2011年03月22日

第5話「ジャッジメント・パイレーツ」感想その1

3月11日に東北地方太平洋沖地震が発生し、
3月13日に放送予定であったゴーカイジャーの第5話は放送延期となりました。
その第5話が1週遅れで3月20日に放送されました。
メインスポンサーのバンダイは未だCMを自粛しているようで、
玩具のCMは無く、代わりに公共広告機構のCMが流れています。
OPテーマ後や次回予告後の提供画面の時も提供企業のテロップやナレーションもありません。
それでもヒーローの戦う姿がお茶の間の子供たちの前に帰ってきたことを嬉しく思います。

今回はデカレンジャーのメンバーがレジェンドゲストとして登場するエピソードであり、
やはりOPテーマの冒頭のナレーションが
「地球の平和と人々の笑顔を〜」バージョンとなっていました。
その部分の映像もレジェンド大戦時の映像を使用したバージョンで、
これらは第3話のマジレンジャー篇と同様です。
やはり、過去戦隊が絡むエピソードと、ゴーカイジャー単独エピソードとで、
OP冒頭部分は2つのパターンを使い分ける方針であるようです。
また、EDテーマは今回は2コーラス目(ターボレンジャーからタイムレンジャーまでの平成戦隊パート)を使用しており、
前回の第4話が1コーラス目であったことから考えて、
やはり1〜3コーラスをローテーションで回していく方針のようです。

さて、今回は2004年度作品のデカレンジャー篇で、過去戦隊篇の第2弾ということになります。
やはり、前回の2005年度作品のマジレンジャー篇といい今回といい、
序盤は割と最近の作品で攻めてくるようです。

その前回の過去戦隊篇の第1弾であった第3話のマジレンジャー篇は、
「34戦隊の大いなる力を得れば宇宙最大のお宝が見つかる」という物語の流れをつけるためのエピソードであり、
また同時にハカセのキャラ紹介エピソードも兼ねていたので、
「マジレンジャー」のカラーはあまり濃くはありませんでした。
マジレッドの小津魁も登場しましたが、「マジレンジャー」本編の小津魁とはかなり違った趣で、
あくまでゴーカイジャーを導く役割を果たすために現れたという扱いでありました。

それに比べて、今回のデカレンジャー篇は、
デカレンジャーの1エピソードとしても成立しそうなお話で、
デカレンジャーの物語世界にゴーカイジャーが現れたような感じでした。
もともとデカレンジャーという作品が単発エピソードの集合体という特徴が際立った作品であり、
エピソードの独立性が非常に高いので、
こういう変則的なエピソードでも立派にデカレンジャーの物語として成立させてしまえる力を持っているのです。

また、デカレンジャーというヒーローチームは、刑事という職業を持ったヒーローです。
もともと刑事だった彼らが緊急戦闘モードの装備として変身スーツを装着した姿がデカレンジャーであるので、
彼らはデカレンジャーである以前から刑事という一種のヒーロー的存在なのです。
いや、というより、変身は出来なくても、彼らはデカレンジャーなのです。

その点、マジレンジャーなどのようにもともとは一般人であった戦隊や、
オーレンジャーなどのようにもともとは軍人のような職業的ヒーローではあっても
変身ヒーローチームとして新編成された戦隊とも違います。
変身スーツや巨大ロボの存在が前提となってメンバー集めをして結成されたボウケンジャーとも違います。
もともと存在しているデカレンジャー(宇宙警察地球署のスペシャル・ポリス・チーム)という
ヒーローチームが緊急戦闘モードの装備であるデカスーツを装着して変身しただけなのです。
それは本質的には防弾チョッキやヘルメットを着用するのと、そうは変わりません。

だから、デカレンジャーにとってはレジェンド大戦で変身能力を失ったといっても、
実はそれほど彼らにとってはアイデンティティを見失うほどの事態ではないのです。
変身出来なくなって弱体化はしたものの、
それでも以前と同じように宇宙人犯罪者の犯罪行為を防ぐために職務に励む毎日を送っています。

そうしたデカレンジャーのレジェンド大戦後の日常の中に、
彼らのデカスーツの力をレンジャーキーの形に変えて受け継ぐ者であり、
なおかつ彼らの取り締まり対象の宇宙人犯罪者でもある宇宙海賊ゴーカイジャーたちが現れる。
今回の話はそういう話であり、そういう意味では、むしろゴーカイジャーの方がゲスト的な扱いになっており、
ゴーカイジャー側としては特にドラマといえるほどのものはありません。

ゴーカイジャー側のメインキャラはマーベラスであり、
このマーベラスがデカレンジャー側の地球署署長のドギー・クルーガーと絡む構成になっています。
ここでマーベラスとドギーの間で海賊の誇りと刑事の誇りが熱くぶつかり合うのであり、
実にデカレンジャーっぽい、渋いハードボイルドタッチのお話になっています。

刑事と海賊という、非常に相性の悪い2つの要素を敵対させることなく処理するために、
刑事ドラマの定番である「刑事と容疑者が共通の敵と戦うために呉越同舟で手を組む」という
男臭いエピソードです。
おそらくドギー達も魁からゴーカイジャーのことは聞いているはずですが、
それでも刑事の誇りを持つデカレンジャーともあろう者が最初から宇宙海賊と馴れ合えるわけもなく、
デカレンジャー篇ならば、この呉越同舟の展開しか有り得ないでしょう。

その、「これしか有り得ない」という展開の中で、
デカレンジャーらしさ、ゴーカイジャーらしさをそれぞれ見事に描き切っており、
ちゃんとゴーカイジャーの全体的なストーリーの中の一編としても機能させています。
ただ、そういう部分というのは、よく見ると見えてくる部分であって、
今回の話単体においては、別にそういう部分は見えなくても支障はありません。
相変わらずゴーカイジャーはアクションの密度が異常に濃い。
今回はアクションだけで十分以上に楽しめるエピソードと言っていいでしょう。
まぁ、そういう点でも、アクションのレベルの高さで有名であったデカレンジャー篇らしい、
全篇アクションに次ぐアクションのアクション篇と言えます。

なお、デカレンジャーがレジェンド大戦で変身能力や戦う力を失ったということを
どう解釈すべきかという問題があります。
マジレンジャーの「魔法」のような不思議な能力であれば、
それが失われるというのもまだ受け入れやすいのですが、
デカレンジャーの能力というのは最先端科学技術で開発されたものであり、
それがレジェンド大戦時のザンギャック艦隊を撃滅した一撃に
パワーを与えたことによって失われるというのは、どうも不可解です。
もし仮にあの時にデカレンジャーの装着していたデカスーツが耐久性の限界を超えて壊れたとしても、
デカスーツは単なる装備なのですから、宇宙警察でまた新しく作り直せばいいだけのことです。

あの時、デカレンジャー6人(テツも含む)がフルパワーを放出したことによって、
宇宙警察全体のデカスーツ開発能力までもが失われるとは到底思えません。
だから、デカレンジャーの能力がレジェンド大戦で失われるというのは、
どうしても論理的に説明することは不可能です。
宇宙警察自体が無くなってしまったというのなら、デカスーツが無くなるという説明はつきますが、
この第5話では宇宙警察という組織は無事に存在しており、
そうした形での説明は不可能です。
実際、こうした科学技術系の戦隊は他にも多く存在し、
これらもデカレンジャー同様、レジェンド大戦で力を失うことについて整合性のつく説明は出来ません。

ただ、そもそもマジレンンジャーの場合にしても、
勇気さえあれば魔法力は尽きることがないという設定になっており、
第3話での小津魁は勇気を失っていたようには見えなかったので、
魔法力が失われているのは設定上おかしいのであり、
そういう点、整合性のある説明が出来ないのは不思議パワー系戦隊にしてもそう変わりはありません。
だいたい、その34の戦隊のパワーがレンジャーキーなどというものに封じられているということ自体、全く不可解なことであり、
こういう問題はこのゴーカイジャーという物語では真面目に考察しない方が良いのだと思われます。
1つ2つの戦隊については無理に理屈をつけることも出来るかもしれませんが、
34もの戦隊全てに整合性のつく説明など、そもそも不可能なのであり、そんなことはやらないほうがいい。

むしろ、もっとメタ的な視点を持った方が良いように思います。
このゴーカイジャーという作品におけるレジェンド大戦などを含んだ一連の作品世界というものは、
34の戦隊の物語世界が融合した世界なのであり、
そこに34の戦隊物語の登場人物たちが一斉に存在しており、
ザンギャック艦隊を撃滅したあのエネルギーは、34の物語の持つパワーそのものであったのでしょう。
それが魁の言っていた「34の戦隊の大いなる力」というものであり、
どういう原理かは不明ですが、レンジャーキーにはその34の戦隊の物語世界のパワーが込められているのです。

そして、それぞれの戦隊の物語には、
例えばマジレンジャーの物語には「勇気」というように、それぞれキーワードがあり、
それをとっかかりにしてレンジャーキーに込められた物語世界のパワーを全て引き出すことによって
ゴーカイジャーはその戦隊の「大いなる力」を使いこなすことが出来るようになるのでしょう。

だから、そういうふうにメタ的に考えれば、
デカレンジャーも、彼らが変身して戦うことが出来ていたのは、
あくまでその物語世界の中での設定があってこそのものであったのであり、
その物語世界のパワーそのものが出ていってしまってレンジャーキーの中に封じ込められてしまっている以上、
デカレンジャーのメンバーはゴーカイジャーの作品世界に存在はしていても、
彼らは自分達の本来の物語世界の肝心の設定であるデカスーツの形成の基盤を失っており、
変身することは出来ないのです。

彼らはレジェンド大戦前までは自分達の物語世界の設定やパワーを携えた形で
レジェンド大戦の世界に存在していたのですが、
レジェンド大戦で自分達の物語世界の変身することに関するパワーを放出して失ってしまったので、
レジェンド大戦世界から移行したゴーカイジャーの作品世界においては、
単に宇宙警察の刑事としての職務を送る存在となったのでしょう。

ただ、小津魁がそうであったように、
彼らデカレンジャーもまた自分達が変身ヒーローであったことは別に忘れているわけではなく、
単に物語世界のパワーを失ったために変身出来ないのだということは自覚しており、
そのパワーがレンジャーキーに封じられていることも知っているようです。
そして、それをゴーカイジャーが持っていることも知っているようです。
どうして彼らレジェンド戦士たちが皆そのことを知っているのかは今のところよく分かりませんが、
ともかく第3話で小津魁はゴーカイジャーを試すようなことをして、
結局はレンジャーキーはゴーカイジャーに預けておいた方が良いという結論に達したようですが、
さて今回のデカレンジャーはそのあたりはどのようであるのか?

まず冒頭な空飛ぶゴーカイガレオン。
いつもの船室では昼食のオムライスの配膳をハカセとアイムが行い、
ジョーは黙々とトレーニング、マーベラスは椅子で昼寝中。
そしてルカがソファーで新聞を広げて、しきりに記事を読みながら「ほお〜、へえ〜」と感心しています。
英字新聞のように見えますが、よく見ると「SPACE SPORTS」と書いてあり、どうやら宇宙のスポーツ新聞のようです。

「どうした?」とジョーが聞くと、
ルカは面白そうに「あたしたちの賞金、大幅アップだって!」と言いながら皆に記事を見せます。
その「WANTED」と書かれた大きな記事にはマーベラス一味5人の顔写真が載っており、
それぞれの賞金額が添えられていました。
「5人合わせて330万と100ザギンだったのが、なんと675万1000ザギン!」とルカは変に浮かれています。
別に自分が貰えるわけではないのですが、やはり守銭奴のルカは自分の値段が上がると嬉しいようです。

確かに第1話の時に出て来た賞金首の手配書に書かれていた賞金額に比べて全員、ほぼ倍増しています。
いや、ハカセなどは10倍に増額しています。
まぁハカセの場合、1人だけもともとの金額が100ザギンという異様に低い額だったのが、
ようやく1000ザギンになっただけなので、実際たいしたことはないのですが。

何にしても、ここにきて急に5人の賞金額が上がったのは、
最近5人がザンギャックの地球侵略作戦の邪魔ばかりしているからでしょう。
確か前回の怪人ゾドマスが5人に会った時、5人を指して「300万ザギンの賞金首」と呼んでいたので、
前回終了時点では5人の賞金額は増えていなかったはずです。
おそらくワルズ・ギルが前回の作戦失敗後、とうとう怒りが頂点に達して、
5人の罪状を適当にでっち上げて大幅に追加して、賞金額を倍増させたのでしょう。

「あらまぁ・・・一気に撥ね上がりましたねぇ」とアイムはのんびりしていますが、
自分の賞金額は安いクセにハカセは「呑気だなぁ・・・これからますます狙われるよ!」とちょっとビビッたように警戒します。
そこに居眠りしていたマーベラスが起きて、「望むところじゃねぇか!」とニヤリと不敵に笑います。
どうして罪状をデッチ上げられて賞金額が上がることが「望むところ」なのか、ちょっと不可解ですが、
ルカもこの状況を面白がっていますし、アイムも呑気なもので、ジョーも別にどうとも思っていないようです。
不安がっているハカセにしても先行きの心配をしているだけのことで、
決して哀しがったり絶望しているわけではないです。
彼ら5人にとっては、基本的に身に覚えの無い罪をザンギャックに被せられて全宇宙の悪意に晒されることは、
ごく普通の状況として受け入れられるものであるようです。

立ち上がったマーベラスはテーブルからとったリンゴを齧りながら
「おい鳥!お宝ナビゲート!」とナビィに促します。
何か賞金額が上がったことで、だらけて昼寝していたマーベラスも急にテンションが上がって、
お宝探しに前向きになったようです。
相変わらずの「鳥」呼ばわりに不満を漏らしながらもナビィはまた天井に頭をぶつけて落っこちて、
「キター!!」とお告げを受信します。

