2012年09月26日

海賊戦隊ゴーカイジャー妄想物語その1

さて、では「スーパーヒーロー大戦」のDVDリリースまで、これからしばらく、「ゴーカイジャー」の物語を再度振り返ってみたいと思います。そういうことは一旦、最終話のエピローグ前にやりましたが、あれから劇場版のレビューを改めて詳しくやってみて、少しあの時の記述では不足や誤りもあったように思えており、いっそのこと最終話のレビューの一環としてではなく、独立して「ゴーカイジャー」の物語をもう一度、あの時よりも少し詳しく妄想も満載に加味してまとめ直してみようかと思いました。基本的にはあの最終話のレビュー時のまとめを元にして再構成するつもりですが、かなり書き足して、更に今回は画像なども貼ってみたいと思います。

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まず大前提として、当然のことですが、この物語は現実世界の物語ではない。物語世界の物語です。ですから非現実的な事象や設定があるのは当然です。ただ、非現実的ではあっても、その物語世界なりの一貫したルールというものはあります。そういう前提で、この「ゴーカイジャー」の物語世界の、私の妄想した分も含めた基本設定をまとめてみます。

まず、この物語世界における宇宙は極めて広大だが、恒星間移動の航行技術が一般化しており、最も高速で移動出来る機種を使って寄り道せずに目的地を目指すのならば、宇宙の端から端まで1週間ほどで到着する。また、大艦隊の移動であっても急げば1ヶ月ぐらいで宇宙の端から端まで移動することは出来る。その宇宙の一方の端に地球を含むこの太陽系が位置しており、それと正反対の宇宙の端にザンギャック帝国の創設地であるザンギャック本星が存在する。宇宙のどの場所であっても時間の流れる速度は一定であり、日数や年数の換算の仕方も同じであり、地球におけるものと同一です。

宇宙には様々な姿形をした生物が存在しており、知的生命体もその姿形は様々ですが、みんな日本語を喋ったり書いたりする。また特別の教育を受けていなくても英語も普通に読み書き出来る。また、それら知的生命体の育む文化には地球の文化と共通したものが多く見られるが、全てが地球の文化と共通しているわけではなく、外宇宙独特の文化もあれば、地球独特の文化もある。

宇宙における様々な知的生命体は基本的には地球人とそう大差は無い能力の持ち主であり、外見上も地球人と全く変わらないタイプのものも多い。持って生まれた才能や鍛錬、改造手術などの結果、地球人よりも優れた能力を発揮する宇宙人も多いが、それはあくまで相対的に優れているに過ぎず、絶対神のような存在ではない。あくまで同じ人類の範疇での優劣に過ぎない。科学技術についても同様で、確かに優劣は存在するが、全く次元の違うほどの絶対的な差があるわけではない。

また宇宙における知的生命体は皆、身体のサイズは基本的には地球人とほぼ同じサイズであり、生まれつき極端に巨大なものは存在しない。但し、極端に小さなものは存在し、また、何らかの術で身体のサイズを巨大化や極小化させることの出来る者も稀に存在します。また、宇宙における知的生命体はどのような外見の者であれ基本的に不死身の者はおらず、みな寿命が存在し、その寿命は地球人とほぼ同じであり、成長の仕方、歳のとり方も地球人とほぼ同じです。

0021.jpg宇宙の大部分を支配するザンギャック帝国の軍事力の要となっているのは大艦隊および大兵力、つまり先端技術で武装した大兵力による物量作戦がザンギャックの最大の強みです。それは宇宙の多くの人々がザンギャックの支配を受け入れているということであり、武力だけでなく統治能力にも優れた帝国といえます。ただ決して善政を敷いているわけではなく軍事独裁政権による苛酷な搾取体制なのですが、それでも宇宙の大部分を押さえているのですから、帝国中枢による統治がそれほどまでに巧みであるということでしょう。

それは一代で大帝国を築いた皇帝アクドス・ギルが不世出の武人にして軍略家であるというカリスマ性と、彼が天才的な統治能力を持つ悪しき独裁者であるということに起因すると思われます。またザンギャック帝国の中枢を守る皇帝親衛隊が特に強力であり、最強兵器といえるモビルスーツのような決戦機や大量破壊兵器ギガロリウム砲などを皇帝周辺のみが管理して帝国軍の一般兵たちには触れさせないようにしている極端な権限や戦力の一極集中が皇帝体制を支えているともいえます。そうして軍の反乱が生じたとしても皇帝側が絶対的優位で押さえ込める態勢を築いているため一般軍の装備はさほど充実しているわけではないが、その分ザンギャック軍は人海戦術を強みとする態勢となっております。

0022.jpgアクドス・ギルの出身地であるザンギャック本星の住人は武力や軍略に優れた者が多く、ザンギャック帝国の幹部にはザンギャック本星の出身者が多いが、ザンギャック軍の一般兵士は様々な星の出身者です。ザンギャック帝国では生体改造の技術が発達しており、ザンギャック軍の一般兵のゴーミンは様々な星の一般人が徴兵されて強化改造を施されたものであり、肉体の強化改造の影響でかなり知性が失われています。このゴーミンを大量に作ることで、ザンギャック軍は人海戦術を可能としているのです。

ただ、ゴーミンだけでは部隊の統率がとれないので、徴兵された者や志願してきた者の中で改造手術の適性の高い者が選抜されて、知性の喪失度が低く、なおかつより肉体の強化された下士官兵のスゴーミンに改造され、このスゴーミンが数人で多数のゴーミンの部隊を率いて作戦行動に従事するのが一般的です。
ただ、より複雑な破壊活動などの作戦をとる場合、知性の喪失を伴う強化改造をしなくてもスゴーミン以上の特に優れた戦闘力を備えた、様々な星の戦士達で構成される士官たちが行動隊長としてゴーミンやスゴーミンを率いて作戦に従事することも多々あります。この場合、作戦内容によっては行動隊長に知性の喪失を伴わない軽度の強化改造を施すことも多いが、これを適切に行える技量を持つ技官の数はザンギャック軍内でも少ない。
また、特に高度な改造手術の技術は皇帝周辺で秘匿され他への流出は極力抑えられています。なお、スゴーミンの中で特に資質と忠誠心に優れた者は、更なる強化改造を受けて皇帝親衛隊所属の下士官兵ドゴーミンとなることもあります。

この物語の中で地球における暦以外の宇宙の独自の暦が登場しないため、西暦で統一して表記すると、この物語の第1話で物語の主人公マーベラス一味が地球にやって来たのは2014年の初め頃となります。ただし、この作品の物語そのものはそれよりもおよそ40年前まで遡る。この物語世界の歴史そのものはそれよりも更に過去に繋がるが、この物語の起点となるのは1975年4月に地球において秘密戦隊ゴレンジャーと黒十字軍の戦いが始まった時点となります。
この時、別の物語世界である「秘密戦隊ゴレンジャー」の物語世界から派生したパラレルワールドがこの「ゴーカイジャー」の物語世界と融合したのです。いや、この時点でゴーカイジャーは存在していないので「ゴーカイジャー」の物語世界というのは適切ではなく、「ゴレンジャー」のパラレルワールドと融合する前の原初世界は厳密には「宇宙刑事ギャバン」の物語世界から派生したパラレルワールドでした。

その「ギャバン」のパラレルワールドが1975年4月に「ゴレンジャー」のパラレルワールドと融合して、その後、1977年4月に「ジャッカー電撃隊」の物語世界のパラレルワールドとも融合し、更に1979年2月に「バトルフィーバーJ」の物語世界のパラレルワールドとも融合し、そのようにして以後は毎年、歴代スーパー戦隊の物語世界のパラレルワールドとの融合を重ねていくことになりました。その世界の融合のたびに、それまでに存在していた世界と新たに融合してくる世界との設定が矛盾し合わないように、融合後の世界の諸設定が微調整されて更新されていくことになりました。
そうして、元のオリジナルの物語世界では共存していなかった各スーパー戦隊は年代順に並列していくことになり、いつしか伝説的な存在となり総称して人々に「レジェンド戦隊」と呼ばれるようになりました。それゆえ、このもともとは「ギャバン」のパラレルワールドだった世界に次々とスーパー戦隊のパラレルワールドが融合していった世界を「レジェンド戦隊の世界」と呼ぶことにします。

そして、この「レジェンド戦隊の世界」の宇宙の果てにある地球におけるこの「世界の融合」という不思議な現象が進行していくのに並行するように、宇宙の逆の果てにあるザンギャック本星においてはアクドス・ギルの勢力が増していき、それはザンギャック本星を統一し、周辺の星々にも侵略の手は及んでいき、アクドス・ギルは勢力を拡大してザンギャック宇宙帝国を形成していくことになりました。

そのザンギャック宇宙帝国の侵略の魔の手が遂に地球にまで及んだ2011年、この「レジェンド戦隊の世界」では既に34のスーパー戦隊の物語世界のパラレルワールドが融合しており、地球には34のスーパー戦隊が存在しており、34戦隊は総力を結集してザンギャック侵略軍と戦い「レジェンド大戦」が勃発し、34戦隊はザンギャック軍を撃破して侵略を阻止しますが、引き換えに34戦隊は戦う力を失い、その戦う力はレンジャーキーというものに姿を変えて宇宙に散らばりました。
そのレンジャーキーを集めて「宇宙最大のお宝」という伝説の宝を手に入れるために2014年初頭に地球に降り立ったのが宇宙海賊のマーベラス一味であり、そこからこの「海賊戦隊ゴーカイジャー」の第1話の物語が始まります。よって、ここから「レジェンド戦隊の世界」は「海賊戦隊ゴーカイジャー」の物語世界となるわけです。

だいたい、この「ゴーカイジャー」の物語世界の基本設定は以上のような感じです。荒唐無稽なおとぎ話ではありますが、「ゴーカイジャー」とはひとまずそういう世界における物語であると理解しておけばいいでしょう。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 00:33 | Comment(1) | 海賊戦隊ゴーカイジャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月03日

海賊戦隊ゴーカイジャー妄想物語その2


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「この星の意思」と名乗って歴代の戦隊に話しかけてきた存在は、地球の人々の集合無意識のような存在であり、一種の巨大な思念体といえます。昔風に言えば精霊や神の類で、地球の守護神と考えればいいでしょう。それゆえ人知を超えた強大で多彩な能力を持っていますが、別に万能の神や全能の神、造物主や絶対神のような存在ではない。だからまず基本的に彼の能力の及ぶ範囲はあくまで地球上に限られ、地球上においても出来ないこともあるし、分からないこともあります。
「この星の意思」の見守るこの地球を舞台として1975年以降、ほぼ毎年のように別の世界が融合してきて世界が更新されていくという不可解な現象は、「この星の意思」の仕業ではなく、「この星の意思」にはどうしていきなりそんなことが起こり始めたのか、どのようにしてそのような現象が発生しているのか、サッパリ分かりませんでした。ただ、それが異常な現象であり、決して自然に起こる現象ではないことは彼にも何となく察しはついており、何か巨大な意思がそのような現象を起こしているような気はしていました。しかし、その正体や意図するところが何であるのかサッパリ分からない。が、とにかく異常な現象であるのは確かだから何らかの異変を引き起こす可能性が大いにあると、「この星の意思」は危惧しました。
この世界の謎の融合の連鎖の果てに何が起こるのか、実は歴史が修正された31世紀に戻ったタイムレンジャーの未来組4人は知ることになったのですが、21世紀現在の「この星の意思」には未来予知の能力は無いので、将来何が起こるのかは分かりませんでした。ただ、この融合更新が繰り返される世界において、その融合更新の事実を認識することが出来る自分以外の唯一の存在であり、なおかつ次の世界の融合直前に体内に謎の「大いなる力」を生じる存在である歴代戦隊のメンバーがこの世界において何か特別な役割を与えられていると見て、「この星の意思」は歴代戦隊にこの世界の融合の件や「大いなる力」の件について情報を与えてきたのでした。

0035.jpgどうして「この星の意思」が戦隊メンバーの体内に生じた謎のエネルギーを「大いなる力」と呼ぶのか、そしてその「大いなる力」が世界の融合を解除するパワーを持っていることがどうして分かるのかというと、それは「何故か分かる」としか言いようがありませんでした。直感的にそういう事実が「この星の意思」の意識に流れ込んできたのです。
おそらくは自分もまたこの世界融合の大きな連鎖の中で何らかの役割を割り当てられているのだろうと「この星の意思」は想像しました。そして、この異常現象に危惧を覚えて歴代戦隊に自分の知った事実を告げていっているのも、これもまたおそらく自分に割り当てられた役割なのであろうとも思いました。
ただ、全ては何者かの掌の上であったとしても、それでもこの世界でこれから何が起きるのか突き止めようと「この星の意思」は思いました。そのために注意深く地球上で繰り返されている歴代戦隊と悪の組織の闘争を観察してきました。

そもそも「この星の意思」が未来予知能力が無いにもかかわらず、歴代戦隊に向かって、次にどういう世界が融合してきて、どういう戦隊がどういう悪の組織と戦うのかという事実を予言することが出来たのは、「この星の意思」には新たに融合してくる世界において起こる出来事の内容があらかじめ分かっていたからでした。
「この星の意思」は自分の見守っていたもともとの世界の未来は知ることは出来ませんでしたが、新たに融合してくる世界のオリジナル世界において何が起こるのかという情報は、これもまた世界の融合の少し前には自然に意識に流れ込んできて把握することが出来たのです。
その融合してくる世界の情報とは、悪の組織が正義の戦隊によって倒されるまでの戦いの記録でした。それらの情報によれば、必ずどの世界においても最終的には正義の戦隊が悪の組織を倒して世界は守られて終わることになっており、そういう結末が分かっている以上、「この星の意思」は世界が融合して新たな悪の組織の脅威に世界が晒されても、それが破滅に至らないことが分かっていたので安心して観察することが出来ました。
ただ、もちろん融合してきた世界はオリジナルとは微妙に違う部分もあり、元の世界との融合によって更に変更されている部分もあり、またその正邪の勢力の戦い以外の元の世界の出来事に関しては「この星の意思」にも未来に何が起こるのか当然分からないわけで、融合してきた世界のオリジナル世界がハッピーエンドだったからといって完全に安心しきっていいわけではない。
だから「この星の意思」は更新後の世界における正義と悪の戦いがオリジナル世界の情報と大きく異なった部分が生じていないかどうか注意深く観察しました。もしオリジナル世界とは大きく異なる事態がその戦いにおいて生じてきたとするなら、それこそがこの世界の融合の連鎖によって生じる異変の兆候である可能性が高いからでした。そして、その兆候を捉えることこそが、この世界の謎を解く契機となるはずだと「この星の意思」は睨んでいました。

そうして注意深く観察してきた結果、2001年2月のタイムレンジャーの戦いの終了までの出来事は、細部での微妙な違いはあったものの、だいたいはオリジナル世界の出来事と大筋ではそう異ならない出来事が繰り広げられてきました。そして次は2001年2月に「百獣戦隊ガオレンジャー」の世界が融合してくるということは既に「この星の意思」には分かっており、その「百獣戦隊ガオレンジャー」のオリジナル世界において百獣戦隊ガオレンジャーという戦隊がオルグという敵と戦い、勝利するということも分かっていました。
おそらくは融合後の世界においてもガオレンジャーとオルグの戦いはオリジナル世界と同じような経過を辿って最終的にガオレンジャーの勝利に終わるのであろうと「この星の意思」は予想し、世界の融合直前にタイムレンジャーの面々にも間もなくガオレンジャーとオルグの戦いが始まることは告げていました。
「この星の意思」がわざわざ次の戦隊の登場を戦いを終えた戦隊に伝える理由は、予言が的中することによって自分の言葉の信憑性を高めるためであり、必要以上に戦隊のメンバーに未来を教えることは避けるため、その戦いが常に戦隊側の勝利に終わるという結末についてはあえて教えていませんでした。
また、「この星の意思」はそうして毎年自分が戦い終えて「大いなる力」を体内に得た戦隊に対して言葉をかけている場にゴレンジャーとジャッカー電撃隊のメンバーの誰かが交替で潜んできて、未だに自分の言葉を盗み聞き続けてきたことや、その他現役戦隊の戦いの場にもこの初期2戦隊の誰かがちょくちょく観察に来続けていることも把握していましたが、特に問題があるとは思わず、あえて無視して彼らの望むように行動させていました。

25-01-3.jpgそうして「この星の意思」の予期した通り、タイムレンジャーの戦いが終わってすぐ、2001年2月に今度は「百獣戦隊ガオレンジャー」の世界が融合してきて、オルグという鬼のような魔物達が人類社会の破壊を企み活動を開始している状況となりました。
そのオルグに対抗するため、地球の守護聖獣であるパワーアニマル達が自然と対話出来るネオシャーマンの資質を持った若者4人を選び出してガオレンジャーの能力を授け、オルグとガオレンジャー4人との戦いが既に1年前から始まっていたという状態で世界の融合は行われ、2001年2月の段階で起こったことはガオレンジャー5人目の仲間である獅子走の加入の事件でした。「ガオレンジャー」の世界と融合した世界の物語はここから始まります。
25-02-3.jpgガオレンジャーのメンバーはこの5人目として加入したガオレッドに変身する元獣医の獅子走、そして元からいた4人、ガオイエローに変身する元自衛隊パイロットの鷲尾岳、ガオブルーに変身する元フリーターの鮫津海、ガオブラックに変身する元力士の牛込草太郎、ガオホワイト25-03-3.jpgに変身する女子高生の大河冴の合わせて5人でした。
この5人のガオレンジャーとオルグの戦いは「この星の意思」のあらかじめ把握していた展開で進んでいき、やがて夏になって、オルグの仲間として現れた狼鬼が実は千年前のガオレンジャーの1人であった大神月麿の変わり果てた姿だったと判明し、この月麿が正気を取り戻して人間に戻り、6人目のガオレンジャーであるガオシルバーとして仲間に加わるという展開にすんなり進むはずでした。実際、オリジナル世界の展開と同じように8月に月麿がガオシルバーとして加入したのですが、それに先立つ7月に「この星の意思」の予想していなかったイレギュラーな展開が生じたのです。

7月のある日のこと、5人のガオレンジャーの前にはぐれハイネスのラクシャーサという強力なオルグが現れ、岳と海と草太郎の戦士の魂が奪われてしまい、その結果オルグ全員が強化され、更にラクシャーサは残った走と冴の戦士の魂も狙ってくるという事件が起こったのですが、この重大な事態は「この星の意思」があらかじめ把握していた「百獣戦隊ガオレンジャー」の世界では起こっていなかった事態でした。
これを見た「この星の意思」は、あるいはこれこそが世界の融合の果てに起こる異変の兆候なのかもしれないと思い、ちょうどその場に居合わせてガオレンジャーの様子を潜んで観察していたジャッカー電撃隊のビッグワン番場壮吉の意識に話しかけ、これがかつて言っていた大きな異変の始まりかもしれないから、この後の展開次第では「大いなる力」を使って世界の融合をリセットする必要があるかもしれないと伝えました。
無題-0152.jpgところがこれを聞いた番場は、そのような最悪の事態となる前にこの事態を収めてしまおうと考え、ゴレンジャーとジャッカー電撃隊の仲間に連絡して、バトルフィーバー隊からタイムレンジャー(タイムレッドの浅見竜也のみ21世紀に存命中)までの22戦隊に「世界の融合によって生じた危機に対処するため力を貸してほしい」という旨の連絡をしてもらうように手配したのでした。そして番場自身はガオレンジャーがこれ以上の戦士の魂を奪われてラクシャーサが強化することを防ぐために陰ながらガオレンジャーをサポートして時間を稼ぎ、24戦隊の援軍がやって来るのを待つこととしました。

そうした中、走はラクシャーサと戦い、一方で戦士の魂を奪われた岳たち3人と冴の4人は飛んでいった変身アイテムのGフォンを追いかけて各所を彷徨い、岳は今は科学アカデミアに戻って研究者となっているライブマンのレッドファルコン天宮勇介と、海は警察官の職務に戻っているゴーゴーファイブのゴーイエロー巽ダイモンと、草太郎はギンガの森を守っていたギンガマンのギンガブルーのゴウキと、冴は女子大生となっているメガレンジャーのメガピンク今村みくと、それぞれ偶然に出会いました。
岳たち4人は自分達はガオレンジャーだと名乗り事情を説明したところ、勇介たち先輩戦士4人はそれぞれガオレンジャーのことは知っており、自分もかつては地球を守って戦った24の戦隊の戦士の1人だったと名乗ったのでした。岳たち4人は地球を守って戦った先輩戦士たちが存在したことを初めて知り、彼ら先輩戦士たちから歴代24戦隊の戦士たちの戦いの軌跡を説明されて、その戦士たる者の精神について教えられ、その結果、岳たちは失っていた戦士の魂を自力で再び湧き立たせることに成功しました。

ところで、どうして勇介たち先輩戦士たちが自分の戦隊以外の戦士たちのことを知っていたのかというと、ゴレンジャーとジャッカー電撃隊以外の22戦隊の戦士たちも他の戦隊との共闘や、過去の記録などを調べたり、他の戦隊にも連絡を取り合ったりしたことによって、各自が自分達と同じように地球を守るために戦ってきた戦隊が存在したことは独自に把握するようになっていたからです。
もちろん彼らも毎年、正義と悪の戦いが繰り返されてきたという事実はもともと知っていました。それぞれ自分達の前の年や次の年に活動していた戦隊とは直接会って共闘したことのある戦隊もありました。ただ、それぞれの戦隊の戦いの全貌が世間に広く知られていたわけではないので、当初は彼ら戦士たち自身も、1975年以降、同じような5〜6色の戦闘スーツを身にまとった戦士たちのチームの戦いが繰り返されてきたという事実には気付いていませんでした。
独自に調べてみた結果、彼らは自分達の戦隊とよく似た戦隊の戦いが四半世紀ほどの間ずっと引き継がれてきていたという事実に気付き、「この星の意思」がかつて自分達に話した内容から察するに、おそらくこれら24の戦隊はみんな自分達と同じように「大いなる力」を体内に宿しており、世界は自分達の時も含めて24回融合更新を繰り返してきたのだという事実を悟ったのでした。
つまり自分達24戦隊はこの世界で何かよく分からないが特別な役割を担わされている同士なのだと気付いた歴代戦隊の戦士たちは自然に連絡を取り合うようになり、仲間となっていったのでした。そして、誰が言い出したか、彼らはいつしか「スーパー戦隊」と自称するようになっていました。

彼ら22戦隊は自分達の前にゴレンジャーとジャッカー電撃隊という伝説的な始祖戦隊が存在したことも知るようになっていましたが、後輩戦隊たちをずっと距離を置いて見守っていたゴレンジャーとジャッカー電撃隊のメンバーは、残り22戦隊がそうやって24戦隊の連続性に気付いたことを知っていながら、それでもかつて「この星の意思」が言っていた「世界の融合がもたらす異変」については確証も無いことであったので軽々しく言うべきではないと思い、慎重に距離を置いて彼らの前に姿を現さないようにしていました。
しかし今回、「この星の意思」からその異変の兆候の可能性があると聞いたビッグワン番場壮吉やアカレンジャー海城剛は思い切って他の22戦隊にも世界の融合によって大きな異変が起こる可能性があるということを伝えて彼らと共に戦うことを決意し、大異変を未然に防ぐためにガオレンジャーをサポートしようと呼びかけたのでした。
無題-0123.jpg勇介、ダイモン、ゴウキ、みくの4人はまだその連絡を受けていない状態で偶然ガオレンジャーの4人に会ったのであり、勇介たち4人はガオレンジャーという戦隊が現在オルグと戦っているということは知りませんでした。ただ岳たちが勇介たちに自分はオルグと戦うガオレンジャーであると名乗り今回の事情を説明して戦士の魂を奪われて戦えなくなっていると言ったので、勇介たちは岳たちが自分達の後継者である25番目のスーパー戦隊の一員なのだと気付き、岳たちに歴代スーパー戦隊の戦士たちの戦いに臨む精神を諭して、それによって岳たちは戦士の魂を甦らせることが出来たのでした。

無題-0127.jpg一方、番場は冴とみくと合流し、ラクシャーサに善戦虚しく敗れて捕らわれていた走を救出し、そこに岳と海と草太郎も駈けつけ、更に彼らをサポートするために勇介とダイモンとゴウキも現れて、ガオレンジャー5人と先輩戦士5人の合わせて10人で「我等スーパー戦隊!」と、初めて「スーパー戦隊」と自称する名乗りを上げてラクシャーサ率いるオルグ軍団と戦うことになりました。
そして先輩戦士たち5人はあくまでサポートに徹し、闘志を取り戻したガオレンジャーはラクシャーサを撃破しますが、復活巨大化したラクシャーサは街を破壊し始め、ガオレンジャーは劣勢に立たされました。すると、そこに番場や海城たちからの連絡を受けた歴代24戦隊の援軍が到着し、歴代レッド戦士の操縦メカが一斉にラクシャーサを攻撃したのでした。
無題-0126.jpg急なことであったのでさすがにすぐに全戦隊の全戦士が揃うというわけにはいかず、ゴレンジャーとジャッカー電撃隊の10人、そしてレッドファルコン天宮勇介、メガピンク今村みく、ギンガブルーのゴウキ、ゴーイエロー巽ダイモンも合わせて14人以外はとりあえず歴代レッド戦士だけが駆けつけるという形となりました。なお、搭乗機が31世紀に帰ってしまったタイムレッド浅見竜也だけはタイムファイヤー滝沢直人の遺した搭乗機ブイレックスで戦闘に参加しました。
その応援を受けてガオレンジャーはガオキングでラクシャーサに立ち向かい、25のスーパー戦隊の力を合わせたスーパーアニマルハートでラクシャーサを撃破、更にしつこく復活したラクシャーサに対して歴代24戦隊のレッド戦士の応援を受けて、24戦隊から受け継いだ「スーパー戦隊魂」を込めたガオレンジャーストームで喰らわせ、完全勝利を収めたのでした。

無題-0128.jpg結局、このラクシャーサの出現は世界の融合によって引き起こされる大異変の兆候ではなかったのだが、これを大異変の兆候と「この星の意思」が勘違いしたことによって初めて歴代24戦隊が「スーパー戦隊」と総称して一堂に会して、現役戦隊のガオレンジャーと共闘するという快挙が成し遂げられ、これ以降は歴代戦隊は自分達は「スーパー戦隊」の仲間たちだと強く自覚するようになりました。
また、街中でかつて地球を守って戦った24の戦隊のメカが一堂に会して連係して戦いガオレンジャーをサポートする姿を見た人々は、ここで初めてかつて地球を守って戦った24の戦隊やガオレンジャーが「スーパー戦隊」という名の一連の存在であることを認識したのでした。つまり、この2001年7月の事件をきっかけに地球人の心の中に「スーパー戦隊」という概念が生まれたのであり、そういう意味で非常に画期的な事件であったといえます。そのきっかけを作ることとなった「この星の意思」は、この自分の勘違いもまた、この世界の融合を推し進めている何者かの意図に動かされた結果なのではないかと思えたのでした。

さて、その後は再び歴代24戦隊は表舞台から姿を消し、ガオレンジャーとオルグの戦いが続きました。この先は「この星の意思」の把握しているオリジナル世界の情報の通りに事態は進行していき、ガオレンジャーはほどなく6番目の仲間ガオシルバー大神月麿を迎え、そして戦いの末、2002年2月、ガオレンジャー6人はパワーアニマルと力を合わせてオルグの王であるセンキを倒し、遂にオルグとの戦いを終えました。
そのガオレンジャー6人の体内にはこの時「大いなる力」が生まれ、「この星の意思」が現れて6人に世界の融合や「大いなる力」についての説明をしました。結局ラクシャーサの一件を通しても「この星の意思」にはこの世界の融合の果てに何が起こるのかよく分からないままだったので、「この星の意思」からガオレンジャーに対する説明は以前の24戦隊に対しての説明と同じ内容のままでした。
一方ガオレンジャーの方もラクシャーサの一件の時も番場や海城たち先輩戦士たちはまだ「大いなる力」を持っていないガオレンジャー達にはあえて世界の融合の話はせずに去っていったので、ガオレンジャー6人は世界の融合の話を聞くのは「この星の意思」の話を聞いた時が初めてであり、歴代24戦隊の時と同じように大いに驚き、その突拍子もない話が真実なのだろうか疑いつつ、それぞれが元の生活に戻っていったのでした。

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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 23:17 | Comment(0) | 海賊戦隊ゴーカイジャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月31日

