2012年01月02日

第44話「素敵な聖夜」感想その1

昔はスーパー戦隊シリーズには年末正月の放送休止日というものは無く、年末でも正月でも放送はしていました。
だから年末には年末らしい単発エピソード、正月には正月らしい季節の風物詩的な単発エピソードが織り込まれて、
その後、クライマックス篇に突入していくようになっていました。
つまり、クリスマス前の一大決戦エピソードと年明けに開始されるクライマックス篇の間に
クッションとなる季節ものの単発エピソードがあったのです。

その後、2004年度の第28作「デカレンジャー」から
年末か正月のいずれかに1回放送休止日が挿入されるようになりましたが、
結局はクリスマス以降の年末か正月のいずれかには放送日がある状況は変わらず、
元から存在していた季節ものの単発エピソードをここに挿入するという慣習は残りました。

つまり、クリスマス商戦期の一大決戦エピソードの後、
放送休止日を挟んでその後すぐにクライマックス篇に入っていくというシンプルなパターンはほとんど無く、
近年でも「シンケンジャー」しかその例はありません。

他に珍しいパターンとしては、
クリスマス商戦期の一大決戦エピソードの後、
クライマックス篇の前に全体ストーリーにおける重要エピソードの前後篇を挿入し、
その前篇と後篇の間に放送休止日が入るという構成にした「マジレンジャー」があります。

しかし、この2作品以外は全て、年末か正月の放送回を使って1回、
あまり全体ストーリー的には重要でないユルめのノリの季節ものの単発エピソードを挿入しており、
放送日程によっては、放送休止日の前の単発エピソード1回と放送休止日の後の単発エピソード1回の
合わせて2回、季節もののエピソードも含めた、
あまり全体ストーリー的には重要でないユルめの単発エピソードを挿入するパターンもあります。
そして、この季節ものの単発エピソードというのはクリスマスや年末行事や正月行事にちなんだものが多いのですが、
その中にはそれらの行事ネタから話を転がして、
クライマックス篇に入る前にこれまでの物語を振り返ってみるような総集編的なエピソードを作ることもあります。

そうした通例を鑑みて、「ゴーカイジャー」の場合、
前回の12月18日放送の第43話でクリスマス商戦期の一大決戦エピソードである
ダマラスとの決戦の前後篇の後篇を終えたあと、まだ年内には12月25日の放送回を1回残しており、
その後、1月1日が放送休止日で、1月8日から放送再開というスケジュールになっていますから、
この12月25日放送の第44話というのは必然的に全体ストーリーの中ではあまり重要ではない、
ユルめの季節ものの単発エピソードになり、
1月8日の第45話からクライマックス篇となるというのが予想されます。

ただ、今回流れた次回予告、すなわち1月8日放送の第45話の予告を見ると、
第45話もなんだか思いっきり正月のノリのユルそうな話です。
というか、予告編の中にバトルシーンが無かったのですが、
こんなことは「ゴーカイジャー」史上、前代未聞のことです。
今までバトルシーンがあれば必ず予告編では流されてきました。
それが無いということは、第45話はバトルシーンが無いっぽい。
どうも第45話は普通のエピソードではなさそうです。
つまり、正月の新年会ノリっぽい話のようで、
しかもバトルシーンが無いということは、新年会ノリの総集編くさいのです。
これはまた、恐ろしくユルそうなエピソードになりそうな予感がします。

ただ予告に思いっきりニンジャマンが映っていたので、
第45話は遂に待ちに待ったカクレンジャー篇であることも間違いない。
おそらく最終レジェンド回になるであろうカクレンジャー篇がいきなり年明けに来るということは、
年明けにいきなりクライマックス篇に入るのではなく、
カクレンジャー篇の後にクライマックス篇に突入していくという構成なのかもしれません。
つまり、クライマックス篇の中にカクレンジャー篇が組み込まれているのではなく、
あくまで最終レジェンド回であるカクレンジャー篇とクライマックス篇は別だということです。
どうも次回予告のカクレンジャー篇の、クライマックス篇の始まりとは思えない途轍もないユルさを見ると、
そのように思えてきます。

まぁ「ゴーカイジャー」の場合、年明け以降まだ7話あります。
通例のスーパー戦隊シリーズにおけるクライマックス篇はだいたい4〜6話を費やして作られますから、
「ゴーカイジャー」の場合、カクレンジャー篇の後でクライマックス篇が始まっても十分でしょう。

それにしても最終レジェンド回とは思えないカクレンジャー篇のユルさには驚きますが、
まぁ「カクレンジャー」という作品自体がかなりユルいので、カクレンジャー篇らしいといえばらしい。
というか、「カクレンジャー」という作品はユルさと熱さがヘンテコな形で同居していた、
これもまたシリーズにおける問題作の1つなので、いったいどんなレジェンド回になるのか想像もつきません。

ただ、カクレンジャー篇がクライマックス篇とは切り離されて独立して作られるということは、
制作サイドがカクレンジャー篇を、ユルさもありつつも
とにかくちゃんとした形で作ろうとしているということであり、
しかも最後のレジェンド回ですから、それなりの名作になるのではないかと期待してしまいます。
ただレジェンドゲストがよりによってニンジャマンであるというのが、
思いっきり不安でもあり楽しみでもありますが。

しかし、そうなると、カクレンジャー篇が新年会の総集編で終わりというわけにもいかないでしょう。
そもそもレジェンド回でありながら新年会で総集編ってのがまず有り得ないくらい変な扱いなのですが、
これはまぁカクレンジャー篇だから許せます。
しかし、いくらニンジャマンがバカでも、新年会の総集編ノリだけで大いなる力をゴーカイジャーに渡すはずがない。
というか、それじゃ全然カクレンジャー篇じゃありません。

ということは、カクレンジャー篇は第45話で終わりではないと考えられます。
つまり、カクレンジャー篇は前後篇構成であり、
ちゃんとバトルシーンもあってニンジャマンが納得してゴーカイジャーに大いなる力を渡す
後篇もあると思われるのです。
まぁ考えてみれば、最終レジェンド回ですから、ここで全ての大いなる力が出揃うわけで、超重要エピソードです。
前後篇構成であっても全然おかしくはない。

ところで、以前に「ゴーカイジャー」本編と映画「ゴーカイジャーVSギャバン」の時系列の関係が、
「仮面ライダーW」本編と映画「運命のガイアメモリ」の時系列の関係に準じたものと考察しましたが、
その考察の最も核心の部分は、映画の後日談からクライマックス篇が始まるというものでした。
しかし、第45話のカクレンジャー篇がクライマックス篇の開始エピソードでないとして、
しかもカクレンジャー篇が第45話、第46話の前後篇構成だとするならば、
クライマックス篇は第47話開始の5エピソード分ということになります。
もしクライマックス篇が第47話から始まるとするなら、
「ゴーカイジャーVSギャバン」の物語は第46話と第47話の間の出来事ということになります。

そうなると、第46話の放送日は1月15日、第47話の放送日は1月22日であり、
「ゴーカイジャーVSギャバン」の公開日は1月21日ですから、
第46話→「ゴーカイジャーVSギャバン」→第47話、という物語上の時系列は、
この一連のエピソードの放送日や公開日の現実世界での時系列とも一致するということになります。

これは当たり前のように見えて、もし実現するとしたら、
現実にはスーパー戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズにおいて今まで有り得なかったことです。
そもそも大抵はパラレルワールドという処理をされることの方が多く、
同時進行のTV版と劇場版の物語がリンクすることすら稀なのです。
ましてや物語の時系列に放送日と公開日の時系列までも一致させるなどということは、
あの「運命のガイアメモリ」ですら為し得ていなかった。
現在公開中の仮面ライダーのMOVIE大戦でもフォーゼ篇はTV本編とリンクしているが
物語の時系列と放送日や公開日の時系列を一致させてはいません。

しかし、実は「ゴーカイジャー」という作品においては、むしろこれが通常通りのパターンなのです。
これまで「ゴーカイジャー」の劇場版は「199ヒーロー大決戦」と「空飛ぶ幽霊船」の2本が作られていますが、
この2本とも、同時進行のTV本編と内容もリンクしていて、
物語の時系列と放送日公開日の時系列も一致しているのです。

「199ヒーロー大決戦」はTV本編と密接にリンクした内容であり、
第16話と第17話の間に挿入されるエピソードですが、
第16話の放送日は6月5日、「199ヒーロー大決戦」の公開日は6月11日、第17話の放送日は6月12日なのです。
また「空飛ぶ幽霊船」はTV本編との内容的なリンクは薄いですが、
第24話で使用されたザンギャックバズーカの完成が「空飛ぶ幽霊船」の中で描かれていることから、
おそらく第23話と第24話の間に挿入されるエピソードと見られます。
その第23話の放送日は7月31日、「空飛ぶ幽霊船」の公開日は8月6日、第24話の放送日は8月7日なのです。

つまり、「ゴーカイジャー」の劇場版は、
そのエピソードが挿入される前後のTV本編エピソードの放送日程の間に公開日初日を迎えるように
調整されるのが通例なのです。
だから「ゴーカイジャーVSギャバン」もそうなる可能性が高く、
そうであるとするならば、「ゴーカイジャーVSギャバン」の後に続く話が第47話であり、
「仮面ライダーW」のクライマックス篇がTV本編終盤の日程に公開された劇場版「運命のガイアメモリ」の後に
続く形で始まったという例に倣うのならば、
やはり第47話からが「ゴーカイジャー」のクライマックス篇ということになります。

そうなると、やはり第45話と第46話は最終レジェンド回の前後篇構成で
カクレンジャー篇であるということになります。
そして、その前篇である第45話はカクレンジャー篇の前篇でありながら同時に、
正月エピソードであり総集編的な内容と予想され、
その前の週が放送休止日で、その前の週が今回の第44話の季節ものの単発エピソードとなります。

つまり、「ゴーカイジャー」という作品は、
クリスマス商戦期の一大決戦エピソードの後、元旦の放送休止日を挟んで
年末と正月の季節もののエピソードを1つずつ、すなわち季節ものエピソードを合計2つやった後、
クライマックス篇に入るという構成になっているようです。
しかも正月の方の季節ものエピソードは単発エピソードではなく、
総集編も込みの前後篇で、最終レジェンド回でもあるのですから、
なんともバラエティーに富んだ構成といえます。

で、その季節ものエピソードの第1弾が今回で、しかも放送日が12月25日、クリスマス当日の朝ですから、
当然のごとくクリスマス篇の単発エピソードとなります。

クリスマスというのは子供にとっては超重要な行事ですから、
子供向け番組であるスーパー戦隊シリーズは、この時期、大抵はクリスマスをストーリーに絡めてきます。
ただ、作品ごとに毎年放送日程が変わりますから、
クリスマス商戦期の一大決戦エピソードの後の単発エピソードの放送日が12月26日以降であった場合、
そこでクリスマスエピソードをやると恐ろしく間抜けになります。

そういう場合はその前の一大決戦エピソードがクリスマス絡みの内容になるのですが、
この場合、どうしても一大決戦のバトルがストーリーのメインですから、
クリスマスはストーリーの添え物みたいな扱いになります。
このあたりはカレンダーの巡り合わせ次第というところで、
「シンケンジャー」や「ゴーオンジャー」はこのパターンでした。
「ゴセイジャー」に至っては一大決戦にクリスマスは関係無かったような気がします。

なので、クリスマス篇の単発エピソードを作ることが出来たのは
近年では「ゲキレンジャー」や「ボウケンジャー」あたりですが、
これらはクリスマスをネタにした軽いギャグ回という趣で、
やはりこの年末正月時期の季節ものはユルい話が多いので、クリスマス篇もその例外ではないようです。

特に今回はレジェンド回のバトルフィーバーJ篇でもあるということなので、
当初はギャグ篇になるのではないかと予想していました。
「バトルフィーバーJ」という作品は、確かに「カーレンジャー」や「ゴーオンジャー」のような
ギャグ戦隊ものではないのですが、軽妙なユーモア精神溢れる作風で、明らかにユルい作風でした。
それになんていってもバトルフィーバーJという戦隊の最大の特徴が「ダンス」なので、
バトルフィーバーJ篇となるとダンスが絡んでくるのが予想され、
それでもってクリスマス篇で季節もののユルい単発エピソードということになると、
クリスマスパーティーでマーベラス達がダンスでもするようなカルト的なギャグ回を想像してしまいます。

ところが今回はバトルフィーバーJ篇とはいっても、実質的にはレジェンド回的な要素はほとんど無く、
バトルフィーバーJのレジェンドゲストの曙四郎は短い2シーンに出てくるだけでセリフもほとんど無く、
しかも最初のシーンはサンタの扮装をしてルカや鎧と顔を合わせているが
素顔は見せておらず正体も明かしていません。
そして2度目の登場シーンでは、ようやく視聴者に正体を明かして素顔を見せましたが、
マーベラス一味の前には姿を見せておらず、
今回、実質的にはマーベラス一味と四郎は出会っていません。

これはレジェンド回としては通常のパターンからは大きく逸脱しており、
レジェンド回の形にはなっていないと思います。
おそらく、今回はもともとは単なるクリスマス篇の通常回の構想であったものに、
後からバトルフィーバーJ篇という要素を付け足して、レジェンドゲストの曙四郎の登場シーンを作ったのでしょう。
つまり本当はバトルフィーバーJ篇というものは
「ゴーカイジャー」では予定されていなかったのではないでしょうか。

「ゴーカイジャー」という作品におけるレジェンド回というものは、
あくまでゴーカイジャーの物語の中で必然性のある形で挿入されていくのですが、
どの戦隊のレジェンド回をやるのかというチョイスまでが全て
ゴーカイジャーの物語における必然性が基準になっているわけではないでしょう。

これまでのレジェンド回を振り返ってみると、
メガレンジャー篇の登場が遅かった割にゴーカイジャーの物語の中でのテーマ的な必然性が完璧であったことと、
東日本大震災でズレた日程調整のためにカーレンジャー篇が急遽作られたらしいことを考え合わせると、
やはり夕方に放送されていた第20作の「カーレンジャー」以前と、
日曜朝に放送されるようになった第21作の「メガレンジャー」以降の作品の間に線が引かれていたように思えます。

つまり、当初レジェンド回を作る予定であったのは「メガレンジャー」以降の14作品分であったのでしょう。
そこで線引きをした理由は、ニチアサ枠作品であるということで1つのカテゴリーとなるということと、
確かにニチアサ枠に移り30分番組となって以降の「メガレンジャー」以後の作品は
戦隊のテーマが明確でありレジェンド回が作りやすいこと、
ロボやメカや技のセンスが現代に近くて「大いなる力」を目に見える形で作りやすいこと、
現代の子供たちに馴染のあるヒーロー像に近いこと、
レジェンドゲストがまだ比較的若くて往時の作品を知らない子供たちから見てもちゃんとヒーローに見えること、
現役の制作陣に馴染のある役者さん達が多くてレジェンドゲスト出演のオファーがしやすいことや
制作現場での意思疎通がスムーズであることなどが理由であったのでしょう。

そうしてニチアサ枠14作品のレジェンド回を行うことは前提で、
更にそれらの中でも21世紀以降の玩具売上上位の7戦隊は「大いなる力」で玩具展開をすることを前提に
物語の軸を構成するようにして、
それらが必然性のある形で嵌り、なおかつ単体としても面白い物語となるように
入念にゴーカイジャーの物語が練られたのでしょう。

そして「カーレンジャー」以前の20作品に関してはTV本編でレジェンド回は設けずに、
劇場版の中で処理したり、バスコに奪われたり、ニチアサ枠戦隊とまとめるという形で
処理するつもりであったのでしょう。

ところが宇都宮Pの証言にもあるように、
1月のプレミア発表会の時に「ライブマン」出演者の西村和彦氏からの逆オファーがあり、
「カーレンジャー」以前の戦隊に関してもレジェンド回をやるという方針転換がなされるようになったようです。
ただ、西村氏からの逆オファーだけでこれほどの方針転換がなされるとも思えず、
西村氏を宇都宮氏に引き合わせたのがスーツアクターの蜂須賀氏であったらしいことも考え合わせると、
制作現場では「カーレンジャー」以前の戦隊のレジェンド回にもチャレンジしたいという空気は
当初から根強く存在したのだと思われ、実質的にはそれに応える形での方針転換であり、
西村氏の逆オファーはそのきっかけ、あるいは決め手となったに過ぎないと思われます。

ただ、当初方針が撤回されたわけではなく、
あくまで当初のレジェンド回を行う基準となっていたラインを大部分クリアした上で、
既に出来上がっていたゴーカイジャーの物語に必然性を持って挿入することが出来る戦隊だけが、
例外的にレジェンド回を追加されることになったのでしょう。

そうして新たに増えたレジェンド回が、
ライブマン篇、ジェットマン篇、ダイレンジャー篇、カクレンジャー篇、オーレンジャー篇、カーレンジャー篇の
6つであったのでしょう。

このうち東日本大震災の放送日程のズレの調整に挿入されたカーレンジャー篇は物語上の必然性は無関係で、
もともと未定だったクライマックスの展開の中に挿入されるカクレンジャー篇は
当初組み立てられた物語上の必然性は考える必要は無い。

そして残る4つに関しては、
友と戦わねばならなかったライブマンは、バリゾーグとジョーの因縁に絡める必然性があり、
地球を守る義理の無い素人戦隊のジェットマンは、
初めての地球を守る戦いで恐怖を感じたマーベラスの心情に絡める必然性があり、
変身出来ない状態でヒーローを自覚して真のヒーローとなったダイレンジャーは、
変身できることで慢心して初心を忘れた未熟な戦士の鎧に絡める必然性があり、
オーレンジャーはバスコとの対決とゴーカイガレオンバスター開発の物語に絡める必然性はあった。

ただ、おそらくそこでも一定の線は引かれており、その線はライブマンのところで引かれていたと思います。
あくまで例外的措置ですから、西村氏からの逆オファーを受けた「ライブマン」以降の戦隊については、
追加レジェンド回の検討対象とし、
「ライブマン」よりも前、つまり第11作の「マスクマン」以前の戦隊に関しては、
さすがにレジェンド回の基準をクリアするのは難しいということで、
最初から検討対象ではなかったのではないかと思います。

つまり、第3作の「バトルフィーバーJ」は当然、レジェンド回は想定されていなかったのではないかと思います。
そのバトルフィーバーJ篇がどうして実現したのかというと、
それはおそらくダイレンジャー篇が実現したのと同じような理由によるものでしょう。

実はダイレンジャー篇はゴーカイジャーの物語上の必然性はイマイチ弱いといえます。
鎧が慢心するという展開は別に挿入しなくてもゴーカイジャーの物語に大きな影響は無いからです。
だからダイレンジャー篇はやや強引に挿入されたっぽいのです。
これについてはリュウレンジャー亮役の和田圭市氏が証言しているように、
和田氏の逆オファーによるものです。

ただ、西村氏の逆オファーを受けたのは
例外レジェンド回をやるという方針転換と合わせた決断だったのでよいとしても、
宇都宮Pはそれ以外の逆オファーをいちいち受けてはいません。
例えば「サンバルカン」のバルパンサー役の小林朝夫氏は出演を希望されていたようですが、
結局サンバルカン篇自体が実現していません。
あくまで必然性が無ければレジェンド回をやらないという方針は健在なのです。

ただ和田氏の場合、小林氏とは事情が違います。
和田氏の場合は「199ヒーロー大決戦」に既に必然性のある形で出てもらっていますので、
既に「ゴーカイジャー」の関係者と言ってよい存在であり、
そういう人からの逆オファーはやはり無碍に断るべきではないでしょう。
だからTV本編のダイレンジャー篇は実現したのでしょう。

そして、「199ヒーロー大決戦」に和田氏と同じ位置づけで出演していた大葉健二氏の関わる
「デンジマン」「バトルフィーバーJ」も、
安易にレジェンド回は無しという結論を出せない状態であったのでしょう。
ただ両方やるわけにはいかないので、
「199ヒーロー大決戦」で大葉氏が演じたデンジブルー青梅大五郎に関する補完レジェンド回は
「ゴーカイジャーVSギャバン」の方で処理することにして、
TV本編の方では未登場のバトルフィーバーJ篇の方をレジェンド回として実現することにしたのでしょう。

とはいっても、さすがに単独でバトルフィーバーJ篇を挿入できる放送回的な余裕も無く、
また、さすがにゴーカイジャーの物語の中で、
あまりに古い作品のレジェンド回であるバトルフィーバーJ篇を必然性ある形で作ることも出来なかったので、
最初はクリスマス篇の単発の通常エピソードとして構想されていた第44話に、
やや強引な形で、大葉氏の演じる元バトルケニアの曙四郎を登場させたのでしょう。

バトルフィーバーJや曙四郎とクリスマスには何の関係性も無く、サンタやパンダも何の関係もありません。
ただ四郎は動物と話すことが出来る、動物と友達のキャラだったのでパンダと一緒にいても不自然ではありませんが、
「バトルフィーバーJ」本編にはパンダは登場しておらず、
そもそも今回のエピソードに登場して四郎の横で踊っていたパンダが本物のパンダとは思えず、
いったいどういう意味があったのか、よく分かりません。
もしかしたら中に意外な人物が入っていたのかもしれません。

まぁパンダの件はさておき、四郎がサンタコスをしてクリスマスに現れる必然性は一見全く無く、
今回は基本的には単なるクリスマス篇として見ればいいと思います。
つまりバトルフィーバーJ的な要素は全く無く、
通常はそんな状態では「大いなる力」の受け渡しは出来ないはずの、かなり異例のレジェンド回です。

ただ、「199ヒーロー大決戦」におけるゴレンジャーやジャッカー電撃隊などの初期戦隊は
これと同じような扱いと言ってよいでしょう。
あの時、海城剛や番場壮吉たちは、レンジャーキーの作り出した光の空間の中でビジョンとなって現れて、
マーベラス達に顔を見せてはいますが、自分の名前や戦隊名などは名乗ってはいません。
つまり海城や番場らが一方的にマーベラス一味を自分の戦隊の精神的後継者と認めただけで、
マーベラス達は自分達の中にどの戦隊の精神と同じ戦う精神が潜んでいるのか自覚しないまま、
「大いなる力」を受け取ったのだと言えます。

これはイレギュラーな「大いなる力」の譲渡方法であり、
それゆえ、これと同じ状況で受け取ったボウケンジャーやゴーオンジャー、ダイレンジャーの大いなる力は
それらを引き出す時に補完レジェンド回を必要とすることになったのです。

つまり、本来は有り得ない形での譲渡方法であったのであり、
そんな本来は有り得ないことが起こった原因は、
あのレンジャーキーが作り出した不思議な空間のパワーなのでしょう。
ある種の奇跡なのだと言っていい。

すると、未だ補完レジェンド回の無いゴレンジャーやジャッカー電撃隊、
デンジマン、ゴーグルファイブ、ダイナマン、バイオマン、ターボレンジャーの大いなる力の場合、
再び同じような不思議な現象が起きた際ならば、その力を引き出すことが出来るのかもしれません。
実際、ゴレンジャーの大いなる力は、あの「199ヒーロー大決戦」映画の中のもう1つの奇跡の起きた場面、
すなわちレンジャーキーの力で玩具のロボが巨大化して本物の巨大ロボと化して黒十字城と戦った場面において
「ゴレンゴーカイオー」という形で引き出されたのです。

この「レンジャーキーによる不思議現象下でならば補完レジェンド回が無くても大いなる力は引き出せる」
という法則を適用すれば、
バスコに奪われた5戦隊の大いなる力も補完レジェンド回無しに、
マーベラス達がバスコからそれらの大いなる力を奪還した際に
ビジョンで5戦隊の戦士が変身後の姿で現れて頷くだけでも、大いなる力の譲渡は成立することにはなります。

そして、一種の奇跡現象の下でならば、
マーベラス達がレジェンド戦士が何者なのかも分からない状態で大いなる力の一方的譲渡が成立するのなら、
今回の曙四郎からマーベラス一味へのバトルフィーバーJの大いなる力の一方的譲渡も成立するといえます。
何故なら、クリスマスだからです。

クリスマスイブの夜においては、良い子にはサンタがプレゼントをしてくれるという奇跡が起きるのであり、
マーベラス一味がクリスマスイブに良い子にしていれば、
その夜、奇跡が起きて「大いなる力」の一方的譲渡という現象が起きるというのは、
「ゴーカイジャー」の物語世界の中ではある意味では整合性がとれた現象なのです。

だから、その譲渡者である元バトルケニアの曙四郎が
サンタの格好をして登場するというのは意味のあることであり、
サンタの格好をした四郎がマーベラス一味が「良い子」であるのかどうかを見極めて、
マーベラス一味と顔を合わすことなくバトルフィーバーJの大いなる力を渡すというのも、
「ゴーカイジャー」のクリスマス篇として、ちゃんと筋が通った展開なのです。

そして、そのクリスマス篇においてマーベラス一味が「良い子」であるのかどうかを
一方的に見極める役目が曙四郎であるというのも、それなりの必然性はあります。
この奇跡現象下での一方的譲渡という現象は
「199ヒーロー大決戦」でもゴレンジャーやジャッカー電撃隊など、かなり初期の戦隊が主導して行われており、
しかもマーベラス一味の何をもってスーパー戦隊の後継者として認めたのか、非常に曖昧で抽象的で、
ヒーローとしての根源的な要素を判断材料としているように見受けられます。

つまり、どうやらこの作品の物語世界における位置づけとしては、
マスクマン以前の昭和戦隊はレジェンドの中のレジェンド的な扱いで、真の意味での伝説的戦隊であり、
マーベラス一味とは対等な存在とは扱われていない、一段上の存在のようなのです。
だから、近年の戦隊のようにいちいちレジェンド回で
マーベラス達と喧々諤々の遣り取りを経て分かり合ったりはしない。
一段上からマーベラス達を見守り、いちいち会話などしなくても観察するだけで彼らのことを理解して、
ヒーローとして認めて、奇跡的現象に際して彼らに大いなる力を譲渡する動きを主導するのです。

