2011年10月30日

第34話「夢を叶えて」感想その1

今回のエピソードは通常回で、
このところ続いている個別主役回で順番的に1人残っていたルカ主役エピソードで、
3クール目の通常回はスーパー戦隊定番エピソードシリーズということで、今回は「ニセモノ篇」です。
「ニセモノ篇」というのは戦隊メンバーのニセモノが現れて内部攪乱を狙ってくるエピソードで、
だいたいは擬態能力をもった怪人の仕業によるものです。

擬態能力をもった怪人が正義のヒーローに擬態するというシーンは、ヒーロードラマでは結構頻繁に見られます。
そもそも悪の怪人、特に幹部クラスはそうした擬態能力というものは備えている場合というのが多く、
様々な姿に化けて暗躍することが多いので、正義のヒーローに化けることもあります。
ただ普通の単独ヒーロードラマの場合は、それは一般人を欺くためです。
スーパー戦隊シリーズでも一般人を欺く目的でニセモノ戦隊が現れることはあります。
しかし、これは本物の戦隊が現れればすぐに正体が露見してしまう、ちょっとしたトピック的な扱いでしかなく、
それを中心にしてドラマを作れるようなものではなく、
いわゆるスーパー戦隊シリーズ定番エピソードとしての「ニセモノ篇」ではありません。

スーパー戦隊シリーズでよく見られる「ニセモノ篇」というのは、
チームヒーローものだからこそ成り立つ特殊なストーリーです。
擬態能力をもった悪の怪人が戦隊メンバーの1人に化けて戦隊内部に潜入し、
内部攪乱を狙うスパイアクション的な静かなスリル感が特徴で、
しかもこの作戦を成功させるためにはその本物の方の戦隊メンバーは怪人によって何処かに捕らわれて
監禁されていなければならないわけですから、その捕らわれた本物の方の危機感あふれる描写も見応えがあります。

そして、その場合、他のメンバーがその潜入した怪人の正体を見破った後、
一気に倒してしまうという展開にはなりません。
他のメンバーはニセモノの正体を見破った瞬間、本物の仲間が敵の手に落ちていることに気付くことになるからです。
もし怒りに任せてその懐に入り込んだ敵を追い詰めて倒してしまったら、
捕らわれている仲間の身も危なくなってしまいます。

だから、仲間を取り戻すためには、他のメンバーは
「騙されたフリをしながら潜入者を泳がせて、騙し返す」という高度な作戦を展開する必要があります。
このあたりの騙し騙されの駆け引きが応酬する静かな頭脳戦の妙味が楽しめるストーリーなのです。
そして、その内実の多くは種明かしの場面までは視聴者にも伏せられていることが多く、
視聴者の子供たちはハラハラしながら見て、最後のドンデン返しに驚き、喝采を送るわけです。

また、ちょっと通な楽しみ方としては、当然、本物もニセモノも同じ、
いつもお馴染みの戦隊メンバー役者が演じることになるので、
その演じ分けの妙を楽しむというのもあります。
いつもの正義の味方としての本物の演技、悪役の演技、そして悪役が正義の味方を演じている演技、
この3つのキャラを1人の役者が演じ分けるのであり、
若い戦隊役者には結構ハードルの高いお芝居となります。

こういう「普段の自分の役とは違うキャラを演じる」というのは「入れ替わり篇」と似た特徴ですが、
その演じ分けの難しさの質がちょっと違います。
「入れ替わり篇」は、普段の自分の役のキャラと仲間の役のキャラを演じ分け、
2役とも視聴者に馴染があるキャラなので、
入れ替わる相手のキャラをよく分析して完全コピーしなければいけない難しさがあります。

一方、「ニセモノ篇」の場合は、幹部でない単発の悪役キャラならば普段視聴者に馴染がないので、
いかにも悪役風に演じていればいいので楽です。
問題は「悪役が演じている自分」をどう演じるのかの方です。
普段の自分に限りなく似せつつ、微妙な違和感を出さないといけない、この匙加減が非常に難しい。
これをこなすには、まず普段の自分の役のキャラを完璧に掴んだ上で、それをそうやって微妙に崩すか、
しっかり演技プランを立てなければいけません。

だから「入れ替わり篇」と「ニセモノ篇」はどちらが高度であるかというのではなく、
それぞれタイプの違う難しさが演じる側に要求されるといえます。
だいたい基本的に「入れ替わり篇」はギャグに転びやすいし、
「ニセモノ篇」はサスペンスタッチになりますから、
他の役者も含めた全体的なお芝居が全く異質なのです。
もちろん、「入れ替わり篇」にせよ「ニセモノ篇」にせよ、
この難しい演技プランを演じる役者1人で立てるわけではなく、
他の役者やスタッフも含めた制作陣が一丸となって作り上げていくのですが、
それにしても第27話の「入れ替わり篇」でも、今回の「ニセモノ篇」でもその演者を託された
ルカ役の市道真央さんは、やはり演技力の信頼度がひときわ高いのでしょう。

今回の「ニセモノ篇」は、だいたい上記のような「ニセモノ篇」の王道の面白さを満喫できる内容になっています。
しかし、スーパー戦隊シリーズにおける「ニセモノ篇」の最重要の要素を外しているところが
今回の最大の特徴となっているのです。

その「ニセモノ篇の最重要要素とは、
「どうやって他のメンバーが潜入者がニセモノであることを見破るのか」という部分です。
そして、それは通常の「ニセモノ篇」の場合、
メンバー同士の信頼関係の強さが、ニセモノを見破るポイントとなるのです。

ニセモノは悪役であり、部外者であるので、普段のメンバー間の信頼関係を知らない。
だから仲間との信頼関係を損なうような行為をしてしまいます。
最初は仲間が酷いことをしたと見なして憤慨する他のメンバーですが、
ふと「アイツがそんなことをするはずがない」と思うのです。
人間誰しも間違いを犯してしまうことというのはあるわけで、
普通はちょっとした逸脱行為があったぐらいでは、「まぁそういうこともある」と流してしまうものです。
しかし戦隊メンバー同士の絆は特別に強いので、ある特定の事柄に関しては
「仲間なら絶対にこんなことはするはずがない」というポイントがあり、
そこで逸脱行為があった場合、本物の仲間ではないということが分かってしまうものなのです。

但し、それは非常に分かりにくいポイントです。
明らかに組織の輪を乱すような行為ならば疑われる可能性が高いのは当然ニセモノも分かりますから、
そんな分かりやすい失敗はしません。
非常に些細なミスを犯すだけなのです。
ところが、そんな普通は気付かない些細な違和感を
「アイツなら絶対にそんなことはしない」と確信出来るというのは、
よほど仲間のことを信頼しているからです。
そうして、その真実の絆の力が、ニセモノの嘘を暴くことになるわけです。

つまり、騙し騙されの嘘だらけのエピソードの中で、
たった1つの真実である「仲間の信頼関係」が嘘を見破る力となるというのが、
「ニセモノ篇」で描かれる主題なのであり、
「ニセモノ篇」のテーマは「仲間の絆」「仲間の信頼関係」ということになります。

ところが、今回の「ニセモノ篇」においては、ニセモノを見破る決め手となるポイントが
「ブロッコリーを食べられないはずのルカが食べたから」という、
かなり即物的で分かりやすいポイントになっており、
また、変身後に再び鎧に化けた怪人の正体を炙り出す際にも、
これは「ゴーカイジャー」らしく、他戦隊に豪快チェンジが出来るかどうかで見分けるなど、
これも作品の特色が出ていて面白いですが、それでもやはり即物的で、
どうも一番肝心の「仲間の信頼関係」を描くことを避けているように見えます。
そのように見えるのは、今回が「ニセモノ篇」であると同時に
「ルカの過去篇」の最終章であることに原因があるのでしょう。

今回はあくまでストーリーは擬態能力を持つ怪人との駆け引きという「ニセモノ篇」が主に描かれる中で、
その話の流れの中でルカの過去も触れられるというような扱いであるように見えますが、
実際はルカの過去および、そこから繋がってくるルカのキャラを描くことの方が主眼であって、
ニセモノ篇はそのためのシチュエーションとして機能しています。
というか、ルカの過去篇だけでストーリーを作ってしまうことを避けるために、
ニセモノ篇と組み合わせているのだといえます。

どうしてルカの過去篇だけでストーリーを作らないのかというと、
今回のようなルカの過去の描き方では、全くルカだけの個人的ストーリーになってしまって、
マーベラス一味の仲間があまり絡まないストーリーになってしまうからです。
ならば仲間がもっと絡めるような描き方をすればいいのだが、それはしたくないようです。
つまり、このタイミングでルカの過去とそこから派生するキャラはひとまず全部描き切ってしまおうという
意図はあるのだが、その全貌を仲間と共有させることは避けているわけです。

そういう作り方をしたのが第6話でしたから、
今回も第6話のようにルカとゲストキャラの絡みをしっかり描くエピソードにしてもよかったのですが、
どうも今回はそれすらも避けている印象です。
それは今回のゲストキャラが第6話の春日井親子や、またあるいは第23話の巽マツリなどとは違い、
ルカの過去や人柄を熟知している幼馴染のカインだったからではないでしょうか。
あまりルカとカインの絡みのシーンを盛りだくさんにしてしまうと、
ルカの過去やキャラが詳しく描かれ過ぎるので、それを避けるため、
描写は限定的にして、そうなるとどうしても尺が余るし、ルカ過去篇だけで1エピソードを作れないので、
盛り上がるのが必至のニセモノ篇と組み合わせたのではないかと思えてきます。

そう考えると、ルカの過去やルカというキャラは、
その詳細はマーベラス一味の仲間にも、そして視聴者に対しても、
出来るだけ全部を明らかにしたくないという制作側の意図というのがあると思われます。

マーベラスとジョーに関してはその過去は全貌がほぼ明らかになっています。

まずマーベラスは第2話のアカレッドとの別れの回想シーンの段階ではまだよく事情は分かりませんでしたが、
第15話で赤き海賊団時代の概略と、赤き海賊団の壊滅事件、アカレッドとの別れなどのほぼ全貌が
仲間と視聴者に向けて同時に明かされています。

なお第16話でアカレッドとの出会いの回想シーンが描かれており、
これは視聴者にのみ示されていて仲間には明かされていませんが、
これに関しては仲間にとってはさして重要な話ではなく、
むしろ今後アカレッドが再登場してから活かされる伏線と考えるべきでしょう。
また、マーベラスとバスコとの関係に関する詳しい回想が未だ描かれておらず、
これに関しては今後バスコとの戦いの中で描かれる可能性は残されているでしょうが、
それでもマーベラスに関しては仲間たちとの関係の中で重要な過去の出来事、
そしてそこから導き出される現在のマーベラスのスタンスは
だいたい視聴者にも仲間たちにも明かされていると言えます。

また、ジョーに関しては、第4話、第8話で過去に関する断片的情報や推測が出ただけでしたが、
第11話でザンギャック軍兵士時代の回想シーンが視聴者には示され、
第12話では遂にザンギャック軍を脱走した経緯とシドとの別れという
ジョーの隠された過去の核心部分が回想シーンで描かれます。
ただ、これはこの時点では仲間には明かされていません。
仲間たちは第12話のマーベラスの回想によって、ジョーがマーベラスの仲間になった時の出来事と、
ジョーが元ザンギャックの脱走兵だったことを知っただけです。
その後も、ジョーは仲間たちにマーベラスと出会う以前の自分の過去を語ってはいません。

しかし、第30話でジョーがバリゾーグに改造された何者かを元に戻すために奔走したのを見て、
仲間たちは第11〜12話のジョーの不可解な行動と合わせて推理して、
どういう経緯でそんなことになっているのかは分からないながら、
バリゾーグがジョーの剣の師の改造された姿であるということは知ることとなりました。
そしてジョーも仲間たちにそう勘付かれたことも分かっており、
同じ第30話では、バリゾーグに改造された自分の剣の師の名がシドであるということも仲間の前で明言しています。

つまりジョーの場合は、視聴者にはその過去の全貌とそこから導き出される彼のスタンスは明かされており、
仲間たちに対しては過去の詳細は明かされていないものの、
現在のジョーのスタンスに繋がってくる過去の最重要要素である「バリゾーグとの因縁」は
既に仲間たちに知られていることになります。
そう考えると、ジョーに関してもマーベラス同様、その過去の最重要部分とそこから導き出される現在のスタンスは、
仲間にも視聴者にもほぼ明かされていると言っていいでしょう。

一方、新規加入組に関しては、
まず鎧については、語るべき過去や考え方というものは語り尽くした形で登場してきているキャラであり、
これ以上、過去を描写する必要性は無いでしょう。

次にアイムですが、ザンギャックに滅ぼされたファミーユ星の元お姫様であるということは、
視聴者にも仲間にも知られるところにはなっていますが、
その過去の回想シーンもこれまで第8話の階段で歩いている1カットのみでしか描写されておらず、
詳細は謎のままです。

ただ、これは未だ視聴者に分かる形で描かれていないだけの話であって、
マーベラス一味の鎧を除く他の仲間は、アイムが加入した際に、ある程度は事情を聞いているでしょうから、
むしろ視聴者よりも仲間たちの方がいくらかアイムの過去に関しては情報を持っていると言えます。
まぁそれでも互いの過去にあまり立ち入らない主義のマーベラス一味ですから、
ファミーユ星時代のアイムの行動の詳細までは知らないでしょう。

それでも、それがここまでマーベラスやジョーの場合のように回想シーンなどで登場しなかったのは、
つまりアイムの過去というのが現在のアイムの行動に与えている影響というものが
さほど大きなものではないからでしょう。
マーベラス一味の面々は基本的に自分のそれ以前の過去との連続性を断ち切った上で
一味に加入しているようですが、
アイムの場合、母星の滅亡というショッキングかつ決定的な出来事があったためか、
特にその自分の過去との決別の度合いが大きいように思えます。

だからアイムの現在のスタンスとアイムの過去はそんなに大きな繋がりは無い。
繋がりがある部分に関しては第13話で誘拐犯の山路にちょっとだけ示唆した程度の、
「ザンギャックによって滅ぼされる母星から逃げるしかなかった自分だからこそ、
ザンギャックに苦しめられている人々を助けたい」という、ほんの些細なものでしょう。
だから現時点ではアイムの過去というのは、大して描く必要は無いのだといえます。

但し、「母星をザンギャックに滅ぼされた」という衝撃的な過去というのは、
今後ドラマを非常に作りやすい美味しいネタであり、
アイムの過去絡みのエピソードは間違いなく描かれると予想は出来ます。
というより、わざわざそんな美味しい設定にしてあるということは当然最初からそのつもりであるのは明白です。
第29話で意味深に描かれた結婚式を見る視線や、同じ回のマーベラスの意味深な言動なども
そこで使われる伏線なのでしょう。

ただ、当初の予想ではアイムの過去絡みのドラマはもっと早いうちに消化するものだと思っていました。
それがこんな終盤も近づいた状況で未だに消火されていないということは、
予想以上に全体ストーリーの中で重要な扱いになることが予想されます。

そしてハカセに関しては、視聴者に対しては未だに、全くそのマーベラス一味に入る前の過去は明かされていません。
ただ、最近の第32話で地球に来る直前のハカセの初陣と思われる場面の回想シーンが描かれており、
そこからハカセの過去は何となく、
「おそらく最初は非戦闘要員扱いで加入した一般人」なのであろうと想像は出来ます。

それは同じ第32話で加入当時のハカセを評してジョーやルカがかなり低い評価をしており、
後から加入したアイムまでが当初のハカセの印象がかなり低評価であったことを示唆していることでも
裏付けられ、序盤のハカセの異常に頼りない描写とも整合性はとれます。
そういうこともふまえて、ここまでのハカセのあらゆる描写を見る限り、
ハカセの過去に他のメンバーほどの劇的な展開があったとは、あまり思えません。

第13話で垣間見えたような意外に物知りである点や、
他にも随所で示されている頭脳明晰さは確かに一味の中では際立ってはいますが、
あの程度ならば、単に勉強好きであったり持って生まれた才能であったりで片付けることは出来るレベルであり、
基本的にはハカセは一味の中で唯一の普通人であることに意義があるキャラとして造形されているのだと思われます。

そういうわけで、ハカセの過去というのは、視聴者には明かされていないだけで、
マーベラス一味の仲間は少なくとも先輩格の3人はほぼ把握しており、
それが特に詳細に把握する必要もない内容であり、気にするほどの内容でもないことも
分かっているのだと思われます。
当然、その過去が現在のハカセの行動やスタンスに決定的な影響を及ぼしているということもなく、
ハカセの過去は、別に描かなくても物語上、支障は無いとは思います。

ただ、他のメンバーの過去が描かれる中でハカセの過去だけ触れないというのも変なので、
何かの形で過去エピソードを、むしろ「作らねばならない」状態になっているのだろうと思います。
その場合、そんな普通人であるハカセがマーベラス一味に入った動機については謎であり、
ハカセの過去エピソードが描かれるとしたら、これをテーマとしたものとなるでしょう。
あるいは第32話の断片的な初陣シーンの回想はその時に回収される伏線なのかもしれません。

さて、そこで問題は今回のエピソードの主役のルカですが、
他のメンバーが過去を既にしっかり描写してあるか、
あるいは過去を描写する必要性が低いかのどちらかであるのに対して、
ルカだけはそのどちらでもありませんでした。
つまり、過去を描写しなければいけないはずなのに、ちゃんと描写していなかったのです。

今までルカの過去が描かれたのは、第6話と第8話と第23話でありました。
ただ、しっかりした過去物語が描かれたマーベラスやジョーとは違い、
ルカの場合、第6話で描かれたのは単に
「貧乏の中で子供たちを養っていたらしい」という断片的回想がルカの頭をよぎっただけ。
第8話で描かれたのは「ザンギャック対象の盗賊をやっており、高エネルギー物質を強奪した」という事実を
インサーンとダマラスが語っただけ。
第23話では「妹が死んだ時、何もしてやれなかった」という断片的想い出をアイムとマツリに語っただけで、
ルカが自分の過去を仲間に語ったのは、少なくとも描写されている限りは、
この第23話のアイムに「妹が死んだ時に何も出来なかった」と語ったことだけです。

おそらくマーベラスとジョーはルカの仲間入りの時に既に一味にいたわけですから、
ルカが盗賊であったことぐらいは承知していたのでしょうが、
マーベラス一味の過去を互いに詮索しない主義からして、それ以上のことまでは知らないのでしょう。

そう考えると、ルカの過去はこれまであまり描かれていないといえますし、
仲間に明かされている部分は極めて限定的だといえます。
このブログではこれまでルカの過去についても勝手にいろいろと考察してきましたが、
それはあくまで想像しているだけのことであり、
実際に劇中で明かされたルカの過去に関する情報は、マーベラスやジョーに比べると意外に少ないといえます。

しかし、それにしてはだいぶ初期の頃から断片的情報を出してきており、
ルカの過去がこの物語の中で重要な要素であることは窺えます。
何といっても不可解なのは、第6話という序盤の時点でルカの
「お金を使って叶える夢」の存在を匂わせておきながら、
その中身は仲間にも視聴者にも秘密にされており、今回に至るまでずっと秘密のままであったことです。
普通はそういうフリをすれば、そう遠くないうちにそれに関する情報を出すべきものです。

例えばマーベラスの場合、「命の恩人との約束」の存在が匂わされたのが第2話で、
その内容が視聴者と仲間に明かされたのが第15話でした。
またジョーの場合、「剣の師との辛い記憶」の存在が匂わされたのは第4話で、
その内容が視聴者に明かされたのが第12話、仲間に明かされたのが第30話でした。

それに比べてルカの「お金を使って叶える夢」は、
その存在は第6話で匂わされている(しかもジョーをはじめ仲間もその存在は知っている)のに、
その内容は今回、第34話で初めて視聴者に明かされ、仲間にはまだ明かされていません。
展開上、本来は語られているべきはずの過去が、語られてこなかったのであり、未だ語られていないのです。

マーベラスのアカレッドとの因縁や、ジョーのバリゾーグとの因縁も、
これから終盤まで引っ張る重要な要素になるのは間違いありませんが、
ここまで引っ張ってきているということは、
同様にルカの夢の件も終盤のドラマを構成する要素になるのでしょうか?

