2011年11月30日

第39話「どうして?俺たち高校生」感想その1

今回はレジェンド回で、メガレンジャー篇です。
前々回、前回のゴーカイジャー篇ともいえるカンゼンゴーカイオー登場篇の2篇が恐ろしく濃厚で、
更にその前のゴーオンジャー篇の2篇も濃厚であったので、
久しぶりに清涼感あふれるエピソードで、タイミング的に非常に好印象でした。

この作品「海賊戦隊ゴーカイジャー」も、前回、敵軍の司令官ワルズ・ギルを倒して、
事実上は一旦、地球侵略組織を退けたような形となり、
普通ならそこで最終回でも良いほど、内容的にもテーマ的にも完結しました。

普通なら、というのは、ゴーカイジャー単体が普通に地球を守る地球の戦隊であったならば、という意味で、
そういう作品ならば、前回で終わっても支障は無かったぐらいです。
しかし、この作品はスーパー戦隊シリーズ35作記念の、歴代戦隊が総登場するという特殊な作品ですから、
ここで終わりにはなりません。

まだスーパー戦隊の大いなる力で未登場のものが、
バトルフィーバーJ、サンバルカン、ファイブマン、カクレンジャー、メガレンジャーの5つ残っています。
また、バスコに奪われたままのチェンジマン、フラッシュマン、マスクマンの3つの戦隊の大いなる力も、
このまま放置しておくわけにはいきません。
つまりマーベラス一味はあと8つのスーパー戦隊の大いなる力を手に入れなければならない。

そして、その後、地球にあるという「宇宙最大のお宝」を手に入れることが出来るのかどうかの
ドラマも描かれることになるでしょう。
その過程で、同じく「宇宙最大のお宝」を狙っていると思われるバスコとの因縁の決着もつけなければならないし、
その流れの中で現在、生死不明のアカレッドの再登場も描かれることになるでしょう。

また、前回、司令官のワルズ・ギルおよび特務士官バリゾーグを失った
ザンギャック地球侵略軍の参謀長ダマラスと開発技官インサーンもいずれは巻き返しを図ってくるであろうし、
前回初めてワルズ・ギルの回想シーンで登場した、ザンギャック皇帝アクドス・ギルも、
息子のワルズ・ギルを殺されてこのまま黙っているはずもなく、
きっとマーベラス一味を抹殺しようとして手を打ってくるはずです。

地球侵略に関してはもともとはワルズ・ギルの箔付けのために行われたフシがあるので、
ワルズ・ギルが死んだ今となっては、ザンギャック帝国にとってさして重要事項ではないのかもしれないが、
もともと一度は征服しようとしてレジェンド戦隊に阻止され、
そしてまた今回、皇太子の敗死という惨敗で、つごう二度も征服に失敗した星ということになり、
ザンギャック帝国としてもこうなったら帝国の威信に賭けて
征服しないわけにはいかなくなっているような気もします。

そうなると、地球侵略軍を編成し直すというよりは、皇帝率いる本軍が乗り込んでくるのではないかと思われます。
まぁ、この物語は最後はザンギャック皇帝を倒してザンギャック帝国を崩壊させないと綺麗に終わらないと思うので、
おそらく皇帝が地球に乗り込んでくるという展開になるのでしょう。
その皇帝率いるザンギャック本軍との戦いと「宇宙最大のお宝」が何らかの形で絡んでいくと思われ、
バスコも加わった三つ巴の戦いとなるのでしょう。
そして、戦う力を失った34のスーパー戦隊は最後はどうなるのか、
戦う力を取り戻すことは出来るのかも描かれると思います。

このように最終クールはかなり盛りだくさんの内容となるのが予想され、
バトルもいっそう激しく盛り上がっていくでしょう。
ただ、そのクライマックスのバトルに登場する強力な敵に
ゴーカイジャーがそれにどうやって対抗していくのかが問題です。

前回、ゴーカイジャーは、ゴーカイジャーの大いなる力「夢を掴む力」に目覚めて、
ゴーカイジャーのレンジャーキーに秘められた力を全て引き出すことが出来るようになって、
完全なるゴーカイジャーになったということになっています。
その力でワルズ・ギルを倒し、ザンギャック最強の決戦機のグレートワルズも倒しました。
前々回、地球を守りきる自信が無かったマーベラス達も、
これで地球を守る自信を持つことが出来るようになったでしょう。
これでゴーカイジャーは完全に「地球を守るヒーロー」となったのであり、
35番目のスーパー戦隊となったといえます。

ただ、前回のグレートワルズやワルズ・ギルは確かに強敵でしたが、
おそらくクライマックスに登場する敵はそれよりもっと強力だと思われます。
具体的には、ザンギャック皇帝アクドス・ギル、バスコ、そしてダマラス、
少なくともこの3人との決着をつける戦いはワルズ・ギルとの戦いよりも厳しい戦いとなるでしょう。
また、34のスーパー戦隊が束になってやっと相討ちすることが出来たザンギャック主力軍との戦いも、
グレートワルズとの戦いとはケタ違いの厳しい戦いであり、
それがクライマックスには再来する可能性もあります。

ところが、それに対抗するゴーカイジャーの方は、
前回で「完全なゴーカイジャー」になってしまっており、潜在能力を全て使ってしまっています。
しかし、これから前回のワルズ・ギル以上の敵と戦わねばいけない以上、
更なるパワーアップはしなければいけません。
しかしゴーカイジャーのレンジャーキーの潜在能力は全部使ってしまった以上、
もともとあったパワーを引き出すのではなく、新たなパワーを加えていかなければいけません。
そういうわけで、ここから先の「大いなる力」を獲得するレジェンド回の性格は
変わっていくことが予想されるのです。

1クール目から3クール目までのレジェンド回がどういうものであったのか、
前回のゴーカイジャー篇でその意味合いはハッキリしました。
それは一言で言えば、前回の「ゴーカイジャーの大いなる力」の獲得に向けてのステップであり、
マーベラス一味が地球を守るヒーローになるためのステップであったのでした。

つまり、「地球を守るヒーロー」とは、地球を守って戦うための力を己の中に生み出すことが出来る者であり、
その力を生み出す源となる何らかの精神性を心の中に持つ者のことです。
歴代34のスーパー戦隊はそういう者達でした。

一方、マーベラス一味は当初は「地球を守るヒーロー」ではありませんでした。
しかし本当は心の中に地球を守って戦うための力を生み出す多くの精神性を潜在的には持っていた。
ただ、彼らはそれらの精神性のうちの多くは持っていることすれ無自覚であり、
しかも自分の持っている精神性が「地球を守って戦う力」を生み出す源になるという自覚はありませんでした。
だから彼らは「地球を守って戦うヒーロー」ではなかったのです。
そういうマーベラス一味がレジェンド回を重ねていくことによって、
1つずつ、自分達の持つ精神性が「地球を守って戦う力」を生み出すことが出来ることを学んできたのでした。

そのレジェンド回の構造はこういう感じです。
マーベラス達が元レジェンド戦士と出会って、互いのドラマが交錯することによって、
元レジェンド戦士はマーベラス達が自分の戦隊の地球を守るために戦う力を生み出す源となる精神性と
同じ精神性を持っていることを知って、
マーベラス達ならば自分の戦隊の「大いなる力」を引き出すことが出来ると判断して「大いなる力」を渡す。
一方、マーベラス達はその元レジェンド戦士の戦隊が地球を守るための戦う力を生み出す源としていた精神性と
同じ精神性を自分達も持っていることに気付き、
自分達もその戦隊のようにその精神性から地球を守るために戦う力を生み出すことが出来ると思うようになる。
そうしてその結果、渡された「大いなる力」を引き出して戦うことが出来るようになるのです。

ただ、今まで渡された全ての「大いなる力」を戦いの場で使ったわけでもなく、
戦いの場で「大いなる力」を使うこと自体が最重要なのではありません。
大事なのは、そうしてレジェンド回を重ねていくにつれて、
マーベラス一味が1つずつ「地球を守って戦うための力を生み出す源となる精神性」が
自分達の心の中に存在することを認識していくことだったのです。
そうやってマーベラス一味は少しずつ「地球を守るヒーロー」へと成長してきた。

そして、26戦隊の「大いなる力」を獲得し、
自分達の心の中に26個の「地球を守って戦うための力を生み出す源となる精神性」を認識した結果、
遂に前回のゴーカイジャー篇で、マーベラス達は自分達の根幹といえる精神性である
「夢を掴むために集まった仲間たちの絆」が「地球を守って戦う力」を生み出すことが可能だということに
気付くことが出来たのでした。
その結果、「ゴーカイジャーの大いなる力」を引き出すことが出来るようになり、
マーベラス一味は、地球を守って戦うヒーローである、完全なるゴーカイジャーとなったのです。

つまり、前回までにマーベラス一味の心は完全に地球を守って戦うヒーローの心になったのであり、
もともと彼らが心の中に潜在的に持っていた「ヒーローの精神性」は全て
前回までに覚醒したのだと見ていいでしょう。
となると、もうこれ以上、マーベラス一味の心の中に潜んでいる精神性をドラマの展開の中で引っ張り出してきて、
レジェンド戦隊の精神性との共通性を探す必要は無いのだといえます。
つまり、ゴーカイジャー篇以降の最終クールのレジェンド回においては
マーベラス一味の秘められた精神性を俎上に載せるようなドラマ展開はする必要が無いということです。

マーベラス一味の潜在的な精神性はゴーカイジャー篇までに全て掘り起こされ、
全てヒーロー的な精神性として覚醒済みなので、もはやそこはこれ以上掘り下げる必要は無いのです。
そこはもう掘り下げても無駄です。
むしろ、最終クールにおいてマーベラス一味の成長に必要はことは、
潜在能力を掘り起こすことではなく、新たに外部から能力を加えることなのです。
つまり彼らがもともと持っていなかったもので、クライマックスの戦いにおいて有効な何かを新たに獲得することが、
これからは最も大事なのです。

となると、最終クールの「大いなる力」獲得のレジェンド回は、
マーベラス一味がもともと持っていない要素を
「地球を守って戦う力を生み出す源となる精神性」として持っている戦隊の元戦士が登場し、
その元戦士との交流でその精神性を学んだマーベラス一味が、
新たにその精神性を自らの「戦う力を生み出す源」に加えて、
地球を守るヒーローとして一歩、成長するという構造になるべきです。

つまり、このような物語構造の場合、マーベラス一味の方の精神性を掘り下げるような展開は必要無く、
ただ単にマーベラス一味が当該戦隊の精神性を触れるという展開だけでいいのです。
このゴーカイジャー篇以降のレジェンド回の物語構造は、
ゴーカイジャー篇以前のレジェンド回の、いちいちマーベラス一味とレジェンド戦士の精神性を両方掘り下げて
その一致点を探るようなややこしい物語構造に比べてシンプルです。

当初、「現役戦隊が歴代戦隊と競演する」というこの作品の企画内容を聞いた時、
多くの人が想像したのは、このシンプルな方の物語構造だったことでしょう。
ただ、そのシンプルな物語構造が避けられて、
ここまではより複雑な、ゴーカイジャー篇以前のレジェンド回の物語構造が一貫して描かれてきたのは、
そのシンプルな方の物語構造にしてしまうと、ゴーカイジャーという現役戦隊が、
単に歴代34戦隊の弟子的存在になってしまい、非常に影が薄くなってしまうことが危惧されたからでした。

現役戦隊であるゴーカイジャーのキャラをしっかりと自立させるためには、
何も知らない連中が歴代戦隊に教えを乞うという展開ではなく、
もともと彼らが持っている要素が歴代戦隊との出会いによってヒーロー的要素に転化していくという展開にして、
レジェンド回でもしっかりと彼ら自身の要素をメインに据えたストーリーを作るようにした、
そういう工夫だったのでしょう。

ならば最後までその路線で貫き通せばいいと思われるかもしれないが、
最後までそういう感じにしてしまうと、
マーベラス一味は最後の最後にようやく「地球を守るヒーロー」としての
完全なゴーカイジャーになるということになってしまい、それはヒーロードラマとしてはちょっと困る。
やはり、途中でマーベラス一味はしっかりと「地球を守るヒーロー」として完成させて、
真っ当なヒーロードラマも描かないといけないでしょう。

だから、3クールの締めでマーベラス一味を「地球を守るヒーロー」として完成させて、
最終クールはマーベラス一味は完全に地球を守るヒーローとして戦い、
レジェンド戦隊からは自分達には欠けている新たな精神を学んで成長していき、
それによって3クール以前よりも強大なクライマックスの敵を倒す力を獲得するという、
かなり王道的展開となるのだと思われます。
これを1クールからやったりすればゴーカイジャーという現役戦隊の影が薄くなるという
弊害が出たのでしょうけれど、
最終クールになった段階ならば、もうゴーカイジャーという現役戦隊のキャラは完全に確立しているので、
レジェンド回でマーベラス一味の精神性が深く描かれなかったとしても、全く悪影響は出ないのです。

さて、そういうわけで、最終クールのレジェンド回ではマーベラス一味は、
もともと自分達には無い精神性を、
その精神性を戦う力の源とする戦隊の元レジェンド戦士と会って、
それが地球を守って戦う力を生み出す源として自分達にも使えるものだと思って、新たに学び、
「大いなる力」と共に受け取るということになると予想されます。

言い換えれば、まだマーベラス一味に「大いなる力」を渡していない、
バトルフィーバーJ、サンバルカン、チェンジマン、フラッシュマン、マスクマン、ファイブマン、
カクレンジャー、メガレンジャーの8戦隊は、
マーベラス達にはもともと無い何らかの精神性をその戦う力の源として
地球を守るために戦っていたのだと予想されます。

ただ、それはあくまでちゃんとレジェンド回が描かれた場合の話です。
チェンジマン、フラッシュマン、マスクマンは「大いなる力」のバスコからの奪還は描かれるでしょうけれど、
レジェンド回は描かれないでしょうから、
この3戦隊の精神性がマーベラス一味にとって最終クールで追加で獲得すべき新たな精神性という扱いは
されないでしょう。

ここにきて、どうやら大葉健二さん絡みでバトルフィーバーJ篇がある可能性が高くなってきたので、
おそらくこの「大いなる力」未取得の8戦隊のうち、
最終クールでレジェンド回が無いのがサンバルカン、チェンジマン、フラッシュマン、マスクマンの4戦隊で、
最終クールでレジェンド回があるのがバトルフィーバーJ、ファイブマン、カクレンジャー、メガレンジャーの
4戦隊でしょう。

つまり、マーベラス達にはもともと無い何らかの精神性をその戦う力の源として地球を守るために戦っていた戦隊は、
バトルフィーバーJ、ファイブマン、カクレンジャー、メガレンジャーの4戦隊と予想されます。
その中で今回、トップバッターとして登場するのが、スーパー戦隊シリーズ第21作、
1997年度の作品である「電磁戦隊メガレンジャー」です。

ただ、あくまでこの「ゴーカイジャー」という物語のレジェンド回は、戦隊同窓会的なノリでは作られておらず、
ゴーカイジャーの物語としての必然性に基づいてレジェンド回が組まれています。
すなわち、この最終クールの一番最初のエピソードでメガレンジャー篇がチョイスされているというのは、
この時点のゴーカイジャーにとって、メガレンジャーの持つ精神性が
新たに獲得すべき精神性と合致しているからに他なりません。

この「メガレンジャー」という作品はスーパー戦隊シリーズの大きな転機となった作品です。
それは、この「メガレンジャー」の序盤で放送時間帯がそれまでの金曜17時30分開始の時間帯から、
日曜7時30分開始の現在と同じ時間帯に変わったことに関連します。
スーパー戦隊シリーズは2月上旬に第1話が放送されるという、
通常の他の番組には例の無い特殊な放送スケジュールになっているので、
それで4月改編時期に合わせて放送時間帯の変更となっただけのことで、
この「メガレンジャー」という作品は最初から日曜朝7時30分開始の時間帯での放送を想定して
企画が立てられた作品です。

ただここで重要なのは日曜朝への時間帯変更そのものではありません。
この時間帯変更に伴って、スーパー戦隊シリーズがそれまでの25分番組から、30分番組へと変わり、
5分間、放送時間が長くなったということが重要です。
30分前後の放送時間の番組で、5分の延長は非常に大きいことです。
これによって「メガレンジャー」は人間ドラマを緻密に描けるようになり、
テーマの明確な戦隊を描くことに成功し、それが好評を得たのです。

それによって、それ以降、日曜朝のスーパー戦隊シリーズは
「ギンガマン」「ゴーゴーファイブ」「タイムレンジャー」と、次々とテーマの明確な戦隊の物語を描き続け、
21世紀に入って「ガオレンジャー」で大ブレイクしたのでした。

そうしたスーパー戦隊シリーズの「戦隊のテーマが明確」という現在に至る流れの起点となった
節目の戦隊が「メガレンジャー」であり、
それゆえ、「ゴーカイジャー」のレジェンド回においてメガレンジャー篇をやらないはずはないと
思っていたのですが、なかなか終盤までやらなかったので、どうしたのだろうか?と思っていたのですが、
最終クールでゴーカイジャーには無い要素を持った戦隊のレジェンド回が来るという構成になっていたのならば、
確かにメガレンジャー篇は最終クールまで待たねばいけないはずです。

何故なら、メガレンジャーほど、ゴーカイジャーから遠い戦隊も無いだろうからです。
ゴーカイジャーという戦隊も確かに異色ですが、
メガレンジャーもまた、全く違った意味で極めて異色な戦隊なのです。
だからこそテーマが明確だとも言えますが、
ある意味、対極にある戦隊だけに、メガレンジャーという戦隊の持つテーマ、精神性というものは、
ゴーカイジャーには決して持つことが出来なかったものなのです。
そして、それは確かにこれまでのゴーカイジャーには不要な精神性であったが、
おそらくそれはクライマックスの戦いにおいて必要になってくるものなのです。

そういうわけで今回、マーベラス達は「メガレンジャーの大いなる力」と共に
その精神性もレジェンドゲストの元メガレッド伊達健太から受け取ったのですが、
それでも「大いなる力」の移動のためには、
マーベラス達はその精神性が自分達の地球を守る戦いに使えるものだと認めて受け入れなければならないのですが、
もともとはマーベラス達には無かった精神性ですから、
昔のマーベラス達ならば、このメガレンジャーの精神性を自分たちに必要なものだと
認めて受け入れることは出来なかったでしょう。

それが今回、素直に受け入れることが出来たのはどうしてなのかというと、
実は今回のメガレンジャーの精神性は、
前回のゴーカイジャーの大いなる力の源となった精神性である「夢を掴むために集まった仲間の絆」と
繋がっているからなのです。
だから、前回のゴーカイジャー篇を受けて、その次のエピソードがメガレンジャー篇となっているのです。
そういう意味で今回は最終クールの最初のエピソードとして比較的静かに始まったようでいて、
実はかなり重要なテーマが描かれたエピソードだと言えます。

そういうわけで今回は、元メガレッドの伊達健太の導きで示されたメガレンジャーのテーマを
マーベラス達が素直に受け入れるという展開となっており、
これまでのレジェンド回のようなマーベラス達とレジェンド側との葛藤やぶつかり合いはありません。
そもそもマーベラス一味の側のドラマは今回は全く描かれません。
そういうわけで非常にシンプルなお話になっています。
その分、ものすごく分かりやすいお話で、とても見やすく、すっきりして爽快感のあるお話といえます。

ただ、あまりにシンプルだけではつまらなくなるので、
メガレンジャーの極めて特殊な世界観を再現して、その特殊な世界観の中にマーベラス一味を放り込んで、
ビジュアル的な面白さで魅せようとしています。
すなわち、戦隊ドラマであると同時に学園ドラマであった「メガレンジャー」の世界観を再現して、
今回のメガレンジャー篇は学園ドラマになっており、
マーベラス達6人は学生服のコスプレを披露する羽目となっているのです。

学生服のコスプレというと、戦隊シリーズでよくある「学園潜入エピソード」のようですが、
今回は6人は潜入しているわけではなく、まさにコスプレしているだけで、
周囲の生徒たちも教師たちも、学生服を着て校内を歩いているマーベラス達が
宇宙海賊のゴーカイジャーであることは分かっています。
だから「学園潜入エピソード」ではなく、あくまで「メガレンジャー篇」であり、
「メガレンジャー」が学園ドラマだったからその世界観を再現したら
学園でのマーベラス達のコスプレになってしまったというだけのことです。

ただ、そういうエピソードに面白味を加味するための学園コスプレであるにもかかわらず、
マーベラス達が学園にコスプレして混じって学園生活を送り、
他の生徒たちがマーベラス達がゴーカイジャーだと知っているというその奇妙な設定が、
ちゃんと後でメガレンジャーのテーマや精神性に繋がってくるのですから、
やはり相変わらず今回の脚本の香村さんは巧いです。

そのマーベラス達の敵として今回登場するのはザンギャックではなくバスコです。
ザンギャックは前回、司令官のワルズ・ギルと幹部のバリゾーグが戦死するという大変な事態が起きており、
一時活動不能状態のようです。
それで、やはり「大いなる力」争奪戦ということでバスコの登場で、
バスコはメガレンジャーの大いなる力を奪おうとして奸計を仕掛けてきます。

ただ今回はあくまでマーベラス達がメガレンジャーの大いなる力を受け取るというのが話のメインであり、
バスコはほとんどその邪魔をするために現れた、記号的な敵役という感じで、
まぁ今回のシンプルなお話をバスコの奸計が大きく動かしてくれているわけで、
バスコの今回の役割は、あまりに平和で波乱の無いマーベラス達と健太との織り成す学園ドラマを揺り動かして、
ちゃんと変身ヒーロードラマらしい展開に引っ張っていってくれるという、
極めて重大なものであるかもしれません。

そういえば「メガレンジャー」本編も、ネジレジアの連中が何か悪事を働いてくれなければ、
延々と平和な学園ドラマが続くという傾向はありましたから、
今回の話はまさに「メガレンジャー」的なお話で、
バスコはネジレジアの役割を担っていたといえます。
ただ、バスコが今回、学園に爆弾を仕掛けるという策に出るのですが、
これはメガレンジャーの精神性を明らかにする重要な要素となりますから、
その点、バスコは良い仕事をしてくれています。

