2012年04月28日

ゴーカイジャー ゴセイジャー 199ヒーロー大決戦 感想その1

さて「ゴーカイジャー」関連の劇場版の感想文も書いていきたいと思いますが、
ゴーカイジャーが登場した映画は現在5本が劇場公開済です。

「天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピックon銀幕」
「ゴーカイジャー ゴセイジャー 199ヒーロー大決戦」
「海賊戦隊ゴーカイジャーTHE MOVIE空飛ぶ幽霊船」
「海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバンTHE MOVIE」
「仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦」の5本です。

2013年1月に「特命戦隊ゴーバスターズVSゴーカイジャー」が有るのかどうかはまだよく分かりませんので、
現在はゴーカイジャー関連の劇場版は5本で、
更にこれに講談社スペシャルDVD
「海賊戦隊ゴーカイジャー キンキンにド派手に行くぜ!36段ゴーカイチェンジ!!」も加えた6本が
ゴーカイジャーのTV本編以外の物語となっています。

といっても、このうち明確に番外編的なものは「スーパーヒーロー大戦」だけであり、
その他の5本は全てTV本編の物語の中に組み込むことが可能となっています。

「ゴセイジャーVSシンケンジャー」の中のゴーカイジャー登場部分については
TV本編の第40話でゴーカイジャー視点で再び描かれており、
これは第40話のレビューの中で完全に描ききったので、もういいです。

一方、「199ヒーロー大決戦」は第16話と第17話の間に位置するエピソードであり、
「空飛ぶ幽霊船」は第23話と第24話の間に位置するエピソード、
「36段ゴーカイチェンジ!!」は第38話と第39話の間に位置するエピソード、
「ゴーカイジャーVSギャバン」は第46話と第47話の間に位置するエピソードとなっています。

この4本に関しては、最終話のレビューの中でエピローグ前に物語全体を振り返った際に、
これらの4本の劇場版およびスペシャルDVDも含んだ物語を簡単にまとめました。

ただ、この4本に関しては、ゴーカイジャーの全体的な物語の中に組み込むことも可能ですが、
あくまで個々は1つの独立した作品でもあるので、
ここからはあくまで1つの独立した映像作品として感想文を書いていきたいと思います。
その際、ゴーカイジャーのTV本編の物語の結末は今ではもう分かっていますが、
あえてそれは知らない前提で、あくまでそれぞれの劇場版の公開時やDVDの発売時の時点での認識に基づいた
感想文とすることとします。

では、まずは「ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」からやりますが、
この映画に関しては既に1月に感想文のその1とその2を投稿しています。
いきなりここでその3から投稿すると紛らわしいので、まずはその1とその2を再投稿します。

この「ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」という映画は、
2011年6月11日から劇場公開された映画で、
「海賊戦隊ゴーカイジャー」の映画化作品の第1弾企画となります。
当初は5月21日に劇場公開される予定だったのですが、
3月11日に発生した東日本大震災の影響で制作に遅れが生じて、6月11日に公開が延期されたのでした。

主人公戦隊であるゴーカイジャーの5戦士の他、
シリーズ前作の主人公戦隊のゴセイジャーをはじめ、歴代34戦隊の192戦士、
更にアカレッドと新追加戦士のゴーカイシルバーも合わせて全部で199戦士が登場する
この作品の中で描かれるエピソードは、
「ゴーカイジャー」TV本編の第16話と第17話の間に挿入されるエピソードと位置づけられています。

普通はこういう他の作品世界とのクロスオーバーワールドを描いた映画というのは、
TV本編からは独立した特別篇という扱いをされるのがほとんどで、
時系列的に一応、第何話と第何話の間という設定になっていたとしても、
それはあくまで前後関係の描写などから判断した時系列上のことでしかなく、
映画内のエピソードがTV本編内のエピソードの1つとして機能するわけではありません。

しかし、「ゴーカイジャー」の場合、TV本編自体がシリーズ歴代戦隊の物語世界とのクロスオーバー作品なので、
この映画内で描かれたエピソードがしっかりとTV本編の物語内の1エピソードとして機能するという
珍しい例となっています。
ただ、それはあくまで物語の流れの中だけの話であり、
やはり「ゴーカイジャー」TV本編とこの映画とは、全く毛色の違った作品という印象は受けました。
「ゴーカイジャー」TV本編の方は、1つ1つのエピソードがかなりドラマ内容が濃いのですが、
この映画はドラマ内容は薄めだと感じられました。

より詳細に言えば、TV本編の方はアクションが非常に充実しているので、
その分、ドラマの方をシンプルに描こうと努力しているのですが、
そのドラマにかなりの情報量を詰め込もうともしているので、
結果的に少なめのセリフや動きの中にかなりの量の制作側からのメッセージが詰め込まれており、
非情に濃厚なドラマになっているのです。

だから1つのエピソードを何となく見ていても、
そのドラマ部分に込められた意味を即座に全部読み取ることは困難です。
ただ、だからといって個々のエピソードが面白くないわけではなく、
その意味が読み取りにくいドラマ部分でもちゃんとドラマとしてカタルシスを感じられるように
脚本や演出が整理されており、
更にアクション部分だけでも十分に楽しめる作りになっています。

簡単に言えば、ものすごく料理の仕方が上手いのです。
TV本編の個々のエピソードは喩えて言えば、ものすごく濃い成分の入った料理なのですが、
ちゃんと口当たりの良い味に仕上げているのです。
それは言い換えると、せっかく使った濃い成分の多くは無駄になってしまっているとも言えるのですが、
この一見無駄になった濃い成分は連続ドラマとしての蓄積の中で、
後々ちゃんと味わい返して堪能することが出来るようになっています。

すなわち、1つのエピソードを見ただけでは即座に意味を理解出来なかったドラマの深い部分は、
続けてエピソードを見ていくうちに長編ドラマの中でしっかり理解されていくようになっているのです。
これは大前提として、最近はHDDレコーダーの普及によって、
大抵のTV本編の固定視聴者は録画視聴をするようになっており、
過去のエピソードを何度も見返すことが出来るということによって、
そうした理解を助けているということがあります。

つまり、TV本編というのは個々のエピソードは確かに20分ほどの内容の短編ですが、
同時に1年間かけておよそ50話の物語を紡いでいく、
総計約1000分、すなわち16時間半ほどの長編大河ドラマなのです。
「ゴーカイジャー」TV本編というのは、そういう昨今の現実をよく理解した上で作られているといえます。

しかし映画はそういうものとは違います。
TV本編とは違って録画は出来ません。
後でDVD化はされますが、TV本編と連動したストーリーであるのならばなおさら、
リアルタイムで観る劇場視聴の方の重要性は増します。
その劇場視聴は繰り返し劇場にチケットを購入して行かない限り、繰り返し視聴は出来ませんから、
基本的には1回限りの視聴になると考えていいでしょう。
そうなると、その1回の劇場での視聴時に内容を全て楽しみ尽くす、極めて完結性の高いものでなければいけません。

だから完全に独立した作品なのであり、連続ドラマの1エピソードのような作り方をしてはいけないのです。
この映画は戦隊映画としては過去最長の81分の上映時間となる長編映画という扱いですが、
一見長いようでも、この作品はTV本編に比べれば、ごく短い1時間20分ほどの短編作品と言っていいでしょう。

しかもTV本編と違って、お金を払って子供が観に行く作品ですから、
娯楽性はTV本編よりもかなり上でなくてはいけません。
だからアクションシーンがTV本編以上に重視されます。
特に「ゴーカイジャー」の場合、TV本編の方のアクションが既にかなり充実していますから、
それを上回るアクションを見せなければいけないので、
この映画は非常にアクション偏重の映画になっています。

その分、ドラマ部分は圧迫されるわけですが、
更に加えて、完結性が高く、繰り返したり巻き戻したりして鑑賞しないで楽しめることが前提ですから、
あまりドラマの情報量を多くしてはいけません。
ドラマ内容は薄く、それでいて説明的で読み取りやすいものでなければならない。
その上でアクション偏重でドラマ少な目の映画ですから、かなり薄味のドラマになります。
アクションの方が超濃厚ですから、ドラマはかなりの薄味である方がバランスがとれて良いのです。

つまり、この映画は濃い味のアクション部分と薄味のドラマ部分と適度なバランスで配合して作るべきなのであり、
結果として、絶妙の味に仕上げてある、実に巧みな料理となっています。
そういうわけなので、この映画のドラマはとても薄い内容です。
ドラマ内容が薄いというと貶しているようにも聞こえますが、
ドラマが薄いからこそ、この映画は成功しているのであり、
不手際で薄くなっているわけではなく、あえて意識的に薄くしているのです。

もしドラマをTV本編の「ゴーカイジャー」のように濃くしてしまうと、
それを分かりやすく描こうとするとアクションパートにシワ寄せが来るほどにドラマパートが長くなってしまうし、
ドラマパートを短くしたままTV本編ばりの濃い内容にすれば、
1回観ただけでは意味が全部伝わらない不親切な内容になってしまいます。
だから薄いドラマを短めに、あっさり描き、
あとはアクションを充実させるのがこの映画の正しい作り方なのです。

ただ、薄味の料理を作る場合には、薄い味付けに合う食材を使わなければならないでしょう。
それと同じで、薄いドラマを描く場合は、薄いドラマに合うキャラを登場させなければなりません。
実はゴーカイジャーという戦隊は薄い味付けに合うキャラではありません。
そりゃTV本編があれだけ濃い内容なのですから、もともと濃いドラマ向けに作られたキャラに決まってます。
しかし、この2011年度に作られるスーパー戦隊シリーズの劇場版で
現役戦隊であるゴーカイジャーを主役にしないわけにはいきません。

そういうわけでゴーカイジャーはこの映画の主役として登場していますが、
どうもこの映画のゴーカイジャーはこの映画のドラマ内で居心地があまり良くないように見えます。
この映画の薄いドラマの中ではゴーカイジャーのキャラがやることがなくて困ってしまっているようにも見えます。
つまり、普段のゴーカイジャーのキャラらしい動きが出来ていないようなのです。
本来は主役がそんなことではマズいのですが、この映画の場合はそれが作品の完成度を下げていません。
ゴーカイジャー自体のドラマがほとんど描かれていないのに、この作品は成立しているのです。

それは、実際はこの映画の主役はゴーカイジャーではないからでしょう。
この映画の主役はあくまでゴーカイジャーも含んだ「スーパー戦隊」そのものなのであり、
だからこそ、この映画に登場するメイン敵キャラはゴーカイジャーの敵であるザンギャックなのではなく、
スーパー戦隊全体を敵視する「黒十字王」というキャラなのです。
「スーパー戦隊VS黒十字王」の対決を描くのがこの映画の本来の主題であり、
ゴーカイジャーはその中でスーパー戦隊の代表として戦っているのです。
だからゴーカイジャーがゴーカイジャー本来のドラマを演じていないにもかかわらず、
この映画はゴーカイジャーをメインとしたドラマとして成立しているのです。

ただ、そのためには当然、ゴーカイジャーだけが黒十字王と戦うという話にするわけにはいきません。
ゴーカイジャーはあくまでメインだとしても、スーパー戦隊と共闘して黒十字王と戦わなければいけません。
それと似た作品というのはスーパー戦隊シリーズにおいては過去に2つ例があります。
1つ目は2001年8月発売のVシネマ「百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊」、
2つ目は2007年3月発売のVシネマ「轟轟戦隊ボウケンジャーVSスーパー戦隊」です。

この2作品とも、「VSシリーズ」という恒例のVシネマ企画で、普通は前年戦隊とコラボするのですが、
シリーズ25作記念戦隊のガオレンジャーの時は前年戦隊のタイムレンジャーとのコラボではなく、
歴代戦隊から選抜されたドリーム戦隊とコラボしました。
この時、ガオレンジャーとコラボしたのは
レッドファルコン、ギンガブルー、ゴーイエロー、メガピンク、ビッグワンの5人でした。

そして、その次の記念戦隊であるシリーズ30作記念戦隊のボウケンジャーの時の「VSシリーズ」Vシネマの際も
同様に歴代戦隊から選抜されたドリーム戦隊とのコラボ企画「VSスーパー戦隊」となり、
この時、ボウケンジャーとコラボしたのは
ハリケンブルー、アバレブラック、デカブレイク、マジイエロー、マジシャイン、そしてアカレッドでした。

この2例とも、実はそれぞれの前年戦隊であるタイムレンジャーとマジレンジャーが
主要キャストが全員は揃わないという不測の事態があったため、
やむなくドリーム戦隊とのコラボという形にしたという噂もありますが、
とにかく5の倍数の記念戦隊で2作続けて「VSスーパー戦隊」企画となった以上、
この「VSシリーズ」Vシネマが劇場版VSシリーズへと変わった現在においても、
35作記念戦隊であるゴーカイジャーもまた劇場版VSシリーズは
「VSスーパー戦隊」企画となる流れであったといえます。

前年戦隊であるゴセイジャーは主要キャストが揃わないという事態ではなかったのですが、
劇場版VSシリーズでは「ゴーカイジャーVSゴセイジャー」は難しいという状況であったと思います。
まず「ゴーカイジャー」という作品がそもそもTV本編で過去作品とのコラボをやっているような作品なので、
VSシリーズの有無にかかわらず、どっちにしてもゴセイジャーとのコラボはやらねばならないという
事情がありました。

そうなると、劇場版VSシリーズの公開は例年TV本編の最終盤の時期である1月下旬であり、
そんな押し迫った時期にゴーカイジャーがゴセイジャーとコラボするエピソードを、
しかもTV本編でなく劇場公開するというのは妙です。
その頃はゴーカイジャーの物語が最終盤なので、もうとっくにゴセイジャー篇が終わって
ゴセイジャーの大いなる力も貰っているはずです。
それなのに、再び最終盤の時期にゴセイジャーと今さらコラボしていったい何をするのか?

そういうわけで、「ゴーカイジャー」という作品の性格上、
TV本編最終盤の1月公開の劇場版VSシリーズで「ゴーカイジャーVSゴセイジャー」というのは到底出来ません。
いや、そんな時期に「ゴーカイジャーVSスーパー戦隊」も同じようにやりづらい。
ならば「ゴーカイジャー」の場合、1月の劇場版VSシリーズの上映枠で何をやるのかという問題は
別に発生しますが、その問題はここではとりあえず置いておいて、
「VSシリーズ」自体をどう処理するのかという問題をまず片付けることになります。
いっそ「ゴーカイジャー」という作品の性格上、
「VSシリーズ」自体を今年はやらないという選択肢もあったと思います。

しかし、2011年という年は東映創立60周年であり、
同時に東映特撮の二大看板である仮面ライダーの40周年記念、
スーパー戦隊の35作記念という節目が重なった年であるという理由で、
4月にライダー40周年記念映画、5月にスーパー戦隊35作記念映画を作ろうということになり、
それぞれ歴代戦士総登場企画とされました。
そこで「ゴーカイジャー」の宙に浮いてしまった「VSシリーズ」を
この5月の35作記念映画において組み込んで実現しようとしたのが、
今回の映画の最初の企画であろうと推測されます。

むしろ、「ゴーカイジャー」本編で歴代戦隊とのクロスオーバーの物語を描きながら、
この5月の歴代戦隊総登場映画はこれはこれで東映の方針としてやらねばならなくなったのであり、
それは当然、現役戦隊のゴーカイジャーを主役とした物語としなければならないのです。
そして、歴代戦隊が総登場するとなると、必然的に「ゴーカイジャーVSスーパー戦隊」という企画、
すなわち、ゴーカイジャーが歴代戦隊から選抜されたドリーム戦隊と共闘するというストーリーがメインとなって、
歴代戦隊が総登場する物語が展開されるという企画になるのが自然です。

おそらく当初はそういう企画だったのだと思います。
この映画は制作が決定された頃の仮タイトルは「ゴーカイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」でした。
このタイトルからして、ゴーカイジャーとスーパー戦隊の共闘映画であったようです。
おそらく、当初、ゴーカイジャーと共闘するドリーム戦隊のメンバーは、
デンジブルー、リュウレンジャー、デカピンク、ボウケンレッド、ゴーオンイエロー、
シンケングリーン、シンケンゴールド、そして多分ゴセイジャーから3人ほどが選抜される予定で、
合計10人だったのではないでしょうか。
その10人とゴーカイジャーが共闘して、そこに更に歴代戦士の力が合わさって、
黒十字王を倒すというストーリーであったのではないかと思います。

ところが出来上がった作品ではそのようにはなっておらず、
当初ドリーム戦隊のメンバーとなる予定だったデンジブルー、リュウレンジャー、デカピンク、
ボウケンレッド、ゴーオンイエロー、シンケングリーン、シンケンゴールドの7戦士は
ファンサービス程度の中途半端な出番だけとなり、
代わりにゴーカイジャーと共闘する役目はゴセイジャーが担うことになりました。
どうしてそういうことになったのかというと、
おそらくそれは「ゴーカイジャー」という作品の特殊性が原因でしょう。

もし「ゴーカイジャー」がTV本編の方では普通の戦隊ドラマを展開しているのであれば、
この歴代戦隊総集合映画をゴーカイジャーを主役としても、
それは「ゴーカイジャー」という物語の特別篇として受け取ることは出来ます。
特別篇ですから、TV本編とは毛色がだいぶ違っていても、それはそれで割り切って納得は出来ます。

例えば同じ趣旨の記念企画として4月に公開された
仮面ライダー40周年記念映画「レッツゴー!仮面ライダー」では
主役キャラが現役ライダーである仮面ライダーオーズでしたが、
この「レッツゴー!仮面ライダー」という映画の物語世界と、
TV本編の「仮面ライダーオーズ」の物語世界は全く異質なものです。
何故なら、TV本編の「仮面ライダーオーズ」には歴代ライダーなど登場しないからです。
だから両者は全く異質な物語世界を持っており、
それゆえ、あくまで「レッツゴー!仮面ライダー」は「仮面ライダーオーズ」の特別篇と割り切って見ることが出来、
「レッツゴー!仮面ライダー」の劇中でのオーズの物語がTV本編のオーズの物語と毛色が違っていても、
全然気にはなりません。

ところが、「ゴーカイジャー」の場合、TV本編がもともと歴代戦隊とのクロスオーバー作品であり、
この歴代戦隊総集合映画の方も当然、歴代戦隊とゴーカイジャーのクロスオーバー作品です。
つまり両者は全く同じ物語世界なのです。
同じ物語世界なので、歴代戦隊総集合映画はどうしても
「ゴーカイジャー」TV本編と一つに繋がった話のように見えてしまい、
「ゴーカイジャー」TV本編の特別篇だと割り切って見ることが出来ません。

それでいて、毛色は互いに全く違います。
TV本編の方はゴーカイジャーのテーマと歴代戦隊のテーマとを1つ1つ丁寧に絡めて
濃厚なドラマを描いてきています。
しかし、この歴代戦隊総集合映画の方はドラマは出来るだけ薄く、あっさりと描かなければいけません。
しかし、劇中の内容が似通っているため、一方が濃くて、一方が薄いと、違和感が生じるのです。

まず、主役のゴーカイジャーは普段のTV本編では濃いドラマが描かれているのに、
この映画では急に薄いキャラになってしまうと、ギャップが目立ってしまいます。
また、ゴーカイジャーとレジェンド戦士との絡みはTV本編では密度の濃いドラマが描かれているのに、
この映画においてはやたら薄く淡泊な絡みしか描かれていないとなると、これも違和感があり、
物足りない印象となります。

例えばドリーム戦隊にメンバーが入っているデカレンジャー、シンケンジャーは
既に第5話や第11〜12話でゴーカイジャーとの間で濃厚なドラマを描いたのに、
この映画では急にその関係性が薄く淡泊なものになるのは妙です。
ドリーム戦隊に他にメンバーのいる戦隊のゴーオンジャーやボウケンジャーにしても、
このあたりは確実にTV本編でも後でレジェンド回をやるはずですから、
今回変にゴーカイジャーとの間で淡泊な関係を描いてしまうと、
後のTV本編のレジェンド回でゴーカイジャーとの濃厚な遣り取りを描く際に邪魔になってしまいます。
かといって、この映画で濃厚なドラマを描くことは出来ません。

ならば、デカレンジャー、シンケンジャー、ゴーオンジャー、ボウケンジャーなどは
今回の映画では下手にゴーカイジャーと絡ませない方がTV本編との整合性を考えれば正解ということになります。
そうなると、もはやゴーカイジャーとドリーム戦隊の共闘など成立しません。
かといって、ゴーカイジャーだけで黒十字王と戦うというのも妙です。
いや、戦力的な問題は歴代戦隊のバックアップがあるから大丈夫なのですが、
ドラマ面をゴーカイジャーだけに負わせるのがそもそも難しいのです。

何故なら、内容の似通ったTV本編で濃厚なドラマで描かれているゴーカイジャー自体が、
この映画の薄いドラマの中ではどうしても浮いた存在になってしまうからです。
ゴーカイジャーを薄く淡泊なドラマの中で描けば、この映画内では違和感は生じませんが、
それをやってしまうと今度はTV本編のゴーカイジャーとのギャップが目立ってしまいます。
「レッツゴー!仮面ライダー」のオーズのように特別篇だと割り切れればいいのですが、
ゴーカイジャーの場合、映画とTV本編の物語世界が似過ぎていて、特別篇だと割り切ることは不可能です。

そうなると、解決策としては、
この映画の薄いドラマの中で違和感の生じない別の戦隊をゴーカイジャーと共闘させて、
この映画の中ではどうしても浮いてしまうゴーカイジャーの機能しない部分をカバーさせる
ダブルメイン戦隊として位置づけることです。
そして、その戦隊はゴーカイジャーのTV本編の方には登場させず、
この映画をその戦隊のレジェンド回として位置づけるのです。
つまり、この映画は歴代戦隊総集合映画であると同時に、
その戦隊とゴーカイジャーの劇場版VSシリーズでもあり、
同時にゴーカイジャーの物語の中でのその戦隊のレジェンド回という位置づけにすればいいのです。

そして、その戦隊の条件とは、
この映画の薄いドラマに自然に馴染むぐらい、もともと薄い世界観やテーマを持っていることです。
それは言い換えれば、濃厚なドラマを特徴とする「ゴーカイジャー」TV本編のレジェンド回には
馴染まない戦隊ということになります。
そんな戦隊だからこそ、この映画でゴーカイジャーと共闘させて、
この映画の薄いドラマの中でレジェンド回を消化しておく方が好都合だといえます。

そういう条件にピッタリ当てはまったのが、ちょうどゴーカイジャーの前の戦隊であったゴセイジャーだったのです。
そういうわけで、一旦は立ち消えになりかけていた「ゴーカイジャーVSゴセイジャー」という
劇場版VSシリーズの企画は、この5月の戦隊総集合映画の中に組み込まれる形で復活し、
「ゴーカイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」というタイトルは
「ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」へと変わったのです。

そして、ゴセイジャーというこの映画の薄いドラマに相性の良いパートナーを得たことによって、
ゴーカイジャーはむしろ堂々とこの映画の薄さに馴染まないスタンスでいることが出来るようになり、
TV本編におけるキャラをほぼ崩さずにこの映画を乗り切ることが出来ました。
それは言い換えれば、ゴーカイジャーはこの映画のドラマにはあまり関与していないということであり、
ゴーカイジャーと、
ゴーカイジャーのパートナーとしてゴーカイジャーのフォローとアクションに専念したゴセイジャーに代わって、
この映画の本来のドラマの核心部分に関与するキャラとして、
もともとドリーム戦隊のメンバーになるはずだった10人のうちゴセイジャーの戦士を除いた7人の戦士、
デンジブルー、リュウレンジャー、デカピンク、ボウケンレッド、ゴーオンイエロー、
シンケングリーン、シンケンゴールドが配置されることになったのでしょう。
特にその中でもデンジブルー、リュウレンジャー、デカピンクの3人が重要な役割を果たします。

こうして、この映画は、劇場版VSシリーズとしての「ゴーカイジャーVSゴセイジャー」と、
戦隊総集合企画としての「199ヒーロー大決戦」という2つのパートに分かれたような構成になり、
その2つが途中から1つに合流するという構成になっています。

本来はもしかしたら、「199ヒーロー大決戦」パートにおいて、
デンジブルー青梅大五郎たちが勇気づける、世を拗ねたようなサラリーマンの役回りは
ゴーカイジャーであったのかもしれません。
ヒーローの戦いというものを理解できないサラリーマンはゴーカイジャーと印象がかぶるからです。
だから本来はドリーム戦隊がゴーカイジャーを勇気づけて一緒に戦うようになっていくような
ドラマが1本存在していたのかもしれない。

しかし、完成した映画では、ゴーカイジャーとドリーム戦隊を絡めることはやめて、
ドリーム戦隊は戦わずにゴーカイジャーの代役のようなサラリーマンに勇気を与えて、
彼を通して奇跡を起こす力となり、
一方ゴーカイジャーはそうしたこの映画のドラマからは距離を置いて
ゴセイジャーと一緒に普通にVSシリーズ風のアクション活劇のみを担当して、
VSシリーズ内のドラマはもっぱらゴセイジャーの方が引っ張って、
ゴーカイジャーのTV本編におけるキャラは温存されることになったのでした。
まぁそれでもTV本編の前後関係から見れば、マーベラスなどはやや不自然にデレすぎている面もありますが、
それはこの映画が1つの完結した作品である以上、ある程度は仕方ないことでしょう。

こうして2本に分かれたドラマが作られ、
ゴセイジャーがゴーカイジャーを認めた後、それを受けるような形で歴代戦士がゴーカイジャーを認め、
奇跡が起きることでドラマは1本に合流するのです。

こうしたこの映画の特殊な構成の要になっているのは、ゴセイジャーの存在です。
ゴセイジャーがこの映画の薄くあっさりとしたドラマの中で全く違和感が無く存在しているからこそ、
この映画の構成は成り立っています。
それは、ゴセイジャーという戦隊や作品そのものが非常に薄い世界観やテーマだからです。
その薄さはそもそもゴセイジャーという作品が物語世界をちゃんと作っていないことによるものであり、
作品として大きな欠陥といえます。
その結果、「ゴセイジャー」という作品は人気も低く、評価も低いといえます。
視聴率や玩具売上のデータを見ても、あまり良い傾向は見出せない作品ではありますが、
こうした数字は作品の良質さを反映しない場合も多々あるので数字だけで判断するのではなく、
あくまで内容で判断すべきです。
しかし「ゴセイジャー」の場合、むしろこの内容的な面で最も評価を低くせざるを得ない戦隊といえます。

ただ、それはあくまで1年間の長編大河ドラマ「ゴセイジャー」という作品における問題点であり、
この作品内容の薄さによって、ゴセイジャーという戦隊そのものは
短編もののクロスオーバー作品においては意外に使いやすい戦隊となっています。
何せ、極めて無個性な戦隊であるので、個性が邪魔することなく、どんなことをやらせても違和感が無いのです。
物語の積み重ねの中で個性が確立していくと、こういう場合にはこういう言動をするはずだとか、
こういう言動はしないはずだとかいう制約が増えてくるものですが、
ゴセイジャーの場合、各自の性格設定以上にはキャラが成長していないので、
自由に何でもさせることが出来ます。

こういうゴセイジャーのキャラは深くて濃いドラマは描けないので
「ゴーカイジャー」TV本編には向いていないのですが、
特にドラマの薄さが特徴の短編ものの劇場版には相性が良いといえます。
まぁあまりに個性が薄すぎるのでゴセイジャー単体ではどうしても退屈になってしまいますが、
個性の強い戦隊とのコラボ企画は意外に評判が良く、
2011年1月公開の「ゴセイジャーVSシンケンジャー」も好評でした。

この「ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」も、
ゴセイジャーの本来は欠点である「薄さ」を逆に活用して、
作品の要として機能させたところが見事であったと思います。
その結果、この映画はシンプルなドラマが軽快なテンポで進みながら
充実したアクションとヒーロードラマの王道的展開を楽しめ、
それでいてTV本編のイメージに近いゴーカイジャー主役のストーリーとしても成立している、
極めて良質な娯楽映画に仕上がっているのです。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 03:13 | Comment(0) | ゴーカイジャー ゴセイジャー199ヒーロー大決戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ゴーカイジャー ゴセイジャー 199ヒーロー大決戦 感想その2

では、そういうわけでドラマは薄めですが、本編のレビューをしていきたいと思います。
その中で、この映画のメインテーマも明らかになっていくでしょう。
ただし、ドラマそのものは確かに薄めですが、小ネタはやたらと多い映画なので
レビューは大変かもしれません。

まず冒頭は、「ゴーカイジャー」TV本編の第1話冒頭でも描かれた、レジェンド大戦の場面です。
本編第1話のレジェンド大戦の場面は実はこの映画の冒頭のレジェンド大戦の場面からの抜粋だったんですね。
ここでは本編第1話のレジェンド大戦の場面に更に新たなシーンを足した
レジェンド大戦完全版のアクションシーンが描かれています。

そして、ここでのレジェンド大戦シーンの導入部分はこのレジェンド大戦に参加した戦隊の1つである
ゴセイジャーから見た視点でレジェンド大戦が描かれており、
そこにおいて本編第1話のレジェンド大戦シーンでは登場していなかった10人の番外戦士も
レジェンド大戦に参加していたことが初めて描かれています。

まず、ゴセイレッド、ゴセイピンク、ゴセイブラック、ゴセイイエロー、ゴセイブルー、ゴセイナイトの
ゴセイジャーの6人が変身した状態(ゴセイナイトは常に変身状態だが)で
スゴーミンやゴーミンの集団と戦っている場面から物語は始まります。
何故かスゴーミンだけでなくゴーミン達からさえフルボッコにされるゴセイジャーの面々。
しかも彼らの1号ロボにあたるゴセイグレートが大破した無残な姿で横たわっています。

なんだか酷い劣勢ですが、
ゴセイブラックのアグリが「何なんだ!?このザンギャックって奴ら!」と驚いた様子であり、
ゴセイブルーのハイドが「強すぎる・・・おそらく史上最強の敵だ!」と言っているところを見ると、
ゴセイジャーはザンギャック軍とはそれ以前は戦ったことがないことが分かります。
つまりザンギャック相手の戦いは慣れていないのでしょうが、
そうだとしてもスゴーミンやゴーミンだけで変身後のゴセイジャーを圧倒出来るほどの力があるというのも
不自然なので、何かゴセイジャー達の状態に問題があると考えた方がいいでしょう。

するとゴセイレッドのアラタが空を見上げると、ザンギャックの宇宙戦艦の大艦隊が迫ってきており、
上空からゴセイジャー達をレーザー砲で狙い撃ちしてきます。
猛爆の中、必死に逃げたゴセイジャーの6人は林の中に逃げ込み、なんとか大艦隊をやり過ごすことが出来ました。

どうやらゴセイジャーは単にスゴーミンの率いる小部隊と戦っているわけではなく、
ザンギャックの圧倒的な大軍勢や大艦隊と戦っているようです。
それで消耗して、巨大戦力であるゴセイグレートも倒され、追い詰められているようです。
そういうザンギャックの圧倒的物量の力を指して、
アグリやハイドはザンギャックを最強の敵だと言っていたわけです。

すなわち、ゴセイジャーにそう言わせるほど、
ゴセイジャーを追い詰めるほどの大兵力のザンギャック軍が地球を襲っており、
しかもゴセイジャーが変身出来る状態にあり、ザンギャック軍とは初対戦であることを考え合わせると、
この場面は「ゴーカイジャー」TV本編の冒頭で描かれた「レジェンド大戦」の一場面なのだと推測できます。
つまり、「ゴーカイジャー」第1話でマーベラス一味が地球に初めてやって来た時より
数年前の出来事というわけです。

そして、ゴセイジャーの物語を基準にした時系列で言えば、
「天装戦隊ゴセイジャー」の物語において、ゴセイジャーの6人が最後の敵である救星主ブラジラを倒して、
ひとまずその戦いに終止符を打ったのが2011年の初頭のことであり、
その半年後の2011年の夏頃に、ブラジラの遺したビービ虫が巨大化したキングビービと
ゴセイジャーが戦うという後日談がVシネマ「帰ってきた天装戦隊ゴセイジャー」で描かれています。

そのVシネマの中で、そのキングビービとの戦いの後、ザンギャックの侵攻があり、
レジェンド大戦が勃発したと説明されているので、レジェンド大戦は2011年の秋か冬ぐらいの出来事と思われます。
となると、ゴーカイジャーが地球にやって来たのはその数年後ですから、
ゴーカイジャーの地球来訪は早くとも2013年頃の出来事ではないかと推測されます。

林の中に一時退避したゴセイジャーの面々、その中でアラタは仲間に向かって
「みんな!頑張ろう!もうすぐ会えるよ・・・一緒に戦ってる先輩たちに!」と励まします。
ところがそこにまたゴーミン部隊の追手が現れます。
アラタ達が再び戦うために身構えた時、「レッドビュート!!」という野太い声が林の中に響き、
ムチがしなって飛んできて、電撃でゴーミン達を全滅させました。

そして驚くアラタ達の前にムチを手にして降り立ったマントの男は
「34番目のスーパー戦隊・・・ゴセイジャーの諸君だな!?」と尋ねます。
その姿を見て、ゴセイイエローのモネは「あなたは・・・初代スーパー戦隊、ゴレンジャーの・・・!」と驚き、
そのマントを羽織った赤い戦闘スーツの男は頷いて「ああ!・・・アカレンジャー!」と名乗りポーズを披露しました。
このムチ攻撃でゴセイジャーの危機を救った戦士は、
初代スーパー戦隊のゴレンジャーのリーダー、アカレンジャーの海城剛でした。

ここでは変身後姿ですから、変身前の海城剛の姿ではなく、
海城役のオリジナル役者の誠直也氏は顔は出していませんが、この声は誠氏本人です。
誠氏は「ゴーカイジャー」第1話のレジェンド大戦の場面でもアカレンジャーの声を担当していただいています。
まぁそもそも第1話のレジェンド大戦のシーンが
この映画のレジェンド大戦のシーンの抜粋なのですから当然のことなのですが。

ちなみに誠氏は今回の映画の撮影当時62歳ですが、
ちゃんと36年前の海城剛の声に聞こえるのですから、大したものです。
まぁもともと海城は設定年齢よりはオッサン臭いキャラでしたが。

なお「秘密戦隊ゴレンジャー」という作品は戦隊メンバーの年齢だけでなく誕生日までしっかり設定してある
意外に設定の細かい作品で、海城はゴレンジャー結成時の年齢は24歳でした。
この映画の物語世界の時系列設定が現実世界に準拠したものとするなら、
レジェンド大戦は「ゴセイジャー」の物語終了から1年未満の間に起きた出来事のようですから、
レジェンド大戦時の海城の年齢はおよそ60歳ということになります。
スーパー戦隊の戦士とはいえ、60歳でこんなに動けるというのは凄いです。

なお、アカレンジャーといえば「ゴレンジャー」放送当時のスーツアクターは、
第1話から第66話までの前半は
大野剣友会の新堀和男氏(バトルジャパンからレッドホークまで務めた初代ミスターレッド)、
第67話から第84話までの後半はJACの高橋健二氏、
すなわち大葉健二氏(デンジブルー、バトルケニア、ギャバンを顔出しで演じたアクションスター)なのですが、
この映画ではアカレンジャーのスーツアクターは新堀氏にお願いしているようです。
新堀氏の演じるアカレンジャーに誠氏が声を当てるという、完全オリジナル再現のアカレンジャーです。
まさに記念作品に相応しいといえます。

その海城剛の変身するアカレンジャーをどうしてゴセイジャーの面々が知っているのか、
そこらへんの事情はよく分かりません。
まぁこの「ゴーカイジャー」の物語世界は全ての戦隊が縦軸の時系列に順番に存在している世界観なので、
ゴセイジャーもゴレンジャーのことを普通に知っているのでしょう。
ただ、どうも初対面のようですから、知っているとはいっても、
互いに都市伝説的に知っているという程度であるようです。

さて、そのアカレンジャーはゴーミン達を一掃しましたが、
潜んでいた1人のスゴーミンが背後からアカレンジャーに襲い掛かります。
アカレンジャーも振り向いて応戦しようとしますが、
一瞬早く「とりゃ!」と飛び込んできてスゴーミンの振り下ろした腕をステッキで阻んだ者がいました。
それはマントを羽織った白い戦闘スーツに身を包んだ戦士で、
その白い戦士とアカレンジャーは連係してスゴーミンをあっという間に倒しました。

その白い戦士の姿を見て、ゴセイピンクのエリは「ジャッカー電撃隊の・・・!」と驚きます。
振り向いたその白い戦士は「ビィーッグワァン!!」と名乗りを上げました。
こちらは2代目スーパー戦隊のジャッカー電撃隊の司令官戦士キャラのビッグワンこと番場壮吉でした。
初代、2代目の戦隊のリーダーの揃い踏みです。
まさにレジェンドの中のレジェンドといえるツーショットです。

ちなみにビッグワンの声を出してもらっているのは
34年前の「ジャッカー電撃隊」本編で番場壮吉を演じたオリジナル役者の宮内洋氏です。
宮内氏は「ゴレンジャー」ではアオレンジャー新命明も演じていましたから、
ここは役者的にはアカレンジャーとアオレンジャーの揃い踏みともいえます。
宮内氏は誠氏より1歳年長の撮影当時63歳ですが、十分往年のヒーロー声のままです。

番場壮吉の劇中の年齢設定はありませんでしたが、おそらく20歳代後半だったと思われ、
このレジェンド大戦時、60歳は超えているはずです。
ただ、番場の場合、サイボーグだったような、そうでないような、ちょっと何だかよく分からない状況です。

なお、この場面、ビッグワンのスーツアクターはJACの岡本美登氏が務めておられますが、
岡本氏は「ジャッカー電撃隊」当時もビッグワンのスーツアクターを務めており、
このビッグワンもまたスーツアクターも声出しも完全オリジナル再現となっています。
ちなみに岡本氏は「ゴレンジャー」の後期(JAC担当の67話〜84話)の
アオレンジャーのスーツアクターも務めておられますから、
宮内氏と共にアオレンジャーのオリジナルコンビでもあります。

そのビッグワンはスゴーミンを倒してゴセイジャーの前で名乗りを上げると、
「33のスーパー戦隊が間もなく結集する・・・全員、命を捨てる覚悟だ!」と
ゴセイジャーに状況を説明します。

どうやら、それぞれのスーパー戦隊同士はお互いの存在を都市伝説的にしか知らない
(VSシリーズで共闘した戦隊同士は互いに会ったことはある)ようですが、
ザンギャック軍の地球侵攻というかつてない規模の地球の危機に対処するために、
最初はそれぞれの戦隊単位で集まって個別に別々の場所で戦いはじめ、
そうしているうちに次第に自分達の他にもザンギャックと戦っている戦隊がいることに気付いて、
ザンギャックとの間で巨大戦力を悉く失うほどの激闘を繰り広げながら、
徐々に戦隊同士で連絡を取り合って、遂に34戦隊全員がとある場所に結集して
ザンギャックの本軍と決着をつけようとしているようでした。

ゴセイジャーもその場所へ向かっている途中でザンギャックの大軍と遭遇して苦境に陥っていたのであり、
そのことに気付いたアカレンジャーとビッグワンが救援に来たようです。
決戦場所はこのすぐ近くであり、そこには既にゴセイジャーを除く33戦隊が集結を完了しつつあるようです。
そして皆、命を捨てる覚悟で地球を守る決戦に挑もうとしているのだという。

命を捨てる覚悟と聞いて、さすがにゴセイジャーの面々にも緊張が走ります。
しかしアカレンジャーに「やってくれるな?・・・君たちも!」と覚悟を問われると、
アラタは「やります!この星を守るためなら・・・!」と答え、他のゴセイジャーの面々も「ああ!」と応じます。
ゴセイジャーは護星天使であり、地球を守ることが彼らの揺るぎない使命なのですから、
たとえ命が尽きようとも、その使命を放棄するということは有り得ないのです。

ゴセイジャーの面々の覚悟を確認すると、アカレンジャーは頷いて
「うん!いくぞ!」と決戦場所へ向けてゴセイジャーを連れて出発しようとして振り向き、
ビッグワンも「おお!」と応じます。
ところが一行が出発しようとしたところに、また多数のスゴーミンに率いられたザンギャック部隊が登場し、
一行の周りを囲んでしまいます。
「またあいつらが・・・!」とモネが口惜しげに言います。
どうもザンギャック部隊はゴセイジャー達を決戦場所に行かせないように邪魔しようとしているようです。

すると、そこに突然、「ベガスラアアアッシュ!!」という怒号と共に、
ゴセイジャー達の正面のゴーミン達が包囲網の外側から斬り倒され、包囲網の一角が崩れ去ります。
見ると、そこに外側から駆け込んできたのは「特捜戦隊デカレンジャー」に登場した
番外戦士のデカマスターとデカスワンでした。
デカマスターが必殺技である銀河一刀流奥義のベガスラッシュを炸裂させたのです。

ゴセイジャー達が驚いて正面を見ていると、
背後の包囲網のゴーミン達も突然襲い掛かって来た剣士2名に次々と斬り倒されていきます。
その2人の剣士は「星獣戦隊ギンガマン」に登場した黒騎士と、
「侍戦隊シンケンジャー」に登場した姫シンケンレッドでした。
「ゴセイジャー!ここは俺たちが食い止める!」と黒騎士が叫びます。

同時にゴセイジャー達の左側の包囲網には外から
「魔法戦隊マジレンジャー」の番外戦士夫婦であるウルザードファイヤーとマジマザーが突っ込み、
ウルザードファイヤーは剣を振るってゴーミン達を倒しながら
「スーパー戦隊のもとへ急ぐんだ!」とゴセイジャー達に檄を飛ばします。
どうやら決戦場所に集結している34のスーパー戦隊の本隊とは別に番外戦士たちが遊撃隊として、
決戦場所の周囲の山間に潜むザンギャック軍を倒していっているようです。
本編でもレギュラー戦士たちとは別行動の多かった番外戦士らしい行動といえます。

ゴセイジャー達の右側のゴーミン達に対しては、
「激走戦隊カーレンジャー」に登場したシグナルマンが「シグナルマン!ただいま現着!」と突っ込み、
「轟轟戦隊ボウケンジャー」に登場した大剣人ズバーンも
「ズバズバズバ〜ン!!」とゴーミン達を蹴りまくって乱入してきます。
シグナルマンは「本官もチーキュのために戦うぞ!」と敬礼し、ズバーンも「ズンズン!」とガッツポーズ。
まぁこの2人は遊撃隊の和み担当のようです。

しかしこの遊撃隊、短い出番ながら声の出演は一部はしっかりレジェンドゲストになっており、
黒騎士の声は「ギンガマン」本編で黒騎士ヒュウガを演じた小川輝晃氏が演じており、
ウルザードファイヤーの声は「マジレンジャー」本編で
ウルザードファイヤーに変身する小津勇を演じた磯部勉氏、
そして、シグナルマンの声は「カーレンジャー」本編で
シグナルマン・ポリス・コバーンの声を演じた大塚芳忠氏です。
つまりここでちゃんとセリフのある番外戦士は皆、オリジナル役者が声をあてているわけです。

となると、最初に「ベガスラッシュ!」と叫んだデカマスターも
「デカレンジャー」本編でデカマスターに変身するドギー・クルーガーの声を演じた稲田徹氏が声をあてており、
既に「ゴーカイジャー」第5話で既に登場済みのこのお馴染みの声で
デカマスターは「アカレンジャー!ビッグワン!ここは我々に任せて行ってください!」と、
スゴーミンやゴーミン達を倒しながらアカレンジャー達に言います。

これに対してビッグワンは「オーケイ!頼んだぞ!」と応じ、
アカレンジャーは「よぉし!ゴー!」と号令を発し、崩れた包囲網の間を抜けて駆け出しました。
「はい!」とゴセイジャー達も続きます。
それを阻止しようとするザンギャック部隊を遊撃隊が叩き、
ゴセイジャー達は包囲網を脱し、決戦場所へ向かいます。
戦いながらその後ろ姿を見送り、デカマスターは「頼んだぞ・・・スーパー戦隊!」と、決戦の勝利を祈ります。

が、崩れた包囲網の一部のスゴーミンやゴーミン達は遊撃隊を振り切って、
駆けていくゴセイジャー達にまだ追いすがってきます。
すると、ゴセイジャー達が走り抜けた後、その追撃部隊の前に黒と緑の2つの人影が立ち塞がります。
それは「獣拳戦隊ゲキレンジャー」に登場した番外戦士のリオとメレでした。
リオとメレも遊撃隊に加わっており、遊撃隊本隊が討ち漏らした敵を倒すために潜んでいたのです。
リオとメレの2人は「はっ!!」と手から臨気弾を放ち、ザンギャック追撃隊を殲滅したのでした。

ここの場面で登場した
デカマスター、デカスワン、黒騎士、姫シンケンレッド、ウルザードファイヤー、マジマザー、
シグナルマン、大剣人ズバーン、リオ、メレの10人の戦士というのは、
「ゴーカイジャー」第16話のラストシーンでバスコが持っていた
謎の10個のレンジャーキーの戦士に対応しています。

第1話のレジェンド大戦のシーンではこの10戦士は登場していなかったので、
レジェンド大戦に参加していない戦士のレンジャーキーは存在していないはずですから、
どうしてバスコがレジェンド大戦の場に姿が見えなかった10戦士のレンジャーキーを持っているのか
謎だったのです。
その第16話のラストで生じた謎に、その放送日の6日後に公開された映画の冒頭のシーンで
答えを出したということになります。

つまり、この番外戦士10人もまた、本隊とは別の場所で遊撃隊としてレジェンド大戦には参加していたのです。
だからこの10人の戦士のレンジャーキーも存在しているのであり、
それを何らかの経緯でバスコが手に入れているのです。
また、これによって、レジェンド大戦後、デカマスターやウルザードファイヤーのような番外戦士たちは
どういう状態であるのかという謎も解消したといえます。
彼らもまたレジェンド大戦後、変身して戦う能力は失っていたのです。
まぁ変身前の姿というものが無いシグナルマンやズバーンがレジェンド大戦後、
どういう姿になっているのかについては、ちょっとよく分からないのですが。

こうして包囲網から脱したアカレンジャー、ビッグワン、そしてゴセイジャーの6人、
合わせて8人は山道を駆けて遂に決戦場所に辿り着き、ジャンプしてそこに降り立ちます。
すると、そこには既に33戦隊が集結を完了しており、
ゴセイジャーが到着したことによって、これで34戦隊、182人の戦士が決戦場所に集結を完了したのでした。
山間で戦っている10人の遊撃隊も合わせると、総勢192人の戦士となります。

ここで「ゴーカイジャー」TV本編の第1話や毎回のレジェンド回のOPナレーション時の画面でお馴染みの
アカレンジャーを中心としたレジェンド戦士集結画面となり、
陣形の先頭にはゴセイジャーが配置されていたり、
敵のザンギャック軍が地を埋め尽くすほどのスゴーミンとゴーミンの大軍であることなど、
第1話でも見たような映像がポンポンと切り替わっていき、
アカレンジャーの「いくぞ!!」という号令を受け、
遂に182人の戦士たちがザンギャックの大軍勢に向かって突っ込んでいきます。

ここからの大規模戦闘シーンのBGMが「ゴセイジャー」のOPテーマ曲なのですが、
これが非常にこの歴代戦士大量登場の戦闘シーンにマッチしていて、良い感じでした。
これは普段の「ゴーカイジャー」のレジェンド回のオリジナルBGMがだいたいインスト版であるのとは違い、
ボーカル入りの通常版だったのですが、
「ゴセイジャー」という作品と共にそのOPテーマの歌詞も無個性であるので、
特定の色がついておらず、あらゆる戦隊の戦闘場面にマッチしたのだといえます。
曲自体も非常に壮大で名曲なので、まさにレジェンド大戦のBGMにピッタリだったといえます。

それにしても敵のザンギャック兵の数が笑ってしまうぐらい多いのですが、
本来最も恐ろしい敵というのは手強い怪人1人よりも、やはり大軍勢だと思います。
でも普段のスーパー戦隊シリーズの各エピソードでは、予算的にいちいち毎回大軍勢など出せないし、
だいたいいつも同じデザインの兵士が敵では見ていて面白くもない。
だから毎回違った怪人を登場させるというスタイルになっているのであり、
ホントは大軍勢の方が手強いのです。

だいたい、182人もスーパー戦隊の戦士がいる状況で、
なまじっかの数の怪人軍団など出したところで脅威を感じさせる画面にはなりません。
182人の戦士が勝てるかどうか分からないという印象を見せるためには、何万もの軍勢が必要ですが、
さすがに何万もの異なったデザインの怪人など用意出来ないので、
そうなれば普通に何万もの兵士が相手ということにすればいい。
圧倒的に数の多い戦闘員を次々と正義の戦士たちが倒していく様の方がテンポも良いし、
この圧倒的な数の戦闘員に突っ込む182人の戦士という画が正解だと思います。

その34のスーパー戦隊の本隊182人の戦士を列挙しますと、下記の通りです。
アカレンジャー、アオレンジャー、キレンジャー、モモレンジャー、ミドレンジャー
スペードエース、ダイヤジャック、ハートクイン、クローバーキング、ビッグワン
バトルジャパン、バトルコサック、バトルフランス、バトルケニア、ミスアメリカ
デンジレッド、デンジブルー、デンジイエロー、デンジグリーン、デンジピンク
バルイーグル、バルシャーク、バルパンサー
ゴーグルレッド、ゴーグルブラック、ゴーグルブルー、ゴーグルイエロー、ゴーグルピンク
ダイナレッド、ダイナブラック、ダイナブルー、ダイナイエロー、ダイナピンク
レッドワン、グリーンツー、ブルースリー、イエローフォー、ピンクファイブ
チェンジドラゴン、チェンジグリフォン、チェンジペガサス、チェンジマーメイド、チェンジフェニックス
レッドフラッシュ、グリーンフラッシュ、ブルーフラッシュ、イエローフラッシュ、ピンクフラッシュ
レッドマスク、ブラックマスク、ブルーマスク、イエローマスク、ピンクマスク
レッドファルコン、イエローライオン、ブルードルフィン、グリーンサイ、ブラックバイソン
レッドターボ、ブラックターボ、ブルーターボ、イエローターボ、ピンクターボ
ファイブレッド、ファイブブルー、ファイブピンク、ファイブブラック、ファイブイエロー
レッドホーク、ホワイトスワン、イエローオウル、ブルースワロー、ブラックコンドル
ティラノレンジャー、マンモスレンジャー、トリケラレンジャー、タイガーレンジャー、プテラレンジャー、ドラゴンレンジャー
リュウレンジャー、シシレンジャー、テンマレンジャー、キリンレンジャー、ホウオウレンジャー、キバレンジャー
ニンジャレッド、ニンジャホワイト、ニンジャブルー、ニンジャイエロー、ニンジャブラック
オーレッド、オーグリーン、オーブルー、オーイエロー、オーピンク、キングレンジャー
レッドレーサー、ブルーレーサー、グリーンレーサー、イエローレーサー、ピンクレーサー
メガレッド、メガブラック、メガブルー、メガイエロー、メガピンク、メガシルバー
ギンガレッド、ギンガグリーン、ギンガブルー、ギンガイエロー、ギンガピンク
ゴーレッド、ゴーグリーン、ゴーブルー、ゴーイエロー、ゴーピンク
タイムレッド、タイムピンク、タイムブルー、タイムイエロー、タイムグリーン、タイムファイヤー
ガオレッド、ガオイエロー、ガオブルー、ガオブラック、ガオホワイト、ガオシルバー
ハリケンレッド、ハリケンブルー、ハリケンイエロー、カブトライジャー、クワガライジャー、シュリケンジャー
アバレッド、アバレブルー、アバレイエロー、アバレブラック、アバレキラー
デカレッド、デカブルー、デカグリーン、デカイエロー、デカピンク、デカブレイク
マジレッド、マジイエロー、マジブルー、マジピンク、マジグリーン、マジシャイン
ボウケンレッド、ボウケンブラック、ボウケンブルー、ボウケンイエロー、ボウケンピンク、ボウケンシルバー
ゲキレッド、ゲキイエロー、ゲキブルー、ゲキバイオレット、ゲキチョッパー
ゴーオンレッド、ゴーオンブルー、ゴーオンイエロー、ゴーオングリーン、ゴーオンブラック、ゴーオンゴールド、ゴーオンシルバー
シンケンレッド、シンケンブルー、シンケンピンク、シンケングリーン、シンケンイエロー、シンケンゴールド
ゴセイレッド、ゴセイピンク、ゴセイブラック、ゴセイイエロー、ゴセイブルー、ゴセイナイト

これにデカマスター、デカスワン、黒騎士、姫シンケンレッド、ウルザードファイヤー、マジマザー、シグナルマン、
大剣人ズバーン、リオ、メレの10人の遊撃隊の戦士を加えて、
総勢192人の戦士がザンギャックの膨大な軍勢と戦いを繰り広げます。

その戦闘シーンで切り取られて映し出された戦士たちの様子は下記のごとしです。
ゴセイジャー、ゴーオンジャー、シンケンジャー、ボウケンジャーがゴーミン軍団と乱戦に突入する。
シンケンレッドが例の「殿受け」という背中に回した剣で相手の攻撃を受ける防御をしつつ敵を斬りまくる。
ゴーゴーファイブがスゴーミン達と肉弾戦を戦う。
ゴーグルブルー、ゴーグルブラックがゴーミン達にパンチを叩き込む。
ガオレッド、ガオブルー、ガオイエローが敵の中を身をこなしながら進んでいく。
リュウレンジャーが「ハイーッ!」と掛け声をかけながらスゴーミンに赤龍拳を炸裂させる。
ダイナピンクが合気道のような技でスゴーミンを投げ飛ばす。
チェンジドラゴンがゴーミン達と戦う。
アバレンジャーがゴーミン達と戦う傍で何か爆発が起きる。
ドラゴンレンジャーが獣奏剣でゴーミンを斬る。
オーピンクが戦う傍でギンガイエローが星獣剣でゴーミンを斬り捨てる。
ジェットマンが滑空しながらゴーミン達を薙ぎ倒し、着地してブリンガーソードを構える。
ゴーミン達と戦うイエローマスクとブルーマスクの間をイエローライオンがバク転しながら通り抜ける。
ビッグワンが愛用ステッキのビッグバトンで戦う。
ボウケンレッドがボウケンジャベリンを振り回して戦う。
メガイエローとメガレッドがゴーミン達と肉弾戦を戦う。
ギンガレッドがアース技の炎のたてがみを放つ。
マジレンジャーが戦い、マジシャインはマジランプバスターで光弾を撃つ。
レッドワンが戦い、レッドファルコンはファルコンセイバーで敵を斬りまくる。
ゴーオンゴールドとゴーオンシルバーがロケットダガーでゴーミン達を斬りまくる。
デカレッドがディーマグナムの二丁拳銃、タイムブルーがダブルベクターの二刀流で戦う。
ティラノレンジャーが龍撃剣を振るいながらパンチを叩き込む。
ゲキレッドとリュウレンジャーのダブル拳法戦隊のレッドの連係攻撃。
レッドターボ、レッドレーサーのダブル車戦隊のレッドの連係攻撃。
ハリケンレッド、ニンジャレッドのダブル忍法戦隊のレッドの連係攻撃。
なおニンジャレッド・サスケの「成敗!」の声はオリジナルキャストの小川輝晃氏が当てています。
ゴーミン達の間を目にも止まらぬ速さで跳び回って攻撃するカクレンジャー、ハリケンジャー、ゴウライジャー、シュリケンジャー。
バルイーグルがキックやパンチでゴーミン達を薙ぎ倒していく。
デカピンクがディースティックでゴーミン達と戦う。
ゴーオンイエローがマンタンガンでゴーミン達と戦う。
シンケングリーンがシンケンマルで、シンケンゴールドがサカナマルで戦う。
ウルザードファイヤー、マジマザー、デカマスター、デカスワン、リオ、メレ、姫シンケンレッド、黒騎士、シグナルマン、ズバーンの10人の遊撃隊も近くの山中でザンギャック部隊と戦う。
キレンジャーが大量のゴーミン達を一斉に投げ飛ばす。
アオレンジャーとミドレンジャーがスゴーミン達と戦う。
モモレンジャーがイヤリング爆弾でゴーミン達を攻撃する。

そして、アカレンジャーがゴーミンやスゴーミン達を次々と倒していき、
遂に182戦士+10戦士が地上の膨大なザンギャック軍を一掃した頃、
ハッと上空を見上げると、ザンギャックの大艦隊が決戦場所の上空に飛来してきて、
地上のスーパー戦隊に向かって砲撃を加えてきました。
勝利は束の間、地上の182戦士は再び窮地に陥り、
山間の敵を一掃した10戦士たちも本隊の危機に駆けつけようとして走り出します。

その絶体絶命の危機にあたり、アカレンジャーは自分の周囲に集まった181人の戦士に向かって、
「いくぞみんな!スーパー戦隊全ての力を結集して地球を守るんだ!」と号令をかけます。
今こそ命を投げ出してでも、全ての力を放出して敵を殲滅するしか
この状況を逆転する術は無いと判断したのでした。
それに応じて気合いを発した182人全ての戦士の身体が金色に発光したかと思うと、
その身体から金色の光弾が飛び出して、集まって上空に飛んでいきます。

駆けつけてきて高台からこれを見ていた遊撃隊の10戦士も、
ウルザードファイヤーの「我々も力を捧げよう・・・この星の全ての家族の未来を守るために・・・!」という
言葉に応じて、全員、眼下の182戦士と同じように身体から金色の光を発し、上空に向けて発射し、
182戦士の発した光の群れの中に突入させたのでした。

そうして決戦地の上空に舞い上がった192戦士の身体から発した光の塊は、
ザンギャック艦隊の真ん中で一気に炸裂して地球上空に拡散していき、
その光の波は地球上空にひしめいていたザンギャックの大艦隊を全て呑み込んで殲滅したのでした。

それからしばらく経って、アラタは目を覚ましました。
場所はさっきまでザンギャックの大軍と戦っていた荒野です。
辺りは静寂に包まれており、さっきまでの戦場の喧騒が嘘のようです。

34戦隊の全戦士の力でザンギャックの地上軍を殲滅した直後、
ザンギャックの大艦隊が上空に現れて攻撃してきて、巨大戦力を喪失していた全戦隊は大ピンチに陥り、
咄嗟に全員の持つ全ての力を放出して敵艦隊にぶつける起死回生の策に出たのでした。
全ての力を放出してしまったらどうなるのか、分かりませんでした。
もしかしたら死ぬかもしれないとも思いましたが、もともと地球を守るために命は捨てる覚悟でもあったので、
あの状況では他に選択の余地も無く、アラタも迷いなく死を覚悟して全ての力を放出したのでした。
そして、その途中でアラタは、もともとの疲労の蓄積もあってか、
力を放出し尽くして、何時の間にか意識を失っていました。

それからしばらくして、ようやくアラタは目が覚めましたが、
見上げた青空には、上空を覆っていたザンギャック艦隊の姿は何処にもありません。
あまりに静かなので、一瞬、別の場所にいるのだと思い、
自分は死んだと思っているので、ここは死後の世界かもしれないとも思ったアラタは
「・・・どうなったんだ・・・俺たち・・・?」と呻いて上体を起こしました。

そうして近くを見ると、アラタのすぐ近くには仲間のエリ、アグリ、モネ、ハイドが倒れていました。
全員、変身が解除して生身の姿に戻っており、アラタ自身、同じように変身解除していました。
そして、どうやら自分は生きているようだと気付いたアラタは、
ここはさっきまで戦っていた場所だと気付き、
倒れている仲間たちが死んでいないか心配になり、すぐ傍に倒れているエリの身体を揺すって
「エリ・・・エリ?」と呼びかけます。

するとエリが目覚めて顔を上げ、傍ではアグリも目を覚まして身を起こし、
妹のモネに「モネ・・・大丈夫か?」と呼びかけます。
ハイドも身を起こして「生きてるのか・・・俺たち・・・?」と、まだ事態が呑み込めないようです。
周りを見てみると、荒野のあちこちでゴセイジャーの面々と同じように、
様々な戦隊の戦士たちが皆、変身が解けて生身の姿で身を起こしてキョロキョロしています。
皆、アラタたち同様、力を放出した際に気を失っていたようです。

アグリに起こされたモネも、周囲を見回しながら
「ザンギャックは?・・・やっつけられたの?」と兄のアグリに尋ねました。
あのザンギャックの大艦隊はどうなったのか、途中で気を失ったモネには分かっていないので
アグリに尋ねたのですが、アグリもモネ同様、気を失ってしまっていたので、
モネの質問に明確な答えが出来ません。

すると、モネの背後で「ああ・・・!」と応える男の声がしました。
モネが振り向き、アラタ達もその声の主を見ると、
それは轟轟戦隊ボウケンジャーのリーダー、ボウケンレッドこと明石暁でした。
といっても、アラタ達は明石とは初対面であったので、
その変身が解けた素顔を見ても誰なのかは分からない。
が、スーパー戦隊の誰かであるのは間違いない。
ならば、皆、アラタ達から見れば先輩戦士ということになります。

その明石はモネの質問に答えるように「奴らの艦隊は全滅した・・・」とキッパリ言い切りました。
明石の横には長い黒髪の女性が立って、明石の言葉を肯定するように頷いています。
この女性は、炎神戦隊ゴーオンジャーの一員、ゴーオンイエローこと楼山早輝でした。

早輝もゴセイジャーの面々とは初対面であり、明石とも会ったことはないが、
どうして早輝がゴーオンジャーの仲間と一緒ではなく別の戦隊のリーダーで初対面の明石と一緒にいるのかというと、
どうやら明石と早輝は共に気を失うことなく皆が力を放出した後の一部始終を見届けたので、
気を失っていた他の戦士たちに、いったい何が起こったのかを知らせるために
一緒に荒野の中を巡回しているようでした。

どうして明石や早輝は気を失わなかったのかというと、
それはもともとの体力の消耗具合が他の戦士たちに比べてたまたまマシだったので、
ギリギリ意識を持ち堪えさせることが出来たからでしょう。
そうして意識を保っていた明石や早輝は、
自分達の放出した光が地球上空のザンギャック艦隊を全滅させるのを、しっかりと見届けたのです。

それを聞いて、ゴセイジャーの5人の顔がパッと明るくなります。
自分達のギリギリのピンチで振り絞った力が絶体絶命のピンチを大逆転して、勝利をもたらしたのです。
エリは「じゃあ・・・終わったんですね!全て・・・」と明るい声で明石たちに勝利を、
そして戦いが終わって平和が到来したことを確認するのでした。
しかし、何故か明石と早輝の顔は浮かない表情でエリの言葉に返事を濁して黙っています。

そこに別の2人の男がフラフラしながらやって来て、1人がエリに「ああ!」と答えます。
エリたちはハッとして2人の男の顔を見ました。
この2人はエリやアラタたちゴセイジャーの面々には馴染のある顔だったからです。
エリに返事をした男は、侍戦隊シンケンジャーのシンケングリーンこと谷千明で、
もう1人の男は同じくシンケンジャーのシンケンゴールドこと梅盛源太でした。
この2人のいるシンケンジャーとは、ゴセイジャーはおよそ1年前に共闘したことがあります。
ちなみに、千明と源太は早輝とは2年前にゴーオンジャーとシンケンジャーが共闘した時に
顔見知りになっていましたが、明石とは初対面でした。

