまう危険性は高い。
こんな場所に1人でノコノコやって来る吾郎が迂闊なのであって、
バスコは吾郎が1人で来ているようだと確かめてから、最初から裏切るつもりで
内心、吾郎のことを嘲笑いながらこの場に現れたのだとも言えます。

これではバスコの方の心境の変化や焦りなどとは関係なく、
バスコが何も自分の方は手放す必要なく労せずに大いなる力だけ奪い取ろうとしても仕方ないようにも見えます。
要するにもともと取引の体をなしていないのです。
だからバスコは最初から取引のつもりなどなかった。

これでラッパラッターを向けられてしまった吾郎は絶体絶命となったわけですが、
バスコが取引を取りやめてラッパラッターを取り出した瞬間、
逆に急に落ち着き払って「奇遇だなぁ!実はこっちも・・・」と言うと
手の中に握っていた小さな装置のスイッチを押します。
するとバスコの足元の地面が急に爆発して、一瞬でバスコとサリーは爆炎に包まれてしまいます。

場面は再びガレオンの船室での桃の説明の続きのシーンに移り、
「取引は単なる口実・・・隊長は1人でバスコと対決に行ったの!・・・
他のスーパー戦隊が奪われた、大いなる力を取り戻すために!」と桃は悲痛な表情で
マーベラス達に説明します。

つまり、吾郎は最初から取引をするつもりなど無く、
バスコがギガントホースの位置情報を渡すつもりがないことも分かっていたのです。
最初から取引の体をなしていないのは当たり前です。
取引を持ちかけた吾郎がそもそも取引をしようなどと思っていないのですから。
自分が位置情報に釣られて1人でノコノコと出向けば、
バスコは喜んで大いなる力を奪うために自分の目の前に姿を現すだろうと予想して、
バスコを誘い出して罠にかけるのが吾郎の真の狙いであったわけです。
この不自然さにバスコは気付くべきであったのに、
大いなる力に目が眩んでノコノコと誘い出されてしまったのはバスコの方であったのです。
見事に騙したと思っていたバスコが逆に騙されて誘い出されていたわけであり、
相手の裏の裏をかく吾郎の見事な作戦といえます。

しかし、それならば桃はもっと誇らしげに説明してもよさそうなものです。
それなのにこんなに悲しげな表情をしているのは、
この作戦が成功確率が低い非常に危険な作戦だと承知しているからです。

何せ相手は既にスーパー戦隊の大いなる力を複数個奪っているバスコです。
変身能力を失ったとはいっても元レジェンド戦士たちは並の人間ではない。
かなりの精鋭のはずなのです。
それがいとも簡単にバスコに大いなる力を奪われているのですから、バスコはやはり手強い敵なのです。
そのバスコは用心深く、吾郎が1人で出向かない限り、姿を現さないはずです。
だから、どうしても吾郎がバスコと1対1で対決する危険な作戦となります。
おそらく桃は当初は反対したのでしょう。
いや、桃だけではなく国際空軍の司令官が1人でそんな危険を冒すなど、軍内の誰もが反対するのが常識です。

そう考えると、どうして吾郎が司令官でありながら運転手も伴わずにカーキ色の軍服で
自分で車を運転して出かけて、途中でオーレンジャーの隊服に着替えたのか、理由が分かってきます。
つまり、この作戦は国際空軍の正式の作戦ではなく、
吾郎と桃の2人しか知らないオーレンジャーとしての作戦なのです。
国際空軍でこんな作戦を提案しても皆に反対されることは明らかなので、
吾郎は個人的に秘密作戦を立てて、桃を無理に仲間に引き込んで実行したのです。

だから吾郎は普段通りのカーキ色の軍服で、ちょっとした私用で出かけるかのように装って
自分で車を運転して基地を出て、途中でオーレンジャーの隊服に着替えたのです。
隊服に着替えたのは動きやすいからという理由もありましたが、
これはあくまで軍司令官としてではなく、
34のスーパー戦隊の1つであるオーレンジャー隊長の星野吾郎として、
奪われた他の戦隊の「大いなる力」を奪還するために臨む作戦なのだという心構えの
切り替えという意味合いもあったのでしょう。

桃はもちろん当初はこんな危険な作戦は反対したのですが、
奪われたスーパー戦隊の大いなる力を何としても自分達スーパー戦隊の手で奪還しなければならないという
吾郎の熱意に押し切られて協力せざるを得なくなったようです。
それで桃は作戦通りに吾郎がバスコと接触する邪魔とならないように
マーベラス達の足止めの時間稼ぎをしながらも、
どうしても吾郎が心配で動揺してしまい、
普段なら簡単に心の隙をジョーに見破られることもないのでしょうけれど、
必要以上に腕時計を見てしまったりして、今回は心の動揺を見破られてしまったのでした。

そしてマーベラス達に問い詰められて作戦の内容を説明する段になっても、
吾郎のことが心配で悲痛な面持ちになってしまい、説明もなかなか円滑に出来ていなかったのでした。
それほど、バスコは油断ならない敵だと桃は思っていました。
いや、吾郎もそれは承知の上で出向いているのです。

そしてマーベラス達もバスコがそんな簡単にやられるような相手ではないことは分かっています。
だから、取引ではなく、バスコと対決するために
変身して戦うことが出来ない星野吾郎が単身で出向いたというのなら、
それは極めて危険な行為だと思い、驚きました。
というより、桃の態度を見れば、その危険を吾郎も桃も十分承知の上でこの作戦を実行していることは分かり、
その覚悟のほどにマーベラス達は驚いたといえます。
覚悟というより、あまりに無茶でした。
「大いなる力」が既にいくらかバスコに奪われているという事実にも非常に驚きましたが、
それ以上に、国際空軍の司令官の星野吾郎が、
他のスーパー戦隊の大いなる力を取り戻すためにそんな無茶をするというのが大変な驚きであったのです。

マーベラス達も最近は宝探しのためだけでなく、地球の人々を守るために戦ったり、
ザンギャックによる悲劇を断ち切るためにザンギャック打倒まで考えたりしており、
ずいぶんと戦いにおける姿勢は変わってきました。
なんだか最近は自分達は以前のような海賊っぽくないようにも思えたりして、
それも別に悪くないとまで思うようになっていましたが、
それでも「大いなる力」を見る目は、相変わらず「宇宙最大のお宝」を手に入れるための
アイテムのようなものでしかありませんでした。
いや、「大いなる力」が元来マーベラス達の持ち物でない以上、
そのような見方しか出来ないのは仕方ないことでした。

だいいち「大いなる力」というものは現在ではその持ち主であるレジェンド戦士たち自身は
使いこなせない状態にあるということですから、
マーベラス達にしてみれば、それならばレジェンド戦士たちが持っているよりも、
自分達が集めて「宇宙最大のお宝」を見つけるアイテムとして使う方がよほど有効な使い方だと思っていました。
その上、自分達ならば、ついでにそれら「大いなる力」を戦いの場でも有効利用して
ザンギャックの侵略を食い止めたり出来るのだから、

「大いなる力」は絶対にレジェンド戦士たちが持っているよりも
自分達が持っている方が得策だと思っていました。

しかし、マーベラス達はこうして吾郎や桃の覚悟を見せつけられると、
レジェンド戦士たちにとっての「大いなる力」の価値というものは、
自分達の想像を超えているのだと思い知らされ、
それがマーベラス達の心に重くのしかかるのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 15:05 | Comment(0) | 第31話「衝撃!!秘密作戦」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月16日

第31話「衝撃!!秘密作戦」感想その4

廃倉庫で取引に偽装してバスコを罠にかけて、あらかじめ仕掛けてあった爆弾でバスコを吹き飛ばした吾郎は
ダメージを受けたであろうバスコから他のスーパー戦隊の大いなる力を奪還するため、爆破場所に近づきます。
この廃倉庫を取引場所に指定したのは吾郎であるようで、
吾郎はあらかじめ車を止める場所を決めておき、その前にバスコが立つであろうことを予想し、
その地点に爆弾を仕掛けていたのです。

ところが爆破地点に吾郎が近づくと、「残念でしたぁ!」というバスコの元気な声がする。
吾郎が驚いて右、左と見て、そして上を見ると、
爆破地点の真上の天井の鉄骨にバスコとサリーがぶら下がっています。
爆発の瞬間、咄嗟に跳び上がって難を逃れたようです。

バスコは「大いなる力をエサに俺を誘い出して倒そうなんて・・・!」と楽しそうに言うと、地上に飛び降り、
たじろぐ吾郎に向かって「・・・なかなかやるじゃない!」と褒めます。
さすがにちょっと危ないところだったようです。
しかし、これでもう仕掛けは使ってしまいました。
さっきのような不意打ちは無しの真っ向勝負で仕切り直しとなりますが、そうなると今度は吾郎の不利となります。
バスコと吾郎の生身での一騎打ちならばまだどうなるか分かりませんが、
バスコ側には生身の人間にはかなり荷が重い、運動能力の高い宇宙猿のサリーがいるからです。

案の定、バスコは地上から天井に向かって「サリー!」と合図を送り、
サリーは飛び下りてきて吾郎に襲い掛かります。
変身出来ればなんてことはない相手なのですが、今は変身出来ない身ですから吾郎は苦しい戦いとなります。
それでも吾郎は格闘技の達人ですから、
「オーレンジャー」当時の懐かしの「うわったぁ!」という掛け声なんかも再現して、それなりに善戦しますが、
やはり根本的に身体能力が違うので、押され気味となっていきます。

ここで場面はまた同時刻のゴーカイガレオンの船室で、
桃がマーベラス達に今回の秘密作戦について説明をしているところに移ります。
今まさに廃倉庫では仕掛けが不発に終わって吾郎が苦しい戦いを強いられているのですが、
それを強く危惧していた吾郎と桃は、もちろんその最悪の場合も想定していました。
そのことについいて桃がマーベラス達に説明します。
「作戦が失敗したら、隊長は大いなる力を奪われてしまう・・・
万一そうなった時は、奪われる前に、あなた達に大いなる力を託す・・・それがあたしの本当の任務よ」と
桃は、遂にこの作戦の真実を打ち明けたのでした。

強敵バスコ相手に吾郎1人が生身で立ち向かっても勝ち目は無い。
そこであらかじめ卑怯な仕掛けなどをして、それでも何とか勝率は五分五分というところ。
どうしても失敗の可能性も高い。
作戦の失敗となると、バスコに既に奪われたスーパー戦隊の大いなる力は奪い返せない。
これはまぁ仕方ないでしょう。
しかし、作戦が失敗して吾郎がバスコに倒されてしまうと、
オーレンジャーの大いなる力までも奪われてしまいます。
これは「ミイラ取りがミイラになる」というやつで、最悪の結果ということになります。
作戦失敗の場合でもこの最悪の結果だけは避けたい。
そこで吾郎と桃は「大いなる力」の特性を利用した作戦を立てたのです。

「大いなる力」というやつは、例えばオーレンジャーの「大いなる力」は
吾郎とか桃とかの誰か特定の1人が持っているわけではないみたいなのです。
戦隊メンバー全員に所有権はあり、実際に全員が体内に所有しているのです。
但し、メンバーのうちの誰かが体内の大いなる力を他の誰かに渡した場合、
他のメンバーの体内の大いなる力も同時に、その誰かに自動的に渡されることになるようです。
だから吾郎がバスコに「大いなる力」を奪われる前に、
桃がゴーカイジャーに「大いなる力」を渡してしまえば、
バスコは吾郎の身体から「大いなる力」を奪うことは出来ないのです。

だから桃はゴーカイジャーの傍にいるのです。
桃の任務はゴーカイジャーを足止めしておくことであると同時に、
最悪の場合に吾郎が「大いなる力」を奪われる前にゴーカイジャーに「大いなる力」を渡すことであったのです。
確かに、足止めといっても、今日のうちにマーベラス達が吾郎の居場所に行きつく可能性は
本当に万が一ぐらいの確率であったのだから、
作戦の邪魔をさせないための足止めならば、ほとんど必要は無かったはずです。
桃の任務は結局のところ、「大いなる力」をゴーカイジャーに渡す場合に備えて、
吾郎とバスコの対決している場所から離れた安全な場所にゴーカイジャーを足止めしておいて、
そこにゴーカイジャーと共に居ることだったのです。
だから桃はさっき、作戦開始後の時刻になってもマーベラス達がみたらし団子の買い出しから戻らないので
異常に焦っていたのです。

しかし、この桃がゴーカイジャーに「大いなる力」を渡すタイミングは非常に微妙です。
本当は「オーレンジャーの大いなる力を奪わないようにする」ということだけ考えるならば、
桃がゴーカイジャーに「大いなる力」を渡すタイミングは早ければ早いほうがいい。
遊園地で会った瞬間に渡してもいいぐらいです。

しかし、オーレンジャーの大いなる力の安全のことばかり考えるのなら、
そもそもこんな作戦などやらなければいいのであって、
この作戦の場合、他の戦隊の大いなる力を奪還するためには
オーレンジャーの大いなる力はある程度危険に晒すのは想定内といえます。

バスコを完全に安心させて油断させるためには、
吾郎が先ほどやったように「大いなる力」が吾郎の体内にあるのを示さないといけない。
それがあの体内の大いなる力を一瞬具現化させる妙な技なのですが、
吾郎がバスコに向けてあの技を見せる時刻もあらかじめ吾郎と桃の間で打ち合わせはしていたでしょう。

ならば、その直後に桃がゴーカイジャーに「大いなる力」を渡してしまえばいいようにも思いますが、
それでは、いいところまでバスコを追い詰めながら逃がしてしまった場合には困ったことになります。
あくまで吾郎は他の戦隊の大いなる力を自分の手で奪還することに拘っているのですから、
もし今回の作戦が「バスコの逃亡」という形で失敗した場合、
再度バスコをおびき出すためには吾郎は体内に「大いなる力」を持ったままでなければいけないのです。
だから慌てて桃がゴーカイジャーに「大いなる力」を渡してしまってはいけないのです。
桃がゴーカイジャーに「大いなる力」を渡してもいいのは、
吾郎がバスコに「大いなる力」を奪われそうになっている絶体絶命のタイミングの時だけなのです。

しかし、遠く離れた場所で1人でバスコと戦っている吾郎の状況を桃がリアルタイムで知ることは出来ない。
そこで吾郎と桃は、吾郎がバスコに向かって自分の体内に「大いなる力」の有ることを示した後、
一定の猶予時間を設けることにしました。
吾郎の計画通りに事態が運べば、その時間内にはバスコを倒すことに成功するか、
あるいはバスコに逃げられたかのどちらかの結果は出るはずという猶予時間です。
そして、もし吾郎の計画が失敗してバスコに主導権を握られたとしても、
その猶予時間の分ぐらいは吾郎はなんとか「大いなる力」を奪われずに持ちこたえることが出来るか、
あるいはその場を脱出して桃に連絡をすることは出来る、そういうぐらいの猶予時間でもあります。

だから、そのあらかじめあらゆる事態を想定して決定した猶予時間が経過する前に、
吾郎から「作戦は成功して大いなる力の奪還に成功した」「バスコに逃げられて作戦は失敗した」
「作戦は失敗したが吾郎は危機を脱した」のいずれかの連絡が入れば、
桃はゴーカイジャーに「大いなる力」を渡す必要は無い。
逆にその猶予時間が経過しても吾郎から連絡が入らない場合は、
吾郎はバスコに追い詰められて「大いなる力」を奪われる寸前と考えればよく、
その場合は一刻も早く桃はゴーカイジャーに「大いなる力」を渡すのです。

作戦の成否の連絡が入っていない現在、
桃がまだゴーカイジャーに「大いなる力」を渡そうとしていないということは、
その決められた猶予時間がまだ経過していないということです。
しかし、その猶予時間は間もなくやってくるのでしょう。
だからこそ、桃は作戦の全貌をマーベラス達に語ったのです。

ジョーも元軍人ですから、桃の説明を聞いて、現状を鑑みて、
だいたい作戦のそうした仕組みは即座に理解しました。
そして、それがあまりにもギリギリの緻密なスケジュールに沿った危なっかしい作戦であることに呆れました。
いや、ある意味、極限状況に対応した見事な作戦なのですが、最初からリスクが大きすぎる作戦なのです。
もっと安全策をとればよさそうなものなのに、
どうしてもバスコに奪われた他の戦隊の大いなる力を吾郎自身の手で奪い返したいという
執拗なまでの拘りがあるせいで、安全策というものが最初から放棄されているのです。