そのバスコ本人の問題としては、今回もまた相変わらず飄々としていて
何を考えているのか分かりにくいままでしたが、
さすがバスコ関連のエピソードの大部分を書いている香村さんだけあって、
今回はバスコの意外な一面も見えたりして、終盤に向けてバスコという重要キャラにも伏線を張り始めたようです。

なお、今回、マーベラス達がコスプレして紛れ込む諸星学園高校で、マーベラス達がバラバラに行動して、
それぞれ何人かの生徒たちと接触するのですが、
この生徒たちはキャラ的には今回ゲストで登場する健太を除いた他のメガレンジャーの元メンバーである、
耕一郎、瞬、千里、みくという4人に対応したキャラとして描かれています。

東映の公式ホームページで今回のエピソードの予告ページで、
この諸星学園高校の生徒たちに注目するように、という文があり、
それは彼らの劇中のちょっとした活躍のことを指すのか、
あるいはこの元メガレンジャーのメンバーに対応したキャラについてのことなのか、
イマイチ分かりません。

ただ、どうもこの生徒たちが気になります。
ルカとハカセがデジ研の部室で会った男女1人ずつのデジ研部員と、
ジョーとアイムが見かけた恋する女の子と憧れの先輩男子、
そしてマーベラスが飛び入りしたバスケット部の部員、
これらの生徒を演じていた役者が、これぐらいの役にしては妙に存在感があって、奇妙な印象なのです。

これはもしかして、何らかのカメオ出演なのではないか?
もしかしたら来年の戦隊に出演するとか?
まぁ来月あたりには次の戦隊に関する情報も出てくるようなので、そのあたりもハッキリするのでしょうけれど。
例えばアイム役の小池唯さんも「ゴーカイジャー」開始の半年前に
「仮面ライダーW」最終話にカメオ出演していたので、
東映はたまにそういうことやるので、少し気になったまでです。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 23:57 | Comment(0) | 第39話「どうして?俺たち高校生」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月01日

第39話「どうして?俺たち高校生」感想その2

では本編ですが、冒頭は久々登場のバスコの乗艦フリージョーカーの場面です。
バスコは第31話のオーレンジャー篇以来の登場で、ほぼ2ヶ月ぶりの登場となります。
ところでバスコといえば、今回のエピソード内容とは関係無いですが、
ちょっと前回の考察の中で少し気になったところがあります。

前回、「宇宙最大のお宝」というもののこの物語における存在意義というものが何となく見えてきました。
前回はマーベラス一味の絆がどうやって成り立っているのかについて考察しましたが、
その根本にあるのが「宇宙最大のお宝」という正体不明の、まさに宇宙最大の途方もない夢を追いかける
マーベラスという人間の「夢を掴む意思」であり、
それが同じように何らかの夢を掴む意思を持って宇宙のルールを敵に回して戦っている者たちを惹きつけて、
互いの「夢を掴む意思」を尊重し合う絆を作ったという考察でした。

これはつまり、「宇宙最大のお宝」の正体が不明であるというのが前提となっており、
マーベラスも含めて仲間全員が「宇宙最大のお宝」が何なのか知らないからこそ、
彼らは「夢を掴むために集まった仲間の絆」を結ぶことが出来たのだといえます。
もし彼らが「宇宙最大のお宝」が何なのか知っていたら、
今のような「夢を掴むために集まった仲間の絆」が彼らの間に成立して、
ゴーカイジャーの大いなる力を引き出し、
ゴーカイジャーが地球を守るヒーローとして完成するまでに至ったかどうか、分かったものではないでしょう。
つまり、この物語においては「宇宙最大のお宝」というものは正体不明である必要があるのです。

この「ゴーカイジャー」という物語には3つの重要な要素があります。
1つ目が「ゴーカイジャーがレンジャーキーを使って歴代戦隊に豪快チェンジして戦うこと」であり、
2つ目が「ゴーカイジャーが歴代戦隊の元戦士のゲストとの交流を通じて大いなる力を獲得していくこと」であり、
3つ目が「地球に縁の無い宇宙海賊が地球を守るヒーローである海賊戦隊に変わっていくこと」です。

1つ目の要素は端的に言えば「豪快チェンジ」であり、
これはもともとのこの物語が生まれる発端となった玩具販促絡みの要素ですから、
これは1年間、淡々とマイペースにこなしていくだけです。

また、2つ目の要素は端的に言えば「大いなる力」ですが、
これはこの物語がシリーズ35周年の特別企画であるために登場させることになった歴代戦隊からのゲストを
有効活用するために作られた要素で、1つ目の要素の「豪快チェンジ」も巧みに絡めている要素です。

そして、3つ目の要素は端的に言えば「海賊戦隊」であり、
これは歴代戦隊のゲストに埋没しない現役戦隊のインパクトが必要とされた結果生み出された要素であり、
海賊が地球を守るヒーローに変わっていく過程の成長と、
2つ目の要素の「大いなる力」が巧みに絡められています。
そして、海賊がどうして地球を守る正義のヒーローになれるのかという根本的な問題は、
彼らが「夢や自由を求める仲間の絆」を持ったヒーローだからだという性格設定で説明されます。

このゴーカイジャーの性格設定を補強するために、
それとは真逆の存在として造形された敵組織がザンギャックであり、
それゆえザンギャックは自由を抑圧するような独裁統治型の宇宙帝国となり、
結構ちゃんとした正統派の組織として描かれることになったのでしょう。

そして、このゴーカイジャーの基本性格である「夢や自由を求める仲間の絆」を成立させるための条件として
「彼らが宇宙最大のお宝という正体不明の途方も無く大きな夢を追っている」ということにする必要があったのです。
だから「宇宙最大のお宝」は正体不明でなければならなかった。

よって、「宇宙最大のお宝」の正体は不明であることが前提であったので、
最初からその正体は特に決められていなかったようです。
例えば同じ宇都宮Pの作品の「シンケンジャー」が最初から「主人公のレッドが影武者である」という
隠された設定が基本となって物語が作られていたのと比べると、今回は全く違っており、
「宇宙最大のお宝の正体が○○である」という設定は物語を構成する基本要素にはなっていないのです。

「34のスーパー戦隊の大いなる力を全部引き出すと宇宙最大のお宝が手に入る」という設定は、
マーベラス達に自然な形で「大いなる力」集めをさせるために作られた設定に過ぎず、
「宇宙最大のお宝」の正体が何かであるから34のスーパー戦隊の大いなる力と関係があるとか、
そういう細かい設定自体存在していないはずです。

それを裏付けているのが1クール目が終わった頃のメインライター荒川氏のインタビュー記事で、
そこで荒川氏は「宇宙最大のお宝の正体を何にしようか悩んでいる」と言っており、
「宇宙最大のお宝」の正体は当初決められていなかったのは確かであるようです。
ただ、そうはいっても荒川氏もわざわざ悩んでいたように、
「宇宙最大のお宝」の正体は最後まで不明というわけにはいかない。
最終的にはその正体は明らかにしなければいけないのだから何がその正体であるのか考えないといけないのです。

で、その荒川氏のインタビューがあった頃というのは、ちょうどバスコというキャラが登場した頃であり、
つまりバスコというキャラが構想されて以降ということになります。
しかしバスコは当初から「宇宙最大のお宝」が何なのか、
マーベラスよりは見当がついているキャラのように造形されていました。
でも、バスコというキャラが造形された時期というのは、
まだ「宇宙最大のお宝」の正体をどういうものにするのか決められていなかった時期です。
それなのにバスコは「宇宙最大のお宝」の正体を知っているかのようなキャラとして登場しています。

それが何か妙だとは思っていたのですが、
前回の考察で「宇宙最大のお宝」の正体が不明であることが
マーベラス一味の絆が強固である最大の要因であると考えた時、
バスコというキャラの存在意義が何となく分かってきたのでした。
それは、赤き海賊団もまた「宇宙最大のお宝」を手に入れようとしていたにもかかわらず、
マーベラス一味とは違って強固な絆を結ぶことが出来ずに壊滅してしまったことに関係します。

同じ「宇宙最大のお宝」を追いかけていながら、どうしてマーベラス一味には絆があり、
赤き海賊団には絆が無かったのかというと、
その違いは、マーベラス一味は「宇宙最大のお宝」の正体を知らないのに対して、
赤き海賊団は「宇宙最大のお宝」の正体を知っていたからではないかと考えられます。
「宇宙最大のお宝」の正体が不明であることがマーベラス一味の絆の原点であるのならば、
当然そういう推理が成り立ちます。

といっても、赤き海賊団の3人のうち、マーベラスは「宇宙最大のお宝」の正体は知らない。
だからこそ、マーベラス1人だけは赤き海賊団の壊滅の時、
信じていた絆を裏切られたことに激昂するほどに、赤き海賊団にも絆の存在することを1人だけ信じていたのです。
それに比べてアカレッドはバスコの裏切りに対して驚きつつも、
その裏切りにさほど大きな動揺を見せておらず、
もともと自分とバスコの間にさほど強い絆があったという意識は無かったようです。
バスコが第31話で自分の正体を晒した時「アカレッドも恐れた俺の真の姿」と言っていたように、
アカレッドとバスコの間は、マーベラス一味の仲間の絆のような関係ではなく、何らかの緊張関係にあったようです。

つまりアカレッドとバスコは、マーベラスとは違った認識で赤き海賊団というものを見ていたといえます。
すなわち、アカレッドとバスコは「宇宙最大のお宝」の正体を知っていると考えられるのです。
とはいっても、アカレッドはバスコの裏切りに驚いてはいたので、
バスコが「宇宙最大のお宝」の正体を知っているとは思っていなかったようです。
つまり、アカレッドは「宇宙最大のお宝」の正体をバスコにも教えてはいない。

ならば、どうしてバスコは「宇宙最大のお宝」の正体を知っているのか?
誰かに聞いたのか、それとも、もともと知っていたのか。そのあたりはよく分かりませんが、
おそらくバスコは「宇宙最大のお宝」の正体を知っているから、
それを独り占めしたいというエゴに捉われることになったのでしょう。
そして、おそらくバスコの「人を信じない」「何かを得るためには何かを捨てなければならない」という
性格やポリシーは「宇宙最大のお宝」の正体に何らかの関係があると想像出来ます。

ただ、問題は、制作サイドでまだ「宇宙最大のお宝」の正体が決定していない段階で、
アカレッドとバスコという2人のキャラは、
「宇宙最大のお宝」の正体を知っているキャラとして造形されているということです。
これはつまり、このアカレッドとバスコという2人のキャラは、
物語のクライマックスにおいて「宇宙最大のお宝」の正体を明らかにする時に重要な役割を果たすために
造形されたキャラということなのでしょう。

主人公のマーベラス一味にとっては「宇宙最大のお宝」はその正体が不明であることが必須であったわけですから、
マーベラス一味は「宇宙最大のお宝」の謎解きにおいて役に立つキャラにはなりようがありません。
「宇宙最大のお宝」の謎を解く時に動かせるキャラはマーベラス一味とは別に作っておく必要があるのです。
そのために作られたキャラが、アカレッドとバスコなのだといえます。
だから、この最終クールにおいては、バスコと、そして再登場するであろうアカレッドの2人は
「宇宙最大のお宝」の謎解きというドラマにおいて、
マーベラス達よりも重要な役割を果たすことになると見ておいた方がいいでしょう。

そのバスコが今回、2ヶ月ぶりの登場です。
この冒頭のシーンはバスコの乗艦のフリージョーカーが宇宙空間を航行しているカットから始まりますが、
このカットには地球は映っておらず、フリージョーカーが地球近辺を飛んでいるのかどうかも不明です。
バスコは「宇宙最大のお宝」を求めて地球へ来ているのですから、
地球近辺にいると考えるのが普通の考え方だとは思いますが、
どうもバスコというキャラには謎が多く、
あるいは何処か遠くに何らかの用件があって出かけているのかもしれません。
2ヶ月も姿を見せなかったことも考えると、何処か遠くで何かをしていたとも考えられるのです。

もちろん、ゴーゴーファイブ篇とオーレンジャー篇の間に3つの戦隊の「大いなる力」を奪っていたように、
今回も地球でコソコソ暗躍して「大いなる力」を集めていた可能性もあります。
ただ、この劇中に登場していない間、また以前のように
独自にスーパー戦隊の「大いなる力」を集めていたのかどうか、
今回のエピソードでは結局、オーレンジャー篇の時のようにバスコがわざわざ教えてくれなかったので、
よく分かりません。

別にバスコが手に入れた「大いなる力」をいちいちマーベラスに教えなければいけない義理は無いのですから、
今回申告が無かったからといって、バスコが「大いなる力」を新たに獲得していないとは言い切れません。
オーレンジャー篇の時にわざわざチェンジマン、フラッシュマン、マスクマンの3つの戦隊の「大いなる力」を
持っていることをマーベラスに教えたのは、
自分から「大いなる力」を貰わなければ「宇宙最大のお宝」は手に入らないのだという現実を
マーベラス達に突き付けて、何らかの取引を迫るための種蒔きだったのでしょう。

となると、オーレンジャー篇の時に結局マーベラス達を殺す意思は無いクセに変身して
マーベラス達を痛めつけたのは、圧倒的実力差を見せつけて、
力づくで「大いなる力」を奪おうとしても無理だということをマーベラス達に分からせて、
取引に応じさせるための種蒔きをしたという意味合いもあったのでしょう。

そういうわけで、取引のための種蒔きは既に終わっているわけですから、
バスコとしては、これ以上はマーベラス達に自分の手持ちのカードを見せる必要も無いわけで、
もし既にこの2ヶ月の間に新たに「大いなる力」を手に入れていたとしても、
わざわざマーベラス達に教える必要など無いのです。

ですから、残りの「大いなる力」が
バトルフィーバーJ、サンバルカン、ファイブマン、カクレンジャー、メガレンジャーの5戦隊の分だという現状は
あくまで暫定的な認識であり、もしかしたらこのうち幾つかは既にバスコが押さえている可能性はあります。

しかし、バスコの行動を見ていると、全ての「大いなる力」を手に入れようとしているわけではないようです。
狙っているのはあくまでマーベラス達を取引に引き込んで、
上手く「宇宙最大のお宝」を奪うことであるようですから、
バスコとしては「大いなる力」は3つ確保しておけば十分に用は足りるのではないかと思います。

そうなると、もしバスコに地球以外の場所で何らかの大事な用事があるとしたら、
オーレンジャー篇の時にマーベラスに自分が3つの「大いなる力」を押さえているのだということを示した後は、
残りの「大いなる力」はマーベラス達に集めさせておいて、
自分は地球以外の場所での用事の方を優先させてもいいことになります。

バスコがオーレンジャー篇の時、
マーベラス達を叩きのめして自分が3つ「大いなる力」を持っていることを告白し、
更に新たに「大いなる力」を奪う意思も示しつつ、
マーベラスにも「大いなる力」を集めるよう促していたのは、
つまりバスコはマーベラスを焦らせて、早く「大いなる力」を集めるようにけしかけたのだと解釈出来ます。
何故なら、マーベラス達が早くバスコが持っている3つを除く31個の「大いなる力」を手に入れてくれれば、
バスコにとってはその分早く「宇宙最大のお宝」を奪い取るチャンスが早く訪れることになるからです。

バスコの意図がそういうものであったのだと仮定すると、
この冒頭のシーンと、今回のエピソードのバスコの行動はすんなり腑に落ちるといえます。

まず、この冒頭のシーンでバスコはフリージョーカーのコクピットで新聞を手にして読んでいます。
その新聞は、例の「SPACE SPORTS」という宇宙のスポーツ新聞で、
ちなみにこのシュールな設定の新聞は「カーレンジャー」で登場したアイテムであり、
その設定をこの「ゴーカイジャー」でも流用しているわけです。

ただ今回の「SPACE SPORTS」は通常版ではなく、「EXTRA」、つまり号外版であり、
見出しには大きな文字で「SPACE EMPIRE ZANGYACK COMMANDER WARZ GILL DEMISE」と書かれています。
この宇宙のスポーツ新聞はどういうわけか英語で書かれているのですが、
これを和訳すると「ザンギャック帝国司令官ワルズ・ギル死亡」となります。
つまり、前回マーベラス達に倒されたワルズ・ギルの戦死を速報で報じている号外が
宇宙では発行されているわけです。

見出しの下にはデカデカとワルズ・ギルの威厳ある姿の写真も掲載されており、
さすがにザンギャック皇帝の息子のワルズ・ギルは宇宙に名の通ったVIPであったことが窺えます。
というか、この新聞って、いつも完全にザンギャック寄りの視点で記事が書かれており、
やはり宇宙においてはザンギャック帝国の方が正義であり統治者であるのだということが分かります。

ところが、バスコはこの記事を読みながら
「あ〜らら〜!バカ息子を殺っちゃったか!・・・マベちゃんてば、面倒なことしてくれたもんだ・・・」と、
相変わらず軽口を叩きながらも、本当に困ったような顔をしています。
どうやらバスコにとってはワルズ・ギルの戦死はかなり都合が悪いことのようです。
そして、この後、今回のエピソードでバスコは地球に現れて「大いなる力」を奪おうとするので、
このワルズ・ギルの戦死によって生じた困った事態に対応する意味でバスコは地球に向かい、
「大いなる力」を慌てて手に入れようとしたように見えます。

これはつまり、マーベラス達が31個の「大いなる力」を集めるのを待っている余裕が
バスコに無くなったということではないでしょうか?
だから、マーベラス達の宝探しの進行を待たずに、
バスコが自分で残りの戦隊の「大いなる力」を急いで集めてしまって、
とにかく早く34のスーパー戦隊の「大いなる力」がマーベラスないしバスコの手中にあるという状況を作り上げ、
バスコは早くマーベラスに取引を持ちかけて「宇宙最大のお宝」をゲットしたいと
焦り始めたということではないかと思えます。

いや、ならばバスコはさっさと残りの5戦隊の「大いなる力」も
集めておけばよかったのではないかとも思われるでしょうが、
たぶん、早く「宇宙最大のお宝」を引っ張り出すためにはマーベラス達が多く
「大いなる力」を持っている方が望ましいのでしょう。
だからバスコは本当は3つぐらい押さえておいてマーベラス達をコントロール出来る態勢を維持していればいい。
マーベラス達が残り31個の「大いなる力」を集めてくれる方が好都合だったのではないでしょうか。

ところがそういう悠長なことを言っていられなくなって、
慌ててバスコは何処かの出先から用事を切り上げて地球に戻ってきて、
とにかく早く全ての「大いなる力」を自分かマーベラスが持っているという状況を作らざるを得なくなったようです。
それで自分の手で「大いなる力」を手に入れようと動き出そうとすることになるのです。

では、バスコをそこまで焦らせた原因は何なのかというと、
それがこのワルズ・ギルの戦死を報じる号外です。
ただ、バスコはワルズ・ギルの戦死そのものを困っているわけではない。
おそらく、息子を殺されて怒りに駆られてザンギャック皇帝自らが帝国の主力軍を率いて地球に来ることを
バスコは危惧しているのでしょう。

皇帝が来れば「宇宙最大のお宝」を手に入れるどころではなくなるので、
だから、皇帝が来るまでに急いで「大いなる力」を集めてしまわなければいけなくなったと思って、
バスコは慌てだしたのでしょう。
そういうわけで、バスコにしてみれば、マーベラス達が余計なことをしてくれたお蔭で
大変な迷惑だと思っているようです。

それにしても、バスコがそれほど皇帝が来ると自分の「宇宙最大のお宝」探しに支障をきたすと恐れているとしたら、
それは、皇帝とバスコに何らかの因縁があるのか、
あるいは皇帝と「宇宙最大のお宝」に因縁があるのか、
それとも単に皇帝が「宇宙最大のお宝」もろとも地球を潰してしまうのではないかと危惧しているのか、
いったいどういう事情なのか、今のところよく分かりません。

さて一方、地球ではゴーカイガレオンの船室でいつものごとく寛いでいるマーベラス一味の面々の中、
ハカセはバスコが持っていたのと同じ宇宙スポーツの号外を手にして
「ああ〜・・・載っちゃってるよぉ、デカデカと・・・」と青い顔をしています。
前回、ザンギャックの司令官ワルズ・ギルを乗機のグレートワルズごと倒したものの、
こうして号外でまで報じられて、改めて大それたことをしてしまったのだとビクついているようです。

その新聞をハカセの手許から取って、まじまじと記事を見ながら鎧も
「あはは・・・俺たち、ホントにワルズ・ギルを倒しちゃったんですねぇ・・・」と、
ザンギャック軍の親玉を本当に倒してしまったという大戦果が未だに実感が湧かないようで、
思わず笑うしかない状況です。
しかし、もともと宇宙で修羅場を潜って来ている残りの4人はこれぐらいのことではいちいち動転しないようで、
いつもと変わらぬ態度で落ち着いたものです。

鎧の方は新聞をひっくり返して裏面を見て
「おお・・・賞金も凄い額になってるし・・・すごぉ・・・」と更に驚きビビります。
ワルズ・ギルの写真が載っている面の裏面には、
ワルズ・ギル殺害犯であるマーベラス一味の賞金額が今回の一件を受けて上がったという記事が載っており、
そこには、アイムが400万ザギン、ハカセが5万ザギン(相変わらず低い)、鎧が30万ザギン、
ジョーが800万ザギン、ルカが300万ザギンというように、
以前よりも遥かにアップした賞金額がそれぞれの手配写真と共に載っており、
賞金を懸けられた側の鎧としては見ていてあまり気持ちの良い記事ではありませんでした。

鎧はおそるおそる記事を眺めてマーベラスの手配写真の下の金額を見ようとしますが、
そこには金額が書いてありません。
代わりに何かアルファベットが並んでいて「UNLIMITED REWARD」と書いてあります。
「ん?・・・あ・・・アンリミティッド・リワード?・・・な、何だこれ?」と、
鎧はその言葉の意味がよく分からないようです。

するとアイムがその単語を聞きつけて「いくらでも払うから首を取ってこいという意味です」と教えてくれました。
それにしても、アイムも元お姫様だというのに結構えげつない表現を平気でします。
まぁ要するにマーベラスの場合は主犯ということで、賞金額は上限無しの、
捕えたか殺した者の言い値で支払われるようです。
よほどマーベラスは皇帝に憎まれてしまったようです。