なお、この場面で登場している明石暁、楼山早輝、谷千明、梅盛源太、
そしてもちろんゴセイジャーのアラタ、エリ、アグリ、モネ、ハイドも、
皆、各作品の本放送時と同じオリジナル役者が演じています。
明石役は高橋光臣、早輝役は逢沢りな、千明役は鈴木勝吾、源太役は相馬圭祐、
アラタ役は千葉雄大、エリ役はさとう里香、アグリ役は浜尾京介、モネ役はにわみきほ、ハイド役は小野健斗が
それぞれ務めており、みな近年の戦隊ですので、本放送時と大して印象は変わっていません。

さて、気を失わずに一部始終を見ていたのは明石と早輝だけではなく、
他にも何人もいるようで、千明と源太も一部始終を見ていたようです。
だから戦いが終わったことは確認済みでした。
ところが千明は続いてゴセイジャーの面々に向かって意外なことを言います。
「・・・けど、もう二度と、あの姿で戦うことは出来ない・・・」と、険しい顔で千明は言ったのです。
それを聞いてアラタ達は「ええ!?」と問い返しました。どういう意味なのかよく分からなかったのです。
それに対して、付け足すように源太は「俺たちの戦う力は・・・すっかり無くなっちまった!」と言いました。

どうやら千明や源太は自分達が力を放出してザンギャック艦隊を殲滅した一部始終を見届けた後、
変身が解除していたのを再び変身しようとして、変身アイテムが全く反応せず、変身できなかったようで、
それによって、変身するための力が自分達の身体から失われていることを知ったようです。
どうも明石や早輝の表情が浮かないのも、それが原因であるようでした。

あまりに予想外の展開に「そんな・・・」とモネは唖然とし、
エリは「どうして・・・?」と途方に暮れます。
どうしてそんなことが突然起きたのか、理解不能でした。
すると早輝が口を開き「力は全て・・・ザンギャックの艦隊と一緒に宇宙に散ってしまったの・・・」と、
自分の見た顛末をエリ達に説明します。

早輝や明石、千明、源太たちが見届けたのはザンギャック艦隊の全滅だけではなく、
ザンギャックの艦隊を殲滅した自分達の放出した力が
そのまま地球外に飛び出していって消えていく様子もまた目撃したのです。
それで胸騒ぎがして、彼らは変身を試みてみたのですが、
全く変身機能が動かなくなっており、変身能力が全て失われていることに気付いたのです。

ハッキリしたのは、自分達が全て放出した戦う力は、
ザンギャック艦隊を滅ぼすことと引き換えに、消え去ってしまったことでした。
それが上空に消えていくのを目撃した千明や源太は、それは完全に消えてしまったのだと思っているようですが、
早輝はそれは消えたわけではなく、宇宙に散ったのだと解釈しているようです。

早輝がそう解釈する根拠は特にあるわけでなく、何となくそう思うだけであったが、
実際は早輝の直感の方が正解であり、
192人の戦士たちの戦う力は地球を飛び出して太陽系の外に向けて猛烈な勢いで飛び去っていきました。
そこまで詳しいことは地球にいる戦士たちには分からなかったが、
ただ1人、奇妙な戦士がその192個の光が飛び去っていくのを、
なんと土星のあたりの宇宙空間に浮かんで見守っていました。

それは全身真っ赤な戦士で、その顔がスクリーンに大写しになると、それはアカレッドでした。
アカレッドはこの映画ではこの1シーンしか登場しませんが、
宇宙空間に浮かんでいるとは人間技ではありません。

アカレッドはこの「ゴーカイジャー」の物語の中では赤き海賊団の元船長で、
マーベラスを海賊の仲間に誘った人物であり、
マーベラスやバスコと共に宇宙を旅してレンジャーキーを集めて
「宇宙最大のお宝」を手に入れようとしていたのであり、
バスコの裏切りによって赤き海賊団が壊滅した際に、マーベラスを守るために死んだとされている人物ですが、
もともとアカレッドというキャラはスーパー戦隊シリーズにおいては
「ボウケンジャーVSスーパー戦隊」に登場する歴代レッド戦士の想いが生んだ精神生命体のような
存在という設定になっており、この宇宙空間に浮かぶアカレッドはこの後者の方のイメージに近い。

しかしここは「ゴーカイジャー」の物語世界ですから、
アカレッドは赤き海賊団の元船長でもあるはずです。
すなわち、赤き海賊団の元船長のアカレッドは実は不死の精神生命体であるかもしれないのです。

さて、まぁしかし、このレジェンド大戦終結時点に地上に居た192人の戦士たちは
土星のあたりに浮かんでいたアカレッドのことを知る者など誰ひとりおらず、
とにかく自分達の戦う力は、消え去ったにせよ、宇宙に散ったにせよ、
もはや手の届かないところにそれが去っていってしまったことには変わりはないと、皆思ったのでした。

アグリも試しに自分達の変身アイテムであるゴセイカードを取り出してみますが、
取り出したゴセイカードはアグリの手の中であっという間に雪が溶けるように消滅してしまいました。
アグリは愕然として「もう変身できねぇのか・・・俺たち・・・」と落ち込みます。
ハイドも「天装術も使えない・・・」と言って沈みます。

消滅したゴセイカードは変身のためだけのカードではなく、
1枚のゴセイカードにそれぞれの局面で様々な絵柄が浮かび上がって、
護星天使が使う様々な天装術を発動するカギにもなるのでした。
だからゴセイカードが消えてしまったということは、ゴセイジャーは変身できないだけではなく、
生身で様々な天装術を使うことも出来なくなってしまったということも意味するのです。
そうなれば、護星天使とはいっても、多少は身体能力が優れているだけで、
あまり普通の人間と大差ない存在となってしまいます。
アグリやハイドが落ち込むのも無理はありませんでした。
同じようにエリもモネも落ち込み、それを見て、明石も早輝も、千明も源太も落ち込みました。

とにかく変身出来ないのでは、これから地球や世界を守るために戦うことが出来なくなってしまうのです。
今までそのための力を使っていた彼らが突然、その力を失ったのです。
あの時はああするしかなくて無我夢中で力を放出したが、まさかこんなことになるとは予想もしていませんでした。
地球を守るために命を捨てる覚悟は出来ていたが、
戦う力だけを失い生き残るという結末は誰ひとり予想しておらず、
これから自分達は地球や世界に強大な悪による危機が迫った時、どうすればいいのだろうかと戸惑いました。

既に世界を守るために戦うことの価値を知ってしまった自分達は
戦う力が無いからといって見て見ぬフリをしてその事態に背を向けることはもはや出来ない。
しかし、戦う力を無くした自分達がいくら頑張っても、世界を救うことは出来ない。
結局は世界の危機を前にして自分の無力に苦しむことになる。
その苦しみを想像すると、いっそ戦う力を持ったまま戦死した方がマシだったようにすら思えてきます。

しかし、アラタだけは「でも・・・良かったんですよね・・・これで!」と言って、ニッコリ笑うのでした。
明石、早輝、千明、源太は意外そうにアラタの顔を見ます。
どうしてアラタが落ち込んでいないのか、不思議に思えたのでした。
いや、アラタも戦う力を無くしたことは辛く感じており、
将来の地球の危機に自分が戦うことが出来ないことも苦痛に感じていました。

しかし、それはあくまで個人的な問題に過ぎません。
とにかく今回、地球の危機が回避され、自分がそこで役に立つことが出来たことを
素直に喜ぶ気持ちの方が勝っていたのでした。
たとえ二度と戦うことが出来なくなったとしても、
今日、自分が地球を守ることが出来たことが素直に嬉しい。
アラタの気持ちはそういうシンプルなものでした。

その気持ちに素直に従ってアラタが「この星を・・・守ることが出来たんだから・・・!」と言うのを聞いて、
エリ、ハイド、アグリ、モネも頷き、微笑みます。
この星を守るということが自分達の使命です。
その使命を見事に果たしたのだから、こんなに誇らしいことはない。
そんな時に暗い顔などしていてはもったいない。
今は自分達が繋げた地球の未来を笑顔で祝福すべき時だと、ゴセイジャーの面々は思い直したのでした。

そうして立ち上がったゴセイジャーの面々を見て、
明石たちは彼らが確かに34番目のスーパー戦隊なのだと実感したのでした。
明石たちもずっと地球を守るために戦い続けてきたわけではない。
それぞれの戦いが一区切りしたら最前線からは退いてきました。
それでも悪の力は常に新たな勢力となって出現し、世界の平和を脅かしてきました。
が、そのたびにまた新たなスーパー戦隊が地球には現れて、世界の平和を守ってきたのです。
明石から見れば、目の前にいる早輝も、千明も源太もそうした頼もしい後輩たちでした。

そうして地球を守って未来に繋げていけば、
その繋げた未来にはきっと新たなスーパー戦隊が現れて未来の地球を守ってくれる。
今までスーパー戦隊はそうやって繋がってきて、それが34番目のゴセイジャーまで繋がってきたのです。
ならば、きっと、地球の運命が未来にさえ繋がれば、35番目のスーパー戦隊が地球に現れるはずです。
ということは、自分達の使命は、とにかく地球の運命を未来に繋げることに全力を尽くすことで良かったのです。

そういうシンプルな考え方でよかったのだと思い直して、
明石は「・・・そうだな!・・・これで地球の未来は守られたんだ・・・!」と笑顔で言います。
自分達は自分達に課された使命をしっかり果たした。
それは今は自分達にしか為し得ないことであった以上、戦う力を失ってでも、死んででも、
とにかく果たすべき使命であった。
それを果たしたのだから、何ら悔やむことはない。
晴れ晴れとした気持ちで喜ぶべきだと明石には思えました。

早輝も、千明も、源太も同じように思って微笑みます。
地球の未来を心配してクヨクヨする必要など無い。
きっと未来においてはまた新たに地球を守るための35番目のスーパー戦隊が現れるはずだからです。
自分達が戦う力を失ってまで全力で地球を守って未来を繋いだというのは、
つまりはそういう運命が待っているということなのだろうと納得し、明石たちは明るく笑い、
ゴセイジャーの面々も一緒に笑って、9人は自分達が守った平和な空を見上げ、
今日のこの空が、また未来の空に繋がっていくのだと思い、誇らしげに眺めるのでした。

ここでこの映画の序章となるレジェンド大戦の場面は終わり、
「ゴーカイジャー」のOPテーマの前にいつもかかっているBGMが流れ、
アラタ達が見上げた空からそのまま宇宙空間に舞台は移ります。

そこにはザンギャックの艦隊の姿があり、
ナレーションで「しかし、数年後、再び悪夢が訪れた!・・・新たなザンギャック艦隊が、地球を襲撃したのだ!」
と状況が説明されます。
結局、34のスーパー戦隊が戦う力を失ってまでして守った地球の平和は再び脅かされることとなり、
地球の未来の空には平和ではなく、再び侵略の魔の手が現れたのです。

このザンギャックの艦隊は、レジェンド大戦時の艦隊よりはかなり小規模な艦隊で、
旗艦は先端が二頭立ての馬のようになっているのが特徴的なギガントホースです。
すなわち、ワルズ・ギル率いる第二次地球侵略軍です。
ということは、これは「ゴーカイジャー」第1話の、
レジェンド大戦の数年後のワルズ・ギル軍襲来の場面ということになります。

そして宇宙空間にはもう1隻、赤い帆船型の宇宙戦艦の姿があり、
ナレーションは「だが、そんな時、宇宙に散らばった34のスーパー戦隊の力を受け継いでいたのは、
とんでもない奴らだった!」と続きます。

帆船型の宇宙戦艦は海賊船ゴーカイガレオンであり、
そこに乗り込んでいるのはマーベラス、ジョー、ルカ、ハカセ、アイムの5人組の海賊、マーベラス一味でした。
そして彼らが携えているレンジャーキーは、レジェンド大戦の時に宇宙に散らばった
34のスーパー戦隊の戦う力が姿を変えたものであり、
この宇宙海賊の5人組はこのレンジャーキーを使って、
地球に隠されているという「宇宙最大のお宝」を手に入れるために、
はるばる宇宙の彼方から地球にやって来た宇宙人なのです。

そして、彼ら5人は34の戦隊のレンジャーキーだけではなく、
ゴーカイジャーという未知の戦隊のレンジャーキーも所有しており、
これを使って「海賊戦隊ゴーカイジャー」と名乗るスーパー戦隊に酷似した戦士に変身して
戦うことが出来るのであり、
さらに34のスーパー戦隊のレンジャーキーを駆使して、
34のスーパー戦隊の戦士にも変身して戦うことが出来るという、とんでもない連中であったのでした。

しかし、なんといっても最もとんでもないことは、
このどう見ても35番目のスーパー戦隊としか思えない彼らが、
地球を守ることを目的とせず、地球にお宝探しに来ただけの、
地球に何の縁も無く、地球を守る義理の無い連中であったことでした。

地球にまた新たな危機が迫る中、新たに現れる35番目のスーパー戦隊が地球の未来を守るはずでした。
しかし、これではアラタや明石たちのレジェンド大戦終結時の
「未来に地球を守るための35番目のスーパー戦隊が現れるはず」という確信は、
外れてしまったかのように見えます。

ともあれ、ここで舞台は「ゴーカイジャー」第1話の
マーベラス一味がまだ地球に到着しておらず、ワルズ・ギル軍と遭遇する前の場面に繋がります。
ガレオンの船室でモバイレーツとレンジャーキーを用いて
「豪快チェンジ!!」と叫んで変身ポーズをとる5人、
そこに「ゴーカイジャー!ゴセイジャー!ス〜パ〜戦隊199ヒーロー大決戦!!」というタイトルコールが響く中、
今回の映画のタイトル文字が飛び込んできて、
ここからがこの映画の主役であるゴーカイジャーの活躍する本筋が始まることとなります。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 03:18 | Comment(1) | ゴーカイジャー ゴセイジャー199ヒーロー大決戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ゴーカイジャー ゴセイジャー 199ヒーロー大決戦 感想その3

映画冒頭のレジェンド大戦の場面が終わり、
「ゴーカイジャー」TV本編の第1話のマーベラス一味が地球にやってくる直前あたりと思しき場面の後、
この映画のオープニングタイトルが出て、
そしていよいよこの映画の主役ゴーカイジャーの活躍が始まる本編となりますが、
その最初はゴーカイジャーとザンギャック軍との戦闘シーンです。

「はああああ!!」と吼えて突進するゴーカイジャーに変身後姿のマーベラス達5人に向かい、
インサーンが「ゴーミン!」、バリゾーグが「ゆけ!」と命令してゴーミン部隊を差し向け、乱戦になります。
ここは地上の何処かの街角のようで、マーベラス達は既に地球に居ついている様子ですから、
タイトル前の第1話場面からは時間的に少し飛んでいるようです。
バリゾーグとインサーンが普通にマーベラス達と戦っていることから考えて、
時系列的には既にマーベラス達がバリゾーグやインサーンとの初対面を果たした後のことと思われます。

マーベラス達がバリゾーグと初めて会ったのが第11話で、インサーンと初めて会ったのが第14話ですから、
この映画の戦闘シーンは第14話以降と考えられます。
第14話というと、5月22日放送のエピソードであり、
この映画の公開が6月11日で話数的には第16話の放送後のエピソードですから、
少なくともこの場面は現実世界での映画公開日にごく近い、
マーベラス達が地球に居つくようになってから3ヶ月以上は経った時期の場面ということになります。

つまり、第1話で「宇宙最大のお宝」を探しに地球にやって来たマーベラス一味が、
第3話で元マジレッドの小津魁から34のスーパー戦隊の大いなる力を引き出せば「宇宙最大のお宝」を
手に入れることが出来るという話を聞き、着実に大いなる力を集めながら、
ザンギャック軍との抗争も続けるという日々を送って、はや3ヶ月以上経過しているわけです。

ここの場面では、マーベラス一味の5人それぞれの、いかにもそのキャラらしいアクションを見せながら、
ルカが「・・・ったく!いちいち相手させないでっての!」と文句を言い、
アイムが「そうです!私達はこの星でお宝探しをしたいだけなのですから!」と補足することによって、
マーベラス一味のこの時点での地球との関わり方のスタンスを映画を見ている人に知らしめています。
マーベラス一味にとっては、あくまでお宝探しがメインの目的なのであって、
いちいちザンギャックと戦うのは余計な手間なのです。

しかし、アイムが「はっ!」と掛け声をあげて撃った銃弾を剣で弾き落としてバリゾーグは
「勝手に絡んでおいてほざくな!」と言い返します。
つまり、この喧嘩はマーベラス一味の方から売った喧嘩なのです。

マーベラス達は宇宙を支配するザンギャック帝国に逆らって夢を追って宇宙を自由に旅する海賊なので、
ザンギャックからは賞金首のお尋ね者として追われる身であり、
ザンギャックの官憲や賞金稼ぎが襲ってきたら自分の身を守るために戦わなければならない。
また、宇宙のあちこちに軍を駐留させているザンギャックはマーベラス達のお宝探しの邪魔となることも多いので、
マーベラス達はお宝探しの一環としてザンギャック軍を襲うこともしばしばあります。
また、マーベラス達も生活していかねばならないので、
ザンギャック軍の施設を襲って物資を奪うことも無いこともないでしょう。

そういう感じで確かにマーベラス一味とザンギャック軍とは抗争関係にあるのですが、
地球に来てからのマーベラス一味の行動を振り返ってみると、
マーベラス達はザンギャック側から襲われたわけでもなく、宝探しと関係があるわけでもなく、
物資を奪うという目的もなく、特に何も関係ないのに、
地球征服作戦を遂行中のザンギャック軍に喧嘩を売ることが多々あります。

今回の場合もマーベラス達が勝手に絡んできたことをバリゾーグが憤慨しているところを見ると、
普通に地球征服のための何らかの作戦を実行しようとしていたところ、
いきなりワケも分からずマーベラス一味に喧嘩を売られたようです。
これはマーベラス達がもともとザンギャックが大嫌いで、
特にザンギャックが弱い者を苛めているのを見るのが気に食わないので喧嘩を吹っかけているようです。

「気に入らない物はぶっ潰す、それが海賊ってもんだ」というのがマーベラス一味のポリシーなのです。
この根底には優しさがあるのですが、彼らの言動が基本的に粗野なので、
ただ単に喧嘩好きの乱暴者のようにも見えます。
つまり、お宝探し目的で地球にやって来た乱暴者の宇宙海賊が感情の赴くままに
ザンギャックと喧嘩に明け暮れているという、一般市民から見ればヤクザ同士の抗争を見るような
迷惑な存在とも映る、それがマーベラス一味の現在の印象というところでしょう。

なお、ザンギャックの幹部バリゾーグはマーベラス一味の一員で元ザンギャックの脱走兵であるジョーの
かつてのザンギャック軍時代の先輩シドの改造された姿なのですが、
ジョーは第12話でそのことはもう吹っ切っているので、特に今回は何も因縁めいた描写も無く、
ジョーはバリゾーグを単なる敵として見ています。

さて戦闘の方は「そうよ・・・うるさいハエども・・・ゴーミン!」とインサーンは新手のゴーミン部隊を繰り出し、
マーベラス達を砲撃させます。
「フン・・・そう来たか!」とジョーはバックルから青いレンジャーキーを出し、
5人は「豪快チェンジ!!」と、ゴーオンジャーに多段変身します。

マーベラスがゴーオンレッド、ジョーがゴーオンブルー、ルカがゴーオンイエロー、
ハカセがゴーオングリーン、アイムがゴーオンブラックに変身し、
そしてゴーオンジャー特有の高速移動で前方にダッシュし、
ゴーミンの発射した砲弾をかわして逆にゴーミン達を薙ぎ倒してから元の位置に戻ります。

そうして後ろ向きになったマーベラス達に向けて残りのゴーミン達が突っ込みますが、
マーベラス達は今度はそのまま「豪快チェンジ!!」とダイナマンに変身し、
全体名乗りの決めポーズで「大!爆発!!」とコールします。
するとマーベラス達の背後でダイナマン恒例の名乗り時の大爆発が起きて、
それに巻き込まれたゴーミン達は全滅してしまうという大惨事が発生。

この名乗り時の爆発というのは、あくまでイメージ演出のはずなのですが、
それをそのままリアルな武器にしてしまうという、なんともメタな反則技といえます。
確かにこれはスーパーダイナマイトよりも破壊力があるかも。
ちょっと笑えるシーンですが、ここでマーベラスはダイナレッド、ジョーはダイナブルー、
ルカはダイナイエロー、ハカセはダイナブラック、アイムはダイナピンクに変身しており、
今回のダイナマンのアクションはこの反則技だけです。

ここはテンポよく多段変身アクションを見せなければいけません。
何故なら、ゴーカイジャーといえば歴代戦隊への多段変身アクションが売りですが、
今回の映画では、この多段変身アクションの見せ場がこの最初の戦闘シーンしかないからです。

そして、この快調に歴代戦隊に変身して戦うマーベラス達に建物の陰から秘かに忍び寄る
謎の2人組の姿が一瞬映りますが、ここではそれが誰なのか、足元しか映らないのでよく分かりません。

さて爆発に一瞬怯んだバリゾーグは「ならば・・・スゴーミン!」と、今度は下士官兵のスゴーミンを3人呼び出し、
マーベラス達を攻撃させます。
「次々いっちゃう?」とハカセは余裕綽綽で、マーベラス達は「豪快チェンジ!!」と、
初披露のファイブマンへの多段変身を見せます。
マーベラスがファイブレッド、ジョーがファイブブルー、ルカがファイブイエロー、
ハカセがファイブブラック、アイムがファイブピンクに変身します。

TV本編で登場済みなので短いシーンだったゴーオンジャーやダイナマンと違って
今回初登場となるファイブマンはそれなりに詳しく描写され、
ここではそれぞれの個人武器をフィーチャーした合体技のブラザーアタックが披露されます。
なお、どうしてブラザーアタックという名なのかというと、ファイブマンのオリジナル戦士の5人は兄妹だからです。

この技は各自の個人武器による攻撃を連続して決めるというコンビネーション攻撃です。
まずジョーがスゴーミンにファイブブルーの鉄アレイ型の個人武器のツインアレイを炸裂させ、
次いでハカセがファイブブラックのナックル型個人武器のパワーカッターをお見舞いし、
更にアイムがファイブピンクのフェンシングのフルーレ状の個人武器のキューティーサークルで斬りつけ、
ルカがファイブイエローのタクト状の個人武器のメロディタクトを叩きつけます。
そして最後はマーベラスがファイブレッドの剣型の個人武器のVソードを使った必殺技、
Vソードアタックでスゴーミン達を葬り去ったのでした。
なお、このブラザーアタックは前期バージョンとは連係の順番が違っており、
ほぼ最後のVソードアタックの前はほぼ一斉に攻撃を加える後期バージョンであるようです。

スゴーミンまでも撃破して「へっ!」と得意そうなマーベラスに対し、
インサーンは悔しげに「くうっ・・・まだまだよ!ゴーミン!」と、また新手のゴーミン部隊を繰り出してきます。
今日はかなりザンギャックもしつこい。
さすがに幹部2人が出張ってきているだけあって、さぞや大切な作戦だったのでしょうが、
マーベラス一味に遭遇したのが運のツキだったようです。

あまりにザンギャックがしつこいので、そろそろ嫌気がさしてきたマーベラスは
「面倒だ!天装術で一気にふっ飛ばすぞ!」と提案し、
「はい!」「そうだな」「異議なし!」「よし!」と一同も賛成、
ここで5人はゴセイジャーのレンジャーキーを各自1つずつ取出し、モバイレーツに挿すために掲げます。
その瞬間、さっき建物の陰でマーベラス達に秘かに接近していた2人組が一斉に飛び出し、
マーベラス達5人の前を「はっ!!」と叫んで横っ飛びしながら、
瞬時にマーベラス達の持つ5つのゴセイジャーのレンジャーキーを奪い取っていったのでした。

あまりに予想外の出来事に呆気にとられてマーベラス達は自分達の前を飛び抜けていった2人組を見ます。
マーベラス達と対峙していたバリゾーグとインサーンも唖然とし、戦いは止まってしまいました。
マーベラス達の視線の先、着地して得意げな顔で奪い取ったゴセイジャーのレンジャーキーを掲げるその2人組は、
元ゴセイジャーのゴセイブラックのアグリと、ゴセイイエローのモネの、ランディック族の兄妹でした。

しかしマーベラス達はこの初対面の2人のことを知るはずもなく、
ただの泥棒と思い「なんだ!?てめぇら!」と、ゴーカイジャーの姿に戻って怒鳴りつけます。
すると何処からかアラタ、エリ、ハイドの3人も出てきて、アグリとモネと共に並び立ち、
マーベラス達と向き合う形となり、アグリはマーベラスに向かってレンジャーキーを掲げてみせて
「こいつの力の本当の持ち主だ・・・!」と回答し、アラタ達に各自のレンジャーキーを渡していきます。

どうやらアラタ達、元ゴセイジャーの5人は自分達の力の封じられたレンジャーキーを奪い取るために
マーベラス達に隠れてくっついて回っていたようです。
奪い取るチャンスはマーベラス達が変身するためにゴセイジャーのレンジャーキーを取り出した瞬間だけだと見て、
根気強く待っていたのでしょう。
もしかしたら結構以前から隠れてくっついていたのかもしれませんが、
この後の言動から推察するに、マーベラス一味に対する理解は浅いようですから、
アラタ達がマーベラス達を追い回すようになってから、そんなに日数は経過していないようです。
たまたますぐにゴセイジャーのレンジャーキーをマーベラス達が取り出して、チャンス到来となったようです。

一方、まんまと奪われた側のマーベラス達は、ただの泥棒かと思ったらレンジャーキーの力の持ち主、
つまり本物のレジェンド戦士だと名乗られて驚きます。
ジョーも「なんだと!?」と意外な展開に驚きの声を上げましたが、
今まで会ったレジェンド戦士の中でレンジャーキーを盗もうとした者などさすがにいなかったので、
にわかには信じられませんでした。

しかし、アラタはゴセイレッドのレンジャーキーを手にして人形型に戻すと、
「悪いけど・・・返してもらうね!」と言って身体の前に掲げます。
するとレンジャーキーが赤く発光してきたのです。
他の4人も同様にして、アラタ達5人の手にしたレンジャーキーは光を発し、
それを見て嬉しそうに微笑んだアラタは「星を護る・・・護星天使の力!」と言いながら、
アラタたち5人はその発光したレンジャーキーを自分の胸に当てます。

するとレンジャーキーは各自の身体に吸収されていき、5人の身体はそれぞれのパーソナルカラーの光を帯びた後、
一瞬、天使の羽根のようなオーラが広がり、一際激しく白い光を発しました。
その光の眩しさにマーベラス達は「うわっ!?」と目を覆い、光が収まると、
そこにはゴセイジャーの姿に変身したアラタ達5人が立っていたのでした。

アラタ達も本当にこの方法で元に戻れるのかどうか半信半疑だったようで、
ゴセイジャーの姿になった自分達の状況を確認すると安堵したような様子となり、
エリは「やっと元に戻れたね!」と大喜び、モネは「よっしゃあ!」と気合を入れ、
ハイドは「これで使命が果たせる・・・!」と冷静に安堵した様子を見せます。

一方、歓喜するゴセイジャー側とは対照的に、ゴーカイジャー側は唖然としています。
ハカセは「うそぉ!?レンジャーキーだけで?」と驚き「はい・・・」とアイムも呆気にとられます。
レンジャーキーをモバイレーツに挿せば誰でも変身は出来るが、
レンジャーキーだけで変身することはマーベラス達にも出来ない。
そんなことが可能だとはマーベラス達は想像したこともありませんでした。

その本来は不可能なことが出来る者がいるとすれば、
それはもともとレンジャーキーを生み出した源となった存在、
つまり、その持つ戦う力をレンジャーキーの姿に変えられたという、
歴代34のレジェンド戦隊という連中しか有り得ないだろうと思い、
ルカは「本当に本物のゴセイジャー・・・ってこと?」と首を傾げながら、隣に立つジョーに肘打ちを繰り出す。
いつもはルカの肘打ちを喰らうようなことは無いジョーだが、あまりの出来事に呆気にとられて、
今なら肘打ちが決まるかと思ったルカでしたが、ジョーはやはり簡単には肘打ちは喰らわず、
前を向いたままルカの肘を掌で止めながら「・・・らしいな」と言います。

ただの泥棒がレジェンド戦隊のフリをしているのかと思っていたが、
どうやらこんなことまでやってのけるということは、本物のゴセイジャーと認めざるを得ない。
マーベラスも相手が本物のレジェンド戦士とは認識しましたが、
そのレジェンド戦士がいったいどうして泥棒のようなことをするのか、理解出来ませんでした。

一方、ルカがゴセイジャーと言っているのを聞いて、
インサーンはそれがかつてレジェンド大戦でザンギャックの侵略に刃向った34のスーパー戦隊の1つだと気付き
「今さらなんでそんな奴らが!?・・・ゴーミン!撃て!」と、アラタ達を狙ってゴーミンに砲撃をさせます。
これに対してアラタはテンソウダーにゴセイカードを装填して
「ディフェンストームカード!天装!」と叫び、風の壁を発生させてゴーミンの撃った砲弾を防ぎ、
更に残り4人もテンソウダーにゴセイカードを装填して「天装!!」と叫び、
それぞれの種族設定に合せて、竜巻、岩、水流を発生させてゴーミン達に反撃し、
一瞬でゴーミン達を全滅させたのでした。

「くっ・・・兵が尽きた・・・!」とバリゾーグは悔しそうに呻きます。
連れてきていたゴーミン達はこれで最後だったようです。
ゴーカイジャーだけでも厄介なのに、ゴセイジャーという別口の敵まで現れて、
不確定要素が多すぎると思ったインサーンはひとまずここは撤退を決断し、
「覚えてなさい!」と捨てゼリフを残して、バリゾーグと共に姿を消しました。

こうしてザンギャックが姿を消し、この場にはゴーカイジャーとゴセイジャーだけが残されることとなり、
一瞬、変な沈黙が流れますが、
その沈黙はすぐにマーベラスの「余興は終わりだ!レンジャーキーを返せ!」というセリフで破られました。
マーベラスとしては、とにかく奪われたレンジャーキーを取り戻さなければいけません。
ゴセイジャーの5人組がいったいどういうつもりか知らないが、
マーベラスとしては目の前でコソ泥のような真似をされて黙っていられるはずがありません。

これに対してモネはレンジャーキーを返せと言われたことに激しく反発して
「は!?・・・この力はもともと私たちの力なのよ!」とキレてマーベラスにつかみかかろうとするので、
アラタとハイドが慌てて止めます。

しかし、レジェンド戦士はレンジャーキーを使えばレジェンド大戦以前のように変身して戦うことが出来るというのは、
ここで初めて明らかになった設定といえます。
第11話で登場した元姫シンケンレッドの志葉薫がマーベラス達からレンジャーキーを取り戻そうとしていたのも、
この設定を知っていたからでしょう。

しかし、薫も結局はマーベラス達にレンジャーキーを託し、
他のこれまでに登場したレジェンド戦士達も、最初からレンジャーキーを取り戻そうとはしていませんでした。
つまり、レンジャーキーを取り戻せば昔のように戦えるということが分かっていながら、
それでもあえて、どういう理由かは不明だが、マーベラス達にレンジャーキーを預けておく方がいいと、
彼らは思っているようです。
ただ、ゴセイジャーはそういう考えではないようです。
だからレンジャーキーを強奪したのです。

確かにレンジャーキーの中にあるゴセイジャーの戦う力はもともとはゴセイジャーのものです。
しかし、レンジャーキーそのものはゴーカイジャーの所有物であるのも、これもまた事実なのです。
だから、この場合、言っていることとしては、マーベラスの言っていることも正論だが、
モネの言っていることも正論であり、どちらが正しいのか、かなり微妙です。
レンジャーキーがどちらの所有物か決めるのは、結構難しいのです。

ただ、1つ確かなことは、こうした微妙な問題の解決を図るためには、
双方が納得のいく形で決着をつける必要があるということです。
例えば第11話の志葉薫が真正面から勝負を挑んできたのも、
戦って負けるような弱い者にはレンジャーキーを持つ資格は無いという、
まぁかなりシンプルではありますが、それなりに納得のいく決着方法ではあったと思います。

だから、今回のゴセイジャー側の、いきなりレンジャーキーを掠め取るようなやり方では、
このままマーベラス達が納得して引き下がれるはずもなく、
むしろそんな卑怯なことをすることによって、逆にゴセイジャーはゴーカイジャーによって見下されてしまい、
ゴーカイジャー側は一切妥協しない態度に出る可能性が高くなります。
つまり、ゴセイジャー側の不意打ちのような卑怯なやり方は、むしろ事態をこじれさせているといえます。

しかし、事態がこじれることが分かっていて、それでもモネは全く悪びれた様子は無い。
かといってモネがもともと他人の持ち物を盗むことに何の罪悪感も抱かない人間であるわけではない。
泥棒がいけないことだということぐらいは分かっています。
それでも悪びれた様子が無いということは、モネはマーベラス達のことを、
卑怯なことしても罪悪感を抱く必要が無いような悪者だと思っているようです。
そして、マーベラス達と話し合うつもりなど最初から無いから、事態をこじれさせるような行動も平気で出来るのです。

そして、その行動はモネが独断でやっているわけではないのだから、
ゴセイジャーの総意として、ゴーカイジャーのことを悪者扱いして、
話し合いはするつもりもないという感じであるようです。
ただ、アラタとハイドがモネの暴走を止めているということは、
特に強くゴーカイジャーを敵視しているのはモネであり、アラタとハイドはそこまで極端ではないようです。

アラタはマーベラスの方に歩み寄って、申し訳なさそうに「こんなやり方して・・・ゴメン!」と言います。
モネの激しい態度を見て、自分達への激しい敵意を感じて不愉快そうにしていたゴーカイジャーの面々は、
アラタの声がやけに優しい調子なので一瞬、意外に感じました。
アラタはモネほどにはゴーカイジャーのことを悪者としては見ていないようです。
だから、今の自分達の泥棒のようなやり方が本来は人として間違っているのだということは認識しているようです。

ただ、そうはいっても、結局はモネやアグリと歩調を合わせた行動をとっている以上、
アラタもこのやり方を許容せざるを得ないとも思っているようです。
どうもアラタも心は揺れているようです。
ここでアラタは、マーベラスが怒っているのを見て、やはりさっきのやり方は酷すぎたと思い直したようで、
ここは努めて紳士的に交渉しようと思ったようです。
「・・・でも、君たち・・・ゴセイナイトのレンジャーキーも持ってるよね?・・・素直に出してくれない?」と優しい声で
問いかけたのでした。
横でエリも「そっ!」とアラタに調子を合わせて手を差し出します。

いきなり盗むようなやり方は良くなかったと思いつつも、
それでもアラタはマーベラスの要求するようにレンジャーキーを返すつもとは毛頭無いようです。
それどころか更にゴセイナイトのレンジャーキーまで渡すように要求しているのですから、
これはマーベラスから見れば、泥棒のクセにずいぶんとナメた態度です。

しかし、アラタ側にしてみれば、これはかなり紳士的態度なのです。
つまり、ゴセイジャー側の認識では基本的にゴーカイジャーはレンジャーキーを持つに値しない者という
評価が支配的であり、
そんな連中にゴセイジャーのレンジャーキーを持たせておくという選択肢は、
最も穏健派のアラタでさえ考えることは出来ないようです。

ただ、レンジャーキーを取り戻すのに交渉すらする必要は無いというのがモネやアグリの考え方であり、
アラタやエリ、そしてハイドは、まぁ交渉ぐらいはしてもいいだろうという考え方のようです。
しかもそういう考え方を明確に主張するのなら志葉薫ぐらいのスタンスといえますが、
結局はアラタにしてもハイドにしても、アグリ達のやり方に引きずられてしまったりしているのですから、
穏健派といってもかなりゴーカイジャーに対する視線は冷たいといえます。

それにしても、ここで「ゴセイナイトのレンジャーキー」という言葉がアラタの口から出てきて、
ふと気づいたのですが、そういえば、あのレジェンド大戦直後のアラタ達が目覚めたシーンに
ゴセイナイトはいませんでした。
あの時、アラタ達は変身能力を失っていたので人間態になっていたのですが、
共に戦っていたゴセイナイトもまた戦う力を放出したはずです。
しかしゴセイナイトは人間態はありません。常に変身した状態でした。
ならば戦う力を失ったらゴセイナイトはどうなってしまうのか?
もしかしたら姿が消えてしまうのかとも思えてきます。

実際、あのレジェンド大戦直後のシーンではゴセイジャーの6人のうち、ゴセイナイトだけが姿が見えなかったので、
なんだか心配になります。
が、アラタがゴセイナイトのレンジャーキーを返すよう要求しているところを見ると、
ゴセイナイトもまたアラタ達と同じように、レンジャーキーさえあれば元の姿に復活出来るようです。

ただ、アラタの言葉を聞いたゴーカイジャーのメンバーの反応は微妙でした。
「ゴセイナイト・・・?」「・・・ゴセイナイトですか・・・?」と口々に不思議そうに言って首を傾げます。
ジョーは「記憶に無いな・・・」と言います。
どうもマーベラス達は「ゴセイナイトのレンジャーキー」というもののことは知らないようです。
マーベラスも「・・・だとよ!」と回答します。
そんな知らないものを返せと言われても、返せるわけがない。

しかしアグリはゴーカイジャー側がゴセイナイトのレンジャーキーを返したくないから
知らないフリをしているのだと思い、「んなはずねぇだろ!」と怒鳴ります。
エリも、せっかく穏便に交渉しようとしたのに、その好意を裏切るようなマーベラス達の態度に失望して
「そうよ!星を浄める宿命の騎士よ!」と声を荒げ、手に持っていた物を前に突き出します。
すると、その小さな物体がいきなり「そうだ!知らないとは言わせない!」と厳しい口調で
マーベラス達を叱責したので、ハカセは驚いて「あああ!?喋ったああ!?」と、その物体を指さしました。

そのエリの手にした物体は、小型化したグランディオンヘッダーでしたが、
マーベラス達がそれが何なのか知る由はない。
そのグランディオンヘッダーの喋っている声は小西克幸氏の声、つまりゴセイナイトの声でした。
ゴセイナイトという戦士はもともと最強のゴセイヘッダーであったグランディオンヘッダーが超進化して
人間型戦士となったもので、レジェンド大戦で戦士として戦う力を失ったゴセイナイトは
グランディオンヘッダーの姿に戻って、しかも掌サイズに小型化していたようです。
まぁ確かに元の大きさのままならヘッダー形態でも十分に戦えてしまうので、
小さくならなければ「戦う力を失った」という状態にはなりません。

この怪しげな喋る物体に面食らったマーベラスでしたが、
それでも「ゴセイナイト」という名のレンジャーキーについて、知らないものは知らない。
「・・・知らねぇっての!」と吐き捨てると、
何だかレンジャーキーを盗んだクセに偉そうに意味の分からない要求ばかりしてくるゴセイジャー達に腹が立ってきて、
「どうやら本物のゴセイジャーらしいが、俺たちのレンジャーキーを盗んでいいのか?」と言い返します。

そもそも本物のレジェンド戦士たちならば、確かこの星の人々に尊敬されているヒーローのはずです。
レンジャーキーの中にある戦う力は確かにもともとはゴセイジャーのものかもしれないが、
何も悪いことをしたわけでもない自分達からレンジャーキーを盗む行為というのは、
この星のヒーローとしては一体どうなんだとマーベラスは思いました。
ルカも同調して「そうよ!この泥棒天使!」と悪態をつきます。
さっきアラタが自分達のことを「天使」だと言っていたのを聞いていたルカは、
天使と名乗りながら泥棒をするゴセイジャーの行為の矛盾をからかったのでした。

これを聞いてモネがカチンときたようで「ちょっとぉ〜!」と激昂します。
護星天使というものに誇りを持っているゴセイジャー達には、それを侮辱されるのは許し難い。
まぁ実際、天使にあるまじき泥棒行為を行っているのはモネ達自身なのですが、
モネもそのことは分かっているだけに、そこを指摘されると痛いようです。
ただ、だからといって悪びれることはありません。

さっきもマーベラス達は「この星には宝探しに来ただけ」と言いながらレンジャーキーを使って戦っていましたが、
それに対してゴセイジャー側は怒りを感じているようです。
レンジャーキーの力は地球を守るために使うべきものであり、
宝探しなどという個人的な欲望のために使うべきではない。
しかし海賊というのは宝探しをするものであって地球を守ったりはしない。
だから海賊にレンジャーキーの正しい使い方を説いたところで無意味です。

ならば、そもそも海賊がレンジャーキーを持っていること自体が間違いなのだ。
だから取り戻さなければならないが、海賊に返せと言っても大人しく返すはずもない。
だったら無理矢理奪い返すしかないが、変身できない状態で正面から戦っても奪い返すのは難しい。
そこで屈辱的なコソ泥のような真似をしなければならなかったことに、
特に戦士のプライドの高いランディック族のアグリとモネは腹立たしい想いをしていました。
もともと海賊がレンジャーキーを持っているという予想外の事態のせいでこんな羽目になったのだと、
少々八つ当たり気味にランディック兄妹は憤慨していました。
そして、海賊のクセにレンジャーキーを持っているということは、
そもそも海賊なのだから不正な方法で盗んだのではないのかと疑ってもいました。

だから、その海賊に泥棒呼ばわりされてアグリも遂にキレて
「この海賊野郎!言わせておけば!てめぇらなぁ・・・!」と前に出て、マーベラス達に掴みかかろうとします。
それをアラタが「待って!・・・アグリ、落ち着いて!」と必死に縋りついて制止します。

侮辱を受けてアグリが腹を立てる気持ちはアラタも理解は出来ます。
それにアラタはマーベラス達がゴセイナイトのレンジャーキーも持っているはずだと思っています。
マーベラス達は全てのレンジャーキーが揃ったから地球に来たのだろうとアラタ達は思っているのです。
だから、アラタ達から見ればさっきからマーベラス達はゴセイナイトのレンジャーキーを返したくないから
しらばっくれているように見えるのであり、その白々しい態度には怒りを覚えていました。
そういうこともあってアグリやモネはキレているのですが、
それでもアラタはなんとか穏便に事態を解決したいと思っているようです。

アラタ達は自分達はレジェンド大戦で地球を守ることと引き換えに戦う力を失い、
地球の危機を救うために戦うことは出来なくなったが、
きっと次に地球が危機に陥れば35番目のスーパー戦隊が現れて地球を守るために戦ってくれると信じていました。
そう信じるからこそ、自分達がレジェンド大戦で戦う力を失って地球を守って未来に引き継いだ意義があったと
思うことが出来たのです。

しかしザンギャックが再び地球を侵略してきた時、アラタ達の期待したような35番目のスーパー戦隊は現れなかった。
一瞬35番目のスーパー戦隊なのかと思われたゴーカイジャーは、実は地球にお宝探しにやって来ただけの宇宙海賊で、
しかもアラタ達スーパー戦隊の戦士たちの戦う力を使ってお宝探しをしている。
期待を大きく裏切られたアラタ達は落胆しました。

この再び訪れた地球の危機に際して、地球を守るために戦う戦隊が不在なのです。
ゴーカイジャーもザンギャックと戦っているが、
彼らは単に宝探しに邪魔なザンギャックを排除するために戦っているだけであり、地球を守る意思など無い。
ならば自分達が戦う力を取り戻してザンギャックと戦うしかない。
ゴセイジャーの面々はそのように思いつめ、マーベラス達からレンジャーキーを取り戻そうと考えました。
アグリ達は海賊と問答しても仕方ないので強引に奪い返すしかないと主張しましたが、
ただアラタだけは一度ちゃんとマーベラス達と話し合うべきだと主張しました。

アラタは他の戦隊の動向がちょっと引っ掛かっていたのでした。
他の先輩戦隊たちもマーベラス達の振る舞いを見れば、
自分達同様にレンジャーキーを取り戻そうとするはずだとアラタは考えていました。
ところが実際はレンジャーキーを取り戻そうというアクションを起こした戦隊はほとんど無く、
シンケンジャーだけが取り戻そうとしたが、結局はマーベラス達にレンジャーキーを預けることを決めて、
更には「大いなる力」まで渡したといいます。
そして他にもマジレンジャー、デカレンジャー、ゲキレンジャー、ガオレンジャー、カーレンジャーが
マーベラス達に直接会って「大いなる力」を渡したらしいのです。

これはいったいどうしてだろうかとアラタは考え、
もしかしたらマーベラス達は地球を守るために戦う35番目のスーパー戦隊になり得るのではないかと思いました。
少なくともマーベラス達に「大いなる力」を渡した先輩戦隊たちはそのように考えたのではないかと思えました。
噂に聞くのと直接会うのとではだいぶ印象が違うのかもしれないと考えたアラタは
とにかく少しマーベラス一味を観察してみようと提案し、ここ数日、アラタ達はマーベラス達を観察していました。
ところがやはりマーベラス達はお宝探しのことしか頭に無いような感じに見受けられて、アラタ達は失望し、
やはり自分達がレンジャーキーを取り戻して戦うしかないという結論に至ったのでした。

アラタはもしかしたらマーベラス達が地球を守るために戦ってくれるのかもしれないという
淡い期待が裏切られて落胆しましたが、
それでも幾つかの先輩戦隊たちがマーベラス達を信用したという事実を鑑みて、
取り戻すレンジャーキーは自分達ゴセイジャーの分だけとすることにしました。
そして、先輩戦隊たちが信用したぐらいだから、話し合いぐらいは出来る相手なのだろうと思っていたので、
ちゃんと地球を守るためにどうしても必要な力なのだと誠意をもって事情を説明すればいいと思って、
最後まで穏便な解決法を主張していたのですが、他のメンバーは賛同してくれず、
結局は多数決でアグリ達の提案した強奪作戦が決定し、アラタも不本意ながら従っていたのです。

しかし、作戦決行の結果ゴセイナイトのレンジャーキーだけは強奪することが出来なかった以上、
こうなったら非礼を詫びて事情を説明してゴセイナイトのレンジャーキーを返してもらうべきだとアラタは思いました。
アグリのように喧嘩腰ではマーベラス達も頑なになるばかりであり、
ちゃんと話し合えば先輩戦隊のようにマーベラス達と分かり合えるはずだと
アラタはまだ信じる気持ちはあったのでした。
それでアラタは前に進み出て
「一緒に戦ってくれとは言わない・・・ただ、俺たちの力だけは全部返してほしい!
・・・今、この星を護るための力なんだ!」とマーベラス達に向かって真摯な態度で懇願したのでした。

ところがマーベラスはそのアラタの言葉を聞いて余計に腹を立ててしまいました。
マーベラスは本当に「ゴセイナイトのレンジャーキー」などというものは知らないのです。
だから正直に「知らない」と答えているのに、
ゴセイジャーの5つのレンジャーキーを奪ったアラタが
まだゴセイジャーのレンジャーキーを返せと言ってくるということは、
その「ゴセイナイトのレンジャーキー」というものをあくまで返すよう要求してきているということです。

つまり、マーベラス達が「ゴセイナイトのレンジャーキーなど知らない」と言っているのを
嘘だと決めつけているということです。
マーベラスは嘘はつかないことを誇りとしている男ですから、このアラタ達の態度には怒りを感じました。
天使だかスーパー戦隊だか知らないが、
自分達のことを海賊だからといってどうせ嘘つきなんだろうと決めつけているように見えて、
マーベラスは気に入りませんでした。
そう考えるとマーベラスもいい加減アラタ達と喋るのも不快になってきて、
キッパリと強い口調で「断る!」と言い返します。

アラタは真摯な懇願をキッパリ拒絶されてしまい「ええ!?」と驚きました。
マーベラスはもはや問答無用の様子で、アラタに近づくと
「俺たちにとっては宇宙最大のお宝を手に入れるのに必要な力だ!・・・ぜってぇに譲れねぇなぁ!」と凄んで
アラタの顔を睨みつけます。
もう完全に喧嘩腰で、交渉は完璧に決裂です。

アラタはいくらマーベラス達が宇宙海賊でも話し合いぐらいは出来るだろうと信じていただけに、
このマーベラスの対応にはガッカリして、
やはりアグリ達の言うように戦って奪い取るしかないのかと心底残念に思いました。
そもそもこんな無法者たちを信じて「大いなる力」を渡した先輩戦隊の想いはどうなるのかと、
アラタは目の前が真っ暗になる想いでした。
マーベラス達の振る舞いはその先輩戦隊たちの想いをも裏切っていると思うと
アラタの心の底から激しい怒りが湧きあがってきて、「・・・だったら・・・!」と俯くとアラタは拳を握り、
いきなりマーベラスに殴り掛かってしまいました。

この拳を受け止めたマーベラスは「力づくってか!?・・・おもしれぇじゃねぇか!!」と、
こっちももう既にアラタ達のことが気に入らないので喧嘩する気満々で、アラタを思いっきり蹴り飛ばします。
そうして転がるアラタを見て、エリたち他のゴセイジャー4人は「アラタ!」と駆け寄り、
マーベラスをキッと睨み、身構えます。

エリ達はもともとマーベラス達と話し合っても仕方ないと思っていましたが、
アラタがどうしても話し合いたいと言っていたので、この場もアラタの優しさに敬意を表して、
アラタに説得を任せていたのです。
ところがそのアラタの誠意を踏み躙るようなマーベラスの態度ですから、
激しく怒ったエリ達はもう戦うしかないと決意しました。

一方、ジョーたち他のゴーカイジャーの面々も、
さっきからのアラタ達の海賊を嘘つきと決めつけるような高慢な態度に心底腹が立っていたので、
マーベラスが口火を切ってくれたのを待ちかねたように、前に出てきて喧嘩を始める態勢に入ります。
そして、見るからに手強そうな本物のゴセイジャーを相手に、
ジョー達4人はぬかりなく「はっ!!」と武器を宙に放り上げて、
それぞれ最も得意な二刀流と二丁拳銃のスタイルになって構えます。
それに対してゴセイジャーの5人はテンソウダーにゴセイウェポンカードを入れて「天装!!」と叫び、
それぞれの個人武器を取り出して構えます。

そうして「はあああ!!」と両者は激突し、遂に戦隊同士の大喧嘩が始まってしまいました。
ここで戦闘はこうしたVSシリーズ恒例の同じ色同士の戦闘となります。
ゴーカイブルーのジョーと戦うのはゴセイブルーのハイドで、
ジョーの振り回す二刀のゴーカイサーベルを個人武器のシーイックボウガンで捌きつつ戦っていたハイドは、
さっとジョーとの間に距離をとると、「ブルーチェック!」と上空に向けてシーイックボウガンから
多数の光の矢を放ちます。
この光の矢はハイドの意思で軌道を操作できるので、
空中で軌道を変えて光の矢は全部ジョー目がけて落ちてきます。

これをジョーは二刀のゴーカイサーベルを振り回してなんとか全部叩き落とし、
ハイドの予想以上に激しい攻撃力に「・・・やるな・・・!」と唸ります。
ジョーもゴセイブルーに豪快チェンジして戦ったこともあるのでしょうけれど、
いつも自分が変身しているだけに、ゴセイブルーの攻撃というのは受けたことがありません。
だからゴセイブルーの攻撃がこれほど激しいものとは、今まで実感していなかったのかもしれません。

いやジョーぐらいの実力者ならば、自分が変身したゴセイブルーの力がどの程度のものかは、
攻撃を受けなくても分かっているでしょう。
おそらく自分が変身したゴセイブルーよりも本物のゴセイブルーは更に強いということを攻撃を受けてみて
実感したようです。

一方、ゴーカイグリーンのハカセは同じグリーン戦士がゴセイジャーにはいないので
ゴセイブラックのアグリと戦っています。
その両者の戦いは、アグリの大斧型の個人武器のランディングアックスによって
ハカセの持つ二丁のゴーカイガンが叩き落とされてしまい、ハカセは慌ててランディングアックスを掴み、
アグリの攻撃を防ごうとしますが、アグリは怪力を活かして「うおおおお!!」とアックスごとハカセを振り回し、
ハカセは必死でアックスを掴んだまま振り回されつつ近くの壁を走り、
着地するとアグリとアックスの奪い合いをします。

ハカセは手を離したら攻撃されると思って必死なのですが、
アグリはここでわざとアックスから手を離し、
ハカセはアックスを奪取するのを成功したはずが、超重量のアックスに「・・・重っ!?」と驚き、
ガクンと腕がアックスを持ったまま下がってしまいます。
そうしてガラ空きとなったハカセのボディに狙いすましたようにアグリがパンチを叩き込み、
吹っ飛ばされたハカセは二丁拳銃を拾って連射で反撃、これをアグリが連続回し蹴りで防ぎます。

そしてゴーカイピンクのアイムはゴセイピンクのエリと互角の戦いを繰り広げており、
至近距離でゴーカイガンとスカイックショットの相討ちで共に吹っ飛んだアイムとエリは、
「はああああ!!」と突進してキック技の応酬でも互角の動きを見せます。

その一方でゴーカイイエローのルカはゴセイイエローのモネに対して攻勢に出て
「ほぉらほらぁ!どう!?」と余裕の態度でゴーカイサーベルで攻撃しますが、
モネもランディッククローでそれを受け止めると、反撃に転じていきます。

どうも皆、互角の勝負となっているようで、
ゴーカイレッドのマーベラスもゴーカイガンの連射攻撃をかいくぐって突進してきたゴセイレッドのアラタの繰り出す
スカイックソードの斬撃をゴーカイサーベルで受け止めて、そこからは互角の斬り合いとなり、
遂には共に後方に退きます。

そうしてアラタを中心に集まったゴセイジャー5人は「ゴセイバスターだ!!」というアラタの号令のもと、
5人の個人武器を合体させはじめ、それを見てマーベラスも「こっちもいくぜぇ!!」と号令をかけ、
ゴーカイジャー5人も剣と銃でファイナルウェーブの準備に入ります。
そしてゴセイジャー側は合体必殺武器ゴセイバスターを組み上げて「ゴセイバスター!!」と構え、
ゴーカイジャー側は「ゴーカイスクランブル!!」と剣と銃にエネルギーを充填しながら気合いを入れます。
そしてゴセイジャー側は「バニッシュ!!」と叫んで決め技のゴセイダイナミックを発射、
ゴーカイジャー側は「おりゃあああ!!」と決め技のゴーカイスクランブルを発射し、
両者の真ん中でゴセイダイナミックとゴーカイスクランブルが真っ向から衝突し、
その威力は互角で、真ん中で1つの巨大な火の玉になって止まります。

ゴーカイスクランブルが止められたことなど経験が無いマーベラスは「・・・なんだと!?」と目を疑い、
アラタは「あああああ!!」と気合で押し込もうとして、結局は両者の真ん中でこの巨大な火の玉は爆発し、
ゴーカイジャーもゴセイジャーも「ぐあああっ!?」「うわあああっ!?」と双方とも、
全く反対方向に吹っ飛ばされてしまったのでした。

吹っ飛ばされたマーベラス達5人は変身解除してしまっており、
起き上がったハカセは「・・・結構、手強い奴らだったねぇ!」と感嘆します。
まさかゴーカイスクランブルまで止められるとは、さすがにレジェンド戦隊の1つだけはある。

マーベラス達は第15話と第16話のバスコとの戦いで
ラッパラッターを使って召喚された魂の無いレジェンド戦士の召喚体とは戦いました。
あれも手強かったが、それでも所詮は偽物ですからゴーカイジャーよりは弱かった。
しかし今回戦ったゴセイジャーは本物のレジェンド戦士が変身した本物でしたので、
やはり召喚体とは比べ物にならないぐらい強かったとハカセは思いました。

ルカはそのハカセに近寄ると「感心してる場合じゃないって!」とハカセの頭をポカリと叩きます。
確かにゴセイジャーは手強かった。
初めて本物のスーパー戦隊とまともに戦ったマーベラス達はその強さを実感しましたが、
今はそんなことを感心している場合ではない。
レンジャーキーを5つも奪われてしまったのです。
このままでは「宇宙最大のお宝」探しに重大な支障をきたしてしまうことをルカは危惧していました。

一方、アイムは一旦変身解除したことで少し冷静になり、
どうして喧嘩が始まってしまったのか思い返して、「ゴセイナイトがどうとか言ってましたけど・・・?」と呟いています。
話が決定的にこじれた原因はゴセイジャー達がゴセイナイトとかいう意味不明な話をして
勝手に怒り始めたからだったと思い出し、あれは一体何だったのだろうかとアイムは考え込みました。

しかしジョーは相手を倒しきれなかったのが悔しいようで、
「どうする?・・・俺はまだやれるが・・・?」と、やる気満々でマーベラスに
ゴセイジャー達を追撃するかどうか確認します。
もちろんジョーは追撃して今度こそゴセイジャーを倒して奪われたレンジャーキーを取り戻すつもりですが、
マーベラスは少し面白いことを思いついたように不敵に微笑むと
「・・・一旦、ガレオンに戻るか・・・」と決定を下しました。

一方、マーベラス達とは逆方向に吹っ飛ばされて変身解除したアラタ達5人も、
一旦態勢を整え直そうと退却しました。
とにかく5人分のレンジャーキーは取り戻したのですから成果は上々といえます。
しかしまだゴセイナイトのレンジャーキーだけが取り戻せていないことは憂慮すべきことでした。
皆そのことを想って、座り込んで視線を落とします。

そこにゴセイナイトの小型グランディオンヘッダーが飛びながら
「海賊たちは本当に私のレンジャーキーを知らないのだろうか?」と疑問を呈しました。
ゴセイナイトはマーベラス達の態度を見て、
もしかしたら本当に自分のレンジャーキーのことを知らないのではないかとも思ったのです。
もしそうであるならば、マーベラス達に返すよう迫っても徒労というもので、
自分のレンジャーキーだけはまだ宇宙空間を漂っているのではないかと、ゴセイナイトは少し不安になりました。

そのゴセイナイトを元気づけるようにアグリは「んなわけねぇだろう!・・・ぜってぇ持ってるはずだ!」と言い切ります。
とにかく何が何でもゴセイナイトのレンジャーキーも取り戻して、
以前のように6人で地球を守るために戦うのだという強い決意で皆の心は1つになっているのです。

そのはずなのですが、アラタだけ心ここにあらずという感じでいるので、エリは不審に想い
「・・・アラタ?・・・どうしたの?」と尋ねました。
するとアラタは顔を歪めて「・・・話せば・・・分かってくれると思ってた・・・たとえ、違う星の人間でも・・・!」と
残念そうにこぼすのでした。

一番穏便に解決しようとしていたはずの自分が、
結局さっきはついカッとなって自ら率先して喧嘩の口火を切ってしまったことをアラタは恥じていました。
こうして冷静に返ってみると、自分は何をやっているんだと呆れてしまいます。
まだマーベラス達を信じたいという想いは心の奥にあったが、
それ以上に、マーベラス達を信じようとして頑張った挙句、その想いは結局相手には全く通じなかったことに
自嘲の想いを抱いてしまう。

「まだそんなこと言ってんの!?・・・無理だよ!あいつら海賊だもん!」と呆れるモネの言葉に
アラタも「・・・そうだね・・・!」と頷く他ない。
海賊だからとか、他の星の者だからとか、そんなことで話が通じないと決めつけるのは間違っているとは思うが、
実際にマーベラス達は信じても甲斐の無い相手だということは接してみてアラタにも分かりました。
この地球の非常時にこれ以上甘い綺麗事を言って良い人ぶっている場合ではない。
もうマーベラス達を信じたいという自分の本心は心の奥に蓋をして、皆と心を1つにして、
どんな手を使ってでもゴセイナイトのレンジャーキーを取り戻す。
そしてこの手で地球を守るんだと、アラタは改めて強い決意を自分に言い聞かせました。

そこにハイドがあくまで冷静に「しかも強い!・・・一筋縄ではいきそうにない」と口を挟みます。
ハイドはゴセイジャー一番の冷静なメンバーで、別に海賊だから悪者だと決めつけているわけでもなく、
好んでマーベラス達を争うつもりはなかったが、
やはりマーベラス達はゴセイナイトのレンジャーキーは持っているはずであり、それを隠していると見ていましたから、
強行手段で取り戻すのはやむを得ないと思っていました。

しかし戦ってみて、まさかゴセイダイナミックまで通用しないとは、ハイドも驚いていました。
あくまでゴセイナイトのレンジャーキーを返そうとしないマーベラス達は、アラタ達の想像以上に強かったのです。
このままでは膠着状態となってしまう。
しかしザンギャックの侵略が進行中の今、そんな悠長なことをやっている場合ではない。
早急にゴセイナイトのレンジャーキーを奪還しなければいけない。

「ゴセイナイトの力を取り戻すには・・・思い切ったやり方が必要だ!」と言うハイドの言葉に、アラタも頷きます。
しかし、まだ若干アラタの心の奥に、このままゴーカイジャーと全面対決するということに迷いもある。
その迷いを振り切ろうとするアラタの頭上に、
さっき痛み分けしたマーベラス達が退却していったと思われるゴーカイガレオンが
低空飛行で悠然と通り過ぎていきます。
それを見上げてアラタは思案にふけるのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 13:09 | Comment(0) | ゴーカイジャー ゴセイジャー199ヒーロー大決戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月30日

ゴーカイジャー ゴセイジャー 199ヒーロー大決戦 感想その4

さて一方、地球の外の宇宙空間に展開するザンギャック地球侵略軍の旗艦ギガントホースの司令室では
「おのれ!おのれ!おのれ!ゴーカイジャーどもめ!またしても俺の作戦を阻むとはぁ!!」と、
今回のバリゾーグとインサーンが出張っての作戦も結局ゴーカイジャーの邪魔で失敗してしまったようで、
毎度のごとく司令官ワルズ・ギルが怒り狂っています。

そのワルズ・ギルに向かって「すぐに新たな行動隊長を呼び寄せますか?ボス・・・」と
バリゾーグが新たな作戦を進めるかどうか伺いを立てます。
すると横からインサーンが「待って・・・新たに現れた5人が気になる・・・」と口を挟みました。
インサーンは突然現れたゴセイジャーのことが気になるようです。
「第一次侵略艦隊を全滅させたスーパー戦隊とやらが復活したのだとすると・・・」とインサーンは心配そうに言います。

ゴセイジャーという戦隊が地球の34のスーパー戦隊のうちの1つであることはインサーンは把握しているようで、
その34戦隊によって数年前にザンギャックの第一次地球侵略軍が撃破されたこともインサーンは把握しているようです。
そして、その34戦隊はもう地球にはいないようだということもザンギャック軍は把握しているようです。
だからこそ、第一次侵略軍よりもかなり小規模な第二次侵略軍を、
皇帝の息子というだけでとことん無能な司令官ワルズ・ギルのもとに組織して地球まで派遣してきているわけです。

ところが、ゴセイジャーの5人だけが復活したからといっても、34戦隊全てが復活したとは限らないが、
もし34戦隊全部が復活したとすると、話は全然違ってくる。
34戦隊の力は謎に包まれているが、とにかく今の第二次侵略軍では到底太刀打ち出来る相手ではないということになる。
そういうことをインサーンは危惧しており、ちょっと様子を見るべきかもしれないと言っているのですが、
ワルズ・ギルは「フン!バカな・・・!」とまともに取り合いません。