「どうしてそこまでするんだ・・・?」とジョーは腕組みして、理解できないという風情で下を向いて呟きます。
自分の身だけでなく、自分の戦隊の「大いなる力」までも危険に晒してまで、
そうまでして奪い返さねばならないほど、他のスーパー戦隊の「大いなる力」は
そこまで星野吾郎にとっては大事なものなのか?
持っていたところで使うことも出来ないのに、いったいそこまで拘るのはどうしてなのか?
ジョーには理解不能でしたが、
とにかくレジェンド戦士たちが「大いなる力」というもの全般を自分自身以上に大切にしており、
それが彼らの何らかの精神的な拠り所になっており、
それゆえ「大いなる力」というものが強大なパワーを発揮するのだろうということは何となく分かりました。

しかし、一番分からないのは、そこまで吾郎にとって大切な「大いなる力」を賭けたギリギリの作戦において
最後の最後の最悪の場合に「大いなる力」を託す相手が自分達ゴーカイジャーであるということでした。
どうして自分達なのだろうかとジョーは不思議でした。
自分達はレジェンド戦士たちが大切にするほどには「大いなる力」を大切には思っていない。
単に「宇宙最大のお宝」を見つけるための道具として「大いなる力」を見ている、
お宝目当ての宇宙海賊に過ぎない。
そんな自分達が「大いなる力」に命までも賭ける吾郎から「大いなる力」を託される資格があるのか?
そこまでのレジェンド戦士たちの想いを自分達は受け止められるのか?
どうしてそんな重いものを吾郎や桃は自分達に負わせようとするのか?
ジョーは苛立って「・・・俺たちは海賊だぞ!?」と声を荒げました。

それに対して桃は「そう名乗ってるだけなんでしょ?」と強い口調で確認するように問いかける。
そして「・・・だから隊長はあなた達を信じ、危険な作戦を立てた・・・!」と自分に言い聞かせるように言います。
吾郎はゴーカイジャーが海賊という汚名は着せられているものの、
本当は地球を守る正義の戦隊の資格を持った連中だと信じている。
だから吾郎はゴーカイジャーに「大いなる力」を託してもいいと思い、
最悪の場合はゴーカイジャーに「大いなる力」を託すことを前提に、
これほど危険な作戦を立てることが出来たのだと桃は言うのです。
つまり、ゴーカイジャーを最後の砦としてこれほど危険な作戦を立てていることこそが
吾郎のゴーカイジャーに対する信頼の証なのだというのが桃の理屈です。

ところが、ここで桃は悲しげな顔を背けて「でも・・・でも、あたしは・・・」と何か、
吾郎と自分は意見が違うというようなことを言いかけます。
すると、そこに桃の腕時計のアラームが短く鳴ります。
その音を聞いて、桃はハッとした表情で腕時計を見て時刻を確認すると、悔しそうに小さく肩を落とし、
悲しげな表情をマーベラス達の方に向けると、
毅然とした口調で「・・・時間よ・・・連絡が無いということは、作戦が失敗に終わったということ・・・!」と言います。

どうやら、あらかじめ決めていた猶予時間が過ぎたようです。
つまり吾郎の作戦は失敗し、今は「大いなる力」をバスコに奪われる寸前という状況だと考えた方がいい。
となれば、吾郎にあらかじめ指示されていた通り、
一刻も早く桃は「大いなる力」をマーベラス達に渡さねばならない。

桃はすぐに自分の胸に手を軽く当て精神を集中させて、胸から金色のオーレンジャーの紋章を出現させ、
「あなた達に・・・大いなる力を・・・託します・・・!」と言います。
これは吾郎がさっきバスコに見せた技と同じで、
どうやら吾郎と桃は一緒に訓練をして「大いなる力」を具現化させる技を身につけているようです。
そして、この技はどうやら、単に「大いなる力」を一瞬具現化させるだけではなく、
そのまま他人に渡すことも出来るようです。

そして、こうして桃の身体から「大いなる力」が出現したということは、
とりあえず今この瞬間はまだ吾郎はバスコに「大いなる力」を奪われていないということですが、
次の瞬間には奪われてしまうかもしれない。そうなったらもう手遅れです。
だから一刻も早くこの「大いなる力」をマーベラス達のうちの誰かに渡してしまわないといけないのです。

その時、マーベラスがつかつかと桃に歩み寄ります。
桃は船長のマーベラスが代表して「大いなる力」を受け取りに来てくれたと思い、
それに呼応するように自分の胸に出現した「大いなる力」を光の玉のように凝縮させて腕に移動させ、
その腕をマーベラスに向けて差し出します。
そして桃の差し出した腕の先、握った拳に「大いなる力」が光り輝き、
その拳に向かってマーベラスが手を伸ばし、「大いなる力」を受け取ろうとしたかのように見えた。

しかし、マーベラスは「大いなる力」を受け取らず、桃の拳をパシッと叩いて払いのけて、
その衝撃で拳に宿っていた「大いなる力」は消えてしまいました。
正確には消えたわけではなく、具現化状態が解消されて、再び桃の身体の内部に戻ってしまったようです。
てっきりマーベラスが「大いなる力」を受け取ってくれるのだと思い込んでいた桃は驚いてマーベラスの顔を見ます。
するとマーベラスは憮然とした顔で「悪いが、あんたから貰う気はしねぇ・・・」と言います。

桃はマーベラスの意外な言葉に目を丸くします。
マーベラス一味は、特に船長のマーベラスは、「宇宙最大のお宝」を見つけるために
「大いなる力」が欲しくて欲しくてたまらないはず。
現にさっきも早く大いなる力を寄越せとさんざん急かして苛立っていました。
だから差し出された「大いなる力」を喜んで受け取ってくれるはずだと思っていたのに、
貰う気がしないと言うのだから、これは桃には予想外でした。

その桃に向かってマーベラスはギラギラした目で見つめながら
「俺たちは海賊だ!・・・欲しいものはこの手で掴み取る!!」と宣言し、自分の拳を強く握りしめ、
仲間たちもそれに同意するように桃を熱いまなざしで見つめるのでした。

マーベラスはジョーが「俺たちは海賊だぞ」と言ったのに対して
桃が「そう名乗ってるだけでしょ」と返した言葉が心に突き刺さったのでした。
自分達は何時の間にか海賊と名乗っているだけの、
海賊とは名ばかりの存在になっていたのではないかと思えたのでした。
最近、マーベラス達は地球を守るために戦ったり、正義のようなもののために戦ったりするようになりました。
そのこと自体は良いことなのですが、それによって自分達の根本を見失っていたのではないか、
少なくとも、レジェンド戦士たちから見てそのように見えているのかと、今回思わされたのでした。

マーベラスも桃から聞かされた吾郎の今回の作戦内容から、
レジェンド戦士たちの「大いなる力」に対する想いが極めて重く大きなものであることは痛感しました。
そして、まるで最後の切り札のような扱いのように見えて、
この作戦における自分達の扱いが実は軽いものであることも感じました。

つまり今回の作戦で基本的に吾郎はオーレンジャーの大いなる力をマーベラス達に譲るつもりではないのです。
作戦が上手くいったり、今後も作戦が継続する可能性が残る形の決着となった場合などは、
オーレンジャーの大いなる力は吾郎たちが持ち続け、
吾郎がバスコに大いなる力を奪われそうになるという最悪の展開になった時だけ
桃がマーベラス達に大いなる力を譲る手筈なのです。
だからマーベラス達はレジェンド戦士の執念の作戦が大失敗に終わった場合の最後の保険のような扱いで、
この作戦の主役ではなく脇役なのです。
もし仮に作戦が成功していたら、桃は騙していた非礼を詫びて帰るだけであったのでしょう。

その桃や吾郎の行為の道義性はここでは問題ではなく、
マーベラスが気になったのは、そんな怪しげな作戦に手駒として利用されていただけであったのに、
自分達は喜んで大いなる力を貰おうとしていたことです。
いや、そんな作戦内容だとは最初はもちろん知らなかったが、
それでも最初からなんとなく胡散臭さは感じていた。
それなのに、くれると言っているのだから貰おうという程度の意識で桃のご機嫌を取ろうとしていた。

もちろん桃にも吾郎にもマーベラス達に対して悪意は無い。
スーパー戦隊の後を継いで地球を守ってくれる後輩として認めています。
そして、そう言われてマーベラスも悪い気はしない。
実際、地球を守るために戦ってもいるのだから、ただの無法な海賊と誤解されたままよりも、
後輩として認めてもらえた方が嬉しい。

だから桃が「吾郎がマーベラス達を信じている」と言って大いなる力を差し出した時、
一瞬嬉しく思い、そのまま「大いなる力」を受け取りたいと思った。
それは、「宇宙最大のお宝」のためというよりは、
レジェンド戦士の思いに応えたいという気持ちによってであった。
つまり、その一瞬、マーベラスは海賊ではなくスーパー戦隊の戦士の心になったのです。
そして、それは吾郎が望む形での「大いなる力」の継承であったのでした。
それは要するに、マーベラス一味が海賊ではなく、
35番目のスーパー戦隊として生まれ変わる瞬間であったのです。

しかしマーベラスはそこで、このまま素直に受け取ってしまっていいのかと躊躇しました。
吾郎たちレジェンド戦士たちが命を賭けて自分の手で取り戻し守ろうとしてきた「大いなる力」を、
自分はこのまま、まるでご褒美のように、施してもらうように、貰ってしまっていいのか?と疑問に思ったのです。
というよりも、そんな程度の軽い意識で受け取って、
それで本当にレジェンド戦士たちが「大いなる力」に込めた重い気持ちの全てを受け取ることが出来るのか?
と思ったのでした。

吾郎の作戦は確かにマーベラス達を信じることを基本に成り立っていますが、その割にマーベラス達の扱いは軽い。
脇の安全地帯に隔離されて、作戦の状況次第では「大いなる力」も貰えない。
あくまでこの作戦はレジェンド戦士の吾郎がバスコと自力で対決して
自力で他の戦隊の大いなる力を奪還する作戦なのです。

マーベラス達はこの作戦においてはプレイヤーではない。
補欠の後輩がベンチで先輩の試合を見て、後を受け継ぐというような扱いです。
そのような役割分担を先輩である吾郎が決めて、
後輩であるマーベラス達に「お前たちはベンチで見ていろ」と言っているようなものです。
そうして大人しくベンチに座って先輩の応援をしていて、先輩が負けて引退すれば、
自動的に次のレギュラーの座が貰える。
そういう先輩の思惑通りに行動する従順で可愛い後輩であれ、というのが
吾郎からマーベラス達に向けてのこの作戦に込められたメッセージなのです。

マーベラス達も今回、何となく変だと思いながら、
終始一貫、ただ受け身になって、大いなる力を貰うことばかり考えていた。
まさにそういう従順で可愛い後輩であったのです。
なるほど、こんなに可愛く素直になってしまっては、
桃に「海賊と名乗っているだけ」と言われても仕方がない。
すっかり牙が抜けてしまっているからです。
何時の間にか、飼いならされた従順なペットのようになってしまっている。
従順なペットであり後輩であるから、吾郎もマーベラス達を自分の思惑通りに動かせると思って、
まるで手駒のように自分中心の作戦の中の脇役として勝手に配置したのです。

いや、別にマーベラスはそのことが腹立たしいわけではない。
吾郎がマーベラス達に好意を持ってくれていることは分かっていますし、
「大いなる力」を託そうという想いに偽りが無いことも分かっています。
マーベラスにも、その期待に応えたいという想いは強くあります。
しかし、だからこそ、このままではいけないとマーベラスは思うのです。
汗と泥にまみれて自分の力で戦う先輩の姿をただベンチに座って見ているだけの後輩が、
本当にその先輩の全てをその瞬間に受け継ぐことが出来るのか?
それは無理でしょう。その場に賭けている気持ちの重みが全然違うのです。

レジェンド戦士たちが変身出来ない身でも必死で自分の手で守ろうとしてきた「大いなる力」を、
ただ傍観しているだけで安易に貰ってしまっては、
レジェンド戦士たちの「大いなる力」に込めた想いの重さを全て受け取ることは出来ない。
レジェンド戦士たちに比べて、マーベラス達の今回の作戦における「大いなる力」に賭ける気持ちは軽すぎるのです。

かといって、じゃあどうすればマーベラス達が「大いなる力」に賭ける想いで
レジェンド戦士たちに負けない重さをもつことが出来るようになるのかというと、それは確かに難しい。
何故なら「大いなる力」はもともとレジェンド戦士たちのものだからです。
本来の持ち主が「大いなる力」に向ける気持ちと同じ重さを、
単にそれを譲り受けるマーベラス達が持つことは出来ない。
そんなことは無理だと吾郎も桃も分かっているから、
あくまで後輩として「大いなる力」を素直に、多少「目減り」してもいいから、
とにかく受け取ってくれればいいと思っているのでしょう。

単にお宝目当ての海賊マーベラスであったならば、「目減り」しようが何だろうが、
とにかく「大いなる力」が手に入ればそれでいいと思い、吾郎の作戦に軽く乗ったことでしょう。
しかし今のマーベラスは、吾郎の「大いなる力」を大切に想う気持ちを知り、
それを全く「目減り」させることなく全部受け継いでやりたいと思っているのです。
それはマーベラスが単なるお宝目当ての海賊ではなく、スーパー戦隊の戦士の心も持つようになったからなのです。

ただ、そのためには「大いなる力」を自分のものだと思う吾郎たちレジェンド戦士たちと並ぶだけの
「大いなる力」への思い入れをマーベラスも持たねばならない。
そのためにはマーベラスも「大いなる力」を自分のものだと思わねばならない。
しかし、もともと「大いなる力」自体はマーベラスのものではなく、
レジェンド戦士たちのものだということはハッキリしている以上、それは取って代わることは出来ない。

ならば、マーベラスが自分のものだとハッキリ主張出来るものは「宇宙最大のお宝」しか有り得ない。
「宇宙最大のお宝」はマーベラスの獲物であって、それはレジェンド戦士たちが割り込むことは許さない。
断固としてマーベラスのものなのです。
だからマーベラスは「宇宙最大のお宝」に賭ける想いならば、宇宙で誰にも負けない。
そして、その「宇宙最大のお宝」を手に入れるためには絶対に必要なものだからこそ
「大いなる力」に対する想いもマーベラスは宇宙で誰にも負けないほどとなり、
「大いなる力」もマーベラスは自分のものだと思えるようになるのです。

つまり、逆説的ながら、マーベラスがスーパー戦隊の戦士として
「大いなる力」をレジェンド戦士たちと同じ完全な形で受け継ぐためには、
やはりマーベラスは「お宝目当ての海賊」でなければならないのです。
そして海賊マーベラスが「大いなる力」を自分の目指すお宝だと考えるならば、
海賊の流儀は「自分の目指すお宝は自分の手で掴み取る」ですから、
ただ受け身で貰うのではなく、自分で戦って奪い取らねばならない。
そうなって初めて、マーベラスは自分の手で「大いなる力」を守ろうとしている吾郎と対等の立場となり、
吾郎の「大いなる力」に賭ける想いを全て受け取ることが出来るのです。
だからマーベラスは、ここで桃から「大いなる力」を貰ってはいけないと思ったのです。

以前に第21話のボウケンジャー篇で、元ボウケンレッド明石暁はマーベラスに
「冒険は宝以外にお前達自身に大切な何かをもたらしてきたはずだ」と言い、
それを受けてマーベラスは「俺たち海賊は欲しい物は必ずこの手で掴み取る」という意思を示しました。
つまり、海賊にとっての冒険とは、単に冒険をするだけではなく、
必ず自分の手で宝を掴み取るという行為が必須ということです。
そうでなければ海賊は冒険をしたことにはならず、冒険によって手に入る恩恵も手にすることは出来ない。

そういう前提で明石の言葉を言い換えると、
「海賊は自分の手で宝を掴み取ることによって、宝以外の大切な何かを手に入れることが出来る」
ということになります。
そして、それを今回のオーレンジャー篇の状況にあてはめると、
「マーベラス達は自分の手で大いなる力を掴み取ることによって、大いなる力だけでなく、
そこに込められたオーレンジャーの想いも全て受け取ることが出来る」と言い換えることが出来ます。

そして、レンジャーキーにおいては、そこに込められた想いの大小によって
その発揮されるパワーに差があることは既にほぼ明らかになっていると言っていいでしょう。
全く想いが込められていないレンジャーキーのパワーを実体化しただけのバスコの召喚戦士よりも、
ゴーカイジャーも含め、マーベラス達が豪快チェンジした戦士の方が強い。
それはそこに少なくともマーベラス達の想いは込められているからです。
そして、それよりも強いのが、マーベラス達の想いとレジェンド戦士たちの想いが完全にシンクロした状態で
豪快チェンジした戦士です。