鎧は驚いてアイムに駆け寄り「いくらでもって・・・そしたら、1兆でも、2兆でもいいんですか!?」と確認し、
アイムは頷き、ジョーも腹筋運動をしながら「そうだろうな・・・」と言います。
鎧だけでなく、実際のところ、他の5人も、理屈では分かってはいても、
今までそんな上限無しの賞金額が懸けられたお尋ね者など見たことはないようです。
もちろんマーベラス自身もそんな賞金首に今までお目にかかったことはない。

ルカは椅子から立ち上がってマーベラスの横に立ち、珍しいものでも見るように横目で睨みながら
「・・・好きなだけ貰えるのか・・・」と、ボソッと呟きます。
その言い方が妙に意味深に聞こえて、ハカセ、アイム、鎧の3人は「・・・まさか!?」とギクッとしてルカを見つめ、
ナビィも「ルカぁ!?」と慌てます。
守銭奴キャラのルカが金目当てにマーベラスをザンギャックに売り渡すのではないかと一瞬、皆ビビッたようですが、
マーベラスは平気な顔で座っており、ジョーは全く興味無さそうに腹筋運動を続けています。
古参メンバーはルカの裏切りなど有り得ないと分かっているようで、
ルカも「・・・やぁねぇ!冗談よぉ!」と笑い飛ばして、ハカセ達はホッと胸をなで下ろすのでした。

しかし、実際のところルカにその気が全然無かったのかどうかはよく分かりません。
何せルカには「宇宙全体を買い取って宇宙全部のスラムの孤児たちが平和に暮らせる楽園を作る」という
皆には秘密の夢があります。
未だにその夢を皆に秘密にしているということは、
ルカ自身、まだマーベラス達を裏切る可能性を全くゼロにしたわけではないということです。
だから、今も一瞬、マーベラスを売って宇宙全体を買えるだけの金額をせしめるという計画が
頭をよぎらないこともなかったのだと思えます。
ただ、いくら言い値だといっても、そこまでの金額を貰えるとも思えず、
そもそもルカ自身が賞金首なのですから、ザンギャックと交渉するのも限度があります。
だからやっぱりルカはマーベラスを裏切るのはやめたのでしょう。

さてマーベラスの方は、さすがに上限無しの賞金首になったことが嬉しいはずもなく、
平気そうな顔はしていますが、内心は決していい気分ではないようです。
その嫌な気分を追い払うように「フン!なっちまったもんはしょうがねぇ!」と鼻で笑うと、
椅子の後ろにとまっているナビィに向かって「・・・さぁ鳥!始めろ!」と、
気分を切り替えるように命令するのでした。
これに対して「オッケ〜イ!」と応えたナビィは翼を広げて「レッツ!お宝ナビゲ〜ト!」と叫んで飛び立ちます。

マーベラスは、こうして皇帝の息子を殺してしまった以上、
いずれまたザンギャック軍が復讐戦を挑んでくるのは必至だろうと覚悟はしています。
しかし、今は司令官を倒されたショックでザンギャック軍はすぐには動けないはずで、
ならば今のうちに最近ご無沙汰だった「大いなる力」探しをやっておこうと思ったのでした。

そして飛び立ったナビィは真っ直ぐそのまま壁に貼ってあるスクリーンに激突し、
クラクラしながら「諸星学園高校で・・・僕と握手!・・・だって!」とお告げを言って、パタリと床に落ちます。
それを聞き、ジョーは立ち上がって「・・・モロボシガクエンコウコウ・・・?」と、
ナビィの言った謎めいた呪文のようなものが何なのか考え込みますながら部屋の中を歩きました。
なんとジョーは「学園」や「高校」という概念がなんだかよく分かっていないようです。
宇宙から来た他の4人も同じような感じらしく、キョトンとしています。

一方、地球人の鎧だけは激しい反応を見せて立ち上がり、
猛然とジョーやマーベラスのところに突っ込んできて
「うおおおお!!諸星学園高校といえば、メガレンジャーさんが通っていた学校ですよ!!」と言います。

その通り、諸星学園高校というのは、「電磁戦隊メガレンジャー」に登場した高校の名前で、
その学校の3年A組のクラスメートでデジタル研究会の部員でもある5人の男女学生が
ひょんな事情で変身して悪の侵略者と戦う羽目になったというのがメガレンジャーだったのです。
その物語の舞台であった諸星学園高校の名前がナビィのお告げの中に出てきたものですから、鎧は驚いたのでした。
これはつまり鎧は1人の戦隊ファンとして、メガレンジャーの5人が諸星学園高校の生徒だったことを
知っていたということになります。

ただ、これは当たり前の話です。
「メガレンジャー」の物語の中ではメガレンジャーの5人は高校生活を送りながらメガレンジャーとして戦っており、
敵のネジレジアに対してはもちろん、家族にも学校の人達にもそのことは秘密にしていたのですが、
物語終盤で、メガレンジャーの5人は敵組織のネジレジアに正体がバレてしまい、
変身していない学校や自宅でネジレジアの攻撃を受けることになってしまい、
そのせいで自分達がメガレンジャーであったことが周囲の人たちに知られてしまったのです。

そういうことがあったので、
メガレンジャーが諸星学園高校の生徒だったことは戦隊ファンの間では知られているようです。
だから、ナビィがお告げで「諸星学園高校」という名を挙げたということは、
今回の「大いなる力」はメガレンジャーの大いなる力に違いないと鎧は思ったのでした。

ところがアイムは鎧とは注目ポイントがちょっと違うようで、
「メガレンジャー」という言葉には反応せず、「学校ですかぁ!?」と目を輝かせて立ち上がります。
「学園」や「高校」という単語には首を傾げていたアイムですが、
鎧が「学校」だと言うと、さすがに「学校」のことは知っているようで、
しかも今回お告げによって行くことになる場所が学校だと思って、それが嬉しいようです。
しかし「学園」も「高校」も知らないということは
「学校」についてもあまり詳しいようには見受けられないアイムが
どうしてそんなに学校に行くということで目を輝かせるのか不可解ではあります。

ただ、とにかく「メガレンジャー」という重要情報がどうでもいいほどに
アイムは「学校」というものが好きみたいです。
他の宇宙から来たメンバー4人もアイム同様「学校」という言葉の意味は分かるようです。
そういえば前々回のドゴーミンとの遣り取りと時もルカは「学校なんて行ったことない」と言っており、
やはり「学校」という概念は皆一応分かっているようです。
「学園」や「高校」という言い回しが地球独特のもので、宇宙から来た5人には分からなかっただけのようです。

マーベラスも「学校」の意味は分かるようで、
しかもアイムのように「学校」そのものに興味は無いようで、
「その学校へ行けば、メガレンジャーがいるんだな!」と鎧に勢い込んで確認します。
やはりマーベラスは「メガレンジャー」という言葉の方に反応しました。
まぁそれが当たり前の反応です。
メガレンジャーといえば、未だ「大いなる力」の所在が不明の5つの戦隊のうちの1つです。
これはまさにドンピシャのお告げが来たとマーベラスは喜びました。

しかし鎧は「あ、でもあの、メガレンジャーさんが通ってたのは、もうずいぶん前のことですし・・・
いや、いくらなんでもねぇ、もう卒業しちゃってねぇ・・・」と、何やら煮え切らない態度です。
鎧はマーベラスが期待するように諸星学園高校に行けばメガレンジャーの元戦士に会えるとは思っていないようです。
それは、当時高校3年生だったメガレンジャーの5人が戦っていたのは、
この「ゴーカイジャー」の物語時点から見て15年以上前のことであり、
当然、当時高校3年生だった彼らメガレンジャーの元戦士たちは卒業してもう高校には通っていません。
だから、現在の諸星学園高校に行っても、そこにメガレンジャーの元戦士がいるわけではないと
鎧は思っているのです。

そうして鎧がグズグズ言っているのを制して、
ハカセは「とにかく行ってみようよ!その学校にさ!」と言います。
とにかくナビィのお告げで諸星学園高校に行くようにと言われたのだから、
今そこに行けば何かメガレンジャーの手掛かりが得られることになっているのだろうと思ったのでした。

そのハカセの言葉を受けてアイムが「はい!」とキャピキャピ嬉しそうに返事したので、
皆、そこでようやく、さっきからアイムだけ妙にハイテンションであることに気付いて、
不思議そうにアイムの顔を見ますが、
アイムが「学校」という言葉に反応して喜んでいることには気付いていないようです。
それぐらい、皆、学校というものにあまり思い入れも無いようです。

ここでOPテーマとなります。
今回は当然、レジェンド回バージョンのOPナレーションで、
そしてOPテーマの映像のサビ2回目のところ、巨大ロボのパートがやはり予想通り、
前回のカンゼンゴーカイオーの登場を受けてマイナーチェンジされてました。
ただその内容はちょっと前々回に予想していたものとは違っていました。

前々回に巨大ロボパートがマイナーチェンジされて、巨大ロボ玩具総登場パターンになったので、
カンゼンゴーカイオー登場後のマイナーチェンジも、
その総登場パターンをベースにしたものにするかと思っていたのですが、
そうではなく、マッハルコンと豪獣神関連とカンゼンゴーカイオーに絞ったものとなっていたのでした。
これはクリスマス商戦に向けて、バンダイ側が一番売りたい玩具に絞って、
散漫にならないようにしたということでしょう。

そしてCM明け、今回のサブタイトル「どうして?俺たち高校生」が出ます。
これはまさに「メガレンジャー」のサブタイトルのフォーマットに沿っています。
「メガレンジャー」のサブタイトルは、「4文字文節+感嘆符+主文節」というフォーマットで
全51話が統一されています。
例えば、第1話のサブタイトルは「ゆるすな!ねじれた侵略者」であり、
最終話は「つかむぜ!俺たちの卒業証書」です。
また、第7話の「ナンなの?追っかけ迷惑娘」のように感嘆符が「?」のものも多々あります。

また「俺たち」という言葉がサブタイトルに含まれることも比較的多く、
全51話中、5話に「俺たち」という言葉が使われていますから、
これもまたいかにもメガレンジャー篇らしいと感じさせます。
そして「高校生」というのは、まさにメガレンジャーを象徴しており、
この今回のサブタイトルは全体が見事にメガレンジャー篇らしく、
一目でメガレンジャー篇だと分かる秀逸なサブタイトルだと思います。
また、最初、どうして自分達が高校生にならなければならないのか分からず戸惑うマーベラス達の心情を
ストレートに表現しており、ドラマ内容にも合致したサブタイトルだといえます。

さて本編が再開し、マーベラス一味の6人は結局、諸星学園高校へ行くことにして、
地上に降りて、平成国際大学へとやって来ました。
いや、ここが実は諸星学園高校です。
「メガレンジャー」という作品は1年間通して学園ドラマをしっかり描くというコンセプトを徹底して
作られた作品ですので、学校シーンの撮影は埼玉県に実在する平成国際大学で
実際に学校の施設を使って撮影が行われました。
だから「メガレンジャー」における諸星学園高校の校舎は、平成国際大学の校舎なのです。

というわけで、今回のメガレンジャー篇も、諸星学園高校を舞台とする以上、
平成国際大学で撮影をしており、諸星学園高校の再現度は抜群です。
ただまぁ、「メガレンジャー」から14年経っていますから、
平成国際大学そのものが細部ではだいぶ変わっており、そっくりそのままというわけではなく、
まぁそれは実際に諸星学園高校も15年以上経って細部はいろいろ変わっているのは当たり前ですから、
それはそれでリアルであります。とにかく、この再現度がやはり嬉しいです。

その諸星学園高校の敷地内にマーベラス達は堂々と乗り込んでいきます。
ただ6人のうち、ただ1人、鎧だけは
「皆さん!・・・俺たち部外者なんですからぁ!そんな堂々と入ってくるもんじゃ・・・」と焦って
マーベラス達を諌めているのですが、
マーベラス達は鎧の心配など完全に無視してズンズン校舎に向かって進んでいきます。

基本的に大学は一般人に対してもオープンですが、
高校や中学校という場所は部外者が勝手に入っていいような場所ではありません。
許可を得ない人は原則立ち入り禁止が常識です。
鎧はもちろん地球人なのでそういう地球の(日本の?)常識はわきまえているのですが、
マーベラス達、宇宙から来た5人はそういう常識は知らないようです。

というか、いくら異星でも、子供が通う学校というのは何処も似たようなものであるとは思うのですが、
どうもマーベラス達は、ルカが「学校なんて行ったことない」と言っていたように、
皆どうも学校というものに関して縁が薄くて無知であるようです。
だから鎧が何か文句は言っているが「部外者」の意味がよく分からないので、
無視してそのまま進んでいきます。
当然、6人はちょうど午前中の休み時間で外に出てきている生徒たちの注目を浴びまくることになります。

そこに「こらぁ!!何を無断で入ってきとるか!?」と白衣を着た教師が校舎の前に出てきて、
マーベラス達の前に立ち塞がって、問い質してきました。
「メガレンジャー」本編に出ていた教師と同一人物かと一瞬期待しましたが、別にそういうわけではないようです。
まぁ、この教師が無断侵入者を呼び止めるのは全く当たり前の行動なのですが、
鎧を除くマーベラス達5人にはその行動の正当性は全く理解できません。
というか、この白衣の男が教師であるということも理解出来ていない様子です。

5人はいきなり文句をつけてきた変な男を見て、思いっきり怪訝そうな顔をして、
マーベラスは因縁をつけられたと思ったようで「あぁ!?」と相手を睨みつけて、非常に態度が悪いです。
ところが、マーベラスにガンをとばされた教師は、ちょっとビビリながら、
ハッと何かに気付いたようにマーベラス達の服装などをささっと見て確認します。
教師の背後の校舎の前にたむろしている生徒たちもマーベラス達を見ながら
「あれってもしかして・・・」とヒソヒソ言い合っています。
白衣の教師も「・・・宇宙海賊?」と驚いたように言います。

どうやら、諸星学園高校の生徒や教師たちはマーベラス一味のことを知っているようです。
まぁマーベラス一味は結構、地球では有名人なので、知っている人も確かに多いのですが、
地球を守って戦っている割には、あまり良い印象を持たれていない。
悪人とまでは思われていないとしても、乱暴者のヤクザみたいな連中とは思われているのが
一般的な見方のようです。

そんな奴らがいきなり無許可で学校内に入ってくれば、どういう事情があるのかはともかく置いておいて、
まずは生徒に危害が及ばないように、教師は生徒を守ろうとするであろうし、
生徒も自衛しようとするはずです。
ところが、諸星学園高校の教師も生徒も、相手がヤクザまがいの宇宙海賊だと分かっているのに、
あまり警戒するような印象はありません。

それは学校としては不自然なことなのですが、
学校というものがそもそもあまり分かっていないマーベラス達にはそれが不自然であること自体が分かっていません。
邪魔する変な男(教師)を押しのけて前へ進もうとします。

そこに校舎の中から1人、教師らしき背の高い大柄な男が現れ、
校舎の前の騒ぎなど全く気付かないかのように呑気な態度で「今日の昼飯は・・・」と独り言をつぶやきながら
コインを上に放り上げて落ちてきたのを手の甲で受け止め、
表が出ていたようで「いよっしゃあ!焼肉弁当!!」とガッツポーズをとります。

この焼肉好きのいかにもいい加減そうな教師に、
近くにいた女子生徒が「健太先生!あれ!」と、声をかけて、
白衣の教師を押しのけて校舎に向かって歩いてくるマーベラス達を指さして示します。
その健太という名の教師は、女子生徒に言われてマーベラス達を見て、
息を呑んで「おおお!?」と驚きの声を上げて、思わずマーベラス達を指さしました。

その素っ頓狂な声にマーベラス達は立ち止まってその健太先生を見ます。
すると、6人の中で1人、鎧はその健太先生の顔を見て、電撃に打たれたかのように飛び上がり、
「ああああ!!」と絶叫してマーベラス達の前に飛び込んで立ち、
健太先生に向かって「貴方はぁっ!?」とポーズをとりながら驚きの声を浴びせるのでした。
マーベラス達は鎧がいきなり叫ぶのがどうしてなのか分からず、
鎧の知り合いなのだろうかなどと考えつつ、不思議そうに互いの顔を見合わせるのでした。

そのマーベラス一味を見て、健太先生は嬉しそうな顔でうんうんと頷きながら腕組みをします。
マーベラス達とここで出会えたことに満足している様子で、
まるでマーベラス達がこの学校に来ることが分かっていたかのような態度に見えます。
彼にマーベラス達のことを教えた女子生徒の態度や、他の生徒や教師の態度を見ても、
どうもこの諸星学園高校ではマーベラス一味がいずれはやって来るものと見なして、
排斥するのではなく何となく受け入れるムードというのがあるようで、
そこにはこの健太先生が関与しているようです。

というか、この焼肉好きでいい加減そうな性格の健太先生って、どう見ても元メガレッドの伊達健太です。
変なパーマかけて、ちょっと太ってますが、顔は伊達健太です。
鎧が驚いたのも元メガレッドの素顔を知っていたからなのでしょう。
しかし、健太が母校で教師をやっているというのが最も驚きです。
てっきり実家の八百屋でも継いでるもんだと思ってました。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 23:50 | Comment(0) | 第39話「どうして?俺たち高校生」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月03日

第39話「どうして?俺たち高校生」感想その3

諸星学園高校の校舎の前でマーベラス一味と出会った健太と呼ばれる教師は、
マーベラス達を校内の、ある部屋に連れて来ました。
どうも鎧はこの健太の顔をメガレンジャー関連の資料で見たことはあるようで、
健太がメガレンジャー関係者だということは分かるようなのですが、健太の名前などは知らないようです。
知っていたら、諸星学園高校に行く前にマーベラス達にあらかじめ言っていたはずであるし、
メガレンジャーが諸星学園高校のOBであることは分かっているのですから、
これまでにも卒業名簿などで調べようとしたはずです。

つまり、「メガレンジャー」の物語終盤において
健太たち5人がメガレンジャーだということが家族や学校の人達にバレた時、
その秘密を知った人達は健太たちがメガレンジャーであることは世間には公表はしなかったのでしょう。
それは健太たちのプライバシー保護という目的もあったであろうし、
学校としても生徒が学校に隠れてヒーローの真似事をしていたという不祥事(?)を
世間に知られたくなかったのでしょう。

そして生徒たちや近所の人達にも口止めはしたが、それでもポロッと秘密を漏らす者もいたりして、
「メガレンジャーは実は諸星学園高校の生徒が変身していたらしい」という噂はかなり確度の高いものとして
鎧のような戦隊ファンの間では言い伝えられていたのでしょう。

そして、「実はこれがメガレンジャーの素顔だ」というような顔写真も諸星学園高校OBなどから
いくらか流出していたのでしょう。
そこにはメガレッドの素顔だとして健太の顔なども映っており、鎧もそうした写真は見たことがあったのでしょうが、
なにせ何の裏付けも無い怪しげな15年以上前の情報であったので、
その顔写真をもとに諸星学園高校まで乗り込んでメガレンジャーの正体を調べようなどとは
鎧も思わなかったのでしょう。

ところがお宝ナビゲートに従って諸星学園高校にやって来たところ、
その元メガレンジャーだとかいう怪しげな写真に写っていた顔と同じ顔の教師が出てきたので、
鎧は思わず「貴方はぁっ!?」と叫んでしまったというところなのでしょう。
だから鎧は、これであの写真の人物=目の前に現れた教師が元メガレンジャーの戦士だとは確信したものの、
その名前は知らない状態なのだといえます。
それで鎧も健太先生がメガレンジャー関係者に違いないと思いつつ確信は無い状態で、
とにかく健太先生に誘われるまま、この部屋までマーベラス達を連れて、案内されてきたのでした。

一方の健太先生の方は、マーベラス一味のことは初対面ではありながらもともと知っていたようで、
彼らが諸星学園高校にやって来たのを歓迎しているようです。
それでさっそく健太先生はマーベラス達をとある部屋に案内したわけですが、
その部屋の入口には、なんと「デジタル研究会」と書かれた看板がつけられており、
しかもその下には「顧問 伊達健太」と書いたプレートがついています。

「諸星学園高校デジタル研究会」といえば「メガレンジャー」の劇中で
メガレンジャーに変身することになった健太をはじめとした3年A組の同級生5人組が
所属していた文化系クラブの名前です。
まぁ部員はその5人だけで、その5人が創設メンバーであるという、ほとんど同好会のノリのクラブでしたが。

そのデジタル研究会が部室の場所は違っているものの、あれから15年以上経った現在も存続していて、
しかも教師になった健太がその顧問になっているようです。
健太は在学当時はデジタル研究会の部員といっても完全に幽霊部員状態で、まともに部活動をしていなかったので、
ホントに顧問がちゃんと務まるのか疑問ですが、
それでも創設メンバーの1人ですから、これはなんとも感慨深い。

ただ、マーベラス達はもちろんのこと、鎧もデジ研とメガレンジャーの関係など知りませんから、
デジ研の部室に通されても特に感慨があるわけでもなく、
マーベラス達5人組はそもそもクラブ活動という概念が分かっていないので、
ここが何の部屋なのかも分かっていません。

その部屋の壁にはいろいろな張り紙がしてあり、
なんか色々なスローガンっぽい文句が書かれているのは目につきました。
「学園・青春・デジタル研究会」「デジ研だけど・・・節電」などというスローガンの張り紙に混じって、
「部室での焼き肉禁止!」「焼肉のタレをこぼすんじゃない」「ホットプレートを持ちこまない!」などと、
妙に焼肉関連の禁止事項が書いてあるのが目立ちます。

それがどうしてなのかはマーベラス達には分かりませんでしたが、
これはおそらく「メガレンジャー」本編でも健太の特徴としてよく言及さていた
「焼肉大好き」という設定がここでもそのまま使われており、
健太が焼肉好きなので部室でよくホットプレートを持ち込んで焼肉をするので、
生徒たちに禁止されてしまっていると思われます。
やはり健太は威厳の無い顧問のようです。

そして、そうした張り紙に混じって、メガシルバーも加えたメガレンジャーの6人の並んだ写真も壁に貼られており、
やはり、この学校やこの部屋がメガレンジャーと縁がある場所なのだということは
マーベラス達にも実感はされました。

