2012年02月07日

第49話「宇宙最大の宝」感想その1

「海賊戦隊ゴーカイジャー」のクライマックス篇も5話のうち2話を前回で消化し、今回を含めて残り3話です。
クライマックス篇の前半2話はバスコとの決着篇の前後篇で、
一応は前回のラストでマーベラス一味が宿敵バスコを倒して一件落着しましたが、
今回はそこから直接繋がる、前回の後日談的なところから話が始まり、
今回のラストは完全に次回に繋がる終わり方、
そして次々回は最終話ですから次回と連続ストーリーになるのは確実で、
やはり最終5話はメインライター荒川氏による1つにまとまったクライマックス篇であったと言えます。

このクライマックス篇、これまでは割と単純に、
前半2話はバスコとの決着篇で、後半3話はザンギャックとの大決戦篇であろうと思っていました。

当初は、むしろバスコとの決着篇で「ゴーカイジャー」の物語のテーマ的には終わらせて、
最後の3話のザンギャックとの決戦篇はレジェンド総出演のお祭り企画になるのではないかとも思っていました。
確かにバスコ決着篇の第47話、第48話は最終回並のクオリティであり、
通常の作品なら十分あれが最終回でも通用したぐらいだと思います。
テーマ的にもかなり深く掘り下げられていました。
さりながら、「宇宙最大のお宝」の謎解きは残っており、ザンギャックとの決戦も残っているので、
最終3話は戦隊お祭り企画ではなく、ちゃんとゴーカイジャーの物語を締めるのだろうという予測もつきました。

しかし第47話、第48話があまりに素晴らしかったもので、
逆に最終3話には正直言ってあまり期待していませんでした。
一応、マーベラス達が遂に宇宙最大のお宝を手に入れて、ほぼ同時にザンギャックの大侵攻が始まり、
その猛威の前にマーベラス達は為す術が無く、宇宙最大のお宝がその戦いの勝利の切り札となる。
そして歴代戦士たちも復活して共闘し、ザンギャックを倒して平和を取り戻し、
最後はみんなでゴーカイジャーに感謝して終わるのだろうという、大まかな展開の予想をしていました。

基本的には地球の大ピンチに続々と立ち上がる伝説の戦士たち、
そしてゴーカイジャーが真のヒーローとして覚醒し、宇宙最大のお宝を使う・・・というような
燃えに燃える、アッパー系のお話です。
まぁ王道の中の王道であり、これは十分に面白いです。
お祭り企画作品の「ゴーカイジャー」の締めとしては、こういう終わり方が相応しいのかもしれません。
多分、こういう終わり方でも十分満足し、感動出来たと思います。

ただ、それに先立つ第47話と第48話が素晴らしすぎたので、
最終3話を王道的に盛り上げても、
相対的に第47話と第48話の方が面白かったという印象になってしまうのではないかと思い、
そういう意味で、最終3話はあまり期待していなかったのです。
どれだけ燃える最終篇を作っても、あのバスコ決着篇を超えるものにはならないだろう。
そのように思ってしまっていました。

しかし、どうやらこの作品をまだナメていたようで、お恥ずかしい限りです。
今回のエピソードを見て、あのバスコ決着篇ですら、最終3篇の前フリに過ぎなかったことが分かりました。
いや、大筋としては上記したような王道展開になるのでしょうけれど、
その中で進行するストーリーはもっと深く、
それはバスコ決着篇で提示されたテーマを応用拡大したものになるような気がします。
つまりバスコ決着篇が最終3篇の前に挿入された真の意味は、
バスコ決着篇が最終3篇のテーマ的な意味での雛形であったからなのではないかと思うのです。
そういう意味での「前フリ」です。

往々にして、最終話が盛り上がらず、その直前あたりのエピソードの方が盛り上がるという傾向がありますが、
これはどうしてなのかというと、
最終話はそこで物語が終わるわけですから、最初からバッドエンドというのは有り得ないからです。
むしろ確実にハッピーエンドで終わるのです。
だから、どんなに主人公側が究極に強いラスボスと絶望的な戦いを繰り広げていても、
見てる側としては「どうせ勝つんだろ」と思ってしまいます。

そうなれば、どんなに鮮やかな逆転劇を見せられても「はぁ、凄いねぇ」と感心はするが、
イマイチ話にのめり込めない部分があります。
そうなると「もうすぐ終わりかぁ」という寂しさなんかが先走ってしまって、
不完全燃焼で終わったりしてしまうのです。

その点、最終話直前ぐらいのエピソードの方が、何が起きるか分からないドキドキ感があって、
予定調和のつまらなさがあまり無い。
実際、最終話よりもストーリーの自由度が高いし、
次回に向けて強烈なヒキを見せるような締め方も出来るわけで、
クオリティ云々の話ではなく、やはり視聴者を引き込む魅力は
最終話よりもその直前のエピソードの方が上だったりします。

今回のバスコ決着篇があまりに良かったので、
これはまたいつものよくあるパターンで、最終3篇よりもこっちの方が盛り上がるのかもしれないとも思いました。
まぁ「ゴーカイジャー」の場合、レジェンド戦隊という飛び道具がありますから、
これを大盤振る舞いすれば「盛り上がり」だけならば最終3話がバスコ決着篇を超えることは出来るとも思いました。
しかし、それでもテーマ的な盛り上がりはバスコ決着篇がピークだったという
印象になるのではないかと危惧はしました。

しかし、そうではなく、最終3話はバスコ決着篇よりも目が離せない展開になりそうです。
それは、もしかしたらハッピーエンドにならないかもしれないからです。
予定調和でないので、目が離せません。
「どうせ勝つんだろ」という安心感が全く無いのです。
それはザンギャックの総力を上げた大侵略軍というラスボスが強大だからではありません。

確かにザンギャックも大したものです。
単純な物量作戦こそが実は最も恐ろしい。
だいたいラスボスのアクドス・ギルが前線で全然ゴーカイジャーと戦ってくれないのですから、
倒しにくさは第一級です。
もしかしたら、ある意味では歴代最強のラスボスかもしれません。
ザンギャックの印象の薄さも絡めて、リアルな軍事帝国というイメージを一貫したザンギャックこそ
最強のラスボスなのではないかという考察も何度かしてきました。

しかし、今回のエピソードを見た結果、これは微妙に外れであったような気がしてきました。
確かにザンギャックは最終3篇でゴーカイジャーが戦う最強の敵であることは事実でしょう。
しかしザンギャックは物語的な意味ではラスボスではないのかもしれない。
そう考えた方が、ザンギャックという敵組織がどうして妙に印象が薄く描かれたのかという
合理的な説明になるような気がします。

それでもザンギャックはワルズ・ギルが中心であった頃はまだ印象は濃かった。
ところがラスボスを飾るはずのアクドス・ギルが登場してからの方が印象が薄い。
明らかにアクドス・ギルが率いている方が強くなっているにもかかわらず、印象の方は薄くなっています。
普通はこういう場合、キャラ立ての失敗のように言われますが、
ザンギャックに関しては不思議とそういう印象は無い。

どうしてなのかというと、「ゴーカイジャー」という物語において、
ザンギャックが薄いことによる欠落感や不足感というものが何故か感じられないからです。
むしろ薄いザンギャックの方がしっくりきてしまう。
それは「レジェンド戦隊」という他の作品には無い特殊な要素があるせいだと思っていました。
レジェンド戦隊という濃い要素があるから、敵組織のザンギャックは薄くても不足感が無く、
むしろ濃くすると物語がゴチャゴチャしてしまう。
こういう考察は、どうやら半ば核心を突いていたようですが、
今回のエピソードを見たことによって、もっと突っ込んだ考察を出来るようになってきたようです。

つまり、この物語は最初からザンギャックをラスボスとして想定していなかったから、
ザンギャック、特にアクドス・ギルを薄く描写していたのではないかということです。
ザンギャックというのは意思を持った敵というよりも、巨大な災厄という印象なのです。
これは当初からなんとなく感じていたことであり、
アクドス・ギル登場以降はその印象を次第に強くしていったことなのですが、
宇宙の悪や苦しみや不幸の象徴のような存在がザンギャックであり、
そういう災厄にあまり陰陽のあるキャラクター性は不要なのかなという印象を受けていました。

つまり、最終3篇は「ゴーカイジャーVSザンギャック」の真っ向勝負を描くドラマなのではなく、
「ザンギャックという圧倒的な宇宙的災厄をゴーカイジャーがどうやって制するのか」という
人間ドラマであるようなのです。

そもそも、ゴーカイジャーは今回のエピソードで既に実質的にはザンギャックに勝ってしまっています。
ザンギャックに簡単に勝利する方法は既に手に入れています。
だから既にザンギャックはゴーカイジャーの敵ではない。
潰そうと思えばいつでも潰せるのです。
こんなものがラスボスであるはずはない。

しかし、ゴーカイジャーはその方法を使うことを躊躇するので、
ザンギャックの猛威を止めることは出来ません。
それは、その方法を使ってザンギャックを滅ぼすと、スーパー戦隊も消えてしまうからです。
しかしスーパー戦隊を犠牲にしなければ、ザンギャックという災厄を食い止めることは出来ず、
地球は滅んでしまうし、宇宙の不幸も終わらず、ゴーカイジャーも倒されてしまう。
どちらを選ぶべきなのか分からないし、ゴーカイジャーがどちらを選ぶのか、全く予想もつかない。

どちらを選んでもハッピーエンドとはいえない。
最終話までこんなノリで進むのなら、予定調和など全く無い、ハラハラドキドキの展開となります。
バスコ決着篇を超えるワクワク感というか、ハラハラ感があり、
しかもこの究極の選択が「何かを得るには何かを捨てなきゃ」という
バスコ決着篇のテーマに重なってきます。

というより、バスコ決着篇におけるそのテーマを
もっと究極の選択にして宇宙規模に拡大した形となっています。
だからバスコ決着篇が最終3篇の前フリであったのです。

となると、バスコ決着篇で、主人公のマーベラス一味はそのテーマにどういう解答を見出したのかというのが、
この最終3篇の行く末を予想するカギとなるのかもしれません。
前回の第48話、マーベラスは自分を捨ててみんなの夢を得ようとしたが、
サリーの形見のお守りによって、その自己犠牲は未遂に終わり、
何も捨てずにバスコに勝ってお宝を得てしまいました。
お蔭でマーベラスは何だかよく分かっていないような顔で立ち尽くし、バスコだけが何かを悟って死んでいきました。

そして今度はスーパー戦隊という犠牲を払わなければ
ザンギャックを倒して平和を得ることは出来ないという状況となり、
その選択権をマーベラス達が預かる羽目となってしまいます。
バスコとの戦いの時は自分を犠牲にする覚悟は固めたマーベラスですが、
今度は他人に犠牲を強いる立場に立たされてしまったのです。
しかしバスコとの戦いで自分の犠牲の意味すら最後は曖昧にされてしまって、
ハッキリした解答を得ていないマーベラスに他人の犠牲を強いる決断など出来るのか?
そのあたりが最終3篇の見所になっていくような気がします。

結局はマーベラス一味の決断によってザンギャックを制することは出来るわけで、
そのザンギャックの殲滅にストップをかけているのは、マーベラス達の心の中の躊躇です。
ならば、その躊躇こそがラスボスといえます。
その躊躇の原因となっているのは34のスーパー戦隊であり、宇宙最大のお宝です。
真のラスボスは「宇宙最大のお宝」であったのかもしれません。
いや、厳密には世界を改変するということそのもの、世界の秩序そのものがラスボスであり、
それに対峙するヒーローだからこそ、普通のヒーローではなく、
「海賊」という世界や秩序に対する反抗者がヒーローであったのかもしれません。

今回のエピソードは、一応はレジェンド回という扱いで、
バスコに奪われていたサンバルカン、チェンジマン、フラッシュマン、マスクマン、ファイブマンの
5つの戦隊の大いなる力を、前回バスコを倒してレンジャーキーを奪還したマーベラス達が
改めて受け取るという、「大いなる力」の引き継ぎパターンの原則をしっかりと押さえておくという
律儀な演出がまずあり、その際に各戦隊から1名ずつレジェンドゲストがビジョンで登場します。

ちなみに、これで映画も含めると、
マーベラス一味のメンバーが直接レジェンド戦士からの言葉を聞いて戦士の魂の交流をしていない戦隊は、
ジュウレンジャーただ1つとなったことになります。

さて今回は上記5戦隊のレジェンドゲストが登場したことを受けて、
戦闘シーンではこの5戦隊への多段変身、アクションが披露され、
他のレジェンド回の時のようにその5戦隊のOPテーマのインストバージョンがメドレーで流れるという、
いわば5戦隊まとめてのレジェンド回という扱いとなりました。
ここはかなり見応えがあります。

この戦闘の相手というのが今回はインサーンであり、
特攻をかけてきたインサーンに苦戦しながらもマーベラス達は返り討ちにします。
つまり今回はインサーン退場回でもあり、
敵幹部怪人に相応しい奮戦ぶりを見せたインサーンでしたが、
今回インサーン退場回であるドラマ的必然性はあまり無く、
インサーンの特攻に作戦上の合理性があったようにも思えません。
最終決戦開始直前にキャラ的に整理するために退場させたという印象です。

まぁつまり、最終決戦におけるザンギャック側の扱いというのが、
あくまで物量優先の無機質な災厄扱いであり、
むしろキャラが変に立っているインサーンはその中で使いにくいキャラなので、
最終決戦開始直前に派手に散らせてあげたのでしょう。
インサーンという個人としてのドラマ性が有るキャラを退場させたことによって、
純粋に災厄としてのザンギャックという存在が完成して、最終決戦を開始することが出来たともいえます。

そういうわけで今回のエピソードには「5戦隊レジェンド回」「インサーン退場回」という要素があるのですが、
これらは尺を結構使っている割には、最終篇全体の中ではあまり重要な意味は無く、
最終決戦開始のホントにホントの直前に、
最後の最後にやり残していた最終決戦関連以外の要素を急いでまとめて処理したというところなのでしょう。

よって、今回のエピソードで最終篇全体に掛かってくる意味で真に重要な要素は、
当然ながら「宇宙最大のお宝のゲット」と「ザンギャックの大侵攻の開始」の2つです。
最終篇のストーリーの軸は
「ザンギャックの大侵攻を食い止めるために宇宙最大のお宝の力を使うのか否か」ということになってくるからです。

この「宇宙最大のお宝」と「ザンギャックの大侵攻」という2つの要素が物語の舞台に上がってきたところで
今回のエピソードは終わっていますので、今回は最終篇の序章のようなもので、
ストーリー自体はまだ動きは静かで、大きく盛り上がるのは次回と次々回であるようです。
しかし、今回は特に「宇宙最大のお宝」に関しては非常に重要な示唆のあったエピソードでした。

この「ゴーカイジャー」という作品は、作品や物語を成り立たせるのにはかなり重要な設定であるにもかかわらず、
ストーリーを楽しむ分にはいちいち説明しなくても済むことは極力説明しないという、少し困った傾向があります。
例えばバスコなんて、結局は何者だったのか全然分からないまま退場してしまいました。
凄いのは、それでいて、しっかり面白いことであり、まさに絶妙のプロの仕事と言えます。
まぁ子供番組ならそれが当たり前なのかもしれませんが、
なかなかその当たり前が出来ていなかったりする番組も多いので、やはり偉いと思います。

が、それは普通に楽しんで観る分にはいいのですが、
考察ブログなんてやってる身としては、ちょっと困ってしまったりもします。
考察することが多いというもの難儀ですが、
もっと難儀なのは、ある説明不足の項目が今後の物語の中で説明されるのかされないのか、
サッパリ予測出来ないことです。
この作品、そんな要素がとても多かったです。

そして、今回、この最終盤になって、またもやトンデモない謎がいきなり出現してきて、
これはおそらくこの作品の場合、こんな大詰めですし、
まともに説明しないで面白くまとめてしまうんだろうなと想像出来ますので、
考察しておかないとこのまま投げっぱなしになる可能性大と思ったので、
ちょっと色々妄想的に考えてみたいと思います。

この最終盤に来て、ここから妄想大爆発です。
まともな本編のレビューのみ興味のある方は、次の「感想その2」は飛ばした方がいいでしょう。
では、さすがに予想が外れる可能性は大だと思いますが、開き直ってやってみたいと思います。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 16:06 | Comment(2) | 第49話「宇宙最大の宝」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第49話「宇宙最大の宝」感想その2

その今回飛び出してきたトンデモない謎とは、
「宇宙最大のお宝を使って願いを叶えるとスーパー戦隊の存在が消え去る」という不思議設定です。

「宇宙最大のお宝」というやつが単なる金銀財宝ではないというのは、まぁ一応物語当初から想像はしていました。
この手の物語で「お宝」と聞いてそのまますんなり誰もが連想するような
莫大な金銀財宝であったというオチになるはずはないからです。

「宇宙最大のお宝」の正体の当初の予想では、
王道的展開としては「ザンギャックを倒せる超パワーや超兵器のようなもの」、
ドラマチックなのは「ブラックホールのような超危険なものが封印してあった」、
冒険物語としてありがちなのは「つまらないものだった」「本当はそんなものは存在していなかった」、
一番やって欲しくない展開としては「みんなの笑顔」「仲間の絆」のような抽象的なもの、
まぁこういう予想でした。

これらは「宇宙最大のお宝」というネーミングを
単に「宇宙で一番ものすごい宝物」という意味で解釈していた結果の想像です。
それが第16話で「宇宙海賊の間で昔から言い伝えられていた伝説の宝」という事実が判明し、
そんなものがどうして地球に存在し、
しかも本当は地球の戦士であるアカレッドが宇宙海賊を名乗ってその在り処を探しているのか、
何だかよく分からなくなってきました。
しかもその地球では誰も「宇宙最大のお宝」の存在は知らず、何故か小津魁だけは知っていた。

また、第34話ではルカの回想シーンの中で、
海賊の伝説の「宇宙最大のお宝」は「宇宙全体と同じ価値がある」という言い伝えであることも分かりました。
それはなんとも壮大な話で、そうなると超兵器とか超パワー程度ではないようにも思えてきますし、
つまらないものであるとも思えない。
ただ、そんな遠い宇宙の彼方の海賊の間で言い伝えられていた古の伝説のお宝が
どうして地球のスーパー戦隊のレンジャーキーや大いなる力と関係があるのか、よく分からなくなってきます。

あるいは海賊の伝説の「宇宙最大のお宝」と、
アカレッドが探しているという「宇宙最大のお宝」は別の物であり、
伝説のお宝の方は本当にただの伝説であって実在しないという可能性もありました。
ただ、そうだとしても、本当は存在しない伝説のお宝のことを
劇中で「宇宙全体と同じ価値がある」という表現をわざわざする必要は無い。

というか、海賊の伝説のお宝の方が実在するかどうかというのは、
この物語においては実はどうでもいいことです。
マーベラス達が探しているお宝は、あくまでアカレッドが探していた方の「宇宙最大のお宝」の方だからです。

だから海賊の伝説のお宝に
第34話の段階で新たに「宇宙全体と同じ価値がある」という属性を付与する必要など無かった。
なのに、わざわざ伝説のお宝にそんな属性を付与したのは、
マーベラス達が目指している(アカレッドが探そうとしていた)地球にある「宇宙最大のお宝」が
「宇宙全体と同じ価値がある」ということを匂わせるための演出だったと考えられます。

ただ第34話の段階ではそれは分かりませんでした。
何故なら第34話が、ルカの夢が「宇宙全体を買い取ってザンギャックに家族を殺された子供の
平和に暮らせる世界を作る」ということだと判明したエピソードだったからです。
そのエピソードの文脈上、伝説のお宝は「宇宙全体と同じ価値のあるもの」である必要があった。
だから、そのエピソードの文脈を成り立たせるために伝説のお宝にそうした属性が付与されたのだと見えたからです。

しかし、その伝説に何の根拠も無いとなると、ルカの夢は実現不可能な滑稽なものとなってしまう。
それも物語としてはだらしない話なので、
やはり実際に地球に存在している「宇宙最大のお宝」は「宇宙全体と同じ価値をあるもの」でなければいけない。

このあたりは非常に微妙で、どっちとも解釈出来るところだったのですが、
前回の第48話、ナビィが「宇宙最大のお宝」への扉であり、
そのナビィが「永久機関」だという話が出てきた段階で、
やはり「宇宙最大のお宝」は「宇宙全体と同じ価値があるもの」である可能性が高いと思いました。
永久機関ということはダークエネルギーが関係している可能性があり、
それは宇宙創成のエネルギーに繋がるので、
ナビィという永久機関で動く扉の向こう側にある「宇宙最大のお宝」も同様にダークエネルギーに関係しており、
宇宙創成に関係する物体なのだろうと推測出来たからです。

もし宇宙を創ることが出来る物体であるならば、それは「宇宙全体と同じ価値のあるもの」となります。
そう考えると、そもそも「宇宙を創成し直すことが出来るもの」以外に
「宇宙全体と同じ価値のあるもの」は有り得ないとも思えます。

そしてもう1つ、第48話でほぼ確定したことは、
どうやら赤き海賊団時代のアカレッドは「宇宙最大のお宝」に関して
マーベラスとバスコに嘘をついていたらしいということです。
決闘前のマーベラスとバスコとの遣り取りで、
バスコだけでなくマーベラスまでアカレッドが嘘をついていたことを否定はせず、
そのままの流れでバスコが死んでしまった以上、
完全にバスコが勘違いしたまま終わってしまったという流れにはならないと思います。

おそらくアカレッドが「レンジャーキーを集めるためだけにマーベラスとバスコを使っていただけ」というのは
バスコの誤解ではあったのだろうと思いますが、
「ただ純粋に海賊伝説の宇宙最大のお宝を手に入れたいだけ」のマーベラスとバスコの本意とは別の目的のために、
その目的を隠したまま単なる古の作り話に過ぎない海賊伝説をエサにして2人を動かして
レンジャーキーを集めさせていたことは間違いないでしょう。

そのアカレッドの真の目的というのはよく分からないのですが、
その中には「地球に隠された宇宙創成の力を手に入れること」が含まれていたのであろうとは思います。
どうして地球にそんな大それた物があるのかというと、それはたまたまなのだろうと思えました。
たまたま隕石か何かで降ってきたのでしょう。
そして、この「宇宙創成の力」を発動させるためには34のスーパー戦隊の大いなる力が必要なのでしょう。

だからアカレッドはレジェンド大戦で宇宙に散らばったレンジャーキーを回収するために、
「宇宙創成の力」の扉であるナビィを伴って旅に出て、
レンジャーキー回収の後地球に戻って大いなる力を集めて、ナビィの扉を開いて
「宇宙創成の力」を発動させようとしたのでしょう。

ただ、34のスーパー戦隊の大いなる力と、宇宙創成の力は全くの別物であるはずです。
宇宙創成の力はあまりにスケールの大きなパワーであって、
たかだかスーパー戦隊の力を34個合わせたぐらいでそんな物と同質のものになるわけがない。
あくまで34の大いなる力はその呼び水のようなものに過ぎないと思えました。

第48話終了時点では、これぐらいまでしか推理することは出来ませんでした。
その時点で出てきた情報からの推理としては、これが最も合理的な結論であるとは思えましたが、
これだけではこの物語には全然説明のつかない点が山ほど残っていました。
というか、逆に謎は増えてしまいました。

どうしてレジェンド戦隊の皆は最初からレジェンド大戦の時に「宇宙創成の力」を使わなかったのか?
どうしてナビィはレンジャーキーや大いなる力の探査のナビゲートまで出来るのか?
宇宙創成の力を引き出すパワーは34の大いなる力以外でもよいのではないか?
たまたま宇宙創成の力が降ってきた地球に都合よくスーパー戦隊が生まれたのは出来過ぎた話ではないか?
アカレッドはどうして宇宙海賊を名乗ってマーベラスとバスコを仲間にしたのか?
どうしてアカレッドはゴーカイジャーという新しい戦隊のシステムまで作ったのか?
そもそもどうして宇宙創成の力などというイレギュラーな物が存在するのか?
オリジナル作品には存在しなかった「スーパー戦隊の大いなる力」とはいったい何なのか?

このように謎ばっかりなのですが、
そんな中、「宇宙最大のお宝」とアカレッドが勝手に呼んでいた地球に隠されたある物体の正体が今回遂に判明し、
マーベラス一味の手に入りました。
その物体を通してマーベラス達に語りかけた
モバイレーツやゴーカイセルラーの音声そっくりの声をした「地球の意思」なる存在が説明したところによれば、
それはやはり「宇宙を思い通りに作り替えることが出来る物体」、つまり宇宙創成の力だったのですが、
問題はそれを使って宇宙を作り替えると、34のスーパー戦隊まで消えてしまい、
その存在まで無かったことにされてしまうということでした。

これはなんとも奇妙な話です。
例えば「宇宙戦艦ヤマト」でも永久機関である波動エンジンを始動させるための補助エネルギーは
消費されれば無くなってしまい、再び発電で補助エネルギーを生み出しておかねば
波動エンジンの再始動が出来ないという設定でしたから、
この「宇宙最大のお宝」を動かして宇宙を作り替える際、
始動時の補助エネルギーとして使用された大いなる力やレンジャーキーが消滅してしまうとしても、
それはそんなに不自然なことではありません。

しかし、ここで「地球の意思」が言っているのは、
「34のスーパー戦隊が存在したという歴史そのものが無くなる」ということであり、
単なるエネルギー消費とは次元の違う話です。

「宇宙を作り替える」というのも、
ここで「地球の意思」は例えば「ザンギャックが存在しなかったことにする」と言っており、
今この宇宙に存在するザンギャックを一瞬で消し去るという話ではないようです。
単に地球の危機を救い宇宙を平和にするためには、
単に今この瞬間にザンギャックを消し去ってくれるだけでもいいのですが、
この「宇宙最大のお宝」なる物体は、歴史を根本的に変えることしか出来ないようなのです。
それ自体大したことではありますが、しかし意外と万能ではなく、ちょっと融通が利かない。
しかもどういうわけか34のスーパー戦隊の存在の歴史を消すことを伴わねば、
他の歴史改変が出来ないようなのです。

しかし本来、「宇宙を作り替える力」と「スーパー戦隊の大いなる力」は全く別物であったはずなのですが、
ここでは「スーパー戦隊」と「宇宙の創成」がまるで等価交換されるべきもののようになっているのは、
なんとも異様といえます。
これでは、「大いなる力」は単なる補助エネルギーではなく、
「スーパー戦隊」という存在そのものが宇宙の歴史改変の原動力そのものであるかのようです。

しかし、視点を変えて見てみれば、
たかだか宇宙の辺境の星に過ぎない地球のたった192人の戦士たちの存在を歴史から消し去るだけで、
宇宙全体の歴史を根本から変えてしまえるというのは、何とも異常といえます。
これでは宇宙の運命の方があまりにも軽々しい扱いです。
こんなことは普通は有り得ない。
この宇宙はどこか異常だといえます。

しかも、決定的に不自然なことは、
当初、「地球の意思」という存在は、この異常な条件を隠したまま
マーベラス達に歴史改変をさせようとしていたことです。
ハカセがその前にレンジャーキー空間で会話を交わしていたサンバルカンの
元バルイーグルの飛羽高之の言葉の端にあった不自然さに気付いて作業をストップさせたので
間一髪、未遂に終わりましたが、
あのまま作業を進めていればマーベラス達は事情も知らないまま
34のスーパー戦隊の存在した歴史そのものを消滅させていたはずです。
もちろんマーベラス達自身もスーパー戦隊の記憶を失うので、
自分達が彼らを消したことすら覚えておらず、まぁ一種の完全犯罪成立です。

そういうことを「地球の意思」はマーベラス達にさせようとしていました。
そして作業中止後、スーパー戦隊はどうなるのか問い詰めるマーベラス達に対して、
最初は「そんなことは気にしなくていい」などと言葉を濁して、
あくまでしらばっくれて歴史改変を続行させようとまでしていましたが、
本当の事を説明しなければマーベラス達が歴史改変をやりそうにないと悟って、
しぶしぶ「歴史改変を行えばスーパー戦隊の存在も歴史も消える」という事実を説明したのです。

これはつまり「地球の意思」が歴史の改変とスーパー戦隊の消滅を望んでいると考えるしかありません。
しかも地球のクセにセコい嘘までついているのです。
宇宙も異常ですが、地球も異常です。

つまり、この「ゴーカイジャー」という作品の物語世界はどこか異常なのです。
そりゃまぁ物語世界ですから、現実世界よりは異常であるのは当たり前なのですが、
それでも異常なところがありながらも、その物語世界の中ではその世界こそが現実なのであって、
とても大切なものであり、そう簡単に改変されてはいけないはずです。
しかし、この「ゴーカイジャー」という作品の物語世界は、かなり改変のハードルが低いように見えます。
まるで、むしろ改変される方が自然であるかのようで、世界が改変されることを望んでいるようです。
つまり本来あるべき世界が異常に歪んだ結果の世界が現状の世界なのであって、
改変されることで正常な世界に戻るかのようです。

もし、この「ゴーカイジャー」の物語世界がそのように異常であるとするなら、どこが異常なのか?
それは世界の改変の交換条件が34のスーパー戦隊の存在の消滅であるということから推測して、
34のスーパー戦隊の存在こそがこの世界を歪めている原因であるということになります。

そう言われれば、この世界は確かに今までのスーパー戦隊シリーズの34作品の物語世界とはだいぶ変わっています。
他の作品世界には悪の組織と戦う正義のスーパー戦隊は1つ(2〜3個ある作品もあったが)ずつでありましたが、
この「ゴーカイジャー」の作品世界には全部で35個ものスーパー戦隊が存在しているのです。
「ゴーカイジャー」という作品がそういう作品であることが今年の企画の大前提なので、
つい軽視してしまいがちですが、これはかなり物語世界内部的には異常なことです。

他の作品では、その物語世界の中で正義と悪の大規模な戦いが繰り広げられたのは特定の1年間だけであり、
その他の年というのは比較的世界は平穏であったはずです。
しかし「ゴーカイジャー」の物語世界は40年ぐらい前から毎年毎年、
正義と悪の激闘が繰り広げられてきたことになっています。

他の作品世界も「VSシリーズ」で繋がっているという意見もあるかもしれませんが、
あらゆる「VSシリーズ」をも呑み込んで1つの物語世界としたのは
「ゴーカイジャー」の作品世界のみにおける現象であって、
その他のシリーズ作品においては「VSシリーズ」は全部、番外編扱いであり
本編とは世界は繋がっていません。
本編と別に個別の数日間の戦いの記録である「VSシリーズ」の世界が存在しているだけのことです。

つまり、ひっきりなしに正義と悪の戦いが40年ほど続いてきたのは
「ゴーカイジャー」の物語世界だけなのです。
「199ヒーロー大決戦」映画でも元デカピンクのウメコが「倒しても倒しても、また新たな悪が現れる」と
絶望的に愚痴っていましたが、「デカレンジャー」の物語世界のウメコはああいうことは言わないでしょう。
あれは「デカレンジャー」のウメコではなく、あくまで「ゴーカイジャー」の物語世界の
2004年からずっと正義のために悪と闘い続け、
更に自分よりも前の30年以上もの先輩戦士たちの戦いをふまえたウメコの発言です。
つまり、どうもあのウメコと「デカレンジャー」のウメコとはパラレルな存在であるように思えるのです。

確かにこの「ゴーカイジャー」の物語世界のレジェンド戦士たちは、
シリーズ各作品の物語世界の同姓同名の戦士たちと似ているようで微妙に違う。
一番大きな違いは体内に「大いなる力」というものを宿している点です。
レンジャーキーはレジェンド大戦というイレギュラーな出来事によって生じたということで説明はつくのですが、
「大いなる力」はレジェンド大戦で生じたとは言い切れない。
何故ならレジェンド大戦に参加していないニンジャマンも体内に「大いなる力」を宿しており、
「大いなる力」というものの存在を普通に承知していたからです。

つまり、「ゴーカイジャー」の物語世界ではレジェンド戦士たちは
もともと体内に「大いなる力」というものを持っているのです。
しかし各オリジナル作品の物語世界の中に登場する戦士たちは「大いなる力」など持ってはいません。
そういう点で、やはりこの作品に出てくる戦士たちはオリジナル作品に出てくる
同名の戦士たちとはほぼ同一の存在でありながら、やはり微妙に違うパラレルな存在だといえます。