つまり、召喚戦士や普通の豪快チェンジは不完全なレンジャーキー(戦う力)の使い方なのであって、
マーベラス達がレジェンド戦士の想いをしっかり受け取って同じ想いを共有するようになるのが
豪快チェンジの完成形なのであり、「真の戦う力の継承」なのです。
ならば、それは「大いなる力」にも同じことが言えるはずです。
「大いなる力」もレジェンド戦士の側の想いとゴーカイジャーの想いとが一致して継承されるのが
本来あるべき正しい継承の仕方であり、
その方法によってこそ全ての「大いなる力」が完全に引き継がれるのです。
そうやって継承されてこそ真のパワーを発揮し得るのであり、
「宇宙最大のお宝」を見つけるカギにもなるのでしょう。
だからマーベラスはここで桃から「大いなる力」を受け取らなくて正解だったのです。

しかし、となると桃は本来あるべきではない間違った方法で「大いなる力」を渡そうとしていたことになります。
桃にそのような指示を下した吾郎も同様です。
それがどのような結果をもたらすことになるのか、それは実際のところ、
上に書いたのは単なる推測ですから、ハッキリとは分かりません。
だから吾郎も桃も自分達のやり方のもたらす影響まで予測は出来ていなかったでしょう。
ただ、その方法が本来の方法とは違う邪道の類であることは分かっていたはずです。

他の戦隊の場合はレジェンドゲスト本人が「大いなる力」を渡す意思は持っている場合でも、
マーベラス達とその戦隊の精神との一致が認められて初めて
「大いなる力」がレンジャーキーに自動移動しているのであって、
桃のやろうとしていたような、精神的な一致無く手渡しの方法で
「大いなる力」を強引に移動させようなどとした者はいなかったからです。
これは吾郎と桃がこの作戦を実施するために特別に訓練して身に付けた方法であり、
それは不完全な方法であって、「大いなる力」が完全な形で移動しなかったとしても
それでもバスコに奪われるよりはマシ、という程度の方法でしかないのです。

どうして吾郎と桃はそんな不完全な方法に頼ることになったのか?
それは本来の方法が使えないからなのでしょう。
つまり、吾郎と桃は、オーレンジャーとゴーカイジャーの精神が一致することはないと思っているのです。
それは吾郎たちがゴーカイジャーを宇宙海賊だからという理由で嫌っているとか、
認めていないとか、そういうことではない。
ゴーカイジャーが地球を守るために戦ってくれていることは吾郎たちも分かっており、認めている。
ただ、それだけでは精神が一致したことにはならず、「大いなる力」は移動しない。

実際、吾郎たちがゴーカイジャーのことを認めても、「大いなる力」は移動しなかった。
実際にゴーカイジャーに会わなくても、黒十字王との戦いの時に出現した10戦隊の戦士たちの
ビジョンのような方法でも「大いなる力」の譲渡は可能です。
吾郎も可能ならば、あの戦士たちの中に加わりたかったはずです。
しかしそれは出来なかった。
それは結局、吾郎がゴーカイジャーのことを他の戦隊のように
「地球防衛を託すことが出来る後輩戦隊」としては認めていても
「オーレンジャーの精神を継ぐ者達」としては認めていなかったからなのです。

吾郎はオーレンジャーとゴーカイジャーはその精神に違いがありすぎると思っていました。
それはオーレンジャーの方が上だとかいう意識ではなく、
拠って立つ基盤が違い過ぎるから精神的に一致しようがないという意味です。

オーレンジャーは軍人であり、ゴーカイジャーは海賊です。
軍人は地球を守る重大な責任を負い、様々な規則やしがらみに縛られ、全く不自由なものです。
特に吾郎は国際空軍の幹部となり、司令官にまで出世していくにつれ、
大きな責任がのしかかり、軍人の不自由さを痛感してきました。
特に今回の作戦など、司令官たる立場で危険な作戦を敢行することも許されず、
こうして部下をも欺いて秘密作戦をやらねばならない羽目になっています。
つくづく軍人は不自由だと吾郎は思いました。
そうした不自由さの中で、その重い責任をバネにして
地球を守るために出来ることをやっていくのがオーレンジャーです。

しかし一方でゴーカイジャーは、宇宙で人々を縛るあらゆる規則を無視して、
自分のルールで自分の思い通りに生きる宇宙海賊です。
その自由な精神は軍人の不自由さとは対極にある。
吾郎はそう感じて、オーレンジャーとゴーカイジャーの精神が一致するなどということはないと思ったのです。
それは同じく国際空軍の幹部として気苦労の絶えない桃も同じことです。
だからオーレンジャーの大いなる力をゴーカイジャーに渡すことなど出来ないのだと、吾郎も桃も諦めていました。

ところがチェンジマンなど他のスーパー戦隊の大いなる力がバスコに奪われ、
吾郎はどうしても自分の手でそれらを奪還したいと思い、作戦を立てましたが、
どうしても危険が伴うため、「大いなる力」の特性を利用して、
最悪の場合にはギリギリのタイミングでゴーカイジャーに「大いなる力」を渡してしまう、
ゴーカイジャーを最後の保険とする作戦としたのでした。
しかし両戦隊の精神の一致が無いため、通常の方法ではゴーカイジャーに「大いなる力」を渡すことは出来ない。
そこで吾郎と桃は精神の一致が無くても強引に大いなる力を移動させてしまう方法を編み出したのでした。

しかし、吾郎と桃は、精神的な一致も出来ていないのに
「大いなる力」を託すようなことをしてしまってもいいのだろうか?と迷いが生じました。
それは本来あってはならない不自然なことのように思えたのです。
それではまるで、相手の意思など全く尊重せずに一方的に「大いなる力」を奪う
バスコのやっていることと、「奪う」と「渡す」の違うはあれど、本質的には同じではないのか?とも思えました。

しかし、吾郎はその迷いを振り切るように、
無理にゴーカイジャーを「オーレンジャーの大いなる力の後継者に相応しい者達」と信じることにしたのです。
「彼らは海賊などではなく、地球を守る戦士だ」と自分に言い聞かせたのです。
その吾郎の決意を見て、桃も同様にゴーカイジャーを信じたいと思った。
だから、桃はジョーが「俺たちは海賊だ」と言うと、強い調子で「そう名乗ってるだけなんでしょ」と言い返し、
「だから隊長はあなた達を信じ、危険な作戦を立てた」と自分に言い聞かせるように言ったのです。

ゴーカイジャーを海賊だと意識すると
オーレンジャーの大いなる力を受け継がせる判断に迷いが生じてしまう。
だから海賊ではなく地球を守る戦士だと信じたいという心理が桃にも吾郎にも強く、
桃はそうやってゴーカイジャーを信じようとする吾郎の意思を尊重したかった。

しかし、実は桃の本心は違っていたのです。
あの猶予時間終了を知らせるアラームが鳴る直前、桃は「でも、あたしは・・・」と何かを言いかけていたが、
あれはつまり、吾郎はゴーカイジャーをオーレンジャーの後継者として信じようとしているが、
自分はやはり無理にそうやって信じ込むことは出来ないということを言いかけていたのです。

桃ももちろんゴーカイジャーが地球を守るために戦う意思があることは理解していましたが、
それでも、吾郎が命を賭けて守ったオーレンジャーの大いなる力を託すべき相手とは
どうしても思えなかったのです。
それは誰よりも身近で吾郎の今回の作戦に賭ける覚悟を見て知っている桃だからこそ、
その吾郎が大切に想うオーレンジャーの大いなる力を託すべき相手を見る目も自然に厳しくなってしまうからでした。

その桃の目から見れば、やはりオーレンジャーの大いなる力は
吾郎のようなオーレンジャーの精神を持つ者に受け継がれるべきであるとしか考えられなかったのでした。
そして、オーレンジャーの精神の体現者である吾郎が命を賭けて戦っている時、
その裏でどうして自分がオーレンジャーの精神を持たない者に
オーレンジャーの大いなる力を無理に渡さねばならないのか、
隊長命令とはいえ、桃にはどうも釈然としていなかったのでした。

それに、首尾よくゴーカイジャーにオーレンジャーの大いなる力を渡すことに成功したとしたら、
それはゴーカイジャーが吾郎のシナリオ通りに動かされたということです。
それが本当にオーレンジャーの後継者に相応しい行動なのか、どうも桃には疑問であったのです。
本当にそんな程度の相手にオーレンジャーの大いなる力を託してしまっていいのか、桃は釈然とせず、
当初、まんまと自分の言葉に騙されてご機嫌取りを続けるマーベラス一味の面々を見て、妙に苛立ちを感じ、
ついつい必要以上に意地悪い態度で接したりもしてしまったのでした。

それでも桃も軍人であり、隊長の命令は絶対ですから、
タイムリミットがやってきて、桃は真相を明かして「大いなる力」をマーベラスに渡そうとしたのです。
しかしマーベラスは受け取りを拒絶し、
「自分達は海賊だから、欲しい物は自分の手で掴み取る」と、熱く宣言したのです。
それを見て、桃は吹っ切れたのでした。

やはりマーベラス達は海賊であり、吾郎の思い通りには動いてくれない困った連中でした。
可愛く従順な後輩ではないし、やはりオーレンジャーの後継者として相応しいようにも思えない。
おかげでせっかくの吾郎の作戦は台無しです。
無理にマーベラス達を信じようとしていた吾郎は間違っていたのであり、
どうも信じられないと思っていた桃の方が正しかったといえます。

しかし桃はこれでいいのだと思えたのでした。
無理をして信じ込もうとして真実から目を背けるよりは、
信じられない相手だと分かった上で接してみた方が、何か重大な真実は見えてくるのではないでしょうか。
だから桃はマーベラス達が自分の意思で吾郎に直接ぶつかって大いなる力を掴み取ろうとするのなら、
それがこの際、一番正しいように思えたのでした。

取引場所の廃倉庫の方では、吾郎は劣勢ながらも意外に善戦して、しぶとくサリーと戦っていました。
吾郎が武道の達人であることもありますが、
バスコがサリーだけに戦いを任せて相変わらず高見の見物で面白がっているせいでもありました。
バスコは本当にどういうわけか、自分ではほとんど戦おうとはしません。
「力づくは趣味じゃない」とも以前は言っていました。
どうもよく分からない奴ですが、まぁここはどう転んでもサリーの勝利は揺るがないという余裕はあるのでしょう。

案の定、善戦の末、遂に吾郎はサリーのシンバルの一撃を喰らって倒れ込み、サリーに踏みつけられてしまいます。
「変身出来ないアンタが、かなうわけないっしょ!」とバスコは勝ち誇ったように吾郎を嘲笑います。
ところが吾郎は倒れたまま「・・・分かっているさ!」と言って、
またスイッチのついたリモコンを取り出して、側面のスイッチを押します。
すると倉庫の柱から鎖が飛んできてバスコとサリーを縛って、その場に固定してしまったのです。
吾郎は戦いながら、バスコとサリーの両者が仕掛けていた鎖で縛ることの出来る位置に
同時に立つタイミングを待っていたのです。

慌ててバスコとサリーは鎖を引きちぎろうとしますが、鎖は太くて、とても千切ることは出来そうにない。
吾郎は縛られてもがくサリーの足元から逃れると
「敵わなければ・・・この建物ごと破壊すればいい!」と恐るべきことを言います。
そんなことをすれば吾郎も無事で済むはずはない。
しかし、スーパー戦隊の「大いなる力」の悪用は何としても自分の手で阻止したいという
執念の塊となっている吾郎は、戦って勝てそうもない場合は
建物ごと爆破してバスコを相討ちで倒す覚悟であり、その準備をしてこの勝負に臨んでいたのです。
だからここで吾郎が躊躇するはずはない。
本気で吾郎が倉庫を爆破させるつもりだと察したバスコは焦って鎖を千切ろうとしますが、
どうしても鎖は千切れない。

焦るバスコを冷ややかに見つめて、吾郎は覚悟の表情で静かにリモコンの上部のスイッチを押しました。
これで一気に倉庫は爆発して吹き飛ぶ・・・はずでした。
ところが、倉庫内はシ〜ンとして物音ひとつ立ちません。
「・・・なにぃ!?」と驚いた吾郎は焦って何度かスイッチを押し直しますが、やはり爆破は起こりません。
するとバスコは顔を上げると「・・・なんてね!」とニヤリと笑います。

吾郎がハッとしてバスコの方を見ると、バスコを縛っていた鎖が千切れて地面に落ちます。
バスコが自力で千切ったわけではない。
何時の間にかバスコの背後に立っていたウルザードファイヤーが剣で鎖を断ち切ったのです。
そしてバスコは気取って服についた埃を払いながら
「いろいろ仕掛けてたみたいだけど・・・これまでかな?」と言ってニッコリ笑います。
すると、「なんだと!?」と言う吾郎の背後では、続々と召喚戦士たちが柱の影から姿を現してきてきます。

まず、デカスワン、姫シンケンレッド、シグナルマンという今までバスコが召喚していなかった
残り3本のレンジャーキーの召喚戦士がまず現れ、
しかもその手には「U.A.O.H」のマークの入った爆弾が握られています。
吾郎があらかじめ倉庫内の各所に仕掛けていた爆弾のようですが、既に解除されて爆発しないようにされています。
召喚戦士たちが爆弾を見つけ出して解除していたのです。
更にデカマスター、リオ、メレ、マジマザーまでもが同じように解除された爆弾を持って倉庫内の各所から現れ、
何時の間にかサリーの背後にやって来たズバーンがサリーの鎖を千切ります。

これでバスコ手持ちのレンジャーキーの9人の召喚戦士が全員集合したことになり、
自爆作戦が阻止された挙句、絶体絶命の窮地となってしまった吾郎は「バカな・・・何時の間に・・・?」と呆然とします。
最初、倉庫に入って来た時は倉庫内には誰もいなかったはずなのです。
しかし、バスコはもともと念のために9人の召喚戦士を全員実体化させて待機させておき、
吾郎が仕掛けていた爆弾を使用して自分を倒そうとしたことから、
他にも何か仕掛けているのではないかと怪しみ、
吾郎がサリーと戦っている間に召喚戦士たちをコッソリ倉庫内に侵入させ、爆弾を探させていたのです。
それでも鎖の仕掛けは発見出来ていなかったぐらいですから、
爆弾の解除はかなりギリギリのタイミングだったと思われ、
余裕をかましてはいますが本当はバスコは危ないところだったのです。

まぁそれでも最悪の場合はウルザードファイヤーに鎖を斬らせて
自分1人脱出するぐらいのことは瞬時に出来たはずですが、
あえて爆弾解除を優先させてギリギリの賭けをしたのは、
バスコは何としても吾郎を生かしておいて「大いなる力」を奪いたいと思っていたからでした。

バスコはおもむろにラッパラッターを取り出すと「それじゃあ、大いなる力・・・いただきまぁす!!」と言って、
ラッパラッターを吾郎に向けて咥えます。
自爆覚悟の吾郎の態度を見せられて、
バスコはさっさと「大いなる力」を奪ってしまわないと
吾郎が「大いなる力」を渡さないために自決するかもしれないと思い、急がねばならないと思ったのでした。

しかし吾郎の方は、善戦して時間を稼いだおかげで、
もうとっくに桃と取り決めていたタイムリミットが過ぎてだいぶ経っていることは分かっていますから、
とっくに桃がゴーカイジャーに「大いなる力」を渡しており、
自分の身体からは「大いなる力」は消えているはずだと思っています。
だからラッパラッターで「大いなる力」を奪われることはないと安心しています。
ところが、バスコがラッパラッターを吸う音が倉庫内に響き渡ると、吾郎の身体に異変が起こります。
胸に例のオーレンジャーの金色の紋章が一瞬浮かび上がり、
その後、吾郎の全身から金色の炎が噴き出してきたのです。

「うわあああ!?どういうことだ!?」と苦悶しながら吾郎は戸惑います。
これは自分の身体から「大いなる力」がラッパラッターに吸い出されようとしているのだと分かったのです。
つまり、自分の体内にまだ「大いなる力」が存在しているということであり、
言い換えると、桃が決められた時間をとっくに過ぎているのに、
未だにゴーカイジャーに「大いなる力」を渡していないということです。
「桃!何している!?早く大いなる力をゴーカイジャーに託せ!!」と吾郎は焦って叫びますが、
この場にいない桃に聞こえるわけもなく、ラッパラッターのけたたましい音にかき消されて
目の前のバスコの耳にもその叫びは聞こえていないのでしょう。
バスコは上手く「大いなる力」を奪えそうだとほくそ笑んで更にラッパラッターを吸います。