そうしてデジ研の部室に招き入れたマーベラス達に向かって、
健太は「やっと俺たちのところに来たなぁ、宇宙海賊!」と嬉しそうに言います。
しかしマーベラス達は部室の中をキョロキョロと珍しそうに見回しており、
健太の言葉にはあまり集中していない様子で、
ただ1人、鎧だけが遂にこの教師がメガレンジャーの元戦士だという告白がなされるのだと思い、
健太の目の前で被り付きの位置でワクワクして待ち構えています。

その鎧の方に向かい、健太は「待ってたよぉ〜・・・俺がメガレンジャーの、メガレッドだった、伊達健太だぁ!」と、
左腕を上に伸ばしてから右腕でガッツポーズを決める
メガレッドの名乗りポーズの順序を逆さまにしたポーズを爽やかな笑顔で決めます。
そしてそこに例のメガレッドのスーツ姿がオーバーラップする演出となります。
元ゴーオンレッド江角走輔に続いて、またなんとも簡単に素面名乗りをするレジェンド戦士の登場です。
そういえば、この伊達健太は元祖バカレッドでありました。

このようやくの正式な自己紹介によって、
鎧は目の前の高校教師がメガレンジャーの元メガレッドであることを確信し、
その名が伊達健太だということを初めて知り、
戦隊ファン心理が燃え上がり、「ハハハ〜!お会い出来て光栄でぇす!!」とハイテンションに健太に飛びつき、
固く握手をします。
これが「諸星学園高校で僕と握手!」というお告げの真の意味だったようです。
決してGロッソ公演の宣伝というわけではありません。

ハカセは健太の自己紹介を聞いて、
「そっかぁ・・・母校で先生になってたんだね!」と、ようやく事態を呑み込みます。
鎧の話ではメガレンジャーのメンバーはこの学校をずいぶん前に卒業していなくなっているはずなのに、
それでもお告げでここに行くようにということなので妙だと思っていたら、
メガレンジャーのメンバーの1人が教師になって母校に舞い戻っていたわけです。
「そっ!」と答えながら、健太は手を握って離さない鎧に多少困った様子です。
そしてようやく手を離した鎧は「あっそう、宜しければここにサインを・・・」と、
手帳を取り出して恒例のレジェンド戦士のサイン収集を申し出て、健太は仕方なくそれに応じます。

メガレッドの伊達健太は「メガレンジャー」の劇中設定では高校3年生でしたから当時18歳で、
この「ゴーカイジャー」の物語はその14年後のレジェンド大戦の数年後という設定ですから、
健太は現在35歳ぐらいのはずです。
確か「メガレンジャー」の後日談である「ギンガマンVSメガレンジャー」では
健太は大学進学を目指して一浪中であったはずで、その後、無事に大学に進学出来ていたようですね。

そうなると、健太は教師になって10年ちょっとぐらいキャリアがあるということになり、
特に勉強好きでもなかった健太が高校教師を志したのは
自分の高校時代への思い入れが強いからであろうことが想像出来ますから、
母校愛もあって、大学卒業後、すぐに諸星学園高校に赴任して10年ちょっとというところなのでしょう。

なお今回、授業シーンは無かったので担当教科は不明です。
そもそも健太は高校時代、学年最下位の成績の劣等生で、得意教科というものが存在しなかったので、
いったい何を教えられるのか謎です。
まぁ服装がホントに普通の教師という感じなので、体育教師や科学教師などではなく、
無難なところで国語や社会科ぐらいの担当っぽいです。

その健太を演じていただいているのは、もちろんオリジナルキャストの大柴邦彦氏(現在の芸名は大柴隼人氏)です。
大柴氏は「メガレンジャー」当時は21歳で、14年後の現在は35歳で、
今回の「ゴーカイジャー」メガレンジャー篇における健太先生とほぼ同年齢と言っていいでしょう。

「メガレンジャー」当時は長身でヒョロヒョロしていて、
いかにも未熟な高校生という役柄にピッタリだった大柴氏も、
現在はずいぶん体格は良くなって長身でがっしりしており、
中堅教師としてのニコニコとして福々しい雰囲気が滲み出て、
「その後の健太」としてキャラが確立していたと思います。

今まで「ゴーカイジャー」に登場した元レジェンド戦士の中では、
この健太は最もヒーローとしての面影が薄くなっている方です。
決してルックスが変わり果てているわけでもなく、元気が無くなっているわけでもない。十分に若々しいです。
しかし、それでも今はもう戦士には見えない。
それは、あまりに柔和で緊張感が無い佇まいだからなのですが、メガレンジャーの場合はこの役作りで正解なのです。
何故なら、「メガレンジャー」本編でも、健太をはじめメガレンジャーの初期メンバー5人は
変身していない時は全く戦士っぽくはなく、普通のどこにでもいる高校生だったからです。

さて、健太が鎧に捕まってサインを書かされている間、アイムは窓際に移動して、窓から外の様子を眺めています。
外は休み時間がまだ続いていて、生徒たちが少人数ずつ集まってワイワイ騒いでいます。
まぁ、何処の学校にでもある、ありふれた光景です。
しかしアイムはそんな平凡な光景をじっと興味深そうに見つめています。

そこにジョーが近づいて「・・・どうした?」とアイムに尋ねます。
あんまりアイムが熱心に外を見ているので、何か重大なことでもあるのかと気になったのでした。
するとアイムはハッとしてジョーの方に振り向くと、
何か誤解させてしまったと気付いて照れたようにまた窓の外に目をやりながら
「あ、いえ・・・私、家庭教師の方に教わっていたので、学校には行っていなくて・・・」と説明し、
またジョーの方に向いて「だから、すごく憧れていて・・・」と微笑みます。

要するにアイムはお姫様だったので学校には通ったことがなく、
未知の場所ゆえに学校というものに興味津々なのです。
つまりは、ファミーユ星にも一般人の通う学校というものは存在したようで、
王族の子女は家庭教育が普通であったのでしょう。
それで色々と、例えば侍女や側近などから学校というものについて断片的に伝え聞いている部分はあって、
そういう人達は大抵は姫相手に悪い話はしませんから、学校の楽しい部分のお話だけをしていたと思われ、
アイムは学校という場所はとても楽しい場所だというイメージを持っているようです。
それでさっきもガレオンの中で、学校に行くと聞いて1人だけ浮かれていたのです。

そのアイムの告白を聞いたジョーは、「憧れるような所かぁ・・・?」と呆れたように言い、窓の外を見ます。
ジョーも学校そのものは行ったことはないようですが、ザンギャックの兵士養成所が学校のようなもので、
そこでは過酷な想い出ばかりで、あんまり楽しいところという印象は残っていません。
ジョーは学校を知らないので、その養成所みたいな場所だろうと勝手に思っていたようで、
間違っても憧れの気持ちなど抱いてはいませんでした。
が、窓の外を見てみると、生徒たちは皆、楽しそうに笑っており、ジョーは少し意外な印象は受けます。

そこに更にマーベラス、ルカ、ハカセの3人も集まってきて、一緒に窓の外に眺めます。
マーベラスは「俺も学校なんか行ったことはねぇが・・・憧れたことはねぇな!」と
不思議そうに外の光景を見ながら言い、
ルカも「あたしも!・・・勉強って苦手だし・・・」と同意します。
ルカは前々回に既に学校に通ったことがないと告白済みで、
そして予想通りマーベラスも学校に通ったことはないようです。

この2人、そしてジョーも、学校が嫌で通わなかったわけではなく、
おそらく彼らの星には義務教育制度が無く、貧しい家に生まれたっぽい彼らは
当然のように学校には通わせてもらえなかったのでしょう。
ただ、学校に通わなかったから勉強が好きになる機会自体が無かったのでしょうけれど、
結果的に彼らは勉強というものは面倒臭くて嫌なものだという印象を持つようになり、
そんな嫌な勉強をするために学校に行くのはバカバカしいことだと思うようになり、
学校に行けなかったことを全く悔やんではいないようです。

まぁ実際、彼らの今までの人生の中で、学校に行って勉強をしていなかったことで
何か不都合に見舞われたことというのは無いので、
学校に通わなかったことは間違いではなかったと思っているのです。
なお、ただ1人ここで無言のハカセがどういう学校観を持っているのかはここではよく分かりませんが、
ごく普通の人生を送って来た印象のハカセですから、まぁごく普通の学校観を持っているのでしょう。

ただ、全体的に彼らの学校観は無知ゆえにかなり幼い印象で、
学校というものの本質が分かっているようなレベルではないようです。
そうしたマーベラス達の幼い学校観を聞き入りながら、鎧に乞われたサインを書きつつ、
健太はニヤニヤ笑っています。
そしてサインを書き終わると、「はいよ!」と健太は鎧に手帳を返し、
窓際に固まって外を見ているマーベラス達5人のところに歩み寄りながら
「・・・ところでお前らさ、大いなる力を取りに来たんだよな?」と問いかけます。

そういえば、その肝心の用件をマーベラス達は言い忘れて学校風景の観察に夢中になっていました。
健太に言われてその大事な用件を思い出したマーベラスは
「おお!分かってんなら早く寄越せ!」と言って、健太に向かって手を伸ばします。
しかもジョーとルカとハカセも同時に手を伸ばすのが面白い。
まぁみんな、さっきからの健太の大歓迎の態度を見ていれば、
健太が自分達に好意を持ってくれていることは明らかに分かっており、
ならば当然、メガレンジャーの「大いなる力」も貰えるものだと思っているようです。

つまり、健太はマーベラス一味がメガレンジャーの戦う力の源となっている精神性と同じ精神性を
持っていることを認めているからこそ、
早く「大いなる力」を渡してやりたくて、マーベラス達が学園にやって来るのを待っていたのだと、
マーベラス達は思ったのです。
だから、すぐに「大いなる力」を渡してくれるはずであり、
また、その「大いなる力」をマーベラス達が引き出すことが出来るように、
メガレンジャーの戦う力の源になっている精神性が何なのかについても同時に教えてくれるはずだとも
マーベラス達は予想していました。

ところが、健太はマーベラス達が手を差し出してくると同時に、
マーベラス達に向けて掌を突き出して制して、「まぁ、そう焦るなって!」と言って、
マーベラス達に背を向けて歩き出します。
意外にも、すぐに「大いなる力」を渡すつもりではないようです。
そして健太は5人、そして鎧に背を向けて歩きながら
「・・・メガレンジャーの大いなる力を手に入れるには、1つ条件がある!」と言う。
ルカが「・・・条件!?」と驚いて問い返すと、
健太は楽しそうな表情で6人に向き直り、「そう・・・この学校の、生徒になってもらいます!」と、
その条件を言ったのでした。

「メガレンジャーの大いなる力を手に入れる条件は諸星学園高校の生徒になること」という健太の申し出を聞いて、
6人は驚きましたが、「生徒になる」といっても本当に入学するという意味ではなく、
健太の言うのは体験入学のようなもので、
諸星学園の生徒になりきって学園生活を1日送ってみることというものでした。
何故そんなことをしなければいけないのかマーベラス達は納得出来なかったが、
「大いなる力」を手に入れるためには仕方ないと思い、健太の条件を呑むこととして、
体験入学を受け入れることにしたのでした。

といっても、普通はそんなことは1人のヒラ教師である健太の独断で出来るはずもない。
ところがマーベラス達6人の体験入学はそのまますんなり学園の総意として受け入れられたのですから、
これはあらかじめマーベラス達がここに来れば体験入学をさせるという方針が決定されていたということです。
それは健太が働きかけて実現させていた方針であったのでしょうが、
学園もこの奇妙な方針に理解を示しているということです。

それは普通の学校の普通の状況ではちょっと考えられない事態なのですが、
もともと学校というものをよく知らないマーベラス達はそうしたことの不自然さ自体に気付くこともなく、
健太のいい加減な思いつきのせいで面倒なことになったと思い、不満顔です。

この展開は、少し深く考えれば、
自分達が実はまだメガレンジャーの大いなる力を引き出すに足る精神性に目覚めておらず、
それゆえ健太がこうした試練のようなものを与えてその精神性に気付かせようとしているのだと
マーベラス達は気付くべき場面なのですが、
出会った時から一貫して健太の態度があまりに緊張感の無いものであったので、
マーベラス達は健太にそんな深い意図があるとは思わず、
ただ単にふざけて思いつきで遊んでいるだけだと解釈して、とんだ迷惑だと思っていたのでした。

しかも健太はご丁寧に6人を諸星学園高校の制服に着替えさせて、
見た目も完全に生徒になりきらせてしまいました。
そうして、簡単な手続きやら着替えやらをしているうちに、午前中の最後の授業が始まり、
それもそろそろ終わろうかという時間になり、やっと6人は解放されて、
いざ体験入学生活を送る時間がスタートしました。

6人並んで授業中の校舎の廊下を歩きますが、早めに授業が終わった教室の生徒たちは廊下に出てきていて、
歩いてくるマーベラス達を見てクスクス笑ったりして、皆、見知らぬ6人組が珍しいようです。
この制服ですが、まさに「メガレンジャー」の諸星学園高校の制服が再現されており、
男子は詰襟の学ラン、女子はブレザーという組み合わせです。

ブレザーの上着を脱いで肩に担いだ、白いワイシャツの上にクリーム色のニットのベスト姿のルカは
「生徒になれって・・・意味分かんないんだけど?」と、歩きながらブツブツ文句をこぼします。
誰か意味は分からないのか?という問いかけでもあるのですが、皆、無言です。
単に健太にからかわれているのだと思っているようです。

そういえば健太のノリは何処となく、カーレンジャー篇の時にマーベラス達が出会った陣内恭介に似ています。
あの時も結局、「大いなる力」を貰うために恭介の変なお遊びに付き合わされた。
それと似たようなものなのだろうとマーベラス達は解釈して、仕方ないという表情をしています。
そういう先入観があるから、誰も健太の行動の意味など考えようとはしていません。

ジョーは学ランの前ボタンを全開にして中から青いTシャツを見せ、
何故かクールな印象の縁無しメガネをかけていて、インテリ不良っぽいムードで無言で不機嫌そうな顔で歩き、
ハカセは学ランの詰襟を一番上まで律儀にとめて、何故か黒縁の大きなメガネをかけています。
というか、メガネも健太が指定したものなのでしょうか?
確かに意味不明です。
しかし長髪メガネの不良スタイルのジョーもかなりのインパクトですが、
ハカセの金髪モジャモジャヘアに太いフレームの黒縁メガネの真面目っ子スタイルも、
ほとんどコントにしか見えません。

一方、ブレザーの制服をカッチリとキュートに着こなしているアイムは
健太の指示の意味などどうでもいいようで「私は楽しいです!」とウキウキしています。
アイムとしてみれば、健太のよく分からない指示のお蔭で、遂に念願の学校生活を送れるのですから、
嬉しくって仕方ないのです。

ちなみに、マーベラス一味の面々の年齢はバラバラですが、皆、高校生よりは少し上ですから、
今さら高校生の恰好をするのは少し照れ臭いはずの年齢となりますが、
彼ら自身が学校というものをそもそもよく知らないので、そうした年齢的な気恥しさというものは無いようです。
ただ、その中で唯一、鎧だけは普通の地球人であり、普通に高校に行っていた者です。
年齢的には高校を出て間もないくらいの、一味の中では一番の若手で、
鎧ぐらいの年齢ならば制服を着てもそんなにまだ恥ずかしくはなく、むしろ懐かしさがあるようで、
鎧も「俺もです!」とニコニコ笑ってアイムに同意し、この体験入学が楽しいという感想を示します。

鎧はさすがに地球人の若者だけあって、6人の中では最もリアルな感じの制服の着こなしをしており、
詰襟の第1ボタンまで外して、袖は折り曲げて半袖状にして、
足元は派手めソックスでアクセントをつけています。

そして、一番後ろをチンタラと歩いているマーベラスは当然というべきか、
学ランの前ボタンを全開にして、中から赤いシャツを見せている不良スタイルで、
ふてぶてしい面構えで周囲に威圧感を撒き散らしながら歩いています。
どう見ても番長です。

ところがそのマーベラスは、曲がり角のところに差し掛かると、
コッソリと角を右に曲がって5人から離れて別の方向に行こうとします。
鎧がそれを見咎めて「ちょっと・・・何処行くんですか?教室はあっちですよ?」と自分達の進行方向を指さすと、
マーベラスは鎧を睨みつけて「いいだろ別に?授業を受けろとは言われてねぇよ!」と言うと、
そのまま右方向に進んでいってしまいました。
要するに嫌いな勉強をさせられるのは嫌なので、逃げたのです。

しかし確かに健太はこの学校の生徒になれとは言ったが、授業を受けなければいけないとは言っていません。
要するに生徒の恰好をして学園内でウロウロしていれば条件はクリアされるはずだとマーベラスは気付いたのです。
そういうしょうもないことだけは妙に察しがいい。
このズルい考え方には当然、やはり勉強嫌いのルカも賛同し、やけに眠たそうなワザとらしい態度で
「じゃ、あたしもさっきの部屋で一眠りするかなぁ!」と独り言を言いながら、
元来た道を引き返してデジ研の部室に向かいます。
学校を知らないクセに授業のサボり方は本能的に知っているようです。

マーベラスを追いかけようとしていた鎧はいきなりのルカの逃走に「ちょっとぉ・・・」と慌てて、
どっちを追いかけようか迷い、
そのスキに今度はジョーが無言で進行方向に向かってスタスタと早足で逃走していきます。
ジョーもじっと黙って歩いていましたが、ホントは授業は嫌だったみたいです。

鎧は3人に一気に逃げられて混乱します。
そんないい加減なことをして健太に叱られるのではないかと不安なのです。
一方、真面目人間のハカセも2方向を交互に見て「ルカ!・・・ジョーまで!」と狼狽えます。
ハカセの場合、授業が嫌とかいうわけではなく、
こんなよく分からないシチュエーションで仲間においてけぼりにされるのが不安のようです。

鎧は逃げていったルカとジョーに「不良になれとも言われてませんよ!」と怒鳴りますが、
もともと不良の2人は当然無視して遠ざかっていき、
鎧は悔しげに結局、マーベラスの逃げていった方向に駆けて行きます。
そしてハカセは「ルカ!待ってよ・・・」と、結局はルカを追いかけていき、
1人その場に残されたアイムは「・・・あらまぁ・・・」と呆れます。

しかし、アイムも学校とはなんだか遊園地のような楽しい場所というイメージしか無いので、
鎧までいなくなった今となっては、わざわざ授業を受けるつもりもなく、
ニッコリ悪戯っ子のように微笑むと「では、私も探検に!」と、
教室とは違う方向に歩き出していったのでした。

さて、そうこうしているうちに授業時間はすぐに終わり、昼休みの時間になります。
マーベラスが逃げていった先には体育館があり、
マーベラスはそこから何か騒がしい音が聞こえてくるので、不審に思い、体育館の中を覗きこみます。
まぁマーベラスはそこが体育館だということも分かっていないのですが、
そこの中では学生服とは違う服装の5人の男子生徒が1つのボールを床にぶっつけながら取合っていました。

マーベラスはその5人が何をしているか分かりませんでしたが、
なんだか5人が楽しそうだったので思わず惹きこまれて、体育館の入り口に立って、
じっと5人を見ていました。
そこに鎧が追い付いて来て、マーベラスが体育館の中の体操着を着た5人組に興味を持っているのに気づき、
微笑みながら「ああ・・・バスケットボールですよ!あそこの籠にボールを入れて得点を競うんです」と、
マーベラスに教えます。

この「ゴーカイジャー」の物語世界、
マーベラス達が地球の事柄で知っていることと知らないことも境界線がかなりテキトーで、
確か第32話ではハカセはサッカーは知っていましたが、
マーベラスはバスケットボールは知らなかったようです。
ただ、マーベラスは鎧の説明を聞いて、実際に生徒たちがドリブルしたボールをゴール下まで運んで
シュートを決めるのを見て、なんとなくどういうものか把握したようで、
「フッ!なかなか面白そうじゃねぇか!」と言うと、土足のまま体育館の中に入っていきます。

これはいけません。体育館では体育館シューズに履き替えないといけないのですが、
マーベラスはそんなことは知りませんから、お構いなしです。
鎧は追いかけようとしますが、自分も土足だと気付き、慌てて靴を脱ぎます。
その間に土足でダッシュしたマーベラスは、
生徒の1人が投じたロングシュートをゴール前で飛び上がってキャッチして、そのまま宙返りして着地します。

まるでマンガのようなデタラメなマーベラスの身のこなしを見て、生徒たちは「おお〜!?」と驚きの歓声を上げ、
マーベラスはボールを握ったままニヤリと笑って振り向くと「俺も混ぜろ!」と言います。
マーベラスはなんだか楽しそうな遊びを発見したので、この遊びで体験入学時間のヒマを潰そうと思ったのでした。

一方、デジ研の部室に戻ったルカは、扉を開いて中に入ると、
さっきは自分達以外は誰もいなかったはずのその部屋の中に知らない2人の生徒がいるのを見つけて
「あら?先客?」と少し驚きます。
生徒は男子が1人と女子が1人で、ルカが部屋に入ってくると「・・・誰?」と驚きます。
2人の生徒にしてみれば、諸星学園高校の制服を着ているが見たことのない顔の謎の女生徒であるルカの方が
この部屋では正体不明の闖入者であるようでした。

つまり、この2人はこの部屋の真の主であるデジタル研究会の部員であるようなのですが、
ルカはそもそも「デジタル研究会」というものが何なのかすら分かっていないので、
ここがその部室だとも思っていません。
誰なのかと問われたのでニヤリと笑って正直に「宇宙海賊・・・」と答えて
2人の向かって座っている大きなテーブルの向かいの椅子を引いて、腰かけます。

2人の生徒は正体不明の女生徒が海賊だと名乗るので何が何やら分からないようで「え?」と驚きますが、
ルカはテーブルの上に2人の生徒が広げている参考書を手に取って、
「うわっ・・・今、休み時間なんでしょ?よくやるわぁ!」と呆れた声を上げました。
2人の生徒は昼休みの時間を使って部室で受験勉強をしていたようですが、
勉強嫌いのルカには授業時間以外の時間にわざわざ勉強する人間の心理は全く理解出来ないのでした。