海賊戦隊ゴーカイジャー妄想物語その3


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2010年初頭、シンケンジャーと外道衆の戦いにひとまず決着がつき、33番目のスーパー戦隊であるシンケンジャーの7人の戦士たちの体内にも「大いなる力」が生成しましたが、それに続いて「天装戦隊ゴセイジャー」の世界がこの世界に融合してくることを感じ取って「この星の意思」はそれが毎年繰り返されてきたことと同じであると解釈して安堵していました。それというのも、実は「この星の意思」にとって憂慮すべき奇妙な事態が半年ほど前に1つ生じていたからです。
2009年2月にこの世界に「侍戦隊シンケンジャー」の世界が融合してきた時、「この星の意思」には、その「侍戦隊シンケンジャー」の世界のオリジナル世界において起こる(あるいは「起こった」?)およそ1年間の出来事の内容は、毎度のごとく瞬時に把握出来ていました。そして、それはそのオリジナル世界のコピーされたパラレルワールドが融合してきたこの世界において、それから1年間ほどの間、オリジナル世界の出来事と同じ出来事が起こるはずでした。これまでもずっと32戦隊の世界の場合もそのようであった。「この星の意思」が把握していない出来事がスーパー戦隊の戦いの歴史の中で起こることはないのが通常でした。
その通常とは違う数少ない例外的な出来事としては、2001年に起こったガオレンジャーとラクシャーサの戦いと、2006年に起こったボウケンジャーとクロノスの戦いの2つの例がありました。数少ない事例ではあるものの、この2例だけで考察するに5年周期が想像できるので、次にイレギュラーな出来事が生じるとすれば2011年ではなかろうかと「この星の意思」は考えていました。しかしイレギュラーな出来事だけあって、その勃発に規則性などあるはずもなく、2009年7月にこの世界において「侍戦隊シンケンジャー」のオリジナル世界では起こっていなかった意外な出来事が生じたのでした。

それは、シンケンジャーの本拠地である志葉屋敷の使用人である黒子の中に2人、謎の男が紛れ込んで、屋敷でシンケンレッド志葉丈瑠と接触したことと、もう1つはシンケンゴールド梅盛源太の手持ちの折神である烏賊折神が別の「仮面ライダー」と名乗る謎の男に盗まれたことでした。
0001.jpgこの本来のこの世界の歴史においては起こるはずではない2つのイレギュラーな出来事に興味を持った「この星の意思」は、この3人の謎の男を注視することにしました。すると丈瑠と接触した男の1人は門矢士という名で、それと一緒にいた男はユウスケと呼ばれ、2人はどうやらこの世界の住人ではなく、別の世界からやって来た旅人であるようでした。同様に源太から折神を盗んだ海東という「仮面ライダー」を名乗る男も別の世界からやって来た者であるようでした。
この3人は知り合いであるようで、しかも普通の人間ではありませんでした。源太に追いつかれた海東はカードと銃を使ってスーパー戦隊とは全く違った怪人のような青い異形の姿に変身し、手持ちの銃で更に数体の怪人を召喚して源太に襲い掛かってきたのです。
0002.jpgすると、その戦いに外道衆の怪人が割って入り、負傷した海東は怪人に銃を奪われ、源太と別れて銃を取り戻そうとして怪人と戦いますが、その不思議な銃によってパワーアップした怪人に敗れて追い詰められたところに士が助けに入り、士もまたカードとベルトを使って赤い異形の姿に変身しました。
この士たちの異形の姿も注目すべき点でしたが、更に注視すべきは海東の銃を手にした影響で外道衆とは全く別物の強さと海東と同じような異形の姿を獲得した怪人の方で、この怪人チノマナコは変身した士の攻撃を受けても倒されることなく逃走してしまいました。

その後、士たちやシンケンジャーにも感知されることなくチノマナコは潜伏し、そうしているうちに今度は忽然と現れた不思議な男が丈瑠に話しかけてきて、「この世界はライダーに浸食されている」と告げました。そしてその男は更に丈瑠に「ディケイドは世界を破壊する」「ディケイドを排除しなければいけない」と謎の言葉を言い残して忽然と姿を消しました。
突然の不思議な出来事に丈瑠が驚いていると、そこに士が現れて異世界から来たことを仄めかしたので丈瑠は先日から黒子に化けて屋敷に潜り込んでいたこの怪しい男が「ディケイド」ではないかと思い訊ねてみると、士はそれを認めましたが、世界を破壊するというのは本当なのかという丈瑠の質問に対しては、自分のことを知らないので分からないと答えました。
0003.jpgどうやら、この門矢士は海東と同じく「仮面ライダー」であるようで、その正体は「ディケイド」という名の戦士であるようでしたが、士は自分がライダーであることやディケイドという名であること以外は自分のことに関する記憶を失っているようでした。そのような男がどうしてこの世界に現れたのか丈瑠が怪しんでいると先ほどの謎の男が再び現れて丈瑠に士を倒すよう強く迫り、士はこの男と面識があるらしく、その男を鳴滝と呼びました。
鳴滝はディケイドの出現によってライダーの浸食が始まり、この世界にライダーが誕生したと告げ、そこに海東のようにライダーの姿となったチノマナコが現れ襲い掛かってきました。つまりこの世界にライダーが浸食したためにチノマナコがライダーとなったのであり、その元凶はディケイドなのだというのです。そして、このまま放置すれば世界の浸食は加速して世界は破壊されるのだという。だからディケイドを倒してこの世界から排除しなければいけないというのが鳴滝の主張であり、ディケイド本人である士も記憶が無いためにそのことを否定することは出来ないようでした。

結局、シンケンレッドに変身した丈瑠の攻撃もライダーと外道衆の両方の特性を獲得したチノマナコを倒すことは出来ず、チノマナコを取り逃がしてしまい、鳴滝も姿を消しました。丈瑠はまずは士に更に事情を問い質そうとしましたが、そこに源太が現れて士が海東の仲間だと思い込み、士に折神を返すよう迫りました。
すると、そこに士と共に異世界からやって来たらしい夏美という女の子が現れ、負傷した海東を休ませている自分達の写真館に丈瑠たちを案内し、更にそこにシンケンジャーの他の家臣たちも集まり、色々と誤解などもあって騒動となってしまいましたが、その中で夏美の口から士の事情が語られ、士は世界を破壊するために旅をしているわけではなく、自分の本当にいるべき世界を探して様々な世界を旅しているのだが、あらゆる世界から拒絶されて世界に居場所が無いのだということを丈瑠は知りました。それを聞いて丈瑠は影武者であり本当の居場所を持たない自分と似た境遇を秘かに感じ、士は世界を破壊する者ではないと内心信じることにしたのでした。
0004.jpgそうして再びチノマナコが出現して街で暴れていると知らされた丈瑠が家臣たちを連れて戦いに出ると、偶然写真館に居合わせていた志葉家の家老である日下部彦馬と会話していた士が突然何かを思い出したようにして写真館を飛び出し、チノマナコに苦戦する丈瑠たちに加勢に現れて、ユウスケの変身した別の仮面ライダーと共にディケイドこと士はシンケンジャーと共闘し、遂にチノマナコを倒して、この世界へのライダーの浸食を食い止め、海東の銃を取り戻して、それと交換して源太も海東から烏賊折神を取り戻し、士たち通りすがりのライダー達はこの世界から去っていきました。

この一連の戦いにおいて不思議であったのは、士はディケイドの赤い異形の姿に変身しただけでなく、そこから更に全く別のライダーと思しき異形の姿に変身して戦ったことです。思うに海東が銃を使って召喚した複数の怪人もライダーであるようで、この世界に通りすがった謎のライダーたちは他のライダーの能力を使うことが出来るようで、そのためにカードを駆使するようでした。それは細部は異なるものの、かつて2006年に出現したアカレッドがスーパー戦隊のレッド戦士たちに変身したり、その武器や技を自在に操った時に似ているようにも思えました。
また不思議なことに、この戦いの中で士は丈瑠が志葉家当主の影武者であるという秘密を知っているかのような言葉を丈瑠に伝え、丈瑠を驚かせました。士は最初は確かに自分のこともこの世界のことも何も知らない様子であったので、彦馬と会話している時にそれがきっかけで突然、この世界の真実を思い出したようです。
つまり士はもともとこの世界の真実を知っていたのだが、記憶を失っていたためにそのことを忘れていたのであり、それを思い出したことによって、この世界を守るために戦う意義を見出したようでした。そして、様々な世界で同じようなことを繰り返してきたようです。となると、士はもともとあらゆる世界の秘められた真実を知る立場の者であったが、何らかの事情でその記憶を封じられてきたらしい。そして世界を巡る旅の中でそれらの世界の真実を少しずつ思い出していっているらしい。
それらがどういう事情によるものなのか丈瑠には分からなかったし、士本人にも分かっていない。ただ士は思い出した丈瑠の「影武者」の真実を他の者に告げることなく、丈瑠に対して含みを込めた笑みを残して次の世界に旅立っていき、この世界は再び「この星の意思」の把握している出来事の続く世界に戻っていきました。

この一連の不思議な出来事を観察していた「この星の意思」は、この「世界がライダーに浸食される」という現象が自分がこれまで30年以上にわたって観察してきた「世界の融合」と似た現象であるように感じました。また、様々な世界の真実を知る立場の門矢士=ディケイドと自分とが何となく似た立場であるようにも思えて興味を抱きました。
世界の融合の末の破壊を食い止めようと考えて世界を観察している自分と、世界を破壊する者としてあらゆる世界から拒絶されて彷徨いつつ結局今回も世界の融合のもたらす危機を救った形となった士とは似ているようにも思えましたが、根本的に違うようにも思える。この世界の融合の末の危機を救うためにはスーパー戦隊の戦士たちがこの世界から存在を消す必要があるが、今回士は世界をライダーの浸食から守ってライダーである自分自身をこの世界から存在を消して立ち去っていったことになる。
ただ、そもそもその危機をもたらしたのは鳴滝の言葉を信じるならば士自身であるが、鳴滝の言葉が正しいのかどうか、鳴滝もこの世界から姿を消してしまった以上、今となってはもう分からない。丈瑠は直感で士が世界を破壊する者ではないと見なしたが、それも根拠があるわけではない。士だけでなく鳴滝の存在も謎であり、更には奇妙な暗躍をして去って行った海東の行動も謎でした。

結局よく分からないことだらけでしたが、1つ確かなことは、危機は過ぎ去ったとはいってもこの世界に本来の予定にはなかったイレギュラーな出来事が生じたということであり、それが世界の融合の果てに起こるかもしれない大異変の前触れである可能性が決してゼロではないということでした。また鳴滝の言葉の方が真実であった場合は、やはり士の出現によって世界がライダーに浸食されて破壊されるという可能性も十分に考えられました。
それで「この星の意思」は士たちが去っていった後も引き続き大きな異変の兆候となりそうなイレギュラーな出来事への警戒を怠りませんでしたが、その後はシンケンジャーの戦いは「この星の意思」の把握している通りに進んでいき、予定されていた通りにゴーオンジャーとの共闘を経て2010年の年明けとなり、真のシンケンレッド志葉薫の登場、そして丈瑠の正式な志葉家当主の継承、外道衆の頭目ドウコクの撃破という結末となりました。
その間、世界には予定外の大きな異変やライダーの浸食のような出来事は見受けられず、そのまま新たに「天装戦隊ゴセイジャー」の世界の融合を迎えたので「この星の意思」は門矢士の出現に端を発したライダーの浸食という事態はひとまず収拾したのだと解釈してようやく安堵したのでした。

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2012年11月07日

海賊戦隊ゴーカイジャー妄想物語その4


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2011年初頭、34番目のスーパー戦隊であるゴセイジャーの戦いの終結に際して、地球の中心の亜空間の石室、そしてその内部で「宇宙最大の宝」を発見した「この星の意思」は、これまで34の世界がこの世界に融合を重ねてきた結果として近いうちにザンギャック宇宙帝国の侵略があることを予期し、その侵略に対して34のスーパー戦隊が立ち向かう時こそが宇宙全体をザンギャックによる災厄から解放された平和な世界に作り変える千載一遇のチャンスだと捉え、34戦隊の戦士たちがその時に放出するであろう「大いなる力」をコントロールして宇宙に散らせる準備をアカレッドをパートナーとして進めるようになりました。
これまではずっと「この星の意思」は歴代スーパー戦隊の戦士たちが予定された戦いを終えて体内に「大いなる力」を得ると、それに合わせて彼らに声をかけて世界の融合のことや「大いなる力」のことについて教えてきたのですが、ゴセイジャーの場合はその戦いの結末が予定外のものであったことや、また次に融合してくる世界に関する情報が無かった点、そして「宇宙最大の宝」の発見などによる混乱により、「この星の意思」はゴセイジャー6人の体内に「大いなる力」が生成したことは知りつつも、彼らに話しかけることはなく、「大いなる力」のことについても彼らに告げてはいませんでした。
そもそも「この星の意思」は世界の融合が繰り返されている意味や「大いなる力」の存在する意義が何であるのかよく分からないので、とりあえず当事者であるスーパー戦隊の戦士たちに自分の知っている事実を素直に告げてきただけに過ぎず、こうしてそれらの意味がだいたい分かった今となっては、来たるべきザンギャックとの戦いの運命の一瞬に賭ける準備を整えることがまず最優先となり、その目途がつけていきつつゴセイジャーに何を伝えるべきか考えるという順序でよかったのだといえます。
何にしてもゴセイジャーにも他の戦隊同様に「大いなる力」のことや世界の融合のことは伝えなければならないのですが、「この星の意思」は、ちょうど自分の方の作業の目途がつく頃に、もしゴセイジャーの世界が自分の知っている予定通りに進行するのならちょうど良い機会が巡ってくることを知っていました。その時におそらく例のごとくゴレンジャーかジャッカー電撃隊の誰かもその場に潜んでいるであろうから、いっそその時にザンギャックの危機についても彼らにも知らせておこうと思ったのでした。

0043.jpgゴセイジャーの1年間近くの戦いの終結は本来の予定では2011年初頭のマトリンティス帝国との最終決戦でしたが、それは予定とは違ってブラジラのネガーエンド阻止のための戦いとなりました。ただ、ゴセイジャーの戦いには他の戦隊が「大いなる力」の獲得後も次の戦隊との共闘があったのと同じように、まだもう1つ残されたものがあることも「この星の意思」は把握していました。
それは本来の歴史ではマトリンティスの海底要塞が最終決戦で崩壊した時に1匹だけ生き残って逃げのびたビービ虫が人間の悪意のパワーで超進化を果たしたキングビービによって引き起こされる事件でした。
マトリンティスは本来予定されていた最終決戦の前にブラジラの手で潰されてしまいましたが、そのままブラジラが海底要塞を使用し、そこにそのビービ虫もおり、海底要塞が崩壊した時にそのビービ虫は本来の歴史と同じように生き残って海底に潜んでいたのでした。だからきっと本来の予定の通りにそのビービ虫はキングビービに進化してゴセイジャーに戦いを仕掛けてくるはずだと「この星の意思」は読んでいました。

ゴセイジャーの6人は2011年初めにブラジラを倒した後すぐに自分の体内に奇妙なエネルギーが生じたような感覚はありましたが、その時に「この星の意思」が現れなかったため、それが「大いなる力」であることも知ることはありませんでしたし、この世界が幾つもの世界が融合して出来ている世界であるということも自覚していませんでした。
また次の融合世界や次の戦隊についても「この星の意思」から何も聞かされていないわけですから、自分達の戦う使命が一段落したことも自覚していませんでした。ただ単にブラジラを倒して一旦世界も平和になり天の塔も再建されたので、居候していた天知家を出て各自がバラバラに人間社会の中で生活をしながら人間社会について学んでいくため旅立っていました。
一方、そのゴセイジャーの戦いを秘かに見守っていたゴレンジャーとジャッカー電撃隊のメンバーはゴセイジャーの戦いが一段落したように見えるのに、他のこれまでの戦隊の場合のように「この星の意思」がゴセイジャーの前に現れなかったので、彼らもまたゴセイジャーが既に「大いなる力」を得ていることを確認することが出来ていませんでした。彼らは例年と様子が違うことを不思議に思い、もしかしたらまだゴセイジャーの戦いは続いているのではないかと考えましたが、ゴセイジャーはバラバラになって呑気に人間社会の生活を満喫しており、海城剛たちゴレンジャーやジャッカー電撃隊の面々はこれはやはりどうも変だと思っていました。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 14:14 | Comment(0) | 海賊戦隊ゴーカイジャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月13日

海賊戦隊ゴーカイジャー妄想物語その5


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さて、ザンギャック本星から地球へ向けて大遠征軍が出発した頃、2011年8月を迎えていた地球では、ザンギャック軍の来襲に備える動きが急ピッチで進んでいました。
まず地球には外宇宙でザンギャック軍に対抗出来るほどの強大な宇宙戦艦の艦隊などは無いので、どうしても戦いは地球を舞台としたものにならざるを得ません。そうなると勝敗以前に重大な問題は人々が戦いに巻き込まれる危険をいかに減らすかということになりますが、1975年以来35年以上にもわたって悪の組織の攻撃に晒されてきたお蔭で、この世界では地球の町々には避難用のシェルターのようなものが随所に作られていました。
これらをフル活用して戦火を避けるしかないわけですが、ザンギャックの侵略軍の予想される規模はおそらくかつてのどの悪の組織の総攻撃よりも大規模となると予想されるので、既存のシェルターだけでは容量不足が予想されます。そこで、いつザンギャックの攻撃が開始されるか分からないがとにかく急いでシェルターを増設していく作業を大急ぎで進めることとなりました。
その一方でもちろんザンギャック軍と戦う態勢も整えられていきました。各国の軍隊など地球上の全ての軍事力が国連のもとに結集し、イーグルの指揮下で動くことになり、その中には国際科学特捜隊、地球平和守備隊、地球守備隊、スカイフォース、国際空軍、I.N.E.T.などの、かつてスーパー戦隊と共に戦った国際的な公的機関も含まれていました。そしてイーグル所属のゴレンジャーの隊長、アカレンジャーの海城剛はこれら世界中の軍事力と34のスーパー戦隊の連携作戦を展開するため、全てのスーパー戦隊に戦いへの結集を働きかけました。

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まず初代スーパー戦隊のゴレンジャーですが、これはイーグル所属であり、海城自身が率いているので当然既に臨戦態勢に入っていました。メンバーはかつて黒十字軍との戦いで殉職した戦士の称号を初代の大岩に戻した二代目キレンジャーの熊野大五郎を除いて海城剛、新命明、大岩大太、ペギー松山、明日香健二の5人で、この5人とも現在もイーグルに所属しており、海城同様、未だに現役のゴレンジャーであり、体内に「大いなる力」を持った仲間でした。
60歳となっている海城剛、61歳になっている新命明を筆頭に、全員が50歳を超えており、さすがに生身では昔のように戦うことは出来ないようになっていましたが、それでも十分に並の若者よりは鍛え込んでいるため、変身して強化服を着用すれば昔と同じ強さを発揮できる状態でした。

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次に2代目スーパー戦隊のジャッカー電撃隊も長年継続していた後輩戦隊の観察活動においてもゴレンジャーと常に協力関係でありましたし、所属している国際科学特捜隊も対ザンギャック戦争への参加をいち早く表明していましたから、海城の呼びかけに即座に応じていました。むしろ番場壮吉をはじめジャッカーのメンバーも海城たちと共に他の戦隊に協力を呼びかける側であったといえます。
ジャッカー電撃隊のメンバーの5人、番場壮吉、桜井五郎、東竜、カレン水木、大地文太は全員年齢は50歳を超え、番場あたりは60歳を超えていましたが、彼らはそもそもサイボーグであり、一応外見上の加齢はあるものの肉体的な衰えはほぼ無く、ゴレンジャー同様に今でも現役で活動しており、今でも生身でも変身後でも全く昔と同じように戦うことは出来ました。

この初代戦隊ゴレンジャー、2代目戦隊ジャッカー電撃隊を筆頭に、25代目戦隊のガオレンジャーまでの25戦隊はかつて2001年にレッド戦士だけではありますが一堂に会して共闘したことがあり、この時に25の歴代戦隊の総称として「スーパー戦隊」というものが世間にも初めて認知されました。
その後、歴代戦隊が全部集まって戦うということは無く、この10年前の事件は今では地球の人々の間では有名な伝説のような扱いとなっており、確かに25のスーパー戦隊というものが存在することは多くの人々に認知されているものの、それが全部一堂に会して戦うなどということはもう二度と無く、伝説のスーパー戦隊ももう今となっては存在していないのかもしれないと思われていました。
しかし、バトルフィーバー隊からタイムレンジャーまでの22戦隊は2001年のあの戦いの際、海城や番場などから「この星の意思」が世界の融合の果てに大異変が起こることを危惧しているという事実を知らされており、いざという時には自分達の体内の「大いなる力」が必要になるという覚悟を共有していました。
ただ、それはあくまで最後の最後の追い詰められた局面での話であり、とにかく「大いなる力」を託された自分達の使命はその大異変に際してはまずは地球の人々を守って異変を阻止するために命を賭けて戦うことだと認識しており、10年前の戦いの後、ゴレンジャーからタイムレンジャーまでの24戦隊は今後も地球に大きな危機が訪れた時には再び集まろうと誓い合っていました。
その後、それぞれの日常に戻っていた彼らでしたが、1ヶ月ほど前にゴセイジャーという現在のスーパー戦隊と思われる戦隊の存在を知り、今回そのゴセイジャーに対して「この星の意思」がザンギャック宇宙帝国の襲来とそれに対抗する34戦隊の共闘を予告したという話を海城や番場たちから知らされ、どうやらそれがかねてから危惧していた大異変なのだろうと悟りました。それゆえバトルフィーバー隊からタイムレンジャーまでの22戦隊は今回のザンギャック襲来の危機に際してゴレンジャーの海城やジャッカーの番場の呼びかけにも当然のように応じたのでした。

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まず3代目スーパー戦隊のバトルフィーバー隊のメンバーは、かつてエゴスとの戦いで殉職してバトルコサックの戦士名を後継者の神誠に譲った白石謙作、戦いの途中で離脱してミスアメリカの戦士の称号を汀マリアに譲ったダイアン・マーチンの2人を除いた5人、すなわち伝正夫、神誠、志田京介、曙四郎、汀マリアが「大いなる力」を体内に持った戦士たちでした。
この5人は年齢的には神が60歳代、あとの4人は50歳代でしたが、5人とも未だ現役の軍人として国防軍に所属してバトルフィーバー隊の活動を続けており、鍛錬を続けているため、強化服を着用すれば昔と全く変わりなく戦うことは出来ました。
かつて2001年に伝が他のレッド戦士たちと共闘した縁もあり、また国防軍も対ザンギャック戦争に参加していることもあり、バトルフィーバー隊は10年前にガオレンジャーの応援に応じた時同様、今回も当然のごとく海城の呼びかけに応えて戦いへの参加を決めました。

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次に4代目スーパー戦隊のデンジマンは、5人のメンバー全員が50歳代になっていました。31年前にベーダーとの戦いが終わった後、赤城一平は武道家として修行を積む日々を送り、青梅大五郎と緑川達也はコンビで探偵稼業を始め、子供好きの青梅は幼稚園などを回ってあんパンを配って歩くボランティアなどもやっていました。また黄山純は大学の研究者の道に戻り、桃井あきらはテニスプレイヤーとして復帰し、そのように5人それぞれが自分の道を歩みながら同時に5人共同でアスレチッククラブの経営にずっと携わってきており、その裏でデンジランドでデンジマンとしての活動は31年間秘かに続けていました。それゆえ彼らは10年前にもガオレンジャーの応援に赤城一平を送り出したのであり、今回も当然、5人揃って海城の呼びかけに応じて戦いに赴きました。

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そして5代目スーパー戦隊のサンバルカンは、30年前の戦いの際、NASAへの転属のためにバルイーグルの称号を飛羽に譲った大鷲龍介を除く3人のメンバー、飛羽高之、鮫島欣也、豹朝夫が体内に「大いなる力」を持つ戦士たちでした。
この3人は現在は飛羽が55歳、鮫島が53歳、豹が49歳という年齢となっており、それぞれ地球平和守備隊の高級軍人に出世していました。軍組織の幹部となった彼らは今はもうサンバルカンとしての活動はしていませんでしたが、それぞれが日々の鍛練は欠かしていませんでしたので、いつでも再び強化スーツを装着して地球の平和を守るためにサンバルカンとして戦う準備は出来ていました。
国際平和守備隊そのものも国連所属の組織であり、当然今回のザンギャックとの戦いに参加することになっていましたので、飛羽たちは海城の呼びかけに快く応えて、サンバルカンを再結成して戦いに身を投じることを決めました。

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6代目スーパー戦隊のゴーグルファイブの5人のメンバーは29年前のデスダークとの戦いの後、赤間健一は探検家、黒田官平はプロ棋士、青山三郎はアイスホッケー選手、黄島太は鉱山師、桃園ミキは新体操選手というように自分の道を歩みながら、未来科学研究所の運営を手伝いながらゴーグルファイブとしていつでも活動再開できるように備えていました。
現在は彼らは50歳前後の年齢となっており、それぞれの世界で権威ある存在となっていましたが、同時に本郷博士から引き継いだ未来科学研究所を共同で運営し、かつてコンボイとして自分達の戦いをサポートしてくれた少年少女たちが成長した研究者たちの活動を温かく見守り、地球の平和を守るためにいつでも戦える準備は整えていました。そういうわけで今回、赤間たち5人は海城の求めに応じて再びゴーグルブレスを装着して5人で戦いに赴くこととしました。

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また7代目スーパー戦隊のダイナマンのメンバーであった5人の若き科学者の卵、弾北斗、星川竜、島洋介、南郷耕作、立花レイは28年前のジャシンカとの戦いの後、それぞれの分野で科学者として研究や発明に励み、50歳前後の年齢となった現在、それぞれの分野で見事な業績を上げて第一人者となっていました。
その傍ら、彼ら5人は夢野博士の残したダイナマンの装備を共同で受け継ぎ、地球に大きな危機が訪れてダイナマンの力が必要とされる時、いつでも5人でダイナマンとして再び戦える準備はしていました。今回の海城の呼びかけをその時だと判断した赤間たち5人は、遂に5人揃ってダイナマンとして再び戦うことを決めたのでした。

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そして8代目スーパー戦隊バイオマンは戦いの途中で殉職してイエローフォーの戦士の称号を矢吹ジュンに譲った小泉ミカを除く5人が体内に「大いなる力」を有する戦士たちですが、27年前の新帝国ギアとの戦いの後、サポートロボのピーボがバイオロボに乗って他の星に旅立っていき、高杉真吾はレーサーに復帰し、南原竜太は家業を継いで漁師となり、矢吹ジュンはアーチェリー選手に復帰、桂木ひかるは看護師となりました。
そうして一旦皆は普通の生活に戻りましたが、郷史朗は亡き父の後を継ぐように科学者となり、富士山麓に隠されたバイオベースでバイオ星の科学を解析し、数年後、遂に自力でバイオロボを再現し、バイオマンとしての活動を再び可能とし、4人の元仲間に声をかけて、地球の危機に再びバイオマンとして戦う準備をしておこうと提案しました。
仲間たちもこれに応じて、5人はいつでもバイオマンとして戦う準備はしていました。現在は郷と高杉が51歳で、残り3人は40歳代後半だが、十分にバイオマンとして戦う準備をしてきた彼らは10年前同様に何ら躊躇することもなく海城の求めに応じ、この地球最大の危機において今回は全員が仕事は休職して5人全員で戦いに参加することにしたのでした。

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また、9代目のスーパー戦隊であるチェンジマンは地球守備隊所属の軍人5人が変身する戦隊であり、剣飛竜、疾風翔、大空勇馬、渚さやか、翼麻衣の5人の若き将校たちも今や40歳代後半の幹部軍人として地球守備隊の各部署の責任者となっていましたが、地球からアースフォースを授かった身として何時でもチェンジマンとして戦うことが出来るように、若い隊員たちと共に今でも訓練は欠かしていないので、昔と変わらず戦える状態でありました。
また、26年前のゴズマとの戦いの後、宇宙に旅立っていった伊吹長官ことユイ・イブキからの報せで、新たに宇宙で勃興してきたザンギャック帝国の内実がかなり邪悪なものであることは独自に剣たちも把握しており、地球守備隊とチェンジマンはザンギャック襲来という最悪の事態に備えて出来る限りの準備はしてきていました。ゆえに今回、ザンギャックからの使者が来たと聞いた時から地球守備隊は既に臨戦態勢に入っており、チェンジマンを含む地球守備隊は総力を上げて海城たちの呼びかけに応えて参戦を即断しました。