あと少しで完全に吾郎の身体から「大いなる力」が吸い出されようとしたその時、
倉庫内を銃声が響き、バスコの手からラッパラッターが弾き飛ばされ、
「大いなる力」は倒れ込んだ吾郎の体内に戻ります。
思わぬ妨害によって作業を中断させられたバスコが怒りの形相で銃声のした方向を睨むと、
倉庫の入り口のところにマーベラス一味の6人が立っており、
マーベラスの構えたゴーカイガンの銃口から煙が立ち上っています。
マーベラス達は桃にこの場所を教えてもらい、急行してきたのです。

吾郎は驚き、身を起こして「ゴーカイジャー!なぜ来た!?」と咎めるように叫びました。
別にマーベラス達は吾郎の部下ではないのですが、
作戦の予定と全く違う行動に吾郎としては思わず軍人の性として叱責調の物言いになってしまいます。

それに対してマーベラスは
「決まってんだろ!オーレンジャーの大いなる力を受け取りに来た!!」とニヤケて嘯きます。
マーベラスは桃から「オーレンジャーの大いなる力を託す」と言われたのだから、
その言葉に従ってこうして星野隊長様からオーレンジャーの大いなる力を貰いに来ただけのことで、
それ以外別に何も聞いてないよ?何か間違ってるか?と言いたげな、非常にふざけた態度です。

しかし、そういう風に言われてしまうと、
確かに詳しい事情は知らせずにマーベラス達を「大いなる力を託す」という甘言で騙すように
桃に指示していたのは吾郎の方ですから、吾郎としてもちょっと困ってしまいます。
吾郎は妙に生真面目な男なので、マーベラス達が本当に勘違いしてここへやって来たのかと思い、
「・・・桃が君たちの許へ行っただろう!?・・・どうしてわざわざここへ!?」と、
何か行き違いがあったのかと心配して混乱します。

するとマーベラスは「俺たちは海賊だ!アンタの思い通りに動くと思うなよ!」と言い放ち、
じっと吾郎の顔を見つめて、決然とした口調で「・・・好きにやらせてもらう!」と言いました。
そのマーベラスの言葉を聞いて、吾郎はマーベラス達が全ての事情を知った上で、
桃から差し出された「大いなる力」を拒絶して、あえて自分の自由意思で動いて、
自分の手で「大いなる力」を掴み取ろうとしているのだと悟りました。

そして最後のマーベラスの口調からは、
吾郎のゴーカイジャーを認め信頼してくれる気持ちにはマーベラスも感謝しているが、
それでもどうしても「大いなる力」は他人の施しではなく自分の手で掴みたいという拘りだけは
譲れないので、どうか好きにやらせてほしいのだという、
マーベラスの強い気持ちが込められていることは吾郎に伝わりました。

そのマーベラスの勝手な拘りのせいで吾郎の作戦はムチャクチャにされてしまったわけですが、
その強い気持ちに接して、吾郎はハッと気づいたのです。
自分でどうしてもやりたいという妙な拘りのよって周りに迷惑や心配をかけていたのは自分も同じなのです。
まず国際空軍の部下たちやその他関係者の皆には
司令官たる自分がこんなに勝手な秘密作戦を実行して多大な迷惑をかけた。
桃にも無理矢理こんな作戦に協力させて心配ばかりさせた。
そしてゴーカイジャーには嘘をついて騙して散々振り回した。

国際空軍の部下たちはともかく、
ゴーカイジャーには最初から事情を打ち明けて共同作戦を組むことだって出来たはずなのです。
ゴーカイジャーを信じているというのなら、本来はそうすべきだったのです。
ところが吾郎はそうはしなかった。
つまり本当は信用などしていなかったのです。単に作戦の駒としか考えていなかった。
そして、あくまで自分だけの力で大いなる力を奪還することにこだわったのです。

そうして吾郎は自分のワガママでゴーカイジャーを振り回した。
しかしマーベラスはさっきから悪態はついているが、
吾郎のその最も咎められるべき身勝手については一切非難していないのです。
何故ならマーベラスは、そうした「自分の手で解決したい」という身勝手は
戦士にとって必要だと思っているからであり、
マーベラス自身が今まさにその身勝手を押し通そうとしているからです。
だから吾郎の身勝手を批判出来るわけがない。
つまりマーベラス達は周囲の迷惑を顧みない身勝手なヤツらですが、
吾郎だってお互い様であり、似た者同士なのです。

吾郎がそんなことを想い、呆然としていると、
そこに桃が「隊長!!すいません!!」と駆け込んできて吾郎を助け起こし、
マーベラス達の方を見て、そして吾郎を見つめて「・・・でも、後は彼らの・・・思う通りに!」と、
吾郎に向けて強く言います。
それを聞き、吾郎は桃の顔を見て、桃もマーベラス達の身勝手を許して協力していることを悟ります。
そして、同じような気持ちで桃が自分の今回の身勝手な作戦のことも許して協力してくれたことに気付き、
オーレンジャーというのはそういうチームであったことを想い出したのでした。

吾郎は自分が司令官になって兵達を管理する立場になって、兵士の気持ちをつい忘れていたのです。
軍というものは本来、自己完結が基本であって極めて自律的な集団なのです。
それは軍人個々にも同じことが言えます。
部隊1つ1つ、兵士1人1人は本来極めて自律的で、常に自分の意思で判断し、行動出来なければいけない。
いちいち指示を待たずに自由意思で動けることが軍人の基本なのです。
自由意思で動くことが出来る軍隊こそが優秀な軍隊であり、
自由意思で自分の問題は自分で解決できる軍人こそが優秀な軍人なのです。

ただ、だからこそ軍隊というのは両刃の剣になりやすい恐ろしいものであり、
自律的であることも程度が過ぎると抑止が効かない状態となり、
優秀すぎる軍隊は社会を破壊する暴力ともなり得る。
だから規則で雁字搦めにして管理しなければならないのです。
吾郎はその雁字搦めにする側の立場に何時の間にか立つようになり、
吾郎の実直すぎる性格は、他人を規則で縛る以上、自分自身のことを誰よりも厳しく縛り、
律するよう努めることとなり、その結果、いつしか「軍人とは不自由なものだ」と思うようになってしまった。

しかし、少なくとも吾郎がオーレンジャーとしてバラノイアと戦っていた頃はそうではなかったのです。
もちろん厳しい規則は存在し、それを殊更に破ろうなどとは思っていなかったが、
それでも常に自由意思で、自分の力で人々を守る、自分の力で敵を倒す、と思って戦っていた。
そうでなければバラノイア相手の厳しい戦いを戦い抜くことなど出来なかったはずです。

あるいは吾郎が気が付かないうちに規則を破って周囲に迷惑をかけていたのかもしれないが、
三浦参謀長はじめ懐の深い軍の中枢の配慮で、
あの人たちに「全く仕様の無い奴らだ」と苦笑されながら、
自分達は自由にやらせてもらえていたのだろうと、吾郎は昔のことを思い起こし、
桃はその時の精神を忘れていないのだと思い、
桃の顔を見て笑顔で「・・・ああ!」と応えるのでした。

桃は吾郎が自分の手で他戦隊の大いなる力を奪還したいという拘りで
司令官という職責を放棄して規則を自ら破って勝手に立てた秘密作戦も許して自由にやらせてくれて、
マーベラス達の自分の手で大いなる力を掴みたいという拘りも許して協力している。
それはオーレンジャーがもともと、
軍隊というこの世で最も厳しい規則で縛られる宿命にある組織内の戦隊だからこそ、
自由な意思で自分の力で戦うことを何よりも大切にする戦隊だったのだということを
桃がしっかり覚えているからです。まぁ正確には桃もさっきハッキリと思い出したのですが。

そのオーレンジャーの本当の一番大事なポリシーを、
吾郎は桃とゴーカイジャーによって改めて教えられたのでした。
ならば、今の吾郎のやるべきことは、
かつてのオーレンジャーと同じ自由意思で自分の力で戦う戦隊であるゴーカイジャーに、
かつての三浦参謀長たちのように深い懐で自由にやらせて戦いを託すことであろう。

吾郎は「やはり食えない奴らだ」と、作戦をぶち壊しにしたマーベラス達に少し皮肉を言いながら立ち上がると、
マーベラス達に向かって姿勢を正し「ゴーカイジャー・・・後は任したぞ」と厳粛に言い渡します。
そして、この吾郎の姿にオーレッドのビジョンが重なるのでした。

マーベラスは実際にどうすれば「大いなる力」を自分の手で掴み取れるのか、よく分かっておらず、
とにかくこの場で敵を倒した後、吾郎と相談すればいいという程度の考えしかなかったわけですが、
とにかくこの場で好きにやらせてもらえるお墨付きを貰えて気分が良く、
フッと笑うと、ギロッとバスコの方を睨み「バスコ・・・!」と凄みます。

吾郎やオーレンジャーの大いなる力が絡んでいなかったとしても、
どっちにしてもバスコは倒さねばならない憎むべき裏切り者です。
しかも「大いなる力」を既に何個か奪っているというのだから、もう絶対に許せない。
今日ここで倒してその「大いなる力」も奪い取らねばならない。

対してバスコの方は、召喚戦士9人とサリーとを周囲に集めて戦闘態勢に入りつつ、
「マベちゃんさぁ・・・もうちょっと空気読んでよぉ・・・」と相変わらず軽口を叩きますが、
マーベラスは「知るか!ケリつけてやるぜ!」とレンジャーキーを出し、
「豪快チェンジ!!」と6人はゴーカイジャーに変身し、名乗りを上げて戦闘態勢に入ります。
バスコはいつになく苛立った表情で舌打ちすると「しょうがないなぁ・・・!」と、指をパチンと鳴らします。

するとウルザードファイヤーと姫シンケンレッドが剣から炎を発してマーベラス達に向かって叩きつけ、
マーベラス達は倉庫の外に下がって避け、
それを追って召喚戦士9人が倉庫の外に殺到してくるのを見て、
マーベラス達はさっそく武器交換で、ジョーとルカは二刀流、ハカセとアイムは二丁拳銃、
そしてマーベラスと鎧はいつも通りという、各自の最も得意な戦闘スタイルで
「派手にいくぜぇ!!」と迎え撃ちます。
それだけ召喚戦士たちが強敵だということは今までの戦いの経験上、マーベラス達は分かっているのです。
しかも今回はそれが一気に9人ですから、容易な戦いでないことは予想出来るのです。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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2011年10月17日

第31話「衝撃!!秘密作戦」感想その5

ゴーカイジャー6人VS召喚戦士9人のレンジャーバトルが始まりました。
これでバスコの召喚戦士とのレンジャーバトルは5戦目です。
1戦目は第15話で、ゴーカイジャー5人と追加戦士の召喚戦士5人の戦い。
2戦目は第16話で、ゴーカイジャー5人と追加戦士の召喚戦士10人の戦い。
3戦目は第20話で、鎧も加わったゴーカイジャー6人と番外戦士の召喚戦士4人の戦い。
4戦目は第23話で、ゴーカイジャー6人と番外戦士の召喚戦士3人の戦い。
そして今回の5戦目がゴーカイジャー6人と番外戦士の召喚戦士9人の戦いです。

これまでの4戦を振り返ってみると、
まず1戦目はゴーカイジャー5人が追加戦士の召喚戦士5人とそれぞれ1対1の勝負をして全勝しました。
この時分かったことは、本来はマーベラスあたりと互角の強さのはずの追加戦士も
召喚体の場合は強さのランクは下がり、ルカあたりと互角程度となり、
しかも心が無いので機転が利かず、ルカはおろか、ハカセやアイムでも計略を使えば楽に勝てるということです。

そして2戦目、その追加戦士の召喚体でも10人揃ってゴーカイジャー5人に相対し、
2人の召喚体が1人のゴーカイジャーに当たれば、
さすがにマーベラスとは互角、他の4人に対しては優勢に戦えるが、
心を持たない召喚体はチームの連携が悪く、
ゴーカイジャーが2人が組んで4人の召喚体と戦う局面に持ち込むと、
4人に増えた召喚体の方の連携が非常に悪くなり、各個撃破されてしまい、
同様の連携の悪さを突いた戦い方でマーベラスも難なく勝利し、結局10人の召喚体は全滅しました。

ところが3戦目になると追加戦士に代わり番外戦士の召喚体4人が登場し、
4戦目も同様に番外戦士の召喚体3人が登場し、ゴーカイジャー6人相手に押し気味に勝負を進めます。
ここで分かったことは、番外戦士はもともと極めて強い者が多く、
その多くは召喚体といえどもマーベラスあたりと1対1で互角かそれ以上ぐらいの戦闘力があるということです。
それゆえ召喚戦士の方が人数的に劣勢であるのに、集団戦ではゴーカイジャーの方が押され気味となりました。

この局面を大逆転したのは、3戦目、4戦目ともに豪快チェンジでした。
それも、3戦目はギンガマンへの豪快チェンジ、4戦目はゴーゴーファイブへの豪快チェンジが
それぞれ局面を打開して一気に召喚戦士をグロッキー状態にまで追い込んでおり、
その回に精神性を理解して「大いなる力」を手に入れた戦隊への完全シンクロ状態での豪快チェンジならば、
番外戦士をも上回る力が発揮されるという法則があることになります。

これでレンジャーバトルを通してこの作品が描きたかったものがだいたい見えてきます。
簡単に言えば、ヒーローの強さというものは、パワーや技が本質なのではなく、その本質は心だということであり、
ヒーローになるということは技やパワーを身に付けるだけではなく、
一番大事なのはヒーローの精神を理解して自分のものにすることだということです。

このテーマは、全国のお茶の間のヒーローに憧れる子供たちに向けて
「ゴーカイジャー」という作品全体が示そうとしているテーマなのだと思います。
他の戦隊ヒーローに豪快チェンジするゴーカイジャーというヒーローは、
ヒーローになりたがる全国の子供たちの分身なのですから。
そして、そのテーマが最も分かりやすい強さ比較の形で示されているのが
ゴーカイジャーと召喚戦士の一連のレンジャーバトルであったのだと思います。

そして、その狙いがこうして理解されるようになった頃が、その手法の潮時というものでしょう。
もうレンジャーバトルは役割は果たし終えたと言っていい。
まぁもともとヒーローVSヒーローという描写は一種の禁じ手で、
あまりしつこく多用するのは食傷気味になります。
今後はこの作品の中では、別の手法で、
同様のテーマ、あるいはヒーローに関するまた別のテーマを描いていくことになるのでしょう。
そういうわけで今回はレンジャーバトルの打ち上げのようなもので、
密度の濃いレンジャーバトル最終戦が繰り広げられていきます。

まずはゴーカイジャー6人が1人ずつ分断されて、
それぞれ1〜2人の番外戦士の召喚戦士に苦戦を強いられる描写から始まります。
鎧はウルザードファイヤーと大剣人ズバーンを相手にゴーカイスピアを振り回して戦います。
鎧という男、6人の中では最も戦い慣れしていないのですが、素の実力はマーベラスに迫るものがあります。
だから敵との駆け引きなどでは遅れを取って苦戦を強いられることが割と多いのですが、
心を持たないゆえ真っ正直な戦いしか出来ない召喚戦士とは戦いの相性は良いようです。

それでも召喚戦士の中でも最強クラスのウルザードファイヤーは召喚体といえども
明らかに鎧よりも格上の相手であり、槍と剣の勝負とはいえ苦戦は必至です。
一方、その相方で足技主体のズバーンは9人の召喚戦士の中では比較的弱い方の部類で、
以前、第23話のレンジャーバトル時にも鎧は1対1でズバーンに優勢勝ちを収めています。
全体のバランス配分を考えてもウルザードファイヤーにズバーンをつけるのは適切で、
鎧が召喚戦士を得意としていることを考えても、鎧に対して2人がかりという選択も正解でしょう。