その今回のお告げは「そなた達!探し物なら警察に行けばよいゾヨ〜」とのこと。
一同は「警察!?」と意外そうに応える。
海賊が宝を探すのに警察に案内してもらうなど、聞いたこともない。
だいいち警察は賞金首の自分達にとっては避けるべき相手ではないかと、一同は少し不安を感じたのです。
しかし、そうした不安や困難が待ち受けるモノにこそ、ますます燃えてくるマーベラスは、
目を輝かせてニヤリと笑い、リンゴをムシャムシャ食うのでした。

ここでアバンタイトル部分は終わり、OPテーマ、CMを挟んで、今回のサブタイトルが出ます。
「ジャッジメント・パイレーツ」というタイトルです。
これは「デカレンジャー」本編のサブタイトルのフォーマットに準じたタイトルです。

「デカレンジャー」本編においては、全話のサブタイトルに、
2つの英単語のカタカナ表記の間を「・」で区切るというフォーマットが徹底していました。
例えば第1話に相当するEpisode.01は「ファイヤーボール・ニューカマー」、
最終話にあたるEpisode.50は「フォーエバー・デカレンジャー」でした。

なお、このゴーカイジャーの第3話のマジレンジャー篇では、
サブタイトルは「勇気を魔法に変えて〜マージ・マジ・ゴー・ゴーカイ〜」となっており、
これは「マジレンジャー」本編のサブタイトルのフォーマットに準じたものでした。
「マジレンジャー」本編は第1話に相当するStage1は「旅立ちの朝〜マージ・マジ・マジーロ〜」、
最終話にあたるStage Finalは「伝説への帰還〜マージ・マジ・マジェンド〜」というように、
日本語の文句の後に「〜」で囲ってそのエピソードで降臨する魔法の呪文が添えられていました。

このように、どうやらゴーカイジャーにおいては、
過去戦隊に絡んだエピソードの時には、
その過去戦隊のサブタイトルと同一フォーマットにサブタイトルをつける方針のようです。
この方針は平成仮面ライダーシリーズ10周年記念作品で、歴代ライダー集合企画作品であった
「仮面ライダーディケイド」と同じだといえます。
ただ、「ディケイド」の時もそうでしたが、
必ずしも全部の過去作品がサブタイトルに決まったフォーマットがあるわけでもありません。
マジレンジャーやデカレンジャーはサブタイトルのフォーマットが特に明確な部類の作品なのですが、
全部が全部そういうわけにはいきません。

ちなみにシリーズ歴代作品でサブタイトルのフォーマットが存在するのは
昭和戦隊ではゴレンジャー、ジャッカー電撃隊(前半のみ)の初期2作品、
平成戦隊ではダイレンジャー、カーレンジャー、メガレンジャー、ギンガマンの4作品、
そして21世紀戦隊ではガオレンジャー以降、ボウケンジャーとゴセイジャーを除く8作品において
サブタイトルのフォーマットが存在します。
だから半分以上の戦隊はサブタイトルのフォーマットは存在しないわけで、
そのあたりを上手く処理して、それぞれの戦隊らしいサブタイトルをつけるというのは
1つ注目すべきテクニックであろうと思います。

ちなみにゴーカイジャー第3話のマジレンジャー篇の
「勇気を魔法に変えて〜マージ・マジ・ゴー・ゴーカイ〜」というサブタイトルにしても、
単にマジレンジャーっぽいフォーマットで言葉遊びしたわけではなく、
ちゃんとエピソードの内容に準じたタイトルになっています。
あの時はハカセの勇気に応えて新しい呪文「マージ・マジ・ゴー・ゴーカイ」が降臨したのであり、
それに合わせてマジレンジャーの大いなる力をゴーカイジャーは得ることが出来ました。
となると、今回の「ジャッジメント・パイレーツ」というタイトルも
エピソード内容に沿った意味のあるものと考えられます。

「ジャッジメント」というのはデカレンジャーの本編では毎回使われていた用語で、
宇宙犯罪者である各回の怪人を倒す直前に
デカレンジャーたちが宇宙の彼方にある宇宙裁判所に問い合わせて、
その怪人をデリート(消滅)させていいかどうか伺いを立てる行為のことです。
つまり、有罪なのか無罪なのか、最終判断することを指します。
そして「パイレーツ」とは海賊のことを意味しますから、ゴーカイジャーのことを指します。
「ジャッジメント・パイレーツ」とは「ゴーカイジャーが有罪なのか無罪なのか判断する」ということです。
そして、それがおそらく前回のマジレンジャー篇の時のように、
今度はデカレンジャーの大いなる力の発動に関係してくるのです。
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2011年03月23日

第5話「ジャッジメント・パイレーツ」感想その2

さて昼食後、マーベラス達5人はゴーカイガレオンから降りて、最寄りの警察署に向かっていました。
「海賊が警察に行っても大丈夫なのですか?」とアイムは不安そうに問いかけます。
海賊になって日の浅いアイムにはよく分からないが、
一般的には海賊というのは警察に追われる立場のように思える。
ジョーは「ザンギャックの支配下じゃないから捕まったりはしないが・・・どうかとは思うぞ?」と、
やや呆れた様子で、意気込んで先頭を歩くマーベラスの背中を見る。

マーベラスはすっかり張り切って警察に向かっている。
ジョーの言う通り、ザンギャックの侵略を受けている地球の警察は
ザンギャックの賞金首であるマーベラス一味をザンギャックに引渡したりはしないだろうと
見越して安心しているというのもあるが、
とにかく目標を定めると真っしぐらの性格なので、迷いが無いのです。
それに、第3話のラストではナビィのお宝ナビゲートをあまり信じていないような
意地悪なことを言ってはいたが、
実際はマーベラスは前回のナビゲートが当たったことに気を良くしており、
かなり今回も期待に胸を膨らませていた。

しかしジョーは逮捕はされないまでも、警察が海賊の宝探しに協力してくれるとは到底思えないので、
張りきるマーベラスの気が知れない。
一方、ルカは前回謝っていたクセに、まだあまりナビィのナビゲートは信用していないようで、
「ナビィの奴、分かんなくて丸投げしたんじゃないの?」とヒドいことを言う。
これに対してハカセが「でも、この間の黒い服を着た人間ってのは結局当たってたし、まぁ、行ってみる価値は・・・」とフォローしていると、
その間にマーベラスはさっさと4人を置き去りにして、
1人で警察署の中に入っていってしまいました。

警察署の中に入ったマーベラスは受付に行くと
「ちょっといいか?」と横柄な口調で、係の警官に声をかけ、
「宇宙最大のお宝を探しているんだが・・・」と、
まるで落し物を探すように直球の質問を投げかけます。
ところが対応した警官はマーベラスの顔を見て大慌てで、手にした賞金首の手配書と見比べます。「同じ!?・・・あのっ!」と警官が振り向いた先には、
マーベラスと並んで受付に立って、
マーベラス一味の手配書を束にして持っている制服を着た女性刑事の姿がありました。

サラサラの肩にかかるぐらいの長さの髪型ですらりとした長身に
黒を基調にして黄色の星型が左右非対称にあしらってある特徴的な制服を着用し、
両手を黒い革手袋で覆ったその女刑事は、
宇宙警察地球署のデカイエローこと礼紋茉莉花、通称ジャスミンでした。
演じるのは、「デカレンジャー」本編と同じく、木下あゆ美です。
「デカレンジャー」を視聴していた人には懐かしく、
7年前と変わらない若々しさと美しさに驚きますが、
まぁ劇中設定ではデカレンジャー最終話から何年後の設定であるのかは不明です。
とにかくその頃とほぼ変わりなく、むしろ大人の女性の色気も帯びたジャスミンになってます。

ジャスミンもデカイエローに変身して数年前のレジェンド大戦に参加していたことは第1話の映像で確認出来、
その際に他のレジェンド戦士たち同様、変身能力は失ったようです。
が、どうやら制服を着ているところを見ると、
その後も相変わらず宇宙警察の地球署でデカレンジャーとして働いてはいるようです。
そのジャスミンがたまたまこの普通の警察署に
ザンギャック製のマーベラス一味の賞金首の手配書を届けに来ていたようで、
マーベラスは偶然ジャスミンと鉢合わせてしまったようです。

マーベラス一味が地球のこの日本のあたりに来ていることは、
あちこちに無断繋留して回っているゴーカイガレオンを見れば一目瞭然で、
船から降りたマーベラスたちが近辺に出没する可能性も高いので、
宇宙警察の地球署では地域の警察にも一味の手配写真を配って、
一味を見かけたら通報するようにしようとしていたようです。
つまりデカレンジャー達はゴーカイジャー達を発見し確保しようとしていたということになります。

しかしマーベラスはジャスミンの顔も知りませんし、
地球の警察で自分が逮捕されるわけがないと安心しきっているので、全く油断していました。
警官に声をかけられた美人刑事(ジャスミン)がにこやかに微笑みながらマーベラスに歩み寄り、
「失礼・・・地球では、警察に初めて来た時、儀式としてこんなポーズをしていただくことになってるんですが・・・」と言って
両手をくっつけて前に突き出すポーズを示すのを見ても、
あまりにジャスミンが落ちつき払って友好的であったので、マーベラスは全く疑うことなく、
「ん?・・・こうか?」と、同じように両手を並べて前に突き出してしまいました。

それを見てジャスミンは素早く手錠を取り出し「ほい!御用!」と言って、
マーベラスの両手を手錠で拘束してしまいます。
このトボケた感じは、まさにジャスミンの真骨頂です。
「なんだこれ?」とまだ事態が呑み込めないマーベラスは
手錠で拘束されてしまった両手を持ちあげて首を傾げますが、
ここでジャスミンはクールな表情に一変して、マーベラスの手配書を掲げて
「キャプテン・マーベラス・・・諸々の海賊行為の容疑で、逮捕よ!」と言い放ち、
「SPD」という文字の刻まれたSPライセンスを掲げて見せる。
同時にマーベラスの周囲を警官隊が取り囲み一斉に銃口を向け、
遅れて警察署に入ってきたジョーたち4人は突然の展開に驚き立ちすくむ。

SPライセンスというのはデカレンジャーの変身アイテムであるが、
宇宙警察の警察手帳でもあり通信機でもあります。
これを見て、さすがにマーベラスも事態を理解し、「SPD・・・宇宙警察か・・・」と呻きます。
マーベラスもさすがに宇宙海賊だけあってSPD(スペシャルポリスデカレンジャー)と、
その属する組織である宇宙警察のことは知っているようです。
地球の警察はザンギャック支配地域ででっち上げられたマーベラス一味の罪状は管轄外ですが、
確かに宇宙警察ならば全宇宙が管轄ですから、マーベラス一味に対しても逮捕権限はあります。
マーベラスは地球にも宇宙警察の分署があるとは知らなかったようで、これは油断でした。

しかしマーベラスたちを賞金首として手配しているのはザンギャックであり、
宇宙警察からはマーベラス達は手配されていないはずでした。
「お前ら・・・賞金に目が眩んで、ザンギャックの犬になり下がったのか・・・?」とマーベラスが呆れたように問うと、
ジャスミンはムッとして「ふざけないで!ザンギャックとなんて手を組むわけないでしょ!」と言い返す。

ジャスミンもかつてザンギャックの地球への無法な侵略に対してレジェンド大戦で立ち向かった戦士の1人でした。
それは地球を守る34のスーパー戦隊の中の1人としての戦いであると同時に、
ザンギャックの無法な地球侵略が歴然たる宇宙人犯罪であるという、
宇宙警察の刑事としてのプロ意識に基づいた戦いでもあったのです。
レジェンド大戦後もジャスミンはザンギャックが犯罪集団であるという認識は微塵も揺らいではいない。
だからジャスミンがザンギャックなどと手を組むはずはないのです。

しかし、宇宙警察は全宇宙で犯罪者の取締活動を行わなければなりません。
そうなると、全宇宙の大部分を支配下に収めているザンギャック帝国とも、
それなりに上手くやっていかねばなりません。
確かに宇宙警察は数多くの惑星のネットワークによって作られた独立組織であって、
決してザンギャックの支配下にある組織ではありません。
しかし、宇宙警察の上層部はザンギャックがあちこちで無法な侵略や迫害を行っていることは
薄々分かっていながらも、あまりそれをうるさく指摘すれば、ザンギャックにヘソを曲げられて、
ザンギャック支配地域での宇宙警察の活動に支障をきたすということを恐れています。
だから、ザンギャックの行為にはある程度は不干渉の方針で、基本的には友好関係を保っています。
それに、ザンギャック支配下の星が増えるにつれて、
宇宙警察の上層部にもザンギャック寄りの者も増えてきています。

そうした背景があり、今回、ワルズ・ギルの要望によって宇宙警察本部を通じて
地球署にマーベラス一味の逮捕命令が下されたのです。
ジャスミンはこれがザンギャックからの圧力に宇宙警察本部が屈した形であることが分かっているだけに、
内心非常に歯がゆく思っています。
もちろんマーベラス一味がレンジャーキーを持っていることも知っており、
何度か行き掛かり上ではあるもののザンギャックの地球侵略の邪魔をしていることも知っています。
ただ、それでも海賊行為の容疑が存在することも事実であり、
宇宙警察本部から逮捕命令が出ている以上、刑事として見逃すわけにはいかないのです。

あくまで宇宙刑事としての職務を果たすだけのことです。
それを賞金目当てのように言われては心外でした。
だが、ザンギャックの思惑に沿って動いてしまっていることも事実でした。
それゆえ、そのことを指摘されるとジャスミンは悔しさから少し頭に血が昇るのでした。
しかし怒りを呑み込んで、ジャスミンは立ちすくんでいるジョー達4人の方に視線を向けて
「・・・そんなことより、大人しく全員お縄につくべし!」と言う。
相変わらず口調が変に古臭いです。