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そして10代目スーパー戦隊のフラッシュマンの5人、ジン、ダイ、ブン、サラ、ルーは25年前のメスとの戦いを終えた直後、反フラッシュ現象の症状が限界に達して地球を去っていきましたが、フラッシュ星に戻った後、5人のリーダーのジンはフラッシュ星で本格的に科学者の道に進み反フラッシュ現象の研究を開始、数年後、遂に反フラッシュ現象を克服する方法を解明し、5人は地球に戻ってきました。
そうしてサラは自分の本当の家族の時村博士一家と再会し、ジンは他の仲間たちと共に時村博士と共同研究所を作り、フラッシュ星の優れた科学を応用して人々の役に立つ様々な発明を成し遂げて財産を築きました。その財産を使って5人は、かつて赤の他人の自分達を優しく育ててくれたフラッシュ星の義理の親たちに倣うように、孤児院を設立して孤児たちを引き取って育てたり、良い里親を見つける活動に取り組むようになりました。そうした活動の傍ら、彼らはそれぞれ自分の本当の家族も見つけていき、幸福な家族生活を取り戻したのでした。
現在は40歳代後半となった5人は孤児の世話をする児童福祉財団を運営する立場にあり、その裏ではいずれまた地球に危機が迫って多くの孤児たちが生まれるような事態を阻止するために再びフラッシュマンとして戦う準備は怠っていませんでしたので、今回の海城の呼びかけこそがその来たるべき戦いの時だと思い定めて、すぐに応じて馳せ参じたのでした。

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また11代目スーパー戦隊のマスクマンのタケル、ケンタ、アキラ、ハルカ、モモコは24年前のチューブとの戦いの後、姿博士のもとで姿レーシングチームの一員として活動し、数々の大会で優秀な成績を収め、40歳代になった現在も5人は姿レーシングチームのスタッフや後援者として、後輩のレーサーやメカニック達を支えていました。
同時に彼らは姿博士のもとでオーラパワーの研究にも従事し、自らの武術とオーラパワーを磨き、姿博士主宰の武術とオーラパワーによって心と身体の健康を保つエクササイズを子供たちに広める活動にも二十年以上取り組んできました。
そしてもちろんその陰で彼らは姿博士のもとでマスクマンとして再び人々を守るために戦う機会にもずっと備えてきていましたので、今回の海城の呼びかけにも快く応じたのでした。

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そして12代目のスーパー戦隊であるライブマンは23年前のボルトとの戦いの後、科学アカデミアから装備一式は国連に受け継がれ、科学アカデミアの研究者に戻った天宮勇介、大原丈、岬めぐみが国連と共にライブマンを運営していき、民間の発明家となった矢野鉄也とラグビー選手となった相川純一も国連に嘱託職員として所属してライブマンの活動をして、その装備を本来の目的であった宇宙開発に活用していくことになりました。
同時に再び科学が悪用されて世界が危機に晒された時にライブマンの力で世界を守るという方針も国連で決定されましたが、勇介たちアカデミアの3人はボルトに走った親友達を救うことが出来なかったことに無力感を覚え、ライブマンとして戦うことを拒み、アカデミアの再建に尽力し、自らの研究に没頭し、数々の業績を挙げながら、その一方で亡き親友たちのように若い科学者が道を誤ることが二度と無いよう後進の育成に特に力を入れるようになっていきました。
ただ、もともとスポーツを愛好していた彼らは身体を鍛えることには余念が無かったため、いざとなればライブマンとなって戦うことは出来る状態ではありました。そうしてボルトとの戦いから13年が経った2001年、34歳となっていた勇介は亡き親友たちの墓参りをしていたところにラクシャーサ配下のオルグに追われる鷲尾岳と出会い、友の墓を足蹴にしたオルグ達に怒りを爆発させて13年ぶりにレッドファルコンに変身して蹴散らし、戦いの中で戦士の魂を思い出したのでした。
そのままガオレンジャーと共闘した勇介はその後アカデミアに戻って丈やめぐみにも世界の危機には共に戦おうと呼びかけました。2人は亡き友へのこだわりから完全には割り切れませんでしたが、それでも勇介の熱意に次第に心が動かされるようになり、それから10年経った今回、40歳代前半となった元ライブマンの5人は海城の呼びかけに応えて、久しぶりにライブマンとして戦う決意をしたのでした。

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また、13代目スーパー戦隊のターボレンジャーの5人は22年前に暴魔との戦いを終えて武蔵野学園高校を卒業した後、それぞれの進路に進んでいきました。大学野球でスターとなった炎力はプロ野球選手となり、エースとして活躍、浜洋平と日野俊介は体育大学に入ってそれぞれ競泳と体操でオリンピックに出場しメダリストとなり、森川はるなは大学で演劇部に所属して女優としてデビュー、その後、売れっ子女優となり数々の賞を受賞しました。
そのように仲間たちが華々しい活躍をする中、山形大地は大学で陸上部に所属しながら、むしろ学究の道に進んでいき、大学院を出た後、太宰博士の研究所に務めて、再びシーロンのような妖精が生き生きと暮らせるような環境を回復するための環境保護活動に取り組むようになり、現役を引退して後進の育成にあたるようになった洋平と俊介、そして女優業の合間にはるなも一緒にその活動に取り組むようになりました。
そして今年、40歳で現役を引退した力もその活動に加わりました。他の戦隊とも既に連絡を取り合っていた力が10年前に番場壮吉たちからの連絡を受けて一度レッドターボに変身してガオレンジャーの救援に行った時以外は彼らがターボレンジャーに変身することは長らくありませんでしたが、太宰博士はいつでも彼らが変身して戦えるよう準備はしており、今回、海城たちからザンギャックの脅威を知らせる連絡が来たことを5人に伝え、5人は再び地球の平和を守るため戦うことを決意したのでした。

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14代目のスーパー戦隊のファイブマンの場合、21年前のゾーンとの戦いが終わった後、生き延びていた両親と再会するため宇宙に旅立っていった星川学、星川健、星川数美、星川レミ、星川文矢の5兄妹はそのまましばらく両親の星川博士夫妻と共に宇宙の星々を巡って、ゾーンによって滅ぼされた星の命を甦らせる活動を続けました。しかし5兄妹はやはり自分達の天職は教師だと考えるようになり、3年後には両親を宇宙に残して地球に帰還し、再建されたニュータウン小学校に再び教師として勤めるようになりました。
そうして教師として子供たちの教育に励んでいた5兄妹のもとに宇宙を旅していた両親からザンギャック帝国の悪しき実態を憂慮する報せが届くようになったのが今から10年ほど前のことで、学はザンギャックの地球侵略という万が一の事態に備えて、再び自分達がファイブマンとして戦えるように準備しておくことを弟や妹たちに提案し、5兄妹は教職の傍ら、再び訓練を積んで戦いに備えるようになっていました。
兄妹全員が40歳を超え、両親もさすがに年老いて地球に戻ってきて一緒に暮らすようになり、そうして今回、星川家の憂慮が的中した形でザンギャックの地球侵略の脅威がゴレンジャーの海城から知らされたわけですが、準備は十分の星川兄妹はこの星の子供たちを守るため、勇躍して戦いに出向いていったのでした。

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そして15代目のスーパー戦隊のジェットマンは、スカイフォースの軍人であった天堂竜を除く4人はもともと事故のような経緯で戦いに巻き込まれた一般人であったので、20年前にバイラムとの戦いが終わった後、それぞれが元の平穏な生活に戻ることを誓い合い、ジェットマンは解散となりました。
大石雷太は農夫に戻って幼馴染のサツキと結婚し、後に有機栽培の野菜の販売で大儲けして会社を興しました。また早坂アコは普通の女子高生に戻った後、街角でスカウトされて売れっ子アイドルとなり、後に芸能事務所の社長となりました。鹿鳴館香は天堂竜との交際を経て、バイラムとの戦いの3年後に竜と結婚し、財閥令嬢とエリート軍人の2人は幸せな結婚生活を送るようになりました。
そして結城凱はその竜と香の結婚式に向かう途中、些細なトラブルからチンピラに刺されて死んでしまい、天涯孤独の身の上だった凱は竜たちによってひっそりと葬られ、竜たちかつての仲間たちは自分達の日々の生活を送りながら交替で凱の墓の世話をする生活を送るようになりました。
28歳で死亡した凱を除く4人の元ジェットマンは今年、最年長の竜が45歳、最年少のアコが38歳となっていました。一般人に戻った昔の仲間たちを戦いに巻き込みたくない竜は、10年前にスカイフォース経由で番場たちからガオレンジャー支援の要請を受けた時は自分1人で変身して戦いに出向きましたが、今回、スカイフォースの小田切総司令から伝えられた海城からの情報を見る限り、地球最大の危機ともいえる事態が予想され、苦悩した竜は仲間たちに相談し、香、雷太、アコの志願を受けてジェットマン4人で戦いに加わることを決断したのでした。

さて、空の上に存在する死後の世界、いわゆる天国というところで暮らしていた結城凱はこの下界の出来事を眺めて、凱が勝手に「神様」と呼んでいる天国の番人の女性型霊体に、死んだ身で下界で仲間たちと一緒に戦う方法は無いかと訊ねました。突拍子も無い質問に神様は驚きましたが、下界に降りることが出来れば、後は本人の精神力次第でそれは不可能ではないが、途轍もない精神力を必要とするので実質的には不可能だと答えました。
それを聞いた凱は自分なら余裕で可能なので何も問題は無いから、早く下界に降ろすよう要求し、神様はあまりに自信満々の凱の態度に興味を覚え、本来はいけないことなのだがポーカーの勝負で自分に勝てれば下界行きを許可すると言い、凱は神様とポーカー勝負をすることになりました。
この勝負で凱は神業のようなイカサマで勝利し、下界行きを勝ち取りますが、神様は凱が仲間達と一緒に戦うことは問題ないのだが、死んだ人間が下界で生きているかのように誤解されるのは良くないので、凱の姿は地球の人々の目には見えないようになるということを告げました。凱は別に仲間たちと再会したくて下界に行くわけではなく、もう戦わないと誓い合った仲間たちがそれでも戦いに巻き込まれる以上、自分も一緒に戦うしかないと思っているだけなので、自分の姿が地球人に見えなくても自分の拳が宇宙人に届くのならば何も問題は無いと豪語し、神様の好意に感謝して地上に降りてきて、竜たちの傍に人知れず付き添いながら戦いが始まるのを心待ちにしました。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 07:28 | Comment(1) | 海賊戦隊ゴーカイジャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月20日

海賊戦隊ゴーカイジャー妄想物語その6


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ザンギャックという巨大な宇宙帝国が地球に攻撃を仕掛けてくる可能性が高いということが2ヶ月ほど前に広報され、地球の人々は動揺していました。そのザンギャックを迎え撃つために世界中の軍隊や諸機関が準備を整えているという話も都市部では連日報道されており、戦火から逃れるための避難施設は未だ十分に整備されているとはいえないから、依然急ピッチで建設が進められているという報道も住民たちは耳にタコが出来るほど聞いていました。その一方で、今回ザンギャックが侵攻してきたら、スーパー戦隊が集まって地球を守るために戦うという話が急に持ちあがってきたのでした。
地球の人々はスーパー戦隊というものが存在することはもともと認識しています。当然、1975年に最初の戦隊であるゴレンジャーが活動していた頃から、ゴレンジャーという戦隊が黒十字軍と戦っていることを知っている人はいました。ゴレンジャーはその名の通り秘密戦隊であり、公式にはそのような戦隊は存在していないという扱いになっていましたが、それは戦いの中でメンバーや関係者、組織そのものの安全を確保するための措置であり、実際に活動している以上、存在していること自体は間違いない。ただ正体が何処の誰であるのか、どういう組織に属しているのかなどが全く謎であったに過ぎない。世界中のどの公的機関に問い合わせても、自分達はそのような戦隊の存在は関知していないと回答したので、公式には存在しない戦隊という扱いであったわけです。
そういう不確かな存在であったので、ゴレンジャーの戦いの噂を聞いても、実際に自分の目で見なければその噂を信じない人も多く、仮にゴレンジャーの戦っている姿がテレビカメラなどで撮影されたとしても、ゴレンジャー本人のコメントなどを撮影できるわけではないので、インチキや悪戯、トリックの類ではないかと疑う人も多くいました。つまりゴレンジャーは世間的にはその実在は確実視されてはいたものの、正体はよく分からない謎の戦隊でした。
ただ、実際に事件に巻き込まれてゴレンジャーと接触した人も多く存在し、そうした人達にとってはゴレンジャーは確かに存在するものと認識されていました。また、国連関係者はもちろん一部公的機関の間では、ゴレンジャーが国連所属の秘密組織イーグル機関の特殊部隊であることは知られていましたが、ゴレンジャーのメンバーの正体まで知っている者はイーグルの中でも一部の者達だけでした。

そのように世間では謎の戦隊という扱いであったゴレンジャーですが、彼らが悪の組織である黒十字軍と戦う正義のヒーローであることは世間の人々は認識していましたから、ゴレンジャーの活動期間、世間ではその正体は謎のままゴレンジャー人気というものは存在し、ゴレンジャーグッズなどというものも売り出されていました。
しかし、1977年の春あたり以降、ゴレンジャーの活動が世間で認識されなくなっていくと、ゴレンジャー人気は下火となっていき、世間の人々はもうゴレンジャーはいなくなってしまったのだろうと思うようになっていきました。
代わって1977年春以降は犯罪組織クライムと戦う謎の戦隊であるジャッカー電撃隊の活動が世間で知られるようになっていき、ジャッカー人気が高まっていき、そして1978年になってジャッカーの活動が見られなくなっていくと、世間のジャッカー人気も消え去っていき、ジャッカー電撃隊もいなくなったと世間の人々に思われました。
その後も同様に、別の謎の戦隊が現れて悪の組織と戦いを繰り広げるようになると、世間ではその戦隊のちょっとしたブームが起き、その戦隊の活動が終わると、世間の人々はその戦隊のことはもういなくなったものと見なして忘れていきました。

世間の人々がそれぞれの戦隊について知っている内容の程度は、各戦隊ごとに異なっており、戦隊の使用する巨大ロボや巨大メカ、等身大戦闘時に使う武器や変身後の姿形などは大抵の戦隊は広く世間に知られていましたが、変身前の素顔は基本的に秘密にしている戦隊が多く、戦士の素顔や名前などは世間では知らない人が大部分でした。ただ、それでも長く戦っているうちに素顔を見られることや、本名が知られたりすることもあり、そのあたり世間に認識されている度合いが各戦隊で異なっていたのでした。
各戦隊ごとに細かい差異はありますが、極めて大雑把に言えば、世間で一般に知られていたのは各戦隊の変身後の姿や装備類、戦いの大まかな歴史であり、変身前の素顔や名前などの情報は未確認の怪しげな情報が一部で出回っていた程度といえます。ただ、世の中にはUFOマニアや心霊現象マニアなどが存在するのと同様に、戦隊マニアというべき人種も少数派ながら存在し、それら戦隊関連の未確認情報を収集してまとめて、ああでもないこうでもないと語り合うような連中もいました。
そうした戦隊マニアにおいても一般人においても、毎年のように現れる様々な戦隊が何らかの関連性を持っているのではないかという見方は存在していました。だが、個々の戦隊同士の間で繋がりがあるような様子も見受けられなかったので、やはり個々の戦隊はあくまで別々の存在なのではないかという見方も多く、要するにそのあたりは不明なままでした。実際、各戦隊の間に、例えば背後に共通の組織があるというような明確な繋がりは存在してはいませんでしたので、後者の見方が正解であったといえます。

ただ、各戦隊のメンバー自身も自分達と同じような戦隊が自分達の前にも後にも他に存在しているということは認識していましたし、それらの存在は「この星の意思」にも「大いなる力」を持っているという意味で自分達と同類であるかのように示唆されていたので、彼らは自然に自分達の他の戦隊にも興味を持つようになり、戦隊マニアの間で流布されていたような未確認情報なども使って、あるいは偶然他の戦隊と共闘することもあったりして、次第に戦隊同士の連絡をとるようになっていき、遂には2001年にゴレンジャーからタイムレンジャーまでの24戦隊のレッド戦士が集まって、25番目の戦隊ガオレンジャーと共闘し、「スーパー戦隊」と名乗ることになりました。
この時、25戦隊のロボやメカが市街地で勢揃いしたのを街の人々は目撃しており、人々は遠い過去に姿を消したゴレンジャーなどの伝説的な戦隊が未だ実在し活動していたことを知って驚き、25の戦隊が「スーパー戦隊」という1つの繋がりを持った集団であることを初めて明確に認識しました。
しかし、それはたった1日の出来事であり、さほど多くの人々に目撃されたわけではない。その後は25戦隊が集まって戦うというようなこともなく、タイムレンジャー以前の24戦隊が1つとして姿を現すことすらありませんでした。だから、直接その光景を目にした人達以外は本当にそんな出来事があったのか疑う者もあり、25の戦隊による「スーパー戦隊」というものも、2001年以降、年を重ねるごとに次第に不確かな伝説のような扱いとなっていったのでした。

2001年以降も悪の組織と戦う戦隊の存在はいくつも確認されており、それらもその25の「スーパー戦隊」と関連があるのかもしれないという見方は存在していましたが、確証があるわけでもなく、彼らが「スーパー戦隊」と共闘したという目撃例もありませんでした。2006年にはボウケンジャーと4戦隊が共闘するという事件が起きていますが、戦いは人目につかない場所で行われたので人々は目撃せず、そもそもこの4戦隊はいわゆる25の「スーパー戦隊」ではありませんでした。
だから結局、2011年時点での世間の人々の認識としては、「スーパー戦隊」とはゴレンジャーからガオレンジャーの25戦隊のことを指し、この25戦隊は今や実在しているかどうか定かではない伝説的存在となっていました。
また、ガオレンジャー以降も、マジレンジャー、ゴーオンジャー、シンケンジャーという3つの戦隊の存在は確実に確認されており、一部ではアバレンジャー、ボウケンジャー、ゲキレンジャーという戦隊も存在するとも言われ、これらの戦隊もまた「スーパー戦隊」と関係があるのではないかとも噂されてはいましたが、何せ「スーパー戦隊」そのものが半ば伝説的存在であるので、噂はあくまで噂という状態でした。
また、誰もが知っている宇宙警察のスペシャルポリスであるデカレンジャーも、この「スーパー戦隊」に関係すると噂の一連の戦隊のうちの1つに数えられるという説もあり、そのあたりもマニアの間では議論の分かれるところでありました。
ちなみにハリケンジャーとゴセイジャーに関しては、双方とも戦いを目撃した人の記憶を消す方針であったので、この2戦隊の存在は人々に認識されてはいませんでした。ただ、黒子ロボットを使って記憶を消すハリケンジャーの方は天装術を使うゴセイジャーに比べて記憶消去が徹底していなかったので、「ジャカンジャという悪の組織が存在し、それと戦う正義の戦隊が存在していた」ということぐらいは結局世間に認識されていました。

世間の人々のスーパー戦隊に関する認識がそういう感じであったところに、2011年8月、突如、想定されるザンギャックとの戦いにおいてはスーパー戦隊も参加するということが告知され、人々は驚きました。今や古い都市伝説のような存在となった伝説の25のスーパー戦隊はやはり実在していたのかという驚きに加え、その参戦するというスーパー戦隊の発表されたリストを見ると、その戦隊数が25ではなく30となっていたことにも人々は驚かされました。
そのリストによると、2001年のスーパー戦隊の出現時に「スーパー戦隊」として認識されていた25戦隊に加えて、2002年以降に人々がその存在を認識していた戦隊であるマジレンジャー、存在が噂されていた戦隊であるアバレンジャー、ボウケンジャーもそこには含まれており、宇宙警察のデカレンジャーもそこに名を連ね、更には初めてその名を目にするハリケンジャーという戦隊もリストにはありました。なお、近年人々が存在を認識していた戦隊であるゴーオンジャーやシンケンジャー、存在が噂されていたゲキレンジャーなどはそこには名を連ねていませんでした。
そして、このリストにおいては、世界中の各機関と共同で戦う関係上、それぞれの戦隊が所属している組織や機関の名も添えられていました。中には何の組織にも属していない戦隊もありましたから、そういう戦隊については特に明記はありませんでしたが、例えば国連のもとにイーグルという秘密組織が存在しておりゴレンジャーがそのイーグル所属であることや、ジャッカー電撃隊が国際科学特捜隊所属であることなどは、これまでにも噂はされていたことでしたが、初めて広く公式に認められました。
他にサンバルカンが地球平和守備隊所属、チェンジマンが地球守備隊所属、オーレンジャーが国際空軍所属であることも公式に認められ、このリストにはゴレンジャーの海城、ジャッカー電撃隊の番場、サンバルカンの飛羽、チェンジマンの剣、オーレンジャーの星野などの名が責任者として明記されていました。
そして以前から秘かに噂されていたサージェス財団による危険な秘宝プレシャスを確保し世界平和のために封印するという事業も初めて公式に認められ、その実行部隊がボウケンジャーであることも公表され、今回の戦いに際してプレシャスを使用する全権責任者としてチーフの明石の個人データも公開されました。

これらの具体的情報を告知されても、それでも人々は驚くばかりでした。子供の頃や若い頃に都市伝説のように噂され憧れたことのあるような伝説的なスーパー戦隊が実在しており、結集してザンギャックと戦うと言われても、敵であるザンギャックの姿もまだ見ていないのもあり、それが現実的な出来事としてピンとこなかったのでした。
しかし、そうして人々が唖然としているうちに9月となり、ザンギャック軍の接近が警告され、世界中の人々は戦火に巻き込まれないよう最寄りのシェルターなどに避難するよう指示されました。結局ザンギャック軍来襲までにシェルターは全人類を収容できるほどの量はもとより、全ての都市生活者を収容するほどの量も用意できなかったので、比較的被害が軽微であろうと予測される田舎の方に避難できる都市生活者は既に避難しており、都市に残っているのは都市生活を支えるために必要な人々とその家族ぐらいでした。
その残った人々だけでも建造済みのシェルターに全員入りきるにはやや苦しい状況でしたが、なんとか寿司詰め状態で無理に全員入り、息を潜めていると上空に遂にザンギャック艦隊が現れました。その艦数のあまりの多さに人々は驚き、大きな恐怖を覚えましたが、次の瞬間、迎撃準備を完全に整えていた地球上の全ての軍事力が一斉に解き放たれ、その全破壊力を上空に出現したザンギャック艦隊に浴びせ、あっという間にザンギャック艦隊は1隻残らず殲滅されたのでした。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 21:38 | Comment(0) | 海賊戦隊ゴーカイジャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月28日

海賊戦隊ゴーカイジャー妄想物語その7


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そうして、ザンギャック軍による地球攻撃開始から3ヶ月が経とうとしていました。開戦後1週間でザンギャック地球侵略軍の司令部は壊滅しましたが、その後は司令部不在のまま、ザンギャック本星からの指示に従い、残存したザンギャック全軍による攻撃は継続しています。
といっても現地軍はスゴーミンやゴーミンばかりで、指示を出している本星の総指令部は遠く離れているので現地の細かな状況は把握出来ておらず、やっていることは当初の方針通りのシンプルな力押しです。空爆を重ねて地球側の戦力が消耗して大規模な地上軍投入が可能になったら一気に全軍降下して占領するという基本戦術をなぞるだけでした。
これは地球側の抵抗が大したものではないという前提で立てられていた初期プランのままなので、あまり適切な戦術ではないのですが、ザンギャック本星の総司令部は現地から詳細な報告を得ていないのでそのあたりはよく分かっておらず、このシンプルな力押しですぐに地球は陥落すると思っていました。
だが、スーパー戦隊を中心とした地球側の抵抗は激しく、ザンギャック側の予定通りには戦いは進みませんでした。1ヶ月以上経っても地球が落とせないので本星の総本部でも不審に思い始め、やはり新たな司令官を送った方が良いのではないかという意見も出ましたが、現地軍はメンツもあるのか処罰を恐れてなのか、もう少しで成果が出るから待って欲しいと主張し、実際今さら新たな司令官が現地に行って、既に戦い続けているあれほどの大軍を統率するのも難しく、逆に混乱を招く恐れもあり、このまま力押しを続けた方が多少時間はかかっても無難であろうという意見が勝り、総司令官のワルズ・ギルもそれに賛成したので、現状維持のままズルズルと時間が過ぎていくこととなりました。

一方、地球側の防衛軍の方はザンギャック軍の司令部を潰したことによって敵が撤退してくれることを期待しましたが、その期待は叶わず、攻撃が続いたことに落胆しました。しかし諦めるわけにもいかないので、残った敵軍を撃退すべく防衛戦を続けていくしかありません。もともと敵司令部を都合よく早々に潰せる可能性は低いと思っていましたから、それが出来ただけ上出来であり、本来の予定通りに地道に敵攻撃軍を削っていく戦い方をするだけのことでした。
そうして戦っていくうちに、ザンギャック軍の様子が当初とは微妙に違うことに海城たちは気付きました。あまりに戦い方がワンパターンで画一的、それゆえ逆にチグハグで効果的に軍を動かせていないのです。これは司令部がまともに機能しておらず、各軍がマニュアル通りに動いているだけのようだと察した海城は、敵軍は司令部が潰れた後、司令部の補充をしておらず、司令部不在のまま当初の基本戦術の力押しで戦っているに過ぎないと理解しました。その結果、当初予想していた戦いの見通しよりも、ややマシな見通しは立てられそうだと、海城は一筋の光明を見出し、早々に敵司令部を潰したのは無駄ではなかったと確信しました。
ただ、そうは言ってもその時点でザンギャック軍の残存勢力は全軍の8割ほどが残っていたので、数的には絶対的劣勢であるという事実は変わらない。当初は1ヶ月で被害甚大で無力化されると予想していた全地球の通常軍が2ヶ月は持ち堪えたに過ぎませんでした。そして通常軍が無力化された後は奮戦したスーパー戦隊も1ヶ月で敵の艦隊に対抗する戦力を喪失して地上軍の大侵攻を許してしまうだろうと海城は予想していましたが、敵軍がまともに機能していないため、通常軍無力化から1ヶ月経った2011年12月現在、まだスーパー戦隊は敵軍を食い止めることは出来ていました。
それでも戦況が優勢になったわけではない。ただ単に敗戦へのテンポが当初の予想よりも遅くなっているだけのことで、敵軍にも予想以上の損害をこれまで与えることは出来ましたが、地球側が蒙った損害も同様に大きく、まだ当初の5割ほどは残って全世界に展開して攻撃してくる敵軍に対して数的に極めて劣勢であることは間違いない。このままではあと1ヶ月も経たないうちにスーパー戦隊もその戦力を消耗して敵の艦隊を食い止められなくなり制空権を完全喪失し、そうなれば敵は大規模な地上侵攻を開始し、もはやザンギャックの地球占領を食い止めることは出来なくなるでしょう。

このまままともに戦っていけばそうなる。だから海城としては残り1ヶ月の間に、それも出来るだけ早いうちに大逆転の秘策を打つ必要があります。策としては、全世界に分散して攻撃してくるザンギャック軍を1ヵ所におびき寄せて、そこにスーパー戦隊の全戦力を集中して叩くというのがベストですが、そうした形に持っていくための仕掛けがまだまだ整っていません。
海城が考えていたのは司令部不在のザンギャック軍の指揮命令系統の混乱に付け込んで偽情報で全軍を1ヵ所に誘い出す方法でしたが、そのためにはザンギャック軍の暗号システムを解明する必要があり、それについては撃墜、捕獲したザンギャック艦を調査したり、捕えたザンギャック兵を調べたりして、そこから得た情報をI.N.E.T.の分析にかけて、この3ヶ月の間にだいぶ解明することが出来ました。
ただそれでもまだもう少し情報が足りない。それに、暗号システムが完全に解読出来て、こちらが偽情報をザンギャック軍に回せたとしても、完全な偽情報はすぐにバレてしまいますから、それは真実に基づいた偽の指令でなければならず、しかも全軍を偽指令が露見しない間に至急動かすだけの重要な事項でなければならない。ザンギャック軍においてそれが何であるのか海城にはまだ想像もつきませんでした。暗号が解読出来ればそのあたりも判明してくるだろうが、もしかしたらそんな都合の良い事項は無い可能性もある。ただ、それがきっと見つかると信じて、今は時間との勝負で急いで暗号の解読を進めるしかない。