そして別の場所ではジョーがリオとメレを相手に二刀流で戦います。
第23話のレンジャーバトル時にはジョーはマーベラスとハカセと3人がかりでリオと戦い、
さすがにやや優勢に戦いましたが、それでも倒しきることは出来ませんでした。
それほどリオは召喚体でも強く、これも召喚戦士の中で最強クラスの実力です。
そのリオと1対1でも苦しいのに、リオと連携攻撃の得意なメレとのタッグが相手では、
ジョーほどの戦士が最も得意の二刀流で戦っているにもかかわらず苦戦を強いられており、
リオとメレの獣拳の凄まじい動きに肉弾戦に持ち込まれ押されがちとなっています。
やはりジョーがかなりの達人なのでこの強力なタッグを当てているようです。

一方、ハカセの相手はシグナルマンです。
シグナルマンは召喚体としては初登場ですが、そもそもシグナルマンって強いのか弱いのか?
「カーレンジャー」では追加戦士ポジションでしたが、
「カーレンジャー」という作品が作品だけに何とも判断が難しいです。
「カーレンジャー」本編では冴えないシーンの多かったシグナルマンですが、
それは本編におけるシグナルマンが途轍もないバカだったからであり、
戦士としての純粋な戦闘能力は実は案外高いのかもしれません。
それゆえ、心を持たない召喚戦士のシグナルマンは余計なバカさ加減が足を引っ張らない分、
強いのかもしれません。まぁそれでも9人の召喚戦士の中では弱い方でしょう。
このシグナルマンを相手にハカセは積んである箱の陰に飛び込み二丁拳銃で乱射しますが、
シグナルマンは万能ツールのシグナイザーを警棒型にして全弾を叩き落とし、
シグナイザーを拳銃型にして撃ち返し、射撃戦となります。

そしてルカは同じく今回召喚戦士として初登場の姫シンケンレッドと、剣と剣の勝負を繰り広げています。
姫シンケンレッドはシンケンジャーにおいては最強格の戦士で、9人の召喚戦士の中でも実力上位ですが、
二刀流となったルカも剣技ではヒケはとりません。
オリジナルの志葉薫であればルカよりはかなり達人なのでしょうが、召喚体ですから剣技では互角、
しかも姫シンケンレッドの弱点は体力や体格が劣っていることですから、
ルカはそこを突いて力押しで攻め込みます。
しかし姫シンケンレッドがシンケンジャーで最強である由縁はそのモヂカラが最大最強であることであり、
シンケンマルを咄嗟に烈火大斬刀に変形させた姫シンケンレッドは独特の足で蹴りあげる動作で勢いをつけ、
必殺技の百火繚乱をルカに浴びせます。
オリジナルなら致命傷となる一撃ですが、召喚体ですのでルカも持ちこたえますが、
攻守は逆転することとなります。

また別の場所ではアイムがマジマザーと1対1で戦っています。
第20話ではアイムはルカと2人がかりでマジマザーに負けていますから、
あの時ほどは油断していないとはいえ、アイムが1対1で戦うにはマジマザーは強敵といえます。
マジマザーの強さは戦闘力というよりは人間界では最強の魔法力にあり、
前回のように多彩な魔法を使わせては不利になるので、
早く勝負を決しようとしてアイムは二丁拳銃を撃ちまくってマジマザーの懐に飛び込みますが、
マジマザーは魔法陣を出現させて姿を消して攻撃をかわし、
敵を見失い戸惑うアイムの背後にマジマザーが出現して魔法の杖ワンドで攻撃して有効打を叩きこみます。

そしてマーベラスはデカマスターとデカスワンのコンビと1対2で戦っています。
デカマスターはウルザードファイヤーと並んで召喚戦士の中で最強の戦士と見られ、
召喚体であっても剣技ではマーベラスを凌駕すると思われます。
そしてデカスワンは召喚戦士として初登場となりますが、
オリジナルのデカスワンが捜査官ではなく4年に1度しか変身しない科学者キャラであったので、
このデカスワン召喚体は単体ではおそらく召喚戦士の中では最も弱い部類でしょう。
ただデカスワンはデカマスターとの連携が巧みで、
その点、本来のコンビでないズバーンと組まされているウルザードファイヤーよりはデカマスターは優遇されており、
さすがにゴーカイジャー最強のマーベラスに対するに相応しいコンビとなっています。
そのデカスワンは徒手ながら巧みにマーベラスの銃を持つ手の動きを封じながら
無理はせずにマーベラスの反撃をかわして、ダカマスターとマーベラスを剣と剣の勝負に限定させており、
そうなるとマーベラスも果敢に戦うものの、どうしてもやや斬り負けている。

さてウルザードファイヤーとズバーンの猛攻に押しまくられた鎧は大きく吹っ飛ばされ、
その鎧に向けてウルザードファイヤーは左手に持ったジャガンシールドの瞳を開き、そこから電撃を放ち、
鎧は大爆発・・・したと見せかけ、爆炎の中で豪快チェンジして、合体戦士のゴーオンウイングスに変身し、
ジェットダガーの二刀流で真上に飛び上がります。
そしてそのままウルザードファイヤーとズバーンに向けて急降下して斬り裂きます。

ゴーオンウイングスは鎧の豪快チェンジ出来る戦士の中で最強の切り札的な戦士です。
ただでさえ強い追加戦士のゴーオンゴールドとゴーオンシルバーを合体させた別格の戦士ですから、
これならばウルザードファイヤーとズバーンの召喚体を同時に撃破出来ると鎧は計算したのです。
これで一時形勢を逆転した鎧は一気に勝負を決めようと、ゴールドモードにチェンジして、
いきなりファイナルウェーブの決め技を放ちます。
といってもレジェンドリームではなく、
アンカーモードのゴーカイスピアの一振り一振りに1人ずつ追加戦士のパワーを込めて連続攻撃を繰り出す
「豪快レジェンドクラッシュ」という技です。
これを接近戦でウルザードファイヤーとズバーンに向けて交互に繰り出していきます。
ここで一振りごとに鎧の姿と並んで追加戦士の攻撃を繰り出す姿の幻影が現れては消えていきますが、
まずゴーオンゴールド、次いでゴーオンシルバー、シンケンゴールド、ガオシルバー、
ボウケンシルバー、ゴセイナイトと続きます。

この追加戦士の総合力の前にさすがにウルザードファイヤーとズバーンも倒されたかに見え、
大爆発する2人の召喚戦士を背にして鎧は一安心でノーマルモードに戻ります。
しかし、2人の召喚戦士はやられたというのは見せ掛けで、ここで一気に炎の中から巨大化したのでした。
確かにウルザードファイヤーとズバーンは両方ともその姿のままで巨大化出来る珍しい戦士ですが、
まさか召喚体でも巨大化出来るとは予想していなかった鎧は踏み潰されそうになって大慌てで
「おわあぁっ!?ここで巨大化ってぇ・・・!!」と焦って逃げ惑いながら
「マーベラスさん!ちょっとこれ・・・どうしましょう!?」と、近くで戦うマーベラスに相談します。

しかし、デカマスターとデカスワンの宇宙警察コンビとの戦いに手一杯のマーベラスは面倒臭そうに
「知るか!!自分でなんとかしろ!!」と怒鳴り返します。
「エヘヘ・・・まぁ、そりゃあそうですよね・・・」と苦笑いして鎧は豪獣ドリルを召喚して乗り込み、
そして倉庫街を見下ろすように巨大化した姿で闊歩してくるウルザードファイヤーとズバーンに対して、
豪獣レックスに変形しながら飛び蹴りをかまして着地し、
鎧は「いっきますよおおお!!」と叫び、豪獣レックスを2人の巨大召喚戦士に突っ込ませ、派手な巨大戦を開始、
そこから少し離れた倉庫群の外れではマーベラス達5人がそれぞれ召喚戦士たちとの厳しい戦いを続けているという、
ここから割と珍しい、巨大戦と等身大戦の同時進行の構成となります。

しかし巨大戦では普段のザンギャックの巨大化怪人に比べて格段に素早い巨大召喚戦士に
豪獣レックスは苦戦を強いられます。
というか、豪獣レックスの非人間態的風貌からして、
まるで豪獣レックスの方が退治されている悪い怪物のように見えてしまいます。
ここはそういう錯覚をあえて狙った遊び心のシーンなのでしょう。

尻尾のドリルを使った豪獣レックスドリルをズバーンに掴み取られて動きを封じられたところに、
ウルザードファイヤーの剣で何度も斬られ、
更にズバーンの必殺ズバズバンキックの両脚連続蹴りを喰らって、
豪獣レックスは雄叫びを上げてもんどりうって横倒しとなり、足元の倉庫群をムチャクチャに破壊してしまい、
その破壊はマーベラス達の戦っている現場にも及びます。
ここのシーンはなかなかのスペクタクルシーンとなっており、見応えがあります。

この豪獣レックスの横転事故の被害を避けるため、
マーベラス達5人と召喚戦士7人の等身大バトルは一時中断を余儀なくされ、
互いの陣営ごとに固まって瓦礫を避けて倉庫街脇の運河の傍にて対峙する形となります。
「ちょっと!危ないわねぇ!もっと大人しく戦いなさいよ!!」とルカに怒鳴られて、
鎧が「はい・・・ゴメンなさぁい・・・」と不承不承謝り、ここから仕切り直しとなります。

召喚戦士7人と対峙したマーベラス達5人は、
マーベラスの「よし!これでいくぞ!」という指示でバックルからオーレンジャーのレンジャーキーを出します。
すると、その瞬間、オーレンジャーの5つのレンジャーキーが光り輝いたのでした。
「あぁ・・・?」と皆が驚きます。
「光った!?・・・これって、もしかして・・・!」とハカセが言うと、
それを受け継ぐようにルカが「オーレンジャーの大いなる力をくれたってこと?」と不思議そうに言います。
いつもはゴーカイオーのコクピットでレンジャーキーが光って
何時の間にか「大いなる力」を貰っていたことが分かるのだが、
こうして等身大戦の最中に光るのは珍しいと思ったのでした。
しかし、よく考えたら既に巨大戦は鎧が開始しているので、現在はもう既に巨大戦の時間にあたるのかもしれない。

それにしても、何時の間に「大いなる力」を貰っていたのだろうかとマーベラスは不思議に思います。
マーベラスの何となく考えていた構想は、この戦いに勝って自分達の力でバスコを倒して
奪われていた他の戦隊の「大いなる力」を奪い返して、
そうして自分達が「大いなる力」を手に入れる資格があることを吾郎に見せつけて、
その上で吾郎から堂々とオーレンジャーの「大いなる力」も譲り受けようというものでした。
まだその途中なのに、知らないうちにオーレンジャーの「大いなる力」が
既に移動してきてしまっているのかもしれない。

それでオーレンジャーのキーを持ったまま戸惑っているマーベラス達の左手、
壊れ残った倉庫の脇から吾郎と桃が姿を現して、マーベラス達と目が合い、そして微笑んで頷きます。
やはりオーレンジャーの「大いなる力」は既にゴーカイジャーのもとに移動していたようです。
おそらく、吾郎がマーベラス達の姿を見て、ゴーカイジャーの中に自由意思と自力で戦うこだわりを見出し、
それがオーレンジャーと共通したものだと気付き、
マーベラス達の戦いへのこだわりを認めた時、
自動的にオーレンジャーの大いなる力はガレオンの宝箱の中のオーレンジャーのレンジャーキーへと
移動していたのでしょう。

マーベラスは細かい事情は分からなかったが、吾郎たちの笑顔を見て、
ちゃんと「大いなる力」に賭ける吾郎の想いを受け取ることが出来たのだと思えて、フッと笑い、
「行くぞ!!」と叫び、5人でオーレンジャーへと豪快チェンジします。

ここの変身エフェクトがオリジナルを踏襲した、
網の目のような状態から、下からせり上がって変身していくパターンのものでしたが、
BGMが今回は「オーレンジャー」のOPテーマではなく、
本編の劇中挿入曲であった「虹色クリスタルスカイ」のインストバージョンでした。
「虹色クリスタルスカイ」はスーパー戦隊シリーズの劇中挿入曲の屈指の名曲として有名で、
「オーレンジャー」の戦闘シーンで多用された曲なので、この場面にはピッタリで、
非常にナイスな選曲だったといえます。

マーベラスはオーレッドに、ジョーはオーブルーに、ルカはオーイエローに、
ハカセはオーグリーンに、アイムはオーピンクに変身し、
「超力戦隊!オーレンジャー!」と名乗りを上げて、突っ込んでくる召喚戦士たちを迎え撃って戦闘再開ですが、
ここからはレジェンド回恒例の、ゲスト戦隊との精神性も一致した完全シンクロ変身、
すなわち、ゲスト戦隊の戦う力を全て引き出すことの出来ている状態ですから、
精強な番外戦士の召喚体よりも更に強いのです。

しかし、ここで少し疑問なのですが、
例えば、この完全シンクロ変身状態のオーレンジャーと、普段のゴーカイジャーが戦ったら、
どっちの方が強いのでしょうか?
どっちも中身はマーベラス達なのでこの対決は物理的にはありえないのですが、
要するに「完全シンクロ変身のオーレンジャー=本物のオーレンジャーのフルパワー」ということですから、
オーレンジャーとゴーカイジャーのどっちが強いのか?という話と同じ意味です。

そして、この結論は、ギンガマン篇でもゴーゴーファイブ篇でも実証されているように、
ゴーカイジャー状態で劣勢だった敵に対して、完全シンクロ変身後に逆転しているのだから、
完全シンクロ変身後の方が通常のゴーカイジャーよりも強い一種の強化形態に相当することが分かります。
そうすると、歴代34のスーパー戦隊のフルパワーの方がゴーカイジャーよりも強いということになり、
ゴーカイジャーは本来の姿では、なんと史上最弱戦隊ということになってしまいます。

しかし、そうではないのだと思います。
現在のゴーカイジャーはまだフルパワーではないのです。
例えばオーレンジャーも、以前に豪快チェンジした時よりも今回の完全シンクロ変身時の方が
フルパワーですから明らかに強く、以前の豪快チェンジ時は不完全な状態だったのです。
それと同じで現在のゴーカイジャーもまだ不完全な状態なのです。

では、どうしてオーレンジャーは今回フルパワーを引き出すことが出来たのかというと、
それはマーベラス達がオーレンジャーという戦隊のテーマを我が物とすることが出来たからです。
ならば同様に、ゴーカイジャーに関しても、
マーベラス達がゴーカイジャーという戦隊の持つテーマを理解して我が物とすることによって、
フルパワーを出すことが出来るようになるといえるでしょう。
ということは現在はまだマーベラス達はゴーカイジャーという戦隊のテーマを完全には理解しておらず、
我が物に出来ていないということになります。

では、ゴーカイジャーという戦隊のテーマとは何なのかというと、それはまだ完全に正解は分かりません。
ただ、34のスーパー戦隊のテーマを我が物としていくということ自体が
ゴーカイジャーのテーマの完成に繋がっていくのは間違いないと思います。
それゆえ、レジェンド回を重ねていって、
マーベラス達が我が物としているスーパー戦隊のテーマが1つずつ増えていくに従って、
ゴーカイジャーは少しずつフルパワーに近づいて強くなってきているのです。

そのバロメーターになるのが召喚戦士とのバトルです。
例えば第20話のギンガマン篇で、ジョー達4人は人数的に優勢であったにもかかわらず
ウルザードファイヤー達召喚戦士の3人にゴーカイジャーの姿の時は一蹴されてしまっていますが、
今回はゴーカイジャーの姿で人数的劣勢であるにもかかわらず
同じ召喚戦士たちを相手に押され気味ながらしっかりと持ちこたえています。
そのギンガマン篇を経た後の第23話のゴーゴーファイブ篇の時には、
細かい描写を見ると、少しはゴーカイジャーはギンガマン篇の時よりは召喚戦士を相手に
良い勝負が出来るようになっています。
そしてそのゴーゴーファイブ篇から、ハリケンジャー篇、ジェットマン篇、ライブマン篇を経て
3つの戦隊のテーマを我が物とした後の今回は、
明らかにゴーゴーファイブ篇の時よりはゴーカイジャーの姿でも強くなっているのです。

ゴーカイジャーは確かに現在はまだゴーカイジャーの姿だけでは歴代戦隊のフルパワーよりは弱い。
歴代戦隊への豪快チェンジ能力も含めた総合力で「最強戦隊」という謳い文句が成り立っている状態です。
しかしこれは別に恥じるようなことではありません。
何故なら、歴代戦隊だって物語が進む中で徐々に強くなっていったわけであり、
今のゴーカイジャーと同時期の頃の歴代戦隊は決してフルパワー状態ではなかったからです。
そしてもちろんゴーカイジャーも他の戦隊同様、自力の努力でもまだ強くなる余地はある上に、
まだ残り手に入れていない「大いなる力」の数の分だけ更に強くなる余地があり、
それが全て揃った時、更に完全な強さに到達し、
仮にゴーカイジャーの分以外の全てのレンジャーキーの戦う力をレジェンド戦士たちに返してしまったとしても
ゴーカイジャー単独の力だけでも本当の意味で「最強戦隊」となる可能性もあるのです。