ジャスミンは別にマーベラス達をザンギャックに引き渡すつもりはありませんでした。
あくまで宇宙警察本部からの要請で逮捕するだけのことで、
処罰が必要ならば地球署から宇宙裁判所のラインで執行するだけのことです。
それに、まずとにかく逮捕して取り調べをすべきでした。
取り調べ次第では容疑が晴れることだって有り得るのです。

しかしマーベラス達はこのまま逮捕されたらザンギャックに引き渡されると思い、恐怖します。
特に小心者のハカセはこのままでは逮捕されると思い叫びそうになり、
ジョーがそれを肘鉄で黙らせます。
そしてマーベラスの目配せを受けてルカが
「そういうことなら・・・」と掌にパンチを入れながら戦うポーズをとったかと思うと、
「・・・全員逃げるべし!」とジャスミンの口調を真似しながら撤退命令を出し、
4人は回れ右して一目散に警察署の出口から逃げ出します。
アイムがちゃんとお辞儀してから逃げるのが礼儀正しくて良いです。
やはり育ちが良いのでお巡りさんには敬意を持っているようです。

さて、ここでマーベラスはルカ達に(逃げろ)と合図を送ったのでした。
それは、4人に助けてもらわなくても自分1人でも逃げ出せるという自信があったからでした。
またルカ達もマーベラスならこれぐらいの包囲網は手錠したままでも突破出来ると
信頼しているということでもあります。

逃げ出した4人を「待ちなさい!」と追いかけようとするジャスミンに
いきなりキックを繰り出してマーベラスは暴れ始め、
そしてそのまま周囲を囲んだ警官隊と大立ち回りを始めます。
その騒ぎの隙に4人はまんまと逃げてしまいました。
4人を逃がす援護をしただけでなく、
更にマーベラスは両手が手錠で塞がったままで凄まじい戦闘力を発揮して、
警官たちをなぎ倒します。
ここは生身アクション結構頑張ってます。
そうして警官隊をみんな倒してしまったマーベラスは
「じゃあな!美人のお巡りさん!」と、しゃがみこんで驚いているジャスミンを嘲笑って、
手錠を嵌めたまま外に逃走していきました。

するとジャスミンはすっと立ち上がると
SPライセンスを取り出して通信機能で何処かに連絡をとります。
おそらく、手錠に発信機がついていると思われ、
マーベラスの位置は宇宙警察地球署の方で捕捉出来ると思われます。
それで地球署のあるデカベースに連絡をとって追手を差し向けたのでしょう。

そうとは知らず逃走したマーベラスは電車の車庫の近くで突然、
姿の見えない追手の銃撃を受けて戸惑います。
「また来やがったか!」と慌てて走り出したところ、
先回りした追手に体当たりされて地面に転がされてしまいます。

顔を起こしてマーベラスが追手の姿を見ると、
そこには宇宙警察の上級職用の長い丈のユニホームを着た犬顔の刑事が立っていました。
「宇宙警察地球署署長、ドギー・クルーガーだ」と、わざわざ名乗ったその男は、
デカレンジャーのボスことドギー・クルーガーでした。
これは懐かしい。

ドギーは地球人ではなくアヌビス星人という犬型宇宙人の設定だったので、
着ぐるみキャラではありましたが、
中に入って演じてくれた日下秀昭氏や、声を担当した稲田徹氏によって非常に魅力的なキャラとなり、
歴代屈指の魅力的な戦隊司令官キャラとなりました。
現在は署長としてデカレンジャーの指揮官を務めますが、
かつては腕利き刑事として馴らし、絶対的な信頼感と高い戦闘力を誇る、沈着冷静で情に熱く、
自他に厳しくプロフェッショナル刑事の誇りに満ちたハードボイルド、男の中の男、
抱かれたい犬ナンバーワンです。
デカレンジャーの正規メンバーではありませんが、
デカマスターに変身して戦うこともあるという、戦う司令官キャラでもあります。

「アヌビス星人か・・・さすがに鼻が利くな!」とマーベラスはドギーの犬顔を見て皮肉を言う。
マーベラスはアヌビス星人のことを知っているようです。
ただ、まさか本当に臭いで嗅ぎつけられたわけではなく、
手錠に発信機能があることにはマーベラスも気付きました。
「海賊に褒められても嬉しくないな」とドギーはクールに
デカレンジャー用拳銃のSPシューターをマーベラスに向けて突きつけます。
すかさずマーベラスは不意をついた後ろ回し蹴りでSPシューターを弾き飛ばし、逃げようとしますが、
ドギーはすぐに自分専用の長剣、ディーソードベガを抜いてマーベラスに斬りかかり、
逃げることを許しません。

そのままドギーの斬撃をなんとかかわしながらマーベラスは廃倉庫の中に逃げ込んでいきますが、
ドギーも息つくヒマを与えない攻撃でマーベラスにピッタリ張りつきます。
ドギーは銀河一刀流の達人なので、さすがのマーベラスも手錠で両手が塞がった状態では到底勝ち目は無く、
防戦一方となります。
そして追い詰められたマーベラスに向けてドギーがとどめの一撃を振り下ろした瞬間、
その時を待ちかねたようにマーベラスは振り下ろされるディーソードベガの前に両手を差し出す。
ドギーに手錠の繋ぎ目を破壊させようという狙いだった。
が、ドギーはマーベラスの狙いを読んでおり、剣を手錠の寸前で止めると、
逆に動きの止まったマーベラスを狙いすましたように捕まえて「残念だったな!」と言いざま、
剣の柄で強烈な一撃をマーベラスの鳩尾に叩き込んだのでした。

これにはマーベラスもグロッキー状態となり、
ぐったりしたマーベラスの懐からモバイレーツを奪い取ったドギーは、
「こいつは預かっとくぞ」と言って自分の懐にしまってしまい、マーベラスの変身も封じました。
観念して大人しくなったマーベラスは恨めしそうな目をして
「俺は宇宙警察に捕まるようなことした覚えは無ぇぞ?」と抗議するが、
ドギーはあくまでクールに「言い訳は取り調べ室で聞いてやる」と言いつつ、
ディーソードベガをマーベラスの首筋にあてて警戒は解かない。

それにしても、ジャスミンの急報を受けて差し向けられた追手が署長のドギーというのは意外です。
何せ署長ですから、普通は署に鎮座して指揮を執るのが仕事であって、
逃亡犯の追跡に署長自ら乗り出すというのは、やはり異例と言うしかないでしょう。
確かにマーベラスは手強い相手ではあり、ドギーぐらいの腕が無ければ逮捕は難しいのかもしれませんが、
ドギーという男は「部下が頼りないから自分が前線に出る」というような薄っぺらい考え方をするような男ではありません。
自分は後ろに控えて、あくまで部下に任せることが出来る男です。

実際のところ、実力はドギーが一番なのです。
でも、あえて 部下に任せて部下の成長を促すという、指導者としての真の実力を持った男がドギーです。
だから、この場合、単にマーベラスが手強い相手だから出張ってきたのではありません。

ちなみに第1話のレジェンド大戦の映像では
ドギーやその変身態であるデカマスターの姿は見当たりませんでした。
だから、あるいはドギーは変身能力を失っていないのかもしれません。
署長という立場上、ザンギャックとの義勇軍的な戦いに参加出来なかったのかもしれません。
それとも、あるいは別の戦線で参加していたのかもしれず、
その場合はやはり変身能力を失ったのかもしれません。
そのあたりどうもハッキリとはしないのですが、
もしドギーだけが変身能力を失っていなかったとしたならば、
地球署においては圧倒的に戦力となる存在ですから、
逃亡犯の逮捕にまで出張ってくることにもなるのかもしれません。

しかし、もし変身出来るとしたら、
何故ドギーはマーベラスとの戦いにおいて変身しなかったのか。
手錠で両手が塞がったような相手に変身する必要を感じなかったのかもしれませんが、
もしマーベラスが両手を使えたとしてもドギーは変身しなかったと思えます。
何故ならドギーは部下が依存心を持たないように、よほどのピンチでなければ変身しない主義だからです。
このような考え方をするドギーですから、変身能力の有無はこの際あまり重要ではないでしょう。

変身能力は失っているのかもしれないし、失っていないかもしれない。
ただ、どっちにしても基本的にはドギーは変身しない主義であり、また、変身しなくても強い。
ただ、その強さにまかせて前線に出たがるようなタイプでもありません。
そういうドギーがあえて前線に出て来る時というのは、よほどの事情が有る時だけです。
つまり、ここではドギーは何としても自分の手でマーベラスを逮捕したかったのだと思われます。

というより、他の者には逮捕させたくなかった。
いや、信頼する部下のジャスミンならば良かったのでしょうが、
ジャスミンが取り逃がしてしまった以上は、他の者がマーベラスを逮捕してしまうことになるかもしれない。
それをドギーは嫌ったのです。
焦って自分が前線に出てまでも、何としてもマーベラスを自分が確保したかった。
他の者の手に渡したくなかったのだと思われます。

それは、おそらくドギーとその部下以外の他の宇宙警察関係者の場合、
マーベラスを逮捕したらザンギャックに渡してしまう危険があるからでしょう。
だからドギーはマーベラス一味を確保して、
自分の目でそのレンジャーキーを引き継ぐ者たちの人物を見極めたいと思っていたのでありましょう。

ところがドギーはかなりガッカリしていました。
彼らに海賊行為の容疑があることは事実なのです。
海賊を名乗っているのですから、海賊行為をしているという自覚はあるはずです。
その容疑について事情を聞くための逮捕です。
それなのに、いきなり警察署で大暴れして逃走し、
今また自分を相手に激しく抵抗して大立ち回りを演じ、
手錠を斬らせて逃げようとまでする狡猾なマーベラスには、ドギーは失望しました。
しょせんは海賊であり、法や秩序を守る意思など無い無法者だと思えたのでした。
これはやはり海賊行為の容疑も真実なのではないかと思えたのです。
それでドギーは失望感もあり、マーベラスに冷淡な態度で接するのでした。

と、そこに何やら物音がするので、2人が見てみると、
なんと倉庫の中にゴーミンの集団が入ってきたのでした。
「ザンギャック?」とマーベラスは目を疑いますが、
ドギーは「来い!」とマーベラスを乱暴に引きたてて、素早く物陰に移動します。
何やら不穏な様子を感じ取ったのです。
そうして身を潜めて2人はザンギャック集団の様子を窺います。

ザンギャック集団の中の1人、行動隊長と思しき怪人が倉庫の中にあるビニールシートを剥ぎ取ると、
その下から妙なコンソール型の機械が出てきました。
そして、怪人がその機械のパネル部分のボタンを押すと、
倉庫の空間いっぱいに巨大なミサイル発射装置のようなものが出現し、
そのまま起動して地下に向かって沈みこんでいったのです。

更にその怪人はその機械を通じて
ザンギャックの宇宙空間の司令部ギガントホースのワルズ・ギルと交信を始めたのでした。
それによると、このミサイルはインサーンの開発した地球の全ての大都市を破壊するための地底ミサイルで、
あと2時間で発射されるとのことでした。
たまたまマーベラスとドギーが格闘しながら飛び込んだ倉庫が
ザンギャックの地底ミサイル発射作戦の秘密基地だったようだのだ。

驚いたドギーが手持ちのマスターライセンス(SPライセンスの管理職用バージョン)で
怪人の容姿をもとにアリエナイザー(宇宙犯罪者)の検索をすると、
トリガー星人ブラムドであることが分かりました。
幾つもの惑星を破壊した罪が確定して宇宙裁判所でデリート許可の判決が既に下されている重度の犯罪者でした。
しかもブラムドはザンギャックの一員です。
となると、この地底ミサイルというのは本物と考えていいでしょう。

「どうすんだよ?犬のお巡りさんよぉ?俺なんかよりこっちを何とかしなきゃマズいんじゃねぇのか?」と
マーベラスはドギーに話しかけます。
マーベラスは第2話で少年から地球に守る価値があると聞かされて以降、
宝探しの合間にではありますが、それなりに地球のことも気にかけており、
このブラムドの企みを放置しておけないという想いもあるのですが、
それが素直に表現出来る性格でもなく、つい憎まれ口のような表現になります。

一方ドギーはマーベラスをすっかり狡猾な逃亡犯としか見ていません。
まぁついさっきまで大暴れして逃げようとしていたマーベラスをいきなり信用する方がおかしい。
だから、ドギーから見ればマーベラスがまた巧みにこの事態を利用して逃げようとしているようにしか見えません。
ドギーは「大人しくしてろ!」とマーベラスを一喝し、
「・・・とにかくあのコンソールを・・・」と独り言を言います。

ブラムドの逮捕はともかく、あのコンソールごと時限発射装置を破壊すれば
ミサイルの発射は阻止出来そうです。
まずはコンソールの破壊を優先した作戦を立てる必要があります。
幸い、まだ2時間の猶予があり、すぐに応援を要請すれば間に合いそうです。
そうドギーが考えていた時、
なんとマーベラスから取り上げたモバイレーツの呼び出し音が鳴り響いたのでした。

その音に驚いたブラムドは「誰だ!?」と振り向いて二丁拳銃をぶっ放してきます。
こうなっては隠れていることは出来ません。
逃げようにも倉庫の出口側にはブラムド達がいるのです。
仕方なくドギーとマーベラスは物陰から姿を現します。
マーベラスは「・・・ったく!こんな時に連絡してきやがって!」と愚痴ります。
おおかた、警察から逃げて船に戻った4人が
マーベラスだけが戻っていないので不審に思って連絡してきたのでしょう。