そして、もちろん、バトルフィーバーJという戦隊も、シリーズ3番目の戦隊であり、
実は実質的にはシリーズ1つめの戦隊でもある、
ゴレンジャーと並ぶ始祖的戦隊であり、レジェンドの中のレジェンド戦隊の資格は最も持っています。
その始祖戦隊バトルフィーバーJが「良い子」というヒーローの根源的な条件をもって
マーベラス達をスーパー戦隊の後継者として認め、
クリスマスイブの夜の奇跡に際して、自らの戦隊の大いなる力を一方的に譲渡するというのは、
かなり「ゴーカイジャー」の物語において必然性と説得力があると見ていいと思います。

ただ、そうなると、そのクリスマスイブの夜の奇跡に説得力が無ければいけません。
そのためには、マーベラス一味の面々が正しくクリスマス的な意味で「良い子」でなければならない。
そこに説得力をもたせるために、
今回のエピソードは実はかなり真面目に「クリスマス」というものを描いています。

クリスマス篇のような、この時期の季節ものの単発エピソードが
スーパー戦隊シリーズにおいては、通常はクリスマスをネタにしたユルいギャグ篇が多いのに対して、
この「ゴーカイジャー」においては、シリーズでは珍しい「真面目なクリスマス篇」となっています。

まぁ今回は敵怪人が非常にギャグ色の強いヤツであり、
そこに更にギャグ色の強めの敵幹部ダイランドーも絡んで、かなり敵側がストーリーを引っ掻き回してくれて、
それに対するゴーカイジャー側のアクションも軽妙で、特に鎧は意味不明に弾け切っており、
一見するとギャグ篇のようにも見えます。

しかし、今回のストーリーの核心が、
「悪い子」であったルカがクリスマスの意味を理解して「良い子」に変わっていき、
そしてヒーローになっていく物語であるのは、よく見れば誰でも理解できるところです。
今回のエピソードが具体的にどのようにクリスマスというものを描いているのかについては
本編の考察の方で触れますが、
とにかくスーパー戦隊シリーズでここまでクリスマスの本質に真正面から取り組んだ寓話を描いた例は皆無でしょう。

こんなに真面目な季節もの単発エピソードも珍しく、
例年通りのユルい季節もの単発エピソードは次回の新年会総集編エピソードの方でやるつもりなので、
今回のクリスマス篇は真面目な内容にしたともいえますが、
それにしても真面目にもほどがあるというほど真面目です。
そもそも「ゴーカイジャー」の各エピソードは、ヒーローの在り方についていつもかなり真摯に描こうとしており、
海賊戦隊という悪漢ヒーローものらしからぬ丁寧な作りになっています。

だいたい、海賊というと自由奔放なイメージがありますが、
マーベラス一味は意外に自由奔放ではなく、どちらかというと自制的で規律正しく節度ある連中です。
つまり意外に思えるほど、とても真面目なのです。
ただ、精神的には確かに彼らは自由奔放なのです。

しかし彼らは現実的にはお尋ね者として追われる身ですから、自由気ままに我が世の春を謳歌できるわけではない。
自由な精神を持ちながら、現実には極めて不自由な生活を余儀なくされている。
自由な精神を持ってしまったために不自由な生活を余儀なくされる羽目になり、
自由な精神を持っているからこそ、不自由な生活を不自由に感じて苦しむことになっているともいえます。
しかし、その苦しい不自由さの中でも自由な精神を捨てないからこそ彼らは海賊なのだと言えます。

同様に、彼らは夢や希望を持ってしまったためにお尋ね者という不幸な身になり、
夢や希望があるゆえにその不幸な境遇に苦しみを感じるのだが、
不幸の中でも決して夢や希望を捨てないからこそ海賊なのだといえます。

つまり海賊の本質とは、夢や希望を実現する、ひたすら明るいイメージのものではなく、
不幸や不自由の中でも決して夢や希望や自由な精神を捨てないという、
暗さの中で光る不屈の精神のイメージだといえます。
だから、海賊というのは自由気ままに振る舞う奴らなのではなく、
不自由で窮屈な生活の中でも自由な精神を保持する強い奴らなのであり、
マーベラス一味においてはそうした海賊の本質が描かれているから、
彼らは意外に自由奔放ではなく、むしろ自制的な連中なのです。
それでいて、突き抜けるような自由を愛する心や夢や希望を持っている。
真面目な行動を余儀なくされていながら、心の中は不真面目と言っていいほど自由で明るいという
アンバランスが海賊戦隊の特徴といえます。

そうなると、今にして思えば、真面目なヒーロードラマを描きたかったから、
海賊戦隊という設定にしたのではないかと思えてきます。
普通は行動が真面目なら心の中も真面目なはずです。
しかし真面目なヤツが真面目なことをしているドラマは、ちょっと真面目さが押し付けがましすぎて、
見ていて窮屈さを感じてしまいます。
だからヒーローの真面目な行動を描きたいのなら、その心の中は不真面目な方がいい。

この作品はヒーローというものを特に突き詰めて真面目に描きたかったので、
バランスをとるために、
そのヒーローは極めて不真面目な精神を持ちながら真面目な行動をとらざるを得ない連中にしたのでしょう。
また、どんな不幸の中でも夢や希望を失わず、どんな不自由の中でも自由な精神を捨てないという、
そういう者こそが真の意味での正しいヒーローというものでしょう。
だから海賊戦隊というのはヒーローの典型なのであり、前回考察したように、まさにヒーローに「原型」なのです。
それが海賊戦隊という設定の本質だと思います。

それにしても、どうしてこの作品は、それほどヒーローの「原型」にこだわり、
ヒーローというものを特に突き詰めて真面目に描こうとするのか?
前回考察したように、歴代戦隊が総登場する作品であるゆえに、
現役戦隊が埋没しないためという理由も確かにあるが、
今回のクリスマス篇のあまりに真面目にクリスマスの本質的な寓話を描こうとする姿勢などを見ると、
この作品の制作者が良い意味で自らの作品を特別視しているのだろうと想像出来ます。

つまり、この「ゴーカイジャー」という作品は特別なのです。
名作だとか傑作だとかいうわけではありません。
そういう総体的な評価というものは出来上がった後で他人が下すものであり、
この作品も案外つまらないという評価になるかもしれません。
ただ、ここで重要なのはそういうことではありません。
ここで大事なのは制作姿勢の問題です。

この「ゴーカイジャー」という作品には歴代の34のスーパー戦隊も登場します。
いや、正確にいえば登場してもらっているのです。
歴代34戦隊はそれぞれが1年間かけて血と汗と涙で作り上げた
完結したヒーロードラマとしての物語世界があります。
この作品はそれらを拝借させていただいているのです。

そうして出来上がった「ゴーカイジャー」という作品が全くいい加減で下らない作品だったとしたなら、
それはシリーズ歴代34作品の顔にも泥を塗ることになるのです。
そんな失礼なことが出来るはずがない。

また、この「ゴーカイジャー」という作品は歴代34作品の世界観も含んで作られているために、
もしかしたら後世、「昔のスーパー戦隊シリーズってどういうものだったのか?」という質問に対して
「じゃあとりあえずこの作品を観てみたらいい」と言って勧められる作品になる可能性があります。
その場合、この「ゴーカイジャー」がいい加減で雑な作りをしていれば、
第1作から第34作のスーパー戦隊シリーズの作品が全部同じ悪い印象で見られてしまうことになる。
そんなこともあってはなりません。

だから、そういう可能性も見越して、この「ゴーカイジャー」という作品は、
面白いとか面白くないとか、人気が出るとか出ないとか、そういう近視眼的な問題よりも、
まず何よりも、子供向けのヒーロードラマとして、
現在の人気だけでなく後世の評価にも耐えられるほどに
丁寧に良心的に深いテーマを描くように作られなければいけないのです。

本当にこの作品が後世においてそれほどの扱いを受ける作品になるのかどうかは現時点では誰にも分かりませんが、
それでも現時点において制作サイドはそうなることも念頭に置いて、
スーパー戦隊シリーズの歴史を背負う気概で、非常に丁寧にこの作品を作っていることは、
この「ゴーカイジャー」の各エピソードのヒーロードラマとしてのテーマの深さ、
丁寧で緻密な描写などを見ると、痛いほどに理解出来ます。

今回のクリスマス篇も、そうした「ゴーカイジャー」スタッフの
子供向けヒーロードラマのクリスマス篇の後世のスタンダードにもなろうかというほどの、
良い意味での自負心が感じ取れる一篇であり、
そのクリスマス篇としてのクオリティの高さがあるからこそ、クリスマスの奇跡に説得力が生まれ、
バトルフィーバーJの大いなる力の譲渡にも説得力が生まれて、
今回のエピソードを、本来は今回の内容的には成立し得ないはずのレジェンド回のバトルフィーバーJ篇として
成立させ得ているのです。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 22:47 | Comment(0) | 第44話「素敵な聖夜」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月04日

第44話「素敵な聖夜」感想その2

では本編ですが、今回の冒頭場面は前回のエピローグ的な内容から今回のお話へ切り替わる構成となっており、
まずはギガントホースの指令室の場面から始まります。

前回のダマラスがマーベラス一味によって倒された戦いから1週間ほど経ち、
黙って司令官席に座っていた皇帝アクドス・ギルが遂に立ち上がり、
「宇宙海賊か・・・確かに侮り過ぎていたかもしれん・・・」と呟きます。

実際のところ、アクドス・ギルはさほどマーベラス一味のことを侮ってはいませんでしたが、
本国から連れてきていた親衛隊員のザツリグに続いて、宇宙最強の男の異名をとったダマラスまでも倒されて、
単体でマーベラス一味を確実に仕留められる刺客を繰り出そうにも、そのアテがなくなってしまいました。
本国から連れてきている親衛隊の精鋭としてはダイランドーが残っていましたが、
もしダイランドーまでも倒されてしまっては、
イザという時にアクドス・ギル自身を守る親衛隊が手薄になってしまいます。

決してワルズ・ギルのように軽率な偏見で海賊を軽視したり、
ダマラスのように自らの強さに驕って海賊を甘く見たりというような愚かしさは無かったアクドス・ギルですが、
それでも、自分の身通しがやや甘かったことは認めざるを得ませんでした。
いくらマーベラス一味が手強いとはいっても、わざわざ連れてきた親衛隊の最精鋭ならば勝てるだろう、
それがダメでも宇宙最強の戦士であるダマラスならばよもや負けないだろう、
そのように思って討伐部隊を差し向けていったにもかかわらず、いずれもマーベラス一味の前に敗れ去った。
こうなると、マーベラス一味を倒すために行動部隊を差し向けるという作戦そのものが
見通しが甘かったと言うしかない。

アクドス・ギルは振り向いて畏まるダイランドーやインサーンに向かって
「地球征服に向け、本格的に軍を立て直す必要があるな・・・!」と言うと、
そのまま指令室を出て行きました。

アクドス・ギルは単にマーベラス一味を倒して息子の仇を討つためだけに地球までやって来たというわけではなく、
あくまで地球征服が今回の作戦の最終目的です。
単に息子の仇を討ちたいだけにしてはあまりに冷静すぎるので、
地球征服の方が主な目的であることは見ていてよく分かります。
息子に命じたが失敗した地球征服を自らの手で成功させることにアクドス・ギルはこだわっており、
アクドス・ギルが執拗にマーベラス達を倒そうとしていたのは、息子の仇だからというよりは、
どうも地球征服の障害となっていることが理由であるように見えてきました。
つまりアクドス・ギルは何としても地球を征服したいようです。

この直後、インサーンが皇帝の動きとは別に自分達の持つ戦力(地球侵略軍の戦力)の
見直しを提案しているところを見ると、
この皇帝の立て直そうとしている軍というのは、地球侵略軍とは別であり、
また皇帝の引き連れてきた親衛隊のことでもなく、
本国にある帝国の主力軍に動員をかけるということなのでしょう。

おそらく地球侵略軍の持つ艦隊戦力ではマーベラス一味の持つ巨大戦力に勝つことは出来ないのでしょう。
だから、まずは精鋭の行動部隊を送り込んでマーベラス一味を等身大戦で倒してしまい、
その後で艦隊を地球に侵攻させて地球征服を成し遂げるというのが
当初のアクドス・ギルの作戦であったのだと思います。
というか、ザンギャックの異星侵略軍の宇宙戦艦というのは、
あくまで空爆によって地上の征服を担当する行動部隊を支援するための兵器であり、
艦隊だけで異星の侵略というのはなかなか出来るものではないのでしょう。

特に地球にはそれなりに防衛組織もあり、ザンギャック軍も艦隊だけで攻めては返り討ちにあう危険もある。
だから、もともとワルズ・ギルが率いていた頃の地球侵略軍においても、
艦隊はあくまで地上部隊支援の空爆を行うのみであり、
艦隊の支援を受けて地上に降りた行動部隊が、その行動隊長の怪人の常人離れした戦闘力を中心とした
ケタ外れの攻撃力で地上の拠点を制圧していくというのが、地球征服作戦の基本戦略であったのです。
そういうわけなので、艦隊の支援が無くても地上部隊が活動出来る場合、
例えば秘密破壊工作など、そういう場合は艦隊は出動せずに、地上部隊だけが動くのです。

これらは別にワルズ・ギルの独創ではなく、
ザンギャック軍の異星侵攻作戦の基本戦略がそのようなフォーマットになっているのでしょう。
ところが、地球ではマーベラス一味という予期せぬ敵が現れて、
ザンギャックが地上に送り込んだ行動部隊をことごとく潰してしまった。
かといって艦隊で征伐しようとしても、マーベラス一味が何時の間にかパワーアップして持つようになった
巨大戦力はザンギャック地球侵略軍程度の規模の艦隊を凌駕する力を持っており、
ザンギャック艦隊は返り討ちにあう危険の方が大きい。

そこでワルズ・ギルは何度か行動部隊を使ってマーベラス一味を排除する作戦に打って出たが、
これもことごとく失敗し、
最後は最強の決戦機を使って巨大戦で勝機を見出して自ら出撃したが、
これも巨大戦で更なるパワーアップを果たしたマーベラス一味に敗れてワルズ・ギル自身が戦死してしまった。

その後、地球侵略軍に乗り込んできた皇帝アクドス・ギルは、
帝国の最精鋭の怪人であるザツリグとダマラスにマーベラス一味の討伐を命じたが、
これもことごとく失敗してしまった。
そうなると、もう地上戦で行動部隊によってマーベラス一味を排除して地球を征服するという作戦は
実行不可能ということになります。
かといって、もともと地球侵略軍の艦隊戦力ではマーベラス一味には勝てない。

となると、打開策は、圧倒的な艦隊戦力と地上部隊を結集して、
人海戦術で地球を一気に制圧してしまうという方法しかない。
質では勝てないから量で勝つという作戦です。
そのためにアクドス・ギルは宇宙に散らばる帝国の現在使える戦力を掻き集めて地球上空に結集させて、
大侵攻作戦を企図しているのでしょう。

しかし、もしそうだとすると、それは一大事業です。
どうしてそこまでして地球を征服しなければならないのか?
その理由は、単純にザンギャック帝国の威信を保つために、皇太子が戦死したこの戦線で撤退は有り得ず、
あくまで完全征服しか有り得ないという事情ゆえであるように見えます。
しかし、もともとワルズ・ギルを地球侵略軍の司令官に任じていなければそのような事態にならなかったのであり、
もともとこんな辺境の星に手を出していなければこのようなことにもならなかった。
どうしてアクドス・ギルは地球を征服しようとしたのか?

今回の地球侵略作戦は第37話でのワルズ・ギルの回想シーンから想像して、
ワルズ・ギルの発案であったかのように思っていたのですが、
そうではなくてアクドス・ギルの発案を聞きつけて
ワルズ・ギルが手柄欲しさに司令官に立候補したような気がしてきました。
何故なら、やはり基本的にアクドス・ギルは息子の死などという事情には関係無く地球征服に意欲的だからです。
よく考えたら、数年前に地球に侵攻してレジェンド大戦を引き起こしたのもアクドス・ギルであり、
そのレジェンド大戦は最終的には今回の地球侵略軍とは比較にならない規模の艦隊や兵員を繰り出していました。

アクドス・ギルがスーパー戦隊のことをあまり知らないようなので、
おそらく、レジェンド大戦も今回のマーベラス一味との戦いと同じ経過を辿ったのではないかと想像されます。
つまり、アクドス・ギルは地球征服を配下の惑星侵略軍に命令し、
その軍が今回の地球侵略軍ぐらいの規模で地球侵略を開始したら、34のスーパー戦隊に侵略軍を叩かれてしまい、
それで各地の惑星侵略軍を掻き集め、大艦隊と大兵力を動員して一気に地球制圧を図り、
その結果、ザンギャック軍も全滅したが34のスーパー戦隊も戦う力を失い姿を消したのではないかと思われます。

これによってザンギャックも痛手を蒙り、しばらく戦力の立て直しを余儀なくされ、
ようやく地球への再侵略が可能になったところ、34のスーパー戦隊はいなくなったと聞き、
アクドス・ギルはならば普通の侵略軍で余裕で征服出来ると思い、
初陣を希望するワルズ・ギルに軍師のダマラスをつけて司令官として地球侵略軍を率いらせたのでしょう。

そのような経緯だったと仮定すると、
アクドス・ギルはもともと、なんとしても地球征服をしたいと思っていたことになります。
それだけ地球に固執する理由があるということです。
だから今回も、息子の仇討ちなどはもはやどうでもよく、
あくまでマーベラス一味を排除して地球征服を成し遂げるために大兵力を動員しようとしているようです。

「本格的に立て直す必要がある」と言っている以上、
まだザンギャック帝国はレジェンド大戦時のような大攻勢がかけられるほど完全に立ち直っていないと思われ、
しかし今回は再び地球に大攻勢をかけてマーベラス一味を倒して地球を征服せねばならなくなったので、
緊急動員で大兵力を揃えようというのでしょう。
それは今のザンギャックにとって決して簡単なことではないと思われ、
アクドス・ギルとしてもダマラスが倒されてから、しばらくの間、決断を迷っていたのでしょうが、
ここに来て、遂に決断したようです。

アクドス・ギルの今回の決断がそうした断固たる意思に起因したものだとしても、
その断固たる意思がどういう理由に基づくものであるのか、
おそらくインサーンはおろか、側近のダイランドーですら知らないと思われます。
ただ、アクドス・ギルが宇宙に散らばるザンギャック軍を増員して結集させようとしていることは分かりますから、
こうした事態に至る失態を犯した地球侵略軍および皇帝親衛隊としても、
その来るべき戦いは相当の緊張感をもって臨まねばならない。

アクドス・ギルが全ザンギャック軍の編成を思案するために別室に退くのを見送った
地球侵略軍の生き残り士官のインサーンは、そうした覚悟を定めた腹積もりで
「ダイランドー様・・・我々の方でも現在の戦力の見直しを・・・!」と、親衛隊のダイランドーに話を持ちかけますが、
ダイランドーは「ん?・・・それはユーに任せっちょい!」と、何ともやる気の無さそうな返事です。
そして「こんな辺境まで来たんだから、ミーはダチと一緒に息抜きしてきますよ〜いっと!」と軽い口調で
言いながら、ダイランドーは指令室から出て行こうとします。

インサーンはダイランドーの緊張感の無さにやや驚き呆れながら「・・・ダチ?」と問い返します。
するとダイランドーは歩みを止めることもなく
「ちょい、そこで知り合いの行動隊長に会っちゃってさぁ!じゃあ〜ねぇ!」と言って、
気軽に部屋を出て行ってしまったのでした。
インサーンは呆れましたが、ダイランドーは階級も実力もインサーンよりも遥かに上であり、
しかも所属部隊も違うので、咎めることも抗議することも出来ず、ただ呆れて見送ることしか出来ませんでした。

ダイランドーは自分の率いる親衛隊の戦力の見直しなど興味は無いようで、
地球侵略軍所属の行動隊長に昔馴染の者がいたらしく、一緒に地球に降りて遊んで回るというのです。
遊ぶといっても、ザンギャック怪人同士がつるんでの遊びですから、
地球の一般人にちょっかいを出していたぶるという悪趣味な遊びをするに決まっています。
しかし、そんなことをすれば、またマーベラス一味と鉢合わせして喧嘩になる可能性が高い。

アクドス・ギルはマーベラス一味と戦ってはいけないとは命令してはいませんが、
最強の戦士であったダマラスが倒されて、
その後、アクドス・ギルが軍の立て直しをして本格的に地球征服を図ると宣言した以上、
その準備が整うまでは無用な小競り合いでザンギャック側の戦力を消耗するのは得策ではないと考えるのが普通です。
だから遊び半分で行動隊長を連れて地上に遊びに行かれては困るとインサーンは思いましたが、
ダイランドーは現状を真面目に捉える気は無いようです。

そもそもダイランドーは、マーベラス一味がダマラスを倒したのはマグレだと思っています。
ダマラスがマーベラス一味に負けたのは、バスコという裏切り者によって不意打ちで深手を負わされたからであり、
深手を負った時点で撤退せずに戦い続けたダマラスが愚かだったのだと思っています。
だからダイランドーはマーベラス一味は実力でダマラスに勝ったわけではなく、
確かにダマラスは自分よりは実力は上だったが、
そのダマラスを倒したからといって、マーベラス一味が自分よりも実力が上だなどとは思っていませんでした。
普通に油断せずに戦えば自分の方が勝つと確信していました。

だから、アクドス・ギルから出撃命令でもあれば、
ダイランドーはいつでも喜んでマーベラス一味の抹殺に行くつもりでいます。
しかしアクドス・ギルはダイランドーには出撃命令は出さずに軍の再編を決断しました。
ダイランドーはマーベラス一味をそこまでする相手とも思っていないので、
アクドス・ギルの決断は慎重すぎるようにも思えて、同意できかねる部分もあります。

だからアクドス・ギルの決断を受けてもインサーンのように緊張感を持つことは出来ない。
真面目に配下の部隊の戦力の見直しなどするよりも、
どうせ出撃の命令も無いのならヒマ潰しに地上で遊んでやろうと思いました。
そして、もしマーベラス一味と遭遇でもしたら適当にあしらってやり、
あわよくば倒してやってもいいと思っていました。

さて、その頃、地上で停泊しているゴーカイガレオンの船室では、
例の「SPACE SPORTS」という宇宙のスポーツ新聞の記事を見て、
「うわ!?僕の懸賞金が上がっちゃってるし!」とハカセが驚きの声を上げます。
ハカセが見ていたのはマーベラス一味の手配写真が載っている記事で、
相変わらず悪しざまに書かれているようですが、
その中でハカセが指さしていたのは自分の手配写真で、
そこに載っている懸賞金の額が以前、ワルズ・ギルを倒した際に上がった額である5万ザギンから
一気に今回、30万ザギンに上がっていたことを驚いて、ややビビって悲しげな声を上げていたのです。

ただマーベラス一味の他のメンバーの懸賞金はワルズ・ギル殺害後に上がった金額のまま変化は無く、
今回はハカセの懸賞金の額だけが上がっていますので、
前回のダマラスを倒した戦いでのハカセの活躍のせいで懸賞金の額が上がったようです。

ただ、上がったとはいっても、それでも他のメンバーに比べて相変わらず大した額ではありません。
マーベラスが上限無しで、ジョーが800万ザギン、アイムが400万ザギン、ルカが300万ザギンですから、
それらに比べればハカセの今回上がった30万ザギンはひときわ低い懸賞金であり、
今回ようやく新入りの鎧の30万ザギンに並んだに過ぎません。
どうも今までのハカセの懸賞金が低すぎたようで、
今回のダマラス殺害事件でのハカセの活躍を見てザンギャック側が少し認識を改めて、
鎧レベルまでは懸賞金を上げたようです。

そして、30万ザギンに懸賞金が上がったぐらいで青くなっているハカセの隣で
「わぁ〜い!オイラも!オイラもぉ〜!」とナビィがはしゃいでいるのは、
今回なんとナビィにも初めて懸賞金がかけられたからでした。
記事の端っこにナビィの手配写真も追加されて、その懸賞金の額はたったの50ザギン(=18000円)でしたが、
ナビィは世間的にマーベラス一味の海賊仲間と認知されたことが嬉しいようです。

これは、前回のダマラスとの戦いの際、
ハカセが敵を引きつけている隙にナビィが公開処刑直前のマーベラスを助け出した罪状によるものでしょう。
しかし18000円とは安すぎる。
人間でない分、特に安いのかもしれません。

何にしても、30万ザギンにせよ、50ザギンにせよ、
マーベラス一味の古参メンバーであるルカから見れば、なんともレベルの低い話なのか、
ルカは「・・・そんなことはどうでもいいの!・・・それより、これ!」と、
騒ぐハカセやナビィを鬱陶しそうに黙らせて、記事のマーベラス一味の手配写真の下の部分を指さします。
そこには、マーベラス一味とは別の新しく懸賞金がかけられた宇宙海賊が紹介されており、
そこに載っている手配写真は、なんとバスコでした。

「・・・バスコも、ただの海賊に戻ったのですね・・・?」と
アイムもバスコが手配されていることに少し驚きつつ言いました。
バスコの懸賞金は1000万ザギンで、マーベラスの上限無しには及ばないものの、ジョーよりも上であり、
新しく指名手配された海賊にしてはいきなりの破格の懸賞金です。
罪状は前回、ザンギャックを裏切ってダマラスを不意打ちして深手を負わせ、
ダマラスの死の大きな原因を作ったことでしょう。