まぁともかく、現時点においてはまだゴーカイジャーの姿でいる時よりも、
完全シンクロ変身をしたオーレンジャーの姿のフルパワーが強く、
それによって召喚戦士との戦いを逆転していくというパターンは
ギンガマン篇やゴーゴーファイブ篇の時と同じです。
ただ、ギンガマン篇とゴーゴーファイブ篇の際には
この逆転描写が集団バトルの中で一気に片付けられていましたが、
今回はさすがにレンジャーバトル最終戦だけあって、
さきほどのゴーカイジャーの姿の戦闘時と同じ組み合わせの個別戦闘の描写がちゃんと描かれ、
ハッキリとした形で、現時点のゴーカイジャー姿と完全シンクロ変身後のゲスト戦隊の姿の
強弱の差が描写されています。

ここはオーレンジャーの個人武器を使った各自の戦闘が描写されます。
マーベラスは剣型の個人武器スターライザーを使ってデカマスターとデカスワンの宇宙警察コンビと戦い、
ジョーは2本のトンファ型の個人武器デルタトンファを使ってリオとメレの臨獣殿ペアと戦い、
ルカは2本のヌンチャク型の個人武器ツインバトンを使って姫シンケンレッドと一騎打ち、
ハカセは2本の斧型の個人武器スクエアクラッシャーを使ってシグナルマンと一騎打ち、
アイムは盾型の個人武器サークルディフェンサーを使ってマジマザーと一騎打ちをして、
更に鎧は豪獣レックスに搭乗してウルザードファイヤーとズバーンの巨大化形態と戦います。

ジョーはメレが放つ無数の針をデルタトンファで全弾叩き落としながらリオの攻撃をかわし、
リオとメレを凌ぐオーブルーらしい体術で動きながら反撃していき、
怯んだリオとメレに大技「稲妻・超力トンファ」を喰らわせます。
ハカセはシグナルマンがシグナイザーを警棒型にして繰り出してくる攻撃をスクエアクラッシャーで受け止め、
オーグリーンならではのパワーでシグナルマンを押し返して、
がら空きになったシグナルマンの胴体に「電光・超力クラッシャー」を食らわせます。

ルカは1本のバトンで姫シンケンレッドのシンケンマルを受け止めるとシンケンマルに鎖を絡めて固定して、
残りもう1本のバトンで姫シンケンレッドの顔を殴って、
怯んだところでシンケンマルを握る手をバトンで叩いてシンケンマルを叩き落とします。
シンケンジャーは剣を持つと異常に強いが、剣が無いと弱くなります。
ルカは「いくよ!!」と嵩にかかって「光速スプラッシュイリュージョン」という連続キック技を
姫シンケンレッドに叩き込んでいきます。
また、アイムはマジマザーの冷気魔法ブリザードクラッシュをサークルディフェンサーで受け止め、
凍りついたサークルディフェンサーを捨ててジャンプして、
空中から「閃光ミラクル気功弾」を放ち、マジマザーにこれを炸裂させます。

そしてマーベラスは剣型のスターライザーを右手に持ち、
左手にはオーレンジャーの銃であるキングブラスターを持ち、
いつもの剣と銃の同時持ちスタイルでデカマスターとデカスワンをさっきとは打って変わって軽くあしらい、
デカスワンを弾き飛ばした後、デカマスターの剣を片手の剣で受け流して、
態勢を崩したデカマスターの腹に向けて「どけ!!」と言いつつ連続射撃を喰らわせます。
そして、膝をついて倒れ込んだデカマスターを庇って間に入ったデカスワン目がけて、
マーベラスは狙い澄ましたように「秘剣・超力ライザー」を浴びせ、これでデカスワンを倒してしまいました。

召喚戦士をまず1人、マーベラスが倒したのを豪獣レックスのコクピットから見下ろして、
鎧は「やった!」と手を叩き、「よっしゃぁ!こっちも!」と張り切りますが、
余所見している間に接近していた巨大ズバーンの連続キック攻撃に押しまくられ、
そこに巨大ウルザードファイヤーが剣から発した炎で攻撃してきて、
豪獣レックスは大爆発・・・したと偽装して、炎の中で豪獣神に変形し、
炎をめくらましにして、アバレンジャーの大いなる力「豪獣電撃ドリルスピン」で一気に突っ込み、
ウルザードファイヤーとズバーンに痛恨の一撃を喰らわせます。
そして「こっから逆転だ!」と、ドリルをトライデントモードにスイッチして電撃攻撃で一気に形勢逆転、
トドメは3つの戦隊の大いなる力を合わせた「豪獣トリプルドリルドリーム」を繰り出し、
ウルザードファイヤーとズバーンを倒します。

同時に等身大戦の方では、デカスワンを倒されて6人になった召喚戦士たちを一塊に追い込んだところに向けて、
マーベラス達5人が合体技「超力ダイナマイトアタック」で突っ込みます。
これはオーレンジャーの決め技で、しかも今はフルパワーですから、これで普通の怪人なら終わりなのですが、
さすがに召喚体とはいえ番外戦士ですから、これだけでは倒すことは出来ません。
しかしもう完全にグロッキー状態で勝負は決したようなものです。

そこでマーベラスは「よし!オーレバズーカだ!」と、
なんとここで合体必殺武器のオーレバズーカまで登場します。
5人で支えたオーレバズーカに5つのハイパーストレージクリスタルを装填して、
そのエネルギーを発射して、これで姫シンケンレッド、リオ、メレを倒し、
残るはフラフラになったデカマスター、マジマザー、シグナルマンの3人だけとなります。
そしてここでマーベラス達はゴーカイジャーの姿に戻り、
「このまま突っ切るぞ!」とファイナルウェーブの態勢に入って、
ゴーカイブラスト&スラッシュで残り3人の召喚戦士も倒して、レンジャーバトルの完全勝利を収めたのでした。

地面の上には、デカマスター、マジマザー、シグナルマン、姫シンケンレッド、リオ、メレの
6つの番外戦士のレンジャーキーが転がっており、それを拾おうとしてマーベラス達が歩き出すと、
毎度のごとくサリーが飛び込んできてレンジャーキーを回収しようとします。
しかしそう毎回毎回サリーに出し抜かれるわけにもいかない。
巨大戦を終えた鎧が既に物陰に潜んで様子を窺っており、
サリーがレンジャーキーを拾おうとする瞬間を狙ってゴーカイスピアのガンモードで狙い撃ちし、
サリーはレンジャーキーを拾えずに撤退し、代わりに飛び込んできた鎧が6つのレンジャーキーを回収します。

「皆さ〜ん!やりましたねぇ!!」と大笑いしてマーベラス達に駆け寄る鎧の両手には、
今回収した6つだけでなく、ズバーンとウルザードファイヤー、そしてデカスワンのレンジャーキーも
回収されており、これで遂にバスコが所有していた9つの番外戦士のレンジャーキーは
全てマーベラス一味のものとなったのでした。
これでマーベラス一味は、ゴーカイジャーの分も含めると198個のレンジャーキーを所有することとなったのです。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 22:42 | Comment(0) | 第31話「衝撃!!秘密作戦」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月18日

第31話「衝撃!!秘密作戦」感想その6

さて、オーレンジャー篇としての今回のお話のテーマはここまでで完結しています。
この後は、「ゴーカイジャー」という物語全体に非常に重大な意味のありそうなシーンとなります。

召喚戦士を全員倒してレンジャーキーも回収し、戦いが終わったところで
ジョーが「あとは・・・あいつだ!」と倉庫の脇を睨みます。
そこにはバスコが腕組みをして立っています。
バスコはいつものようにずっと戦いを見物していたのですが、
いつものように面白がっている風情ではなく、何か鬱屈した態度のようにも見てとれました。
確かに今回に限ってはサリーのレンジャーキー回収が失敗してしまい、
手持ちのレンジャーキーを全部奪われてしまうという失態はありました。
しかし、そのことで特にショックを受けているようにも見えない。ただ単に不機嫌なように見えます。
だいいち、いつもならここで何とかロイドの巨大生物兵器を出して、その隙にさっさと逃亡するはずなのですが、
何故か今回は逃げようともせずにただ突っ立っています。

マーベラス達6人は突っ立ったままのバスコに迫り、
鎧は「もうお前を守るレンジャーキーは無いぞ!」と凄み、
マーベラスは「今度こそ終わりだ!・・・バスコ!」と、ゴーカイサーベルを突き出します。
ここは「赤き海賊団」の裏切り者バスコを始末するのはマーベラスの権利ですから、
ジョー達はマーベラスがサシの勝負で本懐を遂げるのを見守り、手出しはしない。
マーベラスは一刀のもとにバスコを斬り捨てて因縁にケリをつけるつもりです。

しかしバスコは涼しい顔で微笑んでおり、全く動じた様子はありません。
以前のように生身同士ならばマーベラスと互角にやり合うことも出来るバスコですが、
今はマーベラスは変身しており、殺る気満々なのですから、余裕かましている場合ではないはずなのですが、
そんなバスコの妙な余裕など構わず、マーベラスは問答無用で「うおおおお!!」と突っ込みます。
すると、そこにサリーが飛び込んできてバスコの前に立ってマーベラスから守ろうとします。
バスコが余裕であったのはまたサリーに守らせるつもりだったのか・・・と思いきや、
バスコはサリーをすっと下がらせて、自分が進んで前へ出ます。
そしてマーベラスの剣をまともに受けようとするのです。

マーベラスは当然、猛然と突っ込んできて「おりゃあっ!!」とバスコの脳天目がけて剣を振り下ろします。
ところが、マーベラスの剣はバスコの額の前でピタリと止まってしまったのでした。
その光景を見て、マーベラス自身はもちろん、マーベラスの後ろで見守っていた仲間達も驚愕します。
「なんだ、あれは・・・!?」とジョーが絶句したのは、
バスコの身体の周囲が赤い光に包まれており、
その光がまるでバリアーのようにマーベラスの剣を食い止めているように見えたからです。

そのバスコは赤い光の中で「終わり・・・?」とニヤニヤ笑ってマーベラスを見ると、
「笑わせないでよ!マベちゃん程度が、俺を何とか出来ると思ってんの?」と嘲笑うと、
身体から出る赤い光を更に激しく白く発光させ、その勢いでマーベラスを吹っ飛ばしてしまいます。
そして地面に叩きつけられたマーベラスを心配して駆け寄る仲間たちの目の前で、
再び赤い光に包まれたバスコの身体に異変が生じます。

サリーもどういうわけか驚いているようで、
バスコのこのような状態というのは、いつも一緒にいるサリーも初めて見るのかもしれません。
赤い光の中でバスコの顔にひび割れのようなものが走ったように見えた瞬間、バスコの目が白く光り、
またバスコの全身から白い激しい発光があり、マーベラス達は目が眩みました。

その異変は、どういうわけか遠く地球と月の間の宇宙空間に浮かぶギガントホースの艦橋に
1人で立つダマラスにも感知できるようで、
ダマラスは窓の外の地球を眺めて「フン!」と鼻で笑います。

そして、地上ではバスコの身体を包んでいた光が消えていき、
バスコの姿が再びマーベラス達の視界にとらえられてきました。
バスコの背後で目を覆っていたサリーも手をどけてバスコの姿を見てビックリして腰を抜かして吠えます。
バスコの姿はさっきまでのニヤケた人間の姿とは全く違う姿に変身してしまっていたのです。
その顔はまるで船乗りの天敵であることを象徴するかのような赤いヒゲクジラが海賊帽を被ったかのようで、
身体も赤をベースとして所々にドクロをあしらった、いかにも悪の海賊という風貌の怪人でした。

驚いて見つめるマーベラス達に向かってバスコは
「マベちゃんには見せたこと無かったっけねぇ?これがアカレッドも恐れた、俺の真の姿さぁ!」と言います。
昔の仲間だったマーベラスもバスコの言うように、このバスコの姿は見たことがないようで
「真の姿・・・?」と唖然としています。
バスコは可笑しそうに「まさかガレオンで飯作ってるだけで、
俺の首に300万ザギンも賞金がかけられるわけないっしょ!」と嘲笑います。

「赤き海賊団」のメンバーにどれぐらいの賞金が懸けられていたのかは今までドラマ内で説明はありませんでしたが、
第1話時点でのマーベラスの賞金が150万ザギンであり、
おそらく赤き海賊団時代はそれよりも低い額だったのであろうと思われ、
そう考えると、バスコの300万ザギンの賞金額というのはかなりマーベラスよりも多かったと思われます。
もちろんマーベラスの回想シーンでバスコが戦っているシーンもあったので
「飯作ってるだけ」というのは冗談なのでしょうけど、
赤き海賊団においてバスコはマーベラスとそう大差ない活動しかしていなかったようです。

それなのに、そんなに賞金額に差がついていたということは、
この怪人風の変身体があるというだけではなく、
バスコの赤き海賊団に入る前の経歴に何かザンギャック帝国にとって
よほど排除しなければいけないような重大なものがあったということです。
そして、それをアカレッドが恐れており、ダマラスもおそらく知っているようです。

アカレッドにしてもダマラスにしても、単にバスコに怪人態があって、それが恐ろしく強かったとしても、
それだけで恐れたりするような者達ではありません。
バスコの過去には何か重大な秘密があり、そのことがアカレッドの恐れを誘い、
ダマラスがバスコを特別扱いする理由にもなっているようです。
そしてまた、その秘密はバスコが「人を信じない」ということとも何か関係があるのかもしれない。
しかし、そのバスコを何故かアカレッドは海賊団の仲間とし、
ダマラスも今はバスコと表面上は手を組んでいます。それもまた謎だといえます。
「宇宙最大のお宝を独り占めするためにバスコがダマラスに誘われてアカレッドを裏切った」という、
単純にそれだけの関係とは思えないということは以前にも考察しましたが、
やはりバスコとアカレッドとダマラスの関係は単純なものではないようです。

「・・・さぁてマベちゃん・・・どうする?」とバスコはマーベラスに問いかけます。
こうして変身した自分とも戦うつもりなのか?と聞いているのです。
マーベラスはもちろん裏切り者のバスコを倒さねばならないという想いは一切揺るがない。
ただ、確かに考えてみればバスコの賞金額が妙に高かったことはマーベラスも昔から知っていた。
マーベラスは基本バカなので昔はそんなこと真面目に理由を考えたこともなかったが、
言われてみれば不可解な話で、こうして怪人態のバスコを見てみると、
バスコの過去に謎があることに気付きました。
そしてアカレッドも恐れていたという話、
そしてまた、何といっても現実に今、醸し出されてくる危険な雰囲気によって、
マーベラスはバスコの実力に警戒感を増していました。
戦意は全く減ってはいません。
しかし真正面から考え無しに突っ込むのは危険だと思いました。

しかし、そうして慎重に構えるマーベラスの前に鎧が飛び出し、
いきなりバスコに真正面から突っ込んでいったのでした。
「待て!鎧!」と慌ててマーベラスは制止しようとしますが、
鎧はスーパー戦隊の力を悪用しようとするバスコに
スーパー戦隊の大いなる力が幾つか奪われたと聞いて、頭に血が昇っていますので
マーベラスの言葉でも止まりません。
それに「マーベラスとバスコのサシの勝負を尊重する」というマーベラス一味の不文律も知りませんので、
遠慮なく突っ込み、マーベラスも鎧がその不文律を知らないことを忘れていたので、
いきなりの鎧の先走りに虚をつかれた形となりました。

「うおおお!!」と突っ込んで、鎧はバスコに向けてゴーカイスピアの槍先を突き立てます。
ところがバスコはその槍先を片手の指先でつまむように難なく止めてしまい
「・・・前も思ったけど・・・」と不機嫌そうに言いながら鎧の右腕を捩じりあげて、ボキッと折ってしまいました。
激痛で「わあああ!?」と叫ぶ鎧にバスコは「うるさいなぁ・・・キミは!」と悪態をつきながら
身体から赤い光と共に発した赤い炎の衝撃で鎧をマーベラス達の方へ向けて吹っ飛ばしてしまいました。