そこにルカを追いかけて部室に入ってきたハカセが
「あのねぇ、世の中、勉強が嫌いな人ばっかりじゃないの!」とルカの失礼な態度を注意して参考書を取り上げて、
「ごめんね・・・勉強続けて!」と2人の生徒に笑いかけて参考書を返します。

2人は真面目で少し気弱そうなメガネの男子生徒と、清楚で大人しそうな優等生タイプの女子生徒でした。
男子生徒の方はどう見ても学園の生徒ではない金髪モジャモジャ男に親切にされて恐縮したように、
ハカセに向かって「あ・・・いえ・・・どうせ詰まってたところだったし・・・」と言って気を遣い、
女子生徒も「あ・・・あの、この問題が分からなくて・・・」と、ちょうど行き詰っていたことを説明します。

すると、ハカセは問題の解き方を質問されているのだと勘違いして、
その女子生徒が指し示した問題を見ると、立ち上がってその女子生徒の横に座って、
「その問題はね、こうやって解くといいよ!」と、すらすらと、その問題の解き方を教え始めたのでした。
それを見て、2人の生徒は顔を見合わせて「あ、そうかぁ・・・」と感動します。
ハカセの教える解き方は2人にとって目からウロコのような発見であったようで、2人は大喜びです。

ハカセって実は、というか、やはり、勉強出来たんですね。
しかもかなり優秀みたいです。
普段のマーベラス一味の暮らしの中では、そういうハカセの才能って発揮されるチャンスはあまり無いようですが。

ハカセは2人が満足してくれているのを見て、嬉しそうに「ね?」と笑いかけます。
すると女子生徒は別の参考書を持ってきて
「あと、こっちの問題も分かんないんですけど!」と、すっかりハカセに懐いています。
ハカセは身を乗り出してメガネを弄りながら「・・・これはねぇ」と、
すっかり先生のように説明しはじめるのでした。
その意外なハカセの大活躍を呆然と見ていたルカは
「・・・やるじゃん・・・!」と柔らかく微笑んでハカセを見つめるのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 07:59 | Comment(1) | 第39話「どうして?俺たち高校生」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第39話「どうして?俺たち高校生」感想その4

マーベラス、鎧、そしてルカとハカセも、なんだかそれなりに学園生活を楽しみ始めたその頃、
昼休みの学園内の中庭に1人で佇んでいるジョーのところにアイムがやって来て
「何か面白いものありました?」と尋ねます。
ジョーはとりあえず授業から逃げ出したはいいものの、
何もやることがないので中庭で呆然と昼休みの生徒たちを観察していたようです。
一方アイムは何か噂で聞いていたような面白いことが無いものかと期待してあちこち見て回ったものの、
どうもそれっぽい楽しいことを発見できず、中庭でジョーを発見したので、
何か面白いものが無いか尋ねたのでした。

ジョーはいきなりアイムに変な質問をされて狼狽えます。
実はさっきはアイムの前では学校に興味無さそうにしていましたが、
こうして生徒たちを見ているうちに意外と面白いと思い始めていたのです。
それをいきなりアイムに見破られてしまったように感じて狼狽えたわけですが、
それでも素直に、ちょうどジョーが一番興味を持っていたものを指し示します。

ジョーは慌てて真っ直ぐ前を指さし「いや・・・あの女、さっきからずっとああなんだが・・・?」とアイムに言います。
ジョーの指さす先には1人の可愛らしい女子生徒が渡り廊下の出口付近に隠れるように立って、
渡り廊下を歩く生徒たちをチラチラ見ていました。
その女子生徒の手にピンク色の巾着袋のようなものが握られているのを見て、
アイムはフフッと楽しそうに笑い、「・・・あれは、きっと・・・!」と言います。
ようやくアイムは噂に聞いていた学校の楽しいことに遭遇したのでした。

一方、ジョーはアイムが何を嬉しそうにしているのかよく分かりません。
女子生徒の謎の行動についてもよく分からないままでしたが、
アイムが固唾を呑んで女子生徒を見守り始めたので、つい一緒になってジョーも女子生徒を見守ります。
そうとは知らない女子生徒は、渡り廊下に現れた1人の長身のイケメンの男子生徒を発見すると、
ハッとして声をかけようとしますが、怖気づいたように下を向いて黙ってしまいます。
その間にその男子生徒は女子生徒には気付かずに通り過ぎていきます。

アイムは思わず一歩踏み出し、女子生徒に無言でエールを送ります。
つまり、この女子生徒は憧れの男子生徒にアプローチしようとしているようなのです。
学校というのはそういう素敵な乙女の願いが叶う場所だと、アイムは誰かに教えてもらったことがあるようで、
今まさにその瞬間に立ち会って、アイムは我が事のように女子生徒を応援していました。
ジョーも何だかよく分からないが、アイムが女子生徒を異常に応援しているのを感じて、
一緒に女子生徒を応援します。

すると、その念が後押ししたのか、女子生徒は思い切って
「あ、あのぉ・・・先輩・・・」と言いながら駆け出しますが、
なんと蹴躓いて「きゃっ!?」と倒れ込んでしまい、
先輩と呼ばれたその男子生徒は女子生徒には気付かないまま、歩き去っていってしまったのでした。
アイムとジョーは驚いて女子生徒を心配そうに見つめます。

女子生徒は起き上がり、転んだ拍子に手から離れて転がってしまった巾着袋を拾い、
袋の中から弁当箱を取出し、フタを開けます。
見ると、中は転がった影響なのか、グチャグチャになってしまっています。
それを見て女子生徒は「うそぉ?・・・こんなの、もう渡せない・・・」と嘆くのでした。

どうやら女子生徒は憧れの先輩との距離を縮めるために手作りのお弁当を作ってきて、
昼休みに一緒にお弁当を食べようと誘おうと思っていたようです。
しかし、あと一歩で先輩に声をかけるところまでいったのに、ドジにも転んでしまったので先輩は行ってしまい、
お弁当は台無しとなって計画は大失敗に終わったのでした。

ところが、女子生徒が弁当を見つめて嘆いていると、
そこにさっき歩いていってしまったはずの先輩がしゃがみ込んできて「大丈夫?」と尋ねてきたのでした。
女子生徒は予想外の展開に「あ・・・先輩・・・!」と絶句します。
先輩はさっき渡り廊下のあたりで後輩の女の子が呼ぶ声がしたような気がして、舞い戻ってきたら、
そこでやはりその後輩が居て、弁当箱を握り締めて嘆いているのを発見したのでした。

「もしかして、それ俺に?」と先輩は尋ねます。
ちょっと自意識過剰っぽいようにも思えるセリフですが、
まぁ多分、この女子生徒がこの先輩のことを好きだというのは
ほとんどバレバレの公然の秘密のようなことなのでしょう。

それに対して女子生徒は「違うんです!これは、あの・・・」と慌てます。
いや、違うことはなくて、この弁当は先輩のために作ってきたはずなのですが、
こんなグチャグチャになってしまったものを食べてくださいとも言えず、
「先輩のために作ってきました」と言いたくても正直に言えない状況なのでした。まさに乙女心です。

ところがこの先輩、いきなり弁当箱の中の卵焼きを掴んで口に放り込み
「・・・うん!美味いじゃん!」と爽やかに笑います。
女子生徒は「・・・え!?」と驚きますが、美味いと言われて嬉しくてデレデレになって、
結局、2人仲良く連れだって行ってしまいました。

なんともベッタベタな学園ラブコメですが、
まぁ要するに先輩の男子生徒は後輩の女子生徒が弁当がグチャグチャになったので
本心を言えなくなって困っていると気付いて、さっさと食べてあげて助け舟を出してあげたわけです。
もう先輩が勝手に食べてしまった以上、グチャグチャだから渡せないとか、
先輩のために作ったと言いづらいとか、そういう心配はもう自動解消してしまったわけで、
しかも美味しいと言ってもらえて女子生徒は安心して、いつもの明るい表情を取り戻したわけです。
結局、勇気を出して踏み出した結果、ドジをして転んだのですが、
そのお蔭で、先輩の優しさを知って女子生徒は幸せな気分になったのでした。

まぁしかし、このベタベタのラブコメ的展開は今回のエピソード的にはどうでもよくて、
大事なのはそれを見守っていたアイムとジョーの方です。
仲良く歩いていく2人を見送って、
「ステキですね・・・なんか青春って感じで!」とアイムはニッコリ微笑んでジョーに言います。
最初は単に面白そうだと思って見ていたアイムでしたが、
気が付けば思いっきり女子生徒に感情移入してドキドキしまっていて、
女子生徒の想いが叶って良かったと心から喜んでいました。

ジョーはアイムの「青春」という言葉を聞いて、ようやく女子生徒が告白しようとしていたのだと気付き、
事情もよく分かっていないのに思わず女の子を応援していた自分が可笑しくなり、少し笑みを漏らします。
そして、面識も無く、事情をよく知らないのに、何かに一生懸命になっている者を応援してしまいたくなる、
この妙なシンパシーが「青春」というものであり、
学校に行けなかったというアイムが憧れていたというのは、
こういう大勢の仲間の集まる場での青春だったのだと気付きました。

それはジョーの経験したザンギャックの兵士養成所とは明らかに違っていました。
ザンギャックの兵士養成所は皆が1つの目的に向かって同じことをしていましたが、
この学校という場は、皆がそれぞれ自分の願いや望みを叶えようとして一生懸命な場なのであり、
だから皆、遊んでいるわけでもないのに楽しそうなのです。
そして互いの目指すことが違うから、足を引っ張ったり相手を蹴落としたりするのではなく、
互いの夢を応援しようという気持ちになれる場なのだと気付きました。

ただ、自分までそんな気持ちになっていることがジョーは可笑しかった。
それはきっと、この学生服というやつを着ているせいなのだろうとジョーは思いました。
それで、ジョーはふと、健太がこんな服まで着せて自分達に学園生活を体験させたのは、
このことを気付かせるためだったのではないかと考えました。
そのジョーとアイムの様子を、健太が物陰から覗き見て、満足そうに微笑み、頷いていたのでした。

場面は変わって、デジタル研究会の部室では、
勉強は一休みして、部員の男女の生徒2人とハカセとルカが打ち解けて雑談タイムとなっていました。
ハカセは2人がそんなに一生懸命勉強しているのは何故なのか聞いて、
2人はそれぞれなりたい職業のために勉強しなければならないという事情を説明します。
それによると、女の子の方は弁護士になりたいとのことで、男の子の方は医者になりたいとのことでした。
そりゃあ確かにだいぶ勉強しなくちゃいけません。

話を聞いて「へぇ〜・・・じゃあ君が弁護士で、君が医者を目指してるんだ?」とハカセが感心すると、
メガネの男子部員の方は「うん・・・でも、イマイチ成績が微妙で・・・」と少し自信無さげです。
女子部員の方も「もともと、勉強が得意ってわけではなかったし・・・」と言います。
2人とも目的達成への道はそんなに順調というわけではないようです。

とにかく今はまだ高校生ですから、弁護士になるにしても医者になるにしても、
まずは大学に進学しなければいけないし、その学部も限られてきます。
そうなると受験科目も自ずと決まってくるのですが、そのうち1つでも苦手科目があれば致命的です。
どんな学部でもいいというのなら自分の得意科目に合わせた選択を出来るのですが、
高校時代から将来の職業を心に決めて受験するとなると受験の選択肢が狭くなって大変なのです。
しかし、大成する人というのは、そのように若い時から目標を絞って
自分を追い込むという道を経てきた人が多いのもまた事実です。

まぁそういう真っ当な人生設計のことがルカのような波乱万丈タイプの人生を送ってきた人間には分かるはずもなく、
2人の部員の話を聞いていたルカは不思議そうな顔をして「他の道、探そうとは思わなかったの?」と問いかけます。
「え・・・?」と驚いたように男子部員は問い返します。
女子部員の方もキョトンとしています。
ルカは2人が自分の言葉に驚いている理由が分からず、何か変なことを言ったのかなと思いながら
「・・・苦手なんでしょ?・・・勉強・・・」と確認します。

ルカは2人が勉強が苦手だと言っていたので、
勉強しなければなれないような職業に就こうとしているのが理解出来なかったのでした。
世の中には勉強は出来なくても出来る仕事はいっぱいあるし、
その中には医者や弁護士よりもお金儲けの出来る仕事だってあります。
勉強が苦手ならわざわざ医者や弁護士になろうとして苦手な勉強を嫌な思いをしてまでしなくていい。
勉強しなくてもなれる仕事を目指した方が効率的だ。
自分ならそうするのに・・・とルカは思ったのでした。

実際ルカはスラムを出た後、お金儲けのために医者や弁護士になろうとは思わなかった。
普通に商売をしてお金を儲けようとしたのです。
ただ、その才覚も無くて、結局は盗賊になり、海賊になったわけですが、
それはそれで結局はそれが天職だったのだと思って後悔はしていません。
とにかく勉強など出来なくても人間は生きていけるし、お金だって稼げるというのがルカの信条です。
勉強しなければなれない仕事には勉強が好きな人が就けばいい。
勉強が嫌いなのに勉強しなければなれない仕事を目指す必要は無いだろうとルカは思ったのでした。

男子部員はルカの言葉を聞いて、
確かに他人から見れば、自分達は無駄な苦労をしているように見えるのかもしれないと思い、
「うん・・・」と下を向いて考え込みますが、
すぐに顔を上げて、ルカに向かって「でも、夢を叶えたいから・・・!」と言うと、
隣の女子部員と顔を見合わせ、頷き合いました。

それを見て、ルカはこの2人が医者や弁護士になりたいのは、別に金儲けのためではなく、
医者や弁護士でなければ出来ない何かをやることが夢だからなのだと分かったのでした。
医者や弁護士になることや、そのために苦手な勉強をすることも、
その夢を実現するための避けて通れない手段なのであり、
だから、夢を実現するためならば自分には乗り越えることが困難な勉強の苦労にも
挑戦しようとしているのだということがルカには理解出来たのでした。

そして、それは自分達と同じなのだと分かりました。
ルカ自身も孤児たちの安心して住める世界を作るという夢を実現するためにお金を必要としているだけのことで、
お金儲けそのものが目的なのではなく、それは夢を実現するための手段なのです。
本当はお金儲けが好きなわけでもないし、実は得意でもない。
本当は根が素直で人情家のルカはお金儲けには向いていないのです。

でも、夢を実現するために、最終的にマーベラス達を裏切るかもしれないという可能性も含めて、
心を鬼にして踏ん張らねばいけないとも思っています。
このようにやっていることや目指していることはかなり違うが、
ルカもこの2人の生徒も、夢に向かって頑張っているという点では同じであり、
しかも夢を掴もうとする者同士、この2人は絆で結ばれている。
そう思うとルカはこの2人に親近感が湧いて、応援したくなって、
「・・・そっか・・・頑張んなよ!」とニッコリ笑いかけ、2人の生徒は「はい!」と明るく返事します。

なお、この2人のデジ研の生徒は、
真面目な優等生タイプの男子生徒と女子生徒というのは、
「メガレンジャー」本編での、メガブラック遠藤耕一郎、メガイエロー城ヶ崎千里に対応しているキャラであり、
その前のアイムとジョーの場面に出てきた、恋愛体質の女子生徒とモテ男風の男子生徒は、
「メガレンジャー」本編でのメガピンク今村みく、メガブルー並樹瞬に対応しているキャラだといえます。
今回、レジェンドゲストはメガレッドの伊達健太だけですが、
初期メンバーの他の4人に関しては類似の学生キャラを出すことで間接的に登場させているのだといえます。

さて、ハカセはデジ研部員の2人に優しくエールを贈るルカの様子を微笑ましく見守りつつ、
何時になくルカが素直であることに少し驚きます。
いつもならもう少し毒舌を吐きそうなものです。
何故そう思うのかというと、この2人の夢があまりにもささやかなものだからでした。

マーベラス一味というのは、何せ船長のマーベラスが「宇宙最大のお宝」という
何だかよく分からないぐらい巨大な夢を追いかけており、それに共感した連中が集まっていますから、
皆、基本的に大きな夢を持っているのです。
その中でハカセの夢はささやかなものです。
だから、ハカセは多少引け目を感じてしまうところがあります。
そういうハカセの目から見ると、マーベラス一味の皆は、夢が大きいのは良いことなのだが、
ささやかな夢を地道に追いかけているような者に対する理解には乏しくなる傾向があると思えていました。

だから、ハカセはルカがこの2人の生徒のささやかな夢にこんなに素直に共感したことは、
ちょっと予想外に嬉しかったのでした。
そして、それはたぶん普段のスケールの大きな戦いや冒険の日々の中では
有り得なかったことなのだろうと思いました。
こうして学生の姿をして、学校生活に入り込むことで、初めてそのような気持ちになれた。

そういえば、今までマーベラス達は、あまりに昔から波乱万丈の生き方をしてきたために、
このように学生生活の中で友人と普通のささやかな夢を語り合ったりした経験が無いのだろうということに
ハカセは気付きました。
だから、普通の人達もささやかな夢を抱いて生きているということに理解が足りない傾向がある。
もしかしたら、そのことを気付かせるために健太は自分達に体験入学をさせようとして
待ち構えていたのではないかと、ふとハカセは思いました。

そのデジタル研究会の部室の扉の外には、何時の間にか健太が立っており、
中の様子を窺って満足そうに微笑み、また何処かへ歩いていったのでした。
やはり、健太は別にふざけてマーベラス達を体験入学させたわけではなく、
この体験入学を通してマーベラス達に何かを気付かせたいようです。
そして、それはメガレンジャーの大いなる力を引き出すための精神性に繋がることであるようです。
そして、教え子の成長を見守るように、ついマーベラス達の変化と成長が気になって、
見守って回ってしまうようです。

そうなると、次は健太はマーベラスの居るところにも潜んでくると予想されますが、
そのマーベラスは体育館でバスケットボールに夢中になっていました。
マーベラスが乱入したことによって、それまでは2対3でボールの奪い合いをしていた5人組は、
マーベラスの入った3人チームと、残り3人のチームとの3対3のゲームとなっており、
鎧はそのゲームには参加せず「マーベラスさん!怪我、気を付けてくださいね!」と声援を送ります。
鎧が参加しないのは、体育館シューズが無いからでもあるのですが、
マーベラスは土足のまま平気でゲームを楽しんでいます。

5人は明らかにバスケ経験者であり、
マーベラスの敵チームの3人は巧みなディフェンスでゴール下を死守しますが、
マーベラスはバスケ初心者にもかかわらず、規格外のジャンプ力で、
フリースローラインのあたりからジャンプしてそのままダンクシュートを「うりゃあ!!」と決めます。
この常識外の身体能力に、敵側3人だけでなく味方の2人までも「何だ今のは!?」とたまげます。

マーベラスはどうやらこの反則みたいな動きを連発しているようで、
5人は呆れて「ウソだろぉ?初心者にボロ負けだよ!」と、ガックリしてしまいます。
いやまぁ、初心者とかいう問題じゃなくって、
こんな地球外生命体に負けてもそんなに落ち込まなくてもいいとは思うのですが。
ちなみにマーベラス役の小澤亮太さんはバスケ経験者だそうで、
実はこの反則的な動きの合成カット以外は結構いい動きをしています。

ただ、この5人が落ち込んでいるのは単にマーベラスに負けたからではないようです。
確かにマーベラスの動きは規格外でしたが、
マーベラスのハイレベルの動きに振り回されることで、自分達の現時点での技術の限界に気付いてしまったようで、
それが彼らに焦りを感じさせているようです。
「もっと練習しないとヤバいかもな・・・」と、5人は膝をついてうなだれてしまいます。

マーベラスは単にボール遊びを楽しんでいた感覚だったので、
急に5人が深刻なムードになったので驚き「・・・どうした?」と問いただします。
単なる玉遊びで負けたぐらいでそんなに落ち込まなくてもいいだろうとマーベラスは思ったのでした。
しかし、5人のうちの1人が立ちあがって「俺たち、全国大会で優勝するのが夢なんス!」とマーベラスに言い、
「なぁ!?」と皆に同意を求めると、他の4人も「ああ!」と応えたのでした。

つまり、この5人は単に体育館で遊んでいた生徒だったのではなく、
バスケット部のレギュラーメンバーが自主練をしていたようなのです。
しかも全国大会の優勝を狙っているというのだから、結構上手いのでしょう。
彼らは漫然と玉遊びをしていたわけではなく、全国大会優勝という夢を掴むために、
レベルアップを図って昼休みの時間を使って自主練をしていたのでした。
そして、その夢を掴もうという想いで5人は結ばれている。

マーベラスは全国大会優勝というものがどれほど大変なことなのか、イマイチ分かりませんでしたが、
とにかく5人が困難に挑戦しようとして力を合わせていることは理解出来て、
自分達と同じなのだと感じました。
そして、何といってもマーベラスにとって新鮮な驚きであったのは、
こんな玉遊びを通じて彼らが夢を持つことが出来ていることでした。

マーベラスの生きてきた世界では、
夢というものは命がけの覚悟が無ければ追いかけることが出来ない大変なものでした。
しかし、ここでは、そんなに大それた夢ではないとしても、
それでも確かに夢を掴もうとする者特有の純粋さが、こんな玉遊びのゲームの中に存在するのです。
そう考えると、ここの学生たちが皆、妙に楽しそうにしているのは、
みんながそういうささやかな夢を掴もうとしているからなのかもしれないとマーベラスには思えて、
「・・・夢か・・・悪くねぇな!」と、マーベラスは目を輝かせます。

自分達のようにひたすら大きな夢を追いかけるのももちろん良いが、
ここの生徒たちのように、ささやかな夢を追いかけるのも悪くないと、マーベラスには思えました。
夢の大小は競うようなものではないと分かってはいつつも、
普段は自分達の大きな夢しか知らないマーベラスにとっては、
彼らのささやかな夢はとても新鮮で、それでいて自分と本質は同じなのだと思えて身近に感じられました。

そして、自分がこれまで彼らのような夢を知らなかったのは、
自分が学校という場所に行ったことがないからだと気付きました。
学校という場所はこういうささやかな夢がいっぱい育てられる場所なのだが、
学校を知らなかった自分は今まで、戦うや冒険の日々の中、
こういうささやかな夢の存在を意識することが出来ていなかった。
だから健太はこの自分達に足りないことを教えるために、
自分達を体験入学させたのだとマーベラスは気付いたのでした。