ただ、あくまでダマラスを殺したのはマーベラス達であり、バスコは重傷を負わせただけです。
それでいきなり1000万ザギンというのは高い。
これはやはり、ザンギャックに対する裏切りの罪が極めて重いということでしょう。
それにもともとバスコが赤き海賊団時代から300万ザギンの懸賞金がかけられていたという
実績の影響もあるのでしょう。

ちなみにバスコの隣にサリーの手配写真も載っており、
これもジョー達を助けて匿った罪で懸賞金の額はナビィと同じく50ザギンで、
やはり動物は基本的に懸賞金は安いようです。

マーベラス一味の面々はこの前のダマラスとの戦いで
バスコがダマラスを裏切ったことは実際に目撃して知っていましたが、
こうしてザンギャックから正式にバスコが賞金首として指定されるのを記事で見ると、
改めて本当にバスコはザンギャック帝国を敵に回す覚悟で裏切ったのだと実感し、
皆、驚きを感じたのでした。
かつて赤き海賊団を裏切ってザンギャックと手を組んだバスコが、
今回はザンギャックを裏切り、海賊に戻ってザンギャックに追われる立場となったというのです。
裏切りに次ぐ裏切りを繰り返す、なんとも無節操な男です。

しかしルカがその記事を見て不愉快なのは、
ダマラスとの戦いの際、その無節操なバスコの裏切りによって自分達の命が救われたからでした。
もちろんバスコに感謝などはしていない。
バスコ自身が、マーベラス達を助けたのは宇宙最大のお宝を手に入れるために必要だからだと言っているからです。
つまり自分達はバスコに利用されて、掌の上で遊ばれている、
そういう嫌な感じがして、ルカはバスコの記事を見て不愉快なのです。
アイムもバスコの謎の行動には自分達にも関係のある何らかの陰謀が絡んでいることを感じています。

「あんの野郎・・・いったいどういうつもりだ・・・?」とマーベラスも忌々しそうに掌を拳で殴り、呟きます。
前回の戦いの際、バスコはマーベラス達を生かしているのは
「宇宙最大のお宝」を手に入れるために必要だからだと言い、
更にマーベラス達にどうしても見つけてほしい「大いなる力」があると言いました。
そして、マーベラス達がそれを見つけたら、
つまり全ての「大いなる力」がマーベラス一味かバスコかのどちらかが手にした段階で、
決着をつけようと言っていました。
それはつまり、その決着の勝者が34の「大いなる力」を総取りして、
「宇宙最大のお宝」を手に入れる権利を手にするという意味であるようにマーベラスには感じられました。

どうしてバスコがそんな回りくどいことをするのかというと、
残りの所在不明の2つの「大いなる力」、
すなわちバトルフィーバーJとカクレンジャーの「大いなる力」のどちらか、あるいは両方とも、
バスコには在り処が分からないので、マーベラス達がそれを見つけ出してくれないと困るのであり、
マーベラス達がそれを見つけ出してからでないとマーベラス達との決着がつけられないという
シンプルな理由のようでした。

しかし、マーベラスは基本的にバスコの言うことなど全く信用していませんから、
バスコの回りくどい行動の理由がそれだけだとはあまり思えない。
まだ何か裏があるような気がして怪しんでいるのです。

そこにジョーが剣を手入れしている手を休めて立ち上がり、
「バスコのことも気になるが・・・ザンギャックの皇帝がギガントホースに来ている・・・」と何か言いかけます。
ジョーもまたマーベラスたち同様、バスコの謎の行動が気になっていましたが、
それだけではなく、マーベラスがもたらした新情報のことも気になっていたのです。

マーベラスは前回の戦いの中でダマラスによってギガントホースに連行された際、
ギガントホースでザンギャックの皇帝アクドス・ギルに会ったことをジョー達に報告していたのです。
それを聞いてジョーは何か心に引っ掛かっているようです。
ジョーも皇帝親衛隊が大挙して来ているということは、皇帝も来ている可能性が高いとは思っていましたが、
いざ本当に来ているという確定情報に接して、やはりこれは大変な事だと実感したのでした。
バスコのことも気になるが、ザンギャック皇帝がギガントホースにまで来ているということも気になると、
ジョーは云おうとしたのです。

ザンギャック最強の戦士であるダマラスまでも倒した以上、
暫くはザンギャックは自分達に手を出せなくなるだろうとも思えましたが、
皇帝が地球まで来ているとなれば、このまま済むとも思えない。
皇帝が自ら出向いておいて、そんな簡単にザンギャック軍が引き下がるはずがないからです。
むしろダマラスを倒してしまったことで、皇帝がとんでもないことをしでかす可能性もあるとも思えました。

そもそも皇帝は何をしに地球までわざわざやって来たのだろうかとも、ジョーは不思議に思いました。
バカ息子の仇討ちのためと考えるのが順当であり、マーベラスもそのように思ったようですが、
ジョーは皇帝が息子の仇討ちのためだけにわざわざこんな辺境まで来るものだろうかと不審に思いました。
確かにワルズ・ギルはバカ息子であり、アクドス・ギルも親バカではあったのでしょう。
しかしアクドス・ギルは大悪人ではあるが、決して愚かな皇帝ではなかったはずです。
息子の仇討ちのためだけに本国を留守にしてこんな辺境まで自ら出向いてくるほど
軽率な皇帝ではなかったようにも思えます。

そのあたりも含めて、どうも皇帝の動向が気になるということをジョーは言おうとしたのですが、
その言葉の途中で鎧が「ジングルベ〜ル!ジングルベ〜ル!鈴が鳴る〜!ほい!」と唄いながら飛び込んできたので、
新聞を囲んでのマーベラス達の談義は途中で終わってしまいました。

鎧は陽気に唄いながら乱入してくると、
「はいはいはい、どいてどいて!」と言いながら、新聞を広げていたテーブルの上に
「じゃ〜〜〜ん!!」と玩具のクリスマスツリーを置きます。
どうも鎧は皆の新聞を囲んでの談義には全く参加しておらず
別室でクリスマスツリーの飾り付けをしていたようで、
クリスマスツリーは50センチぐらいの高さの小振りのものでしたが、
しっかりと色とりどりの飾り付けがしてあります。

アイムはそのツリーの色鮮やかな様子を見て「まぁ素敵!」と目を輝かせますが、
ハカセは「何これ?」と怪しげなものを見るように言い、ナビィも「なんだ?」と不思議そうにしています。
アイムも素敵とは言ったものの、それが何なのか分かっていない様子です。
ルカもマーベラスもジョーもクリスマスツリーを不審そうに見ており、
全員、そもそも鎧が唄っていた歌の意味もよく分からず、鎧が何をしているのかも分かっていないようです。

しかし鎧は皆が何を不思議がっているのか分かっていないようで、
「クリスマスツリーですよぉ!ほら、明日はクリスマスですからぁ!」と、
さも当然のことであるかのように陽気に言います。
今日はどうもクリスマスイブであるようで、それで鎧はクリスマス気分で浮かれて、
クリスマスツリーを買ってきて飾り付けをしていたようで、
ガレオンの船室にもクリスマスツリーを飾ろうとしているようなのです。

しかしマーベラス達は一斉に「クリスマス・・・?」と首を傾げました。
どうやらマーベラス達、宇宙からやって来た5人組はクリスマスという行事を根本的に知らないようです。
つまり、この「ゴーカイジャー」の物語世界では、クリスマスというのはあくまで地球固有の行事であり、
地球以外の星ではクリスマスという行事や習慣は存在しないようです。

まぁ当たり前といえば当たり前なのですが、
何せこの「ゴーカイジャー」という物語では意外なもの、例えばトランプやダーツ等が宇宙共通であったりするので、
クリスマスだって下手したら宇宙共通行事である可能性もあったわけで、
ここで初めてクリスマスが地球固有の行事だったと定義されたといえます。

さて、ここで今回はOPテーマが始まります。
ここまでの冒頭のシーンではアクドス・ギルやバスコに関して気になる動きが幾つか描かれましたが、
これらは前回のお話を受けて、年明けのクライマックス篇に繋がっていく要素であり、
今回のエピソードには直接関係の無い要素です。
冒頭のシーンに出てきた要素のうち、今回のエピソードに関係のある要素は、
ダイランドーが地上に遊びに行くという部分と、鎧がクリスマスをマーベラス達に紹介した部分だけといえます。

そしてOPナレーションはレジェンド回バージョンですから、
今回はレジェンドゲストが登場するレジェンド回ということです。
ただ、冒頭の場面ではマーベラス達はお宝ナビゲートにしていませんし、
この時点ではどの戦隊のレジェンド回なのか分かりません。

そしてOPテーマが終わり、CM明けに今回のサブタイトル「素敵な聖夜」というのが出ますが、
別にどの戦隊のサブタイトルのフォーマットにも当てはまるようなものではありません。
つまりレジェンド回といっても、サブタイトルにフォーマットの無い戦隊のレジェンド回ということです。
フォーマットが無いということは、この文字通りの意味、つまり素敵な聖夜、
すなわちクリスマスイブの素敵な出来事についてのお話ということです。

今回のレジェンドゲストではない単なるゲストとして登場する姉弟が小夜と聖二という名前なので、
この2人の名を合わせると聖夜となりますが、
別にこの2人が素敵だという意味のアナグラムではありません。
むしろこの2人の名前の方が今回のエピソードのサブタイトルに合わせて設定されたものなのでしょう。

さて本編が再開し、実質的にはここからが今回のストーリーとなります。
冒頭のガレオンの船室の場面でマーベラス達がクリスマスを知らないということに気付いた鎧は、
皆にクリスマスについて簡単に説明しました。
ただ、鎧は今までのエピソードでも見た通り、説明があまり上手くないので、
クリスマスという行事の本質を的確に説明出来たというわけではなく、
ごく表面的にクリスマス行事について説明しただけであったと思われます。

クリスマスには飾り付けをしたクリスマスツリーを置いて、
クリスマスパーティーを開いてクリスマスケーキや七面鳥の肉を食べてシャンパンを飲んで、楽しく騒いで、
そしてサンタクロースがクリスマスイブの夜に良い子の家を巡ってプレゼントを配って回るというような、
ごく一般的な日本の家庭におけるクリスマスのイメージの概要を説明したのでしょう。
すると興味を持ったマーベラス達はガレオンでもクリスマスパーティーというものをやろうと言い出し、
それで鎧とルカが一緒にパーティー用の食材などを買い出しに街に出ることになったのでした。

その帰り道、買い物した荷物を持って2人が道を歩いていると、
「メリークリスマ〜ス!」という威勢の良い声が聞こえてきました。
ルカ達の前を歩いていた小さい女の子の親子連れがその声のしてきた方を見て、
「あ!サンタさんだ〜!」と、女の子は声の主の方に駆けていきます。
ルカ達が思わずその女の子を目で追うと、女の子の駆けていった先は、何処かのスーパーマーケットの軒先で、
そこには真っ赤な服を着て白いヒゲをフサフサたくわえたサンタクロースがパンダと一緒に立っていました。

サンタは駆けてきて前に立ってニコニコ笑う女の子に向かって「メリークリスマス!」と挨拶すると、
しゃがみ込んで女の子の顔を覗き込んで、「お!君は・・・良い子だね!」と言って、
後ろに置いてあった白い大きな袋の中に入っていたプレゼント包装の箱を取り出して
「よ〜し!サンタさんとパンダのパン子ちゃんからプレゼントをどうぞ〜!」と、
にこやかに女の子に手渡したのでした。
プレゼントを受け取って「ありがとう!」とお礼を言う女の子に対して、
サンタは「ど〜いたしまして〜!」と言いながら、パンダと一緒に陽気にステップを踏んで踊っています。

これはどう見ても、スーパーマーケットのクリスマス仕様の客寄せのためのアトラクションで、
アルバイトの人がサンタの扮装をして、パンダの着ぐるみを着たバイトの人と一緒に
子供相手にプレゼントをふるまっているように見えます。
しかしルカはサンタクロースの格好をした人というものを今まで見たことがないので、
奇妙な赤い服を着た男がパンダと一緒に踊る姿を、奇異なものを見るようにして首を傾げています。

それを見て鎧はさっきルカ達にサンタクロースのことは話したが、
その外見について説明していなかったことを思い出し、
「ほらルカさん!あの人がさっき話したサンタクロースですよ!」と笑顔で教えてあげました。
ルカは一瞬何のことか分からない様子でしたが、
そういえばさっきの鎧のクリスマスの説明の中にサンタクロースという人の話が出てきたことを思い出し、
「あ〜!プレゼントくれる人〜!」と歓喜の声を上げて、スーパーの前に立つサンタを指さします。

それを聞いて鎧はギョッとしました。
サンタクロースというのは伝説上の存在であって、実在するわけではない。
だから当然、クリスマスイブの深夜にサンタがプレゼントを配って回るはずもなく、
実際は子供たちにプレゼントを買っているのは親たちです。
だからプレゼントをくれる本物のサンタというものは存在せず、
目の前にいるのは単なるサンタの扮装をしたアルバイトに過ぎません。

しかし、鎧は初めてクリスマスというものを知るマーベラス達に、
そんなクリスマスの商業的な裏話のようなものまで説明するのは、あまりにミもフタも無いと思い、
サンタは実在するものであるかのように話していました。
だからルカは目の前で小さい女の子にプレゼントを渡したサンタを見て、
それが本物の実在するサンタだと受け取ってしまったのでした。

鎧は単にサンタの格好はああいうものだと伝えたつもりだったのですが、
そういえばサンタが実在しているとルカに言っていたままであることに気付き、焦ります。
どうやらルカは子供のようにスーパーのバイトのサンタを本物のサンタだと思い込んでしまっているようだが、
あれは偽物だと説明すると、サンタの実在を否定する話に繋がってしまいかねない。
だから鎧は偽物だと指摘することも出来ず、絶句してしまいます。

そんな焦る鎧をよそに、ルカはサンタを観察して「へぇ〜・・・パンダと一緒に踊るんだ・・・」と、
またまた間違った解釈をして妙に感心しています。
ルカにとっては目の前のサンタは本物のサンタですから、
そのサンタがパンダと一緒に踊っている以上、
ルカの頭の中では「サンタはパンダと一緒に踊る」というイメージが出来上がってしまいました。
しかし実際はスーパーがただのアトラクション用のパンダの着ぐるみを
子供を喜ばせるために隣に立たせているだけのことであって、サンタとパンダには何の関係もありません。

鎧は焦って「ああ、いや、そこはちょっと違うんですけど・・・」と言いかけますが、
ルカは自分もサンタからプレゼントを貰いたいと思って既に駆け出しており、
「いらっしゃ〜い!」とステップを踏みながら挨拶をするサンタの前に立つと、
「サ〜ンタさん!プレゼントちょうだい!」と笑顔で愛想をふりまき、掌を上に向けて胸の前に突き出します。

ところが、一瞬呆気にとられた様子のサンタとパンダは軽快な踊りをストップさせ、
サンタはルカに向かって決まり悪そうに
「あの〜、プレゼントは良い子にしかあげられないんです・・・ゴメンねぇ〜!」と、
ルカのお願いを拒絶してしまったのでした。

おそらくこのアトラクションは、小さい子供にだけプレゼントをあげるようになっていたのでしょう。
だからルカのお願いが拒絶されたのは当たり前のことなのですが、
ルカは相手がスーパーの雇ったアルバイトだなどとは知りませんから、
本物のサンタにプレゼントを渡さないという意地悪をされたと思い、
ムッとして、その場をさっさと立ち去ってしまいました。

そうしてルカは足早に歩きながら
「今のどういう意味?あたしが悪い子ってこと!?」と、隣を歩く鎧に向かって当たり散らします。
バイトのサンタは単に子供にしかプレゼントを渡せないという意味で
「良い子にしかあげられない」と言ったのですが、
ルカはそんな商売的な事情は知りませんから、
自分が「悪い子」だとサンタに思われたのでプレゼントを貰えなかったのだと信じ込んでおり、
自分を「悪い子」だと決めつけたサンタに向かって憤慨しているのです。

鎧は今のサンタは偽物だという真実を言うわけにもいかず、
どうフォローしていいものかどうか分からず困ってしまい、
「・・・そんなこと言ってません」と力無くボソボソ言います。

まぁよく考えたら、ルカの年齢になってサンタからプレゼントを貰おうなどと考えること自体、おかしいのであって、
そういう点を指摘してやればいいようにも思えますが、
鎧があまりにもクリスマスについて夢いっぱいのイメージで大袈裟にマーベラス達に説明してしまったもので、
マーベラス達のクリスマスという行事に関するイメージは相当夢いっぱいなものになってしまっており、
その種を撒いた鎧自身が安易にそれに冷水を浴びせるような話をすることも出来ず、鎧は苦慮しているのです。

そうして鎧が手をこまねいている間に、
ルカは「何よ!サンタさんがプレゼントくれるって言うから楽しみにしてたのに・・・つまんないの!」と、
自分が悪い子だと決めつけられて除け者にされるのなら、
クリスマスなんてちっとも楽しくないと思ってしまいました。

それを聞いて鎧は慌てて「そそそ、そんなこと言わないでくださいよ〜!」と
ルカの前に回って立ち止まり、必死で訴えます。
鎧としては、これからせっかく楽しいクリスマスパーティーをやろうとしているのに、
ルカがいきなりクリスマスを嫌いになってしまっては困ってしまいます。
いや、それ以前に鎧はマーベラス一味の面々に地球のことを好きになってもらうことを生き甲斐としていますから、
地球の行事であるクリスマスをルカに嫌われてしまうのは困る。
しかもそれが自分の説明が上手くなかったせいなのですから、鎧としては焦ります。

鎧はなんとかルカの機嫌を直そうとして
「クリスマスってホントはもっとこう・・・ハッピ〜、な日なんです・・・!」と笑顔を向けますが、
ルカはどうせ自分は悪い子だから除け者なんだろうと思い、そっぽを向き、鎧の話を聞こうとしません。
困った鎧はちょうど横の公園でクリスマスの飾り付けをやっている子供たちの姿を見つけて
「ほら!」と指さしました。
ルカも思わず、鎧が指さす方を見ました。

公園では、大勢の子供たちが大きなクリスマスツリーに飾り付けをしていました。
鎧はルカが子供好きなので、子供がクリスマスを楽しんでいる姿を見せれば、
少しはクリスマスを好きになってくれるのではないかと思ったのです。
鎧は「ね?楽しそうでしょ!」と笑顔で子供たちの方を見ながらルカに語りかけ、
ルカも子供たちを見て少しは心が和んだのか「・・・まぁ・・・」と気の無い返事をして
子供たちの方を見るぐらいにはなりましたが、
やはりあれは良い子だとサンタに認められた子たちだけなのだろうと思い、またそっぽを向いてしまいます。

ところが、その瞬間、ツリーのてっぺんに星型の飾りをつけようとして脚立に登っていた
小学校低学年ぐらいの男の子が脚立から足を滑らせて落下したのでした。
鎧は「危ない!!」と叫んで、咄嗟に駆け込んで、
その男の子をキャッチして地面に激突するのを間一髪防ぐことが出来ました。

すると、そこに中学生ぐらいの女の子が走り寄ってきて、
いきなりその男の子に向かって「バカ聖二!」と怒鳴りつけると、頬を引っ叩いたのでした。
男の子は「いったいなぁ〜!」と女の子を睨み返し、
女の子は「お母さん帰ってきたら言いつけるからね!」と怒鳴り、
2人は一触即発の喧嘩状態となります。

いきなり目の前で喧嘩が始まってしまってオロオロした鎧は、
女の子に向かって、おずおずと「あ・・・あの・・・弟さん・・・?」と尋ねました。
明らかに学年の違う男女児童がこんなタメ口で喧嘩をするということは、
2人は姉と弟なのではないかと思ったのです。

鎧に話しかけられて女の子は、弟が鎧に助けられていたのだということを想い出したようで、
大慌てで「あ!・・・はい、すいません、ありがとうございます・・・」とペコペコと鎧に頭を下げました。
やはり2人は姉と弟で、姉の方は本当は礼儀正しい良い子のようですが、
弟が無茶なことをしていたのを見て怒りが限度を越してしまったようで、
鎧への感謝よりも弟への叱責の方が先行してしまっていたようです。
姉の発言から類推すると、この弟は相当のワンパク坊主で他人の言うことを聞かない子のようで、
今回も姉は母親から弟の監視役をするよう言われており、お蔭でクリスマス会を楽しむことが出来ず、
いつも手を焼かせる弟にイライラしていたようです。

しかし、いくら弟がムカつくからといって、弟を助けた人を無視して怒鳴り散らしていた自分に気付いて、
姉は大慌てで鎧に謝罪しますが、鎧は「ああ、いやいや、全然全然・・・」と制止して、
ワンパク坊主の弟に向かって「それより・・・上の方は俺がつけてあげるよ!
また落っこちたら大変だもんな!」と笑顔で言うと、星型の飾りを受け取って
「よし!やるか!」と張り切って脚立に登っていきます。
買い物の帰りではありましたが、ちょっと道草して子供たちのクリスマス会の準備を手伝ってやることにした鎧は、
本当に心底クリスマスを楽しむ子供たちの笑顔が好きなようです。

そうして鎧がクリスマスツリーの飾り付けの手伝いを始めたので、ルカも仕方なくツリーの傍に来て、
目の前の木ががさっきガレオンの船室で鎧が「クリスマスツリー」だと言って持ってきた
飾り付きの木の玩具に形が似ているように思えたので
「・・・これクリスマスツリーってやつ・・・?」と尋ねました。
「ハハ・・・そうです!」と鎧はにこやかに応え、ルカは「大きいな・・・」と少し驚きます。

さっき鎧が持っていたやつは50センチぐらいの高さのものであったので、
クリスマスツリーというものはああいう大きさなのだと思っていたルカは、
目の前の3メートル以上はありそうな大きなツリーを見て驚いたのでした。
ルカがクリスマス自体を知らない宇宙人だとは知らない姉の子は
「子供会のなんです・・・うちにはこんなの置けないから・・・」と説明して、
自分のもともと座っていたテーブル席の方に去っていき、
ルカはしばらく呆然と大きなツリーを見上げて「・・・だろうな・・・」と、妙にその大きさに感心しています。

そして、ルカは姉の子がいるテーブル席の方に行き、
そこに置いてある掌サイズぐらいのサンタの人形を見つけます。
それはツリーにぶら下げるための飾りの1つで、布を縫い合わせて中に綿を詰めた手作り人形でした。
おそらく子供会に所属している子供たちが自作したものなのでしょう。
そのサンタ人形は非常に出来が良く、しかも可愛らしかったので、ルカは思わずそれを手に取って
「へぇ〜・・・この人形、手作りなんだ!」と笑顔になります。
可愛い人形を見て、ルカの機嫌もようやく直ってきたようです。

するとそこにさっきのワンパクな弟が顔を出してきて
「それお姉ちゃんが作ったやつ!不細工じゃね?」と憎まれ口を叩き、
姉は「うっさいな!普通だし!」と言って弟の頭を叩きます。
そして姉は「それより、集会場行ってツリーの雪持ってきて!」と弟に荷物運びをするよう指示して、
嫌そうな顔をする弟を「はい行く!」と言ってまた叩き、
弟は「ええ〜?しょうがねぇなぁ・・・」とブツクサ文句を言いながら、
荷物を取りに集会場の方に駆けていったのでした。

そのやり取りをルカはキョトンとした顔で見ていました。
なんとも生意気で聞かん坊な弟と、気が強くて怒りっぽい姉という、この姉弟は、
別に大して「良い子」には見えませんでした。
少なくともルカが幼少時代から今までの自分を振り返っても、
この姉弟よりも特に際立って「悪い子」であったとは思えない。

ルカはさっきサンタに自分が「悪い子」だと言われて除け者にされたのだから、
クリスマスというのはよほど聖人君子みたいな良い子だけが楽しむ行事なのだと思って、
すっかり白けた気分になっていたのですが、
こうして見てみると、何てことはない、ごく普通の子供たちが楽しめる行事なのだと分かり、
これなら自分もクリスマスを楽しんでもいいのだと思って、すっかり機嫌が直ったのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 12:17 | Comment(0) | 第44話「素敵な聖夜」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月05日

第44話「素敵な聖夜」感想その3

さて、一方、冒頭のギガントホースの場面で地上に遊びに行くと言って出て行ったダイランドーは
どうしていたのかというと、インサーンに言った通り、実際に旧友の行動隊長と一緒に
ドゴーミン2人を引き連れて地上に降りてきて、ウロウロ歩き回っていました。

「ビバブーちゃ〜ん?何して今日は遊ぶちゃよぉ?」とダイランドーが話しかけた、
その旧友の行動隊長はビバブーという名であるようで、
「ん〜・・・」と考え込むその姿は、まるで片方だけ羽根のある蝶のような怪人で、
その体型はまるでインサーンのような女性型怪人のように見えましたが、
「あ!人形遊びなど、いかがざますか?」と応える声を聴くと、なんとオカマの怪人でした。
しかも「ざます」口調ですから、かなりインパクトのあるキャラです。
ダイランドーもかなりふざけたキャラですから、そのダチということで、
到底マトモなキャラではないだろうとは思っていましたが、予想以上にふざけたキャラのようです。

そのビバブー、人形遊びを提案したのは、ちょうど何の遊びをしようか考え込んでいた時に
目の前に地球の一般人の若いカップルを見かけたからでした。
ビバブーは手にしたピンクの柄のステッキを「ドルルンパ!」と変な呪文を唱えながら振り回し、
「はい!」とカップルの男の方に向けてかざします。
すると、ステッキの先端からピンクの星型の光線が出て、それが命中した男は、光に包まれた後、
一瞬にして掌サイズの布で作ったような元の人間の姿を模した人形に変わってしまったのです。