ただ、マーベラスの場合やジョーの場合と違い、
ルカのこの「夢」に関しては、その内容が仲間にも秘密であるということがポイントなのでしょう。
確かにその内容をよくよく考えてみると、それは仲間に秘密にすることに意味があるような内容です。
ルカの過去がここまで明らかに描かれていなかったのは、
ルカの過去とこの「夢」が密接な関係があるので、
過去を描くことで「夢」の内容がバレることを防ぐためであったのだろうと、今となっては理解出来ます。

つまり、ルカというキャラは徹底して秘密の多いキャラなのであり、
今回でルカの過去と、その目指す夢の内容はようやくその全貌が明らかに描かれたが、
それでもそれは視聴者に対してだけであり、仲間に対しては相変わらず秘密にしている部分は多く、
決して正直にはなっていない。
というより、今回、ルカの本音が明らかになったことによって、
むしろそれを仲間に隠したままのルカの仲間に対する不正直さがハッキリしてしまったのだといえます。

今回のエピソードは一見すると単なる「ニセモノ篇」に
ルカの過去絡みでイケメンの幼馴染がゲストで登場して、
ルカとほろ苦いラブストーリーを演じるというような、綺麗なエピソードのように見えますが、
よくよく読み解いていくと、ルカが仲間に重大な秘密を抱えたままであることが分かる話なのです。

だから、今回は「ニセモノ篇」であり、
そのテーマは「仲間の信頼関係」でなくてはいけないはずなのに、
肝心の主役のルカが仲間に対して正直ではないキャラであることが明らかとなるエピソードであるため、
その「仲間の信頼関係」をドラマとして描くことが出来ず、
それゆえ、ニセモノを見破るポイントが信頼関係に基づいたポイントではなく、
ブロッコリーなどになってしまっているのです。
ある意味では、仲間を騙しているルカというキャラクターにピッタリのエピソードが、
「騙し騙され」が特徴の「ニセモノ篇」であるという引っ掛けた意味で、
今回はルカの過去話との抱き合わせ要素が「ニセモノ篇」というチョイスになっているのかもしれません。

まぁよく読み込んでみると今回のエピソードは一見そのように見えます。
しかし実際はそうではない。もっと深く考察すると、全く違うものが見えてきます。
今回のエピソードは実は相当深く、ルカというキャラを掘り下げて描いてあります。

まず、どうして今回、ルカの過去話だけでエピソードを構成出来なかったのかというと、
ルカの過去や夢について詳細に触れてそれが明らかになってしまうとマズいので、
どうしても話の内容がぼやけたものとなるから、
それとは別に「ニセモノ篇」などのようなストーリーと抱き合わせたという理屈でさっきは説明しました。

今までは確かにそういう配慮はする必要はありました。
しかし、今回はルカの夢の内容は視聴者には明かされたわけですから、
仲間にはまだ明かすことは出来ないにしても、
仲間がいない場所ではもっとその夢や過去について詳細に描いたドラマを作ってもいいはずです。
今回はそれをやるのに格好のパートナーであるカインが登場しており、
ルカとカインの2人きりのシーンはたっぷりありました。
だから、ここでルカとカインとでもっと「仲間には秘密の夢」の話を具体的に進めて
物語をガンガンと盛り上げることは出来たはずで、
それをやれば、別に「ニセモノ篇」などと抱き合せずとも面白いエピソードを作ることは出来たはずです。

ところがそうはならずに、「ニセモノ篇」との抱き合わせになっているのは、
ルカとカインのシーンも何やら曖昧で煮え切らないからです。
いや、曖昧に描くしかなかったのでしょう。だから「ニセモノ篇」と抱き合わせになったのです。
何故、ルカとカインの遣り取りまでも曖昧に描くしかなかったのかというと
それは、つまり、ルカの本音を描きたくなかったからです。

つまり、ルカはカインにも嘘をついているのです。
というか、ハッキリした物言いを避けている。
そして、カインもルカにはぐらかされながら、実はルカの本音に気付いているが、
それをルカにはハッキリとした形では指摘しない。
これは何だか「ニセモノ篇」の騙し騙されの駆け引きに似ていますが、
このルカとカインの場合はお互いがお互いを傷つけないように労わり合ってそのようになっているのです。

ただ、その2人の美しい関係はそれでよいとして、
どうしてそんな微妙な遣り取りをわざわざ描写しているのかというと、
ルカの夢に関する本当の本音を視聴者にもハッキリさせないまま、
微妙な伏線だけは残しておきたいがためではないかと思えるのです。
それは何のためなのかというと、
このルカの夢が終盤の物語の中で1つの重要な要素になるからではないかとも思えるのです。

つまり、ルカは単純に夢の内容をマーベラスたち仲間に隠しているわけではなく、
実は相変わらず視聴者にも隠したままであり、
今回ルカがカインに語った夢の内容も、あれが完全に本音ではないのだが、
そのあたりは曖昧にしたまま終盤にもつれ込んでいきたいようにも思えるのです。
つまり、そのあたりは謎のまま、
終盤のドラマを盛り上げる要素として使えるものなら使いたいというような意図も見えるというわけです。

こういう、いったい何が真実なのかよく分からない騙し騙されの心理劇と、
騙し騙されの「ニセモノ篇」のドラマとが今回は絶妙のコラボをしている、
そういう、かなり高度な、久々登板のメインライター荒川氏の貫録のエピソードであったといえます。

ただ、それをよくよく読み込んでいくと、
結局、今回は「ニセモノ篇」の王道のストーリーであったのだと分かります。
それはつまり、「仲間の絆」がメインテーマであるという点によってです。

「仲間の絆」は確かに表面上はルカを不正直者として描かねばならない関係上、
ニセモノを見破るポイントとしては使われていませんが、
ルカの心理描写の方をよくよく考察していくと、
それはやはり、この騙し騙されの嘘だらけのように見えるエピソードの中、
たったひとつの真実が「仲間の絆」であり、それがメインテーマになっているからです。

そう考えると今回はやはりルカのキャラを丁寧に描写した、綺麗にまとまったお話のようにも思えてきて、
これはこれで綺麗に完結しておて、終盤に繋がるような話でもないようにも思えてもきます。
ただ、それがあまりに微妙な描かれ方をしているので、あれこれ深読みしてしまうだけなのかもしれません。
単にルカとカインの微妙な心理を微妙なトーンで描くのが
エピソードの完成度を高めるという狙いであるのかもしれません。
ただ、やはりこの曖昧な表現が終盤への伏線である可能性も十分あり得るとも思えます。
まぁ、どっちの可能性もあるでしょう。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 21:03 | Comment(0) | 第34話「夢を叶えて」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月31日

第34話「夢を叶えて」感想その2

では本編ですが、冒頭は街に買い出しに出た帰りのルカとハカセが歩いているシーンです。
ハカセは荷物を両手いっぱいに持っており「ルカ〜!ちょっとくらい持ってよぉ!」と文句を言います。
ルカはハカセに荷物を全部持ってもらって手ぶらで歩いており、これは第27話の冒頭と同じような感じですが、
一見こき使われているだけのようでも、こういうさりげない(?)優しさがハカセの男の魅力であると
見込んでいるルカは、こうして甘えるのが心地よいようで、
ハカセも文句は言いつつも結構こういう2人の関係性は好きであるようです。

そういうわけでルカは相変わらず変な理屈で駄々をこねて甘えたように
「だぁめ!アンタは身体鈍ってんだから、少しは運動・・・!」と言いかけて、
地面を見てハッとしたかと思うと、いきなり側転して起き上がります。
何事かと思ったら、ルカは500円玉を手にして得意げな顔をしています。
道に落ちていた500円玉に気付いて拾い上げたようです。
お金を見つけるのが素早い守銭奴キャラのルカらしい行動です。

しかし、ハカセはすぐに駆け寄って「この星で拾ったお金はお巡りさんに届けるんだよ!」と注意します。
ルカが拾ったお金をネコババするつもりなのではないかと心配になったようです。
しかし、なんという子供番組的に正しいセリフなのでしょうか。
しかもこれを宇宙海賊が言っているのですから、ある意味素晴らしい。
かなり違和感はあるのですが、こういうセリフがハマるのはハカセが元来、海賊らしくないキャラだからです。

一方、元盗賊であり、マーベラス一味で最もそういうモラルからは遠いキャラであるルカは
「分かってるって!」と、ホントに分かってるのかどうか、かなり怪しい様子で
嬉しそうに500円玉を指の間に挟んでかざして眺めます。
どうも自分のモノにしようとしている気満々です。

もちろん拾ったお金は交番に届けなければいけない。
これは大原則ですが、それにしても数百万円はするような宝石類を多数所持するルカが、
こんな500円玉程度にここまで目をキラキラさせるというのも、ある意味素晴らしいとは言えます。
どんなお金持ちになっても小銭を決して軽々しく扱わずに価値を見出し、そこに夢を見るというのは、
ある意味、真にお金の価値を知った者による道徳的行為ではあります。
そもそもここまで500円玉にひたむきな愛情を注ぐ人間はルカよりも貧乏な者の中にもほとんどいないことでしょう。

そうしてちっぽけな500円玉を純粋に愛でるルカの至福の刻を一発の銃声が邪魔し、
500円玉は銃弾に弾かれてルカの手からこぼれて、地面を転がり側溝の中に落ちてしまいました。
悲しそうな顔で驚いたルカがキッと銃声のした方を睨むと、
ゴーミン達を引き連れたスゴーミン数人が立っており「海賊ども!今度こそ抹殺する!」と喚いています。
たまたま鉢合わせになったザンギャック部隊が襲ってきたようです。

抹殺するとか言って、すっかり殺る気満々のスゴーミン達。
狙われているのはルカとハカセの命なのですが、ルカはお金を失った悲しみと怒りの方が大きいらしく、
「よくもあたしのお金を!」と激怒してスゴーミン達に掴みかかろうとして進み出ます。
ハカセはやっぱりルカが500円玉を自分のものにしようとしていたことに気付き、
慌てて後ろからルカの肩を掴んで「・・・分かってないじゃん!ルカのじゃないって!」と注意します。
しかしルカは完全にキレてしまっていて、いきなりハカセの顔面に裏拳を喰らわせると、
「いくよハカセ!」と叫びます。

確かにハカセの言うように自分のお金ではないかもしれない。
しかしそれでも、たとえ他人のものであっても、お金はルカにとっては大切なものなのです。
それを粗末に扱ったザンギャックに対しての怒りがルカを突き動かしていたのでした。
それでとにかくひと暴れしないと収まらない状態となっているようです。

ところが、その戦いに割って入るように、突然「その必要は無いよ!」という声を上げて、
何者かが木陰から出現します。
白い上着を着てサングラスをかけた、長身のイケメン風の男です。
なんだか一昨年の今頃、「仮面ライダーW」に出ていたガイアメモリの売人上がりの婿養子さんによく似ています。

変な男の登場で戦意を削がれたスゴーミンは「なんだ貴様は!?」と、その男に凄みますが、
その男、普通の人間のように見えますが全くスゴーミン相手にビビった様子も無く、
クールに「通りすがりの・・・」と自己紹介し始めます。
通りすがりということは、これはやはり仮面ライダーなのだろうかとも思えますが、
よく考えたらそれはまた違う仮面ライダーです。
案の定、男は記憶喪失の悪の大首領みたいなことは言わず、「宇宙実業家さ!」と言います。

宇宙実業家がこの場面に通りすがって戦いの邪魔をしたそうです。そんなアホな。
すると男は続けて「ちょっとルカ・ミルフィと話がしたいから、お引き取り願えるかな?」と言います。
やっぱり通りすがりは冗談であって、
ルカに何か用があるのでザンギャックの連中は邪魔だから帰ってほしいということのようです。

が、当然、スゴーミンは「ふざけるな!」と激昂します。
一介の人間から邪魔だから帰れと言われて、はいそうですかと帰っていてはスゴーミンは務まらない。
しかしサングラスの男はあくまで落ち着いて「・・・とりあえず!」と懐に手を入れて何かを取り出します。
やっぱりガイアメモリを出すのかと思ったら、「これでどう?」と男が差し出したのは札束でした。

このお札、どうやら「1000ザギン札」であるようで、ザンギャック帝国支配地域内、
つまり宇宙の大部分で流通している紙幣のようです。
もちろん発行しているのはザンギャック帝国の政府であるようでして、
紙幣の真ん中に描いてある肖像画は、
例のザンギャック帝国の紋章の真ん中に描かれた意匠によく似たデザインをもっとよりリアルにしたような
怪人の肖像画になっています。
おそらくこれがザンギャック皇帝なのでしょう。
皇帝のリアルタッチの肖像画はこれが初登場です。

但し、ザンギャック帝国というのがいつの時代に成立したものなのか劇中では明らかにされていませんので、
この肖像画の皇帝が何代前の皇帝なのかは分かりません。
普通は帝国の草創期の皇帝が紙幣の肖像画になると思われますので、
もしこの肖像画が現在の皇帝だとするなら、
ワルズ・ギルの父である現在の皇帝は一代でザンギャック帝国を作り上げた傑物ということになります。

まぁそれはともかくとして、この札束はその1000ザギン札が100枚で1つの帯でまとめられているようです。
つまりこの札束1つで10万ザギンということになり、
第1話時点のルカの懸賞金が30万ザギンであり、現在の鎧の懸賞金が10万ザギンであることを考えると、
これはそう簡単に手に入れることが出来るような金額ではないことは分かります。

案の定、スゴーミンはその10万ザギンを手に取って「こ・・・こんなに!?」と仰天し、
慌てふためいて二の句が継げません。
しかし、すぐに気を取り直したのか、その札束をサングラス男に押し付けるように突き返して
「ふ・・・ふざけるな!こんなはした金!」と怒鳴ります。
が、「はした金」とか言ってるあたり、単にもっと大金を出すように暗に催促しているようにも見えます。

そうしたスゴーミンの下心は分かりきった様子でサングラス男は今度はアタッシュケースを持ち出し、
「じゃあ・・・更に、ど〜ん!!」とケースを開きます。
アタッシュケースということは、やはり中身はガイアメモリなのか?と思いきや、そうではなく、
やっぱり中身は札束でした。
しかも10万ザギンの札束が1ダース、つまり合わせて120万ザギンです。
このとんでもない大金を見て、スゴーミンやゴーミン達は「おお!?」と色めき立ち、ざわざわします。
明らかに動揺しているザンギャック連中に対して、
その男は「皆さんでどうぞ!」とアタッシュケースごと、その120万ザギンを渡してしまいます。
120万ザギンをくれてやるから、この場を立ち去るように暗に促しているわけです。

「金があるぞ!」とスゴーミン達は歓喜し、考え込みます。
ルカとハカセの現在の懸賞金を合わせても150万5000ザギンであり、
今こうしてタダで手に入った120万ザギンとそう大差は無い額です。
しかもルカとハカセを相手に戦って勝てる保証は無い。
ならば無条件で手に入る120万ザギンの方がスゴーミン達にとっては魅力的です。
どうせルカ達とはたまたまバッタリ出会っただけであり、
司令部からルカ達を抹殺する作戦を厳命されてきているわけでもなさそうですから、
何喰わぬ顔で120万ザギンを貰ってギガントホースに帰還して、この金はコッソリ山分けしても大丈夫なのです。

そういうわけで、いきなりスゴーミン達はルカとハカセに向かって
「急用を思い出した!今日のところは許してやる!次は必ず抹殺するからなぁ!」と、
池野めだか師匠のような捨てゼリフを残して退散していったのでした。
そのザンギャック連中の最低の振る舞いを見送って、
サングラス男は「地獄の沙汰も金次第・・・」と呆れたように呟きます。
お金さえあれば、どんなルールでも捻じ曲げることは出来るということです。
お金の万能さを表現すると同時に、お金に容易に屈する人間の醜さを嘆くニュアンスも込められた言葉です。

それはルカのようなお金大好き人間を揶揄するような意味合いもある言葉であり、
ルカはあまり聞いて愉快なフレーズではない。
それに、その人間の醜さを煽るような仕掛けをしたのはこのサングラス男自身なのです。
それなのに他人事のように澄まして、一段高いところから下民を見下ろすような傲慢さが少し漂います。

だいいち、ルカはたった500円を粗末に扱ったザンギャックに対する怒りで大暴れしたい心境であったのに、
この男は120万ザギンもの大金をゴミでも捨てるようにザンギャックに渡して場を収めてしまいました。
それは物凄くお金を粗末に扱う、ルカの嫌いな行為であったので、ルカはこの男に好感を持てませんでした。
こんな男が自分に何の用があるのだろうかと思い、
「何アンタ!?・・・余計なことして!」とルカは不機嫌そうに睨みつけます。

すると男は優しげな声で「久しぶり!ルカ・・・」と言うとサングラスを外して素顔を見せました。
そして「迎えに来たよ・・・君を・・・」とルカに向かって優しい眼差しを向けるその顔は、
霧彦・・・ではなくて、よく似てるけど別人のようです。
ルカは「カイン・・・!?」と驚きの表情で、その男の顔を見つめたのでした。
そうして見つめ合うこの2人、どうやら旧知の仲であったようです。
ただ、どうもこのカインという男の風貌が以前とは変わり過ぎていたためか、
ルカはサングラスをかけた姿では旧知の仲のカインのことが分からなかったようで、
2人が長らく会っていないことが想像できます。
そして、そのイケメンのお金持ちが、やけにルカと親しげであること、
そして「迎えに来た」などと言っていることに、ルカと一緒に居るハカセは胸騒ぎを覚えるのでした。

なお、このカインという男を演じているのは、
一昨年から昨年にかけて平成仮面ライダーシリーズ第11作として放送された名作「仮面ライダーW」で
印象的な敵キャラである園崎霧彦を演じられた、君沢ユウキ氏です。
レジェンドゲストではありませんが、
スーパーヒーロータイム的な意味ではレジェンドゲストに近い役者です。

なお、このカインは孤児が努力して立身出世したという設定ですが、
園崎霧彦も孤児院出身で努力で奨学金を得て勉強して這い上がった男という設定で、
悪役といっても根っからの悪というわけではなく、
金と出世に懸命なだけで、心根は綺麗な理想主義者であり、
真の悪に利用される存在という点でも、カインとちょっと似た役柄です。
ちなみに霧彦の妹の須藤雪絵を演じた平田薫さんは、
「マジレンジャー」で小津魁のガールフレンドの山崎由佳も演じており、
ある意味、レジェンド役者といえます。

さて、ここで今回はOPテーマとなり、OPナレーションは通常回バージョンです。
そしてCM明け、「夢を叶えて」という今回のサブタイトルが出ます。
今回は通常回ですから、過去作品のサブタイトルのフォーマットとは関係はありません。
ただ。この「夢を叶えて」というフレーズは「ダイマナン」のEDテーマ曲のタイトル
「夢をかなえてダイナマン」を連想させるフレーズであり、
当然、その歌詞の中にもこのフレーズはあります。

そもそも「ダイナマン」という作品のテーマの1つが、
夢をかなえるべく研究にいそしむ若き発明家たちが皆の夢を守るため戦士となって戦うというような感じでしたから、
この「夢を叶えて」というフレーズは「ダイナマン」を連想させるフレーズといえます。
但し、今回のエピソード内容と「ダイナマン」は何の関係もありません。かすりもしません。
ただ、「夢」というのは、スーパー戦隊シリーズ全体を貫く1つの重要なテーマでもあります。
そして、今回のエピソード内容は「夢を叶えるために頑張る」ということが描かれる話です。

そういう意味では、今回のサブタイトルは第32話「力を一つに」と似ているように思います。
あれも「ゴレンジャー」を連想させるフレーズでありながら、
エピソード内容は「ゴレンジャー」とは何の関係もなく、
しかし「力を一つに合わせる」ということ自体はシリーズを一貫したテーマであり、
同時に第32話の内容もまさに「力を一つに合わせる」という内容であった。
今回もそういうのと同じ趣向で、「ダイナマン」において強調はされたものの、
実際はシリーズを貫くテーマである「夢を叶えるため頑張る」ということを表現しつつ、
今回のエピソード内容も表すというものでありましょう。

さて本編が再開し、場面はゴーカイガレオンの船室に変わっており、
買い出しから戻ってきたハカセの話を聞いて、マーベラスが怪訝そうな顔で「ルカの幼馴染?」と問い返しています。
ルカはおらず、ハカセだけが戻ってきているところを見ると、
さっきの冒頭の場面の後、ルカは久しぶりに再会したカインと一緒に何処かに行ったようで、
買い出しの荷物を持ってハカセだけがガレオンに戻ってきたようです。

で、カインはやはりルカの幼馴染であったようで、
それをハカセが聞いているということは、冒頭のシーンには実は続きがあって、
ルカとカインの間で会話があり、それをハカセは聞いた上で別れてガレオンに戻ってきて、
その内容をマーベラス達残った仲間に報告しているようです。

その概要はだいたい皆に話した後のようで、
ハカセの話を頭の中で整理した鎧が「それって、もしかして、もしかすると・・・元カレさん?・・・ですよねぇ!」と
勝手にあれこれ想像して面白がっています。
ナビィも鎧の推理に同意のようで、「そうだそうだ!感動の再会まちがいないんじゃない!?」とはしゃぎます。

鎧とナビィはルカとカインはきっと愛し合っていた関係だと思い込んでおり、
何やらこれからロマンチックな展開があるのだと決めつけています。
その根拠は「迎えに来たよ、君を」という、あのカインのセリフでしょう。
確かにそれはプロポーズの言葉のように聞こえます。
ハカセも鎧やナビィにそのように囃されると確かにそのようにも思えてきます。
そう考えると、ルカがあの長身のイケメンの金持ちと一緒に遠くに行ってしまうような気がして、
なんだかムシャクシャしてきて「・・・知らないよ!そんなの・・・」と声を荒げると、
買い物袋を鎧に乱暴に押し付けて、憮然とした顔でソファに座り、
「・・・なんか怪しいんだ・・・スケールがでかすぎるっていうか・・・」と呟くのでした。

ハカセがどうもルカとカインの件が気に入らないのは、確かにジェラシーのような心情もあるのですが、
それだけではない。
何となく、あのカインという男から胡散臭さを感じるのです。
それは、さっきもスゴーミン達を追い払うために、これみよがしに札束をチラつかせるような、
いかにも自分はすごい金持ちだとアピールするような態度が鼻についたからです。
あまりにスタンドプレーが過ぎて、実態以上に自分を金持ちに見せようとしているように感じられたのです。

何故、それがハカセの頭の中で胡散臭さとして引っ掛かるのかというと、
ルカが非常にお金が好きすぎるというか、お金に釣られやすい性格だからです。
カインという男がルカと旧知であるのは間違いないであろうから、
カインはルカのお金に弱い部分を熟知しているはずで、
ならばカインはお金持ちのフリをしてルカを騙そうとしているのかもしれないと、ハカセは思ったのです。
何故そこまでハカセが疑うのかというと、
ちょっとカインの自己アピールが常軌を逸したものであったからです。
ハカセは皆にさっきの冒頭の場面の会話の続きの部分を説明します。

それはまず、カインが「君の夢を叶えるよ!海賊なんか辞めて一緒に行こう!」と
ルカに熱く語りかけたところから始まります。
ハカセはムッとして「・・・海賊なんかって何だよ!」と口を挟もうとしますが、
ルカはハカセを制して、笑顔で「無理無理!ハンパな夢じゃないんだから!」と言います。

ハカセは夢を叶えるとかそんな話以前に、
ルカがいきなり昔の知り合いに誘われて仲間を離れて何処かに行くなど有り得ないと思っています。
それだけハカセはルカが海賊団マーベラス一味の一員であることを何より大事にしていることを信じており、
海賊仲間がルカにとって一番大事なものであると思っています。
つまり、ルカは海賊であることに誇りを持っている。
そしてルカの「夢」とは、マーベラス一味の皆の夢である「宇宙最大のお宝」を手に入れることであり、
それは海賊としてマーベラス一味の中にいてこそ叶う夢なのです。
だから「夢を叶えてやるから海賊をやめろ」などと言われてルカが相手にするはずはない。
というか、金持ちだからといって「宇宙最大のお宝」を追う海賊の夢を金で買うことなど出来はしない。
えらく不遜な物言いだとハカセは思い、憤りを感じたのでした。
そして、それはルカも同じ気持ちだろうともハカセは思っていたのです。

ところがルカはハカセのそうした反発は制して、
カインの提案を「あたしは海賊を続けて宇宙最大のお宝をゲットする」と真っ向から拒否するのではなく、
自分の夢を叶えるには膨大なお金が要るから、
ちょっと金持ちだからといってそれは無理だという旨のことを言ったのです。
それはつまり言い換えれば、ルカの夢は「宇宙最大のお宝」ではなく、何か別の物であるという意味でした。
「宇宙最大のお宝」は「大いなる力」を34個集めて手に入れることが出来るものであり、
お金をいくら積んでも買うことなど出来ないからです。

ルカの夢は「お金を使って実現する何かの夢である」ということは、
第6話でジョーが「それはいったい何なんだ?」とルカに質問して、
ルカが「言うと叶わなくなるから」とはぐらかしてその内容は言わなかった、あの「夢」ですから、
内容は不明ながら、そうした「夢」の存在自体はジョーは知っているようです。
ただ、ハカセはルカがそういう「夢」を持っていること自体知らなかったようです。
おそらくその「夢」の存在を知っているのはジョーとマーベラスだけであり、
その2人もその「夢」の内容は知らないようです。

だからハカセはルカの「夢」の存在を知らなかったので、
ルカが「宇宙最大のお宝」よりも大事な別の「夢」を持っていたという事実そのものがまずショックでした。
そしてそれに加えて非常に気がかりであったのは、
ルカがその夢を叶えるために膨大なお金が必要だということをカインに言っていることでした。

ルカはそれに足るだけのお金をカインが用意できるわけがないから、カインについていくことはないと、
一応カインの誘いを断っているのですが、
これは言いかえれば、もしカインがそのルカの夢を叶えるに足りるだけの金額を用意できるのならば、
カインの誘いに乗る可能性はあるということになります。
お金で買えない「宇宙最大のお宝」がルカの夢であるのならばこんな心配はしなくて済むのですが、
ルカの夢がお金で買えるものだと分かったことによってハカセは心配になってくるのです。
そのハカセの心配を増幅させたのは、カインがルカに拒否されるなり、
自信満々に「今の僕の財産が・・・8千億ザギンでも?」と応えたからでした。

その話をハカセから聞いたジョーは「・・・フッ・・・8千億ザギン?・・・冗談だろ!」と呆れ果てて鼻で笑いました。
全く非現実的な数字を耳にしたかのような反応ですが、
どうも「ザギン」という単位が地球人の我々にはピンとこないので
ジョーがここまで呆れる感覚がどうも分かりにくい。
それは同じく地球人の鎧も同様であるようで、
「ああ、そういえば1ザギンで、日本円だといくらぐらいなんですか?」と、基本的質問をしてくれます。
鎧、ナイスです。