「ほぉ〜?・・・宇宙警察と賞金首の海賊か?・・・面白い取り合わせだ!」と
ブラムドは変なコンビに少し驚きつつ嘲笑します。
おおかた捕物の途中に偶然目撃されたのであろうが、
相手が宇宙警察であろうとも、この計画を邪魔するつもりならば排除するまでだとブラムドは心に決めています。
ドギーもブラムドが殺気を漂わせていることは承知で、
それでも犯罪者を見逃すことなど出来ません。
堂々と前へ進み出て「トリガー星人ブラムド!惑星破壊工作の現行犯で逮捕する!」と
マスターライセンスを掲げて見得を切りますが、
ブラムドはその瞬間、ドギーの手に持ったマスターライセンスを撃ち落としてしまいます。

マスターライセンスがデカレンジャーの変身アイテムだということを見越した上での狙撃でした。
そもそもドギーは変身能力を失っているか、あるいはよほどのピンチでないと変身しないので、
この時は変身しようとしていたわけではないと思うのですが、
それでも念のために最初にマスターライセンスを破壊したのはブラムドの用心深さでしょう。
「フン!逮捕出来るものならやってみろ!」と言うと、
ブラムドはゴーミンに命じてドギーとマーベラスに襲いかからせます。
作戦遂行のため、邪魔な2人を殺すことに決めたのです。

ゴーカイガレオンではアイムがマーベラスのモバイレーツを何度も呼び出していましたが、
全く応答が無いことをジョーやルカに報告します。
警察から逃げて船に帰ってきたらマーベラスだけが帰ってきていないので
不審に思い連絡したのですが、全く応答も無い。
マーベラスともあろう者が、あの警察署にいた警官たち程度の相手から逃げられないはずはないので、
ジョー達はいったいどうなっているのか、さっぱり分かりません。
とにかく何かがマーベラスの身に起きたに違いない。
ルカはハカセにマーベラスのモバイレーツのGPS機能を使ってその現在地の追跡を依頼し、
ハカセはキーボードを操作してモニターを睨み、必死で位置を探ります。

その頃、マーベラスとドギーは倉庫の中でゴーミン達と戦っていました。
ドギーはディーソードベガを抜いて銀河一刀流の剣技でゴーミン達を次々と倒していきます。
ドギーとしては、逮捕するなどとは見得を切ったものの、
この場はとにかく何とか血路を開いて逃げ出し、増援を呼ぶことが大事だと考えています。
それぐらいならばドギー単独ならば十分可能だったでしょう。

しかし問題はマーベラスでした。
両手が手錠で繋がれた状態ではゴーミン相手にも苦戦しています。
焦ったマーベラスはゴーミンと戦いながら
「おい!!この手錠、外せ!!」とドギーに向かって怒鳴ります。
しかしドギーは「そんなわけにいかない!!」と、マーベラスの頼みに応じようとはしません。
ドギーの目から見て、まだマーベラスには余裕があるように見えました。
それゆえ、マーベラスは苦戦しているフリをして手錠を外させて逃げようとしているのだと
ドギーは思ったのです。
ドギーはもう全然マーベラスのことを信用していません。

「融通のきかねぇ野郎だ!!」と激怒したマーベラスは
手錠をしたまま大暴れしてゴーミン達を倒していきます。
どうやら実際に余力は残していたようです。
しかし、そのマーベラスに向かってブラムドは手にした銃で狙撃し、
マーベラスはなんとか銃弾はかわしたものの、その爆発で吹っ飛ばされて倒れ込みます。
そこにブラムドが二丁拳銃で狙いをつけて「仲良くあの世へ行け!」と言って銃弾を連射します。
そこにドギーが飛び込み、マーベラスの前に立ち塞がり、
次々と飛んでくる銃弾をディーソードベガで懸命に叩き落とし、
2人の周りは爆炎に包まれます。
そして炎が収まった時、もうそこにはドギーとマーベラスの姿は消えていたのでした。
「逃げたか・・・!」とブラムドは悔しそうに呻きます。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 21:47 | Comment(0) | 第5話「ジャッジメント・パイレーツ」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月25日

第5話「ジャッジメント・パイレーツ」感想その3

倉庫から脱出したドギーとマーベラスはブラムドの追手から逃れましたが、
この倉庫のある敷地一帯は既にブラムド配下の多数のゴーミンやスゴーミンによって占拠されており、
その囲みを破って外に出ることは出来ませんでした。
仕方なくドギーは敷地の中で監視の緩い場所を見つけてそこに逃げ込み、
ようやく駐車場の一角に落ち着きました。
そうして彷徨っている間、ドギーはずっとマーベラスが逃げないように
首根っこを捕まえていなければなりませんでした。

駐車場の一角に着くと、ドギーは乱暴にマーベラスを壁に叩きつけ、その挙動に注意を払います。
2人とも散々走りまわったため、すっかり息が上がっていますが、
ドギーはマーベラスが油断のならない狡猾な男だと分かっているので、決して警戒を緩めません。
手錠をしたまま身を起こしたマーベラスは「お前のせいで、とんだとばっちりだ!」と文句を言います。
マーベラスにしてみれば、でっちあげの罪状で追跡されて逃げ込んだ倉庫で
ザンギャックに襲われたわけですから、確かにとばっちりです。

しかし、罪状がでっちあげかどうかはドギーには分からないわけで、マーベラスはまだ立派な容疑者です。
というより、執拗に逃げようとしている時点でクロに近いと見られても仕方ありません。
そうなると、ドギーにしてみればマーベラスが変な所に逃げ込んだせいで
むしろ自分の方が騒動に巻き込まれた形といえます。
しかしまぁ、ドギーは警察官ですから、この状況を「とばっちり」と受け取るはずもなく、
むしろ重大犯罪を未然に防ぐ機会に恵まれたといえます。

だからここでマーベラスと責任のなすりつけ合いをするはずもなく、
ドギーは逃げながらずっと、あの地底ミサイルの発射をどうやって阻止しようかと思案していました。
この敷地から脱出出来ない以上、本来ならマスターライセンスの通信機を使って
デカベースに連絡を取るべき場面なのですが、
さっきブラムドに撃たれてマスターライセンスは壊れてしまいました。
これで外部に連絡することも出来ません。
また、(変身能力があればの話だが)デカマスターに変身することも出来ません。

といって、このまま手をこまねいていても2時間後、
いや、逃げ回っているうちに更に時間は空費しているので、おそらくもう1時間ちょっと後には
ミサイルが発射されてしまいます。
こうなれば、マーベラスはここに置いておいて、
自分1人だけですぐに再びあの倉庫に向かい、あのコンソールを破壊するしかない、
とドギーは決意していました。

そのドギーの決意を見透かしたように
「・・・どうせ、あのミサイルを止めに行くんだろ?」とマーベラスは言います。
そして、手錠で繋がれた両手を持ちあげて
「これ外してモバイレーツ使わせてくれたら・・・手伝ってやってもいいぜ?」と
下を向いてぶっきらぼうに言います。

とてもツンデレなマーベラスです。
とばっちりとは思っていても、
マーベラスは自分のモバイレーツが鳴ったせいでドギーの職務を邪魔したことを
多少は申し訳なく思っており、そのミスの埋め合わせに少しは協力してやってもいいとは思っていました。
それに、さっき両手が塞がっているのをいいことに吹っ飛ばしてくれたブラムドに対して
リベンジしてやりたいという悔しさもあり、マーベラスは戦う気は満々でした。

いや、それだけではなく、実際は心の奥ではマーベラスは、
やはりあの地底ミサイルを止めたいと思っているのです。
つまり、この星を守るという行為に後ろ髪を引かれる想いがあるのです。
この星を守らなければいけない義務があるわけではないし、
この星を守る価値もまだよく分からないのですが、
その価値に興味を持ってしまっている身としては、
このままこの星があの地底ミサイルで壊滅させられるのを見過ごすのは、どうにも居心地が悪いのです。
それでマーベラスは、ミスの埋め合わせやリベンジという言葉で自分を納得させて
戦おうとしているのでした。

しかしドギーは「ふざけるな!海賊の言うことなど信じられるか!」と一喝します。
マーベラスが戦いに協力するフリをして手錠を外させてモバイレーツを取り戻したら
逃げるつもりなのだと見破っているのです。
そして、この点に関しては誤解でもなんでもなく、
実際にマーベラスは戦いには協力するが、それが終われば
もちろん自由になったのを良いことに逃げるつもりでした。
マーベラスにとってはもともとこんなのは誤認逮捕の冤罪なのですから、
逃げるのが当然という発想です。
それに別に「逃げない」とは言っていないわけですからウソをついていることにもなりません。

ただ、ドギーはマーベラスが逃げるために戦うフリをしているだけだと決めつけていますが、
実際はマーベラスは戦うつもりはあるのです。
このあたりは誤解は有るのですが、
どっちにしても黙って逃げようとしているのは確かで、
刑事と容疑者の間柄では、マーベラスのやろうとしていることは決して許されることではありません。
だからドギーの怒りはしごく尤もで、図星をつかれたマーベラスとしても言い返すことは出来ません。
いや、「逃げないから信じてくれ」ぐらい言ってもいいはずですが、マーベラスはウソはつかないのです。

「お前はここで大人しくしているんだ・・・」とドギーはマーベラスに言いますが、
マーベラスは「してるわけねぇだろう!」と怒鳴ります。やはり正直です。
もともと身に覚えの無い罪で捕まっているのです。
監視がいなくなれば、ここで大人しく待っている理由など無い。
逃げるに決まってるだろうと思い、マーベラスはあくまで自分を罪人扱いするドギーに腹が立ちました。
それに対して「逃げたければ勝手にしろ・・・だが、手錠はそのままだ」とドギーは冷たく言い放ちます。
そして「ミサイルを止めたら、俺は必ずお前を捕まえに行く・・・地獄の果てまでもな・・・!」と、
凄まじい気迫でマーベラスを睨みつけます。
現役刑事時代に「地獄の番犬」との異名をとっただけあり、大した迫力です。

ドギーも今はミサイル発射を阻止することを優先せざるを得ない以上、
マーベラスの逃亡は避けられないと見ています。
だが、マーベラスとて、手錠を嵌めたままザンギャックの包囲網を突破して
この敷地から外に出るのは容易ではないでしょう。手間取るはずです。
その間にミサイルを止めてデカベースに戻り手錠の発信機を追尾して
再びマーベラスを捕まえることは不可能ではないとドギーは考えていました。

もしマーベラスがゴーカイガレオンに戻ってしまえば仲間の手を借りて手錠も外してしまうであろうし、
逮捕は困難になりますから、何とか早くミサイルの方をカタをつけなければなりませんが、
もし最悪、マーベラスが船に逃げ込んでしまったとしても、ドギーは何処までも追い詰めていくつもりでした。
いずれにせよ、ザンギャックと宇宙警察の両方に追われる立場では、いずれ捕まることになる。
それならばいっそ自分が確保した方が、ちゃんとした法に則った裁きを受けさせられると、
ドギーはむしろその方がマーベラスのためになると思っています。

しかし、それはあくまでマーベラスを容疑者として扱うドギーの姿勢に基づいた考え方であり、
自分は無罪だと知っているマーベラスにはそんなドギーの心情が理解出来るはずもありません。
マーベラスは怒りの形相でドギーを睨み返しますが、
ドギーはプイッと無視して、さっきの倉庫へ戻る道を1人で歩き出します。
その後姿を忌々しげに見送って、1人残されたマーベラスは壁を蹴って苛立ちを爆発させます。

相変わらず犯人扱いされて手錠も外してもらえず、
逃げることが困難な状態のままであることにも苛立っていましたが、
マーベラスが一番モヤモヤしているのは、
せっかく一緒に戦ってやると言ったのに、その申し出を拒否されたことでした。
本心はマーベラスは、両手が自由になった状態でブラムド相手に大暴れして、
ブラムドの計画を邪魔して鼻を明かしてやりたかったのでした。
それはさっきのリベンジでもあり、
また、このままザンギャックの思惑通りに地球の都市が破壊されるのは面白くなかったからでした。
だから戦いたかったのに、手錠も外してもらえないのでは戦いようがありません。

マーベラスはさっきの手合わせでドギーの腕前が達人クラスであることは分かっていますから、
ドギーがミサイル発射を阻止するだろうとは思っています。
だから、ここでのマーベラスの苛立ちは、
「美味しいところを一人占めされた」というような腹立ちだといえます。
こんな場所で留守番などまっぴらであり、もういっそのこと、本当にこのまま逃げてやろうかと思い、
マーベラスはドギーの去っていった方向を見ます。

すると、妙なものが視界に入ってきました。
ドギーの歩いていった方向へ向かって点々と赤いものが地面に落ちて繋がっているのです。
よく見ると、それは血痕でした。
つまり、ドギーの身体の何処からか流血しており、それが滴って血痕を地面に残していっているのです。
その血痕の大きさや数などからして、その流血量は多く、
かなりの重傷のようで、しかも、かなり新しい傷のようでした。
逃げている間、ドギーに怪我しているような素振りは見えなかったので、
マーベラスも今の今まで気付いていませんでした。

いったい何時の間に怪我をしていたのだろうかと不審に思ったマーベラスは、ハッと思い出しました。
さっき、倉庫で自分がブラムドに撃たれそうになっていた時に、
飛び込んできたドギーが盾になり、ブラムドの銃弾を弾いた時、
1発だけ銃弾がドギーの脇腹あたりで肉に当たる音を聞き、
ドギーが苦しそうに少し呻いた声を聞いたのです。
しかしその後、ドギーは普通に動いて自分を連れて脱出して、その後も全く平気そうにしていたので、
マーベラスは銃弾の件は気のせいだと思っていたのでした。
しかし実際はやはり銃弾は1発だけドギーの脇腹を貫いていたようです。
かなりの重傷のはずです。