そして、今回「地球の意思」の言葉によって判明したのが、
この「ゴーカイジャー」物語世界におけるレジェンド戦士の最大の特徴である
「大いなる力」というものが消えると、その戦隊の存在も消滅し、
そんな戦隊は存在しなかったことになるということです。
つまり「大いなる力」というのは単純に巨大戦力なのではなく、
その戦隊をとりまく世界そのものの存在に関わるもののようなのです。

そういえば序盤から1つ不思議であったのは、
マジレンジャーのマジドラゴンのような魔法で作り出す巨大戦力ならば
マジレンジャーがレジェンド大戦の後、魔法が使えなくなったので同時に失われたというのは分かるのですが、
デカレンジャーのパトストライカーなどは普通に科学技術で作り直せるはずなのに
どうして使えなくなったのか不思議でした。

いや、そもそもデカレンジャーへの変身能力も
レジェンド大戦で変身能力が失われたといっても、またデカスーツを作り直せば問題は解決しそうであり、
仮にバンやジャスミン達オリジナルメンバーがデカスーツを着用出来ない身体になったとしても、
別の者にデカスーツを支給して新生デカレンジャーにすれば済む問題であるはずです。

それなのにレジェンド大戦以降、デカレンジャーもパトストライカーも消えたままであった。
デカレンジャー篇の時の考察では、レジェンド大戦時に失われた「戦う力」というのは
「物語の持つ力」そのものだったのではないか、などと考察しました。
あの頃は序盤だったので、あまり深く考えずあんなことを書き、
その後もそれを更に掘り下げることもしませんでしたが、案外あれが正解だったのかもしれません。

つまり、レンジャーキーに宿った「戦う力」と「大いなる力」というのは、
その戦隊の「物語世界を構築する力」そのものなのではないでしょうか。
もともと「戦う力」と「大いなる力」は1つの「物語世界を構築する力」にまとまって
34戦隊の各戦士の体内に存在したが、
レジェンド大戦時に戦士たちはこの自らの体内の「物語世界を構築する力」の半分を
「戦う力」として放出してザンギャック艦隊を撃滅したのでしょう。

その結果「戦う力」はレンジャーキーと化して宇宙に散らばり、
戦士たちは変身して戦うことは出来なくなり、
体内に残った「物語世界を構築する力」の残り半分である「大いなる力」を使いこなすことも出来なくなり、
31世紀世界の豪獣ドリルやマシンワールドのマッハルコンのような別世界に行ったきりのものを除いては
巨大戦力も姿を消したのでしょう。

ただ、宇宙に散ったとはいえ「戦う力」は消え去ったわけではなく、
戦士たちの体内には「大いなる力」も残った状態であったので、
スーパー戦隊の存在や記憶が消え去るということはなかった。

そしてマーベラス一味が「戦う力」の宿ったレンジャーキーを持って地球にやってくると、
その影響で巨大戦力も復活したが、
自分の意思を持つガオライオンや風雷丸のようなもの以外は姿を現さず、元素状で存在しており、
マーベラス一味が大いなる力をゲットしてからゴーカイオーのハッチから出現してきたのでしょう。

このようにレジェンド戦士たちはもともと自分の戦隊の「物語世界を構築する力」を
体内に宿していたと考えるのがこれまでの劇中描写を説明するには最も合理的であるように思えます。
そしてその「戦う力」と「大いなる力」が再び1つの「物語を構築する力」となって宿ったレンジャーキーが
34戦隊の全戦士分、192個が揃い、その力を使って歴史を改変することによって、
34の物語を構築する力は失われ、34のスーパー戦隊の物語も消滅し、無かったことになるということなのでしょう。

この考え方で「何故34戦隊のレンジャーキーを使って歴史改変を行った場合に
34のスーパー戦隊の存在の歴史が消えるのか?」という疑問には答えることは出来ます。
しかし、「何故34のスーパー戦隊の物語を構築する力を使えば歴史が改変出来るのか?」という疑問には
答えられません。

これに説明がつく考え方があるとすれば、
「34のスーパー戦隊の存在が世界を歪めているので、それを消し去ることで世界を正常に戻す」
という考え方でしょう。
その場合、世界は正常に戻るだけのことであって、
自由自在に自分の望んだように世界を変えられるわけではない。
しかし、34のスーパー戦隊の存在と引き換えに世界を変えられるとするなら、それ以外は考えられません。

では、その「正常な世界」とはどんな世界なのか?
いや、その前に、どうして34のスーパー戦隊が存在すると世界が異常になるのか考えなくてはいけません。
先ほど途中まで考察していたのは、この「ゴーカイジャー」の物語世界が他の物語世界と比べて異様であるのは、
40年ほど続けて毎年連続して正義と悪の激戦が繰り広げられているという点でした。

これは確かに異常です。
他の物語世界では起きていない、このような戦いの連鎖がどうしてこの物語世界では生じてしまったのか?
それは34のスーパー戦隊の戦士たちがそれぞれ体内に自分の戦隊の物語世界を構築する力を宿していることに、
その解答を見出すことが出来るでしょう。

どうして「ゴーカイジャー」の物語世界の住人であるはずの彼らが
別の物語世界を構築する力を体内に持っているのか?
それは彼らがもともとこの世界の住人ではないからです。

例えばこの物語に登場するゴレンジャーの5人は、
「秘密戦隊ゴレンジャー」の物語世界における1975年時点に生じた、
「ゴレンジャー」の本編そっくりのパラレルワールドが、
この「ゴーカイジャー」の物語世界の1975年に融合して、
「ゴーカイジャー」の物語世界の1975年から1977年にかけての歴史を
「ゴレンジャー」の物語世界の1975年から1977年にかけての歴史と同じようにしてしまった結果、
この世界で2年間戦い、
その後もこの世界が「ゴーカイジャー」の世界と「ゴレンジャー」の世界が融合したままであったので、
そのままこの世界で暮らし続けたのではないでしょうか。

そして「ゴレンジャー」の物語世界においては
1977年春にゴレンジャーが黒十字軍を倒して世界は平和になったのですが、
こちらの「ゴーカイジャー」の作品世界では1977年春にゴレンジャーが黒十字軍を倒した後、
今度は「ジャッカー電撃隊」の物語世界の1977年に生じた本編そっくりのパラレルワールドが
「ゴーカイジャー」と「ゴレンジャー」の物語世界が融合した物語世界に更に融合して、
ジャッカー電撃隊とクライムの戦いが繰り広げられることになったのではないでしょうか。

以下、そのようにして「ゴーカイジャー」の物語世界には順々に積み重なるようにして
34のスーパー戦隊の物語世界の本編そっくりのパラレルワールドが融合し続け、
毎年毎年、スーパー戦隊と悪の組織との戦いが繰り広げられることになったのではないかと仮定します。
そして、その世界の融合が34回目(VSシリーズなども含めれば更に多数)におよび、
そこで2011年初頭まで繰り広げられたゴセイジャーとブラジラとの戦いが終わった後、
遂にザンギャックというかつてない巨大な悪の侵略者が地球を襲ったのです。

同じクロスオーバー作品でも「仮面ライダーディケイド」は
1つの物語世界に複数の物語世界のライダーが登場したりはしません。
何故なら、「ディケイド」の物語世界の中には複数のライダー世界が存在しており、
それぞれのライダー世界にそれぞれの世界のライダーとその敵組織が存在し、
主人公のディケイドはそれぞれのライダー世界を旅をして巡るという形になっているからです。

まぁディケイドに同行する旅人ライダーとして、
もともとは「クウガの世界」のライダーであるクウガが他のライダー世界にも登場したり、
ディケイドが多段変身したり、ディエンドという別の旅人ライダーが召喚したりする形で
様々なライダーは登場しますが、基本的には複数の物語世界が融合したりはしていません。

そもそもディケイドがどうして複数のライダー世界を旅して回っているのかというと、
これらのライダー世界の融合によって世界が破滅するのを食い止めるためです。
「ディケイド」の物語は最後の方はメインライターの會川氏の降板などもあって
残念ながらワケの分からない形になってしまいましたが、
当初の構想では、「世界の融合を食い止めて世界を救う話」であったはずです。

「世界の融合」というのは、それほど危険なことなのです。
それがどういう意味で危険なことなのか、
「ディケイド」の第1話でヒロインの光夏海の住む世界を襲った出来事で描写されています。
それは9つのライダー世界が融合したことによって、
9つのライダー世界の悪の怪人たちの連合軍に世界が襲撃されるという出来事です。

ヒーローの物語世界というのは裏返せばヒーローと戦う悪の組織の物語世界でもあり、
世界が融合すれば悪の勢いもその分、増すのです。
この世界の破滅を食い止めるために、ディケイドに変身する門矢士は夏海と共に
世界の融合を阻止するための旅に出ます。

ただ「ディケイド」は話がここから妙にこんがらがってきて、
しかも結末は当初構想とはかけ離れたものになっていると思われるので
いちいち解説してると大変なのですが、
ごく簡単に言うと、世界の融合が進んだ原因はそれぞれのオリジナルのライダー世界から生じた
パラレルワールドに歪みが生じたのは原因であるようで、
融合しているのはパラレルワールドです。

士にライダー世界の旅をするように示唆したオリジナルの「仮面ライダーキバ」の世界の紅渡らしき男は
パラレルワールドの歪みの生じたライダー達を破壊してパラレルワールドを破壊するよう示唆しますが、
士はパラレルワールドのライダー達の歪みを修正してオリジナルと同じテーマを回復させることで
融合を食い止めようとし、その方針の食い違いが最後に大きな展開を生むという構想だったと思うのですが、
その構想は未完に終わったようです。

この「ディケイド」とは全く違う発想で作られたクロスオーバー作品が「ゴーカイジャー」であると、
今まで私もそう思ってきました。
確かに「ディケイド」は色々と反省点の多い作品であり、
「ゴーカイジャー」はその反省点を活かして違った切り口で作り上げた作品だと思います。

しかし、「ディケイド」という作品が
「クロスオーバー」ということに極めて真摯に向き合った作品であることは揺るぎない事実です。
唐突に複数作品のヒーローを共闘させてお茶を濁して終わり、というようないい加減な作品ではなく、
クロスオーバーそのものを世界の危機として描き、その危機を救うヒーローを主人公に据えたのです。
これはやはり高く評価されるべき姿勢であり、
これは実は「ゴーカイジャー」も影響を受けたのではないかと思います。
そもそも35作品の世界観を繋げた不自然な世界を描いて、
そのまますんなりと物語を終わらせるという方が不自然な気もします。

但し、「ゴーカイジャー」は「ディケイド」とはアプローチの仕方を変えたのではないかとも思います。
「ディケイド」は「複数世界の融合を阻止して世界を救う物語」でしたが、
「ゴーカイジャー」は「複数世界の融合した世界の危機を救う物語」なのではないでしょうか。

そして「ディケイド」の失敗の要因の1つに、
この世界の危機が融合によって生じたものであることを最初にネタばらししてしまったために、
その後の話が異様にややこしくなってしまったことが挙げられ、
それゆえか、「ゴーカイジャー」では、世界の融合そのものについては
もしかしたら最後まで触れずに終わらせるつもりかもしれません。

ただ単に世界の危機を救うためには(融合した)34戦隊の世界を消滅させるしかないという事実を提示すれば、
そこから先のドラマを動かすには十分と考えているような気がします。
世界の融合によって生じた危機は最終篇のドラマの出発点に過ぎず、
実はここからが一筋縄ではいかない展開なのであり、
すんなりとマーベラス達が34戦隊の存在を消して世界を救うはずがない。
そこのドラマを描くのが最終篇のドラマの主眼なのであり、
ドラマを動かすために必要な分以外の余分な設定などはいちいち説明しない。
そういうのが「ゴーカイジャー」という作品のやり方だと思います。
「ディケイド」の失敗はどうでもいいようなことまで妙に説明してしまったことです。

そういうわけで「ゴーカイジャー」においては、おそらく説明不足気味で終わる公算が大なのですが、
そもそもザンギャックという強大な悪が発生し、宇宙を支配するに至った原因は、
もともとのあるべき「ゴーカイジャー」の物語世界に、
34のスーパー戦隊シリーズ作品の物語世界の本物そっくりのパラレルワールドが融合した結果、
生じた歪みの影響なのではないかと思います。

34の戦隊世界が融合すれば、その分、34の悪の組織もこの世界に出現するわけで、
毎年毎年そんなことを繰り返していけば、世界は悪に満ちていくのは当然です。
特にスーパー戦隊は基本的に地球しか守りませんから、
地球だけはなんとか守り続けても、宇宙では年を追って融合する世界が積み重なるごとに
加速度的に悪が蔓延するようになっていき、
その歪みが遂には巨悪を生みだし、ザンギャックとなって宇宙を制覇するようになり、
遂には地球にも襲い掛かってきた、それがレジェンド大戦だったのではないでしょうか。

つまりザンギャックという宇宙的災厄を生み出したのは、
地球において本来は有り得るべきでない34のスーパー戦隊の世界の融合が進んだ影響であり、
ザンギャックを生み出したのは34のスーパー戦隊だとも言えます。
ならば34のスーパー戦隊の存在が最初から無かったことになれば、
ザンギャックも最初から存在しなかったことになり、歪みが修正された宇宙は平和になり、
ザンギャックによって不幸になった人々もその不幸は存在しなかったことになります。
歴史改変の交換条件が34のスーパー戦隊の存在をリセットすることというのは、そういう意味でしょう。

しかし、これでは「宇宙最大のお宝」を使っての歴史改変が
ザンギャックを消すこと関連に限定されてしまうではないかという疑問が生じるかもしれません。
しかし、実際のところ「宇宙最大のお宝」への歴史改変のお願いは
ザンギャックの消滅以外は有り得ないはずなのです。
つまり「何でも願いを叶える」と言いながら、そのたった1回のお願いは、
実質的にはザンギャック関連に限定されるように仕組まれているのです。
実際、「宇宙最大のお宝」を手に入れたマーベラス達は
「ザンギャックの存在しない平和な宇宙」を望みました。
これは偶然ではなく、仕組まれた必然だったとしか思えない。

つまり、「宇宙最大のお宝」まで辿り着くような者は、
自動的に「ザンギャックの存在しない平和な宇宙」を望むのです。
そういう者しか「宇宙最大のお宝」に辿り着けないようになっていると言っていい。
何故なら、「宇宙最大のお宝」に続く扉を開くためには34のスーパー戦隊の大いなる力が必要であり、
34のスーパー戦隊の大いなる力を得るためには
34のスーパー戦隊の精神と同じ精神を持った者でなければならないからです。

要約すれば34のスーパー戦隊と同じ精神を持った者だけが
「宇宙最大のお宝」を手にして願い事を言うことが出来るのです。
そういう者が今の宇宙や地球の現状をふまえた上で
「望みのままに宇宙を作り替えることが出来る願いを1回だけ叶えることが出来る」と言われれば、
「ザンギャックの存在しない平和な宇宙」という願いの他に選択肢があるとは思えません。

結局、最初に小津魁がマーベラス達に
「34のスーパー戦隊の大いなる力を引き出せば、きっと宇宙最大のお宝を手に入れることが出来るよ」と
言った時から、マーベラス達は「宇宙最大のお宝」に対して
「ザンギャックの存在しない平和な宇宙」を望むように仕向けられていたのです。

となると、この世界の小津魁は、
マーベラス達にその平和な宇宙の実現と引き換えに自分達の存在を消してくれるように
期待していたということにもなります。
いや、マーベラス達に出会った他のレジェンド戦士たちも、
マーベラス達が「宇宙最大のお宝」に辿り着けば自分達の存在が消えることは分かった上で
宇宙と地球の平和を願って「大いなる力」を託していたのではないでしょうか。

彼らは本当は全ての事情を知っていながら、
マーベラス達に「宇宙最大のお宝」に関してあらかじめ余計な情報を与えると、
最後に「宇宙最大のお宝」を手に入れた時にマーベラス達がスーパー戦隊に気を遣って、
すんなりと「宇宙最大のお宝」を使って「ザンギャックの存在しない平和な宇宙」という願い事を
してくれないかもしれないと危惧したのでしょう。
だから、あくまで自然体で何も事情は知らないような素振りでマーベラス達に接したのでしょう。
ところが最後の最後に元バルイーグルの飛羽の漏らしたちょっとした一言がハカセにヒントを与えてしまい、
レジェンド戦士たちの自分達を犠牲にして平和な宇宙を実現しようという計画は露見してしまったのでした。

実際、これまでのレジェンド回を見返してみると、
レジェンド戦士たちのセリフや表情などに妙に意味深なものが結構あり、
全体的に哀愁漂うものが多いのは、
マーベラス一味に大いなる力を渡すことが自分達の存在の消滅に繋がることが分かっているからであると
解釈し直せばしっくりくるところもあります。

例えば第7話ではゲキレンジャーの大いなる力を渡した後、
遠目にゴーカイオーを眺めて座るジャンに向かってシャーフーが
「よいのか?ジャン・・・まだお主に出来ることがあるのではないか?」と問いかけ、
ジャンが「・・・かもしんない。けど、あいつらは自分で変われるよ!
俺たちの魂は、ちゃあんと受け継がれてる・・・ズンズンだ!」と答えています。

第9話ではガオレンジャーの大いなる力を渡した後、
獅子走が「ガオライオン!海賊たちを上手くやってくれよ・・・」と空を見上げた後、
去って行く後ろ姿が妙に哀愁溢れるカットです。

第20話ではギンガマンの大いなる力を渡しながらヒュウガは
「今、スーパー戦隊の力は1つに集めておいた方がいい」と言った後、
鎧に「俺の分までこの星を守るんだろ?」と念押ししています。

第26話ではハリケンジャーの大いなる力を渡した後、
椎名鷹介がマーベラスに「この星はどうだ?」と問いかけ、
マーベラスが素直に「気に入ってる。宇宙最大のお宝がこの星にあって良かったと思ってる!」と答えると、
鷹介はマーベラスから少し目を逸らして笑顔で「・・・そうか!」と言っています。
これは、この星にあるものがマーベラスの思うようなものではないことを知っているからでしょう。

第28話ではジェットマンの大いなる力を渡した後、
結城凱が「分かってるな?・・・お前らが守る番だ・・・あの空を」と言っています。
そして第30話のライブマン篇では、大原丈が「過ちを繰り返すなよ」とジョーに言い、
ジョーが「あんたライブマンだったのか?」と問いかけると、
大原丈は正体がバレていることを知りながら「さぁな・・・」とあえて自分がライブマンだとは名乗りませんでした。
これはライブマンという存在がいずれ消え去ることを承知しているからでしょう。

第33話のダイレンジャー篇ではエピローグのギャグシーンの中で唐突に
亮が鎧に向かってシリアスに「いつまでも忘れるな・・・一番大切なことを・・・みんなを守りたいって想いを!」
と言っています。

そして第40話のタイムレンジャー篇に解釈を付け足すと、
ドモンはカクレンジャーの大いなる力を手に入れることが出来ずマーベラス達が世界をリセット出来なかった
21世紀の歴史を知っており、その場合、ザンギャックの侵略によって地球は大きな被害を受けるのでしょう。
それでも31世紀のドモンの時代が存在しているということは地球や人類は滅びるわけではないようですが、
かなりの被害を受けることも間違いないようで、また、宇宙にも悪がはびこったままなのかもしれません。

まぁ詳細はよく分かりません。
どうやって滅亡までは免れてザンギャックを撃退するのか、ザンギャックはどうなるのか等、
どっちにしてもすでにカクレンジャー篇の時点で消え去った歴史ですから詳しいことは知る必要はありません。
とにかくドモンはマーベラス達が34戦隊の大いなる力を揃えて世界をリセット出来るようになった歴史を
新たに作ろうとしたのでしょう。
もしマーベラス達が世界をリセットすればドモン達タイムレンジャーも存在が消えてしまうのですが、
それも覚悟してのことです。
但し、マーベラス達がリセット装置を手に入れて使わなかったとしても、
その時点で既にある程度歴史の流れは変わっているので、
そこから先の展開はドモンの知る歴史とはまた別の歴史というわけです。

そして第45話と第46話のカクレンジャー篇においては、
鶴姫はゴーカイジャーの力ならばザンギャックに勝てると普通に思っていたようで、
世界のリセットの必要性を感じていなかったようで、それで大いなる力を渡そうとしなかったようです。
ゴセイジャー、シンケンジャー、ゴーオンジャーあたりの比較的若い戦隊も、
マーベラス達を認めて大いなる力を渡した後は、
世界のリセットなどはせずに普通にゴーカイジャーの力でザンギャックに勝てると思っていたようで、
単に大いなる力は戦いに使う力として渡したようですが、
鶴姫の場合は、悪をリセットすることなく心の中で制するという隠流のポリシーに基づいて
リセットには反対していたのではないかと思います。

しかしレジェンド大戦を知らないニンジャマンが
もしマーベラス達を普通にカクレンジャーの後継者と認めたとしたなら、
マーベラス達は決して悪を安易にリセットするという解決法は取らないはずだと思い、
鶴姫はニンジャマンの判断に任せたのではないかと思います。

ニンジャマンはレジェンド大戦の話を聞き、いよいよ世界をリセットしなければいけない時が来たのかと思いますが、
当初はマーベラス達が信用できず、ゴチャゴチャ揉めている間に
マーベラス達がカクレンジャーと同じ精神を持っていることを知り、世界の運命を任せる決断をしたのでしょう。
その他、映画版も含めて、登場したほとんどのレジェンド戦士たちの態度をよく見れば、
世界のリセットの件はあらかじめ知っていると解釈することは出来ます。

さて、このように考えると、この地球の中心にあった「宇宙最大のお宝」というものの正体は、
地球を舞台にして生じた世界の融合の際に同時に地球の中心部に生まれた
「世界の融合をリセットする装置」なのであり、
何でも願いが叶うなどというのは「地球の意思」がマーベラス達についた嘘に過ぎないということになります。

34のスーパー戦隊の精神を受け継いだマーベラス達が「
ザンギャックの存在しない平和な宇宙」という願い事しか言わないことを見越して、
さっさと全てのレンジャーキーの中の「34の物語世界を構築する力」をそのリセット装置に注がせて、
34のスーパー戦隊の存在と、それによって生じたザンギャックを含む全ての災厄をリセットさせようとしたのです。

つまり、この装置をレンジャーキーの上にかざして意識を集中すれば、
願い事の内容は実際はどうでもいいのでしょう。
だいたい、今回、マーベラス達がその装置を宝箱の上にかざした時、
地球の意思は「心を1つにしろ」と言ったが、
マーベラス達の願い事は「ザンギャックの存在しない平和な宇宙」という点以外は皆細部ではバラバラであり、
心が1つになっていたとは言い難い。
地球の意思は単にマーベラス達に意識を集中させようとしていたように見えます。

おそらくあの装置を意識を集中しながら全てのレンジャーキーの上にかざせば、
34のスーパー戦隊の存在と、それによって生じたザンギャックを含む全ての災厄をリセットするのでしょう。
だから願い事の内容は実は全く関係ない。
例えば「私を全宇宙の支配者にしてください」などと願っても、その願いは叶わないのでしょう。

そもそも願いを叶える装置ではないのだと思います。
単なる世界の融合のリセット装置を「願いを叶える装置」だと偽っているのであり、
なぜ偽るのかというと、「世界の融合をリセットする装置」だなどと聞いて、
誰も喜んでそんな装置を発動などさせないからです。
つまりマーベラス達は危うく「地球の意思」やレジェンド戦士たちに騙されるところだったといえます。

ただマーベラス達はその装置の発動によって生じる
「ザンギャックの存在しない平和な宇宙」を願っているのですから、
それに関しては騙されたことにはならない。
一応願い事が叶った形にはなるわけです。

仮にバスコが「宇宙最大のお宝」まで辿り着いて「地球の意思」に乗せられて変な願い事を言ったとしたら、
単にバスコは騙されて世界の融合のリセットの手伝いをさせられただけという結果になったのでしょうけれど、
マーベラス達の場合は一応彼らの願い事と実際に生じる結果が合致するようになっているので、
「地球の意思」としてもあまり騙す罪悪感を感じないで済むという程度の違いがあるだけのことでしょう。
ただ、マーベラス達はスーパー戦隊の消滅は望んでいないので、
その点に関しては完全にペテンにかけられたという結果になったことでしょう。

ただ、よく分からないのが、
どうしてレジェンド戦士たちは自分でこの作業をしなかったのかという点です。

彼らは自分達の体内の「大いなる力」、すなわち「物語世界を構築する力」の存在を知っていることから考えて、
世界の融合のことも最初から知っていたと思われ、
自分達の世界がこの「ゴーカイジャー」の物語世界に融合した結果、
世界に歪みが生じて悪が蔓延しつつあることも、
地球の中心にあるリセット装置に自分達の体内の「物語世界を構築する力」を注いで
世界の融合をリセットすれば、自分達の世界が消滅して世界は元の正常な状態に戻るということも
認識していたのだろうと思います。

しかし、誤った歴史だからといって、それをリセットするのが正しい方法とは言えません。
世界の歪みによって生じた苦しい世界の中でもがいてきたのも、れっきとした世界の歴史なのであって、
その土台の上に立って人々は少しずつでも状況を良くしていくために前へ進んでいくしかない。
世界のリセットというのは、そのささやかな努力を否定する一種の傲慢と言えます。
誤った歴史もまた、かけがえのない人々の営みなのであって、
それを神の視座で勝手にリセットするのは傲慢です。
この世界のスーパー戦隊の戦士たちは各自そのように考えて、
自分達が原因で蔓延した悪を懸命に倒して世界を守ってきたのでしょう。

しかし世界の歪みは頂点に達してザンギャックという巨大な悪を生み、
それが宇宙を災厄で覆い、地球にも襲い掛かってきた時、
34戦隊は初めて総力を結集して迎え撃ちましたが、
ザンギャックの猛威の前には自分達の命と引き換えにしても地球を守ることが出来ず、
ましてや宇宙を覆う災厄に対処することも出来ないことを悟り、
遂に「物語世界を構築する力」の一部を放出して地球に侵攻してきたザンギャック艦隊は何とか撃破して、
地球への侵略だけは食い止めました。

しかしザンギャックが存在する限り、再び地球が襲われるのは必至であり、
宇宙を覆う災厄は全く解決されないままとなります。
確かに歪んだ世界であってもリセットは邪道です。
しかし目の前の惨劇に有効な対処をするために道の正しいとか邪道とか言っている場合でないのも確かです。

そこでスーパー戦隊の戦士たちの一部は世界の歪みの進行が予想以上となり、
自分達の努力では対処にも限界があると悟り、
世界をリセットして正常な状態に戻すよう提案したのでしょう。
しかし、自分達の存在が無かったこととなった、リセットされた後の世界で
正義のために戦う戦士が途絶えてしまうことを恐れたスーパー戦隊の戦士たちの一部がリセットに反対し、
このまま戦いを続けることを主張し、
スーパー戦隊はリセット賛成派とリセット反対派に分かれることとなったのでしょう。

そこで解決策として、まずスーパー戦隊の歴代レッド戦士の生み出した思念体であるアカレッドが
宇宙に散ったレンジャーキーを回収して地球に戻り、
地球において正義のヒーローに相応しい資質を持った若者たちを35番目のスーパー戦隊に選び、
レンジャーキーを託して34戦隊の能力を駆使して戦わせ、
更に彼らがそれぞれのスーパー戦隊の精神を理解したのを確認するたびに各戦隊が「大いなる力」を託していき、
最後は34の「物語世界を構築する力」を全て揃えた35番目の戦隊が世界をリセットすれば、
その後も彼らによってスーパー戦隊の正義の精神は引き継がれるという方法が考えられたのでしょう。

それでアカレッドは地球中心にあるリセット装置への扉であるナビィを伴い、
ナビィの扉への変形を発動させる場としてのガレオンに乗って旅をしてレンジャーキーを回収する傍ら、
35番目の戦隊用としてゴーカイジャーのレンジャーキーや変身機能付きモバイレーツを作ったのでしょう。

どうしてガレオンに乗ってナビィを伴っていたのかというと、
いつザンギャックの再侵攻によって地球が滅ぼされて
リセット自体が出来なくなってしまうか分からない状況であったので、
緊急時には35番目の戦隊が完成していなくてもアカレッドが強制的に
世界をリセット出来るような態勢は整えていたということでしょう。
だからアカレッドはまずはレンジャーキーの回収を急ぎ、
そしてまた、緊急時の世界のリセット時に抵抗する恐れのある戦隊から
強制的に「大いなる力」を回収するためのアイテムとしてラッパラッターを作ったのでしょう。

ところがアカレッドが航海中のバスコの裏切りなどの色々なトラブルの影響でいなくなってしまい、
運命の悪戯でマーベラス率いるお尋ね者の宇宙海賊の一味が
レンジャーキーを持ってナビィを伴いガレオンに乗って、
本人たちは無自覚なまま35番目の戦隊ゴーカイジャーとして地球に降り立ってしまい、
スーパー戦隊側はリセット賛成派もリセット反対派も
当初はあまりに予想外の宇宙海賊のマーベラス一味を自分達の精神の後継者とは認めなかったのでしょう。

しかし各戦隊はマーベラス一味の行動を観察していくうちに
彼らが自分達と同じ正義のヒーローの資質を持っていることを認めていき、「大いなる力」を渡していき、
マーベラス一味にリセット後の平和になった地球と宇宙の正義を守るヒーローの役目を託して、
自分達はザンギャックと共にマーベラス一味の手によってリセットされて消えることを望むようになったのでしょう。
これが34のスーパー戦隊の戦士たちが自分の手で世界をリセットせず、
マーベラス一味にリセットを託した理由ではないでしょうか。

ただ、この思惑通りにマーベラス一味を行動させるためには、
マーベラス一味を地球の中心にあるリセット装置に向かわせて、
その過程で34の「大いなる力」を集めさせなければならない。

普通にしていれば、宇宙海賊のマーベラス達がそんなことをする義理は無いのであって、
そもそも地球に立ち寄ることさえ無いはずです。
そこで、マーベラス達に地球中心にあるリセット装置のことを
宇宙海賊の伝説の「宇宙最大のお宝」だと信じ込ませて、
それを手に入れるために34の大いなる力が必要だと吹き込む必要があったのです。

だから第3話で小津魁はあのようなことを言ったのであり、
そもそもナビィが地球に「宇宙最大のお宝」があると言ったことからして、
マーベラス達を騙していたと言えます。
ただナビィ自身の意思で騙していたわけではなく、
あくまであれは「お宝ナビゲート」がマーベラス達を騙していたのです。

ナビィが宇宙の再構築に携わるリセット装置に連なる存在である以上、
リセット装置と同じようにナビィにも「地球の意思」の声を代弁する機能が備わっていると見ていい。
それが「お宝ナビゲート」だったのでしょう。
ただフルパワーで稼働していなかった状態のナビィの「お宝ナビゲート」はかなり精度が低く、
「地球の意思」によって見せられた曖昧なビジョンを解釈して喋ることしか出来なかったのでしょう。

もちろんレンジャーキーは世界の融合による歪みの発生源ともいえるスーパー戦隊戦士たちのパワーそのもですから、
リセット装置と対になった存在であり、
そこに宿る「地球の意思」は宇宙に散ったレンジャーキーの在り処は感知することが可能であり、
それをナビィを通じてアカレッドやマーベラスに教えていたのでしょう。

また、モバイレーツやゴーカイセルラー、ゴーカイガン、ゴーカイサーベル、
ゴーカイガレオンバスターなどの音声が「地球の意思」と同じ声であるのも、
これらの基本的な部品であるゴーカイシリンダーもまた
「地球の意思」によって作り出されたものであるからでしょう。

そうなると、ゴーカイガレオンも「地球の意思」に連なる存在であり、
そもそもこれらの多くを作ったと思われるアカレッドも「地球の意思」に連なる存在なのでしょうし、
ゴーカイセルラーを作った仲代壬琴、滝沢直人、ブライら殉職戦士たちも
「地球の意思」に一体化した存在なのかもしれません。