その質問に対して、ハカセは「360円くらいかな」と即座に回答します。
なんだか昔の固定相場制の時代の円とドルの為替レートみたいですが、
要するに「1ザギン=360円」であるようです。
てゆーか、それってザンギャック経済圏と日本との間で貿易や金融取引が成立してるということなのか?と
疑問は無いではないですが、まぁ細かいことは気にしないことにします。

ちなみに、マーベラスの現在の懸賞金は500万ザギンですから、日本円に換算すると、なんと18億円です。
一味で一番懸賞金の安いハカセですら、5000ザギンですから日本円に換算すると、180万円となります。
といっても、まぁザンギャック帝国と地球では物価が違うのでしょうから、
あんまり参考にはならないでしょうけど。

しかし、そうだとしても、それでも8000億ザギンというのは、
ちょっと桁が違い過ぎる、天文学的数字だということは明白です。
鎧は「あぁ・・・ということは、日本円で・・・」と頭の中で8000億に360円を掛けて、しばし暗算をしてみて、
「・・・300兆円!?」と飛び上がって驚き、床に転がり落ちて「ああ、びっくりしたぁ・・・」と呆気にとられます。
正確には8000億に360円を掛け算すると、288兆円です。まぁおよそ300兆円ということになるでしょう。
その300兆円をカインは財産として保有しているというのですから、ジョーが呆れ果てるのも無理は無い。
常識を超えた金額であり、一介の青年実業家がそんなに稼ぐことが出来るわけがない。

ナビィはその金額を真に受けて「玉の輿だぁ!超玉の輿ぃ!!いいないいなぁ!」と大騒ぎします。
まだルカがカインと恋人同士だったと思っているようですが、
それを鬱陶しそうにハカセは「うるさいよ!!」と一喝し、黙らせます。
あんまりルカとカインの恋仲を妄想させられるのが不愉快というのもありましたが、
ハカセのイライラの原因はそういう単純な問題ではなく、
ルカの夢が膨大な金で買えるものであり、カインの財産がそこまで膨大なものであるのなら、
ルカはカインの誘いに乗ってしまう可能性があるということでした。

ハカセは今までルカにそんな夢があるとは知らなかったので、
ルカがやたらお金にこだわっている姿を見て呆れることが多かったのですが、
こうしてルカの夢の存在を知ると、今までのルカの守銭奴のような行動には、
それなりの切実な理由があったのだと気付きました。
それが分かった今だからこそ、ハカセはルカが夢のためにお金を必死になって欲しがるのであろうと
予想することが出来るのであり、カインの誘いに傾く可能性も高いということは理解出来るのです。

そのようにしてルカが夢のために自分達よりもカインを選んで何処かに行ってしまうということも
もちろんハカセは嫌でした。
でも、それならまだマシです。
自分達は寂しいけど、それでルカの夢が叶うのなら、それはそれで祝福すべきことだからです。
でも、本当にハカセが心配していることはそういうことではないのです。

まさにジョーが呆れたように
「8000億ザギン(300兆円)」などという財産は絶対に有り得ない非現実的な数字なのです。
そんな有り得ない数字を持ち出して信じる人間はいない。
現にジョーも信じてはいないし、ハカセも信じてはいない。
つまり、そんなウソを言うということは、あのカインというのは金持ちのフリをしているだけの
嘘つきだということです。

しかし、極端に欲の皮の突っ張った人間は、そんなミエミエの嘘にでも引っ掛かってしまうものです。
まさにルカは、その膨大な金の必要な「夢」のせいで、お金に非常に弱い、釣られやすい状態にあるといえます。
そして、そういうルカの状況をあの幼馴染のカインは知っているのです。
だから、カインは大金持ちのフリをしてルカを騙すために近づいてきたのだとハカセは睨んでいます。
そして実際にルカはカインの誘いに応じて、後で戻ると言って、一緒に何処かに行ってしまった。
ルカが簡単に罠に嵌るようなこともないとは思うが、それにしてもお金が絡んでいるだけに、
どうも心配になるハカセであったのでした。

そこにナビィを抱いたアイムが進み出て、
「・・・それにしても、いったい何なのでしょう?・・・ルカさんの夢って・・・」と皆に問いかけます。
アイムもルカが「宇宙最大のお宝」以外に重大な夢を持っているということは知らなかったようですが、
今のハカセの話を聞いて、ルカにお金がたくさん必要な夢があるのだということを初めて知り、
その夢が何なのか、純粋に興味が湧いたのでした。

アイムは誰かその夢の内容を知っているのかと思って問いかけたのですが、一同は黙り込みます。
誰もルカの夢が何なのか知らないのです。
以前に一度、突っ込んでみたことのあるジョーも「・・・さぁな・・・!」と腕組みします。
あの時も結局「言うと叶わなくなる」などと変なゲン担ぎみたいなことではぐらかされて
ルカは夢の内容を教えてはくれなかった。
あの調子では誰が質問しても教えてくれそうにはないと思い、
おそらくルカは夢が叶うまでは誰にも言うまいと、ジョーは思いました。

しかし、そう考えると、そのカインという男はルカの夢の内容を知っているのだということにジョーは気付きました。
幼馴染だから知っているのだろうが、そんな膨大な金の要る夢の実現のために金を出すという、
そんな普通は有り得ないような申し出をルカが信じて何処かについて行ったということは、
ルカにとってそのカインという男は、よほど信用のおける相手なのだろう、
それはあるいはマーベラス一味の仲間よりも信用出来る相手なのかもしれないとも、ジョーは思ったのでした。
旧友というものは、そういうものだと、ジョーはふとシドのことを想うのでした。

さて、その頃、宇宙空間のギガントホースのザンギャック軍指令室では、意外な光景が繰り広げられていました。
先ほどカインから120万ザギンを受け取ってルカ達の前から退散したスゴーミン達が
指令室の中でさっきのお金の入ったアタッシュケースを持って集まって、ワルズ・ギルに謁見しているのです。
金で釣られてルカ達を見逃したことがバレたらマズいはずなのにこれは不可解・・・と思ったら、
なんとワルズ・ギルは「いい芝居だったぞぉ!お前たち!」と、このスゴーミン達を褒めたのです。
そして殿下は「女海賊め!まんまと作戦に乗ってきた!」と上機嫌です。

どうやら、さっきのスゴーミン達の「お金を貰って退散した」という行動はルカを騙すためのお芝居だったようです。
ということは、お金を渡したカインもその芝居の片棒を担いでいたわけで、
カインもザンギャックと共謀しているということになります。
どうしてそんなお芝居をする必要があったのかというと、
お芝居の結果にワルズ・ギルが満足していることから推理するに、
カインが金持ちであることをルカに強く印象づけることが目的であったと思われます。

それは、ルカという女海賊が非常に金銭欲が強いということに目をつけた作戦であり、
カインが金持ちだと思い込めば、金銭欲にかられてカインに対するルカの警戒心が緩んで、
まんまとルカを誘い出すことが出来るだろうという作戦でした。
つまり幼馴染のカインを使ってルカを罠に嵌めようという作戦であるのです。
そうなると、カインは宇宙実業家であるとか、8000億ザギンの財産があるとかいう話は
全部ルカを騙すためのデタラメであり、
ルカがお金を使って夢を叶えようとしているということも含めた情報をザンギャックに提供した上で、
ザンギャックに協力してルカを陥れる手伝いをしているということになり、
旧友に対する酷い裏切り者ということになります。

さて作戦が順調に進んでいて上機嫌のワルズ・ギルは
「・・・さて、さっきの金は回収だ!」とスゴーミン達に命令します。
さっきのアタッシュケースの中の120万ザギンはあくまでお芝居用の小道具であり、
お芝居が終わった以上は回収するようです。
120万ザギンは日本円に換算すると4億3200万円で、確かに大金であり、
芝居への出演手当としてスゴーミン達に気前よくあげるわけにはいかない金額です。

「スゴ!」とスゴーミンも素直にアタッシュケースを開いて、
しっかり10万ザギンの札束が12個入っているのをワルズ・ギルに示します。
ワルズ・ギルはその札束を2つ取出し、両掌に載せて「ふん・・・」と、何やら重さを確かめている様子。
するとワルズ・ギルがほどなく「ん?・・・1枚分ずつ足りない・・・」と言ったものだから、
スゴーミンは思わず「スゴッ!?」と動転します。
それを見たワルズ・ギルはスゴーミン達が札束から1000ザギン札を1枚ずつネコババしたことに気付き、
「こらああああ!!」と怒鳴ります。

慌てたスゴーミン達はアタッシュケースを取り落として一目散に逃げ出し、
床に散乱した札束を見てワルズ・ギルは「大切なお金を!?」と、更に激怒、
手にしていた2つの札束を「・・・任せた!」とバリゾーグに渡して、
「待てええええ!!こらああああ!!」とスゴーミン達を追いかけて駆けていきます。

その場に残ったバリゾーグは2つの札束を両手に持って、
「たった1枚の差を瞬時に見抜くとは・・・さすがはボス・・・というか・・・」と言い、
それを引き継ぐようにダマラスが「・・・セコいというか・・・!」と呆れます。
なんでこの2人、急に漫才してんの?
いや、というか、今のは、ワルズ・ギルが札束の重さを見破ったかのようにカマをかけて
スゴーミンがまんまと引っ掛かってしまったというだけのことだと思うのだが、
それにしても1000ザギン札の1枚ぐらい(日本円で36万円)作戦成功のご祝儀でくれてやればいいのに、
変な小芝居までして断固回収しようとするワルズ・ギルがセコいのは事実です。

相変わらず安定感たっぷりのギガントホースの面白空間っぷりですが、
そのバリゾーグから何故か札束を2つ、さりげなく取り上げながら、
インサーンは「しかし地球に侵入しようとした宇宙実業家が女海賊の知り合いだったとは・・・好都合だわ・・・!」
とほくそ笑みます。
これはどういうことか?
つまりカインが宇宙実業家であるということは事実であるようです。
しかも何か言い方が他人行儀というか、カインがザンギャックの一味という扱いではないかのような言いっぷりです。
単にカインを利用しているかのような・・・これは何か更に裏があるようです。

そのカインですが、ルカを何処かの人気の無いところに連れていっていました。
ルカは少し不安げに「・・・何処に連れていく気?」と聞きますが、
カインは「ちょっと見せたいものがあってね・・・」と、ハッキリとしたことを言わず、
ルカについてくるよう促します。
どう見てもカインの態度は怪しいのですが、ルカは何故か素直について行きます。
普段のルカならば、こんな明らかに怪しいシチュエーションに無防備に入り込んでいくことは無いはずですが、
やはり金に目が眩んで冷静さを失っているのか?

そうしてカインは誰もいない倉庫の中に入っていき、ルカもすぐ後ろにくっついていきます。
そしてカインはルカを立たせたまま、倉庫の隅にある大きな木箱のような場所で何かをゴソゴソと弄って、
ルカの前に何か大きなものを転がり出しました。
なんと、その物体はカインだったのです。
つまり、この場にルカを連れてきたカインとそっくり同じ恰好をしたカインがもう1人、
突然倉庫の物陰から現れたのです。

「・・・カイン!?」とルカは仰天します。
ただ、その新たに出現したカインがここまで歩いてきたカインと大きく違っていた点は、
その転がり出されてきた方のカインは鎖で縛られて気を失っていることでした。
即座にルカはその縛られた方のカインこそが本物であり、
ここまで自分を連れてきたカインはその本物のカインを捕えておいて、
その姿形を特殊能力でコピーしたザンギャックの怪人だと気付いたのでした。
「アンタ、偽者ね!?」とルカが怒りの声を上げると、
その偽者のカインは「フッフッフッフ・・・」と不気味に笑いながらその姿を黄色い怪人の姿に変えます。
これが本来の姿のようで、この怪人の名はヴァンナインというそうです。

そのヴァンナインは本来の姿に戻るなり、ルカに突進してみぞおちに強烈な一撃を食らわします。
ルカは「うっ!?」と気絶してしまい、ぐったりしたルカはヴァンナインに抱きとめられます。
ヴァンナインは「気付くのが遅かったな・・・しばらく眠ってろ!」とほくそ笑むと、
抱き起したルカの額に自分の額をくっつけます。
すると、なんとヴァンナインの姿はみるみるうちにルカの姿に変わっていったのでした。

つまり、こうしてヴァンナインはカインにも化けていたわけです。
そして、こうしてルカをまんまと罠に嵌めたにもかかわらず、ルカを殺そうとはせず、ルカに化けたということは、
ヴァンナインの作戦の目的は単にカインに化けてルカを殺すことではなく、
カインに化けておびき出したルカを捕えて、
そのルカに化けて、また別の誰かを油断させて罠に嵌めることであるようです。
それこそがヴァンナイン、というか、ヴァンナインの擬態能力を利用して作戦を立てた
ワルズ・ギルの狙いであるようです。
そして、ルカに化けて油断させる相手となれば、それはもうマーベラス一味の面々しか有り得ないでしょう。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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2011年11月02日

第34話「夢を叶えて」感想その3

さて、その後しばらく経って、夕食の配膳も始まろうとしていたガレオンの船室では
「ルカさん・・・遅いですね?」とアイムが心配そうに呟きます。
ハカセと一緒に出掛けた買い出しの帰りに出会ったという幼馴染のカインという男と何処かに行ったまま、
まだルカが帰ってこないので、さすがにハカセだけでなく皆、心配になってきたのでした。

「やっぱり、ついてっちゃったんじゃない?その男の人に・・・」とナビィは相変わらず、
ルカがカインと恋の逃避行に及んだと勝手に決めつけています。
それに対してハカセは「そんなことないよ!・・・ルカは・・・」と噛みつきます。
ルカが仲間を捨てて幼馴染と何処かに行ってしまうなどとは思いたくないのです。
しかし、ルカには何か分からないがお金がたくさんあれば叶う夢があって、
大金持ちの幼馴染ならばその夢を叶えてくれる。
ならばルカが夢の実現のために幼馴染のもとに行ってしまう可能性は確かにある。
だから余計にハカセはそんな嫌な可能性のことは考えたくありませんでした。

だいたい、もし仮に幼馴染のもとに行くとしても、ルカがこのままいきなり黙っていなくなるはずがない。
今、こうして帰りが遅いということで皆が心配しているのは、
むしろルカがカインに騙されているのではないかということでした。
カインが8000億ザギンも財産を持っているという話は、あまりにも桁が大きすぎて胡散臭いのです。
もしかしたら何か面倒事に巻き込まれて帰りが遅くなっているのかもしれない。
そういう風にハカセや皆は心配しているのです。

そこに「たっだいまぁ!!」と元気な声を響かせてルカが帰ってきました。
ハカセは安堵したように「ほらぁ!ほら!帰ってきたよ!」と大喜びし、皆もホッとした表情となります。
とにかく元気に戻ってきたということは、面倒事に巻き込まれていたわけではないようで、
単に幼馴染と想い出話に花を咲かせていただけなのだと皆は安堵したのでした。
しかし、実はこのルカはザンギャックの怪人ヴァンナインがその擬態能力で化けた偽者のルカであり、
本物のルカはヴァンナインによってとある倉庫に監禁されているのです。
もちろんマーベラス一味の面々はそんなことは全く知らないで、この偽者ルカを本物のルカだと思っています。

が、ルカに化けたヴァンナインは、姿形をコピーする擬態能力は完璧なのですが、どうも頭はあまり良くない様子で、
偽者を演じ続けるのはあまり向いていないように見受けられます。
ここでも戻ってくるなり、ハカセ達が大袈裟に安堵した様子を見せているのを見て、
「何?・・・どうしたの?」と不思議そうな顔をしてしまいます。
しかし、ヴァンナインの化けたカインがルカに「海賊を辞めて一緒に来てほしい」みたいなことを言って、
その後ルカがカインと何処かに行って帰りが遅くなっていたのですから、皆が心配するのは当たり前の成り行きです。
ヴァンナインは自分がその心配の種を撒いておいて、皆が心配している様子を見て、
その意味が分かっていないのですから、ちょっと思慮が浅いといえます。

マーベラスは皆が心配していたというのにルカ自身はまるで何事も無かったような顔をしているのを妙に思いました。
その幼馴染の男はルカに海賊を辞めるよう説得しに来たとハカセは言っていました。
ならば2人っきりで居た間、その件は話題になったはずです。
ルカがこうして何事も無かったかのような顔で戻ってきたということは、
幼馴染の男の誘いは断ったということなのか?
しかし、わざわざ地球までルカを追ってきたというその幼馴染がそんなに簡単に諦めるものなのだろうか?
とマーベラスは不審に思いました。

そもそも8000億ザギンも持っているなどという大法螺としか思えないようなことを言っていたという、
その幼馴染はどう考えても怪しすぎる。
ルカとその幼馴染の間の遣り取りが何事も無かったというのはどうも妙だと思いました。
それでマーベラスは不思議そうな顔で「ルカ・・・幼馴染の男ってのはどうしたんだ?」と質問します。
するとヴァンナインの化けた偽ルカは「ん?・・・」と一瞬戸惑います。
そういうことを突っ込まれるとは想定していなかったようです。
しかし、普通は突っ込むだろうに。
そんなことも想定していなかったとは、いくらなんでも無計画すぎです。

それでヴァンナインは「あぁ、そんなのどうでもいいじゃん!」と適当に誤魔化そうとします。
確かに会って話はしたが、別に大した話はしなかった。
海賊を辞めるようにという誘いも断り、カインは大人しく引き下がった。
そういう軽いニュアンスで押し通そうとして、
ヴァンナインの偽ルカは「それよりお腹減ったよ!ハカセ!夕飯なぁに?」と話題を変えようとします。

ところがハカセは「え!?・・・さっき一緒に材料買ったじゃん!」と驚きます。
確かにルカはハカセと一緒に夕飯の食材の買い出しに行ったわけですから、
夕飯に何を作るのか把握しているはずです。
ヴァンナインはルカとハカセが買い出しの帰りだったとは知らなかったわけではないはずです。
待ち伏せしていたのですから。
でも買い出し帰りだからルカが夕飯のメニューを承知しているはずという
簡単に思考すれば分かる程度のことも咄嗟に思いつかなかったようです。
ハカセの予想外のツッコミに慌てて偽ルカは目を泳がせて
「・・・あぁぁ!そうだよね!早く食べたいなぁ!」と、何やら挙動不審に浮かれたフリをするのでした。

その偽ルカの様子をジョーはじっと不審そうな目で見つめます。
そもそも旧友との再会を「そんなのどうでもいい」などと言うこと自体がおかしい。
どうもルカは何かを隠しているようだとジョーは感じました。
何か隠し事があって、そわそわして心ここにあらずだから、おかしな言動になっているように感じて、
ハカセとアイムも顔を見合わせます。
ただ、だからといって、このルカが実はザンギャックの怪人が化けた偽者だとバレるわけではない。
とにかく見た目は完璧にルカそのものなのです。
普通に考えれば、何かカインとの間で重大な出来事があって、
その動揺を隠すために不自然な態度になっていると解釈するのが精一杯でしょう。

それでここでは皆、何かルカの態度が怪しいという印象は抱きつつも、
そのまま夕飯を配膳して皆でテーブルを囲んで食事を始めたのでした。
ヴァンナインの偽ルカはいい気なもので、
完璧にルカになりすまして、全く疑われることなく上手く潜入出来たと思い込んで、
浮かれまくり「ん〜っ!美味しい!どれもこれもすっごく美味しい!・・・特にこれ!ブロッコリー!最高!」と、
やたら料理を絶賛してむさぼり食い、大騒ぎです。

普通、こういう場合は目立たないように多少は態度が控え目になるものだと思うのですが、
このヴァンナイン、どうにも危なっかしいヤツです。
というか、この作品に出てくる宇宙人はみんな普通に地球人と同じ物を美味しそうに食べてるので、
多分ヴァンナインは演技ではなく、本当にハカセの作った料理が美味しいのでしょう。
そして、美味しいものを美味しいと素直に絶賛するのが最も自然な行動であって、
疑われないとでも思っているようですが、
しかし本物のルカは毎日ハカセの料理を飽きるほど食べているので、
よほど変わったメニューが出てこない限り、いちいち絶賛などしません。
だから、この偽ルカのはしゃぎっぷりは実際は不自然極まりなく、全員しら〜っとして眺めています。
というか、あえて冷たくスルーしているという感じです。

そういう空気を読めない偽ルカは更に調子に乗ってハカセの皿にあるブロッコリーを横取りします。
「あっ!僕の・・・!」とハカセは驚き咎めますが、偽ルカはヘラヘラ笑ってブロッコリーを食べてしまう。
まぁ他人の皿から食い物を奪うのはマーベラスの得意技ですが、いかにもルカもやりそうなことなので、
これは結構ルカっぽい行動ではあるのですが、
それにしてもヴァンナイン、偽者のクセに目立つことやりすぎです。

ただ、こうしてルカが不自然にはしゃぎ回っているからといって、ルカが偽者だとバレるわけではない。
何かルカが隠し事をしているのではないかと疑われるだけのことです。
ただ、これだけハイテンションならば、とにかくルカが元気である以上、
そんなに大変なことを抱え込んでいるわけではないとも見えます。
何か仲間に心配をかけたくなくて隠し事をしているが、それほど深刻な事ではないのだろうと受け取れます。

それで少しは安心したのか、アイムはニッコリ笑って
「ルカさん・・・じゃあ私のブロッコリーも差し上げます」と言って、
フォークに自分の皿のブロッコリーを刺して、ルカの口に持っていきます。
偽ルカは嬉しそうに大きな口を開けてアイムにブロッコリーを食べさせてもらうのでした。
これを見てハカセもルカのことは多少は安心したのか、
「いやぁ〜・・・これで今夜はぐっすり眠れるね!よかったよかった!」と嬉しそうに言います。

それにしても、ルカに化けたヴァンナインの奴はアイムにア〜ンして食べさせてもらうとか役得すぎるわけですが、
まさかタダ飯を食うためにガレオンに潜入したわけでもないでしょうに、
ルカを殺すチャンスを無駄にしてまでわざわざルカに化けてガレオンに潜り込んできた目的は何なのでしょうか?