「たとえそうだとしても、同じ手を二度喰らう我々ではなぁい!!」とあまり根拠も無く自信満々なワルズ・ギルですが、
そこに司令室に参謀長のダマラスが入ってきて「殿下!我が艦隊に謎の闇が迫っております!」と妙な報告をします。
「なにぃ!?」と不審げに問い返すワルズ・ギルにダマラスは「・・・数多くの死人の気を感じます・・・!」と
ものものしい雰囲気で艦橋の前方に視線をやるのでした。
というか、ダマラスが「死人の気」とかいうものを感じ取る能力があるとは初耳ですが、
ここらへんはまぁ劇場版限定の便利設定でしょう。

ワルズ・ギルがダマラスに釣られて前方を見ると、宇宙空間に何故か真っ黒な靄のようなものが見る見る近づいてきて、
驚いたことに壁を超えてあっという間に司令室の中に侵入してきました。
そしてその黒い靄は前方の席に座っていたゴーミン達を呑みこみ、断末魔の悲鳴と共に消し去り、
そのまま何やら二本足で立つ化け物のような形になったのでした。

司令室の一同が驚愕して見つめる中、ワルズ・ギルは生来が臆病者であるので、この怪奇現象に怖気づき、
不気味な唸り声を上げるその怪物を前に「くっ・・・!?」と言葉を失い立ち尽くしました。
そのワルズ・ギルの後ろからダマラスが小声で
「殿下・・・ここは次期皇帝に相応しき威厳をお見せください・・・」と囁きかけます。

ダマラスもこの不気味な怪物に多少の恐怖は感じていましたが、
わざわざこの司令室にやって来て姿を現したということは何らかの用件があるのだと理解していました。
自分達を皆殺しにするつもりならば、ゴーミンを消し去った不可解な能力で
そのまま自分達も黒い靄のまま呑みこめばいいのであって、
わざわざ人型に変形して眼前に立ったということは、問答無用で攻撃するつもりはないということです。
何らかの話があるのだろう。
もちろんその話の展開次第では危険なことにもなりかねないが、そこは上手く交渉すればいい。
問題はその交渉をするべきこちらのトップのワルズ・ギルが頼りないということだとダマラスは思いました。
しかし、ここはこの得体のしれない化け物に対しては戦って勝てるかどうか分からない以上、
ワルズ・ギルに上手くやってもらうしかない。

ワルズ・ギルはダマラスに次期皇帝と言われてプライドがくすぐられたのか、
「・・・分かっている!」とうるさそうに応えると、
何時になく勇気を振り絞って「何者だ!?」と威厳たっぷりに指さして化け物に問い質します。
すると、その化け物は「私は、秘密結社、黒十字軍の首領・・・黒十字王!!」と名乗り、
「地球征服を企み、スーパー戦隊に倒された者達の恨みによって、地獄から甦った!!」と言うのでした。

黒十字軍というのは、云わずと知れた初代スーパー戦隊ゴレンジャーの宿敵である悪の組織で、
最後はゴレンジャーによって壊滅させられて消滅したのは40年ほど前のことです。
その首領とは一体どういうことかと思いきや、どうやらこの世の存在ではなく、
地獄から甦ってきた怨念の集合した悪しき思念体のようです。
それで黒い靄のような姿をしていたのでしょう。
あれは歴代スーパー戦隊によって倒されてきた膨大な悪の組織の首領や幹部や怪人たちの
悪しき怨念そのものであり、それが「黒十字王」という形をとって現れているようです。
この黒十字王は確かにかつての黒十字軍の総統に姿形はよく似ていますが、よく見ると完全に怪物化しています。

それにしても、いきなりどうしてこのような者が出現したのか謎ですが、
このあたりはあまり深く考えない方がいいでしょう。
劇場版の敵キャラはだいたいが凄い奴が多いのですが、
何せ尺が足りないのでいつもいきなり登場するのです。
この黒十字王もいかにもそのタイプでしょう。

さて、この黒十字王の言葉の中に「地球征服」という単語があったことに敏感に反応したワルズ・ギルは
「地球征服?・・・フン!我々ザンギャックがいる限り、貴様たちの好きにはさせんぞ!」とカッコよく言い返します。
ワルズ・ギルはザンギャックを差し置いて地球征服を企む黒十字王とかいう化け物に
次期皇帝らしい威厳で釘を刺してやったつもりです。
というか、ワルズ・ギルはザンギャックこそが宇宙を統一して平和をもたらす正義だと信じているので、
邪な心で地球を狙う黒十字王は悪で、自分はそれに対抗する正義の味方だと大真面目に信じているのでしょう。

だが、黒十字王は鼻で笑って
「私の目的は・・・スーパー戦隊と、スーパー戦隊を信じる愚か者どもへの復讐だ!
それさえ果たせば、地球などお前たちにくれてやるわ!!」と意外なことを言います。
これにはワルズ・ギルは「なに!?」と驚きます。
地球征服を企んでいる者ではなかったのかと意外に感じたのでした。

一方、ダマラスは「ほう・・・」と興味を持ったようです。
なるほど、かつては地球征服を企んだ悪しき魂の持ち主かもしれないが、
これは既に死んだ者の怨念なのであって、現世での支配権などに執着は無いのだろうと分かったのです。
この黒十字王という化け物を動かしているのは、
ただかつて自分達を滅ぼしたスーパー戦隊への恨みや復讐心のみなのです。
ならばザンギャックと利害がぶつかることはない。
むしろ黒十字王がスーパー戦隊を倒そうとしているのなら好都合だとダマラスは思いました。

ダマラスもインサーンの報告でゴセイジャーの一件は聞いており、
もし万が一全てのスーパー戦隊が復活するとなるとこの第二次侵略軍にとっては大きな脅威となると思い、
ただでさえゴーカイジャーだけでも手を焼いているのに
もしそんなことになれば地球侵略はますます遠のいてしまうと憂慮していました。
そのスーパー戦隊を黒十字王が倒してくれるというのならありがたい。

更に黒十字王が「あの海賊どもも、ついでに地獄に落としてやるぞ!」と言うに至って、
スーパー戦隊には興味の無さそうだったワルズ・ギルも「・・・面白そうだな・・・!」と興味を示しました。
あの忌々しいゴーカイジャーを黒十字王が倒してくれるならワルズ・ギルとしては助かります。

その様子を見て「フン!どうだ?手を結ぶか?」と黒十字王は申し出ます。
つまりは黒十字王もまた、スーパー戦隊への復讐のためにザンギャックと手を結びたいのです。
黒十字王から見ればゴーカイジャーもスーパー戦隊の一種ですから倒すべき対象なのですが、
ゴーカイジャーを攻撃する時に何かの間違いでザンギャックから敵視されると面倒だから、
こうして話を通しに来たようです。
だが、それだけではなく何か支援も求めているようでもあります。

ワルズ・ギルはこんな得体の知れない化け物と手を組むことに一瞬躊躇して思案顔になり、
ダマラスの方をチラリと見ます。
ダマラスを疎んじているクセにこういう危なそうな決断の時はダマラスの判断を伺ってしまうあたり、
ワルズ・ギルも情けないが、ダマラスが黙って小さく頷くと、ワルズ・ギルもようやく決断して
「いいだろう!条約締結だ!黒十字王!」と言って司令官席から降りて黒十字王の前に立ち、握手をしたのでした。

黒十字王は愉快そうに高笑いして「まずは奴らのレンジャーキーを奪う!」と宣言します。
どうやらスーパー戦隊への復讐のためには、その戦う力を封じてあるレンジャーキーをまず手中に収める作戦のようで、
黒十字王はまずはマーベラス一味を襲撃してレンジャーキーを全部強奪するつもりであるようです。
そして、そのためにザンギャックの力を借りたいようです。

さて、その頃、地上のとある幼稚園には、あんパンの屋台を引っ張った男がやって来て
「みんな!集まれぇ〜っ!!」と園児たちを集めて、あんパンを配っていました。
売っているのではなく、無料で配っている様子で、
保母さんがやって来て「すいません青梅さん・・・いつも・・・」と、やけに恐縮しています。
どうも善意で園児たちにあんパンを配っている親切な人のようで、習慣的にこういうことをやっているようで、
園児たちもやたらこの男に懐いているようです。

しかし、保母さんに恐縮された対応をされても、
この男は「いえいえいえ!子供たちの喜ぶ顔が見れれば、いいんです!」と、あくまで腰が低い。
心底、子供好きであるようで、「みんなぁ!どんどん食って、立派な大人になれよ!」と
園児たちに明るく声をかけるこの男、よく見ると、電子戦隊デンジマンの元デンジブルー、青梅大五郎です。

「電子戦隊デンジマン」はスーパー戦隊シリーズ第4作で1980年度作品であり、
そこに登場したデンジマンのサブリーダーのデンジブルー、青梅大五郎は子供好きのひょうきん者で、
あんパン好きというキャラクターでしたから、
35年ほどが経過して60歳近くなっているはずの劇中の現在時点でも、昔のまんまキャラが変わっていません。
やはり青梅大五郎といえば「あんパン」であるようです。
青梅が着用しているエプロンには、デンジマンのマークと「デンジパン」の文字があり、
どうやらこの屋台は「デンジパン」という名であるようです。

青梅を演じているのはもちろんオリジナル役者の大葉健二氏で、
「デンジマン」当時25歳であった大葉氏が56歳で青梅を演じておられますが、
さすが大葉氏は昔と変わらず非常に元気で明るい青梅を演じていただいています。

さて、その青梅はあんパンを配り終えた後、園児たちと一緒に幼稚園の庭で軽く遊んでいましたが、
滑り台のところにいる男の子が手に握ったロボットの玩具を見て驚きます。
それはデンジマンの搭乗して戦った巨大ロボット、ダイデンジンの玩具だったからです。
青梅はその男の子に近づいて「・・・これ、どうしたんだぁ?」とダイデンジン玩具を指さして優しく話しかけました。
すると男の子は「パパがくれた!子供の頃遊んでたんだって・・・」と答えます。

デンジマンが活躍したのはこの劇中現在時間から35年ほど前のことですから、
この幼稚園児の男の子の父親の子供時代よりも少し前のことになるかと思います。
しかし、この「ゴーカイジャー」の物語世界は34のスーパー戦隊が縦軸の時系列で存在した世界ではありますが、
現実世界のように「スーパー戦隊シリーズ」という玩具販促用の連続テレビドラマシリーズが
テレビ朝日系列で放送されていたわけではない。

だからそのロボット玩具もバンダイが放送時期に合わせて発売したものではなく、
この「ゴーカイジャー」物語世界における地球では、
過去の実在したスーパー戦隊の実際に使っていた巨大ロボットの再現玩具を、
現実世界における実在した戦艦や戦車などの玩具と同じような感覚で売っているのでしょう。

ただ、そうはいってもスーパー戦隊は34戦隊も積み重なった歴史があるのであって、
4番目の戦隊であるデンジマンなどはやはり昔の戦隊であり、
多くの人は新しいものに目が向いて古いもののことは忘れていってしまうものです。
それに玩具で遊んだ子供たちも大人になればそういうことは忘れて、
子供の頃に遊んだ玩具など捨ててしまうものです。
だからダイデンジンの玩具など、元デンジブルーの青梅自身が最近は滅多にお目にかかったことがない。

青梅はダイデンジンを見つめて、その玩具が巷に溢れていた頃、まだ自分が若かった頃を思い返し、
自分がデンジマンの一員として地球を守るためにベーダー一族と戦っていた日々を思い出して
「そうかぁ・・・懐かしいなぁ・・・」と目を細めます。
そして、そんな昔のロボットの玩具を子供の頃から大事に持ち続けてくれたという男の子の父親、
かつては自分達のことを仰ぎ見てくれていた少年のことを想い、
「・・・大事にしてくれてたんだなぁ・・・!」と嬉しそうに目の前の男の子を見つめて笑います。
そしてあんパンを1つ取り出して「嬉しいから、オマケ!」と少年に渡して頭を撫でてやりました。
「ありがとう」とお礼を言ってあんパンを受けとる男の子に、青梅はダイデンジン玩具を指さして
「こいつには、勇気と強さと、悪を憎む心が詰まっている・・・」と説明します。

小さい玩具は本物の巨大ロボットではない。実際に悪と戦ったりすることは出来ない。
そんなことは実際はこの男の子の父親だって子供の頃から分かっていたはずです。
少なくとも大人になった今では常識的にそんなことは分かっているはずです。
しかし、それでもこの玩具を何十年もずっと大事にしてきて、自分の息子に受け継がせているということは、
この男の子の父親は、この玩具の本質が分かっているということなのだと青梅は気付いたのです。

玩具は確かに本物のダイデンジンではないが、
本物のダイデンジンに乗って戦っていた自分達デンジマンの勇気と強さと、悪を憎む正義の心が、
本物のダイデンジンと同じように宿っている。
いや、そう信じていた自分の少年時代の純粋な夢が詰まっているのだということを、この男の子の父親は知っており、
自分が勇気と強さと正義の心を持つことが出来たのは、このダイデンジンの玩具のお蔭だと想い、
自分の息子にも同じような勇気と強さ、正義の心を持ってもらいたいという想いでこの玩具を受け継がせたのであろう。

そう思える父親はきっと幸せな人生を送ってきたのであろう。
そして自分の息子にも同じように幸せになってもらいたいと願い、
この玩具に詰まった勇気と強さ、正義の心を渡したのです。
そう確信した青梅は、男の子に向かって父親の代弁をするように
「君も大事にしてくれたら、きっといい事があるよ」とニッコリ笑って語りかけて頭を撫で、
少年は「うん!」と笑顔で応えたのでした。

その青梅が次の幼稚園へ向かって屋台を引いて歩道を駈けていると、
ちょうど赤信号となり、青梅は横断歩道の前で信号が変わるのを立って待ちます。
ところがトボトボと俯いて歩いてきたサラリーマン風の若い男が、
その横断歩道を逆方向から赤信号を無視して進もうとしたので、
青信号なので普通に交差点に進入しようとしたミニパトがその男を轢きそうになってしまい、慌てて急停止します。
同時にそのサラリーマン男の背後から自転車に乗って来た別の男が飛び込んできて、
サラリーマン男を抱きかかえて歩道側に引き戻して一緒に倒れ込み、結局はなんとか交通事故は回避されたのでした。

急停止したミニパトからは「大丈夫!?」と慌てて婦警が降りてきて、
倒れているサラリーマンに駆け寄って「怪我は無いですか?」と声をかけて助け起こします。
同時にサラリーマンと一緒に倒れていた男も「ふう!危なかった・・・!」と大きく安堵の息を吐いて起き上がります。
そのサラリーマンを助けた男は中華料理屋の出前持ちのようでしたが、
その男の顔を見て、婦警が「あれ?亮さん!?」と驚きます。
「え?」と振り向いたその出前の男は、
1993年度のスーパー戦隊シリーズ第17作「五星戦隊ダイレンジャー」に登場した、
ダイレンジャーの元リュウレンジャー、天火星・亮でした。

劇中時間ではダイレンジャーとゴーマの戦いが終わって17年ほどが経過しており、
当時23歳だった亮も現在は40歳ほどで、やはり相変わらず中華料理屋のコックをやっているようで、
現在は自分の店を持っているのでしょう。
ちなみに亮を演じているのはオリジナル役者の和田圭市氏で、現在43歳ですが、
アクション俳優として鍛え上げているのでまだまだ若々しいです。

亮はたまたま出前の途中で見かけたサラリーマン男がミニパトに轢かれそうになっているので
反射的に飛び込んで助けたところ、いきなりミニパトから降りてきた婦警に自分の名前を呼ばれたものだから、
驚いてその婦警の顔を見ます。
すると今度は亮の方が「ウメコちゃんじゃないか!」と驚きます。

その婦警は2004年度のスーパー戦隊シリーズ第28作「特捜戦隊デカレンジャー」に登場した、
デカレンジャーの元デカピンク、胡堂小梅(通称ウメコ)でした。
デカレンジャーに関しては既に第5話で元デカマスターのドギー・クルーガー(通称ボス)、
元デカレッドの赤座伴番(通称バン)、元デカイエローの礼紋茉莉花(通称ジャスミン)が登場済で、
マーベラス達にデカレンジャーの「大いなる力」を渡していますが、
この劇場版でもデカレンジャー4人目のレジェンドゲストとしてウメコ登場です。

劇中では2004年から10年ほど経っていますから、ウメコの現在年齢は30歳過ぎぐらいでしょう。
ちなみにウメコを演じているのはオリジナル役者の菊地美香さんで、
現在27歳で、最近でも俳優・声優としてよく活躍しておられます。

ドギーやバンやジャスミンもレジェンド大戦以降、変身能力を失っても
変わりなく宇宙警察地球署でアリエナイザー犯罪への対処をしていたのと同じように、
ウメコも変わりなく地球署で刑事を続けているようで、
パトロール中に突然信号無視の歩行者が飛び出してきたので慌てて急停車してミニパトを降りたら、
亮に出会ったのです。
「偶然ですね!」とウメコは呆気にとられます。

そこにいきなり目の前で交通事故が起きそうになったので驚いて駆けつけてきた青梅が2人を見て
「小梅ちゃん・・・亮くん!・・・なんか、こんなところで会うなんてねぇ!」と驚いて声をかけました。
亮とウメコは一瞬、その初老の男が誰だか分からなかった様子でしたが、
ハッとその男が元デンジブルーの青梅大五郎であることに気付き、「・・・青梅さん!?」と慌てて立ち上がり
「お久しぶりです!」「ご無沙汰してます!」と深々とお辞儀して挨拶したのでした。

なんだかスーパー戦隊の先輩後輩関係は体育会系のノリのようにも見えますが、
まぁ実際はそんなに厳密な上下関係は無いようです。
というより、そもそもスーパー戦隊同士、レジェンド大戦以前までは直接あんまり接点は無かったようです。
おそらく亮にしてもウメコにしても青梅にしても、
互いにレジェンド大戦までは顔を合わせたことも無かったと思われます。
そしてレジェンド大戦の後も会ったことはなかったのでしょう。

つまり基本的には別々の生活を送っているのであって、
34のスーパー戦隊が定期的に一同に会したり、代表者同士の会合を設けたりしているということもないようです。
ここで3人は数年前のレジェンド大戦の時以来となる、2度目の出会いを偶然果たしたことになるのであり、
亮やウメコが青梅に対して極度に敬意を払っているのは、
さすがに青梅が4番目の戦隊のメンバーという最古参格であるからなのでしょう。

青梅の方は全然先輩風を吹かすこともなく、至って気さくな感じで、
ウメコのミニパトの窓から顔を出して吼えて挨拶してくるロボ警察犬のマーフィーに「よう!」と手を振ります。
ところがその時、突然、亮が助けたサラリーマン男が頭を抱えて「うわあああん!!」と大声で泣き出し、
地面にうずくまったので、青梅たち3人は仰天して、そのサラリーマンを見つめるのでした。

さて一方、空を航行中のゴーカイガレオンの船室の中では
ハカセが宝箱の中のレンジャーキーの山をガシャガシャとかき回して
「・・・あった!」と言って1つのレンジャーキーを探し当てて取出し、
窓際に座っているジョーのところに持ってきて「彼らが言ってたのはこれだよ、きっと・・・!」と、
そのレンジャーキーを差し出します。

それを見てジョーは「・・・新たに加わった中の1つか・・・道理で記憶に無いわけだ・・・!」と腕組みをして唸ります。
テーブル席にアイムと一緒に座っていたルカも立ち上がってそのレンジャーキーをハカセの手からとって
「まだ使ったことなかったもんねぇ!」と溜息をつきます。
そのレンジャーキーは問題のゴセイナイトのレンジャーキーでした。

マーベラスがゴセイジャーの5人と大喧嘩した後、
まだ戦おうとするジョーを制してガレオンに戻るよう指示した理由は、
帰ってレンジャーキーの宝箱を探してみる気になったからでした。
ゴセイジャー達がやたらしつこく「ゴセイナイトのレンジャーキー」というものを渡すように言っていたのが
心に残っていたマーベラスは、もしかしたらそのゴセイナイトのレンジャーキーが
自分達の手許にあるのかもしれないと戦いの後で気付いたのです。

マーベラス達は確かに「ゴセイナイト」などという戦士のレンジャーキーは知らない。そこには嘘はない。
しかし、それは今までマーベラス達が持っていた167個のレンジャーキーの中での話です。
マーベラス達はつい先日、バスコとの戦いで15個の新たなレンジャーキーをゲットしました。
その15個の新しいレンジャーキーはまだマーベラス達は使用したことがないので、
それらの戦士が何という名前の戦士なのかも知らない。
だから、もしかしたら、その新しいレンジャーキーの中に
「ゴセイナイト」という戦士のレンジャーキーがあるのかもしれないとマーベラスは気付いたのです。

そうしてガレオンに帰ってからハカセに新しく手に入れた15個のレンジャーキーの中に
それらしいものはないか探させたのです。
ハカセは15個の新しいレンジャーキーの中で見た目で所属戦隊がハッキリしないものの中で
ライオンがモチーフのものを探しました。
どうしてライオンなのかというと、さっき戦いの前に現れた変な小さな喋る物体が
どうやら「ゴセイナイト」という戦士の本体のようでしたが、それがライオンの顔の形をしていたからです。
すると新しい15個のレンジャーキーの中に確かに銀色のボディでライオンっぽい形の
謎の戦士のレンジャーキーがあったので、
きっとこれがゴセイナイトのレンジャーキーなのだとハカセは確信したのでした。

このレンジャーキーは確かにゴセイナイトのレンジャーキーでした。
第15話と第16話にもバスコがラッパラッターにレンジャーキーを挿して召喚した15戦士のうちの1人として
ゴセイナイトの召喚体も登場しています。
その召喚体たちをマーベラス達が撃破して、それらの戦士のレンジャーキーをゲットしたのが第16話のことで、
ゴセイナイトのレンジャーキーもこの時にバスコからマーベラス達のもとに所有権が移っていました。

だから、ここでゴセイナイトのレンジャーキーがガレオンの宝箱から出てくるということは、
この映画はTV本編の第16話よりも後の話ということになります。
そして、この映画の劇場公開日は第17話の放送日よりも前なので、
結論としてこの映画は第16話と第17話の間に挿入されるストーリーなのだということになります。

そのハカセの報告を船長椅子で聞いたマーベラスは
「フン・・・よし!そいつをエサにして奴らをおびき寄せるか!」と、嬉しそうに立ち上がって、
いかにも悪巧みしている顔で皆の方を向いて言います。
ジョーもニヤニヤして立ち上がり「罠を仕掛けて一気に叩いて取り戻す・・・か?」と
マーベラスに確認するように言います。
ルカもニヤリと悪そうな笑顔になり、そのルカの手からゴセイナイトのレンジャーキーを掴んで、
マーベラスは「そういうことだ!」と得意げに笑います。

つまりマーベラスは、宝箱の中にゴセイジャーの欲しがっているゴセイナイトのレンジャーキーが
あるかもしれないと気が付いて、もしかしたらゴセイナイトのレンジャーキーをエサにして
ゴセイジャーをおびき出して罠にかけることが出来るかもしれないと思いついたのです。
そうして探してみたら実際にゴセイナイトのレンジャーキーがあったので、
マーベラスは罠を仕掛けてゴセイジャーをやっつけて奪われたレンジャーキーも全部取り返してやろうと、
なんだか悪人っぽい発想に走っており、ジョーもルカもものすごく乗り気になっています。

しかし、これに対してハカセは「・・・ちょっと待って!もう少し穏やかに出来ないの!?」と異議を唱えます。
さっきはハカセもノリノリでゴセイジャーと喧嘩していたはずなのに、どうして急に穏健派になっているのかというと、
ゴセイナイトのレンジャーキーがガレオンにあったことを知ったからでした。

ハカセも最初からゴセイジャーと喧嘩するつもりだったわけではない。
しかしゴセイジャーがゴセイナイトというよく分からない戦士のレンジャーキーを返せと
変な言いがかりをつけてきて自分達を嘘つき呼ばわりしたので、ハカセもついカッとなって喧嘩してしまったのです。

ところが、よく調べてみたらゴセイナイトのレンジャーキーは自分達が持っていた。
ということはゴセイジャーは別にいい加減なことを言っていたわけではなく、
自分達の方がむしろいい加減であったのでゴセイジャーがいいがかりをつけていると誤解して怒っていたのです。
そのことが分かると、ハカセはゴセイジャーに対する怒りの想いは薄らぎました。

もちろん「宇宙最大のお宝」を手に入れるためにはレンジャーキーを渡すわけにはいかないし、
奪われたレンジャーキーも取り戻さないといけないことはハカセにも分かっています。
しかし相手はスーパー戦隊の1つであるゴセイジャーなのです。
いずれはゴセイジャーからも「大いなる力」を貰わなければ「宇宙最大のお宝」は手に入らない。
「大いなる力」を貰うためにはゴセイジャーに認めてもらわないといけないのです。
どういうわけかゴセイジャーはずいぶん自分達のことを敵視しているようだが、その誤解は解かないといけないわけで、
マーベラスのようにわざわざ事を荒立てる方向に持っていこうとするのは、ハカセは感心出来ませんでした。

しかしマーベラス、ジョー、ルカはどうにもゴセイジャーが気に入らないので
一泡吹かせてやらないと気が済まない気分だったのです。
確かにゴセイナイトのレンジャーキーの一件はこちらの勘違いだったが、
さっきは本当に知らなかったから知らないと正直に答えたのです。
それなのに嘘つきと決めつけられたのがマーベラス達はムカついていました。

いや、単に嘘つきとかいう些細な決めつけだけでなく、
どうもあのゴセイジャーの連中はやけに上から目線で海賊のことを見下していた。
そして自分達のことはこの星を守る天使だとか言ってカッコつけていた。
そこらへんがマーベラス達には気に食わなかったのです。
本物のスーパー戦隊だからと言って、やたら上から目線で
お宝探しの海賊には地球を守る資格など無いと決めつけて見下したあの態度がマーベラス達には許せなかったのでした。

確かにマーベラス達はお宝探しが一番大事です。
でも地球を守って戦う気が全然無いわけではない。
実際これまでも何ヶ月か、地球を守って戦ってきた。
そりゃあ自分達にはスーパー戦隊のように地球を守る使命や義理があるわけではないし、
最後まで責任を持つ自信も無い。
だからいい加減だと言われれば、確かにその通りなのかもしれないが、それでもそれなりに必死に戦ってきたのだ。

なんで何の義理も無いのに宇宙海賊が地球を守って戦うのかと聞かれれば困ってしまうが、
もともとはマーベラス達がスーパー戦隊の力が地球を守るために使う物だと聞いて、
それが封じられたレンジャーキーを宝を見つけるまでは手離すわけにいかない以上、
地球にいる間はスーパー戦隊の力を使って地球を守ってみようと思っただけのことです。

もちろん自分達が宝を諦めてスーパー戦隊にレンジャーキーを返せば、この星にとっては一番いいことなのだろうが、
マーベラス達は絶対に宝を諦められない。
ゴセイジャーから見れば、そこが海賊の卑しさなのだということなのかもしれない。
でも海賊には海賊の誇りがある。
この宇宙で犯罪者の汚名を着せられても突っ張り通してひたすら夢を追いかけてきた意地があるのです。
そんな簡単に夢を諦められるはずがない。
だから今はレンジャーキーをスーパー戦隊に返すわけにはいかない。

それを多少申し訳ないと思うからこそ、地球を守って戦おうと思ったのであり、
自分達にとっての地球を守る価値を探しているのです。
今のところ分かっていることは、常にザンギャックに逆らってきた自分達にとっては、
ザンギャックの地球侵略を邪魔することはあくまで自分達のやるべき戦いなのだということであり、
それが自分達にとっての地球を守る価値なのかというと、ちょっと違うような気もする。
ただ、この星に来てから自分達のやるべき戦いの意味を再確認できたことは間違いなく、
それだけでもこの星に来た甲斐はあったと思っている。

まぁそんな感じで、マーベラス達はそれなりにこの地球という星に愛着が湧いてきており、
「地球を守るヒーローだ」などと到底名乗れない海賊ならではの屈折した感情ではあるものの、
地球を守ろうとして不器用ながらスーパー戦隊の代わりに戦ってきた。
それをいきなり出てきた本物のスーパー戦隊のゴセイジャーに頭ごなしに馬鹿にされ、
海賊だからという理由だけで、お前達には地球を守って戦う資格なんか無いんだと決めつけられたように
マーベラス達は感じて、いささか傷ついたのです。

それで腹が立って、あの高慢なゴセイジャーの鼻を明かして海賊の意地を見せてやりたいと思って、
ゴセイナイトのレンジャーキーを使って罠を仕掛けてやろうと、
マーベラスとジョーとルカの3人はどんどん好戦的に突っ走ろうとしています。
一方でハカセは海賊としてのこだわりがその3人ほどは強くないし、一番冷静であり、
スーパー戦隊とは融和的にやっていき「大いなる力」を集めることを最優先したいと考えているので、
ゴセイジャーとも一度ちゃんと話し合ってこっちの立場も説明すべきだと思って、
マーベラス達の作戦に異議を唱えます。

そしてただ1人残ったアイムもハカセと同意見であるようで、
テーブル席から立ち上がってマーベラスの方に近づきながら
「私も同感です・・・彼らの事情も汲んで差し上げるべきところはあるよう・・・」と言いかけますが、
マーベラスが手を突き出してアイムの言葉を途中で制して、険しい表情で耳を澄ますので、
一同は「・・・ん・・・?」と不思議そうな顔でマーベラスに倣って耳を澄まします。
何かジェット機のような飛行音が微かに聞こえたかと思った瞬間、マーベラスが「伏せろぉっ!!」と叫び、
次の瞬間、5人が伏せるヒマも無く、ガレオンは激しい音と共に衝撃に襲われました。
空を飛んできた3つの物体がガレオンを直撃して、そのまま飛び去っていきます。

その3つの物体は、ゴセイヘッダーの一種でスカイックブラザーの3つのヘッダーでした。
そして、その3つのヘッダーが飛び去っていった方向から飛んできたのはゴセイグレートでした。
そのコクピットにはゴセイジャーの5人が乗っています。
ゴセイグレートがスカイックブラザーヘッダーを放ってガレオンを攻撃してきたのです。
ゴセイジャーの5人はレンジャーキーを取り戻したことによって変身能力だけではなく、
巨大戦力であるゴセイグレートも召喚して使える能力も復活させていたのです。

「今度は手加減しないぞ!ゴーカイジャー!」とゴセイグレートのコクピットではアラタが気合いを入れます。
空飛ぶガレオンに対して空を飛ぶことの出来るゴセイグレートで急襲をかけて
ゴセイナイトのレンジャーキーを奪おうというのがアラタ達の次なる作戦であるようです。

一方、ガレオンの船室ではいきなりの衝撃に驚くマーベラス達5人に、
ナビィがスクリーンに飛んでくるゴセイグレートの姿を映し出して
「巨大ロボだ!巨大ロボがいきなり攻撃してきたよ!」と大慌てで報せます。
「・・・先手を打たれたか!」とジョーが罠に嵌める前に攻撃されたことを悔しそうに呻き、
マーベラスは「フン!・・・天使もなかなかやるじゃねぇか!・・・面白れぇ!」と逆に闘志満々です。

探し出す手間が省けたのはむしろ好都合でした。
どっちにしても、あの気に入らない5人組をぶちのめすことには変わりないのです。
マーベラスは手にしていたゴセイナイトのレンジャーキーはもはや罠のために使う必要もなくなったので、
宝箱に放り込んで蓋を閉め、ゴセイジャーの巨大ロボと戦うためにコクピットに向かいます。
もちろんジョーもルカもやる気満々で後に続き、
ここまでされてしまってはハカセもアイムも話し合いなどという気分ではなくなり、
とにかく戦うしかないと心を決めてコクピットに向かいます。

そしてマーベラス達5人は「海賊合体!!」と、ガレオンとゴーカイマシンを合体させてゴーカイオーとして、
ゴセイグレートに向けて突っ込みます。
「一気に決着つけてやる!!」とマーベラスはゴーカイオーのパンチでゴセイグレートを地上に叩き落とし、
追いかけるように地上に降り立つと「こんなもんじゃねぇだろ!?立てよ!」と、
まるで不良の喧嘩のようなふてぶてしさで、砂煙に包まれて倒れているゴセイグレートを挑発します。

ところが砂塵の中から起き上がったゴセイグレートの姿がさっきとは全く変わっているのを見て、
マーベラス達5人は「ん?」と呆気にとられました。
ゴセイグレートはフォームチェンジしてシーイックゴセイグレートになっていたのですが、
その姿は海賊帽をかぶった、いかにも海賊風の出で立ちであったからです。

「何その帽子!?」とハカセが驚いてツッコミを入れます。
アイムも首を傾げて「海賊・・・ですか?」と、ゴセイジャー側の意図を測りかねるという感じです。
確かゴセイジャーはさっき天使だとか自称して海賊を馬鹿にしていたはず。
「天使とか言っておいて、それか・・・?」とジョーは呆れたように溜息をつきます。
結局自分らも海賊なんじゃないかと呆れたのです。
「真似しないでよねぇ!」とルカは怒鳴りつけます。

さんざんゴーカイジャー側にバカにされてしまったシーイックゴセイグレートのコクピットでは、
これに対してアグリがいささか決まりが悪そうに「・・・うるせぇっ!!・・・お前らと一緒にすんな!」と怒鳴り返します。
別に海賊の真似をしたわけではない。
シーイックグセイグレートはもともとこういう姿なのだから仕方ない。
ゴーカイジャーのように本物の海賊なのではなく、この姿でも護星天使の乗り物である天装巨人の一種なのです。

気を取り直してハイドが「いくぞ!」と号令をかけ、シーイックゴセイグレートがゴーカイオー目がけて突進し、
ゴーカイオーのコクピットでもルカが「本物の海賊を舐めないでよね!」と
相変わらず相手を偽物海賊扱いのまま気合いを入れ、ゴーカイオーも突っ込み、両ロボは激突し、
接近して激しく斬り合います。

斬り合いならばゴーカイオーに分があると見たマーベラスは勝利を確信し、
「不意をついたまでは良かったが・・・詰めが甘いなぁ!」とゴセイジャー側に向けて嘲笑うように言い放ちますが、
それに対してハイドは「それはどうかな?・・・力で豪快に攻めるだけが戦いじゃない・・・」とクールに言い返す。
その余裕に「・・・ん?」と不審を覚えたマーベラス達でしたが、
その中でマーベラスが「なに・・・まさか!?」と、
もしかして、この一見ゴーカイオーに優勢な派手な斬り合いは陽動なのではないかと思い至ったのでした。

マーベラスがそう閃いた時には既にゴーカイオーの胴体部分の居住スペース、
いつもはガレオンの船室となっているスペースに一陣の赤い風が侵入していました。
その風はゴセイレッドに変身したアラタが姿を変えたものでした。

風の中から姿を現したアラタは船室の床に着地します。
船室にいたナビィはいきなり見知らぬ赤い戦士が侵入してきたので仰天して
「わああああ!?泥棒だぁ!泥棒だぁ!!」と大騒ぎし、
アラタはてっきりゴーカイジャーは全員操縦席に行っていて、居住スペースには誰もいないものだと思っていたので、
こんなところにオウムがいるとは予想もしておらず「うわっ!?」と驚き、
ナビィのことをただのオウムだと思って「シィィ〜・・・静かにしててね・・・」と優しく言います。
これにどういうわけかナビィも素直に従い、黙ってしまうというのも妙ですが、
あまりにアラタが堂々としているので泥棒ではないと勘違いしてしまったのかもしれません。

そうして静かになった船室でキョロキョロとアラタは周りを窺います。
ゴセイグレートで急襲して力攻めをすると見せかけて、実はゴセイグレートの操縦はハイドたちに任せて、
アラタ1人で接近戦の最中にゴーカイジャーの巨大ロボの中に忍び込んで、
ロボの操縦で手一杯のゴーカイジャーの隙をついてゴセイナイトのレンジャーキーを回収するというのが
アラタの考えた作戦でした。
その作戦は見事に成功し、ゴーカイジャーが操縦席に出掛けて留守の居住スペースへの侵入に成功したアラタは、
レンジャーキーをしまっている場所を探します。

すると、船室の真ん中に宝箱のようなものが置いてあります。
もしやと思ってアラタがその蓋を開けてみると、そこにはレンジャーキーが山積みになっており、
その一番上に目当てのゴセイナイトのレンジャーキーがあったのでした。
「あった!」とアラタはゴセイナイトのレンジャーキーをつまみ上げようとしました。
その瞬間、アラタは銃撃を受けて吹っ飛びます。

撃ったのはマーベラスでした。
ゴセイジャー側の力攻めが陽動だと気付いたマーベラスは、
きっと船室のレンジャーキーが狙われると直感し、操縦はジョー達に任せて慌てて船室に飛んできたのです。
間一髪ゴセイナイトのレンジャーキーが奪われるのを阻止したマーベラスは
「とんだ食わせもんだな!お前・・・」と忌々しげにアラタを睨みつけます。
さっきは一番穏便そうな態度を見せておいて、その裏でこんな姑息なコソ泥のような作戦を立てるとは、
見下げ果てた卑怯者だとマーベラスはアラタを見下しました。

しかしアラタもマーベラスを見損なっていました。
さっきはゴセイナイトのレンジャーキーなど知らないとあれほど言い張っておいて、
実際はこうしてマーベラスは宝箱の一番上にゴセイナイトのレンジャーキーを隠していたではないかと
アラタは憤慨しました。

食わせ者はいったいどっちだとアラタは思い、やはり海賊は嘘つきだったのだと軽蔑し、
「・・・相手によるけどね!」と言いながら抜き撃ちで反撃し、
マーベラスが剣で銃弾を払っている隙に宝箱を抱えて逃げようとします。
やっぱり泥棒だったと気付いてナビィが「盗られちゃうよぉ〜!」と騒ぎだし、
マーベラスは「俺たちの船で勝手な真似はさせねぇ!!」とゴーカイサーベルで斬りかかり、
アラタは宝箱を小脇に抱えたまま、スカイックソードで応戦し、船室の中で斬り合いとなります。

そして隙を見てアラタが船室から脱出し、地面に降り立つと、マーベラスも追撃していき、
地上で斬り合いを続けます。
こうして、ゴーカイオーとシーイックゴセイグレートが斬り合いをしている近くの地上では
マーベラスとアラタの2人の等身大の斬り合いも同時進行するという形となります。

マーベラスはアラタの剣に自分の剣を押し込みながら「俺たちのレンジャーキーを返せ!!」と怒りを込めて怒鳴りつけ、
アラタは「・・・これは君たちのじゃない!地球のものだ!!」と、こちらも怒気を込めて怒鳴り返します。
アグリ達に甘い甘いと非難されても、
それでもまだ少しはマーベラス達を信じたいという想いを残していたアラタだけに、
マーベラスがゴセイナイトのレンジャーキーを隠していたと知って失望感は大きく、
やはり宇宙海賊には地球を守るスーパー戦隊の力など相応しくないとアラタは確信していたのでした。

こうなったらもう両者ともに絶対に譲れない意地と意地のぶつかり合いとなります。
しかし宝箱を小脇にかかえて戦うアラタはやはり本来の力を完全に出し切ることは出来ず、
マーベラスはアラタを思いっきり蹴り飛ばしてゴーカイガンを撃ちまくって追い打ちをかけます。
これでアラタは吹っ飛びながら途中で宝箱を落としてしまい、
宝箱はマーベラスとアラタのちょうど真ん中あたりに蓋が開いた状態で落ちて、
中のレンジャーキーの山が露出しました。

ハッとしてアラタがその山を見ると、
さっき見たのと同じように山の一番上にゴセイナイトのレンジャーキーが銀色に光っています。
マーベラスに対する怒りでつい戦いに夢中になっていたが、
冷静に考えたら自分はゴセイナイトのレンジャーキーを回収しに来たのだったと思い出したアラタは、
とにかくゴセイナイトのレンジャーキーをまずは確保しようと、「ええい!」と駆け出し宝箱に突進を開始します。

マーベラスもアラタがゴセイナイトのレンジャーキーを狙っていると気付き
「させるかぁ!」と怒鳴って宝箱に突進し、宝箱にタックルして抱え込みますが、
一瞬早くアラタはマーベラスを避けて飛び越えながら、
宝箱の中からゴセイナイトのレンジャーキーを掴み取っていました。
着地したアラタは掌の上のゴセイナイトのレンジャーキーを確認すると「・・・よし!」と拳を握ります。

一方、アラタとすれ違って遠く離れて滑り込んだ態勢で後ろを振り返って、
ゴセイナイトのレンジャーキーを奪われてしまったことを確認したマーベラスは
「ちぇ・・・!」と舌打ちして、悔しげに宝箱の蓋を閉めました。

それを見ていたゴーカイオーのコクピットのルカが「うそぉ?盗られたのぉ!?」と驚きます。
まさかマーベラスが遅れをとるとは予想していなかったのです。
ハカセも「そんなぁ・・・!」と落胆し、ゴーカイオーのコクピットの4人は気落ちしてしまいました。
そこにハイドが「隙あり!!」とシーイックゴセイグレートの攻撃を繰り出し、
気落ちしたゴーカイオーに対して攻勢に出て、どんどん押し込んでいきます。

シーイックゴセイグレートのコクピットはゴーカイオー側とは対照的に歓喜に包まれており、
エリは「やったねアラタ!作戦成功!正義は勝つ!」と立ち上がってガッツポーズです。
なんだかすっかりゴーカイジャーは悪者扱いです。
地上にアラタのもとには小型グランディオンヘッダーに姿を変えたゴセイナイトも飛んできて
「ゴセイレッド!よくやってくれた!」と感謝し、喜びます。
これでゴセイナイトも戦う力を取り戻して、ゴセイジャーは6人揃って地球を守る使命を果たすことが出来るのです。

ところがその時、上空から突如としてギガントホースが出現したのです。
ただゴセイジャーはギガントホースを見たことはないらしく、
アラタは突如上空に現れた謎の巨大戦艦の正体が分からず「うう!?」と驚きます。
一方、マーベラスは「あれは・・・!」とギガントホースを見上げて驚愕します。
ゴーカイジャー側は第1話の時にギガントホースの姿は目撃していますので、
それがザンギャック地球侵略軍の旗艦だということは分かっています。

ゴセイグレートのコクピットではゴセイジャーの面々が「何あれ!?」と謎の戦艦の正体が分からず驚く一方、
ゴーカイオーのコクピットではゴーカイジャーの面々は「なんであいつらが!?」と戸惑います。
どうしてゴセイジャーとレンジャーキーの奪い合いをしている場面にいきなりザンギャックが襲ってくるのか、
その意味がマーベラス達には分かりませんでした。

しかしギガントホースは上空から有無を言わせぬ砲撃を開始し、
ゴーカイオーもゴセイグレートも、そして地上のマーベラスもアラタも
「うわああああ!?」と砲撃の嵐の中を翻弄されてしまいます。
その猛爆の中でマーベラスは吹っ飛ばされた拍子に宝箱を遠くに放り投げてしまい、
アラタも思わず手に掴んでいたゴセイナイトのレンジャーキーを放り投げてしまい、
ゴセイナイトのレンジャーキーは近くの草むらの中に落ちました。
しかしアラタはゴセイナイトのレンジャーキーが何処に落ちたか分からず、
空になった掌を見つめて「・・・しまった・・・!」と愕然としました。

一方、マーベラスは宝箱を放り投げてしまった方向を見て慌てて起き上がりますが、
なんとその宝箱のある場所に向かってギガントホースから光線が降りてきて、
怪人が光と共に降り立ったのを見て驚きます。
その怪人が宝箱を拾い上げてしまったのです。

高笑いして「素敵な贈り物に感謝する!」と言う怪人に向かって、
マーベラスは忌々しげに「ザンギャック!」と怒鳴ります。
どうしてザンギャックがレンジャーキーなど欲しがるのか、マーベラスにはよく分かりませんでしたが、
レンジャーキーを奪おうとしているのなら絶対に許すわけにはいかない。

ところがその怪人は「違う!私は秘密結社、黒十字軍の首領、黒十字王だ!」と応えます。
そう、この怪人は例のザンギャック軍と同盟を先ほど結んだ黒十字王でした。
スーパー戦隊への復讐のためにレンジャーキーを奪うという作戦への協力をザンギャックに要請した黒十字王は、
ギガントホースでガレオンを攻撃している隙にガレオンに侵入してレンジャーキーを奪うつもりであったのですが、
いきなりゴセイジャーが現れてゴーカイジャーと戦い始め、
レンジャーキーの入った宝箱を外に持ち出して決闘まで始めてくれたので、
わざわざ忍び込む手間が省けて大喜びしました。
そうしてギガントホースからの砲撃でゴーカイジャーをひるませている間に、
まんまとレンジャーキーの入った宝箱を奪い取ったのでした。

その黒十字王が「黒十字軍の首領」と名乗ったのを聞いて、
アラタは「黒十字軍!?ゴレンジャーが滅ぼしたはずなのに・・・?」と驚きました。
黒十字軍がゴレンジャーがかつて戦い滅ぼした悪の組織だということぐらいは
アラタ達ゴセイジャーもその名前ぐらいは知ってはいるようです。
そんな大昔に滅んだ悪の組織の首領が今になって自分達の前に現れ、
しかもレンジャーキーを奪おうとするとは、いったいどういうことなのか分からず、アラタは戸惑います。

しかしマーベラスは黒十字軍など知らないので「んなこたぁ、どうでもいい!」と言ってアラタを黙らせて前に出て
「レンジャーキーを返せ!!」と黒十字王に向かって怒鳴ります。
ザンギャックだろうが黒十字軍だろうがどっちでもいい。
とにかくレンジャーキーを奪う奴は誰であろうが許せない。
どんなことをしても奪い返すというのがマーベラスの揺るがぬ信念です。

この緊急事態にジョー、ルカ、ハカセ、アイムも慌ててマーベラスのもとに駆けつけ、
同時にアラタの周りにはエリ、アグリ、モネ、ハイドも駆け寄ってきました。
こうしてゴーカイジャー5人とゴセイジャー5人、合せて10人の戦士が黒十字王と睨み合う形となると、
黒十字王は「ハッハッハ!!揃ったか!!」と高らかに哄笑し、
身体から黒い靄を発して「貴様たちの相手をするのは・・・こいつらだぁぁっ!!」と叫ぶ。
すると、その黒い靄は3つに分裂して、その3つの靄は3つの怪人に姿を変えたのでした。

そのうちの1体の怪人の姿を見てハイドは「まさか・・・!?」と驚愕し、「ブラジラ!?」と叫びます。
その怪人はゴセイジャーの宿敵であった救星主ブラジラと全く同じ姿だったのです。
しかしブラジラは数年前、レジェンド大戦の半年ほど前の戦いでゴセイジャー達が倒したはずです。
そのブラジラがどうして現れたのか?
それともブラジラそっくりの偽物なのか?
ゴセイジャーの5人は混乱しました。

すると、そのブラジラそっくりの怪人は「フッフッフ・・・私はブラジラであってブラジラではない!」と答えます。
その声は間違いなくブラジラの声であり、いかにも高慢な嫌味な口調もブラジラそのものでした。
ちなみにこの声は「ゴセイジャー」本編でブラジラの声を担当されていた飛田展男氏が
オリジナルキャストとして声をあててくれています。

この声を聞いて間違いなくブラジラだと確信しつつ、
ゴセイジャーの5人はブラジラが言っていることの意味が分からず「なにぃ・・・?」と戸惑い、
ゴーカイジャーの5人もこの奇妙な会話を聞いて、目の前の3体の怪人が
普通のザンギャック怪人とはどうも違うようだと感じて怪しみます。

その10人に向かってブラジラは「黒十字の救星主・・・ブラジラ!」と名乗りを上げます。
続いて1体の怪人は「俺は・・・黒十字の冥府神、ダゴン!」と名乗りを上げ、
最後にもう1体の怪人が「我は・・・黒十字の総裏大臣、ヨゴシマクリタインなりな!」と名乗りを上げます。
ブラジラ以外の2体は、「魔法戦隊マジレンジャー」に登場した冥府十神のうちの一柱であるダゴンと、
「炎神戦隊ゴーオンジャー」に登場したガイアーク総裏大臣のヨゴシマクリタインでした。

なお、ダゴンの声は大塚明夫氏、ヨゴシマクリタインの声は梁田清之氏というふうに、
こちらももともとそれぞれのTV本編で声を担当したオリジナルキャストの声優の方に声をあてていただいています。
ちなみに黒十字王の声は声優界の大御所の神谷明氏にお願いしています。
神谷氏はスーパー戦隊シリーズでは「オーレンジャー」でガンマジンの声を担当したことはありますが、
この「ゴーカイジャー」にはガンマジンは登場していませんので、お願いすることにしたのでしょう。

さて、このブラジラ、ダゴン、ヨゴシマクリタインですが、
3体ともそれぞれゴセイジャー、マジレンジャー、ゴーオンジャーを最後まで苦しめたラスボス怪人です。
まぁダゴンだけはラスボスではなく、
「マジレンジャー」には究極のラスボスともいえるン・マが存在しているのですが、
その配下の冥府十神の中で最も狡猾で悪意に満ちた敵として最後までマジレンジャーを苦しめたのがダゴンでした。

共に最終話で倒されたはずのこの3体の怪人がどうしてこの場に現れたのか謎ですが、
外見が以前とそっくりに見て、一か所だけ以前と違うのは腰に巻いたベルトでした。
この3体は皆、腰に十字のマークの描かれたバックルのベルト、すなわち黒十字軍のベルトをしています。
ただゴーカイジャーの5人はこの3体の怪人のことは一切知らない。
ゴセイジャーの5人もブラジラ以外の2人については知らないので、
ブラジラに向かってハイドが「・・・どういうことだ!?」と問い質します。
ブラジラであってブラジラでないとはいったいどういうことなのか、やはりよく分からないのです。

それに答えるようにブラジラは「私達は一度堕ちた地獄で運命の報せを聞き復活した!」と言い、
続いてヨゴシマクリタインが「このベルトこそ、その復活の証なり!」と言い、
ダゴンが「今は黒十字王様が戒律だ・・・」と続けます。
この説明では結局ゴセイジャーの面々にはこのブラジラの正体はよく分からなかったと思われますが、
要するにこの3体は死んだ3体のオリジナルの魂が復活したものではなく、
彼らの残したスーパー戦隊への怨念が黒十字王と共に実体化したものに過ぎないようです。

この3体を構成しているのは3体の怨念だけではなく、歴代34戦隊に倒された悪の組織の全員の怨念であり、
その集合体が黒十字王の姿となっているのですが、
そこから分身として実体化したものがたまたまブラジラ、ダゴン、ヨゴシマクリタインの形となっているのです。
ただ、黒十字王が「黒十字軍の首領」という虚構の自意識を持っているのと同じように、
この3体も自分のことをかつてのブラジラやダゴンやヨゴシマクリタインとしての虚構の自我を持っており、
更に今は黒十字軍の尖兵でもあるという自意識も持っているようです。
黒十字軍のベルトはその自意識の表れというわけです。

その3体の説明が終わると黒十字王は「貴様たちのレンジャーキーも、素直に渡した方が身のためだぞ!」と、
ゴーカイジャーとゴセイジャーに向けて言い放つのでした。
黒十字王はスーパー戦隊への復讐のためにレンジャーキーを奪おうとしていますが、
黒十字王が手に入れた宝箱の中には176個のレンジャーキーが入っており、これは全てのレンジャーキーではありません。

実はバスコが別に10個持っているのですが、これはこの映画には登場しませんし、
黒十字王もこの10個のことは把握していないようです。
ここで黒十字王が問題としているのはゴーカイジャーの5人とゴセイジャーの5人が持っている
それぞれ自分達の変身に使っているレンジャーキーのことです。
その10個のレンジャーキーも寄越すように黒十字王は要求しているのです。

もちろんそんな要求に両戦隊とも応じるはずもなく、マーベラスは「なんだとぉ!?」と怒鳴り返します。
するとそれに応えるようにブラジラとダゴンとヨゴシマクリタインが自分達の持つ武器を組み合わせて
「むぅん!!」と気合を込めると、武器の結合点から光が発し、
その光に呑まれたゴーカイジャーの5人とゴセイジャーの5人は「うわあああ!?」という悲鳴を残して、
一瞬にして姿が掻き消えてしまったのでした。
そして3怪人も不気味な笑い声を残して姿を消します。

そうしてその場に1人残った黒十字王は
「フン!!これで地球を守り続けてきたスーパー戦隊の歴史も終わりだ!!ハッハッハッハ!!」と愉快そうに哄笑し、
宝箱を抱えたまま黒い靄と共にその姿を消します。
また上空のギガントホースも何時の間にか姿を消していました。
レンジャーキーを奪った後のスーパー戦隊への復讐とゴーカイジャーの始末については
黒十字王に一任するという約束なのでしょう。

そうして誰もいなくなった場所にナビィが飛んできて
「何がどうなっちゃったの!?みんな何処行っちゃったんだよぉ!?」と大慌てで辺りを見回します。
退避したガレオンから様子を見にやって来たら、いきなりマーベラス達が光に包まれて消え、
レンジャーキーを宝箱ごと変な怪人に奪われる場面を目撃し、ナビィは驚愕してしまいました。
地上に降り立って「やだよぉ・・・みんな出てきてよぉ・・・」とトボトボと歩くナビィは石に躓いて転んでしまい、
「痛い・・・」と呻きますが、そうして転んだことによって、
ちょうど太陽光がちょっと離れた場所にある草むらの中の何かに反射してナビィの視界にその光が差しこんできました。

ナビィが不審に思ってそれを見ると、それはゴセイナイトのレンジャーキーでした。
黒十字王は手元の宝箱の中にあるレンジャーキー以外は
ゴーカイジャーとゴセイジャーの持つ10個だけだと思い込んでおり、
この偶然草むらに落ちていたゴセイナイトのレンジャーキーのことには気付いていなかったのです。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 12:45 | Comment(4) | ゴーカイジャー ゴセイジャー199ヒーロー大決戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月02日

ゴーカイジャー ゴセイジャー 199ヒーロー大決戦 感想その5

さて、黒十字王の配下として復活して現れたブラジラ、ダゴン、ヨゴシマクリタインの奇妙な合体技によって
姿を消されてしまったゴーカイジャーの5人とゴセイジャーの5人は、消滅させられてしまったわけではなく、
メンバーをバラバラにされて変身解除した状態で別の場所に飛ばされていたのでした。

マーベラスとアラタの2人が飛ばされたのは、オフィス街のある何の変哲もない会社のフロアーでした。
ただ、そこが異常であったのは、どういうわけかそこに多数存在する人や物の全てが
時間の流れが停止したように、ピクリとも動かないことでした。
そんな場所にいきなり出現することになったマーベラスは周囲の異常な光景に
「何だ?ここは・・・」とキョロキョロして戸惑います。

ゴセイジャーと戦っていた場所にいきなり乱入してきた黒十字王とかいう変な敵によって光を浴びせられたと思ったら、
次の瞬間、こうして見知らぬ場所に移動していたのですから、いったい何が起こったのか分からず、
マーベラスが戸惑うのは当然です。
アラタも同様に事態が呑みこめず立ち尽くして周囲を見まわします。

マーベラスとアラタは同じレッド戦士同士という組み合わせでしたが、
別に厳密に色で合わせてペアにしているわけではないようで、
別の場所に飛ばされたのはハカセ(緑)とアイム(桃)、そしてハイド(青)とエリ(桃)の4人組でした。
この4人組はゴーカイジャー、ゴセイジャー双方における、
どちらかというと互いに向ける敵意が激しくはない穏健派の集まりといえます。

その4人が突然出現することになったのは、何処かにある吊り橋の上でした。
謎の光に包まれたと思ったら次の瞬間には見知らぬ橋の上ですから、
エリは「何なのぉ!?いったい〜!?」と素っ頓狂な声を張り上げて大騒ぎです。
ハカセはいったいこの場所は何処なのかと思い、立ち上がって橋の下を覗き込み「ヒイイイイ!!」と悲鳴を上げます。
その吊り橋は荒波に揉まれる海の上に架かっており、しかもその海は遥か下でした。

「・・・たっかぁい・・・!」とハカセは腰を抜かしてへたりこみます。
荒波の上の異常に高い吊り橋の狭い橋げたの上に自分達がいることに気付き、恐怖心にかられたのです。
ハイドもアイムも状況を確かめるべく下を覗き込み息を呑みます。
エリも下を見て「えええええ!?」と絶叫します。
どうしていきなり自分達がこんな状況になっているのか全く理解できず大慌ての4人でした。

そして残る4人、すなわちジョー(青)とルカ(黄)、アグリ(黒)とモネ(黄)の4人組は
何やら土埃舞う地面の上にいきなり移動していました。
謎の光に包まれた次の瞬間、見知らぬ風景の中に投げ出されてルカとモネは「ここ何処?」と声を揃えます。
互いに口の悪いルカとモネは初対面の時からイヤな相手だと嫌悪し合っており、
そんな相手と声が揃ってしまったことに不快そうに「真似しないでよぉ!」と、また声を揃えて文句を言い合います。

しかし、そんなことよりも問題はその4人の放り出された場所です。
ジョーとアグリは立ち上がって周囲を見回して唖然とします。
そこはまるで時代劇のような街並みでした。
といっても宇宙海賊のジョーは時代劇など知らないし、日本の歴史についても何も知らないので、
こんな風景は見たことがない。
「・・・何だここは・・・?」とジョーは未知の世界に驚愕します。

一方、アグリも護星天使ですからもともとは護星界という異次元世界の出身であり、
地上の歴史などに詳しいわけではない。
だがそれでも初めて地上に降りてきてから数年経ちますから、
それなりにゴセイジャーの面々も地上の歴史も勉強しており、
あまり勉強熱心とはいえないアグリでも中途半端な歴史知識ぐらいはあります。
このような街並みは確か、日本の江戸時代のものだと思い出したアグリは
「・・・江戸時代ってヤツか!?」と言いながら周囲の景色を見回します。

それを聞いてモネが「ええ!?タイムスリップ!?」と、
自分達はタイムスリップして江戸時代にやって来たのだと思い込んで興奮して飛び起きます。
一方、ジョーは江戸時代などは知らないが、タイムスリップと聞いて「なんだとぉ!?」と大いに驚きます。
すると、ここは過去の世界なのかと戸惑うジョーでしたが、
その足元で相変わらず座り込んだままのルカは何やら難しい話はよく分からないので皆の話は聞き流していました。

それよりもルカが妙だと思ったのは、自分達は道のど真ん中に居座っているのだが、
さっきから道を通る人が誰ひとりいないことでした。
見たことのない街並みでしたが、それなりにたくさんお店などもあって賑やかな街のはずなのに人っ子ひとりいない。
これはどうも妙だと思ってルカが何となく道端の家々を見ていると、
突然、家の軒下あたりからバラバラと黒い服を着た人が何人か出てきました。

「・・・ん?」とルカが目を凝らすと、それは何人かどころではない。
あっという間に道沿いの家という家の軒下から同じ黒い服を着た集団が湧いて出てきて、
こちらに血走った視線を向けてくるのです。
これにはルカも驚愕して立ち上がり「何あれ!?」と叫びますが、
ここまで異常事態だとさすがに全員が既に黒装束集団には気付いており、
またもやルカの声はモネと揃ってしまいました。

この黒装束集団はどう見ても忍者なのですが、さすがにアグリも忍者のことは分からないらしい。
というか、普通の真面目な歴史の本には
江戸時代の町並みの中でいきなり出現する忍者軍団なんていうものは載っていません。
こんなものは時代劇の中だけの産物です。

この忍者軍団、背中に背負った忍者刀に手をかけて、一斉に駆け出してジョー達4人を円陣を組んで取り囲みます。
その只事でない雰囲気にモネは「ええええ!?何?何?」と慌てます。
なんでいきなりタイムスリップした江戸時代で変な黒い服軍団に敵意を向けられなければいけないのか、
さっぱり分からないのでした。
ジョーとアグリも明らかに相手が自分達に敵意を向けていると感じとり、
ルカも「ちょっとぉ・・・何よぉ?」と意味がさっぱり分からないながらも身構えます。

ここで舞台は再びマーベラスとアラタが飛ばされたオフィス街のとある会社のフロアーに戻ります。
フロアーには多くの会社員たちが忙しそうに働いていますが、
異様なのは、彼ら全員がまるで人形のように完全にフリーズしていることでした。
マーベラスは呼びかければ何か反応があるかもしれないと思い、傍にいた会社員の肩を掴んで
「おい!」と呼びかけますが、何の反応も無くフリーズしたままでした。

あるいはこれはみんな精巧な作り物なのかもしれないとも思えましたが、
アラタが他の社員の首のあたりを触ってみると脈が感じられました。
「みんな本物の人間だ・・・」とアラタは驚きます。
本物の人間が生きたまま完全に身体の動きを止めている。
それがこのフロアーの多数の人々に同時に起こっているのです。
こんなことは通常では起こるはずがなく、何らかの魔法のような力によると思われました。
おそらく自分達をこの場所に送ったパワーと同じパワーによるものであろうが、
よく分からないのはどうしてこんなことをする必要があるのかでした。

「どうしてこんな・・・?」とアラタが困惑していると、
そのフロアーに置いてあるテレビやパソコンのモニターなどにブラジラの姿が映し出され
「たった今、この場所はこの私、ブラジラの支配する空間となった!」と喋りはじめました。
ギョッとしてマーベラスとアラタはモニターを見入ります。
このフロアーで動いている者は自分達2人しかおらず、自分達に向けたメッセージであることはすぐに分かりました。

アラタにとって宿敵ブラジラの顔は忘れようもない。
マーベラスもそのモニターに映っている怪人が
さっきの黒十字軍とかいう連中の1人であることはすぐに思い出しました。
どうやらここは架空の亜空間などではなく、実在する何処かのビルの中であるようだが、
黒十字軍の魔力による結界でブラジラが支配下に置いたようです。

そしてブラジラは「私を倒さない限り、この空間からは出られない!楽しい狩りの始まりだ!」と言って
指をパチンと鳴らして、モニターは消えました。
同時にフロアーに「ゴセイジャー」本編に登場したブラジラ配下の戦闘員である魔虫兵ビービが
大勢乱入してきてマーベラスとアラタに襲い掛かってきました。

どうやらブラジラはこの自分が支配下に置いた空間内にマーベラスとアラタを閉じ込めて
狩りたてようというつもりのようです。
おそらくブラジラ自身もこの空間内に居て、ビービたちを指揮している。
どうしてわざわざこんな場所を選んで、空間内の人々をフリーズさせているのかという理由は結局よく分かりません。
しかし、そういう意味不明な行動がいかにもブラジラらしいとも言えます。
生前のブラジラも狡猾ではありましたが、結構意味不明な行動も多く、それゆえ厄介な相手でもあったのです。

ただ、確かなことはブラジラの狙いが黒十字王の求めるレンジャーキーの回収であるということでした。
大人しくレンジャーキーを渡すことを拒んだゴーカイジャーとゴセイジャーのメンバーを
自分達の支配する結界内に閉じ込めて攻撃を加えて倒し、
レンジャーキーを奪うというのが黒十字軍の作戦であるようです。
ここでブラジラのターゲットになっているのはマーベラスとアラタの持つレンジャーキーです。

マーベラスとアラタの2人は廊下に出てビービたちと戦い、
マーベラスは「おい!理由は分からねぇが・・・敵はレンジャーキーを狙ってる!」とアラタに向けて言います。
そして続けて「お前のを俺が取り返すまで、勝手にくたばるんじゃねぇぞ!」とアラタに釘を刺します。