何やらバスコは鎧を特に嫌っているようです。
確かに鎧は普段からうるさいヤツですが、
ここでバスコが言っているのはそういう意味ではないでしょう。
バスコにとって鎧は鬱陶しい存在のようです。

絶叫して地面に叩き落とされた鎧は変身解除してボロボロになって気絶して転がります。
マーベラス達は「鎧!!」と駆け寄り、呼びかけますが、鎧は目を覚ましません。
仲間がやられて頭に血が昇ったマーベラスは「やろぉ!!」と怒鳴って
ゴーカイサーベルとゴーカイガンを構えて立ち上がります。
ジョー達4人もこうなっては既にサシの勝負という前提は崩れ、
仲間をやられた以上、報復をしなくてはいけない状態ですから、
マーベラス同様に怒りに燃えて武器交換しながら立ち上がり、
5人でバスコに向かって至近距離でゴーカイスクランブルを放ちます。
いきなりゴーカイジャーの最強技で終わらせるつもりです。
それほど怒りが頂点に達しているということです。

ところがバスコはゴーカイスクランブルの凄まじいエネルギー弾をなんと片手で難なく受け止めてしまい、
しかも「こんなもの!」と言って、撃ち返してきたのでした。
予想外の事態に驚愕したマーベラス達でしたが、
こうなると至近距離で今度は自分達がゴーカイスクランブルを喰らう羽目になり、
直撃弾を喰らって吹っ飛ばされます。
そうして倒れ込むマーベラス達の間を、風のようにバスコが通り過ぎ、
マーベラス達の倒れ込んだ背後に瞬時に移動します。

強烈なダメージを喰らってしまったマーベラス達5人でしたが、
それでも背後に回ったバスコの方に向き直ってヨロヨロと立ち上がり、剣や銃を構えようとします。
まだ戦意は失っていないのです。
マーベラスも「バスコ・・・てめぇ!!」と怒号を上げますが、
ところがバスコはマーベラス達に背中を向けたまま「もう終わってるけど?」と言います。
マーベラスが意味が分からず「なに!?」と言った瞬間、
マーベラスのゴーカイジャースーツが何かのダメージによって火花を噴き上げ、
身体に激痛が走り、マーベラスの膝は折れます。
他の4人も同様の状態となって悲鳴を上げ、そのまま倒れ込んで変身解除して意識を失ってしまいました。
振り向いたバスコは倒れた5人を指さして「ほぉ〜らね!」と可笑しそうに嘲笑うのでした。

バスコはさっきマーベラス達の間を瞬時に通り抜ける際、目にも止まらぬ速度で攻撃を繰り出して、
マーベラス達に決定的なダメージを与えたのです。
そのことに倒されるまでマーベラス達が全く気付かないほど、
バスコとマーベラス達との間には大きな実力の開きがあるのでした。
もちろんマーベラス達が弱いわけがない。バスコが考えられないほどに強すぎるのです。
この強さは圧倒的で、これまでにもザンギャックでも強い怪人は登場したことはありますが、
このバスコ怪人態の強さは別次元のものです。

しかし、ダメージで完全に昏倒してしまったゴーカイジャーの中でマーベラスだけは意識は失っていませんでした。
マーベラスも全くバスコの攻撃は気がついていなかったので僅かでも避けられていたというわけではなく、
単にマーベラスがやたらと頑丈な身体であるのか、
あるいはバスコがマーベラスだけはわざと意識を失わない程度に手加減したのか、どちらかでしょう。

それでも身体は動かすことが出来ず、うつ伏せに這いつくばった惨めな姿でバスコを見上げ、
マーベラスは悔しげに「バスコ・・・!」と呻きます。
そのマーベラスに歩み寄ると、バスコはしゃがみこんでマーベラスの顔を覗き込んで
「ま、今日はもう獲る物も無くなったし、続きは今度にしよっか!」と言いながら、
右手を伸ばしてマーベラスにその掌に握ったものを見せます。

それは金色に光る3つの珠でした。
最初は不思議そうにそれを見たマーベラスはハッとして「それは・・・!」と言います。
バスコはマーベラスが気付いた内容を答え合わせするようにこともなげに
「俺が奪ったチェンジマン、マスクマン、フラッシュマンの大いなる力だよ!」と応えます。
マーベラスは「なにぃ・・・!?」とバスコを睨みます。
やはりこの光るものは「大いなる力」だったのかと思うと同時に、
それがこんな珠のような形であることに驚きました。
それに、桃からバスコが「大いなる力」を幾つか奪っているということは聞いていましたが、
こうしてわざわざそれを見せつけるバスコに対して怒りが湧きあがってきます。

しかしバスコはマーベラスの怒りは意に介さず「次に会う時はもうちょっと増えてるかもね!」と嘯きながら
マーベラスの髪の毛を掴み、「ま、マベちゃんも頑張って集めといてよ!俺のためにね!」と言うと、
マーベラスの顔を乱暴に地面に叩きつけ、痛みで呻くマーベラスを一瞥もせず冷たく立ち上がると、
「帰るよ!サリー・・・」とサリーに声をかけて去っていきます。
サリーもずっとビックリしたようにバスコを眺めていましたが、
バスコに声をかけられていつものご主人だと思って安心したのか、
「ウキ〜ッ!」と鳴いてバスコにくっついていきます。

そうしてバスコは立ち去っていきました。
その場には倒れて動かないジョー、ルカ、ハカセ、アイム、鎧と、
うつ伏せで呻くマーベラスの6人のゴーカイジャーの無残な敗北の姿が残り、
そこに慌てて吾郎と桃が駆け込んできます。
吾郎も桃も一瞬にしてゴーカイジャーが変身したバスコに倒されるのを見て驚愕していたのですが、
バスコのあまりの猛威に、変身して戦えない身であるゆえにバスコが立ち去るまで動けない状態であったのでした。

駆け寄った桃は鎧に「大丈夫!?」と呼びかけ、
吾郎はマーベラスに「おい!しっかりしろ!」と声をかけますが、
マーベラスは悔しさと怒りで感情が爆発し、
地面を拳で何度も叩きながら「バスコォォォォッ!!」と絶叫するのでした。

マーベラスがここまで激しく悔しがった理由は、バスコに負けたことそのものではなく、
バスコがあれほど圧倒的な強さを持っていたのなら、
今までに何度も自分達を殺すことは出来たはずなのに、
わざと手を抜いていたことでした。

どういう事情なのかは分からないが、バスコはマーベラス達を殺さずに何らかの形で利用しようとしているようです。
だから今までも殺すチャンスはあったのに殺さなかった。
変身した姿を見せることもなく、本気で戦おうともしなかった。
今もバスコ自身は戦う意思は示さず、マーベラスにどうするのか伺いを立てた。
そして今もわざとトドメは刺さなかった。
そして、その事実をわざわざマーベラスに教えるために
わざとマーベラスだけ手加減して気絶させなかったのです。

そこまでバスコに舐められて、掌の上で遊ばれているのが、マーベラスには我慢ならなかったのでした。
そのバスコへの怒りがあまりにも激しすぎて、敗北感など感じる余裕すらマーベラスには無く、
その心は必ず強くなってバスコを倒すというリベンジへの執念で燃え上がっていたのでした。

しかし、ここの場面はいろいろと考えさせられます。
まず「大いなる力」の状況ですが、
ここでバスコに奪われていた「大いなる力」が
チェンジマン、フラッシュマン、マスクマンの分だということが分かりました。

これで、今回のエピソードの開始前の時点で判明していた、
ゴーカイジャーが「大いなる力」をまだゲットしていなかった戦隊、
バトルフィーバーJ、サンバルカン、チェンジマン、フラッシュマン、マスクマン、ファイブマン、
カクレンジャー、オーレンジャー、メガレンジャーの9戦隊のうち、
今回のエピソードでオーレンジャーの「大いなる力」はゴーカイジャーのもとへ移動し、
チェンジマン、フラッシュマン、マスクマンの「大いなる力」はバスコに奪われたということが判明し、
残るはバトルフィーバーJ、サンバルカン、ファイブマン、カクレンジャー、メガレンジャーの5戦隊へと
一気に絞られました。

やはり古い戦隊のレジェンド回が省略されるので、
こうしてバスコに奪われるという形で
チェンジマン、フラッシュマン、マスクマンが処理されたということなのでしょう。
そしてバスコが次に登場する時にもう少し増えてることを示唆しているところを見ると、
この3戦隊よりも更に古い戦隊であるバトルフィーバーJ、サンバルカンあたりは
次回バスコ登場時には、「既にバスコに奪われていた」という形で処理される可能性が高いのではないでしょうか。
そして、ファイブマン、カクレンジャー、メガレンジャーの3戦隊のレジェンド回において
「大いなる力」の争奪戦がゴーカイジャーとバスコの間で繰り広げられるのではないでしょうか。

ただ、バスコに奪われた「大いなる力」も
最終的にはマーベラス達の手許に来なければ物語は結末を迎えることは出来ません。
ですから、いずれはマーベラス達が手に入れることになるのでしょうけれど、
ゴーカイジャーという戦隊のテーマが
「34のスーパー戦隊のテーマを我が物として強くなっていくこと」であるとするなら、
このバスコから奪還する「大いなる力」も、単に物理的に奪い取るだけという形にはならないでしょう。
それだとバスコとやってることは変わらないからです。

やはり、それらの戦隊のテーマもマーベラス達は我が物として、
それによって「大いなる力」が自動的にレンジャーキーに移動するという形になるのでしょう。
ただ、バスコが所有したままでも自動移動が起きるのであればバスコが奪っている意味が無いので、
まずはバスコから物理的に奪い返して、
その後、テーマ絡みでレンジャーキーへ自動移動という段取りとなるのでしょう。

ただ、これらの戦隊のレジェンド回は無いのでしょうから、
このあたりは詳細なドラマが描かれることはなく、
おそらく「199ヒーロー大決戦」映画のビジョンで登場して「大いなる力」の委譲をまとめて処理された
10戦隊のような扱いになるのでしょう。
つまり、3〜5個のバスコに奪われた戦隊の「大いなる力」は終盤のバスコとの決着の1エピソードで
まとめてマーベラス達がそのテーマごとゲットすることとなり、
それゆえ、それらの戦隊のテーマはかなり抽象的で普遍的なものとされるのでしょう。
例えば「地球の平和を願う気持ち」とか、そんな、どの戦隊でも当てはまりそうなもので、
それが特に何であるのかも「199ヒーロー大決戦」映画の10戦隊と同じように、特に言及もされないのでしょう。

もしかしたら、その終盤エピソードの時、「199ヒーロー大決戦」映画における海城剛や番場壮吉たちのように、
このバスコに奪われた3〜5戦隊のレジェンド戦士たちも1戦隊につき1人ぐらい、
ビジョンとして一瞬でも登場して1つぐらいセリフは喋るのかもしれません。

さて、それにしても、このチェンジマン、フラッシュマン、マスクマンの大いなる力ですが、
この丸い珠のような形状は異様です。
レンジャーキーの中に保持しているマーベラス一味とは、バスコの所持の仕方は根本的に違うようです。
この掌サイズの金色の珠というのは、
桃がマーベラスに渡そうとして大いなる力を自分の拳に移動させて凝縮させていたものに
色も形も大きさもほぼ同じですから、
剥き出しの「大いなる力」を凝縮させたものなのでしょう。

しかし、この珠の状態で「大いなる力」というのは使えるのでしょうか?
この状態で使用することが出来るのなら、
レジェンド達だって、「大いなる力」を何らかの形で使用することが出来そうなものです。
やはり「大いなる力」はマーベラス達が使っているようにレンジャーキーに宿らせて、
レンジャーキーをシリンダーの鍵穴に挿して回すことによってしか使えないのではないでしょうか?
つまりラッパラッターという器具は、「大いなる力」を吸い取って、
それを凝縮して珠のようにするだけの器具であり、
「大いなる力」をレンジャーキーに宿らせることは出来ないということなのかもしれません。

いや、そうではないでしょう。
ちゃんとラッパラッターにはレンジャーキーを挿すシリンダーが5本ついています。
レンジャーキーに対応した器具なのです。
おそらく、本来はシリンダーに「受け」のレンジャーキーを挿しておいて、
吸い取った「大いなる力」をその「受け」のレンジャーキーに注ぎ込むことが出来る器具なのでしょう。
そして、その「大いなる力」の宿ったレンジャーキーを挿してラッパラッターを吹き鳴らすと、
召喚戦士同様、ラッパラッターの吹き口からは「大いなる力」が具現化して出現するはずです。

ところがバスコはその「受け」のレンジャーキーをシリンダーに挿さずに「大いなる力」を吸い取ったため、
「大いなる力」はレジェンド戦士たちの体内に単品として存在する時と同様の
珠状のエネルギー体に凝縮されてしまっているのです。
では、どうしてバスコはレンジャーキーをシリンダーに挿さなかったのかというと、
その理由は単純明快、レンジャーキーが無かったからです。

チェンジマンら3戦隊の「大いなる力」を奪った時、バスコが所持していたレンジャーキーは
番外戦士の9個だけであり、この中にはチェンジマン、フラッシュマン、マスクマンのレンジャーキーは無い。
例えばチェンジマンの大いなる力を注ぎこめるのはチェンジマンのレンジャーキーだけであるはずですから、
チェンジマンの「大いなる力」を吸い取る際には、
シリンダーにはチェンジマンのレンジャーキーを挿しておかねばならないはずです。
しかしバスコはそれらを持っていなかったので、どうしようもなく、
それで仕方なく、吸い取った「大いなる力」を珠状にして所持することとなったのでしょう。

するとバスコはせっかく奪った「大いなる力」をマーベラス達のように戦闘で使うことは出来ないことになります。
しかし、バスコはそれでも構わないのでしょう。
バスコにとって「大いなる力」は全部集めて「宇宙最大のお宝」を見つけるためのアイテムに過ぎないのであって、
それを使って戦うつもりはないのでしょう。
バスコ自身が圧倒的な戦闘力を持っており、生物兵器も持っていますから、
「大いなる力」を戦闘で使う必要性をあまり感じないのでしょう。

しかし、今回のエピソードで暗示されたように、
「大いなる力」の本来あるべき受け取り方がレンジャーキーへの自動的な移動だとするのなら、
レンジャーキーで受け取らないと、「大いなる力」の本来の力は発揮出来ないのではないでしょうか?