だいたい以上のような推理が出来るのですが、
しかしどうしても分からないのが、
アカレッドがどうしてマーベラスやバスコをレンジャーキー回収の仲間に加えたのかです。

バスコは、アカレッドが「宇宙最大のお宝」というエサで自分達を釣って
レンジャーキーの回収を手伝わせていただけだと思っていましたが、
しかしバスコはメシばかり作っており、マーベラスは未熟者であり、
2人ともその時点では大して戦力になっていたとは思えません。
ナビィさえいれば、いや、アカレッドも「地球の意思」に連なる存在であるのならば
アカレッド1人でもレンジャーキー回収は十分に出来たはずです。
だからアカレッドは単に手下として利用するためにマーベラスやバスコを仲間に誘ったわけではないはずです。

バスコの裏切りによってアカレッドの思惑が大幅な変更を余儀なくされたことは間違いなく、
赤き海賊団壊滅後、マーベラスが仲間を集めてゴーカイジャーとして地球に乗り込むことまで
最初からアカレッドが計画していたとは到底思えません。
ただ、赤き海賊団の壊滅事件の際にアカレッドがマーベラスを守って自ら死を選ぶ直前に、
レンジャーキーを託してマーベラスに「宇宙最大のお宝を手に入れろ」と言った時点には、
マーベラスに35番目の戦隊を組織して地球に行くことを期待し、
世界のリセットの判断を託そうとしていたのであろうとは思えます。

そもそも、このアカレッドの行動は不可解です。
マーベラスがアカレッドの奮戦の間にガレオンに乗って逃げられたぐらいなのですから、
アカレッドもマーベラスを助けさえしなければガレオンに乗って逃げられたはずなのです。
アカレッドの旅の目的が地球に戻って世界をリセットするための道具の1つである
レンジャーキーの回収のためだけであり、マーベラスはその回収作業のための手駒でしかないのだとしたら、
マーベラスなど見捨ててアカレッドは重大な使命を優先して、
再び散らばったレンジャーキーを回収して地球に向かうべきであって、
こんなところでマーベラスを庇って死んでいる場合ではないはずです。

つまり、明らかにアカレッドはマーベラスに何かを期待していたのです。
いや、裏切られる前まではバスコにも期待していたのであろうことから、
おそらくアカレッドが期待していたのは個人の資質ではなく、
「宇宙海賊」というものであったように思えます。
「宇宙海賊」に何かを期待していたからこそ、
アカレッド自ら「宇宙海賊」と名乗って、宇宙海賊を仲間に加えたように思えます。

その「宇宙海賊」にアカレッドが見出した可能性は、
アカレッドがレンジャーキー回収のために宇宙に航海に出た後で気付くようになったことなのでしょう。
最初から地球を出発する前から「宇宙海賊」への期待がスーパー戦隊の間で共有されていれば、
マーベラス達が地球に降り立った後のレジェンド戦士たちの拒絶的な反応は無いはずです。
だからアカレッドは航海の途中で心変わりして、
「宇宙海賊」というものに何らかの可能性を賭けてみてもいいと思えるようになっていたのではないかと思います。

それは、アカレッド自身が地球に戻って世界をリセットしたり、
地球人の若者たちに35番目の戦隊を託して世界をリセットさせる可能性を
アカレッドが自ら死を選ぶことで放棄して、
その代わりにわざわざ宇宙海賊のチンピラっぽい1人の若者の命を守り、
彼にレンジャーキーを託し、世界の運命の選択権を委ねることを選ぶほどのことです。

つまり、当たり前に世界をリセットするという結論を超えた何らかの方法で
世界を救ってくれそうな存在として
「宇宙海賊」にアカレッドは何かを期待したのです。

それが何なのか、ハッキリとは分かりません。
ただマーベラスを赤き海賊団に誘った時、
アカレッドが伝説の「宇宙最大のお宝」が実在すると信じるかどうかをマーベラスに選ばせていることから、
宇宙海賊の「夢を掴む力」にこの事態を突破する何らかの力を期待したのかもしれません。

そういえば第21話でアカレッドの意を受けてマーベラス一味のもとへやってきたらしき明石暁も、
危険回避のためにプレシャスを破壊しようとした明石に対して
マーベラスが「欲しいものはこの手で掴み取る」という海賊のポリシーを示して、
それを実行したのを受けて「グッジョブだ」と褒め、
後で1人になった時に「これでよかったんだろ?アカレッド」と呟いていました。

「何かを得るには何かを捨てなきゃ」というバスコのポリシーは実は世界の常識であり、
何かを得るには代償が必要です。
明石は危険を回避しようとしてプレシャスを捨てようとしたが、
マーベラスは危険を冒してプレシャスを得ようとし、結果的にマーベラスの方法の方が成功しました。

そう云えば、もう1人アカレッドと接触していそうな小津魁も
第3話でハカセが岩に押し潰されそうになっているマーベラスを助けるために崖を跳んで
落ちそうになったハカセを助けて「宝物ではなくて仲間のために勇気を出した」と評して認めました。

そして前回、第48話ではマーベラスは仲間みんなの夢を掴むために自分を捨てようとして戦い、
結果的に勝利しました。

この一連のマーベラス達の行動は自己犠牲によって夢を掴もうとするもののように見えますが、
この自己犠牲は夢を共有する仲間がいるからこそ可能になっており、
それゆえにこそ救われているようにも思えます。
詰まるところ、救いは「夢を掴むために集まった仲間の絆」にあり、
これは第38話のマーベラスの夢か幻かの場面で登場したアカレッドがマーベラスに諭した言葉であり、
ゴーカイジャーの大いなる力そのもののテーマでもあります。

だから、どうもこのあたりがアカレッドが宇宙海賊に期待したものであるような気はするのですが、
どうもまだハッキリと考えはまとまりません。
まだ今回はそこまで考えるのは早いのでしょう。

とにかく現状では、
「宇宙の歪みの原因である34戦隊を捨てて平和で正常な宇宙を実現する」というのが、
どう考えても正しい選択であり、世界のあるべき秩序であるように思えます。
しかし、そのどう考えても正しい秩序に抵抗する者がいるとしたら、
それが「欲しいものはこの手で奪い取る」と豪語するアウトローである海賊なのでしょう。

つまり、この物語のラスボスは「正常な世界秩序」なのであり、
これに抵抗して、世界を歪ませたまま救おうとする悪漢ヒーローがこの物語の主人公である海賊たちなのです。
しかし「欲しいものはこの手で奪い取る」と言うのは簡単だが、
世界の秩序に抵抗して34戦隊も救い、宇宙も平和にするとなると、
間違いなく大変な困難に直面し、危険が生じる。
そこを突破出来る可能性をアカレッドは海賊に見出したのでしょう。
この解決法の雛形というかヒントのようなものを先にあらかじめ描いておくために、
第47話、第48話のバスコ決着篇があったのではないかと思えるのです。

それを踏まえて、また、これまでの様々な出来事を踏まえて、
マーベラス達がこの最後の難問に対して出す解答こそが、本当の「宇宙最大のお宝」なのかもしれません。
アカレッドが死の間際にマーベラスに言い残した「必ず宇宙最大のお宝を手に入れろ」というセリフにおける
「宇宙最大のお宝」は、こんな世界のリセット装置などではなく、
アカレッドが希望を見出し、古来から宇宙海賊たちが夢見たという「宇宙最大のお宝」というものは、
また別に存在するのではないかという気がするのです。

以上、かなり妄想大爆発ですが、次回のエピソードが恐ろしく濃いみたいなので
こういう最後まで本編では触れられなさそうな設定に関する妄想は
今回のような舞台装置を引っ張り出してくるような軽めのエピソードの時にやっておこうと思った次第です。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 17:54 | Comment(0) | 第49話「宇宙最大の宝」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月08日

第49話「宇宙最大の宝」感想その3

では本編ですが、まず冒頭は前回のマーベラスとバスコの決闘の決着の場面の映像にかぶせて
「宿敵バスコとの死闘を制し、マーベラスは大いなる力の最後の5つを手に入れた・・・
今ここに、全ての大いなる力がゴーカイジャーのもとに揃ったのだ!」というナレーションが流れます。

つまり、前回、マーベラスが決闘でバスコを倒したことによって、
バスコに奪われていたガレオンとナビィと宝箱の192個のレンジャーキーを奪還し、
もともとそのうち29戦隊の169個のレンジャーキーには大いなる力が宿っていたのですが、
今回、バスコがガレオンを強奪していた間に残り23個のレンジャーキーにも
バスコがあらかじめ奪っていた5戦隊の大いなる力を入れていたので、
バスコの死後、マーベラス達がガレオンを奪還した時点で既に192個のレンジャーキー全てに
34戦隊全ての大いなる力が宿った状態になっていたのです。

そうなると、いよいよ「宇宙最大のお宝」を手に入れる条件が揃ったわけですから、
「宇宙最大のお宝」を手に入れる作業を開始するというところですが、
今回の本編映像が始まった時点では、船室内に集まっているマーベラス一味の面々は、
まだ「宇宙最大のお宝」は手に入れていないようです。

一同はソファーの周りに集まって何やら協議中のようで、
鎧が「・・・皆さん、そうは思いませんか?」と深刻な声で皆に何か同意を求めており、
厳しい顔で考え込む一同の中、ジョーが「・・・なるほど・・・確かにな・・・」と、鎧の意見に納得しているようです。

よく見るとそこに集まっているのは5人で、マーベラスだけはその場にいません。
マーベラスはボロボロの身体でバスコと決闘をして相討ち同然のギリギリの勝利を拾った形で、
自分で思いっきり剣で足を貫いたりして、もうムチャクチャしてましたから、
重傷で寝込んでいてもおかしくありません。

もしかしてマーベラスの容体が深刻で5人が暗い顔で相談しているのかもしれないとも思わせるシーンですが、
そこに下の階から階段を昇って「朝っぱらから何の相談だ・・・?」とマーベラスが登場します。
それを見てナビィが「マーベラス!」と驚き、
ハカセも「もう起きてきちゃったのぉ!?・・・傷口開いちゃうよ!」と呆れ顔です。
ナビィも「そうだよぉ〜!」と心配そうですが、
マーベラスは「バァ〜カ!宇宙最大のお宝を前にして、のんびり寝てられるかってんだよ!フン!」と、
少し右足を引きずりながら軽口を叩き、船長椅子までやって来て腰かけます。

どうも前回のバスコの決闘の後、ボロボロになったマーベラスはガレオンに戻って怪我の手当てを受けて、
さすがにその後ずっと寝込んでいたようで、この場面はその翌朝の場面のようです。
ようやく34の大いなる力が揃ったのですが、マーベラスがさすがに身体が限界であったので、
「宇宙最大のお宝」を手に入れるのはマーベラスが復活するまでお預けとなったわけです。
しかしマーベラスは一晩寝て、元気に起き上がってきたようです。
やはり「宇宙最大のお宝」を早く拝みたくてウズウズしているようです。

「フッ・・・それもそうだな・・・」とジョーも苦笑します。
念願のお宝を早く拝みたいという気持ちはジョーも同じですから、よく理解は出来ます。
「ま!・・・あんだけ食べて一眠りしたら大丈夫でしょ!」とルカも立ち上がります。
マーベラスはまた第12話の時のようにバカ喰いで怪我を早く治すという
少年マンガ的治療法で驚異の回復を遂げたようです。
まぁこのへんはリアリティはどうでもいいです。

とにかく元気になったマーベラスは「ああ・・・んじゃ、拝むとするか!宇宙最大のお宝を!」と
ものすごいドヤ顔でニヤリと意気込みます。
皆はマーベラスの怪我のせいで「宇宙最大のお宝」を手に入れるのを待っていたようなものですから、
マーベラスとしては自分が回復してきて、
これで皆も「宇宙最大のお宝」を拝めると思って大喜びだろうと思っています。

ところがマーベラスの意気込みを受けての5人のリアクションが非常に悪い。
何だかちょっと困った顔になっています。
「・・・そのことなのですが・・・」とアイムが立ち上がってマーベラスに何か言おうとしますが、
それを制するように鎧が口を開きます。
さっきから鎧が他の皆に意見していたことについて、皆が気にしていて、
マーベラスが意気込んで「宇宙最大のお宝」を拝もうとすることについて困っているようなので、
ここはやはり言いだしっぺの鎧自身がマーベラスに今の懸案の説明をすることにしたのでした。

鎧はソファー脇のテーブルの方をチラリと見ながら
「あの・・・今、話してたんですけど・・・これ、勝手に使っちゃっていいんでしょうか?」と、
マーベラスに向かって言います。
「ん・・・?」とマーベラスも鎧が見ているテーブルの上を見ますと、
そこにはレンジャーキーが並べてあります。
さっきから5人がソファーのあたりに集まって深刻な顔をしていたのは、
このテーブルの上のレンジャーキーについて話し合っていたからであるようです。

「この5つは・・・バスコが無理矢理奪ってきたものですから・・・」とアイムも口添えします。
そのテーブルの上に並べたレンジャーキーは、例のバスコが大いなる力を奪っていた5戦隊、
サンバルカン、チェンジマン、フラッシュマン、マスクマン、ファイブマンの合計23個のレンジャーキーでした。
それらが各戦隊別に分けて、テーブル上に並べてあるのです。

この5戦隊のレンジャーキーにバスコが自分の懐から出した大いなる力を入れていたのは、
ナビィが見て知っています。
正確にはナビィはバスコがその作業をしている間に身体を縛っていたロープを切って脱出したので、
そのバスコの作業を最後までは見ていないのですが、
マーベラスに倒された後、消滅したバスコの身体の跡からはジョー達から奪っていた
5つのゴーカイジャーのレンジャーキーが残されていただけで、
この5つの戦隊の大いなる力の珠は出てきませんでしたし、
ガレオンの何処にもそんな珠はありませんでしたから、
5つの戦隊の大いなる力もレンジャーキーに入れてある状態なのだろうと思われました。

しかし、そのレンジャーキーに入った5戦隊の大いなる力を
他の戦隊の大いなる力と同じように使って良いのだろうか?と鎧は疑問を呈しているようで、
他の4人もその鎧の言い分には納得しているようです。
「宇宙最大のお宝」を手に入れる作業に入る前にクリアしなければならない問題は
マーベラスの身体の回復ではなくて、こっちの5戦隊の大いなる力をどう扱うべきかという問題の方だったのです。
どうして、この5戦隊の大いなる力を使うのはマズいと鎧が言うのかというと、
この5戦隊の大いなる力はバスコがラッパラッターで無理矢理奪ったものだったからでした。

確かにラッパラッターで無理矢理奪った大いなる力であっても
「宇宙最大のお宝」を手に入れるために使うことは出来ます。
しかし、これまでマーベラス達は29個の大いなる力を、
ちゃんとそれぞれのスーパー戦隊の元戦士達から、
その戦隊のヒーローの精神を受け継ぐ資格のある者として認めてもらうことによって獲得してきました。
バスコのように無理矢理奪ったことなど一度もありません。
そのマーベラス達がこの5戦隊の大いなる力だけはバスコが置いていった物を拾ったようにして
そのまま使うというのでは、
バスコと一緒になって5戦隊から大いなる力を相手の意思を無視して奪ったようなものです。

そうした行為の良し悪し以前に、
その5戦隊だけが他の29戦隊と扱いが違うというのは、マーベラス達にとっては居心地の悪い気分でした。
34のスーパー戦隊は全て対等のはずで、扱いに差があるのは良くない。
出来れば、この5戦隊も元戦士たちによってマーベラス達がそのヒーローの精神の後継者として
相応しいと認めてもらった上で、改めて大いなる力を貰うのが望ましいといえます。

そういう鎧の意見は確かに説得力は有り、ジョー、ルカ、ハカセ、アイムも賛同していました。
要するに、5つの戦隊の元戦士たちに会って認めてもらってから、
晴れて「宇宙最大のお宝」をゲットすればいいというのが、
今まで寝室で寝ていたマーベラスを除く5人の総意なのですが、
一番「宇宙最大のお宝」を早く見たがっているであろうマーベラスがそれを快く思うだろうか、
皆少し心配だったのです。

別に「宇宙最大のお宝」は何処かに逃げていくわけでもないし、
もう競合者のバスコもいないのだから、ちょっとぐらい回り道してもいいじゃないかと5人は思っているのですが、
マーベラスはどう言うだろうかと、5人が固唾を呑んで見守る中、
マーベラスは船長椅子から立ち上がってテーブルに近づきます。

マーベラスも確かに言われてみればその通りだとは思いました。
他の29戦隊と同様、この5戦隊も元戦士たちと会って、
直接自分達がそのヒーローの精神の後継者だと認めてもらった上でないと、
大いなる力を勝手に使うのはどうも居心地が悪い。

しかし、いったい何処に行けば、この5戦隊の戦士に会えるのか?
既に大いなる力がここにある以上、ナビィのお宝ナビゲートも期待出来ないであろうし、
バスコのような緻密な調査能力も無いマーベラスは、
どうやって5つの戦隊の元戦士たちを見つければいいのか、ちょっと途方に暮れて、
テーブルの上の5つの戦隊の23個のレンジャーキーを思わず上から覗き込みます。

すると、その瞬間、テーブルの上の23個のレンジャーキーが突然、金色の閃光を発して、
テーブルを囲んでいたマーベラス、ジョー、ルカ、ハカセ、アイム、鎧の6人は閃光に驚いて
「ううっ!?」と呻きつつ、瞬時にその光に呑み込まれてしまったのでした。

次の瞬間、気が付くと6人は広い真っ白な空間に立っていました。
いや、とにかく真っ白すぎて広いのか狭いのかもよく分からない。
その白一色の空間の中に互いに自分以外には仲間5人だけがすぐ傍に立っているのが見える。
それだけの空間でした。

いきなりそんな空間に立たされて驚く6人でしたが、
特にその中で鎧の戸惑いが大きく、「・・・何が・・・どうなってんだ?」と、
この白い空間を大いに怪しんでキョロキョロします。
一方、マーベラス達5人はいきなりの展開に驚いてはいましたが、
この白い空間自体にはあまり驚いていない様子で、割と平然としています。
5人は以前にもこんな白い空間にいきなり放り込まれたことがあり、
よく考えたらあの時もレンジャーキーが突然金色に光ってから白い空間に立たされたことを想い出しました。

すると鎧が「うわぁ!?」と素っ頓狂な声を上げて前の方を指さします。
5人がその方向を見ると、白い空間に金色に光るレンジャーキーが浮かんでいます。
よく見ると、さっき光った5戦隊のレンジャーキーが各戦隊ごとに分かれて、浮かんでいるようです。
「これって・・・!」と唖然とした鎧は、横に立つジョーの腕を小突いて「どうなってんです?」と問いますが、
鎧以外の5人はもう完全に平然とした状態で澄ましています。

レンジャーキーが飛んでいるのを見て、
むしろ以前に経験した空間と全く同種の空間だということを確信して安心したのです。
それは、黒十字王との戦いの際に宝箱の中のレンジャーキーが突然光って、
その直後マーベラス達5人がゴセイジャーの6人と一緒に放り込まれた真っ白な空間と同じでした。
あの時は176個の大量のレンジャーキーが真っ白な空間に飛び交ってしましたから、
それに比べれば今回はレンジャーキーの数は23個とずいぶん少ないが、それでも基本的には同じ空間であり、
あの時はさすがに驚きましたが、今回はもう慣れています。

いや、鎧もこれとよく似た空間は実は経験済みなのです。
第19話でゴーオンウイングスキーを白い空間で作ったりしているはずなのですが、
あれは鎧は1人で白い空間に入っていったので、自分の妄想空間だと思っています。
だから、こんな風に他のメンバーと一緒に白い空間に入って、初めての経験のように思って驚いているのでした。
まぁしかし、この空間も一種の妄想空間とも言えるし、
逆にあの鎧の妄想空間がレンジャーキー空間の一種とも言えます。

しかし、真っ白な空間にレンジャーキーが飛び交う空間というのは、やはり鎧は未経験で、
マーベラス達は2度目ですから、マーベラス達の方が落ち着いており、
次に何が起こるのかも大体予想はついており、
その何かが起こると予想される前方の23個の浮かぶレンジャーキーに注目しています。

するとマーベラス達の予想通り、レンジャーキーに重なって、
白い空間に浮かんで5人の人間の顔が現れたのでした。
これも黒十字王との戦いの時と同じでしたのでマーベラス達は驚きはしませんが、
こんな経験は初めての鎧は当然「うわああああ!?」と腰を抜かさんばかりに驚いてのけぞります。

一方、その空間に浮かび上がった5人の顔を見てハカセは「あの人達は・・・!」と目を見張りました。
今回、テーブルの上にあった5つの戦隊のレンジャーキーが光って出現した白い空間の中で
現れたビジョンの人物は、やはり、あの5戦隊の元戦士なのだろうということが容易に想像出来たからでした。
その5戦隊の元戦士たちというのは、今まさにマーベラス達が会って認めてもらいたいと切望していた、
その相手であったのです。

その空間に浮かび上がった5人の人物の顔は、マーベラス達には初対面の人物ばかりであったが、
視聴者的には懐かしい顔です。
というか、懐かしすぎて、ちょっと面影がさすがに分かりにくくなっていますが、
この穏やかな笑顔で現れた5人は元フラッシュマンのグリーンフラッシュのダイ、
元チェンジマンのチェンジグリフォンの疾風翔、元ファイブマンのファイブイエローの星川レミ、
元マスクマンのブルーマスクのアキラ、元サンバルカンのバルイーグル(二代目)の飛羽高之でした。

ここでOPテーマとなります。
今回は冒頭でいきなりレジェンド戦士が5人も登場しましたから、
OPナレーションはもちろんレジェンド回バージョンです。
「地球の平和と人々の笑顔を守り続けてきた34のスーパー戦隊!
宇宙帝国ザンギャックとの戦いで失われた、その力を受け継いだのは、とんでもない奴らだった!」という、
このお馴染みとなったレジェンド回バージョンのナレーションも、
今回のエピソードの内容を踏まえて聞くと、なんだか感慨深いものがあります。

そしてOPテーマが終わり、CMが明けて、今回のサブタイトル「宇宙最大の宝」が出ます。
クライマックス篇は直球サブタイトルの連続です。
これは全く説明不要のサブタイトルと言えます。
今回、遂に「宇宙最大のお宝」が出現するわけです。
一応今回はレジェンド回なのですが、5戦隊合同レジェンド回のようなもので、
サブタイトルを該当戦隊のフォーマットに合わせるという感じにはなっていません。
まぁそもそも今回のサンバルカン、チェンジマン、フラッシュマン、マスクマン、ファイブマンの5戦隊は
全てサブタイトルに特定のフォーマットが無い戦隊ではありますが。

さて本編が再開し、マーベラス達6人が見つめる中、
白いレンジャーキー空間に出現した5人の元レジェンド戦士のビジョンは満足そうに微笑み、
その5人の真ん中の軍服を着た男が「ゴーカイジャー!よくここまで頑張った!」と口を開きます。
この軍服を着た男は太陽戦隊サンバルカンの元バルイーグルである飛羽高之です。
演じるのはもちろんオリジナル役者の五代高之氏です。

「太陽戦隊サンバルカン」は1982年度に放送されたスーパー戦隊シリーズの第5作ですが、
「ゴレンジャー」と「ジャッカー電撃隊」は当時は別枠の作品の扱いであり、実質的にはシリーズ3作目でした。
しかも第1作の「バトルフィーバーJ」は放送当時はもちろんシリーズ作品という認識で作っていたわけではなく、
あくまで単体のアメコミ風の集団ヒーロー作品であり、
その同じ放送枠の後番組としてゴレンジャー風のゴーグル付きのメットデザインの色分けヒーロー路線を
復活させたのが「デンジマン」であり、
その後を継いで同じ路線で世界観も同一にして作られたのが「サンバルカン」でした。

つまり「サンバルカン」から現在に繋がるような戦隊ヒーロー的な作品を
シリーズ化して継続していこうという動きが生じたのであり、
「サンバルカン」の放送時期あたりから「スーパー戦隊シリーズ」という呼称が生まれたと言われています。
つまり、スーパー戦隊シリーズが真の意味で「スーパー戦隊シリーズ」となった記念碑的作品であり、
シリーズにおいて非常に重要な作品といえます。

男だけの3人チームという意味でシリーズにおいては異色のように見えますが、
実はスーパー戦隊シリーズのフォーマットの多くが確立した先進的な作品であり、
現在から見ればスタンダードな要素が多く、普通にカッコよく見えます。
それゆえか、「ゴーカイジャー」の劇中でも古い戦隊の中では比較的多く、多段変身で使われている戦隊です。
当時も男児に大変人気の高かった作品で、シリーズの礎を築いた作品と言っていいでしょう。

このサンバルカンのレッド戦士に相当するのがバルイーグルです。
この作品はレッド戦士が途中で交代したというシリーズ唯一の作品であり、
バルイーグルには初代の大鷲龍介と2代目の飛羽高之の2人がいます。
この「ゴーカイジャー」ではレジェンド戦士はあくまでレジェンド大戦に参加した戦士たちのことを指し、
レジェンド大戦に参加したバルイーグルは1人であり、
それはおそらく初代からバルイーグルの称号を引き継いで戦いを終えた2代目の飛羽の方であろうと
想像していましたが、やはり予想通り、レジェンド戦士となっていたのは飛羽の方であったようです。

「サンバルカン」は29年前の作品であり、当時、飛羽を演じていた五代氏は26歳でしたが現在は55歳で、
現在に至るまで数多くのテレビドラマでご活躍中です。
ちなみにスーパー戦隊シリーズでは「カクレンジャー」で鶴姫の父親で敵の妖怪軍団の幹部の白面郎を演じておられ、
更に声優として怪人の声を演じられたこともあり、シリーズには縁の深い役者さんです。
そういう意味でも、また「サンバルカン」という作品のシリーズにおける重要度を考えても、
ここで5戦隊のセンターの一段高いところにレッド戦士の元バルイーグルの飛羽が位置しているのも納得といえます。

飛羽は「サンバルカン」劇中設定では25歳で、
レジェンド大戦後の数年分も合わせると「ゴーカイジャー」劇中ではそれから32〜33年ほどが経っていると思われ、
現在の飛羽は57〜58歳ぐらいで、レジェンド戦士の中では高齢の部類の最古参レジェンドのうちの1人です。
その飛羽の着ている紺色の軍服は、
「サンバルカン」の劇中で太陽戦隊の長官であった嵐山大三郎が着ていた高級軍人用の軍服と同じであり、
飛羽は太陽戦隊を所管する地球平和守備隊の幹部軍人になっているようです。

その飛羽のマーベラス達を褒める言葉に続いて、
黄色い私服の女性が「ずっと見てたわ・・・君たちも奇跡の絆で結ばれてるのね」と声をかけますが、
その顔にファイブイエローの変身後の姿がオーバーラップするので、
彼女が地球戦隊ファイブマンの元ファイブイエローの星川レミだということが分かります。

そういえば、このオーバーラップ演出も1年間、しっかり貫徹しましたね。
何てことはないことのようですが、大したことだと思います。
こういう細かい部分をしっかり作っていくことが「ゴーカイジャー」という作品を成り立たせていたと思います。

ちなみに、これまでの劇中描写を見る限り、
このオーバーラップは、少なくともレンジャーキー空間で出会った戦士の分に関しては、
マーベラス達にも見えているようです。
何故ならレンジャーキー空間では戦士たちは自分がどの戦隊のなんという名の戦士だとは、
いちいち名乗っていないのに、マーベラス達は大いなる力を受け取っており、
どの戦隊から受け取ったかもしっかり認識しているからです。
だから、ここでもレミの顔に一瞬ファイブイエローの姿がかぶさるのを見て、
マーベラス達は彼女が星川レミだということは知らずとも、
彼女がファイブマンの元ファイブイエローだということは認識しました。

そのレミを演じておられるのは、オリジナル役者の成嶋涼さんです。
1990年度のシリーズ第14作の「地球戦隊ファイブマン」でファイブイエロー・星川レミを演じた頃は
早瀬恵子という本名(旧姓)を芸名としておられました。
成嶋さんもまたスーパー戦隊シリーズに縁の深い役者さんで、
五代氏と共に「カクレンジャー」では敵の妖怪軍団の花のくのいち組のリーダー格のサクラ役も演じています。

現在はUSJのアトラクションで活動されておられるそうで、
21年前の作品の「ファイブマン」当時は19歳であった成嶋氏も現在は40歳ですが、十分お若く美しく見えます。
まぁ最近は40歳ぐらいで老ける人はほとんどいませんが、やはり身体をずっと鍛えてる人は一際老けないようです。

「ファイブマン」の劇中でのレミは20歳の若い小学校の音楽教師で、
たぶん短大卒業で2種教員免許を取得したという設定だったのでしょう。
現在の「ゴーカイジャー」登場時のレミの年齢は43〜44歳ぐらいと思われ、
さっぱりした黄色のカーディガンを羽織った姿からすると現在もどこかの小学校で
優しいベテラン教員をしているような風情で、「ファイブマン」当時のレミ先生の雰囲気が残っています。

ここでレミが言っているセリフの「奇跡の絆で結ばれてる」というのは、
「ファイブマン」のOPテーマのBメロの歌詞「奇跡の絆で結ばれた〜」からとったものであり、
この「ゴーカイジャー」の劇中のセリフとしてはあまり意味は無いと考えた方がいいでしょう。
まぁ一種の御本人と往年のファン向けのサービスセリフであり、
一応ゴーカイジャーも絆で結ばれた戦隊ですから、言ってることは別におかしなことではありませんが、
深い意味は無いセリフです。

このレミのセリフをルカがじっとレミの顔を見て聞いている顔がアップで映りますが、
このセリフとルカのキャラとが何か特に関係が深いわけでもありません。
ただ、後の戦闘シーンでルカがファイブイエローに変身して戦うので、
レミのセリフを聞くのがルカであるように、ここでは描写されているのです。

今回、他の4人のレジェンド戦士も同様の扱いとなっており、
セリフは各作品のOPテーマの歌詞のもじりで、
セリフを聞く相手のゴーカイジャーのメンバーが後の戦闘シーンでその戦士に変身するという構成になっています。

セリフが意味があまり無く、各作品OPテーマの歌詞というのは、
一見テキトーなことをしているようにも見えますが、
尺的な関係で各自一言ぐらいしかセリフが割り当てられていない状況で
中途半端に内容のあることを言わせようとしても、逆に無意味な感じになってしまうので、
いっそ歌詞引用で個性を出すのは正解だと思います。

その一方で、後の戦闘シーンの多段変身に繋げて、
ペアになるゴーカイジャーの5人とこのレジェンド5人をちゃんと対応させているのは、やはり巧いし、
この作品の構成のしっかりしたところだと思います。

バスコに大いなる力を奪われた戦隊の数が5つであったのは、
ここで戦隊の基本人数である5人で混成レジェンド戦隊を作り、
マーベラス達にその混成戦隊に多段変身させる演出に繋げるためだったとは、なかなか凄いです。
まさかこういう凝った演出をこの最終盤に持ってくるとは予想していませんでした。
ホントにこの作品は「歴代戦隊への多段変身」という変則技の面白味を見事に使い切ったと思います。
良い意味で「遊び尽くした」と言っていいでしょう。

しかし、このレジェンド混成戦隊はよく出来たものだと思います。
他のレジェンド回はドラマの必然性で消費していき、残った戦隊がこの5つであったとして、
この5戦隊からパーソナルカラーが重複しないようにレジェンド戦士を登場させるといっても、
何せ古い作品が多いのでオリジナル役者の方々の出演の都合が色の都合に合わせて上手くつくとは限らない。
俳優業を引退されている人も多かったりするのですから、それは大変だったろうと思います。

理想を言えば、ゴーカイジャーの鎧を除く5人の色構成である「赤青黄緑桃」に合わせた
レジェンド混成戦隊を登場させたかったところでしょうが、
さすがにそこまでピッタリ合わすことは出来ず、
「サンバルカン=バルイーグル=赤=マーベラス」
「マスクマン=ブルーマスク=青=ジョー」
「ファイブマン=ファイブイエロー=黄=ルカ」
「フラッシュマン=グリーンフラッシュ=緑=アイム」
「チェンジマン=チェンジグリフォン=黒=ハカセ」という照応関係になったようです。
いやまぁ、諸条件を考えれば、ここまで出来れば天晴というべきでしょう。