その後、更に時間は経過して真夜中のこと、
本物のルカの監禁されている地上の某所の倉庫では、鎖で縛られて気を失っているルカの足を
「ルカ・・・ルカ!」と、隣の誰かが自分の足で叩いて呼びかけています。
ルカはその呼びかけに目を覚まし、ぼんやりとした目で隣にいる人を見て、「・・・カイン・・・?」と言います。
隣で「久しぶり・・・ルカ!」と優しい顔で微笑んでいるのは、確かにルカの幼馴染のカインでした。
でも、確かさっき自分はカインの偽者に騙されてここに連れてこられて襲われて、
その後の記憶が無い、と思ったルカは、その時、もう1人の縛られたカインが現れたことを想い出しました。

「・・・でも、こんな形で・・・ゴメン・・・」と、今、隣で謝っているカインは身体を鎖で縛られている。
ということは、このカインは自分を襲った偽者のカインではないもう1人の方のカイン、
つまり本物のカインなのだとルカは悟りました。
そしてよく見ると自分も同じ種類の鎖で何時の間にか縛られていることにもルカは気付きました。
気を失っている間に縛られたと思われ、2人並んでこの倉庫に監禁されているのだと、
ルカはようやく状況が呑み込めてきました。

本物のカインは「僕はルカのために夢中になってお金を稼いでいることをザンギャックに知られて・・・
利用されたんだ・・・!」と悔しそうに言います。
インサーンが言っていた「好都合」というのは、このことなのでしょう。
カインはルカに会うために何処かの星から地球へ向けてやって来たところ、
ザンギャックの監視網に引っ掛かり捕らわれたのでしょう。

そして「利用された」と言っているところを見ると、
カインは有無をいわさずザンギャックに監禁されたわけではなく、
おそらく最初はカインとザンギャックの利害は一致していたのでしょう。
金持ちのカインはルカを海賊から辞めさせて連れて帰ろうとしていたのは事実であり、
それはマーベラス一味に悩まされているザンギャックにも、
海賊団の戦力ダウンになるのだから好都合のはずだと思っていたのでしょう。
だから、カインはルカを連れ帰ることを見て見ぬフリをしてくれるようザンギャックに要請したのでしょう。
おそらく、幾らかは先ほどの偽者カインがやったように、
ルカの懸賞金の分ぐらいはお金を賄賂のように渡したりもしたのでしょう。

そして、ザンギャックはその話に乗ったフリをして、カインと協力関係となり、
カインの持っている必要な情報、すなわち、ガレオンの位置情報やルカの行動に関する情報、
ルカの夢を叶えるためにカインが金を稼いでいることなどを聞き出したところで裏切って、
カインを監禁してヴァンナインがカインに化けて金で釣ってルカを誘い出して、
そしてルカをも監禁して、ルカに化けたヴァンナインがガレオンに潜入する作戦を実行したのです。

カインの言葉からはだいたいそうした背景事情が窺えますが、
最初に会ったカインが偽者だったと知った直後に気絶させられて、
そして今目覚めたばかりのルカにはそこまで詳細な事情はよく分かりません。
それよりもルカの関心事はどうにかしてこの場所をカインと2人で脱出できないかということでした。
カインの話を聞いて1つハッキリしたことは、
自分とカインを騙してこんな場所に監禁しているのがザンギャックだということでした。
つまり、さっきカインに化けていた怪人もザンギャックの怪人であるということです。

その怪人は何処に行ったのか?
他に見張りは誰かいるのか?
それらの情報を知りたくて、ルカは縛られたまま周りをキョロキョロと見回します。
しかし倉庫は広く、中には誰もおらず、外の様子は全く窺うことは出来ません。
窓のところに行きたいが、鎖で縛られてこの場から動くことが出来ない。
まずはこの鎖をほどかないといけない。
ルカは鎖をふりほどこうとして力を入れてもがきます。しかし鎖はビクともしません。

「無理だよ・・・この鎖は切れない」とカインは言います。
カインも何度も試してみたのでしょう。
ルカは鎖を切るのはひとまず諦めて、少し落ち着くことにして、カインの話を頭の中で整理します。
そして、要するにあの最初に会った偽カインは自分を金で釣ろうとしていたのだとルカは気付いたのです。
そう気付くとルカは阿呆らしくなって溜息をつきました。
なるほど、それで8000億ザギンなんていうバカみたいな大法螺を吹いたのか・・・と思ったのです。

ルカだって、8000億ザギンなんていう財産は有り得ないということは分かっていました。
だから別に金に釣られたわけではない。
8000億ザギンの財産なんてデタラメだということは分かっていました。
ただ、ルカの知るカインはそんなデタラメを言って自分を騙すような男ではありませんでした。
というか、ルカがそんなデタラメに騙されるような女じゃないことは知っているはずです。
そのカインがあえてそんな大法螺を吹くというのは、何か事情があるのではないか?
あるいはハカセや仲間たちには聞かせたくないような内密の話でもあるのかもしれないと思い、
ルカは偽カインに誘われるまま、2人っきりでついていったのです。

ところが8000億ザギンはザンギャック怪人が単に大金を持っているフリをすれば
ルカがホイホイついてくるだろうと甘く見て、深い考えもなく、
とにかく大きな金額を言えばいいと思って言ったバカみたいな金額だったのだと
ルカは今になって気付き、変に深読みして逆に失敗した自分を悔やみました。
カインが偽者と気付いていなかったのだから仕方ないにしても、
相手がカインでなければついていかなかった。
カインに対するルカの信頼が絶大であったために、逆にカインが見え透いた嘘をつくことを不審に思い、
深読みして、たまたま相手の狙い通りの行動をとってしまった。

ルカは溜息をついて「・・・変だと思った・・・8000億ザギンも稼いだなんて・・・!」と悔しがります。
ところが、カインは一瞬驚いた顔をして、「・・・それは本当だよ?」と言います。
どうしてルカがそのことを知っているのか一瞬分からなかったようですが、
自分に化けた怪人が言ったのだろうと気付いたようです。

つまり、あの偽カインの言った8000億ザギンの財産というのは、
わざわざデタラメを捏造したわけではなく、
カインから聞き出した情報をそのまま何の工夫も無く言っただけのことであるようです。
ということはカインの財産は本当に8000億ザギン(およそ300兆円)もあるということです。
「えぇぇ!?」とルカはさすがに仰天して、カインの顔を見つめます。
カインはクスッと微笑んで「頑張ったんだ・・・僕!・・・あの時のルカの言葉が忘れられなくて・・・」と、
少し胸を張りながら、遠い目をするのでした。

カインの言う「あの時」とは何時の時なのか?
それはカインの回想シーンで説明されます。
それは、数年前、何処かの辺境の星での雪の降りしきる夜の出来事です。
その星のスラム街の片隅にみすぼらしいテントのような場所で小さい子供たち5〜6人と共にルカとカインがおり、
ルカが「ほら!」と手にした袋から野菜やパンなどを取出し、子供たちは歓声を上げています。
ルカの服装はボロボロのみすぼらしい服装で、第6話の回想シーンの時と同じでした。
そして第6話の回想シーンでも同じようにルカはスラム街の子供たちに食料を配っていたことも合わせて考えて、
このカインの回想シーンも同じ星の同じスラム街の想い出だと思われます。

ところが、このカインの回想シーンには第6話のルカの回想シーンとは違い、
ルカの持ち帰ってきた貧相な食事に「わあ!お姉ちゃんすご〜い!」と目を輝かせて、
ルカの妹のリアが登場し、ルカは「でしょう!リア!」と自慢げに微笑みながらリアの頭を撫でています。
リアといえば、第23話のルカの回想シーンで病気になってルカが医者に運ぶ途中で死んでしまった、あのリアです。
あの第23話の回想シーンもやはり第6話や今回の回想シーンと同じ星での出来事だったのでしょう。

リアはルカの実の妹ですが、他の子たちはルカの本当の兄弟ではない。
なのに皆、兄弟のように一緒に暮らしている。
そう考えると、この子供たちは皆、孤児なのでしょう。
そしておそらくルカも、そしてカインも孤児なのでしょう。
ルカやカインは孤児というにはもう既に大きく成長しているので、実質的には「元孤児」と言っていいでしょう。
元孤児なので孤児たちの世話をしているのでしょう。

よくよく見てみると、第6話の回想シーンの孤児たちの住んでいる場所と、
今回の回想シーンの孤児たちの住んでいる場所は全然違う場所であり、孤児たちの顔ぶれも違います。
そもそも第6話の孤児たちの中にはリアもいませんでした。
第6話の回想シーンにリアがいなかったことから、
第23話の時の考察では、第6話の回想シーンはリアが死んで以降のシーンではないか?
ルカが孤児たちを養うようになったのはリアの死後ではないか?とも推理しましたが、
今回、他の孤児たちと一緒にリアもルカに養われている場面が出たことによって、
どうやらそうではないことが分かってきました。

リアが居るか居ないかの違いは時系列の違いによるものではなく、単に場所の違いによるものであったようです。
つまり、ルカは1ヵ所の孤児たちの面倒を見ていただけではなく、
スラム街に分散して住む孤児たちを手広く世話していたようなのです。
第6話の回想シーンと今回の回想シーンの場所も孤児の顔ぶれも違うのはそのためであったのです。
今回の回想シーンのテントにリアが居ることから考えて、このテントはルカ自身の住処でもあるのでしょう。
そしてそこに一緒に住むカインもルカの非常に近しい孤児仲間であり、
おそらくスラム街の孤児たちの世話をルカとカインは共同でやっていたと思われます。

というより、「元孤児」ともいえる年長の孤児たちのある程度のネットワークがあって、
彼らの手によって、より幼い孤児たちを養うシステムがこの星のスラム街の中で自然構築されており、
ルカとカインはそこにおけるごく親しい同志であったのでしょう。
そういうネットワークが存在しなければ、孤児たちが生きていけるわけもないのだから、
当然そういうネットワークは存在したものと思われます。

しかし、ルカやカインも元は自分達も孤児であったからそういうネットワークの一員であったことになります。
そもそもルカやカインぐらいの年齢でもし親を亡くしたとしても、「孤児」にはならないでしょう。
自力で働いて生きていくはずであり、自分自身「孤児」という自覚は無いのですから、
別に他の孤児を世話しようなどという発想も湧いてこないでしょう。
つまり、ルカやカインが親を亡くしたのは最近のことではなく、何年か前のことなのでしょう。

ただルカの妹のリアは当然ルカの親がいなければ生まれないわけで、
リアが10歳未満ぐらいであることから考えて、
ルカとリアの親が亡くなったのは、ここ10年以内のことでしょう。
ただあんまり最近すぎるとルカやカインが元孤児であることと整合性がとれないので、
ルカが現在20歳ぐらいとして、おそらくルカがまだ12〜13歳ぐらいの頃、
リアはまだ産まれたばかりぐらいの頃にルカの親は亡くなり、2人は孤児になったと思われます。

しかし他にも多くの孤児たちがおり、皆がルカと同じ時期に孤児になったとも思えません。
カインが孤児になったのももっと以前である可能性もあります。
ルカとカインは幼馴染といいますから、ルカが孤児になってからカインと知り合ったわけではないようで、
もともと幼馴染同士であったルカとカインは共に孤児になったということになりますが、
孤児になった時期は同じではないでしょう。

どうもこういう状況を総合的に考えると、
この孤児の大量発生は、大地震などの自然災害によるものではないようです。
もし自然災害なら大量の大人の死者はごく短期間に集中して発生するのだから、
孤児の発生期間はもっと短いはずだからです。
これだけ長期間、孤児が生まれ続けている原因は、長期にわたる戦災しか有り得ないでしょう。

案の定、この回想シーンでルカが持ち帰ってきた食料を前にして
「さぁ!皆で一緒に温かいものを作ろう!」と陽気に号令をかけ、「お〜!!」と皆が盛り上がった時、
いきなりテントの外でたくさんの爆発音が鳴り響き、ルカ達は「わっ!?」と驚きます。
外の様子を見てカインが「またザンギャック!!」と忌々しげに叫び、
ルカは「みんな1ヵ所に集まって!」と、子供たちをテントの奥の方に退避させます。

夜空いっぱいにザンギャックの攻撃艦が悠々と飛行しながら、地上に爆弾や銃弾の雨を降らし、
空襲警報があちこちで鳴り響くスラム街は瓦礫の山になっていきます。
そしてルカのテントでも、子供たちが「怖いよぉ!」と怯えて泣き叫ぶ中、
テントは破れて瓦礫が散乱して、せっかくルカが雪の降る中で調達してきた食料は
瓦礫に埋もれていってしまいました。
このルカの生まれ故郷の星がザンギャックと戦争をしているのか、それとも侵略を受けているのか、
あるいは単にザンギャック軍が殺戮を楽しんでいるだけなのか、よくは分かりませんが、
とにかく長期間、おそらく10年近くはこういう状況が続いているようです。

そして、ザンギャックが空襲する理由はどうあれ、スラム街の孤児たちがザンギャックの敵であるはずもなく、
こんな空襲が正当化されることは決して無いでしょう。
しかし大義名分は常に宇宙を支配するザンギャックの方にあり、この戦争犯罪が糾弾されることはなく、
この星の孤児たちは延々とこうして苦しめ続けられるのです。

爆弾や銃弾で死ぬことはもちろん辛いし怖い。
しかし孤児たちがこうまで怯えているのはそうした直接的な死の恐怖だけが原因ではありません。
この子たちの多くは、自分の両親をザンギャックの空襲で殺されたのです。
目の前で両親が爆弾に吹っ飛ばされて死ぬのを見た小さい子供も多い。
だから、爆発音や、ザンギャックの攻撃艦のエンジン音を聞くだけでもトラウマに苦しむ子が多いのです。
だから、ここが子供たちにとって地獄であることは、その地獄で生きてきたルカやカインにはよく分かっています。
せっかく今日は少しでも子供たちが幸せな気分になれるようにと、必死で食料を調達してきたのに、
結局こうしてザンギャック軍の気紛れ1つで、また地獄に逆戻りでした。

ようやく攻撃艦がルカ達の頭上を遠ざかっていき、少し離れた別の場所が地獄と化しはじめた頃、
ルカはテントの中でまだ泣き叫び続ける子供たちを見つめながら「・・・カイン・・・あたし決めた!」と言います。
「え?」と問い返すカインに向かって、ルカは子供たちを潤んだ目でぐるっと見回しながら
「ザンギャックに親を奪われた子供たちがみんなで幸せに暮らせるような世界を作る・・・!」と言って、
カインを見つめます。

幸せといっても、浮ついた自己実現とか娯楽いっぱい夢いっぱいの世界のことを言っているわけではありません。
少なくとも、こんなに毎日恐怖に怯えて泣いて暮らさないといけないような生活からの脱出が、
つまりルカの言う子供たちの幸せでした。
最低でも、自分の親の命を奪った空襲のトラウマに晒されないで済むよう、
ザンギャックの攻撃が無い世界があれば、それでもいいのです。
たったそれだけの慎ましやかな望みでした。

そういう幸せを願って、このスラム街でルカはカイン達と一緒に力を尽くしてきました。
しかし、この街では、その幸せがどうしても実現しない。
実現しそうになっても、すぐにザンギャックにぶち壊される。
今、自分が守ることが出来るのはこのテントの中だけであり、
今この瞬間もスラムの別の場所では子供たちがもっと大きな恐怖に怯えて泣き叫んでいるのに、自分は何も出来ない。
だからルカはこの街ではもうダメなんだと悟ったのです。
何処か別の場所、ザンギャックに攻撃されないような場所に孤児たちを集めて、
空襲の恐怖に怯える必要の無い世界を作らなければいけない。

何故、この街では上手くいかないのか、その理由はルカは薄々分かっていました。
それは、自分たち孤児も、そしてこの戦災難民の集まるスラム街も、非合法な存在だからでした。
本来ここにあってはいけない物だから、誰からも保護されない。
だからザンギャックは好き放題に攻撃しても平気なのです。

ザンギャック帝国というのは、別に全てを破壊し尽くすブラックホールや世界を破滅させる悪魔でもない。
1つの合法的な巨大帝国です。
確かに無法な独裁国家ですが、あくまで合法的存在であり、
だからこそ、どんな悪事を重ねようとも簡単に討伐されることはないのです。
ただ合法的存在であり実体として帝国を統治していかねばならない以上、
無差別にそこらへんの人々を気儘に殺戮することは出来ない。
かといって基本的には暴力と恐怖で人々を支配する帝国である以上、その怖さは見せつけておかねばならない。
だから、正当性のある暴力を常に振るっておいて、その恐怖を人々に見せつけておかねばならない。
つまり、見せしめです。

そして、その見せしめの対象として選ばれるのは、「帝国が保護する義務を負わない人々」でなければならない。
帝国に逆らう反逆者や戦争相手などがあれば手っ取り早いですが、そういう相手が常に存在するわけでもないし、
そういう骨のあるヤツというのは少数派で、多くの人々の目には触れにくい。
そこでザンギャック帝国は帝国内のあちこちに分散して居住する非合法の民を
反逆分子という名目で討伐することにしたのです。
つまり一種の被差別階級のようなものです。

その多くは、かつて帝国の侵略に逆らって滅ぼされた星や国などの生き残りで、
反逆分子なので帝国は保護する必要は無いが、一応は各地のスラムに集まって生きていくことは許容している。
ただ、常に適当な理由をでっち上げて、言いがかりで攻撃を加えることは出来る。
そうして、決して抵抗してこないスラムの住人たちを
完全に滅びてしまわないように手心を加えつつ徐々になぶり殺しにしていき、
それによって帝国の一般市民を恐怖で統治していく。
自分達も反乱など起こしたら、そうして永遠に続く地獄を味わうことになるのですから、
スラムの地獄を見れば、誰も怖くて反乱など起こそうとは思わなくなります。

そういう帝国の統治システムの犠牲になっているのが最底辺の下層階級の住む街が
自分達の住むスラムなのだと、最近ルカは気付いてきたのです。
だから、この街にいても救いは無い。
そして、いつまでもスラム出身者という最下層の非合法な民のレッテルを貼られたまま生きていても、
子供たちには未来は無い。
スラムを脱出しても、他の街では差別されるだけであり、結局は別のスラムに押し込められて、
そこでまた地獄に晒されるだけのことです。

だから、孤児たちがちゃんと普通の市民権を持つことが出来るような世界を、
既存のスラムや市街とは別に作らなければいけない。
そこならば、こんなふうに連日、無慈悲な見せしめのような空襲に晒されることはないはずです。
そこにザンギャックに親を奪われた子供たちをみんな集めればいい。
そうルカは心に決めたのでした。

そんな新しい世界、一種の特区のようなものですが、
そんなものを作るのはもちろん簡単なことではない。
お金も必要だろうし、地域社会も動かす必要もあります。
しかし不可能ではないはずだとルカは思いました。
今までスラムの中の孤児たちを養っていくために仲間たちが払ってきた労力の一部でも
そういう試みに向けていけば、何年かかるか分からないが、きっと実現できるとルカは思いました。

しかしカインはルカのその言葉を聞いて、暗く沈んだ目を伏せて
「・・・でも、宇宙にはたくさん居るよ・・・そういう子供が・・・」と、力無くうなだれました。
ザンギャックが支配地域を安定統治するために
宇宙全体でスラムの孤児たちをはじめとした非合法の民を虐待する政策をとっていることは、
カインも気付いています。
それを逃れた新天地を作りたいというルカの気持ちはよく分かる。
しかし、そのシステムが分かっているからこそ、カインはそのルカの望みが叶わないと分かってしまうのです。

何故なら、宇宙全体に設置されているスラムには合わせれば膨大な数の戦災孤児たちがおり、
それらを全員集めて受け入れるだけの広さの特区など、自分達の財力や政治力で実現できるわけがない。
というか、そんな広さの場所などこの星には無い。
だから、ルカは物理的に不可能なことを言っているのです。

しかし、そのカインの否定の言葉に対してルカは、少し考え込んでから
「・・・だったら・・・星を丸ごと買い取って・・・そこを笑顔でいっぱいにする!」と必死になって言い返すのでした。
一瞬呆気にとられたカインは、「・・・無理だよ!」と歪んだ笑いを浮かべます。
ルカが意地になって出来っこないことを言っているだけだと思ったのです。
ところが、ルカは真剣な眼差しで「どんなことをしてでも、あたしはやる!!」とカインをじっと見つめる。
カインはその迫力に気おされて「・・・ルカ・・・」と呟きます。

カインもルカの言うようにスラムに燻っていても未来は開けないことは分かっています。
だからスラムを出て新天地で自分の幸せを掴むよう努力しなければいけないと思っています。
ただ、それは各自の自己責任でやるべきことであり、
スラム中の孤児の面倒を見ながら自分の新天地を作っていくなど、出来ることではないと思っています。
出来るとしても、自分の身近な何人かと一緒ならば、という程度のことです。
カイン自身、スラムから出て新天地で生きていこうかとも考え始めていました。
そして、その場合はルカや身近な子供たちは連れていきたいとも思っていました。
それが自分の出来る精一杯だとカインは思っていたのです。

それはつまり、現在、自分の助力をアテにしているスラムの孤児たちの多くを見捨てる行為であり、
その罪悪感でカインは迷いも生じており、どうしようか決めかねてもいました。
ところがルカは、スラムに未来が無いとキッパリと見切りながら、
決してスラムの孤児たちを見捨てようとはせず、
それどころか、会ったこともない宇宙に散らばる全ての戦災孤児たちを自分自身と全く対等に扱い、
救おうとしているのです。

それは限りなく不可能なことなのですが、
それでもルカは至って真剣に、それが間違いない真実の道だと確信して迷いは無い。
「何年かかったって構わない・・・!」と、空を飛び爆弾を降らせるザンギャック艦を真っ直ぐ見上げて
睨みつける、その迷いの無いルカの眼差しを見て、
カインは自分の限界を勝手に決めて迷っていた自分がルカに比べて情けなく思えてきたのでした。

これがカインの回想シーンですが、
ここでルカの過去がだいぶ明らかになっただけでなく、ルカの「夢」の内容が判明しました。
それは、ザンギャックによって親を殺された上に虐げられている全宇宙の孤児たちが
安心して暮らせるような世界を作るために、星を1つ丸ごと買い取るということでした。
もちろん、ただ単に星を買うだけではなく、
孤児たち全員の不当に虐待されたりしない真っ当な市民権も買い取らねばならないし、
インフラも整備しないといけない。
まさに天文学的なお金が必要でしょう。
だからルカは夢を叶えるためにお金が必要なのであり、そのため、常にお金にこだわるのです。

ただ、ここでカインが言おうとしていることは、ルカの夢の内容についてではなく、
ルカがその自分の夢を見出した時の言葉が、
その場に居合わせたカインの人生に与えた影響についての話です。
カインはそのルカの言葉が忘れられなくて頑張って、
その結果、8000億ザギンもの財産を築いたのだというのです。

真夜中の倉庫にて、カインの回想の中での、
かつて生まれ故郷の星で自分の夢を誓った言葉を、ルカは神妙な顔で聞きます。
そしてその横で、カインは真っ直ぐ前を見て、遠い目をして
「君と別れた後、僕は・・・なりふり構わず、お金になることは何でもした・・・」と語ります。
それを聞いて、ルカは少し驚いた顔でカインを見ます。

さっきの回想シーンを見る限り、どうも昔のカインはそういうバイタリティー溢れるタイプではなさそうでした。
というか、この現在のカインも繊細そうな青年であり、
そんな「金になることを何でもする」というようなタイプには見えない。
つまり、「頑張った」というのはそういうことで、
カインは本来の自分の性格に合わないようなことをして、お金を稼ぐために無理してきたということです。

というか、ここでカインは「君と別れた後」と言っていますが、
もしこの別れがカインの旅立ちをルカが見送る形であったならば、
カインは少なくとも自分の今後の抱負を語ったであろうから、
お金のために頑張るというカインの抱負はルカに伝わっていたはずです。
しかしルカがカインのその後の生きざまを全く知らないところからして、
どうやらこの「別れ」はルカの方が旅立っていったものであるようです。
だからルカは自分と別れた後のカインがお金のために何でもするキャラになったことに驚いているようです。
ルカの想い出の中のカインは真面目で大人しい友人であったのでしょう。