また、この策のもう1つの問題点は、敵軍をおびき出す地点にどうやって敵に察知されないように全スーパー戦隊を集結させて待ち伏せ態勢をとらせるのかということでした。ザンギャックの全軍をもし1ヵ所におびき出すことが出来たとしても、その前はザンギャックの各軍は全世界に散って攻撃してきているのであり、全スーパー戦隊はそのザンギャック軍と世界各地で応戦中のはずです。そうでなければ不自然すぎて逆に敵に罠を警戒される。しかし、ならばどうやって世界中の戦場からおびき出し地点にスーパー戦隊が先回りしてザンギャック軍を待ち伏せするのかが問題です。
最初から姿を隠していれば敵も怪しむであろうから待ち伏せ作戦が不発となる危険もあります。だからザンギャック軍と応戦していたスーパー戦隊がザンギャック軍に気付かれないように移動して待ち伏せ地点に先回りしないといけない。これについては海城には現時点で名案はありませんが、1つだけアテが無いこともない。
スーパー戦隊の巨大戦力は全て超スピードでの移動が可能で、中には超常現象としか思えないような移動を可能とするものもあります。だが、それにしても全てこの世界の因果律の中での現象ですから、全ての戦隊の戦力を全く敵に察知されないまま自在に動かすことまでは出来ない。それを可能とするものがあるとすれば、それはこの世界の因果律の外にある存在となります。海城がアテがあるというのはそうした存在であり、それは云わば異世界の神々の力と言っていい。
ですが、これをアテにするのは現時点ではあまりに不確実なので、とりあえずは普通の方法で対応するしかありませんでした。その決戦地点に近い戦隊から順々に駆けつけて1ヵ所に固まった敵軍を攻撃し、先に到着した戦隊が持ち堪えている間に他の遠くから来る戦隊が合流して参戦していくしかない。そんな方法で敵の大軍を殲滅出来るのか未知数ですが、それでも敵が1ヵ所に固まってくれていた方が全世界に散らばっているよりも殲滅できる可能性は高いのであり、そうしたチャンスを作れた以上は攻撃するしかない。
そもそも、もし異世界の神々の力を使って1ヵ所に集めた敵軍を全スーパー戦隊が包囲して一斉攻撃出来たとしても、それすら現状では最もマシな作戦というだけのことで、それでもザンギャックの圧倒的軍勢の前では決して勝利の可能性が高いわけではないのです。それだけ敵軍の数は圧倒的なのであり、たとえ1ヵ所におびき出して全スーパー戦隊で一斉攻撃しても勝てるかどうか分からないのですから、ならば一斉攻撃できないからといって、さほど状況が大きく変わるわけではない。どちらにしても、その最後の決戦に賭けるしかないのです。
ならば海城は負ける覚悟で戦うつもりなのかというと、確かに勝利の可能性は低いが、負けるつもりはありません。最後の最後、敵軍を1ヵ所におびき出してのこの決戦でも勝てなかった時には、その場で本当の最後の手段、全く未知の巨大な力、すなわち「大いなる力」を使うしかないと覚悟を固めていたのです。

さて、その頃、ザンギャック軍の空爆ですっかり荒廃してしまった新宿で、あの16歳の高校1年生の伊狩鎧は、住民が組織した自警団の一員として働いていました。
山梨の疎開先から姉夫婦を迎えに行くために自宅のある新宿に向かっていた鎧は、あの3ヶ月前のザンギャックとの開戦の日、ザンギャック艦の空爆で火の海となった新宿を遠目に見て、家族の身を案じつつ、とにかく今は自分の出来ることをやろうと思い、歩き続けて2日後に新宿に辿り着きました。自宅のあたりは焼け野原となっており、家族はおろか近所の人たちの姿も見当たらない。仕方なく鎧はこの春に高校入学を機にバイトし始めていた新宿駅そばのスナック「ゴン」に向かいました。
すると、「ゴン」は無事でしたが当然休業しており、店が無事ならばマスターの江戸川は無事なのだろうと思った鎧は、家族の消息を聞くために江戸川を探しました。「ゴン」のマスターの江戸川権八は30年以上も前から新宿駅のそばで店を開いており、鎧の父親も若い頃、「ゴン」でバイトをしていたという。その後、料理人になって結婚した鎧の父親は江戸川の紹介の店で働いていたが、鎧が生まれた後、流しの料理人として全国を放浪するようになり、4年前に東京に戻ってきた時、江戸川に紹介してもらった新宿の物件を買って自分の自宅兼店舗としたのです。
つまり鎧の父親は江戸川にひとかどならぬ世話になっていたわけで、現在に至るまで伊狩家と江戸川とは親しく付き合っていました。その縁で鎧も高校入学後、「ゴン」でバイトをするようになっており、今年81歳になるという高齢でありながらやたらと元気な江戸川に厳しく、時には優しく指導を受けて、こき使われていましたが、7月にザンギャック騒動のせいで山梨に疎開することになり、バイトも休んでいました。
その江戸川ならば自分の家族がどうなったのか知っているだろうと思ったので鎧は店の周囲にいた人たちに「ゴン」のマスターは何処に行ったのか尋ねて、そして遂に江戸川と再会しました。もともとこのあたり一帯の顔的な存在であった江戸川は避難民たちの世話役のようになって忙しそうに立ち働いており、鎧の顔を見ると、どうして東京に居るのかと驚きました。そして鎧が自分の家族の消息を質問すると、江戸川は心苦しそうに開戦初日、すなわち2日前に新宿がザンギャック艦隊の最初の攻撃で大被害を受け、多くの人々が亡くなった時に鎧の家族が全員亡くなったと告げました。
やはりあの日は新宿でも最初のザンギャック艦隊が殲滅されたのを見て戦いが終わったと安心して多くの人々がシェルターを出て自宅に戻ったところで空爆を受けて多くの人が亡くなったようです。鎧の家族もそうした被害者に含まれていたようで、江戸川は被災後すぐに伊狩家のある場所に駆けつけて、そこで伊狩家の鎧を除く家族全員の遺骸を確認し、既に昨日手厚く葬ったところだと鎧に伝えました。

鎧は大きなショックを受けて嘆き悲しみ、江戸川は残念だが家族がもう居ない以上、空爆の標的になりやすくて危険な東京を早く出て、学校の人達のいる山梨に戻って心と身体を休めるように鎧に言いました。しかし鎧は涙を流しながら、幼い甥っ子に渡そうと思って持って来ていた「星の伝説」の絵本を握りしめて、自分はここで自分の出来ることをして、被災した人達を助けたいと言いました。
江戸川は鎧はまだ子供なのだからそんな危ないことをする必要は無いと言い、家族を殺されてムキになっているのなら止めたほうがいいと忠告しました。だが鎧は自分と同じように家族や親しい人が殺されても踏ん張っている人達がここに大勢いる以上、自分もここで自分の出来ることをしなければ自分の明日を変えることは出来ないと言い、だいたい子供ならばダメだというのならどうして剛が手伝いをしているのかと江戸川に食い下がりました。
剛というのは江戸川の孫で、12歳の少年でした。もともと江戸川は息子夫婦と一緒にゴンを切り盛りしていたそうだが、鎧が東京に引っ越してくる少し前に息子が事故で亡くなったらしく、4年前に12歳の鎧がゴンに初めて行った時には、江戸川と一緒に店にいたのは亡き息子の妻とその3人の息子で、そのうちの一番下の弟が8歳の剛でした。その後、鎧はときどき親と一緒にゴンに顔を出すにつれて、外に遊びに行っていることの多い上の2人の兄よりもこのいつも店にいることの多かった4歳年下の剛と親しくなっていき、今年から鎧がゴンでバイトするようになると鎧は剛を弟のように可愛がるようになっていました。
だが7月にザンギャック騒動が起きて、鎧が山梨に疎開する直前に、江戸川は剛たち3兄弟を母親と共に母の千葉の実家に避難させていたはずです。ところが今はどういうわけか、末っ子の剛だけが江戸川の傍にいて、街の他の大人たちや若者たちに混じって江戸川の仕事の手伝いをしているのを見て、鎧は江戸川が子供だからといって自分にここから立ち去れと言うのはおかしいと主張したのでした。江戸川はこれには困ってしまい、それでもダメだと言いましたが、鎧がなおもしつこく食い下がるので結局はその熱意に負けてしまい、剛と同じように常に自分の傍にいて決して無茶をしないという約束で鎧に新宿に残って自分の手伝いをすることを許可したのでした。

この江戸川権八という老人は、鎧も剛も知らないことですが、実は元イーグルの日本ブロック、関東支部総司令官であり、かつて初代戦隊ゴレンジャーの創設者だった男です。1975年に黒十字軍によるイーグル関東支部襲撃の際に戦死した分隊長は海城剛の兄であり、この江戸川の直属の部下でした。その後、江戸川は関東支部の秘密工作員だった海城をアカレンジャーに抜擢し、同じく黒十字軍によって壊滅させられたイーグル各支部の生き残りを集めて、秘密戦隊ゴレンジャーを結成しました。
秘密部隊であるゴレンジャーの基地であるゴレンジャールームは江戸川が経営する新宿駅そばのスナック「ゴン」の地下に隠されており、江戸川は「ゴン」のマスターという世を忍ぶ仮の姿でゴレンジャーを率いていました。そして1977年にゴレンジャーと黒十字軍の戦いが終わってから後も「ゴン」を拠点としてゴレンジャーの活動は継続し、江戸川もイーグル関東支部総司令官として、また「ゴン」のマスターとしてもゴレンジャーの活動を支え続けましたが、十数年後に江戸川が定年で退官すると、ゴレンジャーはその拠点を別の場所に移し、江戸川は「ゴン」のマスターとして余生を送ることにしたのでした。
そうして江戸川自身はイーグルの活動とは縁を切った悠々自適の生活を送るようになったのですが、「ゴン」とイーグルの関係は途切れたわけではありませんでした。江戸川の息子がイーグルの関東支部の秘密工作員となっていたので、息子は普段は「ゴン」で父の手伝いをして働きながら地下のゴレンジャールームだった場所を工作活動の拠点として使うようになりました。

そこで江戸川の息子とコンビを組んでいたイーグルの同僚の秘密工作員が実は伊狩鎧の父親でした。鎧の父親が若い頃「ゴン」で働いていたというのも、工作活動のカモフラージュであり、実際は「ゴン」の地下の元ゴレンジャールームの施設を使って江戸川の息子と共に活動していたのでした。
鎧の父や江戸川の息子は海城よりも10歳ほど年下であったので黒十字軍との戦いの頃はイーグルの工作員ではなく、ゴレンジャーの存在も知りませんでした。しかしその後、イーグルに入り秘密工作員となった後はゴレンジャーの活動のサポートもしていたので海城たちとも親しくしており、特に同じ関東支部出身の海城はこの2人を可愛がっており、江戸川の息子は自分の末の息子が生まれた時、海城と同じ「剛」という名をつけさせてもらったぐらいでした。
また、この2人は若い頃はゴレンジャーの活動を手伝うことが多かったため、スーパー戦隊への理解が深く好意を持っており、だから鎧の父親は幼い鎧に「星の伝説」の絵本を買い与えたのであり、鎧がスーパー戦隊に関する物を欲しがればそれに応えて気前よく買い与えていたのです。また鎧のために父親が作ったトレーニングメニューが優れたものであったのも、父親が本職は戦闘訓練も受けた秘密工作員であった以上、当然のことなのでした。
だが、別に鎧の父親は鎧をイーグルの工作員にしようとか、ましてやスーパー戦隊の戦士にしようなどと考えていたわけではない。ただ単に息子が自分で選んだ生き方に親として出来る形での手助けをしていただけのことであり、自分がイーグルの工作員であることも、ゴレンジャーやスーパー戦隊を知っていることも極秘事項ですから、子供たちには教えてはいませんでした。それは江戸川の息子にしても同じで、自分が本当はイーグルの工作員であることを息子の剛には教えていませんでした。
また、鎧の父親が家族を連れて流しの料理人として全国を放浪したのも、各地で任務をこなすためであったのでした。江戸川もスナックのマスターであったように、イーグルでは極秘任務のための世を忍ぶ仮の姿として料理関係がチョイスされることが多く、全国にイーグルが裏で経営している秘密の店のネットワークがあり、鎧の父親は子供たちには内緒でそれらの店を渡り歩いて各地で任務をこなしていたのでした。
ただ、江戸川の作るカレーが絶品だと評判であるのと同じように、イーグルの秘密工作員の料理の腕は見せかけではなく本当に一流でした。これは世を忍ぶ仮の姿もまた真に迫ったものでなければいけないというイーグルのモットーで、料理人になりすます工作員は料理の腕も徹底的に鍛えられていました。そういうわけで鎧の父親は本当に一流の料理人でもあり、4年前から新宿で開いている自分の店は、工作員の正体を隠すための隠れ蓑ではなく、あくまで本業としてのものでした。

実は4年前に鎧の父親は秘密工作員を引退し、イーグルを退官して、本職の料理人として人生を再スタートしていたのでした。それで長らく続いた放浪生活に終止符を打ち、東京に戻ってきたのです。その際、既にイーグルを引退していた江戸川が鎧の父親が店を購入する手助けをしたのも、鎧の父親の長年のイーグルへの貢献に謝意を表するという意味合いもあったのでした。
さて、なぜ鎧の父親はまだ50歳にもなっていない段階でイーグルを辞めたのかというと、実は4年前のある極秘任務で、共に任務遂行にあたっていた江戸川の息子が殉職してしまったからでした。それで責任を感じた鎧の父親は自分はもう年をとって工作員として限界だと感じて、退官を願い出たのです。
鎧の父親は江戸川に合わす顔が無いと詫びましたが、江戸川は逆に鎧の父親に長年の貢献を感謝し、新宿で店の物件も紹介してくれて、鎧の父親は江戸川の厚意に報いるために人生を再スタートして料理人として頑張っていたというわけです。そして鎧は新宿で暮らすようになってから父と共に「ゴン」を訪れるようになり、遂には今年からバイトまでするようになったが、もはや4年前から「ゴン」はイーグルの秘密基地の機能は失われて単なる、やけに元気な老人がマスターを務めるカレーの美味しい何の変哲もないスナックとなっており、鎧も単なる学生バイトとして勤めていただけでした。

一方、江戸川の孫息子たちも父がイーグルの秘密工作員とは知らなかったので父の死の真相は知らされず、父は突然の交通事故で亡くなったと教えられ、暫くは深く悲しんでいましたが4年も経った今はすっかり立ち直り、上の2人の兄たちは普通の大学生となっており、今年ザンギャック騒動が起きた後、母と共に母の実家のある千葉に避難し、1人だけ年齢の離れた小学校6年の弟の剛も当然それについていくこととなりました。
年老いた江戸川も一緒に千葉に行くよう勧められましたが、江戸川は老い先短い自分は多少の危険は省みず、海城たちもザンギャックに立ち向かって戦うのならば、かつて彼らと共にこの世界を守って戦った自分も、老いたりとはいえこの新宿界隈の人々を守るために最後に何か出来ることがあるだろうと思い、一人残って店を開いていました。
そしてバイトの鎧も山梨に疎開し、いよいよ店に1人っきりになった江戸川のもとに突然、末の孫の剛が戻ってきて江戸川と一緒にいると言ったので江戸川は驚いて千葉に戻るよう言いましたが、剛は年老いた祖父を1人で残すのは心配なので一緒にここに残ると言い、あまりに剛が強情なので母親も新宿に戻ることを許してしまったと聞き、江戸川も最終的にはつい一緒に居ることを剛に許してしまいました。
江戸川は表面的には明るく気丈に振る舞っていましたが、実際は4年前に息子を失ったことを今でも相当悲しく寂しく思っており、店に1人で残ると一層寂しさが骨身に沁みていました。だから、息子の面影のある剛が傍にいてくれると言ってくれて内心嬉しく、それゆえ剛に甘い顔をして一緒に居ることを許してしまったのでした。

そうして剛と2人で暮らし始めてすぐにザンギャック軍の最初の接近警報があり、急いで剛と共にシェルターに避難し、敵艦隊が殲滅された後もそのシェルターはどうも嫌な予感がした江戸川の指示で誰も自宅へ戻らず、その後にあった空爆で犠牲者は出ませんでした。そして別のシェルターに籠っていた伊狩家の人々はどうなったのか心配になり、伊狩家に行った江戸川は伊狩家の人々が空爆に遭って全員死んでしまったということを知り、また深い悲しみに襲われました。
江戸川は息子の同僚で長い付き合いの鎧の父親のことも息子同然に可愛がっており、2人目の息子を失ったような悲しみと寂しさを覚えたのでした。それゆえ、江戸川は実の息子と、実の息子のように想っていた部下のそれぞれの子である剛と鎧をその失った2人の分身のように思い、絶対に失いたくないと思ったので危険から遠ざけたいと思いつつ、同時に内心では身近にいてほしいと思ってしまい、結局は新宿で被災者の世話をする仕事の手伝いをしてもらうことにしました。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 23:17 | Comment(2) | 海賊戦隊ゴーカイジャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月05日

海賊戦隊ゴーカイジャー妄想物語その8


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ゴセイジャーの協力と参加が確約されたことによって遂に全34戦隊が共に戦うこととなったスーパー戦隊の司令部で、明石と健太からゴセイジャーの件の連絡を受けたアカレンジャー海城剛は、ザンギャックとの決戦の実施日を翌々日、12月20日と決定しました。
日々戦況が悪化していき、世界中で多くの人々が犠牲を強いられている現状において、決戦の日を無駄に先延ばしすることは出来ません。出来るだけ早い方がいいのですが、さすがに明石から海城への連絡があった時点でもうとっくに夜になっており、その翌日に決戦となると、さすがに準備時間が足りないので、1日だけ準備時間にあてることにしたのでした。
ただ準備時間といっても、決戦に備えて各自休んで鋭気を養うとか、大事な人との別れを惜しむとか、そういう悠長なことをしているわけにはいかない。また全員が準備に専念できるわけでもない。ザンギャック軍は当然スーパー戦隊が決戦準備をしていることなど知りませんし、いつもと変わらず連日のごとく世界中で攻撃の手を緩めませんから、スーパー戦隊はそれを迎撃するために出撃しなくてはいけません。
実際、決戦といっても各スーパー戦隊はいつもと違う特別なことをするわけではない。ただ全ザンギャック軍を1ヵ所に集めて、そこに全スーパー戦隊も集結して、あとは全力で戦うだけのことです。だから各スーパー戦隊は準備といっても特別な準備はせず、準備日も普通に戦うだけです。準備が必要なのは全ザンギャック軍を1ヵ所におびき出して、そこに全スーパー戦隊を移動させて決戦のお膳立てをする作戦に関わるチームだけといえます。その作戦実施チームによる作戦の詳細の打ち合わせや準備のためにどうしても1日だけは必要であったので、決戦は翌々日ということになったのでした。

決戦日のスーパー戦隊はまずは12班に分かれて世界各地のザンギャック軍の空爆に対処する予定となりました。
1班はターボレンジャー、メガレンジャー、シンケンジャーで構成される班で、ここにはアカレンジャー海城剛と炎神トリプターが随行します。2班はフラッシュマン、ガオレンジャー、そしてタイムレンジャーの竜也と直人の2人で構成される班で、ここにはビッグワン番場壮吉と炎神バスオンが随行します。
3班はゴレンジャー、ゴーゴーファイブ、ダイレンジャーで構成される班で、ゴレンジャーのペギー松山を臨時パートナーとして炎神ベアールVが随行します。4班はジャッカー電撃隊、オーレンジャー、ハリケンジャーで構成される班で、ジャッカー電撃隊のカレン水木を臨時パートナーとして炎神ジャンボエールが随行します。5班はバトルフィーバー隊、カーレンジャー、アバレンジャーで構成される班で、バトルフィーバー隊の曙四郎を臨時パートナーとして炎神キャリゲーターが随行します。
6班はデンジマンとカクレンジャーで構成される班で、ゴーオンレッド江角走輔と炎神キシャモスが随行します。7班はサンバルカンとギンガマンで構成される班で、ゴーオンブルー香坂連と炎神ティラインが随行します。8班はゴーグルファイブ、マスクマン、ボウケンジャーで構成される班で、ゴーオンイエロー楼山早輝と炎神ケラインが随行します。9班はダイナマン、ライブマン、デカレンジャーで構成される班で、ゴーオングリーン城範人と炎神バルカが随行します。10班はバイオマンとジュウレンジャーで構成される班で、ゴーオンブラック石原軍平と炎神ガンパードが随行します。11班はジェットマンとゲキレンジャーで構成される班で、ゴーオンゴールド須塔大翔と炎神スピードルが随行します。12班はチェンジマン、ファイブマン、マジレンジャーで構成される班で、ゴーオンシルバー須塔美羽と炎神ジェットラスが随行します。

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ただ、これらの班分けはあくまで戦闘中に炎神の力でマシンワールドに一旦移動する時のユニットであり、常に一緒に行動するというわけではない。ザンギャック軍の攻撃は地球上至る場所でひっきりなしに行われており、スーパー戦隊はそれに臨機応変に対処しないといけないので、一斉に同じ基地から同じ時間に班別に出撃するというようなわけにはいかない。作戦決行時間の前には同じ班を構成する戦隊同士が出来るだけ近い位置でザンギャック軍と戦っているという状況を作るよう、東京の司令部で海城が采配し、その配置がだいたい完了すれば海城自身がトリプターで移動して1班と合流するという手筈になっていました。
そうして世界中でゴセイジャーとゴーオンジャーを除く32のスーパー戦隊が12班に分かれておおまかに12のエリアに分散して戦闘しているという状況が出来上がり、司令部を出た海城がトリプターと共に1班に合流した時点で本作戦開始となります。

その本作戦前の各戦隊の班別の配置調整段階が本格的に始まったのが日本では夜が明けた頃でした。スーパー戦隊の司令部ではゲキレンジャーの5人が出撃準備をしていました。これからゲキレンジャーは出撃して、既に遠方で戦闘中の同じ11班のジェットマンの担当しているエリアに隣接するエリアに移動し、戦闘しながら本作戦開始を待つことになります。
その出撃前のゲキレンジャーの傍らにはスピードルのキャストとソウルを携えた須塔大翔が立っており、その横には妹の須塔美羽もいます。太陽が昇ったのを見て、大翔は傍にいた漢堂ジャンに最後の確認をするように本当にいいのかと尋ねました。
決戦場所は日本にある広い荒野を予定していますので、そこで陽が落ちるまでがタイムリミットとなる。だからこの日本での夜明けの時刻以降が理央とメレの甦りのゲキワザを使える時となります。その秘伝のゲキワザを実施するために、もともとゲキレンジャーと同行する大翔と共に、この場に妹の美羽もいるのです。
秘伝ゲキワザは須塔兄妹2人が揃わなければ理央とメレ2人を甦らせるだけの効力は発揮しない。その用が済めば美羽はすぐにジェットラスに乗って12班の戦っているエリアに飛ぶことになっていました。だからこの出撃前の夜が明けた今の時間しか理央とメレを甦らせることは出来ません。

理央とメレが3年前のように秘伝ゲキワザで甦ってゲキレンジャーと共に戦いたがっているということは昨日の段階で須塔兄妹はゲキレンジャーのメンバーにも伝えました。そして、もし今回ゲキワザを使えば仮に日没までに理央とメレが無事に死後の世界に戻れたとしても、転生が更に十年遅れることになることを伝え、理央とジャンの再戦がそれだけまた遅れることになるのだとジャンに説明して、それでもいいのかと尋ねました。だがジャンは理央たちが戦いたがっているのならいいんじゃないかと軽く答え、久しぶりに理央やメレと一緒に戦えるのが楽しみだと無邪気に喜びました。
その場は色々と須塔兄妹も決戦準備で忙しかったので、そのままゲキレンジャー側が理央とメレの参戦を承諾したような形になりましたが、須塔兄妹は夜が明けて理央とメレを甦らせる直前に最後にもう一度、本当にこれで理央との再戦が難しくなっても構わないのかジャンに念を押したのでした。
するとジャンは大翔たちがそんなことをそんなに心配していたのが意外だったようで、ちょっと驚いた顔をして笑うと、万が一この世が無理ならあの世でもいいし、自分が転生して戦う手もあるし、とにかく自分と理央は宿命で結ばれているから、どういう形にせよ絶対に再戦は出来るのだから心配はしなくて大丈夫だと言いました。
そのジャンの言葉があまりに確信に満ちていたので、大翔と美羽は真面目に心配していたのがバカバカしくなり、苦笑すると2人で秘伝ゲキワザの態勢に入り、そこにジャンたちゲキレンジャーの5人も激気を足して、7人が囲む円陣の中に注入された激気の炎の中から理央とメレの姿が現れたのでした。これで理央とメレは日没までは仮初の身体で生きていた頃と同じように戦うことが出来ます。

理央とメレは大翔と美羽に世話になったと礼を言い、美羽はメレに向かって、せっかく生き返ったのだから日没までは死なないように頑張るよう言い残して、ジェットラスに乗って12班の許へ飛び去っていきました。
仮初の身体は生きていた頃と同じ身体ですから、大きなダメージを受ければ死ぬこともある。その場合の死は即、二度と転生できず永遠に地獄を彷徨う運命となります。そして日没を過ぎても死後の世界に戻っていなければ仮初の身体は消滅して、魂はやはり永遠に地獄を彷徨い二度と転生出来なくなります。
理央はジャンの顔を見ると、お前との決着を地獄でつけるのも悪くないが、お前は地獄に来なさそうだから、今日は日没までにザンギャック軍をぶっ潰して大人しくあの世に帰ることにすると、不敵に笑って言いました。ジャンも嬉しそうにニヤリと笑うと、おう!と応じて理央と互いの拳をぶつけ合ったのでした。

そうして理央とメレを仲間に加えたゲキレンジャーは大翔とスピードルも伴って出撃し、ジェットマンが既に戦っているエリアと隣接したエリアに到着し、ザンギャック軍と戦い始めました。同じように他の戦隊もそれぞれの持ち場に移動していき、東京のスーパー戦隊司令部周辺に少し陽が昇った頃には12班32戦隊が世界中に上手く班別に分散してザンギャック軍と戦う状況が出来上がり、それを確認して最後に司令部から海城もトリプターで出撃して1班に合流しました。
そして司令部に残った久保田博士をチーフとしたI.N.E.T.とイーグル謀略班合同の作戦本部は海城から1班に合流したという連絡を受けると、本作戦を開始、まずは日本国内にある決戦場予定地に待機しているゴセイジャーに通信を送り、作戦開始を告げました。

昨日の決戦日前の打ち合わせにはゴセイジャーは参加していませんでした。打ち合わせに参加したのはI.N.E.T.とイーグル謀略班合同の作戦本部チームとゴーオンジャー7人と炎神12体、そして臨時で炎神のパートナーとなる海城、番場、ペギー、カレン、曙の5人でした。
ちなみに海城ら5人はザンギャック艦隊との巨大戦で1人か2人が1日抜けても戦力的に大して変りない構成の戦隊からの選抜メンバーであり、決戦日前日でもスーパー戦隊はいつもと変わらない戦力でザンギャックと戦うことを極力優先したといえます。また、ゴーオンジャーだけはその存在の秘匿と温存のため、そしてまた炎神と海城たち5人との初顔合わせとパートナーシップの確立、入念な打ち合わせのために戦いにはあえて参加させず打ち合わせ優先としました。

同様にザンギャックをおびき出すカギとなるゴセイジャーも前日温存して打ち合わせに参加させるという選択肢もあったのだが、ゴセイジャーはこれを辞退して前日も戦う道を選びました。
実際のところ、この作戦でゴセイジャーのやることは改まって打ち合わせが必要なほど複雑ではありません。作戦本部からの作戦開始の連絡を受けたら全世界に向けて記憶復活の天装術を放ち、その後は決戦場予定地のあたりでザンギャック軍と交戦状態に入り、あとはひたすら敵と戦い続けるだけです。だから打ち合わせなど不要であり、そんなヒマがあればアラタ達は前日も戦う方が良いと思いました。
というより、その前の晩に明石から自分達の記憶消去の天装術のせいで世界中の多くの人々がザンギャック軍に惨い殺され方をしていると知らされたアラタ達は、その持っていきようのない悲しみを怒りに変えてザンギャック軍を叩きのめすしか、気を鎮める方法を思いつくことは出来ませんでした。
そのゴセイジャーの怒りのターゲットとなったのは、剛を誘拐して尋問した例の関東近郊にあったザンギャック基地でした。前の晩にスーパー戦隊と共に戦うことを申し出た後、アラタ達はその場で明石にザンギャック軍が人々を捕えて尋問している場所は何処なのか質問し、明石は全世界の具体的な場所は分からないが、1ヵ所だけほぼ特定できると思うと答え、志葉屋敷に連絡してシンケンジャーが剛を救出した地点を調べ、その近くにあるザンギャック基地が1ヵ所だけであったので、おそらくここでこれまでに多くの人達が捕らわれて尋問されていたはずだが、今は全員脱走して捕虜はいないはずだとアラタ達にその場所を教えました。
その上で明石は、この基地を潰すつもりならボウケンジャーも協力しようかと申し出ましたが、アラタ達は自分達だけでやらせてほしいと言い、その異様な迫力に明石も引き下がるしかありませんでした。更に明石は決戦日にはゴセイジャーだけが囮となってザンギャック全軍を引き付けるのは非常に危険なのだが、それでも本当に大丈夫なのか確認しました。
スーパー戦隊がザンギャック全軍を包囲する位置に瞬間移動してくるのはザンギャック全軍が集結した時点ということになりますが、ザンギャック全軍は一斉に集結するわけではなく順次集まってくることになる。全軍集結まである程度時間がかかる。その間、どんどん増えていくザンギャック軍を相手にゴセイジャーが持ち堪えていなければ作戦は失敗に終わります。だから明石はゴセイジャーのサポートに1〜2戦隊を回した方が良いのではないかと考えたのですが、アラタ達はザンギャック軍を包囲して攻撃する戦隊の数は1つでも多い方が良いと言って、明石の申し出を拒絶し、自分達ゴセイジャーだけでザンギャック全軍が集まるまで持ち堪えると言い切りました。
それでも心配する明石に、アラタは自分達はもうただの護星天使ではなく、34番目のスーパー戦隊になったのだから、それぐらいで簡単には死なないと宣言し、明石はアラタ達の力を信じることにしたのでした。