それを見てダイランドーが「おお!地球人を人形に?ちょいちょいちょいねっと!」と
ビバブーのアイディアを絶賛しているところを見ると、
ビバブーは別に人間を人形に変える能力を持った怪人というわけではなく、
その手にしたステッキが何にでも応用可能な万能の魔法の杖であるようです。
今回は人間を人形に変える遊びをたまたま思いついたので、
この場で「ドルルンパ」という人間を人形に変える呪文を考案したようです。
人形が「ドール」なので「ドルルンパ」という、結構分かりやすい呪文です。

ダイランドーは恋人がいきなり人形になってしまって驚き慌てる女の子の姿を見て大いに楽しかったようで、
ビバブーの考案した遊びを気に入ったようです。
ダチといっても、ビバブーはこうして魔法を使ってダイランドーを楽しませる
太鼓持ちの道化のような役割であるようで、ダイランドーを楽しませる術は心得ているようです。
ビバブーは調子に乗って「ドルルンパ!」と唱えてステッキを振りながら、
次々と街の人々を人形に変えていき、たちまちクリスマスイブの街は大混乱となり、
ダイランドーとビバブーは大喜びで、更に多くの人を人形に変えて楽しもうと街を闊歩していきます。

そうしてダイランドーとビバブーが既に街でパニックを引き起こしていた頃に、
ルカと鎧は公園で子供会がやっていたクリスマス会の準備とたまたま遭遇して、
その準備を手伝うことになっていたのでした。

鎧が手伝ってツリーの高い場所の飾り付けもあっという間に終わっていました。
たまたまルカ達が出会った子供会の、
高いところから落ちそうになっていたところを鎧が助けた少年は聖二という名で、
その姉が小夜という名で、2人の姉弟の名を合体させると「聖夜」、
つまりクリスマスイブとなるという姉弟でしたが、
すっかりその姉の小夜と仲良くなったルカは、すっかり機嫌も直って子供たちと一緒にツリーの飾り付けをして、
一緒にクリスマスを楽しむことが出来るようになっていました。

そんなルカが唯一残念であるのは、サンタに誤解されてプレゼントを断られてしまったことでした。
ルカはあれが本物のサンタだったと信じ込んでいるので、
これで自分だけはサンタからプレゼントは貰えないのだと思っています。
クリスマスのことは好きになったルカでしたが、そのことだけは残念で、
これでサンタの誤解が解けてプレゼントも貰えたら最高なのになぁと思い、
笑顔でツリーの飾り付けをしながら「プレゼントくれないかなぁ〜!」と独り言でふとボヤキます。

すると、そこになんと運悪く、ダイランドーとビバブーが通りかかります。
ルカはビバブーはもちろん、ダイランドーとも初対面でしたが、
彼らがドゴーミンを連れていることから、すぐにザンギャックだと気付き、驚いて
「・・・ザンギャック!」と言って身構えて子供たちを庇うように前に飛び出します。

ビバブーは子供会の子供たちを見て「次のお人形は、誰ざますかぁ〜?」と、
子供たちの中から誰かを人形にする気のようですが、
ルカ達はビバブーの魔法の杖の能力は知りません。
ただビバブーが子供たちに何か危害を加えようとしていることは分かりますから、
鎧は子供たちの前に立ち塞がりながら、後ろの子供たちに向かって「みんな!早く逃げて!!」と指示します。

これで子供たちは一斉に慌てて駆け出して公園から逃げ出しますが、
そこにちょうど子供会の集会場から小夜に頼まれてツリーの飾り用の雪の入った箱を運んできた聖二が戻ってきて
公園に入ってきたのでした。
小夜は慌てて「何やってんの!早く行くよ!早く!」と、聖二を引っ張って連れていこうとしますが、
聖二はいきなりのことで何が起きているのか分からず、呆然と立ち止まったままです。
それを見てビバブーは「ああ〜!あれにしましょお!ドルルンパ!」と、
聖二に向けてステッキの先端から例の星型の光線を発射し、
それを受けた聖二は「わあああ!?」と叫んで、一瞬にして人形に姿を変えてしまったのでした。

ルカと鎧は驚いて振り向き、公園の入り口のところで人形になってしまった聖二を見ます。
そこでは小夜がいきなり目の前で小さな弟が人形に変えられてしまったショックで
「・・・聖二?・・・聖二!」とへたり込んで、人形になった聖二を拾い上げて呼びかけていました。
その小夜に向かってビバブーは「次は小娘!あなたざます!ドルルンパ!」と、
今度は小夜を人形にするためにステッキから光線を発射します。

すると咄嗟に鎧は「うおおおお!!」と駆け出し、小夜を庇うように立ち塞がり、
ビバブーの発した光線をまともに受け、小夜の目の前で人形になってしまいました。
小夜は驚きましたが、ルカもこれには「・・・鎧!?」と大いに驚き、慌てて駆け寄って、
呆然とする小夜の前でルカは人形になった鎧を拾い上げます。

ルカも鎧もビバブーの発した光線で聖二が人形になるのを見ていましたから、
あの光線を浴びれば人形になってしまうことは分かっていました。
そして、ビバブーが続けて発した光線から小夜を守るためには、
タイミング的には鎧のやったように自分が身代わりに光線を浴びることしか出来ないということも
瞬時に分かっていました。
だから鎧は小夜の前に立ち塞がり光線を受けたのですが、
ルカはそういう方法しか無いことが分かっていたからこそ、その方法を咄嗟に選ぶことは出来ませんでした。

怖かったわけではなく、自分達が人形にされてしまったらビバブーと戦う者がいなくなってしまい、
結局は皆が助からなくなってしまうからです。
ビバブーを打ち負かして捕えれば、人形にされた人を元に戻す方法も聞き出すことが出来る。
だから、今は仕方なく小夜が人形にされるのを黙認した上でビバブーとの戦いに自分が参加出来ることを
瞬時にルカは選んだのですが、鎧はそうではなく、戦いよりも小夜を守ることを優先し、
自分が人形になることを承知で飛び込んだのです。

どうも鎧はルカとは考え方が違うようでしたが、
それは細かい部分での違いであり、基本的にはルカだって小夜を身を挺して救いたいとは思っていました。
それで小夜が守れるのなら自分が人形になっても構わないとも思っている。
ただ今回のケースは、既に小夜の弟の聖二が人形に変えられてしまっているので、
ビバブーから術の解除方法を聞きださないことには結局は小夜は救われないわけです。
そこを考えてルカには躊躇が生まれたが、鎧はとにかく目の前の小夜を守るために咄嗟に身体が動いた。
そういう些細な違いなのだとルカは思い、鎧の行動の意義はそれはそれで理解しました。

だから、ビバブーが「ホッホッホッホ!」と鎧が人形に変わったのを見て大笑いして、
ダイランドーが「これは傑作!わざわざ自分から飛び込んできて人形になるとは!」と鎧の行為を嘲笑うのを見て、
ルカは怒りの形相でゴーカイガンでダイランドー達めがけて撃ちまくりました。

ダイランドー達はこの場に居合わせた2人がマーベラス一味の2人であることは気付いていましたが、
ダイランドー達には自分の身を犠牲にしても人々を守りたいという鎧の想いなど理解出来るはずもなく、
鎧の行為は戦場における戦士の行動としては考えられない愚かな行為としか映りませんでした。
だからダイランドーはやはり宇宙海賊というのは愚か者だと思い、
こんな連中に自分が負けるはずはないと改めて思い、ルカの放った銃弾を手の鉤爪で叩き落とすと、
「そんなに遊びたいなら、ちょっぴりお相手してあげまっちょいね!」と言って、
ルカに襲い掛かろうとして前進します。

すると、突然、その行く手を遮るようにダイランドーの足元に銃弾が多数撃ち込まれ、
ダイランドーやビバブーは慌てて避けました。
見ると、何時の間にか上空にガレオンが移動してきており、
そこからロープで降下してきながらマーベラス、ジョー、ハカセ、アイムの4人が既に変身した姿で
ゴーカイガンを撃ちまくってきています。

地上に降り立ったマーベラスは「そいつはどうも!」とダイランドーに不敵に礼を言いました。
ダマラスを倒して以来、ザンギャックが大人しすぎてマーベラスとしては喧嘩相手がいなくてやや退屈でしたので、
遊んでくれるというのなら好都合でした。
それにマーベラスはダイランドーには先日、ギガントホースで頭を踏みつけられて蹴っ飛ばされた恨みもありました。

アイムは「街の騒ぎも、あなた達の仕業ですね!?」と、ダイランドー達に銃口を向けて問い質します。
マーベラス達がここにやって来たのは、街で騒ぎを起こしたダイランドー達のザンギャック反応を
いつも通り感知してのことであるようです。

こうしてゴーカイジャーが人形になった鎧を除いて5人揃ったわけですが、
ダイランドーはもともとマーベラス一味のことを舐めてますから大した危機感も抱かず、
「ほいじゃあ、いってみようっちょいねぇ!」とビバブーに言い、
ビバブーも「は〜い!ダイランドー様ぁ!いくわよぉ!!」と、ドゴーミン達に指示してマーベラス達へ突撃し、
マーベラスも「いくぜ!!」と号令をかけ、ルカを除く4人はダイランドー達へ向けて突っ込み、
ゴーカイジャー側はマーベラス、ジョー、ハカセ、アイムの4人、
ザンギャック側はダイランドー、ビバブー、ドゴーミン2人の計4人の、4対4の戦いが始まったのでした。

マーベラスはダイランドーと戦い、ハカセはビバブーと戦い、
ジョーとアイムがそれぞれドゴーミン1人ずつと戦いますが、
さすがにダイランドーは強く、マーベラスも苦戦します。
一方、ビバブーは魔法以外はさほど凄腕というわけでもないようで、
肉弾戦ではハカセ相手にやや優勢という程度です。
むしろ普通に戦えばビバブーよりドゴーミンの方が強いのではないかと思われ、
ドゴーミンはジョーとは互角に戦い、アイムに対しては優勢に戦います。

ルカは小夜に「早く逃げて!」と指示すると、
変身して苦戦しているアイムを助太刀してドゴーミンに斬りかかり、
「よくも鎧たちを!」と怒りを爆発させて、アイムと2人でドゴーミンを一気に攻めたてました。
これでゴーカイジャー側は5人となり、5対4の戦いとなります。

ハカセと戦っていたビバブーは、ハカセが転んだ隙に、
そのドゴーミン相手に形勢逆転して攻めたてるダブルヒロインを見て忌々しく思ったのか
「もう!女なんて大っ嫌い!ドルルンパ!」と呪文を唱えてステッキを差し出して
アイムを狙って例の人形化光線を発射しますが、間違えて光線がドゴーミンの方に当たってしまい、
ドゴーミンが人形になってしまいました。

アイムはビバブーの人形化光線は初めて見ましたが、
ビバブーが自分を狙って何か奇妙な光線を発射してきたことには気付き、慌てて避けます。
ルカももちろんこの光線の危険性は知っていますから慌てて避けます。
その2人は飛び退いて避けた先を狙って再びビバブーは「ドルルンパ!」と人形化光線を発射しますが、
そこにちょうどジョーがドゴーミンと戦っていた場所であったので、
またもや人形化光線はドゴーミンに当たってしまい、
もう1人のドゴーミンも「うわああ!」と悲鳴を発して人形になってしまいました。

突然、目の前で戦っていた相手のドゴーミンが小さな人形になって地面に落ちてしまったので、
ジョーやアイムやハカセは唖然とし、
マーベラスもダイランドーと戦いながら「ん!?」と、この珍現象に驚きつつ、
ビバブーがステッキを使ってドゴーミンを人形に変えたということを把握しました。

一方、ビバブーは味方のドゴーミンを2人とも人形に変えてしまって
一気に形勢不利にしてしまった自らの失態に狼狽えて、
「ああ!?しまったざます!・・・リタルンパ!」と、慌ててステッキを斜め上にかざして別の呪文を唱えました。
すると、ステッキから今度は青い星が飛び出します。
さっきドゴーミンを人形に変えたピンクの星型の光線を見ているだけに、
マーベラス一味の面々は警戒して思わず身をすくめますが、
その青い星はマーベラス達を狙ったものではなく、
地面に転がるドゴーミンの人形2つに向かって吸い込まれていきました。

すると瞬時にドゴーミンの人形は元のドゴーミンに戻り、
唖然とするジョー達に向かって復活したドゴーミンは「ドォゴォ!!」と槍を一閃し、
これが不意打ちとなってジョー、アイム、ルカは「ううっ!?」と吹っ飛ばされてしまいました。
ビバブーのミスでドゴーミンを人形にしてしまったことが怪我の功名となって、
ドゴーミンの奇襲がジョー達に決まった形となったようです。

起き上がったルカは「・・・ったく!これで一気にいくよ!」とニンジャイエローのレンジャーキーを出し、
ここで5人はカクレンジャーに豪快チェンジします。
マーベラスがニンジャレッドに、ジョーがニンジャブルーに、ルカがニンジャイエローに、
ハカセがニンジャブラックに、アイムがニンジャホワイトに変身しました。
一応、第32話でカクレンジャーに5人一斉変身はしていますが、
あの時は消え身の術で逃走するためだけに一瞬変身しただけであってので、
5人でちゃんと戦うのは今回が初めてです。

今回この場面でカクレンジャーがチョイスされたのは戦術的な必然性というのは特に無く、
次回がカクレンジャー篇なので、その前フリ的な意味合いでしょう。
よって、戦い方は別に大した特徴のある戦い方ではなく、カクレマルで普通に戦うというスタイルです。

そのうち、ビバブーと戦っていたハカセは「・・・リタルンパで元に戻るんだな!?」とビバブーに確認します。
さっき、ビバブーが間違って人形にしたドゴーミンを元に戻す時に唱えた呪文を
ハカセはしっかりチェックして覚えていたのです。
元に戻す=「リターン」で「リタルンパ」で、「ドルルンパ」同様、非常に分かりやすい呪文です。

街で人々が人形に変わってしまう騒動が起きていることはマーベラス達も把握しており、
それがザンギャックの仕業だということも想像はついていましたが、
どうやってザンギャックが人々を人形にしたのか分からなかった。
が、この戦いの最中、ビバブーがステッキを使ってドゴーミンを人形にして元に戻すのを見て、
人々を人形化したのはビバブーのステッキを使った魔法であり、
「リタルンパ」という呪文を唱えてステッキを振れば人形にされた人々を元に戻せるということも
明らかになったのです。

自らのミスで大事な秘密が発覚してしまったビバブーは「あら、バレちゃったわね!」と言うと、
「どらぁ!!」とハカセを突き飛ばし「わああ!?」とハカセは倒れます。
そこにマーベラス達4人が集まり、マーベラスは「その杖よこせ!」と言いますが、
ビバブーは「それは無理な相談ざますぅ!」と、当然渡すつもりはありません。
つまり、「リタルンパ」という呪文だけ唱えても術は解除出来ず、
魔法のステッキを振りながらでなければ効果は生じないようですが、
魔法のステッキは別にビバブーでなければ使えないというわけではなく、誰でも使うことは出来るようです。
だからビバブーは絶対にステッキを渡そうとはしない。
ならば、力づくで奪うしかない。

そこにダイランンドーやドゴーミンもやって来て、
ダイランドーは「まだまだ遊び足りないんでね!今度は鬼ごっこといきまっちょぉい!」と言ってハンマーを取出し、
「おらぁ!いくぜよぉ!!ジャイアントハンマァ〜ッ!!」と、何故か急に土佐弁になって叫びながら
ハンマーを振り回します。
すると、そのハンマーは見る見る巨大化していき、
ダイランドーは驚いて見つめるマーベラス達目がけて巨大ハンマーを振りおろし、
「わあああああ!?」とハンマーの直撃を喰らったマーベラス達5人は
一斉にダメージでゴーカイジャーの姿に戻ってしまいます。
トリッキーな言動のダイランドーは意表をついてパワーファイターだったのです。

ところが、慌てて起き上がったマーベラス達が次の一撃に備えて身構えると、
巨大ハンマーもダイランドーも、それどころかビバブーもドゴーミンも、みんな姿を消していました。
一瞬、呆然としたマーベラス達でしたが、周囲に全くザンギャックの気配は無い。
「・・・逃げられたか!」とジョーは悔しげに呻きます。
ダイランドーは「鬼ごっこ」と言っていた。つまり、戦いを避けてこの場は逃げたのです。
しかしギガントホースに撤退したわけではなく、
マーベラス達から逃げながら地球人を手当たり次第に人形に変えていく遊びは続けるつもりなのです。

それはつまり、マーベラス一味と戦っても簡単には負けないという自信の表れでもあったが、
このまま戦いを続けてもすぐにはマーベラス一味を倒すことも出来ないということも
ダイランドーが悟ったということです。
戦ってみると、意外にマーベラス一味が強いことにダイランドーは気付き、
倒すには手間がかかりそうだと分かりました。
そうして長々と戦っていると、せっかくの遊び時間が削られてしまい楽しくない。

しかもビバブーのミスで人々を人形から元に戻す方法まで知られてしまい、
マーベラス達が魔法のステッキを狙ってくるのは必定となってしまった。
戦いが膠着状態となれば、ステッキが奪われてしまう可能性もある。
そうなったらダイランドーの遊びも台無しです。
ならば、ここはマーベラス達との戦いは出来るだけ避けながら人々を襲い続けた方がいいという
ダイランドーの判断でした。
意外にパワーファイターではありましたが、やはり狡猾な怪人でもあるようです。
しかも普通に戦ってもマーベラスを劣勢に追い込むほどの強さでもあり、さすがに親衛隊の精鋭です。

ただ一緒にいるビバブーは大した強さではなく、
しかもかなりのマヌケで、大事な情報を自らバラしてしまいました。
「でも・・・鎧たちを元に戻す方法は分かった・・・!」と、ルカは鎧の人形を取り出して言います。
これを見て、マーベラス達も、姿が見えなかった鎧が案の定、人形にされていたことに気付き、
これはますます何としてもあの魔法のステッキを奪わねばならないと思いました。

アイムは「鎧さん・・・少しの間、辛抱してくださいね・・・」と、鎧の人形にそっと手を添えて言います。
とにかく、こうなれば何処かでまた暴れているであろうビバブー達のザンギャック反応をナビィに探らせつつ、
走り回ってビバブーの行方を探し出して倒して魔法のステッキを奪うしかない。
「とにかく追いかけるぞ!」とマーベラスが号令をかけ、皆、「ああ!」と応じて駆け出していきました。

ところが、ルカだけはマーベラス達に続いて駆け出そうとしたところ、
「・・・ん?」と公園の真ん中に方を見て立ち止まります。
公園の中は戦いのせいで倒れたツリーやテーブル、散乱した飾りなどでムチャクチャで、
せっかくの楽しいクリスマス会が無残な情景になってしまっていましたが、
その真ん中でただ1人、ポツンと小夜が突っ立っていたのです。

ルカは確かに小夜に危険だから逃げるように言ったはずなのに、
小夜はその指示を無視してずっと公園に居残っていたのです。
幸い巻き添えにならなかったから良いようなものの、指示を聞かずに居残った小夜の軽率さに少し腹が立ったルカは、
変身を解いて小夜に駆け寄り、「まだこんなとこに居たの!?」と厳しい口調で叱りつけました。

しかし小夜はルカの叱責が耳に入らないかのように呆然として突っ立っています。
見ると、小夜の手には聖二の人形が載せられており、
小夜は人形に変えられてしまった弟の無残な姿を呆然と見つめて立ち尽くしていたのです。
おそらく目の前で弟を人形にされてしまった小夜はショックで何も考えられない状態となっていたのであり、
ルカの指示も耳には届いていなかったのであろうことに、ルカも気付き、
叱責を止めて黙って小夜を見つめます。

小夜は力無くその場に座り込み、両手でぎゅっと握った聖二の人形に向かって
「聖二・・・ゴメンね・・・あたしのせいだ!」と、涙ながらに詫びます。
小夜は弟が人形にされたのは自分のせいだと思って自分を責めているようです。
それはつまり弟を守りきれなかった自分を責めているのだとルカは解釈しました。
それは、かつて妹を病気で死なせてしまったことで自分を責めていたルカ自身と同じだと思い、
ルカは小夜の辛い心情に同情して、小夜の横にしゃがみ込んで
「・・・あんたのせいじゃないよ・・・」と優しく言います。

しかし小夜は単に弟を守る姉の責任を果たせなかったことを詫びているのではなく、
もっと強い加害意識を持っていました。
泣きじゃくりながら、小夜は「あたしが、雪取ってこいなんて言ったから・・・」と言うのでした。
確かに、小夜が聖二に集会場にツリーの飾り用の雪を取りに行かせておらず、聖二も一緒に公園にいたならば、
ビバブーが現れた時、もっとスムーズに逃げることが出来て、
聖二だけが人形にされるようなことはなかったでしょう。
だから小夜は自分のせいで聖二が人形にされたのだと、自分を責めているのです。

しかし、そんなものは不幸な偶然に過ぎないとルカは思いました。
小夜はビバブーが現れることなど予想出来なかったわけだし、
ビバブーが出現した時にちょうど聖二が公園に戻ってきたのも不幸な偶然でした。
だから小夜が悪いわけではないとルカは思ったのですが、
小夜が続けて「クリスマスなのに、あたしが怒ってばっかだったから・・・きっと、罰が当たったんだ・・・!」
と言うのを聞いて、小夜がどうしてそんなに自分を責めているのか理由が分かったのでした。

つまり、どうやらクリスマスというのは楽しまなければいけないものであって、
そこで些細なことで不満を言ったり怒ったりしているような者には天罰が与えられるようなのです。
いや、ルカもさすがに天罰などという非科学的なものが本当にあるとは思っていませんが、
そういう認識が地球人の間にはあるのだということに気付いたのです。

小夜は、クリスマスなのに、クリスマスに相応しくない行動をとっていた自分に罰が与えられて、
そのせいで聖二が人形に変えられてしまい、自分に深い悲しみが与えられたのだと思っているのです。
もちろん小夜だって、普段から本当に天罰が存在すると思っているわけではないでしょうが、
この突然に自分達を襲った悲劇の理不尽さを説明するには、
天罰でも持ち出さないと納得出来ないほどであったのでしょう。
そうして自分の心がけが悪かったせいだという理屈でもつけなければ、
この理不尽な不幸に小夜の精神は耐えられないのです。

そういうわけで小夜は自分のクリスマスにおける行動を後悔しています。
その小夜が後悔している自分の行動というのは、クリスマスなのに怒ってばっかりだったということです。
確かに小夜は些細なことで聖二を叩いたり怒鳴ったりしていました。
しかし、聖二にも叱られるだけの行いは有ったわけで、小夜も理由も無く叱っていたわけではありません。
だから普通に考えて小夜の行動に誤りがあるとは思えません。
しかし、それが普通でないのがクリスマスであるようなのです。

つまりクリスマスにおいては、人々は多少の不満があってもすぐに怒ったり不平を言ったりせずに、
些細なことは許し合って、笑顔で楽しまなければならないのです。
言い換えれば、不幸な境遇であっても、悲観するのではなく、そこに希望を見出すという精神が尊ばれる日なのです。
小夜はそれが出来ずに聖二に対する不満や自分がクリスマスを楽しめない立場であることに腹を立て、
些細なことで聖二にきつく当たった。
だから小夜はクリスマス的な意味では、やはり「悪い子」だったわけで、
「悪い子」だから天罰を与えられたのです。

ちなみに聖二もまた姉の説教などに対してブツブツ不平を言って、
憎まれ口を叩くなどしてクリスマスを笑顔で楽しんでいない部分がありましたので、
聖二もまた「悪い子」であり、それゆえ天罰が当たったともいえます。
そして、「悪い子」である小夜と聖二に与えられた天罰によってクリスマス会もムチャクチャにされてしまった。
公園の惨状を見ながら、ルカはそういう解釈も成り立つのだと感じました。
もちろんルカは天罰など信じてはいません。ただ、小夜はそのように思うしかないのだろうと思いました。

そして、同じ地球人である以上、鎧も同じようなクリスマスについての考え方を持っていたのであろうと思い、
ルカは自分の手に握っていた鎧の人形を見つめます。
するとルカは、鎧がクリスマスはハッピーな日だからと言って、
しきりに自分に向かって怒らないように言ってきていたことを想い出しました。

つまり、あの時、サンタにプレゼントを断られたぐらいのことで怒っていた自分は、
やはりクリスマス的な意味では「悪い子」だったのであり、
鎧はクリスマスに相応しくない行いをする自分をなんとか正しい道に戻そうとしてくれていたのだ。
そういうことにルカは気付きました。

実際、ルカにとってサンタが配っていたプレゼントが貰えなかったからといって、
何か困ったことがあったわけではない。
だからプレゼントが貰えなかったことぐらい、全く些細なことだったのです。
それなのにブツブツ不満ばかり言っていた自分は確かに「悪い子」だったのだとルカは反省しました。

いや、そもそも自分に絶対に必要なものでもないのに、
サンタにプレゼントをねだりに行った行為自体が「悪い子」だったのではないかとルカは思いました。
あの時、自分は皆とパーティーをするための食材やグッズなどを買い漁った帰りであり、
気分的にはすっかり満ち足りていた。
それなのに更にプレゼントを貰おうとしたのは、あまりに強欲だったのではないか?
いやまぁルカは基本的に強欲キャラなのですが、
しかしその行いはクリスマスにおいては「悪い子」の行いということになってしまうのではないかと
ルカには思えたのでした。

何故ならクリスマスとは、どんな不幸な境遇においても悲観せずに
希望を持って楽しむことが尊ばれる日なのですから、
どんなに満ち足りても常に不足を感じてプレゼントをおねだりするというのは
クリスマスの精神に最も反している「悪い子」なのであり、
だからサンタは自分のことを「良い子」だとは認めてくれず、
プレゼントをくれなかったのだとルカは考えました。