ルカはどうしてカインがお金至上主義になったのか不思議そうな顔でカインの方を覗き込みます。
すると、真っ直ぐ前を向いたまま、ぐっと息を呑み込んだカインは、
ルカの方に顔を向けて「君の夢を・・・叶えたくて・・・!」と言ったのでした。
カインが必死になってお金を稼いだのは、全宇宙の孤児たちのために星を買いたいという
ルカの夢を叶えるためであったのです。
「・・・カイン・・・」とルカは驚いて、カインを見つめます。
カインは照れ臭そうにルカから目を逸らして黙り込みますが、
なんとか勇気を振り絞るようにして、
「海賊なんて辞めて、一緒に叶えよう!あの時の夢を・・・!」と言い、再びルカの顔を見つめます。

カインがルカの夢を叶えるためにお金を稼いだのは、
別にルカに純粋に協力したかったとか、ルカに同情したとか、ルカの歓心を買いたかったからとか、
そういう理由ではありません。
ルカの夢に向かって迷い無く真っすぐな姿勢を見て、
迷ったりすぐに現実と妥協しようとしている自分が情けなく、ルカに相応しい男でないと感じたカインは、
ルカの目指す夢を自分も目指して実現することで、ルカに相応しい男になろうとしたのです。
ルカの夢を叶えたいというよりも、ルカの夢に吊り合うだけの男になりたいと思ったのです。

そして、自分がそれに見合うだけの男になれたと確信出来たので、カインはルカを迎えに来たのでしょう。
おそらく8000億ザギンというのがルカの目指す夢を実現するのにだいたい見合う金額なのでしょう。
これだけの財産を築くということは普通は到底不可能なことなのでしょうけれど、
カインはルカのひたむきさを見て、そういう常識で自分に限界を設けるのはやめて、
8000億ザギンに挑戦することにしたのでしょう。
とにかくルカのあの日の言葉を胸に、自分もそれに相応しい男になりたい一心でがむしゃらに頑張り、
遂にカインは不可能を可能にして、8000億ザギンの財産を築き、
それをもって自分がルカの夢に吊り合う男になれたと思い、
今こそ堂々とルカと共にルカの夢を実現しようと思って、ルカの行方を探しだして、
こうして地球にルカを迎えにやって来たのです。

そういうことなのだろうということはルカにも分かりました。
そして、そこまでカインがルカに相応しい男になることに強くこだわったということは、
もともとカインはルカに好意を寄せており、今こそルカにその気持ちを告白する資格を得たと思っており、
まさにこれは共に夢を追い人生を歩むパートナーになりたいという、
正式なプロポーズなのであるということもルカは気付きました。

そう気付くと、ルカはフッと微笑んで、カインから顔を逸らすと
「・・・こんな状態で言うかなぁ・・・?」と呆れたように言います。
倉庫に監禁されてお互いに鎖に縛られた状態でプロポーズなんて、全くロマンチックじゃないということです。
カインは「・・・ゴメン」と焦って謝ります。
確かに全くデリカシーに欠けているとは思ったのです。
しかしカインはそれでも食い下がり、
「・・・でも、こんな時だからこそ・・・答えをくれないか?」とルカに必死に懇願します。
この状態では2人ともザンギャックに殺されてしまうかもしれない。
だからこそ、人生の終わりかもしれないからこそ、
カインは自分の人生が間違っていなかったのかどうかを知りたかったのでした。

カインはもともと繊細で優しい男でした。
金のために何でもやるような男ではなかった。
そんな男がルカに相応しい男になり、ルカの夢を実現するために、
かなり汚いことにも手を出して、生き馬の目を抜くようなことをやってきた。
それはカインという人間のもともと持っていた美点をかなり損なう行為であったことでしょう。
当然、カインは葛藤したことでしょう。
迷いを捨てたといっても、それは行為の上でのことであって、
内心では、本当にこれでいいのだろうかと何度も自問自答したはずです。
でもルカの夢を一緒に叶えるためだと思い、心を鬼にしてきた。

しかし、もしかしたら自分のやってきたことはとんだ見当違いで、
ルカが目指していたものを誤解して全然違うことをしていたのかもしれない。
もしそうならば、今までの自分の人生は誤りであり、
自分のしてきた様々な汚れた行為は償わねばならない。
とにかく、それを確かめないうちは死ぬに死にきれない。
今、まさに死の危機が迫っている中、カインはルカの返答を何としても聞きたかった。

もともと、今回ルカに会ってプロポーズの返答を貰うことにカインは人生を賭けており、
それがあまりに前のめりであったがために、
普段はおそらくもっと狡猾で用心深いのであろうカインが、
簡単にザンギャックに騙されてしまうというヘマをやらかしたのでありましょう。

そのカインが今まさに人生最後のチャンスと思い、自分の人生の価値を確認しようとして、
必死に食い下がってプロポーズの返答を求めている。
それが分かっているからこそ、ルカはプロポーズがロマンチックでないなどと言って、
はぐらかすような態度をとったのでした。
それでもカインが食い下がってくるので、ルカは黙り込みます。

いきなりプロポーズされた女性が返答をどうしようかと黙り込むのはよくあることであり、
プロポーズした男性は黙って思案する女性に返答をしつこく催促するわけにはいかない。
これは女性の特権といえましょう。
ルカはその特権を利用して黙り込み、思案します。
しかしプロポーズの返答を迷っているわけではありません。

1人の女性としてカインからのプロポーズは嬉しいが、それでも今、カインと共に行くわけにはいかないのです。
だからカインの申し出は断らなければいけない。
しかし、カインは人生を賭けて返答を求めてきているのです。
下手な返答の仕方をすれば、カインの人生を否定するような言い方になってしまう。
それは避けなければいけないと思い、ルカは返答に窮して、はぐらかそうとしたが、
はぐらかしきれないと分かると、今度はじっと黙って思案しているのです。

そのように本物のルカが倉庫で縛られたまま思案している頃、
真夜中のガレオンの船内ではヴァンナインの化けた偽者のルカが何やらコソコソと動き回っていました。
マーベラス一味の面々がぐっすり眠っている間に、
ずるそうな顔をしながら掌大ぐらいの大きさの四角い物体を船内のあちこちにコッソリ仕掛けて回った偽ルカは、
最後にマストの上の見張り台の中にもその物体を仕掛けると、ニヤリと笑ってヴァンナインの姿に戻り、
見張り台から飛び出して、滞空しているガレオンから地上に向けて飛び下ります。

そうして地上に着地したヴァンナインは「へへ〜・・・あばよ!海賊ども!」と言って、
振り向いて上空のガレオンを見上げます。
すると、なんとガレオンは何ヵ所も爆発を起こして夜空に跡形も無く散ってしまったのでした。
つまりヴァンナインが化けた偽ルカが船内の各所に仕掛けていたのは時限爆弾であったのです。
ヴァンナインがルカに化けてガレオンに潜入した目的は、
マーベラス一味がガレオンで寝ている時にガレオンに爆弾を仕掛けて吹っ飛ばして、
一味を抹殺することであったのでした。

爆発して夜空に散るガレオンを見上げて作戦成功を見届けたヴァンナインは愉快そうに高笑いして
「ハハッハッハッハッハ!!・・・あとはあの女をどんな風に始末しようか!?」と嘯きながら立ち去っていきました。
ヴァンナインがこれまで捕えたルカを殺さずに生かしておいたのは、
もしガレオンに潜入した自分の正体がバレてマーベラス一味に追い詰められた場合に、
自分が無事にガレオンを脱出するための人質として使うためでしたが、
こうしてガレオンを吹っ飛ばしてマーベラス一味を始末した以上、もはやルカを生かしておく必要も無い。
これから倉庫に戻った後、あの宇宙実業家ともども、じっくりと自分の手でなぶり殺しにしてやろうと、
ヴァンナインは思っていたのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 13:25 | Comment(0) | 第34話「夢を叶えて」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月03日

第34話「夢を叶えて」感想その4

ルカとカインが監禁されている倉庫は夜明けを迎えており、
海賊を辞めて一緒に星を買い取って戦災孤児たちの楽園を作るというルカの夢を
一緒に実現しようというカインの申し出に対して、ルカは何故か想い出話を切り出していました。
「妹が死んで・・・あの星を飛び出し・・・ザンギャックを相手に盗賊をやってた頃・・・」と、
ルカが語り始めたのは盗賊時代の話です。

というか、その回想シーンの前に整理しておくと、
ここでまずルカがザンギャック相手の盗賊をやってたのは、生まれ故郷の星を出た後だったことが判明しました。
時系列的には、リアが死んでから生まれ故郷の星を出て、その後、ルカは盗賊になったようです。
ということは、第6話や今回の回想シーンで孤児たちを養うために調達した食料などは、
盗賊行為によって手に入れたものではなく、真面目に働いて手に入れたものであったようです。

第6話や第23話での考察の時、ルカが孤児たちを養うために盗賊をやっていたのではないかと推理しましたが、
それは外れであったようです。
ルカが盗賊になったのは、生まれ故郷の星で何かがあって、そこを飛び出した後ですから、
そこで大きな心境の変化があってのことなのでしょう。
つまりルカに大きな心境の変化を生じさせるようなショッキングなことが
生まれ故郷の星で起きたのだと思います。

ここでのルカのセリフを見ると、それは妹のリアの死であるように解釈できます。
つまり第23話の回想シーンで描かれた、リアが死ぬのに何も出来なかったという事件です。
そのショックでルカが生まれ故郷の星を飛び出して盗賊になったという風に読み取れます。
第23話の時の考察では、リアの死の後にルカは孤児たちを養うようになったと推理していたので、
時系列としては、「第23話のリアの死の回想シーン」→「第6話のルカが孤児たちに涙ながらに
食料を配っている回想シーン」という順番としていました。

が、今回のカインの回想シーンによって、
リア生存中に既にルカはカイン達と一緒に孤児たちを養っていたと推定されるようになったので、
むしろ「第6話のルカが孤児たちに涙ながらに食料を配っている回想シーン」→「第23話のリアの死の回想シーン」
という順番であったのではないかとも思えてきます。

更に今回、つまり第34話のカインの回想シーンやここでのルカのセリフも合わせて
回想シーンのルカの行動の時系列を整理すると、
「涙の配給(第6話)」→「ルカの決意(第34話)」→「リアの死(第23話)」
→「星を飛び出し盗賊となる」→「盗賊として活動(第8話)」という感じではないかと考えることが出来ます。

しかし、これはやはりちょっと違うと思います。
確かにリアの死はルカにとってショッキングな出来事であり、
それは星を飛び出す原因の1つではあったとは思いますが、
リアの死だけでルカが他の孤児たちを捨てて星を飛び出して盗賊に身を落とすとは、ちょっと考えづらいからです。

肉親の死というものがショックでないはずはなく、
ルカがリアの死によって計り知れないショックを受けたことは否定しません。
実際、第23話での描写を見ても、リアの死がルカの心に大きな影を落としていたことは間違いない。
リアの死によってルカが全てがどうでもよくなり、
全てを捨てて何処かへ行ってしまいたい気持ちになったとしても不自然ではありません。

しかし、ルカは「肉親の死」というものが自分だけの悲しみでないことは誰よりも切実に承知していたはずです。
ルカもリアも既に肉親の死を経験していたのであり、
同様に、ルカの養っていた孤児たちも皆、肉親の死の悲しみを味わった者ばかりなのです。
だから自分だけがリアの死の悲しみに溺れることは許されないとルカは思ったはずです。
自分の肉親の死の悲しみに流されて、周囲にたくさん居る、
肉親の死の悲しみに耐えて生きている子供たちを見捨てるようなことは出来ないと思ったであろうし、
実際、逃げることなど出来なかったと思います。

貧乏のために妹や弟を亡くしてしまった悲しみに耐えて
他人の孤児の世話をし続けていたルカと同年代の若者など、他にも何人もいたと想像出来ます。
だからルカもリアの死の悲しみの中で孤児たちに食料を配り続けねばならなかったのでしょう。
だからこその第6話の涙を流しながらの食料の配給シーンであったのではないかと思います。
十分な食料も与えることが出来ずに徐々に弱っていく孤児たちの姿に
亡くなったリアの姿を重ねあわせて、ルカは、孤児たちに泣いて謝りながら、
心の中でリアにも謝っていたのだと思います。
それが第6話の回想シーンの実態なのでしょう。

そして、今回のカインの回想シーンではリアはまだ生存中だったので、
リアの死後の悲しみの中で、既にルカはスラムには見切りはつけて
孤児たちの住む新天地を作らなければいけないという意志を固めていたはずです。
それはリアの死や、その後の悲惨な孤児への救援活動の中で、
ルカの中では一刻も早く実行に移さねばいけないこととなっていったはずです。
だからルカは孤児を世話している仲間たちに説いて、協力を求めたはずです。

しかし、おそらくルカの提案はあまりに非現実的な絵空事だとして相手にされず、却下されたのでしょう。
まず何といってもお金が足りないので無理だというのが最大の理由だったことでしょう。
結局、いつも、お金がネックなのです。
お金さえあれば救える命が、いつもお金が壁になって救うことが出来ない。
リアも救うことが出来なかったし、他の孤児たちも救うことは出来ない。
そのようにルカは絶望的な気分になりつつも、それでも粘り強く頑張ったのでしょう。
おそらくカインもルカに好意的な立場だったのでしょうが、大した力になれたわけではないのでしょう。

そして、そうこうしているうちに、何かがあったのでしょう。
ルカの世話していた孤児たちが死んでしまったのかもしれません。
とにかくルカがスラムの未来全てに絶望してしまうような出来事があり、
ルカはこれ以上スラムの皆を説いても無駄だと悟り、生まれ故郷の星を飛び出して、
自分1人の力でお金を稼いで、そのお金で孤児たちの新天地を作ってみせることにしたのでしょう。
しかし、大して商才も無いスラム育ちの少女が真っ当な金儲けなど出来るわけもなく、
いつしかルカは盗賊となっていった。

但し、たとえ盗賊に身を落としても、
ルカは虐げられた者達を救うための金を稼ぐという志は不変ですから、
虐げられた弱い者達から金を奪うことは出来ませんでした。
そんなことをしたら本末転倒だからです。
だから、奪うならば、虐げている側から奪うしかない。
それでルカはザンギャック軍や政府からだけ物品や金銭を奪う盗賊になったのです。

まぁ、そういうところなのでしょう。
第6話で春日井小牧がお金を使いまくってわざと貧乏になろうとした時、
ルカが「お金が無きゃ出来ないことがある」「お金が無くても幸せなんて綺麗事」と言ってキレたのは、
こういう過去があってのことであったのです。

一方、カインはルカが星を飛び出した後、
ルカや、ルカが守ろうとしていた孤児たちのために力になってやれなかった自分を悔やみ、
カインもまた1人で星を出て、ルカの夢を実現することが出来る男になろうと決意したのでしょう。
それはやはり、お金を稼ぐという道であり、
幸いカインには商才があり、商売人向きではない心の良さはあえて封印して、一心不乱に金儲けに走り、
大富豪にまでなったのです。

このように、ルカの
「妹が死んで・・・あの星を飛び出し・・・ザンギャックを相手に盗賊をやってた頃・・・」というセリフも、
それぞれの段階は一足飛びに移行していったわけではなく、
あらためて回想シーンのルカの行動の時系列を整理すると、
「ルカの決意(第34話)」→「リアの死(第23話)」→「涙の配給(第6話)」
→「星を飛び出す」→「盗賊として活動(第8話)」ということになるのでしょう。
そして、これからルカがカインに語る回想のシーンは、この最後の「盗賊として活動」の後、
すなわち、ルカが盗賊を辞めて海賊になった経緯についてのシーンなのです。

それは何処かの星のザンギャック軍の基地の中、金庫室のようなところに
ゴーミン達が大きなジェラルミンケースのようなものを運び込んでいるところに
盗賊時代のルカが突如現れてゴーミン達を斬り倒し、
ゴーミン達が運んでいたジェラルミンケースのフタを開けます。
そこには1000ザギン札の札束がぎっしりと詰め込まれており、
ざっと見た感じでは、1つのジェラルミンケースに1000万ザギンが入っているように見受けられます。

そうしたジェラルミンケースが扉が開けっぱなしの金庫には、見えているだけで20個ほど同じケースが有り、
おそらく金庫の中には50個ぐらいはそのケースがあるでしょう。
つまり、5億ザギンぐらいはここにあるわけです。
日本円に換算すると1800億円ですから、かなり膨大な金額といえます。

5億ザギンというと、現在のマーベラスの懸賞金の100倍ですから、
単純計算すれば、マーベラスを倒せるほどの猛者を100人雇えるだけの資金ということになります。
ワルズ・ギル軍にそれだけの精鋭が揃っていれば、既にマーベラス一味は退治出来ているかもしれません。
それが未だにワルズ・ギル軍は出来ていないのですから、
単純計算では、この5億ザギンというのは、
ザンギャックの1つの地域への侵攻軍の総予算に相当するほどの金額ということになるでしょう。

もちろん、星を買い取って孤児の楽園を作ろうというルカの夢が叶うには程遠い金額ではありますが、
ルカの獲物としては、かなり上々の戦利品といえるでしょう。
ルカは上機嫌で「いっただきぃ〜!」とジェラルミンケースのフタを閉めます。
ところがその瞬間、ルカは顔面を張り飛ばされて、突き倒されました。
何時の間にか駆けつけたスゴーミン達に囲まれていたのです。
スゴーミン達に加えて大勢のゴーミンにも包囲され、ルカは絶体絶命となってしまいます。

「ザンギャックの金を盗もうとはふざけた女だ!生きて帰れると思うなぁ!」とスゴーミンが腕を振り上げて
更にルカを叩きのめそうとした、その時、何処からかスゴーミンやゴーミン達を一斉射撃が襲います。
ルカが驚いて見回すと、倒れたスゴーミン達の頭上から赤い服と青い服の2人の男がロープで降りてきて、
今度は剣を振るって瞬く間にゴーミン達を全滅させたのでした。

ルカはその2人の顔に見覚えがありました。
いや、全くの初対面ではありましたが、
自分の顔写真と並んで、賞金首の手配写真が貼り出されてあるのを見たことがあるのでした。
確か2人組の悪辣な宇宙海賊とのことでした。
「宇宙海賊・・・?」と呟きながら警戒するルカに向かって、
赤い服を着た方の海賊、すなわちマーベラスは銃を担ぎながらニヤニヤして
「俺たち以外にここを狙っている奴がいたとはな!」と言いつつ近づいてきます。
下品そうな男ですが、銃を構えず肩に担いでいるのは、
とりあえずルカに敵対する意思は無いという徴のようでした。

どうもマーベラスとジョーもここの軍資金を奪おうとして忍び込んできたところ、ルカと鉢合わせしたようです。
しかし、ならばルカも2人にとっては邪魔者であるはずです。
それなのにルカのことは殺そうとはしていないのは不可解でしたが、
あるいは女だからすぐには殺さずに慰めものにしてから殺すつもりかもしれないと、ルカは警戒心は緩めません。

しかし、金庫の中のケースの山を眺めていた、もう1人の青い服を着た方の長髪の海賊、すなわちジョーが
「軍資金が途絶えれば・・・この星の奴らも少しは逃げ出すチャンスが増える・・・」と言いつつルカの方に振り向くと、
ルカはこの2人の宇宙海賊が自分と同じようなことを考えて、この軍資金を狙っていたのだと気付きました。
というか、そんなことをわざわざ自分の前で言うということは、
むしろ2人組の方がルカを見て、自分達と同じことを考えているのだと見破ったように感じられました。
心の中を見透かされたように感じ、ルカは少し身をすくめます。

確かにルカはこの軍資金を自分の夢を叶えるための資金にするために奪おうとしています。
しかし、同時に、この軍資金がこの通りすがりの星で
ザンギャックが自分の故郷の人々に対して行っていたのと同じような過酷な弾圧を進めるために
使われていることも知っています。
この金が無くなれば、ほんの少しはこの星の人々も救われる。
しかし、この星の人々がこの金に手を出すことなど出来るわけがない。報復が恐ろしいからです。
でも、指名手配の身で宇宙を転々と逃げ回らざるを得ない自分なら、
どうせこの星はすぐに立ち去ることになるから、報復を恐れる必要は無い。
自分ならばこの金に手を出すことは出来るのです。

もちろん、ルカはこの見知らぬ星の人々を助ける義理は無いし、助けるつもりはない。
ただ、自分しか奪うことが出来ない金ならば自分が奪ってやろうとしているだけのことです。
夢のために金がどうしても要るのです。
そして、その金は弱い虐げられた者から奪うことは出来ない以上、ザンギャックから奪うしかない。
だから、この金を奪う。
そして、その結果、救われることのなかった自分の星とは違って、この星の人々が少しでも救われるのなら、
こんな惨めな泥棒に身を落とした自分のことを天国のリアや孤児たちは少しは許してくれるかもしれないと、
ルカはそう思っていただけのことでした。

そして、どうやらこの2人組の海賊も同じようなことを考えて、この軍資金を奪おうとしていたようであり、
だから自分の心の中も読み取り、それゆえに自分のことを殺さなかったのだろうとルカは思い、
どうやらこの2人組は手配写真の説明に書いてあったような極悪人とは違うようだとも思いました。

その海賊の1人、マーベラスはルカの背後に回り込みながら
「可愛い顔して、ザンギャックと張り合おうなんていい度胸だ!」と言います。
背後に回られてもルカは無防備な背中を晒したまま立っています。
マーベラスに敵意が無いことは確信したのです。
すると、ルカの敵意も消えたことを確認したのか、
一応剣をぶら下げて構えていたジョーはクルリと剣を回して背後にしまい、警戒態勢を完全に解きます。

それと同時にマーベラスは背後からルカに向けて
「・・・気に入った!俺たちの仲間にならねぇか?」と、いきなり意外な言葉を投げかけたのでした。
ルカは振り向いてマーベラスを見ます。
ジョーも無言でルカの横に近づき、マーベラスと同意であることを示すようにルカをじっと見つめます。

マーベラスはルカが女の身1つで、ザンギャックを相手に義賊まがいのことをやってのける度胸と、
秘めた熱い心が気に入ったようです。
それは単に腕が立つとか、度胸があるという話ではありません。
ザンギャックを手玉に取るだけの腕と度胸があれば、普通はザンギャックなど狙わずに
もっと弱くて狙いやすそうな相手を狙うはずなのに、
あえてそれでもザンギャックを狙っているという点が気に入ったのです。

金だけが目当ての人間なら、絶対にザンギャックは狙わずに他の相手を狙います。
だから、金だけが欲しいわけではない。
この女盗賊には何か志があるのだとマーベラスとジョーは感じ取ったのでした。
だから、自分達と同じように、この星の人々の逃亡の援護射撃になることも意識して
この金を狙ったのではないかとも思ったのです。

マーベラス達も当然、航海を続けるための資金が欲しいのでザンギャックの軍資金を奪いに来たのですが、
この星の人々への弾圧を邪魔する結果になることも見越してのことです。
たぶん、この女盗賊もそうなのだろうと、同じザンギャックに弓引く者としてマーベラス達は直感したのです。
自分達は「宇宙最大のお宝」という夢があるから、
その夢を貫くためにはザンギャックと張り合うことになるのは覚悟は出来ている。
そして、夢を奪われた人々を憐れむ気持ちはある。
ならば、こうしてあえてザンギャックと張り合っている女盗賊にも何か志や熱い心があるはずだと思い、
マーベラス達はルカのことが気に入ったのでした。

ところがルカは「悪いけどお断り!・・・海賊なんて、割に合わないもの・・・」と、
つれない返事で2人の誘いを断ります。
命を助けてもらった恩義は感じるものの、ルカはとにかく急いでたくさんお金を集めないといけないのです。
堂々と旗を掲げてのんびり航海するような宇宙海賊など、時間の浪費にしか思えませんでした。