マーベラスは黒十字軍とかいう連中と戦う理由は元来は無かったが、
レンジャーキーを奪われた以上は取り戻すために戦うつもりでした。
そして黒十字軍が自分やアラタの持つレンジャーキーを更に狙ってくるというなら、それは絶対に死守する。
これ以上レンジャーキーを奪われるわけにはいかない。

ただ、とにかく今は自分のレンジャーキーを守りながら戦って
早くあのブラジラとかいう怪人を倒してこの空間を脱出して、
それから黒十字王とかいう首領を倒してレンジャーキーの入った宝箱を取り戻すのが
マーベラスにとっての最優先でした。
そうなると、いちいちアラタのレンジャーキーまで守ったり、
アラタからレンジャーキーを奪い返したりしている余裕はマーベラスにはありませんでした。
とにかく今はそっちはそっちでレンジャーキーを奪われないようにせいぜい頑張ってほしいと
マーベラスはアラタに言っているのです。

それは要するに、黒十字軍を倒して宝箱を取り戻したら、
次はアラタ達ゴセイジャーからもレンジャーキーを奪い返すと宣言しているに等しく、
自分が取り戻すレンジャーキーを自分のために守るようにアラタに命じているのですから、
随分と傲慢なマーベラスの物言いです。

これにムッとしたアラタはビービたちの攻撃をさばきながら
「君に言われなくても・・・俺は地球を守るために、この空間を脱出してみせる!!」と怒鳴り返します。
マーベラスは黒十字軍というものを知らないからそんな呑気なことを言っているのだろうが、
黒十字軍や歴代悪の幹部たちが甦ってスーパー戦隊の力の封じられたレンジャーキーを
集めようとしているということは、何か地球にとんでもない危機が迫っていることを意味すると
アラタは直感していました。

そんな状況になっても自分がレンジャーキーを独占することしか考えないマーベラスは
所詮は宝探ししか頭にない宇宙海賊に過ぎないのだとアラタは呆れました。
もうこうなったらマーベラスのことなど無視して、
とにかく自分が早くブラジラを倒してこの空間を脱出して、黒十字軍の野望を阻止して地球を守るしかない。
そう決意してアラタはテンソウダーにチェンジカードをセットし「天装!!」と掛け声をあげて
ゴセイレッドに変身します。

一方マーベラスはアラタが殊更に「地球を守るため」と強調するのを聞いて、
相変わらず海賊をどうせ地球を守らないのだろうと馬鹿にしていると感じて「フン!」と言います。
アラタの言葉はマーベラスにとって腹立たしくありましたが、
しかし確かにアラタが真っ直ぐな想いで地球を守るためだけに戦おうとしていることもマーベラスには伝わりました。
その純粋さは確かに自分には無いものだと思い、マーベラスは少しアラタのことを面白いヤツだとも思い、
ニヤリと笑うとモバイレーツにレンジャーキーを挿して「豪快チェンジ!!」とコールして
ゴーカイレッドに変身しました。

ここで舞台は変わって荒波立つ海の上に架かった吊り橋の上に移ります。
遥か下の海を見て腰を抜かしたハカセをアイムが助け起こそうとし、
エリはハイドに「どうしよう?」と縋りつき、ハイドはどうしていきなり自分達がこんな場所に居るのかよく分からず、
とにかく状況を頭の中で整理しようと考え込みます。

それにしても江戸時代の町並みの方に飛ばされたジョーやアグリ達の方が
むしろ互いに敵対的であった割に会話があったのに比べ、
こちらの吊り橋の4人は互いにそれほど敵対的ではないスタンスの割には
同じ戦隊内の相手としか絡もうとしていません。

これは要するに江戸の街チームの4人の方が感情表現がストレートゆえに
敵対的であっても素直に言葉をぶつけ合うことが出来る一方で、
この吊り橋チームの方は冷静で感情が抑制的であるゆえに敵対心も緩めだが
互い戦隊の間に壁を作りがちなのでしょう。

ところがそこに乱入者が現れます。いきなり4人は銃撃を受けます。
「うわああああ!?」と慌てて橋の上で銃弾を避けた4人が見ると、
橋の入り口のところに奇妙な姿の戦闘員が殺到してきて銃口を向けています。
4人はこの戦闘員は見たことがありませんでしたが、
これは「マジレンジャー」本編に登場した地底冥府インフェルシアの下級戦闘員である冥府兵ゾビルです。
となると当然、このゾビルを率いるのはインフェルシアの冥府神であったダゴンということになります。
この場所もやはり先ほどのオフィスビル同様、黒十字軍の結界内の空間であるようで、
ここでハカセ、アイム、エリ、ハイドを倒してそのレンジャーキーを奪い取る担当者はダゴンであるようです。

「フハハハハ・・・」と不敵に笑いながらゾビルの群れの中から現れたダゴンの姿を見て、
4人はそれがさっき黒十字王から出現した3体の怪人の1つであることに気付き、
この場所が自分達を追い詰めるための場所であることを悟り、身構えます。
その4人に向かってダゴンはいきなり「くあっ!!」と叫び、目から怪光線を発射し、
狭い橋桁の上で逃げ場の無い4人は「うわっ!?」と慌ててのけぞって避けます。

なんとか直撃を避けることが出来た怪光線は橋の上を通り過ぎて、橋の対岸の山肌に直撃して大爆発、
猛烈な爆風を起こしました。
すると、橋の上でのけぞって避けていたハカセとエリがこの爆風にあおられて
「うわぁ!」「ああっ!」と吊り橋から飛び出してしまいました。
そのまま真っ逆さまに墜ちて下の海面に激突するかと思われた瞬間、
反射的に橋の上からハイドとアイムが手を伸ばして墜ちていく2人の手を掴んで助けたのでした。

ただ、掴んだ相手は同じ戦隊仲間ではなく、ハイドはハカセの手を掴み、アイムはエリの手を掴んでいました。
ついさっきまでレンジャーキーを奪い合って戦っていた相手であるハイドに助けられたハカセは驚き、
ハイドの腕1本に掴まって橋桁からぶら下がりながら「・・・どうして君が?」とハイドに向かって苦しそうに尋ねます。
同様にエリも自分の手を掴んで橋桁から身を乗り出しているアイムに向かって「どうして貴方が!?」と、
苦しい息を漏らしながら不思議そうに尋ねました。

しかしハイドもアイムも目の前で橋から墜ちようとしている相手を見て思わず手を伸ばして掴んだだけのことであって、
相手が誰であるとか考えている余裕は無かった。
手を掴んでから相手を見たら、それがさっきまで戦っていた敵であることに気付いて、
逆にハイドとアイムも驚いてしまっていました。
つまり別にハイドはハカセを助けたいと思っていたわけではなく、
アイムもエリを助けたいと思って助けたわけではない。
どうして助けたのかなどと問われても、その相手を助ける理由などそもそも無いのだから答えられるわけがない。

ハイドは「いや・・・気がついたら・・・」と、そしてアイムは「反射的に・・・こうしていました・・・!」と、
2人とも別に助ける理由があって助けたわけではないと正直に答えました。
しかも狭く不安定な橋桁の上から身を乗り出して腕1本で1人分の体重を掴んでいるため、
ハイドとアイムも半ば橋から落ちかけている状況で、
自分の身体を支えるのに精いっぱいで身動きが取れなくなっていました。

その身動き出来ない4人を眺めながらダゴンは「ほぉ〜う・・・ずいぶんと粘るな・・・」と嘲笑します。
敵であるダゴンが目の前に迫っているのに身動きも出来ない状況ではどうしようもない。
このままでは4人ともやられてしまうのは明白でした。
もとはといえば自分が勝手に橋から落ちたのが悪いのであって、
たとえ敵であったとしても自分を助けるためにアイムが死んでしまっては申し訳ないと思ったエリは
「何やってんの!?あたしのことはいいから!!」と叫んで、アイムに自分の手を離してダゴンと戦うように言います。

このままアイムがエリの手を掴んでいても、
どうせダゴンに攻撃されてアイムがやられればエリは海に落ちることになるのです。
だから、もうこの状況でこの態勢になってしまえば、どう転んでもエリが海に落ちるのは避けられないのですから、
アイムは別にエリの手を離して、自分だけは助かるために戦ってもいいのです。

アイムに出来る選択は、エリを海に落として自分だけ助かろうとするか、
自分が倒されてからエリを海に落とすかのどちらかだけです。
それならば普通は前者を選ぶ。
ましてやアイムとエリは初対面同然であり敵同士であり、
アイムはお宝のことしか頭に無い海賊なのであれば、
ここでエリを助けるために自分を犠牲にするという選択肢は有り得ない。
それにエリだって海に落ちたとしても確実に死ぬわけではない。運が良ければ助かる可能性だってあります。
ならば確率論的には、ここはエリを海に落としてエリの命は天運に任せ、アイムはダゴンとの戦いに集中すべきでした。

エリはそう考えて自分の手を離すようにアイムに迫ったのであり、
それが確率論的には一番正しい答えだということは、その場にいたハイドにもハカセにも、
そしてアイムにも理解は出来ていました。
しかしアイムは「出来ません!!」と叫んでエリの指示を拒絶して、
もう1本の手を伸ばして両手でエリの手を掴み、ぐっと引き上げようとします。
理屈的には手を離すのが正解だと分かっていても、
一度助けた相手の手を再び離すようなことはアイムにはやろうと思っても出来ないことだったのです。

このアイムの言葉を聞いてハイドも、ハカセの手を離すのが賢明だと分かっていながらも
どうして自分がまだハカセの手を離していなかったのか理解出来ました。
自分もまたアイム同様、弾みとはいえ一度助けた相手の手を離すような真似は出来ない。
ここで手を離すことは護星天使の誇りに反することだと分かっていたからこそ、
ハカセの手をずっと掴んでいたのだとハイドは悟りました。

そうしてハイドはぐっと上腕に力を込めて「今引き上げてやる!」とハカセに言います。
ハカセは自分が海に落ちるのがこの場合は当然だと思っていたので、
もはや引き上げてもらうことは諦めていたのですが、
ハイドが自分を引き上げようとしていることに驚きつつ喜びを感じて、
再び腕に力を込めて、両手でハイドの腕にしがみつきます。

しかしダゴンがそれを大人しく見逃すはずもなく、
「仲良く地獄へ堕ちろぉ!!」と叫んで手にした矛から4人めがけて電撃を放ち、
直撃はしなかったものの橋は破壊され、
4人は結局「わああああ!!」と全員が眼下の海に墜ちていったのでした。

ここでまた舞台は変わり、例の江戸時代の町並みのような場所に移ります。
江戸の町の往来で忍者軍団に包囲されてしまったジョー、ルカ、アグリ、モネの4人は、
全く見知らぬ黒装束軍団からいきなり意味不明の敵意を向けられて戸惑うばかりです。
「いったい何なのよ!?」とモネが忍者たちに向かって喚き、
ルカがひきつった顔で「・・・あのさぁ、ちょっと聞いてもいいかなぁ・・・?」と問いかけ、
とにかく何か会話をしてこの場を誤魔化そうとしますが、忍者たちは無言で刀を抜いて構えます。
どうやら問答無用のようです。
「やっぱ聞いてくれないのねぇ・・・」とモネは観念して、
こうなったら意味不明のまま戦いに突入するしかないのかとウンザリしました。

そうして忍者たちは一斉に4人目がけて斬りかかってきて、4人は応戦します。
相手は変な黒装束ではあるが所詮は生身の人間と思い甘く見ていた4人でしたが、
忍者軍団は意外に強く、4人はあっという間に追い詰められて、まとめて突き飛ばされ、
爆雷のようなものを投げ込まれて「ぐああっ!!」と、あえなく負けてしまいました。

ところが、もはやこれまでかと思われたその時、「カアアアット!!」という声が響き、
その声を合図とするように忍者軍団は急に敵意を無くして、さっとその場から散っていったのでした。
代わりに「OKナ〜リナ〜!」と言いながら、ヨゴシマクリタインがのしのしと歩いてきて、
倒れたジョー達4人を見下ろして「ハハハハハ!」と愉快そうに笑います。

歩いてきた怪人がさっき黒十字王から分離して現れた3体の怪人のうちの1つであることを思い出した4人は
飛び起きて、睨み返します。
どうやらこの場所はこのヨゴシマクリタインとかいう怪人が
自分達を罠に嵌めるために送り込んだ場所であると悟ったのでした。
ルカとモネはまた声を揃えて「何のつもり!?」と問い質します。

するとヨゴシマクリタインは「お前たちの情けない姿を記録してやっているナリ〜」と嘲笑います。
ジョーは「なんだとぉ・・・?」と怒りにかられますが、
確かによく見るとヨゴシマクリタインは手にはメガホンを握っており、
撮影スタッフの格好をした戦闘員の蛮機兵ウガッツを引き連れています。
ウガッツは「ゴーオンジャー」本編に出てきたガイアークの戦闘員であり、ヨゴシマクリタインの手下です。
そのウガッツ達を使ってジョー達4人と忍者軍団の戦いを撮影していたようなのです。
さながらヨゴシマクリタインは映画監督のつもりのようです。

タイムスリップして昔の時代に来ていたはずだが、何か妙だとジョーが思っていると、
ヨゴシマクリタインは「ここはヨゴ映シマクリ撮影所ナ〜リナ〜!」と言います。
同時に画面の背景には荒波の中に「ヨゴ映」という文字と正三角形を組み合わせたロゴマークが浮かび上がります。
これは東映のロゴマークが荒波の中に浮かび上がるお馴染みのシーンの再現で、
つまりここは東映の撮影所、要するに太秦撮影所なのでした。

江戸時代の町並みのように見えたのは東映の太秦映画村のお馴染みのセットでした。
そこを黒十字軍の魔術で結界を張ってヨゴシマクリタインの支配下に置いて、
勝手にヨゴシマクリタインが「ヨゴ映シマクリ撮影所」と呼んでいただけなのです。
つまり、最近は戦隊やライダーでは恒例となった太秦ロケです。
それをこの映画では時代劇や異世界というシチュエーションではなく、
時代劇映画の撮影という、映画村そのまんまのシチュエーションで描いているのです。

なお、ウガッツを引き連れて映画監督気取りのヨゴシマクリタインですが、
本来はこういうとぼけたキャラは息子のヨゴシュタインの方の特有のキャラであって、
ヨゴシマクリタインはもうちょっと強面のキャラのはずなのですが、
今回は3体の復活怪人のうち、ギャグ担当を割り振られているようで、
やや「ゴーオンジャー」本編のオリジナルのヨゴシマクリタインとはキャラが違います。
とはいっても、本編のヨゴシマクリタインもガイアーク怪人らしく、それなりにとぼけた面もありましたが。

さて、「ああ!鬱陶しいっ!!」と怒鳴って「ヨゴ映」のロゴマークを叩き割って背景を元に戻したアグリは
「何を企んでやがる!?」とヨゴシマクリタインに問い質します。
どうやら自分たちはタイムスリップしたわけではなかったようで、
何処かの撮影所を黒十字軍が占拠して自分達の処刑場にしようとしているらしいことは分かりました。
町に通行人が全然いなかったのは撮影セットだから当然のことだったのです。
それにさっきの黒装束軍団も普通の人間ではなく、
戦闘員が化けていたから異常に強かったのだということもアグリ達は理解しました。

ただ、よく分からないのは、レンジャーキーを奪うためならさっさとさっき倒してしまえばよかったものを、
どうしてわざわざ映画の撮影なんてバカげた手の込んだことをしているのか、そのあたりが謎だったのでした。
それに対するヨゴシマクリタインの答えは「ただお前らを倒してもつまらんナリナ〜・・・
だからあと30分のうちに我を倒さなければ、ここが大爆発するように仕掛けたナリナ!」というものでした。

「なんだと!?」とアグリは驚きます。
要するに撮影そのものに大した意味などはなく、
ヨゴシマクリタインは普通に戦えば自分がすぐに勝つに決まってるので面白くないから、
30分間、生きて脱出するために必死に向かってくるジョーやアグリ達4人を
なぶって楽しもうというつもりであるようです。
それでその4人の無様に死んでいく姿を記録して遊ぼうということであるようです。

「悪趣味なヤツだ・・・」とジョーは苦笑します。
そんなくだらない遊びのためにわざわざこんな場所を占拠して大掛かりな仕掛けをするとは、
こいつは心底バカだろうと思いましたが、
それはつまり言い換えれば、この怪人が絶対に負けない自信があるからこその悪趣味な遊びなのであって、
この一見ただのバカに見える怪人は実はかなり強いのだろうということもジョーは理解しました。

「撮影再開ナリナ!よぉ〜い!アクション!!」とヨゴシマクリタインが合図すると、
今度はウガッツの群れが4人目がけて殺到します。
モネは「お兄ちゃん!2人だけでとっととあいつ倒すよ!」と言って
テンソウダーにチェンジカードを装填し、アグリも「おお!」と応じます。
そして2人は「天装!!」と、ゴセイイエローとゴセイブラックに変身して、ウガッツ達を倒していきます。

さっきは生身で油断して戦ったので負けたが、変身すればこんな戦闘員ごときに負けない。
海賊の手など借りることなく、自分達ランディック兄妹だけで
ヨゴシマクリタインを一気に倒してやろうと、アグリとモネは意気込んでいました。
もともとゴセイジャーの中でも最もゴーカイジャーを忌み嫌っていたアグリとモネは、
ジョー達と協力しようなどという気はさらさらありませんでした。

一方、置いていかれた感じのルカはムスッとした顔をして
「ジョー!あたし達も!」と、レンジャーキーを取り出します。
ジョーも「ああ!」と応じてレンジャーキーを出します。
とにかく早くヨゴシマクリタインを倒してこの場所を脱出しなければいけないのだから、
戦いをゴセイジャー2人に任せる気などもともと無い。
ジョーは自分の手でヨゴシマクリタインを倒して脱出してやろうと決意しました。

しかしルカは「奴らにドヤ顔だけはされたくないよね!」と言ってから
「豪快チェンジ!!」とゴーカイイエローに変身して突っ込んでいきます。
それを聞いてジョーはちょっと呆れ顔となり、「豪快チェンジ!!」とゴーカイブルーに変身して後に続きます。
ルカが当面の敵であるヨゴシマクリタインよりもゴセイジャーの2人の方を強く意識して、
対抗意識を燃やしていることに気付き、ジョーはげんなりしました。

確かにゴセイジャーは気に食わない連中だが、
当面の敵のヨゴシマクリタインはかなりの強敵と予想されるのだから、
余計なことは考えず集中すべきだろうとジョーは少し心配しました。
案の定、ウガッツ達を片付けた後、モネが勢いに任せてヨゴシマクリタインに向かって
不用意に突進していくのに対抗して、ルカまでも真っ直ぐヨゴシマクリタインに突進していきました。

「はああああ!!」と叫んで競争するように突っ走っていくモネとルカを見て、
アグリとジョーはそのあまりの不用心さに驚き慌てますが、
ヨゴシマクリタインは余裕の態度で2人を迎え撃ち
「本当の戦いというものは、こういうものナリナァッ!!」と言って、手にした棍棒を一閃し、
突風を巻き起こしてルカとモネを吹っ飛ばしてしまいます。
そして、その突風を受けてひるんだジョーとアグリに対しても一気に距離を詰めて
ヨゴシマクリタインは「うおおお!!」と棍棒を振るい、一気にジョー達4人は守勢に回ることになったのでした。

さて、その頃、とある運河のほとりには、
先ほど赤信号を無視して道路に飛び出してミニパトに轢かれそうになったサラリーマン男を連れて、
元デンジブルーの青梅大五郎と元リュウレンジャーの亮、元デカピンクのウメコがやって来ていました。
夢遊病者のように道に飛び出したり、その後大声で泣き出したり、
どうもサラリーマン男の様子が普通でないのを心配して、何か事情があるのではないかと思い、
3人は相談に乗ってやろうと思ったのでした。

「いったい・・・どうしたっていうんだ?」と青梅が尋ねると、
サラリーマン男はうなだれて「リストラされて・・・貯金も無くなってね・・・」と答えます。
どうやら男はサラリーマン男ではなく元サラリーマン男だったようです。
いわば、現在は戦う力を失った元ヒーローの3人と似たような境遇ともいえます。

しかし、その元サラリーマン男がどうしてあんな場所をフラフラ歩いていたのでしょうか?
それについては、男はカバンの中から白い布に包んだものを取り出して
「これがいい金で売れるって聞いて出てきたんだけど・・・」と言って布の中から玩具を取り出します。
それは初代スーパー戦隊のゴレンジャーの搭乗マシンであったバリブルーンの玩具でした。

何せ40年ほど前に活躍した戦隊の搭乗機の玩具であり、
今はもう生産していない古い玩具であるようで貴重品といえます。
しかも古い玩具であるにもかかわらず、ほとんど古さを感じさせない、かなりの美品といえます。
よほど大事に保管してあったのでしょう。確かにこれなら骨董品屋に売れば、それなりの値段はつくでしょう。
男はこれを売り払って当座の生活費を得ようと思い、骨董品屋に行くためにこのあたりに出てきていたようです。
しかし男は骨董品屋には行かずにフラフラと歩いていた。

男は「もうどうでもよくなってきちゃって・・・」と溜息をついてうなだれました。
つまり、男がバリブルーンの玩具を売って当座の生活費を得ようとしていたのは、
その金で食いつないでいるうちに次の就職先を探すためであったのでしょうが、
男はもういくら努力してもこの不景気ではどうせ就職先なんか見つからないだろうと思い、
もう未来に希望を見出すことが出来なくなって悲観してしまっているのです。

それで途中でもうどうでもよくなり、どうせ玩具を売ったところで何も状況は変わらないだろうと思い、
骨董品屋にも行かず、無気力状態でフラフラと歩いていたところ、
赤信号を見落としてウメコの乗るミニパトと衝突しそうになったようです。

その男の言葉を聞いて青梅は「なんてこと言うんだ!」と叱ります。
男が未来に希望を持てなくなっていることを青梅は嘆かわしいと思いました。
男が持っているバリブルーンの玩具の保存状態の良さを見る限り、
男が子供の頃からバリブルーンの玩具を大切にしてきたことは分かります。
それはつまり、男がさっき青梅が幼稚園で会った男の子の父親のように、
スーパー戦隊の勇気や強さや正義の心を信じていた少年時代の夢をずっと持ち続けてきたということではないのか。

さっき自分達の与えた夢をずっと信じていてくれた男の子の父親の存在を知って、
青梅は自分達の戦いが人々の役に立ったと思い、とても嬉しかった。
ところが同じようにずっと自分達の与えた夢を信じていてくれたこの男が
未来に希望を持てないと言うのを聞いて青梅はショックを受けました。
青梅は男の肩に手を置いて「希望を無くしてどうする!」と強い口調で励ましました。
しかし男は肩をズラして青梅の手を避けて「・・・昔はあったよ・・・夢も希望もね・・・」と遠い目をして空を眺めます。

確かにこの男もこのバリブルーンの玩具を大切にしていた頃は、夢を信じて、夢を掴むために頑張っていました。
しかし現実は厳しく、一生懸命頑張っていた男は無情にも会社の都合で仕事をクビになり、
懸命に生活を支えるために仕事を探したが、不景気のため良い仕事が見つからない。
そんな状況に男は疲れ切ってしまっていました。
「・・・だけどいくら頑張っても状況は良くならない!」と吐き捨てるように言うと、
男は「・・・お先真っ暗だよ・・・!」と愚痴ってうなだれました。

いくら頑張っても状況は良くならずお先真っ暗という、その元サラリーマン男の状態は、
まるで、これまでずっと地球を守るために頑張って戦い続けた自分達スーパー戦隊が
数年前にザンギャックを相手に必死に戦った挙句戦う力を失い、
今再びザンギャックの侵略に晒される地球において、地球を守るために戦うことも出来ない状態と同じようだと、
青梅も亮も思いました。

頑張っても頑張っても次第に状況は悪化していき、気が付けばお先真っ暗というのは、
まさにスーパー戦隊の現状なのかもしれない。
ならばそのスーパー戦隊によって夢を貰ったかつての少年たちが
現在、夢や希望を失ってしまうのも道理なのかもしれない。
男の言葉を聞いて青梅と亮もそう思って、しかしそれを認めたくなくて黙り込んでしまいました。

ところがウメコが深刻な表情で「・・・そうかもしれません・・・」と男に向かって言ったので、
青梅と亮は驚いてウメコの顔を見ます。
男もハッとしてウメコの方を見上げて、決まりの悪そうな顔になってまた下を向きます。

男は自分を交差点で助けてくれた3人がスーパー戦隊の元戦士たちだということは既に説明されて知っていました。
地球を守ってきた34のスーパー戦隊のことはもちろん男は知っていましたが、
数年前のレジェンド大戦以降、戦う力を失った彼らは姿を消してしまったと聞いています。
そのうちの3人がたまたま自分が事故に遭いそうになった場所に居合わせていて
自分を助けてくれたという偶然に男はちょっと驚きましたが、
自分の状況しか頭に無くてそれ以上の感慨はありませんでした。

3人の元戦士たちが話を聞いてくれるというからここまでやって来ましたが、
男から見れば栄光のスーパー戦隊の戦士たちは雲の上の存在であって、
自分のような何処にでもいるようなつまらない一般人の苦悩などどうせ分かりはしないだろうという気分でした。
しかし、ウメコが真剣な顔で自分の状況を理解しているのを見て、男はそれは勘違いだったと気付いたのです。

地球を守るために必死に戦い続けた挙句に戦う力を奪われて、
今再びザンギャックの侵略を受けた地球を守るために満足に戦うことの出来ないスーパー戦隊の元戦士たちは、
自分などよりももっと暗澹たる気分で生きているということに気付いた男は、
その傷ついた元戦士たちに向かって無神経な愚痴を言ってしまったと悔やみました。

その男に向かって、そして青梅や亮に向かっても語りかけるように
ウメコは「あたし達だって、これまでどんなに悪を倒しても新しい悪が現れてきました!」と、
今までの自分達スーパー戦隊の戦いもまた、必ずしも栄光に満ちたものではなく、
決して状況は良くなってきたわけではないことを認めます。
だからウメコも「お先真っ暗」だという男の心情に共感しているのかというと、そうではありませんでした。

ウメコは男の方を見て「でも・・・今よりほんの少しでいい・・・未来を、美しく幸せな世界にしたい・・・!」と言い、
「そんな気持ちを・・・あたしは無くしたくないです・・・!」と、男の前にしゃがみ込んで
真っ直ぐ男の顔を見つめました。

元サラリーマン男はウメコの目を見て、恥ずかしそうに目を伏せました。
スーパー戦隊の元戦士たちは地球の危機という大きな苦境の中で戦う力を失っても
夢や希望を捨てようとはしていないのに、
自分は職が見つからないぐらいでお先真っ暗などと決めつけてしまって恥ずかしいと思いました。
ただ、そうはいっても元サラリーマン男にとっての現実が厳しいのは変わりありません。
未来をほんの少しでも幸せにしていくといっても、今の状況で具体的にどうすればいいのか分かりませんでした。

一方、青梅と亮はウメコの言葉を聞いて、
自分達も確かに果てることのない悪との戦いの中で何度も絶望しそうになりながらも
決して希望を捨てなかったことを思い出しました。
それはウメコの言うように、たとえ悪を完全に倒すことは出来なくても、
ほんのささやかでも明日という日を幸せな日々にしていこうという努力を積み重ねることによって
希望を維持してきたのです。

青梅も亮も、彼ら以外のスーパー戦隊の元戦士たちもみんな、それを現在までずっと地道に続けてきたのであり、
戦士たちだけではなく、さっき青梅の出会った幼稚園の男の子の父親など、
ささやかな希望を決して捨てないように日々頑張っている人達もちゃんと存在している。
それらは現在のザンギャックの脅威の中でもきっと通用する。
きっと希望を信じる者には良いことがあるのだと青梅と亮も改めて強く思いました。

そして亮は「そうだよ!夢や希望を捨ててしまったら、人間は生きている意味が無くなってしまう・・・」と
自分にも言い聞かせるように言いながら、傍に停めてあった自分の出前用の自転車に方に歩いていき、
岡持ちの中から一皿の餃子を取出し、「よかったら・・・喰ってみてくれないか?」と言って、
その元サラリーマン男に差し出しました。

男は亮の意図がよく分からず、戸惑った顔をします。
なんだか安っぽい感じの餃子で、あんまり美味しそうに見えなかったし、
そもそも男は元スーパー戦隊の戦士である亮が戦う力を失ったので仕方なくコックをやっているように見えていたので、
亮の作る餃子などどうせあんまり美味しくないのだろうと思えました。

しかし亮が優しげな表情で「・・・さぁ・・・」と勧めるので、
男は何だかよく分からないがとにかく1つ摘まんで齧ってみました。
すると予想外にとても美味しかったので男は驚き、夢中で手にした1つの餃子をペロリと食べてしまいました。
そして、その餃子があまりに美味しかったので、男は何だかさっきまでのクヨクヨした気分が吹き飛んでしまいました。

思わず男はもっと餃子が食べたくなり、亮の差し出している皿を見ます。
すると亮はニッコリ笑って餃子があと4つ載った皿に箸を置いて男に手渡すと、
立ち上がって「この餃子・・・俺は一生かけて美味くしていくつもりだ・・・」と言って
自転車の荷台のところに行き、岡持ちに書かれた「赤龍軒」という文字を指さして
「今度は店に来てくれよ!」と言って快活に笑いかけるのでした。

亮の餃子は戦う力を失ってから付け焼刃で作り始めたようないい加減なものではない。
20年ほど前、ダイレンジャーとしてゴーマと戦っていた頃から既に
世界一の餃子職人になるために修行を重ねてきたものです。
それは亮にとっては、美味しい餃子で人々を幸せな気持ちにさせて
、少しずつでも明日を幸せな日々にしていこうという大切な営みだったのです。

スーパー戦隊の戦士でありながら、亮はその美味しい餃子作りをずっと続けてきた。
そしてより美味しい餃子を作って、より多くの人をより幸せな気持ちにしていき、
そうすることによって明日が少しでも幸せになっていくようように努力してきた。
いや、スーパー戦隊の戦士だからこそ、果てることのない悪との戦いの絶望を跳ね返して
亮自身がヒーローとして希望を持ち続けるために、それは必要なことだったのです。
そうすることによって、たとえ悪を倒すことは出来なくても、戦うことが出来なくなったとしても、
自分は人々に希望を与えることが出来ると信じることが出来たからです。

だから亮はレジェンド大戦で戦う力を失っても、ザンギャックの再侵略に立ち向かうことが出来なくても、
決して希望を捨ててはいない。
それは亮の作った餃子を食べれば分かる。
希望を捨てた人間に、こんなに食べた人の心を明るく温かくする美味しい餃子が作れるはずがないのです。
それは青梅のあんパンも全く同じでした。

つまり亮は元サラリーマン男に自分の餃子を食べさせて、
自分がどうやって希望を維持しているのか手本を示してやったのでした。
それは、ほんの少しでいいから人々に希望を与えるよう日々努めることでした。
そうすることによって自分の明日も少し幸せになる。
それを積み重ねていけば、いつか状況も良くなっていく。
少なくともそう信じることが出来るようになっていく。

元サラリーマン男は亮の餃子を食べて少し幸せな気分になったことによって、
亮や、一緒に微笑んでいる青梅やウメコはそういうことを言いたかったのだと気付き、
自分がさっきまで自分の不幸のことばかりで頭がいっぱいになっていて、
他人を幸せにしようなどという想いが無かったことを思い出し、
翻ってクビになる以前の自分の仕事にも果たしてそのような精神があったのだろうかと自省しました。
そうすると、むしろ今の状況はこれから人生を根本的に考え直して
真っ当にやり直すチャンスなのかもしれないと前向きに考えることが出来て、
男は生きていく気力がなんとなく戻ってきて、微かに笑顔となります。

ところが、その男の笑顔がようやく口元に浮かんできたその瞬間、
突然、上空に激しい閃光と共に雷鳴が轟き、男の笑顔はかき消えてしまいました。
男がひきつった顔で上空を見上げると、あっという間に上空は黒雲に覆われていきます。
この異常現象に青梅も亮もウメコも驚いて空を見上げ、
ミニパトからはマーフィーが尋常でない気配を察知して、窓から顔を出してけたたましく吠えます。

すると上空の黒雲の中に巨大な怪物の顔が現れて
「聞けい!地球の人間ども!!・・・我が名は黒十字王!!」と名乗ったのです。
あのレンジャーキーを奪ってマーベラス達を結界空間に飛ばした黒十字王が、
勝ち誇ったように自身の姿を黒雲の中に映し出して地球全体の人々に向けてメッセージを発そうとしているようです。

そのグロテスクな容貌と不気味な声に、元サラリーマン男はすっかり怯えてしまい、
青梅たちは「・・・黒十字王・・・?」と、その見たことのない怪物の姿を怪しみます。
確か「黒十字」とは初代戦隊のゴレンジャーの倒した悪の組織の名前だったはずだと3人は思いました。
すると黒十字王は案の定、「初代スーパー戦隊のゴレンジャーに倒された黒十字総統の生まれ変わりだぁ!!」
と自己紹介します。

やはり黒十字とは黒十字軍の由来のものであったと知った青梅たちは、
おそらくスーパー戦隊への怨念から生まれた化け物なのであろうと推測し、
それにしてもこれほどの天変地異のような現象まで起こすとは、
大変なパワーを持った怨念が現れたものだと驚きました。
悪は倒しても倒しても新たな悪が現れるだけではなく、
一旦倒した悪までもこうして再び甦ってもきたのです。
その執念深さにはさすがに青梅たちも舌を巻きました。

その黒十字王の姿は青梅たちのいた運河からだけ見えていたわけではなく、世界各地で目撃されていました。
あちこちのビル街や山間部などでも人々が驚いて
上空の黒雲の中の黒十字王の姿を見上げて声を聞き、大騒ぎしています。
それらの場所に「今!高らかに宣言する!これまで地球を守り続けてきた全てのスーパー戦隊!
そしてスーパー戦隊を信じてきた愚か者どもに復讐の時が遂に来たぁ!!」と高らかに黒十字王が宣言する声が響くと、
人々は恐怖を感じていっそう大きく騒ぎ出します。

それらの人混みの中には、元ゴーオンイエローの楼山早輝や、元ボウケンレッドの明石暁、
元デカマスターのドギー・クルーガーの姿もあり、彼らは黙って食い入るように黒十字王の姿を見上げます。
早輝や明石やドギー、それに青梅や亮やウメコだけではない。
全てのスーパー戦隊の元戦士たちも彼ら同様、上空に突如現れた黒十字王の言葉を
この地上の何処かで驚愕しながら聞いていました。
スーパー戦隊に倒された悪の組織の長年の怨念がこのような形で噴出してくるとは、
さすがに彼らにも予想外の事態であったのです。

さらに彼らスーパー戦隊の元戦士たちを驚かせたのは、
続けて黒十字王が「35あるスーパー戦隊の力のうち、既に33は我が手に収めた!
残るゴセイジャーとゴーカイジャーの力を掴み取るのも時間の問題だ!」と言ったことでした。
それはつまり、ゴーカイジャーの持っているレンジャーキーを黒十字王が奪ったということを意味している。
いったい何がどうしてそんなことになったのか、彼ら元戦士たちにはよく分かりませんでしたが、
とにかくゴーカイジャーはまだレンジャーキーを奪われておらず、
そしてどういうわけかゴセイジャーのレンジャーキーも奪われていないという。

ということはゴセイジャーのレンジャーキーはゴーカイジャーの手許ではなく、
ゴセイジャーの手許にあったということになる。
つまりゴセイジャーはゴーカイジャーからレンジャーキーを回収していたということになります。
なんでそういうことになっているのかよく分かりませんでしたが、
とにかくゴセイジャーのレンジャーキーも無事であるのはまだ幸いだとレジェンド戦士たちは思いました。

しかし、そのゴセイジャーにも、またゴーカイジャーも
どうやら黒十字王によって危機的状況に晒されているようだということは
黒十字王の言葉を聞けば分かります。

その黒十字王の言葉は黒雲の下にある天知天文研究所にも届いていました。
ここは数年前にゴセイジャーがブラジラ達と戦っていた時に居候していた場所であり、
その所長であった天知博士の一人息子の望も今は中学生となっています。
研究所の門のところに駈けだした望はゴセイジャーの名を上空の黒十字王が言ったのを聞いて、
ゴセイジャーの6人に危機が迫っていると知り、
「まさか・・・アラタ達が・・・!」と不吉な胸騒ぎを覚えて立ち尽くすのでした。

そして上空で黒十字王はゴセイジャーとゴーカイジャーはもはや倒したかのような勢いで、
「もはや地球を守る者は誰ひとりいない!この星の歴史は終わりだ!!」と勝ち誇ったように言い放ちます。
結局、黒十字王がやりたいスーパー戦隊への復讐というのは、
スーパー戦隊を皆殺しにするというような単純なことではなく、
もっとスーパー戦隊の戦士たちを精神的に苦しめるようなことであるようです。

つまり、レンジャーキーを奪うことによってスーパー戦隊の力を黒十字王が手中に収めてしまい、
元戦士たちが取り戻すことが出来ない状態にした上で地球の人々を嬲り殺しにしようというのが
黒十字王の作戦なのです。
そうすれば地球の人々は自分達がどんな酷い目に遭わされても助けに来ないスーパー戦隊を
信じていたことを後悔しながら死んでいくことになり、
スーパー戦隊の元戦士たちは人々を救うことの出来ない自分達に無力感を覚えて地獄の苦しみを味わうことになる。
それこそが黒十字王やその他の悪の組織の怨念たちの望む復讐なのであり、
そのためにはまず全てのレンジャーキーを手中に収める必要があるのです。

よって、残るゴセイジャーとゴーカイジャーのレンジャーキーを奪い終えたら、
その瞬間から復活した怨念たちによる地球人への殺戮が開始されるのです。
つまり現在、ゴセイジャーとゴーカイジャーの踏ん張りに地球の未来がかかっているという状況なのです。
黒十字王の言葉を聞いて、事態がそこまで切迫していることを悟った地球の人々は大騒ぎとなります。

34番目のスーパー戦隊であるゴセイジャーに地球の命運がかかっているという事態は
地球の人々にも腑に落ちました。
しかしゴーカイジャーというと、最近お宝探しのために地球にやって来たとかいう宇宙海賊のはずです。
どうも黒十字王はゴーカイジャーもスーパー戦隊の中に勘定して全部で35戦隊であるかのように言っていましたが、
地球の人々の知っているスーパー戦隊は34個であり、ゴーカイジャーはスーパー戦隊ではないはずでした。

どうしてゴーカイジャーがスーパー戦隊扱いになっていて、
しかもそのゴーカイジャーが負けたら地球に破滅が到来するという状況になっているのか、
地球の人々にはイマイチ腑に落ちませんでしたが、もうこうなったら細かいことを言っていても仕方ない。
ゴセイジャーとゴーカイジャーに頑張ってもらうしかない。
しかし、この黒十字王というとんでもない化け物に果たして2戦隊が勝てるのか、人々は大いに不安を覚えました。

そうした人々に混じって黒十字王のビジョンを見上げる2人の元戦士がいました。
それは元シンケングリーンの谷千明と、元シンケンゴールドの梅盛源太でした。
彼ら2人の属するシンケンジャーは、既にゴーカイジャーに「大いなる力」を渡しています。
つまり千明や源太は既にゴーカイジャーを35番目のスーパー戦隊と認めているのです。
だからゴーカイジャーがこの地球の絶体絶命のピンチに必ずや黒十字王を倒すために戦ってくれると信じています。

そして同時に、現在ゴーカイジャーが苦境にあるのならば、何とかして力を貸してやらねばならないと思いました。
それが同じスーパー戦隊同士の絆というものであり、
ゴセイジャーに対してだけでなく、ゴーカイジャーをスーパー戦隊として認めたシンケンジャーは
その絆の責務をゴーカイジャーに対しても果たしたいと思っていました。
たとえ戦う力は失っていても、2戦隊が命懸けで戦うのならば自分達も傍観していることは出来ないと
千明と源太は思いました。

しかし、一体どうしたらいいのかは分からない。
それに、ゴセイジャーに対してはともかくとして、
ゴーカイジャーに対して仲間として力を貸そうと思っている戦隊はそう多くはないということも
千明や源太には分かっていました。

今のところゴーカイジャーを35番目のスーパー戦隊と認めているのはシンケンジャーの他には
マジレンジャー、デカレンジャー、ゲキレンジャー、ガオレンジャー、カーレンジャーの5戦隊だけであり、
残り28戦隊はまだゴーカイジャーを同じスーパー戦隊とは認めていない。
このような危機が生じ、そんな中でもスーパー戦隊の意思がまだ統一されていないということに
千明も源太も不安を覚えました。

そうして人々が騒ぐ中、
黒十字王が「スーパー戦隊などを信じた愚かさを、絶望と恐怖の中で知るがいい!!ハッハッハッハッハ!!」と
高笑いして黒雲と共に姿を消すのを、
早輝や明石など、全てのスーパー戦隊の元戦士たちが焦燥にかられて見上げていました。
今やゴセイジャーとゴーカイジャーが地球の命運を握っている。
しかし彼らが今どこでどうしているのか、レジェンド戦士たちには知ることも出来ませんでした。

特に未だゴーカイジャーに「大いなる力」を渡していない28戦隊の戦士たちは、
それまであまり信用出来ない存在だと思って距離を置いていた宇宙海賊のゴーカイジャーのことを
否応なく意識せざるを得なくなり、どうにも落ち着かない気分となりました。
いったい宇宙海賊などに地球の命運を預けてしまっていいのだろうかと不安を覚えましたが、
しかし成り行き上仕方のないことであり、こうなれば彼らに賭けるしかないとも思えました。
が、とにかくゴセイジャーにしてもゴーカイジャーにしても、
彼らが今どうしているのか分からないことにはどうしようもない。

運河のほとりで黒十字王が消えていくのを見上げていた青梅と亮とウメコも
不安げな表情で空を見上げたまま立ち尽くし、悔しそうに拳を握りしめます。
その様子を怯えながら黙って見ていた元サラリーマン男は、
亮たちがただ悔しがって立ち尽くしているのを見て、
やはりどんなに地道に日々の希望を信じて生きていこうとも、結局は強大な悪の前には無力であり、
叩き潰されてしまう運命なのかと思いました。
結局はこのままスーパー戦隊は戦うことも出来ずに敗れ、自分達はあの化け物に殺されてしまう。
やはり夢も希望も無かったのだと、再び男は暗澹たる気持ちになってしまったのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 21:48 | Comment(0) | ゴーカイジャー ゴセイジャー199ヒーロー大決戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月05日

ゴーカイジャー ゴセイジャー 199ヒーロー大決戦 感想その6

さて、黒十字王が地球の人々の前にその姿を現した頃、ゴーカイジャーとゴセイジャーはどうしていたかというと、
まずマーベラスとアラタの2人は黒十字王の配下として復活したブラジラの支配する結界を脱出すべく、
次々とブラジラ配下のビービ達を倒してオフィスビルの中を突き進んでいました。
アラタは下に降りていき、逆にマーベラスは上に進み、マーベラスが上層階に辿り着くと、そこにブラジラはいました。

ブラジラさえ倒せばこの結界を脱出して、元の場所に戻ることが出来る。
マーベラスはさっさとブラジラを片付けようとして斬りかかりますが、
ブラジラは手強い相手だということをマーベラスは知らない。
まぁ本体がそのまま甦ったわけではなく、あくまでブラジラの怨念が実体化したものなので、
生前のオリジナルのブラジラそのもののラスボス級の強さよりは劣るとは思いますが、
それでも大幹部クラスぐらいの実力はありますから、
マーベラスが1人で真っ向から立ち向かって簡単に勝てるような相手ではありません。

すぐにマーベラスは劣勢となり、ブラジラが「たあああっ!!」と剣を一閃すると、
マーベラスは「うわああ!!」と吹き抜けを1階まで落下してしまいます。
空中で態勢を立て直して着地したマーベラスですが、
そこに最上階から「喰らえ!!」とブラジラが手から光弾を発射して狙い撃ちしてきます。
それをなんとか避けてマーベラスは一旦退避しようとし、
ブラジラは「逃がさん!!」と、更に追撃の光弾を放とうとしますが、
そこに下の別方向からブラジラを狙撃した光弾が飛んできて、ブラジラは「むっ?」と咄嗟に避けます。
その間にマーベラスはブラジラから見て死角に逃れることに成功しました。

上層階にブラジラが立っているのを見つけて2階からブラジラを狙って撃ったのはアラタでした。
更に続けて狙撃しようとするアラタでしたが、背後からビービ達が襲い掛かってアラタを掴まえてしまいます。
これで身動きが出来なくなったアラタを見下ろし、ブラジラは「貴様が先に地獄に堕ちろ!!」と鬱陶しそうに言うと
「たあっ!!」と光弾を発射し、ビービ達ごとアラタを吹っ飛ばそうとします。
これをアラタはビービを振りほどいて間一髪でかわし、光弾はビービ達を直撃、
アラタは吹き抜けを通って1階に飛び降りて、ブラジラの追撃の光弾をなんとか撃ち落としながら後退し、
ブラジラの死角に退避していきました。

こうしてマーベラスもアラタも一旦取り逃がしてしまったブラジラですが、
自ら追いかけようとはせず、「何処に隠れようが同じだ・・・!」と余裕の構えです。
どっちにしてもブラジラを倒さない限り、結界の外には出られないのです。
しかし一旦ブラジラから隠れたマーベラスも物陰から顔を出して
「・・・さぁ〜て・・・そろそろいくか!」と余裕の態度です。
ブラジラが1対1で真っ向勝負で簡単に勝てる相手ではないことは手合せしてみてマーベラスにも分かりました。
ならば不意打ちで倒せばいいだけのことです。

さっき遭遇したことでブラジラの居場所は把握しました。
どうやらブラジラはよほど腕に自信があるのか、
下手に動き回らずに自分達を迎え撃つつもりだと理解したマーベラスは、
ブラジラがあの位置から動かないのだろうと読んでおり、ならば不意打ちで倒すことが出来ると思いました。
それでマーベラスは姿を隠しながらブラジラの背後に忍び寄ってやろうと、行動を開始しようとします。

ところが「やあっ!!」というブラジラの掛け声と共に放たれた光弾が屈曲して
いきなりマーベラスの鼻先に真っ直ぐ飛んできたのです。
慌てて避けたマーベラスでしたが、光弾は更にマーベラスを追いかけて曲がってきて直撃し、
マーベラスは「うあっ!?ぐあああっ!!」と転がり、
どうしてブラジラから隠れている自分のところに正確に光弾が飛んできたのか分からず「・・・なにぃ・・・?」と呻きます。

同様に別の場所に隠れていたアラタもブラジラの放った光弾を喰らったようで「わあああっ!?」と吹っ飛び、
「・・・向こうからは見えないのに・・・どうして!?」と困惑します。
しかし更に追い打ちの攻撃が連続し、アラタは必死で避けながら走り回る羽目となります。
アラタの絶叫を聞いてマーベラスは自分だけでなくアラタもブラジラの攻撃を受けているのを知り、
更に自分に向けても逃げても逃げても正確な攻撃が追いかけてくることに戸惑って
「なんでヤツには俺たちの場所が分かる!?」と怒鳴りながら駆け回りました。
これではマーベラスもアラタも2人ともブラジラに近づくような余裕は無く、ただひたすら逃げ回るしかありません。

その頃、ハカセ、アイム、エリ、ハイドの4人が海辺の洞窟にフラフラになって入ってきました。
ダゴンによって吊り橋を破壊されて下の海に落下した4人は荒波に呑まれながら必死で泳いで、
なんとか溺れずに岸に辿り着いて、
4人にトドメを刺そうとして探し回るダゴン配下のゾビル達の追撃をかわして、
結界内にあった洞窟に一時身を潜めることにしたのでした。

だいぶ疲れた様子のアイムに肩を貸して一緒に歩いてきたエリが「大丈夫?」と声をかけながら
アイムを岩の上に座らせると、アイムは疲れた声で「はい・・・私は平気です」と応えながら腰かけました。
アイム同様、橋から落ちかけていた相手を引き上げようと踏ん張っていたハイドも疲れているようで、
さっきはハイドの腕に掴まってぶら下がっていたハカセがここではハイドに肩を貸して連れてきて、
岩の上にハイドを下ろすと、自分も疲れ果てて座り込み「強すぎるよ、アイツ・・・どうしよう?」と愚痴をこぼします。

ハイドは無言で俯きます。
確かにあのダゴンという怪人の攻撃力は普通ではない。
ゴセイジャーが全員揃っていたとしてもまともに戦って勝てる保証があるかどうかという強敵でした。
そんな相手に自分とエリの2人だけでは太刀打ち出来ないだろうとハイドは思いました。

しかし、このままここに隠れていても埒が明かない。
レンジャーキーを奪った黒十字軍を放置しておくわけにいかないし、どうせここもすぐに見つかるに決まっています。
ダゴンと戦って倒すしか自分達の進む道は無いのです。
そのためには、この4人が力を合わせて戦うしかない。
4人で戦えば勝機は生まれるかもしれないとハイドは思いました。

黒十字王がいきなり現れる直前までゴセイジャーとゴーカイジャーは
レンジャーキーを巡って戦っていた敵同士ですから、
ハイドは当初は一緒に同じ場所に飛ばされたとはいえハカセ達と一緒に戦う気など毛頭ありませんでした。
しかし、アイムが敵であったはずのエリを助けたその手を
自分の身に危険が迫っても決して離そうとはしなかったのを見て、
ハイドはそれが自分が敵のはずのハカセを思わず助けて決して見捨てなかった行為と同じだと気付き、
自分のハカセやアイムに対する敵意が誤解に基づくものであったのではないかと思うようになっていました。

ハイドがゴーカイジャーからゴセイジャーのレンジャーキーを力づくでも奪い返さねばならないと決意したのは、
ゴーカイジャーがお宝のことしか考えていない宇宙海賊であるゆえに、
この地球の危機にあたってレンジャーキーの中のスーパー戦隊の力を本来は地球を守るために使わねばならないのに、
お宝探しのためにしか使おうとしないからでした。

確かにレンジャーキーそのものはゴーカイジャーの持ち物かもしれないが、
中にあるスーパー戦隊の力は地球を守るために使うべき、地球人のものでありスーパー戦隊のものでした。
だから、地球を守る意思の無い連中にそれを持たせておくわけにはいかない。
そう確信したからこそ、ハイドはあえて護星天使の誇りに反してコソ泥のような真似もしたのであり、
ゴーカイジャーとも戦ったのです。

しかし、もしゴーカイジャーがお宝のことしか考えていない連中ならば、
アイムがエリを助けた行為は説明がつきません。
もしかしたらゴーカイジャーはお宝探しをする海賊であると同時に、
危機に陥った者に助けの手を差し伸べて、最後まで命懸けで守りきることの出来る、
自分達スーパー戦隊と同じ資質を持っている者達であったのかもしれない。
つまり自分はゴーカイジャーのことを誤解していたのかもしれないと、ハイドは反省しました。

だが、だからといって共闘を持ちかけることは出来ない。
いや、誤解していたからこそです。
自分達は勝手にゴーカイジャーのことをお宝のことしか考えていない海賊だと誤解して見下して、
さんざん侮辱した態度をとって、レンジャーキーを盗み攻撃を仕掛けました。
そんな自分がハカセやアイムに向かって、今さらあれは誤解だったからひとまず一緒に戦おうなどと
調子のいいことが言えるわけがない。
そう思ってハイドは黙り込んでいました。

そうして4人は座り込んでしばし沈黙しますが、
突然アイムが「あの・・・ずっと考えていたのですが・・・」と口を開きます。
皆がアイムの方を見ると、アイムは立ち上がって
「私は・・・私達がレンジャーキーを巡って争い合う関係にあることを・・・とても悲しく思います!」と言いました。

それを聞いてハイドとエリは驚きました。
自分達がゴーカイジャーからレンジャーキーを奪ったことを、きっとアイムは怒っているだろうと思っていたのです。
ところがアイムはゴセイジャーだけを非難するのではなく、両戦隊が争い合う状況そのものを悲しんでいたのです。

これはアイムのことを知らないゆえにハイド達は驚いたのであり、
アイムはもともと両戦隊が争い合うことを憂えてマーベラスに意見しようとしていたのですが、
そこにゴセイジャー側の攻撃があってなし崩しに戦うことになったのでした。
アイムはもともとスーパー戦隊とは良好な関係を築きたいと思っているので、
レンジャーキーを手離すわけにはいかないが、それでもむやみに争いたくはないのです。

「そのことについては、敵を倒した後でじっくり話し合うことにして・・・
少なくとも、今だけは手を結びませんか・・・?」とアイムはゴセイジャーのレンジャーキーの帰属の件は
話し合いで解決するという前提で、ここは共闘して危機を脱することを提案したのでした。
そして、それはハカセももともと全く同じ考えであったので
「・・・うん!僕もそれがいいと思う!」とニッコリ笑って賛成します。

もちろんゴーカイジャーはレンジャーキーを手離すわけにはいかないのだが、
それでももともとゴーカイジャー側は暴力に訴えてゴセイジャーを追い払おうとしていたわけではない。
一応は事情を説明する姿勢ではあったのです。
ところがゴセイジャーの方がやたらと攻撃的であったので話がこじれてしまったのです。

ハカセもあんまりにもゴセイジャーが攻撃的なので一時は話し合いによる解決は無理かとも思ってしまいましたが、
さっきハイドが自分を助けてくれたのを見て、ゴセイジャーも本当は優しい連中なのであり、
ただ単に地球を守るのに一生懸命である余り、ついやりすぎてしまっていただけなのだと気付きました。
その上でアイムの提案を聞いたハカセは、
確かにレンジャーキーの件は話し合って解決することは出来るはずだと思い直したのでした。
そうして現在の対立関係を一旦棚上げすれば、共闘は出来るはずだとハカセは思いました。

一方、ハイドはアイムだけでなくハカセまで共闘を持ちかけてきたことに驚き、
ゴーカイジャーが実際はゴセイジャーに対する敵意はもともと無く、
むしろ力を合わせることを望んでいたのだと知りました。
それならば、自分達も誤解して攻撃してしまったことを悔やんで立ち止まっているよりも、
アイム達の申し出を受け入れて、レンジャーキーに関して生じた揉め事は後で話し合って解決することにして、
今は彼らと共に前に進むべきではないかとハイドは考え、エリの方を見ます。
ゴセイジャーのレンジャーキーに関する決定を自分の一存でするわけにはいかない。
エリの意思も確認しないといけないとハイドは思ったのでした。

するとエリはニッコリ笑って頷いてハイドを見ます。
エリもアイムの提案を聞いて、ハイドと同じように考えていたのであり、
ハイドがきっと自分と同じような結論に達したはずだと既に分かっていたのでした。

エリの笑顔を見てハイドはとりあえずこの場でのゴセイジャーの意見は統一されたと判断し、
フッと微笑むと心を決め、すっと立ち上がるとアイムに向かって真っすぐ立って
「実は・・・吊り橋の上でエリを助けていただいた時、俺も同じ思いが芽生えていました・・・」と丁寧に言うと、
一歩前に踏み出して右手を差し出し「よろしくお願いします」と、握手を求めたのでした。

緊張した面持ちでハイド達の返答を待っていたアイムはこれを受けて安堵したように笑顔になり、
ハイドの手を掴みます。
そしてハカセもエリも笑顔で立ち上がってハイドとアイムに手を重ね、4人はガッチリと手を合わせ、
ここにおいて遂に戦隊の枠を超えた共闘関係が成立したのでした。

ただ、だからといって現在の劣勢がひっくり返ったわけではない。
4人で力を合わせたとしてもダゴンは強敵です。
まともにぶつかって勝てる相手ではなさそうでした。
「・・・とは言いましても・・・いったい、どうすればいいのでしょう・・・?」とアイムが困った顔をすると、
ハイドも腕組みして考え込みます。
何か策が必要だが、いきなり名案が浮かばない。

しかしエリはアイムの肩をポンと叩いて、あくまで明るく
「大丈夫!私達が協力すれば、きっと何とかなるなる!」と言うのでした。
これはエリの口癖だが、決して根拠なく楽観論を言っているわけではない。
本当に何とかなると思った時しかエリはこういうことは言わない。
これまでもゴセイジャーの皆で戦ってきた時もしばしばエリは何とかなると言い、実際何とかしてきました。
それはゴセイジャーの皆で力を合わせれば本当に何とかなるという見込みをエリが感じることが出来たからでした。
それと同じような明るい見通しを今回、エリはアイムやハカセとの共闘でも感じ取ることが出来たのです。

アイムはそのエリの自信たっぷりの顔を見て表情を和らげ、
ハイドもエリがそう感じるのならきっと何とかなるのだろうと思い、少しリラックスして微笑みます。
そしてハカセは突然「・・・そうだ!」と何か閃いたようで、ハイドとエリの肩を掴んで
「ちょっと危険な賭けだけど、君たちの力を使えば、いけるかもしれない!」と笑顔で言い始めたので、
ハイドとエリは「え?」と驚いてハカセの顔を見ます。

さて一方、ヨゴ映シマクリ撮影所(東映太秦撮影所)では、
時代劇セットの往来の真ん中でヨゴシマクリタインにジョーとアグリが立ち向かっていました。
不用意に突っ込んだルカとモネの2人は吹っ飛ばされて何処かに行ってしまい、
男性陣2人だけでヨゴシマクリタインと戦う羽目になっていたのです。

戦ってみると、やはりヨゴシマクリタインはかなりの強敵で、
2人だけではまともにやって到底勝ち目はないということはジョーにもアグリにもすぐに分かりました。
普通ならここは一旦退避してルカやモネを探して合流する方が賢明なのでしょうが、
30分以内にヨゴシマクリタインを倒さなければこの自分達が閉じ込められた空間そのものが
大爆発することになっている以上、1分1秒も無駄には出来ない。
とにかく不利を承知で戦うしかない状況でした。

そうして激しく戦う中でヨゴシマクリタインの棍棒がジョーを弾き飛ばし、更にアグリも襲います。
「ぐあっ!」と吹っ飛ばされたアグリでしたが、「・・・負けてたまるかぁっ!!」と叫んで立ち上がると、
不屈の闘志で再びヨゴシマクリタイン目がけて突っ込みます。
勝ち目は無いことは分かっていますが、それでも黒十字軍のような危険な連中を放置しておくわけにはいかない。
自分が戦うしかないのだという熱い想いがアグリを突き動かしているのです。

それを見て、地面に転がっていたジョーは心動かされました。
まともにやっても勝てそうにないので同じように特攻を繰り返しても仕方ないと思い、
地面に突っ伏しながらジョーは少し策を考え始めていたのでした。
一方でひたすら猪突猛進するアグリは一見愚かではありましたが、
アグリが突っ込んでくれるからジョーが考える時間も生まれるのです。

だからアグリの熱さは必要なのであり、
自分にはお宝探しではなく地球を守るためにアグリほどの熱い想いで突っ込む気持ちの強さは
無いかもしれないとジョーは思いました。
しかし、それはまさにアグリ達の海賊への軽蔑を認めてしまうことであるように思えて、
ジョーはあえて熱い心を奮い起こして「うおおっ!!」立ち上がり、ヨゴシマクリタインに突っ込んでいったのでした。

その戦いの様子を、何時の間にか戻ってきていたルカとモネがそれぞれ別の物陰に潜んで、じっと観察していました。
ルカは「よぉし・・・あの戦いの輪の中に私が意表を突いて!」と小声で独り言を言いながら
腕をグルグル回して張り切ります。
一方、モネも「ここで意表を突いて突っ込めば・・・よし!」と張り切り、
2人ともジョーとアグリに意識を集中しているヨゴシマクリタインの背後に飛び込んで不意打ちを食らわすという、
同じようなことを考えていますが、お互いの存在や思惑には気付いていません。

そうしているうちにジョーとアグリが同じ方向に立ち、
それに相対するヨゴシマクリタインがルカやモネの潜む方に背中を向けた瞬間、
ルカとモネは同時に「今だ!」と飛び出して、大きくジャンプして
「はあああっ!!」とヨゴシマクリタインの背中に向けて攻撃を繰り出そうとします。

ところが、2人の飛び込んでくる軌道は目標が同じなので当然重なるわけで、
しかも跳んだタイミングが全く同じであったので2人は空中で接近してしまいます。
まさかモネと交錯するとは予想もしていなかったルカは「えっ!?」と仰天し、
モネもルカが自分とぶつかってくるのを見て「なんで!?」と驚きます。

ジョーとアグリもいきなりルカとモネが飛び込んできて、しかもぶつかりそうになっているのを見て、
いったい何をやっているのか意味が分からず、アグリは「モネ!?」と声を上げますが、
あえなくルカとモネはヨゴシマクリタインの背後にあと少しの場所で「ああっ!?」と空中で激突し、
勢いを失いその場で地上に落下し、重なるようにうつ伏せに倒れます。

「もぉ〜!!」とモネは邪魔をしたルカに対して苛立ちをぶつけますが、
2人の倒れ込んだ場所はヨゴシマクリタインの棍棒の攻撃範囲内で、非常に危険な場所です。
ジョーは「ルカ!!」と危険を報せるように叫び、アグリは妹の失態に「何やってんだ!!」と怒声を発します。
そうして思わず男性陣2人も一歩前に踏み出してヨゴシマクリタインの攻撃範囲に不用心に飛び込んでしまい、

この美味しい状況をヨゴシマクリタインが見逃すはずもなく、
「飛んで火に入る夏の虫ナリナァ〜ッ!!」と叫んで棍棒を振り回して電撃を放ち、
これが4人にヒットし、ルカとモネは「きゃあああっ!!」と道端の塀を飛び越えて民家のセットの庭に吹っ飛ばされ、
ジョーとアグリは道端の塀を突き破って「ぐああああっ!!」と民家のセットの中に突っ込んでいってしまいました。

ヨゴシマクリタインはこれで4人はしばらくは動けないだろうとほくそ笑みます。
そうしているうちにも時間が過ぎ去っていき、4人はますます焦り、最後にはひどい醜態を晒すことになる。
その醜態を記録するのがヨゴシマクリタインの楽しみであったのです。

さて民家セットの庭に吹っ飛ばされたルカとモネはショックで変身解除しており、
ルカはぶつけたところを「いってってって・・・」とさすっています。
そのルカに向かってモネはまださっき邪魔されたことを怒っているようで
「もう!アンタが真似するから失敗しちゃったじゃなぁい!!」と怒鳴ります。
ルカはキッとモネの方に振り向いて「それはこっちのセリフ!」と言い返しました。

単独ならば良い作戦だったのですが、
2人が同時に同じ作戦を考えて別々の場所から同時に飛び出したために
互いに邪魔して失敗することになってしまったのであり、どっちかが悪いということではないのですが、
2人は鼻先がくっつくほど身を乗り出して「二度と真似しないでよね!!」と一緒に怒鳴り合うと、
互いにプイッとそっぽを向きました。

ここでも全く動きが揃ってしまった2人はそれぞれそっぽを向いた後、ちょっと考え直し、
「・・・と思ったけどぉ・・・」と一緒に言うと同時に振り返って再び目を合わせると、
目を輝かせて「やっぱ私達!」と言います。
そして「ビックリするほどシンクロしてるよねぇ!」とモネがはしゃぐと、
ルカは「一緒にやった方が効率良くない?」と提案し、
モネは「え?・・・うん!」と即座にワクワクした顔で同意し、ルカもニヤリと面白そうに笑います。