そもそもどうして、あれほど憎々しげに扱う容疑者の自分などを助けるためにドギーが盾になったのかが、
マーベラスには不可解でした。
しかも怪我までして、そのことを一言も言わないというのも不可解でした。
まぁそれだけ信用していないということなのかもしれません。
だからこそ、せっかく一緒に戦おうと言っているのに断ったのでしょうが、
結局、ドギーは重傷を負った身で1人で戦いに行く羽目になったのです。
これは、いくらドギーが剣の達人であっても無謀というものです。

このままではドギーが危ないということに気付いたマーベラスでしたが、
本来、ドギーが生きようが死のうがマーベラスには関係無い話でした。
いや、むしろ逃げることを考えれば、死んでくれた方が好都合でしょう。
しかし、マーベラスの心の奥底からはそれとは全く正反対の大きな衝動が込み上げてきたのでした。

それから少し後、マーベラスのモバイレーツ(現在はドギーが持っている)の信号を探知して
位置を特定したハカセの案内で、
ジョーたち4人は、マーベラスとドギーの居る電車の倉庫の敷地へやって来ました。
4人はマーベラスを探しに来たのですが、
ここでこの敷地に外部から人が入って来ないように見張りをしているスゴーミンやゴーミン達に遭遇して驚きます。
「ザンギャック?」とアイムは意外そうに声を上げ、
「マーベラスは宇宙警察に追われてたんじゃないの?」とルカも不審がり、
「だよね?・・・どういうことだろ?」とハカセもワケが分からない様子です。

4人はてっきりマーベラスが宇宙警察に邪魔されて戻ってこれないのだと思っていたので、
邪魔者が現れるなら宇宙警察だと思っていたのです。
それがいきなりザンギャックの出現ですから、呆気に取られたのです。
ジョーが「・・・また面倒に巻き込まれたようだな」と呟きます。
経緯はよく分からないが、おそらくマーベラスは宇宙警察から逃げているうちにザンギャックと遭遇して、
連絡が取れないような状態になっているように推測出来ました。
とにかく、この敷地の中にマーベラスは居るに違いありません。
ならばここは強行突破するしかない。
4人はゴーカイジャーのレンジャーキーを取り出し、モバイレーツに差し込み、
ゴーカイジャーに変身します。

その頃、ドギーは脇腹の痛みを堪えつつ、再びさっきの倉庫にようやく辿り着き、
2階に昇って物陰に潜み、
1階部分で例のミサイルを操作するコンソールの周囲で警備をしているブラムドやゴーミン達を見降ろしていました。
これだけ厳重に警備しているということは、やはりミサイルの発射にはあのコンソールが欠かせないということです。

「あれを破壊すればミサイルは止まる・・・」と言いつつ、
ドギーはコンソールの時限装置のパネルの「00:45」という表示を見て
「あと45分・・・」と呟いたところで脇腹に激痛が走り、「うおっ・・・?」とのけぞります。
脇腹の傷は急所は外れていましたが、無理して動いたために痛みと出血が激しく、
ドギーを苦しめていました。
しかも不幸なことに、脇腹から滴り落ちた血がちょうど真下に居たブラムドの頭に滴り、
ブラムドは何者かが2階に潜んでいることに気がついてしまいました。
一方、ドギーは自分の血が階下に落ちていたことに気付いていませんでした。

そこにいきなりブラムドが振り向いて銃撃してきたので、驚き慌てて、ドギーは2階から転落してしまいます。
地面に倒れてもがくドギーに向けて銃口を構え
「性懲りも無く・・・一思いにあの世へ送ってやる!」とブラムドが撃とうとした瞬間、
いきなりマーベラスが鎖にぶら下がってターザンのように突っ込んで来て、
「うりゃっ!!」とブラムドに思いっきり蹴りを入れます。

不意打ちを喰らって吹っ飛んだブラムドは反撃しようとして無茶苦茶に発砲し、
それによって天井が崩れて倒れているドギーの上に鉄骨や瓦礫などが降り注いできました。
「立て!!」とマーベラスはドギーを立たせて間一髪、降り積もる瓦礫から救い出し、
そのままドギーを連れてその場から逃走します。
ブラムドは後を追おうとしますが、降り積もる瓦礫が邪魔して前へ進めず、
またもやマーベラスとドギーを取り逃がしてしまったのでした。

さて一方、倉庫から少し離れた敷地の入り口付近では、
ジョー達4人がゴーカイジャーに変身してゴーミン集団と戦い続けていました。
4人は例の右手にゴーカイサーベル、左手にゴーカイガンという海賊スタイルで
ゴーミン達を次々と倒していきますが、次から次へとゴーミン達が増援されてきます。
これほどの警備網が敷かれているということは、
よほど大事なモノがこの奥にはあるようだということは4人にも分かりましたが、とにかくウザい。

「ああもう!まどろっこしい!」とルカは一気にカタをつけるために
レンジャーキーをバックルから取り出します。
それはゴーオンイエローのレンジャーキーでした。
同時に他の3人もそれぞれゴーオンジャーのレンジャーキーを取り出し
「豪快チェンジ!!」と叫んでモバイレーツに差し込みます。
するとゴーオンジャーのエンブレムが飛び出し、4人はゴーオンジャーへと豪快チェンジします。

第3話でアイムがゴーオンブラックになりましたが、
集団でゴーオンジャーに変身するシーンはこれが初めてです。
ジョーがゴーオンブルー、
ルカがゴーオンイエロー、
ハカセがゴーオングリーン、
アイムがゴーオンブラックです。

このゴーオンジャーのアクションが、
いかにもゴーオンジャーらしい重心を低めに落してスピーディーに動き回るスタイルで、
しかも本家のゴーオンジャーよりカッコいい。
本家のゴーオンジャーは割とコメディ要素が強い戦隊であったので、
戦闘時にも良い意味でのユルさが特徴であり、それが魅力でもあったのですが、
その分ストレートなカッコ良さが抑えめになっていました。
具体的には、かなり戦闘時のアフレコでアドリブなど遊び要素が多かったように思います。
ゴーカイジャーの変身したゴーオンジャーは、本家ほどユルいキャラではないので、
普通に凛々しくカッコよく見えます。

ジョーのゴーオンブルーは香坂連のオカンキャラではないので、
ガレージランチャーをクールに構えて撃ち、ゴーミンを撃破します。
ルカのゴーオンイエローは楼山早輝の可愛いキャラではなく、かなりカッコいいです。
声がもう全然違う。凛々しい声を上げながらレーシングパレットを放ち、ゴーミン達を蹴散らします。
上腕部についたタイヤを回転させて敵を吹っ飛ばすという
「ゴーオンジャー」本編の初期にしか見られなかったアクションを再現しているのもマニアックで良いです。

ハカセのゴーオングリーンだけは本家の城範人とキャラがほぼ同じです。
ハカセは豪快チェンジしてもハカセのキャラやアクションをほぼそのまま維持する傾向が強いのですが、
今回はたまたま範人のキャラやアクションがハカセのものとほぼ同じであったので
シンクロ率が高くなったのでした。
ただ範人はおそらく戦隊史上最もユルいキャラなので、ハカセより更にユルく、
その分、ハカセ版ゴーオングリーンの方が若干カッコいいです。
ブリッジアックスをちゃんと使いこなしてゴーミンを撃破しています。
範人って、どうもフザケてる印象が強く、
こんなにちゃんとゴーオンギアを使いこなしてなかったような気がします。

そしてアイムのゴーオンブラックは二度目なのでもう慣れました。
石原軍平のキモくてカッコいいゴーオンブラックとはもう全く別物の凛々しさ、可愛らしさです。
アクロバチックな動きでカウルレーザーを放つというアクションは、かなり軍平に似せているのですが、
男の女の違いがあるので、アクションが似ている分、余計に違いが際立つ演出になってます。
また、基本的な体捌きが円運動になっており柔らかく優雅であるのが女性的といえます。

やはり、それぞれのメンバーが喋りながら戦ってくれると、
オリジナルキャラとのギャップなどで楽しめます。
そして4人が動き回る時、レーシングカーのエキゾースト音やブレーキ音の効果音が
コンスタントに鳴り響いているのも、いかにもゴーオンジャーらしい。
最後はゴーオンジャー特有のコーナリングで滑ってドリフトするような高速移動からブレーキングして、
そこでダイレンジャーのレンジャーキーを取り出して更に豪快チェンジします。

ダイレンジャーへの豪快チェンジは初公開です。
ダイレンジャーは戦士名に色名が入っていない戦隊ですが、色分けはちゃんとされており、
しかもゴーカイジャーと色の種類が同じ、赤青黄緑桃の戦隊の1つでもあります。
青の戦士であるテンマレンジャーにはジョーが変身し、
黄色の戦士であるキリンレンジャーにはルカが変身し、
緑の戦士であるシシレンジャーにはハカセが変身し、
桃色の戦士であるホウオウレンジャーにはアイムが変身しています。
皆、自分のパーソナルカラーと同じ色への変身ですので、非常に分かりやすいです。
ちなみに赤の戦士はリュウレンンジャーですが、
これはマーベラス不在なので、ここでは欠員となっています。

大型武器であるゴーオンギアを駆使するゴーオンジャーのアクションから、
肉弾戦主体の拳法戦隊のダイレンジャーへの繋ぎは絶妙といえます。
ダイレンジャーは拳法アクションの素晴らしさが伝説的ともなっている戦隊ですので、
その再現はスーツアクターさんにとってもハードルが高めであったと思われますが、
良い出来だったと思います。

テンマレンジャーは熱血漢のボクサーである将児が何故か足技主体で戦う戦士でしたが、
ジョーのテンマレンジャーも完全に足技オンリーの攻撃で見事に将児らしさを再現しています。
連続回し蹴りが見事です。

キリンレンジャーはキザ男の知が変身する戦士で、
これにルカが変身しているので、スカート付きの女戦士になっていますが、
その独特の酔拳アクションがルカ風にアレンジされて見事に再現されており、これは秀逸です。

シシレンジャーはクールな男である大五が変身する戦士で、棒術を得意としていました。
ここでもハカセのシシレンジャーは箒を使って戦い、見事に棒術アクションを再現していますが、
棒ではなく箒を使うあたり、日用品を武器にして面白味を演出する
ジャッキー・チェンなどのカンフー映画のノリで、そのとぼけた風味がいかにもハカセらしいといえます。
細部の動きも大五の再現というよりは、もう完全にハカセの動きになっており、
やはりハカセは特にわざとシンクロ率を下げるのは演出での明確な方針のようです。
ただ、それが非常に良い方向に作用しています。
ハカセのシシレンジャーとゴーミン達との立ち回りがカンフー映画の娯楽性を上手く表現出来ています。

そして、ダイレンジャーの本来の紅一点であるリンの変身したホウオウレンジャーは
身軽で優雅な動きで相手を翻弄する技を得意とする戦士でしたが、
このアイムの変身するホウオウレンジャーは、その動きをトレースしながら、
身軽に飛び跳ねる動きよりは身体の柔らかさを活かした戦い方をしており、
より優雅な感じになっています。

こうしてゴーミン達を片付けた4人は、
最後はダイレンジャーの初期の必殺技である「気力ボンバー」を発射してスゴーミン3体を撃破します。
「気力ボンバー」は各自がかめはめ波のように気力をボール状の気功弾にして両掌から発射し、
それが途中で全員分の気功弾が合体して1つの巨大な気功弾となって敵を粉砕する技です。
通常は5人で放つ技ですが、ここは4人分の気力ボンバーでスゴーミンを撃破したのでした。

一応これはダイレンジャーの決め技ではありますが、最強技というわけではありません。
最強技は「スーパー気力バズーカ」というのがありますので、
これはダイレンジャー篇の時に使われるのかもしれません。
まだゴーカイジャーはダイレンジャーの大いなる力は使いこなせていないはずなので、
そのあたりは配慮されているのかもしれません。
それはゴーオンジャーへの豪快チェンジのアクションにおいても同様でしょう。

マジレンジャー篇の時の描写を見る限りでは、
過去戦隊の「大いなる力」というのは、あくまで巨大戦の時に発現するもののようですが、
それでも演出的には、等身大戦においても、その戦隊の最もカッコいいアクションは、
その戦隊の「大いなる力」を得た直後のアクションにおいて描写される傾向のようです。
だから、ダイレンジャーやゴーオンジャーの最もカッコいいアクションは、
それらの戦隊の絡むエピソードの時のためにまだ残していると推測出来ます。
今回のアクションでも十分にカッコいいのですが、これ以上がまだあるとなると、期待感は高まります。

さて、スゴーミンを撃破した時には、もう夕陽が沈みかけていました。
それだけ警備のゴーミンやスゴーミンが多くて、倒すのに時間を食ってしまったということです。
これでは、まだ他にもゴーミン達がいる可能性もあります。
ますます只事ではないと感じたジョーは、
とにかく早くマーベラスを見つけなければいけないと思い
「急ぐぞ!」と3人に指示すると駆け出します。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 14:44 | Comment(0) | 第5話「ジャッジメント・パイレーツ」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月26日

第5話「ジャッジメント・パイレーツ」感想その4

その頃、夕焼けに照らされた中、敷地内のザンギャックの監視網から外れた廃ビルの中に、
マーベラスは重傷のドギーを抱えてようやく逃げ込んでいました。
マーベラスによって廊下の端に座らされたドギーは「なぜ俺を助けた・・・?」と質問する。
とっくに逃げたと思っていたマーベラスがいきなり現れて自分を助けた理由が
ドギーには全く分からなかったのです。
それに対してマーベラスは「借りを返しただけだ・・・」と返答します。
「借り?」と、ドギーは首を傾げてマーベラスを見ます。
マーベラスは「俺を庇わなければお前は怪我せずに済んだ・・・ずいぶんお人好しの警察官だな!」と言います。