そうしてアラタ達は翌日、例の剛を誘拐して尋問したザンギャック軍の基地に襲いかかり、凄まじい勢いで基地を壊滅させ、基地のザンギャック兵たちを全滅させました。更に襲い掛かって来たザンギャック艦隊に対してもゴセイジャーは怒りを爆発させた猛反撃に出て大暴れの末に撃破しました。そして戦いを終えてアラタ達が天知家に戻ると、作戦本部からの使者が来ており、その日に行われた打ち合せの内容を伝え、決戦日である翌日に使うものとして通信機をアラタ達に渡しました。それは本部とゴセイジャーの通信用であるのと同時に、ゴセイジャーの位置を本部で把握するための発信機も兼ねているとのことでした。
明けて決戦の日の朝、アラタたちゴセイジャー6人は作戦本部に指定された決戦場予定地の荒野に移動し、全てのヘッダーを揃えて待機し、そこに本部から遂に作戦開始の連絡が来たのでした。
テンソウダーに記憶回復のゴセイカードをセットして、天装術が世界中に届くように大空に向けて構えると、アラタ達はさすがに少し緊張しました。護星天使の掟を破ることはマスターヘッドには伝えていないので後で叱られるであろうが、掟を破ること自体にはアラタ達はもう迷いはありません。事後報告でマスターヘッドには理解してもらうつもりでした。
だが問題は自分達が無事に生き残ってマスターヘッドに事後報告が出来るかどうかの方です。ここで記憶復活の天装術を使えば、この後はもうアラタ達は状況に流されていくしかない。作戦が順調に進めば、ここにザンギャックの全軍が大挙して押し寄せてくるはずです。もし大軍が集まってこなければアラタ達に危機は到来しませんが、それは作戦が不発に終わったことを意味し、歓迎すべきことではない。アラタ達がここで大ピンチになってこそ作戦成功であり、その作戦を完全に成功させるためにはその大軍を相手にアラタ達が一定時間踏ん張り続けなければいけない。
アラタ達が緊張したのは、まずザンギャックの全軍が来てくれるかどうかという点に関する不安、そしてザンギャックの全軍を相手に自分達が戦い抜かねばいけないという覚悟、この2点によるものでした。しかし躊躇していては作戦に差し支える。アラタ達6人は迷いを振り切り、一斉に記憶復活の天装術を発動しました。
その効果は荒野に立つアラタ達にはすぐには分かりません。いや、効果を確かめる必要すらなく、こうなればアラタ達のやるべきことは戦うことだけであり、ここで待機している必要すらもはや無い。人々の記憶復活の結果ザンギャック軍が自分達を目指してきた時に自然に自分達の位置がザンギャック側に伝わりやすくするために、敵に姿を見せて戦っておいた方が良いということは既に作戦本部との間で了解済みです。アラタ達は天装術を発動したことを作戦本部に通信で告げると、ヘッダーに乗り込み天装巨人に合体すると、決戦場予定地の近場のザンギャック軍目がけて突っ込んでいきました。
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2012年12月15日

海賊戦隊ゴーカイジャー妄想物語その9


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ザンギャック軍との決戦の最後の最後に絶体絶命の危機に追い詰められた34のスーパー戦隊の192人の戦士たちは、上空のザンギャック艦隊に向けて自分の残った力を全て絞り尽くして放ちました。
もともとそのような技が存在するわけではない。ただアカレンジャー海城剛の号令に応じて、全員が自分の残った力を限界まで引き出そうとしただけのことで、ある者はかつて「この星の意思」に聞いた「大いなる力」をも引き出すという具体的イメージも持っていたが、そこまで具体的イメージを持たずに単に力を全て出し尽くすという意識であった者も多い。そうした中には命まで全て燃やし尽くす覚悟であった者もいました。
また、「大いなる力」を引き出そうという意識であった者の中にも、それによって「この星の意思」にかつて言われたように自分の存在も消えてしまうことは覚悟していた者もいれば、そこまで深く考えておらず単に最後に残った攻撃力という意識で使った者もいました。
ただいずれにしても、「大いなる力」というものを使うことによって自分もただでは済まないだろうという程度の覚悟は皆共通していたであろうし、「大いなる力」を使うという意識の無かった者でも、ここで限界まで力を引き出せば自分もただでは済まないというぐらいの覚悟はほぼ全員していたと思われます。

その結果、各自の身体から金色のエネルギー体が飛び出して、その192個のエネルギー体は上空で炸裂してザンギャック艦隊を殲滅したが、その直後、どういうわけか全てのエネルギー体が更に高空に飛び上がってバラバラになり、空の向こうに飛んでいき消えていってしまいました。
192人の戦士たちのうち、既に疲労困憊していた者たちは「大いなる力」を放出した瞬間に力尽きて気を失っており、192人の全員がザンギャック艦隊の殲滅や、「大いなる力」が飛び去っていく現象を目撃できたわけではありませんでした。それでも192人の半数ぐらいはザンギャック艦隊の殲滅を目撃することは出来ており、また一部の戦士たちはそのザンギャック艦隊を殲滅したエネルギー体が宇宙に飛び去っていくのも目撃できていました。
しかし、ザンギャック艦隊の殲滅は、彼ら自身がそれを目指して力を放出したわけですから、ある意味予想通りの出来事だったといえますが、その後に自分たちの身体から飛び出した金色のエネルギー(大いなる力)がザンギャック艦隊と共に消えるのではなく高空に飛んでいって消えていったことは全く予想外の現象でした。
0091.jpg炸裂後も無事に存在して更に高く飛び上がったということは、そのエネルギー体は無事に元の状態を維持していたということになります。力を失っていたのなら落ちてきて消滅するはずだからです。そうなると高空に消えていったのは力尽きて消滅していったのではなく、単に大気圏を突破して宇宙に飛び出していったので見えなくなっただけのことであるようでした。
しかし、どうしてそのようなことが起こったのか、それを目撃した戦士たちは理由がよく分からず戸惑いました。とにかくザンギャック軍は完全に殲滅できたようで、ひとまず戦いには勝利して地球を守り切ることが出来た。そのこと自体は嬉しかったが、いきなり身体から飛び出したエネルギーが宇宙に飛び出していったのですから、いったい何が起きたのだろうかと戦士達が戸惑うのも当然でした。
中には、あれこそが「この星の意思」の言っていた「大いなる力」に違いないと理解していた戦士たちもいましたが、そうした戦士たちは別の意味で戸惑っていました。彼らは「大いなる力」を使えば自分はこの世界から消滅すると覚悟していたので、自分が消滅せずに自分の体内の「大いなる力」が宇宙に飛び出していくのを見送ることになるとは予想だにしていなかったのです。これはどうも聞いていた話とは違うようだと、それらの戦士たちは戸惑いました。ただ、いずれにせよ「大いなる力」がどうして宇宙に飛んでいったのか、彼らにもさっぱり理由は分かりませんでした。
自分の身体から飛び出した金色のエネルギー体が「大いなる力」だと理解していた戦士達も、とにかく「大いなる力」が宇宙に飛んでいったことに驚いて、そちらにばかり注意がいっていましたが、そんな中、海城をはじめとした一部の戦士たちは自分の体内の妙な違和感に気付いていました。それは、てっきり体内から外に全部飛び出していったと思った「大いなる力」がまだいくらか体内に残っている感覚でした。
そもそも「大いなる力」が体内に出たこと自体が奇跡的なことであり、本来は出来なかったことなのですから、全部を放出しきれずに一部が残ったとしても不思議ではない。むしろ、一部とはいえ、よく「大いなる力」を放出できたものだと海城たちは奇跡的な勝利に多少肝を冷やしました。
最後の最後にどうしてザンギャック艦隊の一部が突如出現したのか未だによく分かりませんが、とにかくザンギャック軍は大変な強敵で、最後に「大いなる力」を出せなかったら自分達は敗れていた。おそらくこれで地球に侵攻してきたザンギャック艦隊は全て殲滅できたが、この勝利は奇跡だったと海城は思いました。

一方、この戦いをずっと見守ってきて、最後の最後に192人の戦士たちが放出した「大いなる力」を宇宙に向けて弾き飛ばすことに成功した「この星の意思」は、この結果に愕然としていました。
「この星の意思」はザンギャックとの戦いでスーパー戦隊の戦士たちがいよいよ追い詰められた時、34戦隊が集まって戦っていれば最後の手段として「大いなる力」を引き出して使うことに成功するだろうと予測していました。そして、その「大いなる力」がザンギャックの侵略軍を滅ぼした直後の瞬間を狙って「大いなる力」を宇宙に飛ばすという自分の作業を成功させる自信もありました。そして実際それは成功した。
そしてまた、「この星の意思」は「大いなる力」はその正当な継承者たるこの世界の者が「宇宙最大の宝」に注ぐことでしか消費されないことを知っていたので、34戦隊の戦士たちが「大いなる力」を放出した後もその場で消滅するようなことはないことも分かっていました。だから、192人の戦士たちが「大いなる力」を放出し、自分がそれを宇宙に飛ばし、その後192人の戦士たちが戦場に無事残されたままであるという、ここまでの出来事は「この星の意思」から見れば、大筋で予想通りであり、全く意外な展開ではありません。
だが、戦いの直後、ザンギャック軍が滅した戦場で呆然としていたり倒れ込んだりしている192人の戦士たちを改めて観察してみた「この星の意思」は、まずその192人の中にブライや滝沢直人や仲代壬琴の姿があることを不審に思いました。
もともと肉体を持っている戦士たちは「大いなる力」を失っても姿が消えるということはないが、この3人に関しては本来は肉体を持たない思念体であり、自らの「大いなる力」によって仮の肉体を作り出していたはずです。ならば「大いなる力」を失えばブライたち3人は仮の肉体を失い思念体に戻るはず。それなのにブライ達は戦いの終わった後もまだ仮の肉体を纏って佇んでいます。
0092.jpgこれは妙だと思った「この星の意思」はじっくりと192人の戦士たちを観察し直してみました。すると、どうやら192人全員の体内にまだ「大いなる力」の半分ほどが残っていることに「この星の意思」は気付き、愕然としたのです。つまり「この星の意思」が宇宙に飛ばした「大いなる力」は彼らの持つ「大いなる力」の半分だけだったのであり、192人の戦士たちは自分の体内の「大いなる力」の半分しか引き出せていなかったようなのです。
どうして予想に反して「大いなる力」は半分しか引き出せなかったのだろうかと「この星の意思」は不審に思いました。いや、そもそも元々は引き出すことが出来なかった「大いなる力」なのですから、それが全部引き出されるという予想自体が甘かったのかもしれない。だが34戦隊が集結すれば「大いなる力」は引き出されると「この星の意思」は直感し、実際にその直感はほぼ当たって、こうして元々は引き出されることのなかった「大いなる力」が初めて引き出されたのですから、「この星の意思」の予測は決して見当違いなものではなかったはずです。
それなのにどうしてこんな中途半端な結果となったのだろうかと考えた「この星の意思」は、ハッとあることに思い当たりました。確かにこの場に34戦隊は揃ってはいたが「大いなる力」を持つ戦士が全員集まっていたわけではなかったのです。戦いが3ヶ月にも及んだというのに、ニンジャマンだけが結局来ていない。お蔭で、本当は193人いるはずの「大いなる力」を持つ34戦隊の戦士たちは1人足りない状態であったのでした。おそらく「大いなる力」が半分しか放出されなかったのはそれが原因なのだろうと「この星の意思」は思いました。

しかし、そうなると困ってしまいます。「この星の意思」は34戦隊の戦士たちの「大いなる力」を一旦宇宙にバラ撒いて、アカレッドにそれを回収させてから、そのまま宇宙でアカレッドに34戦隊の「大いなる力」を受け継いでザンギャックのいない平和な宇宙を新たに作る適格者を探し出させる計画でした。そして、その適格者にアカレッドの回収した34戦隊の「大いなる力」を与えて地球に連れてきて、アカレッドの携えている亜空間の石室へと繋がる扉を開き、その適格者を地球の中心の亜空間の石室に連れていき、そこで「宇宙最大の宝」に34戦隊の「大いなる力」を注がせて宇宙の作り変えをさせる。それでザンギャックのいない平和な宇宙が新たに作られ、宇宙は危機を脱し、「この星の意思」の計画も完遂する予定でした。
ところが、34戦隊192人の戦士たちの放出して宇宙に散った「大いなる力」が半分だけであり、残り半分が戦士たちの体内に残ったままだとなると、宇宙に散った「大いなる力」の半分を回収したアカレッドが宇宙改変の適格者にそれを託した後、地球に戻ってきて亜空間の石室に行く前に34戦隊の残り半分の「大いなる力」を各戦隊の戦士たちから譲り受けなければならなくなってしまいます。
その際、各戦隊の戦士たちがその宇宙改変の適格者の宇宙人を自分の戦隊の「大いなる力」を受け継ぐに相応しい相手だと心の底から認めなければ、「大いなる力」の譲渡は成立しません。これはなかなか大変です。それでは「この星の意思」の計画は予定していたものとはだいぶ様相が変わってきます。
だが、もうこうなってしまっては仕方ありません。あるいは再び今回のザンギャックとの戦いのような極限的な状況となれば34戦隊の戦士たちが残りの「大いなる力」を放出するという可能性も無きにしもあらずかとも思えましたが、そんな都合の良いことがそうそう起こるとも思えず、次は上手くいくという保証も無い。というより、それ以前に、192人の戦士たちは仮に再びザンギャック軍が攻めてきたとしても、もう今回のように極限状況まで戦うこと自体できないのだと「この星の意思」は思いました。何故なら、体内の半分の「大いなる力」を放出してしまったことによって、おそらく彼らは変身して戦うことは出来なくなっているだろうと「この星の意思」には想像することが出来たからです。
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2013年01月30日

海賊戦隊ゴーカイジャー妄想物語その10


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アカレッドはガレオンに乗って宇宙に旅立っていきました。
一方、地球に残された34戦隊の192人の戦士たちは、ザンギャックとの戦いが終わった以上、もはや34戦隊が集まっている必要も無いので各戦隊ごとに分かれて解散することにしました。
ただ、1つその場で取り決めたことは、彼らは今回のザンギャックとの戦いに際してその存在を世間に向けてある程度公にしましたが、この後は再び世間から姿を隠そうということでした。
もともと姿をおおっぴらにせずに戦っていた彼らにとっては、戦いが終われば元通りの目立たない生活に戻るのは当然とも云えましたが、特に今回世間から姿を隠すと決めた最大の理由は彼らが変身して戦う力を失ったからです。要するにザンギャック帝国の今後の動向を意識しての措置であったのです。

ザンギャック帝国も今回の侵略軍の全滅で地球から完全に手を引くということは考えられない。必ずまた侵略軍を差し向けてくるでしょう。だが今回かなりの規模の侵略軍を全滅させられたという事実も重い。強大無比なザンギャック帝国といえども戦力の立て直しに多少時間は要するであろうし、これほどの大軍を全滅させた敵を警戒もするでしょう。中途半端な軍を送って再び敗れるわけにはいかないでしょうから、万全の準備で次の侵略軍を送り込もうとしてくるはずで、戦力の立て直しも含めて準備にはそれなりに時間を要するはずです。
但しそれは今回の侵略軍を全滅させた「スーパー戦隊」という未知の敵が健在であればの話です。スーパー戦隊が今回の侵略軍を全滅させた代償で戦う力を喪失したと知れば、ザンギャック帝国は安心してすぐにでも普通の規模の第二次侵略軍を送り込んでくるでしょう。そしてスーパー戦隊が戦う力を失い、そのうえ通常戦力も枯渇した現在の地球はその普通規模の侵略軍に対しても為すすべも無く蹂躙されてしまうでしょう。
だから、スーパー戦隊が戦う力を失ったということは絶対にザンギャック帝国に知られてはならない。そのためにスーパー戦隊は姿を隠すのです。人前に姿を晒したままであれば、戦う力を失ったことはすぐにバレてしまうが、これまで通りに人前に姿を見せない状態に戻るのであれば、戦う力を失ったことはバレにくくなる。幸い、もともとスーパー戦隊は人前に姿を見せず正体を明らかにしない方針を貫いてきたので、戦いが終わって再び姿を隠しても大して違和感は無い。
ただ、今回の戦いで一旦人前に姿を晒し、中には正体をバラしてしまった者もおり、もともと正体が知られていた戦士たちも存在している以上、今までと全く同じように完全にスーパー戦隊の状況を隠蔽することは出来ない。例えばゴーゴーファイブなどはもともと日常的に変身して活動していたし、海城や明石などは今回正体を明かしてしまった。これらの戦士たちは戦いの後も出来るだけ目立たないように努めても、いずれは世間から動向を注目されることになる。
当初は日常において変身などして戦う力を行使しない理由として、ザンギャックとの戦いで負傷したとか装備が欠損したとか言い訳をして誤魔化すつもりでしたが、いずれは戦う力を失っているということもバレるでしょう。そしてそこから綻びが生じて、スーパー戦隊全体が戦う力を失っているという事実がいずれは露見するでしょう。
だが、とにかく姿を隠して上手く誤魔化すことで、1年か2年ぐらいはスーパー戦隊が戦う力を失っていることは隠し通せると海城たちは考えました。アカレッドは1年ぐらいで宇宙に散った「大いなる力」と35番目のスーパー戦隊と共に戻ってくると言っていましたから、1年か2年ぐらい上手くザンギャックにスーパー戦隊の無力化という事実がバレないように世間を誤魔化し続けていれば、その間にアカレッドが戻ってきて、35番目のスーパー戦隊が計画通りにザンギャックのいない平和な宇宙を作り直せばザンギャックは消滅して地球も宇宙も救われる。
仮にそれが上手くいかなかったとしても、少なくとも35番目のスーパー戦隊が地球を守るためにザンギャック軍と戦ってくれる。また、もし35番目のスーパー戦隊が期待外れで地球を守るために戦わないというのなら、その時はアカレッドが持ち帰って来た34戦隊の「大いなる力」を奪還すれば、34戦隊が再び戦う力を取り戻すことも出来る。
つまり、1年以上2年以内の期間、なんとか34のスーパー戦隊が戦う力を失ったことを隠し通してザンギャック軍を警戒させ続けて、その再侵略を遅らせることが出来れば、その間にアカレッドが帰還し、どっちに転んでも地球を守るために戦える態勢が整うことになるのです。

そのために、まずは34のスーパー戦隊は世間から身を隠すよう努めることにしました。
海城はザンギャック侵略軍の全滅をイーグル本部に監視衛星などを使って確認させると、イーグルの長官や国連などの名義で戦争の勝利と集結を全世界に公表させて、自分も含むスーパー戦隊は表には出ることはなく、ひっそりと表舞台からフェードアウトすることとしました。
だがザンギャック帝国に対する示威の意味も込めて、最終的にゴーオンジャーやシンケンジャーやゴセイジャーも含めた34のスーパー戦隊の活躍でザンギャック全軍を殲滅して地球を守りきったことは国連名義で明確に公表したので、地球の人々は地球を守ってくれたスーパー戦隊には深く感謝し、栄光を拒否して表舞台からひっそりと姿を消したスーパー戦隊の奥ゆかしさを褒め称えました。
そうして、もともとが伝説的な存在であったスーパー戦隊は、戦いが終わって再び人前から姿を消して栄光の伝説となったと見なされ、いつしか人々の間で「レジェンド戦隊」と総称され、スーパー戦隊の戦士たちは「レジェンド戦士」と呼ばれるようになりました。そこには再び地球が危機に陥れば再び何処からか現れて地球を守ってくれる伝説の正義のヒーローという意味合いも含まれた名称でありました。
こうしてレジェンド戦隊は人々の前から姿を消し、その名声はますます高まっていき、いつしか2011年の秋から冬にかけて行われたザンギャック軍との戦役は人々の間で「レジェンド大戦」と呼びならわされるようになっていきました。
しかし、地球の人々はただレジェンド戦隊を褒め称えていればいいというような呑気な状況でもありませんでした。一般の人々や通常軍の関係者などの多くも、再びザンギャック帝国が侵略軍を送り込んでくることは有り得ると予想していましたので、まずは今回の戦争で荒れ果てた街や産業を復興させ、通常軍も再建しておかなければならないと考えました。
とにかく猛威を奮ったザンギャック軍のせいで地球上の通常軍がほぼ壊滅状態となっているだけでなく、地球上の街という街は荒廃し、産業は大打撃を受けており、まずはそれらを復興しないことには軍の再建にも取り掛かれない状況で、対ザンギャック戦争前の軍事水準に戻すには3〜4年はかかりそうな状況でした。それまでザンギャック軍が再侵略を待ってくれるか分からないわけですが、それでも地球の人々はまずは復興のために懸命に立ち働くしかない。
そうした人々の気持ちの支えとなったのが、地球の危機にはきっとまたレジェンド戦隊が現れて地球を守ってくれるという確信でありました。本当はそのレジェンド戦隊は戦う力を失っているのですが、こうした復興に取り組む人々の当初の心の支えとなったという意味でも、レジェンド戦士たちが姿を隠して自分達が戦う力を失ったことを隠したことは有意義であったといえます。
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2013年02月06日

海賊戦隊ゴーカイジャー妄想物語その11


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さてタイムレンジャーの6人は、ザンギャックとの決戦の最終盤に未来組の4人が突然乱入してきて図らずも6人が揃うことになり、戦いの後にようやく11年前に別れ別れになっていた竜也と直人の21世紀組とユウリ達31世紀組がまともな会話を交わして、ごく簡単に互いの近況を報告し、その会話の流れから、どうやらユウリ達の暴走させてしまった豪獣ドリルの乱入のせいで歴史の流れが変わってしまったらしいことが判明しました。そして、そのことを知ってユウリ達が困惑していたところにアカレッドと「この星の意思」が現れ、今回のザンギャックとの戦いの裏事情をスーパー戦隊の戦士たちに向けて説明したのでした。
その話の内容を聞いて、その場に居合わせた巽マトイとマツリ兄妹は急いでゴーゴーファイブの仲間のもとに駆け戻り、タイムレンジャー組の竜也と直人も他の戦隊の戦士たちと同じように「この星の意思」とアカレッドの話に驚きましたが、ユウリ達31世紀組の4人は竜也たちとはまた違った感慨で「この星の意思」とアカレッドの話の内容を意外に思い戸惑いました。
ユウリ達の住む時代である31世紀から見て1000年前の戦いである、この2011年のスーパー戦隊とザンギャック侵略軍との戦いの背景にそんな事情があったなどということはユウリ達には初耳であったからです。ユウリ達は31世紀においても一般人ではない。時間保護局の職員ですから、過去の歴史については専門的な知識を有しています。そのユウリ達が知らないのですから、これは完全に歴史の陰に隠れた真実ということになります。
どうして歴史の表舞台でそのことが記録に残っていないのかというと、おそらくこの「この星の意思」の計画が実現しなかったからだとユウリ達は思いました。2011年のザンギャック軍との戦い以降の数年間の間に宇宙から35番目の戦隊がやって来て「宇宙最大の宝」に34戦隊の「大いなる力」を戻して平和な宇宙を作ったなどという歴史的事実はありません。いや、そもそも「宇宙の作り変え」などという特異な現象が起こったとするなら、歴史の断絶や更新のようなことが起きているはずであるし、さっきの「この星の意思」の話の通りに計画が進んだとするなら、31世紀世界においても34戦隊の存在の記録は抹消されて伝わってはいないはずです。
しかし、ユウリ達の暮らしている31世紀世界において伝わっている歴史においては、34戦隊は2011年にザンギャック侵略軍から地球を守り抜いた英雄となっており、その存在は消えたりはしていない。34戦隊に撃退されたザンギャック帝国は地球再侵略を躊躇しているうちに自壊し、地球は危機を逃れたが、ザンギャック帝国崩壊後の宇宙は混乱に陥り、別に「平和な宇宙」などは実現しなかったはずです。
つまり、2011年の段階で「この星の意思」やアカレッドが35番目の戦隊や「大いなる力」を使って平和な宇宙を実現しようという意思は持っていたようだということはユウリ達は初めて知りましたが、結局その計画は実現することはなく歴史の中に埋もれていたのだと思いました。

だいいち、「大いなる力」などというものがこの21世紀の時代に存在したこと自体を自分達31世紀の人間は知らなかったのだと心の中で呟いたユウリは、ハッと重大なことに気付きました。自分達未来の人間が「大いなる力」のことを知らないのは、この2011年のザンギャックとの戦いの際に「大いなる力」が使用されて放出され宇宙にバラ撒かれることがなかったからだと気付いたのでした。つまり「この星の意思」の計画はその第一歩から躓いていたのです。だから実現することがなかった。でもそれはあくまでユウリ達が知っていた歴史上の出来事です。その歴史はついさっきユウリ達自身が変えてしまった。
元々の歴史では「大いなる力」を使用することなく34戦隊はザンギャック軍を撃退したはずなのに、ユウリ達の引き起こした豪獣ドリルの暴走事件の影響で34戦隊はザンギャック軍との戦いの最終局面で「大いなる力」を放出してしまい、それを待ち構えていた「この星の意思」によって34戦隊の「大いなる力」は宇宙にバラ撒かれてしまった。元々の歴史では第一歩の段階で頓挫していたはずの「この星の意思」の計画は、ユウリ達が歴史を変えたせいで第一歩を踏み出してしまったのです。
「この星の意思」の話を聞いてそのことに気付いたユウリ達は真っ青になって、これは大変なことをしてしまったと焦りました。それは「過去の歴史に影響を与えてはいけない」という時間保護局員としての長年培ってきた職業意識により自然に湧き上がって来た感情でした。もしかしたら自分達のせいで歴史に重大な変化をもたらしてしまったのかもしれない。そういう何とも言えない不安がユウリ達4人を襲いました。

だが、ふと冷静になって考えてみると、このまま歴史が変わって「この星の意思」の計画が実現してしまったとしたら何か不都合があるのだろうかということにユウリ達は思い至りました。34戦隊が消滅してしまうらしいが、そのことはユウリ達自身にとっても確かに重大な問題ではある。だが、それはあくまで個人的問題です。ユウリ達が心配していたのは歴史そのものへの影響の方です。
この21世紀において34戦隊が消えたとしても、その後の地球の歴史にさほど大きな影響があるわけではない。問題はむしろ「この星の意思」の計画が実現することによって「宇宙最大の宝」の力で「平和な宇宙」が実現してしまうということです。元々の歴史ではそんなものは実現していないのですから、これは重大な歴史改変であり、本来は時間保護局としては絶対に許してはいけない重大な過失となります。
しかし、現在ユウリ達は31世紀世界において特殊な任務を遂行中です。それは31世紀世界の宇宙滅亡の危機を回避するために、あえて時間保護局としてのタブーを犯して過去の歴史を改変して、過去の何処かのタイミングで宇宙の平和を実現するということでした。そもそも豪獣ドリルの暴走事件が起こったのも、その計画を遂行する過程で生じた出来事でした。
その31世紀のユウリ達の計画と、この21世紀における「この星の意思」の計画は同じ目的を目指したものなのではないか。ならば、ユウリ達のミスによって歴史が変わり、「この星の意思」の計画が実現して平和な宇宙が実現するならば、それはユウリ達にとって、そして地球や宇宙の今後の運命にとって歓迎すべきことなのかもしれない。そのことに気付いたユウリ達は、これはあるいは以前に2001年の歴史を変えた時と同じように、自分達に課せられた運命の導きによる奇縁であったのかもしれないとも思えました。