ただ一点だけ不可解なのは、ハカセとアイムが普段の担当色が逆になっていることですが、
これは第43話でオールグリーン戦隊をやった時にグリーンフラッシュのハイレグ仕様の
女戦士バージョン衣装を作っていた関係でしょう。
あれがあるのですから、あれを再利用した方がわざわざチェンジグリフォンのハイレグ仕様を作るよりも
安上がりという、極めて大人の事情の判断と思われます。
まぁ桃と緑を入れ替えしたわけじゃないし、黒と緑の入れ替えならば、
第42話でハカセがリオ(黒)に変身し、アイムがメレ(緑)に変身した時に既に前例があるので、
いいんじゃないかと思います。

そういうわけで、続いて口を開いたのは赤い拳法の道着のようなものを着た男でしたが、
この男の顔に光戦隊マスクマンのブルーマスクの変身後の姿が一瞬重なりますので、
この男が元ブルーマスクのアキラだということが分かります。
というか、アキラ、青の戦士なのに赤い服着てるのはちょっとおかしい。

まぁ演じておられるのはオリジナル役者の広田一成氏で、
広田氏は現在は俳優業は引退されており、武術選手として活動されているので、
今回は特別に出ていただいたわけで、
おそらく道着も自前のもので、青が無かったのでしょう。

1987年度のシリーズ第11作「光戦隊マスクマン」主演時は17歳であった広田氏は現在42歳で、
現在は俳優ではなく武術選手であることもあってか、だいぶ風貌は違っています。
24年前の作品である「マスクマン」劇中のアキラも16歳の武術家という設定でしたから、
現在のアキラは43〜44歳の武術家という、まぁ広田氏のプライベートのまんまのような設定のようです。

ここのアキラのセリフは「自分を、仲間を信じて戦う君たちは、美しかった」というものですが、
「マスクマン」OPテーマのサビの最後の歌詞「戦う君は美しい〜」というフレーズをもじっているようです。
このアキラのセリフを聞く顔がアップで映るのは同じ青の戦士のジョーです。

そして次に口を開いた緑色のワイルドな感じの出で立ちをした男の顔には
超新星フラッシュマンのグリーンクラッシュの変身後の姿が一瞬重なり、
この男が元グリーンフラッシュのダイだと分かります。
ダイを演じておられるのはオリジナル役者の植村喜八郎氏で、
植村氏も悪役としてもシリーズ出演経歴があり、「ファイブマン」のシュバリエ役が有名です。

1986年度のシリーズ第10作「超新星フラッシュマン」でダイを演じた時は21歳であった植村氏は現在47歳で、
現在は舞台や声優としての多彩に活動されています。
25年前の作品である「フラッシュマン」の劇中設定年齢が22歳であったダイは
現在は50〜51歳ぐらいの設定のようです。

フラッシュマンといえば、異星で育った地球人という設定で、
地球環境に適応できず反フラッシュ現象という体調不良を起こし、
そのままでは死んでしまうので最終話で地球から去っていったのが印象的で、
その後、地球に戻ってくることが出来たのか疑問だったのですが、
こうして地球人っぽい服装でレンジャーキー空間に現れているということは、
フラッシュマンのメンバーはフラッシュ星の科学力で反フラッシュ現象を克服して、
何年後かには地球に戻ってくることが出来たのではないかと思います。

その後は各自、レジェンド大戦までは地球で平穏に暮らしていたのでありましょう。
ダイが地球に戻ってから何をしていたのかは不明だが、
ボクシングに興味を持っていたので、ボクサーにでもなっていたのかもしれません。

そのダイのセリフは「何かを言う前にぶつかっていくその姿、カッコ良かったぜ!」というもので、
これは「フラッシュマン」OPテーマのサビの
「フラッシュ×4 何かを言う前に クラッシュ×4 ぶつかるのさ」のもじりです。
このセリフを微笑んで聞くのはアイムです。

そして次に口を開いた黒い上着に赤マフラーの男の顔には
電撃戦隊チェンジマンのチェンジグリフォンの変身後の姿が一瞬重なりますから、
この男は元チェンジグリフォンの疾風翔だと分かります。
翔を演じておられるのはオリジナル役者の和興氏で、
1985年度のシリーズ第9作「電撃戦隊チェンジマン」で疾風翔を演じた時は河合宏という芸名でした。
「チェンジマン」当時は24歳だった和興氏は現在は51歳で、Vシネマ等で活躍されています。

26年前の作品である「チェンジマン」の劇中設定で23歳の地球守備隊の若き将校であった翔も、
現在は52〜53歳ぐらいで、
この黒ジャケットに赤マフラーという、いかにもキザ男風の格好は、
まさに「チェンジマン」劇中で残念なイケメンであった翔が好んでいた服装であり、
相変わらずのダメ男のように見えますが、
しかし落ち着いた佇まいから察するに、普段の翔は地球守備隊の幹部にまで出世していると思うことにします。

なお、第31話のオーレンジャー篇の冒頭でウルザードファイヤー召喚体に斬られた挙句、
バスコに大いなる力を奪われた地球守備隊の制服を着た男が登場しましたが、
もちろんあのシーンは和興氏が演じていたわけではないが、シルエットが疾風翔に似ていたので、
あれはおそらく翔だと思われ、まぁ死んでなくてホッとしました。
思ったより軽傷だったようで、今は回復して元気そうです。

なお、この翔はおそらくチェンジマンの大いなる力をバスコに奪われた当人でしょうけれど、
他の飛羽、レミ、アキラ、ダイに関しては、
この当人たちが大いなる力を奪われた当人たちなのかどうかは不明です。
なんだかバスコに大いなる力を奪われるという災難にあって、
しかもこんな白い空間に出現して笑っているので、この5人がすでに死んでいるようにも見えてしまうが
実際は死んではいないはずです。生者がテレパシーのような感じでマーベラス達に話しかけているのでしょう。

ここでの翔のセリフは「お前らが、俺たちのハートを燃え上がらせたってことさ」というものですが、
これは「チェンジマン」OPテーマの冒頭の歌詞「ハートに火が点くぜ、燃え上がるぜ〜」をもじったものでしょう。
この翔の言葉を聞いて喜びの表情がアップで映るのがハカセで、
続いて鎧が勢い込んで「・・・じゃあ!?」と尋ねると、
再び中央の元バルイーグルの飛羽が「俺たちの大いなる力・・・受け取るがいい!」と言います。

この時、飛羽の顔にバルイーグルの変身後の姿が一瞬重なり、
その姿を見つめるマーベラスがアップで映り、
飛羽の言葉と同時にそのマーベラスや他のメンバーに向けて金色の閃光がまた注がれます。
思わず6人が光から目を逸らすと、
その直後、マーベラスの手には何時の間にかサンバルカンの3個のレンジャーキーが握られており、
その3個のレンジャーキーがキラリと光を放ちます。

同様にジョーの手にはマスクマンの5個のレンジャーキーが握られて光を放ち、
ルカの手にはファイブマンの5個のレンジャーキーが握られて光を放ち、
ハカセの手にはチェンジマンの5個のレンジャーキーが握られて光を放ち、
アイムの手にはフラッシュマンの5個のレンジャーキーが握られて光を放ちます。

これにはさすがに驚く6人に対して、
飛羽は「ゴーカイジャー・・・太陽のように輝いて生きろ・・・俺たちの分までな・・・」と言い残し、
レミ、アキラ、ダイ、翔の4人と共に白い空間に溶けこむように姿を消します。
なお、この飛羽のセリフはサンバルカンOPテーマの2番の「俺たちも輝いて生きようぜ」のもじりであるようです。

そうして5人のレジェンド戦士の姿が消えた白い空間を驚いて見つめるマーベラス達6人を
次の瞬間、白い光が包み込み、驚いて6人が目を閉じ、
次に目を開くと、6人は元のガレオンの船室の中に立っていました。

呆然として船室に立ち尽くすマーベラス達に、鎧が慌てふためいて
「・・・今の見ました・・・?」と確認するように問いかけます。
鎧はいつものように自分だけが見ている妄想空間に、
たまたまマーベラス達の妄想まで登場しただけかもしれないと一抹の疑問が残っているようで、
「妄想じゃ・・・妄想じゃないですよねぇ!?」と必死でマーベラスやジョーに確認します。

それに対してジョーが「ああ・・・!」と確信をもって答えます。
ジョーの手にはさっきのレンジャーキー空間で握らされたマスクマンの5個のレンジャーキーが
あのまま握らされた状態で残っており、さっきレンジャーキー空間で見たのと同じように光を放っていたからです。
そのマスクマンのレンジャーキーを見ながら
「認められたんだ・・・この5つのスーパー戦隊にも・・・!」と感慨深く呟くジョーと同じく、
マーベラス、ルカ、ハカセ、アイムの手の中にも、さっきと同じく、
サンバルカン、ファイブマン、チェンジマン、フラッシュマンのレンジャーキーが光を放っていました。

つまり、テーブルの上にあった5戦隊23個のレンジャーキーが作り出したレンジャーキー空間の中で、
5戦隊の大いなる力は一旦元の持ち主である飛羽、レミ、アキラ、ダイ、翔のもとに戻り、
その後、改めて飛羽からマーベラスにサンバルカンの大いなる力が、
アキラからジョーにマスクマンの大いなる力が、
レミからルカにファイブマンの大いなる力が、
翔からハカセにチェンジマンの大いなる力が、
ダイからアイムにフラッシュマンの大いなる力が渡されたのです。

それは、彼らが言っていたように、マーベラス達を自分達の力を受け継ぐ資格のあるヒーローだと認めたからでした。
ただ、彼らがマーベラス達のどういう点を自分達の精神との一致点として認めたのかについては、よく分かりません。
何せ通常のレジェンド回のように、マーベラス一味の誰かとの間で
ちゃんとドラマ仕立てになった遣り取りがあるわけでなく、
レジェンド側から一言メッセージのようなものがあるだけで、
しかもそのセリフの内容は単に歌詞のもじりのようなものですから、かなり形式的であり、
「とにかく内容な不明だがマーベラス達を自分達の後を継ぐヒーローと認めた」と解釈しておくしかないでしょう。

つまり、細かい遣り取りは省略された簡易版のレジェンド回であり、
「199ヒーロー大決戦」映画におけるゴレンジャー、ジャッカー電撃隊、ゴーグルファイブ、ダイナマン、
バイオマン、ターボレンジャーと同じ扱いと考えておけばいいでしょう。
レンジャーキー空間での大いなる力の受け渡しというのは、
レジェンド戦士側がマーベラス一味を認めた理由は曖昧で、
あまり内容の無いメッセージを発するだけというのがパターンであると認識しておくべきでしょう。

それが他のレジェンド回と整合性がとれるとか、とれないとか、
そういうことはこの際考えても仕方ありません。
どうしても全体的な物語の尺の関係上、簡略化しなければいけない部分というのは有るわけで、
ここはその簡略化の措置であって、
そこでは細かい整合性は二の次となるものです。

このレンジャーキー空間での簡略化された大いなる力の受け渡しに際しての、もう1つ特徴的な点は、
この場面でレミが言っているように、レジェンド側がマーベラス達を「ずっと見ていた」というもので、
これは「199ヒーロー大決戦」の時も元アカレンジャーの海城はじめ、
あのレンジャーキー空間に現れたレジェンド戦士たちも、
まるでゴーカイジャーの異空間での復活歴代幹部怪人との戦いや、荒野での召喚戦士たちとの戦い、
いや、それ以前のマーベラス達が地球に来てからの戦いをずっと見ていたかのように喋っていました。

しかし他の通常レジェンド回に登場したレジェンド戦士たちは
マーベラス一味と出会うまでは彼らが何者なのかすら知らない様子の者が多く、
通常はレジェンド戦士たちはマーベラス一味の日常を「ずっと見ている」などということは有り得ません。
その本来は有り得ない特例が、この簡略化された大いなる力の受け渡しの際には描写されるというだけのことで、
これもドラマ部分を省略するための措置に過ぎず、
他の通常のレジェンド回との整合性はあえて考える必要は無いし、
レジェンド戦士たちは基本的にレンジャーキーを通してマーベラス一味の日常を観察することが出来るとかいう
新設定を想定する必要もありません。
単なる簡略化の特例に過ぎないのです。

まぁここまでのマーベラス達の戦いぶり、そしてバスコから5戦隊の大いなる力を取り戻した手柄
そしてその手柄に奢ることなく5戦隊の了承を得ようとした殊勝な心構えなどを考えれば
マーベラス達がこの5戦隊にも認められるのは当然とはいえます。
おそらく最後はマーベラス達が奢ることなく5戦隊に了承を得たいという気持ちを示したことに
レンジャーキーに込められた戦士たちの想いが反応して、こうしたちょっとした奇跡を起こしてくれたのでしょう。

さて、とにかく、こうしてサンバルカン、チェンジマン、フラッシュマン、マスクマン、ファイブマンの
大いなる力がレジェンド戦士たちからマーベラス一味に改めて与えられて、
これでマーベラス一味は34のスーパー戦隊からその力を継ぐ者として認められて、
大いなる力を渡してもらったこととなったのです。

「マーベラス!」とルカが目を輝かせてマーベラスの方を見ます。
マーベラスも手にしたサンバルカンのレンジャーキーを見つめて
「ああ・・・これで晴れて・・・宇宙最大のお宝、ゲットだ!!」と、スッキリとした笑顔を上げます。
これでもう何も心に引っ掛かるものは無くなった。
この正当に手に入れた34の大いなる力を引き出して、「宇宙最大のお宝」を今こそ手に入れようと
マーベラスはテンションが上がりまくります。

そうして意気上がる6人を見て、船長椅子の上にとまっているナビィは
「みんな、何かあったのぉ?」と不思議そうにしています。
そういえばナビィはあのレンジャーキー空間にマーベラス達と一緒に入り込んでいなかったので、
あのテーブルのレンジャーキーから発した閃光のことも、
5人の元レジェンド戦士の出現も、5戦隊の大いなる力を改めて貰ったことも、何も知らないのです。
どうやら、マーベラス達には何分間にも感じられた、あのレンジャーキー空間での出来事は
現実世界では一瞬の出来事であったようで、
ナビィから見れば、テーブルの周りに難しい顔をして集まっていたマーベラス達が
急に喜び始めたように見えているようです。

しかしマーベラスはもはやそんなことはどうでもいい様子で、
いきなりナビィの頭を鷲掴みにすると「鳥!・・・扉になれ!」と言います。
皆もナビィの周りに集まってきて、「ええ〜!?」と何のことか分からず驚くナビィに、
ルカが「だってバスコが言ってたじゃない?」と言います。

ルカが言っているのは、前回のエピソードで、バスコがナビィを逆さ吊りにして持って言っていた言葉のことです。
あの時、バスコはナビィこそが「宇宙最大のお宝への扉」だと言っていました。
バスコがその言葉を口にしていた時、ちょうどその場に、
ゴーカイジャー召喚体になりすましたルカ達4人が立ってその言葉を聞いていたのです。

マーベラスはその場にはいませんでしたが、
バスコとの決闘後、誰かからナビィがお宝への扉だということは聞いていたようで、
お宝を手に入れる条件が揃った今、マーベラスはさっそくナビィをその扉とやらにして、
その扉を開いてお宝のある場所に行きたいと思っているのです。
もちろん他の皆も同じ考えです。

しかしナビィは「で・・・でもアレって何かの喩えなんじゃ・・・?」と戸惑います。
ナビィ自身はバスコにあんなことを言われるまで、自分がお宝への扉だなどとは知らなかったし、
「扉」というのがどういう意味なのかもサッパリ分かっていないのです。
バスコがそんなことを知っているということは、アカレッドの持っている資料あたりを盗み見たからであろうから、
アカレッドはそのことを知っていたようです。
しかしアカレッドはナビィにそのことを教えてはいなかった。

そもそも宇宙における例外的存在である永久機関であるナビィをアカレッドが作ったとも思えず、
ナビィを何者が作ったのか、そもそも作られた物なのか自然発生した物なのかも不明なのですが、
とにかくアカレッドは何故かそのナビィの秘密を知っていたのですが、ナビィ自身はそのことを知らず、
アカレッドもナビィにそんな大事なことを教えてはいなかった。
多分余計なことを教えて面倒事が起きるのを避けたのだろうと思われ、
アカレッドはいざナビィを「扉」として使う時になってからナビィに真実を教えても支障は無いと
思っていたのでしょうけれど、おかげでアカレッドもいなくなり、バスコも死んでしまった今、
その「扉」がどういう意味なのか、いったいどうしたらナビィが「扉」になり、その「扉」が開くのか、
そうした細かい手順がサッパリ分からなくなってしまっていました。
これはまた新たな問題発生です。

「てゆうかオイラ・・・扉になる方法なんて知らないよぉ!」と訴えるナビィを持ち上げると、
マーベラスは「口がガバアッと開くんじゃねぇか?」と、ナビィの嘴を引っ張って無理にこじ開けようとします。
ナビィは苦しがってもがきますが、お宝への気持ちが逸るハカセもマーベラスからひょいとナビィを奪うと
「どっかにスイッチか何か無かったっけ?」とナビィを乱暴にクルクル回して表面全体を探します。
さらにアイムも手を出し、皆で寄ってたかってナビィを弄り回してもみくちゃにしてしまい、
ナビィは目を回して「や〜め〜て〜!!」と悲鳴を上げるのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 18:46 | Comment(2) | 第49話「宇宙最大の宝」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月09日

第49話「宇宙最大の宝」感想その4

さて、ここで場面は地球のすぐ外の宇宙空間に浮かぶザンギャック地球侵略軍の
宇宙艦隊の旗艦であるギガントホースに移ります。
このところ2話ほど、マーベラス一味とバスコの決着を描いていたので
ザンギャックの面々は全く出番が無かったのですが、
確かその前の第46話では皇帝アクドス・ギルが帝国全域からの増援艦隊に地球方面への召集をかけ、
その増援艦隊が本国を出発したところでした。

現時点というのは第47話の冒頭からは2日しか経っていませんが、
第46話と第47話の間は何日間経過しているか分かりません。
実はこの第46話と第47話の間に「ゴーカイジャーVSギャバン」の事件もあったりして、
結構日数は経っているようです。
つまり、現時点というのは帝国の本拠地から増援艦隊が出発してから、
それなりに日数は経過していると見ていいでしょう。

そのギガントホースの指令室では、ダイランドーが司令官席に座る皇帝アクドス・ギルに向かって
「陛下〜!間もなく帝国全域より増援艦隊が到着しまっちょい!」と嬉しそうに報告しています。
遂に増援艦隊が地球上空に到着するようです。
第46話の時の話では、確か、海賊どもが絶望するような規模と言っていましたから、
さぞや膨大な数の軍勢と艦隊がやってくるのでしょう。
マーベラス達が呑気にナビィを弄っている頃、宇宙空間では未曾有の危機が迫っていたのです。

さて、その指令室にインサーンが入ってきて
「おめでとうございます、陛下!・・・艦隊が揃えば、もはや地球は落ちたも同然・・・」とうやうやしく祝辞を述べて、
アクドス・ギルに敬礼します。
インサーンは本心から、これでもはや勝負は決したと思い、喜んでいるのですが、
ところが、皇帝を筆頭に周囲は何やら白けた反応です。

そうした周囲の異常に気付いていない様子のインサーンに対して、呆れ顔でダイランドーは
「ちょ〜いちょいちょいちょ〜い!ユー!そんな呑気なこと言ってて良いのっちょ〜い?」と声をかけながら、
前に立ちます。
インサーンが顔を上げて「ん・・・?」と首を傾げると、
ダイランドーはインサーンの鼻先に指を突き立て、
「忘れるべからずよ!ユーも、ワルズ・ギル殿下をお守り出来なかった無能トリオの1人だってことっちょ〜い!」
と嘲りながら、数歩歩いてインサーンに背を向けます。

無能と言われてインサーンは屈辱感で「・・・うっ・・・!」と絶句しますが、
確かにワルズ・ギルを補佐する役目を仰せつかりながら、その任務を果たせずに
ワルズ・ギルをむざむざ戦死させてしまったインサーンの罪は消えてはいません。
確かにそれが現実だったのですが、インサーンは皇帝が自分のことを普通に重用してくれているので、
ついそのことを忘れて、皇帝の側近として取り立てられたのだと錯覚してしまっていました。
そうしたインサーンの考え違いを指摘して、厳しい現実に突き落とすダイランドーの言葉でありました。

インサーンは結局、同じくワルズ・ギルをむざむざ死なせた罪を負っていたダマラスと同じ扱いなのです。
ダマラスも一時拘束されていましたが、あれは反逆を疑われていたからです。
ではダマラスは反逆の疑いが晴れた後は無罪潔白になったかというと、そんなことはなく、
結局はワルズ・ギルを見殺しにした罪滅ぼしのためにマーベラス一味の討伐に出撃させられました。
あれはダマラス本人も海賊討伐を強く望んでいたから、一見ダマラスの意思で出撃したように見えたが、
アクドス・ギルから見れば、本来は親衛隊に任せるべき任務を、親衛隊を使うのを惜しんで、
どうなってもいい罪人のダマラスに罪を解消する機会を与えてやったに過ぎない。

結局ダマラスは戦死したが、もし任務に失敗しておめおめと帰ってきても粛清されていただろう。
いや、それが分かっているからダマラスはバスコに重傷を負わされたハンデがあるのを承知で
マーベラス達と戦い続けるしかなかったのです。
あれは半分はアクドス・ギルがダマラスを処刑したようなものです。
今インサーンが一見アクドス・ギルに重用されているのも同じことです。
アクドス・ギルはインサーンに罪滅ぼしのチャンスを与えてやっているに過ぎない。
ワルズ・ギルを殺したマーベラス一味を討ち取らないことにはインサーンは、いずれ粛清されるのです。

「地球征服を終えて・・・無事に戻れると思ったら、大間違いよ?」と、
ダイランドーはインサーンの方に振り向いてギロリと睨みます。
そう、このまま増援艦隊が到着すれば、簡単に地球は征服出来るし、
マーベラス一味も討ち取ることは出来るでしょう。
しかし、それは増援艦隊の手柄であってインサーンの手柄ではない。
そして増援艦隊がマーベラス一味を討ち取れば、もう二度とインサーンに罪を解消するチャンスは回ってこない。

つまり増援艦隊が到着すればインサーンはもうチャンスを失い、
その時はインサーンが処刑される時でもあるのです。
そんな自分の最期の時を告げる増援艦隊の到着が迫っているのに、
その到着を呑気に喜んでお祝いの言葉を述べるとは、いくら何でも愚か過ぎると、ダイランドーも呆れていたのです。

インサーンも自分の愚かさ、呑気さに赤面し、絶句し、同時に自分の最期の時が迫っていることに恐怖します。
インサーンは慌てて「・・・陛下!!」と、黙って座ったままのアクドス・ギルの方に向き直りました。
するとアクドス・ギルは「・・・インサーン・・・手柄を上げるなら、今のうちだぞ・・・?」と厳粛な面持ちで
インサーンに最後通告をするのでした。
つまり、増援艦隊が到着するまでにマーベラス一味を討ち取って来なければ処刑すると、暗に通告しているのです。

といっても増援艦隊の到着まで、そんなに残された時間は無い。
それまでにマーベラス一味を見つけ出して倒さなければインサーンは死ぬことになる。
かといって、最強の決戦機グレートワルズや、宇宙最強の男ダマラスでも単騎では勝てなかった
マーベラス一味を相手に単騎で特攻をかけるとなれば、それもまた死にに行くようなものです。

インサーンは慄然として立ち尽くします。
残された時間は僅かであり、止まれば確実に死である以上、
前に進んで僅かな生き残る可能性に賭けるしかない。
インサーンは自分の持てる最高の力でマーベラス一味にぶつかる覚悟を決めました。

それからしばらく経った時間、
ガレオンではナビィがフラフラになって船室の床に突っ伏して「ひどい〜・・・」と嘆いています。
皆でナビィを「扉」にするために色んなことをしてナビィを弄り回していたようで、
ナビィは相当ひどい目にあったようです。
ルカとハカセと鎧は何やら物騒な工具を持ち出してきており、
ジョーなどはゴーカイサーベルを手にしています。一体何をするつもりなのか?
これではナビィが嘆くのも無理はありません。

しかしルカ達も疲れ果てたようにへたり込み、
「泣きたいのはこっちよ!・・・いったいどうしたらいいってのぉ!?」とルカは途方に暮れます。
さんざん色んなことを試みてみたものの、結局ナビィの身体のどこにも扉など無いし、
ナビィを扉に変えるようなスイッチのような物もありません。
もうお手上げでした。

マーベラスもウンザリした顔で船長椅子に座り込み、
「・・・大いなる力は全部揃ったってのに・・・」と溜息をつきます。
せっかく34の大いなる力を揃えたのに、ナビィを「扉」としないことには、
その「扉」の向こうの「宇宙最大のお宝」には辿り着けない。
そこの入り口で躓いてしまっているのです。

これでは話が違う。
最初にマーベラス達が会った元マジレンジャーの黒いローブを着た男(小津魁)は
34の大いなる力を引き出せば「宇宙最大のお宝」が手に入ると言ったはずなのです。
しかし、34の大いなる力を引き出しても、このままナビィを「扉」に出来なければ
「宇宙最大のお宝」は手に入らないではないか。
一体これはどういうことなんだと思い、マーベラスは溜息をつきながら
傍らにあったレンジャーキーの宝箱の中のマジレンジャーのレンジャーキーにでも文句を言ってやろうかと思って、
蓋を開けました。

すると、その瞬間、宝箱の中から金色の光が発し、マーベラスが思わず腕で目を覆い、光を避けながら見ると、
宝箱の中のレンジャーキーが全部金色の光を発しており、
その中から多くのレンジャーキーが宙に飛び出してきたのです。
それらはまるで隊列を組むかのように整然と空中に並んでおり、金色の光を発していました。

一瞬のことなのでマーベラス達にはその飛び出したレンジャーキーの数は分かりませんでしたが、
実際はその数は34個でした。
その34個のレンジャーキーは飛び出して一瞬、空中に整然と並んだ後、
すぐにその隊列の大きさの金色の光線を発射したので、
マーベラス達は驚いて、そのレンジャーキーの数を数えるどころではなかったのです。

6人はその光線に目を奪われ、その光線はナビィに命中し、
ナビィの身体は金色に発光しながら空中に持ち上げられます。
「ああ〜!?何!?なにぃ〜!?」とワケが分からず喚いたナビィはそのまま天井近くまで浮き上がると、
突然「うわああああ!?」と叫び閃光を発して、
瞬時に天井まで届くような大きな板のようになってしまったのでした。

6人は唖然として、そのナビィの変形した板状の物体を見つめます。
それは茶色い巨大な観音開きの扉が太い鎖でグルグル巻きにされて封印されているものでした。
その変わり果てた巨大な扉の上部にナビィの頭部パーツがくっついていて
「こんなんなっちゃいましたぁ〜!!」と叫んでいます。
どうやらナビィは扉のような形になってしまいましたが、それでもナビィはナビィのままであり、
ナビィの意識は保ったままであるようです。

とにかく、これは紛れもなく「扉」です。
「よっしゃ来たぜぇっ!!」と会心の笑顔で叫んでマーベラスは立ち上がり、ナビィの変形した扉に駆け寄ります。
何だかよく分からないが、レンジャーキーが発射した光線を浴びてナビィは扉に変身したのです。
これがバスコが言っていたという「宇宙最大のお宝への扉」というやつに違いないとマーベラスは思いました。

いやしかし、実際、私も前回、バスコが「ナビィが宇宙最大のお宝への扉」と言っていたのは、
もう少し抽象的な意味かと思っていました。
レンジャーキーがレンジャーキー空間へ導くような感じで、
ナビィが発した光線がマーベラス達を宇宙最大のお宝の在る空間に導くとか、
ナビィが発した光線が空間に穴を開けてそこからマーベラス達が宇宙最大のお宝のある場所に行くとか、
そういうSF的な常套手段が待っているのかなと思っていたのですが、
こんなモロに「扉」そのもの、しかもレトロ風味の重量感ある「扉」に変形して鎮座するとは、予想外でした。
いやしかし、これはビジュアルとして非常に分かりやすい。
もうここまで来たら、何をやったってどうせ説明困難な不思議な出来事になってしまうのですから、
思いっきり荒唐無稽でいいのです。

マーベラスと共に他の5人も扉に駆け寄ります。
ルカも「この扉の向こうにあるのね!?・・・宇宙最大のお宝が!!」と大喜びで、
鎧も「いよいよ歴史的瞬間が!!・・・さぁ開けましょう!!」とテンションがかなりヤバいことになってます。

しかしまだ気が早い。
扉は太い鎖でガッチリ封印されて開かないようにされています。
まずはこの鎖を外さないといけません。
で、よく見るとこの鎖はあちこちが錠前で繋がれてあり、
錠前を全部外すと鎖の封印は解けるようになっているようです。

その錠前の1つを見てアイムが「この鍵穴の形は・・・!?」と何かに気付いたようです。
鎧もアイムと同じことに気付いているようで、
更に「しかも・・・錠前の数は34個!」と、その錠前が全部で34個有ることに気付き、驚きの声を上げます。
「・・・ってことは・・・?」とハカセはこの扉の封印の解除方法の正解に辿り着いたようです。
マーベラスも同じことに気付いたようです。

マーベラスには心当たりがありました。
さっきナビィに金色の光線を発射したレンジャーキーが多分それなのだと気付いたマーベラスは
「ああ!こいつしかねぇよなぁ!」と宝箱に駆け寄り、
宝箱の中のレンジャーキーの一番上が真っ赤に染まっていることを確認し、そこに手を突っ込みました。

宝箱のレンジャーキーの山の表層には各戦隊のレッド戦士のレンジャーキー34個が並んで覆っていたのです。
つまり、さっき宝箱から飛び出してナビィに金色の光線を浴びせたのは、
34戦隊のレッド戦士のレンジャーキー34個であったのです。
その34のレッド戦士のキーはそのまま降下して宝箱の中に戻り、一番上の層に積もっていたわけです。

そしてこの34個のキーによってナビィが変形した扉が34個の錠前によって封印されており、
その錠前の鍵穴の形は、普段マーベラス達がレンジャーキーを挿している
モバイレーツやゴーカイガンなどの鍵穴の形と同じだったのです。
ならば、その34個の錠前は、さっきの34戦隊のレッド戦士のレンジャーキーを挿せば解錠出来るはずだと、
マーベラス達は気付いたのでした。

そうしてマーベラス達は次々と34戦隊のレッド戦士のレンジャーキーを34個の錠前に挿していき、
全部を指し終わった後、扉から少し離れて様子を窺います。
すると、ほどなく34の錠前は金色の光を発したかと思うと、弾けて消滅し、
挿入されていたレンジャーキーはマーベラス達の方に飛んで戻ってきます。
そして扉の方では錠前と共に鎖も消え去り、「解錠成功〜!!」というナビィの歓声と共に、
もはや何の封印も無くなった扉が一瞬金色に光った後、自動的に開いたのでした。

成功の喜びに溢れる6人の前で遂に開いた扉、その開いた先には、通路が出現しました。
岩で出来た壁で囲まれて奥に向かって続く、暗い通路です。
それを見てハカセと鎧は「え?・・・え〜・・・?」と戸惑って覗き込みます。
通路はだいぶ億まで続いているようですが、
この扉はガレオンの船室の中に薄い板のように立っているだけであり、
船室内にはもちろんそんな通路は存在しない。
つまり板状の扉であるはずなのに、扉の開いた先には奥行きのある空間が続いているのです。

これは一種の異次元通路のようなものであるようでしたが、
ハカセや鎧はそんなものは初めて見たので戸惑っているのです。
いや、そんな異次元通路のようなものはマーベラス一味の誰もが初めて見るのであり、
もちろんそんな通路に足を踏み入れたことはない。
だから恐れが無いわけではない。
しかし、その先に遂に念願の「宇宙最大のお宝」が存在するのだと思うと、
恐怖心など吹っ飛んでしまいます。