そういえば、ルカの前にプレゼントを貰っていた小さな女の子は、
プレゼントを欲しいなどとは一言も言っていませんでした。
ただサンタの前で幸せそうな笑顔を見せただけです。
その邪心なく現状に希望を抱く少女の笑顔を見て、サンタは少女を「良い子」だと判断してプレゼントを渡したのだ。
そのようにルカは解釈し、自分が「悪い子」だからサンタにプレゼントを貰えなかったのだと
認めざるを得ませんでした。

しかし、小夜の一言でクリスマスにおける「良い子」を理解出来たということは、
ルカは決して「良い子」の精神が理解出来ないほど「悪い子」ではないということです。
というより、本質的にはルカは「良い子」なのです。

何故なら、戦災で故郷も親を失い、スラムで困窮しながら必死で孤児たちを養い、
常に戦火によって生活を脅かされ、妹も失い、
そんなどうにもならない閉塞感に満ちた不幸な境遇の中でも、
星を買い取って子供たちの平和に暮らせる場所を作りたいという希望を抱き続けたルカほど、
不幸な境遇で生まれ育って、それでも悲観せずに希望を持ち続けた者はそうはいないはずだからです。

盗賊になり、そして宇宙海賊になってからだって、
常に官憲に追われて、人々からは忌み嫌われ迷惑がられて、とても快適とはいえない境遇でしたが、
それでもルカは不自由で辛い生活の中でも、
宇宙全体を買い取って宇宙全体の子供たちの平和な暮らしを実現したいという、更に大きな希望を持ち続けました。

だからルカは本当は「良い子」なのであり、
あのサンタは単にアトラクションのアルバイトだったから
「子供にしかプレゼントを配れない」という意味でルカにプレゼントをあげなかっただけなのですが、
ルカはあれが本物のクリスマスのサンタだと思っていますので、
自分がもともと持っていた「どんな不幸な境遇でも挫けず希望を持って日々を生きる」という尊い精神を
つい忘れて調子に乗ってクリスマスに相応しくない強欲ぶりを示してしまっていたのをサンタに見破られて
「悪い子」だと見なされてしまったのだと解釈し、自分の慢心を深く反省しました。

自分が「悪い子」だからサンタからプレゼントを貰えなかったのは当然だったのであり、
それなのに、更にそのことを不満に思って鎧に当たり散らし、
その罰として鎧を人形にされてしまったようなものだとルカは思いました。
自身を「悪い子」だと思って落ち込んでいる小夜を励ましてあげたかったが、
ルカは自分自身が「悪い子」であるので、励まそうにも説得力が無いと思い、一瞬、言葉を失いました。

しかし、ふと鎧が人形にされた公園の入り口の方を見て、ルカはそうではないと気付きました。
鎧はずっと笑顔を振りまいて、クリスマスを目いっぱい楽しもうとしていた。
ルカに当たり散らされても嫌な顔ひとつしなかったし、進んで子供たちのためにツリーの飾り付けも手伝っていた。
鎧は「良い子」だったのです。

実際、ルカは知らないことではあるが、
鎧は第40話の時にドモンの息子の森山未来に自分の小学校時代の過去を語っており、
その話の中の鎧は、転校ばかりで友達がなかなか出来ない不幸な境遇に悲観せず、
むしろそれをたくさん友達を作るチャンスだと解釈して希望を持ち続けて日々を生きて行こうとする、
まさにクリスマス的な意味における「良い子」でした。
その精神を持ったまま大きくなった鎧は、
どんな絶望的状況にあっても決して挫けず希望を捨てない精神の持ち主なのです。

そんな「良い子」の鎧がルカの「悪い子」による天罰のとばっちりで人形になどされるはずがない。
実際、鎧は災難を受けて人形になったわけではない。
自分から進んで、本来は人形にされるはずだった「悪い子」の小夜の身代わりとなって、
「良い子」なのにもかかわらず、自ら犠牲になったのです。
だから、鎧が人形になったのはルカへの天罰ではなく、鎧自身に何らかの意図があってのことなのです。
そして、鎧がクリスマス的な意味での「良い子」の典型であることに気付くことによって、
ルカは鎧の意図していたことがようやく理解出来たのでした。

あの時、まず鎧は第一義的には、なんとしても小夜を助けたかった。
そして、そのためにはタイミング的に自分が身代わりに人形になるしかないということにも気づいた。
問題は、その時どうして鎧は躊躇しなかったのかです。
現実的に言えば、鎧は自分がここで人形にされても仲間がきっとビバブーを倒して
元に戻してくれると信じていたということになります。

しかし、それが必ず上手くいくとは限らないし、そもそも元に戻す方法など無い可能性もありました。
だから、いざ人形にされると分かっていて突っ込むのは大きな不安がつきまとうはずであり、
そこで躊躇しないというのは凄いことです。
どうしてそこで鎧は躊躇しなかったのかというと、
鎧はどんな絶望的な状況でも揺るぎない希望の心を持っているからです。
自分は人形にされるという絶望的状況からでもきっと復活出来るという希望が決して揺るがないのです。
だから鎧は自ら進んで小夜の身代わりになったのです。

しかし、それでも、どんな絶望的状況でも希望を持てる鎧ならば、
小夜が人形にされても復活させることは出来ると信じることは出来たはずです。
だから何も自分が犠牲になってまで小夜を守る必要は無い。
それよりも自分は無事なまま、ビバブーを倒すために戦うことに専念した方が、
小夜や聖二をより早く助けることに繋がるはずです。
だから、鎧がどんな絶望的状況でも希望を持つ「良い子」であることと、
鎧が自ら進んで小夜の身代わりになったこととは、イマイチ上手く繋がらない。
それは鎧が意図したこととは少し違うのです。

そうではなく、鎧は、小夜にクリスマスの精神を教えようとしたのです。
つまり、弟の聖二が人形に変えられてしまった小夜に、
どんな絶望的状況でも希望を持つことが大事だという精神を教えるために、
自分が進んで絶望的状況に飛び込んでみせて希望を持ち続ければ復活出来るということを、
身をもって示そうとしたのです。
鎧が自ら進んで絶望的状況に飛び込むことによって、
人形にされてもきっと復活出来るという確信を無事に生き残った小夜に示すことになり、
それが小夜の希望になると鎧は考えたのです。

逆に鎧が人形になることを恐れて飛び込まず、小夜が人形にされた場合、
小夜は人形にされるということはそれほど恐ろしく絶望的なことなのだと思いながら、絶望の淵に沈んでいく。
その場合、たとえ後で小夜や聖二を元に戻せたとしても、
小夜の心には自ら絶望の中で希望の明かりを灯す力は生まれない。
それはクリスマスの目的とするところではないのです。

このクリスマスイブという日において、あの場合、鎧のとるべき道は、
自ら進んで小夜の身代わりに人形とされることによって、
絶望の中でも希望を持ち続けることが出来るという精神を身をもって示し、
生き残った小夜に絶望の中でも希望を持ち続ける精神を教えて、聖二がきっと元に戻ると思わせること、
それ一択だったのです。

鎧としては、あの時そうすることしか出来なかった。
そして、ビバブーを倒して自分や聖二を元に戻す戦いはルカ達に託したのです。
そうした鎧の意図を理解したルカは、サンタはどう思ったか知らないが、
少なくとも鎧は自分のことを「悪い子」だなどとは思っていなかったことを知りました。
もしルカが絶望に際して不平不満ばかり言って自分からは何もしないような「悪い子」ならば、
鎧が自分が人形にされた後のことを託すはずがないからです。
鎧はちゃんとルカがどんな絶望的状況でも希望を捨てないと信じている。
そして、実際、ルカは決して挫けたりはしていませんでした。

ルカは鎧の自分への信頼の想いを嬉しく思い、ニヤリと笑うと、
まだ泣きじゃくっている小夜に向かって「・・・大丈夫!・・・まだクリスマスは終わってないよ・・・!」と言いました。
小夜はルカの言葉の意味が分からず「えっ・・・?」と顔を上げます。

ルカの言いたいことは、まだクリスマスが終わるまでは、失敗の取り返しは効くということです。
確かに小夜はクリスマスの精神に反した行いをしたかもしれない。
しかし、鎧が身を挺して教えてくれたクリスマスの精神は、ルカの心に届いたのと同様、
小夜の心にも届いているはずです。
だから、きっと小夜はこの絶望的状況からでも希望をもって立ち上がることが出来るはずだとルカは思いました。
そうしてクリスマスの間に小夜がクリスマスに相応しい「良い子」になれば、きっと天罰も撤回されて、
聖二も元に戻るというふうに考えることだって出来るはずでした。

ルカは小夜が握り締める聖二の人形に優しく触れて「一緒に聖二くん、元に戻そう!」と、小夜に笑顔を向けます。
すると小夜は、やはり鎧の期待した通り、心に希望の明かりが灯ったようで、泣くのをやめました。
ただ、人形になってしまった聖二を元に戻すために自分が出来ることが想像も出来ないようで、
「でも・・・どうやって?」とルカに尋ねます。
ルカは自分の手にした鎧の人形を小夜に示して、「こういうの・・・作れる?」と質問しながらニヤリと笑うのでした。
どうやらルカには何か作戦があるようです。

その頃、ルカを除くマーベラス、ジョー、ハカセ、アイムの4人はナビィの連絡によって
ビバブー達の行き先を突き止め、そこに急行し、「見つけたぞ!ザンギャック!」と、
ダイランドーやビバブー達を追い詰め、襲い掛かります。
「その杖、いただきます!」とアイムが言って、4人は魔法のステッキを持ったビバブーに飛び掛かろうとしますが、
ダイランドーは「ジャイアントハンマ〜ッ!!リタァ〜ンッ!!」と叫んで
また取り出したハンマーを巨大化させ、「とりゃあ!!」とブンブン振り回し、
マーベラス達をビバブーには近づけさせません。

「これじゃあ、あの杖に近づけないよぉ!」とハカセは弱音を吐き、マーベラス達もたじろぎます。
やはり、ダイランドーは並の怪人とは段違いの手強さであり、
ダマラスほどではないが、ザツリグと並ぶ強さでした。
そのダイランドー相手には普通に勝負して勝つのも相当の手間がかかりそうであるのに、
ダイランドーが防御に徹して守ろうとするビバブーを倒してステッキを奪うのは至難といえます。

「舐めてもらっちゃ困るっちょぉい!!」と言ってダイランドーはハンマーを縮めて攻勢に転じますが、
一緒にマーベラス達に襲い掛かってきたのはドゴーミン2人だけであり、
肝心のビバブーは「いってらっしゃぁい!」とダイランドー達を見送って後方の安全地帯に残り、
マーベラス達はダイランドー達に阻まれてビバブーには近づけません。
ビバブーは調子に乗って「ダイランドー様!カッコいい〜!」と、魔法のステッキを振り回して
はしゃぎ回って投げキッスまでする余裕っぷりです。

そうしてマーベラス達がビバブーを発見して戦闘開始したことは、
ナビィから公園にいるルカにもモバイレーツで伝えられました。
その場所を聞いて「分かったナビィ!あたしもすぐ行く!」と言って通話を切ったルカに向かって、
テーブルに向かって何か作業をしていた小夜が「ルカさん!」と声をかけます。
どうやら作業は完了したようです。

小夜はルカに人形を手渡し、それを受け取ったルカは笑顔で
「ありがと!こっからはあたしに任せて!」と言って駆けだそうとします。
小夜がルカに渡した人形は、ルカに似た人形でした。
ルカは自分に似せた人形を小夜に急いで作ってもらっていたようで、
もともとクリスマスの飾り用の小型の布人形をたくさん作っていた小夜は手慣れたもので、
すぐにルカに似せた可愛い人形を1つ作り上げたのでした。
よく見ると、鎧や聖二が魔法で変えられた人形と、小夜が作る人形とは、
同じ種類の人形かと見紛うほどにタッチが似ていました。
ルカはこの人形を使って何らかの作戦を決行するつもりであるようです。

ところが、人形を持って駆け出そうとするルカに向かって、小夜は「あたしも行く!」と、唐突に言います。
ルカは驚いて立ち止まり「はぁ〜?何言ってんの!?」と呆れて叫びます。
一般的に戦いの場は危険だというだけではなく、
この場合、ルカは小夜にこの作戦の概要を説明した上で協力してもらっていますから、
そこに行くと言い出した小夜に唖然としてしまうほど、ルカのやろうとしている作戦は危険なものだということです。
そして、その危うさを小夜も十分に分かっているはず。
それなのに一緒に行くという小夜にルカは呆れたのです。

しかし小夜にしてみれば、この作戦でルカがかなり危険な目にあうことは分かっている以上、
このままルカだけを行かせるわけにはいかないのです。
もちろん小夜が行ったところで戦力になるわけではない。
だが、自分や弟を助けるために鎧に続いて、今度はルカまでも身代わりに犠牲になるとしたら、
もはやそれは小夜には耐えられないのでした。

「自分で行かなきゃ絶対、後悔するもん!もう誰かを身代わりになんかしたくない!」と、
ルカの目を見つめてキッパリ言い切る小夜の目を見て、
ルカは小夜が既に恐怖心は克服していることに気付きました。
鎧が身をもって示した、どんな絶望的状況でも希望を信じて飛び込んでいける強い想いが、
今や小夜の心に大きく育っているのです。

確かに、今の小夜には、もはや誰かが身代わりになって身をもってその精神を教えてあげる必要などは無い。
むしろそんなことは小夜には苦痛でしょう。
小夜は出来るものならそれを実践したいとまで思っている状態なのです。
つまり、鎧と同じく完全にヒーローの心を持ってしまっているのです。
だから小夜は弟を救うために一緒に戦いに行きたいと申し出ているのです。
このまま自分が行かず、ルカだけが犠牲になったら、それは確かに今の小夜にとっては辛いだけだろう。

しかし、ルカは逡巡して、小夜の視線から目を逸らして横を向き、目を伏せます。
心はヒーローになったといっても、小夜は戦いの素人であり、戦う力は無い。
やはり危険だから連れていくわけにはいかない。
自分1人で大丈夫、身代わりになんかならない、後悔なんかさせない、
そのように言って小夜を安心させて、ここに居残らせるのがベストだと思いました。

しかし、本当に確実に小夜を安心させることが出来るかというと、実はルカも自信はあるわけではない。
急ごしらえの人形で本当にこの作戦が上手くいくのかどうか、未知数でした。
小夜を残して行き、もし失敗したら小夜に嘘をついたことになり、小夜をまた後悔させてしまうことになる。
ならば、やはり小夜は連れて行って、小夜の安全は図りながら、
小夜に後悔の無いようにするのが良いのではないかと思ったルカは、
ハッと閃いて、そこに作戦の成功へのカギを見出し、ぐっと視線を上げて決意の表情となったのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 16:40 | Comment(0) | 第44話「素敵な聖夜」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月06日

第44話「素敵な聖夜」感想その4

さて、マーベラス、ジョー、ハカセ、アイムの4人がビバブーから魔法のステッキを奪おうとして
攻勢をかけている場所では、まだ長々と膠着状態が続いていました。
マーベラス達の攻撃を食い止めているのはダイランドーとドゴーミン2人であり、
数的には4対3でマーベラス達の方が優勢なのですが、
ドゴーミンも手強く、更になんといってもダイランドーが恐ろしく強く、
この3人がガッチリとマーベラス達をビバブーに近づけさせないようにして戦っているので、
鎧もルカも欠いた4人ではマーベラス達も突破に難儀していました。

ビバブーはその戦いをダイランドー達の後方で見物しながら
「私に近づけるものなら、近づいてごらんなさぁ〜い!」と、すっかり調子に乗っています。
と、そのビバブーの背後の物陰に何時の間にかルカが潜んできて、近づいています。
背後からビバブーに襲い掛かって魔法のステッキを奪おうという作戦のようです。

ところがルカは「いくよ!」と掛け声をあげて物陰から飛び出したものですから、
ビバブーは慌てて振り返り、ルカを発見して、
すかさず魔法のステッキで「ドルルンパ!」と人形化光線を発射します。
驚いたルカは駆けだした足を止めて「うわぁ!」と叫びながら光線を避けようとして
物陰の壁際のところでバランスを崩し、そのまま壁やルカの身体に人形化光線が当たったように見えて、
ルカの姿は消え、地面にはルカの姿に似た人形が転がり落ちました。
ルカは結局、奇襲に失敗してビバブーの光線を受けて人形に変えられてしまったようです。

ビバブーは「いやぁ〜、危なかったざますぅ!」と言いながら、
壁際の地面に落ちたルカの姿をした人形に近づき、しゃがみ込んでそれを拾い上げると、
「ん〜・・・あら、このお人形は・・・?あらぁ?」と何やら首を傾げています。
すると、そこに突然、壁の陰から「もらったぁ!」と叫んでルカが飛び出してきたのです。

つまり、ルカはわざと声を上げて物陰から飛び出してビバブーに人形化光線を撃たせて、
それを喰らったフリをして壁の陰に倒れ込みながら姿を消すと同時に、
小夜に作ってもらった自分そっくりの人形を壁の向こう側の地面に放り出し、
光線が命中して自分は人形に変えられてしまったかのように偽装したのです。
そうしたらビバブーは人形を確認しに壁の傍にやってくるであろうから、
その瞬間を狙って壁の陰から飛び出してビバブーの持つ魔法のステッキを奪おうというのがルカの作戦だったのです。

用心深いビバブー相手には普通に強引にステッキを奪いに行っても成功する確率は低いので
何らかの方法で油断させなければならない。
そのためにルカはわざとやられたフリをして、ビバブーの警戒心を低下させた瞬間を狙うしか、
ステッキを奪う作戦は無いと読んだのです。
その作戦はまんまと成功して、ビバブーは偽物の人形に釣られてルカの潜む壁のすぐ近くまでやって来た。
その瞬間を狙ってルカは飛び出し、ルカの手は真っ直ぐビバブーの持つ魔法のステッキに伸びて行きました。

ところが、ルカの手がステッキを掴もうとした瞬間、
「おっとぉ〜!あっまいわよぉ!」と言ってビバブーはクルリと身体を回転させてルカの攻撃をかわし、
ルカは勢い余ってビバブーの横を駆け抜けて、慌ててビバブーの方に向き直ります。
そこに狙いすましたようにビバブーは「ドルルンパ!」と、ルカの目の前でステッキをかざして人形化光線を発射、
あまりに至近距離で発射されたのでルカは避けることも出来ず、まともに光線を浴びてしまい、
「わぁ!」という悲鳴を残して、あっという間に人形になってしまい、ポトリと地面に落ちてしまいました。

これを見て、マーベラス達4人は仰天して
「ルカ!?」「ルカさん!!」「ルカ〜!!」「ルカ!!」と口々に叫び、ルカに呼びかけますが、
もちろん今度は正真正銘、ルカは人形になってしまったので返事などあるはずもありません。
動揺したマーベラス達はダイランドー達に押し込まれてしまい、
ダイランドーは焦るマーベラス達を尻目に「ハッハッハッハ!やっぱり宇宙海賊ってバカでやんしょ!」と
ルカの作戦失敗を嘲笑います。
ビバブーも最初に拾い上げていた小夜の作った偽物のルカ人形を投げ捨てて
「最初のお人形が偽物だってことぐらい、バレバレざぁますぅ!作戦は失敗ざますねぇ〜!
オ〜ホッホッホッホ〜!!」と可笑しそうに高笑いするのでした。

ビバブーは最初からこの場にいないルカが自分の持つステッキを狙って
何処かから奇襲を仕掛けてくることは警戒しており、
最初にルカが飛び出してきて人形が転がった時もまだ警戒は解いていませんでした。
それで、遠目で見た段階で自分の魔法で作った人形とは微妙に種類が違うことは見破っていたのです。
だから、地面に落ちた人形は罠で、傍に潜んだルカがステッキを狙って飛び出してくることは予期して
壁際に近づいたのです。
そこまで予想が立っているのなら、飛び出してきたルカの動きをかわすことぐらい造作も無いことで、
首尾よくルカをかわしたビバブーは狙いすましてルカに今度こそ本当に人形化光線を浴びせたのです。
つまり、ビバブーはルカの罠を利用して、逆にルカを罠に嵌めたのです。

こうして、せっかく小夜に自分そっくりの人形を作ってもらって臨んだルカの渾身の作戦も
失敗に終わってしまいました。
そうして居場所の分からなかった脅威であるルカを上手く排除したビバブーは安堵し、
逆にルカまで人形にされてしまい、未だビバブーにも近づくことが出来ないマーベラス達は
ますます不利な状況となって呆然としてしまいます。

ハカセは「そんなぁ・・・ルカがホントに人形にされちゃったぁ・・・!」と慌てており、
ダイランドーはここで一気に畳みかけてやろうと、「いくぜよぉ!」とマーベラス達に向かって突っ込んできます。
マーベラス達も応戦しますが、どうにもマーベラス達は劣勢です。
これでもうすっかり自分のステッキを奪おうとする者は排除出来たと確信したビバブーは
「ホッホッホッホ!」と浮かれまくって高笑いして、ダイランドーに声援を送って浮かれまくりです。

と、そのビバブーの背後に何時の間にか小夜が静かに立っていました。
小夜はやはり要望通り、ルカにここまで連れてきてもらっていたようです。
そして小夜の嫌な予感が的中し、鎧に続きルカまでも小夜や弟を救うために
身代わりになって人形にされてしまったのです。
さっき言っていたように、さぞや小夜は後悔していることだろうと思いきや、
その表情は後悔どころではない切羽詰った表情をしています。

異常に緊張した表情で突っ立つ小夜の手には、
どういうわけかゴーカイイエローのレンジャーキーとモバイレーツが握られています。
そういえば、どうしてさっきルカは変身しないままビバブーに挑んだのか、よく考えたら妙でしたが、
それは小夜に変身アイテムを貸していたからであったのです。
ただ、どうして小夜に変身アイテムを預けておく必要があったのかは謎です。

そして、モバイレーツを握りしめた手にぎゅっと力を込めて緊張する小夜でしたが、
意を決したようにモバイレーツにゴーカイイエローのレンジャーキーを挿して回して、
なんとゴーカイイエローに変身したのでした。
普段のルカの変身の時のように掛け声をかけた威勢の良い変身ではなく、
無言で静かな変身であったので、その場にいた誰も小夜がそこに立っていたことも、
小夜がゴーカイイエローに変身したことにも気付いていません。

そういえばモバイレーツとレンジャーキーを使えば一般人でも変身は出来て、
それなりの戦闘力は発揮出来るというのは第2話でも描写されていましたが、
その設定が久々に使われたことになります。
ルカが小夜に変身アイテムを貸していたのは、小夜がこうして変身するためであったようです。

そしてそのまま小夜は駆け出し、「うおおおお!」と吼えながら、
すっかり安心しきって無防備となったビバブーの背中に走り込んだ勢いのまま渾身の前蹴りを食らわしました。
背中に突然の予期せぬ衝撃を受けたビバブーは「おおおう!?」と驚きますが、
ゴーカイイエローに変身したとはいえ戦いの素人である小夜の蹴りはルカの蹴りほどの威力は無く、
渾身の蹴りとはいえビバブーは倒れはしません。

しかし振り返ったビバブーは、そこにさっき人形にしたはずのゴーカイイエローが立っているので
「なっ・・・!?」と驚き慌て、思わず手にしたステッキで小夜のゴーカイイエローに殴り掛かり
「何やってんの!この子はもう!やっちゃうわよ!もう!」と喚きますが、
この振り下ろしてきたステッキを小夜は必死で掴み、ビバブーの腕を捩じりながら
「えい!えい!えい!」と懸命にビバブーの頭を叩きまくり、怯んだビバブーを振りほどきます。
するとビバブーは、ついステッキを手から離してしまい尻もちをつき、
ステッキを小夜に奪われてしまったのでした。
「あぁ!?あたしの杖!杖返して!」を焦って叫ぶビバブーから逃れるように、
小夜はゴーカイイエローの跳躍力で「はっ!」と大きくジャンプしてその場を離脱し、ビバブーから距離をとります。

マーベラス達やダイランドー達もこの騒動に気付き、
ステッキを奪われたビバブーの醜態に「何やってんだっちょい!?」と失望するダイランドーを尻目に、
マーベラスは「・・・そういうことか!」とルカの真の作戦を理解します。
ダイランドーは焦ってビバブーの加勢に行こうとして「いくぜよぉ〜!」とジャイアントハンマーを振り回して
マーベラス達を倒そうとします。
マーベラス達は「わあっ!!」と、これを喰らって変身解除してしまいますが、
回転して身を起こしたマーベラスはもはや今からダイランドーが駆けつけても手遅れと見て、ニヤリと笑います。

既に小夜は着地すると、その場に持ってきていた聖二と鎧の人形を置くと、
すぐさま魔法のステッキを真上に向けて大きく振って
「リタルンパ!!」と術の解除の呪文を大声で唱えていたのです。
すると、ステッキから青い星が街中に飛び散っていき、各地で人々が変えられた人形に吸い込まれていき、
それらの人形は全て元の人間に戻っていったのでした。
もちろん、さっき人形にされたばかりのルカも元に戻り、
小夜の傍に置かれた聖二と鎧の人形も、聖二と鎧の姿に戻り、
鎧は自分の身体が人間に戻っていることを確かめると「おおおお!!戻ったぁ!!」と歓喜します。
どうやら人形にされていた間の記憶はあるようです。

聖二の方も人間に戻れたことを確認してキョトンとしていますが、
横に立った宇宙海賊の黄色い女海賊が「聖二!」と声をかけてきたので、ますますキョトンとします。
が、小夜がゴーカイイエローの変身を解いて元の小夜の素顔で笑いかけると、
聖二は「お姉ちゃん!」と喜んで抱きつき、「良かったぁ!」と小夜も聖二をぎゅっと抱きしめ、
ようやく姉と弟は無事に再会を果たすことが出来たのでした。
そこにルカがやって来て「よくやったね・・・あんたのお蔭よ!」と小夜をねぎらいます。