鎧もマーベラスの様子を見て健太の意図を察したようです。
確かに、考えてみれば、メガレンジャーの大いなる力を渡したくて
健太がマーベラス達の来るのをひたすら待っていたというのはおかしな話です。
単に渡すだけなら健太がガレオンに出向いてくればいい。
つまり健太が諸星学園高校にマーベラス達が来るのを待たねばならなかったのは、
実はマーベラス達にはまだメガレンジャーの大いなる力を引き出すに足る精神が備わっておらず、
それを獲得するためには、この諸星学園高校における体験入学が必須だったからなのです。

そのことに鎧は気付きました。
そして鎧はマーベラスも同じようにそのことに気付いて、
そのメガレンジャーの精神を理解してくれたのだと分かり、
嬉しくなってバスケ部の皆にも飲み物を差し入れたくなり、
「俺、なんか飲み物買ってきます!」とはしゃいで体育館の外に駆けだしていきました。

マーベラスの方は「よっしゃ!しごいてやる!いくぞ!」と、
まるでバスケ部員たちのコーチ気取りで、張り切ります。
マーベラス自身はバスケは初心者でしたが、
武術の訓練などの経験上、身体を動かすスポーツの鍛え方は何となく分かるのでした。
そうして再びコートではマーベラスとバスケ部員たちが動き回るようになり、
激しくシューズやボールの音が響き渡り始めるのでした。

その体育館を健太がまた物陰ならコッソリと覗いて
「あいつらにも、ちょっとは伝わったかな・・・?」と言って優しく微笑みます。
やはり、健太はマーベラス達にメガレンジャーの大事な精神を伝えるためにこの体験入学を仕組んだのでした。

そして、健太の見るところ、その成果は上々というとことであるようです。
そうして安心したように健太が体育館をそっと立ち去ろうとしたところ、
目の前の曲がり角に異様な物体を発見して、目を見張って立ち止まります。
そこには「ウキッ!ウキキッ!」と鳴きながら猿がひょっこり顔を出していたのです。

「・・・猿・・・!?」と驚く健太に向かって、その猿はお尻ペンペンして逃げ出します。
「待て!!」と健太は追いかけます。いい加減そうな教師に見えますが、
健太は根は真面目で真っ直ぐな男ですから、
学校周辺に猿が出没して生徒に怪我でもさせたら大変だと思い、捕まえようと思ったのでした。
しかし体育館の外に猿を追って出てみたところ、猿は見当たりません。
「あんにゃろ!何処行きやがった!?」と健太がキョロキョロしていると、
体育館の脇の通用門の向こうに猿が立って「ウキッ!ウキッ!ベェ〜!」と、あっかんべぇをして挑発してくるので、
健太は頭に血が昇って「・・・猿が!」と追いかけていきます。

というか、この猿はどう見てもバスコの飼っている宇宙猿のサリーなのですが、
健太はバスコやサリーに関する情報は知らないのか、無警戒にどんどんサリーを追いかけていってしまっています。
健太というヤツは飄々として軽薄っぽく見えますが、実は熱い男で、戦いとなると猪突猛進型であり、
ここでも見事にサリーの挑発に乗ってしまっています。
その健太の姿を、ジュースを買って体育館に戻る途中の鎧が見かけて、
「あれ?・・・健太さん・・・?」と、何やらおかしな様子の健太のことが気になって、後を追い駆けます。

そうして健太はサリーを追いかけて学園の裏山の林の中にやって来て、そこでサリーを見失ってしまいました。
「あの猿、何処行きやがった?」と周囲を見回す健太に「ウキッ!」という鳴き声が上から聞こえて、
見上げると木の上にサリーが登っています。
健太がサリーを見上げると同時に「やっほぉ〜・・・元メガレッドの、セェ〜ンセ!」という声がして
、一瞬、猿が喋ったと驚いた健太の目の前に、サリーの登った木の陰からバスコが歩み出てきました。

やはりサリーが健太を挑発したのは、バスコがこの林の中に健太を誘い込むための計略だったのです。
バスコは今回の冒頭のシーン以来の登場となりますが、
どうやら今回の冒頭のバスコのシーンと、その次のガレオン船室のシーンとの間には
実際は1〜数日レベルのかなり時間差があるようです。
バスコは冒頭のシーンでワルズ・ギルの死による情勢変化を予感して地球に向かい、
マーベラス達が諸星学園高校に来る以前には、この近辺には既に到着して色々と仕掛けをしていたようです。

つまり、バスコはワルズ・ギルの死によってザンギャック皇帝が地球に襲来して
「宇宙最大のお宝」探しに支障が生じてしまう前に
「大いなる力」を全部引っ張り出してしまおうと思って行動を開始し、
その初っ端にメガレンジャーの大いなる力を狙って、この諸星学園高校にやって来たのです。
健太が元メガレッドであることを嗅ぎつけたのは、
鎧でも入手可能であった情報をバスコもまた入手し、
それを鎧とは違ってしつこく調べ上げた結果なのでしょう。

一方の健太の方はバスコを知らないらしく、「お前は・・・?」と呆然と突っ立ったままです。
もうバスコに狙われそうな残りのスーパー戦隊も少ないのだから、
スーパー戦隊側ももうちょっとバスコに関する情報を回覧して警戒を呼び掛けるとか、
やった方がいいと思うんですが、
どうもスーパー戦隊は各戦隊の自主性に任せる方針のようで、横の連絡はかなり疎かな印象です。

そこに鎧が走り込んできて、バスコの姿を見て驚き、
「バスコ!?」と叫びながら健太の前に駆け込んでバスコを睨みつけ
「気をつけてください!健太さん!・・・あいつはスーパー戦隊の大いなる力を狙ってるんです!」と言って
身構えます。
バスコはマーベラス達も諸星学園高校に来ていたとは知らなかったようで、
いきなり鎧が現れたのでいささか驚いて「ありゃあ!また鉢合わせちゃったか!」と声を上げます。

バスコとしては本当は残りの「大いなる力」はマーベラス達に渡してしまっても構わないのです。
しかし、今回に関しては既にみっちり仕掛けをしてしまっている以上、
今さらバスコも退くわけにはいかない。
必然的に自分が「大いなる力」を手に入れることになる。
いや、早くそうしなければ、むしろ健太たちにとってマズいことになるのだと思っていますので、
鎧の登場にはあまり動じることもなく、「・・・まぁいいや・・・さっさと取引、済ましちゃおか・・・」と、
予定通りのプランを進めます。
しかしバスコの言うことの意味が分からず、健太は「取引・・・?」と怪訝な顔で問い返します。

その頃、昼休みの続く諸星学園高校の校内では、
デジ研の部室にマーベラスが半ギレ状態で「おい!鎧の野郎、戻ってねぇか!?」と怒鳴りながら入ってきました。
部室の中にはデジ研の本来の部員の例の2人と、ハカセとルカ、そして中庭から戻ってきたジョーとアイムが居て、
ジョーは日課の腕立て伏せをしています。
マーベラス一味の面々はこの部屋がデジ研の部室だという認識が無いようで、
自分達に与えられた控室のようなものだと思っているようです。
デジ研の2人もあまりにマーベラス達が堂々と居座っているので、ついつい何も言えないようです。

マーベラスが怒鳴りながら入ってきて、デジ研の2人は(また来た)と驚きますが、
マーベラスは一向に意に介さず、中には鎧の姿が無いと分かると、
「・・・チッ・・・いねぇのか!」と舌打ちして椅子を引いて不機嫌そうにドカッと座ります。
マーベラスは体育館でバスケをしながら鎧が飲み物を買って戻ってくるのを待っていたのですが、
一向に鎧が戻ってこないので腹が立って探し回っていたようです。

ところが、マーベラスが勢いよく座った拍子に椅子の台座の裏から何か黒い掌サイズの四角い物体が床に落ちました。
「・・・なんだこれ?」と拾い上げたマーベラスがそれを見てみると、
それはデジタルタイマーのようで、10分45秒あたりをカウントして、
1秒刻みで数字が減っていっていました。

さて、そのマーベラスの捜している鎧は健太と共に学園の裏山でバスコと対峙し、
健太はバスコの「取引」というやつの説明の話の出だしでいきなり「爆弾だと!?」と驚きます。
バスコはニヤニヤして「そ!あんたの学校のあちこちに、仕掛けちゃってんだよねぇ・・・」と話を続けます。
なんとバスコが学校に爆弾を仕掛けたと聞いて、健太と鎧は「なにぃ!?」と驚き、
学校の方を思わず振り向きます。
幸い、今のところ爆発などは起きた様子はありませんでした。
どうやらバスコは学校に時限爆弾を仕掛けて健太を脅迫しようとしているようです。
鎧は学園の様子を確認する意味もあり、慌ててゴーカイセルラーでモバイレーツを呼び出し
「マーベラスさん!」と呼びかけました。

その鎧からの連絡を受けたマーベラスは「なにぃ!?」と驚いて立ち上がり、
さっき拾い上げた黒いタイマーのような機械をチラリと見ます。
これがそのバスコが仕掛けた時限爆弾に違いない。
しかもタイマーの数字はもう残り10分を切っています。
ルカも「しかもあちこちって・・・これだけじゃないってこと!?」と緊迫した声を上げ、
ジョーも筋トレをやめて厳しい顔で立ち上がります。
あと10分弱の間に校内の何処に何個仕掛けられているのか分からない爆弾を全部発見して解除しなければ、
危機的状況は去らないわけです。
マーベラス達は深刻な表情で黙り込みます。

その一方、裏山ではバスコが勝ち誇ったように
「爆弾解除してほしかったら・・・ちょおっと、大人しくしててくれるかなぁ?」と、ラッパラッターを取出します。
バスコは健太がメガレンジャーの大いなる力が吸い出される間、大人しく抵抗しないでいてくれれば、
その後すぐに爆弾の時限装置を解除してやると言っているのです。
「・・・そんな・・・」と鎧は途方に暮れます。
バスコの言う通り、大人しくしていればメガレンジャーの大いなる力はバスコに奪われてしまう。
しかし抵抗すれば学園は爆破されてしまう。

どうしたらいいのか決断できずに立ち尽くす鎧でしたが、
その鎧の肩を後ろからポンと叩いて、黙って健太は一歩前へ出ます。
健太はこの状況で迷わず、自分の戦隊の大いなる力よりも、学園の安全を守る方を選んだのです。
バスコはまんまと計略が実を結び、これで何の邪魔も入らずに楽に「大いなる力」をゲット出来ると思い、
ニヤリと笑い、ラッパラッターを咥えようとします。

ところが、その時、健太の背後から「渡すことはねぇよ・・・伊達健太先生・・・!」と、健太に呼びかける声がします。
鎧の声ではありません。
それはゴーカイセルラーのスピーカから聞こえるマーベラスの声でした。
健太は驚いて振り返り、バスコはまたマーベラスが余計な邪魔をしてきたと思い
「・・・チッ!」と忌々しそうに舌打ちしました。

健太が驚いたのは、自分は何も言わずにバスコの前に進み出たので、
学園にいるマーベラスにはそのことは分からなかったはずなのに、
マーベラスが健太が「大いなる力」よりも学園を選ぶと分かっていたかのように呼びかけてきたことでした。
鎧からゴーカイセルラーを受け取ってマーベラスに「お前・・・?」と不思議そうに呼びかけた健太に対して、
マーベラスは「あんた・・・俺たちに見せたかったんだろ?・・・学校ってのはいいところだってのを・・・」と言って
微笑みます。

健太は自分の意図がマーベラス達にやはり伝わっていたのだと知り、嬉しく想い、自然に顔が綻びます。
そして続けてマーベラスは「確かにな!・・・生徒たちの夢が詰まった所だ!」と健太に言い、
ジョー、ルカ、ハカセ、アイムの4人も頷きます。
皆、この学校に来て感じたことをお互いに話し合ったりはしていないのですが、
自然に皆、同じ結論に達していたのでした。
そしてその言葉をゴーカイセルラーを通して聴きながら、健太も満足そうに大きく頷きます。

健太はやはりマーベラス達に、この体験入学を通して、
学校というのは若者たちがささやかな夢を育てていく場所、
生徒たちの夢がいっぱい詰まった場所なのだということを悟って欲しかったのです。
しかし、どうして健太はマーベラス達にそんなことをわざわざ教えようとしたのか?
それは、そうした認識がメガレンジャーの戦う力の源になる精神に繋がるからでした。

メガレンジャーという戦隊は、おそらく歴代戦隊で最も素面状態で弱い戦隊です。
何せ普通の高校生だったからです。
彼らがメガレンジャーになったのは、たまたま緊急避難的に変身ブレスのデジタイザーを使って変身した結果、
デジタイザーのロック機能によって彼らしかメガレンジャーに変身出来なくなり、
高校生活を送りながら、敵にはもちろんのこと、親にも学校にも内緒で戦う羽目になったからでした。

つまり彼らは表向きは何も変わらず学生生活を送らねばならず、
敵のネジレジアが現れた時だけ変身して戦うという二重生活を強いられることになったのです。
例えば突発的なアクシデントで一般人が変身して戦う羽目になったといえばジェットマンもあるが、
ジェットマンはちゃんとスカイフォース所属になって訓練なども受けるようになっていました。
また高校生戦隊で周囲に正体を秘密にしていたといえばターボレンジャーもありましたが、
ターボレンジャーの面々は体育会系のトップアスリートのような連中ばかりで、
デジタル研究会の5人組のメガレンジャーに比べれば、よほど戦士らしい連中でした。
まぁ全く素面で戦えないという点ではカーレンジャーの5人はメガレンジャーに最も近いといえるが、
それでもまだカーレンジャーの方が社会人である分、まだ頼りがいはありました。
メガレンジャーの初期メンバー5人は、やはりシリーズで最も素面で頼りない連中だったといえます。

そもそもメガレンジャーのスーツというのは自動戦闘機能がついているので、
素面の彼らは全く戦闘の訓練というものをしなくても変身さえすれば戦えるのでした。
そして正体は絶対に秘密ですから、素面では絶対に戦いません。
だから素面の彼らは全く鍛えられることはありません。
それでも戦えてしまうのですから、鍛える必要は無いのです。

しかし人間というものは鍛錬というのは身体のためだけにするものではありません。
身体と一緒に精神も鍛えられるのです。
だから身体を鍛える機会を与えられなかったメガレンジャーは精神を鍛える機会も逃していたことになります。
そうなると彼らは非常に戦士として精神的にひ弱な存在となります。
実際、物語序盤においては彼らはかなりひ弱な精神でありました。

そんな彼らが地球を守って戦うことが出来るようになったのは、彼らが弱い存在であったからでした。
つまり、彼らは自身が本来は人々を守って戦うヒーローなのではなく、守られる立場の弱い人間であったゆえに、
守られる人々の生命のかけがえの無さがどんなヒーローよりも強く実感出来たのです。

特に具体的には彼らは本当に無力な高校生であったので、
学園の同じように無力な高校生たちがどんな風に一生懸命、明日の希望を胸に抱いて、
ささやかな夢を大切にして生きているのか、
他人事ではなく、本当に自分自身の問題として知ることが出来たのです。
だから、絶対にそのささやかな幸せ、ささやかな夢を守らなければいけないと思った。
それがメガレンジャーが戦士として戦い始めた原点なのです。

だから、その「守られる側との一体感」という意識を抜きにして、メガレンジャーという戦隊は有り得ない。
ならば、この意識が無ければ当然、メガレンジャーのレンジャーキーの力を全て引き出すことは出来ず、
もちろん「大いなる力」も引き出せない。
そして、マーベラス一味が「大いなる力」を引き出せない状態だと健太が認識している限り、
「大いなる力」も健太の体内からマーベラス達の持つメガレンジャーのレンジャーキーへ移動はしないのです。

しかし、マーベラス一味に「守られる側との一体感」を持たせようとしても、これは難問です。
何せ彼らはアウトローとして一般人からはずっと距離を置いて戦ってきたので、
一般の人々との間の一体感など持ったことが無いのです。
健太も彼らが宇宙海賊と聞いて、そういう状態なのだろうと想像し、
それではメガレンジャーの「大いなる力」は引き出せないだろうと、困ったもんだと思っていたのです。

そこで健太は、マーベラス達も彼らなりの入り組んだ事情があってアウトローの道には進んだのだろうけれど、
本質は普通の若者と同じはずだと考えました。
いかにも教育者らしい考え方だといえます。
だから、他の生徒たちと混じって学園生活を体験してみれば、
今までは距離を置いて見ていた普通の若者達と自分達が実はそんなに違わない、
同じような存在なのだと感じてくれるのではないか健太は考えました。

特に、マーベラス一味は「宇宙最大のお宝」という夢を掴むために集まった仲間なのだと
健太は聞いていましたので、
夢ならばその大きさはともかく、夢に向かう真っ直ぐな気持ちならば、
自分の教え子たちだって負けてはいないという自負がありました。
健太は10年以上、母校でそういう教育をしてきたという自信がありました。
だから、諸星学園高校にマーベラス達が「大いなる力」を求めてやって来たら、
体験入学をさせようと思って準備していたのです。

そして、その結果、マーベラス達は学校を「生徒たちの夢が詰まったところ」だと言ってくれた。
それは、健太にとって、マーベラス達に自分の伝えたかったことが伝わったことに関する喜びだけでなく、
自分の母校における教育が間違っていなかったということの証明でもあったのです。
だから健太は満足そうに頷くのでした。

そして続けてマーベラスが「ここは俺たちが必ず守ってやる!」と言うと、
健太は「ゴーカイレッド・・・」と言って目を輝かせます。
完全に自分の伝えたかったことが伝わったことをこれで確信したのでした。
マーベラスは、学校が夢の詰まった場所だと評した上で、そこを必ず守ると言っている。
それを健太に向かって「守ってやる」と言っているということは、
それが健太の想いなのだと分かっているということです。

つまりマーベラス達は、健太が学校が夢の詰まった場所だということを
自分達にそんなに一生懸命伝えようとしたということは、
それがメガレンジャーの基本精神だからなのだと分かったのです。
つまりメガレンジャーの戦う力の源は学校が自分達と同じように夢を掴もうとしている
若者たちの想いの詰まった場所だと知った上で、
だからこそ、自分と同じような人々の大事な場所だから守りたいという想いなのだと、
マーベラス達は悟ったのです。

そして、メガレンジャーの基本精神がそういうものであるならば、
健太は何に替えても絶対に学園を守ろうとするはずだから、
迷うことなく「大いなる力」をバスコに差し出そうとするであろうとマーベラスは予想出来たのです。
その健太の想いを分かった上で、マーベラスは自分達が必ず、この学園を守ってみせると宣言したのでした。
それは健太のためではなく、マーベラス達にとっても、
この学園は自分達と同じように懸命に夢を掴もうとしている生徒たちの大切な場所だから、
だからこそ絶対に守りたいと思ったからでした。

そして、もちろんマーベラスは健太が自分達に諸星学園高校や学校だけの用心棒となってくれることを
望んでいるわけでもないことも分かっています。
メガレンジャーの大いなる力を引き継ぐ戦士ならば、
自分と同じように夢を追いかける人々の集う「夢の詰まった場所」は、学校だけではなく、
スーパー戦隊の守るべき地球全体なのであることも、もちろんマーベラス達は学んだのでした。
つまり、自分の守るべき地球の人々も自分と同じ夢を掴もうとする人々であり、
だからこそ守ろうという気持ちを強く持つことが出来るのだということです。

マーベラスの言葉を聞いて、健太はマーベラス達がそのあたりのことを分かってくれたのだと確信し、満足しました。
これでメガレンジャーの大いなる力をマーベラス達に安心して渡すことが出来ると思ったのでした。
但し、それは本当にその言葉通りにマーベラス達が諸星学園高校を守りきることが出来てこそ、
実証されるのだといえました。
失敗してしまえば所詮は美しい言葉を並べただけのことです。
たとえそれが本心からの言葉であったとしても、
ヒーローというのは実際に守るべきものを守れなければ、言葉だけではダメなのです。

それは健太もマーベラスも分かっています。
だから、ここからが本当の正念場で、この正念場を乗り切ってからでないと
「大いなる力」の譲渡は有り得ません。
マーベラスはゴーカイセルラーを通じて「鎧!そっちは頼んだぞ!」と、
鎧に自分達が爆弾を全部処理して学園の危機を救って裏山に駆けつけるまでの間、
健太と「大いなる力」を守り抜くよう命令し、鎧は「任してください!」と力強く応じます。
そして通話を切ると、デジ研の部室ではマーベラス達5人は決意の表情で行動を開始します。

一方、裏山ではバスコがマーベラスと健太と鎧の遣り取りを聞いて、
ウンザリした顔で「・・・交渉決裂ってことかな?・・・そんじゃあ仕方ない!・・・サリー!」と、
木の上のサリーに合図を送り、サリーは「ウキ〜ッ!!」と飛び降りてきます。
爆弾の脅しで鎧と健太の動きを封じることが出来ない以上、
力づくで叩きのめしてからラッパラッターで「大いなる力」を奪うしかないと決めて、
バスコはサリーをけしかけてきたのでした。
これに対して鎧は「豪快チェンジ!!」と、ゴーカイシルバーに変身して迎え撃ちます。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 22:27 | Comment(0) | 第39話「どうして?俺たち高校生」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月04日

第39話「どうして?俺たち高校生」感想その5

こうして、まずはマーベラス達は諸星学園高校の校内にバスコが仕掛けた爆弾を全部解除して、
学園を守ることとなりました。
しかし、バスコが仕掛けた爆弾はこのデジ研の部室でマーベラスが1つ偶然発見しましたが、
これと同じものがここ以外にこの広い学校内に何処に何個仕掛けているのかも分かりません。
それを全部発見して解除するまでの猶予時間はあと9分を切っています。

5人で全力を尽くすとして、それでも最悪の場合は想定しておかねばならないほど、達成は困難な目標です。
最悪の場合というのは、
校舎は守れなくても、せめて生徒たちや教師たちは爆発に巻き込まれないように避難させるということです。
8分あれば今から急がせれば避難は可能だろうと思い、
自分達はあくまで爆弾探しに全力を尽くしたいと考えたアイムは、
部屋に居合わせたデジ研の部員2人に他の人達の避難誘導を頼もうと思い
「あなた方は学校の皆さんを連れて、早く避難を・・・!」と言い、5人で出て行こうとします。