結局、この2人はタイプが似ているので、どうしても行動が似てきてしまう。
だから真似しないようにしようとしても、それは無理というもので、
またどうせ同じようなことをしてしまうに決まっているのだとお互いに自覚したのです。

この2人がどういう点が似ているのかというと、
元来あまり難しいことを考えるのは性に合わず、どんな状況でも楽しみを見出して生きたいという性分であり、
特に戦いの中に楽しみを見出すのが得意なタイプでした。
だからモネはゴーカイジャーに対しても実は本人は特に深い悪感情は無く、
兄のアグリがとにかくゴーカイジャーは悪い連中だと言うので一緒になって騒いでいただけでした。
だから最初はルカのことを気に食わない相手だと思って、自分と同じような行動ばかりされて苛立っていたのですが、
それがあまりに見事にシンクロしていることが遂には面白く感じてしまい、そうなると嫌悪感は無くなってしまい、
根が天真爛漫なモネは俄然ルカに興味が湧いてきたのでした。

ルカの方もモネが喧嘩を売るようなことばかり言ってくるので
売り言葉に買い言葉で言い返していただけであり、もともとモネに根深い悪感情があるわけではない。
もちろんレンジャーキーを盗んだことは完全に許したわけではないが、
こうまで自分と動きがシンクロするモネへの興味の方がルカの頭の中では勝り、
いっそ2人一緒に戦ったら面白いのではないかという考えが湧きあがってきたのでした。
それを聞いてモネも面白そうだと思い、2人は戦いの面白さを追求するうちに自然に心が1つになっていったのでした。

一方、別の民家のセットの中に突っ込んだジョーとアグリの方は、
攻撃を喰らったダメージと疲労でへたり込んでしまいましたが、
すぐにアグリは柱に掴まって「・・・負けるか!・・・ぜってぇ負けねぇぞ・・・!!」と呻きながら起き上がろうとします。
アグリはもうボロボロでしたが、それでもまだ戦おうとしており、勝つことを諦めていませんでした。

いや、遂にアグリは勝機を見つけたのでした。
それはモネとルカが失敗したとはいえヨゴシマクリタインに不意打ちを仕掛けようとしたのを見て閃いた作戦でした。
それはつまりヨゴシマクリタインの不意をついて、あの棍棒を奪ってしまえば、
まだなんとかまともに戦えるという目算であったのですが、
その不意をつく作戦そのものはまだアグリには思いつかない。

それにせっかくそういう勝機は見えても、もう身体がボロボロで思うように動きません。
少し休めば動けるようになりそうでしたが、もうここの撮影所の大爆発まで残り時間がほとんど無いので、
今すぐに作戦を決行するしかない。
身体は動かず作戦も完全に出来上がってはいない、ほとんど絶望的状況ですが、
それでも微かに見えた勝機に賭けてアグリは立ち上がろうとし、
力が入らず「ぐあっ!」と崩れ落ちますが、また立ち上がろうとします。

そのアグリの無様ともいえる必死な姿を横目で見て、
こちらもボロボロになってへたり込んでいたジョーはフッと笑います。
ジョー自身、アグリと共にボロボロになるまで戦ってみて、
改めて自分が何のために戦っていたのか思い出したのでした。

ジョーはもともと、お宝を目当てに戦っていたわけではない。
ザンギャックの兵士だった頃はザンギャックこそが正義と信じて、
その正義を遂行できる強さを求めて戦っていたのです。
しかしザンギャックはジョーが信じるに足るような正義ではなく、人々を苦しめる悪魔のような存在だった。
ザンギャックに裏切られて信じられるものを失ったジョーは
それでも自分の信じられるもののために戦いたいという想いだけを頼りに、今のようにボロビロになるまで逃げ続けた。

その逃避行の末に出会ったのがマーベラスだったのでした。
マーベラスは見ず知らずのジョーを助けるために戦い、
そして自らボロボロになるまで電撃を喰らってジョーの首枷を外してジョーを自由の身にしました。
それはどうしてなのかというと、一緒に宝探しをする仲間を手に入れるためだという。
ジョーはそこまでしてマーベラスが欲しがる宝に興味が湧いた。
いや、宝のためにそこまで出来るマーベラスの強さに興味が湧いたのです。
そしてジョーは自分の強さを賭けて戦う価値がその宝にならばあるような気がしたのです。
だからジョーはマーベラスの宝探しを手伝い、宝を手に入れるために一緒に戦うことを決意したのでした。

つまりジョーは宝そのものが欲しいわけではなく、宝を手に入れるために戦いたかったのです。
その根本的な動機は、信じるもののために戦える強さを手に入れたかったからでした。
それが今は亡き恩人であるシドとの約束であったのです。
その約束を果たして強くなるため、ジョーはマーベラスの「宇宙最大のお宝」を手に入れるという
途方もない夢を信じることにしたのでした。
夢が途方もない無茶なものであればあるほど、それを信じて戦うことによって
ジョーは自分が強くなれると思ったのです。

自分は「お宝」そのものではなく、そういう「強さ」を求めて海賊になったのだということを、
ジョーは何故かアグリと一緒にボロボロになるまで戦ってみて思い出したのでした。
それで何だか頭がサッパリして変なわだかまりが消え、
ジョーは立ち上がろうとしてもがくアグリに「待て!」と言います。
アグリがジョーの方を見ると、ジョーは「・・・俺が囮になる・・・」と言いながら立ち上がり、
アグリに背を向け「お前はその隙を突け・・・!」とぶっきらぼうに言うのでした。

ジョーもまた、ルカとモネの行動を見てヨゴシマクリタインの不意を突いて武器を奪う作戦を思いついており、
アグリも同じことを考えているのであろうとは予想はついていました。
ただ、1人でヨゴシマクリタインの不意をつくのは至難の業です。
誰かが囮になってヨゴシマクリタインの気を惹き、その隙を突いてもう1人が作戦を決行するのが良い。
ジョーはその囮役を買って出るというのです。

アグリはジョーが自分と同じ作戦を考えていたらしいと知り、驚いた顔をしますが、
更に二重にアグリが驚いたのは、絶対にアグリ達に協力しそうには見えなかったジョーが
自ら危険な囮役を買って出るということでした。
囮役というと、つまりアグリが作戦を成功させるまではアグリに危険が及ばないように
相手の攻撃を一身に受けて耐える役です。
極端に言えばアグリのために自らを犠牲にする役と言っていい。
強敵を倒すために呉越同舟ということなのかもしれないが、いくら何でもジョーの方が分が悪すぎる。
敵対していた海賊が自分のためにそこまでするということがアグリには俄かには信じられませんでした。

「・・・なんでだよ?」とアグリは問いかけ、苦笑すると
「・・・お前、お宝しか頭にねぇ海賊なんじゃねぇのか?」と、からかうようにジョーに言いました。
冗談を言うような性格には見えないジョーが言っているのだから、
おそらく本気で囮になるつもりなのだということはアグリにも分かりましたが、
お宝しか興味が無いはずの海賊が地球を守るために戦う天使のために命を張るとは、
一体どういう風の吹き回しなのか、あるいは頭でも打っておかしくなったのかと思い、
アグリは思わずジョーを揶揄したのでした。

しかしジョーは背を向けて立ったまま、アグリの言葉をクールに遮って「・・・興味が湧いた・・・!」と答えます。
ジョーは確かに海賊だが、もともとお宝しか興味が無いわけではない。
しかしいちいち説明するのも面倒なので、ついさっきお宝とは別のことに興味が湧いたことにしました。
いや、アグリと一緒に戦ったことによってついさっき改めて思い出したのだから、
ついさっき興味が湧いたようなものでした。
それに、今回ジョーが興味を抱いたのはマーベラスに出会った時に興味を持った
マーベラスの「宇宙最大のお宝」という夢を信じて戦う強さとはまた少し異質の強さだったので、
今回初めて興味を持ったといえました。

「使命とはいえ、誰に認められるわけでもなくそこまで戦える・・・」と言うとジョーはアグリの方に振り返り
「お前の強さにな・・・!」と、アグリに視線を向けたのでした。
ジョーはアグリが地球を守るという使命を誰に命じられるわけでもなく、誰に評価されるわけでもなく、
自分で使命を信じることを決めて戦うということによって発揮する強さに興味を持ったのです。

ジョーはアグリと違って地球を守るということの価値をまだ確信出来てはいませんが、
少なくともアグリの心の強さを見て、地球を守るべき価値を信じて戦うことは、
その使命を負う者に大いに強さをもたらすのだということはジョーにも理解出来ました。
それは「宇宙最大のお宝」を手に入れるという夢の価値を信じて戦うことによって
ジョーにもたらされる強さよりも大きい強さなのかもしれない。
そう感じたことによって、ジョーはアグリのように地球を守って戦うことに改めて強い興味を抱いたのでした。
その価値を知るためには自分もアグリよりも、いやアグリ以上にその価値のために命を張ってみたいと思い、
ジョーは囮役を志願したのでした。

そのジョーの言葉を聞き、アグリはジョーがお宝ではなく、
苦難に立ち向かうことによって生じる自身の強さを求めていることに気付きました。
お宝もジョーにとっては強さを得るための格好のハードルとしての意味合いのものであり、
そんなジョーだからこそ、地球を守るために戦うということにも
強さを得るための価値を見出すことが出来るのだとアグリは思いました。

そして、それは自分も同じなのだとアグリは気付きました。
アグリも地球を守るという護星天使としての使命をどんな苦難にあたっても全うするために、
使命感だけで乗り越えてこられたわけではなく、
いつもその使命を果たすことによって自身がより強くなることを励みとしていたのです。

そのことに思い至るとアグリの口元は自然に綻びました。
案外、自分とジョーは似た者同士であり、
ジョーはお宝しか見えない海賊なのではなく、
自分と同じように地球を守って戦える可能性を持った戦士なのだと分かったのでした。
そして、それはジョーだけではなくゴーカイジャー全員に当てはまるのではないかとも思えて、
もしかしたら自分は大きな誤解をしていたのかもしれないと、思わず苦笑すると同時に、
なんだか嬉しい気持ちになって自然と口元が綻んできたのでした。

さて、江戸の町並みセットの往来ではヨゴシマクリタインが吹っ飛ばしたジョー達4人がなかなか現れないので、
4人は自分に恐れをなして何処かに隠れたものだと思い、
「フン・・・隠れても無駄ナリナ・・・あと5分!もう我の勝ちは決まりナリ!」と勝ち誇っていました。
隠れて生き延びようとしても無駄なことで、この結界から4人は出ることは出来ないし、
この結界内の時代劇セットはもうあと5分で爆発することになっているのだから、4人に逃げ場はない。
4人が生き延びるためにはあと5分以内にヨゴシマクリタインを倒して結界を脱出するしかないが、
4人にはそんな実力も勇気も無いだろうと、ヨゴシマクリタインは舐めきって完全に勝利を確信していました。

その時、ヨゴシマクリタインの背後から「いたぁ〜!!」と嬌声を発して2人の町娘が現れます。
「ん?」と振り返ったヨゴシマクリタインに向かって、着物を着た町娘2人は可愛らしい声で
「ヨゴシ氏さんですよねぇ?」「シタじゃなくて、シマクリの方の!」と、
なんだかテキトーなことを言いながら駈けてきて、「あたし達!ファンなんです!」と声を揃えて媚を売ります。
この意外な展開にヨゴシマクリタインは「んん?」と戸惑い、
町娘2人が「サインくださぁい!」と色紙を差し出すと「なんとな!?」と驚きました。

この怪しすぎる町娘2人はどう見ても
ルカとモネが民家のセット内にあった町娘の衣装を拝借して変装した姿なのですが、
ヨゴシマクリタインはそのことに気付いていないようです。
この結界内のセットの中に一般人はいないはずなので、
いきなりヨゴシマクリタインのファンの女の子が、しかも町娘の格好をして現れるのは不自然極まりないので、
怪しむのが常識的な反応なのですが、ヨゴシマクリタインは強面とはいえガイアーク怪人ですから、
ここで常識的反応は出来ないようになっています。

ガイアークの怪人は、ネタを振られたらとりあえずノッてしまうクセがあります。
だからここでもヨゴシマクリタインは明らかに怪しい2人の町娘に調子を合わせてしまっているのです。
また、ヨゴシマクリタインはそもそもルカとモネの変身前の顔をほとんど見ていないので、
変装すると2人のことが分からなくなっています。
それに、ついさっきまでレンジャーキーを奪い合って戦っていたルカとモネが
いきなりこんなに仲良くキャピキャピしているとは想像できないので、
ヨゴシマクリタインはこの町娘をルカとモネだと疑うことが出来ていないのでした。

その様子をヨゴシマクリタインの背後から物陰に潜んでジョーとアグリが見つめていました。
ジョーとアグリはさっき打ち合わせた通り、
ジョーが囮となってヨゴシマクリタインの注意を惹きつけている隙に
アグリが棍棒を奪うという作戦を決行するために外に出てきたのですが、
ルカとモネに一歩先を越された形になりました。
「・・・あいつら、何か企んでるな?・・・息ピッタリだ・・・!」とジョーは少しニヤケて言い、
アグリも「ああ・・・たぶん俺たちと同じ考えだろう」と苦笑して応じます。

ルカとモネもさっきの失敗を通して、自分達の不意打ちのアイデア自体は悪くなかったと判断したようです。
ただ同じような行動をする2人が別々に動いてしまったために互いに邪魔して失敗してしまっただけのことであり、
その2人が息を合わせて協力すればきっと上手くいくと考え、
2人がシンクロして不意をつく作戦に切り替えたようです。
ならば自分達もその作戦に乗っかることにしようと思い
「ああ・・・」と言いながらジョーはレンジャーキーを構えて、いつでも変身して飛び出せる態勢で待機します。
同様にアグリもチェンジカードを構えていつでも変身出来るようにしてルカとモネの作戦決行の時を待ちます。

そして、ルカとモネがキャピキャピとはしゃぐのを見て、
遂にヨゴシマクリタインは完全に2人の町娘が自分のファンだと信じてしまい、
棍棒を地面に置くと、上機嫌で「そうかそうか!」と言って、
ルカとモネが「お願いします!」と差し出す色紙とペンを手に取り、
「思いがけずファンがいて、我は嬉しいナァリナァ〜!」とすっかり有頂天で
「ヨ・・・ゴ・・・シマクリ〜・・・」と色紙に自分の名前を書き始めました。

それを見て、ルカとモネはニコニコ笑いながら
「あたし達も嬉しいです・・・」「この武器を手離してくれて・・・」と言いつつ、そろそろと後ずさりし、
互いに目配せすると、一斉に「ふん!!」と揃って前蹴りを繰り出して、
ヨゴシマクリタインが横に立てて置いていた棍棒を蹴っ飛ばしてしまいました。
2人がファンを装ってサインをねだったのは、ヨゴシマクリタインに両手を使わせて
棍棒を手から離すように仕向け、さらによそ見をさせるように仕向けるためだったのです。
そうして生じた一瞬の隙をついて、ルカとモネはヨゴシマクリタインから
武器の棍棒を遠く引き離すことに成功したのでした。

色紙に意識を集中していたヨゴシマクリタインは棍棒が蹴られて自分の背後の方向に吹っ飛んでいくのを横目で見て
「あ・・・!」と声を漏らして後ろを向きます。
すると、そこに変身したジョーとアグリが駆け込んできて「はっ!」と転がっていく棍棒を飛び越えると
振り向いてきたヨゴシマクリタインに向けて銃を連射し、
不意をつかれたヨゴシマクリタインは銃弾を防ぐ棍棒も無い丸腰のまま
「うおおおお!?」とハチの巣のように銃弾の雨を喰らいまくります。

そうして致命的なダメージを受けたヨゴシマクリタインがガクッと膝をつくと、
ルカとモネもジョーとアグリの側に回り込んできてヨゴシマクリタインと相対します。
ルカとモネはジョーとアグリが自分達が棍棒を蹴っ飛ばしたタイミングで
ちょうど上手く飛び出してくるとまでは流石に予想していなかったのですが、
結果的に4人の連係プレーによってタイムリミット直前に一気に形勢逆転に成功したのです。

「いいぞ!ルカ」「よくやった!モネ!」とジョーとアグリに口々に褒められて得意げな町娘2人を見て、
ようやくその2人がルカとモネであることに気付いたヨゴシマクリタインは
悔しげに「・・・よくも騙したナリナ!!」と怒りますが、
ルカとモネはニヤリを笑い、声を揃えて「バ〜カ!!」と悪態をつき、
純粋にファンが出来て喜んでいたヨゴシマクリタインは「うおおお!?」とショックを受けてへたり込みます。

その隙にモネはジョーの方に振り返って笑顔で「いくよ!青い海賊!」と言ってチェンジカードを出し、
ルカはアグリの方に振り返って笑顔で「分かってる?黒い天使!」と言ってレンジャーキーを出し、
それぞれゴセイイエロー、ゴーカイイエローに変身します。
そしてルカとモネが「4人で決めるよ!」と声を揃えると、ジョーとアグリも「ああ!」と声を揃えて応じ、
「貴様らぁ!!」と立ち上がってきたヨゴシマクリタインに向かってジョーとルカはゴーカイスラッシュを放ち、
アグリはランディングアックスでブラックアタックを放ち、モネはランディングクローでイエローショックを放ち、
4つの必殺の衝撃波がヨゴシマクリタインを貫きます。
「うおおおっ!!」と悲鳴を上げたヨゴシマクリタインは
「・・・人生で二回目の・・・ア〜イムソ〜リ〜!!」と、しょうもないダジャレを言って爆発して果てたのでした。

ガイアークの怪人は倒される時、断末魔にダジャレや一発ギャグのようなことを言う習性があり、
これは総裏大臣というヨゴシマクリタインの肩書きに反省謝罪の言葉を引っ掻けたダジャレで、
ヨゴシマクリタインが「ゴーオンジャー」最終話で倒された時も同じセリフを言っているので、
これがヨゴシマクリタインには人生二回目のセリフということになったわけです。

なお、「ゴーオンジャー」本編のオリジナルのヨゴシマクリタインは
これぐらいの攻撃で倒されることはありませんでしたが、
これはあくまで本体の復活ではなく怨念が復活した思念体なので、オリジナルよりは強さは劣るのでしょう。

こうして、まずは復活黒十字軍の3幹部の一角ヨゴシマクリタインを倒し、
「ナ〜イス!」「イェ〜イ!」とはしゃぐルカとモネ、
そして「やったな!」と手を叩きあうジョーとアグリの4人は結界を脱することに成功したのでした。

その頃、某所の海岸に設けられた結界内に閉じ込められたハカセ、アイム、エリ、ハイドはどうしていたのかというと、
あの洞窟での共闘の誓いの後、4人は洞窟を出て変身した後、
海岸の岩場で4人を捜索していたゾビル達の群れに戦いを挑んでいました。

「はっ!」「やあ!」と奮戦する4人を岩場を見下ろす崖の上から眺めて
ダゴンが「・・・自ら死にに来たか・・・いい覚悟だ!」と小馬鹿にするように言います。
ダゴンはこの4人は束になってかかって来ても勝てる絶対の自信がありましたから、
もはや逃げ場が無くなったのでヤケクソになって4人が特攻してきたと解釈したのでした。

これを聞いてハカセは戦いながら「なんだその言い方!偉そうに!」と憤慨し、
エリも「そうよ!誰が死にに来るもんですか!」とダゴンに反論し、
これがヤケクソの特攻ではなく、あくまで勝利を掴むための戦いであることを主張します。

ハカセが「危険な賭け」と言った秘策が4人にはあります。
だが、これは失敗すれば後が無いだけに、本当に最後の最後の秘策であって、
まずはこの秘策を使わない勝利の方程式を4人は試しています。
それもまたダゴン相手には失敗の可能性の高い作戦でしたが、
もしそれを失敗したとしても、その愚直な作戦をやりきってこそ、
最後の最後に繰り出す秘策が活きてくるはずでした。

ゾビル達を蹴散らしながら「そうだ!戦い続ければ必ず勝つチャンスは来る!」と
ハイドは皆に言い聞かせるように叫び、アイムも「頑張ります!」と応じます。
そして4人はゾビル達の群れを突っ切って「はあっ!!」と跳び上がり、
ダゴンが1人で立つ崖の上に飛び込んでダゴンに相対したのでした。

「むっ!」とダゴンは身構えます。
4人の狙いはゾビルとの消耗戦をスルーして、一気に大将のダゴンを4人で叩くことでした。
「はぁっ!」と一斉射撃でダゴンを攻める4人でしたが、
ダゴンはさすがに慌てず対処して矛で4人の攻撃を弾き返すと、「くあっ!!」と目から破壊光線を発射し、
それを喰らった4人は「ああああ!!」と吹っ飛びます。
そしてダゴンは態勢の崩れた4人の中に突っ込んでいき、矛を振り回して4人を散々に打ち負かしてしまいます。

やはりダゴンを4人で一斉攻撃して倒すという作戦は失敗に終わってしまったようです。
それでも4人は倒されても倒されても起き上がります。
アイムは起き上がりながら「負けません!私は必ずマーベラスさん達と再会いたします!」と、
あくまで勝利を諦めない強い意思を示すのでした。
それに対してダゴンは「フン!気の毒だが、それが最後の遠吠えだ!」と矛から電撃を発射し、
4人にトドメを刺しにかかり、4人のいた崖の端っこの部分が大爆発し、
4人は「わあああああっ!!」と吹っ飛び、崖下のゾビル達の群れの方に落下していきました。

これで4人の息の根を止めたと思ったダゴンは「フン・・・」と崖下を覗き込みます。
ところが崖下の意外な光景にダゴンは「んんん!?」と驚きます。
なんと崖下には大量のゴーカイグリーン、ゴーカイピンク、ゴセイブルー、ゴセイピンクが立って
ダゴンを見上げていたのです。

「・・・なに!?何だこれは!?・・・奴らがいきなり増えた!?」とダゴンは混乱します。
分身の術か何かなのか、とにかくこんな芸当をするということは、
先ほどの攻撃では4人にまだ致命傷を与えることは出来ていなかったようだと思ったダゴンは
慌てて崖下に飛び降りて、近づいてくるたくさんの4戦士を自分に向けて攻撃してきていると思い、
矛を振るって返り討ちにします。

ところがそのダゴンの攻撃を喰らった4戦士たちは地面に倒れこんだ瞬間、
ゾビルの姿に変わり、息絶えていったのでした。
「・・・ゾビル?」とダゴンは戸惑います。
「どういうことだ!?これは!!」と怒鳴るダゴンの剣幕に、周囲にいる4戦士たちは怯えたように後ずさりします。

どうしてなのかは分からないが、この4戦士たちはゾビル達が化けたものであるらしい。
ならば本物の4戦士たちは何処に行ったのか?
おそらく、この群れの中に紛れて自分を攻撃しようとしているに違いないとダゴンは考えました。
ならば、本物と偽物の見分けがつかないならば、まとめて倒すしかない。
ダゴンはもともとゾビル達など捨て駒としか考えていませんから、躊躇はありません。
「・・・えぇ〜い!まとめて死ねぇい!!」と4戦士の一団を矛からの電撃で粉砕します。

ところがバタバタと倒れたのはゾビルばかりでした。
「ううぬ・・・!」と悔しがったダゴンは別の一団に向かって「そっちが本物かぁぁっ!!」と怒鳴ると、
こちらにも電撃をお見舞いし、これもまた全滅させますが、こちらも倒れ込んだのはゾビル達ばかりでした。
気が付けば、崖下の岩場にはダゴンが倒したゾビル達の遺体だけが転がり、ハカセ達の姿はありませんでした。

ダゴンは「・・・まさか・・・?」と困惑します。
最初から本物の4人はこの中にはいなかったということなのか?
ならば本物はいったい何処に行ったのか?
ダゴンは頭が混乱してきました。
その瞬間、背中に強烈な衝撃を受けてダゴンは「ぐあっ!?」とのけぞり、崩れ落ちたのでした。
なんと本物のハカセ達4人が崖の上からダゴンを狙って一斉に狙撃してきたのです。

よろめきながら振り返って4人を見上げて「・・・ええい!・・・貴様らぁ・・・!?」と呻くダゴンに向かって
ハカセは「天装術の大勝利!」とおどけます。
そしてハイドがカモミラージュカードを見せて
「カモミラージュでゾビル達を俺たちに化けさせたんだ!」と説明します。

カモミラージュカードというのはハイド達シーイック族の使う変身系の天装術の能力を発揮するゴセイカードで、
これを使えば自分だけでなく他人をも思い通りの姿に変身させることが出来る。
まぁ変身といっても能力までコピー出来るわけではなく、
あくまで姿形を変えるだけの一種の幻惑術に過ぎないのですが、上手く使えば戦闘の中で有効活用できます。

ハカセは豪快チェンジでゴセイジャーに変身して天装術を使った経験の中で
このゴセイブルーのカモミラージュの天装術のことを知っていたのです。
おそらくジョーがゴセイブルーに変身した時にこの能力を使うのを見て覚えていたのでしょう。
それで、もし一気に4人がかりでダゴンを倒すことが出来なければ、
最後の秘策としてこのハイドのカモミラージュの術を使ってゾビル達を自分達の姿に変えてしまい、
ダゴンの注意をそちらに惹きつけている隙にダゴンの死角に回って一斉に不意打ちで倒すという作戦を立てたのです。

ただゾビル達に術をかけるのをダゴンに見られてしまっては意味が無くなるので、
この作戦の決行のタイミングはダゴンの攻撃を喰らって大爆発の爆炎の中に紛れてやるしかなく、
そういう意味で危険な賭けであったのです。
それに、ここまで上手くダゴンが引っ掛かってくれるとはハカセも確信は持てていなかったのです。

このあたり、「マジレンジャー」本編に出てきたオリジナルの、冥府十神で随一の狡猾な怪人であったダゴンであれば
こうまで簡単にハカセの策に嵌ることもなかったでしょう。
やはり本体の復活ではなく、怨念が復活しただけの再生ダゴンはオリジナルよりも知恵が足りず
直情径行が目立ったため、ハカセの策に敗れたのでした。

「くうっ・・・!」と悔しがるダゴンに対して、
エリがスカイックショットを構えて「一気にトドメよ!」と皆に合図すると、
アイムも「4人の力を合わせましょう!」とゴーカイガンにレンジャーキーを挿し
ファイナルウェーブの態勢に入ります。
ハイドもシーイックボウガンを構え、ハカセもゴーカイガンにレンジャーキーを挿します。
そうして、「おぉのれぇぇっ!!」と電撃を放ってくるダゴンに向かって
4人はゴーカイブラストと、ピンクトリックとブルーチェックの合体必殺技を食らわしたのでした。

身体を貫かれたダゴンは「なんだとぉっ!?」と驚愕し、
「俺が!・・・この俺が・・・やられるわけがない!!」と断末魔の悲鳴を上げます。
確かに本物のダゴンならこれぐらいで倒されることもないのでしょうが、
本人はよく分かっていないようですが、このダゴンはオリジナルよりは脆弱な再生怪人なのです。
「そんなことがあるはず・・・」と叫びながら大爆発して果てたのでした。
ダゴンの最期を見届けた4人は「やったぁ〜!!」と喜び、「よぉし!」と手を合わせて、
これでこの危機を脱して元の場所に戻れるはずだと思い、「うん!」と頷き合うのでした。

こうしてゴーカイジャーとゴセイジャーのメンバーが力を合わせて
復活黒十字軍の仕掛けたヨゴシマクリタインの罠とダゴンの罠を撃ち破り、
多くのメンバーが結界からの脱出に成功していた頃、
マーベラスとアラタの2人はブラジラの結界の中で別々に、
何処に隠れても正確に狙い撃ちしてくるブラジラの光弾から必死で逃げ回っていました。

避け損なって光弾が足をかすめたマーベラスは、「ぐあっ!!」と足を押さえて痛がります。
それすらも見通しているように「ハハハハハッ!」と高笑いしたブラジラは
「私から逃げることは出来ない!」とすっかり調子に乗って
今度はまだ走り回っているアラタの方を集中的に狙って「ぬああっ!!」と光弾を連射し、
さんざん逃げ回った挙句、遂にアラタは背中に光弾をモロに受けて
「うわあああ!!」と絶叫して変身解除して倒れ込んでしまいました。

その場所がちょうどマーベラスがうずくまって隠れていた場所の目の前で、
変身が解けたアラタはダメージが大きく、すぐには身体が動かせないようです。
それを見通しているブラジラは「フン!」と鼻で笑い、まずはアラタにトドメを刺そうかとします。
このままでは身動き出来ないアラタがやられてしまうと思ったマーベラスは、思わず物陰から飛び出し、
アラタの前に来ると「お前はそのまま寝てろ!」と乱暴にアラタを突き飛ばし、
ブラジラの見ているであろう視線の前に自分の身を晒します。

変身が解けて身体が動かないアラタよりも、
まだ変身を維持して動き回ることの出来る自分が攻撃を受けた方が、
まだ避けて逃げ回ることが出来る分マシだとマーベラスは思ったのでした。
案の定、ブラジラはマーベラスの挑発に乗って、アラタにトドメを刺す前に、
先にマーベラスを仕留めてやろうと考え直したようで、
死角から飛んでくる光弾は執拗にマーベラスを狙うようになり、
マーベラスはそれを避けて必死に逃げ回る羽目となりました。

お蔭でアラタは少し体力を回復させる時間を稼ぐことが出来て、
懸命に逃げ回るマーベラスを立ち上がって目で追います。
マーベラスが自分を守ろうとしたようにアラタには感じられたのですが、
どうしてマーベラスがそんなことをするのか、アラタにはよく分からず、
不可解に思ったアラタはどうもマーベラスの行動に興味を惹かれたのでした。

マーベラスはこの地球にはお宝を手に入れるためにやって来たのであって、
地球の人々を守るつもりなど無いのだとアラタはずっと思っていました。
そんなマーベラスが自分を守ろうとするはずはない。
おそらくマーベラスは自分が倒されてレンジャーキーがブラジラに奪われることを
恐れたのだろうとアラタは思いましたが、それはそれで妙だとも思えました。

あんな傍にいたのだから、マーベラスはアラタが倒されたら
ブラジラに奪われる前にアラタの持っていたレンジャーキーを奪い取ることは出来たはずです。
アラタからレンジャーキーを奪い返すことしか考えていないのならば、
マーベラスはむしろアラタがやられるのを傍観している方が得策だったはずなのです。
それなのにマーベラスはアラタがトドメを刺されるのを邪魔して、あえて自分がブラジラの標的となってしまっている。
どうもマーベラスの行動は妙だと思ったアラタは物陰からマーベラスの行動を注視していました。

すると、マーベラスは壁際で正面から飛んできた光弾を避けて後ろ向きにしゃがんだところで
一瞬、「・・・ん?」と壁の方を見て動きを止めたかと思ったら、
続けて自分の頭上を逸れて飛んできた光弾の方に向かって立ち上がっていき、
身体の前面でモロに光弾を喰らってしまい、
「ぐあああ・・・!!」と立ち尽くしたまま何発も光弾を受けてしまったのでした。

それを見てアラタは驚きました。
光弾はしゃがんでいたマーベラスの頭上を逸れて飛んできていたはずであり、
マーベラスがわざわざ立ち上がらなければ当たることはなかったはずです。
あそこで急に立ち上がったのはマーベラスのミスでした。
これまで巧みに光弾を避けていたマーベラスがあんな凡ミスをするとは全く意外でした。
「どうして急に・・・?」とアラタは首を振って信じられないという仕草でマーベラスを見つめます。

マーベラスはダメージによって変身解除してしまい、「うう・・・」と呻いて崩れ落ちました。
すると、その姿を眺めていたアラタは「あ・・・!」と絶句したのでした。
それまでアラタはマーベラスの動きと光弾の動きを目で追うのに忙しく、
その周囲の景色がよく見えていなかったのですが、
マーベラスが「ああう・・・!」と床に倒れ込んだことによって、
マーベラスの真後ろが壁ではなくエレベーターの入り口だったことが分かったのです。
そしてそのエレベーターのドアがちょうど開いたところで時間が停止しており、
エレベーターの中には親子連れがフリーズした状態で立っていたのです。

もしマーベラスが光弾を身体で受けていなければ、
その光弾はエレベーター内の動くことの出来ない親子を直撃していたはずです。
つまり、わざわざマーベラスが自分を逸れて飛んできていた光弾に当たりに行ったのは
ミスではなく、わざとだったのです。

「あの親子を・・・守るため・・・」とアラタはマーベラスの意図が即座に理解出来ました。
何故なら、同じ状況に置かれれば自分も同じ行動を選んだはずだからです。
これでもう間違いありませんでした。
マーベラスは人々を守ろうとして行動している。
さっきマーベラスが自分を庇ったように見えたのも、レンジャーキーを守るためではなく、
人々を守るのと同じ感覚で、目の前で誰かが悪い奴らの手によって
殺されることがないようにしただけのことだったのだろうとアラタは思いました。

そして、よく考えたらこのオフィスビルに飛ばされてから
マーベラスはずっと人々を守ろうとしていたということにもアラタは気付きました。
最初にビービ達に襲われた部屋には会社員たちがたくさんフリーズしたまま存在していたので、
アラタはまずは人々に危害が及ばないように人のいない廊下に移動しました。
しかし、その時マーベラスも人のいる部屋にはとどまらず、すぐにアラタと同じように
人のいない廊下に飛び出して、その後もアラタ同様、ずっと人のいない場所ばかり選んで逃げ回ってたのです。

アラタは人々を守ることを第一に考えるスーパー戦隊の戦士ですから、
どんなピンチに陥ろうともそれは首尾一貫した方針だったのは当然ですが、
マーベラスもそれは首尾一貫しており、遂にはこうして自分の身体を盾にして人々を守るために投げ出したのです。

つまりマーベラスはスーパー戦隊と同じように人々を守るために戦おうとしている。
お宝を手に入れるために地球にやって来た、地球を守る義理は無い、と公言する宇宙海賊が
どうして人々を守って戦おうとするのか、その理由はよく分からないが、
とにかくマーベラスが人々を守ろうとしていることは紛れもない事実でした。

その事実を突き付けられたアラタは、
よく考えたら自分がマーベラス達が宇宙海賊であることや、彼らの表面上だけの言葉に惑わされて、
ちゃんと彼らの行動も観察せずに勝手に「お宝しか目に入らない海賊」だと決めつけて
見下していたことに気付き、恥ずかしく思いました。
そして既にマーベラス達に「大いなる力」を渡しているスーパー戦隊の先輩戦士たちは、
ちゃんとマーベラス達の本質を見て、35番目のスーパー戦隊に相応しい連中なのだと
判断出来ていたのだとアラタは思いました。

変身が解けて倒れ込み、身体が満足に動けない状態になってもなお、
苦しげに顔を歪めて後ろの家族連れが無事だったかチラリと確かめようとする
マーベラスのさりげない優しさも、おそらくさっきまでならば気付くことは出来なかったであろうが、
今となってはアラタには手に取るように分かる。
しかし、我ながら気付くのが遅い。
焦っていたとはいえ、あまりに迂闊だったと思い、アラタは思わず溜息をついて自嘲の笑いを漏らします。

一方、マーベラスが倒れ込んだのを受けて、上層階にいるブラジラは「もう終わりだな・・・」と呟き、
「はああっ!!」とトドメの光弾を発射しました。
それが屈曲しながら正確にマーベラス目がけてコントロールされて迫ってきます。
しかしマーベラスはまだ倒れたまま身体を動かすことが出来ない。
もはや万事休すかとマーベラスが覚悟した時、突然マーベラスの目の前で竜巻が起こって、
その風の壁が光弾を弾きました。

これはマーベラスも豪快チェンジでゴセイレッドに変身した時に何度か使用して知っている、
護星天使のスカイック族の防御系の天装術でディフェンストームという技です。
もちろん、その技を放ってマーベラスを守ったのはスカイック族の真のゴセイレッド、アラタでした。
驚いたマーベラスは少し離れたところでテンソウダーを持って立つアラタの姿を見つけ、
「・・・味なマネを・・・」とニヤリと笑います。

さっきの借りを返した形のアラタも微笑みを返しますが、
その時、マーベラスの上の空中でディフェンストームの竜巻に巻き込まれてもがいている
小さな何者かがいることにアラタはハッと気付きました。
その姿を見たアラタは「・・・そういうことか!」と言うと、すぐにテンソウダーにカードを装填し、
「コンプレッサンダーカード!天装!!はっ!」と天装術を発動します。

そのコンプレッサンダーはスカイック族の雷撃技で、強力な雷を発生させて敵を攻撃する技です。
この雷で撃たれたマーベラスの上を飛んでいた小さな黒いものは、絶命して力無く落下してきました。
それは1つ目のコウモリのような生き物で、その正体はビービ虫でした。
ビービ虫とはブラジラの使い魔のような眷属で、アラタにはお馴染みの生き物でしたが、
マーベラスは初めて見るので、落下してきたビービ虫を見て「あ・・・!」と驚きます。

同時に上層階にいるブラジラも、こうしてビービ虫が殺されたことを即座に知ったようで「なにぃ!?」と動揺します。
すると、それまでディフェンストームの壁に向かって執拗に連射され続けていた
ブラジラの光弾がピタリと止まったのです。
それによってマーベラスもこの奇怪な生物の意味が理解できました。
「・・・こいつがあの野郎に・・・俺たちの場所を知らせてやがったのか・・・!」と呻いて
マーベラスは黒焦げになったビービ虫を見下ろして、ヨロヨロと立ち上がろうとします。

そこにアラタが「そういうこと!」と言って歩いてきます。
その手には既にもう1匹のビービ虫の死体が握られていました。
つまり、マーベラスとアラタがビルの中のどんな場所に逃げ込もうとも
ブラジラが2人の位置を正確に把握して攻撃することが出来たのは、
常に2人の上に1匹ずつ監視用のビービ虫が飛んでついて来ており、
テレパシーか何かでブラジラに情報を送っていたからなのです。

分かってみれば簡単なカラクリでした。
それが分かった以上、アラタは自分を監視しているビービ虫を発見することはあまりにも容易でした。
真上を見上げればそこに居たのです。
そうしてあっという間にアラタは自分担当のビービ虫も退治し、
ブラジラは監視役のビービ虫という自分の目に等しい存在を喪失して、
ビル内でのマーベラスとアラタの位置を見失ってしまい、攻撃が出来なくなってしまったのでした。

アラタはビービ虫の死体を投げ捨てると、軽い足取りでマーベラスに近づき、
何か思いついたように「・・・あ!今度は・・・」と言うと、
まだ立ち上がれないマーベラスの頭を掴んで「君が寝てる番?」とニヤニヤ笑って
頭を押し込んでマーベラスを座らせようとします。
さっき助けてもらった時に「寝てろ」と言われて乱暴に突き飛ばされたお返しの悪戯でした。

これにマーベラスは悔しそうにニヤリと笑いつつ「・・・言ってくれる!」と吐き捨てて、
負けん気を振り絞って無理に立ち上がり、よろめいたところをアラタが腕を掴んで支えました。
そしてアラタは真顔になって「一緒にいて・・・分かったよ・・・」とマーベラスから顔を背けたまま言います。

アラタがさっき珍しく意地悪な冗談を言ったのは、
これまで勝手にマーベラス達のことを誤解していたことを謝らなければいけないと思い、
それがさすがに恥ずかしくて、照れ隠しのためについ軽口を叩いてしまったからだったのです。

そうしてアラタはようやく本当に言いたい謝罪の言葉を口にしようとして、
最初はそれでもマーベラスの顔を真っ直ぐ見ることが出来なかったのですが、
「君たちは海賊だけど、海賊じゃない!」と言って、
遂に勇気を出して真剣な眼差しでマーベラスの顔を見ます。
そして「心の中で・・・」と言葉を続けようとしますが、
いきなりマーベラスはアラタの顔面にパンチを叩き込み、拳は見事に鼻にクリーンヒットし、
「いたっ!?」と鼻を押さえたアラタは「あああ〜!?」と痛がります。

まだちゃんと謝ってないのになんでいきなり殴られるのかと
アラタがマーベラスのあまりの理不尽な行動を不服そうにマーベラスを見ますが、
マーベラスはアラタから顔を背けてぶっきらぼうに
「・・・つべこべ言ってんじゃねぇ・・・天使野郎!・・・行くぞ!」と言って、そそくさと歩き出します。

確かにアラタの話は長くなりそうだったので、
いちいち全部聞いていると、せっかく生じた反撃のチャンスを逃してしまいそうではありましたが、
マーベラスがアラタを殴ってまでして黙らせた理由はそれだけではなく、
挙動不審な態度からも窺えるように、おそらく照れていたからなのでしょう。

エレベーターの親子連れを守った場面をモロに見られてしまったマーベラスは、
アラタが自分を褒めようとしていることに気付き、それを避けねばいけないと焦ったのです。
褒められるのが嫌だというわけではない。
いや、実を言うとマーベラスはアラタに褒められると思うと非常に嬉しかった。
だからこそ、褒められたらあまりに嬉しくてキャラが崩壊してしまうのではないかと、ちょっと怖くなったのです。

これまでマーベラス一味に接して「大いなる力」を渡してくれたスーパー戦隊の戦士たちは
マーベラス達のことを信じるに足る連中だと認めてくれたのは確かなのですが、
どういうわけかマーベラス達に対して自分達の想いを率直に詳細に語ることはなく、
極めてさりげなく「大いなる力」を託して去っていきました。
だからマーベラス達はあまりスーパー戦隊の戦士たちに認めてもらったという実感が無い。

もちろん「大いなる力」は「宇宙最大のお宝」を手に入れるために必要な物だから絶対に欲しいのだが、
その一方で本当に自分達のような通りすがりの宇宙海賊が
ザンギャックからこの星を守ったという伝説の戦士たちの力を受け取ってもいいのだろうかと、
何となく引け目も感じていました。

それで自分達なりにスーパー戦隊の力を使って地球を守って戦っているつもりだったのですが、
所詮は自分達はスーパー戦隊の偽物であり、
本物のスーパー戦隊の戦士たちから見れば、宝探しの片手間に地球を守る自分達など、
さぞ覚悟の足りない中途半端な奴らに見えることだろうと思い、内心コンプレックスを抱えていたのでした。

だから、ゴセイジャーが自分達を見下していることは気付き、それに対して腹立たしい想いを抱えつつも、
自分達はちゃんと地球を守っているのだと堂々と反論することも出来ず、鬱屈した想いを抱えていたのです。
そんな屈折した状態で、いきなり真のスーパー戦隊の戦士であるアラタから手放しで褒められるとなると、
普段この手のことで褒められ慣れていないマーベラスは、
本心ではそれがずっと褒めてもらいたかったところであるだけに、
下手したら自分が有頂天になってしまうのではないかと心配になったのです。
いや、それ以前に照れ臭くてかなわないし、顔が真っ赤になりそうでヤバかったのです。

そうしたマーベラスの心情は、焦って去って行くマーベラスの様子を見てアラタも察したようで、
つまりはマーベラスもようやく自分と理解し合えたことを喜んでくれているのだと理解したアラタは、
安堵したように優しく微笑むのでした。

そうしてマーベラスとアラタはすぐに行動を開始しました。
2人を監視する目を失ったブラジラがビル内に隠れた2人を攻撃出来ない間に
一気にブラジラの居る上層階の場所に不意打ちをかけることにしたのでした。
そして、ブラジラが焦って「もう一度だ!」と次のビービ虫を放とうとしているところに、
吹き抜けを跳び上がってきたアラタとマーベラスが「そうはいかない!!」と銃撃を喰らわせ、
ブラジラは火だるまになって吹っ飛びます。

着地したマーベラスとアラタはそこに更に間髪入れず「うおおおおっ!!」と突っ込んで
ブラジラをメッタ斬りして、一気に形勢は逆転しました。
「おのれぇ・・・!!」と呻くブラジラに喋らせるヒマも与えず、
2人は容赦なく「トドメだ!」と言ってレンジャーキーとゴセイカードを出し、
「はあぁっ!!」「おりゃああっ!!」とアラタのレッドダイナミックとマーベラスのゴーカイスラッシュが
ブラジラに炸裂し、ブラジラは「・・・な・・・何故だ!?・・・この私があああ!!」と断末魔の絶叫と共に
大爆発して果てたのでした。

するとブラジラが消えると同時に、マーベラスとアラタの周囲の景色が
オフィスビルから元の黒十字軍に襲われた荒野に戻ります。
ブラジラを倒したことによって結界が解けて、
オフィスビルは元の平和な場所に戻り、中にいた人々も再び無事に動き出したのでしょう。
そしてマーベラスとアラタは元の場所に戻って変身を解除します。

マーベラスは周囲を見回して、ひとまず安堵したように溜息をついて、アラタに背を向けて座り込みます。
そのマーベラスに向かってアラタは立ったまま、すっと手を差し出して「・・・ありがとう・・・」と言いました。
マーベラスは不思議そうに、ジロリとアラタの方を見ます。
助けてやった借りならば、さっき逆に助けてもらって、あれで貸し借りは無しのはずでした。
だからアラタがマーベラスに礼を言うようなことは無いはずでした。

しかしアラタは自分がマーベラス達のことを褒めようとしていたことをマーベラスが察していたということは、
自分がマーベラス達のことを誤解していたことを反省していることも
マーベラスは気付いていたはずだと思っていました。
だから、マーベラスがさっきアラタの言葉を遮った理由には、照れ隠しだけではなく、
アラタが謝らないで済むように気を遣ってくれたからだとも思っていたのです。
アラタはそのマーベラスの気遣いの感謝の言葉を述べたのです。
そして、その上でやはり自分はマーベラス達に謝らねばならないと思ったのです。
つまりは気遣いは無用であるということで、
そのマーベラスの気持ちにあえて感謝の言葉を述べて、しっかり誤解していたことは謝ることにしたのでした。

アラタは手を差し出したまま、ぎこちない笑顔を向けて
「俺・・・君のこと、誤解してたよ・・・」と神妙に喋り始めます。
しかしマーベラスはアラタから顔を背けて
「・・・だから、やめろって・・・!」と、ぶっきらぼうにアラタの手を払いのけると、
「・・・そういうのは・・・」と本当に嫌そうに言い、アラタの方を向上げ、照れたように笑います。

マーベラスはさっきアラタが謝罪しようとしていることは分かっていた。
分かった上でそれを遮ったのは事実です。
しかし、アラタに謝罪の言葉を言わせなかったのは別に気を遣ったわけではない。
もともと宇宙でも最底辺で生きてきたマーベラスは、
他人からハッキリ言葉にして謝罪されたり感謝されたりすることに慣れておらず、
そもそもそんな行為を他人に求めるという習慣が無かったので、
あんまり改まったことをされるのはマジで照れるので困るのです。

余計なことは言わなくても、誤解が解けたのならそれで十分だし、
分かり合えただけでマーベラス自身は嬉しいのだから、
もうこれでいいのだということをマーベラスは笑顔を向けることで伝えようとしたのでした。
アラタもそれをようやく察して、打ち解けてみると何ともシンプルで分かりやすい男であったのかと嬉しくなり、
ようやく自然な笑顔をマーベラスに向けると、今度は何も言わず真っ直ぐ手を差し出しました。
その手をマーベラスも何も言わずニヤリと笑って力強く握って、アラタがマーベラスを引っ張って立たせます。

こうしてマーベラスとアラタの心が1つに打ち解けたところに、
「マーベラスさん!」「アラタ!」と呼ぶ声がして、
別の結界を撃ち破ってこの場所に戻ってきた他のメンバー達も駈けてきて、
元の10人がここの場に再び全員集合します。

そして、なんとそこに大きなグランディオンヘッダーも飛んできて、
地上に降り立つと、ゴセイナイトの姿となって「お前達・・・無事だったか!」とゴセイジャーの5人に声をかけました。
その肩には何故かナビィがとまっていて「良かったぁ〜!」とゴーカイジャー5人の無事を確認し
て安堵の声を漏らしています。

ゴセイジゃーの5人は「ゴセイナイト!?」と驚愕します。
彼らはバラバラにされて別の場所に飛ばされていたため、
てっきりゴセイナイトのグランディオンヘッダーも誰かと一緒に別の場所に飛ばされていたのかと思っていたのですが、
どうやらそうではなく自分達が黒十字軍と戦っている間に
ゴセイナイトがどういう方法かよく分からないが元の姿に戻っていたことに驚きました。

しかし、ゴセイナイトのレンジャーキーはアラタが戦いの中で見失ってしまい、
てっきり黒十字軍に奪われてしまったと思っていました。
それがどうやらそうではなかったようです。
一方、ゴーカイジャーの5人はナビィがゴセイナイトと一緒にいるので、
いったいどういう事情なのか分からず「ナビィ〜!」と驚きます。

「どうして?」とエリがゴセイナイトに事情を尋ねると、ゴセイナイトは肩にとまったナビィを見て
「この鳥が私のカギを届けてくれた・・・」と説明したのでした。
いや、実際はそうではなく、たぶん草むらの中に光るゴセイナイトのレンジャーキーを見つけたナビィは
それを持って飛び立ったところ、そこで小型グランディオンヘッダーと出くわして、
互いに初対面で相手が何者か分からないわけですから、
ナビィの持っているゴセイナイトのレンジャーキーを見たグランディオンヘッダーは、
その鳥が自分にレンジャーキーを届けるために来てくれたのだと勘違いして喜んだのでしょう。

そうしたらナビィもあんまり深く考えず、勢いに流されてゴセイナイトのレンジャーキーを渡してしまい、
それによってグランディオンヘッダーはゴセイナイトの姿に戻り、
そのままナビィは何だかよく分からないままゴセイナイトと一緒にいたようです。
本来はあまりに軽率なナビィの行動は大問題ですが、
この場合、両戦隊の間に唯一残っていた懸案であり、今回の喧嘩の発端であった
ゴセイナイトのレンジャーキー問題が、なし崩しに解消してしまったという意味で、
両戦隊の協力体制という意味では、まぁお手柄といえるでしょう。

しかしナビィはゴセイナイトがいちいち自分のことを「鳥」呼ばわりするのが気に食わないらしく、
「だ〜か〜ら〜、鳥って言わないでって!」と文句を言いますが、
ゴセイナイトは思いっきりマイペースの人なのでナビィの言葉は相手にせず、
ゴセイジャー5人に向かって「行くぞ!お前達!黒十字王が動き出そうとしている!」と言います。

ゴセイナイトは結界に閉じ込められていなかったので、例の黒十字王の地球人への宣戦布告を見ていたのです。
そして、きっと帰還してくるであろうゴセイジャー5人と共に黒十字王の野望を挫くために戦おうと思い、
アラタ達の帰還を待っていたのでした。

そのゴセイナイトの言葉を聞いてアラタ達ゴセイジャーの5人と、マーベラス達ゴーカイジャーの5人も
「ええ!?」と驚きました。
ゴセイジャーもゴーカイジャーも、そもそも黒十字王の目的は聞いてはいません。
だから具体的に何をするつもりなのかは分からないが、
かつてスーパー戦隊に倒された悪の組織の怨念がレンジャーキーを使って
どうせロクでもないことをするつもりに決まっています。
それはゴセイジャーとしては見過ごせないことでしたし、
ゴーカイジャーにとってもこのままレンジャーキーを奪われたまま捨て置くわけにいきません。

互いに黒十字王と戦う理由は十分にあります。
だが、あくまでゴセイジャーは地球を守るために戦うのであり、
ゴーカイジャーは宝探しに必要なレンジャーキーを取り戻すために戦うことになる。
自分達とスーパー戦隊は所詮は戦う目的が違うのだとマーベラスは思い、下を向いて腕を組み黙り込みます。
さっきは結界を脱出するという1つの目的に向かって一緒に戦うことは出来たが、今度は明確に目的が違う。
ならばやはり一緒に戦っても上手くいかないのではないかと、マーベラスはちょっと遠慮する気持ちが生じたのでした。

そのマーベラスににこやかに歩み寄ったアラタは「もう一度・・・力を合わせてみない?」と持ち掛けました。
アラタはマーベラスと一緒に戦ってみて、
目的が違うとか細かいことは気にすることはなく、きっと力を合わせて戦うことは出来ると確信していました。
それでもマーベラスは自分とアラタはそれでよくても、お互いの仲間がそんなのは納得しないだろうと思いました。

しかしモネも「天使と海賊、意外と良い組み合わせかもよ?」と言ってきて、
それに対してルカまでも「言えてる!」とモネとすっかり意気投合した様子を見せるので、マーベラスは少し驚きます。
更にはアイムも「私もそう思います」とマーベラスに進言し、それにエリが「だよね!」と同意し、
他のメンバーも全員それが当然であるかのような顔をしているので、
マーベラスはいったい何時の間にみんな仲良くなったのだろうかと舌を巻き、
難しい顔をして考え込むフリをするのもバカバカしくなり、
皆の方を向いて「・・・よぉし・・・やるかぁ!!」と遂に決断したのでした。

そしてゴセイナイトとナビィが見守る中、
共に死線を乗り越えてきた10人は円陣を組んで手を差し出して真ん中で合わせて、
改めて共に戦う誓いを結び、マーベラスは何ともいえない頼もしさと高揚する気持ちを感じて、
これは面白くなってきたと思い、「・・・フン!」と鼻で笑うと、
「・・・いくぜぇっ!!」と大声で気合いを発し、皆も「おう!!」と応じるのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 23:58 | Comment(1) | ゴーカイジャー ゴセイジャー199ヒーロー大決戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月08日

ゴーカイジャー ゴセイジャー 199ヒーロー大決戦 感想その7

ゴーカイジャーとゴセイジャーが黒十字軍の罠から力を合わせて脱出したことをきっかけにして理解し合い、
遂に黒十字軍を倒すべく共闘を誓い合ったことは、
地球人への宣戦布告後一旦姿を消していた黒十字王も把握していました。

黒十字王はブラジラ達3幹部がゴーカイジャーとゴセイジャーのレンジャーキーを奪ってくるのを待っていたのですが、
その目算は外れ、ブラジラ達は逆に両戦隊によって倒されてしまいました。
こうなれば自ら動かねばならないと思った黒十字王は、ある荒野を選んで、そこを見下ろす崖上に姿を現しました。
すると、そこにゴーカイガレオンが飛んできて、黒十字王は「来たか・・・」と見上げます。

黒十字王は自分が姿を現せば、悪の組織の怨念の集合体である自分から発する強烈な悪の波動を
護星天使であるゴセイジャーが感知して、
ゴーカイジャーと共に自分を倒すためにやって来ることは分かっていたのです。
そうやって黒十字王は両戦隊を雌雄を決するためにこの荒野におびき出したのです。
そしてガレオンからゴーカイジャーの5人とゴセイジャーの6人が降りてきて、荒野に立って黒十字王に相対します。
常に変身態のゴセイナイト以外は全員まだ変身していません。

黒十字王は11人を見下ろして「よくぞ生きて戻った・・・海賊ども!天使ども!」と余裕の態度で出迎え、
「本当の復讐はこれからだ!まずお前たちを最初の餌食にしてやる!」と言って、
何やら大型の機関銃のような器具を取り出します。
そして「フフフフフ・・・」と不気味に笑いながら宝箱も持ち出します。
宝箱とは、マーベラス一味から奪った、レンジャーキーが入った宝箱のことです。

ここでいきなり黒十字王がレンジャーキーを持ち出してきたので、両戦隊の11人は驚き、
ハカセは「レンジャーキー!?」と素っ頓狂な声を出します。
黒十字王は不気味に笑い続けながら宝箱の蓋を開いて
レンジャーキーを手にした変な機関銃のような器具の弾倉部のような部位に注ぎ込んでいきます。

自分達の大切なレンジャーキーが変な器具の中に放り込まれていくのを見て、
ルカが慌てて「そんなもんに入れて何しようっての!?」と訊ねますが、
黒十字王は構わずに宝箱の中にあった全てのレンジャーキーをその器具の弾倉部に入れ終ると、
空になった宝箱を投げ捨て、「こうするのだ!!」と言って、その弾倉部の蓋を閉めます。
するとその器具の中で何かエネルギーがチャージされていくように、
銃身部のある赤青黄緑桃の5色のランプが全部点灯し、
銃口部から何か巨大なエネルギーが発射するような兆候が現れます。

マーベラスやアラタ達11人は黒十字王が自分達に向けてそのエネルギー弾を撃ってくるつもりなのかと思い、
思わず身構えますが、黒十字王は意外にも銃口をやや上に向けて
「うりゃあっ!!」とエネルギー弾を発射し、その巨大なエネルギー弾は大きく放物線を描いて
マーベラス達を飛び越えて、荒野の真ん中あたりに落下しました。

マーベラス達が驚いて後ろを振り向いてエネルギー弾の落ちた方向を見ると、
なんと弾着の砂塵が晴れると、そこには大量の人間の姿がありました。
いや、それは普通の人間の姿ではありません。
鮮やかな色彩のバトルスーツを纏った大量の戦士たち、すなわちスーパー戦隊の戦士達がそこには立っていたのです。

アラタ達は数年前のレジェンド大戦の時、同じように全ての戦隊が一堂に会した場面に立ち会ったことがあります。
またマーベラス達も個々の戦士たちに関しては日常的に豪快チェンジで
自分達が変身している戦士たちですから、当然見覚えがあります。
そのスーパー戦隊の戦士たちがズラリと一堂に会しているのを見て、
ゴーカイジャーとゴセイジャーの11人は思わず「はっ!?」と驚きます。

その11人に向かって黒十字王は「貴様らの相手は歴代のスーパー戦隊どもだ!!」と言い捨てて、
そのまま姿を消してしまいました。
残された11人は驚愕しました。
「ええ!?」とモネが絶句し、エリも「そんなのありぃ!?」と、このトンデモない事態に戸惑います。

つまり黒十字王がスーパー戦隊への復讐のためにレンジャーキーを奪った真の理由はこれだったのです。
この黒十字王の持つ変な大型機関銃のような器具は、バスコのラッパラッターのように
レンジャーキーの中の戦士の戦う力を使って心を持たない召喚戦士を作りだして自在に操ることが出来るようなのです。

黒十字王はこれを使ってスーパー戦隊の全戦士の召喚体を作り出して操って「本当の復讐」をやろうとしていた。
そして、その「最初の餌食」をゴーカイジャーとゴセイジャーの11人とすると宣言したことから考えて、
召喚戦士たちは11人を倒すためだけに使う予定ではないはずです。
そもそもゴーカイジャーとゴセイジャーはもともとはブラジラ達3幹部によって倒させる予定だったのですから、
本来はそうして奪ったゴーカイジャーとゴセイジャーのレンジャーキーも含めて生成した召喚戦士たちは
別の目的に使うはずのものであり、それこそが「本当の復讐」であったはずです。

つまり、黒十字王は全スーパー戦隊の召喚戦士たちを操って地球人を皆殺しにしようとしているのです。
レンジャーキーを手中に収めてスーパー戦隊の抵抗力を奪った状態で
黒十字王の力をもってすれば地球人の皆殺しは容易でしょう。
しかし、それでは面白くない。
スーパー戦隊が自分達を守ってくれると信じている地球人たちをスーパー戦隊によって襲わせて
殺していく方が、地球人の絶望はより深いものとなり、
スーパー戦隊の戦士たちの悔しさは最高値に達するはずです。
それこそがスーパー戦隊とスーパー戦隊を信じる人々に対する最高の復讐になるのだと黒十字王は考えたのでした。

そのためにレンジャーキーを実体化して召喚戦士を作り出す器具まで用意し、
黒十字王はザンギャックと手を組んで全てのレンジャーキーをまず手中に収めようとした。
しかしゴーカイジャーとゴセイジャーのレンジャーキーだけは回収に失敗したので、
このまま放置しておくと召喚戦士たちを使って地球人を殺戮する作戦の邪魔をされるかもしれない。
そこで黒十字王はゴーカイジャーとゴセイジャーをこの荒野におびき出して、
手元にある全てのレンジャーキーを実体化した召喚戦士軍団をぶつけて、
ゴーカイジャーとゴセイジャーを倒してその持つレンジャーキーを奪うことにしたのです。

黒十字王の残した言葉から、だいたいその企みはゴーカイジャーとゴセイジャーの11人には分かりました。
黒十字王はこの召喚戦士軍団を使って地球の人々を攻撃しようとしており、
その手始めに自分達を血祭りに上げようということなのだろう。
つまり、この大量のスーパー戦隊の召喚戦士たちとこれから戦う羽目になるということだと、11人は理解しました。

ヒーロー同士のバトルというものは昔から燃えるシチュエーションであり、
特にクロスオーバー作品においては異なった作品の主役ヒーロー同士のバトルというものは、
元来はどちらもそれぞれの物語世界では最強無敵の存在であるゆえに結末の読めないワクワク感があります。

ただ、その場合、どちらとも基本的に「世界を守るヒーロー」であるので
ガチンコで戦うというシチュエーションが作りにくく、
無理にそういうシチュエーションを作ってもオリジナル作品世界との整合性がとれずに
視聴者の子供たちを混乱させたり、嘘くさい印象を与えてしまいがちです。

そういうわけで、もともと「VSシリーズ」という形でクロスオーバー作品を長らく手がけてきた
スーパー戦隊シリーズにおいても、そこにおいてメインヒーローである戦隊同士のガチンコのバトルというものは
描かれてきてはいませんでした。
戦隊同士が戦う場面はたまにありますが、それらは勘違いであったり、敵に操られたりであったり、
敵が化けていたり、敵を欺くためのお芝居であったりというもので、
あくまで一時的であり、本物ではないものとして描かれてきました。

クロスオーバー作品において別作品のヒーロー同士が本気で戦うという形を初めて実現したのは
「仮面ライダーディケイド」です。
ディケイドという正義とも悪ともハッキリしないメインヒーローが
様々なライダーの守る異世界を旅して回るというシチュエーションを作ることによって、
初めて別作品のヒーロー同士が本気で戦うというシチュエーションが出来あがったのです。

ただ、これをとことんまでやってしまうことは「ディケイド」TV本編では自粛され、
途中から両ヒーローは和解して共闘するようになりました。
これを補うために「ディケイド」においては「召喚体」や「多段変身」という概念が採用され、
鳴滝や海東が別作品のライダーを召喚し、更に主役のディケイドも様々なライダーに多段変身し、
様々な組み合わせのライダーバトルを劇中で実現しました。

これらは敵が化けた偽物ではなく、あくまで本物の戦う力を使っているという意味では本物なのですが、
オリジナルそのものではないという意味で完全なる本物ではないという中間的存在であって、
TV本編でヒーロー同士のバトルがどうしても中途半端になってしまう分を補う効果を発揮したといえます。

そして「ディケイド」においては劇場版の方でヒーロー同士のバトルをかなり突き詰めて描き、
TV本編で足りない分を補ったといえますが、
結果的に劇場版の方でもとことん最後までヒーロー同士のバトルで描ききるわけにもいかなかったので、
最後には共闘の流れとなり、最初にヒーロー同士のバトルを突き詰めて描いていた分、
その急展開による物語の破綻は大きく、物語としての完成度は下がったといえます。

「ゴーカイジャー」の場合、ディケイド同様に完全なる正義とはいえないヒーローが
歴代ヒーローと邂逅を重ねて理解し合っていくという物語構造は引き継ぎながら、
ヒーロー同士のバトルという要素はあえて排除し、
あくまでゴーカイジャーと歴代戦士たちの心理劇を見せるという志向を持った作品となりました。