つまり、ルカの作戦は二段構えになっていたのです。
ルカも、小夜に作ってもらった偽物のルカ人形を使ったトリックでは
用心深いビバブーを騙せる確率は五分五分ぐらいだろうと思っていました。
もし見破られたらその時はもう力づくで奪うしかないと腹は括っていました。
ただ、失敗の確率も高いので、小夜を後悔させないために一緒に連れていくことにして、
もし最悪の場合、自分が失敗して人形にされてしまったら、
その時は後悔しないように小夜が戦うという手筈にしておいたのです。

ルカは小夜を戦わせたくなかったが、
小夜は弟や鎧たちを救うために一縷の望みに賭けて戦いたいと希望していました。
もちろんルカは小夜を戦わせないで済むために自分の元々の作戦の成功に万全を期しましたが、
自分が全力で仕掛けた作戦が本気で失敗して自分が人形にされてしまった直後こそが、
最もビバブーが警戒を緩める時であるという予想も立ちました。

つまり自分が倒れた後が最大のチャンスなのです。
ならばその最大のチャンスに最大の戦力を温存しておくことにしたのです。
つまり、その一瞬のチャンスに小夜がゴーカイイエローとして登場するという、
ビバブーの意表をつく作戦です。

もちろん、小夜が戦わずに自分の作戦だけでステッキを奪えるに越したことはないとルカは思っていましたが、
小夜の絶望的状況でも決して挫けない心にゴーカイイエローの戦闘力が加わり、
ビバブーの油断と驚きなども勘案すれば、ステッキを奪う程度ならば十分に勝算はあるとルカは予想し、
小夜にステッキを奪うための簡単な身のこなしや戦術などを授けておいたのです。
ただ、そういう勝算はあったものの、やはり今まで戦ったこともないのに、
それを成し遂げた小夜の根性にはルカも感服するしかありませんでした。

しかし、横に立った鎧はむしろルカに感服したようで、
「相変わらず、ルカさんはムチャクチャしますねぇ・・・!」と呆れたよう苦笑いします。
鎧は人形になっている間もルカと小夜の会話はずっと聞こえていたようで、
今回のルカの作戦もその全貌は把握しています。
その作戦とは、つまりルカ自身が人形にされることを前提とした作戦なのですから、
普通はそんな作戦を立てる人はいない。
あまりに常識を超えた作戦だと鎧は思ったのです。

しかし、ルカは逆に鎧の言い分に呆れます。
最初に自分から進んで人形になるというムチャクチャなことをしたのは鎧だからです。
鎧があんな風にして小夜にクリスマスの「良い子」の精神、
すなわち絶望的状況でも希望を持ち続けられる心の強さを教えた以上、
ルカとしても同じことをせざるを得ないのです。

絶望的状況でも希望を捨てない心の強さを自分の身を挺した行動で子供たちに教えるというのは、
まさにヒーローの行動です。
小夜の前で鎧にそんな格好いいことをされては、
同じ戦隊の先輩としては、ルカも小夜の前で自分の身を挺することを躊躇することなど出来るわけがないではないか。

だから、この無茶な作戦は半分以上は鎧にやらされたようなものであったのに、
その鎧から無茶っぷりを呆れられる筋合いは無いと思い、
ルカは呆れた様子で「あんたが言ったんでしょ!?・・・クリスマスはハッピーな日にしなくちゃねぇ・・・」と言って、
微かに笑います。
これで自分も鎧の期待通りのクリスマスを楽しめる「良い子」になれたような気がして、
少し嬉しくなったのでした。

そこに小夜が「ルカさん!これ!」と言って、
預かっていたゴーカイイエローのレンジャーキーとモバイレーツ、
そしてビバブーから奪った魔法のステッキを渡してきたので、
ルカは「サンキュー!」と受け取って、ステッキだけそのまま鎧の顔の前に差し出します。
鎧はさっきまでこのステッキによって人形にされていたおぞましい記憶があるので、
いきなりステッキを顔に突きつけられて「うわ!ビックリしたぁ、もう・・・」と焦りながら受け取ります。

一方、ビバブーのステッキを守る作戦が失敗してしまったダイランドーは
「ちょいちょいちょ〜い!」とガッカリし、
ビバブーは「まさか、人形にされるとこまで作戦だったなんて、あたしゃ聞いてない聞いてない!」と泣き喚いて
ダイランドーに縋りついてきて、ダイランドーもさすがに鬱陶しそうにその手を払いのけています。

そのダイランドー達に対峙して立つルカと鎧のもとにアイムが「ルカさん!」と駆けてきて、
マーベラス達も続いて駆けてきます。
鎧も「皆さん!」とマーベラス達との無事の再会を喜び、
こうして遂に全員揃ったマーベラス一味は元気百倍、
マーベラスは「よぉ〜し!お前ら!パーティーの前にもうひと踏ん張りすんぞ!」と張り切り、
一気にビバブーもダイランドーも倒しにかかろうとします。

ルカは「さ、後は任せて!」と小夜と聖二を避難させ、6人は横一列に並びます。
そして鎧が「ザンギャック!!よくも楽しいクリスマスを!」と言いながら
ビバブーのステッキを膝で真っ二つに叩き折り、真っ二つになった残骸を投げ捨てながら
「・・・ムチャクチャにしてくれたな!!」と激しく啖呵を切ります。
あのダイランドー達によってムチャムチャにされた公園のクリスマス会、
そして街の人々の楽しいクリスマス気分を台無しにしたことへの怒りが
鎧にも、そしてマーベラス達にも燃え盛っていました。

「あたしの大事な魔法の杖があああ!?」とステッキを壊されて絶望して泣き崩れるビバブーに
「あんた達も同じ目にあわせてあげる!」とSっ気たっぷりに睨みつけたルカはレンジャーキーをカギ型にして、
6人は一斉に「豪快チェンジ!!」と叫んでモバイレーツにレンジャーキーを挿し回して変身、
「海賊戦隊!ゴーカイジャー!!」と名乗りを上げます。

そして「クリスマスだからね!いつもより派手にいくよ!!」とルカが腕をブンブン振り回して言うと、
ダイランドーは「ドゴーミンちゃ〜ん!」と合図し、
ドゴーミンは「ドゴォ!!」と応じて例の2本の槍を交差させての紋章アタックを発射、
それがマーベラス達の前で炸裂する中、「おりゃあ!」と鎧とルカが飛び出して、
ドゴーミン2人とそれぞれ1対1の勝負を始めます。

後ろで勝負を見ながらマーベラスは「ルカ!」と声をかけて自分のゴーカイサーベルをルカ目がけて投げ、
ルカはそれに呼応して自分のゴーカイガンをマーベラスに向けて投げ、
「ほっ!」とマーベラスのゴーカイサーベルを受け取ると、
すかさず「はああっ!!」と二刀流のワイヤー殺法でドゴーミンをメッタ斬りにします。
マーベラスとの武器交換は前回のハカセ主役回ではハカセとの間で魅せましたが、
今回はそれをルカ主役回でルカとの間で魅せる趣向です。
そして鎧の方もノリノリで「クリスマスも!ギンギンにいくぜぇ!!」と叫びながら
ゴーカイスピアを振り回してドゴーミンを押しまくります。

そうしてドゴーミンが怯んだところで、ルカは「さ、こんなのど〜お?」と黄色いレンジャーキーを出します。
ルカが黄色いレンジャーキーを出すのは当たり前のことですが、
なんだか鎧も何の打ち合わせもないのに黄色いレンジャーキーをゴーカイセルラーに挿入しており、
6人が「豪快チェンジ!!」と掛け声をかけて一斉に多段変身すると、
バラバラな種類の紋章が6つ飛び出してきて、6人は全員、イエロー戦士に変身していました。
前回、ハカセ主役回でオールグリーン戦隊という趣向を魅せましたが、
今回はルカ主役回ですので、今度はオールイエロー戦隊というわけです。

マーベラスはガオイエローに変身しており、
本来は男性戦士でありながら「ゴーカイジャー」においてはルカ担当戦士であるために
いつもスカートを履いた女性戦士になっていたガオイエローが
「ゴーカイジャー」では初めて本来の男性戦士のスタイルで登場しました。

ジョーはタイガーレンジャーに変身しており、
これもマーベラスのガオイエロー同様、本来は男性戦士であったものが
ずっと「ゴーカイジャー」ではスカート付き女性戦士で登場していたものが、
今回初めて本来の男性戦士としての登場となります。

ルカはボウケンイエローに変身しており、これは結構お馴染みで、本来の女性戦士のままです。
そしてハカセはハリケンイエローに変身しており、
これもいつもはルカが変身して女性戦士スタイルになっているものが初めて男性戦士スタイルでの登場となります。
但しハリケンイエローの場合は第26話でオリジナル戦士の尾藤吼太が変身した男性戦士は登場済みではありますが。

またアイムはゴセイイエローに変身していますが、これは性別変換は無いですが、
もちろんアイムとしては普段はルカ担当戦士のゴセイイエローに変身するのは初めてです。
そして鎧はキリンレンジャーに変身しており、これも普段はルカが女性戦士スタイルで変身している戦士であり、
初めての男性戦士スタイルでの多段変身です。

この6人の並びも、今回はルカと鎧が真ん中に立ち、
いつもはルカの立つ向かって右端にジョーが立ち、
いつもジョーが立つその左にはマーベラスが立っています。

それにしても前回の目に優しいオールグリーンとは打って変わって、
なかなか目に厳しいオールイエロー戦隊であり、
ビバブーは「なに!?真っ黄色!?」と驚き、
ダイランドーは「ドゴちゃん!やれっちょい!」とドゴーミンをけしかけます。
なんだかダイランドーのキャラは徐々にクセになりそうです。

真ん中に立つルカが「覚悟しなさいよ!」と言うと、他の5人はバラバラに散って駆け出し、
まずルカがボウケンイエローのボウケンアームズであるバケットスクーパーを両手に装着して
ジャンプしてドゴーミンに飛び掛かり、必殺技スクーパーファントムを喰らわせます。
次いで障子が閉じてハカセが影絵状態でドゴーミン達にハリケンジャーの得意技、超忍法・影の舞をお見舞いし、
その障子を突き破ってドゴーミンの首根っこを掴んで飛び出してきたジョーが
タイガーレンジャーの伝説の武器サーベルダガーでドゴーミン達を斬り裂き、
続いてアイムがテンソウダーにロックラッシュカードを装填して出現させた岩石をドゴーミンにぶつけ、
鎧はダイレンロッドでドゴーミン達を叩きのめしますが、
この時、「ハイ〜!ヤッハァ〜ッ!!」と、ちゃんとオリジナル戦士の知の掛け声をコピーしてるのが細かいです。
そしてトドメはマーベラスが「イーグルクロー!」と叫んで飛び上がって両手の爪を一閃して衝撃波を発して
ドゴーミンに炸裂させ、これらの一連の攻撃のダメージによってドゴーミン2人は爆発して散りました。

今回のオールイエロー戦隊の戦士のチョイスのコンセプトは、
基本的には戦闘スタイルが出来るだけかぶらないイエロー戦士がチョイスされている感じですが、
チョイスの基準はそれだけではない感じです。
イエロー戦士には、本来は男性戦士でありながらルカ担当であるせいで
今まで女性戦士スタイルでの登場を余儀なくされていた戦士が多いという特有の現象があり、
それらのイエロー戦士たちをこの機会にゴーカイジャー男性陣に変身させて
本来の男性戦士スタイルで登場させようという趣旨が強かったように思えます。

さて、これで残るはビバブーとダイランドーだけです。
ビバブーはステッキが壊されたことで一時、戦意喪失していましたが、ここで突然逆上し
「きいいいい!これでも喰らうざますぅ〜!!」と、片方しかない羽根をいきなり巨大化させて羽ばたき、
マーベラス達はそれに叩かれて「うわっ!?」と吹っ飛び、ゴーカイジャーの姿に戻ります。
倒れたマーベラス達に向かって野太い声で「オカマ・・・舐めたらあかんよ!!」と啖呵を切るビバブー。
まさにキレて男声に戻った怖いオカマそのものです。

これに対して「舐めるか!」と言い返して立ち上がったルカは「みんな!これでいってみよ!」と、
珍しくオレンジ色のバトルコサックのレンジャーキーを出します。
バトルフィーバーJへの多段変身をしようというのです。
ただ、そのチョイスのコンセプトが不明です。

それについてルカは、突然クネクネと踊りながら
「クリスマスプレゼント・・・サンタさんは踊るらしいからねぇ!」と言うのでした。
つまり、ルカはせっかくクリスマスなので、クリスマスにちなんだ戦隊に変身しようと提案しているのですが、
実際はクリスマスにちなんだ戦隊などありません。

しかしルカはさっきスーパーの前でパンダと一緒に踊るサンタを目撃しており、
サンタは踊るものだと思い込んでいます。
あれは単なるスーパーの客寄せのアトラクションのサンタなのですが、
ルカはあれが本物のサンタだと思い込んでいますから、
サンタというものはパンダと一緒に踊りながらプレゼントを渡すものだと思っています。
だからダンス戦隊であるバトルフィーバーJはクリスマスと関係があるというのがルカの理屈でした。
根本的に間違った前提に立った理屈ですが、
百歩譲ってサンタが踊るものだとしても、それでもかなり苦しい理屈でもあります。

しかしアイムはサンタが踊るらしいという新情報を聞いて「まぁ〜・・・そうなのですか?」と何やら感激しています。
しかし、サンタは本当は踊ったりしません。
このまま間違ったクリスマス観がマーベラス一味の中に定着してはまずいと思ったのは、
この中でクリスマスの真実を知るただ一人の男である鎧でした。

鎧は苦笑いして「あはは・・・ああ、いやいやいや、それはちょっと違うんですけど・・・」と言いながら、
列の端っこに立つルカの方に間違いを指摘しに行こうとしますが、
また鎧の話が細かくて長くなりそうだと思ったジョーとマーベラスが鎧の首根っこを摑まえて
「ああいたたた!?」と慌てる鎧を列の後ろに放り投げ、
「・・・とにかくいくぞ!!」とマーベラスはレンジャーキーをカギ型にして、
5人は「豪快チェンジ!!」と、バトルフィーバーJに多段変身します。

マーベラスがバトルジャパンに、ジョーがバトルフランスに、ルカがバトルコサックに、
ハカセがバトルケニアに、アイムがミスアメリカに変身します。
そして5人は「はぁっ!!」とジャンプして飛び出していきますが、相変わらずハカセの跳び方が変です。

そうして5人は踊りながら戦います。
ジョーはダイランドーのハンマーを受け止めて両手首で挟んでクルクル回す仕草が
いかにもスパニッシュダンスっぽく、
ハカセはトロピカルダンスというより、オリジナルのヘンテコなダンスでビバブーを幻惑しながら戦い、
ルカはコサック回転キックでダイランドーに足払いを仕掛け、
アイムは華麗にディスコステップを踏みながらビバブーを攻撃し、
マーベラスは槍を振り回してダイランドーとビバブーと渡り合います。

ただ、さすがにバトルフィーバーJのアクションは全体的にユルめの印象で、
特に今回は敵もダイランドーとビバブーというユルい怪人なので、なんだかコミカルな印象です。
そもそもバトルフィーバーJへの変身チョイス自体が今回は間違ったクリスマス認識に基づくものなので、
よりコミカルな印象となります。

その間違いを指摘しようとして突き飛ばされてしまった鎧は、突き飛ばされたまま1人で突っ立って、
間違いを指摘した方がいいものか、それともルカの夢を壊さない方がいいものか悩んでいましたが、
もともと自分の説明がマズかったからだと思い、
「・・・なんか、間違ってるけど・・・ミスったから、いっかぁ・・・!」と、間違いは指摘せず、
そのままにしておくことに決めました。

そうすると、鎧は自分だけ戦っていないことにようやく気付き、
慌てて「ああ!俺もぉ!」と叫ぶと、
「マーベラスさん!ドンさん!2人のレンジャーキーを俺に貸してくださぁい!!」と、
何やらワケの分からんことを大声で言います。

マーベラスとハカセもこの鎧の意味不明の申し出に怪訝そうに対応しながらも
「あ?・・・ほらよ!」「はい?・・・いいけど・・・?」と、なんと気前よく
ゴーカイレッドとゴーカイグリーンのレンジャーキーを鎧に向かって放り投げたのでした。
今回はルカが小夜にゴーカイイエローへの変身アイテムを貸して変身させたりしたことも含めて、
自分の基本戦士であるゴーカイジャーのレンジャーキーを気軽に他人に貸すという異例の描写が多い。
これも、変身アイテムさえあれば誰でも変身できるという「ゴーカイジャー」という作品ならではの描写といえます。

そして鎧はこのゴーカイレッドとゴーカイグリーンの2つのレンジャーキーを「ほい来た!!」と受け取ると、
2つのレンジャーキーを自分の掌の上に乗せて「よぉ〜し!」と精神を集中して
「ジングルベ〜ル、ジングルベ〜ル、ジングルベ〜ル・・・」と怪しげな呪文を唱えながら
妄想世界に意識を集中させていきます。
つまり、これは第19話でゴーオンウイングスキーやゴールドアンカーキーを生成したのと同じ要領で
レンジャーキー同士を合体させて合体戦士キーを作ろうとしているのです。

この鎧の怪しげな特技は第19話以降しばらく登場していませんでしたが、ここに来て久々の復活です。
そして今回の鎧の思い描いている妄想世界は、
雪の結晶がキラキラしてクリスマス用のリースが掲げてある、なんともクリスマスっぽい妄想世界であり、
そこでゴーカイシルバーの姿の鎧が真ん中に立ち、
その左右に立ったゴーカイレッドとゴーカイグリーンがガッチリ握手をするという、
なんとも勝手な妄想なのですが、
「よっしゃあああ!!出来たあああ!!」と叫んで鎧がゴーカイバックルを反転させると、
そこからは右半身がゴーカイレッド、左半身がゴーカイグリーンという合体戦士のレンジャーキーが出現し、
鎧はそれをゴーカイセルラーに挿入すると「豪快チェンジ!」と叫んで、その奇ッ怪な戦士に変身したのでした。

その変身バンクも思いっきりクリスマスバージョンで、
上半分が赤、下半分が緑の背景に赤と緑と金色の雪やキラキラしたものが舞い落ちる中で
「メリークリスマ〜ス!!」という関ボイスが響き、
ゴーカイシルバーの姿の上にまず右半身のボディ、次いで左半身のボディ、そして最後に頭部パーツという順に、
合体戦士のスーツやメットが装着されていったのでした。
そして変身完了すると、
鎧は「年に一度の聖なる変身!赤と!緑の!ゴオオオオオカイ!クリスマァァァス!!」と名乗りを上げました。

赤はサンタの服の色、緑はクリスマスツリーの色で、赤と緑の組み合わせは俗に「クリスマスカラー」と言われます。
それに引っ掛けてゴーカイレッドとゴーカイグリーンの合体戦士を
クリスマスカラーのゴーカイジャーということで「ゴーカイクリスマス」と鎧が勝手に名づけたようです。
もちろん登場するのは年に一度、クリスマスだけです。
この長い名乗りの間の細かい動作が、いちいち右半身はマーベラスの名乗りポーズの動きをコピーしており、
左半身がハカセの名乗りポーズの動きをコピーしており、芸が細かくて非常に面白いです。
そして最後の決めポーズの時には再び背景はクリスマス妄想場面となり、金色のクラッカーが炸裂するという、
なんともおめでたいゴーカイクリスマスの名乗りとなりました。

これを見てアイムは「まぁ!」と感激し、ジョーは「・・・お前は何でもアリだな・・・」と呆れます。
鎧はもうすっかりハイテンションで「アッハッハッハッハッハ・・・」とけたたましく笑いながら、
まるでソリに乗ったサンタのように天の回廊のようなところを駆け巡ります。
確かにもう何でもアリになってます。

そして飛び降りてきて、「メリイイイ!!クリスマァァァス!!」と叫びながら、
右手のゴーカイサーベルと左手のゴーカイガンでダイランドーとビバブーを圧倒しました。
右半身がゴーカイレッドで左半身がゴーカイグリーンであったのは、
右手にマーベラスの得意な剣、左手にハカセの得意な銃を持つという、
ゴーカイジャーの基本戦闘スタイルに合わせた設定だったわけです。

それにしてもゴーカイクリスマスは強い。
考えてみれば同じ要領で作った合体戦士のゴーオンウイングスもやたら強いし、
やはり2つの戦士を合体させた合体戦士は2倍強いのです。
これは実際にゴーカイレッドとゴーカイグリーンが連係攻撃を仕掛けた時とどっちが強いのかというと、
完全に一体化している分、この合体戦士の方が1人で完璧な連係攻撃を出来ることになるわけで、
やはりゴーカイクリスマスの方が強いといえます。

前回、ゴーカイレッドとゴーカイグリーンの見事な連係攻撃で
宇宙最強の男であるダマラス(負傷はしていたが)の防御を打ち破って形勢を逆転させたわけですから、
それよりも完璧な連係の強さを可能とするゴーカイクリスマスならば、
ダイランドーとビバブーを同時に手玉に取ることも可能といえます。
だが、さすがにダイランドーはこの短時間の攻防だけでは多少フラついただけで、大きなダメージは受けていません。
一方、ビバブーはゴーカイクリスマスの攻撃に大きなダメージを受けてしまい、無様に転がります。

しかし、このゴーカイクリスマスはどうしてまた突然登場することになったのかというと、
まぁクリスマスならではのお遊びと考えれば問題ないとは思いますが、
あるいはゴーカイクリスマスというふざけた戦士は今回限りだとしても、
クライマックス篇でこの鎧のレンジャーキーを使って新たなキーを生成する特殊能力の出番が
またあるのかもしれません。
もしそうだとすると今回はその前フリなのかもしれません。

バトルフィーバーJの姿のマーベラス達5人と、ゴーカイクリスマスの姿の鎧の、合わせて6人は
ダイランドーとビバブーを追い詰め、
ルカはバトルコサックの姿のまま「よし!そろそろトドメいくよ!」と言って
バトルフィーバーJの万能棒コマンドバットを出します。
そして鎧を除く5人が一斉に「ペンタフォース!!」と叫んでコマンドバットを上へ放り上げると、
5本のコマンドバットは空中で合体して今回はバズーカタイプになり、
降りてきたバズーカタイプのペンタフォースを5人は構えます。

ビバブーは最後の力を振り絞り立ち上がると「かかってこいやあああああ!!」と野太い声で凄みますが、
これに対して鎧はファイナルウェーブの態勢に入り、
「ゴオオオオカイ!クリスマススラアアアッシュ!!」と叫んで
左手のゴーカイガンで緑色のエネルギー弾を発射し、
次いで右手のゴーカイサーベルを一閃して赤色のエネルギー波を発し、これを空中で合体加速させます。
同時にマーベラス達も「フィーバー!!」と叫んでペンタフォースから2発のミサイルを発射、
これを見て、ダイランドーは慌ててその場を離脱して撤退します。
さすがにゴーカイジャーが手強いことは認めざるを得なくなったようです。
そしてゴーカイクリスマススラッシュとペンタフォースは全てビバブーに炸裂し、
ビバブーは「あたし・・・無理・・・」と断末魔の言葉を残して大爆発して果てたのでした。

この戦いを遠く地球上空の宇宙空間のギガントホースの指令室でモニターしていたインサーンは、
ダイランドーのお遊びが過ぎて結局、行動隊長が1人無意味に倒されてしまったことに、
「・・・まったく・・・好き放題してぇ・・・!」と溜息をつきつつ、いつも通り巨大化銃を発射、
ビバブーとドゴーミン2人は復活巨大化し、
ビバブーは「あああ!もうクリスマスなんてぇ〜、そんなもの消し飛ばしてやるざます!」と
ヤケクソになって大暴れを宣言します。

鎧は「そんなこと!絶対にさせるか!!」と豪獣ドリルを召喚、
マーベラスも「うざってぇ野郎だ!」とゴーカイガレオンを呼び、
ゴーカイオーに合体してビバブー達に立ち向かいます。
「きいいいい!いくわよぉ!」とヒステリックな金切声をあげて
ビバブーがまずはドゴーミンをゴーカイオーに向かってけしかけようとしたところ、
「喰らええっ!!」と鎧が豪獣ドリルで突っ込み、その先端の巨大ドリルでドゴーミン達を薙ぎ倒します。
この奇襲に驚いているビバブーに向かってゴーカイオーはゴーカイスターバーストを発射して撃ちまくります。
今回、胸部ハッチから大砲を出す直前に全身を屈めてタメを作るゴーカイオーのポーズがカッコよかったです。

スターバーストの砲弾を喰らって慌てるビバブーに対し、マーベラスは「お前の相手は俺たちだ!」と言い、
「きいいいい!行くわよ!」と怒るビバブーに向かって突撃します。
一方、鎧は「こっちもいきます!」と叫び、豪獣ドリルをここで変形させて、次は豪獣レックスとし、
ドゴーミン2人と戦い始めます。

こうしてゴーカイオー対ビバブー、豪獣レックス対ドゴーミン2人という戦いが同時進行し、
まず豪獣レックスは尻尾の豪獣レックスドリルでドゴーミン達をぶっ飛ばします。
一方、ビバブーはゴーカイオーに飛び蹴りを炸裂させ、
これで少し怯んだゴーカイオーのコクピットで
ルカが「・・・ったく!邪魔なヤツね!」とレンジャーキーをコクピットに挿します。
するとゴーカイオーがマジゴーカイオーにチェンジし、
胸部ハッチから首を出したマジドラゴンが火炎を口から放射し、ビバブーを燃やします。
ルカの音頭で5人が挿したのはマジレンジャーのレンジャーキーであったのです。