ところが、男子部員の方が「待ってください!」と叫んで立ち上がり、5人を呼び止めます。
5人が立ち止まって振り返ると、もう男子部員と女子部員の2人は傍に置いてあるパソコンの前に座って
猛然とキーボードを叩き始めており、マーベラス達はいったい何が起こっているのか分からず困惑します。
すると男子生徒は「健太先生のマル秘パスワードで、
I.N.E.T.のサテライトサーチシステムを使えば・・・!」と言いながらパソコン上の画面を次々と切り替えていき、
あっという間に何かの建物の見取り図のようなものを画面上に出します。

「これって・・・!?」とハカセが驚きの声を上げます。
これが諸星学園高校の校舎の見取り図だということにすぐに気付くハカセも大したものですが、
男子生徒の次の言葉はもっと驚くべきものでした。
「爆弾の位置が分かりました!」と平然と言ってのけた男子生徒の言葉に5人は仰天します。
しかし確かに校舎の見取り図のあちこちに何かの存在を示すマークが多数浮かび上がっています。

すると同時にその隣でカチャカチャとキーボードを打っていた女子生徒の方は
「全校生徒にもメールで連絡します!」と、その男子生徒が開いた画像を全校生徒に送信したのでした。
女子生徒の方は男子生徒が爆弾の位置を示す画像を上げてくるまでの時間を使って
全校生徒へのメール配信の準備を進めていたようです。

つまり、この2人はマーベラスと鎧との会話を聞いて即座に事態を把握して、
マーベラス達が闇雲に動くよりも、
爆弾の位置を早急に割り出して、その情報を全校生徒が共有した上でマーベラス達のサポートをした方が
残り時間を考えると効率的だと瞬時に判断して行動を開始したのです。
しかし、それを実際にやるというのは大変なことです。

ちなみに「I.N.E.T.」というのは世界科学連邦という組織の略称で、
「メガレンジャー」の劇中ではメガレンジャーの支援組織でした。
どうやら今でも健太とは繋がりがあるようで、健太の知っているパスワードを使えば、
I.N.E.T.のシステムにアクセスして使うことが出来るようです。
そのパスワードは極秘のようですが、たぶん健太がデジ研の部員に内緒でバラしてしまい、
時々、部員たちはアクセスしているようです。
多分、厳密には違法だと思うのですが、
今回はこのI.N.E.T.の衛星を使った地上監視システムを勝手に使って
諸星学園高校の校舎内の爆発物の場所を検知したのでしょう。

そういう反則技を使ってはいるものの、
それにしても、作業開始から終了まで10秒ほどしかかかっていない手際の良さは只事ではありません。
それに、全校生徒にメールを送ったということは、
全校生徒の方にもこうした彼らの動きに対応して動けるだけの準備や自衛システムが常にあるということです。
その全校を網羅したシステムを彼らが管理運営しているということです。
どうもこの2人や、この学校全体が、只者ではない印象です。

ジョーは驚いて「・・・お前たち・・・何者だ?」と、2人に向かって問いかけます。
というか、ジョーは同じ部屋に居ながら、この2人が誰なのか、実際全く知らず、興味も持っていなかったのでした。
すると作業を終えた2人は目を合わせて微笑むと、クルリとマーベラス達の方に振り向いて立ち上がり、
「諸星学園高校デジタル研究会!・・・健太先生の後輩です!」と、ようやく自己紹介したのでした。

マーベラスはこの2人が健太の後輩だと名乗るのを聞き、
つまり、この2人はメガレンジャーの精神を継ぐ者達だと知ります。
しかし、この2人は変身して戦うヒーローではない、ごく普通の生徒です。
しかし、それでいて、これだけのことをやってのける。
これにより、マーベラスは、自分が受け継いだメガレンジャーの精神には、
まだ奥深いものがあるように感じたのでした。

しかし、そのことをゆっくり考えているヒマはありません。
今はとにかく1秒を争う状況です。
デジ研部員の活躍で校内の爆弾の位置はだいたいは分かったが、この見取り図はかなり大雑把で、
具体的にそれぞれのマークの示す爆弾が各部屋のどの位置に隠されてあるのかいちいち探すとなると、
かなり手間がかかります。
しかし残り時間はもう8分を切っている。

マーベラス達5人はゴーカイジャーに変身して校内を走り回って
爆弾の仕掛けてある場所を手分けして回ることにしました。
すると、生徒たちが廊下で「あっちあっちあっち!頼んだよ!頑張って!」と
マーベラス達に指示を送り声援を送ってくれるのでした。

デジ研部員からのメールで校内の爆弾配置図を手に入れた全校生徒が、
それぞれの爆弾設置場所と思われる部屋や場所を普段から見慣れた者達がそれぞれの場所の異常をチェックして、
普段と何か違っているところを見つけ出して爆弾の具体的な場所を特定し、
その他の生徒たちは爆弾の見つかった場所をマーベラス達に伝えるため
廊下に出て連絡役の務めを果たしていたのでした。
そのお蔭でマーベラス達は全く無駄なく爆弾を回収して回る作業をこなすことが出来ました。

マーベラスがさっきの体育館に誘導されて来ると、
そこで「こっちこっち!」とマーベラスを手招きするのはさっきのバスケ部員たちでした。
「あそこ!ライトの横!」と、天井のライトを指さすバスケ部員たちを見て、マーベラスは驚きました。
この生徒たちはさっき全国大会で優勝したいという夢を語っていました。
マーベラスはその彼らの夢を守ってやりたいと思って爆弾を解除しようとしているのです。
だから、彼らは被害にあうのを恐れて、とっくに逃げたと思っていました。

ところが彼らは今にも爆発が起きるような状況で学校に居残って爆弾の回収を手伝おうとしている。
つまり、彼らは単なる守られるだけの存在ではなく、
自分達の夢の詰まった大切な場所は自分達で守ろうとしているのです。
「お前ら・・・上等だ!」と言うと、マーベラスが高く跳び上がり、天井ライトの横に仕掛けてある爆弾を掴む。
同時にバスケ部員たちの歓声が上がり、床に着地したマーベラスは「よくやった!」と彼らを褒めて、
掴んだ爆弾を突き出してその残り時間、6分59秒を示し、体育館から走り去っていきます。

また、アイムが誘導されていった中庭で「こっちこっち!」と手招きしていたのは、さっきの弁当カップルでした。
このカップルも危険を顧みず、学校を守ろうとしていたのです。
「ここです!」と女子生徒が指さすのは中庭のベンチの下でした。
「はい!」とアイムがベンチの台座の裏を探ると、そこに仕掛けてあった爆弾を見つけることが出来ました。

「ありがとうございます!」と礼を言って去り際、ふと思い出したようにアイムは
「・・・あ、上手くいってよかったですね!」と一言付け加えて、さっと走り去ります。
アイムとジョーはさっきこのカップルを離れて見つめていただけだったので、
女子生徒は何のことか分からず「え?」と問い返しますが、
アイムはもう遠くに走り去っていってしまっていました。

その他、ハカセは科学準備室の人体模型の中から、
ルカは男子更衣室のカバンの中から、
ジョーは最初に会った科学教師の愛妻弁当の中から、次々と爆弾を回収していきます。
愛妻弁当の中から見つかった爆弾の残り時間は5分ジャストを刻んでいました。
・・・てゆーか、バスコ、どうやって愛妻弁当の中に爆弾なんか仕掛けたんでしょうか?
バスコとサリーのあまりにマメな仕事っぷりに思わず笑ってしまいます。

こうしてマーベラス達5人がギリギリの残り時間と戦いながら爆弾回収を進めていた頃、
裏山ではゴーカイシルバーに変身した鎧とサリーが戦っていました。
サリーは健太を捕まえようとするのですが、鎧は健太を守るためにサリーを攻撃し、
サリーは素早く逃げ回って鎧の攻撃をかわします。
どうにも埒が明かないと思った鎧は「これならどうだ!豪快チェンジ!!」と、
ゴーカイセルラーでマジシャインに多段変身します。

鎧がゴーカイセルラーにボタンが配されている戦士のレンジャーキーで未だ使用していなかったのは、
このマジシャシンの分だけでしたので、
これでゴーカイセルラーのボタンは完全制覇ということになります。
但し、鎧は合体戦士のゴーオンウイングスには何度も変身していますが、
未だにゴーオンゴールドの単体、ゴーオンシルバーの単体には変身はしていません。

ただ、ここではそういうマジシャシンへの変身の消化という意味合いだけではなく、
戦術的にもちゃんと理由のある変身になっています。
鎧はマジランプバスターで自在に曲折する光弾を連射して、サリーの素早い動きに対応し、
必死でかわすサリーをどんどん追い詰めていき、
そこに飛び込んで、遂にサリーを間合いに捉えて強烈な蹴りを叩き込みます。
これにはたまらず「ウキ〜ッ!!」とサリーは吹っ飛び、バスコの前で転がります。

バスコは「意外と粘るじゃん!」とニヤニヤ笑いますが、
「でも・・・そろそろ飽きちゃったよ!」と全身から赤いオーラを発して、また例の怪人態に変身し、
目にも止まらず速度で鎧に襲い掛かり、鎧は何度もバスコの痛撃を受けて
「うわあああ!!」と地面に叩きつけられて、ゴーカイシルバーの姿に戻ってしまいます。
やはり、オーレンジャー篇で初めてお披露目したバスコ怪人態は今回も圧倒的な強さを見せつけてくれます。
これは鎧1人では到底太刀打ち出来るものではありません。

バスコはサリーでは鎧には勝てないか、良くても膠着状態に持ち込むことしか出来ないと見て、
自ら変身して戦うことにしたようです。
膠着状態になって戦いが長引けば、マーベラス達がやって来る恐れがありました。
だからさっさとカタをつけて「大いなる力」を奪うことにしたのでした。

倒れた鎧を見て、健太が「ゴーカイシルバー!」と駆け寄ろうとしますが、
バスコは指をパチンと鳴らして健太の足元に火花を散らして足止めし、
「ふふ〜ん・・・」とラッパラッターを取り出して、健太の身体から「大いなる力」を吸い出す準備にかかります。
鎧はそれを阻止するために立ち上がろうとしますが、さっきバスコにやられたダメージがまだ残っていて、
すぐに身体に力が入らず、立ち上がることが出来ない。
健太の方はもともと素面では戦闘能力は皆無に近く、
たとえ多少戦えたとしてもバスコ相手にどうにかなるものではありません。
バスコは勝利を確信し、「それじゃあ大いなる力、いただきまぁす!」と宣言しながら
ラッパラッターを口にあてるのでした。

その頃、学園ではマーベラス達が遂に爆弾を全て回収完了し、
「これで全部です」とアイムが一番上に置いた爆弾を含めて、
校庭の芝生の上にピラミッド状に積まれた爆弾の総数は約60個ほど。
爆発までの残り時間は30秒を切っていました。
「どうやって止める?」とルカが問うが、皆、黙り込みます。

もう何処か安全な場所に持っていくだけの時間は無い。
しかし、これだけの爆弾がここで爆発すれば学園はタダでは済まない。
爆弾を攻撃しても誘爆を起こす可能性が極めて高い。
だから時限装置を止めるしかないのだが、
バスコがそんな簡単にタイマーが止められるような仕掛けにしているはずもなく、
もし仮に簡単にタイマーを切れる方法が見つかったとしても、
60個もの爆弾のタイマーを残り30秒弱で全部止めるなど無理だから、
結局は解除作業は危険で実施不可能ということになる。
タイマーが1秒、そしてまた1秒と刻まれる中、5人は黙って考え込みます。

一方、裏山で健太に向けてラッパラッターを向けて咥えたバスコは、例の嫌な感じの音を鳴り響かせて、
「大いなる力」の吸いだしを開始します。
健太の身体からは、ギンガマン篇の時のヒュウガや、オーレンジャー篇の時の吾郎のように、
金色の炎が噴き出して、ラッパラッターの吸い込み口の方に向かって大きく揺らぎ、
健太はそうはさせまいと必死で堪えますが、こっちもこっちで絶体絶命といえます。

倒れてまだ身体が動かせない鎧は「健太さぁん!!」と大声で叫びます。
その時、鎧の頭にある方法が閃き、「・・・そうだ!豪快チェンジ!」と鎧はゴーカイセルラーで変身し、
「天装!!」と叫んで健太の前に風の壁を作って「大いなる力」の放出を阻止したのでした。

鎧が咄嗟に変身したのはゴセイナイトでした。
そしてゴセイナイトに変身すると同時に鎧が繰り出した技は、
ゴセイカードを使った天装術の1つ、ディフェンストームであり、
これは風で壁を作る、本来はスカイック族が使う物理的防御技なのですが、
ゴセイナイトは護星天使の3つの部族全ての技を使うことが出来るのです。

そして、鎧はこのディフェンストームを物理的な壁として使用したのではなく、
空気の振動であるラッパラッターの吸い込み音の音波を風で遮断するための壁として使ったのです。
すなわち、ラッパラッターの「大いなる力」の吸い出しは、あの音波が相手の身体に振動を与えて、
それによって体内の「大いなる力」を表面化させて引き寄せるという現象だと見破ったのです。
鎧はこの現象をヒュウガの時に続いて見たのは2度目であったので、
その原理に気が付くことが出来たのだといえます。

「大いなる力」を逃した上、ラッパラッターの弱点まで見破られたバスコは
「・・・チッ!」と忌々しそうに舌打ちします。
と、その瞬間、バスコの背中が多数の銃弾を浴びて激しく弾かれました。
といってもバスコには大したダメージは無いようですが、
それでも驚いてバスコが振り向くと、そこにはゴーカイガンを提げたマーベラス達5人が変身した姿で立っています。

「鎧!よくやった!」とマーベラスは鎧の健闘を称え、
一方、鎧はあまりに早くマーベラス達が来たので「皆さん・・・」と驚きます。
バスコはマーベラス達が来るだろうとは思っていましたが、
結局は爆弾を解除出来ずに学園が大爆発を起こしてから来るものだと思っていたので、
爆発も無しにいきなりマーベラス達が来たので意外に思います。
で、よく考えてみると、そろそろ時限爆弾が爆発するはずの時刻は過ぎているように思えました。

「あれ?・・・もしかしてマベちゃん、爆弾解除出来ちゃった?」とバスコは問いかけます。
そんなことが可能だとはとても思えなかったからです。
マーベラス達が爆弾の存在を知った時点で残り10分を切っており、
そこから校内およそ60ヵ所に隠した爆弾を全部発見して、全部のタイマーを止めることなど出来るはずがない。
ところがマーベラスは「スーパー戦隊の力、ナメんな!」とバスコを一喝して、
どうやって60個もの爆弾のタイマーを30秒弱で止めたのか、そのカラクリ説明します。

実はマーベラス達はタイムレンジャーに変身して、
合体必殺武器であるボルティックバズーカを積み上げた約60個の爆弾に向けて構えて、
ブリスリフレイザーを発射したのです。
ブリスリフレイザーというのは零下270度の加圧超低温光弾であり、
敵怪人を圧縮冷凍して逮捕するためのものなのです。
怪人の殺害ではなく逮捕が目的のタイムレンジャーならではの技だといえます。

この「タイムレンジャー」という作品における圧縮冷凍というのは、
犯罪者に対する一種の永久的な終身禁固刑であり、
原子の運動が停止する絶対零度である零下270度の世界で、
永遠に時が刻まれない世界の中で永遠に終わることのない禁固刑に処するという刑罰なのです。

「タイムレンジャー」の敵怪人は皆、
30世紀の世界でその圧縮冷凍の永久的終身禁固刑で服役していた囚人が脱獄したものだったので、
圧縮冷凍状態で捕獲する必要があり、
それゆえタイムレンジャーの装備であるボルティックバズーカはこの圧縮冷凍光弾である
ブリスリフレイザーを発射出来るのです。

それを今回マーベラス達は応用し、
ブリスリフレイザーで爆弾を圧縮冷凍することで時限装置のタイマーの時の刻みを止めたのでした。
ハカセは「圧縮冷凍して時間を止めたんだ!」と得意げに
圧縮されて手で掴めるほどの大きさのカプセル内に入ってしまった60個もの爆弾を掲げて見せます。
バスコは意味が分かっているのかいないのか「ふ〜ん・・・」と感心したように言います。
一方、鎧は「ハッハハ!さっすがですぅ!!」と大喜びで、ゴーカイシルバーの姿に戻ります。

咄嗟にタイムレンジャーのブリスリフレイザーの応用技を発想するなんて、
まさに日頃の鎧のスーパー戦隊教育の賜物といっていいでしょう。
それだけ皆が真面目にスーパー戦隊のことを学んでくれたということであり、それが鎧は嬉しいのです。
それにしても今回、マジランプバスターにしても、ディフェンストームにしても、
ブリスリフレイザーにしても、歴代戦士の技の使い方が非常に巧妙です。

さて、しかし健太は、圧縮冷凍のことは分かるにしても、
大量の爆弾を本当によくこんな短時間で集められたものだと思い、
「おい!爆弾、全部集めれたのか!?」と目を丸くしてマーベラス達に訊ねます。
健太と鎧は爆弾のタイマーの残り時間のことは知らなかったので、
こんなに早くマーベラス達が爆弾を処理せねばならなかったとは思っておらず、
来るにしてももう少し後であろうから、もっと長い時間こちらも持ちこたえないといけないと思っていたのです。
すると思いのほか早くマーベラス達が爆弾を処理して現れたので、
よくそんな早く爆弾を見つけられたなと驚いたのでした。

その健太の疑問にはジョーが「ああ!・・・あんたの生徒たちが協力してくれた」と答えます。
それを聞いて健太は、やはり自分の日頃の教育が実を結んでいたことを知り、
嬉しさが込み上げてくると同時に、その教えをしっかり受け止めて実践してくれた教え子たちを心から誇りに思い、
「さっすが俺の教え子たちだぜ!!」と笑顔でガッツポーズをとるのでした。

つまり、健太が伝えようとし、
マーベラスが受け取ったと解釈していたメガレンジャーの精神には、
まだ続きがあったのです。
それは「メガレンジャー」の物語の続きでもあります。

メガレンジャーは先述のようにその正体が健太たち諸星学園高校の生徒たちであることは絶対秘密だったのですが、
物語終盤にその正体がバレてしまったということも先述しました。
その際、学校側は健太たちを追い出そうとしました。
メガレンジャーとネジレジアとの戦いに巻き込まれることを迷惑と考えたのです。
生徒たちや教師たちも皆、健太たちを厄介者扱いして罵りました。

学校の皆を自分の仲間だと思って、仲間を守りたいという気持ちを原動力として戦っていた健太たちには
これは非常にショックな出来事でした。
しかし、ネジレジアが最後の総攻撃を仕掛けてきた時、学校が危機に陥り、
健太たちは自分達を厄介者として追い出した学校を守るためにロボに乗り込んで敵の怪物に立ち向かい、
強大な敵に押されまくります。
これを見て、学園の生徒や教師たちは健太たちが本当に学園を、
自分達や仲間達の夢の詰まった場所として必死に守ろうとしてくれていたことを悟り、
怪物が迫って危険極まりない学校に戻って、そこから健太たちに声援を送ったのでした。
それに力を得た健太たちは起死回生の力を発揮して押し戻し、
健太たちや学校を道連れに自爆しようとする敵と共に高空に逃れて学園を守り、大爆発しましたが、
直前に脱出して生き残り、戦いに終止符を打ったのでした。

この時、健太は自分達がネジレジアに勝利出来たのは、自分達が強かったからでもなく、
自分達が学校や一般の人々を守りたいという気持ちがあったからだけではないと気付きました。
学校の皆がそれぞれ自分のささやかな夢を守りたいという気持ちが1つになって自分達を応援してくれて、
その力を得たから自分達のような弱い者達が強敵に勝利することが出来たのだと知ったのです。

つまり、メガレンジャーに必要な精神は、
守られる者と一体感をもって、人々のささやかな夢を守るために戦うことだけではなく、
自分達もまた、その人々の自らの夢を守ろうとするささやかな力で応援してもうことで守られているのだと
自覚することであったのです。
そして、メガレンジャーが守られる側の者達と一体となっているということは、
メガレンジャーも一般学生や一般の人々も本質的には同じ存在なのであり、
だからお互い守ったり守られたり、力を合わせたりしなければならない。

だから健太は自分の学園の生徒たちには、
夢を掴もうとするのなら、自分の夢は自分で守る心構えを持つよう説き、
そしてその上で、自分達の夢を守ろうとして矢面に立って戦ってくれる者には力を貸すようにも説いたのでした。
そして戦う者は自分の戦う力はそうした人々の力が集まったものだと自覚するのです。
そういったトータルの精神がメガレンジャーの精神であったのです。

そして、これはマーベラス達にも受け入れられるものでした。
何故なら、マーベラス達は前回、ゴーカイジャー篇で
自分達の戦う力の源が「夢を掴むために集まった仲間の絆」だと知ったばかりだからです。
それは宇宙を支配するルールに反旗を翻すほどの命懸けの夢を掴もうとする自由な精神を
互いに尊重し合う絆であったのでした。

確かにマーベラス達、仲間の夢はとても大きな夢だったのですが、
彼らが互いに尊重し合ったのはその夢の中身ではなく、
困難を乗り越えて夢を掴もうとする自由な精神そのものであったのです。
夢が大きければ大きいほど、夢を掴もうとする精神が分かりやすいので6人は絆を結べていたわけですが、
本来は夢の内容は問わないわけですから、夢の大きさだって問わないはずです。
たとえささやかな夢であっても、その夢なりの困難を乗り越えてその夢を掴もうとする気持ちは
互いに尊重出来るはずです。
だからこそ、今回マーベラス達は学園の生徒たちのささやかな夢を尊重することが出来たのです。

ならば、マーベラス達は現在の仲間6人だけでなく、
この学園の生徒たちとも、他の一般の地球人たちとでも、
相手がささやかでも夢を掴もうとして困難に挑戦しようとしている限り
「夢を掴むために集まった仲間の絆」を結べる可能性はあるということになります。
そうなると、前回マーベラスが過ちに気付いたのと同じように、
その仲間たちである一般の夢を掴もうとする人々は、
決してマーベラス達が一方的に守らねばならない相手ではありません。
何故なら、彼らの夢はそんなにヤワなものではないはずだからです。
そうではなく、仲間の「夢を掴む力」を合わせれば、より大きなパワーを生み出すことが出来る。