マーベラスは「・・・行くぞ・・・!」と言うと、全く躊躇せず、
先頭を切って扉の向こうの通路に踏み込んでいき、そのまま奥へと進みます。
次いで、鎧、ハカセ、アイム、ルカ、ジョーの順で通路に入っていき、
6人は一列になって奥へと進んで行ったのでした。

その岩の壁に囲まれた通路は想像以上に長く、
6人はその薄暗い通路を結構長い距離を歩きましたが、そうして進むと広い石室のような空間に出ました。
「なんじゃこりゃあ・・・?」と鎧が驚きつつ、怖々とその薄暗い石室の中に入っていき、
マーベラス達もゆっくり石室に足を踏み入れます。
すると、それが合図であるかのように、石室の中央に置いてある物体が光を放って、
その存在をマーベラス達に示したのでした。

俄然、マーベラス達6人の視線は、薄暗い中に浮かび上がったその物体に集まります。
「・・・あれが宇宙最大のお宝・・・?」とルカが呟くと、
その物体の光は更に増し、その下にも縦に長い金色の光の帯が現れ、周囲も強く照らします。

それで石室の全貌もほぼ判明しましたが、どうやらこの石室が通路の行き止まりのようで、
自分達が来た道以外に他に通じている道は無い。
ならば、ここが「宇宙最大のお宝への扉」から続く通路のゴールであり、
この石室に「宇宙最大のお宝」が存在していなければおかしい。
その石室の中央で光を放つ物体となれば、それが「宇宙最大のお宝」と考えるしかない。

「これが・・・」と鎧は興奮し、
冒険映画のように何か危険なトラップが仕掛けてあるのではないかと警戒しまくって挙動不審です。
その光っている物体は、最初に光った部分が三角錐型の人の頭部ほどの大きさの物体で、
後で光った縦長の帯のような部分はどうやらその三角錐型の物体を置く台座と
石室の照明を兼ねた部分であるようでした。
一体どういう仕掛けで光が放たれているのか皆目見当はつきませんでしたが、
マーベラス達が部屋に入ってきたのに呼応して光を発したのは間違いない。

この部屋に入って来る者は、あの扉からの一本道を通って来た
「宇宙最大のお宝」を手に入れるために来る者だけであるはずですから、
そのような者に対してその存在をアピールする、この物体は「宇宙最大のお宝」であると考えていいでしょう。
しかし、おそらくその本体は台座部分を除いた、最初に光った三角錐型の部分なのでしょうが、
ハカセは首を傾げて「・・・宇宙最大って割には・・・なんかちっちゃいけど・・・?」と疑問を呈します。
ハカセは前回も鎧やルカ達と話していたように、
「宇宙最大のお宝」は膨大な金塊や宝石の山ではないかと仮想していたので、
目の前にある三角錐の物体はそうした予想を裏切る、拍子抜けするほどの小ささであったのです。

しかしマーベラスは迷わず前へ進み、その物体に近づきます。
前回言っていたように、マーベラスは「宇宙最大のお宝」の正体が何なのかについては、どうでもいいのです。
今まで誰もが望みながら手に入れることの出来なかった伝説の「宇宙最大のお宝」を
自分達が手に入れるということそのものがマーベラスと、その仲間達にとっては重要なのでした。
それは自分達の「夢を掴む力」が宇宙最大であることの証だからです。

いや、そもそも、この三角錐の物体が本当に昔から宇宙海賊が伝説としてきた
「宇宙最大のお宝」なのかどうか、厳密には分からない。
しかし、少なくとも、これはマーベラスが善悪の両面において真の海賊と認めた2人の男、
アカレッドとバスコが追い求めて得られなかった「宇宙最大のお宝」であることだけは間違いない。
それだけでもマーベラスにとっては、この物体は「宇宙最大のお宝」として手に入れるに十分に値する物でした。

それに、もともとマーベラスは本当は宇宙海賊の伝説の「宇宙最大のお宝」が実在するなどとは
信じてはいなかった。
それでもアカレッドと一緒に「宇宙最大のお宝」を手に入れる旅に出たのは、
マーベラスが自分にとっての「宇宙最大のお宝」、
すなわち、手に入れたくても決して手に入らないお宝を、絶対に手に入れてやるという、
果てしない夢を掴む力があるはずだと信じたからだったのです。

だから、その旅の果てに辿り着いたこの物体は、間違いなくマーベラスと、
旅を共にしてきた仲間達にとっての「宇宙最大のお宝」なのです。
これを手に入れることによって、マーベラス一味の「夢を掴む力」は、
アカレッドやバスコを超え、歴史上の全ての宇宙海賊を超え、
そして自分自身の心の中に存在した、どうすることも出来ないやるせない現実という壁を超えて、
まさに宇宙最大の価値を持つものとなるのです。

マーベラスはその金色に輝く三角錐の物体の前に立つと、そっと手を差し出します。
トラップは無いと確信していました。
宝をここに隠した者が侵入者用にトラップを仕掛ける意思があったのなら、
この石室に着くまでの一本道の通路の途中で必ずトラップを仕掛けているはずです。
それが無かったということは、この宝はトラップによって守られてはいないはずです。

というか、そもそもマーベラスは通路にもトラップなど無いと最初から確信していました。
あの扉を開くまでが、それこそ試練に次ぐ試練だったのであり、
その数多くの試練をクリアした特別の資格者のみがあの扉を開くことが出来る仕組みになっている以上、
あの扉の先の通路や石室に不特定多数に対処するようなトラップなど仕掛ける必要性は無いはずです。

だからマーベラスは迷うことなく、その物体に手をかけて、台座から持ち上げようとします。
手をかけた瞬間、その物体は抵抗するかのようにひときわ強烈な金色の光を放ちますが、
マーベラスは怯まず、そのまま物体を台座から持ち上げて掴み取ります。
すると、台座から離れた物体はすっと光を落とし、同時に台座の光も消え、
石室の中は、元の薄暗い状態に戻りました。
そして、その石室の真ん中に立つマーベラスの手には、
くすんだ黄色に戻った三角錐の物体がしっかりと握られています。

さすがに一瞬、呆然とした表情となったマーベラスは、その両手で掴んだ物体をまじまじと見て、
思わず笑みを漏らすと、5人の仲間の方に振り返って、
「宇宙最大のお宝・・・!」と万感の想いを込めて呟き、
弾けるように「俺たちのもんだ!!」と叫んで、笑顔いっぱいでそのお宝を勢いよく突き出したのでした。
仲間5人も実現不可能だと言われた夢を遂に掴んだ達成感で歓喜に包まれます。

その時、満足げにマーベラスが持っていた宝が再び金色の光を鈍く発し、
その光を明滅させながら、なんと「ようこそ地球の中心へ!」と声を発したのです。
その場にいたマーベラス達6人全員はもちろん驚愕します。
ハカセは「・・・お宝が喋った・・・!?」と驚き怪しみます。
この三角錐型の小さなお宝は、実は生き物であったのかと思ったのでした。
いや、もしかしたら、これは目指す宝ではなくて、別の番人のようなものであったのかもしれないとも思いました。

すると、その不思議な声は「違う!私はこの星の意思・・・この宝を通じて話しかけている・・・」と説明します。
どうやら、この三角錐型の物体は確かに宝であり、
この宝を通して別の意思を持った存在が語りかけているようです。
そして、その存在とは「この星の意思」、つまり「地球の意思」だと言うのです。

「この星の意思・・・?」と鎧は頭を捻ります。
「この星の意思」などという意識を持った存在がこの地球に在るとは、
地球人の鎧も今まで想像もしたことも無いことでした。
もちろん他の星の生まれであるマーベラス達5人も、星そのものが意思を持つなどという話は聞いたこともなく、
そんなものに話しかけられたこともない。
そんなものがどうして宝を通じて話しかけてくることが出来るのか、原理はさっぱり不明でした。

いや、それより、「この星の意思」という存在への驚きでつい忘れがちですが、
その地球の意思は、最初にこの石室のことを「地球の中心」と言いました。
それもまた驚きでした。
あのナビィの変形した扉は地球の中心へと続く扉だったのです。
もちろん通常の現実世界での地球の中心というのは、核がドロドロに溶けた灼熱の世界であるはずですから、
この石室は地球の中心部に重なって存在する異次元空間なのでしょう。

しかし、どうしてまた、そんなとんでもない場所にお宝が隠してあったのか?
一体、誰がどうやってこんな場所にお宝を隠したのか?
いや、方法はナビィの扉と同じ技術を使えば解決するとしても、
何故、地球の中心などにお宝を隠す必要があるのか?
そもそもこのお宝は何なのか?
一同の頭に多くの疑問が噴出してきました。

ところがルカだけは全然違うことを考えていたようで、ニヤリと笑うと、
マーベラスが持っている宝に近づき、「ね!そんなことより、この宝、いくらぐらいの価値があるの?・・・
1兆ザギン?それともド〜ンと5000兆ザギンぐらい!?」と、
その宝を通して「この星の意思」とやらに対して質問しました。

一同は、夢を掴んだ達成感に満たされた直後、
いきなりの「この星の意思」の出現の驚きで達成感の高揚が吹っ飛び、素に戻ってしまっていました。
そうなるとルカは、もともと、お宝を手に入れた後は、
それを売って宇宙を買い取りたいという望みを持っていたので、
そもそもこの三角錐の物体がどれほどの価値があるのか気になり、
「この星の意思」はこのお宝に詳しそうなので質問してみようと思ったのでした。

伝説によれば「宇宙最大のお宝」は宇宙全体と同じ価値があるとのことでしたが、
あくまでそれは古い伝説の話であり、
本当にこの三角錐の物体が伝説のお宝そのものなのかどうか分からないし、
たとえそうだとしても、それが本当に現在の宇宙を買い取ることが出来るほどの
資産価値に相当するのかも分からない。
例えばこの物体が過去においてはとても希少で高価な物質で出来ていたとしても、
現在においてはその物質は価値を失っている可能性もあります。

しかしルカはあくまで希望的観測で、まずはそれは1兆ザギンぐらいは価値があるのではないかと思いました。
1兆ザギンといえば、第34話でルカに一緒に夢を叶えようと言ってプロポーズしてきた
幼馴染で現在は宇宙有数の実業家のカインの総資産の8000億ザギンよりも多い。
逆に、それぐらいの価値は無いと、ルカとしてもカインのプロポーズを断った甲斐というものがない。

しかし、1兆ザギン程度ではカインの資産とそう大差は無い。
カインの資産程度では宇宙全体を買い取るには足りないと言ってルカはカインの誘いを断ったのですから、
得た宝が1兆ザギン程度では宇宙は買い取れないはずで、それではカインに申し訳がない。
というかルカは宇宙を買い取るのに相当する金額などよく分かっておらず、
本当はカインの誘いを断った時というのは、
マーベラス達と一緒に夢を掴むことの方を選んだだけのことだったのであり、
本音では既に宝の価値についてはそんなにこだわっていなかったのです。
しかし、それで1兆ザギン程度の宝で喜んでいては、なんだかカインに申し訳ない気がして、
やはりここは夢は大きく、一気に5000兆ザギンぐらいの価値があるのだと思いたいところでした。

ところが、ルカの質問に対して、
地球の意思は「・・・その価値を決めるのは君たち自身だ・・・!」と謎めいた回答をします。
一同はサッパリ意味が分からず「え・・・?」と、唖然としてしまいました。
更に続けて地球の意思は「これに34のスーパー戦隊の大いなる力を宿せば・・・
全宇宙を好きなように作り直せる・・・!」と説明します。

あまりの想定外の話の展開に度肝を抜かれて、ジョーはお宝に向かって数歩踏み出して
「・・・全宇宙を?・・・好きなように作り直せる・・・!?」と、地球の意思の言った言葉を繰り返しますが、
その言わんとする意味が掴み切れません。
あまりにも雲を掴むような話だったからです。
ハカセも「なんか・・・話が大きすぎて・・・ピンとこないけど・・・?」と困った顔をします。

自分達は単に今まで誰も手に入れたことがない凄い海賊伝説の宝物を手に入れたくてここにやって来たのであって、
宇宙を作り直すなどということは今まで考えたこともない。
いや、そんなことを普段から考えているような人間がいれば、それこそ頭がおかしいに決まっている。
「宇宙最大のお宝」なんてものを追いかけている時点で
マーベラス達も一般人から見れば十分に頭がおかしい人でしたが、
いくらなんでも宇宙を作り直すとか、そんなことを考えるほどには頭はぶっ飛んではいませんでした。

だいたい「宇宙を作り直す」ってどういうことなのか?
このお宝は持ち主の自分好みの新しい星や銀河を新たに作る能力でもあるということなのか?
とジョーやハカセは考えました。

すると、そこに「あ!・・・じゃあ、あの・・・」と鎧が慌てて前に飛び出してきて、
お宝を通して地球の意思に話しかけます。
鎧はマーベラス一味の中で一番、頭がぶっ飛んでいますので、ちょっと非常識なことを思いついたようです。
鎧はなんと「もしかして、ザンギャックのいない、平和な宇宙なんてのも・・・アリなんですか・・・?」と
突拍子も無いことを質問したのでした。

「宇宙」というと、実際に宇宙を旅してきたマーベラス達5人にとっては身近なものなので、
つい星や宇宙空間のような宇宙で実際に目にするような具体的事象を連想してしまいがちですが、
鎧は宇宙に出たことがないので、逆にそうした現実感覚に縛られることがなく、
「宇宙」というものをもっと抽象的に捉えるようです。
つまり、鎧の中では「宇宙=世界全体」のような感覚であり、
星や宇宙空間だけでなく、宇宙に存在するあらゆる物が作り直せるのではないかと思えたのでした。

それで、鎧の最大の悩み事であったザンギャックの地球侵略を手っ取り早く解決するために、
いっそザンギャックがいなくなってくれないものだろうかと思って、
そういう願いもアリなのだろうかと思い、質問してみたのでした。
すると、地球の意思がキッパリと「アリだ!」と、それが可能だと回答したので、一同は驚きました。

つまり、このお宝にとっての「宇宙を作り直す」というのは
「この世のあらゆるものを自由に操作出来る」ということと同義だと気がつき、
これは神のごとき万能の力なのだと悟ったのでした。
そして、この宝の力で本当にザンギャックを消し去ることが出来るなら、
この宇宙から多くの不幸や悲惨が一掃され、地球も自分達も今すぐに救われる。
そう思うと、6人は一気に未来が明るく開けていくような気がして、思わず目は輝き、口元が綻びました。

そして更に、地球の意思の発した次の言葉は、よりいっそう6人を驚かせました。
地球の意思は「この宇宙に、ザンギャックがいなかったことにすればいい!」と言ったのです。
つまり、このお宝を使ってザンギャックのいない平和な宇宙を創る方法というのは、
単にザンギャクを今すぐ滅ぼすというようなやり方なのではなく、
最初からザンギャックがいなかったということにするという、
根本的にザンギャックという存在を歴史から抹消するという方法であるようでした。

確かに、いきなり宇宙を支配しているザンギャックが消えるとなると、
逆に宇宙に混乱が生じて新たな戦争が生じる危険もあり、そうなると「平和な宇宙」ということにはならない。
ならばいっそ最初からザンギャック帝国が生まれなかったことにすれば、
ザンギャックが無くなることによる混乱は生じないといえます。
確かに「ザンギャックのいない平和な宇宙」という鎧のリクエストに応えるならば、
それが最も良い方法といえるでしょう。

しかし、ここでの注目点はそこではない。
そんな芸当が可能であるということが6人には驚きだったのです。
神のごとき最強の力を持つお宝ならば、ザンギャックを一瞬で滅ぼすことも簡単なのであろうとは思っていたが、
まさか、最初からザンギャックをいなかったという風に歴史まで操作出来るとは、
6人の想像を完全に超越した能力だったのです。

ハカセは慌ててお宝に駆け寄り、地球の意思に対して
「それって・・・過去を変えられる・・・ってこと?」と慎重に尋ねました。
それに対して地球の意思は「そうだ!」と事もなげに答えます。
一同は唖然とします。
つまり、このお宝を使えば、この世のあらゆるものを操作出来るだけでなく、
過去まで思い通りに変えることが出来るのです。

思わずアイムは皆の間を掻き分けてお宝に駆け寄り、
「では・・・ファミーユ星を元に戻すことも・・・?」と質問しました。
ザンギャックを最初から存在しなかったようにするという歴史改変が出来るのならば、
アイムの故郷であるファミーユ星の、ザンギャックによって滅ぼされ、
生き残りの人々も宇宙に散り散りになったという悲惨な過去を改変して、
元通りの平和で穏やかなファミーユ星がずっと存在していたという歴史に改めることも出来るのだろうか?
とアイムは、その宝の力を確認しつつ、祈るような想いで質問しました。

すると地球の意思は「もちろん出来る!」と回答します。
ザンギャックが存在しなかったということに出来るのならば、
もちろんファミーユ星が滅ぼされず平和な日々が続いていたということにも出来るのが道理です。
いや、そもそもファミーユ星を滅ぼしたのはザンギャックなのだから、
ザンギャックが最初から存在しなかったということにすれば、ファミーユ星が滅びるはずがない。
元通りの平和なファミーユ星が現在まで続いているはずです。
鎧の願いもアイムの願いも同時に叶えるためならば、
ザンギャックが最初から存在していなかった平和な宇宙を実現するのが一番良いというわけです。
アイムは地球の意思の回答を聞き、目を見張り、顔を綻ばせ、幸せそうに笑みをこぼします。

そして同様に目を丸くして驚いたハカセも、
「じゃあ・・・僕の故郷の星も・・・?」と勢い込んで地球の意思に尋ねます。
ハカセの故郷の星もまたザンギャックに滅ぼされており、
ハカセは故郷を捨てて他の星に移住して、辺境の便利屋として苦しい生活を送る羽目になっていました。
ハカセが故郷の星が滅びるまでは何をしていたのかは分かりませんが、
素直な好人物であり、様々な教養や技術を身につけているところを見ると、
それなりに育ちが良く、幸せで豊かな暮らしをしていたと推測されます。
つまりハカセの星も平和で豊かな星だったと思われます。
ハカセもまた幸福だった故郷の星が復活することを願っているのです。

そして、このハカセの故郷の星もファミーユ星と同じく、
そもそもザンギャックが最初から存在しなかったのなら滅びていないのです。
よって、これに対しても地球の意思は「ああ!」とハッキリと、
ザンギャックが最初から存在しなかったことにすれば、ハカセのその願いも叶うことを確約しますので、
ハカセも歓喜の表情となります。

続いてルカも必死の形相で「あたしの妹も生き返って・・・一緒に温かい家で暮らせるの?」と
地球の意思に確認します。
ルカの妹のリアはルカの故郷の星のスラムの貧しい暮らしの中で病気で死にました。
この宝の過去を改変出来る能力を使えば死んだリアを生き返らせることが出来るだろうことは、
ルカも聞かずとも分かっています。
しかしルカは自分の願いだけ叶えたいなどとは思っていません。

これはみんなの手で掴んだ宝なのです。
当初は宝を手に入れたら独り占めして売りとばそうなどと考えていたっぽいルカですが、
やはり仲間と旅をし、力を合わせて戦いを続けていくうちに、そんな考えは消えていったようです。
今聞いたアイムの夢もハカセの夢も鎧の夢も、ルカにとっても心から叶えたい夢でした。
だから、ザンギャックの最初から存在しなかった平和な宇宙を実現することで
ファミーユ星やハカセの星が元通りになるというのなら、ルカとしてもその願いに乗っかりたい。

ただ、ルカにとって気がかりであったのは、
その場合、病気で死んだ自分の妹は無関係なのではないかということでした。
ザンギャックに殺された人はザンギャックが最初から存在していなかったということになれば生き返るかもしれない。
しかし、リアは病死したのであり、ザンギャックが殺したのではない。
それに、もし生き返ったとしても、あの貧しさの中では生きていても苦しいだけであるし、
どうせすぐにまた死んでしまう。
他のスラムで病死した孤児たちも同じであるし、
スラムで生きている孤児たちも苦しいままではないのかとルカは心配になりました。

結局、自分が叶えたかった夢はそうした孤児たちを救うことであるのに、
それはもしかしたら叶えることは出来ないかもしれない。
でも、もしかして、ザンギャックが最初から存在しなかったことになるのなら、
ザンギャックの侵略の結果引き起こされたスラムの貧乏生活の中の間接的な不幸な出来事も、
全て帳消しになり、スラムや貧乏そのものが無かったことになり、
ルカとリアの両親や他の孤児たちの両親たちの営んでいた幸せな暮らしも戻ってくるのかもしれないと思い、
その可能性を探るようにルカは地球の意思に確認したのでした。

すると、地球の意思はそれに対しても「そうだ!」と肯定の意思を伝えてきます。
つまり、ザンギャックが最初から存在しなかったことになれば、
そもそもザンギャックの侵略戦争自体が宇宙に起こらなかったことになるので、
全宇宙のスラムもそこにおける貧乏生活も生まれなかったことになり、
戦災孤児たちの親は死なず、孤児たちはそもそも孤児ではなくなり、
今の今まで温かい家庭で幸せに暮らし続けていたというように歴史は改変されるのです。
もちろんルカもリアも孤児ではなく、リアは死なずに生き続けており、
両親と共に幸せに暮らしていることになる。

そのことを悟り、ルカは慈愛に満ちた笑顔となります。
リアの件だけではなく、
それは全宇宙に散らばる戦災孤児たちの安心して暮らせる世界を作りたいという、
ルカの途方もない夢の成就をも意味していたからでした。

そして、ジョーもまた「・・・シド先輩の・・・命も・・・?」と静かに縋るように地球の意思に対して確認します。
剣の師匠であり命の恩人であるシド先輩が改造されたバリゾーグを倒し、
シドの命を奪ったのはジョー本人でした。
その事実はジョーの心に未だに重く残っており、
それゆえにジョーはシドの志を受け継いで、
ザンギャックによって引き起こされるシドのような悲劇を二度と繰り返さないために戦い続けていかねばならない。

もしザンギャックが最初から存在しなかったと歴史改変するとしても、
自分が殺したシドは結局死んだままであろうし、
シドやジョー自身と同じようにザンギャックに操られて戦わされて死んでいった兵士たちは
ザンギャックが殺したわけではないから、アイムの星やハカセの星のようには救われないのかもしれない。

しかし、もし最初からザンギャックが存在しなかったことにすることによって、
シドが改造されたことや、兵士たちが徴発されて無理に訓練を施されて
ザンギャックを正義だと信じ込まされたという事実そのものがリセットされるのならば、
彼らも皆、生き返るのかもしれない。
そうなれば、ジョーもシドを殺してしまった罪悪感から解放され、
この宇宙からザンギャックによって引き起こされた悲劇は無くなり、
これからジョーはその悲劇を無くすために果てしなく戦う義務からも解放されます。
そのジョーの一途な願いも、地球の意思の「うむ!」という力強い答えによって
叶えられることが約束されたのでした。

「すげぇじゃねぇか!!」とマーベラスは歓喜します。
マーベラス自身は「宇宙最大のお宝」を掴むことだけが夢であったので、
他には特に何も望みなど思い浮かびませんでしたが、
自分が夢を掴んだことによって、結果的に仲間たちの望みも叶うことが素直に嬉しかったのです。
「この宇宙にある全てのものの存在や、出会いが、君たちの思いのまま!」という
地球の意思の言葉を聞いて、6人は「やったぁ〜っ!!」と喜びを爆発させて抱き合います。

ただし、6人はこの宝を使って宇宙の全てを思い通りに出来ることを喜んでいるわけではありません。
もともとマーベラスも仲間達も、さっきまでは「宇宙最大のお宝」を手に入れることだけしか考えておらず、
その宝が手に入って夢を掴んだことに純粋に満足していました。
ところが、その宝を使って更に願い事が叶うと言われ、
しかも歴史改変まで含めて、宇宙の何でも思いのままに出来るという創造主のような能力を得たのですが、
もともと彼らはお宝にそんな能力が有ると聞いていたわけではなく、
そんな能力目当てにお宝を手に入れたわけではありません。
だから、もともと宇宙を自分の思い通りにしてやろうなどという気持ちは持っていないので、
そんな能力が手に入って嬉しいわけではない。

彼らは宇宙を思いのままに出来ると言われても、
利己的な目的のために宇宙を作り替えようとしているわけではありません。
鎧は地球を守りたい。
アイムはファミーユ星を復活させたい。
ハカセは故郷の星を復活させたい。
ルカは妹や温かな暮らしを復活させたい。
ジョーはシドを復活させたい。
これらは利己的な願いのように見えないこともない。
しかし、彼らはそのこと自体を願っているわけではないのです。

彼らはザンギャックという宇宙の平和を脅かす巨大な災厄を最初から存在しなかったことにする歴史改変をした場合、
本当に宇宙でこれまでにザンギャックの存在のせいで不幸になった人達が漏れなく皆、
幸福になれるのかどうか確認しただけなのです。
つまり、彼らは利己的な目的ではなく、あくまで宇宙の人々の幸福を実現しようとしているのです。
そしてマーベラスは、自分の掴んだ夢がそんな風に宇宙の人々の役に立つことに心から喜びを感じていたのでした。

しかし、そのためにはザンギャックの存在を最初から消し去ることが必須となるわけですから、
いかにザンギャックというものが宇宙における諸悪の根源なのか窺い知れるものです。
そしてマーベラス達がザンギャックを歴史から消し去ることに全く躊躇を感じていないというのも、
際立って注目すべき点です。

実際のところ、ザンギャックも悪とはいえ血の通った人間たちの集団であり、
それを神の如き高みから存在ごと消し去るというのは、いささか残酷であり、傲慢な所業のようにも思えます。
普通の正義のヒーローと悪の組織との対決関係であれば、
このような決着の付け方に多少は抵抗感があってもよさそうに思えます。
「自分の手で倒したい」と思ってもよさそうなものです。
特に何らかの因縁のある敵であればそういう気持ちは湧き上がってきて、
神の視座で相手を消すような所業には、釈然としない気持ちが芽生えてもおかしくありません。

しかしマーベラス達がザンギャックに対してそういうフェアに戦おうという気持ちが全く湧いてきていないのは、
マーベラス達から見てザンギャックはライバルや敵対者ですらないということなのでしょう。
マーベラス達から見てザンギャックは生き物ですらなく、ただひたすら無機質な災害のようなものであり、
とっとと消え去ってほしい存在に過ぎないのでしょう。
それは言い換えれば、やはりザンギャックはマーベラス達が自力だけで倒すのは困難な
圧倒的な存在であるということも意味しています。

マーベラスはバスコとの決着についてはサシの勝負にこだわったような男ですから、
基本的にはフェアな戦いを好む男なのです。
しかしザンギャックに対してはそういうこだわりは微塵も抱かない。
それはザンギャックという存在自体がマーベラス達にとっては「敵」と認識するようなものではなく、
単なる「災厄」でしかないからです。

ザンギャックという巨大すぎる悪そのものがもともとマーベラス達から見ればアンフェアな存在なのであり、
そのアンフェアな災厄を消し去って世界を幸福にするためならば、
こちらもアンフェアな手段を使っても何ら問題は無いというのがマーベラス達の心境でありました。

ただ、そのようにマーベラス達がザンギャックを消すこと自体には葛藤が無いのは理解出来るとしても、
そのようなアンフェアな方法によって得る幸福に本当に価値があるのだろうかと葛藤するのだとしたら、
それもまた理解出来ます。
ザンギャックという存在を最初から無かったことにして、
ザンギャックによって殺された人達まで生き返らせて、
そんな反則技まで使って得た幸福は、それが本当の幸福なのでしょうか?