つまりマーベラスは、ドギーが怪我をしてまでマーベラスを庇ってくれたことを
「借り」だと言っているのです。
自分を助けるために怪我をした相手を見捨てることは出来ない。
そのままでは「借り」を作ったままになってしまう。
だから、その怪我でその相手が危機に陥った時に助けることによって「借り」を返したのだというのが
マーベラスの自分の行動についての説明というわけです。

そして、マーベラスはその前提として、ドギーが善意で自分を助けてくれたと思っているようです。
だから、ドギーのことを「お人好し」だと言っている。
マーベラスの認識では警察官が犯罪者を命懸けで助けるなどということは有り得ないことなのです。
そんな警察官を見たことはありませんでした。
だから、それをやってのけたドギーは常識外にお人好しの警察官だったのです。
その善意はマーベラスにとっては大きな「借り」でした。
だから、その借りを返したのだとマーベラスは思っています。

しかし、ドギーは少し呆れたように、ふ〜っと溜息をついて、
「警察官の職務を果たしただけだ・・・」と言いました。
こんなことはドギーにとっては善意でも何でもないのです。
刑事の仕事はあくまで容疑者を逮捕することであり、犯人の命を奪うのが仕事ではないのです。
アリエナイザーを現場でデリートしているのは、
現場で宇宙裁判所のジャッジメントを仰いでデリート許可が出た時か、
あるいはあらかじめ宇宙裁判所からデリート許可が出ている場合のみです。
警察官が宇宙裁判所の許可無しに犯人の命を奪うようなことは、あってはいけないことです。

言い換えれば、宇宙裁判所にまだジャッジメントを仰いでいない容疑者は、
まだ有罪か無罪か分からない状態なのであり、
その容疑者を護送中に死なせてしまうようなことは、
警察官にとっては重大な職務違反ということになるのです。
だから、まだジャッジメントも受けていないマーベラスが殺されるのを見過ごしてしまえば、
ドギーは重大な職務違反を犯すことになってしまいます。
それを避けるためにドギーはマーベラスを助けた。
ただそれだけのことでした。

だから、これは善意でも何でもないのです。
警察官として当たり前の行為に過ぎない。
そんなものを善意だと解釈して恩義を感じ、善意で返そうとするなど、
マーベラスこそ呆れたお人好しの海賊だと、ドギーは驚いたのでした。
ドギーの知る宇宙海賊などというものは、善意には悪意で返し、恩を仇で返すような連中のはずでした。
そういう一般的な海賊のイメージに比べ、マーベラスは予想外にお人好しで、
ドギーから見ても、かなり甘ちゃんに見えました。
それでドギーは少し揶揄するように
「それより・・・逃げなかったことを後悔するぞ・・・ザンギャックと宇宙警察と両方に追われて、逃げきれるはずがない・・・」と、
甘ちゃんのマーベラスに半ば冗談っぽく説教するように言います。

しかしマーベラスはドギーの言葉のウソに気付いていました。
確かにドギーがマーベラスを庇ったのは、マーベラスの考えていたような単純な善意ではなく、
警察官の職務であったのかもしれません。
しかし、いくら職務とはいえ、自分の命を危険に晒してまで容疑者の命を救おうとするというのは
並大抵のことではありません。
自分の命を守るために容疑者を見捨てるようなことがあっても、
それはそんなに咎められるようなことではないはずです。
警察官本人が死んでしまっては元も子も無いし、
警察官の命と容疑者の命、どちらが重いかといえば、それはやはり警察官の命の方だからです。

それなのにドギーは自分の命を危険に晒してまでもマーベラスを守ろうとしました。
それは単なる他人から与えられた義務感である「職務」だけでは説明がつかない。
他者から与えられた義務感で自分の命を捨てるのは難しいことだからです。
やはり自分の中から湧き上がる感情があってこそ、自分の命まで賭けることが出来るのです。
かといって単純な善意や好意などではないでしょう。
それは相手次第の感情だからです。
もっと自分自身に対する強い感情が無ければ、自分の命は賭けられません。

それは自分の行動に対する強烈な自負心でしょう。
自分の行動が有意義であるという確信、誇りが有るから、
自分の命を危険に晒してまでも職務を貫くことが出来るのです。
それは単なる警察官の職業意識ではなく、
ドギーが警察官としての自分に誇りを持っているからこそ、そこまで職務を貫けるのです。
誇りが有るからこそ命を賭けられる。誇りのためなら命懸けで戦える。

ドギーがそうであるならば、自分もそれは同様だとマーベラスは思いました。
それは単にドギーに少し揶揄されたので、負けず嫌いの気持ちに火が点いたからでありましたが、
「知ったことか!」とドギーに言い返します。
そして「俺たちは俺たちの誇りを持ってこの宇宙を旅してきたんだ!その誇りを守るためなら徹底的に戦う!・・・たとえ海賊と呼ばれようが・・・たとえ、全宇宙を敵に回そうがな!」と、
ドギーを睨みつけて言い放ちます。

ドギーが警察官の誇りで命を賭けるというのなら、自分達だって海賊の誇りを守るためなら命を賭けて戦える。
いや、海賊の誇りというよりも、自分達は自分達の誇りが有るのです。
その誇りを貫くためなら、海賊という汚名を被せられて、罪状をでっち上げられて、
ザンギャックや宇宙警察に狙われて、全宇宙を敵に回して、命が危険に晒されても、
それでも構わない、上等なのです。
海賊上等、むしろ、その汚名を誇りとして、「海賊」とあえて名乗り、
自分達の誇りを「海賊の誇り」と言い換えても構わないぐらいです。
それぐらい自分達には誇りが有る。
だから逃げなかったことも、ドギーを助けたことも自分は後悔なんかしない。
そのようにマーベラスは強烈な自己主張をしてドギーに言い返したのでした。

ドギーはこのマーベラスの激しい気迫に少し圧されました。
そして、その「誇り」という言葉と「全宇宙を敵に回そうが」という言葉に感じ入りました。
それはドギー自身がマーベラスを助けた理由と共通したものだったからです。

ドギーが命懸けでマーベラスを助けたのは、確かに単純な職務意識によるものではありませんでした。
いや、どんな容疑者であれ、ジャッジメントが確定するまでは推定無罪であり、
決して命を奪われてはいけないという認識はドギーには徹底していますが、
自分の命を危険に晒してまで飛び込んだのは、
特にマーベラス一味に関してはドギーはそのザンギャックの主張する罪状に疑問を持っており、
しっかり調査して白黒をつけなければいけないという信念を持っていたからでした。
だからマーベラスに死なれるわけにはいかなかったのです。

マーベラスに対して好意を抱いていたわけではありません。
マーベラス一味を徹底的に調べて、その罪状の真偽を解き明かすことがドギーの警察官としての信念であり、
誇りだったのです。
それが成し遂げられないまま終わるのが許せなかったので、
マーベラスに死なれては困るというのが、ドギーがマーベラスを助けた理由でした。
マーベラスを助けることが、自分の警察官としての誇りを守ることと同義であったからこそ、
ドギーはそこで躊躇なく命を賭けることが出来たのです。

そして、そのドギーの「警察官の誇り」は、宇宙警察という組織においては非常に孤独なものでした。
宇宙警察本部はザンギャックの意を受けて
マーベラス一味の罪状の真偽にはあえて疑問を差し挟まない方針でしたので、
ドギーが警察官としての常識的な感覚でそれに疑問を抱くこと自体が、
上層部から見れば、青臭い正義感と見なされて、煙たがられていました。
それこそ、ドギーの自身の誇りを賭けた戦いは、宇宙警察という巨大組織を敵に回した孤独な戦いでした。
しかし、誇りを守るためだからこそ、
全宇宙を敵に回しても戦い抜くという信念を抱き続けていられているのでした。

その自分に普段言い聞かせている言葉と同じ言葉をマーベラスの口から聞いて、ドギーは驚きました。
マーベラスもまた誇りを守るために、全宇宙を敵に回して戦っているのだという。
それが本当だとするなら、その誇りがどういう内容のものなのかは不明ながら、
マーベラス一味はお人好しなだけではなく、かなり誇り高い海賊ということになります。
ならば、彼らは信ずるに足る連中なのかもしれないとドギーは思いました。

しかし、マーベラスの言葉が真実であるという証拠が必要でした。
マーベラスが誇りを守るために命懸けで戦ってきたという証拠が必要です。
そのためには、マーベラスが命を賭けて戦った事例を探さねばなりません。
しかし、それは探す手間はほとんどかかりませんでした。
ついさっき、マーベラスは両手が塞がった状態で危険を冒して
ドギーを助けるためにザンギャックの群れの中に飛び込んできたからです。
あれは命懸けの戦いだったはずです。
あれが誇りを守るための行動であったとするならば、
マーベラスの言っていることは本当のことということになります。
そこで、「俺を助けたのは、その誇りのためか・・・?」とドギーは探るようにマーベラスに質問します。

この質問にマーベラスは一瞬、困惑します。
ドギーを助けたことと、自分たちが宝探しの旅をしてきた誇りとは、直接関係は無いからです。
ドギーを助けたのは、単に借りを返したかったからであり、誇りとは関係無いはずです。
しかし、そうなると、さっきマーベラスがドギーの行為に対して抱いていた感想と矛盾してきます。
ドギーがマーベラスを助けるために命を賭けたのは、
単に職務ではなく自身の誇りが関わっていたからであったはずです。
ならば、マーベラスがドギーを助けるために命懸けの行為をした理由も、
単に借りを返すためだけであるはずはなく、そこには「誇りのため」という要素があったはずなのです。
しかし、ドギーを助けた行為と海賊の誇りがあまり繋がらないのでした。

だいたい、よく考えれば、自分がどうしてドギーを助けるために命まで賭けようと思うようになったのか、その経緯が不明でした。
そう考えて、経緯を思い返してみたマーベラスは、あっと思い出しました。
あの時、マーベラスがドギーを助けに行こうと決意したのは、
ドギーが自分を庇って撃たれた瞬間の情景を思い出して、動揺したからでした。
そして、今少し考えてみて、何故、動揺したのか、その理由が分かったのです。
それは、あの爆炎の中でマーベラスを庇ったドギーが傷つく情景が、
マーベラスの心の中で、かつてのアカレッドの最期の姿とオーバーラップしたからでした。
それでマーベラスは動揺し、激しい感情が心の奥底から込み上がってきたのです。
それは、自分を庇って傷ついた者をもう見殺しにはしたくないという想いでした。
あのアカレッドとの別れの時以来、マーベラスはそういう想いをずっと抱いて航海してきているのです。
それで、マーベラスはドギーを助けたいと思ったのでした。

そして、それがどう「海賊の誇り」と繋がるのかというと、
マーベラスの「海賊の誇り」自体が、
命を賭けて自分に託してくれたアカレッドの誇りをその死後に受け継いだものであり、
アカレッドの誇りを継いで、その宝探しの目的も受け継いで航海をしてきた想いそのものが、
マーベラスにとっての「海賊の誇り」なのであり、
そうした誇りを受け継ぐということはマーベラスにとっては、
自分を庇って傷ついたアカレッドに返すことが出来なかった「借り」を返すということに相当するのです。
それがマーベラス流の「借り」の返し方なのでした。
ならば、アカレッド同様、自分を庇って命を賭けてくれたドギーへの「借り」を真に返そうとするのなら、
その誇りを受け継がねばいけません。
そのやろうとしていたことを受け継いでやり遂げることが真の「借り」の返し方です。
そのことに気付いたマーベラスは、今、自分のやるべきことが見えてきました。

ドギーの質問に対する答えとしては、
確かに自分のために命を賭けてくれたドギーを助けることは自分の誇りのためだとは言えますが、
単に命を救っただけでは十分ではないとマーベラスは思っていましたので
「どうだかな・・・」と曖昧な返事をしました。
今はドギーの誇りを受け継いだ行動をしてこそ、
初めてマーベラス自身の誇りのためになったと言えるのであり、
それはまだ成し遂げていない。
それはこれから行動で示すしかないと、マーベラスは心に決めました。

ドギーはマーベラスが曖昧な返事をしたので少し困りましたが、
逆にマーベラスを信じられる相手だと感じました。
ここで「ああ、誇りのためだ」と答えた方が心証が良いのは明白であるにもかかわらず、
あえて曖昧な物言いをするマーベラスが正直な人間であるように思えたのです。
それに、曖昧な返事であるにもかかわらず、マーベラスの表情には全く迷いが無く、
重大な決意を感じたからでした。
むしろ、ドギー自身が確証が無ければ判断が出来ないというのは甘い考え方であり、
ここの局面で、確証が無い状態で決断を迫られているのは自分の方だとドギーは感じました。
ここは、マーベラスを信じるか信じないか、現在の与えられた情報の中でドギーが決断をしなければならない場面です。

「お前こそ大人しくしてろ!」と言って、マーベラスはドギーに背を向けて歩き出します。
このセリフは、さっき駐車場でドギーがマーベラスを置き去りにして
ミサイルを止めに行った時に言ったセリフの反復であり、
同じセリフを立場を入れ替えて言っているということは、
今度はマーベラスがドギーを置いてミサイルを止めに行くつもりだということです。
手錠で両手が繋がれたままの状態で変身も出来ないままでしたが、
今はドギーが誇りをかけてやろうとしていた事を受け継ぐことが自分の借りを返す手段であり、
それがマーベラス自身の誇りともなるのであり、
その誇りのためなら全宇宙を敵に回しても構わないと宣言した以上、
マーベラスはここはどのような状態でも戦いに行く覚悟でした。