その中でクロスオーバー作品におけるアクション的なトピックは「多段変身」に絞って、
この「多段変身」のアクションをとにかく突き詰めて面白く見せることに専念した作り方が
序盤において成功したといえます。
そして物語が中盤に入ったところでバスコという敵キャラを登場させて、
ここで初めて「召喚体」という要素を出してきて、擬似的なヒーロー同士のバトルが実現することになった。
これはやはり「ディケイド」と違って1年間の長丁場の物語であるという点から考え抜かれたペース配分なのでしょう。

そうした「ゴーカイジャー」の劇場版である、この「199ヒーロー大決戦」においては、
TV本編のそうした抑制的な傾向とは異なり、
あくまで特別篇の短編映画としての割り切りで、ヒーロー同士のバトルの大盤振る舞いをしています。

物語前半におけるゴーカイジャーとゴセイジャーの等身大戦と巨大戦にわたるバトルは
決して一時的なものや仮初のものではなく、本物のヒーロー同士が正常な状態で本気で潰し合うために戦っており、
かなりの尺がこの本気のバトルに割かれていました。
この映画は「VSシリーズ」の1つとしても位置づけることは出来ますが、
「VSシリーズ」としては、この戦隊同士の本気のバトルをガッツリと描くというのはかなり異例のことで、
これはゴーカイジャーがディケイド的なアンチヒーローであるという特徴を最大限に活かしているからだといえます。

ただ、これをTV本編で延々とやることは主役ヒーローと歴代ヒーローとの関係を難しくするということや、
どうせ中途半端にしか描けないからという考えで回避したのが「ゴーカイジャー」という作品であったわけで、
それでも確かに「ディケイド」でやったように本気のヒーロー同士のバトルは燃えるのも事実なので、
劇場版では思いっきりやることにしたのでしょう。

そしてこの映画においてはヒーロー同士のバトルは
その「ゴーカイジャーVSゴセイジャー」だけにとどまらず、
こうして「召喚体」を使っての「ゴーカイジャー&ゴセイジャーVS他の全スーパー戦隊」という
一大戦隊大戦をも描くのですから、まさに大盤振る舞いといえるでしょう。

これは本物ならば実現はしないのであり、
むしろ本物でそこまで実現させてしまえば「ディケイド」劇場版と同じ破綻にまで至ってしまうので、
そのあたりは「ゴーカイジャー」の劇場版においては「召喚体」という概念を上手く使って表現を抑制して、
あくまで本物の全戦隊との衝突という形にはしなかったのだといえます。

まぁ相手が本物であれば、そもそも、いくらゴーカイジャーとゴセイジャーの連合軍だとしても
到底勝ち目は無いので作劇自体が成立しなくなるのであり、
それを無理に成立させたために物語が破綻した「ディケイド」劇場版の失敗から学んだ賢明な措置であったと思います。

さて、物語に話を戻し、荒野に陣形をとって現れたその召喚戦士の群れをまじまじと見つめて
「・・・よくもこんなにいたもんねぇ・・・」とルカが呆れたように言います。
この手のシチュエーションはゴーカイジャーの5人はつい最近経験したばかりです。
第15話と第16話のバスコとの戦いの際、バスコがラッパラッターを使ってレンジャーキーから実体化した
召喚戦士たちと戦ったばかりなのです。

しかし、その時は5対5や、5対10という、割と対等に近い人数比で戦いました。
バスコが持っていたレンジャーキーが全部で15個だけだったからです。
いや実際はバスコはあと10個のレンジャーキーを隠し持っているのですが、
それについてはまだマーベラス達は知りませんから、
バスコが手持ちのレンジャーキーを全部使っても全部で15人の召喚戦士しか繰り出せなかったと
マーベラス達は理解しています。

しかし今回は召喚戦士の数の桁が違います。
全てのレンジャーキーの総数はレジェンド大戦に参加した戦士192人と同数の192個に
ゴーカイジャーのレンジャーキー5つを合わせた197個ですが、
そのうちレジェンド大戦時に遊撃隊を構成していた番外戦士10人の10個のレンジャーキーと、
更に本隊182人の中にいた追加戦士15人の15個のレンジャーキー、合せて25個のレンジャーキーは
どういう事情か不明ながらバスコが持っていましたので、
マーベラス達が地球に持ってきたレンジャーキーは172個でした。
そして先日バスコから追加戦士のレンジャーキー15個を奪って、
マーベラス達の手許には187個のレンジャーキーが集まっていました。

そのうちゴーカイジャーの5個とゴセイジャーの6個を除く176個のレンジャーキーを黒十字王が奪い、
それを全部召喚体として実体化したのです。
つまり、現在ゴーカイジャーとゴセイジャーの前に敵として立ちはだかっているのは、
ゴーカイジャーとゴセイジャーを除く33戦隊の番外戦士を除く176戦士ということになります。
11対176の戦いであり、人数比としてはちょうど1対16となり、
要するにゴーカイジャーとゴセイジャーは16倍の数のスーパー戦隊の戦士たちを敵に回して戦う羽目となったのです。

それにしても176人も揃うと、さすがに壮観です。
ルカは召喚戦士との戦いはバスコとの戦いで経験はあるものの、
これほどの大人数のスーパー戦隊の戦士が集まっているのは見たことがないので、さすがに舌を巻いたのでした。
「全員揃うとこんなになるんだ・・・」とハカセも唖然として176人の召喚戦士達を眺めます。
その陣形は三角形になっており、マーベラスやアラタ達11人に向けたその尖端部には
初代戦隊のゴレンジャーが陣取っています。

数年前のレジェンド大戦時に同じような陣形の中にいた経験のあるゴセイジャーの6人にとっては、
ゴーカイジャーの5人とは違って、この全戦隊集合の光景そのものは既に経験済みでした。
ただ逆にゴーカイジャーとは違って召喚戦士との戦いというものを未経験のゴセイジャー達にとっては、
この状況はどうにも馴染めない。
数年前のレジェンド大戦時に同じような陣形を組んだ時には、
今ゴレンジャーが立っている陣形の尖端部に陣取っていたのはゴセイジャー達本人であったのです。

その時、アラタ達ゴセイジャーの目の前にはザンギャックの侵略軍の軍勢がひしめいており、
アラタ達は先輩戦隊たちと共に憎むべき侵略者たちを睨みつけていました。
それが今ではその陣形の尖端部にはゴレンジャーが居て、
他の戦隊ともども全員でゴセイジャーを敵意たっぷりに睨みつけているのですから、
アラタ達にしてみればどうにも妙な気分でした。

「変な感じ・・・あたし達、悪者みたいじゃん!」とモネは皆を見回して嫌そうに言います。
ゴセイジャーの6人は一様に戸惑った風情ですが、ゴーカイジャーの5人は割と平気な感じで、
ジョーは「・・・まぁ・・・海賊だしな・・・」と、平然といつものグローブをはめる仕草で戦闘態勢に入ります。
お尋ね者のマーベラス一味は普段から悪者扱いには慣れています。
ついさっきまでゴセイジャーからも思いっきり悪者扱いされていたばかりです。

しかし、そこまで割り切ることには慣れていないアグリは
「・・・俺たちは護星天使なんだが・・・とにかく嫌な気分だぜ・・・」と、
海賊ではない自分達はどうもこの事態を歓迎出来ないと愚痴ります。
無言で敵意を込めて睨みつけてくる176人の戦士たちは、
ゴセイジャーにとっては尊敬すべき地球を守ってきた先輩戦士たちなのです。
「先輩たちと戦わなきゃいけないなんて・・・」とエリは辛そうに目の前の戦士たちを見つめ、
ハイドも「本物じゃないと分かっていても・・・これは辛いな・・・!」と目を伏せます。

しかしアイムが「でも・・・やるしかありません!」と言うと、11人は皆頷きました。
これに反応するかのように、11人に相対する176人の召喚戦士たちは
全員一斉に構えをとって戦闘態勢に入ります。

このままこの176人の戦士たちを放置しておけば、地球の人々に危害を加えることになる。
アイム達ゴーカイジャーは確かにまだスーパー戦隊のように地球を守る戦隊ではないが、
それでもこの星を守る価値を今まさに探している途中なのです。
ならば、今ここで地球の人々を皆殺しにされるわけにはいかない。
それに自分達のレンジャーキーをこんな使い方をされて引き下がるわけにもいきません。
大事なレンジャーキーを取り戻すためにもこの戦いはゴーカイジャーにとって避けて通れないのです。

そしてゴセイジャーにとっては当然、この176人の戦士たちによって地球の人々が襲われるのであれば、
この星の人々を守るという護星天使の使命に照らせば、
目の前の176人は姿形は先輩戦士たちとはいえ、間違いなく倒すべき敵でした。
それに、自分達の本来は人々を守るために使うべき力を人々を傷つけるために使われるならば、
最も悲しむのは先輩戦士たちであることもアラタ達には分かっています。
だからこの176人は絶対に倒さなければならない。

「星を護る大事な力を・・・こんなふうに使うなんて・・・」とアラタは176人の召喚戦士たちを見つめて
「・・・絶対に許せない!!」と闘志を剥き出しにします。
ゴーカイジャーがスーパー戦隊の力を宝探しに使おうとしていることに憤って争っていたアラタ達でしたが、
ここに来て真に倒すべき悪は別にあることを実感したのでした。
星を護る力を星を傷つけるために使おうとする黒十字王こそ、真に倒すべき悪です。

「お前達・・・覚悟はいいか!?」と先輩戦士たちの姿をした召喚戦士たちと戦うことに本当に躊躇は無いか
ゴセイナイトがもう一度確認します。
敵は圧倒的な数であり、手強い相手であるのは間違いない。
下手に躊躇すれば命取りになる。
全力で戦える覚悟の無い者は戦いに加わるべきではないのです。
しかし11人にはもはや躊躇はありませんでした。
全員が大きく頷くと、マーベラスは胸の前で右手の拳を左の掌に思いっきり叩きつけて
「ケリをつけるぞぉぉっ!!」と大声で気合いを発し、全員「おう!!」と応えました。

そしてゴーカイジャーの5人はモバイレーツを取出し、
ゴセイジャーの6人はテンソウダーを取り出し、「チェンジカード!!」と叫んで
チェンジカードをテンソウダーに装填します。
一方、ゴーカイジャーの5人はレンジャーキーを取り出して「豪快チェンジ!!」と叫んでモバイレーツに挿します。

ゴセイジャーの6人は「天装!!」と叫びテンソウダーをカードリーダーの口を閉じ、そこから光が発します。
同時にゴーカイジャーの5人が前に掲げたモバイレーツからも光が発し、
「ゴォォォカイジャァァッ!!」という認識音と共にマーベラス達5人はゴーカイジャーに変身します。
そして光に包まれたアラタ達6人も「チェンジ!ゴセイジャー!」という認識音と共に
ゴセイジャーに変身したのでした。

こうして変身完了した11人は順番に名乗りを上げていきます。
まずはゴセイジャーの6人が順番に、
アラタが「嵐のスカイックパワー!ゴセイレッド!」、
エリが「息吹のスカイックパワー!ゴセイピンク!」、
アグリが「巌のランディックパワー!ゴセイブラック!」、
モネが「恵みのランディックパワー!ゴセイイエロー!」、
ハイドが「怒涛のシーイックパワー!ゴセイブルー!」、
ゴセイナイトが「星を浄める宿命の騎士!ゴセイナイト!」と
「ゴセイジャー」本編でお馴染みの個人の名乗りを上げていき、
最後に6人全員で「星を護るは天使の使命!!天装戦隊!ゴセイジャー!!」と全体名乗りを決めます。

そして続いてゴーカイジャーの5人が順番に、
マーベラスが「ゴーカイレッド!」、
ジョーが「ゴーカイブルー!」、
ルカが「ゴーカイイエロー!」、
ハカセが「ゴーカイグリーン!」、
アイムが「ゴーカイピンク!」といつものように個人の名乗りを上げていき、
最後に5人全員が「海賊戦隊!ゴーカイジャー!!」と全体名乗りを決めました。

そして、その名乗りが終わるのを待ちかねるように176人の召喚戦士たちは11人目がけて突撃を開始、
これに対して「派手にいくぜぇぇっ!!」というマーベラスの号令のもと、
ゴーカイジャーとゴセイジャーの11人も「おう!!」と応じて
武器を手にして「うおおおおおお!!」と176戦士に向かって突っ込んでいくのでした。

そうしてまずは乱戦となり、敵の先鋒集団を斬りぬけた11人が更に進もうとしたところ、
銃撃とジェットマンの滑空による攪乱で足を止められ、
そこをチェンジマンのパワーバズーカ、フラッシュマンのローリングバルカン、
ターボレンジャーのVターボバズーカ、ライブマンのバイモーションバスター、マスクマンのジェットカノンという
必殺の合体大型火器による砲撃を浴びてしまいました。

ここは新撮ではなく昔のバンク映像の使い回しで、
おそらくこのあたりの武器は現物がもう残っていないのでバンク映像で処理したのであり、
そういうものだけここにまとめて描いたというところでしょう。

この5つの合体大型火器はそれぞれが必殺武器ですから、この攻撃を喰らえば致命傷となります。
ましてやそれを5つ同時に喰らったのですから、いくらゴーカイジャーとゴセイジャーでも無事では済むはずはない。
しかし爆炎の中からゴセイジャーはスーパーゴセイジャーにフォームチェンジして飛び出してきて、
ゴセイテンソードから光線を放って反撃します。
また、一緒にゴーカイジャーも飛び出してきて既に武器交換を終えており、ゴーカイスクランブルで反撃しました。

おそらくスーパーゴセイジャーの鎧であるゴセイテクターの鉄壁の防御力を誇る翼を伸ばして
5つの必殺火器の攻撃を防いだのでしょうが、
それにしても5つの必殺火器が本来の威力ならばもっとダメージを受けていたでしょう。
やはりこの176戦士は召喚戦士だから本物よりは弱いのです。
それも、おそらくバスコの召喚戦士よりもかなり弱いと見えます。

ラッパラッターの場合はモバイレーツやゴーカイサーベル、ゴーカイガンなどと同じように
レンジャーキーをカギ型にして、ちゃんとシリンダーに挿して回してそのエネルギーを使用しています。
おそらくそれがレンジャーキーの正規の使い方なのでしょう。
つまりラッパラッターはモバイレーツなどと同じ系統の器具であり、その製作者は同一人物と思われます。
おそらくアカレッドが作ったのでしょう。
だからラッパラッターはその戦士の基本的な戦う力を全て引き出すことは出来ています。
ただ心が無い召喚戦士はその戦士の更なる潜在能力を引き出すことが出来ず基本性能だけで戦うので、
心を持った戦士であるゴーカイジャーにラッパラッター召喚戦士は善戦はしたものの敗れ去ったのです。

一方、この黒十字王の召喚戦士たちはというと、
そのエネルギーを使用する際にレンジャーキーをカギ型に変形もしておらずシリンダーにも挿していません。
ただレンジャーキーをバラバラとエネルギー発射装置の弾倉部の箱に放り込んで蓋をしただけです。
こんな雑な方法で召喚戦士を出すことが出来たのですから、
まさにスーパー戦隊への怨念のパワーのもたらす魔術の力は大したものですが、
それでもやはり、ラッパラッターのような正規の器具を使用した方法とは全く異質な方法であり、
あまりにも粗雑といえます。

よって、その方法による召喚戦士は、ラッパラッターの召喚戦士とは違い、
その戦士の基本性能すら満足に引き出せてはいないと思われます。
だから、個々の戦士はかなり弱いのですが、その代わり数が圧倒的に多い。
つまり質より量なのです。
そういうわけで合体必殺武器も本来の破壊力は無く、
それでも5つ同時にまともに喰らえば致命傷になったところですが、
ゴセイテクターの翼で防御すれば弾き返すことは出来たのです。

そうして11人は反撃し、この合体必殺武器で攻撃してきた
チェンジドラゴン、チェンジグリフォン、チェンジペガサス、チェンジマーメイド、チェンジフェニックスの
チェンジマン5人、
レッドフラッシュ、グリーンフラッシュ、ブルーフラッシュ、イエローフラッシュ、ピンクフラッシュの
フラッシュマン5人、
レッドターボ、ブラックターボ、ブルーターボ、イエローターボ、ピンクターボの
ターボレンジャー5人、
レッドファルコン、イエローライオン、ブルードルフィン、ブラックバイソン、グリーンサイの
ライブマン5人、
レッドマスク、ブラックマスク、ブルーマスク、イエローマスク、ピンクマスクの
マスクマン5人、
これら5戦隊の合計25人を一気に倒しました。

やはり防御力も本物の戦士たちよりも格段に劣るようで、
ゴセイジャーとゴーカイジャーの必殺技を喰らわせれば簡単に倒せるようです。
そして倒された25人の戦士たちは皆、レンジャーキーに戻りました。
これもラッパラッター召喚戦士と同じです。

「レンジャーキーに戻った!?」と驚いてハカセが駆け寄り、
皆も25個のレンジャーキーの転がっている場所に集まります。
「やはり・・・倒せば元に戻るってことか・・・」とジョーはバスコ戦の時のことを思い出し、
あの時と同じだと理解しました。
しかもバスコ戦の時の召喚戦士たちに比べて、かなり相手が弱いということも分かりました。

しかしその代わりに数が多い。
あっという間に11人は新手の召喚戦士たちに取り囲まれます。
周囲を見回して「・・・止まってる場合じゃねぇな・・・」とマーベラスが言います。
どうやら、いちいち倒した戦士のレンジャーキーを拾っているヒマは無いようです。
確かに相手は思ったよりも弱いが、それは個々の強さの話です。
数が集まればそれなりに大きな力になる。
油断していたらこっちがやられるのです。
とにかく必死に戦って倒し続けて召喚戦士たちをレンジャーキーに戻し続けていくしかない。

周囲を取り囲んだ召喚戦士たちに対して円陣を組んだ11人の中、
アラタが「みんな!一つ一つの攻撃に・・・想いを込めよう!」と言います。
それに応えてハイドも「ああ!悪に利用された先輩たちの力を元に戻すんだ!」と、
皆に戦いの方針を確認するように言いました。
全ての召喚戦士を倒してレンジャーキーに戻せば、スーパー戦隊の力の悪用は阻止できる。
今はそれがこの星とスーパー戦隊を守る最善の方法なのです。
「おお!!」と応えた11人は、それぞれの方向に駆け出していき、
残り151人となった召喚戦士たちに対して、その数の優勢を最大限に活用させないために
各個撃破に持ち込むべく、各自バラバラになって戦うことにしました。

まずマーベラスが突っ込んでいった先に駆け込んできたのは
ダイナレッド、ダイナブラック、ダイナブルー、ダイナイエロー、ダイナピンクのダイナマン5人で、
ダイナマンは5人揃ってジャンプして必殺技のニュースーパーダイナマイトを繰り出しますが、
マーベラスはこれに飛び込んでいってゴーカイサーベルを一閃して撃墜し、ダイナマンの5人は地面に落下します。

本来はこんなことは不可能ですが、やはり本物のダイナマンには遠く及ばない粗悪な召喚戦士だから、
こうした必殺技破りも出来るのです。
そうして地上に落下したダイナマンが起き上がってきたところにマーベラスは突っ込んで一気に5人を倒し、
これで残りの召喚戦士は146人となります。

続いてエリが個人必殺技のスーパーピンクトリックでブルーレーサーとイエローレーサーを倒し、
更に襲い掛かってくるカーレンジャーの残り3人、
レッドレーサー、グリーンレーサー、ピンクレーサーを順番に倒していき、残り召喚戦士を141人とします。

また、林の中にアバレッド、アバレブルー、アバレイエロー、アバレブラック、アバレキラーの
アバレンジャー5人を誘い込んだルカは、お馴染みの双竜刀アクションを駆使して
アバレンジャー5人を倒して、これで残り召喚戦士は136人となります。

そしてハイドはデンジレッド、デンジブルー、デンジイエロー、デンジグリーン、デンジピンクの
デンジマン5人と相対し、デンジマンの放った合体必殺技のデンジブーメランを飛び越えて、
デンジマン5人をゴセイテンソードで次々と斬り倒していき、残り召喚戦士はこれで131人になりました。

一方、小高い丘の斜面でニンジャレッド、ニンジャホワイト、ニンジャブルー、
ニンジャイエロー、ニンジャブラックのカクレンジャー5人に取り囲まれたハカセは、
斬りかかってくるカクレンジャー相手に奮戦して包囲網を脱すると、
アンカー付きのロープを投げてカクレンジャー5人を一網打尽に縛り上げ、
そこに「ごめんね!」とゴーカイガンでファイナルウェーブを射ち込んで5人を倒し、残り召喚戦士を126人とします。

そしてモネは襲い掛かって来たファイブピンクとファイブイエローの攻撃をかわすと、
ファイブマン5人の包囲陣の中で奮戦して、
まずはファイブピンクとファイブイエローをゴセイテンソードで斬って倒し、
次いでファイブレッド、ファイブブルー、ファイブブラックの3人に
スーパーランドダイナミックを食らわして倒しました。
これで残り召喚戦士は121人です。

また、河原でバトルフィーバー隊と戦っていたアイムは
二丁拳銃を駆使した近接戦闘でまずはミスアメリカを撃破し、
次いでバトルフランスとバトルケニアを同時に倒し、
最後に駆け込んできたバトルジャパンとバトルコサックの攻撃もかわして銃弾の雨を射ち込み倒し、
これで残り召喚戦士を116人とします。

一方アグリは周りを囲んだゴーグルファイブの5人と戦っており、
ゴセイテンソードの斬撃でゴーグルピンク、ゴーグルブラックを倒し、
続けざまにゴーグルブルーとゴーグルイエローも倒し、
残ったゴーグルレッドのリボン攻撃を受けますが、逆にロープを掴み取って投げ飛ばし、
飛び上がって体当たり技のスーパーブラックアタックでゴーグルレッドを撃破し、
残り召喚戦士は111人となります。

そしてジョーはギンガレッドの炎のたてがみを大きくジャンプしてかわして
ギンガマン5人の布陣の中に飛び込み、
二刀流アクションでギンガレッド、ギンガグリーン、ギンガイエロー、ギンガピンクを一気に撃破し、
最後はギンガブルーを仕留め、残り召喚戦士を106人とします。

また、林の中ではアラタがビッグワンと一騎打ちをしているところに
スペードエース、ダイヤジャック、クローバーキング、ハートクインの4人が四方から走り込んできて
スクラム状にアラタを捕えます。
これはジャッカー電撃隊の必殺技のジャッカーコバックの態勢です。

危険を感じたアラタは自ら跳び上がり、空中できりもみ回転しながらゴセイブラスターで4人を撃ち、
着地してゴセイテンソードで4人を倒し、最後は爆炎の中から飛び出してビッグワンを斬り倒して、
ジャッカー電撃隊の5人を撃破、残り召喚戦士はこれで101人となります。

こうして皆がそれぞれ各戦隊単位で襲ってくる召喚戦士たちを撃破していく中、
ゴセイナイトは10人の追加戦士軍団と戦っていました。
レオンレイザーソードを振るって突っ込んだゴセイナイトは、
襲ってくるドラゴンレンジャー、キバレンジャー、デカブレイク、ガオシルバー、ボウケンシルバー、
メガシルバー、シュリケンジャー、キングレンジャー、マジシャイン、タイムファイヤーと順々に斬り抜けていき、
そこに再び飛び掛かってきたドラゴンレンジャーとキバレンジャーをレオンレイザーで退け、
遠距離攻撃を仕掛けてきたボウケンシルバー、ガオシルバー、キングレンジャー、マジシャシンに対しては
グランディオンヘッダー形態となって飛んで行って蹴散らし、
最後は倒れ込んだ10人の追加戦士たちをナイトダイナミックでまとめて倒し、残り召喚戦士を91人とします。

そしてここからは各戦隊単位ではなく、
長きにわたって色分けされた戦士たちのチームの戦いの歴史を積み重ねてきた
スーパー戦隊シリーズならではの趣向として、色別のバトルシーンとなります。

まずピンク・ホワイト系の戦士軍団の中を戦いながら駈けてきたアイムとエリがばったり出会い、
周りを取り囲んだピンク・ホワイト系軍団の中で背中合わせに立ったエリは「アイム!一緒にやろう!」と提案し、
アイムは「はい!エリさん!」と応じます。

エリもアイムもピンク戦士であり、
周りを囲んだ召喚戦士たちもピンクファイブ、ホワイトスワン、プテラレンジャー、ホウオウレンジャー、
オーピンク、メガピンク、ゴーピンク、タイムピンク、ガオホワイト、デカピンク、マジピンク、ボウケンピンクの
12人はホワイトスワンとガオホワイト以外はピンク戦士であり、
ホワイトスワンとガオホワイトもスーツカラーにピンクもあしらっておりピンク系戦士ともいえます。

このピンク尽くしの戦いは、周囲からの一斉攻撃をエリのゴセイテクターの翼がブロックして弾き返し、
同時にアイムが回転しながら二丁拳銃で360度射撃で反撃、
ひるんだピンク軍団にエリがゴセイテンソードで追い打ちをかけ、
中央で再び背中合わせとなったエリとアイムは回転しながらゴセイテンソードとゴーカイガンの連射攻撃
「ピンクダブルアタック・パート2」で12人のピンク戦士たちを撃破し、残り召喚戦士を79人としました。

ただ、アイムはそのエリの叫んだ技の名前を「・・・パート2・・・ですか?」と不思議そうに問い直します。
エリは「そっ!」と当然のことのように答えますが、アイムにはよく分からず首を傾げます。
レジェンド大戦の1年ほど前、ゴセイジャーとシンケンジャーが共闘した際に、
エリはシンケンピンク白石茉子と同じような技を使ったことがあり、
その際にその技を「ピンクダブルアタック」と命名済みだったのです。
だから今回はパートナーがアイムに変わっているので「パート2」と付けたのですが、
アイムはそんな事情は知りませんから首を傾げたというわけです。

さて続いてはイエロー尽くしのバトルの場面となります。
バルパンサー、イエローフォー、イエローオウル、タイガーレンジャー、キリンレンジャー、
オーイエロー、メガイエロー、ゴーイエロー、タイムイエロー、ガオイエロー、ハリケンイエロー、
デカイエロー、マジイエロー、ボウケンイエローの14人のイエロー召喚戦士たちが二手に分かれて、
ルカとモネの2人のイエロー戦士を挟み撃ちにしますが、
背中合わせに立ったルカとモネは「いくよ!モネ!」「オッケー!ルカ!」と息はピッタリで、
二手に分かれてそれぞれ逆方向の敵集団の中に斬り込んでいきます。

そうしてそれぞれ1対7の戦いを優勢に進めて敵の陣形を崩したところで
ルカとモネは同時に大きく上に向けてジャンプし、空中で下を向き、
二刀流のゴーカイスラッシュとゴセイテンソードからの光線で、
唖然と2人を見上げて下に集まった14人のイエロー戦士を一気に撃破し、
これで残り召喚戦士を65人とします。

次はグリーン召喚戦士軍団とブラック召喚戦士軍団の登場となり、
相手をするのはもちろん、グリーン戦士であるハカセと、ブラック戦士であるアグリです。
まずハカセは5人のブラック戦士に囲まれて、二丁拳銃の連射でマンモスレンジャーを撃破しますが、
ボウケンブラックのラジアルハンマーの攻撃に追われて崖から飛び降りて逃れます。
その崖下ではアグリがクラガライジャーを撃破した後、
7人のグリーン戦士軍団に囲まれて、その囲みから逃げ出したところでした。

そのアグリのところに「うわあああ!!」と叫んでハカセが降ってきて、
思わずハカセを受け止めたアグリは自分のゴセイテンソードを落としてしまいます。
「なんだよお前!?」と驚くアグリに向かって、
アグリに抱きかかえられたままハカセは「来るよ!来るよ!」と焦って崖の方を指さします。

「え!?」と崖の方を見上げたアグリの視界には、ハカセの「来た来たぁ!」という声と共に
ブラックコンドル、メガブラック、ガオブラック、ボウケンブラックの4人が飛び降りてくるのが見えました。
ハカセから手を離してゴセイテンソードを拾う時間的猶予も無いアグリはハカセの上体を突き飛ばして、
足をぐいっと持ち上げてひっくり返した姿勢でぶら下げて「撃ちまくれぇ!!」と叫びます。

「ええ!?」と戸惑うハカセですが、アグリは思いっきりハカセを振り回して回転し、
ハカセは「うわあああああ!?」と絶叫しながら二丁拳銃を連射し、
飛び降りてきた4人のブラック戦士は銃弾に薙ぎ払われて撃破され、
次いでそのまま更に銃を連射し続けるハカセを振り回したアグリは、
追いかけてきたグリーンツー、シシレンジャー、オーグリーン、ゴーグリーン、タイムグリーン、
デカグリーン、マジグリーンの7人のグリーン戦士も撃破します。

先に倒されていたマンモスレンジャーとクワガライジャーも含めて、ここで倒された召喚戦士は13人ですから、
これで残り召喚戦士は52人となりましたが、
さんざん変な態勢で振り回された挙句、万歳したアグリによって地面に落とされてしまったハカセは
腰を押さえて痛がって悶えてしまい、アグリは慌てて「悪い・・・」と謝ります。
「やられた・・・」と言って力尽きたハカセにアグリは「悪い悪い!」と笑いながら謝るのでした。

その頃、ジョーはブルー戦士軍団と戦っており、まずはバルシャークとガオブルーを二刀流で倒し、
トリケラレンジャー、メガブルー、デカブルー、ボウケンブルーの銃撃を二刀を振り回して防戦していたところに、
ジョーの背後からブルースワロー、ハリケンブルー、マジブルーの女性ブルー3人組が襲い掛かってきました。
ジョーが振り向いてこれに対処しようとしたところ、
それより一瞬早く女性3戦士はジョーの背後から飛んできた攻撃で撃破されました。

ジョーが驚いて振り向くとハイドが立っており、ゴセイブラスターを構えて「危なかったなぁ!」と言います。
ハイドの援護でジョーは助かったのですが、ジョーは自分一人でも対処出来たと考えているので
「余計な真似を・・・!」と強がりを言い、
突っ込んできたトリケラレンジャー、メガブルー、デカブルー、ボウケンブルーとの斬り合いに突入し、
ハイドもブルースリー、テンマレンジャー、オーブルー、ゴーブルー、タイムブルーに取り囲まれて
斬り合いとなります。

ハイドはゴセイテンソードの一振りでタイムブルーを倒しますが、
ブルースリーとテンマレンジャーによって後ろから羽交い絞めにされて動きを封じられ、
オーブルーとゴーブルーの攻撃を喰らいそうになります。
すると背後からの攻撃でブルースリーとテンマレンジャーが倒され、
ハイドは自由に動けるようになったのでオーブルーとゴーブルーの攻撃を退けることが出来ました。

ハイドが振り返ると、背後からの援護はジョーによるもので、ジョーは「借りは返したぞ・・・」と言います。
これで貸し借り無しとなったので、ハイドが「一緒にやるか!」と誘うとジョーも応じて、
ハイドとジョーは残った6人のブルー戦士である
トリケラレンジャー、メガブルー、デカブルー、ボウケンブルー、オーブルー、ゴーブルーを一気に撃破し、
この一連の戦いでジョーとハイドが倒したブルー戦士は全部で14人となり、
ハイドが「やったな!」と健闘を称えると、
ジョーは「・・・フン!」と背を向けながらサムズアップしてハイドの健闘をぶっきらぼうながら称えたのでした。
これで残り召喚戦士は38人です。

そしてマーベラスとアラタの2人のレッド戦士は2人並んで「はあああああ!!」と叫び、
15人のレッド召喚戦士軍団に突っ込んでいきます。
マーベラスがガオレッド、タイムレッド、カブトライジャー、ティラノレンジャー、ゴーレッド、
オーレッド、メガレッド、ボウケンレッドと斬り結び、
アラタはリュウレンジャー、レッドホーク、マジレッド、ハリケンレッド、デカレッド、
バルイーグル、レッドワンと戦います。

そしてアラタがデカレッドとレッドワンを倒したところに、
レッドホークとバルイーグルとハリケンレッドの3人の空を滑空することの出来るレッド戦士が
空中から急襲してきました。
しかしアラタも護星天使のスカイック族であり空を飛ぶことが出来るので、空中戦でこれを迎撃して、
この3戦士を撃破します。
そして着地してきたところに襲ってきたリュウレンジャーとマジレッドもアラタは斬りつけて退けます。

一方マーベラスはクワガライジャーを倒した後、突っ込んでくるレッド戦士たちの集団に向かい、
ゴーカイサーベルにレンジャーキーを挿してファイナルウェーブの態勢をとって「いくぜ・・・!」と呟いて突撃し、
オーレッド、ティラノレンジャー、ガオレッド、メガレッド、ボウケンレッドを立て続けに斬って倒していき、
残ったタイムレッドとゴーレッドを蹴り飛ばします。

そこにアラタに追いやられたリュウレンジャーとマジレッドも逃げ込んできて、
残った4人のレッド召喚戦士に対してマーベラスとアラタが並び立ちました。
「トドメ・・・いくよ!」とアラタが言うと、マーベラスも「・・・フン!」と応じて、
アラタの放ったスーパースカイダイナミックとマーベラスの放ったゴーカイスラッシュが4戦士を撃破し、
これで15人のレッド戦士軍団は全滅し、残り召喚戦士は23人となります。

ところが、そのマーベラスとアラタ目がけて何かが飛んできました。
それはゴレンジャーハリケーンによって発射されたエンドボールでした。
2人が慌てて避けると地面に激突したエンドボールは大爆発し、
他の場所から敵を全て倒して駆けつけたゴーカイジャーとゴセイジャーの11人の前に立ちはだかったのは
アカレンジャー、アオレンジャー、キレンジャー、ミドレンジャー、モモレンジャーの
初代戦隊のゴレンジャーの5人でした。
そして更にゴレンジャーの前に走り込んできた召喚戦士軍団の残り全員は、
ゲキレンジャー5人、ゴーオンジャー7人、シンケンジャー6人というゴセイジャーより前の最新3戦隊でした。

ゴーカイジャーとゴセイジャーの11人に向けて、
ゲキレッドとゲキブルーとゲキイエローの3人はスーパー激激砲を構え、
ゲキバイオレットとゲキチョッパーも激気を放つ構えをとります。
また、ゴーオンレッドとゴーオンブルーとゴーオンイエローの3人はハイウェイバスターを構え、
ゴーオングリーンとゴーオンブラックの2人はジャンクションライフルを構え、
ゴーオンゴールドとゴーオンシルバーの2人は共にウイングブースターを構えます。
そしてシンケンレッドはモウギュウバズーカを構え、
シンケンブルー、シンケンピンク、シンケングリーン、シンケンイエロー、シンケンゴールドの5人は
烈火大斬刀の大筒モードで五輪弾を撃つ構えに入ります。

この3戦隊の必殺技の合体攻撃に対抗すべく、
ゴセイジャーの6人は合体必殺技のミラクルゴセイナイトダイナミックの構えをとり、
ゴーカイジャーの5人はゴーカイガンにレンジャーキーを挿し、ゴーカイブラストの構えに入ります。

そして召喚3戦隊の必殺技が一斉に発射され、
それにぶつけるようにミラクルゴセイナイトダイナミックとゴーカイブラストが発射、
両者は真っ向からぶつかり、激しく押し合いますが、
ゴーカイジャーとゴセイジャーの側の気合いが勝り、
結局はミラクルゴセイナイトダイナミックとゴーカイブラストが
ゲキレンジャー、ゴーオンジャー、シンケンジャーの合計18人に炸裂し、これらを撃破したのでした。
これで遂に残る召喚戦士はゴレンジャーの5人だけとなります。

そして3戦隊が吹っ飛んだ爆炎の中を突っ切ったマーベラスとアラタの2人は
ゴレンジャーの5人も斬り捨てて撃破し、
176人の召喚戦士軍団を全員倒してレンジャーキーへと戻すことに成功したのでした。

そうして11人がひとまず安堵した時、不思議なことが起こりました。
倒した召喚戦士たちが姿を戻していたレンジャーキーは荒野のあちこちに散らばったままだったのですが、
それらが全て光を発して浮かび上がって、「ああ?」と驚いて11人が見つめる中、
勝手に飛んで行って黒十字王が捨てていった宝箱の中に入っていったのです。

レンジャーキーには馴染は無いアラタ達はもちろん、
ずっとレンジャーキーと旅をしてきたマーベラス達ですら、
レンジャーキーのこのような不思議な現象は見たことはありませんでした。
いや、「大いなる力」が初めて発動する時にレンジャーキーが光って宙に浮かぶ現象が
これと似ているように思えましたが、これほど大掛かりなものは見たことはありませんでした。

しかし実際はアラタ達もこれと似た大掛かりな不思議な現象は経験済みのはずです。
それはレジェンド大戦の最終局面において、
アラタ達も含めた192人の戦士たちの体内から飛び出した戦う力が光り輝きながら空を飛んでいき
ザンギャックの大艦隊を撃滅した後、レンジャーキーとなって宇宙に散らばった現象です。
あれと同じような現象が起こったのだといえます。

それは通常のレンジャーキーにおいては起こらない特異な現象のようでもあり、
黒十字王によって無理な使い方をされたせいで異常な状態となっていたレンジャーキーだからこそ
起こった現象のようにも思えます。

しかしレジェンド大戦時や「大いなる力」発動時に起こった現象にも似ており、
まるでレンジャーキーに意思があるかのように動く、これらの不思議な現象の背後には
何らかの意思が介在している可能性もありますが、
この場ではとりあえず大軍勢を相手にした戦いに疲れ果てた11人にはそこまで深く考える余裕は無く、
宝箱の傍に駆け寄ると、とにかく宝箱の蓋を閉めて、
レンジャーキーを全て取り戻すことが出来た喜びを分かち合ったのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 13:13 | Comment(0) | ゴーカイジャー ゴセイジャー199ヒーロー大決戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月10日

ゴーカイジャー ゴセイジャー 199ヒーロー大決戦 感想その8

黒十字王に操られていた176人のスーパー戦隊の召喚戦士たちを激闘の末ようやく撃破して、
黒十字王に奪われていた176個のレンジャーキーを全て取り戻したゴーカイジャー5人とゴセイジャーの6人でしたが、
危機はまだ去ってはいませんでした。
宝箱の傍に集まった11人の背後に黒十字王が
「天使ども海賊ども!よくぞ戦ったと褒めてやろう・・・」と言って、再び現れたのです。

慌てて11人が振り返ると、黒十字王は「だが、もう戦う力は微塵も残っていまい・・・?」と余裕の態度です。
図星を突かれて11人は「くっ・・・!」と怯みました。
176人の召喚戦士との戦いに勝ち抜くことは出来たものの、その疲労は並大抵のものではなく、
既に11人の体力は限界に達していました。

黒十字王としても、本来は176人の召喚戦士の力でゴーカイジャーとゴセイジャーを倒す目算だったのですが、
黒十字王の想像以上に召喚戦士が弱くて、ゴーカイジャーとゴセイジャーを倒すことが出来ず、
逆に返り討ちにあってレンジャーキーを奪還されてしまったことは計算外でした。
しかし、召喚戦士との戦いで疲弊したゴーカイジャーとゴセイジャーをこの場で倒してしまえば、
結局はレンジャーキーも再び奪うことは出来るし、
ゴーカイジャーとゴセイジャーの持つレンジャーキーも奪うことは出来るという絶好のチャンスでした。

黒十字王は「ぬぬぬああああ!!」と不気味な唸り声を上げて巨大ロボサイズに巨大化し、
ゴーカイジャーとゴセイジャーを見下ろし「私自らの手で引導を渡してやる!!」と宣言すると、
「死ねぇい!!」と叫んで手から破壊光線を何発も発射します。
既に体力が限界に達しているマーベラス達11人はなんとか直撃を避けるのが精一杯で、
何度も「わああああ!!」と吹っ飛ばされて、遂には変身解除して「ぐあっ!!」と倒れ込んでしまい、
動けなくなってしまいました。

そこに向かって黒十字王が「なかなかしぶとい奴らよ・・・」と嘲笑いながらのしのしと近づいてきます。
この期に及んでは、なんとか顔を上げてマーベラスは
「・・・でかすぎるだろ・・・いい加減!」と文句を言うぐらいしか出来ません。
他のゴーカイジャーやゴセイジャーの面々も悔しげに顔を上げて黒十字王を睨みつけますが、足腰が立たない状態です。

それを見下ろして黒十字王は「ヌハハハハ!貴様ら全員抹殺し、
あらためて全スーパー戦隊を我が僕にしてやろう・・・!」と勝ち誇って、今度は目から破壊光線を発射してきて、
11人は「わああああ!!」と、いよいよ絶体絶命となります。
地面に投げ出されたアラタは顔を上げて「・・・ここまで来て・・・諦めてたまるかぁぁっ!!」と怒鳴り、
マーベラス達も必死で立ち上がって戦おうとした、その時、また不可思議なことが起こったのでした。

宝箱に入っていたレンジャーキーが再び光を発し、
宝箱の蓋が勝手に開くと、そこから眩い光が発射されて
黒十字王は「うぬうっ!?」と目が眩んで尻もちをついてしまいました。
そしてその光は「うわ!?」と驚くゴーカイジャーとゴセイジャーの11人をも包み込んでいきました。

気が付くとゴーカイジャーとゴセイジャーの11人は真っ白な光に包まれた空間に立っていました。
目の前に迫ってきていたはずの黒十字王の姿は何処にもありません。
代わりに、その白い空間には金色に輝くレンジャーキーが大量に浮かんでいます。
おそらく宝箱の中にあった176個のレンジャーキーがさっきのように勝手に浮かんでいるのでしょう。

一瞬、夢でも見ているのかと思ったマーベラス達でしたが、
11人全員がこの場に揃っていて、全員が同様に驚いていることから考えて、どうやら夢ではないようです。
かといってこの不思議な空間が現実とも思えず、
レンジャーキーによって何らかの不思議な特殊空間が作られて、
自分達は肉体ごとなのか、それとも意識だけなのか分からないが、その特殊空間に移動させられたようです。
しかし、それがどういう意味合いのものであるのか、全く謎でした。

「・・・これはいったい・・・?」とアラタは戸惑い、
ハカセも白い空間を見渡して「何が起こってるんだ?」と混乱しました。
他のメンバーも皆、困惑した表情で白い空間や、漂うレンジャーキーを見つめます。
すると、白い空間の中から何かが浮かび上がってきました。
それはなんと初代スーパー戦隊のゴレンジャーのリーダー、アカレンジャーの姿でした。
ただ、本物ではなく、なんだか輪郭がぼんやりしているので、何らかの思念体のようです。

そのアカレンジャーがマーベラス達の正面に漂うようにやって来ると、
それに重なるように1人の初老の男性の姿が浮かび上がってきました。
その男の顔はマーベラス達ゴーカイジャーの5人は知りませんでしたが、
アラタ達ゴセイジャーの6人はその顔を見て驚きました。
それはアカレンジャーのオリジナルの変身者である海城剛だったのです。

ゴセイジャーの6人はレジェンド大戦の時に初めてアカレンジャーと対面しましたが、
レジェンド大戦終了後に目を覚ました後、
ボウケンレッドの明石暁やゴーオンイエローの楼山早輝たちの変身解除した姿と対面したのと同じように、
アカレンジャーの海城剛の変身解除後の姿ともその時に一度出会っていました。
だから、アラタ達はその男が海城だということはすぐに分かりましたが、
いったいどうして海城がこの白い不思議な空間に現れたのか、意味が分からず呆然としました。

なお、この白い空間に浮かび上がった海城剛を演じておられるのは、
36年前の1975年にアカレンジャー海城剛を演じたオリジナル役者の誠直也氏です。
「ゴーカイジャー」TV本編の第1話冒頭や、この映画冒頭のレジェンド大戦の場面で
アカレンジャーの姿に声をあてて出演されていましたが、
この場面でとうとうこのレジェンド中のレジェンド役者である誠直也氏が顔出し出演をしていただくこととなりました。

冒頭のレジェンド大戦の場面でも解説しましたが、
海城の劇中年齢はこの時点でおよそ60歳で、誠氏の撮影時の年齢は62歳です。
さすがに若々しいとはいえませんが、さすがに初代レッドらしい貫録や凄味は十分で、
今でも戦えそうに見えます。

さて、そのアカレンジャーの姿に重なって白い空間に現れた海城は「俺たちは戦う力を奪われた・・・」と口を開きます。
ゴーカイジャーの5人はその男が何者なのか分かっていなかったのですが、
まずその白い空間に現れた謎の男がいきなり喋りかけてきたので驚きました。
同様にゴセイジャーの6人も海城が喋ったので驚きました。
これはただの幻影ではなく、喋っている内容からしても、
意思を持った何らかの海城の実体であることが分かったのです。

海城は更に続けて「だが、このカギに宿った想いは永遠のものだ!」と言います。
ここまで聞いてマーベラス達ゴーカイジャーの面々にも、
この男がアカレンジャーのレンジャーキーの中の戦う力の真の持ち主、
つまりアカレンジャーにもともと変身していたレジェンド戦士なのだということが理解出来ました。

一方、アラタ達ゴセイジャーは海城の言葉を噛みしめていました。
レジェンド大戦の時に戦う力を奪われたのはアラタ達も海城も同じです。
アラタ達はその戦う力を取り戻そうと考えてレンジャーキーを取り戻そうとしました。
しかしレンジャーキーを取り戻せば戦う力も取り戻せるということが分かっていながら、
海城たちはそうしようとはしなかった。
それはどうしてなのか、アラタ達は不思議に思っていました。
しかし、マーベラス達ゴーカイジャーとの出会いから喧嘩や共闘を経て、
今こうして海城の言葉を聞いて、アラタ達はそれがどうしてであったのか、よく理解出来たのでした。

海城は自分達は戦う力を失ったが、
レンジャーキーには自分達の地球を守るヒーローの想いが宿っているのだと言っている。
それはつまり、レンジャーキーに込められたスーパー戦隊の戦う力は
スーパー戦隊の地球を守る熱い想いと同じ想いを持った者によってこそ引き出されるということです。

そのことはもちろんアラタ達も知っていました。
そしてゴーカイジャーはお宝探ししか興味の無い宇宙海賊だからスーパー戦隊とは想いが違っており、
スーパー戦隊の戦う力を使いこなす資格は無いと見なして、
アラタ達はマーベラス達からレンジャーキーを取り戻そうとしたのです。

しかし海城はそうではなく、ゴーカイジャーに自分達と同じ人々を守ろうとする熱い想いの可能性を見出していた。
もしゴーカイジャーがしっかりとスーパー戦隊の想いを受け継いで戦っているのだとすれば、
海城たちの想いもしっかりと戦いの中で受け継がれていることになります。
それならば何ら問題は無い。
だから海城や他のレジェンド戦士達はあえてレンジャーキーを取り戻そうとはせず、静観していたのです。

そして実際、アラタ達はマーベラス達と成り行きで共闘していく中で、
マーベラス達が決してお宝目当てだけの海賊ではなく、
自分達と同じように人々を守る熱い想いを秘めていたことを知りました。
それはさっき176人の召喚戦士たちとの戦いを勝ち抜いたことによって見事に証明されたといえます。

あの召喚戦士たちは確かにレンジャーキーの中のスーパー戦隊の戦う力が具現化したものでしたが、
心を持たない操り人形であったので、スーパー戦隊の戦士たちの想いは持っていませんでした。
それゆえ、スーパー戦隊の真の戦う力を引き出すことは出来ていなかったので
アラタたち本物のゴセイジャーの敵ではなかった。

しかし、もしマーベラス達がスーパー戦隊と同じ想いを持っていない者達であれば、
召喚戦士たちと同等の力しか引き出せていなかったはずであり、
きっとあの膨大な召喚戦士たちに打ち勝つことは出来なかったはずです。
ところがマーベラス達はアラタ達と同じように召喚戦士たちを蹴散らした。
これはつまりマーベラス達がスーパー戦隊の戦士たちと同じ、
人々を守ろうとする熱い想いを持っているという何よりの証明といえるでしょう。

その可能性に海城たちは最初から気付いていたのに、
アラタ達ゴセイジャーはまだ未熟であったので、そのことに気付いていなかった。
それで慌てて余計な騒動を起こしてしまったのだと、アラタは反省し、海城の言葉に納得し、素直に頷きました。

しかし、ならばアラタ達は単なる道化であったのかというと、そういうわけではない。
海城たちもマーベラス達に自分達の想いを受け継ぐことの出来る可能性を感じながらも、
それに確信が持てなかったので「大いなる力」を渡すこともなく、ただ静観していたのです。
そこにアラタ達ゴセイジャーが暴走してマーベラス達と喧嘩し始めて、
そこにたまたま黒十字王が現れて共闘する流れとなり、
その戦いの中でゴセイジャーと触れ合ったことによってゴーカイジャーの中のスーパー戦隊と共通する要素が
表面上に浮彫になってきたのです。

その仕上げが召喚戦士軍団との戦いであり、
それによってマーベラス達がスーパー戦隊の想いを受け継ぐ資質を持っていることが
ハッキリと海城たちにも確認出来たのです。
それはゴセイジャーの無茶な行動があってこそ辿り着くことの出来た結論なのです。

ゴセイジャーは確かに海城たちに比べれば未熟であったが、
その若さや熱さゆえの無謀によってゴーカイジャーの真実を明らかにすることが出来た。
それに比べて海城たちにはその未熟さゆえの思い切りが足りなかったので、
長らく結論を得ることが出来なかったといえます。
だから海城たちはゴセイジャーの熱く純粋な行動に感謝していました。

その感謝の気持ちを伝えるべく、マーベラスやアラタ達の背後に別の戦士の姿が浮かび上がってきて、
そこに初老の男の姿が重なって浮かび上がって
「ありがとう、天装戦隊・・・そして、海賊戦隊・・・!」と感謝の言葉を述べました。
マーベラスやアラタ達が振り返ると、そこには2代目スーパー戦隊のジャッカー電撃隊の行動隊長である
ビッグワンの姿に重なって、そのオリジナルの変身者である番場壮吉の姿がありました。

アラタ達ゴセイジャーは番場の素顔はもちろんレジェンド大戦後に出会って知っていましたが、
マーベラス達ゴーカイジャーは番場とは初対面です。
それでもさっきのアカレンジャーの後ですから、
この初老の男がビッグワンのオリジナルの変身者だということはすぐに理解出来ました。

なお、この番場壮吉をここで演じておられるのは、
「ジャッカー電撃隊」本編で番場壮吉役を演じたオリジナル役者の宮内洋氏です。
この映画冒頭レジェンド大戦の場面でもビッグワンの声を演じていただいていましたが、
海城役の誠氏と同じく、ここで顔出しでも出演していただくこととなりました。
「ゴレンジャー」においてはアオレンジャー新命明を演じ、スーパー戦隊シリーズ黎明期に大活躍していただいた
生粋のヒーロー役者である宮内洋氏もこの映画の撮影時は63歳ですが、
往時そのままの番場壮吉の派手な衣装に身を包み貫録十分のヒーローのオーラを出していただいています。

ところで、海城や番場がこうしてゴセイジャーやゴーカイジャーに感謝しているということは、
つまり、海城や番場たちはゴセイジャーとゴーカイジャーの結界内での共闘や召喚戦士軍団との決戦を
見ていたということになります。

レジェンド戦士たちがゴセイジャーとゴーカイジャーが一緒にピンチに陥っているということを知ったのは
黒十字王による宣戦布告の時であり、あの時、青梅や亮たちが驚いていたのと同じように、
全てのレジェンド戦士たちにとってはあの時点ではその事態は青天の霹靂だったはずです。
あの時点ではゴセイジャーとゴーカイジャーの状況が全く分からず、全てのレジェンド戦士たちは困惑していました。
それなのに、その後、海城や番場たちがゴセイジャーやゴーカイジャーの戦いを見ていたということは、
そこに何らかの飛躍があります。

何かが起こって、レジェンド戦士たちはゴセイジャーとゴーカイジャーの居場所や状況を知り、
その戦いを観察する手段を得たことになります。
その経緯の描写がこの映画では省かれているので、この展開はやや唐突な印象を与えていますが、
ここでの海城や番場の幻想的な登場の仕方や、
そもそも結界内に閉じ込められたマーベラス達の戦いを観察出来たという不合理性から考えて、
ある種の超常現象を経たものと考えるしかないでしょう。

それはつまり先ほどから起こっている、
レンジャーキーが光って飛んでいったり、光の空間が突如現れてマーベラス達を包み込んだりという、
幾つかの不可思議な現象と関係が深いと考えるべきなのでしょう。
もともとレンジャーキー自体がスーパー戦隊の戦士たちに由来する物質であり、
スーパー戦隊の戦士たちの体内にもレンジャーキーの中に宿す「大いなる力」が存在していることを考えると、
この不可思議な現象がレンジャーキー絡みで起こっている現状において、
スーパー戦隊の戦士たちの身に同様の現象が起こっていても何ら不思議ではない。

おそらく黒十字王の宣戦布告の直後、困惑するレジェンド戦士たちの全員なのか一部なのかは不明だが、
とにかく海城や番場たちを含む多くのレジェンド戦士たちの身体を、
先ほどマーベラスやアラタ達を包んだのと同じような眩い光が包んで、
その肉体ごとなのか意識だけなのかは不明だが、この不思議空間に移動させて、
ゴセイジャーとゴーカイジャーの共闘や召喚戦士との戦いを見せていたのでしょう。
そうしてそのまま、レジェンド戦士たちは不思議空間に引き込まれたマーベラスやアラタ達の前に
姿を現したということになります。
ただ、この一連の不思議な現象が何者によって引き起こされたものであるのかは、
この映画では一切謎のままであります。

まぁこの場面はそういう場面であるのだと理解しておいて、この場面の続きを追っていきますが、
マーベラスやアラタ達の前に現れた元ビッグワンの番場壮吉は
「地球人でなくとも、誰かを愛し、大切なものを守ろうとする心は同じだ・・・!」と言いました。

ゴセイジャーももともと護星界という異次元世界出身の護星天使ですから厳密には地球人ではないのですが、
護星天使とは昔から地球を守ることを使命としてきた一族であり、もともとは地球人であったらしいので、
「地球人でない」という表現はあまり適切でもありません。
そもそもゴセイジャーは番場から見ればもともと地球を守るスーパー戦隊の仲間であり、
レジェンド大戦時には共に戦った間柄ですから、ここでわざわざこのような言い回しをするのは適切ではない。
だから、ここで番場はマーベラス達ゴーカイジャーの5人に向けて言葉をかけていると解釈すべきでしょう。

番場はゴセイジャーと心を通わせて共に力を合わせて戦い、敵の罠を撃ち破り、
召喚戦士たちを倒してレンジャーキーと地球の人々をを守りきったゴーカイジャーの姿を見て、
人々を守るために戦う心は、地球を守るために戦ってきた34のスーパー戦隊だけのものではなく、
宇宙人のマーベラス達にもちゃんと備わっていたことを実感したのでした。

そして続けて別の黒い戦士の姿も浮かび上がってきて、そこにまた男の顔が重なって浮かび上がってきます。
それは1982年度のスーパー戦隊シリーズ第6作「大戦隊ゴーグルファイブ」に登場したゴーグルブラックの姿と、
そのオリジナル変身者である黒田官平の姿でした。

黒田は「ゴーグルファイブ」の劇中年齢は大学の将棋部の部長だったので22歳ぐらいと思われ、
その31〜32年後と思われるこの映画での劇中年齢は53〜54歳ぐらいと思われます。
黒田を演じておられるのはもちろん「ゴーグルファイブ」で黒田を演じたオリジナル役者で、
アクションスターから性格俳優に転向して現在も存在感ある演技でテレビなどによく出演されている春日純一氏です。
春日氏はこの映画の撮影時は56歳で、昔の精悍さとはまた異なる重厚さを醸し出しており、
どちらかというとクセのある役が最近多いですが、
ここではヒーローの黒田官平役ということで、やや爽やか風味になっています。

その黒田のセリフは
「お前達は宇宙の何処ででも通じる・・・愛と勇気と希望と・・・そして正義を持っている!」というもので、
これもゴーカイジャーの5人へ向けた言葉といえます。
黒田も番場と同じく、ゴセイジャーと共に戦うゴーカイジャーの姿を見て、
宇宙人のマーベラス達にもスーパー戦隊と同じ愛と勇気と希望と正義の心があることを確信し、
マーベラス達がそれらを持ち合わせていることを知ったことによって、
黒田はスーパー戦隊の想いは地球だけではなく宇宙の何処ででも通用する普遍的なものであると
確信することが出来たのでした。

要するに海城、番場、黒田の古参レジェンド3名の言葉は一連のものであって、ここで彼らが言っていることは、
スーパー戦隊と同じように愛するものを守ろうとする心や勇気、
希望を信じる正義の心を持つことによってレンジャーキーの中のスーパー戦隊の戦う力を引き出して
ゴセイジャーと心を通わせて戦うことが出来たゴーカイジャーを
自分達の力を受け継ぐ者として認めようということなのです。

そして、それを受ける形で、
次に白い空間に浮かび上がってきたピンク色の戦士に重なって浮かび上がった女性が
「スーパー戦隊の力は、その強さにきっと応えてくれるはずよ!
・・・未来の夢のために、怒りを爆発させて!」と言います。
このピンク色の戦士は1983年度のスーパー戦隊シリーズ第7作の「科学戦隊ダイナマン」のダイナピンクで、
それに重なって浮かび上がってきた女性の姿はダイナピンクのオリジナル変身者であった立花レイの姿でした。

レイは「ダイナマン」の劇中設定年齢は18歳の若き女性発明家でしたので、
その30〜31年後であると思われるこの映画の劇中設定年齢は48〜49歳というところです。
しかし、とても50歳前には見えない驚きの若々しさです。
これはレイを演じておられるオリジナル役者の萩原佐代子さんがこの映画撮影時48歳でありながら
異様に若々しいからです。
化粧や撮り方などの工夫もあるのでしょうけれど、それにしてもせいぜい上に見ても40歳ぐらいにしか見えません。

ちょっと驚きの若さのレイでしたが、
そのセリフの中で中身のあるのは前半部分であり、後半部分はこの映画のストーリーの中ではあまり意味はありません。
ここで登場するレジェンド戦士たちの言いたいことの趣旨は
ここまでに出た海城、番場、黒田と、そしてこのレイの前半部分までで全て語り尽くされており、
残りは中途半端に余計なことを言わせず、割り切って、いかにもその戦隊らしいセリフを言わせる趣向となっています。

レイのセリフの後半部分は「未来」「夢」「爆発」という、
「ダイナマン」という作品のテーマが散りばめてあるだけで、特にそれ以上の深い意味はありません。
往年のファンが見て、立花レイが「未来の夢のために」「爆発」などと言っていれば
思わずニヤリとしてくれたらいいという、そういう趣向なのでしょう。

そういうわけでここでのレイのセリフで重要なのは前半部分であり、
ここでレイは先に喋った海城、番場、黒田の言葉を受けて、
宇宙人でありながら自分達の力を受け継ぐ資格を持ったゴーカイジャーの正義の心、
人々を守ろうとする勇気ある心の強さに、スーパー戦隊の力は応えてくれるはずだと、マーベラス達に伝えたのでした。

要するに、この白い光に包まれた不思議空間に現れたレジェンド戦士たちは、
単にマーベラス達を褒めるために姿を現したのではなく、
マーベラス達を自らの戦隊の力を継ぐ者たちと認めた上で、
マーベラス達がこの戦いを勝ち抜くために、全スーパー戦隊を代表して、
全スーパー戦隊の力を貸してやるために現れたのです。

このレイの後、更に2人のレジェンド戦士が白い空間に現れます。
まず1984年度のスーパー戦隊シリーズ第8作「超電子バイオマン」に登場したレッドワンの姿に重なって、
レッドワンのオリジナル変身者であった郷史朗の姿が現れます。

史朗は「バイオマン」劇中の設定年齢は24歳でしたので、
その29〜30年後と思われるこの映画の劇中年齢はおそらく53〜54歳ぐらいです。
史朗を演じておられるのはオリジナル役者の坂元亮介氏で、「バイオマン」当時の芸名は阪本良介でした。
この映画撮影時は51歳になっていましたが、日舞の師範も務めておられる坂元氏は
相変わらず若々しく精悍で、あまり当時とイメージは変わっておらず、
歴代最強レッドと異名をとったヒーローオーラは健在です。

その坂元氏演じる郷史朗のセリフは
「恐れていてはダメだ!地球に悪の手が伸びた時こそ、みんなの愛を寄せ合うんだ!」というものでした。
この史朗のセリフは内容はあまりこの映画のストーリー的には意味は無く、
「バイオマン」のOPテーマの歌詞のフレーズを使って文章を組み立てたものであり、
レイのセリフの後半部分同様、往年のファン向けのサービスのようなものです。

次いで1989年度のスーパー戦隊シリーズ第13作「高速戦隊ターボレンジャー」に登場したレッドターボの姿に重なって、
レッドターボのオリジナル変身者であった炎力の姿が現れます。
「ターボレンジャー」の劇中における炎力の設定年齢は高校三年生でしたから18歳で、
その24〜25年後と思われるこの映画の劇中での炎力の設定年齢は42〜43歳と推定されます。
力を演じておられるのはオリジナル役者の佐藤健太氏で、この映画撮影時は44歳ですが、
やはり若々しく当時のヒーローの印象を強く残しています。

この力のセリフは
「スーパー戦隊全ての力が集まった今、君たちに与えられた力強い勇気で、青く輝く地球を守ってくれ!」
というもので、これも史朗のセリフと同じく、内容はあまりストーリー的には意味は無く、
「ターボレンジャー」のOPテーマの歌詞のフレーズで文章を組み立てており、
往時のファンへのサービスのセリフといえます。

ここまで登場した元アカレンジャーの海城剛、元ビッグワンの番場壮吉、
元ゴーグルブラックの黒田官平、元ダイナピンクの立花レイ、元レッドワンの郷史朗、元レッドターボの炎力という、
セリフのあったレジェンド戦士の6人というのは、
みなスーパー戦隊シリーズ初期の頃の戦隊からの登場となっています。

「ゴーカイジャー」のTV本編の制作にあたってチーフプロデューサーの宇都宮氏は、
あくまで現在の子供たちを対象に作品を作る以上、
あまり古い戦隊のレジェンドゲストを呼んでエピソードを作るつもりはないという旨の発言を
放送開始当初の雑誌インタビューなどでしています。

実際、この映画公開時点の第16話終了時点までに招いたレジェンドゲストは、
マジレンジャー、デカレンジャー、ゲキレンジャー、ガオレンジャー、シンケンジャー、カーレンジャーと、
比較的近年の戦隊に限られています。
カーレンジャー篇に関しては東日本大震災の結果生じたスケジュールの乱れの結果の産物のようであり、
当初は本当にガオレンジャー以降の21世紀戦隊に限る予定だったのでしょう。

そういうわけですから、ここで登場したゴレンジャー、ジャッカー電撃隊、
ゴーグルファイブ、ダイナマン、バイオマン、ターボレンジャーのレジェンドゲストというのは
「ゴーカイジャー」TV本編ではわざわざゴレンジャー篇やジャッカー篇などで
1エピソードを割いて登場させたりなどはしない予定なのです。

しかし、せっかく35作品を重ねたスーパー戦隊シリーズの集大成的なクロスオーバー作品を作るわけですから、
やはり何処かでシリーズの原点となった初代のゴレンジャーと35代目のゴーカイジャーの絡む場面は欲しいと
考えるのが自然な思考というものでしょう。
かといって今の子供たちに馴染の薄いゴレンジャーでTV本編の1エピソードを使ってしまうというのも
宇都宮Pの当初方針では有り得ないことだったとなると、
ならばこの劇場版でゴレンジャーのレジェンドゲストとゴーカイジャーとが会話するシーンを
盛り込もうと考えるのが当然といえます。

そしてゴレンジャーからレジェンドゲストとなると当然、アカレンジャーの海城剛に来てもらうしかない。
そしてアカレンジャーが来るなら、やはりアオレンジャー新命明も来てもらうしかない。
何故なら「ゴレンジャー」という作品は実はアカレンジャー海城剛とアオレンジャー新命明のW主役の物語なのです。
そうなるとオリジナル役者の誠直也氏と宮内洋氏に出ていただくことになりますが、
宮内洋氏といえばアオレンジャーであると同時に「ジャッカー電撃隊」のビッグワンでもあります。

アオレンジャーは一応はW主役の1人ということになっているが、
それでもやはり世間的には「ゴレンジャー」の主役はアカレンジャーというイメージが強く、
一緒に出ればアオレンジャーはどうしても脇役っぽくなる。
それに対してビッグワンは「ジャッカー電撃隊」においては押しも押されぬ主役です。
ならば、どうせ宮内氏に出てもらうならビッグワン番場壮吉の方がいいだろうということで、
ゴレンジャーからアカレンジャー海城剛、ジャッカー電撃隊からビッグワン番場壮吉という、
この場面における最古参レジェンドゲストの2人は決定したのでしょう。

ならば残りの黒田官平、立花レイ、郷史朗、炎力というチョイスはどういう基準だったのか?
これらのレジェンドゲスト達の所属戦隊であるゴーグルファイブ、ダイナマン、バイオマン、ターボレンジャーも
宇都宮Pの当初構想ではTV本編ではレジェンド回をやらない予定だった古い戦隊の中に含まれます。
しかしこの4戦隊の他にも同じようにレジェンド回をやらない予定だった戦隊は多くあったのであり、
その中からどうしてこの4戦隊があえてここで劇場版で登場させるという、
ある意味では救済対象として選ばれたのか?