この「ゴーカイジャー」という物語においてここまで描かれてきた「幸福」とは、
「絶望的な不幸の中で見出した幸せこそが真の幸福」というものであったはずです。
また、彼らの「夢」も本来はそういうものであったはずです。

現実世界からは不幸が消え去ることはない。
悲惨な災厄が襲ってきた後、それを無かったことにして、
死んだ人がみんな生き返り、失われた物が元通りに戻ってくるなどという
都合の良い奇跡が起きることはない。

そんな現実世界からこの「ゴーカイジャー」という物語を見続けてきて、
「絶望的な不幸の中で見出した幸せこそが真の幸福」という物語には何度も元気づけられてきました。
だから、「願い事を唱えたら上手くいった」みたいな終わり方はしてほしくない。
彼らなりの夢を叶えて満足していたところで綺麗に終わるべきであって、
いきなり降って湧いた変な誘惑に流されないでほしい。

これは1人の視聴者の想いです。
ただ、それこそ実は傍観者の単なる口先の理屈に過ぎない。

この傍観者たる私でも、また現実世界で今悲惨な事態に直面して苦しんでいる人達も、
マーベラス達と同じように「この宇宙にある全てのものの存在や、出会いが、君たちの思いのまま!」というような
反則のような誘いを受ければ、それがどんなにアンフェアなものであっても、
自分の抱えている不幸を解消出来るのならば、それに手を出してしまうはずです。

「ゴーカイジャー」の物語における「不幸の中に見出す幸福」の意義が理解出来るほどに
不幸が深ければ深い人ほど、そのアンフェアな幸福の誘惑に抗うことは出来ないはずです。
彼らはそれだけの不幸な目にあってきたのです。

マーベラス達も同様です。
彼らは十分すぎるほどに不幸を味わってきました。
そして、そんな彼らは自分の幸福のためにアンフェアな力を使っても仕方ないはずです。
ハッキリ言って、私なら迷わずそうします。
しかしマーベラス達は、あくまで宇宙の人々のためにアンフェアな力を使おうとしている。
それだけ彼らは宇宙の不幸を多く見過ぎてきた。
だからアンフェアでも何でもいいから、災厄を取り除いて宇宙に幸福を実現したいと思うのです。

これをつかまえて「それは真の幸福といえるのか?」などと説教するのは野暮というものです。
単なる綺麗事の理屈に過ぎない。
だから、ここでのマーベラス達の決断、劇中の彼らの決断そのものを責める気は全く起きません。
彼らは彼らの立場としては立派な決断をしたと言っていいでしょう。

つまり、彼らはこのお宝の力を使って歴史を改変する決断をして、
「これをレンジャーキーの上にかざし、想いを込めればいい!」という地球の意思の指示に従って、
レンジャーキーの置いてある扉の外、つまり彼らのもともと居た船室に向けて、お宝を持って戻って行ったのです。
後は、この物語自体がマーベラス達にどんなドラマを与えるのか、
「ゴーカイジャー」という物語を愛する視聴者としては、それを見守るしかありません。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 22:52 | Comment(0) | 第49話「宇宙最大の宝」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月10日

第49話「宇宙最大の宝」感想その5

遂に追い求めてきた「宇宙最大のお宝」を手に入れ、
更にお宝を使って全宇宙を思い通りに作り直す権利までも手中として、
マーベラス達6人は石室を後にして、元来た通路を戻っていき、扉を通って意気揚々と船室へと戻ってきました。

6人全員が扉を通り過ぎて船室に戻ると、同時に扉は閉じて金色の光を放ち、元のナビィの姿に戻ります。
そのナビィは石室内での出来事は把握していないようで、
「ねぇねぇ!手に入ったのぉ!?お宝!」とマーベラスに質問してきますので、
マーベラスはナビィに振り返り「ああ!こいつだ!」と、
石室で手に入れた三角錐型の宝を片手に載せてナビィに示します。

ナビィは「わああ〜!」と喜びました。
ナビィもまた、本人はアカレッドから自分の秘密は何も知らされていなかったので、
純粋にマーベラス達と一緒に宝を追い求めていた仲間であったので、
何だか小さくて変な形をしているものの、
とにかくマーベラス達が苦労の末にお宝を手に入れたことが嬉しいのでした。

それにしても、ナビィは自動的に扉型から鳥型に戻ってしまいましたが、
これでもう二度と扉型には変形しないのか、少し気になるところではあります。
既に扉の向こうには「宇宙最大のお宝」は無いわけですから、
ナビィは二度と扉になる必要は無いのかもしれません。

しかし、ナビィは宇宙には本来は存在し得ないイレギュラーな存在であり、
その存在理由は「宇宙最大のお宝への扉」およびその発見までのナビゲーター役としてであったと思われます。
ならば、こうして「宇宙最大のお宝」がマーベラス一味の手に渡った以上、ナビィの役目は終わり、
本来は宇宙に存在し得ないイレギュラーな存在であるナビィは
役目を終えて扉型のまま消滅してもおかしくないはずです。
ところがまだナビィが普通に鳥型に戻って存在しているということは、
まだ何かナビィには役目があるのかもしれません。

あと、少し気になっていることはガレオンの件です。
バスコが「宇宙最大のお宝」を手に入れるために必要なものとしてナビィと共に欲しがったガレオンは、
ここまではナビィを扉型に変形させる「場」として機能したように見える程度の扱いで、
それにしても明言された設定ではありません。
バスコがガレオンにもこだわった理由は、アカレッドがこだわっていたからなのであろうと思われますが、
あるいはガレオンにはまだ「宇宙最大のお宝」に関連して何か役割があり、
それはナビィがまだ存在していることと関係しているのかもしれません。

どうも「宇宙最大のお宝」には、まだ謎があるようにも思えます。
どうして地球の中心に隠されていたのか?
どうして地球の意思がお宝の使い方を説明したのか?
どうして宇宙の過去まで遡って作り直すなどという途轍もない能力を持っているのか?
どうして34のスーパー戦隊の大いなる力と関係があるのか?
考え出すとキリが無いくらい謎だらけです。

それに、地球の意思とやらがマーベラス達に向けて語った言葉のうち、
マーベラス達の質問に答えただけの言葉を除くと、
「・・・その価値を決めるのは君たち自身だ・・・!」
「これに34のスーパー戦隊の大いなる力を宿せば・・・全宇宙を好きなように作り直せる・・・!」
「この宇宙にある全てのものの存在や、出会いが、君たちの思いのまま!」
「これをレンジャーキーの上にかざし、想いを込めればいい!」となります。

石室では地球の意思の方から突然マーベラス達に話しかけてきており、
地球の意思の方がマーベラス達に何か伝えたいことがあったのだと思われます。
マーベラス達の質問に答えたのは、ついでのことであって、
地球の意思にとっての本題は、あまりマーベラス達の質問に沿った返しの言葉ではない
上記のセリフ群の方に込められていると思われます。
それをまとめれば、こうなります。

この宝を34戦隊の全てのレンジャーキーの上にかざして想いを込めれば、
宝に34のスーパー戦隊の大いなる力が宿り、
宇宙のあらゆるものの存在の有無や、あらゆる人々の出会いについて、
想いを込めた者の好きなように過去に遡って操作して、現在の宇宙を作り直すことが出来る。
その新たに作り直された宇宙の価値こそが、この宝の価値となるのだから、
この宝の価値を高めるのも貶めるのも、想いを込める者次第である。

こういう趣旨を伝えるために地球の意思がマーベラス達に話しかけてきたのだとしたら、
地球の意思の目的は、マーベラス達に歴史を改変させることそのものではなく、
このお宝の価値を決めさせることであったようにも思えます。

つまり「宝の価値」はそれをゲットした海賊自身に決めさせるのであり、
それはつまり「宝の使い道」を一任したということです。
ただし、そのマーベラス達の判断の結果、宝の価値が決定することになる。
価値が決まれば、当然、その価値に見合った報酬はマーベラス達の手に入ります。
それはマーベラス達が最も価値を感じられる報酬内容でなければいけない。

例えばマーベラス達が宇宙の支配者になることに価値を感じるのならば、
その願いは叶えられるのであろうが、
マーベラス達は自分達が宇宙を支配出来るという新世界には価値を感じないのであろうから、
その道を選ぶことはない。

石室での地球の意思との遣り取りを見る限り、マーベラス達の最も価値を感じる新世界は、
ザンギャックの存在しない平和な宇宙であるようですから、
彼らはこの宝の価値を「ザンギャックの存在しない平和な宇宙」を実現するものとして、
それに見合った使い方をしようとするでしょう。

但し、地球の意思はマーベラス達にそのようにすることを求めてはいません。
単にマーベラス達の投げかける質問に答えていただけです。
その結果マーベラス達がすっかりその気になっているだけであり、
地球の意思の言いたい事の趣旨は、「宝を使い道を決めて、宝の価値を決めろ」であるようです。

ならば、その選択肢の中には「宝を使わない」というものも含まれているような気もします。
宝を使わないことによって宝の価値が無価値になるとは言っていないわけで、
宝を使わないと決めることによっても、宝の何らかの価値が決定する可能性はあります。

地球の意思は、この宝に宇宙を作り直せる力があることは説明していますが、
宝の価値がその作り直すことによってのみ決定されるとまでは限定していません。
単に宝の価値を決めるのはマーベラス達の判断次第であると言っているだけです。

ならば、もしマーベラス達が宝を使わなかった場合に決定された宝の価値に相当する報酬とは、
いったいどんなものなのでしょうか?
「今までと全く変わらない現実」が報酬として与えられるだけなのかもしれません。
それはマーベラス達にとって、あまり価値を感じられないものでしょう。
つまり、その決断をすることでマーベラス達は宝の価値を低く貶めてしまったということになります。

しかし、もしマーベラス達がその「宝を使わない」という決断をした場合、
それは、宝を使わない結果もたらされる状態に、
宝の所有者である彼らが高い価値を見出したからなのでしょうから、
その場合、宝の価値が低くなるということは有り得ないように思えます。
ならば、その高い価値に見合った何らかの報酬はマーベラス達に与えられるべきではないかと思います。

何せ、彼らは文句なしに宝をゲットした「宝の所有資格者」なのですから、
宝を自ら捨てるのでない限り、
宝を所有したまま「使わない」という選択をした場合もまた、
獲得した宝から何の報酬も得られないとは考えにくいのです。

ただ、現実問題として、現時点のマーベラス達6人は「宝を使わない」という選択に何ら価値は見出していません。
それゆえ、「宝を使わない」という選択にも何らかの報酬が有り得るということは考えてもいないようです。
もともとは、売り飛ばして宇宙を買い取ろうとしていたルカを除いては、
「宇宙最大のお宝」を手に入れた後の使い道など考えてもいなかったマーベラス一味の面々でありましたが、
お宝をゲットした地球の中心にある石室で語りかけてきた地球の意思との遣り取りの結果、
この宝を使って「ザンギャックの存在しない平和な宇宙」を実現することが、このお宝の価値なのだと
強く確信しているのです。

それで、6人は船室に戻ってナビィに事の次第を説明すると、
さっそく船室の真ん中に34戦隊のレンジャーキー192個を全部入れた宝箱を台座ごと移動させてきて、
その周りに円陣を組むように集まり、マーベラスは手にした三角錐型のお宝を宝箱の真上にかざしました。
地球の意思が説明してくれた通りに、宝をレンジャーキーの上にかざして6人の想いを込め、
34戦隊の大いなる力を宝に宿らせて、宇宙を思いのままに作り直す作業を開始しようとしているのです。

「さぁ、始めましょう!誰もが幸せになるよう、宇宙を作り替えましょう!」とアイムが嬉しそうに皆に声をかけ、
それに応えて鎧が「ザンギャックのいない、平和な宇宙に!」と、願い事の内容を確認するように口にしながら、
宝箱の上に差し出しているマーベラスの手の持つ三角錐型の宝の上にかぶせるように
自分の片手を勢いよく差し出します。

その鎧の手の上に、更にハカセ、ルカ、ジョー、アイムの手が重ね合わされ、
マーベラスの掌の上にお宝、その上に重ね合せた5人の掌が
宝箱の中のレンジャーキーの真上に位置することとなり、
6人の掌に込めた想いが1つとなり、宝箱の中の34戦隊のレンジャーキーの大いなる力を全て吸い上げて、
三角錐型の宝に宿す態勢が整ったことになります。

そして、その6人の込める「想い」とは、
やはり「ザンギャックのいない平和な宇宙に、宇宙を作り直すこと」であるようです。
さっき石室で各自が言っていた様々な願い、
ファミーユ星の復活、ハカセの故郷の復活、ルカの妹の復活、シドの復活なども含めて、
宇宙における現在起きており、過去に起きた様々な不幸や悲劇を最も多く解消する最大公約数の願い事は、
「ザンギャックが初めから存在しておらず、宇宙はずっと平和であったというふうに歴史を変えてしまうこと」だと、
6人は結論づけて、その願いを想いとして込めることで合意しているようです。

マーベラスはワクワクした顔で5人の仲間の顔を見回しながら
「・・・しっかり想いを込めろよ・・・!」と最後に念を押します。
それに対して鎧が感慨無量の面持ちで「はい・・・!」と返事をし、目を閉じて集中を開始すると、
それを合図に全員が掌を宝箱の上にかざした姿勢のまま目を閉じて意識の集中を開始し、
「ザンギャックのいない、平和な宇宙に!」という想いを心に唱えて込め始めます。
すると、宝箱の中の192個のレンジャーキーがそれに呼応するように金色の光を発し、
そこに宿した34戦隊の大いなる力を鷹箱の上の三角錐型の宝に向かって注ぎ込もうとしました。

ところが、その瞬間、ハカセがハッと何かに気付いたように、慌てて
「・・・ちょっと待って!!」という大声を出したので、6人の意識の集中は乱されて、
「想い」が途切れ、せっかく大いなる力を発して金色に光っていた192個のレンジャーキーも、
その光を引っ込めて、元の状態に戻ってしまったのでした。

いきなり作業をハカセに邪魔をされてしまった形となった他の5人は怪訝そうな顔でハカセを睨みます。
ルカは苛立って「何よ〜!?」とハカセに文句を言いますが、
ハカセは皆の非難の視線に申し訳なさそうにしながら、
しかし、それよりもよほど気になることがあるようで、
三角錐型の宝に向かって「宇宙を作り替えたら・・・これはどうなっちゃうのかな・・・?」と問いかけます。

もちろん、これは宝に問いかけているわけではなく、
石室を出てから消えてしまったかのようになっている「地球の意思」に向けて問いかけているのです。
石室を出てから「地球の意思」が全く喋らなくなってしまったので、
あの声はあの石室の中だけのものであったかのように錯覚しがちでしたが、
あの声が地球の意思であるならば、ここが地球上である限り、
何処で話しかけても会話は可能なはずだとハカセは考えたのでした。

すると、案の定、宝は鈍く金色に明滅しながら「消える!」と返答の声を発しました。
それは、さっき石室で聞いた地球の意思の声でした。
やはり地球の意思とは、この宝を通して、今でも何処ででも会話は可能であるようでした。
ハカセが質問したのは、宇宙を作り直す作業が終わった後、この宝はどうなるのかという疑問でしたが、
地球の意思はその質問に対して「消える」という回答をしてくれたのでした。
願いを叶えたら宝は消えるというわけです。

「決まってんじゃん!・・・何度も使えると思ったの?ずうずうしい・・・!」とルカはハカセにツッコミを入れます。
他の皆もルカ同様、ハカセが何度もお宝で願いを叶えようと思っていたのだと思い、
その浅ましさを呆れたように、ハカセの方を見ます。
宇宙の歴史までも根本的に、何でも思い通りに変えてしまうという絶対的なパワーがそうそう何度も使えるなど、
マーベラス達はさすがに考えていませんでした。
例えば夏映画「空飛ぶ幽霊船」で出てきたゴッドアイのように、
何でも願いを叶えるアイテムは、その叶えられる願いはたった1つと相場が決まっているものです。

それに、ザンギャックのいない平和な宇宙を作れば、みんなを見舞っている今までの不幸は全て無くなるのです。
それ以上の特別な幸せ、例えば自分の栄達や成功を願おうというのなら、それは欲張り過ぎるというものです。
だから皆は願いは1回で十分だと考え、
ハカセが何度も願いを叶えようとしていると思い、それは欲張りだと思い、非難の視線を浴びせます。

しかしハカセは皆の冷たい反応を受けて、逆にその無理解に呆れたように溜息をついて、
「違うって!!」と怒鳴り返します。
ハカセは願いの回数のことなど気にしていたのではないのです。
願いなど1回だけ「ザンギャックのいない平和な宇宙」でいいのです。
ハカセが気にしていたのは、願いを叶えて宇宙を作り替えた後、この宝が消えるのかどうかという点だったのです。

しかし、どうしてハカセは願いを叶えた後の宝の状態のことなど気にするのか?
それについては「・・・ちょっと引っ掛かってたんだ・・・」とハカセが説明します。
そのハカセが引っ掛かっていたことというのは、さっきナビィを扉にして宝のある不思議な通路に入っていく前に、
5つの戦隊のレンジャーキーの作り出した白い空間で出会った5人の元レジェンド戦士たちのうち、
サンバルカンのバルイーグルだった飛羽の最後に発した
「太陽のように輝いて生きろ!俺たちの分までな・・・」という言葉でした。

その言葉について、ハカセは「・・・あの言葉・・・ひょっとして僕たちがお宝を使ったら・・・
これに宿したスーパー戦隊の大いなる力も・・・消えちゃうんじゃないかなって・・・」と、
他の5人に自分の疑問に思っている内容を伝えたのでした。
それを聞いて、5人はハッと重大なことに気がつき、
ハカセが間一髪のタイミングでそれに気付いたから、宇宙を作り替える作業を中断して、
地球の意思にあんな質問をしたのだと理解したのでした。

ハカセは23個のレンジャーキーの光を浴びて入り込んだ白い空間での飛羽の別れ際の言葉が、
「俺たちの分までお前たちは生きろ」という、まるで間もなく死ぬ人間の遺言のようなニュアンスであったことに
少し違和感を覚えていたようなのですが、
その後、最後の5つの大いなる力の一挙獲得、その後のナビィを扉にするための試行錯誤、
そしてナビィが扉になってからの地球の中心への冒険とお宝のゲットなどの、
怒涛の展開の中でその違和感のことを忘れ去っていました。

しかし、宝箱の前で手をかざして意識を集中している時、
宝箱の中のレンジャーキーが金色の光を発した瞬間、
ハカセは白いレンジャーキー空間での飛羽の言葉に覚えた違和感を突然思い出し、
その違和感が今のこの作業に直結していることを直感して、慌てて作業を中断したのです。
そして、皆の非難の視線を浴びながら瞬時に考えを巡らせたハカセは、
この宇宙の歴史を改変する作業に、非常に不自然な点があることに気付いたのでした。

それは、その作業をするために34のスーパー戦隊の大いなる力を宝に宿して、それを使用するという点でした。
だいたいにして、大いなる力はハカセ達も普段から戦いで使用していますが、
歴史を改変するほどの絶対的な力を発揮するものではありません。
それが34個集まったからといって、歴史を変える創造主のようなパワーが発揮出来るとは到底思えない。
ということは、地球の意思の言うように34のスーパー戦隊の大いなる力を使えば
歴史の創造まで出来るというのなら、それは自分達が普段やっているような
通常の大いなる力の使用法ではないのだろうとハカセには思えました。

ハカセ達が通常時に使っている大いなる力というのは、
レンジャーキーを挿せば何度も使えるものであり、特に使用後にパワーをチャージしているわけでもありません。
いやレンジャーキーを使っての変身時やファイナルウェーブなども同じであり、
あれらは実はエネルギーを消費しているわけではないのです。
ハカセ達はレンジャーキーに宿ったエネルギーをバトルスーツや衝撃波や巨大メカなどに実体化して
利用しているだけであり、それらは使用後そのまま一切損耗することなくレンジャーキーの中に戻っているのです。
だから、実はハカセ達はレンジャーキーのエネルギーを本当の意味で消費したことはありません。
引き出していただけなのです。

「34の大いなる力を引き出せば、宇宙最大のお宝を手に入れられる」と小津魁はハカセに言いましたが、
確かにさっきナビィを扉に変えた34のレッド戦士レンジャーキーから発した金色のビームも、
扉の錠前を解錠した際の34のレッド戦士のレンジャーキーから発した金色の光も、
あれは大いなる力を「引き出した」ものであり、
あの後、そのエネルギーはいつものようにレンジャーキーに戻っています。
だから小津魁の言っていたことはまさに正確だったのです。

だから、その後、扉の向こうの石室で話しかけてきた「地球の意思」が言っていた
34のスーパー戦隊の大いなる力を使って宇宙の歴史を改変するという話も、
これまでの場合と同じように、単にレンジャーキーから大いなる力を引き出す、
つまり使用後のエネルギーが再びレンジャーキーに戻ることを前提に引き出されるだけだと
ハカセ達は勝手に思い込んでいたのです。

しかし、小津魁が言っていたのは、あくまで「宇宙最大のお宝」を手に入れるまでの話であり、
あの「地球の意思」が話しかけてきたのはマーベラスが「宇宙最大のお宝」を手に入れた直後のことでしたから、
小津魁の話とは全く別の話なのだと考えなければいけません。
「宇宙最大のお宝」を手に入れた後における「大いなる力」の使用法は、
「引き出す」だけとは限らないのです。

考えてみれば、34戦隊の大いなる力が同時に引き出された結果、起きた現象は
ナビィを地球の中心の異次元空間へ繋がる扉に変えて、その扉の封印を解いたことだけでした。
それだけでも、おそらくこの世で34の大いなる力を同時に引き出した時にしか得られない
大きなパワーを作用させた結果なのであろうということは分かりましたが、
それにしても宇宙創成に比べれば、あまりにもスケールが小さい。

あの程度の力、いや仮にあれは34個のレンジャーキーだけの力だったので
192個揃えばもっとパワーは大きくなるとしても、
それでもそれぐらいの力で宇宙の歴史を作り替えることが出来るとは到底思えません。
それでいて34の大いなる力を宝に宿せば、宇宙を作り直すことが出来るというのですから、
大いなる力を使うことは間違いない。
ならば、「引き出す」のとは違う、もっと強大なパワーを得られるような
使い方をするに違いないとハカセは思いました。

それは単にエネルギーを実体化して拝借するのではなく、
レンジャーキーから宝に移し替えた大いなる力を宇宙創成のエネルギーに変換して
使い切ってしまうのではないかと思えました。
そうすれば、比べ物にならないほどの巨大なエネルギーを得られるのかもしれない。
いや、それが34個集まれば宇宙を作り直せるなどということになれば、
そもそも大いなる力というのは一体何なのだろうかと、ますます不思議になってしまうのだが、
とにかくそれが34個集まれば宇宙を創成出来るというのだから、
普段とは違ってレンジャーキー内の大いなる力を全部消費する可能性が高い。

それこそが「大いなる力」の真のパワーなのであり、
普段自分達が引き出している力は単にそこにあるエネルギーを実体化したものに過ぎず、
本当に大いなる力を燃焼させて化学変化を起こしているものとは違うのだとハカセは理解しました。

しかし、そんなことをしてしまえば、
大いなる力は再びレンジャーキーに戻ってきて宿ることはなく、完全に失われてしまう。
では、大いなる力が失われたら、いったいどういうことになるのか?
まず考えられることは、もう二度とマジドラゴンや風雷丸たちに会えなくなるということでした。

いや、「大いなる力」というふうに地球の意思は言っていましたが、
要するにレンジャーキーの中に宿るパワー全てを指して「大いなる力」と言っているのであり、
そもそも本当はレンジャーキーの中に宿る「戦う力」をも含む全てのエネルギーを総称して
「大いなる力」と呼ぶのが正式呼称のようです。

ということは、「大いなる力」が消費されて失われたら、
マーベラス達は二度と34のスーパー戦隊の戦士たちに変身出来なくなる。
また、34のスーパー戦隊のもともとのオリジナル戦士であるレジェンド戦士たちも
二度と変身出来なくなるのではないかとも思えました。

そうなると、ちょっと困ったことになります。
もともとマーベラス達は「宇宙最大のお宝」を手に入れるためにレンジャーキーを持っていたので、
地球に来て、レンジャーキーの中の戦う力がもともとは地球のスーパー戦隊の戦士たちのものであったと知った後も、
レンジャーキーを持ち続けていました。
しかし「宇宙最大のお宝」を手に入れれば、もうレンジャーキーを持っていても仕方ない。
確かに戦いの場でもレンジャーキーを使っていましたが、あれはついでのようなもので、
「宇宙最大のお宝」が手に入れば、レンジャーキーはその中に宿った戦う力や大いなる力の
もとの持ち主であるレジェンド戦士たちに渡そうと思っていました。

しかし、もしお宝を使って宇宙の歴史を改変してしまうことで
レンジャーキーの中の「大いなる力」が失われてしまうのなら、
その後でレンジャーキーをレジェンド戦士たちに渡しても、
レジェンド戦士たちはもう二度と変身して戦えなくなります。
それならレジェンド戦士たちにレンジャーキーを渡す意味は無く、渡すことは出来なくなってしまいます。

まぁ宇宙の歴史を改変してザンギャックのいない平和な宇宙が実現したら、
マーベラス達もレジェンド戦士たちももう変身して戦う必要は無くなるのだから、
宇宙の平和と引き換えにレンジャーキーの中のパワーが失われても、
仕方ないと言えば仕方ないと言えなくもない。

しかし、ハカセがそれでも気になったのは、
あのレンジャーキー空間の中での飛羽の、まるで自分達の死を予期したかのような発言でした。
もしかしたら、レンジャーキーの中の34戦隊の「大いなる力」が失われると、
レジェンド戦士たちは死んでしまうのではないだろうかとハカセは危惧しました。
どういう原理でそんなことになるのかは分からず、確信は持てなかったが、
もしそんな事態になれば一大事ですから、ハカセとしてはそのあたりは確認しなければいけないと思いました。

しかし、そもそもレジェンド戦士の死までいかなくても、
レンジャーキーのパワーが二度と使えなくなるというだけでも
マーベラス一味にとってもレジェンド戦士たちにとっても重大な事態であるはずであるのに、
そのことをハッキリとは言わない地球の意思の態度に不自然なものを感じたハカセは、
宇宙を改変した後に大いなる力がどうなるのかストレートに質問することは避け、
このお宝そのものがどうなるのか質問してみることにしたのでした。

すると地球の意思は、お宝は消えて無くなると言ったのです。
となると、レンジャーキーからお宝の方に移し替えている「大いなる力」もまた、
宇宙改変の後、お宝に戻ることなく消えるということになります。
この地球の意思の返事を聞いて、ハカセは宇宙改変の後、「大いなる力」が消える可能性は高いと確信しました。
そして、飛羽はそのことを知っていて、ああいう謎めいた遺言のようなセリフを言ったのだと思いました。
つまり、自分達がこのお宝で宇宙の歴史を改変したら、
レジェンド戦士の身に何か異変が起きる可能性があるということです。

ハカセはそのことに気付き、
ハカセの話を聞いて、マーベラス達5人もその可能性に気付いて、動揺します。
マーベラス達もこうしてお宝が手に入った以上は、
レンジャーキーをレジェンド戦士たちに渡してしまおうと思っており、
その前にちょっとレンジャーキーの力を引き出して、宇宙の歴史の改変をやっておくぐらいの
軽い気持ちであったのですが、
もし歴史改変によってレンジャーキーのパワーが失われ、レジェンド戦士の身に異変まで起きるとなれば、
それどころではありません。

「おい!!どうなんだ!?・・・言え!!」とマーベラスは焦ってお宝に向かって怒鳴ります。
さっき石室ではあれほど澱みなく自分達の疑問に答えてくれていた「地球の意思」が
さっきからのハカセの提示した重大な疑惑に対して、ずっと沈黙しているから、
余計にマーベラスは苛立ちました。
あの石室を出たら交信不能というのならば、この沈黙も理解は出来るのですが、
地球の意思はついさっきハカセの質問に即座に返事をしているわけですから、
ここで黙り込んでいても言い訳出来る状況ではありません。

つまり、どうやら地球の意思はミスをしてしまったようです。
地球の意思といっても全能の神というわけではないようで、ミスはするのです。
宇宙改変の後にお宝が消えるという事実を不用意に問われて答えてしまったので、
宇宙改変後に大いなる力が消えるという疑惑をマーベラス達に与える羽目になってしまったことに、
少し困っているようです。
それはつまり、図星を突かれたということであり、
ここまで疑われた以上、よほどしっかりした証拠を示さない限り、
その疑惑を否定出来ないということも分かっているのです。
しかし、そんなしっかりした反証も用意出来ないから困っているのであり、
つまり、やはり宇宙改変後、大いなる力は消える可能性が高いのだとマーベラス達に思わせるには十分でした。

仕方なく、地球の意思はマーベラス達に対して「・・・それを気にする必要は無い・・・!」と言います。
これを聞く限り、どうも地球の意思は、マーベラス達に34のスーパー戦隊の行く末について
気にしてほしくないようです。
嘘をついて、しらばっくれることも出来たとは思いますが、
もし地球の意思がこの状況で「宇宙改変後も大いなる力は消えない」と言ったとしても、
おそらくマーベラス達は疑惑を抱えたままでしょう。
そうなると、6人の心が乱れて、宇宙改変の作業自体が出来なくなってしまうし、
そもそも彼らが宇宙改変作業を止めてしまうかもしれない。

だから気にしないでほしいと言っているようにも解釈出来ますが、
地球の意思の真意が「マーベラス達にお宝の価値を決めさせる」ことにあると仮定すると、
余計な情報を与えてマーベラス達の判断に影響を与えたくないという意味で
「それを気にする必要は無い」と言っているようにも見えます。
34のスーパー戦隊がどうなるとか、そういう他の問題に左右されず、
お宝の持ち主であるマーベラス達にとって真に価値のあることは何なのかということを
真剣に考えさせようとしているようにも見えます。

しかし、そんなことまで考える余裕は6人には無い。
もしかしたら自分達の決断でレジェンド戦士たちの命が失われるかもしれないと考えれば、
気にするなと言われても、気にしないでおくなんて無理です。
「でも・・・」とアイムは食い下がり、皆も動揺して、地球の意思の返答に対して不満を露わにします。
鎧に至っては、お宝に飛び掛かって
「どうなるのかだけでも教えてください!・・・これじゃあ、気になって使えませんよ!!」と、
必死の形相で強く訴えます。

スーパー戦隊を誰よりも愛する男である鎧が、
自分達の行為がスーパー戦隊の戦士たちの生死に関わるかもしれないと聞かされて、
それを気にする必要が無いなどという意見に納得出来るわけがない。
他の5人にとっても、34のスーパー戦隊の戦士たちは、自分達を信じて「大いなる力」を託してくれた人達です。
彼らがいたからこそ、マーベラス達は「宇宙最大のお宝」をその手に掴むことが出来た。
云わば、スーパー戦隊の戦士たちはマーベラス達にとって恩人のようなものでした。

いや、お宝のことを抜きにしても、マーベラス達は彼らから多くを学び、それによって助けられてきた部分は大きい。
そんな大切な人達を危険な目にあわせるようなことをするかもしれないのに、
気にしないなどということが出来るわけがない。
相手が地球の意思だろうが神様だろうが、一体どういう事情になっているのか、
聞かないことには引き下がれませんでした。

この6人の断固とした姿勢を見て、仕方ないと思ったのか、地球の意思はお宝を通して
「・・・宇宙を作り替えるために・・・34のスーパー戦隊の大いなる力を使う!」と説明を始めます。
そして、一同が固唾を呑んで耳を傾ける中、続けて地球の意思は
「その結果、彼らの力も、存在そのものも全て消える・・・!!」と、驚きの真相を告げたのでした。

これには、6人は仰天しました。
6人は自分達がお宝を使って宇宙を改変することによって、
スーパー戦隊の戦士たちが全員死んでしまうという最悪の展開だけは無いように、
祈るような気持ちで地球の意思の言葉を聞いていたのですが、
そこに飛び出してきた真相は、彼らの想像を更に大きく超えるものであったのです。
スーパー戦隊の戦士たちは、死ぬのではなく、存在そのものが消えるのだと地球の意思は言うのです。

「何よ!それ!?・・・どういうこと!?」と、ルカはいきなりの話の飛躍についていけず、
唖然として問い返しました。
それに対して地球の意思は、「34のスーパー戦隊がいたという事実が無くなり・・・歴史から消える!」と、
「存在が消える」ということの意味をもう少し詳しくかいつまんで説明してくれました。
「ええ〜!?」とナビィが驚きの声を上げますが、
地球の意思は「・・・それだけのことだ!」と、それが大したことではないような口ぶりで説明を終えます。

しかし、どう考えてもそれは大変なことです。
地球の意思のあまりに冷たい態度に、ナビィも「そんなぁ〜!?」と嘆息します。
一方、鎧は「・・・それだけって・・・」と絶句します。
今、地球の意思が通告した真相は、鎧にとって、あまりにも残酷な話でした。

鎧は宇宙の歴史を改変することによって、
そのために使用したレンジャーキーの力が失われ、レジェンド戦士たちが二度と変身出来なくなったり、
ましてや彼らが死んでしまうなどということは、スーパー戦隊ファンとしては絶対に嫌でした。
しかし、それはあくまで個人的感情に過ぎないのだと、鎧は必死で自分を納得させようともしていました。
心の中は激しい葛藤が生じていたのです。

ザンギャックをいなかったことにして歴史を改変出来れば、宇宙は平和になり、多くの人々が救われるのです。
そのためにどうしてもレンジャーキーの力が必要で、
どうしてもスーパー戦隊が犠牲にならなければいけないのだというのなら、
宇宙の平和と引き換えならば、そんな犠牲もやむを得ない、尊い犠牲なのではないのか?

鎧自身、今まで地球や宇宙のために命懸けで戦って来たスーパー戦隊の端くれだから分かることですが、
34のスーパー戦隊の皆さんだって、今まで自分の命を賭けて平和を守るために戦ってきたのです。
だから、鎧はもちろんスーパー戦隊を犠牲にしたくはなかったが、
もし万が一、スーパー戦隊を犠牲にするしか宇宙平和を実現する方法が無いというのなら、
きっとスーパー戦隊の皆さんは喜んで自ら犠牲になるのだろうと、鎧には思えました。
だからさっきも白い空間で、あんな遺言のようなことを言って、5人の元戦士たちは笑って消えていったのです。

さっきの5人だけではない。
今までマーベラス一味に大いなる力を託してくれたレジェンド戦士たちは皆、
既に覚悟して、自分達に大いなる力を託してくれていたのだと鎧は気付きました。
そう考えると、まさに彼らこそが宇宙を救った英雄だといえます。
彼らは既に覚悟しているのだから、自らが犠牲になることを厭わないのだろう。
ならば、どうしても彼らを犠牲にせずに宇宙の平和が実現出来ないのならば、
自分達に出来ることは、彼らの犠牲的精神を受け入れて、
その英雄的行為を永遠に忘れることなく、語り継ぐことぐらいしかないのではなかろうかと、鎧は思っていました。

ところが、地球の意思は、レンジャーキーの力を使って宇宙の歴史を改変すれば、
34のスーパー戦隊の存在が消え去り、最初からいなかったことになるというのです。
つまり、マーベラス一味の6人も含む誰もがスーパー戦隊が存在していたこと自体を忘れてしまうというのです。
そうなると、レジェンド戦士たちの自己犠牲によって宇宙が平和になったということ自体を
誰もが忘れてしまうどころか、スーパー戦隊などというものが存在したこと自体、誰も知らずに、
彼らに感謝することもなく、彼らが身を捨ててもたらしてくれた平和を満喫することになるのです。

確かに、彼らのことなど最初から知らない状態になるのですから、
彼らの存在が消え去ったことなど、大したことではないはずです。
自分達は何の負い目も感じることなく、彼らが身を捨てて与えてくれた幸せを貪ればいいのです。
残された者達はそうして平和を満喫すればいい。
そのように地球の意思は言っているのです。
いや、別に地球の意思は楽しむように勧めてすらいない。
鎧たちの作り直そうとしている平和な宇宙とは、そういうものだと教えてくれているのです。
そして、それで何の問題も無いのだと言ってくれている。

しかし、鎧にとって、これほど人をバカにした話もありませんでした。
平和の礎となって消えていった英雄たちのことを忘却して、
ただヘラヘラと楽しむことに何の問題も無いなど、
地球の意思だか何だか知らないが、人をコケにするのもいい加減にしてもらいたい。

どうせ忘れるから負い目も感じなくて済んで良かったと思うとでも?
そんなことを自分達が喜ぶとでも思っているのか?
そんなことが受け入れられるわけがないではないか。
鎧はカッとなって、マーベラスから三角錐型の宝を乱暴に掴み取ると、
それを顔に近づけて「ふざけないでください!!何なんですかそれ!?」と大声で怒鳴り散らしました。

だいたい、意味が分からない。
どうしてレンジャーキーの力が無くなると、スーパー戦隊の存在が歴史から消えるのか?
レンジャーキーの力が無くなって変身出来なくなるというのなら話は分かります。
レンジャーキーにはスーパー戦隊の戦う力が宿っているのですから、
それが無くなればもうこの世にはスーパー戦隊の戦士は出現しなくなるのは分かります。
しかし、どうして過去に遡って、彼らが存在しなかったことになり、
他の人々の記憶までも操作されなければならないのか?