第3話の時に小津魁は
「34のスーパー戦隊の大いなる力を全部引き出せば宇宙最大のお宝が手に入る」と言ったのであり、
それは前後の彼の言葉のニュアンスを総合すれば、
「レンジャーキーに込められた大いなる力を全部引き出せば」という意味と解釈するしかありません。
決して小津魁は、単に「大いなる力」を集めただけで「宇宙最大のお宝」が手に入るとは言っていません。
もしかしたらそれは、見つけることは出来るが、手に入れることは出来ないというニュアンスなのかもしれない。

それならば、34の戦隊のオリジナルの戦士たちにレンジャーキーを返して、
ハリケンジャーがやったようにその体内にレンジャーキーを取り込んで変身し、
体内の「大いなる力」を全部引き出した状態として、全員が一堂に会したら、
「宇宙最大のお宝」が手に入るとも考えられる。
しかし小津魁たちレジェンド戦士たちはその方法は選ぼうとはしていない。
ということは、「宇宙最大のお宝」を手に入れるためには、
あくまでレンジャーキーというアイテムを使って
1つの戦隊が34の戦隊の「大いなる力」を全部引き出す必要があるようなのです。

そのことを、あるいは「宇宙最大のお宝」の存在さえも、
全部のレジェンド戦隊がハッキリ知っているわけではないようですが、
少なくとも小津魁は知っていたようです。
そして、その役目を担う候補としてゴーカイジャーが指名されているのです。

そういう仕組みになっているからこそ、
「大いなる力」そのものは地球にいるレジェンド戦士たちの体内にあるのに、
アカレッドはわざわざ宇宙に散らばるレンジャーキーを集めてから地球に向かおうとしたのであり、
バスコ自身も執拗にレンジャーキーを奪おうとしていたのは、その仕組みを知っていたからなのでしょう。
ラッパラッターで「大いなる力」を吸い出せるとはいっても、
ラッパラッター自体がレンジャーキーシステムに対応した仕様になっているのですから、
本来はレンジャーキーと組み合わせて使うものなのです。
だからバスコは第15話、第16話では本気でレンジャーキーを奪おうとしてきていました。

あの時点でバスコはラッパラッターを既に持っていたのですから、
やはりバスコはラッパラッターで吸い出すだけでは「大いなる力」を手に入れることは出来ても、
その力を引き出すことは出来ず、「宇宙最大のお宝」を手に入れることは出来ないということは
分かっていたのでしょう。

「宇宙最大のお宝」を手に入れるためには「大いなる力」とそれに対応する「レンジャーキー」が必要であり、
「レンジャーキー」に宿った「大いなる力」を引き出せるだけの精神性が必要なのです。
その精神性とは、つまりその該当する戦隊の持つテーマを理解し我が物とする精神性です。

しかし、そうなるとバスコの行動は少し妙です。
「宇宙最大のお宝」を手に入れるためにはレンジャーキーが必要だと分かっているはずなのに、
どうしてバスコはチェンジマン等の「大いなる力」を奪う前に
チェンジマン等のレンジャーキーを手に入れようとしなかったのか?
おかげでチェンジマン等3戦隊の大いなる力はレンジャーキーの中に宿る本来の在り方ではなく、
珠状になってしまい、「ただ持っているだけ」という
レジェンド大戦後のレジェンド戦士たちと大差ない状態となってしまっています。

ただ、この珠状になった「大いなる力」ももしかしたらラッパラッターとレンジャーキーを使えば
本来のあるべき形にすることは出来るかもしれない。
だからバスコとしては今からでもチェンジマン等3戦隊のレンジャーキーは手に入れる価値はあるはずです。
いや、そもそも今後もバスコは他の戦隊の「大いなる力」も狙うと宣言しているのだから、
例えばサンバルカンやバトルフィーバーなどのレンジャーキーはあらかじめ手に入れておいた方がいいはずです。

なのにバスコはレンジャーキーを奪おうとはしていません。
第15話、第16話の時点では本気で奪おうとしていたはずなのに、
その後、何故か急にバスコはレンジャーキーを奪うことはやめて
「大いなる力」をラッパラッターで吸い取って奪うことのみに一生懸命になっています。

「宇宙最大のお宝」を手に入れるためには必要なレンジャーキーなのですから、
あんな一度の失敗ぐらいで諦めてしまうのは、あまりにもあっけない。
更に第2、第3の計略を巡らせてレンジャーキーを奪おうとしてくるのかと思っていたら、
バスコはレンジャーキーには急に興味を示さなくなり、「大いなる力」ばかり狙うようになってしまいました。

マーベラス達のガードが堅いからレンジャーキーには手は出せそうにないと思った可能性もありますが、
バスコはそんな程度で諦めるような性格には思えませんし、
そんな程度で諦めるような根性で「宇宙最大のお宝」など手に入るとも思えません。
あの手この手の計略を練るのが普通でしょう。
ましてや、バスコには実は圧倒的に強い怪人態があるのですから、力づくでもレンジャーキーを奪えるはずです。

そして今回などはバスコはマーベラス達を動けなくなるまでに追い込んで完勝したわけですから、
少なくとも鎧が回収して持っている番外戦士の9つのレンジャーキーは奪い返せるはずですし、
また何人か拉致してレンジャーキーと交換する人質交渉だって出来るはずです。
それなのに、バスコは何ら積極的なそういう行動は起こさず、
バスコから見れば本来は自分が持つべきレンジャーキーを横取りしている忌々しい存在であるはずの
マーベラス達にトドメも刺さず、レンジャーキーを持たせたまま見逃しているのです。
これはもう、バスコが第15話、第16話の時のレンジャーキーを奪おうとしていた「本気」から、
その直後、急激にトーンダウンしたとしか思えません。

いや、この第15話、第16話の「本気」というやつも実はちょっと怪しい。
あの時、バスコはマーベラスに完敗してしまったので引き下がらざるを得ず、
その後もあれに懲りてレンジャーキーを狙うことを止めたようにも見えますが、
しかしバスコは本当は圧倒的に強い怪人態を持っているわけですから、
あの第16話の時、召喚戦士たちが倒されてしまった後でも
その気になれば変身してマーベラス達を倒してレンジャーキーを奪うことは出来たはずです。
ところがそうはしなかったのは、
やはりあの時点でも本気でレンジャーキーを奪うつもりはなかったのか?とも思えてきます。

いや、あの時点ではバスコは本気でレンジャーキーを奪うつもりで計略を巡らせています。
つまり本気で奪おうとはしていたわけで、
計略で奪えると思っていたが、その計略が敗れてしまっただけのことなのです。
しかし、本気だったにも関わらず、最後に切り札的に変身して力づくで奪おうとしなかったのは何故なのか?
単に「力づくが趣味じゃない」なんていうヤワな理由であるはずはない。

普段いつも一緒にいるサリーもバスコの怪人態を知らなかったぐらいですから、
バスコの怪人態というのは基本的に滅多に見せるべきものではないのでしょう。
それがつまりバスコの言う「力づくは趣味じゃない」ということなのでしょう。
バスコが力づくでレンジャーキーを奪おうとしないのも、そのためなのでしょう。
怪人態になることで身体的に負担がかかるというようには見えないことから、
単にあまり見せたくない理由があるようです。
そこにアカレッドが恐れ、ダマラスも注目する「何か」があるようです。

しかし、それならば何故、バスコは今回は変身したのか?
今回、別にバスコはいつものように生物兵器を足止め係として出して、さっさと逃げることは出来たはずです。
そうすれば変身などする必要は無かった。
だいたい変身してマーベラス達をぶちのめして、殺すわけでもなく、
番外戦士のレンジャーキーを奪還するでもなく、
また第15話の時のように何人か拉致して交渉のための人質にするでもなく、
単に憂さ晴らしにぶちのめして自分の優位を見せつけただけにしか見えません。

しかも最初に怪人態のバスコに手を出したのは鎧であり、
バスコは鎧の行動に腹を立てた勢いでマーベラス達を倒してしまったようにも見えます。
バスコ自身は変身した後にマーベラスに戦うかどうか決めさせようとしており、
バスコ自身がマーベラス達をぶちのめすために変身したのではなく、
単にビックリさせてやろうとしていたようにも見えます。
つまり非常につまらない動機でバスコは今回変身しています。

何故バスコはそんなつまらない動機で今回、本来はあまり見せるべきでない変身を見せたのか?
それは何かよほど腹に据えかねることがあって、ついキレて変身してしまったように見えます。
バスコはマーベラス達に何か憤りを感じているようで、その中でも特に鎧のことが気にいらない様子です。
そうした日頃からの憤懣があったところに、何かきっかけがあって、ついキレて、
本来見せるべきでない怪人態を誇示したくなってしまったという風に見えます。

そのきっかけというのは状況的に、召喚戦士9人がマーベラス達に倒されたことであるようですが、
召喚戦士そのものを惜しんだわけではないでしょう。
何故ならバスコは召喚戦士のレンジャーキーを回収しようともしていないのですから。
単に自分の召喚戦士がマーベラス達に敗れるという事実が腹立たしいようです。
むしろ役に立たなくなった玩具を捨てるように召喚戦士のレンジャーキーには興味は無くなったのでしょう。

バスコが腹立たしかったのは、
最強の召喚戦士であるはずの番外戦士たちを総動員して数的優勢まで保っていたにもかかわらず、
数的劣勢のマーベラス達がオーレンジャーのテーマを理解してレジェンド戦士と心を通い合わせた上で
完全シンクロ変身を遂げた姿に敗れ去ったことなのでしょう。
それはつまり、レンジャーキーを使いこなす上においては、
バスコの理念がマーベラス達の理念にどうしても敵わないということを決定的に証明する事件であったからです。

要するに、バスコは人を信じることが出来ず、
マーベラス達は仲間を信頼し、レジェンド戦士たちともこころを通わせることが出来る。
それゆえ、レンジャーキーに込められたスーパー戦隊の力を引き出すことが出来るのは
バスコではなく、マーベラス達の方なのです。

バスコはそのことを、第16話の時、
マーベラス達が5人で10人の追加戦士の召喚体を倒した時に気付いたのでしょう。
今回、こんなことでキレて変身したようなバスコが、
あの第16話の時にレンジャーキーを目の前にしながら
変身してマーベラス達を倒してレンジャーキーを奪おうとはしなかったのは、
自分がレンジャーキーを手にしても、その全ての力を引き出すことが出来ないと悟ったからだったのでしょう。

その後のギンガマン篇やゴーゴーファイブ篇で
マーベラス達よりも強いはずの番外戦士の召喚体が
他の戦隊に完全シンクロ変身したマーベラス達に打ち破られることによって、
そのバスコの判断は正しいことが証明されていきました。
自分は最強軍団であるはずの番外戦士のレンジャーキーの全ての力を引き出すことは出来ず、
一方でマーベラス達は着々とレンジャーキーの全ての力を引き出せる戦隊の数を増やしていくのを見て、
バスコは腹立たしさを感じましたが、
それでもまだその時は召喚戦士の方が数が少ない戦いだったのでバスコはまだ自分に言い訳が出来ました。

ところが今回は召喚戦士の方が数が多いのに完敗したのですから、
バスコは自分とマーベラス達の差を痛感せざるを得ませんでした。
それで腹が立ち、たとえレンジャーキーを扱う能力は劣っても、
普通に戦えば自分の方が遥かに強いのだという現実を誇示したくなったのでしょう。
それは単に誇示するつもりだけだったのかもしれませんが、
鎧が突っかかってきたので、バスコはつい手を出してしまったのでしょう。
マーベラス一味の中で鎧こそがマーベラス達とレジェンド戦士たちの橋渡しをして
マーベラス達のレンジャーキーとのシンクロ率を高めている功労者、バスコから見れば元凶のような男でしたから、
非常に鬱陶しく思っていたのでしょう。

バスコは自分はレンジャーキーの力を全て引き出すことは出来ず、
マーベラス達だけがレンジャーキーの全ての力を引き出すことが出来るようになる可能性があることに
第16話で気付いた。
そう考えると、バスコが第16話以降、急にレンジャーキーを奪うことに興味を示さなくなったことも納得いきます。

番外戦士のレンジャーキーをいちいち毎回回収して保持していたのは
レジェンド戦士たちを襲って「大いなる力」を奪うために手勢として使えるから
持っていた方が便利だったからに過ぎないのでしょう。
その番外戦士のレンジャーキーも今回奪還しようともしなかったのは、
どうしても力を全部引き出すことが出来ないレンジャーキーを使い続けるよりも、
今後は「大いなる力」を奪う時は自分で変身して奪おうと思っているからなのでしょう。

今回バスコがずいぶん久しぶりに怪人態を晒したのは、ついカッとなったからでもあるのでしょうが、
今後は「大いなる力」を奪う時などは、この姿で自ら戦うというある種の決意表明でもあるのでしょう。
どうしてそういう心境の変化が生じたのかというと、それはよく分かりませんが、
残りの「大いなる力」も少なくなってきて、「そろそろ大詰め」という意識がバスコにもあるのでしょう。
バスコにはバスコなりの何らかの遠大な計画があり、それがクライマックスを迎えようとしているので、
もう真の姿を晒してもいいだろうというような意識があるように思えます。
ダマラスがバスコの変身を感じ取って何か軽侮するような反応を示していたのも、
そうしたバスコの意思を察したからではないでしょうか。

しかし、この「大いなる力」ですが、
レンジャーキーから全ての力を引き出すことの出来ないバスコでは、
いくら「大いなる力」を集めても、使いこなすことも出来ませんし、
「宇宙最大のお宝」を手に入れることも出来ません。
それでもバスコは役に立たない珠状の「大いなる力」を奪取して手許に3つ確保しており、
また更に何個か奪おうとしています。これは不可解です。

また更に不可解なことに、
バスコは「宇宙最大のお宝」を狙う競合者であるマーベラス達を殺すチャンスを得ながら、命を奪おうともせず、
マーベラス達の持つ「大いなる力」の宿ったレンジャーキーを奪おうともせず、
なんとマーベラスに「頑張って集めといてよ」と言って、
マーベラスの「大いなる力」集めを応援までしているのです。

これはバスコ流のジョークなのではないでしょう。
バスコはそれに添えて「俺のために」と言っているのですから、
マーベラス達が「大いなる力」を集めることが自分の利益になると思っており、
マーベラスを利用して何らかの目的を達成しようとしているようなのです。

ありがちなパターンとしては、
マーベラス達に「大いなる力」を集めさせておいて、集めきったところで全部奪い取ろうという作戦です。
確かにバスコの実力ならばそれは可能でしょう。
しかし、現状を見る限り、別にそんな回りくどいことをしなくてもいいはずです。

バスコ自身が独自に動くつもりが全く無いとか、
バスコだけではレジェンド戦士の居場所を見つけられないから
マーベラス達を泳がせて漁夫の利をさらう作戦をバスコがとっているのならば、
そういう回りくどいやり方もアリですが、
バスコ自身が独自に動いてちゃんと「大いなる力」を奪取出来ているのですから、
それならばバスコの実力をもってすれば、マーベラス達に集めさせて奪うよりも、
残り全部自分で奪っていった方が早いはずです。

それに、マーベラス達に怪人態の実力を見せてしまい、
「俺のために集めといて」なんて言ってしまえば、
マーベラス達だってさんざん集めさせられて横取りされるのではないかと警戒するだけであり、
無意味にマーベラスの警戒感を高めるメリットはバスコにはありません。

だからバスコはマーベラスから「大いなる力」を横取りするつもりはないのだと思います。
マーベラスには「大いなる力」を集めてもらった方がバスコには都合がいいのです。
それでいて同時にバスコも幾つか「大いなる力」を確保している、そういう状況がバスコの利益になるのだと、
バスコ自身は考えているようです。

そこで、よく考えると、バスコはいくら「大いなる力」を集めても、
レンジャーキーにそれを宿して「大いなる力」の全ての力を引き出せないのですから
「宇宙最大のお宝」は手に入れられないわけです。
「大いなる力」を集めて「宇宙最大のお宝」を手に入れることが出来るのはマーベラス一味だけです。
但し、34個の「大いなる力」を全部揃えれば、の話です。

つまりバスコが幾つかの「大いなる力」を握った状態では、
マーベラス達は「宇宙最大のお宝」を手に入れることは出来ない。
言い換えれば、バスコとマーベラスが手を組めば、「宇宙最大のお宝」は手に入る。
つまり、マーベラスは「宇宙最大のお宝」を手に入れるためにはバスコの出す条件を呑まなければいけなくなる。
それが、自分の手では「宇宙最大のお宝」を手に入れられないことに気付いた後に
バスコが考え付いた作戦であり、狙いなのでしょう。

手を組むといっても現状の実力差がこれほどハッキリしていれば、
マーベラス達はバスコの配下に入るような形になってしまいます。
つまり実質的にバスコはマーベラス達に手に入れさせた「宇宙最大のお宝」を横取りできることになる。
バスコはそれを狙っているのではないかと思えるのです。
その自分の絶対的優位を知らしめるために、怪人態を晒してマーベラス達に実力差を知らしめたのであり、
マーベラスだけ気絶させずに「俺にために大いなる力を集めといて」などと嘯いたのも、
上下関係をハッキリ伝えるためだったのでしょう。

ただ、ここで問題なのは、そもそも「宇宙最大のお宝」とは何なのかです。
横取りといっても、もしかしたらそれは財宝の類ではなく、
それを手に入れたマーベラス達しか使えない「何か」であるのかもしれない。
バスコはそれが分かっているのか?
分かっていないようにも思えるし、
あるいは「宇宙最大のお宝」の正体も知っていて、
それをマーベラス達しか使えないかもしれないことも分かっているような気もします。

もしそうであったとしても、
バスコは自分の目的のためにマーベラス達を動かすことすら出来ると思っているようにも
何となく見受けられるのです。
それは、バスコの目的が何なのかという根本的な問題に関係し、
そこにはアカレッドやダマラス、果てはザンギャック皇帝まで絡んだ
何か巨大な陰謀が存在するのではないかとも思えてきます。

さて、また脱線してたくさん妄想してしまいましたが、
今回はここまでにしたいと思います。
なお、今回、CM関係ではGロッソの素顔の戦士公演が11月12日から始まるという告知CMが初めて流れました。
今年ももうそんな時期になってきました。

そして、「スーパー戦隊カラーチョコ」のCMが初お披露目となりましたが、
ガレオンの船室を使ったマーベラスと鎧のコントが良い味を出していました。
というか、単にレンジャーキーセットが当たるという鎧のまともな宣伝文句に
マーベラスが焦って宝箱を押さえてレンジャーキーを取られないようにするというだけなのですが、
妙に面白かったです。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 19:21 | Comment(0) | 第31話「衝撃!!秘密作戦」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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