だが、実際はそんな都合よくお伽噺みたいに物事は進まないはずだと、ユウリ達は興奮しかけた自分達の気持ちを鎮めました。自分達が歴史を変えてしまったといっても、今回のケースの場合は2001年の時とは違って、完全に未来人である自分達の起こした突発的事故のせいなのであり、この場合は間違いなく「歴史の修正力」が作用して、大筋での歴史の流れは変わらないはずです。
確かに本来は歴史の表舞台に出ることはなかった「大いなる力」は宇宙にバラ撒かれて、それを回収しつつ35番目の戦隊を探すべくアカレッドも旅立ってしまった。だから今後数年間あるいは数十年間の歴史が元々の歴史とは違ったものになる可能性は大いにある。だが、大筋の歴史は変わらないはずです。地球がザンギャックに征服されることもないであろうし、ザンギャックの滅亡も避けられない。そしてザンギャック滅亡後の宇宙に平和がもたらされることもないはずであり、それはつまり、結局は何らかの事情で「この星の意思」の「宇宙最大の宝で平和な宇宙を作る」という計画は挫折するということです。きっとそうなるに違いないとユウリ達は思いました。
だが、それはあくまで今回の出来事の結果予想される事態というだけのことに過ぎない。確かにこれで歴史の流れが大きく変わるということはない。しかしユウリ達は歴史の流れを変えなければいけないのです。過去の歴史の何処をどう変えれば宇宙の平和が実現して31世紀の宇宙の滅亡を回避出来るのか、現状ではユウリ達はまだ試行錯誤の途中です。コンピュータに計算させてはいるものの、いつ解答に辿り着くか分からない。しかしタイムリミットは迫っている。そんな中、今回の事件の中でユウリ達は2011年において「この星の意思」が「宇宙最大の宝」という途轍もない力を使って宇宙を作り変えて平和な宇宙を実現しようとしていたという隠された歴史の真実を知った。
これはユウリ達の知っている歴史では結局は失敗した試みなのですが、上手く歴史の修正力の働かないような方法でユウリ達が介入すれば、この「この星の意思」の計画を成功させて21世紀の段階で宇宙の平和が実現するかもしれない。それが31世紀の宇宙の運命に影響を及ぼすのか、それともあまり関係無いのか、今は分からない。だが31世紀に戻ってその可能性を想定してコンピュータに計算させ直せば、その答えは比較的短期間で出せると思えました。そう考えると、やはりこれは奇縁なのではなかろうかとユウリ達には思えてきて、期待が膨らんできます。
これから間もなく自分達は少し歴史の変わった31世紀に強制的に送還されるであろうが、そこはさほど大きな歴史の流れは変わっておらず、この21世紀と繋がったままの世界と予想できます。そこに戻って、まずは自分達のミスでどのように2011年以降の歴史が変わったのか確認した後、その新たな歴史を踏まえた上で、そこから「この星の意思」の計画が実現した場合、31世紀の世界にどのような影響を及ぼすのかコンピュータに計算させることにしようとユウリ達は思いました。
その結果、「この星の意思」の計画が実現すれば31世紀の世界が救われるという結論が出れば、どのように歴史に介入すれば「この星の意思」の計画が実現するのか、作戦を練ることになる。おそらく現状では「この星の意思」の計画が実現するという方向に歴史が変わっているという可能性は低い。歴史の修正力はそんな簡単に克服できるものではないのです。歴史の修正力を働かせないで歴史を変えるためには、あくまで21世紀の人間の意思で歴史を変えるよう巧妙にユウリ達が介入して仕向けていかないといけない。その具体的な介入方法は新たに変わった2011年以降の歴史の事象を綿密にチェックして見出していくしかない。自分達が31世紀に戻ってやるべきことはそういうことなのだとユウリ達は自覚しました。

「この星の意思」が姿を消し、アカレッドがガレオンに乗って旅立っていくのを見送ると、ユウリ達31世紀組の4人は竜也と直人に向かい、自分達は間もなく31世紀に送還されることになるだろうと伝えました。そして、おそらく自分達の戻る31世紀は少々歴史が変わってはいるが多分この21世紀と繋がっているはずだと言い、場合によってはさっきの「この星の意思」の計画に関連して自分達は再びこの時代にやって来ることになるかもしれないと伝えました。
竜也と直人は「この星の意思」の突拍子も無い話を聞いて、ただただ驚いていましたが、ユウリ達が31世紀に戻るという話を聞いて我に返って、そういえばユウリ達は未来人だったということを思い出しました。それはつまり、ユウリ達はこの「この星の意思」の計画の結末についても知っているということを意味しているのだと竜也も直人も気付いたのでした。言い換えれば自分達が「この星の意思」の言うように消滅することになるのかどうかという運命についてもユウリ達は知っているということになる。
もちろん竜也と直人はその答えをユウリ達に尋ねることは出来ないことは分かっていました。尋ねられてもユウリ達は31世紀の時間保護局員という立場上答えられるわけがない。だが、あえて尋ねなくても竜也と直人にはこの計画の結末が何となく想像はつきました。ユウリ達が目の前に存在するという事実そのものが、この計画が上手くいかないことを暗示していると感じられたのです。
つまり、「この星の意思」の計画通りに進んで「宇宙最大の宝」を使って平和な宇宙を作れば、1年後ぐらいに34戦隊の戦士たちはこの世界から消えるのであり、ならばその時、31世紀世界のユウリ達も消えることになるはずです。ならばユウリ達がこうして31世紀世界からやって来ることが出来るはずがない。しかしユウリ達が31世紀世界からこうしてやって来ているということは、1年後に34戦隊の消滅は起こらないということであり、それは「この星の意思」の計画の失敗を意味している。竜也と直人は何となくそう思えました。ユウリ達の表情を見ていても、何となくそうなのであろうと感じられました。
ユウリ達も勘の鋭い竜也や直人がそういう直感を抱いたことは気付いていました。だが、未来人であるユウリ達と竜也たちの間でその件に関して直接的な言葉を交わし合うことはタブーであることは互いに理解しているので、具体的な言い回しは避けつつ、それでも竜也はユウリに対して不審に思ったことを尋ねました。それは「どうしてまた来る必要があるのか?」ということでした。

ユウリ達は歴史の結果はもう分かっているはず。あえてその件でまたこの時代にやって来るということは、まさか歴史に介入するつもりなのかと竜也は不審に思ったのです。あるいはさっき歴史を変えてしまったかもしれないとユウリ達が言っていたことに何か関係しているのではないかとも思えました。だがユウリはその質問には答えられないのだと言いました。事情を説明するためには31世紀の宇宙の滅亡の危機の話をしなければならないが、21世紀の人間に未来の出来事を教えるわけにはいかない。それによって歴史がまた予期せぬ方向に変わってしまい、そのためにまた余計な歴史の修正力が作用してしまう危険があるからです。
特に竜也にはこれ以上余計な情報は与えるわけにはいかない。浅見竜也はこのままいけばこの先の21世紀世界の歴史において重要な役割を果たす人物となります。つまり竜也の言動は歴史に大きな影響力を及ぼす可能性が高い。そんな人物に未来の出来事に関する余計な情報を与えてしまうと、歴史の流れに大きな変化が生じる危険があるのです。だからこの先もし「この星の意思」の計画の件でユウリ達が21世紀の歴史に介入することになったとしても、万が一の事態を回避するため、竜也との接触は避けた方がいい。
竜也自身、既に自分が現代の社会で大きな影響力を及ぼす地位にあることは自覚しているだろうと思ったユウリは、竜也に向かってそのことを説き、そういう立場にある竜也には特に詳しい事情は説明出来ないのだと言い、もし今後再びこの時代にやって来ることになったとしても自分達は竜也と接触することはないだろうと告げました。そしてユウリ達は直人に向かって、その時は直人に協力してもらうことになるかもしれないと言いました。肉体を失った思念体である直人ならば実社会に対する影響力はほぼ無いので、ある程度は未来についての事情を悟られたとしてもさして歴史に大きな影響は生じないだろうと思えたからです。
だが、そう言われた直人は意外にも協力は出来ないと応えました。驚いてドモンが直人に理由を質すと、直人はユウリ達4人が歴史を変えておおかたさっきの「この星の意思」の計画を実現しようとしているのだろうが自分はあの計画が気に入らないからだと答えました。
そして続けて直人は、人間は明日をより良いものとするために地道に自分の力で進んでいき、その結果未来の運命が変わるものだということを、かつて自分はお前達タイムレンジャーから教えてもらったが、それなのにお前達が34戦隊の戦士たちの明日を犠牲にして魔法みたいな方法で未来を変えようというのならタイムレンジャーらしくないと思うと言いました。ドモンはムッとして直人の胸倉を掴んで、宇宙が滅亡するかどうかの瀬戸際なのだと言いそうになりましたが、なんとか思いとどまり黙り込みます。
そうしているとユウリやドモン達4人の身体の周りがキラキラした光で包まれ始め、31世紀への強制的送還が始まったと悟ったユウリは竜也に向かって、会えて良かったと言って微笑み、幸せになって欲しいと言うと、光に包まれて姿を消しました。同時にドモン、アヤセ、シオンの姿も消え、その場には竜也と直人が残されました。
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2013年02月12日

海賊戦隊ゴーカイジャー妄想物語その12


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次いでジェットマンの5人ですが、ザンギャック艦隊を全滅させてレジェンド大戦が終結した後、その場に現れたアカレッドや「この星の意思」の話を聞き、その内容があまりに想像を絶するものであったので大変驚きました。バイラムとの戦いが終わった後のおよそ19年間、軍人の竜を除いて、香も雷太もアコも完全に一般人として平穏に暮らしてきたので、急に宇宙の平和とか、世界の作り変えなどと言われても突拍子が無さすぎてピンときません。竜にしても地球の平和を守るために戦うことしか考えてこなかった堅物の職業軍人ですので、こんな非現実的な話には面食らってしまい、16年間天国で楽しく暮らしていた凱にとってもこれは思いも寄らない話でした。
だからジェットマンの5人は「この星の意思」の計画に協力すべきかどうかも、ちょっと簡単には判断出来ない状態でした。ただ、宇宙や世界のことはともかく、5人は地球の人々の平和な生活は守りたいと思っていましたから、「この星の意思」の計画ならばザンギャックの再侵略を阻止できるという点は素直に歓迎することは出来ました。
しかし問題は「この星の意思」の計画に協力して「大いなる力」を渡し、そして「この星の意思」の計画が実現した暁にはジェットマンの5人もこの世から消えてしまうということでした。竜たちはそれでも自分達の存在と引き換えに地球の人々の平和な暮らしを守ることが出来るのならば本望だと言いましたが、凱はその考え方には賛成できませんでした。

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ジェットマンは一般人がやむを得ない事情で戦うことになった戦隊であり、もともと地球を守るために命を賭ける義理など無い連中の集まりでした。だから当初は地球や他人のために自分の命を捨てるなど真っ平だと思っていました。軍人の竜だけはそうした覚悟が定まっているかのように見せていましたが、これも実際は見せかけであり、本質は行方不明の彼女に未練タラタラの弱い男でした。しかし、そんな情けない連中のジェットマンですが、命懸けの戦いをせざるを得ない立場なのでした。
自分のやりたいことや欲しいもののために夢中になって、それが命懸けの戦いになるというのならまだ納得は出来る。しかし守る義理の無い他人のために戦って危ない目にあうのは納得出来ないし、そんな戦いで死ぬのは無駄死にのように思えて本当に怖い。だから死にたくない。しかしジェットマンしかバイラムと戦える者がいない以上、死にたくないのに死ぬかもしれない戦いをするしかない。普通の平穏な暮らしをしたいのに平穏に生きることが許されない。自分がヒーローなどではなく弱い一般人だと自覚しているのに、ヒーローのように戦わねばならない。この狂おしい矛盾した状況の中で凱たちは恐怖に震えながら戦うしかありませんでした。
この恐怖から逃れるためにはいっそ自分が特別に強い心を持ったヒーローであると思い込むというのも1つの方法でした。しかし凱たちにはそれは出来ませんでした。仲間たちのどうしようもない弱さを目の当たりにして、どうしても自分の弱さを自覚せざるをえなかったからです。
そこで凱たちはいっそ開き直って自分の弱さを認めました。他人のために犠牲になることを受け入れる心の強さも無い弱い自分達は、それゆえに絶対に死にたくない。死なないためには勝つしかない。だから弱い自分達が力を合わせて戦って、何が何でも勝ち抜いて生き残るしかない。弱い人間の戦い方はそれしかないと開き直った凱たちは仲間の結束を強め、必死で訓練を積んで戦い抜き、最終的にバイラムを倒して自分の命を守り抜き、仲間を守り抜き、そして世界を守り切ったのでした。
そして戦いを終えた時、凱たち5人はそれこそがジェットマンの力だと悟りました。決して世界を守るために自分の身を犠牲にすることを辞さないヒーローのような強さは無いが、やむにやまれぬ戦いに踏み込んだごく普通の弱者が自分の弱さを直視して力を合わせて戦って何が何でも勝ち抜く姿勢、それがジェットマンの力でした。それを教えてくれたのは自分自身の弱さ、そして弱さを見せてくれた仲間達でした。
それら全てに感謝した凱たちは、ジェットマンの仲間はあくまでヒーローとしてではなく一般人として生きていこうと戦いの終わった後にジェットマンの絆のもとに誓い合い別れました。その後、凱は些細なトラブルに巻き込まれて事故死してしまいましたが、そういうあくまで一般人としての死で人生を全うした自分がいかにもジェットマンとして相応しく思えて満足していました。

だから、他の仲間4人にも一般人として生き、一般人として死んでほしいと思っていた凱は、竜たちが自分達の存在と引き換えにして宇宙を救おうとしているのを見て、そんなヒーローらしい最期はジェットマンらしくないと思えたのでした。
ジェットマンならそんな潔く自分を犠牲にせず、弱さを自覚して必死に戦い続けるべきだろうと思った凱でしたが、戦うといっても自分達は「大いなる力」を半分失ってしまって変身して戦うことは出来ない。いや仮に「大いなる力」を取り戻して戦えるようになったとしても、長期的に見て勝ち目が薄いのは確実です。このまま戦い続けても世界も、そして自分達自身も生き長らえることは出来そうにない。そういう状況の中で自分達を犠牲にすれば確実に世界は救うことが出来ると聞けば、竜たちが自己犠牲の道を選ぼうとするのも無理も無い。理屈としては凱もそういう選択も有りだということは分かります。
しかし凱としては世界や宇宙の運命がどうなろうともジェットマンの仲間たちがジェットマンらしくない行動、自己犠牲的な強いヒーローのような行動をとることはどうも許せなかった。それは確かにジェットマンの絆の誓いを守ろうとする凱の意地でありましたが、この状況でその誓いにあくまでこだわるのは凱の我儘と言われても仕方ない。竜たちに「ジェットマンらしく生きろ」などと説教したところで、この状況では竜たちを説得することはおそらく出来ないだろうと思った凱は、こうなれば竜たちを騙してでも自分のジェットマンとしての意地を通してやろうと考えました。

そこで凱はアカレッドがガレオンで旅立ったのを見送った後、世界を救うためなら自分達の「大いなる力」をアカレッドが連れてくる35番目の戦隊に渡してもいいと言う竜たちに向かって、自分もその方針に賛成だと前置きした上で、その35番目の戦隊に会って「大いなる力」を渡す役目は自分にやらせてほしいと言い出したのでした。竜たちは驚いて、死んでいるのにそんなこと出来るのかと凱に尋ねました。それに対して凱はまた今回みたいに一時的に下界に降りてくればいいと言い、むしろ死人だからこの役目に適しているんだと言葉を続けました。
意味が分からなくて首を傾げる竜たちに向かって凱は、その35番目の戦隊の奴らはきっと危険な連中だからだと説明を始めました。凱の言い分は、ザンギャックの支配する宇宙でザンギャックに刃向って戦い続けている連中がいるとすれば、それはかなりトンデモない連中であって、常に争いを呼び込むような連中に違いないというものでした。アカレッドが見込んで連れてくるのだから正義の心は持っているのであろうが、極めて敵の多い連中であるのは間違いない。だからきっと35番目の戦隊の連中は争いを地球にまで持ち込んでくる。
そんな35番目の戦隊に変身して戦う力を失った者が接触するのは危険であり、特にジェットマンのメンバーの場合はずっとごく普通の一般人として生活してきたので変身できない状態で35番目の戦隊に接触するのは特に危険と思われる。その点、死者の霊である自分ならばこれ以上死ぬことはないのだから多少の危険は平気であり、危なくなればすぐに回避することも出来ると凱は言いました。だからジェットマンの5人の中では自分が35番目の戦隊に接触するのが一番適役なのだと主張した凱は、これまでずっと毎日欠かさず墓守をしてもらったお返しをしたいのだと言って竜たちに頭を下げ、きっと35番目の戦隊がジェットマンの志を継ぐに相応しい戦隊であることを見極めて上手くやるから、どうか俺に任せてほしいと頼み込みました。
それを聞いて竜たちは確かに35番目の戦隊に「大いなる力」を渡すためにはまずは35番目の戦隊の志を知らねばならないことに気付き、そのためには彼らに深く接触しなければいけないが、そこに危険が伴うという凱の予想は尤もであるように思いました。そして確かに凱ならばそうした危険の中でも上手くやってくれるであろうとも思えました。とにかく竜たちは凱にこうして頭を下げて頼まれてしまえば、凱がジェットマンを代表して35番目の戦隊と接触することを拒絶するような理由は何も無い。もともと凱のことを仲間として深く信頼しているので、凱が自分達の代表を務めることに何の異論もあろうはずもない。
ただそれでも凱1人に危険な任務を押し付けるわけにはいかないと、竜も同行すると申し出ましたが、凱は竜に万一のことがあったら香が悲しむからダメだと言って頑として1人で行くことを譲らず、竜も結局は凱の熱意に押し切られて、凱1人に任せるという結論となったのでした。

15jet01.JPG凱は一旦天国に戻って、そこから下界の地球にやって来た35番目の戦隊を観察し、適切なタイミングで35番目の戦隊に接触して「大いなる力」を渡すことを試みるということになり、ジェットマンの他の4人は凱を信じて任せるという方針が決定しました。だが凱としてはこうしてとりあえず35番目の戦隊と竜たちが直接接触して安易に「大いなる力」を渡してしまわないようにすることが出来ればまずはOKであって、実はそこから先はどうするのかあまり深く考えていませんでした。
凱としてはジェットマンが宇宙の平和のために安易に自己を犠牲として捧げるような結末は望んでいなかったので35番目の戦隊に「大いなる力」を渡したくはない。だから35番目の戦隊と接触しないのも1つの手でしたが、35番目の戦隊の方からジェットマンを探すようになれば、彼らが竜たちのもとに辿り着くのを阻止するために結局は凱は35番目の戦隊に接触するしかない。
「大いなる力」を渡したくないのに35番目の戦隊とは会わねばならない。きっぱりと「大いなる力」を渡すことを拒絶してもいいのだが、凱とてこのままザンギャックの再侵略になす術なく蹂躙されていくことを望んでいるわけではなく、もし地球に危機が迫るのであれば何か対抗策は必要だと思っており、その最後の切り札が「この星の意思」の言っていた策であることも分かってはいます。その道をきっぱりと捨てることにもちろん躊躇はあります。
結局は凱も迷っているのであり、そもそもザンギャックの再侵略があるのかどうかも現時点では分からないし、とにかく成り行き任せであり、いずれ35番目の戦隊と会う時、その時の状況次第、相手次第で出たとこ勝負しかないと凱はかなり適当に考えていました。ひとまず竜たちと35番目の戦隊との安易な接触さえ封じることが出来れば良い、それだけしかハッキリした凱の方針はありませんでした。

とにかくそういう方針が決まり凱は安堵して、戦いが終わって今後の方針も決まった以上、早く戻らないと女神様に叱られちまうんで、そろそろ自分はあの世に帰らせてもらうと竜たちに告げました。そして、名残惜しそうに見つめる竜たちに向かって、またこれからも墓守を頼むと笑って凱は姿を消し、その場に残された竜たち4人はしばらくしんみりしていましたが、静かに立ち去っていき、再び元の生活に戻り、以前と変わらず交代で毎日欠かさず凱の墓守を続けたのでした。
一方、天国のバーに戻った凱は竜たちをはじめ34戦隊の戦士たちに姿を見せて戦ったことで女神からお小言を頂戴する羽目となりましたが、凱も実際理央やメレの能力のことは想定していなかったので、あれはワザとじゃないと説明して謝り、結局は凱が今後は女神のリクエストによるサックス演奏を断らないという条件で許して貰うこととなりました。その上で女神は、それにしてもよく無事で戻ってきたものだと呆れ顔で凱に言いました。そして、どうやら天国に戻ってくる前の竜たちと凱の会話も聞いていたようで、女神はまた地上に行って危ないことをするつもりなのかと呆れたように凱に問いかけました。
凱は自分は死人だから危険な目にあっても大丈夫であるかのように言っていましたが、実際は死者の霊が下界に降りて肉体を得て、そこで肉体的死に至るようなダメージを受けた場合、霊体に致命的ダメージを及ぼし、完全消滅してしまう恐れがあったのでした。女神はそもそも凱が下界に降りたところで自力で仮初の肉体を得ることも出来ないであろうとタカを括っていたのですが、凱がそれを成し遂げてしまったので驚くと同時に、その状態で戦いに参加すれば極めて危険だと思いハラハラして見守っていました。
その凱がなんとか無事に戦いを終えて勝利を掴んだのを見て女神もようやく安堵していたのですが、その凱が戦う力を失ったというのにまた危険に飛び込もうとしているのを見て、もう呆れるしかありませんでした。その女神の問いかけに凱はニヤニヤ笑いながら、あれはあいつらを危険な目に遭わせないための方便だと答え、また下界に降りる機会があったとしても俺だってもう今回みたいな危険な目に遭うのは真っ平だから心配するには当たらないよと言って、バーカウンターに腰かけて空のロックグラスを手に取って、女神に酒をおねだりするのでした。
女神は相変わらずどうも信用できない男だと思って凱を見つめ、どうしてこんないい加減な男が天国に来ているのだろうかと溜息をついて、カウンターの中に入って凱のキープボトルを取出してから、凱のグラスに氷をつまんで入れ始めたのでした。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 21:01 | Comment(0) | 海賊戦隊ゴーカイジャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月11日

海賊戦隊ゴーカイジャー妄想物語その13


0138.jpg


さて、レジェンド大戦終了直後に戻って、今度はザンギャック側の動向を見ていきます。

ザンギャック本星の総司令部では、地球に派遣している自軍の全軍が地球でしつこく抵抗を続けていたスーパー戦隊という連中を倒した上で最後にゴセイジャーを討伐するために全軍が集結し、いよいよ地球征討戦争を勝利して終えるところまでこぎつけたのだと理解していました。ところが地球でその最後の戦いにザンギャック全軍が突入した後、地球派遣軍からぷっつり連絡が途絶えてしまったので総司令官のワルズ・ギルや参謀総長のダマラスをはじめ、幕僚たちはみんな不審に思いました。
月面に前線基地はあり、全軍が総攻撃のために地球方面に出払っていて、月面基地には少数の警備兵と数隻の戦艦、あとは整備班などの非戦闘要員しか残っていませんでしたが、ワルズ・ギルが月面基地に状況を問い質したところ、どうやら全軍が突如激しい戦闘に巻き込まれた様子で、月面基地でもあまり状況は把握出来ていないようでした。
そうこうしているうちに地球で戦っているザンギャック軍を検知する反応が月面基地のレーダー上から見る見る減っていき、遂にはそれが全部消えてしまったので、信じがたいことだが自軍は全滅したようだと月面基地では結論を出すしかなく、その旨をザンギャック本星の総司令部に報告してきました。
0107.jpgワルズ・ギルは自分の指揮する作戦で配下の軍が全滅したなどという不名誉を現実として受け入れることが出来ず、何度も月面基地に事実確認をするよう繰り返し指示しましたが、月面基地は様々なデータを示して、どういう事情によってなのかは不明ながらとにかく地球派遣軍が月面基地の僅かな数の留守番部隊を残して全滅したのは間違いないと伝えます。それでもワルズ・ギルは信じようとはせずに月面基地の兵と押し問答を続けていましたが、参謀総長のダマラスはこれは一大事だと思い、すぐに司令室を出て皇帝アクドス・ギルに拝謁し、事の次第を報告しました。するとその話を聞いたアクドス・ギルはすぐにダマラスを伴って司令室にやって来て、緊急事態だと言ってワルズ・ギルから指揮権を取り上げて事態の収拾にあたることにしました。
アクドス・ギルは息子ワルズ・ギルが困った失態をやらかしてくれたものだと思いましたが、それでも帝国の後継者であるワルズ・ギルに非があるという形にするわけにはいかなかった。息子個人のためならばむしろ厳しく叱責する方が良いのでしょうが、アクドス・ギルが重視したのはあくまで自らの築き上げた帝国の安定であり、そのためにはただでさえあまり評価の高くない皇太子ワルズ・ギルの責任を追及するようなことは出来ません。
ワルズ・ギルは何ら欠点の無い無謬の総司令官でなければならず、それは別に虚像でも構わないというのがアクドス・ギルの考え方でした。だからこそ司令室でこれ以上息子が醜態を晒すことがないように一旦指揮権を取り上げてワルズ・ギルを退室させたのですが、ワルズ・ギルの方は指揮権をいきなり奪われて、父が怒っているのだと思い怖くなり、父に告げ口をしたダマラスを不快に思い、更に自分は父とダマラスに恥をかかされたのだと考えて腹立たしく思いました。

一方、司令室に残ったアクドス・ギルとダマラス以下の幕僚たちの許には月面基地から思わぬ報告が寄せられました。それは地球で全滅した軍の生き残りが月面基地に戻ってきたという報告でした。戻ってきたのは例のシドの上官の特殊部隊の隊長ただ1人でした。その隊長の報告は以下の通りでした。
彼の乗っていた戦艦がゴセイジャー討伐のために所定の目的地で戦闘に従事していたところ、突然背後から攻撃を受けました。既にゴセイジャー以外のスーパー戦隊は撃破したとの報告は受けていたので一体何者による攻撃なのか分からず、ザンギャック軍は混乱状態に陥り同士討ちまで始める始末でしたが、暫くすると襲ってきた敵はスーパー戦隊らしいと判明しました。信じられないことに全く何の前触れもなくザンギャック全軍をスーパー戦隊が包囲しており、凄まじい勢いで攻撃してきていたのです。
それゆえ、スーパー戦隊はザンギャック軍が把握していた比較的少数の精鋭部隊ではなく、ザンギャック軍を圧倒するほどの質と量を誇る巨大な敵であったのだとザンギャック軍の兵達は悟り(実際は誤認だが)、自分達がまんまと罠に嵌められたのだと感じてパニックに陥った。
隊長が把握している戦闘の記憶は一旦ここで途切れています。何故なら、隊長はその直後、自分の乗っている戦艦を含む一艦隊ごと、突如割れた空に呑み込まれて奇妙な空間をしばし彷徨い、その後、元の戦場の空間に戻った時には、ザンギャック軍は自分達の艦隊を除いては全滅していたからです。だから、どうやってザンギャック軍が全滅したのかは隊長には詳細には分からなかったが、状況から考えてスーパー戦隊の大軍によって全滅させられてしまったのだろうと思えました。
そのスーパー戦隊は何処に行ったのだろうかと隊長たちが不思議に思って眼下の地上を見下ろすと、スーパー戦隊の戦士たちと思しき一団が地上に立っており、自分達の艦隊を見上げているのに隊長たちは気付きました。スーパー戦隊が実はとんでもない大軍であったと思っていた隊長たちはその200人程度の戦士たちを見て斥候であろうと考え、状況はよく分からないながらも自分達の艦隊の所在をスーパー戦隊の本軍に報告されてはマズいと思い、眼下のスーパー戦隊の戦士たちを皆殺しにしようと思い攻撃を開始した。
0109.jpgすると突然、地上のスーパー戦隊の戦士たちが巨大なエネルギー弾のようなものを発射してきて、あっという間に上空のザンギャック艦隊は全滅させられてしまった。この隊長だけはさすがに特殊部隊の指揮官だけはあって、たった1人だけ間一髪の脱出に成功し、命からがら救命ポッドで戦場を離脱して、何とか月面基地に戻ってきたのでした。

慌てて逃げ出してきたゆえ、隊長はスーパー戦隊の戦士たちが戦う力を失ったことも把握していないし、そもそも戦闘の大部分の時間を豪獣ドリルの暴走のせいで起きた時空の歪みに呑み込まれていたせいで、スーパー戦隊の勢力を途轍もなく巨大なものだと誤解したままでした。そして最後にスーパー戦隊の戦士たちの放った「大いなる力」の攻撃を目撃したため、隊長はその凄まじい威力に恐れをなし、あんな少数の戦士たちでもあれほどの破壊力のある攻撃を発することが出来るのだから、スーパー戦隊の本軍がザンギャック全軍を全滅させることが出来たのも確かに納得できると思い込みました。
そうして隊長は「地球にはザンギャックの常識を超えた強大な力を持つスーパー戦隊という戦士たちが居り、それによってザンギャック軍は全滅した」と、月面基地から皇帝アクドス・ギルに報告しました。もちろんそれは内密な報告で、報告を聞いたのはアクドス・ギルとダマラスだけであり、月面基地でも隊長はそのことを他の誰にも喋っていませんでした。この宇宙にザンギャック軍よりも強大な力を持つ者が存在するなど決して知られてはいけないことであることぐらいは隊長ももちろん分かっていたのです。
ただ、そうは言っても、スーパー戦隊が途轍もない力を持っているという事実は隠蔽することが出来るとしても、ザンギャック軍が地球で全滅したという事実に関しては、既に月面基地でも本星の総司令部の幕僚たちの間でも周知のこととなってしまいました。これをどのように隠蔽して帝国の宇宙統治に動揺をきたさないようにするかが問題です。
ただでさえ帝国の中央軍をそのまま連れていった地球派遣軍が全滅したとなれば、本星の防衛も含む帝国中央部の軍備が手薄になり、その補充のために全宇宙のザンギャック軍の編成をだいぶ弄らないといけなくなり、それは帝国内の軍事バランスを混乱させることになり、帝国の統治力は低下します。そこにザンギャック軍の弱さなどが流言されると反乱なども誘発する可能性がある。そうならないようになんとか引き締めていかねばならない。そのあたりアクドス・ギルはしばし熟慮して方針を決定しました。