確かにザンギャックの存在を歴史から抹消してしまうような特殊な力ですから、
そのしっぺ返しでスーパー戦隊の存在も歴史から消えてしまうのかもしれないが、
そもそもどうしてそのような特殊な力がスーパー戦隊の「大いなる力」に備わっているのか、
サッパリ意味が分からないから、どう対処していいのかも分からない。

そもそも「大いなる力」とは何なのか?
ただの巨大戦力のことなのかと思っていたが、どうやらそんな簡単なものではないようだが、
全く何なのか、鎧には分かりませんでした。
そのあたりから詳しく地球の意思に説明してもらわないと、
このお宝をどう使ったらいいのか、鎧には全く見当がつかないのでした。

しかし、「・・・何とか言ってください!!」と必死で訴える鎧に対して、お宝は沈黙したままです。
地球の意思は出てきてくれません。
後は自分達でお宝の価値を決めるように、と冷たく突き放したような印象です。

一方、地球の意思の真相の告白と、それに対する鎧の激怒する声を聞きながら、
マーベラス達5人は、黙ってうなだれていました。
お宝を使ってザンギャックのいない平和な宇宙を作り直すと、
スーパー戦隊の存在が歴史から消え去ってしまう。
これは、あまりに残酷であり、あまりに不道徳な代償でした。

宇宙を平和にするために自ら犠牲となった英雄の存在を無かったことにして、ただ貪るだけの平和に価値など無い。
これはいくら何でもダメだ、受け入れられない、とマーベラス達は思いました。
だから5人とも、鎧の怒りはよく理解出来るし、尤もだと思いました。

しかし、理性ではそのように思いながらも、鎧に同調しきれない感情もまた、5人の中では渦巻いていました。
その感情は、ひたすら今の状況を残念に思っていたのです。
こんな話を聞かされたら、もうお宝を使って宇宙を平和にするなんて諦めるしかない。
そのことが悔しいのです。

あと一歩で、宇宙が平和になったのに、それが出来なかったのが悔しいのです。
故郷の人々や肉親、知人など、非業の死を遂げた人々が生き返って幸せになるチャンスだったのに、
宇宙でザンギャックに苦しめられている人々がみんな救われて幸せになるチャンスだったのに、
それがダメになってしまった。そのことが残念で残念で仕方ない。
そして、マーベラス達は、鎧は所詮、星を滅ぼされたわけではなく、肉親が殺されたわけでもない、
まだ比較的ザンギャックの被害を受けていなかった地球人だから、
そんな綺麗事が大声で言えるのだと思えました。

マーベラス達は鎧のように地球の意思に対して大声で言い返す気がどうしても湧いてこない。
自分達が宇宙で見てきた本当に不幸な出来事が全部解消するのなら、
確かに地球の意思の言う通り、どうせ皆が忘れてしまうスーパー戦隊の、
本人たちも覚悟している犠牲など、「それだけのこと」でしかないようにも思えたからです。
それによって自分達が負う、あまりに残酷で痛すぎる罪悪感も、
「それだけのこと」でしかないようにも思えたからです。
それほど、現実の宇宙はザンギャックによって悲惨の極みに陥っていたのです。
そのことを鎧は本当の意味で知らないのだ。

そういう想いが5人の内心に渦巻き、
しかしやはり5人の理性では、そんな自分の内心や、鎧に対するそのような妙な反感を恥ずかしく思い、
なんと自分は浅ましいのであろうかと、自分を戒める気持ちも湧いてきて、
5人は複雑な表情で俯き、黙り込みます。

すると、そこに突然、係留してあるガレオンを激しい横揺れが襲います。
「うわっ!?」と6人は危うく倒れそうになって慌て、
ハカセが驚いて「何なんだいったい!?」と前方モニターを見るためにメインコンピュータを弄ると、
前方モニターに映し出された正面の上空に巨大ロボが浮かんで、ビームでガレオンを攻撃してきていました。
「ザンギャックの攻撃だよぉ!!」とナビィが慌てて跳び回ります。

これはどうやらザンギャックの決戦機のようでした。
つまり、以前にワルズ・ギルが操縦してゴーカイジャーを襲ってきた
グレートワルズと同じような機種ということです。

果たして、それを操縦していたのはインサーンでした。
「やっと見つけた!海賊ども!!」と勢い込んでインサーンはビーム砲を撃ちまくります。
真正面からマーベラス一味と戦うつもりであるようです。

ビーム砲の攻撃を喰らって、衝撃で揺れる船室で「うわぁぁ!!」と倒れそうになりながら、
マーベラスは「ちっ!お宝の話は後だ!」と言うと、鎧から三角錐型のお宝を取り上げると、
それを船長椅子の上に置き、「おい鳥!こいつを頼んだぞ!」とナビィに言い残し、
仲間を引き連れてコクピットへ急ぐのでした。

こうなったら、まずはゴーカイオーでザンギャックの決戦機と戦い、それを倒してから、
改めてお宝をどう使うべきか皆で話し合って決めるしかないと、マーベラス達は思ったのでした。
ナビィはそのマーベラスの指示を受け、「任せんしゃ〜い!」と飛んでいき、
船長椅子の上のお宝を、巣の卵を守る親鳥のように羽根を広げて守るのでした。

さて、こうしてお宝を使っての宇宙の歴史の改変作業は水入りとなったわけですが、
ここではマーベラス達はどうして宇宙の歴史を改変するとスーパー戦隊の存在が歴史から消えてしまうのか、
全くその理由が分かっていません。
いや、マーベラス達だけでなく、視聴者にも、いきなりのこの謎設定の理由はさっぱり分からないと思います。

その謎については、私もこのブログの今回のエピソードの「感想その2」で色々妄想的に考察してみました。
その後、エピソード内容の細かな描写を追いながら、再び考察を重ねていくうちに、
多少「感想その2」の内容に訂正したり付け加えたりしたい部分もありますので、
ここで少しそのあたりを考察します。

まず、「感想その2」では、
この「ゴーカイジャー」の物語世界は、スーパー戦隊シリーズの歴代34作品、
すなわち「ゴレンジャー」から「ゴセイジャー」までの34の各作品の物語世界の
オリジナルそっくりのパラレルワールドが年々、次々と融合していって形成された世界であり、
34作品のヒーローが1つの世界に集まってしまったために、
そのそれぞれの世界に付随する悪の組織も1つの世界に存在するようになり、
その結果生じた歪みがザンギャックという
シリーズ史上比類なき強大かつ堅固な支配を誇る最悪の宇宙軍事帝国を生みだし、
このザンギャックによって宇宙が制覇されるという事態を招いたのだろうと想定しました。

この想定に関しては、これが正解だとは、もちろん断言はしません。
というより、この「ゴーカイジャー」という作品の性格上、
そのあたりの根本的な設定は最後まで詳細には語られることはないのだろうと思っています。
大事なのは「宇宙の歴史を改変するとスーパー戦隊の存在が歴史から消えてしまう」という
最終篇のドラマの重要ポイントとなる設定の方であり、
これが整合性をもって説明出来るのなら、その背景の世界観の説明は何でもアリなのではないかと思います。

そして、私の場合は上記のような融合世界を仮想するのが一番スッキリと、
この「宇宙の歴史を改変するとスーパー戦隊の存在が歴史から消えてしまう」という設定が腑に落ちるので、
やはりこの世界観を維持したいと思います。

その融合世界の世界観においては、
ザンギャックとは世界が融合していく過程で溜まった歪みが生み出した巨大な災厄であり、
世界融合の歪みを根本的に解消することでザンギャックの存在を
根本的に消すことが可能であるということになります。

そして世界の融合による歪みを根本的に解消するためには、
世界の融合を全部リセットして、「ゴーカイジャー」の物語世界に融合していた34の戦隊世界を全て消し去り、
世界を元々の「ゴーカイジャー」の世界1つだけが存在する世界へと戻すことが必要です。

そのためには、34の戦隊が出現して、その世界融合の核となっていた地球の中心に、
その根本的解決のためにあらかじめ生成していた世界融合のリセット装置を使います。
このリセット装置がアカレッドが「宇宙最大のお宝」と呼んだ物であり、
マーベラス達が手に入れた三角錐型の宝のことで、
マーベラス達が手に入れるまではこのリセット装置は地球の中心で地球の意思によって管理されていました。

一方、レンジャーキーの中に宿る「大いなる力」とは、
それぞれの戦隊世界を構築維持するためのパワーそのものであり、
それが失われると、その戦隊世界は消滅し、
もともと「ゴーカイジャー」の物語世界にはその戦隊世界は存在していなかったことになります。

このレンジャーキーの中の「大いなる力」をリセット装置に移すことによって、
その「大いなる力」は消し去ることが出来て、その戦隊世界は最初から存在していなかったことに出来ます。
すると、その戦隊の戦士たちも最初から「ゴーカイジャー」の物語世界には存在していなかったことになります。

これを34の戦隊のレンジャーキーの中の「大いなる力」を一斉にリセット装置に移して消し去ると、
「ゴーカイジャー」の物語世界に融合していた34戦隊の世界が全て消え去り、
世界融合の歪みが解消されてザンギャックも最初から存在していなかったことになって消え去ります。
そして同時に、34の戦隊世界が消え去るのに付随して、
「ゴーカイジャー」の物語世界から34戦隊の戦士たちが最初から存在していなかったことになって消え去ります。

だから、お宝(リセット装置)に34戦隊の大いなる力を宿すと、
ザンギャックのいない平和な宇宙を作り直すことが出来るが、
その代償に34戦隊の存在の歴史も消え去るのです。

これが「感想その2」で考察したことの概要ですが、
これは要するに、リセット装置は自動的に「34の戦隊世界を消しつつ、ザンギャックも消し去る」
というだけの装置であって、
本当は何の願いも叶える能力は無い単なるリセット機能だけを持つ装置という仮説になっていました。
しかしこの点は少し思い直すことにしました。

例えばおよそ40年前に最初の世界融合(「ゴーカイジャー」の世界と「ゴレンジャー」の世界の融合)が
あったと仮定して、
それ以降に融合した34の戦隊世界を「ゴセイジャー」の世界から「ゴレンジャー」の世界まで
全部リセットして消し去って、
その40年前の、34戦隊もザンギャックもまだ生まれていなかった時点に戻ってやり直すというのなら、
リセット装置は単にリセット機能だけを持ち合わせていればいいでしょう。

しかし、そこから40年が経った現在からやり直すとするのなら、
その34戦隊世界との融合と、それによって生じたザンギャックをはじめとした全ての歪みがリセットされた
40年前から現在に至るまでの「ゴーカイジャー」の物語世界において生じた全ての出来事を、
世界融合が一切起きないという状態下で瞬時に再構築しなければいけなくなります。

それはおそらく特に何の指定もしなければ
自然の成り行きで落ち着くところに落ち着くようになっていくのでしょうけれど、
大いなる力を分解して世界融合を解消したエネルギーの反動で、
リセット装置に念を集中することによって、その世界の再構築に干渉することが出来るのではないかと思います。

だから、極論を言えば、34戦隊世界は消え去っても、
ザンギャックだけは世界の歪みによる産物としてではなく、
「ゴーカイジャー」の物語世界のオリジナルな存在として復活してほしいというように
想いをリセット装置に向かって込めれば、
34戦隊は存在せずにザンギャックだけは変わらず存在する世界だって作ることは出来るのです。

そんな願いをマーベラス達がするはずはないが、
そういうメカニズムによって、マーベラス達は大いなる力を使って世界をリセットしながら
再構築している最中の宝(リセット装置)に想いを込めることによって、
思い通りに宇宙の歴史を作り直すことは出来るのです。

但し、その作業のためには必ず34戦隊の大いなる力をリセットして消し去ることが大前提になりますから、
34戦隊の消滅だけは不変です。
だからマーベラス達が宝に向かって「34戦隊が消滅しない世界」や
「34戦隊の復活してくる世界」という想いを込めても、
それは実現しないか、あるいはもし実現した場合は、ザンギャックもまた復活してくるのだと思われます。

そして、このリセット装置自体が、世界の融合による歪みを解消するために生成したものですから、
この装置を使って世界の歪みを解消すれば、この装置の存在意義は無くなり、
この装置もまた消え去るのだろうと思います。
そうなると、このリセット装置と対の存在であるナビィもその時に消滅するのだろうと思われます。
また、この装置が消える時にその内部に宿った大いなる力も全て消え去るのでしょうけれど、
おそらくその時点で、大いなる力と対になる存在であるガレオンも消え去るのであろうと思います。

つまり、この仮想に沿って想像すると、
マーベラス達が宝に34戦隊の大いなる力を宿して、何らかの想いを込めた場合、
宇宙最大のお宝とザンギャックと34戦隊の存在、それにナビィとガレオンの存在が歴史から消え去り、
後にはマーベラス達が思いを込めて願った世界が残り、
おそらくマーベラス一味が仲間であることや、
ゴーカイジャーに変身出来ること(但し多段変身がダメ)などは残すことは可能なのだろうと思います。

そして、「感想その2」では、こうした世界の融合のリセットに関して、地球の意思が前向きであり、
マーベラス達に嘘をついてまでして、このリセットを行わせようと唆しているのではないかと推理しましたが、
これに関しては、本編を追いながら地球の意思の発言を詳細に考察し直した結果、
全面的に訂正したいと思います。

地球の意思の本意は、おそらくマーベラス達にこの宝の使い道を決めさせることによって、
宝の価値を決めさせることであるようです。
それが何のためであるのかは謎ですが、
この宝を使うのも使わないのもマーベラス達の意思に任せているようです。

使わないという選択ももちろんアリなのであり、
使わないからといって宝の価値が無いというわけではない。
マーベラス達が使わないことに宝の価値を見出すなら、それが宝の価値になるようです。
だから地球の意思は、マーベラス達に無理に宝を使わせようとはしていない。

この点、実は地球の意思とスーパー戦隊の間には意識のズレがあります。
スーパー戦隊の方は、元バルイーグルの飛羽のセリフにあったように、
自らを犠牲にしての世界の融合のリセットに前向きです。
但し、全ての戦隊がリセットに前向きというわけでもないようです。
例えば劇中の言動から見て、カクレンジャーやシンケンジャーは明らかにリセットには前向きではありません。

しかし、それでも彼らは「宇宙最大のお宝」を手に入れようとしているマーベラス一味に、
宝を手に入れる助けになることを承知で、大いなる力を渡しています。
その宝を使ってマーベラス一味が世界の融合のリセットをする可能性が高いと知っていて、
それでも大いなる力を渡したということは、
カクレンジャーやシンケンジャーはマーベラス一味が宝を手に入れた上で使わないということに
価値を見出す可能性があると賭けたのかもしれません。

そこに価値を認めるという点で、カクレンジャーやシンケンジャーは
案外、地球の意思に近い考え方なのかもしれない。
いや、カクレンジャーやシンケンジャーにそのあたりは顕著に現れているだけのことであり、
実際は他の戦隊も、マーベラス達が宝を手に入れて使わないという可能性も想定はしているのかもしれません。
実は飛羽だってそういう想いは持っているのかもしれません。
全ての戦隊がそうした両義的な考え方を持っているとしたら、
やはり地球の意思とスーパー戦隊の意思は同じであるのかもしれません。
そして、それはアカレッドの意思も同じだったのかもしれません。

また、地球の意思がスーパー戦隊の行く末についてマーベラス達に教えるのを嫌ったのは、
余計な情報によって、マーベラス達の価値判断に狂いが生じることを嫌ったからでしょう。
つまり、地球の意思は、あくまで純粋にマーベラス達がどのように宇宙を改変するのか、あるいはしないのか、
自分で価値を決定することを期待しているようなのです。

但し、それはあくまで地球の意思の希望であって、
地球の意思が常に絶対的に正しいわけではありません。
地球の意思もまた、この物語の中の1人のキャラに過ぎない。

地球の意思の本意には反して、
マーベラス達は自分達が宝を使ってザンギャックのいない平和な宇宙を作るためには、
スーパー戦隊を犠牲にして見捨てなければならないという事実を知ってしまったのです。
これはつまり、バスコの言う「何かを得るには何かを捨てなきゃ」というやつであり、
「宇宙の平和を得るにはスーパー戦隊を捨てなければならない」状況なのです。

しかしマーベラス達は第48話で、バスコのこのポリシーに基づく強さに苦しみながらも、
「仲間を捨てるのではなく自分を捨てることによって仲間みんなの夢を掴む」というポリシーで勝利しました。
これに当てはめるならば、
マーベラス達は今回も自分を捨ててかかることで34のスーパー戦隊は捨てずに
35スーパー戦隊みんなの夢である宇宙の平和を掴むという結論に持っていかねばならないのであろうが、
その道筋は今のところ、さっぱり見えてきません。

一方、34スーパー戦隊側を主体にして考えれば、
彼らは自分を捨てることによって35戦隊みんなの夢である宇宙の平和を掴み、
それを35番目のスーパー戦隊であるゴーカイジャーに託す態勢を見事に整えているといえます。
となると、このままスーパー戦隊側の思惑が勝って、
スーパー戦隊の犠牲によって宇宙の平和を実現するという選択に
マーベラス達は押し切られてしまう気配が濃厚という感じです。

このあたり、どう事態が転んでいくのかは
次回、最終話の1つ前のエピソードに持越しとなり、
今回のエピソードはこの後の後半部分は、
5戦隊合同レジェンド回ならではのアクションと、インサーンの最後の戦い、
そしてザンギャックの大艦隊の侵攻開始を描くことになります。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 23:49 | Comment(2) | 第49話「宇宙最大の宝」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月11日

第49話「宇宙最大の宝」感想その6

さて、本編に戻り、ここからは戦闘シーンで後半まるまる全部を使います。
今回は最初に巨大戦を行い、
その後に等身大戦(鎧だけ巨大戦も同時進行)という変則的パターンとなります。

まず、ようやく手に入れた「宇宙最大のお宝」の使い道についてマーベラス達が思わぬ苦悩に陥ったその時、
突然ガレオンを急襲してきたのはインサーンでした。
増援艦隊が到着して地球総攻撃を開始してしまった後では名誉挽回のチャンスを閉ざされて、
処刑が確定してしまう立場のインサーンは、
間もなく増援艦隊が到着するという、命のタイムリミットが迫る中、
必死で地上でマーベラス一味を探し求め、遂に停泊中のガレオンを発見して攻撃を仕掛けてきたのでした。

これに対してマーベラス達はガレオンからゴーカイマシンを発進させ、
「海賊合体!!」と合体してゴーカイオーとして、地上に降りていたインサーン搭乗の巨大ロボに襲い掛かります。
「来たわね!」と迎え撃つインサーン搭乗の巨大ロボ、つまり決戦機は、緑色を基調としたボディで、
胸部にはインサーンの顔を模した巨大パーツがついています。

ザンギャックの決戦機は第37話から第38話にかけて登場したグレートワルズに続いて2機目の登場ですが、
これはインサーンが作ったインサーン専用機のようです。
ワルズ・ギルの顔を模した巨大パーツが胸についたグレートワルズといい、
ザンギャックの決戦機というのは、その決戦機に縁のある者の顔を胸部パーツにデザインするという
決まりでもあるのかもしれません。
一種の戦場における旗印のようなものかもしれません。

このインサーンの乗る決戦機とゴーカイオーの戦いが始まりますが、
この決戦機、結構高性能であるようで、ゴーカイオー相手に押し気味に戦いを進めます。
さすがにインサーンが自分用に作った決戦機だけはあります。
帝国最強の決戦機グレートワルズほどではないにしても、かなりの高性能決戦機であるようで、
しかも本国で作られた万能型のグレートワルズとは違い、
このインサーンの決戦機は地球でのマーベラス一味との戦いを想定して、
マーベラス一味の手の内を研究して作られた特殊な機種のようですから、
マーベラス達にとっては戦いにくい相手であるようです。

インサーンは基本的に技官であり後方支援要員なので、
戦いは行動隊長に任せて武器開発や改造が主な任務ですが、
自分が戦う時に備えて、こんな決戦機を秘かに作っていたようです。
それで、この名誉挽回の最後のチャンスに、手持ちの行動隊長に任せておけず、
自ら秘密兵器である決戦機に乗ってマーベラス一味を狙って出撃してきたというわけなのでしょう。

必死のインサーンはゴーカイオーを押し込みますが、
そこに「豪獣ドリルアタック!!」と、鎧が豪獣ドリルで突っ込んできて、
先端の巨大ドリルで横槍を入れ、インサーンの決戦機を吹っ飛ばします。
大きく飛ばされた決戦機は、しかしそのまま地面に着地して、まだ戦闘態勢をとります。
今回はインサーンはもう後が無いだけに、断固として退きません。
そこにゴーカイオーも飛びこんできて追撃の刃を振り下ろし、決戦機もそれを受け止め弾き返します。
逆に押し飛ばされたゴーカイオーを豪獣神が支え、
インサーンの決戦機にゴーカイオーと豪獣神が対峙することとなりました。

マーベラス達はザンギャックの増援艦隊が地球に迫っていることは想像もしていませんので、
インサーンが最後の手柄を立てるチャンスに縋って襲ってきているとは知りません。
だから、よりによってお宝のことで悩んでいたタイミングで攻撃してきたインサーンに対して
空気を読めないヤツだと思って腹を立て、「大事な話をしてる時に邪魔しやがって!」と怒鳴りつけます。
それに対してインサーンはマーベラス達のお宝の事情のことなど知りませんし、興味も無いので
「うるさい!!お前たちの首を手土産に、私は出世コースに返り咲くのよ!!」と怒鳴り返す。
とことん会話が噛み合いません。

マーベラス一味とザンギャックのこの噛み合わなさっぷりというのが、
この作品の一貫した特徴であるといえます。
それもそのはずで、マーベラス一味にとってザンギャックというのは単なる迷惑な災害のような存在であって、
常に邪魔なだけであり、ザンギャック側の事情などには一切興味は無いのです。

一方のザンギャック側にとってもマーベラス一味は最後の最後まで、単なる「海賊ども」でしかなく、
うるさい害虫という扱いでした。
インサーンなどはマーベラス一味の強さや危険性は鋭く認識していた方ですが、
それでも、それは単に強くて危険な害虫という認識の域は出ていないのであり、
マーベラス一味とザンギャックの間には(ジョーとバリゾーグは例外として)ライバルや宿敵、
因縁の相手などというような思い入れは互いに生まれることはありませんでした。

それは確かに「因縁の対決」を盛り上げる要素には乏しかったとは言えますが、
この互いの徹底的な疎遠っぷりというのが、
この最終篇における、片やザンギャックはマーベラス一味を全宇宙規模の軍勢で押し潰そうとし、
片やマーベラス一味はザンギャックを宇宙創成のパワーで歴史ごと消し去ろうとするという、
互いに容赦もへったくれもない徹底的かつ空前のスケールの潰し合いを何の抵抗感も無く実現させているのです。

インサーンは間もなく地球に襲来する全宇宙からの増援艦隊の到着前までに
マーベラス一味の首をとって帰らなければ粛清されてしまう身の上であり、
逆にタイムリミットまでにマーベラス一味を討ち取れば、地球侵略作戦における最大の殊勲者となり、
一躍英雄となり、一気に出世コースに返り咲きです。

もちろんインサーンはマーベラス一味が手強いことは承知していますが、決して悲観はしていません。
必ず勝って、自分は出世コースに戻るのだと確信しています。
まぁ形勢不利だからといって退却してギガントホースに帰還しても粛清が待っているのですから、
もはや退却は有り得ず、前に進むしかない状況なのですが、かといって悲壮感はあまり無く、
インサーンは勝利を信じて、これを好機と思っています。

それだけこの決戦機に自信があるのでしょうが、
そうした自信も含めて、よく考えたら、インサーンというキャラはかなり前向きなキャラです。
初期幹部連中の中では感情の無いバリゾーグは別として、
ワルズ・ギルにしてもダマラスにしても、後ろ向きでジメジメしたところの多いキャラでした。
しかしインサーンだけはどんな事態になろうとも、常に淡々と前向きに作戦遂行に励んでいた印象です。
インサーンにはインサーンなりの確固とした信念があったようです。
つまりインサーンには大きな夢と志があったのです。
それゆえ、どんなことがあろうとも夢を掴むためにいつでも前向きに頑張ることが出来たのです。

インサーンは決戦機を操って飛び掛かると、ゴーカイオーと豪獣神に猛攻を加えながら
「私が開発した武器で全宇宙の征服を成し遂げる!そして私は全宇宙で最も偉大な科学者になる!
その夢を叶えるまで死ねるものか!」と叫びます。
インサーンの夢は宇宙で最も偉大な科学者になることであり、
その夢に向かって常に突き進んでいるから、インサーンは心が決して折れないのです。
その点、インサーンはあまりザンギャック的な人種ではありません。
むしろマーベラス達に近いといえます。

だからこそ、ザンギャック軍の中で一番揺るぎない姿勢を保ち続けて、ここまで生き残ってきたのかもしれません。
マーベラス達が自分達の夢を掴む力で戦っているとしたなら、
インサーンもまた自分の夢を掴む力で戦っている。
だからインサーンは意外に手強い。

しかし、ならばインサーンはマーベラス達と同じく夢を掴む力で戦っていたバスコと同じぐらい手強いのかというと、
そうでもありません。
いや、確かに軍人としての戦略的な戦い方なども含めた総合力では
インサーンの方がバスコよりも手強いかもしれません。
しかし、インサーンにはバスコほどの迫力は無い。

このインサーンの執念の結晶である決戦機の猛攻に「うわあああ!!」と怯んだマーベラス達は、
決戦機の胸パーツから発射されたビーム砲によってゴーカイオーも豪獣神も吹っ飛ばされます。
すると勝ち誇ったようにインサーンは天を仰ぎ、天空にあるギガントホースに向けて誇示するように、
「ごらんください皇帝陛下!これが私の技術で開発したグレートインサーンです!!素晴らしいでしょう!?
オーッホッホッホッホ!!」と高笑いするのでした。

つまり、インサーンは確かに宇宙最高の科学者になるという夢を掴もうとしているのだが、
よく考えたら、インサーンが宇宙最高の科学者である証は、
その開発した武器でザンギャックが全宇宙を制覇することによって示されるのであって、
ザンギャックがあってこそ成り立つ夢なのです。
つまりインサーンの夢の価値はインサーンが決めるのではなく、ザンギャックが決めるのであり、
究極的には皇帝アクドス・ギルが決めるのです。
つまりインサーンは自分の夢の価値を自分で決めることが出来ない。

インサーンはもともとはザンギャックの王族や軍人など、支配階層の家系の生まれではないのであろう。
だから大志を抱き上昇志向に溢れており、
支配階層のワルズ・ギルやダマラスには無い精神の強靭さを持っていました。
しかし、もともとザンギャック側の立場でなかったインサーンがザンギャックに入ったのは、
絶対的な力を持つザンギャックに擦り寄ったからなのです。
自分の夢を実現するためにザンギャックという絶対的な力を使おうとした。
その結果、インサーンは自分の夢の価値を自分で決めることも出来ない者となってしまったのです。

そもそもインサーンは今、皇帝によって粛清されそうになっているのです。
ダマラスのように帝国に忠誠の篤い家柄の者でもなく、
単に自分の野心のためにザンギャックに属しているようなインサーンが、
殺される間際まで皇帝に必死で縋りついている様は客観的に見て滑稽です。

逃亡しても殺されるだけなので逃げるのは諦めるとしても、
ここまで追い詰められたらもう少し開き直って毅然とした態度で、
1人の科学者、1人の軍人としての意地を貫く姿勢を見せても良さそうなものです。
むしろ夢を持たないワルズ・ギルの方が最後は個人の意地に殉じた潔さがありました。
少なくとも皇帝や帝国には媚びていませんでした。

しかしインサーンは、なまじ大きな夢を持ち、
その夢の実現のために帝国という絶対的な力に擦り寄り媚びてしまったために、
夢のために最後の最後まで力に媚びるしかないのです。
夢が堕落すると、ここまで醜くなる。
インサーンというキャラの存在意義はそのことを示すためであったようです。

では、どうなると夢は堕落するのかというと、それはインサーンが例示しているように、
夢の価値を自分で決めることを放棄して、絶対的な力を使って夢を叶えるため、
夢の価値判断を絶対的な力に預けてしまった場合です。

この宇宙における絶対的な力とはザンギャックのことであり、
無数のインサーンのような夢を持つ者達がザンギャックに擦り寄って夢を実現しようとしているために、
ザンギャックの支配は強固となり、全宇宙で無数の夢が堕落していっています。

そんな中、自分の夢は自分で価値を決めて、
自分の力で掴み取るためにザンギャックの支配の壁の外に飛び出した者達が海賊と呼ばれたのです。
その代表がマーベラス一味であり、同種の海賊にバスコもいました。
マーベラス一味とバスコの対決は、最後には善悪は超えて、
どちらの夢を掴む力の方が強いのかという海賊のナンバーワンの座を賭けての真っ向勝負となり、
マーベラス一味が勝利し、その結果、お宝を手にしました。

そのお宝を手に入れた後、マーベラス一味とインサーンの勝負となったわけですが、
これは真っ直ぐな夢と堕落した夢の対決だといえます。
どうしてこんな勝負がここで挿入される流れとなったのか?
インサーンをこのタイミングで退場させておく必然性は確かにあったのだと思いますが、
別にあえてインサーンに夢を語らせる必然性は無かったはずですから、
インサーンの夢の堕落をここであえて示したのは、
物語のこのタイミングで「堕落した夢の末路」を暗示しておく必然性があったということなのでしょう。

それは、ちょうどこの戦いの直前にマーベラス達が、
お宝の使用に関して、地球の意思から、宝、すなわちマーベラス達の掴んだ夢の価値を
自分で決めるように求められていたからでしょう。
その直後、夢の価値を自分で決めることを放棄したインサーンの末路を描き、
マーベラス達の最良の選択が何であるのか、視聴者に暗示する意味合いがあったのではないかと思います。

では改めてインサーンの夢がどうして堕落したのか考えてみますと、
それは夢の価値を自分で決めることを止めてしまったからであり、
どうして夢の価値を自分で決められなくなったのかというと、
絶対的な力を使って夢を叶えようとしたからです。

その絶対的な力がザンギャックなのですが、
どうしてザンギャックは全宇宙の夢を惹きつけて堕落させてしまうほどの
絶対的な力を持つことが出来たのか?
見た感じ、シリーズ歴代作品のラスボスのような万能の神のごとき特殊能力や、
不死の生命力を持った圧倒的な存在が中心に鎮座しているわけではなく、
ごくごく普通の軍事帝国です。

どうしてこんな普通の帝国が絶対的な力を有するようになったのか?
それは、ザンギャックが世界に選ばれた特別な存在だったからなのでしょう。
つまり、34の戦隊の世界が融合したことによる世界の歪みが、
ザンギャックを強大で圧倒的な悪として成長させることを望んだからなのです。
その世界の意思の支配力の前に、ほとんどの人々は抗うことが出来ず、その夢を堕落させていき、
ザンギャック帝国の支配を受け入れ、強化していったのでしょう。

つまり、ザンギャックは世界の意思によって定められたイレギュラーな存在であり、
それゆえ宇宙を制覇出来たのです。
しかし、そのザンギャックの支配から脱して、自分の夢の価値を自分で決めようとして、
その道を貫いたのがマーベラス一味です。
その結果、彼らは「宇宙最大のお宝」をその手に掴んだ。

しかし、そのお宝もまた、ザンギャック同様、融合世界の歪みが生み出したイレギュラーな存在であり、
ザンギャックもスーパー戦隊も歴史ごと消し去ってしまえるほどの絶対的な力を持っています。
その絶対的な力を使って彼らは「宇宙の平和」という夢を叶えようとしています。
しかし、それは彼らの海賊としての生き方に反してはいないか?
夢の価値を自分で決める道から外れて、夢を堕落させる道に陥るのではないのか?
地球の意思が彼らに夢の価値を自分で決めさせようとしているのなら、
宝の力で夢を叶えるのは地球の意思の本意に外れていないのか?