マーベラスがミサイルを止めに行こうとしていることはドギーも気付き、
ドギーはますます決断を迫られます。
「待て!」と声をかけて、ドギーは傷の痛みを堪えつつ立ち上がります。
そして、立ち止まって振り向いたマーベラスに近付いて、
カギを使って手錠を外し、一言「頼む・・・!」とだけ言ったのでした。

これは先ほど駐車場でマーベラスが
「手錠を外してモバイレーツ使わせてくれたら手伝ってやる」と言っていたセリフを受けての行動で、
手錠を外したのだからミサイルを止める約束を果たして欲しいという依頼でした。
これは、先だってのマーベラスの口約束をドギーは信じたという形になります。
つまりドギーはマーベラスを信じることを決断したのです。

ドギーがいきなり手錠を外したことにマーベラスは驚き、
「警察のくせに、海賊を信じるのか?」と問います。
それに対してドギーは「海賊を信じるんじゃない・・・お前の誇りを信じるんだ・・・!」と答えつつ、
懐からモバイレーツを取り出して掲げます。
ドギーはマーベラスの誇りが、単なる海賊の自負心というような狭い了見のものではなく、
今はドギーの誇りを受け継いで実行しようとしていることを確信し、
それによって信頼することが出来たのでした。

まぁどちらにしてもマーベラスを信じることには変わりなく、
マーベラスは海賊なのですから、結果的に海賊を信じることになるわけですが、
あくまで海賊を信じるわけではないと言い張るのはドギーの警察官としての意地でした。
その意地っ張りぶりにマーベラスは「フン!」と鼻で笑いつつ、
ドギーの手の中のモバイレーツを掴むと「後悔しても知らねぇぞ!」とニヤリと笑って悪態をつきます。
これは単に先ほどのドギーからの揶揄に対する返礼であり、
本心から悪態を言っているわけではありません。
眼差しは真剣そのものであり、
ドギーの手からモバイレーツを掴み取って決意の表情でドギーに背を向けて駆け出したマーベラスは、
言葉にはしないながらも、しっかりドギーの誇りも一緒に受け継いでいたのです。

その後姿を見送りながら、
ドギーは、こうした、先輩や仲間との間での「誇りの継承や共有」こそが
デカレンジャーの戦う力の源であったことを思い出していました。
そしてマーベラスが海賊でありながら、
関わった相手との間におけるそうした誇りの継承や共有に目覚めたのだということに気付きました。
それはつまり、マーベラスがデカレンジャーの大いなる力を
使いこなせる可能性が生じたことを意味していました。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 11:37 | Comment(0) | 第5話「ジャッジメント・パイレーツ」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第5話「ジャッジメント・パイレーツ」感想その5

しかし、もうミサイル発射まで残された時間はあと僅かでした。
日が沈み夕闇に包まれた倉庫で、コンソールの時限装置の表示は「00:01」となり、
残りが1分となった時点で、ゴーミンの群れを従えてブラムドは勝ち誇ったように
「遂に発射の時が来た!これで全世界の主要都市が消えて無くなる!!」と叫びます。
その時、倉庫の中に「そいつはどうかな!?」というマーベラスの声が響き渡る。
慌てるブラムド達が声の主を探し回ると、倉庫の入り口からマーベラスが入ってきます。
しかもスモークと逆光の中を登場です。絵に描いたようなヒーロー登場の図です。
なんとかギリギリ間に合ったようです。

「もう残りあと1分だ!お前に止められるはずがない!」とブラムドは嘲笑し、
配下のゴーミンを全部マーベラスに差し向けます。
しかしマーベラスは不敵に笑い「フッ・・・余裕だよ!」と言うと、
ゴーカイレッドのレンジャーキーを出して
「豪快チェンジ!!」と掛け声をかけてモバイレーツに差し込み、変身します。
ここでゴーカイジャーのOPテーマがBGMとして流れ、
マーベラスが荒々しく吠えながらゴーミンを斬って、撃って、蹴りまくるという
縦横無尽のスピーディーなアクションが展開されます。

ここのアクションは素晴らしいの一言。燃えまくります。
何としてもミサイルを止めるというドギーの誇りを受け継いだことによって
いつにも増して強いマーベラスはあっという間にゴーミン集団を全滅させてしまいます。
「バカな!?そんな、有り得ん!!」と慌てたブラムドはマーベラスに襲いかかりますが、
「表で待ってろ!!」とマーベラスはゴーカイガンの連射でブラムドを派手に吹っ飛ばし、
倉庫の外に追い出してしまいます。

ここで1分が経過し、コンソールが地底ミサイルの発射準備に入ったことを示すアラームを鳴り響かせます。
そこを振り向きざま、マーベラスは「おりゃああ!!」と叫びつつゴーカイガンを撃ちまくり、
コンソールを跡形も無く破壊します。
それによって地下で発射態勢に入っていたミサイルはコントロールを失い、動きを止めてしまいました。
ミサイル発射はギリギリのタイミングで阻止されたのでした。

ちなみに、この一連のシーンですが、
シーンの冒頭で時限装置の表示が「00:01」に変わった場面から、
1分経過してアラームが鳴り始める場面まで、
実際にリアルタイムでほぼ1分ちょうどでした。
こういうところ、いい加減に作る作品が意外に多いのですが、
ゴーカイジャーはこういうところは結構リアルな感覚で作られています。
いや、あるいはデカレンジャーがそういう点はリアルに作る傾向だったので、
それに倣ったのかもしれません。

作戦を台無しにされてしまったブラムドは「おのれ〜!」と倉庫の外の路上に立ちあがります。
そこにトドメを刺すためにマーベラスが近づいた時、「マーベラス!!」と呼ぶルカの声がします。
マーベラスが振り向くと、ジョー達4人がやってきます。
ようやくモバイレーツの信号を頼りにマーベラスのもとに4人が到着したのです。
「無事だったか」と安堵したように言うジョーに対して、
マーベラスは「ああ、お人好しの宇宙警察に助けられた!」と答えます。
すると、そこに「助けられたのは俺だ!・・・お人好しの宇宙海賊にな!」と言いつつ
ドギーが脇腹を押さえて現れます。
このドギーとマーベラスの言葉の遣り取りは、かなりクールでセンスが高く、都会的でカッコいいです。
こういう点、まさにデカレンジャーという作品の特徴でありました。

いきなり犬顔の警察官が出て来たので事態が呑み込めない4人は驚きますが、
マーベラスも、大人しくしているように言っておいたはずのドギーが
怪我を押してここまでやって来たことに少し驚きました。
が、ブラムドが「許さん!絶対に許さん!!」と激昂しているので、
まずはブラムドを倒すことを優先し「話は後だ!見せてやるよ!!」と戦闘態勢に入ります。

ここで5人の名乗りシーンがあり、
ゴーカイジャーの姿で連携攻撃を繰り出して、ブラムドをひるませたところで、
ここまでずっと流れていたゴーカイジャーOPテーマのBGMが終了します。
そしてマーベラスが「サービスだ!」と言ってバックルから取り出したのは、
やはりここはデカレッドのレンジャーキーです。
デカレンンジャー篇ですから、サービスでも何でも、この展開は必須でしょう。
他の4人もデカレンジャーの各色のレンジャーキーを出し、
「豪快チェンジ!」と叫び、モバイレーツに差し込みます。

すると、第3話のマジレンジャー篇の時と同様、変身バンクがオリジナルに準じたものとなります。
背景がデカスーツの形状記憶合金「デカメタル」のイメージのメタリック粒子風のものになり、
屈んだポーズになった5人のボディに光と共にデカスーツが定着(デカレンジャーの場合こう言う)されます。
そして五分割画面で5人にデカレンジャーのメットが定着され、
オリジナルの場合と同様、メットの側面部のパトランプがサイレン音を響かせて点滅して変身完了となります。

そして、変身完了と同時にデカレンジャーの特徴的なOPテーマのインストがBGMとして流れ始めます。
第3話のマジレンジャー篇の時もオリジナルのOPテーマをBGMで使っていましたが、
あれは音楽担当がマジレンジャーとゴーカイジャーが同じ山下氏だったので可能になったのかとも思っていました。
しかし、デカレンジャーでもオリジナルBGMを使用したということは、
他の戦隊篇の時も同様にするという方針ではないかと、期待してしまいます。
そうした期待感も含めて、このデカレンジャーOPテーマのインストが流れて、ボルテージは上がりまくります。

また、このデカレンジャーOPテーマのイントロが歴代屈指のカッコ良さなのですが、
そこに合わせた映像がまた素晴らしい。
夜の倉庫群を背景に、スモークが漂う中、逆光気味の照明を背負って、
警棒を持った5人のデカレンジャーが並んで静かに怪人に近付いてくるカットは、
なんとも都会的で渋く、まさにデカレンジャーというカットでした。

ここからデカレンジャーOPテーマをBGMにして、
デカレンジャーに豪快チェンジした5人とブラムドの戦いとなりますが、
これはもう一方的に5人がブラムドを叩きのめす展開です。

まずルカの変身したデカイエローとアイムの変身したデカピンクの2人が
素早く跳びはねるコンビ攻撃でブラムドを翻弄して、
細身で長い十手風武器のディースティックの打撃をブラムドに何発も叩き込みます。

続いてジョーの変身したデカブルーと、ハカセの変身したデカグリーンが
警棒型のディーロッドで接近戦を挑み、ブラムドの銃撃をかいくぐって電撃を加え、
更にハカセはディーロッドにディーナックルを合体させてマシンガン型武器のディーブラスターを組み上げて、
宙返りしながら連射してブラムドにビームを何発も命中させます。

ディーロッドはブルー用とグリーン用は仕様が違っており、
グリーン用は短く、それを銃身とするディーブラスターも射程は短く連射機能に優れています。
一方、ブルー用の長いディーロッドを銃身としてディーナックルと組み合わせるディースナイパーは
射程の長い強力な狙撃銃で、
ジョーはこれを組み上げて、ブラムドの射撃をかいくぐって後方へ跳び避けて、
そこから遠距離狙撃でブラムドに数発命中させます。

そして、マーベラスの変身したデカレッドは、
ディーマグナム01とディーマグナム02の二丁拳銃を持ってジュウクンドーという
射撃術と格闘技をミックスした特殊な格闘術の達人であるので、
ブラムドの射撃をかいくぐって、ブラムド目がけて突進していきます。

ここまでくると、どうして今回の怪人のブラムドが二丁拳銃を駆使する銃キャラであったのか、
そしてどうしてバトルが夜の街であるのか、ハッキリ分かります。
いかにもデカレンジャー篇らしい「銃VS銃」の派手な、
直線的なレーザー光線の飛び交うガンアクションを思いっきり描きたかったのでしょう。

突進したマーベラスはブラムドの手前で大きくジャンプして
上方から二丁拳銃を連射しまくって弾幕でブラムドの動きを封じて視界を遮っておいて、
着地してブラムドに身体をくっつけるようにして銃撃を封じ、
ジュウクンドーの打撃技を存分に叩き込み、
「どけ!!」と言って思いっきり回し蹴りでブラムドを地面に転がしてしまいます。

そして最後は5人で並んで、
マーベラスは2丁のディーマグナムを連結させてハイブリッドマグナムとして、「トドメだ!」と言って光弾を発射、
ジョーもディースナイパーで、ハカセもディーブラスターで、ルカとアイムもディーショットで、
それぞれ光弾を発射します。
デカレンジャーの決め技「ストライク・アウト」です。
この五色の5つの光弾がブラムドを貫き、ブラムドは爆発炎上して倒されます。
今回、等身大戦の決め技がデカレンジャーの姿のままで「ストライク・アウト」でしたが、
まぁこれはファイナル・ウェーブをデカレンジャーの姿で放ったようなもののようです。

まさに圧巻のガンアクションでブラムドを倒し、ゴーカイジャーの姿に戻った5人の海賊の姿を眺めながら、
「見事なチームワークだ・・・地球署の奴らに勝るとも劣らない・・・!」とドギーが唸ります。
これは、同じレジェンド戦士の小津魁が第3話の最初にゴーカイジャーのことを
「スーパー戦隊の真の力を使いこなせていない」と指摘したのとは全く違い、
ここではドギーは、デカレンジャーの能力に関しては、現状のゴーカイジャーは
オリジナルと同じ程度に使いこなすことが出来ていると評価しているのです。
やはり、先ほどドギーが感じたように、今のゴーカイジャーならば、
デカレンジャーの大いなる力も引き出すことが出来るとドギーは確信しました。
そのことを確認するためにこそ、ドギーは怪我をおしてここにやって来て、
ゴーカイジャーの戦いぶりを見ていたのです。

一方、宇宙空間のギガントホースでは地底ミサイル作戦が失敗し、
ブラムドまで倒されたことにワルズ・ギルが激昂し、
「おのれおのれおのれ〜!!」と叫んでゴーミンの頭を叩きまくっており、
インサーンに命じて、また巨大化光線を使ってブラムドを巨大化させました。
今回はスゴーミン復活は無く、復活巨大化したのはブラムドだけです。

巨大化したブラムドは地下で停止していたミサイルを、手を突っ込んで取り出し、
自分で何処かに向けて発射しようとします。
「悪あがきしやがって・・・」とマーベラスはゴーカイガレオンを呼び寄せ、ゴーカイオーに合体します。
この時、いつもなら太陽を背にして宇宙から降ってくるゴーカイオーが、
夜のバトルということで満月を背にして降下してくるのが、やたらカッコいいです。

地上に降り立ったゴーカイオーは、夜のネオン煌く街の中でブラムドと戦うことになります。
この夜景バトルがまた、華やかで渋く、ケレン味たっぷりで良い感じです。
まずはブラムドの手に握ったミサイルをゴーカイオーは掴みます。
そしてコクピットでアイムが
「こんな物騒な物は、持ったり、作ったり、持ち込んだりしてはいけません!」と、
非核三原則みたいなことを言って、操舵輪を思いっきり回すと、
ゴーカイオーの手がブラムドの腕を捩じって、ミサイルを奪い取ります。