それはまず年代的な意味合いがあると思います。
ゴーグルファイブはこの映画公開時から29年前、ダイナマンが28年前、
バイオマンが27年前、ターボレンジャーが22年前であり、
これらの作品は全部、この映画公開時から20年前から30年前の期間に含まれる作品です。
その期間に5歳だった男の子達はこの映画公開時には25歳から35歳の男性になっているわけで、
その年代の男性というのは、現在の5歳ぐらいの男の子たちの父親になっている年代なのです。

つまりゴーカイジャーやゴセイジャーを目当てにした自分の息子を連れて映画館に来たお父さん達が
自分が子供の頃に見ていた戦隊として一番懐かしく思える戦隊というのが、
この20年前から30年前の期間の戦隊なのであり、
その当時のヒーローがスクリーンに登場したら嬉しいに決まっているのです。
だから、ゴレンジャーの海城やジャッカーの番場と共に、
付き添いのお父さん世代へのサービスとして、ついでにこの期間の戦隊のレジェンドゲストも
登場させようということになったのでしょう。

その期間に含まれる戦隊はサンバルカンからジェットマンですが、
現在でもヒーローやヒロインとして説得力のあるルックスや演技力があることや、
あとはやはりスケジュールの折り合いなどもあって、
この黒田官平、立花レイ、郷史朗、炎力の4人ということになったのでしょう。

ならば、この映画の中で別パートであるサラリーマンとの遣り取りのシーンで
かなりセリフや芝居の多い形で登場していた
元デンジブルーの青梅大五郎、元リュウレンジャーの天火星・亮、元デカピンクのウメコはいったい何だったのか?
また、レジェンド大戦のパートや黒十字王宣戦布告場面でちょっと素面で登場した
元ボウケンレッドの明石暁や、元ゴーオンイエローの楼山早輝、
元シンケングリーンの谷千明、元シンケンゴールドの梅盛源太もいったい何だったのか?

これらはお父さん世代へのサービスとは少し違うでしょう。
まぁ青梅と亮はお父さん世代、
ウメコや明石や早輝や千明や源太は子供世代へのサービスとも考えられないこともないですが、
それはどうもちょっと苦しい説明のようにも思えます。

むしろ、これらのメンバーを演じた役者さん達に共通することが「かなり動ける」という点であることから考えて、
この7人に関してはこの白い空間でセリフを与えられた6人のような「サービスショット」的な扱いではなく、
もともとはアクションや芝居をもっとしてもらうつもりだった要員ではないかと思えてきます。

千明、源太、早輝、明石あたりの近年のメンバーだけならともかく、
青梅や亮はお客さんへのアピール的にも物語的にもほとんど出す必然性は無く、
この2人に共通するのは演じたオリジナル役者の大葉健二氏と和田圭市氏の2人が
年齢の割にバリバリにアクションの出来る人であるということです。
誠直也氏、宮内洋氏、春日純一氏がいくら貫録があっても、
このアクション能力という点では大葉氏や和田氏には敵わない。
またウメコ役の菊地美香さんも結構アクションの出来る人です。

もちろん明石役の高橋光臣氏、早輝役の逢沢りなさん、千明役の鈴木勝吾氏、源太役の相馬圭佑氏は
近年に戦隊ヒーロー、ヒロインを演じたわけですから当然アクションは身についており、
年齢的にそう衰えてはいないはずです。
まぁこのあたりの年代の戦隊なら他の役者も皆アクションは出来るでしょうから、
このメンバーが特に選ばれたのはスケジュールが折り合いがついたからだとは思いますが。

とにかくそういうわけで、この7人は本来はゴーカイジャーと共闘する
「レジェンド選抜戦隊」のようなものとする予定で出演してもらう運びになっていたのではないかと思えるのです。
おそらくゴセイジャーからも3人ぐらい加わって、青梅の率いる混成10人戦隊とする予定だったのではないでしょうか。

その10人がゴーカイジャーからレンジャーキーを一時的に取り戻してゴーカイジャーと共闘するというような
構想が当初はあって、これらのヒーローを演じるオリジナル役者の方々に出演していただくことになっていたが、
企画が変更になってゴーカイジャーと共闘するのはゴセイジャーとすることになったので、
この青梅、亮、ウメコ、明石、早輝、千明、源太の7人は観客へのサービス要員のような扱いで
別パートで登場させることになって、特に古参組になる青梅と亮とウメコに関しては多少気を遣って、
この映画の重要な要素であるサラリーマンのパートで重要な役割を与えることにしたのでしょう。

まぁだいたいそういう裏事情があって、この映画に登場するレジェンドゲスト達は決定されたと思われ、
この白い空間において登場するレジェンドゲストも選ばれたのでしょう。
特にこの白い空間での海城剛、番場壮吉、黒田官平、立花レイ、郷史朗、炎力のセリフに関しては、
実質的に意味のあるのはレイのセリフの前半までであり、それ以降はサービス用のセリフと解釈すればいいでしょう。

海城のセリフからレイのセリフの前半までを要約すれば、
宇宙人でありながらスーパー戦隊と同じように愛するものを守ろうとする心や勇気、
希望を信じる正義の心を持つことによってレンジャーキーの中のスーパー戦隊の戦う力を引き出して
ゴセイジャーと心を通わせて戦うことが出来たゴーカイジャーを自分達の力を受け継ぐ者として認め、
そんなゴーカイジャーの心の強さに、スーパー戦隊の力は応えてくれるはずだと告げたということになります。

それを聞いてマーベラス達ゴーカイジャーはどう受け止めたのかというと、
とにかくこの場に現れたレジェンド戦士たちが自分達のことを仲間だと認めてくれたということと、
それによってスーパー戦隊の力で手助けをしてくれるようだということぐらいは理解出来たという感じでしょう。

海城たちレジェンド戦士の側は「正義」「勇気」「愛」「夢」「希望」など抽象的な言葉を多く述べており、
彼らの言うそれらの言葉の持つ真の意味や、地球を守るということの意味、スーパー戦隊の想いの本質など、
そういう難しいことはマーベラス達は理解出来ていないと見るべきでしょう。
まだマーベラス達はそれらがしっかり理解出来るほどには「スーパー戦隊」というものの真の姿を知らないのです。

だから、この場は相互理解といえるような状況ではない。
この場にいたレジェンド戦士たちはゴーカイジャーのことを理解して認めたが、
ゴーカイジャーの方はスーパー戦隊のことを理解出来たわけではなく、
ただこの場のレジェンド戦士たちに自分達が認めてもらえたことを知り、喜んでいるだけといえます。

マーベラスは「・・・俺たち海賊を仲間に入れてくれるっていうのか・・・?」と、
白い空間に浮かび上がったレジェンド戦士たちに尋ねます。
マーベラス自身はいろいろと褒めてもらえて嬉しかったが、
それでも自分達は所詮はただの宇宙海賊に過ぎないと思っており、
そんな自分達が地球を守り続けてきたというスーパー戦隊の歴代戦士たちから
自分達と同じ面があると言って褒められるというのは、なんだか照れ臭いし、
どうも自分達に不似合いなような気がして戸惑いもありました。

ただ、レジェンド戦士たちの言っている褒めている内容は外れてはいないし、
そんなふうに褒められて悪い気はしないが、
マーベラス達にとってはそれは自分達が当たり前のように身に着けてきた資質であり、
そんなものぐらいでスーパー戦隊に褒められるというのも妙な気分でした。
つまり、まだマーベラス達は自分達の資質の真の意味はよく分かっていないし、
スーパー戦隊の本質も分かってはいないのです。

だが、レジェンド戦士たちの方は今はまだマーベラス達がそういう段階でもいいと思っています。
いや、まだそういうマーベラス達に不満があって、この場に来ていないレジェンド戦士たちもまだ多くいます。
そうしたレジェンド戦士たちの理解を得ていく中でこれからマーベラス達はもっと成長していくことになるのは、
今この場にいるレジェンド戦士たちにも分かっているからです。

今この場にいるレジェンド戦士たちというのは、あくまで現状のマーベラス達を見て、
自分達の戦隊の力を引き継ぐに足る資質があると一方的に認めた者達なのであり、
現状でマーベラス達がスーパー戦隊の全てを理解することを求めてはいないし、
地球を守るヒーローとして現時点で完成することを望んでいるわけでもありません。
ただマーベラス達の可能性を信じて、
この場で特別に全てのスーパー戦隊の力を使って手助けをしようとまで言っているのです。

そのようにマーベラス達を認めて手助けするためにこの空間に現れたレジェンド戦士たちの中には、
青梅と亮とウメコの姿もありました。
あの黒十字王の宣戦布告を運河のほとりで目撃した後、この3人も何らかの方法でこの白い空間に入り、
ゴーカイジャーとゴセイジャーを見守っていたようで、マーベラスの問いかけに対してニッコリ笑って頷きます。

青梅も亮もマーベラス達を観察して、彼らなりの基準で
それぞれデンジマンとダイレンジャーの力を受け継ぐに足る戦士達だと認めたようです。
また、ウメコのデカレンジャーはもともとマーベラス達を認めて「大いなる力」を渡していますから、
ウメコがここで笑って頷くのは当然といえます。

そして、白い空間の中では明石と早輝と千明と源太もマーベラスの問いかけに対してニッコリ笑って頷きます。
この4人も雑踏の中で黒十字王の宣戦布告を目撃した後、白い空間に入ってマーベラス達を見守っていたようです。
もともと千明と源太のシンケンジャーはマーベラス達を認めて「大いなる力」を渡していますが、
明石も早輝もそれぞれマーベラス達の戦いを見て感じ入るところがあったようで、
ボウケンジャーとゴーオンジャーの力を受け継ぐに足る資質を持った戦士たちだと認めたようです。

そして、この明石たち4人の微笑みは、マーベラス達ゴーカイジャーに対してだけでなく、
あのレジェンド大戦の直後に共に35番目の戦隊の登場を共に確信したゴセイジャーに向けて、
こうして信頼出来る後継者が現れたことを共に喜び合う、温かさを込めた微笑みでもあったといえます。

結局、この場にはゴレンジャー、ジャッカー電撃隊、デンジマン、ゴーグルファイブ、ダイナマン、
バイオマン、ターボレンジャー、ダイレンジャー、デカレンジャー、ボウケンジャー、
ゴーオンジャー、シンケンジャーの12戦隊のレジェンド戦士たちが集まり、マーベラス達を認めたことになります。
これを受けてマーベラス達は嬉しそうに頷きます。
そして海城がマーベラス達に「任せたぞ・・・」と言うと、それらレジェンド戦士たちの姿は白い空間の中に消えていき、
白い空間の中にはゴーカイジャーの5人とゴセイジャーの6人だけが残されました。

マーベラス達は自分達がスーパー戦隊の戦士たちから認められたことが相変わらずピンとはきていませんでしたが、
それでもこの戦いを勝つことを期待されていることは分かりました。
そして、その期待に応えるために、レジェンド戦士たちの言う
「スーパー戦隊の力」というものを受け取ろうと思いました。

マーベラスは「フン・・・」と軽く笑うと、ガバッと大きく前に右手を突き出し、
「俺たちに・・・力をくれぇぇっ!!」と叫びました。
すると白い空間の中から眩い光が発して、
あっという間にゴーカイジャーとゴセイジャーの11人を再び光で包み込んでいったのでした。

その光の眩しさに思わず顔を背けて目を瞑っていたマーベラスがハッとして目を開けると、
そこはもはや白い空間ではなく元の荒野であり、マーベラスの突き出した右手には金色の光の玉が乗っていました。
驚いてマーベラスがその光の玉を見た瞬間、その光の玉は更に大きく光を発した後、
バラバラに飛び散ってマーベラス達11人の背後の岩場に散らばり、
その岩場に金色に輝く大量の人影を出現させました。
まさかと思ってマーベラス達11人が岩場の方に振り返って駆け寄ると、
その大量の人影の金色の光は消えて、そこには176人のスーパー戦隊の戦士たちが立っていたのでした。

スーパー戦隊の戦士たちの復活、
これが「スーパー戦隊の力」だったのかと驚いたり喜んだりしている
ゴーカイジャーとゴセイジャーの11人の方に向いて、
その岩場の176人の戦士の一番下の段の真ん中に立ったアカレンジャーが「うむ・・・!」と力強く頷きます。

マーベラスはそれを見て、「よし・・・」とニヤリと笑ってレンジャーキーを取出します。
不思議なことに先ほどまでの身体のダメージや疲労は、白い空間で癒されたように無くなっていました。
その上に176人の戦士たちが加勢してくれるなら、
あの怪物のような黒十字王にもきっと打ち勝つことが出来るとマーベラスには自信が漲ってきました。

「いくぜぇぇっ!!」とマーベラスは激しく号令を発し、
同じくダメージを回復し勝利を確信した他の10人も「おう!!」と力強く応じ、
11人は一斉に後ろを振り向き、176人の戦士たちと同じく、敵である黒十字王の方に向き直ります。
そして「チェンジカード!!」「豪快チェンジ!!」「天装!!」と、11人は再び変身し、
176人の戦士たちと共に黒十字王の方を睨みつけます。

どうやらマーベラス達が白い空間に居た時間というのは、この現実空間においてはほんの一瞬の出来事であったようで、
黒十字王は宝箱から発した謎の光に目が眩んで尻もちをついて起き上がってきたところでした。
そうしてさっきトドメを刺そうとしていたマーベラス達11人の居たあたりに視線をやると、
なんとそこには変身解除して力尽きて倒れ込んでいたはずのマーベラス達は
再びゴーカイジャーとゴセイジャーに変身してしっかと立っており、
その背後には33のスーパー戦隊の176人の戦士達が立っています。

その予想もしない光景に「なんだとぉぉぉっ!?」と黒十字王は驚愕して絶叫し、
一瞬、幻でも見ているのか、何かの術によるトリックなのではないかとも思いました。
しかし、ここでゴーカイジャーとゴセイジャーの11人も含めて187人の戦士たちは一斉に声を揃えて
「我ら!!スーパー戦隊!!」と全体名乗りを叫んで決めポーズをとります。

この名乗りは「VSシリーズ」で半ば恒例となっている、
2つの戦隊や混成戦隊が揃い踏みした時に謳い上げる、燃えに燃える名乗りですが、
本当に全員集合でこの名乗りをやるというのは心底燃えます。
まぁ厳密には番外戦士10人がいないので全員集合ではないのですが。

とにかく、187人がしっかり名乗りの声を上げたことで黒十字王もこれが幻やトリックではなく、
この187人のスーパー戦隊の戦士たちは全員本物だということを理解し、
「バカなぁぁぁっ!?」と混乱して狂ったように絶叫します。

スーパー戦隊に復讐すると息巻いていた黒十字王ですが、
それはあくまでスーパー戦隊が戦う力を失っているという前提での話です。
歴代スーパー戦隊に倒された悪の組織の怨念の集合体である黒十字王には、
スーパー戦隊への恨みと同時に、スーパー戦隊への消し難い恐怖心が刻みつけられています。
だから、スーパー戦隊が戦う力を失って抵抗出来ない状態であるという前提で大きな顔をして暴れていたに過ぎない。
その黒十字王の目の前に突然、復活した33のスーパー戦隊を現れたのです。
黒十字王は恐怖心でパニックを引き起こしてしまいました。

その隙にアカレンジャーは「むぅん!!」と右手を高々と上げて176戦士に合図を送ります。
すると176戦士の身体から金色の光が発し、それが空中で1つに集まると、
大きな金色の光の塊となってマーベラスやアラタ達11人の目の前に降りてきました。
その光の塊は地面に着くと光を落とし、その姿を現します。
それは大型のバズーカ砲でした。
33のスーパー戦隊の力を集めて結晶化して作り出した究極の必殺武器、
スーパー戦隊バズーカこそがレジェンド戦士たちが白い空間で言っていた「スーパー戦隊の力」の正体だったのでした。

「わあああ!!」と歓喜してゴセイジャーとゴーカイジャーの面々がそのバズーカの側面から伸びるバーを担ぎ上げます。
そして後部の引き金のあるグリップ部は2つあり、
1つはアラタが握り、もう1つはマーベラスが「受け取ったぜ!」と背後の戦士たちに礼を言って握ります。
そして発射時の反動を受け止めるため、マーベラスとアラタの背をゴセイナイトが支え、
11人は声を揃えて「スーパー戦隊バズーカ!!」と掛け声を上げます。

それを見て黒十字王は「うおおおお!?」と焦り、
恐怖にかられて「おのれぇぇっ!!」と手から光線を発して
マーベラス達もろともスーパー戦隊バズーカを破壊しようとしますが、
マーベラス達11人は黒十字王目がけて「ファイヤー!!」とスーパー戦隊バズーカを発射、
すると砲口からは、なんと歴代35の戦隊のエンブレムの形をしたエネルギー弾が順番に連射され、
最後に「35」という数字の形の巨大なエネルギー弾が続きます。

これを一気に喰らった黒十字王は「なぁにぃぃっ!?」と絶叫すると、
あっという間に「うわあああああ!!」と断末魔の悲鳴を残して大爆発して爆炎の中、消え去ってしまったのでした。
「やったぁぁ!!」とゴーカイジャーとゴセイジャーの11人は勝利の歓喜に大はしゃぎとなり、
アラタは「やったね!」とマーベラスに向かってガッツポーズをとり、マーベラスも「へっ!」と笑って応じます。

そうしているとマーベラス達が持ち上げていたスーパー戦隊バズーカが金色の光を発しました。
ハッとして11人がスーパー戦隊バズーカの方を見た瞬間、
スーパー戦隊バズーカは多数の金色の細かい光に分裂し、それらの光も一瞬にして消え去ってしまいました。

「あ!?」と驚いて何も無くなった手許を見た11人の背後で妙な金属音がしたので
11人が岩場の方を振り向くと、そこに立っている176人の戦士たちの身体がまた金色の光に包まれ、
次の瞬間、176の戦士たちは176の小さな金色の光の玉になって飛び出してきて、
マーベラス達の頭上を飛び越え、宝箱の中に飛んでいき、
それらは176個のレンジャーキーへと姿を変え、全部のレンジャーキーが再び宝箱に収まると、
勝手に宝箱の蓋が閉まったのでした。

これらの一連の現象をゴーカイジャーとゴセイジャーの面々は
まるで白日夢でも見るように唖然として見つめていました。
そして、アラタとマーベラスは、どうやらスーパー戦隊は
ゴーカイジャーに全てのスーパー戦隊の力を渡したわけではなく、
あくまで一時的に力を貸しただけなのだと理解し、軽く笑います。

今回の黒十字王との戦いはあくまで歴代34戦隊に対する黒十字王の怨念が引き起こした復讐戦であり、
34戦隊と黒十字王の戦いです。
ゴーカイジャーはそれに巻き込まれたようなものであり、
それゆえ今回は歴代スーパー戦隊は特別に、既に共闘しているゴセイジャーも含めた34戦隊の力を
ゴーカイジャーに貸して黒十字王を倒させたのです。

しかしゴーカイジャーはまだ34戦隊全ての力を受け継ぐ資質を認められてはいない。
今回の白い空間においても、ゴーカイジャーを認める意思を示すために姿を現さなかった戦隊もまだ幾つもあるのです。
それらの戦隊の力も揃った全てのスーパー戦隊の力をマーベラス達が手にするのはまだ先のことなのです。
だから一時的に貸し与えられた全スーパー戦隊の力の具現したスーパー戦隊バズーカは
黒十字王を倒すと消え去って、その力を引き出すための触媒として出現していた176人の戦士も
レンジャーキーの姿に戻って宝箱に収まったのでした。

あの176人の戦士は本物というわけではなく、あくまでレンジャーキーが姿を変えたものであり、
先ほどの黒十字王の作り出した召喚戦士と似た存在ですが、
それとは大きく違うのは、レンジャーキーに込められた戦士たちの想いまでも含めて実体化していたという点です。
だから限りなく本物に近い召喚戦士だったといえます。
その戦士たちの想いまでも含めて実体化した召喚戦士たちを触媒として、
全てのスーパー戦隊の戦う力が引き出されて、それがスーパー戦隊バズーカとなったのでしょう。

となると、どうもこれはあくまでレンジャーキーを使った現象であり、
一連の不思議な現象の一環ということになります。
つまりスーパー戦隊の戦士たちが主体なのではなく、何らかの別の大きな意思が主体となった現象といえます。

そういえば白い空間で立花レイは「スーパー戦隊の力は、その強さにきっと応えてくれるはずよ」と言っていました。
自分達が力を与えてやるという趣旨ではなく、あくまで「〜はず」という推測であり、
マーベラス達にスーパー戦隊の力を与える主体はあくまでレジェンド戦士たちではないのです。
海城も「戦う力を奪われた」と言っているように、
あくまでレジェンド戦士たちはその戦う力を現在自由に動かすことは出来ないのです。
ならば、このスーパー戦隊バズーカという「スーパー戦隊の力」をマーベラス達に貸し与えた主体は、
レジェンド戦士たちではなく別の何らかの大きな意思だと思われます。

だが、この場ではマーベラス達ゴーカイジャーはもちろん、
アラタ達ゴセイジャーにもそんな難しいことは分かっていません。
ただ、まだまだゴーカイジャーは完全に全てのスーパー戦隊に力を受け継ぐものとして
認められたわけではないということはマーベラスにもアラタにも分かりました。

未だスーパー戦隊のこともよく分からないマーベラス達にとっては、それはむしろ当然のことだと思えました。
そしてアラタ達は、それでもそんなマーベラス達の持つ可能性を海城たちレジェンド戦士たちが信じて、
一時でもマーベラス達が全スーパー戦隊の力を貸し与えられたというのは、やはり凄いことなのだと、
その重みを受け止めたのでした。

そうして、これで一件落着かと思われました。
ところがまだ戦いは終わっていませんでした。
突然、激しい地鳴りが起こり、マーベラスやアラタ達11人が「わああっ!?」と驚き慌てる中、
彼らの目の前、先ほど黒十字王が消え去った辺りから、
地の底から湧き上がるように途轍もなく巨大な要塞のようなものが
「この程度で終わる私ではないわぁぁっ!!」と叫び声を上げて出現したのです。
その声は黒十字王の声でした。

「何あれ!?」と驚愕する11人に向かって、その巨大要塞は
「これが私の真の姿・・・黒十字城だぁぁっ!!」と鎌首のような頭を突き上げて叫び、
いきなりその口から破壊光線を乱射し、マーベラス達11人はその猛爆に晒されてしまいました。

歴代戦隊に倒された悪の組織の怨念は根深く、
その具現化した姿である黒十字王が倒されただけでは消え去りはしていなかったのです。
それはまだ黒十字王という形をとることで、
レンジャーキーを手中に収めて召喚戦士を使って地球人への復讐をするという、
それなりに理性的な復讐計画を進めていたのですが、
スーパー戦隊の力を結集したスーパー戦隊バズーカによって黒十字王を倒されたことによって、
その巨大な怨念はスーパー戦隊の恐怖に錯乱して完全に理性を失って暴走し、
その巨大な本体である要塞型の超巨大思念体である黒十字城を現して、
もう作戦も何も無く、ただ狂った破壊衝動のままに地球上のあらゆるものを破壊し殺戮するために動き出したのです。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 07:15 | Comment(1) | ゴーカイジャー ゴセイジャー199ヒーロー大決戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月12日

ゴーカイジャー ゴセイジャー 199ヒーロー大決戦 感想その9

歴代スーパー戦隊への積年の怨念が集まって出現した黒十字王は
歴代スーパー戦隊の全ての力を借りたスーパー戦隊バズーカを放ったゴーカイジャーとゴセイジャーによって
倒されたはずでした。

ところが底深い怨念によって再び復活した黒十字王はその怨念を暴走させて
超巨大な要塞型の本体である黒十字城となり、地球上の全てのものを破壊すべく動き出し、
まずはゴーカイジャーとゴセイジャーを一蹴すると、そのまま暗雲を引き連れて街に出て、
鎌首のような顔を上げて口から炎を吐き散らし、胴体部分にびっしりと配置された膨大な大砲を撃ちまくり、
破壊の限りを尽くし始めたのでした。

この異常事態に街は大混乱となります。
さっき黒十字王の地球人への攻撃予告があったばかりですから、
街の人々は当然、これは黒十字王による自分達を皆殺しにするための攻撃だと分かっています。
ムチャクチャに破壊される街の瓦礫の中、人々は必死で逃げ惑いました。

そんな群衆の中に、さっき青梅や亮やウメコと一緒にいた、例の失職中のサラリーマン男の姿もありました。
この男は青梅たちに励まされた後、黒十字王の宣戦布告を青梅たちと共に目撃していましたが、
その後、青梅たちとは別れたようで、1人で行動しています。

青梅たちはこのサラリーマン男と別れた後、
何らかの方法で白い空間を通してゴーカイジャーとゴセイジャーの戦いを見守って、
白い空間にやって来たマーベラスやアラタ達11人に向かって微笑みかけた後、また元の現実空間に戻って、
今もこの街の何処かにいると思われます。

一方、このサラリーマン男は青梅たちのその後の顛末は知らず、
黒十字王の宣戦布告を聞いた後、1人で恐怖を感じて家路を急いでいたところ、
いきなりこうして黒十字城による災禍に巻き込まれてしまったのでした。

しかし、この黒十字城に襲われている街の様子ですが、
よく見ると現実世界の我々の知っている日本の普通の街とは少し違います。
黒十字王の災禍に追われて走る群衆は無秩序に逃げているのではなく、一定の場所に向かっています。
それは地下へと続く巨大な坂道でした。
その坂道の奥には地下の巨大な空間があるようです。
つまり、この街には都市の住人が避難する巨大な地下防空壕があるのです。
おそらく、この街だけではなく、世界中の至る都市に同じような地下防空壕が
その都市の規模に合わせた規模で設置されているのだと思われます。

どうしてそんな物があるのかというと、
この「ゴーカイジャー」の物語世界ではそれは別に奇妙なことでもなんでもなく、ごく当たり前のことなのでしょう。
何せ、40年ほどずっと代替わりしながらスーパー戦隊と悪の組織の大規模な巨大戦も含んだ激闘が
繰り広げられてきた世界なのです。
都市の住人が避難場所を常設していない方が不自然というものでしょう。

そうした習慣が確立していた上に、特に数年前にはザンギャックによる史上空前規模の大侵攻を受けて
レジェンド大戦を潜り抜けてきたのであり、ザンギャックの再侵攻の可能性も十分に考慮されていた世界ですから、
ザンギャックによる再びの大規模空爆に備えて都市住人を丸ごと地下に避難させる巨大地下防空壕の建設は
この数年の間にだいぶ進んでいたようです。
そういう世界のそういう街ですから、この黒十字城の街への無差別攻撃に対しても、
人々は地下防空壕を有効活用して、とにかく街の破壊は仕方ないとしても人命だけでも守ろうということで、
我先にとこの地下防空壕を目指して駆け込んでいったのです。

とはいっても、この大きな街には昼間は外部からも多くの人々が流入してきており、
防空壕の場所が分からない人も多数います。
それに、この街にはかなり大規模な防空壕を備えてあるようですが、
それでも流入人口も合わせると明らかに定員オーバーです。
結局は早い者勝ちとなり、この街の住人でありながら避難が遅れて防空壕に入れない者も出てきたりして、
かなり混乱した状況ではあります。

そんな中、例のサラリーマン男は地下防空壕に降りていく坂道の途中に立って、
悲鳴を上げて逃げてくる人々に向かって「こっちです!こっちです!」と誘導作業をしていました。
別に誰かに誘導をするように命じられたわけでも頼まれたわけでもなく、
全く自発的な意思で、防空壕の入口の場所が分からずに困っている人のために誘導をしていたのでした。
普通なら真っ先に防空壕の中に逃げ込みたい状況ですが、
この男は早めに防空壕の入り口に辿り着いていたにもかかわらず、
後から来る他の人々のために自発的に誘導作業をしていたのです。

職を失って困窮して自分を見失っていましたが、
やはりバリブルーンの玩具を大事にずっと持っていたことからも分かるように、
元来はこの男もスーパー戦隊への憧れが強い、正義感の強い男であったのです。
この男はそうした自分の本性自体、長い間意識していなかったが、
この切羽詰った状況において、無意識に正義感あふれる行動を選んでいたのでした。

結果的にこのサラリーマン男は、自分が防空壕に誘導した人々が
遂には防空壕に入りきれなくなるほど満杯になって溢れてきたため、もはや誘導作業をする必要も無くなり、
自分自身が防空壕に入ることは出来なくなってしまいました。
防空壕に降りる坂道の途中まで、防空壕の奥から続く人々の波でびっしり埋め尽くされてしまい、
防空壕の扉を閉めることも出来ません。
その群衆の端っこ、街を破壊しながら迫ってくる黒十字城の真正面にサラリーマン男は立ち尽くしていました。

そこに幼稚園児たちを連れた保母さん達が駆け込んできました。
子供連れで避難が遅れてしまい、破壊された街で防空壕への道が分からなくなって、
結局こうして防空壕には入ることは出来なかったが、途中で親切な中学生に道を案内してもらい、
ここまで辿り着いたのです。
その中学生は、かつてゴセイジャーが居候していた天知天文研究所の一人息子、天知望でした。

黒十字王の宣戦布告を家で聞き、ゴセイジャーが危機に陥っていることを知った望は、
少し前に街でゴセイジャーが数年ぶりに現れて戦っていたという話を聞き、
街に来れば何か分かると思ってやって来ていたのです。
そこにいきなり黒十字城が出現して暴れ始め、望もサラリーマン男と同じように、
避難する人々の誘導を自発的にやっていたのでした。

そうして迷っていた園児たちの一団を連れて防空壕の入り口までやって来た望でしたが、
その防空壕に真っ直ぐ黒十字城が向かってきます。
防空壕からは人が溢れており、中には入ることも出来ず、扉も閉められない状況です。
いや、扉を閉めたとしても、上空からの空爆ならともかく、黒十字城が真っ直ぐ突っ込んで攻撃してくれば、
外に溢れている望たちだけでなく、防空壕の中の膨大な人々もみんな殺されるでしょう。
もはやこの防空壕に居る人々には全員逃げ場は無い。
単に端っこにいる望や園児たちやサラリーマン男たちが真っ先に死ぬというだけのことです。

まさに絶体絶命というところですが、その時、暗雲立ち込める中を迫りくる黒十字城の前に立ち塞がって
「いい加減にしろ!てめぇ!!」と怒鳴って黒十字城をミサイルで攻撃する3体の巨大ロボットが出現したのでした。
それは、ゴーカイオーとゴセイグレート、そしてゴセイグランドでした。

ゴーカイオーに搭乗しているのはマーベラス、ジョー、ルカ、ハカセ、アイムのゴーカイジャー5人でした。
そしてゴセイグレートにはアラタ、エリ、アグリ、モネ、ハイドのゴセイジャーの5人が搭乗しており、
ゴセイグランドはゴセイナイトがグランディオンヘッダーに変形して
ナイトブラザーと合体して形成した天装巨人でした。
ゴーカイジャーとゴセイジャーの面々は黒十字城の猛爆を喰らって死んではおらず、なんとか難を逃れて、
巨大ロボで追いかけてきて、黒十字城による街の破壊を止めるために戦いを挑んできたのです。

それを見て防空壕の外の人々は驚きました。
その3体の巨大ロボのうちの2つはゴセイジャーの巨大ロボだということはすぐに分かりましたが、
ゴセイジャーをはじめ34のスーパー戦隊は数年前のレジェンド大戦を最後に姿を消していたので、
ゴセイグレートとゴセイグランドが人々の前に姿を現したのは数年ぶりのことでした。

また、1体は最近たびたびザンギャックと戦っている宇宙海賊のマーベラス一味の巨大ロボである
ゴーカイオーだということも人々にはすぐに分かりましたが、
マーベラス一味はお宝探しのために地球に居座っており、
ザンギャックと険悪な関係にあるのでしょっちゅう喧嘩をしているだけだと人々は思っていましたから、
いきなりマーベラス一味がゴセイジャーと協力して、
ゴーカイオーに乗って自分達と何の関係も無いはずの黒十字城と戦っているのを見て意外な印象を受けたのでした。

そういえば黒十字王がスーパー戦隊への復讐のためにゴセイジャーとゴーカイジャーを
敵視していたことを思い出した人々は、
ゴーカイジャーが黒十字王に襲われてそのまま喧嘩をしているのかとも思いました。
それにしても、黒十字王がこうして巨大化して行動を開始したということは、
ゴセイジャーとゴーカイジャーは黒十字王の予告通りに倒されてしまったということかと思っていた人々は、
予期せぬ救いの手の出現に一瞬喜びを感じました。
望もようやくアラタ達ゴセイジャーの無事を確認できて、束の間の安堵を覚えました。

しかしそれも一瞬のことで、黒十字城と3体の巨大ロボの戦力差は圧倒的でした。
何せ巨大ロボといっても、黒十字城のたくさん生えている脚部の尖端の鉤爪よりも小さいのです。
黒十字城は3体のロボからのミサイル攻撃は全く効いていない様子で、
1本の脚の鉤爪を払って、3体のロボを軽く薙ぎ払ってしまいました。

「うおおおおっ!?」と吹っ飛んだ3体のロボは防空壕の入り口から溢れた人々の目の前に倒れ込んできました。
そして3体のロボごと人々を蹂躙すべく、黒十字城が迫ってきます。
安心したのも束の間、あっけなくゴセイジャーもゴーカイジャーも倒されてしまい、
黒十字城の猛威を止める者は誰もいない絶体絶命の状況に戻り、
防空壕の外の人々は迫り来る黒十字城を見上げて
「ダメだ!・・・もう勝ち目なんて無い!!」「・・・このまま、みんな死ぬんだ!」と絶望の声を上げ、
へたり込んで悲しみ嘆きます。

あのサラリーマン男も、スーパー戦隊の力が全く通用しない黒十字城のあまりに強大な悪の力に目を見張り、
絶望して嘆き悲しむ人々を見て、やはりもうダメなのかと感じました。
強大な悪の力の前には、人間のちっぽけな夢や希望などあっけなく踏み潰されて、
あっという間に絶望に変えられてしまう。
やはり、それがこの世界の現実だったのかと男は諦めの気持ちに沈んでいきました。

一方、男の傍で立ち尽くしていた望は決してこの状況をまだ諦めてはいませんでしたが、
この絶望的状況では人々が諦めてしまうのも無理もないと思い、
なんとかならないものかと焦って、倒れた3体のロボの方を見つめます。

すると、ゴセイジャーとゴーカイジャーの3体のロボは再び黒十字城の進撃を阻むように立ち上がります。
しかし黒十字城は容赦なく口からの火炎放射を浴びせ、3体のロボは「うわああ!!」と炎に包まれました。
その炎の中からゴセイグランドは起死回生の必殺技グランドラスティックを放ち、
黒十字城の頭部目がけて飛び込んでいきます。
しかし、黒十字城はこれを胴体部から手を伸ばして払い落とし、
「ぐわああっ!!」と吹っ飛ばされた衝撃でゴセイグランドは合体が解けてしまいました。

望はそれを見て「ゴセイナイト・・・!」と叫びます。
ゴセイグランドから分離したグランンディオンヘッダーはゴセイナイトの姿に戻り、
「ぐあっ・・・!」と瓦礫の中に叩きつけられて、「うう・・・」と倒れてしまいました。
これでゴセイグランドはもはや再合体不能となり、残るはゴセイグレートとゴーカイオーだけです。

火炎攻撃で吹っ飛ばされていた2体の巨大ロボは再び立ち上がりますが、
そこに黒十字城は鉤爪を容赦なく叩きこんできて、
ゴセイジャーもゴーカイジャーも「うわああ!」とまた吹っ飛ばされて、
あまりの戦力差に全くなす術がありません。

どう見てもゴセイグレートとゴーカイオーには勝ち目は無く、黒十字城に叩き潰されるのは時間の問題でした。
そうなれば、地球には黒十字城の進撃に抵抗出来る力を持つ者はいなくなります。
「もうダメよ!最後!・・・地球の最後よ!!」と望の後ろにいた女性が悲鳴を上げ、
人々はガックリ膝から崩れ落ちて悲嘆に暮れ、園児たちは大声で泣き喚きました。

しかし、そんな中、望は顔を上げて、倒れているゴセイグレートとゴーカイオーを見つめて
「・・・ダメだよ!諦めちゃ!」と大きな声で言いました。
皆一瞬、望がゴセイジャーとゴーカイジャーに向けて諦めないように言っているのかと思い、望の方を見ました。

しかし望はゴセイジャーとゴーカイジャーに向かって言ったのではありません。
望はゴセイジャーがどんなことがあっても絶対に諦めない戦士たちであったことを知っています。
そして今こうして、どう見ても勝ち目の無さそうな黒十字城に倒されても再び立ち上がって向かっていく
ゴセイグレートの姿を見て、数年ぶりに見たアラタ達ゴセイジャーが
相変わらず諦めるということを知らないままだと望は確信していました。

どうしてゴセイジャーはこういう戦いの時に絶対に諦めないのかというと、
自分のために戦っているからではないからです。
人々を守るために戦っているから、自分達が諦めたら人々を絶望させてしまうことになるから、
だからゴセイジャーはどんなに絶望的な事態に陥っても、諦めるわけにはいかないのです。
だから勝算が無くても粘るのであり、その粘りによって今までの戦いでも
逆転勝利を掴み取ってきたのだということを望は知っています。
目の前で黒十字城によってボロボロにされるゴセイジャーを見て、その凄惨な姿に息を呑みながらも、
望はゴセイジャーのそういう戦い方が今でも全く変わっていないことを知って、懐かしく嬉しくも思いました。

そして、それはゴーカイジャーも同じなのだと望は思いました。
望はゴーカイジャーのことはよく知りません。
お宝を手に入れるために地球にやって来た宇宙海賊であり、
スーパー戦隊の力を使ってザンギャックと喧嘩をしながら、
地球を守る意思は別に持っていない連中だという噂は聞いていました。

しかし、今こうして、どう考えても勝ち目の無い黒十字城に挑んでいくゴーカイオーの姿を見ると、
どう見てもこれがただの喧嘩には見えません。
喧嘩ならば、とっくに勝負はついているはずです。
どう転んでもゴーカイジャーに勝ち目は無いのですから、
こんなお宝に関係の無い勝負からはゴーカイジャーはさっさと負けを認めて引き下がってもいいはずです。
それでも諦めることなく命懸けで黒十字城に挑むゴーカイジャーは、
自分のためやお宝のためではなく、ゴセイジャーと同じく人々を守るために戦っているとしか思えませんでした。

ゴーカイジャーはどういう理由なのかはよく分からないが、
ゴセイジャーと力を合わせて、人々を守るために、人々の希望を守るために無茶をして戦っているのだと
望は気付きました。
ならば、ゴセイジャーやゴーカイジャーが必死で戦って守ろうとしている人々の希望の灯を、
ここで守られている人々の方で勝手に消してしまうのはダメだと思い、
望は背後の人々に向けて「ダメだよ!諦めちゃ」と言ったのです。

望は人々の方に振り返って「みんな諦めないで!・・・アラタたちゴセイジャーは絶対に諦めない・・・!」と
懸命に語りかけます。
すると、その想いに応えるかのように、またゴセイグレートとゴーカイオーは立ち上がり、
アラタ達ゴセイジャーは背後の人々を守るため、「ああああああっ!!」と雄叫びを発して
ゴセイグレートを黒十字城に向けて突進させます。
再び振り向いて、そのゴセイグレートの姿を見つめながら
望は「僕たちも・・・諦めなければ・・・必ずなんとかなる!!」と必死の形相で言うのでした。

「なんとかなる」というのはゴセイジャーの昔からの合言葉のようなもので、
ハッキリ言って、いつも確たる勝算も無く希望を述べているだけの言葉でした。
何とも頼りないといえば頼りない。
望も最初はそんなことばかり言って戦うゴセイジャーをいい加減な連中だと思っていました。

しかし彼らゴセイジャーは勝算が無くても人々やこの星を護るためには絶対に諦めずに戦うしかないという
強い自覚と使命感があるために、勝算が無くても戦いから逃げることは絶対に出来ない。
だから勝ち目が無くても戦うのであり、その時に「なんとかなる」と言うしかない立場だったのです。
だが、この「なんとかなる」という薄弱であることが自分自身も痛いほど分かっている根拠を胸にして
戦いに赴く勇気と使命感と正義の熱い心、そして人々の希望を守りたいという強い気持ちこそが、
劣勢を跳ね返すパワーを生むのだということをアラタ達ゴセイジャーは知っていた。
それこそが勝算などを超えた勝利への確信を生んでいたのであり、
「なんとかなる」という想いだけで戦いに赴く勇者たちの人々を守ろうとする熱い想いこそが、
最悪の事態をいつも「なんとかしてきた」のです。

ゴセイジャーはそうやって危機を乗り越えて勝利を掴んできた。
また、ダゴンに追い詰められた洞窟でアイム達と共闘を誓った時にエリが「なんとかなる」と言ったのも、
ゴーカイジャーにも自分達と同じように最悪の事態を「なんとかしてしまう」熱い想いを感じ取ったからでした。

望はそうしたゴセイジャーの「なんとかなる」と言い切れる、絶対に希望を諦めない心を、自分も持とうと思い、
此処に居る人々にもその心を持ってもらいたいと願いました。
ここに居る自分達が希望を捨てなければ、きっとゴセイジャーとゴーカイジャーは
その人々の希望を守るために諦めることなく戦い続け、
それはきっとこの最悪の状況を覆してくれるはずだと、望は信じたのでした。

それを聞いた人々の心は、大きく動かされました。
いや、望の言葉だけでは人々の心は動かなかったでしょう。
やはり、望の言葉を裏付けるように、望の言う通り、ゴセイジャーがあくまで諦めずに立ち上がり、
自分達を守るために黒十字城に戦いを挑んでくれているのを人々が目の当たりにしたのが大きいといえます。
しかもゴセイジャーだけではなく、どういうわけか宇宙海賊のゴーカイジャーまでも
自分達を守るために必死で戦ってくれているのを見て、
この場に居た大勢の人達は、自分達が早々と絶望してしまっていたことが少し恥ずかしくなり、俯きました。

他の人々と同じように内心もうダメだと思ってしまっていたサラリーマン男も、
戦うゴセイジャーとゴーカイジャーの姿を見て、望の言葉を聞いて恥ずかしそうに目を伏せ、
さっき運河のほとりで聞いた青梅や亮やウメコの言葉を思い出しました。

あの元スーパー戦隊の戦士たちはサラリーマン男に
「今より少しでも幸せな明日を目指す希望の心を捨ててはいけない」と教えてくれました。
その言葉を聞いて一旦は希望を取り戻したサラリーマン男でしたが、
突如現れた黒十字王の宣戦布告、地球人の皆殺し宣言に対して
どうすることも出来ずに立ち尽くす青梅たちの姿を見て、
戦う力を失ったスーパー戦隊には黒十字王による殺戮を止めることは出来ず、
結局はささやかな希望など強大な悪の力の前に踏み潰されてしまうだけなのかと思い、
実際目の前でゴセイジャーやゴーカイジャーが黒十字城に蹂躙されるのを見て、
やはり希望は掻き消されてしまうのだと、再び男は絶望してしまっていました。

しかし、それは間違いだったと男は思いました。
スーパー戦隊は戦う力を失ってなどいなかった。
ゴセイジャーはこうして人々を守るために駆けつけてくれたのであり、
その想いは宇宙海賊のゴーカイジャーにまで受け継がれた。
スーパー戦隊は決して消えたりはしないのです。
だから青梅たちも確かに彼ら自身は黒十字王になす術は無かったかもしれないが、
決して希望を諦めたりはしていなかったはずだと男は思いました。
そしてもちろん、今目の前で戦っている34番目と35番目のスーパー戦隊、
すなわちゴセイジャーとゴーカイジャーも、決して希望を諦めたりはしないし、
人々の希望を諦めさせないように必死に戦ってくれている。

そんなスーパー戦隊の戦士たちに教えられ、守られたささやかな希望を、
やはり自分は絶対に諦めたくはないと男は思いました。
「・・・そうだ・・・俺は、また明日を迎えたい・・・!」と呟くと、男は顔を上げて、
黒十字城と戦うゴセイジャーとゴーカイジャーの姿を見て「今日よりきっと素敵な明日を・・・!」と言います。

今日よりもほんの少しでも幸せで美しい明日を作りたいという気持ちを持つ限り、希望は消えることはない。
しかし、明日が来ないと思ってしまえば希望は消える。
たとえ目の前に巨大な敵が迫っていようとも自分には今日よりも素敵な明日がやって来ると信じなければ
希望は消えてしまうのです。
ならば希望を諦めないと決めた以上、明日は来ると信じるしかない。
そのためには自分達のより良い明日を壊そうとして迫る悪しき敵に打ち勝って、生き残るしかない。
男は人々の方に振り返り、「みんな勝とうぜ!・・・最後まで希望を捨てずにいようぜ!!」と熱く叫び、呼びかけました。

しかし、その背後ではゴセイグレートとゴーカイオーが黒十字城の反撃を受けてボロボロになり、
コクピットでは火花が飛び散り、マーベラス達もアラタ達も「うああああっ!!」と絶叫して必死に耐えますが、
もはやゴセイグレートもゴーカイオーも受けたダメージが大きすぎて、エネルギーが尽きてしまい、
大音響を立ててひっくり返ってしまいました。
いくらマーベラス達やアラタ達に不屈の闘志があろうとも、これではもうロボを動かせず、戦えない。

せっかく全てのスーパー戦隊の力を借りて黒十字王を倒したのに、
このまま復活した黒十字城に自分達が敗れてしまえば、
結局はスーパー戦隊の力では黒十字王の怨念に勝つことが出来なかったことになる。
マーベラス達にもアラタ達にも、それは到底受け入れられない事態でした。
しかし、このままでは悔しいことに、その事態に至ってしまう。
なんとかならないのかと、マーベラス達もアラタ達も倒れたロボのコクピット内で
焦燥感に駆られて操縦桿を握りしめます。

一方、大きな音を立てて倒れたゴセイグレートとゴーカイオーが動かなくなったのを見て、
防空壕の外に溢れた人々は驚いてそれを見つめて息を呑みました。
ゴセイジャーとゴーカイジャーの戦いを目の当たりにし、望の言葉を聞き、サラリーマン男の熱い檄を聞いて、
再び希望を取り戻しかけた人々の心は一瞬、凍りつきました。
やはり希望は潰えるのかのように思えました。
しかし希望を失いたくはない。
が、この状況でどうすれば希望を持ち続けることが出来るのか見当もつかない。

皆がそう思って黙り込んだその時、一瞬の静寂を破るように、
1人の幼稚園児の男の子が「がんばれ!がんばれ!スーパー戦隊!」と声援を送ったのでした。
そして、それに続くように他の園児たちも「がんばれ〜!がんばれ〜!スーパー戦隊!」と
口々にゴセイジャーとゴーカイジャーを応援する声を上げました。

この幼稚園児たちは望がこの防空壕の入り口まで案内してきた子たちでしたが、
よく見ると、この映画の最初の方で青梅があんパンを配るために訪れていた幼稚園の園児たちであり、
この一番最初に声援を始めた男の子は、青梅と喋っていた、あのダイデンジンの玩具を持っていた男の子でした。
ここでも男の子は手にダイデンジンの玩具を握ったまま声援を送っています。

その園児たちが声援を送り始めたので、望は園児たちの方に振り向き、
サラリーマン男もハッとして園児たちを見つめます。
その瞬間、男はこの状況でどうすれば希望を持ち続けることが出来るのか、園児たちに教えられたような気がしました。
それは既に男がさっき運河のほとりで青梅や亮たちから教えられていたことでした。
ささやかな希望を持ち続けるための方法、それは他人を元気づけて幸せにしようとして行動することだったのです。

例えば青梅はあんパンを作って配り、亮は美味しい餃子を作って人々に食べてもらうことで
他人を元気づけて人々の幸せな明日を作り、
たとえ戦う力が無くても、そうして人々に希望をもたらすことが出来たのであり、
それによって彼ら自身が幸せな明日を掴んできたのです。
戦う力を持っているゴセイジャーやゴーカイジャーだって、ただ力を振るうだけでなく、
戦う姿を見せることで人々を元気づけ希望をもたらしてくれた。
そして戦えるわけでもなく、何も美味しいものを作れるわけでもない無力な幼稚園児たちでも、
こうしてお返しにゴセイジャーやゴーカイジャーを元気づけようとしている。
そうすることによって園児たちは自らの希望を繋ぐことが出来ているのです。

ならば、自分達も今までスーパー戦隊によって元気づけられ、希望を与えてもらった分、
今度はスーパー戦隊を元気づけて希望を与えるために、園児たちのように声援を送ろう。
そうすることによって、ささやかな希望が維持される。
たかが声援することによって生まれる1人1人の希望は確かにごくささやかなものに過ぎないだろうが、
それが大勢の人間の分集まれば、きっとそれは大きな希望の力となり、
絶望を吹き飛ばして、状況をひっくり返すことも出来る。
そうに違いないと思ったサラリーマン男はゴセイジャーとゴーカイジャーに声援を送ろうと心に決め、
防空壕の外に溢れて息を呑んで園児たちの声援を聞いている大勢の人々の方に振り返って
「・・・みんなぁ!!」と大声で呼びかけました。

すると、何人かがその呼びかけに反応して立ち上がり、「がんばれぇ!!」と園児たちと共に声を上げました。
そして見る見るうちにその声援は群衆全体に広がっていき、
人々は口々に大きな声を張り上げて「がんばれ!!」「がんばれぇ!!」「がんばれ〜!!」と
ゴセイジャーとゴーカイジャーに向けて声援を送り始めたのでした。

その声援の波は、その防空壕の外にいた人々だけではなく、
その周辺のビル群など、防空壕に辿り着けずに街の各所に避難していた人々にも伝播していき、
地下の防空壕の中に居る人々にも広がっていきました。
そうして、あっという間に、この大きな街全体がうねりを上げて
地鳴りのような巨大な声援をゴセイジャーとゴーカイジャーに送っている状態となったのです。

その大声援によって瓦礫の中で目を覚まして起き上がったゴセイナイトは
「・・・こ・・・これは・・・!?」と周囲を包む大声援に驚き、周りを見回します。
倒れたゴセイグレートのコクピットで何とかゴセイグレートを動かそうと足掻いていたアラタ達5人の耳にも
この大声援は届き、アラタは「・・・聞こえる・・・みんなの応援が・・・!」と嬉しそうに呟き、
力が漲ってくるのを感じました。

そしてゴーカイオーのコクピットでも、ハカセが計器盤を覗き込んで
「・・・なんだこれ!?・・・エネルギーがいきなり跳ね上がってきた・・・!?」と驚きの声を上げます。
マーベラスが「なにぃ・・・!?」と驚いて自分のコクピットの計器盤を見て、
他の皆も同じように計器盤を確認すると、
確かにどういうわけか、完全に尽きていたはずのゴーカイオーのエネルギーがぐんぐん回復してきていました。
こんなことは有り得ないはずで、いったいどうしてそんなことが起きたのか、マーベラス達には全く理解不能でした。
しかし同様の現象はゴセイグレートでも起きているようで、ゴセイグレートとゴーカイオーは共に立ち上がります。

これを見て街に溢れる大群衆は歓喜の声を上げると共に、更に激しく声援を送り続けました。
防空壕の外でも、サラリーマン男や望や園児たちもますます盛り上がって声援を送っていましたが、
そうしていると、あの最初に声援を上げた男の子の手に持っていたダイデンジンの玩具が何時の間にか、
ぼうっと金色に光を発しているのを、サラリーマン男はふと気付き、唖然としてそれを見つめました。

すると、男のカバンの中からも金色の光が発し、男が驚いてカバンの中を見ると、
カバンの中に入った布が光っています。
それを取り出して見てみると、それは布に包まれた、例の骨董屋に売ろうとして持って来ていた
バリブルーンの玩具が光っていたのでした。
布から金色に光を放つバリブルーン玩具を取り出して、サラリーマン男はいったいこれは何なのだろうかと戸惑い、
掌に乗せたバリブルーン玩具を見つめます。

ダイデンジンの玩具を持っていた男の子も、
自分の持っている玩具がどうして光っているのか不思議そうにして、じいっと見つめると、
同じように光る玩具を持っているサラリーマン男の方にやって来て、
「おじさんもそれを大事にしていたんだねぇ・・・」と言います。

男の子は大人であるサラリーマン男が、当然自分の気付いたことをもともと知っているものだと思って
話しかけているのですが、サラリーマン男は男の子が何を言っているのかよく分からず、
不思議そうな顔で聞いています。
それで男の子は光を放つダイデンジン玩具を掲げながら
「あんパンのおじさんが言ってたよ?・・・大事にすると、必ずいい事があるって・・・!」と説明しました。

つまり男の子は、この玩具が綺麗な光を放つという不思議な現象が、
青梅が言っていた「大事にしてくれたら、きっといい事があるよ」と言っていた「いい事」だと思い、
てっきりサラリーマンのおじさんもそのことを知っているものだとばかり思っていたのです。
しかし、サラリーマン男はよく分からない。
ただ、どうやらこの男の子が元デンジブルーの青梅に何か教えられたらしいということは分かり、
青梅が玩具を大事にすると「いい事」があると言っていたようだと知り、
それはいったい何だろうと興味が湧き、ふと微笑んで「・・・いい事が・・・?」と言って
掌の上のバリブルーン玩具を覗き込みました。

その瞬間、バリブルーン玩具はひときわ大きな輝きを発し、男は目が眩んでのけぞります。
ハッとして男が目を開くと、男の掌にあったバリブルーン玩具と、
男の子の手にしていたダイデンジン玩具は2つの光の玉となって空高く飛び去っていってしまっており、
そこにいた群衆はその奇妙な現象を見て「ああっ!?」と驚きの声を上げました。

いや、群衆が驚いたのはその2つの光の玉のせいだけではありません。
同じような金色の光の玉が街の各方向からも同じように多く飛び立ち、
気が付けば暗雲立ち込める空を大量の金色の光の玉が飛び交っていたからです。

その金色の光の玉は、様々な方向から飛び立ってきましたが、その向かう先は1ヵ所でした。
その場所とは黒十字城とゴセイグレートとゴーカイオーの居る場所のすぐ近くの上空の1点です。
そうして各方面から飛んできた光が集まっていくにつれて、
その空中の1点には大きな金色の光の玉が形成されていくのでした。

その予期せぬ異様な光景に黒十字城は「うぬぅ!?」と呻き、
ゴセイジャーとゴーカイジャーの面々も、どんどん大きくなっていく光を見て「ああ・・・?」と呆然とし、
マーベラスは「なんだ?この光は・・・」と戸惑いました。

そうこうしているうちに上空の光の玉は各方面から飛んできた光の玉をどんどん吸収して、
街全体を照らすほどの巨大な光球となり、
その眩さに黒十字城も「うおお・・・?」と唖然とするばかりとなり、
マーベラスは「なんだ・・・これは・・・?」、アラタも「何が・・・どうなってるんだ・・・?」と、
頭上に輝く金色の球体に困惑します。

その時、空を飛びかう金色の光が全てその巨大な光球に吸い込まれ、光球が完成体となった途端、
その巨大な光球はゴセイグレートやゴーカイオーの背後のビル街に降下しました。
ハッとしてゴセイグレートとゴーカイオーが後ろを振り向いて、
ゴセイジャーとゴーカイジャーの面々がビル街の方を見ると、
そこには光球は無く、驚くべき光景が広がっていたのです。
黒十字城もそれを見て「うおおお・・・!?」と驚愕して、言葉を失います。
一方、その光景を見た街の人々は「うわああ!」と思わず歓喜の声を上げました。

そこには、なんとゴセイジャーを除く歴代33のスーパー戦隊の巨大ロボの1号ロボが
金色の光を帯びて勢揃いしていたのです。
といっても、初代戦隊のゴレンジャーと二代目戦隊のジャッカー電撃隊には巨大ロボというものは存在せず、
代わりに巨大戦力としては空飛ぶ移動要塞としてゴレンジャーにはバリブルーン、
ジャッカー電撃隊にはスカイエースがありますので、
ここではバリブルーンとスカイエースと、他に31体の各戦隊の1号ロボの集合ということになります。
更にそこにゴセイグレートとゴーカイオーを合わせると、
35戦隊の1号ロボあるいは1号メカの総集合ということになります。

しかし、どうして戦う力を失ったはずの歴代スーパー戦隊の巨大ロボがここに突然出現したのか、
ゴーカイジャーとゴセイジャーの面々にはさっぱり分からず、
この不思議な光景を眺めて「ああ・・・?」と絶句するばかりです。
アラタも「・・・すごい・・・!」と興奮し、
瓦礫の中で立ち尽くして呆然としてこの光景を見上げるゴセイナイトも
「・・・奇跡だ・・・地球の歴史で・・・一番の奇跡だ・・・!!」と感動するばかりでした。

ゴーカイジャーとゴセイジャーの11人は、
先ほどから飛び交うレンジャーキーや、白い空間での不思議な出来事、スーパー戦隊の一時的復活、
スーパー戦隊バズーカの出現など、さっきまで実に様々な不思議な奇跡のような現象を経験してきましたから、
この巨大ロボ軍団の出現という出来事もその流れで起こった最大の奇跡なのだと解釈したようです。
つまり、スーパー戦隊の戦士たちが起こした奇跡、
あるいは自分達や人々の頑張りに応えて神のごとき何らかの超常的な存在が起こした奇跡、
あるいはたまたま起こった奇跡と、まぁだいたいそういう範囲の出来事だと解釈して感動したのでした。

一方、防空壕の前に立っていた例のサラリーマン男はこの奇跡がどういう意味合いの奇跡であるのか、
ゴセイジャーやゴーカイジャーよりはいくらか明確に分かっていました。
それは、この突如出現した33の巨大ロボや巨大メカの正体を知っているからでした。
それらは実は本物の巨大ロボや巨大メカなのではなく、元々は、あの男の子のダイデンジンや
サラリーマン男のバリブルーンのように、この街に居る人達が持っていた玩具だったのです。
あのダイデンジンやバリブルーンが金色の光の玉になって飛んでいったように、
他の金色の光の玉も、別の場所にいた誰かの持っていたスカイエースの玩具であったり、
バトルフィーバーロボの玩具であったりしたものが光り輝いて飛び立ってきたものなのだろうと、
サラリーマン男には想像がつきました。

それらの33個の光の玉が集まって巨大な光球となり、そこから本物そっくりの33の巨大ロボや巨大メカが生まれた。
この何とも不思議な現象が青梅が幼稚園児の男の子に語った「いい事」なのだとサラリーマン男は思いました。
つまり「大事にするといい事がある」というのは、このことだったのです。

それは幼稚園児の男の子が言っていたように
「スーパー戦隊の玩具を大事にしていると、本物の巨大ロボになって危機を救ってくれる」という
意味だったのかというと、それは違うと男は思いました。
いくら何でも玩具を大事に保管していただけでそんな都合のいい事が起きるわけがない。
だいたい、サラリーマン男自身、バリブルーンの玩具を金に困って売り飛ばそうとしていた。

だからこの場合の「大事にする」というのは玩具そのもののことではない。
これらの玩具に詰まっている別の価値を大事にしていた心が起こした奇跡なのです。
それは青梅が幼稚園でダイデンジンを指して「こいつには勇気と強さと悪を憎む心が詰まっている」と
男の子に語っていた通り、
これらのスーパー戦隊の玩具を通して人々が育んできた「勇気と強さと正義の心」でした。

スーパー戦隊の戦いを見続けてきた人々は、スーパー戦隊から「勇気と強さと正義の心」を学び、
スーパー戦隊のロボットやメカの玩具にその想いを込めて大事にしてきた。
それはスーパー戦隊の玩具を大事にすることを通して、
スーパー戦隊から学んだ「勇気と強さと正義の心」を大事にしてきたという行為でした。

サラリーマン男もバリブルーンの玩具を大事にしながら、
ゴレンジャーやその他のスーパー戦隊から学んだ「勇気と強さと正義の心」を大事にしてきました。
一時的に職を失って焦って自分を見失い、絶望してしまいましたが、
元スーパー戦隊の戦士の青梅たちに諭されて希望を掴むための勇気と強さを取り戻し、
正義の心を取り戻したから、人々の避難誘導を自発的にやっていたのです。
それでも挫けそうになる心を支えて希望を持ち続け、「勇気と強さと正義の心」を大事にし続けるために、
男はゴセイジャーとゴーカイジャーに声援を送り、助けようと思った。

それはスーパー戦隊の「勇気と強さと正義の心」によって守られるだけではなく、
自分達がスーパー戦隊に教えられて大事に育んできた「勇気と強さと正義の心」を奮い起こして、
自分達自身を、この世界を、そしてスーパー戦隊をも守ろうと決意したということでした。
その「自分達の正義と強さと正義の心で世界を守ろう」という強い想いが金色の光となって、
長年「勇気と強さと正義の心」を込められてきたスーパー戦隊の玩具を依り代として光球を形成して飛んでいき、
その光球が33個集まって、それらの光球の依り代となっていた玩具と同じ
33のスーパー戦隊の本物と同じ巨大ロボや巨大メカを生み出した。
それが「大事にするといい事がある」ということの真の意味だったのだと、サラリーマン男は思いました。