しかしマーベラスは「そうか?俺たちが狙っているのは宇宙最大のお宝だ!」は言い返します。
それを聞いてルカは驚いた顔でマーベラスを見て
「・・・宇宙最大のお宝?・・・あの宇宙の全てと同じ価値のあるアレ・・・?」と言い、
マーベラスの顔からジョーの顔までぐるっと見ます。
ジョーは「そうだ!」と真顔で答えますが、
ルカは突然笑い出し「アッハッハッハッハ!・・・バァッカじゃないの?あんなの只の伝説でしょ?
あるわけないじゃん!」と2人のことを頭がおかしいのではないかとバカにします。
「宇宙最大のお宝」の伝説というのは結構ポピュラーなようで、
別に海賊に憧れる者でなくても、その伝説は知っているようです。
ただ、あくまで伝説であり、実在するものではないというのが宇宙の常識であるようです。

ところがマーベラスはルカに大笑いされても、堂々と「いや・・・ある!・・・絶対にな!」と言い切るのです。
マーベラスももともとは「宇宙最大のお宝」など伝説に過ぎないと思っていました。
しかしアカレッドと出会った時、アカレッドが「宇宙最大のお宝」の実在を信じて疑わないのを見て、
「宇宙最大のお宝」が伝説ではなく実在するのだと信じることによってこそ
真の海賊となれるのだということを知ったのです。
だからマーベラスはその日以来、海賊として、「宇宙最大のお宝」の実在を確信しています。
だからマーベラスが「宇宙最大のお宝」が絶対にあると言うこと自体は別に意外ではありません。

よく分からないのは、どうしていきなりルカにそんな話をしたのかです。
マーベラスはルカを海賊の仲間にしたくなり、ルカは海賊は割に合わないからイヤだと言っているのです。
ならばマーベラスはもっと割の良さそうな話をしなければいけないはずで、
そんな怪しげな伝説の話をしても、このように笑い飛ばされてしまうのがオチです。
だから、ここでマーベラスが「宇宙最大のお宝」の話をするのは理屈に合わない。
まぁ実際、マーベラス一味は「宇宙最大のお宝」を探す海賊なのだから、
正直に業務内容を説明するのは正直でいいが、本気でルカが欲しいのなら、
もうちょっと話の進め方というものがあるだろうと思わないでもない。

しかし、マーベラスとしてはこれでいいと思っているのです。
思えばジョーを勧誘した時も、
いきなり「宇宙最大のお宝を手に入れるために旅をしてる」とかいう電波発言をしています。
でも、それでジョーは仲間になったのです。
そもそもマーベラス自身、アカレッドにまず「宇宙最大のお宝」の話をされてから誘われたのです。

つまり、マーベラスはルカならば「宇宙最大のお宝」の実在を信じることが出来ると見込んだ上で誘っているのです。
だから、変な甘言を弄する必要は無い。
単刀直入に「宇宙最大のお宝」の話をすればいい。

ではマーベラスがどうしてルカが「宇宙最大のお宝」の実在を信じることが出来ると見なしたのかというと、
ルカがザンギャックに逆らって弱い者を庇おうなどという、
この宇宙では普通はあえてやらないような暴挙を女の身一つでやっていることから、
ルカが何か芯の通った志を持った、とんでもない夢想家であると見ているからです。
そういうヤツなら、自分やジョーのように「宇宙最大のお宝」の実在は信じることは出来る。
そして、そういうヤツだけが真の海賊になれるのだと、マーベラスは確信しているのです。

マーベラスが欲しいルカはそういう夢想家と見込んだルカなのだから、
もし「絶対にある」と言ってもルカが笑い飛ばして相手にしないというのであれば、
それはマーベラスの目が曇っていたというだけのことで、そんなルカは別に仲間にならなくてもいいのです。
だから変にルカのご機嫌をとるような甘言は必要無い。
マーベラスはただ「宇宙最大のお宝は絶対にある」と言えばいいのです。
ルカが夢想家ならば、きっと「宇宙最大のお宝」に興味を持ち、海賊になりたくなるに違いないと
マーベラスは思って、「宇宙最大のお宝」の話をしたのです。

すると、マーベラスがアカレッドの確信に心動かされ、ジョーがマーベラスの確信に心動かされたように、
ルカもマーベラスの強い確信の言葉を聞くと、笑うのをやめて「・・・マジで・・・?」と問い返します。
マーベラスとジョーは静かに頷きました。
それでルカは「宇宙最大のお宝」が実在するのだと信じたのでした。
いや、実際は何の証拠も無いわけだから、よほどの夢想家でなければ、
こんな与太話を簡単に信じるのはおかしいのですが、ルカは確かに夢想家だったのです。

夢想家でなければ、そもそもこの宇宙でザンギャック相手専門の盗賊になどなって
孤児たちの住むための星を買うための資金を集めようなどとは考えない。
ハッキリ言って、ルカの夢だって「宇宙最大のお宝」と大差ないほど非現実的な話でした。
ルカが「宇宙最大のお宝」を手に入れようとする宇宙海賊を笑い飛ばす資格など、そもそも無いと言っていい。
だから、マーベラスとジョーがどんなに自分にボロクソに笑われても全く動じる様子の無い態度を見て、
ルカはかつて生まれ故郷の星の仲間たちに夢を笑い飛ばされた時の自分を見たように感じ、
自分はこの2人の言う話を信じようと思ったのでした。

これが、ルカがマーベラス一味に入った時の想い出です。
監禁された倉庫でその時の話をカインに説明し、
ルカは「その瞬間、あたしの夢は何千倍、何万倍も大きくなったの・・・!」と言いました。
ただカインにはどうしてルカがそんな話をするのかがまだよく分かりません。

しかしルカが続けて
「宇宙の全てと同じ価値のあるお宝をゲットして・・・宇宙の全てを買い取ってやるんだって・・・!」と言うと、
カインは驚いてルカの方を見て「・・・ルカ・・・」と絶句しました。
「宇宙の全てを買い取る」という、ルカの夢の途方もない大きさに仰天したのです。

いや、カインだけでなく、これは放送を見ていた私もビックリしました。
第6話や第23話の時の考察では、孤児たちの安心して暮らせる場所を作ろうとしているのではないか、
あるいはそのために星でも丸ごと買い取ろうとしているのではないかということは想像出来ていました。
今回、カインの回想シーンで、そのものズバリの内容をルカが決意するシーンが流されて、
まさに予想通りだったと思っていたのです。

ところが、最初はその程度だったルカの夢は、実はカインと別れて盗賊時代を経て、
マーベラス達に出会って仲間になったことによって、何万倍にも膨れ上がり、
星1つではなく、宇宙全体を買い取ってしまうという、おそらく史上空前規模に膨れ上がっていたのでした。
これは私の予想を超えていました。
そしてカインの想像も遥かに超えていたようです。

何万倍というと、そのまま単純計算すれば、当初の星1つを買う夢で8000億ザギンですから、
その何万倍となると、数京ザギンという、まさしく天文学的としか言いようがない金額ですが、
もうこのあたりの何万とか何千というのは便宜的に言っているだけであり、
宇宙全体と同じ価値があるとなると、実際は数京ザギンなんてレベルではないでしょう。
金額では表現できない。
金額では表現できないものを果たして売ったり買ったり出来るものなのか疑問ではありますが、
それが全体として宇宙全体と同じ価値があるのだという認識が存在するのならば、
その実物が手に入った段階で必ずそれに関連した取引というものは何らかの形で発生するものです。
そして、それを手放すことによって、代価として、宇宙全体を買い占めることが可能な
金銭あるいは権利を手にすることは出来るはずです。

いや、それにしてもやはり夢想に近い話ではあるが、
もともとのルカの夢にしても
星を買い取るということ自体、かなり夢想に近い話ですから、その非現実性はさほど差はありません。
ただ、規模がやたらとデカいだけのことです。
実質的には宇宙に存在する生命体の居住可能な星の土地が全てルカの所有物となれば、
ザンギャック皇帝といえどもその間借り人に過ぎないわけであり、
皇帝以下、様々な為政者の行動に影響力は行使できるようになります。

ルカが宇宙にある人が住める土地を全部買い占めてもルカが宇宙の支配者になれるわけではない。
実際の政治を執り行う能力は無いからです。
しかしかなり大きな影響力は行使出来るから、
戦争や弾圧を止めさせたり、法律や条約、交易路に関する取り決めなどの様々なルール作りに
口を挟むことは出来るようになる。

歴史上の喩えで言うと、平安時代における荘園領主のようなものです。
実際の政治は朝廷や地方の国衙が行っていたのですが、
それとは全く別個に大土地所有者としての荘園領主が全国に存在し、
中央政府や地方政治に対して大きな影響力を行使したのです。
この荘園領主の影響力は、武士の時代になってもかなりの部分は維持され続け、
豊臣秀吉の検地によってようやくその影響力は消滅したのですから、
ルカが「宇宙最大のお宝」によって得た財力で全宇宙の荘園領主になるようなものだと思えば、
そう非現実的な話ではありません。

いや、実際、ルカは盗賊として宇宙を転々としながらザンギャックの侵略を目撃してきて、
それぐらいの圧倒的な力を握らなければ、
ザンギャックの魔の手の及ばない楽園を作って維持することなど出来ないと思うようになっていたのでした。
ザンギャックの全宇宙制覇の野心はとどまることを知らず、
星を1つ手に入れたところで、ザンギャックの侵略の魔の手から逃れることが
出来るとは思えなくなってきていたのです。

金を集めて星を買い取るという発想そのものは間違っていない。
しかし1つでは足りないのです。
ザンギャックが無視できなくなるほどの規模の勢力をこちらも持たねばならない。
だから、もっとももっと多くの星を買わねばいけない。
そのためにはより多くのお金が必要だとルカは思うようになっていました。
そういう時にマーベラス達に出会い、「宇宙最大のお宝」が実在するとルカは確信しました。
ならば「宇宙最大のお宝」を手に入れて、その財力で宇宙全体の星を買ってしまおうと、ルカは思ったのです。

だから、カインが8000億ザギンで星を買おうと言ってくれるのは嬉しいが、
ルカはカインと一緒にその星に行くわけにはいかない。
今、ルカはその「宇宙最大のお宝」を手に入れようとしている真っ最中だからです。
何万倍にも膨れ上がった夢の実現のためには、そちらの方がルカによっては重要なことだからです。
だからカインと一緒には行けない。
ルカはそのことをカインに伝えるために、マーベラス達と出会った時の話をしたのでした。

これは別にルカはカインのやってきたことを否定しているわけではない。
星を買い取ってそこに孤児たちを住まわせるという夢自体は間違っていない。
ルカだって本当はそこで孤児たちやカインと一緒に楽しく暮らしたい。
でも、その楽園を守るためには、それだけの力では足りない。もっと大きい力が必要なのです。
そして今、ルカはその力を手に入れるために頑張っている最中なのです。
だから本当はカインと一緒に夢を実現したいけど、自分は今はまだ行くことは出来ない。
だからカインは先にその夢を叶えてくれてもいいし、自分が力を手に入れて戻るのを待っていてくれてもいい。
もちろん、この窮地を脱することが出来れば、の話ですが、
そのようにルカはカインに言おうとしているのです。

このルカの言葉を聞いて、カインは自分のやってきた事が
決して方向性として間違いではなかったと感じて安堵しました。
カインは、ちゃんとルカの夢に繋がることをやってきていたのです。
ただ、カインも確かに宇宙実業家として宇宙を股にかけて活動しながら、
ザンギャックの侵略欲の旺盛さは痛感していました。
星を1個買い取って楽園を作っただけで、その楽園が維持されるなどというの
は甘い考えであったとは思うようになってきています。

だからカインがルカと共に実現したいと思っている夢というのは、星を1個買っておしまいではなく、
そうした楽園を一生かけて宇宙全体に広げていこうというものでした。
カインの夢も昔よりも何倍も何十倍も大きくなっているのです。
しかし、ルカの夢はそれよりも遥かに大きく膨れ上がっていたのです。
それを知って、カインは自分がルカの夢の同志であり続けていたことは感じつつも、
同時に、まだルカのパートナーとして相応しい男に成長出来ていなかったことを痛感しました。

まだまだこれから成長していかないといけない。
そうしていつかきっとルカに相応しい男になってみせる。
だから今回はルカを連れて帰ることは諦めて、また商売を頑張って、
たくさんの楽園を作れるようになってから出直ししよう。
その頃にはルカもきっと「宇宙最大のお宝」を手に入れているはずであり、
その時に改めてプロポーズして、一緒に楽園を運営していこう。
そのように思ってカインは、そのためには何としてもここを2人で生きて脱出しなければならないと思いました。

ただ、それはそれとして、1つ、カインには気になることがありました。
もし、ここを2人で脱出することが出来たとしても、
本当にルカを海賊団に戻しても大丈夫なのか?と思ったのです。
何故なら、ルカは「宇宙最大のお宝」を売って、宇宙全体の土地を手に入れようとしているようですが、
それはつまり、マーベラス一味が手に入れた「宇宙最大のお宝」を独り占めしようとしているということです。
要するに、ルカは「宇宙最大のお宝」が見つかったら、
仲間を裏切ってそれを横取りして逃げようとしているのです。

しかしマーベラス一味といえば、カインの認識では宇宙に名を轟かせた極悪な宇宙海賊でした。
そんな恐ろしい連中を裏切って、もし失敗したら無事では済まないでしょう。
ルカにそんな危険なギャンブルをさせるよりも、
やはり自分と一緒に地道にお金を稼いで孤児の楽園を大きく強くしていく道を選ばせた方がいいのではないかと、
カインは迷いました。

そして、確かにカインでなくても、視聴者から見ても、
ルカが勝手に「宇宙最大のお宝」を売りとばそうとしていることは、ちょっと看過できない話です。
いや、マーベラス達にはちゃんと話は通しているのではないか?という見方もあるかもしれません。
確かにマーベラスは単に海賊として「宇宙最大のお宝」を手に入れること自体が目的化しているようですし、
ジョーも「宇宙最大のお宝」に関しては単にマーベラスの夢に付き合っているだけです。
つまり2人とも「宇宙最大のお宝」を使って何かをしようという構想は無さそうです。
ハカセやアイムも「宇宙最大のお宝」を手に入れた後のことは何も考えていなさそうですし、
鎧に至っては「宇宙最大のお宝」に関心すら無さそうです。
だから、「宇宙最大のお宝」の有効利用を考えていそうなのはルカだけですから、
「手に入れた後、使い道が無いのならあたしにちょうだい」とか、ルカならいかにも言いそうなものです。

しかし、ルカは決してそんなことは仲間に言っていません。
もしそんなことを言えば何に使うのか質問されるはずであり、
別に恥じるような目的ではないのだから当然ルカは孤児の楽園の夢の話を仲間達にするはずです。
しかし仲間たちはルカの夢が何なのか知らない。
ということは、ルカは宇宙最大のお宝を貰うという約束は仲間とはしていない可能性が高い。

また、第6話ではジョーは
ルカが「夢を叶えるためにお金にこだわっている」と以前に言っていたことに言及していますが、
もしルカが「宇宙最大のお宝」を貰うことになっているのなら、
夢のためにセコセコとルカが金をこだわっていることはジョーは少しは不自然に思うはずです。
しかしジョーはルカが夢のためにお金にセコセコこだわっていることを全く不審に思っていませんでした。
その会話で「宇宙最大のお宝」に関する言及もありませんでした。
ということは、ルカが「宇宙最大のお宝」を貰うことになっているという認識はジョーには無いことになります。

しかも、この会話の際、ルカは自分が「夢を叶えるためにお金にこだわっている」と
過去にジョーに口走ったことを指摘されると「言ったっけ?」とはぐらかそうとしています。
それはつまり、自分の夢と金に密接な関係があること自体を隠そうとしているということであり、
そんなルカが「宇宙最大のお宝」を貰う約束など仲間との間でしているとは思えません。
そんな約束がもし成立しているとしたなら、
ジョーはルカが「夢を叶えるために宇宙最大のお宝を使おうとしている」と、すぐに気付くはずだからです。
しかしジョーはそんなことには一切言及していなかったので、
ルカは仲間との間で「宇宙最大のお宝」を貰う約束はしていないはずです。

それなのに、ルカは「宇宙最大のお宝」をゲットしたら売りとばそうと勝手に考えています。
実際、マーベラス達は使い道など考えていないのですから、
ルカはちゃんと話を通しておけばいいはずです。
しかし、ルカはそうはしようとはしていない。
それはつまり、ルカが本気で「宇宙最大のお宝」を独り占めする気だからです。
あらかじめ話を通そうとして断られたり、警戒されたりすることを恐れているから、
あらかじめ話を通そうとはしていないのです。
「宇宙最大のお宝」が見つかった時に何喰わぬ顔で奪う気だからこそ、今のところは何も言わないのです。

だからルカは第6話のジョーとの会話の際に、
自分が以前に何かの弾みでつい「夢を叶えるために金にこだわっている」と口にしてしまったことを
ジョーに指摘されると、ギクッとした顔をして「言ったっけ?」ととぼけたのです。
つまり、自分が夢のために切実に金を欲しがっているということは知られたくないのです。
それは「宇宙最大のお宝」に対する下心を隠すためです。

ルカがあくまで卑俗な守銭奴キャラを強調するような行動をとり続けているのは、
もちろん元来、金にはうるさいのは本性なのでしょうけれど、
それを殊更にコミカルに強調しているのは、
自分が金にうるさいのはあくまで根っからの性分のせいであって、
「宇宙最大のお宝」への下心があるせいではないという風にカモフラージュするためだったのではないでしょうか?

そして、この第6話でのジョーとの会話でルカは決定的なことを言っています。
「お前の夢は何なんだ?」と問うジョーに対して、ルカは「叶わなくなるから言わない」と答えています。
これは第6話時点の考察では単なるゲンかつぎか、あるいは単に言いたくないという意志表示のように解釈しました。
実際、ルカは相手にそう解釈させるためにそう言っているのでしょう。
しかし、今回のカインに言ったセリフの後で聞くと、
これは、ついルカの本音が漏れてしまった発言だったのだと解釈できます。

ルカが自分の夢を正直に告白するならば「宇宙全体を買い取ること」と言うことになり、
自然にそれは「宇宙最大のお宝」を自分一人で使おうとしているのだと相手に想像させることになります。
そうなれば、相手は警戒してしまい、ルカは「宇宙最大のお宝」を手に入れづらくなり、夢は叶わなくなる。
そういう事態にならないようにするために、まさにルカは自分の夢の内容を
「叶わなくなるから言わない」ようにしているのです。

つまり、元盗賊のルカは、マーベラス一味の仲間として共に行動しながら、
最後の最後、「宇宙最大のお宝」が手に入る段階に急に裏切って、お宝を奪うことを計画している、
いわば「ルパン一味における峰不二子」的なキャラなのです。
もともとマーベラス一味のキャラ造形はルパン一味やルフィ一味の影響を受けているところが多いのですが、
ルカのキャラの原型はどう見ても峰不二子やナミであり、
「油断ならない女」という不二子的な魅力がここに付加されたことになります。

第16話でルカはバスコに寝返るフリを一度しましたが、
あれはバスコを攪乱するためであったということになっています。
もちろんルカはバスコを裏切るつもりであり、バスコはそれを見破って相手にしなかったわけですが、
案外、ルカとしては「宇宙最大のお宝」を見つけ出してくれるのならば
マーベラスでなくてバスコでもよかったのかもしれません。
どっちにしても最終的には裏切るわけですから、どっちでもいいはずです。
ただ、ルカは出来ればパートナーはバスコよりはマーベラスの方が良かったはずです。
それはバスコはあまりにも用心深そうであったからです。
だから、どちらかというとマーベラスに肩入れしてバスコを攪乱する手に出たのですが、
成り行き次第ではバスコと組む可能性も完全には排除していなかったのではないでしょうか。

何だかこういう風に書くとルカは酷いヤツみたいですが、
それも全て、宇宙の全ての孤児たちを幸せにするためなのであり、
卑俗な守銭奴キャラはむしろ偽装に過ぎないのですから、
峰不二子などよりはかなりマシなキャラなのだといえます。

ルカはこのマーベラス達の前では決して言わない自分の本当の目的を
カインの前では話したのでした。
それは、カインが信頼できる仲間であるということもありますが、
カインを傷つけずにカインの誘いを断るためには、
自分のマーベラス一味に残ってやろうとしている本当のことを言うしかないと判断したからです。
そういうふうにカインは理解し、ルカが固い決意で危険な勝負に出ようとしているのだと思い、心配します。

ところが、その時、戻ってきたヴァンナインが倉庫に入ってきて、
「フハッハッハッハ・・・残念だが、その夢は叶わない!」と、銃を手にして大笑いします。
ルカとカインの話の最後のあたりは聞いていたようです。
そしてルカに向かって「お前の仲間はもう死んだ!お前も奴らを追って地獄へ落ちろ!」と楽しそうに言います。
ルカは驚いて「ウソ・・・ウソよ!そんなはずない!!」と激昂し、鎖を引きちぎろうとして必死にもがきます。
マーベラス達がそんな簡単にやられるはずがないと思ったのでした。

しかしヴァンナインはますますいい気になって
「ハッハッハッハッハ!残念だが、お前の仲間たちを乗せた船が大爆発して夜空に散るのを
俺は確かにこの目で見届けた・・・!」と浮かれまくって言います。
ルカは「・・・そんな・・・」と絶句します。
確かに、この擬態能力を持った怪人が自分を殺さずに捕えてマーベラス達のもとへ行き、
何をしたのか冷静に考えてみると、自ずとその展開は想像できたからです。

すなわち、この怪人は自分に化けてガレオンに潜入したに違いない。
そして偽者の自分を仲間だと思い込んで油断したマーベラス達を騙して陥れたに違いない。
それは、まさにいずれはルカ自身がマーベラス達に対してやる予定であった裏切り行為でした。
命まで奪おうとは思っていませんでしたが、
いずれは自分は仲間のフリをして油断させたマーベラス達を裏切る予定であった。

そう思うと、ルカは「潔く死ね!フハハハハ!」と銃口を向けてくるヴァンナインに対する
怒りや憎しみが虚しいもののように思えて、何だか力が抜けてしまいました。
そうして無抵抗になってしまったルカを撃とうとするヴァンナインの前に
「やめろぉっ!!」と叫んで、ルカを庇ってカインが飛び出しますが、
ヴァンナインに張り飛ばされて倒れ、倒れたカインの耳にけたたましい銃声が聞こえます。
ルカがハチの巣にされてしまった音かと思ったカインが慌ててルカを見ると、
ルカは無事で、見ると何故かヴァンナインがボロボロになって倒れて呻いています。

ルカも驚いて倉庫の入り口の方を見ると、そこには硝煙の立ち込める中に5人の人影が並んで立っていました。
その5人を見て、ルカは「マーベラス・・・みんな!!」と弾むような歓喜の声を上げて一気に笑顔になります。
5人は死んだはずのマーベラス達であったのです。
一方、マーベラス達にゴーカイガンでハチの巣にされてしまったヴァンナインはヨロヨロと起き上がり
「・・・何故だ!?貴様たちは確かに船ごと爆発したはず!!」と、
いったい何がどうなっているのか分からず混乱して喚くのでした。

「・・・と思っただろ?ところがどっこい・・・」とハカセは得意そうにニヤニヤして言います。
それを引き継いでジョーが「あの爆発はそう見せかけていただけだ・・・お前のようにな!」とズバリと、
ヴァンナインがルカに化けていたに自分達が気付いていたことを示唆します。
しかし、いったいどうやって、あのルカがヴァンナインが化けた偽ルカだと見破ったのか?