「返してやるぜぇっ!!」とマーベラスが叫んで5人が一斉に操舵輪を回すと、
ゴーカイオーはミサイルを思いっきり上空に放り投げます。
物凄い勢いで発射されたミサイルは一気に大気圏を突き抜けて宇宙空間のザンギャック艦隊に突っ込み、
ギガントホースの前方に展開するザンギャック艦の多数が命中や誘爆をして吹っ飛び、
ザンギャック艦隊は大損害を蒙ります。
またもや大失態のワルズ・ギルは「お〜のれ〜っ!!」と激怒し、艦橋で大暴れし、
ダマラスに「殿下!お見苦しいですぞ!」と諌められる始末です。

そして、地上ではドギーがゴーカイオーの足元に近付き
「ゴーカイジャー!!今のお前達なら、きっと引き出せる!・・・デカレンジャーの大いなる力を!!」と呼びかけます。
それと同時に、ゴーカイオーのコクピットではデカレンジャーの5つのレンジャーキーが飛び上がり、
サイレン音を発しながら光ります。
「光った!?」と一同は驚く。

まぁ、よく考えたら今回、ゴーカイジャー達はジャスミンやドギーが
デカレンジャーであるということも認識していなかったわけですから、
さっきのデカレンジャーへの豪快チェンジもたまたまのようなもので、
ここでデカレンジャーのレンジャーキーが光るということも全く予想外の展開だったことになります。
ドギーが「デカレンジャーの大いなる力を引き出せる」と言ってくれたので、
これが新たにデカレンジャーの大いなる力が発現しようとしているのだと理解することが出来たような感じです。

どういう経緯なのかはイマイチ理解していないながらも、
マーベラスはデカレッドのレンジャーキーを握りしめて「新しい力か!楽しみだぜ!!」と言うと、
コクピットの鍵穴に差し込んだ。
同時に他の4人もデカレンジャーのレンジャーキーをコクピットに差し込み、回します。
すると、マジレンジャー篇の時と同様、両腕部、両脚部、胸部のハッチが開いて、
両腕部のハッチからは2つずつのタイヤのホイール部、
両脚部のハッチからは1つずつのタイヤのホイール部が飛び出し、
胸部のハッチからはパトカーの胴体部が飛び出してきて、
「完成!!デカゴーカイオー!!」と掛け声と共に
そのパトカー天井部にあるパトランプが明滅してサイレン音がけたたましく鳴り響き、
両腕両脚の6つのホイールが勢いよく回転したのでした。

6つの車輪を持つ巨大なパトカーといえば、
デカレンジャー本編で登場したデカレッドの搭乗マシン「パトストライカー」です。
デカゴーカイオーというのは、ゴーカイオーのハッチの中にパトストライカーが合体した形態だといえます。
そして、マジゴーカイオーにおけるマジドラゴン同様、
このパトストライカーはゴーカイオーと分離可能でした。

マーベラスが「行けぇっ!!」と操舵輪を思いっきり回すと、
パトストライカーはゴーカイオーから飛び出してランプを明滅させてサイレンを鳴り響かせながら
単独でブラムドの足元に突っ込み、慌てて撃ってくるブラムドの銃弾を縦横無尽に走り回ってかわし、
ビルを垂直に駆け上り、その勢いで満月の夜空に舞い、
空中で向きを変えて先端の前輪部にある2丁の砲門からビームを発射してブラムドを撃ちまくります。
そうしてひと暴れした後、再びパトストライカーはゴーカイオーと合体し、デカゴーカイオーとなり、
その際、パトストライカーの2つの砲門部のついた前輪部は巨大な二丁拳銃となって
デカゴーカイオーの両手に握られます。

「撃ちまくるぜぇっ!!」とマーベラスが叫び、
ここから夜のネオン輝くビル街でサーチライトに照らされながら、
デカゴーカイオーの二丁拳銃と、ブラムドの二丁拳銃の、硝煙と火花の激しく飛び交う、
駆け回り、跳び回りながらのド派手な銃撃戦が展開されます。
この等身大と変わらないようなスピーディーでアクロバチックなガンアクションを
巨大ロボで描写するというのが「デカレンジャー」という作品の真骨頂であったのですが、
このシーンは、夜の街をずっと鳴り響くサイレン音や明滅するパトランプなども含めて、
見事にその世界観を再現しています。

この二丁拳銃対決の最後は
大きくジャンプしたデカゴーカイオーに対して、
ブラムドがキックで真っ二つにしたビルを蹴り上げてぶつけようとするという驚きの展開となり、
そのビルを二丁拳銃の連射でぶち破ってデカゴーカイオーが突っ込み、
そのままブラムドを弾幕で沈黙させるという、
もうなんか無茶苦茶なことになります。
ビルに人がいたら・・・なんて、もうこの際考えるだけ野暮なので、もうどうでもいいです。面白ければいいです。

そして、二丁拳銃となっている前輪部を腕部のハッチに収納して
「トドメだ!」と言ってマーベラスがレンジャーキーを回すと、
再び両腕両脚と胸部のハッチが開き、
両腕の4つと両脚の2つの合わせて6つのホイール部が回転して、
それが6つのガトリング砲のように銃弾を連射して、ブラムドを蜂の巣にするという
「ゴーカイフルブラスト」という決め技が発動します。
これによってブラムドは爆発炎上し、戦いは決着がついたのでした。

エピローグは翌朝。
戦いが終わり、朝になり、倉庫のあった敷地からマーベラス達は出てきました。
マーベラス一味の5人に加えて、
怪我を負ったドギーもマーベラスが肩を貸して支えて、一緒に歩いています。
ところが、そこに警官隊が待ち構えていました。しかも皆、銃を抜いて構えています。

まぁこれは仕方ないといえば仕方ないです。
あれだけマーベラスが警察署で大暴れしてしまったわけですし、
指名手配してしまっているわけですから、
警察がマーベラス一味を逮捕しようとするのは仕方ないことです。
ドギーはもうマーベラスに手錠をかけるつもりもなく、
マーベラス達もドギーから逃げるつもりもありませんでした。
ちゃんと自分達は無実だということは説明し、ドギーも納得はしているのですが、
それは所詮はマーベラス達の口頭の弁解でしかありません。
無実だという証拠があるわけでない以上、容疑者であるという現状は変わっていません。
警官隊に囲まれてマーベラス達には緊張が走りますが、
この指名手配を一般警察に依頼したのはドギー本人である以上、
立場上、ドギーとしても、このままでは一応はマーベラス達に署に同行を願うしかないかと、
観念するしかありませんでした。

ところが、そこに「待て!」という声が警官隊の後ろから聞こえました。
その声に警官隊は振り向き、銃を降ろすと道を開けます。
そこに現れたのは宇宙警察地球署の制服を着た男でした。
長身で長髪、黒を基調として赤い星をあしらったデザインの制服のその男は、
地球署の刑事、デカレッドの赤座伴番、通称バンでした。
演じているのは、もちろんオリジナルと同じく、載寧龍二です。
2004年当時よりも、トレードマークだったツンツンの短髪からかなり髪の毛は伸びていますが、
表情はかなり精悍で、渋く男らしくなっています。

確か「デカレンジャー」の最終回では
バンは地球署を離れてファイヤースクワッドに栄転したはずでしたが、
今こうして地球署の制服を着ているということは、また地球署に配属されているという設定のようです。
もちろん数年前とされる第1話冒頭のレジェンド大戦のシーンでもデカレッドの姿は確認出来ますから、
その時点ではバンは地球署に戻っていたという設定なのでしょう。
そして、そのレジェンド大戦で変身する能力を失ったという事情も、
ジャスミン達と同様だということになります。

そのバンが警官隊の開けた道を厳しい表情で歩いて近づいてきます。
「バン・・・!」とドギーが少し驚きます。
このタイミングでバンが来るとは予想していなかったようです。
そのドギーから少し離れた場所でバンは立ち止ると、
右手下腕部を地面と水平に胸の前に出すデカレンジャー独特の敬礼のポーズをビシッととり、
「特命調査の報告に来ました!・・・ゴーカイジャーが行ったとされる海賊行為は全て、
ザンギャック帝国が捏造したものでした!」と報告したのです。

それを聞き、ドギーは安堵したように、何度も深く頷く。
実はドギーは、宇宙警察本部からマーベラス一味の逮捕を命じられて以降、
職務として逮捕に向けての準備を進めつつ、
それと並行して秘かに部下のバンに特命を下し、
本部から送られてきたマーベラス一味の罪状の真偽を調べさせていたのです。
それは地球署署長のドギーの独断による調査であり、
本部の方針に逆らうものであったため、
その特命調査の存在自体、限られた人間以外には知られてはならない極秘任務でした。
だからドギーはその特命調査を最も信頼の出来る優秀な部下であるバンにやらせていたのでした。

ただ、結果が出るのはもう少し先だろうとドギーは思っていたようですが、
さすがにバンは変身能力は無くしても優秀な捜査官としての能力は健在なようで、
予想以上に早く調査結果をまとめたようです。
これでマーベラス一味の宇宙警察や地球における冤罪は晴れたのです。
ジョー、ルカ、ハカセ、アイムは安堵した表情を浮かべます。
しかしマーベラスは厳しい表情のままです。
冤罪が晴れてのは嬉しかったが、
いきなり現れたこの若い刑事がただならぬ雰囲気を放っていたので、身構えていたのです。

バンはつかつかとマーベラスの前に近付くと立ち止り、
マーベラスを睨みつけて「あとは俺がやる」と言って、ドギーの横に立ちます。
ドギーの肩を支えるのは部下の自分の仕事だというわけです。
マーベラスは無言で、無愛想にバンと交代し、ドギーから身を離し、
そのまま挨拶もせず、立ち去ろうとします。ジョーたち4人もそれに続きます。

ところがドギーに肩を貸してその身体を支えたバンは、
立ち去ろうとするマーベラスたちの後姿に向かって「待て!」と声をかけます。
不思議そうに立ち止まって振り向いたマーベラスたちに向かい、バンはニヤリと笑うと
「俺たちの力を下手に使ったら許さねぇぞ!・・・俺はボスほど甘くねぇからな!」と言います。

バンはマーベラス達と直接接していないので、
マーベラス達がデカレンジャーの力を預けるに足る連中なのかどうか分かりません。
だから、最初は態度が硬かったのですが、
しかしバンはドギーを絶対的に信頼していますから、
ドギーが肩を貸すほど信頼している相手ならば、自分も信頼することにしようと思ったのです。
それで、最後はいつものバンの少しガラが悪くて人懐っこい、体育会系の人情味溢れる熱血キャラが出て、
「力は預けるけど、上手に使えよ!」という先輩らしいエールを送ったのでした。

その気持ちの熱さはマーベラスにも通じて、
マーベラスも笑顔になりつつ、「フン!文句が有るなら、いつでも来ていいぜ!」と悪態をついて、
ちょいっと敬礼をして、去っていったのでした。
バンもドギーの顔を見て、悪戯っ子のように笑います。
こうしてデカレンジャーからゴーカイジャーへ誇りの継承は行われたのでした。

なお、今回の話は、別にマーベラスと絡むのがバンであったとしても成立したとは思うのですが、
まぁおそらく載寧氏のスケジュールの関係でそれは無理なので、
着ぐるみで対応出来るドギーをメインにして、
あとはジャスミン役の木下氏とバン役の載寧氏のスケジュールを上手くやりくりして、
こういう形になったのでしょう。
結果的には、ドギーとマーベラスの組み合わせならではの渋い展開となり、
またジャスミンにしてもバンにしても、短い出番ながら、かなり美味しい扱いであったといえます。

さて、今回はデカレンジャー篇ということで、
ゴーカイジャーがデカレンジャーの大いなる力を引き出すために、
デカレンジャーの力の源となる何らかのスピリッツを見出す必要があったわけです。
そのスピリッツは、マジレンジャーにおいては「勇気」でした。
そして今回、デカレンジャーにおいては、その力の源になるスピリッツは
「誇り」あるいは「誇りの継承」であったようです。
これは確かに納得です。
単純に「正義」などでは、他の戦隊でも当てはまりますから、
デカレンジャー独特のスピリッツにはなりません。

考えてみれば、「誇り」ほどデカレンジャーに必須のスピリッツは無いでしょう。
他の戦隊の場合は「誇り」など無くても戦うことは出来ます。
自分達が戦わなければ地球が滅びてしまうわけですから、
「誇り」など有ろうが無かろうが戦うことになるのです。
しかしデカレンジャーの場合、あくまで日常業務として犯罪者を逮捕している戦隊なのです。
その日常は、常に純粋な正義感を持ち続けてばかりもいられない日常です。
また、下される指令には、今回の件のように、正義といえるのかどうか曖昧な業務を多いことでしょう。
そうした日常業務の中で正義感を維持し続けるためには、
法の番人としての高いプロ意識、「誇り」が必要なのです。

デカレンジャーの物語というのは、そうしたプロ意識や誇りの在り方、
そして、それをチームでいかに共有し引き継いでいくのかについて、
1年間かけて描いたような物語だったのです。
だから、デカレンジャーの力の源となるスピリッツは「誇りの継承」であり、
それに目覚めたマーベラスを触媒として、
ゴーカイジャーがデカレンジャーの大いなる力を引き出すことに成功したというのが、
このデカレンジャー篇のテーマということになったのでした。 にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
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posted by 通りすがりのシンケンブラウン at 21:36 | Comment(0) | 第5話「ジャッジメント・パイレーツ」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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