0108.jpgまず、もちろんスーパー戦隊が強大な力を持っていることやザンギャック軍を打ち破ったということはアクドス・ギルとダマラスと特殊部隊隊長だけの秘密として他には伝えないことにしました。ただ、もちろん地球でザンギャック軍がスーパー戦隊と戦っていたことや、その戦いの末にザンギャック軍が全滅したということは月面基地でも総司令部の幕僚たちの間でも周知の事実であったので、ザンギャック軍が地球で全滅した理由をスーパー戦隊以外に何かでっち上げる必要がありました。
かといって普通に戦って作戦の失敗で負けただけとするわけにもいきません。そうなれば総司令官であり次期皇帝であるワルズ・ギルの権威に疵がついてしまいます。また、もし普通に戦って負けたとなれば当然ザンギャック帝国としては雪辱戦をしなければならないが、地球に測り知れない力を持つスーパー戦隊が存在すると分かった以上、無計画に攻めるのは危険でした。下手したら敗北を重ねることになり、いっそう帝国の権威が地に堕ちる危険もあります。だから、地球を攻めるにしてももう少しスーパー戦隊について秘かに情報を収集してからでなければいけない。その間の時間稼ぎが何か必要でした。
そこでアクドス・ギルは現地軍の内部に裏切り者がいたのだということにしました。それもかなり大規模な帝国への反逆組織の策謀によるものだとして、まずはその反乱分子の討伐を先に行わねばならないのだということにしたのです。そうすれば当面は地球を攻撃しなくて済むので、反乱分子との戦いの間にスーパー戦隊について情報を集めればいい。現地軍に裏切り者がいたのならザンギャック軍の敗北はスーパー戦隊の謎の力無しでも説明はつきますし、作戦ミスというわけでもないので本星で指揮をとっていた総司令官のワルズ・ギルの経歴に疵もつかない。
だが実際はそんな裏切り者や反乱分子などは実在しないので、誰かをスケープゴートにしなければならない。そこでアクドス・ギルは月面基地に残っていた非戦闘員のスタッフの中に帝国への反逆組織のスパイが大量に潜入していたのだとデッチ上げることにしました。いずれにしてもザンギャック軍がスーパー戦隊と戦った上で大敗北したことを知ってしまった月面基地の者たちは生かして帰すわけにはいかない。どうせ口封じのために殺さねばならないのだから、ついでに反逆の罪を被せてしまえばいいのだとアクドス・ギルは考えました。

ただ、月面基地の者たちを皆殺しにして一件落着としてしまうわけにもいかない。それでは地球のスーパー戦隊について調べる時間稼ぎが出来ないし、ザンギャック軍の敗北やスーパー戦隊の存在を知るもう一方の存在である本星の幕僚たちの口を封じることは出来ないからです。さすがに本星の総司令部の幕僚たちを皆殺しにしたり悉く投獄したりすることは出来ない。しかしザンギャック軍の大敗やワルズ・ギルの失態を知った幕僚たちの中から皇帝一族の権威を侮り、この大敗後の帝国の混乱に乗じて不穏な動きを示す者が出てこないとも限らない。彼らを黙らせ従わせるには皇帝の圧倒的な力を示して屈服させなければならない。そのためのデモンストレーションの場が必要なのだとアクドス・ギルは考えました。
今回の権威失墜の元凶たる地球を皇帝の持つ圧倒的な力で滅ぼしてしまえば最高のデモンストレーションとなるのだということはアクドス・ギルにも分かっていましたが、何やら未知の力を持っているらしいスーパー戦隊の居る地球を不用意に攻めるのは万が一のリスクがあると、あくまで慎重なアクドス・ギルは警戒しました。デモンストレーションならば確実に成功させられる相手でなければならない。そこでアクドス・ギルは月面基地のスパイ達は幾つもの星が結託した大規模な反逆組織が送り込んだ者達であるということにして、反逆者たちの本拠地である幾つもの反逆星を叩き潰すことが急務だという事実をデッチ上げて、虚偽の征討戦争を起こすことにしたのでした。
その征討戦争の中で皇帝の圧倒的な力を幕僚たちに見せつけることがアクドス・ギルの真の狙いでした。だからそれは幕僚たちの手を借りるような通常の征服戦争ではない。あくまで皇帝だけが持つ特別な力だけで圧倒的なパワーを見せつけなければならない。そうしたデモンストレーションに格好のものをアクドス・ギルは最近手に入れていました。それは帝国艦隊の新たな旗艦である皇帝専用座乗艦ギガントホースでした。
0110.jpgギガントホースに搭載した圧倒的な数のギガロリウム砲だけで実際に星を滅ぼす様を目の前で見せつければ、幕僚たちも帝国艦隊の一部を率いて反乱など起こしたところでギガントホースを保有する皇帝一族には敵うはずもないことを悟り、愚かな野望を抱くこともなくなり、帝国は丸く治まるであろう。そのためなら反逆星の汚名を被せて幾つかの星を滅ぼすぐらい仕方のないことだとアクドス・ギルは考えました。

アクドス・ギルは極秘回線を使ってそうした計画を月面基地の特殊部隊隊長に伝え、月面基地の兵達には現地の非戦闘員スタッフ達の裏切り行為によってザンギャック軍は全滅したのだということが判明したのだと説明するよう指示しました。そして、その上で残兵たちを率いて月面基地の戦艦に乗り込み、上空に浮上して月面基地を攻撃、破壊し、非戦闘員スタッフを基地ごと皆殺しにするよう指示しました。
隊長はアクドス・ギルからのそうした指示に従い、まず月面基地の兵達に現地軍の非戦闘員スタッフ達が裏切ったので敗戦したのだと虚偽の説明をし、それを聞いた兵達は激怒して非戦闘員スタッフたちを次々と捕えていきました。突然捕らわれたスタッフたちは驚いて兵達に理由を尋ね、兵達はお前達の星が手を組んで帝国に反逆してお前達をスパイとして送り込んできたことが露見したのだと罵りました。当然全く身の覚えの無いスタッフ達は事実無根だと言い返しましたが、兵達はスパイの言うことなど嘘だと決めつけて聞く耳を持たず、抵抗するスタッフ達を殺戮していきました。
ただ、基地に残っていた非戦闘員のスタッフ達は兵達よりも圧倒的に多く、慌てて逃げ出して基地内に隠れた者達も多かったので、兵達も基地内の掃討戦に深入りする不利はすぐに悟り、特殊部隊隊長の指示に従い格納庫に行き、基地に残った数隻の戦艦に分乗すると、他の脱出用の宇宙船を全て破壊して基地内のスタッフ達の逃げる手段を奪って閉じ込め、戦艦を発進させて月面基地上空からの砲撃で基地を吹き飛ばして、スタッフ達を1人残さず虐殺したのでした。

しかしその直前、月面基地から宇宙の彼方の故郷の星に向けて必死のメッセージを送った者がいました。基地内で非戦闘員への殺戮が始まった時に驚いて物陰に隠れた例のエンジニアのドッゴイヤー家の一同は、ザンギャック軍が自分達の星が帝国に反逆したと決めつけていることに驚きました。息子たちは酷い誤解だと憤りましたが、ザンギャック帝国の遣り口に詳しい父親はそうではないと思いました。
これは誤解などではなく、何らかの陰謀なのだと直感した父親は、どんなに説明して誤解を解こうとしても無駄であり、故郷の星は問答無用で滅ぼされると予想し、もはや自分達は基地から逃げ出すことも出来ず殺されるのだろうと覚悟を決め、せめてただ1人故郷に残して来た末の息子のドンをはじめ、故郷の星の人々を少しでも多く生き延びさせたいと思いました。
そこで父親は秘かに持ち込んできていた小型メッセージカプセルに大急ぎで故郷のドン宛てのメッセージを打ち込みました。自分達は反逆者の嫌疑をかけられてこれからザンギャック軍に殺されるということ、必ず自分達の星を反逆の罪でザンギャック軍が滅ぼすだろうからすぐに人々に危険を知らせて皆で脱出するようにということ、ザンギャックが甘い態度を示しても決して信用せずに必ず逃げること、これらの事項を大急ぎで打ち込むと父親は基地の外に向けてカプセルを射出し、その直後、上空の戦艦からの砲撃で月面基地は木端微塵に砕け散りました。だが、射出されたカプセルは掌サイズの小型のものだったのでザンギャック戦艦にも感知されずに無事に宇宙空間を飛んでいき、自動的に故郷の星のドッゴイヤー家を目指して宇宙空間を航行していったのでした。

0111.jpg一方、特殊部隊隊長から首尾よく月面基地を破壊して非戦闘員のスタッフ達を皆殺しにしたという報告を受けたアクドス・ギルは、すぐに残存部隊を引き連れて本星に帰還して事後処理の顛末の詳しい報告をするよう指令し、それを受け、隊長は数隻の戦艦を率いて太陽系から去り、宇宙の彼方のザンギャック本星に向かいました。
そしてアクドス・ギルは本星の総司令部の幕僚たちに向かい、まずは中央軍の地球における壊滅を極秘事項とするよう命じ、迅速かつ隠密に宇宙各方面のザンギャック軍の再編成を行い、中央軍の抜けた穴を埋めて帝国内の軍事バランスを維持するよう厳命しました。そしてその上で、アクドス・ギルは今回の地球における敗戦の原因は現地軍の中に紛れ込んだ反逆組織のスパイの攪乱工作によるものだったことが判明したと言い、軍の再編成が落ち着いたらすぐに反逆組織の根拠地となっている星々を討伐するという方針を幕僚たちに向けて表明しました。
この全く寝耳に水のような話に幕僚たちは戸惑い、誰がそのような報告をしたのかと質問したところ、アクドス・ギルは皇帝親衛隊の独自の調査網によって判明したことだと言うだけであったので、幕僚たちは内心では全く信用しませんでした。幕僚たちはワルズ・ギルの無能な司令官ぶりをずっと見てきていましたから、敗戦の責任は明らかにワルズ・ギルおよび彼の暴走を止められなかった自分達幕僚のミスにあると分かっていました。それゆえ皇帝がとにかく不肖の息子である皇太子の権威を守るためにスパイの嫌疑などをでっち上げているのだろうということは賢明な幕僚たちには察しはつきました。

それゆえ、幕僚たちはやや白けた気分で、軍の再編成には時間もかかり、暫くは反逆組織への討伐戦争に大軍を回す余裕は無いのではないかと意見しましたが、それを聞いたアクドス・ギルはそうした幕僚たちの反応を予想していたかのように、本星の防衛に他の軍を回す余裕が無いというのならば本星の防衛は自分がギガントホースに座乗して自ら行うと言い渡したので、幕僚たちは青ざめて慌てました。帝国艦隊の最大最新鋭の旗艦ギガントホースが圧倒的な戦闘力を有していることは幕僚たちは承知しており、その艦に伝説の最強皇帝アクドス・ギルが現役復帰して完全武装で乗り込み、自分達の頭上で睨みを効かせるというのですから、思わず恐怖を感じたのです。
だがアクドス・ギルは平然とした顔で更に言葉を続け、ある程度軍の再編成が進み本星の防備に新たな戦力を投入する目途が立ったなら自分がギガントホース1艦だけで反逆星の討伐に出向くので、別に大軍を出す必要など無いが、その代わり幕僚は全員ギガントホースに同乗して討伐戦争に参加するよう言い渡したのでした。これを聞いて幕僚たちはますます緊張に身を固くしました。要するに自分達は本星の防衛においても全くアテにされておらず、むしろ留守中に反乱でも起こしかねない危険分子扱いされているのだと、彼ら優秀な幕僚たちは察することが出来たのです。
ここまで圧倒的な自信と、それを裏打ちする実力を有した皇帝に猜疑の目を向けられているのは自分達が帝国のこの手痛い敗戦を知ってしまったゆえであり、今の時期に皇帝への忠誠が疑われるような行為は自殺行為となるのだと皆が思い、震え上がりました。愚かなワルズ・ギル相手ならば侮った気持ちも内心抱いていた幕僚たちも、皇帝アクドス・ギルのこの先手を打った恫喝によって震え上がり、むしろアクドス・ギルは彼らに競って忠誠の態度をとらせることに成功したのです。

これだけでもう帝国が揺らぐ可能性は低くなったといえますが、それでもあくまで慎重な皇帝アクドス・ギルは実際に皇帝一族の持つ圧倒的な力を若い幕僚たちの脳裏に刻み込むことによって、次代まで帝国の統治を安泰ならしめることが出来ると考え、ギガントホースによる反逆星の討伐はあくまで実行するつもりでした。だが、その際にギガントホースに乗って自分が本星を離れてしまうと、やはり本星の防備が手薄になる。反乱防止のために幕僚たちをギガントホースに乗せて連れていき、本星の防衛はワルズ・ギルの下に皇帝親衛隊を半分置いて当たらせるつもりでしたが、それでもどうしても本星の防衛は戦力不足でした。
0112.jpg自分がギガントホースに乗っている以上は反乱を起こそうなどという愚か者はそうはいないだろうと思っていたアクドス・ギルですが、それでも万が一に備えて手を打っておくことにしました。以前から帝国一の科学者といわれており、行動隊長の改造手術の第一人者として知られていたザイエンが艦艇に代わる新たな決戦兵器として最近熱心に提唱していた人型の搭乗巨大ロボット「決戦機」の開発配備にゴーサインを出したのです。こうしてザイエンはアクドス・ギルの前面支援を受けて、さっそく急ピッチで決戦機を増産し、アクドス・ギルは皇帝親衛隊の隊員たちにそれら決戦機を与えて操縦させて本星の防衛体制を向上させていくことにしました。

そうした動きが始まった頃、地球での戦いが終わって1ヶ月ほど経った、地球暦で言うと2012年1月の終わり頃、月面基地から引き揚げてきたザンギャック軍の戦艦数隻の残存艦隊がザンギャック本星の近くまで戻ってきました。アクドス・ギルはギガントホースを発進させてその残存艦隊を出迎え、ギガントホースの手前で停船させると、裏切り者が何をしに本星へやって来たのかと糺しました。
このあまりに意外な皇帝の言葉に驚いた残存艦隊の兵達は裏切り者とはいったい何のことなのかと抗議しましたがアクドス・ギルは聞く耳を持ちません。アクドス・ギルは最初から月面基地の残兵たちも生かしておく気は無く、ザンギャックの敗戦やスーパー戦隊の存在を知っている彼らも反逆組織の一員であったということにして葬り去るつもりで本星に呼び寄せたのです。彼らは反逆組織の一味であって本星でのテロ計画のためにやって来たのだとの虚偽情報をアクドス・ギルから聞かされていた本星防衛隊の兵達も残存艦隊を包囲して敵意を剥き出しにしています。
だがアクドス・ギルは残存艦隊の中に例の特殊部隊隊長の姿が無い様子だということに気付き、残存艦隊の兵たちに隊長はどうしたのか尋ねました。すると兵たちの言うには、隊長は皇帝からの急に指令で自分だけ先に本星に来るように言われたので戦艦に積んであった小型高速艇で出発したはずだと言います。それを聞いて、アクドス・ギルは隊長がこの展開を先読みして逃げたのだと悟りました。

隊長は皇帝アクドス・ギルがザンギャック軍の敗戦を知った残兵たちを生かしておくはずがないと読んでいたのです。特にスーパー戦隊の謎の巨大なパワーという帝国にとっての重大機密を知ることになってしまった自分を必ず口封じのために殺すであろうことは、隊長自身がこれまでにもそうした帝国のエゴのための数々の暗殺を命じられてきただけに、嫌になるほどよく分かっていました。
だから隊長は本星には戻らずに途中で逃げたのであり、普通に逃げたのではすぐに捕まってしまうので、残存艦隊に乗る他の残兵たちを囮にして逃げるため、他の残兵たちには事情は一切説明せずに本星に行かせて見殺しにして、アクドス・ギルが残存艦隊を攻撃している間に自分だけは出来るだけ遠くに逃げるというのが隊長の作戦でした。アクドス・ギルはまんまと隊長の策に嵌ってしまったことになります。そのことを悟ったアクドス・ギルはギガントホースの砲撃で残存艦隊を乗員ごと吹っ飛ばして始末すると、ただ1人逃亡した反逆者である元特殊部隊隊長を全宇宙の指名手配犯とし、その行方を探し出して殺すよう官憲に命じました。
とはいっても相手は特殊部隊のリーダーですから、並大抵の者では探し出して捕えることは出来そうもない。そこでアクドス・ギルは特殊部隊には特殊部隊をぶつければいいと考え、特殊部隊の最精鋭メンバーを裏切り者の元隊長への追手に差し向けるよう指令を下しました。その結果、地球での怪我が癒えて現場に完全復帰したばかりの特殊部隊のエースのシド・バミックにも隊長追討の命令が下されたのでした。
それだけ措置を講じておけば、何処に逃げようともいずれは隊長も始末はつくだろうと考え、アクドス・ギルはもう隊長のことなどどうでもよくなり、後は下の部局に任せることにしました。そんなことよりも、アクドス・ギルはそろそろギガントホースを使っての一大デモンストレーションの準備の方に取り掛かることの方が大事であったのです。

0113.jpgさてそれと同じ頃、ドン・ドッゴイヤーの住む星では平和な日々が続いていましたが、ある日、ドンが学校から自宅に戻ってくると郵便受けの中にカプセルが入っていて、自宅のパソコンに繋いで中身を見てみると、それはザンギャック軍の軍属として出稼ぎに出ている家族からのメッセージでした。今回は軍事作戦に同行する仕事だと聞いており、そういう場合は軍属が勝手に外部に連絡することは基本的に許可されないことになっており、実際これまでにこういう場合に家族が自宅に連絡してきたことなど無かったのでドンはこれが異常な事態だと感じました。
いや、そもそもそのメッセージの内容が極めて異常な内容でした。よほど急いで文面が打ち込まれたようで、詳細な経緯の説明などは一切無い。そもそもドンの家族たちが何処の星に行っていたのかすらメッセージには記載されていませんでした。ただとにかくそこに書いてあったのは、ドンの家族達が反逆者の嫌疑をかけられて殺されるということと、ザンギャック軍がドンの住む星も必ず滅ぼすだろうから人々に危険を知らせてみんなで逃げるようにというドン宛てへのメッセージでした。
あまりに突拍子も無い話にドンは驚愕し、最初はとても信じられませんでした。このメッセージの内容が真実ならば、いったいこのメッセージがいつ出されたものなのかは不明ながら、おそらくドンの家族は既に死んでいるのだろうと思われましたから、そんなことが真実であろうはずがないとドンは思ったのです。
しかし、このような特殊なメッセージカプセルを使う者はその星では第一人者のエンジニアであったドンの父親ぐらいしか考えられず、これは確かに自分の父親が出したメッセージであり、父親がつまらない冗談などをメッセージカプセルに入れて送ってくるはずもないことはドンにも分かっていましたから、やはり信じたくはないがこれは本当の話なのではなかろうかとドンには思えてきました。
だとすると、ザンギャック軍はもうすぐドンの住む星を滅ぼそうとしているということになる。もちろんドンの家族たちが帝国への反逆者であったはずもなく、もし家族がザンギャック軍に殺されたのだとしても、それは間違いなく誤解に基づくものでした。その誤解に基づいてザンギャック軍がドンの住む星を滅ぼそうとしているとは、あまりにムチャクチャな話であり、ちょっと信じられない話です。実際、そのような兆候があるようにはドンにも感じられませんでした。
こんな話を他の人達に知らせたところでとても信じてもらえるとは思えない。笑われるだけだと思って尻込みしたドンでしたが、それでもこのメッセージが自分の家族が命懸けで自分に託した遺言のようなものかもしれないと思うと、やはりその託された使命を果たさなければならないような気がしてきて、ドンは思い切って周囲の人達に相談してみました。予想通り、多くの人達はまともに取り合ってくれませんでしたが、学校の先生が1人、決してドンの話の内容を信じたわけではないが、一応真面目にドンの相談に乗ってくれて、ドンの父が高名なエンジニアであったこともあって、ドンはTV局の取材を受けてこのメッセージの中身についてその星の住人みんなに向けて知らせて、警告を発することが出来ました。

だがその評判は芳しいものではありませんでした。もともとドッゴイヤー家はザンギャックに媚びていると悪口を言われるほどにザンギャック寄りであり、そんな家の者たちがザンギャックから反逆者扱いされるとはとても信じられないという懐疑的意見や、逆にそんな家の者たちがザンギャックに殺されたのならいい気味だという意地悪な意見、また他には以前はザンギャックに媚びていたクセに急にザンギャック批判をするとはとんでもない変節漢だという感情的な非難など、散々は悪意に満ちた意見がドンを襲うことになったのでした。
それはもともとドンの星ではザンギャックに対して不満が燻っていたからでもあり、それでありながら、まさかザンギャックがかなりザンギャックに従順なこの星を滅ぼしたりするはずがないという安心感もあったからでありました。
仮にドンの家族がザンギャックに殺されたのが本当だとしても、彼らが反逆者だなどとは信じられないからザンギャックは誤解していることになる。いや、仮に誤解ではなく本当にドンの家族が反逆者であったとしても、それはあくまでもドンの家族だけの問題であるというのがこの星の他の人々の意見でした。自分達まで巻き添えになって滅ぼされる理由など無い。
これまでも内心不満は抱きながらも、それでもザンギャック帝国に対して忠誠を尽くしてきたという自負はこの星の人々にはありました。そんな自分達をザンギャック皇帝が問答無用で滅ぼしたりするはずはない。もしザンギャックの方から何か言ってきたとしても、きっと誠意を尽くして事情を説明すれば誤解は解けて、この星が滅ぼされるような事態にはならない。誰もがザンギャックに対して怖くて反逆の意思など持っていなかったので、自分達がザンギャックに滅ぼされるなどという事態を想像することが出来なかったのです。それで人々は自分達の身に迫る危機には思い至らず呑気にドンの話を聞き、無責任な非難を浴びせるだけでありました。
これにはドンも参ってしまい、やはりTVなどに出て余計なことを言うのではなかったと後悔しました。周囲の身近な人達もドンを非難まではしなかったものの、これ以上世間に向けて余計なことを言わない方がいいと忠告してくれて、ザンギャック軍が何も言ってこないところを見ると、あのメッセージは何かの間違いであり、きっと家族も生きて戻ってくるだろうと言って励ましてくれたので、ドンもそうかもしれないと思うようになり、静かに家族の帰りを待つ生活に戻ることにしたのでした。
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2013年04月21日

海賊戦隊ゴーカイジャー妄想物語その14


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さて、アカレッドがナビィと共に1人と1羽だけの「赤き海賊団」を立ち上げて、改めてレンジャーキー探しの旅を開始した頃、ザンギャック帝国の支配下のとある惑星では、マーベラスという名の若い宇宙海賊が喧嘩三昧の生活を送っていました。
このマーベラスという男、かつて7年前に貨物船で密航しようとして宇宙空間でザンギャック軍の襲撃に遭遇して命を落としかけていたところを、たまたま通りかかった宇宙刑事ギャバンに救われた、あの浮浪児の成長した姿でした。あの時12歳だった浮浪児は、あの事件の後、それまでの名前を捨てて、自分でつけた新しい名前「マーベラス」を名乗るようになり、宇宙海賊になりました。ギャバンが自分の正体を明かさずにその場を去ったので、浮浪児は自分を助けてくれた男が宇宙刑事だったとは気付かず、宇宙海賊であったと勘違いしていました。
0153.jpg生まれてすぐに故郷の星をザンギャックに滅ぼされて家族も失い自分が何者であるのかも知らなかった浮浪児の少年は反逆星の生き残りとして酷い迫害を受け、このザンギャックに支配された宇宙で生きる希望を失っていました。そんな少年の心にギャバンの「素晴らしい未来を掴み取ろうとすれば人は勇気を持つことが出来る」という趣旨の励ましの言葉が響き、少年は生きる希望を再び持つことが出来ました。
それはザンギャック軍に立ち向かって自分を助けてくれたその男のように勇気ある宇宙海賊となることであり、その勇気を持つためには自分にも掴み取るべき「素晴らしい未来」が必要だと思った少年は、宇宙海賊の誰もが掴み取ることを夢見る素晴らしいお宝があると聞き、自分はそのお宝を掴み取る宇宙海賊になろうと心に決めました。そのお宝が、海賊なら誰もが手に入れたいと思いながら今まで誰も手に入れたことがないという「宇宙最大のお宝」であり、その素晴らしいお宝を手に入れるという決意の証として、少年は「素晴らしい」という意味を持つ「マーベラス」という名を名乗ることにしたのでした。

そうしてマーベラス少年はまずは海賊になるためには海賊団に入れてもらおうと思い、それなりの規模の海賊団を見つけて入団を願い出て、その海賊団は下働きでこき使えると思ってマーベラスを仲間に入れてやりました。マーベラスはまだ子供だったのでその海賊団ではひとまず戦闘要員としては扱われず、もっぱら炊事洗濯料理などの雑用の下働きをさせられました。
だが宇宙最大の宝を狙う宇宙一番の海賊を目指すマーベラスがそんな雑用係で満足するはずもなく、さすがに大人と対等に戦うのは今はまだ無理だと思ったマーベラスは、まずは航海技術を修得しようと決め、雑用の合間を縫って操舵室に何度も押し掛けて先輩海賊たちに頼み込んで教えてもらい、海賊船の操縦法を着々と修得していきました。3年はそのように操船術の習得に励み、15歳となったマーベラスはもともとスジが良かったのか、若くして一流の操船術を身に着けるようになっていました。
だがマーベラスは航海士に専念した方がいいという先輩海賊たちの意見に反して、そろそろ背も伸びて身体も大人並みになったので他の海賊たちと一緒に武器を持って船の外に戦いに出たいと希望しました。マーベラスは別に単なる航海士で終わるつもりなど無く、宇宙一番の海賊になるためには操船術だけでなく腕っぷしも一番でなければいけないと考えており、3年間みっちりと大人に混じって海賊式の戦闘術の訓練は積んでいました。それでも身体が小さいうちは足手まといになるので実戦には連れていってもらえていなかったのですが、成長期に入って急速に身体が大きくなってきたのでマーベラスは強く実戦参加を願い出て、遂に許可を得て初陣を飾ることとなりました。
マーベラスとしてはいよいよ自分の最強伝説の幕開けだと浮かれていましたが、初陣は拍子抜けするものでした。マーベラスを含んだ海賊団の部隊が武器を持って襲ったのは普通の商家や民家であり、やったことといえば一般人を縛り上げて恫喝して金品を奪う略奪行為でした。マーベラスは道徳的な教育を受けたことはないので、窃盗や殺人などの悪事に抵抗があるわけではない。だが、弱い一般人を苛めるような行為は、かつて自分が小さい頃にザンギャックや他の人々に苛められていたのを思い出してあまり良い気分はしなかった。それに何よりも、強敵と戦って腕を磨くことを期待していたマーベラスにとっては、この単なる弱い者イジメのような戦いは非常に期待外れなものでした。
その後もそうした略奪作戦が続き、不満を燻らせて参加していたマーベラスは、何度目かの略奪の際にザンギャックの官憲がやって来たので遂にまともな戦いが始まると期待しましたが、仲間たちがさっさと撤退するので驚きました。それでも1人残って戦おうとしたマーベラスでしたが、仲間たちに無理矢理連れて行かれて、結局逃げる羽目になってしまいました。