インサーンとの最後の戦いを通して、
インサーンの堕落した夢の末路を見て、
現在のマーベラス一味のお宝の使用法に関する迷いには、
以上のような疑問が投げかけられているような気もするのです。

まぁ、このタイミングでのインサーンとの最後の戦いの物語的な意義について、
ちょっと脱線して妄想的に考えてみましたが、実際のとことはよく分かりません。
描写としては、この後は淡々と、むしろ合同レジェンド回として派手なエンタメ性が強めで進んでいきます。

まず天に向かって高笑いするインサーンの操るグレートインサーンに反撃しようとした
ゴーカイオーと豪獣神の背後から、今度は巨大スゴーミン2人が襲い掛かります。
鎧は「スゴーミン!?・・・こいつらは俺に任せてください!!」と、豪獣神をスゴーミンに向け、
マーベラスは「ああ!俺たちはこいつでいくぞ!来い!風雷丸!!」と、
ハリケンジャーのレンジャーキーで風雷丸を召喚し、
風雷丸は「了解でござるぅ〜!!ハリケンゴーカイオー推参!!」と、ゴーカイオーと合体し、
ハリケンゴーカイオーとなります。

一方、鎧の方は豪獣神のドリル攻撃で巨大スゴーミン2人をすぐに撃破し
「よっしゃ!」と喜んだのも束の間、また新手の巨大スゴーミンが豪獣神に襲い掛かり、今度は4人もいます。
「まだいたのか・・・!?」と鎧は呆れます。
インサーンは出撃に際して、手下のスゴーミンをありったけ巨大化させて引き連れてきているようです。
これでは豪獣神はスゴーミンに足止めされてマーベラス達の方の加勢には行けそうにありません。

そのマーベラス達のハリケンゴーカイオーはグレートインサーンとの接近戦では押されまくっていました。
「うわっ!」とコクピットに衝撃を受けたマーベラスは、接近戦は不利と見て、
「いけ!風雷丸!!」と風雷丸を分離させ、「豪快!風雷アタック!!」と、
ハリケンゴーカイオーの決め技を放ちます。
風雷丸は無数に分身しながら「任せるでござる!必殺奥義!乱れ桜ぁ〜!!」と、
手裏剣を担いでグレートインサーンに向かって飛んでいきますが、
インサーンは「そんなまやかしではやられないのよ!!」と、グレートインサーンの両腕からバリアーを発生させ、
無数の風雷丸は「おわあああ!?」とバリアーに弾かれてしまいました。

必殺技の風雷アタックが破られてしまったのです。
やはり、インサーンはゴーカイジャーの戦い方をよく研究して、
ゴーカイジャーの必殺技を全て破れるようにグレートインサーンを作っているようです。
これはやはり、なかなか手強いといえます。
逆にグレートインサーンはビーム砲でゴーカイオーを攻撃し、
ゴーカイオーでは「うわあああ!!」とマーベラス達が窮地に陥るのでした。

そこでハカセは「・・・じゃあ、貰いたてホヤホヤのこれならどうだぁっ!!」と
黒いレンジャーキーを出してコクピットに挿します。
するとゴーカイオーの胸部ハッチが開き、中からゴーカイホーが飛び出してきて、
一見ゴーカイスターバーストの発射準備態勢のようになりますが、
次の瞬間、ゴーカイオーの胸部と両腕両脚のハッチから
ドラゴン、グリフォン、ペガサス、マーメイド、フェニックスの5つのアースフォースが飛び出してきて、
それらがゴーカイホーの砲身に集まり、「豪快!!パワーバズーカ!!ファイヤー!!」と、
ゴーカイホーはアースフォースの塊を発射したのでした。

ハカセが挿した黒いレンジャーキーは、さっきレンジャーキー空間で
ハカセが元チェンジグリフォンの疾風翔から受け取ったチェンジマンの大いなる力の宿った
チェンジグリフォンのレンジャーキーだったのであり、
他の5人もゴーカイオーのコクピットでチェンジマンのレンジャーキーを挿していました。
そうして発動したのは、さっき受け取ったばかりのチェンジマンの大いなる力であり、
それはチェンジマンの等身大戦の必殺武器であった合体バズーカ砲のパワーバズーカを模した技となって現れ、
チェンジマンの戦うパワーの源であるアースフォースを発射したのでした。

これは、グレートインサーンがゴーカイジャーの持つ大いなる力の技を研究して
防護策が施された仕様になっているのを見て取って、
貰いたてでマーベラス達自身も知らない未知の大いなる力ならば、
インサーンも対処出来ないのではないかと考えての策でした。
果たして、グレートインサーンはこのパワーバズーカの発射したアースフォースをバリアーで防ごうとしますが、
破られてしまい、アースフォースの直撃を受けてしまいました。

想定外のダメージを受けて火花の散るグレートインサーンのコクピットで
「ううっ!?・・・この程度の攻撃ぃ・・・!!」と呻くインサーンはまだ戦う気力は衰えてはいませんが、
グレートインサーンは動きが明らかに鈍くなってしまいます。

そこに畳みかけるように、今度はジョーが「さらにこいつだぁ!!」と青いレンジャーキーをコクピットに挿します。
するとゴーカイオーがジャンプして空中で前方宙返りしながらボディからオーラパワーを放ち、
「豪快!!オーラギャラクシー!!」と、手刀にオーラパワーを込めてグレートインサーンを斬り裂いたのでした。

これはマスクマンの2号ロボであったギャラクシーロボの必殺技
「鉄拳オーラギャラクシー」とよく似た技であり、
技を繰り出した時の背景にマスクマンの特有のチベット密教風の人体曼荼羅のイラストが浮かび上がったりして、
これは完全にマスクマンの大いなる力の発動でした。
ジョーもハカセに倣い、さっきの白い空間で元ブルーマスクのアキラからジョーが受け取った
貰いたてのマスクマンの大いなる力で、グレートインサーンの想定を超えた技を炸裂させたのでした。

このオーラギャラクシーによってグレートインサーンの両腕は斬り落とされてしまい、
インサーンは「うわぁ!!ああああっ!?」と絶叫します。
これでもうグレートインサーンはバリアーを張ることは出来ず、まともに戦うことも出来ません。
「こいつでトドメだ!!」とマーベラスは赤いレンジャーキーを取出し、
「レンジャーキー!セット!!」と、5人はコクピットにレンジャーキーを挿し、
「完成!シンケンゴーカイオー!!」と、ここで久々にシンケンゴーカイオーにチェンジします。

そしてさっそく「烈火大斬刀!!」と、巨大な刀でトドメを刺しにかかります。
「あああっ!!」と慌てるインサーンでしたが、もはやどうすることも出来ず、
マーベラス達は「豪快!!侍斬り!!」と烈火大斬刀を振りおろし、グレートインサーンを斬り裂きます。
インサーンは「あああっ!!嘘でしょ?私のグレートインサーンが・・・!?」と、
敗北が信じられない様子で喚き散らしますが、
「・・・嘘よおおおっ!!」という絶叫と共にグレートインサーンは大爆発して、
インサーンは爆発の中で果てたかに思われました。

「やったね!」とシンケンゴーカイオーの内部の船室でナビィも完全勝利を確信しますが、
ところが、グレートインサーンの爆炎の中からインサーンが「ああああっ!!」と飛び出してきたので、
マーベラス達は「あん?」と驚きます。
搭乗していた決戦機のグレートインサーンが爆散しても、まだインサーンは脱出して生きているようです。

下の地面に着地したインサーンは「うううっ・・・終わらない!私は終わるわけにいかないのよ・・・!」と、
まだ戦う気満々です。
とにかくギガントホースに戻っても粛清が待っているだけであり、
インサーンには今回は退却は有り得ないのです。

しかし等身大戦でインサーンがゴーカイジャーに勝てる可能性は低いのだが、
とにかくインサーンは夢に向かって進むしかなく、夢を諦めるわけにはいかない。
逃走すればこの場は生きながらえることも出来るかもしれないが、
インサーンは夢は諦められない。
そして夢を叶えるためにはこの場でマーベラス一味と戦って倒して
皇帝アクドス・ギルに認めて貰うしか道は無いのです。
勝算が有るとか無いとか、そんなことは度外視して、道はその1本しか無いのです。

マーベラスにはインサーンのそんな執念の背景はさっぱり分からないので、
勝ち目の無い戦いを挑もうとするインサーンを見て呆れつつ、
等身大の敵に5人がかりで巨大ロボで踏み潰したとあっては居心地が悪いと思い、
ウンザリした顔で「・・・しぶてぇなぁ!・・・追うぞ!」と、
ゴーカイオーを降りて等身大戦でインサーンを倒すことを決断します。

しかし、グレートインサーンは倒したものの、まだ巨大スゴーミンが何人も残っています。
これに対しては鎧が「こっちはなんとかしますからぁ!トドメ!刺しちゃってください!」と
豪獣神で食い止めると言います。
しかし、巨大スゴーミンも更に湧いてきて豪獣神を苦しめ、
「うわぁ!?・・・それにしても、どれだけいるんだよ!?」と鎧はぼやきます。
このあたり、この後のマーベラス達5人の多段変身が今回の5戦隊合同レジェンド回に対応した5人混成戦隊なので、
余ってしまう鎧を巨大戦に回すという演出的配慮です。

さて、マーベラス達5人は地上に降り立ち、
待ち受けるインサーンに対峙して「悪あがきはやめろ!」と引導を渡す言葉を投げかけます。
インサーンも「フン!」と傲岸に立ちはだかります。
意地になっているのか、まだ策があるのか、よく分かりません。
とにかく5人で一気に追い詰めようとマーベラス達がゴーカイガンとゴーカイサーベルを構えたその時、
突然上空からマーベラス達5人に向けて、雷撃が放たれて、あたりは爆発し、
「うわああっ!?」とマーベラス達は吹っ飛ばされました。

これにはインサーンも驚いた様子で、そこにドゴーミンが4人、降り立ちます。
マーベラス達に向けた雷撃はドゴーミン達が放ったものであったのです。
ドゴーミン達は「ダイランドー様のご命令だ!」「助太刀してやる!」とインサーンに言います。
しかしインサーンは「・・・恩を売っても、私は媚びないからね!」と、
助っ人を申し出たドゴーミン達に対して冷淡な反応です。

先ほどインサーンを嘲笑したダイランドーが純粋にインサーンを助けるためにドゴーミンを寄越したはずもない。
単純にマーベラス達を倒す好機と見たか、別の思惑があるからなのであろうが、
インサーンはダイランドーがこうして恩を売って自分を配下にしようとしているのだと誤解しています。
それだけ自分の才能が高く評価されていると思い込んでいるのです。
しかしインサーンはダイランドーの配下などに収まる気は無い。
あくまで皇帝アクドス・ギルに認められて、もっと出世して宇宙最高の科学者にまで昇りつめたいのですから、
どんなに乞われてもダイランドー程度の配下で終わるつもりはない。

しかし粛清寸前のインサーンなど、ダイランドーが欲しがっているはずもないことぐらい、
ちょっと冷静になれば分かることなのだが、
インサーンはどんな状況に追い詰められても、決して自分の価値を低く見積もったりはしない。
まぁ、ある意味アッパレですが、
根本的にはアクドス・ギルやワルズ・ギルのような絶対権力者に対しては
全面的な媚びと服従があるので、結局は自立した精神ではないのです。

なんとか無事に雷撃をやりすごしたマーベラス達は「ちぇ・・・助っ人登場か!」と、
このドゴーミンの奇襲もインサーンの策であったのかと思い込みますが、
インサーンは苛立って「うるさい!私一人で十分なのよ!」と怒鳴って前へ進み出ます。
これを聞いてドゴーミン達は「ドゴ!?」と驚きます。
インサーンはあくまで自分1人の力でマーベラス一味を倒して、皇帝の信頼を取り戻すことしか考えていないのです。
これでは助っ人に来たドゴーミン達も立つ瀬が無い。

インサーンは構わず「受けてみなさい!我が技術の結晶を!」と、
肩のパーツからいきなりミサイルを乱射してマーベラス達を猛爆しました。
インサーンは自分の身体も改造してミサイルを装備していたのです。
これもイザという時の隠し玉でした。

この猛爆に晒されてマーベラス達は「うわあああ!!」と叫び、
鎧は豪獣神からそれを見て「皆さん!!」と慌てますが、
豪獣神も巨大スゴーミンの攻撃に晒され、鎧はマーベラス達を助けに行くどころではありません。
そして後退して態勢を整えたマーベラス達5人に対してインサーンは
「まだよ!もう一撃!!」と、更にミサイルの第2波を発射します。

すると、それに対してマーベラス達は「豪快チェンジ!!」とマジレンジャーに変身し、
「ジンガ・マジュナ!!」と呪文を唱えて、マジカルカーテンを出現させて、ミサイルを跳ね返したのでした。
跳ね返されたミサイルはインサーンやドゴーミンの方に戻っていき、
逆にインサーン達を猛爆し、怯ませます。

その隙に5人はゴーカイジャーの姿に戻り、
マーベラスは「続けてこいつだ!」と赤いレンジャーキーを出します。
それに応えて、マーベラスの意図を察したようにジョーも「ああ!」と青いレンジャーキーを出し、
ルカも「OK!」と黄色いレンジャーキーを出し、
ハカセも「うん!」と黒いレンジャーキーを出し、
アイムも「はい!」と緑のレンジャーキーを出します。

そして5人は一斉に「豪快チェンジ!!」と叫び、モバイレーツにレンジャーキーを挿し回します。
すると、マーベラスのモバイレーツは「サ〜ンバルカン!!」と認識音を発し、
マーベラスはバルイーグルに変身します。
今回のエピソード前半のレンジャーキー空間でマーベラスが元バルイーグルの飛羽高之から
サンバルカンの大いなる力を受け取ったので、ここではマーベラスがバルイーグルに変身したのです。

つまりレジェンド回における該当戦隊の変身シーンなのですが、
いつもとは違って5戦隊合同なので、
この変身シーンでは特定の戦隊のOPテーマのインストバージョンは流れません。
ただ変身エフェクトはオリジナルに準じたものとなっており、
ここでのマーベラスのバルイーグルへの変身も、
サンバルカンのオリジナル変身エフェクトに準拠し、
平べったく展開したスーツが飛んできてマーベラスに重なり、
頭部マスクは装着された後、真っ直ぐに直す仕草を入れています。
また、背景の赤い夕陽は、太陽戦隊と、赤の戦士である点を意識したものでしょう。

そして、ハカセのモバイレーツからは「チェ〜ンジマン!!」という認識音がして、
ハカセはチェンジグリフォンに変身します。
レンジャーキー空間でハカセが元チェンジグリフォンの疾風翔からチェンジマンの大いなる力を受け取ったので、
ここではハカセがチェンジグリフォンに変身したのです。

ここの変身エフェクトもオリジナルに準拠して、
紫色のアースフォースの煙の噴き出る中での変身はポーズも含めて、
チェンジグリフォンの変身の再現となっており、
頭のパーツが光る時、ちゃんと背景にグリフォンの紋様が浮かび上がっています。

そしてアイムのモバイレーツからは「フラ〜ッシュマン!!」という認識音がして、
アイムはグリーンフラッシュに変身します。
レンジャーキー空間でアイムが元グリーンフラッシュのダイからフラッシュマンの大いなる力を受け取ったので、
ここではアイムがグリーンフラッシュに変身したのです。
本来のグリーンフラッシュは男戦士ですが、アイムが変身したので、
フラッシュマンの他の女戦士同様、ハイレグ仕様のスーツとなります。

この変身エフェクトもオリジナルに準拠しており、
右上がりの斜めワイプから変身シーンが始まるところまで
正確にグリーンフラッシュの変身エフェクトを踏襲しているのは偉いです。
緑色のボーダーに真ん中に緑色の円が描かれた背景の前に立ち、
胸から上の部分だけが少し遅れて点滅して装着され、
「シャット!ゴーグル!」と叫んで、最後にゴーグルが閉じて変身完了という演出も再現されており、
この時、ゴーグルが閉じる寸前に覗く目がちゃんと生身のアイムの目になっているのは細かい良い配慮です。

そしてジョーのモバイレーツからは「マ〜スクマン!!」という認識音がして、
ジョーはブルーマスクに変身します。
レンジャーキー空間でジョーが元ブルーマスクのアキラからマスクマンの大いなる力を受け取ったので、
ここではジョーがブルーマスクに変身したのです。
ここの変身エフェクトもオリジナルに準拠しており、空中浮遊しながらオーラの壁を突破して変身します。

そしてルカのモバイレーツからは「ファ〜イブマン!!」という認識音がして、
ルカはファイブイエローに変身します。
レンジャーキー空間でルカが元ファイブイエローの星川レミからファイブマンの大いなる力を受け取ったので、
ここではルカがファイブイエローに変身したのです。
ここでの変身エフェクトもオリジナルに準じており、Vの字が身体に重なり変身します。
背景に地球があるのは地球戦隊ということを意識しているからでしょう。

なお、今回の5戦隊の放送していた時代の変身シーンでは、
身体のパーツと頭部パーツは同時に装着されるのが主流だったのですが、
今回の変身シーンでは、フラッシュマン以外は、皆、
最近の戦隊のように頭部パーツだけが遅れて装着されるように改変してあります。

さて、こうして今回のエピソード前半の白いレンジャーキー空間に出現した5戦士に
マーベラス達5人が、それぞれ自分に大いなる力を託してくれた戦士に敬意を表して多段変身し、
レジェンド混成戦隊の海賊版を形成し、それぞれのオリジナルの名乗りポーズを決めます。

「おのれぇ!!」と襲い掛かってくるインサーンとドゴーミン4人に対して、
5人は「プリズムシューター!」「チェンジソード!」「メロディータクト!」
「マスキートンファー!」「バルカンスティック!」と、それぞれの戦士の手持ち武器を出して迎え撃ちます。

アイムが出したプリズムシューターはフラッシュマン全員の共通装備の万能武器で、
通常時は銃ですが剣と盾に変形分離します。
ここではアイムは剣と盾の形態で出します。
ハカセの出したチェンジソードはチェンジマン全員の共通装備の万能武器で、
通常時は銃ですが剣と盾に変形分離します。
ここではハカセは銃形態で出します。
ルカの出したメロディータクトは、この作品ではもう割とお馴染みですが、
ファイブイエローのタクト型の個人武器です。
ジョーの出したマスキートンファーは、ブルーマスクのトンファー型の個人武器です。

マーベラスの出したバルカンスティックは、サンバルカン全員の共通装備の棒状の万能武器ですが、
飛羽の変身した二代目バルイーグルは、飛羽が剣の達人であるので
バルカンスティックを日本刀に変形させて使うことが多かった。
ここでマーベラスが使っているバルイーグルのレンジャーキーも二代目バルイーグルのものですから、
マーベラスはバルカンスティックを出すと、すぐに日本刀に変形させました。

そして「うおおおおっ!!」と突っ込んだマーベラス達5人とインサーン達は
5対5の一騎打ちを5つ同時進行させていく戦いに突入していき、
その遠景では鎧の操る豪獣神が巨大スゴーミン軍団との戦いを続けています。
鎧は「このおおおっ!!」と豪獣神をジャンプさせて、
「豪獣鋭断!!」と叫び、ギンガマンの大いなる力を炸裂させ、
回転しながらドリルで巨大スゴーミン達を撃破していきます。

そして等身大戦の方では、5戦隊のOPテーマのインストバージョンをメドレー形式で繋ぎながら、
1人1人の戦闘シーンを描写していきます。
まずは「電撃戦隊チェンジマン」のOPテーマに乗せて、
チェンジグリフォンに変身したハカセがドゴーミンと素手で肉弾戦を繰り広げています。
最初に出したチェンジソードは何のため?と思わないでもないですが、
果敢に攻めたハカセがドゴーミンの顔面にパンチを入れて相手の槍を掴み、
「おおりゃあああっ!!」と槍を振り上げて、ダイナミックにドゴーミンを投げ飛ばします。

そして地面に叩きつけたドゴーミンに対して、
ハカセは「グリフォン!マグマギャラクシーッ!!」と叫んで地面を両手で叩き、
チェンジグリフォンの地面を割ってマグマを噴出させる大技を繰り出し、
マグマでドゴーミンを猛爆します。

続いてBGMが「超新星フラッシュマン」のOPテーマに繋がり、
グリーンフラッシュに変身したアイムが銃モードにしたプリズムシューターで「はっ!!」とドゴーミンを撃つと、
今度はジャンプしながら「プリズムカイザー!!」と叫んで
グリーンフラッシュのプリズム製の専用籠手を装着し、
着地して「はっ!」とドゴーミンをぶん殴り、そのままパンチの嵐を浴びせます。
そして「ローリングナックル!!はっ!!」と必殺パンチを炸裂させて、ドゴーミンに致命的なダメージを与えました。

そして続いてBGMが「光戦隊マスクマン」のOPテーマに切り替わり、
ブルーマスクに変身したジョーがマスキートンファーを両手に装着して、
ドゴーミンの槍と真っ向から戦い、直線的に追い詰めていくアクションは異常にカッコいいです。
そして続いてのジョーの中国武術風の二刀流アクションは、
マスクマン本編でもあまり見られなかったブルーマスクのレアなアクションの再現となっており、
最後は「マスキースラッシュ!!」と二刀流のオリジナル技で締めます。

そしてBGMが「地球戦隊ファイブマン」のOPテーマに繋がると、
ファイブイエローに変身したルカが「はああっ!」と飛びこんでメロディータクトでドゴーミンを叩きのめし、
「よっ!」と蹴りを放って距離をとると、
「メロディータクト!!はっ!!」とメロディータクトからリボンを射出してドゴーミンを縛り上げ、
回転しながら「ファイブラスター!!」と、共通武器のレーザー銃に持ち替えて、
動けないドゴーミンを撃ちまくります。

そしてBGMは「太陽戦隊サンバルカン」のOPテーマに切り替わり、
映像は崖の上で夕陽をバックにインサーンと戦うバルイーグルの姿のマーベラスに切り替わります。
日本刀でインサーンの小型刀と斬り結ぶマーベラスが「はっ!!」と突きを繰り出したところで
インサーンは肩からミサイルを発射し、至近距離で攻撃を喰らったマーベラスは
「おおおおおっ!!」と叫びながら猛然と後退しつつミサイルを斬り落としていき、
「はっ!!」と思いっきり反動をつけて前に向けて跳び上がってインサーンに飛び掛かり
「おりゃああっ!!」と飛び降りながら、豪快に大上段に斬り下ろします。
これをインサーンは白刃取りで受けようとしますが、あまりの斬撃の強さに受け切れず失敗し、
見事に脳天から斬られて「ああうっ!!」とよろめきました。

ここでマーベラスは二代目バルイーグルの必殺技を繰り出します。
空気中の静電気を刀身に集めて斬り下ろす秘剣です。
太陽を背景にして回転させた刃に静電気を集めるとマーベラスは
「飛羽返し!!おおりゃああっ!!」とインサーンを斬り裂き、その身体に強烈な電撃をスパークさせ、
インサーンは「あああっ!?」と火花を噴いて崩れ落ちます。

そこにジョー達4人に徹底的にやられたドゴーミン達4人が吹っ飛んできて大爆発して果て、
遂にインサーンは1人となり、マーベラス達5人に追い詰められました。
一方、同時進行していた巨大戦の方でも豪獣神が攻勢に出ており、
「トライデントモード!!」と電撃攻撃で巨大スゴーミンを撃破し、残る巨大スゴーミンは2人のみとなり、
鎧は「ギンッギンに最後だ!!」と啖呵を切ります。

ゴーカイジャーの姿に戻ったマーベラス達もそれに呼応して、
インサーンに対して「こっちもそろそろ終わりにしようぜ!」と
必殺武器のゴーカイガレオンバスターを出してきて構えます。
鎧が豪獣神で「豪獣トリプルドリルドリーム!!」と決め技を出して残りの巨大スゴーミンを倒し、
マーベラス達5人は「ゴーカイガレオンバスター!!」と掛け声をかけて引き金を引き、
ライジングストライクを発射、
インサーンは迫りくるライジングストライクに対して肩からのミサイルで粉砕しようとしますが、
ライジングストライクはミサイルが命中しても止まることなくインサーンを貫きます。

最後まで自分の技術の結晶が勝利することを疑わなかったインサーンは、
自分のミサイルが通じずにライジングストライクに貫かれたことが信じられないように
「ああああうっ!?」と絶叫すると、
「・・・嘘よ・・・この私がこんな所で・・・!」と、突然、自分の終わりの時が来たことを悟りつつ、
それを心の底から受け入れることを拒み、
空を見上げて「いやぁ・・・アクドス・ギルさまああああっ!!」と、
最後の最後までザンギャックという絶対的な力へと縋りながら、そのまま大爆発して果てたのでした。

ギガントホースでそのインサーンの最期の模様をモニターで見ていた皇帝アクドス・ギルは
インサーンには全く興味を向けることはなく冷淡そのものであり、
ダイランドーは「グッバァ〜イ!インサーンちゃん!・・・ヘッヘッヘ!時間稼ぎ、ご苦労っちょぉい!」と
嘲笑します。

アクドス・ギルとダイランドーはインサーンを粛清の恐怖で脅して焦らせ、
マーベラス一味を攻撃させることが狙いであったのです。
そうなればインサーンが死ぬであろうことは分かっていましたが、
増援艦隊が地球に到着次第、真っ先に目障りなマーベラス達を潰せるように、
マーベラス達をインサーンの攻撃で引きつけておく必要があったのです。
ダイランドーがドゴーミンを助っ人に寄越したのは、
増援艦隊が戦いの場に到着するまでインサーンが持ち堪えそうにないので、
少し時間を引き延ばすために応援を繰り出しただけのことでした。

つまり、こうしてダイランドーが上機嫌でインサーンの時間稼ぎの労をねぎらっているということは、
インサーンが戦っている間に、遂に増援艦隊がマーベラス達の居る場に到着したということを意味しています。
「・・・もう海賊どもに何もさせぬ・・・!」とアクドス・ギルは勝利を確信して呟きます。

その戦いの場では、インサーンを完全撃破して勝利したマーベラス達のもとに、
巨大スゴーミン達を全滅させた鎧が地上に降りてきて「やぁりましたねぇっ!皆さぁん!!」と駆け寄り、
マーベラスは「ああ!!」と応えます。

その瞬間、マーベラス達6人のいる地上にレーザーが雨あられと降り注いできて、
周囲は大爆発を起こして、6人は「うわあああっ!?」と吹っ飛び変身解除しました。
「・・・今度は何だ!?」と驚いてマーベラスが空を見上げると、
そこには信じられないような光景が広がっていました。
「あれは・・・!?」とアイムは目を疑い、
ハカセも「・・・ザンギャックの・・・大艦隊!?」と悪夢ではなかろうかと戸惑います。
そこには、空全体を埋め尽くすようなザンギャックの信じられない規模の大艦隊が在ったのです。

鎧はよろめきながら立ち上がり
「レジェンド大戦の時と同じ・・・いや!・・・あの時の何倍もいます!!」と厳しい顔で言います。
鎧だけはレジェンド大戦を経験しているので、
このような信じられないほどの規模のザンギャック艦隊を見るのは二度目でしたが、
それにしても今回はそのレジェンド大戦の時よりも更に規模が大きいように思えて、鎧は唖然としてしまいました。
ましてや、鎧以外の5人はこれほどの大規模なザンギャック艦隊が一度に動いているのは見たこともない。

「・・・冗談でしょ・・・!?」とルカも絶句して空を見上げ、目を疑います。
なんと、その大艦隊が真っ直ぐ地上のマーベラス達目がけて殺到してきているのです。
その真ん中に位置する旗艦、ギガントホースからは「ハッハッハッハッハッハ!!・・・驚いちゃって?
これが全宇宙を支配する我が宇宙帝国ザンギャックの大艦隊でしょお!!」と勝ち誇って大笑いする
ダイランドーの声が地上のマーベラス達に向けて響いてきました。

そして、ようやく立ち上がったマーベラス達6人は
「海賊どもよ・・・よくぞここまで持ち堪えた・・・!」という威厳ある声を聞きます。
これは、ギガントホースで一度聞いたことがあるザンギャック皇帝の声だと、マーベラスは気付きました。
その声の主、皇帝アクドス・ギルはギガントホースの艦橋から地上のマーベラス一味に向けて、
「だが、これで終わりだ!・・・貴様らも、この地球の人間どもも、皆殺しにしてやるぅ・・・!!」と、
憎しみを込めて処刑宣告をしました。

同時に大艦隊のおびただしい艦艇が一斉にマーベラス達に向けて砲門を開き、ビーム砲を撃ってきます。
自分達が真っ先に狙い撃ちにされていることを悟ったマーベラスは
「・・・走れ!!」と仲間たちに指示をして、6人は慌てて一目散にその場を逃げ出しますが、
ビーム砲の雨あられは6人の退路も断ち、
6人は立ちのぼる火柱の爆炎地獄の中で「うわああああっ!!」と絶望の叫びを上げるのでした。

今回のエピソードはこの場面で終わりで、続きは次回ということになります。
残りはとうとう、あと2話です。
ところで今回は「ゴーカイジャー」としては話はここまでですが、
続いての8時からの「仮面ライダーフォーゼ」の途中のCMの中でトンデモないものが登場しました。
「仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦」という映画の予告篇です。

なんと、この中でマーベラスが「全てのライダーを倒すまでは・・・」なんて言って、すごい悪そうな顔で立ってます。
しかも場所はどうもギガントホースっぽい、ザンギャックの旗の前であり、これはいったいどうしたことか?
しかもゴーカイレッドが如月弦太郎や天の川学園高校の仮面ライダー部のメンバーと対峙しているという、
凄いシュールな構図となっており、
弦太郎が「売られた喧嘩は買わしてもらうぜ!」と、フォーゼドライバーまで持ち出して変身しようとしてるし、
「ゴーカイレッドVS仮面ライダーフォーゼ」っぽい状況です。

他のゴーカイジャーの面々はどうしたのかと思ったら、ちゃんと出てるようで、
ちゃんとザンギャックと戦ってます。
そしてジョーは「なぜライダーと戦うんだ?」と、
マーベラスとは違って、至極真っ当なことを言ってます。

と思ったら門矢士が出てきて、物凄い悪い目つきで「潰す!」とか言って、
ディケイドと新戦隊ゴーバスターズが戦ってます。
メテオもいるし、なんだかよく分からんがバイオハンターシルバまでいるし、
いっぱいライダーも出て来るし、一体何がどうなってるのやら、ワケが分からない状況です。

というか、この映画って4月21日公開だそうですけど、「ゴーカイジャー」の最終話以降の話なのでしょうか?
「ゴーカイジャー」の最終話がどうなるのは全く予想がつかない上に、こんな変なモノ見せられたら、
ますます混乱してきそうです。
まぁディケイドが絡んでる時点で、あんまり真面目に考えるべきではない映画のような気もしますが。
まぁ、いや良い意味でですけど。

あ、そういえばゴーバスターズに関しては、いろいろ情報が出てきてますけど、
支援要員でのレギュラーで、「ゴーカイジャー」第39話のメガレンジャー篇で登場した
諸星学園高校のデジタル研究会のメガネの男子部員を演じた高橋直人くんが出演されるようです。
あの時、公式HPで、デジ研部員に注目と言ってたのはこういうことだったのかもしれませんね。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 23:12 | Comment(0) | 第49話「宇宙最大の宝」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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