身体に火がついて「あちゃちゃちゃちゃ!」と大慌てのビバブーに対して
ジョーは「これで終わりだと思うなよ・・・!」と冷たく言い放ち、
アイムが「ガオライオンさん!お願いします!」とレンジャーキーをコクピットに挿すと、
ゴーカイオーの胸部ハッチから「牙吠」の書き文字が飛び出し、
天空島からガオライオンが召喚されてきて、ビバブーに襲い掛かります。
「しっ!しっ!」と、まるで犬を追い払うかのようにするビバブーでしたが、
ガオライオンに引っ掻かれ突き飛ばされてボロボロにされて倒れ込み、「いったあああ!!」と物凄く痛がります。

そして更にゴーカイジャー側の攻勢は続き、
「どんどんいっちゃうよ!風雷丸!」とハカセがレンジャーキーを挿して回すと、
何処からともなく巨大手裏剣に乗って風雷丸が飛んできて
「仕事納めでござるなぁ!心得たぁ!」と年末っぽいセリフを言います。
この風雷丸のセリフにビバブーは噛みついて「こいつ!ふざけてるでしょ!?」とツッコむが、
風雷丸は無視して「はっ!やっ!」と手裏剣を投げつけ、
ビバブーは「ふざけんじゃないわよぉ〜!!」と怒鳴りながら手裏剣を喰らってしまいます。

そしてマーベラスは「お前も来い!マッハルコン!!」と、レンジャーキーを挿してマッハルコンを召喚、
炎神ソウルをセットして巨大化したマッハルコンは
「バァリバリィ〜!!今年最後の大暴れだぜぇ!!」と張り切って駆け出す。
同時に鎧は「こっちはこれだ!」と豪獣レックスを豪獣神にチェンジします。
「いけぇぇ!!」とマーベラスが叫び、風雷丸とマッハルコンは同時にビバブー達目がけて突っ込み、
「忍者と炎神!ダブルアタァック!!」と叫びながらドゴーミンに体当たりし、
ドゴーミン2人はこれで爆発して消し飛び、撃破されました。

大いなる力同士の連係攻撃とは珍しい。
今回はどうもアクション面で今までに無いようなことを色々と試みているエピソードですが、
ここまでの巨大戦の流れを見ると、これは基本的には前回と同じ総力戦であるようです。
前回のダマラスと違って、ビバブーはそこまでして戦うほどの強い相手ではないのですが、
これはこの際、販促ということで割り切って見ればいいでしょう。

クリスマス商戦向けの販促期間は微妙に終わっていますが、
今度はお年玉商戦向けの販促ということで、きっちり玩具販促をしています。
豪獣ドリル、豪獣レックスにも見せ場を作りましたし、
スターバーストでゴーカイオーの見せ場もありました。
そして玩具関連の大いなる力を次々と登場させて戦わせ、こうなれば次の展開は予想できます。

「残るはビビンバ!お前で締めだ!」とマーベラスがビバブーの名前を間違えながら、
今年最後の倒す敵として指名し、
ビバブーは「きいいいい!誰がビビンバじゃ、こらあああ!!」と野太い声でキレまくり、
ルカは「いくよ!鎧!」と腕を回しながらゴーカイイエローのレンジャーキーを構え、
豪獣神のコクピットでは鎧が「はい!バリバリギンギン!!」と応じて
ゴーカイシルバーのレンジャーキーをコクピットに挿し込み、
「海賊合体!!」と、ゴーカイオー、豪獣神、マッハルコンはカンゼンゴーカイオーに合体したのでした。

そして「トドメだ!!」とマーベラスが号令をかけると、
カンゼンゴーカイオーの周りにマジドラゴン、ガオライオン、風雷丸、パトストライカーが集まります。
パトストライカーが何時の間に現れたのかちょっと謎ですが、まぁ細かいことは気にしないことにします。
前回と同じゴーカイカンゼンスーパーバーストが炸裂して、
ビバブーは「クリスマスなんて、大っ嫌いざますうううう!!」と断末魔の絶叫を残し、
大爆発ではなく、今回はクリスマスらしくキラキラ輝く粉末のように粉々になって散っていったのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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2012年01月07日

第44話「素敵な聖夜」感想その5

今回のエピローグは、ビバブーを倒した戦いの後、
例の子供会の主催のクリスマス会の準備をしていた公園にマーベラス達が戻り、
子供たちと一緒に散乱した会場を片付け、ツリーを立てて、飾り付けをやり直して、
再びクリスマス会の準備をし終わった場面からです。
まぁ、わざとではないにせよ、クリスマス会の会場をムチャクチャにしたのは
半分はマーベラス達であるようなものだし、6人は一応責任は感じて会場の回復に努めたのでした。

そうしてようやくクリスマス会の準備が整った頃には、辺りはもう暗くなっており、
クリスマスイブの聖夜が訪れていました。
公園の真ん中、飾り付けが完成したクリスマスツリーの電飾にスイッチが入ると、
夜空に背の高いツリーが映えて、とても綺麗で、公園に集まったたくさんの子供たちの歓声が上がりました。
見上げたツリーの出来栄えの良さに満足したマーベラスとジョーも、親指を立ててグッジョブサインを出します。
アイムもにこやかに「素敵なクリスマスツリーになりましたね・・・」とハカセに微笑みかけ、
ハカセも「うん!」と目を輝かせてツリーを見上げます。

そしてルカと鎧はツリーのすぐ傍で小夜と聖二の姉弟と一緒に感慨深くツリーを見上げていました。
すると聖二がツリーを見上げながら少し残念そうに「でも、雪無くなっちゃったね・・・」と小夜に言いました。
あの聖二が集会場から運んできたツリーの飾り用の雪は、
どうやらあのビバブー達の起こした騒動でダメになってしまったようなのです。
その影響で、確かにこのツリーには、クリスマスツリーには付き物の雪の飾り付けがなされておらず、
綺麗ではありますが、季節感がイマイチ無い状態となっており、それは少し完成度を下げていました。
それが聖二は少し残念であったのです。

しかし小夜はニッコリ微笑みながら「今年はしょうがないよ・・・我慢しな!」と聖二に言いました。
確かにツリーに雪の飾りが無いというのは物足りない。
それは不足感のある状態であり、不幸な状態でした。
しかし、どんな不幸な状態でも前向きに明るく希望を持つことがクリスマスにおいては最も大切なことであり、
それはクリスマスだけでなく、人生で最も大切なことだということを、今回の一件で小夜は学んだのでした。

逆に、不幸や不足があるからといって、不平不満を言い募って現状を悲観するというのは
正しいクリスマスの過ごし方ではなく、正しい人生の送り方ではない。
ましてや、十分に満ち足りた状態で現状に不満を言い募って更に多くを求めるのは、間違っている。
現状、クリスマスツリーは完璧な状態ではないとはいえ、十分に綺麗に飾り付けされており、
多くの子供たちが目を輝かせて見上げている。
これで十分なのであり、明るく笑顔で楽しむべきなのです。

小夜はそういう趣旨で聖二を諭し、聖二も納得したようでした。
それを見て、ルカはクリスマスというのは、クリスマスに相応しい良い子の振る舞いがあるわけではなく、
普段から不幸な境遇でも希望を持って生きる「良い子」に
1年に一度、サンタがご褒美にプレゼントをくれる日なのだと気付きました。

というより、本当の夢や希望というものは、満ち足りた状態で欲しがるものではなく、
不幸や不自由の中でも挫けないで生み出して持ち続けるもののことを言うのです。
何故なら、人生というものは本当は不幸や不自由だらけであり、絶望することの方が多い。
子供の頃からそんなものであり、大人になるにつれて不幸も不自由も更に増えていく。
そんな人生を意義あるものにするためにこそ夢や希望はあるのです。

夢や希望を抱いたからといって、それが本当に叶うとは限らない。
不幸なまま終わる人生が普通です。
でも、死ぬまで不幸や不自由が続くのが現実だからこそ、
人生が終わる瞬間まで、人間は不幸や不自由の中で夢や希望を生み出して、それを支えに生きていくしかないのです。
だから不幸や不自由の中から生まれる夢や希望こそが本当に意義のある夢や希望なのです。
ルカやマーベラス一味の仲間たちの「夢」というのも、つまりはそういう夢なのです。

不幸や不自由の中から生まれる夢や希望こそが本当の夢や希望であるという、
そうした人生の真理を子供たちに分かりやすく気付かせるために、
サンタは不幸の中でも希望を持って生きる「良い子」にご褒美をあげるという形をとるのです。
ならば、そうした「良い子」となった小夜と聖二の姉弟にも、
このクリスマスイブの夜にはご褒美が無ければいけないはずだとルカは思い、
聖二の頭を撫でながら、「大丈夫!ルカさんに任せなさい!」と微笑むと、
モバイレーツにレンジャーキーを挿して回し「豪快チェンジ!」と掛け声をあげます。
するとマジレンジャーの紋章が飛び出し、ルカはマジマザーに変身したのでした。

そしてマジマザーに変身したルカは魔法の杖ワンドを天に向けて突き上げ、
「ゴ〜カイ・ジジル!」と呪文を唱えます。
すると、空から雪が降ってきたのでした。

「ジジル」というのはマジマザーの得意な魔法で、欲しいものを出現させる魔法です。
マジマザーは氷雪系の属性を持った魔法使いなので、
雪を降らせたのはいかにもマジマザーの魔法らしいと言えますが、
「ジジル」は別に雪だけでなく、身近なものなら何でも出現させることが出来るので、
ここでは雪が欲しいとルカが念じたので、雪を公園の上空に出現させたのです。

公園にいた子供たちやマーベラス達も思わず舞い落ちてくる雪を見上げて歓喜の声を上げます。
聖二も「すっげ〜!本物の雪だ!」と喜び、小夜も「ホワイトクリスマスだね!」と聖二に笑いかけます。
ルカは、「良い子」になった小夜と聖二へのご褒美に、サンタさんの代わりになって、
作り物の雪ではなく、本物の雪をプレゼントしたのでした。
まぁ魔法で作った雪だから、厳密には作り物の雪なのですが、限りなく本物に近い雪です。

ルカ自身は雪とクリスマスのマッチングのことなど知りませんから、
ホワイトクリスマスというものがどれほど人の心を喜ばせるのか知らずに雪を降らせたのですが、
これがこの場にいる子供たち全員やマーベラス一味の面々までもの心を温めるプレゼントとなったのでした。
雪の舞い散る中、「今日のルカさん・・・最高ですうううう!!」と、鎧も感激して絶叫しています。

ちなみに、このルカのマジマザーへの変身によって、
マーベラス一味の持つ198個のレンジャーキー全てを使っての変身は完全コンプリートとなりました。
第42話の時点で残る未使用レンジャーキーはマジマザーただ1つとなっており、
一体どういう局面で誰がマジマザーに変身するのかと思っていたら、
戦闘場面ではなく、なんとも意表を突いた場面で、
それでいて何ともマジマザーにピッタリの巧みな使い方で登場させてくれました。

人形に変えられてしまうという怖い魔法が主題となったお話の締めに、
ツリーに雪を降らせてくれる心温まる魔法を持ってくるという展開に、
優しい雪の魔法使いであるマジマザーは適役であり、
良い子の姉弟にプレゼントを贈りたいというルカの気持ちは優しい母親の気持ちによく似ており、
優しいお母さん戦士であったマジマザーにピッタリ合っています。

クライマックス篇に入る前の2011年最後のエピソードの締めにピッタリ合わせて、
198個のレンジャーキーを全部使い切り、
最後の1つをこのようなオシャレな使い方をしてコンプリートとしたというのは見事と言っていいでしょう。

そしてルカはマジマザーの変身を解くと、まだ降り続く雪の中、
「そんじゃ、あたし達も帰ってパーティーにしますか!」と言うと、
「じゃあね」と小夜たちに笑顔で別れを告げます。
マーベラスも「よぉし!帰るか!俺たちも騒ぐぞ!」と張り切り、ジョーも「ああ・・・」と応じます。
そういえばマーベラス一味もガレオンでクリスマスパーティーを開く予定でルカと鎧が買い出しに行き、
マーベラス達も船室でパーティーの準備を進めていたのです。
それがビバブー達の引き起こした騒動のせいで途中で放り出されたままになっていました。
急いで帰って自分達のクリスマスパーティーをやらねばならない。

マーベラスやジョーはパーティーだからただ騒げばいいと思っているようで、
あとは鎧に聞いたクリスマス知識の断片を繋ぎ合わせて、
マーベラスは「ジョー!ケーキ!」と思いついたようにリクエストし、
ジョーはケーキなら得意中の得意ですから「ああ・・・任せろ」と自信たっぷりに応えます。
ハカセもアイムも、そしてルカも鎧も、期待に胸を膨らませて、
「パーティーの続きだ!」と号令をかけて先導するマーベラスの後ろについていき、公園を後にしていくのでした。

その公園を見下ろす高台に立つ何者かが、公園から去っていくマーベラス一味をコッソリと見送っていました。
その何者かは、サンタクロースでした。
といっても、本物のサンタではありません。
何故なら、このサンタはパンダと一緒に高台に立っていたからです。
パンダと一緒にいるサンタなど、少なくとも本物のサンタには1人もおりません。
このサンタは、昼間ルカと鎧がスーパーマーケットの前で出会った、
踊りながら子供たちにプレゼントを渡すアトラクションをしていたアルバイトのサンタと、
そして着ぐるみのパンダです。
しかし、どうしてそのサンタとパンダがこんなところに立っているのか、よく分かりません。

ところが、そのサンタはマーベラス達が去っていくのを見送りながら、
顔に被った大きな白いヒゲのマスクを下にズラして素顔を出すと、ニコリと笑いながら
横に立つパンダに向かって「・・・良い子には、クリスマスプレゼントを・・・あげなきゃねぇ!」と言い、
再び笑顔で正面を見てマーベラス達の後ろ姿を見つめます。

その顔は、「199ヒーロー大決戦」映画に登場した元デンジブルー青梅大五郎にそっくりでしたが、
このサンタの扮装をした青梅そっくりの男の顔に、
ここでバトルフィーバー隊のバトルケニアの変身後スーツの顔が
例のレジェンド回恒例のオーバーラップ演出でかぶさったのでした。
すなわち、この男の正体は青梅大五郎ではなく、
スーパー戦隊シリーズ第3作の1979年度作品「バトルフィーバーJ」に登場した
バトルフィーバー隊の元バトルケニア、曙四郎であったのです。

ちなみに「バトルフィーバーJ」というのは番組名であり、
その中で出てくる戦隊の名はあくまで「バトルフィーバー隊」です。
そのバトルフィーバー隊の5人のうちの1人、バトルケニアの曙四郎と
デンジマンのデンジブルーの青梅大五郎は瓜二つの風貌をしています。
これは演じている役者が同じなのだから仕方ない。

すなわち、曙四郎も青梅大五郎も、共に演じているのは大葉健二氏です。
大葉健二氏は「199ヒーロー大決戦」映画で既に青梅役で「ゴーカイジャー」という作品には出演済みですが、
今回、曙四郎役でTV本編に初登場となりました。
といっても、登場したのは最初の方のスーパーマーケットの前でのルカとの遣り取りの場面と、
ここのワンカット、計2シーンだけで、素顔が出たのはこの1カットだけです。

ここでオーバーラップ演出があったということは、
今回のエピソードのレジェンドゲストは元バトルケニアの曙四郎であり、
OPナレーションがレジェンド回バージョンであったにもかかわらず、
今回ほとんどレジェンド回の要素が見受けられなかったが、
やはり今回はレジェンド回で、バトルフィーバー篇だったということになります。

ということは、あのルカがビバブーとダイランドーと戦う時にバトルフィーバー隊への豪快チェンジを選択したのは、
偶然とはいえ、レジェンド回恒例の、当該レジェンド回戦隊への変身であったということになります。
オリジナルのOPテーマのインストバージョンがBGMで流れなかったので分かりにくかったのですが、
OPテーマのインストはこれまでにもレジェンド回でも流れていない戦隊も幾つかありますので、
今回流れなかったとしてもそんなに不自然とはいえないでしょう。
むしろ、この曙四郎の正体バレ場面のサプライズ重視で
わざと戦闘シーンではバトルフィーバーJのオリジナルOPテーマは流さなかったと見ていいでしょう。

また、いつものレジェンド回では当該レジェンド戦隊への変身時は
変身エフェクトがオリジナルを踏襲したスペシャルバージョンになるのが恒例ですが、
今回はバトルフィーバー隊への変身は何の変哲もない変身シーンでした。
しかし、これは実はいつものレジェンド回と何ら変わっていないのです。
何故ならバトルフィーバー隊には特別な変身バンク映像も変身エフェクトも無いからです。

オリジナルの本編では単にくるっとターンすると変身していたり、何時の間にか変身していたりしており、
変身ポーズすら存在していないのです。
だから何の変哲もない変身シーンこそが、最もバトルフィーバー隊のオリジナルに近い変身シーンなのだといえます。
そういう意味でも、バトルフィーバー隊の場合、この曙四郎の正体バレ場面まで、
バトルフィーバー隊のレジェンド回であることは隠しやすかったのだといえます。
一応、よく見たら、最後ビバブーにペンタフォースでトドメを刺しており、それなりにちゃんと優遇はされています。

さて今回のレジェンドゲストの曙四郎ですが、
32年前に放送された「バトルフィーバーJ」本編での年齢設定は特にされていません。
しかし当時はおそらく24〜25歳程度であったろうと思われますので、
今回登場時点での年齢は、レジェンド大戦以降の数年分を足しておそらく60歳少し前あたりと思われます。
ちなみに演じる大葉氏は現在56歳です。

四郎は野生児みたいなキャラでしたが一応れっきとした国防軍の精鋭隊員だったわけですから、
現在でも国防軍の要職にあると思われ、スーパーの前でサンタの格好をして踊るのが本職とは思えません。
よって、四郎がサンタの格好をしているのは
スパイ特殊部隊であったバトルフィーバー隊でよくやっていたような諜報活動の一環だったと思われます。

この最後に出てきた場面でマーベラス達を隠れて観察しているところを見ると、
その諜報活動とはマーベラス一味を観察することであったと推測できます。
その一環として、スーパーの前ではたまたまサンタの格好をしてアトラクションを偽装しており、
ルカ達を観察しており、そこでたまたまルカと会話を交わすことになったのでしょう。

となると、四郎の扮したサンタの隣で踊っていたパンダも、もちろん本物のパンダではないでしょう。
四郎が動物と話せるキャラであり、「バトルフィーバーJ」本編でもよく動物を連れて歩いていたので、
あのパンダが本物であるようにも見えますが、いくら何でもダンスを踊るパンダなどいませんから、
あれが本物という設定であるはずはない。
あのパンダは着ぐるみで、中に人が入っているはずです。

そして、四郎がサンタになっているのがマーベラス一味を探る任務のためであったとするなら、
パンダの中の人も同じ任務にあたっていたはずで、
その任務が国防軍の通常任務というよりは、四郎とバトルケニアのオーバーラップ演出に象徴されるように
レジェンド戦士の1人としてマーベラス一味を見極めるためであったとするなら、
四郎がマーベラス一味のことを評した言葉を親しげにパンダに向かって話しかけていることからも、
パンダの中の人もレジェンド戦士の1人、バトルフィーバー隊の一員なのではないかと思えます。
そして、スーパーの前で四郎が扮したサンタがこのパンダのことを「パン子ちゃん」と呼んでいたことから、
このパンダは雌という設定になっており、つまり中の人は女性ということになる。
女性のバトルフィーバー隊員のレジェンド戦士となれば、ミスアメリカの汀マリアしか考えられない。

ミスアメリカには初代のダイアン・マーチンと二代目の汀マリアがいるが、
ダイアンは途中でバトルフィーバー隊を離脱して、その後をマリアが継いで、
マリアがミスアメリカのままで「バトルフィーバーJ」は最終回を迎えました。
そうなるとレジェンド大戦に参加していたミスアメリカは1人だけでしたから、
それはやはり汀マリアの二代目ミスアメリカである可能性が高いといえるでしょう。
レジェンド大戦に参加した者がレジェンド戦士であり、マーベラス一味と因縁を持つ相手となるのですから、
ここでマーベラス一味を観察しているのはダイアンではなくマリアである方が自然です。

つまり、サンタの扮装をした曙四郎と、パンダの着ぐるみを被った汀マリアがペアで行動して
マーベラス一味を観察していたのではないかという推測が成り立つのです。
実際「バトルフィーバーJ」本編でも四郎とマリアはよくペアで行動していました。

ただ、もちろんサンタとパンダの格好は目立ちすぎますので、
ずっとこの格好でマーベラス達を追いかけていたとは思えず、
四郎もマリアも次々と変装をチェンジして、何処からともなくマーベラス達の行動をずっと観察していたのでしょう。
あのスーパーの前は観察ポイントの1つで、国防軍からの依頼という形で急遽スーパー側に話を通して、
あの場所でサンタの格好をした客寄せのフリをしていたのでしょう。

踊っていたのはアトラクションっぽく見せるためと、
もともとダンス好きの2人であったので自然にそういう趣向になったのでしょう。
そして、結局最後までマーベラス達の前で正体を明かさなかったのは、
変に接触せずに、あくまで素のままのマーベラス達を観察したいという意図があったからでしょう。

ただ、最後に再びサンタとパンダの格好をして高台に現れたのは諜報活動上は全く意味の無い行動であり、
これはあくまでドラマ演出上の必要によるものです。
つまり、この最後の場面において四郎がサンタの格好をして現れて素顔を晒すことによって、
四郎が最初の方のスーパー前の場面でルカと接触していたサンタその人であったことを示す狙いがあるのです。

そう考えれば、どうしてマリアと思しき四郎のペアの人物がかぶっている着ぐるみが
パンダなのかという謎も解けます。
普通はスーパー前のアトラクションを偽装するなら
サンタの隣に立つ着ぐるみで最も自然なのはトナカイであるはずです。
それなのにどうしてサンタとは何の関係も無いパンダなのかというと、
本来はサンタと関係の無いパンダとペアになっているサンタが希少だからです。

つまり、四郎サンタがもしトナカイと一緒にスーパー前に立っていたとしたら、
同じようにトナカイと一緒にいるサンタならば街中に他にいくらでも存在し得るので、
あの場面では四郎は素顔を見せていない以上、
最後の場面でトナカイと一緒にサンタが現れて四郎の素顔を晒したところで、
その四郎があのスーパー前にいたサンタと同一人物という印象がストレートに伝わりにくいのです。

下手したら、この番組のメイン視聴者である児童層には、
トナカイと一緒にいるサンタは本物のサンタだという誤解まで与えかねない。
そうなると、本物のサンタがバトルケニアでありレジェンド戦士であるという、
無用の混乱も与えてしまうかもしれない。
今回、四郎のセリフが非常に少なくて、説明が少な目にしてあるので、
そうした誤解が生じる可能性は大です。

ですから、四郎サンタを本物のサンタや他の街中のサンタとは異質な存在にしておく必要があった。
しかし最後の場面まで四郎の素顔は見せることが出来ない以上、
傍に記号的存在として、普通はサンタの横には絶対にいないものであるパンダをペアとして置いたのです。

しかし、四郎をサンタに変装させて諜報活動をさせなければ、
そんなややこしいことは考えなくて済んだはずです。
普通に、物陰からマーベラス達を見つめるサングラスの男としてでも登場させておいて、
最後にサングラスを外せば事足りたはずです。
それではクリスマス篇っぽくないという意見もあるかもしれませんが、
クリスマス要素なら他のどうでもいい部分でいくらでも散りばめることは出来ますから、問題はありません。
だから、あの昼間のスーパーマーケットの前で四郎をサンタの格好でルカと接触させた場面が、
今回のエピソードとしては絶対に外せない重要な意味を持った場面だったのでしょう。

この夜の公園を見下ろす高台の場面で、去っていくマーベラス達を見下ろして四郎は
「良い子にはクリスマスプレゼントをあげなきゃねぇ」と言っています。
これは昼間のスーパー前の場面でルカに向かって「プレゼントは良い子にしかあげられない」と言って、
ルカにプレゼントをあげなかった描写と対応した描写です。

つまり、この夜の場面で四郎が言っている「良い子」というのは、
マーベラス一味全体を指しているのでしょうが、主にはルカを念頭に置いているのでしょう。
昼間出会った時は「良い子」ではなかったルカが、四郎が観察を続ける間に「良い子」になったので
プレゼントをあげることにしたという意味がそこには含まれている。

ただ、1つの現実的な考え方としては、
あくまで諜報活動のための変装サンタであった四郎サンタは、フェイクのプレゼントしか用意しておらず、
まさかルカが近づいてプレゼントをねだってくるとは予想しておらず、
ルカにプレゼントを渡してそれがフェイクだとバレてしまったら無用な警戒感を与えてしまうと思って、
上手いことを言ってプレゼントを渡すのを拒んだという説も成り立ちます。

軽妙なスパイアクションドラマであった「バトルフィーバーJ」の続編としては
その方が自然な描写のようにも思えますが、
しかしそうなると、四郎はルカの前にやって来た、あの幼い少女にもフェイクのプレゼント箱を渡したことになるが、
そんな子供の夢を壊すようなことを四郎がするはずがない。

だからやはり四郎は諜報活動のための偽サンタとはいっても、
ちゃんとプレゼントは本物を用意してきていたはずです。
さすがにルカが貰いに来るとは思っていなかったでしょうが、
本物ならばルカに渡しても問題は無かったはずなのに、四郎はルカにプレゼントを渡さなかった。
それはやはりルカのことを「良い子」だとは見なさなかったからです。

四郎はたとえ一瞬だけしかやらない偽のアトラクションであったとしても、
子供たちと接する以上は、子供たちの規範となるような、確固とした良心的なポリシーをもって
アトラクションに臨んでいたのでしょう。
つまり、「サンタクロースは良い子にしかクリスマスプレゼントをあげないものだ」というポリシーです。
「良い子」とはつまり、恵まれない状況の中でも不平を言うことなく
ささやかな幸せに満足して日々希望を持って生きている子供たちです。