ここで鎧が「説明せねばなるまい!」と派手な振り付きで、
まるで「ヤッターマン」の富山敬の名物ナレーションのように言います。
そして、鎧は「お前が化けたルカさんをなんとな〜く怪しいと感じていた俺たちは、
ブロッコリーをモリモリ食べた瞬間に別人だと確信したぁ!
・・・何故なら、本物のルカさんはぜぇったいに食べないのだ!」と、無駄に渋い声で説明しました。

マーベラス一味の面々は偽ルカがガレオンに戻ってきた時の言動で既に様子が変であることには気付いていました。
それでルカの様子を注意深く見ていたら、
いきなり食事中に偽ルカがルカが普段は絶対に食べないほど嫌いな食べ物であるブロッコリーを
美味しいと言って貪り食い始めたので、驚き、これはルカではなく別人だと確信したのでした。

しかし、ルカが食べないと分かっていても、それでもなお料理の中にブロッコリーが入っており、
しかもその材料の買い出しにルカが同行していてもなお、その方針は貫徹されているとは、
ハカセの一味への栄養管理はよほど厳格に徹底しているようです。
たぶんルカのブロッコリー嫌いはいつもハカセに注意されているのでしょう。
それでもなおブロッコリーを食べないのですから、ルカのブロッコリー嫌いも筋金入りです。
貧乏暮らしのルカが好き嫌いがあるのはおかしいと見る向きもあるかもしれないが、
どんな極貧生活を送った人でも嫌いな食べ物はあり、
どんな贅沢な暮らしをしていても食べ物の好き嫌いの無い人はいます。

とにかくルカは普段はブロッコリーを頑として食べないのです。
そのルカが他人のブロッコリーまで奪って食べるなど有り得ない。
それで皆はルカは別人が化けているのだと気付いたのですが、
もし食事の前に偽ルカの不審な言動が無くて、皆が心を一つにしてルカの様子を観察しようとしていなければ、
誰かが慌ててルカの正体を怪しむような言動をしてしまい、
逆に偽ルカを追い詰めるようなことになってしまっていたかもしれません。
全員が落ち着いて対処出来たという点では、最初の偽ルカの不審な態度は重要なポイントだったといえます。

何故、落ち着いて対処する必要があったかというと、それについてはアイムとジョーが説明してくれます。
アイムが「私がア〜ンして差し上げたのも、トドメの確認だったのです!」というのは、
まぁ別にそんなトドメは別に要らんので、単なるサービスショットだったとは思うのですが、
アイムは続けて「・・・そして予想通り、あなたは夜更けに行動を開始した・・・」と言い、
ジョーが引き続いて「その全てを俺たちは見ていた・・・そしてすぐに時限爆弾を解除した・・・!」と説明します。

つまり、マーベラス達は目の前にいるルカが偽者であることは夕食の段階で気付いたが、
その場で追い詰めることは避けて、わざと泳がせて監視していたのです。
ハカセが食事中に「今夜はぐっすり眠れるね」なんて言っていたのも、
夜に偽ルカに何かの行動を起こすように仕向ける誘い水であったのでした。
そうして案の定、その誘いに乗せられて深夜にコソコソと船内に爆弾を仕掛ける偽ルカを監視していた
マーベラス達は全ての爆弾をすぐに解除してしまい、偽ルカの企みを阻止したのでした。

しかし、結局マーベラス達は偽ルカを逃がしてしまいました。
それに、いくら監視下に置いていたとはいえ、自由に爆弾を仕掛けさせるのは危険な賭けでした。
もし爆弾が時限式でなくて、自爆覚悟でその場ですぐ爆発するものであれば大変なことになったであろうし、
時限式の場合でも解除が困難な爆弾である可能性もあります。
だから、本来は夕食の時点で偽ルカを拘束してしまう方が安全です。

しかし、5人はそうするわけにはいかなかった。
何故なら、本物のルカが偽ルカの仲間、おそらくザンギャックによって捕らわれている可能性が高いからです。
もし偽ルカがマーベラス達によって捕らわれたり殺されたりすれば、本物のルカに危害が及んでしまう。
だからマーベラス達は自分達のリスクが多少は増えることは覚悟の上で、
あえて偽ルカを泳がせて無事に帰す必要があったのです。
その偽ルカの戻る先まで尾行していけば、そこに必ず本物のルカは捕えられているはずであり、
敵も用心深いでしょうから、偽ルカが戻って作戦成功が間違いないと確信するまでは
人質の価値のあるルカを殺すことはないだろうとマーベラス達は読んだのです。

しかし、そのためには偽ルカに作戦は成功したと思わせなければいけません。
が、爆弾は解除してしまった。
そうなると爆発は起きないので、偽ルカは作戦は失敗したと思い、
自分が監視されていることに気付いて警戒するでしょうし、
怒って本物のルカを殺すように監禁場所に命令するかもしれない。
だから爆弾は解除してはいけないはずです。
とはいっても爆破は阻止しないといけないのだから、爆弾は解除しなければいけない。
となると、爆弾は解除してが、爆発は起こして偽ルカに作戦は成功したと思わせなければいけない。
そんな魔法のようなことが可能なのかというと、普通は無理だがゴーカイジャーならば可能なのです。

ハカセは得意そうに「そうなれば、今度はこっちが仕掛ける番だ!
僕たちはお前が地上に降り立つ間に風雷丸を呼んで・・・」と説明します。
ハカセの言うには、爆弾を解除して、偽ルカがヴァンナインの姿に戻って見張り台から飛び降りる姿を
見届けたハカセはすぐに風雷丸を召喚して、
「超忍法・大風呂敷」という、なんだか胡散臭い名前の忍法を使って、
巨大な風呂敷でガレオンを隠して、その風呂敷に立体3D映像のガレオンを映し出して、
その架空の映像の中でガレオンが爆発して夜空に散る姿を流してもらうようにしたのです。
何でもアリの超忍法らしいハチャメチャっぷりで、ハリケンジャーの大いなる力の面目躍如といったところです。

その結果、地上からこの風雷丸の作った偽の映像を見たヴァンナインは作戦は成功したと信じ込んでしまった。
本当はガレオンは無事で、自分はマーベラス達に監視されたままだということには気付くこともなく、です。
「そうとも知らず、お前は得意げに立ち去ったのさ・・・!」とマーベラスは言います。
その後の展開は言わずもがなで、ヴァンナインを尾行してこの倉庫を突き止めたマーベラス達は、
ヴァンナインが倉庫の中に入っていったのを追って倉庫に突入して、
ルカに銃口を向けるヴァンナインをハチの巣にして、間一髪、ルカの危機を救ったのでした。

なお、ヴァンナインが倉庫に入ると同時にマーベラス達が倉庫に入っていたのなら
もっと早くにヴァンナインを撃っているはずであり、
そうではなくギリギリのタイミングで撃ったということは、
本当にマーベラス達はギリギリ間に合うタイミングで飛び込んでくるのがやっとだったからです。
つまり、マーベラス達はヴァンナインとは違って、
ルカがカインに言った「宇宙最大のお宝をゲットして、宇宙全体を買い取る」という夢の話は聞いておらず、
ルカの秘密はマーベラス達に対しては守られたままです。

マーベラス達の解説を聞いて、マーベラス達を手玉にとって騙していたつもりの自分が、
逆に手玉に取られて騙されていただけだったことに気付いたヴァンナインは
「バカな・・・そんなバカな!!」と錯乱します。
そこにマーベラス達はゴーカイサーベルを振りかざして突っ込み、ヴァンナインを斬り倒し、
そのままルカとカインのところへ行き、ルカとカインの鎖を斬って救出しました。

ハカセを除く4人はカインとは初対面でしたが、
ルカが偽者と分かった時点で、おそらくルカを誘い出したカインも偽者であり、
本物のカインもルカと一緒に捕らわれている可能性が高いことは分かっていましたから、
カインがここに縛られて居ることは想定内のことでした。

自由の身になったルカに向かってマーベラスは「いけるな?ルカ・・・」と問いかけ、
ルカは澄ました顔で「・・・当然!」と答え、
6人並んで「豪快チェンジ!!」と、ゴーカイジャーに変身し、
名乗りを上げて「派手にいくぜ!!」とゴーカイガンをヴァンナインに向けて一斉連射、そして突っ込んでいきます。
その6人の中で生き生きと駆け出していくルカの後ろ姿をカインは呆然として黙って見つめていたのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 10:22 | Comment(0) | 第34話「夢を叶えて」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第34話「夢を叶えて」感想その5

ここから戦闘シーンとなります。
いつもはだいたい前半と後半に1回ずつ戦闘シーンはあるのですが、
今回はこの後半の戦闘シーンが最初の戦闘シーンとなり、1回しか戦闘シーンはありません。
といって前半に戦いが無かったかというと、そういうわけではなく、
夕食シーンの心理戦などが前半の戦闘シーンの代わりだったという扱いなのでしょう。
それだけ今回は心理戦、頭脳戦に特化した内容だったというわけです。

で、その分というわけではないでしょうが、この後半の戦闘シーンはかなり痛快に楽しませてくれます。
まずルカが変身のためにモバイレーツを出した場面から流れ始めたBGMが、
歴代ヒロインソングの中でも出色の名曲といっていい「パイレーツ・ガールズ」が
ここに来て劇中で初披露というのが嬉しい。しかも歌詞付きで、これは燃えます。

ゴーカイガンの一斉連射で吹っ飛ばされたヴァンナインは倉庫の外に吹っ飛んでいき、
変身したマーベラス一味の6人はそれを追って外に飛び出していきます。
それに対してヴァンナインは慌ててゴーミン達を差し向け、
まずはゴーミン達とゴーカイジャー6人の乱戦となります。

そして、その中を抜け出したルカがヴァンナインに躍り掛かり、ゴーカイサーベルで圧倒します。
ヴァンナインは擬態能力以外はホントに大した長所の無い怪人のようで、恐ろしく弱い上に、
さっきマーベラス達に撃たれた時に銃を壊されたようで武器も何も持っておらず、
ルカの猛攻の前に全くいいところなく追い詰められてしまいました。
「あたしを騙した罪は重いんだからね!」と、散々酷い目にあわされたルカは容赦ありません。
しかし、自分はマーベラス達を騙しておいて、自分が騙されるのはやはり許せないというのは、
いかにもルカらしい。

しかしヴァンナインはここで起死回生の反撃に出ます。
強引にルカに突っ込んで、その身体を掴まえると、自分の額をルカの額にぶっつけたのです。
すると、最初にルカに化けた時のように、ヴァンナインの姿がルカと同じ姿に変わっていきます。
突き倒されたルカが顔を上げてヴァンナインを見ると、
ヴァンナインが居たはずの場所に、なんと自分以外にもう1人、
ゴーカイイエローが立っているので、ルカは驚きました。

最初にヴァンナインがルカに化けた時はルカは気絶していたので、
ルカはヴァンナインが擬態能力を持っていることは知ってはいても、
自分と相手の額を合わせて化けるということは知らなかったのです。
それで目の前に立つゴーカイイエローを見て一瞬戸惑いますが、
偽ゴーカイイエローが「ゴーカイイエロー!なんちゃって!」とおどけたポーズで挑発してくるのを見て、
この目の前の自分がヴァンナインの化けた姿だと悟り、「ふざけないで!」と激怒します。
それにしても、当然ではありますが、偽ゴーカイイエローは声もルカの声のまんまなので、
素面の擬態姿の時とはまた何か違った妙な面白味があります。

こうして、2人のゴーカイイエローによる一騎打ちという、
ニセモノ篇ならではの見応えのあるバトルが展開されることとなりますが、
ヴァンナインは擬態した相手の身体能力はコピー出来るようで、
しかも外見上の姿形を完全にコピー出来るため、
ルカが手にしていたゴーカイガンとゴーカイサーベルまで同じように持っており、
先ほどのヴァンナイン本体の時よりも段違いに強くなっています。
それで結構いい勝負になり、見応えのある一進一退の攻防となりますが、
やはりセンスが違うのか、本物のルカの方が技で優って、
ヴァンナインの化けた偽者のゴーカイイエローを派手に吹っ飛ばします。

叫び声を上げて吹っ飛んだ偽ゴーカイイエローは
派手な音を立ててドラム缶の列に突っ込んで辺りに散乱させます。
ところが、その傍でゴーミンを倒した鎧が、てっきりルカがやられて吹っ飛んできたものだと勘違いして、
慌てて「ルカさん!大丈夫ですか!?」と、倒れている偽ゴーカイイエローに駆け寄ってしまいます。
ルカはマズいと思って「鎧!そいつは・・・!」と呼びかけ、
その倒れているゴーカイイエローは自分の偽者だと伝えようとしますが、
声をかけられてルカの方を見た鎧は、目の前に倒れているゴーカイイエローと、
立って自分を呼ぶゴーカイイエローという、2人のゴーカイイエローがいることに混乱して、
「あ・・・あれ?ルカさんが・・・二人・・・?」とパニックになってしまいます。

ヴァンナインが擬態能力を持った怪人だということは鎧も分かっているはずなのですが、
それでも目の前にいきなり2人のゴーカイイエローが現れれば、戸惑うのは当たり前です。
どちらかが偽者だということが分かっていたとしても、
どちらが本物なのか第三者から見て分からないのですから、鎧が慌てるのも無理は無い。

そうしていると、倒れていた偽ゴーカイイエローの方が起き上がってきて、
パニックになっている鎧を掴まえ、今度は鎧の額に自分の額をぶつけます。
すると見る見るうちに、ヴァンナインは偽ゴーカイイエローから、
今度は偽ゴーカイシルバーに姿を変えてしまいました。
鎧もヴァンナインが額と額をぶつけて擬態するということは知りませんし、
そもそも偽ゴーカイイエローの正体がヴァンナインだということもハッキリ分かっていない状態でしたので、
目の前に現れたもう1人の自分を見て、鎧は「わああああ!?俺〜!?」と仰天します。

それを見て溜息をつくルカのもとに、ゴーミン達を全部片付けたマーベラスたち4人が集まって来て、
マーベラスが「どうした!?」とルカに聞くと、
ルカは剣で前を指して、「・・・鎧が二人に・・・」と呆れた声で言います。
4人が「ええっ!?」と驚いて鎧の方を見ると、
「なんだお前!」「偽者ぉっ!!」と2人のゴーカイシルバーが同じような動きで
同じセリフをユニゾンで怒鳴り合い、掴み合いの喧嘩をしていました。

この本物と偽者が完全シンクロして動き回るという「ニセモノ篇」のお約束の展開によって、
事態はますます混乱してしまい、
マーベラス達5人はどちらか一方はヴァンナインが化けた姿だとは分かるものの、
どっちが本物でどっちが偽者なのか分からず、呆れて立ち尽くします。

ルカが苛立って「どっちが本物?」と聞くと、
一方のゴーカイシルバーが慌ててもう1人のゴーカイシルバーから手を離して
「あ!俺!俺が本物です!」とアピールします。
が、もう1人のゴーカイシルバーがその喋っているゴーカイシルバーを突き飛ばすと、
渋い声で「俺が本物ですよ・・・」と言うなり、いきなりゴーカイスピアをガンモードにして5人を撃ち、
偽者の正体を現します。
が、本物の方の鎧が激怒して「なにしてんだよ!?皆さんを〜!!」と偽者に掴みかかり、
また「早く元に戻せってんだよ〜!!」と、取っ組み合いの大喧嘩を始めてしまったので、
再びどっちがどっちだか分からなくなってしまったのでした。

痛がりながらなんとか起き上がった5人はまた困り果ててしまいます。
ここでハカセが「どうする?スーパー戦隊クイズで超難問出して、答えられた方を本物って認める?」と提案します。
偽ルカの時の不自然な態度を思い出して、
ヴァンナインの擬態能力は外見上の姿形の完全コピーだけの能力であって、
例えば相手の記憶などはコピー出来ないのだと気付いたのです。
ならば、鎧しか分からないようなことを質問すればいい。

それで、スーパー戦隊に詳しい鎧だから、
スーパー戦隊クイズの超難問を出題すればいいのではないかというハカセのアイデアですが、
「・・・その超難問を誰が作るんだ?」というジョーの見事なツッコミであっという間に終了。
確かに、鎧が分からないかもしれないような超難問を他の5人に作れるわけがない。
というか、別にスーパー戦隊クイズじゃなくても、
普通に普段の生活の中で鎧しか知らないネタを質問するだけで事足りると思うんですが。
でも、スーパー戦隊クイズのコーナー、ちょっと見てみたかったような気もします。

そういうアホな遣り取りを尻目に、ルカは「そんな面倒くさいこと、する必要ないよ!」と言って、
ゴーカイバックルを開きます。
そこから出てきたのはメガイエローのレンジャーキーで、
ルカはそれを掲げながら「鎧!これ!」と示します。
「あっ!はい!」と咄嗟にルカの意図を察したように頷いた2人のゴーカイシルバーは
互いに相手をぶん殴って離れて、ここで6人、いや7人一斉に「豪快チェンジ!!」と、
メガレンジャーへの豪快チェンジに踏み切りました。

「メ〜ガレンジャァ!!」という認識音と共に変身は完了し、
順々に、ジョーが「メガブルー!」、アイムが「メガピンク!」、ハカセが「メガブラック!」、
ルカが「メガイエロー!」、マーベラスが「メガレッド!」、鎧が「メガシルバー!」と
早いテンポで名乗りを上げていきます。
メガレンジャーって、ホントにこんな感じで各自キャッチフレーズも無く、
1ポーズだけで素早く名乗りを済ましていくのですが、
しかし、ここでの各自のポーズは結構デタラメで、
アイムのメガピンクなんかはメガピンクの頭部紋章が携帯電話だからっていって
電話をつまむポーズだったりします。

まぁそんな感じでポーズを決めていき、
最後に鎧がメガシルバーのポーズを割とこれはマトモなやつを決めると、
それに続いてもう1人の鎧が同じポーズを決めようとして
「メガシ・・・あ、あれ!?」と、止まってしまいます。
自分の姿がメガシルバーでないことに気付いたからです。
その姿はゴーカイシルバーのままでした。

これは当たり前の話で、このゴーカイシルバーは最初からゴーカイセルラーもメガシルバーのレンジャーキーも無く、
単にポーズだけ変身ポーズの動きをしていただけなのですから、多段変身など出来るはずがない。
どうしてゴーカイセルラーやレンジャーキーを持っていないのかというと、
それらがゴーカイバックルからカーギーロードを通して取り出すものだから、
ヴァンナインが鎧の姿をコピーした時は存在しなかった物体だからです。
擬態能力では姿形はそっくりコピー出来ても、
ゴーカイバックルに繋がったカーギーロードまではコピー出来ないのです。

つまり、ゴーカイセルラーを持っておらずメガシルバーに変身出来なかった方のゴーカイシルバーこそが、
偽者のゴーカイシルバーであり、ヴァンナインなのです。
ゴーカイジャーの多段変身システムの設定ならではの偽者を見破る方法であったわけですが、
これって、普通に鎧が変身解除するだけでも見破れたような気もしますが・・・

「偽者は・・・お前だ!!」と全員に指さされてしまって、
「俺〜!?」とまだシラを切ろうとする偽ゴーカイシルバーでしたが、
鎧を除く5人は有無を言わせず「メガスナイパー!!」と、メガレンジャーの共通装備の光線銃で偽者を撃ち、
更にそこに鎧が突っ込んでシルバーブレイザーをソードモードにして
「この偽者野郎!!」と、偽ゴーカイシルバーをメッタ斬りします。

なんだかここはメガシルバーがゴーカイシルバーをムチャクチャにやっつけているように見えますが、
やっつけているのが実はゴーカイシルバーの鎧であり、
やっつけられている方が実はザンギャック怪人であるという、
「ゴーカイジャー」の「ニセモノ篇」でしか有り得ないような不思議なシーンとなっています。

そして最後は鎧はシルバーブレイザーをガンモードに切り替え、
「シルバーブレイザー!!」と叫んで鎧は偽者を撃ちまくり、
ダメージで偽物はヴァンナインの姿に戻って吹っ飛んでいきました。

ここで6人はゴーカイジャーの姿に戻り、「今よ!みんな!」というルカの号令で、
マーベラス達5人がゴーカイバックルを開くと、ゴーカイガレオンバスターが出現し、
5人は「ゴーカイガレオンバスター!ド派手にいくぜ!!」と構えて発射、
ライジングストライクでヴァンナインを貫きます。
ヴァンナインは「俺も超忍法・大風呂敷で・・・って、無理だあああああ!!」と、
ちょっとノリツッコミしながら大爆発して果てます。

勝利を確認して、大喜びで5人に駆け寄った鎧は
「いやっはっは〜!!いやぁ〜!やりましたねぇ〜!いやぁ〜すごい!本物は偽者に打ち勝つんです!
そして正義は最後に勝つんです〜!!」と大はしゃぎ。
よっぽど自分の偽者が退治されたことが嬉しいようです。
しかし、この鎧の大はしゃぎの言葉を聞きながら、ルカは少しテンションが低めです。
本物になりすましている偽者といえば、自分も似たようなものだと、
先ほどのカインへの告白で、改めて自分のマーベラス一味の中での在り方を再認識したルカは、
「本物は偽者に打ち勝つ」と言われて、いくらか心苦しさを覚えて、
あまり素直に喜ぶ気分にはなれなかったのでした。

一方、宇宙空間のギガントホースではヴァンナインの作戦失敗、そして敗死をモニターで見ていた
ワルズ・ギルが「何故だ何故だ何故だあああ!?騙すつもりが!騙されるとはああ!!海賊どもめぇ〜!!」と
駄々っ子のように大暴れ。
いや、ワルズ・ギルって、いつも考え付く作戦は意外とイイ線いってるんですけど、
なんというか、人材に恵まれていない印象です。
今回もヴァンナインがもう少し頭の切れる怪人であれば、案外上手くいっていたのかもしれません。

まぁ結局、ワルズ・ギルの下には優秀な怪人は集まらず、
優秀な怪人も実力を発揮出来ずに消耗させられてしまうことが多く、
だから余計に優秀な怪人は寄り付かなくなるのでしょう。
要するに指揮官の器ではないということです。

大暴れするワルズ・ギルを尻目に、「・・・いつもの参ります!」とクールにインサーンが巨大化光線を発射。
「いつもの」とか言ってるし、もう負けるの前提みたいになってて、軍全体の敗北感がハンパないです。

で、巨大化したヴァンナインに対して、ゴーカイジャーはゴーカイオーと豪獣神で立ち向かいます。
すると、開戦早々、ヴァンナインが放った破壊光線の巻き起こした爆煙をかいくぐって
2体のロボを前進させたマーベラス達は、突如、目の前のビル群からヴァンナインの姿が消えているので、
マーベラスはゴーカイオーのコクピット前方の大型モニターを見て「なにぃ・・・?」と唸り、
ルカも「どうなってんの?」と戸惑います。

前方にはヴァンナインの姿は見当たりませんから、背後に隠れているのかと思い、
ゴーカイオーと豪獣神を揃って後ろに振り向かせた瞬間、
某所に潜んでいるヴァンナインが「くらえっ!!」と言うと、
なんと2体のロボの背後に立つちょっと背の高いビルから機銃が発射されて、
2体のロボは被弾しまくります。
驚いて2体ロボが振り向いても誰もいません。
豪獣神のコクピットでは鎧が「どういうことだ!?」と大いに戸惑い、
ゴーカイオーのコクピットでもルカとアイムが
「なに?・・・何処行ったの!?」「見当たりませんね・・・?」と誰もいないビル群を見渡します。