ただし、33個の玩具の持ち主だけの「勇気と強さと正義の心」だけで、
たとえそれらが自分の手で世界を救うために力を尽くそうと決意したとしても、
たった33人の力だけで、こんなとんでもない奇跡が起こせるはずはない。

つまり、33個の玩具の持ち主はただ単にたまたまその依り代となった玩具の所有者であったに過ぎず、
これらの33個の玩具を依り代として集まって金色の光となった「勇気と強さと正義の心」は、
その所有者も含めた、もっと膨大な人間のものであったのです。

玩具は単なる依り代に過ぎない。
玩具を大事に所有してきたかどうかはこの際、本質的にはどうでもいいのです。
玩具は持っていなくても、スーパー戦隊の戦いを見て、「勇気と強さと正義の心」を信じるようになり、
その想いを大事にしてきた人々ならば誰でも、これらの玩具に「勇気と強さと正義の心」を宿すことが出来るのです。

この大きな街全体の人々もまた、その多くはそうした「勇気と強さと正義の心」を大事にしてきた人々だったのであり、
だからこそ、今こうして心を1つにして、街全体が地鳴りのような声援をゴセイジャーとゴーカイジャーに送って、
自らの大事に育んできた「勇気と強さと正義の心」でもって世界を救おうとしているのです。
この大きな街全体の人々がそうして心を1つにしたこと自体が一種の奇跡だったといえます。
だから奇跡が起こったのは当然だったのです。

その街の人々の巨大なシンクロした「勇気と強さと正義の心」は
ゴセイグレートとゴーカイオーのエネルギーを急速に回復させ、
33個の玩具を依り代として金色に輝くエネルギー体となり、
それらが集まって膨大なエネルギーを帯びた巨大光球となり、
そこから33の巨大ロボや巨大メカを現出させたのでした。

つまり、ビル街に出現した33のスーパー戦隊の巨大ロボや巨大メカは、
この街の膨大な人々がかつてスーパー戦隊によって教えられた「勇気と強さと正義の心」を振るって
今度は自分の力で世界を守るために戦おうという想いが具現化したものであったのです。
きっとそうに違いないと確信したサラリーマン男は、興奮と歓喜の表情で駆けだすと、
「・・・バリブルーン!!!」と絶叫し、自分の「勇気と強さと正義の心」の象徴であるバリブルーンに向かい、
憎むべき悪の権化である黒十字城を倒すべく戦闘を開始するよう告げます。
ビル街の上空に金色の光を帯びてホバリングしていたバリブルーンは、
それに応えるかのように金色の光を消すと急発進し、黒十字城目がけて突っ込んでいったのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 10:23 | Comment(0) | ゴーカイジャー ゴセイジャー199ヒーロー大決戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月13日

ゴーカイジャー ゴセイジャー 199ヒーロー大決戦 感想その10

歴代のスーパー戦隊の戦いから学んだ「勇気と強さと正義の心」でこの世界を守ろうという決意をもって
街の人々がピンチに陥ったゴセイジャーとゴーカイジャーに力を与えるべく送った声援のパワーが
スーパー戦隊のロボやメカの玩具に宿り、ビル街に突如出現した歴代33戦隊の
1号ロボや空飛ぶメカのラインナップをここで改めて紹介します。

初代スーパー戦隊、ゴレンジャーのバリブルーン
2代目スーパー戦隊、ジャッカー電撃隊のスカイエース
3代目スーパー戦隊、バトルフィーバー隊のバトルフィーバーロボ
4代目スーパー戦隊、デンジマンのダイデンジン
5代目スーパー戦隊、サンバルカンのサンバルカンロボ
6代目スーパー戦隊、ゴーグルファイブのゴーグルロボ
7代目スーパー戦隊、ダイナマンのダイナロボ
8代目スーパー戦隊、バイオマンのバイオロボ
9代目スーパー戦隊、チェンジマンのチェンジロボ
10代目スーパー戦隊、フラッシュマンのフラッシュキング
11代目スーパー戦隊、マスクマンのグレートファイブ
12代目スーパー戦隊、ライブマンのライブロボ
13代目スーパー戦隊、ターボレンジャーのターボロボ
14代目スーパー戦隊、ファイブマンのファイブロボ
15代目スーパー戦隊、ジェットマンのジェットイカロス
16代目スーパー戦隊、ジュウレンジャーの大獣神
17代目スーパー戦隊、ダイレンジャーの大連王
18代目スーパー戦隊、カクレンジャーの無敵将軍
19代目スーパー戦隊、オーレンジャーのオーレンジャーロボ
20代目スーパー戦隊、カーレンジャーのRVロボ
21代目スーパー戦隊、メガレンジャーのギャラクシーメガ
22代目スーパー戦隊、ギンガマンのギンガイオー
23代目スーパー戦隊、ゴーゴーファイブのビクトリーロボ
24代目スーパー戦隊、タイムレンジャーのタイムロボ
25代目スーパー戦隊、ガオレンジャーのガオキング
26代目スーパー戦隊、ハリケンジャーの旋風神
27代目スーパー戦隊、アバレンジャーのアバレンオー
28代目スーパー戦隊、デカレンジャーのデカレンジャーロボ
29代目スーパー戦隊、マジレンジャーのマジキング
30代目スーパー戦隊、ボウケンジャーのダイボウケン
31代目スーパー戦隊、ゲキレンジャーのゲキトージャ
32代目スーパー戦隊、ゴーオンジャーのエンジンオー
33代目スーパー戦隊、シンケンジャーのシンケンオー

以上の31の巨大ロボと2機の空飛ぶ巨大メカは、街の人々の声援を受けて動き出し、
黒十字城を倒すべく攻撃を開始しました。
ここでBGMがスーパー戦隊シリーズ第1作「秘密戦隊ゴレンジャー」のOPテーマ
「進め!ゴレンジャー」が流れるのが燃えに燃えて素晴らしい。

まず先陣を切ったのは初代スーパー戦隊のゴレンジャーの空飛ぶ要塞であったバリブルーンと、
2代目スーパー戦隊のジャッカー電撃隊の飛行戦艦スカイエースでした。
高速で旋回して突っ込んだバリブルーンとスカイエースは黒十字城に接近すると機銃やビーム砲で攻撃し、
再び旋回して遠ざかります。

マーベラス達はビル街に現れた巨大ロボやメカの群れに驚きましたが、
さっきの176戦士のようにこれも自らは戦うことのないエネルギー体のようなものかとも思っていたので、
いきなりバリブルーンとスカイエースが動いて黒十字城に実体のある攻撃を直接叩きこんだのを見て
「ああ!?」と唖然としました。

黒十字城もいきなりの宿敵スーパー戦隊の巨大ロボ軍団の登場に驚愕した上に、攻撃まで喰らって
「うおおおお!?」と混乱して叫び声を上げ、
そこに今度はバリブルーンは機首からドリルミサイルを発射、スカイエースは尾翼からスカイミサイルを発射し、
ともに黒十字城に命中させました。

そこに続いて進み出たのは3代目スーパー戦隊のバトルフィーバー隊の巨大ロボであるバトルフィーバーロボです。
これはスーパー戦隊シリーズで最初に登場した巨大ロボで、合体ロボでも変形ロボでもないので
スーパー戦隊シリーズのロボの中では独特の丸っこいフォルムをした侍型のロボです。
このバトルフィーバーロボが必殺技の電光剣・唐竹割りを黒十字城に炸裂させます。

「うぎゃっ!!」と悲鳴を上げた黒十字城ですが、
さすがにこれぐらいの攻撃では巨大な黒十字城は大したダメージは受けておらず、
「・・・その程度で怯む私ではなぁい!!」と怒鳴ると、「出でよ!我が僕ども!!」と言い、
鎌首から黒い靄を発し、その靄がまたブラジラ、ダゴン、ヨゴシマクリタインの3幹部の巨大化した姿となりました。

さっき結界空間でゴセイジャーとゴーカイジャーが協力してやっと倒した強敵たちがまた復活したのを見て、
マーベラスやアラタ達もさすがに嫌な顔をします。
さっき倒したはずの3幹部ですが、もともとスーパー戦隊への怨念の塊である黒十字城から
分離して生じたものなので、怨念の本体である黒十字城がある限り、何度でも再生可能であるようです。
しかも更にこの3幹部、何やら怪しげにほくそ笑んで目が光ったかと思うと、
更にこの3幹部から別の巨大怪人たちが分離して、全部で11体の巨大怪人軍団となりました。

救星主ブラジラから生じたのは、
彗星のブレドラン、チュパカブラの武レドラン、サイボーグのブレドRUN、血祭のブレドランの4体の、
もともと「ゴセイジャー」本編や劇場版などでブラジラの変態した姿として現れた怪人たちでした。

また、冥府神ダゴンから生じたのは、冥府神サイクロプスと冥府神イフリートの2体で、
これらは「マジレンジャー」本編終盤に登場した、ダゴンと同じ冥府十神のうちの
ダゴンの属した三賢神の一段下の五武神のうちの2柱の神です。

そして総裏大臣ヨゴシマクリタインから生じたのは、
危官房長官チラカソーネと掃治大臣キレイズキーの2体で、
これらは「ゴーオンジャー」本編終盤に登場したヨゴシマクリタイン直属の部下であるガイアーク幹部怪人たちでした。

この合計11体の黒十字軍の復活巨大幹部怪人たちが「うおおおお!!」と雄叫びを上げ、戦闘態勢に入ります。
いきなり敵が増えたので、さすがにゴセイジャーもゴーカイジャーも「むぅ・・・!」「くっ・・・!」と少し怯み、
そこに11体の巨大怪人たちが突っ込んできます。
更にその後ろには黒十字城も進撃してきます。
黒十字城はこの戦力でもってゴセイグレートとゴーカイオー、
そして背後に控える31体のスーパー戦隊の巨大ロボと2機の巨大飛行メカを一気に叩き潰すつもりです。

すると、ビル街にいる31体の巨大ロボのうち、
まず4代目スーパー戦隊のデンジマンのダイデンジンがデンジファイターに変形します。
ダイデンジンはスーパー戦隊シリーズ最初の変形ロボで、合体機構は無く、
デンジファイターという巨大戦闘機が変形してダイデンジンという巨大ロボになる仕様でした。
ここでは巨大ロボ形態のダイデンジンから巨大戦闘機形態のデンジファイターに変形して、飛び立ったのでした。

そして5体合体ロボでありながら同じように5体合体の飛行形態に変形可能な巨大ロボである
15代目スーパー戦隊のジェットマンのジェットイカロスが、巨大重戦闘機のイカロスハーケンに変形し、
同様に飛行形態に変形可能な5体合体巨大ロボである24代目スーパー戦隊のタイムレンジャーのタイムロボが、
5体合体巨大戦闘機のタイムジェットγに変形し、それぞれ飛び立ちます。

それにバリブルーンとスカイエースも続き、
デンジファイター、イカロスハーケン、タイムジェットγ、バリブルーン、スカイエースの5機の編隊は
黒十字城に襲い掛かります。
そして同時に残り28体の巨大ロボも一斉に進撃を開始して、11対の黒十字軍巨大幹部たちに突っ込んでいきました。

これら巨大ロボ軍団が進撃するのを一瞬マーベラス達は唖然として見ていました。
本当に全部の巨大ロボが動くかどうかまだ疑心暗鬼だったので、一斉に巨大ロボが動いて、いささか驚いたのでした。
アラタ達ゴセイジャーも同様に呆気にとられていましたが、
巨大ロボ軍団がゴセイグレートとゴーカイオーを追い越して11体の敵幹部たちに突っ込むのを見て、
ハッとしたようにアラタが「みんな!」と声を掛けると、他のゴセイジャー4人も「おう!」と応じて操縦桿を握り、
ゴセイグレートも28体の先輩ロボ達に続き、更にゴーカイオーもそれに続きます。

こうして5機の巨大飛行メカが黒十字城を上空の四方八方から攻撃して足止めしている間に、
ゴセイグレートとゴーカイオーも合わせた30体の巨大ロボが11体の黒十字軍巨大幹部と大乱戦を繰り広げることとなり、
街の人々はスーパー戦隊のロボやメカに大声援を送ります。

まず危官房長官チラカソーネに向けて
21代目スーパー戦隊メガレンジャーの1号ロボであるギャラクシーメガが飛び込んでメガサーベルで斬りおろし、
そこに続けて27代目スーパー戦隊のアバレンジャーの
3体の爆竜が合体した戦闘巨人のアバレンオーが突進してティラノドリルをぶちこみ、
更に同じ恐竜系戦隊である16代目スーパー戦隊のジュウレンジャーの
5体の守護獣が合体した巨大神である大獣神が恐竜剣ゴッドホーンを振りかざして
必殺技の超伝説・雷光斬りをチラカソーネに炸裂させます。

続いて彗星のブレドランに肉弾戦を挑んだ31代目スーパー戦隊のゲキレンジャーの
3体のゲキビーストが合体した巨人ゲキトージャが回し蹴りを炸裂させ、
怯んだ彗星のブレドランに8代目スーパー戦隊のバイオマンのバイオロボがスーパーメーザーで大上段から斬りおろし、
11代目スーパー戦隊のマスクマンの1号ロボであるグレートファイブが
光電子ライザーで斬り下ろす必殺技のファイナルオーラバーストを決めました。

一方、23代目スーパー戦隊のゴーゴーファイブの1号ロボのビクトリーロボは
ブレイバーソードを振るって掃治大臣キレイズキーと斬り合いをし、
キレイズキーの剣を弾き飛ばすと、ブレイバーソードを一閃し、キレイズキーを斬り裂き、
そこに5代目スーパー戦隊のサンバルカンのサンバルカンロボが必殺技の太陽剣・オーロラプラズマ返し、
6代目スーパー戦隊のゴーグルファイブのゴーグルロボが必殺技の地球剣・電子銀河斬りを揃って炸裂させて、
キレイズキーを撃破します。

また、28代目スーパー戦隊のデカレンジャーの1号ロボのデカレンジャーロボは、
冥府神サイクロプスにジャッジメントソードの斬撃を決めた後、
射撃を得意とするサイクロプスとの射撃戦に突入、
デカレンジャーロボはサイクロプスのライフルの銃弾を横っ飛びしてかわしながらシグナルキャノンを連射して
サイクロプスに命中させ、サイクロプスは被弾してよろめきライフルを落とします。
そこに12代目スーパー戦隊のライブマンの1号ロボのライブロボと、
13代目スーパー戦隊のターボレンジャーの1号ロボのターボロボが立ち塞がり、
ライブロボは肩の二丁の銃のダブルカノン、ターボロボは二丁の光線銃のターボカノンという、
2つの二丁拳銃の連射でサイクロプスを撃破、
射撃戦の得意なサイクロプスに射撃技で対抗して倒すという演出を見せてくれました。

そしてサイボーグのブレドRUNのビーム攻撃をかいくぐって飛びながら
デンジファイターとタイムジェットγが突っ込み、すれ違いざまにブレドRUNにレーザー攻撃を命中させ、
それに続いてブレドRUNに突っ込んだイカロスハーケンは
火の鳥となって体当たりする必殺技のジェットフェニックスをブレドRUNにお見舞いします。
ここは飛行形態に変形できる3つの巨大ロボの飛行形態での攻撃で揃えてあります。

そして25代目スーパー戦隊ガオレンジャーの5つのパワーアニマルが合体した精霊王であるガオキングは
チュパカブラの武レドランと肉弾戦となり、武レドランを圧倒して殴りまくります。
そうしてよろめいた武レドランに向かって、19代目スーパー戦隊オーレンジャーの1号ロボのオーレンジャーロボが
ウイングヘッド形態でスーパークラウンソードを振り下ろす必殺技クラウンファイナルクラッシュを放ち、
同時に9代目スーパー戦隊のチェンジマンのチェンジロボも
必殺技の電撃剣・スーパーサンダーボルトを振りおろし炸裂させます。
ここで武レドランに対しては地球の不思議なパワーを使って戦う3戦隊の力で対抗したことになります。

また、冥府神イフリートに対しては、
7代目スーパー戦隊のダイナマンのダイナロボの必殺技の科学剣・稲妻重力落としと、
10代目スーパー戦隊フラッシュマンの1号ロボのフラッシュキングのコズモソードで斬り下ろす
必殺技スーパーコズモフラッシュが同時に炸裂し、
更に追い打ちをかけて30代目スーパー戦隊のボウケンジャーの1号ロボのダイボウケンが
轟轟剣でイフリートをメッタ斬りして、トドメのように必殺技アドベンチャードライブで斬り捨て、
同時にバトルフィーバーロボも電光剣・唐竹割りをイフリートに喰らわせます。

一方、もともと和風モチーフの外道衆モチーフの血祭のブレドランに対しては和風戦隊が対抗し、
まずは外道衆の宿敵である33代目スーパー戦隊シンケンジャーの
5つの折神が合体した侍巨人シンケンオーが駆け抜けざまに血祭のブレドランの胴を斬り裂きつつ剣を弾き飛ばし、
よろめいた血祭のブレドランに対して26代目スーパー戦隊ハリケンジャーの
3つのシノビマシンの合体したカラクリ巨人の旋風神が、
3体に分身してソードスラッシャーで敵を斬り裂く必殺技の分身幻斬りを喰らわせ、
更に18代目スーパー戦隊のカクレンジャーの三神将の1つである無敵将軍が必殺技の火炎将軍剣を炸裂させ、
血祭のブレドランを撃破します。

そしてインフェルシアの冥府神ダゴンに立ち向かうのは、
もちろんかつてインフェルシアの宿敵であった29代目スーパー戦隊マジレンジャーの
マジマジン5体の合体した魔人の王たるマジキングです。
マジキングは巨大な剣キングカリバーでダゴンを圧倒し、
後退したダゴンは更に14代目スーパー戦隊ファイブマンの1号ロボのファイブロボの超次元ソードの一撃を受け、
同時に22代目スーパー戦隊ギンガマンの5体の銀星獣が合体した銀河獣士であるギンガイオーが
銀鎧剣で繰り出す銀河獣王斬りでダゴンを斬り伏せ、ダゴンは致命的ダメージを負います。

また、ガイアークの総裏大臣ヨゴシマクリタインと戦うのはもちろんガイアークの宿敵、
32代目スーパー戦隊ゴーオンジャーの3体の炎神が合体した1号巨大ロボのエンジンオーです。
エンジンオーは高速移動でヨゴシマクリタインを翻弄してゴーオンソードでヨゴシマクリタインの胴体を斬り裂き、
その隙を狙って17代目スーパー戦隊ダイレンジャーの気伝獣5体の合体した巨大武人の大連王が
必殺技の大王剣・疾風怒濤を炸裂させ、ヨゴシマクリタインは大きなダメージを受け、
そこに更に20代目スーパー戦隊カーレンジャーの1号ロボのRVロボが
エンジンオーと並んで高速移動で突っ込んできます。
RVロボはRVソードを構えて突っ込み、回転斬りを食らわす必殺技のRVソード激走斬りを放ち、
同時にエンジンオーもゴーオンソードを構えて突進して敵を斬り裂く必殺技ゴーオングランプリを放ち、
これらを喰らったヨゴシマクリタインは断末魔の悲鳴を上げます。

そして救星主のブラジラに立ち向かうのは、
その宿敵であった34代目のスーパー戦隊、ゴセイジャーのゴセイグレートと、
そして35番目のスーパー戦隊のゴーカイジャーのゴーカイオーです。

バリブルーンとスカイエースが空から突っ込んでブラジラに攻撃を加えている間に
ゴセイグレートとゴーカイオーはブラジラの正面に立ちはだかりました。
ゴーカイオーのコクピットで歴代スーパー戦隊の巨大ロボ達の大活躍を見ていたマーベラスは
「へっ!俺たちも負けてられねぇぜ!!」と気合を入れます。
アラタもゴセイグレートのコクピットで
「俺たちの後ろにはこの星の!・・・全ての人の夢と希望があるんだ!!」と熱く叫び、
ゴセイグレートとゴーカイオーはブラジラに突進して斬りかかります。

そして、人々を守るための戦いで歴代戦隊に負けられないと熱く燃える
ゴーカイジャーとゴセイジャーの気力はブラジラを圧倒し、あっという間にブラジラの剣を弾き飛ばして追い詰め、
ゴーカイオーは2本のゴーカイケンをX字型に斬り裂く必殺技ゴーカイクラッシュを炸裂させ、
ゴセイグレートは炎を纏ったドラゴンソードで敵を斬り裂く必殺技グレートストライクを決めます。
「ぐあっ・・・!?」とこの2つの必殺技を喰らったブラジラは、よろめいて
「・・・くうっ・・・だが・・・この無念さは・・・永遠にぃっ・・・!!」と最期の言葉を遺し、
他の10体の幹部怪人たちと共に爆散して果てたのでした。

これで残る敵は黒十字城だけとなり、街の人々はスーパー戦隊の巨大ロボ達の大活躍に大喜びとなります。
一方、黒十字城は「おのれ!おのれぇっ!!スーパー戦隊どもめぇっ!!」と、
35戦隊の巨大ロボや巨大メカを睨みつけて大いに悔しがります。
歴代戦隊のロボやメカと共に黒十字城に相対したゴセイグレートとゴーカイオー、
そのコクピットでマーベラスは「残るはお前だ!!黒十字城!!」と、いよいよ黒十字城との決着をつけにかかります。
すると、黒十字城の前に立った33の巨大ロボと2機の飛行メカから金色の光線が発して、
それが一斉に黒十字城に浴びせられました。

「うおおおっ!?ぐああああっ!!」と黒十字城は悶え苦しみます。
これはおそらく先ほど黒十字王を倒した時に浴びせたスーパー戦隊バズーカから発したエネルギーと同種のもので、
スーパー戦隊のパワーそのものであり、
それを浴びせることでスーパー戦隊を天敵とする黒十字城に大きなダメージを与える効果があるようです。

ただ、今回のこの巨大ロボ群の出現に際してはレンジャーキーは使用されていないはずですから、
厳密にはスーパー戦隊のパワーは使用されてはいないはずです。
それなのにスーパー戦隊のパワーと同じ効果を持つパワーがこれらの巨大ロボ群から放出されているということは、
この巨大ロボ群を形成したこの街の人々の「勇気と強さと正義の心」は
スーパー戦隊の「勇気と強さと正義の心」と同質のものだということになります。

つまり、根っこでは人々の力とスーパー戦隊の力は同じなのであり、
むしろ人々の力の方がこの場合、より巨大なパワーとなって黒十字城を追い詰めているのです。
いや、人々の力が無条件で強大なのではなく、
人々の精神がスーパー戦隊の精神と同質となることによって、
人々の力はスーパー戦隊の力を凌駕する巨大なものとなったのだといえます。

ただ、それでも黒十字城はまだ倒れません。
さっきも黒十字王をスーパー戦隊バズーカで倒した後、本体の黒十字城となって復活しました。
それだけスーパー戦隊への怨念が深いともいえますが、
怨念の強さだけでは肉体をあくまで維持出来ている謎は解けません。

どうやら本体の黒十字城はどんな攻撃を受けても死なない不死身の身体になっているようです。
それはどうしてなのかというと、
黒十字城を形成しているのはもともと約40年前に初代戦隊のゴレンジャーに倒された黒十字総統の怨念であり、
この黒十字総統がそもそも不死身の肉体を持っていたからなのです。

まず全ての悪の組織の怨念の力で不死身の肉体を持っていた黒十字総統の肉体を復活させて、
それを核として巨大な怨念の集合体である黒十字城を形成しているので、
その不死身の核である黒十字総統を倒さないことには、いくら黒十字城の表面を叩いて、
どんなに大きなダメージを与えても、決して黒十字城は死ぬことはなく、また修復、復活してくるのです。
しかし核を倒すといっても、その核が不死身の肉体を持つ黒十字総統なのですから、どうしようもない。

マーベラスはそんな事情は知りませんから、あと一息で黒十字城を倒せると思い、
「トドメだ!!」と更なる攻撃を繰り出そうとします。
その時、マーベラスの腹のあたりで突然眩い金色の光が発し、マーベラスは「・・・ん?」と下を見ます。
光はベルトのゴーカイバックルから漏れてきており、マーベラスが下を向くとバックルは反転し、
バックルの中から金色に光るレンジャーキーが出てきました。
光の源はこのレンジャーキーだったようです。

マーベラスがそのレンジャーキーを手に取って見てみると、
それはどうやらアカレンジャーのレンジャーキーであるようでした。
他の4人のバックルからも同じようにゴレンジャーのレンジャーキーが出てきているようです。

しかしマーベラスは不思議に思いました。
これはつまり、いつもの「大いなる力」を受け取ったことを教えられて、
「大いなる力」を使うように促される時と同じ現象のようですが、
今回マーベラス達はゴレンジャーから「大いなる力」を受け取った覚えはありませんでした。

そもそも今回、マーベラス達はナビィのお宝ナビゲートのお告げを受けていません。
これまで、お宝ナビゲート無しで「大いなる力」をゲットした経験はマーベラス達には無いのです。
だから、いきなりゴレンジャーの「大いなる力」を貰えた様子で、
しかもレンジャーキーがいきなり出てきてゴレンジャーの「大いなる力」を使うよう促しているという事態に
マーベラスは面食らったのでした。

しかし、これはやはりゴレンジャーの「大いなる力」を渡してもらえたのだと考えるしかない。
となると、あの白い不思議な空間で出会ったアカレンジャーの男が自分達を認めて
「大いなる力」を渡してくれたとしか思えない。
ならば、あるいはあの空間で出会った他の戦士たちの戦隊からも「大いなる力」を渡されたのかもしれない。

ただ、もしそうだとすると、どうしてここでその中で特にゴレンジャーのレンジャーキーが
自分達の力を使えとばかりに自己主張して飛び出してきたのか、マーベラスは不思議に思い、
金色の光を帯びるアカレンジャーのレンジャーキーを見つめました。
その時、マーベラスは黒十字王が出現した時にアラタが言っていた言葉を思い出したのでした。

あの時、アラタはゴレンジャーが黒十字軍を滅ぼしたと言っていた。
つまり黒十字城(黒十字王)はかつてゴレンジャーに倒されたことがあるようなのです。
ということは、ゴレンジャーは黒十字城を倒す何らかの特殊な力を持っているのかもしれない。
それがゴレンジャーの「大いなる力」なのであり、
アカレンジャーのレンジャーキーはそれを使うように言っているのではないかとマーベラスは閃きました。
すると、そのマーベラスの心を読んだように、
金色に輝くアカレンジャーのレンジャーキーが力強くマーベラスに向けて頷いたように見えました。

「・・・よし・・・!」と心を決めたマーベラスは、
こうなったらアカレンジャーのレンジャーキーの誘いに乗ってゴレンジャーの「大いなる力」を使ってやろうと決め、
「来い!!」と叫びます。

すると、上空にホバリングしていたバリブルーンが発進し、ゴーカイオーの方に飛んできます。
それに合わせるようにマーベラス達はゴレンジャーのレンジャーキーをカギ型に変形し、
コクピットのカギ穴に挿し入れて回し「レッツゴー!!はっ!!」と操舵輪を思いっきり回し、
ゴーカイオーは大きく跳び上がり空中で飛んできたバリブルーンがゴーカイオーの背中に貼り付いて合体しました。
ゴレンジャーの「大いなる力」はバリブルーンであったのです。

「名付けて・・・ゴレンゴーカイオー!!!」と空中でホバリングしてポーズを決めたゴーカイオーと
ゴレンジャーの「大いなる力」であるバリブルーンの合体した姿、ゴレンゴーカイオーを見上げて、
黒十字城は「なぁにぃっ!?」と驚愕します。

ゴレンジャーの巨大戦力といえばバリブルーンですから、
ゴレンジャーの「大いなる力」の顕在化した姿がバリブルーンであるというのは当然といえば当然ですが、
この場にあったバリブルーンは、マーベラスやアラタは本物のバリブルーンと思っていますが、
実際は確か街の人々の勇気や強さや正義の心が生み出したものであったはずです。
それが普通にゴレンジャーの「大いなる力」としてゴーカイオーと合体しているというのも一見奇妙にも見えますが、
つまりはスーパー戦隊の「大いなる力」と人々の勇気や強さや正義の心は本質的には同じものなのでしょう。
だから一種の互換性があって、この場では人々の想いが生みだしたバリブルーンが
本来のゴレンジャーの「大いなる力」のバリブルーンの代用品として同じ機能を発揮し得たのであろうと思えます。

そして、ゴーカイオーとバリブルーンが合体したゴレンゴーカイオーを見て、
アラタもかつて黒十字軍を滅ぼしたゴレンジャーの力こそが黒十字城を倒す決め手となるということに気付き、
「頼むぞ!ゴーカイジャー・・・!」と声を上げて、仕上げをゴーカイジャーに託します。
それを受けてゴーカイジャーの皆は頷き、アイムは「はい!」と力強く応えます。

そしてマーベラスも「ああ!!ド派手にいくぜぇっ!!」と応えて
ゴレンゴーカイオーを赤青黄緑桃の5色の飛行機雲を噴射させて急上昇させます。
この5色はゴーカイジャーの5人のパーソナルカラーであると同時に、
ゴレンジャーの5人のパーソナルカラーでもあります。

そして黒十字城の遥か上に到達したところで、今度はマーベラス達はゴレンゴーカイオーを急降下させながら
「ゴーカイハリケーン!!カシオペア!!!」と叫んで操舵輪を思いきり回し、ゴーカイケンを振り下ろします。
すると、なんとゴーカイケンの刀身が巨大化し、黒十字城の直径よりも長大なものとなり、
その刀身に赤青黄緑桃の5つの星がジグザグにくっついて、カシオペア星座の形となり、
そのカシオペア星座と巨大刀身が一緒になって眩い光に包まれたのでした。

急降下しながら、このカシオペア星座と一体化した長大な光剣の刀身を振り下ろすのが
「ゴーカイハリケーン・カシオペア」という技であり、
これこそが不死身の黒十字城を完全に滅する唯一の手段であるようです。

実は黒十字城の前世である黒十字総統はカシオペア座方面からやって来た宇宙人であり、
不死身の肉体を持っていたが、唯一、カシオペアX線という宇宙線だけが弱点だったのです。
そのことを知ったゴレンジャーはカシオペアX線を開発し、
それを組み込んだ必殺技の「ゴレンジャーハリケーン・カシオペア」で黒十字総統を倒して
黒十字軍を滅ぼしたのでした。

その黒十字総統から不死身の特性を受け継いだ黒十字王を核として持つ黒十字城もまた、
カシオペアX線が苦手という弱点も同様に受け継いでおり、
「ゴレンジャーハリケーン・カシオペア」が有効であったので、
ゴレンジャーの「大いなる力」を引き継いだゴレンゴーカイオーにおいては、
「ゴレンジャーハリケーン・カシオペア」を、ゴーカイケンを巨大化させてカシオペアX線を刀身に帯びさせて
振り下ろすという形にアレンジした「ゴーカイハリケーン・カシオペア」という技で
巨大な黒十字城を斬り裂いて核の黒十字王ごと滅するという手段に出たわけです。

そうしてゴレンゴーカイオーが急降下して振り下ろしたカシオペアX線を帯びた巨大な剣は
黒十字城の脳天に叩きこまれ、「ぐああああああっ!!?」と絶叫する黒十字城の身体を
ケーキカットのように斬り裂いて下に降りていきます。

中心から真っ二つに斬り裂かれながら「何故だ?・・・何故この私がああああ!?」と、
不死身のはずの肉体を斬り避かれて核である本体の黒十字王まで致命的ダメージを受けた黒十字城は、
考えられない事態に驚愕して喚き散らしますが、
ゴレンゴーカイオーは遂に黒十字城の一番下まで巨大剣で斬り裂き、地面に着地します。
その目の前で黒十字城は不死身の核を失ってバラバラに崩れ落ちながら
「積年の恨みによって生まれたこの私が・・・何故だあああああ!!?」と断末魔の悲鳴を轟かせ、
大爆発を起こして遂に果てたのでした。

黒十字城の最期を見届けてゴーカイオーのコクピットは「やったぁ〜!!」と歓喜に包まれ、
マーベラスも「へっ!」と安堵の声を漏らし、
ゴセイグレートのコクピットでも「やったぜぇ〜!!」という歓喜の渦の中、
アラタが「よし!!」と拳を強く握り、達成感を現します。
戦いを見守って声援を送っていた街の人々も、
ゴセイジャーとゴーカイジャーが黒十字城を倒したのを見て歓喜と興奮は最高潮に達します。

ゴーカイオーと合体していたバリブルーンも戦いが終わったことによって分離し、
他の巨大ロボ軍団の方に飛んでいきました。
31体の巨大ロボとバリブルーンとスカイエースは最初に出現したビル群のあたりに再び陣取って、
ゴセイグレートとゴーカイオーに向き合います。
まるで巨大ロボ達はゴセイジャーとゴーカイジャーを称えているようでしたが、
これらの巨大ロボ達はもともと街の人々の想いから生まれたものですから、
街の人々の現在の想いを反映した行動をとるのは当然といえば当然です。

街の人々は自分達を守るために懸命に戦い、遂には奇跡の逆転勝利を遂げた
ゴセイジャーとゴーカイジャーを称え、感謝していたのです。
自然に街の人々の間から「ありがとう!!ゴセイジャー!!ゴーカイジャー!!」という歓呼の声が湧きおこり、
それは大きなうねりとなり、街中の人々がゴセイグレートとゴーカイオーに笑顔で手を振ります。

それにゴセイジャーの面々は自然に手を振って応えますが、
人々に感謝されることに慣れていないゴーカイジャーの面々は
「ありがとう!!ゴセイジャー!!ありがとう!!ゴーカイジャー!!」という歓呼の声に包まれて戸惑い、
どうにも据わりが悪い様子で照れまくります。
まぁアイムだけは元王女だけあって、人々に笑顔で手を振ったりして自然に応えていましたが。

マーベラス達は今回、最初はレンジャーキーを奪還するために黒十字軍と戦いましたが、
最後の巨大戦に関しては既にレンジャーキーを奪還した後で、完全に人々を守るために戦いました。
ただ、それはあくまで自分達が守りたいから守っただけであり、義務や使命で守ったわけではない。
ただ単にマーベラス達は自分達がこの星を守る価値を見つけるために、
海賊としてその価値を掴むために戦っているだけであり、やりたいことをやっているに過ぎない。
だから地球の人々に感謝される筋合いなどは無いのです。
そういう点、もともと地球で生まれて地球を守る使命を負って、
立派にその使命を果たしてきたスーパー戦隊とは自分達は根本的に違うのだとマーベラス達は思っています。

実際、今までも人々を守って戦っても、マーベラス達はそんなに深く感謝されたことはない。
これまでの戦いの場合、人々もマーベラス達の意図がイマイチよく分からなかったのもあり、
なんだか怖そうな連中でもあるし、助けられた後、感謝の言葉を言うきっかけがあまり無かったともいえます。
それはマーベラス達の態度の方に大きな原因はあったのですが、
マーベラス達は人々が助けられても感謝しないものだから、やっぱり自分達はスーパー戦隊とは扱いが違う、
やっぱり根本的に異なる立場なのだと、ますます思い込んでいったのです。

ところが今回の場合、この街の人々は馴染のあるヒーローのゴセイジャーが
ゴーカイジャーと一緒に戦っているのを見て、
更にはスーパー戦隊の巨大ロボまで出現してゴーカイジャーの助太刀をしたものですから、
完全にゴーカイジャーをスーパー戦隊の仲間として認識し、素直に感謝の言葉を贈り、称え始めたのです。
これにはマーベラス達は面食らい、いつも通りに人々に感謝されるとは思っていなかったので、
この予期せぬ事態に戸惑いました。

これはどうも据わりが悪く、困ったことになったし、
もしかしたら何か誤解されているのではないかとも、妙に心配にもなってきたりして落ち着きません。
自分達はあくまでスーパー戦隊とは違うのだから感謝されても困ると思いつつ、
一方では、たとえ誤解でも人々にスーパー戦隊の仲間扱いされて喜ばれたことが少し嬉しく、
内心こういうのも悪くないとも思えてきて、それがまた照れ臭く、どうも混乱してしまいました。

そこにゴセイグレートがゴーカイオーの傍にやってきて、冷やかすようにゴーカイオーの背中をドン!と叩きます。
ゴレイグレートのコクピットではアラタが「うん!」と頷き、
とにかくこの場は感謝してくれる人々のためにも、もっと誇らしくしてもいいんだということを教え、
ゴーカイオーのコクピットでは、マーベラスはヒーローというのはそういうものなのかと少し感心し、
「へっ・・・!」と照れた笑いを浮かべましたが、
その時、マーベラスはビル群の方に何か光るのを感じて「ん?」と振り向きます。

すると、ビル群の中に立っていたスーパー戦隊の巨大ロボや上空のバリブルーンやスカイエースが
次々と金色の光に包まれていき、光もろとも姿を消していったのです。
マーベラスやアラタ達は「ああ・・・?」と唖然として、
巨大ロボ達が跡形も無く消え去ったビル群の方をただ見つめるのでした。

結局、これらの突然出現して、戦いが終わると突然消えた巨大ロボ軍団は何だったのか、
ゴーカイジャーにもゴセイジャーにもハッキリしたことは分かりませんでしたが、
例の白い光の空間でのレジェンド戦士たちとの交流と、その後のスーパー戦隊バズーカの一件を経験した後ですから、
この巨大ロボ軍団の出現もそれらと一連の奇跡なのだと思い、
マーベラス達ゴーカイジャーはおそらくはこれはスーパー戦隊の起こした奇跡なのだろうと推測し、
スーパー戦隊というものは大した力を持った連中なのだと改めて感心しました。
また、アラタ達ゴセイジャーはとにかく不思議な出来事が起こったのだと思うしかありませんでした。

ただ、この劇中の登場人物の中では、あのサラリーマン男だけは、
それらの巨大ロボの元となった玩具の持ち主の1人であると同時に、
事前に青梅たちと出会って、更に幼稚園児の男の子に青梅が言ったことを知っていたりした関係で、
ただ1人、この奇跡の真実を知っていました。

それは、街の人々がゴセイジャーとゴーカイジャーを助けて自分の手で世界を守ろうとして、
スーパー戦隊から教えられた勇気と強さと正義の心を奮い起こして心を1つにした結果、
その想いの力が玩具を依り代として集まって巨大ロボ軍団を生み出し、黒十字軍を撃ち破ったという奇跡でした。

この黒十字軍との戦いの最終局面の大山場での大逆転劇というのは、この映画の物語の最大の見せ場であり、
ここにこの物語の最も大事な、制作者が伝えたいテーマが集約されているはずです。
それは、「スーパー戦隊の戦いを見てきたことによって地球の人々が培ってきた勇気と強さと正義の心こそが、
最大の奇跡を生みだしてゴーカイジャーを助けて絶体絶命の危機をひっくり返す原動力となる」ということです。
それがこの映画で制作者が伝えたかった真のテーマです。

ただ、不可解なのは、ここでこの物語の主役であるゴーカイジャーやゴセイジャーが
そのテーマを知らないまま物語が終わり、1人のサラリーマン男しかそのテーマに気付いていないということです。
いったいこの、主役を差し置いて物語の最重要テーマをただ1人理解するサラリーマン男とは何者だったのか?

おそらく、この男自体は単なる一介の失職中のサラリーマンであり、さして重要人物というわけではないのでしょう。
ただ単に、主役であるマーベラス達の代わりに、
この物語のテーマを理解するためだけに造形されたキャラと思われます。
つまり、彼は映画の観客がこの映画の物語のテーマを理解するのを補助するためのキャラであり、
このテーマ理解という点においてのみ、観客の分身のような役割を果たすキャラなのです。
彼がこの物語のテーマを劇中で理解したことによって、観客もこの物語のテーマを理解することが出来たといえます。

彼がこの物語のテーマを理解した瞬間というのは、彼が「バリブルーン!!!」と叫んだシーンですが、
あの瞬間、観客にもこの映画の物語のテーマは腑に落ちたといえます。
この映画は他にも印象的な良いシーンはたくさんあるにもかかわらず、
私はあの「バリブルーン!!!」のシーンが最も印象的なシーンと思えました。
それはつまり、あのシーンにこの物語のテーマが凝縮されていたからなのだろうと思います。

ただ、注目すべきは、普通は主役があの最重要場面で物語の最重要なテーマを理解する役目を果たし、
その主役の心情にシンクロして観客も物語のテーマを理解するはずなのに、
この映画ではあえて主役にはそのテーマを気付かせないようにして、
どうしてわざわざあのようなサラリーマン男という観客とシンクロしてテーマ理解を行うためだけの
別キャラを用意しなければならなかったのかです。
それは主役であるゴーカイジャーや、それに近い位置にいるゴセイジャーには、
このテーマを知られてはいけなかったからなのでしょう。

物語の最重要テーマを知ってはいけない主役というのも奇異な印象ですが、
それはこの映画が完全に完結した物語だと考えた場合の話です。
この映画のストーリー自体はここで一旦終わるが、ゴーカイジャーの物語は今後もTV本編で続いていく。
この映画は特別篇や番外篇ではなく、TV本編の連続ドラマの中に組み込まれるエピソードでもあるのです。
だから、まだ物語は途中なので、その物語途中の段階で、今回の映画で示された最重要テーマは、
まだマーベラス達に知られてはいけないことなのです。

つまり、「スーパー戦隊の戦いを見てきたことによって地球の人々が培ってきた勇気と強さと正義の心こそが、
最大の奇跡を生みだしてゴーカイジャーを助けて絶体絶命の危機をひっくり返す原動力となる」というテーマは、
この映画のテーマであると同時に、「ゴーカイジャー」TV本編においても重要なテーマなのであり、
しかも、まだこの第16話終了時点のマーベラス達にはそのテーマは知られてはマズいようです。
おそらく、そのテーマは後に物語のクライマックスで重要な意味を持ってくるのでしょう。
だから、この時点で映画の中で主役であるマーベラス達にそれを理解させるわけにはいかなかった。

ただ、そうはいっても、この映画は1つの独立した映像作品であるのもまた事実であり、
わざわざお金を払って劇場に足を運んできてくれたお客さんに満足して帰ってもらわなければいけない。
テーマが曖昧なままではマズいのです。
そこで主役のマーベラス達がテーマに肉薄することが出来ない代わりに、
観客の心情とシンクロして、この映画の物語のテーマに辿り着くキャラを別に造形する必要があった。
それがあのサラリーマン男であったというわけです。

さて、あとはこの映画の物語はエピローグを残すのみとなります。
上記の最重要テーマには近づくことはなかったゴーカイジャーとゴセイジャーの両戦隊ですが、
彼らは彼らで、この物語の終わりまでにまだ解決すべき問題を残しています。

まずは黒十字軍との戦いのために手を組んだ形になっていましたが、
もともとは激しく戦い合っていた間柄ですから、ちゃんと和解はしなければいけません。
戦いの中で相互に認め合うようにはなっていましたが、それはあくまで戦いの中での話です。
戦いというのは一種、異常事態ですから、そこで生じた絆は、平時に戻ってもう一度確認しておくべきです。
ましてや、両戦隊は認め合う直前までは戦い合っていたのですから猶更です。
それについては、戦いが終わってゆっくりと空を飛ぶゴーカイガレオンの舳先に佇むマーベラスと、
その後ろに座るアラタとの間で改めて簡潔に和解の儀式めいたことが行われます。

今回の一件、もとはといえばゴセイジャー側がゴーカイジャーのことを誤解して乱暴な手段に出たのが
話をこじれさせた根本の原因なのであって、やはり非はゴセイジャー側にあります。
アラタもそれは分かっていて、黒十字軍との戦闘中もマーベラスに2回も謝ろうとしているのですが、
2回ともマーベラスに拒絶されています。

その経験からアラタは、マーベラスは改まった態度で謝ったりされるのがどうも苦手らしいと気付きました。
かといって、このままちゃんと謝らない形で別れてしまうのもアラタとしても居心地が悪い。
そこで戦いが終わってゴセイジャー一同で改めてガレオンに出向いて、
アラタはそこでマーベラスが自然な形でゴセイジャーのことを許してくれるような話の展開に持っていけないものか
様子を窺うことにしたのでした。

マーベラスの方もアラタが自分に何かまた謝ろうとしているようなムードは感じ取り、
面倒くさくない形で決着をつける機会を探り、そうして自然に2人は他の面々からは離れて
ガレオンの舳先に向かっていました。
そしてマーベラスは舳先に立って腕組みをして進行方向を見て、
アラタはその後ろで舳先に腰かけて横を見て、マーベラスとアラタは顔を合わさないようにします。

2人はしばらくそのまま無言で風に吹かれた後、
アラタは気持ちよさそうに「此処、いいねぇ!」と言います。
「・・・風が最高!」と独り言のように呟く背後のアラタの方に少し首を向け、
マーベラスは腕組みをして立ったまま、「フッ・・・」と微笑むと
「・・・座りたくなったら、いつでもいいぜ・・・!」と言って眩しそうに前を見ます。

ぶっきらぼうではありますが、マーベラスが一味の者でもない部外者に対して
ガレオンにいつ来てもいいなどと言うのは異例のことであり、これはマーベラスにしては破格の待遇といえます。
つまり、マーベラスはゴセイジャーの面々を他とは違う特別な絆で結ばれた相手だと認めたということです。
それは共に苦しい戦いを戦い抜いた仲間の絆でした。

共に「宇宙最大のお宝」を掴むという夢を同じくするわけではないので
マーベラス一味の仲間というわけにはいかないが、
マーベラスは共に夢を掴む仲間以外にも、同じものを守るために戦うことによっても、
夢を掴むための仲間に負けない強い絆を結ぶことが出来ることを初めて知り、
それがスーパー戦隊というものなのかもしれないと思いました。

とにかくそれだけ破格の仲間待遇をしている以上、
もうとっくにゴセイジャーとの揉め事のことなど俺は水に流しているのだということを
マーベラスはアラタに伝えたつもりであり、だからもうこれ以上、堅苦しい謝罪などは御免だと暗に伝えたのでした。

アラタはそのマーベラスの想いを理解し、
マーベラスがそれだけ言うと黙って前を向いたことから、もうこれで話は終わりということなのだろうと思いました。
いかにも照れ屋のマーベラスらしいケリの付け方だと思い、フッと微笑んだアラタは、
わざと風の吹く中ではマーベラスに聞こえないぐらいの小声でボソッと「・・・ありがとう・・・」と呟きます。

マーベラスはこれで話を終えたいのであろうが、アラタ自身は感謝の言葉はどうしても言いたかったので、
自分自身の納得のために、自分にだけ聞こえる小声で礼を言って、これで本当に和解の話のケリとしたのです。
それはしかしマーベラスの耳に微かに聞こえていました。
しかしマーベラスはアラタの心情を理解し、チラリとアラタの方を見ると、
わざと聞こえなかったフリをして微笑むのでした。

そのガレオンの舳先のある甲板の下、船室の中ではゴーカイジャーとゴセイジャーの残りの面々が集まっていました。
まだもう1つ、両戦隊の間では解決しなければいけない問題が残っていたのです。
喧嘩の原因となったゴセイジャー側の乱暴に関してはマーベラスがアラタを許したことで解決はしましたが、
そもそもゴセイジャーのレンジャーキーをどちらが所有すべきかという問題はそれとは別の問題でした。

確かにレンジャーキーはマーベラス達のものですが、
レンジャーキーの中にあるゴセイジャーの戦う力はもともとアラタ達のものなのです。
だから、どちらにも正当な所有権はある。
だから、どちらがそれを所有すべきであるのか、戦いが終わった後で話し合おうと、
アイムはエリやハイドに申し入れていたのです。

しかし、エリやハイド、そしてゴセイジャー全員の答えはとっくに出ていたようです。
エリはアイムにゴセイピンクのレンジャーキーとアラタから預かったゴセイレッドのレンジャーキーを渡し、
モネはルカにゴセイイエローのレンジャーキーを渡し、
アグリはハカセにゴセイブラックのレンジャーキーを渡し、
ハイドはジョーにゴセイブルーのレンジャーキーとゴセイナイトから預かったゴセイナイトのレンジャーキーを
渡したのです。

レンジャーキーを受け取ってアイムは嬉しそうにしながら、
「本当によろしいのですか?」と驚いてゴセイジャーの面々に問い返します。
まだどちらがレンジャーキーを持つべきか全く話し合いもしていないのに、
いきなりゴセイジャーの皆がレンジャーキーを渡したのでアイム達は驚いたのです。
それに対して、アグリが思案顔で「たぶん・・・全ての力を1つに集めておいた方がいいと思う・・・!」と答えます。

あの白い空間で海城たち古参レジェンド達の言葉を聞いた時、
ゴセイジャーの面々は多くの先輩レジェンド戦士たちがマーベラス達がスーパー戦隊の戦う力を
ちゃんと引き出せる資質があると認めていることを知りました。
そして、未熟な自分達はマーベラス達も持つ可能性に気付くことが出来ていなかったことを反省し、
そしてあの白い空間に入った時点では自分達もまた先輩レジェンド戦士達と同じように
マーベラス達の可能性に気付いていたことも再確認しました。

ただ、単にレンジャーキーの中の戦う力を引き出す資質ならば、マーベラス達が持っているのと同様、
もともとの戦う力の持ち主であるレジェンド戦士たちもまた持ち合わせているはずです。
実際、アラタ達はゴセイジャーのレンジャーキーの力はマーベラス達が引き出すのと同じように引き出せていました。
いや現時点ではアラタ達のほうがより深くゴセイジャーの戦う力を引き出して
レンジャーキーを使いこなせていたはずです。
そして、それは他のレジェンド戦士たちも同じであるはずです。

つまり、マーベラス達にレンジャーキーを使いこなす資質があるという理由だけでは、
マーベラス達からレジェンド戦士たちがレンジャーキーを取り戻さない理由は説明がつかないのです。
そのことはアイムにも何となく分かるので、
ゴセイジャーの面々があれほど使いこなしていたレンジャーキーをあっさり返却してきたことが
どうも腑に落ちないようです。
それに対するアグリの答えは「たぶん全ての力を1つに集めておいた方がいいと思う」という、
どうも歯切れが悪いものです。

これは、あの白い空間で会った海城たち古参レジェンド戦士たちがあえてマーベラス達に
レンジャーキーを持たせておく判断を下した真の理由がそういうことなのであろうと
ゴセイジャーの面々が理解したということなのでしょう。
海城たちはスーパー戦隊の「大いなる力」をゴーカイジャーのもとで1ヵ所に集めておくことに
何らかの意義を見出しているのだろうと、ゴセイジャーには感じられたので、
だからゴセイジャーもその判断に従おうと決めたというように見えます。
いや、もしかしたらゴセイジャーも海城たちの判断の根拠について何らかの事情は知っているのかもしれません。
だから素直にその考えに従うことが出来るのかもしれません。

ただ、当初はゴセイジャーはマーベラス達にレンジャーキーを預けることすら拒絶していたわけですから、
ゴセイジャーの面々が海城たちの考えに賛同するようになった前提には、
マーベラス達がレンジャーキーの力を引き出す資質があると認めたということがあると推測されます。
つまり、マーベラス達が人々を守るために戦う戦士たちであると知ったので、
ゴセイジャーの面々はマーベラス達のもとにスーパー戦隊の「大いなる力」を集めておくことに意義があると
認めることが出来るようになったということになります。

それが具体的にどういう意義なのかは、この映画の物語の中では明確には描かれません。
アグリにもそれは漠然としたイメージしかないので説明出来ないのか、
あるいはアグリは何か知っているが、ゴーカイジャーの面々にはそのことを教えるわけにはいかないので
曖昧な物言いになっているのか、この場面ではどちらなのか判然とはしません。

とにかくアグリは「だから・・・頑張ってくれ!」と言葉を続けます。
これもまた妙に漠然とした言葉ですが、
そこにはおそらくゴーカイジャーにこれからスーパー戦隊の力を使って人々を守って戦ってほしいという
願いが込められているのは間違いないでしょう。
それはアグリだけでなくゴセイジャーの皆の願いであり、
また、おそらく海城や番場など、あの白い空間に現れて「大いなる力」までも渡したレジェンド戦士たちが
ゴーカイジャーに期待していることでもあるはずです。

そのアグリの言葉を聞いて、つまりは地球を守ってほしいという話なのかと解釈したジョーは
不愛想にそっぽを向き、腕組みして「俺たちに・・・地球を守れと言われても困る・・・!」と言いました。
この星を守る価値を探しているジョー達は、確かに地球を守るために戦うこともある。
しかし、あくまで宝探しが最優先の自分達はスーパー戦隊とは違うとジョーは思っています。
アグリはスーパー戦隊の代わりに、スーパー戦隊のように地球を守ってほしいと言いたいのだろうが、
いくら何でも自分達にはスーパー戦隊と同じレベルで地球を守る使命感を持つことは出来ない。
それはいくら何でも買いかぶり過ぎだろうとジョーは少し困ったのでした。

それを聞いてゴセイナイトが小さくなった小型グランディオンヘッダーがジョーの横を飛びながら
「フフ・・・予想された答えだな!」と面白そうに言います。
ゴセイジャーの星を護るあれほどの強固な使命感を見せられた後、
いきなりゴセイジャーのレンジャーキーを返されて「俺たちの代わりに頑張れ」みたいなことを言われれば、
そりゃあ未だ地球を守る価値を模索中の宇宙海賊ゴーカイジャーは困るだろうと、
ゴセイナイトはむしろアグリの朴訥すぎる物言いに苦笑したのでした。

しかし実際はゴセイジャーの面々は自分達と同じことをゴーカイジャーに求めているわけではないようです。
そんな難しく考えることはない。
求めているのはシンプルなことでした。
モネは腕組みして背を向けてしまったジョーに近づき
「だって・・・貴方たちが良いと思ったものは・・・守るんでしょ?」とにこやかに問いかけます。
エリもジョーの背に使づいて「それでいいと思う!」とモネに同調しました。
ハイドも「変わった海賊だからなぁ・・・!」と言葉を続けます。

つまり、ゴセイジャーの面々がレンジャーキーを預けてゴーカイジャーに求めていることは、
自分達スーパー戦隊のように地球を守る使命を果たすというような堅いことではなく、
あくまでマーベラス一味がこれまで宇宙でやってきたような、ちょっと海賊らしくない、
自分達の損得に関係無く自分達が守りたいと思った者を守るという、
シンプルな自分なりの正義の追求をそのまま続けてくれればそれでいいというような感じらしい。

まぁ簡単に言えば、マーベラス一味はゴセイジャーのレンジャーキーを託されても、
これまで通り何も変わらなくていいということです。
そうゴセイジャーの面々が言い切るということは、
マーベラス一味に対して絶大の信頼を置いているということを意味します。

これを聞いてジョーも少々驚き、困った表情は無くなりますが、
逆にどうしてそこまでゴセイジャーが自分達を信用しようとするのかよく分からず戸惑って、
まだ皆に背を向けて黙ったままとなりますが、
その気持ちを代弁するようにルカが「いいのかなぁ?そんなにあたし達を信用して!」と
ニヤニヤしてモネやエリにからかうように問いかけます。
ルカはちょっと不真面目な態度をわざと見せて、本気でモネ達が自分達を信用しているのか試そうとしたのです。

しかしモネもエリもそれには全く動じず微笑み、
エリは「フフ・・・大丈夫!」と自信たっぷりに自分達のゴーカイジャーへの信頼感が固いことを示すと、
最後にふっと真面目な顔になって「・・・でも・・・もっともっと地球のことを好きになってくれると嬉しい・・・」と
付け足しました。

ゴセイジャーがスーパー戦隊の力を預けてゴーカイジャーに求めていることは、
どういうわけかスーパー戦隊のように地球を守ることではなく、
あくまでゴーカイジャーらしい変わり者の宇宙海賊の独自の正義の追求でいいようです。
そしてそれはゴセイジャーだけでなく、海城や番場など古参レジェンド戦隊の戦士たちも同じ考えであるようです。

それがどうしてなのか、どういう意義があることなのか、そのあたりはちょっと現時点では謎です。
ただ、そうしたスーパー戦隊を代表しても想いは想いとして、あくまでエリ個人的には別の想いもあるようです。
それはやはり、エリ自身が深く愛してゴセイピンクとして護ってきたこの地球のことを、
これからゴセイジャーの力を受け継ぐゴーカイジャーの皆も好きでいてくれると嬉しいという純粋な想いでした。

星を護る使命だとか、そこまで堅く重いものは背負わなくてもいいが、
やはりゴセイジャーの力を持つ者には地球を好きであってほしい。
そうしたエリの真情が少し漏れたのですが、それを聞いてハカセは
「好きだよ!僕・・・この星も、この星に住んでる人も・・・!」と無邪気に応えました。
アイムも笑顔で頷きます。

ハカセもアイムも地球に来て4ヶ月ほど経って、
どうも最近はシンプルに地球という星のことが気に入ってきていました。
それは守るべき価値とかそういう難しい話ではなく、
本当にごくささやかな日常の、面白いお店や美味しい食材など、
つまらないことでもお気に入りと思えるようなものでした。
ルカもジョーも、確かに難しい話は抜きにして、単に好きか嫌いかで言えば、確かに地球のことは嫌いではないと思い、
そんなことでいいのならばエリの要望には応えられそうだと思い、ニヤリと笑います。

それを見て、エリもモネもアグリもハイドも顔を見合わせて笑います。
エリもそんな難しい地球愛や人類愛などをいきなり求めたわけではない。
最初はそんなささやかな好意から始めてくれればいいのです。
きっとそれで上手くいくとエリ達は思い、安堵しました。

そうして皆が笑顔になると、ハカセは「それに・・・きっと・・・!」と言って斜め上方を向いて
船室の天井を笑顔で見上げます。
といってもハカセは天井を見たわけではなく、天井の向こう、その方向にある甲板上、
ガレオンの舳先の方をハカセは目で示したのでした。

ハカセは何時の間にかアラタと一緒に船室からいなくなっているマーベラスが
きっとお気に入りの舳先に行っているのだと分かっていたのです。
その舳先にいるマーベラスもまた、自分達と同じく、きっと地球のことを最近気に入っているに違いないと
ハカセはゴセイジャーの皆に言っているのです。

確かにマーベラスが舳先に立って見つめているのは、眼下に見える地球の町並みであり、
それを見つめるマーベラスの眼差しは実に優しい。
そもそもマーベラスがどうしてこの舳先が最近お気に入りの場所なのかというと、
ここから見下ろす地球の景色が実に心地よく、お気に入りだからなのでした。
その楽しげなマーベラスの後ろ姿をチラリと見て、アラタもマーベラスがきっと地球のことが好きなのだと思い、
嬉しそうに微笑みます。
船室の皆もマーベラスがきっと地球の景色を気に入って甲板から見下ろしているのだろうと思い、微笑みました。

そして飛び去っていくガレオンを地上から見上げ、
胸の前で拳を勢いよく叩いて気合いを入れる謎の銀色の戦士が一瞬登場します。
この銀色の戦士、ゴーカイジャーとスーツデザインが酷似しており、
胸にはゴーカイジャーと同じマークまで刻まれています。
要するに時系列的にはこの映画の次にあたる第17話で新登場する追加戦士のゴーカイシルバーが
ここで一瞬だけ先行登場したということですが、ここでは単なる謎の戦士というだけで終わっております。

そうして、ここで遂にこの映画のEDテーマが流れ始めます。
曲は「ゴーカイジャー」TV本編のEDテーマと同じく「スーパー戦隊ヒーローゲッター」ですが、
劇場版特別バージョンで、間奏やサビを一部省略して、34戦隊分を一気に紹介出来るようにしたバージョンです。

この劇場版エンディングは、歌詞の34戦隊紹介のそれぞれの部分で
ゴレンジャーからゴセイジャーまでの各スーパー戦隊が登場しますが、
よく見るとこれらは全部本物ではなく、ゴーカイジャー5人が多段変身した海賊版になっています。
そのため、追加戦士はおらず、ここで登場する海賊版全体は基本的にはみんな5人編成となっています。
ただ、バスコから奪ったばかりの追加戦士レンジャーキー以外で変身するフルメンバーが3人のサンバルカン、
同じく4人のアバレンジャーはそれぞれ3人、4人となっており、
余っているアイムやハカセは多段変身した他のメンバーと横でゴーカイジャーの格好で立っています。

すなわち、この部分で紹介されている戦士の数は合計で167人であり、
更にゴセイジャーの歌詞部分の後でゴーカイジャー5人の映像も流れますから、それも合わせると172人で、
これはマーベラス一味が第1話時点で地球に持参してきたレンジャーキーの総数172個に対応しています。

そして短めの間奏部分で短いカットを繋いで、
この映画で登場した海城剛、番場壮吉、黒田官平、青梅大五郎、郷史朗、立花レイ、炎力、
胡堂小梅、天火星・亮、谷千明、明石暁、梅盛源太、楼山早輝がそれぞれ変身後スーツ姿と一緒におどけている
「VSシリーズ」のOPやEDで恒例のカットが挿入されます。

そして、サビ前の短い間奏では、ここまでの各戦隊紹介部分では登場しなかった戦士たちが
短いカットで繋いで登場します。

まず、デカマスター、デカスワン、ウルザードファイヤー、マジマザー、姫シンケンレッド、
シグナルマン、黒騎士、リオ、メレ、ズバーンの10人の追加戦士が登場します。
この10人はこの映画では冒頭のレジェンド大戦の場面で遊撃隊として登場しただけで、
この10戦士のレンジャーキーはバスコが隠し持っているため、
ゴーカイジャー登場後の現代パートでは出番はありませんでしたが、
とにかく一応冒頭だけとはいえ出番はあったわけです。

そして続いてはゴセイナイト、ドラゴンレンジャー、キバレンジャー、タイムファイヤー、キングレンジャー、
メガシルバー、デカブレイク、ガオシルバー、シュリケンジャー、アバレキラー、ゴーオンシルバー、
ゴーオンゴールド、マジシャイン、シンケンゴールド、ボウケンシルバーの15人の追加戦士が登場します。
この第16話でバスコから奪った15個の追加戦士レンジャーキーに対応した戦士達のうち、
ゴセイナイトはゴセイジャーの一員としてこの映画では後半はずっと出続けていましたが、
その他の14戦士も他の最初に各戦隊紹介部分で紹介された戦士達と共にレジェンド大戦シーンや
召喚戦士としてゴーカイジャーやゴセイジャーと戦うシーンでも登場しました。

この番外戦士10人と追加戦士15人を、エンディングのここまでに出てきた172人に合わせると、
全部で197人の戦士となります。
そして続いてさっき本編ラストで一瞬だけ登場したゴーカイシルバーがここでも一瞬映り、これで198戦士、
そしてレジェンド大戦パートの中で1カットだけ登場したアカレッドがここで一瞬映り、
これで合計、この映画に登場した199戦士が紹介され、
「199ヒーロー大決戦」というタイトルに嘘偽りの無いことが再確認されます。

そして最後はサビ前で、アイムとエリ、ハカセとアグリ、ルカとモネ、ジョーとハイド、マーベラスとアラタという、
これも「VSシリーズ」のOPやEDで恒例の2つの戦隊の同系色戦士同士のペアのツーショットのカットを短く挿入した後、
サビは海を見つめるゴーカイジャー5人や、
ガレオン船室で戯れるゴーカイジャーとゴセイジャーの面々などのイメージショット、
そして35戦隊の巨大ロボやメカの総集合図、199戦士の総集合図などで締めとなります。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 22:18 | Comment(1) | ゴーカイジャー ゴセイジャー199ヒーロー大決戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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