四郎は最初にやって来た少女の邪心の無い笑顔を見て、
その少女を「良い子」と判断してプレゼントをあげました。
続いて観察対象の当の本人であるルカがやって来てプレゼントを要求した時は、
さすがに四郎も一瞬、面食らったのですが、
それでも自分がサンタクロースの格好をして子供たちの歩く街中に立っている以上、
クリスマスの正しいポリシーを曲げるわけにはいかない。
「良い子」にしかプレゼントを渡すことは出来ません。
ルカのあの時の行為は、恵まれた状況でありながら更なる欲望を追求した「悪い子」の行為でしたから、
それに応えてプレゼントを渡すことは四郎には出来なかった。
だから四郎は「プレゼントは良い子にしかあげられない」と言ってルカの要求を拒絶したのでしょう。

そしてその後、ルカは鎧や小夜たちの心に触れることによって、
自分が元来持っていた「良い子」としての本質を想い出して、完全に「良い子」になった。
その経過を物陰から観察していた四郎はルカを「良い子」と認めて、
改めてサンタクロースとしてプレゼントをあげることにした。
四郎が最後の場面で再びサンタの格好をしているのは、上記したような演出上の要請もありますが、
そうした劇中描写における必然性というのも多少はあると思われます。

こういう解釈で大筋は間違いないとは思います。
しかし、最も核心の部分がまだ説明が足りない。
それは、四郎がマーベラス一味に贈ることにしたプレゼントの中身に関係してきます。

マーベラス達6人が公園を後にしてクリスマスパーティーの続きをやるためにガレオンに戻ってきて、
ワイワイ言いながら船室に入ってくると、
船室からナビィが「わあああ!おかえり!みんなあああ!!」と大慌てで騒いで入口まで飛んで出てきます。
一同はビックリして、鎧は「どうしたんですか!?そんなに慌てて!?」とナビィに問いかけます。
するとナビィは「宝箱が!宝箱があああ!!」とパニック状態で、言っていることが要領を得ません。
しかし、何かレンジャーキーの宝箱によほどの異変が起きているようです。

「ん?」と、6人はそれまでの楽しげなムードは一変し、急に緊張した面持ちになり、
急いで船室の真ん中に置いてある宝箱のもとへ向かいました。
見ると、なんと宝箱は全体が金色の光を放っていました。
今まで宝箱がこんな状態になっているのを誰も見たことはありませんでした。
唖然として6人は立ち尽くします。

そして、いったい何が起こっているのか確認するために、マーベラスは思い切って手を伸ばし、
宝箱の輝きを放つ蓋に手を乗せてみます。
熱さなどは感じませんでした。
マーベラスがそのまま一気に蓋を開けると、中にはいつも通りにレンジャーキーが詰め込まれてしましたが、
一番上にあったレンジャーキー5つがそれぞれ赤、青、黄、緑、ピンクの光を発しており、
並んで宙に浮いてきたのでした。

どうやら原理は不明だがこの5つのレンジャーキーが光を発している現象と
宝箱が光を発している現象は連動しているようでした。
その5つの浮かんだレンジャーキーの真ん中、赤い光を放っているレンジャーキーを手に取って、
マーベラスは「フッ・・・!」と笑います。
それは昼間の戦いでも使ったばかりのバトルジャパンのレンジャーキーでした。

「・・・これは!?」と青い光を放つレンジャーキーを手にしたジョーは驚きます。
ジョーが手にしていたのはバトルフランスのレンジャーキーでした。
「バトルフィーバーの・・・大いなる力だよね・・・?」と、緑色に光るレンジャーキー、
すなわちバトルケニアのレンジャーキーを掴んだハカセが目を輝かせます。
光を放って浮かび上がった5つのレンジャーキーは、バトルフィーバー隊のレンジャーキーだったのです。
そして光を放ってレンジャーキーが浮かび上がるというのは、
その戦隊の大いなる力をマーベラス一味が獲得したということの証なのです。
つまり、マーベラス一味はバトルフィーバー隊の大いなる力をゲットしたのです。

しかし、ピンクの光を放つミスアメリカのレンジャーキーを手に取って見つめて、
アイムは「何時の間にいただいたのでしょう・・・?」と目を丸くして疑問を投げかけます。
今までマーベラス達は大いなる力をゲットした時は、
必ずその前にマーベラス一味のうちの誰かがその戦隊の元戦士と出会って会話を交わしていました。
つまり、レジェンド戦士側がマーベラス一味のことを一方的に理解しただけでは
実際に大いなる力を渡すことは出来ないようなのです。
マーベラス一味の方でも少なくとも1人は、レジェンド戦士のことを理解しなければ、
大いなる力は移動しないのです。

だから、そのためにはまず大前提として、マーベラス一味の誰かとレジェンド戦隊側の誰かが出会い、
お互いが何者なのか知らなければならない。
しかしバトルフィーバー隊の元レジェンド戦士の誰ともマーベラス達は出会ってもいません。
それなのにバトルフィーバー隊の大いなる力がマーベラス一味のもとに移動してきているということは、
バトルフィーバー隊のレジェンド戦士が一方的に大いなる力を贈りつけてきたということです。

しかし、そんなことが果たして可能なのか?
そんな安易な方法で大いなる力を譲渡出来るのなら、
今までもそうやって大いなる力を渡そうとした戦隊があってもよかったはずです。
しかし、ゴーカイジャーに好意的であった戦隊ですら、
全て、顔を合わして互いの正体を明かしてからでなければ大いなる力の譲渡は成立しなかった。

いや、黒十字王との戦いの際にレンジャーキーの光の空間の中で大いなる力を受け取った10個の戦隊だけは例外で、
あの時は相手が何者なのか分からないままマーベラス達は一方的に大いなる力を渡された。
しかし、あれはあまりに特殊なケースで、正常な状態ではなかった。
一種の異常事態下で起きた奇跡のような現象です。

ただ、今、こうしてレンジャーキーの入った宝箱が金色の光を発している現象と、
あの黒十字王との戦いの際に宝箱のレンジャーキーが光を発して飛び出していき、
光の空間を形成した現象とは、似ているように思えます。
つまり、宝箱のレンジャーキーが黒十字王との戦いの時と同じように異常事態となって奇跡を起こし、
その奇跡的な状態のもとで、あの時と同じように大いなる力が一方的にマーベラス達のもとに
贈られてきたのではないかと考えられます。

ただ、分からないのはその異常事態がどうやって生じたのかです。
黒十字王との戦いの際には、レンジャーキーが黒十字王の手によってさんざん弄ばれて
異常な状態となったことは理解出来ましたが、今回は何も起きていません。
何も起きていないのにレンジャーキーが奇跡を起こしたのです。
つまり、これは純粋なる不思議な出来事、奇跡といえます。

その不思議な出来事ということで、ルカは1つ思い当たることがありました。
鎧から聞いたサンタの話を想い出したのです。
ルカが最初に鎧のクリスマスの話を聞いた時によく分からなかったのは、
サンタクロースが良い子にプレゼントをくれるといっても、
それがその子の欲しいものとは限らないではないかということでした。
ところが鎧は、サンタは良い子が一番欲しいと思っているものを察知してプレゼントしてくれる
不思議な力があると言ったのです。

その話を想い出したルカは、
「もしかして・・・サンタクロースから、あたし達へのクリスマスプレゼント!?」と目を輝かせました。
今のマーベラス一味の一番欲しいと思っているもの、
それはもちろん、残る2つのスーパー戦隊の大いなる力、
すなわちバトルフィーバーの大いなる力と、カクレンジャーの大いなる力でした。
サンタクロースが不思議な力でその気持ちを察して、
奇跡を起こしてバトルフィーバーの大いなる力をプレゼントしてくれたに違いないとルカは思いました。

ということは、さっき出会ったサンタが何処かで自分のことを観察していて、
絶望的状況でも希望を捨てず頑張って戦った自分を見て、「良い子」だと認めてくれたに違いないと、
ルカは安堵しました。
そして、ルカがサンタから生まれて初めて貰った記念すべきプレゼントである大いなる力の宿った
バトルコサックのレンジャーキーを嬉しそうに弄る鎧を叩いて、
「返しな!」とレンジャーキーを取り戻します。

ルカ同様、サンタクロースは実在すると信じるマーベラス達、宇宙から来た5人は全員、
この奇跡はサンタが起こしたものだと素直に信じて感動します。
マーベラスも「サンタ・・・すげぇな・・・!」とバトルジャパンのレンジャーキーを眺めてしみじみ感嘆します。
ただ鎧だけは、確かにバトルフィーバーの大いなる力が贈られてきたのは不思議な出来事だとは思いましたが、
まさかサンタが本当にルカ達の欲しいものを察知して贈ってきたなどということは有り得ないと思っていました。

が、ふと鎧が窓の外を見ると、何やら白いものがチラついており、よく見るとそれは雪でした。
さっき公園にルカが降らせた雪はあくまで魔法で作った雪であり、公園の周辺だけに降っていたので、
当然このガレオンの周囲にはさっきまで雪など降っていませんでした。
しかしマーベラス達がガレオンに戻ってバトルフィーバーの大いなる力を受け取ると同時に、
一気に大粒のボタン雪が大量に降り出し、一瞬にして辺りを本物のホワイトクリスマスの情景に変えていたのです。

「ああああ!?・・・マ・・・マジで雪だああああ!?」と鎧は驚き叫びます。
そういえば今日は昼間からやけに冷え込んでいたので、雪が降っても不思議ではないとも思いましたが、
しかし、宝箱で不思議な現象が起きてプレゼントを受け取った瞬間に、
ガレオンの周りで雪が一斉に降り出したのを見て、
鎧はまるでこの雪が、さっきルカがマジマザーに変身してジジルの呪文を唱える際に願った
「雪が降ってほしい」という願いにサンタクロース、いや、聖夜の奇跡が応えたものであるようにも思えたのでした。
ならば、宝箱の奇跡も、サンタがマーベラス一味の願いを叶えた聖夜の奇跡なのかもしれないと思いつつ、
鎧は慌てて「ゆ・・・雪!」とマーベラス達を窓際に呼び寄せ、
6人とナビィはワイワイ言いながら窓からホワイトクリスマスの情景を眺めて、
聖夜とサンタに感謝の気持ちを捧げるのでした。

さて、こうして見てみると、元バトルケニアの曙四郎がマーベラス一味にプレゼントしたものが
「バトルフィーバーの大いなる力」だということが分かります。
そして、それは四郎がルカを「良い子」だと認めて、サンタクロースとしてプレゼントしたものなのです。

しかし、これはどうも妙です。
スーパー戦隊の大いなる力というものは、これまでの例から考えると、
その戦隊のテーマとマーベラス一味の誰かの持つテーマとが一致した時に贈られるものです。
すると、ここで四郎がルカを「良い子」と認めてバトルフィーバーの大いなる力を贈ったということは、
バトルフィーバーという戦隊のテーマは「良い子であること」ということになる。
しかし、「良い子」がスーパー戦隊のヒーローのテーマというのは、ちょっと弱すぎる。

確かに「良い子」であること、すなわち、どんな絶望的な状況でも希望を捨てないということは
ヒーローとして最低限の条件だとは思います。
だが、それぐらいならば戦う力を持たないそこらへんの子供だって条件を満たしている子はいます。
それぐらいのことでヒーローのテーマとまでは言えないのではないか?
バトルフィーバー隊がその程度の者達の集まりだったとも思えません。

それに、ルカだって、もともと、どんな絶望的な状況でも希望を捨てない強い心の持ち主でした。
それはマーベラス一味の全員が同様です。
だからこそ、これまでザンギャック相手の戦いを勝ち抜いてくることが出来たのです。
こんな、ちょっと考えれば分かりそうなマーベラス一味の本質を、
四郎は今まで見破ることも出来なかったのでしょうか?

そもそも、ルカがプレゼントを欲しがった時も、
確かにあの時のルカの行動は「良い子」とは言い難いものであったが、
それでもルカの本質がどんな絶望的状況でも決して希望を捨てない戦士、
すなわち「良い子」であるということぐらい、
あの時、四郎が見破ることも出来なかったというのは不自然です。
あの場では確かに周囲の子供たちの手前、四郎はルカにプレゼントを渡すわけにはいかなかったのでしょうけれど、
わざわざ夜の場面の方でも「良い子」というフレーズを強調しているところを見ると、
四郎が昼間のルカのことを「良い子」とは認めていなかったのも事実でしょう。
しかしルカは現実には「良い子」であり、四郎ともあろう者がそのルカの本質に気付かないはずはない。

となると、四郎がルカに求める「良い子」の定義が、普通の「良い子」とは若干異なっていると考えるしかない。
そして、その四郎のルカに求める「良い子」像こそがバトルフィーバー隊という戦隊のテーマなのです。
そのテーマを最初に四郎が会った時はルカはまだ自分のものに出来ていなかったが、
夜に四郎が公園を見下ろした時にはルカはそのテーマを自分のものとすることが出来ていたということになります。

昼間のスーパー前の場面と夜の公園の場面の間に起きた出来事におけるルカの行動を
四郎が陰からずっと見守っていて、そのテーマをルカが満たしたと判断したのです。
ならば、その間にルカの身の上に起きた出来事を振り返ってみれば、
そのテーマが何なのか自ずと見えてきます。
そして、それは本来の意味の「良い子」の定義とそんなに違っているわけではなく、
若干ニュアンスが違う程度だとするなら、もう答えは明らかです。

すなわち、ルカは「どんな絶望的状況でも希望を捨てない心の強さ」を四郎に認められたわけではなく、
「どんな絶望的状況でも希望を捨てない心の強さを、身を挺して小夜に教えたこと」を四郎に認められたのです。
具体的に言えば、自らが人形にされることによって、
どんな絶望的状況でも必ず復活出来るという強い希望を示すことで、
残された小夜に勇気と希望を与えたのです。

厳密に言えば、最初にそれを実践したのは鎧であり、鎧に触発されてルカもそれに続いたのです。
ここでルカと鎧が実践したことは、「絶望的状況でも希望を持つこと」はまず大前提として、
それに加えて、自らの身を挺した犠牲的行動によって、
子供たちや人々に「絶望的状況でも希望を持って生きられること」を教えたことです。
「絶望的状況で持つ希望」が「本当の希望」であると言い換えることが出来るならば、
ルカや鎧は、単に本当の希望を持つだけではなく、
自分の身を挺した戦いを通して子供たちに本当の希望を教えたのだといえます。

ルカも鎧も、もともとそうしたことの出来る資質は持っていたのかもしれないが、
これまでマーベラス一味というのはそういう行動を実践する機会はほとんどありませんでした。
だから、四郎の目から見ても、マーベラス一味がそういうことが出来るのかどうか、よく分からなかったのです。
しかし四郎がバトルフィーバー隊の大いなる力を受け継ぐ者に求めた資質はまさにそれであったのです。
すなわち、バトルフィーバー隊という戦隊の持つテーマは
「自分の身を挺した戦いで絶望的状況でも挫けない本当の希望を子供たちに教える」ということだったのです。
それを受け継ぐ資質を四郎はマーベラス一味に求めて、その資質を持った状態を指して「良い子」と形容したのです。

単に絶望的状況で希望を持つことが出来るだけではヒーローとして足りないのであり、
それを自分の身を挺した行動を通して子供たちに教えることが出来て初めてヒーローとしての資質があるといえます。
四郎はヒーローというものはそういうものだと思っているのです。
これはバトルフィーバー隊の持つ固有のテーマではなく、もっとヒーローとしての普遍的なテーマだといえます。

実際、「バトルフィーバーJ」という作品におけるバトルフィーバー隊そのものには、
特に具体的にそうしたテーマは表現されてはいません。
むしろ、「自分の身を挺した戦いで絶望的状況でも挫けない本当の希望を子供たちに教える」というのは、
ヒーローというものの普遍的テーマだといえます。
そうしたヒーローの普遍的テーマがバトルフィーバー隊のテーマに仮託されているのが、
今回のバトルフィーバー篇の構造といえます。

それはつまり「バトルフィーバーJ」という作品が
ヒーローの普遍的なイメージを代表するに値する作品であるということを意味します。
本当に「バトルフィーバーJ」にはそれだけの資格があるのかというと、
それはスーパー戦隊シリーズという範疇においては答えはイエスです。
何故なら「バトルフィーバーJ」はスーパー戦隊シリーズの歴史において実質的には初代作品だからです。

スーパー戦隊シリーズにおいては現在「ゴレンジャー」がシリーズ第1作という扱いになっていますが、
「ゴレンジャー」が公式に大1作と認められたのは第24作の「タイムレンジャー」の時からでした。
それ以前は、現在では第3作という扱いになっている「バトルフィーバーJ」が
シリーズ第1作という扱いであったのであり、
そのフォーマットで言えば、「ゴーゴーファイブ」は放送当時は公式にはシリーズ第21作であったのであり、
その次の「タイムレンジャー」は第22作のはずだったのだが、
ここから「ゴレンジャー」が第1作、「ジャッカー電撃隊」が第2作、「バトルフィーバーJ」が第3作という
扱いが公式に決まったので「タイムレンジャー」も繰り下がって第24作ということになったのです。

ということは、スーパー戦隊シリーズの歴史においては、1979年から1999年までの21年間は、
公式には「バトルフィーバーJ」がシリーズ第1作という扱いだったということになります。
それは「ゴレンジャー」が第1作として扱われた2000年から2011年にかけての12年間よりも断然、長期間です。

もちろん「バトルフィーバーJ」がシリーズ第1作として扱われていた21年間においても
「ゴレンジャー」という作品のスーパー戦隊シリーズにおける巨大な影響力が軽視されたことなど一度も無く、
「ゴレンジャー」がスーパー戦隊シリーズの源流であることが否定されたことはありません。

ただ、そうは言っても諸事情で「ゴレンジャー」が第1作という扱いに出来ない21年間もの間、
ずっと「バトルフィーバーJ」がシリーズ第1作として特別な作品として扱われ続けてきたのも事実であり、
その事実も重い。

だから、スーパー戦隊シリーズにおいて始祖的な意味での特別な作品、
いわばレジェンド・オブ・レジェンドを選ぶとするなら、
まず挙げられるのが間違いなく「ゴレンジャー」であるとして、
それに次ぐ資格を有するのは「バトルフィーバーJ」と言っていいでしょう。
よって、今回のバトルフィーバー篇において、バトルフィーバー隊のテーマとして、
スーパー戦隊シリーズ全体におけるヒーローというものの在り方が仮託されるというのは、
許容されることだと言えます。

そういうわけで、曙四郎はルカや鎧たちの今回の戦いにおける行動を見て、
彼らが「自分の身を挺した戦いで絶望的状況でも挫けない本当の希望を子供たちに教える」という
バトルフィーバー隊の持つテーマ(=全レジェンド戦隊の戦士共通のテーマ)を受け継ぐ資格が有ると判断し、
バトルフィーバーの大いなる力をマーベラス一味に贈ることにしたのです。

ただ、問題は、そうやって四郎が一方的にルカ達のことを認めたとしても、
通常はマーベラス一味の側が四郎の存在や想いを知らなければ大いなる力の受け渡しは出来ないということです。
しかし四郎は結局、奇跡を使って一方的に大いなる力を贈った。
これはどう解釈すべきか?
四郎が奇跡頼みで横着したわけではないでしょう。
最初から奇跡が起きることを知っていたと考えた方が自然です。

つまり四郎は最初からクリスマスイブに奇跡が起きることを知っていて、
わざわざクリスマスイブという日を選んでマーベラス一味を見極めることにしたのでしょう。
ただ、いくらクリスマスイブでも奇跡のバーゲンセールが起きるわけではないので、
四郎はクリスマスイブならではの特殊な奇跡に期待したのであり、
自分がマーベラス一味に求めるテーマならば、その奇跡を起こす条件を備えていると判断したのでしょう。

この構造を簡単に説明すれば、
「自分の身を挺した戦いで絶望的状況でも挫けない本当の希望を子供たちに教える」という
バトルフィーバー隊の持つテーマ(=全レジェンド戦隊の戦士共通のテーマ)は、
クリスマスに起きる奇跡の持つテーマとも一致しているのです。
だから、このテーマを受け継ぐ資格を持つマーベラス達にこのテーマに見合った大いなる力を贈ろうとする際、
クリスマスの奇跡の加護を受けることが出来るのです。

クリスマスとはどういう日なのかというと、イエス・キリストの誕生日とされています。
しかし人間イエスの生涯を記録した史書でもある新約聖書の記述を見る限り、
実際のイエスの誕生日は春ぐらいであり、12月25日がイエスの誕生日とされたのは後世のことのようです。

クリスマスはもともとキリスト教以前に存在した太陽神信仰における冬至祭が
キリスト教に習合して出来上がった行事であるようです。
冬至というのは1年で最も地上における太陽光線が勢力を弱める日であり、
昔の人はこの冬至の日に太陽神は1度死んで、
そして復活してこの日から再び徐々に勢力を盛んにしていくと考え、それを称えて冬至祭を行いました。
つまり冬至祭は「絶望からの復活」がテーマとなった行事なのです。
「絶望の中から生まれる希望」と言ってもいいでしょう。

古い太陽神が犠牲となり、そこから新しい太陽神が生まれてくるという構造になっているのですが、
この冬至祭ではその構造を象徴的に表すために、
犠牲となる古い太陽神の象徴として身代わりに殺される儀式用の牛などの家畜がおり、
この血や肉から新たな太陽神が生まれるというような考え方がされていました。
こうした冬至祭のイメージと、原始キリスト教におけるイエスの刑死や復活に関する伝承のイメージとが
習合したようです。

古い犠牲となる太陽神は、人々の罪悪を背負って身代わりとして刑死したイエスであり、
復活してくる新しい太陽神は、刑死後に復活したイエスです。
そうして太陽神とイエスが同一視されるようになり、
もともと冬至祭は太陽神の誕生(復活)を祝う行事だったので、
いつしか冬至祭がイエスの降誕祭となり、12月25日がイエスの誕生日ということになっていったのでしょう。

つまり、クリスマスというのはもともと「絶望の中から生まれる希望」がモチーフとなった行事でした。
そこにおけるイエスのイメージは、
本来は罪を負う必要のない立場、つまり不幸を背負う必要が無い立場でありながら、
自ら進んで他の不幸な人々の身代わりになって不幸の中に身を沈めた人なのです。
そのイエスの自ら進んだ不幸は「死」という究極の不幸で、まさに絶望的状況と言えます。
しかしイエスは自ら死を受け入れたぐらいですから、死からの復活を確信していた。
つまり絶望的状況にあって希望を捨てなかった。
そして、人々の身代わりとなり犠牲となってイエスは死んだが、
全く罪も無い死、他人のために身を捨てた死という絶望的状況にあっても希望を持ち続けた
イエスの行動は、多くの人々に絶望的状況でも希望を持ち続ける意義を教え、本当の希望と勇気を与えました。
すると、奇跡が起こってイエスは復活し、イエスが絶望的状況で持ち続けた希望は実現したのです。

クリスマスというのは、その奇跡を称える日なのです。
復活祭というのが別にありますが、
クリスマスはクリスマスで、もともと太陽神の復活祭とイエスの復活伝承が習合したものですから、
あくまでクリスマスにおける「イエスの誕生」というのは、復活体としての誕生の方を指すと考えるべきでしょう。
だからクリスマスという行事の本来の主題はイエスの復活の奇跡の称賛なのです。

つまり、クリスマスという日は、
人々のために身を挺して命を投げ出して死に至るような絶望的状況の中でも希望を捨てない姿勢を示すことによって
人々に本当の希望を教えたヒーローの、その希望を叶える奇跡が起きる日なのです。
厳密に言えば、太陽神信仰の見地から言えば、冬至祭の当日は復活した太陽神を称える日であるので、
冬至祭の朝に昇ってくる太陽は既に復活の奇跡を終えた新しい太陽神であり、
復活の奇跡自体はその太陽の昇ってくる前に終了しています。
つまり、冬至祭の前夜に奇跡は起きるのです。
すなわち、クリスマスイブの夜に奇跡が起きる。

だから、クリスマスイブの夜に、不幸な境遇でも希望をもって明るく生きる「良い子」のところに
サンタクロースが願いを叶えるプレゼントを贈って回るという伝説が生まれたのです。
このサンタ伝説はもともとのイブの夜のイエス(太陽神)の奇跡を子供向けに膾炙したものであったわけです。

もともとのクリスマスイブの奇跡の本来の意味は、
「自分の身を挺した戦いを見せることによって絶望的状況でも挫けない本当の希望を人々に教えた」ヒーローの
希望を叶える奇跡なのです。

つまり、ルカや鎧はクリスマスイブにおいて四郎が求めるようなヒーローの資質を示すことによって、
自動的にクリスマスイブに起きる奇跡の恩恵を受ける資格も獲得したことになるのです。
四郎はそれを計算に入れて、わざわざクリスマスイブにマーベラス一味を見極めにかかり、
彼らが自分の求める資質を見せれば、同時に起こるはずのクリスマスイブの奇跡に便乗して、
彼らが欲しいと希望している「バトルフィーバーの大いなる力」を一方的に譲渡してやろうとしていたわけです。
四郎がサンタクロースの格好をわざわざしていたのは、
サンタ伝説をふまえた洒落っ気でもあったと解釈すればいいでしょう。

そして確かに四郎の読み通り、奇跡が起きてバトルフィーバーの大いなる力の一方的譲渡は成立し、
ついでにルカのマジマザーに変身してジジルの呪文時に念じて希望した雪までガレオンの周りに降り出したのでした。
このあたり、マジマザーのジジルが最後の描写の伏線になっているのが非常に秀逸で、
さすがに今回、香村脚本らしい綺麗なまとめ方が冴えまくりでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 19:20 | Comment(0) | 第44話「素敵な聖夜」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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