それでまた2体のロボが背後に向き直ると、
なんとその背後にヴァンナインが居て「ヒッヒッヒ〜!」とおどけて笑いながら足踏みしているのです。
そして、何かが聞こえたような気がして2体のロボが振り向きかけたところで
ヴァンナインはその姿をさっきの背の高いビルに変化させてじっとします。
2体のロボは素早く後ろを振り返りますが、
その時にはもうヴァンナインはビルに姿を変えてしまっていたのでした。

ヴァンナインはどうやら人間相手だけでなく、ビルなどの物体にも姿を変えることが出来るようです。
しかも額をぶつけて相手の姿形をコピーするだけではなく、
自分がイメージした姿にも勝手に変化することが出来るようです。
相手と完璧にそっくりに化ける時だけ、あのように額をぶつけて相手の形態情報を読み取る必要があるのでしょう。
適当な形のビルに化けるだけならば、一瞬で自由にその姿を変えることが出来るのです。

マーベラス達はヴァンナインが誰かの形態をコピーすることしか出来ないと思っているので、
単体で存在しているビルがヴァンナインの化けた姿であるとは想像出来ていません。
だから、そのビルがヴァンナインだと言うことは気付かず、また前を向きます。
それでヴァンナインは面白がって、また「ホッホッホッホ〜!」と言って正体を現して
その場で陽気にスキップをしますが、
また振り向いてきた2体のロボを嘲笑うように素早くビルに姿を変えて動きを止めます。
まるで「だるまさんが転んだ」状態です。

再び前を向いた2体のロボに対してヴァンナインは更に大胆になり
「フッフッフッフ!」とほくそ笑むと、正体を現して駆け出し、背後から襲い掛かります。
いきなり背後から攻撃を喰らったマーベラス達は、
やはり敵は後ろにいると確信して「野郎!!」と振り向きますが、
ヴァンナインはまたビルに姿を変えて正体を隠してしまいました。
いや、ビルの場所が変わってるような気がするんですが・・・マーベラス達は気付いていないようです。

しかし、今度は2体のロボはもう逆方向に振り向くことはなく、
じっとヴァンナインが変身したビルにある方向を向いています。
それでヴァンナインもビルの姿のままじっとして
「ハハハ・・・この姿なら絶対に気付かないだろう・・・スキを見て両方とも一気に地獄へ!」とほくそ笑みます。
今はこっちを向いているから動くのは無理だが、
こっちを見て何も見つからなければ、また2体のロボは背を向けるはず。
その時には今度こそトドメを刺してやろうとヴァンナインは張り切ります。

ところが、ズンズンと地響きを立てて2体のロボは真っ直ぐヴァンナインのビルに近づいてきて
「そこだぁっ!!」と刀とドリルの強烈な一撃を振りおろし、
ヴァンナインは吹っ飛ばされて変身が解けて、元の姿で無様に倒れてしまいます。
またもや正体を見破られてしまったヴァンナインは「な・・・何故だぁっ!?・・・パート2!」と叫びます。
「パート2」ってのが笑える。

これに対して、また鎧が無駄に渋い声で「説明せねばなるまい!・・・パート2!」と応えて、説明をしてくれたのは、
「ビル群の中で体温があって呼吸しているのは・・・お前だけだったんだよぉ!!」とのことでした。
どうやら背後からの攻撃を受けた後、
鎧は豪獣神のモニターを生体反応を検知するモードに切り替えてサーチしたようです。
それで見てみたところ、1つだけ温度が高く大きな呼吸音が感じ取れるビルがあったというわけです。
体温があって呼吸するビルなど存在するわけがない。
だから、それがヴァンナインの化けたビルだと判明したのです。

「しまったぁ・・・初歩的な・・・ミスかぁ・・・!」と立ち上がったヴァンナインに対して、
鎧は豪獣トリプルドリルドリームで攻撃、
更にゴーカイオーは風雷丸を再び召喚してハリケンゴーカイオーとなり、
ルカが「今度こそちゃんとやられなさい!トドメの手裏剣チェーン!!」と、
手裏剣チェーンをヴァンナインに喰らわせ、これでヴァンナインはあえなく爆発して果てたのでした。

エピローグは、戦いが終わり、無事に助け出されたカインが地球を後にするに際して、ルカと別れる場面ですが、
海辺の崖の上でルカとカインは2人きりで佇んでいます。

カインはルカに背を向けて崖下の海を眺めながら「会った時から言いたかったこと・・・言っていい?」と言います。
「なに・・・?」と応じるルカに振り返ってカインはルカの顔を真顔でじっと見つめ、
ルカも不思議そうにカインの顔を見つめ返します。
そうしてから、カインは微笑んで「ルカ・・・綺麗になった・・・」と言いました。

それを聞いてルカは可笑しそうに下を向いて少し笑います。
カインは本当は会ったら最初にそういうセリフを言って、
それからプロポーズするつもりだったのだと気付いたのです。
そりゃあ、プロポーズしに来たのだから、最初はそういうセリフを言いたいはずです。
でも、今回最初に顔を合わせたのがあんな状況、つまり、お互いに倉庫で鎖に縛られた状況では
「綺麗になった」とか、そんな呑気なことはいくらなんでも言えないだろう。
だからカインはずっとそのセリフを言いそびれていて、
結局今回のプロポーズは不発に終わって帰ることになって、
最後に言いそびれていたセリフを言いたくなったのだ。
そのようなカインの心情を想像すると、なんだかちょっと間抜けな感じがして、
ルカは可笑しくなったのでした。

でも、自分がカインのプロポーズを断ったからカインはそういう間抜けなことになっているのだから、
ここは笑ってはいけないと思い、ルカは笑うのをこらえます。
そうすると今度は幼馴染に綺麗だなんて言われてちょっと恥ずかしくなってきて、
照れ隠しに苦笑いしながらルカは「・・・昔と違って、毎日お風呂に入ってるから・・・!」と冗談を言います。
まぁ実際、昔スラムにいた頃は毎日お風呂に入るなんてことは出来なかったのであり、
これは同じスラムで一緒に育ったカインだからこそ通じる冗談でした。

カインはこの冗談を聞いて吹き出します。
ルカの冗談が面白かったというのもありますが、ルカが勘違いしているのが面白かったのです。
笑いながら「違うって!」と言うと、カインは見つめ合って言うから誤解されるのだと思い、
再びルカに背を向けて海を見ながら真面目な口調で
「・・・いい仲間との出会いが、今の君の笑顔を生んだんだなぁって・・・思った・・・」と
さっきの言葉の続きを言ったのでした。

カインがルカのことを綺麗になったと言ったのは、ルカが思ったように口説き文句であったのではなく、
昔に比べてルカの印象が明るいものになっていることに、
倉庫で縛られた状況で久々に再会した時から感じていたのだということだったのです。
カインはルカが魅力的になっていることをルカに伝えてあげたかったが、
それは何となく言うのが憚られて言い出せなかったのです。

どうして憚られたのかというと、
カインはルカに今の生活を捨てて自分と一緒に昔の夢を掴むために来るように誘いに来たからです。
それなのに、昔のルカよりも今のルカの方が魅力的だなどというのは、言うのに少し抵抗を感じたのでした。
愛する女性の魅力を素直に言葉にしたいという欲求は男として当然あるのですが、
何となく今のルカを褒めるのは面白くなかったのです。
今のルカを褒めるということは、今のルカが幸せということを認めることになるからです。

カインは今のルカは海賊などという本来の夢からすると遠回りなことをしていて可哀想だと思って、
正しい道に戻してあげるためにやって来たのです。
だから、今のルカが幸せだというのはあってはいけないことのように思えたのです。
それで、ルカが昔よりも明るい印象になったことは感じつつも、
そのことはカインはつい言いそびれていたのでした。

ところがカインは今、ルカが綺麗になったという自分の感想を素直に口にしました。
それは、今のルカが昔よりも魅力的になったことを素直に認めようという気分になったからです。
どうしてカインが今のルカが幸せであることを素直に認めようと思ったのかというと、
ルカが魅力的になった原因が良い仲間との出会いであったことを痛感し、
それが自分とルカの絆よりも強いものであることを認めたからでした。
それは、カインがあの倉庫での絶体絶命の状況から救われた際に、
マーベラス達とルカとの間の仲間の絆の深さを感じ取ったからでした。

あの時、ルカはマーベラス達が死んだと聞かされて
大きなショックを受けて生きる気力を半ば失ってしまっていました。
ヴァンナインがルカを殺そうとしていたのに、ルカはほとんど無抵抗になってしまっていたのです。
というより、あの場は単にルカが殺されそうになっていただけでなく、
カインも一緒に殺されそうになっていたのですが、
カインがルカを守ろうとした一方で、ルカはカインを守ろうとさえしなかった。
ルカがカインのことを死んでもいいと思っていたわけではなく、
カインを守ることを忘れてしまうほど、ルカにとってはマーベラス達の死が大きなショックだったということです。
つまり、ルカにとって、カインの命とマーベラス達の命、どちらがより重いのか、
冷厳な答えがここで出てしまっていたのです。

そして、ルカはマーベラス達が死ねば自分も生きていても仕方ないとさえ思うほど、
マーベラス達のことを大事に思っているのです。
マーベラス達が生きていたと知った時のルカの喜びようもそれを物語っていました。
また、マーベラス達が生きており、助けに来てくれたことで、
マーベラス達が死んだと思って放心状態であったルカは生気を取り戻し、生き生きと戦い始めました。
それを見て、カインはルカにとってマーベラス一味の仲間がかけがえのないものだということを悟ったのでした。

そして、マーベラス一味の仲間たちにとってのルカもかけがえのない仲間だということもカインは痛感しました。
それは倉庫に駆けつけた時のマーベラス達がヴァンナインに対して説明した
騙し返しの作戦内容を聞いたからでした。
あれは鮮やかで完璧な作戦のように見えて、実際はマーベラス達はかなりリスクを負う作戦であり、
どうあってもルカを救うという強い意思が無ければ、あんなリスクをわざわざ背負うということは無い。
それがカインには分かったので、
マーベラス達がルカのことをとても大切な仲間として見ていることが分かったのです。

だからこそ、ルカもマーベラス一味の仲間をあそこまで大切に想っている。
つまり、ルカとマーベラス一味の仲間は強い絆で結ばれているのであり、
その絆がルカを幸せにして、昔よりもいっそう明るく魅力的な女性にしたのだということをカインは認めたのです。

思えば、カイン自身を含めて昔の仲間は、
ルカに対して、今回のマーベラス一味が見せたような強い絆でもって、
絶対に守ってやろう、助けてやろうという意思を持つことは出来ていただろうか?
いや、それが出来ていなかったからこそ、ルカは1人で星を出て行ったのです。
そのルカが自分で見つけた強い絆を、自分が引き離す資格など無いと、カインは思ったのでした。

そう思うと、ルカが本当は仲間との絆を守りたいから自分のプロポーズを断ったのだということが分かり、
カインは今度こそスッキリとルカのことを諦めることが出来て、
スッキリした気持ちで素直に、マーベラス一味と固い絆で結ばれた今のルカは綺麗だということを、
ルカに伝えてあげたくなったのでした。

そのカインの言葉を聞いて、ルカはハッとして俯きます。
カインがマーベラス一味とルカのことを「いい仲間」と言うということは、
カインは実はルカがマーベラス一味から「宇宙最大のお宝」を騙し取ることを躊躇っていることに
気付いているのだと分かったからでした。
というより、カインのその言葉を聞いて、
ルカ自身が自分の心の中の迷いを鋭く指摘されたような気分になったのです。

ルカはもちろんあの時、カインに嘘を言ったわけではありません。
あの時、言ったこと自体に嘘はありません。
ルカはマーベラスとジョーに初めて会った時、宇宙最大のお宝をゲットするために、
マーベラス一味に仲間入りして、最終的にはお宝を奪って逃げようと秘かに決めたのです。
ルカはカインにあの時の自分の気持ちを言ったのであり、それに関しては嘘は一切無い。
あの時は確かにルカはマーベラス達を最後は裏切るつもりで仲間入りしたのです。

しかし現在はどうかというと、ルカの決意は揺らいでいます。
だからルカは現在の自分の心境はカインには言っていません。
とにかくカインのプロポーズを断るために、自分がマーベラス一味を離れられない理由を言わねばならず、
かといって大切な幼馴染のカインに嘘は言いたくなかったので、現在の心境を言うわけにもいかず、
それでマーベラス一味に入った時の自分の心境を言って、
それでカインが納得して引き下がってくれれば幸いだと思っていたのです。

しかし、嘘が言いたくないのなら、
現在の迷っている心境をそのまま言えばいいのではないかとも思われるかもしれませんが、
ルカはその迷いをカインに言うわけにはいかなかったのです。
ルカの迷いがカインを深く傷つけてしまう可能性が高かったからです。

カインの話を聞いて、ルカはカインが「孤児たちのために星を買う」というルカの夢を叶えるために
自身の人生までも捻じ曲げて無理をしてきたことを知りました。
カインはある意味、自分の人生をルカの夢のために差し出したようなものです。
そして、その人生が本当に正しかったのかどうか問いかけてきているのです。
そんなカインにルカが自分の夢に生じた迷いについて言及など出来なかったのでした。

ルカは地球へやって来て、まず第6話で春日井親子に出会って、
お金だけで人は必ずしも幸せにはなれないことを悟りました。
お金だけに頼った幸せは本当の幸せにはならない。
逆に人の心を不幸にする魔力を呼ぶのだと知りました。
大切なのは夢に向かって頑張る心であり、
それを忘れてお金だけを追うと、人は不幸になるのだと知りました。

続いて、第16話、自分と同じように「仲間を裏切って宇宙最大のお宝を独り占めしようとしている」
バスコという男のことを知り、
そのバスコとの戦いを通じて、バスコがマーベラスに敗れるのを見て、
ルカはその夢というものは仲間と一緒に手に入れるべきものだと悟りました。

そして第23話、元ゴーピンクの巽マツリとの一件の中で、
ルカは自分の本当の夢は「お金を稼ぐこと」や「お宝をゲットすること」ではなく、
「弱く虐げられた者達を救いたい」ということであったことを想い出したのでした。
そして、その夢を実現する方法は本当は無限にあるのだということにも気づいた。
「お金が無いから」とか「お宝をゲットしてから」というのは、
目の前の弱者を1つ1つ救っていくことを回避する方便に過ぎなかった。

しかし実際にルカは過去に挫折をしたのは事実であり、
その挫折から金や宝があってこそ夢を叶えることが出来ると悟ったのです。
しかし、あの第23話の時、目前の窮地を脱して重傷の少年を救うことが出来たのは、
その時、ルカが1人ではなかったからでした。
一緒にいたアイムを守るべき弱者として扱っていた時は開けなかった突破口が、
アイムを共に事態を打開するためのパートナーと見なした時、突破口は開いた。

そのことからルカが思ったのは、
自分は生まれ故郷の星での挫折以降、1人で弱者である孤児たちを救うことばかり考えて、
孤児を救いたいという夢を共に叶える仲間を持とうとはしていなかったということでした。
生まれ故郷の星でそうした仲間を持つことが出来なかったから、諦めていたのです。
それで仲間の代わりにお金やお宝を求めた。

しかし、仲間がいれば、いや、仲間がいてこそ、夢は叶うのです。
お金やお宝も、もちろん有った方がいい。
しかし夢を叶えようとする努力なくして、そこに幸せは生まれないのであり、
夢を叶える努力は仲間がいてこそ出来るものなのです。
そして仲間がいれば、お金やお宝が無くても
地道に目の前の弱者を救うという小さな夢は1つ1つ叶えていくことは出来る。
そんな仲間は自分はもう持つことは出来ないと思っていたのだが、
何時の間にか、裏切るつもりで入っていた海賊団の中で、自分はそういう仲間を得ていた。

そのことに気付いたルカは、
自分はこのまま当初の予定通りに、最終的に仲間を捨てて「宇宙最大のお宝」だけを手に入れて、
その金の力で孤児たちを救うという道を進んでいいのだろうかと迷うようになりました。
というより、本当にそれで自分も孤児たちも、ルカが最初に思い描いたような
「幸せ」や「笑顔」になれるのだろうかと疑問に思うようになったのです。
自分のやるべきことは、そうではなく、
仲間と一緒に手助けし合って、宇宙に散らばる目の前の子供たちから順々に
少しずつでも救っていくことではないのかとも思えてきました。
いや、いっそ、そういう仲間を無限に宇宙全体に増やしていくことが出来れば、
その時、初めて宇宙中の孤児たちが本当に幸せになれるのではないかとも思えました。

ただ、そうは言っても現実にはザンギャックという厄介な脅威が存在する以上、
そんな地道な努力で本当に孤児たちを救うことが出来るのかどうか自信は無い。
そんなものは自己満足に過ぎないのかもしれない。
そういう考えももちろんあります。
だからルカはまだ迷っているのです。
そして、その答えは今の自分はマーベラス一味の中で活動しながらでなければ
見出すことは出来ないのだと思えるのです。
だからルカはマーベラス一味を離れるわけにはいかないのでした。

しかし、そんなことをカインに全てありのまま言うことなど出来ない。
カインはルカの信念が揺るぎないものだと信じ込んで、
自分の人生をルカの「お金の力で孤児を救う」という方針に合わせて変えてしまったのです。
そして、本来の心優しいカインなら到底やらないような汚れ仕事にまで手を染めて、
時には人間の心も捨てて、ひたすら金を稼ぐことに没頭してきた。
それは全てルカもカインと同じ考え方であるという前提で、
その大前提があるからこそ、カインは救われてきたのです。

それなのにルカ自身が「お金だけでは幸せは得られない」と言ってしまったら、カインがあまりに救われない。
だからルカは現在の自分の心の迷いを悟られないように、
それでいてカインのプロポーズを上手く断るために、
マーベラス一味に入った時、「宇宙最大のお宝」を奪って宇宙全体を買い取ることにしたという
過去の想い出話で、うまくカインが諦めてくれるようにしようとしたのでした。

しかし結局、カインはルカとマーベラス一味の仲間との固い絆に感づいてしまい、
ルカが過去にマーベラス達を裏切るつもりであったとしても、
現在はそれを迷っているのだろうということに気付いてしまった。
そのことにルカは気付き、カインが傷ついたに違いない、いや、傷つけてしまったと思い、焦って俯きます。

しかしカインは、おそらく内心ショックを受けているはずであろうに、
それでもそういうルカが綺麗だと言ってくれたのです。
つまり、そのルカの見つけた新しい道の方がきっと正しいのだと、励ましてくれているのです。
そうしてカインに温かく励まされて、
ルカは仲間達と一緒に夢を叶えていく道が正しいようにも思えてきて、少し微笑みますが、
同時にカインの気持ちを裏切ってしまったことに罪悪感も覚えて辛い気持ちにもなります。

カインは確かに大きなショックは受けていました。
自分の金儲けにひたすら励んできた人生がルカの夢を叶えることには繋がらない、
間違っていた人生であったかもしれないのです。
こうしてルカ相手に喋っていても、思わず目は泳ぎ、声も震えそうになります。
しかし、カインはルカを深く愛しているからこそ、
ルカが素敵な笑顔になる道こそが自分にとって正しい道なのだと自分に言い聞かせます。
そして、少しひきつりながら、
「悔しいけど・・・今の笑顔は買えないね!・・・どれだけお金があっても・・・」と言ってルカの方を見ます。
お金だけいくらあっても夢は叶えられないし、幸せも得られないのだと、
カインは遂に自分の人生を自ら否定したのでした。

ルカはカインに申し訳なく思い、「ホントにごめんね・・・」と悲しい表情で謝ります。
しかしカインは爽やかな笑顔をルカに向けて
「いいんだ!・・・僕は僕で、僕なりにあの夢を叶えるよ!」と言うのでした。
カインは勇気を出して今までの金儲けにだけ突っ走っていた人生を否定してみて、むしろサッパリしたのでした。
そうして、自分の夢もまた、もともとはルカの夢を叶えることや、ルカの相応しいパートナーになることではなく、
あの星のスラムで走り回っていた頃は、
やはり孤児たちを笑顔にしたいということであったことを想い出したのでした。

遠回りしたけど、今からあの時の夢を叶えていこうとカインは思いました。
今度は金の力ではなく、ルカが今教えてくれたように、
固い絆で結ばれた仲間たちと助け合って地道に叶えていこう。
そう思うと、カインは切ないルカとの別れの場面だというのに、
心は熱く、力が湧きあがってくるように思えました。
ルカもきっとマーベラス一味の仲間達と出会って、この何千倍、何万倍もの心の強さを得たのだと
カインは悟り、きっとそんなルカ達ならば、宇宙中の孤児たちを救うことが出来ると確信します。

その確信をもって、カインはルカを真っ直ぐ見て
「そして・・・全宇宙に、そんな笑顔が広がる日を待ってる・・・!」と爽やかな笑顔で言うのでした。
ルカはそれに応じて「絶対、叶えるよ・・・!」と静かに、しかし力強く言います。
カインは満足そうにうなずくと、微笑んで「じゃ・・・」と言います。
ルカも微笑みましたが、カインがルカに背を向け海の方に向かうと、泣きそうな顔になります。
カインも涙をこらえる表情となりますが、お互いに門出に涙を見せないよう耐えます。

カインが海を見つめ、カインの背中をルカが見つめ、
そうして佇む2人の前に海中から飛び出してきたカインの宇宙船が姿を現して、
カインを一瞬で収納すると、宇宙船はあっという間に1つの光球となって空の彼方へ飛び去っていきました。
ルカはそれを見送ると、キッとした顔でその場を立ち去っていきます。

それは、見ようによっては、今カインに誓ったように、
仲間と共に力を合わせて夢を叶えていくという強い意思の表れのようにも解釈出来ますが、
また別の見方をすれば、1人のこの過酷な宇宙の現実によって人生を狂わされた被害者、
そしてかつての悲惨な宇宙の虐げられた民の惨状を想い出させる旧友であるカインという男に会ったことによって、
どうしても救わなければいけない現実を再認識した表情のようにも受け取れます。

自分達の力では真っ当なやり方では、やはりザンギャックには勝てないし、誰も救えないかもしれない。
仲間と一緒に夢を叶えるなんていうのはやはり甘い考えなのかもしれない。
間違った道でも、幸せになれなくても、笑顔になれなくても、それでも誰かを救うことが出来るのならば、
仲間を裏切って「宇宙最大のお宝」を奪うという選択肢も、まだ決して排除はしていない、
そのようにも受け取れる複雑な表情をルカは浮かべているように見えました。

そもそもこの最後のシーン、通常ならマーベラス達も一緒に居てもいいはずです。
しかし、あえてルカとカインの2人っきりのシーンとし、
カインが去った後、ルカが1人で残るシーンとしたということに
制作サイドの、ルカの内面を複雑に描こうという意図を感じるのです。

そして、どうも突拍子もないかもしれませんが、
このルカの心情というのは、バスコの内面に何か通じるものがあるようにも思えてくるのです。
あるいは今後、ルカとバスコには何らかの因縁が生じてくるなんてこともあるかもしれません。
まぁ多分そこまではないでしょうけど、なんだかルカとバスコが似た者同士に見えてきたのです。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 23:27 | Comment(0) | 第34話「夢を叶えて」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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