その後、マーベラスが戦えなかったことを不服がると、仲間たちは余計な戦いなどせずに奪うものを奪えば逃げればいいのだと言い、マーベラスもそれは確かに一理あるとは思ったものの、こんな手ぬるいことばかりしていて「宇宙最大のお宝」が手に入るのだろうかと不安になりました。それでマーベラスが仲間たちに向かって、つまらない略奪よりも「宇宙最大のお宝」を早く探しに行かなくていいのかと質問したところ、仲間たちは大笑いして「宇宙最大のお宝」などタダの伝説に決まっている、本当にあるわけがないだろうと言うのでした。
マーベラスは驚いて、伝説などではない、きっと在るはずだと言い張りますが、仲間たちは今までどんな海賊も「宇宙最大のお宝」など見たこともないし、それが何処にあるのか、どんな姿形をしているのか、どうすれば手に入れることが出来るのか、何も知らなかったのだからそんなものは単なる伝説としか考えられないと言い、逆にマーベラスに向かって、じゃあお前は「宇宙最大のお宝」について何か知っているのかと質問してきました。
マーベラスは確かに「宇宙最大のお宝」について何も知らない。てっきり仲間の誰かが何か手がかりを知っているものだと思っていたので目算は外れていました。だから返答に窮してしまい、仲間たちはそんなマーベラスを見て、その単細胞ぶりを嘲笑い、そんな在りもしない物を追いかける海賊は何処にもいないんだよと教えました。そして、目の前にぶら下がった手に入りそうな物を欲望に任せて奪い取るのが現実の本当の海賊だと仲間や先輩たちはマーベラスに言いました。
しかしマーベラスは「宇宙最大のお宝」を手に入れるために海賊になった。いや、正確には「宇宙最大のお宝」を掴み取ろうとすることによって湧き上がってくる勇気を持つ海賊になることがマーベラスの生きる意義そのものとなっていました。だから「宇宙最大のお宝」を諦めるというのはマーベラスにとって自分の人生を否定するに等しい。だからマーベラスはあくまで「宇宙最大のお宝」を諦めませんでした。
マーベラスは仲間や先輩たちに向かって、欲しいものを自分の手で奪い取るのが海賊だというのなら自分が海賊として「宇宙最大のお宝」を奪い取る生き方を選ぶのは当然だと言い、「宇宙最大のお宝」を追いかけないこの一味には用は無いと告げ、脱退して今後は1人でお宝を探すと宣言しました。
突然のマーベラスの脱退宣言に仲間たちは驚きました。アウトロー集団である海賊一味は簡単に脱退が許されるようなものではない。勝手に抜けるなどと言っても五体満足で抜けさせてくれるはずもない。それでもあくまで抜けるというマーベラスは殺気立った仲間たちに取り囲まれましたが、マーベラスは大立ち回りの末、襲ってきた一味の強者たちをぶちのめして小型艇を強奪し、そのまま強引に一味を飛び出していったのでした。

その後、その海賊団はザンギャック官憲の手入れを受けて壊滅したので、幸いマーベラスにしつこく追手が差し向けられるようなこともなく、マーベラスは弱冠15歳にして一匹狼の海賊として生きていくことになりました。その生計を支えるためにマーベラスはもともと居た海賊団で磨いた操船術を駆使して旅先であちこちの海賊団に話をつけて臨時の航海士を務めることとしました。
そうして日雇いの金を稼いで生活費や旅の費用に充てていましたが、マーベラスはそれら旅先で仕事を請け負った数々の海賊団の戦闘には参加しませんでした。それは、それらの海賊団の戦闘といっても以前の海賊団同様、弱者からの略奪ばかりであったからでした。まず基本的にマーベラスはかつて自分自身がザンギャックや世間に虐げられていた立場だったため、弱い者を苛めるような行為が好きではなかった。それにそんな弱者苛めのようなことばかりしていても「宇宙最大のお宝」を手に入れるに相応しい強い海賊になれそうにない。だからマーベラスは海賊団の戦闘には参加せず、操船の仕事だけしていました。
その代わり、マーベラスは強い海賊となるために武者修行を兼ねて喧嘩三昧の生活を送ることにしたのでした。実際、宇宙を旅しながら海賊の助っ人航海士の仕事をするといっても、絶え間なく仕事にありつけるわけでもない。操船の腕を見込まれて杯を交わして正式な団員になるよう求められることも多く、そうした方が食いっぱぐれがないのも確かでしたが、どの海賊団も「宇宙最大のお宝」の存在を本気で信じて手に入れようとしていなかったのでマーベラスは団員になる気にはなれませんでした。そんな一味の仲間になってしまったら自由にお宝探しを出来なくなってしまうからです。
だから臨時の日雇い仕事しかありつけないマーベラスは旅先で仕事にありつけずヒマな時も多く、収入も不安定でした。そこでマーベラスはそうしたヒマな時期には手当たり次第に気に入らない相手に喧嘩を吹っ掛けて回ることにしたのです。憂さ晴らしという意味合いもありましたが、喧嘩をすることで実戦訓練を兼ねていたのでした。
マーベラスは弱い者苛めが嫌いでしたので、マーベラスが気に入らない相手は大抵は弱者を苛めているような連中が多く、そういう連中というのは大抵はそこそこ強い連中だったので、武者修行の相手にはほど良い相手であったのです。またそういう連中は大抵は卑怯者であったので、そういう連中に喧嘩を売ることでマーベラスは大勢による騙し討ちのような不利な局面での戦いの経験も多く積むことが出来ました。それにマーベラスのぶっとばしたいほどに気に入らない相手には基本的に弱い者は含まれていなかったので、気に入らない相手に喧嘩を売っている限り、マーベラスは自分の嫌いな弱者苛めをしないで済みました。だからとにかくマーベラスにとっては、気に入らない相手に手当たり次第に喧嘩を吹っ掛けて損をすることはなかった。

そしてマーベラスが喧嘩を売ってやっつける相手というのは誰かを虐げて酷い目に遭わせていたような場合が多かったので、結果的にマーベラスのお蔭で助かる人というのも結構多かったのですが、そうした人々は別にマーベラスに感謝することというのはほとんどありませんでした。何故ならマーベラスは喧嘩をしてやっつけた相手から当然のように戦利品として金品を奪っていたからです。
マーベラス自身、単に気に入らない相手をぶっ飛ばしていただけであり、人助けや善行をしているという意識は全く無かった。決して育ちが良いわけでもなく海賊根性が染みついているマーベラスには喧嘩で負かした相手から戦利品をいただくのは当たり前の権利だという感覚があり、実際のところ収入が不安定であったので喧嘩相手から巻き上げる金というのもマーベラスの生活費の中で欠かすことの出来ない収入源でもありました。
ただ、金品目当てに相手を襲っているわけではなく、あくまで喧嘩することが目的であり、勝てばその場で持ち金を巻き上げるだけのことであったので、結局はマーベラスが悪者を喧嘩でやっつけても、その悪者にそれまで酷い目に遭わされていた人達は奪われた金品が戻ってくるわけでもない。その場で悪者に殺されかけていた人が命拾いするぐらいのことです。マーベラスはそれ以上の正義の行使は決してしないし、そのささやかな正義の行為も、喧嘩の後でマーベラスが相手から金を奪う行為を見ることによって人々の心の中で帳消しになってしまいます。
だから人々は結果的にマーベラスの行動によって助かった場合でも大抵はマーベラスに感謝などしませんでした。単にキレやすい無法者だと見なして恐れ、毛嫌いしただけでした。マーベラスは弱者苛めはしない主義であったのですが、そんな自分の主義をいちいち説明などしませんから、人々は今度はマーベラスが自分達を暴力で支配して収奪しようとするのではないかと誤解して恐れるのは当然でした。
マーベラス自身、自分が正義であるなどという意識は全く無く、そもそも正義とは何なのかすら全く知らないのですから、海賊である自分が一般の人々から嫌われ恐れられるのは当たり前のことだと思い、人々が自分に冷たい視線を向けることは一向に気にしていませんでした。マーベラスはただひたすら強くなるため、そして生活費の小銭を稼ぐために旅先でいつも気に入らない相手に喧嘩を吹っ掛けまくり、何処に行っても人々からは乱暴者として忌み嫌われていったのでした。
そんなマーベラスを嫌ったのは一般の人々だけではなく、当然のことながら喧嘩相手からも恨まれていきました。特にマーベラスが気に入らないと感じる相手は弱い者をいたぶるような卑怯者なのですから、そこには当然ながら宇宙各地で横暴や腐敗を極めていたザンギャックの官憲や軍の関係者も多く、すっかり気に入らない相手には誰かれ構わず喧嘩を売るクセのついたマーベラスは、さすがにザンギャック軍の正規戦闘部隊に1人で正面切って戦いを挑むようなことはしませんでしたが、それでも駐屯地の官憲や警備兵ぐらいのゴーミン相手ならば平気で喧嘩を売っていきました。そうして次第にマーベラスはザンギャックの官憲からも恨まれマークされるようになり、いっぱしの賞金首のお尋ね者となっていきました。
また、マーベラスは気に入らない相手と感じれば同業者である海賊にも平気で喧嘩を売りまくっていたので、次第に海賊業界でも鼻つまみ者となっていき、臨時の航海士の仕事も減っていき、そうなるとマーベラスとしても旅を続けていくために必要な金は喧嘩相手から巻き上げる金に依存していく度合いが更に上がっていくことになりました。
元来はマーベラスは自分の感情をコントロール出来ないほど短慮な男ではなく、意外に思慮深く繊細であり、喧嘩っ早いのも強くなるためという計算があっての行動であったのですが、こうして貧してくると何時しかマーベラスの喧嘩の目的も相手から金目のものを奪うことの方が主となっていき、一応は強い相手と戦うという原則は維持しつつも、内実はかなり荒んだものとなっていきました。

0141.jpgそうして殺伐とした生活を3年以上も過ごして、地球暦で2012年にあたるこの年が明けて、自分の誕生日も知らないマーベラスは元旦に年齢を加算することにしていましたので19歳となりましたが、背も更に伸びて顔も眼光鋭いチンピラ風情となり、もはやかつてギャバンと出会った頃の少年の面影は消え去っていました。
マーベラスがここまで荒んだ風情となってしまった原因は喧嘩三昧の殺伐とした生活や世間の冷たい風当たりなどももちろんありますが、それらはもともと「宇宙最大のお宝」という夢を掴むために自ら進んで突き進んだ道であったはずです。だから、夢に向かって着実な成果さえ上がっていればマーベラスの心がそれほど荒むはずもない。最大の問題はその「宇宙最大のお宝」探しが全く成果が上がっていなかったことでした。
何処に行って誰に聞いても、誰も「宇宙最大のお宝」について何も知りませんでした。それどころかマーベラスが「宇宙最大のお宝」の存在を本気で信じて手に入れようとしていると知ると、誰もが冷笑し、バカにしました。そうして3年以上の年月を過ごし、マーベラスは全く孤立した状態で遂に先の見えない壁にぶち当たり、彼自身が「宇宙最大のお宝」というものが本当に存在するのかどうか疑問を感じるようになってきてしまいました。
これだけ探しても手掛かりさえ見つからないということは、やはり他の海賊たちが言うように「宇宙最大のお宝」はタダの伝説に過ぎなかったのではないかとマーベラスの心は揺らぎ、結局自分は実在もしない伝説を追いかけているうちに世界中から嫌われる孤独なはみ出し者になって、自分で自分の人生を台無しにしていただけなのではないかと焦る気持ちが湧き上がってきました。そうして、その疑念を否定しようとする想いとその疑念とが葛藤し、マーベラスの心を苛立たせていっそう彼の表情を険しいものとしていたのでした。

0144.jpgそうした時、マーベラスの前にキアイドーという賞金稼ぎが現れました。マーベラスはキアイドーとは初対面でしたが、その名は当然知っていました。キアイドーは宇宙一の賞金稼ぎとして名を馳せており、賞金首となっている者でその恐ろしい名を知らない者はほとんどいなかったからです。キアイドーはマーベラスの前に突然現れて金と戦いこそが退屈を解消する薬だなどとキザな言葉を投げかけてきましたが、要するにどうやらそろそろいっぱしの賞金首となった自分を倒して賞金を稼ぐためにやって来たようだとマーベラスは解釈しました。強い奴らと戦う経験を散々積んできたマーベラスにはキアイドーが自分よりも格上の相手であることは一目で分かりましたが、そういう相手と戦うことで自分を鍛えてきたマーベラスはむしろ戦いは望むところだと思い、いきなり襲ってきたキアイドーと戦い始めました。
これまでにもマーベラスは格上の相手とも何度も戦ってきており、当然いつも勝っていたわけでもありませんでした。強い相手と戦った結果、敗走することもしばしばあった。キアイドー以前にも凄腕の賞金稼ぎとやり合って負けて逃げたこともありました。だからマーベラスはキアイドーに負ける可能性があることも十分承知していましたが、敗北を恐れてなどいませんでした。
これまでにも強敵に敗北したこと自体を糧にして自分は更に強くなってきて、最終的にはその強敵を撃ち破ってきたことも多かった。自分を強くするためには勝ち目の薄い相手とも戦って、時には負けることも必要だということはマーベラスには分かっていました。負けても生きる意思を失わずしぶとく生き延びればいいのであり、敗北の悔しさをバネにして不屈の闘志を維持すれば必ず強くなってリベンジは可能となる。もし万が一負けて死ぬのであれば、自分はそこまでの男だっただけのことであり、到底「宇宙最大のお宝」を掴む器量の男ではなかったというだけのことだとマーベラスは割り切っていました。つまり、「宇宙最大のお宝」という夢へ向かう強い意思がマーベラスに敗北すら恐れさせない勇気を与えていたといえます。
これまでもそのようにして強敵と戦ってきたので今回もマーベラスは怯むことなくキアイドーに立ち向かっていきましたが、やはり予想通りキアイドーは恐ろしく強く、マーベラスは絶体絶命の窮地に追い込まれてしまいました。ただ、これまでならばこれぐらいの窮地でマーベラスの心はまだ折れませんでした。勝ち目が無いと判断すればマーベラスはまずはその場を逃れてリベンジに備えようと思い、何とかして相手の隙を見出してやろうとしていました。ところがこの時はマーベラスは武器を弾き飛ばされて尻もちをつきキアイドーに剣を突きつけられると身が竦んで動けなくなってしまったのです。
そして、今まで強敵に追い詰められた時には生じたことのないこうした自分の心身の異常事態にマーベラスが混乱していると、目の前でキアイドーがそれ以上の異常な行動に出ました。へたり込んでしまったマーベラスを見てつまらなそうにしたキアイドーはいきなり自分自身の胸に剣を突き立てて傷を負わせ、フラつきながら、これで自分に弱点が出来たのだから勝負が面白くなってきたと高笑いし、マーベラスに向かって自分と戦うよう迫ってきたのでした。
それを見てマーベラスはキアイドーが狂っていると悟りました。つまり、最初に嘯いていたように、キアイドーは金と戦いの快楽を得るためだけに戦い続けているのであり、それ以外に退屈な人生を生きる意味を見出せない歪んだ心の持ち主であったのです。戦いに勝って生き残り、その命を使って何かを成し遂げようなどというマトモな夢や目的など持っていないので、わざわざ自分に傷を負わせてまで戦いのスリルを楽しもうとする異常人格者がキアイドーの本質でした。それは夢のために戦い続けてきた自分とは正反対の生き方であると、それまでのマーベラスだったら感じたはずです。
だが、その時マーベラスは戦いの快楽に溺れて狂ったように喚き続けるキアイドーの姿を見て、自分も実はキアイドーと大差ないのではないかと思えました。自分も実際はただ強敵との戦いの快楽と生活の糧である金品強奪のためだけに戦っているのではないか。キアイドーの狂気に歪んだ姿を見てそんなふうに感じてしまったマーベラスは、それは自分が何時の間にか自分の夢を信じられなくなっていたからだと気付きました。「宇宙最大のお宝」など実在しない伝説に過ぎないと思うようになってしまっていたからこそ、自分の戦う意義をそんなふうに卑下して見てしまったのだと気付いたマーベラスは、だからさっき自分はキアイドーに追い詰められて身が竦んでしまったのだと理解しました。
自分は素晴らしい夢を掴む意思を持つことによって勇気を得てきた。だから夢を信じられなくなった自分にはもう勇気は湧いてこない。戦いの快楽に突き動かされて狂ったように戦い始めてみたものの、圧倒的実力差で追い詰められた時、それを撥ね返す勇気を持たなくなっていた自分は無様に恐怖心に支配されてしまったのだ。そうした自分の情けない真実に気付いたマーベラスは、キアイドーを前にして恐怖のあまり腰を抜かしてしまったのでした。

0143.jpgガクガク震えてその場を逃げ出すことすら出来なくなってしまったマーベラスの命運はもはや尽きたと思われましたが、何故かキアイドーはうわ言のように戦いの快楽に浸って喚き散らした後、マーベラスに手を出さずにその場を去っていきました。
キアイドーは最初はマーベラスとの戦いの継続を望んでいたようですが、マーベラスが戦意を喪失してしまったのを見て興醒めしました。通常ならばそのまま相手にトドメを刺して戦いを終えるところでしたが、キアイドーはマーベラスと戦ってみた結果、マーベラスの潜在能力がまだまだ底知れないことを見抜いていました。だからこそ、もっとスリリングな戦いが楽しめると思ってマーベラスに戦いを続けるよう迫ったのですが、マーベラスが戦意を喪失したのを見て、キアイドーはマーベラスの潜在能力の開花には時間がかかるのだと悟り、今回は見逃しておいて、いずれもっと強くなったマーベラスと再戦して、極上の戦いの快楽を貪りたいと考えたのでした。おそらくその頃には今よりももっと大物犯罪者となったマーベラスの賞金額も跳ね上がっているはずであろうから、その時を待ってマーベラスを倒した方が金銭的にも得だという考えもキアイドーにはあったようです。
しかし、そんなキアイドーの歪み切った考えなどマーベラスに想像も出来るわけもなく、キアイドーの立ち去った場所で腰を抜かしたまま取り残されたマーベラスは、どうして自分が見逃して貰えたのか理由が分からず戸惑いました。だが、そんな戸惑いも霞んでしまうほどにマーベラスの心にはもっと大きな困惑が広がっていきました。自分は何時の間にか勇気を失ってしまった。いや、その勇気の源である夢を信じられなくなってしまっていた。そのことを自覚したマーベラスは、夢を見失った自分はこれから先、何のために生きていけばいいのか、全く分からなくなってしまい途方に暮れるのでした。
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2013年05月10日

海賊戦隊ゴーカイジャー妄想物語その15


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さて、「赤き海賊団」との戦いで重傷を負って入院してしまったジョーですが、命に関わるような傷というわけではなく、足の怪我が重いのでしばらく兵士として戦うことは出来ないが、ちゃんと安静にして適正なリハビリを続ければ元通りに特殊部隊に復帰できると聞き、ジョーはひとまず安堵しました。
しかし入院生活を送っているうちにジョーは次第に焦ってきました。「赤き海賊団」に完敗してしまったジョーは自分がまだまだ未熟であることを思い知らされていました。それにお咎め無しとはいえ、戦いに敗れて入院する羽目となった自分の軍内での評価は下がったはずです。このままでは自分の夢、すなわち帝国の平和を守る立派な戦士となるという夢の実現は遠のく。まだ自分は特殊部隊内でも一人前として認められていないのに、今回の任務失敗でますます半人前の烙印を押されてしまったのではないだろうかとジョーは不安に駆られました。
早く訓練に復帰して自分を鍛え直して、まずは帝国最大の敵という「赤き海賊団」にリベンジして戦士としての誇りを取り戻したい。それが焦りだということはジョーも分かっていたのですが、これまでこんな長期の入院生活を経験したことのないジョーは病室で1人じっとしていると焦りを抑えることが出来ませんでした。それでとにかく焦りを少しでも解消して安心するためにジョーはそれまで日課としていた筋力トレーニングをやろうと思い、ベッドの上で無理をして身体を動かしていました。
ところがそれを担当の看護婦に見つかってしまい、看護婦は驚いてジョーに無茶をしないよう注意してきました。その看護婦はジョーと同じ年頃の異星人の若い女で、それまでは無愛想に黙っていることの多かったジョーのことを怖がって避けているような素振りであったのですが、ジョーが馬鹿なことをしているのを見て思わず声をかけたのでした。ジョーは看護婦に叱られたので素直に謝り、1人で病室でじっとしていると不安になって仕方ないのだと弱気な心情を吐露しました。普段は弱音など吐くことのないジョーでしたが、実戦での初めての完全なる敗北で負傷して、焦りもあって気が弱くなっていたのでした。

このジョーの入院している病院はザンギャック軍の専用病院であって医師はみんな軍医でありましたが看護婦は必ずしも全員が軍所属というわけではないようで、この若い看護婦も軍所属ではなく普段は一般病院で務めている者が人手不足で一時的にこの病院で働かされていました。それゆえ軍人に慣れておらず、ザンギャック本星人ではない彼女から見ればザンギャックの軍人は怖い存在でした。特に自分の担当するジョーのことは猛者揃いの特殊部隊の精鋭だと聞いており、実際入院してきたジョーはいつも陰気に黙り込んで鋭い目をギラギラさせており、彼女は声をかけるのも恐ろしいと感じていました。
そのジョーがいきなり素直に1人で不安なのだと告白したので、彼女はそういえば1度軍の役人みたいな人が来た以外、誰1人ジョーの見舞いに来ていないことに気付き、鬼のようなザンギャック軍人でも怪我や病気をすればやはり人並みに不安なんだなと思い至り、これまで冷たい態度をとってしまっていたことを反省しました。それでちゃんと親身に接しようと思い、何か気がまぎれるようなことがあれば一緒にやりましょうと看護婦はジョーに提案しました。
言った後で、彼女は素行の悪い者が多いザンギャック軍人にそんなことを迂闊に言って変なことを要求されたらどうしようと不安になりましたが、ジョーがならばトランプをしようと言ったので意外な展開に面食らいました。ジョーの唯一の娯楽は兵士養成所で覚えたトランプだけであり、特にポーカーは引きの強さが自慢でありました。ジョーがヒマを持て余している時に気を紛らわせるためにやることといえば、これまでの人生では筋トレとトランプだけであったのです。
それで看護婦はジョーとポーカーをする羽目となりましたが、実は彼女はポーカーのルールをあまりよく知らないほどで、全くの素人でした。それで勝負はジョーの圧勝となったのですが、素人相手に全力でポーカーの勝負をするジョーを見ていると看護婦は何だか子供みたいに思えて可笑しくなってきて、ジョーに対して当初持っていた恐怖心が無くなり、親近感を覚えました。それで、結局あまりに相手に歯応えが無いのでつまらなそうな顔をしているジョーに向かって、看護婦は今度は自分の得意なことを教えると言いました。むしろジョーにとって未知の面白いことを教えた方がジョーは退屈しないのだろうということに気付いたのです。
その看護婦の得意なことというのはケーキ作りでした。無骨一辺倒の人生を送ってきたジョーにとってケーキ作りというのは全く縁の無い世界であり、ハッキリ言って全く興味の無い分野でありましたが、だからこそむしろ今は軍の仕事のことを忘れて治療に取り組むために良い気晴らしになるのではないかと思い、ジョーも看護婦にケーキ作りを教えてもらうことにしました。
その病院には厨房もあり、そこにはケーキ作りに必要なオーブンや調理具なども揃っており、材料やレシピの本は看護婦が用意しました。ジョーはリハビリがてら松葉杖で厨房に行き、看護婦のケーキ作りを手伝いながらその作り方を学ぶことになりました。周囲の職員たちもだいたい軍の職員であったので、特殊部隊の隊員であるジョーがケーキを作っているのを奇異なものを見るようにしていましたが、ハッキリ言って特殊部隊の不愛想な兵士であるジョーは皆に怖がられていたので、ジョーがこれはリハビリなのだと強弁すると、みんなジョーに言い返すこともなく、あまり関わり合いになろうともしませんでした。
お蔭で静かな環境でケーキ作りに没頭することになったジョーは、それが武術などとはまた違った意味でなかなか奥深い世界であることを知り、予想以上にのめり込んでいきました。その結果、ジョーは早く軍務に復帰しなければいけないと焦る気持ちを忘れて、落ち着いた気分で治療とリハビリに専念することが出来ました。

0155.jpgしかし看護婦からケーキ作りを学んだ効用はジョーにとってそれだけではありませんでした。それまでジョーはほとんど軍の人間としか接したことがなく、一般人の知り合いなど1人もいませんでした。それはよく考えたら不自然なことでした。ジョーは一般の人々を脅威から守るために兵士になろうとしてこれまで頑張ってきたのですが、そのジョーが自分の守る対象である一般の人々のことをほとんど知らなかったのです。
これまでのジョーはただ単に自分のことを「人々の平和を守る兵士」だという抽象的イメージで捉えていただけであり、実質的には単に軍や帝国政府の命令に忠実に従っていただけでした。もちろん帝国の命令に従って戦うことが帝国の一般の人々の平和を維持することに繋がるのだということはジョーも理解はしていましたが、あくまで人々のために戦いたいと考えて兵士となったジョーにとっては、その守るべき人々のイメージが自分の中で確固としていなかったのは1つの欠陥であったということに今回ジョーは気づくことになったのです。
どうしてそんなことに気付いたのかというと、ケーキ作りを教わりながら看護婦と接して、看護婦の娘の屈託のない笑顔を見ているうちに、ジョーはその看護婦の娘に自分の守るべき普通の人々のイメージを初めてハッキリと感じたからです。初めてそれを感じ取ったことによって、ジョーは今までの自分がそれを知らなかった、単なる上官の命令に従うだけの戦闘マシーンのようなものだったということを自覚したのです。
守るべき相手のことを人間として知ることによって自分は戦闘マシーンではなく人間の戦士として成長することが出来るのではないだろうかと思ったジョーは、看護婦にもっと彼女自身のことを教えてもらいたいと思い、ケーキを作りながら会話をして、彼女の生活のことや故郷の話などを聞きました。

それによると、彼女はもともと故郷の小さな星で見習い看護婦をやっていたが、正式な看護婦となるためにこの星の学校に入学することになり、そこを卒業して一旦一通りの実習をこなすためにこの星の総合病院で働いていたところ、今回急遽この軍の病院に助っ人で来ることになったのだという。そして、おそらくジョーが退院すると彼女もこの病院から元の病院に戻り、その頃ちょうど実習期間も終わるので故郷の星に戻ることになるだろうとのことでした。
故郷に戻れば彼女はもともと見習いで働いていた小児科の病院に戻ることになるそうで、それが彼女のずっと目指してきた夢なのだという。子供好きな彼女は自分の星の子供たちを可愛がっており、その子供たちの命を救う仕事をしたいと思ってきたのです。今回、正式な看護婦となり実地の経験もしっかり積んだ彼女はこれから故郷に戻ってバリバリ子供たちのために働くのが楽しみだというのです。実はケーキ作りも故郷で病院の子供たちに食べさせるためにお菓子作りを始めたのがきっかけで特技となったのだそうです。
そうした彼女の話を聞いて、ジョーは彼女や彼女の周りでケーキを美味しそうに食べる多くの子供たちの居る温かい情景を思い浮かべ、それこそが自分の守るべき人々のイメージなのだと強く実感しました。思えば自分も幼い自分を救ってくれたザンギャック兵達に憧れて、子供を守るヒーローになりたいなどと思って兵士になったはずなのに、そんな温かい子供の居る情景のイメージなどこれまで全く持ってこなかった。しかしよく考えたら無理もない。自分はこれまで自分よりも小さな子供たちと平和でのどかな時間など過ごしたことはないのだと、ジョーは自嘲しました。
ジョーは看護婦の娘の話から思い浮かべた情景こそが自分の目指してきた戦士の守るべき者達の具体的なイメージなのだと実感し、それを肌で知っている彼女を羨ましく思いました。それで彼女の故郷の生活をしきりに羨ましがり、自分もその子供たちに会ってみたいものだとジョーが何となく言うと、看護婦はそれならば怪我が良くなったら一緒に行けばいいと言い出したのでした。ジョーは軍務に縛られている自分にそんな自由が許されるはずはないと思っていたので、看護婦の言葉に驚いて、そんなことが出来るのかと尋ねました。
すると彼女は、自分の星にもリハビリの施設もあるので、退院間近にリハビリ名目で自分も一緒であれば自分の故郷の星にちょっと行くぐらいのことは可能だろうと言いました。確かにそれならば何とかなりそうだとジョーにも思えました。逆に退院してしまえばおそらく軍務の縛りが厳しくて、当分はそのような自由な時間は作れそうにない。これは千載一遇のチャンスではないかとジョーは思いました。
看護婦の故郷の星に行って子供たちと穏やかな時間を過ごせば自分の中で戦う意味がより確固としたイメージを持つような気がしました。そうなれば今のような迷いや焦りもあまり感じなくなり、自分はより強くなれるのではないか。それが「赤き海賊団」に今度こそ打ち勝つことにも繋がり、自分の夢の実現にもつながる。きっとそうに違いないと思い、ジョーは是非行きたいと看護婦に伝えました。それを聞いて看護婦は、ならばその日を迎えるために今はリハビリを頑張りましょうとジョーを励ますのでした。
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 16:46 | Comment(0) | 海賊戦隊ゴーカイジャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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