前回は6人の「夢を掴む力」を合わせて、ゴーカイジャーの大いなる力を引き出して、
カンゼンソウルを生みだし、それによってゴーオンジャーやアバレンジャーの大いなる力を合わせて
カンゼンゴーカイオーという圧倒的な戦う力を得ましたが、
もし、より多くの地球人も「夢を掴むために集まった仲間の絆」に加えて、
より多くの地球人の「夢を掴む力」を合わせれば、
ゴーカイジャーの大いなる力を超える、より強大な力を得て、
より多くのスーパー戦隊の大いなる力を合わせて、
何か途轍もない強大な力を手に入れることも出来るかもしれません。

あるいはスーパー戦隊の「大いなる力」というのが実は34の戦隊の「夢を掴む力」であり、
マーベラス達が「大いなる力」を得ていく過程で
34のスーパー戦隊と「夢を掴むために集まった仲間の絆」を結んでいくことが出来ていれば、
最終的にゴーカイジャーも含む35戦隊の「夢を掴む力」を合わせて
途轍もない強大なパワーを生み出すことになるのかもしれません。
今回のメガレンジャーの精神というものは、
マーベラス達にそうした可能性予感を考えさせるものとして受け入れることが出来るものであったのです。

さて、状況はマーベラス達の到着で一変し、
もうこれでバスコもそう簡単に好きなようには出来ない状況となりました。
それでもバスコには前回完敗しているマーベラス達ですから、バスコが強敵であることは分かっています。
ようやく身体が動くようになった鎧は健太のところに駆け寄り
「健太さん!早く逃げてください!」と言います。
健太は「おお!あとは任したぜ!」と鎧の肩をポンと叩き、「はい!」と鎧が応えると、走り去っていきました。

マーベラスは「バスコ!あとはてめぇを倒すだけだ!」とバスコに怒鳴りつけます。
バスコ怪人態が自分達よりも強いことは分かっています。
しかし、前回はその実力を知らないまま突っ込んで敗北したが、
今回は少なくともバスコが恐ろしく強いことは分かっている。
その上で倒すつもりで向かっていく以上、この前ほどは簡単にはやられはしないはずです。
それに、バスコの動きを止めてからでなければ使えないであろうが、
最後にはゴーカイガレオンバスターという新必殺武器もあります。
6人で戦えば必ず勝機は有るとマーベラス達は思っていました。

一方、バスコの方は逃げる健太を追いかける気も失せていました。
もともと、自分かマーベラス達か、どちらかが「大いなる力」を得ればいいのです。
こうしてマーベラス達が来ている以上、本当はそんなに「大いなる力」にこだわる必要は無かった。
それでもせっかく爆弾をたくさん仕掛けて準備したので、貰うものは貰って帰ろうと思っていただけです。
ところがそのせっかくの準備もマーベラス達に台無しにされた。
こうなったらもうこの場では「大いなる力」なんてどうでもよくなりました。
それよりも、せっかくの作戦を台無しにしてくれたマーベラス達にお仕置きをしてやりたい気分でした。
バスコはマーベラス達を冷たく睨んで「倒すだけ?・・・出来るかなぁ・・・?」と嘲笑しました。
調子に乗って倒しにくるのならば、せいぜい痛めつけて、また格の差を思い知らせてやろうと思ったのでした。

ここでマーベラスは「こいつでいくぞぉっ!!」と、メガレッドのレンジャーキーを出します。
「当然でしょ!」とルカも応えてメガイエローのキーを出し、
当然ここはメガレンジャー篇ですから、6人全員がメガレンジャーのレンジャーキーを使って
メガレンジャーへの豪快チェンジです。

「豪快チェンジ!!」と変身動作に入ると、
ここはもちろん「メガレンジャー」のOPテーマのインストバージョンがBGMとしてかかり、
変身エフェクト画面は本編の再現となっていて、
デジタルエフェクトっぽくゴーカイジャーの姿からメガレンジャーの姿に6人の姿が乗り替わると、
「MEGARANGER READY」というテロップが出て
その後ろで6人のメガレンジャーの姿をした身体が背中を見せてクルリと360度回転するという、
まるでアクションゲーム画面のようなエフェクトとなります。

そして「OK」という文字を出た後、
各自の額のパソコン、人工衛星、デジタルテレビ、デジタルカメラ、携帯電話、ICチップという
エンブレムが浮き上がる。
そしてマーベラスがL字型に開いた指を胸の前に立て、全員で右手を前に突き出し
「電磁戦隊!メガレンジャー!!」と全体名乗り。
本編の再現率高いですが、ハカセだけ鬼瓦権蔵の「冗談じゃないよ」のポーズになってます。
マーベラスがメガレッドに変身し、ジョーがメガブルーに変身し、ルカがメガイエローに変身し、
ハカセがメガブラックに変身し、アイムがメガピンクに変身し、鎧がメガシルバーに変身します。

バスコはサリーを6人にけしかけますが、6人は懐かしのサイバースライダーとオートスライダーに飛び乗り、
サリーを跳ね飛ばして一気にバスコに集中して突っ込みます。
これはバスコの意表をついたようで、バスコはこの攻撃をまともに喰らってしまいますが、
それでも大してダメージは受けずに平気で立っています。
そこでマーベラスと鎧はスライダーで滑空状態で手を結び、
結んだ腕でバスコに猛スピードでラリアットを喰らわせ、これにはさすがにバスコも地面に転がされます。

地上に降りたったマーベラスと鎧はそのまま「いくぜ!!」とバスコに襲い掛かり、
バスコを助けに行こうとするサリーには「お前の相手は僕たちだ!」「邪魔はさせん!」と、
ハカセとジョーが襲い掛かります。
ハカセはメガブラックの棒型の専用武器メガロッドを振るい、
ジョーはメガブルーの斧型の専用武器メガトマホークを使ってサリーを攻撃します。
そこにルカとアイムが加勢して、
ロングレンジから共通武器のメガスナイパーでサリーを狙い撃ちしますが、サリーも懸命に防御します。

実力的にはサリーよりもバスコの方が遥かに上なので、マーベラスと鎧が2人でバスコと戦う方が苦戦は必至で、
ルカとアイムはどちらかというとバスコを攻撃すべきのようにも思えますが、
ここはどうやらバスコをマーベラスと鎧の2人が食い止めている間に、
より弱いサリーの方を先に倒して、サリーの邪魔の無い状態で6人がかりでバスコを叩く作戦のようです。

そういうわけでバスコと戦うマーベラスと鎧は、
バスコがサリー救援に行けないように全開モードで戦うことになります。
マーベラスは右腕の強化ツールのバトルライザーを打撃重視の01モードにして猛然とパンチを叩き込みながら
左手に握ったメガレッド専用の個人武器ドリルセイバーも振りおろし、バスコを押しまくります。
バスコはそれらの攻撃をほとんど腕でガードしますが、
そうしていると背中に鎧の突撃しながら放ったシルバーブレイザーのビーム射撃を受けます。

鎧はシルバーブレイザーをガンモードで連射しながら突っ込んでソードモードに切り替えて斬り下ろすという、
メガシルバーの必殺技ブレイザーインパクトをバスコに喰らわせますが、
バスコは振り向いて鎧の放ったビームを全部手で払い、
最後には鎧が振り下ろした刃を手で掴んで受け止めてしまいます。

ブレイザーインパクトを破られた鎧は驚きますが、
そのバスコの背後から今度はマーベラスがドリルスナイパーカスタムという
メガレッドの必殺武器を構えて飛び込んできます。
これはドリルセイバーとメガスナイパーを合体させた上にダブルトップというユニットを装着させた
メガレッドの最強射撃武器で、しかもこれをバトルライザーを03モードにして
最強パワーで放つドリルスナイパーカスタムフルパワーという、
これは喰らえばバスコもまともでは済まない技ですが、防御すべき腕は鎧への対応で手いっぱいの状況です。

しかしバスコは「フン!」と鼻で笑うと、
オーレンジャー篇の時にマーベラス達を吹っ飛ばした赤黒いオーラを全身から放ち、
マーベラスと鎧を吹っ飛ばして、ゴーカイジャーの姿に戻してしまいます。
レジェンド回の完全シンクロ変身がダメージで変身解除に追い込まれるというのは初めてのことで、
さすがにバスコ怪人態の桁外れの強さといえますが、
こうして見てみると、やはりさすがのバスコも相手の強化技や必殺技は胴体にまともに喰らうことは避けて
腕でガードしたり、最終的にはオーラで吹っ飛ばしたりしているところを見ると、
まともに喰らわせば倒すことは出来るのでしょう。
ならばゴーカイガレオンバスターをもしバスコが腕でガードにきれなかったとしたら
倒すことは出来ると思われます。ただ、当てることが出来るかどうかが問題ではありますが。

そして、破られはしましたがマーベラスと鎧の目いっぱいの全力攻撃は、
バスコをサリー救援に行かせる余裕を無くすことには成功しました。
その間にルカとアイムはサリーを抑え込み、サリーは懸命に弾き返しますが、
そこにどういうわけかバスコが変身を解いて登場してサリーを優しい目で見つめます。
バスコはマーベラス達と戦っている最中のはずなのですが、
サリーは深く考えずバスコを見て助けに来てくれたのかと思い、喜びます。

ところがバスコは突然サリーに銃口を向け、あっかんべぇをしてサリーに銃弾を撃ちまくります。
サリーは何が何だか分からないままハチの巣にされてひっくり返ってしまいました。
すると、サリーを撃ったバスコはクルクル回って、
その後ろに立ってメガスナイパーを構えるジョーの額のデジタルテレビのエンブレムに収納されていったのでした。
「フッ・・・バーチャル映像ってやつだ・・・」と、ジョーは得意げに言います。

つまり、ジョーはメガブルーの特殊能力である、立体映像を作りだして敵を幻惑させる技を使ったのであり、
さっきのバスコはジョーの作り出した立体映像で、
サリーを撃った銃弾は立体映像のバスコの動きに合わせて、
その後ろでジョーが撃ったゴーカイガンの銃弾だったのでした。
サリーにはそんなことは理解出来るはずもなく、とにかく撃たれて怒り狂いますが、
そこにハカセが飛び込んできてサリーをメガロッドで捉えて頭上に突き上げてしまいます。

そして、そこにルカがメガイエロー専用武器のメガスリングで光弾を撃ち、
アイムがメガピンク専用武器のメガキャプチャーで超音波を放ち、
これによってダメージを更に受けたサリーをハカセは投げ捨て、
転がったサリーに向けてジョー、ハカセ、ルカ、アイムの4人は、
メガブルー、メガブラック、メガイエロー、メガピンクの4人の専用武器を合体させて4人で構えて放つ
必殺武器のマルチアタックライフルを組み上げて構えます。
「シュート!!」と発射された強力な光弾はサリーに見事に命中し、
さすがにサリーはもう完全に動けない状態となり、敗北したサリーは吹っ飛んでいきます。

バスコはしつこく食い下がってくるマーベラスと鎧に対峙していましたが、
そこに何かが飛んでくるので「ん・・・?」と見ると、
ボロボロにされたサリーがバスコの前に転がり込んできたものですから、思わずサリーに目を奪われ、
「サリー!!」と動揺した声を上げます。
一瞬でしたが、バスコがこれほど取り乱した態度を見せたのは初めてです。

マーベラスはそのチャンスを逃すまいと、
「今だ!」と鎧に合図を送りながらファイナルウェーブの態勢に入り、
鎧も「はい!」とレンジャーキーを出し、やはりファイナルウェーブの態勢に入って、
素早くゴーカイスピアをガンモードにしてゴーカイスーパーノヴァを放ち、
続けてマーベラスもゴーカイスラッシュを放ち、
この2つの衝撃波を合体させて「ゴーカイスーパーノヴァ&スラッシュ」をバスコとサリー目がけて放ちました。

それに対して、バスコは逃げることは十分に出来たと思われます。
また、下がって受ければ余裕をもって受けることも出来たはずです。
しかしバスコは「ちっ!」と舌打ちしながら無理に突っ込んでいって受けて、
押し負けそうになりますが、「うあああ!!」と気合を込めてなんとか弾き飛ばしました。

「なにぃ!?」と自信の一撃を弾かれてしまったマーベラス達は驚き、
そのせいかバスコの異様な行動には気付いていないようですが、
バスコは今、確かに自分の前に横たわって動けなくなっていたサリーを守るために、
サリーを飛び越えて前に出て、マーベラス達の放ったファイナルウェーブを受け止めたのです。
そんな無茶なことをしたために、下手すればバスコの方が死んでいたかもしれない。
そこまでしてバスコがサリーを守ろうとしたのは実に意外でした。

いや、確かにサリーはバスコにとっては唯一の仲間といえるような存在ですが、
バスコは「人を信じない」と公言する男ですから、
仲間を大切にするという思考があるとは思えないのです。
まさか人は信じないが、猿だから信じるというわけでもあるまいし、ちょっとこれは謎です。
まぁ物語も終盤に入ってきましたし、そう遠くないうちにそのあたりの謎も明らかとなってくるでしょう。

「フン・・・」と言いながら6人揃って自分に対して攻撃態勢に入ろうとするマーベラス達を見て、
バスコは「あ〜あ・・・今日は引き揚げ時かな?」と呟きます。
もうメガレンジャーの「大いなる力」はどうでもいい。
マーベラス達が今のところは手に入れておけばいいとバスコも思っています。
そしてマーベラス達を痛めつけてやろうという気も、
サリーが重傷を負った状態では、失せてしまったようです。
それでバスコは倒れているサリーの腹の扉を開いて、二体の巨大擬似生命体を出します。

「一度に二体も?」とアイムは驚きました。
今までは一度に一体ずつしか出していなかったのですが、今回は一気に二体出してきました。
今までバスコがサリーの腹から出現させた巨大擬似生命体は、
リキッドロイドのワテル、ムーンロイドのツッキー、ファイヤーロイドのメランの三体で、
それぞれ水、月、火というようにネーミングが曜日縛りになっているようです。

今回はなんか緑色のやつと茶色のやつを出してきたようですが、
案の定、「ウッドロイドのモリリンと、ソイルロイドのドロリンだ!」とバスコは紹介します。
木と土ということです。
これでおそらく残る擬似生命体は2つで、それは日と金に関係するやつであるはずです。
今回もバスコはこの二体の擬似生命体にマーベラス達を襲わせている隙に逃げようという肚積もりであるようで、
「お二人さん!あとはよろしく!」とモリリンとドロリンに投げキッスすると、
サリーを連れて、さっさと逃げていってしまいました。

仕方なくマーベラスたちはゴーカイオーと豪獣神でこの二体の相手をすることになり、
ゴーカイオーはモリリンを圧倒し、豪獣神もドロリンを圧倒します。
この二体、大して強くなさそうです。
更にマーベラス達はゴーカイオーをマジゴーカイオーにチェンジして、
胸から出たマジドラゴンの口から火を吐いてモリリンに浴びせ、
モリリンはさすがに木だけに火には弱いようで、キリキリ舞いとなります。

ルカは「楽勝!」、ハカセは「このまま一気にいこうよ!」と調子に乗り、
アイムも「はい!」と一気にトドメを刺すつもりですが、
ここでモリリンとドロリンが起死回生の攻撃を繰り出します。
モリリンは蔦みたいな触手を伸ばしてきてゴーカイオーを何重にも縛ってしまい、
ドロリンは泥を猛烈に噴き出して豪獣神を首だけ残して埋めてしまいます。

ゴーカイオーは両手を封じられてしまって動けせません。
なんとか動かそうと操舵輪を回そうとしますが「・・・動けません!」とアイムは困った様子です。
単に動けないだけではなく、腕や胸部のハッチ、背中のダイヤルも動きを封じられてしまっているので
「大いなる力」をハッチから出して局面打開することも出来ません。
一方、豪獣神も「こっちも・・・ガチガチに固まっちゃいました!」と鎧が言うように、
身体を埋めた泥がカチカチに固まってしまったようで、こちらも身動きできません。

そうこうしているうちに、モリリンがゴーカイオーを縛ったまま引き回し、
ドロリンが無抵抗のゴーカイオーを殴りまくるというバイオレンスな展開となってしまいます。
そこでマーベラスはハリケンジャーのレンジャーキーを挿して「風雷丸!来い!」と言います。
そういえば「大いなる力」の中で風雷丸だけはゴーカイオーのハッチを開かなくても召喚することが出来るのです。

空の彼方から「ニンニンニンニンニン・・・風雷丸、見参!!」と飛んできた風雷丸は、
「とう!やあ!!」と手裏剣を投げてモリリンとドロリンを薙ぎ倒し、
更に「きえーい!!」とゴーカイオーを縛っている蔦を斬り、ゴーカイオーを解放してくれます。
なんだか一時期のお約束みたいに出ていた頃より、風雷丸、上手い使われ方してます。
ゴーカイオーの5人は「ありがとう!!」と風雷丸に礼を言い、
マーベラスは「次はこいつだぁ!!」とゴーオンジャーのレンジャーキーを出します。

せっかく風雷丸を呼んだんだからハリケンゴーカイオーになればよさそうなものですが、
ここはまぁ前回初登場のカンゼンゴーカイオーの大事な大事な販促期間ですから、そういうわけにはいきません。
マッハルコンを召喚して炎神ソウルをセットして巨大化させると、
マッハルコンは「今度は俺の番だ!!派手にぶっ壊すぞ!!」と、豪獣神を固めている泥の塊にぶつかっていき、
それを粉々にして豪獣神を解放します。

もうこの時点で例のカンゼンゴーカイオーのテーマ曲のイントロが始まっていて、なんだか燃えます。
鎧が「ありがとう!マッハルコ〜ン!」と礼を言うと、
マッハルコンは「合体いくぜぇっ!ゴーカイジャー!!」と、前回の合体をまたやるよう促します。
6人は「了解!」とゴーカイジャーのレンジャーキーを出し、コクピットに挿し、
ゴーカイオーと豪獣神とマッハルコンが合体してカンゼンゴーカイオーを完成させ、
「完成!!カンゼンゴーカイオー!!」と名乗りを決めるのでした。
そして今回はカンゼンゴーカイオーの歌、水木一郎アニキの歌入りです。やっぱり燃えますね。

このなんだか異様に強そうな巨大ロボの出現に驚いたモリリンとドロリンは
お互いがお互いの後ろに隠れようとして、なんだから仲良くおしくらまんじゅうしてるみたいになりますが、
そこに「ド派手にいくぜぇっ!!」とマーベラスはいきなり決め技を出します。
「ゴーカイカンゼンバースト!!」という掛け声で左手がロケットパンチとなって飛んでいき、
モリリンとドロリンを瞬殺。ホントにあっけないほど瞬殺です。

「よおっしゃあ!」とコクピットで皆が盛り上がる中、
鎧はメガレンジャーの決めポーズで「ゴーカイジャー!WIN!!」と叫びます。
これは「メガレンジャー」でメガレンジャーが勝つとよく表示されていた文字だったような気がします。

さて、エピローグは夕方、諸星学園高校の下校時間のシーンです。
戦いが終わって、夕方となり、色々ありましたが、結局いつもの平和な下校風景が繰り広げられています。
マーベラス達の1日体験入学も終わりを告げ、
マーベラス達は普段着に着替えて、健太と並んで校舎から出てきます。

下校していく生徒たちは親しげに「ゴーカイジャーありがとう!」と手を振って帰っていきます。
ハカセやアイム、鎧も手を振り返し、健太も「気をつけてなぁ!」と生徒たちに手を振ります。
そして健太は立ち止まり「・・・さぁってと!」と言います。
マーベラス達が振り返ると、健太は「約束のもんだよ」と言って6人の顔を見ます。

その瞬間、6人の懐で何かが光ったかと思うと、
取り出してみると、それはメガレンジャーのレンジャーキーが光を放っていたのでした。
「・・・メガレンジャーの大いなる力!」とハカセが嬉しそうに呟き、皆、目を輝かせます。
レンジャーキーを握りしめて嬉しそうな6人を見て健太は満足げにニッコリ笑って胸を張り、
「お前らの卒業証書代わりだ!」と言うのでした。

これはなんだか感慨深い場面です。
何故なら「メガレンジャー」の最終話も健太たち5人の卒業式の場面で終わっており、
最後は5人が卒業証書を貰うシーンであったからです。
メガレンジャーの精神を学ぶ課程を6人は見事に修了したということです。
そして、これは学校に行ったことがないというマーベラス達に
戻ってくることの出来る「母校」というものを作ってやるという粋な計らいでもありました。
6人は健太の粋な言葉に思わず微笑みます。

アイムは「ありがとうございます」と、恩師に頭を下げるように深々と頭を下げ、
健太は「いつでも遊びに来いよぉ!またコッソリ入れてやるからな!」と悪戯っぽく言います。
それに対してマーベラスはニヤリと笑いながら「ま・・・気が向いたらな!」と言うと、
さっさと学園に背を向けて歩いていきます。ジョー達も同じように後に続きます。

予想以上にあっさりとマーベラス達が去っていくので少し拍子抜けしたように健太が
「あ・・・あれ・・・?」と戸惑っていると、
鎧だけは「ありがとうございます!健太さんのこと忘れません!」と固く握手するので、
健太は「そ・・・そか!ちょっと焼肉食べに行くか?」と、なんだか逆に名残惜しそうです。

しかし、卒業というものは別れであると同時に外の世界への旅立ちでありますから、
マーベラス達のように、前に向かって進んでいくというので正解なのです。
この学園で学んだメガレンジャーの精神は、マーベラス達にとっては、
まだこの諸星学園高校でしか実現させることは出来ていません。
つまり、夢を掴もうとする他の皆とも力を1つに合わせて、
学園だけではなく、この地球を守るということです。
それを学園の外の世界でも実現させていくことが出来るかどうか、
卒業と同時に既にチャレンジは始まっているのです。
その険しい道に向かってマーベラス達は前を向いて進みだしたのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 22:50 | Comment(0) | 第39話「どうして?俺たち高校生」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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